委員長 | こいそ 明君 |
副委員長 | 菅野 弘一君 |
副委員長 | 森村 隆行君 |
理事 | 斉藤まりこ君 |
理事 | 小林 健二君 |
理事 | 村松 一希君 |
石島 秀起君 | |
岩永やす代君 | |
成清梨沙子君 | |
かつまたさとし君 | |
保坂まさひろ君 | |
山口 拓君 | |
大山とも子君 |
欠席委員 なし
出席説明員交通局 | 局長 | 内藤 淳君 |
次長総務部長事務取扱 | 土岐 勝広君 | |
水道局 | 局長 | 浜 佳葉子君 |
技監 | 尾根田 勝君 | |
総務部長 | 石井 英男君 | |
下水道局 | 局長 | 神山 守君 |
次長 | 松川 桂子君 | |
総務部長 | 田中 彰君 |
本日の会議に付した事件
決議について
予算の調査(意見開陳)
・第二十四号議案 令和四年度東京都交通事業会計予算
・第二十五号議案 令和四年度東京都高速電車事業会計予算
・第二十六号議案 令和四年度東京都電気事業会計予算
・第二十七号議案 令和四年度東京都水道事業会計予算
・第二十八号議案 令和四年度東京都工業用水道事業会計予算
・第二十九号議案 令和四年度東京都下水道事業会計予算
付託議案の審査(決定)
・第百六号議案 多摩川流域下水道北多摩二号処理区の建設に要する費用の関係市の負担について
特定事件の継続調査について
○こいそ委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
初めに、決議について申し上げます。
過日の委員会で理事会にご一任をいただきました決議一件については、お手元配布の案文のとおり調整をいたしました。
案文の朗読は省略いたします。
工業用水道料金の減免措置に関する決議(案)
東京都議会は、平成九年三月、工業用水道料金の改定に際し、長期化する景気の低迷を踏まえ、中小零細企業が多い用水型皮革関連企業に対して、特別の減免措置を講ずるべきとの付帯決議を行った。
その後、都議会では、東京の地域経済や都民生活の状況を考慮し、減免措置の継続を求める決議を行ってきた。
これを受けて、都は、工業用水道料金の減免措置を実施しているが、本年三月末日をもってその実施期間が終了する。
しかし、我が国の景気は、このところ持ち直しの動きが続いているものの、都内の用水型皮革関連企業は、依然として不況業種に指定されるなど、これを取り巻く環境は、今なお厳しい状況にある。
よって、東京都議会は、用水型皮革関連企業に係る工業用水道料金について、減収分に適切な措置を行った上、令和四年四月以降も、減免措置を継続するよう強く求めるものである。
以上、決議する。
令和四年三月 日
東京都議会
○こいそ委員長 本件は、議長宛て提出の手続を取りたいと思いますので、ご了承願います。
○こいそ委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査及び特定事件の閉会中の継続調査の申出の決定を行います。
これより予算の調査を行います。
第二十四号議案から第二十九号議案までを一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
これより意見の開陳を行います。
順次発言を願います。
○石島委員 都議会自民党を代表し、当委員会に付託されました令和四年度予算関連議案について意見開陳を行います。
初めに、各局共通事項について申し上げます。
令和四年度予算案は、コロナの感染拡大防止、ワクチン接種の促進と都民生活、都内経済との両立を図るとともに、東京の発展に向けて、東京二〇二〇大会のレガシーをスポーツ振興、文化振興につなげ、災害対策、少子高齢化対策、子供、子育て支援、環境対策やデジタル化推進といった様々な課題に対応していくための予算です。
こうした多岐にわたる課題に対応するため、令和四年度の一般会計予算は、税収増を背景に過去最大となっていますが、景気下振れの懸念など都財政の先行きは不透明であり、引き続き、中長期的視点をもって財政の持続可能性を維持していくことが求められています。
そして、コロナ感染の再拡大への懸念が拭えない中、ロシアの侵攻を契機とするウクライナ危機への対応も含め、今後、緊急対応が必要な事態が発生することも予想されます。計画的な事業執行に努めると同時に、状況変化への柔軟な対応も必要です。
コロナの感染状況の動向など、東京を取り巻く環境変化に柔軟に対応しつつ、東京都が直面する様々な行政課題に的確に対応するため、都内区市町村ともしっかりと連携し、都民が事業効果を実感できる、円滑かつ効率的な事業執行に取り組んでいくことを求めておきます。
本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、このことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
交通局関係について申し上げます。
交通局経営計画二〇二二に掲げた施策を着実に実施し、安全・安心の確保を最優先に、質の高いサービスの提供、東京の発展への貢献、持続可能な経営基盤の確立を進められたい。
近年、激甚化、頻発化する豪雨災害に備え、浸水対策の強化など、災害対策を一層推進されたい。
東京の都市活動と都民生活を支える公共交通機関として、引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策に取り組まれたい。
地下鉄の安全確保に向け、全線全駅へのホームドア整備を早期に実現するほか、車内防犯カメラの設置を促進するなど、テロ、防犯対策を強化されたい。
誰もが利用しやすい地下鉄とするため、乗換駅等へのエレベーターの整備やユニバーサルデザインの考え方を取り入れた車両の導入など、一層のバリアフリー化に取り組まれたい。
泉岳寺駅の大規模改良に当たっては、品川駅周辺地域のまちづくりと整合を図りながら、隣接市街地と一体的に整備を進められたい。
都営バスに関して、左折時の警報装置の導入拡大など、車両装備の改善や、外部の専門機関による研修の実施など、安全対策を着実に推進されたい。
水素社会の実現に向けて燃料電池バスの導入を拡大するほか、地下鉄駅にLED照明を整備するなど、環境に配慮した取組を推進されたい。
都電荒川線は、経営基盤の安定化を図りつつ、施設や設備の適切な維持更新を進めるとともに、沿線地域の活性化に寄与されたい。
日暮里・舎人ライナーは、朝方のラッシュ時の混雑対策を推進するとともに、地震発生時の被害軽減策を適切に講じられたい。また、地域との連携を強化しながら、平日昼間の時間帯や休日の乗客誘致に努め、早期の経営安定化を図られたい。
電気事業は、発電所の大規模更新を見据え、引き続き、効率的な事業運営を確保されたい。
公営企業としての経済性と公共性に配慮しつつ、資産の有効活用など、関連事業を推進されたい。
次に、水道局関係について申し上げます。
東京水道経営プラン二〇二一に基づき、さらに強固な経営基盤を確立し、都民サービスの一層の向上と経営の効率化を図られたい。
利根川、荒川水系における利水、治水対策の推進を国に要望するとともに、荒廃した民有林の対策や多様な主体と連携した森づくりなどを含め、水道水源林の適正管理に努められたい。
浄水場の更新、導水施設の二重化と更新、送水管のネットワーク化と更新及び給水所の新設、拡充、更新など、水道基幹施設の再構築を計画的に進め、将来にわたる安定給水の確保に努められたい。
多摩地区水道が強靱で信頼される広域水道へとさらなる進化を遂げられるよう、市や町の行政域を越えた施設整備などの本格的な再構築を計画的に推進されたい。
安全でおいしい高品質な水を供給するため、水源から蛇口までの総合的な水質管理を徹底するとともに、水質に関する情報を都民に分かりやすく発信されたい。
災害時等の断水被害の軽減に向けて、首都中枢機関など重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化を優先的に推進するとともに、長期間使用されていない給水管への対応や浄水場の覆蓋化など、施設整備を推進されたい。また、災害発生時の水道の早期復旧に向けて、受援体制の充実強化や、水道工事関係団体との連携強化を図られたい。
東京水道の持つ技術力、ノウハウなどの強みを生かした国際展開を推進されたい。また、国内の他の水道事業体における人材育成や事業運営に協力するとともに、大規模災害発生時における被災事業体への支援体制を強化されたい。
東京水道グループ全体のガバナンスとコンプライアンスを強化するとともに、政策連携団体と一体となって、現場の経験に裏づけられた専門知識や柔軟な発想を持った人材を確保、育成されたい。
一層の経営努力に努めるとともに、政策連携団体とのグループ経営の強化や中長期的な視点に立った財政運営を推進することで、公共性の確保と効率性の発揮を両立させ、持続可能な経営を実現されたい。
工業用水道事業においては、事業廃止までの間、安定給水及び施設の安全性確保に継続して努められたい。事業廃止に伴う利用者への支援は、関係各局と連携し、都民の十分な理解を得た上で実施されたい。また、用水型皮革関連企業に係る料金については、減収分に適切な措置を行い、減免措置を継続されたい。
次に、下水道局関係について申し上げます。
東京都下水道事業経営計画二〇二一に掲げた目標の達成に全力で取り組み、都民サービスの一層の向上と経営の効率化を図られたい。
老朽化した下水道施設の更新に合わせて、雨水排除能力の増強や耐震性の強化など、機能の向上を図る再構築について、計画的、効率的に推進されたい。
近年の激甚化、頻発化する豪雨災害などを踏まえ、浸水の危険性が高い地区や大規模地下街などにおける施設整備を着実に推進するとともに、新たな浸水対策計画の下、下水道施設のレベルアップされた目標整備水準の達成に向け、浸水対策をさらに強化されたい。
首都直下地震などの地震や津波に対して下水道機能を確保するため、下水道管の耐震化や震災時における必要な電力の確保など、震災対策をより一層推進されたい。
東京湾など公共用水域の水質をより一層改善し、豊かな水辺環境の創造に資するため、合流式下水道の改善や高度処理施設等の整備を推進されたい。
二〇五〇年までに温室効果ガス排出を全体としてゼロにする脱炭素社会の実現を目指し、エネルギー使用量と温室効果ガス排出量をより一層削減する取組を推進されたい。
道路陥没などを未然に防ぎ、下水道機能を安定的に確保するため、維持管理の充実を図られたい。
汚泥の資源化や再生水の利用拡大、施設の上部利用等、下水道局が保有する資源、空間等の有効利用を図られたい。
多摩地域の公共下水道事業を実施する市町村との連携を強化し、地域全体の下水道事業の持続的な運営に努められたい。
水再生センターの運転管理への包括委託の実施に当たっては、災害時の対応も含め、都が有する技術力の継承を図りつつ、都民生活を支える下水道サービスのさらなる向上に努められたい。
都民一人一人が下水道事業の役割を実感し、関心を持てるよう、積極的な広報活動を図られたい。
デジタルトランスフォーメーションの取組を推進するなど、将来的な課題を見据えた技術開発に計画的に取り組むとともに、下水道局が保有する現場の技術力の確保、継承に努められたい。
下水道ニーズの高い国や地域の課題解決に寄与するとともに、日本の産業力強化に貢献するため、下水道事業における国際展開を着実に推進されたい。
国と東京都の実務者協議会の場などを活用し、国に対する財政措置等の要望活動を強化するとともに、コスト縮減や資産の有効活用など企業努力を行い、健全な財政運営に努められたい。
以上をもちまして意見開陳を終わります。
○保坂委員 都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託されました令和四年度予算関連議案について意見開陳を行います。
令和四年度予算は、長期化するコロナ禍において、都民の命と暮らしを守ることを最優先としながら、東京の経済を支え、その先の未来を見据えた予算として、ワイズスペンディングを徹底しながらも、めり張りをつけた予算となっています。
令和四年度予算には、新型コロナウイルス感染症対策、医療体制の充実、経済対策の強化、子育て支援、新しい時代を切り開く人材の育成、女性活躍、高齢者支援、気候変動や災害に強いまちづくり、多摩・島しょ振興など、都民生活にとって欠かすことのできない大切な施策が数多く盛り込まれております。
都民ファーストの会東京都議団が要望し実現しました出産応援事業、赤ちゃんファーストの継続と、産後ケア支援のデジタル家電への対象拡大、子供たちの居場所や学びを確保する学童クラブやフリースクールなどへの新たな支援や塾代支援の対象拡大、介護人材の処遇改善や介護宿舎借り上げの補助拡充、町会、自治会による防災グッズ配布など地域防災の強化、デジタル人材を年間一万人確保、育成する東京版ニューディールの強化などに対応する予算が計上されました。
東京二〇二〇大会のレガシーを踏まえ、サステーナブルリカバリーやデジタルによる構造改革など、東京の未来を示し、東京のさらなる進化を図るとともに、都民の安全・安心を確保するため、効果的でスピード感のある政策の実現を強く要望します。
それでは、各局事業について、まず、交通局関係について申し上げます。
一、経営計画二〇二二を着実に推進し、コロナ禍の影響で著しく悪化した都営交通の収益性向上を図ること。
一、安定した経営が継続できるよう、関連事業の収益拡大に向けて積極的に取り組むこと。
一、都営地下鉄の構内空間を活用して店舗や構内サービスの充実を図り、収益の柱を育てること。
一、大江戸線の大泉学園町までの延伸事業化に向けて検討を進めること。
一、浅草線プロジェクトを確実に推進すること。また、浅草駅は、課題のバリアフリー機能充実のため、老朽化した雷門方面につながる出入口施設を更新すべく、代替出入口や新たな出入口整備に加えて、東京メトロとの連携など、浅草まちづくりとともに進めること。
一、子育て応援スペースは、全路線への拡大を図ること。
一、利用者の目線に立って地下鉄駅構内に授乳室の設置を進めること。
一、ToKoPoを活用して子育て支援や混雑緩和策などを行うこと。
一、バリアフリールートは、利用者目線に立って複数ルートの整備を進めること。
一、日暮里・舎人ライナーの新規車両への更新は、輸送力の向上が混雑緩和に資するため、遅滞なく進めること。
一、日暮里・舎人ライナーの震災対策を進め、安全運行を確保すること。
一、都バス路線の廃止や減便は、利用者に与える影響を最小限にとどめ、利用ニーズが高まれば再び戻すなど柔軟な対応を図ること。
一、路線バスにおいては、地域事情の変化に迅速に対応し、バスルートの変更やダイヤ改正など利便性向上に努めること。
一、バスの乗務員が高齢化していく中、必要な人材を確保するため、若者や女性をターゲットにした採用PRの工夫を図っていくこと。
一、燃料電池バスの導入を着実に進めるとともに、水素ステーションの場所に左右される路線の偏りを踏まえ、都民への幅広い広報を積極的に実施すること。
一、発電事業において、多摩川第一発電所など、更新計画に基づき着実に大規模更新を進めること。
次に、水道局関係について申し上げます。
一、安全・安心な水の供給を第一に、公営企業として、民間の発想も柔軟に取り入れながら、施設の更新に当たっては、ダウンサイジングも含め検討を行うなど、持続可能な水道事業の経営を進めること。
一、業務の効率化を図り、利用者の利便性を向上させるため、スマートメーターの導入、ドローンやAI活用、アプリの開発など、取組を一層加速すること。
一、環境性能の高い設備の導入、再生可能エネルギーの普及促進、非ガソリン車や電動バイクの積極的な導入など、CO2排出量を削減し、脱炭素社会の実現を加速すること。
一、支払いや各種手続など、ペーパーレス化、キャッシュレス、オンライン化など、取組を加速していくこと。
一、震災対策の一環として、耐震継ぎ手化の事業の加速化を図ること。なお、工事の発注に当たっては、近年の工事単価の高騰も踏まえること。
一、浄水場や私道内の配水管など、施設や設備の耐震化を進めていくこと。
一、多摩地区水道の強靱化を図るため、送水管ネットワークの構築を推進し、災害時などのバックアップ体制を強化するとともに、浄水場や給水所などの整備を着実に推進すること。
一、水道水源林を守るため、鹿被害対策などを様々な関係者と連携して推進すること。
一、グループ経営に当たっては、事業に対する都の責任を明確にしつつ、経営の安定と効率化が最大化される取組を継続すること。
一、河川や地下水における有害物質の流入など、水質異常や事故発生時の関連自治体への情報共有の体制を確立すること。
一、国内外の水道事業体への貢献などを通じて、東京のプレゼンス向上に寄与すること。
一、コロナ禍による社会経済状況など、大きな変化に対して柔軟に対応すること。
一、工業用水道事業の完全廃止に伴い、多額の廃止経費縮減に向けて資産の有効活用を進め、配水管の転用、撤去計画を着実に実行すること。
続きまして、下水道局関係について申し上げます。
一、下水道幹線の再構築に当たっては、短期間、低コストでリニューアルできる更生工法を活用することと同時に、再構築が困難な幹線については、代替幹線の整備により計画的に実施すること。
一、浸水対策については、区部七十五ミリ対応を着実に進めると同時に、AIの活用などDXを推進し、ソフト対策を強化し、浸水予想区域図の見直しによる区市のハザードマップ作成など推進すること。
一、近年多発する豪雨時における被害軽減を図るため、市町村への技術支援や連携を強化すること。
一、多摩地域の雨天時浸入水対策を進め、多機能型マンホール蓋を活用し、市町村による効率的な発生源対策を促進すること。
一、東京アメッシュの更新に当たっては、利便性の向上を図るとともに、その効果を都民に周知すること。
一、二〇三〇年カーボンハーフ宣言を踏まえ、都庁内最大の温室効果ガス排出者として、温室効果ガス削減に向けて一層取組を強化すること。
一、水再生センターにおいて計画的に設備更新を進めるとともに、更新に伴い、焼却炉や汚泥脱水設備などの省エネ化を推進すること。
一、水再生センターにおける高度処理の導入と既存施設改造による準高度処理の導入によって窒素、リンの削減を進め、東京湾のさらなる水質改善に取り組むこと。
一、維持管理収支の赤字基調が続く流域下水道事業において、事業執行全体の一層の経営効率化に努めること。
一、多摩地域の下水道事業の持続的な運営に向けて、都と市町村の一層の連携強化に取り組むこと。
一、事業の効率化や都民サービスの向上を図るため、下水道事業のあらゆる分野でデジタルトランスフォーメーションを推進すること。
以上、都民ファーストの会東京都議団としての意見開陳を終わります。
○かつまた委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された令和四年度予算関連議案について意見開陳を行います。
令和四年度一般会計予算案は、新型コロナウイルス感染症対策はもとより、安全・安心な東京の実現、サステーナブルリカバリーで世界をリードする東京への進化、あらゆる面で段差のない共生社会の形成など、希望ある未来を切り開いていくための様々な取組を事業化しています。
具体的には、高校生等医療費の助成や重粒子線治療施設導入に向けた調査、高校段階における一人一台端末の整備、新たな調節池の整備、ホームドアの整備促進、東京都同性パートナーシップ制度の導入など、都議会公明党が強く求めてきた施策が随所に盛り込まれており、高く評価するものであります。
また、政策評価と事業評価を一体的に実施し、より成果重視の視点などから評価制度のさらなる充実を図るとともに、事業評価では千三百六十八件の見直し、再構築、一千百十七億円の財源確保額へとつなげています。
基金については、「未来の東京」戦略 version up 二〇二二で掲げる政策を着実に進めるための財源として戦略的に活用するとともに、税収増を活用し都債の発行抑制を図るなど、中長期を見据え、財政対応力の堅持にも努めています。
しかし、基金残高は、コロナとの闘いに突入した令和元年度の半分以下の水準であり、コロナ禍での基金活用の実績を踏まえれば、現状では、財政面の備えが弱いといわざるを得ません。加えて、緊迫する国際情勢に伴う社会経済への様々な影響も懸念されます。
引き続き、コロナ禍への万全の対策を講じることはもとより、目まぐるしく変わる社会経済情勢をしっかりと見極め、時機を逸することなく対策を講じることができるよう、基金残高の確保も含め、戦略的な財政運営を行うべきことを強く求めておきます。
あわせて、予算の執行段階においても、さらなる創意工夫を行い、無駄の排除の徹底や、迅速かつ的確な事業実施を行うとともに、評価制度をさらに充実させ、施策の新陳代謝の一層の促進に努めることを強く望むものであります。
次に、各局別に申し上げます。
初めに、交通局関連について申し上げます。
一、交通局経営計画二〇二二に基づき、収入、支出の両面から持続可能な経営基盤の確立に取り組むとともに、都民が安心して都営交通を利用できるように、事故防止の取組を徹底すること。
一、地下鉄については、防災対策の充実に向け、ハード面はもとより、SNSを活用した運行情報の発信など、ソフト面の安全対策を講じること。
一、浅草線全駅について、令和五年度までのホームドア整備完了を目指し、関係機関とも連携して積極的に取り組むこと。
一、地下鉄の安全対策を強化するため、車両への防犯カメラの導入を進め、女性専用車両の導入拡大を検討するなど、テロや事件の未然防止に向けた取組を速やかに講じること。
一、地下鉄駅において、エレベーター、エスカレーターなど、高齢者、障害者、子育て世帯などに優しい設備の整備を進めるとともに、サービス介助士の充実など、ソフト面のバリアフリー化にも積極的に取り組むこと。
一、地下鉄駅のトイレの洋式化や温水洗浄便座の設置など、さらなる快適性の向上に取り組むこと。加えて、ユニバーサルベッドやオストメイト用設備の整備を推進すること。
一、地下鉄駅やバスの施設や車内における多言語対応など案内表示の充実を進めるなど、コロナ禍の終息を見据え、国内外からの旅行者を迎えるために必要な施策を推進すること。
一、バスの安全対策として、ドライブレコーダーや運転訓練車を有効に活用するなど、乗務員教育を充実すること。
一、バス停留所に上屋、ベンチを整備するなど、サービスの向上を図るとともに、二人乗りベビーカーの乗車について、利用方法などを分かりやすく周知し、乗客の理解促進を図ること。
一、都電荒川線について、輸送の安全性、安定性の向上を図ること。また、地元との連携を図り、沿線地域の活性化に取り組むこと。
一、日暮里・舎人ライナーについて、座席のロングシート化による定員を増やした車両への更新を行うなど、混雑緩和策を推進すること。
一、各事業に導入する車両は、車内の一層のバリアフリー化やLED照明の採用など、誰にでも使いやすく、環境に配慮したものとすること。
次に、水道局関係について申し上げます。
一、東京水道経営プラン二〇二一に掲げた施策を着実に推進し、都民サービスの一層の向上と経営の効率化に努めること。
一、水源の確保については、利根川水系及び荒川水系における利水、治水対策の推進を国に要望すること。また、原水の水質保全対策を積極的に推進すること。あわせて、水道水源林の適正管理や、その保全の重要性の理解促進に取り組み、水源地保全に努めること。
一、安全でおいしい高品質な水を供給するため、水質検査及び浄化過程における水質管理を徹底すること。また、都民の水質に対する満足度向上のため、水道水の水質や安全性などの情報を分かりやすく発信すること。
一、直結給水方式の普及拡大や貯留槽水道対策の推進に努めること。
一、災害時において断水被害を効果的に軽減させるため、重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化を優先的に推進するとともに、私道内給水管整備や長期不使用給水管への対応、水道施設の耐震化を着実に実施すること。断水の範囲や復旧状況を地図情報で提供するなど、発災時の水の確保について、都民に分かりやすく伝えるよう取り組むこと。さらに、平常時から、給水拠点の役割や場所について、都民に広く認知されるよう発信すること。
一、政策連携団体を含む効率的な運営体制を構築するとともに、東京水道グループ全体のガバナンスとコンプライアンスを一層徹底すること。
一、年度末に期限が切れる水道料金の支払い猶予について、受付期間の延長を行うこと。
一、工業用水道事業においては、効率的な事業運営に努め、令和四年度末の事業廃止に伴う利用者の経営などへの影響を最小限にとどめられるよう、適切な支援を確実に実施すること。また、用水型皮革関連企業に係る工業用水道料金について、減収分に適切な措置を行った上、引き続き減免措置を継続すること。
一、外堀の水質改善について、外濠浄化プロジェクトの着実な進展に資する施策を推進すること。
最後に、下水道局関係について申し上げます。
一、東京都下水道事業経営計画二〇二一に掲げた目標の達成に向けた取組を通じ、一層の都民サービスの向上と経営の効率化に努めること。
一、施設の老朽化に対応しつつ、機能の高度化を効率的に図る再構築事業を計画的に推進すること。
一、近年の豪雨被害等を踏まえ、新たな浸水対策計画に基づき目標整備水準を一時間七十五ミリにレベルアップした施設整備を実施するなど、浸水対策の取組を強化していくこと。
一、多摩川下流に設置している下水道の樋門をより安全に操作するための措置を講じること。
一、震災時においても必ず確保すべき下水道の機能を確保するため、下水道施設の耐震対策を推進するなど、震災対策のさらなる強化に取り組むこと。
一、東京湾など公共用水域の水質をより一層改善するため、合流式下水道の改善や高度処理施設等の整備を推進すること。とりわけ、外堀の水質改善に貢献する取組を推進すること。
一、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする脱炭素社会の実現を目指し、再生可能エネルギーの活用拡大や省エネルギーをより一層推進すること。
一、多摩地域の公共下水道事業を実施する市町村との連携を強化し、地域全体の下水道事業を効率的、効果的に推進すること。
一、立川市、東大和市、武蔵村山市の三市にまたがる浸水被害を軽減するため、関係市と連携して、空堀川上流域における流域下水道雨水幹線の整備を着実に推進し、事業効果の早期発現に努めること。
一、下水汚泥の資源化、下水を高度処理した再生水の利用拡大など、資源の有効利用を進めるとともに、再生可能エネルギーの活用拡大等と併せてPRを充実させていくこと。
一、デジタルトランスフォーメーションの取組を進めるとともに、国際展開に当たっては、東京下水道が保有する優れた技術やノウハウ等を生かすこと。
一、維持管理については、計画的な補修により道路陥没の防止を図るなど、予防保全を重視した取組を進めるとともに、臭気対策の強化など、取組の充実を図ること。
一、下水道施設の老朽化対策に係る国庫補助金の継続や起債における公的資金枠の確保など、財政措置を国に強く要請すること。
一、水再生センターの運転管理への包括委託の導入に当たっては、局、政策連携団体、民間事業者の三者が連携し、安定的な下水道サービスの提供を図ること。
一、新型コロナウイルス感染症対策として行っている下水道料金の支払い猶予の延長等を行うこと。
以上をもちまして都議会公明党を代表しての意見開陳とさせていただきます。
○斉藤委員 日本共産党都議団を代表して、本委員会に付託された来年度予算案について意見を述べます。
コロナ禍で都民の暮らしは厳しい状況が続く中、来年度の都税収入は史上最高水準となり、東京と日本社会の格差拡大の実態が浮き彫りになっています。今こそ、この税収増を都民の命と暮らしを守る給付や支援に思い切って使い、地方自治体としての役割を果たすべきです。
公営企業三局の事業は、都民生活にとって必要不可欠で、重要なライフラインを担っています。グループ経営の下に局直営の事業を手放していくことは、技術の継承を困難にし、公営ならば必要のない支出を生み出すことが、今回の質疑で明らかになりました。安い労働力に置き換えて、官製ワーキングプアを広げるようなことも許されません。効率化やコスト削減の追求に偏って、本来の目的である公共の福祉を増進する運営を損なうようなことがあってはなりません。
必要な財源を確保し、安全で安心な水へのアクセスと公衆衛生の向上、また、移動の権利を誰にでも保障すること、さらに、災害対策や気候変動対策の強化に努めることを求めます。
以下、まず、三局共通の要求項目です。
一、新型コロナウイルスの感染拡大防止及び影響を受けている都民、事業者への支援のために、あらゆる対策を講ずること。
一、包括委託を進めていく方針を見直して、これ以上の民間委託の拡大、業務の移譲はやめ、正規職員の増員を行い、技術継承と労働環境の改善を行うこと。
次は、交通局です。
一、都営交通が誰にとっても安心・安全の交通機関となるよう、痴漢の被害実態を把握するとともに、女性の駅係員を抜本的に増やすこと。
一、都営地下鉄全路線に女性専用車両の設置を拡大し、朝のラッシュ時間帯だけでなく、常時設置すること。また、痴漢対応アプリの開発を行うこと。
一、都民の重要な都バスの運行路線は、運行本数の削減や廃止にしないよう、人員の確保を行うこと。都バス路線の開設要望、増便要望に積極的に応えること。
一、都バス運転手は、都職員を正規採用し、労働条件を改善すること。民間委託先の運転手の労働実態調査を行い、改善できるようにすること。
一、都バスの停留所の接近表示、上屋、ベンチの整備及び視覚障害者のシグナルエイドに対応する音声案内の設置を促進すること。
一、全ての都バス車両に左折時警報装置の設置を早期に進めること。
一、都営地下鉄及び日暮里・舎人ライナーの車両を増備し、混雑緩和を進めること。
一、日暮里・舎人ライナーの駅係員を増員すること。
一、都バス、都営地下鉄全線にベビーカーを置ける子育て応援スペースを設けること。
一、都営地下鉄の駅務の委託を中止し、駅員、保線業務などを増員し、人員を確保すること。
一、浅草線全駅のホームドア設置を着実に進めること。ホームドア未設置の駅には、人的配備により転落事故を防ぐこと。配備に当たっては、障害者団体の要望を踏まえること。
一、ホームドア設置に合わせ、ホームにカーブがある場所には隙間対策を進めること。車椅子の乗降のためのかさ上げを行って、段差を解消すること。
一、地下鉄駅の二ルート目のエレベーター整備は、乗換駅だけでなく、都民の要望を聞き、乗降客や障害者利用の多い箇所に設置をすること。
一、都営交通の聞こえのバリアフリーを進めるために、ヒアリングループ、パネルなどを活用した対策を行うこと。
一、都営地下鉄のトイレ入り口に音声案内を設置すること。
一、視覚障害者もエスカレーターを利用できるように、誘導ブロックや音声案内などの整備を拡充すること。
一、トイレの洋式化を進め、男女両方のトイレにおむつ交換台を設置すること。多目的トイレに大型ベッドの設置を促進し、設置場所を周知すること。
一、浅草線泉岳寺駅ホームの拡張工事は、大型開発に加担せず、交通事業者としての立場を超えた財政負担をしないこと。
一、利用者の利便性向上に向け、都営地下鉄と東京メトロのサービスの共通化、一体化を進めること。都営地下鉄の初乗り料金をメトロ並みに引き下げること。
一、都営地下鉄の豪雨浸水対策を強化し、軌道及び構造物の安全対策を強めること。また、駅ビルの管理者等による出入口の止水対策を進めること。
一、省エネ化を進め、再生可能エネルギーの導入を拡大すること。
一、水力発電を増強し、局直営を堅持すること。
一、都民の交通権を守り、公共交通としての役割を果たすため、一般財源からの繰入れを含め、必要な財政支援を求めること。
次は、水道局です。
一、株式会社である政策連携団体とのグループ経営の計画は見直し、包括委託などによって現場業務を移譲することはやめ、局直営の水道事業を堅持すること。
一、新型コロナウイルス感染拡大による水道料金の支払い猶予期間を延長するとともに、減免を行うこと。
一、水道料金の減免の対象を、低所得者、在宅人工透析患者、生活関連業者、医療関連施設にも広げ、社会福祉施設の減免対策を拡大すること。制度の周知を徹底すること。
一、水道管、浄水場などの水道施設の老朽化対策と耐震化を進めること。特に、耐震継ぎ手化を促進すること。
一、水道施設で省エネ化を進め、太陽光、小水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーの活用を促進すること。
一、水道メーターの検針員の労働環境改善のために検針単価を引き上げること。労働実態を調査し、改善すること。
一、オートロックマンションの水道メーターの検針対策を講ずること。
一、スマートメーターは、使用量のデータによって生活実態が明らかになってしまうことから、プライバシーの保護に十分配慮すること。
一、スマートメーターの導入計画と検針委託業務について、委託業者と検針員に丁寧に説明する機会をつくること。
一、工業用水道の利用者への支援は、利用者の不利益とならないように、要望を聞いて充実させること。
一、有機フッ素化合物による汚染の原因を調査、究明し、対策を取ること。
一、水道局職員、政策連携団体の社員のコンプライアンス推進と労働環境の改善を行うこと。
最後に、下水道局です。
一、局職員の技術力の低下につながる包括委託はやめ、局直営の下水道事業を堅持すること。
一、区部の浸水対策について、新たな計画で選定された地区の対策に加え、今後の災害状況を踏まえた対策を行うこと。
一、下水道管、下水道施設などの老朽化や耐震化を促進すること。
一、マンホールの耐震化を促進し、マンホールトイレの指定を区と連携して積極的に進めること。
一、合流式下水道の改善を早期に進めること。
一、下水道料金の減免は、低所得者や在宅人工透析患者も対象とし、社会福祉施設の減免対象を拡大すること。生活関連業者の最低基準を引き下げること。制度の周知を徹底すること。
一、雨水流出抑制対策として、浸透ます、浸透トレンチ、貯留管の敷設を道路管理者と連携して進めること。
一、区への幹線水位情報の提供の取組をさらに進めること。
一、老朽化した小規模管渠の再構築を補助交付対象にするよう国に求めること。
一、下水道施設の省エネ化を進め、太陽光、小水力、バイオマス、下水熱などの再生可能エネルギーの活用を推進すること。
一、国に対して、下水道施設の改築に関わる国庫補助の継続と増額を求めること。
一、流域下水道への雨天時浸入水の流入防止対策を市町村と共に進め、技術的支援とともに財政的支援を行うこと。
一、多摩地域の水再生センターの増強や流域下水道雨水幹線の拡充を行うこと。
一、流域下水道の改良分担金については、市町村の負担を軽減するために国の増額を求めるとともに、都負担を増やすこと。
以上です。
○山口委員 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された令和四年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
ロシアによるウクライナへの武力攻撃は暴挙であり、断じて容認できません。
国内では、原油などのエネルギー価格の上昇、小麦など穀物価格の上昇、円安に伴う輸入品の高騰など、都民生活に大きな影響が出ており、事業者や都民に手厚く支援することを求めるものです。
四年度予算案では、コロナ対策経費のうち、医療供給体制の強化充実などに係る経費はおおむね三か月分計上し、それ以上は、感染状況に応じ、補正予算等を措置するとしています。
都の新型コロナウイルス感染症対策をしっかりと検証し、都民の納得が得られる公正で効果的な対策を迅速に講じることを改めて強く求めるものです。
私たちは、増えた税収が弱い立場にある人に十分に振り分けられているかとの観点から質疑を積み重ねてきました。
仕事を失った方や苦境にある事業者への支援、女性の貧困等、コロナ禍で浮き彫りになった課題に積極的に取り組んでいただくよう求めます。
また、学校給食の無償化や家賃補助の拡充、賃上げ機運の醸成などへの取組も強く要望いたします。
また、私たちも要望してきた子供政策の専門組織である子供政策連携室では、都庁内の連携のみにとどまらず、子育て世帯への経済的な支援策の拡充など、抜本的な政策の強化にも取り組むよう求めます。
以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局に関わる事項について申し上げます。
まず、交通局関係について申し上げます。
一、ポストコロナで利用者数の減少が見込まれる中、事業全般にわたる構造改革、事業見直しを進めるとともに、都営地下鉄においては時間帯別運賃の検討を進めるなど、持続可能な経営に向けて、より一層取組を進めること。
一、経営基盤を強化するために、資産の利活用や多様な広告の活用を推進するなど、関連事業での収益確保に取り組むこと。
一、安全・安心で質の高いサービスを提供していくためにも、技術を継承し、次世代を担う人材育成に積極的に取り組むこと。
一、バス運転手の育成体制をさらに充実するとともに、運転手のワーク・ライフ・バランスにも配慮した運行体系の構築を図ること。
一、車両情報収集システムをはじめ、デジタル技術の活用を推進し、より効果的な保守管理を実現するとともに、安全で安定的な運行を確保すること。
一、都営浅草線のホームドアの整備を進めるとともに、都営三田線の全編成での八両化を推進すること。
一、日暮里・舎人ライナーの早期復旧を含めた地震への対応強化を図ること。
一、沿線自治体などと連携しながら、都営交通の魅力をさらに高め、地域の活性化にも資する取組を進めること。
次に、水道局関係について申し上げます。
一、配水管の耐震継ぎ手の早期実現をはじめ、水管橋や給水所の整備など、給水ルートを線で捉え、水道事業の震災対策を積極的に進めること。また、独自の震度情報を有する民間企業等と連携し、漏水箇所の緊急一斉転換を実施するなど、水道の早期復旧体制を構築すること。
一、将来にわたって安定給水が可能になるよう、浄水処理へのAIをはじめ、職員向け研修におけるVRの活用、水道歴史館のデジタルアーカイブやツイッター等を活用した事故発生時の情報発信など、デジタル化、ICT化を積極的に推進すること。
一、スマートメーターの全世帯配布に向けて取り組むこと。また、高齢者等の見守りサービスに当たっては、福祉部門との連携強化を図ること。
次に、下水道局関係について申し上げます。
一、新たな浸水対策計画については、整備水準を区部全域で一時間七十五ミリ降雨にレベルアップし、新たに十地区を重点地区として追加をしているが、既存の計画にある地区についても着実に事業を進めること。
一、浸水被害の軽減を図るためにも、河川管理者と連携した浸水対策を強化するとともに、都民自らが浸水への備えを促すソフト面での取組を推進すること。特に、半地下家屋の使用者や居住者に対して、浸水の危険性について積極的に周知すること。
一、災害拠点病院及び災害拠点連携病院における下水道管の耐震化について、令和五年度の目標年次の前倒しも含め、早期に完了に向けて取り組むこと。
以上で都議会立憲民主党を代表しての意見開陳を終わります。
○岩永委員 私は、都議会生活者ネットワークとして、本委員会に付託された二〇二二年度予算関係議案について意見の開陳を行います。
一般会計の予算規模は、二〇二一年度当初予算に比べて五・一%増の七兆八千十億円、過去最大になりました。都税収入は、企業収益の持ち直しにより、法人二税の増などで、前年度に比べて五千八百五十八億円、一一・六%の増を見込んでいます。
新型コロナウイルスオミクロン株による第六波は、ようやく減少傾向となっていますが、二年に及ぶコロナ禍で失業が長期化し、失業率が高止まりする中での企業収益増は、格差を固定化する社会のひずみを示しています。
全世界がコロナで疲弊している中、突然、ロシアがウクライナへ侵攻、戦争は日に日に悲惨さを増しています。第二次世界大戦後、各国は平和維持の努力を積み重ねてきたにもかかわらず、報道される理不尽な状況には言葉を失ってしまいます。世界経済への影響も懸念されており、日本も例外ではありません。既に原油やガス、小麦の値上がりが始まり、今後も値上がりがめじろ押しです。
市民の身近な経済状況も改善しているとはいえず、貧困問題、雇用問題は一向に解決せず、格差はさらに広がり、社会を閉塞感が覆っています。山積する課題に取り組み、社会全体を和らげるための落ち着いた都政運営が求められます。
東京都こども基本条例の理念を実現するために、子供政策連携室を新設する予定です。子供の権利を保障し、課題解決につながる仕組みとなることが重要です。子供の困難な状況を改善することを期待します。
生活スタイルや働き方、家族の在り方も多様化しています。性別にかかわらず、誰もが自分らしく暮らすために、ジェンダー主流化を、多様な人が暮らす東京こそ進める必要があります。
気候正義を求める若者たちの声が全世界に広がっています。気温上昇一・五度までの目標達成は、大人が果たすべき未来への責任です。来年度予算でもゼロエミッション東京の実現が掲げられ、二〇三〇年カーボンハーフを目指した取組が示されています。着実な目標達成のために、都自らの本気度を示さなければなりません。その上に、NPOや民間事業者の力を積極的に活用して、省エネ、再エネだけでなく、廃棄物を出さない資源循環の仕組み、サーキュラーエコノミーへの転換が求められます。
都議会生活者ネットワークは、困難な時代を切り開き、信頼できる基盤に多様で寛容な社会を目指し、誰もが安心して暮らせる持続可能な東京を実現するため、積極的に取り組むよう要望します。
以下、各局別に申し上げます。
交通局関係について。
一、日暮里・舎人ライナーでの無人駅を減らし、利用者に、よりきめ細やかな対応ができるよう、人員配置を増やすこと。
一、都営地下鉄、日暮里・舎人ライナーにおいて、一時保護対策も含めて災害時の帰宅困難者対策と避難訓練を定期的に行うこと。
一、都営地下鉄駅に、授乳やおむつ替えのできる赤ちゃん・ふらっとの設置や授乳スペースを確保し、子連れの利用者の利便を図ること。
一、都営地下鉄駅の全ての誰でもトイレに、高齢者や障害者が利用できるユニバーサルシートを設置すること。
一、都営地下鉄駅のトイレ洗浄ボタンの案内を外国人旅行者にも分かりやすく表示すること。
一、交通局の事業である水力発電の電気は都の事業で使い、電力の地産地消を進めること。
一、東京さくらトラムの軌道緑化や、都営バスの営業所などの建築物の屋上や壁面等の緑化を進め、温暖化対策に取り組むこと。
一、都営地下鉄の駅に、マイボトルに給水できる給水機を設置し、ゼロエミッションにもあるプラスチックの削減を進めること。
一、職員のワーク・ライフ・バランスを進め、性別にかかわらず、子育てや介護をしながら働き続けられる環境整備に積極的に取り組むこと。
次に、水道局関係について。
一、浄水場の敷地や建物を活用して太陽光発電の設置を増やし、再生可能エネルギーの取組を進めること。
一、マイボトルに給水できる給水機の設置を増やすとともに、自治体と連携して、可動式の給水機の活用を進めること。
一、災害時の応急給水訓練を、設置自治体や地元住民と共に定期的に行うこと。
一、PFASについて、水道局の情報と福祉保健局、環境局の汚染情報を集めて、環境局に汚染源を究明するよう求めること。
一、玉川上水の緑道の管理について、樹木の伐採は、生物多様性の観点から、地域住民との合意形成を得ながら丁寧に進めること。
一、職員のワーク・ライフ・バランスを進め、性別にかかわらず、子育てや介護をしながら働き続けられる環境整備に積極的に取り組むこと。
最後に、下水道局関係について。
一、下水道におけるマイクロプラスチック対策を検討し、進めること。
一、下水汚泥の放射能測定を継続するとともに、新型コロナウイルスに関する研究など、官民の連携体制を進めること。
一、下水から発生するバイオマスやメタンガス、小水力、下水熱などの未利用エネルギーの活用を推進すること。
一、水再生センターの敷地や建物などを活用し、太陽光パネルのさらなる設置を進めるなど、再生可能エネルギーを進めること。
一、職員のワーク・ライフ・バランスを進め、性別にかかわらず、子育てや介護をしながら働き続けられる環境整備に積極的に取り組むこと。
以上で都議会生活者ネットワークの意見開陳を終わります。
○こいそ委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出をいたします。ご了承願います。
以上で予算の調査を終わります。
○こいそ委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第百六号議案を議題といたします。
本案につきましては、既に質疑を終了しております。
これより採決を行います。
第百六号議案を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○こいそ委員長 異議なしと認めます。よって、第百六号議案は原案のとおり決定をいたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
○こいそ委員長 次に、特定事件についてお諮りをいたします。
お手元配布の特定事件調査事項につきましては、閉会中の継続調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○こいそ委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
○こいそ委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、浜水道局長から発言を求められておりますので、これを許します。
○浜水道局長 公営企業三局を代表いたしまして、ご挨拶を申し上げます。
まず初めに、今回ご審議を賜りました議案につきまして、ただいまご決定をいただきまして、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
私ども公営企業が行っております事業は、都民生活や首都東京の都市活動にとりまして欠かすことのできない重要な事業でございます。
これまでに賜りました貴重なご意見、ご指摘をそれぞれの事業運営に十分反映させまして、都民サービスのさらなる向上と効率的な経営に努め、都民の皆様の信頼と負託に全力で応えてまいる所存でございます。
こいそ委員長をはじめ委員の皆様方におかれましては、今後とも、公営企業三局に対しまして、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願いを申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。
○こいそ委員長 発言は終わりました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時五十八分散会
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