委員長 | こいそ 明君 |
副委員長 | 菅野 弘一君 |
副委員長 | 森村 隆行君 |
理事 | 斉藤まりこ君 |
理事 | 小林 健二君 |
理事 | 村松 一希君 |
石島 秀起君 | |
岩永やす代君 | |
成清梨沙子君 | |
かつまたさとし君 | |
保坂まさひろ君 | |
山口 拓君 | |
大山とも子君 |
欠席委員 なし
出席説明員水道局 | 局長 | 浜 佳葉子君 |
技監 | 尾根田 勝君 | |
総務部長 | 石井 英男君 | |
職員部長 | 長嶺 浩子君 | |
経理部長 | 金子 光博君 | |
サービス推進部長 | 金子 弘文君 | |
浄水部長特命担当部長兼務 | 松田 信夫君 | |
給水部長 | 藤村 和彦君 | |
建設部長 | 田中 慎一君 | |
経営改革推進担当部長 | 鈴木美奈子君 | |
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長 工業用水道事業調整担当部長兼務 | 尾関 元君 | |
設備担当部長 | 岩崎 恭士君 | |
多摩水道改革推進本部 | 本部長 | 青木 秀幸君 |
調整部長 | 小山 伸樹君 | |
施設部長 | 佐々木宏章君 | |
技術調整担当部長 | 佐藤 清和君 |
本日の会議に付した事件
決議について
水道局関係
請願の審査
(1)四第一号 工業用水道料金の減免措置及び減免率の維持に関する請願
予算の調査(質疑)
・第二十七号議案 令和四年度東京都水道事業会計予算
・第二十八号議案 令和四年度東京都工業用水道事業会計予算
報告事項(質疑)
・東京都工業用水道事業の廃止に伴う取組について
○こいそ委員長 ただいまから公営企業委員会を開会をいたします。
初めに、決議について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、決議一件を提出したい旨の申出がございました。
お諮りいたします。
本件については、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○こいそ委員長 異議なしと認めまして、そのように決定をいたしました。
○こいそ委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
令和四年度予算は、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がございました。
公文の写しはお手元に配布してございます。
朗読は省略をいたします。
令和四年三月九日
東京都議会議長 三宅しげき
(公印省略)
公営企業委員長 こいそ 明殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月九日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十七日(木)午後五時
(別紙1)
公営企業委員会
第二十四号議案 令和四年度東京都交通事業会計予算
第二十五号議案 令和四年度東京都高速電車事業会計予算
第二十六号議案 令和四年度東京都電気事業会計予算
第二十七号議案 令和四年度東京都水道事業会計予算
第二十八号議案 令和四年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十九号議案 令和四年度東京都下水道事業会計予算
(別紙2省略)
○こいそ委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局関係の請願の審査、予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
これより水道局関係に入ります。
初めに、請願の審査を行います。
四第一号、工業用水道料金の減免措置及び減免率の維持に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○石井総務部長 それでは、請願につきましてご説明申し上げます。
お手元に配布してございます請願・陳情審査説明表をご覧いただきたいと存じます。
資料の表紙をおめくり願います。
この請願は、用水型皮革関連企業協議会会長の本田桂一さんから提出されたものでございます。
請願の要旨といたしましては、油脂・皮革関連企業に対する工業用水道料金の減免措置及び減免率を継続していただきたいというものでございます。
この請願に関する現在の状況でございますが、油脂・皮革関連企業に対する工業用水道料金の減免措置につきましては、令和三年第一回東京都議会定例会における工業用水道料金の減免措置に関する決議の趣旨を尊重し、一般会計からの減収分の補填を前提に、独立採算制の原則及び負担の公平に対する例外的措置として、令和四年三月三十一日までを期間として、基本料金の一〇%を減免しているところでございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議くださいますようお願い申し上げます。
○こいそ委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○こいそ委員長 よろしいですか。発言がないようでございますので、お諮りいたします。
請願四第一号は、趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○こいそ委員長 異議なしと認めます。よって、本件は、趣旨採択と決定をいたしました。
以上で請願の審査を終わります。
○こいそ委員長 次に、予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
第二十七号議案、第二十八号議案及び報告事項、東京都工業用水道事業の廃止に伴う取組についてを一括して議題といたします。
本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取してございます。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしてございます。
資料について理事者の説明を求めます。
○石井総務部長 さきの委員会におきまして要求のございました資料を取りまとめ、お手元に配布してございます。その概要につきましてご説明申し上げます。
資料の表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、今回要求のありました資料は十一件でございます。
それでは、一ページをお開き願います。政策連携団体、事業協力団体の社員数、都派遣社員数、固有社員数及び都退職者数でございます。
一ページから二ページにわたり、平成二十九年度から令和三年度までの団体別の社員数につきまして、政策連携団体、事業協力団体に分けまして、常勤、非常勤別に、また、常勤社員数につきましては、都派遣社員数、固有社員数、都退職者数の内訳をそれぞれお示ししてございます。
三ページをご覧ください。定数及び職員数でございます。
平成二十九年度から令和三年度までの局職員の条例定数及び事務、技術、技能の区分別の職員数と、そのうちの一般職員、フルタイム勤務及び短時間勤務の再任用職員の内訳についてお示しをしてございます。
四ページをお開き願います。障害者雇用率でございます。
平成二十九年から令和三年までの障害者の実雇用率をお示ししてございます。
五ページをご覧ください。政策連携団体への業務委託の委託先及びそれに伴う職員の削減数でございます。
平成二十九年度から令和三年度までの政策連携団体への業務委託の委託先及びそれに伴う職員の削減数をお示ししてございます。
六ページをお開き願います。職員一人当たりの月平均超過勤務時間数及び月八十時間を超える超過勤務実績のある職員数でございます。
平成二十八年度から令和二年度までの職員一人当たりの月平均超過勤務時間数及び月八十時間を超える超過勤務実績のある職員数をお示ししてございます。
七ページをご覧ください。水道局幹部職員の再就職における再就職者数と再就職先でございます。
平成二十九年から令和三年にかけて公表されました再就職者数及び再就職先をお示ししてございます。
八ページをお開き願います。徴収事務委託支払金額と給水件数及び給水件数一件当たりの委託料でございます。
八ページから九ページにわたり、平成二十三年度から令和二年度までの徴収事務委託支払金額、給水件数、給水件数一件当たりの委託料につきまして、区部、多摩に分けまして、それぞれお示しをしてございます。
一〇ページをお開き願います。民有林の購入実績と購入した民有林の整備実績でございます。
平成二十八年度から令和二年度までの民有林の購入件数及び面積、また、購入した森林の整備実績を内容別にお示ししてございます。
一一ページをご覧ください。局所有の未利用地でございます。
局が所有している未利用地につきまして、地域区分別、面積区分別に、件数及び面積をお示ししてございます。
一二ページをお開き願います。女性職員数の推移と、女性職員の更衣室、トイレ、休憩室の整備状況でございます。
平成二十九年度から令和三年度までの女性職員数の推移並びに女性職員の更衣室、トイレ、休憩室の整備状況についてお示ししてございます。
一三ページをご覧ください。職員の育児休業取得状況でございます。
平成二十八年度から令和二年度までの育児休業取得人数及び取得率について、男性、女性の別にお示ししてございます。
以上、大変簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
○こいそ委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○石島委員 先日の予算特別委員会におきまして、我が党は、大規模浄水場の更新について質問を行いました。
水道局の答弁は、通水開始から六十年以上が経過している東村山浄水場の更新に二〇三〇年代から着手するに当たって、まず、代替浄水場として境浄水場を再構築するとともに青梅市内に浄水場を新設するとの答弁がありました。
東村山浄水場更新に当たって、なぜ境浄水場と青梅市内に代替浄水場を整備するのかお伺いします。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 東村山浄水場の更新に当たっては、給水への影響を最小限にとどめるため、場内の施設をブロック単位で更新していきますが、それでも工事期間中は大幅に施設能力が低下します。
この施設能力の低下を補うため、取水する水源が東村山浄水場と同じ多摩川であることを前提に、立地条件や施設能力の配置、送配水の効率性、用地費などを総合的に検討した結果、境浄水場と青梅市内に代替機能を確保することとしました。
○石島委員 総合的な検討の結果、境浄水場と青梅市に代替機能を確保する方針となったことは理解しました。
大規模浄水場の更新は息の長い取組であり、安定給水を確保した上で進めていくためには、まずは代替浄水場の整備を着実に完了させることが肝腎です。
そこでまず、境浄水場にどのように代替浄水施設を整備するか、また、その進め方について、令和四年度の取組内容も含めてお伺いいたします。
○田中建設部長 境浄水場は、多摩川を水源とした、ろ過池二十池を有する緩速ろ過方式の浄水場であります。
東村山浄水場の代替浄水施設は、既存の十池を撤去した跡地に急速ろ過方式の浄水施設を令和十三年度の完成に向けて整備いたします。
令和四年度は、境浄水場の一部の運用を続けながら、既存のろ過池を撤去する工事を開始いたします。
○石島委員 能力を一部残し、運用を継続しながらの再構築となりますと、新設する際とはまた違った苦労もあると思いますが、着実に取り組んでいただくことを要望させていただきます。
一方、青梅市内へ新設する浄水場についてですが、水道局が浄水場を新設するのは平成初期に整備した三郷浄水場以来であり、水道事業を取り巻く環境は大きく変化しています。
青梅市内に新設する浄水場の整備について、どのような課題があり、どう対応しようとしているのか、令和四年度の取組内容も含めてお伺いいたします。
○田中建設部長 多摩川上流域を水源とする新設浄水場では、昨今の豪雨による急激な濁度の上昇や、通年にわたり発生しているカビ臭原因物質に適切に対応することが必要となっております。
このため、当局では、こうした多摩川原水の水質変化を踏まえた最適な浄水処理方法を選定することとしております。
令和四年度は、今年度から実施している水処理実験を継続することにより、高分子凝集剤を従来の凝集剤と併用することで、水中の濁りの沈殿速度を向上させる技術の検証や、カビ臭原因物質を安定的に効率よく除去することができる浄水処理技術の検討などを着実に進めてまいります。
○石島委員 代替浄水場の整備に当たっての考え方、令和四年度の取組内容については理解いたしました。
東村山浄水場の更新に向けたこれらの取組を皮切りに、水道局が運用する大規模浄水場の更新がいよいよ始まることになります。大規模浄水場の更新は長期にわたる取組となりますが、代替浄水場の整備を着実に進めていただくよう要望させていただきます。
水道局の令和四年度予算では、大規模浄水場の更新に必要な事業費を含め、主要施設整備事業として、導水施設の整備や貯水池の堤体の耐震強化、送配水管ネットワークの強化など、総額一千八百四十億円の事業化が計上されています。その中でも、配水管の耐震継ぎ手化を行う送配水管の耐震強化等は、取替え延長が三百七十キロメートル、事業費一千十億円が計上されており、その重要性は、我が党として繰り返し指摘したところであります。
私も昨年の事務事業質疑で、事業を進める上での課題や、その解決に向けた取組について確認したところであり、水道局は鋭意取り組んでいることと思いますので、本日は質問を行いませんが、引き続き着実に、かつ計画性を持って取り組んでいくべきであることを改めて指摘させていただきます。
また、これらの主要施設整備事業のうち、給水設備整備事業の一環として約十億円が計上されている長期不使用給水管の整理は、我が党のこれまでの提言や質疑を踏まえて、水道局が令和三年度に立ち上げた事業であり、試行を踏まえ、令和四年度から本格実施となります。そのため、特にこの事業の進捗状況などについて確認させていただきます。
水道局は、特に漏水等のリスクの原因になりやすい長期間使用されていない給水管を撤去していく事業を立ち上げました。本来、給水管は、所有者自らが管理、撤去を行うものでありますが、漏水事故の未然防止などの観点から、水道局が一歩踏み込んだ取組を決断したことについては評価させていただきます。
今年度は事業初年度となるため、事業の進捗状況や課題、今後の取組について確認させていただきます。
そこでまず、長期不使用給水管整理事業の具体的な流れと、今年度の進捗状況についてお伺いします。
○藤村給水部長 本事業の実施に当たっては、まず、長期間使用中止となっている給水管について職員が現地調査を実施し、土地の利用状況のほか、給水管の埋設状況などから撤去の適否を判断しております。
給水管を撤去する場合は、その所有者から同意を得る必要があるため、土地の登記簿等を調査し、給水管の所有者を特定した後、郵送などにより撤去の意向を確認しております。
令和三年七月からこれらの作業を始め、令和四年二月末時点で、今年度対象としている給水管約千四百件のうち、約四割に当たる六百十四件の所有者から撤去の同意を得ており、順次工事を行っております。
一方で、給水管の使用を再開する予定があるなど、撤去を希望しない所有者が約二割おり、また、残りの約四割の所有者からは回答を得られていない状況にあります。回答のない所有者に対しては、改めて意向確認の案内を郵送するほか、個別に訪問し説明するなど、継続して意向確認を進めております。
○石島委員 事業初年度ということで、改めて事業の流れについて確認をさせていただきました。
事業に本格的に着手し、実際に現場に出向くことで事業の課題が見えてきたことと思います。
そこで、長期間使用されていない給水管の実態や事業を進める上での課題、撤去の意向確認の際に所有者からどのような声があるか、具体的にお伺いいたします。
○藤村給水部長 現地調査の結果、長期間使用されていない給水管は、空き家や更地のほか、駐車場などに多く存在している実態が確認できました。
事業を進める上での課題として、給水管の撤去に当たっては所有者の特定が不可欠でありますが、登記簿の記載内容が古いため意向確認時の郵送物が届かないなど、所在が確認できず連絡が取れない場合があります。また、土地の所有者が複数の場合や土地と建物の所有者が異なる場合などについては、多くの利害関係者との調整が必要となっております。
意向確認時の所有者の声としては、給水管の所在地から遠方に住んでいるため埋設状況が分からないといった声や、将来の土地の利用計画が未定のため、撤去または再使用の判断ができない等の声があります。
そのほか、給水管の管理は所有者自身が行うという原則に対する理解が得られておらず、給水管は水道局の財産であると誤解している所有者もいます。
○石島委員 今のご答弁にありましたとおり、所有者自身が給水管を管理しなければならないという認識が十分でないようです。そういうことが、まだ四割も回答が得られていないということにつながっていると考えられます。一件一件交渉相手が違い、実態に即した丁寧な調整が必要になり、困難な事案も多々あると思いますが、漏水リスクをより一層低減していくため、これまで以上に撤去の同意取得に取り組んでいただくよう要望させていただきます。
そこで、今後この事業をどのように進めていくのか、見解をお伺いいたします。
○藤村給水部長 令和四年度は、今年度の二倍以上に当たる約三千二百件を対象としており、これまでの取組や課題を踏まえ、所有者の特定や撤去の同意取得により一層取り組んでいく必要があると考えております。
所在が確認できない所有者については、これまでの登記簿等の調査に加えて、自治体から住民票を取得するなどの調査を実施していきます。
また、撤去の同意取得に向けては、給水管の管理や使用見込みのない給水管の撤去義務のほか、撤去しないことに伴う漏水リスクなどについて、所有者の認識を高めていくことが必要でございます。
このため、対象となる所有者に粘り強く丁寧に説明するとともに、局ホームページやSNS、広報紙等を活用し、事業の趣旨を幅広く周知していきます。
これらの取組により、長期不使用給水管整理事業を円滑に推進してまいります。
○石島委員 お客様との折衝を粘り強く行っていただき、事業の重要性について理解を得て、少しでも事業を前に進めていただくことを要望させていただきます。
長期不使用給水管整理事業は、成果が見えにくく目立たない仕事かもしれませんが、都民の当たり前の日常生活を陰で支える事業です。震災対策等と同様に、地道に、かつ着実に進めていただくよう、重ねて要望させていただきます。
これまで、主要施設整備事業のうち、大規模浄水場の更新と長期不使用給水管整理事業について質問してきましたが、水道局が行うべき施設整備はこれだけにとどまりません。将来にわたって安定的な給水を継続するという水道の責務を果たしていくためには、施設の老朽化や自然災害などの課題に適切に対応する必要があります。
水道局の技術部門を統括する技監に、大規模浄水場の更新をはじめ、今後の施設整備の進め方についてお伺いいたします。
○尾根田技監 水道事業は、二十四時間三百六十五日、安定給水を確保することが使命でございます。一方で、施設の老朽化や自然災害の脅威などの課題に直面しており、さらに人口減少や感染症など、水道事業に影響を及ぼす新たな課題も顕在化しております。
こうした課題に対しまして、将来にわたり安全でおいしい高品質な水を安定的に供給するためには、多岐にわたる施設整備を計画的に進めることが必要でございます。
このため、当局では、東京水道施設整備マスタープランに基づきまして、浄水場の更新、長期不使用給水管への対応のほか、管路の耐震化、ネットワーク化などの施策について到達目標を設定し、その進捗管理を徹底することによりまして、水源から蛇口に至る水道施設の整備を着実に推進してまいります。
こうした取組によりまして、様々な課題に柔軟かつ適切に対応し、強靱で持続可能な水道システムを構築してまいります。
○石島委員 ただいまのご答弁がありましたとおりに、強靱で持続可能な水道システムの構築に向けて、技監が先頭に立って、引き続きしっかりと取り組んでいただくことを要望させていただきます。
次に、最近報道があった話題について取上げさせていただきます。
一月に塗料メーカーによる水道管用塗料に関する不適切な行為があり、ダクタイル鋳鉄管等の出荷が停止されたとの報道がありました。公益社団法人日本水道協会によれば、同協会の規格認証取得時に、本来と異なる条件で得られた試験結果で認証を取得した塗料や、本来指定されている以外の原料が使用された塗料があったとのことでした。一部は水道管の内側にも使われているとの報道もあり、水道水の安全性を脅かす事態となっています。
そこで、都における水道水の水質への影響についてお伺いします。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 当局では、給水区域内全域を対象に定期的な水質検査を行い、国が定める水質基準等への適合を従前から確認しており、安全な水道水の供給をこれまでも継続してきたところであります。
さらに、水道管の品質認証を行っている公益社団法人日本水道協会からは、不適切行為のあった塗料を使用した製品のうち、国が定める浸出試験結果により衛生性が確認されたものについて、令和四年一月十七日以降、水道用資機材として使用することは問題ないという取扱いが順次示されているところであります。
これらのことから、当局の供給する水道水の水質に影響はございません。
○石島委員 水道水の安全性について問題ないことは理解いたしました。
一方で、問題のあったダクタイル鋳鉄管等を使用する工事を一時中止したとも聞いています。
本件に伴う工事への影響について見解をお伺いいたします。
○田中建設部長 当局では、日本水道協会による本件の公表を受け、令和四年一月十一日より、対象となるダクタイル製品を使用する工事を一時中止しました。
当初は、一時中止した工事件数が約二百件に及んだものの、一月十七日に示された日本水道協会の取扱いを受け、一月十八日以降、工事を順次再開し、これまでに全ての工事を再開しております。
○石島委員 工事が全て再開していることを確認させていただきました。
ただ、短期間とはいえ、工事を一時的に中止したことによる工事事業者の負担は少なくないものと考えられます。
そこで、工事事業者への対応についてお伺いいたします。
○田中建設部長 当局では、令和四年一月十八日以降、日本水道協会より示された出荷が再開されたダクタイル製品のリストについて逐次情報提供を行うなど、一日も早い工事の再開に向け、工事事業者と緊密に連携を図ってきました。
また、工事の一時中止に伴って工事事業者が追加で負担することとなった費用については、対象となる全ての工事の実態を確認の上、今後、必要な経費の支払いを行います。
○石島委員 工事事業者に対して丁寧に対応していることについては理解いたしました。
本件に伴う水道局の工事の中止や再開への対応は、迅速かつ適切であったと評価させていただきます。また、日頃からの水道水の厳しい品質チェックが都民に安心をもたらしたことを改めて確認をさせていただきました。
水道を使用される都民の皆様にとって、水道水の水質管理は生活に密着する非常に関心の高い事柄です。
水道局はこれまで、TOKYO高度品質プログラムを作成するなど水質管理に万全を期す努力をしてきたと認識しています。しかしながら、事前に伺った話では、水道局が進めている東京水道株式会社への業務移転について、来年度は新たに水質管理業務を移転する予定とのことでした。
東京水道株式会社への業務移転を直ちに否定するものではありませんが、都の水道事業として重要な水質管理業務を引き続きしっかりと実施できるのか確認する必要があります。
まず、そもそも水道局は、水道管理をどのような体制で行っているのか、また、どの業務を移転するのかをお伺いします。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 当局は、区部の水質センターと多摩地区の多摩水道改革推進本部水質試験室の二か所を水道法で定められた水質検査施設として位置づけ、都内百三十一か所の蛇口で水道法令等への適合を検査しているほか、お客様からの依頼に基づいた水質検査等を実施しています。
また、水道水の水源となる利根川や多摩川等に調査地点を設定して定期的に調査を実施するとともに、取水する河川において重大な水質事故が発生した際には、現場に出動して調査を行うなどの対応を行っています。
さらに、浄水場においては、取水する河川の水質や浄水処理の工程ごとに水質試験を実施し、その結果に応じて、浄水場の運転条件の変更や浄水処理の強化など、必要な対応を実施しています。
今回の業務移転は、このうち、小作浄水場における水質管理業務を、政策連携団体である東京水道株式会社に新たに移転するものであります。
○石島委員 今回は、浄水場、いわゆる現場で行っている水質管理業務を、東京水道株式会社へ新たに移転するとのことですが、水道局は、東京水道経営プラン二〇二一において、東京水道株式会社への業務移転を積極的に推進することとしており、水道管理業務の移転についても、その一環として行うものと認識しています。
一言で水質管理といっても、水源から蛇口までと業務範囲は幅広く、局が引き続きしっかりと管理すべき部分もあると考えますが、水質管理の業務移転を行う目的と、局が担うべき水質管理業務について見解をお伺いいたします。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 今回、業務を移転する小作浄水場において、東京水道株式会社は、浄水場の業務のうち、既に運転管理の業務を担っています。
浄水場における水質管理業務は、浄水処理工程を管理する上での一連の業務の一つであり、今回、同社が運転管理業務と水質管理業務の両方を受託することで、水質検査の実施から検査結果の検証、浄水処理の変更までを一体的に運用することが可能となります。
また、同社が水道事業の重要な業務である水質管理業務を受託することで、都の水道事業において、より大きな役割を果たしていくことになります。
一方で、当局は、蛇口から出る水道水の安全性を最終的に担保するという水道事業者の責務があることから、給水栓の水質管理は今後も当局自ら責任を持って行います。水源の水質監視や他の水道事業体等と共同で行う水質事故対応などについても、引き続き当局で担ってまいります。
○石島委員 局が引き続き水道水の品質の最終的なチェック機能を果たすと聞いて安心しましたが、浄水場での品質管理、運転管理も、水道水の安定供給のためには必要な業務であると認識しています。
効率的な運営のために業務移転を推進することは否定しませんが、東京水道株式会社は水質管理業務の受託経験がなく、重要な業務を担うことができるのか懸念があります。業務移転後も、浄水場の水質管理業務が的確に行われるための取組についてお伺いいたします。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 東京水道株式会社は、これまでの運転管理業務における経験から、浄水処理に関する基本的な知識と技術を有しています。
さらに、水質管理業務に携わる人材の確保、育成を同社においても進めることとしていますが、円滑に業務移転を進めるため、当局から同社へ水質管理の知識やスキルを持つ局職員を派遣し、着実に当局の持つ水質管理の技術を継承していきます。
また、これまで当局が培ってきた知見を集積したTOKYO高度品質プログラムを共有して運用することで、水質異常が発生した際などにも、当局と同社が東京水道グループとして一体となって対応してまいります。
○石島委員 水道水の水質に関しては、これまでも、有機フッ素化合物の問題など、水質管理や危機管理について、会派としても取り上げ、質疑を行ってまいりました。
今回の取組は、東京水道株式会社が浄水場の運転管理と水質管理を併せて行うことで、円滑な事業運営につながるものであり、東京水道グループ全体の水質管理体制のさらなる充実に資するものと期待させていただきます。
しかし、冒頭に申し上げたとおり、水道水の水質の安全性は、都民が何より重視することであり、都の水道事業を所管する水道局が最終的な責任を担った上で対応すべきであることを強く指摘させていただきます。
これまで、施設整備の状況や水質管理の体制について確認してきました。今後の人口減少に伴う水道料金収入の減少が見込まれる中でも安定給水を確保していくためには、着実な施設整備及びそれを実現する事業運営体制の整備が重要です。
最後に、安定給水と運営体制の整備に向けた局長の決意をお伺いして、質問を終わります。
○浜水道局長 当局では、高度経済成長期の需要拡大に対応した施設の整備、河川の水質悪化に伴う高度浄水処理の導入など、時代に合わせた施策を推進し、現在では、安全でおいしい高品質な水の安定供給を実現しております。
しかし、施設の整備、拡張から更新へと時代が移っていく中で、強靱で持続可能な水道システムを構築していくためには、大規模浄水場の更新をはじめとした事業を適切に推進していかなければなりません。これには長い期間と多額の経費を要しますが、安定的な財政基盤や効率的な業務運営体制を確保し、計画的に取り組んでいく必要がございます。
東京水道経営プラン二〇二一に掲げたグループ経営の推進や、強固な人材基盤、健全な財政基盤の強化といった施策を着実に進め、東京水道グループの経営基盤の強化を図ることで、水道事業者の使命である安定給水を将来にわたって確保し、都民生活と首都東京の都市活動を支えてまいります。
○保坂委員 それでは、私からは、最初に、水道局の新年度予算における当局の財政運営から質問をさせていただきたいと思います。
特に、新型コロナウイルス感染症により懸念されています水道局の財政運営への影響、そして、インパクトについてですが、令和二年一月に国内での感染が確認されて以来、人流抑制や休業要請など、継続的に社会経済活動に影響を与えております。これは、都の水道事業に関しても同様であり、令和二年度決算における水道料金収入はもとより、令和三年度の収入にも影響を及ぼしていると伺っております。
水道局が令和二年七月に公表されました、水道局の今後の水道事業運営全般について基本方針となる東京水道長期戦略構想二〇二〇では、長期財政収支の見通しについても明らかにされておりますが、その中では、給水収益の想定外の減収などのリスクや状況変化は盛り込んでいませんが、見込んでいないリスクが顕在化して安定給水のために必要な施設整備が困難になった場合には、財政の在り方を改めて検討する必要があるとされています。新型コロナウイルス感染症の影響が長期化している現状を鑑みれば、リスクが顕在化していると考えても不思議ではありません。
そこで、この点について確認をしておきたいと思います。
そもそも、財政の在り方を検討する必要があるリスクの顕在化とはどのようなものを想定しているのか、見解を伺います。
○鈴木経営改革推進担当部長 当局では、財政の在り方を検討する必要があるリスクの顕在化として、水道料金収入の想定外の大きな減収のほか、物価、賃金等の大幅な変動、突発的な災害復旧に係る経費など、影響が複数年度にわたって継続するような事態を想定しております。
○保坂委員 新型コロナウイルス感染症という、まさに想定外の事象が二か年にもわたって影響を与えている事態は、リスクの顕在化といえるのではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症が事業運営に影響を与え始めたであろう令和二年度からこれまでの状況を踏まえて、水道局として、水道料金収入の減収というリスクをどのように認識しているのか、見解を伺います。
○石井総務部長 都の水道事業は、逓増型料金体系を採用しており、口径が大きくなるほど、また、使用水量が多くなるほど、従量料金の単価が高くなる仕組みとなっております。
令和二年度の水道料金収入は、全体の使用水量に大きな増減は生じていないものの、単価の安い小口径での使用が増加した一方で、単価の高い中口径以上の使用が減少したことによって、前年度に比べると五%以上の減収となっております。
一方、三年度の水道料金収入は、四年一月までの実績が、二年度と比べて約〇・一%の増とほぼ同程度となっております。これは、収入構造が、新型コロナ感染症の影響を受ける前に戻りつつあるものの、一年の中でも使用水量が多くなる八、九月の平均気温が前年よりも低かったこと等により、使用水量全体が減少したことが要因で、一時的なものと考えております。
これらのことから、現時点においては、財政の在り方を検討する必要があるとまでのリスクとは捉えておりません。
○保坂委員 今お答えいただきました水道使用量の減少により、水道料金収入は横ばいであるものの収入構造が戻りつつあるとのことであり、リスクとはまだ捉えていないということであります。
しかし、水道局は、中期経営計画である東京水道経営プラン二〇二一に基づいて事業運営を行っていますが、プラン期間内の財政収支計画においては、令和三年度にだけ新型コロナウイルス感染症の影響を反映していると聞いております。
そこで、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化している現状においては、経営プラン二〇二一の財政収支計画については改定の必要性が指摘される可能性もありますが、見解を伺います。
○石井総務部長 当局では、令和二年度末の累積収支を推計した上で、東京水道経営プラン二〇二一の計画期間内で収支が均衡するよう財政計画を策定しており、実績は策定時の推計とほぼ同額となっております。
また、三年度は、水道料金収入が前年度並みの減収となっているものの、実情を踏まえた予算執行を行っており、財政運営に大きな影響を与えておりません。
こうしたことから、現時点ではプランの改定は必要ないと考えておりますが、事業の進捗や課題の検証をしながら、柔軟な予算執行を行うとともに、前年度決算等を分析し、毎年度の予算を編成してまいります。
また、次期中期経営計画の策定に当たっては、新型コロナウイルス感染症をはじめとした状況変化が当局の事業に与えた影響、そういったものを分析しながら的確に反映をしていきます。
○保坂委員 中期的な視点で事業運営の状況を捉え、次の中期経営計画を策定する際に、このリスクや状況の変化への対応を見直していく、短期的には毎年度の予算編成の中で対応していくという方針であることを、今確認、理解をしました。
それでは、令和四年度の予算についてですが、新型コロナウイルス感染症をはじめとした状況変化の影響をどのように見込んでいるのか、見解を伺います。
○石井総務部長 令和四年度予算の水道料金収入は、新型コロナウイルス感染症の影響による減収を見込んだ令和三年度予算と比較し、影響が緩和されるものとして、二十三億円増の三千百十七億円と見込んでおります。
動力費や薬品費、水道施設の維持管理などの経常的な事業運営に要する経費は、原油や資材価格の高騰を踏まえて単価上昇を見込む一方、規模をこれまで以上に精査した上で見積もっております。
また、送水管の新設や給水所の整備など、施設整備を着実に進めるために必要な経費は、新型コロナウイルス感染症の影響による工事中止や工期延長が少ないと見込む一方、地震や豪雨などの自然災害のリスクの高まりも踏まえ、工事の優先順位等を見直し、見積りに反映をしております。
これに、施設整備に応じた適切な規模の企業債を発行し、収入の確保に努めることで、令和四年度予算の単年度資金収支は約二億円の剰余と見込んでおり、計画対比で約八億円悪化しているものの、健全な財政運営は維持できるものと認識をしております。
○保坂委員 令和四年度予算には、収入、収支、双方に適切に新型コロナウイルス感染症をはじめとした状況の変化の影響を反映させるということが今確認できました。
引き続き、状況変化の影響を注視、分析した上で、必要な見直しを行っていただきまして、適切な予算執行に努めていただくことを求めて、次のテーマに移ります。
続いて、これまでも私も質疑を重ねてきておりますが、局の財政運営を行っていく上で重要な要素と捉えている経営の努力について伺ってまいります。
水道局は、健全な財政運営を進めていくため、事業の効率化など徹底した経営努力を行うこととしており、現在の東京水道経営プラン二〇二一はもちろん、これまでのプランでも経営の努力を重要な取組と位置づけてきました。中でも水道事業は、いわゆる装置産業としてサービスの提供のために巨大なシステムを構築しており、土地などの固定資産を数多く有していることから、資産の有効活用などによる収入確保を経営努力の一項目めとして掲げております。
事業運営の安定化に向けて、収入確保の手法を多様化することは非常に有用でありまして、この点について質問をしていきたいと思います。
まず、これまでの取組の成果を確認するため、前の計画である東京水道経営プラン二〇一六における資産の有効活用などによる収入確保の実績について伺います。
○鈴木経営改革推進担当部長 当局では、土地や建物などの資産を貴重な経営資源として捉えており、経営努力の一環として利活用を図り、収入の確保に努めております。
東京水道経営プラン二〇一六の計画期間である平成二十八年度から令和二年度までの実績は、それぞれ約十六億円、八億円、四億円、二億円、二十九億円でございます。その合計は約五十八億円であり、計画策定時に見込んでおりました三十三億円を二十五億円上回っております。
○保坂委員 資産を貸し付けるにせよ、売却するにせよ、様々な状況変化もある中で、計画した以上の実績を確保できたことは評価します。しかし、貸付けはともかく、売却ができる資産については、取組を長く続けるほど対象は少なくなっていき、売却益などを計上できない年度もあるのではないでしょうか。
実際、現在の計画である東京水道経営プラン二〇二一では、経営努力百五十億円のうち、資産の有効活用などによる収入確保として約六十一億円を見込んでいますが、令和四年度計画では四千三百万円を見込む一方で、七年度計画は約五十二億円と、計画の大部分を占めるようになっています。
そこで、令和四年度予算においてはどのように見込んでいるのか、また、令和七年度の計画値が大きくなっている理由を伺います。
○鈴木経営改革推進担当部長 当局では、経営プランの期間中に新たに発生する収入のみを経営努力として計上しており、継続している貸付収入などは、期間中の経営努力としては計上しておりません。
令和四年度計画では大きな資産売却等を見込んでおらず、令和四年度予算においても、計画と同程度を計上しております。
一方、令和七年度計画では、世田谷区にある和田堀給水所用地の一部を、都市計画道路等の整備用地として建設局への有償所管替えで約五十億円、その他、土地等の貸付けにより約二億円を見込んでおります。
○保坂委員 建設局が進めている都市計画道路の整備は東京都において重要な事業であり、そういった様々な行政需要に協力しつつ、水道局として収入をしっかり確保することは大変重要です。
一方で、継続性、安定性を鑑みれば、収益を生みそうな資産を売却せずに活用して民間に貸し付ける手法も有効であると考えますが、局の見解を伺います。
○金子経理部長 当局では、資産の有効活用に当たって民間への貸付けを優先することとし、貸付けについても最も有効に活用できる手法を選択しております。
このような考え方に基づき、これまでも、市街地再開発事業に参画して事務所床を取得し賃貸を行うほか、定期借地権を設定するなど、様々な手法を組み合せ活用を図っております。
なお、貸付けが見込めない土地等につきましては売却することとしております。
○保坂委員 都内の土地は非常に限られております。そのような中にあって、区市町村も様々な行政ニーズに対応するため用地を取得していると聞いています。例えば水道局の土地を自治体が借り上げて、保育所の整備に活用している例があります。
私も台東区議会議員時代から手がけていましたが、区内にある鳥越の水道局の土地を平成二十九年に台東区が水道局から借り上げていただき、そして、待機児童対策として保育所の整備に活用している例があります。これは、土地が二十三区で一番狭い台東区にとって大変助かった事業であります。感謝申し上げます。
こうした自治体のニーズに協力することも大変重要であるとは考えますが、今後の方針について伺います。
○金子経理部長 当局が所有する資産は局事業での活用が前提でございますが、活用見込みがないものにつきましては、これまでも、庁内各局や地元自治体に対して、公共用途での活用の検討ができるよう情報提供を行っております。
活用について要望があった場合には、局事業に支障のない範囲で貸付け等を行うこととしております。
今後も、局が所有する資産につきましては、事業上の制約や収益の確保、立地特性、地元の意見等を十分に考慮し、公益性と収益性を総合的に勘案しながら積極的に有効活用を進めてまいります。
○保坂委員 冒頭にも述べましたが、水道事業は装置産業でありまして、巨大なシステム、固定資産を有しています。
所有する資産を水道事業のために使用することは当然のことではありますが、活用可能な土地などについては、これまで以上に積極的に資産の活用を行っていただくことを要望しておきます。
続きまして、水道局が取り組んでいますそれぞれの事業について、昨年の私の事務事業質疑からの続きも含めまして、伺ってまいります。
事務事業質疑にて、双方向コミュニケーションを行う水道サポーター制度について質問をしましたが、水道局からは、令和三年度では、新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえつつ、試行的に実施していくと答弁をいただいております。本日は、その試行状況と令和四年度に向けた取組について確認していきたいと思います。
まず、令和三年度の試行状況と、サポーターからどのような意見が得られたのか伺います。
○金子サービス推進部長 当局では、水道サポーター制度を新たに立ち上げ、若い世代にも参加していただけるよう、親しみやすい「スイサポ!」という略称をつけ、令和三年度は試行的に実施いたしました。
新型コロナウイルス感染症の影響によりオンラインでの交流会開催となりましたが、令和四年二月に、新宿区、目黒区、八王子市、西東京市で計八回開催し、約五十名のお客様にサポーターとして登録していただきました。
交流会では、震災対策をテーマとし、当局の施設整備や応急給水に関して説明するとともに、サポーターと局職員との意見交換を実施いたしました。また、各区市と連携し、防災担当者から各区市の防災の取組についても説明していただきました。
サポーターからは、工事ビラに記載のある施設整備の目的や内容をもっと分かりやすくPRできるよう工夫してはどうかとか、応急給水訓練の実績をツイッターで発信してはどうかといった提案や、応急給水の訓練に参加し水の運搬を経験したい等の要望を得ました。
○保坂委員 新型コロナウイルス感染症の影響が続く中での開催でありました。いろいろな苦労があったとは思いますが、まずは私も提案させていただきましたオンラインでの試行で実現できたことで、様々な意見を得られたということで、よかったと思います。
令和四年度に新たに実施する交流会とともに、今回サポーターになっていただいた参加者からも継続的に事業に関するご意見をいただくことが大変重要で、テーマの設定についてもサポーターの提案を取り入れていかれることを検討すべきと考えます。
そこで、令和四年度はどのように取り組んでいくのか伺います。
○金子サービス推進部長 令和四年度は、三年度末までに取りまとめる試行結果の総括を踏まえ、今年度はできなかった直接対面型の交流会において応急給水体験等を盛り込むなど、体験機会の充実を検討いたします。
また、交流会のテーマは、三年度に実施した震災対策に加え、サポーターの提案を踏まえて今後検討してまいります。
こうした取組により、交流会の一層の充実を図るとともに、引き続き区市町と連携してまいります。
一方、三年度に登録していただいた水道サポーターの方々には、今後もメールマガジン等を活用して事業情報の発信を行うとともに、アンケート等により継続的に意見をいただいてまいります。
○保坂委員 この水道事業に限った話ではありませんが、ユーザーのニーズを十分把握して事業運営へ反映していく取組は、今後ますます重要になっていくと考えています。
相手のある取組であり、試行錯誤して進めていかなければならないことも承知していますが、精力的に取り組んでいただきたいと要望しておきます。
次に、水道局が新たに導入する予定の総合アプリについて伺います。
水道局では、水道スマートメーターの導入を進めており、四年度からは、いよいよ先行導入が本格的に始まります。令和六年度までの三か年で約十三万個という国内では桁違いとなる大規模な取組であり、国内の水道事業者や関連業界からも大きな注目を集めております。
これまで我が会派は、スマートメーターの将来性にいち早く注目し、導入の意義や効果をただすとともに、全戸導入に向けた取組の評価などについて積極的に提言をしてきました。また、今年秋には、スマートメーターの運用開始と同時に、水道局での手続や料金の支払いなどを一元的に取り扱うスマートフォンアプリもリリースされる予定であります。
そこでまず、スマートメーターの導入とスマートフォンアプリを活用することで、より一層の都民サービスにつなげていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
○金子サービス推進部長 当局では、令和六年度までに約十三万個のスマートメーターを先行導入することとしており、四年四月から設置を始め、十月から自動検針の運用を開始いたします。
これにより、各家庭における水道の使用状況は、これまでの二か月に一回から、一時間ごとに把握できるようになり、きめ細かな情報提供が可能となります。
また、四年十月には、各種手続や料金の支払い、情報閲覧等が可能となるスマートフォンアプリの導入を予定しており、スマートメーターと連携することで、長時間の水の不使用や漏水の疑い等を通知することができます。
こうしたデジタル技術の活用により、お客様サービスのより一層の向上を進めてまいります。
○保坂委員 スマートメーターについては、令和四年十月から自動検針の運用を開始するということで、水道局の着実な取組に期待をしております。
一方、アプリについても四年十月に導入を予定しておりまして、水道使用量の照会や各種手続のほか様々な機能があり、スマートメーターとの連携によるお客様へのサービスの向上が期待できます。
しかし、水道局では、既に使用水量の確認などが行える東京水道マイネットを運用しております。類似したこのシステムを同時に動かすということは、費用面やセキュリティ面からも大変非効率ではないかと懸念しております。
そこで、これまでの東京水道マイネットに対する局の評価と今後について伺います。
○金子サービス推進部長 当局では、平成二十七年一月から、インターネットで使用水量等の情報を閲覧できるほか、クレジットカード払いのお申込み等が可能な東京水道マイネットの運用を開始しております。しかし、本人確認のため、パスワードを郵送によりお知らせしていることから、利用申込みから登録まで一週間程度を要するなど、利便性に課題があります。また、利用登録が令和四年二月末現在で約三十五万件と、給水件数全体の約四%にとどまっております。
このため、現在、利用登録がオンラインで行えるスマートフォンアプリを開発しており、このアプリの運用開始に合わせ、東京水道マイネットはサービスを停止する予定でございます。
○保坂委員 つまり、このアプリはマイネットの後継ということになるのだということを今確認できました。
アプリの運用に当たっては、ユーザー目線のサービスで多くの都民に使ってもらうため、効果的に広報を行っていくことが重要であると考えます。
そこで、アプリ登録、目標となる百万人に向けて、周知方法、利用者へのインセンティブなど積極的に行っていくべきと考えますが、見解を伺います。
○金子サービス推進部長 アプリを多くのお客様に利用していただくためには、アプリの利便性を多くの方に知っていただけるよう、効果的な広報など、様々な利用促進策を行うことが重要でございます。
このため、スマートメーター設置時や使用開始時のお知らせ、定期検針時のビラの全戸配布、ホームページやツイッター等の既存の広報媒体を利用するほか、あらゆる機会を捉え、広告代理店等の専門的な知見も活用しながら、お客様の利用を喚起する取組を幅広く検討してまいります。
○保坂委員 水道の使用量や料金の確認など、自身の様々な情報が閲覧できることは、都民サービスの向上につながる一方で、なりすましなど個人情報を引き出して悪用されるおそれもあり、高いセキュリティ対策が必要と考えます。
そこで、システムの情報管理体制について伺っておきます。
○金子サービス推進部長 現在開発しているスマートフォンアプリは、クラウドでの運用を予定しております。使用するクラウドサービスは、ISO・IEC27017などの情報セキュリティ規格を取得しているものを選定するなど、情報管理体制には万全を期することとしております。
また、第三者によるなりすましなどを防止するため、システムの利用開始時には、電話番号とメールアドレスを活用した二要素認証を採用しており、登録時のセキュリティも確保する予定でございます。
○保坂委員 情報の管理、これを、万全を期するということを今確認ができました。しかし、このような高いセキュリティシステムを有するシステムを構築するに当たっては、多額の開発費がかかるのではないかと推察をいたします。
そこで、アプリの開発費や契約期間、運用経費など、こうしたコストの考え方について見解を伺います。
○金子サービス推進部長 令和三年度は、アプリの設計を発注し、契約金額は二千五百三十万円でございます。
四年度は、この設計に基づき、必要なプログラムの開発を含む環境の構築とその後の運用を一括して発注し、その費用を運用期間中にサービス利用料として支払う契約を複数年契約で締結する予定でございます。
○保坂委員 複数年の契約を予定されているということですが、システムの運用に当たって、特定の事業者を利用し続けなければならない、いわゆるベンダーロックインの発生については、我が会派もかねてから、村松委員をはじめとして、こうしたシステム運用におけるベンダーロックインを懸念し、質疑を繰り返してきました。
そこで、ベンダーロックインを防止するため、具体的にどのような対策を講じるのか伺います。
○金子サービス推進部長 アプリの運用に当たり、特定の事業者を利用し続けなければならない状態を防ぐことは重要な課題でございます。
このため、アプリの設計図書は当局が所有しており、今期の契約終了後の次期の発注は、所有する設計図書に基づいて、透明性、公平性を確保し行う予定でございます。
加えて、今回も含め、契約書類には、システムに保存されているデータに係る権利が当局に帰属することや、契約期間終了時に事業者が変わる場合には、新たなサービス提供主体に対して円滑な業務移行のための引継ぎを行うことを規定する予定でございます。
○保坂委員 様々な対策を講じられていることが分かりました。ほかの自治体の中には、ホームページなどの媒体に民間企業の広告を表示するなど、そういった収入を得ているところもあります。目標となる登録ユーザー百万人に対する広告収入の潜在性は大変魅力的ではないでしょうか。
そこで、アプリ広告も積極的に展開して収入を確保していくべきではないでしょうか。考えを伺います。
○金子サービス推進部長 アプリの導入に当たりましては、信頼性確保と利便性向上により、多くの利用者を獲得することが重要でございます。
アプリに表示する広告の主体や内容を完全に保証することは技術的に困難であり、また、画面に一方的に情報を配信することから、操作の妨げになる可能性もございます。
これらのリスクと費用対効果を考慮し、当面、アプリの広告表示による広告収入の確保は考えておりません。
○保坂委員 当然、ユーザーの利便性が最優先であります。広告がアプリサービスを妨げることがあってはならないということは理解、認識をしています。ただ、日進月歩でアプリ内での広告手法も進化しており、利用者が増えてきたときに広告収入で利益をしっかりと得ていくことは、独立採算制を原則とする公営企業の経営にとっても、将来的に、ユーザーの負担軽減にもつながっていくものと考えております。
水道局の、かねてから進めている不断の経営努力として、様々な広告の可能性を検討していただきたいと求めておきます。
さて、アプリを安定的に運用していくには、政策連携団体である東京水道株式会社との連携も不可欠であります。
そこで、東京水道株式会社との情報共有などの連携も必要と考えますが、お考えを伺います。
○金子サービス推進部長 当局の政策連携団体であり、東京水道グループの一員として一部の営業所やお客様センター等の運営を担う東京水道株式会社と連携して事業を実施することは重要でございます。
今回開発するスマートフォンアプリは、当局の水道料金ネットワークシステムと連携を行う仕様となっており、システムの開発主体でもある同社と設計段階から密に連携しております。
また、アプリの運用開始後は、お客様からいただいた意見などを同社と共有し、安定的な運用とサービスの向上に努めてまいります。
○保坂委員 東京水道株式会社ともしっかりと連携をしていくことが確認できました。
情報共有といいますと、水道局からの災害時の情報発信だけではなく、利用者からの、例えば水道管の破裂などの情報を提供していただくことで、局も迅速に対応できるのではないかと考えてもいます。
今回のアプリサービスでは、双方向コミュニケーションの機能は含まれていないということでしたが、水道サービスを効率よく維持していくためにも、将来的にこうした機能についても検討いただきたいと要望しておきます。
また、昨年の事務事業質疑で多言語化を実現していくという答弁をいただいております。
そこで、現在の外国語対応の準備状況についても伺っておきます。
○金子サービス推進部長 外国語対応につきましては、当面、英語での対応を予定しております。
現在、引っ越しなどが集中する令和五年三月までの運用開始を目途に、事業者と仕様を調整してございます。
○保坂委員 ぜひよろしくお願いします。
次に、工業用水道、この事業の廃止について伺います。
工業用水道事業は、平成三十年第三回定例会において廃止が決定され、水道局は、令和四年度末の事業廃止に向け、工業用水道利用者の上水道への切替えを進めております。このことについては、先日の委員会の事前説明において、着実に取組を進めることで、予定どおり切替えを完了させるという報告をいただいております。
そのため、私からは、これまで会派として取り上げてきました廃止経費及びその縮減について質問していきたいと思います。
初めに、確認のため、廃止経費及びその縮減に向けた基本的な局の考え方について伺います。
○尾関企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長工業用水道事業調整担当部長兼務 工業用水道事業の廃止に伴う経費には、上水道料金との差額補填や上水道への切替え工事、また、受水タンクや水の循環、冷却設備などの設置といった利用者の支援を行うための経費や、不要となります工業用水道配水管等を撤去するための経費などがございます。
この経費を縮減するため、配水管などの撤去に当たっては、できる限り効率的な施工に努めることとしております。
また、水道事業において有効に活用できる浄水場用地や施設、配水管等につきましては、水道事業会計に有償所管替えするとともに、その他の用地等についても、民間などに売却し、廃止経費に充当いたします。
○保坂委員 利用者への料金差額補填など、利用者支援の取組については、個々の利用者の状況に応じて適切に対応していくべきものと考えていますが、私が特に注目しますのは、工業用水道の資産を最大限有効に活用する取組についてであります。
工業用水道事業で水道事業において有効に活用できる浄水場用地や施設、配水管などについては、水道事業会計に有償で移管するとともに、その他の資産についても、できる限り民間などに売却をしていき、廃止経費に充当していくとのことであります。
そこで、令和四年度工業用水道事業会計予算では、資産の有効活用によって得られる収入をどう見込んでいるのか、また、令和五年度以降も資産の有効活用による収入を見込んでいるのか伺います。
○尾関企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長工業用水道事業調整担当部長兼務 令和四年度予算では、資産の有効活用によって、約百七十一億円の収入が得られるものと見込んでおります。その主な内容といたしましては、三園浄水場の土地建物、機械及び装置など、水道事業においても利用できる資産を水道事業会計へ有償所管替えするものでございます。
また、二年度に引き続き、残る旧南千住浄水場の用地を荒川区に売却することとしております。
五年度以降につきましては、主に上水道配水管として転用できる工業用水道配水管などを水道事業会計へ有償所管替えすることとしており、転用の可否を詳細に検討した上で転用撤去計画を策定し、予算に反映してまいります。
また、水管橋の橋脚用地など支障物のある用地につきましても、五年度以降の民間等への売却を検討してまいります。
○保坂委員 廃止経費の縮減に向けて、資産の有効活用に取り組んでいかれることは分かりました。引き続き、民間などへ売却する資産も含めて、最大限の資産の有効活用を図りまして、廃止経費の縮減に努めていただくよう求めておきます。
また、配水管などの資産については、配水管の転用、撤去計画が策定された後、移管を行う予定とのことであります。その転用、撤去計画については、以前、令和元年度決算特別委員会で質疑を行った際に、検討項目が多岐にわたることから、令和四年度までに計画を策定するとの答弁を受けており、布設されている管路の延長が大きいことからも、策定に時間を要するのだということは分かります。
我が会派は、配水管の撤去には多額の費用を要することが見込まれ、この動向が廃止経費の総額を左右することになるということをこれまでも指摘をしてきました。
そこで、撤去計画については令和四年度中に策定する予定という報告を事前説明でもいただいておりますが、現在の検討状況について伺います。
○藤村給水部長 工業用水道配水管の転用、撤去計画の策定に当たっては、まず、上水道の配水管のネットワークの現状や課題、整備方針等と照らし合わせて、技術的な検討を行った上で、転用の可否を判断します。その上で、転用や撤去の工事に必要となる道路管理者など関係機関との調整を事前に行い、計画を策定することとしております。
計画策定に当たり、令和二年度には、工業用水道管路の利活用に関する調査検討委託を実施し、技術的な見地から検討を行いました。
三年度は、委託結果等を踏まえて、転用、撤去を行う路線を選定し、スケジュールや施工方法、年間の事業量などについて道路管理者等と調整を行ってきました。
四年度は、必要な費用も含め、関係機関との調整を行い、五年度の予算編成に合わせて転用、撤去計画を策定し、この計画に基づき、順次配水管の撤去等を行っていく予定でございます。
○保坂委員 工業用水道の撤去については、現在準備中ということであり、引き続き検討を進めていただき、令和五年度からの実施に向けて、予算編成に合わせて計画をしていくとのことでありました。利用者の上水道への切替えを完了した上で、令和四年度末に工業用水道事業を確実に廃止することはもちろんですが、財源の確保とコスト縮減に努めて、転用、撤去計画を策定し、今後、配水管の撤去を着実に進めていかれることを要望しておきます。
以上、水道局の財政運営から、経営努力、水道サポーター制度、総合アプリ、工業用水道事業に至るまで、令和四年度における水道局の取組について、幅広く確認をさせていただくことができました。
最後に、令和四年度の事業運営に向けました浜水道局長の決意を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。
○浜水道局長 当局は、東京水道経営プラン二〇二一に基づき事業を運営しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響や自然災害の頻発など、事業を取り巻く環境は常に変化しております。
そうした中、令和四年度には、デジタル技術を活用し、お客様サービスの向上や業務の効率化を図るため、スマートメーターやスマートフォンアプリを導入する予定でございます。これによって、水道事業のサービスや業務の在り方そのものが大きく変化してまいります。
また、工業用水道事業は、廃止が決定して以降、利用者支援や上水道への切替えを着実に進めており、四年度末をもって昭和三十九年から続く歴史に幕を下ろすこととなります。
まさに四年度は、当局事業にとって大きな転換点と位置づけられますが、今後とも、新たな課題に対応しながら、最も重要な基幹ライフラインとして、都民生活と首都東京の都市活動を支える役割を担っていかなければなりません。
引き続き、都民の皆様から両事業を負託された公営企業管理者として、職員共々総力を挙げて、課せられた使命を果たしてまいります。
○かつまた委員 私からは、東京都水道局の災害対応や危機管理に関連して質問をいたします。
まず、重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化について質問をいたします。
水道局では、いつ起こってもおかしくない首都直下型地震に備え、断水被害を効果的に軽減するため、重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化を推進しております。重要施設とは、首都中枢機関や救急医療機関をはじめ、帰宅困難者が集中する主要なターミナル駅、被災者の生活する避難所等の施設であります。
令和三年三月に策定された東京水道施設整備マスタープランにおいて、この重要施設への供給ルートを令和四年度までに完了させるとしております。
そこで、重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化について、現在の進捗状況と令和四年度の取組について見解を求めます。
○藤村給水部長 避難所や主要な駅などの重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化の整備計画延長は、全体で約千五百四十八キロメートルです。
このうち、令和三年度末までに約千四百六十四キロメートル、全体延長の約九五%の整備が完了する見込みです。
計画最終年度である令和四年度は、残る約五%、約八十四キロメートルの整備を行う予定でございます。
○かつまた委員 現在の進捗状況について理解をいたしました。
令和四年度は、この事業の総仕上げの年であります。今のご答弁にあるように、この事業が順調に推移していることと思いますが、令和四年度の整備に当たり、課題はないのか、また、あるとすればどういったものか、見解を求めます。
○藤村給水部長 令和四年度の工事予定箇所には、道路管理者が道路整備事業を実施していることや、他のライフライン事業者が先行して工事を行っていることなどから、当局の施工時期が限定される箇所が含まれています。
また、他のライフラインがふくそうして埋設されており、管路工事が困難なため、重要施設への供給ルートの見直しによって再設計や関係機関との再協議などが必要となった箇所もあります。
このような現場の工事を令和四年度内に完了させるためには、限られた期間の中で、これまで以上に効率的かつ実効性のある取組が必要であると考えております。
○かつまた委員 配水管耐震継ぎ手化事業の中でも、とりわけ重要施設への供給ルートの確保は、震災時において首都機能を維持するために必要不可欠であります。
道路管理者を含めた関係者との調整が工事進捗に影響を及ぼしていることは理解をしておりますが、防災力の強化という観点からも、関係者へさらに強いアプローチを行い、令和四年度中の完了を確実なものとしてもらいたいと考えます。
そこで、来年度中の事業完了に向けて、こうした課題に対する局の取組について見解を求めます。
○藤村給水部長 来年度中の事業の完了に向けては、施工時期が限定される中で確実に工事が完成するよう、年間の発注スケジュールを十分調整し、早期着手に向けて、今年度中から既に準備を始めています。
また、道路管理者や他のライフライン事業者などとの施工協議に当たっては、協議先の責任者とも直接調整を行うなど、これまで以上に組織を挙げて取り組んでいます。
さらに、今後の協議が一層円滑に進むよう、防災担当部署を通じて本事業の重要性について認識を共有した上で、関係機関へ協力を求めていきます。
こうした方策により、本事業の計画最終年度である令和四年度の完了に向け、着実に取り組んでまいります。
○かつまた委員 震災はいつ起こるか分かりません。令和四年度完了目標施設の供給ルート耐震継ぎ手化を着実に進めることを強く要望いたします。
また、水道局は、配水管耐震継ぎ手化事業以外にも、避難所の給水管の耐震化や、避難所内で応急給水が可能となる施設の設置を進め、災害時への備えを推進してまいりました。
昨年十月に都内で発生をいたしました震度五強の地震の際に、水道管等に被害がなかったのも、水道局のこれまでの取組が効果を発揮したものと評価をいたします。
その地震の際の対応については、さきの事務事業質疑において、我が会派から質問を行い、局長からは、引き続き災害への備えに万全を期すとの答弁をいただいております。しかし、実践に勝る経験はなしといわれるように、今回の地震への対応を検証し、今後の災害対策に生かしていくことが、危機対応力の向上には欠かせないと考えます。
地震発生から五か月がたち、この間、当時の対応について振り返りを行ったことと思います。
そこでまず、今回の地震発生時の対応からどのような課題が明らかになったのか、見解を求めます。
○石井総務部長 昨年十月七日の夜間に発生した地震では、都内二十三か所で発生した漏水については早期に解消することができました。ただ、初動対応については反省すべき点も見られたことから、各所属で振り返りのための調査を実施しております。
その結果、まず、夜間、休日に発災した際に、参集基準について、必ずしも全職員が十分に認識できていないことが判明をいたしました。
また、一部の職員について、所属以外の指定された場所で業務支援を行うということをあらかじめ定めておりますが、そうした他の所属からの参集者に対して、夜間、休日における施設への入館方法が十分に周知されておらず、入館に時間を要したという報告も受けております。
さらに、発災直後から被害状況等の情報収集を行い、都民への第一報を発信するまでのタイムスケジュールが定まっていなかったため、対応に遅れが生じております。
これらのように、今回の地震の対応において、新たな課題も明らかになっております。
○かつまた委員 今回の地震を踏まえ、新たな課題も顕在化したとのことですが、既に対応策等の検討も進めていることと思います。
そこで、今回の地震から得た教訓を今後どのように活用していくのか、見解を求めます。
○石井総務部長 参集基準につきましては、これまで、各職員の参集基準を記載した紙製の防災カードを職員に配布してきましたが、これに加え、スマートフォン等で携帯できるデジタル版防災カードを新たに作成し、参集基準を、より身近ですぐに確認できることとしました。
また、他の所属からの参集者を受け入れる施設においては、今後も繰り返し入館方法を参集者に周知するとともに、訓練の際に現地での確認を徹底いたします。
さらに、発災初期の情報収集が困難な状況にあっても、都民への第一報を迅速に行うためのタイムスケジュールを定め、初動要員が確実に対応できるよう共有いたしました。
これらの改善策につきましては、当局の災害対応の基本方針となる震災等応急対策計画や、各部署での行動マニュアルに反映させ、職員に周知をするとともに、定期的に行う訓練で繰り返し実施し、習熟度を高めてまいります。
○かつまた委員 実際の災害対応の経験を踏まえ、課題を洗い出し、その改善策を災害対応の基本方針等に反映することを確認いたしました。今回得られた教訓を生かし、ライフライン事業者としての危機対応力の強化に努めていただきたいと思います。
また、先日の地震では、配水管等の被害はなかったものの、空気弁等の不具合が原因で漏水が発生し、路面に水があふれる中、作業服を着た職員が水のたまったマンホールに飛び込み、復旧作業に当たる様子が報道をされておりました。季節は秋で、既に気温も低くなりつつある中、ためらいもなく水に飛び込む姿を見て、非常に頼もしく思ったのは私だけではないはずであります。
水道局は現在、水道局と政策連携団体である東京水道株式会社が連携して水道事業を担うグループ経営を推進しており、その中で、現場業務を、順次東京水道株式会社へ移転していくこととしております。報道された職員は、水道局の職員ということですが、災害時の対応をはじめ、業務に対する気概や技術等も確実に東京水道株式会社へ受け継がれることが重要であると申し上げておきます。
次に、グループ経営について質問をいたします。
昨年の事務事業質疑では、水道法改正を受け、東京都水道局において民営化やコンセッション方式の導入を検討しているのかとの質問に対し、水道局からは、官民連携の手法については幅広く比較した上で、引き続きグループ経営を推進していくとの答弁がありました。
そこで、水道局は、グループ経営を今後どのように推進していくのか、改めて見解を求めます。
○鈴木経営改革推進担当部長 当局では、定型業務をはじめ、民間に委ねられる業務は可能な限り民間事業者に委託するとともに、公共性と効率性を両立させながら、将来にわたり責任を持って事業運営を行うため、基幹的業務を水道局と政策連携団体が担う一体的事業運営体制を構築してまいりました。
現在は、東京水道グループという、いわば一つの事業体として、統一的な経営戦略の下、相互に強みを発揮し、有機的な連携を図りながらグループ経営を推進しております。
今後も、広域水道としての一体性と責任を確保しつつ、効率的な運営体制を構築するため、これまでの取組を継続して実施するとともに、グループ内のガバナンスやコンプライアンス、人材育成などを強化することで、東京水道グループとして、都民にとって最も重要な基幹ライフラインを担っているという使命を強く自覚し、グループ経営を推進してまいります。
○かつまた委員 水道局が進めるグループ経営は、水道事業における基幹的業務を水道局と政策連携団体とで担っていくための役割分担に関する仕組みであると理解をいたしました。
都の水道事業を取り巻く環境が変化していく中で、東京水道グループに求められる役割を確実に果たしていくためにも、その仕組みをより効果的に機能させ、グループとしての総合力を強化していくことが重要であります。
グループとしての総合力を強化していくため水道局が実施している取組について見解を求めます。
○鈴木経営改革推進担当部長 当局及び政策連携団体である東京水道株式会社では、グループのガバナンスを強化するため、局長と同社の社長等で構成するグループ経営戦略会議を開催し、同社の経営に係る計画の策定や進捗状況等、的確な経営判断に必要な協議を行っております。
また、コンプライアンスの取組状況を共有し一層の推進を図るため、グループのコンプライアンス推進会議を定期的に開催し、意見交換を行っております。
さらに、次代を担う人材を計画的に育成するため、当局と同社が共同で策定した東京水道グループ人材育成方針の下で、組織的にOJTを進めるための体制構築や共同研修の実施などに連携して取り組んでおります。
○かつまた委員 グループ内の連携強化に向けて両者が取り組んでいる内容については、よく理解をいたしました。しかし、組織のつながりは、そこで働く職員や社員一人一人のつながりがあってこそ機能してくるものと考えております。
グループが一体となって取組を進める以上は、同じ目標に向けて事業を推進していくことが重要であります。そのためには、お互いの意見を真摯に受け止めながら、相互理解を深める必要があると考えます。
水道局の職員と東京水道株式会社の社員が相互理解を深めるために行っている取組について見解を求めます。
○鈴木経営改革推進担当部長 当局と東京水道株式会社では、当局職員と同社社員がお互いに尊重し、連携してよい仕事をする意識を一層高めていくため、共同研修の内容を充実するほか、日常業務における打合せや情報共有をこれまで以上に意識的に実施しております。
これに加え、当局と同社が対等なパートナーとして協働することで一体感の醸成を図るプロジェクトである、共にプロジェクトを昨年八月から開始しております。
同プロジェクトでは、お互いの業務がよりよくなるアイデアを職員及び社員から募集するアイデアボックスを設置しまして、業務の改善等に活用するとともに、東京水道の日を記念したキャンペーンを共同で企画するなど、共にを意識できる取組を進めております。
こうした取組を通じまして、各職層や各職場においてコミュニケーションを活性化させ、相互理解を深めてまいります。
○かつまた委員 グループ経営の考え方、さらなる発展に向けての取組について確認ができました。
水道は、都民生活に密着し、欠かすことができません。東京水道グループは、安定供給を確保し続ける責務を担っております。平時はもとより、災害発生時においても、常にそれを忘れることなく、グループを挙げて責務を全うしていただきたいことを強く要望いたします。
最後に、危機対応力の強化やグループ経営の推進をはじめとした水道局の事業運営に向けた局長の決意について伺います。
○浜水道局長 水道は、都民生活と首都東京の都市活動にひとときも欠かすことのできない極めて重要なライフラインでありまして、どんなときでも安定的に水道水を供給し続けなければなりません。
また、東京水道株式会社と合わせて、東京水道グループ全体で五千六百人を超える職員、社員が、日頃から安定給水の確保に向け職務に取り組んでおりますが、この体制を強固なものにすることで、災害発生時にも力を発揮することができます。
そのためには、先ほど答弁申し上げました共にプロジェクトを着実に推進して連携を強化していくことが重要でございまして、その立ち上げに関しては、私からグループ全体にメッセージを発信し、折に触れて、その信念の浸透に努めてまいりました。
令和四年度におきましても、引き続きこの取組を推し進め、これまで以上にグループ内の一体感を醸成することでグループの総合力を一層高めてまいります。
○かつまた委員 今ご答弁をいただきましたその決意の下、東京水道グループが一体となり、目標に向かって邁進されることを大いに期待し、質問を終わります。ありがとうございました。
○こいそ委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩といたします。
午後二時四十八分休憩
午後三時五分開議
○こいそ委員長 休憩前に引き続きまして委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。資料のご提出をありがとうございます。
まず初めに、水道料金の支払い猶予について伺います。
長引くコロナ禍で、都民の暮らしは依然として厳しい状況が続いています。厚生労働省が三月二日に公表した統計によると、二〇二一年の生活保護申請は全国で二十三万五千六十三件となり、二〇年と比べて約五%増え、新型コロナウイルスの感染拡大から二年続けて前年を上回っているという状況です。
こうした中で、水道局では、水道料金の支払いに対して一年間の猶予期間を設ける取組を行い、我が党が繰り返し延長も求めてきた中で現在も猶予の措置が続いています。
この水道料金の支払い猶予について、これまでの申請件数と支払いが完済した件数、まだ支払いが終わっていない件数について伺います。
○金子サービス推進部長 支払い猶予の受付開始以降、令和四年一月末までに支払い猶予を受け付けた二万四千五百六十二件のうち、令和四年一月末時点で完済された件数は二万三百四十九件、支払いが終わっていない件数は四千二百十三件となってございます。
○斉藤委員 今までに二万五千件近い申請があったということは、それだけ必要とされている措置だということだと思います。四千件以上が支払いはまだこれからだということですが、支払いが難しい方には丁寧に寄り添った対応をしていただきたいと思います。
猶予の受付は三月末までとなっていましたが、蔓延防止の措置も再度延長される中、都民の暮らしは依然として厳しい状況です。水道料金の支払い猶予の措置を延長し、長く続ける必要があると思いますが、いかがですか。
○金子サービス推進部長 支払い猶予につきましては、令和四年四月以降も引き続き受付期間を延長することとしてございます。
○斉藤委員 延長を決めたということはよかったというふうに思います。まさに、これから期間も検討して、今月内にプレス発表を行うということも伺いましたけれども、できるだけ長く支援をしていただきたいというふうに思います。
また、同時に、今の厳しい経済状況の中では、一年間猶予された料金を後でまとめて支払うということも本当に大変なことだと思います。これも大山都議、そして私も繰り返し求めてきましたが、支払いに苦しむ都民に対しては、支払いの減免こそ求められています。
私は、決算の質疑のときにも減免を行った自治体の例を紹介しましたが、全水道の調べでは、全国で百七十以上の自治体で、これまでに水道料金の減免を行っています。少しでも都民の負担を軽減するためにも、減免措置について検討するように重ねて求めるものです。
次に、水道料金の支払いを滞納した場合の給水停止までのサイクルについて伺います。
これまで、ガスや電気が止まっても、水道は命に直結するものとして、最後まで止められずに給水されるということが一般的にも認識されてきたと思います。ところが、水道局では、この給水停止までのサイクルを、ガスや電気と同様のサイクルで止めようと検討していたということがあり、昨年の事務事業質疑で取り上げました。
コロナ禍でその実施は見送られていると聞いていますが、その検討は今どのようになっているのでしょうか。
○金子サービス推進部長 給水停止までの期間を早める検討はしておりません。
○斉藤委員 検討はしていないということで、よかったというふうに思います。
給水停止までのサイクルの短縮は、様々な事情によって困窮する方々にとって重大な影響をもたらすものだと思います。都民に見えないような形で進めていくようなことは許されません。コロナで大変な経済状況が続いている今はもちろん、その後も短縮を行うようなことはしないように強く求めます。
次に、検針業務について伺います。
都の水道事業は、いうまでもなく利用者である都民の皆さんからの料金収入から成り立っている事業です。その料金徴収業務を行う検針員は、都内で約一千五百人ほどいて、この方々の日々の仕事によって収入が支えられているものだと思います。
まず、基本的な水道局の認識から伺いますが、検針業務は、都民の水道料金から成り立つ水道事業にとって、その根幹を支える大切な業務だと考えますが、いかがですか。
○金子サービス推進部長 水道事業は、お客様からの水道料金を基に独立採算で運営しており、料金算定の基礎である使用水量の計量を行う検針業務は、適正な料金を算定する上で重要な業務でございます。
○斉藤委員 重要な業務だという認識を示していただきました。
しかし、この水道事業の根幹の一つを担う検針員の方々の労働環境は苛酷で、その改善に向けて、我が党は繰り返し要望をしてきました。
二〇一八年三月の予算議会の中で、水道局は、委託業者について、話合いの場も定期的に設けて密接に連絡を取っているところだという答弁が私の質疑に対してありました。
話合いはどれくらいの頻度で行っているのでしょうか。また、どんな内容が話合いに出てきているか教えてください。
○金子サービス推進部長 当局は、検針受託事業者と検針業務全般に関わる話合いの場を四半期に一回程度設けてございます。
これまで、この場では、検針受託事業者から、業務に必要な端末の増設や事務手続の簡素化等の要望を聞くとともに、当局から、交通安全や感染症対策等の注意喚起を行ってまいりました。
○斉藤委員 ご答弁のとおり、端末の増設や改良、事務手続の簡素化など様々な要望が寄せられていて、都としてもその認識はあるということだと思います。
その中で一つ、悪天候のときの対応についても繰り返し要望が届けられています。
以前にも取り上げましたが、水道の検針には決まった日付で検針をする定例日、基準日ということもあるようですけれども、その定例日というのが決まっていて、請求額が変動しないようにするために、その定例日から外れて検針をすることは極力避けなければならないようになっています。検針が定例日からずれると、その分を通常の分と一緒に一日何百件と検針しなければならないことや、ハンディーターミナルへの入力も一件一件手動で行わなくてはならないために、大変な労力になっているということを以前にも取り上げています。
そのため、どんな悪天候の日でも、警報が出ているような日でも、検針に出ていかざるを得ないという実態があります。大雪で電車が止まっているようなときでも、集中豪雨で道路が冠水しているようなときでも、じゃぶじゃぶと水の中を歩いて検針に回ったという例について以前も取り上げさせていただきました。
こうしたことから、二〇一九年十月の台風十九号のときには、台風上陸が予想される中、日本共産党都議団として、検針員の方々の安全確保に関する申入れを行い、水道局から、委託業者に検針の中止の通知を出すなど、検針業務を行わなくても済む対応を取ることなどを求めました。これを受けて、水道局では、委託業者に、台風当日に検針を行わなくてもよいという旨を連絡したというふうに聞いています。
確認しますけれども、水道局は、悪天候のときには検針業務をその日に行わせず、検針員の安全確保を行う立場だという認識でよいか伺います。
○金子サービス推進部長 検針業務委託の処理要領では、天候不順等の際には、検針受託事業者の申出により、当局と協議の上、検針日の変更を行うことができるとしております。
令和元年十月に発生した台風十九号の際には、検針員の安全が懸念される状況だったため、申出を待たずに各検針受託事業者に意見を確認し、台風通過後、検針員の安全が確保できるまで現場出張を不可とする旨の通知を行いました。
○斉藤委員 台風十九号のときには、事業者さんの申出を待たずに連絡をしたということです。検針員さんたちの命の安全を考えれば当然のことだと思いますけれども、都の方から連絡をしたということは重要なことだと思います。しかし、その後は徹底されているのかということも疑問に感じます。
私たちは、当時の申入れで、今後も悪天候が予想されたり警報が出ている場合には同様の対応を取ることと求めましたが、しかし、今年一月六日の大雪の際には、そうした連絡が検針員には届かず検針に出ざるを得なかった、こういう方が転んで腕を骨折するということがあったそうです。
先ほどのご答弁では、検針業務委託契約の処理要領で、天候不順等の際には、検針受託事業者の申出により、当局と協議の上、検針日の変更を行うことができるというご答弁でしたけれども、そもそも委託を受けている事業者側から申出はしにくいという声も届いています。台風十九号のときのように、大雪の際にも、今後は、都から事業者に連絡を行い、検針員まで周知ができるようにしていただくということを求めます。
さらに、定例日でなければハンディーターミナルへの入力が全て手入力になってしまうということも、検針員さんたちが休日を取りにくい大きな要因になっています。今後、ハンディーターミナルの更新も予定されているというふうに伺いました。検針員や事業者からも要望をよく聞いてシステム改善につなげるように求めます。
もう一つ、オートロックのマンションになかなか入れずに検針ができないということも、検針員さんたちの大きな負担になっています。事前にお話を伺ったところ、そうしたケースがあった場合には、水道局で個別に不動産会社や管理会社への橋渡しを行っているということでした。ただ、全体的には周知がされていなくて現場では苦労が続いています。
都の方から、改めて事業者に聞き取りを行うなどして、オートロックで入ることができない場所を把握して、都として、検針員の入館を可能にする手だてを取っていただくことを要望いたします。
次に、検針業務の委託単価について伺います。
二〇二〇年度から、契約は、検針だけでなく中止の精算や徴収整理業務等を含めて発注しているというふうに伺いました。それらを含めた給水件数一件当たりの徴収事務委託単価について、区部と多摩、それぞれ過去五年分教えてください。
○金子サービス推進部長 定期検針、中止精算、徴収整理業務等に関する徴収事務委託の委託料を給水件数で単純に割り返しますと、給水件数一件当たり、区部では、平成二十八年度が一千三十三・五円、二十九年度が一千二十五・七円、三十年度が一千十七・九円、令和元年度が一千十五・二円、二年度は一千十六・五円となってございます。
また、委託内容に徴収整理業務を含まない多摩地区では、平成二十八年度が九百十七・九円、二十九年度が九百五十五・三円、三十年度が九百三十二・五円、令和元年度が九百三十三・六円、二年度は九百四十三・一円となってございます。
○斉藤委員 ありがとうございます。資料でも出していただきましたこの八ページ目が、委託の単価になるわけですけれども、区部では二〇一六年度から二〇二〇年度までで比較をすると七円下がっているということです。多摩でも二〇一七年に上がったものの、それからは十二円単価が下がっています。一般競争入札で委託業者の選定が行われていますが、そもそも検針業務は人件費がほとんどです。検針員の方々は、長年働き経験を重ねる中で業務の効率化にも貢献してきましたが、収入が上がっていかないというのが現状です。
さらに、五年ごとの契約で委託先が変わるので、仕事を続けようとすれば、契約を取った会社に移るという選択をせざるを得ないということもあります。会社が変わればお給料も有給休暇も振出しに戻ってしまう、こういう状況です。委託のほとんどが人件費なんだということに鑑みて、安ければいいということではなくて、徴収事務委託単価の引下げにならないような配慮を行っていただきたいというふうに思います。
次に、スマートメーターの導入との関係で伺います。
昨年四月に策定された水道スマートメータトライアルプロジェクト推進プランには、新年度二〇二二年度から二〇二四年度の三年間で約十三万個のスマートメーターを先行導入するということが示されています。
このスマートメーターの導入によって、検針業務の委託の縮小はあるのか、予定されているなら、その時期について伺います。
○金子サービス推進部長 令和四年十月以降、スマートメーターによる検針を開始いたしますと、現地でのメーター指針の確認業務は順次不要となります。
○斉藤委員 今年の十月以降に、現地での検針業務が順次不要になっていくということです。
検針業務の委託契約は、これまで五年契約で行われていますが、現在は何年契約になっていますか。
○金子サービス推進部長 令和四年度から履行を開始する総合評価指名競争入札による徴収事務委託契約は、履行期間を六年度までの三か年としてございます。
○斉藤委員 新年度から履行を開始する契約では、三年間の契約になっているということで、短くなっているということです。これは、スマートメーターの導入を今後の三年間で十三万個進めていく計画に伴うものだというふうに聞いています。こうしたことから、現在検針業務を行っている方々からは、仕事がどうなっていくのかという不安の声が届いています。急に仕事がなくなるということが一番困るというふうにいっています。
経営計画には、二〇三〇年代、つまり二〇三九年までに都内全戸にスマートメーターの導入を行うことが示されています。あと十七年ほどの中で、現地での検針業務が縮小になっていくということですが、一方で、スマートメーターからのデータの確認や異常値があった場合の漏水等の現地確認、料金徴収などの業務がなくなるわけではありません。検針員の方々からは、ただ仕事を急になくされていくようなことではなくて、今後の仕事がどう変わっていくのかも含めて情報提供を行ってほしいという切実な声が届いています。
そこで伺いたいんですけれども、こうした検針員さんたち、長年勤めてきたこの方々たちに、今後の仕事がどうなっていくのか、スマートメーターの導入、こうしたものによる影響、こうしたことを丁寧に説明してお話していくという機会を設けていくべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○金子サービス推進部長 当局では、検針受託事業者とは、先ほど申し上げたように、四半期に一回意見交換等、聞く機会を設けてございます。
こういったところで、検針受託事業者からの要望を聞いたり、当局からの周知事項を連絡したり、密接に連絡を取ってございます。
○斉藤委員 毎年行っている話合いの場があるということですけれども、そうした機会を使って、受託事業者だけでなく、今後は、検針員さんたちも対象にするような計画の中身ですとか、仕事がどうなっていくか、こういったことも意見交換ができる、こういう場をつくっていただきたいということを重ねて求めさせていただきます。
先ほど、検針業務は、水道事業において重要な業務だということを、認識を示されました。その認識にふさわしく、大変な業務を担ってきた方々に丁寧に対応していただくということを強く求めます。
スマートメーターについてですが、この情報の取扱いについて心配の声も届いております。
スマートメーターでは、水の使用状況について、毎日そのデータを確認することが可能になるのか、また、データのチェック、つまり検針はどのようなサイクルで行うのか伺います。
○金子サービス推進部長 当局で導入を予定しているスマートメーターは、使用水量を一日一回送信する機能を有してございます。
料金算定のための水量の計量は、現在、東京都給水条例に基づき、一月または二月の期間を定めて行うこととしており、スマートメータトライアルプロジェクトの期間におきましても同様でございます。
○斉藤委員 料金算定のための水量の計量は、条例に基づいてこれまでどおりということですが、しかし、使用水量を毎日見るということが可能だということです。
漏水や使用の停止など、異常の早期発見につながる一方で、不必要な情報まで見ることが可能になってしまうのではないかと、こういう懸念の声が寄せられています。例えば、長期不在にしているなど、家庭の個人情報も見られてしまうという懸念の声があります。
こうしたデータの扱いについてどのように検討しているのか、また、個人情報の保護の担保はどのように行うと考えているのか伺います。
○金子サービス推進部長 当局はこれまでも、検針結果などを含む個人情報のデータは、強固なセキュリティを確保したサーバーに保管しております。
また、これらのデータベースへのアクセスは、業務に関係する職員等に限定しており、アクセス時の認証はもとより、アクセス履歴の管理も厳格に行っております。
スマートメーター導入後におきましても、引き続きこうした取組により個人情報の保護に万全を期してまいります。
○斉藤委員 膨大な個人情報が常時集まるということになっていくので、ご答弁のとおり万全を期していただきたいと思いますが、個人情報の保護について具体的な対策を講じて、悪用や部外への漏えいが起こらないようにしていただくということを求めます。
検針員による検針の際には、水道の使用状況や料金の支払い状況から、安否確認を行ったり、必要な福祉や支援へつなげるということも行ってきて、これは大切な業務だと思います。スマートメーターの導入後もこうした役割は果たしていかないといけないと考えますが、いかがですか。
○金子サービス推進部長 スマートメーターの導入により、定期検針の際に現地訪問は行わなくなりますが、漏水調査や未納料金の催告など、お客様と接する機会は引き続きございます。こうした機会やお客様からの相談に対応する中で、必要があれば、これまでと同様に区市町の福祉部署を案内してまいります。
また、明らかな異変に気づいた場合には、区市町と締結している行政による支援を必要とする者に係る情報の提供に関する協定に基づきまして、引き続き区市町への情報提供を行ってまいります。
今後も、水道事業者としての業務を行っていく中で、可能な限り福祉行政へつなげる取組を行ってまいります。
○斉藤委員 漏水調査や未納料金の催告など、利用者と接する機会の中で、今後とも安否確認や福祉行政へつなげる取組を実施していくということです。ぜひ、こうした役割が後退することがないように取り組んでいただきたいというふうに思います。
次に、玉川上水の緑の保全について伺います。
玉川上水は、ご存じのとおり、江戸時代から導水路として開削された歴史ある水路です。昭和四十年に淀橋浄水場が廃止され通水されなくなると、玉川上水の一部が暗渠化されましたが、地域の人々を中心に、玉川上水の保全と清流復活を求める運動が起こりました。今では、多摩地域から都心につながる緑の憩いの場、また桜の景勝地として、また歴史的価値の高い水路として、地域の方々や訪れる方々に親しまれています。
水道局では、玉川上水の整備活用計画に基づいて、のり面の保護のために樹木の伐採や剪定を行っていますが、昨年十月に、近隣の住民の方々から、貴重な財産である玉川上水の緑を保護、保全するために樹木をむやみに伐採しないことを求める要望書が知事と水道局長宛てに提出されています。
地域住民にとても親しまれ、地域に愛された憩いの場であるだけに、その整備については、地元住民への丁寧な説明やコミュニケーションは欠かせないと思います。
整備事業に当たって、これまでに住民への説明会はどのくらいの頻度で行われてきたのか伺います。
○金子経理部長 当局では、玉川上水沿いの区市を四ブロックに分けて、地域住民への説明を実施しております。説明会は、樹木の剪定や伐採などの作業説明として、毎年度一回開催しております。
令和三年度につきましては、十月に各ブロック一回、延べ四回行いました。
○斉藤委員 毎年一回、今年度は十月に四つのブロックに分けて行っているということですが、住民の方々によると、その説明会のお知らせも気がつきにくいものだったというふうに伺っています。住民や緑の保全のために活動している方々に直接届く分かりやすいお知らせをするように工夫をお願いしたいと思います。
十月七日に行われた住民説明会ですけれども、そこではどのような意見が出たのか伺います。
○金子経理部長 令和三年十月七日に、武蔵野市、西東京市、立川市の住民の方を対象に玉川上水作業説明会を開催いたしました。
本説明会では、のり面保護や伐採の考え方についての質疑や、伐採や草刈りに当たっては市や市民の意見を聞いてほしい、市や都の関係する部署と連携をしてほしいというような意見がございました。
○斉藤委員 市や市民の意見を聞いてほしい、また、市や都の関係する部署と連携をしてほしいという声があったということです。私も住民の方々から伺いましたが、市民とのコミュニケーションの機会をぜひ増やしてほしい、こういう声をいただいています。
また、住民の方々は、景勝復活のための桜の木の保護には異論がないけれど、ケヤキをはじめとする豊かな林や森を壊すような伐採は行わないでほしいと訴えています。
水道局は、こうした住民の声を守った上でこの整備を行うべきですけれども、いかがでしょうか。
○金子経理部長 当局では、玉川上水の整備に当たって、水路、のり面の崩壊防止や倒木による被害防止、樹木の植生管理などのため伐採を実施しております。
名勝区間における山桜並木の保護に当たりましては、桜を覆う樹木の伐採や苗木を植える場所の選定につきまして、地元自治体を通じて地域住民の意見を取り入れております。
今後とも、地元自治体と作業に関する情報を共有するなど、連携を図り、玉川上水の樹木処理作業を丁寧に行ってまいります。
○斉藤委員 玉川上水は、出発点の羽村取水堰から、開削部分は福生、立川、小平、小金井、武蔵野と、そのほかにもありますけれども、多くの市を貫いて流れて、それぞれの地域の特性も大切にされています。
例えば、小金井市では、小金井桜の名勝としての保全、武蔵野市の住民からは、多様性のある緑の保全が求められています。武蔵野市の方々は、大きなケヤキの木も伐採されたということに心を痛めて要望書を持ってこられました。桜を守るための伐採だったということでも、市民とのコミュニケーションがなければ不安になるのは当然だというふうに思います。
住民の方々は、今後の伐採、剪定に当たって、沿岸住民の意見を聞く機会をなるべく多く設けてほしいというふうに求めています。
水道局として、これに応えて丁寧に機会をつくっていくべきですけれども、いかがでしょうか。
○金子経理部長 玉川上水の整備に当たりましては、玉川上水緑の保全事業都・区市連絡協議会などを活用し、地域の方々からの要望について意見交換を行うなど、関係各局や地元自治体と連携し、緑の保全に配慮した植生管理を行うとともに、生物多様性を持った適切な生態系が維持されるよう努めてまいります。
○斉藤委員 生物多様性を持った適切な生態系が維持されるように努力していくということで、重要な視点だと思います。
地域住民の方々からは、樹木の伐採や草刈りの際には、野草にも配慮をしてほしいという声も届いています。多様性を守るためには、樹木の状態や野草の保全など、専門的な視点も必要ではないかと思います。緑や樹木、また、植物の専門家も交えた整備計画をお願いしたいというふうに思います。そして、市民とのコミュニケーションの機会を丁寧につくっていただくことを求めて、最後のテーマに移ります。
経営の在り方についてです。
まず、水道局が水道事業を行うに当たって土台となる根本的な理念、法的根拠について伺います。
公営企業である水道局が行う水道事業は、水道法と、そして、地方公営企業法に基づいて運営をされています。地方公営企業法では、経営の基本原則として、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならないとしています。
本来の目的は、公共の福祉を増進するように運営することであって、経済性の発揮、つまりコスト削減、効率化ばかり追求して本来の目的を損なうようなことがあってはならないと思いますが、水道局の認識を伺います。
○石井総務部長 当局では、水道法及び地方公営企業法、それぞれの法に基づき、公共性と効率性、この両立を図り、東京水道グループの総力を挙げて持続可能な東京水道の実現に取り組んでおります。
○斉藤委員 効率性を追求してグループ経営で努力をしようということは分かっています。今私が聞いたのは、公営企業法に基づけば、本来の目的である公共の福祉を増進するような運営を損なうようなことはあってはならないという基本的な認識についてです。
この点についていかがでしょうか、この認識はありますでしょうか。
○石井総務部長 先ほどご答弁しましたように、公共性、効率性、これは両立をしなきゃならないというふうに考えています。経営努力を行う一方で、なるべく料金というものを上げないで維持していく、それが、ご使用をする方々にとっても、そういった使いやすい水道料金ということになると思いますので、それには、我々としては経営努力というものが必要になりますので、そこを効率性ということで、いろいろ模索をしているところでございます。
○斉藤委員 今行っている事柄についてご答弁いただきましたけれども、認識について聞いただけなんです。この認識を忘れないでほしいということなんです。
それでは、今後の経営計画について伺っていきます。
大事な問題なので、また伺いますけれども、水道局は、経営プラン二〇二一で、営業系業務は今後十年、技術系業務は今後二十年を目途として、水源から蛇口までの全ての現場業務を政策連携団体へ移転するとしています。
今後二十年というのは、具体的に二〇四一年までを目途にしているということなのか、まず伺います。
○鈴木経営改革推進担当部長 当局では、令和三年三月に策定した東京水道経営プラン二〇二一において、二十年を目途として技術系業務を移転することとしております。
○斉藤委員 明確な年限のご答弁がなかったので、大体二十年後だということで、明確に年限を決めているということではないということだと思います。
しかし、二十年後には全ての現場業務が局の直営から離れ、政策連携団体とはいえ株式会社に移していくということは、公が責任を持って行う水道事業の根幹を揺るがす重大な問題だというふうに、まず、指摘をしたいと思います。
政策連携団体である東京水道株式会社の性能発注方式による包括委託を検討しているということですが、契約期間は何年と考えているのか、また、いつから行う予定なのか教えてください。
○鈴木経営改革推進担当部長 性能発注方式による包括委託につきましては、現在検討中でございます。
○斉藤委員 まだ、契約期間や、いつから始めるのかということについては検討中だということですが、検討に係る予算は新年度予算で計上されているんでしょうか。
○鈴木経営改革推進担当部長 性能発注方式による包括委託に係る検討は、局職員が行っておりますが、法律の専門家等による確認や助言を受けるための委託料として、令和四年度予算に約二千百万円を計上しております。
○斉藤委員 法律上の確認や助言を受けるための費用二千百万円を計上しているということです。
この問題について事務事業質疑でも取り上げましたが、性能発注方式とは、受託者に対して一定の性能確保を条件として課しつつ、運営方法の詳細は受託者の自由裁量に任せる発注方式のことであり、複数年契約が想定されています。
下水道局では、新年度から初めて包括委託に踏み出し、五年の契約としています。民間の創意工夫ということがうたわれますが、裏を返せば、どのような仕様で業務が行われるのかはお任せになって、局の関与は薄くなるということです。
先ほど来、この間も質疑の中で人事交流を行っていくという説明もありましたが、結局、実動部隊である東京水道株式会社に教えてもらわなければ、局では現場業務のことが分からなくなっていくということではないでしょうか。改めて、水という人の命と健康に関わる水道事業の根幹を揺るがす業務移転に踏み込むべきではないということを指摘しておきたいと思います。
政策連携団体である東京水道株式会社の状況について伺いたいと思います。
東京水道株式会社の過去五年の株主構成と株式配当の総額について、前身のTSSとPUCも含めてそれぞれ教えてください。
○鈴木経営改革推進担当部長 東京水道株式会社は、令和二年四月に、東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCが統合して業務を開始いたしました。
統合前の四年間における各年度末時点の株主は、東京水道サービス株式会社が平成二十八年度から三十年度まで、東京都、株式会社クボタ、株式会社栗本鐵工所及び金融機関であり、令和元年度は、東京都及び金融機関でございます。株式会社PUCの株主は、平成二十八年度から令和元年度まで、東京都及び金融機関でございます。
また、同期間における二社から当局への剰余金の配当の総額は三百五十一万三千八十六円でございます。
東京水道株式会社の株主は東京都及び金融機関であり、当局への剰余金の配当は、令和二年度は百三十四万八千四百八十円でございます。
○斉藤委員 ありがとうございます。東京都の持ち株比率についても確認をいたしましたけれども、統合前のPUCでは八四%、TSSでは五五%、現在の東京水道株式会社では八〇%です。
また、TSSの株主には、ご答弁のとおり水道事業関連の民間企業が入っていましたが、公平性、透明性の観点から、当然のことと思いますが、統合前に整理をしたということも伺いました。二〇二〇年度については、先ほどの都への株主配当から計算すると、全体で百六十八万円強の株主配当が、都と民間の金融機関に対して行われているということになります。前身のTSSのときにどれだけ民間会社に株主配当として流れていたのかは今後確認をしていきたいと思いますが、局直営で事業を行えば支出する必要がないのがこの株主配当です。今、八〇%の株を都が保有しているため、大半の配当が都に入り、会社のコントロールも利くという認識があると思いますけれども、しかし、この株式比率は、何か法的に縛りのあるものというものではないということは、この政策連携団体を所管する総務局にも確認をしました。つまり、そのときの政策決定でどのようにも変動し得るということです。
さらに伺います。
東京水道株式会社の二〇二〇年度の法人税などの税金総額について教えてください。
○鈴木経営改革推進担当部長 東京水道株式会社の二〇二〇年度の法人税などの税額についてでございますが、東京水道株式会社の法人税、住民税及び事業税につきましては、令和二年度決算では総額約一億八千七百万円でございます。
○斉藤委員 法人税については、二〇二〇年度で一億八千七百万円ということで、かなりの高額を納めているということです。
続けて伺います。
東京水道株式会社の役員報酬について、人数と総額について教えてください。
○鈴木経営改革推進担当部長 東京水道株式会社は、令和二年度、六名の取締役に総額約六千八十三万円の役員報酬を支給しております。
○斉藤委員 株主配当と法人税等の税金と、また役員報酬と伺ってきましたが、ここで伺いたいと思います。
これらの支出は、局直営での水道事業なら発生することがないコストだと思いますが、いかがですか。
○鈴木経営改革推進担当部長 当局では、政策連携団体との一体的事業運営を推進しており、問題がないというふうに判断しております。
○斉藤委員 問題がないかどうかというふうに聞いたんじゃないんですよね。局の直営なら支出する必要がないコストなんじゃないんですかって聞いたんです。どうしてそれにお答えがないんでしょうか。
ちゃんとお答えいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○鈴木経営改革推進担当部長 当局と政策連携団体は、一体的事業運営を推進しておりまして、こちら、法にのっとり支出をしているところでございます。
○斉藤委員 今、支出しているというふうに答えていただいたんですかね。これ、事実として、直営でやる場合は出す必要がない、そういう経費です。海外では、民営化された水道事業が多くの都市で失敗し、再公営への流れになっているということについて、私は二〇一八年の質疑でも取り上げましたが、皆さんもよくご存じのことと思います。
海外でのこうした事例の中でも、民間の経営、株式会社の経営では、余計なコストがかかるということが分かっています。それがこの株主配当と法人税、役員報酬や企業の過度な内部留保、こういうものだと指摘されています。
委託費は、これらの支出も含めたものになり、市民から見れば、不必要な無駄なコストになります。これも含めて、直営よりも安く事業を行おうとすれば何が圧縮されるのか、働く人々の労働条件の切下げや水質管理の低下、また、水道料金の大幅な値上げなど、こういう結果につながったのがこれまでの事例です。
東京都では、政策連携団体として、グループ経営として行うのだから、そんなことはないというふうにいっても、それがずっと保証されているというわけではありません。技術の流出が起こり、政策連携団体である株式会社の方が力を持つようになったら、都のチェック能力も発揮できなくなります。二十年後には、現場の業務の全てを都の直営から手放してしまうという今の計画は、都の責任を後退させる重大なものです。効率性ばかりに偏って、本来の目的である公共の福祉を増進するような運営を脅かすものになります。
今回の計画は見直し、この局直営の水道事業を堅持するように強く求めて、質問を終わります。
○山口委員 私からは、水道事業におけるデジタル技術の活用という観点で幾つか質問をさせていただきたいと思います。
初めに、AIの活用について伺わせていただきたいと思うんですが、令和二年、公営企業委員会の中で私が質問させていただいた際に、浄水場での薬品注入において、経験の浅い職員の皆様方の支援をするために、AIを活用することを計画しているという答弁をいただきました。
これについては、東京水道経営プラン二〇二一においても、令和五年度までに三園浄水場において導入されることが記載をされているわけでありますが、浄水処理へのAIの導入について、現在の進捗状況と今後の取組について、まず伺いたいと思います。
○岩崎設備担当部長 浄水場で使用する薬品の注入量は、原水水質などの変動に応じ、水質試験結果に加えて、職員の経験則に基づいて設定しておりますが、ベテラン職員が持つこの経験則をマニュアル化することは困難でございます。
このため、水質変動などと薬品注入量のデータをAIに学習させて適切な注入量を示すことにより、経験の浅い職員への支援を行うこととしております。
令和三年度は、まず、三園浄水場に水質などの変動に応じて凝集剤の適切な注入量を示すAIを導入し、学習を開始いたしました。
四年度は、一年をかけて様々なケースをAIに学習させて精度を高め、五年度には、実運用を開始する予定でございます。
○山口委員 現在の進捗状況を確認させていただきました。あくまでAIに任せるのではなくて、あくまで人がやるんだと、AIをしっかり活用するんだという、その思いのこもったご答弁でございましたので、ぜひ将来にわたって安定給水に役立てることができる精度の高いAIを完成させていただいて、他の浄水場への展開も検討していただきたいと、それは要望しておきたいと思います。
さて、続けて、デジタル技術を活用した技術継承の取組についても伺わせていただきたいと思います。
民間企業においては、デジタル技術を活用して、バーチャルな世界の体験を通じることによって、多様なトレーニングを行っており、水道局でも、VRなどデジタル技術を活用した研修において、実践的な機会を補っていくべきではないかと思うところでありますが、実際水道局では、研修において、VRはどのように今活用されているのか伺いたいと思います。
○長嶺職員部長 当局では、従来から工事現場における事故防止研修を実施してまいりましたが、令和二年度からVRを導入し、工事現場等での事故を体感することによって、より実践的な安全管理を学ぶことができる研修を実施しております。
具体的には、水道管の移動時の衝突やつり下ろし時の落下事故、高所作業時の墜落事故など三十二の事例について、視覚や触覚、振動等により疑似的に体験できるものです。
こうした研修により、職員の技術力の向上を図っております。
○山口委員 いざというときのために、この活用というものは非常に大きな効果があると思いますし、VRもどんどん技術が高まってきて、疑似体験というものを超えてくるような非常に貴重な経験につながるんだと思いますので、活用されているこの経験をぜひ多くの職員の皆さんが体験できるように、さらに広げていただきたいと思います。
続いて、令和三年度の実績、また、四年度、これらはどのように取り組まれているのか、この確認もさせていただきたいと思います。
○長嶺職員部長 令和三年度は、技術系の新規採用職員や工事に携わる職員等を対象とした計七回の事故防止研修でVRを活用し、延べ百四十七名の職員が受講いたしました。また、随時、各職場へ機器を貸し出しており、延べ十五の職場研修で利用しております。
四年度は、体験できる事例の充実を図るなど、VRを活用した研修を拡大してまいります。
○山口委員 ぜひデジタル技術を積極的に活用して、職員の皆様方のスキルアップ、また、安全対策にもつながるよう活用していただくように要望しておきたいと思います。
さて、次に、水道局の都民の皆様への情報発信におけるデジタル技術の活用についても伺っていきたいと思います。
水道局では、昨年の六月、おうち水道キャラバン、これが開始されたわけでありますが、誰でも、いつでも、どこでも水道について楽しみながら学べる、そのような観点でデジタルPRというのは私も評価をしたいと思いますが、そこで、おうち水道キャラバンは、実際、どのように活用されているのか、分析をされているのか、また、令和四年度の展開についても伺いたいと思います。
○金子サービス推進部長 おうち水道キャラバン特設ホームページでは、学校や地域で行う水道キャラバンの講座の映像や、水源から蛇口までの水道水ができる過程を紹介する動画などを公開しております。
このうち大人向けページでは、災害対策などの取組をコンパクトにまとめたブックレットへのアクセス数が多いことから、災害への備えに役立てていただいていると考えております。
また、子供向けページでは、学校水道キャラバンで子供向けに発行したIDからのアクセス数が多いことから、学校水道キャラバンの内容を復習できるサイトとして活用されていると分析しております。
令和四年度は、おうち水道キャラバンのリピーターになっていただくため、魅力的な動画を順次公開し、掲載数を増やすとともに、子供が楽しみながら復習できるクイズ形式の東京水ドリルなどのコンテンツも拡充していく予定でございます。
○山口委員 本当に水道が身近にあって当たり前に存在をし、そして、生活に密着をしているということは、我が国にとってすばらしいことだと思いますが、これがいざ止まってしまうと、どのように影響があるのか、また、どうしてここに水がきちっと流れてきているのかということを子供の頃から知っていただくって非常に重要なことだと思うんですよね。そういう意味でも、おうち水道キャラバンは、家庭での災害への備え、また、小学生の復習にも役立っているというご答弁をいただいたわけでありますが、水道水を蛇口から直接飲むという日本の水道文化を継承していくためにも、ぜひとも有効的に活用していただきたいと要望しておきたいと思います。
また一方で、水道局では、昨年の八月から、水道歴史館のデジタルアーカイブ、これを開始いたしました。江戸時代の貴重な文献や絵図なども公開されておりまして、江戸から続く東京水道の歴史について、大人が学べるコンテンツとして非常に魅力のあるものだと私も思っています。
さて、そこで、水道歴史館のデジタルアーカイブの効果、また、今後の取組、展開について伺っていきたいと思います。
○金子サービス推進部長 水道歴史館デジタルアーカイブでは、江戸時代の上水の幕府公式記録である上水記や、明治から大正時代にかけて羽村取水堰の日々の管理や業務記録をつづった羽村日誌など、貴重な古文書、水道絵図、近代水道の写真資料などを公開しております。これにより、ふだんは公開していない貴重な歴史資料を、いつでも、どこからでも簡単にご覧いただくことが可能となりました。
アクセス件数は、令和四年二月末までの七か月間で延べ約三万四千件となり、ご覧いただいたお客様から、当時の写真を見ることができて、土木的な視点からも疑問が解決できたなど、好意的なご意見を寄せていただいております。
また、昨年十二月の東京水道の日には、デジタルアーカイブの所蔵写真を活用し、トレインチャンネルやツイッターと連動したPRを行い、相乗効果を発揮することができました。
令和四年度は、小河内貯水池の完成当時や在りし日の淀橋浄水場の写真など、コンテンツの拡充に取り組んでまいります。
○山口委員 私も拝見したんですけど、すばらしいんですよね。本当に歴史を学ぶことも、皆さん見られているんですよね、うれしい、何か皆さんがうなずかれる、それはそうですよね。これはしっかり都民の皆様にも、東京が誇る水道事業のPRという点で、デジタル技術を活用して見ていただくってすばらしいことだと思うので、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。
また、水道局では、局事業や工事に関する情報についても、これまでホームページなどを通じて発信されてきているわけでありますが、その中でも、最近、ツイッターを活用した事故対応等の情報発信が増えてきているというふうに感じるわけであります。
公的機関である水道局が、ツイッターなどを活用して、時期を逃さず迅速に情報発信をすることで、漏水等の事故発生時における都民の不安軽減につながっていくと非常に期待をされるところでありますが、こうしたツイッターを活用した漏水等の事故発生時の情報発信について伺いたいと思います。
○藤村給水部長 当局ではこれまで、断水や濁水などの範囲が広い場合や道路冠水が生じた場合など、都民生活への影響が大きい事故が発生した際は、プレス発表を行うとともに、ホームページ及びツイッターで広く情報発信してきましたが、迅速な情報発信により、不安や混乱を解消することは、事故の大小にかかわらず重要です。
このため、令和三年七月からは、断水や濁水などの範囲が小規模であっても、必要に応じてツイッターで速やかな情報発信を行っています。
このツイッター発信を開始して以降、お客様からは感謝の声などをいただいており、引き続き、ツイッターを活用し、漏水等の事故に関する情報を迅速かつ適切に発信してまいります。
○山口委員 都民の皆様からも感謝の声も寄せられているということでありましたが、SNSって本当にすばらしいなと思うのは、特に、例えば何か漏水が起こった、何かトラブルが起こったときに、これまでだと、問合せの電話だとかで非常に現場が混乱をする、また、必要以上に手を取られてしまうということが、ツイートをすることによって、非常にそういった混乱の解消にもつながっていると。
本当にすばらしいなと思ったのは、水道局のツイートを都民の皆様がリツイートしてくださっているんですよね。これは、都民の皆さんもそこに関心を持っていて、そこで知った情報を、自分が今度発信者になって人に伝えてあげようという、すばらしい連鎖だと思うんですよね。これを水道局が心がけてやってくださっているということは、これはすばらしいことだと思いますので、適切な情報発信に局がこれまで努められてきた成果だというふうに評価もしたいと思います。引き続き、的確な情報発信に努めていただくことを要望しておきたいと思います。
さて本日は、デジタル技術の活用ということをテーマにして、様々中心に、人材育成だとか技術の継承、都民への情報発信についても質疑をさせていただきました。
技術はまさに日進月歩でありまして、日々新たな技術が生み出され、今後も的確にデジタル技術を活用していくことが現場においても求められてくるのだろうと思います。引き続き、局の取組に注目していくことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○岩永委員 まず、玉川浄水場についてお伺いします。
昨年三月に策定された東京水道施設整備マスタープランで、玉川浄水場の廃止と給水所の新設が公表されました。現在、玉川浄水場では、多摩川から取水した水を浄化し、工業用水として供給されています。
マスタープランから一年になりますが、現在まで、どのような準備を行ってきたのか伺います。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 当局は、令和三年三月に策定した東京水道施設整備マスタープランにおいて、玉川浄水場を廃止し、新玉川給水所を整備することとしています。
これに基づき、三年度は、浄水場の廃止に伴う施設の撤去や新玉川給水所の整備についての基本的な考え方等を検討しました。
○岩永委員 玉川浄水場は、もともとは日量十五万二千五百立方メートルの処理能力があり、調布取水堰で取水した原水を浄化して、水道水を供給していました。現在は、工業用水として処理した水を日量五千立方メートル、三園浄水場に送水しているところです。
浄水場には、沈殿池や配水池、送配水ポンプ所などの施設があります。新設する給水所では、浄水場施設の何が使えるのか伺います。また、新たな給水所は、どこの浄水場から来る水を配水するのか伺います。
○田中建設部長 既存施設の撤去範囲や新設する施設の配置等の詳細につきましては、令和四年度に着手する基本設計において検討していきます。
また、新設する給水所は、利根川水系及び相模川水系の浄水場からの水を配水する予定でございます。
○岩永委員 工業用水の廃止が決まっています。二〇二二年度末の工業用水廃止後、現在使っている取水堰から玉川浄水場までと、浄水場から三園浄水場へ送る送水管をどうするのか伺います。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 調布取水堰から玉川浄水場まで原水を送っている管路については、工業用水道事業の廃止後に撤去していきます。
また、玉川浄水場から三園浄水場に送水している管路については、水道事業で使用することなどを検討しています。
○岩永委員 次は、取水する原水の水質についてです。
玉川浄水場が一九七〇年に水道水の供給を休止したのは、多摩川の水質悪化が原因と聞いています。確かに、その頃の川は、生活排水や工場排水などで汚れており、合成洗剤による泡だらけになっている映像もありました。しかし、その後、下水道が普及し、汚水処理や排水規制が進んで、多摩川の水質は改善されてきました。現在では、アユが多く遡上するようになっています。
調布取水地点における多摩川の水質は、水道水の原水として取水することができるのではないでしょうか、見解を伺います。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 多摩川の中下流部に位置している調布取水堰地点の河川水は、下水処理水の割合が高く、現在も、水質基準項目である硝酸態窒素等が多く含まれています。
標準的な高度浄水処理や膜ろ過処理では、硝酸態窒素等を十分に除去することができないため、水道原水として取水するには課題があります。
○岩永委員 基準はクリアしているが、現在供給している水道水の水質にすることは難しいということですね。
調布取水堰には、日量十七万六千立方メートルの水利権があります。現在は、工業用水としてその一部を使っていますが、浄水場を廃止すると不要になる取水堰や、都が有している水利権の扱いも変わるのではないかと思います。
調布取水堰及び水利権の取扱いはどのようになるのか伺います。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 調布取水堰については、玉川浄水場への導水が不要となることから、今後の取扱いを、水利権については水道水源としての活用を、それぞれ河川管理者である国土交通省と協議を行っています。
○岩永委員 防災の観点から浄水場について考えると、災害時に玉川浄水場の浄水機能を使うことができれば、近隣地域の水の確保に寄与することになります。
災害を想定すると、これまでの大規模集中型の施設ではなく、地域分散型に考え方を変えていく必要があると考えますが、見解を伺います。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 当局ではこれまでも、災害時において可能な限り給水を確保できるよう着実に施設整備に取り組んでいます。
都の浄水場は、安定的に取水や浄水ができるよう複数の水系に整備されており、また、給水所は、地域住民への拠点給水を担うために、一定の区域ごとに分散して配置しています。
さらに、それらをつなぐ広域的な送水管のネットワークについては、約八割が完成しています。
玉川浄水場については、こうした広域的な水道システムが充実してきたことや、高度浄水処理等では多摩川中下流域の原水水質に十分に対応できないこと、さらに、今後、浄水場のダウンサイジングが見込まれていること等を踏まえ、廃止することとしました。
今後とも、平常時はもとより、災害時においても給水を確保するため、必要な施設整備を計画的に進めてまいります。
○岩永委員 玉川浄水場の敷地は広大です。そこが改編されることで、地域への影響がどれぐらいあるのか、地元自治体の理解が必要になります。
地元の世田谷区との意見交換はどのようにしているのか伺います。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 玉川浄水場の跡地については、新玉川給水所を整備することとしており、今後、具体的な整備内容が固まり次第、関係部署と調整を図っていきます。
○岩永委員 水道局は、二〇一九年一月の見える化改革報告書で、ようやくダウンサイジングに言及しました。ダウンサイジングの必要性は、生活者ネットワークがかねてから主張してきたところです。人口減少や水需要の減少が明らかになっていても、なかなかそれを反映した計画ができませんでした。さらに、大規模、効率優先を追求してきた時代が終了し、小規模、地域分散型にすることが、防災の観点からも、持続可能性の観点からも求められる時代になってきています。ダウンサイジングの中身も問われていると思います。こうした背景から、玉川浄水場の浄水機能を残すことができないか検討を求めます。
次に、狛江アパートの漏水について伺います。
都営狛江団地の商店階部分で、昨年五月に水道の漏水が起こり、一部修理の工事は行われたものの漏水は収まっていないと聞いています。
水道局が把握しているこれまでの経緯について伺います。
○小山調整部長 当局では、昨年五月、お客様から、水道メーターの周辺で漏水しているとの通報を受けたため、現場対応を担っている東京水道株式会社の社員が現地を訪問し、メーター上流で漏水の疑いがあることを確認いたしました。
その上で、都営住宅の建物内の給水管であることから、お客様に対し、東京都住宅供給公社へ相談いただくようご案内いたしました。
十一月に、お客様から、修理に着手したものの修繕が完了せず困っている旨の相談を受けまして、同社の社員が再度現地を訪問し、改めて当局の修理範囲ではないこと及び早期に対応していただきたい旨を説明いたしました。
あわせて、同月に、当局から、都営住宅の所管部署である住宅政策本部に対しまして、早急に対応を行うよう申し入れました。
○岩永委員 一般的に、漏水が発見されたとき、修理はどのように行われ、その費用負担はどうなっているのか伺います。
○佐藤技術調整担当部長 道路下の配水管から分岐した給水管で漏水が発見された場合は、お客様の財産であることから、原則として、お客様の費用負担で修理をしていただくことになっております。
一方、配水管からメーターまでの範囲において、当局が漏水修理を行う場合もありますが、それは、建物外で、漏水している管のメーター口径が五十ミリメートル未満である場合または漏水箇所が道路境界から一メートル以下の場合でございます。
このため、本件のように、建物内の配管部分の漏水等につきましては、当局は修理を行っておりません。
○岩永委員 今回の漏水で流れ出た水の量はどれくらいでしょうか。また、その料金は誰が支払うのか伺います。
○小山調整部長 今回の漏水箇所は、メーターから上流部に位置しているため、漏水量を把握することはできず、また、料金算定の対象外でございます。
○岩永委員 集合住宅では、宅地内の親メーターと、それぞれの家に各戸メーターがあり、その間に漏水箇所があれば量を把握できるけれども、親メーターがないため、漏水量の把握もできていないということです。
報道では、ジャージャー水が流れる水音がしておりまして、漏水量が二十メートルプールの百六十杯分にも上るといっておりました。
今回、解決を難しくしているのは、都営住宅の敷地内で当該店舗が分譲であるということです。しかし、いずれにしても水が流れ続けており、各戸に料金請求が行かないのは当然ですが、だからといって漏水を放っておいていいということにはなりません。
水道局は、狛江市や都営住宅担当部署とどのような協議をしているのか伺います。
○小山調整部長 当局は、漏水に関する問合せを受けて以降、お客様に対し、漏水修理の負担区分について繰り返し説明を行うとともに、早期の対応を申し入れました。
また、住宅政策本部に対しましても、漏水について早急に対処するよう強く要請をいたしました。
狛江市に対しましては、土地や施設の所有者ではないことから、特に協議等は行っておりません。
○岩永委員 二月二十四日に、現地で、地中状況についてレーダー探査が行われました。漏水が地盤に影響を与えているのではないかという心配はもっともなことです。もう十か月も水が流れ続けている異常事態をまだ放置するのかという話です。一刻も早く漏水を止めることが重要です。責任の所在はさておき、住宅政策本部と連携して、まずは工事を実施していただくよう重ねて要望します。
次に、水道工事について伺います。
神東塗料は、二〇二二年一月十二日、ダクタイル鋳鉄管用の合成樹脂塗料二十四製品で、日本水道協会の規格の認証を不正に取得した疑いがあると発表しました。協会が定めた規格とは異なる条件で試験をした結果を使ったり、規格に記載されていない原料を使用したとの報道がありました。
水道管塗料に関わる不適切行為への対応について、一月の報道以降の状況について伺います。
○田中建設部長 当局では、日本水道協会による本件の公表を受け、令和四年一月十一日より、対象となるダクタイル製品を使用する工事を一時中止しました。
当初は、一時中止した工事件数が約二百件に及んだものの、一月十七日に示された日本水道協会の取扱いを受け、一月十八日以降、工事を順次再開し、これまでに全ての工事を再開しております。
○岩永委員 この件は、内部告発によって明らかになった問題です。そのような背景を踏まえると、事業者の申告に基づく安全確認の仕組みに課題が残りますし、都独自の抜き打ち検査も含めた対応が必要ではないかと考えます。
今後、安全性の確認はどのように行われるのか伺います。
○田中建設部長 当局の工事においては、日本水道協会規格等に適合した材料を使用しております。
今回の不適切行為を受け、日本水道協会では、学識経験者や当局を含む水道事業体等で構成される認証審査委員会において、今後、再発防止に向けた検討を実施することが公表されております。
認証審査委員会における審議を経て、令和四年五月には再発防止策を決定し、日本水道協会において、認証取得者への通知や内部関係者への周知、審査員の研修等を行っていくこととしております。
○岩永委員 水道管の耐震化や老朽化による入替えや耐震継ぎ手化など、各地で水道工事が行われています。自分の住む地域の水道管は大丈夫なのかという市民からの問合せも受けています。
工事停止以前に既に使われていた水道管はどのぐらいあるのか、情報公開が必要と考えますが、見解を伺います。
○田中建設部長 神東塗料株式会社は、不適切行為を開始した時期や納入先等の詳細を明らかにしていないため、当局では、既に埋設されている水道管を把握できません。
一方、当局では、給水区域内全域を対象に定期的な水質検査を行い、国が定める水質基準等に適合していることを従前から確認してきています。
そのため、当局の供給する水道水の安全性に問題はございません。
○岩永委員 水道管の老朽化対策や耐震化の工事が進む中で、共有で所有している私道における水道管についてはどのように扱われるのか伺います。
共有登記の更新ができておらずに、所有者が全員確認できない私道内の給水管の整備はどのようになるのか伺います。
○藤村給水部長 当局では、給水管が布設されている私道において、給水管の漏水の未然防止と耐震強化を目的に、耐震性能を有する配水管やステンレス鋼管の給水管の布設を進めています。工事実施に当たっては、私道の全ての所有者から承諾を得て施工することを原則としております。
一方、登記簿の記載内容が古いなど、所有者の所在が確認できないため、全ての所有者の承諾を得られないケースもあります。この場合、共有されている私道においては、民法における共有物に関する規定を踏まえ、所在を確認できる所有者全ての承諾を得て、かつ、その持分が全体の過半数であることを条件に工事を行うこととしております。
○岩永委員 水道管塗料の件については、日本水道協会が、二〇二二年五月には再発防止策を決定するということですので、都としても、しっかりと確認いただくことを強く要望しておきます。
次に、玉川上水の樹木の伐採についてお尋ねします。
玉川上水の緑道の管理に生物多様性の考え方を入れることが重要であるという視点から、木の伐採について、昨年十一月に質疑し、地域住民との合意形成を得ながら丁寧に進めていただくことを要望しました。
その後、周辺自治体、市民とのやり取りの経過を伺います。
○金子経理部長 当局では、玉川上水の樹木処理作業につきまして、これまでも、地元自治体と連携して、地元住民への説明会を開催するなど、情報の共有を図っております。
昨年十二月には、関係各局と共に、地元自治体や地元住民で構成する玉川上水緑の保全事業都・区市連絡協議会におきまして、令和三年度の樹木処理作業の実施内容、実績、今後の予定などにつきまして報告いたしました。
地元住民からは、植生管理や生物多様性への配慮などの要望を伺っております。
○岩永委員 伐採後の樹木の再利用方法について、取組や検討していることを伺います。
○金子経理部長 玉川上水で伐採したケヤキ等の樹木は、単に廃棄するのではなく、玉川上水を管理する東京水道株式会社の連絡先等を載せた銘板として再利用しており、その他はチップ、堆肥などとして再資源化を行っております。
○岩永委員 地元住民からは、植生管理や生物多様性への配慮などの要望が出されているということです。引き続き、地域住民との合意形成を図りながら、丁寧に進めていただくことを要望します。
また、伐採後の樹木は一部再利用されているということです。その再利用については、今後も増やしていただくことを要望いたします。
次に、小中学校へのハンドソープ配布について伺います。
コロナ対策として、水道局の事業で、都内の小中学校にハンドソープを配布されたとお聞きしました。この事業の目的と経緯を伺います。
○金子サービス推進部長 当事業は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、公衆衛生の向上と生活環境の改善の観点から、子供たちに手洗いの重要性を啓発するとともに、手洗いに欠かせない水道に対する理解の促進を図ることを目的としております。
令和二年度は、都営水道給水区域内の小学校等を対象としましたが、三年度は、中学校等も新たに対象に加え、二月初旬より、順次手洗いを推奨するポスターと手洗いに使用するハンドソープ等を配布いたしました。
学校からは、手洗いの習慣が身についた、水道水について勉強になったとの声があり、一定の成果が得られました。
○岩永委員 生活者ネットワークはこれまでも、環境への配慮として、合成洗剤ではなく、石けんの利用を訴え、取り組んできました。
そのような取組もあり、例えば、私の住む国分寺市では、市のグリーン購入ガイドラインに、手洗いや食器用洗剤を購入する場合は、純石けんを使用することと明記され、配慮事項として、必ず成分表示を確認し、極力石けん成分以外の成分が含まれていない製品を選択することと明記されています。
このような地域の取組を尊重し、また、子供たちへのアレルギー対策としても、特に子供や学校関連施設では、極力純石けん以外の成分が含まれていない製品を選択すべきと考えますが、見解を伺います。
○金子サービス推進部長 令和二年度、小学校等へ石けんを配布するに当たり、教育庁や生活文化局、福祉保健局にヒアリングを行っております。その結果、多くの公立小学校で固形石けんを使用しているが、石けんネットにウイルスが付着する等、衛生的に望ましくないことや、泡ハンドソープへの切替えを検討していること、また、特別支援学校では、ハンドソープが主流であるといった状況を伺いました。
また、文部科学省は、学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルにおいて、石けんやハンドソープの具体的な成分等を表示しておりません。
これらを踏まえ、東京都グリーン購入ガイドの洗面所の手洗い洗剤の基準を満たす泡ハンドソープを調達いたしました。
なお、本事業が一定の成果を得たことから、現時点では、来年度以降の実施を考えておりません。
○岩永委員 そもそも水道局がこうした事業を実施することに違和感があります。水道の理解という点では、東京水のアピールやその一環として水飲み栓の設置などを行っておりますので、給水器の設置を進めていただきたいと思います。
また、今回配布された商品には、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤が入っているほか、表示指定成分が含まれています。環境への影響やアレルギーのリスクが懸念される成分が入っているものについては、特に、成長の過程にあって、体の小さい子供たちが学ぶ学校では、ぜひとも使用を避けていただきたいと思います。
配布は今年度で終わりとのことです。今後、もし実施するのであれば、水を守る水道局として、より安全な石けんを選ぶよう要望します。
次に、職員についてお伺いします。
介護や看護など誰もがケアを担う社会の中で、介護をしながら働き続けられる職場環境が求められています。心身ともに健康で働き続けられる職場環境づくりという視点から伺います。
介護休暇の取得状況について、水道局における過去五年間の実績を伺います。また、政策連携団体についても、分かる範囲でお願いします。
○長嶺職員部長 当局では、知事部局と同様に、育児・介護休業法に基づく介護休暇、短期の介護休暇及び介護時間の制度を整備しております。
局における平成二十八年度から令和二年度までの五年間の取得人数は、介護休暇が三名、一名、三名、五名、八名であり、介護時間が一名、二名、二名、三名、一名となっております。
短期の介護休暇の平成二十八年から令和二年までの取得人数は、二百二十八名、二百七十三名、三百七名、三百二十二名、三百十三名となっております。
また、令和二年度に統合し、業務を開始した東京水道株式会社でも同様に、局の介護休暇に相当する介護休業、短期の介護休暇に相当する介護休暇及び介護時間に相当する介護短時間勤務の制度を整備しております。
令和二年度における取得人数は、介護休業が二名、介護休暇が五十九名であり、介護短時間勤務の取得者はおりません。
○岩永委員 では、次に、職場のハラスメント防止に向けた取組を伺います。
○長嶺職員部長 当局及び東京水道株式会社では、ハラスメントを防止するため、服務に関する規程や就業規則などにハラスメントの禁止を盛り込んでおります。
また、ハラスメントに関する相談窓口を設置しているほか、研修の実施やリーフレットの配布等により、ハラスメントの防止に向けた意識啓発を行っております。
○岩永委員 介護をしながら働き続けられるように、介護休暇は大事な制度です。短期の介護休暇の取得人数が、この五年間で約一・四倍と増えております。制度の周知が進んでいることもあると思いますが、今後、高齢化がさらに進む中では、介護をしながら働き続けられるように職場環境の理解を進めることや、ワークシェアリングも含めて全庁的に考えていかなければならない課題であると思います。
また、メンタルを理由とした休職が全庁的に増えておりまして、知事部局では、この五年間で、こちらも約一・四倍になっています。ハラスメント対策も含めて、心身ともに健康で働き続けられる職場づくりが重要です。
ハラスメントの防止には、日頃から風通しのよい双方向のコミュニケーションが取れるなど、気持ちよく意思疎通ができるような職場の環境づくりと併せて、様々な角度から、ハラスメントの予防、そして、相談、救済体制の充実に取り組んでいただくことを要望し、質問を終わります。
○森村委員 水道水源林の鹿被害対策についてお伺いします。
昨年の公営企業委員会事務事業質疑において、水道水源林の鹿被害対策の強化について質問させていただきましたが、水源林の保全のために、継続的かつ集中的な鹿対策が必要であると考えております。
ニホンジカは固有種であり、生態系の中で重要な役割を担う保全すべき種である一方、平成十五年頃から急激に増加をし、樹木の芽や若木が根こそぎ食べられ、また、成木の樹皮を剥がして食べる生態によって枯死を招くなど、森林保全の阻害要因になってきましたため、その頭数を管理する政策が取られております。
水道局は、水道水源林の所在する山梨県と共同して、昨年度は百頭を捕獲。今年度は目標頭数を百五十頭に拡大して捕獲に取り組んでいますが、依然として森林被害が続いている状況であり、山梨県と連携した捕獲事業をさらに強化すべきであると考えます。
そこでまず、令和三年度の山梨県と共同した捕獲事業の実績と令和四年度の取組について伺います。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 水道水源林が持つ水源涵養機能などを維持するためには、鹿の捕獲を強化し、適正な頭数に抑えることが必要であります。
令和三年度は、元年度から実施している山梨県と共同した捕獲事業において、甲州市内の標高の高い地域を捕獲範囲とし、目標頭数である百五十頭を捕獲しました。
四年度は、捕獲範囲を丹波山村まで広げるとともに、捕獲目標頭数を、百五十頭から二百五十頭に増やして実施する予定であります。
○森村委員 山梨県との捕獲事業は、目標頭数を達成し、令和四年度はさらに拡大予定ということで、引き続き着実に実施をお願いいたします。
私は、東京都自然環境保全審議会の委員を務めておりまして、先日、環境局から、令和四年度から令和八年度までを計画期間とする新たなシカ管理計画について説明を受けました。水道水源林の約四割は奥多摩町であり、都のシカ管理計画に基づく水道局の取組も重要であります。
新たなシカ管理計画における水道局の取組についても伺います。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 当局はこれまでも、東京都のシカ管理計画に基づき、産業労働局を通じて、奥多摩町の捕獲事業に財政支援を行ってきました。
しかし、都が実施した生息状況調査等の結果によると、奥多摩町においても、標高の高い雲取山一帯では、鹿の生息密度が高いことが判明しています。
このため、都が新たに策定するシカ管理計画では、令和四年度から、このような地域で環境局が新たな捕獲事業を行うこととなっており、当局もこの事業に参画します。
具体的には、捕獲に係る費用の一部負担や当局が水道水源林内に設置した作業用モノレールの捕獲業者への利用許可、鹿の生息状況の情報提供などを行う予定であります。
○森村委員 都内の水道水源林においても、新たな捕獲事業を開始するとのことを確認いたしました。
鹿捕獲事業は、様々な関係機関との連携が重要であると認識をしております。今後も、水道水源林の保全に向けまして、効果的な対策を進めていただくよう求めます。
次に、多摩地区水道の施設整備についてお伺いいたします。
全国の水道事業体では、人口減少に伴う水需要の減少や施設の老朽化、人材不足等の深刻な課題に直面をしておりまして、令和元年十月に施行された改正水道法では、こうした課題に対応するため、官民連携や広域連携などによる基盤強化が明記されています。
都においては、水道法改正の四十年以上前の昭和四十八年から、深刻な水源不足や料金水準の格差等を契機として、全国に先駆けて都営水道の一元化を開始しておりまして、広域化に早くから取り組んできた経緯があります。
しかしながら、多摩地区は広大であり、各市町が整備してきた水道施設を再編整備していくには、多大な時間を要することはやむを得ない面もありますが、首都直下地震の切迫性等を考えますと、着実に整備を推進していくことが重要です。
そこで、改めて、多摩地区における水道施設の課題についてお伺いいたします。
○佐藤技術調整担当部長 当局では、多摩地区水道の都営一元化と並行し、大規模浄水場から各市町への送水管の新設や、給水所及びこれら施設から送水する配水管などの整備を順次進めてまいりました。
しかし、市町単位で管路の整備が行われてきた歴史的な経緯から、市町域を超えたネットワークはいまだ十分とはいえません。
このため、バックアップ機能の不足から、浄水場の停止や管路の抜け出しなどの事故が発生した場合に、断水被害が広範囲に及ぶおそれがあるほか、断水を伴う工事ができないため、管路の更新に支障を生ずる場合があります。
また、点在する多くの小規模施設には、効率的な浄水処理が行われていない浄水所や配水池容量が不足する給水所などがあります。
○森村委員 私自身は、日々不自由なく水道を使わせてもらっております。水質が高く、蛇口から直接コップに注いで水を飲んでも、おいしさを感じられることにも感謝をしております。
一方で、今のご答弁にありましたように、多摩地区の水道施設には依然として多くの課題がありまして、その解決のために、現在は、市町域を超えた送水管ネットワークを構築すること、また、山間部や平たん地等の多様な地形的特徴などから、四つのエリアに分けて、市町域にとらわれない配水区域の再編に向けた浄水所や給水所を整備することを二本の柱として取り組んでいると聞いております。
そこで、多摩地区における送水管ネットワークに関する具体的な取組状況について伺います。
○佐々木施設部長 多摩地区におきましては、災害や事故による断水を極力回避するバックアップ機能を強化するため、広域的な送水管ネットワークの構築を推進しております。
既に、拝島給水所から聖ケ丘給水所に送水する延長約三十二キロメートルの多摩丘陵幹線を整備し、平成二十六年度から運用しています。その後も、東村山浄水場から拝島給水所に送水する延長約十六キロメートルの多摩南北幹線の整備を進めており、既にシールドトンネル及びトンネル内の配管工事は完成しております。
現在は、東村山浄水場隣接地におきまして、送水の起点となる美住ポンプ所の築造工事を行っており、令和四年度の完成、運用を予定しております。
この送水管が完成することにより、多摩丘陵幹線と併せ、広域的な送水管ネットワークが構築され、多摩西南部地域約百七十万人の給水安定性が向上いたします。
○森村委員 多摩西南部地域の百七十万人の給水安定性の向上ということで、ぜひよろしくお願いいたします。
次に、もう一つの柱であります多摩地区における浄水所や給水所の具体的な整備状況についてもお伺いいたします。
○佐々木施設部長 浄水所につきましては、青梅市の千ヶ瀬浄水所において、原水である多摩川の伏流水に応じた適切な浄水処理を行うため、膜ろ過処理を導入することとし、現在、整備工事を進めております。
給水所につきましては、現在、立川市にある柴崎給水所や調布市にある深大寺給水所において、施設の拡充、更新工事を進めております。また、清瀬市におきまして、配水池容量が不足している施設を統廃合し、築造工事を進めてきた多摩北部給水所は、新たな配水区域の拠点として、間もなく運用を開始する予定でございます。
○森村委員 ご答弁いただきました青梅市の千ヶ瀬の浄水所整備については、先日も質疑をさせていただいたところでございます。引き続き着実に整備を進めていただければと思います。
その上で、さらに多摩地区の水道をより強固なものとしていくためには、将来を見据え、様々な施設の整備を推進することが重要です。
今後の施設整備の計画についてお伺いいたします。
○佐藤技術調整担当部長 多摩地区水道の強靱化を図るためには、送水管のバックアップ機能の強化や老朽化施設の更新などの取組をさらに進めていく必要がございます。
このため、送水管については、多摩南北幹線の完成により停止可能となる町田線について、令和四年度から更新に向けた調査設計に着手するなど、現在供用中の幹線管路に優先順位を定め、計画的に更新してまいります。
また、浄水所や給水所等につきましては、老朽化が進行している高月浄水所や福生武蔵野台給水所において、更新に向けた設計を開始するなど、浄水処理の効率化や配水池容量の拡充を推進してまいります。
○森村委員 これまでの質疑では、水道施設の骨格となる給水所や浄水所の整備に加えまして、これらの施設をつなぐ送水管のネットワーク化が進められていることを確認させていただきました。引き続き、都民が安心して水道を使えるように、多摩地区水道の強靱化に向けて、水道施設の整備を計画的かつ着実に進めてもらうことを強く要望させていただきます。
そこで、最後に、多摩地区水道の強靱化に向けた局の決意を伺います。
○青木多摩水道改革推進本部長 多摩地区の水道は、全国の水道事業体に先駆け、昭和四十八年から市町営水道を都営一元化してきておりまして、現在、二十六市町、給水人口約四百万人に供給する大規模水道となってございます。
しかし、配水区域の多くが、市町域内で設定されたままになってございまして、給水所等の施設が小規模かつ点在しているため、広域水道のスケールメリットが十分に発揮できていない状況にございます。
また、奥多摩町で最大二千七百戸が断水した令和元年の台風十九号など自然災害の激甚化を踏まえますと、災害対応の取組をさらに進めていく必要がございます。
こうした状況を踏まえ、地域特性に応じた施設整備や広域的な送水管のネットワーク化を着実に実施し、バックアップ機能の強化を図るとともに、風水害対策や施設の耐震化などにも取り組み、災害対応力を強化してまいります。
これら様々な取組を着実に進めることで、多摩地区水道が信頼される広域水道へとさらなる進化を遂げられるよう、強靱な水道システムを構築し、給水安定性を一層向上させてまいります。
○森村委員 施設整備は息の長い取組ですが、長期的な視点を持って着実に進め、水道局の使命である安定給水を将来にわたり確保してもらいたいと思います。多摩地区水道の強靱化を強力に推進していただくように求め、次の質問に移らせていただきます。
労働基準監督署の立入調査に伴う対応について伺います。
水道局は、令和四年二月、超過勤務手当の未払いに関して、労働基準監督署から是正勧告を受けた事実や未払いの超過勤務手当の支払いを行ったことをプレス発表しました。それによりますと、全事業所の職員の令和元年十月から令和二年九月までの一年間についての未払いの超過勤務に関する実態を調査し、約一・六億円の超過勤務手当の支払いを行ったとのことです。
労働時間の管理は、職員の働く環境を整備する上で基本的な要素の一つであり、今回、水道局が超過勤務手当の未払いについて是正勧告を受けたことについては、大きな問題であると考えています。
そこで、一連の経過や未払いが発生した原因、それに対する再発防止の取組等について、改めて確認しておきたいと思います。
まず、労働基準監督署から超過勤務手当の未払いについて是正勧告を受けた経緯について伺います。
○長嶺職員部長 労働基準監督署は、労働基準法が適用される職場について定期的に立入調査を行っております。
当局本庁職場においても、令和二年八月に、新宿労働基準監督署による立入調査が行われました。その際に、超過勤務終了時に行うべき執務室入り口のカードリーダーでの記録を多くの職員が行っておらず、超過勤務命令簿と照合すべき超過勤務終了時刻が確認できませんでした。
そのため、当局が、庁舎入り口のセキュリティゲートの記録等を参考としながら職員に状況を確認したところ、超過勤務命令簿に反映されていない超過勤務が判明し、労働基準監督署から是正勧告を受けるに至りました。
○森村委員 労働基準監督署による定期的な調査の際に、本庁職場において本来行うべきカードリーダーでの記録を行っておらず、職員に状況を確認したところ、超過勤務手当の未払いが発覚したということですね。
この労働基準監督署からの是正勧告後に、局が、手当の支払いに向けどのような対応を行ったのか、併せて確認をしておきたいと思います。
未払いの超過勤務手当の支払いに当たっての水道局の具体的な対応や手当の支払金額についてお伺いさせていただきます。
○長嶺職員部長 労働基準監督署の是正勧告は、令和元年十月から二年九月までの期間について、超過勤務に関する実態調査の実施や判明した未払いの手当の支払いを求めております。
当局では、勧告に基づき、令和三年二月から未払いの超過勤務に関して実態調査を実施いたしました。この実態調査は、再発防止の観点から、是正勧告の対象となっている本庁職場に在籍した職員に加え、出先事業所を含めた全職員約三千八百名を対象に実施しており、調査の結果、局全体で約一億六千万円の未払いの超過勤務手当が判明いたしました。
未払いの内訳は、本庁で六百八十五名、約一億三千万円、出先事業所三百八十七名、約三千万円であり、支払いが必要な職員には、未払いの超過勤務時間数や金額等を個別に通知した上で、三年十二月に支払いを行っております。
○森村委員 再発防止の観点から、本庁のみならず、出先の事業所を含めた全職員に対して実態調査を行い、令和三年十二月に支払いを終えたということですが、超過勤務手当の未払いを将来にわたって防止するためには、原因の分析が重要であると考えます。
今回、超過勤務手当の未払いが発生した原因について水道局の認識をお伺いしたいと思います。
○長嶺職員部長 今回、超過勤務手当の未払いが発生した主な原因は、カードリーダーによる超過勤務終了時の記録や超過勤務命令簿との照合など、客観的な記録に基づく労働時間の適正な把握の重要性について、職員、管理職に対し徹底できていなかったことであると認識しております。
また、カードリーダーによる記録の有無の確認や超過勤務命令簿との照合などを事務システム上で容易に行える環境整備も不十分でございました。
○森村委員 原因の分析に基づいた再発防止の取組を適切に行うとともに、超過勤務を命令する立場である職場の管理職が、職員の労働時間を責任を持ってチェックし、超過勤務の未払いを二度と起こさないことが必要だと思います。
そこで、超過勤務手当の未払いの防止に向けてどのような再発防止の取組を行っているのかを伺います。
○長嶺職員部長 当局では、是正勧告を受けた令和二年十月、超過勤務手当の未払いの再発防止策をまとめました。これに基づき、執務室入り口のカードリーダーによる記録を全職員に改めて徹底することにより、職員の労働時間を適切に把握しております。
同時に、超過勤務命令権者である管理職が、超過勤務の事前命令を徹底することや、事後の確認の際にカードリーダーによる記録と超過勤務命令簿とを照合し、差異がある場合は、必要に応じて超過勤務時間を修正するなど、職員の労働時間に対する管理職の責任を明確にいたしました。
また、こうした対策と併せて、職員及び管理職がカードリーダーによる記録の確認や超過勤務命令簿との照合が容易に行えるよう事務システムを改修し、三年四月から運用しております。
○森村委員 是正勧告を受け、速やかに再発防止の取組を行っていることが確認できましたが、客観的記録に基づく労働時間の管理を組織に定着させ、未払いが発生しないようにすることが肝要です。
本日いただいた要求資料によりますと、月八十時間以上の超過勤務も一定人数発生しているようです。職員の労働時間の適正管理は、ライフ・ワーク・バランスの実現にも非常に重要ですので、今後も再発防止の取組を継続し、二度とこうした事態が起こらないように求め、私の質問を終わります。
○小林委員 それでは、工業用水道事業の廃止に伴う取組についてお伺いいたします。
工業用水は、地下水の揚水規制の代替という側面があると同時に、産業支援としてスタートいたしました。また、需要拡大を図った結果、団地の雑用水としても使われており、工業用水は、工場の稼働に必要な水であることはもちろん、都民の日常生活にも深く関わっております。
工業用水から上水道への切替え対象は、企業などの利用者が四百七十六件、集合住宅でトイレ洗浄水として使用している利用者が約三万五千件と聞いております。
水道局では、これら利用者の切替えを鋭意実施されていると思いますが、上水道への切替えをしっかりと行うのが、事業廃止を決めた都の責務でもありますので、その進捗について何点か確認をさせていただきます。
初めに、事前説明でも報告がありましたが、工業用水道切替えの現在の進捗状況、改めてお伺いをいたします。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 これまで、工業用水及び一般雑用水の利用者に対し、事業廃止の経緯のほか、上水道への切替え工事の経費負担、切替え後の料金差額補填や節水設備設置の支援策などについて丁寧に説明してきました。その結果、全ての利用者に事業廃止についてご理解をいただいており、上水道への切替え工事を順次実施しています。
今後、工事を予定している利用者についても、切替え工事や節水支援の内容などの調整はほぼ終わっており、現在、導入する設備の仕様確定、経費の見積り、施工時期といった詳細な調整を実施しています。
また、集合住宅の切替えは、建物管理者や自治会等の協力を得て、居住者との調整を進めており、現時点で予定を上回り進捗しています。
こうしたことから、上水道への切替えについては、おおむね順調に進んでいると認識しています。
○小林委員 おおむね順調に進んでいるとのことですが、事業廃止まで、工期を考えると残された時間も僅かでございます。
工業用水の利用者とは、詳細な調整の段階という答弁がございましたけれども、工業用水の利用者の切替えを進めるための課題、そして、それに対する水道局の対応についてお伺いいたします。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 工業用水の利用者の中には、水道料金の負担を軽減するため、使用水量削減の観点から、節水支援となる循環設備や井戸の設置を要望している企業があります。こうした企業では、限られたスペースでの設備設置のほか、節水の効果とランニングコストの費用対効果を検討していることから、最も効率的な仕様の決定に時間を要しています。
当局では、企業の検討を促進し、速やかな判断を後押しするため、設備の仕様や経費節減効果などの専門的な内容について、コンサルの知見や関係局の協力を得て相談に応じるなど、早急に工事着手できるよう、引き続き支援していくこととしております。
○小林委員 節水支援は、企業経営の継続に直結する重要な取組であると思います。特に中小企業は、狭隘な敷地内での設備設置や切替え工事に苦慮していると聞いております。
既に切替えを始めて三年が経過いたしますが、困難な場所での実績を今後の設備設置の検討にフィードバックできれば、切替えがスムーズに進むのではないかと考えますが、設備設置に当たり、具体的な先行事例などがありましたらお伺いをいたします。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 これまで、当局からの提案により、幾つかの企業が設備設置を完了しています。循環設備を設置した企業からは、敷地が限られている中で建物への影響が少ない小型の機器を屋上に設置できたことから、工場のスペースを有効活用できているとの声がありました。また、井戸を設置した企業からは、井戸とタンクを併用することで、十分な水量や水質が確保でき、問題なく操業できているとの声がありました。これらの事例は、当局が中小企業の要望に寄り添いながら提案し、機器の設置を支援したものであります。
今後も、設備の設置を要望する企業に対し、先行事例における機器の性能や必要となるスペースなどの情報を積極的にフィードバックしながら、効果的な提案を行っていくこととしております。
○小林委員 ありがとうございます。冒頭申し上げましたとおり、工業用水道事業は、産業支援の側面も併せ持った上でスタートしていることを忘れてはならないと思います。その工業用水道を廃止するのですから、それを機に企業が経営断念しないようにしっかりと支援していくのが都の大事な責任であると考えます。こうしたことをしっかり踏まえて、上水道への切替えを確実に完了させていただきたいと思います。
令和二年度公営企業決算特別委員会で、都議会公明党は、集合住宅の切替えが計画どおりに進捗していないことを指摘いたしまして、水道局からは、着実に取り組むとの答弁があったところであります。
先ほどの答弁では、予定を上回る進捗を見せているとのことでありますが、集合住宅は非常に数が多く、特に私の地元練馬区には、光が丘団地という都内でも有数の規模を誇る団地がございます。集合住宅では、工業用水はトイレ洗浄水として使用されており、公衆衛生の観点からも着実に切替えを行う必要があります。この光が丘団地だけで約七千三百件が切替え対象と聞いておりまして、全体の切替えの約三万五千件の二割強を占めている状況でございます。
そこで、ここの光が丘団地における切替えの進捗状況についてお伺いいたします。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 集合住宅の切替えは、当局が、居住者からの同意書提出を受け、建物管理者において各居室のトイレ配管の切替えを行っています。
光が丘団地では、令和四年一月末時点で約七割の切替えが完了しています。これは、集合住宅全体と比較しても、同程度の進捗状況であり、おおむね順調に推移しています。
引き続き、居住者とのコミュニケーションを重ね、同意書を取得していくとともに、建物管理者との綿密な連携の下、切替えを推進していきます。
○小林委員 光が丘団地は、居住者が大変多く、生活スタイルも様々でありますので、切替えに関する様々な事例が集約された地域ではないかと思います。
先ほど、居住者とのコミュニケーションを重ね、同意書を取得していくという答弁がありましたけれども、光が丘団地をはじめ集合住宅の切替えにおいて、どのような声があり、また、それに対してどう対応しているのかお伺いをいたします。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 集合住宅の切替え工事は居住者の立会いが必要であることから、要望の多くは施工時期に関するものであります。こうした要望は、施工を行う建物管理者に伝え、居住者との調整を促しています。
そのほか、床や壁を剥がして配管を切り替えなければならない居室があり、居住者からは、日常生活の支障とならないよう短時間で工事を終わらせてほしいといった要望があります。これに対しては、建物管理者と当局が、事前に同じタイプの空き室で配管状況の確認や試験施工の実施などにより、最も効率的な施工方法を検討し、時間短縮に努めています。また、現場の状況に応じて、居室外のパイプスペースなどで施工するなど柔軟に対応しています。
今後も、当局では、居住者の要望に沿えるよう、切替え工事の時期や方法について建物管理者と十分な調整を行い、適切な対応を図っていくこととしております。
○小林委員 ありがとうございます。居住者の日常の生活の環境の中で行う様々な工事でもありますが、大変ご苦労もおありかと思いますけれども、引き続き、居住者の要望を踏まえて、着実に、そして丁寧に切替えを進めていただきたいと思います。
これまで中小企業や集合住宅の居住者と調整を行い、取組を進めてきましたけれども、工業用水道の廃止に伴う上水道への切替えは、繰り返しになりますが、令和四年度末に確実に完了させなければなりません。
残り一年と時間がない中、上水道への切替えを確実に完了させるための今後の取組についてお伺いいたします。
○松田浄水部長特命担当部長兼務 工業用水道の利用者とは、これまでも、切替え工事における様々な調整を行ってきました。
令和元年度末頃からは、新型コロナウイルス感染症の影響により利用者との接触が制限される中で、連絡を取るのも困難な状況に見舞われた時期もありました。こうした時期においても、企業や集合住宅の自治会などと協議し、郵送やポスティングなどの多様な方法により、粘り強く合意形成に取り組んできました。
これらの取組を通じて、事業廃止や支援計画に理解を得ることができ、工事に向けた施工内容の調整が進んだことで、切替えは予定どおり進捗しています。
四年度は、工業用水道事業の最終年度となるため、より一層、利用者の方々と真摯に向き合うとともに、具体的な調整を早急に行い、上水道への切替えを完了させてまいります。
○小林委員 都議会公明党は、工業用水道の今後について議論が行われていた際、二〇一八年の定例会の代表質問で、既に十年以上にわたり工業用水道の事業の継続、廃止の検討の中、これ以上先送りすることは許されない状況にあるとの認識の下で、ユーザーの方々と真摯に向き合い、工業用水道の現状や今後の課題などについて、直接、ユーザーの方と会って意見交換を行うなど、最終判断に向けた検討をより丁寧に進めていくべきと主張をいたしました。そして、廃止という判断になった場合でも、ユーザーにきめ細やかな支援を行っていくべきと求めたところでございます。
廃止決定後も、本会議や当委員会、また、決算委員会などを通じて繰り返しこの問題を取り上げてまいりましたが、いよいよ残り一年であります。今、答弁にもありましたように、今まで以上の丁寧な調整を行い、進めていただくよう要望いたしまして、質問を終わります。
○こいそ委員長 お諮りをいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○こいそ委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で水道局関係を終わります。
なお、本日審査いたしました請願は、執行機関に送付いたしまして、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時十六分散会
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