公営企業委員会速記録第二号

令和三年三月十五日(月曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長田村 利光君
副委員長宮瀬 英治君
副委員長たきぐち学君
理事古城まさお君
理事おじま紘平君
理事大山とも子君
上田 令子君
馬場 信男君
中山ひろゆき君
とくとめ道信君
川松真一朗君
鈴木あきまさ君
藤井  一君
山田ひろし君

欠席委員 なし

出席説明員
交通局局長内藤  淳君
次長久我 英男君
総務部長根木 義則君
職員部長渡邉 範久君
資産運用部長坂田 直明君
電車部長相川  準君
自動車部長牧野 和宏君
車両電気部長野崎 慎一君
建設工務部長谷本 俊哉君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務市川 雅明君
安全管理担当部長西川 善宣君
鉄軌道事業戦略担当部長内山 裕道君
バス事業経営改善担当部長櫻庭 裕志君
技術調整担当部長加納 晴生君
技術管理担当部長坂口 淳一君

本日の会議に付した事件
決議について
交通局関係
予算の調査(質疑)
・第二十三号議案 令和三年度東京都交通事業会計予算
・第二十四号議案 令和三年度東京都高速電車事業会計予算
・第二十五号議案 令和三年度東京都電気事業会計予算

○田村委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、決議三件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田村委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○田村委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 令和三年度予算は、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和三年三月十二日
東京都議会議長 石川 良一
公営企業委員長 田村 利光殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十二日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十八日(木)午後五時

(別紙1)
公営企業委員会
 第二十三号議案 令和三年度東京都交通事業会計予算
 第二十四号議案 令和三年度東京都高速電車事業会計予算
 第二十五号議案 令和三年度東京都電気事業会計予算
 第二十六号議案 令和三年度東京都水道事業会計予算
 第二十七号議案 令和三年度東京都工業用水道事業会計予算
 第二十八号議案 令和三年度東京都下水道事業会計予算

(別紙2省略)

○田村委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の予算の調査を行います。
 これより交通局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第二十三号議案から第二十五号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○根木総務部長 過日の委員会で要求のございました資料をお手元の公営企業委員会要求資料として取りまとめましたので、その概要についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、二枚おめくりいただきまして、一ページをごらんください。政策連携団体、事業協力団体における職員数、都派遣職員数、固有職員数及び都退職者数でございます。
 各団体における職員数と、そのうち都から派遣している職員数、団体の固有職員数、都退職者の職員数を記載してございます。
 次に、一枚おめくりいただきまして、資料が両面印刷になっておりますので、上のページ、二ページをごらんください。政策連携団体、事業協力団体における職員数の雇用形態別推移でございます。
 各団体における職員数を過去五年分記載してございます。
 次に、下のページ、三ページをごらんください。定数、職員数の推移でございます。
 当局の条例定数及び職員数を過去五年分、職種及び雇用形態別に記載してございます。
 一枚おめくりいただき、四ページをごらんください。女性職員数の推移及び女性職員の宿泊施設の整備状況でございます。
 当局の女性職員数、過去五年分と宿泊施設、そのうち女性職員が宿泊できる施設数及びその整備割合を記載してございます。
 次に、五ページをごらんください。都営バス運転手の新規採用人数でございます。
 当局のバス運転手の新規採用人数を過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、六ページをごらんください。都営バス運転手の雇用形態別の年間労働時間と年収でございます。
 雇用形態別に、それぞれ年間労働時間、年収及び平均年齢を記載してございます。
 次に、七ページをごらんください。都営バスの一日当たり乗車人員でございます。
 乗合バスの乗車人員を過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただきまして、八ページをごらんください。障害者雇用率の推移でございます。
 国に報告してございます障害者の実雇用率を過去五年分記載してございます。
 次に、九ページをごらんください。二百五十平方メートル以上の未利用局有地の所在地及び面積でございます。
 交通局が所管する普通財産で、恒久的な利用に供していない土地について記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一〇ページをごらんください。新年度におけるバスの新規購入予定数と廃車、売却予定数でございます。
 令和三年度におけるバスの新規購入予定数、廃車予定数及び他事業者への売却予定数につきまして記載してございます。
 次に、一一ページをごらんください。委託費、人件費、固定費の決算額の推移でございます。
 委託費、人件費及び固定費の決算額につきまして、それぞれ過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一二ページをごらんください。今後の少子高齢化、人口減少に対する施策でございます。
 少子高齢化の進行や人口減少社会の到来を踏まえた交通局の主な取り組みにつきまして、施策ごとに記載してございます。
 次に、一三ページをごらんください。施設の維持管理に係る委託契約は、民法上の委任契約に当たるか当たらないか契約形態のわかるものでございます。
 当局における施設の維持管理に係る委託契約は、民法上の委任契約に該当しない旨、記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一四ページをごらんください。局管理施設における感染症対策設備、対策の状況でございます。
 各職場において実施している感染症対策を記載してございます。
 次に、一五ページをごらんください。局管理施設における新型コロナウイルス感染症の発生状況でございます。
 局職員の新型コロナウイルス感染症の感染者数と重症者数を月別に記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一六ページをごらんください。障害者の採用、配置、業務、勤務評価における合理的配慮の取り組み状況でございます。
 採用、配置、業務、業績評価の各区分について、取り組み内容を記載してございます。
 最後に、一七ページをごらんください。障害者優先調達の契約件数、金額の実績でございます。
 障害者優先調達を行った実績を過去五年分記載してございます。
 以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○中山委員 私からは、まず、交通局においての工事の積算能力について幾つか質問させていただきたいと思います。
 この間、公共事業というと、大体入札制度についてよく議論があるんですけれども、これもこれで大変重要なわけですが、もう一方で、もう一つ大切な点は、やっぱり都が発注した工事、この工事価格自体が本当に適正価格であるかどうか、ここが大変重要でありますし、都民への説明責任が果たせる重要な点だというふうに思うわけでございます。
 そのためには、複雑な大きな公共工事であっても適正な金額をはじき出せる積算能力が問われているわけであります。とりわけ交通局においても、大体工事というのは、その都度その都度、さまざまな施工方法であったり施工条件であったり、あるいは立地条件等と、全ていろんな要件を満たした形で金額をはじき出さなければいけないわけであります。
 私、昔、ゼネコンに勤めておりました。今では、大体図面があれば、ある程度システムで金額が出てくるんじゃないかなというふうにも思うわけでございますが、その当時、ちょうど図面が来ると、積算部門、そして購買部門にその図面を投げるわけなんですね。そして、積算から上がってきた金額、一方で、購買から上がってきた金額、これをネット会議といって、そこで議論をするわけなんですが、大体積算の方が少し高く出るわけなんですね。大体、ゼネコンでいえば、その金額に、会社の一般管理費だとか営業利益だとかを足して会社の金額として出すわけでありますが、行政の場合、簡単に、業者に幾らでやってくれるということが問えないわけなんですね。そういう意味では、行政独自でこの金額を積み上げていかなければいけないということが実態だと思います。外の声を聞けないということだというふうに思います。
 そこで、交通局では、工事の発注に当たり、どのように予定価格を算出していくのか伺いたいと思います。

○坂口技術管理担当部長 交通局が定める工事発注の予定価格につきましては、積算基準や標準単価等に基づき、適正に算出いたしております。
 地下鉄駅の改良工事など路上工事を中心とした土木工事では、建設局の積算基準に準拠し、交通局で定めている積算基準を使用いたしまして予定価格を算出しております。
 また、駅のホームのリニューアル工事など建築設備工事では、財務局の積算基準に基づき予定価格を算出しております。
 一方、レールの交換工事など保線工事につきましては、鉄道特有の工事であり、交通局独自に積算基準を定め、適正な予定価格を算出いたしております。

○中山委員 今の答弁に対しては多としたいというふうに思いますが、実際は、施工方法であったり、あるいは施工条件であったり、いろんなことを組み合わせていかないと本当の金額というのは出ていかないのかなというふうに思っております。
 そういう面では、落札された金額が適正であったかどうかということも、ぜひ今後しっかり検証していただきたいというふうに思います。さらに深掘りをお願いしたいというふうに思います。
 よくディベロッパーだとか、いろんなそうした発注会社の言葉の中に、プロトタイプという言葉があります。つまり、郊外型のファミリーレストランであったり、あるいはワンルームマンションであったりということで、一戸当たりの金額で、ファミリーレストランであれば、郊外型でこのぐらいの大きさだとこのぐらいの金額になるというようなのがよくあるパターンなんです。
 交通局においても、いろんな経験値などを生かした算出方法が当然あってしかるべきだというふうにも思いますが、交通局独自のレール交換工事などの積算基準はどのように定められているのか、見解を伺いたいと思います。

○坂口技術管理担当部長 レール交換工事など保線にかかわる工事は、東京都の中では、他局にはない交通局特有の工事でありますが、都内には、JRや東京メトロを初め、類似の工事を発注する多くの鉄道事業者が存在いたします。
 当局では、それらの鉄道事業者から収集いたしました保線工事の積算に関する情報をもとに、都営地下鉄の工事現場の実態を踏まえながら、独自の積算基準を定めております。

○中山委員 都では、これだけ歴史が当然ありますから、多くの知見があるんだろうと、そのように思うわけであります。
 やっぱり、こういったコロナ禍の中であれば、人工の金額が変わってきたり、銅が上がったり下がったりとか、いろいろとあるわけなんですね。
 今後も、こうしたことを踏まえて適正価格で算出できるように積算能力をもっともっと育成し強化すべきだというふうにも考えるわけですが、見解を求めます。

○坂口技術管理担当部長 適正な価格の積算には、現場経験を踏まえた正しい積算基準の理解が不可欠であります。
 このため、新規採用職員など若手職員や他局からの転入職員を対象に、管理職などが講師となりまして、積算体系や各種基準類に関する技術継承研修を毎年実施いたしております。
 また、経験の浅い職員が積算する際には、事前にベテラン職員が留意点などを指導するとともに、でき上がった設計図書をチェックいたしまして、必要に応じて修正させるなど、OJTを通じて積算能力の向上を図っております。
 さらに、積算基準は、現場状況に適合するように毎年改定していることから、積算に携わる全ての職員を対象に、最新の基準に関する説明会を年度当初に開催いたしまして、周知徹底を図っております。

○中山委員 積算についてはもう質問しませんが、私も前職で外食チェーンの担当をしていたんですけれども、その外食チェーンが大変クオリティーを求める会社でありまして、もちろん外食チェーンですから味もクオリティーを求めるんですけれども、何といっても、我々が見積もりを出して、契約の金額が決まりまして、契約後、発注者側のファミリーレストランの積算担当とこちらの受注者側の積算担当と、膝を突き合わせて、本当の金額をまた長い時間をかけて精査するんですね。本当の意味での金額を詳細に明らかにする作業をあえてするわけなんですね。このメリットというのは、結局、発注者側として明確な単価というものがわかることによって、スペックを上げるときに、どのぐらいのコストが本当にかかるのかということがわかりますし、また受注者側にとっても、ある程度金額が決まっていますから、追加工事があったときも、ちゃんとこの追加工事を受け入れてくれるというふうなところもありました。
 これまで、都の取り組みも大変評価しますけれども、今後も、この細部の価格にも繊細な取り組みを求めておきたいというふうに思います。
 次に、バスの乗務員について伺ってまいりたいと思います。
 過日の委員会において、令和三年度予算案の概要について説明があったところですが、予算のポイントとして、主要事業としての採用PRを強化するなど、運輸系の人材確保に向けて取り組みを充実するとしております。
 今回は、運輸系人材の中でもバスの乗務員に焦点を当てて質疑を行っていきたいと思いますが、近年、全国的に深刻な乗務員不足が発生しております。都営バスにおいても、バスの乗務員の確保には苦慮していると聞いております。
 この乗務員確保の問題については、当委員会でも取り上げられているということは承知しておりますが、交通局の乗務員は、本当に、五十代、六十代が半数を占めていると聞いております。
 まず、そこで、バスの乗務員が高齢化していく中で必要な人材を確保していくには応募者をふやす取り組みが必要と考えますが、対応について見解を求めたいと思います。

○渡邉職員部長 バス事業の安定的な運営を行う上で、バス乗務員の採用は重要な課題であり、必要な人材確保に向けたさまざまな取り組みを行っております。
 応募者確保に向けた取り組みとしては、採用ホームページにおいて、職員みずからがバス乗務員のやりがいや魅力を語る特設ページを設置するとともに、バス乗務員の一日の具体的な仕事の流れなどを掲載したバス乗務員採用向けのパンフレットを作成し、配布しております。
 また、若者や女性などをターゲットとして、SNSを活用した広告やウエブサイト上のインターネット広告なども展開しております。
 さらに、来年度の選考からは、応募者の負担軽減を図り、より多くの方に応募いただけるよう、新たに、ウエブ上での申し込みを開始する予定でございます。
 今後とも、これらの取り組みによりバス乗務員希望者の裾野の拡大を図り、必要な人材の確保に努めてまいります。

○中山委員 今、若者あるいは女性などをターゲットにして広告展開をすると答弁ありましたが、女性の乗務員の割合とか、また、バス乗務員の採用における女性の採用者数及び応募者数について見解を伺いたいと思います。

○渡邉職員部長 交通局には、令和二年四月一日現在で、二千八十五名の常勤のバス乗務員が在籍しており、このうち女性職員は十七名で、その割合は約〇・八%となっております。
 また、令和二年度におけるバス乗務員採用者百二十一名のうち、女性は四名であり、その選考に係る応募者七百九十三名のうち、女性は二十二名でございました。

○中山委員 女性がまだまだ少ない現状も踏まえて取り組んでいただくように期待をいたしたいと思います。その分、女性を受け入れるというような環境もしっかり整備していただきたいとお願いしたいと思います。
 それでは、バスの乗務員の採用の選考は、どのように今行っているのか伺いたいと思います。

○渡邉職員部長 バス乗務員の採用選考は、大型二種免許を保有している方向けの選考と、保有していない方向けの養成型選考があり、それぞれ一次選考において筆記試験、二次選考において面接及び実技試験等を行っております。
 面接では、お客様対応に必要となるコミュニケーション能力等人物面を評価するとともに、実技試験では、実際の車両を使用して、運転技量や安全に対する基本動作等について厳格に審査を行っております。
 これらの選考を通じて、安全面や接遇面にすぐれた有為な人材の採用に努めております。

○中山委員 ありがとうございました。
 それで、先日、私も錦糸町に用事があって、蔵前駅の方から、ちょうど系統都02に乗って、川松議員の事務所を横目で見ながら錦糸町に行ったわけなんですけれども、私たち、何げなく乗っている乗合バスですけれども、運転手にフォーカスしてみますと、本当に運転の技能だけではなくて、さまざまなリスクが潜んでいるというふうにも思っておりますし、そうした対応の能力が必要になってくるんじゃないかなというふうに客観的に考えるわけであります。
 もちろん公道の上を走るわけでありますから、目立つ存在であり、模範的な運転を求められているわけであります。そういう面では、先ほど、応募して、自分が採用されて、実際公道を走るというところまで、多くの訓練を積む必要があるのではないかというふうにも考えるわけであります。
 バスの乗務員の新規採用者に対する育成方法だとか育成強化について伺いたいと思います。

○渡邉職員部長 バス乗務員の新規採用者に対しては、まず、局の研修所において、おおむね一カ月間の養成研修を実施いたします。
 具体的には、運転業務に必要な知識やお客様への接遇などに関する座学での研修を実施した後、指導教官が横につきながら、実際に公道を運転する街路実習を行います。
 この実習では、バス乗務の未経験者にも必要な技術等を確実に習得させるため、研修コースを細分化し、運転技量に応じた訓練時間を設定するなど、きめ細かなカリキュラムを実施しております。
 研修所でのカリキュラム終了後は、配属が予定されている営業所において、おおむね二カ月間、実践的な訓練を実施いたします。
 具体的には、現場に精通した指導役の運転手が訓練を担当し、路線の特徴や、安全上特に注意すべきポイントなどについてマンツーマンでの指導を行っております。
 これらの研修を通して、都内の厳しい交通状況に対応し、お客様に安全・安心と質の高いサービスを提供できる都営バスの乗務員としてふさわしい人材を育成しております。

○中山委員 歴史ある都営バスなので、いろいろとノウハウがあって、育成に日々励んでいるんだろうというふうに思います。
 次に、予算委員会の代表質疑でもありましたウーバーイーツ等の、デリバリー等の一部自転車の運転について、問題提起だったり対策を議論されてきたわけでございます。つまり、都営バスにとっても、公道には多くのリスクが潜んでいるというふうにも思っております。
 昨今では、いろんな、あおり運転だとか、ひょっこり男など社会現象であるわけなんですけれども、こうしたことに遭遇したときに、警察に瞬時に知らせるようなすべが実際あるのかどうか、また、対応能力や対応方法をどう学び、実践しているのか、見解を伺いたいと思います。

○牧野自動車部長 都営バスでは、運行に支障を来すようなトラブルが発生した際には、緊急時の対応マニュアルに基づきまして、直ちに運行を中止した上で、無線により営業所に報告し、必要に応じて営業所から警察に通報することとしております。
 また、乗務員に対しましては、突発的な事態でも急ブレーキを避け、的確に対処できるよう、日々の指導や、年四回の安全研修におきまして、道路状況に応じた速度での走行や、適切な車間距離の確保を指示するなど、対応力の向上を図っているところでございます。

○中山委員 私たちがいうまでもなく取り組んでおられることを確認させていただきました。
 私などが乗用車を運転している際に、一番気になるのは、ちょうど停留所の後方に停車しているその車のドライバーが多く見受けられるわけであります。
 そうしますと、もうバスが斜めに停車せざるを得ない、しっかり道に寄れないということで、乗る人も一回車道におりて乗らなければいけない、おりる人も車道におりて乗らなければいけない。また、本当に道を塞いでしまうというふうになるわけであります。
 そうしますと、私たちも、もっともっと厳しい措置で、そういうことを厳罰化したり、しっかり発信をするべきだというふうにも思うわけなんですが、その辺の取り組みはいかがでしょうか。

○牧野自動車部長 都営バスでは、停留所におきまして、違法駐車などによりやむを得ず歩道から離れて停車することが頻発する箇所につきましては、勤務終了時の点呼により乗務員から報告を受けるとともに、お客様から寄せられる声や職員による現地調査などを通じて日々把握しております。
 こうした状況の改善に向けまして、警察に対して、違法駐車の取り締まりを要請するとともに、営業所職員が現地に赴き、停留所付近への駐車をご遠慮いただくよう、ドライバーに直接お声がけを行っております。

○中山委員 ぜひ警視庁と連携をして、できるだけ、意識してとまっている人もいるんですけど、意識なくとまっている人もいるので、ぜひしっかりとした発信をお願いしたいと思います。
 いずれにいたしましても、国民の足として、安心・安全な都営バスの運営をこれからもお願いしたいというふうに思います。
 次に、子育て応援スペースについて質疑をさせていただきたいと思います。
 質疑は、代表質問でも、一般質問で龍円議員も質問していましたので、局さんの方もしつこい印象があると思うんですけれども、ただ、当初、私自身もぴんと来ていなかったんですね。どちらかというと、賛成か反対かというと、余りよくないんじゃないかなというふうに思っておりました。
 しかし、自分のSNSに載せたときに大きな反響があったんですね。要するに、JRでもやってくれたらいいなとか、本当に、お年寄りの方も、これはいいじゃないというような、そんな声を多くいただきました。私もびっくりしました。
 今回、好意的な意見はわかるんですが、それ以外の意見が三割あるというふうに伺っているんですけれども、全般的にどういった意見があったのか伺いたいと思います。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 好意的なご意見以外では、スペースそのものについて、子供が騒いでしまいそう、子供連れ以外の方は乗りにくいなどのご意見がございました。
 また、デザインについて、もっといろいろなキャラクターのデザインがあったらよい、装飾デザインが派手で落ちつかないなどのご意見もございました。

○中山委員 今後、いろんなデザインの車両もつくっていくということだというふうに思います。
 ある意味そのコストというのは、装飾するという意味ではそんなにコストはかからないでしょうけれども、つまり、版権の方が多分金額がかかるんだろうなというふうに思っております。
 今回はこのトーマスが、全線拡大に当たってトーマスでありましたけど、全線拡大に当たっては、今後どのようなデザイン展開をしていくのか伺いたいと思います。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 装飾デザインにつきましては、調査結果を踏まえまして、子育て応援スペースの取り組みが、より多くの方々に親しまれ、例えば、小さなお子様が笑顔になり、より楽しんで電車に乗っていただけるよう検討してまいります。
 現在、お年寄りから小さなお子様まで、長く読み継がれている絵本を初め、さまざまなデザインを検討中でございます。

○中山委員 この子育て応援スペースは、都営地下鉄からやったということでありまして、今後、JRだとか、ほかの線にも波及していったら、内藤局長、大変評価されると思いますよ。
 私たちもそれを望んでいますし、これが波及すれば我々もいいなというふうに思っておりますので、ぜひ展開を期待しております。
 最後に、浅草線のプロジェクトの中の、地元の浅草駅のバリアフリー化について伺いたいと思います。
 コロナ前は、浅草のインバウンドのお客さんも本当ににぎわっていたんですね。そんな多くの来訪者にとって、この台東区の課題というのは、一つは、駅のバリアフリーなんですね。もう一つは、観光バスの駐車場が課題になっているんですけれども、古きよきことでありますけれども、代々歴史を重ねてきて、土地が狭かったり、本当に細かく分筆されていたことによって、なかなか行政が手を出しづらかったということも一つあると思うんですね。
 もう一つにやっぱり、当初、浅草にJRを敷こうという計画はあったんですけれども、地元の皆さんの反対で頓挫してしまったという歴史があるんですね。その結果、古きよきまち並みというものが結果的に残ったということで、あれだけの人に来ていただいているわけであります。
 しかしながら、この浅草線の浅草駅の、私も地元の議員として、本当に外国人の皆さんが大きい重そうなトランクを持って、あの階段を上っていたり、おりたりしているんですね。もちろんベビーカーのお子さんを乗せた方が、こうやっておりていっていたり、上っていたりという姿を何回ももう拝見したわけであります。
 私の地元の人間は、羽田空港も成田空港も続いていますから、まさにこの東京の玄関口ぐらいの思いがあるわけであります。
 このような中で、交通局は、経営計画二〇一九において、浅草線のリニューアルプロジェクトの一つとして、バリアフリー化された出入り口を新設するということとして準備も進めているわけであります。
 一方で、現在ある出入り口の一部は、浅草線開業から数年後に建ったビルの中にあり、建てかえに当たって長期間の閉鎖を要するといった課題もあるわけであります。また、地元には、この新設出入り口だけではなく、現在ある出入り口の改修を求める声もあります。
 商店街の皆さんも、一回閉鎖されちゃうと商店街にお客さんが来なくなってしまうというので、いろいろと心配されているところもあるわけでありますが、浅草駅が抱えているさまざまな課題を踏まえ、この出入り口の改良に今後どのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。

○谷本建設工務部長 浅草駅は、バリアフリー機能の充実などが課題であることに加え、雷門方面につながる各出入り口が老朽化した建築物と一体となった構造となっております。
 出入り口の改修に当たりましては、これらの合築建築物の建てかえなどに合わせ、順次、出入り口を閉鎖する必要がございますが、お客様のご利用が多くあることを考慮しますと、長期間の閉鎖は困難でございます。
 このため、代替ルートとなり、新たなバリアフリールートともなる出入り口の新設に向け、現在検討を進めております。
 一方、出入り口と合築である建築物の一つが、当初建てかえを予定していたものの、耐震改修に変更となったことから、当面、出入り口の改修時期が先送りとなるなど、状況の変化も生じております。
 これらを踏まえまして、既存出入り口の改修につきましても、時期や方法を改めて検討してまいります。

○中山委員 いずれにしても、いろいろな事情があって、局の方々も本当にご苦労されていると思いますし、ただ、いろんなことを検討していただいて、そのベストミックスを選んでいただきたいというふうに思っております。
 先ほどもいいましたとおり、コロナ終息後を見据えますと、また多くの皆さんが世界を往来すると思うんですね。やっぱり浅草というのは、東京の顔でありますから、よくも悪くも、ワイドショーに取り上げられたり、人がいなくなってもワイドショーに取り上げられたりというところであります。
 そういう面では、今後、本当に雷門が人であふれんばかりになることを私たち願うわけでありますが、こうしたことを踏まえますと、もともとの今回のプロジェクトの計画、駒形橋西詰交差点付近への新設の出入り口整備にも着実に取り組んでいくべきだと、そのように考えるわけですが、局の見解を伺いたいと思います。

○谷本建設工務部長 浅草駅の雷門方面改札は、ご利用するお客様が多く、バリアフリー機能の充実などとあわせて、その対策が課題となっております。
 また、先ほど申し上げた耐震改修に変更となった建築物と駅の階段が一体構造となっているため、今後、建てかえを行う際には、雷門方面改札に向かう代替ルートを確保する必要がございます。
 この建築物の建てかえに備えるとともに、バリアフリー機能の充実を図るため、新設出入り口の整備が重要であると認識しております。
 今後、この建築物の建てかえ時期を見据えまして、各関係機関との協議を進め、新設出入り口整備に向け取り組んでまいります。

○中山委員 ありがとうございます。
 質問は終わりますけれども、浅草駅自体が、東京を代表するまちを通る銀座線もありますし、羽田と成田空港に通ずる都営浅草線ということで、一番私たちがお願いしたいのは、やっぱりこの都営交通と東京メトロとの連携が何よりも必要な駅でありますし、その接点だというふうにも思っておりますので、今後とも、しっかり東京メトロとの連携も深めていただきたいと、ひとつあわせて要望いたしまして、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○鈴木委員 まず、私からは、令和三年度予算編成の考え方についてお伺いをいたします。
 交通局は、新型コロナウイルス感染症の影響で乗客数が大幅に減少し、大変厳しい経営状況にあることについては、昨年秋の段階でも、この公営企業委員会の事務事業質疑での我が党の川松議員の質疑を初めとして、既に明らかにされてまいりました。
 その後、再び新型コロナウイルスの感染者数の拡大を受けて、本年一月、再度、緊急事態宣言が発令されて、その後、二度延長される状況となっております。
 先月から医療従事者向けのワクチンの接種が開始されまして、今後、徐々に接種対象が広がっていくことになりますが、コロナ禍の終息については、見通しを立てることが非常に困難な状況だと認識いたしております。
 このように、今後の状況が見通ししづらい中で、そして、先日、内藤局長からも説明があったとおり、厳しい経営環境が続く中で、本日は、来年度、令和三年度予算について質問をしてまいりますが、このような状況下においても、交通局の事業運営が着実に行われるのかどうかということ、この点をまず確認していきたいと思います。
 さて、新型コロナウイルス感染症の影響により、鉄道の利用者は大幅に減少していると承知いたしております。
 例えば、JR東日本の今期の業績予想は、連結で四千五百億円の赤字です。これは、運輸事業では、新幹線などの乗客減も含め影響が大きいのと、駅ビルやホテル、駅の構内店舗や広告など、あらゆる分野で大きな減収となり、極めて多額の赤字の予想となっているようです。
 東京のもう一つの地下鉄事業者の東京メトロでも、第三・四半期決算においては、これも連結で約三百五十億円の大幅な赤字になっているという発表がございました。
 交通局でも、令和三年度予算案で、地下鉄を初め、全ての事業の乗車人員について大幅な減少を見込んでいるとのことですが、まず、足元の利用者の動向を確認したいと思います。
 都営地下鉄の直近の利用状況はどのようになっているのか、まず伺います。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄の直近の平日の利用状況につきまして、自動改札機の通過人員で見ますと、緊急事態宣言中の三月の第一週を、新型コロナウイルス感染症の影響がなかった二年前の同時期と比べますと、約三六%の減少となっております。

○鈴木委員 ただいま三六%減少というようにお答えがありましたけれども、依然として交通局の経営にとっては、乗客数は厳しい水準であるように思います。
 先日のこの公営企業委員会での説明がありましたが、基幹収益である乗車料収入が大幅に落ち込んでいることを踏まえて、来年度の予算案を策定されているとのことです。
 交通局の経営基盤を維持していくことを考えるならば、何とか利用客が戻ってほしい、このように思うのですが、その反面、その一方で、コロナの影響が、終息していない中では、感染症対策の面からは、利用者が急激にふえることは望ましいことではないようにも思うわけです。
 当面は人の移動を抑制していかなければならないことを考えると、都営地下鉄の利用者数が直ちに回復することは期待できず、交通局にとっては、経営状況を楽観できる要素が見当たらないため、厳しい状況が続くものと思われます。
 収入の回復が期待できない中で、事業を継続していくためには、経営改善のためにあらゆる策を講じていかなければなりません。
 そこで、令和三年度予算を見積もるに当たって、どのような経営改善の取り組みを行ってきたのか伺います。

○根木総務部長 令和三年度予算の編成に当たりましては、新型コロナウイルス感染症の発生に伴うお客様の行動変容等により、利用者数がコロナ禍以前の水準には回復しないものとして収入の見積もりを行ったところでございます。
 この結果、乗車料収入が前年度予算に対して大幅に減少する見通しとなったことから、収支の悪化を抑制するため、局事業全般にわたって支出の削減を徹底いたしました。
 経常的な経費につきまして、事務用品などの備消耗品費や、広報にかかわる経費のほか、安全の確保を前提に、設備の保守や修繕にかかわる経費についても厳しく精査し、前年度予算から約百億円を削減いたしました。
 設備投資につきましても、庁舎の改修を緊急性の高いものに限定したほか、地下鉄の駅のホームにあるベンチのリニューアルや、バスターミナル等におけるバス案内用デジタルサイネージの設置を凍結するなど、経営計画に掲げた事業も含めて幅広く見直しを実施いたしました。
 引き続き、収支改善に向けた取り組みを着実に進め、厳しい事業環境にあっても、安定した経営を堅持してまいります。

○鈴木委員 今、答弁で、経常経費、かなり厳しく削減をされているということも伺いました。
 乗客数がコロナ禍の前の水準には回復しないことを見込んで事業を継続していくという考え方は、理解ができるものであります。
 引き続き、こういった事務用品を初めとした費用の削減の努力を尽くしていただくなど、経営改善を徹底していただきたいというふうに思います。
 一方で、多くの方が利用する公共交通機関として、何よりも重要なのは、安全・安心です。
 交通局では、経営計画で示している経営理念でも、この安全・安心を何よりも大切にすると示されています。幾らコロナ禍で大幅に収入が減少して経営が厳しいからといって、安全な運行に必要な取り組みは、とめてはならないと思います。
 安全・安心を守る、例えば浅草線のホームドア整備など、推進すべき事業には、しっかりと投資をしていく必要があり、限られた財源の中であっても、ぜひ、めり張りをつけて資金を投入していく姿勢が求められているのではないかと、このように考えております。
 そこで、都営交通における令和三年度の安全投資がどのような計画なのかお伺いをしたいと思います。

○西川安全管理担当部長 交通事業者にとりまして、安全・安心の確保は最大の使命でございまして、厳しい経営状況の中においても、安全対策への投資を着実に行う必要があると考えております。
 令和三年度予算では、改良及び修繕費の九百三十六億円のうち、安全関連の投資に約六割の五百七十六億円を計上してございます。
 具体的には、お話の浅草線のホームドア整備、これのほか、地下鉄構造物の耐震補強や長寿命化、老朽化した変電所設備や車両の更新等を行ってまいります。
 今後とも、お客様の安全・安心の確保のために必要な投資を着実に行い、施設設備、車両等、安全輸送を支える基盤の整備に万全を期してまいります。

○鈴木委員 厳しい経営状況においても、安全な運行に必要な投資はきっちりと行っていく状況を確認させていただきました。
 痛ましい事故を防ぐためにも、ホームドアを整備することや、答弁にもありましたが、老朽化した設備や車両を更新することなどは、安全かつ安定的な輸送を支える、まさに不可欠な取り組みだと思います。
 また、先月には、宮城県や福島県で震度六の地震がありましたように、自然災害はいつ起こるかわかりません。防災や減災、これは国においても、国土強靱化の取り組みとして進めていくこととしておりますし、交通局にも、着実に進めていただく取り組みです。
 三・一一から十年たった今、今でもですね、大地震への備えについて気が緩んではいけません。耐震などの備えもしっかり行っていくということです。
 徹底した経営改善と安全な運行に必要な投資は両立できるものと思います。ぜひこの両輪を着実に進めていっていただきたい、このようにお願いをしておきたいと思います。
 さて、交通局は、大正から昭和、平成、令和と、長きにわたり、首都東京の公共交通機関としての役割を担ってきており、その間、震災や戦災など幾多の困難を克服してきたと思いますが、今回のコロナ禍は、交通局の歴史の中でも、過去に例を見ない、まさに大変困難な局面を迎えているといえるのではないでしょうか。徹底した経営改善策に取り組み、この難局を乗り越え、引き続き安全・安心な輸送を保っていただくことで、東京の都市活動と都民生活を支える役割を果たしていってほしいと思っております。
 それでは、次に、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
 交通局の経営を苦しめている元凶となっている現在のこの新型コロナウイルスに対する感染症対策なんですが、都内の新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数は、一月のピーク時に比べると大幅に減少しておりますけれども、このところは下げどまり傾向も見られて、リバウンドが現在懸念をされているわけでございます。
 また、先月から医療従事者へのワクチンの先行接種が始まり、間もなく高齢者への接種が始まりますけれども、どこの自治体もおくれているというようなのが現状だと思います。新型コロナウイルス感染症対策は、新たな段階に入っていることは事実です。
 しかしながら、医療の観点から見ると、重症患者数はいまだに高い水準のまま推移をしておりまして、変異ウイルスの拡大などにより、医療機関が再び逼迫する可能性があるなど、依然として大変厳しい状況にあります。
 このような中で、国などの要請を受けて、JRを初め鉄道各社は、人の移動の抑制のため終電繰り上げを実施した一方で、エッセンシャルワーカーの移動手段ともなっており、引き続き、公共交通機関は社会において重要な役割を果たしているわけです。これは、地下鉄やバスなどの現場で、コロナ禍においても、日々交通事業に従事する方々の努力により支えられているものであり、私は、本当に敬意を表したいと思っております。
 一方で、公共交通の現場で働く方々は、不特定多数の利用者に接する機会もあり、新型コロナウイルスに感染するリスクもあるんだというふうに、当然のことながら思います。
 都営交通においても、これまで陽性者が発生しているという報告を受けております。特に、昨年末の大江戸線の清澄乗務区では、多数の陽性者が発生いたしました。このニュースは、報告は、私も非常に心配をいたしました。多くの利用者も心配したことだというふうに思います。
 そこで、この状況を確認したいと思うんですが、これまでの交通局職員の感染状況、特に直近の状況についてお伺いをしたいと思います。

○渡邉職員部長 交通局では、本年二月末時点で、大江戸線清澄乗務区所属の三十九名を含む八十三名の職員が新型コロナウイルスに感染したことが確認されております。
 直近の傾向としては、本年一月には十六名でありましたが、二月に三名となっており、減少傾向にあります。
 また、所属別で見ると、地下鉄の乗務関係職員が四十五名、駅務関係職員が七名、自動車営業所職員が二十二名、本局などその他職員が九名でございます。

○鈴木委員 交通局の職員は、事業概要を見ますと六千五百名を超えていて、その中で八十三名ということで、これは、決して少なくない方々が感染しているというふうに思いますが、直近では大分少なくなってきたようで、決して気を緩めることがないよう、ぜひお願いをしたいというふうに思います。
 交通局職員の感染については、先月の当委員会において、内藤交通局長から説明とおわびがあったとおり、大江戸線では清澄乗務区に在籍する運転士が同時期に集中して感染し、令和二年十二月二十七日から令和三年一月十一日までの間、通常ダイヤの七割程度で運行せざるを得ない状況になったことについては、私も残念でなりません。
 この大江戸線の運転士が多数感染したことは、一部報道では、この乗務員の宿泊している施設で、共同で使用している洗面所の蛇口で感染が広がった可能性が高いというふうに取り上げられていましたが、実際のところは本当にどうであったのかということは気になるところです。
 そこで、この清澄乗務区の感染拡大の要因について伺います。

○渡邉職員部長 交通局では、昨年一月以降、各職場において、手洗い、マスク着用、職場内の消毒や換気等の感染防止対策の徹底に努めてきたところでございますが、十二月下旬に、大江戸線の清澄乗務区において多数の職員の感染が確認されました。
 これを受け、感染の要因や経路を探るため、感染した各職員に対して、勤務時間や休憩時間中の行動に関する聞き取り調査を行いましたが、明確な共通点は確認できませんでした。
 また、保健所による立入調査において、感染リスクとして、入浴中や食事中などマスクを外した状態での会話や、洗面所の蛇口に付着した飛沫などが挙げられたものの、感染拡大要因の特定には至りませんでした。

○鈴木委員 保健所が入っても、この感染の要因というのは特定できなかったというような今のご報告なんですけれども、飛沫からの感染などを考えると、通常は、食事中の会話とか、狭い空間での着替えのときでの会話なんていうことも考えられるというわけですけれども、特定できない、こういうことなんですね。
 感染は誰でも起こり得ることで、感染した方個人を責めることはできません。しかしながら、公共交通機関において、今回の大江戸線の事例のように集中して陽性者が出てしまうと、通常の運行を確保することができなくなり、利用者への影響が出てしまいます。
 今回も、特に年明けには、大江戸線の運行本数が少なくなって混雑しているのではないかという声を、私も実際に耳にしました。このコロナ禍において安心して乗客が利用できる公共交通を提供するには、今回のような多数の感染を防ぐことが不可欠であるというふうに思います。
 組織として、今回の教訓を生かした感染防止策を講じ、職員の感染を理由とした運行本数の減という事態を繰り返さないようにすることが、少々厳しいいい方をしますが、これはもう交通局の責務だというふうに私は思っております。
 この清澄乗務区職員の感染拡大を受けた局の拡大防止策について、もう一度しっかり伺っておきます。

○西川安全管理担当部長 交通局では、清澄乗務区での感染拡大を教訓に、局内各部署での拡大防止に努めてございます。
 具体的には、保健所の指導内容を踏まえ、令和二年十二月二十四日から令和三年一月十一日を集中取り組み期間として定め、マスク着用、ソーシャルディスタンスの確保など飛沫感染防止策の徹底、洗面台へのペーパータオルの設置、寝具カバーの個人貸与などを行うほか、職員に対しましては、食事中や入浴時等、マスクを外す場面での会話を厳禁するなど、対策を徹底してまいりました。
 また、これらの対応が適切に行われていることを、本局の管理職等によりまして現地調査を行い、確認してございます。
 今後とも、局を挙げて感染防止に取り組み、感染者が増加することのないよう努めてまいります。

○鈴木委員 今回の件を受けて、感染拡大を防止するため、さまざまな取り組み、対策を徹底したということはわかりました。感染症対策は、これだけやれば万全だということはないと思います。引き続き、地道な対策を積み重ねて、再度いいますが、気を緩めずに徹底していくことが重要です。
 職員に感染が広がり、大江戸線の運行本数が少なくなったことは、新型コロナウイルス感染症が、社会を支えるインフラである公共交通機関の運行に影響を与えたという点で、社会に対してインパクトの大きい出来事であったのではないでしょうか。
 最近では、全国で、やはり乗務員の感染が拡大して、公共交通機関の運行に影響が出ているというように聞いております。こうした事態を繰り返すことがないよう、教訓をしっかり受けとめ、交通局の責務、責任として、引き続き、確実に対策に取り組んでいただくことを求めておきます。
 さて、公共交通機関は多くの方が利用するため、どうしても人が集まりやすいことから、利用者の感染対策も進めることが重要だと思います。これまでも交通局では、業種別ガイドライン等を踏まえて、車内の換気や、駅券の販売機というんですか、それから、階段の手すり、こういったところを定期的に消毒などして対策に取り組んできたというふうには伺っています。
 そうした中で、先月、都営交通の全車両に、新型コロナウイルスの抗ウイルス効果のあるコーティングを開始したという報道発表がありました。
 そこで、車両の抗ウイルスコーティングの内容と効果についてお伺いをいたします。

○西川安全管理担当部長 交通局では、お客様により一層安心してご利用いただけるよう、都営交通の全車両に抗ウイルスコーティングを順次実施しており、先月十五日から、施工を完了した車両が運行を開始してございます。
 現在使用しているコーティング剤は、第三者機関による新型コロナウイルス株を用いた抗ウイルス性試験におきまして、九九・九%以上減少した結果の証明を取得したものでございます。また、空気のあるところならどこでも二十四時間触媒反応を継続し、無臭、無害で人体や環境への影響はなく、一回の施工で最長五年間持続するという特徴もございます。
 これを、つり革、手すり、座席、扉など車内全体に施工することで、車両内での接触感染リスクの低減が期待されるところです。
 なお、地下鉄、東京さくらトラム、日暮里・舎人ライナーは年度内に、都営バスは本年夏までに施工する予定であり、施工済みの車両にはステッカーを掲出し、お客様にその旨をお知らせしております。
 今後とも、新型コロナウイルス感染拡大防止の取り組みを行ってまいります。

○鈴木委員 今、答弁していただいたように、ある程度の長期の期間に、抗菌作用が、その成果が発揮されるということも今、伺いました。
 地下鉄、東京さくらトラム、日暮里・舎人ライナーは年度内、都営バスは本年夏までに施工予定という答弁がありましたけれども、少しでも早い、しっかりとした対策というものが進むように、ぜひともお願いをしておきたいというふうに思います。
 抗ウイルスコーティングを施工することで、利用者が安心して公共交通機関を利用することができるようにすることは大変意義のあることです。
 そして、この車両は抗菌されていますよ、あるいはコーティングされていますよ、していますよというように、ステッカーなど、こういうものを、何というんですか、掲げて、それを利用者に知らせることというのも非常に大切なんじゃないかと思うんです。利用者に交通局の取り組みを伝えることが、ひいては、当然のことながら利用者増にもつながるわけであります。このコーティングについては着実に進めていただきたい、そのようにお願いをしておきたいと思います。
 感染拡大防止のためには、まだ、今は人の移動の抑制は必要なことと思いますけれども、それをいつまでも続けていくわけにはいきません。ワクチンの接種も進んでいきます。コロナ禍で停滞する首都東京の経済を立ち直らせるために、そして、オリンピック・パラリンピックを成功させるために、交通機関は人の動きを支えていかなくてはなりません。
 そのためには、より安全に安心して移動できる環境をつくっていくことは重要なことだというふうに思います。
 公共交通機関においては、従事する職員はもとより、利用者の安全・安心が確保されて、初めてその役割を果たすことができます。今後とも、新型コロナウイルス感染症対策を初めとする都営交通の安全・安心の確保に向け、取り組みを続けていただきたいと思います。
 本日は、来年度予算編成についての考え方、安全・安心への投資、新型コロナウイルス感染症対策などについて確認をさせていただきました。
 コロナ禍で経営が厳しい中でも、今後も公営交通事業者としての使命を実現していくために、安全・安心を確保した上で、着実にこの輸送サービスを提供し続けていく、これが重要だと思っております。
 なかなか先行きが見通しづらいというんですかね、そういうような状況の中にありますけれども、私も、交通局の経営動向を、今後もしっかりと見守りながら応援を続けてまいりたいと思っておりますので、引き続き、局一丸となって日々の業務に取り組んでいただきたい、そのように求めまして、私の質問を終わらせていただきます。

○古城委員 私からも、第二十三号議案から第二十五号議案まで、令和三年度東京都交通事業会計、高速電車事業会計及び電気事業会計の各予算に関連して、交通局の予算編成の考え方に掲げられる中でも、特に、安全・安心の確保と質の高いサービスの提供、この二つの観点から、都営バスにおける双子用ベビーカーへの対応並びに車道での安全対策及び都営地下鉄におけるバリアフリー並びに情報提供について質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず、昨年の事務事業質疑でも、SDGsの目標達成に向けて、誰もが安心して心軽やかに移動できるよう、着実な進展を求めた交通局の二つの取り組みについて進捗状況を確認させていただきます。
 初めに、都営バスにおける双子用ベビーカーへの対応についてであります。
 都議会公明党は、多胎育児のサポートを考える会の皆様とともに、双子用ベビーカーを折り畳まずに都営バスに乗車できる取り組みを、知事、交通局、東京バス協会、国土交通省などに積極的に働きかけてまいりました。
 改めて、双子用ベビーカー利用者が乗車する際の都営バス車内における安全確保策について答弁を求めます。

○牧野自動車部長 都営バスでは、昨年九月から、双子用ベビーカーにお子様を乗せたままご利用できる取り扱いを、周産期母子医療センターを経由する路線など、五つの路線で試行的に導入しておりまして、それに先立ち、ベビーカーを固定するためのベルトを増設するとともに、乗務員に対して、双子用ベビーカーを実際に用いた研修を実施しております。
 また、お客様に対しましては、国が取りまとめたルールに基づき、ベビーカーの車輪をロックし、お子様にシートベルトを着用することに加えまして、ベルトで二カ所固定し、しっかり支えていただくことをお願いしております。

○古城委員 双子用ベビーカーが都営バスに乗車できるようになった、このことについて、喜びの声をたくさんお伺いしているということも申し添えておきたいと思います。
 社会全体で子供を守り、育んでいくんだということが一層重要になっていく時代にありまして、繰り返しになりますが、双子用ベビーカーを折り畳まずに都営バスに乗車できる試行について、保護者の方々への周知とともに、都営バスを利用される皆様への理解、また、その理解を仰ぎ、ご協力をいただくこと、これらが欠かすことができないと思います。
 私も、事務事業質疑で、この取り組みを広く周知していくことを求めたのに対しまして、自動車部長から、ポスターやSNSによる呼びかけに加えて、具体的な固定方法をわかりやすく示し、周囲のお客様にベビーカー利用者への配慮をお願いする動画を車内のデジタルサイネージで放送するとの答弁を得たところでございます。
 そこで、双子用ベビーカー利用者及び周囲の乗客への効果的な周知について、取り組み状況を確認いたします。

○牧野自動車部長 双子用ベビーカーをご利用のお客様を初め、全てのお客様に都営バスを安全、快適にご利用いただくためには、利用方法をわかりやすく伝えるとともに、車内における譲り合いなどの配慮をお願いする必要がございます。
 このため、試行開始に合わせまして、理事お話しのとおり、ポスターやSNS等による呼びかけを行ったところでございます。
 さらに、都営バスのマスコットキャラクター、みんくるを使用したアニメーションの動画を作成しているところでございまして、準備が整い次第、試行中の一部路線におきまして車内デジタルサイネージで放送するほか、ユーチューブなどでも発信する予定でございます。
 今後とも、双子用ベビーカーの利用者も含め、誰もが利用しやすい環境整備に取り組んでまいります。

○古城委員 みんくるを使用したアニメーション動画ということでありますので、大変に期待をさせていただいておりますし、また、準備が整い次第ということでございまして、速やかに公開並びに発信をしていただきたい。繰り返しになりますが、要望をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 二点目は、都営地下鉄におけるバリアフリーについてであります。
 車椅子を利用される方、また、ベビーカーを押す方にとってスムーズに移動する妨げになり得るのが、都営地下鉄の駅のホームと車両との段差やすき間であります。これらを解消することにより、車椅子ユーザーの方が単独で乗降できることは、安心して心軽やかに移動できる第一歩であり、駅員の方々の負担解消にもつながるとの視点を、昨年の事務事業質疑で申し上げました。
 その上で、乗りおりしやすい乗降口の情報案内を、誰にとってもわかりやすいように改善すべきであると訴えたところでもございます。
 改めて、駅ホームの段差、すき間対策の取り組み状況についてお尋ねをいたします。

○坂口技術管理担当部長 都営地下鉄では、高齢者、障害者を初め、全てのお客様に安全・安心にご利用いただけるよう、ホームと車両の段差、すき間対策に取り組んでおります。
 新宿線では、車両編成により車椅子スペースの位置が異なることから、ホームドア整備に合わせまして、ホーム端の全面的なかさ上げを行うとともに、ホームと車両のすき間が広い箇所の乗降口に、すき間を狭めるくし状ゴムを設置いたしました。
 大江戸線及び三田線につきましては、車椅子スペースがある車両のドア位置のホーム上に、原則、固定式スロープを設置いたしまして、段差の縮小を図っております。
 ソフト対策といたしましては、段差、すき間の情報をきめ細かくお知らせするために、国が示した目安値を満たす乗降口をホームページに掲載しております。
 加えて、同様の内容を、昨年秋以降に、駅のエレベーターの出入り口の車椅子利用者が見やすい高さに掲示いたしております。

○古城委員 段差、すき間の情報につきまして、駅のエレベーターの出入り口に、車椅子を利用される方の見やすい高さに工夫していただいて掲示していただいているということでございますので評価をさせていただきたいと思いますし、また、利用者の方々の声を今後もお聞きいただいて、より安全に、また、先ほども申し上げました、お一人でも移動していける、このことが、そのご本人、また、都営交通の職員の方々にとっても、双方にとって利益につながることであると思いますので、引き続きの取り組みをよろしくお願い申し上げます。
 同じく事務事業質疑では、三田線については、八両編成化によって車椅子スペースが異なってくることから、かさ上げやすき間を狭めるくし状ゴムの設置を行うための補強方法などを検討して、順次、工事を実施するとの答弁を得たところでございます。
 こちらについても、着実に、段差、すき間対策を進めるべきと考えますが、来年度の取り組みについて見解を求めます。

○坂口技術管理担当部長 都営地下鉄では、三田線の一部の車両を八両編成化する予定でございまして、今後は、まず、三田線における段差、すき間対策に取り組んでいくことといたしております。
 八両編成の車両を導入することによりまして、車両編成によって車椅子スペースを設けている車両のドア位置が異なってくることから、新たに固定式スロープとくし状ゴムを追加いたしまして設置する必要がございます。
 このため、来年度は設計に着手いたしまして、令和四年度からの設置工事につなげてまいります。
 今後とも、バリアフリーを進める観点から、段差、すき間対策を推進してまいります。

○古城委員 次に、コロナ禍を踏まえた都営交通の取り組みについて質問いたします。
 コロナ禍によりまして、三密の回避が求められる中、新しい生活様式において、改めて自転車利用への関心が高まっております。先ほど、中山委員の質問の中でも取り上げておられました。
 通勤や運動、飲食宅配代行サービスなどでの利用がふえ、特に、都市部でのシェアサイクルの需要や、また、自転車の販売、メンテナンスを依頼する、そうしたことが増加している、このことを伝える報道も目立っております。
 自転車は、手軽で安価な上に、健康増進や交通渋滞の緩和、環境負荷の低減など利点が多い一方で、今、道路交通事情にも影響を及ぼしており、自転車利用中の事故が総体的にふえているともいわれております。
 そこで、都営バスの安全対策について質問をさせていただきたいと思いますが、まず、令和二年度における都営バスの事故件数のうち、自転車が関係した事故の発生件数とあわせて、その発生状況をお尋ねいたします。

○牧野自動車部長 都営バスにおける令和二年四月から令和三年二月までの事故発生件数は二百二十八件となっております。
 このうち、自転車が関係した事故は十九件発生しておりまして、その発生状況につきましては、歩道を走行してきた自転車が、ガードレールの切れ目から急に車道に飛び出したため、回避できず接触した事故や、側方を走行していた自転車のハンドルと接触した事故などが発生しております。

○古城委員 交通局による自動車事業の二〇二〇安全報告書に示された昨年度までの五年間の有責事故発生件数、これは、おおよそ三百五十前後で推移をしておりますけれども、これらと比べましても、今年度の事故発生件数は減少しているということはわかるんですが、一方で、車道の左側でバスと自転車が錯綜する機会がふえている。
 けさも、私も、都道の幹線道路になっておりまして都営バスが新宿駅西口に向かっていく、そうした道路状況をつぶさに見てまいりましたけれども、やはり、通勤などで利用されている多くの自転車とともに、都営バスが、特にバス停前後でこのように、今申し上げた、錯綜する、こうしたことがふえているなということを実感したところでございまして、事故防止策の徹底が大変重要であると思います。
 国土交通省関東運輸局のワーキンググループも、管内のバスの事故発生件数は、これまでも、各バス事業者による取り組みによって事故件数は減少しているものの、乗合バスの車内での転倒事故や、歩行者や自転車との接触事故が後を絶たない状況であり、その防止の推進が喫緊の課題となっている、このように論じております。
 そこで、都営バスにおける自転車との事故を防止する対策についてお尋ねいたします。

○牧野自動車部長 都営バスでは、全乗務員に対して年四回安全研修を実施しておりまして、その中で、自転車との事故を防止するため、バス車両を用いて、自転車の側方を通過する際の距離感を体験させているほか、実際に都営バスで発生したヒヤリ・ハット映像を活用し、危険予知能力の向上を図っております。
 また、各営業所におきまして、自転車の飛び出しが多い箇所などを路線ごとに示したハザードマップを作成いたしまして、乗務員に周知するとともに、こうした箇所につきましては、歩道からの飛び出しを防ぐためのガードレールや、無理な横断を防ぐための中央分離帯の設置を警察や道路管理者に要望しております。
 さらに、警察や自動車学校と連携いたしまして、小中学生や地域にお住まいの高齢者の方々などを対象とする交通安全教室を開催し、自転車運転シミュレーターを体験していただくことなどを通じまして、自転車を運転する際の交通ルールの遵守や正しい交通マナーの啓発を行っているところでございます。

○古城委員 突然飛び出してきた自転車との接触を急ブレーキや急ハンドルで回避しようといたしますと、いや応なく車内事故のリスクも高まります。こうした車内の人身事故も一般の交通事故と同様に取り扱われまして、発生後には当該バスの運行を停止させなければなりません。そして、死者または重傷者を生じた場合には、自動車事故報告規則により国土交通省に報告をしなければなりません。
 バス乗務員は、乗客の安全と、挙動を予測しにくい対自転車との安全と、この二つを両立させるという、究極のミッションともいえる、これを遂行しなければならないといえ、真のプロフェッショナルな職務に徹しておられ、重い責任を担っています。
 他方、自転車利用者にとっては、こうしたバス乗務員の責任や走行中のバスからどのように見えているのか、こうした点について思いをいたすということが求められているんだろうと思います。
 都営バスにおいて、今ご答弁いただいた、これまでに取り組んでいただいている対策に加えまして、バス、自転車が相互に理解できる工夫、例えば、既に取り組んでおられるところもあると伺っておりますが、車内事故の発生要因であるとか、また、バスから見た際に死角が多く発生すること、こうしたことを実感できる、そういう機会を、より多く、ぜひともさまざまな関係機関と連携をしながらつくっていただきたいと要望させていただきます。
 そして、こうしたことによりまして、バスの左側をすり抜けないであるとか、また、バスを無理に追い抜かない、こうした意識が高まりまして、バスと自転車が安全に共存できることを期待したいと思います。
 さて、東京都では、自転車活用推進法及び国の自転車活用推進計画を踏まえて、東京都自転車活用推進計画を二〇一九年三月に策定し、都内における自転車活用に関する施策の推進を図っていますが、この計画は今年度までの計画期間となっていることから、自転車活用推進を図り、コロナ禍を踏まえた新しい日常への対応も加え、誰もが自転車を活用しやすい環境の創出を目指して、設置された検討会を中心に、計画の改定が進められています。
 また、未来の東京戦略ビジョンに掲げられた、移動困難者を含む誰もが移動しやすい利便性の高い都市の実現に向け、持続可能な地域公共交通網のあり方などについて、東京都における地域公共交通のあり方検討会で将来を見据えた検討も進んでいます。
 そして、先般公表されました未来の東京戦略案には、移動困難者の生活サポートプロジェクトが盛り込まれたところでございます。
 これらの計画などについて、策定した後に、笛吹けども踊らずであるとか、仏つくって魂入れずといった状況になることは何としても避けなければなりません。
 そこで、実効性を確保していくためには、現場の経験と、そこから生まれる知恵が重要でありまして、公営事業をつかさどる交通局の部長級の職員が委員として参画をしているこれらの検討会において、自転車の安全利用に関する知見を訴えていくべきであると考えますが、見解を求めます。

○牧野自動車部長 理事お話しのように、現在、都市整備局におきまして、自転車活用推進計画や今後の地域公共交通のあり方に関する検討会が設置されておりまして、交通局は、交通事業者として、これらの検討会に参画しております。
 検討会におきましては、自転車の一層の利用促進に向けた通行空間の整備やシェアリングサービスの普及などに加えまして、増加傾向にある自転車事故への対策も課題となっております。
 このため、交通局といたしましては、これらの検討に際しまして、自転車の走行や事故等に関する実態、安全な利用に向けた普及啓発の取り組みなどにつきまして情報提供を行うとともに、自転車の通行空間の整備につきまして、事故防止の観点から、バス事業者としての見解を伝えております。
 今後とも、各関係局等と連携しながら、自転車の安全対策に取り組んでまいります。

○古城委員 配達員の多くが自転車を利用するフードデリバリーサービスに関連して、都議会公明党のけいの信一議員による昨年の第四回定例会の一般質問において、都によるフードデリバリー事業者や業界団体とも連携した取り組みを求めまして、法令上の位置づけ及び事故発生並びに違反時の課題などについて論点を浮き彫りにいたしました。
 具体的に自転車での貨物運送を想定していない現在の法体系では、自転車は、軽車両であるにもかかわらず、事業の許可や届け出が不要となっており、事業者番号や車両ナンバーがないために、事故や違反の際に本人の特定が困難であることも課題の一つであることを指摘しています。
 あわせて、私は、道路上の安全を確保するという観点からは、運送業ともいえる自転車配達員が、交通法規を遵守し、他の自転車利用者の模範となることこそ求められるのではないかと考えております。
 そして、そもそも適用される法令が異なるとはいえ、都営バスにおいても、旅客自動車運送事業者として、他の自動車運転者に対して範を示すことを実践されております。
 国土交通省の告示では、旅客自動車運送事業者は、その事業用自動車の運転者が、他の運転者の模範となるよう育成することが求められ、事業用自動車の運転者は、事業用自動車の運行の安全及び旅客の安全を確保するとともに、他の運転者の模範となることが使命であるとされているとおりでございます。
 一方で、これに反するような出来事も耳目を集めました。
 昨年ツイッターで公開された、フードデリバリーの配達員が自転車で自転車通行レーンを走行中、スクールバスに幅寄せされた様子を捉えた動画であります。ごらんになられた方もいらっしゃるかと思います。スクールバスが自転車を追い越しながら幅寄せをして、急停車して進路を塞ぐその様子は、重大事故にもつながりかねない、とても危険なものでありました。
 私自身、乗り合いと貸し切りを営むバス事業者で働いていた者として、また、日常生活でも自転車を利用する者として、とてもショッキングな動画でございました。
 先ほど申し上げました、バスと自転車が相互に理解できる取り組みにおきまして、ぜひとも交通局におかれましても、さまざまなステークホルダーとも協力をしていただいて、こうしたフードデリバリー事業者や業界団体などが交通安全に積極的に寄与できる、そうした枠組みや、また、具体的な実践についても求めていく、また一緒になってそうした社会をつくっていく、ぜひとも、こうした点も、この機会に要望をさせていただきたいと思います。
 また、一言つけ加えて申し上げますと、先ほども、けさ、自転車が通過していく、車道を通過する、また並走する都営バスの模様を拝見したと申し上げましたけれども、ある大変に交通量が多い営業区間において、自転車通行帯が設置をされ、そして、そこに貨物用であるとか、また一般の乗用車も駐停車をしている中において、バスの通行をしっかりと確保していくために、安全を確保するために、職員の方々が、毎朝ご協力を、そのドライバーに対して促している、お願いをしていると、そういう取り組みもされているというふうに伺っております。本当に地道なご努力に敬意を表したいと思います。
 だからこそ、今申し上げました、交通局として、ぜひ積極的にこれからの自転車安全利用に向けた取り組み、バス事業者としての視点は、これは東京都の中では交通局、ここしかありません。ぜひともこの点、庁内の検討会においても引き続き応対をいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 次に、最後のテーマになりますが、新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。
 都議会公明党は、本年の一月十二日に、知事への緊急要望におきまして、都営交通車両への感染防止対策として、効果のある抗ウイルス加工による車両コーティングを進めること、このことを求めまして、また、先ほども質問の中でございましたが、都営交通の全車両において、この抗ウイルス効果のあるコーティングが実施をされ、実施済みの車両から、二月十五日から順次運行を開始しているということでございまして、安全・安心の確保を推進する、この局の対応を評価させていただきます。
 しかしながら、都民の皆様、また都営交通のお客様に、引き続き、手洗いやマスク着用などの感染予防とともに、車内での会話を控えていただくなどのご協力をお願いしなければならないということはじくじたる思いでもございます。
 厚生労働省が発表した新しい生活様式では、混んでいる時間帯は避けて公共交通機関を利用することが推奨されておりまして、都営交通における混雑情報の提供も、利用者の利便性向上に貢献することが期待をされております。
 そこで、都営地下鉄などにおける混雑情報の発信について、ホームページやスマートフォン向けアプリでの取り組み及び利用者の閲覧状況をお尋ねいたします。

○根木総務部長 交通局のホームページでは、地下鉄四線及び日暮里・舎人ライナーにつきまして、混雑駅における朝ラッシュ時間帯別の混雑状況を掲載してございまして、このページの閲覧数は、月平均で約四千件となってございます。
 また、都営交通アプリでは、都営地下鉄の列車ごとの混雑状況を発信しており、このアプリのダウンロード数は、運用開始の昨年三月から本年二月末までに約三万六千件となってございます。

○古城委員 今、答弁いただいた都営地下鉄、都営交通における取り組みもそうでございますけれども、駅や列車の混雑情報の提供につきましては、各鉄道事業者の公式アプリによりまして普及が促進されている、こういう状況でございます。さらに、車両ごとの混雑情報については、JR東日本、また、東急電鉄、小田急電鉄の各社アプリで提供されております。
 私も、この都営交通アプリ、私自身使っているスマートフォンにダウンロードして、インストールして使わせていただいておりますけれども、ユーザーの方からのご意見を見ておりますと、使いやすいというご意見がある一方で、他社と比べて、こうしたらいいんじゃないかといったご意見も一部散見をされているところでございます。
 開発期間等の制約がある中ではあると思いますけれども、ユーザー目線に立っていただいて、引き続きこのアプリのブラッシュアップを図っていただきたいなと思うのですが、そうした視点から、今後とも、都営地下鉄などの混雑予測や、また、今叫ばれている混雑の見える化、これを適時適切に提供していただいて、コロナ禍の中での三密回避に資するということは、都営交通における重要な安全・安心の確保の取り組みになると考えます。
 そこで、お客様がより安心して都営地下鉄などを利用できるようにするため、都営交通アプリの活用をさらに進めるべきと考えますが、見解を求めます。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 コロナ禍において、混雑情報に対するお客様のニーズが高まっていることから、都営交通アプリで列車の混雑状況をより詳細にわかりやすく表示する新たな取り組みを行うことといたしました。
 具体的には、車両から収集した膨大な混雑データを都営交通アプリで提供中の混雑予測シミュレーションに活用することで、地下鉄全線の混雑予測の精度を高めるとともに、これまでの列車ごとに加え、車両の号車ごとに混雑予測を詳細に表示するサービスを三月下旬から開始いたします。
 これにより、お客様が時差通勤や密の回避などを一層判断しやすくなり、より快適に都営地下鉄をご利用していただけるものと考えております。
 今後とも、さまざまなお客様のニーズを適切に捉えた付加価値の高いサービスを提供し、誰もが利用しやすい都営交通を目指してまいります。

○古城委員 都営交通アプリを活用した新たな取り組みにつきましてご答弁いただきましたけれども、こちらについても、アプリを利用している一人として期待をさせていただいて、この三月下旬のリリース、待ち遠しい、そういう思いでいっぱいでございます。
 以上、安全・安心の確保、また、質の高いサービスの提供、この二つの観点から、都営バス、また都営地下鉄の取り組み、令和三年度の予算に向けたその取り組みについて確認をさせていただきました。
 これからも、誰もが安心して、そして、心軽やかに移動できるよう、局一丸となって取り組んでいただきたい。このことを重ねて申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○大山委員 今までの質疑の中でも、都営交通では、安心・安全は何より重要という趣旨の答弁があったわけですけれども、これは重要なことです。
 私、安全・安心の都営交通を実現していく立場で質問したいと思います。
 一つ目は、痴漢被害をなくすことです。
 痴漢をなくすということについては、本会議での一般質問で、我が党の米倉議員が質問しましたから、皆さんも聞いていただいていると思います。痴漢は性暴力であり、人権を侵害する性犯罪であるにもかかわらず、軽んじられ、日々被害と加害が繰り返されています。
 東京を、誰にとっても安全なジェンダー平等先進都市にしていきたいとの思いで、日本共産党東京都委員会にはジェンダー平等委員会があります。ジェンダー平等委員会では、痴漢被害の実態を把握して政策に生かそうとアンケートに取り組みました。
 アンケートでは、どのような被害を受けましたかという質問には、お尻をさわられた、体を密着させられた、性器を押しつけられた、なめられたなどの痴漢被害は多岐にわたります。自由記述欄には、電車内痴漢は繰り返し数え切れないほど日常的にあるなどの記述が多く、特に、中学生、高校生の通学中は連日という回答が目立ちました。
 痴漢に遭った場所は、電車の中七六・五%、駅構内三四・六%と、鉄道関係が非常に多いということをどう認識していますか。

○相川電車部長 アンケートの結果は承知をしております。
 また、警視庁の痴漢による場所別検挙状況において、電車及び駅構内が上位となっておりまして、お客様に安心してご利用いただけるよう、これまでも、鉄道事業者として必要な対策に取り組んでいるところでございます。

○大山委員 私たちのアンケートでも、それから警視庁の統計でも、電車及び駅構内の割合は高いですね。警視庁の統計に出てくる数字は、それこそ検挙件数ですから、実際の被害のほんのごく一部といえます。
 私たちの調査では、痴漢に遭って何もできなかった方は五四・八%です。怖くて反応できなかった方は四九・八%で、痴漢の被害に遭っても、圧倒的多くの女性のその被害は表面化しません。被害が多い鉄道ですが、私たちの調査では、駅員に通報した方は五・二%にすぎません。つまり、都営地下鉄でも、痴漢の被害を受けて、届け出た人はごく一部と推測できます。
 昨年の四月一日からことしの一月三十一日までに被害が報告されたのは二十七件ということですけれども、私たちの調査ではありますけれども、駅員に通報した方が五・二%ということでしたら、実際は五百十九人も被害者がいるということです。
 これについて、どう受けとめていらっしゃいますか。

○相川電車部長 交通局として、痴漢被害に遭われた方のうち、申告された方の割合は把握できませんが、被害があったことを駅係員などにお知らせいただけるよう、痴漢撲滅キャンペーンなどの取り組みを進めております。

○大山委員 交通局として、みずからの都営地下鉄で、どれぐらい、主に女性への性暴力の被害が起きているかもわからない、わかろうともしない、そんな無責任なことでいいんでしょうか。
 電車の中、それから駅構内で痴漢被害が上位となっていることは認識していらっしゃるわけですよね、さっきの答弁では。把握できないなどといっていていいんでしょうか。
 私は、電車の中で痴漢被害が多いことが明らかである実態をどう受けとめているんですかとさっき聞きました。ちゃんとその受けとめをしっかりと答えてください。

○相川電車部長 痴漢は性犯罪でありまして、許されない行為であると、もとより認識しておりまして、お客様に安心してご利用いただけるよう、これまでも、鉄道事業者として必要な対策に取り組んできたところでございます。

○大山委員 もとより認識していらっしゃるということですけれども、もちろん先ほどの人数は私たちの調査をもとにした計算です。数字です。痴漢の被害を受けた人で駅員に通報した方が五・二%でしたから、被害を受けて、交通局に実際に被害を届けた方が二十七人ですから、二十七割る〇・〇五二で五百十九人。
 痴漢被害に関して、具体的に今まで把握されてこなかったわけですね。だからこそ、私たちは、今まで声に出せなかった声をきちんと把握することから始めようと、痴漢被害についてのアンケートを実施しました。本来だったら、交通局が痴漢被害の実態調査をすべきじゃないんでしょうか。実態を把握することは対策の第一歩です。
 都営交通内での痴漢の実態を把握することが必要ですが、いかがですか。

○相川電車部長 痴漢撲滅キャンペーンなどを通じて、痴漢被害に遭われたお客様や周囲のお客様に対して、痴漢被害に遭ったことを駅係員などにお知らせいただきたい旨の呼びかけを行っております。

○大山委員 被害に遭った方や周囲の方に申告してくださいと呼びかけることは、それはそれでいいですよ。
 しかし、電車や駅構内で一番被害が多いと認識していらっしゃるわけですよね。認識していながら、みずから実態を把握しようとしないというのはなぜなんですか。

○相川電車部長 繰り返しになりますけれども、痴漢は性犯罪であり、許されない行為であると、もとより認識をしております。
 我々の方は、毎年、痴漢の被害状況、これは警察へ通報する件数でございますが、それについては把握をしているところでございます。

○大山委員 もとより認識していらっしゃるんだったら、どうしてみずから調査しようとしないんですかということなんですよ。
 さっき私が申し上げましたように、警察への被害の届け、それから、件数というのは検挙件数ですから、それこそ本当に膨大な中の一部ですよ。それでよしとしていいのかということなんですね。ぜひ、きちんと調査しなきゃだめです。
 痴漢被害に遭うということは、心身ともに大きなダメージを受けます。だからこそ、被害も表には出にくいわけです。
 アンケートにも、初めて詳細を書きました、ほとんど人に話したことはありません、もっとつらい思いをされた方は話すことができないのももっともだと思いますとか、書くのがしんどくて少し難しいですなど、語られていないことがさらに膨大にあります。アンケートに寄せられた被害は氷山の一角であると考えられます。
 電車での被害が多いと認識しながら調査もしない。痴漢は性暴力であり、性犯罪であるにもかかわらず、日本社会では軽く扱われてきました。痴漢についての認識が問われています。
 痴漢は女性たちにとって深刻な性暴力ですが、交通局はどう認識していますか。

○相川電車部長 繰り返しになりますが、痴漢は性犯罪であり、許されない行為であると、もとより認識しておりまして、お客様に安心してご利用いただけるよう、これまでも、鉄道事業者として必要な対策に取り組んでおります。

○大山委員 さっきから同じことを答弁されているわけですけれども、全職員の認識にすることが重要ですけれども、どうなっているでしょうか。
 具体的に、痴漢に関する研修だとかというのをやっていらっしゃるんですか。

○相川電車部長 全職員への認識でございますけれども、痴漢は犯罪行為であるということは全職員がそのように認識をしております。
 また、痴漢撲滅キャンペーン実施時等につきまして、朝の点呼等で駅の係員に周知をするとともに、痴漢の被害があって、訴えがあった場合のときの対応マニュアル、これについても職員に配布しております駅係員のハンドブック、そのようなものに掲載しているところでございます。

○大山委員 痴漢は性犯罪であり、許されない行為であると、もとより認識していらっしゃるわけですよね。全職員が同じ認識であるということです。それなら、もっと対策が進んでもいいんじゃないんでしょうか。
 私たちの調査では、どんな気持ちになりましたかという質問がありました。恐怖感、不快感、怒りの感情がリアルに記述されていました。男性が隣に座ると怖くて動けないとか、満員電車、座れない電車が怖くなり途中下車してしまうため不登校にとか、頻繁なフラッシュバックで受験勉強に支障など、痴漢行為が被害女性に対し、深刻な精神的、肉体的苦痛や人生への打撃を与えています。
 これらを理解することが痴漢対策の上で極めて重要だと考えられますが、どう考えていますか。

○相川電車部長 交通局としては、痴漢被害に遭われた方が駅係員などにお知らせいただけるよう、痴漢撲滅キャンペーンなどの取り組みを進めております。

○大山委員 ちゃんと私が質問したことに答えてください。
 私は、さっき述べたような、どういう状況になるのか、肉体的、精神的にも大きな苦痛、それから、人生への打撃を与えているんです。だから、これらをきちんと把握して、そして理解することが痴漢対策上で極めて重要なんじゃないんですかと伺ったんです。ちゃんとそれに答えてください。

○相川電車部長 アンケートの結果については承知をしております。
 痴漢は性犯罪であり、許されない行為であると、もとより認識をしておりまして、お客様に安心してご利用いただけるよう、これまでも、鉄道事業者として必要な対策に取り組んでおります。

○大山委員 アンケートは読んでくださっているわけですね。
 しかし、先ほどから、もう何度も何度も、鉄道事業者として必要な対策に取り組んでいる、そう答弁がありました。
 痴漢被害を防ぐために、交通局は、現在何をしていて、今後どう進めていくんですか。

○相川電車部長 交通局では、誰もが安全に安心して都営交通を利用できる環境を整備するため、車内カメラの設置を進め、防犯カメラ作動中と記載したステッカーを張りますとともに、鉄道事業者や警察と連携し、痴漢撲滅キャンペーンを実施するなど、犯罪や迷惑行為の未然防止を図っております。
 また、迷惑行為等に対応するマニュアルを作成し、職員の対応力の向上を図っておりまして、引き続き、こうした取り組みを進めてまいります。

○大山委員 車内カメラの設置を進めて、設置していることをアピールして、痴漢しようという気持ちを牽制しようということですね。あとは、痴漢撲滅キャンペーン、そして痴漢のためだけではないけれども、迷惑行為等に対応するマニュアルがあるということですね。
 答弁には出てきませんでしたけれども、痴漢被害に遭わないために、女性専用車両は重要です。米倉議員の質問のときには、女性専用車両は、被害者にとってはシェルターであり、被害経験者の中には女性専用車両しか乗れない方もいますと紹介しました。電車に乗ろうとすると過呼吸になり仕事をやめたという方は、その後の就職活動では、女性専用車両がある路線を条件としたとのことです。
 痴漢に遭わないために、女性専用車両の果たしている役割を、交通局はどう認識していますか。

○相川電車部長 痴漢を初めとする迷惑行為等の抑止を図り、女性のお客様のほか、小学生以下のお客様、お体の不自由な男性のお客様とその介護者の方も安心してご利用いただけるものと考えております。

○大山委員 迷惑行為というと軽い感じなんですけれども、女性や小学生以下の子供、体が不自由な方々にとって安心して利用できるという認識ですね。そうであるんだったら、ぜひ女性専用車両をふやしていってほしいんです。
 女性専用車両を導入することは課題が多いと米倉議員の質問に交通局は答えて、局長が答えていましたが、具体的にどのようなことが課題だと考えていらっしゃるんですか。

○相川電車部長 浅草線及び三田線につきましては、相互直通運転を行っております事業者において、女性専用車両を導入していない路線もあるなど、対応が異なっていること、また、大江戸線については、小型車両のため定員が少なく、女性専用車両の導入により他の車両がさらに混雑することなどでございます。

○大山委員 今の答弁だと、ほかの鉄道事業者と相互直通運転をしている路線、これが一つ、それから、大江戸線は小型車両だから他の車両が混雑してしまう、この二つということですね。
 課題の一つ、浅草線及び三田線については、相互直通運転を行っている事業者、つまり浅草線と相互直通運転をしている京急電鉄、京成電鉄、それから北総鉄道。三田線とは東急電鉄が相互直通運転をしているわけですから、それらの事業者で女性専用車両を導入していない路線もあるということですが、そうすると、女性専用車両を導入している事業者もあるということですか。

○相川電車部長 浅草線及び三田線と相互直通運転している事業者のうち、京急電鉄、京成電鉄及び東急電鉄では一部の路線や区間で女性専用車両を導入しておりますが、当局と相互直通運転を行っている京成押上線、北総鉄道及び東急目黒線では導入しておりません。

○大山委員 今のお話ですと、他の事業者が導入していないところもあるということですけれども、交通局は導入しているんですか。

○相川電車部長 交通局では、京王電鉄と相互直通運転をしている新宿線で一部の列車に導入しております。

○大山委員 いろいろご答弁されましたけれども、つまり、都営地下鉄も女性専用車両を導入している路線は新宿線のみ。浅草線と三田線と相互直通運転をしている京急電鉄、京成電鉄、東急電鉄も、ほかの路線では女性専用車両を導入している路線もあるということですから、都営地下鉄も京急も京成も京王も東急も、女性専用車両の導入という点では、それぞれ一部に導入しているという、ほとんど同じレベルだということなんですよね。
 相互直通運転をしている事業者と話し合いを始めたらどうですか。

○相川電車部長 女性専用車両につきましては、相互直通運転を行っている事業者間で対応が異なっていることや、導入により他の車両がさらに混雑することなどといった課題がございまして、このことは各事業者の共通認識であると考えております。

○大山委員 他社と話し合い、協議をするということは、対応が異なっていることだとか、導入に伴ってどんな課題があるのかということを整理していく、それが協議するということじゃないんですか。協議もしないで、だめなんだということは、相互直通運転をしている路線では、もう女性専用車両は導入できないということになってしまいます。
 先ほど、女性専用車両は、痴漢を初め、女性や子供、お体の不自由な方などに安心して利用してもらえると評価していたではありませんかね。
 相互直通運転をしている新宿線、どうして導入できたんですか、そうしたら。

○相川電車部長 新宿線におきましては、相互直通運転の相手であります京王電鉄さんは、各社が導入する前から女性専用車両を導入していた経緯がございます。そのようなこともあって、京王線と相互直通運転を導入している新宿線にまず導入したということでございます。
 また、新宿線につきましては、車両の編成長が八両、また十両編成が多いんですけど、長いということもございます。

○大山委員 京王電鉄が先にほかの路線で導入していたということですね。
 それで、結局協議して、どうやってやろうかということを話し合いしたから導入できたんじゃないんですか。安心して都営地下鉄に乗ることができる、これ、基本ではないんでしょうか。
 この経営理念にも、私たち都営交通は、都民やお客様に信頼され、支持される公共交通機関として、安全・安心を何よりも大切にしと、ちゃんと書いてあります。
 痴漢被害に遭う地下鉄で、どうして安全で安心といえるんでしょうか。どうして信頼される、信頼できるといわれるようになれるんでしょうか。
 今、公共交通機関は相互直通運転がどんどん広がっているだけに、他社と協議する努力をぜひしてください。
 実際、新宿線では京王電鉄と協議して導入できているわけですから、ほかの路線でもしっかりと協議していただきたいということを強く要望しておきます。
 大江戸線は小型車両だから、定員が少なくて混雑しているわけですね。つまり、より痴漢に遭う可能性が高いということではないんですか。

○相川電車部長 都営地下鉄四線は、それぞれ、混雑率のほか、輸送人員や営業キロ数など、さまざまな違いがございまして、痴漢被害を受ける可能性を一概に評価することは困難であると考えております。

○大山委員 そんなことおっしゃいますけれども、予算特別委員会の資料で出していただきました。実際の被害に比べて圧倒的に少ない警察への通報件数ですけれども、届け出数ではありますけれども、二〇一九年度は、浅草線八件、三田線十一件、新宿線二十一件、大江戸線二十二件です。今年度は一月末までの数ですけれども、浅草線二件、三田線六件、新宿線七件、大江戸線十二件です。実際の数は、圧倒的に反映していないとは思いますけれども、それでも毎年大江戸線の痴漢被害の警察への通報件数、これは多いです。
 そもそも、女性専用車両があってもなくても、その電車に乗っている乗客数の総数、これは変わりませんよね。あとは、どこの車両に乗るかということです。
 女性専用車両は車両編成の一番端に大体設定されていますけれども、それはどういう理由からなんでしょうか。

○相川電車部長 現在、女性専用車両を導入しているのは、先ほどご答弁したように新宿線でございます。
 新宿線は、新宿から本八幡まで向かう車両は、相互直通運転を行っております京王電鉄との協議を踏まえ、先頭車両としております。また、本八幡から新宿に向かう列車につきましては、他の車両の混雑への影響が少ない先頭車両としているところでございます。

○大山委員 京王電鉄と協議をして決めたんだということですよね。それで、本八幡から新宿に向かう列車は、ほかの車両の混雑への影響が少ない先頭車両、つまり、余り乗っていない車両、最初から余り乗っていない車両だということですよね。
 京王電鉄と協議して現在の位置にしているということ、自分自身のことを考えても、どの車両に乗るかというのは、私、例えば自宅からここに来る場合、若松河田駅から都庁前でおりるときは三両目に乗車します。それはエスカレーターに一番近い車両だからです。新宿西口駅でおりようというときは二両目に乗ります。それはやっぱりエスカレーターが近いからなんですね。ましてや、朝の時間帯、一分一秒貴重ですからね。
 つまり、先ほどの答弁にあったように、女性専用車両の導入により、ほかの車両がさらに混雑することということは、女性専用車両に移動する人が少ないということもあるわけですね。女性専用車両になるべく多くの女性が移動してくれると、ほかの車両がより混雑するということも緩和されるんじゃないかと。
 おりるときに、エスカレーターなどに比較的近い車両を女性専用車両にすること、そこにぴたっというと、大勢いますから、例えば一番端じゃなくて真ん中辺にするとか、そういうことなども含めて、より多くの女性が女性専用車両に移動してくれるようにした方がいいんじゃないでしょうか。いかがですか。

○相川電車部長 ただいま答弁したように、新宿線につきましては、京王電鉄との関係等から先頭の車両にしているところでございます。
 例えば、今、女性専用車両が、新宿線の状況を見ますと、他の車両よりも比較的すいている状況にございます。それで、仮に新宿線の定員というのが今、百四十人、大江戸線というのが、これは今、百人、小型車両ですので百人でございます。
 仮にの話ですけれども、それぞれの線で定員の一五〇%のところを十人、これ女性専用車両以外のところがふえたとすると、新宿線の混雑率は一五七%、大江戸線の混雑率は、さらにそれを上回る一六〇%というふうになりまして、例えば同じ十人が移るとしても、大江戸線の方が混雑するということになります。

○大山委員 新宿線の例をおっしゃいましたけれども、新宿線は、最初からすいている車両を女性専用車両に設定したわけですよね。
 それで、今ご説明あったように、それはやっぱり、乗りやすいかということも含めて検討した方がいいと思うんです。だから、ほかの路線で、それから大江戸線で、小さいですから、確かに予想以上に住宅地ができてしまった、マンションができてしまったということで、予想以上に混雑がひどいわけですけれども、女性専用車両を設けようという立場で、ぜひ大江戸線は、自分のところ、都営交通しかないわけですから、他社との関係はないわけですよね、協議する必要はないわけですよね。だから、やっぱりどうしたらできるんだろうかという立場でぜひ検討していただきたいということを強く求めておきます。
 そして、被害に遭ったとき、どうしましたかという質問もありました。何もできなかった五四・八%、怖くて反応できなかった四九・八%、怖くて逃げた三七・七%が圧倒的で、時間がなくて通報など対応できなかった一七・八%、これも多くなっています。
 これらに比較的有効だと思われるのは、スマートフォンのアプリです。車両に非常通報用のボタンがありますけれども、手が届くところにあるとは限りません。また、非常ボタンを押すというのはかなり勇気が要ります。そんなとき、スマホを見るような様子でアプリで通報すると乗務員さんなどに連絡が行くようにして、次の駅で駅務員の方がホームでその車両のところで待っていてくれたら、どんなに心強いかしれません。
 JR東日本は、痴漢被害者が被害を乗務員に知らせ、それを受けて、車内で痴漢被害が起きていることをアナウンスし、駅職員とも連携する実証実験を行っているとのことです。まだ完成はしていないようですが、このようなアプリについてどう受けとめていますか。

○相川電車部長 実証実験につきましては承知しておりますが、アプリにより乗務員等に通報するシステムは、現在、開発、検証の途上にあると聞いておりまして、その動向を注視しているところでございます。

○大山委員 その動向を注視しているということなんですけれども、デジタル化を盛んに推進しようという東京都ですから、率先して開発することが重要なんじゃないでしょうか。

○相川電車部長 繰り返しになりますけれども、アプリによる乗務員等に通報するシステムにおいては、現在、他社で、JRにおいて開発と検証の途上にあると聞いておりまして、その動向を注視しているところでございます。

○大山委員 電車や駅構内での被害が多いということは、全ての鉄道事業者に共通することです。それだけに、共通のアプリの開発なども含めて進めていただきたいということを要望しておきます。
 周りの人が声をかけてくれたり、助けてくれたということは重要です。
 しかし、アンケートでは、周りは無関心だったが三五%に上り、周りが助けてくれたのが六・四%。大丈夫などと声をかけてくれたのは四・九%でした。このような状況はどう受けとめていますか。

○相川電車部長 痴漢撲滅キャンペーンなどを通じて、痴漢被害に遭われたお客様や周囲のお客様に対して、痴漢被害があったことを駅係員などにお知らせいただきたい旨の呼びかけを行っております。
 例えば、昨年度、痴漢撲滅キャンペーンでは、周囲のお客様に、被害に遭われた方への声かけの協力を呼びかけるため、どうしました、大丈夫ですか、その一言で、その勇気で、救われる方がいますなどのメッセージを表記したポスターを掲出しておりまして、引き続き、こうした取り組みを通じて呼びかけてまいります。

○大山委員 ポスターで今のような内容をお知らせするというのも、それはそれで重要だと思っています。
 先ほどの何をやっていますかということの一つの柱が痴漢撲滅キャンペーンということだったわけですけれども、この痴漢撲滅キャンペーンというのはいつごろから始まったんでしょう。

○相川電車部長 痴漢撲滅キャンペーンでございますが、平成二十二年から開始しております。

○大山委員 平成二十二年ということは二〇一〇年からですから、キャンペーン、十年間やってきたわけですね。どのように改善されているんですか、現状は。

○相川電車部長 ただいまお答えしたとおり、二〇一〇年から撲滅キャンペーンをやっておりまして、これは、痴漢は犯罪であるということ、それから、周りの方が声をかけるとか通報するとか、そういうことを周知するようなポスター等もこれまでやってきたところでございましたので、効果があったというふうに考えております。
 引き続き、こうした取り組みを通じて、呼びかけを続けていきたいと思っております。

○大山委員 現状を把握していないということですよね、どう改善したか。
 やはり、現状がどうなっているかということを把握して、その現状をどうしたら改善できるかということを検討して対策を立てる、これがやっぱり基本じゃないんでしょうか。
 交通局でできることは、痴漢の被害実態に正面から向き合って、都営交通を、誰にとっても安全な交通機関にするために、痴漢ゼロの都営交通を実現することです。
 ぜひ、この立場に立っていただきたいと思いますけれども、交通局長、今までの質疑を聞いての答弁を求めます。

○内藤交通局長 改めて申すまでもなく、痴漢行為は犯罪でございます。決して許される行為ではない。さらに加えまして、被害に遭われた方の心に一生の傷を負わせることにもなりかねない行為だと、このことを十分認識する必要があると、私ども交通局職員全員が認識しているところでございます。
 この考え方のもと、これまでも都営交通では、犯罪抑止、未然防止に資する対策を講じてきております。
 具体的な取り組みにつきましては、過日、先般の本会議において私から、また、現在この委員会におきまして所管の部長から、具体的な取り組み及びその現状と課題について、るるご説明させていただいております。
 今後とも、一つ一つの取り組みを丹念に積み重ねながら継続していくことが大事かなと考えております。
 またもう一点、これもとても大切なことだと思うんですが、こうした行動、取り組みを、社会全体でぜひとも一層共有していただけますよう、他の鉄道事業者とも連携しながら、また、警察とも協力しながら、機会あるごとに痴漢撲滅に向けた発信をしていくことも大切だと考えております。
 引き続き、安心してご利用いただける都営交通を目指しまして、対策を進めてまいります。

○大山委員 被害に遭われた方の一生の傷になるということも認識していくということを重要だとおっしゃったこと、答弁されたことを重要だと思っています。
 本当に、防止していくこと、そして、ほかの鉄道事業者ともきちんと連携してやっていこうという立場での答弁だと思います。答弁だと受けとめます。
 やはりきちんと現状を把握して、他の鉄道事業者ともきちんと連携して、現状把握して、ぜひ取り組んでいっていただきたいということを申し上げておきます。
 もう一つのテーマですけれども、はとバスへの業務委託のことです。
 それで、都営バスを運行する株式会社はとバス運転手さんへのパワハラが労災事件になっています。株式会社はとバスは東京都の事業協力団体となっていますから、黙って見過ごすわけにはいかないということです。
 東京都は、東京都政策連携団体活用戦略というのを二〇一九年五月に出しています。その中で、現在の都政との関連性に重きを置く考え方に見直した上で、一定の基準を満たす団体を事業協力団体と位置づけています。
 事業協力団体とはどういうものなのかということです。東京都政策連携団体の指導監督等に関する要綱にその定義が書かれています。
 事業協力団体とは、事業活動範囲が主に都の区域内であること、主体的に都と事業協力を行う団体で、別に定める要件を満たすものとなっています。別に定める要件というのはどういうことかと見ますと、都から出資等を受けていることが基本で、あとは、過去三カ年度経常的な収益における都財政受け入れがある、都の職員が派遣されているとか、都派遣職員または都を定年退職した都職員が連続して常勤役員に就任しているなどと、いずれかに該当する場合です。東京都との関係がかなり深い団体ということですね。
 株式会社はとバスの代表者は歴代交通局長経験者ですね。どうですか。

○根木総務部長 株式会社はとバスの代表者は、現職を含めまして、歴代十六名中十一名が交通局長経験者と聞いております。

○大山委員 現職を含めて歴代十六名中十一名が交通局長経験者ということです。東京都との関係が非常に大きいということです。
 東京都政策連携団体の指導監督等に関する要綱に、事業協力団体についても記述があります。局長等が事業協力団体に対し、法令その他の規程に定めるところにより適切な関与を行うほか、当該団体との協力強化に向け、必要な関与を行うとなっています。知らぬ顔はできないということですね。その株式会社はとバスで何が起こっているのかということなんです。
 交通局は、現在、都バスの営業所の支所五カ所を株式会社はとバスに委託しています。
 営業所を委託する理由というのは何なんでしょうか。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 バス事業におけます管理の委託とは、道路運送法に基づいて、交通局が、ダイヤ、運賃などの決定権を留保しながら、事業所における運行などの業務を外部に委託するものでございまして、都営バスのサービス水準を維持しながら、経営の効率化を図るために実施しております。

○大山委員 サービス水準を維持しながら経営の効率化を図るというのは、具体的にはどのようなことになりますか。どのようなことをするんですか。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 都営バスのサービスを維持しながら、経費の節減も含めて、限られた経営資源を最大限に有効活用していくことと考えております。

○大山委員 経費の削減もしながらということですね。
 各営業所の委託金額、これ五年間の委託金額と積算根拠を教えてください。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 はとバスとの委託におきましては、全ての支所の業務を一括して契約しておりまして、過去五年間の委託額は、それぞれ、平成二十七年度が約三十八億七百万円、二十八年度が約三十八億四千七百万円、二十九年度が約三十七億四千六百万円、三十年度が約三十八億五千七百万円、令和元年度が約三十九億六千七百万円となっております。
 毎年度の契約の更新に当たりましては、はとバスから参考見積もりを徴取した上で当局が積算しておりますけれども、その内容につきましては、はとバスの経営情報などを含んでおりますことから、お示しすることは困難でございます。

○大山委員 毎年少しずつは契約金額は上がっているということですね。それにしても積算の根拠は示せないということです。
 都バスの営業所ですから、路線バスを運行するのが仕事。一番大きい部分を占めるのは人件費と考えていいんでしょうか。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 バス事業におけます経費の中では、乗務員を初め、運行管理、車両の整備などの業務の人件費が占める割合が高くなっておりまして、契約額の中では人件費が多くの部分を占めております。

○大山委員 人件費が一番大きな部分を占めているということですね。
 大体、効率化を図るというとき、それからまた委託をするときは、大きな部分を占める人件費を減らすことが行われてきています。ほかのケースでもね。
 同じ年齢、同じ経験年数、同じ運転手で、交通局職員と株式会社はとバスの給与を比較してください。モデルでの試算で結構です。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 はとバスの乗務員のお話のような給与につきましては、委託先企業の経営情報に当たりますことから、お示しすることは困難でございます。

○大山委員 それもできないと。
 都バスの交通局職員で、運転手さんの年収は答えられますよね。二十一歳で採用されて、単身で、一年目、十年目、十五年目で幾らになるか、モデルの試算でいいですから教えてください。

○渡邉職員部長 都バス運転手、採用時に前歴があるか等で大きく違いがございますが、仮に二十一歳採用モデルということで考えますと、一年目では約三百九万円、十年目では約四百五十二万円、十五年目では約五百二十二万円と計算してございます。

○大山委員 令和元年度の給与ですね。それで年収なわけですけれども、期末勤勉手当は四・六五カ月でしたから、月額にしますと、一年目が約十八・六万円、十年目が約二十七・一万円、一カ月ね。十五年目が約三十一・四万円です。
 これ、資料をもらいましたけれども、このモデル年収に住居手当は入っていませんですね。
 私、株式会社はとバスの都バスの運転手さん、十三年目の方の給与明細をお借りしていますけれども、総支給額が二十五万千六百二十円。先ほどの試算には住居手当が入っていませんから、住居手当を引きますと、二十四万千七百二十円です。交通局の運転手さん、先ほどモデル計算ですと、十年目で約二十七万円。十年目の方と比較しても月額三万円も少ない。これ大きな格差だといわざるを得ません。
 交通局の運転手さんも、株式会社はとバスの都バスの運転手さんも、同じく路線バスの運転手さんです。これほど大きな給与格差をどう受けとめていますか。

○渡邉職員部長 先ほど申し上げましたモデル試算は、冒頭申し上げましたように、その職員の前歴等によって大きく計算が違ってまいりますので、ご承知おきいただきたいと思います。
 なお、今のご質問に対してでございますが、はとバスにおける賃金は同社の経営に関する事項でございまして、委託先企業がそこの責任において定めているものと考えてございます。

○大山委員 委託先企業が考えるんだということなんですけれども、同一労働同一賃金、これ重要なわけですけれども、交通局はどう考えていらっしゃいますか。

○渡邉職員部長 同一労働同一賃金とは、同一企業内における、いわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消を目指す考え方であると認識しております。
 したがいまして、先ほど来ご指摘をいただいている事項はこれには該当しないものと考えております。

○大山委員 そんなこといっていますけれども、営業所を委託する理由は、先ほどご答弁あったように、サービス水準を維持しながら経営の効率化を図るために実施するんだということですよね。つまり、サービス水準を維持するということは、委託前と同じようにやりなさいよということですね。そして、経営の効率化を図るといったら人件費を少なくすることじゃないんですか。結局、同じ仕事を要求しながら人件費を下げる、東京都が官製ワーキングプアを構造的につくっているということではないんでしょうか。
 交通局が委託している営業支所で、官製ワーキングプアをつくって、構造的につくっているその営業所の支所でパワハラ事件が起きています。
 はとバスに業務委託をしている営業所に、パワハラを初め、ハラスメントに関する相談の窓口はあるんでしょうか。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 はとバスにおきましては、ハラスメントの相談窓口として専用電話を男女別に設置し、営業所を含む全社員が相談できるようにしていると聞いております。

○大山委員 その電話というのは、携帯電話が窓口だということですね。
 パワハラによる精神疾患発症問題で、東京労働局から、小滝橋自動車営業所杉並支所の業務委託を受けている株式会社はとバスに助言があったということは把握していますか。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 はとバスに委託しております小滝橋自動車営業所杉並支所におきまして、お話のように、乗務員から、ほかの乗務員とのトラブルの相談が寄せられたという件につきましては、現在、はとバスの社内において、事実関係の調査や関係者への対応などを行っているところだと聞いております。
 この中で、関係者から東京労働局への相談があったことは伺っておりますけれども、助言の有無等を含めて、詳細については聞いておりません。
   〔「申告時間過ぎていますよ」と呼ぶ者あり〕

○大山委員 もうあと少しです。パワハラ事件をめぐって(「もう過ぎていますよ」と呼ぶ者あり)ごめんね、あと三分。パワハラ事件をめぐって、東京労働局は、株式会社はとバスの支所長に対し助言しています。
 その助言の内容は、ハラスメント相談窓口に電話しても出なかったとのことで、その窓口の体制の点検が必要ではないかとか、パワハラの相談対応に当たっては、パワハラかどうかもわからない微妙なものも含めて広く相談に当たる必要があり、相談や証言をしても不利益に扱われないことを知らせる必要がある、それが伝わらなかったことがなかったか振り返ることも必要ではないかなどを初め、六点にわたる助言があったとのことです。
 これらの労働局からの助言について、支所長は、本社に報告をして、本社の指示を仰ぎますと述べたとなっています。そのため、パワハラを受けた運転手さんから依頼を受けている弁護士さんが、支所長宛てに、本社での検討の結果についてご連絡いただければ幸いですと、文書で問い合わせをしています。ところが、後日、支所長から来た回答は、貴職、つまり弁護士に回答する必要はない、なお、当社の従前の対応に関して問題があるとは考えておりませんという、木で鼻をくくったような返答でした。
 伺いますけれども、事業協力団体だとして、交通局と密接な関係にある、しかも都民の命を乗せている都バスの営業所支所での問題です。こんなことでよいんでしょうか。それとも何か対策をとったんでしょうか。

○田村委員長 速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○田村委員長 速記を始めてください。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 今回の件につきまして、はとバスにおきましては、当該乗務員からの相談を受け、事実関係の調査などを行うとともに、ハラスメントの防止に向け、改めて注意喚起を徹底するなど、一定の対応を講じていると伺っております。
 こうしたことから、交通局としては、引き続き、当事者であるはとバスの対応を注意して見守ってまいります。

○大山委員 運転手さんが安心して気持ちよく働ける職場があってこそ、都民の命を守ることができます。事業協力団体だというんだったら、株式会社はとバスの問題だからと知らぬ顔しないで、きちんと調査をして対応することを求めて、終わりにします。失礼しました。

○田村委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時三十分休憩

   午後三時四十五分開議
○田村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○宮瀬委員 では、よろしくお願いいたします。
 さきの事務事業質疑におきまして、やはり私も、毎日、三田線と大江戸線に乗って都庁まで来ておりまして、都民の方からのどういう苦情やご意見が来ているのかというのを軸に質疑をさせていただきました。
 その際に、利用者の方からのクレームが一番多かったのは、マスクの着用をしてほしい、もしくは呼びかけてほしいといったことが約半数を占めていたということでございます。残り、車内の換気ですとか、窓のことについてが、大体三六%ぐらいといったことでありますが、その件を取り上げまして、車内における感染防止の呼びかけについては、効果的な取り組みを検討するというご答弁がございました。でも、私、あの質疑、十一月の五日だったと思うんですが、それからアナウンスを聞いたのは四回ぐらいです。毎日、ほぼ毎日、乗っていますけれども、これは、答弁を出されていて、検討を行っていくといったことでしたのに、やっぱり、駅区間の間隔が短いとか、そういう理由はわかりますけれども、私は、大体高島平から春日で乗りかえ、約二十五分ですか、その間やっぱり一回も聞かないといったことは、やはりいかがなものかと思いますので、いろいろご事情はあるとは思うんですけれども、都民のクレームの約半分は呼びかけですので、まず、そのことは質問にしませんので、改めてご検討いただきたいと思っております。
 その際の私の質疑で、車内の消毒回数はどういった頻度なんですかといった数字を確認しましたら、車内の消毒頻度は週一回ですと、車庫に入れるタイミングで、外窓を掃除するときに、中の消毒を行うと。それは、週一回ではおかしいではないかといったことを十一月の時点で、十一月五日に質問させていただきました。それに対しまして、局からは、有効な対策をとるために、情報収集に努めていくといったご答弁いただきました。
 その後の経過について伺います。

○西川安全管理担当部長 交通局では、お客様に、より一層安心してご利用いただけるよう、都営交通の全車両に抗ウイルスコーティングを順次実施しており、先月十五日から施工を完了した車両が運行を開始してございます。
 現在使用しているコーティング剤は、第三者機関による新型コロナウイルス株を用いた抗ウイルス性試験において、九九・九%以上減少した結果の証明を取得したものでございまして、空気のあるところならどこでも二十四時間触媒反応を継続し、人体や環境への影響はなく、一回の施工で最長五年間持続するという特徴もございます。
 これを、つり革、手すり、座席、扉など車内全体に施工することで、車両内での接触感染リスクの低減が図れると期待しているところでございます。
 なお、施工済みの車両にはステッカーを掲出しまして、お客様にその旨をお知らせしております。
 今後とも、新型コロナウイルスの感染拡大防止の取り組みを行ってまいります。

○宮瀬委員 ありがとうございます。
 コーティング加工が始まったよといったことなんですけれども、私は、そのステッカー、いまだに見たことがなくて、提案をさせていただいたのが十一月五日で、十二月も感染が大爆発したと。その間も、延べ約二千万人が一週間使っているその都営地下鉄で、その間もずっと週一回の消毒だったといったことであります。
 今も多分、まだステッカーを見たことありませんから、行われていないと思うんです。いつ終わるのかというところなんですが、先ほど答弁聞いておりまして、三田線含めた都営地下鉄全線、さくらトラム、日暮里・舎人ライナーについては、今年度末、三月末ということですかね。都営バスについては、ことしの夏に終わる予定だと。
 私は、これ先ほどの質問と重複するので割愛しますが、やっぱり遅いと思うんですよね。例えば、東急電鉄と三田線、乗り入れて、私、地元が板橋ですので、乗り入れていますけれども、東急さんは、既に車両の中で、動画で、もうコーティング加工をやっている動画を流して、実際にその感染対策も十分やっていますよと、乗客に対しての呼びかけも、既に、大分前から動画を流したりしている中で、都バスについては、ことしの夏といったことでは、やはり急いでいただかないと、コロナが終息するのは一番ですけれども、終わった後にコーティングしても、効果が半減してしまいますので、ぜひこれも急いでいただきたいなと思っております。
 あとは、大江戸線が七掛け運転になってしまったことも、質問、重複しますので、割愛しますが、その前に、これも要望にいたしますけれども、地元の方から聞いた話でありますが、例えば、新板橋駅は、トイレが古くて、こういう蛇口をひねって水を、トイレで手を洗うトイレになっているわけですね。そうすると、せっかく石けんで手を洗っていても、自動で水が出るわけではないので、また蛇口をさわってしまうと。そうすると、やっぱりコロナ、トイレの感染も危惧されている中で、ぜひトイレの改修も急いでいただいて、トイレの感染対策というのは、掲示板にしか、掲示ポスターしかないと聞いていますので、ぜひそれも工夫していただきたいと思います。
 また、エアドライヤーも、手を、エアで水をはじくやつですけれども、それもやっぱりぜひ全面禁止にしていただきたいと思っております。
 あと、これも今回は要望にしますが、東横線は、ちゃんとモニターで動画を流して、マスクの着用ですとか、先ほどいったコーティング加工をやっていますとか、換気をやっていますというのを、乗客の皆さんに安心していただくために流しているんですけれども、都営地下鉄が流しているのが、これいただきましたが、一人一人の心がけということで、お出かけの際には手洗いをしましょうとか、赤ずきんちゃんが出ていて。あとは、周囲の気遣いを大切にしましょう、思いやりある行動を、車内の中で、ご飯を食べているウサギがいて、お話ししているようなやつなのですけれども、私は、この動画を流していますということをいわれたんですけれども、こういうことも、ここに書いてありますけれども、マナーの啓発ですよ。感染対策、コーティング加工、都民の皆さん、心配していますので、マナーの啓発ではなくて、ぜひそういった具体な感染対策をしっかりと行っていただきたい。また、東京メトロは、既に始めて、やっておりますが、券売機の消毒も、人が手でボタンをさわるところですが、ちゃんとやっております。私、聞いた範囲では、そのところ、間違っていたら恐縮ですけれども、それは入っていないと思いますので、ぜひそこの消毒もお願いしたいと思います。
 次に、やはり利用者の方が気にしているのは、緊急事態宣言が明けるような状況が出てきたときに、終電の繰り上げがどうなるのかといったことを気にされている方も多いと思います。エッセンシャルワーカーの方もいらっしゃいますし、仕事に行って、夜遅く帰ってくる人もいると思います。
 実際、緊急事態宣言が解除された場合も、終電の繰り上げというのは延長するんでしょうか。

○相川電車部長 都営地下鉄、日暮里・舎人ライナーでは、一都三県や国からの要請等を踏まえ、本年一月二十日から臨時的に終電の一部繰り上げを実施しておりまして、通常のダイヤに戻す時期につきましては、今後の社会情勢等を注視しながら判断してまいります。

○宮瀬委員 なかなか、即答で、この場でいえる話ではないと思うんですけれども、緊急事態宣言が明けたといったところは、一つの節目になるのは間違いありませんので、ぜひ、働いている方のご予定もありますし、なるべく適切な時期に適切に判断をしていただきたいなと、これも要望いたしたいと思います。
 また同時に、私、先ほど春日で乗りかえるといっていまして、その際に、誰でもトイレに大型ベッドがありますよというシールを張っていただいております。それは私も覚えていますが、大山理事も質問されていて、それによって、介護が必要な人、障害者の方も、大変いいと。ただホームページの方にはほとんど記載がなくて、一覧表示、今回つくっていただいたといったことで、それは感謝申し上げます。
 一方で、さきの質疑の際に、誰でもトイレの横にあるトイレの案内板があります。そこに点字があって、目の見えない方が、その点字をさわって、実際に大型ベッドが、ベビーチェアがあるという、羅列して並んでいるんですけれども、その案内板に、ちゃんと文字でベビーチェアとか、オストメイトとか、そういうのが書いてあるんですけれども、大型ベッドに関しては、いまだ書いていないといった状況です。
 春日駅だけの話じゃないと思いますけれども、こういったことは、すぐ改善すべきだと思いますが、見解を伺います。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 大型ベッドのピクトグラムにつきましては、昨年五月にJIS規格に登録されたことを受けまして、大型ベッドを設置している誰でもトイレの扉に表示しております。
 一方、各駅のトイレの入り口付近に掲示しております案内板は、目の不自由なお客様に、便器の和式、洋式の区別、オストメイト設備の位置等を配置図と点字であらわしたものでありまして、今後、この案内板につきましても、JIS規格に登録された大型ベッドのピクトグラムを表示していくこととしております。

○宮瀬委員 都営地下鉄全ての大型ベッドが置いてあるトイレの案内板には、追加していただくことを検討していただく答弁いただきましたので、ぜひお願いしたいと思います。
 同時に、障害者の方からご相談を受けた案件がありまして、バスの停留所があって、その建屋があって、今まで都議会の質疑でも、そこに広告を入れたり、いろいろ電子化したりとか、いろいろあるんですけれども、建屋の道路側の壁といいますか、そのところに、どこどこ行きというのが、電子で表示されていたり、次は何々行きですよというのが書いてあるんですけれども、子供の方と障害者の車椅子の方からいわれたのは、そこに人がずっと一列に並んでいると、その行き先が見えないと。そうなってしまうと、実際に駅でおりて、バスがどこに行くのかわからないで、葛西臨海公園駅の前のバス停の話だったんですが、実際そうなってしまうと、よかれと思って最新の建屋にしたと思うんですけれども、実際は、案内板が、乗客が並んでいる奥にあって、実際にどこに行くかわからないといったことがございます。古い建屋は、ちゃんと上の方に何とか行きというのを、東陽町の建屋ですけれども、ここにはちゃんと屋根のところに書いてあって、こうすると誰でもわかると思うんです。
 細かい質問で恐縮ですけれども、こういった上の方に行き先表示をきちっと置いていくといったことですとか、実際に目立たないような形で、縦の柱のところに張ってあるのもほとんど目立たなかったりしますので、そういった都営バスの行き先表示の改善をしていくべきだと思いますけれども、見解を伺います。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 複数の行き先のバスが発車するターミナルなどにおきましては、お客様にわかりやすいように、原則として、停留所の屋根の側面に、当該停留所の名称に加えまして、バスの行き先を表示しております。
 一方、ターミナルなどにあって、屋根の表示スペースが狭い停留所のうち、お客様からご要望をいただきました一部の停留所におきましては、柱の部分に行き先を表示しております。
 今後とも、ターミナルなどにおきましては、その必要性やお客様からのご要望を踏まえながら、柱の部分への行き先表示を進めるなど、わかりやすい停留所の整備に努めてまいります。

○宮瀬委員 ありがとうございます。
 ちょっと答弁がわかりにくいんですけれども、行き先を表示している、一部で柱の部分に行き先を表示していますよということなんですけれども、結局今のご答弁で、実際に葛西臨海公園のバス停の上、ついていないんですけれども、そういったところはつけていただけるんでしょうか。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 お話の葛西臨海公園には、既に柱のところに行き先を表示しております。

○宮瀬委員 柱のところに書いてあるのが、ほとんど柱と同じ色の表示で、ほとんど見えていないといったのが現状でありますので、今、葛西臨海公園の件を取り出していいましたけれども、建屋の上のわかりやすいところに行き先、要望を踏まえながら、努力していくということですので、ぜひ対応していただきたいと思います。
 次に、改革です。
 総務局におきまして、二〇二〇改革プランというのが出まして、私も大変期待した改革でございます。
 それを受けまして、監理団体を改革していこうといったことで、検討状況というものが、平成三十年の一月三十一日に出されております。なぜこんなことがいわれたのかということでありますが、総務局の資料を読みますと、全体での特命随意契約が、政策連携団体に対しての契約が、東京都が突出して多いと。その中で、私も件数調べたら、全体では四百三十六件、そのうち四十一件が東京交通サービス株式会社に特命随意契約で皆さんが発注していると。全体の一割に上るわけであります。
 それを受けて、総務局の方では、東京都の方でしっかりとした監理団体の検証が行われていない状況とはっきり明記されております。その中で、活用する業務の領域や民間等の動向に係る検討が十分とはいえず、結果として特命随意契約の額の割合がほかの自治体と比較し高くなっていますよと。こういったことを改めていくために、改めて民間活用、そして、ほかの事例との比較検討を行うなど点検をしましょうといったことで、総務の方からお達しがあったと思います。
 その点検の方の結果をちょっと確認させていただきたいと思います。
 交通局の方から政策連携団体であります東京交通サービス株式会社への特命随意契約がありますけれども、平成三十年度、令和元年度の契約件数と金額、全体に占める割合を教えてください。

○根木総務部長 東京交通サービス株式会社への委託件数は、平成三十年度、全部で四十八件中四十六件、約九六%が特命随意契約であり、金額にしますと約七十一億四千七百万円でした。
 同じく令和元年度が五十一件中四十七件で約九二%、金額にしますと約七十七億七千五百万円となってございます。

○宮瀬委員 要は、何がいいたいかといいますと、数字を確認しましたが、監理団体を改革していこうと、民間を活用していこうといった中で、数字を確認すれば、平成三十年が七十一億、令和元年度は七十七億で、逆にふえている状況であります。これで本当に改革が進むのかと、懸念を感じるわけであります。
 では、その三十年から三十一年、点検等をやって、どれぐらい削減できたのかお伺いします。

○根木総務部長 削減の件数は十一件でございます。

○宮瀬委員 十一件なんですけれども、私は、それをエクセルのリストでいただきまして、削減、削減と十一件書いてありました。
 改めてその内容をお伺いしたいと思います。

○根木総務部長 十一件の内容につきましては、駅務機器の移設作業や更新の際の立会業務等でございます。

○宮瀬委員 十一件削減したといった表現で、エクセルのシートで、これは削減しましたよ、これは削減しましたよと、駅務機器の移設作業ですと。これ一個一個精査していくと、何のことはない、その年度で終了した案件じゃないですか。特命随意契約は、例えば、平成三十年度でその契約は終わりといったことを、削減という表現に変えて、私は大変違和感がございます。
 これ、削減ではなくて、事業終了だというふうにいうのが一般的な考えなんじゃないかと思うのですが、見解を伺います。

○根木総務部長 お話の十一件の契約につきましては、当該年度終了したことから、削減と整理してご説明させていただいたものでございます。

○宮瀬委員 やっぱり今のご説明にちょっと矛盾がありまして、終了したんだったら、終了と書けばいいじゃないですか。今、部長のご答弁で、終了したから削減といったよと。普通にいえば、それは削減ではなくて、私は終了だと思います。
 となっていく中で、実際に、本質的に、特命随意契約が東京都は多いんだと。政策連携団体に丸投げして、その間競争が起きず、ひょっとしたら、都民の血税ですとか、高いものを買わされてしまっている可能性があるんじゃないか。だから、いろいろ検討して、見直して、よりいいものをより安く契約をして、それを事業に還元していく、都民に還元していきましょうといったことが、本来の改革だったと思います。
 その中で、本質的に事業終了ではなくて、実際に見直した案件というのはあるんでしょうかお伺いいたします。

○根木総務部長 事業終了とお答えしましたけれども、この監理団体改革の一環として、まず、実施しました副委員長ご指摘の点検の中で、一件ごとに、国や他の自治体の実施状況ですとか、民間事業者の状況等を踏まえ、妥当性を検証し、東京交通サービス株式会社以外に当該契約の履行の可能なものがないと、特命理由が適切であることを確認した上で、逆に削減した十一件以外については、特命随意契約を契約した、そういう結果でございます。

○宮瀬委員 済みません。数字を確認させてください。
 見直した案件はあるんですか。何件ですか。

○根木総務部長 今申し上げましたように、検証した結果、委託先を他の民間事業者に変更したものはございません。他の民間事業者に変更したものはございません。

○宮瀬委員 見直したものはゼロ件ですよといったことであります。
 そうなってくると、監理団体を改革していくんだと、特命随意契約を見直していくんだといった中で、皆さんが廃止としたものは、実際には事業は終了であり、そして、本質的に、これは交通サービスに特命随契で出すんじゃなくて、それは実際にこっちに、競争入札にした方がいいよというのは一個もないと。そうなってくると、総務局が旗を上げた二〇二〇改革プランが、実際は何も改革、現場では起きていないじゃないですか。
 これ皆さんにいう話じゃないかもしれないですけれども、やはり、特命随意契約、政策連携団体への特命随意契約を点検するのであれば、今までやってきた皆さんがチェックするんじゃなくて、ほかの、違うところが、内部でちゃんとチェックしないと、こういったことが起きるんだと私は思っております。自分たちでやって、自分たちで点検をして、実際に削減に至っていない、その改革が進んでいない。かけ声は大変こう立派に聞こえますけれども、実際数字を見れば、ファクトを積み上げていけば、実際改革が進んでいないと思っております。
 皆さんは、総務局からいわれてチェックをする立場でありますから、ほかの誰かがチェックしろといわれても困ると思うんですね。それは私の口から皆さんに聞きませんけれども、問題点として指摘させていただきたいと思います。
 その中で、特命随意契約を、いわゆる関連会社、TKS、TKSといっても普通の都民の方はわからない、交通サービスのところに決めて発注をして、そのTKSが、実際に、本当にその仕事を自分たちでやっているのか。はたまたそれをほかのところに振って、実際には、TKSを介してほかのところがやっているのか。
 いわゆる再委託率について、令和元年度、お伺いしたいと思います。

○根木総務部長 東京交通サービス株式会社が外部に再委託した金額の割合は、令和元年度実績で五八%でございます。

○宮瀬委員 東京都が、そのTKSに発注をして、そこから大体六割がそのままほかの民間企業等に発注されていると。そうなってくると、私は、本当に東京都が、TKSに発注を、特命随意契約でかける意味があるのかどうかというのを問いていきたいと。
 例えば、その中で契約を一つ一つ見ましたけれども、令和元年度の実績の中で、エレベーターの保守点検委託というのがあります。つまり、東京交通サービス株式会社が、東京都の交通局の発注を受けて、それをさらに随契で、エレベーターの点検を民間会社にやっていただいているといったことであります。
 これに対してのまず業務内容についてお伺いします。

○坂口技術管理担当部長 交通局では、地下鉄の駅などにエレベーターを二百六十五台、エスカレーターを七百六十台設置しておりまして、これらの保守点検業務は、東京交通サービス株式会社に一括して委託しております。
 その業務内容は、機器や装置の点検及び清掃、劣化した部品の交換、修理等の保守に加えまして、故障やトラブル発生時の応急対応でございます。

○宮瀬委員 エレベーターの保守点検というのは、民間企業で実際にやっているわけでありますから、私は、財務局に確認しました。都庁の、管理をしているエレベーター、それをほかに振って、例えば、会社名をいうのはあれですけれども、特定の会社に発注しているのか、つまり、東京交通サービスみたいな会社を介して、一括して管理してもらっているのか、はたまた直接契約しているのか、私、確認しましたよ。そうしましたら、そんな団体は介しませんといったことが財務局の回答です。
 ということは、やっぱりこの仕事というのは、TKSが受けるんじゃなくて、最初から交通局がその民間会社に発注すればいいじゃないですか。見解を伺います。

○坂口技術管理担当部長 保守点検は、東京交通サービスに一括して委託しておりまして、その一部である機器のメンテナンス業務は、東京交通サービスが昇降機メーカーに発注しております。

○宮瀬委員 お伺いしたいのは、なぜ、同じ都庁の組織である財務局は、エレベーター何台もありますよ、エスカレーターもあると思います、第一庁舎、第二庁舎。それをメーカーさんに直で発注をかけています。それは一台、二台じゃありませんといった中で、どうして交通局はTKSを介在して発注をするのか。
 何で局が直接メーカーに入札をかけて発注しないのか。改めて理由を教えてください。

○坂口技術管理担当部長 本業務につきましては、平成九年度までは、交通局の職員が直接行っていたものでございます。
 エレベーターやエスカレーターの設置を進め、業務量が増加いたしましたことから、効率的に対応するため、局の保守体制を見直しまして、局職員と同等の知識、経験、技術を有し、局と一体的な事業運営が可能な政策連携団体でございます東京交通サービス株式会社に委託することといたしました。
 東京交通サービス株式会社から、昇降機メーカーに委託されている業務は、主に機器の点検や劣化した部品の交換といった定型した作業でございまして、管理監督業務とこの定型的業務を一体として委託することで、お客様に安心して昇降機をご利用いただけるものと考えております。

○宮瀬委員 私は、三田線のところで、エスカレーターを点検している人、よく見るんですよ。そこに、TKSさんとか、職員さんとかはおらず、そこにいるのは、そこの特定の民間企業の会社の人が二、三人だけでやっていますよ。局の皆さんと意見交換させていただくと、実際に駅の構内に入るとかいうことで、いろいろノウハウがあるんですと。そこに常時いるならわかりますよと。そこにはおらず、実際に、いい方、気をつけなきゃいけないですけれども、丸投げしているような状態で、そこのTKSを通すと。TKSを通すことによって、私は、競争が起きず、高い買い物をされているんじゃないのかなと、発注、まあ再発注しているわけですから。であれば、最初からその会社に発注すればいいわけであります。こういったことですと、実際に東京大改革がうたわれて、二〇二〇改革プランがつくられて、監理団体改革をやっていくんだと旗印を揚げて、実際にチェックしていこうといったときに、実際には一つも減っておらず、今いったほかの局では、既に、直で、また競争入札をして、発注している。
 そうなってくると、監理団体改革というのは、皆さんのやっていることは進まないではないですか。見解を伺います。

○坂口技術管理担当部長 本業務は、平成九年度までは、交通局の職員で行っておりました。ただ、その後、エレベーター、エスカレーターの設置件数が、平成九年度と比べまして、現在では約四倍となっております。
 この業務を、管理監督とこの定型業務を一体として委託することによりまして、お客様に安心して昇降機をご利用いただけるものと考えておりまして、委託しております。

○宮瀬委員 委託の理由を聞いているのではなくて、特命随意契約を初めとした政策連携団体の改革をやっていく気はあるんでしょうかと。

○根木総務部長 鉄道事業は、高い安全性を求める事業でありまして、ほかの鉄道事業者におきましても、やはりグループ企業を活用することで、安全性と効率性を確保しております。
 先ほどもご答弁いたしましたが、東京交通サービスは、局と同等の知識や経験を有する職員が多数おります。こういう東京交通サービスを活用することで、局の効率的な運営に資するとともに、地下鉄の安全性を確保できると考えてございます。
 また、東京交通サービス下の再委託につきましては、安全管理ですとか、品質管理、故障時の緊急対応などの管理業務は交通サービスが直接担う一方、装置や部品の検査、清掃など、こういうことに対しては委託を活用することで、効率的な業務が遂行されていると、そういうふうに考えてございます。

○宮瀬委員 そうなりますと、総務局及び二〇二〇改革プランに関しては、交通局は、それはふさわしくないと。その改革の旗を上げて改革をしていこうと、交通局に関しては、全然問題ありませんという認識でいいのかだけ確認させてください。

○根木総務部長 業務委託に関する点検におきましては、総務局から示された視点に基づき、まず、国や他自治体における類似業務の実施方法について比較しましたが、交通事業を運営している他の自治体におきましても、当該自治体との一体的な事業運営、安全管理体制が必要な業務は、子会社等に特命で委託しておりました。
 次に、二つ目の視点で、社会情勢の変化を踏まえた民間活用の可能性の検証につきましては、他の交通事業者におきましても、当該事業者と一体的な事業運営、安全管理体制が必要な業務につきましては、類似する業務を担う民間事業者が存在した場合も、子会社に特命で委託しているということを確認しました。
 先ほど来申し上げましたように、東京交通サービス株式会社は、局職員と同等の知識を有する者を多数雇用するとともに、局と一体的な研修ですとか、訓練を通じて人材育成を図っております。また、セキュリティー対策の組織的な取り組みの実施ですとか、緊急時における局の初動体制に合わせた連絡体制の整備により、局と一体的な安全体制を確保しております。
 以上のことから、局と同等の現場における知識、技術、経験、判断を有し、本契約の可能な事業者は、東京交通サービス株式会社のみであると判断して、特命契約はそのまま継続したと、こういう経緯でございます。

○宮瀬委員 総務局の指示どおりやっているという話がありまして、総務局がいいたかった本質は、そこではなくて、私は、今の、高どまりしている東京都の今の状況をしっかりと検証して、しっかりと民間を活用していくんだといったことが本筋だと思います。
 しかも、東京都が、財務局の話をしましたけれども、どこもかませていないじゃないですか。現場では、TKSの人もいませんし、私は、皆さんの話は全然かみ合いませんでしたけれども、変えていくべきだと思いまして、質問を終わります。

○上田委員 交通局は、年間十億人もの方が利用し、二千四百億円規模ということで、今般も多岐にわたりまして質問させていただきます。
 まず、新型コロナウイルスでございます。
 交通局では、都内で新型コロナウイルスの感染者が初めて確認された直後から、お客様に、せきエチケットや手洗い等の励行を呼びかけるとともに、職員にも感染防止策の徹底を指示し、その後も、案内窓口等へのアルコール消毒液の設置や地下鉄車両の消毒、駅施設の消毒、都バス運転席等の飛沫対策など、さまざまな対策を順次実施してきたということで、資料15も提出していただいているところでございます。
 一方で、大江戸線でクラスターが発生ともなりました。事務事業質疑の答弁を踏まえて、事務事業質疑ではしっかりやっているということでございましたが、残念ながらクラスターが発生してしまったことから、その原因と経過、再発防止策を伺うものです。

○相川電車部長 大江戸線の清澄乗務区では、昨年十二月下旬に多数の感染者が発生いたしまして、保健所の立入調査が行われましたが、感染拡大要因の特定には至りませんでした。
 事案の発生後、速やかに保健所等の指導を受けながら、事業所の休憩室等共用部分の消毒を徹底的に行うなど対策の強化を図っております。

○上田委員 資料15ですけれども、合計八十三名ということで、やはりかなり東京都内の局では多いところだと思うんですね。14ではお取り組みの方が書いてあって、一番下の米印、労働組合事務室については、当局は管理していないというところに注目していただきたいと思うんですが、本庁の所管施設で徹底していても、組合事務所でなされなければ意味がないというふうに思っております。どのような感染拡大防止策を打っているのか、関知しないでは済まされないと思います。認識しているだけでもだめだと思います。
 対策、課題認識、所見を伺います。

○渡邉職員部長 交通局では、職場における新型コロナウイルスの感染防止を徹底するため、職員のマスク着用、手洗いの徹底、執務室へのアルコール消毒液の設置等の対策を講じております。
 労働組合に対しても、随時情報提供を行い、同様の感染拡大防止策の徹底や組合員への注意喚起を行うよう協力を求めており、組合とも危機意識を共有しているところでございます。

○上田委員 組合員とは、労働関係ばかりだけでなく、衛生環境についてもしっかりと共有をしていただきたいと思います。
 車両について、抗ウイルス加工が、ほかの委員さんからも質問ありましたが、二月十五日、プレスリリースがされました。
 この間の、地下鉄、バス等の車両についての手すり、つり革等の消毒につき、頻度につきましてご説明をいただければと思います。

○西川安全管理担当部長 各種ガイドラインに基づきまして、週一回程度、清掃などの際に、車内のつり革、手すり等を、国により新型コロナウイルスに有効とされる製品を用いまして、拭き取りを行うなどの方法により、消毒作業を実施しております。

○上田委員 前々から、オゾンの方、JRでも使っているんですけれども、手の届かないところまで、夜間、人の手を介さず衛生管理ができるということで、産労の観光バスの方では、こちらに補助がつくということになっております。
 こちらについて、今、オゾンに関してもいろいろ話題になっているところでございますけれども、こうした消臭、消毒、除菌、抗ウイルス設備の検討は、ほかにいろいろ検討していないか伺いたいと思います。

○西川安全管理担当部長 交通局では、新型コロナウイルスに有効とされている抗ウイルス加工を全車両に順次実施しており、現時点では、お話のような設備を導入する予定はございません。

○上田委員 引き続き、日進月歩の技術ですので、比較検討をお願いしたいと思います。
 また、交通局では、接触アプリ等で感染者が確認された場合、職員はそういう事例があったそうですけれども、いずれも陰性でありまして、そのため、濃厚接触が疑われるほかの職員につきましても、検査結果が判明するまでの間、テレワークなどの自宅待機を求めているという答弁をこれまでいただいております。
 改めまして、交通局全体におきますリモート、テレハーフ、働き方改革の進捗と課題を伺います。

○渡邉職員部長 交通局では、新型コロナウイルス感染症対策として、また、働き方改革の一環として、事業運営に支障のない範囲で、職員のテレワークを実施しております。
 本庁の職員及び事業所の管理職などに、約七百台のテレワーク端末を配備しており、全庁の取り組みに合わせまして、一日単位、半日単位、さらに時間単位でのテレワークを実施しております。
 今後とも、新型コロナウイルス感染症終息後も見据え、テレワークのさらなる定着など働き方改革に取り組んでまいります。

○上田委員 現業を抱える交通局は、組合を含め、本庁の指針や取り組みを滞りなく共有することが難しい側面もあると思料します。
 働き方はもとより、コロナ対策は、乗客である都民の皆様の命と健康を守ることになるわけでございまして、運転に係る職員のリモートは難しいことは十分承知しておりますが、そのほかの業務について、働き方改革を進めることで、乗務区における職員の業務の精神的、物理的負担を減らしていくことになると思いますので、本庁の取り組みとあわせてさらなる推進をお願いしたいと思います。
 事業外収入です。
 広告料収入は、デジタル広告の拡充を進める中、過去五年間おおむね横ばいで推移していることを事務事業質疑の14、11の資料で明らかになっております。
 今年度第一・四半期は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業自粛などの影響により、広告料収入は、前年度対比として減少しており、新たな広告主の開拓などが課題となっております。広告料収入は、エンターテインメント系の広告の出稿などによりまして若干の回復が見られているものの、当面厳しい状況が続くことが予想されております。
 新たな広告主の開拓など、増収に向けた取り組みを新年度予算にどう反映するのか伺います。

○坂田資産運用部長 来年度におきましても、広告媒体に応じた販売促進策を実施するなど、広告代理店とも連携を図りながら、従来からの広告主への営業展開や新たな広告主の開拓に努めまして、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより減少した広告料収入の確保を図ってまいります。

○上田委員 前もいったんですけど、デジタルサイネージなど、ベンチャー企業が得意とするところだと思います。
 新規外資系や新たな広告業者への働きかけ、プロポーザル、公募を準備しているという答弁をいただいていますが、令和三年度はどう進めるのか伺います。

○坂田資産運用部長 デジタルサイネージでございますが、来年度におきましても、車両更新に合わせた地下鉄車内液晶モニターの増設など、デジタル広告の拡充を進めてまいります。
 なお、新規広告代理店の公募を本年一月に行いましたが、応募者はございませんでした。

○上田委員 事務事業質疑のときの15の資料、四半期ごとで見ますと、新交通は一三%減、高速電車事業は一六%減という状況になっております。
 こうした営業努力、厳しい状況下におきましても、営業努力により販売実績を伸ばした代理店があるというご報告を受けましたが、会社別の成果と所見を伺いたいと思います。

○坂田資産運用部長 委員お話しの広告代理店につきましては、営業努力により、路線沿線の診療所や学習塾などからの広告出稿を確保したことが、厳しい状況下におきましても、販売実績を伸ばすことにつながったものと考えております。

○上田委員 前回の資料によりますと、学校関係は八位で〇・七%、医療は十五位ということで〇・五%ということでございます。これからコロナに係る業種の伸びを期待したいと思っております。
 不動産貸付の収支につきまして、交通局は、さまざまな取り組みの中で、賃料改定等を実施していることは確認させていただいておりますが、コロナ禍もありまして、撤退するテナントがあるのではないかと危惧をしております。
 コロナの影響及び新年度に向けての計画についての変更点や社会経済状況に対応した取り組みについて伺います。

○坂田資産運用部長 新型コロナウイルス感染症の影響を理由といたしまして、今年度に撤退しました借主は、本年二月末現在で現在二件でございます。今年度の減収額は約八万七千円でございます。
 空き室二件のうち、一件は既に次の借主と契約済みでございまして、もう一件につきましても、新たな借主に入居していただくよう努めているところでございます。
 今後とも、必要に応じて借主との協議等を行いまして、不動産貸付による賃料の確保に努めてまいります。

○上田委員 思ったよりも減っていないので、ほっといたしました。
 次、バスのラッピング広告についてでございます。
 昨年度は、一部の広告主が出稿を抑制したことにより減収し、媒体価値の魅力向上が課題。
 掲出期間やバスの台数に応じたキャンペーン展開など販促について、新年度はどうなっているのか、取り組みを伺いたいと思います。

○坂田資産運用部長 来年度も、引き続きまして、ラッピングバスの一年以上の掲出や二台以上の申し込みに対するキャンペーンを展開するなど、広告代理店とも連携しながら販売を促進してまいります。

○上田委員 新たな広告主として、令和元年度は、不動産、食品などの企業から出稿があったというのも聞いておりますが、二年度はどうで、新年度はどの業種をターゲットにするのか、先ほども触れましたが、所見を伺いたいと思います。

○坂田資産運用部長 今年度は、製造業二件、地方自治体五件など、新たな出稿がございました。
 来年度におきましても、幅広い業種からの出稿に向け、広告代理店とも連携しまして、販売促進に取り組んでまいります。

○上田委員 民間支援なり、事業外収入なり、大いにやっていただきたいんですが、いかがなものかと思うCMもございます。
 小池知事CMは、交通局のデジタルサイネージを初め、どのようなところで何回流されたのか。緊急事態宣言以降の種類、放映開始日、終了日、それぞれの回数について伺います。

○根木総務部長 昨年四月の緊急事態宣言以降、都営交通におきまして放映された知事出演の動画は八種類でございまして、放映期間はそれぞれ一週間から五週間程度でございます。

○上田委員 この小池知事のCMについて、必要性を交通局として感じているのか、所見を伺いたいと思います。

○根木総務部長 知事出演の動画は、新型コロナウイルスの感染拡大防止につきまして、感染状況に応じた正確な情報を迅速に伝えるものであると認識してございます。

○上田委員 デジタルサイネージにニュースが流れているので十分だと思うんですけれども。
 コロナかるたのポスターは、交通局では何枚張ったのか、張りかえなどもあったのか、確認させてください。

○根木総務部長 コロナかるたポスターは、今年度二回掲出依頼がございまして、各回、都営地下鉄各駅及び日暮里・舎人ライナーの二つの駅に一枚ずつ、延べ二百六枚貼付いたしました。
 なお、張りかえは行ってございません。

○上田委員 船堀駅にもポスターが張ってありました。
 その船堀駅にあります改札口の大型モニターです。
 局としては、ほかの鉄道会社では表示していることは承知しておりますけれども、駆け込み乗車を助長するおそれがあると毎度答弁をいただきまして、時刻表の表示の検討はしないということになっております。
 実際、駆け込み乗車によるトラブルや事故がどの程度あったのか、具体的に数値を入れて説明の上、所見を伺います。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 駆け込み乗車は、日常的に数多く見受けられておりまして、発生件数の集計は行っておりません。
 改札口で発車時刻を表示することは、駆け込み乗車を助長するおそれがございますことから、お客様の安全確保の観点から、慎重に検討していく必要がございます。

○上田委員 引き続きまして、私は、時刻表の表示をお願いしたいところであります。
 都営交通の一日当たりの乗客数は、平成二十二年度では二百九十九万人でありましたが、令和元年度には三百六十万人となっております。このうち自動車運送事業と新交通事業、高速電車事業については、沿線開発の進展等により乗客数が増加基調にあり、軌道事業については、乗客数はおおむね横ばいということです。
 コロナ禍を受けた影響と今後の対策を伺いたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営交通の乗客数は、新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に減少し、これに伴い、乗車料収入が大幅に落ち込んでおりまして、今後とも、安全の確保を前提に、設備の保守や修繕に係る経費も厳しく精査するなど収支改善に向け取り組んでまいります。

○上田委員 お客様はコロナで減ったということでございますけれども、マスク警察のようなトラブルが、交通機関では、日本はもとより世界中で発生しております。
 交通局は、先ほどいった駆け込み乗車やホーム上の歩きスマホ等の迷惑行為に加えて、今年度は、車内でのマスク着用、せきエチケット、大きな声での会話に関する意見が、お客様の声として寄せられているようでございます。
 こうしたマナーの啓発につきましては、ポスターや動画を制作するとともに、車内や駅の構内放送、液晶モニターなどを活用し、広くお客様に呼びかけているとのことですが、コロナ禍、もう一年ぐらいたちますから、その実績を経て、新年度に向けての取り組みを伺います。

○根木総務部長 今年度は、駆け込み乗車や歩きスマホ等への注意喚起に加え、お客様の声等を参考に、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、マスク着用や手洗いを題材としたポスター、動画を作成するなど、感染予防に資するマナー啓発を行ってございまして、来年度も、時宜にかなった取り組みを行ってまいります。

○上田委員 もう既に交通局が動画をやっていただいているということがわかりました。もうタコがタコの足を食べるような税金をかけての知事CMは無用ということを確認させていただきました。
 昨年、国交省の点字ブロックに関するガイドラインが変更になりました。駅構内もそれに即した形になるべく、エレベーター、エスカレーターへの誘導を変えるよう指示が出ているはずですが、まず、この点についてご説明ください。

○坂口技術管理担当部長 昨年三月に、国が監修するバリアフリー整備ガイドライン旅客施設編が改定されたことは承知いたしておりますが、視覚障害者用誘導ブロックに関する変更はないものと認識しております。
 なお、交通局では、駅出入り口から車両の乗降口までの間で、エレベーターを使用する経路上に視覚障害者用誘導ブロックを敷設しております。

○上田委員 改定されたことは承知しているということで、ほっとしました。
 これを受けて、交通局において、駅構内バリアフリー化、ユニバーサル化の予算編成がどのように振り分けられて、どんな事業、設備、職員意識の醸成などの取り組みに反映されているのか、ご説明いただければと思います。

○坂口技術管理担当部長 来年度におきましても、引き続き、エレベーターの更新やトイレのグレードアップなど、駅構内のバリアフリー化に必要な予算を計上いたしております。
 また、設計に携わる職員を、ユニバーサルデザインに関する最新の知見を得るためのセミナーに参加させております。

○上田委員 本当に間に合えばよかったなと思うんですが、昨年十一月、東陽町で江戸川区民の視覚障害者が転落して亡くなりました。ご冥福をお祈りいたします。
 まず、この事故を受けての交通局の対応を伺います。

○相川電車部長 先般の事故を受け、当該鉄道事業者から、事故時の状況等について情報を収集しつつ、駅係員等への注意喚起を改めて行いました。
 ホームドア整備中の駅では、係員による積極的な声かけに加え、警備員の増員や自動音声装置による注意喚起を行っております。

○上田委員 その注意喚起の一環として毎年行っている声かけサポート運動強化キャンペーンなど、これまでの取り組みに加味するなど、交通事業者で連携を図るなどの取り組みについて伺います。

○相川電車部長 他の交通事業者とともに実施している声かけサポート運動強化キャンペーンにおきまして、駅係員による視覚障害者等への声かけを積極的に行うとともに、ポスターや駅構内の放送により、周りのお客様に呼びかけております。

○上田委員 視覚障害者が、最近、女性の方が、跡をつけられて性被害に遭うという事件が起こり、本当に私もショックを受けたんですけれども、殊にやっぱり女性の視覚障害者は、非常に声かけにはデリケートにならざるを得なく、そのノウハウ、恐らく介助員の育成に注力されている交通局は、蓄積をされていると思いますので、こうしたノウハウの共有を、声かけサポート、こういうふうに声かけるんだということを利用者にも還元していただければ、局内での共有はもちろんのこと、利用者への共有もお願いしたいと、これは要望いたします。
 地下鉄におけます転落事故の発生状況及び事故に遭われた方の属性について、過去三年の状況と所見、課題認識、再発防止策を伺います。

○相川電車部長 過去三年間の転落件数は、平成二十九年度から、それぞれ四十三件、四十八件、二十五件で、そのうち障害のある方が二件でございます。
 いずれもホームドアが未整備の駅で発生しておりまして、令和五年度末までの全駅でのホームドア整備完了を目指しております。

○上田委員 ちょっと女性、男性、年齢などの属性の内訳も知りたかったんですけれども、次の課題にします。
 障害者の率は低かったようなので、少し安心はしました。恐らく声がけの成果が出ているんだと思います。この全体の件数や事故の模様をしっかりとそしゃくされ、未然防止に活用していただければと思います。
 また、障害者用の交通系ICカード作成を求める声がこのところ上がっております。
 交通の障害者割引は、有人改札で一々手帳を見せなければ適用されません。私鉄、メトロ、都営と入り組んだ東京の交通網では、乗りかえごとに手続をしなくてはならず、大変煩雑です。障害者割引適用の交通系ICカードができれば、利便性向上ははかり知れません。ぜひ実現していただきたいと思います。
 まず、利用者から声は届いているか、交通局は、現時点で、この点に認識があるのかないのか、まず伺います。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 障害者団体より、障害者用交通ICカードの導入についての要望をいただいております。

○上田委員 認識はされているようでございますけれども、今後の取り組みについて伺いたいと思います。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 ICカード化に当たりましては、東京圏で百を超える多くの交通事業者がPASMO、Suicaを利用しておりまして、各社で割引制度が異なることに加えまして、自動改札機等の機器や運賃計算に係るシステムの改修費用など、多くの課題がございます。

○上田委員 これからデジタル化といってすごく東京都も頑張っているわけですから、こうしたことに全庁挙げて、私は取り組んでいただきたいなと思います。
 さて、エレベーター、エスカレーター、昇降機における事故件数と再発防止策について伺います。

○相川電車部長 令和元年度に一一九番通報したエスカレーターでの負傷事故は七十九件で、エレベーターや階段昇降機での負傷事故はございませんでした。
 引き続き、エスカレーターでは、歩かず立ちどまるよう、キャンペーンなどを通じて呼びかけてまいります。

○上田委員 結構数が多いので驚きました。引き続きましての取り組みと注意喚起をお願いいたします。
 同じく、交通局全ての乗り物におけます駅構内の事故と再発防止策についてもお願いをいたします。

○西川安全管理担当部長 令和元年度に一一九番通報した鉄軌道での負傷事故は、車内で五十件、駅構内では、先ほどのエスカレーターでの負傷事故を含めまして、四百四十七件でございます。主にお客様の転倒によるものでございました。
 また、バス車内の事故につきましては百二十件で、主に停車する際にお客様が転倒したものでございました。
 引き続き、職員への安全教育の充実や、ポスターによるお客様への啓発等に努めてまいります。

○上田委員 バスの急停車、結構危ないので、お願いいたします。
 子育て応援スペースに関する調査につきまして、実施に向けた準備を進めているはずですけれども、新年度に向けた進捗、予定している取り組み、対策についてご説明ください。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 昨年十一月に実施したアンケート調査の結果を踏まえまして、本年夏以降に、都営地下鉄の全路線に子育て応援スペースを順次拡大していくこととしておりまして、まずは浅草線、新宿線から順次進めてまいります。

○上田委員 では、利用者ニーズをどのような手段ではかっているのか、大々的なパイロット事業の調査も大切なんですけど、日々の声を拾っていくことも、効率的、効果的ではないでしょうか。
 ニーズ把握とその事業への反映を伺います。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 事業の推進に当たっては、アンケート調査の結果のほか、都営交通お客様センターに寄せられるお客様の声や、交通局公式ツイッターなどのSNSを通じたご意見も参考にしております。
 具体的には、子育て世代としてはありがたいなど感謝の声を多くいただいております。

○上田委員 中山委員も指摘されていましたけれども、高齢者や障害者といったいろんな人が使えるような汎用化、あと、大山理事もおっしゃっていたように、痴漢被害が怖い人で、女性車両のない時間など、そこに駆けつけるでもないんですけれども、またそういうトラウマのある人の安心スペースなど多目的な活用を、また、発想を豊かに実現していっていただければと思います。
 都営地下鉄では、マタニティーマークの配布や車椅子スペース及びフリースペースにベビーカーマークを張りつけるなどの対応を行っているとのことですが、ほかの車両についてはいかがでしょうか。
 交通局全体としての妊婦さん、ベビーカーやお子様連れ、障害者へのサポート、乗客同士の助け合い状況を伺います。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 日暮里・舎人ライナーなど、地下鉄以外においても、車内にマタニティーマーク、ベビーカーマーク、ヘルプマークなどを掲出しております。
 また、年間を通じて、声かけサポート運動を実施し、駅係員などによるお声がけを行いますとともに、ポスターや駅構内の放送により、周りのお客様に呼びかけをしております。

○上田委員 大分、私も、車内がぎすぎすしなくなって、赤ちゃんとかお子さんに関してですね、障害者にも、そういった雰囲気は非常に感じております。
 一方、コロナ禍にあって、車内、構内犯罪の傾向が変わっていないかもちょっと気になっておりますので、現状を確認させてください。

○相川電車部長 今年度の犯罪行為に関する警察への通報件数は、旅客同士の暴力、痴漢、盗撮、窃盗、係員への暴力とも減少傾向にあります。

○上田委員 やはり、利用者が減ると、それで連動して減るということでございますね。痴漢及びわいせつ行為については、質問がかぶるので、これは飛ばさせていただきます。
 また、最近、スマホを悪用して、例えばエアドロップ機能でわいせつ画像を送りつけるなど、新手な犯罪もございますが、このようなことはありましたでしょうか。

○相川電車部長 警察へ通報した事案においては、お尋ねのような事例は確認されておりません。

○上田委員 それは大変ありがたいんですけれども、さきに申したように、逃げ場のある、また新しいお取り組みをお願いいたしたいと思います。
 一昨年、台風で破損し、撤去された船堀駅の上屋の再設置時期は、昨年時点では未定で、引き続き、仕様や工法について検討中とのことです。
 進捗状況を確認します。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 上屋の建てかえにつきましては、まちづくりの機会に一体的に行うことが効率的であると考えております。
 船堀駅周辺につきましては、江戸川区から、先月、駅前広場機能の強化を含めたまちづくりの構想案が示されましたことから、引き続き、区の動向を見守りながら検討してまいります。

○上田委員 ちょうど区庁舎建てかえも進んでおります。江戸川区地域の声を受けての一体的取り組みに期待をさせていただきます。
 組織風土です。
 職員の自殺者数ですが、昨年三名の自殺者が出ております。発生要因は多岐にわたって、解明は困難のようですが、職員の自殺防止に向けては、メンタルヘルス不調者の早期発見、対処が重要と認識はされているようです。
 「健康なんでも相談」、産業医や保健師、精神保健相談員によるメンタルヘルス相談を実施しているようですが、職員への周知状況、利用実績とその実績に係る所見を伺います。

○渡邉職員部長 「健康なんでも相談」等の開催については、その目的に応じ、ポスター掲示、職員向け電子掲示板、安全衛生委員会等を通じ周知しております。
 令和元年の相談実績は、「健康なんでも相談」等の件数が、合計で二百六十五件あるほか、保健師による電話相談等を随時行っております。

○上田委員 職員規模からいって二百六十五件、多いのか少ないのか、また点検で確認させていただきたいと思います。
 一方、長期休暇が、平成三十一年は、精神障害七十八名、令和二年の一月から九月は六十二名ということです。
 これを受けてのハラスメント、オーバーワーク、職場の人間関係等、交通局としての受けとめと対策をお尋ねいたします。

○渡邉職員部長 職員の心身の健康管理は、貴重な人材である職員個人の問題にとどまらず、職場全体の業務効率を維持する上で重要でございます。
 休職等に至る要因はさまざまでございますが、交通局では、職員の心身の不調を把握するため、労働安全衛生法に基づく健康診断を定期的に行っているほか、産業医や保健師による職員への保健指導、精神保健相談員による職場巡回相談、全職員を対象としたストレスチェックなどを実施しております。

○上田委員 このところコロナに関することで、担当課長に内線しますと、お休みに入っていたり、退職されたのか、担当が異動の時期でもないのにかわっていたりするなどして、心配しております。交通局におきましても、一丸となっての職員サポートをお願いします。制度を利用しなくても、声かけ一つで変わることだと思うので、管理職の皆様は、目配り、気配りをよろしくお願いいたします。
 さて、都営交通で提供している無料Wi-Fiサービスの問題でございますけれども、通信速度がやはり低下をする。こうした状況を把握した場合に、適宜、通信事業者に情報提供を行い、改善を促しているとのことなんですが、今回、DX大目玉の令和三年度予算に当たって、このWi-Fiの問題の解消は大前提だと思います。
 路線ごとの接続状況を含め、いかに取り組んでいるか、実績と今後の展開について、戦略政策情報推進本部との連携状況を含め伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営交通の無料Wi-Fiサービスは、通信事業者が機器を設置して行っておりまして、通信速度の低下を把握した場合には、適宜、通信事業者に情報提供を行い、改善を促しております。
 なお、戦略政策情報推進本部とは、5Gなどの取り組みで連携してございます。

○上田委員 5Gもいいんですけど、4G未満でもWi-Fiが使えるようにお願いしたいと思います。
 さて、今年度の都バスの事故の傾向についてご説明をいただきたいと思います。

○牧野自動車部長 都営バスにおける令和二年四月から令和三年二月末までの事故につきましては、駐車車両との接触事故が五十件、停車時の車内転倒による事故が三十一件など、合計で二百二十八件発生しておりまして、昨年度の同時期と比べて百五件の減少となっております。

○上田委員 減少と聞いて、ほっといたしました。
 前回、事務事業質疑の資料8でも明らかにしましたが、事故の七割が相手に過失がないというか、交通局側の過失というわけでございまして、その点の解消に向けての所見を伺いたいと思います。

○牧野自動車部長 事故を削減するため、職員による日々の指導や年四回の安全研修などを通じまして、着座確認の徹底、適正な車間距離の保持、交差点での確実な安全確認など、安全意識の向上に引き続き取り組んでまいります。

○上田委員 しかし、事故が起こる場合もあります。
 事故を起こした乗務員の逮捕、検挙の状況と、その後の対応につきましてご報告をください。

○牧野自動車部長 今年度、事故を起こした乗務員のうち二名が逮捕されております。
 今後、裁判などの状況を踏まえまして、厳正に対処してまいります。

○上田委員 昨年、悲しい、かわいい盛りの坊ちゃんが亡くなる事故もありまして、局長からも誠意ある答弁をいただいているところであります。
 明らかに都に過失が認められたらば、これ以上引き延ばし、被害者や遺族に痛みを与えるような争いは続けず、公共機関なのでございますので、被害者と遺族に寄り添っていっていただきたいとお願いをいたします。
 都営バスではこれまで、雨でも曇りづらい熱線式サイドミラーや左折時に歩行者などのバスに接近を知らせる警報装置、発進時に障害物を検知するソナーセンサーの導入など、ハード面の安全対策を進めていらっしゃいます。
 私も、国土交通省が採用している後づけ衝突防止警報器などの提案をいたしましたが、現在、具体的に採用した機器と数量、期待する効果についての所見を伺いたいと思います。

○牧野自動車部長 現時点で、熱線式サイドミラー及び左折時警報装置につきましては、路線バス千五百二十六両中千三百二十両に、ソナーセンサーにつきましては、四百五十七両に導入しております。
 これらの装置は、雨の日における乗務員の視界確保や、発進時に障害物を検知して乗務員へ警告することなどによりまして、事故防止に資するものと考えております。

○上田委員 順次進んでいるようですが、せっかく設置しても、うっかり設計し忘れたなどのヒヤリ・ハット対策もあわせてお願いをしたいと思います。
 燃料電池バスですが、オリ・パラまで最大七十両、二〇二一年度までには八十両の導入を目指すということでございまして、今のところ変更はないようですが、社会状況は激変しております。予想どおり法人二税も四千億円ですか、激減しておりまして、水素ステーションの選出も頭打ちではないかと思っております。
 まず、現下の状況を受けての見直しや凍結などないか伺います。

○牧野自動車部長 都営バスではこれまで、燃料電池バスを七十両導入しておりまして、経営計画二〇一九におきましては、最大八十両の導入を目指すこととしております。

○上田委員 導入は、環境施策とつながっていると思います。
 知事の掲げるゼロエミッションや脱炭素施策との関係性を改めて確認します。

○牧野自動車部長 燃料電池バスの導入は、ゼロエミッション東京戦略におきまして、ZEVの普及拡大の一つの項目として位置づけられております。

○上田委員 では、燃料電池バスの維持費、諸経費など経常的経費について、通常のバスとの比較をそれぞれお答えいただければと思います。

○牧野自動車部長 燃料電池バスは、通常のディーゼルバスに比べまして、燃料費は約二倍となっておりますが、整備費用などその他の経費に大きな差はございません。

○上田委員 いろいろと、走り出したらとまらないのが行政の施策なんですけれども、財布と相談しながら、まさに無駄ゼロ、経費を削減するゼロミッション、無駄ゼロミッションをお願いしたいと思います。
 毎回確認します。端的に申し上げます。さくらトラムは、地域住民の意識合致をするためにも、このさくらトラムといっている人、私、ちょっと、実家、日暮里なんですけれども、見たことないんですね。都電です。
 いつ、都電荒川線に名称を統一するのでしょうか伺います。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 東京さくらトラムは、都電荒川線の魅力を国内外にアピールし、さらなる利用者の誘致、沿線地域の活性化を図っていくために付与した愛称でございまして、引き続き、さまざまな機会を通じまして、愛称を活用しながら、積極的にPRを行ってまいります。

○上田委員 積極的PRはご遠慮いただきたいなと重ねて申し上げます。
 組織について、最後の方、伺ってまいります。
 組合事務所についてですが、コロナ対策について懸念を先ほど申し上げました。総面積が約一千六百平米で、組合法でいうところの最低限の面積は担保されていることは否定しませんが、専有面積の見直しや公営企業法の理念と照らし合わせて、賃料を徴収するなど、新たな検討が、今後売り上げが激減する中、必須ではないかと今回も申し上げさせていただきます。
 交通局と労働組合が適法な交渉を通じて適切な労使関係を維持することは、局事業の円滑な運営にも資するものであることから、局事業に支障のない範囲で労働組合が事務室を利用することは、交通局は認めていらっしゃいます。使用に当たっては、規定にのっとり、無償で使用することを認めており、事務室の広さも適当と考えておられるようですが、リモートワーク、テレワーク、コロナ対策についても、局事業の円滑な運営に資する活動を当然されてでのただ貸しと思料します。
 組合は、こうしたコロナ対策に理解を示し、協力が得られているのか、都民の財産を無料でお貸しして、都政事業で最も不特定多数の都民が利用する交通局の管理施設内にある組合事務所でクラスターが発生することなどあってはならず、把握していないでは済まされませんことから、ご説明をお願いいたします。

○渡邉職員部長 交通局では、新型コロナウイルス感染症対策を実施するに当たっては、随時、労働組合に情報提供し、また、労働組合からは、組合員への注意喚起等について報告を受けるなど、理解、協力を得ながら進めております。

○上田委員 そして、次は、外郭団体です。
 資料の11ですね。今回、宮瀬副委員長も、再委託について、非常に深い議論をされましたけれども、外郭団体の東京交通サービス株式会社の委託の増減の状況について、毎回確認しておりますけれども、新年度に向けて、減らそうとか、いろいろ期待しているんですけど、その動向と、その動向に関する理由をご説明いただければと思います。

○根木総務部長 東京交通サービス株式会社の委託につきましては、近年、ホームドアやエレベーターの整備等に伴い業務量が増加してございますことから、委託規模を拡大してきており、新年度におきましても、同社を活用してまいります。

○上田委員 毎回のご答弁でございます。
 外郭団体の存在意義は効率化と、たびたび説明を受けておりますが、委託費は年々ふえてしまっています。端的に毎年コストがふえているということです。その理由は、先ほども宮瀬副委員長が深掘りしていただいたエレベーターやホームドアの整備等に伴い、事業が増加しているから、委託規模拡大との答弁をいただいていますが、どこまで膨らみ続けるのでしょうか。
 今後も同社を活用していくことで、グループ総体としての最大の経営効果を発揮するよう努めるということなのですが、数値を出して、いま一度説明いただければと思います。

○根木総務部長 交通局では、関連団体との効果的な役割分担のもと、一体的な事業運営を行ってございます。
 令和元年度の東京交通サービス株式会社への委託額は七十三億円でございまして、今後も同社を活用していくことで、グループ総体として最大の経営効果を発揮するよう努めてまいります。

○上田委員 もう、私、公営企業委員、長くやらせてもらっているんで、いつも調べさせてもらっていますけれども、先ほどもありましたが、再委託率が令和元年度実績で五八%なんですよね。
 この比率が適当、適切なのかどうなのか。ほかの自治体や地方財政計画を踏まえ、比較して説明をお願いいたします。

○根木総務部長 東京交通サービス株式会社は、安全管理や品質管理、工程管理や故障時の緊急対応などの管理業務委託を直接担う一方で、装置や部品の検査、清掃など、委託を活用することが効果的な業務につきまして再委託しておりまして、その点は適切と考えてございます。

○上田委員 ほかの自治体と比較してということはちょっとご答弁では触れていないようですが、私も先ほどはっと思って、同じ東京都庁内の局でも、財務局と比べて違うということが、ほかの委員の、宮瀬副委員長のお話で明らかにしていただきまして、非常に注目をさせていただきたいと思います。
 数値目標というと、利益を伸ばすとか、発展的なイメージがありますけれども、こちらにおきましては、委託率とその委託の金額ですよね、マイナスの数値目標を、ある程度やっぱりどう削減していくのか、減らせるのかというこのマイナスの数値目標を、また強く求めさせていただきたいと思います。
 最後に経営基盤の強化です。
 各事業におけます乗車料収入の前年同期比を出していただきました。全てにおいて、三〇%から四〇%、前年同期比が下がっておりますような状況でございます。
 企業債について、この状況の中で、やはりデリケートに扱っていかなきゃいけないと思っております。昨年発行額については、地下鉄の建設が終了、平成元年度の四百四十七億円から平成三十年度は百六億円に減少、償還額については、発行額の減少に伴い、四百六十五億から三百七十億に減少しています。利子及び取扱費については、企業債残高の減少や利率の低下により、四百二十一億円から六十二億円に減少という報告を受けております。
 コロナ禍にあり、現在の起債残高三千二百十二億円の今後の償還をどうしていくのか、財政状況を踏まえ、適切に管理という毎回ざっくりした答弁をいただいていますけれども、新年度予算にありまして、税収激減の中、新たな見解も持たれたと思います。
 現状確認と所見を伺います。

○根木総務部長 コロナ禍によりまして厳しい経営環境にある中、ホームドアの整備など必要な設備投資を進めていく財源を確保するため、安全の確保を前提に、幅広く支出の抑制を図るとともに、将来負担の軽減に配慮しつつ、企業債を適切に活用してまいります。

○上田委員 私、もう永遠の公営企業といいますか、本当、議会改革してもらいたいんですよね、もう選べないんです、もう一人会派で、無所属。こんなの、ずっと同じだとね、理事者にも、私、議員にも、ありがたくなくて。ともかく、おかげさまで公営企業については、もう丸三年、一期目も少しやらせていただきましたし、決算もやりましたので、三年、四年以上、この問題は指摘したわけでございます。
 昨年も、予算のときに、民間の経営感覚により近いはずの公営企業なのですから、キャッシュ・フロー、バランスシート、どちらも踏まえた観点を持って、外郭団体や再委託率、企業債の問題を捉えていただきたいと指摘をしたところでございます。
 よく考えると、根拠不明の世代間の不公平の解消神話、もう十分、若年世代は不公平な目に遭っていますし、コロナ禍が拍車をかけています。起債ぐせ、つまり、借金ぐせを当たり前とせずに、毎々ゼロリセットして考えていただきたい。毎回毎回、今回は起債するのかどうか、もうそれがならわしみたいにならないようにしてほしいということでございます。
 ただ、今回は、最後のご答弁で、幅広く支出の抑制を図るとご答弁いただけたこと、そして、質問はしませんでしたけど、障害者雇用率の向上、そして、障害者の優先調達を地道に続けていることを評価はさせていただきまして、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。

○馬場委員 新型コロナパンデミックは、交通事業者にとって大変厳しい状況に各社置かれているようでございます。
 先週、こんなニュースを耳にしました。バス会社の共同経営についてです。熊本で初めて認可される方向であるということでございます。全国各地で、バス会社の経営が悪化していると。こうした中、国土交通省は、熊本県の五つのバス会社が、重複する区間の運行を減らして収益を改善させる共同経営の計画を特例として全国で初めて認める方向で調整に入ったということでございます。本来、こういったことを協議することは、独禁法で禁止されているんですけれども、経営が苦しい会社にとっては、認めるという、法律が改正されたということでございます。
 大変厳しい状況の中でありますけれども、このバス事業の中でも最も厳しいのが、観光バス事業ではないかなというふうに思います。
 東京都の令和三年度交通局の予算概要の中を見ますと、乗合バス事業は、輸送人員、一日平均で、前年比一三・四%のマイナスと予想しております。さくらトラムに関しては、マイナス八・八%、新交通日暮里・舎人ライナーは、マイナス九・三%、都営地下鉄は、マイナス一七・一%でありますけれども、貸切バス事業は、マイナスの四五・八%と大変厳しい予想がされているわけでございます。
 そんな中で、事業収入予算は三億五千五百万とありますけれども、基本的なところをまずお聞きしたいと思います。
 観光バスの保有台数、そしてまた、保有車両の推移とその理由についてお伺いします。

○牧野自動車部長 都営バスにおける観光バス事業につきましては、昭和二十九年度に、観光用車両三両で営業を開始しております。
 その後、需要の増加に伴いまして、事業規模を拡大し、昭和三十六年度には二十一両といたしましたが、厳しい経営状況の中、体制のスリム化を図るため、平成七年度以降、順次減車し、平成十二年度に五両としております。
 また、東京二〇二〇大会の輸送にも対応するため、令和元年度に、リフトつき観光バスを三両導入しておりまして、現在は計八両で営業を行っております。

○馬場委員 今説明のありましたリフトつき観光バスですけれども、今後は、こうした車椅子対応のバスをどのように活用していくのかお伺いをいたします。

○牧野自動車部長 リフトつき観光バスは、車椅子に乗ったまま昇降できるリフトを備えておりまして、座席の一部を取り外すことなどにより、車椅子をご利用のお客様が、最大六人までご乗車いただけます。また、車椅子をご利用のお客様が乗車しないときは、五十人乗りの観光バスとして使用できます。
 このリフトつき観光バスの特徴を生かしまして、お客様のさまざまなニーズに対応してまいります。

○馬場委員 その観光バスの主な使われ方ですけれども、どういった顧客ですね、今年度の利用状況と令和三年度の予算の策定の考え方について教えてください。

○牧野自動車部長 観光バスは、団体旅行のほか、学校や幼稚園などの行事、企業が開催する大規模施設でのイベントなどの際にもご利用いただいております。
 今年度の利用状況につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けまして、昨年度の実績を大幅に下回る見込みでございます。
 令和三年度予算につきましては、東京二〇二〇大会の開催に伴う一定の収入を見込みつつ、厳しい経営環境が継続するものとして編成しております。

○馬場委員 今、答弁の中に、東京二〇二〇大会に伴う一定の収入を見込みつつというふうにありました。私も、この令和三年度の予算案の概要を見まして、貸切バスが、先ほど申し上げましたとおり、マイナスの四五・八%の減り方に対して、乗車料収入のマイナスが一六・九%ということで、余り減っていないなというところが、どうやら二〇二〇大会の収入が、それなりに貢献しているのかなというふうに思っておりますが、余りこちらの観光バス事業が順調になり過ぎると、民業圧迫にもなろうかなというふうにも思いますので、そこそこに頑張っていただければよろしいのかなというふうに思っております。
 次に、日暮里・舎人ライナーについてお伺いをいたします。
 この新交通システムは、ご存じのとおり、以前は混雑率がワーストファイブということでありました。今後もまた沿線の開発がまだまだ続くということで、混雑が厳しくなることも当然予想されるわけでございますし、先ほど質疑で痴漢の話もありましたけれども、やはり混雑率の緩和というものが大変必要な政策になってくるのかなというふうに思います。
 私も沿線に住んでおりまして、地域の方からさまざまな要望をいただくところでございます。現在の一編成が五両なんですけれども、何とか六両にしてほしいとか、あとはまた、並行して走る都営バス、都バスの方の料金を安くするなり、無料にするなりして、日暮里・舎人ライナーの乗客をバスに移行する対策をとってほしい等々さまざま聞いております。
 日暮里・舎人ライナーの混雑対策について、今年度は、日暮里・舎人ライナー車両製造契約を締結して、今後、十二編成六十両を更新すると聞いておりますけれども、令和三年度における新型車両の予算についてお聞きします。

○野崎車両電気部長 日暮里・舎人ライナーでは、開業当初から使用し老朽化が進んでいる車両、十二編成六十両を更新するため、令和二年四月に契約を締結し、現在設計を進めております。
 来年度から、メーカーの工場において、車両の製作、組み立てが開始されるため、令和三年度予算では、車両に搭載するモーターや空調装置など一部装置の製造費用として五億八千五百万円を計上しております。

○馬場委員 先ほど痴漢被害も取り上げられましたけれども、なるべく早く納入されることを強く望むところでございますが、更新のスケジュールはどのようになっているのでしょうかお伺いします。

○野崎車両電気部長 日暮里・舎人ライナーの新型車両につきましては、令和四年度から令和六年度までの三カ年で、十二編成を順次更新していく予定でございます。
 この更新により、保有する二十編成のうち、十六編成で全ての座席がロングシート化され、輸送力が向上いたします。

○馬場委員 この日暮里・舎人ライナーは、普通の鉄道に比べて、雪による影響を受けやすいというふうにいわれております。沿線の方々も、かつて雪の被害によって、とまったことによって、いろいろ苦い経験をしているから、その辺を心配しているのかなというふうに思いますし、この冬は雪の被害がなかったということは幸いなことだったなというふうに思っておりますけれども、降雪時の対応についてお伺いをしたいと思います。

○西川安全管理担当部長 日暮里・舎人ライナーでは、降雪時に備えまして、ハード、ソフトの両面から対策を講じてございます。
 具体的には、勾配が大きい走行路面に凍結を防止するロードヒーターを設置しておりますほか、車両には、除雪用ブラシ、いわゆるササラを全編成に設置するとともに、一部の編成には、架線凍結による電気トラブルを防止する霜取り装置を設置しております。
 また、降雪のおそれがある場合には、沿線地域に特化したよりきめ細かな気象情報を把握した上で、非常体制を整え、適時適切に運行の判断や凍結防止剤の散布、除雪作業等を行うこととしております。
 今後とも、雪害対策に努め、日暮里・舎人ライナーの安定運行の確保を図ってまいります。

○馬場委員 足立区を縦断しております日暮里・舎人ライナーですが、足立区は、四方に川がありまして、荒川、そして隅田川という大きな川の上を越えていくわけなんですけれども、やはり川を越えるというと、橋もそうですけれども、非常に凍結しやすい、冬は凍結しやすいということで、その点の対策が非常に望まれるところでございます。
 次に、路線バスについてちょっとお聞きしたいと思います。
 本年、東京女子医科大学の荒川区の東医療センターが足立区に移転をしてくる予定でございます。ベッド数が四百五十、そこそこの規模の病院でございます。
 これに伴いまして、都バスルートの変更の予定、これについてお伺いします。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 お話の医療センターにつきましては、本年の秋ごろに、足立区江北地区へ移転する予定でございまして、これに合わせて、都営バスでは、日暮里駅と見沼代親水公園、加賀団地を結びます里48系統及び王子駅と足立区役所などを結ぶ王49系統の二つの路線につきまして、一部の便を医療センター経由に変更する予定でございます。

○馬場委員 また日暮里・舎人ライナーの話題に戻りますけれども、足立医療センターと名前を変えるこの医療センターの最寄りの駅となるのが、日暮里・舎人ライナーの江北駅でございます。この駅の案内サイン等の対策、これについてお伺いします。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 江北駅は、東京女子医科大学附属足立医療センターの最寄り駅となりますことから、お客様にわかりやすく案内することは重要でございます。
 そのため、改札口付近に設置している駅周辺案内図で施設の位置を示すとともに、駅から施設までのルートを示した案内図を駅出口付近に設置する予定でございます。
 引き続き、地元区と連携しながら、着実な案内が行われるよう準備を進めてまいります。

○馬場委員 これで質問を終わりますが、大きな医療施設が移転するということで、看護学校も併設されたり、ホテルも予定されると聞いておりますけれども、こういった地域の変化を捉えて、地域利用者の要望、これをしっかりと酌み取ることによって、満足度を高めていくことによって、コロナで厳しい経営環境にある中でも、業績向上が見込まれると思いますので、そういった点を期待して、質問を終わります。

○川松委員 予算の質疑ということで、私からは、今まで先生方からいろんなお話ありましたけれども、触れられてこなかった部分について幾つかお聞きしたいと思いますけれども、ただ、きょう一日お聞きしていると、やっぱり今、コロナ禍でありまして、コロナ対策のこともいろいろありました。交通局では、大江戸線のお話もこれまでにあったわけですけれども、いわゆる情報の発信の仕方、あるいは我々も含めて、情報を受けとめるかということも、とても大切なんだなというふうに思っています。
 よくわからない人は、大江戸線というフレーズだけに反応して、大江戸線で何か起きたんじゃないかと思ってしまった方がいる。あるいは、逆にいうと、じゃあ今度、大江戸線の裏側で、どういうふうに感染が広がったのかというのが確定されているわけでもないのに、特定の人たちがこうだと決めつけた情報がひとり歩きしてしまう、こういうことを取り除いていかないと、どんどんどんどん、今、不安だけが広がっていっちゃうと思うんですね。
 今だと、とことんステイホームという言葉が出ていますけれども、感染の機会を減らすのは、とことんステイホームというメッセージは一つ正しいのかもしれませんが、感染の経路を遮断するという意味においては、本当にとことんステイホームだけでいいのかということもやはり考えなきゃいけないと思うんですね。こういうのも、まさに、知事のメッセージもそうですし、我々も含めて、一人一人が、一体何を考え、何をするかっていうことをやらなきゃいけないんじゃないかなというのを今ふと感じました。
 例えば、本会議場では、登壇者が質問したら、毎回ここを拭いたりするんですよね。委員会室だったら、みんなマスク外して、きょう質問されている方もいましたけど、それ、ないわけですよ。だから、極端なことをいえば、ここにいらっしゃる皆さんや国民全員の皆さんが、感染経路を全員遮断する行動をとれば感染は拡大しないということをもう一度認識しなきゃいけないんじゃないかなということを、きょう一日、先生方の質問聞いて、この場面を見て、感じたところであります。
 ということで、私はコロナの質問はしませんので、早速行かせていただきますが、まず、交通局における新技術の活用についてお伺いしていきたいと思います。
 先月、交通局が、5Gを活用した実証実験を行うというプレス発表をなされました。その中の一つに、都営バスにおいては、AI解析による乗降調査の実験を行うということでございましたけれども、この実験の具体的内容をご説明いただきたいと思います。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 交通局では、デジタル技術を積極的に活用いたしまして、お客様の安全性、利便性のさらなる向上や業務の効率化などに向けた取り組みを進めております。
 その一環として、先般、都営バスにおきまして、AI解析を活用した乗降調査、すなわち、お客様の乗りおりについての調査に関する実証実験を行ったところでございます。
 具体的には、西新宿エリアにおきまして、車内に設置した高度に精細なカメラで、バス停留所におけるお客様の乗りおりの状況を撮影して5Gで伝送し、その映像をAIなどによって解析するという実験でございまして、お客様の乗降場所や年齢層などのデータを自動的に収集、分析することを狙いとするものでございます。

○川松委員 まさに今、データの時代で、まさに5Gは、そのデータをどういうふうに活用していくかというテーマに沿った大きな実験だと思います。つまり、今お話のあったことは、お客様を撮影して、どこから乗って、どこでおりるのか、あるいは、年齢層なども皆さんが集めて分析していくということでありました。
 ただ、一方、委員の皆様方も覚えていらっしゃるかもしれませんけれども、以前、JRの大阪駅の駅ビルで、監視カメラの映像を使用して顔を識別し、移動状況などを解析する実験をやろうとしたら、プライバシーの観点から話題になったわけですね。
 今回の都の実験は、今、私がお話ししている大阪の実験に似ているような感じがしますけれども、個人情報保護との関係で、今回の実験はどうなっているのか、教えてください。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 都は、東京都個人情報の保護に関する条例において、個人情報の適正な管理のために必要な措置を講じなければならない旨を定めておりまして、交通局がお客様の画像を収集する場合には、原則として個人情報を取り扱う事務を明確化して、ご本人の同意をいただく必要がございます。
 このため、今回の実証実験は、回送車で行いまして、撮影対象者は、同意を得た当局の職員及び調査を委託した事業者の従業員のみとした上で、個人情報を取り扱う事務として、事前に生活文化局への届け出を行っております。
 今後、実用化に当たりましては、ご本人からの同意など、個人情報の収集、取り扱いに十分な配慮が求められますことから、慎重に検討していくことが必要であると考えております。

○川松委員 今お話ありましたように、今回は局の職員や委託先の従業員を対象にした、オープンというよりはクローズな場面での状況ということでありますけれども、実際のお客様相手ということを考えていくと、この先、実験は実験として、将来のことを考えると、一人一人の同意というのをどう得ていくかということも、今回の実験とともに考えなければいけない、検討をしていかなければいけない必要な状況だということだと思います。
 個人情報の取り扱いについては、都民の関心も非常に高いところでございまして、本人同意のほか、あと、取得後のデータの取り扱いなども含めて、多くの都民の皆様、利用者の皆様に不安を与えないような検討をお願いしていきたいと思います。これ、大変、未来に向かっていくと、今いったように、データを集めて分析するという意味では、大きなことだと思いますので、そういう細かいところで何かストーリーが進んでいかないということではなく、そこは慎重に、かつ大胆に、交通局には攻めていっていただきたいと思います。
 次に、こうした実験の成果をどのように活用しようと考えて、今、検討されているのか、教えていただきたいと思います。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、路線やダイヤの見直しに向けた基本的なデータを収集するため、職員による日常的な調査に加えまして、五年ごとに国が実施する大都市交通センサスに合わせて、バス車両に調査員を乗り込ませて、お客様のご利用区間や年齢層などを把握する大規模な乗降調査を行ってまいりました。
 この大規模調査には、多くの人手と多額の費用を要しております。今回の実験を通じて、5GやAIなどの技術を利用したお客様の乗降データの収集、分析が実用化されれば、省力化とコスト削減が可能となります。
 ただ、一方、お話のとおり、個人情報の保護やAIの解析能力の向上など、さまざまな課題もございますことから、引き続き、実験結果も踏まえながら、検討を深めてまいります。

○川松委員 まさに今、5Gの時代だ、データの時代だと、いろんなところで、都庁内だけじゃなくて、日本中でいわれていますけれども、じゃあそれをどうするのと、5Gとかデータをどうするのという次を聞くと、答えられない方が多い中で、もう、今お話あったように、実用化されると、省力化やコスト削減が可能ということで、しかも、人海戦術で、現在、五年に一度調査しているものがシステム化されると、データの取得量はふえて、人手がいっぱいでやっていた苦労は減って、より精緻な利用状況の把握が可能になるというのは、まさにこの5Gデータが、いかに取り組んでいくことによって、それは結果的に皆さん方のお仕事の効率が上がると同時に、利用者の我々にとってもメリットがたくさん出てくるという話なわけですね。
 現状はまだ始まったばっかりです。でも、これ、実用化に向かって、課題はいっぱいありますけれども、その課題をクリアしていけば、本当に大きなことになると思いますので、着実に検討を進めて、実験に終わらず、実用化を実現するということを強く要望したいと思います。
 続いて、ロボットの活用について伺います。
 これは事務事業質疑で、我が党の鈴木あきまさ委員が取り上げたわけですけれども、交通局では、現在、新橋駅と新宿西口駅にロボットコンシェルジュを導入されています。先ほど申し上げました5G実証実験のプレスにおいても、移動型ロボットの実験を、三月十一日と十二日に日暮里駅で行うんだというふうになっておりました。
 まず、今回どのような実験を行ったのか。そして、既にわかったことなどがあれば、あわせてご説明いただきたいと思います。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 ただいま委員お話しのとおり、交通局では、5Gを活用しました移動型ロボットの実証実験を、今月十一日及び十二日に日暮里・舎人ライナーの日暮里駅にて実施いたしました。
 具体的には、ロボットに搭載したカメラからの映像を見ながら、駅係員が遠隔操作して、駅構内の状況を確認するとともに、モニターを通じて、お客様との対話や誘導案内を行うものでありまして、実験を通して、ロボットの操作性、応答性等の確認、検証を行いました。
 実験結果につきましては、現在取りまとめているところですが、4G通信では、映像や会話が途切れることがあったのに対して、5G通信では、そのようなこともなく、スムーズな応対ができることが確認できました。

○川松委員 今のお話のように、こういった実際のフィールドでロボットを試すということは、ロボットの進化に非常に重要なことであって、そして、今後もさらにさまざまなロボットが開発されていくことにつながっていくんだと思うんですね。
 一方、地下鉄の駅に目を向けてみますと、駅員や案内役のコンシェルジュ、警備員など多くの人が配置されています。
 そこで、来年度予算では、コンシェルジュや警備員にどの程度の予算が計上されているのか伺います。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 コンシェルジュは、東京にふなれなお客様の案内を目的に、東京二〇二〇大会会場最寄り駅を含みます三十駅に配置を予定しておりまして、来年度の予算は約四億円を計上しております。
 また、警備員は、テロ行為や暴力行為等の未然防止や、ホームにおけるお客様の安全確保等を目的に、乗降客の多い駅や終端駅などに配置することとしておりまして、来年度の予算は約十六億円を計上しております。

○川松委員 今お話ありましたように、コンシェルジュが来年度予算約四億円で、警備員が約十六億円です。
 ここからちょっと人とロボットということについて触れていきたいと思っているんですけど、この来年度予算は、オリ・パラの対応も含むとはいえ、合計約二十億円ですね。地下鉄の運賃収入の予算が約千三百七十億円ですから、このコンシェルジュと警備員で、全体予算からすると一・五%に相当します。かなりの金額が使われているなという印象になると思いますけれども、東京の地下鉄というのは、どうしても複雑な構造をしているので、きめ細かい案内、あるいは安全確保のためには、人による対応がどうしても必要であると。そのこと自体を否定するものではありません。ただ、ロボットもさまざまな可能性を秘めているんじゃないか。今、開発途上で、値段も高いかもしれませんが、今後、開発、普及が進むと、このロボットと、今いった二十億円で使っているような人をうまく使い分けることによって、サービスは維持向上されながら、コストを下げていくということにつながる可能性があるんじゃないかと思うんですね。
 将来的には、人とロボットとのベストミックスというものを目指していくべきだと思いますけれども、所見を伺います。

○内山鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、駅係員に加え、コンシェルジュや警備員を配置し、人ならではのきめ細かな案内や臨機応変な対応を行っております。
 一方、昨年十月から導入したロボットコンシェルジュは、多言語でのさまざまな案内を人との接触を伴わずに行えるなどの特徴がございます。
 ロボット技術は日進月歩で進み、その進展に伴いまして、案内業務に限らず、警備などさまざまな分野での活用が期待できます。
 人とロボット、それぞれのメリットを生かしていくことが重要と考えておりまして、引き続き、技術開発の動向を注視しつつ、費用対効果等も見きわめながら、よりよいサービスのあり方を検討してまいります。

○川松委員 本当に、いうまでもなく現在交通局は非常に厳しい経営状況に置かれています。とはいえ、これだけ働き方が変わってきたとか、あるいは企業内のオフィスのあり方だとか、もちろんテレワークがふえていくということになると、先行きも楽観できる状況にはないわけです。
 今、一例としてロボットの話を取り上げましたけれども、よりよいサービスの提供と安定的な企業経営とをいかにして両立していくべきか、これは交通局に限ったことではないですが、特に交通局におかれては、引き続き、さまざまな観点から検討を重ねていっていただきたいと思います。
 その流れの中で、自動運転について伺いますが、ご案内のとおり、現在、自家用車における自動運転技術の開発、導入が進んでいますけれども、これ、公道を多くの車が入り乱れて走行するのに比べると、専用の線路を走る鉄道は、より自動運転がなじみやすいんじゃないかなと私は思います。車の自動運転が、自動ブレーキやシステム監視による完全自動運転など、段階に応じてレベル分けがされているように、鉄道の自動運転もレベル分けされているとお聞きしています。
 まず、鉄道の自動運転技術がどのように分類されるのかを伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 鉄道における自動化に向けた運転レベルの段階は、国際標準規格により、レベルゼロからレベル四まで、五つに分類されております。
 レベルゼロは、運転士が信号機の確認やブレーキ操作など全て手動で行うもの、レベル一は、基本的に手動で運転するものの、速度制御などの安全装置を備えているもの、レベル二は、基本的に列車は自動で走行しますが、出発やドア開閉の操作は運転士が行うもの、レベル三は、ドア開閉等を含め列車は自動で走行しますが、緊急時に備え係員が添乗しているもの、レベル四は、係員も添乗せず、列車が自動で走行するものとなってございます。

○川松委員 ですから、自動運転というと、一般的には無人の運転をイメージするわけですけれども、技術的にはレベルゼロから四までということで、さまざまな段階がありました。
 それでは、都営地下鉄各線は、今説明のあったレベルのどこに該当するのか伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営地下鉄四路線のうち、浅草線と新宿線は、基本的に手動で運転するものの、速度制御などの安全装置を備えているもので、レベル一に該当いたします。
 三田線と大江戸線は、基本的に列車は自動で走行しますが、出発やドア開閉の操作は運転士が行うもので、レベル二に該当いたします。

○川松委員 三田線、大江戸線の方が、浅草線、新宿線と比べると技術的には進んでいると。それでもレベル二なわけですね。
 こうした中、日暮里・舎人ライナーなどの新交通システムでは無人運転を実現しておりまして、これは地下鉄特有なのか、なぜこう都営地下鉄とかはレベルが上がっていかないのか。理由があるのか、課題があるんだったら、教えていただきたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 日暮里・舎人ライナーは、無人運転を前提に建設しておりまして、高架構造で踏切がなく、人や車が容易に線路内に立ち入ることができない、駅には、天井付近までの高さがあるいわゆるスクリーン式ホームドアがある、自動列車運転装置が設けられているなどの要件を満たしておりまして、国の認可を受け、無人で走行している新交通システムでございます。
 一方で、地下鉄における無人運転の導入に当たっては、トンネル内での発火、発煙の検知、障害物への衝突防止、異常発生時に駅間で停止した場合のお客様の安全確保などさまざまな課題があり、現時点で無人運転のための技術的要件等が定まっていない状況にございます。

○川松委員 無人運転を前提としてつくられている新交通システムに比べて、もちろん歴史があって、そうじゃない、まさか無人運転なんて考えられない時代からある地下鉄とでは、いまだ無人運転に必要な技術的な要件が固まっていないということでありました。
 とはいえ、人口減少社会を迎える中、都営地下鉄においても、近い将来、運転士の担い手不足が懸念されるのではないかと思います。
 そこで、将来的な都営地下鉄の無人運転導入を考えていくべきだと思いますけれども、所見を伺います。

○相川電車部長 ただいま企画担当部長がお答えしましたような課題がある中、現在、国が主催する検討会におきまして、自動運転に関する技術的な要件が検討されております。
 また、トンネル内の避難誘導など地下鉄特有の課題に対応するため、地下鉄事業者や有識者で構成する調査検討委員会が設置されておりまして、当局もこれに参画しまして、無人運転の実現性などについて議論しております。
 引き続き、将来的な地下鉄の無人運転化につきまして、国等における技術的要件等の検討状況を注視いたしますとともに、他の地下鉄事業者とともに議論を深めてまいります。

○川松委員 ありがとうございました。
 都営各線いろいろある中で、いろいろと接続の私鉄とのつながりがあるとかという話ありますけど、大江戸線はそういうのがないわけで、いろんな面で災害でも強いといわれていますけれども、こういった技術革新も、大江戸線は期待したいなと思うところであります。
 先ほどのロボットの話と同様、人がこれまで培ってきた技術やノウハウがあるからこそ、それをベースとして自動化技術の開発が進むのであり、人には人のよさがあるのはわかっています。なかなか全てが機械化というわけではありません。ただ、機械の活用によって、個人の技術に過度に依存しないことも、これからの世の中に必要なのではないかと思います。
 交通局単独でどうこうできるものではないと思いますが、国や他の事業者と密に連携しながら、実現に向けて議論を進めていただきたいと思います。
 最後に、事務事業質疑でも取り上げました本所吾妻橋駅前にある旧浅草線、吾妻橋乗務区の庁舎について一言申し上げます。
 今年度、解体に向けた調査を実施していると、先般の事務事業質疑の中で資産運用部長からお伺いしておりましたが、今回の予算質疑に当たり、事前にお聞きしましたら、解体費用が新年度予算に計上されているということをお聞きしました。解体が進んでいけば、次に何をするかという議論が本格的にスタートしますので、改めて、その際には、所在する地元吾妻橋三丁目町会を中心とした地域の声を十分に聞いていただきまして、エリア全体となって、一体となった計画を進めていただきたいということを強く要望させていただきます。
 本日は、都営交通の新たな取り組み、今後の可能性について質疑させていただきました。繰り返しになりますが、現在、交通局は極めて厳しい経営状況に置かれています。収入の確保にも限界がある中、事業を継続させていくためには、徹底したコスト削減を進める必要があります。
 しかし、こういうときだからこそ、過度に縮こまることなく、将来、未来に向けて、必要なものの投資は着実に行っていただきたいと思うんですね。今がちょっと厳しいから先は後送りにするんじゃなくて、将来を、今は厳しいけれども頑張ろうという姿勢で臨んでいただきたいと思います。中長期的な視点をしっかりと持って、選択と集中のもと都営交通を経営していくことを交通局に要望いたしまして、質問を終わりといたします。

○田村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田村委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時五十二分散会