公営企業委員会速記録第三号

令和二年三月十六日(月曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長伊藤しょうこう君
副委員長田の上いくこ君
副委員長山口  拓君
理事大松あきら君
理事河野ゆりえ君
理事増田 一郎君
平  慶翔君
上田 令子君
川松真一朗君
佐野いくお君
中山ひろゆき君
とくとめ道信君
長橋 桂一君
鈴木 章浩君

欠席委員 なし

出席説明員
交通局局長土渕  裕君
次長桃原慎一郎君
総務部長根木 義則君
職員部長渡邉 範久君
資産運用部長広瀬 健二君
電車部長相川  準君
自動車部長牧野 和宏君
車両電気部長奥津 佳之君
建設工務部長谷本 俊哉君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務市川 雅明君
安全管理担当部長西川 善宣君
鉄軌道事業戦略担当部長櫻庭 裕志君
バス事業経営改善担当部長坂田 直明君
技術調整担当部長野崎 慎一君
技術管理担当部長坂口 淳一君

本日の会議に付した事件
決議について
交通局関係
予算の調査(質疑)
・第二十三号議案 令和二年度東京都交通事業会計予算
・第二十四号議案 令和二年度東京都高速電車事業会計予算
・第二十五号議案 令和二年度東京都電気事業会計予算

○伊藤委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○伊藤委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 令和二年度予算は、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和二年三月十三日
東京都議会議長 石川 良一
公営企業委員長 伊藤しょうこう殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十三日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十九日(木)午後五時

(別紙1)
公営企業委員会
 第二十三号議案 令和二年度東京都交通事業会計予算
 第二十四号議案 令和二年度東京都高速電車事業会計予算
 第二十五号議案 令和二年度東京都電気事業会計予算
 第二十六号議案 令和二年度東京都水道事業会計予算
 第二十七号議案 令和二年度東京都工業用水道事業会計予算
 第二十八号議案 令和二年度東京都下水道事業会計予算

(別紙2省略)

○伊藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の予算の調査を行います。
 これより交通局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第二十三号議案から第二十五号議案までを一括して議題といたします。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○根木総務部長 過日の委員会で要求のございました資料をお手元の公営企業委員会要求資料として取りまとめましたので、その概要についてご説明申し上げます。
 表紙と目次のページ、二枚おめくりいただき、一ページをお開きいただきたいと存じます。政策連携団体、事業協力団体における職員数、都派遣職員数、固有職員数及び都退職者数でございます。
 各団体における職員と、そのうち、都から派遣している職員数、団体の固有職員数、都退職者の職員数を記載してございます。
 次に、一枚おめくりいただきまして、資料が両面印刷になっておりますので、上のページ、二ページをごらんいただきたいと存じます。政策連携団体、事業協力団体における職員数の雇用形態別推移でございます。
 各団体における職員数を過去五年間分記載してございます。
 次に、下の三ページをごらんいただきたいと存じます。定数、職員数の推移でございます。
 当局の条例定数及び職員数を過去五年間分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、四ページをごらんください。女性職員数の推移及び女性職員の宿泊、仮泊施設の整備状況でございます。
 当局の女性職員数を過去十年間分及び女性が宿泊できる施設数と、その整備割合を記載してございます。
 次に、下の五ページですが、都営バス運転手の新規採用人数でございます。
 都営バス運転手の新規採用人数を過去十年間分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、六ページをごらんください。都営バス運転手の雇用形態別の年間労働時間と年収でございます。
 雇用形態別に、それぞれ年間労働時間、年収及び平均年齢を記載してございます。
 次に、七ページですが、都営バスの一日当たり乗車人員でございます。
 乗合バスの乗車人員を過去十年間分記載してございます。
 一枚おめくりいただき、八ページをごらんください。障害者雇用率の推移でございます。
 国に報告しております障害者の実雇用率を過去五年間分記載してございます。
 次に、九ページですが、二百五十平米以上の未利用局有地の所在地及び面積でございます。
 交通局が所管する普通財産で、恒久的な利用に供していない土地について記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一〇ページをごらんください。都営バスの交通事故発生件数でございます。
 交通事故件数につきまして、過去五年間分を記載してございます。
 次に、一一ページですが、ToKoPoの事業開始以降の実績と利用状況でございます。
 年度別の会員数、付与ポイント及び変換ポイントにつきまして記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一二ページをごらんください。交通局お忘れものセンターで取り扱った遺失物の件数でございます。
 遺失物の取扱件数と返還件数につきまして、過去五年間分を記載してございます。
 次に、一三ページですが、さまざまなニーズに対応したバス路線の利用状況でございます。
 当局が運行するさまざまなニーズに対応したバス路線につきまして、系統番号、運行期間、運行区間及び過去五年間分の一日当たり乗車人員を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一四ページをごらんください。都02乙系統の時刻表と過去五年間の乗車人員でございます。
 都02乙系統における池袋駅東口停留所の時刻表と過去五年間分の一日当たり乗車人員を記載してございます。
 次に、一五ページですが、バスの新規購入数と廃車、売却数でございます。
 バスの新規購入数、廃車数及び他事業者への売却数につきまして、過去五年間分を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一六ページをごらんください。新年度におけるバスの新規購入予定数と廃車、売却予定数でございます。
 令和二年度におけるバスの新規購入予定数、廃車予定数及び他事業者への売却予定数につきまして記載してございます。
 次に、一七ページですが、サービス介助士の資格取得状況事業別推移でございます。
 サービス介助士の資格取得状況につきまして、事業別に過去三年間分を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、一八ページをごらんください。お客様の声の件数と主な内容でございます。
 当局事業に関してお客様からいただきましたご意見等につきまして、件数と主な内容を記載してございます。
 次に、一九ページですが、広告料収入の実績でございます。
 事業別、媒体種類別の広告料収入につきまして、過去五年間分を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、二〇ページをごらんください。広告料収入の実績、ラッピングバスでございます。
 ラッピングバスの広告料収入につきまして、過去五年間分を記載してございます。
 次に、二一ページですが、事業ごとの通学定期券の学校種別販売実績でございます。
 通学定期券の販売実績につきまして、種別ごとに過去五年間分を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、二二ページをごらんください。フリースクール、サポート校等、多様な学びの場への通学者への事業ごとの通学定期券の承認件数でございます。
 実習用通学定期券制度により、フリースクール、サポート校への通学者に承認した件数につきまして記載してございます。
 次に、二三ページですが、フリースクール、サポート校等、多様な学びの場への通学者等からの通学定期券に係る問い合わせ、要望の状況とその内容、対応状況でございます。
 お客様からいただきました問い合わせや要望の概要及びその対応状況につきまして記載してございます。
 一枚おめくりいただき、二四ページをごらんください。不動産貸付の収支でございます。
 当局が所有する土地及び建物の貸し付けにつきまして、収入と支出、それぞれ過去五年間分を記載してございます。
 次に、二五ページですが、職員の自殺の状況と月八十時間を超える超過勤務実績でございます。
 職員の自殺者数及び月に八十時間を超えて超過勤務を行った職員の延べ人数につきまして、過去五年間分を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、二六ページをごらんください。都営バス運転手の離職率の推移でございます。
 都営バス運転手の離職率につきまして、過去十年間分を記載してございます。
 次に、二七ページですが、政策連携団体及び事業協力団体の職員構成でございます。
 職員構成につきまして、都派遣職員、固有職員及び都退職者別に、過去五年間分を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、二八ページをごらんください。交通局所管施設における労働組合事務室の場所、面積、賃料及び光熱水費等徴収一覧でございます。
 当局所管施設におけます労働組合事務室の場所、面積並びに賃料及び光熱水費等の徴収実績につきまして記載してございます。
 次に、二九ページですが、交通局所管施設における労働組合事務室の面積、労働組合数及び名称でございます。
 当局所管施設におけます過去五年間分の労働組合事務室の面積と労働組合数及び労働組合の名称を記載してございます。
 一ページおめくりいただき、三〇ページをごらんください。令和元年台風十五号及び十九号における施設、設備の被害と復旧状況でございます。
 昨年、関東地方に上陸した台風十五号及び十九号による被害箇所、被害状況及び復旧状況を記載してございます。
 次に、三一ページですが、委託費、人件費、固定費の決算額の推移でございます。
 委託費、人件費及び固定費の決算額につきまして、それぞれ過去五年間分を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、三二ページをごらんください。今後の少子高齢化、人口減少に対する施策でございます。
 少子高齢化の進行や人口減少社会の到来を踏まえた交通局の主な取り組みにつきまして、施策ごとに記載してございます。
 最後に、三三ページですが、施設の維持管理に係る委託契約は、民法上の委任契約であるかわかるものでございます。
 当局における施設の維持管理に係る委託契約は、民法上の委任契約に該当しない旨記載してございます。
 以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言をお願いします。

○中山委員 まず、新型コロナウイルスへの局の取り組みについて、一点だけ確認させていただきたいと思います。
 その前に、新型ウイルスによりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、感染された方々に対してお見舞いを申し上げる次第でございます。
 予算委員会の中でも、さまざま質疑がありましたので、細かいことはお話ししませんが、いうまでもありませんが、政府の専門家会議の中でも、地下鉄、移動手段においてのクラスター感染対策は重要だといわれております。
 局において、万全な対策をしているということは承知をしておりますが、あえて質問させていただきますが、交通局の取り組みについて、見解を求めたいと思います。

○西川安全管理担当部長 都営交通では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて、さまざまな取り組みを行ってございます。
 具体的には、ホームページやSNS、車内放送等により、せきエチケットや手洗い等の感染予防策のほか、時差通勤やテレワークへの協力の呼びかけを行っております。
 さらに、地下鉄車内のつり革や手すり等、多くの方が手を触れる場所を中心に、アルコールによる消毒作業を行うなど、清掃を強化するとともに、案内窓口や観光バスの車内には、消毒液を配置しております。
 加えて、窓あけにより、地下鉄やバス等の車内換気を行うなど、感染リスクの低減を図ってございます。
 今後とも、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて取り組んでまいります。

○中山委員 一番重要なのは、個人個人の取り組みだということは十分承知している次第でございます。同時に、現場にいる職員の方々の健康ということも大変重要だと思いますので、継続して、また、ご配慮のほどよろしくお願いを申し上げます。
 本筋に戻りますけれども、私からは、経営計画二〇一九について伺ってまいりたいと思います。
 計画で示されているとおり、東京の人口が二〇二五年、一千四百十七万人をピークに減少局面に入ってくるということと、もう一つ、やはりこの生産年齢人口が大変減少してくるということがあるわけでございまして、そうすると、これから利用者をふやしていくということが、なかなか期待できないような局面に入ってくるわけであります。そんな中、やはり何としても、この現役を引退したシルバー世代の方々とか、あるいは子育て世代や障害のある方、そして、さらには、この訪日外国人のお客さんの利用者をふやしていくということが、大きな戦略でなければいけないということだというふうに思います。
 また、平成二十五年のオリ・パラ開催決定以来、二〇二〇年を一つの目標軸に、さまざまな施策を総合的に進めてきたわけであります。さまざまな人たちにとって、快適さ、利便さの高まりによって、利用者が少しずつふえてきているということは承知をいたしております。
 これまでの施設整備というのは、どちらかというと、公共交通として施策を進めてきた、そしてもう一つは、オリンピック・パラリンピックの開催を一つの目標に進めてきたということがあるわけなんですが、やっぱり一方で、一企業としても考えていかなければいけないだろうというふうに思いまして、こんな改善をしたらこんな効果があった、あるいは利用者がふえたっていうことを、常々検証していかなければいけないというふうにも考えるわけであります。
 そこで、公営企業である交通局において、一企業として目標設定を明確にするとともに、事業執行の状況などを不断に検証しながら、安定した経営基盤の下で施策を進めるべきと考えますが、令和二年度の予算編成に当たって、どのような取り組みをされているのか、見解を伺います。

○根木総務部長 交通局では、各事業が抱える課題の解決に向け、昨年度、経営計画二〇一九を策定し、今後の経営の方向性を明らかにするとともに、計画期間中の具体的な取り組みや財政収支計画を示しております。
 令和二年度予算では、計画策定後の状況変化に対応しながら、安全・安心の確保や質の高いサービスの提供など、計画に掲げた施策の実現に向けて、必要な事業の予算を積極的に措置いたしました。
 あわせて、安定した事業運営を行い得る経営基盤の確立に向けて、計画に示した財政収支を目標に、経費の執行状況等を検証して、無駄の排除を徹底するなど、めり張りをつけて予算を編成いたしました。

○中山委員 ある意味、この二〇二〇年を一つの時間軸にして施設整備を進めてきた、これは明らかに進んできたというふうに思いますし、加速度的に進んでまいりました。また、さまざまな施設整備が私たちの目にも本当に明らかに変化があらわれているということなんですが、今後も一企業として、明らかに検証していく、都民にしっかりこれを明らかにしていくということが大変重要であるというふうに思います。
 二月以降は、この新型コロナウイルスの影響により、各鉄道事業者も利用者が大変減少していると聞き及んでいるわけであります。バリアフリーの施設のほか、外国人の旅行者の利便性を高めるため、次世代券売機の設置や地下鉄の車内の無料Wi-Fiサービスを初め、さまざまな施策を展開してまいりました。また、旅行者向けの乗車券、Tokyo Subway Ticketも好調な売れ行きと聞いており、利用者もふえてきたといえるわけであります。
 私ども、今後一番、大変重要だなと思うのが、どうしてもこの東京メトロと都営地下鉄のやっぱりサービスの一体化だというふうに思うんですね。私なんかは、地元は浅草なんですけれども、外国人に浅草駅はどこだって尋ねられると、都営なのか、東京メトロなのか、やっぱり迷ってしまうお客さんというのはたくさんいるわけですし、それをある程度一体化しながら、やっぱりお互い競争じゃなくて、その辺は協調していかなくてはいけないというふうに思いますので、ぜひひとつこのサービスの一体化によって、お客さんの使いやすさということを追求していただきたいというふうに考えるわけであります。
 事務事業概要では、利用者数を定期か非定期かで区分けされておりますが、実際、都営地下鉄の平成三十年度の利用者数、この状況はどうなっているのか、見解を求めたいと思います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄の平成三十年度の乗客数は、一日平均二百八十二万一千人でございまして、前年度より二・五%増加いたしました。
 この要因といたしましては、沿線人口の増加ですとか、都心のオフィスビルの開発などによりまして、通勤や通学でご利用いただくお客様がふえていること、加えて、外国から多くのお客様が東京を訪れたことなどが考えられます。

○中山委員 今、部長の答弁でも、どちらかというと、日々働く人、そしてもう一つは訪日外国人ということだったんですけれども、今後は、そのシルバー世代だとか、あるいは障害のある方々にも利用促進を図っていくということが大変重要だというふうに思っております。
 よく、パラリンピックの成功なくして、この二〇二〇年のオリンピックの成功なしという言葉が聞かれるわけなんですが、これは、超高齢化社会を迎えるに当たって、お年寄りはやっぱりお年寄りになれば、体が少しずつ不自由になることと、このパラリンピックの開催を一つの大きな目標にして、いろんなバリアフリーを進めていくということが一つ親和性があるというふうにも思うわけでございます。
 特に、交通手段で、障害のある人にとって、余りストレスなく移動が可能になることは、社会参加の大きな弾みになるだろうというふうに考えます。車椅子を利用する人にとっても、昨今では、券売機の高さや、あるいは今後、自動改札機のICカードの読み取りの高さなど、これからも不断の検証が大変重要だというふうに思います。
 そこで、実際、ご高齢者や、あるいは障害のある方々の声をどのように聞いているのか、見解を求めたいと思います。

○根木総務部長 都営地下鉄のバリアフリー化を進めていく上で、高齢者や障害者を含め、お客様からのさまざまなご意見に耳を傾けることは重要だと考えております。
 このため、駅や車両のバリアフリー等に関して、複数の障害者団体と定期的に意見交換するとともに、幅広い世代の方から成る都営交通モニターの方々に評価していただいております。
 また、お客様センターや各駅にも、エレベーターやエスカレーターの整備に関するご意見や、車両やホームの段差の解消に関するご意見などが寄せられております。
 今後も、こうしたご意見やご要望に耳を傾け、ニーズを的確に把握し、誰もが快適で利用しやすい都営地下鉄の実現に向け、改善に取り組んでまいります。

○中山委員 今後も、ぜひ進めていただきたいというふうに思っております。
 次に、浅草線について幾つかちょっと質問させていただきたいというふうに思っております。
 昨年の五月、JR東日本は、羽田空港アクセス線の環境影響評価手続に着手したとの発表がありまして、順調に進めば、十年後には開業すると聞いております。羽田空港アクセス線が開業すると、羽田空港と都内の主要駅とが直接アクセスできることになります。利用者にとっては、利便性、快適性が高まることに加えて、東京駅と羽田空港が十八分で結ばれるということになってくるわけであります。
 一方で、そうしますと、浅草線が、利用者が減ってしまうんじゃないか、ここは心配しているわけなんですけれども、今こそ、浅草線のてこ入れをしていただきたいなというふうに、一つの要望をしているわけです。浅草線の沿線には、多くの観光拠点がたくさんあるわけなんですね。例えば、浅草と、スカイツリーがあるわけなんですけれども、今、東武線は、ちょうどあそこの鉄橋の横に、遊歩道をつくろうとしておりまして、四月十三日に開通予定になっているわけなんですけれども、東武鉄道の理念とするのは、やっぱりそのスカイツリーとこの浅草という大きな商圏を使って盛り上げていこうというのが一つの考え方でありまして、ぜひこの都営浅草線においても、スカイツリーと浅草を結ぶそうした商圏をぜひ猛アピールしていただきたいなというふうに思うわけです。
 これで質問すると答えられないでしょうけれども、そこで、浅草線の路線の特性を生かし、浅草線の利用者をふやしていくことが必要と考えますが、見解を伺いたいと思います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 浅草線は、羽田、成田の両空港を結びまして、東京スカイツリーや浅草、銀座といった東京を代表する観光地をつなぐ路線でございます。
 交通局はこれまでも、広報誌やSNSなどにおきまして、沿線の観光スポットや、それらをめぐるモデルルートを紹介するなど、浅草線の魅力の発信に努めてまいりました。
 現在、浅草線沿線では、泉岳寺や日本橋で大規模な再開発が進められておりまして、国内外から観光客などの増加が見込まれますことから、従来の観光スポットとあわせて、浅草線全体のより魅力的なPRや新たな企画乗車券を検討するなど、相互直通している各社とも連携をしながら、浅草線の利用者増加に向けて取り組んでまいります。

○中山委員 アピールじゃなくて、猛アピールを、ぜひ空港などでしっかり行って、利用者をふやしていただきたいというふうに要望させていただきたいと思います。
 経営計画二〇一九では、浅草線のリニューアルプロジェクトが掲げられておるんですけれども、ここには、ホームドアの設置もその一つであります、まず、東京二〇二〇大会開催までに、新橋と大門と三田と泉岳寺の駅が先行整備されるということでありまして、地元区の関係者からは、なぜ浅草とか蔵前とか浅草橋は後回しなんだ、私、中山は仕事しているのか、こう指摘を受けているわけなんですよね。
 そこで、この四駅の先行整備に至った理由について伺いたいと思います。

○奥津車両電気部長 浅草線のホームドア整備に当たりましては、大門駅、三田駅、泉岳寺駅の三駅は、国の駅ホームにおける安全性向上のための検討会で優先的に整備することとされました一日当たりの利用者が十万人以上の駅であり、新橋駅は、東京二〇二〇大会開催時に、多くの乗りかえのお客様が見込まれる駅であるため、先行整備することといたしました。
 これら四駅の整備状況でございますが、昨年十月に新橋駅で運用を開始し、その後順次整備を進め、今月七日の泉岳寺駅での運用開始によりまして、四駅全てのホームドアの整備が完了してございます。

○中山委員 理由はわかりましたので、地元区に伝えたいと思います。
 一日当たり十万人は達していないようなんですけれども、区内にあるこの浅草駅、蔵前駅、浅草橋駅、もちろんその他の駅も、今後どういった整備計画になっているのか、伺いたいと思います。

○奥津車両電気部長 都営浅草線の残る十五駅のホームドア整備につきましては、令和五年度までに、交通局が管理する全ての駅への整備完了を目指してございます。
 既に、ホーム補強工事を初めとする関連工事の準備に着手しておりますが、ホームドアの設置に当たっては、ホーム下にある配管、電源ケーブルの移設などの準備工事の内容が、駅により異なることを考慮する必要がございます。駅ごとの設置順序につきましては、今後これらの各駅の状況を検討するとともに、全体的な作業効率なども含め、総合的に勘案して決めてまいります。

○中山委員 よろしくお願いいたします。
 次に、浅草線のリニューアルプロジェクトでは、大江戸線との乗りかえの際、地上を通る必要がある蔵前駅について、連絡通路の新設に向けた検討が進められているということであります。ちょうど大江戸線と都営浅草線の蔵前駅の出入り口の距離が二百七十メートルぐらいあるというふうにいわれておりまして、地元でも大変大きな問題になっておりまして、ちょうど江戸通りというのは、東京マラソンが通るルートでありますけれども、あそこを、横断歩道を渡らないで、さっと朝渡ってしまうという方がたくさんいて、もう地元の人たちが何回も国交省だとか、あるいは警視庁に要望して、やっとこの中央分離帯ができ上がったという経緯があるわけなんですね。そういう意味では、地元の人たちも、この連絡の通路の新設は、有効と考えているわけであります。
 このような中で、経営計画二〇一九では、この連絡通路の新設に向けた検討を早く進めるべきと考えますが、現在の検討状況と今後の見通しを伺いたいと思います。

○谷本建設工務部長 蔵前駅につきましては、お客様から連絡通路の設置を求めるご要望をいただいており、乗りかえ利便性の向上などを目的とした通路新設の可能性について検討を進めております。
 検討に当たりましては、道路下への新設を前提として、道路空間確保の可能性や既存駅舎への影響などの課題を整理しております。その中で、連絡通路の設置を想定している道路下に埋設物がふくそうしていることから、施工時の移設等、さらなる詳細な検討を要するほか、排煙設備の強化など、既存駅舎に大規模な改修が必要となることが明らかになりました。
 引き続き、関係行政機関と協議しながら検討を進めてまいります。

○中山委員 浅草線のリニューアルプロジェクトの中においては、結構地元に関することが多いわけでありまして、浅草駅においても、バリアフリー化を、検討を今後進めていくということでもありますし、この一つの、浅草駅といえば、やっぱりこの東京メトロも銀座線の中で、もともと浅草と上野の開通が、アジアで初めての鉄道といわれておりまして、大変古い構造になっているんですよね。だから、東京メトロの浅草駅と浅草線の浅草駅も、ぜひできるだけ一体化できるような、そんなことも想定して今後進めていただきたいというふうに、ここは要望だけさせていただきたいと思います。
 次に、浸水対策について質問させていただきたいと思います。
 昨年の台風十九号、十五号により、全国的に多大な被害が生じまして、想定外の雨量であったため、都では、各局もいろんなその教訓を生かした施策を今進めているわけであります。交通局においては、さほど大きな被害がなかったものの、防災の専門家がよくいっているのは、この浸水対策っていうのは、地下鉄にとって大変重要だということを私もよく聞いております。日ごろからの検証の積み重ねというのが、大変重要だというふうに思います。
 そこで、令和二年度の交通局の予算案の主要事業の一覧には、この浸水対策の強化が掲げられておりますが、今般の豪雨被害を受けて、その教訓を予算にしっかり生かしていくべきだというふうに考えますが、その具体的な内容について伺いたいと思います。

○谷本建設工務部長 浸水対策につきましては、平成二十七年の水防法の改正に基づき、現在、各河川管理者が浸水想定区域図を順次更新しているところでございます。
 交通局では、この更新に合わせ、駅出入り口の止水板の高さの見直しや止水板から防水扉への変更など、追加対策等を検討しているところでございます。このうち、既に検討を終えた駅出入り口等につきましては、来年度、必要な追加対策工事に向けた設計を実施いたします。
 また、昨年の台風十九号では、記録的な大雨により、各地の鉄道施設が被害を受けたことを踏まえまして、交通局では、運行に不可欠な重要施設を対象とした大規模水害対策について外部委託を活用して検討することとしており、これらに必要な経費を来年度予算に計上しております。

○中山委員 事務事業概要では、水防法に基づいた浸水防止計画を全ての駅で策定されていると記されているわけでございます。当然、さまざまな駅は、リスク、あるいはその条件が各駅とも違うというふうに思うわけであります。
 そこで、この地下鉄の駅からの避難について、各駅で策定しておりますけれども、水防法に基づく浸水防止計画で、駅の特色だとか、地域によって、課題が異なってくるというふうに認識をするわけなんですが、課題の違いがしっかりこの計画に反映されているのかどうか、見解を求めたいと思います。

○西川安全管理担当部長 都営地下鉄では、水防法の規定に基づき、地下鉄駅構内の利用者等の水害時における円滑かつ迅速な避難の確保及び浸水の防止を図ることを目的といたしまして、避難確保・浸水防止計画を策定してございます。
 策定に当たりましては、駅の規模や構造、地理的条件など、各駅の特性に応じまして、自衛水防組織などの体制や水害時に連携すべき近隣施設の連絡先、お客様を避難誘導する際の経路等の避難確保計画、止水板、水をとめる設備でございますが、こうした設備の取り扱い方法等の浸水防止計画を駅ごとに定めてございます。

○中山委員 今もその各駅の特色、あるいはリスクに合わせて計画を変えているということでありますが、とはいっても、実際、駅の出入り口にあるこの止水板の、よく見ると、それぞれ規格が違うような感じがしていまして、それぞれしっかり訓練をしていないと、本当に職員の人がかわったときに、浸水対策でできるのかどうかっていうことを、少し疑問に感じるのと、もう一つは、やっぱり地下街だとか、あるいは都営地下鉄じゃない、ビルに出入り口があるようなところもあるわけでありまして、できる限りこれはしっかり訓練をしておかないと、なかなかこの浸水対策に至っていかないんじゃないかということを率直に感じるわけでございます。
 そこで、事務概要にも記載があるように、地下鉄駅の出入り口が接続している地下街、地下鉄やビル等の所有者との情報共有や訓練等の取り組み状況はどうなっているのか、見解を求めたいと思います。

○西川安全管理担当部長 都営地下鉄では、駅と地下で接続している地下街やビル等の管理者と連携いたしまして、避難誘導等について協議しているほか、連絡通報訓練も実施してございます。
 また、浅草など大規模地下街等につきましては、地下街やビルの管理者、鉄道事業者や地元区が連携し、浸水対策に取り組むための協議会が設けられております。当局も、当該地下街に接続する鉄道事業者として、参加しております。

○中山委員 指揮命令だとか、連絡体制だとか、対処計画だとか、実践的な訓練、特にこの実効性の高いものをぜひ検証していただきたいと、ひとつ要望させていただきたいと思います。
 最後の質問になるのですが、コロナ騒動の前まで、地元の雷門とかっていうのが、外国人があふれんばかりにいたわけでありまして、率直にいって、このときにもし災害が起こったら、どんなことが起こるんだろうなというふうに思っておりますし、私どもも外国人と防災訓練などもしているんですけれども、日本語がしゃべれる外国人でありますから、本質的には、防災訓練に至らないわけでありまして、そういう意味では、本当に、この外国人の人たちが、災害が起きたときに駅に逃げ込むということが、一義的に考えられるのだというふうにも思うわけでありますが、当然この駅を頼ってくるわけなんですね。
 そこで、非常時の外国人等への的確な情報提供をすべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○西川安全管理担当部長 都営地下鉄では、東京二〇二〇大会の開催や外国人旅行者の増加等を踏まえまして、多言語での情報発信基盤の強化を進めてまいりました。
 具体的には、駅においては、改札口やホームに設置している各種表示器や構内放送により情報提供を行うとともに、外国人の利用が多い駅には、コンシェルジュを配置し、外国語での対応を行ってございます。
 また、ホームページやSNS等を活用し、最新の運行情報を随時発信しているほか、車内においても、ディスプレーや自動放送により、運行情報等を案内することとしております。
 災害におきましては、これらの基盤を活用いたしまして、速やかに多言語で必要な情報発信ができるよう取り組みを進めており、昨年秋の台風十五号の接近時からは、各駅に、リンク先のQRコードを言語別に掲出することで、災害時に外国人でも運行情報に容易にアクセスできるよう改善を図ってございます。

○中山委員 最後に要望させていただきますが、新型コロナウイルスで利用者も減っているという状況の中で、今後、この経営計画二〇一九にも書かれているとおり、やっぱり人口が減少してきますので、この利用者数も今後減ってくるという中で、このシルバー世代や、あるいは訪日外国人、障害のある方々、子育て世代、こういう方々が、利便を高めることによって、かえって交通機関の持続が可能になるということでありますので、今後とも多大なご尽力をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○長橋委員 それでは、私の方からも、交通局に対して何点かお伺いしたいと思います。
 時間が、なるべくダブらないようにして、短縮して質問したいと思いますが、まず初めに、私も何回か見ていますけれども、都営地下鉄の終電の繰り下げ、これが今話題になっているわけでありまして、聞くところによると、二〇二〇組織委員会と東京都、そしてJRを初め鉄道事業者各社と終電の繰り下げについて合意したということでありました。私も、都庁前駅でそのポスターを見てきましたけれども、一枚のポスターなんで、詳しくはもちろん書いていないわけでありますが、ひとえに、この東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、繰り下げを行うということでありますし、いわゆるこの新国立競技場だとか有明アリーナとか、そうした重要なオリンピックの会場、それを繰り下げるということであります。
 大事な拠点を結ぶわけでありますし、今いったようなところは、大変多くの方が、外国人も含めて、訪れるわけでありまして、まずは、オリンピックに向けて、都営地下鉄の繰り下げ、その内容についてまず伺いたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京二〇二〇大会期間中は、通常ご利用いただいているお客様に加え、観客や運営スタッフなど、国内外から多くの方が東京を訪れる見込みであり、また、大会の主要な競技エリアが都営交通の事業エリアと重なっていることから、深夜時間帯に及ぶ競技日程への対応など、大会時の輸送需要に的確に対応する必要がございます。
 このため、都営地下鉄では、深夜時間帯に及ぶ競技日程に応じた観客需要を踏まえ、組織委員会等の関係機関や他の鉄道事業者とも連携しながら、終電の延長を実施することといたしました。
 具体的には、オリンピック期間中については、毎日おおむね二十六時、深夜二時ころまで終電を延長いたします。また、パラリンピック期間中は、開会式、閉会式の両日、通常の終電時刻より最大六十分程度遅い時間帯までの列車運行を予定してございます。

○長橋委員 基本的には、鉄道事業者、都営地下鉄も含めた鉄道事業者の方々にとって、観戦者が帰宅できるようにする、宿泊する場合もあるでしょうけど、そういう意味だろうと思うわけでありますけれども、そうすると、二十六時、おおむね夜中の二時ぐらいまで、パラリンピックは六十分繰り下げる、こういうことでありますから、中にはそんなに遅くまで競技をやっていないところもあるのでしょうから、そうした意味では--それでも多くの方が利用されるわけでありまして、大変リスクも高まるんだろうと思うわけであります。遅くなる時間については、後でもう一回お伺いしますけれども、そうすると、今までは年末年始といいますか、大みそかから元旦にかけて毎年やっていますけれども、今度はオリンピック期間中にこれをやるということでありますから、大変リスクが高まるんだろうと思います。
 そうすると、まずは、駅の体制、これを強化しなきゃいけない。増強しなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。

○相川電車部長 都営地下鉄では、大会期間中、終電の延長時間に合わせて、改札窓口や駅長事務室に駅係員を配置いたします。
 また、競技会場最寄り駅でございます国立競技場駅、青山一丁目駅、九段下駅、両国駅を中心に多くのお客様のご利用が予想されることから、本局職員などの応援者を配置し、対応してまいります。

○長橋委員 本局職員等の応援者を配置すると、こういうことでありますから、本局職員がすぐに、駅事務といいますか、できるのかという心配も若干あるわけでありまして、しっかりと訓練をしなければいけないし、もちろん体制を強化しなきゃいけないので、交通局を挙げて取り組んでいくということであると思います。
 あわせて、深夜に及べば、今度は、安心・安全の確保が大変交通局の最大の命題でありますし、重要事項であるわけでありますが、この警備の確保、最近聞くのは、警備員の確保が大変難しい、よくいわれるわけであります。人手不足の中で、警備員をどのように確保するのか伺いたいと思います。

○相川電車部長 東京二〇二〇大会期間中は、会場最寄り駅を中心に、多くのお客様のご利用が想定されることから、お客様の安全を確保するため、警備体制を増強いたします。
 大会時には、ご指摘のとおり、警備員の不足が見込まれることから、平成三十年度から令和二年度まで三年間の警備業務を一括で委託契約しておりまして、大会期間中に必要な警備員を確保しております。

○長橋委員 もう既に平成三十年度から令和二年度、来年度ですかね、三年間で一括して契約しているということでありますから、そうはいっても、警備員の確保が難しいと思いますので、しっかりと、これも大事なことでありますので、取り組んでいただきたいと思います。
 先ほど中山委員からも外国人の対応、災害時の外国人の対応と話がありましたけど、あわせて、外国人の方が、この終電時間の繰り下げによって、さまざまな対応が、ふだん以上に出てくるんではなかろうかと思うわけでありますけれども、外国人の行き先の案内だけではなくて、今いった災害時の対応も含めて対応があるかと思いますけれども、外国人も深夜まで使うということを考えると、どういった周知をするのか伺いたいと思います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、外国人旅行者に安心してご利用いただけますよう、ツーリストインフォメーションセンターの設置や案内サインの多言語化、英語や中国語を話すことができるコンシェルジュの配置の拡大、全ての駅係員を対象とした実践的な英語研修など、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
 来年度は、ツーリストインフォメーションセンターを、新たに新橋駅、新宿西口駅に開設いたしますほか、コンシェルジュを、会場最寄り駅を含む合計三十駅に配置いたします。
 さらに、駅係員などは、音声翻訳アプリなどを導入したタブレット端末や電話通訳サービスなども活用しながら、きめの細かいご案内を行ってまいります。
 こうした対応につきましては、ホームページやSNSなどを通じて、多言語により広く周知してまいります。

○長橋委員 外国人の対応というのは、このオリンピック・パラリンピック大会を目指してだけではなくて、今どんどんとインバウンドがふえている中で、その対応は、しっかりと交通局でも検討してきたし、また、多言語対応ということで、さまざまな取り組みがされているのは承知しているところでありまして、特に、コンシェルジュを配置していくよう、三十駅に配置する。都営地下鉄の駅だと大体百ぐらいですかね、百分の三十のところが、このコンシェルジュを配置するということでありますから、そうした意味では、非常にきめ細かな対応であるかと思いますし、しっかりと対応できる体制を構築しているなということはわかったわけでございます。
 その上で、何時まで終電をするのか。おおむね二十六時といいましたけれども、時刻表をしっかりと早期に示すべきで、外国の方は、何でも、何でもといいますか、さまざまな情報を、インターネットを活用するわけでありますけれども、そうしたことを含めて、終電の時刻表、いつ都民、また外国人の方も含めてお示しをするのか、教えていただきたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大会期間中における都営地下鉄四線の深夜時間帯の運行概要については、本年一月に、現行の終電後に、おおむね二十分間隔で運転することや、最終列車がその始発駅を発車する時刻の目安等を公表いたしました。
 委員お話しの具体的な駅ごとの時刻表につきましては、来月公表する予定でございまして、ホームページ、ツイッターなどのSNS、都営地下鉄の車内や駅構内のポスターなど、さまざまな媒体を活用し、周知を図ってまいります。

○長橋委員 来月公表するということでありますので、ダイヤを組むというのは大変重要な作業でありますし、また、専門的な能力も必要だと思いますけれども、しっかりと公表して、やっていただければと思います。
 繰り下げの件で、最後には、やはりどうしても大事なのが、繰り下げると、都営地下鉄、電車の保守、駅も含めて、保守はどうなるんだろうか、ここが大変重要なわけであります。お伺いすると、今までは、終電が終わってから、深夜の作業でそうした保守点検をしていると、このように聞いているわけであります。
 大会期間中、この都営地下鉄、最も交通局で大事な安全・安心、これをどう確保していくのか伺いたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営地下鉄では、通常、終電から始発までの限られた時間帯に、安全で安定的な輸送を確保するためのさまざまな保守点検作業を日々実施しておりますが、大会期間中は、終電延長を実施するため、特別な対策を講ずることとしております。
 具体的には、機器の交換や停電等を伴う保守点検作業について、法令で定められた点検周期を遵守した上で、複数年にわたり工程を調整し、大会期間の前後に振り分けて実施しております。
 また、大会期間中は、施設や設備の目視点検等を強化するとともに、万一、運行や施設の運用に支障が生じた場合でも迅速に対応できるよう、緊急出動体制を拡充することとしております。
 終電延長を実施する大会期間中におきましても、安全で安定的な運行が確保できるよう、万全を期してまいります。

○長橋委員 終電の繰り下げについて何点かお伺いしましたが、繰り下げることによって、駅員の増強や警備の体制、そして何よりも保守点検、これがさらに大変になるといいますか、重要な事項になるわけでありますから、しっかりと取り組んでいただきたいと思うわけであります。
 一方で、東京都は、ナイトライフ観光、要するに夜の観光を楽しむという視点を強化していこう、こういうことを今取り組んでいるわけでありまして、特に東京の競争力が、ほかと比べて弱いといわれている、ロンドンやニューヨーク、パリ、これに比べて弱いといわれている、低いといわれているのが文化交流の要素を高めていくことだというふうにいわれているわけでありまして、そういう中で、東京都は、TOKYO NIGHT STORYというマップを、これは産業労働局が発刊している、夜、どうやって楽しめるかというのを、東京の魅力を発信しているわけでありますが、一番最初に出てくるのが東京スカイツリーでございまして、その次が東京タワーです。東京で、ナイト観光に当たって、スカイツリーをぜひ知っていただこう、ぜひ来ていただきたいと書いてあるわけでありますが、もちろん新宿や渋谷もありますし、私の地元池袋でもこれが記載されているわけであります。
 一方で、このナイトライフ観光、ただマップをつくっただけではなくて、そうした取り組みをやったところには、ナイトライフ観光振興助成金、これも開始をしておりまして、やっておりまして、これを見ると、さまざまな事業が助成対象になっている。助成対象経費の三分の二が助成になるということで、手を挙げたところが幾つかあるわけでありますが、ここにはやっぱり豊島区が、池袋西口公園、ここを中心としたナイトライフ観光支援事業、これを手を挙げて採択をされたと、このように聞いております。もちろん、台東区も入っておりますが、ということでございますけれども、こうしたナイトライフ観光、これを東京都がオリンピックに向けて、東京は夜でも楽しめるところはたくさんあるよ。私は、このことについては、前も何回か取り上げたんですけれども、東京の魅力は、夜でも、繁華街でも、安心して食べることができる、楽しむことができる、こういうことをもっと東京都はアピールしていかなければいけないと、こんなことをいったことはありますけれども、それがこのオリンピックに向けて、こうしたナイトライフ観光がストリートマップでもやっているわけであります。
 これには、交通手段の確保にかかわる経費、ここの場所に行きたいといったときに、交通手段をどうするのかという経費までこの助成金に含まれているわけでありますし、もちろん、そういうイベントをやれば、警備費用もかかるわけでありますが、警備費用もこのナイトライフ観光助成金の中に含まれている、こういうことであります。
 終電を繰り下げるということを考えると、さらにオリンピックの期間中はナイトライフ観光も盛り上げていこう、こういう中で、課題もたくさん出てくるんだろうと思いますけれども、交通局としては、さらにこれが加わるわけでありますけれども、どうした課題があるのか、どう認識しているのか伺いたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ナイトタイムエコノミーの推進に当たり、検討すべき課題の一つとして交通アクセスが挙げられております。
 都営地下鉄では、日々、終電から始発までの限られた時間帯に、さまざまな保守点検作業を実施するとともに、ホームドアやエレベーターの設置工事等を計画的に行っております。例えば、毎週金曜日など、週一回であっても、終電延長を実施しますと、年間を通じて必要な作業時間が確保できなくなることから、安全運行等の面で課題がございます。
 また、都営バスでは、平成二十五年十二月から、毎週金曜日に終夜バスを試験運行いたしましたが、利用者数は一運行当たり平均九名と、需要が伸びず、約十カ月で終了しており、実施に当たっては、他の公共交通事業者への広がりが前提となると考えております。
 このほか、終電延長に当たって必要となる乗務員等の要員確保や収支採算性など、考慮すべき課題も多いと考えております。

○長橋委員 交通局とすれば、ナイトライフ観光事業、さまざまな課題がありますというご答弁だったと思いますし、これは覚えていますけれども、以前は、都バスを二十四時間運行しようと、こういうときがありましたし、実際やったんですかね、やってみたら、非常に需要が少なかったと、こういうことでありますし、一方で、タクシー事業者からは、苦情が入ったと私は思うわけでありますけれども、そういう意味でいうと、まずはナイトライフ観光、それから、そういった助成事業ありますし、特に繁華街なんかは、別に終電時間が遅くなろうが、結構さらに遅くまで営業しているお店はたくさんあるわけでありますから、そういう意味でいうと、この安心・安全、これを絶対踏み外さない中で取り組みをしていただきたいと思います。
 さらに、今回は、東京都は、ライブサイトを実施すると。東京都でライブサイトを実施するのは、代々木公園と井の頭恩賜公園、今話題になっている高輪ゲートウェイ、それから池袋西口公園、そして東京都庁舎。これも今話題になっているのが、開会式、閉会式、かなり遅くなるんじゃないか、ライブサイトどうなんだろうかと、やるのかやらないのか、私の地元では今話題になっているわけでありますが、そこでもやっぱり多くの方が訪れるわけでありまして、終電を繰り下げたとしても、どうなるのかということは今後話題になってくるんじゃなかろうかと思いますけれども、そうしたことも踏まえて、さっき申し上げた大みそかから元旦の一日、二日だけの話ではなくて、長期間にわたってやるわけでありますから、安全の確保、それから人の確保、これも大変重要なので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、中山委員からも新型コロナウイルスのお話がありましたので、ダブらないで聞きたいと思いますけれども、一つ、新型コロナウイルス感染症対策本部、これは都庁全体で、知事が本部長で設置をされているわけでありますが、交通局にはどのような対応を求めているのか伺いたいと思います。

○西川安全管理担当部長 交通局の対応につきましては、逐次、東京都新型コロナウイルス感染症対策本部に報告しております。
 その主なものとしまして、局ホームページや駅構内放送等による手洗いやせきエチケット等の感染症予防やスムーズビズへの取り組みへの協力の呼びかけ、ダイヤモンドプリンセス下船者の大型観光バスによる輸送対応、赤外線サーモグラフィーを使用した駅ナカ検温コーナーの都庁前駅への設置などでございます。

○長橋委員 さまざまな取り組みをしている中で、最後に、駅ナカ検温コーナーを都庁前駅へ設置している、こういうことでありまして、私も検温に行ってまいりましたけれども、なかなか、検温をしたんですけど、思うような温度が出なかった。ちゃんとカメラのところに顔を向けないとだめなんですね。これは私の過ちなんですけど。
 お伺いすると、今、都庁前駅一カ所だということでありますけれども、サーモグラフィーを設置して、サーモグラフィーの真ん前に東京都の案内コーナーがあって、その方々がいる間は、サーモグラフィーのところに、どういう方が利用されているのかとか見ているようなんですけれども、まずはサーモグラフィー、都営交通としては一カ所でありますけれども、その狙いは何だったのか伺いたいと思います。

○西川安全管理担当部長 都営地下鉄では、大江戸線都庁前駅に赤外線サーモグラフィーによる駅ナカ検温コーナーを設置し、三月四日から運用を開始いたしました。
 この駅ナカ検温コーナーは、地下鉄をご利用になるお客様が、乗車前に体温を自己チェックできるようにすることで、検温等の体調管理の重要性をPRすることを目的としておりまして、新型コロナウイルス感染症に関するさまざまな情報を提供する広報コーナーとしても活用いただいております。

○長橋委員 マスコミ、テレビ等で見ると、これが話題になっているようでありますけれども、東京都は、都庁前駅にまずは設置をしてどんな利用状況だったのか、あわせて、一カ所ではなくて、ほかに何カ所設置するのか、今後増設をしていく可能性はあるのかどうか、あわせて伺いたいと思います。

○西川安全管理担当部長 駅ナカ検温コーナーのご利用者でございますが、都庁前駅の営業時間中にお客様が自由に利用することができる施設でございますけれども、駅員等が目視による集計を行っている平日の十時から十八時の時間帯で、百名を超えるお客様にご利用いただいております。
 また、今後の取り組みでございますけれども、駅ナカ検温コーナーにつきましては、非常に便利だというお声もいただいている一方、地下鉄駅構内に一定程度のスペースを確保する必要がございます。また、赤外線サーモグラフィーの入手が非常に困難な状況にあるといった課題もございますことから、増設につきましては、今後の情勢等を踏まえながら検討してまいります。

○長橋委員 今後の情勢を踏まえて検討していくと。なかなか手に入らないということもあるんでしょうけれども、ぜひ取り組んでいただければと思います。
 最後に、私も地元、都営三田線が走っているところがありますけれども、今回ご相談をいただきまして、お客様同士のトラブル、これも結構頻発をしている、このように聞いていますし、駅員に対する暴力行為だとかということも、今、都営交通だけではなくて、大きな話題になっておりますけれども、こういう時世なのか、また、都営三田線は混雑しているからなのかということもあるんですけれども、お客様同士のトラブルというのが頻発していると、このように聞きます。
 お客さま同士のトラブル、これが駅にも伝わった場合にどうするのかということを含めて、どう対応しているのか伺いたいと思います。

○相川電車部長 駅の構内や車内でお客様同士のトラブルがあった場合には、まず、駅係員や警備員が初期対応に当たって、事態の収拾に努め、必要に応じて警察に通報し、対応することといたしております。

○長橋委員 必要に応じて、最後には警察に通報すると。警察に通報するまでもない対応というのもたくさんあろうかと思うわけでありますが、そういう中で、私も相談を受けたときに、駅員の方、駅係員というんですか、大変大勢の方が当然勤務をされているわけでありますが、中には、駅員が全員、私も改めて認識したんですけれども、全て都庁の職員ではないということでありますし、きょうの資料には、一般財団法人東京都営交通協力会、これの雇用形態の推移を見ると、交通協力会はかなりふえているようなふうに書いてあるわけで、百名ぐらいふえているわけであります。
 そういう意味でいうと、委託している駅が増加してきているということでありますけれども、都営交通も経営の合理化、これを含めてやっていくに当たって、委託駅がどれだけふえてきたのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

○相川電車部長 交通局では、安全性やサービス水準を維持しつつ、経営の効率化を図ることを目的に、駅業務の委託を平成十五年度に十一駅で開始いたしました。その後、順次拡大し、現在、交通局が管理する全百一駅のうち、五十九駅を委託しております。

○長橋委員 私の地元のトラブル、結果的には大きな問題にはならなかったわけでありますが、駅員の対応についての苦情も若干あったわけでありまして、改めて交通局に申し上げたら、その後、しっかりと対応していただいたので、苦情した方、私の地元の方なんで、丁寧に対応をしたんですけれども、交通局でも丁寧に対応していただいたので、ご理解をしていただいたわけであります。
 決してその対応した方が、委託の会社の人とかということじゃないんですけれども、もちろん、交通局は、見た目には全員交通局の職員ですから、私は委託員だと書いているわけじゃないわけでありますけれども、ある面では、東京都交通局の経営合理化の中で、委託駅が平成十五年には十一駅だったのが、現在は五十九駅までふえていると、こういうことを考えると、委託をしている人たちにも、しっかりと教育をしていく、一体となった取り組みをしていくということは大変重要でありますけれども、委託ということが、今は都営地下鉄の話をしましたけど、都営バスも同じように委託がふえているわけであります。ある面では、労働人口がふえていく、ましてや都営地下鉄の駅係員であるとか、都バスの運転手なんかも、なかなかある面では、なり手が不足しているというような話も聞くわけでありまして、そういう意味でいうと、一番ライフラインを支えていく、そして、都民の安心・安全を支えていく交通局にとって、労働人口の減少というのが、かなり影響を受けてくるんじゃなかろうかと思いますけれども、そうした中で、今話題になっているのは、テレビ等でやっているのは、無人運転みたいなことをいっていますけれども、そうはなかなかいかないんだろうと僕は思っているわけであります。
 今後、交通局として、さまざまな人口の減少、環境の変化、そして技術の革新が進んでいく中で、東京都の交通局はどのような方向を目指すのか、局長に伺いたいと思います。

○土渕交通局長 都営交通は、現在、一日に約三百六十万人ものお客様にご利用いただいておりまして、東京の都市活動や都民生活に欠かせない公共交通機関として重要な役割を担っております。
 また、東京が抱える課題は山積しておりまして、今後、東京が持続的な成長を遂げていく上で、我々交通局が果たすべき責任と役割は、ますます大きくなるものと考えております。
 一方、人口の動向に目を向けますと、都心部や臨海地域では、まちづくりの進展などにより、当面は交通需要の増加が見込まれますものの、委員ご指摘のとおり、生産年齢人口の減少等に伴い、長期的には乗客数の大幅な増加は期待できない不透明な状況にございます。
 こうした中、事業環境の変化に的確に対応しつつ、中長期的な安定した事業運営を行うためには、とりわけ財政基盤をより強固にしていくことが重要と認識しております。
 このため、さらなる旅客誘致などを通じまして、乗車料収入の増加を図りますとともに、局の保有する資産を最大限有効に活用し、一層の収入確保に努めてまいります。
 また、業務全般にわたり不断の見直しを行うなど、効率的な事業運営に努め、費用の低減を図ってまいります。
 今後、ICTなど、交通事業者に関係するさまざまな技術が大きく進展していくものと認識しておりまして、開発動向を注視しながら、積極的に検討を進めてまいります。
 こうした取り組みを通じて、強固な経営基盤を確立し、首都東京の公営交通事業者といたしまして、東京の都市活動や都民生活をしっかりと支え続けてまいります。

○長橋委員 局長、ありがとうございました。
 近年は、技術革新が大変進んできているわけでありまして、私自身なんかも、そこまで進むのかというのを毎日確認しているわけであります。
 そういう中で、交通局も技術革新、もちろん注視をしているかと思いますけれども、しっかりと安心・安全を含めて、交通局の将来をしっかり支えていただきたいとお願いしまして、質問を終わります。

○鈴木委員 いよいよ七月二十四日に開幕を迎えます東京二〇二〇大会まで、残りがもう四カ月余りとなりました。
 現在、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、一部では、大会の開催を不安視する声も出始めておりますけれども、大会時に国内外から訪れる多くの観戦客が、安心して東京に滞在することができるように、感染症の収束に向けて、都として総力を挙げて感染拡大防止に取り組むとともに、並行して、大会開催に向けて万全の準備を進めていくことが大切であるというふうに思っております。
 これはいうまでもないことでありますけれども、都営地下鉄や都営バスを初めとした都営交通の事業エリアでは、多くの競技会場を抱えておりまして、大会の成功のためにも、大会時の輸送の中心を担う都営交通が果たすべき役割は非常に大きいというふうにいえます。
 交通局ではこれまでも、国内外から訪れるさまざまな人が、都内を安心して快適に移動できますように、ホームドアの整備、そしてまた、会場周辺駅でのエレベーターの整備など、バリアフリー化に取り組んできていただいておりますけれども、大会期間中の都営地下鉄の終電延長や海の森水上競技場でのシャトルバスの運行に向けた準備など、大会本番に向けた取り組みがいよいよ着々と進められていかなくてはなりません。
 その一方で、昨年の九月、十月に関東を直撃した台風十五号や十九号による豪雨災害や、ことしに入ってからの新型コロナウイルス感染症など、都民の安全・安心を脅かす事態が立て続けに発生している状況でもあり、そうした喫緊の課題にも迅速に対応していかなくてはならないわけです。
 このように、先を見通すことの難しい状況の中で、来年度は、大会開催の年であると同時に、大会後の東京がスタートする年でもありますので、これまでの取り組みを大会の成功につなげていくことはもとより、大会後を見据えた取り組みにもいち早く注力をしていくことが大切です。
 こうした観点から、まず初めに、この首都東京を支える公共交通機関として、令和二年度の予算をどのような方針で編成されたのかお伺いいたします。

○根木総務部長 交通局は、東京二〇二〇大会期間中の輸送需要に的確に対応することはもとより、大会後も見据え、安全対策のさらなる強化や国際化、高齢化の進展への対応など、さまざまな課題に果断に取り組んでいく必要があると考えております。
 こうした観点から、令和二年度予算につきましては、安全・安心の確保を最優先に、お客様サービスの向上や東京の発展に貢献する取り組みを計画的かつ着実に進めるとともに、中長期的に安定した事業運営を行い得る強固な経営基盤の確立に向けた取り組みを推進することに加え、開催都市の公共交通機関として、大会の成功に貢献することを基本的な方針として編成いたしました。

○鈴木委員 昨年発表されました経営計画で、東京都の交通局の経営理念にも示されておりますように、本当に今お話ありました都民やお客様の信頼に応えるために、最優先にしていくことが安心・安全の取り組みだと。そのためには、ハード、ソフトの不断の努力が欠かせないわけであります。そのために、これからもこの目標を忘れずに、緊張感を持って取り組んでいただきたいというふうに思います。
 また、公共交通機関、とりわけ地下鉄の経営においては、安全対策のほかにも、サービスの向上に必要な投資を積極的に進めると同時に、強固な経営基盤を構築することが何よりも重要な課題であります。
 昨年の事務事業質疑においても取り上げましたけれども、都営地下鉄においては、乗車料収入の増加の影響もあり、あと十年足らずで、二千六百億円近くあった累積欠損金が解消される見込みだというふうに話がありました。今後の経営の見通しは堅調であるともいえます。
 一方で、バス事業に目を移しますと、来年度予算案では赤字の見込みとなっております。しかしながら、都営バスというのは、地域に身近な交通機関として、高齢者を初めとした都民生活に欠かせない移動手段となっておりますので、赤字だからといって、いたずらに事業を縮小することもできないわけです。それに加えて、都営バスは、公営企業として、フルフラットバスの導入など、バリアフリー化の取り組みや水素社会の実現に向けた燃料電池バスの導入など、他の民間バス事業者に先駆けて先進的な取り組みを進めていただいております。
 そのためにも、今後とも、さまざまな経営努力を積み重ねていくことで、収支をぜひ改善していただいて、堅調な経営基盤を構築していくことが必要だというふうに思うわけですけれども、このバス事業における今後の収支改善の見通しについてお伺いいたします。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 自動車運送事業では、来年度予算案で、約二十六億円の経常損失を見込んでおります。これは、主に車両の更新や輸送需要に対応するための車両の増備などに伴い、減価償却費が増加することによるものでございます。
 一方、経営計画二〇一九の策定時に算定した令和十年度までの収支見通しでは、沿線開発の進展に応じた路線やダイヤの見直しによる乗車料収入の増加や、人件費及び経費の節減に努めることにより、今後収支が改善し、令和六年度以降は、経常損益が黒字に転ずるものと見込んでおります。

○鈴木委員 これからの高齢化社会においては、高齢者の利用が大きい都営バスの需要も、私はさらに高まっていくものというふうに思われます。引き続き、この収支改善に向けた努力を積み重ねていただいて、将来にわたって都民の足を守っていただきたいというふうに思います。
 続いて、これは軌道事業、東京さくらトラムというふうにいわれておりますけれども、都電荒川線と、日暮里・舎人ライナーについてお伺いいたします。
 都電荒川線においては、二〇一七年から収支が横ばいになっているというふうな話の中で、二〇一七年には、国内外にアピールして、愛称も、東京さくらトラムというような愛称を命名したわけですけれども、そうしたことによって、利用客が少しずつ伸びているのではないかというふうにも私は感じております。
 来年度の予算案を見ますと、交通局全体では黒字が続いている、堅調な経営を行っていると理解しておりますけれども、ただいま取り上げたバス事業でなく、都電荒川線やこの日暮里・舎人ライナーについても赤字となっているわけです。
 また、交通局が昨年度末に策定した経営計画二〇一九において、この二つの事業は、二〇二八年までの十年間の収支見通しが、赤字が続くというふうにされておりますけれども、この赤字基調である都電荒川線、そしてまた、日暮里・舎人ライナーの今後の事業運営についてお伺いいたします。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 委員お話しのとおり、令和二年度予算では、交通局全体で約二百十八億円の経常利益を確保しているものの、個別の事業ごとに見ますと、先ほどの自動車運送事業のほか、軌道事業は約六億円、新交通事業は約八億円の経常損失を見込んでおります。また、軌道事業、新交通事業のいずれも、老朽化した施設、設備の更新を控えており、今後も厳しい経営状況が続く見通しでございます。
 このため、軌道事業では、昨年度オープンした三ノ輪橋おもいで館も活用し、観光資源としての魅力発信を一層強化していくとともに、新交通事業では、利用者の少ない平日昼間や休日の利用を促進するなど、沿線地域とも連携して、さらなる旅客誘致による増収対策に取り組んでまいります。
 また、より一層の経費節減に取り組むなど、さまざまな観点から経営改善を図ることで、安定的な事業運営に努めてまいります。

○鈴木委員 今ご答弁いただいたように、この都電荒川線、まさに私も事務事業質疑の中でもいろいろと話をさせていただきましたけれども、観光資源として、この都電荒川線に乗ってみたいと思う方が、私は、発信次第、そして工夫次第によってはもっとふえていくのではないかなというふうにも思っているわけです。
 そしてまた、日暮里・舎人ライナーにおいては、朝のラッシュ時間帯と平日の昼間や休日の利用者の状況が偏っている、そういった状況があるんですけれども、そうしたことも、これからもさまざまな方の知見をいただいて、ぜひ工夫していただいて、改善に向けて取り組んでいただきたいというふうに思います。
 しっかりした経営基盤があってこそ、安定したサービスを提供することができますので、引き続き、長期的な収支見通しをしっかりと注視しながら、事業運営に当たっていただきたいというふうに思います。また、特にインフラ産業である鉄道事業においては、ある程度長い期間を見据えて、経営状況を注視していく必要があるというふうに思いますので、財務状況の改善に努めることで経営基盤を強化して、安定した事業運営に努めていただくことを要望しておきます。
 次に、都営地下鉄における新たな投資についてお伺いいたします。
 先ほどご答弁いただいた予算編成の方針でもありましたように、利用者にとって当たり前の安全・安心の確保が、公共交通機関として最も重要なミッションであることは論をまたないわけでありますけれども、とりわけ都営地下鉄においては、来年度予算で、一日当たり約三百万人の乗客を見込んでいるとのことでありますけれども、多くの都民の生命と財産を守っていくためにも、今後とも、積極的な設備投資を行っていくべきであるというふうに思います。
 そこで、令和二年度の都営地下鉄における安全・安心に関する投資についてお伺いいたします。

○西川安全管理担当部長 委員お話しのとおり、交通事業者にとりまして、お客様の安全・安心の確保は最大の使命でございます。
 令和二年度予算においては、地下鉄全体の改良修繕費八百三十五億円のうち、安全関連の設備投資に約五割、四百二十六億円を計上してございます。その主な内容といたしましては、浅草線のホームドアの整備、高架部の橋脚及び地下部の中柱の耐震補強、地下鉄構造物の長寿命化、テロ対策としての駅構内、車内への防犯カメラの新設や増設、新型車両の導入などでございます。
 お客様の安全・安心の確保のために必要な投資を積極的に行い、施設、設備、車両等、安全輸送を支える基盤の整備に万全を期してまいります。

○鈴木委員 先ほど、冒頭お話しさせていただきましたように、安全・安心の確保というのは、やはり不断のハードやソフトの取り組みをしっかりとしていく、そしてさらに緊張感を持って取り組んでいくことが大事なわけでありますけれども、ただいまのご答弁のように、来年度も安全・安心への投資を着実に行っていくということでしたけれども、昨年の台風による大雨、そしてまた、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大など、都民の安全・安心を脅かす想定外の事態がいつ起きるかわからないような状況になっているわけですけれども、交通事業者にとって、安全確保は終わりのないことということを改めて肝に銘じていただいて、事業運営に当たっていただくことを要望しておきます。
 これまでの質疑の中でも、新型コロナウイルス感染症について幾つか質疑があったわけですけれども、重複しないように、私からも幾つかお伺いをさせていただきます。
 一月十六日に、神奈川県において、日本国内で初の感染症が確認されて以降、全国的に感染が拡大しており、二月二十六日には、安倍総理が大規模イベントの中止や延期を要請し、翌二十七日には、全国の小中学校、高校を三月二日から休校するような要請など、大きな政治判断をせざるを得ない状況になりました。
 感染拡大により、日々社会不安が増大している状況の中、今まさに取り組むべきことは、日本全国が一丸となって、一日も早く感染拡大を収束するよう、あらゆる手段を尽くすことであり、そのために、都も率先して対応を図っていくことが必要であるというふうに思います。
 そうした中、特に交通機関は、不特定多数の方が集まる場所であり、当然そこで勤務されている方も日々さまざまな方に接客をする中で、多数の方と接する機会が本当に多いというふうに思います。現に、タクシーやバス運転手の方、そしてまた、JR東日本の駅員の方も感染をされたという報道がありますけれども、都営地下鉄や都営バスにおいても、そのリスクを十分に認識して、万一職員が罹患した際の対応をしっかりと事前に検討していくことが必要であるというふうに思います。
 その一方で、都営交通は、一日に約三百六十万人の方に利用されている公共交通機関でありますので、仮に運行ができないということになれば、都民生活とか経済にも大きな影響を与えるわけであります。
 そこで、職員が新型コロナウイルス感染症に罹患した際の都営交通の運行の考え方についてお伺いいたします。

○西川安全管理担当部長 都営交通は、東京の都市活動や都民生活を支える公共交通機関として重要な役割を担っており、まず何よりも、職員の感染防止を徹底することがきわめて重要でございますことから、都内で新型コロナウイルスの感染者が初めて確認された直後から、各現場に、手洗い、うがい等の徹底やマスクの着用を指示いたしますとともに、非接触式の電子体温計を配備し、日々発熱のチェックを行うなど、職員の感染防止に全力で取り組んでございます。
 仮に、運行に従事する職員が新型コロナウイルス感染症に罹患した場合にも、あらかじめ代替要員の確保や運行体制の確保に向けた基本的な考え方を事業継続計画に定めており、この計画に基づきまして、確保できる要員に見合った運行を行うこととしてございます。

○鈴木委員 こうした事態というのが発生しないことが、本当に何よりも越したことはないわけですけれども、都営交通というのは、まさに首都東京の交通機関として、都民の生活、そして経済を支えているわけでありますので、想定されるリスクにはしっかりと備えていただきたいというふうに思います。
 この新型コロナウイルスに関しては、いまだに解明されていないことが大変多い、そのために、どう対応していいかわからない、そしてまた、いつ事態が収束するのかも見通しが立たない、こうした状況に、多くの都民の方々は、非常に不安を感じているわけであります。
 そうした不安を少しでも解消していくためには、正確な情報を的確に発信していくことが重要であるわけですけれども、先ほど、都営交通の中でのトラブルの話もありました。例えば、感染予防、感染防止のために、一人一人が実行すべき手洗い、そして、せきエチケットの励行や感染症が心配なときのための相談窓口など、周知していくことが有効な取り組みであるわけですけれども、このせきエチケットの励行というのが、今、交通機関の中では大変大きな課題にもなっているというふうに思います。
 そこで、都営交通の媒体を活用した新型コロナウイルス感染症にかかわる都民に対する注意喚起や情報提供についてどのように考えているのかお伺いいたします。

○西川安全管理担当部長 交通局では、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、さまざまな手段によりお客様に情報発信し、注意喚起を行ってございます。
 具体的には、ホームページやSNS、車内放送、駅構内ポスター等を活用しまして、せきエチケットや手洗い等の感染予防策のほか、時差出勤やテレワークへの協力を呼びかけてございます。
 また、外国人旅行者向けに、日本政府観光局のコールセンターの案内も掲出しているところでございます。

○鈴木委員 試しに、先日、私、大江戸線に乗らせていただいたんですけれども、車内放送というのが、私は確認が余りできなかったんですけれども、先ほどのように、今回の新型コロナウイルス感染症に対して、やはり私たち、マスクはしていても、例えば隣の方がせきをしていたりとか、ちょっと大丈夫かなというふうな方がいると不安になるわけですけれども、やはりそうしたことも考えていただいて、引き続き、重要な必要な情報を幅広く都民に伝わるように、そして各局とも連携しながら、都営交通の車内放送やSNSを活用した広報活動をもっともっと積極的に展開していただきますよう要望しておきます。
 もう一回、皆さん、確認していただけたらいいのかなというふうにも思います。
 新型コロナウイルス感染症が拡大するにつれまして、観光客の減少や感染症拡大の防止のためのイベントの中止、大企業によるテレワークの推進などによって、宿泊業などの観光産業を初め、さまざまな業種で営業活動への影響が発生しております。
 特に、中小企業への打撃は大きく深刻なものとなっておりまして、製造業においては、工場稼働時間の短縮を余儀なくされたり、飲食などのサービス業や小売などの店舗においても、営業時間を短縮するなどの苦肉の策を講じているところであるわけですけれども、交通の分野においても、輸送需要は大きく低下しておりまして、報道にもあるように、JR東日本では、二月の新幹線の利用者数が一割減少、山手線でも平日朝の通勤時間帯の利用者数が一割から二割減少したとのことですけれども、航空会社でも、国内路線も含めた減便などが行われている現状の中で、さらに身近な公共交通機関である路線バスにおいても、都内の民間バス事業者が減便を行うなどの動きも見られております。
 そこで、この新型コロナウイルス感染症の影響による都営交通の乗客数の変化に、今どのように対応されているのかお伺いいたします。

○西川安全管理担当部長 都営交通の乗客数を前年と比較いたしますと、三月の一週目の平日一日平均で、都営地下鉄が約一八%の減少、日暮里・舎人ライナーは約一〇%の減少、東京さくらトラム、都電荒川線は約二一%の減少、都営バスでは約二〇%の減少となっております。
 交通局といたしましては、現在、感染拡大防止の観点から、テレワークや時差出勤等の呼びかけにより、混雑緩和を図っているところであり、運休等によりお客様にご迷惑がかからないよう、引き続き、通常運行を行う予定でございます。

○鈴木委員 先ほどの質疑でもさせていただきましたけれども、やはり日暮里・舎人ライナーや東京さくらトラム、また、都営バス、まだ赤字が続いている状況の中で、これだけの利用者が減ると、大変大きな減収になるというふうにも予想されるわけですけれども、各事業に与える影響も大変大きいというふうに思います。
 しかしながら、もっと大きなスパンで考えると、将来的には、人口減少によって大幅に乗客が少なくなるとも想定されて、経営計画で取り組んでいるわけですけれども、今回を機に、ぜひ改めて、AIや、そしてまた自動運転技術を初めとした新たな技術の活用など、今後のさらなる効率化に向けて検討を進めていただきたいというふうに要望をさせていただきます。
 次に、東京二〇二〇大会への対応についてお伺いいたします。
 交通局における二〇二〇大会への対応の中で、昨年十二月に公表された組織委員会の輸送運営計画V2によりますと、選手や大会関係者の輸送は、主に観光タイプのバスが大きな役割を占めるということでありました。さらに、パラリンピックのときには、全国でも三百台ほどしかない、車椅子に乗ったまま乗りおりできるリフトつきバスの車両が使用されることになっており、報道によりますと、大会のために大量のリフトバスを集めるため、大会期間中は、このリフトバスが全国的に利用しにくい状況が発生するというふうにもいわれておりました。
 昨年の事務事業質疑でも取り上げましたけれども、都営バスにおいては、大会期間中、駅から離れた競技会場である海の森水上競技場までの観客輸送を行う予定であり、現在は、昨年のテストイベントの検証も踏まえて、具体的な運用なども詳細に詰めていくという段階であるというふうにお聞きいたしました。車椅子の対応のために、このリフトつきバスを全国から集めているということでありますけれども、しかしながら、集めればいいというわけではなくて、このリフトつきバスをふやしたから対応したというのではなく、実際に車椅子を利用しなくてはならない方が、安心して利用できるような取り組みをしっかりと確保していくことが何よりも大切だというふうに思います。私は、テストイベントにも行かせていただきましたし、海の森水上競技場というのは、大田区に大変近い場所でありますので、何度も行かせていただいておりますけれども、この競技場というのは、知事の削減で屋根が大変少なくなってしまった施設なわけですけれども、さらに、このバスに乗るところは会場から少し離れている、私はこれ、雨が降ったときはどうなるのかというようなことを考えますと.やはりもっともっとしっかりときめの細かい対応も求められるのではないかなというふうに思います。
 都営バスのみで、大会の全てのバス輸送を担うことはもちろんできないわけでありますけれども、開催都市である東京都が運営する都営バスであるからには、日々の都民の生活を支える路線バスを維持することはもとより、しっかりと大会関連の輸送にも協力していく、役割を担っていくことが必要であるというふうに思います。
 そこで、都営バスとして、大会関連の輸送に今後どのような気持ちで取り組むのかお伺いいたします。

○坂田バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、組織委員会からの依頼に基づきまして、海の森水上競技場までの観客輸送に必要なシャトルバスを運行するほか、選手輸送やメディア輸送に協力する予定でございます。
 観客輸送につきましては、最大百三十二両の車両を投入いたしまして、海の森水上競技場と東京テレポート駅、新木場駅とを結ぶシャトルバスを運行いたします。
 選手村や競技会場への選手輸送につきましては、リフトつき観光バス三台を含む観光バス全八両で対応いたします。
 メディア輸送につきましては、東京ビッグサイトの東棟に設置される国際放送センター、こちらと、西棟に設置されますメーンプレスセンター、こちらとの間の運行や国際放送センターと選手村との間の運行について検討を進めております。
 こうした大会関連の輸送につきましては、きめ細かく的確に対応するとともに、通常の路線バスにつきましても、円滑な運行に努めまして大会の成功に貢献してまいります。

○鈴木委員 今、答弁の中で、きめ細かく対応するという話があったわけですけれども、やはり車椅子を利用される方々にとっては、車両を用意したというだけではなく、しっかりと安心して移動ができるような本当にきめ細かい対応をしていただきたいというふうに要望しておきます。
 そしてまた、本番に向けて、計画の内容がいよいよより詳細になってきているということでありますけれども、引き続き、この準備を万全として、大会を迎えていただきたいというふうに思います。
 大会開催時には、国内外から多くの方が東京を訪れまして、当然、その中には、初めて都営交通を利用する方もたくさんおりますので、私は、まさに都営交通のプロモーション活動をする絶好の機会だというふうに思います。こういった機会に、先ほどいった都電荒川線だとか、そうしたところもどんどんどんどん発信していただきたいなというふうに思います。
 交通局ではこれまでも、開催都市の公営交通事業者として、率先して大会の機運醸成に向けた取り組みを行ってきておりまして、大会をPRして、多くの方の目を引くことが都営交通をPRすることにもつながりますので、大会期間中もそれらの取り組みも継続して行っていくことが必要であるというふうに思います。
 また、大会期間中は、国内からだけでなく海外から多くの大会関係者やメディアが訪れますので、そうした機会を捉えて、都営交通の魅力を広く国内外にアピールすることで、大会後の乗客誘致につながっていくというふうにも思います。
 私も、大江戸線のメディアライナーやバスのラッピング、また、車内の液晶モニターなどもいろいろと確認をさせていただいておりますけれども、東京二〇二〇大会を契機として、都営交通のプレゼンス向上のために、PR活動にどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 交通局では、東京二〇二〇大会に向けて、これまでも、都営交通のさまざまな媒体を活用し、大会の機運醸成に積極的に取り組んでまいりました。
 委員のお話にございましたように、現在、大会マスコットのデザインを施したラッピングバス五十四両と大江戸線PRラッピング電車十編成を運行しているほか、ホームドアを設置している全駅にPRステッカーを掲出しております。
 また、大会開催の直前からは、競技会場やライブサイトの最寄り駅などの構内を統一的なデザインで装飾し、国内外から訪れる多くのお客様に大会の機運の盛り上がりを実感していただきます。
 さらに、海外での都営交通に関する報道機会の拡充や大会後の旅客誘致につなげるため、大会の取材を目的に東京を訪れる海外メディア向けに、来年度新たに作成する多言語のリーフレットや、都営交通を支える現場を取り上げた、PROJECT TOEIの動画などを活用して、都営交通の魅力を紹介してまいります。

○鈴木委員 私は、この都営交通、先ほども話させていただいたように、都市活動とか、そしてまた都民の生活を支える動脈として、本当に、安心・安全を中心として、最優先にして取り組まれているなというふうに、いつも皆さんには敬意を表しているところでございますけれども、オリンピック後、さらに新しい東京においては、もっともっと皆様に活躍をしていただきたい、そのためには、まだまだこういったPR活動も工夫の余地があるのではないかなというふうに思います。ほかの鉄道事業者の取り組みとかをぜひ参考にしていただく中で、やはり都営交通変わったなというような取り組みにつなげていっていただきたいというふうに思います。
 昨今は、東京都も5Gという移動通信技術を新たに活用して東京を変えていこうという取り組みがあるわけですけれども、リアルタイムな情報をキャッチできるというのは、やはりこれからは、まさに不可欠な要素だというふうにも思っておりまして、私は、都営交通、特に都営地下鉄の中では、率先してこれを採用していただいて、さらに都民の利便性、サービスの向上につなげていただきたいということを、しっかり検討していただきたいということを要望させていただきます。
 令和二年度の事業運営について、本日は予算審議ですので、令和二年度の予算、特に赤字事業の今後の運営、安全・安心への投資、そして今、猛威を振るっております新型コロナウイルス感染症への対応、そして東京二〇二〇大会が迫る中での大会時の交通局の取り組みについて、お伺いをさせていただきました。
 二〇一三年に開催都市が東京に決定してからこれまでの間、交通局においても、大会に向けてさまざま取り組みを行ってきたわけですけれども、大会を成功に導くことは、開催都市としての当然の責務でありまして、ましてや大会の開催は、ゴールではなく、あくまでも通過点にすぎないというふうに思います。
 今後、さらなる少子高齢化、そしてグローバル化の進展など、社会構造が大きく変化していく中で、先日の第一回定例会代表質問で私も取り上げさせていただいた共生社会の実現に向けた取り組みを初めとして、大会を契機としてさまざまな課題に取り組んでいくことが求められるわけであります。それに加えて、今後、新型コロナウイルス感染症や災害発生時などの有事の際にも、都営交通は、都民生活や首都東京の経済活動を支える公共交通機関として、迅速に的確に対応に当たっていくことも求められるわけであります。
 そこで、令和二年度の交通局の事業運営に向けました交通局長の決意をお伺いして、私からの質問を終わります。

○土渕交通局長 令和二年度の事業運営に当たりましては、まずは、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けまして、今後の情勢の変化を見きわめながら、関係各局と緊密に連携し、都営の公共交通事業者としてなすべき対策に全力で取り組んでまいります。
 また、いよいよ目前に迫った東京二〇二〇大会を万全の体制で迎えられるよう、これまで進めてきた準備の総仕上げを行ってまいります。
 大会期間中は、先ほど質疑のございましたシャトルバスの運行や深夜に及ぶ競技日程の対応を初めといたしまして、組織委員会等と連携しながら、輸送需要に的確に対応していくとともに、安全で安定的な輸送と快適で利用しやすいサービスの提供を通じまして、国内外に都営交通の魅力を広く発信してまいります。
 さらに、大会を契機として、東京がさらなる飛躍を遂げられるよう、安全・安心の確保を最優先に、誰もが利用しやすい質の高いサービスの提供、東京の発展への貢献、経営基盤の強化の四つの経営方針のもと、ICTや新技術も活用しながら積極的に事業を展開してまいります。
 今後とも、都民やお客様に一層信頼され、支持される都営交通を目指して、私が先頭に立ち、局一丸となって東京の都市活動や都民生活を支えてまいります。

○河野委員 都営バスの運行に関して、都民からの要望に基づき質問をいたします。
 初めに、新型コロナウイルスの感染防止についてお聞きします。
 ウイルスの感染によってお亡くなりなった方々にお悼みを申し上げ、感染された方にお見舞いを申し上げたいと思います。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活に大きな影響を及ぼし、日本だけでなく世界経済にも深刻な事態が起きています。感染経路そのものが解明されていない中で、日々の生活に不安が増しています。ウイルスに感染するおそれは、生活全般にあるわけですが、とりわけ交通局が運行しているバスや電車などは、多くの人を輸送し、閉鎖空間でありますから、感染防止策に十分に取り組むことが強く要請されています。
 既に先ほどからの質問で、交通局の感染防止策の取り組みのことが質問されて、そして答弁がありました。重複は避けて伺っていきたいと思います。
 一つは、感染防止について、やはり清掃とか消毒とかお話がありましたけれども、そういうことについて、十分に感染防止の効果が上がるような、そういう方策は、どのように取り組まれているか、お示しをいただきたいと思います。

○西川安全管理担当部長 都営交通では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けまして、さまざまな取り組みを行ってございます。
 具体的には、ホームページやSNS、車内放送等により、せきエチケットや手洗い等の感染予防策のほか、時差出勤やテレワークへの協力の呼びかけを行ってございます。
 さらに、地下鉄車内のつり革や手すり等、多くの方が手を触れる場所を中心に、アルコールによる消毒作業を行うなど清掃を強化するとともに、案内窓口や観光バスの車内には消毒液を配置しております。
 今後とも、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、取り組んでまいります。

○河野委員 幾つか質問を考えていたんですけれども、それは大きく省略いたしまして、次に、都営大江戸線の都庁前駅に設置されました駅ナカ検温コーナーについて数点伺います。
 まず、都庁前駅を設置場所として選んだ理由についてお示しをいただきたいと思います。

○西川安全管理担当部長 都庁前駅に設置しました駅ナカ検温コーナーでございますが、都庁最寄り駅であり、PR効果が期待できることやコーナー設置に係るスペースの確保が可能だったことでございます。

○河野委員 設置目的とか利用状況については、先ほどご答弁がありましたので省略いたします。
 せっかくの検温コーナーですので、もう少し伺っておきたいんですが、私も実際に体温をはかってみました。コーナーに行ってみて、まず感じたのが、目立たないなというそういう印象でした。そして、初めは使い方がよくわかりませんでした。私に続いて通りかかった高齢の男性も、ブースに入ってみて、どうやればいいのかなって戸惑っていました。カメラが置かれて、赤外線サーモグラフィーによる映像が映るのですが、あのような機材に慣れていない人たちだと、一体どの位置に立てばよいのか、どこに体温が示されるのかがなかなかわかりません。使い方の説明書も探してみたのですけれども、説明書そのものを見つけることはできませんでした。後で聞きましたら、壁の壁面に掲示しているということを教えていただきましたけれども、これはなかなかわかりづらいものでした。
 私があの検温コーナーに行ってみて感じたのは、わかりやすい説明書、そして、わかりやすい説明ボードなどを置くようにしていただく、そのことがこれから利用をもっともっと広げていく上で大事なんじゃないかって考えるんですが、いかがでしょうか。

○西川安全管理担当部長 赤外線サーモグラフィーによる検温は、特段の操作は不要でございまして、赤外線カメラの前に立てば、自動的にディスプレー上に画像と温度を表示するものでございます。
 設置当初から、モニター画面には温度の表示場所を矢印で示しますとともに、理事ご説明のとおり、画面の見方を説明した紙をブース内に掲示してございます。
 こちらのサーモグラフィーですけれども、瞬時に測定できるということから、時間を要せず、手軽に検温できるということがポイントでございます。現在、そのような形でご利用いただいているということでございます。

○河野委員 そうなんです。おっしゃるように、確かにブースの中には掲示されたものがあります。そして、私が記憶に残った文字は、手で触らないでもいいですということと体温は実際の体温よりも低く出ますということが書いてありました。でも、どこにどのように出るのかもすぐ理解できなくて、どこに立ったらいいのか、操作はどうするのか、大変戸惑い、これは私だけではありませんでした。これでいいのかなと思いながら画面の前に立ったわけですが、私の体温は、先ほど長橋委員がいいましたけど、私のは三十五度以下に出ました。そういう感じでした。感染拡大防止に、一人一人が自分の体の状態に関心を持つことがとても大事なことで、駅ナカ検温コーナーは、その啓発のためのものであるということも感じました。
 参考に伺っておきますけれども、検温コーナーの信頼性、また、検温の精度などについては、どのように理解していればよいのか、お示しいただきたいと思います。

○西川安全管理担当部長 赤外線サーモグラフィーは、皮膚等の表面の温度を測定するものでございまして、実際の体温よりは若干低めに測定されます。
 コーナー内には体温の目安としてご活用いただきたい旨を掲示してございます。

○河野委員 ブースの中で、私が持っていっていいのかなと思ったのはこのチラシでした。後ろと前にいろいろと教えていただいていることが書いてあります。基本的な知識が記してあることで、このチラシを置いていただくことは大事だと思います。
 新型コロナウイルスは、あらゆる手だてを尽くして、感染拡大を防止しなくてはなりません。検温測定コーナーも交通局が始めた新たな取り組みでありますから、まだ改善点もあると思いますので、交通局の一層の努力を感染拡大防止のために尽くしていただくように、ここで求めておきたいと思います。
 次に、赤ちゃんと一緒にベビーカーで都バスに乗車することについて質問をいたします。
 ある雑誌に、作家の北原みのりさんが都営バスに乗ったときの感想を掲載されていました。要約して紹介しますと次のような記事です。
 先日、都バスに乗っているときのこと、さして混んではいないが立っている人が目立つという状況で、運転手がバスを走らせながら、こうアナウンスした、ベビーカーのお客さん、混んできたのでベビーカーを畳んでください、私は通路に立っていたが、後ろにベビーカーをぴったり自分に引き寄せて身を小さくしている二十代のお母さんがいた、大きなバックを手に抱えている、当然彼女は戸惑ったように、でも、まだこの子立つことができなくてという、この以降少し省略しますが、そこで、北原さんは見かねて、運転手さんのところへ行って、子供を抱えて動くバスの中でベビーカーを畳むのはどれだけ大変なことかわかりますかと訴えましたが、運転手さんの答えは、規則ですからというものだったそうです。
 ここで交通局に伺いますが、赤ちゃんを連れた子育て世代の人たちがベビーカーで都バスに乗る場合、このようなことに遭遇していることを交通局はご存じでしょうか、認識されているでしょうか、この点を伺います。

○牧野自動車部長 都営バスでは、ベビーカーにお子様を乗せたままご乗車いただく際には、ベビーカーを、ご利用のお客様を初め全てのお客様に安全、快適に利用いただくため、ベビーカーにストッパーをかけ、座席にベルトで後ろ向きに固定することなどをお願いしております。
 一方、車内が混雑しているときや大型のベビーカーにつきましては、折り畳んでの乗車をお願いしております。
 この取り扱いは、公共交通機関の車内において、ベビーカーの転倒事故が多発したことなどから、国、子育て等関連団体、バス事業関連団体などで構成される公共交通機関におけるベビーカー利用に関する協議会が設置され、同協議会が平成二十六年三月に取りまとめた内容と同様のものでございます。

○河野委員 私は、ベビーカーに赤ちゃんを乗せている子育て世代が、バスに乗って、肩身が狭いような思いで乗っている、その現状を認識されているかどうかを伺ったんですが、公共交通機関におけるベビーカー利用に関する協議会の取りまとめとか、事故もあったということでご答弁がありましたけれども、もう少し具体的に子育て世代の苦労を見ていただきたいと思うんですね。
 このことがあって、北原さんは、交通局のホームページを確認したようです。私も開いてみました。ベビーカーの乗車方法の説明がされています。幾つかのことが注意として書いてありますが、朝夕のラッシュ時など、車内が混雑しているときは畳むというふうになっています。子育て世代の人に聞いてみました。ベビーカーを畳んで子供を抱いて乗車しているのは、男の人の場合でもとても困難がある、つらいものがあるということをいっておられます。
 都営バスの車両は、赤ちゃん連れの乗客への配慮ができる仕組みになっている、そういう仕様が工夫されているのか、この点も伺っておきます。

○牧野自動車部長 都営バスでは、全ての車両をノンステップバスにするとともに、円滑に乗降できるよう、車体を下げることで床面の高さを低くできるニーリング装置を備えております。
 また、国により定められているバリアフリー整備ガイドラインを踏まえまして、ベビーカーにお子様を乗せたまま乗車できるよう、車内中ほどの座席にベビーカーを固定するための補助ベルトを備えております。

○河野委員 私は、一昨年十一月の事務事業質疑で、いわゆる思いやりシート、優先席ですね、この席が横向きのベンチ形だったのを、座って安定感があるように前向きに座席を配置してもらいたいと要望しました。現在、国の基準もできて、前向きの座席配置がふえてきております。高齢者の方々から、乗っていて安心感があると感想が寄せられています。座席の配置は乗客にとっては大きな関心事です。
 そこで伺います。
 現在の決まりでは、混雑時などはベビーカーを畳むことになっている。やむを得ず畳んだ場合には、ベビーカーを安心して置けるスペースを設けてほしいという要望がありますが、交通局の改善への考え方、努力を求めるんですけれども、いかがでしょうか。

○牧野自動車部長 都営バスでは、バリアフリー整備ガイドラインを踏まえながら、国が定める標準仕様を満たした車両を導入しておりますが、現在、畳んだベビーカーを安定的に置ける場所を備えた車両は市販されておりません。
 このため、他のお客様のご迷惑にならないよう、お客様自身でしっかりとベビーカーを押さえていただいております。

○河野委員 赤ちゃん連れの人たちの第一の希望は、混雑したときでもベビーカーを畳まないで乗車させてもらえるようにしてほしいということです。バスの座席の配置は、国の基準によるもののようですが、その基準を改善するように国に働きかけてほしいと思うんです。
 高齢者の方々、障害者の皆さんの思いやりシート、優先席についても改善が工夫されましたので、このベビーカー問題も、今、交通局が直面している問題だと考えますので、お考えをお示しいただきたい。国への標準仕様について、改善の問題について働きかけていただきたい。そのことについてのご答弁をお願いしたいと思います。

○牧野自動車部長 国が定める標準仕様は、平成十五年に策定されており、その後、事業者の意見やお客様の要望を踏まえまして、平成二十七年に改定されております。
 交通局といたしましても、これまで、さまざまな意見を国に伝えるところでございまして、引き続き、誰もが安心して乗りやすいバスとなるよう努めてまいります。

○河野委員 ぜひご努力をお願いしたいと思います。
 それで、ここでパネルでご紹介をしておきたいものがあります。北原みのりさんはフィンランドで生活していたそうです。私の知り合いもフィンランドで数年生活していました。北原さんはこのようにいっています。北欧のベビーカーは日本の二倍の大きさがある、車体が大きいわけですよね。大きさが、その二倍の大きさがあるけれども、誰もベビーカーの人たちを邪魔者扱いにしない。その後、北原さんの言葉をかりると、都バスよりやはり車体は大きいらしいですけれども、この写真のように--見えますよね、お母さんが座席に腰をかけて、そのそばに大きなベビーカーを置ける構造になっています。フィンランドで暮らしていた人に聞いてみました。ヘルシンキ市内の交通では、ゼロ歳から六歳までのベビーカーや車椅子を使用している子供と同伴者一名は乗車賃が無料だそうです。市内では、バス、地下鉄、電車を自由に使うことができるし、ベビーカーを畳まなくてもよいようにスペースが確保されているそうです。
 幼い子供を連れた人が周りの人に迷惑をかけていないかなどと心配することなく、安心して安全に乗れることはとても大切なことだと思います。道路事情や国柄の違いはあるとはいえ、海外の先進例に学んで、誰もが安心して乗車できる都営バスになるようにご努力を求めておきます。
 続いて、燃料電池バスについて伺います。
 ことし二月、江戸川区臨海町の下水道局用地に、バス用の水素ステーションがオープンをいたしました。江戸川区内では、この一年、燃料電池の都バスが走る姿をしばしば見かけるようになりました。
 交通局は、経営計画二〇一六を見ますと、燃料電池バスを平成三十三年度、二〇二一年度ですか--までに八十両導入としています。
 これまでの導入台数を年度ごとにお示しいただきたい。そして、二〇二一年度は来年度ですけれども、導入予定は毎年度ごとにどうなるか、あわせて運行予定地域などについてもお示しをいただきたいと思います。

○牧野自動車部長 燃料電池バスにつきましては、平成二十八年度に二両、平成二十九年度に三両、平成三十年度に十両導入しておりまして、今年度は二十三両導入し、合計で三十八両になる予定でございます。
 来年度は、東京二〇二〇大会までに最大合計で七十両、令和三年度末までに最大合計で八十両の導入を目指しております。
 現在、バス対応の水素ステーションにつきましては、江東区有明、江戸川区葛西等の臨海部の四カ所に整備されていることから、燃料電池バスにつきましては、その近傍にある営業所が担当する路線で使用してまいります。

○河野委員 燃料電池バスは、ステーションをつくる費用とか、車両の製造費、燃料代などを計算すると、国や東京都が補助をしているとはいっても、計算すると割高になると思うんです。
 燃料電池バスを走行させることの優位点、それはどのようなことがあるのでしょうか。

○牧野自動車部長 燃料電池バスは、走行時にCO2、NOx、PMなどを排出しない環境性能にすぐれたバスでございます。
 都営バスが燃料電池バスを先導的に導入することで、お客様や都民に、都が目指している水素社会をより身近に感じていただけると考えております。

○河野委員 多くの人がご存じだと思うんですが、水素は爆発する元素です。自家用車やバスの燃料に実用化されている今、安全性は高いといわれていますが、やはりステーションなどでの取り扱いは特別の資格が必要であると聞いております。
 燃料電池バスを運行するに当たって、水素の持つ特性などを、バスを運転する乗務員や、あるいは整備に当たる職員への研修、これは交通局としてどのように行っておられますか。お答えをいただきたいと思います。

○牧野自動車部長 交通局では、新たなバス車両を導入した際には、講習や訓練を行っておりまして、燃料電池バスにつきましても、乗務員に対して車両の取扱講習や車両特性になれるための走行訓練を行っております。
 また、車両を整備、保守する係員に対しましては、燃料電池や水素ガスが流れる配管など、ディーゼルバスとは異なる新たな装置が設けられており、この技術に対応するための研修を実施しております。

○河野委員 交通局の安全についてのご努力はわかりました。
 それで、私は、先ほど江戸川区内で燃料電池バスをしばしば見かけるようになりましたというお話をいたしました。きょう、その私がちょうど行き会ったバスの写真を写して持ってきました。これは、夜九時過ぎに都営新宿線の一之江駅でバスを待っていたときに、ちょうど走ってきたバスなんです。燃料電池バスは、率直にいって感想なんですが、昼間見かけるととてもきれいです。透明感があって、ああ、すごいきれいなバスが来たって思ったら、H2とかFUELとか書いてあって、東京都の水素バスなんだって私思って、前も昼間写真撮ったことがあるんですが、夜になるとこうなっちゃうんですね。バスの車体は、本当に昼間はいいんですが、夜は闇に紛れてしまう、そういうカラーになっています。このバスが濃い藍色だと思っていたんです、エコカラーだと思っていたんです、私は。そうしたら、実は交通局の方に教えていただきましたら、ブラック、黒なんだそうです。
 バスの車体については、過去にも、ラッピングバスの模様が都バスとなかなか見分けがつかないということで、視覚障害者の方から、都バスとわかりやすいようにしてほしいと要望が出されていました。この黒色のバスが夜来たときに、視力が弱い人が見分けがつくかというと、バスが来たことを認識すること自体が困難な、そういうふうに感じました。
 都バスであるか、ほかのバスであるかという以前に、バスが来たこと自体がわかりにくい。この車体カラーを、視力が弱い人のことも考えて、私はぜひ改善していただきたいというのを感じているところなんですけれども、いかがでしょうか。

○牧野自動車部長 現在の燃料電池バスは、水素社会の実現に向けて、水素を身近に感じてもらえるよう、メーカーの標準仕様としてデザインされておりまして、現在のところ変更する予定はないと聞いております。

○河野委員 バスをつくっているメーカーはトヨタですよね。トヨタがこのカラーを決めているわけなんですけれども、私は、トヨタが決めているからということでいいんだよということで終わらせちゃいけないんじゃないかと思うんです。乗客、都民がどう考えるか、特に視力が弱い人たちが、どのように感じてこのバスに乗っていくのかということを見ていただきたいと思っています。
 変更の予定がないということでありますけれども、私は、それはもっともっと検討していただかなくてはいけないというふうに思います。
 先ほど質問いたしましたが、水素は費用負担が多いエネルギーで、国も都も多額の補助金を自動車メーカーやステーション設置に充てています。走行時に排ガスを出さないという優位点があるということでありますが、EV車の普及も進んでいることを考えると、経済効率や環境性能のよいバスについては、もっと検討してもいいのではないかと思うんですが、その必要性についてはどのようにお考えでしょうか、お示しください。

○牧野自動車部長 都営バスではこれまでも、最新の排出ガス規制に適合するディーゼルバスに加えまして、環境施策と連携し、ハイブリッドバスやCNGバスを順次導入してきておりまして、現段階では、最も環境性能にすぐれた最新の車両であります燃料電池バスを率先して導入してきております。
 今後とも、環境に優しい車両を積極的に導入することにより、環境負荷の低減に努めてまいります。

○河野委員 環境に優しいバスというのは、燃料電池バスに特化したものじゃなくて、さまざまな選択肢があるというのは、皆さんもご存じだと思います。
 水素は、バスや自動車の走行時には二酸化炭素を出しませんけれども、水素を製造する段階では排出をいたします。なぜなら、地球上に、水素は単体、分子としてほとんど存在しない。何かと結びついて存在しているから、その水素を取り出すには、いろんなエネルギーを使って剥がさなくてはなりません。さまざまな方法があるようですが、水素を製造するプロセスで、エネルギーを必要として二酸化炭素が発生する、これは常識の話になっています。まさに開発途上にあるエネルギーであり、太陽光などの自然エネルギーとは違って、課題が多く残されているエネルギーであることを指摘しておきますし、EV車やFCV車とか、ハイブリッド車とか、いろいろな、これまでも交通局は努力はしてきたと思うんですけれども、環境に優しい、環境に負荷をかけないということで、総合的に考えて判断をしていただきたい、そのことを求めておきたいと思います。
 最後に、昨年十月の委員会でも質問しましたバス停留所の縁石に沿ってすき間なくバスが停車する正着についてお聞きします。
 昨年十月の事務事業質疑での自動車部長の答弁は、乗務員に対して、停留所に停車する際には、他の車両が停留所手前に駐停車している場合を除きまして、バスを歩道に極力寄せて停車させるよう指導して、その努力をしているというものでした。
 私は、ほとんど毎日都バスを利用しているので、運転手さんの苦労も見ていますが、高齢者や障害を持つ人が安全に乗降できるようになるには、さらに努力をしていただかなくてはならないと感じております。
 交通局の経営計画を見ますと、停留所への正着をアシストする自動走行制御システムを導入していくと書いてあります。導入を予定している自動走行制御システムについて、その仕組みや導入の検討状況についてご説明をいただきたいと思います。

○牧野自動車部長 自動走行制御システムは、道路に埋め込まれた磁気マーカーやGPSなど、車両の位置を高精度に測定する技術を活用いたしまして、停留所に車両を自動的に誘導する仕組みでございます。
 現在、さまざまな方式の開発が進められている段階でありまして、標準的な規格は確立していない状況でございます。
 引き続き、技術の開発動向などを注視するとともに、関係機関と連携しながら導入について検討してまいります。

○河野委員 経営計画には載せたけれども、実用化はこれからの段階だということがわかりました。
 これから技術開発なども進んでいくと思いますが、安全運行のために、ぜひ、さらに検討を進めていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 昨年の質問のとき、自動車部長は、正着について乗務員から報告を受け、また、お客様センター等を通じてさまざまな要望を聞いている、この中には、バスを極力歩道に寄せて停車させてほしいという要望もございますと述べておられます。
 私は、高齢の方々などがどのように乗降しているか、実態を調査していただきたいと思っているんです。実態調査は行われているでしょうか。そして、そうした方向でのお考えをお持ちなのか、お答えをいただきたいと思います。

○牧野自動車部長 都営バスでは、停留所において、違法駐車などによりやむを得ず歩道から離れて停車することが頻発する箇所につきましては、勤務終了時の点呼により乗務員から報告を受けるとともに、お客様から寄せられる声などを通じまして日々把握しておりまして、職員が現地を調査し、現状を確認しているところでございます。

○河野委員 都バスは、都民の移動の権利、社会参加を保障する大事な交通機関です。とりわけ交通弱者といわれる人たちにとっては、生活に欠かせない役割を果たしています。
 高齢の方が都バスに乗る様子を見ていますと、ステップの一段一段に足を上げるのも大変な人がいます。脚力が衰えているからです。私たちにもバスを真っすぐ停車させてほしいという意見が届いているくらいですから、今後とも工夫を凝らしていただいて、実態を把握して、より安全な方向へと事業を進めていただきたいと思っています。
 バスの運転手さんは、安全な運行、時刻表を守る定時性の確保などに苦労されていると思います。運転が、心の余裕を持ってできるように、ダイヤの編成や人材の確保などにも心配りをしていただきたいと要望いたします。
 本日委員会で資料を出していただきました五ページに、運転手さんの新規採用数も増加しているということで、安全な運行へのご努力は示されているということは非常にありがたいと思いますが、今後、世代を超えて安心して安全に利用できるように、都バスを運行する交通局の努力を重ねてお願いして、私の質問とします。

○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十八分休憩

   午後三時三十五分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言をお願いします。

○山口委員 新型コロナの影響で、今月に入って学校も休校になったり、イベントやコンサートを初めとして、さまざまな中止、延期が発表され、相次いでいるわけでもございます。
 春場所なんかも無観客で行われたり、甲子園の中止と、非常に衝撃的なニュースが国民の間を飛び交っている状況でもございますが、この状況下において、局の皆様におかれましても、本当に不安の中、また、錯綜するというよりも、よくわからない情報、状況の中で、本当にご苦労をされ、また都民の皆様の安全・安心のためにもご苦労されていることと心から敬意を表する次第でございます。
 さて、このような中でも、電車やバスを初めとして、公共交通機関はきちんと運行されているというのは本当に心強いところでございますし、都営交通は当然同様のところでもあるわけであります。
 利用者数が相当減っているという報道も目にしているところでもございますが、さまざまなご努力の中で運行の維持に努めていただいていることに対して、都民を代表しても改めて感謝と御礼を申し上げる次第でございます。
 さて、特にこのような状況のもとにおいても、電車やバスを運行するために日々奮闘されている現場の職員の方々、ここにも心から敬意を表したいと思うところでございます。
 いうまでもないことでありますが、電車やバスを運行するためには、この乗務員の皆様方の存在というものは欠くことはできない、必須の存在であるわけでありまして、彼ら、彼女らの健康維持というのは大変重要なところだと考えるわけでありますが、職員の皆様の新型コロナウイルスの感染症対策として、どのような取り組みを行われているのかを伺いたいと思います。

○渡邉職員部長 交通局では、職員の新型コロナウイルス感染症対策として、効果的な手洗いやせきエチケット等を励行する広報誌を急遽発行するとともに、厚生労働省が発行するリーフレットを活用し、職員に対する注意喚起を行っております。
 また、都内で新型コロナウイルスへの感染者が初めて確認された直後から、各現場に手洗い、うがい等の徹底やマスクの着用を指示するとともに、非接触式の電子体温計を配備し、日々発熱のチェックを行うなど、職員の感染防止に全力で取り組んでおります。
 さらに、会議や研修等について、可能なものは延期や見合わせを行っております。
 今後も、国や都が発する情報等を迅速に職員に伝えるなど、引き続き、感染防止に努めてまいります。

○山口委員 当然のことながら、手洗いやうがいなど、個人個人しっかりと取り組んでいただくことは、これはもういうまでもなく重要なところなわけでありますが、職場としてもしっかりと職員の皆様に健康管理を行っていただくということも、これも重要な責務の一つだというふうに考えるところでもあります。
 同時に、今答弁をいただいたように、マスクの着用を指示するであるとか、発熱チェックを行ったりすることは必要な取り組みでありますから、これは継続して、しっかりと続けていただくように要望しておきたいと思います。
 一方、懸念があるのが、私だけではないと思います--このマスクの着用を指示しているということになりますと、当然のことながら、局の方で、このマスクそのものをしっかりと用意ができているのかどうかというところがやっぱり大きな関心、都民の皆さんも関心があるところだと思うんですが、これも各種報道のレベルにもよりますけれども、現在マスクの入手が、もう全国的に非常に困難な状況になっていることは、これはもう誰が見ても明らかな事態であります。また、このマスク以外にも、当然アルコールの消毒液なども非常に入手困難になっていて、これらの品々は、感染症防止の対策にとって、これもう欠くことができないもののアイテムの一つとなっているわけであります。
 このマスクや消毒液の備蓄の状況について、今どのようになっているのかを伺いたいと思います。

○渡邉職員部長 交通局では、感染症対策として、現時点において、マスクについては約三十万枚、手の消毒に用いるアルコール消毒液については約六千本を備蓄しております。

○山口委員 なるほど、備蓄の量は今ご説明いただいたようにわかりました。ただ、一日当たりどれぐらいの量を消費するのかというのがわからないと、今ご答弁いただいたマスク三十万枚、アルコール消毒液六千本という量が、十分か、適切なのかというのがわからないところであるんですが、このアルコール消毒液というのはどれぐらい使うかというのはなかなかはかり知れないところもあるかもしれないんですが、少なくとも、マスクについては、一枚、二枚と数えられる、勘定できるものでありますから、これはある程度明確に消費量というのがわかるんじゃないかなというふうに思うんです。
 現場における一日当たりのマスクの消費量というのはわかりますでしょうか。

○渡邉職員部長 都営地下鉄や都営バスなど、交通局の現場では約六千人の職員が在籍しており、出勤している職員がマスクを一日一枚使用するとして計算すると、一日当たり約四千三百枚となります。

○山口委員 先ほど答弁をいただいた三十万枚、そして、備蓄の量があるというところでございましたので、一日約四千三百枚でしたか、消費をすると、計算するとおおむね二カ月少々はもつという計算になるんでしょうかね。そうすると、この二カ月の期間というのをどういうふうに評価をするかにもよると思うんですが、非常に長期化されるかもしれない、まだどういうふうに終息していくのかわからない状況においては、なかなかはかり知れないところはあるかもしれませんけれども、まず二カ月は運行ができるというふうに考えられるんだろうというふうに思います。
 しかしながら、個人の方々が持ち込むのではなくて、しっかり職場で用意をするということであれば、安全対策を考えていく上においても、今後もこのマスクの確保というのは、やっぱりドライバーの方々、要するに働く方々の、彼ら、彼女らの安全・安心ということもありますし、乗客の皆様、全ての都民の皆様、また、東京を訪れてくださる全ての皆様の安全・安心を考えても、やはり働く皆様のためのマスクというものはしっかりと確保しなければならないと思いますので、ここは前倒しでしっかりと確保していただくように心がけていただきたい、また努力をしていただきたいと、このように考えるところでございます。要望しておきたいと思います。
 次に、来年度の予算に関しても伺わせていただきたいと思います。
 交通局では、事業を、安全・安心の確保、質の高いサービスの提供、東京の発展に貢献、経営基盤の強化の四つに区分をしているわけでありますが、その中でも、安全・安心の確保は特に重要なわけであります。
 先日、令和二年度予算案の主要事業一覧を拝見いたしました。安全・安心確保のカテゴリーのうちに、一番予算額が大きい事業、これが地下鉄施設の耐震対策及び構造物の長寿命化でありました。
 昨年、台風の十五号、十九号と風水害が続き、今現在はまさにこの新型コロナウイルスの感染症と、いろんな災害に次から次へと我が国は襲われているわけでありますが、何となくこの地震の備えに対して意識が向かないような状況が起こっては絶対にならないわけであります。
 先週は、三・一一東日本大震災から九年がたったわけでもありますが、振り返る番組、当時本当に何が必要だったのか、そして、これから何を備えるべきか、こういった特集番組などもたくさん放送されたところでもございますが、首都直下地震や南海トラフ地震など、今後遠くないであろうといわれる時期での発生が予測をされております。
 このような時期だからこそ、この地震の備えについて、改めて思いをはせておく必要があるかと思うんですが、令和二年度の交通局予算案、安全・安心確保の中に地下鉄施設の耐震対策の強化が挙げられている、この令和元年度の実績と令和二年度の取り組みについて伺いたいと思います。

○坂口技術管理担当部長 都営地下鉄では、阪神・淡路大震災を受けまして出された国の通達に基づく耐震対策は平成二十二年度で完了しております。施設の崩壊など、致命的な被害に対する安全性は確保されております。
 その後、東日本大震災を踏まえまして、施設の安全性をより一層高めるとともに、早期の運行再開を図るため、さらなる耐震対策として、高架部の橋脚及び地下部の中柱の補強を進めております。
 令和元年度は、三田線高島平駅、西高島平駅間の高架部の橋脚や大江戸線都庁前駅の中柱など、約三百五十本の耐震補強工事を進めておりまして、今年度末で累計約千五百二十本の補強を完了する予定でございます。
 令和二年度には、今年度から引き続く工事を実施するほか、大江戸線練馬駅ほか四駅の耐震補強工事を予定しておりまして、引き続き、都営地下鉄の安全・安心の確保のため、鉄道施設のさらなる耐震性の向上に取り組んでまいります。

○山口委員 耐震補強のような工事を初めとする事業というものは、なかなかこれは表に出てくるものではありませんし、実際に、言葉は悪いかもしれませんが、地味な事業かもしれません。しかし、まさにこの取り組みというものは本当に人の命に直結する非常に重要な事業であることは申し上げるまでもないわけでありますので、しっかりとした投資を私は行っていただくべきだと思いますし、今まさにこの震災に対する取り組みは耐震というものが見直しをされる、そして、例外なく、想定外という言葉が絶対に使われることがないような取り組みというものが見直されるべきだと私は考えております。
 まさに、いつ起こるかもしれないこの震災への備え、今後も引き続き、しっかりと取り組んでいただくことを要望しておきたいと思います。
 さて、ことしは、先ほどからもお話が出ております東京二〇二〇大会、もう間もなく開催をされる、迫ってきているところでございます。そんな中、新型コロナウイルスの感染症が世界的な流行、パンデミックとなってしまった今、大会の開催自体を危ぶむ声も上がっているところでもありますが、私たちは、開催都市として、しっかりと準備に取り組んでいかなければならないと、このように考えているところであります。
 現在、国内がこういう状況でありますから、外国人の観光客の方々も激減してしまっております。大会のころには感染症の流行もおさまり、再び多くの外国人観光客の訪れるような状況というものが戻ってくることを心から祈っているところでございますが、さて、私もふだん電車を利用させていただいておりますと、以前より切符を買う人が非常に少なくなってきているように感じるところでございます。
 さて、自分もPASMOやSuicaを使うようになってから、券売機を使うのはカードにチャージをするときぐらいになってきておりまして、券売機の前にいるのは外国人の方ばかりという状況を非常に目にするようになってきました。
 彼ら、外国人の観光客の皆様がPASMOやSuicaを使わないというのは、これは短期間の来日の間にわざわざ、訪日の間にわざわざICカードを買わないからという理由があるのかもしれませんけれども、切符として売られている外国人観光客向けの企画乗車券などを使うからという状況もあるんだろうというふうに考えるわけであります。
 この二面から考えてもそうなんですが、都営地下鉄においても、一日券やフリー切符といった、いろんなお得な企画乗車券を販売されているということはよく存じ上げておりますが、これらをICカードに搭載することによって、東京の地下鉄をより円滑に利用していただけるのではないかというふうに考えるところであります。
 都営地下鉄において、訪日外国人旅行者等が目的に応じて地下鉄を円滑に利用できる環境を整える必要性というのは非常に重要だというふうに考えるんですが、現在の取り組み状況についてお伺いしたいと思います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、都営まるごときっぷ、Tokyo Subway Ticket、東京フリーきっぷなどの企画乗車券について、副委員長お話しのとおり、より円滑な移動を実現するため、従来の磁気乗車券に加えまして、三月十四日よりICカードに搭載して利用できるサービスを開始いたしました。
 これによりまして、駅の自動改札機をワンタッチで利用できますほか、有効区間外の駅で下車する場合にも、チャージ残高から自動で精算できるようになりますことから、訪日外国人旅行者を初めとしたお客様の利便性が向上するものと考えております。

○山口委員 昨年の十月に消費税が増税をされた際、日本国内においてもキャッシュレス決済を拡大するべく、さまざまなキャンペーンなどが行われたわけでありますが、日本国内では、まだまだ現金信仰といいましょうか、根強いものが残っておりまして、キャッシュレス決済の利用率は低い状況にあります。
 一方、日本以外の多くの国々においては、クレジットカードやデビットカード、QRコード決済など、さまざまなキャッシュレス決済の手段が広がってきております。特にクレジットカードやデビットカードの利用率というのは、これもう非常に高いものがございまして、外国人観光客が日本に来て電車等を利用する際にクレジットカードの利用ができず、現金での支払いしかできないということに困惑するというのは、これはもうよく聞く話であります。
 先ほど質問をした企画乗車券でも、現金でしか購入できないということが大きな障壁になっておりまして、円滑な移動の妨げになっているのではないかとも考えられるわけでありますが、都営地下鉄におけるキャッシュレス化の推進についての取り組みを伺いたいと思います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、ただいまお答えいたしました企画乗車券のIC化ですとかPASMOなどの利用の促進に加えまして、さらなるキャッシュレス化の推進に取り組んでおります。
 一つは、訪日外国人旅行者などが東京の地下鉄全線を割安でご利用いただける、Tokyo Subway Ticketという企画乗車券をお買い上げいただく際のキャッシュレス化でございます。お客様が駅にいらっしゃる前に、クレジットカードでオンライン決済されますと、QRコードがお客様に発行されます。このQRコードを主要駅の旅行者向け券売機のQRコード読み取り機にかざしていただきますと、Subway Ticketの現物が発行されるというキャッシュレスのサービスでございます。これを三月十四日より開始いたしました。
 また、駅でのクレジットカードの取り扱いについてでございますが、現在は、定期券を購入するときのみご利用いただけますけれども、都営まるごときっぷなどの企画乗車券をお買い上げいただく際にもご利用いただけますよう、実施に向けて調整を進めております。
 引き続き、キャッシュレス化の推進に取り組みまして、外国人旅行者を含む全てのお客様の利便性向上を図ってまいります。

○山口委員 今、QRコードを使った試みがスタートし、そして、新たにクレジットカードの取り扱いについても実施について調整をされていると、非常に前向きな答弁をいただきました。
 先ほど申し上げたように、このキャッシュレス化は世界的な潮流である。だからといって何でもグローバルスタンダードに合わせるのが正しいとはいいませんけれども、しかし、外国人の観光客の方が利用しやすい環境を整えるというのは、これはもう大事なおもてなしの一つであろうというふうに、これは私は思うところでもございます。
 先ほどのICカードのキャッシュレス化の推進、こういったサービスの向上も、取り組みとして十分に評価できるものであるというふうに思いますが、せっかくの新しいサービスを開始しても、実際にこれがターゲットとなる外国人の観光客の方とか顧客の方々に届かなければ、これは意味がないわけですし、もったいないことになってしまいますので、こういうサービスがありますよというように、局の外国語のホームページに記載をするだけではなく、東京都、とかく、すぐホームページに載せるとそれが広報にというふうになっちゃうものですから、そうじゃなくて、広く知っていただくということがやっぱり大事なので、知りたい方がどこを見れば、どこで知らせてもらうと一番それを使いやすいのかなという視点を大事にしていただいて、多くの方々の目に触れるように、さまざまな形でのプロモーションをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

○上田委員 今年度の予算調査をさせていただきたいと思います。
 交通局は、年間十四億人で二千四百億円規模ということで、事業も多岐にわたりますので、毎度のことながら、多岐にわたり確認させていただきます。
 まず、サービス、接遇についてです。
 サービス推進活動方針では、お客様の声等を活用した事前改善や、お客様の立場でみずから考える風土づくりを重点としているということですが、駅改良工事中の丁寧なお客様案内や駅構内の美化活動、自動車部門では、お客様の利便性や快適性の向上に取り組むと定め、具体的な内容として、バスロータリーの乗り場案内図の作成やバス停留所付近の清掃などを行っており、設備の取り組みは確認しております。
 予算編成に当たって、障害者、外国人対応もさることながら、健常な日本人でも、世間を騒がす迷惑行為やマナー違反など、近年、モンスターペイシェントも散見される中、本当にお困りの方をサポートするための人的接遇を中心とした具体的なソフト面の取り組み、職員研修状況を伺います。

○渡邉職員部長 交通局では、職員の接遇能力向上のため、新規採用時を初め、入局後においても継続的に接遇研修を実施しているほか、個別のテーマを定めた研修も実施しております。
 一例を挙げますと、障害者の方への対応力向上を図るため実践的な研修を毎年度実施しており、今年度は、盲導犬の育成訓練等を行う団体から講師を迎え、盲導犬による歩行体験、盲導犬利用者の地下鉄、バスご利用時のご案内などの実技等を行ったところでございます。

○上田委員 介助士も、順調に取得していることは確認しております。
 次に、職員に課題がある場合、一律の判断基準はないが、所属長の管理者が、お客様と職員それぞれの意見や周辺状況を勘案し、職員の対応に問題があると判断した場合に適切に指導を行い、こうした参考事例の共有方法は、代表的な事例を局内ポータルサイトに十日に一度掲出し、職員に周知しているとのことですが、それらによる具体的な効果を伺いたいと思います。

○根木総務部長 運転操作に関するものなど、苦情事例につきましては、掲示や会議などで職員に周知し、自分自身の問題であると受けとめさせ、類似した事例の再発防止に取り組んでおります。
 また、お客様センターには、メールや電話で接遇などに関するお褒めの言葉もいただいており、同様に周知しておりますが、職員の励みになっているものと考えております。

○上田委員 OJTについてですけれども、各職場で実施計画を立て、ベテラン職員によるマンツーマンでの新人研修など、現場の実態に即し、適時適切に実施しているということですが、実施の頻度と成果を説明の上、それを踏まえて、新年度に向けた取り組みをご説明ください。

○渡邉職員部長 OJTについては、仕事をしながら適時実施するという利点を生かし、各職場の実態に即して、日常業務を行う中で都度実施しているところでございます。
 新人に対するOJTの例を挙げますと、指導役のベテラン職員が、新人に対して、お客様へのご案内に必要な知識や技術についてマンツーマンで教育を行い、一人前の職員として育て上げております。
 来年度におきましても、各職場の実態に即したOJTの取り組みを継続して実施してまいります。

○上田委員 次に、外部からのご意見のモニター制度です。
 事務事業で結果を確認しましたけれども、モニター調査の結果も踏まえ、地下鉄駅構内のトイレのリニューアルやバス停における案内の充実、多言語に対応した大画面の券売機や、ターミナルにおけるバスの案内用デジタルサイネージについてご意見をいただき、設置の際の参考とした例ということで、正直、目新しい課題が見つかったようにも思えなかったんですね。
 新年度に当たっては、どのような視点で目標設定をしていくのか伺いたいと思います。

○根木総務部長 都営交通モニター制度は、お客様の意見や要望を直接お伺いし、より便利で快適なサービスを提供することを目的としており、職員のお客様対応等について評価していただくとともに、サービスニーズについてウエブアンケートを実施しております。
 令和二年度におきましても、同様の視点に立ち、モニターの方々から得られた客観的な評価や貴重なご意見を局事業に反映させ、お客様サービスのより一層の向上を図ってまいります。

○上田委員 モニターの資料とかも取り寄せていただいたんですけど、結果も、どのような接遇面での指摘やニーズがあるのか、ちょっと具体的に見えないんですよね。目標を掲げていますけれども、その目標がちょっと明確にご答弁がいただけないかなと思っております。このモニターアンケート調査も、なかなか私も探せなくて、これも即時性を持っての公表を望みたいと思います。
 都政事業の中でも、最も不特定多数の都民と接し、先ほど、年間十四億ですよね、外国人、障害者、子供、妊産婦といった東京全体の縮図を日々見ることができる事業が都営交通だと思います。そこで得られた知見を、交通局のみならず、オリ・パラ準備局、福保、生活文化局、戦略政策情報推進本部など、ほかの都政事業と具体的な事案を通じて連携、連動し、都政施策へ還元をお願いしたいと思います。
 次は、都バスの事故でございます。
 資料の10を見ますと、ほぼ毎日のように事故が起こっているということになっております。
 まず、事故の内訳、物損、人身事故の深刻度別のご説明の上、再発防止の新年度の取り組みを確認します。
 事故発生時におけます過失割合の状況も伺います。

○牧野自動車部長 過去五年間の事故件数のうち、物損事故は約四六%、人身事故は約五四%でございます。このうち、国の規則に定める重大事故は約三%でございます。また、先方にも過失があった事故は約三三%でございます。
 新年度におきましても、職員による日々の指導や、年四回実施する研修等を通じまして、着座確認の徹底、適正な車間距離の保持など、乗務員の安全意識の向上に取り組んでまいります。

○上田委員 約七割が東京都側の過失となっていることと、三%は重大事故という点は看過できないと思います。今後、私も確認してまいりますが、事故原因の徹底究明、分析することが肝要であり、これこそOJTや研修で生かされるべきだと思います。この点も確認してまいります。
 まずは、事故状況と原因究明の結果を都民へ公表し、再発防止による事故件数の可及的速やかな減少を重ねて求めます。
 忘れ物です。
 資料12ですけれども、センター預かりから警察に送られる時系列の説明と、どのくらいの割合でセンターで処理できているのか伺いたいと思います。

○根木総務部長 遺失物は、拾得の届け出のあった事業所で一時保管した後、交通局のお忘れ物センターに移し、拾得の日から七日以内に警視庁の遺失物センターに送っております。
 お忘れ物センターで取り扱った遺失物のうち、同センターで遺失者に返還した割合は、平成三十年度は約三%であり、その他は警視庁の遺失物センターに送っております。

○上田委員 九七%が警察に移送ということでありました。私もこの間、都庁前駅でマフラーを落としまして、ぎりぎり間に合って、後楽園のセンターにとりに行きまして、大変親切に対応していただきましたので、やっぱり都営交通の中にある間にとりに行くのが便利かなというふうに思いました。ただ、ちゃんと都営交通の方は周知はしていることも確認させていただいております。
 続きまして、大江戸線での子育て車両への反響についてですが、お客様や都民の方からはさまざまな声が寄せられておりまして、一部は否定的な意見もあったとのことですけれども、どのような内容だったのでしょうか。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 お客様や都民からの声の多くは、感謝や賛同などの好意的なご意見でございましたけれども、子供が騒いでしまうのではないかとか、長距離電車ではないのでこのようなスペースは不要だといったご意見もございました。

○上田委員 運行本数の拡大と、わかりやすい運行時間への要望も多いことから、子育て応援スペースを設置した大江戸線の車両を、現在の三編成から、今年度末までに七編成に拡大いたしまして、利用いただける機会をふやしますとともに、一部の列車を毎日同じ時刻で運行するなど、お客様の利便性を高めていくとのことでしたけれども、子育て真っ最中ですと、なかなかトーマス車両に時間を合わせるのは難しく、たまたま乗り合えたらラッキーというところが現実的なところだと思います。
 ほかの路線でも開始されるのか、そもそもトーマスの著作権等の利用料は幾らか明示の上、費用対効果についての予算を踏まえた評価を確認します。
 また、国交省の関与や評価についても、何かあればお答えください。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 来年度は、今後の子育て支援の取り組みに生かしていくため、幅広い方々を対象に調査を実施いたしまして、その調査結果をもとに、乗り入れしているほかの鉄道会社との協議を進めてまいります。
 費用につきましては、大江戸線七編成の装飾費用やキャラクターの利用許諾料などを含めまして、約九百万円でございます。
 費用対効果についてでございますが、お子様連れのお客様から好意的なご意見をいただくとともに、マスコミやSNSなどで大きく取り上げられるなど、社会全体で子育てを応援していこうという機運を醸成する上でも効果がございました。
 なお、国による関与はございません。

○上田委員 今、国による関与なし、東京都の事業ということでございました。九百万円、結構かかるんだなと思ったんですよ。
 内訳は確認したかったんですが、許諾料は著作権元が使用者ごとに判断しているものなので答えられないということでございました。都民のお金なのにわからないというのもちょっと不思議なので着目したいとは思っております。
 私も息子二人いてトーマス大好きなんですけど、乗ったら乗ったで、おりないのとかって騒ぎそうな感じもしながら見たところでございまして、パイロット事業であることは承知しました。
 トーマスがいなくても、車両全体で子供を温かく見守ることへの機運醸成が大事であると確認をいたしました。
 それはやはりベビーカーの対応についても重なってくると思います。ベビーカーや荷物の持ち運びにつきましては、困っておられるお客様から依頼がありました場合は、駅係員が対応し、現場の職員からは、お客様同士の助け合いを目にすることがあるようですけれども、助け合い精神は定着してきたのか、交通局の新年度どのように取り込むかの所見を伺います。
 また、啓発の一環として、おろすんジャー大賞などを設け、都営地下鉄グッズ、たくさんレア物もあってファンも多いと思います。こうしたものをプレゼントすれば、モチベーションも上がると思いますが、所見をお伺いしたいと思います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 現場の職員からは、ベビーカーをご利用のお客様や大きな荷物をお持ちのお客様に対するお客様同士の助け合いを目にすることもあると聞いております。
 新年度におきましても、駅係員が積極的に声をかけてお手伝いしてまいりますとともに、お客様に声かけサポート運動へのご協力を引き続きお願いしてまいります。

○上田委員 モニター協力には謝礼等金品を差し上げているので、それと同様に、おろすんジャー大賞の設置を提案したいと思います。
 本人だけではなく、見かけた利用者からご意見募集をすれば盛り上がると思います。私は見た、船堀駅のおろすんジャー、何時何分こんな人でした、あなたの駅のおろすんジャーを探せのように、子供とお母さんのために一肌脱ぐ人、それを応援する人、各車両に一人でもそんな人があらわれることが、これ税金ゼロで機運醸成につなぐことができると思います。
 また、デジタルサイネージや車内液晶モニターのチカッ都ビジョンで、そんな動画もつくって流してもいいと思った次第でございます。
 また、それに続きましては、声かけサポートでございます。
 運動強化キャンペーンですけれども、今年度の成果と新年度への反映を伺います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 令和元年十月に実施いたしました声かけサポート運動強化キャンペーンにおきましては、駅係員などによるお声がけを徹底いたしますとともに、ポスターや駅構内の放送によりまして、周りのお客様に呼びかけました。
 また、一部の駅において、ほかの鉄道事業者と共同でポケットティッシュの配布を実施いたしまして、運動をPRいたしました。
 お客様からも、駅係員などによるお声がけや気配りを受けたことに対する感謝の声をいただいたことなどから、この運動の趣旨がより多くの方に理解されたものと考えております。
 来年度も引き続き、声かけサポート運動に取り組んでまいります。

○上田委員 期間はまだ未定というようでございますが、結構メトロさんが、このキャンペーンの宣伝はうまいので、ぜひ連動しまして、おろすんジャーにもつなげていただきたいというふうに思っております。
 災害対策です。
 昨年の台風の被害状況は資料30のとおりです。上屋の倒壊、ガラスの破損は幸いけが人が発生しなかったものの、大事故につながる可能性もあったと思います。
 強度など十分だったのか、検証の結果の説明と再発防止策をご説明ください。

○西川安全管理担当部長 昨年の台風により被害を受けた施設につきましては、いずれも法令に定められた強度は満たしておりましたが、倒木による想定外の被害を受けたバス停や駅の出入り口がございました。
 今後とも、施設の管理に万全を期してまいります。

○上田委員 法令を満たしていたが想定外だったということだったと思います。
 また、私の地元船堀駅でも上屋が倒れてしまいました。再設置検討中ということですけれども、状況を伺いたいと思います。

○坂田バス事業経営改善担当部長 船堀駅前の上屋でございますが、昨年十月十二日の台風十九号の被害により倒壊いたしましたが、速やかに撤去いたしました。
 現在、再設置へ向け、仕様や工法などについて検討しているところでございます。

○上田委員 船堀駅は利用者も多くて、子育て、まさにさっきの話じゃないんですけれども、真っ最中の親御さんも多いので、あの上屋があると大変便利で、私個人もちょっと駅前でいろいろとお話させていただくとき、あると助かっているので、速やかな建設をお願いしたいと思います。
 コロナ対策です。
 政府で示された回避三条件は、換気の悪い密閉空間、多くの人が密集、近距離での会話や発声、これはまさに満員電車の中の状況というふうになっております。
 先ほど同僚委員からのご指摘によりまして、質問によりまして、さまざま衛生したり風通しの換気をしているということではございますが、きょうも私は新宿線で、乗ってくるときに、やっぱり窓が閉まっていました。二カ所、車両の中であく窓があって、窓をあけよう都営地下鉄と、私も及ばずながらツイッターで呼びかけもしております。ツイッターでも一番最初のところに交通局はとまってやっておるのですけれども、さっきいったようなチカッ都ビジョンとかで、窓あけ、何となく、あれあけるのって暑いな、寒いなというときに開閉する勇気のある人ってなかなか出てこないのでございまして、あけてもいいんだよ、閉めてもいいんだよというようなことができるような風土づくりを、ぜひ、車内にいるときは、みんなチカッ都ビジョン見ていますので、それでの呼びかけをお願いできたらというふうに思っております。
 コロナ対策については、重複するので飛ばさせていただきたいと思います。
 次に、改札口大型モニターです。
 ほかの鉄道会社では、改札口付近に列車の発車時刻など表示している駅があることは承知しておりますけれども、都営地下鉄では、駆け込み乗車を助長するおそれがございますことから、原則として、ホーム行き先案内表示器において表示ということですけれども、要は駅改札口には時刻表は出さないということでございますが、私個人は、重ねて、利用者を信頼して時刻表の表示をしていただきたいと申し上げます。
 都営交通は都民のものです。勝手に忖度することはいかがなものかと思います。同業他社に倣い、新年度、検討を強く要請します。
 この件についてこそモニター調査はしないのかも含め、実現可能性を伺います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 駆け込み乗車は危険な行為でございまして、改札口で発車時刻を表示することが、これを助長するおそれがございます。
 依然として駆け込み乗車は数多く見受けられておりますことからも、お客様の安全確保の観点から、慎重に検討していく必要がございます。
 なお、交通局では、都営交通モニターの方々に地下鉄のご利用に関するご意見をお伺いしております。

○上田委員 引き続きまして、駆け込まない人の自由をぜひ尊重していただきたいと申し上げたいと思います。
 事業外収入です。
 資料19の、(「安全なこと、命の方が大事だよ」と呼ぶ者あり)そうです。資料19にあるように、広告収入のトレンドは微減となっています。毎度同じ顔ぶれに発注していることに起因していないか事務事業質疑でただしましたが、広告業務に相当の経験を有するなど、一定の基準を満たした広告代理店を指定しておりまして、現在三十社、広告代理店から新たな指定希望があった場合、改めて公募手続を行うことになっているとのことです。
 新年度は、新たな指定事業者はふえるのか、新規参入促進、売り上げ向上も踏まえた取り組みを伺います。

○広瀬資産運用部長 現在、新たな広告代理店からの指定希望の申し出はございませんけれども、指定広告代理店三十社と連携をとりながら、広告料収入の増収に向けたさまざまなキャンペーン等を実施しているところでございます。

○上田委員 広告会社への新規参入声かけキャンペーンをお願いしたいと思います。
 資料24でございますが、不動産貸付の収支は逆に堅調に利益を上げているようですけれども、その状況につきまして説明いただきたいと思います。
 また、支出が三十年度は多くなっていますが、いかなるものがあるのか、具体的に挙げてご説明ください。

○広瀬資産運用部長 この間、新規の土地建物の貸し付け等によりまして、堅調に利益を上げているところでございます。
 平成三十年度におきましては、都営バス目黒分駐場跡地に建設されたオフィスビルからの賃貸料によりまして収入が大きく増加しております。
 同物件の管理費、修繕積立金などによりまして支出も増加いたしましたが、差し引きとしては大きな増収となったところでございます。

○上田委員 引き続き、事業外収入の向上を目指していただきたいと思います。
 次に、さまざまなニーズに応えるバス、資料13についてですけれども、都民需要は満たしているのか、費用対効果への評価と課題を伺います。

○坂田バス事業経営改善担当部長 各路線とも、沿線にお住まいの方の通勤、通学、土日のお出かけなどに活用され、利便性の高い交通手段となっておりますが、平成三十年度の収支で見ますと、ほとんどが赤字でございますので、利用促進が課題となっております。

○上田委員 江戸川区内でもちょっとお世話になっている路線もあるところでございますが、かつて、でも、交通局は廃止にした路線、たしか六本木-渋谷間でもありましたけれども、あったと思います。
 今のところ、この資料13にあるのは対象ではないのか、廃止に関する基準を確認させてください。

○坂田バス事業経営改善担当部長 路線の廃止につきましては、利用者が少ないことに加えまして、コミュニティバス等の代替交通の状況などを考慮し、慎重に検討しておりまして、お尋ねの各路線については、現在のところ廃止する状況ではないと考えております。

○上田委員 改めまして、廃止路線に至る交通局の選定から起案、決定までについての時系列の流れと経緯の確認を今後していく必要を感じているところでありますが、資料14の都02乙系統でございますが、まず、一ツ橋行きの利用状況と、どのような需要があって運行しているのか伺います。
 朝三本だけ一ツ橋行きがあるのでございます。路線開設当時の運輸省への認可申請の内容についてご説明ください。

○坂田バス事業経営改善担当部長 お尋ねの系統でございますが、もともと池袋から有楽町の間の路線といたしまして昭和四十三年に運行開始いたしまして、その後、乗客の減少に伴い路線を短縮いたしました。
 現在、一ツ橋行きのバスのみが運行する後楽園と一ツ橋の間のご利用は、通勤客を中心に一日当たり約五十人でございます。

○上田委員 これは、一日五十人で継続する必要はあるんですかね。
 継続する理由を改めて伺います。

○坂田バス事業経営改善担当部長 お話の区間については、現在のところ、朝の三便で五十人程度のお客様に利用されておりまして、代替となるコミュニティバスも運行されていないことから、継続しております。

○上田委員 五十名で三便、平均十七人ですよね。費用対効果を割り返したら乗客一人幾らになるんでしょうか。郊外の住宅地や江戸川区の東大島の小松川さくらホールのところなどは、ほかに交通手段のない場所であれば理解できなくもないんですが、後楽園と一ツ橋であれば都営地下鉄も営団地下鉄もありますから必要不可欠とは思えなく、維持について再考をお願いしたい路線です。
 過去の廃止路線はどのくらいあるのか、代替対策をその地域は講じているのか、これも調査が必要だと感じました。今度、一ツ橋行きのみが運行する後楽園-一ツ橋間はいつ始まったのか、当時の時代状況を確認してまいりたいと思います。
 バスの新旧入れかえについてです。
 まず、新規購入と廃車、売却についてですが、再利用が可能ではない基準や指標をご説明ください。
 再利用可能でも売却先が見当たらなかった場合はどうなるかもあわせてご答弁お願いします。

○牧野自動車部長 修理不能な車両やメーカーの撤退等により部品の調達が困難な車両など、売却が見込めないものを再利用が可能でないとしております。
 売れ残った車両については、不用品として全て売却しております。

○上田委員 確認しますというのも、オリ・パラを控えて混雑が予想される江東区では、夏季の臨海学校などが中止されています。理由は、バスが確保できないという理由でした。
 一方で、毎年三十台前後が廃車にされています。この時期はバス需要が集中するためのようですが、新年度は、これまでどおりと同じ廃車スキームを見直して、都民のものである都バスを活用され、子供たちやその他の交通需要に応えるのが公共交通機関の役目、使命と考えますが、ご所見をお聞かせください。

○坂田バス事業経営改善担当部長 来年度につきましては、新車の購入を前倒しするとともに、更新期の車両を延命することによりまして車両数を一時的にふやし、通常の路線バスの運行に加え、東京二〇二〇大会における観客輸送などの需要に対応する予定でございます。

○上田委員 ちゃんと都合をつけていただいたようで、評価させていただきます。
 ラッピングバスです。
 石原都政時代に誕生したラッピングバスもすっかり定着をいたしました。成果と広告主のトレンドについて所見を伺います。

○広瀬資産運用部長 バスのラッピング広告につきましては、学習塾や家電量販店、官公庁の広告が多く見られるところでございます。
 広告料収入は、ここ数年おおむね安定して推移しておりまして、平成三十年度は約二億六千万円となってございます。

○上田委員 空気を運ぶより広告を載せよという石原知事の英断は正しかったということはわかりました。引き続き、新たな広告主を開拓し、赤字バス路線を補うべく、増収と収入の安定化をお願いしたいと思います。
 燃料電池バスです。
 かねてよりオリ・パラまでに最大七十両、その次の年は八十両の導入を目指すということで、バスに充填可能な水素ステーション、その課題を大丈夫かなと懸念しておりました。
 まず、今の水素ステーションの整備状況をお尋ねさせていただきます。

○牧野自動車部長 現在、都営バスを運行しているエリアにおきまして、バスにも充填可能な水素ステーションは、江東区有明、豊洲、新砂、江戸川区葛西の四カ所で稼働中でありまして、さらに品川区大井で建設中であると聞いております。

○上田委員 やっぱり城東地区に偏っちゃっていると、どこにバスが走れるか、江戸川区民は本当に同僚委員からも指摘ありましたように、よく見かけて利用させてもらいますが、そのあたりどうかなと思っているんです。
 コロナ問題もありまして、間違いなく来年の税収は著しく減少すると思います。さらに、オリ・パラの開催もどうなるか危ぶまれているところでありますが、予定どおり導入していくのか、見直すことはないのか、やみくもに全額執行することはないのか、予算執行の考え方を伺います。

○牧野自動車部長 燃料電池バスは、導入により老朽化した車両を更新するとともに、水素社会の実現に貢献することから、計画どおり導入する予定でございます。

○上田委員 環境社会は望ましい政策ではありますが、ない袖は振れません。不要不急の目新しい豪華な買い物ができる状態なのか、お財布と相談しながら決めていっていただきたいと思います。
 通学定期券についてです。
 資料21、22ですけれども、教育機会確保法が完全施行されて三年たちますが、不登校児童生徒の人数から考えると、圧倒的に少ないと感じております。
 義務教育が終わると、私立や都立に在籍している生徒は通学定期券が購入可能なのですが、在籍のないフリースクール生は不可と交通局はしているところですが、別途不登校対策を教育庁、福祉保健局、生活文化局等他局で行っていることというのに矛盾を感じている次第でございます。
 法の精神に抵触しないのか、局長の見解をまず伺います。
 交通局としてニーズを把握しているのか、問い合わせはどの程度来ているのかもご説明ください。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 都営交通では、小中学校及び高等学校で不登校になっている児童や生徒が、学校外の公的機関や民間施設で指導などを受けるために通学する場合に、在籍する学校長の承認を得た方に対して通学定期券を発行しておりますけれども、これは、いわゆる教育機会確保法及び文部科学省からの通知に基づくものでございます。
 なお、お問い合わせは、要求資料にも記載してございますけれども、過去五年間で十件でございます。

○上田委員 憲法で保障された教育を受ける権利にかかわる重大な問題です。
 過日、総合教育会議で、知事出席のもと、特別支援教育について、インクルーシブ教育の幕開け、キックオフであると強く示されました。不登校やフリースクール児童生徒も広義にはインクルーシブ教育の対象者であるはずです。彼ら、彼女らに学校教育法でいうところの一条校、ご答弁にもある在籍する学校のことですね、ここに通っていれば当然に受けられる通学定期を発行しないということは、都の差別解消条例、人権条例、指針に反するものではないか。だからこそ局長答弁を求めたのですが、部長がお答えになるということはその点を軽視しているといわざるを得ません。
 今後、他局事業と連携を図られ、どのような取り組みをしていくのか伺いたいと思います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 交通局では、ほかの事業者と同様に、文部科学省からの通知などに基づきまして、学校長の承認のもと通学定期券を発行しております。
 引き続き、関係省庁の動きを注意深く見てまいりますとともに、関係局や鉄道各社とも情報を共有しながら必要な対応を適切に行ってまいります。

○上田委員 ぜひフリースクールの生徒さんへ着目をしていただきたいと思います。
 経営戦略です。
 入札ですが、辞退者が多い工事において設備、施設の当初受注者及び過去十年間の受注事業者が同一であることが散見され、車両製造においても辞退者が多く見受けられていることをかねてより指摘しております。実質的な、公正な競争が担保されているとは思えないのではないかという問題意識を持って、私は、契約議案についてはずっと疑義をただしてまいりました。
 この点につきまして、局長のご所見を伺いたいと思います。

○広瀬資産運用部長 交通局では、入札参加者が少ない傾向にある契約案件につきましては、本来の参加者資格の等級などを拡大の上、発注予定の公表を行っております。
 今後とも、公正性、競争性の確保に努めてまいります。

○上田委員 局長のご答弁はいただけないということでしょうか。

○土渕交通局長 ただいま部長がご答弁したとおりでございます。

○上田委員 入札参加者が少ない傾向にある契約案件について、本来の参加者資格の等級などを拡大の上、発注予定を公表していって、これで公平性、競争性を確保できるということでございましたけれども、これ、局長答弁を求めていたんですが、部長の答弁のいうとおりということでありました。ご答弁の内容ではどうかなというふうに私は思っている次第でございます。
 地下鉄車両を納入できる業者には限りがあることは、前々の契約議案審査で十分承知しているところです。そうした前提条件であるからこそ、競争性の担保には、発注者として細心の注意を払うべきであり、過去の実績や課題も踏まえて、今と将来にわたり、どう適正価格及び入札の公平性を図るのか不断の努力を続けて示していくことが局長のリーダーシップにかかっているのではないかと思っております。ですので、今後はぜひご答弁を賜れたらと思います。
 外郭団体です。
 東京交通サービスにおいて、都営交通の安全・安心を技術の面から支えるパートナーであり、都営地下鉄を初めとした都営交通の車両や施設、設備の保守管理業務等を実施してございます。これらの業務は、交通局と一体的な事業運営や安定管理体制が必要、業務遂行に当たりましては、局職員と同等の知識、経験、技術が求められますことから、局からの派遣職員の受け入れや局を退職した職員の採用を行っておりますということでありました。資料にも示されているとおりです。
 それのみならず再委託などしているのか、確認したいと思います。

○根木総務部長 東京交通サービス株式会社は、局からの受託業務につきまして、各現場において、局職員と同等の知識、技術、経験に基づき判断及び責任を伴う業務を担っておりますが、必要に応じて民間事業者に委託し、その履行状況を監督しております。

○上田委員 再委託はしているということですね。
 必要に応じる場合とはどのような場合で、どのような民間事業者に委託をするのかご説明ください。

○根木総務部長 東京交通サービス株式会社に委託している業務のうち、安全管理、品質管理、工程管理、故障時の緊急対応などの管理監督業務は同社が直接担う一方、例えば、装置や部品の検査清掃など委託を活用することが効果的な業務につきましては、機器のメーカーなど外部に委託しております。

○上田委員 そもそも再委託ありきで外郭団体が運営されているのはどうなのか、再委託をするのであれば東京交通サービスの存在意義とは何か、業務内容のうち再委託率はどの程度なのか、再委託先と業務内容については今後確認をさせていただきたいと思います。
 コストの考え方です。
 資料31ですが、これ過去五年ぐらいだと思いますが、別途三十年分、平成元年から取り寄せて分析させていただきました。人件費は確かに交通局は二割減少しているんですが、平成元年度の委託費は十八億円だったんですが、平成三十年の三十年間で十二・五六倍、約二百三十億までふえています。人件費を二割減らしても、委託費十二倍コストが生じさせていては、経済性、公共性、住民福祉の実現を行う公共事業三条に反するものではないのかと考えます。差し引き二百億ふえているということです。
 この点につきましての交通局の見解を伺います。

○根木総務部長 交通局では、この三十年間で、大江戸線の全線開業や日暮里・舎人ライナーの開業など、事業規模を大きく拡大してまいりました。
 また、安全対策を強化し、バリアフリー化を推進するため、ホームドアやエレベーターなどを整備してまいりました。
 こうした中、経営の効率化を図るため業務委託を有効に活用し、職員数を削減しながら、増加する業務に適切に対応してまいりました。
 平成元年度に八十三億円の赤字だった経常収支は、平成三十年度に三百六十億円の黒字まで改善しており、適切に事業運営を行ってきたと考えております。

○上田委員 ちなみに平成元年度の委託費と人件費を合計した額と、平成三十年度の委託費と人件費を合計した額との差額は五十三億四千万円となりまして、平成三十年度の人件費と平成三十年度の職員数で割り算いたしますと、交通局の一人当たりの人件費は約九百七十万円となり、五十三億四千万円を九百七十万円で割り算しますと五百五十名分の交通局職員数に相当します。したがって実質的に交通局の職員は五百五十名増加しているということになっちゃうわけですよね。経営の効率化につながらないのではないでしょうか。
 ちなみに平成三十年度の委託費を平成三十年の交通局職員数で割り算いたしますと、二千三百三十六名分の交通局職員数に相当いたします。
 これらの観点から、委託費増についての経済性についてはどのような見解を交通局がお持ちか伺います。

○根木総務部長 ただいまご答弁いたしましたように、交通局では、この三十年間で、大江戸線の開業など事業規模が大きく拡大し、安全対策等の設備も増加している中で、業務委託を活用することで委託料自体は増加しているものの、一方で、乗車料収入も大幅に増加しており、経常収支は平成三十年度は三百六十億円の黒字まで改善しております。

○上田委員 見た感じは行財政改革をやっているように見えるんですけれども、従業員を減らして、その分外部委託をしていて、さらに経費がかかっているがどうかといっているんですね。また、三百六十億円もうかっているからいいではなくて、利幅をもっとふやすべきだというふうなことも考えて申し上げています。
 これから質疑を続けますが、企業債も発行し続けていますし、人口減少、少子高齢化で収入が減るのは目に見えているところで、今から無用なコストは圧縮しなければならないと申し上げているのでございます。
 今後も、無駄あるいは非効率、不適正価格な委託がないか、鋭意、調査、確認をさせていただきたいと思います。
 企業債についてです。
 起債の考え方と発行額と償還額、利息額につき過去三十年スパンでの傾向を細かくご説明ください。

○根木総務部長 交通局では、設備投資の財源に活用するため、財務状況等を踏まえて企業債を発行しております。
 発行額については、地下鉄の建設が終了したことなどにより、平成元年度の四百四十七億円から、平成三十年度には百六億円に減少しております。
 償還額については、発行額の減少に伴い、四百六十五億円から三百七十億円に減少しております。
 利子及び取扱費については、企業債残高の減少や利率の低下により、四百二十一億円から六十二億円に減少しております。

○上田委員 ご苦労されているようですけれども、結局のところの起債残高三千四百九十億円の今後の償還をどうしていくのか、中長期的な考えをお示しください。

○根木総務部長 企業債には、世代間の負担を公平にするという意義があるため、こうしたことも念頭に、企業債残高については縮減に努めつつ適切に管理してまいります。

○上田委員 起債残高に加えて、交通局全体の各事業の欠損額三千六百四十億円がありまして、これを解消するため削減に向けての規定を定め、具体的な方法論を検証することで交通局全体の財務健全性が保たれると考えられ、再三再四にわたり、将来にわたり都営交通を安全、安定的に経営していくために、さらなる収益性の向上や経営の効率化を進め、経営基盤を強化することで、累積欠損金の解消に努めてまいりますとご答弁をいただいておりますが、平成二十六年度以降どのような解消に努められ、成果をあらわされたか、改めて、具体的数値を挙げた達成状況を伺います。

○根木総務部長 交通局では、累積欠損金の解消に向け、企業債の発行抑制により利子負担を軽減するなど支出の削減を図るとともに、旅客誘致や資産の利活用を推進するなど、収入の確保に取り組んでまいりました。
 この結果、毎年着実に純利益を計上しており、この四年間で累積欠損金を約千三百億円縮減いたしました。

○上田委員 私が当選してから千三百億円ですか、縮減していただけているということでございました。
 経営基盤の強化です。
 資料32、三つ挙げられていますが、具体的な事業にどのようにひもづけられているのかご説明いただきたいと思います。

○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 委員会要求資料32で経営基盤の強化として掲げた事項の具体的内容ですが、資産の利活用では局の所有する不動産の利活用や構内営業。運輸系職員の人材確保では採用活動の強化や大型二種免許を取得していない者を対象とした養成型選考の活用。業務改善等による費用の低減ではPPP、パブリック・プライベート・パートナーシップ手法による広告つきバス停上屋の整備や照明のLED化など、省エネ設備の導入などが挙げられます。

○上田委員 頑張っていらっしゃるということでありました、さまざまですね。
 売り上げの数字にかかわらず計上されちゃうのが固定費なんですね。株式会社では、経営の効率化を図る際には固定費の削減が重要な課題となります。
 平成元年と平成三十年における固定費の傾向は若干の増加傾向を示しており、少子高齢化に伴う人口減少対策としては、固定費の増加傾向は経営基盤の強化には逆行してしまうのではないでしょうか。
 経営基盤の強化に掲げた項目と、これらにより期待される経営改善の効果、固定費の増加がそこに及ぼす影響について伺います。

○根木総務部長 固定費の増加につきましては、大江戸線や日暮里・舎人ライナーの開業など、主に事業規模の拡大に伴うものでございます。
 一方、事業規模の拡大等により乗車料収入は大幅に増加し、あわせて資産の利活用による収入の確保や民間事業者の活用による費用の低減等に努めた結果、平成元年度に八十三億円の赤字だった経常収支は、平成三十年度には三百六十億円の黒字まで改善しており、経営基盤の強化が図られてきたものと認識しております。

○上田委員 最後になりますけれども、私は、損益計算書やキャッシュフローで当年度の赤字がどうというのではなくて、バランスシート上の抱えている借金どうするのと聞いているんですね。何か話がかみ合わないのは、毎度この点かなというふうに思うわけです。
 小池知事は、本年度当初の庁議では、未来志向で編成した予算を可決していると、ご承知のとおり今年度の予算のポイントは三つ、都市力の強化、稼ぐ東京、人と人をつなぐ、この三点、この三つの柱に基づき施策を推し進め、三本柱、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティー、着実に実現とされておりまして、職員の皆様には、予算の効率的、効果的な執行にお努めいただき、新たな事業につきましては、創意工夫を重ねながらスピード感を持って取り組む、政策の成果を最大限に高めてほしいといわれております。
 そして、これからの東京がサステーナブルであるためにも、また、人口が減少するという中で、東京が持続可能な発展を遂げるためにも、官民問わず大きなテーマでございますので、生産性を上げよと申されております。
 この都の方向からしても、毎度の答弁の世代間格差の解消は、もうこれからの少子高齢化社会では通用しない理論、考え方だと思っております。
 職員ハンドブック、人事制度、基本的方向には、職員の視点と組織の視点をあわせ持ちながら人材の一層の先鋭化の実現を目指し、より実効性のある取り組みとしていく必要があります、十年先の将来を見据え、新たな目標を実現する都政の中核となる職員を着実に育成とあります。
 改めて将来を見て、高度成長期ならまだしも、令和の時代において、世代間格差解消志向に依拠しない新たな目標をサステーナブルに実現すべきと申し上げまして、私の質疑は終わらせていただきます。

○田の上委員 新型コロナウイルス感染症対策につきましては、我が党の中山委員初め、多々質問がございました。また、その中で、つり革や手すりなどを消毒していただいているというご答弁もいただきましたが、私から要望だけ、まず最初にさせていただきます。
 視覚障害の方は、白杖を持っている方はまだいいんですけれども、弱視で手すりを頼りにしている方がたくさんいらっしゃいます。また、足が不自由な方、そして、高齢者の方など、手すりを頼りにしている方がたくさんいらっしゃる中で、公共交通として今大変な時期ではあるとは思いますが、一層のご努力をお願いしたいというふうに思います。
 そして、質問に入ります。
 多胎児のベビーカーのバス乗車についてです。
 二〇二〇年度の予算案では、ママパパ応援事業で、移動経費補助や多胎児家庭サポーター事業、多胎ピアサポート事業など、これまで都民ファーストの会で訴えてきた多胎児支援が大きく前進いたしました。
 そのきっかけともなった都営バスの二人乗りのベビーカーへの対応についても、東京都が率先して進めていくべきと考えております。
 多胎児を抱えた家庭の悩みでは、外出移動の困難、特に二人乗りベビーカーを使った公共機関の課題が多く挙げられ、昨年の事務事業質疑では平議員が質問をしました。先ほど河野理事の質問の中にもベビーカーのお話がございましたが、まず、安全確保が重要ということは重々承知しております。
 そして、これまでのシングルベビーカーとは異なり、この二人乗りのベビーカーというのは国交省で安全基準が示されていないという課題がございます。しかしながら、二人乗りの大きなベビーカーを二人の子供を抱きかかえて折り畳むというのは大変困難でございます。
 先ほどのお話もございましたが、私自身の子育てにおきましても、シングルベビーカーではありますが、いただいたお古を使っていたこともあり、なかなか折り畳むのが大変で、最近のベビーカーというのはシングルだと片手でぽんとやると畳めるものもあるんですけれども、古いものだとなかなかできなくて両手を使わないとだめと、そうすると、赤ちゃんをどこかに置かなきゃいけないというものでございます。これがさらに二人乗りのベビーカーとなりますと、新生児二人を抱きかかえて荷物をどこかに置いて、そしてどうやって畳むんだというような状況でございまして、これは本当に大変だというふうに感じるところでございます。私自身も、置くところもない、立ち往生してしまったことが何度もございます。
 これから、いかに二人乗りベビーカーを安全に車内に固定できるかというものが課題だと思います。ベビーカーメーカーなどの事業者も含めた検証をするべきではないかと考えております。
 まずは先般、国において行われた実証試験の状況について伺います。

○牧野自動車部長 ベビーカーにお子様を乗せたままバスに乗車する際の安全性を確認するため、交通局の営業所等におきまして国が行った実証実験には、バス事業関連団体に加えまして、ベビーカーユーザーである子育て関連団体やベビーカーの構造にも精通したベビーカーメーカーなども参画いたしております。
 この試験では、バス乗降時の支障の有無、車内での固定方法、固定した際の通路の確保の状況、走行時に急ブレーキをかけたときや交差点を曲がるときに与える影響などを確認したところでございまして、現在、国において、試験結果の検証を行っていると聞いております。

○田の上委員 ありがとうございます。ぜひ現実的な検証を行っていただきたいというふうに思います。
 また、多胎児の保護者の方々からは、健診に行く病院行きのバスだけでもまず乗車できるようにしてほしいという要望がございます。国の試験結果によることは承知しておりますが、まず第一に、絶対不可欠な場所への移動手段を確保するためにも、こういった病院の集中するエリアの路線で乗車可能になる余裕ができないかと考えます。
 また、今後は、燃料電池バス、FC車など、車内のスペースが比較的余裕のあるバスで乗車実施をするべきではないかと考えております。
 国の検証後の見通しについて伺います。

○牧野自動車部長 現在、国土交通省が、試験結果を踏まえて、学識経験者やベビーカーメーカーにも意見を聞きながら、安全にご乗車いただくための統一的なルールを取りまとめていると聞いております。
 交通局といたしましても、事業者としての知見を提供するなど、引き続き、積極的に協力してまいります。

○田の上委員 ありがとうございます。ぜひ積極的に進めていただきたいと思っております。
 一方、燃料電池バスについてでございます。
 先ほど、燃料電池バスの導入予定については再三出てきましたので省略いたしますが、この燃料電池バス導入促進では水素ステーションの整備促進がかなめとなっております。二月初めには地元の葛西地域で水素ステーションが開所になりました。ご協力いただいている事業者さんのご努力によるものと思います。
 しかしながら、都営バスは、朝早くから深夜まで走っております。現状の水素ステーションの営業時間を柔軟に対応していただくよう、これからまた数もふえていきますので、ぜひ要望すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○牧野自動車部長 水素ステーションの営業時間につきましては、これまでも、運行に支障を来たさないよう事業者と調整してまいりました。
 営業時間が拡大されることで燃料電池バスをより運用しやすくなることから、事業者へ引き続き要望してまいります。

○田の上委員 ぜひ、効率よくバスが走るためにも要望をしていただきたいと思います。お願いいたします。
 次に、地下鉄についてです。
 地下鉄駅トイレ改良では、出入り口の段差解消など機能性の強化がうたわれています。特にホームに設置されているトイレでは、入り口から階段があり、そもそもそこから段差が生じているケースが多く見られます。
 そこで、ホームに設置されているトイレの段差解消にも取り組むのか伺います。

○坂口技術管理担当部長 交通局ではこれまでも、トイレ出入り口の段差解消に取り組んでおり、現在、新宿線神保町駅のホームにあるトイレで工事を進めております。
 一方、ホームに設置されているトイレの中には、ホーム下に配管スペース等が確保できずトイレの床面が下げられない、スロープを設けるとホームの幅を狭めてしまうという理由で、段差解消が難しい駅がございます。
 こうした駅につきましては、駅の大規模改良等の機会を捉え、駅レイアウトの変更などによりまして段差解消を図っていけるよう検討してまいります。

○田の上委員 はい、ありがとうございます。ぜひ、大規模改良等の機会を捉えて検討していただきたいと思います。
 また、誰でもトイレにつきましては、現在もホーム内についても段差がないと伺っており安心をしております。一般トイレについても、ユニバーサルデザインの観点から、積極的に進めていただけますようお願いいたします。
 事務事業質疑で、ユニバーサルシートつきトイレの設置状況やサインについてお伺いいたしました。
 ホームページや駅で配布しているバリアフリーガイドの構内図におきまして、誰でもトイレのピクトグラムに大型ベッド設置ありと文字で併記してある、また、公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団が、大型ベッドのピクトグラムを公表して、JIS規格への登録を提案している動きも踏まえながら、誰でもトイレの入り口でもわかるように案内の充実を図るというご答弁をいただきました。
 その後の状況を伺います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 昨年十一月以降、大型ベッドを設置している全ての誰でもトイレの入り口に、大型ベッドがありますという文言を順次掲示いたしまして、設置のありなしがわかるようご案内しております。
 大型ベッドのピクトグラムにつきましては、JIS規格に登録された場合には、速やかに掲示してまいります。

○田の上委員 ピクトグラムについては、JIS化ができたときにということですけれども、大型ベッドありますという文言を掲示していただいているということで、利用者には大変助かると思います。ありがとうございます。
 次に、二〇一七年第三回定例会で、駅のエスカレーターの右側通行を控えるべきであるという趣旨の一般質問をさせていただきました。
 その後、鉄道各社で実施していたエスカレーターみんなで手すりにつかまろうキャンペーン以外にも、交通局独自でのポスターなどの普及啓発により、私の見たところではありますけれども、右側歩行は減ってきているように思います。
 しかしながら、依然として右側に立っていられない状況があります。本来であれば、二列使用にした方が断然ホーム等に早くたどり着くのではないかと思います。
 二〇一五年、少し前でございますが、テレグラフ紙に、ロンドンの地下鉄が、右側に立ち、左側を歩くのではなくて両側に立つという内容の記事を発表しました。
 先ほども申し上げましたけれども、ネットなどを見ていると、急いでいる人のために、片側をあける方が効率がよいという意見もございますが、そこで、改めて、交通局は、手すりにつかまって立つ方が安全という認識かどうか伺います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 エスカレーターをご利用いただく際に手すりにおつかまりいただくことは、ほかのお客様の転倒に巻き込まれた際やエスカレーターが急停止した際などに、ご自身の身を守ることにつながります。
 また、エスカレーター上を歩くことは、ご自分でバランスを崩して転倒されるおそれや、けがをされていたり、つえを持っていたりして片側をあけて乗ることのできない、そういうほかのお客様などと接触して転倒させてしまうおそれなどがございます。
 こうしたことから、全てのお客様に安心して安全にエスカレーターをご利用いただくためには、手すりにおつかまりいただくとともに、歩かずに立ちどまっていただくことが重要であると認識しております。

○田の上委員 交通局の認識を確認することができました。
 そのときの一般質問でもお話しましたが、視覚障害者のガイドヘルパーは、横に立つことが常識であります。それは、障害を持った方を守るという意味もあります。また、小さい子供を連れて歩くのも、前後に立つより横に立つ方が安全です。本来、一人乗りのエスカレーターより、幅の広いエスカレーターは安全性にすぐれていると考えております。
 エスカレーターは、立ちどまって利用する場所であることをサインなどにより明確に伝えるべきと考えますが、都営地下鉄での取り組みについて伺います。

○坂口技術管理担当部長 都営地下鉄では、お客様の安全を確保するため、立ちどまってエスカレーターをご利用いただくよう、ポスターの掲出などを通じてマナー啓発を行っております。
 また、昨年七月には、鉄道各社などと共同して実施しているみんなで手すりにつかまろうキャンペーンの機会を捉えて、大江戸線新宿西口駅などのエスカレーターの手すりに、立ちどまって、つかまってと印刷したシールの試験施工を実施いたしました。この試験施工は、本年九月まで継続することとしておりまして、今後、歩行防止の改善効果などを検証してまいります。
 こうした取り組みを通じて、引き続き、エスカレーターを安全にご利用いただくよう、お客様に促してまいります。

○田の上委員 ありがとうございます。
 すぐにはできないかもしれないんですが、例えばわかりやすい標示として、エスカレーターの立つ場所に足型を印字するなど、そういったことも考えられるかなというように思っております。
 もう、二〇一七年ですので結構前になりますが、私が一般質問したときに、支援者の方々からも、いっていることはわかるんだけれども、右側にじっと立っているのはなかなか勇気がいるよ、相当心臓が丈夫でないとできないよと、そんなお話もいただいたことがあります。でも、そんな中で、足型がきちんとあれば、そこは立つ場所だよというふうにわかるのではないかななんていうふうに思いました。
 でも、今のところは、立ちどまって、つかまってというシールを手すりのところに張っていただいていて、それを検証していただくということですので、ぜひとも進めていただきたいと思います。ありがとうございます。
 以上です。

○川松委員 冒頭、新型コロナウイルス感染症対策について一言申し上げます。
 この間、交通局においてもさまざまな対策を講じてきたことは重々承知しておりますが、まさに今が正念場でありまして、都庁の総力を挙げて取り組んでいかなければならないという局面を迎えているわけです。
 お客様の減少による交通局の経営への影響も懸念されるところは、これまでの質疑でもわかってまいりましたけれども、そのためにも、早期の収束に向けて都営交通としてできること、なすべきことに引き続き全力で取り組んでいただくよう、冒頭に要望させていただきます。
 それでは、来年度予算の審議に当たり、何点かの質問をさせていただきます。
 まず、泉岳寺駅の大規模改良について伺います。
 本件については、先日の公営企業委員会で、局から、土木工事契約締結の報告があったところでありますが、私自身、かねてからこの泉岳寺駅の大規模改良にはずっと注目をしてまいりました。
 泉岳寺駅が位置する品川駅周辺エリアは、羽田空港に近く、先日は高輪ゲートウェイ駅が開業し、今後もリニア中央新幹線の始発駅が整備されるなど、世界と東京、そして、日本各地と東京をつなぐ結節点として、この品川エリアが重要な役割を果たしていくのはいうまでもありません。
 こうした考えのもと、実は平成二十八年、四年前の予算特別委員会において、私自身が、泉岳寺駅の整備に当たっては、駅機能の強化にとどまらず、周辺まちづくりと連携し、国際交流拠点の玄関口としてビジョンをしっかりと持ち、事業を具体化すべきということで、交通局の見解を求めて、当時の局長から、バリアフリーの充実やまちづくりと連携した回遊性の確保、また、国際交流拠点の玄関口にふさわしい施設整備を図るという答弁をいただいたところでありました。
 それから四年が経過したわけですけれども、この間、鋭意検討が進められてきたものと考えますが、大規模改良によって、この泉岳寺駅をどのように整備していくのか、そして、その後の検討状況や進捗を教えてください。

○谷本建設工務部長 泉岳寺駅は、空港と都心を結ぶ重要な交通結節点であり、周辺の開発等の進展に伴い、さらなるお客様の増加が見込まれていることから、駅施設を大幅に更新するとともに、周辺開発と連携を図りながら、駅機能を向上させることとしております。
 具体的には、ホームやコンコースを現状の二倍以上に拡張するとともに、エレベーターを五基増設してバリアフリールートの複数化などを図ってまいります。
 また、高輪ゲートウェイ駅や周辺施設との回遊性を高めていくため、駅構内から、新たに整備する空が見える開放的な地下駅広場、いわゆるサンクンガーデン、さらに歩行者デッキへとつながる動線を周辺のまちづくりと連携して確保してまいります。
 さらに、都営交通案内所を新たに設置するなど、外国人旅行者やビジネス客の利便性を高めるとともに、世界とつながる結節点にふさわしいデザインに一新する予定でございます。
 本体工事につきましては、本年一月に契約を締結し、現在、本格的な工事着手に向けて関係機関と調整を進めているところであり、引き続き、国際交流拠点にふさわしい駅となるよう着実に整備を進めてまいります。

○川松委員 ありがとうございます。今ご答弁いただいたように、ハード面の整備についてのこだわり、そして、ここから進めていくというきめ細かい計画がよくわかりました。また、ソフト面も含めて、もっとチャレンジできるところは、交通局、泉岳寺駅の整備にチャレンジしていただきたいと思います。
 例えば、高輪ゲートウェイ駅は、この後、無人コンビニがオープンする予定になっていたり、もう新しい拠点だからこそできるという話になっています。
 ぜひ、泉岳寺駅でも新しいチャレンジをしていただいて、このエリアを引っ張っていく、高輪ゲートウェイ駅とともに、改良された泉岳寺駅が引っ張っていくという存在に、駅を育てていただきたいと思うんですね。
 先般申し上げたとおり、このエリアというのは、今後、エリア面全体で発展が大いに期待されるものでありまして、その中で泉岳寺駅が果たしていくべき役割というのは非常に大きいわけです。
 現在は、ようやく本格的な土木工事に着手するという段階ではありますが、工事を進めていく上で、あらかじめ完成後のビジョンを描いて、その実現に向けて着実に取り組みを進めていくことが重要であります。今後、詳細についてさらに検討を深めて、国際交流拠点にふさわしい駅となるよう仕上げていっていただきたいと思います。
 続いて、SDGsの観点から何点か伺ってまいります。
 このテーマで交通局ができること、こんなことあるんじゃないかという、私の考えも含めてお話をしてまいりますが、ご案内のとおり、現在、SDGsの達成を目指して、官民問わずさまざまな取り組みが行われておりまして、都営交通においてもしっかりと取り組んでいくべきことは、これはいうまでもありません。
 こうした中、まず、傘、傘のシェアリングサービスについて取り上げたいと思っています。
 さまざまな場所にサービススポットを設置して、必要なときに傘を借りて、使い終わったら別な場所で返却ができるというサービスがあります。急な雨のときに、その場しのぎでビニール傘を買って使う人もたくさんいると思いますが、結構、それを買って、次に行った場所で雨がやんでいると、そのまま置いてきちゃうとか捨てちゃうという人がたくさんいるようで、日本のビニール傘の消費量というのは、年間七千万本、八千万本ともいわれているんですね。
 つまりこのビニール傘自体が、ビニール傘を買って捨てること自体というのは、これはもう無駄なことを常に今の日本人は繰り返している。特に都市部だと多いというデータが出ています。社会全体で無駄な傘を減らして、廃棄プラスチックの削減に貢献できるんじゃないかというのが、僕は、この傘のシェアリングサービスだと思っています。
 そして、こういった取り組みの効果を高めていく上で重要なのは、そのスポットがどれだけあるか。借りるところはあっても、次に行った場所に返したいところがないというのは意味がないわけです。最近では、商業施設だとか駅に置いてある例もふえてきておりまして、都内に百を超える駅を擁している都営地下鉄にも設置が広がれば利便性が高まっていくんじゃないかなと、いろんな私鉄を見ていたり、まちを歩いているんですけど、都営地下鉄の駅にはないわけですね。
 ぜひ、都営地下鉄の駅にもこうしたサービススポットを設置していくべきだと考えますが、見解を伺います。

○広瀬資産運用部長 交通局では、お客様の利便性の向上と収益確保を図るため、駅構内のスペースを活用し、店舗や自動販売機などの設置を行っております。
 委員お話しの傘のシェアリングサービスにつきましては、突然の雨でも新しく傘を購入しなくて済み、お客様の利便性の向上につながるとともに、環境負荷低減にも資するものと認識してございます。
 現在、傘のシェアリングサービスを提供している事業者と調整を進めておりまして、まずは年度内にサービススポットを八駅に設置してまいります。

○川松委員 調整を進めているということでありますから、年度内、八駅。八駅という話でしたけれども、さらにいろんな駅に拡大していけるように、検証しながら、これは効果があるんだなというのを見ながら、ぜひ進めていっていただきたいと思います。
 今は傘の話でしたけれども、シェアリングサービスで協力できることは、SDGsの観点から、積極的に交通局として進めていっていただきたいと考えておりますので、要望をしておきます。
 次に、都営交通のPRについて伺ってまいりたいと思いますが、これは今、僕、環境局だとか都市整備局にも訴え続けていることがありまして、それは、人間の足、歩くという行為こそ究極のゼロエミッションだという考えを計画に組み込めないかということをいっているんですね。
 その中で、都営交通を初めとする公共交通機関は、自家用車などと比べて非常に環境に優しい乗り物であり、歩きと公共交通の組み合わせを促進することは、SDGsの観点から重要だと思っています。
 また、東京の公共交通ネットワークは、乗り継げばどこへでも行けるほどのつながりを持ち、そして、電車の時間は正確です。極めて正確です。この利便性は世界に誇るべき水準であるというのは、もう誰もが認めるところだと考えています。
 こうした中、世界中の注目が東京に集まる東京二〇二〇大会は、複数の交通モードを持つ都営交通の利便性を世界に発信していく絶好の機会だと私は常々訴えてきているんですけど、改めて、大会開催の機を捉え、都営交通ネットワークの利便性を積極的にPRしていくべきと考えますが、所見を伺います。

○根木総務部長 交通局は、地下鉄、バスなどの交通ネットワークを有しており、外国人に向け、その利便性や沿線の魅力などを効果的に情報発信することで、都営交通の利用促進を図っております。
 具体的には、外国人観光客向けの広報誌の発行やフェイスブック等の多言語等で発信するSNSの活用により、効率的に周遊できるモデルルートや沿線の観光スポットなどを紹介しております。
 また、他の鉄道事業者とも連携し、東京の地下鉄全線が割安で利用できる、Tokyo Subway Ticketや、これに羽田及び成田の両空港から都心までの乗車券をセットにした企画乗車券についても紹介し、都営交通を含めた東京の交通ネットワークの利便性をPRしております。
 さらに、東京二〇二〇大会は、世界中の多くの方々が都営交通を実際に利用し、列車運行の定時制やシームレスな移動のしやすさなどを実感いただける絶好の機会となることから、都営交通の利用方法等を多言語で紹介する動画を新たに作成し、大会の開催前からホームページやSNS等を活用して広く周知するなど、情報発信を強化してまいります。

○川松委員 本当に、これほど注目を集める機会はそうないと思います。ぜひこの機を逃すことなく、しっかりとPRし、その後の利用につなげていただきたいと思います。
 また、大会に向けて、車を使わないでほしいという呼びかけがだんだん強まってまいりました。東京オリンピック・パラリンピック直前のときには--僕、大阪で行われた去年のサミットを例にとっていますけれども、とにかく公共交通機関を使ってくれという呼びかけをして、かなり車の利用を抑えていただいた経緯があるので、そのときこそ、ただ、抑えてくれじゃなくて、都営交通というのはこんなにすごいネットワークを持っているんだ、あるいはメトロを含めたら地下鉄だけでいろんなところに行けるんですよという話をしていくことが重要だと思います。
 中山委員からあったように、蔵前駅のように、地上に出たとしても、これだけネットワークがしっかりしているというのは、もうほかの国にもない、そして時間も正確だということをあわせてPRしていただくことを強く求めておきます。
 また、公共交通は環境に優しいと私申し上げたわけですが、その利用促進だけでなくて、公共交通そのものの環境負荷を低減していくことは重要であります。とりわけ内燃機関を有するバスの環境負荷低減を進めることは重要であり、こうした中、交通局では、燃料電池バスを他に先駆けて導入しているわけであります。
 今後、こうしたバスの導入が社会的に進んでいくことが望まれますが、現状は、都営バスでも導入台数は十五両であり、もっといろんなところで乗れればいいのにという声も聞きます。
 これまでも答弁いろいろとありましたけれども、今、改めて燃料電池バスをもっとふやしていくべきと私は考えていますが、交通局の所見を伺います。

○牧野自動車部長 燃料電池バスは、走行時にCO2、NOx、PMなどを排出しない環境性能にすぐれたバスでございまして、交通局は、公営バス事業者として環境政策に貢献するため、平成二十八年度から先導的に導入を進めており、今年度末で三十八両となる予定でございます。
 燃料電池バスの導入拡大に当たりましては、法令で毎年義務づけられている水素ステーションの定期点検や故障時のバックアップ体制も含めまして、バスにも充填可能な水素ステーションが、バス営業所の近隣へ十分な数、整備されることが不可欠でございます。
 今後は、バスに充填可能な水素ステーションの整備状況を踏まえながら、東京二〇二〇大会までに最大で七十両、これ合計でございます、令和三年度までに最大で合計八十両の導入を目指してまいります。

○川松委員 今後も、導入拡大を進めていく一方で、バスを動かすために不可欠な水素ステーション導入課題がネックになっているということであります。
 一方、水素ステーションを整備するためには、当然ながら、話出ていましたけれども、そのための用地が必要であり、都営バスの営業エリアである都心部での整備はそう簡単に進まないとも考えられます。こうした中でも、燃料電池バスの導入拡大に向けて、引き続き、鋭意取り組んでいくべきことはいうまでもありませんが、ゼロエミッションの実現、そして、SDGsの達成に向けてさまざまな角度から取り組んでいくことが求められている、今、時代だと思います。
 世界に目を向けると、現在、バッテリーで動くいわゆるEVバスの導入を進めている国もあり、都営バスでもEVバスの導入をあわせて検討していく必要があると私は考えております。
 そこで、ゼロエミッション化の推進に向けたEVバスの導入について所見を伺います。

○牧野自動車部長 都営バスにおきましては、車両のゼロエミッション化に向けまして、燃料電池バスの導入に加え、EVバスにつきましても検討を進める必要があると考えており、これまでも、技術開発の状況等を注視してきたところでございます。
 一方、EVバスにつきましては、ディーゼル車に比べて航続距離が短いこと、国産は改造車両のみであり、海外車両は寸法や重量が都営バスの走行環境に適合していないこと、導入台数に応じた変電、充電設備が必要なことなど、導入に当たりましてはさまざまな課題がございます。
 このため、来年度は、都営バスに適した仕様を有する車両の調達の可能性や必要となる設備、変電、充電する場所や時間帯などにつきまして調査検討してまいります。

○川松委員 これは、世界規模で取り組んでいる課題について、交通局ができるということであれば、もしEVバスが導入できればそこに貢献できるという可能性が高いわけですから、ぜひ来年度の調査検討をきっちりとやっていただきたいと思いますが、まだまだ課題が多いというのはよく理解できました。
 ただ、近年の技術の進展というのは目覚ましいものがありまして、技術開発動向をよく注視しながら導入可能性を探っていっていただきたいと考えています。
 改めまして、私、先般の事務事業質疑におきまして、交通局のプレゼンス向上のためにこういうことが必要だ、こんなことはどうだろうかと、独自の視点で質疑させていただいたわけであります。これが一部の鉄道マニアに受けまして、特に大江戸線汐留駅の先にある連絡線の内部はいつ公開してくれるんだと、問い合わせをたくさんいただいております。
 間もなくそれが公開されるというふうに交通局から話を聞いていますが、ぜひ次年度は、そういった新しい広報ツールも使いながら、交通局のプレゼンスを向上する、サービスを向上していくという活動を展開していただくことを最後に要望いたします。
 そういったことも含めて、本日取り上げた内容を初め、今後よりよい東京を築き上げていく中で、都の直営の交通機関である都営交通に求められる役割は非常に大きいものと考えます。今後ともその役割をしっかりと果たしていただくことを強く求めて、質問を終わりとさせていただきます。

○とくとめ委員 都営地下鉄新宿線の京王線乗り入れ部分にある停車駅の案内図が間違いではないかという、稲城在住の利用者から、今から十二年前の二〇〇八年十一月十七日以来、長い期間にわたって繰り返し指摘と、ぜひ変えてほしいという要望があったということです。今日まで改善されずに来たことから、我が党都議団にメールで改善を求めて再三要望が寄せられてまいりました。
 間違いとして指摘されている事実関係とともに、稲城在住の利用者の声に対して、交通局の担当者はどう対応されたのかということと、この指摘がどうであるかということ、みずからも現場に行き、そして、交通局の担当者にもお聞きをしました。
 私の受けとめは、この利用者の指摘は事実どおりだということと、交通局の担当者の対応には、少し期待を持たせるような、何とかするという感じの対応があったのではないかというふうに思っています。
 そういう問題も踏まえて質問したいと思います。
 まず最初に、利用者から停車駅案内図が間違っているのではないかと、十二年前の二〇〇八年十一月から繰り返し指摘があったことについて、交通局としてはどのように認識され、間違いであったかどうかの確認はいつごろにされたのか。そして、どう対応されてきたのかについて伺いたいと思います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 記録が残っている過去五年間におきましては、平成二十九年から、お一人の方よりご意見を複数回いただいていることは承知しております。
 新宿線の車内に掲出している停車駅案内及び車内モニターは、限られたスペースの中で、駅の順番や列車種別ごとの停車駅、乗りかえ案内などをご利用のお客様が一目でわかるよう表示することを目的としております。
 お客様の方からは、実際の地理関係と異なるのではないかというご指摘でございましたけれども、この目的に照らして、実際の地理関係を示すものではございませんので、間違いではなく問題はないというふうに認識しております。
 間違いであるかの確認につきましては、ご意見をいただいた都度、間違いではないことを確認しております。

○とくとめ委員 今の答弁は、私、大変重大だと思うんですね。この案内図の目的は、駅の順番や列車種別ごとの停車駅、乗換案内を見やすく表示することにあると。これ一つあって、もう一つは、実際の位置関係や東西南北を示すものではないと。だから間違いではなく、問題ないと認識をしていたと。
 じゃあ問題は、この利用者が繰り返し東京都の担当者に意見を述べたときに、今、部長が答弁したような丁寧な説明をしているかといえば、私は違うんじゃないか、何とかするよという答弁がされていたんじゃないか。私はこの方からメールでもらいましたけれども、二〇〇八年十一月十七日には、関係部署に伝えますと、神保町の駅長事務室に行ったら、そういわれたと。
 二〇一四年六月二十二日、ここでは、オリンピックも近いから手直しをしてくれといわれたら、いつとはいえないが手直しをしますと。二〇一九年五月二十二日、これは名前もわかっていますけれども、この方は、おっしゃるとおりです、手直しをしますと。メーカーの三菱電機に連絡をして、京王線と同じように変えるようにすると。これ液晶で案内図が表示されているところもあります。さらに二〇一九年七月二十五日、これは交通局のカスタマーズの担当者で名前もはっきりしていますけれども、理屈としては、難しくて結構時間がかかったそうなんですけれども、理解をしてくれて、はい、わかりましたという返事があったと。
 この真偽の関係を検証するのはいろんなご意見あるかと思いますけれども、少なくとも先ほど部長がいわれたような、そういう説明がされていないために、この利用者は、何となく期待をしたまま十数年間、いろんな意見をいってきたのではないかというような感じがしております。
 それで、何が違うかといえば、皆さん、いわれてわかると思いますけど、これは、交通局からもらった新宿線と京王線の案内図の違いなんですね。大体、調布の駅に行けば、真っすぐ行けば八王子か高尾山、もう一つ左に行けば、橋本駅ってなっているわけですよね。
 それが、電車の中で、真っすぐに行くと橋本駅だというふうに書いてあって、左に曲がれば八王子だとか高尾山だと。それから、右に行けば八王子だとか高尾山と書いてあるのが新宿線になっているんですよね。
 ところが、京王線は、真っすぐに行けば八王子とか高尾となっていて、左に行けば橋本と。それから、右側にある案内図は、左に行けば橋本と書いてある。私も現場に行って何度も見ましたけど、そうなっていれば、まだ、まだ、誤解はないんじゃないかというふうに受けとめています。
 そもそも、間違っているのではないかという指摘のあった内容の停車駅案内図は、いつから新宿線にはこういう内容で、京王線と違う内容で掲示され続けていたのか。同じ路線を走る京王線の停車駅の案内図は、私は普通だと思うので、間違っていないと思います。
 新宿線の停車駅案内図に間違いがあるのではという指摘があったことを承知されていたのかどうか伺いたいと思います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 停車駅案内のレイアウトは、確認できます範囲では、駅ナンバリングを導入いたしました平成十六年以降、大きな変更はしておりません。
 先ほどお答え申し上げましたとおり、当初から問題はないと認識しております。

○とくとめ委員 同じ路線の京王線の停車駅案内図と明らかに違いがあります。この違いは認識されていたのかどうか、京王線の案内図の方がよりわかりやすい内容を示していると思いますけれども、東京都の方は、交通局の方は、そういうふうに認識していなかったんですか。お答えいただきたいと思います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 車内の停車駅案内は、車両を有する事業者の路線を中心に表記することが一般的でございますことから、事業者ごとに表記が異なっていてもやむを得ないと考えております。

○とくとめ委員 先ほど、部長の答弁の中で何といわれたかというと、そもそも、案内図というのは乗りかえ駅を示すものだというのがちゃんと答弁をされていますよね。ですから、今回指摘のあった利用者は、約十二年前から停車駅案内図の間違いの指摘と改善要望を寄せられておりました。この間違った停車駅案内図について、ほかの利用者から同じような間違いの指摘や被害のような苦情はなかったんでしょうか。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 記録が残っております過去五年間におきましては、ほかのお客様から同様のご意見はございません。

○とくとめ委員 記録の残っている期間では同様の意見はなかったということですけれども、意見を述べたこの利用者は、十二年前から繰り返し指摘されてきています。
 そのころの記録が全く残ってないということになるんですけれども、お客様からの要望、意見、苦情はそもそも記録にないということでいいんでしょうか。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 お客様の声は、過去五年間保存しているものでございまして、当該のお客様からのご指摘は、平成二十九年度以降、複数回にわたってご指摘をいただいているということについては承知しております。

○とくとめ委員 この利用者からの長期にわたる繰り返しの改善要望があったにもかかわらず、なぜ間違いの指摘と改善要望に、部長が答弁されているような中身で誠実に対応することなくそのままになってきたのか、お答えいただきたいと思います。

○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 先ほどお答え申し上げましたとおり、当初から問題はないと認識しておりましたことから、ご指摘に対応した変更は行ってこなかったものでございます。

○とくとめ委員 問題はなかったと思っていたので変更の対応はしてこなかったという、京王線に比べても明らかに違う、そういう状況であるにもかかわらず、その答弁でした。
 都営交通が掲げる経営理念には、都民やお客様に信頼されて支持される公共交通機関として、安全・安心を何よりも大切に、ということが明記をされています。もっと丁寧な説明を行い、もし意見をいった方に誤解があったり間違いがあれば丁寧に理解をしてもらう、あるいは指摘が、この交通の安全あるいは案内図にとってプラスになるのであれば、ちゃんと受けとめて改善をしていただきたいと思います。
 さらに、今後、東京オリンピックの開催を控えて多数の訪日外国旅行者が予想され、全国からの多数の上京者も予定されることを考えますと、こうした間違いでも放置するわけにはいかないし、改善した方が利用者の立場から見て丁寧だと私は訴えておきたいというふうに思います。
 現在の新宿線の停車駅案内図は、これからふえる新しい乗客、旅行者にミスリードにもなり得る案内図だといわなければなりません。なぜ改善しようとしないのか、極めて疑問であります。京王線の案内図を参考にして、お客様サービス最優先の立場から、ぜひ改善していただきたいということを強く要望して、この問題での質問を終わります。
 次に、都営地下鉄への女性専用列車について、男性ではありますけれども質問をいたします。
 都営地下鉄を初め、都内の多くの電車の早朝の混雑状況、ラッシュアワーの時間帯で、痴漢や盗撮などわいせつ行為を経験した女性たちから、みずからの経験を踏まえて、都営地下鉄にも女性専用車両の配備を求める声が我が党都議団にも寄せられています。
 最近の警視庁の調査によりますと、二〇一九年一年間で、痴漢や盗撮などのわいせつ行為、すなわち迷惑行為防止条例違反の検挙数は千七百八十七件、発生場所は、電車内四四・八%、駅構内が一九・四%、合計で六四%が都内の鉄道関係の場所で発生しております。ここ数年、都内では同じような傾向が続いています。それだけに、女性専用車両の必要性は高まっているのではないかと感じを持っております。
 こうした都内の電車内と鉄道駅での痴漢や盗撮などわいせつ行為の実態からも、他の施設やJRなどと同様に、都営線においても、女性専用車両の配備、運用を求める要望に応えて、ぜひ本格的に検討してほしいと思います。
 そこで質問ですけれども、都内の多くの電車で、地下鉄を含めて、早朝の時間帯に女性専用列車の配備、運用が広がっていますが、しかし、都営地下鉄の電車では、京王線に相互乗り入れしている都営新宿線の場所にしか女性専用車両の配備はありません。なぜ、この区間の新宿線にだけ女性専用列車を導入したのか、その導入の経過や役割について伺います。

○相川電車部長 女性専用車両につきましては、国土交通省及び首都圏の主な鉄道会社によります女性等に配慮した車両の導入促進に関する協議会における方向性に基づき、交通局内で導入を検討いたしました。
 都営地下鉄四線のうち新宿線は一編成当たりの車両数が多く、女性専用車両導入による他の車両への混雑の影響が比較的少ないこと、また、乗り入れしている京王電鉄との協議が整ったことから、平成十七年五月に試行的に導入いたしまして、平成十八年十二月より本格導入しているところでございます。

○とくとめ委員 先ほど、電車内や駅構内での痴漢等のわいせつ行為が多いことを紹介しました。
 都営地下鉄における痴漢等のわいせつ行為の対応件数はどうなっているでしょうか。

○相川電車部長 都営地下鉄におきます平成三十年度に警察に通報した犯罪行為は、痴漢六十二件、盗撮四十四件などでございます。

○とくとめ委員 交通局としては、こうした都営線の中での迷惑行為防止条例違反の痴漢や盗撮などのわいせつ行為に対しては、現在、どのように対応しておられるのでしょうか、お答えください。

○相川電車部長 駅構内や車内で痴漢や盗撮などの被害の訴えがあった場合には、まず、駅係員や警備員が初期対応に当たるとともに、速やかに警察に通報し対応しております。

○とくとめ委員 制服を着ている中高校生が特に被害に遭いやすいという調査もあります。人生の入り口のところで被害を受け、心に大きな傷を負っているという話も伺いました。
 そこで、二〇一八年に調査をされた、性暴力やセクシュアルハラスメントに対して声を上げた人を支援するプラットホームの調査結果が、二〇一九年一月二十一日に公表をされています。この調査は、首都圏で一万二千人の十二歳から四十八歳までの男女を対象にしたアンケート調査になっています。その結果に驚くべき内容が報告をされていて、例えば、女性の七〇%、男性の三二・二%が電車や道路で何らかのハラスメントを経験している、多くの女性が電車や道路などで性的なハラスメントを経験していると。それから、痴漢被害が最も多いのは十代であるという問題。それから、通勤通学時間が長い女性ほど過去一年に痴漢被害を経験した人が多いと。制服のスカート丈を長くしても痴漢被害を防ぐことはできないと。暴力的な行為、男女とも同じくらい被害が広がっている。痴漢被害が最も多いのが十代だというのは先ほどいったとおりです。こういう実態が首都圏の調査の中でも明らかになっているわけなんですね。
 交通局としては女性専用車両を配備してほしいというのが私の要望ですけれども、今、交通局としては、こうした都営線の中での迷惑行為防止条例違反の痴漢や盗撮などのわいせつ行為に対しては、どのように対応されているんでしょうか。

○相川電車部長 交通局では、公共交通機関として、全てのお客様に安全・安心にご利用いただけるよう環境を整備することが重要と考えております。
 迷惑行為の防止に当たっては、痴漢防止についての局独自の啓発ポスターを作成するとともに、鉄道会社及び警察と連携して、痴漢撲滅キャンペーンを毎年実施するなどの取り組みを行っております。

○とくとめ委員 女性が安心して駅や電車を利用できる環境をつくることは、そのための女性専用車両の配備を含めて、人権問題としても重要な課題と思いますけれども、認識はいかがですか。

○相川電車部長 先ほどお答えしたとおり、交通局では、公共交通機関として、全てのお客様に安全・安心にご利用いただけるような環境を整備することが重要であると考えております。

○とくとめ委員 女性専用車両に乗るのは女性だけではありません。小学生の保護者でも、自分の子供にはラッシュ時に電車に乗る際には女性専用車両に乗るようにいっているという方もおられます。同じ東京を走る地下鉄でいえば、東京メトロでは、朝の通勤通学ラッシュ時間帯に、女性のお客様、小学生以下のお客様に安心してご利用いただくことを目的に女性専用列車を導入し、さらに、お体の不自由なお客様とその介護者の方にも乗車できるようにしていると、女性専用列車の役割について紹介をしています。九路線のうち六路線に女性専用車両を導入しています。もちろん、京王線に乗り入れている新宿線の女性専用車両にも、こうした同じような女性専用車両の役割が明記されております。
 そこで質問ですけれども、都営地下鉄では、新宿線以外の浅草線、三田線、大江戸線には女性専用車両が配備されていません。どういう理由からでしょうか。

○相川電車部長 新宿線以外の路線への女性専用車両の導入についてでございますが、浅草線及び三田線につきましては、相互直通運転を行っている事業者が多く、女性専用車両を導入していない路線もあるなど対応が異なっていること、また、大江戸線につきましては、小型車両のため一両当たりの定員が少なく、他の車両が混雑するなど課題が多いため導入しておりません。

○とくとめ委員 ぜひ相互線に乗り入れている会社とも協議をして、都営線の区間内だけでも設けてもらえるように検討していただきたいと思います。
 国土交通省による各線の混雑、最混雑区間の混雑時間帯に関する調査、資料を見ますと、三田線の巣鴨間の混雑率は一五八%、大江戸線の中井から東中野間の混雑率は一五九%、新宿線の西大島-住吉間の混雑率は一五六%を高く超えております。
 私は、都営三田線を利用する女性から、現在利用している三田線に限らないけれども、痴漢に遭うと、そのときに嫌な気持ちになるのはもちろん、さわられた感覚がずっと残るような気がして、その日は日中ずっと気持ちが悪くなってしまう、三田線にもぜひ女性専用車両を配備してほしいと、そういう自分の嫌な体験も踏まえて要望をいただいております。また、先ほどもお話したように、小学生や障害をお持ちの方にとっても安心して乗れる女性専用車両が必要になっています。
 ちなみに、この女性専用車両の国交省の正式の呼び名は、女性に配慮した車両ということになっています。決して専用ということではありません。
 そこで質問ですけれども、都営交通が重視する利用者全体の障害のないバリアフリーの普及から見ても、また、痴漢など迷惑行為を都営線の電車内からなくして、本当に最近注目されている人権尊重の都市、あるいはジェンダー平等の都市をつくっていくためにも、新宿線以外の都営地下鉄に女性専用車両の配備、運用についてぜひ検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○相川電車部長 先ほどもお答えしたとおり、新宿線以外の路線への女性専用車両の導入につきましては、課題が多いと考えております。
 交通局では、迷惑行為の防止に当たり、痴漢防止についての局独自の啓発ポスターを作成するとともに、鉄道会社及び警察と連携して、痴漢撲滅キャンペーンを毎年実施するなどの取り組みを行っているところでございます。

○とくとめ委員 最後に、東京の都民の半分は女性です。その女性の皆さんにとっても、東京での生活、行動が、本当に安心・安全にできるようなそういう環境を、交通局としても挑戦していただきたいと思います。全国的にもこういう取り組みが広がる中で、やっぱり女性の、痴漢とか盗撮などを防ぐためには、こういう女性専用車両、国交省の正式の名称でいえば女性等に配慮した車両がどうしても必要だというふうに、多くの皆さんからも希望があります。困難な状態はあるかと思いますけれども、真剣な検討を求めて、質問を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時三十六分散会

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