公営企業委員会速記録第五号

令和三年三月十八日(木曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長田村 利光君
副委員長宮瀬 英治君
副委員長たきぐち学君
理事古城まさお君
理事おじま紘平君
理事大山とも子君
上田 令子君
馬場 信男君
中山ひろゆき君
とくとめ道信君
川松真一朗君
鈴木あきまさ君
藤井  一君
山田ひろし君

欠席委員 なし

出席説明員
交通局局長内藤  淳君
次長久我 英男君
総務部長根木 義則君
水道局局長浜 佳葉子君
技監相場 淳司君
理事総務部長事務取扱岡安 雅人君
下水道局局長和賀井克夫君
技監神山  守君
総務部長小林 忠雄君

本日の会議に付した事件
決議について
予算の調査(意見開陳)
・第二十三号議案 令和三年度東京都交通事業会計予算
・第二十四号議案 令和三年度東京都高速電車事業会計予算
・第二十五号議案 令和三年度東京都電気事業会計予算
・第二十六号議案 令和三年度東京都水道事業会計予算
・第二十七号議案 令和三年度東京都工業用水道事業会計予算
・第二十八号議案 令和三年度東京都下水道事業会計予算
付託議案の審査(決定)
・第九十三号議案 多摩川流域下水道野川処理区、北多摩一号処理区、北多摩二号処理区、多摩川上流処理区、南多摩処理区、浅川処理区及び秋川処理区並びに荒川右岸東京流域下水道荒川右岸処理区の改良に要する費用の関係市町村の負担について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○田村委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、決議について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました決議三件については、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

   水道料金の減免措置に関する決議(案)
 東京都議会は、平成十六年十月、水道料金の改定に際し、中小企業や都民生活を守る立場から、低所得者世帯、社会福祉施設、公衆浴場及び用水型企業について、特別の減免措置を講ずるべきとの付帯決議を行った。
 その後、都議会では、東京の地域経済や都民生活の状況を考慮し、平成二十八年三月に減免措置の継続を求める決議を行った。
 これを受けて、都は、水道料金の減免措置を実施しているが、本年三月末日をもってその実施期間が終了する。
 現在、我が国の景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さが見られる。
 都民生活、中小企業の業況等は、なお厳しい状況にあり、ここで減免措置が終了することになれば、低所得者世帯や用水型企業等に多大な影響を与えることになる。
 よって、東京都議会は、用水型企業に対する減免に関して各業種の状況にも配慮し、減免対象となる使用水量や減免率について、一定の見直しを行い、また、低所得者世帯、社会福祉施設、公衆浴場及び用水型企業に係る水道料金について、減収分に適切な措置を行った上、令和三年四月以降も、減免措置を継続するよう強く求めるものである。
 以上、決議する。
  令和三年三月 日
東京都議会

   工業用水道料金の減免措置に関する決議(案)
 東京都議会は、平成九年三月、工業用水道料金の改定に際し、長期化する景気の低迷を踏まえ、中小零細企業が多い用水型皮革関連企業に対して、特別の減免措置を講ずるべきとの付帯決議を行った。
 その後、都議会では、東京の地域経済や都民生活の状況を考慮し、減免措置の継続を求める決議を行ってきた。
 これを受けて、都は、工業用水道料金の減免措置を実施しているが、本年三月末日をもってその実施期間が終了する。
 現在、我が国の景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さが見られる。
 都内の用水型皮革関連企業は、不況業種に指定されるなど、これを取り巻く環境は、引き続き厳しい状況にある。
 よって、東京都議会は、用水型皮革関連企業に係る工業用水道料金について、減収分に適切な措置を行った上、令和三年四月以降も、減免措置を継続するよう強く求めるものである。
 以上、決議する。
  令和三年三月 日
東京都議会

   下水道料金の減免措置に関する決議(案)
 東京都議会は、平成十年三月の下水道料金改定に際し、都民生活に与える影響を考慮して、社会福祉施設等に対する料金の減免措置を求めるほか、高齢者世帯及び生活関連業種のうち、特に必要と認めるものについても、値上げの影響による激変緩和の観点から、一定期間の減免措置を求めた。
 その後、都議会では、東京の地域経済や都民生活の状況を考慮し、減免措置の継続を求める決議を重ねてきた。
 これを受けて、都は、現在まで減免措置を継続実施してきているが、本年三月末日をもってこれらの減免措置は終了する。
 現在、我が国の景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さが見られる。
 都民一人一人の生活や個人商店、零細企業の経営状況は、いまだ改善されるまでには至っていない。また、高齢者世帯の家計についても、なお厳しい状態が続いている。
 よって、東京都議会は、都民生活を守る立場から、社会福祉施設、低所得者世帯、公衆浴場、医療関係施設等並びに高齢者世帯及び生活関連業種のうち、特に必要と認められるものについて、減免措置に伴う下水道事業の減収分に対する適切な措置を講じた上、令和三年四月以降も、下水道料金の減免措置を継続するよう強く求めるものである。
 以上、決議する。
  令和三年三月 日
東京都議会

○田村委員長 本件は、議長宛て提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。

○田村委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第二十三号議案から第二十八号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○中山委員 都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託されました令和三年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 令和三年度予算は、昨年から継続しているコロナ禍の厳しい財政環境の中にあっても、都民の命を守ることを最優先としながら、東京の経済を支え、その先に未来を見据えた予算として、第一に、新型コロナウイルス感染症対策に取り組み、この間、浮き彫りとなった課題に的確に対処するとともに、将来にわたって成長し続ける都市東京の実現に向けた戦略に取り組むこと、第二に、デジタル化による都民サービスの向上など都政の構造改革を進めるとともに、ワイズスペンディングの視点から無駄を一層なくしていくこと、第三に、東京二〇二〇大会を都民、国民の理解を得られる安全かつ持続可能な大会として実施し、次世代へレガシーを継承していくことの三点を基本に編成されています。
 補正予算を含めた一般会計予算七兆五千六百五十一億円、特別会計と公営企業会計を含めた全会計予算十五兆二千九百九十五億円の令和三年度予算には、新型コロナウイルス感染症対策、子育て支援、新しい時代を切り開く人材の育成、高齢者の社会参加の促進、暮らしへの支援、女性の活躍推進、雇用就業支援、テレワーク等の働き方改革、悩みに対するサポート体制の強化、感染症対策、医療体制の充実、豪雨対策、震災に強いまちづくり、道路ネットワーク形成や公共交通の充実、国際金融都市など世界経済を牽引する都市の実現、中小企業、地域産業支援、ゼロエミッション東京、水と緑あふれる都市環境の形成、公共施設や都民サービスや行政のデジタルシフトなどスマート東京の実現、東京二〇二〇大会の開催とレガシーの創出、多摩・島しょの振興など、都民生活にとって欠かすことのできない大切な施策が数多く盛り込まれています。
 都民ファーストの会東京都議団が要望し、予算計上されました、出産、子育ての十万円の支援や東京版ニューディールによる二万人の雇用創出や新しい日常に対応した雇用就業環境の構築など、五十回を超える都への新型コロナウイルス対策要望事項を初め、デジタルトランスフォーメーションの爆速的な実装、世界的な気候変動対策と連携したゼロエミッション東京の実現など、都民ファーストの視点で、未来の東京の実現に向け、東京のさらなる進化を図るとともに、都民の安全・安心を確保するため、効果的でスピード感のある政策の実現を強く要望します。
 それでは、各局事業について、まず、交通局関係について申し上げます。
 一、駅の大規模改良工事など、土木や建築に係る適正な工事の予定価格が算出できるよう積算力の向上を図ること。
 一、子育て応援スペースは、アンケート調査などでも好評であり、全路線への拡大に当たって、デザインなどの工夫を図ること。
 一、バスの乗務員が高齢化していく中、必要な人材を確保するため、若者や女性をターゲットにした広告などの工夫を図ること。
 一、バスの乗務員は、運転技能だけではなく、運行に支障を来すようなトラブルが発生した際、瞬時に適切な対応ができるような能力を向上させること。
 一、浅草線プロジェクトを確実に推進すること。また、浅草駅は、バリアフリー機能の充実が課題であることに加え、雷門方面につながる出入り口が老朽化した建築物と一体となった構造であるため、代がえルートを含め、ベストミックスな構想を図ること。
 一、コロナ禍の影響を最も受けている観光バス事業においては、厳しい経営環境が今後も継続するものとして対応を続けること。
 一、導入されている車椅子に乗ったまま昇降できるリフトつき観光バスは、その特徴を生かし、高齢福祉関係を初め、さまざまな顧客ニーズに対応すること。
 一、日暮里・舎人ライナーの新規車両への更新は、輸送力の向上が混雑緩和に資するため、遅滞なく進めること。
 一、鉄道に比べ雪による影響を受けやすい日暮里・舎人ライナーは、降雪時の輸送障害に対してハード、ソフトの両面から対策を講じ、安全運行を確保すること。
 一、路線バスにおいては、地域事情の変化に迅速に対応し、バスルートの変更やダイヤ改正など、利便向上に努めること。
 次に、水道局関係について申し上げます。
 一、安全・安心な水の供給を第一に、公営企業として、民間の発想も柔軟に取り入れながら、施設の更新に当たっては、ダウンサイジングも含め検討を行うなど、持続可能な水道事業の経営を進めること。
 一、業務の効率化を図り、利用者の利便性を向上させるため、スマートメーターの導入、ドローンやAI活用など、取り組みを加速すること。
 一、支払いや各種手続など、ペーパーレス化、キャッシュレス、オンライン化等、取り組みを加速すること。
 一、環境性能の高い施設の導入、再生可能エネルギーの普及促進、非ガソリン車や電動バイクの積極的な導入など、CO2排出量を削減し、脱炭素社会の実現を加速すること。
 一、震災対策の一環として、耐震継ぎ手化の事業の加速化を図ること。なお、工事の発注に当たっては、近年の工事単価の高騰を踏まえること。
 一、貯水池や取水、導入施設、ろ過池、配水池、避難所の給水管など、耐震化を進めること。
 一、水源地を守るため、水道水源林の保全管理や多摩川水源森林隊による森林保全活動を推進すること。
 一、災害のみならず、テロや事故等のさまざまな脅威への対応を強化し、危機管理に万全を期すこと。
 一、グループ経営に当たっては、事業に対する都の責任を明確にしつつ、経営の安定と効率化が最大化される取り組みを継続すること。
 一、東京水道グループのコンプライアンス体制、ガバナンスを抜本的に強化するとともに、人材育成体制の強化を通じて、社員のエンゲージメントを向上させること。
 一、多摩地区の地下水の水質を維持するための監視体制の強化を図り、安全でおいしい水を供給するための総合的な整備を行うこと。
 一、河川や地下水における有害物質の流入など、水質異常や事故発生時の関連自治体への情報共有の体制を確立すること。
 一、国内外の水道事業体への貢献等を通じて、東京のプレゼンス向上に寄与すること。
 一、東京水道経営プランは、常に検証、見直しを行い、その実効性を高めていくこと。
 一、首都直下型地震や水道需要の減少、料金収入の縮小、インフラ更新など、リスクや課題に対して、長期的な視点を持って対応すること。
 一、浄水場の整備に当たって、予防保全型管理の取り組みなどを通じて効率的に行うこと。また、耐震化についても着実に進めること。
 一、コロナ禍による社会経済状況など、大きな変化に対して柔軟に対応すること。
 続きまして、下水道局関係について申し上げます。
 一、整備年代に応じた区部の三つのエリア分けによる計画のもと、下水道管枝線の再構築を確実に進めること。
 一、下水道幹線の再構築に当たっては、短期間、低コストでリニューアルできる更生工法を活用すると同時に、再構築が困難な幹線については、代替幹線の整備により、計画的に実施すること。
 一、浸水対策については、重点化地区などにおける施設整備を着実に進めると同時に、浸水予想区域図の見直しによる区市のハザードマップ作成など、ソフト面での施策を推進すること。
 一、三河島水再生センターを初め、各センターにおける高度処理の導入と既存施設改造による準高度処理の導入によって、窒素、リンの削減を進め、東京湾のさらなる水質改善に取り組まれること。
 一、二〇三〇年カーボンハーフ宣言を踏まえ、都庁内最大の温室効果ガス排出者として、AIなどを活用した水処理技術を開発するなど、温室効果ガスの削減に向けて取り組むことを強化すること。
 一、下水道指導事務の移管を受けて、多摩地域の下水道事業の持続的な運営に向けて、都と市町村の一層の連携強化に取り組むこと。
 一、事業の効率化や都民サービスの向上を図るため、下水道事業のあらゆる分野でデジタルトランスフォーメーションを推進すること。
 一、落合、清瀬の各水再生センターで導入する包括委託について、導入効果や履行状況などを検証すること。
 一、区部下水道事業において、新型コロナウイルス感染症の影響で百億円を超える減収が見込まれる中、コスト縮減と資産や資源の有効活用などの企業努力を進め、財政基盤の強化を図ること。
 一、維持管理収支の赤字基調が続く流域下水道事業においては、市町村改良負担金の導入を受け、事業執行全体の一層の経営効率化に努めること。
 一、経営計画二〇二一で掲げられた目標に向けて、事業を着実に推進すること。
 以上、都民ファーストの会東京都議団としての意見開陳を終わります。

○川松委員 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 令和三年度予算案は、コロナ感染拡大防止対策に万全を期し、ワクチン接種を迅速に進めながら、コロナ禍から立ち上がる都民、都内事業者を力強く支援するとともに、災害対策、高齢者施策、子供、子育て、障害者施策、教育環境の整備といった課題にも的確に対応し、あわせて、東京二〇二〇大会に向けた準備を着実に進めていくための予算です。
 そして、こうした多岐にわたる課題に対応しながら、コロナ禍の影響によって税収が落ち込む中で、都財政の健全性を堅持し、東京の将来に向けた長期計画をしっかりと構築していくことが求められています。
 つまり、令和三年度の予算は、コロナ禍を切り抜け、コロナ後の東京の未来に向けた道筋をつける予算です。
 その一方で、コロナ感染の再拡大への懸念が拭えない中、令和三年度の予算に関して、事業執行の段階で、柔軟な対応が必要になってくる事態が発生することもあると思われます。
 課題は山積し、将来見通しは不透明です。こうしたときこそ、国との連携が重要です。現に、営業時間短縮に係る都内飲食店等への協力金の九割以上は国の負担によるものです。
 そして、首都圏としてのまとまりも大事にしながら、都内区市町村の実態に目を配り、都民福祉の向上という都政運営の基本を忘れずに、計画的な財政運営に努めていくことが必要です。
 今後の都政を取り巻く環境の変化に適切に対応しながら、刻々と変化し、多様化する都民の声に丁寧に対応し、都民が事業効果を実感できる、都民のための予算執行に全力で取り組むことを求めておきます。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、まず、このことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 まず、交通局関係について申し上げます。
 一、東京の都市活動と都民生活を支える公共交通機関として、引き続き、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に取り組まれたい。
 一、近年、激甚化、頻発化する豪雨災害に備え、浸水対策の強化を図るなど、災害対策を一層推進されたい。
 一、交通局経営計画二〇一九に定められた施策を推進し、安全・安心の確保を最優先に、質の高いサービスの提供、東京の発展への貢献、経営基盤の強化に努めるとともに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、対応に万全を期されたい。
 一、全線全駅へのホームドア整備の早期実現や高い安全意識と技術力を持った職員の育成など、地下鉄の安全確保に努めるとともに、車内の防犯カメラの設置促進や巡回警備の強化など、テロ、防犯対策を強化されたい。
 一、誰もが利用しやすい地下鉄とするため、乗りかえ駅等へのエレベーターへの整備やユニバーサルデザインの考え方を取り入れた車両の導入など、一層のバリアフリー化に取り組まれたい。
 一、泉岳寺駅の大規模改良に当たっては、品川駅周辺地域のまちづくりと整合を図りながら、隣接市街地と一体的に整備を進められたい。
 一、都電荒川線は、施設や設備の適切な維持管理や更新などを進め、安全輸送基盤の確保を図るとともに、沿線地域の活性化に寄与されたい。また、経営の安定化に向けて一層努力されたい。
 一、日暮里・舎人ライナーは、地域との連携を強化しながら、平日昼間の時間帯や休日の乗客誘致などの増収に努め、事業経営の早期安定化を図られたい。また、朝のラッシュ時の混雑対策を推進されたい。
 一、水素社会の実現に向けて、燃料電池バスを運行するほか、地下鉄駅にLED照明を導入するなど、環境に配慮した取り組みを推進されたい。
 一、左折時警報装置の導入拡大など車両装備の改善や外部の専門機関による研修の実施など、安全対策を着実に推進されたい。
 一、経営の透明性向上に努め、公営企業としての経済性と公共性に配慮しつつ、資産の有効活用など、関連事業を推進されたい。
 次に、水道局関係について申し上げます。
 一、利根川、荒川水系における利水対策の推進を国に要望するとともに、荒廃した民有林の対策や多様な主体と連携した森づくりなどを含め、水道水源林の適正管理に努められたい。
 一、東京水道経営プラン二〇二一を確実に実施し、浄水場の更新、導水施設の二重化、送水管の二重化、ネットワーク化及び給水所の新設、拡充に取り組むなど、水道基幹施設の再構築を計画的に進め、将来にわたる安定給水の確保に努められたい。
 一、災害時等において断水被害を効果的に軽減させるよう、首都中枢機関などの重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化を優先的に推進するとともに、浄水場の覆蓋化などの施設整備を計画的に推進されたい。また、災害発生時の水道の早期復旧に向けて、受援体制を充実強化されたい。
 一、多摩地区水道が強靱で信頼される広域水道へと進化を遂げられるよう、市町域を越えた施設整備などの本格的な再構築を計画的に推進されたい。
 一、安全でおいしい高品質な水を供給するため、水源から蛇口までの総合的な水質管理を徹底するとともに、小中学校の水飲栓直結給水化モデル事業のフォローアップや直結切りかえ見積もりサービスの充実などに取り組まれたい。
 一、水道水質モニター等の体験、体感型の取り組みや東京水道あんしん診断など、高品質な水道水を都民が実感できる取り組みを着実に推進されたい。
 一、東京水道の持つ技術力、ノウハウなどの強みを生かした国際展開を推進されたい。また、国内のほかの水道事業体における人材育成や事業運営に協力するとともに、大規模災害発生時における被災事業体への支援体制を強化されたい。
 一、東京水道グループ全体のガバナンスとコンプライアンスを一層強化するとともに、監理政策連携団体と一体となって、現場の経験に裏づけられた専門知識や柔軟な発想を持った人材を確保、育成されたい。
 一、一層の経営努力に努めるとともに、政策連携団体とのグループ経営の強化や中長期的な視点に立った財政運営を推進することで、公共性の確保と効率性の発揮を両立させ、持続可能な経営を実現されたい。
 一、工業用水道事業廃止までの間、安定給水及び施設の安全性確保に継続して努められたい。事業廃止に伴う利用者への支援は、関係各局と連携し、都民の十分な理解を得た上で実施されたい。また、用水型皮革関連企業に係る料金について、減収分に適切な措置を行い、減免措置を継続されたい。
 最後に、下水道局関係について申し上げます。
 一、東京都下水道事業経営計画二〇二一の達成に全力で取り組み、都民サービスの一層の向上と経営の効率化を図るとともに、将来的課題を見据えた技術開発に計画的に取り組まれたい。
 一、老朽化した下水道施設の更新にあわせて、雨水排除能力の増強や耐震性の強化など、機能の向上を図る再構築を計画的、効率的に推進するとともに、首都直下地震などの地震や津波に備えた震災対策を推進されたい。
 一、豪雨災害が相次ぐ近年の気象状況を踏まえ、浸水の危険性が高い対策促進地区等で施設整備に取り組むとともに、大規模地下街などにおいて、雨水整備水準を一時間七十五ミリにレベルアップした施設を整備するほか、区部全体の下水道施設の能力を検証し、新たな対策地区を追加されたい。
 一、東京湾など公共用水域の水質をより一層改善し、豊かな水辺環境の創造に資するため、貯留施設の整備などによる合流式下水道の改善や高度処理施設等の整備を推進されたい。
 一、スマートプラン二〇一四及びアースプラン二〇一七の目標達成に向け、エネルギー使用量と温室効果ガス排出量をより一層削減する取り組みを推進されたい。
 一、汚泥の資源化や再生水の利用拡大、施設の上部利用等、下水道が持つ資源、空間等の有効利用を図られたい。
 一、道路陥没などを未然に防ぎ、下水道機能を安定的に確保するため、維持管理の充実を図られたい。
 一、多摩地域の公共下水道事業を実施する市町村との連携を強化することなどで、多摩地域全体の下水道事業運営の効率化を図られたい。
 一、下水道のニーズがある国や地域の課題解決に寄与するとともに、日本の産業力強化に貢献するため、下水道事業における国際展開を着実に推進されたい。
 一、下水道施設の老朽化対策に係る国費補助の継続及び制度の拡充等の財政措置について、国と東京都の実務者協議会の場などを活用し、国に強く要望するとともに、コスト縮減や資産の有効活用など企業努力を行い、健全な財政運営に努められたい。
 一、施設の運営手法の検討に当たっては、災害時の対応等も視野に、下水道事業の安定性、公共性、都民生活への影響などに十分に配慮しつつ、慎重な対応を図られたい。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。

○古城委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された令和三年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 令和三年度東京都予算案は、厳しい財政環境が続くことが想定される中にあっても、我が党のたび重なる要請に応え、東京の総力を挙げた感染防止と経済活動の両立を図るための多面的な対策を事業化するとともに、少子高齢化などの喫緊の課題への対応、安全・安心な東京二〇二〇大会の開催に向けた準備など、東京、ひいては日本全体の持続的成長につながる取り組みに重点的に予算措置を行っています。
 具体的には、我が党が強く求めてきた東京都出産応援事業や東京都生活応援事業、都認可外通信制高校授業料軽減助成、高齢者肺炎球菌ワクチンの定期予防接種補助、デジタルデバイド対策、東京都ドクターヘリの導入、新たな調節池の整備、都営住宅募集のオンライン化など、都民の暮らしを守るための施策が随所に盛り込まれています。
 一方、都財政は、景気変動に大きく影響を受けやすい不安定な歳入構造にある上、コロナ禍は社会経済全体に大きな影響を及ぼしており、その根幹をなす都税収入の減収が続くことも想定しておかなければなりません。
 こうした状況のもと、令和三年度予算編成における事業評価の取り組みでは、我が党が積極的な活用を求めてきた複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用し、いずれも過去最高となる一千三百六十件の見直し、再構築、約一千百十億円の財源確保額へとつなげています。
 また、未来の東京戦略で掲げる政策を着実に進めるための財源として基金を活用するとともに、都債を充当可能な事業に対して積極的に活用するなど、これまで培ってきた財政対応力を最大限に発揮し、必要な財源を確保していますが、今後とも、基金や都債を計画的に活用するべきことを強く求めます。
 さらに、予算の執行段階においても、さらなる創意工夫を行うとともに、事業評価と政策評価の一体的な実施により、施策の新陳代謝を一層促進し、各施策の実効性、効率性をさらに高めるなど、持続可能な財政運営に努め、都民の命と暮らしを守ることを最優先に、東京の明るい未来の実現に向けて、各施策を迅速かつ的確に展開することを強く望みます。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、交通局関係について。
 一、交通局経営計画二〇一九に基づき、効率的な執行体制の構築など、強固な経営基盤の確立に努めるとともに、都民が安心して都営交通を利用できるよう、事故防止の取り組みを強化すること。
 一、地下鉄については、防災対策と感染症対策の充実に向け、ハード面はもとより、SNSを活用した運行情報の発信など、ソフト面の安全対策にも万全を期すこと。
 一、浅草線全駅について、令和五年度までのホームドア整備完了を目指し、関係機関とも連携して積極的に取り組むこと。
 一、地下鉄の利便性、快適性を向上させるため、引き続き混雑対策を進めること。また、日暮里・舎人ライナーについて、全座席のロングシート化により定員をふやした車両への更新を行うなど、混雑緩和策を推進すること。
 一、地下鉄駅などにおいて、エレベーター、エスカレーターなど、高齢者、障害者、子育て世帯などに優しい設備の整備を進めるとともに、サービス介助士の充実などのソフト面のバリアフリー化にも積極的に取り組むこと。
 一、地下鉄駅のトイレの洋式化や温水洗浄便座の設置など、さらなる快適性の向上に取り組むこと。加えて、ユニバーサルベッドやオストメイト用設備の整備を推進すること。
 一、地下鉄やバスの施設や車内における多言語対応など、案内表示の充実を進めるほか、地下鉄駅におけるツーリストインフォメーションセンターの設置拡大など、国内外からの旅行者を迎えるために必要な施策を推進すること。
 一、バス乗務員の教育を充実するとともに、ドライブレコーダーや運転訓練車を有効に活用するなど、安全対策の充実を図ること。
 一、バス停留所に上屋、ベンチを整備するなど、サービス向上を図るとともに、二人乗りベビーカーの乗車について、利用方法などをわかりやすく周知し、乗客の理解促進を図ること。
 一、都電荒川線について、輸送の安全性、安定性の向上を図ること。また、地元との連携を図り、沿線地域の活性化に取り組むこと。
 一、各事業に導入する車両は、一層のバリアフリー化やLED照明の採用など、誰にでも使いやすく、環境に配慮したものとすること。
 次に、水道局関係について。
 一、東京水道経営プラン二〇二一に掲げた施策を着実に推進し、都民サービスの一層の向上と経営の効率化に努めること。
 一、水源の確保については、利根川水系及び荒川水系における利水、治水対策の推進を国に要望すること。また、原水の水質保全対策を積極的に推進すること。あわせて、水道水源林の適正管理や、その保全の重要性の理解促進に取り組み、水源地保全に努めること。
 一、安全でおいしい高品質な水を供給するため、水質検査及び浄水過程における水質管理を徹底すること。また、都民の水質に対する満足度向上のため、水道水の水質や安全性などの情報をわかりやすく発信すること。
 一、直結給水方式の普及拡大や貯水槽水道対策の推進に努めること。
 一、災害時などにおいて断水被害を効果的に軽減させるため、重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化を優先的に推進するとともに、私道内給水管整備や長期不使用給水管への対応、水道施設の耐震化を着実に実施すること。断水の範囲や復旧状況を地図情報で提供するなど、発災時の水の確保について、都民にわかりやすく伝わるよう取り組むこと。さらに、平常時から、給水拠点の役割や場所について、都民に広く認知されるよう発信すること。
 一、政策連携団体を含む効率的な運営体制を構築し、東京水道グループ全体のガバナンスとコンプライアンスを一層徹底すること。
 一、低所得者世帯、社会福祉施設、公衆浴場及び用水型企業に係る水道料金について、減収分に適切な措置を行った上、引き続き減免措置を継続すること。また、年度末で期限が切れる水道料金の支払い猶予について、受け付け期間の延長を行うこと。さらに、用水型企業に対する水道料金の減免については、各業種の状況にも配慮し、減免対象となる使用水量や減免率について、一定の見直しを行うこと。
 一、工業用水道事業について、効率的な事業運営に努め、令和四年度末の事業廃止に伴う、利用者の経営などへの影響を最小限にとどめられるよう、適切な支援を確実に実施すること。また、用水型皮革関連企業に係る工業用水道料金について、減収分に適切な措置を行った上、引き続き減免措置を継続すること。
 一、外堀の水質改善について、玉川上水の維持管理の知見を生かして、外堀浄化プロジェクトの着実な進展に資する施策を推進すること。
 次に、下水道局関係について。
 一、東京都下水道事業経営計画二〇二一に掲げた目標の達成に向けた取り組みを通じ、都民サービスの向上と経営の効率化に努めること。
 一、施設の老朽化に対応しつつ、機能の高度化を効率的に図る再構築事業を計画的に推進すること。
 一、近年の豪雨被害などを踏まえ、一時間五十ミリ降雨への対策に加え、甚大な被害が発生した市街地における雨水整備水準を一時間七十五ミリにレベルアップした施設整備を実施するなど、浸水対策の取り組みを強化していくこと。
 一、多摩川下流に設置している下水道の樋門をより安全に操作するための措置や都区間の連携による情報共有体制の強化を図ること。
 一、震災時においても必要不可欠な下水道の機能を確保するため、下水道施設の耐震対策を推進するなど、さらに震災対策を強化すること。
 一、東京湾などの公共用水域の水質を改善するため、合流式下水道の改善や高度処理施設などの整備を推進すること。とりわけ、外堀の水質改善に貢献する取り組みを推進すること。
 一、二〇五〇年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする脱炭素社会の実現を目指し、再生可能エネルギーの活用拡大や省エネルギーをより一層推進すること。
 一、多摩地域の公共下水道事業を実施する市町村との連携を強化し、地域全体の下水道事業を効率的、効果的に推進すること。
 一、立川市、東大和市、武蔵村山市の三市にまたがる浸水被害を軽減するために、関係市と連携して、空堀川上流域における流域下水道雨水幹線の整備を着実に推進し、事業効果の早期発現に努めること。
 一、下水汚泥の資源化、下水を高度処理した再生水の利用拡大など、資源の有効利用を進めるとともに、再生可能エネルギーの活用拡大などとあわせてPRを充実させていくこと。
 一、デジタルトランスフォーメーションの取り組みを進めるとともに、国際展開に当たっては、東京下水道が有するすぐれた技術やノウハウなどを生かすこと。
 一、維持管理については、計画的な補修により道路陥没の防止を図るなど、予防保全を重視した取り組みを進めるとともに、臭気対策の強化など、取り組みの充実を図ること。
 一、下水道施設の老朽化対策に係る国庫補助金の継続や起債における公的資金枠の確保などの財政措置を国に強く要請すること。
 一、都民生活に与える影響を考慮し、減収分について適切な措置を行った上で、必要な下水道料金の減免措置を講じること。また、新型コロナウイルス感染症対策として実施している下水道料金の支払い猶予の延長を行うこと。
 以上で意見開陳を終わります。

○とくとめ委員 日本共産党東京都議団を代表して、本委員会に付託された来年度予算案について意見を述べます。
 東京都の予算規模は、ノルウェーやスウェーデンの国家予算に匹敵をします。今こそ、その財政力をコロナ対策の拡充と都民の暮らし、福祉優先に活用すべきです。
 公営企業三局の事業は、都民生活にとって必要不可欠で、重要な役割を担っています。公共の福祉を増進するという重要な役割を第一にして、移動の権利を誰にも保障し、安全で安心な事業運営の継続、公衆衛生の向上、利便性の向上、災害対策の強化や気候変動対策を初め、環境対策に努めることを求めます。
 同時に、この間の委員会質疑で明らかになったのは、政策連携団体や事業協力団体などへ事業を委託し、局としての技術の継承やコンプライアンスが弱まり、さらに官製ワーキングプアをつくっていることです。事業は直営を基本とし、また、こうした役割を担う職員が公営企業としての誇りと希望を持って働けるよう、処遇改善を強く求めます。
 以下、まず、三局共通の要求項目です。
 一、新型コロナウイルスの感染拡大防止及び影響を受けている都民、事業者への支援のために、あらゆる対策を講ずること。
 一、民間委託の拡大、包括委託を進めていく方針を見直して、これ以上の業務の移譲はやめ、正規職員の増員を行い、技術継承と労働環境の改善を行うこと。
 次は、交通局です。
 一、都営交通が誰にとっても安全・安心の交通機関となるよう、痴漢の被害実態を把握するとともに、都営地下鉄全路線に、女性専用車両の設置を進めるとともに、痴漢対応アプリの開発を行うこと。
 一、都民の重要な足である都バスの運行路線は、運行本数の削減や廃止にしないよう、人員の確保を行うこと。都バス路線の開設要望、増便要望に積極的に応えること。
 一、都バス運転手は、都職員を正規採用し、労働条件を改善すること。民間委託先の運転手の労働実態調査を行い、改善できるようにすること。
 一、都バスの停留所の接近表示、上屋、ベンチの整備及び視覚障害者のシグナルエイドに対応する音声案内の設置を促進すること。
 一、全ての都バス車両に左折時警報装置の設置を進めること。
 一、都営地下鉄及び日暮里・舎人ライナーの車両を増備し、混雑緩和を進めること。
 一、都バス、都営地下鉄全線にベビーカーを置ける子育て応援スペースを設けること。
 一、都営地下鉄の駅務の委託を中止し、駅員、保線業務などを増員し、人員を確保すること。
 一、浅草線全駅のホームドア設置を着実に進めること。同時に、ホームドア未設置の駅には、人的配備により転落事故を防ぐこと。配備に当たっては、障害者団体の要望を踏まえること。
 一、ホームドア設置に合わせ、ホームにカーブがある箇所には、すき間対策を進めること。車椅子の乗降、乗りおりのためのかさ上げを行って、段差を解消すること。
 一、地下鉄駅の二ルート目のエレベーター整備は、乗りかえ駅だけではなく、都民の要望を聞き、乗降客や障害者利用の多い箇所に設置すること。
 一、都営交通の聞こえのバリアフリーを進めるために、ヒアリングループ、パネルなどを活用した対策を行うこと。
 一、地下鉄車両内に聴覚障害者向けの文字盤表示の設置を進めること。
 一、都営地下鉄駅のトイレ入り口に音声案内を設置すること。
 一、視覚障害者もエスカレーターを利用できるように、誘導ブロックや音声案内などの整備を拡充すること。
 一、トイレの洋式化を進め、男女両方のトイレにおむつ交換台を設置すること。多目的トイレに大型ベッドの設置を促進し、設置場所を周知すること。
 一、浅草線泉岳寺駅ホームの拡張工事は、大型開発に加担せず、交通事業者としての立場を超えた財政負担をしないこと。
 一、利用者の利便性向上に向け、都営地下鉄と東京メトロのサービスの共通化、一体化を進めること。都営地下鉄の初乗り料金をメトロ並みに引き下げること。
 一、都営地下鉄の豪雨浸水対策を強化すること。都営地下鉄の軌道及び構造物の安全対策を強めること。
 一、施設や車両のLED化など、省エネ化を進める再生可能エネルギーの導入を拡大すること。
 一、再生可能エネルギーである水力発電を増強し、直営を堅持すること。
 次は、水道局です。
 一、新型コロナウイルス感染拡大による水道料金支払い猶予期間を延長するとともに、減免を拡充すること。
 一、新型コロナの影響による暮らしや営業の困難だけでなく、水道料金の減免の対象を、低所得者、在宅人工透析患者、生活関連業者、医療関連施設にも広げ、社会福祉施設の減免対策を拡大すること。制度の周知を徹底すること。
 一、有機フッ素化合物による汚染の原因を調査、究明し、対策をとること。
 一、水道管、浄水場などの水道施設の老朽化対策と耐震化を進めること。特に、耐震継ぎ手化を促進すること。
 一、水道施設で省エネ化を進め、太陽光、小水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーの活用を促進すること。
 一、水道メーターの検針員の労働環境改善のために、検針単価を引き上げること。労働実態を調査し、改善すること。
 一、オートロックマンションの水道メーター検針対策を講ずること。
 一、スマートメーターは、使用量のデータによって生活実態が明らかになってしまうことから、プライバシーの保護には十分配慮すること。
 一、工業用水道の利用者への支援は、利用者の不利益とならないように、要望を聞いて充実させること。
 一、東京水道株式会社の運営は、社員の意見を聞き、合意と理解を得て進めること。財務状況を透明化し、社員の待遇を改善すること。
 一、水道局職員、新政策連携団体の社員のコンプライアンス推進と労働環境の改善を行うこと。
 最後に、下水道局です。
 一、新型コロナウイルス感染拡大による下水道料金支払い猶予期間を延長するとともに、減免を拡充すること。
 一、下水道管、下水道施設などの老朽化や耐震化を促進すること。
 一、合流式下水道の改善を早期に進めること。
 一、下水道料金の減免は、低所得者や在宅人工透析患者も対象とし、社会福祉施設の減免対象を拡大すること。生活関連業者の最低基準を引き下げること。制度の周知を徹底すること。
 一、雨水流出抑制対策として、浸透ます、浸透トレンチ、貯留管敷設を道路管理者と連携して進めること。
 一、重点エリアとして、対策強化流域と対策強化地区では、関係各局と連携して、総合治水対策を進めること。
 一、区への幹線水位情報の提供の取り組みをさらに進めること。
 一、下水管に雨水が入りやすいように、グレーチングふた設置など工夫すること。
 一、老朽化した小規模管渠の再構築を補助交付対象にするよう国に求めること。
 一、下水道施設の省電力化を進め、太陽光、小水力、バイオマス、下水熱などの再生可能エネルギーの活用を推進すること。
 一、政策連携団体の財政状況を透明化し、民間委託は縮小するとともに、包括委託と民間移譲はやめ、都直営事業を継続すること。
 一、国に対して、下水道施設の改築にかかわる国庫補助の継続と増額を求めること。
 一、技術職の人材確保と育成に努め、民間工事業者への支援を進めること。
 一、流域下水道への雨天時浸入水の流入防止対策を初め、浸水対策を市町村とともに進めること。
 一、流域下水道の改良分担金については、市町村の負担を軽減するために、国の増額を求めるとともに、都負担をふやすこと。
 以上です。

○宮瀬委員 私は、都議会立憲民主党を代表し、当委員会に調査を依頼された令和三年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 令和三年度予算案は、厳しい財政環境の中にあっても、都民の命を守ることを最優先としながら、東京の経済を支え、その先の未来を見据えて、都政に課せられた使命を確実に果たしていく予算と位置づけられています。
 しかし、この間、私たちが再三求めてきたコロナ禍で拡大する格差や貧困問題に対しては、当該予算案では、まだまだ不十分であるとも考えます。
 今後、国に対する要請も含め、都民一人当たり十万円以上の定額給付金を初め、子育て家庭、とりわけひとり親家庭に対する給付金の支給に取り組まれることを求めるものです。
 あわせて、学校給食の無償化や家賃補助の拡充など、都民の暮らしを底上げし、格差や貧困の解消に向けて積極的に取り組まれることを強く要望するものです。
 一方で、今後の都財政は、厳しいかじ取りが予想されます。
 今回の組織改正によるデジタルサービス局の創設に伴い、行政改革の文言が見られなくなりましたが、財政も含めて、東京都の行財政改革が後退することのないよう、より積極的な取り組みを求めておきます。
 また、事業評価の見直しに当たっては、事業の見直し専門チームを設置するなど、より一層の歳出の精査を強化するとともに、新しい事業評価においても、外部の目を積極的に活用することを強く求めておきます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 まず、公営企業に共通する事項について申し上げます。
 一、公営企業事業者は、それぞれの会計が独立採算制であるとの認識のもと、社会経済状況の変化を的確に見据え、不断の経営改革に取り組むこと。とりわけ、コロナ禍による収入の減少を初め、社会環境の変化を踏まえて、全ての企業において、将来の収支見通しを含めた長期的な経営計画を策定、あるいは改定すること。
 一、各局から政策連携団体への特命随意契約については、見直しが約六百億円中わずか一件、四百十五万円と不十分であり、二〇二〇改革プランの趣旨にそぐわないことから、点検、見直し、削減を徹底すること。ひいては、コスト削減、割高な水道料金、運賃等の値下げにつなげること。
 次に、交通局関係について申し上げます。
 一、公営企業の中でも、とりわけ収益悪化が見込まれる交通局においては、経営計画の改定に早急に取り組むとともに、中間決算の開示など、経営情報を積極的に公開すること。また、都営地下鉄においては、時間帯別運賃の検討を進めるなど、持続可能な経営に向けて、一層の取り組みを進めること。
 一、都営地下鉄三田線の八両化について、実施時期を可能な限り前倒しするとともに、全編成の八両編成化を進めること。コロナ後も満員電車を解消すること。
 一、地下鉄の災害対策として、荒川氾濫時に浸水が予想され、民間ビル等の出入り口がある二十一駅での対策を強化するとともに、浸水予想区域図にある発電所二カ所の対策を十分進めること。また、実践的な避難誘導訓練を実施するとともに、全駅デジタルサイネージや車内モニターの設置をふやし、災害情報等の発信を強化すること。
 一、交通局が始めている車両への抗ウイルスコーティングについては、都営バスも含め、全車両に早期に完了させること。また、地下鉄の車内モニター、ポスター等を一層活用、マスク着用のアナウンスを徹底し、感染症予防の普及啓発をより一層推進すること。
 一、都営地下鉄において、ユニバーサルデザインの考え方に基づく人に優しい車両の導入を進めるとともに、乗りかえ駅等でのエレベーターの設置を推進すること。また、駅構内の大型ベッドの表示について、春日駅を初め各駅での案内板や交通局のホームページなどにおいて、ピクトグラムを示すとともに、大型ベッドのある一覧サイトをつくるなど、バリアフリー情報を拡充させること。トイレの改修もあわせて急ぐこと。
 一、都営交通のビッグデータの収集活用について、シルバーパスのIC化とともに、交通局で保有するデータを活用し、利用者に資する情報提供を積極的に推進すること。
 一、東京交通サービス株式会社については、役員や幹部職員にプロパー社員を積極的に登用するなど、組織のモチベーションの向上に取り組むこと。
 一、東京メトロとの一層の一元化を図ること。
 次に、水道局関係について申し上げます。
 一、水道は、生命に直結する社会的なインフラであるという認識のもと、安定供給に全力で取り組むとともに、不断の経営努力によって、都民の負担軽減に努めること。また、一般財源の投入を含め、水道料金が大幅減額になるよう取り組むこと。
 一、配水管の耐震継ぎ手の早期実現を図るなど、水道事業の耐震対策を積極的に進めること。
 一、高齢者等の見守りのサービスを初め、効率的な水道事業の運営にも活用できるスマートメーターの全世帯配布に向け、取り組みを一層加速させること。
 一、水道の検針業務については、入札の競争性を担保すること。
 一、水道局でたび重なる不祥事を今後確実に起こさないためにも、問題を起こした職員の氏名の公表など、抑止力を強化するとともに、検討会等に外部の目を活用するなど、再発防止策を徹底すること。また、速やかに議会に報告をすること。また、受注企業と東京都職員等の再就職との関係が、都民から疑念を招くことのないよう、局としてチェック体制を構築すること。
 最後に、下水道局関係について申し上げます。
 一、令和元年の台風十九号を教訓とし、浸水被害に遭った二百七十八棟が再度浸水することのないよう、国や地元自治体とも連携をしながら、次の台風シーズンまでに確実に対応を完了すること。
 一、地下街の浸水対策については、貯留施設の整備にとどまらず、止水板の設置や情報提供など、各地元自治体や関係機関との連携をより一層強化し、対策の拡充に努めること。
 一、災害拠点病院及び災害拠点連携病院における下水道管の耐震化については、令和五年の目標年次の前倒しも含め、早期完了に向けて取り組むこと。
 一、国際展開事業については、コロナ禍における状況を踏まえて対応するとともに、その効果を可視化、数量化、数値化するなどして情報発信し、都民の理解を得ながら進めること。
 一、東京都下水道サービス株式会社については、組織のモチベーションを図る観点から、固有職員の管理職への登用を積極的に推進すること。
 以上で東京都議会立憲民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○上田委員 自由を守る会として、公営企業委員会におけます令和三年度予算調査の意見開陳を行います。
 公営企業会計は、地方公営企業法、地方自治法、最少経費、最大効果という地方財政計画をひもとくまでもなく、均衡財政、不要不急の支出の徹底した抑制、将来負担のツケ回しの回避をすることはいうまでもありません。昨年予想したとおり、コロナ禍により、都が最も依存度の高い法人二税は激減したわけです。調査でも申し上げましたが、一般会計から繰り入れがあることを当然視するのではなく、借金するのが当たり前という起債癖、そのいいわけとして、世代間の負担の公平神話を捨て去り、毎年毎年ゼロリセットで、かつてない厳しい財政感覚を持っていただきたいと、後藤新平が関東大震災で大打撃を受けた東京を憂い、百年先の東京を見据えたように、百年後、いえ、五年後すら危機感を持って取り組んでいただきたいと強く申し上げます。
 そこで、三局共通の課題をまず申し述べます。
 各局において、一般会計及び特別会計の健全財政の徹底、努力をすること。
 財政の安定性を担保するため、金利の状況も鑑み、企業債残高を縮減していくこと。
 固定費、委託費の圧縮に努めること。
 コンプライアンス有識者委員会の情報公開と委員選考の透明化を進めること。
 東京都政策連携団体、事業協力団体の派遣職員数、都OBの再就職を随時検討、適正化し、固有職員の定着率を高め、都関係者職員との賃金格差をなくし、費用対コストを常に念頭に入れ、団体の存在意義を正していくこと。
 政策連携団体の再委託を抑制し、局から民間事業者へ直接発注する等の検討を行い、業務内容を確認し、効率性を重視し、コスト削減を図ること。
 入札契約、特命随意契約、少額随意契約など全ての契約について、その適正性と辞退理由をも精査し、競争性、透明性を担保すること。
 職員団体、労働組合の事務所については最小限のものとし、適正な賃料を有償で徴収すること。
 労働組合事務所の使用については、都民の共有財産であることを鑑み、就業時間中に組合活動を行わない、政治、政党活動をしない等、厳格かつ適正に運用されること。
 災害、震災対策について、施設面と災害時対応の強化、非常電源の安定的確保、最適な防災環境整備を図ること。
 全局を挙げて新型コロナ対策に取り組み、職員団体、労働組合事務所を含む管理施設において、感染症対策を進めること。
 障害者の採用、配置、業務、勤務評価における合理的配慮の取り組みを引き続き進めること。
 障害者優先調達の契約件数、金額につき法定以上の実績を目指すこと。
 交通局です。
 累積欠損金を早期解消すること。
 お客様センター及びお客様の声システム、都営交通モニター制度、車内液晶モニターを効率的に利用するなど、職員の接遇力向上、サービス、ホスピタリティー改善に努め、集客増を図ること。
 利用者の意識改革とマナー向上に向け、関係団体と協力を図りながら、子連れ、障害者サポートのための声かけサポート運動を推進すること。
 子育て車両については、利用者の声を分析して、費用対効果の観点から検証を図ること。
 痴漢や暴力行為に対応するため、警察との連携を進めるとともに、通報記録、監視カメラの適正管理を進めること。
 暴力及び自殺事案に遭遇した職員のメンタルヘルスのサポートを強化すること。
 帰宅困難者対策に当たり、備蓄品の適正管理を徹底すること。
 障害者、高齢者、妊婦、親子、殊に子供単独の乗客への避難誘導対策を強化すること。
 良好なWi-Fi環境を整えること。
 バリアフリー対策を講じること。
 広告収入については、代理店任せにすることなく、売り上げ目標を明確にした効果のある事業を展開し、収益増を図ること。
 駅改札モニターにおいては、当該駅の時刻表表示を実施すること。
 都バスにおいては、ドライブレコーダーの更新に伴い、交通事故のみならず、トラブル、接遇向上等有効活用をすること。
 事故状況と原因究明の結果を都民へ公表し、再発防止による事故件数の可及的速やかな減少を進めること。
 燃料電池バス導入に当たっては、交通局として現実的な検討をしていくこと。
 需要に合わせたバス路線廃止、区間短縮を常に進めること。
 バスの新旧入れかえについては、オリ・パラやコロナでの観客輸送等の需要に応じ、適正に行うこと。
 さくらトラムについては、改称に伴う効果と課題を見直し、都営荒川線に統一すること。
 多様な教育機会確保法にのっとり、フリースクール、サポート校などへの通学者の定期利用券に配慮すること。
 障害者割引対応の交通系ICカードの実現に向け、検討を目指すこと。
 下水道局です。
 流域下水道については、市町村の負担を鑑み、合理的、効率的経営に努めること。
 小松川第二ポンプ所の早期完成及び東部低地帯を中心としたポンプ所の耐震、耐水化対策を進めること。
 合流式下水道については、簡易処理水の放流における汚濁負荷の発生における環境負荷を鑑み、世界標準の高度処理の推進を図り、改善に努め、芝浦水再生センターの早期完成に努めること。
 葛西水再生センターを初め、汚泥焼却灰の放射性物質管理を引き続き徹底すること。
 マンホールトイレの設置を、区市町村とともに適正数を鑑みて推進すること。
 局から外郭団体に派遣した職員には、入札に係る業務、積算システムの運用、保守にかかわる業務及び設計書作成補助業務はさせないこと。
 水道局です。
 水道水源林確保と森林の荒廃防止に向けた各種取り組みを実施し、民間林購入事業を引き続き推進すること。
 災害給水ステーションの区市町村と都民への周知を推進し、自家発電設備の増強を進め、大規模停電時に給水力確保一〇〇%を達成する等、防災対策に努めること。
 職員全体の残業が過労死ラインを超えないように管理をするとともに、適正な人員配置にて、良好な労働環境を構築すること。
 一般職はもとより、管理職、また、政策連携団体を含め、ハラスメント防止及びメンタルヘルス対策に注力すること。
 是正勧告を受け、労務管理の適正化を図ること。
 政策連携団体を含む公益通報者保護と施策への反映を進めること。
 局から政策連携団体に派遣した職員には、入札に係る業務、積算システムの運用、保守にかかわる業務及び設計書作成補助業務はさせないこと。
 直営比率、再委託比率について、透明性を確保し、コンプライアンス有識者委員会の検証とそれに基づく適正化を進めること。
 指名業者選定委員会の機能強化と透明性確保を進め、外部の目に触れるようにすること。
 政策連携団体への業務移転に当たっては、移転する業務内容や規模ごとに費用対効果の検証を明らかにすること。
 たび重なる収賄、情報漏えい、汚職、不適正事件を風化させず、対策本部、契約監視委員会、コンプライアンス委員会を形骸化させず、綱紀粛正、モラルの向上を図り、悔いても改まらぬ水道局の体質の抜本的徹底改善を強固に推進すること。
 東京水道における再委託と同社社員の出向、固有社員と都関係者の賃金格差を解消するため、民間企業に倣い、いびつな人事階層構造を大幅に見直すこと。
 東京水道グループにおいて、民間企業への直接業務委託を速やかに進めること。
 公営企業は、住民の福祉の増進を図りながら、経営面では独立採算制という公営企業法の精神にのっとり、堅実に経常収支の均衡を実現していかなければならないのはいうまでもないことです。コロナ禍がさらに経済情勢の悪化に拍車をかけ、都財政は基金をほぼ使い果たそうとする逼迫した状態にあり、先は見えておりません。約束された未来である超少子高齢化社会が坂道を転がるように進み始め、今後、各局利用者の伸びは頭打ちである厳しい状況だからこそ、外郭団体運営の見直し、入札の健全公平性の担保、起債残高の減少、多額の累積欠損金と長期債務の解消が迫られております。
 事業現場の個々の職員の努力は高く評価するものの、経営側においては、さらに厳しく明確な削減数値目標を設定し、具体的計画をもって、起債ありき、繰り入れ依存体質解消に向けた取り組みを実行されることを要望し、最後に、改めまして、東京水道株式会社代表取締役社長の野田数氏の本委員会への参考人招致を求め、自由を守る会の意見開陳を終わります。

○田村委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○田村委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第九十三号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第九十三号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田村委員長 異議なしと認めます。よって、第九十三号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○田村委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田村委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○田村委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、内藤交通局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○内藤交通局長 公営企業三局を代表いたしまして、ご挨拶申し上げます。
 まず初めに、今回ご審議賜りました議案につきまして、ただいまご決定いただき、厚く御礼申し上げます。
 私ども公営企業が担っております事業は、都民生活や首都東京の都市活動に欠かすことのできない重要な事業でございます。この間賜りました貴重なご意見、ご指摘をそれぞれの事業運営に十分反映させ、都民サービスのさらなる向上と効率的な経営に努め、都民の皆様の信頼と負託に全力で応えてまいる所存でございます。
 田村委員長を初め委員の皆様方におかれましては、今後とも、公営企業三局に対しまして、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございました。

○田村委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三分散会

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