公営企業委員会速記録第六号

令和六年三月二十一日(木曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十二名
委員長あぜ上三和子君
副委員長伊藤しょうこう君
副委員長保坂まさひろ君
理事福手ゆう子君
理事伊藤こういち君
理事村松 一希君
岩永やす代君
玉川ひでとし君
本橋たくみ君
柴崎 幹男君
本橋ひろたか君
中村ひろし君

欠席委員 なし

出席説明員
交通局局長久我 英男君
次長梅村 拓洋君
総務部長豊田 義博君
水道局局長西山 智之君
技監松田 信夫君
総務部長長嶺 浩子君
下水道局局長佐々木 健君
次長相田 佳子君
総務部長後藤 徹也君

本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第十九号議案 令和六年度東京都工業用水道事業清算会計予算
・第二十四号議案 令和六年度東京都交通事業会計予算
・第二十五号議案 令和六年度東京都高速電車事業会計予算
・第二十六号議案 令和六年度東京都電気事業会計予算
・第二十七号議案 令和六年度東京都水道事業会計予算
・第二十八号議案 令和六年度東京都下水道事業会計予算
付託議案の審査(決定)
・第百十二号議案 東京都給水条例の一部を改正する条例
特定事件の継続調査について

○あぜ上委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査及び特定事件の閉会中の継続調査の申出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第十九号議案及び第二十四号議案から第二十八号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○本橋(た)委員 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 令和六年度予算は、都税収入の伸びを背景に総額八兆円を超え、東京都は、防災対策、少子高齢化対策、環境対策、DX推進、そして、新たな感染症対策など、様々な施策を展開しています。
 そして、少子高齢化対策において、所得制限の撤廃や新たな都独自の支援策など、我が会派の要請も踏まえ、矢継ぎ早に展開しています。こうした積極的な取組は重要ですが、明確な目標や事業の終期を示すなど責任ある計画をつくり、事業の全体像、将来計画を都民に明らかにした上で取り組んでいくことも必要です。
 東京の経済は予断を許さない状況にあり、さきの予算特別委員会でも指摘しましたが、都の税収が今後も右肩上がりで推移していくとは限りません。かつて都の財政が困難な状況に陥ったことを忘れず、負の側面を常に想定した財政運営が必要です。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、このことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 最初に、交通局について申し上げます。
 一、交通局経営計画二〇二二に掲げた施策を着実に実施し、安全・安心の確保を最優先に、質の高いサービスの提供、東京の発展への貢献、持続可能な経営基盤の確立を進められたい。
 一、近年、激甚化、頻発化する豪雨災害に備え、浸水対策の強化を図るとともに、円滑な復旧に資するよう、要員や資機材の調達など、他の鉄道事業者との相互協力体制を構築されたい。
 一、地下鉄の安全確保に向け、駅におけるホームと車両の段差、隙間の縮小に取り組むほか、車内防犯カメラの設置を進めるなど、テロ、防犯対策を強化されたい。
 一、誰もが利用しやすい地下鉄とするため、バリアフリールートの複数化やユニバーサルデザインの考え方を取り入れた車両の導入、支援を必要とする人の社会参加を後押しする取組など、一層のバリアフリー化に取り組まれたい。
 一、泉岳寺駅の大規模改良に当たっては、品川駅周辺地域のまちづくりと整合を図りながら、隣接市街地と一体的に整備を進められたい。
 一、コロナの影響を受け厳しい経営状況にある中、経営資源を有効に活用し、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるよう、引き続き、乗客潮流の変化に合わせた路線、ダイヤ見直しに取り組まれたい。
 一、ソナーセンサーの導入拡大など車両装備の改善や、外部の専門機関による研修の実施など、都営バスの安全対策を着実に推進されたい。
 一、ゼロエミッション東京の実現に向けて、燃料電池バスの導入を拡大するほか、バス営業所への水素ステーション整備を進められたい。また、地下鉄駅にLED照明を整備するなど、環境に配慮した取組を推進されたい。
 一、都電荒川線は、経営基盤の安定化を図りつつ、施設や設備の適切な維持更新を進めるとともに、沿線地域の活性化に寄与されたい。
 一、日暮里・舎人ライナーは、朝ラッシュ時の混雑対策を推進するとともに、地震発生時の被害軽減策を適切に講じられたい。また、地域との連携を強化しながら、平日昼間の時間帯や休日の乗客誘致などに努め、早期の経営安定化を図られたい。
 一、電気事業は、発電所の大規模更新を見据え、引き続き効率的な事業運営を確保されたい。
 一、公営企業として、経済性と公共性に配慮しつつ、資産の有効活用など、関連事業を推進されたい。
 次に、水道局について申し上げます。
 一、物価上昇や労務単価上昇など、水道事業を取り巻く状況が厳しさを増す中、東京水道経営プラン二〇二一に基づき、引き続き強固な経営基盤を確立し、都民サービスの一層の向上と経営の効率化を図られたい。
 一、利根川、荒川水系における利水、治水対策の推進を国に要望するとともに、荒廃した民有林の対策や多様な主体と連携した森づくりなどを含め、水道水源林の適正管理に努められたい。
 一、浄水場の更新、導水施設の二重化、更新、送水管のネットワーク化、更新及び給水所施設の新設、拡充、更新など、水道基幹施設の再構築を計画的に進め、将来にわたる安定給水の確保に努められたい。
 一、多摩地区水道が強靱で信頼される広域水道へとさらなる進化を遂げられるよう、市町域を越えた施設整備など、本格的な再構築を計画的に推進されたい。
 一、安全でおいしい高品質な水を供給するため、水源から蛇口までの総合的な水質管理を徹底するとともに、水質に関する情報を都民に分かりやすく発信されたい。
 一、災害時等において断水被害を効果的に軽減させるよう、都の被害想定で地震発生時の断水率が高い地域の耐震継ぎ手化を優先的に推進するとともに、長期不使用給水管への対応や浄水場の覆蓋化など、施設整備を推進されたい。
 一、災害発生時の水道の早期復旧に向けて、受援体制の充実強化や水道工事関連団体との連携強化を図られたい。さらに、浄水場などの重要な施設におけるテロ、サイバーセキュリティ対策に万全を期して取り組まれたい。
 一、東京水道の持つ技術力、ノウハウなどの強みを生かした国際展開を維持されたい。また、国内の他の水道事業体における人材育成や事業運営に協力するとともに、大規模災害発生時における被災事業体への支援体制を強化されたい。
 一、多摩地区の貴重な水源である井戸水は、地盤沈下や水質悪化、施設の老朽化などにより、揚水量の低下が進行し、稼働しているのは二割に満たない現状を踏まえ、再開や更新など今後の取組を早急に検討されたい。
 一、東京水道グループ全体のガバナンスとコンプライアンスを強化するとともに、政策連携団体と一体となって、現場の経験に裏づけされた専門知識や柔軟な発想を持った人材を確保、育成されたい。
 一、一層の経営努力に努めるとともに、政策連携団体とのグループ経営の強化や中長期的な視点に立った財政運営を推進することで、公共性の確保と効率性の発揮を両立させ、持続可能な経営を実現されたい。
 一、工業用水道事業は廃止されたが、利用者の経営などへの影響を最小限にとどめられるよう、引き続き最適な支援を実施すること。また、工業用水道管の撤去等の工事は、安全対策の観点から、迅速に実施すること。
 一、災害ともいえる夏の酷暑での作業に関して、水道事業を支える工事事業者の熱中症の予防や対策の徹底に努められたい。
 次に、下水道局関係について申し上げます。
 一、東京都下水道事業経営計画二〇二一に掲げた目標の達成に全力で取り組み、都民サービスの一層の向上と経営の効率化を図られたい。
 一、老朽化した下水道施設の更新に合わせて、雨水排除能力の増強や耐震性の強化など、機能の向上を図る再構築について、計画的、効率的に推進されたい。
 一、近年の激甚化、頻発化する豪雨状況や気候変動の影響などを踏まえ、浸水リスクの高い地区を重点化して施設整備に取り組むなど、浸水対策を着実に推進されたい。また、複合災害等により水害が発生した場合においても揚水機能等の下水道機能を確保するため、施設の耐水化の強化に取り組むなど、強靱化を推進されたい。
 一、首都直下地震などに対し、下水道機能を確保するため、下水道管の耐震化や震災時における必要な電力の確保など、震災対策をより一層推進されたい。
 一、東京湾など公共用水域の水質をより一層改善し、豊かな水辺環境の創造に資するため、合流式下水道の改善や高度処理施設等の整備を推進されたい。
 一、アースプラン二〇二三に基づき、二〇五〇年温室効果ガスの排出をゼロにする脱炭素社会の実現に向け、エネルギー使用量と温室効果ガス排出量をより一層削減されたい。
 一、道路陥没などを未然に防ぎ、下水道機能を安定的に確保するため、維持管理の充実に努められたい。
 一、能登半島地震では、大規模な液状化が発生し、下水道の復旧には長期間を要するといわれている。都においては、下水道管とマンホールの接続部の耐震化、マンホール浮上抑制、目地ずれによる下水道への土砂流入防止など、対策の一層の強化に努めるとともに、開発した技術を全国自治体にも幅広く展開されたい。
 一、富士山噴火の際には、降灰による下水道の流下阻害対策の強化を図られたい。
 一、下水汚泥に含まれるリンの資源化や施設の上部利用等、下水道が持つ資源、空間等の有効利用を図られたい。
 一、多摩地域の公共下水道事業を実施する市町村への技術支援の充実と財政支援により、地域全体の下水道事業の強化及び持続可能な運営に努められたい。
 一、多摩地域の多くは分流式下水道であり、雨水が汚水管に流れ込む雨天時浸入水の防止に向けて、発生源の調査を含め、豪雨対策を強化されたい。
 一、水再生センターの運転管理への包括委託の実施に当たっては、災害時の対応を含め、都が有する技術力の継承を図りつつ、都民生活を支える下水道サービスのさらなる向上に努められたい。あわせて、センター間の連絡管の整備によるバックアップ体制の構築、維持管理を進められたい。
 一、都民一人一人が下水道事業の役割を実感し、関心を持てるよう、積極的な広報活動を図られたい。
 一、デジタルトランスフォーメーションの取組を推進するなど、将来的な課題を見据えた技術開発に積極的に取り組むとともに、下水道局が保有する現場の技術力の確保、継承に努められたい。
 一、下水道ニーズの高い国や地域の課題解決に寄与するとともに、日本の産業力強化に貢献するため、下水道事業における国際展開を着実に推進されたい。
 一、国と東京都の実務者協議の場などを活用し、国に対する財政措置等の要望活動を強化するとともに、コスト縮減や資産の有効活用など企業努力を行い、健全な財政運営に努められたい。
 以上で都議会自民党の意見開陳を終わります。

○本橋(ひ)委員 都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託されました令和六年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 令和六年度予算は、ポストコロナ時代において、東京、日本の抱える構造的な課題の解決に取り組みながら、新時代を切り開く一人一人の人の挑戦を後押ししていく予算となっております。政策評価、事業評価を緻密に実施することによる財源の確保額が過去最大となっており、財政面での絶え間ない改革の成果が表れていると考えます。
 また、子育て、教育支援、女性活躍支援、高齢者施策、障害者施策、多摩をはじめとする地域振興、防災、防犯施策など、各分野において、私たちが議会で提案し、重点項目として要望してきた施策が盛り込まれています。
 具体的には、私立中学校授業料支援、私立、都立高校及び都立大学授業料無償化の各施策における所得制限撤廃、認証学童保育制度の創設、フリースクールなどへの支援、女性活躍施策、介護従事者、ケアマネジャー等への賃上げ支援、多摩地域の公立小中給食費無償化支援や交通網の整備施策、デジタル地域通貨プラットフォームの構築、町会、自治会やマンションの防災力強化支援など、私たちの要望に対し、幅広い分野にわたり予算が計上されたことを高く評価いたします。
 東京、日本のあるべき姿について高い理想を掲げながらも、現実を直視し、これまでの東京大改革のレガシーでもある未来への投資をたゆみなく進めること、そして、都民にとっての課題の一つ一つを解決する政策を着実に実行していくことを要望いたします。
 それでは、各局事業について、まず、交通局関係について申し上げます。
 一、タブレット端末を活用したトンネルの点検作業の効率化など、デジタル技術を活用して、より効果的、効率的な維持管理をするよう、積極的に導入を検討すること。
 一、中長期的に安定した事業運営を行っていくための経営基盤を確立すべく、有識者会議で得た意見を踏まえ、経営計画二〇二二で記載されている事業以上の取組に速やかに着手すること。
 一、厳しい経営状況のときこそ、交通局の事業を広く発信し、魅力を感じていただくことで乗客を呼び込み、さらには、地元と連携しながら沿線地域を盛り上げていくなど、積極的に取り組むこと。
 一、交通局浸水対策施設整備計画に基づいて着実に対策を推進すること。
 一、多言語対応コミュニケーション透明ディスプレーの検証を進め、二〇二五年デフリンピック東京開催も考慮し、他駅へ設置拡大を図ること。
 一、都庁前駅に設置されたオープンローミング対応無料Wi-Fiとインドアライブビュー等のサービス拡大を図ること。
 一、都営交通初となる沿線セレクトショップとえいろを積極的に周知し、多くの方を店舗に呼び込み、旅客需要の創出や沿線地域の活性化につなげること。
 一、都営浅草線浅草駅の出入口の更新に向けた代替出入口の整備を着実に進めること。
 一、都営大江戸線の大泉学園町への延伸について、庁内検討組織における議論を進めるとともに、練馬区とも十分連携し、早期に事業化すること。
 一、日暮里・舎人ライナーの安定輸送に向けて、同じ新交通システムの「ゆりかもめ」と連携するなど、一層の安全運行を確保すること。
 一、都電荒川線の老朽化した四停留場の上屋更新を計画どおり進め、旅客サービス向上に努めること。
 一、都バス百周年を契機として、都バスの魅力を積極的に発信し、さらなる利用増加へつなげること。
 次に、水道局関係について申し上げます。
 一、給水拠点の情報集約と給水メーター取替え業務などのDXとともに、最新のデジタル技術を活用し、業務の効率化を進めること。
 一、環境性能の高い設備の導入、再生可能エネルギーの普及促進を図り、CO2排出量を削減し、脱炭素社会の実現を加速すること。
 一、先行実装プロジェクトが進むスマートメーターから得られるデータを、災害や事故発生時の危機管理能力の向上や水道設備の最適化など、各種事業に活用すること。
 一、小河内ダムの水と緑のふれあい館展示更新は、水源林やダムの役割についてデジタルを活用し、より魅力的なものにするとともに、子供目線に立って進めること。
 一、有機フッ素化合物について、水道水の安全性を引き続き確保するとともに、都民の不安を解消するため、分かりやすく情報提供すること。
 一、東京水道の技術力や豊かな経験を生かすため、国内ほかの水道事業体に対する貢献をさらに推進し、地方との共存共栄につなげること。
 一、都民と水道局の双方向コミュニケーションを強めるだけでなく、各自治体とも連携して、水道サポーター制度を一層充実させ、水道サービスのたゆまぬ向上を図ること。
 一、迫りくる大地震に備えるべく、浄水場の自家用発電設備、施設の整備計画を着実に進めること。
 一、水源林ツアーについて、より多くの都民に参加いただけるよう工夫を図り、水道水源林の理解促進に努めること。
 一、水道局アプリの登録者数二百万人以上を達成するため、キャッシュレス決済拡大、分かりやすい情報発信、相互コミュニケーションなど、利用者目線に立った利便性向上にたゆまぬ努力を続けること。
 最後に、下水道局関係について申し上げます。
 一、能登半島地震での被災地支援のために派遣された都職員の経験を今後の都の施策展開や来年度予算執行に確実に生かしていくこと。
 一、自然災害対策として、下水処理機能や雨天時のポンプ排水機能を維持するために、必要な電力を確保する取組を進めること。
 一、近年の激甚化、頻発化する風水害や気候変動の影響などを踏まえ、浸水リスクが高い地区を重点化して施設整備に取り組むなど、浸水対策を着実に推進すること。
 一、老朽化した下水道施設の更新に合わせて、雨水排除能力の増強や耐震性の強化など機能の向上を図る再構築について、計画的に、効率的に推進すること。
 一、TOKYO強靱化プロジェクトに基づく市町村への補助制度や技術支援により、多摩の市町村の公共下水道の災害対応力強化を着実に進めること。
 一、アースプラン二〇二三に基づき、二〇三〇年カーボンハーフ実現のため、都庁内最大の温室効果ガス排出者として、温室効果ガスの削減に向けて取組を強化すること。
 一、東京湾など公共用水域の水質をより一層改善し、良好な水環境を創出するために、貯留施設の整備を推進し、合流式下水道の改善を図ること。
 一、下水汚泥に含まれるリンの広域利用に向けて、JA全農と連携し、肥料製品を開発し、試験栽培やイベントでの肥料配布などを進めること。
 一、事業の効率化や都民サービスの向上を図るため、下水道事業のあらゆる分野でデジタルトランスフォーメーションを推進すること。
 以上で都民ファーストの会東京都議団としての意見開陳を終わります。

○玉川委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託されました令和六年度予算関連議案について意見開陳をいたします。
 令和六年度一般会計予算案では、人への投資や国際競争力の強化、安全・安心の確保など、具体的には、高校授業料実質無償化の所得制限撤廃や公立小中学校、都立学校における給食費の負担軽減、介護職員の処遇改善に向けた支援、さらには、激甚化する豪雨に対応可能な調節池の整備やマンション防災の取組の強化など、都議会公明党が強く求めてきた施策が随所に盛り込まれており、高く評価します。
 都市の強靱化や福祉先進都市の実現に向けた施策の財源として基金を積極的に活用する一方、事業評価による見直しの撤廃により、過去最高となる千二百六十六億円の財源を確保しています。また、都債についても、その残高を着実に減少させており、持続可能な財政運営にも配慮した予算案となっています。
 引き続き、急激な景気変動にも耐えられるよう、財政調整基金への積み増しを行うなど、財政基盤の一層の強化を求めるものです。
 あわせて、予算の執行段階においても、さらなる創意工夫を行い、無駄の排除の徹底や迅速かつ的確な事業実施を行うとともに、評価制度をさらに充実させ、施策の新陳代謝の一層の促進に努めることを強く望むものであります。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、交通局関係について申し上げます。
 一、交通局経営計画二〇二二に基づき、収入、支出の両面から、持続可能な経営基盤の確立に取り組むとともに、都民が安心して都営交通を利用できるよう、事故防止の取組を徹底すること。
 一、地下鉄については、防災対策の充実に向け、ハード面はもとより、SNSを活用した運行情報の発信など、ソフト面の安全対策も講じること。
 一、地下鉄の安全対策を強化するため、車両への防犯カメラの導入を進めるなど、テロや事件の未然防止に向けた取組を速やかに講じること。
 一、地下鉄駅において、エレベーターなど、高齢者、障害者、子育て世帯などに優しい設備の整備を進めるとともに、サービス介助士の充実など、ソフト面のバリアフリー化にも積極的に取り組むこと。
 一、地下鉄駅のトイレへの温水洗浄便座の設置など、さらなる快適性の向上に取り組むこと。加えて、ユニバーサルベッドやオストメイト用の設備の整備を推進すること。
 一、地下鉄やバスの施設や車内における多言語対応など案内表示の充実を進めるなど、国内外からの観光客を迎えるために必要な施策を推進すること。
 一、大規模水害の浸水被害の拡大を抑えていくため、東京メトロとの連携を図ること。
 一、駅出入口、通風口などの地上部での対策を検討、実施、防水ゲートなどトンネルを経由した地下部の浸水拡大防止策、また、他社施設等との地下鉄ネットワーク全体での減災も早期に図ること。
 一、大規模水害発生の可能性が高まった場合の地下鉄利用者の安全確保や、早期運行再開に向けた取組を着実に図ること。
 一、バスの安全対策として、ドライブレコーダーや運転訓練車を有効に活用するなど、乗務員教育を充実すること。
 一、バス停留所に上屋、ベンチを整備するなど、サービスの向上を図るとともに、二人乗りベビーカーの乗車について、利用方法などを分かりやすく周知し、乗客の理解促進を図るとともに、乗務員の研修の強化に取り組むこと。
 一、次の停留所を案内する装置を、バス車内の中央の天井に設置すること。
 一、都電荒川線について、輸送の安全性、安定性の向上を図ること。また、地元との連携を図り、沿線地域の活性化に取り組むこと。
 一、日暮里・舎人ライナーについて、降雪や地震などによる輸送障害が起きないよう、最新技術を活用した点検など対策を講じること。
 一、訪日外国人をはじめとした利用者の利便性の向上を図るため、5GやWi-Fiなど通信環境の整備を推進すること。
 一、大江戸線延伸に係る庁内検討プロジェクトチームにおいて、関係局と地元区との連携を図りながら、大江戸線延伸に向け、検討を加速すること。
 次に、水道局関係について申し上げます。
 一、東京水道経営プラン二〇二一に掲げた施策を着実に推進し、都民サービスの一層の向上と経営の効率化に努めること。
 一、水源の確保については、利根川水系及び荒川水系における利水、治水対策の推進を国に要望すること。また、原水の水質保全対策を積極的に推進すること。あわせて、水道水源林の適正管理や、その保全の重要性の理解促進に取り組み、水源地保全に努めること。
 一、安全でおいしい高品質な水を供給するため、水質検査及び浄水過程における水質管理を徹底すること。また、都民の水質に対する満足度向上のため、水道水の水質や安全性などの情報を分かりやすく発信すること。
 一、災害時などにおいて断水被害を効果的に軽減させるため、都の被害想定で地震発生時の断水率が高い地域の耐震継ぎ手化を優先的に推進するとともに、私道内給水管整備や長期不使用給水管への対応、水道施設の耐震化を着実に実施すること。また、断水の範囲や復旧状況を地図情報で提供するなど、発災時の水の確保について、都民に分かりやすく伝わるよう取り組むこと。さらに、平常時から、給水拠点の役割や場所について、都民に広く認知されるよう発信すること。
 一、政策連携団体を含む効率的な運営体制を構築するとともに、東京水道グループ全体のガバナンスとコンプライアンスを一層徹底されたい。
 一、工業用水道事業は廃止されたが、利用者の経営などへの影響を最小限にとどめられるよう、引き続き適切な支援を実施すること。また、工業用水道管の撤去などの工事は、安全対策の観点から、迅速に実施すること。
 続いて、下水道局関係について申し上げます。
 一、東京都下水道事業経営計画二〇二一に掲げた目標の達成に向けた取組を通じ、一層の都民サービスの向上と経営の効率化に努めること。
 一、施設の老朽化に対応しつつ、機能の高度化を効率的に図る再構築事業を計画的に推進すること。
 一、近年の豪雨被害や気候変動の影響等を踏まえ、浸水リスクが高い地区を重点化して施設整備に取り組むなど、浸水対策を着実に推進すること。また、複合災害等により水害が発生した場合においても揚水機能等の下水道機能を確保するため、施設の耐水化の強化に取り組むなど、強靱化を推進すること。
 一、多摩川下流に設置している下水道の樋門をより安全に操作するための措置を講じること。
 一、震災時においても必ず確保すべき下水道の機能を確保するため、下水道施設の耐震対策を推進するなど、震災対策のさらなる強化に取り組むこと。
 一、東京湾など公共用水域の水質をより一層改善するため、合流式下水道の改善や高度処理施設等の整備を推進すること。とりわけ、外堀の水質改善に貢献する取組を推進すること。
 一、アースプラン二〇二三に基づき、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする脱炭素社会の実現を目指し、再生可能エネルギーの活用拡大や省エネルギーをより一層推進すること。
 一、多摩地域の公共下水道事業を実施する市町村への技術支援と財政支援により、地域全体の下水道事業を強化するとともに、効率的、効果的に推進すること。
 一、立川市、東大和市、武蔵村山市の三市にまたがる浸水被害を軽減するために、関係市と連携して、空堀川上流域における流域下水道雨水幹線の整備を着実に推進し、事業効果の早期発現に努めること。
 一、下水汚泥に含まれるリンの資源化など、資源の有効利用を進めるとともに、再生可能エネルギーの活用拡大等と併せてPRを充実させていくこと。
 一、デジタルトランスフォーメーションの取組を進めるとともに、国内外の展開に当たっては、東京下水道が保有する優れた技術やノウハウなどを生かすこと。
 一、維持管理については、計画的な補修により道路陥没の防止を図るなど、予防保全を重視した取組を進めるとともに、臭気対策の強化など取組の充実を図ること。
 一、下水道施設の老朽化対策に係る国庫補助金の継続や起債における公的資金枠の確保などの財政措置を国に強く要請すること。
 一、水再生センターの運転管理への包括委託の導入に当たっては、局、政策連携団体、民間事業者の三者が連携し、安定的な下水道サービスの提供を図ること。
 最後に、水道局、下水道局に共通して申し上げます。
 このたびの能登半島地震被災地への支援は当面の間継続するとともに、この経験や気づきを今後の都の防災対策強化に生かしていくこと。
 以上をもちまして都議会公明党を代表しての意見開陳とさせていただきます。

○福手委員 日本共産党都議団を代表して、本委員会に付託された来年度予算案について意見を述べます。
 能登半島地震での被災地、被災者支援にご奮闘されている皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。
 公営企業三局の事業は、都民生活にとって必要不可欠で、重要なライフラインを担っています。効率化やコスト削減の追求に偏って、本来の目的である公共の福祉を増進する運営を損なうようなことがあってはならないということを指摘しておきます。
 必要な財源を確保し、安全で安心な水へのアクセスと公衆衛生の向上、また、移動の権利を誰にでも保障すること、さらに、災害対策や気候変動対策の強化に努めることを求めます。
 以下、まず、水道局です。
 一、料金徴収の訪問による催告を再開し、丁寧な対応で給水停止を大幅に減らすこと。また、給水停止までの期間の短縮は行わないこと。
 一、水道料金の減免の対象を低所得者などにも広げ、社会福祉施設の減免対象を拡大するとともに減免額を引き上げること。また、制度の周知を徹底すること。
 一、株式会社である政策連携団体とのグループ経営の計画は見直し、包括委託などによって現場業務を移譲することをやめ、局直営の水道事業を堅持すること。
 一、水道局及び政策連携団体のコンプライアンス推進と労働環境の改善を行うこと。
 一、水道管、浄水場などの水道施設の老朽化対策と耐震化を進めることは重要です。さらに、被害想定で被害率が高い地域の耐震継ぎ手化を優先するなどし、全体も前倒しして行うこと。
 一、スマートメーターの導入による検針委託業務について、委託業者と検針員に丁寧に説明する機会をつくること。検針の委託契約期間については、一方的に短縮せず、検針員からの要望に応えること。
 一、水道メーターの検針員の労働環境改善のために、労働実態を把握し、改善すること。
 一、PFASについて、高濃度で検出されている井戸については、一時取水を停止すること。停止した水源井戸の水質調査は引き続き行うこと。
 一、PFASに関する情報や過去の井戸水の状況等について情報を整理し、分かりやすくホームページに掲載すること。また、多摩地域をはじめ高濃度地域の住民に対して丁寧な説明の機会をつくること。
 一、PFASによる水源井戸の汚染の原因と水質の改善のための対策について、関係各局と連携して調査、究明し、対策を取ること。
 一、水道水におけるPFAS対策の効果を関係各局と連携して検証すること。
 一、水道施設で省エネルギー化を進め、太陽光、小水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーの活用を促進すること。
 次に、下水道局です。
 一、下水道料金の減免の対象を低所得者などにも広げ、社会福祉施設の減免対象を拡大するとともに減免額を引き上げること。また、制度の周知を徹底すること。
 一、局職員の技術力の低下につながる包括委託はやめ、局直営の下水道事業を堅持すること。
 一、下水道管、下水道施設などの老朽化対策や耐震化を促進すること。
 一、老朽化した小規模管渠の再構築を急ぐこと。
 一、マンホールの耐震化を促進し、マンホールトイレの指定を区と連携して積極的に進めること。
 一、区部の浸水対策について、新たな計画で選定された地区の対策に加え、今後の災害状況を踏まえた対策を行うこと。
 一、多摩地域の公共下水道への浸水、震災対策に資する新たな補助制度は重要な取組ですが、さらに活用を促すこと。
 一、流域下水道への雨天時浸入水対策を市町村と共に進め、引き続き技術的支援を行うこと。
 一、多摩地域の流域下水道雨水幹線の拡充を行うこと。
 一、流域下水道の改良負担金については、市町村の負担を軽減するために国に増額を求めるとともに、都負担を増やすこと。
 一、PFASについて、環境局や区市町村と連携し、工場や事業所の排水の調査を早期に行えるようにすること。
 一、二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けて、温室効果ガスの排出削減と省エネに一層の努力を行うこと。
 一、太陽光、小水力、バイオマス、下水熱などの再生可能エネルギーの活用を推進すること。
 最後に、交通局です。
 一、全ての都民の移動権、交通権を保障する立場に立ち、地域交通整備を進めること。
 一、都民の交通権を守り、子供の料金減額など、公共交通としての役割を果たすため、一般財源からの繰入れを含め、必要な財政支援を求めること。
 一、都民の重要なバスの運行路線は、赤字を理由に減便や廃止をしないこと。
 一、都バス運転手は、都職員を正規採用すること。委託先の運転手の処遇改善をできるようにすること。
 一、都バスの停留所の接近表示、上屋、ベンチの整備及び視覚障害者のシグナルエイドに対応する音声案内の設置を促進すること。
 一、東京都営交通協力会に対して、労働環境の充実に努めるよう求めること。
 一、都営地下鉄の豪雨浸水対策を強化し、軌道及び構造物の安全対策を強めること。また、駅ビルの管理者等による出入口の止水対策を進めること。
 一、都営地下鉄の浸水対策や避難経路について、ポスターの掲示やデジタルビジョンなどを活用し、利用者に分かりやすく周知すること。
 一、都営地下鉄の駅業務の委託を見直し、直営化を進めること。
 一、日暮里・舎人ライナーの安全性の確保のために、各駅に駅係員を配置すること。また、混雑緩和の対策を進めること。
 一、地下鉄駅の二ルート目のエレベーター整備は、乗換駅だけでなく、都民の要望を聞き、乗降客や障害者利用の多い箇所に設置すること。
 一、都営地下鉄のトイレ入り口に音声案内を設置すること。視覚障害者もエスカレーターを利用できるように、誘導ブロックや音声案内などの整備を拡充すること。
 一、トイレの洋式化を進め、男女両方のトイレにおむつ交換台を設置すること。多目的トイレに大型ベッドの設置を促進し、設置場所を周知すること。
 一、都営交通が誰にとっても安心・安全の交通機関となるよう、痴漢、盗撮の被害を減らす取組を前に進めていることは大事ですが、さらに進めること。また、女性の駅係員を抜本的に増やすこと。
 一、都営地下鉄全路線に女性専用車両の設置を拡大し、朝のラッシュ時間帯だけでなく、常時設置すること。
 一、省エネ化を進め、再生可能エネルギーの導入を拡大すること。
 以上です。

○中村委員 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された令和六年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 東京都の令和六年度予算は、法人二税等の都税収入の増加を背景に、昨年に続き過去最高の一般歳出予算額となりました。
 私たちは、未来に向けて投資をするとともに、障害の有無、雇用形態、性別を問わず、個性と能力を十分に発揮することができるジェンダー平等の確立、性的指向や性自認、家族構成などで差別されない社会を東京から実現していくことが必要との基本的理念の下、都民の経済や暮らし、生活に対する満足度を向上させていく取組が十分行われるか、政策の持続可能性は十分かとの観点から、予算案に対する質疑を行ってきました。
 物価高騰は歴史的な水準に達しており、実質賃金の減少で都民生活に大きな影響が出ています。東京の産業、経済を支える中小企業においても、物価上昇を上回る賃上げが実現できるよう、都としても率先して機運醸成に努めていただくよう求めるものです。
 子供、子育て支援については、より一層の拡充を求め、特に学校給食の無償化については、全ての市区町村で実施することができるようにすることを教育の無償化に向けた最優先課題として強く要望いたします。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局に関わる事項について申し上げます。
 初めに、交通局関係について。
 一、経営計画の不断の検証を通じて、安全の確保に最大限配慮しながら、時期や規模を適切に精査するなど、都営交通サービスの安定的な提供に向け取り組むこと。
 一、都営交通における必要な人材の確保、育成、技術やノウハウの維持、向上に向けて、グループ一体としての取組はもとより、局における率先した確保、蓄積に取り組むこと。職員に対するカスハラ対策に積極的に取り組むとともに、都営交通協力会の偽装請負問題について、真摯に向き合い対応すること。
 一、都営地下鉄の安全・安心を確保するために、トンネル経由も含めた浸水対策を強化するとともに、耐震対策を強化すること。
 一、都営地下鉄の通勤ラッシュ時の混雑解消に取り組むこと。また、痴漢対策、防犯対策を推進するために、防犯カメラの設置を拡大するとともに、プライバシー保護の観点から、適切に運用すること。
 一、都営地下鉄のトイレ内に介助用ベッドの設置を進めること。また、地下鉄の乗換えや出口への誘導など、利用者が迷わないよう、ARを用いたナビゲーションサービスの導入など、案内表示を工夫すること。
 一、都営バスは、高齢者や障害者などの交通弱者も増える中で、安易にバス路線を廃止することのないよう、引き続き都民の足としての役割を果たすこと。公共交通の安全確保に向けて率先して取り組むこと。
 一、都営バスの環境対策について、燃料電池バスが使う水素について、幅広い選択肢が可能になるよう注視するとともに、EVバスについても、技術や需要の動向を見極めつつも積極的に取り組むこと。
 次に、水道局関係について。
 一、水道事業の震災対策として、管路及び浄水施設、配水池の耐震化を図るとともに、断水した場合に備えて、給水車の保有を進め、不足することも想定して、他の水道事業体から応援体制を構築するなど、給水体制を確保すること。また、広範囲で停電した場合に備え、浄水場や給水所での自家発電設備を整備するとともに、停電の長期化なども想定し、備蓄燃料の見直しなど、想定外を想定すること。さらに、応急給水拠点を迅速に開設するための役割分担や鍵の管理情報を共有化するとともに、スタンドパイプが適切に活用されるよう取り組むこと。
 一、水道施設を狙ったテロへの備えに万全を期すとともに、浄水場の敷地境界に設置している防犯カメラについては、プライバシーに配慮して適切な運用を図ること。
 一、水道事業における人材確保、育成、さらには、技術の継承に向けて、高い技術を持つ職員の処遇を改善すること。安全な水を安定的に供給するためにも、都として一定の技術を保有すること。
 一、PFASについては、国の対応を待つだけでなく、給水栓や井戸等での検査など、都としても徹底して原因究明、調査をすること。
 一、花粉の少ない樹木への植え替えなど、水源林においても花粉症対策を推進すること。また、水源林が所在する奥多摩町や近隣自治体に対して感謝の意を伝え、相互理解を推進すること。
 一、少子高齢化社会が進展し人口減少社会が見込まれる中で、水道施設の規模の適正化を図ること。
 一、水道は、命の根源である水を安全に供給する重要な事業であり、水道事業は公営堅持すること。
 最後に、下水道局関係について。
 一、下水道事業においては、経営環境の改善に向けて、引き続き努力するとともに、企業債の適切な発行と償還の管理により、世代間の公平性に十分留意すること。
 一、人材の確保、育成に取り組むとともに、東京都下水道サービス株式会社における固有社員の管理職への登用や処遇の改善など、社員の確保、定着に向けて取り組むこと。
 一、下水道事業の脱炭素化に向けた取組をさらに加速、強化するために、森ヶ崎水再生センターでの消化ガス発電など、再生可能エネルギーの活用を推進するとともに、省エネ機器の導入や処理工程、方法の効率化などの取組を着実に実施すること。
 一、浸水対策として、都の水害対策の目標引上げを踏まえ、雨水ポンプ施設や雨水貯留施設の整備を進めるとともに、幹線や貯留施設など、重点地区での整備をより一層推進すること。
 一、能登半島地震を教訓に、避難所や一時滞在施設などの下水道管の耐震化を着実に進めるとともに、区とも連携して仮設トイレの設置できるマンホールの指定を進めること。
 一、流域下水道への三鷹市東部処理区の編入に取り組むこと。
 以上です。

○岩永委員 私は、都議会生活者ネットワークとして、本委員会に付託された二〇二四年度予算関係議案について意見の開陳を行います。
 一般会計の予算規模は、前年度に比べて五・一%増の八兆四千五百三十億円、三年連続過去最大になりました。都税収入も前年度に比べて三・〇%増で六兆三千八百六十五億円となっています。
 知事は、二〇二四年度予算について、変化する社会情勢の中、東京、日本の輝かしい未来を切り開くため、産業や経済、社会の構造変換に挑み、一人一人が輝く明るい未来の東京を実現する予算と位置づけ、編成したとしています。国際競争力の強化や都市の強靱化を推進することを重点にしていますが、東京に生活する都民が暮らしやすい都市にすることを第一に考える必要があります。
 新年早々、能登半島を襲った地震は、対策の困難さを改めて認識することとなりました。都は、昨年十二月に出した強靱化プロジェクトupgradeⅠに基づき、地震や豪雨への対策として、道路や河川などハード整備を次々に進めようとしています。ところが、計画が発表されるや否や、住民から反対の意見が出され、膠着化し、住民の不信感が募る事態も起こっています。事業決定プロセスに透明性も説明も足りないことが大きな原因です。解決には、情報公開の徹底と住民合意が欠かせません。住民と共に地域の将来像を描き、必要性の議論から始めるという姿勢が必要です。
 まさに地球沸騰化となった二〇二三年は、これまで以上の酷暑が続き、東京でも秋がありませんでした。農産物にも影響が出ているだけでなく、海でも海流の位置が変わり、海産物への影響も目に見えて大きくなっており、世界だけでなく、いよいよ日本の食料確保が脅かされる事態です。気候危機に対してなかなか取組が進まない国に先駆け、都は、自らをゼロカーボンシティへ着実に変貌させなければなりません。
 能登半島地震で改めてリスクが明らかになった原発からの脱却と脱炭素を進めるためにも、再エネ、省エネは重要な政策です。都有施設のZEB化はもちろんですが、既存建物の長寿命化や断熱など、ライフサイクル全体の環境負担を減らし、ゼロエミッションに資することが必要です。
 都議会生活者ネットワークは、人口減少社会に向かう困難な時代を切り開き、高齢者や障害者、外国人など多様な市民が暮らす東京で、信頼を基盤にした寛容な社会を目指し、誰もが安心して暮らせる持続可能な都市を実現するため、積極的に取り組むよう要望します。
 以下、各局別に申し上げます。
 交通局関係について。
 一、日暮里・舎人ライナーでの無人駅を減らし、利用者に、よりきめ細やかな対応ができるよう、人員配置を増やすこと。
 一、都営地下鉄、日暮里・舎人ライナーにおいて、一時保護対策も含めて災害時の帰宅困難者対策と避難訓練を定期的に行うこと。
 一、都営地下鉄や日暮里・舎人ライナーで、外国人にも分かるやさしい日本語で災害時のアナウンスを行うこと。
 一、都営地下鉄駅構内の誰でもトイレに、高齢者や障害者が利用できる介護用ベッドを設置すること。
 一、都営地下鉄駅での授乳スペースを増やすこと。また、赤ちゃん・ふらっとのように、授乳だけでなく、おむつ替えもできるスペースも確保すること。
 一、双子用ベビーカーや車椅子の利用者などが安心して都営交通を利用できるように、車内での呼びかけを進めること。
 一、都営交通で、香害対策について周知、啓発を進めること。
 一、交通局の事業である水力発電の電気は都の事業で使い、電力の地産地消を進めること。
 一、都営バスのサイクルバスを、地元自治体や事業者と連携して進めること。
 一、都営地下鉄の駅に、マイボトルに給水できる給水機を設置し、プラスチックの削減を進めること。
 一、人口減少社会を見据えて、都営バスと自治体が連携し、交通不便地域を解消すること。
 一、職員のワーク・ライフ・バランスを進め、性別にかかわらず、子育てや介護をしながら働き続けられる環境整備に積極的に取り組むこと。
 次に、水道局関係について。
 一、水道施設の耐震化を前倒しして進めること。
 一、浄水場の敷地や建物を活用して太陽光発電の設置を増やし、再生可能エネルギーの取組を進めること。
 一、マイボトルに給水できる給水機の設置を増やすとともに、自治体と連携して、可動式の給水機の活用を進めること。
 一、災害時の応急給水訓練を、設置自治体や地元住民と共に定期的に行うこと。
 一、史跡玉川上水整備活用計画の改定に当たっては、生物多様性の観点から、広く市民の声を取り入れ、合意形成を得ながら丁寧に進めること。
 一、PFASについて、水道局の情報と福祉保健局、環境局の汚染情報を集めて、環境局に汚染源を究明するよう求めること。また、汚染井戸を停止するだけでなく、PFASを除去する方策を研究すること。
 一、都営狛江アパートで三年間も続いている漏水を早急に止めること。
 一、職員のワーク・ライフ・バランスを進め、性別にかかわらず、子育てや介護をしながら働き続けられる環境整備に積極的に取り組むこと。
 下水道局関係について。
 一、下水道管の耐震化を前倒しして進めること。
 一、下水道事業における技術を継承し、危機管理対応力を高め、人材育成を進めること。
 一、下水から発生するバイオマスやメタンガス、小水力、下水熱などの未利用エネルギーの活用を推進すること。
 一、マンホールトイレの設置や運用について、自治体と連携しながら進めること。
 一、浸水対策は、雨水浸透ますや小規模雨水貯留施設の整備と併せて進めること。
 一、水再生センターの敷地や建物などを活用し、太陽光パネルのさらなる設置を進めるなど、再生可能エネルギーを進めること。
 一、下水道におけるマイクロプラスチック対策を検討し、進めること。
 一、職員のワーク・ライフ・バランスを進め、性別にかかわらず、子育てや介護をしながら働き続けられる環境整備に積極的に取り組むこと。
 以上です。

○あぜ上委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○あぜ上委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百十二号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申出がありますので、これを許します。

○福手委員 第百十二号議案、東京都給水条例の一部を改正する条例について一言申し上げます。
 今回の条例改正は、所管庁が移管されることに伴う省令名の引用、併せて手数料に関する規定を改める条例改正です。
 そもそも所管庁がなぜ変わったかということですが、国において、水道整備、管理行政を厚生労働省から切り離し、国土交通省及び環境省に移管したというものです。この移管は、食品や飲料水など、国民の健康と安全確保のために必要な組織改編というよりも、厚生労働行政のスリム化などを目的に行われたものです。
 また、水道行政をめぐっては、水道事業の運営権を民間営利企業に売却することを可能にする水道法の改悪が行われています。水道の品質、価格など、安心・安全な水道を安定して供給することへの国民の不安と懸念がある下で、全国ではPFASによる水質汚染問題が起きています。厚生労働省から水道行政を切り離したことは、国民の健康や安全に深く関わる水道行政を軽視するものだといわざるを得ません。
 こうした理由によって、国会において日本共産党は反対をしました。
 今回の条例改正は、事務処理上の改正と手数料の電子利用の拡大であり、反対するものではありませんが、所管庁の移管には、重大な問題があることを指摘しておきます。
 以上です。

○あぜ上委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 第百十二号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あぜ上委員長 異議なしと認めます。よって、第百十二号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○あぜ上委員長 次に、特定事件についてお諮りいたします。
 お手元配布の特定事件調査事項につきましては、閉会中の継続調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あぜ上委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○あぜ上委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、久我交通局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○久我交通局長 公営企業三局を代表いたしまして、ご挨拶申し上げます。
 まず初めに、今回ご審議を賜りました議案につきまして、ただいまご決定をいただき、厚く御礼を申し上げます。
 私ども公営企業が行っております事業は、都民生活や首都東京の都市活動に欠かすことのできない重要な事業でございます。
 これまでに賜りました貴重なご意見、ご指摘をそれぞれの事業運営に反映させまして、都民サービスのさらなる向上と効率的な経営に努め、都民の皆様の信頼と負託に全力で応えてまいります。
 あぜ上委員長をはじめ委員の皆様方におかれましては、引き続き、公営企業三局に対しまして、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございました。

○あぜ上委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十六分散会