公営企業委員会速記録第十二号

令和四年十一月一日(火曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十二名
委員長大山とも子君
副委員長林あきひろ君
副委員長森村 隆行君
理事細田いさむ君
理事斉藤まりこ君
理事村松 一希君
岩永やす代君
保坂まさひろ君
長橋 桂一君
田村 利光君
菅野 弘一君
西沢けいた君

欠席委員 なし

出席説明員
交通局局長武市 玲子君
次長梅村 拓洋君
技監車両電気部長事務取扱野崎 慎一君
総務部長豊田 義博君
職員部長牧野 和宏君
資産運用部長坂田 直明君
電車部長市川 雅明君
自動車部長櫻庭 裕志君
建設工務部長坂口 淳一君
企画担当部長神永 貴志君
技術企画担当部長生越 啓史君
安全管理担当部長太田 純也君
鉄軌道事業戦略担当部長築田 直樹君
バス事業経営改善担当部長佐藤 和哉君
技術調整担当部長永松 憲一君
技術管理担当部長飯沼 健一君

本日の会議に付した事件
交通局関係
事務事業について(質疑)

○大山委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより交通局関係に入ります。
 初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、交通局長から紹介があります。

○武市交通局長 公務のため、過日の委員会を欠席させていただきました幹部職員を紹介いたします。
 職員部長の牧野和宏でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○大山委員長 紹介は終わりました。

○大山委員長 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○豊田総務部長 過日の委員会で要求のございました資料を、お手元の公営企業委員会要求資料として取りまとめましたので、その概要についてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。都営バスの新設、廃止、延伸、短縮及び増便、減便した路線でございます。
 新設、廃止した路線につきましては当該運行区間を、延伸、短縮した路線につきましては新旧の運行区間を、過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、二ページには、増便、減便した路線につきまして、路線数及び路線名を過去五年分記載してございます。
 三ページをご覧ください。都営バス停留所における上屋、ベンチ、接近表示装置、上屋ソーラーパネルの設置状況の推移でございます。
 総停留所数と、上屋、ベンチ、接近表示装置、上屋ソーラーパネルにつきまして、それぞれ設置しております停留所数を過去十年分記載してございます。
 続きまして、四ページをお開き願います。都営バスの交通事故発生件数でございます。
 交通事故件数を過去五年分記載してございます。
 五ページをご覧ください。運行維持のために地元自治体が財政負担している都営バス路線でございます。
 路線名、財政負担している自治体名及び運行区間を記載してございます。
 続きまして、六ページをお開き願います。都営地下鉄におけるホームドア設置状況及び転落件数でございます。
 ホームドアにつきましては設置路線及び設置率を、転落件数につきましては路線別に交通局管理駅における転落件数を、過去五年分記載してございます。
 七ページをご覧ください。都営地下鉄においてホームから地上までのエレベーターによるバリアフリールートが複数ある駅でございます。
 都営地下鉄において、該当いたします駅数及び駅名を路線別に記載してございます。
 続きまして、八ページをお開き願います。都営地下鉄における車椅子使用者対応トイレへの介助用ベッドの設置状況でございます。
 車椅子使用者対応トイレ内に介助用ベッドを設置している駅を路線図上に記載し、駅数及び設置箇所数を資料右肩に記載してございます。
 九ページをご覧ください。都営地下鉄の電力使用量と再生可能エネルギーの比率でございます。
 平成十二年度以降の都営地下鉄における電力使用量と再生可能エネルギーの比率を記載してございます。
 続きまして、一〇ページをお開き願います。都営交通における痴漢及び盗撮行為に関する警察への通報件数でございます。
 令和二年度以降の痴漢及び盗撮行為に関する警察への通報件数につきまして、都営地下鉄、日暮里・舎人ライナー、東京さくらトラム、都電荒川線及び都営バスと、事業ごとに一〇ページ及び一一ページに記載してございます。
 続きまして、一二ページをお開き願います。都営バス運転手の年間労働時間でございます。
 令和三年度の一人当たり平均の年間労働時間を記載してございます。
 一三ページをご覧ください。都営地下鉄駅の民間委託状況及び駅別職員配置数でございます。
 都営地下鉄各駅の職員配置数を記載してございます。なお、駅名横の丸印は、業務を委託している駅を示しております。
 続きまして、一四ページをお開き願います。事業別職員数及び人件費割合の推移でございます。
 各事業における職員数及び経常費用に占める人件費割合を過去十年分記載してございます。
 以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大山委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○林委員 それでは、質疑をさせていただきたいと思います。自民党の林あきひろでございます。よろしくお願いいたします。
 交通局における事務事業について伺います。
 交通局は、明治四十四年の東京市電気局として創業以来、関東大震災、戦火を経て、戦後復興、高度経済成長期を支えて、東京の歴史とともに歩んできたわけでございますけれども、近年は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けるとともに、少子高齢化、労働環境の変化、さらには気候変動により頻発する災害への対応等、事業を取り巻く環境は大きく変化をしてきております。
 本日は、こういった厳しい経営環境下にあります交通局の事務事業について質疑をいたしますが、首都東京の活動を支える公共交通機関として、これからも、都民、お客様に信頼され、支持される安全・安心な公共交通機関として成長していただきたい、そんな思いを込めまして、叱咤激励の気持ちで臨ませていただきたいと思います。
 先月二十八日、北朝鮮は日本海に向けて弾道ミサイルを発射しましたが、十月四日の朝には、青森県の上空を飛び超える弾道ミサイルを発射しております。幸い誤報ではありましたけれども、東京においても、島しょ部等に全国瞬時警報システム、Jアラートが五年ぶりに流れ、避難を呼びかけることとなりました。
 国民保護法では、弾道ミサイルが落下する可能性がある場合に、国民が、近くの建物または地下へ避難するために、都道府県が緊急一時避難施設を指定することとしています。
 東京都においても、緊急一時避難施設として地下施設を順次指定しておりますが、都営地下鉄の対応状況について伺います。

○太田安全管理担当部長 東京都では、総務局におきまして、国民保護法の規定に基づき、既存のコンクリート造り等の堅牢な建築物のほか、地下街、地下駅舎などの地下施設について、緊急一時避難施設として指定を進めております。
 都営地下鉄では、本年五月に五十五駅、九月末に二駅の計五十七駅が指定されたところでありまして、引き続き、総務局と連携して対応してまいります。

○林委員 ありがとうございました。
 九月末に二駅プラスされて五十七駅が指定されたということであり、総務局と連携して進めていくということでございますけれども、我が国を取り巻く安全保障環境は、残念なことでありますけれども、年々厳しい状況になっていることはご承知のとおりであります。平和が一番なことはもちろんなんですけれども、ロシアのウクライナ侵略、そして、我が国の周辺国の動向を見ても、万が一の事態、実際の有事の際には何が起こるか分からないだけに、都としても備えは重要であります。
 本年の第三回定例会で、我が党の代表質問においても、避難施設への誘導についての質問に対して、総務局から、市区町村と連携した避難誘導訓練などを検討していくと答弁がございました。
 交通局も、都の一員として、関係機関と連携して、都民の命を守るための対応力を強化していただきたいと思います。
 さて、都営交通を取り巻く状況はコロナ禍によって激変し、令和三年度の決算においても、前年度に引き続き、電気事業を除いて赤字とのことであります。
 都営バスを経理する自動車運送事業の状況を伺ったところ、令和三年度の乗車料収入は、前年度と比較して若干回復したものの、コロナ禍前の水準には戻っておらず、いまだ五十億円もの減収となっているとのことでありました。
 しかし、一言で回復とはいっても、広い事業エリアを抱えます都営バスにおいて、地域によってその回復の度合いも異なるのではないでしょうか。
 そこで、今後の経営に向けてしっかりと検証しなければならないわけでありますが、コロナ禍前からの乗車人員の推移、動向について、地域別の特徴とその要因について、併せて伺うものであります。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 路線バスにおける一日当たりの乗車人員は、コロナ禍前の令和元年度は六十三万二千人でございましたが、令和二年度は五十万一千人と大幅に減少いたしました。令和三年度は、前年度に比べて約七%増の約五十三万五千人となりましたが、コロナ禍前に比べ約一五%の減少となっております。
 こうした変化を地域別に見ますと、下町エリアなどを中心に運行している暮らしに密着した路線では利用の回復が早く、乗車人員の減少幅は比較的小さい傾向にございます。
 一方、都心部のオフィス街や臨海地域などにおきましては、多くの路線で回復が小幅にとどまっておりまして、テレワークやオンライン会議の浸透など、お客様の行動変容の影響を強く受けているものと考えております。

○林委員 ありがとうございました。
 今のご答弁で、少し回復したとはいっても、令和三年度は、コロナ禍前に比べて、六十三万二千人から五十三万五千人、一五%の減少ということでありました。引き続き厳しい状況が続くようであれば、企業として、地域による差も踏まえて、路線を見直すなど経営の改善を検討し、実施することになるかと思いますけれども、一方で、都営バスは、公営企業として公共の福祉を増進するという基本的な役割、観点があることから、利用者の視点をより一層大切にしなければならないということでございます。
 そこで、コロナ禍を受け行った今春の路線やダイヤの見直しに当たって、利用者へはどのような配慮を行ったのかについて伺うものであります。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、地域のニーズや需要の変化をきめ細かく把握するとともに、代替交通の有無などの路線特性を踏まえ、毎年定期的に路線やダイヤの見直しを行っております。
 コロナ禍によるご利用の減少を受けまして、今春のダイヤ改正では、お客様の利便性に最大限配慮し、影響をできる限り抑えられる路線におきまして運行の終了や減便となりました。
 具体的には、ご利用が大幅に減少している路線のうち、運行頻度の高い他の路線と重複し代替交通が確保できている路線につきまして、他の路線への統合等により運行を終了することといたしました。
 また、減便となりました路線のダイヤにおきましても、各区間の時間帯ごとの利用状況などを踏まえまして、ほとんどの路線について、ご利用が多い時間帯の運行間隔を変えずに維持するか、あるいは拡大しても三分程度にとどめております。

○林委員 今おっしゃったように、路線の廃止や減便なども行ってきたということでありますけれども、事業規模をただ縮小させるだけではなく、増収に向けて自ら積極的に取り組んでいくことが非常に重要かと存じます。
 そこで、利用客の増加、そして、乗車料の増収に向けて重要な需要の創出に向けた取組状況について伺います。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、大規模集客施設の開設の機会を捉え、沿線地域と連携し、路線の増強や沿線の魅力とバスの利便性のPRなど、需要の創出に向けた様々な取組を行っております。
 具体的には、令和二年六月に臨海地域にオープンした大規模商業施設有明ガーデンと連携し、東京駅を発着する路線を増便した上で、施設内に乗り入れました。
 令和三年九月には、有明ガーデン内にオープンした四季劇場で上演されるライオンキングとタイアップし、劇場名を冠した臨時路線、四季48系統の運行を開始したほか、ライオンキングをデザインした一日乗車券を発売するなど、都営バスをご利用いただけるようPRを共同で行っております。
 さらに、沿線の見どころや人気の店舗等の情報を紹介する広報誌「都バス乗り隊歩き隊」の発行や、新作映画に関連するスポットを巡るクイズラリー等のキャンペーンを実施しております。
 今後とも、沿線地域との連携等を通じて、需要の創出を図ってまいります。

○林委員 沿線地域との連携等を通じて、新たな需要の創出を図っていくとのご答弁でございました。
 今、有明ガーデンの例が挙げられましたけれども、こういったまちづくりと一体になった路線の開設はもちろんですけれども、鉄道とのネットワークを生かして旅客需要の創出を図って、黒字が見込める路線の開拓等、ご努力をいただきたいと思っておりますし、引き続き、年々変化しますそれぞれの地元の様々な動き、都内でも、多摩地区においても、様々まちづくりというのが進んでおります。こういった様々な動きを的確に捉えて、より多くの人に利用してもらえるような取組を進めていただきたいと思います。
 さて、バス事業を運営していくためには、それを最前線で支える現場職員の確保と育成というものが非常に重要であります。
 全国的に路線バスを運転できる大型二種免許保有者も減少し続けているということですし、都営バス乗務員においては、年齢構成が五十代以上の方で半数以上を占めていると伺っております。
 このような状況において、バス乗務員の採用というものは大きな課題であり、とりわけ、我が党との議論を踏まえ、平成二十七年度から開始された大型二種免許の未取得者を対象とした養成型選考の重要性というものは増していくと考えています。
 そこで、バス乗務員採用における養成型選考の取組について伺います。

○牧野職員部長 交通局では、安定的なバス乗務員の確保に向けた取組といたしまして、大型二種免許の未取得者を対象に免許取得費用を助成する養成型採用選考を平成二十七年度から実施しております。
 令和元年度には、免許取得費用の助成割合を、それまでの二分の一から全額へ拡充いたしました。
 さらに、令和三年度の選考からは、二次選考の合格者を会計年度職員として採用した上で、交通局の負担で教習所に通わせ、免許取得後に正規職員として採用する制度に見直しております。
 この結果、令和三年度選考におきましては、過去最多の百三十五名の応募がございまして、十九名を合格としております。
 その後、免許取得後に行う最終選考を経まして、合格者全員を本年八月一日に正式採用いたしております。

○林委員 昨年度の選考では、過去最多の応募があったということで、今の数字を伺いますと、合格率というものは二割にも満たない、非常に厳しき門でありますけれども、よい人材が採用できたことではないかというふうに思っております。
 民間バス事業者でも様々な工夫を行っており、乗務員の確保を行っています。交通局でも、受験者のニーズなどを的確に把握し、この選考をよりよいものにしていってもらいたいと思います。
 一方で、未経験者を採用するのであれば、接客などのスキルはもとより、運転自体の技能向上が必須であります。
 そこで、養成型選考で採用する乗務員をどのように育成されているかについて伺います。

○牧野職員部長 養成型選考で採用する乗務員に対しましては、大型二種免許取得後、民間教習所を活用いたしまして、運転技量の向上を目的とした講習を実施しております。
 その後、局の研修所におきまして、運転業務に必要な知識やお客様への接遇などに関する座学での研修を実施した後、指導教官が横につきながら、実際に公道を運転する街路実習を行っております。
 さらに、配属が予定されている営業所におきましては、現場に精通した指導役の運転手の下、路線の特徴や安全上特に注意すべきポイントなどにつきまして、マンツーマンでの指導を行っております。
 これらの研修を通じまして、未経験者であっても、お客様に安全・安心と質の高いサービスを提供できる都営バスの乗務員としてふさわしい人材を育成してまいります。

○林委員 養成型という名のとおり、お客様の、利用者の安全を守るプロドライバーの育成に今後もしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 運転未経験者の技能向上への取組というものは分かりましたけれども、いざ路上に出れば、経験の有無には関係なく、様々な事故のリスクというものが潜んでいます。
 最近、他の民間のバス会社で営業運転中の事故が相次いでおり、ご案内のとおり、先月十三日には、静岡県においてバスの横転事故が発生し、乗客がお亡くなりになっています。若手もベテランも問わず、お客様の命を預かる乗務員の人材育成は非常に重要だというふうに考えます。
 そこで、安全性の向上に向けて、乗務員の教育にどのように取り組んでおられるのか伺います。

○櫻庭自動車部長 安全の確保に向けましては、乗務員自らが安全について考え、基本動作を徹底することが重要でございます。
 このため、各営業所においては、ヒヤリ・ハット事例ですとか、事故が発生したときのドライブレコーダーの画像、あるいは、運行上の危険箇所を記しましたいわゆるハザードマップといったものを活用して、日頃から危険予測能力の向上を図りますとともに、全ての乗務員に対して、年四回安全研修を行うなど、安全運行に必要な知識や技能を高めるための教育を行っております。
 また、運転訓練車を用いました訓練や運行管理者による添乗を通じまして各乗務員の運転特性に応じた助言などを行うとともに、乗務員同士が安全について考えるグループ討議を実施いたしまして、安全意識の自発的な向上につなげております。
 こうした取組を通じて、お客様に安全に、また安心してご利用いただけますよう、乗務員の安全意識や運転技術の向上を図ってまいります。

○林委員 乗務員の安全性の向上に向けた取組について、よく分かりました。
 この安全性向上に向けては、乗務員の技量向上というものはもちろんでありますけれども、車両等ハード面で乗務員を支援することも非常に重要かと存じます。
 昨今の技術の進歩により、ほかのバス会社でも積極的に導入している事例があるようですが、都営バスにおける車両の安全対策についての取組状況を伺うものであります。

○櫻庭自動車部長 都営バスでは、車両の安全対策として、雨でも曇りづらい熱線式サイドミラーや、左に曲がるときに歩行者などにバスの接近を知らせる左折時警報装置、発進するときに障害物を検知するソナーセンサーなども導入しております。
 これらの装置の本年四月時点における導入状況は、全一千四百八十両のうち、熱線式サイドミラー及び左折時警報装置につきましては一千四百六十一両、ソナーセンサーについては五百九十七両となっております。
 今後とも、技術開発の動向に注目しながら、車両の安全対策に取り組んでまいります。

○林委員 私も、車を運転していて、乗用車でも雨天時、非常に、サイドミラー、左方、後方とか見づらい部分がありますので、こういったことについては積極的に導入していただきたいと思いますし、また、最近では、被害軽減ブレーキをはじめとしたものとか、運転手の注意力低下への警告、意識を失った際など異常を検知するシステム等、技術も日々進化しているようであります。
 また、路上では、バスだけではなくてバイクや自転車、特に電動アシスト自転車は三人乗りのお子さんが乗った自転車でも交差点での加速も非常によくて、非常に重いということで、非常に危険な部分もありますし、また、最近では、電動キックボード等が入り混じって、まち中では様々な事故が日々発生する危険がございます。国内でも有数の事業規模を誇る都営バスとして、ハード、ソフト両面から積極的に安全・安心のさらなる向上に取り組んでいってほしいと思います。
 次に、都政の重要課題の一つでございます環境対策について伺います。
 持続可能な社会の実現に向けて、交通局も都の一員として積極的に取り組むことが必要というふうに考えておりますけれども、都営バスでは、燃料電池バスを積極的に導入してまいりました。今後も導入拡大を進めていくためには、現在、ディーゼルバスの運行のために営業所内に軽油スタンドを設置しているのと同様、営業所内への水素ステーション設置というものが効率的な運行に資するのではないかというふうに考えております。
 本年の第一回定例会での我が党の代表質問において、水素ステーションの都営バス営業所内への整備について質問したところであります。
 そこで、水素ステーションの整備に当たっての課題、そして、それに対して現在どのように検討を進めているのかについて伺うものであります。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 燃料電池バスを今後大幅に拡大していくためには、バスに対応した水素ステーションの拡充が不可欠でございまして、とりわけ営業所内への整備が効果的と認識しております。
 一方、営業所内での整備に当たりましては、活用可能な敷地が限られる中、大型設備のための十分なスペースが必要となることや、整備、運営に多額の費用を要するなどの課題がございます。
 このため、現在、全十九営業所を対象に、敷地の形状等を踏まえ、整備可能性のある営業所について洗い出しを行うとともに、整備、運営管理手法やそのコストなどについて検討しているところでございます。

○林委員 今ご説明があったとおり、スペース、費用、あと整備、運営管理等、乗り越えなければならない課題というものが山積しているようでございますけれども、東京が率先してカーボンニュートラル社会を目指していくためには、交通局としても、関係機関と議論を深め、燃料電池バスの導入というものを後押しする水素ステーションの整備に向けて取り組んでいっていただきたいと思います。
 同じ環境対策の観点でいいますと、鉄道は電気の大口需要家でありまして、交通局においてもエネルギー消費の大宗は都営地下鉄が占めております。鉄道は、いろいろな交通手段の中でも環境に優しい乗り物といいますけれども、世界的にも環境問題が叫ばれる中、自らもエネルギー使用量の削減に向けた取組が重要と考えます。
 交通局においても様々な先進技術を導入されているようですけれども、交通局経営計画二〇二二にもしっかりと説明はされておられますけれども、都営地下鉄における環境負荷低減への取組や効果について伺いたいと思います。

○生越技術企画担当部長 都営地下鉄では、輸送力の増強やエレベーター増設などサービス向上を進めてまいりましたが、省エネ効果の高い車両への更新や照明のLED化など様々な工夫により電気使用量の増を抑制し、環境負荷減に努めております。
 具体的には、エネルギー効率の高い車両とするほか、ブレーキ時に発電した電気を再利用する電力回生システムを全車両で導入しております。
 また、車内や駅構内においては、照明のLED化を進めておりまして、本年九月末までに車両の約九割、駅構内の約五割で完了し、その削減効果は年間約七百八十万キロワット時で、一般家庭約二千六百世帯分の使用電力量に相当いたします。
 今後とも、最新の技術動向等も注視しながら、エネルギーの効率的使用に努めてまいります。

○林委員 鉄道施設においては、駅のホームドア等の安全対策、空調機器やエスカレーター、さらにはバリアフリールートとしても重要なエレベーター設備等の拡充など電気使用量の増加要因がありますけれども、それぞれ最新の省電力機器の導入を進めるとともに、鉄道車両においては、省エネルギー車両の導入等により運転電力のさらなる消費削減に努めていただくことが重要であります。こういった環境負荷低減への取組を支出削減につなげていただくことが、ひいては安定した事業運営にも寄与するものと考えるところでございます。
 さて、都政におけるもう一つの重要課題でございますデジタルトランスフォーメーション、DX推進の取組について伺います。
 都では、シン・トセイなどの計画を定め、DXを強力に推進しています。交通局においても、デジタル技術の積極的な活用を図り、安全の確保やお客様サービスの充実に向けて取り組むとされています。
 経営計画二〇二二には、地下駅での5G環境の実装に向けた取組を進めるとの記載がございますけれども、現在主流の4Gから5G環境に対応可能とすることで、通信速度をはじめ、多くのメリットがあるといわれています。
 この経営計画に記されておられます都庁前駅における5G環境の試行整備と検証の状況について伺います。

○生越技術企画担当部長 交通局では、お客様の安全性、利便性のさらなる向上や業務の効率化を図るため、5G等の新たなデジタル技術の活用について検討を進めております。
 本年五月には、大江戸線都庁前駅において、民間事業者と連携し、複数の通信事業者が同一のアンテナを使用する方式での5G環境を全国で初めて地下鉄駅構内に整備いたしました。
 また、十月には、同駅にローカル5Gネットワークを試行用に整備いたしまして、電波状況などの技術的検証を行うとともに、将来的に、地下鉄構造物や線路などの保守点検作業や、駅構内における新たなお客様サービスに活用する可能性についても検証しているところでございます。

○林委員 今ご答弁にありましたとおり、十月からはローカル5Gネットワークを新たに構築されて検証を開始したということでございます。この結果とともに、その後の展開については大いに期待するところであります。
 4Gから5G環境になることで、通信速度は4Gの約二十倍、同時接続数は4Gの約十倍といわれております。つまり、早くつながり、駅のような人が多く集まる場所においても快適につながるということで、駅構内におけるお客様サービス面を考えただけでも大きく期待できるところであります。もちろん、答弁いただいたように、運行面において、保守点検作業等にも5G環境を生かして効果的な手法を検討、導入していくこと、このことで将来の安定した経営基盤を構築していくことになるのではないでしょうか。
 デジタルに関する技術革新は、まさに日進月歩であります。外部の様々な知見も取り入れながら、積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。
 話は変わりますけれども、昨日十月三十一日で、私の地元でございます京王線に新宿線も乗り入れておりますけれども、京王線の電車内で起きた無差別刺傷事件から一年が経過いたしました。安全対策の一つと位置づけられる防犯カメラですが、都営地下鉄においても、この一年で二百八両増え、全体の約五割に設置されているとのことですが、併せて重要となる緊急時の対応、避難誘導等について、いま一度確認をしていただき、万一に備えていただくようお願いをいたします。
 交通局においては、いまだ終息に至らない新型コロナウイルス感染症から、円安、物価高騰など、決して楽観視できる経営環境にはないと思いますけれども、常に利用者、お客様の視点を忘れず、安全やサービスの提供に取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○保坂委員 都民ファーストの会、保坂でございます。よろしくお願いします。
 昨年度の決算第一分科会と同じ公営企業ですので、ちょっと質問が重ならないよう努めていきたいと思います。よろしくお願いします。
 私からは、まず、都営地下鉄におけます子育て支援の環境整備についてから質問をしてまいります。
 地下鉄車両内の子育て応援スペース導入については、我が会派からの強い要望を受けて、今年度は、大江戸線に加えて、浅草線、新宿線、そして三田線にも積極的に拡大されることは評価をいたしております。さらに、駅構内での授乳室の設置について交通局へ要望し、それを受けて、交通局は、設置に向けた検討を進めていただいていると伺っております。
 授乳室に関しては、都心部、観光地などを中心に不特定多数の方々が多く利用される駅、こういったところに設置をいただくということが効果が高いと考えております。
 私の地元台東区でも、駅周辺で授乳室を探している子連れの母親を見かけることがあります。こうした状況から、駅構内に設置する場所についても、改札内ではなく改札の外の方が利便性は高く、より多くの方に利用いただけると考えております。また、設置する際には、子育てしている方々にその情報がしっかり届くよう広く周知することも重要ではないかと、この間、意見をさせていただいたところであります。
 そこでまず、交通局が新たに計画している授乳室の設置についての取組状況を伺います。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 授乳室は、乳児をお連れのお客様に地下鉄をより安心してご利用いただくための施設でございます。
 一方、設置に当たりましては、駅構内という限られた空間の中でのスペースの確保や運営に際してのセキュリティの確保などの課題がございます。
 こうした課題を踏まえつつ検討を行い、このたび、係員等が常駐する上野御徒町駅のツーリストインフォメーションセンター内に都営地下鉄で初となる授乳室を設置することといたしました。早期の設置を図る観点から、既存施設等の改修が不要なブース型を採用し、来年二月からご利用いただけるよう準備を進めております。
 また、この施設を広く知っていただけますよう、ホームページやSNS等を通じまして情報の発信に努めてまいります。

○保坂委員 今のご答弁で、新たな設置場所、これは上野御徒町駅に設置計画と答弁いただきました。
 まさに当駅は上野の中心であります駅であり、JR御徒町駅、地下鉄メトロ日比谷線仲御徒町駅、メトロ銀座線上野広小路駅と結節する大変便利な駅でもあります。しかも設置する場所は、既存のツーリストインフォメーションセンター内ということで、駅利用者以外も利用できる施設であるというところで大変安心をしました。これにより、ツーリストインフォメーションセンターの機能に充てられる面積が若干縮小されてしまうとのことですが、うまく設計をされて、観光客によりよいサービスを提供いただくようお願いをいたします。
 周知に関しても、利用者に対して様々な媒体で周知されていくとのことですが、当然、SNSなどを活用すれば、それ以外の方にも発信されますので有効だと考えます。さらに、観光地にある駅に設置いただきますので、地元の観光協会や自治体などとも連携をいただき、広く周知いただきたいことを重ねて要望いたします。
 続いて、都バス事業について質問をさせていただきます。
 全国のバス事業者の中で最大となる燃料電池バス七十一両を現在運行していることは、都民だけでなく、全国的にももっとPRすべきと考えております。それだけ、交通局は価値のあることを行っているのではないでしょうか。
 さらに、都営バスでは、二〇二四年度までに八十両まで導入拡大する目標を立てていますが、都バスだけでなく、他のバス事業者も含め、都内で、さらに導入、普及拡大していくことが必要であると考えます。
 一方で課題もあるかと思います。
 そこで、都内の燃料電池バスをさらに増加させるために、このためにはどのような制約があるのか伺います。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 燃料電池バスの導入には安定的な水素の供給体制が不可欠でございまして、水素の充填に時間がかかることや、水素ステーションの定期点検時のバックアップが必要となることなどから、バスに充填できる十分な能力を持つ水素ステーションが営業所の近隣に複数整備されることが必要となります。
 現在、こうした水素ステーションは、都営バスの事業エリア内ではいずれも臨海地域に立地していることから、都営バスでは、燃料電池バスを臨海地域周辺の営業所に導入しております。
 このほか、燃料費などのコストがディーゼル車に比べて割高であることもございます。

○保坂委員 コストの点、今ご指摘いただきました。水素燃料を供給する体制、すなわち水素ステーションの場所が影響するので、それによって運行できる路線も決まってくる旨の答弁がありました。
 一方で、私の地元では、なぜ燃料電池バスが走ってこないのかという声も多数いただいており、どうしても地域の偏りが否めない状況を少しでも改善いただきたいと思っております。
 先ほども質疑がありましたが、ステーションの設置エリアや数が制約になるのであれば、民間に頼るばかりではなくて、営業所内に自前の水素ステーションを整備することは大変有効ではないかと考えます。
 交通局もそろそろ自前ステーション整備の方向性を検討していくべきと考えますが、営業所内への水素ステーション整備に向けた局の見解を改めて伺います。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは現在、燃料電池バスを全国で最多の七十一両運用しております。
 今後、大幅に導入を拡大していくためには、バスに対応した水素ステーションの拡充が不可欠でございまして、とりわけ営業所内への整備が効果的と認識しております。
 このため、現在、全十九営業所を対象に、敷地の形状等を踏まえ、整備可能性のある営業所について洗い出しを行うとともに、整備、運営管理手法やそのコストなどについて検討しているところでございます。

○保坂委員 課題が様々あることは分かりました。ぜひ実現に向けて検討を進めていただきたいと思います。
 場合によっては他交通会社、ほかの交通会社にも水素の供給サービスを提供できれば収入にもなりますし、他の事業者も燃料電池バスを導入する、FCVバスを導入する動機づけにもなりますので、それを踏まえて検討いただくことを要望しておきます。
 燃料電池バスが非常時の電源確保にも役立つことは、私も避難訓練などで拝見をしてきました。東京ガスの豊洲水素ステーションでは、東京都と連携をして外部給電器の配置に協力していると聞いております。
 そこで、非常時に都営の燃料電池バスを活用した給電支援の内容について伺います。

○櫻庭自動車部長 燃料電池バスは、外部給電器を接続することによって家電製品などに給電することができまして、災害時には、移動式の非常用電源として避難所などで活用できますことから、平成三十年には、江東区と災害時の電源供給に関する協定を締結いたしました。
 昨年九月には、より広い範囲で給電支援を実施できますよう、関係局や水素ステーション事業者などと連携して新たなスキームを構築いたしまして、被災した自治体などから総務局を通じて出動要請があった場合には、水素ステーションなどに配置された外部給電器を燃料電池バスで避難所などに運びまして電気を供給するということといたしました。

○保坂委員 まさに、非常時に求められる家電製品などへの電源確保は大変重要であり、被災自治体への支援が求められるところであります。江東区と協定を結んでいるとのことですが、今ご答弁いただいた新たなスキームに基づいて、ぜひ近隣自治体にも適切に支援できますよう連携を強めていただくよう求めておきます。
 さて、燃料電池バスと並んで、ZEV化の有効な手段としてEVバスの導入についても、これまでの質疑の中でもその必要性を求めてきたところであります。中国でEVバスの導入が大きく進んでいることは報道などで確認しているところであります。また、国内でも、地方の路線バス事業者などがEVバスを導入する動きも出始めており、注目をされております。
 そこで、都営バスでも導入に向けた検討が必要な時期に来ていると考えますが、EVバス導入に向けた検討状況についてを伺います。

○櫻庭自動車部長 都営バスでは、ZEV化の推進に向けまして、EVバスの導入可能性に関する調査検討を行っております。その中で、EVバスの導入には大容量の受変電設備設置のために十分なスペースが必要となることや、一回の充電で走行できる距離が短く充電にも時間がかかること、外国製の車両が多く部品の供給に懸念があることなど、様々な課題が明らかとなりました。
 このため、引き続き、設備の配置や車両の運用方法を検討いたしますほか、国内メーカーに開発動向をヒアリングするなど情報収集を行うとともに、国に対しても、国内メーカーによる大型路線バスの開発を支援するよう、関係局とともに要望しております。

○保坂委員 確かにEVバスは、距離の問題、また充電時間の問題など、課題があることは認識をしております。さらに、海外産のEVバスは故障が多くてコストも安くないと聞いています。そういった意味では、今ご答弁いただいたように、国内メーカーとの連携は大変重要になってきます。
 当面は燃料電池バス運用がメインとなりますが、ZEV化の加速に向け、EVの試行導入、これを検討するなど、燃料電池バスと併せて、さらに取組を進めていかれることを要望しておきます。
 続いて、コミュニティバス事業について伺ってまいります。
 路線バスとコミュニティバスの役割分担があることは承知をしています。一方で、自治体が運営するコミュニティバスについては、最近、事業者が撤退するなどの動きが出てきており、運営コストに苦慮している様子がうかがえます。特に、自治体から補助金を受けないで民間が自主運行しているバスが都内にも複数ありますが、このコロナによる乗客減なども重なって、廃止や減便となる事例が出てきています。
 そこで、都営バスとコミュニティバスとの連携が必要なときが来ていると考えますが、交通局の見解を伺います。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスをはじめとする路線バスは、主に広域的かつ基幹的な路線を運行しているのに対しまして、コミュニティバスは、国のガイドラインにおいて、交通不便地域の解消などを図るために各自治体が主体的に計画するものとされており、こうした役割分担の下、地域の身近な移動を支えております。
 各自治体におきましては、路線バスとコミュニティバスのさらなる連携を含め、地域公共交通の充実に向けた会議を設置しており、交通局も委員として参画しております。この中で、コミュニティバスの運行や利用促進に向けて、経路を設定する際のノウハウの提供や停留所の共用、効果的なPR方法の助言など、様々な協力を行っております。
 引き続き、地域の公共交通の充実に向けて各自治体との連携に努めてまいります。

○保坂委員 自治体によってコミュニティバスの考え方や財政事情も異なることは認識していますが、都バスもコミュニティバスの選択肢となれば、答弁いただいたような都バスとの停留所の共有化などによる新設停留所整備のコスト軽減や、都バスへの乗換えの利便性なども強みとなります。
 ちなみに、私の地元台東区でもコミュニティバス、めぐりんを運行しておりますが、コロナ前での財政負担は約一・八億円でしたが、その後、コロナによる利用者減で負担額はさらに増加をしましたが、幸いにも今年はようやく回復傾向にあるとのことです。地域の交通ネットワークの維持に向けて、引き続き、公営交通事業者という立場から、各自治体との積極的な連携を求めておきます。
 さて、そのバス乗務員の人手不足が大きな課題であることも以前より承知しており、我が会派でも質疑を重ねてきたところであります。原因としてよくいわれていますのが、賃金水準が低い割に労働内容は厳しいという声を筆頭に、人手不足から、職員一人への労働比重の負荷などが挙げられております。
 そこで、バス乗務員のライフ・ワーク・バランス向上を図り、勤労意欲を高めていくための職場の環境づくりが必要であると考えますが、都営バスでの取組状況について伺います。

○櫻庭自動車部長 バス乗務員の採用につきましては、大型バスの営業運転に必要となる大型二種免許の保有者が全国的に減少するなど大変厳しい環境にございますけれども、都営バスでは、大型二種免許を取っていない未取得者を対象とした、いわゆる養成型選考も活用しながら乗務員の確保に努めております。
 各営業所におきましては、東京都職員「ライフ・ワーク・バランス」推進プランに基づきまして、超過勤務の縮減や、各種の休暇を取りやすい職場づくりなど、様々な取組を行っております。
 具体的には、運行を管理する職員が、法令に基づきまして、各乗務員の勤務時間などを考慮しながら運行するダイヤを適切に割り振ることで超過勤務の縮減などに努めております。
 また、各営業所長がイクボス宣言を行いまして、育児、介護関連の休暇などの支援制度について周知を図るなど、育児や介護などの事情を抱えた職員が休暇を取りやすい風土づくりを進めております。

○保坂委員 イクボス宣言、期待しています。ぜひお願いいたします。
 また、事業者も、厳しいといわれながら、コミュニティバスにも参入するための人員を新たに確保するなどの努力をされております。一方で、都営バスの一部路線は既にはとバスが管理を受託しておりますが、それが今の現状であり、持続的な事業運営を行うためには、さらなる人材確保が必須条件となってきます。今後もさらなる改善の工夫を求めていきます。
 続いて、鉄道の異常時の対応について質問をしてまいります。
 今年の冬も電力供給の厳しさが指摘をされているわけでありますが、今朝、早速ニュースでも、全国規模で、冬季、十二月から三月の節電要請を政府は七年ぶりに決定をしたという報道が入りましたが、まさにこの電力供給の厳しさが社会的にも指摘をされつつあります。特に地下鉄での停電は、トンネル内や高架で電車が停車しますと、乗客は近くの駅まで歩く必要が出てきます。都営新宿線では河口付近で川をまたぐ高架部がありまして、そこを歩いて避難することの危険性をこれまでも指摘し、改善を求めてきたところであります。
 交通局は、それを回避するために、次の駅まで走行できる設備があると聞いております。本年、新宿線で電力貯蔵設備を活用した列車走行訓練を実施したとのことですが、その内容についてを伺います。

○太田安全管理担当部長 電力貯蔵設備は、平常時に列車のブレーキにより生じるエネルギーを蓄えておくものであります。
 本年六月の訓練では、広域停電により受電が停止し、新宿線の西大島駅から大島駅に向けて走行中の列車が駅間で停車したとの想定の下、電力貯蔵設備に蓄えられていた電力により、当該列車を大島駅まで走行させました。
 あわせて、非常灯のみで暗くなった車内のお客様に落ち着いていただくよう案内放送を行いましたほか、乗務員や運輸指令、電力指令などの関係者間での情報連絡訓練や、列車が大島駅に到着した後、手動でホームドアを開け、避難誘導する訓練などを実施いたしました。

○保坂委員 今の答弁で、設備が大変有効に機能することが確認をできたわけであります。ただ、今、答弁いただきました今回の訓練の場所というのは、西大島駅と大島駅間の地下トンネル内ですので、ぜひ次回は、その先の川をまたぐ東大島と船堀駅間でのテスト訓練なども実施していただくよう要望しておきます。
 さて、高架を走行するのは日暮里・舎人ライナーも同様であります。昨年秋の千葉県北西部地震で停止しましたこの場合も、実際に歩行して避難をする、こうした事例が発生しました。首都直下型地震の発生確率も高まっていることを考えますと、定期的に実践的な訓練を実施していくことは大変重要であると考えます。
 そこで、日暮里・舎人ライナーでの乗客の避難誘導訓練について取組内容を伺います。

○太田安全管理担当部長 日暮里・舎人ライナーでは、列車が駅間で停車し走行できなくなった場合には、係員を現地に急行させ、お客様の安全を確保した上で、徒歩により最寄りの駅へ避難誘導することとしておりまして、定期的に訓練を実施しております。
 今年度は、十月に、足立小台駅と扇大橋駅との間で列車が停止したことを想定いたしまして、お客様に走行路に降りていただき、徒歩により最寄り駅まで誘導する訓練を夜間に行いました。
 今後とも、地震等が発生した際に適切に対処できるよう実践的な訓練を積み重ね、職員の対応力を高めてまいります。

○保坂委員 まさに先月、避難誘導訓練が、しかも夜間に実施されたとのことでありましたが、夜間で視界もよくない中での訓練でありまして、非常に実践的な訓練であったと思います。
 こうした取組は、地元、周辺住民にも広く周知され、理解をいただくことは大変に重要であります。既に水害時の垂直避難なども検討されているだけに、今後の地域連携はますます必要になってきます。例えば、区の総合防災訓練などに参加したりすることで、日暮里・舎人ライナーの安全性を広く知っていただくよい機会になるものではないかと考えてもいます。
 交通局が実施する訓練においても、地元自治体との連携強化を求めておきます。それこそが公共交通機関としての責務であると考えますので、今後のこうした訓練への参加を検討いただくことを求めて、次の質問に移ります。
 続いて、都電荒川線の今後を見据えた取組について質問いたします。
 都電の乗客数は、十数年前は一日平均五万人近くでしたが、近年は減少傾向にあり、一日平均約四万人台前半、ここまで推移をしています。そんな中、私もこれまで推進してきました三ノ輪橋おもいで館などは広報効果の役割を担っており、地元や、またファンからも愛されております。コロナにより、計画をされていた旅客誘致のイベントなどの実施が大変困難になってしまったことは承知をしております。
 そんな中、先月、荒川線の日のイベントが交通局開局百十一周年とタイアップ開催されましたが、その荒川線の日イベントの状況と、コロナ禍に配慮されたことがあればその内容について伺います。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 交通局では、開局百十一周年並びに東京さくらトラム、都電荒川線が誕生いたしました十月一日、荒川線の日を記念いたしまして、様々なイベントを開催しております。
 その一環といたしまして、先月二十三日、荒川車庫で写真撮影会、親子でつくる!世界で一つのカレンダーを、新型コロナウイルスの感染状況に留意し、親子十組、二十名に限定するとともに、当日も、こまめな手指消毒等の感染症対策を講じながらイベントを実施いたしました。
 当日は天気にも恵まれ、参加者は、地元新聞社の記者による写真の撮り方などのレクチャーを受けた後、沿線の風景や、ふだんは見られない荒川車庫の様子を親子で楽しみながら写真に収めていらっしゃいました。撮影した写真につきましては、オリジナルカレンダーにいたしまして、後日参加者にお届けする予定でおります。

○保坂委員 大変、コロナ禍でも地道な取組、これも重要である一方、特に沿線住民は、この都電荒川線を非常に大事にしておられます。歴史的には、都電が東京のまちづくりと都市活動を牽引してきました。
 そして今、都電の将来を考えれば、改めてまちの主役になってほしいと思っておりますし、そうならなければ都電の将来は大変危ういといっても私は過言ではないと考えております。だからこそ、今後は、都電沿線の再開発などにおいて、交通局も積極的に関与していくべきと考えています。都電沿線は下町風情が今も色濃く残っていますことから、開発などがいまだ進んでいない箇所も少なくありません。
 そこで、まちづくりにおけます都電沿線の自治体との連携を図っていくべきと考えておりますが、見解を伺います。

○生越技術企画担当部長 交通局では、東京さくらトラムの沿線自治体のまちづくりに当たりまして、協議会への参画などを通じて連携を図っております。
 昨年度からは、北区による王子駅周辺まちづくりガイドラインの策定に向けた検討会に軌道事業者として参加し、区が構想している東西通路の設置に伴う都電への影響について調査を行うなど、区の将来像の検討に協力しているところでございます。

○保坂委員 北区の王子駅周辺まちづくりガイドライン、この策定への関与が確認できて少し安心しました。
 王子駅周辺では、区庁舎移転も含めた大規模な開発が計画されておりますので、都電も積極的に連携をしていくよう求めておきます。また、さらなる都電の活性化につながるよう、沿線自治体との連携をさらに強固なものとしてほしいと要望します。
 私はかねてより、三ノ輪橋停留場から都電荒川線の延伸、循環化が必要だと主張しております。迫りくる超高齢化社会によるバリアフリー化された交通、都心部へ入る車両規制など環境配慮型社会がやってくることを考えますと、整備コストの負荷が高い地下鉄や高架鉄道などよりも路面電車の役割がますます重要になってくることは海外の事例を見ても分かります。また、現在の規格の路面電車ではなく、海外では主流になりつつある低底のLRT化についても検討も必要ではないかと考えています。これらは交通局単体での検討が困難であり、大きな構想の中で検討すべきものと理解していますが、都や地元自治体におけるまちづくりのデザインを行う際には、こうした視点も交通局で検討いただくよう要望をしておきます。
 参考までなんですが、資料として、来年度、栃木県宇都宮市で、全国初となる、全線新設となる宇都宮LRT事業というのが、いよいよ、これですね、皆さん、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、第三セクターをつくって、この事業がいよいよ始まります。この資料によりますと、実はもう二〇二二年度スタートと書いてあるんですけれども、遅れています。来年度になるということで、総工費が約七百億円ということであります。
 国、県、宇都宮市、そして、隣の芳賀町、総勢五十万人の足となるこの宇都宮LRTでございますけれども、もう既に三両、一両編成の十七車両の整備が完了されているということで、非常に期待が高まっています。ぜひ、こうした事業も参考にされて、研究されて、都電の次の時代を見据えた取組ということも前に進めていただきたいと要望しておきます。
 こうした都電事業の投資という意味においては、都電らしさを残しながらも近代化を進めていくことがポイントとなると考えています。特に既存の都電施設は、大分老朽化が進んでいる箇所も少なくありません。景観だけでなく、安全性をも懸念する声が私にも届いております。
 そこで、特に都電の停留場上屋は老朽化が進んでおり、更新工事を急ぐべきと考えますが、今後の対応について見解を伺います。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 東京さくらトラムの停留場上屋につきましては、多くが前回の建て替えから二十五年以上経過し老朽化が進んでいることから、劣化状況等を踏まえまして、計画的に更新することとしております。
 経営計画二〇二二におきましては、令和七年度までに町屋二丁目など四停留場を更新する予定であり、より多くの方に一層の愛着を持っていただけますよう、工夫しながら取り組んでまいります。

○保坂委員 令和七年度までに四停留場の更新を実施するということでございますが、景観もそうですが、安全性を担保するためにも、できるだけ早くに更新をしていただくことを要望しておきます。現在の経営状況からしましても、費用負担などで容易ではないかと思いますが、今後は、地元自治体とも連携をして、更新費用の負担をご相談するなど、検討、協議していかれることを求めておきます。
 最後に、都営地下鉄の関連事業について伺ってまいります。
 これまでも、駅構内に空いているスペースをもっと有効活用すべきと求めてきたところであります。最近では、東京メトロが、民間企業と連携して個室型ワークスペースを設置するなどして、利用者にも大変好評と聞いております。実際、私も幾度か利用しましたが、大変静かで仕事に集中できる環境でありまして、空いた時間を有効活用できることが実感できました。まさにコロナ禍という機を意識した事業であります。
 そこで、都営地下鉄におけます店舗などスペースの活用状況について伺います。

○坂田資産運用部長 交通局では、お客様の利便性の向上と収益確保を図るため、駅構内の限られたスペースを有効活用し、店舗、自動販売機、コインロッカーなどを設置しております。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による乗客数の減少などから店舗が撤退するなど、駅構内店舗を取り巻く厳しい状況が続いておりまして、現在六か所が空き店舗となっております。

○保坂委員 乗客の減少で空き店舗や既存店舗が苦戦しているという答弁をいただきました。
 例えば、他路線との結節駅など利用者が大変多い構内のスペースを活用することだけでなく、民間のアイデアなどを取り入れてみるなど、よりオープンにスペース活用を促していくことも大切なことではないでしょうか。
 そこで、地下鉄駅の構内でも、利用者目線で空いている店舗などのスペースをより積極的に有効活用していくべきと考えますが、現在の取組と今後について伺います。

○坂田資産運用部長 令和四年度は、スイーツショップなど三店舗を新たに誘致したほか、空き店舗一か所を、一定期間で入れ替わる催事販売コーナーに転用いたしました。
 また、現在空き店舗となっている六か所につきましても、具体的な出店ニーズ等の把握に向け、様々な事業者にヒアリングを行っております。
 さらに、今まで活用していなかった狭小なスペースを活用し、モバイルバッテリーレンタルスタンドなどを三駅に設置いたしました。
 今後とも、お客様のニーズを踏まえた新たなサービスについて検討するとともに、売店、店舗跡地の効果的な利活用に取り組み、利便性、収益性の高い店舗やサービス等の展開を図ってまいります。

○保坂委員 積極的に店舗を誘致していることが分かりました。特に、今まで活用してこなかった狭小スペースを活用するなどのアイデアは大変よいことだと思います。
 さきに質問をさせていただきました授乳室についても、単に鉄道利用者だけを見るのではなく、都営地下鉄のこうした取組を広く理解していただくことで、都営地下鉄に対するイメージアップに向かうことにもなりますし、また、何よりも都営地下鉄を移動の手段として選択いただくことにもなりますので、ぜひ広い視野を持って、地域にも一層貢献できます都営地下鉄であってほしいと願っております。
 引き続き、さらなる工夫を凝らして、駅構内における利用者サービスを向上させますとともに、収入、利用者の増加にもつなげていただきますよう要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。

○長橋委員 それでは、私も、交通局に対します事務事業質疑、何点か伺ってまいりたいと思います。
 初めに、バス事業についてでございます。
 やはり私は、都民に最も身近な交通機関がバスであろうかと思っております。事務概要にありますけれども、乗合バスは百二十九系統、営業キロ数は七百六十五キロ、そして、車両数は千四百八十車両、乗客数は五十四万人であるとございますけど、昨年からは少し増えたようでありますけれども、私のイメージでいうと、平成の初めからするとかなり減少しているのではなかろうかと思っているわけであります。
 一方で、経営の面から見ると、乗合バスの参入の規制緩和、それから鉄道新線の開業、それから、効率化として運行管理の委託などを行っているわけでありまして、さらに、今、何回も質疑がありましたけれども、新型コロナの感染症の影響で乗客数は減少、厳しい環境が続いているわけでございます。そうした中で、この都バス事業については早期の黒字化を目指すと、このようにいっているわけであります。
 そこでまず、都営バス事業の経営状況の現状認識と黒字化を含めた今後の見通しについて伺いたいと思います。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスにおける令和三年度の乗車人員は一日当たり約五十四万人で、令和二年度に比べて約七%増加いたしましたが、コロナ禍前の令和元年度と比べると約一五%の減少となっておりまして、経常損益も約五十六億五千万円の赤字となっております。
 乗車人員は緩やかな回復傾向が見られるものの、今後も、お客様の行動変容の定着により、コロナ禍以前の水準には戻らず、厳しい経営状況が続くものと認識しております。
 こうした中、収入、支出の両面から経営改善に取り組んでおりまして、経営計画二〇二二におきましては、令和七年度以降、経常損益が黒字に転じる見通しとしております。

○長橋委員 厳しい経営環境にある中で、経営計画二〇二二におきましては、令和七年度で黒字の見通しであるということでございますので、ひとえに私は、乗客料収入、これをどう戻していくのか、増やしていくのか、これが重要であろうかと思っております。
 その中で、赤字路線は九割ということでありまして、乗客は回復傾向にあるということでありますけれども、コロナ禍以前には当然戻らないわけでございまして、旅客誘致に改めて積極的に取り組んでもらいたい、このように思うわけでございます。
 そうした中で、先ほども、都バスの減便の問題だとか路線の問題、ダイヤの問題とかありましたけれども、やはり減便というのは大きな影響があるかと思いますし、また、柔軟にできる路線やダイヤ、これは都バスができるわけでありますけれども、基本的には、経営的な面も大事でありますけれども、利便性、都民の利便性を最も最優先として取り組んでいただきたいと、このように思っておるわけでございます。
 そこで、経営改善に向けてどう取り組んでいくのか、具体的な取組について伺いたいと思います。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 経営改善に向けまして、支出面ではこれまでも、民間事業者への営業所の管理の委託や現業系職員の給与水準の見直しにより、人件費の削減を図ってまいりました。
 さらに、このたびのコロナ禍によります収支の悪化を受けまして、営業所の水道光熱費など運行に直接関わらない経常的経費や、車両の更新など投資的経費につきましても幅広く見直しを行っております。
 また、増収に向け、新型コロナウイルス感染症の流行状況等に留意しながら旅客誘致を図っておりまして、大規模な集客施設等とタイアップし、施設利用時に都営バスをご利用いただけるよう共同でPRするとともに、沿線の見どころや人気の店舗等の情報を紹介する広報誌「都バス乗り隊歩き隊」の発行などを行っております。
 引き続き、こうした取組を着実に進めながら、収支の改善を図ってまいります。

○長橋委員 黒字化を目指して取り組んでいく、そのためにはさらなる旅客誘致の取組が重要になってくるんだと思いますけれども、やはり、身近にあるわけでありますから、地元自治体とか近隣の商店街等含めて、商業施設等含めて、一緒になって、タイアップして旅客誘致、そして、黒字化を目指して取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、私のところにも大変多いんですけれども、特に、都バスの上屋、ベンチ、この設置について様々ご相談がございます。高齢化に伴って、この要望も、私も増えているのではなかろうかと思います。
 先ほど、上屋、ベンチの経緯も資料で出ておりましたけれども、急激に増えているわけじゃないですけれども、いろんな基準があって、なかなか急に増やすことはできませんけれども、着実に増やしていることは認めるわけでありますけれども、中には、地元の皆さん方が設置してしまっていると、都がつけたものではなくて。という場合もあるわけでありまして、それだけ要望は高いと。中には、私に、あれは都がつけたものですかみたいな相談もあったりして、そうした取組を進めていくためには、ぜひ上屋とベンチ、取り組んでいただきたいと思っておりますけれども、もちろん設置に当たっては、道路の中の地下埋設物でありますとか、道路幅でありますとか、地先の理解、これも大変重要でありますけれども、最近は、現在、民間の事業者によって進められてもいると聞いております。
 そこで、その民間事業者の上屋、ベンチの設置に当たっては、その広告料を収入の財源として新たな上屋設置及び維持管理まで行うと、こうしているわけでありますけれども、民間事業者による広告上屋の設置状況について伺いたいと思います。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、お客様の利便性、快適性の向上に向け、広告つき上屋を自ら整備するほか、官民連携方式により事業協力者の負担で整備しております。
 昨年度は、この方式により、新たに二十六棟を整備し、累計で百八十棟となっておりまして、これは、全上屋千五百七十八か所の一割強となっております。

○長橋委員 民間の事業者による設置が二十六棟ですか、昨年度は。着実に増えているんだろうと思うわけでありますけれども、まだ全体の一割強であるということでありますので、ぜひ民間の力を活用して、引き続き取り組んでいただきたいと思っておりますけれども、一方、上屋設置については先ほども申し上げましたけれども、支柱等が障害になる場合が多いということであります。
 この問題については、この委員会でも取り上げてまいりましたけれども、新しいモデルを、例えば海外の事例なんかも通して委員会で紹介をしてきたつもりであります。
 小型化をすることによって可能性が広がる場合もあるんじゃなかろうか、こんなこともいってきたわけでありますけれども、都民、利用者の方々へ配慮が進んでいることを、要望が高いがゆえに、上屋、ベンチの設置を進めていくべきだと思うんですけれども、今、私は、小型の新しいモデルの上屋についてはどう取り組んでいるのか伺いたいと思います。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 上屋の設置には一定のスペースが必要でございますが、高木や電柱、地下埋設物が支障するなど設置が困難な場合がございまして、整備を拡大するには、狭い場所にも対応できる小型上屋の導入が効果的でございます。
 これまで、導入に向けまして、広告つき上屋の事業協力者と連携しながら、スペースが限られる中で、ベンチ、掲示板、広告板の配置や屋根の長さなどについて検討し、道路管理者等の関係機関と協議を重ね、小型上屋の仕様を新たに作成いたしました。
 先月には、従来であれば障害物があり上屋の設置が困難だった渋谷区広尾の停留所一か所に小型上屋を試行設置したところでございます。

○長橋委員 今、先月第一号の小型の上屋が設置をされた、このように答弁がありました。それまでは、当然今までの上屋では、基準では設置できなかったところだったんだろうと思います。また、民間の事業者も、この場所の選定も含めて、その場所を選んだのだろうと思うんですけれども、道路管理者と協議を重ねてできたということで大変喜ばしいことであります。
 私も、同じ停留所といいますか、上りと下りがあるわけでございますけれども、片方では設置ができているけれども、片方では上屋がないと。こういう場合に、なぜだという相談も受けたことがあります。そうすると、どうしてもこの基準が、地先の理解だとか埋設物なんかもあるわけでありますけれども、そうしたことが、これによって、同じ停留所にもかかわらず、できるんじゃなかろうか、このように思うわけであります。
 広告つきということで、広告の内容も当然審査になると思いますけれども、そしてまた、小さな、小型の上屋がついたことによっても、地元の皆さんにすると大変喜ばしいことなので、話題になると思いますので、ぜひ課題などを整理して増やしてもらいたいと思うんでありますけれども、小型上屋の今後の手続、どう進めていくのか伺いたいと思います。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 広告つき上屋の仕様につきましては、都市景観や利便性、安全性の観点から、統一感を確保するため、都内のバス事業者から成る協議会がガイドラインで詳細な規格を定めておりまして、今回の新たな小型の上屋の仕様につきましても、ガイドラインに追加される必要がございます。
 追加に当たりましては、時刻表や路線図の見やすさ、お客様の並びやすさなど、利便性が低下しないか、交通安全上の問題がないかなどを検証し、東京都広告物審議会特例小委員会に報告する必要がございます。
 このため、試行設置した停留所におきまして、今後、お客様や乗務員へのアンケート調査等を実施する予定でございまして、こうした手続を着実に進めてまいります。

○長橋委員 新たなガイドラインの追加が必要だということでありますけれども、アンケートを実施する、お客様や乗務員へのアンケートを実施するということで期待は広がるんだろうと思いますので、ぜひ第一号で終わるのではもちろんなくて、こうしたことで、今までつくられなかった上屋等について設置を進めていただきたい、このように思うわけでありますので、よろしくお願いいたします。
 それから、続いて、バリアフリーについても伺いたいと思います。
 都バスはこれまで、ほかの事業者に先駆けて、全車両ノンステップバスとすると。障害者や高齢者対策としてバリアフリー化を進めてきたわけでございます。
 これによってベビーカーも折り畳まないで乗車できるようになったということでありますけれども、以前に、多胎児、双子さんとか、多胎育児のサポートを考える会から、バスの乗車に当たって、ベビーカーを畳んで乗車しなきゃならないということで、多胎育児には大変な、大きな負担があるという声を聞いて、都議会公明党に要望がありました。それで議会で検討の必要を訴えてきたわけでありますけれども、サポートの会の代表とともに、実は、小池知事にも要望書を提出いたしましたし、また、東京バス協会にも働きかけをしましたし、また、交通局を通して国にも働きかけた結果、ガイドラインが新たに発表されたわけであります。
 そこで、多胎児のベビーカーも乗れるように提案したわけでありますけれども、双子用ベビーカーの取組状況と課題、対応について、まずは伺いたいと思います。

○櫻庭自動車部長 都営バスでは、令和二年九月に、一部の路線で双子用ベビーカーにお子様を乗せたままご乗車いただけるようにいたしまして、昨年六月からは、全ての路線で実施しております。
 双子用ベビーカーをご利用のお客様をはじめ、全てのお客様に安全、快適にご利用いただきますためには、利用方法を分かりやすくお伝えするとともに、周囲の方々にも、車内における譲り合いなどにご協力いただく必要がございます。
 このため、ポスター、リーフレット、SNSなどによる呼びかけを行っておりますほか、都営バスのマスコットキャラクターでありますみんくるを活用した動画を、バスや地下鉄の車内サイネージで放映いたしますとともに、ユーチューブでも発信しております。
 今後とも、こうした取組を通じて、双子用ベビーカーの利用者を含めて、誰もが利用しやすい環境整備に取り組んでまいります。

○長橋委員 そんなに多く、双子用ベビーカーがしょっちゅうあるわけじゃないかと思いますけれども、後で申し上げますが、誰一人取り残さないという意味では重要な取組でありますし、それが東京都から、都バスから始まったということなので、ぜひ、周知を含めて、さらには、民間のバスへもこの拡充を図っていただきたいとお願いを申し上げるわけでございます。
 続いて、都営地下鉄について伺いたいと思います。
 都営地下鉄は、四路線、百九キロを運行して、乗客数は百九十九万七千人、このようにいわれているわけでありますけれども、局としても、最優先事項は安全・安心であるわけであります。事故のないことは最重要であろうかと思います。
 そこでまず、都営地下鉄としての安全管理規程における取組内容についてどう取り組んでいるのか、具体的な内容について教えていただきたいと思います。

○太田安全管理担当部長 都営地下鉄では、輸送の安全を確保するために遵守すべき事項を安全管理規程として定め、輸送の安全水準の維持向上を図っております。
 この規程に基づき、毎年度、安全重点施策を定めておりまして、日頃から関係法令等の遵守や基本動作、基本作業を各職員へ徹底させるとともに、駅、運転、保守など各部門合同による訓練や事故、ヒヤリ・ハット情報の収集、分析、活用等を行っております。
 また、車両や施設、設備について日夜保守点検を徹底して行いますとともに、ホームドア整備や耐震対策の強化など安全性の向上に資する取組を進めております。

○長橋委員 ホームドアの整備を進めていく、さらにはヒヤリ・ハット情報の収集を行うと。私も、先日改めて、有名な話ですけれども、一件の重大事故に二十九件の軽微な事故、そして、その裏には三百件のけがに至らない事故があると、こういうことをいっておるわけですけれども、まさに交通事業者として安全・安心、これは常にヒヤリ・ハット情報を収集して分析をしていただきたいと思うわけであります。
 一方で、ホームドアの整備を進めていくということでありますけれども、ホームでの安全対策、転落防止に向けた有効なホームドア、これは、現在どういう状況になっているのか、設置状況について伺いたいと思います。

○永松技術調整担当部長 都営地下鉄では、三田線、新宿線、大江戸線の全駅でホームドア整備が完了しておりまして、現在、浅草線で順次設置を進めております。
 浅草線ではこれまでに、泉岳寺駅から宝町駅までの六駅で整備を完了したところであり、現在は、十二月下旬の日本橋駅でのホームドア運用開始に向け、試験調整などを進めております。
 引き続き、京成電鉄が管理する押上駅を含め、令和五年度までの全駅整備完了に向けて取り組んでまいります。

○長橋委員 いよいよこの浅草線も令和五年度、来年度ですね、全て完了するということでありまして、これで、特に私は、ホームでの転落事故防止、これは地元目白駅で昔ありましたし、転落事故の一番大きな犠牲者になっているのは視覚障害者の方だろうと思うわけでありまして、ぜひ進めていただきたいと思っております。
 そこで、改めて、都営地下鉄ホームへ敷設されている視覚障害者用ブロック、このことについて、どういう基準で設置しているのか、改めて伺いたいと思います。

○飯沼技術管理担当部長 国が監修をいたします移動等円滑化整備ガイドライン旅客施設編では、駅出入口から改札口を経て乗降口に至る経路等に視覚障害者誘導用ブロックを設置することや、お客様の動線と交錯しないよう配慮し、安全で、できるだけ曲がりの少ないシンプルな道筋に連続的に敷設することなどが規定されております。
 交通局では、これに基づき、駅のホームでは、階段やエレベーターから最寄りの乗降口までの経路や、ホームの線路側の縁端から一定距離の位置などに視覚障害者誘導用ブロックを敷設しております。

○長橋委員 今、基準について伺ったわけでありますけれども、先日、国が検討している新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策についてという中間報告でございますけれども、見させていただきました。それによると、検討会では、ホーム中央に行動線の道しるべとなるマーカー、例えば、線状ブロックを設置するなど、安全性、有効性、実現性を検証するため、視覚障害者が参加する実証実験の実施も含めた検討が必要である、このようなことが発表になったわけであります。
 そこで、都内でも、もちろん点字ブロックはどこもあるわけでありますけれども、ホームの脇にあるわけでありますけれども、中央に点字ブロックが設置されている、こうした例もあるわけであります。
 そこで、この視覚障害者にとってみると、点字ブロックの基準は分かりますけれども、中央に敷設することによって安心・安全が確保できる、このように私自身もいわれたことはありますので、ホーム中央に点字ブロックを敷設する、これについては、局はどう考えているのか伺いたいと思います。

○飯沼技術管理担当部長 新技術等を活用いたしました駅ホームにおける視覚障害者の安全対策につきましては、令和三年七月に、国の検討会におきまして中間報告を行っており、この中で、安全な歩行経路を示す方策の案の一つとして、ホーム中央に歩行動線の道しるべとなる線状ブロックを設置することが示されているところでございます。
 現在も、国の検討会におきまして検討が進められているというところでございますので、引き続き、動向を注視してまいりたいと思います。

○長橋委員 安全・安心が第一ということであれば、ホームドアの設置は非常に費用もかかるわけであります。もちろん、都営地下鉄含めて、メトロもそうでありますけれども、かなり進んでいるわけでありますけれども、他の鉄道事業者はまだ三割、四割というような状況の中にあって、実証実験の検討が必要だと、このようにも中間報告で出ているわけでありまして、ぜひお願いしたい、このようにも、視覚障害者の方からもいわれているわけでありまして、改めて皆さんにお話をさせていただきました。
 次に、災害対応について伺いたいと思います。
 近年、これまでの想像を超えるような豪雨により全国各地で大きな被害が出て、地下での浸水被害が発生をしているわけであります。
 集中豪雨に対する対策が完了していると、このように聞いておりますけれども、平成二十七年に水防法の改正により新たな浸水想定が公表され、河川の氾濫など大規模水害の対策が重要であると、このようにいわれたわけでありますが、大規模水害への対応、対策について、その対応は検討している、このようなことでありますけれども、具体的な取組について伺いたいと思います。

○生越技術企画担当部長 交通局では、水害発生時におけるお客様の安全確保や、地下鉄ネットワーク全体の減災に向けまして、都市型水害のほか、荒川氾濫等の大規模水害を想定した浸水対策に取り組んでいるところでございます。
 これまで、駅出入口等の対策に加え、最新の浸水想定を踏まえたシミュレーションの結果に基づき、トンネルを経由した浸水拡大防止策を検討いたしまして、浸水範囲を大幅に圧縮できる防水ゲート等の整備箇所を確認したところでございます。
 今後、既存の防水ゲートの体圧機能の強化に着手するとともに、引き続き、優先して対策を講じる施設や対策の手法などについて検討を進めまして、年度内に整備計画を策定することとしております。

○長橋委員 年度内に整備計画を策定すると。防水ゲートを強化するということもございましたので、ぜひよろしくお願いいたします。
 そのためには、災害に対する訓練が必要だと思っているわけでありますけれども、浸水被害などの災害時を想定した東京メトロとの合同訓練、これはどのように行っているのか。あわせて、大江戸線を除く路線で相互乗り入れしているわけですけれども、各相互乗り入れしている私鉄との訓練状況、これもいかがでしょうか、教えていただきたいと思います。

○太田安全管理担当部長 都営地下鉄と東京メトロでは、非常時におけるお客様の安全確保、地下鉄機能の維持並びに早期復旧に向けて、平成二十四年度以降、合同訓練を毎年度実施しております。
 首都直下地震の発生を想定したお客様の避難誘導訓練や、大雨による浸水を防止する訓練などのほか、昨年度は、不審物が発見された場合を想定し、お客様の避難誘導、警察、消防への通報、連絡体制の確認などの訓練を実施いたしました。
 また、相互乗り入れしている鉄道各社とは、他社の車両が走行不能となった場合などを想定いたしまして、車両の牽引や設備の取扱いなどに関する訓練を適宜実施しております。
 引き続き、様々な場面を想定した合同訓練などを通じて、お客様に安心してご利用いただけるよう努めてまいります。

○長橋委員 東京メトロとは毎年訓練を行っている、だけれども、他社とは、車両が通行不能となった場合のことを想定して訓練しているということでありますけれども、やはり、そうした中で、訓練の重要性を改めて確認していただきたいと思っております。
 その上で、特に訓練の中で、災害等発生時の乗客等の帰宅困難者訓練、これはまたどうなっているのか伺いたいと思います。

○太田安全管理担当部長 震災等の発生時には、駅を利用されるお客様の安全を確保するため、駅構内の安全確認を行った後、地元区等が設置する一時滞在施設が開設されるまでの間、改札口前のコンコースなど、あらかじめ定める駅構内の安全な場所にお客様をご案内し、待機していただくということとしております。
 その後、地元区や関係機関などと連携いたしまして、一時滞在施設の情報を収集し、開設した施設をご案内いたします。
 また、飲料水や防寒用ブランケット、簡易マットなどの備蓄品を、当局が管理する全百一駅に合計五万人分配備しておりまして、状況に応じて配布することとしております。

○長橋委員 備蓄品は全駅配置しているということでありますけれども、これはちょっと話がそれるんですけれども、以前、私も池袋の滞留者訓練、これに参加したことがありますけれども、ターミナル駅ですので、もちろん、様々な事業者が参加をしておりまして、都営交通、交通局も参加をしていたわけでありますけれども、このときに行ってきて、私が印象に残っているのは、時差帰宅です。これを訓練していたと思っております。それによって、帰宅を促すのではなくて、優先順位をつけてやっていくということでありますけれども、先日、韓国でも事件がありましたけれども、集団転倒なんていうことを防ぐためにも大変重要な訓練だと思いますので、ぜひそうしたことも観点に入れて取り組んでいただきたいと思っております。
 続いて、利便性の向上について、ワンルートは確保しているけれども、複数ルートについて、バリアフリールートの複数化について、取組状況について、まずは伺いたいと思います。

○飯沼技術管理担当部長 都営地下鉄では、移動距離を短縮する観点から、駅の構造や周辺状況等を踏まえながら、バリアフリールートの複数化を進めております。
 経営計画二〇二二では、バリアフリールートの充実として、令和六年度までの三か年で六駅にエレベーターを整備することとしており、引き続き着実に取組を進めてまいります。

○長橋委員 これも着実に進めていただいたと思うんですけれども、以前も私の地元の西巣鴨駅というところでありますけれども、いわゆる学校跡地を活用してエレベーターが設置をされました。非常に喜んでいただきましたけれども、これはある面では、複数ルートによって、高齢社会によって大変重要になってきますので、ぜひ進めていただきたいと思っております。
 都営地下鉄におけることについて最後ですけれども、都営地下鉄における外国人旅行者についてどう対応しているのか。近年、インバウンドで増えているようでありますし、どこよりも発達している東京の交通網、正確性なども有名であります。
 これまでの外国人旅行客に対する取組状況と、コロナ禍後を見据えた今後の方向性について伺いたいと思います。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄ではこれまで、東京二〇二〇大会の開催に向けまして、外国人旅行者にも安心してご利用いただける環境整備に努めてきました。
 具体的には、ツーリストインフォメーションセンターを、上野御徒町駅、新橋駅、新宿西口駅に開設するとともに、案内サインの多言語化、英語や中国語を話すことができるコンシェルジュの配置、全ての駅係員を対象とした実践的な英語研修などを進めてまいりました。
 外国人旅行者につきましては、コロナ禍により大きく減少したものの、入国制限の緩和に伴いまして、徐々に増加しております。
 今後とも、東京を訪れる外国人旅行者に都営地下鉄を安心して快適にご利用いただけるサービスの提供に努めてまいります。

○長橋委員 ちょっと申告時間がなくなりましたので、急いでまいりたいと思います。
 続いて、荒川線について伺いたいと思います。
 地元豊島区、私は豊島区でありますけれども、数少ないJRの結束点であることから、都電の魅力向上に地元住民が取り組んでいるわけであります。地元の話で恐縮ですが、大塚のバラ祭り、バラの種類が東京で一番だということで大変有名にもなっておりまして、地元の沿線協議会の方が国土交通大臣表彰、これも努力によって受けられたわけであります。もともとは、都電の沿線に、ごみ置場だったのが、こうした地元住民の方々の努力によって、すばらしいバラの街道になっているわけであります。沿線協議会の皆さんに何が困っているかと聞いたら、水道栓、バラの手入れをするのに水道栓が必要だということで、交通局にもご尽力をいただいたわけであります。
 そこで、沿線地域と連携した観光資源としての魅力発信、これはどう行っているのか伺いたいと思います。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 交通局ではこれまでも、沿線四区地域活性化協議会などを通じまして、地元区等と連携し、「さくら号」や「バラ号」など、季節ごとに装飾電車を運行するほか、沿線の名所などを巡るスタンプラリーを実施するなど、都電の魅力向上や地域の活性化に向けた様々な取組を行ってきました。
 加えまして、今年度からは、沿線情報誌「さくらたび。」のデザインをレトロな雰囲気にリニューアルするとともに、新たに公式ウェブサイトも開設いたしました。
 引き続き、沿線地域との緊密な連携の下、東京さくらトラムの観光資源としての魅力を発信し、旅客誘致に取り組んでまいります。

○長橋委員 ぜひよろしくお願いをいたします。
 あと、地元の声からちょっと何点か質問したいんですけれども、安全対策で有効な遮断機、百駅あるんですかね、百の踏切があると聞いていますけれども、設置状況はどうなっていますか。伺いたいと思います。

○永松技術調整担当部長 東京さくらトラム、都電荒川線では、百か所ございます踏切のうち、交通信号のある場所などを除く八十二か所に遮断機を設置してございます。
 このほか、大塚駅前など道路内にあるため遮断機がなく、人や自転車が横断する箇所には電車接近表示器などを設置しまして、注意喚起を行っております。

○長橋委員 遮断機がないところも安全対策、接近表示など設置しているところがありますけれども、それでは、遮断機が設置されていない、幾つかあるわけですけれども、これの安全対策はいかがでしょうか。

○市川電車部長 東京さくらトラム、都電荒川線では、規程により、遮断機のない踏切において、細心の注意を払って電車を通過させることを運転士に義務づけております。
 加えて、こうした踏切では、ミラー及び注意喚起のための標識を設置しているほか、踏切への接近時に電車のメロディーホンを使用するなど、安全対策に万全を期しております。

○長橋委員 それから、もう一点、都電の軌道は、ほとんど専用軌道が多いということでありますから、隣接する方から騒音対策についてよく要望がございます。
 それとまた、大塚駅なんかそうなんですけれども、急カーブ時の騒音対策、これはどう対応しているのか伺いたいと思います。

○坂口建設工務部長 東京さくらトラム、都電荒川線の急曲線部におきましては、電車が線路から逸脱することを防止するためガードレールを設置いたしております。
 このような場所を走行する際には、車輪とガードレールが接触することによりまして騒音が発生することから、摩擦を低減するために、定期的にガードレールに潤滑油を塗っております。
 また、直線部につきましては、レールの継ぎ目が騒音の主な要因となっておりまして、ロングレール化して継ぎ目を減らすためには軌道の地盤から強化する必要があることから、街路整備事業など大規模更新の機会を捉え、対策を検討してまいります。

○長橋委員 ちょっともう時間がありませんので、質問を飛ばして、一つ、軌道内緑化、この取組状況について、この委員会でも何回も取り上げてまいりましたけれども、軌道内緑化、現在の状況、これはいかがでしょうか。伺いたいと思います。

○生越技術企画担当部長 交通局ではこれまで、軌道内を緑化するための実験を行い、日照等の環境条件による育成状況や、維持管理に係るコスト等について検討してまいりました。
 この結果、乾燥に強い品種や保水性を有する器材を採用した場合、日照が確保された環境であれば、肥料を適切に与えることなどにより、散水を行わなくても緑化を維持できることが確認できました。
 一方、実験で使用した器材は、定期的に実施している軌道の保守作業の都度移設する必要があり、コスト面等での課題も判明しております。
 こうした中、今年度は、沿線全区間を対象に、植物の生育に必要な日照時間が確保できる箇所を把握するための調査を実施しているところであり、引き続き検討を進めてまいります。

○長橋委員 引き続き検討を進めていくということでありますけれども、ずっと検討しているんでしょうけれども、私も視察に行ったことがありますけれども、この軌道内緑化によってヒートアイランド対策とか騒音の低減、それから、景観の魅力の向上があるわけであります。
 ぜひ、交通局だけではなくて、補助八一号線、都電の沿線でも、他の建設局でありますとか都市整備局も一緒に事業をやっているわけでありまして、東京都を挙げて取り組んでいただきたい、このように思うわけでありまして、ぜひ早期実現に向けてよろしくお願いを申し上げます。
 最後に、先ほど来のホームでの事故対策とか障害者のバリアフリーなど、誰一人取り残さないという取組、これSDGsでありまして、私の地元豊島区でも、未来都市とかモデル都市に向けてでありますけれども、SDGsの実現に向けた交通局長の決意を伺って、質問を終わりたいと思います。

○武市交通局長 持続可能な社会の実現に向け、首都東京の公営交通事業者として、都市活動や都民生活を支え続けていくことが重要と考えてございます。
 この認識の下、先ほどありましたように、ホームドアの整備を進めるほか、車椅子をご利用される方でも乗り降りしやすいよう、ホームと車両の段差、隙間の縮小に取り組むなど、さらなるバリアフリー化を進めております。
 また、都営バスにおきまして、双子用ベビーカーでも折り畳まずに乗車できることとし、周囲の方々の理解促進を図っております。
 さらに、お客様が都営交通をスムーズにご利用いただけますよう、多言語による案内や情報提供の充実にも努めているところでございます。
 今後とも、こうした様々な取組を通じまして、誰もが安全に、そして、安心して都営交通を利用し、円滑かつ快適に移動できる環境整備を進め、誰一人取り残さない包摂的な社会をつくっていくというSDGsの理念の実現に貢献してまいります。

○大山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時五十八分休憩

   午後三時十五分開議
○大山委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。まず、資料のご提出をありがとうございました。
 私からは、まず、日暮里・舎人ライナーについて伺います。
 昨年十月七日に起きた千葉県北西部を震源とする、この地震による車両の脱線事故から一年がたちました。私の地元の足立区では、脱線事故により翌日の運行も休止となり、職員の皆さん方が大変なご尽力をされたことと認識をしておりますけれども、代替のバスによる輸送の時間もかかったことなどもあり、ライナーがいかに住民の皆さんの日常の活動にとって大切な役割を担っているかが再認識されることとなりました。安全性の向上や、いざというときの対応の改善など、住民にとって切実な課題になっています。
 まず、昨年の震災から一年のこの間、安全対策がどのように図られたのか、ハード面、ソフト面について、改めて伺います。

○太田安全管理担当部長 昨年十月の日暮里・舎人ライナーの脱輪を受け、速やかに検証を行いまして、局独自で取り得る対策を講じております。
 具体的には、緊急地震速報を受信した際に指令所の職員が手動で行っておりました列車停止の操作について自動停止する機能を追加し、本年三月から運用を開始いたしました。
 また、分岐部の段差を解消するための工事を実施することとしておりまして、今年度末までの完了に向けて必要な手続を進めております。
 さらに、地震等の発生により列車が駅間で停車する事態を想定し、お客様を避難誘導する訓練を行いました。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 ハード面の改善、それから、ソフト面については夜間の避難誘導を行ったということも先ほどもありました。こうした対策を行っていただいているということですけれども、昨年度末のこの質疑でも、脱輪が起きた軌道の分岐部分について、走行路中央部のへこみ部分の段差を解消するための部材を設置する、この対策を今年度中、二〇二二年度中に行うということでした。
 この軌道の安全対策の工事の見通しについて、どのようになっているか伺います。

○太田安全管理担当部長 分岐部の段差を解消する工事につきましては、先ほど申し上げましたとおり、今年度末までの完了に向けて、現在、必要な手続を進めているところでございます。

○斉藤委員 今年度末までの完了に向けてということで、現在、必要な手続を進めているということですが、現在、この工事について、国からの認可を待っているというところだということも伺いました。
 また、脱線事故の詳細な原因究明については、国の運輸安全委員会の下で地震による脱輪の原因調査、分析が行われているということで、この国の調査は一年ぐらいかかるということでしたけれども、まだその調査結果についても発表されていないというふうに伺っています。工事への認可と同じタイミングになるのかと思われますが、今年度末までに工事が実施できるよう、国と連携して、早期の対策を進めていただきたいというふうに思います。
 昨年度は、日暮里・舎人ライナーにとって、この十月の地震の後も運転停止に見舞われることが相次ぎました。一月六日の大雪での運行停止、三月には寒波によって架線が凍結し、停電となって運行休止となる事態がありました。
 改めてですが、それぞれどのような対策を行ってきたのか伺います。

○太田安全管理担当部長 日暮里・舎人ライナーでは、降雪等に備えて、走行路の除雪用ブラシを全編成に設置するとともに、一部の編成には、架線凍結を防止する霜取り装置も設置しております。
 また、勾配が大きい走行路や分岐部には、凍結を防止するロードヒーターを設置しております。
 加えて、凍結防止剤を常備しておりまして、降雪等が想定される場合には、凍結防止剤を散布するための装置を車両に設置し、気象状況に応じて走行路に散布しております。

○斉藤委員 ライナーは、バスのようなタイヤで動く車両になっていますので、もともと雪には弱いということも伺ってきました。今のご答弁の内容のとおり、これまでも対策を行ってきたということですが、今後は、凍結防止剤の散布などの対策も機動的に行っていくということも伺っています。ぜひ対策の強化を行っていただきたいというふうに思います。
 次に、ライナーが運行停止になった場合の対応ですが、昨年度は、度々運行停止になる中で、代行のバスや振替輸送の案内などの情報が十分に届かないという声が多く届けられてきました。都交通局では、どのように改善を行ってきたのか伺います。

○市川電車部長 昨年度、日暮里・舎人ライナーが運行を停止した際、直ちに鉄道や路線バスによる振替輸送、都営バス里48系統の増便、沿線の観光バス会社等の協力による代替輸送などを実施いたしました。
 こうした状況について、報道発表やホームページ、SNSを通じて、適宜情報発信を行いました。
 また、各駅に職員を配置し、代替バスへの誘導やお客様からの問合せに対応するとともに、職員が代替バスに添乗し乗降案内を行うなど、現地においても、お客様の声を踏まえつつ、きめ細かい対応に努めました。
 加えて、各駅からの振替輸送の経路を記したポスターを改札口付近に掲出しております。

○斉藤委員 私は、我が党の足立区議団と、そして、住民の方々と一緒に、直接交通局に申入れなども行って訴えてきましたが、運行停止になった場合の情報提供はとても大事です。
 今のご答弁で、駅改札での表示など改善しているということがあり、少しずつ改善を行っていただいているということ、感謝いたしますけれども、しかし、特に昨年十月の地震の翌日には、そもそも改札に向かう地上の階段入り口のシャッターが閉まっている状態でした。私もその場に行っていますけれども、改札まで上がることができないという状況で、また、ライナーが動いていない場合は代替のバスを待つことになりますので、地上の入り口やその近くのバス停で待っている方々にも情報が伝わるように、デジタルサイネージの掲示やアナウンスを流すなど、工夫してもらえないかということも求めてきました。導入するには課題もあるというふうに思いますけれども、できる方法を考えるなど、検討することを重ねて求めるものです。
 安全性の向上については、車両やハード面のことだけでなく、駅係員の配置や丁寧なアナウンスを求める声など、多くの声が寄せられています。特に駅係員の配置については、無人走行のライナーだからこそ充実させてほしいという要望が多く届けられています。交通局では、この間の質疑でも、繰り返し駅配置員の増員は行わないという答弁ですけれども、昨年の地震のときには、脱線した車両に係員が駆けつけるまで三十分かかったということは、本当に重大な問題です。
 例えば、同じ新交通の「ゆりかもめ」では、九つの駅に駅係員を配置して、日暮里・舎人ライナーよりも人員の配置体制を厚くしています。日暮里・舎人ライナーは、ご存じのとおり、全国でも混雑率がワースト一位になるくらい大変混雑する公共交通でもあります。いざというときの危機管理には、すぐに対応できる駅係員の存在が欠かせません。駅係員や巡回する係員を増員することを重ねて強く求めるものです。
 次に、都営地下鉄について伺っていきます。
 まず、バリアフリーについてですが、視覚障害者の方々から繰り返し要望されている駅のエスカレーターの音声案内について伺います。
 視覚障害者の方々がエスカレーターを利用するに当たって、上りなのか下りなのかを知るためにこれは欠かせないものです。私も早期に設置していくことを繰り返し求めてきましたが、これまでの質疑で、エスカレーターの音声案内は、改修の時期に合わせて行うものと、既設のエスカレーターに後づけをして行うものとがあると伺ってきました。その判断基準について伺います。

○飯沼技術管理担当部長 交通局では、駅の大規模改修など、エスカレーターの更新時に音声案内装置を設置しているほか、更新までの期間や利用状況等を勘案し、既存のエスカレーターにも追加設置しております。

○斉藤委員 更新までの期間や利用状況等を勘案していくということなんですが、私は、特に、障害者福祉会館があって、視覚障害者の方々が多く利用する三田駅のエスカレーターに音声案内を早く設置してほしいということを、当事者の皆さんの声とともに求めてきました。
 改めて伺いますが、三田駅のエスカレーターは、設置から何年たっているんでしょうか。

○飯沼技術管理担当部長 三田駅のエスカレーターで最も古いエスカレーターは、設置から四十九年が経過をしております。

○斉藤委員 最も古いエスカレーターで四十九年が経過しているということですけれども、これは、都営地下鉄の中でも最も古いものだというふうにも伺いました。
 三田駅のエスカレーターについては、これまでのご答弁で、改修の時期に合わせて行うということでしたが、いつ改修するのか、めどはあるのでしょうか。

○飯沼技術管理担当部長 三田駅のエスカレーターにつきましては、順次更新を進めることとしておりまして、そのうちの一部のエスカレーターにつきましては、現在、更新工事の契約手続中となっております。

○斉藤委員 三田駅のエスカレーターについては、順次更新を進める予定と。そのうち一部は既にこの契約手続中ということで、明確なご答弁をいただきました。
 確認ですけれども、現在手続中ということなので、来年度には工事着工になるくらいのスケジュールになってくるということでよろしいでしょうか。

○飯沼技術管理担当部長 おっしゃるとおり、来年度には工事に着工しているということでございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 来年度には工事着工ということで、本当に視覚障害をお持ちの方々で大変な思いをされてこられた方々にとっては、ようやくということで本当に大きな喜びになると思います。ありがとうございます。
 この三田駅のエスカレーターへの音声案内の設置、今、三田駅だけでも二十一台のエスカレーターがあるというふうに伺っておりますけれども、交通局においては、単純に設置の経過年数が古いということでなく、先ほど、利用状況を勘案するということもありましたが、障害を持つ方々からのニーズに寄り添って、今後も対応していただきたいというふうに思います。
 このエスカレーターの音声案内なんですが、やはりニーズ調査を行って、設置のための計画を明確にしていくということが必要だと思いますけれども、見解を伺います。

○飯沼技術管理担当部長 交通局ではこれまでも、障害者団体と定期的に意見交換を行っておりまして、ご要望も踏まえつつ、音声案内装置の設置を進めているところでございます。

○斉藤委員 要望を踏まえつつ設置を進めているということで、ぜひ続けていただきたいと思いますけれども、三田駅について、なかなかこれまでは先が見えなくて、視覚障害者の方々には大変な負担が続いていました。これからもこうしたニーズに寄り添って、見通しを持った計画を立てて、ぜひ対策を進めていただくことを求めます。
 次に、ホームの隙間対策について伺います。
 障害を持っている方々が安全に乗り降りできるようにするためにも、電車とホームの間の隙間をなくしていくことが重要です。
 このことについても、私もこの間、取り上げてきましたが、ホームの隙間対策は現在どのように進んでいるのか伺います。

○飯沼技術管理担当部長 都営地下鉄では、全てのお客様に安全・安心にご利用いただけるようホームの隙間対策に取り組んでおります。
 新宿線におきましては、ホームドアの整備に合わせて、ホームと車両の隙間を狭めるためのくし状ゴムを設置しております。
 また、三田線におきましては、今年度から、くし状ゴムの設置工事に着手しており、浅草線につきましては、検討を進めております。

○斉藤委員 この隙間対策についても、私は、三田駅の対策を早期に行ってほしいと求めてきました。視覚障害を持つ女性の方が、まさに電車とホームの隙間に落ちてしまって、周りの方々に助けられたという事例について、この間、質疑でもお話をさせていただきました。
 今ご答弁で、三田線は今年度から隙間対策のためのくし状ゴムの設置工事に着手しているということでした。三田駅のホームのこの隙間対策の進捗状況はどうなっているでしょうか伺います。

○飯沼技術管理担当部長 三田線三田駅におきましては、令和元年度に可動ステップを一台試験設置しておりまして、今年度からは、くし状ゴムの設置に着手をしております。
 また、経営計画二〇二二では、来年度までに必要な箇所に可動ステップを追加設置することとしております。

○斉藤委員 今年度からくし状ゴムの設置に着手し、来年度までに必要な箇所に可動ステップを追加設置していくということで、三田駅に対しても対策をしていただき、隙間が解消されるということで本当によかったというふうに思います。感謝を申し上げ、対策を望んでいた当事者の方々にも報告をしていきたいというふうに思います。
 次に、都営地下鉄の浸水対策について伺います。
 大規模な豪雨災害が相次ぐ中、都営地下鉄でも、荒川を含めた河川の氾濫など、大規模水害を含めた対策が喫緊の課題です。
 そこでまず、都営地下鉄での浸水対策について、これまでの取組を伺います。

○太田安全管理担当部長 都営地下鉄では現在、水防法改正を受けた最新の浸水想定を踏まえ、駅出入口の追加対策を進めるとともに、地下部の浸水拡大防止策について検討を行っております。
 また、避難確保・浸水防止計画を全ての駅で策定しておりますほか、大規模水害の発生に備え、タイムラインに沿って行動する図上訓練や、お客様の誘導、止水板や土のうの設置などを行う自然災害対応訓練などを実施しております。

○斉藤委員 水防法改正を受けた最新の浸水想定を踏まえて、駅出入口等の追加対策等を進めてきたということです。
 大規模水害を想定して地下鉄への浸水防止対策は、都民の命と財産を守るためにも大切な取組です。
 また、大規模な地下街では、ほかの鉄道会社や駅ビルの事業者と連携して取組を進めていくことが重要であり、私はこの間も、このことについても繰り返し、着実に対策を進めていくことを求めてきました。
 予算質疑において、浸水想定区域内に出入口がある駅で、ほかの鉄道事業者や隣接するビルと地下道等が接続していて、ビル管理者等による出入口の止水対策が完了していない駅は十九駅あるという答弁でしたけれども、その後の進捗について伺います。

○坂口建設工務部長 地下鉄の駅と接続しているビル等の出入口につきましては、浸水防止に向けた検討や関係者との調整を進めることといたしております。

○斉藤委員 今のご答弁ですと、今年度は、残りの駅出入口について、一駅も対策が進んでいないということだと思いますけれども、これに間違いないでしょうか。

○坂口建設工務部長 現在、三田線春日駅などで協議を実施いたしております。

○斉藤委員 現在、春日駅について協議を行っているということですけれども、相手事業者との協議があるということで、都交通局の都合だけでは進まないということはあるかと思うんですけれども、まだ対策が終わったという駅がないということだと思いますので、できるだけ、この水害から都民の命と財産を守るというためにも、対策を早期に進めていけるようにしていただきたいというふうに思います。
 いざというときに利用客の方々がどの方向に避難したらいいのか、ふだんから必要な情報を届けていくという取組が重要です。
 水害時の避難経路や駅でどのような対策が行われているのか、利用客の方々に伝えていくためにどのような取組をしているのか伺います。

○市川電車部長 各駅では、避難経路図を、改札口付近のお客様の目に留まりやすい場所に掲出しております。
 また、各駅で取るべき対策や避難経路等については、避難確保・浸水防止計画において公表しております。

○斉藤委員 避難経路を改札口付近に貼り出したり、各駅で取るべき対策について避難確保・浸水防止計画で公表しているということです。
 ちょっと確認をいたしますけれども、各駅のホームページにも掲載していると伺っていますが、浸水想定区域にある全ての駅の計画がホームページに公表されているんでしょうか。

○市川電車部長 都営地下鉄では、避難確保・浸水防止計画を全百一駅で策定し、そのうち、水防法で規定する四十一駅については、局ホームページにも掲載しております。

○斉藤委員 水防法で規定する四十一の駅ではホームページで公表しているということです。
 ぜひ、多くの皆さんにより分かりやすい形でこの避難経路を伝えられるように、取組を促進していただきたいというふうに思います。
 次に、痴漢対策の取組について伺います。
 私たち日本共産党都議団は、若い方々からの切実な声の下、痴漢ゼロの東京を実現しようと、これまでも質疑を行ってきました。
 都内の電車、駅での痴漢被害と盗撮被害についてのアンケート調査も行い、深刻な実態と対策を求める切実な声を届けてきました。
 交通局での取組について伺っていきたいと思いますが、まず、駅構内や電車でのポスターについてです。
 これまでのポスターの中には、痴漢に注意ですとか、この付近、盗撮、痴漢にご注意くださいという、被害を受ける側に注意を促すものが多く、これでは、被害に遭うのは注意が足りなかったからというメッセージになりかねず、問題だということ、肝腎なことは、加害を行う側への警告や注意、啓発を行うということだと、私たちは繰り返し訴えてきました。
 そうした中、交通局では、痴漢や盗撮は犯罪だというメッセージでポスターを作成し駅に貼り出すなど、取組を進めてきていることと思います。
 このポスターの新しいこうした加害行為を行う者への警告や注意をメッセージにしたこの新しいポスターの貼り出しや貼り替えはどのように進んでいるのか伺います。

○市川電車部長 交通局では、痴漢等の撲滅に向けて、痴漢、盗撮は犯罪であること、被害に遭った場合は、駅係員等へお知らせいただくこと、痴漢撲滅には周囲の協力が不可欠であることなどについて、独自のポスターや、警察や他の鉄道事業者等と連携したポスターを作成、掲出しております。

○斉藤委員 現在は、痴漢は犯罪であること、また、被害があった場合どうしたらいいか、さらに、周囲の協力、この呼びかけを行うポスターを貼っているということです。
 実際に私も、交通局が作った痴漢は犯罪ですというポスター、それから、警視庁が作成したデジポリスのポスターなど、周囲への呼びかけなどのメッセージになっているものも拝見をしています。しかし、いまだに、例えば、この付近、盗撮、痴漢にご注意くださいという、被害を受ける側に注意するような看板が、つい先日も足元の都庁前駅にも貼られている状況になっています。こうした看板やポスターは、誤った認識を植え付けかねないものです。簡単に、こうした看板やポスターの貼り替えというのはできることだと思いますので、早急に確認していただき、まだ残っているものに関しては新しいものに貼り替えていただくということを求めておきます。
 都営交通における痴漢及び盗撮行為に関する、この件数に関して、今回資料要求もいただいております。資料要求の一〇ページと一一ページですけれども、この中では、令和二年度、二〇二〇年度からの数字になっておりますので、例年より少し少ない数にはなっておりますけれども、特に盗撮の件数も多いという状況がよく分かる内容になっていると思います。
 都営交通における、この痴漢及び盗撮行為に関する警察への通報件数なんですけれども、気になるのが、交通局が把握している件数というのが、警察へ通報した件数のみだということなんです。
 この把握している数、なぜ警察への通報件数だけなのか、これを伺います。

○市川電車部長 都営地下鉄では、痴漢撲滅キャンペーンなどを通じて、痴漢被害に遭われたお客様や周囲のお客様に対して、痴漢被害に遭ったことを駅係員などにお知らせいただきたい旨の呼びかけを行っております。
 お客様から痴漢等被害の申出を受けた場合には、意向を確認の上、警察へ通報し、その件数を集約しております。

○斉藤委員 なぜ警察への通報件数だけなのかということにお答えがないんですけれども、いかがですか、なぜ。

○市川電車部長 繰り返しになりますが、お客様から痴漢等被害の申出を受けた場合には、意向を確認の上、警察へ通報いたしまして、その件数を集約しております。

○斉藤委員 やはりご答弁がないんですね。
 痴漢等被害の申出を受けた場合、受けた場合を数えればいいだけなので、簡単にできることだと思うんですけれども、なぜ数えないのか不思議なんですが、これ、本来であれば、痴漢、盗撮の件数について駅係員に申出のあったその件数を、件数も一緒に、合わせてカウントしていくべきだと思いますが、見解を伺います。

○市川電車部長 申出された方の意向を確認の上、警察へ通報しております。

○斉藤委員 警察へ通報するのに意向確認とかいう、ちょっと全然、答弁、質問にかみ合っていないんですけれども、お答えがないんですね。
 簡単に数えられることだと思うので、なぜそうしないか不思議なんですけれども、私は、関東以外のエリアにある鉄道会社の方にも伺いました。その会社では、痴漢の発生件数について、被害の全容を把握する上では、駅での申告件数の方が望ましいという考えの下、駅に申告のあった数と、プラス警察に通報した数、両方を記録しているということなんです。当たり前だと思うんですが、そして、実際にこの二つの件数にはやはり違いがあるということも伺っています。駅への申告数の把握は、被害の全容を知るためにも必要なんだという意識でやっておられるということです。
 都としても、実態をつかんでいくためにも、今後は、駅での申告の件数やその実態を把握していくために、きちんと申告数を数えていくということをやっていただきたいというふうに思います。
 さらに伺います。
 盗撮における検挙件数について、警視庁の、今回の決算委員会で、二〇一一年から二〇二一年の十年間で、全国では二・六倍に増加、東京都、この警視庁管内では三・一四倍へと、さらに増加傾向にあることが、我が党の池川友一都議の質疑で明らかになっています。
 盗撮被害が圧倒的に多い東京都における公共交通を担う機関として、交通局として、盗撮に対する対策の重要性について認識を伺います。

○市川電車部長 盗撮行為は犯罪であり、決して許されるものではなく、これまでも都営地下鉄では、犯罪の抑止に資する対策を講じてまいりました。

○斉藤委員 盗撮行為は犯罪であり、決して許されるものではないという重要な認識は示していただきましたけれども、その認識や、盗撮検挙件数が東京都で三倍以上にこの十年間で増えているという、こういう状況にふさわしい対策が求められているというふうに思います。
 盗撮や痴漢行為の防止のための取組を、関係機関と連携して強化していく必要がありますが、見解を伺います。

○市川電車部長 交通局では、痴漢撲滅キャンペーンなどを通じて、警察や他の鉄道事業者と連携しながら、繰り返し周知徹底を図っているところであります。

○斉藤委員 痴漢撲滅キャンペーンというのは、毎年六月だけに行われているものなんですね。
 私たちの調査でも、盗撮被害に遭う場所は、一位が公共の乗り物、三位が駅構内ということで、鉄道での対策が求められているということが浮き彫りになっています。従来どおりの取組だけでなく、今の実態に照らした対策の強化を関係機関と連携して進めていただくことを重ねて求めます。
 次に、女性専用車両の導入に当たって、交通局が大江戸線への導入の検討を決め、第三回定例議会では、全路線、全編成での導入を求める陳情が全会派一致で趣旨採択になるなど、世論が高まってきていると思います。
 今回の、警視庁の、決算委員会では、二〇二一年の卑わい行為、迷惑防止条例の第五条第一項の違反に当たる総数は一千四百九件ということも明らかになりました。警視庁の資料によると、最も発生が多い時間帯が午前八時台で百二十九件、二番目に多いのが午前七時台で百二十三件、三番目に多いのが午後六時台で百八件、四番目に多いのが午後三時台で百二件。朝のラッシュ時間に一番多いものの、帰宅時間や学校の下校時刻の時間帯にも多いことが分かります。
 被害が起こる場所の割合としては、やはり駅構内と電車内ということで半数を占めています。
 女性専用車両の導入に当たっては、こうした被害の発生時間帯の実態をよく見ていく必要があると思いますが、見解を伺います。

○市川電車部長 女性専用車両は、お客様の任意のご協力の下、運行しているものであり、時間の設定についても、できるだけ多くの方にご理解いただくことが必要であると認識しております。
 なお、新宿線では、車内の混雑状況や、首都圏における各鉄道事業者の導入状況、お客様の利便性や公平性等を総合的に勘案し、平日の朝ラッシュ時間帯に設定しております。

○斉藤委員 総合的に勘案していくという、これまでいただいているご答弁の繰り返しなんですけれども、こうした警視庁の最新の数字も実態を知る上での大きな要素になるというふうに思います。
 こうした実態を踏まえて、女性専用車両の導入の検討をしていただきたいと思います。
 さらに伺いますけれども、三田線と浅草線については、まだ女性専用車両の導入の検討がありません。女性専用車両の導入について、三田線、浅草線への導入についての課題について、改めて伺います。

○市川電車部長 浅草線及び三田線における女性専用車両の設定については、事業者ごとに混雑する車両の位置が異なることに加え、急行、普通といった運行形態や、一編成当たりの車両数が異なるなどの課題がございます。

○斉藤委員 事業者ごとに混雑する車両の位置が異なるというような理由を今述べられましたけれども、相互乗り入れをしている路線でも、女性専用車両を導入しているところはたくさんあります。例えば、東京メトロ半蔵門線は、東武伊勢崎線、これは今、スカイツリーラインともいいますけれども、日光線、また、東急田園線とも相互乗り入れを行っていますが、ここでも女性専用車両は導入をしています。その走行距離は九十八・五キロメートルにも及んで、とても長い距離ですけれども、その間の駅では、混雑する車両の位置がまちまちであるということも、当然、想像ができます。
 また、浅草線と相互乗り入れを行う京急電鉄は、平日八時台の上りの快特、また、品川止まりの車両に女性専用車両を導入し、また、京成電鉄、芝山鉄道、これは相互乗り入れしているものですけれども、芝山千代田から京成上野間で、京成上野駅、これは、朝の七時五十七分から八時五十九分着の通勤特急に女性専用車両を導入しています。検討を重ねていけば、混雑する車両の位置の違いなどは解決していけるんじゃないでしょうか。
 このことについて課題があるということをずっといい続けているんですけれども、その解消のために対応しているのかということが問われていると思います。
 これまで、相互乗り入れを行っている事業者と、女性専用車両の導入に当たっての話合い、これは、女性専用車両についてということで話合いが行われたということはこれまでないということも状況を伺っています。課題があって踏み出さないということではなく、交通局がイニシアチブを発揮して、各事業者に働きかけていくことを強く求めます。
 最後に、都営地下鉄の駅業務の委託について伺います。
 都営地下鉄の駅業務は、乗客の方々とその運行の安全を守る大切な業務です。駅で働く皆さんは、交通局の職員であれ、委託の駅係員さんであれ、都営地下鉄を支える一員として、日々の業務に尽力していただいていることと思います。
 この大切な駅業務について伺っていきたいと思いますが、この都営地下鉄の駅業務について、現在では五十九の駅が東京都営交通協力会に委託されています。
 先日の公営企業決算において、我が党の原純子都議の質疑から、委託駅においては、駅長に当たる助役は交通局職員、駅係員は東京都営交通協力会の方々だと伺っています。
 駅業務の委託内容は、窓口案内業務、駅務機器取扱業務、ホーム監視業務など、駅係員の業務全般という内容を伺っていますけれども、助役の業務内容はどういうものか伺います。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 助役は当該駅の責任者でございまして、監督業務を行うほか、終電の出発指示を行うとともに、異常時、緊急時におきましては、委託職員に指示を出し、対応に当たっております。

○斉藤委員 異常時、緊急時は委託職員に指示を出して対応に当たると。平常時は駅係員さんの仕事の監督業務を行うということですね。
 委託していない駅は、どのような理由で委託していないのか伺います。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 常時、列車の折り返しが発生する駅や駅務管区が所在する駅などにつきましては直営駅としております。

○斉藤委員 常時、列車の折り返しが発生する駅は直営の駅としていると。また、先ほどのご答弁では、助役は終電の出発指示を行うということでした。
 つまり、ちょっと確認したいのですけれども、電車の運行に関わる仕事をしている助役は交通局職員であり、また、電車の運行に関わる仕事をする駅は局の直営でやっているということでよろしいでしょうか。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 直営の駅におきましては、委員おっしゃったとおり、運転取扱業務が発生する駅につきましては直営の駅にしてございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 運行に関わる業務が発生する駅については直営でやっているというご答弁で、電車の運行に関わる仕事ですとか、指令所へ連絡や指示などが行えるというのは、鉄道会社、つまり交通局の職員であるというふうに定められていると伺っています。
 伺いますけれども、委託駅の職員の構成は、駅の責任者である助役は交通局職員、そして、それ以外の駅係員は委託の職員だということですけれども、この助役の交通局職員は、委託駅に一人の配置ということでしょうか。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 委託駅には常時一名の助役を配置しております。

○斉藤委員 委託駅には常時一名の助役を配置しているということですが、ちょっとこれ、この点詳しく伺いたいんですけれども、助役の方が休憩を取るとき、あるいは、業務の中で遺失物を管理駅に持っていくというようなときは、助役以外の駅係員さんで駅の業務を行っているということでよろしいでしょうか。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 委員おっしゃるとおりでございます。

○斉藤委員 そのとおりだというご答弁でした。
 ちょっともう一つ伺いたいんですけれども、窓口案内業務、駅務機器取扱業務、そして、ホーム監視業務など駅業務を行う駅係員さんには、時間に合わせて動くことが必要なので、作業ダイヤというのがあって、それに合わせて、業務に支障がないように休憩を取るということも伺いました。
 助役の方にもこの作業ダイヤはありますか。助役の方の作業ダイヤを作成されているか伺います。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 委託駅における助役につきましては、ダイヤはございません。

○斉藤委員 ダイヤを作っていないというご答弁でした。そういうことですね。
 ちょっと業務の内容について伺いますが、ホーム監視を行う委託の駅係員は、例えば、ホームドアが開かないなどの事象が発生した場合に、どのように運転士や車掌に連絡を取るのか伺います。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 委託駅におきましては、ホーム監視中の係員が列車到着時にホームドアが開かないなどの事象を発見した場合には、携帯している業務用PHSで、駅長である助役へ速やかに報告するとともに、当該列車の運転士や車掌へ直接状況を伝えることとしております。

○斉藤委員 助役への報告と、列車の運転士や車掌へ直接状況を伝えるということですね。
 ちょっと同様に伺いたいんですけれども、例えば車椅子の方を乗車させるときも、同様に駅係員が誘導し、完了したら、列車の運転士や車掌へ直接伝えるということでよろしいでしょうか。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 理事おっしゃるとおり、係員が対応することになっております。

○斉藤委員 駅係員が対応することになっていると。
 ちょっと再確認なんですが、完了した後に、先ほどのホームドアの件もそうですが、車椅子の対応のときもですけれども、完了したとき、その発車の連絡の合図ということも、駅係員の方がやっていらっしゃるということですかね。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 実際に実施をした係員が対応するということ、対応した場合には、助役に報告をするということになっております。

○斉藤委員 実際に対応した係員が行うということで、それをまた助役に報告するということですね。
 すみません、先ほど伺った作業ダイヤの件なんですけれども、これで最後になりますが、助役の方には作業ダイヤは作成していないということだったんですが、これはなぜなんでしょうか。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 委託駅におきましては、一日の作業等が錯綜いたしますので、決まったダイヤは定めず、助役は業務に就いております。

○斉藤委員 助役の方には業務が錯綜しているため作っていないということなんですが、これ、労働環境としても休憩が定められていないということだったりというのはどうなのかなということを思うんですけれども、委託の駅係員の方からお話を伺っているんですけれども、日常の指示、例えばPASMOや記念切符などの扱いなど、助役から通知の紙を受け取って仕事をしているということなんです。パソコンなどの端末も自分たちにはないために、協力会からの連絡を受けるという手段がなくて、また、協力会のステーション本部の営業時間は大体九時から五時というふうになっているので、それ以外の時間帯は人が不在になっていて、つまり、日常的に助役さんから仕事のお願いや指示を受けて仕事を行ったり、助役さんがいないときには、運転士や車掌さんももちろんですけれども、指令に連絡を行って、列車の運行にも関わっているということも伺ってまいりました。困ったことがあった際には、協力会の本部に聞いても分からないので、同じ現場にいる助役さんに相談するということでした。当然のことだというふうに思うんですけれども、しかし、助役や運転士や車掌は交通局の職員、そして、駅係員は委託業者である協力会の職員です。本来であれば、委託の駅係員が業務上の判断を仰ぐようなことは、交通協力会に対して行うべきものです。
 実際に働いている方から、次のような言葉が寄せられました。緊急時の対応を見よう見まねで対応させられ、十分な訓練をしていないので、いつも不安です、そもそも運転に関する業務はないと定められていると聞いています、委託の職員しか業務していない時間帯もあり、すごく不安ですということです。
 駅業務の委託を巡っては、多くの民間鉄道会社が、法令を守った業務が行えないために、委託をやめて、そして、鉄道会社が直接雇用に切り替える動きが進んできました。阪急電鉄では委託をやめて、直接雇用に切り替え、東急や京急でも駅係員について直接雇用を行っているということです。
 交通局でも、今の駅業務の在り方が法に照らして適切なのか、働く人たちの思いを踏みにじっていないか、考えなければならないのではないでしょうか。問題提起をさせていただき、質問を終わります。

○西沢委員 私から、今日は、地下鉄と、それからバスの二つについて質問をさせていただきたいというふうに思います。特に公営企業の役割、意義というようなもの、民間企業と比較をしながら質疑をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず最初に、都営地下鉄関係についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 二〇一九年の経営計画、経営計画二〇一九での高速電車事業、地下鉄の収支の見通しでは、二〇二八年度に累積欠損金が解消するというふうになっていました。一つ前の経営計画で、二〇二八年度には解消して三十九億円プラスになるよと、収支が、というような計画でしたが、その後、コロナの影響があり、経営赤字が続いて累積欠損金が増えている状況であるというようなことはご承知のとおりであります。
 そして、今年の三月に策定しました経営計画二〇二二の収支見通しでは、前の計画と同じ二〇二八年では、累積欠損金が約マイナス千五百三十五億円というようなことで、三年前の計画ではプラスに転じて三十九億円のプラスになる予定だったものが、逆にコロナを踏まえた上で、その三年後につくり直した今年の経営計画ではマイナス千五百億円になると。大変厳しい状況にあるということが、地下鉄でもうかがい知れるわけであります。
 ただ、これがつくられたのが三月ということでありますけれども、コロナの状況で確かに厳しい状況というのは分かります。最近は少し緩和をされつつあります。行動制限もなくなってきています。昨日の渋谷のハロウィンの人の集まり具合であったりとかを見たりすると、最近の肌感覚からすると、少し乗客が戻ってきているんじゃないかと、状況が変わってきているんじゃないかと、海外ではテレワークを取りやめようという運動なんかが始まっているところもあるというように聞きますから、実際どうなのかというようなことを踏まえて、この経営状況についてお伺いしたいと思います。
 この地下鉄の足元の経営状況、見通し、認識について、最初にお伺いしたいと思います。

○神永企画担当部長 都営地下鉄の収入の大宗を占める乗車料収入は、昨年度に比べ回復傾向にあるものの、本年夏の新型コロナウイルスの第七波の影響により回復が鈍化するなど、予断を許さない状況が続いております。
 また、テレワークをはじめとした行動変容の定着により、今後も、コロナ禍前の水準への回復は期待できないものと見込んでおります。
 加えて、エネルギーや原材料価格の高騰による支出の増加も見込まれており、引き続き厳しい経営環境に置かれるものと考えております。

○西沢委員 肌感覚と、ちゃんとした収支を見据えたものは当然違うものだと思いますし、今、答弁もありましたが、エネルギーの価格高騰というものが今後どうなっていくのかというようなところは、これは東京に限らず、世界規模、日本全体に関わる岐路に立っているのではないかと思いますから、厳しい環境に置かれているという認識はそのとおりだというふうにも思います。
 こうした厳しい経営状況の中でも、安全・安心の確保というものは最優先でございますが、私も、ホームドアについてちょっとお伺いをしたいと思います。
 先ほども少し議論がございましたが、このホームドアは、毎回、私も、機会があるたびに設置の推進というものを議会でも必ず取り上げてまいりました。先ほども議論がありましたが、これまでの取組状況、これも確認はされたので、ここについて聞くわけでありませんが、三田線、大江戸線、新宿線への整備が完了して、あとは浅草線だけだよというような状況でございます。
 この浅草線について少し細かく聞きたいんですが、複数の鉄道が乗り入れるということは当然大変だというようなことで、この浅草線は、ホームドアの整備に当たって、京急、京成など様々な会社が乗り入れているということから課題があったというようなことだと思います。こうした複数乗り入れているところ、いろんな技術があるというようなことで、当初、十年前から、私が初当選以来ずっと取り組んできたとき、そういった課題があったということですが、これを乗り越えたというようなことだと思います。
 これをどのように乗り越えたのかということと、現在の進捗状況についてを併せてお伺いしたいと思います。

○永松技術調整担当部長 浅草線は、複数の鉄道事業者による相互直通運転を行っておりまして、車両の編成数や扉の数が異なる様々な列車が運行してございます。
 このため、従来の方式によりホームドアを導入した場合、各社の車両改修が必要になり、多くの経費と時間を要するという課題がございました。
 そこで、QRコードを用いてホームドアと車両のドアを連動させるという職員の発想を基に、新たなドア開閉連動技術を民間事業者と共同で開発いたしました。
 これによりまして、車両のドアにQRコードを貼るだけで、車両を改修することなく、低コストでホームドアを導入することが可能となり、令和元年度から整備を開始いたしました。
 この技術を他の鉄道事業者でも自由に使えるよう特許を取得し、無償で公開しておりまして、京浜急行電鉄や神戸市営地下鉄、小田急電鉄がこの技術を採用しております。
 また、進捗状況については、これまでに泉岳寺駅から宝町駅までの六駅でホームドアの整備を完了しておりまして、京成電鉄が管理する押上駅を含めた残り十四駅について、令和五年度までの整備完了に向けて取り組んでまいります。

○西沢委員 まず、進捗については、先ほども議論がありましたけれども、令和五年度までに整備完了に向けてということで取り組んでいただくということで、ぜひ、改めてこれは進めていただきたいというように思います。
 その中で、技術ということで、相互乗り入れをする場合のホームドアの整備の技術的な問題があったものは、QRコードを用いた開閉連動技術、これちょっと話題になりましたね、当時、民間事業者、デンソーさんですよね、共同開発したと。しかも、これは東京都の職員の発想によって、これをつくったというようなことでございまして、そうした意味では大変すばらしい取組をされたんだろうと、ご苦労があったんだろうというふうに思います。
 さらに、今の答弁で、京浜急行電鉄、神戸市営地下鉄や、それから小田急電鉄も採用されているというような答弁がございまして、特になじみのある鉄道事業者でも、このQRコードを用いた技術、東京都と、それから民間事業者、デンソーとの共同開発によって、しかも、これは無償で公開している技術ということで、それを利用して相互乗り入れのホームドアの整備が進むというようなことに貢献しているという話であります。まさに、特許を取って、それを民間でみんなで使って、ホームドアを、都営だけではなくてつくっていこうよという取組は、都営ならではといいますか、公営企業の役割、意義に合致しているものだというように思い、しっかりとした、まず、敬意を表したいと思いますし、そうした取組は、ぜひ、これからも進めてもらいたいというようなことを申し上げておきたいというふうに思います。
 そうした技術もそうですが、経営状況の話、先ほど厳しいという話がございましたが、ここで少し大江戸線の延伸についてお伺いをしておきたいというふうに、確認しておきたいと思います。
 多額な投資になりますが、もともと二〇二八年にプラスになる予定だったというものが、今年になってマイナス千五百億円になるよという、予測が大分変わった中で、大江戸線の大泉学園の方への延伸について、どうしていくのかというようなことです。
 私は選挙区中野ですけれども、地元練馬出身でもありまして、今日、練馬の先生もいらっしゃいます。この辺、私、細かく聞くわけではありませんけれども、学生の頃から、大江戸線という名前ができる前、都営十二号線ですね、十二号線、十二号線と私よくいっていましたけれども、何で国立競技場までしか延びていないんだと、当時、光が丘に住んでいたものですから、そういったことを覚えていまして、大江戸線がこれだけ変わってきたというものをずっと見てきたわけであります。
 そうした中で、光が丘から先についての話というものが、この収支、コロナ禍で厳しくなったよという財政状況の見通し、先ほども聞きましたけれども、じゃあどうなっていくのかと。やるべきものはもちろんちゃんとやらなければいけないし、計画もしっかり進めていくべきなんじゃないかというような観点で、この大江戸線の延伸についての現在の検討状況についてお伺いしたいというふうに思います。

○生越技術企画担当部長 大江戸線延伸の事業化に当たりましては、将来的な旅客需要の見通しや事業の収支採算性の確保等について、十分に見定める必要がございます。
 現在、延伸による乗客数の増加見込みなど、将来の旅客需要について、新型コロナウイルス感染症に伴うお客様の行動変容も踏まえながら分析を進めているところでございます。

○西沢委員 コロナの影響が今後どうなるのかというところをちゃんと見定めなければいけないということ、そういったご答弁でございます。それも当然だというふうにも思います。
 これは都がやるとかやらないとか、勝手に当然決めることはできないと思います。
 国が事業認可するに当たって必要となる条件があると思いますが、それについてお伺いをいたします。

○生越技術企画担当部長 国による新線建設の事業許可に当たりましては、整備営業主体の確立が前提となるほか、地下鉄事業につきましては、累積資金収支を開業から四十年で黒字化することなどが必要とされております。

○西沢委員 累積資金収支が開業から四十年で黒字化というようなことでありまして、長い話、大江戸線もまだ全然四十年たっていません、ほかも含めて四十年たっていないというようなところでありますから、しっかりとした計画というものが必要だというように思います。
 この計画についてはしっかり、無秩序につくっていいものではないよと、その場の勢いでということではないというのは国の方でもありますが、四十年で収支を黒字というふうなことを証明するのは当然難しいと思います。しっかりと国とも協議をして進めてもらいたいというふうなことを申し上げたいと思います。
 続いて、電車の混雑の対策、特に知事の公約は、満員電車ゼロというものがありましたが、ここについてちょっと聞いていきたいというふうに思います。
 このコロナ禍において、先ほどから収支が厳しいよという話、つまり利用者が減ってきたよという話がございまして、満員電車は減ったんだと、だから達成したんだというようなことでいいわけでは当然ありません。混雑対策ということについては、オレンジの事業概要の八九ページの混雑対策という欄があって、取り組まれていらっしゃるというふうな説明を先日も受けました。
 それで、平成三十年の予算特別委員会で、満員電車ゼロについて、私、知事に確認をしましたが、当時は、満員電車ゼロの定義は何かという話は、都市づくりのグランドデザインというような、当時は技監が答えましたけれども、そこで定めているものだよという答弁があって、知事もそれでいいのかといったら、そうだという。そういうことで、都市づくりのグランドデザインに書いてあるものだよと。ここに書いてあるものの基というのが、国土交通省が出した、国土交通省の交通政策審議会の方で出している混雑解消率だよというようなことになって、それだと当時の都営交通は既に達成しているというようなことになるじゃないかと、だからこそ、定義をしっかりと定めるべきだというような質疑をしました。小池知事就任前から、都営交通は満員電車ゼロは達成しているというようなことにつながるというのはおかしいというようなことだから、満員電車というのはじゃあ何なのかというのをしっかりと定めるべきだというふうな、明確な答弁があったわけでは、そこについてはありませんでしたけれども。
 そこで、改めて、小池知事二期目のときにはその話は全くなくなっていました。なくなっていましたが、そうなると、今、都営交通の方では、どういう立場で混雑解消をやっているのか、混雑対策はどういった定義でやっているのかと。これは知事の公約にあったものを基にしてやっているのかというようなことで確認したいわけですが、小池知事の公約にあった満員電車ゼロの定義について、どう捉えているのかお伺いをいたします。

○神永企画担当部長 都が策定いたしました都市づくりのグランドデザインでは、二〇四〇年代の都市づくりの挑戦の一つとして、鉄道のピーク時の混雑解消を掲げております。
 また、「未来の東京」戦略におきましても、目指す二〇四〇年代の東京の姿として、満員電車が過去のものになっているという姿が示されております。

○西沢委員 平成三十年のときの質疑から変わっていないというようなことと捉えました。つまり、今の答弁では、都市づくりのグランドデザインで、鉄道のピーク時の混雑解消を掲げているよという話でございましたので、これだろうと、都市づくりのグランドデザインに定められているものをやっているということだと思います。
 じゃあこの取組の具体的な状況をお伺いするわけですが、この事業概要に書いてある混雑対策とか、今、答弁もありましたけれども、グランドデザインにある鉄道のピーク時の混雑解消ということではなく、満員電車ゼロと、小池知事がいう満員電車ゼロ、達成したからもうしないというようなことにもなってはいけないので確認ですが、都営地下鉄における知事の掲げる満員電車ゼロ、これらの取組状況についてお伺いしたいと思います。

○神永企画担当部長 都営地下鉄では、三田線や新宿線の車両の長編成化によるさらなる輸送力の増強、時差ビズキャンペーンの実施や車両の混雑予測情報の提供など、ハード、ソフト両面から混雑緩和に向け取り組んでおります。

○西沢委員 今回、鉄道のピーク時の混雑解消、グランドデザインに掲げているものとか、事業概要の八九ページの混雑対策のことは聞かなくて、小池知事の満員電車ゼロへの取組状況を聞いたところ、さらなる輸送力の増強であるとか、混雑予測情報の提供であるとかという答弁がありました。つまり、小池知事の満員電車ゼロというものはまだ生きているんだと、都営交通としては、まだそれに向かって一緒にやっているんだというようなことが確認できました。
 やりっ放しとか、駄目なら駄目で別のことをやるとか、いいと思います。コロナになって、もちろん、輸送人員が減ったから、だからもう達成されたんだとかいうことではなく、混雑対策、粛々とやっていくということは大切だと思います。
 先ほどの大江戸線の延伸の話で、もし先に延びた場合、私の地元の中野区を通る大江戸線のところから乗る人たちにとっては、混雑が逆に増えるんじゃないかというような話もあるそうでございます。こういう話も聞きましたが、そうした中でやはり混雑対策というものはやっていかなきゃいけないことだろうということを重ねて申し上げておきたいというふうに思います。
 続いて、都営バスについてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 バスは、鉄道に比べて輸送効率が低くて、電車も同じですけれども、これもコロナ禍にあって、テレワークなどで経営状況はかなり厳しい、かつてなく厳しいというようなことでございます。バスは、どちらかというと、私もずっと見てきた、都議会議員として十数年見てきた中で、地下鉄の方がまだ堅調で、バスが厳しいんだという話はありましたが、今、どちらも厳しいという状況の中で、かつてなく厳しいとはそういうことだと思います。
 ただ、バスは、地域の方々の暮らしを支える身近な移動手段であると。これは今日も議論が各委員の先生方からもあった、そのとおりだと思います。病院が赤字だから、なくなってしまっては困るというようなことで、だから、都立病院なんかは赤字と余りいわないようにしているわけでありますけれども、バスも同様で、公共サービスとして厳しい状況の中にあっても、その役割を果たさなければいけないというように思います。
 赤字とか黒字とかということを殊さら強調するのもどうかと思います。つまり、赤字は殊さら自助努力が足りなくて、そういったことが、垂れ流しというのは非常によくないと思いますが、その一方で、公営企業としての役割も果たさなければいけません。
 一方で、黒字も、極端な黒字を生み出すような仕組みというものも、またこれも民業圧迫であったり、もしくは公営企業としての役割を果たしていないことにつながるのではないかというように思っています。特に都営バスは公営でございまして、民間バスでは手が届きづらいところにも、しっかり対応していくべきだというふうに考えます。
 そうした公営の意義を確認しながら幾つか質問しますが、都内の民間のバスの運賃、多くが二百二十円、都営バスは値上げをせずに二百十円。
 将来にわたって役割を果たすには経営改善が必要だというようなことは同様でありますが、改めて、この都営バスの経営改善に向けて、どのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、経営改善に向け、収入、支出の両面から様々な取組を行っております。
 支出面ではこれまでも、民間事業者への営業所の管理の委託や現業系職員の給与水準の見直しにより、人件費の削減を図ってまいりました。
 さらに、このたびのコロナ禍によります収支の悪化を受けまして、営業所の水道光熱費など運行に直接関わらない経常的経費や、車両の更新などの投資的経費につきましても幅広く見直しを行っております。
 また、増収に向け、新型コロナウイルス感染症の流行状況等に留意しながら旅客誘致を図っておりまして、大規模な集客施設等とタイアップし、施設利用時に都営バスをご利用いただけるよう共同でPRするとともに、沿線の見どころや人気の店舗等の情報を紹介する広報誌「都バス乗り隊歩き隊」の発行などを行っております。
 引き続き、こうした取組を着実に進めながら、収支の改善を図ってまいります。

○西沢委員 これ先ほども議論がございましたけれども、平成十九年に給与削減、人件費の削減まで行っているということで、今、給与が上がらないと。物価が上がるけれども給与は上がらないという中において、こうしたことになってはいけないんだろうというように改めて思います。
 経費の節減というのは、これはもうしようがないところはあろうかと思いますし、今ご答弁いただいたような対応というものも、それは大切なことだろうというふうにも思いますが、安易な値上げということはすべきではありませんけれども、これ、状況は当然見ていく必要があるんだろうというふうに思います。
 そうした中で、経費節減の中で現場の職場環境の悪化、そこで働く乗務員の皆さんの意欲の低下が生じてはいけないんだろうというふうに思います。特に、コロナ禍でエッセンシャルワーカーとして公共交通の役割を果たしている乗務員の方々の意欲というものが続かなければいけないというふうに思います。特段、営業所で休憩を取られたりとか、営業所がメインになりますが、古い建物も多うございます。
 そうした中で、都営交通、営業所の改修というものに取り組んでいると思いますけれども、こういったところに影響がないかどうか確認したいと思います。
 改めて、経費節減により営業所の改修に影響があるのかどうか、確認をしたいと思います。

○櫻庭自動車部長 都営バスでは、将来にわたって安定した輸送サービスを提供できますよう、老朽化した営業所の庁舎や整備場、係留スタンドなど、建築物や設備の修繕、改修などを計画的に行っておりまして、厳しい経営状況の中にあっても、引き続き着実に進めてまいります。

○西沢委員 着実に実施するという、自動車部長からご答弁をいただきました。先ほど来、厳しい厳しい、コロナで経営状況が厳しいという話をたくさんいただいている中で、営業所の改修については影響はないよというようなご答弁は大変ありがたいというように思います。改めて、現場の職員の士気が下がらないように取り組んでいただきたいというように思います。
 続いて、路線の維持について確認していきます。
 これも先ほども話がありましたが、確認をしていきたいと思いますが、民間のバスの方では、多くが減便、路線の廃止というものを実施しています。都営バスでも、この春のダイヤ改正で一部路線の廃止や減便が、今日も議論があったし、資料要求にもあります。厳しい状況の中で、ある程度はやむを得ないというようには思うものの、やはり公営としての役割、利用者への影響を極力小さくするということが重要であるというように感じます。
 この春のダイヤ改正における路線の廃止や減便の実施規模、あわせて、実施に当たっての考え方を伺いたいと思います。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、地域のニーズや需要の変化をきめ細かく把握するとともに、代替交通の有無などの路線特性を踏まえまして、毎年定期的に路線の見直しを行っております。
 今春のダイヤ改正では、ご利用が大幅に減少している路線のうち、運行頻度の高い他の路線と重複し代替交通が確保できている三路線について運行を終了いたしました。
 深夜バスは、全九路線のうち、ご利用が非常に少ない三路線を休止といたしましたが、他の六路線は、深夜の帰宅などで一定のご利用が見込まれることから、運行を継続しております。
 また、平日、土曜、休日ダイヤのいずれかで一便だけ減少するものも含めますと、計二十六路線が減便となっておりますが、お客様の利便性に最大限配慮し、影響をできる限り抑えております。
 具体的には、各区間の時間帯ごとの利用状況などを踏まえまして、ほとんどの路線について、ご利用が多い時間帯の運行間隔を変えずに維持するか、あるいは拡大しても三分程度にとどめております。

○西沢委員 赤字、黒字はいわないようにといいつつ、九割の路線が赤字という中でございますけれども、今の答弁、結構減便している、廃止しているという話がありますが、答弁の節々に影響を何とか最小限にしようというような思いは一応感じ取らせてはいただきました。
 ただ、繰り返すようですが、公営である以上、赤字路線というものであっても、地域に必要な路線はしっかりと維持をしていくべきだということは申し上げておきたいというふうに思います。
 この収支のマイナス、赤字路線の維持、廃止、厳しい中でございますが、考え方についてお伺いします。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスではこれまでも、赤字路線でありましても、代替交通手段が十分に整備されていない路線は黒字路線の収入で支えるなど、総合的な事業運営を行うことで維持してきておりまして、ご利用が大幅に減少し代替交通が確保されている路線につきましては、廃止の検討対象としてまいりました。
 昨年度は、九割の路線が赤字となり厳しい経営状況にございますが、収入、支出の両面から経営改善に取り組むことで、必要な路線を適切に維持してまいります。

○西沢委員 高齢者に限りませんけど、通院、通学、日中の買物であったり、路線によって様々なニーズがあります。このニーズというものにしっかりと即して、利便性の高い路線にしていくことが重要です。マイナス、プラスだけではなく、そのニーズというものをどうやって把握するのかということだと思いますが、代替交通の有無などとかでいろいろと決めているんだよという話もいただきましたが、その中には、こういうニーズがあるんだ、こういう方が利用されているんだというようなこともしっかりと把握することは大事です。
 路線ダイヤの見直しに当たりまして、各路線に対する地域のニーズ、利用実態、どのように把握しているのかお伺いをいたします。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、定期的な路線の見直しに当たりまして、地域のニーズや需要の変化をきめ細かく把握しております。
 具体的には、日々の運行実績のデータを分析するほか、各路線の利用状況の変化などについて営業所からヒアリングを行っております。
 加えて、実際に職員がバスの車内に乗り込み、停留所ごとの乗り降りの人数、お客様の年齢層や各路線の時間帯ごとの利用状況などをきめ細かく調査することで、路線別の利用実態や乗客潮流の変化を把握しております。

○西沢委員 今の答弁で、実際に職員の方がバスの車内に乗り込んでニーズを把握しているという話で、私もちょっといろいろな方に、いろんなというか、知り合いのバスの運転手さんとかに聞いてみたところ、これをやっているのはあまりないそうで、都営交通の方で、他社よりもニーズ把握に努めているというようなことなのではないかと思います。
 特にニーズ把握、アンケートであったりとか、そういったことでは分からないことというのを聞いた上で、このダイヤの改正、路線の見直しということは極めて重要でありますから、改めて、実際に乗り込んで聞き取ったとか、話を聞いたりということを続けてほしいなというようなことを申し上げておきたいというように思います。
 そして、続いて、公営としての役割のもう一つは、環境負荷の低減であったり、持続可能な社会の実現に向けて都営交通が牽引していくべきだというようなことであります。
 地方に行きますと、バスを見て、相当古い車両であったりとか、そういったことを見かけることもありますが、都のバスは低公害バス、今日もいろいろと議論がありましたが、環境負荷のないような形で取り組んでいるということは大きく評価できるものだと思います。
 さっきの黒字、赤字の話になれば、もう赤字なんだから古い車両でいいんだ、環境負荷があってもいいんじゃないか、安いもので使い回せというような考えで、マイナス、赤字を縮減しようという考えもあるのかもしれませんが、いやいやそうじゃないんだと。
 やはり、公営交通の役割として、この環境負荷、持続可能な社会の実現に向けて牽引していくべきだというようなことを打ち出すことは大変すばらしいことだと思いますが、改めて、都営バスにおける低公害車両の導入の考え方についてお伺いをいたします。

○櫻庭自動車部長 都営バスでは、環境負荷低減の取組の一環として、車両の更新時に、最新の排出ガス規制や燃費基準に適合した低公害車両を導入するとともに、ゼロエミッション東京の実現に貢献するため、燃料電池バスを先導的に導入しております。
 本年の四月時点で保有している路線バス車両一千四百八十両は、全て導入する時点の最新の規制に適合した低公害車でございまして、内訳は、ディーゼルバスが一千二百八十一両、ハイブリッドバスが百二十八両、燃料電池バスが七十一両でございます。

○西沢委員 燃料電池バス七十一両と大変大きく、先ほど答弁の中で、別の話の中で、八十を目標にということも話がございました。恐らく日本最大で、他のバスのたくさん走っている九州や神奈川、札幌と比較しても、まさに東京都が取り組んでいることが大きいというようなことが確認をできました。この燃料電池バスは、水素社会実現の観点からも、私どもも重要であるというふうにも思っております。
 先ほど、そういった環境に対しての取組、そんなのはいいから値下げしてくれとか、そういうような話というわけではいけないというようにも思います。ただ、こういった話がないわけではなくて、たまにそうした声を地域からいただくこともないわけではありません。
 利用者の反響というものをここで確認したいと思いますが、燃料電池バスに対する利用者からの反響、どのようなものがあるのかお伺いをいたします。

○櫻庭自動車部長 燃料電池バスをご利用いただいたお客様からは、環境によいのでさらに導入してほしいという声に加えまして、非常に音が静かである、乗り心地もスムーズで快適であるといったお声が寄せられております。

○西沢委員 評判がいいということで、特に環境にいいということで乗っているということで、意識も相乗的に高まるというようなこともあるんじゃないかなと思います。また、乗り心地もスムーズだということは何よりだというように思います。
 停留所の部分についてちょっとお伺いしていきますが、停留所のLED化を進めているということで、民間バスよりも都営バス、そういったことをやっているイメージがあります。そういった話を聞きますし、私もそう思います。
 この停留所におけるLED照明の導入状況と、今後の拡大予定についてお伺いをいたします。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、省エネルギーの推進に向け、停留所におけるLED照明の導入を進めておりまして、昨年度末時点で千三百二十七か所に導入しております。
 また、令和六年度までの三か年で三百六十か所への導入を目指しておりまして、これにより、対象停留所の約五六%でLED化が完了いたします。

○西沢委員 今後の三年で半分以上、五六%完了していくよということでありました。これも利便性につながっていくのかなというふうにも思います。
 これも、何度もすみませんが、上屋、ベンチの停留所の話、今日も議論がございましたが、高齢者の方々であったり利用者にとっては、待ち時間の負担が低くなるということはいうまでもありません。
 先ほど小型のベンチの話がちょっとございましたけれども、上屋とベンチの整備に当たっての条件、基準について確認していきたいと思います。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、お客様がバスをお待ちいただく際の快適性を向上させるため、停留所への上屋、ベンチの整備に取り組んでおります。
 整備に当たりましては、歩道の幅員等が道路占用許可基準を満たすこと、警察の許可や停留所付近の地権者の同意等を得ること、地下埋設物がなく基礎が構築できることなどが不可欠でございます。
 その上で、利用状況のほか、周辺における福祉施設や病院等の立地状況なども考慮いたしまして、整備箇所を選定しております。

○西沢委員 周辺の地権者の同意も得なきゃいけないということで、中には、目の前がたまり場になる、うるさいとかいうことでなかなか同意を得られないということもあると聞きますが、小型化するであったりとか、先ほどの議論の中でもいろいろとございました、様々工夫して取組を進めていただきたいというように思います。
 停留所でバスの接近を知らせる装置についても、これも都営バスは民間バスよりも取り組んでいるのではないかというようにも思いますが、液晶画面で様々情報を知らせるタイプ、数字、二、一、ゼロという簡易なものが大半でありますけれども、それでも、ある方が、高齢者には限りませんけど、いろんな方が、そういったものがありがたいのではないかというふうにも思います。
 この装置の導入、バスの接近を知らせる装置、それぞれの導入状況についてお伺いをいたします。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、お客様の利便性の向上に向け、停留所においてバスの接近状況を表示する装置を設置しております。
 昨年度末時点で九百四十九基、全停留所の約二五%に設置しております。
 このうち、乗車までの待ち時間や主要な停留所までの所要時間などを文字や音声でご案内するタイプが百八十九基、フルカラーディスプレイにより接近状況などを英語でも表示できるタイプが三十基、バスが幾つ前の停留所まで来ているかを数字で表示するタイプが七百三十基でございます。

○西沢委員 取組状況をお伺いしました。
 私の地元中野区内の停留所であったりとか、含めていろいろとちょっと気をつけて見てみると、まだまだ、導入に物理的に限界もあると思いますけれども、その余地もあるんじゃないかというようにも思いますので、改めて取組は進めていただきたいというように思います。
 続いて、時刻表などの確認についてですが、最近は、スマートフォンで各事業者のサイトを見て確認する人もいます。アプリなんかで便利なものがたくさんありますから、そうしたものを見たりするということもありますけれども、都営バスのサイトではどのような工夫を凝らしているのか、確認をしたいというふうに思います。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、運行に関する専用サイト、tobus.jpにおきまして、路線案内や時刻表に加え、リアルタイムの運行状況など、様々な情報を提供しております。
 このサイトでは、停留所名のほか、駅や観光施設の名称、地図など、多様な方法で路線や停留所を検索できるようにしておりまして、お乗りになりたいバスの待ち時間や目的地までの所要時間なども確認することが可能でございます。
 また、スマートフォン用のサイトでは、お客様が現在おられる場所の最寄りの停留所を表示できるほか、いつもご利用になる停留所をマイバス停として登録し、ご利用したい路線の情報を素早く得られるようにしてございます。
 引き続き、様々な工夫により、お客様の情報提供の充実を図ってまいります。

○西沢委員 バスのサイト、いろいろと確認ができるとか、見にきた人に対してのサービスというものをやっているということでありますが、それはそれで大変すばらしいと思います。様々工夫を今後もやっていただきたいと思いますが、目まぐるしく、スマートフォンであったりとか、アプリの方も変わっていきます。都営交通アプリもありますけれども、結構厳しい評価もありますし、このサイトについても同様に、常に工夫をしなければ置いていかれてしまう、それこそ公営交通の役割と意義というものを踏まえた上で、工夫を凝らして情報提供に努めていただきたいというように思います。
 最後に、これはバスも、それから地下鉄も同様でございますけれども、公営で働く立場である従業員、乗務員、そこに関わる方々、基本的には公務員であります。災害の話も今日ありましたけれども、いざ災害時には、民間とは違って頼れる存在にならなければいけないというように思います。
 改めて、電車やバスの運転士さん、整備士さん、現場で働く方々、民間企業などと比較して、例えば災害時など役割が求められるというふうに思いますが、どのようなことがあるのかお伺いをいたします。

○太田安全管理担当部長 交通局では、危機管理対策計画に基づき、勤務時間外に震度六弱以上の地震が発生したときや、局長が参集を指示したときには、職員は、あらかじめ指定された場所に参集し、お客様及び職員の安全確認並びに施設の被災状況把握等の初期活動を実施することとしております。
 その後、活動状況等を定期的に報告するとともに、被災した施設、設備の復旧に向けた点検や修理、自治体からの依頼に基づく輸送業務などに従事することとなります。

○西沢委員 まさに公営交通の役割として、災害時はこうした活動というようなものが公務員には求められるものであろうというふうにも思います。
 自治体からの依頼に基づく輸送業務などに従事するという答弁がありました。政策協定であったりとか、災害時の協定を結ぶ民間事業者もありますけれども、そういったことではなく、通常に自治体からの依頼に基づく輸送業務をやるんだというようなことはまさに公営企業としての役割であるというふうに思います。民間企業とは違うというところも、そういったところで確認ができました。
 改めて、以前私も新自由主義的な発想で、公務員は給与は安い方がいいんだというようなところで、どんどん給与は厳しいから削減してしまえというようなことで考えていたこともないわけではありませんが、今まさに状況は違います。状況の中で、これから物価が高くなっていく中で、従業員の方々も含めて、待遇というものをしっかりとして士気が下がらないようにして、災害時の安全・安心を守る必要があるというようにも感じます。そうしたことを申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。

○岩永委員 それでは、まず、都営交通の安全対策についてお伺いします。
 先日、東京メトロを利用しました。混雑した電車を降りるときに、靴のかかとを踏まれたはずみで靴を線路に落としてしまいました。片方しか靴を履いていないので歩くことができずにどうしようかと困っていたときに、ホームにいた係員の方がすぐに駆けつけてくださって、事情を確認し、駅の事務所と連絡を取ってくださいました。そのときに、人が配置されていることの安心感を身をもって感じたということがありました。
 そこで、日暮里・舎人ライナーの無人駅での対応について伺います。
 日暮里駅、西日暮里駅以外の駅では、朝のラッシュ時間帯以外は無人対応となっておりますが、無人駅での利用者への対応について伺います。

○市川電車部長 日暮里・舎人ライナーでは、係員や警備員が各駅を巡回するとともに、指令所から防犯カメラの映像を確認することにより、駅構内の状況を把握しております。
 係員がいない駅で急病人の発生などの緊急時に、車内やホーム等に設置しているインターホンからの通報があった場合などには、指令所の指示により巡回中の係員が急行し、お客様の対応を行うこととしております。

○岩永委員 緊急時であっても、インターホンから連絡をするということです。障害のある人や高齢者、また子供や外国人など、インターホンを探すことが難しかったり、またインターホンでの通話が困難な方も含めて、あらゆる方が利用されるのが公営交通です。改めて、誰もが安心して利用できるように、無人ホームへの人員配置を要望いたします。
 次に、幼稚園や保育園の送迎バスの置き去り事故への対策として、園バス車両に安全装置を義務づけるなど、国でも検討が行われております。都営交通の安全対策としても対策が必要と考え、伺います。
 都営バスでは、車両を車庫に入れる際に、どのように安全確認が行われているのでしょうか。

○櫻庭自動車部長 都営バスでは、バスが終点に到着したときに、乗務員が車内を見回って点検を行いまして、お客様が車内に残っていないか、不審物や遺失物、お忘れものがないかなどを確認しております。

○岩永委員 続いて、地下鉄、新交通、東京さくらトラムについても同様に伺います。

○市川電車部長 都営地下鉄、東京さくらトラム、都電荒川線、日暮里・舎人ライナーでは、車両を車庫へ移動させる際には、係員や警備員が車内を見回り、お客様が残っていないことなどを確認した後、移動を開始しております。

○岩永委員 見回って点検をされていらっしゃるということです。
 国では、安全装置やガイドラインの策定など、置き去り対策が検討されております。改めて、交通局における全ての車両で置き去り事故を起こさないための安全対策の徹底を求めます。
 続きまして、都営交通のユニバーサルデザインについてお伺いします。
 誰もが利用しやすいユニバーサルデザインの取組が進められております。多くの人が利用する公営交通には、ハード面、ソフト面を含めたユニバーサルデザインがとりわけ重要であるため、都営交通の取組を伺います。
 都営地下鉄において、障害のある人など配慮が必要な方へのソフト面の取組を伺います。

○市川電車部長 都営地下鉄では、障害のある方などにも安心してご利用いただけるよう、全職員を対象とした業務研修を実施するとともに、おもてなしの心と安全な介助技術を身につけるためのサービス介助士の資格取得を進めており、現在、全ての駅に、資格を持った係員を複数名配置しております。
 また、他の鉄道事業者とも連携し声かけサポート運動に取り組んでおり、お困りのお客様への声かけを徹底するとともに、ポスターや駅構内の放送などにより、周囲のお客様への協力を呼びかけております。

○岩永委員 次に、都営バスにおいて、障害のある人など配慮が必要な方へのソフト面の取組を伺います。

○櫻庭自動車部長 都営バスでは、障害のある方などにも安心してご利用いただけますよう、乗務員が、適宜乗り降りを支援いたしますとともに、その習熟に向けて定期的に研修を行っております。
 研修では、実際に車椅子を用いまして乗り降りや固定する方法を習熟させますとともに、体の動きや視界の制約を疑似体験できる器具などを用いまして、多様な障害に対する理解と介助のノウハウの習得を図っております。
 また、知的障害などのある方を営業所にお招きいたしまして、バスの乗り降りなどを体験していただきますとともに、日頃利用される際にお困りになっていることやご要望などをお伺いいたしまして、対応力の向上に努めております。

○岩永委員 都営地下鉄駅では、サービス介助士の資格を持った係員が各駅にいるということ、また、都営バスでは、体験の場があるということです。障害の中でも、特に知的障害や発達障害の人は、交通機関の利用の際に、使い方が分からない、利用の仕方が分からないということも多く、不安になったりパニックになりやすいために外出を控えるという人もいるとお聞きします。
 このような体験の機会があることで、今は一人で交通機関を利用することが難しいと諦めてしまっている人が利用できるような機会にもなるのだと思います。合理的配慮という観点からも、このような都営バスでの利用を体験する取組を参考にして、バスだけではなく、地下鉄や新交通、さくらトラムなど全ての都営交通機関で体験の場や機会をつくることを要望します。
 あわせて、障害当事者をはじめ、様々なご事情のある方の当事者からの声を受ける機会を持っていただくことをお願いいたします。
 また、知的障害や発達障害の人は、車椅子利用者のように支援が必要なことが周囲の人に分かりにくいということがあります。そのために、分かっていれば受けられる支援を受けられなかったり、事前に知っていれば防げるトラブルを起こすことが多いとお聞きします。ヘルプマークの周知も含めて、周囲の障害理解を進める取組を要望します。
 まちのバリアフリー化が進み、多様な特性を持つ人が様々な公共の施設を利用している今、私たちの生活に欠かせないトイレについても、全ての人にとってより利用しやすいものになるように、ユニバーサルデザインの視点からの整備や管理が必要です。
 二〇二一年十一月の公営企業委員会では、都営地下鉄にも、車椅子使用者対応トイレに介助用ベッドの設置を進めることを求めましたが、その後の進捗状況を伺います。

○飯沼技術管理担当部長 都営地下鉄では、駅の大規模改修等の機会を捉え、車椅子使用者対応トイレ内に十分なスペースを確保できる場合に介助用ベッドを設置しております。
 令和三年度末時点では二十二駅、二十五か所で整備済みとなっており、今年度は、三田線新板橋駅など二駅で工事に着手をしているところでございます。

○岩永委員 百六駅ある中で、現在二十二駅、二十五か所に整備済みとのことです。今後も着実に進めていくことを要望します。
 今年の三月に、東京都の多様な利用者のニーズに配慮したユニバーサルデザインのトイレづくりハンドブックができました。福祉保健局が作成したものですが、このハンドブックでは、トイレ空間におけるユニバーサルデザインを進めるため、トイレを利用するときの困り事であったり、その解決の方向性などが好事例とともに紹介をされています。多様なニーズを持つ全ての人がストレスなく利用できるトイレ環境を実現するため、トイレの新築や改造だけではなく、日頃の管理の中でも、このハンドブックを活用した取組が必要です。私も読ませていただきましたが、とても分かりやすくて、多くの人に知っていただきたい内容です。ぜひ、庁内連携の中で、交通局としても、誰もが安心してストレスなく利用できるトイレの整備や管理を行っていただくことを要望します。
 また、都営地下鉄に、授乳スペースのある、赤ちゃん・ふらっとの設置を要望してきました。本年三月の公営企業委員会で、授乳スペースの確保について検討していくとのご答弁がありましたが、その後の進捗状況を伺います。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 授乳室は、乳児をお連れのお客様に地下鉄をより安心してご利用いただくための施設でございます。
 一方、設置に当たりましては、駅構内という限られた空間の中でのスペースの確保や運営に際してのセキュリティの確保等の課題がございます。
 こうした課題を踏まえつつ検討を行い、このたび、係員等が常駐する上野御徒町駅のツーリストインフォメーションセンター内に授乳室を設置することとし、来年二月からご利用いただけるよう準備を進めているところでございます。

○岩永委員 来年二月からの上野御徒町駅のツーリストインフォメーションセンター内に授乳室の設置ということでの準備が進められているということです。対応が進んだことに感謝をし、大きな一歩となることを期待しております。
 また、開始に当たりましては、必要とされている方が利用できるような周知をお願いします。この取組をきっかけに、ほかの駅にも広げるなど、今後も、子育て家庭の移動のバリアフリーへの対応を要望します。
 次に、障害者雇用の状況を伺います。
 交通局と政策連携団体である東京交通サービスにおける障害者雇用の現状について伺います。

○牧野職員部長 令和三年六月一日現在の障害者雇用率は、交通局では三・九五%、政策連携団体である東京交通サービス株式会社では二・九五%でありまして、いずれも法定雇用率を上回っております。

○岩永委員 また、交通局で取り組んでいる障害者の働く店の場所や店舗数等の詳細を伺います。

○坂田資産運用部長 交通局では、障害者の自立と雇用を支援する観点から、沿線の自治体と連携し、駅構内において障害者が働く店舗の設置に取り組んできたところでございます。
 現在、都営地下鉄の大門駅、人形町駅、高島平駅、若松河田駅及び日暮里・舎人ライナーの西日暮里駅の五店舗がございまして、障害者施設で製造したパンや菓子、工芸品などが販売されております。

○岩永委員 今、五店舗、五つの駅に設置をされているということですけれども、多くの人が利用する地下鉄の駅に障害者の働く店があるということはとてもよい取組だと思います。駅構内のスペースの活用については、様々なニーズや課題などの議論もあると思いますが、イベント的にワゴン販売という形式や、催事販売のコーナーの活用も考えられると思います。地域の市区町村や障害者団体などとも連携をし、検討いただくことを要望いたします。
 次に、ゼロエミッションの取組について伺います。水力発電の取組についてです。
 再生可能エネルギー推進の観点からも、生活者ネットワークでは、電力の地産地消の取組を求めてきました。
 多摩川第一発電所及び多摩川第三発電所について大規模更新を予定しておりますが、現在の発電量を伺います。また、ゼロエミッションの観点からも、発電量の増加を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○野崎技監 令和三年度の発電量は、多摩川第一発電所が約六千万キロワット時、多摩川第三発電所が約五千万キロワット時でございます。
 これらの発電所は、運用開始から五十年以上経過し、設備の大規模更新を予定しており、老朽化が進んでいる水車などをより効率的に発電できるものに交換することで、発電量の増加を図ることとしております。

○岩永委員 水車の交換などにより効率的な発電をしていくということです。
 多摩川第一発電所が二〇二七年までに、また多摩川第三発電所が二〇二八年までに改修が行われるというスケジュールになっています。改修に当たっては、水力発電量を増やしていただきたいですし、また、電力の地産地消という観点からは、水力発電の電気を、交通局をはじめとして、都の事業で使っていくという割合についても計画的に増やすことを要望いたします。
 また、次に、さくらトラムについて伺います。
 さくらトラムの軌道緑化や沿線の植栽などの取組があります。環境に優しい暮らしに身近なトラムとしてまちづくりの一翼を担っており、ゼロエミッションの取組としても大変期待をしております。
 大学と連携した実証実験について三月に伺いましたが、さくらトラムの軌道緑化の実証実験後の検討状況について伺います。

○生越技術企画担当部長 交通局ではこれまで、東京さくらトラム、都電荒川線において、軌道内を緑化するための実験を行い、日照等の環境条件による育成状況や、維持管理に係るコスト等について検討してまいりました。
 この結果、乾燥に強い品種や保水性を有する器材を採用した場合、日照が確保された環境であれば、肥料を適切に与えることなどにより、散水を行わなくても緑化を維持できることが確認できました。
 一方、実験で使用した器材は、定期的に実施している軌道の保守作業の都度移設する必要があり、コスト面等での課題も判明しております。
 こうした中、今年度は、沿線全区間を対象に、植物の生育に必要な日照時間が確保できる箇所を把握するための調査を実施しているところでございます。

○岩永委員 今年度、調査を行うということであります。
 芝生化の効果としましては、ヒートアイランド現象の緩和、また、景観の向上や電車が通過するときの騒音を抑えることなどがありますが、費用の面での課題もあると聞いています。
 軌道緑化の取組事例を調べてみたところ、震災で熊本城をはじめ大きな被害を受けた熊本市では、二〇一四年から路面電車の緑化が始まっています。緑の少ない市街地の中心部に新たな緑を創出するものとして、市電の軌道敷に芝を植えて緑化する市電緑のじゅうたん事業を市民からの寄附を募って行っているということです。
 市民とともにさくらトラムのあるまちづくりを進めることや、観光客へのアピールなどの効果も期待されます。ぜひ、さくらトラムの軌道緑化、様々な事例も参考にしながら進めていくことを要望いたします。
 続きまして、香りの害、香害への対応についてお伺いします。
 香りに含まれる化学物質が原因で体に不調を起こす人が増えています。多様な人が利用する公営交通においても、香りの害、香害についての周知啓発が必要です。
 昨年、二〇二一年に、消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省の五省庁が連携してポスターをつくりました。こちらがそのポスターです。(パネルを示す)その香り困っている人がいるかもと、使用者に配慮を促すものです。
 内容は、安全性の問題にまでは踏み込んでおりませんが、少なくとも、香りによって被害や迷惑を受ける人の存在を知らせており、様々な症状の訴えを国も見過ごすことができなくなった現れと思われます。このポスターを、公共施設や学校、保育施設に掲示するなどの取組が進んでいる状況です。
 都営地下鉄では、香りの害、香害についてどのような声が届いているのか伺います。

○築田鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄における香りに関するご意見といたしましては、車内で柔軟剤の匂いがきつく体調不良となった、車内でお化粧をしている人がいて、その匂いがきつく不快な思いをしたなどが寄せられております。

○岩永委員 多くの人が集まる都営地下鉄などで、このようなポスターや、また、液晶モニターなどで、香りの害、香害の周知や啓発を行い、庁内で連携をしながら、まずは多くの人にこの問題を周知していくことを要望いたします。
 次に、チャレンジ提案について伺います。
 自らが積極的に業務改善や提案を行い取り入れていくことはとてもよい取組と評価いたします。提案された内容について伺います。

○豊田総務部長 交通局では、職員の能力開発の一助とすることや組織の活性化を図ることなどを目的として、チャレンジ提案を実施しております。
 提案内容は、交通局の業務に関する建設的かつ具体的な改善、考案、発明等であり、全ての交通局職員が提案可能となっており、優れた提案に対して表彰を行っております。
 表彰を受けた提案としては、バス車両の整備のために部品の取り外しに便利な工具を製作したもの、地下鉄の隧道用照明器具を改良し交換作業を容易にしたものなどがございます。

○岩永委員 様々な提案が実際に実現していくということで、組織の活性化という意味でも大変よい取組だと思います。積極的な提案が行われるように、また、制度がより広く使われることを期待いたします。
 次に、女性職員比率の向上、ワーク・ライフ・バランスの推進について伺います。
 多様な人が働く職場、誰もが働きやすい職場を目指した取組が必要です。昨年の質疑で、交通局職員の女性割合、特に管理職の女性の割合が極端に少ないということが分かりました。
 女性が働きやすい職場環境を庁内全体の取組として進めるために、交通局と政策連携団体である東京交通サービスにおける女性比率の現状について、管理職の状況も含めて伺います。

○牧野職員部長 令和四年八月一日現在、他団体への退職派遣者を含む交通局の常勤職員に占める女性の割合は三・七%でございます。また、管理職に占める女性の割合は四・五%でございます。
 東京交通サービス株式会社には女性の管理職はおりませんが、固有社員に占める女性の割合は四・七%でございます。

○岩永委員 育児・介護休業法の改正に伴って、二〇二二年十月一日より、出生時育児休業、いわゆる産後パパ育休が創設されました。都は、育休から育業へと、男性の育児休業取得を応援する取組を行っています。
 二〇二一年度の交通局と政策連携団体である東京交通サービスにおける男性の育児休業取得率について伺います。

○牧野職員部長 令和三年度における交通局の男性職員の育児休業取得率は三四%であり、東京交通サービス株式会社では、男性社員の育児休業取得者はおりませんでした。

○岩永委員 女性職員の割合については、昨年に比べますと、交通局では、常勤職員、管理職ともに少し増えております。政策連携団体の東京交通サービスは、昨年度と同様に、今年度も女性管理職はいないということでした。
 技術職や、また、保守点検などは、なかなか女性が担うことが難しいという業種でもあるのだと思いますけれども、今年度から、交通局は女性の局長になったということもありますし、また、公営交通の利用者の半分は女性ですので、今後も諦めずに、交通局、また、政策連携団体の中での女性割合の向上を進めていくことを要望いたします。
 また、男性の育児休業取得率も、昨年の確認では、二〇二一年度は三四%ということで、二〇二〇年度の二七%より増えています。取得実績とともに、日数も増やしていくための様々な取組が必要ですが、そのためには、意識の改革や長時間労働をなくしていくといった働き方の見直しも必要です。全庁的に取り組む課題ですが、女性の少ない職場である交通局においても、引き続きの取組を求めます。
 最後に、緊急一時避難施設の指定について伺います。
 五月二十七日の都知事の定例記者会見で、ウクライナの首都キーウへのミサイル攻撃や北朝鮮の弾道ミサイルなどを受けて、首都防衛の必要性から、緊急一時避難施設の指定について発言がありました。
 指定施設には、都営地下鉄も含まれております。この報道を聞いて、地下鉄が、緊急的な一時避難施設ではなく、地下シェルターになるようなイメージを持ったという声も届いています。
 緊急一時避難施設の指定について、どのような指定を受けているのかの状況を伺い、私の質問を終わります。

○太田安全管理担当部長 東京都では、総務局におきまして、国民保護法の規定に基づき、既存のコンクリート造り等の堅牢な建築物のほか、地下街、地下駅舎などの地下施設について、緊急一時避難施設として指定を進めております。
 都営地下鉄では、本年五月に五十五駅、九月末に二駅の計五十七駅が指定されたところであります。

○大山委員長 それでは、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時二十五分休憩

   午後五時四十分開議
○大山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○田村委員 本日は、交通局の電気事業について質問いたします。
 私は、三年前の決算特別委員会の分科会質疑におきまして、発電所の施設、設備の老朽化更新や、広域で甚大な被害をもたらした台風十九号への対応状況、当時、開設予定の白丸ダム併設のPR施設について、それぞれ確認しました。その後、交通局においては、電気事業の在り方に関する検討を行い、昨年度に結論を出すとともに、昨年十一月にはPR施設もオープンしました。
 また、我が国の電気やエネルギーの情勢にも、昨今大きな変化が生じています。
 このような動きを踏まえ、本日は、電気事業について何点か質問したいと思います。
 本年三月に交通局が策定しました経営計画二〇二二には、民間事業者や有識者からの意見を踏まえて、引き続き、都庁の一員である交通局が自ら電気事業運営を担うとあります。発電所の大規模更新に当たっては、多額の資金を必要としますので、その機会を捉え、経営の在り方について、外部の意見も聞きながら改めて検討し、その結果、東京都が引き続き経営するのは適当だと判断されたのだと思います。
 そこでまず、交通局が電気事業を自ら運営する意義について、改めて伺います。

○野崎技監 交通局は、明治四十四年に電気局として発足した組織であり、昭和三十二年の多摩川第一発電所の運転開始以来、水道局や地元自治体等と密接に連携し、ダムの下流の安全確保を図りながら、安定的に電気事業を運営してまいりました。
 交通局が自ら電気事業の運営を担うことで、今後も、緊急時における水運用の変更等にも円滑に対応できるほか、大量の電力を消費する交通事業者として、また、都庁の一員として、環境に優しい電力を供給するとともに、都内における再生可能エネルギーの普及拡大にも貢献できるものと考えております。

○田村委員 小河内ダムを管理する水道局との連携や、台風襲来時の白丸調整池ダムにおける水運用など、水力発電の管理運営には留意すべき点があると聞いていますので、交通局が引き続き運営する妥当性も理解できます。
 交通局が、今後も、環境に優しい電力を安定的に供給するとともに、再生可能エネルギーの普及拡大にも貢献し続けるには、電気事業において、経営の基盤を確かなものにしておくことが極めて重要と考えます。
 一方、令和三年度の電力料収入は約十二億円であり、約二十一億円の収入があった令和二年度と比較し、約四割減少しています。売上高が前年対比四割減となると、経営的に大きな課題です。
 そこで、令和三年度において電力収入が大きく減少した原因について、どのように分析しているのか伺います。

○野崎技監 電力料収入は、発電した電力量に売電単価を乗じて算出されるものであり、令和三年度は、令和二年度に比べ、発電電力量、売電単価ともに下回ったことから、電力料収入が減じたものでございます。
 発電電力量につきましては、前年度に比べ約二割下回っており、主に上流部の降水量の減少の影響によるものでございます。
 また、令和三年度から、契約方法を変更し、価格のみではなく、都内のRE一〇〇宣言企業など、環境価値を活用する需要家への販売を評価項目とした公募型プロポーザルにより、売却先となる小売電気事業者を選定しており、契約期間は三年としております。
 売電単価につきましては、当時、電力市場全体として、価格が低下基調にあったこと等もあり、キロワット時当たり税抜十四・一二円から十・一二円へと約三割低下したものでございます。

○田村委員 水流を活用した水力発電ですから、その年の降水量の多寡、時期や期間によって発電できる電気の量が大きく変動することは理解できます。そのため、水力発電は、年度ごとの収入が不安定になる特徴があります。
 加えて、先ほど答弁がありましたが、現在の契約は、公募の結果、前回と比べ、一キロワットアワー当たりの売電単価が税抜で約十四円から約十円へと四円低下しています。局の説明では、プロポーザル方式で、環境価値に着目した需要家に対する販売を評価項目としたことと、公募のタイミングにおいて電気の市場価格が低迷していたことなど、複合的な原因があるようですが、単価の下落による電気事業の経営への影響は決して小さいものではないと考えます。
 昨今、電気料金そのものがエネルギー危機等の影響で大きく高騰している中、交通局が発電した電気の価格が据置きとなっている現在の契約上の仕組みについては、見直しの余地があるように感じます。例えば、締結後において、契約単価をスライドできるような、より柔軟な契約内容を導入できれば、収益の安定に寄与するのではないかと考えます。検討に当たっては、様々な知識も必要となり、単純な話ではないかもしれませんが、次回の契約に向け、民間における契約事例なども参考にしながら、電気事業の安定経営に資する売電契約を目指してもらいたいと思います。
 次に、電気事業における社会や地域に対する貢献について質問いたします。
 CO2の削減は、世界共通の課題であり、我が国は現在、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現を目標としています。こうした中、企業や自治体等において再生可能エネルギーへのニーズが高まっており、それに付随して、CO2フリーの水力発電による電気の価値も再評価されてきているものと思います。
 こうした潮流を踏まえて、交通局は、都内における再生可能エネルギーの普及拡大に貢献する観点から、新たにプロポーザル方式による公募を実施しました。これは、東京都の行政施策にも合致した取組であり、交通局が引き続き電気事業を経営していく上で大変意義がある取組と評価します。再生可能エネルギーの普及拡大に向け、社会的な機運を高めていくため、東京都が発電した電気の環境価値を適切に評価する行政機関や企業などに使用してもらうことを期待するものです。
 そこで、契約締結から一年半が経過しましたが、契約後、どのような相手方に電気が供給されているのか、実績について伺います。

○野崎技監 売却先の小売電気事業者では、令和三年度東京都交通局の水力発電所由来の電力というメニューを新たに立ち上げ、販売しております。
 この事業者からは、RE一〇〇宣言企業をはじめとする都内の複数の企業や自治体、都営バスの全営業所へ電気が供給されております。

○田村委員 奥多摩町では、交通局が発電した電気を使用していると聞いていますが、そのほかにも、東村山市は、市役所で使用しているだけでなく、電気自動車を活用したエネルギーマネジメントサービスの実証実験でも、この電気を活用しているようです。多摩地域において、電気を地産地消しているよい事例ですが、このような電気の地産地消の動きを今後さらに加速していくべきと考えます。
 そこで、地産地消を推進するため、水力発電による電気をより多くの都内の自治体で活用できるよう、今後取り組むべきと考えますが、局の見解について伺います。

○野崎技監 令和三年度からの契約におきましては、売電先の小売電気事業者決定後に、プレスリリースや局ホームページへの掲載を通じて、売却先の企業名や契約概要等の情報を公表いたしました。
 次期契約の相手方が決定した際には、東京産水力発電に関する都内自治体への周知を充実してまいります。

○田村委員 環境局の調査によれば、都内で利用された再生可能エネルギーは、令和二年度において年間約百四十八億キロワットアワーである一方、交通局が発電した量は約一億五千万キロワットアワーであり、都内の消費量に占める割合は約一%でした。都内における消費量全体から見れば、決して多いとはいえませんが、東京都が自ら生み出し、かつ水力発電による一〇〇%クリーンなエネルギーです。このプレミアムな電気を単に売却するのではなく、再生可能エネルギーの普及拡大に向けて、これまで以上に効果的な啓発活動に取り組んでほしいと思います。
 売電先の小売電気事業者と連携して電気事業をPRすることはもとより、先ほどの答弁にもありました小売電気事業者を通じて電気を購入し、使用している行政機関や企業などとの連携についても検討していただき、再生可能エネルギーの普及啓発に積極的に取り組むことを求めておきます。
 さて、三年前の質疑におきまして、私は、地域で創出された再生可能エネルギーを地域で消費する地産地消の担い手として、地域経済の発展や環境保全の観点からも、多摩川の発電事業を都が受け持つことは大変意義があると申し上げました。
 奥多摩の自然の恵みである水資源を利用している発電所は、立地する地域に対して貢献する視点が重要と考えます。交通局が長年にわたり地元に根差した様々な取組を行ってきたことは承知しています。近年では、ハイキングコースである大多摩ウォーキングトレイルの一部として、白丸調整池ダムの巡視路を開放しています。
 また、地元貢献の一環になると思いますが、昨年には、ダムの脇に再生可能エネルギーのPR施設であるエコっと白丸がオープンしました。この施設は、ダムの管理に欠かせない監視所の移転に先立ち、新たな監視所用の建物に併設されたものです。現在の監視所は、道路の反対側、ダムの対岸に位置しています。台風が来たときなど、職員の方々は、厳しい風雨にさらされながらも監視業務をされているとのことですが、移設されれば、より安全に業務が行えるようになると聞き、私も期待をしています。エコっと白丸では、再生可能エネルギーの有効性や奥多摩地域の魅力を発信しているとのことですので、より多くの人に訪問してもらうことが重要と考えます。
 そこで、エコっと白丸について、これまでのPRの取組と開館後の訪問人数について伺います。

○野崎技監 エコっと白丸の開館に際しましては、多くの人々に訪問していただくため、局ホームページやSNSを通じて広く情報発信するとともに、地域から愛される施設を目指し、愛称を公募いたしました。
 今年度は、子供政策連携室のこども記者という体験プログラムに参画し、児童が現地で職員に取材する様子がテレビ放映されました。
 また、産業労働局と連携し、オンラインで多摩エリアの観光スポットを紹介するモニターツアーを通じて、白丸調整池ダムを見学していただきました。
 さらに、エコっと白丸の館内で、奥多摩の特産品を販売するなど、地元自治体とも連携して、来館者の誘致に努めております。
 本年九月末時点で、延べ一万五千人を超える方にご利用いただいております。

○田村委員 九月末の時点で来館者が一万五千人を超えたとのことですが、今後さらに多くの人に訪問してもらうためには、行楽シーズンなど奥多摩地域に出かける人が増える時期において誘致に取り組むことが重要です。オープンから間もなく一年が経過するこの時期に、全国旅行支援や東京都の観光支援事業も始まっており、奥多摩へ出かける人も増えているものと思います。
 そこで、この機会に、より多くの人が施設に立ち寄るような仕掛けづくりなども必要と考えますが、今後の取組について伺います。

○野崎技監 エコっと白丸では、スマートフォンなどの充電ができるコンセントや無料Wi-Fiなどのサービスを提供するほか、車椅子使用者対応トイレやベンチ、飲料自動販売機の設置等、来館者が一息つきながら楽しめるスポットとして魅力向上を図っております。
 また、今月六日に開館一周年を迎えるに当たり、親子で学ぶ!再生可能エネルギーセミナーを現地で開催予定であり、来館者には記念グッズを配布いたします。
 さらに、来年二月には、白丸調整池ダムの完成から六十周年を迎えることから、記念カードの配布も予定しており、SNSなどを通じて広く発信いたします。
 今後も、近隣の観光スポット等と連携して相互案内を行うなど、より多くの方に、エコっと白丸を訪れてもらえるよう、様々な機会を捉え、工夫を凝らしたPRに努めてまいります。

○田村委員 本日の質疑を通して、交通局の電気事業が、奥多摩の自然の恵みを生かして貴重な再生可能エネルギーを生み出し、エネルギーの地産地消や地域経済にも貢献していることを確認しました。
 引き続き、安定経営と社会貢献の両立に向けて、着実に取り組むことを期待しまして、私の質問を終わります。

○村松委員 都営大江戸線の延伸について伺います。
 大江戸線光が丘から大泉学園町への延伸については、国の交通政策審議会答申において、事業化に向けて検討などを進めるべき路線として示され、また、都における「未来の東京」戦略においても、関係者と事業化について協議、調整を進める路線としています。地元練馬区をはじめ、多くの住民は、一日も早い大江戸線延伸の実現を待ち望んでいるところです。
 都は、令和四年度の予算において、地下鉄十二号線大江戸線の延伸に関する調査という名目で、初めて主要事業に位置づけました。これは、大江戸線延伸に向けた大きな前進であると理解しています。
 そこで、令和四年度予算の主要事業に位置づけられた大江戸線の延伸に関する調査について、どのような調査を行っているのか伺います。

○生越技術企画担当部長 大江戸線延伸の事業化に当たりましては、将来的な旅客需要の見通しや事業の収支採算性の確保等について十分見定めていく必要がございます。一方、都営地下鉄の乗車人員は、新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に減少いたしまして、コロナ禍前と比較して約三割減となっております。
 このため、現在、延伸による乗客数の増加見込みなど将来の旅客需要につきまして、新型コロナウイルス感染症等に伴うお客様の行動変容を踏まえながら、調査、分析を進めているところでございます。

○村松委員 収支採算性の確保が課題であると、以前からご答弁いただいておりますけれども、さらに、この新型コロナウイルス感染症の影響もあると思います。その他、検証のための調査と理解をしております。
 旅客需要に関しては、駅ができることによってまちづくりが進み、乗客数が増えるということも想定されます。
 将来の旅客需要について、どのような方法で予測を行っているのかお伺いいたします。

○生越技術企画担当部長 旅客需要の予測に当たりましては、大都市交通センサスの調査データ等を用いるほか、将来の人口動態や沿線地域の開発計画、既存の鉄道路線からの転換などを見込んだ上で将来の旅客需要を算出するのが一般的でありまして、当局におきましても、この手法を用いております。

○村松委員 大江戸線が延伸することによって、公共交通空白地域の改善につながるとともに、まちづくりがさらに進むと考えられます。また、既存の交通から大江戸線にシフトすることも想定されます。こうした調査で得られた将来需要について、収支採算性の検証にどう生かされるのかがポイントと考えます。
 そこで、旅客需要の結果を踏まえて、収支採算性をどのように検証するのかお伺いいたします。

○生越技術企画担当部長 将来の旅客需要に関する調査、分析結果に基づき、延伸に必要な車両の編成数や誘致施設等の規模を見定めた上で運賃収入や事業費等を算出いたしまして、収支採算性を検証してまいります。

○村松委員 十分な旅客需要とそれに見合った事業費のバランス、収支採算性の確保が大切であるということが分かりました。
 大江戸線延伸については、導入空間となる上部道路の建設も着々と進んでいます。予算が明示され、必要な調査や検証が進み、実現に向けて動き始めてもよい時期を迎えていると考えます。
 そこで、大江戸線の延伸に関する今後の取組について伺います。

○生越技術企画担当部長 都営地下鉄におきましては、今後も、テレワーク等の行動変容に伴い、乗客数はコロナ禍前の水準への回復が見込まれず、加えて、建設資材などの物価高騰の影響などが顕在化しておりまして、厳しい経営状況が続くものと認識しているところでございます。
 こうした状況の中、大江戸線延伸の事業化に当たりましては、沿線まちづくりによる大泉学園町方面への旅客需要の創出など、さらなる需要創出や事業の収支採算性の確保が課題と認識しております。
 引き続き、収支採算性の検証を進めますとともに、地元区や関係局と連携してまいります。

○村松委員 収支採算性の確保のためには、大泉学園町方面への旅客需要の創出が重要ということですけれども、要するに、午前中や昼間に、大泉学園方面への利用者の増加見込みが必要だということだと思います。
 今後、上部道路ができると、用途地域の変更が行われ、さらにまちづくりや開発が進むと思います。私も、地域の皆様と連携して、まちづくりを進めていきたいと思いますので、早期に大江戸線延伸が実現するように、引き続きご尽力いただきたいと思います。
 以上で終わります。

○細田委員 私からは、まず、交通局の経営方針について質問いたします。
 先日の事務事業の説明におきましては、武市局長から、事業運営の基本方針に関する説明がございました。地下鉄、都営バス、東京さくらトラム、日暮里・舎人ライナーの各事業の現状につきましては、その多くが、乗客数の減少や赤字などの言葉が続きまして、交通局が厳しい経営状況にあり、今後も厳しい状況が見込まれるとのことでございます。
 現在の経営計画は、旅客需要がコロナ禍前の水準に戻らないことを前提に、今後三か年の計画を策定しています。
 なぜ戻らないことを前提にしているのか。例えば、今は記録的な円安であります。海外からの旅行者が多く集えば、インバウンドなど需要が想定以上に上向く可能性もあるのではないかとも考えます。
 新型コロナウイルス感染症の影響等による今後の旅客需要の見込みについて、交通局の見解を求めます。

○神永企画担当部長 都営交通の乗車人員は、昨年度に比べ回復傾向にあるものの、本年夏の新型コロナウイルスの第七波の影響により回復が鈍化するなど、予断を許さない状況が続いております。
 今後も、テレワークやオンライン会議の浸透など、人々の行動変容の定着により、コロナ禍前の水準への回復は期待できないものと見込んでおります。

○細田委員 中長期的に安定した輸送サービスを提供していくために、需要動向、これは見極めなくてはならないので、コロナ禍を契機とした社会変容によって、旅客が以前の水準に戻らないと、このように判断しているということは分かりました。
 局からいただきました資料を見ましても、都営地下鉄と関東大手民鉄九社の乗客の推移だとか、また、コロナ禍の感染拡大終息後に利用したいサービスというアンケートによると、インターネットショッピングやネットの動画配信、オンラインバンキング、食事の代行配達サービスなどが軒並み上位に挙がっていたり、先ほどの委員の答弁にもございましたが、確かに都心部においての混み具合も少なくなっていると。
 こういうような状況から、局としては、この交通局を取り巻く事業環境の記載のとおり、根拠のない甘い見通し、これを経営計画にすることはできない、こういうことであると理解をしております。それはそのとおりだと思いますけれども、ただ、そうだと決まっているわけではないので、未来のことですから、この見通しを打ち破る、こういう局の意気込みと引き続いた交通局の高い士気で、予想を覆す方向に進んでいってくれることを願っております。また、厳しい経営環境の中で、公共交通機関である交通局の経営理念と経営方針を堅持しながらも、東京の都市活動や都民生活を支えていく経営手腕に期待をしております。
 続きまして、安全・安心の確保についてです。
 地球温暖化の影響により、様々な気候変動が引き起こされており、近年、集中豪雨などの異常気象に伴う災害の頻発、激甚化によりまして、これまでの想定を超える被害が発生するリスクが高まってきております。
 とりわけ水害が発生した際には、地下鉄をはじめとした地下施設は大きな被害を受けてしまいます。荒川河川事務所の動画でも、都民に分かりやすく警鐘が鳴らされておりますが、国が公表している荒川氾濫のシミュレーションによれば、地下鉄の出入口から氾濫した水が浸入した場合、地下でつながり合った鉄道ネットワークにより、水が一気に広がり、広範囲にわたる被害が発生するとされております。
 大規模水害の発生時に浸水被害の拡大を抑えていくためには、同じ地下鉄であります東京メトロとの連携が不可欠であると考えますが、交通局の見解を求めます。

○生越技術企画担当部長 都営地下鉄と東京メトロとは地下でつながっておりまして、荒川氾濫等の大規模水害の発生時には、乗換駅などの接続部を通じて浸水被害が拡大することが想定されていますことから、対策の実施に当たりましては、東京メトロと緊密に連携することが不可欠と考えております。
 このため、最新の浸水想定に基づく被害の状況等を踏まえ、現在、地下鉄ネットワーク全体の減災を図る観点から、東京メトロと対策の進め方等を調整しつつ、駅出入口、通風口などの地上部での対策を検討、実施するほか、防水ゲートなどトンネルを経由した地下部の浸水拡大防止策についても検討を進めているところでございます。

○細田委員 東京メトロと連携して、大規模水害に取り組んでいくことを確認いたしました。
 一方、地下鉄には、ビルや地下街など多くの地下施設が接続しておりまして、そうした箇所からの浸水も十分に想定されています。東京メトロだけでなく、他社施設などの関係機関などにも、十分、これからの趣旨を伝えて、浸水防止に向けた検討や調整をぜひ進めていただき、地下鉄ネットワーク全体の減災を早期に実現していただきたいと思います。
 浸水に向けました施設などの整備には時間を要します。対策が完了するまでの間、浸水することを前提に、人命を守ることはもちろん、被災後にも事業を継続していくことが、公共の交通機関として、都営地下鉄の役割であると考えております。
 そこで、大規模水害発生の可能性が高まった場合の地下鉄利用者の安全の確保や早期運行再開に向けました現在の取組と今後の予定について答弁を求めます。

○太田安全管理担当部長 都営地下鉄では、大規模水害時の事前行動を時系列で整理したタイムラインを策定しておりまして、発災が予見される場合には、お客様の安全確保の観点から計画運休することとしております。
 計画運休に当たりましては、四十八時間前には実施の可能性を、また、二十四時間前には実施について、それぞれお知らせいたします。
 また、施設や設備の浸水に備え、駅係員が防水扉を稼働させたり、止水板を取りつけるなど、被害の軽減を図ることとしております。
 加えて、被災した際にも、早期の運行再開が図れるよう、現在、車両の避難手順や浸水した施設の復旧手順の検討を進めておりまして、今後、局のBCPである危機管理対策計画に反映してまいります。

○細田委員 四十八時間前に実施の可能性を、二十四時間前にこの実施を通知するというご答弁でした。
 この地下鉄が、このように運休するということでありますので、特に、その周知、大きく皆さんに、都民に、また、お客様に、可能な限り、漏れなく伝わるようにという、そういう取組を決して外すことなく提供していただいて、また、様々な通信とも連動して、この周知が事前に伝わることを要望するとともに、お客様の安全や早期運転再開の手順を定めて、計画を改定して、訓練を重ねていただき、さらに強化をしていただきたいと思います。
 続きまして、ロシアによるウクライナ侵略の戦争などでのブロック攻撃を万万が一受けた場合のミサイルなどによる爆風などから国民を保護するための措置として、都が先般、緊急一時避難施設を指定しましたが、ここでは、先ほども、林副委員長や、また岩永委員の方から質問がございましたので、この質問は、三度目、重複いたしますので、取りやめさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 次に、コロナの感染症の対策について確認いたします。
 直近のモニタリング会議では、十月二十六日の時点で、新規の感染者数の七日間の平均は横ばいとなっていまして、感染状況の推移には注意が必要であるとしています。これから冬を迎えるに当たって、都営交通において、これまでのコロナ対策をしっかりと継続して、万が一の第八波にも、確実に備えておくことが重要であります。
 そこで、新型コロナウイルス感染症対策の取組状況について、交通局の答弁を求めます。

○太田安全管理担当部長 交通局では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るため、業種別ガイドラインに基づき、様々な取組を行っております。
 具体的には、車両の窓開けなどによる換気の徹底、窓口等への消毒液の設置、駅の階段の手すりやエレベーターのボタンの消毒などを行っております。また、全ての車両に抗ウイルスコーティングを実施しております。
 お客様には、改札口や車内のモニター、駅構内や車内の放送など、様々な媒体を活用いたしまして、マスクの着用やせきエチケットなどについて呼びかけを行っております。
 このほか、各職場においては、手洗い、マスクの着用、職場内の換気や三密の回避などの基本的な感染症対策を徹底しております。

○細田委員 様々な対策を着実に行っていただきまして、この秋から冬、インフルエンザとの同時流行も懸念されている、このような状況もございますので、感染拡大防止にしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。
 続きまして、地震対策について確認をいたします。
 近年、南海トラフ地震、首都直下地震や日本海溝、千島海溝周辺海溝型地震といいました巨大地震の発生リスクが切迫をしてきております。
 過去に、阪神・淡路大震災では、高架橋の橋脚、地下駅の中柱が、地震の揺れで破壊、倒壊して、大きな被害が出ました。東日本大震災の際には、鉄道構造物の破壊や倒壊などは免れたものの、運行再開までに相当の期間を要したことは、皆様の記憶に新しいことであります。首都直下地震の発生の可能性が高まる中で、公共交通機関として、耐震対策を着実に進めていくことは、まさに重要であります。
 そこで、都営地下鉄の耐震対策の取組状況について答弁を求めます。

○飯沼技術管理担当部長 都営地下鉄では、阪神・淡路大震災を踏まえた対策を既に完了しており、施設の崩壊などの被害に対する安全性は確保されております。
 現在は、東日本大震災を踏まえ、構造物の安全性をより一層高めるとともに、早期の運行再開を図るため、さらなる耐震対策として、高架部の橋脚及び地下部の中柱の補強を進めているところでございます。
 令和三年度末時点では、累計一千七百五十五本、約五割の量を完了しておりますが、今後は、施工に当たり、設備類が支障し、その移設が必要となるなど、施工が難しい箇所が多く残っております。
 このため、他の改良工事ときめ細かな工程調整を行いながら工事を進め、令和六年度までの三か年で、大江戸線新江古田駅、練馬駅、三田線巣鴨駅、志村坂上駅の四駅で補強を実施してまいります。

○細田委員 構造物の崩壊といった大規模な被害、これはもう既に大丈夫だと、安全性が確保されている、こういうふうな話と理解ができました。追加対策につきましても、五割まで進捗しているとのことであります。
 また、今後は、施工が難しい箇所、改札口と一体化されていたり、なかなか配管だとか、電気だとか一体となっていたり、工事が進みにくい、また、時間がかかってしまう、こういうところが残っておりますが、早期の運行再開を図る震災対策の実現に向けまして、どうぞ、計画的に、着実に工事を進めていっていただきたい、このことを要望しておきます。
 続きまして、地下鉄の老朽化対策についてお尋ねをいたします。
 浅草線開業から六十年以上が経過し、三田線が五十年以上、新宿線も四十年以上が経過しております。地下鉄構造物を適切に維持管理するとともに、計画的に更新を進めることで、安定的な運行を確保することが重要であると、このように考えております。
 そこで、地下鉄構造物の長寿命化のこれまでの実績と今後の取組について答弁を求めます。

○坂口建設工務部長 地下鉄構造物の長寿命化は、経過年数の長いトンネルについて、著しい劣化が発生する前に機能回復を図る予防保全型の管理手法を導入することで、延命化を図る取組でございます。
 具体的には、トンネルの健全度を調査した上で、ひび割れ等からの漏水を遮断し、鉄筋コンクリートの劣化を防ぐ漏水対策や、将来トンネルの劣化が進行した際に、剥落の可能性がある劣化部を未然に除去し、修復する剥落対策などを実施しており、現在、開業年次の古い浅草線及び三田線におきまして、順次工事を進めております。
 また、新宿線においても、長寿命化に向けて、今後、工法等の検討に向けた試験施工を行う予定でございます。

○細田委員 路線の特徴に応じて、補修の工法を適切に使い分けて、計画的に維持管理していくということで、分かりました。引き続きまして、試験施工などを通じまして、新たな知見や技術も検証していただいて、安定的な輸送を支える基盤の確保をどうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、質の高いサービスの提供の観点で質問いたします。
 地下鉄やバスなど、混雑の緩和や定時性の確保、利便性の向上を図るため、交通局は、輸送需要に応じまして、輸送力の増強やダイヤの見直しなどを進めてきています。
 そこで、交通局の経営計画では、輸送需要の的確な対応として、地下鉄や日暮里・舎人ライナーの車両の更新をしていくとありますが、輸送力の増強に加えて、車内の設備などの機能性が向上したものはありますでしょうか。お尋ねをいたします。

○野崎技監 都営地下鉄では、輸送力の増強を図るため、新宿線と三田線において、車両の長編成化を進めてまいりました。
 新宿線では、車両更新に合わせて、一編成当たりの車両数を八両から十両とし、本年九月に全二十八編成の十両編成化を完了いたしました。三田線では、車両更新に合わせて、車両数を六両から八両とし、本年九月までに十三編成について八両編成化いたしました。
 また、日暮里・舎人ライナーでは、混雑緩和を図るため、令和六年度までに、十二編成について、座席をロングシート化し定員を増やした車両に順次更新しており、既に二編成が運用を開始しております。
 これらの車両更新に際しましては、セキュリティ強化を図るため、車内防犯カメラを設置しているほか、全車両へのフリースペースの設置、車内液晶モニターによる分かりやすい案内表示など、機能性向上に取り組んでおります。

○細田委員 地下鉄、そして日暮里・舎人ライナーで車両を更新し、それに合わせた機能性の向上に取り組んでいることが分かりました。
 コロナ禍がもたらしましたライフスタイルの変化などによる人々の行動変容を踏まえて、引き続いて、輸送需要の変化に的確に対応し、都市活動や都民生活を支える公共交通機関として、便利で快適な移動サービスの提供をお願いいたします。
 次に、都営地下鉄における女性専用車両の導入について確認をいたします。
 二〇〇三年、都議会公明党は、痴漢被害から女性を守るために、都営地下鉄に女性専用車両の導入を提案いたしました。そして、二〇〇五年五月、都営地下鉄では、新宿線に女性専用車両を導入いたしました。それ以降、コロナ禍で乗客数が減る中でも、都営四線の痴漢行為に関する警察への通報件数は、二〇二〇年度は二十八件、二〇二一年度も二十七件となっております。
 これまで、女性専用車両の導入は、相互直通運転各社との調整のほか、他の車両の混雑を生むことが課題とされてきておりますが、コロナの影響により、利用者は三割程度の減となっており、今後についても、コロナ禍前には戻らない想定が今なされて進んでいるところであります。こうした機を捉えて、都営地下鉄における女性専用車両の拡大に取り組むべきと考えます。
 そこで、女性専用車両に対する局の認識と導入拡大に向けました検討状況について質問いたします。

○市川電車部長 女性専用車両は、痴漢等被害を防止する一つの有効な手段であり、路線の実情に応じ、お客様のご理解とご協力の下、運行するものと認識しております。
 交通局では、お客様により安心してご利用いただけるよう、平成十七年から、新宿線で朝のラッシュ時間帯に女性専用車両を導入しております。
 導入拡大に向けて、まずは利用者の規模が最も大きく、痴漢通報件数も相対的に多い大江戸線を対象に、現在検討を進めております。
 具体的には、朝ラッシュ時間帯における車両の号車ごとの混雑状況や駅構内のお客様の流動など、大江戸線における詳細な利用実態を継続的に調査するとともに、女性専用車両をどの位置に設定するかなど、新宿線への導入で得られた知見やノウハウ等を踏まえながら検討を行っております。

○細田委員 女性車両の導入に向けまして、さらなる検討を進めていただきますよう要望いたします。
 続きまして、都営バスについて確認します。
 バスに乗っていますと、次のバス停はどこか、自分が降りるバス停は近いのか、気になることが多いものです。次に停まるバス停を知らせてくれる装置が車内にあり、最近は、昔のタイプと違いまして、幾つか先のバス停まで示してくれたりしています。しかしながら、車内の一番前についているので、高齢者などが後ろの席に座っていると見えづらいこともありまして、困った人もいらっしゃるのではないかと思います。
 そこで、次の停留所を案内する装置を、今後、バスの車内中央の天井に本格的に設置していくとのことでありますが、そこに至るまでの経緯と取組状況について質問をいたします。

○櫻庭自動車部長 都営バスでは、車内前方に設置しておりました次の停留所名を表示する装置を更新する際に、様々な情報を提供できるフルカラーのモニターを採用いたしまして、平成二十八年度末に全ての車両への導入を完了いたしました。
 平成二十九年度からは、車内後方からの視認性の一層の向上を図るため、燃料電池バスとフルフラットバスの車内中央の天井に、試行的にモニターを設置しておりまして、昨年度末時点で、累計百両まで導入してまいりました。
 お客様からは、車内の後方からでもとても見やすいといった好評の声を多くいただいておりまして、こうした声も踏まえまして、今年度から、ディーゼルバスも含めて、更新する全ての車両に同様のモニターを設置していくことといたしました。
 今後三年間で二百四十両に導入いたしまして、車内における情報案内の充実を図ってまいります。

○細田委員 とてもよい取組であると思っております。着実に施策を進めていただきますようお願いいたします。
 さて、私の地元の亀戸や東陽町などでは、バスの路線が毛細血管のように走っております。臨海地域も、昔からバスが大事なルートで走っています。都営バスが日々の暮らしを支える重要な交通機関になっていまして、こうした地域は、ほかにも多いと思われます。
 最近では、コロナによって、どの公共交通も利用が多く減っているとのことで、都営バスも、先ほどちょっと申し上げましたが、以前ほど混雑しなくなった路線が多いと私は感じておりますが、こうした中、都営バスでも、減便となった路線があると聞いています。厳しい状況の中、やむを得ない面はあるのかもしれませんが、地域の利用者にとっては、日々の暮らしに密着した、身近な、最も身近な移動手段である以上、どうしてそうなったのか、利用者に理解してもらうことがとても大切ですし、できるだけ影響が生じないようにしていくべきであります。
 そこで、この春、一部の路線が廃止や休止、減便になりましたが、これについての理由と、実施に当たって利用者へいかなる配慮などがなされたのでしょうか。その考え方について見解を求めます。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、地域のニーズや需要の変化をきめ細かく把握するとともに、代替交通の有無などの路線特性を踏まえまして、毎年定期的に路線やダイヤの見直しを行っております。
 昨年度の乗車人員は、コロナ禍前の令和元年度の約一五%減となっておりまして、今後も、お客様の行動変容の定着により、コロナ禍以前の水準には戻らないものと見込まれることから、今春のダイヤ改正では、一部の路線で運行の終了や減便となりました。
 見直しに当たりましては、お客様の利便性に最大限配慮し、影響をできる限り抑えられるよう努めたところでございます。
 具体的には、ご利用が大幅に減少している路線のうち、運行頻度が高い他の路線と重複し代替交通が確保できている路線につきまして、他の路線への統合等により、運行を終了することといたしました。
 また、減便となりました路線のダイヤにおきましても、各区間の時間帯ごとの利用状況などを踏まえまして、ほとんどの路線について、ご利用が多い時間帯の運行間隔を変えずに維持するか、あるいは拡大しても三分程度にとどめております。

○細田委員 利用者への影響を考慮して、様々に工夫をしながら、今回の改正を行ったことは分かりました。
 今回の見直しには、路線の廃止もありました。また、路線ごとの状況は異なりますが、一般的な話として、廃止となりますと、減便に比べて、利用者への影響が強く懸念されます。今、毛細血管のように走っている路線の中には、以前から赤字だった路線が多いのかもしれませんが、こうした路線があってこそ、バス路線網は、便利に発展してきたものなのだと、このように私は思っています。
 しかし、コロナ禍を受け、先ほど来、九割の路線が赤字なんだということを改めて繰り返しご説明を受け、これまでどおりにこうした路線を維持してくれるのか、こういうような心配する声というのも、実はちまたでよく聞こえてくることも事実であります。
 そこで、赤字路線であっても、必要な路線はしっかりと維持をしつつ、路線網をより便利なものにしていくことが重要であると私は考えますが、交通局の見解を求めます。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、乗務員や車両など限りある経営資源を有効に活用することで、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるよう事業を運営しております。
 こうした考え方に基づき、赤字路線でありましても、代替交通手段が十分に整備されていない路線は黒字路線の収入で支えるなど、総合的な事業運営を行うことで維持しておりまして、厳しい経営状況の中にありましても、収入、支出の両面から経営改善に取り組むことで、必要な路線を適切に維持してまいります。
 あわせて、毎年定期的に地域のニーズや需要の変化をきめ細かく把握しながら路線の見直しを行うことで、利便性を高めてまいります。

○細田委員 厳しい状況の中ではございますが、必要な路線はしっかりと維持し、路線網もさらに便利なものに、今に合ったものに変えていっていただきたいと思います。
 次に、今、コロナ禍で需要が減っている状況ではありますが、今後、需要が以前の水準まで回復する路線も出てくると思います。さらに、今後のまちづくりの進展によって、さらなる大きな需要が新たに生まれ、黒字になって赤字を支える可能性を秘めた路線も出てくると思っています。
 そこで、今後、利用者の増加につながりそうな需要の芽があれば、それをしっかりと捉えて、路線を増強していくべきと考えますが、交通局の見解を求めます。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、需要や乗客潮流の変化を的確に捉えて路線やダイヤの見直しを行っておりまして、オフィスビルや大規模住宅などの開発が進み、需要が高まっている地域におきましては、路線の新設や増便を行ってまいりました。例えば、開発が進む臨海地域におきましては、大型複合施設である有明ガーデンの開業等に合わせ、有明、豊洲、晴海と、都心部を結ぶ路線などの増便を行ってまいりました。
 令和六年には、選手村跡地に建設される晴海フラッグのまち開きが予定されておりまして、この需要に合わせ、適切に輸送力を提供できるよう、検討を行っているところでございます。
 引き続き、開発動向等を注視しながら、需要の変化に的確に対応してまいります。

○細田委員 私の地元の有明のこと、たくさんいってくれてありがとうございます。
 今は、大変な状況でありますが、都民に身近な都営バスによって暮らしが支えられている人々に十分に配慮していただき、維持すべき路線はしっかりと維持をして、さらに積極的に増収の可能性をつかみ取って、一層便利な都営バス路線を目指していっていただきたい。
 先ほども、他の委員の方のご答弁からもありましたが、まさに、ライオンキングの東京公演の臨時運行バス、本年の三月二十九日までやっていました。こういうような、何ていうんですかね、新しい芽をつかみ取って、こういうことを積み重ねて、そして、増収を図っていきますと、そのようなお話もあったわけで、ぜひ、例えば「乗り隊歩き隊 餃子号」というのが去年出ていましてね、この「餃子号」っていうのは、亀戸、大島、西大島っていう私の地元の江東区の城東地域でギョーザが有名なところを、これをまさに都バスで出かけて、新東京探訪ということでやろうよと、こういうような取組もしているわけで、こういうことをどんどん続けていっていただければ、まさに、都営バスというのは、需要も伸びてくるし、収支も改善されていかれるんじゃないでしょうか。
 このエリアには、たくさんの可能性がある場所があります。実は、今年の八月には、有明アリーナがオープンいたしました。そして、収容人数は一万五千人と非常に多い施設であります。東京二〇二〇オリ・パラ大会のレガシーとしても、採算が大きく見込める施設、このようにいわれてスタートいたしました。いろんな施設が、あと、例えば海の森水上競技場は、水上のレジャーやアウトドアの活動だとか、体操の機会を提供してくれますし、また、夢の島の近くのアーチェリー場におきましても、いち早く昨年十月に再開業して、広大な芝生の広場を生かしたフィットネスイベントやファッションショーなどの利用を進めていて、今後の公園施設と連携したイベントなどもしてくれておりまして、また、葛西の臨海部の方に行けば、国内唯一の人工スラロームのコースがあるカヌー・スラロームセンターがあって、都民の様々な水上スポーツや水上レジャーを提供するということも行われてくるというような、こういう、歩き隊、乗り隊、こういうもののニーズがたくさんあるわけで、有明のアーバンスポーツパークもできてきて、そして、それらの可能性も広がってくるわけですし、十月には、まさにシンボルプロムナード公園で、聖火台がちゃんと移ってきて、そして、あの式典ができた、知事もいらっしゃって、スタートできたと。
 こういうような観光施設、集客施設が満載なわけですよ。そういうものに果敢に取り組んでいくというのが、多分、首都東京が抱える様々な課題に挑戦し、東京の発展に貢献する都営交通の実現を目指しますという経営方針の四つの柱の三番目の東京の発展への貢献ということにつながると思いますし、そういうものが存在しているんだから、それを大いに東京都の交通局は利用して、ここで、令和七年度を待たないで、改善に向けて進んでいった方がいいんじゃないのかなと私は思っているんですけれども、そういうことに挑戦していただきたいと思います。
 さて、ちょっと話を戻しますけれども、有明アリーナが、最寄りの駅は、りんかい線や「ゆりかもめ」なんですけれども、離れたところにありまして、歩くと、多少たりとも時間がかかってしまいます。一方で、都営バスのバス停は目の前にあるんです。こうした位置関係なんですけど、現在起こっている状況は、便利だからといって、来場者がバスを利用して、バスはあっという間にあふれてしまって、周辺住民が乗れなくなってしまうという事態が起こっております。多分、先ほどの、本日の質疑の中でも、営業所へのヒアリングもされているし、毎日の運行でも確認しているっていうことなので、そういう状況は、局は、交通局は捉えていると思うんですけど、周辺住民が乗れなくなってしまう場合には、通院にも買物にも老若男女が使っているバスに乗れなくなってしまう。ここには、都05-2というのと、ある面、非常にいっぱいバスが出ている海01という路線があるんですけれども、私は、オリ・パラの始まるときに、まさにこのバスに影響がないようにと、オリ・パラの特別委員会で、重ねて、このバス路線が生活に困らないようによろしくお願いしますねということを何度も何度もオリ・パラ委員会ではいい続けてきました。そして、まさに来場者を鉄道に誘導して、結果的に、そうしてほしいということをいっていたんですけれども、今のような状況が訪れている。この都05-2というバス路線は、こっちの方が比較的本数が少ないんですけど、毎年、二十九年度も、三十、令和元年度も、また、令和二年度も令和三年度も、バス路線を増強してきていただいておりますが、東京ビッグサイト、そこから有明ガーデンを通って、新豊洲を通って、そして、東京駅の丸の内に行くんですけど、この有明アリーナをホームとしますBリーグのチームが先月生まれまして、有明アリーナの集客量が増えて、ここで、先月の二日間では、九千人を超える、一日目、二日目も八千人を超える、このような集客がすごい、驚くべき集客があったと、こんな発展をしております。発展していることはとてもいいことです。
 ただ、有明地域には、先ほど来申し上げています若い母親も多くて、妊婦の方やベビーカーで乳幼児健診に向かう母親や母子がバスを乗り過ごすこともあったそうです。満杯の状態で、ベビーカーを乗せるのはなかなか難しい、こういう状況があります。先ほども、我が党の長橋委員の質問の中で、双子のベビーカー、これ、拡充してくださるということで、非常にうれしいし、また、周知していただきますけれども、こっちの方は、ぎゅうぎゅうの三密で、運転手の方も困っている様子が見られるという中で、バスに乗れない、何本も乗れなかった、こんな声も届いています。これから寒くなって、インフルエンザとコロナの併発などが心配な時期に入ってきますので、対応は急を要してきます。
 このように、有明アリーナのオープンに伴って、様々なトラブルが生じており、その一つとして、来場者による混雑で、周辺の住民が都営バスに乗れないということがあります。
 交通局として、引き続いて都営バスを増便するとともに、施設側に強く対応を働きかけるべきと考えますが、交通局の見解を求めます。

○佐藤バス事業経営改善担当部長 本年八月に、収容人数一万五千人の有明アリーナがオープンしてから、イベント開演前や終演後に、来場者により都営バスが満員となり、周辺にお住まいのお客様がご利用できないとの声が、交通局に対しても寄せられております。
 都営バスではこれまでも、有明アリーナを経由する路線を増便してきたほか、イベント開催に合わせまして、可能な限り運行本数を臨時的に増やしておりますが、開演前や終演後に、膨大なご利用が集中する中、運行に当たる乗務員や車両などには限りがございまして、イベントに合わせたさらなる増便は困難な状況でございます。
 このため、来場者に、東京臨海高速鉄道りんかい線や新交通「ゆりかもめ」をご利用いただくことをこれまで以上に促すことや、イベント来場者用の貸切バスを施設側の負担で提供することなど、状況の改善に向けて、具体的な対応を取っていただくよう、施設側に強く申し入れているところでございます。

○細田委員 都営バスも、施設側から影響を受けてしまったという立場であります。
 今ご答弁ありましたように、有明アリーナの運営権者、施設側への働きを含めて、早期改善に向けて、引き続いてよろしくお願いいたします。
 ちなみに、その運営権者の株式会社東京有明アリーナ、先ほども申し上げましたけど、オリ・パラの施設の中で、一番黒字化されて、運営が、何ていうんですか、安定しているという、安定できるといわれていたこの施設なので、多くの人が集まるようなイベントについて、運営権者が、主催者と話しても、また、運営権者だけでやってもいいから、この人の流れだとか、きっちりやっていただきたいと、やってくださいよということを、交通局から強くいってくださいよ。例えば、東京スタジアムの調布や飛田給の場合で、あそこでJリーグをやったとしても、また、二〇一九のラグビーワールドカップのときだって、バスが出て、運んでというのをやっているわけで、それ放っておいていいのかという、ちゃんと株式会社東京有明アリーナというのはあるんだろうと、しっかりやれというふうに、そうじゃないと、私たち維持できないですよって、突然いっぱい人が来たときに。それをやるのが、施設側の運営権者の責任でしょうというふうに、都の交通局から強くいっていただきたいですね。
 それから、あと、私、併せて思うんですけど、さっきいったように、様々な課題を乗り越えて、稼ぐ力を高めていくというわけですから、はとバスなんか使ったらいいんじゃないかって勝手に提案するんですけど、今回のはとバスの決算を見ても、約三七・九%、都がこのはとバスを政策連携団体として持っているわけですから、けれども、はとバスは、昨年は大変だったわけで、東京オリ・パラの関係者の輸送や大規模施設センターへの無料のシャトルバスの運行の受注、他社のバス、外注車両の整備や中古販売に積極的に取り組んだことによって、事業全体で、目標に届かなかったけれども、前年以上の結果を残したと。けれども、期待されたGO TOトラベルキャンペーンも再開されず、事業は大きな影響を受けたという、こんな状況があるわけですから、だったら、はとバスを使えませんかというようなことを、例えば、交通局が、自分の関係の団体なんだから、そこで、これは、それができるかできないかというのは、公平性の観点もあるし、やり方もあるかもしれないから、そこだけということはできないのかもしれませんけど、一つ都の関係団体でも、そういうふうなところもあって、困っているところもあって、輸送能力があってすばらしい評価が高いバス会社もあったり、また、もしくは、余っていることはないのかもしれないけど、都バスでもってそういうことをやって、新たな集客をして、そこで利益を生んでいくという、こういうような取組も考えられるんじゃないですか。
 新たにそういうことができないかどうかということを検討していただくことをここで要望させていただきます。ディテールの、細かいことは、今、私がいったようなことじゃないかもしれないけど、そういう方向性だってあるじゃないかということを、ぜひ、ちょっと考慮していただいた上で、しっかりと寄り添って、住民の声も聞きながらやっているすばらしい交通局なんだから、だから、そういう取組も前に進めていただきたいなと、このように私は思います。
 続きまして、最後に、計画事業じゃないんですけど、事業者としての交通局に確認いたします。
 都の交通局は、環境対策にのっとりましたPCBの処理について、都内事業者の牽引役をこれまで果たしてきました。PCBを持っているその事業者ということですね。変圧器やらコンデンサーといったそういうものを多く所有しているけれども、それに対して、適切な処理をしていく牽引を都の交通局がやってきてくれたと、このように、私は理解しております。
 ポリ塩化ビフェニル、英語の略称ではPCBは、人工的に製造された化学物質でありまして、電気絶縁性が高いなどの性質があることから、主として変圧器やコンデンサー、照明用安定器など、電気機器の絶縁油として使用されてきました。そして、カネミ油症事件をきっかけに、PCBには毒性があることが分かり、一九七二年に製造が禁止されました。その後、三十五年以上にわたって、民間事業者による処理施設の立地が試みられましたが、住民の合意を得ることが難しくて全て失敗したために、この間に使用を終えたPCBを使用した電気機器は、使用者が保管することが余儀なくされてきたわけであります。これがこれまでの歴史です。
 都議会公明党は、多くの高濃度PCB廃棄物を保管している民間事業者の処理を促進するために、都が模範となって、率先して、一事業者としての処理を進めていくことがとても重要であることを提案し続けて、これを前に進めてきました。
 民間事業者が早期に処理に着手できるよう、届出されましたPCB含有の可能性がある廃棄物について、試料の開始時期を半年間前倒ししたり、また、掘り起こし調査の徹底などをこれまで進めてきました。
 私はこれまで、公営企業会計決算特別委員会の場において、この高濃度PCB廃棄物の処理に関する交通局の取組について質問いたしました。
 そのときに確認したのは、交通局が平成二十八年度に保管していた高濃度PCB廃棄物七十五トンのうち、まず、五十トンについては、平成二十九年度に、中間貯蔵・環境安全事業株式会社、いわゆるJESCOに委託して処分できたということであります。
 そして、都議会公明党の提案により、残り二十五トンについては、エックス線による非破壊検査装置を用いて高濃度PCBが含まれているコンデンサー部分を取り出して分別作業を行うことにより、処理量の削減が可能であることを確認し、平成三十年度にこの作業を行い、処理量を二十五トンから約十六トンに削減して、処理費用約二億円を、交通局、削減することができました、交通局は、当時は、年度中であるにもかかわらず、環境を守り、コストを削減したすばらしい取組でありました。交通局が、この約十六トンについて、令和元年度中に処理を完了したこと、また同時に、さらに詳細な掘り起こし調査を実施して、新たに一・九トンの高濃度PCB廃棄物が確認され、現在、非破壊検査装置を用いた分別作業を行ったと聞いております。
 そこで、追加で確認された高濃度PCBの処理に関する現状と今後の取組について答弁を求めます。

○坂田資産運用部長 理事お話しの追加で行った掘り起こし調査によりまして確認されました約一・九トンの高濃度PCB廃棄物につきましては、令和三年度に、目視による分別に加え、エックス線による非破壊検査装置を用いた調査、分別作業を行いました。
 その結果、高濃度PCB廃棄物を約〇・七トンに削減し、残余を処理単価の低い低濃度PCB廃棄物及び産業廃棄物として分別することができました。
 分別した約〇・七トンの高濃度PCB廃棄物につきましては、中間貯蔵・環境安全事業株式会社、JESCOに処理を委託しておりまして、国が定めた処理期限でございます今年度末までに処理を完了する予定でございます。

○細田委員 都議会公明党が進めてきました都内のPCB廃棄物削減の取組が確実に進捗されていることを確認いたしました。誠にご苦労さまでございます。
 そして、今年度、処理期限内で、高濃度PCB廃棄物の処理を確実に完了させていただくようお願いいたします。
 さて、一方、低濃度のPCBというのがありまして、これが二〇二七年度までが処理期限になっています。この低濃度の、二〇二七年三月までの処理が法律で義務づけられているんですが、最近、我が国の大手コンデンサーメーカーが、低濃度PCBの含有に関する新たな報告がなされました。これは、二〇〇四年三月以前までの絶縁油にも、PCBの混入の可能性がありというものであります。それなので、一九九〇年代から二〇〇四年三月までのこの微量PCBの混入の可能性があるものかどうなのかというものも、今後、二〇二七年までに低濃度PCBの検査をしないと、これ処理できなくなるということがあるので、作業、大変なことになるかもしれませんけれども、これについても適切に対応していっていただくようお願いをしておきます。要望しておきます。このことにつきましては、今後も、本委員会で適宜確認をさせていただきたいと思っております。
 残余の質問がありますが、時間でございますので、以上で終了させていただきます。ありがとうございました。

○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大山委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時五十六分散会

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