公営企業委員会速記録第六号

令和二年三月十九日(木曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長伊藤しょうこう君
副委員長田の上いくこ君
副委員長山口  拓君
理事大松あきら君
理事河野ゆりえ君
理事増田 一郎君
平  慶翔君
上田 令子君
川松真一朗君
佐野いくお君
中山ひろゆき君
とくとめ道信君
長橋 桂一君
鈴木 章浩君

欠席委員 なし

出席説明員
交通局局長土渕  裕君
次長桃原慎一郎君
総務部長根木 義則君
水道局局長中嶋 正宏君
技監相場 淳司君
理事総務部長事務取扱岡安 雅人君
下水道局局長和賀井克夫君
技監神山  守君
総務部長久我 英男君

本日の会議に付した事件
決議について
予算の調査(意見開陳)
・第二十三号議案 令和二年度東京都交通事業会計予算
・第二十四号議案 令和二年度東京都高速電車事業会計予算
・第二十五号議案 令和二年度東京都電気事業会計予算
・第二十六号議案 令和二年度東京都水道事業会計予算
・第二十七号議案 令和二年度東京都工業用水道事業会計予算
・第二十八号議案 令和二年度東京都下水道事業会計予算
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○伊藤委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、決議について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました決議一件については、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

   工業用水道料金の減免措置に関する決議(案)
 東京都議会は、平成九年三月、工業用水道料金の改定に際し、長期化する景気の低迷を踏まえ、中小零細企業が多い用水型皮革関連企業に対して、特別の減免措置を講ずるべきとの付帯決議を行った。
 その後、都議会では、東京の地域経済や都民生活の状況を考慮し、減免措置の継続を求める決議を行ってきた。
 これを受けて、都は、工業用水道料金の減免措置を実施しているが、本年三月末日をもってその実施期間が終了する。
 しかし、我が国の景気は、緩やかに回復しているものの、都内の用水型皮革関連企業は依然として不況業種に指定されるなど、これを取り巻く環境は、今なお厳しい状況にある。
 よって、東京都議会は、用水型皮革関連企業に係る工業用水道料金について、減収分に適切な措置を行った上、令和二年四月以降も、減免措置を継続するよう強く求めるものである。
 以上、決議する。
  令和二年三月 日
東京都議会

○伊藤委員長  本件は、議長宛て提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。

○伊藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第二十三号議案から第二十八号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言をお願いします。

○平委員 都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託されました令和二年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 令和二年度予算は、東京二〇二〇大会を確実に成功させるとともに、成長と成熟が両立した輝ける未来の東京をつくる予算として、第一に、東京二〇二〇大会を確実な成功へと導き、次世代へのレガシーをつくり上げること、第二に、都政が直面する諸課題への対応とともに、ソサエティー五・〇の実現など、東京が成長を生み続ける成熟都市として進化を図るための取り組みを積極果敢に進めること、第三に、都政改革をさらに進め、ワイズスペンディングの視点により無駄の排除を徹底し、財政基盤をより強固なものにすることの三点を基本に編成されております。
 一般会計予算七兆三千五百四十億円、特別会計と公営企業会計を含めた全会計予算十五兆四千五百二十二億円の令和二年度予算には、子育て支援、未来を担う人材の育成、健康長寿の実現、地域コミュニティの強化、災害対策を初め、安全・安心の確保、東京の稼ぐ力の強化、中小企業支援、スマート東京の実現、都市環境の整備、多摩・島しょ振興、そして史上最高のオリンピック・パラリンピックの実現など、都民生活にとって欠かすことのできない大切な経費が数多く盛り込まれております。
 さらに、今月十一日には、WHOが世界的な流行を意味するパンデミックを宣言するなど、刻一刻と状況が変化する新型コロナウイルス感染症対策に関し、令和二年度補正予算においては、緊急対応、今後の備えの強化、都内産業・中小企業対策、情報発信の充実を柱とする対策が盛り込まれております。
 人口減少、少子高齢化、日本経済の国際競争力の低下、世界規模での地球温暖化、そして新型コロナウイルス感染症など、東京が今まさに歴史的な転換点に直面している中、都民ファーストの視点で東京のさらなる進化を図るとともに、都民の安全・安心を確保するため、効果的でスピード感のある政策の実現を強く要望いたします。
 それでは、各局事業について、まず、交通局関係について申し上げます。
 新型コロナウイルスについて、多くの人が利用する都営交通において感染拡大防止のために消毒作業や清掃の強化に取り組むと同時に、SNSや車内放送を通じて、せきエチケットや手洗いについての啓発、時差出勤、テレワークの呼びかけを継続されたい。
 二〇二〇東京大会の開催に臨み、都営交通を初めとする都内の交通機関及び都内の各駅におけるテロ対策に万全を期されたい。
 海外からの多くの来訪者を迎えるに当たって、都営交通の車内や駅構内における誘導サインを親切でわかりやすいものにするよう工夫されたい。
 また、交通機関や駅の混雑情報をSNSを使って積極的に発信されたい。
 都営地下鉄におけるバリアフリー化について、利用者の声に耳を傾け、一層推進されたい。
 浅草線について、その利便性や沿線の観光上の魅力を積極的にアピールし、利用者増加に努力されたい。
 浅草線のホームドア整備について、今年度の先行四駅のみならず、全駅への早期導入を図られたい。また、ホームドア設置等のタイミングで、ホームのかさ上げや十分な長さの手すりを設置されたい。
 近年の風水害の激甚化を受け、都営地下鉄各駅における浸水対策を早急に強化されたい。あわせて、各駅に接続する地下街やビル所有者等関係者と協力して、大規模災害に向けた誘導訓練を充実されたい。
 公共交通としてのバスの役割に鑑み、効率も重要だが、交通不便地域への対策を続けられたい。
 乗務員不足については、養成型選考の助成が充実したが、引き続き対策をされたい。
 都バスにおける二人乗りのベビーカーの乗車について、安全を担保した上で、利用者の立場に立った事業実施を図られたい。
 燃料電池バスが利用する水素ステーションの開所時間を柔軟に対応するよう要望されたい。
 バスや地下鉄で働く女性職員の施設を充実されたい。
 ホームに設置された地下鉄トイレは、可能な限り段差解消を図られたい。
 ユニバーサルシートつきトイレのピクトグラムについて、JISに登録され次第、掲示されたい。
 駅のエスカレーターにおける右側通行を控え、手すりにつかまって立つように足型を印字するなど、さらなる啓発活動に取り組まれたい。
 地下鉄ホームの段差、すき間対策は、上下線とも同じ場所にかさ上げをするか、全面かさ上げをし、可動式ステップの導入やくし状ゴムなどで工夫されたい。また、利用者にわかりやすく情報を提供されたい。
 台風十五号、十九号で被害に遭った設備に関しては、検証して、再度同様の被害が起こらぬよう対策されたい。
 子育て応援スペースを初めとするユニバーサルデザイン車両の導入を積極的に進められたい。
 次に、下水道局関係について申し上げます。
 台風十九号により被害を受けた西多摩地域の施設について、一日も早い完全復旧が果たされるよう尽力されたい。
 東京都豪雨対策アクションプランを着実に実行し、近年激甚化する風水害への備えを充実させ、都民の安心・安全を確保されたい。
 合流式下水道の改善対策として、雨水貯留施設等の整備を行うほか、高度処理施設の整備を進めることで、水質改善に向けた取り組みを着実に進められたい。
 都市に潤いをもたらす水辺環境を再生する取り組みを推進し、さらなる都市の水循環の形成に努められたい。
 市町村との連携を強化し、事業の収支状況、財政状況に対する理解を共有し、多摩地域の安定的な下水道事業運営に貢献されたい。あわせて、無駄の排除や収入増加への創意工夫を図るなど、事業収支の改善に向けた不断の努力を継続されたい。
 技術開発を推進するとともに、すぐれた技術やノウハウ等を生かした国際展開に積極的に取り組まれたい。
 東京二〇二〇大会のトライアスロン会場となる東京湾においては、東京二〇二〇大会のための特別な水質改善措置だけでなく、湾内における汚染物質の投棄防止及び汚染物質の流入の削減など恒常的な対策、水質改善に、関係局と連携して取り組まれたい。
 都市型水害に対応するため、一時間五十ミリ降雨に対応する施設整備を進めるとともに、甚大な被害が発生している地区などでは、一時間七十五ミリ降雨に対応した施設整備等を着実に推進されたい。
 合流式下水道の改善対策に引き続き取り組むとともに、可能な地域については、部分分流化を図られたい。
 東京湾域の水質改善に引き続き取り組むとともに、近隣県の協力を得られるよう働きかけを強化されたい。
 小規模対策地区には位置づけていないものの、浸水が多い地域については、地元区等と連携した雨水ますの増設や横断グレーチング型の側溝の設置を初めとする対策を検討されたい。
 災害時に利用できるマンホールトイレの設置を加速させ、住民に対して必要な周知を行われたい。
 浸水予想区域図を最新のデータに基づくものに更新し、浸水への備えを都民に向けて積極的に啓発するなど、ソフト面の防災対策を強化されたい。
 次に、水道局関係について申し上げます。
 業務の効率化を図り、利用者の利便性を向上させるため、スマートメーターの本格導入に向けた取り組みを加速されたい。
 申し込み手続書類や請求書、検針票など、オールペーパーレス化への取り組みを加速されたい。
 再生可能エネルギーの普及促進、CO2排出量を削減し、脱炭素社会の実現を加速されたい。
 震災対策の一環として、耐震継ぎ手化の事業の加速化を図られたい。なお、工事の発注に当たっては、近年の工事単価の高騰を踏まえられたい。
 貯水池及び取水、導水施設、ろ過池、配水池、避難所の給水管などの耐震化を進められたい。
 水源地を守るため、水道水源林の保全管理や多摩川水源森林隊による森林保全活動を推進されたい。
 大型台風の接近時に小河内ダムが緊急放流を行う際、その情報が下流域自治体に周知されるよう情報共有体制の確立を図られたい。
 災害のみならず、テロや事故等のさまざまな脅威への対策を強化し、危機管理に万全を期されたい。
 政策連携団体との官民連携の形態を検討するにおいては、それぞれの手法のメリット、デメリットを十分比較検討し、事業に対する都の責任を明確にしつつ、安定性と効率性が最大化される最良の方法を選択されたい。
 東京水道グループのコンプライアンス体制を抜本的に強化し、十分な研修体制を確立されたい。
 多摩地区の地下水の水質を維持するための監視体制の強化を図り、安全でおいしい水を供給するための総合的な整備を行われたい。また、更新時期を迎える多摩の水道施設について、重要度に応じた優先順位をつけて、適切に更新を進められたい。
 河川や地下水における有害物質の流入など、水質異常や事故発生時の関連自治体への情報共有体制を確立されたい。
 以上、都民ファーストの会東京都議団としての意見開陳を終わります。

○大松委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された令和二年度予算関連議案について意見開陳をいたします。
 令和二年度一般会計予算案は、東京二〇二〇大会の成功、また、成長と成熟が両立した、人が輝く東京の実現に向けて、東京の持続的成長につながる施策に重点的に予算措置を行うとともに、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制し、都民や企業の不安を払拭するため、補正予算、予備費の活用など、あらゆる手段を使い、令和元年度補正予算と合わせて五百億円を超す対策を講じています。
 具体的には、未来の東京戦略ビジョンを先導する事業を一〇〇%予算化するとともに、都議会公明党が強く求めてきた私立高校授業料の実質無償化の対象拡大、市町村総合交付金の拡充、多子、多胎児家庭の子育て支援、高齢者の移動支援、豪雨水害対策、ドクターヘリの導入推進など、都民の暮らしを守るための施策が随所に盛り込まれております。
 一方、都財政は、景気変動に大きく影響を受けやすい不安定な歳入構造にある上、令和元年度税制改正で講じられた地方法人課税のいわゆる偏在是正措置の影響が顕在化することや新型コロナウイルスの社会経済への影響など、都の歳入の根幹をなす都税収入の先行きは予断を許す状況にありません。
 こうした状況の中、令和二年度予算編成における事業評価の取り組みでは、新たにICT関係評価を開始するとともに、我が党がこれまで積極的な活用を求めてまいりました複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用し、いずれも過去最高となる八百八十四件の見直し、再構築約一千三十億円の財源確保額へとつなげています。
 また、令和元年度最終補正予算における新たな基金の創設を含め、中長期的な視点から基金残高の確保を行うなど、強固で弾力的な財政基盤を堅持しています。
 今後とも、いかなる状況にあっても、都民生活を守ることを最優先に考え、責任ある堅実な財政運営に努めることを強く望むものであります。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、交通局関係について申し上げます。
 一、交通局経営計画二〇一九に基づき、効率的な執行体制の構築など強固な経営基盤の確立に努めるとともに、都民が安心して都営交通を利用できるよう事故防止の取り組みを強化すること。
 一、地下鉄については、防災対策の充実に向け、ハード面はもとより、SNSを活用した運行情報の発信などソフト面の安全対策にも万全を期すこと。
 一、浅草線全駅について、早期のホームドア整備完了を目指し、関係機関とも連携して積極的に取り組むこと。
 一、地下鉄の利便性、快適性を向上させるため、混雑の著しい路線については、ダイヤの工夫等による緩和策を講じること。また、日暮里・舎人ライナーについては、座席を全てロングシート化して定員をふやした車両への更新を行うなど、混雑緩和策を推進すること。
 一、地下鉄乗りかえ駅などにおいて、エレベーター、エスカレーター等、高齢者や身障者等に優しい設備の整備を進めるとともに、サービス介助士の充実など、ソフト面のバリアフリー化にも積極的に取り組むこと。
 一、地下鉄駅のトイレの洋式化や温水洗浄便座の設置など、さらなる快適性の向上に取り組むこと。加えて、オストメイト用設備を備えたトイレの整備を推進すること。
 一、地下鉄やバスの施設や車内における多言語対応等案内表示の充実を進めるほか、地下鉄駅におけるコンシェルジュの配置拡大など、世界からの観光客を迎えるために必要な施策を推進すること。
 一、バス停留所に上屋、ベンチ等を整備するなど、利用者サービスの向上を図るとともに、ソーラーパネルの設置を推進すること。また、二人乗りベビーカーのバスへの乗車に向けて、関係機関と連携し、検討を進めること。
 一、東京さくらトラムについて、輸送の安全性、安定性の向上を図ること。また、地元との連携を図りながら、沿線地域の活性化に取り組むこと。
 一、各事業とも、導入する車両は、車内の一層のバリアフリー化やLED照明の採用など、誰にでも使いやすく環境に配慮したものとすること。
 次に、水道局関係について申し上げます。
 一、水源の確保については、利根川水系及び荒川水系における利水対策の推進を国に要望すること。また、原水の水質保全対策を積極的に推進すること。あわせて、水道水源林の適正管理に取り組み、水源地域の保全に努めること。
 一、安全でおいしい高品質な水を供給するため、水質検査及び浄水過程における水質管理を徹底すること。
 一、小中学校の水飲栓直結給水化モデル事業のフォローアップや、貯水槽水道対策の推進、直結給水方式の普及拡大に努めること。
 一、災害時等において断水被害を効果的に軽減させるため、重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化を優先的に推進するとともに、私道内給水管整備や水道施設の耐震化を着実に実施すること。断水の範囲や復旧状況等を地図情報で提供するなど、災害時の水の確保について都民にわかりやすく伝わるよう取り組むこと。さらに、水道が使えない状況を疑似的に体験するなど、水道の大切さを再確認してもらう取り組みを推進すること。
 一、政策連携団体を含む効率的な運営体制を構築するとともに、東京水道グループ全体のガバナンスとコンプライアンスを一層徹底されたい。
 一、工業用水道事業においては、効率的な事業運営に努めるとともに、令和四年度末の事業廃止に伴う利用者の経営等への影響を最小限にとどめられるよう、適切な支援を確実に実施すること。また、用水型皮革関連企業に係る工業用水道料金について、減収分に適切な措置を行った上、引き続き減免措置を継続すること。
 次に、下水道局関係について申し上げます。
 一、東京都下水道事業経営計画二〇一六に掲げた目標の達成に向けた取り組みを通じ、一層の都民サービスの向上と経営の効率化に努めること。
 一、施設の老朽化に対応しつつ、機能の高度化を効率的に図る再構築事業を計画的に推進すること。
 一、令和元年東日本台風などの豪雨被害を踏まえ、一時間五十ミリ降雨への対策の推進に加え、甚大な被害が発生した市街地における雨水整備水準を一時間七十五ミリにレベルアップした施設整備を実施するとともに、最新の流出解析シミュレーション技術を活用し、新たな対策地区を追加するなど浸水対策を強化していくこと。
 一、都と区において樋門操作情報等の共有の強化を図るほか、樋門の役割等についての情報発信を強化するとともに、河川の増水時においても確実に樋門の操作が行えるよう、遠隔化などの対策を出水期までに講じること。
 一、震災時においても必ず確保すべき下水道の機能を確保するため、下水道施設の耐震化策を推進するなど、震災対策のさらなる強化に取り組むこと。
 一、東京湾など公共用水域の水質をより一層改善するため、合流式下水道の改善や高度処理施設等の整備を推進すること。
 一、スマートプラン二〇一四により、再生可能エネルギーの活用拡大や省エネルギーを一層推進するとともに、アースプラン二〇一七の目標達成に向け、下水道事業における温室効果ガス排出量をより一層削減する取り組みを推進すること。
 一、多摩地域の公共下水道事業を実施する市町村との連携を強化することなどで、多摩地域全体の下水道事業を効率的、効果的に推進すること。
 一、立川市、東大和市、武蔵村山市の三市にまたがる浸水被害を軽減するために、関係市と連携して、流域下水道雨水幹線の整備を着実に推進していくとともに、事業効果の早期発現に向けた検討を進めること。
 一、下水汚泥の資源化、下水を高度処理した再生水の利用拡大など、資源の有効利用を進めるとともに、再生可能エネルギーの活用拡大等とあわせてPRを充実させていくこと。
 一、技術開発推進計画二〇一六により、効果的に技術開発を推進するとともに、国際展開に当たっては、すぐれた技術やノウハウ等を生かすこと。
 一、維持管理については、計画的な補修により道路陥没の防止を図るなど、予防保全を重視した取り組みを進めるとともに、臭気対策を強化するなど充実を図ること。
 一、下水道施設の老朽化対策に係る国費補助の継続や起債における公的資金枠の確保などの財政措置を国に強く要請すること。
 一、施設運営手法の検討に当たっては、経済性だけでなく、安定的な下水道サービスの提供といった観点を重視し、慎重に検討していくこと。
 以上をもちまして都議会公明党を代表しての意見開陳とさせていただきます。

○川松委員 東京都議会自由民主党を代表して、当委員会に付託されました令和二年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 令和二年度予算案は、東京都民の日常生活や東京の経済活動に深刻な影響を及ぼしている新型コロナウイルス対策に迅速かつ的確に対応するとともに、二〇二〇年大会を成功させ、同時に、防災対策、医療福祉、子育て支援、女性活躍、中小企業支援などの行政課題に適切に対応することで、大会後の東京の発展につなげていくための予算であります。
 今後も、都民福祉向上に役立つ実効性のある施策を計画的に推進するとともに、強固で弾力的な財政基盤を構築していくことを要望しておきます。
 三月五日の中途議決で、コロナウイルスの緊急対策に関する補正予算も可決されましたが、刻々と変化する状況を捉え、国や区市町村とも連携し、真に効果的な対策を展開することを強く要望しておきます。
 小池知事就任以来、恣意的かつ無計画な財政運営が続いています。来年度予算案では、築地地区まちづくり調査費用一億四百万円が計上されていますが、全体計画も、五千四百二十三億円に上る投資経費の回収計画も、ほぼ白紙の状態です。
 また、当初計画より百五十五億円も高い五百二十五億円で購入した旧こどもの城跡地も、都民アンケートに寄せられた多くの都民の声を無視し、さらに、最短で六年だけ使って取り壊すこともあるという条件つきの改修に総額百三十六億円を投じるとして、来年度予算案に設計経費三億八千百万円が計上されています。
 都区財政調整制度においては、明確な積算根拠もなく配分割合を変更しようとしています。
 突然の有償所管がえや唐突な方針変更で、東京の将来に大きな影響を与える事業や制度変更が、都議会との議論も、都民への説明も不十分なままに予算案に計上されています。
 このため、我が党は、今後の予算特別委員会において、こうした課題を抱えた令和二年度予算案の取り扱いについてさらに質疑を重ね、必要な提案をしてまいります。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、まず、このことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 まず、交通局関係について申し上げます。
 一、安全・安心の確保を最優先に、質の高いサービスの提供、東京の発展への貢献、経営基盤の強化とともに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に向け、対応に万全を期されたい。
 一、近年、激甚化、頻発化する豪雨災害に備え、浸水対策の強化を図るなど災害対策を一層推進されたい。
 一、全線全駅へのホームドア整備の早期実現や高い安全意識と技術力を持った職員の育成など、地下鉄の安全の確保に努めるとともに、防犯カメラの設置促進や巡回警備の強化など、テロ、防犯対策の強化を促進されたい。
 一、泉岳寺駅の大規模改良に当たっては、品川駅周辺地域のまちづくりと整合を図りながら、隣接市街地と一体的に整備を進められたい。
 一、乗りかえ駅等へのエレベーターの整備やユニバーサルデザインの考え方を取り入れたトイレの改良など、一層のバリアフリー化に取り組まれたい。
 一、案内サインの多言語化やコンシェルジュの配置など、訪日外国人を初めとした観光客の誘致に積極的に取り組まれたい。
 一、都営バスにおける車両のさらなるゼロエミッション化に向け、燃料電池バスの導入拡大を図るとともに、EVバスについても検討を進められたい。
 一、都電荒川線は、施設や設備の適切な維持管理や更新を進め、安定輸送基盤の充実に努めるとともに、沿線地域の活性化に寄与されたい。また、経営の安定化に向けて一層努力されたい。
 一、日暮里・舎人ライナーは、平日昼間時間帯や休日の乗客誘致などの増収に努め、事業経営の早期安定化を図られたい。また、朝ラッシュ時の混雑対策を推進されたい。
 一、各事業とも、設備や車両について、省エネルギー性能が高く、環境負荷の少ないものとするなど、環境に配慮した取り組みを推進されたい。
 一、電気事業は、経営環境の変化を踏まえ、適切な経営に努められたい。
 次に、水道局関係について申し上げます。
 一、利根川、荒川水系における利水対策の推進を国に要望するとともに、荒廃した民有林の対策や多様な主体と連携した森づくりなどを含め、水道水源林の適正管理に努められたい。
 一、浄水場の更新、導水施設の二重化、送水管の二重化、ネットワーク化及び給水所の新設、拡充など、水道基幹施設の再構築を計画的に進め、安定給水の確保に努められたい。
 一、多摩地区水道が強靱で信頼される広域水道へとさらなる進化を遂げられるよう、市町域を越えた施設整備などの本格的な再構築を計画的に推進されたい。
 一、安全でおいしい高品質な水を供給するため、水源から蛇口までの総合的な水質管理を徹底するとともに、小中学校の水飲栓直結給水化モデル事業のフォローアップや直結切りかえ見積もりサービスの充実などに取り組まれたい。
 一、災害時等の断水被害の軽減に向け、重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化を優先的に推進するとともに、浄水場の覆蓋化などの施設整備を推進されたい。また、災害発生時の水道の早期復旧に向けて受援体制を充実強化されたい。
 一、諸外国の水道事業の改善と日本経済の活性化のためにも、東京水道の持つ技術力、ノウハウを生かした国際展開を推進されたい。また、国内のほかの水道事業体における人材育成や事業運営に協力するとともに、大規模災害発生時における被災事業体への支援体制を強化されたい。
 一、東京水道グループ全体のガバナンスとコンプライアンスを強化し、監理政策連携団体と一体となって、現場の経験に裏づけられた専門知識や柔軟な発想を持った人材を確保、育成されたい。
 一、一層の経営努力に努めるとともに、政策連携団体とのグループ経営の強化や中長期的な視点に立った財政運営を推進し、公共性と効率性を両立させ、持続可能な経営を実現されたい。そのためにも、現東京水道サービス株式会社の野田社長のご意見を本委員会でも直接お伺いする場を設置されたい。
 一、工業用水道事業の事業廃止までの間、安定給水及び施設の安全性確保に継続して努められたい。事業廃止に伴う利用者への支援は、関係各局と連携し、都民の十分な理解を得た上で実施されたい。また、用水型皮革関連企業に係る料金について、減収分に適切な措置を行い、減免措置を継続されたい。
 次に、下水道局関係について申し上げます。
 一、東京都下水道事業経営計画二〇一六に掲げた目標の達成に全力で取り組み、都民サービスの一層の向上と経営の効率化を図られたい。
 一、浸水の危険性が高い対策促進地区等で施設整備に取り組むとともに、大規模地下街などにおいて、雨水整備水準を一時間七十五ミリにレベルアップした施設を整備するほか、流出解析シミュレーションの技術を活用し、区部全体の下水道施設の能力を検証し、新たな対策地区を追加されたい。
 一、首都直下地震などの地震や津波に対して下水道機能を確保するため、震災対策をより一層推進されたい。
 一、東京湾など公共用水域の水質をより一層改善し、豊かな水辺環境の創造に資するため、合流式下水道の改善や高度処理施設等の整備を推進されたい。
 一、スマートプラン二〇一四及びアースプラン二〇一七の目標達成に向け、エネルギー使用量と温室効果ガス排出量をより一層削減する取り組みを推進されたい。
 一、汚泥の資源化や再生水の利用拡大、施設の上部利用等、下水道が持つ資源、空間等の有効利用を図られたい。
 一、道路陥没などを未然に防ぎ、下水道機能を安定的に確保するため、維持管理の充実を図られたい。
 一、多摩地域の公共下水道事業を実施する市町村との連携を強化することなどで、多摩地域全体の下水道事業運営の効率化を図られたい。
 一、下水道のニーズがある国や地域の課題解決に寄与するとともに、日本の産業力強化に貢献するため、下水道事業における国際展開を着実に推進されたい。
 一、下水道経営の安定に資するため、下水道施設の老朽化対策に係る国費補助の継続及び制度の拡充等の財政措置について、国と東京都の実務者協議会の場などを活用して国に強く要望するとともに、コスト縮減や資産の有効活用など企業努力を行い、健全な財政運営に努められたい。
 一、施設運営手法の検討に当たっては、災害時の対応等も視野に、下水道事業の安定性、公共性、都民生活への影響などに十分配慮しつつ、慎重な対応を図られたい。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。

○とくとめ委員 日本共産党東京都議団を代表して、本委員会に付託された来年度予算案について意見を述べます。
 二〇二〇年度予算案は、全会計で十五兆四千五百二十二億円の過去最大となりました。この中で幾つかの重大な問題もあります。全ての都立病院と公社病院について、独立行政法人に運営を移管するため、六億円の準備予算を計上していることです。
 現職国会議員が、贈収賄の疑いで逮捕されて一大汚職事件になろうとしているカジノ誘致の調査検討の予算も引き続き計上されました。
 さらに、羽田空港離着陸の巨大旅客機による都心上空の超低空飛行を強行、さらに拡大につながる羽田空港機能強化の調査費も計上されています。
 一方で、日本共産党が提案し、都民運動との協力で切り開いた貴重な前進として、私立高校に通う生徒の授業料は、年収九百十万円以下の世帯まで四月から無償化が実現することになりました。さらに、入学金の無償化も求めてまいります。
 鉄道駅ホームドア等の整備促進事業は、新たに利用者十万人未満の駅も対象となり、拡大をされます。
 今、都民の暮らしは、昨年十月の消費税の一〇%増税によって、深刻な景気後退、個人消費の落ち込みで、暮らしの混乱が広がっています。さらに、新型コロナウイルス感染が拡大するもとで、広範な都民の暮らしは、かつてない深刻な打撃を受けています。
 こういうときだからこそ、東京都の巨大な予算が、都民の福祉と暮らしを最優先にして具体化されることを強く要望しておきます。
 公営企業三局の事業は、都民生活にとって不可欠な重要な役割を担っています。公共の福祉を増進するという重要な役割を第一にして、安全で安心な事業運営の継続、公衆衛生の向上、利便性の向上、災害対策の強化や環境対策に努めることを求めます。こうした役割を担う職員が公営企業としての誇りと希望を持って働けるよう、処遇改善を強く求めます。
 以下、まずは、各局共通の要求項目です。
 一、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、あらゆる対策を講じること。
 一、民間委託の拡大していく方針を見直して、正規職員の増員を行い、技術継承と労働環境の改善を行うこと。
 次は、交通局です。
 一、都民の重要な足である都バスの運行路線は、運行本数の削減や廃止にならないように人員の確保を行うこと。交通不便地区などの都バス路線の開設要望に積極的に応えること。
 一、都バス運転手は、都職員を正規採用し、労働条件を改善すること。民間委託先の運転手の労働実態調査を行うこと。
 一、都バスの停留所の接近表示、上屋、ベンチの整備を促進すること。
 一、都営地下鉄及び日暮里・舎人ライナーの車両を増備し、混雑緩和を進めること。
 一、都営地下鉄全線に女性等に配慮した車両を配備、運行すること。
 一、都バス、都営地下鉄全線にベビーカーを置ける子育て応援スペースを設けること。
 一、都営地下鉄の駅務の委託を中止し、駅員、保線業務などを増員し、人員を確保すること。
 一、都営交通のバリアフリー対策を強化すること。早期に浅草線全駅にホームドアを設置すること。ホームドア未設置の駅には、人的配備により転落事故を防ぐこと。整備に当たっては、障害者団体の要望を踏まえること。
 一、ホームドア設置に合わせ、ホームにカーブがある箇所にはすき間対策を進めること。車椅子の乗降のためのかさ上げを行って、段差を解消すること。
 一、地下鉄駅の二ルート目のエレベーター整備は、乗りかえ駅だけではなくて、都民の要望を聞き、乗降客や障害者利用の多い箇所にも設置すること。
 一、都営交通の聞こえのバリアフリーについて、ヒアリングループ、パネルを活用した対策を行うこと。
 一、地下鉄車両内に聴覚障害者向けの文字盤表示の設置を進めること。
 一、都営地下鉄駅のトイレ入り口に音声案内を設置すること。
 一、視覚障害者もエスカレーターを利用できるよう、点状ブロックや音声案内などの整備を拡充すること。
 一、トイレの洋式化を進め、男女両方のトイレにおむつ交換台を設置すること。多目的トイレに大型ベッドの設置を促進すること。
 一、浅草線泉岳寺駅ホームの拡張工事は、大規模開発に加担せず、交通事業者としての立場を超えた財政負担をしないこと。
 一、利用者の利便性向上に向け、都営地下鉄と東京メトロのサービスの共通化、一体化を進めること。都営地下鉄の初乗り料金をメトロ並みに引き下げること。
 一、都営地下鉄の豪雨浸水対策を強化すること。都営地下鉄の軌道及び構造物の安全対策に努めること。
 一、施設や車両のLED化など省エネ化を進める再生可能エネルギーの導入を拡大すること。
 一、再生可能エネルギーである水力発電を増強し、直営を堅持すること。
 一、上野動物園のモノレールは、都民の声を聞きながら存続に努めること。
 次に、水道局です。
 一、水道管、浄水場などの水道施設の老朽化対策と耐震化を進めること。特に、耐震継ぎ手化を促進すること。
 一、水道料金の減免の対象を低所得者、在宅人工透析患者、生活関連業種、医療関連施設にも広げ、社会福祉施設の減免対象を拡大すること。制度の周知を強化すること。
 一、マンションや小中学校、都立学校、公営住宅、災害避難所での直結給水を普及促進すること。
 一、技術継承のために人材確保、育成を系統的に進め、サービスの低下を招く業務の委託は見直すこと。
 一、水道施設で省エネ化を進め、太陽光、小水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーの活用を促進すること。
 一、利益を求める民間企業の海外進出への支援はやめること。
 一、水道メーターの検針員の労働環境改善のために、検針単価を引き上げること。労働実態を調査し、改善すること。
 一、オートロックマンションの水道メーター検針対策を講じること。
 一、スマートメーターは、使用量のデータによって生活実態が明らかになってしまうことから、プライバシーの保護には十分配慮すること。
 一、工業用水道の利用者への支援は、利用者の不利益とならないように要望を聞いて充実させること。
 一、小河内ダムは、大雨などの災害時に治水目的として有効に活用できるよう検討すること。
 一、二つの政策連携団体が統合する新会社、東京水道株式会社の運営は、社員の意見を聞き、合意と理解を得て進めること。財務状況を透明化し、社員の待遇を改善すること。
 一、水道局職員、新政策連携団体の社員のコンプライアンス推進と労働環境の改善を行うこと。
 最後に、下水道局です。
 一、下水道管、下水道施設などの老朽化対策と耐震化を促進すること。
 一、合流式下水道を改善すること。
 一、下水道料金の減免は、低所得者や在宅人工透析患者も対象とし、社会福祉施設の減免対象を拡大すること。生活関連業種の最低基準を引き下げること。制度の周知を徹底すること。
 一、雨水流出抑制地域では、抑制対策としての雨水貯留管などを敷設すること。まちづくりとして関係各局と連携協力して総合治水対策を進めること。水位周知下水道の指定を進めること。
 一、下水管に雨水が入りやすいよう、グレーチングの設置などを工夫すること。
 一、老朽化した小規模管渠の再構築を補助交付対象にすることを国に求めること。
 一、下水道施設の省電力化を進め、太陽光、小水力、バイオマス、下水熱などの再生可能エネルギーの活用を推進すること。
 一、政策連携団体の財務状況を透明化し、民間委託は縮小するとともに、コンセッション方式や包括委託などの検討と民間移譲はやめ、直営事業を継続すること。
 一、利益を求める民間企業の海外進出への支援はやめること。
 一、国に対して、下水道施設の改築にかかわる国庫補助の継続と増額を求めること。
 一、技術職の人材確保と育成に努め、民間工事業者への支援を進めること。
 以上で意見を終わります。

○山口委員 私は、都議会立憲民主党・民主クラブを代表して、当委員会に調査を依頼された令和二年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 令和二年度予算案は、過去最大だった昨年度に次ぐ予算規模となりましたが、昨年十月の消費税増税による消費の落ち込みに加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済への影響、社会への影響が増大する中で、過去にない厳しいかじ取りが求められています。
 東京都としては、当該予算のみならず、補正予算の編成や予備費の活用も含めて、早目早目の対策を講じ、都民生活への影響を最小限に抑えるよう強く求めておきます。
 予算案は、予算編成方針で示されていたソサエティー五・〇の実現、ワイズスペンディングの視点などの基本方針に引っ張られてか、一番肝心な福祉や教育、防災など、都民の暮らしという視点が明確でないまま編成された感があります。
 私たちの要望に基づき予算化されたものもありますが、家賃補助の拡充や学校給食の無償化など、私たちが最重点で求めてきた項目について、引き続き積極的な取り組みを求めておきます。
 また、都庁組織や職員定数においても、安易な肥大化を招くことのないよう、効率的、効果的な都政運営に取り組むとともに、事業評価についても、明確でわかりやすく、かつ事業の根本にまで踏み込んで評価するなど、不断の改革に取り組まれることを強く求めるものです。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 まず、水道局関係について申し上げます。
 水道は、生命に直結する社会的なインフラであるという認識のもと、安定供給に全力で取り組むとともに、不断の経営努力によって都民の負担軽減に努めること。とりわけ東京水道が将来にわたり持続可能な事業運営を行うことができるよう、政策連携団体とも十分に連携しながら、水道技術の継承、発展を図るとともに、人材の確保、育成に取り組むこと。
 一、水道事業の震災対策について、配水管の耐震継ぎ手化を早期に実現するとともに、給水拠点や避難所への確実な給水ルート及び給水栓の設置、給水車の増車に取り組むこと。また、PDCAサイクルを通じて、水道局組織全体で危機対応力の向上を図るとともに、職員の訓練などを通じて給水車の効率的な活用を図ること。
 一、水道事業においても、立ちどまることなくICTの活用を進め、お客様サービスの向上や業務の効率化、水道事業の高度化に向けて積極的に取り組むこと。また、スマートメーターを早期に全世帯に導入すること。
 次に、下水道局関係について申し上げます。
 一、東京都下水道事業の経営計画を着実に実行するとともに、現行の計画よりも長い中長期の計画を策定し、健全な下水道経営の維持発展に取り組むこと。
 一、昨年の台風十九号での浸水被害を教訓として、ことしの出水期までには、樋門の開閉作業を安全に行うことができるよう、通路の改良を初め、遠隔操作の取り組みを確実に実施すること。
 一、災害拠点連携病院における下水道管の耐震化については、令和五年度の目標年次の前倒しも含め、早期に完了に向けて取り組むこと。
 一、下水道局が培ってきた耐震技術を東京以外でも広く展開し、全国の下水道の安全・安心に貢献すること。
 次に、交通局関係について申し上げます。
 一、今後遠くない時期での発生が予測される首都直下地震や南海トラフ地震などに備え、地下鉄諸施設の耐震対策及び構造物の長寿命化についても着実に取り組むこと。また、駅の浸水対策について、駅地下につながる全ての出入り口も対象の対策を拡大すること、
 一、混雑解消に向けて、都営三田線の八両化を初め、都営地下鉄の輸送力増強に取り組むこと。また、日暮里・舎人ライナーについては、全座席のロングシート化により定員増に取り組むこと。あわせて、オープンデータ化によってソフト面での対策を推進すること。
 一、都営地下鉄と東京メトロとの運賃体系なども含めたサービスの一元化に取り組むこと。また、深夜早朝時間帯への運行時間の延長についても検討すること。
 一、乗車券のICカード化、キャッシュレス化を推進するとともに、これらのサービスが外国人観光客にも伝わるようプロモーションを展開すること。
 一、マスクなど感染症予防資機材の確保に取り組むなど、電車やバスの運行に携わる現場職員の感染症予防に引き続き万全を期すること。
 以上、都議会立憲民主党・民主クラブを代表しての意見開陳を終わります。

○上田委員 自由を守る会として、公営企業委員会におきます令和二年度予算調査の意見開陳を行います。
 公営企業会計は、適切な準公共財の供給による効率的な資源配分が求められます。少子高齢化に伴い膨らみ続ける福祉費と今般のコロナ問題で間違いなく激減するであろう都が依存している法人二税を鑑みれば、一般会計から繰り入れがあることを当然視するのではなく、予算調査でも指摘しましたが、公費負担の軽減をシビアに考える令和の時代に突入しました。
 このことを念頭に置いて新年度予算の調査に当たりましたが、小池知事による東京大改革の変質とともに、その意識が理事者において低下しているのではないか危惧するところです。
 そこでまず、質疑を踏まえ、三局共通の課題を申し述べます。
 各局において、一般会計及び特別会計の健全財政の徹底、努力をすること。
 財政の安定性を担保するため、金利の状況も鑑み、企業債残高を縮減していくこと。
 固定費、委託費の圧縮に努めること。
 コンプライアンス有識者委員会の情報公開と委員選考の透明化を進めること。
 懲戒、行政監察により、服務事故等に迅速に、かつ分限処分を辞さない厳格な対応をすること。
 東京都政策連携団体、事業協力団体の派遣職員数、都OBの再就職を随時検討、適正化し、固有職員の定着率を高め、都関係者職員との賃金格差をなくし、費用対コストを常に念頭に入れ、団体の存在意義を正していくこと。
 政策連携団体の再委託を抑制し、局から直接民間事業者へ直接発注する等の検討を行い、業務内容を確認し、効率性を重視し、コスト削減を図ること。
 入札契約、特命随意契約、少額随意契約等全ての契約について、その適正性と辞退理由をも精査し、競争性、透明性を担保すること。
 職員団体、労働組合の事務所については最小限のものとし、適正な賃料を有償で徴収すること。
 労働組合事務所の使用については、都民の公共財産であることを鑑み、就業時間中に組合活動を行わない、政治、政党活動をしない等厳格かつ適正に運用されること。
 台風の被害を受け、災害、震災対策において、施設面と災害時対応の強化、非常電源の安定的確保、最適な防災環境整備を図ること。
 災害対策に当たっては、インターネット、ICTを利活用し、即時性と多言語対応を進めること。
 全庁挙げて新型コロナ対策に取り組むこと。
 交通局です。
 累積欠損金を早期解消するために、増加した原因は徹底究明し、前年の繰り返しにならぬよう、削減プロセス、年次目標を明確にし、交通局全体の財務健全性を保つこと。
 お客様センター及びお客様の声システム、都営交通モニター制度、車内液晶モニターを効率的に利用するなど、職員の接遇力向上、サービス、ホスピタリティー改善に努め、集客増を図ること。
 遺失物に当たっては、お忘れ物センターを活用し、検索機能を強化し、返却の迅速化を図ること。
 都営交通モニターアンケート結果については、即時性をもって公表し、現場に反映すること。また、オリ・パラに向け関係局と共有すること。
 利用者の意識改革とマナー向上に向け、民間団体と協力を図りながら、子連れ、障害者サポートのための声かけサポート運動を推進すること。
 助け合い精神啓発の一環として、おろすんジャー大賞など設けること。
 子育て車両については、利用者の声を分析して、費用対効果の観点から検証を図ること。
 痴漢や暴力行為に対応するため、警察との連携を進めるとともに、通報記録、監視カメラの適正管理を進めること。
 暴力及び自殺事案に遭遇した職員のメンタルヘルスのサポートを強化すること。
 帰宅困難者対策に当たり、備蓄品の適正管理を徹底すること。
 通常時、災害時、障害者、高齢者、妊婦、子供連れの乗客への接遇向上に一層努め、特に子供単独の乗客への避難誘導対策を強化すること。
 Wi-Fi環境については、多様な運用主体との連携を進め、満足度向上に努めること。
 条例制定に伴い、利用者の声を受けとめつつも、全駅でのホームドア設置を促進するとともに、現実的なバリアフリー対策を講じること。
 広告収入については、代理店任せにすることなく、売り上げ目標を明確にした効果のある事業を展開し、収益増を図ること。
 駅改札モニターにおいては、当該駅の時刻表表示を実施すること。
 都バスにおいては、ドライブレコーダーの更新に伴い、交通事故のみならず、トラブル、接遇向上等有効活用をすること。
 事故状況と原因究明の結果を都民へ公表し、再発防止による事故件数の可及的速やかな減少を進めること。
 燃料電池バス導入に当たっては、交通局として現実的な検討をしていくこと。
 02乙系統一ツ橋行きを含め、需要に合わせた路線廃止、区間短縮を常に進めること。
 バスの新旧入れかえについては、オリ・パラでの観客輸送等の需要に応じて適正に行うこと。
 さくらトラムについては、改めて改称に伴う効果と課題を見直し、都電に戻すことを検討すること。
 電気事業については、引き続き収益を上げるべく努められること。
 多様な教育機会確保法にのっとり、フリースクール、サポート校などへの通学者の定期利用券に配慮すること。
 政策連携団体の再委託の必要性につき、現状把握と見直しを求めること。
 下水道局です。
 流域下水道については、市町村の負担を鑑み、合理的、効率的経営に努めること。
 小松川第二ポンプ所の早期完成及び東部低地帯を中心としたポンプ所の耐震、耐水化対策を進めること。
 合流式下水道については、簡易処理水の放流における汚濁負荷の発生における環境負荷を鑑み、世界標準の高度処理の推進を図り、改善に努め、芝浦水再生センターの早期完成に努めること。
 葛西水再生センターを初め、汚泥焼却灰の放射性物質管理を引き続き徹底すること。
 マンホールトイレの設置を区市町村とともに適正数を鑑みて推進すること。
 局から外郭団体に派遣した職員には、入札に係る業務、積算システムの運用、保守にかかわる業務及び設計書作成補助業務はさせないこと。
 コンプライアンス委員会の透明性を確保すること。
 政策連携団体の株式買い取りを進めること。
 損益勘定留保資金について、縮減、適正化に努めること。
 最後に、水道局です。
 設備老朽化を踏まえ、優先順位を明確にした一般会計繰入金に関する七つの指標を遵守し、適正かつ効率的に事業を進めていくこと。
 水道水源林確保と森林の荒廃防止に向けた各種取り組みを実施し、民間林購入事業を引き続き推進すること。
 災害給水ステーションの区市町村と都民への周知を推進し、自家発電設備の増強を進め、大規模停電時に給水力確保一〇〇%を達成する等、防災対策に努めること。
 直接給水については、東京水道株式会社任せではなく、指定事業者全ての情報を希望者へ周知し、普及に努めること。
 職員全体の残業が過労死ラインを超えないよう管理をするとともに、適正な人員配置にて良好な労働環境を構築すること。
 人事配置、介護、子育て職員の配慮などのソフト面、ICT環境と設備などのハード面のテレワークを進めること。
 一般職員はもとより、管理職、また、政策連携団体を含め、メンタルヘルス対策に注力すること。
 政策連携団体を含む公益通報者保護と施策への反映を進めること。
 局から政策連携団体に派遣した職員には、入札に係る業務、積算システムの運用、保守にかかわる業務及び設計書作成補助業務はさせないこと。
 水道事業に係る電気購入契約は、全て一般競争入札とすること。
 今後、業務委託は増加するにもかかわらず、直接発注も進めるということの整合性を確認すること。
 直営比率、再委託比率について、透明性を確保し、コンプライアンス有識者委員会の検証とそれに基づく適正化を進めること。
 指名業者選定委員会の機能強化と透明性確保を進め、外部の目に触れるようにすること。
 政策連携団体への業務移転に当たっては、移転する業務内容や規模ごとに費用対効果の検証を明らかにすること。
 たび重なる収賄、情報漏えい、汚職、不適正事件を風化させず、対策本部、契約監視委員会、コンプライアンス委員会を形骸化させず、綱紀粛正、モラルの向上を図り、悔いても改まらぬ水道局の体質の抜本的徹底改善を強固に推進すること。
 TSSとPUC統合に当たっては、協力会社への再委託と同社社員の出向、固有社員と都関係者職員の賃金格差を解消するため、民間基準にならし、いびつな人事階層構造を大幅に見直すこと。
 TSSとPUC統合に当たっては、民業を圧迫せず、民間企業への直接業務委託を速やかに努めること。
 TSSとPUC統合に当たっては、東京水道株式会社の社長は、必要に応じて、都度都議会への説明責任を果たすよう促すこと。
 公営企業は、住民の福祉の増進を図りながら、経営面では独立採算制という公営企業法の精神にのっとり、堅実に経常収支の均衡を実現していかなければなりません。世界最速で高齢化が進行する日本、東京において、長期的な利用者の伸びは今後期待できない中、起債残高の減少、多額の累積欠損金と長期債務の解消が迫られております。
 改善努力は理解するものの、さらに厳しく明確な削減数値目標を設定し、具体的計画をもって解消に向けた取り組みを実行していかれることを要望し、自由を守る会の意見開陳を終わります。

○伊藤委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○伊藤委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○伊藤委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、和賀井下水道局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○和賀井下水道局長 公営企業三局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 まず初めに、ご審議を賜りました議案につきまして、ご決定をいただき厚く御礼を申し上げます。
 私ども公営企業が行っております事業は、都民生活や首都東京の都市活動にとりまして欠かすことのできない重要な事業でございます。
 これまでに賜りました貴重なご意見、ご指摘をそれぞれの事業運営に十分反映させまして、都民サービスのさらなる向上と効率的な経営に努めるとともに、今般のコロナウイルス対策につきましても、都民の皆様の信頼と負託に全力で応えてまいる所存でございます。
 伊藤委員長を初め委員の皆様方におかれましては、今後とも、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございました。

○伊藤委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十九分散会

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