公営企業委員会速記録第十三号

令和二年十一月五日(木曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長田村 利光君
副委員長宮瀬 英治君
副委員長たきぐち学君
理事古城まさお君
理事おじま紘平君
理事大山とも子君
上田 令子君
馬場 信男君
中山ひろゆき君
とくとめ道信君
川松真一朗君
鈴木あきまさ君
藤井  一君
山田ひろし君

欠席委員 なし

出席説明員
交通局局長内藤  淳君
次長久我 英男君
職員部長渡邉 範久君
資産運用部長坂田 直明君
電車部長相川  準君
自動車部長牧野 和宏君
車両電気部長野崎 慎一君
建設工務部長谷本 俊哉君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務市川 雅明君
安全管理担当部長西川 善宣君
バス事業経営改善担当部長櫻庭 裕志君
技術調整担当部長加納 晴生君
技術管理担当部長坂口 淳一君

本日の会議に付した事件
交通局関係
事務事業について(質疑)

○田村委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより交通局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 根木総務部長は、病気療養のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 これより事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○久我次長 過日の委員会で要求のございました資料を、お手元の公営企業委員会要求資料として取りまとめましたので、その概要についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、三枚おめくりいただきまして、一ページをお開き願いたいと思います。新設、廃止、延伸、短縮及び増便、減便した都営バス路線でございます。
 新設、廃止した路線につきましては当該運行区間を、延伸、短縮した路線につきましては新旧の運行区間を過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、二ページには、増便、減便した路線につきまして、各路線名を過去五年分記載してございます。
 次に、三ページをごらんいただきたいと存じます。路線バスの走行キロ、乗車人員、期末在籍車両の推移でございます。
 走行キロと乗車人員、期末在籍車両数を過去十年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、四ページをごらんください。都営バス停留所における上屋、ベンチ、接近表示装置の設置状況の推移でございます。
 総停留所数と上屋、ベンチ、接近表示装置を設置しております停留所数を過去十年分記載してございます。
 次に、五ページをごらんいただきたいと存じます。都営地下鉄におけるホームドア設置状況及び転落件数でございます。
 ホームドアにつきましては設置路線及び設置率を、転落件数につきましては路線別に交通局管理駅における転落件数を、それぞれ過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、六ページをごらんください。都営地下鉄においてホームから地上までのエレベーターによるバリアフリールートが複数ある駅でございます。
 都営地下鉄において、該当いたします駅数及び駅名を路線別に記載してございます。
 次に、七ページをごらんいただきたいと存じます。都営地下鉄における誰でもトイレへの大型ベッドの設置状況でございます。
 誰でもトイレへの大型ベッドの設置駅を路線図上に記載し、駅数及び設置箇所数を資料右肩に記載してございます。
 一枚おめくりいただき、八ページをごらんください。都営地下鉄におけるエレベーター未設置の出入り口がある駅数と出入り口へのインターホン設置状況でございます。
 該当の駅数とインターホンの設置駅を記載してございます。
 次に、九ページをごらんいただきたいと存じます。都営バスの交通事故発生件数でございます。
 交通事故件数を過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一〇ページをごらんください。都営地下鉄の混雑率の推移でございます。
 各路線の最混雑区間における混雑率を過去五年分記載してございます。
 次に、一一ページをごらんいただきたいと存じます。都営交通の広告料における広告主上位二十社の業種でございます。
 広告主上位二十社の業種、シェア及び広告料計を過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一二ページをごらんください。都営交通における主な媒体の広告掲載率でございます。
 事業別、広告媒体別の掲載率及び広告料計を過去五年分記載してございます。
 次に、一三ページをごらんいただきたいと存じます。交通局における新型コロナウイルス感染症対策でございます。
 交通局が実施した新型コロナウイルス感染症対策を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一四ページをごらんください。都営交通の各事業における乗車人員及び乗車料収入の前年同期比でございます。
 令和元年度第四・四半期及び令和二年度第一・四半期の乗車人員、乗車料収入を事業別に記載してございます。
 次に、一五ページをごらんいただきたいと存じます。広告料収入の実績でございます。
 事業別、媒体種類別の広告料収入につきまして過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一六ページをごらんください。都営交通の各事業における広告料収入の前年同期比でございます。
 令和元年度第四・四半期及び令和二年度第一・四半期の広告料収入を事業別に記載してございます。
 次に、一七ページをごらんいただきたいと存じます。広告料収入の実績、ラッピングバスでございます。
 ラッピングバスの広告料収入につきまして過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一八ページをごらんください。本年一月以降の交通局職員の自殺、病気休暇及び病気休職、定年を待たない退職、公務災害の状況に関する前年と比べた推移と原因別状況でございます。
 令和元年及び令和二年一月から九月における職員の自殺者数等を記載してございます。
 次に、一九ページをごらんいただきたいと存じます。職員の自殺の状況と月八十時間を超える超過勤務実績でございます。
 職員の自殺者数及び月に八十時間を超えて超過勤務を行った職員の延べ人数につきまして過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、二〇ページをごらんください。都営バス運転手の離職率の推移でございます。
 都営バス運転手の離職率につきまして過去十年分記載してございます。
 次に、二一ページをごらんいただきたいと存じます。ToKoPoの事業開始以降の実績と利用状況でございます。
 事業開始以降の年度別の会員数、付与ポイント及び変換ポイントにつきまして記載してございます。
 一枚おめくりいただき、二二ページをごらんください。交通局お忘れ物センターで取り扱った遺失物の件数でございます。
 遺失物の取扱件数と返還件数につきまして過去五年分記載してございます。
 次に、二三ページをごらんいただきたいと存じます。都営地下鉄におけるバリアフリー化及びホームドアの整備進捗状況でございます。
 バリアフリー整備進捗状況につきましては乗りかえ駅等でのエレベーター整備実績とトイレの改修実績を、ホームドアの整備進捗状況につきましては路線別の整備駅数を、それぞれ記載してございます。
 一枚おめくりいただき、二四ページをごらんください。都営地下鉄における痴漢等犯罪行為の対応件数、防犯カメラ映像の警察への提供件数及び警察との連携実績でございます。
 痴漢等犯罪行為の対応件数、防犯カメラ映像の警察への提供件数及び警察との合同訓練の件数につきまして過去三年分記載してございます。
 次に、二五ページをごらんいただきたいと存じます。都営地下鉄における帰宅困難者用備蓄品でございます。
 帰宅困難者用備蓄品につきまして、品目と数量を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、二六ページをごらんください。深夜バスの利用状況でございます。
 当局が運行する深夜バス路線につきまして、一日当たりの乗車人員を過去五年分記載してございます。
 次に、二七ページをごらんいただきたいと存じます。さまざまなニーズに対応したバス路線の利用状況でございます。
 当局が運行するさまざまなニーズに対応したバス路線につきまして、一日当たりの乗車人員を過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、二八ページをごらんください。都での使用期間を終了したバス車両の再利用についてでございます。
 使用を終了したバス車両の売却方法及び売却先実績につきまして記載してございます。
 次に、二九ページをごらんいただきたいと存じます。バスの新規購入数と廃車、売却数でございます。
 路線バスの新規購入数、廃車数及び他事業者への売却数を過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、三〇ページをごらんください。はとバスへの委託状況でございます。
 都営バスにおける管理の委託の状況につきまして、委託支所別に、路線数、車両数を記載してございます。
 次に、三一ページをごらんいただきたいと存じます。サービス介助士の資格取得状況事業別推移でございます。
 サービス介助士の資格取得状況につきまして、事業別に過去三年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、三二ページをごらんください。お客様の声の件数と主な内容でございます。
 お客様からいただいたご意見等につきまして、件数と主な内容を記載してございます。
 次に、三三ページをごらんいただきたいと存じます。不動産貸付の収支でございます。
 当局が所有する土地及び建物の貸し付けにつきまして、収入と支出、それぞれ過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、三四ページをごらんください。電気事業における事業者公募から東京電力との解決金を含め新電力への売却の成果でございます。
 東京電力株式会社との随意契約締結時から令和元年度までの経常利益等と売電単価につきまして年度別に記載してございます。
 次に、三五ページをごらんいただきたいと存じます。労働組合の一覧でございます。
 一枚おめくりいただき、三六ページをごらんください。交通局所管施設における労働組合事務室の場所、面積、賃料及び光熱水費等徴収一覧でございます。
 当局所管施設におけます労働組合事務室の場所、面積及び光熱水費等につきまして記載してございます。
 次に、三七ページをごらんいただきたいと存じます。交通局所管施設における労働組合事務室の面積と労働組合数の増減の状況でございます。
 当局所管施設におけます労働組合事務室の面積及び労働組合数につきまして過去五年分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、三八ページをごらんください。令和元年台風十五号及び十九号における施設、設備の被害と復旧状況でございます。
 昨年、関東地方に上陸した台風十五号及び十九号による被害箇所、被害状況及び復旧状況を記載してございます。
 次に、三九ページをごらんいただきたいと存じます。局所管政策連携団体、事業協力団体の職員構成でございます。
 職員構成につきまして、都派遣職員、固有職員及び都退職者別に過去五年分を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、四〇ページをごらんください。局所管政策連携団体、事業協力団体への現職出向手続のフロー図でございます。
 公益的法人等への職員の派遣手続を記載してございます。
 次に、四一ページをごらんいただきたいと存じます。局所管政策連携団体、事業協力団体への職員、元職員の推薦手続でございます。
 東京都職員の退職管理に関する条例等に基づく、職員及び元職員の再就職に係る手続を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、四二ページをごらんください。局所管政策連携団体、事業協力団体の役員に係る人事関与手順のフロー図でございます。
 団体への適材推薦の手順及び所管政策連携団体における役員選任手続への関与について記載してございます。
 次に、四三ページをごらんいただきたいと存じます。局所管政策連携団体、事業協力団体以外の民間企業団体等への現職出向手続のフロー図でございます。
 公益的法人等への職員の派遣手続を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、四四ページをごらんください。局所管政策連携団体、事業協力団体以外の営利企業等へ人材情報を提供する場合及び個人による求職活動を承認する場合の手続についてでございます。
 営利企業等へ人材情報を提供する際の手続を記載しており、四五ページには、個人による求職活動を承認する際の手続を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、四六ページをごらんください。局所管政策連携団体、事業協力団体以外の民間企業団体等への現職出向実績でございます。
 局所管政策連携団体、事業協力団体以外の団体等への職員派遣実績過去五年分を記載してございます。
 次に、四七ページをごらんいただきたいと存じます。局所管政策連携団体、事業協力団体以外の民間企業等へのOB再就職実績と、そのうち利害関係企業等への再就職者数でございます。
 再就職者数につきまして過去五年分を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、四八ページをごらんください。事業ごとの通学定期券の学校種別販売実績でございます。
 通学定期券の販売実績につきまして、種別ごとに過去五年分を記載してございます。
 次に、四九ページをごらんいただきたいと存じます。フリースクール、サポート校、夜間中学など多様な学びの場への通学者の通学定期券の購入条件、手続でございます。
 購入条件と手続をそれぞれ記載しております。
 最後に、一枚おめくりいただき、五〇ページでございますが、フリースクール、サポート校、夜間中学等、多様な学びの場への通学者に対する事業ごとの通学定期券の承認件数でございます。
 実習用通学定期券制度により、フリースクール、サポート校等への通学者に承認した件数につきまして記載してございます。
 以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○おじま委員 冒頭、交通局の皆様においては、新型コロナの拡大が続く中で、都民生活や事業活動を支えて、社会機能、都市機能の維持に必要不可欠な交通インフラという重要な役割を担っていただいております。地下鉄、バスなどの乗務員の方、駅員の方、あるいは保守作業に従事される職員の方々も、まさにエッセンシャルワーカーとして、感染のリスクと闘いながら最前線で働いていただいていることに、まずは感謝申し上げたいと思います。
 まず、コロナ禍における、あるいはポストコロナでの経営面について触れていきたいと思います。
 さきの我が会派の代表質問においても、ポストコロナでの都営交通の経営はどうかということについて質問をしたところでした。今年度の第一・四半期を見てみると、地下鉄が前年同期比で約百七十億円の減収、バスが同じく約三十億円の減収ということで、都営交通の経営はこれまでに経験のない困難に直面しているといえます。
 まず、コロナ禍における地下鉄、バス、それぞれの利用者数の推移について、改めて伺いたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営地下鉄、都営バスの利用者数は、新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に減少しております。
 緊急事態宣言が出ていた四月、五月の乗車人員は、地下鉄で対前年比四割から五割程度、バスで四割程度減少いたしました。
 緊急事態宣言解除後、利用者数は徐々に回復してきたものの、感染再拡大などにより足踏み状態であり、本年八月時点では、地下鉄については対前年比で三割程度、バスについては二割程度の減少となっております。

○おじま委員 先日、JR東日本が今期の中間決算を発表していたんですが、四月からの半年間の売上高は前の年からほぼ半減、これは、電車だけでなく不動産などの事業も含めてということなんですが、純損益は二千六百四十三億円の赤字ということでした。
 JRや私鉄も含めて必死の経営努力を行っている中で、都営交通も、事業としての採算を確保するために、民間企業と同じく、あるいはそれ以上の経営努力を行っていかなくてはならないと思います。
 仮に事業運営が立ち行かなくなるような厳しい経営状況に陥ったとすれば、それは最終的に都民の負担になるということも忘れてはなりません。冒頭申し上げたように、本当に頑張っていただいているところ、厳しい話をするのも恐縮なんですが、無駄の見直し、あるいはコストの縮減については、これまでも機会あるごとに求めてきたところであります。
 この間、テレワークが定着をしてきたということもあって、乗車料収入については、恐らくコロナ禍以前の水準への回復というのは期待できないと思います。
 そのような中で、経費、コストの節減努力と、経営計画に掲げた事業についても見直しを進めているということなんですが、取り組まれている内容について伺いたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 交通局は、新型コロナウイルス感染症の影響により、乗車料収入の大幅な減少が続く厳しい経営環境にある中、経常経費の節減や経営計画に掲げた事業の見直しを進めております。
 経常経費につきましては、庁舎の水道光熱費や広報誌などの印刷製本費、事務用品の消耗品費など、地下鉄やバス等の運行に直接かかわらない間接的な経費を今年度予算に対しまして一〇%抑制するよう、徹底した支出の削減に取り組んでおります。
 また、経営計画に掲げた事業につきましては、駅出入り口の上屋の改修は事業規模を縮小するほか、地下鉄ホームのベンチはリニューアルを凍結するなど、安全の確保に配慮しつつ、幅広く見直しを行っております。
 乗車料収入の減少が経営に与える影響をできる限り抑制するため、引き続き支出の節減や事業の見直しを着実に進めてまいります。

○おじま委員 今ご答弁にあったとおり、さまざま努力を行ってきていただいているということですが、この新型コロナの影響が、既に鉄道、バス業界にも甚大な収入減を及ぼしており、かつコロナ終息後の未来の見通しが、これまで来た過去の延長線にないということなのであれば、違うルートというのも見つけていかなくてはならない。つまり、新たな収支構造も探っていくべきと考えております。
 例えば、事業収入の確保のあり方として、駅ナカの活用等も考えていかなくてはならないと思います。
 ポストコロナにおける鉄道旅客のニーズを踏まえつつ、新たな生活関連サービスを提供していくということも重要だと思いますが、新しい日常に即した駅構内サービスの展開について伺いたいと思います。

○坂田資産運用部長 交通局では、お客様の利便性の向上と収益確保を図るため、駅構内の限られたスペースを有効活用いたしまして、売店、店舗、自動販売機などの設置を行っております。
 現在、売店や店舗におきましては、従業員の検温、手洗い、マスク着用を徹底し、レジなど対面する場所にアクリル板を設置するとともに、レジ待ちや座席での人と人との間隔を確保するなど、業態それぞれの特性に応じ、感染症対策に取り組み、お客様に安心してご利用いただける環境を整備しております。
 また、キャッシュレスにより接触機会を回避するため、駅構内のほぼ全ての店舗や自動販売機で交通系電子マネーの利用を可能としており、さらに、宅配受け取りロッカーを約三十駅に設置し、人と接することなく宅配便を受け取れるようにするなど、新しい日常にも対応したサービスの提供に努めております。
 今後も、お客様のニーズを的確に捉え、駅構内サービスの充実を図ることで、利便性向上と収益確保に努めてまいります。

○おじま委員 続きまして、時間帯別運賃について伺いたいと思います。
 この東京の鉄道混雑、いわゆる満員電車は慢性的な都市課題となっておりまして、都営地下鉄もご多分に漏れないところであります。先ほどテレワークというのにも触れましたけれども、あるいは時差ビズだったりの取り組みを通じて解消を図ってきたけれども、なかなかうまくいかないということであります。
 そのような中で出てきた時間帯別運賃の議論は、朝の通勤ラッシュなど混雑がピークを迎える時間帯の料金を高くするかわりに、オフピーク時の料金を低くすることで交通需要を分散させるというのがこの制度の狙いであります。特段、コロナ禍においては、混雑を分散させて平準化させることで三密回避にもつながるということでありました。
 実際にJR東日本では、鉄道コロナの影響による利用者の減少と生活様式の変化に対応し、ピークをシフトするような柔軟な運賃が考えられるということで、運賃制度の見直しに向けた議論に着手をするということであります。
 前回定例会の我が会派の代表質問に対して、交通局においても、時間帯別運賃などの運賃のあり方について研究を進めるという答弁があったところですが、実際に導入しようとなると、これまでの運賃体系を大きく変えることになりますので、越えなければならないハードルというのは高いと思います。そういう意味では、今、交通局も大きな一歩を踏み出したところなんじゃないかと思っております。
 現状、交通局として、この時間帯別運賃にはどのような課題があると認識をしているのか、また、それに対してどう対応していこうと考えているのか伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 時間帯別運賃は、これまでの運賃体系を大きく変える仕組みであるほか、鉄道ネットワークを形成している事業者全体で実施しなければ効果が極めて限定的であることから、東京圏で実施する場合には、国や各鉄道事業者との綿密な連携が必要でございます。
 また、運賃設定はもとより、路線ごとに適用すべき時間帯や区間の設定など、新たな運賃制度の構築に相応の検討期間を要するとともに、改札機など、駅務システムの大規模な改修に伴う多額の改修費用が予想されます。
 さらに、現在は、企業が通勤費を負担する場合が多いため、特に通勤利用の場合、運賃体系の変化だけでは利用者が行動を変えづらいことや、エッセンシャルワーカーなど通勤時間をずらせない人への配慮等、さまざまな課題があると認識しております。
 現在、都が有識者や鉄道事業者とともに立ち上げた研究会に交通局も参加し、時間帯別運賃について議論を開始したところでございます。
 また、お客様のご意見を把握するため、今後、時間帯別運賃について、都営交通モニターによるアンケート調査を実施してまいります。

○おじま委員 今、新しく研究会が立ち上がったという答弁もありましたけれども、これはポストコロナの先進的な取り組みになり得るものと考えていますので、引き続きこの議論をしっかり進めていただきたいと思っております。
 関連して、私の地元練馬の十二号線、いわゆる都営大江戸線について伺っておきたいと思います。
 ご案内のとおり、大江戸線の延伸については練馬区の悲願ということで、地元が長年取り組んできた課題であります。これまで、延伸によって旅客需要は一日約三万人増加するということ、また、朝ラッシュ時のさらなる混雑対策も必要になるということ、最近では、需要予測に基づいて、車両の留置施設や変電所など設備の規模等、収支採算性に係る検討を進めているということが明らかになってきたところです。
 そのやさきのコロナ禍ということで、先ほどから述べてきているとおり、鉄道利用を取り巻く環境というのは、このコロナ前と後で大きく違うということです。これまでの検討への影響も、私としても心配をしているところであります。目の前にはコロナの影響がある一方で、広域的な鉄道ネットワークを整備、構築していくには、さらに長期的な目線が必要だと思っています。
 その意味においても、大江戸線の延伸は意義があるものと考えていますが、この新型コロナの拡大による大江戸線延伸の検討への影響はどうなっているのか伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営地下鉄の利用者数は大江戸線も含め大きく減少しており、今後は、テレワークの定着など、お客様の行動変容に伴う需要の変化を見きわめる必要がございます。
 そのため、延伸部分も含め、大江戸線の将来の旅客需要について、今後の乗車人員や大都市交通センサスなどのデータを踏まえて、改めて慎重に分析、評価を行う必要があると認識してございます。

○おじま委員 さっき八月まで出ているということだったんですけど、これから九月とか十月のデータも出てくると思います。コロナがどれだけ長期化をするのか、あるいはどれぐらいのスパンで旅客需要だったりが回復をしていくのか、あるいはしてこないのか、いまだに予測がつかないというところもあります。これは大江戸線だけを切り取って考えればいい問題でもないのかもしれないと思っています。
 とはいえ、先に進まないと見えてこないということは多いわけで、コロナ禍においても、大江戸線延伸については立ちどまることなく進めていただきたいと思っていますが、今後の検討の進め方について伺いたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大江戸線の延伸に当たっては、収支採算性の確保が必要でございます。
 収入の大宗を占める運賃収入の算定基礎となる将来的な旅客需要については、今後の乗車人員や大都市交通センサスなどのデータを踏まえて、改めて慎重に分析、評価を行い、検証を進めてまいります。
 また、支出面では、旅客需要及び列車の混雑率の変化に応じた運行計画や車両常備数を設定いたしまして、車両留置施設の規模や車両検査機能の確保など、延伸と混雑対策に向けた検討を実施いたします。
 一方、トンネルや駅の構造など需要に大きく左右されない施設については、引き続き検討を深度化してまいります。
 今後とも、地元区や関係機関と連携しながら、大江戸線延伸について着実に検討を行ってまいります。

○おじま委員 コロナ禍でインフラ整備そのものが停滞をしてしまうのではないかという懸念も、地元からもよく聞かれるところなんですが、可能なところには手をつけていくということを確認させていただきました。コロナ禍が明けた暁には事業化に向けた動きをさらに加速できるように、むしろ今のうちからの万端な準備をお願いして、次の質問に移りたいと思います。
 続きまして、バス事業についてであります。
 バス事業は、ご案内のように、もともと慢性的な赤字経営が続いてきています。交通局のホームページにも、少子高齢化の進行やそれに伴う生産年齢人口の減少等により、長期的には乗車数の大幅な増加が期待できないなど、今後の事業環境は厳しくなっていくものと見込まれますと書いてあるぐらいであります。このもともと厳しかったというところに加えて、コロナ禍のダメージが重なって、重くのしかかっているという状況です。
 先ほど、バスの利用者数については、緊急事態宣言下の四月から五月にかけてで四割減、八月はもう少し回復をしてきたけれども二割減という答弁がありましたが、一口にバスといっても、都内に百三十一系統あるわけであります。利用状況の推移も地域や路線によって違うと思いますが、地域別ではどのようになっているのか伺いたいと思います。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 都営バスの利用者数は、先ほどご答弁いたしましたとおり、新型コロナウイルスの影響を受けて減少しておりますけれども、地域や路線の性質によって、お話のとおり状況は異なっております。
 具体的には、四月及び五月につきましては、外出の自粛などを受けまして、ほとんどの地域の路線で利用が大幅に落ち込みましたけれども、六月から八月にかけましては、下町エリアなどの暮らしに密着した路線につきましては、新型コロナウイルスの影響を受ける以前の九割程度まで回復しているものもございます。
 一方、都心部や臨海地域、大学周辺などにおきましては七割程度の回復にとどまっている路線もございまして、これは、テレワークの影響やオンライン授業など、お客様の行動が変容した影響を強く受けているものと推察しております。

○おじま委員 やはり地域ごとに違うということでしたけれども、先ほども述べたとおり、バス事業はこれまでも厳しい経営状況にありました。
 そのような中で、経営改善に向けて大なたを振るわなければならないこともあったと思いますが、これまでの交通局の努力について伺いたいと思います。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 都営バスではこれまでも、乗客潮流の変化に応じて路線やダイヤの見直しを適宜行うなど、増収や効率的な事業運営に努めてまいりました。
 また、平成十五年度から一部の営業所において民間事業者に管理を委託いたしますとともに、平成十九年度からは乗務員などの現業系職員の給与水準を一〇%引き下げるなど、人件費の削減に努めてきたところでございます。

○おじま委員 今、民間委託であったり人件費の削減、一〇%の給与の引き下げという話もありました。メスを入れたくないところにもメスを入れつつ、効率化の努力を続けてきたということかと思います。それでも、昨年度の決算を見てみますと、黒字路線が全体の約二二%、赤字路線が七八%、むしろ状況は悪化をしてきているということであります。
 しかし、赤字路線についても、当然、赤字であれば廃止をした方がいいというものでもなくて、住民の足として維持をしていかなくてはならないインフラという側面もあり、経営改善、効率化とのバランスをとっていくことが大事なのではないかと思いますけれども、交通局の見解を伺いたいと思います。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 都営バスではこれまでも、需要の変化に合わせて、乗務員や車両など限りある経営資源を有効に活用することで、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるよう事業を運営してまいりました。
 こうした考え方に基づきまして、赤字路線であっても、代替交通手段が十分に整備されておらず、地域に必要な路線につきましては黒字路線の収入で支えるなど、総合的な事業運営を行うことで維持してまいりました。
 引き続き、都民の足としての役割を果たせますよう、地域の需要や乗客潮流の変化を慎重に見きわめながら、適切に対応してまいります。

○おじま委員 バスの質問に関連してなんですが、私の地元練馬は、みどりバスという名前でコミュニティバスが走っています。練馬区には交通空白地域、あるいは不便地域というのが多いこともあって、これは一時間に一本ぐらいしか来なかったりするんですけど、住民の足として重宝されています。
 私が実際今住んでいる平和台という地域でいえば、もともと民間バスが走っていたんですが、これが縮小、廃線ということになって、それを埋める形でこのみどりバスが走るようになりました。民間が撤退するくらいなので、基本的にはこれはもう赤字なんですけど、これは区が負担をしているということであります。
 利便性を確保しつつ効率化を目指していくには、この都営バスとコミュニティバスがどう役割分担をしていくのかというのも重要だと思いますけれども、その考え方について伺いたいと思います。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 都営バスは、駅と駅との間ですとか、大規模施設などから駅までといったアクセスの利便性を向上させるなど、主に広域的で、かつ基幹的な路線を運行するなどの役割を担っております。
 これに対しまして、コミュニティバスは、国土交通省のガイドラインにおいて、交通空白地域、交通不便地域の解消などを図るために、区市町村などが主体的に計画して、その区域内を運行するものとされております。
 こうした役割分担を踏まえまして、都営バスとコミュニティバスが、お互いの利点を生かしながら地域の足として必要な機能を確保しております。

○おじま委員 都営バスの話に戻るんですが、乗務員の確保というのも大きな課題であります。これはバスの業界だけじゃなくて、トラックなどの運送業などの業界においても頭の痛い話だと聞いております。さらに、業界間で人材確保の競争みたいな状況にもなってしまっていて、先ほど人件費の話も出ましたけれども、ここを削ってしまうと余計に人が集まらなくなるというジレンマもあると聞いております。
 そもそも大型二種免許というのを取得する人も減ってしまっているということもあるし、乗務員の大量退職も、これは遠くない未来のことだと思います。バス事業はマンパワーの面でも厳しい状況が続いてきているということであります。
 これまでの求人広報活動にとどまることなく、SNSなどの新たな媒体も活用して、若者など、より幅広い層に積極的に訴えかけていくということが重要と考えますが、交通局の取り組みについて伺いたいと思います。

○渡邉職員部長 理事ご指摘のとおり、厳しい採用環境のもと、必要なバス乗務員を確保するためには、さまざまな媒体による広報活動を展開していくことが重要であり、交通局ではこれまでも、採用ホームページの開設や求人情報サイトへの掲載などに取り組んでまいりました。
 今年度は、お客様と職員、双方の視点で都営交通が成り立っていることを表現した、「想いを運ぶ、想いで運ぶ。」というキャッチコピーのもと、採用ホームページを刷新し、職員みずからがバス乗務員のやりがいや魅力を語る特設ページを追加するとともに、一貫したコンセプトのもと、PR動画やパンフレットも新たに作成いたしました。
 さらに、若者や女性などをターゲットとし、SNSを活用した広告配信を新たに開始するとともに、昨年度開始したウエブサイト上のインターネット広告についても拡充を図ったところでございます。
 今後とも、より多くの方々に交通局の発信する情報に触れていただき、バス運転に魅力を感じてもらうことでバス乗務員希望者の裾野の拡大を図り、必要な人材の確保に努めてまいります。

○おじま委員 今、若者や女性などをターゲットとしという答弁がありましたが、女性がバスの乗務員として実際に活躍をするためには、女性にとっても働きやすい環境、職場環境をつくらなければならないと思います。女性乗務員は現在、都営交通で二十人ということで、まだまだ少ないのは、こういう点が不十分だったんじゃないかと思っております。
 交通局としては、女性が働きやすい職場環境整備にどのように取り組んでいるのか、今後どのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。

○渡邉職員部長 交通局では、女性乗務員が働きやすい職場環境の充実に向けて、都営バスの営業所などにおいて、女性職員の更衣室、トイレに加え、休憩室、宿泊勤務の際に使用する仮泊室を整備するなど、女性施設の拡充を進めております。
 また、妊娠期間中の職員に対し、妊娠出産休暇や妊婦通勤時間といった休暇制度等を整備するとともに、泊まり勤務や深夜勤務などの不規則勤務を日中の勤務に切りかえるなどの配慮を行っております。
 さらに、子育て中の職員には、育児時間や子供の看護休暇などの支援制度の活用促進を図っているほか、東京都職員ライフ・ワーク・バランス推進プランに基づき、各職場において職員の中から両立支援アドバイザーを選任し、育児と仕事の両立に関する相談や問い合わせなどに対応しております。
 今後とも、女性乗務員が働きやすい職場環境の整備に取り組んでまいります。

○おじま委員 今、鉄道からバスまでさまざま質問をさせていただきました。コロナ禍にあって、大変厳しい状況であるということも確認をさせていただきました。この厳しい状況で、かつコロナ禍がいつ終わるか、終息するかというのもわからないという中で、大変きつい、しんどい状況がこれからも続いていくと思いますけれども、ぜひ踏ん張っていただきながら、先ほども申し上げたように、その先を見据えて、しっかりと今後も検討を進めていただきたいということを最後に申し上げて、私からの質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○鈴木委員 自民党の鈴木あきまさでございます。
 私は今までも、都営浅草線、耐震補強とかエレベーターの設置であるとか、ホームドアのことももちろんですけれども、利便性向上のために、質問だけじゃなくて、現場の皆さんと、いろいろと局の皆さんと話し合いをしながら、都民、利用者の利便性の向上に努力をしてきたつもりでおります。
 それで、最近、利用者の立場から質問する中で大変気になっていることがありまして、まず、きょうはそれを伺いたいと思ったんです。
 JRの終電の繰り上げの報道がございました。それで、きょうも読売新聞を私、朝見てきたんですけれども、小田急の終電の繰り上げの記事が載っておりました。小田急電鉄は、四日、来春のダイヤ改正で、全三路線の最終電車の時刻を最大二十分程度繰り上げるというふうに発表したと書いてあったんですけれども、まず、この終電繰り上げの問題について取り上げてみたいというふうに思っているんです。
 私はいつも、京急線から浅草線に、続いているから乗って、それで大江戸線に乗りかえて、この都庁前まで来ることが多いんですけれども、都営浅草線は、羽田、成田、両空港を結ぶとともに、二十三区南部から都心部へアクセスする重要な路線でありまして、浅草線が昭和三十五年に押上から浅草橋間で開業して、ことしで六十年になるということなんですね。
 そのような記念すべき年であるわけですが、新型コロナウイルス感染症の影響により、公共交通機関は乗車人員が大幅に減少しておりまして、報道によりますと、JR東日本は今期の連結決算で何と四千億円も超える大幅な赤字となる見通しを発表したのを初めとして、この民鉄各社、民間の各社も今期は大幅な赤字を見込んでおり、大変厳しい経営状況というふうに私も認識をいたしております。
 そのような中、JR東日本は、来春、終電を三十分程度繰り上げるダイヤ改正を行うというふうに発表いたしました。他の民鉄も同時に繰り上げを行うところもあるような報道もありますよね。
 一方で、都営地下鉄、とりわけ浅草線は、冒頭申し上げたとおり、東京の玄関口である羽田と都心部を結ぶ路線であり、そもそも現在のJRなどに比べて終電時刻が早いんですよ。私も、本当に、乗りかえのときに乗りかえられなかったことも今まである、そういう早い中で、終電の繰り上げが行われた場合には、空港アクセスの利便性が低下することが懸念されるわけです。
 そこで、都営地下鉄では終電時刻の繰り上げについてどのように考えているのか、まずお伺いをしたいと思います。

○相川電車部長 都営地下鉄では、終電時刻につきまして、お客様の利用実態や始発までの間に行う工事などに必要な作業時間等を踏まえて定めております。
 現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、二十四時以降の乗車人員は昨年と比較して約五割減少しておりますが、一定程度のお客様が利用されており、また、夜間作業に必要な時間は確保していることなどから、現時点では終電の繰り上げを行う考えはございません。
 引き続き、テレワークの定着などお客様の行動変容に伴う需要の変化や他社の動向に注視し、運行ダイヤを検討してまいります。

○鈴木委員 本当に都営地下鉄はおくれることがほとんどないです。そういう中で安全運行していただいているということは、その線路を守っている職員の方が大勢いらっしゃる、本当に感謝です。
 都営地下鉄は、現時点では終電の繰り上げは行わないというふうに、そのお考えを今お伺いしました。理解いたしました。
 JR初め民鉄各社は、終電繰り上げの理由について、夜間工事等の作業人員を確保するためとしているというふうに聞いています。現在、鉄道駅へのホームドアやエレベーターの設置を望む声も多いわけですが、これらは、終電後、夜間の利用者がいない時間帯でないと工事はできないわけです。また、鉄道の安全な運行のために保守点検は大変重要な作業です。これらの作業に従事する人たちにとっては、夜間の限られた時間の中では一日当たりの作業時間が短いことから、週休二日になっている場合もあると聞いています。
 このように、他社が夜間工事の作業人員の確保を掲げている状況ですので、交通局でも作業人員の労働環境への配慮は必要だと考えていますが、都営地下鉄では終電の繰り上げを行う考えはないとのことですが、作業員の働き方改革についてはどのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。

○谷本建設工務部長 都営地下鉄では、工事の発注に際しまして、国の建設工事における適正な工期設定等のためのガイドラインに基づきまして、工期から土休日を除外し、週休二日を確保できるような適正な工期設定を行うなど、作業員の労働環境の改善に努めております。
 加えまして、完全週休二日制の実現を目指し、平成三十年度から週休二日制確保試行工事を実施しており、週休二日を実現した受注者に対し、工事成績を加点し、その後の入札等で考慮するなど、軌道工事現場における働き方改革を促しております。

○鈴木委員 今、完全週休二日制を目指しているんだと力強い答弁があったんですが、交通局では既に作業員の労働環境への配慮、働き方改革への取り組みを行っているということで、大変評価したいというふうに思っています。終電を繰り上げしなくても、他社に先駆けて労働環境への配慮ができているということですよね。JRのような繰り上げ理由は、都営地下鉄では今のところ当てはまらない、このように私は理解をさせていただきました。
 一方で、今後についても、終電の繰り上げは、利用者の利便性はもちろん、企業や店舗などの経済活動への影響、医療従事者等エッセンシャルワーカーへの移動手段であることなどを踏まえ、今後も引き続き慎重に考えていただくことを求めて、次の質問に移ります。
 次に、ロボットコンシェルジュのことをお伺いしたいんです。
 私も、先日、新橋駅で見てきました。なかなかかわいらしいロボットコンシェルジュでした。チャーミングな声でした。
 都営地下鉄では、先月から、浅草線新橋駅、大江戸線新宿西口駅でロボットコンシェルジュを導入しました。そんな報道もありました。
 都営地下鉄では、現在二十八駅に英語など外国語にも対応した方をコンシェルジュとして配置して、駅周辺、乗りかえ等の案内を実施しているかと思います。現在、新型コロナウイルス感染症の影響で観光客が減少していますが、特に外国人観光客や高齢者など鉄道にふなれな方にとっては大変心強い存在だというふうに思います。
 このたび、さらにロボットのコンシェルジュを導入するということで、新技術を活用する取り組みに私は大変関心を持っております。
 そこで、都営地下鉄のロボットコンシェルジュについて、導入の目的と、なぜこの時期に導入したのかお伺いします。

○相川電車部長 交通局では、東京二〇二〇大会を見据え、東京を訪れる旅行者等に都営地下鉄をより快適にご利用いただけるよう、AIを活用した対話型のロボットの導入に向け、平成二十九年度から実証実験を行ってきました。
 この結果を踏まえるとともに、来年開催予定の東京二〇二〇大会を控え、ロボットコンシェルジュの運用実績を積むことにより対話精度を向上させ、より質の高いお客様案内につなげていくため、本年十月十四日に浅草線新橋駅と大江戸線新宿西口駅に導入したところでございます。

○鈴木委員 地下鉄というのは、これは別に日本だけじゃないんですけれども、初めて乗る、おりる、利用する者にはちょっとわかりづらいところがあるんです。このロボットコンシェルジュのように新しい技術を活用した案内が充実することで、外国人観光客も含めて、誰もが利用しやすい地下鉄に近づくものと考えております。
 先ほど答弁の中で、ロボットの運用実績を積むことにより対話精度を向上させるとの話がありましたが、AIは、学習を深めることで、より誰もが利用しやすい案内ができるようになります。
 そこで、ロボットコンシェルジュではどのようなことができるのか、確認をしたいと思います。また、設置後の利用状況についても、まだそんなに期間がないわけだけれども、ちょっとその辺のところについてもお伺いしておきたいと思います。

○相川電車部長 ロボットコンシェルジュは、運賃や乗りかえ経路を初め、駅構内設備や出口情報、駅周辺情報など、さまざまな案内を日本語、英語、中国語の三言語で行います。また、案内結果の情報をQRコードで読み取ってスマートフォンで持ち帰ることもできます。
 設置から二週間の利用状況は、一日平均で、新宿西口駅が百十三件、新橋駅が百十件となっております。

○鈴木委員 設置から二週間ということですけれども、なかなか使われているじゃないですか。目新しいということもあるかもしれません。
 ただ、私、見てきて、インフォメーションと書いてあるんだけど、僕は石原都政のときも感じたけれども、何か上品な感じで、すごく色合いは茶色っぽくていいんだけど、外側からもうちょっと目立つようにした方がいい、それは感じました。あるいは、ちょっと台を置いてあげたりすると、コンシェルジュと会話をするのに、背の低い人とか、ちょっと高いところにあるからいいと思います。そんな工夫もしたら、私は、より使われるようになると思います。
 まだ、導入して一カ月足らずではありますが、このロボットコンシェルジュをしっかりPRし、より一層利用者をふやして対話精度を向上させ、誰もが利用しやすい地下鉄となるようにしていただきたいと思います。
 こうしたロボットなどの新しい技術は日々進歩しており、ずっと先まで見通すことは難しいと思います。ただ、だからといって今回の取り組みも、二つの駅の取り組みで終わってしまっては先につながらないように思います。
 そこで、都営地下鉄での今後のロボットの活用についてどのように考えているのかお伺いします。

○相川電車部長 ロボットの技術は、委員ご指摘のとおり日進月歩で進んでおりまして、その進展に伴って、駅の案内業務に限らず、さまざまな分野での活躍が期待できます。
 今回導入したロボットコンシェルジュの利用状況やお客様のニーズ、費用対効果等を検証しつつ、技術開発の動向を注視しながら、今後の具体的な展開を検討してまいります。

○鈴木委員 これきっと費用についても、かなり一台高額だというふうに思うんです。それも踏まえて、費用対効果をしっかりと検証しながら、今後の積極的な展開を期待したいと思います。
 今後の人口減少、さらには感染症対策も踏まえると、ロボットは有効なツールの一つでもあると考えます。今回の取り組みを踏まえ、利用者の案内にとどまらず、警備や清掃などへの活用も含めて、さらなる展開を積極的に検討するよう求めておきます。
 さて、次は、災害対応についてお伺いをしたいというふうに思っております。
 いうまでもなく、日本は、自然災害、とりわけ地震が多い国であります。東京でも、東日本大震災を初め、これまでも大きな地震を何度も経験してまいりました。政府の地震調査委員会は、今後三十年以内に七〇%の確率で首都直下型地震が起きると予測しているわけであります。
 東日本大震災発生当日、東京で多くの帰宅困難者が発生しました。そのような状況で、都営地下鉄は、乗客に駅構内のコンコースを開放して情報提供したり、水道、トイレを提供したりするなど、公共交通機関として可能な限りの対応を行ったとのことです。さらに、都営地下鉄は、早期に復旧し、翌朝まで運行したということで、これについては評価されていると認識している。
 私自身も、あのとき--その日は、都庁、我々議会の方から下を見ていても大変な状況だったし、ニュースを通じて構内の状況なんかも映ってきまして、私自身もあの日は議会で仮眠しました。それで、翌朝帰宅したことを今でも思い出します。内藤局長も大変だったでしょう、あのときは、本当に。
 東京都の帰宅困難者対策条例は、鉄道等の公共交通機関が復旧の見通しがない中、多くの人が帰宅しようとすれば、危険にさらされるだけではなくて、救助、支援活動に支障が生じる可能性があることから制定、施行されました。この条例の第八条では、公共交通事業者等による利用者の保護について定められています。
 そこでまず、確認したいのですが、震災発生時に旅客が地下鉄駅構内に一時待機する必要が生じた場合、どのように対応するのかお伺いをしたいと思います。

○西川安全管理担当部長 震災発生時には、駅を利用されるお客様等の安全を確保するため、駅構内の安全の確認を行った後、地元区等が設置いたします一時滞在施設が開設されるまでの間、改札口前のコンコースなど、あらかじめ定める駅構内の安全な場所にご案内し、待機していただくこととしてございます。
 また、当局が管理いたします百一駅に、合計約五万人分の飲料水、防寒用ブランケット、簡易マット等を配備しており、状況に応じて配布することとしてございます。
 その後、地元区や関係機関等と連携し、一時滞在施設の情報を収集いたしまして、開設情報のあった一時滞在施設をご案内することとしてございます。

○鈴木委員 都営地下鉄においては、首都直下地震などにより帰宅困難者が発生した場合には、近隣の一時滞在施設などにつなぐまでの間、人命の保護に万全を期していただきたい、そのように思っております。
 あわせて、大規模地震の発生時には、乗客の避難誘導、負傷者の救出等、適切に対処することが求められておりますが、そのためには、普段から訓練を行い、非常時に迅速に対応できるようにしておくことが重要です。これまでも都営地下鉄ではさまざまな訓練を実施していることは承知いたしております。また、今般、新型コロナウイルス感染症が拡大したことで、感染症が流行する中での災害対策という、いわゆる複合災害の課題が注目されています。
 九月に九州を襲った台風十号では、収容人員を超える住民が集まった避難所があるなど、その課題が浮かび上がっています。これまでの対策に加え、コロナ禍における災害対策を想定する必要があります。
 そこで、現在のようなコロナ禍において、被災する状況を想定した訓練も行っていく必要があると考えますが、見解を伺います。

○西川安全管理担当部長 交通局では、大地震等の異常事態に対応する即応力の維持向上を図るため、日ごろから職場単位で個別の訓練を実施しているとともに、駅、運転、保守の各部門が毎年合同で、事故、災害を想定した異常時総合訓練を実施しております。
 今後は、感染症流行時に震災が発生し、駅構内で多くのお客様が一時待機する場面を想定した訓練を行う必要があると考えておりまして、その際には、三密を避け、お客様に間隔をあけて待機していただくよう案内することや、マスクの着用、控え目な会話を依頼するなどの感染症対策を盛り込んだ訓練を実施してまいります。

○鈴木委員 備蓄もしっかりやっていただいて、マスクもちゃんと備蓄は大丈夫なんですね。(西川安全管理担当部長「はい」と呼ぶ)大丈夫ですね。はい。これは、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザを初めとしたさまざまな感染症に対しても有効な取り組みであり、利用者、都民の安全・安心のため取り組んでいただきたいと思います。
 本日は、できるだけタイムリーな、論点を絞って質問をさせていただいてまいりました。
 公共交通機関の経営環境が厳しいときだからこそ、あるいは厳しいときにあっても都営交通に求められることもあると思います。経営改善の取り組みも重要なのはいうまでもないことですが、新たな技術も用いながら、都民や旅行者の利便性をさらに高めながら、何よりも重要な安全・安心の取り組みを着実に進めていただくよう求めておきます。
 最後に、コロナ禍で経営状況が厳しくなると見込まれる中で、今後の事業運営についての局長の決意をお伺いいたします。

○内藤交通局長 先ほど来からご質疑ございましたように、都営交通の乗客数は、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして大きく減少しております。今後も、コロナ禍前の水準への回復が期待できない厳しい経営状況が続くと見込んでいるところでございます。
 このため、現在、収入の確保や経費の節減に努めるとともに、経営計画に掲げました事業につきましても、規模や実施時期の見直しを進めているところでございます。
 こうした経営状況におきましても、何よりも優先すべきはお客様の安全・安心の確保であり、コロナ禍における災害への備えやホームドアの整備など、安全対策を着実に推進してまいります。
 また、お話にあったロボットのほか、ICTや5G等のデジタル技術も活用しながら、誰もが便利で快適に利用できるサービスの提供を図ってまいります。
 交通局はこれまでも、幾多の困難を乗り越えながら時代の変化に対応した輸送サービスを提供することによりまして、百年以上にわたり一貫して都民の足の確保に努めてまいりました。
 今後とも、東京の都市活動や都民生活を支える公共交通機関としての役割を果たし続けていけるよう、私みずから先頭に立ちまして、局一丸となって事業運営に取り組んでまいります。よろしくお願いいたします。

○鈴木委員 ただいま局長から、コロナ禍においても優先すべきはお客様の安全・安心の確保であり、さらなる新しいサービスの提供を図るとの力強い決意を伺うことができました。
 公共交通の使命を実現すべく、交通局一丸となって日々の業務に取り組んでいただきたい、そのようにお願いして、私の質問を終わります。

○古城委員 国連の持続可能な開発目標、SDGsが掲げる課題克服の道は、そのまま新型コロナに負けないポストコロナ時代の羅針盤となり、誰ひとり取り残さないという人間の安全保障の考えを反映したSDGsの理念は、今後も変わらず都政が目指すべき目標であります。
 中でも、皆様ご承知のとおり、住み続けられるまちをとの目標十一のターゲットの一つには、二〇三〇年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供するとあります。住み続けられるまちを実現するには、誰もが自由で安全に安心して、そして心軽やかに移動することができる交通手段が重要であると考えます。
 こうした観点から、交通局が所管する事務事業に関連して、障害者雇用、都営地下鉄、都営バスについて質問いたします。
 初めに、障害者雇用についてであります。
 都議会公明党は、かねてから、精神障害者、知的障害者にも東京都職員採用試験の門戸を開くこととあわせて、障害特性や程度に応じたきめ細かな職場環境の整備などを訴えてまいりました。また、行政機関における障害者雇用率の不適切な計上が発覚した二〇一八年には、範となるべき公務の世界において断じて許されないことから、知事部局における雇用率達成について問題ないとの理事者の答弁を得てきたところであります。
 きょうは、まず、交通局における法定雇用率の達成状況についてお尋ねいたします。

○渡邉職員部長 交通局では、令和元年六月一日現在の障害者雇用率が三・五〇%となっており、法定雇用率二・五%を上回っている状況でございます。

○古城委員 障害者の法定雇用率の達成は、単なる数合わせにならないよう、雇用の質や職場への定着にも力を入れる必要があります。特に職場定着には、障害者雇用の推進に関する実務責任者の配置であるとか、また、働く障害者の方々向けの相談窓口の設置が求められるところであります。
 また、交通局におかれましては、多様なさまざまなお客様が利用する運輸事業者でもありますので、職員向けないし職員間での取り組みが、お客様との接遇においても大いに生かされることが期待されるわけであります。
 そこで、障害を持つ職員が働きやすい工夫や、周囲の職員の理解の醸成についてお尋ねいたします。

○渡邉職員部長 交通局では、障害を有する職員が働きやすいよう、さまざまな取り組みを行っております。
 まず、障害を有する職員と面談等を通じて意見交換を行った上で、それぞれの障害特性に応じた執務環境の整備を行っており、画面の大きなモニターなど機器の整備を行うことに加え、必要に応じて業務内容を見直すなど、勤務面での柔軟な対応をとっております。
 また、障害を有する職員の相談に適切に対応するため、障害者職業生活相談員を各職場において選任しているほか、eラーニングを活用した障害者差別解消法の研修などを通じまして、周囲の職員の障害者雇用に対する理解促進を図っております。
 さらに、交通局では、全てのお客様が利用しやすい都営交通を実現するため、職員は、日常業務やさまざまな研修を通じて障害を有する方に対する理解や配慮の意識を醸成しているところでございます。
 これらの取り組みや、令和二年三月に他任命権者との連名で策定した都庁における障害者活躍推進計画に基づき、障害を有する職員がより一層活躍できる職場環境の整備に努めてまいります。

○古城委員 さまざまな取り組みを行っていただいているということを確認させていただきましたけれども、今の答弁の最後のところでありました都庁における障害者活躍推進計画、これは、今後、都の障害者雇用の現状と目標という中で、各任命権者について三%の障害者雇用率を目指すということが掲げられております。
 先ほど、交通局においては、昨年の六月一日現在で三・五〇%ということで達成している、法定雇用率も上回っておりますし、都の掲げる推進計画における目標も達成しているという状況でありますが、ぜひとも、これは、目標達成しているというこの状況に甘んじることなく、多くの方々が働きやすい、そういう職場環境づくり、ぜひとも積極的に、また、都庁全体において範となるような取り組みを進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、都議会公明党は、昨年の予算特別委員会におきまして、当時の監理団体、現在の政策連携団体での障害者の法定雇用率の達成を訴えたところでございます。
 そこで、政策連携団体である東京交通サービス株式会社の法定雇用率の達成状況についてお尋ねいたします。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京交通サービス株式会社では、令和元年六月一日現在の障害者雇用率が二・六二%となっておりまして、法定雇用率の二・二%を上回っている状況でございます。

○古城委員 都議会公明党は、政策連携団体には小規模の団体もあり、また、そうしたところでは、そこだけでのノウハウで対応していくというのが困難である場合もあることから、全ての団体で障害者雇用が進むよう、都庁が培ってきたノウハウを都庁グループ全体で共有することを提案してまいりました。
 先日の各会計決算特別委員会の分科会では、都による新たな支援の取り組み、例えば、ハローワークの講師によります障害者雇用に関する講義、都における取り組みの紹介、東京しごと財団による支援メニューの紹介など、受け入れ職場となる団体職員の意識向上に向けた研修会の開催などとともに、他の政策連携団体との横の連携も相まって法定雇用率を達成した団体があることを確認したところであります。
 今、答弁いただいたとおり、東京交通サービス株式会社では既に法定雇用率を達成しているところでありますけれども、これまでの東京交通サービス株式会社における障害者雇用に向けた取り組みについてお尋ねいたします。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京交通サービス株式会社では、障害者雇用をサポートする民間企業と連携して採用選考を実施するとともに、採用後は障害特性に応じた配置を行っております。
 また、総務局が主催している政策連携団体向け研修など各種研修に参加することで、人事担当の社員の障害者雇用に対する理解促進を図っております。
 さらに、障害を有する社員が配属される予定の職場におきまして、障害の特徴や程度に応じて配慮すべき点につきまして研修を行うなど、障害を有する社員を職場に受け入れるための環境整備に努めております。

○古城委員 来年、年が明けますと、この法定雇用率について一段の引き上げが行われるわけでございますけれども、引き続き、東京交通サービス株式会社においても、雇用率がしっかりと達成されることとともに、冒頭申し上げましたけれども、この数字だけではなくて、誰もが働きやすい職場環境づくりに向けて、交通局の取り組みもしっかりと共有をしていただきながら、前進をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、都営交通の安全対策についてであります。
 列車との接触や転落事故を防ぐ駅のホームドアの整備は、誰もが安心して心軽やかに移動できる、人に優しいまちづくりに不可欠であります。
 都営地下鉄新宿線の曙橋駅では昨年の七月から、新宿三丁目駅では翌八月からホームドアの運用を開始いたしました。
 ホームドアの整備をするに当たっては、単にそのホームドア本体の設置に加えて、駅などに設置する信号設備であるとか、また、車両に定位置停止装置などを搭載する改修も必要となるということで、さまざま幅広く調整を行わなければならないということも伺っているところであります。
 一方で、かけがえのない命を守るホームドアでありますので、私自身、この新宿線のホームドアの早期整備とともに、設置までの安全対策の充実も要望してきたところでございます。
 そこで、新宿線のホームドアを全駅整備するに当たって取り組んだ工夫についてお尋ねいたします。

○加納技術調整担当部長 都営新宿線のホームドアの整備に当たりましては、三田線や大江戸線での経験を生かしまして、列車を使用して一度に大量のホームドアを駅に搬入するとともに、隣接駅へ順次設置を進めていくことで、材料搬入や各種試験を効率的に行うなど、夜間の限られた時間の中、作業効率を高めて工期短縮を図り、全駅整備を当初の予定より前倒しして完了させたところでございます。
 また、新たな取り組みといたしまして、LED表示による列車接近等の注意を促す機能の追加や、乗車時に足元が確認できるようガラス窓を組み込んだドアの採用など、お客様の安全・安心につながる工夫を実施いたしました。

○古城委員 所管される課長の皆様との意見交換の際にも、例えば都営新宿線の沿線には私立の学校も数多くございまして、そこに通学されるお子さんが、この駅のホームを、登下校時、特に下校だと思いますが、駆けるようなことがあって非常に冷や冷やする、そういう保護者のご意見等も承ってきたところ、一日も早い整備をと申し上げてきたわけですけれども、この新宿線、特にこの全駅での整備を受けて、非常に多くの方々から、ようやく安心することができてという、そういう評価の声もいただいているところでありますので、ご紹介をさせていただきたいと思います。
 この都営地下鉄の新宿線ですが、京王電鉄と相互乗り入れを行っております。
 そこで、新宿線における他社が管理する駅へのホームドアの設置はどのように進めてきたのかお尋ねいたします。

○加納技術調整担当部長 都営新宿線の他社管理駅としては新宿駅がございまして、京王電鉄が管理しております。
 新宿駅のホームドア設置につきましては、京王電鉄と協議、検討を重ねまして、平成二十六年度に同社との合意に至りました。その後、運転の取り扱いや技術的な内容について調整を進め、京王電鉄が施工を行いまして、平成三十年度にホームドアの設置を完了いたしました。

○古城委員 今後、この都営新宿線、それから京王電鉄新線新宿駅を通じて乗り入れを行っているわけですけれども、都内の多くの鉄道の駅にホームドアが設置されていくことを期待したいと思います。
 あわせて、この地下鉄の安全対策について、続けて質問してまいりたいと思います。
 駅のホームと車両の段差、それから、その間のすき間については、健常者にとっては余り意識する機会はないのかもしれませんけれども、車椅子を利用される方、またベビーカーを押す方にとっては、円滑に、スムーズに移動するためには大きな障害となっている、こういうお声を伺うわけでございます。
 例えば先日は、都内にお住まいの電動車椅子ユーザーの方のお声として、駅員さんのサポートなしに単独で乗りおりが可能な駅になると、駅員さんはもちろんのこと、ご自身、私たち車椅子ユーザーも非常に助かると、こういうお声がありました。
 車椅子利用者の方々の目線から見ますと、多くの駅では、ホームと車両にスロープを渡していただいて乗降ができるよう、そういう対応になっているわけですけれども、東京二〇二〇大会を契機として、介助なしで乗りおりができることを求める声が高まっているわけでございます。
 先ほども申し上げた点、重複いたしますけれども、車椅子を利用される方々などが、駅員、また駅で従事される警備員等の方々の介助なしに単独乗降できることと、列車を走行する上での安全確保、これを両立する環境整備が求められるわけであります。
 そこでまず、新宿線における車椅子を使用する乗客が乗降しやすい工夫についてお尋ねいたします。

○坂口技術管理担当部長 都営地下鉄では、高齢者、障害者を初め、全てのお客様に安全・安心にご利用いただけるよう、ホームと車両の段差、すき間対策に取り組んでおります。
 新宿線では、車両編成により車椅子スペースの位置が異なることから、ホームドア整備に合わせまして、ホーム端の全面的なかさ上げを行うとともに、ホームと車両のすき間が広い箇所の乗降口にすき間を狭めるくし状ゴムを設置いたしました。
 また、昨年十月に国のバリアフリー整備ガイドラインが改定され、車椅子使用者が単独で乗降しやすい段差、すき間の具体的な目安が示されたことを受けまして、情報をきめ細かくお知らせするため、本年三月に、この目安値を満たす乗降口をホームページで公表いたしました。

○古城委員 電動車椅子を利用されている方のお声によりますと、すき間はハンドルさばきでカバーすることができるということなんですけれども、一方で、段差はどうしようもないということで、このホーム端のかさ上げ、またスロープ状にしていくということは大変重要であるということがわかります。
 そこで、ほかの地下鉄、他線での段差、すき間解消の取り組みとともに、今後の展開についてもお尋ねいたします。

○坂口技術管理担当部長 大江戸線及び三田線につきましては、車椅子スペースがある車両のドア位置のホーム上に原則固定式スロープを設置し、段差の解消を図っております。
 このうち、三田線につきましては、八両編成化によりまして車椅子スペースが異なってくることから、かさ上げやすき間を狭めるくし状ゴムの設置を行うための補強方法などを検討いたしまして、順次工事を実施いたします。
 一方、浅草線につきましては、交通局のほか、京急線や京成線、北総線など、床の高さが異なる多くの車両が乗り入れておりまして、新宿線などのほかの三線と比べて、ホームのかさ上げによる段差の縮小やすき間対策は容易ではございませんが、今後とも、バリアフリーを進める観点から検討を進めてまいります。

○古城委員 今、浅草線について、るる課題についてお話がありましたけれども、例えば浅草線におけるホームドアの設置においても、QRコードを活用した新技術を活用しての取り組み等が行われておりまして、私もその試行の際に、大門駅でしたけれども、お邪魔して、その状況を確認させていただいたこともございました。
 今後、技術の革新のその速度が早まることによって、このホーム端のかさ上げ等の安心・安全のための取り組みが進むことを期待したいと思いますけれども、乗り入れております他社線との協議もしっかりと行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 その上でなんですが、既に答弁いただいたとおり、新宿線、それから大江戸線、三田線について、全ての駅、全車両というわけにはいかないかもしれませんけれども、このスロープの設置であるとか、また、すき間の解消というところが進んでいるわけですけれども、仮に、乗車駅と降車駅で段差、すき間対策がとられているドアの位置が異なる場合にどのように対応することになるのか、確認をしたいと思います。

○相川電車部長 都営地下鉄では、車椅子をご利用のお客様からの申し出に応じて、駅係員がスロープ板を用意するなど乗車の介助を行い、降車時の対応がとれるよう、あらかじめ降車駅にお客様の乗車位置などを連絡することとしています。
 乗車駅と降車駅で段差、すき間対策がとられているドアの位置が異なる場合についても同様の対応をしております。

○古城委員 実際には、乗りおり、乗降ができるということは今確認をさせていただきましたけれども、例えば新宿線では、駅によって対応しているその車両、またドアが異なることによって、この点のホームページの記載というのが、ホームページで公表されているその段差、すき間解消の取り組みの状況が少しわかりにくいのではないかなと思うところがございます。
 また、今、答弁いただいたとおり、乗車時と降車時のドアが異なっていた場合であっても乗降ができるわけですけれども、冒頭ご紹介しましたとおり、やはり単独で乗降するということが、繰り返しになりますが、安心して、そして心軽やかに移動できる第一歩であるとも思います。車椅子ユーザーの方にとっては、そのことが駅員の方々の負担解消にもつながる、こういうお声があるわけでございます。
 そこで、私も手元でホームページを拝見いたしまして、ホームと車両の段差とすき間の状況、この一覧を拝見しましたけれども、車椅子ユーザーの方、またベビーカーを押すご家族連れの方々、誰にとっても、この情報をわかりやすくしていく、こういった工夫をして、改善をすべきであろうと考えますけれども、この点について見解を伺いたいと思います。

○坂口技術管理担当部長 ホームページで公表している段差とすき間の状況につきましては、乗りかえ利用が多い東京メトロと記載内容の統一を図りまして、目安値を満たす乗降口だけではなく、段差対策の実施箇所やエレベーターの位置なども表示いたしております。
 新宿線では、全駅で、段差対策といたしまして、ホーム端の全面的なかさ上げを行っておりますが、ホームの形状などから、駅ごとにすき間の目安値を満たす乗降口の位置が異なっておりまして、乗りおりしやすい乗降口のご案内には改善の余地があると認識いたしております。
 今後、他の鉄道事業者等とも調整を図りながら、よりわかりやすい情報提供方法につきまして検討してまいります。

○古城委員 新宿線のことについて言及をさせていただきましたけれども、このホームページの表示をごらんになったことによって、ばらつきがあるであるとか、単独で乗るにはちょっと不安だなと、そういうお感じになられた印象というのが実際にあるわけでございまして、一方で、このホームページの記載をよく見ますと、米印、段差対策は全ての乗降口で実施済みですという記載があります。ほかの三田線や大江戸線では、この段差解消の実施済みのところはこういう米印の記載ではなくて、実際にそれぞれの車両のところに、上部にしっかりと赤印で書いてある、ここの点がなかなかわかりにくい、伝えにくい箇所ではあろうかなというふうに私自身感じたところでございますので、今ご答弁いただいたとおり、ぜひとも他の鉄道事業者とも連携をとりながら、車椅子ユーザーの方々を初め、多くの方々が安心して都営地下鉄をご利用いただけるように取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、多胎児ベビーカーへの対応についてであります。
 これまで都議会公明党は、多胎育児のサポートを考える会の皆様から寄せられた声に応えまして、まつば多美子、栗林のり子の両議員を中心に、孤立しがちな多胎育児家庭の環境を変えるためには、公共交通機関を気兼ねなく利用できるようにすることを繰り返し訴えてまいりました。
 特に早急な対応が求められていたのが、都営地下鉄大江戸線の若松河田駅であります。ことし一月から耐震工事のためにエレベーター二基が使えなくなることになり、最寄り駅となる多くの多胎児が定期的に通院する医療機関への代替公共交通機関は、この工事期間中、都営バスしかないという、こういう状況になるわけでありました。
 しかし、当時は、双子用ベビーカーを、都営バスについては折り畳まないと乗車することができない、こういうルールでありまして、この都営バスの経路も使えないことから、まつば、栗林の両議員は交通局の皆様に対して、対応を要請させていただいたところであります。
 これを受けて、双子を育てる保護者の移動支援が行われたところでございますけれども、若松河田駅エレベーターで工事が行われた際の多胎児ベビーカーへの対応について、まずお尋ねしたいと思います。

○相川電車部長 若松河田駅は、東京都周産期母子医療センターに指定されている東京女子医科大学病院及び国際医療研究センターの最寄り駅であり、二人用ベビーカーの利用が多いことから、エレベーター工事期間中の令和二年一月六日から二月二十八日まで、お子様連れのお客様への支援を行いました。
 具体的には、病院の診療時間に合わせて、保育経験のあるヘルパーを駅に常駐させ、二人用ベビーカー等をご利用のお客様が階段やエスカレーターで移動する際に、お子様をお客様とヘルパーでそれぞれ抱きまして、ベビーカーや荷物を警備員がお持ちするなどの対応を行いました。

○古城委員 ことしの三月に二歳になられた双子を育てる都内にお住まいの女性は、実際にこの二月上旬に若松河田駅の改札階から地上階までの移動について移動支援を受けられました。警備員の方であるとか、またヘルパーさんがこのお母様のお姿を見つけて、手伝いましょうかというふうに声をかけてくださったことについて大変うれしかったと、こういうお声が届いているところでございます。
 こちらも繰り返しになりますけれども、多胎育児をされるご家庭の置かれているその子育て環境というのは非常に苛酷であるところでございます。双子や三つ子の場合に、新生児、赤ちゃんのときの授乳は一日に数十回に及ぶこともあって、また、おむつがえや夜泣き、こうしたことが重なるわけでございます。
 大きなベビーカーでの移動に手間取って、このことから外出を抑制せざるを得ない、そういう心理的な負担感、そして、そのことによって孤立した状況に陥りやすい、こうしたことが多胎育児家庭についてはいわれております。
 そこで、都議会公明党は、多胎育児のサポートを考える会の皆様とともに、ぜひとも双子ベビーカーを折り畳まずに都営バスに乗車できる取り組みについて、昨年十一月にはアンケート調査を交通局に提出いたしまして意見交換、次いで、東京バス協会の皆様との懇談、さらに、本年一月には知事に直接双子を育てる保護者の方の声を届けました。
 また、我が党が積極的に働きかけてまいりました国土交通省においては、双子ベビーカーを折り畳まずにバスに乗車するに当たっての安全性の検証を進められることになりました。
 そこで、交通局が行った国土交通省の実証実験への協力や、これまでの取り組みについてお尋ねいたします。

○牧野自動車部長 双子用ベビーカーにお子様を乗せたままバスに乗車させてほしいとの要望を受けまして、交通局では、東京バス協会とともに、昨年十二月、国土交通省へ、安全に乗車できる方策を検証するよう申し入れを行いました。
 これを受けまして、本年二月、子育て関連団体やベビーカーメーカーなどの参加した国の実証実験が行われ、交通局は、営業所の敷地やバス車両を提供するなど必要な協力を行いました。
 この試験結果を踏まえまして、三月末には、国が設置した協議会において、ベビーカーをベルトで二カ所固定し、保護者の方にしっかり支えていただくなど、一定の条件のもとで折り畳まずに乗車できることを基本とするルールが取りまとめられました。
 交通局では、増設する固定ベルトの規格や設置場所の検討、マニュアルの作成や乗務員研修などを経て、九月十四日から、周産期母子医療センターを経由する路線など五つの路線で試行を開始いたしました。

○古城委員 都が九月十四日から試行を開始したことを高く評価させていただきたいと思います。
 ぜひとも、今後、この試行運転の状況を踏まえて、都営バスの他の路線での運用についても検討をしていただくとともに、他のバス事業者にも取り組みを共有していただきたいと要望させていただきます。
 双子ベビーカーを折り畳まずに都営バスを利用する際には、具体的には、バス後方の扉から乗車をして、乗務員が座席を折り畳んだ場所にベビーカーを進めて、ベルトで二カ所固定いたします。なお、乗りおりの際や、またベルトの固定については乗務員の方が手助けをする、こうしたことも伺っております。
 新宿駅西口に、この周産期医療センターの病院に向けた始発となるバス停がございますけれども、先日、改めてこのバス停の周辺を確認してまいりました。今申し上げたこの操作方法であるとか、また、この路線については双子ベビーカーを折り畳まずに乗車することができますよ、そうしたことが記されて、周知をされているわけですけれども、このバス停の上屋初め構造物、その躯体の制約上なかなか大きく示すことができないのであろうという理解はするんですけれども、一方で、その実際のサイズはA4の横、これをパウチして表示されているというのが新宿駅西口の今の現状でございます。
 やはり、社会全体で子供を守り育くんでいく、これが一層重要になっていくこれからの時代にあって、保護者の方々への周知はもちろんそうですけれども、都営バスを利用される皆様への理解、またご協力が、やはり欠かすことができないのではないかなと思います。双子ベビーカーを折り畳まずに都営バスに乗車できる取り組みを広く周知していく必要があります。
 そこで、都営バスに多胎児ベビーカーが乗車する際の保護者への固定方法の周知や周囲の乗客への啓発について見解を求めます。

○牧野自動車部長 双子用ベビーカーにお子様も乗せたまま都営バスをご利用される際には、ベビーカーをベルトで二カ所固定し、しっかり支えていただくなど、お客様自身で安全を確保していただくとともに、周囲のお客様にも座席の譲り合いなどご協力をいただく必要がございます。
 このため、試行に合わせまして、ポスターやSNS等による呼びかけを行い、お客様への理解の促進、啓発等を行っております。
 さらに、先般、実際に双子のお子様をお持ちの方のご意見を伺ったところでありまして、今後は、具体的な固定方法をわかりやすく示したり、周囲のお客様にベビーカー利用者への配慮をお願いする動画を作成し、車内のデジタルサイネージで放送するなど、より効果的な周知に取り組んでまいります。

○古城委員 今回の東京都交通局による試みのように、私たちも現場のニーズをしっかりと拾い上げて、また交通局の皆様におかれましても、都営交通を利用されるお客様のさまざまなお声を丁寧に拾って、また酌み取っていただいて、そして、今回の、もともとこういうルールであったという既成概念を取っ払っていくような、誰もが心軽やかに、都営バス、都営地下鉄初め、都営交通を利用していただけるような、そういう取り組みを引き続きしっかりと前進させていただきたいと思いますし、また、都営交通のさまざまなすばらしい取り組みを、これをモデルにいたしまして、都内のほかの事業者であったり、また全国の公共公営交通の事業者に広がっていくことを期待させていただきます。
 このことによって、交通局で、現場でお客様との最前線で奮闘しておられるさまざまな職員の方々のご苦労が報われることにもなると思いますし、また、実際に利用されているお客様、ユーザーの皆様のお気持ちにもかなうことだというふうに思いますので、ぜひとも、さまざまな、バリアフリーであるとか、また、今回申し上げた双子ベビーカーを折り畳まずに乗車できる、こうした工夫をぜひとも積極的に行っていただきたい、繰り返しこのことをお訴えさせていただきまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○田村委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十七分休憩

   午後三時開議

○田村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○大山委員 交通局は、公共交通で移動の権利を保障することが主な仕事です。都民の誰もが安心して安全に、スムーズに行きたいところに行くことができることを保障することが重要です。ベビーカーを押している人も、高齢者も、車椅子に乗っている人も、目が見えない人も、耳が聞こえない人も、安心してスムーズに移動できることが当たり前になるようにしていくこと、これが求められています。
 物理的な環境が整えば全てが解決するというわけではありませんけれども、物理的な環境を整備することなしに、誰もが安心して安全にスムーズにというわけにはいかないことも確かです。ですから、その立場から幾つか質問をいたします。
 一つ目なんですけれども、地下鉄のトイレの大型ベッドについてです。
 重度障害者が外出するとき、大体は大型の車椅子で介助者が押してというケースが多いわけです。その方たちがおむつをかえる場合、大型のベッドが必要です。
 大型ベッドが設置されている駅を資料で出していただきました。七ページです。新宿線は二十二駅中十二駅で大型ベッドが設置されているということですね。
 二〇一九年度から二一年度の改修予定は十九カ所の駅となっていますけれども、それはどの駅で、大型ベッドは設置されるのでしょうか。

○坂口技術管理担当部長 東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルにおきましては、公共交通施設の誰でもトイレには、障害者のおむつがえ用等に大型ベッドを設置することが望ましいとされております。
 一方、地下鉄駅は一般的に駅構内が狭く、トイレの面積が限られておりまして、大型ベッドを新たに設置するには、駅レイアウトの大幅な変更が必要となります。
 このため、都営地下鉄では、駅の大規模改修等の機会を捉え、誰でもトイレ内に十分なスペースを確保できる場合に大型ベッドを設置しております。
 令和元年度から三カ年では、これまで、三田線日比谷駅など八駅の誰でもトイレ内に大型ベッドを設置いたしており、現在、浅草線宝町駅など三駅への設置に向けた準備に着手いたしております。

○大山委員 駅にトイレが設置されているというのは、もうこれは当たり前ということですけれども、重度障害者のトイレであります大型ベッドが設置されている駅は、百一駅中二十駅しかないということなんですね。
 大江戸線では大型ベッドを設置している駅は東中野駅のみです。どう認識しているんでしょうか。計画はないんでしょうか。

○坂口技術管理担当部長 浅草線、三田線及び新宿線では、トイレのグレードアップ事業に取り組んでおりまして、この機会を捉え、誰でもトイレ内に十分なスペースを確保できる場合に大型ベッドを設置いたしております。
 一方、建設年次が新しい大江戸線では、和式トイレの洋式化に取り組んでおります。東中野駅につきましては、トイレ内のレイアウト変更に伴う改修の必要がございまして、その機会を捉えて大型ベッドを設置いたしました。
 今後とも、駅の大規模改修等の機会を捉え、活用が可能なスペース等を勘案いたしながら、大型ベッドの設置を検討してまいります。

○大山委員 大江戸線については和式トイレの洋式化に取り組んでいるんだと。それ自体は重要なことですから、必要なことですから、やっていってもらいたいんですけれども、同時に、トイレのグレードアップ事業、これ自体もトイレがきれいになりますし、使いやすくなる、行きたいトイレになるということはとても重要なことだと思っています。
 同時にです。重度の障害者も外出することは当たり前ということをまず認識していただきたいですし、その条件を整備することは公共交通の重要な役割だと思っています。
 大江戸線の駅構内のスペースが小さいところばかりではないと。例えば、素人目で見ると、ここの都庁前の駅などはかなりスペースがあるんじゃないかと思うわけですけれども、設置できそうなところから設置を進めていくことも検討していただきたいと思います。
 大型ベッドをせっかく設置したら、二十駅しか今ないわけですから、利用したい人がスムーズに利用できることが重要です。
 トイレの場所は構内の地図にあります。構内図にあります。誰でもトイレがあることもわかります。その誰でもトイレに大型ベッドがあるかどうかというのは構内図には書いていません。ですから、誰でもトイレまで行かないとわかりません。構内図にも書いておくことが必要なんじゃないんでしょうか。

○相川電車部長 駅の構内図には、誰でもトイレの位置をピクトグラムで表示しております。
 誰でもトイレには、オストメイト設備やベビーシートなどさまざまな設備がありまして、構内図にその全てをピクトグラムなどで表示しますと、一つ一つの情報が小さくなり、視認性が低下することから、大型ベッドを含め、個々の設備の有無は誰でもトイレの扉にピクトグラムで表示しております。
 なお、ホームページや駅で配布しておりますバリアフリーガイドで大型ベッド等の設備の設置状況をご案内しております。

○大山委員 誰でもトイレの場所を構内図ではピクトグラムで表示しているんだといいますけれども、誰でもトイレに必ず大型ベッドがあるんですか。全ての誰でもトイレに大型ベッドが設置してあるんだったら、誰でもトイレの表示だけでいいですよ。しかし、大型ベッドがあるのは、都営地下鉄百一駅中のわずか二十駅じゃありませんか。だから、大型ベッドを使う必要がある重度障害者の保護者の方々は、構内図でわかるようにしてほしい、そう求めているんです。
 ホームページやバリアフリーガイドで設置状況は案内しているとおっしゃいますけれども、常に準備している場合だけではありません。
 例えば、(パネルを示す)これは曙橋駅に掲示してあるお手洗いご案内というものです。このように、トイレに限って、これを、トイレに入る入り口のところに見えるように張ってあるんですね。
 このように、お手洗い、トイレに限ってのご案内を構内図と並べて掲示するとか、そうすれば一つ一つの情報が小さくなり、視認性が低下するということもないんじゃないでしょうか。

○相川電車部長 構内図を掲示しています案内板は、駅施設の案内や駅周辺の地図などを掲示しておりまして、お話しのような案内を掲示するスペースを確保することは困難であります。
 先ほどご答弁したとおり、ホームページや駅で配布しておりますバリアフリーガイドにおいて、大型ベッド等の設備の設置状況をご案内しているところでございます。

○大山委員 構内図と並べて掲示するスペースを確保することが、現在大型ベッドが設置してある二十の駅、全ての駅で困難だということなんですか。

○相川電車部長 ただいま理事がパネルでお示しされました曙橋駅の構内図でございますけれども、曙橋駅は比較的構造が単純な駅でございまして、構内図のところにスペースがあるということでございますけれども、駅によっては、複雑で、構内図にそういったスペースが確保できない駅もございます。
 駅ごとに表示内容が異なることで、かえってお客様の混乱を招くおそれがありますので、一部の駅のみ掲示することは困難であると考えております。

○大山委員 一部の駅だけに掲示しなさいといっているわけじゃありません。バリアをなるべくなくすという立場に立ってください。例えば、掲示できるところには誰でもトイレ内の案内を掲示すればいいし、そのスペースがないところは、誰でもトイレのピクトグラムのところに吹き出しでもいいですよ、大型ベッドありますとか、そういういろんな工夫をすることじゃないんでしょうか。
 大型ベッドが全ての誰でもトイレに設置されるまでは、あるのかないのかをなるべく早い段階で知らせることが親切なんじゃないんでしょうか。
 ホームページや駅配布のバリアフリーガイドに書いてあるからそれでよしというわけではありません。あと、誰でもトイレの扉にピクトグラムで掲示してあると先ほどご答弁されましたけれども、私、十月二十六日に新宿線の新宿三丁目、曙橋、九段下駅見てきましたけど、トイレの扉に、そのときは大型ベッドありますと細い紙に書いたのが張ってあるのがわずか一カ所でした。
 そのことを交通局の方にもお話をしたわけですけれども、その後ピクトグラムで表示してくれたんですね。きのう、私も確認してまいりました。素早い対応ありがとうございます。
 ぜひ当事者の方々の話も直接聞いて、よりよくするためにはどうしたらいいのか、当事者しかわからないこともあります。障害者の団体との懇談もしていると思いますけれども、より広い範囲の当事者の方々と意見交換する機会を持ってほしいということを要望しておきます。
 あと、エレベーター、エスカレーターの話です。
 昨年の十二月の末に、国立競技場のオープニングイベントがありました。その催しに参加した方から伺ったんですけれども、閉会後に車椅子使用者を先に退場案内しました。それはそれで、とてもいい退場案内なんですけれども、その後、一般の人たちが退場しました。その方は一般の人だったから後で退場したんですけれども、その差が一時間以上あったにもかかわらず、先に出た車椅子などの方々が、国立競技場駅のエレベーターの前にずらりと並んで待っていたというんですね。
 十二月の末で、夜ですし、寒い時期です。交通局はこのことは把握していますか。

○相川電車部長 オリンピックスタジアムのオープニングイベントにおきまして、お帰りの際、大江戸線国立競技場駅を利用された車椅子利用者は約六十人でございまして、地上部のエレベーター乗り場では最大十五人ほどの車椅子利用者が並ばれました。
 イベント終了時にはエレベーター乗り場に職員二人を配置し、可能な限り車椅子二台ずつでお乗りいただくよう案内し、待ち時間の短縮を図ったところでございます。

○大山委員 把握しているわけですよね。それにしても、寒空のもと、一時間以上待っていた方々もいたということなんです。
 昨年のこの国立競技場のオープニングイベントのときの状況を受けて、どのように改善したんでしょうか。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大江戸線国立競技場駅では、周辺で大規模なイベントが開催される場合には、駅係員、警備員、案内スタッフに加えて、本局職員を応援者として配置し、駅構内や出入り口での案内誘導を充実してございます。
 また、従前から、東京二〇二〇大会も見据え、エレベーターの増設工事を進めておりまして、本年五月には、地上と改札を結ぶ二十四人乗りの大型エレベーターの供用を新たに開始し、お客様がより円滑に移動できるようにしたところでございます。

○大山委員 エレベーターを、地上から改札階、改札階からホーム、それを両方とも二基ずつにしたということは重要だと思います。
 私も先日、国立競技場駅を見てきましたけれども、それにしても一つのエレベーターに一回に乗れる車椅子というのは二台程度かなというところですけれども、車椅子利用者、去年のときは六十人程度でも一時間以上待たせてしまったということですから、案内誘導を充実することで対応するしかないのかなと思いますが、パラリンピック大会が開催されれば、さらに車椅子利用者もふえるでしょうから、集中したときの対応について研究しておいていただきたいと思います。
 ところで、エスカレーターです。視覚障害者であってもエスカレーターを利用したいわけですね。そのためには、適切な音声案内が必要です。
 曙橋駅のエスカレーターには音声案内があります。しかし、音声案内がないところが多いようですけれども、エスカレーターに音声案内をつける基準というのはどうなっていますか。

○坂口技術管理担当部長 国が監修するバリアフリー整備ガイドライン旅客施設編では、進入可能なエスカレーターの一つ以上の乗り口端部において、エスカレーターの行き先及び上下方向を知らせる音声案内装置を設置することと平成十四年に改定されておりまして、これを受けて、交通局では、老朽化したエスカレーターの更新の機会などを捉えて、音声案内装置を設置いたしております。
 今年度は、九月末までに九段下駅など十一駅二十六基のエスカレーターに音声案内装置を設置いたしまして、合わせて四十九駅、二百二十二基で音声案内を行っております。

○大山委員 四十九駅、二百二十二基で音声案内があるということですね。
 バリアフリー整備ガイドライン旅客施設編の基準を当てはめると、設置すべきところは何駅で、何カ所になるんでしょうか。

○坂口技術管理担当部長 現在、交通局では、九十九駅、六百九十四基のエスカレーターを管理しておりまして、老朽化したエスカレーターの更新の機会などを捉えて音声案内装置を設置いたしております。
 引き続き、エスカレーターの改修や更新時に合わせるなど、順次、音声案内装置を設置してまいります。

○大山委員 設置した駅の数だと、やっと半分に届くところと。設置すべきエスカレーターの数では、設置できたのはわずか三一%ですね。改修や更新時に合わせてということなんですけれども、一体いつまでかかるんでしょう。

○坂口技術管理担当部長 エスカレーターの更新につきましては、利用状況などを踏まえて判断いたしておりまして、時期をお示しすることは困難となっております。

○大山委員 あと四百七十二基のエスカレーターに設置する必要があるわけですよね。年間二十基ぐらいずつ更新するというお話も伺っていますけれども、コンスタントにやったとしても二十三年以上かかります。なるべく早く設置できるよう、引き続き努力していただくことを求めておきます。
 あと、安全な改札、誰にでも安全な改札にするためにということなんですが、視覚障害者は有人の改札を通ることが多いんですが、そこは相互通行です。ですから、両側から人が来るので、人とぶつかったり、視覚障害者が高齢者にぶつかって転ばせてしまったりということもあるんだというんですね。
 一番いいのは一方通行にすることなんですけれども、具体的にはどのような対策をしているんでしょうか。

○相川電車部長 都営地下鉄の駅では、障害をお持ちの方を初めお困りのお客様に対して、駅係員が積極的にお声がけを行い、安全にご利用いただけるよう努めております。
 なお、改札口における有人通路を入り口と出口に分けて一方通行とするには、新たに別の有人通路を設ける必要がございますが、改札口周辺に新たにスペースを確保することは困難であります。

○大山委員 この場合は、人が見守って対応することが有効なのかなと思うわけです。とりわけお客さんが多い駅などは、駅員さん一人が窓口の外に出て見守ったり、すぐに対応できるようにするなど、積極的に対応していただきたいと思います。
 次は、路線バスについてです。
 最初に、視覚障害者にも利用しやすい、わかるバスにするために、バス停についてです。
 視覚障害者は、視覚的には情報が入りませんから、バス停があっても、そこのバス停が何というバス停なのか、バス停の名前がわかりません。そのため、バス停の名前を視覚障害者にもわかるようにしてほしいという切実な願いがあります。
 外に出歩く視覚障害者は、日常生活用具の給付対象品でありますシグナルエイドを持っている方が多くいらっしゃいます。シグナルエイドというのは、自分の意思で操作をすることによって、音響とか音声案内を受けられる小型送受信機です。常に動作する音響、音声案内と違って、必要なときに必要な音響、音声案内を受けられます。また、事前情報提供エリア、つまり、音響や音声案内をしてくれるところに近づいたら受信する機能を備えているので、ピピピとシグナルエイドからお知らせがあります。音響、音声案内が必要なときは本体の上にある押しボタンスイッチを押すだけで、誰でも簡単に音声案内を受けることができます。
 視覚障害者の皆さんは、バス停にも、シグナルエイドに対応して音声で名称を案内する方式にしてほしい、そういう希望をしています。
 シグナルエイドに対応するものとして代表的なものは音響信号ですよね。それから、障害者センターだとか区役所だとか、そういうところにも対応しているところもあります。
 路線バスの停留所でもシグナルエイドに対応する停留所にすることを進めることが求められていますけれども、いかがですか。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、江戸川区の音声誘導システム設置事業に協力しておりまして、本年四月一日現在、三十八カ所の停留所におきまして、区が、シグナルエイドに対応した音声誘導装置を設置しております。
 今後とも、各自治体等が設置する際には、江戸川区の例と同様に協力してまいります。

○大山委員 江戸川区内のバス停、ことしの四月一日現在では三十八カ所に音声誘導装置が設置されているということです。
 どのような状況になっているのかなと、私も聞いたことがなかったものですから、視覚障害者の方と一緒に見に行きました、というか聞きに行きました。
 バス停の近くに来るとシグナルエイドがピピピと鳴りましたので、シグナルエイドのボタンを押しますと、ピンポンとまずチャイムが鳴って、江戸川区役所前バス停はこちらです、江戸川区役所へは京葉交差点方向の誘導路に沿って左へ、グリーンパレスには云々と、音声案内で、バス停の名前と、それから、近くの区の施設の案内もしているんです。一緒に行ってくれた視覚障害者の方々も、これはいいといってくれています。
 どうして停留所の場所を音声で案内してくれると助かるのかということを聞いてみました。そうすると、もちろん何というバス停なのかがわかるというのが一つです。それだけじゃないんですね。目が見える私たちは、周囲の状況によって、自分がどこにいるのか、どっちに向いているのかということはわかります。しかし、目が見えない方は、視覚的な情報は入らないわけですから、自分がどこにいるのかわからなくなるというんですね。それで、ここにバス停がある、区役所前ですといってくれれば、自分がどこにいるのか、それから、どちらの方向に歩いているのかというのがわかるというんですね。これ、すごい重要なことだと思っています。
 交通局は、シグナルエイドに対応するバス停の音声案内について、どう評価していますか。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 シグナルエイドに限らず、音声によるご案内は、視覚に障害をお持ちのお客様が都営バスをご利用する際の一助となるものと考えております。

○大山委員 済みません、シグナルエイドに対応するバス停の音声案内について、どう評価しているんですかと聞いたんです。もう一度お願いします。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 音声によるご案内でございますので、視覚に障害をお持ちのお客様が都営バスをご利用する際の一助になるというふうに考えております。

○大山委員 一助になるということで有効性は認めているということですね。
 ところで、先ほど交通局は、江戸川区の例と同様に協力ということをご答弁されましたけれども、どのような協力をするんでしょう。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 シグナルエイドに対応した音声誘導装置の設置につきましては、区が設置を要望する停留所におきまして、上屋の柱など必要な場所を提供いたしますとともに、区が設置を進める際には、現場調査における立ち会いですとか道路管理者との調整、それから、電源の供用に向けた調整などの必要な協力を行っております。

○大山委員 つまり、自治体が設置したいといえば、自治体の予算で自治体が設置する場合にはバス停に設置することを許可する、つけさせてあげますよ、そのための調整はしますということですね。
 江戸川区に、どうしてこの装置をつけようということになったのかということを伺いました。区内の視覚障害者の団体との意見交換会で、バス停から公共施設への誘導を音声でしてほしい、そういう要望が出されたので設置することにしたということなんですね。
 交通局も有効性を認識していらっしゃるわけですから、地元の自治体がお金を出して工事もするならつけさせてあげるという程度ではなくて、都営バスのバス停なんですから、設置可能なところには設置していくことを検討してほしいということを要望しておきます。
 視覚障害者関係でもう一つですけれども、視覚障害者は、バスが来たかどうか、周りに人がいれば判断もできるんですけれども、一人で待っていると、バスが来たかどうかというのが、音も静かになっていますから、来たかどうかもわからないことがあったりして、バス停に停車するとき、わからないわけですね。
 バス停に停車するときに左折のウインカーを出すと音が出る車両がありますね。これなら、バス停にバスが来たことがわかるから、乗り損なうこともなくなるんだというんですね。
 同様の車両をさらにふやすことが必要ですけれども、ふやす計画はどうなっていますか。

○牧野自動車部長 都営バスでは、左折時に自転車や歩行者に対してバスの接近をお知らせする警報装置を平成二十六年度から導入しております。
 本年四月一日現在、路線バス千五百十三両のうち千百五十八両に設置しており、引き続き、車両の更新に合わせ、順次、全車両に設置していく予定でございます。

○大山委員 自転車だとか歩行者に対してバスの接近を知らせる警報装置で導入したわけですね。しかし、視覚障害者は、バスが来た、バス停に来たというのがわかるということですから、一石二鳥ということですね。これも視覚障害者には好評です。大分設置は進んできているようですけれども、引き続き着実にお願いします。
 次ですけれども、交通局は二〇〇三年に、早稲田自動車営業所杉並支所の二系統を、はとバスに初めて運行委託を行いました。それ以降、二〇〇四年、二〇〇六年、二〇〇八年、二〇〇九年と民間委託を行って、現在は合計五支所、四十三路線を現在はとバスに運行委託をしています。
 路線バスの運行を民間委託した理由は何ですか。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 バス事業における管理の委託とは、道路運送法に基づいて、交通局が、ダイヤ、運賃などの決定権を留保しながら、事業所における運行などの業務を外部に委託するものでございまして、都営バスのサービス水準を維持しながら、経営の効率化を図るために実施しているものでございます。

○大山委員 経営の効率化を図るためというのが目的ということですね。
 経営の効率化というのは、具体的にいうとどういうことですか。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 経営の効率化は、乗務員でありますとか、車両でありますとか、限られた資源を有効に活用して、同じ水準を維持しながら経費の削減等を図っていくということでございます。

○大山委員 経費の削減を図っていくことだと、効率化というのは。つまり、コストを削減することが狙いだということなんですよね。
 路線バスですから、主要なコストといえば運転手さんの人件費ということです。コストを削減しようとすれば、人件費を削減することは容易に考えられることです。しかし、運転手さんは乗客の命を乗せて走っているわけですから、十分な人員の確保と、熟練するためには定着、そして働き続けられることが重要です。
 はとバスのホームページを見ますと、路線バスの運転手の採用説明会、今後の試験日が載っていたんですけど、二〇二〇年十二月六日、二月七日、三月七日、ほとんど毎月試験をして、入社日が各月初旬となっていますから、毎月採用しているということなんです。つまり、常に募集しているということは、常に運転手さんが不足しているということではないでしょうか。しかも、募集しているのは契約社員です。
 交通局の運転手さんの人数は充足していると聞いていますが、はとバスに委託している路線バスの運転手さんは必要な人数を満たしておらず、不足していると聞いています。
 現場職場ですから、健康で働くことができるように、きちんと休憩をとる、休みをとる、それから安全運転も、そういうふうにきちんと健康管理も含めてできるようにしなければ、安全運転も保障できませんから、必要な人数が不足することなどはあってはならないことだと思います。
 はとバスで運転手さんが不足している理由は何だと考えていますか。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 バス業界全体として乗務員が不足しておりまして、これは、大型二種免許の新規の取得者が全国的に減少していることなどが理由と考えられます。

○大山委員 バス業界全体として乗務員が不足しているんだ。でも交通局は何とか確保しているわけですよね。
 確かに、大型二種免許、新規取得者が全国的に減少しているとおっしゃいましたけれども、持っている人は年々減少していて、全国の数字ですけれども、二〇一五年には九十六万四千三百八十三人でしたけど、四年後ですね、二〇一九年には八十七万一千四百九十二人、約九万三千人も減っていました。
 こんな状況ですから、交通局自体も大型二種免許を持っている人を採用することは困難になっていると思いますが、交通局は運転手さんを確保するためにどのような対策をとっていますか。

○渡邉職員部長 交通局では、バス乗務員の確保に向けた取り組みとして、年齢要件の拡大や免許取得を支援する養成型選考の導入などに加え、都営地下鉄の駅や車内にポスター等を掲出するとともに、転職支援イベントへの出展や高速道路のサービスエリアにおけるチラシの配布など、採用PRの充実に取り組んでおります。

○大山委員 年齢要件を緩和することだとかやっているわけですね。とりわけ採用してから大型二種免許を取得できるようにするということは重要です。
 交通局だけでなく、委託しているところの運転手さんを確保するためにも、採用してから大型二種免許を取得できるように支援すべきではないんでしょうか。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 乗務員の採用、育成の方法につきましては、委託先の経営判断によるものでございます。
 なお、交通局も加盟しております東京バス協会において、業界全体における乗務員の確保や育成などの方策を検討して、それらの実現に向けて、都への要望などを行っております。

○大山委員 委託先の経営判断なんだとおっしゃいますけれども、交通局がみずからの路線を委託しているものですから、安定して安全に運行してもらわなければならないことですよね。
 答弁されたように、交通局も、メンバーである東京バス協会で、乗務員の確保や育成などの方策を検討して、都に要望しているということです。
 平成二十八年度から産労局の補助制度を活用して、東京バス協会として乗務員の大型二種免許の取得を支援していると伺っていますけれども、その実績はどうなっていますか。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 お話の産業労働局の補助制度は、業界団体による都内中小企業の人材確保の取り組みを二カ年にわたって支援するものでございまして、平成二十八年度以降、二年ごとに募集を行っております。
 この制度を活用いたしまして、東京バス協会は、加盟している事業者の大型二種免許の取得を支援することといたしまして、平成二十八年度から二十九年度におきましては、二十九社で七十三人、三十年度から令和元年度におきましては、十三社で三十人がそれぞれ取得したと聞いております。

○大山委員 最初の二年間は二十九社で七十三人、その後の二年間は十三社で三十人、実績が減ってしまっています。会社の数も、大型二種免許を取得した方も半減以下ということです。
 産労局の大型二種免許取得支援の補助制度の補助上限額について、だんだん縮小しているということなんですけれども、補助上限額をそれぞれの年度で教えてください。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 大型二種免許の取得を支援する制度でございますが、一団体当たりの補助上限額は、平成二十八年度から二十九年度におきましては一億円、平成三十年度から令和元年度におきましては五千万円、令和二年度から三年度においては三千万円となっております。

○大山委員 平成二十八年度から二十九年度は一団体当たり一億円、三十年度から令和元年度が五千万円、補助限度額が半減していますよね。その制度を活用した会社も、大型二種免許の取得者も同じように半減しているわけですね。
 上限額が半減した、これほどわかりやすいことはないんじゃないかと思うんですけれども、さらに、今年度からの分はさらに減らすということですから、大型二種免許を取得できる方がさらに減ってしまうことは予測できます。
 同時に、この補助制度が非常に役立つ重要な役割を果たす制度だということも明らかです。運転手さんの不足というのは明確なわけですから、産労局のこの重要な補助制度を拡充するように、交通局からもぜひ引き続き要望していただくことを要望しておきます。
 東京全体の路線バスの運転手確保に東京都が貢献するということは重要です。同時に、交通局はお客さんの命を預かっているわけですから、運転手さんの確保、定着ができるようにすることが重要です。そのためには、コスト削減を目的に、つまり人件費削減につながる民間委託する方針を撤回していくことです。
 はとバスの現在の社員の処遇を改善していくということはもちろん必要です。ですが、運転手を安定して確保、定着することができる道に踏み出すということです。
 交通局の運転手さん確保はできている。さっき一〇%お給料減らしたという話がありましたけれども、運転手さんを今は確保できているわけですから、お給料は減らさずに、人件費削減が運転手さんの確保の妨げになっているということは明らかではないでしょうか。
 段階的にでも直営に戻していくことを求め、質問を終わります。
 以上です。

○宮瀬委員 では、よろしくお願いいたします。
 私の方からは、まず、コロナ対応についてお伺いしたいと思います。
 うちも高齢者の母が実家におりまして、まさに三密を避けるために外出しないと。ただ、やはり病院とかはどうしても行かなきゃいけない、電車に乗っていかなきゃいけないというときがありまして、病院の方ではきちっとサーモグラフィーで検温して、消毒をして対応すると。その中で、本人が一番、家族も含めてですけれども、恐れておりますのは、電車の中で感染しちゃったらどうしようといったところでございます。
 まず、ファクトをチェックしたいんですけれども、やはり電車というのは乗らざるを得ない、どうしても乗らなきゃいけない人や乗らなきゃいけない状況があるときに、コロナ感染で都民の皆さんも大変おびえていると。
 そこで、今までに都営地下鉄の車内でクラスターの発生があったのか、対策も含めてお伺いいたします。

○西川安全管理担当部長 都営地下鉄車内でのクラスター発生の事例はございません。
 また、これまでの対策といたしましては、地下鉄車内では、つり革や手すりなど多くの方が手を触れる場所を中心に、アルコールによる消毒作業を行うなど清掃を強化するとともに、案内窓口には消毒液を配置してございます。
 また、窓あけにより地下鉄の車内換気を行うなど、感染リスクの低減を図っております。
 加えて、ホームページやSNS、車内放送等によりまして、せきエチケットや手洗い等の感染予防策のほか、時差通勤やテレワークへの協力の呼びかけも行ってございます。
 今後とも、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて取り組んでまいります。

○宮瀬委員 いろいろ対応されていると思うんですけれども、一方で、その上で、都民の皆さん、利用者の皆さんから、これはもっとこうしてほしいといったご意見や苦情、ご要望、たくさん来ていると思うんですね。
 となりますと、交通局で、これまでの感染者、感染経路、コロナに伴う利用者からの意見はどういった内容のものが来て、それが何件ぐらいなのか、コロナの期間長いですから、直近のことも含めてお伺いしたいと思います。

○西川安全管理担当部長 これまで、交通局の職員及びお客様と接する委託係員におきまして、新型コロナウイルス感染症の感染者数は九名となっており、これら九名の感染経路については、保健所からは、経路特定したとの連絡は受けてございません。
 また、交通局に寄せられている新型コロナウイルス感染症に関するご意見等のお客様の声でございますが、令和二年九月末現在で二千六百二件でございまして、このうち地下鉄事業に関するものは、直近の九月速報値で五十二件であり、うち五割がマスク着用等感染防止に関するもの、四割弱が車内換気に関するものでございます。

○宮瀬委員 具体的な内容を一つ一つ見せてほしいといったんですけど、なかなか個人情報の兼ね合いで見せることができないということで、概要を大体教えてもらったんですけれども、やっぱり冒頭聞いた対策の中で、都民の皆さんが、マスクの着用、それが大体五割ぐらいの方がマスクをもっとしてほしい、ほかのお客さんに対する注意を促してほしいと。また、車内の換気、窓だと思いますけれども、三六%の方がそれを望んでいると。一四%の方がその他ということで、そうすると九月、最近の状況ですとこういった流れがあると。
 私もいろいろお伺いしていくと、マスクの着用に関しまして、私も三田線を毎日使っているんですけれども、高島平の駅で、マスクをしてくださいとか、大声で話さないでくださいというアナウンスを今まで聞いたことがありません。
 また、乗っていても、車内で、次の駅の放送というのは自動音声で流れるんですけれども、大声を出さないでほしいとか、マスクの着用といったことは一回も聞いたことがないといった状況です。
 そういったこともありますし、先日、終電近くに乗っていますと、やっぱり若者が飲み会帰りにマスクを外して大声で大騒ぎしていると、車内でですね。そういった状況の声というのは大分交通局にも届いている、地下鉄の方にも届いていると聞いていまして、ここは抑止力の点からも、やっぱり、車内できちっとマスクをしていただく、また、大声で騒がないでくださいと、もちろんマスクが、事情でつけられない方もいらっしゃると思います、そういった方への配慮は必要ですけれども、そういった車内に向けたアナウンス等が必要だと私は思います。
 だから、アナウンスに関しましては、そういった声が、いただいた五十二件のうち大体二割も上っており、フリーアンサーでいただいて。車内の放送等しっかりとやった方がいいと思いますが、見解を伺います。

○相川電車部長 マスクの着用や会話を控えていただくことについての車内放送によるお客様への呼びかけは、可能な範囲で実施することとしておりますが、駅と駅の間隔が短いなどの制約がございます。
 今後、車内における感染防止の呼びかけにつきましては、効果的な取り組みを検討してまいります。

○宮瀬委員 アナウンスがあったり、駅構内のポスターというのは、三密を避けましょうとかありますけれども、それはまちじゅういろんなところにその旨があって、車内のどこかにそういった掲示があって、もし騒いでいる人がいたりすれば、こう書いてあるからちょっと控えてくださいねといった証拠にもなると思うんです。ぜひ、それはご検討いただけるという答弁でしたので、検討していただきたいと思います。
 また、いただいた中で、換気の声が三六%として多かったんですけれども、鉄道総研の方がシミュレーションをしているそうで、空調を使わない場合でも、五分から六分で車内が換気されると。空調を使わなくてもです。使うと二分から三分で換気されることが判明したといった、こういった総研の資料ですけれども、情報が出ていますので、都の方でエビデンスをとっていただいて、しっかりと窓を開けていただくと。
 きょう大江戸線に乗っていましたら、窓があいている車両とあいていない車両と、駅員さんにも確認したら、どうしても音がうるさいから閉めちゃう人もいると、その辺大変難しいんだという話をしていましたが、やはり巡回ですとか、おりるときに、警備員さんが最後見ていると思いますので、ちょっと窓をあけていただくだけでも違うかなと思います。
 いずれにせよ、換気の意識は都民の皆さん三割もありますので、ぜひお願いをしたいと思います。
 一方で、冒頭に聞いた、消毒していますというお話なんですが、実際どれぐらいの頻度で、車内、電車の中の消毒をやっているのかお伺いしたいと思います。あわせて、取り組み状況について伺います。

○西川安全管理担当部長 交通局の地下鉄車両の消毒につきましては、車庫内で行う車両清掃の際に実施してございまして、作業機会が限定される中、週一回程度、車内のつり革や手すり等にアルコールによる消毒作業を実施してございます。

○宮瀬委員 これちょっと耳を疑ってしまうんですけれども、都営地下鉄の一日当たりの乗降者数大体三百万人ぐらい。週七日ですので、大体延べ二千万人ぐらいの方が乗られていて、コロナ禍でございますので二割引いて一千八百万人ぐらいの方が乗っているのではないかと推測されますけれども、消毒が週一回というのは、私はちょっとびっくりしてしまいました。あれだけの人数の方があれだけ狭い箱の中に乗っていて、本当に週一の消毒でいいんでしょうか。
 しかも、お伺いしていると、消毒のタイミングというのは、電車の車体自体を清掃する、外壁といいますか、外側も含めて洗車するときに中も一緒にやっているということなんですけれども、多分都民の皆さんは、車体の外側のことではなくて、車内の消毒をきちっとやってほしいのではないでしょうか。
 私自身は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のステッカー、総務局でやっていますけれども、そこで事業者の方々に、複数の人が触れる場所や物品を極力減らし、難しい場合はこまめに清掃、消毒していることが条件になっています。
 となりますと、同じ東京都の方でこれをお願いしながらも、やっぱり公営企業としまして都営地下鉄も消毒の頻度をふやさないと模範にならないのではないのかと思っておりますが、見解を伺います。

○西川安全管理担当部長 交通局では、業種別ガイドラインに基づきまして、作業機会が限定される中、可能な限りの車内消毒を実施してございます。
 現在、感染症防止に関する有効な対策となる情報の収集に努めておりまして、引き続き、安心してご利用いただける整備環境に努めてまいります。

○宮瀬委員 前向きなご答弁だと解釈したいと思いますが、駅の構内は、手すり等を含めて毎日消毒していると。
 駅の構内の施設というのは、都民の皆さん、気をつければ自分で手でさわらないようにできると思うんです。ただ、電車の中は揺れますので、やっぱりつり革等につかまらないと倒れてしまう。延べ一千八百万人一週間で使っている箱ですので、ぜひ一日一回、どこかのタイミングで消毒できるような形を要望したいと思います。いろんなやり方があると思いますので、そこは今のご答弁のとおり対応をお願いしていきたいと思います。
 また、東京都の方から三密を避けてほしいといっていても、どうしても避けられないのが満員電車のところであります。私も乗っていますが、相当至近距離でいろんなお客さんと直接触れ合わざるを得ない状況で、同時に、満員電車対策というのをしっかりとやっていかなきゃいけないと。
 私、四年前の第一回定例会からずっと三田線含めて混雑対策を、前期から取り組んでいまして、実際に混雑率の推移というのを毎回確認しています。
 改めて、都営地下鉄における各線の直近の混雑率、またその前年の混雑率の推移について、また、平均混雑率をお伺いしたいと思います。

○相川電車部長 各線の混雑率の推移でございますが、平成三十年度は、浅草線一三三%、三田線一五八%、新宿線一五六%、大江戸線一五九%、四線の平均混雑率は一五〇%でございます。
 令和元年度は、浅草線一三一%、三田線一六一%、新宿線一五九%、大江戸線一六一%、四線の平均混雑率は一五二%でございます。

○宮瀬委員 今回資料要求させていただいた一〇ページに書いていただいているんですけれども、知事が就任されたのは平成二十八年度でございます。三田線でいえば、一五六%の混雑率が、最近出た直近の混雑率、一六一になってしまっていると。
 私も、知事の公約、大変期待いたしまして、満員電車ゼロ、満員電車ゼロへと、方向性なのか、数値目標を目指すのか、皆さんとも予算特別委員会等で議論させていただきましたが、その件はこの場で根掘り葉掘りやるつもりはありません。
 ただ、一つ気になっているのが、知事が、二期目の選挙公約で、その公約が入っていなかったといったところで、さきの代表質問で、満員電車ゼロ等への公約というのは二期目はなしなんですか、実際、生きているんですかと。都民の皆さんも結構、満員電車が今後どうなっていくのかというのは、大変、三田線でいえば板橋区民の皆さんも、よく私聞かれるんです。
 なかなか、知事のご判断だと思うんですが、逆の聞き方をいたしますと、そういった満員電車ゼロとか一期目の公約の扱い、満員電車ゼロへなのか、ゼロなのか、この公約の扱いは二期目はどうなんだということは、知事サイドから皆さんの方に話はおりてきたんでしょうか。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 交通局では、都市づくりのグランドデザインや未来の東京戦略ビジョンに示された考え方のもと、ハード、ソフト両面から混雑対策に取り組んでおります。

○宮瀬委員 済みません、シンプルに事実だけ、今のご答弁、私にとっては理解が不能だったんですけど、二期目、知事が再任されて、満員電車ゼロとかの公約がちょっと宙ぶらりんになっているように私は思うんですけど、知事サイドの方から、これはこうだよという話はあったのかなかったのか、事実だけ教えてください。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 繰り返しになりまして大変恐縮でございますが、交通局では、都市づくりのグランドデザインや未来の東京戦略ビジョンに示された考え方のもと、ハード、ソフト両面から混雑対策に取り組んでいるところでございます。

○宮瀬委員 不毛なやりとりが続いてしまいそうなのでこれ以上やりませんけれども、やっぱりここは、混雑対策を行っていただくのは、私も本当にこれからいろんな案も出しますけれども、お願いしたいと思います。やはり、どうなるのかというのは、都民の皆さんも気になっていますから、ぜひはっきりさせていただきたいなと思っています。
 といいながら、コロナの問題で、先ほど質疑聞いていましたけれども、大体三割ぐらい利用者が減っているということで、多分混雑率にすると、今、平均が、四線平均で大体一五二でありますが、実際に、混雑率、二割利用者が減っていますと一二〇ぐらいになっていると推測されます。
 やっぱり都民の皆さんからいわれるのは、この状況を継続してほしいと。あのぎゅうぎゅうの満員電車に戻っていくのは大変つらいということを大変多くの人から聞いております。
 一過性の取り組みにしないように、その対策をさらに強化し、また、他局との連携を一層強化すべきだと。コロナが終息した後も、満員電車がまた一五一とか、三田線でいうと一六一にならないような取り組みが必要だと思いますけれども、見解を伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今後も、快適な都市の実現に向け、混雑対策に取り組んでまいります。

○宮瀬委員 済みません、通告している質問と多分意見交換した内容が違っておりますけど、大丈夫でしょうか。九番で聞いておりまして。

○西川安全管理担当部長 交通局では、鉄道連絡会により取りまとめられました鉄軌道事業における新型コロナ感染症対策に関するガイドラインに定められました密集対策として、テレワーク、時差出勤の案内、感染症予防や、スムーズビズへの取り組みへの協力の呼びかけなど、混雑緩和の取り組みを行ってございます。
 駅での啓発ポスターの掲示や車内サイネージでの動画の放映、新型コロナウイルスに関するテレワーク普及啓発のチラシを駅で配布するなど、都の政策への協力を行ってございます。

○宮瀬委員 その次が、ハードの面の対策でございます。
 さきの予算特別委員会で、私は、満員電車対策、都営地下鉄の件に触れたんですけれども、最大の課題は、満員電車対策としながらも、混雑率を指標、KPIとしていなくて、目標数値がないと。各都営地下鉄がやっている既定の混雑率寄与度が明確になっていない点なんじゃないかと問題提起させていただきました。
 その中で、ハード対策として、地元の話で恐縮ですが、都営三田線でございます。
 これは私も大変感謝しておりまして、今後進んでいく話かと思います。二〇一六年から提案してまいりましたが、実際に地元からの要望が二点ございます。さきにプレスリリースされた内容ですと、二〇二二年からとなっておりますが、地元としては、板橋区民だけではないと思います、都民としては、二〇二二年度の四月なのか、二三年の三月なのか、それによって大分認識も変わりますし、二二年度ではなくて、少しでも前倒ししていただきたいと考えますけれども、見解を伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先ほどは失礼いたしました。
 現在、営業開始に向けた車両の試験調整等の準備を行っておりまして、さらに、ホームドアの増設や信号設備の改修、加えて、火災対策基準に基づく駅の防災改良工事など、複数の工種を厳しいスケジュールの中で同時に進めております。
 今後とも、効率的な工事の進捗に努めるとともに、三田線と相互直通運転を行っている関係各社と綿密に調整を進め、令和四年度の営業投入に向けて取り組んでまいります。

○宮瀬委員 さまざまな課題がありますが、ぜひこれは党派関係なく、きょう、とくとめ委員も板橋選出でおりますが、地元の都議会議員五人おりますが、たっての要望でありますのでお願いしたいと思います。
 同時に、地元では、ちょっといいづらいんですけれども、全ての車両が六両から八両になるという認識を持たれている方もおりますが、実際、三十七編成のうち十三編成での八両化への投入といったことで、単純に計算しますと、そうしますと八両--今どき六両で走っている電車は余りないそうなんですけれども、その効果が三分の一になってしまうと。
 私も、最初のイメージですと、六両が全部八両になるんだと思っていたんですが、これが三分の一、編成しかならない、三分の一しか効果がならないといったことなんですが、全ての編成を八両化すべきと考えますけれども、見解を伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今回導入する三田線の新型車両十三編成は、六両から八両編成となることから、輸送力が増強し、お客様の利便性の向上に資するものと考えております。
 残る二十四編成の八両編成化につきましては、新型車両導入後の乗客量調査等の結果を踏まえ、関係各社の動向なども注視しながら総合的に判断してまいります。

○宮瀬委員 総合的な判断、当然必要だと思いますが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に、終電の繰り上げについては鈴木委員が先ほど質問されていたので、重複のため割愛したいと思います。
 次に、災害対策なんですが、私は大分前から都営地下鉄の水害対策のいろいろ、批判だけではなくて提言をさせていただいていまして、いろいろ現場を回ると、都営地下鉄自体は、東海豪雨の災害を受けて、駅の出入り口に止水板を置いて、一メートルぐらいですかね、止水板を置いて止水対応されているといった、全駅で対応されていると思います。
 しかし、現場を回ると、駅地下でつながる民間のビルは止水板がないとか、同じ駅でつながっていますよ、シャッターだけおりているとか、土日も含めて、つまり、地下でつながっているのに、都営地下鉄の駅だけ止水板を置いても、民間の方から水が入っちゃうんじゃないですかといった問題提起をさせていただきました。
 その対応が、やっぱり一歩間違えますと、東海豪雨からさらに最近の豪雨対策、ランクが上がっていますので、地下鉄で避難がおくれてしまったり、実際に水死する方も駅の構内で出てしまう、もしくは駅の大切な施設が水浸しになってしまうというリスクでございます。
 こういった中で、都内を流れます大規模河川というのは荒川だと思いますが、ほかの中小河川の方には都営地下鉄の駅はないといった確認とれています。
 となりますと、想定するのは大規模河川である荒川の氾濫の際の都営地下鉄の対応だと思いますが、荒川氾濫時に浸水が予想されている都営地下鉄の数は幾つなのか、また、そのうち民間ビル等の出入り口がある駅は幾つあるのか。
 また、今、都市整備局が地下街等浸水対策協議会ということで、そういった大規模な駅は協議会を開いていると思いますけれども、そこに加入している駅数と駅名を教えてください。

○西川安全管理担当部長 平成二十九年八月の国の想定によりますと、荒川氾濫時におきまして、都営地下鉄では四十駅で浸水するとされてございます。
 このうち、民間ビル等の出入り口がある駅数は二十八駅で、都内十二地区の大規模地下街等におきまして、地下街や隣接ビルの管理者、鉄道事業者、地元区などの関係者が連携し、浸水対策に取り組むための協議会に加入しているのは、新橋、汐留、大手町、日比谷、東銀座、上野御徒町、浅草の七駅でございます。

○宮瀬委員 荒川があふれますと、四十駅、駅が浸水してしまって、そのうち、民間ビルの出入り口があるけれども対策がとられているのは七つの駅だけです。その対策がない駅の数は、実は二十一もあるといった内容のご答弁、まとめさせていただきました。
 例えば、三田駅ですとか内幸町の駅とかは、民間のビルとつながっているんですけれども、そこの出入り口が、協議会もないし、しっかりとそこの止水対応、しているかどうかもわからない、連絡先等も多分不明だと思います。
 都営地下鉄の出口に幾ら止水板を置いても、ほかから入ってきてしまえば意味がありませんので、早急に民間出入り口と接続する二十一駅の対策を行うべきと考えますが、現状についても教えてください。

○西川安全管理担当部長 都営地下鉄では、水防法に基づく避難確保・浸水防止計画を全ての駅で策定しておりまして、駅と地下で接続しているビル等の管理者と連携し、これは連絡先等を交換しておりますけれども、お客様を適切に避難誘導することとしてございます。
 また、各職場におきまして、的確な避難の確保と誘導を実施するための訓練も毎年行ってございます。
 さらに、接続先の管理者に対しましても、浸水防止の働きかけ等を行ってございます。
 以上です。

○宮瀬委員 接続先の管理者に対する浸水防止を働きかけているといったことでしたが、私、直接現場で聞くと、そういったことはないという方もいらっしゃいますので、ぜひしっかりと働きかけていただいて、二十一駅が水没していかないように、七駅の大規模地下街の連絡体制とか議論の内容が二十一駅にも対応できると思いますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
 次に、都営地下鉄のどこに非常用発電の一番大事なモーターがあるのかというのは、安全保障上の問題で多分秘匿とされておりますが、これだけ荒川の水害が想定されると、きっとその非常用発電の場所が水没してしまうのではないのかという危惧をしております。その電源によって司令塔も動いているというのを聞いていまして、電車自体の運行もそれで動いていると。
 となりますと、荒川氾濫時に浸水が予想される区域に非常用発電機、全線の、水没地域に非発がある箇所数というのは、実際に何個あるのか。また、その対策を早急にすべきだと思いますけれども、非常用発電機を含む設備の水害対策についてお伺いいたします。

○西川安全管理担当部長 都営地下鉄の非常用発電機が設置されている変電所等につきましては、全線で計六カ所に設置してございます。
 荒川氾濫による浸水予想区域にあるこれら発電機の数でございますけれども、二カ所となってございます。
 荒川氾濫時の大規模水害に対します対策でございますけれども、現在、こうした大規模水害にも減災を図るため、変電設備等の運行に不可欠な重要設備ごとに被害想定を改めて精査することとしてございます。

○宮瀬委員 荒川があふれてしまったら、発電機二個、浸水予想地域にあると、非発のですね、なのでその対策を精査するということでご答弁いただきましたので、ぜひ、電車全部動かなくなってしまいますので、対応をよろしくお願いいたします。
 また、先ほど避難の話をさせていただきましたが、今度は震災の発生時に備えまして、実際に、避難誘導訓練やそういった誘導の訓練について、私、とても課題があると思っております。
 といいますのは、先ほどコンコースまでは利用者を入れるという質疑を聞いていましたけれども、実は、災害時に都営地下鉄の非発の稼働時間は二時間から三時間だと、前に質疑で聞かせていただいています。その中で、近隣の避難所が立ち上がる、行政、区市町村がやらなきゃいけない義務の時間が、発災後四時間から十一時間だと。つまり、駅の電源は二、三時間で切れてしまうけれども、避難所が立ち上がるのは最速で四時間後といったことで、そのタイムラグの中で、行き場がないわけですから、どうやって利用者の方を避難させるかというのが大きな課題だと思っております。
 なので、避難訓練等の実施状況についてお伺いしたいと思います。

○西川安全管理担当部長 都営地下鉄では、震災発生時を想定した異常時総合訓練を、駅、運転、保守の各部門が合同で毎年実施しており、例年、乗客の避難誘導、負傷者の救出、脱線した列車や損傷した施設の復旧等を消防と連携しながら行ってございます。
 このほか、日ごろから職場単位で初期消火やお客様の避難誘導など、さまざまな訓練を実施してございます。
 今後とも、こうした実践的な訓練を通じまして、職員の対応能力の向上を図り、災害時等にも適切に対処できるよう努めてまいります。

○宮瀬委員 冒頭あった訓練というのは、都営地下鉄が、ほかの特定の駅で、例えば、今回大手町でいろんな部署の関係者を呼んでやる訓練を、毎年やっているということだと思うんですけれども、私が提案したいのは、大規模水害ですとか火災のときに、水害のときはもう事前に利用できなくなっていると思いますけれども、各駅、全駅で、どこに避難誘導すればいいのかをきちっと訓練していると聞いていません。
 駅の構内のところには、避難所の地図が、ここですよという地図が張ってあるのを私も把握していますけれども、実際に駅員さんが足を運んで、そういった利用者の方を想定した誘導訓練というのは一回もやったことがないと、打ち合わせでは聞いております。
 まさに駅員さんも人が入れかわって、異動等、また外部委託しているケースもあると思いますけれども、やっぱり訓練で、どこの避難所に誘導するかの実際の誘導訓練を想定して足を運んでおかないと、災害時のときは、張ってあるこれを見て行ってくださいといっても多分行けないと思います。
 なので、ぜひ全駅で、実地に基づいた避難所までの訓練、また、その避難所も、実際に災害時のときは、そこがだめかもしれないんです。違う避難所に連れていかなきゃいけない場合もあると思います。ぜひ、先ほどお伝えした避難所が立ち上がるまでの数時間どうするのか、実際に避難所がどこにあるのか、それを実際に誘導するにはどうやればいいのかが大変大事だと思いますので、そういった訓練をしていただきたいと思います。
 次でございますが、その中で、私が提案させていただきたいのは、デジタルサイネージの活用でございます。
 これは答弁、多分いただいていましたが、私の方からお読みしてしまいますと、東京都の方で、都営地下鉄の方で、デジタルサイネージを都営地下鉄等に置いていると。大体一日当たりのリーチ数というのは、デジタルサイネージが、駅の構内、汐留とかであると思うんですが、どれぐらいリーチしているかはわからないと聞いておりますが、大江戸線の六本木駅、汐留駅、新橋駅、三田線日比谷駅、合計で大体三十五万人ぐらいの方がデジタルサイネージを見ている可能性が高いといったところでございます。
 そのデジタルサイネージに対して災害情報というのを放送するととてもいいのではないのかなと思うんですけれども、放送していないのでしょうか。

○坂田資産運用部長 ただいまお話の四駅にございます広告用デジタルサイネージでは、災害情報は放映しておりません。

○宮瀬委員 私としては、駅の情報というものを、駅を使う方の情報、使う方に対してのデジタル情報を瞬時に届けるには、やっぱり今のサイネージに災害情報、避難情報、Lアラートの考えもありますけれども、すぐそこに載せるべきだと思っております。
 実際に、総務局の総合防災部と設置に関する意見交換というのを行ったと聞いております。ですので、災害情報を放映するために必要となる機器の改修に関する意見交換を行っている、どちらがいい出したのかはさておき、やはりこれは、デジタルサイネージにしっかりと災害情報を載せるべきだと思っております。
 まずは現状の大規模災害発生時の情報発信について、今はどうなっているのかお伺いいたします。

○相川電車部長 都営地下鉄各駅では、大規模災害発生時には、構内放送、改札口の大型モニター、掲示板等により運行情報等の発信、提供を行います。
 特に、改札口の大型モニターでは、帰宅困難者への情報提供の充実のため、NHKの緊急災害放送を提供することとしており、これによりまして、お客様が各種情報の入手が可能となります。

○宮瀬委員 改札のところに大型モニターを設置しているよといったお話がありますが、私が聞く範囲ですと、あのモニター、ちょっと不評な、大きな駅では大変画面が小さく、ちっちゃな駅ではよく見えるんですけれども、あの大型モニターでは多くの人が見ることができないのではないかなと。
 また、NHKは入るといっていましたけれども、Lアラートが載らないと。つまり、避難場所がどこですよという情報も、大型モニターでは映らない。また、さらには、改札に一個だけですから、災害時に改札に人が殺到すると。乗っている方がおりる、新たに駅に来る人がいる、そういった中で、このモニター一つで、私は、対応できるとは思っておりません。
 そういうことから、私が意見をいわせていただきますと、提案なんですけれども、私は十年ぐらい民間企業で広告営業をやっていまして--今、四駅ぐらいでデジタルサイネージの柱がある。これを今、設備費用がなかなか捻出できないということもあると聞いていますが、それを全駅に設置すると。そのために、広告のクライアントさんをつけて、そこの初期費用は出さなきゃいけないのですけれども、そこから広告を得て、しっかりとペイできると思います。
 というのは、今回資料要求をさせていただいた広告のところで、ページでいいますと一五ページになりますが、ここ五年でデジタル広告の収入、駅での収入が約五倍までふえている。紙メディアが大体終えんを迎えていまして、ユーチューブ等ありますが、やっぱり動画の時代が来ている。その中で、デジタルメディアはこれから大変大きなコンテンツになっていくと。そうなりますと、各駅、四駅だけではなくて、百一の駅にデジタルサイネージの機器を設けて、そこにクライアントをつけて、Lアラートの情報、避難情報をちゃんとつけられるようにすれば、しっかりと、お金をかけずに設備投資が進むと。後々はブレークイーブンを迎えれば、広告がそのまま純利益になっていくといった、都民、交通局、クライアントさんも、みんな三方よしの考え方ができると思います。
 そうすることによって、災害時にどこに避難すればいいのかというのも、柱のデジタルサイネージを見れば、誰もがすぐわかる。リアルタイムでわかる。そういった状況に、お金をかけずにできるのではないでしょうか。
 私もそういう仕事をしていましたので、これを質問にしてしまいますと、そこまで大きな話はどうこうという話になってしまうので現状だけお伺いしましたが、これはぜひ提案ですので、意見として、お金のかからない防災とお金がもうかる施策ですので、検討していただきたいと思います。
 また、同時に、車内モニター、電車の車内ですね、先ほど車内で騒いではいけませんよとか、マスクしてくださいの情報も、車内モニターを使えば十分到達できると思います。
 しかし、三田線の新型車両は、私は、モニターをたくさんつけるべきだと思って提案してきましたが、実際何個になっているんでしょうか。

○野崎車両電気部長 三田線の新型車両には、一両当たり八カ所ある乗降口の上部にそれぞれ三台の液晶モニターを設置しております。

○宮瀬委員 今、三田線の話で恐縮ですけれども、一車両に三台しかないと。これ、新しくつくる車両の話ですよね。ではなくて、山手線みたいに、広告が入っていて、上のところに三台ついていますよ、一つのドアのところに。もう紙の広告はやめて、そこで動画を流すといった取り組みが始まっている中で、これが広告の売り上げの中でも、この五年で八倍になっている広告コンテンツを、その枠が一枠しかないというのは売り上げのロスになると思います。
 となりますと、今後は、山手線のように、人気コンテンツ、広告商品になると思うので、三連にするなど対応し、そういった状況を使って災害情報を届ける、大声で騒がないようにしてもらう、そういった情報を使えば、手間もそんなにかからないと思います。そういった活用についてお伺いしたいと思います。

○坂田資産運用部長 都営地下鉄の車内におきましては、広告用車両液晶モニターを既に広告販売するとともに、車両更新に合わせ、設置を拡大しているところでございます。
 お話の座席の窓の上部に新たに三連モニターを導入することにつきましては、既存のモニターの販売状況や広告主のニーズ、導入コストなどの課題があると認識しております。
 また、車内のお客様への災害発生時の情報提供は、車内放送によって、適時的確に行うこととしております。

○宮瀬委員 車内の放送によって適時やっていますよということなんですが、それではどうしてコロナのマスクをつけてくださいとか、大声を出さないでくださいというのはやっていることになっているのに、私は聞いたことがないんでしょうか。また、都民の皆さんも、そういった注意喚起、聞いたことないですよと、車内で。これは運転の方に集中をされて、なかなかそちらに手が回らないのではないんですか。だからこそ、自動で流れるようなモニターを使って活用すべきだといった提案でございます。
 注意喚起が今の状況でできているのであれば、私はそれでいいと思いますが、実際できていない現状を鑑みまして、ご検討いただければと思っております。
 次ですが、デジタル対応とビッグデータ、オープンデータの活用についてお伺いしたいと思います。
 私自身は、震災対策のさっきのデジタルサイネージもそうですし、満員電車の対策も、どうやってオープンデータを活用していくかがとても大事なことだと思います。
 例えば、ちょっと悲しい話で恐縮ですが、高島平のところで、大雨が降っていたときに行方不明になってしまった子供がいたと。小さい子供なんですけれども、電車が好きだと。だから電車でどこかへ行ったんじゃないのかなと、いろいろ警察含めて捜索があったんですけれども、そんなときに、駅の防犯カメラだけじゃなくて、カードがICであれば、通りましたよ、どこでおりましたよというのが、もちろん個人情報は十分配慮した上でわかれば、もっとよかったんじゃないのかなと思っています。
 まず、交通局におけるデジタルトランスフォーメーションの取り組みについて、大枠で聞きたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 交通局では、多言語案内や筆談アプリなど、さまざまなアプリを搭載したタブレット端末を地下鉄全駅に配備するとともに、車両や駅構内においてはデジタルサイネージを導入するなど、デジタル技術を活用したお客様サービスの向上に努めております。
 また、民間の自由な発想に基づくアプリ開発を促進するため、都営地下鉄や都営バス等のデータをオープンデータとして提供するなど、デジタル技術の活用を促進する取り組みも行っております。
 今後とも、お客様の利便性がより一層向上できるよう、デジタル技術の活用を推進してまいります。

○宮瀬委員 今のお話ありましたけれども、となりますと、デジタル化については聞いたんですが、次は、ビッグデータの収集活用についてはどうでしょうか。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 交通局では、都営交通の時刻表や運賃等の基本情報のほか、鉄道、バスの位置情報など、多くの情報を収集し、保有しております。
 収集した情報を活用し、ホームページを初め、都営交通アプリ等において、ご案内の充実などに努めております。
 こうした取り組みにより、お客様の利便性が向上しているものと認識してございます。

○宮瀬委員 私、その答弁違和感がありまして、ビッグデータというのは、総務省の方で正式な定義はないと聞いていますが、多くの情報を抽出して、そのデータをもとにいろいろ試行錯誤していくのがビッグデータのあり方かなと。
 例えば、都民安全推進本部がカーナビのデータを抽出して、災害時に、どの道路が混んでいて通れるのか通れないのか、裏道含めてわかると。それがビッグデータの活用かなと思うんですけれども、今のご答弁ですと、運賃の基本情報ですとか時刻表というご答弁があって、それは調べればわかるもので、私が考えるビッグデータとかのイメージにはなかなかなってこないなと思っています。
 定義のない中で大変恐縮なんですけれども、その中でとりわけおくれていることがシルバーパスのIC化だと思っています。
 今、シルバーパスは、紙でご高齢者の方にお渡しして、その紙をもとに運用していると思うんですけれども、私はやはり、その利用状況を把握するですとか、今の費用のあり方、費用負担のあり方、例えば千円か二万円かの二択しかないとか、そういった問題意識を持っております。その前提でいろいろ調査されているところもあると思いますけれども、やっぱりIC化してしっかりと対応すれば、いろいろ可視化されることも多いと思います。
 そういった検討をすべきだと考えますけれども、まずは技術的な課題はどういったことにあるのか、見解を伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 シルバーパスをICカード化する場合は、関東の鉄道バス事業者六十一者が加盟するPASMO協議会が技術的な可能性を判断することとなります。
 ICカード化に当たっては、カードの発行や交付の手法、各鉄道、バス事業者との運賃精算にかかわるシステムの開発、自動改札機やバス料金機のプログラム改修など、多くの課題が想定されておりまして、関係者との調整が必要となると考えてございます。

○宮瀬委員 いろんな課題があるのはわかるんですけれども、ぜひ、こういったオープンデータの話だけではない、利便性のことも含めて、しっかりIC化した方が私はいいと思います。
 一方で、シルバーパス以外のところもそうですが、実際に私の思い描くビッグデータの活用となりますと、ふだん私たちが持っている定期券とかPASMO、Suica等ありますけれども、ああいった情報が一つ鍵になるのではないかなと思っています。
 当然、個人情報に十分配慮して、漏えいとか、特定ができないような形にしなければいけないと。それが今、車体の方にオープンデータ化の機械をつけてどうこうという話もありますけれども、もう一つは、ICカードの利用状況をリアルタイムで把握して、混雑対策ですとか災害対策、例えば、駅に誰か取り残されているかどうかも、IC化して、オープンデータ化すれば、ひょっとしたらわかるかもしれないですよね。実際にこの駅のところに、何人取り残されてしまっているとか、そういったICカードの利用状況を個人情報にうまく配慮しながら合わせていけば、利用状況、データを活用した利用者の状況の可視化等、今後のさまざまな展開に生かされていくと思います。
 そこで、局で保有するデータを積極的に活用し、利用者に資する情報提供をすべきと考えますけれども、見解を伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 現在、交通局では、朝の時間帯の都営地下鉄の自動改札出場数のデータを都の新型コロナウイルス感染症対策サイトに提供しております。
 今後とも、局で保有するデータを有効に活用しまして、お客様に有用な情報提供に努めてまいります。

○宮瀬委員 一足飛びに、あれがこれがと、技術的な問題もあると思いますけれども、大枠でご答弁いただきましたので、ぜひ今後とも、局で保有するデータを有効活用し、お客様に有用な情報提供に努めていただきたいと思っております。
 次でございます。
 バリアフリーでございますが、先ほど、古城理事の質疑も聞かせていただきまして、私の方から提言がございます。
 先ほど、ベビーカーのバスの乗りおりの話もありましたが、私の方からは、ご提案したいのは、カナダで行われている事例でございます。バスに乗る際に、今、都バスの方は実際に運転手さんがおりて車椅子を乗せていると聞いているんですけれども、ちょっとパネルを用意しまして、これは動画からとったので画像が悪くて恐縮なんですが、この青い、運転席の横にボードがありまして、これが普通は格納されていると。乗る方がいれば、ぐうっと上がって、実際このように運転手さんがおりずに車椅子での乗りおりができる。これができますと、バスの遅延にもなりませんし、電動車椅子や車椅子が、自力でこうやって乗ることができるとなると、ベビーカーも同様かなと思っています。こういう、運転手さん一人でバスを大きくとめることなく、実際に電動車椅子や--カナダで実際にやっていることですので、こういうことができれば、車椅子の方もお出かけする機会がふえるのかなと思っております。
 単刀直入にいいますが、こういった仕組みを導入すべきだと考えますけれども、見解を伺います。

○牧野自動車部長 現在、国内で販売されている路線バス車両については、副委員長お話しのような、自動でスロープ板を出し入れできるものはございません。
 今後の開発動向を注視してまいります。

○宮瀬委員 国内では、まだそういった例はないということなんです。今後の開発を注視していくといったことでございます。
 ぜひ、実際にヒアリングですとか研究していただいて、今の取り組み、私は大変すばらしいものだと思いますので、時間がかかると思いますが、開発をぜひ後押ししていただきたいなと思います。
 次に、先ほど大山理事の方から大型ベッドの表示の件を聞かせていただきました。
 私も、その件、違う角度から質問したいと思うんですけれども、先ほど大山理事との質疑の中で、ホームページに掲載されていますよといったお話がありました。実際、これはホームページなんですけれども、(資料を示す)これ、どこに掲載されているかというと、絶対見えないです。これ高さ二ミリぐらい、三ミリぐらいですね。多分そちらから見えないと思います。幅三センチぐらいです。本当にこんな形で、各駅のサイトまで行って、実際にこの地図の中で大型ベッドがあるかどうかを見つけなきゃいけない。これが皆さんがおっしゃっているサイトに掲載している現物だと思います。
 そうではなくて、サイトの上の方には、ピクトグラムでベビーベッドですとか、車椅子のマークがあるように、ここにちゃんと大型ベッドのマークを入れて、しっかりと、ここは置いてありますよと。また、高齢者の方とお話しますと、事前に、どこの駅に、どういうふうな大型ベッドがあるのかというのを計画を組んでトイレに行きたいと。
 なので、大型ベッドがある一覧のサイトですとか、今、ベビーベッドが置かれている一覧のサイトもありません。各駅の方からそのマークを見ないとわからないといった状況でございます。
 そういったことでありますので、ベビーベッドを含めてピクトグラムを掲載する、また、バリアフリーをまとめたサイトをつくるなど、ホームページをしっかりと充実していくべきだと考えますけれども、見解を伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大型ベッドの設置箇所案内は、今、副委員長からお話がございましたように、局ホームページの駅構内図におきまして、誰でもトイレのピクトグラムに大型ベッド設置ありの文字を併記して表示しております。
 大型ベッドのピクトグラムは、本年五月にJIS規格化され、トイレでの表示も完了しましたことから、今後は、ホームページ上の表示も順次ピクトグラムに変更する予定でございます。
 その際、ベビー用設備など他のバリアフリー情報を駅ごとにまとめたページにつきましても、あわせて更新してまいります。

○宮瀬委員 ありがとうございます。
 誰でもトイレの前に、先ほど大山理事がおっしゃっていたように、大きく大型ベッドの表示があるんですけれども、そこの横の案内板には、多分点字があるところなんですけれども、大型ベッドが置いてあるよという表示がありません。それもシールを張るだけでもいいと思いますので、ぜひ案内板の方にも大型ベッドがある旨をちゃんと記載していただきたいと思います。
 最後のテーマでありますが、政策連携団体についてお伺いしたいと思います。
 政策連携団体である東京交通サービス株式会社があると思いますけれども、その中で、都関係者の幹部職員と役員の人数と割合について伺いたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和二年八月一日現在、東京交通サービス株式会社の幹部社員につきましては、管理職十六名のうち、都からの派遣職員は二名、都OB社員は十一名でございまして、割合は八一・三%でございます。
 また、役員につきましては、常勤役員三名のうち、都OB役員は二名でございまして、割合は六六・七%でございます。

○宮瀬委員 いろいろ東京交通サービス株式会社にプロパーで入った方がいて、一生懸命働いて出世していきたい、将来は幹部職員になっていきたいんだといったことを多分思い描いている方も多いと思うんですけれども、管理職十六人枠がある中で、そのうち、都の職員が十一名も占めちゃっていると、その率八割でございます。
 そうなると、固有社員といいますか、プロパーの社員の人が、頑張っても幹部職員にはなれないといった気持ちになってしまうのがこの数字じゃないでしょうか。
 政策連携団体の常勤役員に占める割合を、都関係者の割合を二割程度に削減するとしていましたが、その見解についても伺うとともに、とりわけ今の幹部職員、役員だけではなくて幹部職員のプロパーも、先ほどの二割しかなれないのではなくて、プロパーの方もちゃんと仕事をすれば幹部職員になれるような、そういった形にすべきだと思いますけれども、見解を伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京交通サービス株式会社の常勤役員につきましては、平成三十年度までは全ての役員が都OBで占められておりましたが、平成三十一年一月に民間OBの常務取締役が就任し、現在は、常勤役員三名のうち都OB二名、民間OB一名となっております。
 また、幹部社員につきましては、現在十六名のうち二名は固有社員の管理職でございます。
 さらに、管理職の安定的な確保と固有社員のモラールアップを目的に、管理職への昇任制度を平成三十一年に改正し、固有社員が早期に管理職へ登用可能な制度といたしました。

○宮瀬委員 そういう制度にしていったということでありますので、ぜひ重視していただきたいなと思います。
 大変長い質疑で恐縮でございました。なるべく批判だけではなくて、具体的な提案も今後一年間させていただいて、いいものはいい、チェックすべきものはチェックする是々非々のスタンスで一年間お世話になりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 以上で質問を終わります。

○田村委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後四時五十分休憩

   午後五時十分開議

○田村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○上田委員 二千五百億予算規模の事業でございます。多岐に分かれますので、端的に六十問ぐらいですか、質問させていただきたいと思います。さくさくと進めますので、ご答弁の方も手短といいますか、早目にやっていただければと思います。
 では、まず、新型コロナウイルス対策であります。
 資料12でございますが、これまでのBCP対策と新たなコロナ対策を実施するに当たっての問題点の洗い出しと改善策などなされたと思います。
 そこで、これまでの新型インフルエンザ対策から、今般、コロナに対応してきた取り組みを時系列でご説明ください。

○西川安全管理担当部長 交通局では、都内で新型コロナウイルスの感染者が初めて確認された直後から、お客様に、せきエチケットや手洗い等の励行を呼びかけるとともに、職員にも感染防止策の徹底を指示してございます。
 その後も、案内窓口等へのアルコール消毒液の設置や地下鉄車両の消毒、駅施設の消毒、都バス運転席等の飛沫対策など、さまざまな対策を順次実施してまいりました。

○上田委員 資料のメニューを実施するに当たっての問題発見と課題の改善など、詳細をご説明ください。

○西川安全管理担当部長 感染症対策に当たりまして、一時的にマスク等の入手が困難な状況が生じましたけれども、以前からの備蓄していたマスク等を活用することで、現場において支障を来すことは避けられました。

○上田委員 車内におけます感染防止のための除菌、衛生管理はどうなっておりましたでしょうか。

○西川安全管理担当部長 業種別ガイドラインに基づきまして、地下鉄、バス等の車内において、手すり、つり革等の消毒を実施してございます。

○上田委員 ほかの委員のご質問では週一回の消毒ということで、私も驚いたところでございますが、やむを得ないということであります。
 文書質問ではさせていただいておりますけれども、オゾンの低濃度の殺菌につきまして評価がされたということで、産業労働局では、バスについては、観光バスの方ですけれども、低濃度のオゾンにつきましては補助がつくというようなことになっており、実際JRでも活用されているということで、オゾン機器によります、お客様がおりた後の夜間の殺菌、こうした消毒を私も提案させていただきたいと思います。
 また、同じような質問がありましたが、私の利用しております都営新宿線、窓があいていないことがやはり多いです。終点の本八幡からなので、あけられることの可能性が高いと思うんですけれども、対策を伺います。

○相川電車部長 都営地下鉄では、新型コロナウイルス感染症対策として、係員が、可能な範囲で各車両の窓、最低二カ所、約五から十センチメートル程度あけているほか、お客様に対しても車内放送やポスターにより窓あけのお願いをしております。
 本八幡駅では、折り返し時などにおいて、都度、窓あけを行っておりますが、時間に限りがあるため、全ての車両に対応できないこともございます。
 なお、地上部では、雨天時にあいている窓から雨が入り込むため、状況に応じて窓を閉めていただくよう車内放送でお客様に呼びかけております。

○上田委員 引き続きましての窓あけ、よろしくお願いいたします。
 感染防止アプリについては、厚労省によりますCOCOAなどありますけれども、東京版新型コロナ見守りサービスと、交通局としてはどちらを推奨しているのか。あるいは場面場面で併用しているのか。ご説明をください。

○西川安全管理担当部長 利用するアプリにつきましては、個人の判断によるものであると考えております。

○上田委員 では、ばらばらと対応するということでございますが、そのアプリで濃厚接触が疑われた事例と、その場合の対応につき、ご説明いただければと思います。

○西川安全管理担当部長 交通局では、いわゆる接触確認アプリ等において、感染者との接触が確認された職員からPCR検査を受検したとの報告を受けた事例はございましたけれども、いずれも陰性でございました。
 こうした報告があった場合には、念のため、濃厚接触が疑われる他の職員につきまして、検査結果が判明するまでの間、テレワークなど自宅待機を求めてございます。

○上田委員 次は、事業外収入の確保でございます。
 資料14、15を踏まえた、ここ五年間の広告収入の推移、トレンド、傾向と課題と評価、コロナによる影響についてご説明ください。

○坂田資産運用部長 広告料収入は、デジタル広告の拡充を進める中、過去五年間おおむね横ばいで推移しております。
 今年度第一・四半期は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業自粛などの影響によりまして、広告料収入が前年度と比較して減少しており、新たな広告主の開拓などが課題となっております。

○上田委員 コロナで、売り上げというか、下がっている中で、やはり広告収入はこれから伸ばすべきだと考えます。
 今後の見通しと対策について所見を伺います。

○坂田資産運用部長 広告料収入は、エンターテインメント系の広告の出稿などによりまして若干の回復が見られるものの、当面厳しい状況が続くことが予想されます。
 先ほど申し上げました新たな広告主の開拓など、増収に向けた取り組みが必要であると考えております。

○上田委員 これまでは限られた広告業者さんを採用しているという形でありました。
 かねてより指摘しておりましたとおり、デジタルサイネージなどはベンチャー企業などが得意とするところであります。
 コロナ禍にあえぐ事業者のために、広告代理店の新規参入など進んでいますでしょうか、呼びかけをしておりますでしょうか、確認します。

○坂田資産運用部長 現在、新規広告代理店の公募に向けて準備を進めているところでございます。

○上田委員 ようやく公募に向けての準備を進めると、初めてこの公営企業の私の質疑の中でご答弁いただきました。期待をさせていただいております。
 さて、小池知事CMは、交通局のデジタルサイネージを初め、どのようなところで何回流されたのか。緊急事態宣言下のときは、テレビをつけても知事、電車に乗っても知事というような状況でございました。都民からも、何で、出過ぎじゃないのという声も伺っておりますので、状況を伺います。

○坂田資産運用部長 都営交通の媒体で、これまでに小池知事が出演した新型コロナウイルス感染症に係る啓発動画が放映されたのは、地下鉄とバスの車内液晶モニターで、十五秒動画が四種類、三十秒動画が一種類で、放映期間は一週間から五週間程度でございます。

○上田委員 それでは、緊急事態宣言以降の放映開始日、終了日など、もうちょっと詳しく教えていただければと思います。

○坂田資産運用部長 先ほど答弁いたしました五種類のうち、緊急事態宣言以降に放映されていた動画は四種類ございまして、三月十六日から四月十九日までのものが一種類、三月二十三日から四月十九日までのものが二種類、四月十三日から四月十九日までのものが一種類でございます。

○上田委員 広告代理店の丸投げ解消として、広告代理店ごとに販売目標額のヒアリングを行い、毎月の広告料収入を把握し適切に管理しているということですが、今年度は、何か新たな気づきはありましたでしょうか。こちらについても、コロナでの影響がございましたでしょうか。

○坂田資産運用部長 令和二年度第一・四半期におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして、指定代理店三十社のうち約三分の二の代理店で、販売実績が昨年度同期と比べ減少しております。
 しかしながら、厳しい状況下におきましても、営業努力により販売実績を伸ばした代理店がございました。

○上田委員 営業努力、ぜひしていただければと思います。
 次は、改札口の大型モニターです。
 かねてより、遅延情報はいいのですけれども、利用者を信頼して、時刻表の表示の検討をずっと求めてまいりました。
 局としては、ほかの鉄道会社では表示していることは承知しているというわけで、コロナで乗降客も減っているわけですので、改めて駅の入り口での時刻表の表示の検討を強く求めるものでございます。ご所見を伺います。

○相川電車部長 改札口で発車時刻を表示することは、駆け込み乗車を助長するおそれがございます。
 依然として駆け込み乗車は多く見られておりまして、お客様の安全確保の観点から慎重に検討していく必要がございます。

○上田委員 鉄道各社も駆け込み乗車はあると思うんですが、きちっと対応されているんだと思います。やはり利用者ニーズに沿ったこと、再検討を強く望みます。
 資料32、不動産貸付の収支につきまして、交通局は、昨年度の行政財産や行政財産との共用建設等を除く賃貸料収入は、既存の賃貸料と新たな利活用収入を見込みまして六十五億円を見積もっております。
 既存賃貸料と新たな利活用収入はおおむね見積もりどおりの見込みと昨年答弁いただいていました。現時点の評価をお聞かせください。

○坂田資産運用部長 令和元年度の行政財産や行政財産との共用建物等を除く賃貸料収入でございますが、おおむね見積もりのとおりでございました。

○上田委員 また、新規の土地貸付は、不動産鑑定などを踏まえ最低賃料を設定し、公募により契約、既存契約は、物価変動等の必要に応じ、借り主と協議して賃料改定等を実施してきましたが、ことし、新たな課題や問題点、異変があればご報告ください。

○坂田資産運用部長 現時点でございますが、賃料の設定について特段の変化はございません。

○上田委員 次に、資料16、バスのラッピング広告についてです。
 学習塾や家電量販店、官公庁の広告が多く見られるとのことでした。広告料収入は令和元年では減収したようです。
 現状と課題、今後の対策など所見を伺い、これまで以外の広告主もあったか、あわせて伺います。

○坂田資産運用部長 昨年度は、ラッピングバスの一部の広告主が出稿を抑制したことなどによりまして減収となっております。
 媒体価値の魅力向上が課題であり、掲出期間やバスの台数に応じたキャンペーンの展開などにより販売促進を図ってまいります。
 これまで以外の広告主でございますけれども、令和元年度は、不動産、食品などの企業から新たな出稿がございました。

○上田委員 利用者数の推移に移ります。
 資料20、ToKoPoの利用について確認しますけれども、令和二年度は会員数がふえたようです。
 変換ポイント等の相関性を踏まえて利用ニーズとサービス利用の進捗をご説明ください。

○相川電車部長 都営交通のポイントサービスでございます、ToKoPoの会員数は、前年度から五千人ふえ、令和二年度期首で約九万九千人となりまして、ポイント変換実績も増加しております。
 これは、昨年度全駅で時差ビズキャンペーンを実施したことなどによるものと考えております。

○上田委員 満員電車ゼロが知事の公約でもございましたので、そこに役立ったということでございます。こちら、大型モニターでも紹介されているようでございますので、効果が発揮できたと思料いたします。
 そして、交通局各事業の利用者数について、過去十年にわたる利用者推移と需要、傾向、横ばいの事業もありますが、それを受けての因果分析と対応の所見をお示しください。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営交通の一日当たりの乗客数は、平成二十二年度には二百九十九万人でありましたが、この十年で増加し、令和元年度には三百六十万人となっております。
 このうち自動車運送事業と新交通事業、高速電車事業については、沿線開発の進展等により乗客数が増加基調にあり、軌道事業については、乗客数はおおむね横ばいに推移してまいりました。
 今後とも、輸送需要に的確に対応するとともに旅客誘致に努めてまいります。

○上田委員 では、利用される皆様に対する接遇と苦情対策について伺います。
 サービス推進活動方針について従来からの取り組みは理解しておりますが、コロナに当たっての変更点、改善点、課題などがあればお示しください。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和二年度は、交通局を取り巻く事業環境の変化に適切に対応しつつ、局一丸となり、全てのお客様に対するサービスレベルを向上させていくことをサービス推進活動方針としております。
 とりわけ、コロナ禍による事業環境やお客様ニーズの変化等も踏まえまして、三密を回避する配慮、工夫を十分に行いながらサービス推進活動を展開しております。

○上田委員 そこにやはり窓あけが入ると思いますので、よろしくお願いをいたします。
 資料の31であります。
 お客様の声を直接伺うことができますお客様センターで受けるお客様の声について、迷惑行為やマナー違反など、いろいろとSNSでも上げられたりもします。
 今年度の具体例や傾向、対応策をお尋ねいたします。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 駆け込み乗車やホーム上の歩きスマホ等の迷惑行為に加えまして、今年度は、車内でのマスク着用やせきエチケット、大きな声での会話に関するご意見が、お客様の声として寄せられております。
 こうしたマナーの啓発につきましては、ポスターや動画を制作するとともに、車内や駅の構内放送、車内の液晶モニターなどを活用し、広くお客様に呼びかけております。

○上田委員 特に都営地下鉄のポスターなんかは、大変おもしろくて好評だと思います。引き続き工夫をしながら続けていただきたいと思います。
 そして、そういう声から学んだ課題発見、改善点があれば、取り組み状況、経過と課題をご報告ください。また、それらを全局、全職員にどう共有して日常業務に反映しているのかも確認します。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 お客様の声につきましては、コロナ禍において日々変化する情勢も見きわめつつ、内容や傾向を分析し、今後の対策を検討する上での貴重な財産として活用しております。
 また、代表的な事例につきましては、日々の業務改善に役立てるべく、定期的に局内ポータルサイトに掲載するなど全職員で共有しております。

○上田委員 交通局では、苦情のみならず、モニター制度を採用しております。
 外国人モニター、通常のモニターの今年度の取り組みについてご報告ください。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 交通局では、便利で快適なサービスを提供することを目的として、都営交通モニター制度を設けております。
 今年度は、従来対面で行っていたグループインタビューにつきまして、三密を回避するため、ウエブ会議ツールを活用して実施する予定でございます。
 なお、外国人モニター調査につきましては、調査対象となる外国人の利用者が減少しておりますことから、本年度の調査は見合わせております。

○上田委員 外国人観光客は減っていると思うんですけれども、やはり在留外国人の声も通常どおり聞いていくのがベストかなというふうに思料いたします。
 また、先ほどのお客様の声なんですけれども、紙媒体からシステムの方の活用進捗を伺いたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 お客様の声システムは、平成二十五年度に導入しておりまして、受け付けたご意見につきましては、即時に担当部署に通知するほか、ご意見をデータベース化して活用しております。
 今年度は、車内の窓あけやマスク着用の要望など、新型コロナウイルス感染症に関するお客様の声をいち早く集約し、適切に各部署へフィードバックを行い、各種取り組みの検討の参考といたしました。

○上田委員 着実なサービス向上に結びつけていることを確認いたしました。
 次に、私が毎年必ずお世話になっております忘れ物対応でございます。
 資料21ですが、忘れ物について、今回も、取り扱い件数も返還件数も減っており、これは、駅や営業所に直接とりに来るということが利用者様の間で広がったということなのでしょうか。周知などされたのでしょうか。
 遺失物管理システムの有効活用の取り組み、傾向、成果について、ご所見をお聞かせください。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 遺失物が減少している理由は、駅構内や車内での注意を促す放送等の効果によるものと考えております。
 また、お忘れ物センターにおける返還件数が減少している理由は、主に遺失物自体が減少していることによるものと推察しております。
 遺失物管理システムの活用によりまして、都営地下鉄、都営バスなど、都営交通のどこでお忘れ物が届けられても、一元的に迅速なご案内を可能としております。

○上田委員 例年、迅速な対応、自分の経験からも体感しております。引き続きよろしくお願いいたします。
 障害者対応です。
 本年、残念ながらオリ・パラが延期されましたが、バリアフリーの取り組みは予定どおり進んでいることと存じます。せっかくエレベーターが設置されても、ほかの委員の方も先ほど指摘をしておりましたけれども、私の感覚では、視覚障害者などが挟まれてしまったりしないか、エレベーターの開閉の速度も気になっていたところです。
 視覚障害者がエレベーターのドアに挟まれないための配慮について伺いたいと思います。

○坂口技術管理担当部長 都営地下鉄に設置いたしておりますエレベーターは、お客様が扉に挟まれるのを防止するセンサーを備えておりまして、また、近年設置しておりますエレベーターには、音声により扉の閉鎖を知らせる機能が設けられております。

○上田委員 また、エスカレーターの右あけ歩行防止対策についての取り組みも確認させてください。

○相川電車部長 交通局では、駅の構内放送を通じて、エスカレーターの安全な利用を呼びかけるとともに、本年は、十月二十六日から十一月三十日までの間、鉄道各社等と共同して、エスカレーター「歩かず立ち止まろう」キャンペーンを実施しております。

○上田委員 関西と微妙に左と右と違うので、小まめなキャンペーンが必要と思料いたします。
 次に、都立公園からバス停に向けて出るときに、出入り口の柵が車椅子が通りづらいなどということの苦情相談が数件寄せられております。
 こうした連携はどのように図られているのか、確認いたします。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 都立公園の出入り口に関するご相談、ご要望などをいただきました場合には、所管の窓口をご案内しております。

○上田委員 案内とともに、ぜひ交通局から建設局、都立公園の担当者に、ここのバスのこの柵のところがお困りのようだというふうな連携を図っていただきたいと思います。
 次に、トーマス車両、子育て応援スペースです。
 こちらの費用につきまして、大江戸線の七編成の装飾費用やキャラクターの利用許諾料など含めまして約九百万円、約一千万ということですが、子育て真っ最中の方が乗り合わす可能性は極めて低く、これまでパイロット事業であることを確認しております。
 当初マスコミで大きく取り上げられましたが、知事の視察及び都議会会派議員視察で、よもや臨時便など血税を使って走らせてはいないと思料いたしますが、事実につき確認します。
 あったとしたら何月何日の何時何分、どこからどこまでなのか、その費用についてお示しください。

○相川電車部長 子育て応援スペースの取り組みを広くPRすることを目的に、運行開始の前日である昨年七月三十日、回送電車を用いて、報道機関への公開とあわせて知事視察を実施いたしました。当日は、清澄白河駅を十一時三十四分に発車し、十一時四十三分に上野御徒町駅に到着いたしました。
 また、議員視察は、昨年八月六日に都庁前駅におきまして、十一時三十分から十一時四十分までの間、通常の営業電車の折り返し時に行いました。
 知事や議員の視察のために特段の費用は生じておりません。

○上田委員 すいている時間に都民のところに乗って、皆様の状況を見るのが何となく私は謙虚な対応じゃないかなというふうに思っております。若干、特権意識を感じざるを得ないように思料をいたします。
 そして、このトーマス電車、子育て応援スペースに関するその後のモニターアンケートなどの評価の意見についてもご説明ください。

○相川電車部長 子育て応援スペースに関する調査につきましては、現在、実施に向けた準備を進めております。
 また、おおむね好意的なご意見をいただいているところでございます。

○上田委員 次に、妊婦さん対応です。
 近年、妊婦さんやベビーカーハラスメントが指摘されております。
 今年度発生した具体的事案、解決、改善、平時の対応、課題と今後に向けた対策についてご報告ください。

○相川電車部長 都営地下鉄では、妊娠されているお客様やベビーカー利用のお客様に安心してご利用いただくために、マタニティーマークの配布や車椅子スペース及びフリースペースにベビーカーマークを張りつけるなどの対応を行っております。
 なお、今年度は、妊娠されている方やベビーカーに関するハラスメントについて、お客様からの申し出はございません。

○上田委員 交通局のお取り組みでハラスメントが改善されたということ、ほっといたしました。
 さて、先月末に終わった、ことしの声かけサポート運動強化キャンペーンの成果、課題、職員はもとより、利用者のベビーカーや荷物の持ち運び等サポートなどは広がっているか、具体的にご説明ください。

○相川電車部長 本年九月七日から十月三十一日まで実施した声かけサポート運動強化キャンペーンにおきましては、駅係員などによるお声がけを徹底するとともに、ポスターや駅構内の放送により、周りのお客様に呼びかけを行いました。
 なお、現場の職員からは、お客様同士の助け合いを目にすることがあるというふうに聞いております。

○上田委員 助け合いもふえて、ほっといたしました。
 防犯、防災対策です。
 資料23では盗撮が微増しております。こちらの結果を受けての今年度の具体的な顕著な事案及び取り組みなどご報告ください。

○相川電車部長 都営地下鉄では、駅係員や警備員の巡回により駅及び車内の安全確保に努めております。
 お客様から盗撮被害などの申し出を受けた際には、速やかに警察に通報するようにしておりますが、個々の事案については承知しておりません。

○上田委員 防犯カメラでは、常に警察と共有しているということでございますので、引き続き速やかな検挙に向けての協力をお願いいたします。
 そして、資料37ですが、昨年の台風十五号、十九号を受けて、何か備え策についての変更、改善、課題などあったでしょうか。
 ことしの台風対策の取り組みについて伺います。

○西川安全管理担当部長 今年度は、これまで台風の上陸はございませんが、気象庁の台風情報に基づきまして、関東地方に接近が予想された事例では、計画運休の実施等について検討するなど、接近前から事前の対応を図ってございます。

○上田委員 去年のときはいまいち間に合っていなかったように思ったんですけれども、知事鳴り物入りのマイタイムラインとはどう連動しているのか、交通局の台風とか災害対策を伺います。

○西川安全管理担当部長 都営交通といたしましては、お客様の事前行動に資するよう計画運休等の運行情報の提供を行ってございます。

○上田委員 お客様にマイタイムラインを知っていただくような取り組みもお願いをしたいと思います。
 さて、私の地元船堀でも、去年の台風で上屋が倒れていまだ再整備されておりません。
 昨年、こちらについては、現在、再設置へ向け仕様や工法などについて検討しているというご報告をいただいておりますけれども、進捗状況をお聞かせください。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 船堀駅の上屋の再設置時期は現時点では未定でございますが、引き続き仕様や工法などにつきまして検討しているところでございます。

○上田委員 バスに乗るまでの動線のところにあるので、ぜひ早目の検討から、実現に向けて動いていただければと思います。
 また、資料24の帰宅困難者用の備蓄品につきまして、乗降客、駅構内の広さを考慮し、適切に設置し、更新のタイミングに合わせて見直しを検討するということですが、今年度、飲料水は五万人分とか、いろいろありますけれども、何か動きや変更は、備蓄数についてありましたでしょうか。

○西川安全管理担当部長 備蓄数につきまして、今年度に見直す予定はございません。

○上田委員 今までは、ふやさなくていいのかなと思ったんですけれども、コロナにあってオンラインの働き方改革も進むということで、昨年度と同じ状況ということは、今回はむべなるかなというふうに評価をさせていただいております。
 次に、職員のメンタルヘルス、自殺、労働環境についてです。
 車両におきまして自殺事案に遭遇してしまった運転士や乗務員のサポート体制が徹底されていることは確認しております。
 過去五年におけます事故数と傾向についてお示しいただければと思います。

○相川電車部長 過去五年間の投身による事故件数は計十八件でございまして、傾向として、ホームドア設置駅での発生はほとんどございません。

○上田委員 ホームドアが順次設置されれば、ゼロということになることを期待します。
 さて、職員の自殺者数ですが、資料17を見ますと、ことしに入って三名の自殺者が出ています。ご冥福をお祈りいたします。
 この結果を受けての所見とお取り組み状況をお聞かせください。

○渡邉職員部長 自殺発生要因等は多岐にわたり、その解明は困難でございますが、職員の自殺防止に向けては、メンタルヘルス不調者の早期発見と対処が重要と認識しております。
 このため、交通局では、「健康なんでも相談」や産業医や保健師、精神保健相談員によるメンタルヘルス相談を実施しており、今後とも、職員の心の健康の維持に努めてまいります。

○上田委員 あわせて調べさせていただいたところ、やはり長期休暇が平成三十一年は精神障害が七十八名、令和二年の一月から九月までは六十二名ということでありました。引き続きましての一人一人に寄り添ったお取り組みを希望するものでございます。
 さて、都営バス運転手の離職率につきましても、資料によりますと微増しております。
 理由の把握の状況と所見を伺います。

○渡邉職員部長 一般に自己都合退職者の離職理由は明らかではありませんが、一部聞き取りによりますと、バス乗務員については、民間企業への転職、健康上の理由、家業の手伝いなど、その事情はさまざまでございます。
 交通局としては、今後とも、バス乗務員が継続して働きやすい職場環境の整備に努めてまいります。

○上田委員 お客様との距離も近いし、いろいろと直接苦情を受けることもバスの運転手さんはあると思いますので、また地下鉄とは違ったケアが必要だと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 Wi-Fi環境です。
 無料Wi-Fiサービスに関する意見があった場合は、適宜機器を設置している事業者に情報を提供、事業者が状況に応じて機器の調整などを実施していて、引き続き同様に対応をしているということでございます。
 オリ・パラが残念ながら延期にはなりましたけれども、この機にもっとWi-Fi環境を整備するといいように思います。
 現状、前進したのか、確認をいたします。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営交通で提供している無料Wi-Fiサービスは、通信事業者が機器を設置して実施しております。
 ご利用が集中すると通信速度が低下することもあり、こうした状況を把握した場合には、適宜、通信事業者に情報提供を行い、改善を促しております。

○上田委員 都バスも含めたWi-Fi環境の質の向上を希望いたします。
 次に、都バスの安全対策です。
 ことし五月、北自動車営業所の事故対応の不手際について、こちらの委員会に陳情が出されました。不採択とはなったものの、ご指摘はごもっともであり、論旨は現場に伝えられているのか、陳情審査の議論では、軽微なものの事故報告については、私からすると、ちょっとうやむやな答弁に終始していました。
 この件を受けての改めて改善した点、車外事故と車内事故の概要と傾向、見解と所見をご説明ください。

○牧野自動車部長 事故発生時には、マニュアルに基づき適切な対応がとれるよう、引き続き研修を通じて指導を行っております。
 令和元年度の事故の傾向でございますが、車外事故は主に他の車両と接触したもので、車内事故は主に停車する際にお客様が転倒したものでございます。
 双方とも件数はほぼ横ばいでございまして、引き続き安全意識の向上に取り組んでまいります。

○上田委員 ことし四月は痛ましい四歳のお子さんが亡くなる事故を受けて事故防止をするような、国土交通省が採用している後づけ衝突防止警報器を搭載するなど、ハードウエアでの対策を講じないのか、対策と所見を伺います。

○牧野自動車部長 都営バスではこれまで、雨でも曇りづらい熱線式サイドミラーや左折時に歩行者などにバスの接近を知らせる警報装置、発進時に障害物を検知するソナーセンサーの導入など、ハード面での安全対策を進めてまいりました。
 引き続き、安全性の向上に向けまして、技術開発の動向を注視しながら検討を進めてまいります。

○上田委員 ドライブレコーダーを使った指導や安全意識や運転技術を向上させるための安全研修につきましては、はとバスも含めて約二千五百人の乗務員全員に対して実施しているようですが、残念ながら過去に事故を繰り返す乗務員もいたようでございました。
 どのくらいの比率でいるのか、状況についてお尋ねいたします。

○牧野自動車部長 今年度中に二回以上事故を起こした乗務員はございません。

○上田委員 これまでの指摘、生かされたものと評価させていただきます。
 さて、重ねて申し上げますが、事故が軽微だから、軽微なものは報告を求めないという考え方でいいのかどうかというところで、私は予算調査等で毎回事故件数を委員会で資料要求してきました。過去五年のものを大体お願いしておりますけれども、ほぼ毎日のように事故が起こっている件数の多さ、過失責任割合が七割東京都にあるということを指摘させていただきながら、ことしの五月、さきの陳情のような事故が起こってしまいました。
 これまで、新年度にも、職員による日々の指導、年四回の研修、適正指導をしているということをたびたび報告いただきましたけれども、先ほど申し上げましたが、四月には、かわいい盛りの坊ちゃんが都営バスにひかれて亡くなる事故もありました。
 私は、事故件数の可及的速やかな減少を求めると、毎度お話しさせていただいたわけです。陳情審査のときは局長不在で次長に答弁をお願いしましたが、お答えいただけませんでした。
 そこで、とうとい未来ある命が失われた責任を重く受けとめ、新局長の事故再発防止に向けての意気込みと覚悟をお聞かせください。

○内藤交通局長 まずは、改めまして、お亡くなりになられたお子様のご冥福を心からお祈りしたいと存じます。
 安全の確保は交通事業者にとって最大の使命であり、事故防止に向けてさまざまな取り組みを実施してございます。
 具体的には、本年四月の死亡事故現場では、右折時に一時停止した上で左右の安全確認を行うよう指導を徹底するとともに、定期的に職員がその状況について確認してございます。
 また、あらゆる機会を通じまして、改めて基本動作の徹底を呼びかけるとともに、ドライブレコーダーの画像を活用した研修や添乗員同士が安全について考えるグループ討議など、安全教育の充実を図ってございます。
 さらに、先ほど所管の部長がご答弁したとおり、乗務員を支援する車両の安全対策も進めてございます。
 今後とも、ソフト面、ハード面、両面から安全対策に全力で取り組んでまいります。

○上田委員 お言葉どおりのハードウエア、ソフトウエアの徹底を何とぞよろしくお願いをいたします。
 広告つき上屋停留所です。
 広告つき上屋停留所について、平成十九年度の取り組みから、これまで及び今年度の成果と課題、広告収入の状況を報告ください。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 都営バスの広告つき上屋は、今年度六棟設置いたしまして、二百七十三棟となっております。
 広告料収入は増加の傾向にございまして、令和元年度は約一億二千百万円でございます。
 設置に当たりましては、歩道の幅員が確保されていること、地下埋設物の支障がないことなどの条件がございます。

○上田委員 着実に増加はしているようです。
 一方、PPP方式の企業の方はふえましたでしょうか、確認させてください。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 PPP協力企業は一社でございまして、令和元年度末現在、百三十三棟の広告つき上屋を設置いたしました。

○上田委員 引き続き、協力企業増加に向けてご尽力いただければと思います。
 深夜バスです。
 資料25、26ですが、おおむね横ばいとなっております。利用者がほぼ同じではないのかともとられます。
 これまでのニーズを鑑みて継続、廃止、新規と考えていると思われますが、各系統における今年度段階の評価をお聞かせください。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 お話の各路線につきましては、沿線にお住まいの方々の通勤、通学、土日のお出かけ、深夜の帰宅などに活用されておりまして、現時点では、引き続き運行していく考えでございます。

○上田委員 江戸川区におきましては、なぎさニュータウン等も活用されていると思います。継続ということを確認しました。
 また、JRなど鉄道各社の終電変更における深夜バスの対策について何か動きはありましたでしょうか、確認します。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 深夜バスにつきましては、鉄道各社の終電時刻の変更などを踏まえながら、ダイヤの見直しなど必要な対応を検討してまいります。

○上田委員 都での使用期間を終了したバス車両というのは売却をしたりしております。
 こちらを受けて、資料27、28なんですが、過不足のないバス車両の担保、SDGsの理念に沿った再利用について、どう図っているか、ご説明ください。

○牧野自動車部長 都営バスでは、運行に必要な車両数を確保しております。
 更新時期を迎えた車両のうち、再利用が可能な車両につきましてはバス事業者に売却し、売れ残った車両につきましては不用品として売却しております。

○上田委員 売却の方の入札倍率について確認させてください。

○牧野自動車部長 令和元年度の廃車売却におきましては、一両に最大三者から申し込みがございました。

○上田委員 しっかり需要があって、また、都バスを買えるんだというふうに各事業者さんが知っているということを確認しました。
 はとバスです。
 委託状況について、全国的にバス乗務員の不足が深刻化している中、委託先においても乗務員の確保が困難な状態と思料します。
 管理委託の拡大は検討していないということですが、本業はこの対応でバス乗務員が充足しているのか、確認をいたします。

○渡邉職員部長 都営バスの乗務員につきましては、年齢要件の拡大や大型二種免許の取得を支援する養成型選考の導入、採用PRの充実などにより、必要な乗務員を確保しているところでございます。

○上田委員 燃料電池バスですが、東京二〇二〇大会までに最大七十両、二〇二一年度までに最大八十両の導入を目指すということでございまして、今のところ変更はないということです。
 バスに充填可能な水素ステーションの課題として、用地確保、建設費、維持費が一般のガソリンスタンドと比べて高額なことがありますけれども、この課題の解決に向けてどう動いているのか、今年度の進捗をお聞かせください。

○牧野自動車部長 本件につきましては、環境政策である水素エネルギーの普及に向けた取り組みの中で、補助金の制度を所管する環境局が主となって取り組んでおりまして、バスに充填可能な水素ステーションの建設につきましても進められております。
 都営バスで利用している水素ステーションといたしましては、江東区有明、豊洲、新砂、江戸川区葛西に加えまして、今年度は品川区大井に新設され、五カ所となっております。

○上田委員 コロナもありましたし、恐らく来年のオリンピックもどうなるかわからない中、燃料電池バスありきではなくて、恐らく、法人二税激減すると思いますので、こちら燃料電池バスについては、何度も申し上げておりますけれども、再検討をお願いしたいと思います。
 都電でございます。
 なかなか、こちらは売り上げの方が厳しい横ばいの状態が続いております。
 SNSを活用して外国人旅行者への情報発信を行い、旅客誘致を図るとともに、一層の経費削減に取り組んできたとは思いますけれども、これから外国人観光客は期待できない中、今年度の成果を伺いたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 軌道事業では、SNSやパンフレットを活用して、東京さくらトラム、都電荒川線の魅力や沿線の観光情報を多言語で発信するなど、旅客誘致の取り組みを積極的に進めております。
 また、経費につきましては、停留場へのLED照明導入による設備の省エネルギー化や計画的な修繕による設備の延命化を図るなど、一層の経費節減に努めております。

○上田委員 そうした経費節減に努めていただいている中、案内改修に五百五十万かかった東京さくらトラムという愛称が、横ばいが続いているこの都電におきまして、利用料、売上目標にどう貢献したのか、ご説明いただきたいと思います。

○相川電車部長 東京さくらトラム記念号の運行、愛称を活用した沿線地域と連携したイベントの実施、SNSでの情報発信などにより、旅客誘致に貢献しているものと考えております。

○上田委員 私は上野で生まれ育ちました。幼い原風景は春日通りを走る都電です。焦土と化した東京のまちを都電が走って都民に活力を与えたことは有名な話です。なぜ、交通局が水力発電を持っているのか、これは都電を走らせるため、都民の足を確保するために、長きにわたり東京都が艱難辛苦を乗り越えてきた歴史的産物ではないでしょうか。
 安易に横文字好きの小池百合子都知事が、さくらトラムなど陳腐な名前に変えることは、江戸っ子の交通文化を冒涜することにほかなりません。ことし初めにも、小池知事がこだわる都電荒川線の愛称問題、全然浸透しないさくらトラムは、第二のE電と報道されていました。
 都電こそが東京都の交通のシンボルであり、レガシーではないでしょうか。即刻、新年度から都電に戻すことを強く求めます。局長の真摯な答弁を求めます。

○相川電車部長 東京さくらトラムは、都電荒川線の魅力を国内外にアピールし、さらなる利用者の誘致、沿線地域の活性化を図っていくために付与した愛称でありまして、引き続き、さまざまな機会を通じて、愛称を活用しながら積極的にPRを行ってまいります。

○上田委員 愛称ではなくて、本名の都電をこれから表に出していただきたいと強く要望をいたします。
 電気事業です。
 その都電を支えた電気事業で、資料33を見ますと、堅調に利益を上げていることが確認できました。
 過日、小河内貯水池内部も視察し、先達の英知に大変感服をいたしました。その際、大変お世話になり、ありがとうございました。
 解決金分は、とうに利益により回収できたと思われますが、これまでの売却益の動向、天候の影響も踏まえ、成果をご報告ください。

○野崎車両電気部長 水力発電事業は、気象要因等により発電量が変動いたしますが、平成二十五年度以降、公募により売電先の事業者を選定しており、以前に比べ経常利益は増加しております。

○上田委員 毎年確認させていただきますが、堅調ということで評価をさせていただきます。
 通学定期券制度でございます。
 資料46、47、48となりますけれども、教育機会確保法が完全施行されて四年たちますけれども、不登校児童生徒の人数から考えると、対象の子供たちに使われている定期券は圧倒的に少ないように感じております。
 義務教育が終わると、私立や都立に在籍している生徒は通学定期券が購入可能なのですが、在籍のないフリースクール生は不可と、交通局は今のところしているところですが、別途、不登校対策を教育庁、福祉保健局、生活文化局等で行っているというのに矛盾を感じている次第でございます。
 法の精神に抵触しないのか、前回答弁いただけなかったのですが、ぜひ、局長の見解をまず伺わせていただきたいと思います。

○相川電車部長 都営交通では、小中学校及び高等学校の不登校児童生徒が、学校外の公的機関や民間施設で指導等を受けるために通所する場合に、在籍する学校長の承認を得た方に対し、当該施設等への通学定期券を発行しております。これは、いわゆる教育機会確保法及び文部科学省からの通知に基づくものでありまして、適切な対応であると考えております。

○上田委員 都営交通では、小中学校及び高等学校で不登校になっている児童や生徒が、学校外の公的機関や民間施設で指導などを受けるために通学する場合に、在籍する学校長の承認を得た方に対して通学定期券を発行されているものの、一条校に所属がなければ定期が出されないという状況ということですね。
 現在、交通局では、ほかの事業者と同様に、文部科学省からの通知などに基づきまして、学校長の承認のもと通学定期券を発行していて、関係省庁の動きを注意深く見ているとともに、関係局や鉄道各社とも情報を共有しながら、必要な対応を適切に行っているとのことですが、所属のないフリースクール生徒への通学定期券の発行について、何度も申し上げておりますけど、進捗はあるのか、進める気があるのか、検討の状況を含め伺います。

○相川電車部長 交通局では、他の事業者と同様に、文部科学省からの通知等に基づき、学校長の承認のもと通学定期券を発行しております。
 引き続き、関係省庁の動向を注視してまいりますとともに、関係局や鉄道各社とも情報を共有しながら、必要な対応を適切に行ってまいります。

○上田委員 組合事務所についてでございます。
 総面積が約千六百平米でございますが、資料35から36、毎々確認をさせていただいております。
 都庁舎については、現在、上田の指摘を受け、労働組合の面積は半減しております。組合法でいうところの最低限の面積は担保されることは否定しませんが、専有面積の見直しや公営企業法の理念と照らし合わせて、賃料を徴収するなど新たな検討が、今後売り上げが激減する中、必須ではないでしょうか。
 勤務時間中の利用も懸念されますことから、局長の所見を伺います。

○渡邉職員部長 交通局と労働組合が適法な交渉を通じて適切な労使関係を維持することは、局事業の円滑な運営にも資するものであることから、局事業に支障のない範囲で労働組合が事務室を使用することを認めております。
 使用に当たっては、規程にのっとり、無償で使用することを認めており、事務室の広さも適当と考えております。
 なお、職員の勤務状況につきましては、管理監督者が点呼等を通じて適切に把握しており、事務室は適正に利用されているものと考えております。

○上田委員 他県では闇専従の話題も非常に指摘をされているところでありますので、徹底した管理をお願いしたいと思います。
 外郭団体についてです。
 東京交通サービス株式会社に、毎年数十名の退職者が在籍しており、おおむね退職時に平均六十歳、二十六年度から三十一年度までの累計で、事務職が九人、技術職三十人、交通技能職が三人とのことであります。
 これらのバランスや人員が都営交通にどう寄与しているのか、所見を伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京交通サービス株式会社は、都営交通の安全・安心を技術の面から支えるパートナーでございまして、都営地下鉄を初めとした都営交通の車両や施設、設備の保守管理業務等を実施しております。
 これらの業務は、交通局と一体的な事業運営や安全管理体制が必要でございまして、業務遂行に当たっては、局職員と同等の知識、経験、技術が求められることから、局からの派遣職員の受け入れや局を退職した職員の採用を行っております。
 こうした職員が局で培った技術、ノウハウを活用して業務に従事するとともに、団体固有職員の人材育成を着実に行うことで、局と関連団体とがグループ一体となった執行体制が構築されるものと認識しております。

○上田委員 一方、交通局が直接発注する業務と東京交通サービス株式会社の発注業務との線引きは、交通局は事業運営の根幹にかかわる業務を、東京交通サービスは局職員と同等の現場における知能、技能、経験に基づき、判断、責任を伴う業務を行い、それぞれ必要に応じて民間事業者に委託し、その履行状況を監督とのことですが、この役割分担にどのようなメリットがあるのか、責任分担関係も含めてご説明ください。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 交通局では、グループ総体として最大の経営効果を発揮するよう、関連団体との効果的な役割分担のもと、一体的な事業運営を行っております。
 このうち、各種計画の策定や設計業務、極めて高い安全性を要求される業務等、事業運営の根幹にかかわる業務につきましては、局が担っております。

○上田委員 そして、東京交通サービスに支払っている委託費、補助金、助成金の過去十年間の項目別内訳は、平成二十二年度から令和元年度までの委託費が、順に五十三億、五十七億、六十億、六十億、五十八億、五十七億、六十億、六十四億、六十八億、七十三億円とのことです。
 委託費が年々ふえているので、効率化ということが一応、外郭団体に委託するというのは基本だと思うんですけれども、年々ふえているようですけれども、今後の委託額のあり方についての所見を伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 交通局では、都営地下鉄を初めとする都営交通の車両や施設、設備の保守業務などにつきまして、東京交通サービス株式会社への委託を行っており、近年、ホームドアやエレベーターの整備等に伴い業務量が増加しておりますことから、委託規模を拡大してまいりました。
 今後も同社を活用していくことで、グループ総体として最大の経営効果を発揮するよう努めてまいります。

○上田委員 そもそも再委託について、いつも考えさせていただいているんですけれども、再委託ありきで外郭団体が運営されているのは一体どうなんだろうと。
 再委託をするのであれば、東京交通サービスの存在意義とは何か。業務内容のうち再委託率はどの程度なのか。再委託先と業務内容について、コロナ禍の経済社会状況の変化を踏まえて所見を伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京交通サービス株式会社は、安全管理、品質管理や工程管理、故障時の緊急対応などの管理監督業務を直接担う一方で、装置や部品の検査、清掃など委託を活用することが効果的な業務について外部に委託しておりまして、交通局から同社への委託金額に対し、同社が外部に委託した金額の割合は、令和元年度実績で五八%でございます。
 東京交通サービス株式会社は、交通局と一体で、局事業の安全・安心を支える会社として必要な役割を果たしているものと考えております。

○上田委員 ご答弁を踏まえ、予算でまた深掘りして審査をさせていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、資料の13で、私、各事業におけます乗車料収入の前年同期比を出させていただきました。全てにおいて三〇%から四〇%、前年同期比が下がっております。
 つきましては、企業債について伺います。
 昨年発行額については、地下鉄の建設が終了、平成元年度の四百四十七億円から平成三十年度は百六億円に減少、償還額については、発行額の減少に伴い、四百六十五億から三百七十億に減少しています。利子及び取扱費については、企業債残高の減少や利率の低下により、四百二十一億円から六十二億円に減少という報告を受けております。
 コロナ禍にあり、現在の起債残高三千二百十二億円の今後の償還をどうしていくのか、改めての中長期的な考え方をお示しください。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 企業債には、世代間の負担を公平にするという意義がございます。
 こうしたことも念頭に、企業債残高につきましては縮減に努めつつ、財務状況を踏まえ、適切に管理してまいります。

○上田委員 企業債については、毎回、私も、ご答弁をいただくたびに、世代間の解消は少子高齢化では通用しない理論だ、考え方だというふうに申し上げておりました。また、コロナにおいて、さらにその思いは強まっております。
 先ほどの外郭団体のあり方、委託のあり方も踏まえて、こちらの今回の事務事業は、私、決算委員会はじき出されて、許してもらえないので、決算の目線でチェックをさせていただきまして、来年度予算を踏まえて、またしっかりと調査をさせていただきまして、審査に当たらせていただきたいとお約束を申し上げて、私の質疑を終わらせていただきます。

○たきぐち委員 私からは、まず、新交通事業、日暮里・舎人ライナーについて伺います。
 足立区と荒川区を九・七キロ、十三駅で結ぶ日暮里・舎人ライナーは、平成二十年三月の開業から十二年が経過をいたしました。
 開通に伴う沿線地域の開発で、乗客数は開業当初の需要予測及び目標値を大幅に上回りながら推移すると同時に、通勤、通学時間帯の混雑も想定を上回り、全国でワーストファイブに入る混雑の解消のための車両増備等による減価償却費の増加が、初期投資に加え、経営に影響を及ぼしているというのが現状であると認識をしております。
 乗客数の増加によって、償却前損益は、平成二十年度以降黒字が続いておりますが、経常ベースでは、令和元年度決算で五億八千百万円の赤字となっております。
 新型コロナウイルスの感染拡大によって、JRや私鉄各社、鉄道事業者は軒並み厳しい経営状況にあることが報じられているところでありますが、新交通事業について、新型コロナの感染拡大による収入の影響と今後の見通し、また、コロナ禍での朝の混雑状況に変化はあったのか伺います。

○相川電車部長 新交通事業の令和二年度第一・四半期の乗車料収入は、前年度と比較して三割程度減少となっておりまして、今後も、コロナ禍前の水準への回復は期待できないなど、厳しい状況が続くものと見込んでおります。
 また、現在の朝ラッシュ時間帯の利用者数については、感染症拡大前の本年一月下旬と比較すると二割程度減少しております。

○たきぐち委員 乗車料収入が対前年度比三割程度の減、先ほどから質疑の中でも出ておりますが、この資料では三〇・三%の減ということが記載されております。これまで以上に、経営改善に向けた取り組みが求められるかと思います。
 同時に、混雑対策としては、これまで、たび重なるダイヤ改正やロングシート車両の導入、これは、過日の決算特別委員会の馬場議員の質疑の中で、今後、十二編成を順次更新し、二十編成中十六編成がロングシート型の新型車両となる予定と答弁がありましたが、こうした車両面での対策を図るほか、時差ビズなどソフト面での対策を講じてきたところかと思います。
 今般のコロナ禍におけるテレワーク等の進展が結果として混雑緩和につながっている側面があるとするならば、こうした社会情勢の変化を捉まえ、また、現在、ラッシュ時間帯で二割程度減少しているとご答弁がありましたけれども、これが終息までの一時的な現象なのか、テレワーク等の定着による継続的なものなのか、しっかりと見きわめた上で、今後の中長期の投資につなげていただきたいと思います。
 経営改善に向けては、土休日と平日昼間の利用者をいかにふやしていくのか、これが議会でも指摘され続けている課題かと思います。
 これまでの施策がどのように増客に結びついてきたのか伺います。その上で、今後、さらなる効果的な施策展開を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○相川電車部長 日暮里・舎人ライナーは、ラッシュ時に利用が集中しておりまして、平日の昼間及び土休日の旅客誘致が課題であると認識しております。
 これまでも、旅客誘致に向けて、多言語による案内冊子に加え、交通局公式ホームページやSNSなどにより、沿線の見どころやグルメスポットに関する情報を発信してまいりました。また、千本桜まつりに合わせてスタンプラリーを実施するなど、さまざまなイベントを開催してきておりまして、これらの取り組みが、平日の昼間や土休日に利用するお客様の増加に寄与したものと考えております。
 今年度も、旅客誘致イベントの一つとして、日暮里・舎人ライナーと東京さくらトラム沿線を周遊して謎を解く宝探しイベントを、沿線区や舎人公園とも連携して実施する予定でございまして、引き続き、冊子の配布やイベントの開催などを通じて効果的なPRを展開いたしまして、さらなる旅客誘致に取り組んでまいります。

○たきぐち委員 日・舎ライナーは、通勤、通学路線としての性格が強い路線であります。また、来年、沿線に医療機関が新設されるなど、沿線における開発など外的要因が乗客数増に働くことも予想されるわけでありますが、不断の経営努力が不可欠であることはいうまでもありません。
 今ご説明がありましたイベントの取り組みが、平日の昼間や土休日の利用増加に寄与したということで、さまざま取り組みを実施されてこられた、また実施されていくかと思いますし、また、各種冊子が駅構内に置かれている状況も、私自身も確認をしているところであります。
 現在、中止が続いているイベントが再開した後には、土休日のイベント時、また、平日の時間帯別の統計データを集計し、定量的にその効果を図っていくことも必要だと考えます。
 あわせて、今後、JR、メトロ、都電との結節点、これは日暮里、西日暮里、熊野前になりますが、また、熊野前からの乗りかえ先、三ノ輪橋や王子、大塚などにおける広報の改善、取り組みの強化を図ることで、SNSやPROJECT TOEIなどによる情報発信と有機的に結びついて波及効果が生まれるような、観光客の回遊性が向上するような工夫、戦略的な取り組みを求めておきたいと思います。
 次に、軌道事業、都電荒川線について伺います。
 改めて、都営交通百年の記念誌を見ますと、昭和十八年の乗客数は七億人を超えると。現在、都営地下鉄の利用者数が約十億人ということでありますが、一日当たり百九十三万人が利用していたことが改めてわかりました。
 近年も、少子化や社会環境の変化に伴って乗客数は漸減傾向にあり、交通局も、毎年の決算状況から厳しい経営が続くとの認識を示されているところであります。乗客数については、二〇一二年を底に、年によってでこぼこはあるものの、横ばい、同水準で推移していると捉えることもできるかと思います。
 令和元年度決算は、乗客数が対前年度比一・五%減、乗車料収入は一・一%減で、五億八千万円の経常赤字と確認をしております。
 新型コロナウイルスの影響は都電荒川線についても同様かと思いますが、今期の乗客数、乗車料収入への影響、また、都営地下鉄と比較した交通局の認識について伺います。

○相川電車部長 東京さくらトラム、都電荒川線の利用者数は、新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に減少しております。本年四月から八月までの利用者数及び乗車料収入は、ともに前年度と比較して三割程度減少いたしました。
 一方、都営地下鉄では、前年度と比較して四割程度の減少でありました。
 東京さくらトラムは、地域に密着した都民の足として利用されていることから、地下鉄に比べて減少幅が小さかったと考えられます。

○たきぐち委員 一昨年の十二月から、あらかわ遊園が休園しているということも前期決算から多少なりとも影響していると推察をいたしますが、ことし八月までで三割減ということで、さらに厳しい状況にあります。
 地下鉄と比較して落ち込み幅が小さいのは、地域に密着した都民の足として利用されるということでありますが、日暮里・舎人ライナーも同様でありますけれども、輸送力や輸送距離が中規模、中距離であることなど、事業の性質が異なることにもよるものと考えます。
 先ほど、おじま都議の質疑の中でも、バスについても下町エリアでは九割程度回復してきたということで、そういった地域性もあろうかと思います。実際、私も都電荒川線に乗りますと、平日の利用者は体感としても戻りつつあるというふうに感じております。
 しかし、地域イベントの中止等が続いていて、通期で見ても厳しい決算が予想されます。引き続きの経営努力を求めておきたいと思います。
 次に、利用者の内訳についてでありますが、令和元年度における乗客数において、定期券利用者と定期券外利用者の内訳数と、十年前、五年前と比較して、どのような変化があるのか、今後の見通し、予測もあわせて伺います。また、令和元年度定期利用者のうちシルバーパス利用者はどれくらいいるのか伺います。

○相川電車部長 東京さくらトラムの令和元年度の一日当たりの利用者数は約四万七千人でございまして、このうち定期利用者数は約二万三千人、うちシルバーパスを含む福祉乗車券などの利用者数は約一万三千人、定期外利用者は約二万四千人でございました。
 十年前の平成二十一年度の一日当たりの利用者数と比較しますと、定期利用者が約二千人増加、定期外利用者が約四千人減少、五年前の平成二十六年度と比較しますと、定期利用者が約一千人増加、定期外利用者が約一千人減少となっております。
 今後も、少子高齢化の進行やそれに伴う生産年齢人口の減少等が見込まれまして、利用者数の大幅な伸びが期待できず、厳しい状況が続くものと認識しております。

○たきぐち委員 都電の利用客の見通しについては、今後も乗客数の大幅な伸びは期待できないことから、観光PRの強化によって新たな利用者を開拓することで増客対策に取り組んでいくと、三年前の公営企業決算の委員会で答弁されておりますが、増客対策が、定期券外の利用者の数値にあらわれていないということは、改めて課題認識として捉えるべきと考えます。
 新型コロナの影響で、現在、インバウンド需要は激減している状況にありますが、この間、多言語による情報発信等にも取り組まれてきました。
 近年の傾向として、外国人利用者は増加してきたのか、今後、外国人利用者の需要を喚起する取り組みを進めるとともに、その効果を検証すべきと考えますが、見解を伺います。

○相川電車部長 東京さくらトラムの外国人利用状況につきましては、乗務員や三ノ輪橋おもいで館の職員への聞き取りなどによりまして、コロナ禍以前では年々増加傾向にあったと認識しております。
 これまでも、多言語によるSNSやリーフレットなどによる情報発信のほか、海外への旅行博におけるPRやモデルルートの紹介など、外国人旅行者をターゲットとしたさまざまな旅客誘致策を実施してまいりました。
 訪日外国人数が回復した際には、改めてこうした取り組みを進めていきますとともに、外国人利用者の状況を、沿線の店舗や施設などにヒアリングを行ってまいります。

○たきぐち委員 沿線の商店街の方々から、たびたびお話を聞く機会がありますが、コロナ前に増加しつつあった外国人が、現状はほぼゼロだという状況も伺っております。インバウンドの回復には時間を要するかと思いますが、外国人をターゲットとした施策を展開するに当たり、どのような結果に結びついているのか、今後、局として検証する姿勢が重要だというふうに思います。
 大塚に開設された星野リゾートのOMO5という、ここには都電ルームというのもあるんですが、こうした施設であったり、外国人を対象とした宿泊施設や店舗などとの連携を図りながら、情報収集、実態把握に努め、ターゲットを明確にした広報戦略につなげていただきたいと思います。
 昨年の訪日外国人が三千万人、消費額四・八兆円であったのに対し、国内旅行者は約五億九千万人、消費金額は約二十二兆円にも達するわけであります。
 国内外問わず誘客を進めていくことが必要でありますが、旅客誘致の拠点として、三ノ輪橋おもいで館が開業して二年が経過をいたします。利用状況とこの間の取り組みについて伺います。

○相川電車部長 都営交通案内所、三ノ輪橋おもいで館は、お客様の利便性の向上を図るとともに、地域とも連携して沿線情報を発信する新たな拠点とすることを目的といたしまして、平成三十年十月に開設いたしました。
 三ノ輪橋おもいで館では、都営交通及び沿線情報の案内、各種案内冊子の配布、乗車券やグッズの販売などを行っておりまして、開設以来約六万人のお客様にご来館いただいております。
 また、令和元年度からは、都営交通のグッズに加え、民間企業が製作した東京さくらトラムの関連商品を販売しておりまして、商品の定期的な入れかえなどにより、新たなお客様を開拓しますとともに、リピーターをふやす取り組みも行っております。
 今後も、三ノ輪橋おもいで館を活用いたしまして、東京さくらトラムを初め、都営交通の魅力を広く発信してまいります。

○たきぐち委員 おもいで館は、情報発信拠点かつ乗車券の販売拠点として開設をされ、運営は都営交通協力会に委託をしております。十四坪程度の広さでありますが、観光性を高めた拠点とするならば、現在の週休二日制を改善するなど、さらなる集客に向けた工夫が必要だというふうに考えます。
 平成二十五年に交通政策基本法が施行されました。交通に関する施策の推進は、まちづくり、観光立国の実現、その他の観点を踏まえ、当該施策相互間の連携及びこれと関連する施策との連携を図りながら行われなければならないと規定をされております。まちづくりと一体のものとしての交通政策の取り組み、観光の観点からの誘客を図るための取り組みが求められていると理解をしております。
 今ご答弁がありましたとおり、新たな利用者を開拓し、リピーターをふやしていくためには、旅客誘致に向けたさらなる工夫を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○相川電車部長 旅客誘致に向けた取り組みといたしましては、主に都電ファンや観光客をふやすことが効果的であるため、これまで、荒川車庫の公開イベント、四季折々の装飾を施した電車の運行、沿線のお出かけスポットを周遊していただくスタンプラリー等を実施してまいりました。
 また、外国人観光客に対しては、SNSの情報発信や多言語による案内パンフレットの作成、海外旅行博への出展等PRに努めてまいりました。
 さらに、今年度は、都電グッズの通信販売に加え、ファンに向けた鉄道部品の販売を行うオンラインイベントを行う予定でございます。
 今後とも、新たな都電ファンや観光客などを開拓し、増客対策に取り組んでまいります。

○たきぐち委員 さまざま取り組まれていることは承知をしております。
 今ご答弁がありました装飾電車の運行、これは先月までハロウィン号というのが運行をされておりまして、現在は、荒川一中前停留場の開設二十周年の記念ヘッドマーク車両というのが運行しています。本来であれば、あさって式典が行われるはずだったんですが、中止になってしまいました。
 こうした都電の運行状況については、昨年八月から、都営交通アプリによる検索が可能となって、利便性が高まったわけでありますけれども、こうした企画車両についても、リアルタイムでしか把握することができず、例えば、ハロウィン号に乗車したい、撮影したいという場合にも、その時点で検索をするか、または営業所に電話をして、運行状況を問い合わせるしか方法がないという状況で、先日もいろいろな方と意見交換というか、いろんなご意見もいただきました。
 交通需要を経済学的見地から見ると、目的地での活動に付随して移動が発生する派生需要と、移動そのものに目的がある本源需要とに分類されます。企画車両というのは、まさにこの本源需要として位置づけられる施策であるというふうに考えます。事前の運行時間の情報発信、企画の期間中や終了時点で車両を撮影する機会の提供など、都電に乗車すること自体を目的とする需要客、都電ファンや観光客目線に立った取り組みを求めておきたいと思います。
 また、近年は、観光市場におけるFIT化、これは個人旅行のことですが、こういったFIT化が進展しており、観光地域内の二次交通としての地域交通の重要性が高まっているといわれております。その観点からも、沿線区との連携は不可欠だと思います。
 都電荒川線沿線四区地域活性化協議会では、どのような提案、議論等がなされ、事業運営に貢献しているのか、果たしている役割について伺います。あわせて、行政以外の関係団体も加えるなど一層の充実を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○相川電車部長 都電荒川線沿線四区地域活性化協議会は、荒川区、北区、豊島区、新宿区と交通局とが連携し、沿線地域の活性化を図ることを目的として設置されまして、これまで、都電さくら号の運行、スタンプラリーなどを企画し、実施してまいりました。
 また、交通局では、行政以外の団体とも積極的に連携し、都電の魅力向上やPRに取り組む都電サポーターズによる親子料理教室やバラの剪定体験を開催したほか、荒川区のジョイフル三の輪商店街を回遊するスタンプラリーなどを行っております。
 今後とも、沿線自治体や団体などと連携いたしまして、さらなる地域の活性化に取り組んでまいります。

○たきぐち委員 協議会は年に二回程度開催されていると聞いております。四区の担当者は、いずれも観光の所管ということであります。さまざまなイベント企画を実施しているということでありますが、ターゲットをより広く捉え、各区の地域活性化策、観光施策と連動する取り組みを求めたいと思います。
 また、例えば、シェアサイクルとの連携など、地域横断的、局横断的な施策、低炭素や交通まちづくりという観点からのアプローチを都が主導するなど、今後、協議会の活性化も図っていただきたいと思います。
 経営基盤を安定させるためには、乗車料収入が基本であります。
 軌道事業の乗客数の目標を設定した上で、PDCAサイクルを回すことが重要だと考えますが、見解を伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 交通局では、経営計画二〇一九におきまして、各事業の乗客数を踏まえ、令和元年度から三年度までの財政収支計画及び令和十年度までの収支見通しを算定しております。
 軌道事業においても、この経営計画に基づき、沿線地域との緊密な連携のもと旅客誘致の取り組み等を実施しております。また、施策の執行状況を検証し、適宜執行計画を見直すなど、PDCAサイクルを回しながら事業を運営しております。

○たきぐち委員 経営計画二〇一九では、令和十年度まで経常損失が続くと見込まれております。新型コロナの影響で、経営計画にも大きな修正が加わるものと考えますが、さまざまな誘客に向けて施策を講じているからこそ、挑戦的な乗客数の目標を設定していただきたいというふうに思います。あわせて、これまで、車両数の見直し、これは日・舎ライナーと逆に車両数を減らす方向でコスト縮減が図られてきたと承知をしております。
 先ほど、定期利用者は増加しているという答弁がありましたが、このうちシルバーパスの利用者、これが五年ごとの国交省の大都市交通センサスに合わせて実施されるものなので、現在の実態が正確に反映されたものではないと認識をしております。
 これが仮にIC化されれば、より正確な情報というのが把握できるんだと思いますが、都電荒川線に乗車しますと、現在、平日の昼間であっても、区間や時間帯にもよりますけれども、決してがらがらという状況ではないんです。むしろ混み合っていることも多いです。こうした利用状況、利用客の実態をしっかりと調査した上で、次期経営計画に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 都電荒川線について、るる申し上げてまいりましたけれども、軌道事業は、交通事業会計における決算ベースの収入で七%弱、都営地下鉄、高速電車事業と比べると二%強にすぎない規模でありますが、都営交通の象徴的存在であり、沿線区民の足として長年にわたり利用され、唯一残った都電として親しまれてきたところであります。私自身も、地元を運行する都電荒川線への思いは強いものがあります。地域でも、そうした思いを持つ区民、都民は多く、都電の冠をつけたイベントや店舗など数多く存在をするわけです。
 軌道事業は、公共交通としての役割を果たすと同時に、地域活性化とも不可分な事業であり、地域との連携、民間との連携をさらに進めながら事業展開を図っていただきたいと考えますが、都電荒川線、軌道事業に対する内藤局長の考えを伺います。

○内藤交通局長 かつて都内を縦横に走っていた都電は、モータリゼーションの進展によりまして、多くの系統が廃止され、残る荒川線も、地下鉄の新線開業等の影響によりまして、徐々に利用者が減少し、近年では、赤字基調が続く厳しい経営状況に置かれてございます。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響で、利用者数は一層減少しており、今後はさらに厳しい状況が続くものと見込んでございます。
 一方で、東京さくらトラム、都電荒川線は、東京に唯一残る都電でございまして、地域に身近な交通機関としての役割を担ってございます。また、先般、路面電車として全国初のロングライフデザイン賞を受賞したところであり、これは、都電のレガシーとしての価値が評価されたものであると受けとめてございます。
 こうした文化的な側面も含めまして、東京の貴重な観光資源としての魅力発信に一層努めていく必要があると考えてございます。
 今後とも、安全の確保に最大限配慮しながら、沿線地域とも緊密に連携して旅客誘致に努めるとともに、さまざまな観点から経営改善に取り組み、安定的な事業運営を図ってまいります。

○たきぐち委員 三ノ輪橋に局長が視察に来られたということは、商店街の方からも聞きました。下町ですので、すぐにそうしたことが耳に入るわけでありますが、コロナの影響で厳しい状況が続くと見込む一方で、観光資源としての魅力発信に一層努めていくという答弁でありましたので、期待をしたいと思います。
 同時に、きょうは、観光客の誘客という視点で伺いましたけれども、都電荒川線は、区民、都民の足であります。先日、電動車椅子の方がスムーズに電停を乗りおりしている様子を目にしたところであります。
 安全性の向上やバリアフリーの確保など、引き続き、さらなる利便性の向上に向けて、利用者の声を届けていきたいということを申し上げまして、私の質疑とさせていただきます。

○川松委員 私からも、交通局事務事業について質問をいたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症に関連して何点か伺います。
 都営交通の乗車料収入は、新型コロナウイルス感染症の影響により、第一・四半期で、前年に比べておよそ二百億円の減収、このうち都営地下鉄がおよそ百七十億円の減収と聞きました。都営地下鉄の令和元年度の年間乗車料収入はおよそ千五百億円であり、四月、五月、六月の三カ月間で、その一割以上の額が減少しているということになります。
 ただ、一口に乗車料収入といいましても、利用者の地下鉄の使い方はさまざまです。具体的に、きょう、こういうふうに分けたいと思うんですが、地下鉄の乗車料収入を大きく定期券の利用者の分とそれ以外とに区分して、足元で何が起こっているのか、その性質に応じて分析することがその後の未来に向けての適切な対応につながるものと考えております。
 そこでまず、第一・四半期の減収百七十億円について、定期と定期外とでどのような状況になっているのか、また、その要因をどのように考えているのか、見解を伺います。

○相川電車部長 都営地下鉄の今年度第一・四半期の乗車料収入は、前年度同期から四四%減少して、約百七十四億円の減収となっております。
 そのうち定期につきましては二七%、約五十億円の減収となっておりまして、企業のテレワークの増加や学校の臨時休校等による定期券の買い控えの影響があったものと考えております。
 また、定期外につきましては五九%、約百二十三億円の減収となっておりますが、緊急事態宣言等を受け、不要不急の外出を控える動きが拡大したことが影響したものと考えております。

○川松委員 ありがとうございます。定期と定期外とでそれぞれ減収の要因が異なるわけで、また、定期外の方が影響が大きいということでありました。
 ここで一つ気になることがあるんですが、定期の収入のあり方について、テレワークの増加が減収の一因であるというお話が今ございましたけれども、これは、この環境の激変は別としても、もともと小池都知事は、コロナとは関係なく、それ以前からスムーズビズを提唱されていたわけです。スムーズビズが進んでいくと、ここまで急激とはいかなくとも、収入構造に変化があるということは予想できたのではないかなと思うんです。
 ここでお聞きしたいんですけど、交通局は、経営計画におきまして、収支計画を定めて日ごろ経営しているわけですが、知事がこれまで提唱してきたスムーズビズの取り組みの推進について、経営計画に織り込んでいなかったのか、その考え方を教えていただきたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 経営計画二〇一九においては、都の今後の人口動向、都心部や臨海地域を初めとしたまちづくりの進展のほか、スムーズビズの影響を含む直近の乗車料収入の基調等を踏まえ、令和元年度から三年度までの財政収支計画及びその後令和十年度までの収支見通しを算定してございます。
 一方、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークの急速な進展など、お客様の行動が大きく変容し、都営地下鉄の乗車料収入が減少する主な要因となってございますが、経営計画二〇一九では、こうした影響は見込んでございません。

○川松委員 これをあえて確認させていただいたわけですけれども、コロナ禍で一気にテレワークが進んだところであり、正直な話、今の答弁ですと、そこまで織り込んでいなかったというような、理解するところであります。ただ、実際、現状を考えると、今後どうしていくべきなのかというのは、経営の観点から考えなければいけません。
 先ほど確認させていただきましたけれども、第一・四半期は緊急事態宣言の期間を含むわけで、その後は人の流れは回復してきているということでございますが、先ほど、四月、五月、六月でしたけれども、直近では、乗車料収入の傾向に変化が出てきているのか、定期、そして定期外とに分けて、説明をいただきたいと思います。

○相川電車部長 定期につきましては、現在の第一・四半期と同様に、前年度からおおむね三割程度の減少が続いておりまして、引き続き定期券を買い控えする傾向が見られます。
 一方、定期外につきましては、緊急事態宣言が解除されて以降、一定の回復傾向が見られまして、第一・四半期には六割程度であった減少率が、直近では、三から四割程度の減少まで改善してきております。

○川松委員 つまり、今の答弁ですと、定期外については、既に多少は改善傾向にあることがわかりました。今後も東京の観光を初め人々の往来が再び活性化してくるということを考えれば、さらなる回復は期待できるわけです。
 今、産業労働局は、まさに観光支援に取り組んでいますけれども、全庁を挙げて、コロナ禍以前よりもさらに東京を盛り上げていかなければならないというのが、今の、目下の課題だと思います。ぜひ、交通局にも、収入の確保と東京の活性化の両面から、ここは努力していただきたいと思いますが、一方で、定期の方、大事な方ですけれども、定期は、回復が鈍く、都知事は、コロナ禍でスムーズビズが進んだというような趣旨のことを発言されていますけれども、一方で、交通局は厳しい経営環境に追い込まれています。その中で、東京都は、今後さらにテレワーク導入を推進すると表明していまして、テレワークに伴う減収は、今後ますます拡大していくことも想定されます。
 そこで、交通局としては、このような状況も踏まえて、将来どのような考えで事業を運営していこうとされているのか、所見を伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症の影響で減少した乗車料収入は、コロナ禍前の水準への回復が期待できない厳しい経営状況が続くものと見込んでおります。
 こうした状況の中、さまざまな観点から、収入の確保や経費の節減に努めるとともに、経営計画に掲げた事業についても、安全の確保に最大限配慮し、規模や実施時期の見直しを進めております。
 また、テレワークの定着やオンライン授業など、お客様の行動変容に伴う需要の変化を見きわめ、中長期的な投資計画を検証してまいります。
 今後とも、東京の都市活動と都民生活を支える役割を果たし続けていけるよう、事業環境の変化に対応しながら、安定した経営基盤を堅持し、安全の確保を最優先に事業運営に取り組んでまいります。

○川松委員 このコロナ禍で、人々の行動様式が変化する中、人の移動を収入源とする交通事業者にとっては、事業環境の大きな転換点を迎えている。これは交通局に限ったことではなくて、全国全ての事業者に共通することだと思います。
 しかし、答弁にもありましたように、都営交通というのは、東京の都市活動と都民生活を支える重要な役割を担っています。その役割をしっかりと果たしていけるよう、あらゆる努力を重ねていっていただきたいということを要望しておきます。
 また、こちらはあまり話題になっていませんが、都営交通で運営している観光バスについても、八台という少ない規模とはいえ、コロナ禍で利用が激減していることかと思います。ここは、せっかくリフトつきの新車を導入したところでもありますので、あわせて皆様にはここを頑張っていただいて、軌道が戻るように、さまざまな工夫をしていただきたいということで、交通局にエールを送らせていただきたいと思います。
 次に参ります。
 厳しい経営状況の中、本業以外の収入もできる限り確保していく必要があります。
 一方で、公営企業という立場もあり、ただお金を稼ぐというだけでなく、経済性と公共性の両立という視点も重要ではないかというのが、誰もが考えるところだと思いますが、そこで、私の地元墨田区にあります都営浅草線本所吾妻橋駅の近くには、現在、未利用になっている交通局の庁舎がございます。
 そこでまず、この建物について、交通局が今後みずから使用される予定があるのか、どういうお考えでいるのか、確認させていただきたいと思います。

○坂田資産運用部長 委員お話しの建物は、浅草線の吾妻橋乗務区の庁舎として利用してまいりましたが、組織統合により利用を廃止しております。
 今後の活用につきまして局内で検討した結果、本来事業での利用予定はなく、老朽化も進んでいることから、早期に土地の利活用を図るため、今年度、解体に向けた調査を実施しているところでございます。

○川松委員 今後は、この建物を解体して利活用を図っていくというご答弁がありましたけれども、ここはまさに駅前の好立地ということもあって、地元の関心が高くなっています。
 実際に私のところにも、活用可能であれば、駅利用者のための駐輪場を整備してほしいという要望があったりとか、あるいは、おみこしなど地域のシンボルとなるようなものを設置できるようなスペースが欲しいという声も届いておりまして、さまざまな声を踏まえながら、交通局としては次の計画を立てていくべきだと思いますけれども、今後どのような考えで跡地を利活用していくのか、教えていただきたいと思います。

○坂田資産運用部長 跡地につきましては、駐輪場整備などのさまざまな要望があることは承知しております。
 一方、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う厳しい経営状況の中、関連事業収入の確保も必要でございます。
 今後、地元区からの要望も踏まえながら、最も有効な活用方法を検討し、利活用を図ってまいります。

○川松委員 ありがとうございます。
 ここは今、交通局の資産であるということは間違いありません。これまでの質疑にもありましたように、とりわけコロナ禍で厳しい経営状況の中、基本的には交通局の収益確保を第一で考えるべきだと私は思いますけれども、一方で、公営交通事業者として地域との連携も重要です。
 そうした中、地元区や地元住民の皆様の声を聞き、この地域、エリア全体にとって、本当にプラスになるのは何かをきっちりと検討すべきだということを主張していきます。
 また、地域の声も日に日に進歩していますので、情報も更新していただいて、利用方法案はブラッシュアップし続けて、地域と密着した形でこの財産を活用していただきたいということを強く要望しておきます。
 さて、次に、視点を変えて質問させていただきたいと思いますが、先日、交通局が所蔵する東京市営乗合自動車、通称円太郎バスが国の重要文化財に指定されましたが、公営企業委員の皆さん、円太郎バスをご存じでしょうか。(「知らない」と呼ぶ者あり)これが現状です。
 これ、我が国最初の公営乗合自動車として現存する最古の車両でして、全国の中でも珍しい、大変貴重なものを東京都は所蔵しているわけなんですね。
 そこでまず、この円太郎バスの概要と重要文化財指定に至るまでの経緯について詳しく丁寧に説明していただきたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 円太郎バスは、関東大震災により壊滅的な被害を受けた東京市電の代替として、震災の翌年、大正十三年一月に運行を開始いたしました。
 震災後の東京復興を支えるとともに、交通局の前身でございます東京市電気局が乗合自動車事業を開始するきっかけともなりました。
 現存する最古の車両につきまして、令和二年三月、文化庁の文化審議会において、乗合自動車が都市公共交通手段として日本各地において活躍していく端緒となった時期の希有な伝存車両であり、交通史上、社会史上に貴重であると評価されまして、本年九月三十日に、自動車では初となる国の重要文化財に指定されました。

○川松委員 今回、今のような経緯で重要文化財に指定をされたことで、今までよりも多くの方に知っていただく機会になったわけですが、今の答弁にもありましたように、関東大震災で市電が壊滅的な被害を受ける中、柔軟かつ機動的に代替輸送手段を確保し、東京市民の足としての役割をつないでいったものであり、東京の交通史上、重要なものですと、交通史上だけではなくて、この円太郎バスがあったからこそ、大震災後の東京、そして日本が元気になったというような象徴のものなんですね。
 今、時代が変わって、現在はまさにコロナ禍においてですけれども、やはりここを乗り越えていくためにも、円太郎バスから多くのパワーをもらうとか、あるいは円太郎バスを宣伝することによって、多くの皆さん方に希望の光を見出していこうということは、私、重要だと思いまして、実際には、コロナ禍で人を集めるイベントというのは、開催は判断が難しいと思いますけれども、多くの人に知ってもらうために、この重要文化財指定という今回の、この九月に指定されたばかりという今のタイミングの絶好の機会を捉えまして、三密に配慮しながら、円太郎バスを積極的にPRしていくべき、これはしていかなければならないと考えますけれども、現在の交通局の所見を伺います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 円太郎バスを多くの方々に知っていただくことは、国民の文化的向上に資するという文化財保護法の目的にかなうだけでなく、都民の暮らしと東京の発展を支え続ける交通局の歴史に興味を持っていただく絶好の機会になると考えております。
 円太郎バスは、現在、倉庫に保管しておりますが、新型コロナウイルス感染症の状況などを踏まえまして、オンラインイベントを実施するなど、重要文化財指定という好機を生かしたPR施策を展開してまいります。

○川松委員 ぜひ、話題性のあるようなおもしろい企画を期待させていただきます。今は倉庫に保管しているということですけれども、いつか折を見て、実物をお披露目していただくような機会も検討していただきたいと思いますし、今、デジタルなどのことを駆使すれば、当時を再現するだとか、いろいろなことを体験--これは実際に、今乗ることは相当厳しいというふうにお聞きしていますけれども、バーチャルな体験もできるような企画を交通局として進めていただきたいということを要望しておきます。
 次に、東京のまちの変化にどう都営交通が対応していくのかという観点で質問いたします。
 コロナは人々の行動を一変させました。これはいうまでもありません。そして、この行動が変われば、それぞれの地域の役割も変わり、東京のまちのあり方も変わってきます。
 まちの発展への対応という面では、現在、浅草線の泉岳寺駅について、地上部の再開発とあわせて駅の大規模改良工事を進めているところです。
 本年三月の公営企業委員会で、私、ここの泉岳寺駅の質問もしましたけれども、そのときに、国際交流拠点としてふさわしい駅となるよう着実に事業を推進するという答弁をいただきましたが、大きく発展するポテンシャルを秘めたこのエリアにおいて、都営地下鉄の駅が担うべき役割は決して小さいものではありません。
 泉岳寺駅のすぐ近くの高輪ゲートウェイ駅では、最新技術を導入して、今オープンしたわけですけれども、デジタル技術の開発は日進月歩です。
 泉岳寺駅において、新技術も積極的に取り入れながら、時代に即した新たなサービスを提供していく駅になってもらいたいなと考えておりますが、現在の所見を伺います。

○相川電車部長 都営地下鉄ではこれまでも、AIを活用した案内ロボットやQRコードに対応した次世代券売機を導入するなど、新たな技術を積極的に取り入れながら、サービスの向上に努めてまいりました。
 泉岳寺駅は、国際交流拠点として開発が進められている品川駅周辺地域の中にあり、駅のリニューアルに当たっては、時代のニーズに即したサービスを提供していく必要があると考えております。
 このため、日々進化する技術革新の動向や、新型コロナウイルス感染症がもたらす人々の行動変容等を注視しながら、例えば、非対面、非接触等を実現する設備の導入や進展する通信技術等を活用した情報案内など、新たなサービスの提供に向けて検討を進めてまいります。

○川松委員 駅の完成はまだまだ先のことでありますけれども、それまでの間にもさまざまな技術が開発、実装されることだと思います。今こういうものをつくるとかというよりも、どのようなサービスをどのように提供していくべきなのかという根本をしっかりと持って、さまざまな情報を鋭敏にキャッチしながら検討を進めていっていただきたいと思います。
 そして、先ほど、コロナを引き合いに、人の行動が変わればまちのあり方が変わってくるという話をしましたが、まちのあり方が変わると、必要な移動ルートというのは当然変わるものなんですね。それに合わせて、移動を支える公共交通の整備、充実が求められますが、一方で、鉄道は、新線建設ということになりますと、時間もかかるし、お金もかかります。
 こういう状況だと、変化するニーズに柔軟に対応できるのがバスの強みだと、私、考えますけれども、時代とともにまちの姿が変容する中で、変化を本当に鋭敏に捉えて、柔軟にバス路線を設定していくべきと考えますが、今のこのバス路線の設定についてのあり方、考えを教えていただきたいと思います。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 都営バスではこれまでも、乗客潮流の変化を的確に捉えて、路線やダイヤの見直しを行ってまいりました。
 具体的には、オフィスビルや大規模住宅などの開発が進んで、都営バスへの需要が高まっている地域におきましては、路線の増便等を行っております。
 一方で、鉄道の開業や新規事業者の参入などによって代替交通が確保されましたり、利用者が少なくなったりしました路線につきましては、減便等を行っております。
 今後とも、需要の変化に合わせて、限りある経営資源を有効に活用することによって、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まりますよう路線やダイヤを見直してまいります。

○川松委員 当然、オフィスビルのあり方も、この後、コロナ禍、そして、その先に向けて、どういう地域にどういう人たちが集まってくるのか、変わってくるでしょうし、今お話ししました高輪ゲートウェイ駅含めて品川の一帯のエリアのあり方も変わってきますので、ぜひ、東京がさらなる飛躍、発展を遂げていくためにも、皆様方の力である機動力のあるバスの強みを生かして、ニーズに的確に応えて、その上で、都民の皆さん初め東京に来られる皆さん方が、東京すばらしいなと思ってもらえるようなまちを、この路線を駆使することからつくっていただきたいと思います。
 そして、次に、私のもとに都営交通に関してさまざまな声が届いているので何点か伺います。
 まず、都営地下鉄蔵前駅の乗りかえ利便性向上についてです。
 浅草線の蔵前駅と大江戸線の蔵前駅は、同じ都営の、同じ名前の蔵前駅であるものの、乗りかえには一旦地上に出なければならず、しかも、この間が二百七十メートルあります。改善を求める声が、皆さんのところにも届いているでしょうし、私のところに何度も届いていますが、私自身も本当、先日、最初は浅草線に乗っていて、大江戸線に乗りかえようと思ったら、最初、雨降っていなかったんですけど、蔵前駅を出たら雨が降っていて、これはもう傘もないし大変だと思ったら、目の前にバスがあったので、バスでさらに先まで行って、新宿線に乗って都庁に来たなんてこともあるぐらい、結構ここで困っている方がいるわけですね。
 何でこんなことをいうかというと、交通局が、経営計画二〇一九に、蔵前駅について、連絡通路の新設に向けて検討を進めますとしっかりと掲げているんですけれども、私からすると、その検討状況が進んでいるように見えないわけです。
 改めて、蔵前駅の連絡通路新設について状況を伺いたいと思います。

○谷本建設工務部長 蔵前駅につきましては、お客様から連絡通路の設置を求めるご要望をいただいており、乗りかえ利便性向上などを目的とした通路新設の可能性について検討を進めております。
 検討に当たりましては、道路下への新設を前提として、導入空間確保の可能性や既存駅舎への影響などの課題を整理しております。その中で、連絡通路の設置を想定している道路下に埋設物がふくそうしていることから、施工時の移設等さらなる詳細な検討を要するほか、排煙設備の強化など、既存駅舎に大規模な改修が必要となることが明らかになりました。
 今後は、経営状況の変化も踏まえまして、整備のあり方も含め検討を進めてまいります。

○川松委員 これは、先般の公営企業委員会でも、中山委員も同様なことを聞いていたわけですけれども、余り話が進んでいないんですね、何度もいうように。駅の所在は、当然台東区でありますが、実際にこれを利用されている方、墨田区民も多いので聞いたわけですけれども、今、質問にもいいましたけれども、経営計画に検討を進めるというふうに書いてあるだけだったら、余り意味がないと思うんですね。本当にこれを、今いったように、いろいろな分析をした上で、本当にできるのかできないのかという判断もしっかりとやらなければいけませんし、なぜ私はこれをきつくいうかというと、路線図で、ほかは駅名が違うところがしっかりと連絡通路ができているのに、ここは同じ蔵前駅なんですね。大江戸線蔵前駅とかと名前がついているわけじゃなくて、両方とも単純な蔵前駅で、同じ名前で、路線図も一緒にくっついているように見せているけれども、実は地上に出なきゃいけないというのは、余りにもこれはスムーズじゃないし、不便だという声がたくさん出ています。
 このやり方をしていると、交通局は余り親切じゃないなといわれかねませんので、しっかりとですね、前に進むなら前に進むような検討をしていただいて、もし本当に厳しいということであるならば、何が厳しいのか、今お話出ましたけれども、さらに厳しいことを表に出した上で、この経営計画のあり方というのも見直すべきだと私は考えますので、この表記なども含めて、交通局の今後の動きを注視してまいります。
 次に、同じ浅草線の話ですけれども、ホームドア整備について伺います。
 都営地下鉄では、ご案内のとおり、三田線、大江戸線、新宿線では、ホームドアが全駅に整備されておりまして、残るは浅草線のみなんですね。
 浅草線も既に四駅に整備されています。残りの駅については、交通局では、令和五年度までに交通局が管理する全ての駅でのホームドア整備完了を目指すとしているんですが、私の地元にあります押上駅については、交通局ではなくて、京成電鉄が管理している駅だということで、この対象から除外されています。
 一方で、三田線や新宿線では、他社が管理している駅についてもホームドア整備が完了していまして、押上駅についても鋭意整備に向けて取り組むべきであると私は考えますけれども、これまで局は、押上駅のホームドア整備に向けて、関係者と協議を進めているというふうになっておりましたけれども、現在、押上駅、どのような状況になっているのか、教えてください。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 押上駅は、駅を管理する京成電鉄と交通局との共同使用駅でありまして、これまで、両社局で課題認識を共有しながら、ホームドア整備に向けた取り組みを進めてまいりました。
 押上駅のホームは、階段や支柱により、一部狭隘な箇所があることが課題でございましたが、ホームドアの配置の工夫等を行うことで、お客様の通行に影響を来さないことを京成電鉄が確認しております。
 また、ホームドアの重量を支えるためのホーム補強の検討や構造計算についても実施してきておりまして、こうした取り組みにより、ホームドア整備のめどがついたことから、令和五年度までの整備完了を目指すこととし、現在、基本協定締結の準備を進めております。
 引き続き、ホームドア整備の着実な推進に向けて、整備主体となる京成電鉄と綿密に連携を図ってまいります。

○川松委員 これは今、押上駅も含めて令和五年度までに全駅整備完了を目指すという前進した力強い答弁をいただきましたので、ぜひよろしくお願いいたします。
 とはいえ、現在コロナ禍で厳しい経営状況にあるのは、もう今までの議論の中でわかるとおり、金額のことを考えると大変ですけれども、利用者の皆さんの安全・安心のため、これを確保するためのホームドア整備という観点で、引き続き着実に進めていっていただきたいと思います。
 次、最後の質問になりますが、燃料電池バスについて伺います。
 交通局では、ご案内のとおり、水素で動く燃料電池バスをほかに先駆けて導入していまして、そのこと自体は評価をされています。
 徐々に導入が拡大されて、まちを走っている姿を見かけることもあるんですが、一方で、乗りたい、あのバス、何か乗ってみたい、格好いいけれども何だろう、いつ、どこで走っているのかわからないという声が、結構私のところに寄せられるんですね。たまたまめぐり会うのは難しくて、せっかく乗ってみたいという皆さんのお声、しかもこれを交通局は導入しましたよといろんなところで宣伝しているのに、なかなか利用できないという現状は、ちょっともどかしいなと思います。
 この燃料電池バスについて、いつ、どこを走っているのか、利用者はどうやったらわかるのかということについて伺いたいと思います。

○櫻庭バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、燃料電池バスやフルフラットバス、ラッピングバスの運行状況を、お客様がお手元のスマートフォンなどで検索できるサービスを提供しております。
 具体的には、都バス運行情報サービス、tobus.jpにおきまして、車両検索機能から調べたいバス車両の種類を選択していただきますと、当該車両が走っている位置をリアルタイムで表示いたしますとともに、それ以降のバス停に到着するまでの予想所要時分もご案内いたします。

○川松委員 ありがとうございます。
 情報は、交通局として出しているんだけれども、それがなかなか知られていないということが現状でして、ぜひここをPRしていただきたいと思うんですね。都バスですから、バスの車庫のいろんな状況によって、だから、今の話だと事前にはわからないということなんですね。その日で、今からだったらどこを走っているかなと見なきゃいけないし、自分が使う路線に走っているかどうかもわからない。ただ、今、僕の路線だったら、あと十分後にバス停に行ったら乗れるねということはわかると。これはぜひ、僕、何でこんなことをいうかというと、やはり、この水素で動いているバスというのは、環境に優しい交通局なんだ、そして、この環境の先端を走っている水素バスなんだということをアピールするために我々がやったとしても、利用者がいなかったら意味がないし、どんどんふやしていこうという事業と真逆の方向に行ってはいけないので、ぜひ櫻庭部長を含めて、皆さん方と一緒になって、もっと宣伝していくようなこと、必要な情報が必要な方に届くような仕組みをつくっていきたいなと思いますので、私もともに頑張りたいと思います。
 最後にまとめとしますけれども、冒頭に申し上げましたが、コロナで人々の行動様式が一変する中、人の移動を収入源とする交通事業者にとっては、事業環境の大きな転換点を現在迎えています。
 これは基本中の基本として、お客様に安全・安心の輸送手段を提供することがもうこれは大前提ですが、これまで、首都東京、東京というだけで、人の流れはたくさんあって、むしろ時刻表をどうやって工夫して、満員電車という課題を乗り越えていこうかとか、そういう、人がいることが前提での議論をやってきたわけです。でも、これ、コロナによって、全く見える景色が変わって、交通局の課題が変わってきたというのは、きょうは、先生方の、皆さんの質疑を通しても明らかになりました。それをこれからはいろいろと知恵を振り絞って、信頼される交通局、選ばれる交通局を今まで以上に模索しなければならない時代になったんだと思います。
 今こそ、将来をどう予測し、どう行動していくのかが、都営交通の未来を左右するといっても過言ではないぐらい大切な時代を迎えました。
 先ほど、私は、円太郎バスについても触れさせていただきましたが、関東大震災後に機動的に対応し、交通事業者としての役割を果たしていった先人たちの気概を、今回、重要文化財に指定されたということを契機に、皆さんと一緒に、ともにこの思いを持って、今の交通局も時代の変化を鋭敏に捉えて柔軟に対応しながら、都民の足としての役割を果たしていっていただくということ、そういうことを実行できるのが交通局なんだという希望を私は持っていますので、ここにおられる委員の先生方、皆さん、関係者一同が、力を合わせて、コロナ禍で、光輝く交通局となること、そこに持っていくということを皆さんと頑張りたいということを私も宣言しまして、質問を終りとします。ありがとうございます。

○田村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田村委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時十三分散会

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