委員長 | 大山とも子君 |
副委員長 | 菅野 弘一君 |
副委員長 | 森村 隆行君 |
理事 | 斉藤まりこ君 |
理事 | 小林 健二君 |
理事 | 村松 一希君 |
石島 秀起君 | |
岩永やす代君 | |
かつまたさとし君 | |
保坂まさひろ君 | |
こいそ 明君 | |
山口 拓君 |
欠席委員 なし
出席説明員交通局 | 局長 | 武市 玲子君 |
次長 | 梅村 拓洋君 | |
技監車両電気部長事務取扱 | 野崎 慎一君 | |
総務部長 | 豊田 義博君 | |
職員部長 | 牧野 和宏君 | |
資産運用部長 | 坂田 直明君 | |
電車部長 | 市川 雅明君 | |
自動車部長 | 櫻庭 裕志君 | |
建設工務部長 | 坂口 淳一君 | |
鉄軌道事業戦略担当部長 | 築田 直樹君 | |
バス事業経営改善担当部長 | 佐藤 和哉君 | |
技術管理担当部長 | 飯沼 健一君 | |
水道局 | 局長 | 古谷ひろみ君 |
技監 | 松田 信夫君 | |
総務部長 | 石井 英男君 | |
経理部長 | 西川 泰永君 | |
浄水部長特命担当部長兼務 | 佐藤 清和君 | |
給水部長 | 石田 紀彦君 | |
建設部長 | 藤村 和彦君 | |
企画調整担当部長工業用水道事業調整担当部長兼務 | 尾関 元君 | |
事業調整担当部長 | 山田 廣君 | |
多摩水道改革推進本部 | 本部長 | 小平 基晴君 |
施設部長 | 鈴木 理君 | |
下水道局 | 局長 | 奥山 宏二君 |
次長 | 松川 桂子君 | |
総務部長 | 田中 彰君 | |
職員部長 | 後藤 徹也君 | |
経理部長 | 鈴木 豊君 | |
計画調整部長 | 猪八重 勇君 | |
施設管理部長 | 袰岩 滋之君 | |
建設部長 | 新谷 康之君 | |
流域下水道本部 | 本部長 | 佐々木 健君 |
管理部長 | 高角 和道君 |
本日の会議に付した事件
委員長の辞任及び互選
下水道局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
報告事項
・私債権の放棄について(説明)
・契約の締結について(説明・質疑)
水道局関係
報告事項
・東京都工業用水道事業の廃止に伴う取組について(説明)
・契約の締結について(説明・質疑)
交通局関係
報告事項(説明・質疑)
・契約の締結について
陳情の審査
(1)四第二三号 交通局における公益通報者保護法の遵守等に関する陳情
(2)四第四一号 都営地下鉄の全路線・全編成への女性専用車両の導入に関する陳情
○こいそ委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
初めに、委員の所属変更について申し上げます。
議長から、去る九月九日付をもって、成清梨沙子議員が本委員会から財政委員会に所属変更になった旨通知がありましたので、ご報告をいたします。
〔委員長退席、菅野副委員長着席〕
○菅野副委員長 それでは、これより私が暫時委員長の職務を代行させていただきます。
初めに、こいそ明委員長から、委員長を辞任したい旨の申出がありました。
お諮りいたします。
本件は、申出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅野副委員長 異議なしと認めます。よって、申出のとおり、こいそ明委員長の辞任は許可されました。
○菅野副委員長 次に、ただいまのこいそ明委員長の辞任に伴い、委員長が欠員となりましたので、これより委員長の互選を行います。
互選の方法はいかがいたしましょうか。
○村松委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。
○菅野副委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅野副委員長 異議なしと認めます。よって、委員長には大山とも子委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅野副委員長 異議なしと認めます。よって、委員長には大山とも子委員が当選されました。
委員長から就任のご挨拶があります。
〔菅野副委員長退席、大山委員長着席〕
○大山委員長 図らずも、ただいま委員長に選出いただきました日本共産党の大山とも子です。
今期再びの委員長ということですけれども、公営企業委員会という都民の皆さんの命と健康を守るために、本当に暮らしを支えるライフラインを維持する交通局、水道局、下水道局を所管する委員会です。本当に議会の役割をしっかりと果たせるように、委員長として、民主的で公平、公正な運営のために全力を尽くしてまいりたいと思います。
副委員長の皆さん、そして、理事の皆さん、委員の皆さん、どうぞご協力よろしくお願いを申し上げます。
○大山委員長 次に、議席について申し上げます。
議席につきましては、お手元配布の議席表のとおりといたしたいと思いますので、ご了承願います。よろしいでしょうか、はい。
この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後零時三十四分休憩
午後一時開議
○大山委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせしましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、下水道局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、所管三局の報告事項の聴取及び交通局関係の陳情の審査を行います。
なお、本日は、報告事項、契約の締結については、説明を聴取した後、質疑を終了まで行い、提出予定案件及びその他の報告事項については、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより下水道局関係に入ります。
初めに、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○奥山下水道局長 令和四年第三回定例会に提出を予定しております下水道局関係の案件につきましてご説明申し上げます。
ご審議をお願いいたします条例案は、東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例で、公営企業三局に共通する案件でございます。
本条例は、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の一部を改正する条例の施行を踏まえ、東京都パートナーシップ宣誓制度の趣旨を尊重し、適切に対応するために所要の改正を行うものでございます。
詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
○田中総務部長 それでは、提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料1、東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例案をご覧ください。
一ページは議案でございます。
今回の条例改正は、提案理由にございますとおり、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の一部を改正する条例の施行を踏まえ、東京都パートナーシップ宣誓制度の趣旨を尊重し、公営企業職員の住居手当及び単身赴任手当に関する事項について改正するものでございます。
改正内容でございますが、本条例中、住居手当について規定する第四条の三第二号及び単身赴任手当について規定する第五条の二第一項において、「配偶者」と規定している部分に、「又はこれとの均衡を考慮して管理者が別に定める者」を加えるとともに、必要な文言整理を行うものです。
施行期日につきましては、令和四年十一月一日を予定しております。
二ページをご覧ください。新旧対照表を掲載してございます。
上段が改正案、下段が現行条例でございまして、傍線を付した部分が改正部分でございます。
以上、簡単ではございますが、提出案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○大山委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○大山委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
初めに、私債権の放棄について報告を聴取いたします。
○鈴木経理部長 私債権の放棄についてご報告申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の資料2、私債権の放棄についてをご覧いただきたいと存じます。
本件は、東京都債権管理条例第十三条に基づき、令和三年度に放棄した下水道局の私債権一件、金額三百二十四円についてご報告申し上げるものでございます。
この債権は、臨海副都心地区に立地する住宅棟に供給した再生水の利用料金で、平成三十年度に発生し、以降、債務の履行が滞っていた債権でございます。
債務者に対しましては、支払いの催告や所在調査など、徴収に向けて努力を重ねてまいりましたが、債務者が行方不明の状態で、実質的に回収不能となっていること、また、既に消滅時効に係る時効期間が経過し、時効の援用が見込まれますが、その確認もできないことから、令和四年三月に債権の放棄を実施したところでございます。
以上、簡単ではございますが、私債権の放棄についての報告を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○大山委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○大山委員長 次に、契約の締結について報告を聴取いたします。
○鈴木経理部長 工事の請負契約につきましてご報告申し上げます。
お手元の資料3、契約締結報告書をご覧いただきたいと存じます。
恐れ入りますが、一ページをお開き願います。総括表をお示ししてございます。
今回の内容は、令和四年五月一日から七月三十一日までの間に締結した予定価格一件九億円以上の工事請負契約十二件でございます。
以下順次、契約の概要についてご説明いたします。
二ページをお開き願います。落合水再生センターからみやぎ水再生センター間送泥管その四工事でございます。
本件は、両センターとの間の送泥管の一部を施工するものでございます。この工事は、前回工事のシールド掘進機等を引き続き使用し施工することから、一貫した施工管理や安全管理が必要であるため、随意契約により契約しております。その概要は以下のとおりでございます。
四ページをお開き願います。蛇崩川増強幹線その四工事でございます。
本件は、世田谷区の一部の雨水を収容する蛇崩川増強幹線及び取水するための枝線を施工するものでございます。この工事は、前回工事の諸設備を引き続き使用し施工することから、一貫した施工管理や安全管理が必要であるため、随意契約により契約しております。その概要は以下のとおりでございます。
六ページをお開き願います。浮間水再生センター合流改善施設建設工事でございます。
本件は、浮間水再生センターにおいて、合流改善施設の建設工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
八ページをお開き願います。南部汚泥処理プラント焼却炉基礎その十二工事でございます。
本件は、南部汚泥処理プラントの汚泥焼却設備再構築に伴い、基礎の撤去、新設及び付帯する建築物の新設を行うものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
一〇ページをお開き願います。業平橋ポンプ所施設再構築その六工事でございます。
本件は、業平橋ポンプ所の再構築の一環として、増設ポンプ所の建設工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
一二ページをお開き願います。本田ポンプ所電気設備再構築その四工事でございます。
本件は、本田ポンプ所の監視制御設備が老朽化したため、再構築工事を施行するとともに、別途施行の本田ポンプ所ポンプ設備再構築その四工事に伴う電気設備工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
一四ページをお開き願います。両国ポンプ所電気設備再構築工事でございます。
本件は、両国ポンプ所の監視制御設備が老朽化したため、再構築工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
一六ページをお開き願います。南部汚泥処理プラント汚泥処理電気設備再構築その六工事でございます。
本件は、南部汚泥処理プラントの汚泥処理用監視制御設備が老朽化したため、再構築工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
一八ページをお開き願います。新河岸水再生センター汚泥脱水設備再構築その五工事でございます。
本件は、新河岸水再生センターの汚泥脱水設備が老朽化したため、再構築工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
二〇ページをお開き願います。新河岸水再生センター汚泥焼却設備再構築その三工事でございます。
本件は、新河岸水再生センターの汚泥焼却設備が老朽化したため、再構築工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
二二ページをお開き願います。細田ポンプ所発電設備再構築工事でございます。
本件は、細田ポンプ所の発電設備が老朽化したため、再構築工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
二四ページをお開き願います。森ヶ崎水再生センター(東)反応槽機械設備再構築その四工事でございます。
本件は、森ヶ崎水再生センターの東処理施設の反応槽機械設備が老朽化したため、再構築工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
以上で工事請負契約についての報告を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○大山委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○斉藤委員 日本共産党の斉藤です。
この契約案件のうち蛇崩川増強幹線その四工事について質問をしたいと思います。
この工事の目的は、七十五ミリ対応の浸水対策ということです。この地域は、内水氾濫が多発する地域ということで、地域の皆さんは、大歓迎をしている工事だというふうに聞いています。それだけに、お互いに気持ちよく工事をする、また、工事をしてもらうという状況をつくっていくことが必要だと思います。
地域の住民の方々から幾つか声が届いておりますので、質問をさせていただきます。
この工事をするために、五ページの地図の一番東の端に、既設発進立て坑があるのが丸山公園になります。当初の計画では、この公園を今年度末まで借用する約束だったということですが、引き続きこの公園を借りて工事をするということです。この辺りは公園が少ないので、貴重な公園ということなんですが、そこが三分の一以上も使えないというのは、近隣の子供たちや住民にとって大変なことです。このまま、また四年間も同じ状態なのかと心配している声が多く届いています。
この蛇崩川増強幹線事業について、世田谷区の丸山公園の返却期限が当初計画から遅れている理由は何でしょうか。
○新谷建設部長 蛇崩川増強幹線事業は、経営計画二〇二一の浸水対策事業の一つとして、平成二十八年度よりシールド工法等で施設整備を進めております。
当初、本工事における二次覆工及びインバートの施工は、シールドの既設発進立て坑である世田谷丸山公園のほか、取水人孔を設置する立て坑を複数新たに設け、それらを活用して工期を短縮することとしておりましたが、施工計画の作成に当たりまして、資機材の搬出入等についてより詳細に検討いたしましたところ、それらの新設する立て坑は、施工に必要な空間を確保できないことが判明いたしました。
このため、世田谷丸山公園のみで施工するよう全体工程を見直した結果、当該公園の借用期間が三年七か月延び、令和八年十月までとなる見込みとなりました。
この借用期間の延伸につきましては、令和三年二月から三月にかけて、地域住民の方々に説明いたしました。
○斉藤委員 この丸山公園の借用期間が三年七か月延長したということなんですけれども、つまり、今のお話ですと、当初予定だと、人が入れる人孔を幾つか造って、何か所からもこの工事をしようという計画だったけれども、その人孔からは機材が入らないということが分かったということで、一気に工事をすることができなくなって工期が延びたということですね。
計画段階で分からなかったのかなと疑問がありますけれども、住民の皆さんは、どうして工事が終わらないのかというふうに思っている状況です。工事が延びていることにより、公園を使用できない期間が延びていることについて、地元の皆さんにはどのように周知をしていますでしょうか。
○新谷建設部長 下水道工事につきましては、着手前から地域住民への周知方法を関係する町会に相談し、その意向に沿った方法で説明しております。
この工事期間の延伸につきましても、町会の意向を踏まえ、新型コロナウイルスに係る緊急事態宣言発出中であったことから、対面による説明会ではなく、ポスティングにより周知いたしました。
工事着手後は、世田谷丸山公園内に設置したデジタルサイネージで常時工事予定などを周知しております。
○斉藤委員 コロナ禍で、集まることはしなかったということで、それは仕方のない部分もあるかと思うのですけれども、現在も、地域の皆さん、どうしてこの工事が遅れているのかと、いつまでかかるのか、状況があまり知られていないという状況で、いつまで公園が使えないのか、どうして使えない状況になっているのか、納得ができていないというお話をされています。ビラを配布しているということがあっても、配布されていない地域もあります。
住民の皆さんが納得できるように、今からでも遅くはないと思いますので、地元の説明会を開く必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○新谷建設部長 公園の借用期限につきましては、立て坑用地の近くの公園用地内に、借用期限につきまして、看板を出して周知をさせていただいてございます。
これまでも、新型コロナウイルスの感染状況や地元の意向を踏まえて対応をしてきておりまして、引き続き丁寧に説明してまいります。
○斉藤委員 コロナ禍で、工事を始めるときは説明会は希望されなかったということですけれども、今は状況も違ってきていますし、比較的広い会場を借りて、間隔を空けて座れるようにしたり、風通しをよくするなど、工夫しながら開催するということは可能だと思います。
地元の意向を踏まえて対応ということですから、要望があれば、説明会を開くということでよろしいでしょうか。
○新谷建設部長 これまでも、地元町会と相談し、その意向に沿った方法で説明してきております。
引き続き、これまでと同様に丁寧に説明してまいります。
○斉藤委員 町会でということでいっていますけれども、広く住民の皆さん、こういう声があるということも、町会と含めて話をする必要があるのではないかなというふうに思うんです。地元の皆さんが納得できるよう、要望があれば、説明会を開いていくということを求めて、質問を終わります。
○大山委員長 ほかに発言ございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で下水道局関係を終わります。
○大山委員長 これより水道局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、水道局長から幹部職員の紹介があります。
○古谷水道局長 九月一日付の人事異動に伴い就任いたしました当局幹部職員を紹介させていただきます。
事業調整担当部長の山田廣でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○大山委員長 紹介は終わりました。
○大山委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
初めに、東京都工業用水道事業の廃止に伴う取組について報告を聴取いたします。
○尾関企画調整担当部長工業用水道事業調整担当部長兼務 お手元に配布してございます資料1をご覧ください。東京都工業用水道事業の廃止に伴う取組につきましてご報告をいたします。
それでは、一ページをお開き願います。1、基本的な考え方でございます。
工業用水道事業の令和四年度末廃止に伴い、平成三十一年三月に策定いたしました工業用水道事業の廃止及び支援計画に沿いまして、利用者の経営等への影響を最小限にとどめられるよう、利用者支援を着実に実施してまいりました。
令和四年度は、廃止に向けた最終年度としまして、利用者から寄せられました施工時期や施工方法などに関する様々な要望などを踏まえた上で、令和四年度末の事業廃止に向けて、上水道への切替え工事を確実に進めているところでございます。
また、廃止に係る経費の縮減のため、工業用水道事業の資産を最大限活用するほか、安全対策や効率的な施工方法などを含む工業用水道管の撤去等に関する計画を策定いたします。
令和五年度以降につきましては、地方公営企業法の適用が廃止される一方、料金差額補填や工業用水道管の撤去などの清算業務が生じることから、これらの執行方法について、令和四年度中に庁内の調整を行ってまいります。
続きまして、2、上水道への切替え工事でございます。主な支援策として、上水道への切替え工事につきましてご説明申し上げます。
まず、(1)、切替え件数でございます。
ア、工業用水及び一般雑用水利用者の表をご覧ください。工業用水と一般雑用水の項目別に、令和元年度から四年度までの切替え件数をお示ししております。
二ページをお開き願います。
次に、イ、集合住宅の表をご覧ください。令和元年度から四年度までの切替え件数をお示ししております。
続きまして、3、工業用水道管の撤去等に関する計画(案)でございます。
まず、(1)、対策の概要につきましてご説明申し上げます。
二十三区北東部に三百二十九キロメートル布設されている工業用水道管につきましては、水道管路の耐震継ぎ手化や無電柱化等の他の主要課題や地域の環境、交通に影響を与えないよう、計画的に撤去等を行ってまいります。
撤去等を行う管路のうち、強度が比較的低い鋳鉄管は早期に対応し、強度が高いダクタイル鋳鉄管等は事業費の低減を図り、計画的に撤去してまいります。
三百二十九キロメートルの工業用水道管のうち五十八キロメートルにつきましては、上水道管への転用を行うとともに、それ以外の管路についても、利活用の方法を引き続き検討してまいります。
撤去等計画の対象工業用水道管延長の表をご覧ください。管の分類ごとに、令和四年度末の残存延長の見込みをお示ししております。
三ページをお開き願います。
次に、(2)、事業期間と実施内容につきましてご説明申し上げます。
国道、都道などの主要道路に埋設されている強度の比較的低い鋳鉄管は、おおむね五年で管内部にモルタル等を充填する安全対策を実施し、陥没リスクを回避してまいります。
そのほかの安全対策を行わない鋳鉄管は、十年以内に優先的に撤去してまいります。
陥没リスクの低いダクタイル鋳鉄管などは、四十年間において上水道や他企業工事等との同時施工を可能な限り進めることで、コスト抑制や地域の環境、交通への影響の最小化を図りつつ、計画的に撤去してまいります。
計画の概要の表をご覧ください。実施区分ごとの延長と費用などをお示ししております。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。
○大山委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
○大山委員長 次に、契約の締結について報告を聴取いたします。
○西川経理部長 工事請負契約につきまして、お手元の資料2、契約締結報告書によりご報告申し上げます。
本日ご報告申し上げますものは、令和四年五月一日から令和四年七月三十一日までの期間に契約を締結いたしました予定価格が一件九億円以上の工事請負契約四件でございます。
表紙をおめくりいただいて、一ページをご覧ください。こちらは、本日ご報告申し上げます契約四件の総括表でございます。
以下順次、契約の概要につきましてご説明申し上げます。
二ページをお開き願います。1、石畑増圧ポンプ所外一か所電気設備等設置工事でございます。
本件は、石畑増圧ポンプ所に非常用自家発電設備を整備するとともに、老朽化した高低圧電気設備及び監視制御設備の更新工事を行うものでございます。
契約の方法は一般競争入札、契約金額は九億五千三百七十万円、契約の相手方はシンフォニアテクノロジー株式会社でございます。入札経過及び案内図につきましては三ページにお示ししてございますので、ご参照いただければと存じます。
四ページをお開き願います。2、中野区鷺宮一丁目地先から同区野方四丁目地先間送水管(二千二百ミリメートル、一千八百ミリメートル)既設管内配管工事でございます。
本件は、送配水施設整備事業の一環として、中野区鷺宮一丁目三十番地先から同区野方四丁目四十六番地先間におきまして、内径二千四百ミリメートルの既設管内に、内径二千二百ミリメートル及び千八百ミリメートルの送水管を新設する工事を既設管内配管工法により行うものでございます。
契約の方法は指名競争入札、契約金額は十二億六百七十万円、契約の相手方は須藤工業株式会社でございます。入札経過及び案内図につきましては五ページにお示ししてございますので、ご参照いただければと存じます。
六ページをお開き願います。3、石畑給水所耐震補強工事でございます。
本件は、送配水施設整備事業の一環といたしまして、石畑給水所において、一号配水池及び二号配水池の耐震補強工事を行うものでございます。
契約の方法は一般競争入札、契約金額は十一億二千八百三十八万円、契約の相手方は佐田建設株式会社でございます。入札経過につきましては七ページ及び八ページに、案内図につきましては八ページにお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
九ページをお開き願います。4、府中市白糸台一丁目地先から同市小柳町二丁目地先間配水本管(四百ミリメートル)新設工事でございます。
本件は、送配水施設整備事業の一環として、府中市白糸台一丁目二番地先から同市小柳町二丁目四十五番地先間におきまして、内径四百ミリメートルの配水本管新設工事を開削工法及び推進工法により行うものでございます。
契約の方法は一般競争入札、契約金額は十一億二千百三十四万円、契約の相手方は西武・京王建設共同企業体でございます。入札経過及び案内図につきましては一〇ページにお示ししてございますので、ご参照いただければと存じます。
以上、簡単ではございますが、ご報告を申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○大山委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○斉藤委員 私から一件、府中市白糸台一丁目地先から同市小柳町二丁目地先間配水本管、この新設工事について、地元の声が届いておりますので、質疑をしたいと思います。
配布していただきましたこの地図の南から一つ目の到達立て坑、二つ目にある発進立て坑、その発進立て坑から三つ目の発進立て坑までの開削工事は、昼間行うというふうに聞いています。
開削工事をするほとんどの部分が、府中第九中学校に接している部分です。しかも、この中学校の校舎は、その開削工事をする道路側にあるというふうに聞いています。開削工事でとりわけ音が出るのはアスファルトを切る音なのですが、道路側に校舎があるだけに、工事全体での配慮が必要だと思います。中学校は、開削工事の道路に接していますから、通学には必ず使う道路となります。同時に、中学校より少し南側に小柳小学校もあります。小学生も、この開削工事を行う道路は通学に使っているということです。
これら子供たちの安全や学習環境の確保など、どのような配慮や対応があるのか伺います。
○鈴木施設部長 水道局ではこれまでも、騒音、振動への対策や周辺道路の交通安全対策など、住民への配慮や小中学校との相談をしながら工事を施行しております。
本工事におきましても、低騒音機械の導入などによる騒音の低減、交通誘導員の適切な配置による交通安全対策などを実施してまいります。
○斉藤委員 歩行者など、特に小さなお子さんたちがよく通るという道ですので、この安全を確保するために、十分な人の配置をお願いしたいというふうに思います。中学校はもちろん、小学校ともよく相談をして進めていただきたいというふうに思います。
この道路は、片側一車線ずつの道路ですが、開削工事を行うには、交互に通行するというふうになります。
この道路には踏切があり、渋滞の原因になっていること、また、中央高速道路の府中スマートインターチェンジから降りてくる車が多いということです。せめて、この高速道路から降りる前に、ドライバーには工事中であるということを知らせた方がよいのではないでしょうか。いかがでしょうか。
○鈴木施設部長 本工事におきましても、これまでの工事と同様、着手する前に工事現場付近を通行する車両に向けた工事の周知等について、交通管理者と協議を行ってまいります。
○斉藤委員 もちろん警察と相談してやらなければならないことですけれども、ドライバーが見通しを持って運転できるようにするというのは重要だと思いますので、事前のお知らせなどは本当に必要だと思います。
さらに、この九中前の道を少し北に行くと、京王線の踏切もあります。時刻表を見ると、朝の八時台から二十一時、二十二時台まで、上り下り合わせると一時間に十二本程度の電車が通過をします。踏切で渋滞もある上に、片側ずつの通行になるわけですから、交通状況もなるべくスムーズにいくように協議をしていただきたいというふうに思います。
今まで述べてきたように、小中学生にも影響があり、そして、道路の交通にも影響があるだけに、周辺の住民の皆さんにはきちんと事前に説明会を持って説明して、心配なことにはちゃんと答えるようにするということが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○鈴木施設部長 水道工事におきましては、工事を着手するまでに、目的、工事場所及び日時などを説明した工事ビラを周辺の住民に配布し、工事への理解と協力をお願いしてきました。
本工事におきましても、工事ビラを配布するとともに、住民からの様々なご要望に対して適切に対応してまいります。
○斉藤委員 住民からの様々な要望に対して適切に対応していくということで、重要だと思うんですけれども、住民の皆さんが説明会を求めたら、説明会を行うということでよろしいでしょうか。
○鈴木施設部長 本工事は、まだ着手前の段階でございますので、先ほどの答弁のとおり、本工事におきましても、工事ビラを周辺の住民に配布するとともに、住民からのお問合せや、それから、様々なご要望があった場合、その内容を踏まえまして適切に対応してまいりたいと、そのように考えているところでございます。
○斉藤委員 住民からの様々な要望に対して適切に対応していくと、繰り返しの答弁ですけれども、この説明会も丁寧に開くということも含めて、声に基づいて行っていただきたいということを重ねて求めまして、終わりとさせていただきます。
○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で水道局関係を終わります。
○大山委員長 これより交通局関係に入ります。
初めに、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
○坂田資産運用部長 お手元の資料1、契約締結報告書に基づきまして、令和四年五月一日から令和四年七月三十一日までに締結いたしました予定価格が一件九億円以上の工事請負契約につきましてご報告申し上げます。
一ページをお開き願います。ご報告申し上げます契約の総括表でございます。
以下、契約の概要についてご説明申し上げます。
二ページをお開き願います。三田線三田駅外十二駅ホーム床改修工事でございます。
本件は、地下鉄駅におけるホームと車両の段差、隙間を縮小するため、ホーム床を改修する工事でございます。
契約の方法は一般競争入札、契約金額は十一億一千百万円、契約の相手方は吉田石材工業株式会社でございます。
以上でご報告を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
○大山委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
○大山委員長 次に、陳情の審査を行います。
初めに、陳情四第二三号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○櫻庭自動車部長 お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
整理番号1、陳情四第二三号、交通局における公益通報者保護法の遵守等に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
陳情を提出された方は、板橋区にお住まいの近藤勝徳さんでございます。
陳情の要旨は、都において、次のことを実現していただきたいとして、一つ目が、交通局自動車部管理課に対し、公益通報者保護法第五条及び第十三条を遵守するよう指導すること、二つ目が、北自動車営業所における東京交通労働組合自動車部北支部との癒着を見直し、業務を正常な状態に戻すよう指導すること、以上の二点でございます。
その下の欄が現在の状況でございます。
陳情の一点目につきましては、公益通報者保護法では、公益通報があった場合、通報者に不利益な取扱いを行わず、また、必要な調査を行った上で、通報された内容が事実であると認められた場合には、適切に対応することとされております。
自動車部管理課では、同法の趣旨を踏まえ、通報者の秘密の保持などに十分留意しながら調査を行いまして、関係者に対して文書で注意するなど適切に対応しております。また、本人に対して通報を理由とした不利益な取扱いは行っておりません。
二点目につきましては、バス営業所における年次有給休暇の取得に当たりましては、職員本人が申請し、その内容について勤怠を担当する職員が確認した上で、営業所長が承認しております。
また、労働組合とは、法令に基づき適切な労使関係を維持しております。
説明は以上です。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○大山委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は不採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第二三号は不採択と決定いたしました。
○大山委員長 次に、陳情四第四一号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○市川電車部長 お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の二ページをお開き願います。
整理番号2、陳情四第四一号、都営地下鉄の全路線・全編成への女性専用車両の導入に関する陳情についてご説明申し上げます。
この陳情を提出された方は、一般社団法人日本若者協議会代表山内翠さん外三名の方でございます。
陳情の要旨は、都営地下鉄の全路線、全編成に、女性専用車両を導入していただきたいというものでございます。
現在の状況についてご説明申し上げます。
都営地下鉄では、痴漢行為を防止するため、痴漢撲滅キャンペーンの実施、駅係員等によるホーム監視、車内防犯カメラの整備を継続的に行うほか、お客様のご協力の下、平成十七年から新宿線で、朝のラッシュ時間帯に女性専用車両を運行しております。
また、現在、女性専用車両の導入拡大に向けて、利用者の規模が最も大きく、痴漢通報件数も相対的に多い大江戸線を対象に、朝ラッシュ時間帯の混雑状況など詳細な利用実態や、新宿線への導入で得られた知見、ノウハウ等を踏まえながら検討を進めております。
一方、他の路線については、浅草線では四社、三田線では三社と相互直通運転等を実施しており、直通する事業者ごとに混雑する車両の位置が異なるなど様々な課題があることから、各社と情報交換を行っております。
説明は以上です。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○大山委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○石島委員 ただいま、本件陳情に関する現在の状況についてご説明をいただきました。
女性専用車両の導入については、女性が安心して移動でき、車両内で痴漢が発生しにくい環境の整備に資するものであると考えます。また、女性の社会進出の推進という観点からも、大変重要な取組であり、本件陳情の趣旨については十分に理解を示すものであります。
都営地下鉄全線への女性車両の早期導入が社会的にも求められる中、局では、現在、大江戸線における導入について検討を進めていると聞いていますが、そこで、改めて、女性専用車両の必要性、位置づけについて局の認識を確認したいと思います。
○市川電車部長 女性専用車両は、国土交通省によれば、鉄道事業者において、輸送サービスの一環として導入された女性等に配慮した鉄道車両であり、利用者のご理解と任意のご協力の下に実施されているものでございます。
当局におきましても、女性専用車両は、痴漢等被害を防止する一つの有効な手段であり、路線の実情に応じ、お客様のご理解とご協力の下、運行するものと認識しております。
痴漢は性犯罪で許されない行為であり、これまでも、新宿線における女性専用車両の導入のほか、痴漢撲滅キャンペーンや駅構内、車内でのアナウンスの実施など、痴漢撲滅に向け、様々な対策に取り組んでまいりました。
○石島委員 痴漢対策は、女性専用車両導入はもちろんのこと、我が党がさきの第二回都議会定例会でも取り上げました車内防犯カメラの整備、そして、痴漢撲滅キャンペーンなど、総合的かつ一体的に取り組む必要があります。
一方、他の路線、具体的には、浅草線と三田線については、局からの説明では、相互直通各社との間で様々な課題解決に向けた調整、そして、取組が必要であると聞いています。これは、相手のあることでもありますが、迅速な対応が求められています。また、陳情の願意の一つである全編成への導入、これは終日運行を意味すると聞いていますが、その円滑な実施のためには、先ほど答弁をいただいた利用者の理解と協力が不可欠であります。
このように、女性専用車両の導入には課題も多々ありますが、交通局は、都営地下鉄において、今もなお痴漢被害が発生しているという現状を重く受け止めなければなりません。ぜひ、関係各社とも積極的に協議を行い、可能な路線から着実かつ早期に取組を進めていただくことを要望させていただきます。
以上、本件の陳情の取扱いについて、我が党は、趣旨採択が妥当であると考えます。
○保坂委員 私からも、今回の陳情四第四一号、都営地下鉄の全路線・全編成への女性専用車両の導入に関する陳情について質疑をさせていただきたいと思います。
今回、陳情者の方に直接お話をお伺いすることもできました。生活のライフラインでもあります鉄道交通における痴漢被害が後を絶たず、大変に困っている、助けてほしいという切実な声であります。被害女性の大半は若年層の方々が多く、私の地元の私立高校でも被害学生が絶えず、緊急アンケートを取られた結果、約四人に一人が被害者で、その半数近くが泣き寝入りをしている現状でもあります。当然、鉄道会社が様々な対策を講じていることは陳情者も認識をしておられますが、目に見えた効果がなかなか見えない。このため、より安心して乗車ができる環境を望んでおられます。その最たるものが都営地下鉄の全路線、全編成への女性専用車両の導入であるということでございます。
そこで、一点だけ確認をさせていただきたいと思います。
大江戸線については、現在、導入拡大に向けて検討を進めているとのことですが、残る浅草線及び三田線について、相互乗り入れをする他社との調整状況や導入の課題を先ほど説明いただきましたが、より詳しく教えてください。答弁を求めます。
○市川電車部長 女性専用車両を運用するためには、相互直通運転等を行う各社間で設定車両等について合意に至る必要がございます。
各事業者とは、日頃から運行ダイヤの調整や車両の運用などのために様々な情報交換を行っております。
この中で、浅草線及び三田線における女性専用車両の設定については、事業者ごとに混雑する車両の位置が異なることに加え、急行、普通といった運行形態や一編成当たりの車両数が異なるなどの課題を共有してございます。
○保坂委員 今の答弁から、ほかの相互乗り入れをする各社も女性専用車両の必要性を感じてはいるものの、実際の導入に向けては様々な課題があることを改めて確認できました。
ただ、現在、社会は、新型コロナウイルスにより大きく変わろうとしています。企業では、この間、テレワークが進んだことで鉄道利用者数が減少するなど、鉄道会社を取り巻く経営は大変厳しい状況であります。都民の交通に対する考え方も変化しており、鉄道やバス以外にも、自転車やバイクを、通勤通学などの移動手段としてこれまで以上に利用するようになった方も少なくないなどの報道を見受けます。
こうした利用者の変化に対して、鉄道会社側の変化も求められていると認識しなければならないと考えます。感染症対策をしっかり実施することで利用者の安全を確保することはもちろんのことですが、それに加えて、今回のような、痴漢撲滅に向けた、より踏み込んだ対策も、都の交通機関として求められていることは真摯に受け止めなければなりません。痴漢抑止力も含めて、女性専用車両が導入されれば、目に見えて利用者が安心して乗車でき、なおかつ冤罪の被害も減ることにつながることはいうまでもありません。
都営交通はこれまでも、防犯カメラ設置など様々な痴漢対策を実施されてきたことは理解をしていますが、依然、痴漢の被害に遭われている方々も多く、より安心して都営地下鉄を利用いただけるような対策を取らなければいけません。
全路線への女性専用車両の導入については、我が会派もかねてから交通局に求めてきており、現在、大江戸線への導入に向けた検討を進めていることは評価します。残すところの三田線や浅草線への導入については、さきの説明のとおり、相互する他社との関係などの課題があり、なかなか前には進んでいないとのことでありますが、東京メトロなどでは、既に相互直通の相手となる各私鉄やJR東日本などとうまく連携して、様々な路線で女性専用車両を実現しております。さらなる導入拡大が簡単ではないことは認識していますが、より一歩進んだ協議をしていただくよう強く求めておきます。そうした都の動きが、都営交通の痴漢対策への真剣さという形で社会に伝わることで、抑止力にもつながっていくのではないかとも考えております。
以上のことから、今回の陳情につきましては、我が会派は、趣旨採択が妥当と表明して、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○かつまた委員 本委員会に付託されました、陳情四第四一号、都営地下鉄の全路線・全編成への女性専用車両の導入に関する陳情について質疑をいたします。
我が党は、二〇〇三年に、痴漢被害から女性を守るために都営地下鉄に女性専用車両の導入を求めてまいりました。二〇〇五年二月には、公明党東京都本部女性局が女性党員の皆様と共に、首都圏の車両に女性専用車両の導入をと署名活動を行い、導入を訴え、その後、十九万人の署名を集め、当時の北側国土交通大臣に導入を要請。鉄道各社は当初、混雑に拍車をかける、相互乗り入れもあり単独での導入は困難と消極的でありましたが、二〇〇五年三月二十八日、鉄道各社は女性専用車両の導入拡大の方針を決定。JR東日本は四月四日から、大手私鉄と東京メトロ、そして都営地下鉄は五月九日からの導入を決め、新宿線に女性専用車両が導入をされました。
このように、我が党は十七年前から導入を求め、さらに、二〇二二年二月に行われた第一回都議会定例会代表質問で、都営地下鉄に女性専用車両導入拡大を求めたところ、交通局長からは、新宿線に続き、他路線についても、朝の利用状況等を勘案しながら検討してまいりますとの前向きな答弁をいただきました。
また、本年三月の予算特別委員会において、我が党が大江戸線への導入を要望し、交通局長より、導入に前向きな答弁があり、大江戸線への女性専用車両導入に向け大きく動き出しました。まずは、この動きに交通局を高く評価いたします。
陳情についての交通局の見解では、浅草線で四社、三田線で三社と相互直通運転等を実施しており、直通する事業者ごとに混雑する車両の位置が異なるなどの課題があることから、各社と情報交換を行っているとあります。
各社とどのような情報交換を行っているのか、具体的にお答え願います。
○市川電車部長 各事業者とは、日頃から運行ダイヤの調整や車両の運用などのために様々な情報交換を行っております。
この中で、浅草線及び三田線における女性専用車両の設定については、事業者ごとに混雑する車両の位置が異なることに加えまして、急行、普通といった運行形態や一編成当たりの車両数が異なるなどの課題を共有しております。
○かつまた委員 関西圏では、女性専用車両の導入の時間帯を朝のラッシュ時のみと定めていない鉄道会社も多くあり、鉄道会社によっては終日導入も珍しくはありません。
一方、首都圏においては、多くの鉄道会社が朝ラッシュ時間帯を中心に女性専用車両を運行しています。都営地下鉄においても、既に導入されている新宿線では、朝ラッシュ時間帯のみの運行となっています。
そこで確認をいたしますが、女性専用車両を朝ラッシュ時間帯以外にも運行することについて、どのように認識しているのか、見解を求めます。
○市川電車部長 女性専用車両は、お客様の任意のご協力の下、運行しているものであり、時間の設定についても、できるだけ多くの方にご理解いただくことが必要であると認識しております。
新宿線では、車内の混雑状況や首都圏における各鉄道事業者の導入状況、お客様の利便性や公平性などを総合的に勘案し、平日の朝ラッシュ時間帯に設定しております。
○かつまた委員 我が党の要望に応え、現在、大江戸線への女性専用車両の導入に向け鋭意検討を進められていると思いますが、この間の具体的な検討状況についてお伺いをいたします。
○市川電車部長 朝ラッシュ時間帯における車両の号車ごとの混雑状況や駅構内のお客様の流動など、大江戸線における詳細な利用実態を継続的に調査するとともに、女性専用車両をどの位置に設定するかなど、新宿線への導入で得られた知見やノウハウ等を踏まえながら検討を行っております。
○かつまた委員 本来であれば、女性専用車両を設定することなく、誰もが乗りたい車両に安心して乗れることが理想だというふうに考えます。しかしながら、痴漢被害は後を絶たないのが現状であります。
改めて、女性専用車両の早期の拡大、その上で、まずは他の鉄道事業者と相互直通運転をしていない大江戸線への導入に向けて検討を加速させていただきたいと要望いたします。
ここまでの議論を踏まえ、今回の陳情について、都議会公明党としては、趣旨採択と申し上げ、質問を終わります。
○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。
私からも、この都営地下鉄の全路線・全編成への女性専用車両の導入に関する陳情について伺いたいと思います。
この間、あらゆる性暴力をなくしていこうという世論の大きな高まりの中、政府もその声に後押しされながら、取組の強化に踏み出しているところです。
日本共産党は、都民、国民の声とともに、最も身近な性暴力である痴漢をなくしていくことが重要な課題だと認識をして、二〇二〇年の秋に痴漢アンケート、そして昨年、二〇二一年の秋にも東京都内の電車、駅での痴漢、盗撮被害と対策についての調査を行いました。
その中でも驚きの結果だったことの一つが、若い人たちが多くの被害を受けているという実態でした。私たちの調査では、最初に痴漢などの性被害に遭った年齢が十八歳以下だったという回答が七一・五%にも及んでいました。
国会では、我が党の小池晃参議院議員が、痴漢も含めた性暴力被害の実態調査を行うようにと政府に求めてきました。その中で、内閣府は、十六歳から二十四歳の若年層を対象とした、痴漢も含めた性暴力被害に関する初の実態調査を行い、その結果をこの六月に発表いたしました。
その中でも、東京都における二〇一八年から二〇二〇年の三年間の痴漢の検挙数から被害者数を年齢別に見てみると、十代から二十代で全体の四分の三を超えているということが示されております。年代にかかわらず被害が発生している痴漢ですけれども、若い皆さん方が置かれている実態というのが本当に浮き彫りになっていると思います。
ここで、私たちのアンケートに寄せられた深刻な被害の実態についてご紹介をしたいと思います。被害がどのようなものか認識していくということは、対策を進めることで重要な点だと思いますので、ご紹介いたしたいと思います。
一つ目の事例は、高校生のときに乗った満員電車でのことというものです。電車に乗り込んだのとほぼ同時に身動きが取れない状態で、前方の男性が制服のスカートの中に手を入れ、下着の上から性器を執拗になでてきた、最初は、電車に乗ってすぐのいきなりのことで何が起こっているのか分からず、自分の股間に挟んでいたトートバッグが自分の股に当たっているのかなと思った、その日は高三の登校初日だった、物すごくショックだったけど、何食わぬ顔で授業に出なければならなかった。
そしてもう一つは、社会人一年目で通勤中の電車の中で痴漢に遭ったというケースです。ショーツの中に手を入れられました、相手は背中に刃物のようなものを突き出して、怖くて声も出なかったのを今でも覚えています、あれ以来、通勤電車のみならず、電車が苦手になりました、仕事も辞めざるを得なくなりました、あのとき、痴漢に遭っていることを周りが気づいていても、男性の方々は、ほとんどの方が見ぬふりをしていましたが、一人の女性の方が、この人痴漢ですと大声を出して助けてくれました。
これ以外にも、精液をかけられたというもの、トイレに連れ込まれて性暴力を受けたという本当に深刻な被害の実態があるということ、これが電車内あるいは駅構内、こういうことで、こういう現実があるという調査の内容なんです。
交通局としては、まず、この内閣府の、申し上げました若年層を対象にした性暴力被害の実態調査について、その内容など把握されているでしょうか。そして、多くの若い方々が痴漢被害に遭っている実態とその対策を求める若者の声をどう受け止めるか、交通局の認識を伺います。
○市川電車部長 お話の内閣府の調査結果は承知しております。
痴漢は性犯罪であり、若者はもとより、年齢や性別にかかわらず、被害に遭われた方の心に一生の傷を負わせることにもなりかねない行為であり、決して許されないものと認識しております。
○斉藤委員 この内閣府の調査での若年層が置かれている実態について、交通局でも認識をされているというご答弁です。まず、実態をよくつかんでおくということが重要な出発点になると思いますので、ぜひ職員の皆さん方に、全ての皆さんに目を通していただきたいというふうに思います。
また、被害はもちろん若年層以外でも起きていて、今ご答弁にあったように、年齢や性別にかかわらず、被害に遭われた方の心に一生の傷を負わせることになりかねない行為、決して許されるものではないと認識しているというのは重要なことだと思います。
そうした中で、今回の陳情のように、若い人たちがこの現状を変えていこうと政治や行政に対して行動しているということを、私たちはしっかりと受け止めていかなければならないというふうに思います。
政府が行ったこの調査では、身体接触を伴う性暴力被害が最も多い場所が、やはり公共交通機関という結果が示されています。我が党が行ったアンケート調査でも、痴漢等の性暴力に遭った場所は電車の中が一番多いという結果でした。
さらに、昨年、日本共産党都議団が行った電車内での痴漢、盗撮の被害と対策についての調査結果では、女性専用車両のある電車を利用している人のうち四五%が女性専用車両を使うと回答し、半数近くは積極的に利用していました。しかし、使いたいけれど状況によるという人もいまして、これを合わせれば八五%以上の人が女性専用車両の利用希望があるという内容でした。痴漢をなくしていくために、交通局がより主体的に取り組んでいかなければなりません。
改めてですけれども、女性専用車両の果たしている役割について伺います。
○市川電車部長 女性専用車両は、痴漢等被害を防止する一つの有効な手段であり、路線の実情に応じ、お客様のご理解とご協力の下、運行するものと認識しております。
○斉藤委員 女性専用車両は痴漢等被害を防止する一つの有効な手段という認識は、とても大事なものだと思います。
冒頭に被害の実態についてご紹介いたしましたけれども、中には、電車が苦手になった、あるいは出かけられなくなって不登校になったという声も寄せられています。女性専用車両は、被害を防ぐと同時に、過去に被害に遭った方々が安心して電車に乗れる、まさにシェルターとして誰にでも安心できる移動の保障を実現するものです。その視点に立って、拡大を進めていくことが求められています。
同時に、痴漢の加害行為をなくしていくということが根本的には求められています。痴漢被害を防止するという観点だけではなく、加害を許さないという発信や、その取組も重視して対策をしていただくことを求めます。
改めてですけれども、今回の陳情を出された日本若者協議会の皆さんは、昨年の夏に、NoMoreChikanというネット署名に取り組み、三万人近くの署名を集めて、痴漢対策を求める要請を国に対して行ってきた中で、国を動かす大きな原動力となってきました。その中で、政府が六月に女性活躍・男女共同参画の重点方針をまとめ、痴漢撲滅パッケージの今年度中の策定が盛り込まれました。その中で、女性専用車両の導入の取組についても取り上げられています。
重要な課題になっている中、女性専用車両の導入の対策を加速化させていく必要があると思いますが、交通局の認識について伺います。
○市川電車部長 女性専用車両の導入拡大に向けて、まずは、利用者の規模が最も大きく、痴漢通報件数も相対的に多い大江戸線を対象に、利用実態や、新宿線への導入で得られた知見、ノウハウ等を踏まえながら検討を進めているところでございます。
○斉藤委員 女性専用車両の導入拡大が必要だからこそ、まずはこの大江戸線を対象に検討していくということだと思いますが、我が党が繰り返し質問をしてきた中で、今年の三月に大山委員長の委員会質疑や私自身の文書質問の中でも取り上げてきました。その中でも大江戸線への女性専用車両の導入拡大に向けて検討を進めるという答弁があったというのは本当に貴重な前進だというふうに思います。
その大江戸線への導入についてですけれども、先ほどの質疑もありましたが、改めて、いつからどのように導入するのか、現在どのような検討を行っているのか伺います。
○市川電車部長 女性専用車両の導入拡大に向けて、現在、大江戸線における朝ラッシュ時間帯の詳細な利用実態や、新宿線への導入で得られた知見、ノウハウ等を踏まえながら検討を進めております。
○斉藤委員 朝ラッシュ時間等の詳細な利用実態について検討しているということですけれども、検討の対象が朝のラッシュ時間だけなのかということには疑問を感じます。導入の時間帯についても、私たちはこの間の質疑でも取り上げてきましたけれども、痴漢行為は朝のラッシュ時間だけでなく、昼間のすいている時間帯、そして、夜の時間帯にも発生をしています。
私たちの調査には、酔っている人が多く不安になることが多いため、夜にも導入してほしいという声や、痴漢被害や暴力行為は満員電車じゃなくても発生するので、通勤時間帯だけでなく常時設置してほしいと、女性専用車両の導入の時間帯の拡大や終日の導入を求める声が多く寄せられています。
私は、今回、大阪を中心とする路線のうちのほとんどの九路線で、女性専用車両の終日の導入を行っているJR西日本の担当の方にお話を伺いました。JR西日本では、二〇一一年、ですからもう十年以上前ですけれども、終日の導入を行っているということです。
なぜ終日の導入にしたのかと伺ったところ、痴漢の被害は朝の時間だけには限らず発生していたということ、そして、女性の乗客の方々により安心して乗車していただくためにということでした。本当に重要な視点ですし、まさに私たちが得ているアンケート調査の声にも寄せられている多くの当事者の方々の声にも一致する、応える取組になっているというふうに思います。
東京都交通局としても、こうした視点に立って、終日の導入も含めて検討するべきではないかと思いますが、いかがですか。
○市川電車部長 女性専用車両は、お客様の任意のご協力の下、運行しているものであり、時間の設定についても、できるだけ多くの方にご理解いただくことが必要であると認識しております。
なお、新宿線では、車内の混雑状況や首都圏における各鉄道事業者の導入状況、お客様の利便性や公平性等を総合的に勘案し、平日の朝ラッシュ時間帯に設定しております。
○斉藤委員 お客様の利便性や公平性を総合的に勘案しというお答え、この間も繰り返されてはいるんですけれども、公平性や利便性を優先させているということなのか分からないですけれども、JR西日本の認識ですと、そういうことも当然同じようにあると思うんですけれども、やっぱり優先的に女性の専用車両が必要だというふうに認識しているのは、やっぱり、朝だけじゃない時間に発生している、深刻な被害がある、そういうことをつかんでいる、公共交通機関としてつかんでいるということ、その被害をなるべくなくしていく、そのために導入していくことが必要なんだという知見に立っていると思うんですね。
この認識に、やっぱり踏み出していくということが必要だと思うんですけれども、もう一度伺いたいのですが、このJR西日本の見解について、どのように認識されますでしょうか。
○市川電車部長 繰り返しになりますが、女性専用車両は、お客様の任意のご協力の下、運行しているものでございまして、時間の設定につきましても、できるだけ多くの方にご理解いただくことが必要であると認識してございます。
新宿線では、車内の混雑状況ですとか首都圏における各鉄道事業者の導入状況等を総合的に勘案しまして、平日の朝ラッシュ時間帯に設定しているものでございます。
○斉藤委員 ご答弁にありますように、できるだけ多くの方にご理解いただくことが必要ということは、本当にそのとおりだと思いますし、重要なことだと思います。なので、その理解を広げるという役割を、だからこそ交通局は、広げていくということが必要なんじゃないかというふうに思います。
今、この対策の前進が求められているときに、従来の考えから視野を広げて、積極的に痴漢をなくしていくための取組に踏み出していく、これが必要だというふうに思います。
この陳情では、女性専用車両の全路線、全編成への導入を求めています。
そこで、一つ伺いますけれども、二〇二一年度における都営地下鉄の各路線の痴漢通報件数について教えてください。
○市川電車部長 令和三年度の路線別の痴漢通報件数は、浅草線が一件、三田線が七件、新宿線が七件、大江戸線が十二件となっております。
○斉藤委員 今ご答弁いただいた通報件数というのは、駅係員に被害の訴えがあって、さらに警察に通報したという件数だということですので、非常に少ない数字になっているというふうに思います。実際には、警察までは通報しなかったり、そもそも駅係員さんのところにも被害を訴えに行けないということが多いという中で、本当に氷山の一角だと思います。
また、コロナ禍で、警視庁の調べによりますと、コロナ前に比べて都内での検挙件数というのも三分の一に減っているということがありますので、直近の数字では、本当に少ない数字にはなっていると思います。
この氷山の一角とはいえですけれども、まだこの女性専用車両の導入の検討が行われていない浅草線と三田線でも被害があるということです。この実態に交通局は向き合っていく必要があると思います。
交通局はこれまで、女性専用車両の導入には課題があるといってきました。その理由として、他社との相互乗り入れのことがあります。その下で、浅草線と三田線はまだ導入の検討ということにはなっていない、そういう状況です。
この三田線と浅草線ですけれども、改めて、相互乗り入れをしている鉄道会社について、それぞれお答えください。また、この間どのような話合いが行われてきたかについて伺います。
○市川電車部長 浅草線は、京成電鉄、京浜急行電鉄、北総鉄道、芝山鉄道と相互直通運転を行っております。三田線は、東急電鉄と相互直通運転を行っております。また、東京メトロと一部区間を共用し運行しており、当該区間には埼玉高速鉄道の車両も乗り入れております。
各事業者とは、日頃から運行ダイヤの調整や車両の運用などのために様々な情報交換を行っております。
この中で、浅草線及び三田線における女性専用車両の設定につきましては、事業者ごとに混雑する車両の位置が異なることに加え、急行、普通といった運行形態や一編成当たりの車両数が異なるなどの課題を共有しております。
○斉藤委員 浅草線と相互乗り入れをしている京浜急行電鉄と京成電鉄は、それぞれの路線で朝の時間帯に女性専用車両を導入しています。三田線と相互乗り入れをしている東急電鉄と、また共有区間がある東京メトロは、多数の路線で女性専用車両を導入しています。
それぞれが既に女性専用車両の必要性があって、それを認識して導入しているという点では認識が一致しているということなわけですから、公営企業としての交通局が積極的に話合いを求めていくということが必要なのではないでしょうか。
今は女性専用車両を導入していない事業者でも、今の国の動きの下で導入に向けた検討を行っていく、まさに転換期になっているのではないかと思います。
さらに、東京メトロについては、交通局よりも導入への積極性が見られます。導入しているのは、日比谷線、東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門線、副都心線の六路線ですけれども、いずれも他社との相互乗り入れがあります。ところが、交通局と乗り入れ共有区間がある南北線では導入していないという状況です。
これら各社の状況を見てみれば、相互乗り入れを言い訳として導入を見送るということはもうできないのではないかと思います。
同時に、一遍にこの導入を増やすということは大変だとしても、早急に各社との話合いを進めていくべきだと思いますが、見解を伺います。
○市川電車部長 繰り返しになりますが、各事業者とは、日頃から様々な情報交換を行っておりまして、女性専用車両の設定についても課題を共有しているところでございます。
○斉藤委員 日頃から情報交換をしているということ、また課題を共有しているということは、先ほど来のご答弁にもあるんですけれども、この女性専用車両の設定についての話合いということで正式に持っているわけではないということなんですよね。
交通局では、二〇〇五年に新宿線で導入を行って以来、既に二十年近くがたとうとしていますけれども、この間の取組はずっと停滞してきたということが実態ではないでしょうか。
そうした中で、とにかく大江戸線については導入の検討を行うということは一歩前進ですけれども、今この対策の強化に向けて、この動きの中で、今までどおりのペースではいけないというふうに思います。
この陳情は、都営地下鉄の全路線、全編成に女性専用車両の導入を求めています。
今回提出された日本若者協議会の方から、私たちも直接お話を伺いました。高校生のときに、クラスの女子の半分が痴漢被害に遭っていたこと。しかし、対策として見つかったのは缶バッジぐらいしかなく、痴漢は、友達の半分も経験したことがある性犯罪なのにもかかわらず、ポスターやバッジしか対策がないということに怒りを感じ行動を起こしたということです。
痴漢被害に遭って嫌な思いをした人など、全ての人が安心できる交通移動が保障されるべきだと話してくれた若い女性の陳情者の言葉が本当に胸に響きました。
こうした女性たちの移動の権利を守り、安心して電車に乗ってもらうためにも、女性専用車両の全路線、全編成への導入の拡大は切実な願いですけれども、交通局としてどのように認識しているのか。陳情で求めているとおり、全路線、全編成への導入の検討を行うべきだと思いますが、いかがですか。
○市川電車部長 女性専用車両は、痴漢等被害を防止する一つの有効な手段である一方、お客様の任意のご協力の下、運行しているものであり、できるだけ多くの方にご理解いただくことも必要であると認識しております。
こうした中、女性専用車両の導入拡大に向けて、まずは、利用者の規模が最も大きく、痴漢通報件数も相対的に多い大江戸線を対象に、朝ラッシュ時間帯の詳細な利用実態や、新宿線への導入で得られた知見、ノウハウ等を踏まえながら検討を進めております。
○斉藤委員 大江戸線でとにかく導入を検討していくというご答弁で、全路線、全編成ということにはお答えがありませんでしたけれども、再確認したいと思うんですけれども、この陳情については、この間の各会派さんの発言を伺っていても、皆さんその趣旨を酌んでいくという状況になっています。
交通局としても、いつ、どこで、という明確なことではないにしても、この趣旨を今後の施策に反映させていくという認識でいるということは間違いないでしょうか。
○市川電車部長 繰り返しになりますが、女性専用車両は、痴漢等被害を防止する一つの有効な手段である一方、お客様の任意のご協力の下、運行しているものであり、できるだけ多くの方にご理解をいただくことも必要であると認識しているところでございます。
○斉藤委員 大江戸線以外のことは確実なことがまだいえないということではあると思うんですが、ただ、今、審議が進んでいる中で、各党がやはりこの趣旨を踏まえてやっていくべきということで発言をされています。
交通局としても、それを足並みそろえて、この趣旨を酌んで今後の施策に反映させていくということは、どれだけ時間がかかるか分からないですけれども、少なくともその立場に立っているという認識でよろしいでしょうか。
○市川電車部長 恐縮でございますが、ただいまお答えしたとおりでございます。
○斉藤委員 何か、そういうこともちゃんと答弁ができないというのはちょっと、私、難しくないことだと思うんですよね。これはお答えいただきたいですけれども、やっぱり、いわれているこの趣旨というのは、今は誰もが認める大切な、必要な対策だというふうに国も動いているわけですから、これを、こうした若い皆さんから上がっている声と一致して政策を進めていくべきだというふうに思います。そのことを重ねて申し上げさせていただきます。
それから、女性専用車両の導入に関わって重要だと考える一つについて伺いたいと思います。
駅係員への研修についてです。
先日は、JR埼京線で繰り返されたというアナウンスが問題になりました。ネット上で聞いたという方もいらっしゃるかと思いますが、痴漢は多くいらっしゃるとして、痴漢をされたくないお客様は後ろの車両をご利用くださいというものだったというふうに報じられています。
このアナウンスを行った方は悪気は全くなかったんだとは思いますが、ちょっと認識が足りなかったということがあるかと思います。前の車両にいる人は痴漢されてもいいのかと誤解される、解釈されるような内容で、指摘を受けたJRは謝罪を行い、今後は不適切なご案内がないよう指導を徹底していきますと述べています。
交通局としても、女性専用車両の導入に向け、駅係員の研修を行って、適切な対応ができるようにすることが重要だと考えますが、見解を伺います。
○市川電車部長 痴漢は性犯罪であり、加えて、被害に遭われた方の心に一生の傷を負わせることにもなりかねない行為であり、決して許されないものと認識しております。
都営地下鉄では、全ての駅係員が適切に対応できるよう、痴漢被害の訴えがあった場合の手順を駅業務ハンドブックに定めて周知徹底しているほか、朝の点呼等では、痴漢に関する事例を共有し注意喚起を行うなど、日頃から業務を通じた対応力の向上を図っております。
○斉藤委員 痴漢被害の訴えがあった場合の手順や研修ももちろんですけれども、今回のケースは女性専用車両の案内の中で起こったものです。女性専用車両への理解や適切な案内が必要ですが、今回の件なども、朝の点呼等で痴漢に関する事例を共有し注意喚起を行っているというふうに事前に伺いました。
女性専用車両については、性別による差別だというような誤解が起きやすい状況もあります。被害を受ける側が非難されるようなことがないように、駅係員の皆さんにも適切で深い理解が求められるというふうに思います。ぜひ導入の拡大に当たっては、交通局の職員の皆さんももちろん、駅係員への理解の促進、研修など、丁寧に行っていただくということも求めさせていただきます。
最後に、これも女性専用車両の導入に関わって大切な取組について伺います。
この間、ご答弁の中で、女性専用車両は痴漢等被害を防止する一つの有効な手段である一方、お客様の任意のご協力の下、運行しているものであり、できるだけ多くの方にご理解いただくことも必要と認識しているというふうに言及されています。
女性専用車両に対して、その導入の理由、役割などについて、交通局自らが発信していくということがまさに求められているというふうに思います。
私たちのアンケート調査には、女性専用車両に対して逆差別だとする誹謗中傷に対して、女性専用車両のある意味の周知を行ってほしいという声も多く寄せられました。多くの乗客の方々の理解が必要だということは先ほど来ご答弁されているとおりだと思います。だからこそ、その理解促進のための役割を交通局が果たさなければならないというふうに私は思っています。
そして、このことは、大山委員長がこれまでの質疑でも取り上げてきましたけれども、大阪メトロでは、具体的にホームページ上で、女性専用車両の導入の理由について明示をして、そして、性別による差別ではないかという質問に対して、導入の趣旨に照らして、差別には当たらないということをQ&A形式で発信をしています。
こうした積極的な交通機関の姿勢こそが、痴漢をなくしていく重要な力になると考えますが、いかがでしょうか。東京都交通局としても導入に当たって発信していくことが必要と考えますが、いかがですか。
○市川電車部長 女性専用車両については、ホームページへの掲載はもとより、車両の窓ガラス及びホームの乗車位置付近に案内ステッカーを貼付するなど、周知を図っております。
また、車内及び駅構内放送においては、お客様に女性専用車両に対するご理解、ご協力を呼びかけております。
○斉藤委員 交通局のホームページに女性専用車両の掲載はありますけれども、ここではどんな方が利用できるのかということを紹介しているというもので、大阪メトロのものとは全く違います。
Q&A形式で疑問に答えるものになっていますが、まず、女性専用車両を導入した理由については何ですかという問い、その答えは、当社では、女性の自立や男女共同参画社会を目指す社会情勢の中で、痴漢行為そのものをなくすことが本来と考え、鉄道警察隊などと連携し、痴漢追放キャンペーンの実施や駅職員の巡視等による自主警備、車内及び駅構内での啓発放送、駅構内での啓発ポスターの掲示など様々な取組を行ってきています、しかし、現実に痴漢行為はなくならず、被害に遭われた女性の方が深く精神的な苦痛を受け、社会参画に支障が出ることがあることなどから、輸送の安全性の確保なども総合的に判断し、痴漢行為から女性を保護するという趣旨で女性専用車両を導入しましたというものなんです。
今までの答弁の中で、利便性、公平性ということがいわれておりましたけれども、この重要な課題があるからこそ導入しているんだということで、その公平性ということを持ち出されて被害を受けている人たちを救うこの女性専用車両の導入を阻むというのは、ちょっと私は違うんじゃないかなと思うんですね。そこはやはり交通局の認識をもっと深めていく必要があるんじゃないかというふうに思います。
さらに大阪メトロでは、女性専用車両は女性による差別ではないのですかという問いに対しては、導入した目的の趣旨等から差別には当たらないと考えていますと、きっぱりと発信をしています。
女性専用車両に対する誤解や誹謗中傷をなくして、痴漢被害をなくしていくためにも、交通機関こそ、この発信をしていかなければならないというふうに思います。
交通局としても、多くの乗客の方々の理解が必要だと認識しているのですから、その理解を広げていく役割を積極的に果たしていただきたいというふうに思います。
この間、本当に大きな世論の高まり、当事者の方、被害に遭われた方、また、それを支援する方、共に声を上げる方、若い皆さん、大きな世論を起こしてきた、こういう中で、国も動き始めた中で、公共交通機関として、その取組の前進に向けて、今がその転換期なのではないかというふうに思っています。
最も身近な性暴力である痴漢をなくしていこう、そのために女性専用車両の拡充、全路線、全編成への導入を求めるこの陳情について、私たち日本共産党都議団は、採択の立場を表明して、質疑を終わります。
○山口委員 お願いします。
都営地下鉄の全路線・全編成への女性専用車両の導入に関する陳情について、質問の通告をさせていただいておりましたが、ほとんどの質問が重複をしたところでございますので、意見だけを申し上げさせていただきたいと思います。
東京都議会立憲民主党としても、都営地下鉄への女性専用車両の導入は積極的に進めてもらいたいとの立場から、当該陳情を趣旨採択にすべきと考えております。
先ほど電車部長からも、相互直通運転等を行っている鉄道事業者とは日頃から様々な情報交換を行っている旨の答弁もありましたが、女性専用車両の導入に向けて、詳細な利用実態の調査を行い、協議が整ったとしても、ステッカーの作成等のお客様への周知などで相応の準備期間が必要であるとも聞いているところでもあります。
また、女性専用車両を導入しても、ホームの混雑状況などから、全ての女性が必ずしも女性専用車両に乗れるわけではありません。
私は、女性専用車両に限らず、一般車両、あるいは駅構内であっても、痴漢撲滅はもとより、あらゆる暴力のない安全で快適な都営交通の実現に向けて、引き続き積極的に取り組んでいただきたいと強く要望し、意見とさせていただきたいと思います。終わります。
○岩永委員 都営地下鉄の全路線・全編成への女性専用車両の導入に関する陳情について、一言申し上げます。
現在、都営地下鉄で女性専用車両が導入されているのは、四路線のうち新宿線のみ、運行時間は朝のラッシュ時間帯で、障害者や介助者、小学生以下の子供なども乗れることになっています。
本陳情では、全路線、全編成への女性専用車両の導入を求めていますが、都営浅草線四社、三田線三社と相互乗り入れなどを行っている私鉄各社と、運用面など全路線に導入するには様々な調整が必要な事情があることも分かりました。しかしながら、痴漢は犯罪であり、放置することは許されるものではありません。
JR埼京線の車両内で痴漢被害に遭った女性弁護士が、先日、自分の顔と名前を公表して性暴力の防止を訴えました。この女性は、性犯罪の被害者支援に取り組む弁護士で、自分自身が被害者になって気づいたことがたくさんあるといわれておりました。
都営地下鉄としても、対策の強化の中で、まずは利用者数も多く痴漢の被害者件数の多い大江戸線での導入が検討されていると聞いています。
早期の導入を要望するとともに、全路線での導入の検討を進めていただきたいと思います。
また、残念ながら、女性専用車両の導入だけでは痴漢を撲滅することは難しい状況もあります。さらには、男性やLGBTQの被害者もいることから、全車両で痴漢を許さないというメッセージの発信を強化し、さらなる車内アナウンスや啓発ポスターなどの掲示の取組を要望します。
さらに、警視庁のデータによりますと、痴漢の発生場所は、電車内が二五%、駅構内が二六%であるということです。このことからも、車両だけでなく、駅構内も合わせた対策が必要です。
以上のことから、陳情の願意には賛同しますが、今すぐに全路線、全編成での導入は難しいという課題もあることから、本陳情は趣旨採択といたします。
○大山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大山委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第四一号は趣旨採択と決定いたしました。
以上で陳情の審査を終わります。
以上で交通局関係を終わります。
なお、本日審査いたしました陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時四十五分散会
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