委員長 | 伊藤しょうこう君 |
副委員長 | 山口 拓君 |
副委員長 | 田の上いくこ君 |
理事 | 大松あきら君 |
理事 | 増田 一郎君 |
理事 | 河野ゆりえ君 |
平 慶翔君 | |
上田 令子君 | |
川松真一朗君 | |
佐野いくお君 | |
中山ひろゆき君 | |
とくとめ道信君 | |
長橋 桂一君 | |
鈴木 章浩君 |
欠席委員 なし
出席説明員交通局 | 局長 | 土渕 裕君 |
次長 | 桃原慎一郎君 | |
総務部長 | 根木 義則君 | |
職員部長 | 渡邉 範久君 | |
資産運用部長 | 広瀬 健二君 | |
電車部長 | 相川 準君 | |
自動車部長 | 牧野 和宏君 | |
車両電気部長 | 奥津 佳之君 | |
建設工務部長 | 谷本 俊哉君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 市川 雅明君 | |
安全管理担当部長 | 西川 善宣君 | |
鉄軌道事業戦略担当部長 | 櫻庭 裕志君 | |
バス事業経営改善担当部長 | 坂田 直明君 | |
技術調整担当部長 | 野崎 慎一君 | |
技術管理担当部長 | 坂口 淳一君 | |
水道局 | 局長 | 中嶋 正宏君 |
技監 | 相場 淳司君 | |
理事総務部長事務取扱 | 岡安 雅人君 | |
職員部長 | 木村 健治君 | |
経理部長 | 金子 弘文君 | |
サービス推進部長 | 小平 基晴君 | |
浄水部長特命担当部長兼務 | 尾根田 勝君 | |
給水部長 | 本荘谷勇一君 | |
建設部長 | 田中 慎一君 | |
経営改革推進担当部長 | 石井 英男君 | |
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 清水 英彦君 | |
設備担当部長 | 横谷 守君 | |
多摩水道改革推進本部 | 調整部長 | 小山 伸樹君 |
施設部長 | 今井 滋君 | |
下水道局 | 局長 | 和賀井克夫君 |
技監 | 神山 守君 | |
総務部長 | 久我 英男君 | |
職員部長 | 白川 敦君 | |
経理部長 | 坂井 吉憲君 | |
計画調整部長 | 佐々木 健君 | |
施設管理部長 | 猪八重 勇君 | |
建設部長 | 青木 秀幸君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 鈴木 豊君 | |
技術開発担当部長 | 袰岩 滋之君 | |
施設管理担当部長 | 廣木 健司君 | |
流域下水道本部 | 本部長 | 矢岡 俊樹君 |
管理部長 | 神山 智行君 | |
技術部長 | 小団扇 浩君 |
本日の会議に付した事件
水道局関係
事務事業について(説明)
報告事項(説明)
・水道局所管政策連携団体の改革について
交通局関係
事務事業について(質疑)
下水道局関係
事務事業について(質疑)
○伊藤委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
初めに、このたびの台風十九号により被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
ここにお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
皆さん、ご起立をお願いいたします。
黙祷。
〔全員起立、黙祷〕
○伊藤委員長 黙祷を終わります。ご着席ください。
○伊藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局関係の事務事業及び報告事項の説明聴取並びに交通局及び下水道局関係の事務事業に対する質疑を行います。
なお、水道局関係の事務事業及び報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより水道局関係に入ります。
初めに、水道局長から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。
○中嶋水道局長 水道局長の中嶋正宏でございます。
伊藤委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから当局事業につきましてご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
当局におきましては、水道事業及び工業用水道事業を所管し、都民の暮らしを守り、都市活動を支える基幹ライフラインとして、全力を挙げて健全な事業運営に取り組んでおります。当局に課せられました使命達成のため、局一丸となって職責を果たしてまいる所存でございます。
委員長を初め委員の皆様方には、引き続き一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
技監の相場淳司でございます。理事で総務部長事務取扱の岡安雅人でございます。職員部長の木村健治でございます。経理部長の金子弘文でございます。サービス推進部長の小平基晴でございます。特命担当部長を兼務いたします浄水部長の尾根田勝でございます。給水部長の本荘谷勇一でございます。建設部長の田中慎一でございます。経営改革推進担当部長の石井英男でございます。オリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務いたします企画調整担当部長の清水英彦でございます。設備担当部長の横谷守でございます。多摩水道改革推進本部調整部長の小山伸樹でございます。同じく多摩水道改革推進本部施設部長の今井滋でございます。次に、当委員会との連絡に当たります担当部長で総務課長事務取扱の芹沢孝明でございます。主計課長の平賀隆でございます。
なお、多摩水道改革推進本部長の鈴木勝及び多摩水道改革推進本部技術調整担当部長の藤村和彦につきましては、公務のため、本日の委員会を欠席させていただいております。
以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者挨拶〕
○伊藤委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。
○伊藤委員長 次に、水道局長から発言の申し出がありますので、これを許します。
○中嶋水道局長 今回の台風十九号におきます当局の対応につきまして、ご説明をさせていただきます。
まず、このたびの台風十九号により被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。
これまでの被害状況及び対応状況につきましてご説明をさせていただきます。
区部におきましては、給水に影響するような被害はございませんでした。
多摩地区におきましては、日の出町の平井第一配水所におきまして、水道管損傷ため約八百戸が断水となるおそれがありましたが、受水系統を切りかえ、十三日の日曜日に復旧しております。同じく日の出町の大久野地域におきまして、道路崩落に伴う水道管損傷のため約五百戸が断水しておりましたが、十四日月曜日、仮設水道管を設置し、断水を解消しております。奥多摩町の大丹波地域におきまして、水道管損傷のため約二百三十戸が断水しておりましたが、給水車による応急給水を行うとともに、十三日日曜日に復旧作業が完了し、断水は解消しております。
奥多摩町におきましては、多くの世帯で断水がなお続いてございます。
まず、日原応急浄水所におきましては、取水施設が土に埋まり、約五十戸が断水となっておりました。道路が崩落していたため車両が入れませんでしたが、十五日の火曜日、職員が徒歩で現地へ上り、しゅんせつ等を行いました。現在、浄水施設を点検し、通水に向けた作業を行っております。
ひむら浄水所におきましては、道路の崩落による水道管の損傷のため取水ができない状況にあり、約二千六百戸が断水となっております。本件への局の対応状況でございますが、給水車を十三日日曜日から派遣しており、現在は十二台の給水車による応急給水を行っております。介護施設や医療機関、学校などへは、給水車が巡回して水を補充しております。
また、昨日、給水用のポリタンク約二千八百個を奥多摩町に提供しており、今後さらに追加して、約五千五百個以上を提供する予定です。ひむら浄水所の給水区域にお住まいのお客様へは、水を入れた状態で順次お届けをしております。
道路の崩落場所につきましては、十九日の土曜までに仮設の導水管を設置する見込みとなっており、その後、各戸への通水に向けた作業を行い、一日も早く各世帯に水をお届けできるよう、局の総力を挙げて対応してまいります。
このほか、現地との円滑な連絡調整のため、ひむら浄水所に現地対策本部を設置し、職員を配置するとともに、奥多摩町役場にも当局の職員をリエゾンオフィサーとして配置し、町との連絡調整を行っております。
今後とも、応急給水を初めとしたきめ細やかな対応を行いながら、一刻も早い安定給水に向けて、総力を挙げて対応してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
○伊藤委員長 発言は終わりました。
○伊藤委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。
○中嶋水道局長 それでは、私は、水道局の事務事業につきましてご説明を申し上げます。
お手元に配布してございます資料1、東京都水道事業、工業用水道事業運営の基本方針をごらんください。
一ページをお開き願います。初めに、水道事業につきましてご説明申し上げます。
都の水道事業は、明治三十一年に近代水道として通水を開始して以来、最も重要な基幹ライフラインとして、都民生活と首都東京の都市活動を支えてまいりました。一方で、平成三十年代から更新時期を迎える浄水場を初めとした基幹施設の再構築を着実に進めていくとともに、水道管路の更新を計画的に進めていく必要がございます。また、多摩地区では、都営水道に一元化した市町の小規模施設などを再構築し、強靱で信頼される広域水道としていくことも重要な課題でございます。
こうした状況に加え、首都直下地震の切迫性が指摘されるなど、水道を脅かすさまざまな脅威に対し、公営企業の責務を全うするためには、危機管理に万全を期していかなければなりません。さらに、信頼される東京水道であるためには、お客様との対話を積極的に行う必要があるとともに、エネルギー問題などに対しても、社会的な責任を果たしていくことが求められております。
こうした中、目標管理の徹底と成果重視の視点に立ち、都民への説明責任を果たしていくため、平成二十八年度から令和二年度までを計画期間とし、事業計画と財政計画を明らかにした東京水道経営プラン二〇一六を平成二十八年二月に策定をいたしました。
東京水道は、都民生活と首都東京の都市活動を支える基幹ライフラインとして、安全でおいしい高品質な水を安定して提供していくとともに、危機管理に万全を期し、盤石な体制の構築や効率的で健全な経営に努め、信頼される事業運営を実践してまいります。また、将来を見据えた取り組みを推進し、世界に誇る水道システムを一層進化させ、国内外に発信するとともに、次世代につなげてまいります。
続きまして、二ページをお開き願います。東京水道経営プラン二〇一六の概要についてご説明申し上げます。
第一に、基幹ライフラインの運営でございます。
まず、安定についてでございます。
首都東京の安定給水を継続するため、将来の気候変動による影響も踏まえ、長期的な視点に立ち、今年度完成予定の八ッ場ダムによる安定した水源の確保に向けて取り組んでまいります。水道水源林につきましては、みんなでつくる水源の森実施計画に基づき、都民を初め、企業、大学などの多様な主体と連携した施策を推進するとともに、民有林の積極的な購入も行ってまいります。また、大規模浄水場の更新に備え、境浄水場などにおきまして代替浄水施設の整備を進めていくとともに、導水施設の二重化、送水管の二重化、ネットワーク化や給水所の新設、拡充に取り組み、水道基幹施設の再構築を着実に進めてまいります。さらに、多摩地区水道につきましては、平成二十九年三月に策定した多摩水道運営プラン二〇一七に基づき、多摩地区を四つのエリアに分け、拠点となる施設の整備や広域的な送配水管のネットワーク化を進めるとともに、老朽化した施設の更新を推進してまいります。
次に、高品質についてでございます。
浄水施設の整備に合わせ、さまざまな原水水質に応じた適切な浄水処理を導入していくとともに、TOKYO高度品質プログラムを充実させ、水質管理のさらなる強化を図ってまいります。また、安全でおいしい高品質な水を実感してもらうため、小中学校の水飲栓直結給水化モデル事業のフォローアップを継続実施するとともに、直結給水方式への切りかえに係る工事費の見積もりを無料で行うなど切りかえ促進に取り組んでまいります。
次に、さまざまな脅威への備えについてでございます。
切迫性が指摘される首都直下地震などの大規模地震に備えるため、貯水池の堤体強化や配水池の耐震強化、配水管の耐震継ぎ手化などを推進するとともに、停電が発生した際にも平常時と同様に給水できるよう、自家用発電設備の新設、増強に取り組んでまいります。また、震災時におきましても、避難所等への給水を確保するため、給水管の耐震化を着実に進めてまいります。さらに、近隣の水道事業体と合同で防災訓練を行うなど、危機対応力を強化してまいります。
続きまして、三ページをごらんください。
第二に、取り組みの進化、発信でございます。
まず、お客様との対話についてでございます。
安全でおいしい高品質な水を実感していただくとともに、お客様ニーズをきめ細かく把握するため実施している東京水道あんしん診断の結果を分析、検証し、今後、事業へ反映し、お客様サービスの一層の向上に努めてまいります。また、水道事業をご理解いただくため、水道キャラバンの充実を図ってまいります。さらに、お客様センターにおける電話対応にAIを導入し、お客様サービスの向上に努めてまいります。こうした取り組みに加え、スマートメータ化モデル事業など、ICTを活用してサービスの向上と効率化を積極的に進めてまいります。
次に、地域社会への貢献についてでございます。
太陽光発電といった再生可能エネルギーなどの導入を進め、エネルギー、環境対策を推進してまいります。また、貴重な土木施設であり、国の史跡でもある玉川上水につきましては、後世に継承していくため、庁内各局や地元自治体などと連携協力しながら、玉川上水の適切な保存管理に努めてまいります。
次に、国内外水道事業体への貢献についてでございます。
東京水道グループの技術力、ノウハウを積極的に活用し、国内の水道事業体の人材育成や事業運営に協力するとともに、大規模災害発生時における被災事業体への支援体制の強化を図ってまいります。また、東京水道国際展開プログラムに基づき、途上国の水道事情の改善に貢献してまいります。
第三に、これらの取り組みを支える基盤でございます。
まず、人材基盤についてでございます。
体験型研修などの充実により、危機管理能力や現場における実務能力の向上を図ってまいります。また、コンプライアンスに関する研修を充実させ、職員の意識改革を行い、人材の育成に取り組んでまいります。
次に、運営体制についてでございます。
基幹的業務を局と一体的に担う政策連携団体に対しまして、経営方針の徹底を図るなどガバナンスを強化してまいります。また、外部専門家の意見を反映させるなど、経営の客観性を確保するとともに、情報公開を充実させ、透明性の向上を図ってまいります。
次に、財政基盤についてでございます。
不断の経営努力として、引き続き、五年間で百五十億円の経費節減と収入確保に取り組んでまいります。また、代替浄水施設の整備に当たり、浄水場の更新のために、これまで積み立ててまいりました資金などを活用してまいります。さらに、企業債を適切に発行することにより、世代間負担の公平性を図りながら、健全かつ安定的な財政運営を進めてまいります。
続きまして、四ページをお開き願います。水道局所管委託契約に係る公正取引委員会からの改善措置要求等についてでございます。
経緯といたしまして、平成三十年十月三十日、当局発注業務におきまして談合の疑いがあるとして、公正取引委員会により、独占禁止法に基づく立入検査を受けました。これを受けて、関係局による水道局所管委託契約に係る談合疑いに関する調査特別チームを設置し、職員の非違行為の有無に関する調査、原因の究明及び再発防止策の検討結果について中間報告書を取りまとめました。この中間報告書で掲げました再発防止策及び改善策につきまして、迅速かつ徹底的に実施し、適正な執行体制の確立とコンプライアンスの強化に現在努めております。
また、本年四月には、外部の幅広い見地から意見、助言を得るため、東京水道グループコンプライアンス有識者委員会を設置し、再発防止策の検証のみならず、当局の事業全体を俯瞰した観点から貴重なご意見をいただいてまいりました。
今後は、本年七月の公正取引委員会からの本件に関する改善措置要求等を受けて、当局の対応などを含め、有識者委員会においてコンプライアンス強化のための取り組みを分析、検証の上、ご提言をいただき、契約方法や執行体制等、あらゆる側面から不断の見直しを実施してまいります。また、関係者への事情聴取等や公正取引委員会との調整を経た上で、調査特別チームとして最終報告を取りまとめ年内に公表いたします。
続きまして、五ページをごらんください。次に、工業用水道事業についてご説明申し上げます。
都の工業用水道事業は、地盤沈下防止という行政目的のため、地下水揚水規制に伴う代替水を供給する事業として行ってまいりました。その結果、昭和五十年代以降、地盤沈下はほぼ鎮静化し、所期の目的を十分果たしてまいりました。しかしながら、工場の移転、水使用の合理化等による需要の減少傾向が続いている一方、施設の更新時期を迎えるなど、厳しい事業環境にございます。
このため、これまで経営の効率化と財政の安定化を図ることを基本に事業運営を行うとともに、事業の抜本的な経営改革につきまして、関係各局での検討に加え、有識者委員会で検討を進めてまいりました。その結果、有識者委員会からの廃止の提言も踏まえ、平成三十年第三回都議会定例会におきまして、東京都工業用水道条例を廃止する等の条例を提案し、可決されたことで、令和四年度末をもって事業を廃止することとなりました。
今後は、事業廃止に伴い、利用者の経営等への影響を最小限にとどめられるよう、上水道への切りかえ工事や料金差額補填などの利用者支援を着実に実施してまいります。また、令和四年度末を見据えて、工業用水道配水管の転用、撤去計画の策定に向けた取り組みを進めるとともに、廃止に係る経費の縮減に取り組んでまいります。
続きまして、六ページをお開き願います。
当局の事業は、多くの重要課題を抱えております。都民の皆様から事業を負託された公営企業管理者として、これらの課題解決に向け全力を尽くすとともに、時代の変化に即応した事業運営のあり方を常に追求するなど、職員ともども総力を挙げて対処し、現在及び将来の安定給水の確保に努めてまいります。
伊藤委員長を初め委員の皆様の一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。
なお、詳細につきましては、総務部長事務取扱の岡安理事からご説明申し上げますので、よろしくお願いいたします。
○岡安理事 初めに、お手元に配布させていただきました資料につきましてご説明申し上げます。
資料は三点ございます。資料1は、ただいま局長からご説明申し上げました東京都水道事業、工業用水道事業運営の基本方針でございます。資料2は、水道事業、工業用水道事業主要事項、資料3は、東京都政策連携団体等の運営状況でございます。
参考資料といたしまして、令和元年版事業概要、平成三十一年度水道事業、工業用水道事業会計予算、東京水道経営プラン二〇一六、東京の水道をご用意いたしましたので、あわせてご参照いただきたいと存じます。
それでは、資料2、水道事業、工業用水道事業主要事項をごらんいただきたいと存じます。
一ページをお開き願います。初めに、水道事業についてご説明申し上げます。
まず、平成三十年度末現在の現況でございます。
給水区域は、東京都二十三区及び多摩地区の二十六市町、給水人口は約千三百五十四万人でございます。
施設の規模は、資料に記載のとおりでございますが、表の一段目の水道水源林は、水道水源を涵養するためのものでございます。
次に、水源は、利根川、荒川水系及び多摩川水系のダムなどで確保してございます。
また、配水管につきましては、約二万七千キロメートルとなってございます。
次に、令和元年度における業務の予定量でございます。
年間の配水量は、表の最下段でございますが、合計約十六億立方メートルで、日量にいたしますと、約四百四十四万立方メートルを予定しております。給水件数は約七百八十六万件でございます。
二ページをお開き願います。水源開発の進捗状況を一覧にしたものでございます。
現在は、利根川水系で霞ヶ浦導水と八ッ場ダムの二事業を国土交通省が事業主体となって実施中であり、各事業の計画年度までの完成を国に対して強く働きかけております。なお、八ッ場ダム事業は、首都東京にとって極めて重要なものであり、引き続き、令和元年度の確実な完成を求めてまいります。
三ページをごらんください。東京水道経営プラン二〇一六の概要でございます。
これは、平成二十八年二月に策定いたしました当局の経営計画でございます。
取り組みの体系といたしまして、基幹ライフラインの運営、取り組みの進化・発信、支える基盤の三つの柱のもと、さまざまな施策を着実に推進し、安全でおいしい高品質な水を安定して提供するとともに、危機管理に万全を期し、信頼される事業運営を実践してまいります。
四ページをお開き願います。施設整備事業の概要でございます。
東京水道経営プラン二〇一六に基づき、三つの事業を実施しております。
まず、上段の水源及び浄水施設整備事業は、必要な水源を確保するとともに、大規模浄水場更新代替施設など、浄水施設の整備を図るものでございます。
二段目の送配水施設整備事業は、安定的かつ効率的な配水の確保、漏水の防止、事故時や震災時の対策などを目的として送配水施設を整備するものでございます。
三段目の給水設備整備事業は、小中学校の水飲み栓直結給水化など、お客様に身近な設備の整備を図るものでございます。
以上、三つの事業を合わせまして、五カ年の総事業費は、表の中ほどの計にありますとおり約八千五百億円で、その財源は企業債、国庫補助金、一般会計繰入金、その他自己資金などでございます。
五ページをごらんください。多摩地区水道の運営でございます。
平成二十九年三月に策定いたしました多摩水道運営プラン二〇一七に基づき、多摩水道が強靱で信頼される広域水道へとさらなる進化を遂げられるよう、効率的で強固な基盤を確立した上で、水道システムを充実強化していくとともに、国内水道事業体への貢献等の施策について積極的に推進してまいります。
六ページをお開き願います。財政状況として、令和元年度の水道事業会計予算をお示ししてございます。
表の左側が収入、右側が支出でございます。下段の合計欄をごらんいただきたいと存じます。
収入の合計は五千九十四億八千六百万円でございます。また、支出の合計は五千百九十四億百万円でございます。これに大規模浄水場更新積立金などの取り崩しを行いますと、ページの最下段にありますとおり、実質的な資金の収支は九十一億八千四百万円の不足となります。
七ページをごらんください。続きまして、財政収支の概況でございます。
東京水道経営プラン二〇一六の計画期間であります平成二十八年度から令和二年度までの財政収支をお示ししたものでございます。
平成二十八年度、二十九年度、三十年度は決算を、令和元年度は予算を、令和二年度は計画を、収入及び支出の項目ごとに整理した表でございます。ご参照いただきたいと存じます。
八ページをお開き願います。水道料金表でございます。
これは、平成十七年一月一日から適用しております一カ月当たりの料金表でございます。なお、脚注に記載がございますとおり、百分の百十を掛けた金額をお客様からいただいております。ご参照いただきたいと存じます。
九ページをごらんください。これより工業用水道事業につきましてご説明申し上げます。
まず、平成三十年度末現在の現況でございます。
給水区域は、墨田区、江東区など八区と練馬区の一部となっております。
施設規模についてですが、浄水場の欄にありますとおり、給水施設能力は日量十七万五千立方メートル、下段の配水管は三百四十一キロメートルとなっております。
次に、令和元年度における業務の予定量でございますが、年間の配水量は約八百二十三万立方メートルを予定しております。給水件数は四百二十一件でございます。
一〇ページをお開き願います。工業用水の供給と地盤沈下防止の効果を経年的に表示したものでございます。
棒グラフは地盤沈下量、実線は地下水揚水量、点線は工業用水の基本水量をあらわしております。
江東地区は昭和三十九年八月、城北地区は昭和四十六年四月にそれぞれ工業用水の供給を開始しておりますが、地下水揚水量の減少とともに地盤沈下が急速に鈍化しており、地盤沈下防止対策としての所期の目的は十分達成しているものと考えております。
一一ページをごらんください。財政状況として、まず、令和元年度の予算をお示ししてございます。
表の左側に収入、右側に支出をお示ししてございます。下段の合計欄をごらんいただきたいと存じます。
収入の合計は六十五億九千四百万円でございます。また、支出の合計は六十七億一千五百万円でございます。資金の収支差し引きは一億二千百万円の不足となっております。
一二ページをお開き願います。続きまして、財政収支の概況でございます。
平成二十九年度から令和元年度までの三カ年分をお示ししてございます。平成二十九年度と三十年度は決算、令和元年度は予算を、収入及び支出の項目ごとに整理した表でございます。ご参照いただきたいと存じます。
一三ページをごらんください。工業用水道料金表でございます。
これは、平成九年五月分から適用している料金表でございます。なお、脚注に記載がございますとおり、百分の百十を掛けた金額をお客様からいただいております。ご参照いただきたいと存じます。
一四ページをお開き願います。工業用水道事業の廃止に伴う取り組みでございます。
工業用水道事業の令和四年度末廃止に伴い、平成三十一年三月に策定いたしました工業用水道事業の廃止及び支援計画に沿って、利用者の経営等への影響を最小限にとどめられるよう、利用者支援を着実に実施してまいります。
以上で水道事業及び工業用水道事業の概要につきましての説明を終わらせていただきます。
続きまして、東京都政策連携団体等の運営状況につきまして、資料3によりご説明申し上げます。
表紙をおめくりください。目次にありますとおり、ご報告申し上げますのは、東京水道サービス株式会社、株式会社PUC及び水道マッピングシステム株式会社の三社でございます。
一ページをお開き願います。東京水道サービス株式会社でございますが、当局の水道事業を補完支援するため、水道施設の運転管理等を実施しており、都の出資割合は五一%でございます。
九ページをお開き願います。株式会社PUCでございますが、当局の水道事業を補完支援するため、水道料金徴収業務等を実施しており、都の出資割合は約八四%でございます。
一七ページをお開き願います。水道マッピングシステム株式会社は、管路情報等の図面管理を行うソフトウエアの開発等を実施しており、都の出資割合は七%ですが、東京水道サービス株式会社と合わせた出資比率が五〇%以上となる団体でございます。
詳細につきましては、後ほどご参照いただきたいと存じます。
以上をもちまして、大変簡単ではございますが、水道局の事務事業及び政策連携団体等の運営状況についての説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○伊藤委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○河野委員 七点お願いします。
一、公立小中学校と特別支援学校の水飲栓直結給水化モデル事業の実施状況。
二、各浄水場における自然エネルギー等の導入状況。
三、多摩地区の地下水取水量、一日最大量も含めた実績でお願いします。
四、水道管路における耐震継ぎ手化の計画と実績。
五、避難所及び主要駅の給水管耐震化率。
六、未納カード発行枚数及び給水停止件数。
七、水道局発注工事における外国人技能実習生の就労状況、できれば過去三年。
以上です。
○上田委員 二十八点あります。
各事業所の業務委託費に係る契約状況、過去十年。金額、契約方法、契約日、そして随契ならば、その理由。
次に、消耗品等の需用費に係る部門別決算額、過去十年。
工事用材料、薬品、水道メーター等、請負及び売買契約、工事契約などの水道局契約監視委員会及び前身委員会の監視対象となったものの実績、過去十年。
TSSへの出資割合の理由がわかる文書及び基本構成、設立以来の都の出資率の推移。
水道局の人件費全体の推移、うち管理職人件費がわかる推移。
水道局の昇給制度、昇格制度に係る規定。
工事委託及び物品の二百五十万以下の契約を含む指名競争、一般競争、随契の契約状況。
選手村及びそれに付随する地域における水道設備に係る計画内容と経費がわかるもの。
監理団体、報告団体の都職員の現役出向人数と退職者の再就職の実績とその役職区分がわかるもの、過去五年。
監理団体、報告団体における接遇改善の取り組み実績が時系列でわかるもの。
水道局所管施設におけます労働組合事務所の場所、面積、賃料及び光熱費等徴収一覧。
同上、面積、労働組合数の増減の状況。
職員自殺の状況と防止のための取り組みが時系列でわかるもの。
過労死ラインについての超過勤務実績状況の過去五年分。
平成二十六年から直近の契約締結に係る入札参加条件及び辞退理由。
低入札調査の調査票の提出件数と未提出の割合と理由がわかるもの。
現行の競争入札参加者心得。
都の入札参加資格におけます電気工事のA等級の資格を有する事業者数。
TSS関係です。TSSの株主である水関連企業との受注、発注実績の状況、過去十年。
TSSの発行株式にはA種、B種及びC種がありますが、それら三種類の株式を発行した理由がわかる文書。
また、株主ごとにそれぞれの株式を割り当てていますが、それぞれの割り当て比率の理由がわかる文書。
TSSの代表取締役が東京水道インターナショナル株式会社の代表取締役も兼ねていますが、兼職する理由がわかる文書。
TSS、東京水道インターナショナル株式会社の代表取締役の役員報酬がわかる文書。
TSSの取締役の報酬について、平成三十年度決算で役員報酬の総額が二千六十八万円、前期が一千四百二十二万円、前々期が千九百七十五万五千円となっていますが、それぞれの役員報酬に係る取締役会の議事録。
TSSの役員にPUC取締役はいますが、当該取締役の前職がわかる文書。
監査役として取締役会等における過去十年の監査指摘事項がわかる文書。
現行の水道局と水道局所管政策連携団体で締結している職員の派遣に関する取り決め書。
現行の都水道局所管東京都政策連携団体の指導監督等に関する基準。
以上です。よろしくお願いいたします。
○伊藤委員長 ほかにございますか。--ただいま河野理事、上田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○伊藤委員長 次に、理事者からの報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○石井経営改革推進担当部長 お手元に配布してございます資料4、右肩、資料4と書いてあるペーパー、これをごらんください。
水道局所管政策連携団体の改革についてにつきましてご報告申し上げます。
それでは、ページをお開き願います。一ページ目になります。項番1、政策連携団体改革の目的につきましてご説明申し上げます。
水道局では、従前より、定型業務を初め、民間に委ねられる業務は可能な限り民間事業者に委託するとともに、東京水道における基幹的業務を水道局と政策連携団体が担う一体的事業運営体制を構築してまいりました。さらに、その後、水道局と政策連携団体が東京水道グループとして、統一的な経営戦略のもと、相互に強みを発揮し、有機的な連携を図りながら経営を担っていくグループ経営へと進化、発展させ、事業運営基盤の一層の強化を図ってまいりました。
しかしながら、都の水道事業は、今後、人口減少に伴い給水収益が減少する一方、大規模施設の更新を初め、支出の増大が見込まれるという課題を抱えておりまして、将来にわたり持続可能な事業運営を実現するためには、経営基盤を強化する必要がございます。
そのため、技術系業務を担う東京水道サービス株式会社と営業系業務を担う株式会社PUCの政策連携団体二団体を統合して、水源から蛇口までの維持管理を初め、お客様サービスの提供に至るまで、水道事業を包括的に担うことができる団体を設立し、新たな団体が創意工夫と責任のもと、一層効率的かつ効果的な事業運営を行うことを通じて、東京水道の経営基盤をさらに強化してまいります。
一方、本年二月に公表されました東京水道サービス株式会社に対する特別監察結果報告書におきまして、同社及び水道局のガバナンスやコンプライアンスに対してさまざまな指摘がなされました。
このことを踏まえまして、本年八月に東京水道サービス株式会社に対する特別監察結果改善報告書を取りまとめ、東京水道グループ全体のガバナンス及びコンプライアンスの強化に取り組んでいるところでございます。
新たな団体におきましては、これまでの取り組みを継続して実施いたしまして、ガバナンス、コンプライアンスや社員の人材育成をさらに強化することで、東京水道グループの一員としての公益的使命を強く自覚し、グループの総合力を高めてまいります。
引き続き、項番2、団体統合による取り組みにつきましてご説明申し上げます。
新たな団体は、東京水道グループの一員として、高いコンプライアンスのもと、豊富な経験と確かな技術力で社会に貢献し、お客様満足度の向上と豊かな価値の創造を目指してまいります。このため、団体の運営基盤を強化するとともに、水道事業の新たなサービス展開に取り組んでまいります。
次ページ以降で、個別の取り組みをご説明申し上げます。
二ページをお開き願います。まず、(1)、団体の運営基盤の強化につきましてご説明申し上げます。
新たな団体は、東京水道グループの一員としての公益的使命を果たすため、ガバナンス、コンプライアンスや人材育成を強化するとともに、水道事業を包括的に担う団体として、効率的かつ効果的な業務運営体制を構築してまいります。
初めに、ア、ガバナンス、コンプライアンスの強化でございます。
新団体のガバナンスやコンプライアンスを担保するために、新たな体制や関係規定を整備してまいります。
体制整備につきましては、業務執行を担う取締役の職務執行に対する監査を行うため、過半数を社外取締役で占める監査等委員会を取締役会の内部に設置いたします。また、リスク管理のための方針等を定めるとともに、業務執行部門が行うリスク管理の監視や事業活動に重大な影響を及ぼすリスクへの対応等を行うため、社内にリスク管理委員会を設置いたします。さらに、コンプライアンスに関する施策と計画の策定、進捗管理など、コンプライアンス強化のための取り組みを推進するコンプライアンス推進委員会を社内に設置いたします。
規定整備につきましては、都民を初め、さまざまな関係者であるステークホルダーの立場を踏まえ、新団体として守るべき行動規範を示した方針となる企業統治に関する基本方針を策定いたします。また、業務の適正を確保するため、社内で適用されるルールや業務プロセスを整備、運用するための方針となる内部統制に関する基本方針を策定いたします。さらに、法令遵守や、よりよい業務執行についての意識のあり方、行動等を示した方針となるコンプライアンスに関する基本方針を策定いたします。
三ページをごらんください。続きまして、イ、人材育成の強化でございます。
東京水道グループに求められる人材像を強く意識し、固有社員のモチベーションや業務遂行能力を高めるため、計画的に新団体の人材を育成してまいります。
具体的には、統合に合わせまして、職層別の到達目標を明確にした人材育成方針を策定し、キャリアプランを明示するとともに、それぞれのキャリアプランに応じた配置管理を徹底してまいります。また、水道局との人材交流や共同研修の拡充などを通じまして、技術力の着実な継承を図ってまいります。さらに、管理職への積極的な登用や中途採用の通年実施などにより、社員構成の適正化を図り、固有社員を中心に自立した団体経営を行ってまいります。
続きまして、ウ、受託業務の効果的な実施でございます。
都の広域水道としての一体性と責任を確保するとともに、政策連携団体として水道局と協働して水道事業を運営するため、今後一層、基幹的業務の新団体への業務移転を推進してまいります。
具体的には、統合に合わせまして、営業系業務は今後十年、浄水場、給水所等の技術系業務は今後二十年を目途に、業務移転を進めてまいります。さらに、令和六年度を目途に、技術系業務と営業系業務を合わせ、新団体の創意工夫と責任のもとで行う新たな包括委託をモデル的に導入してまいります。
続きまして、エ、業務運営体制の見直しでございます。
統合による事業規模の拡大に応じまして、役員体制や間接部門の見直しなど、効率的な業務運営体制を構築してまいります。
具体的には、統合に合わせまして、役員総数を削減しますとともに、間接部門のスリム化や情報システム等の運用の見直しなどを行ってまいります。さらに、今後の事業環境の変化に応じまして、役員構成などを適宜見直していくほか、新団体の本社機能の集約や定型的なデスクワークを自動化するRPAや、物をインターネットにつないで認知や操作ができるようになるIoTなどのICT技術の積極的な導入により、さらなる業務効率の向上を図ってまいります。
四ページをお開き願います。次に、(2)、水道事業の新たなサービス展開につきましてご説明申し上げます。
新たな団体は、首都東京の水道システムを最前線で支え、お客様に質の高いサービスを提供するとともに、国内外の水道事業体の事業運営に対し、総合的な事業運営のノウハウを活用して積極的に貢献してまいります。
初めに、ア、お客様サービスの向上でございます。
新団体は、水道事業を包括的に担う政策連携団体として、新たなお客様サービスを積極的に導入しまして、お客様満足度の向上に取り組んでまいります。
具体的には、統合に合わせまして、お客様センターにおいて、これまで関係部署に取り次いできました漏水、断水、工事関係などの技術的な問い合わせにつきまして、一元的に対応してまいります。また、統合による体制強化を踏まえまして、災害発生時には、参集状況等に応じて、事務系と技術系の社員を社内で柔軟に配置することで、応急給水業務や被害調査等の応急対策業務への対応力、これを向上させてまいります。さらに、今後はICT技術を活用し、水道料金をインターネット経由でご請求するとともに、キャッシュレスによるお支払いを拡大していくなど、お客様サービスのさらなる向上に取り組んでまいります。
続きまして、イ、国内外の水道事業体への積極的な貢献でございます。
新団体は、東京水道で培った豊富な経験で、国内外の水道事業体の経営基盤強化を支援し、持続可能な水道事業運営に貢献することを通じまして、団体経営の自主性を向上させてまいります。
具体的には、統合に合わせまして、新団体が持つ民間ならではの柔軟性を生かして、他の民間事業者との連携による技術開発を推進してまいります。また、引き続き、漏水発見器や料金徴収システム等の既存資源を活用して、ニーズに応じた国内外水道事業体への貢献を行ってまいります。さらに、技術系業務と営業系業務のノウハウを持つ強みを生かして、全国の水道事業体が、水道法改正を踏まえて今後取り組む広域連携や官民連携に対する支援を積極的に行ってまいります。
五ページをごらんください。次に、今後の予定でありますが、項番3、団体統合までのスケジュールにつきましてご説明申し上げます。
統合時期につきましては、令和元年度中に統合に必要な手続を整え、新団体における業務を令和二年四月一日に開始する予定としております。そのため、現在、水道局、東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCで構成する統合準備委員会において、統合後の新団体の労働条件や執行体制などについて検討しております。また、業務開始に向けて、労使協議や社外取締役の人選などについても実施してまいります。
統合の手続といたしましては、令和二年一月に両団体において合併契約締結のための取締役会を開催するとともに、同年三月には両団体で臨時の株主総会を招集し、合併の承認に関する議案を提案する予定でございます。
次のページには、統合する政策連携団体二団体の概要をお示ししております。後ほどご参照いただければと存じます。
ご説明は以上になります。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○伊藤委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
以上で水道局関係を終わります。
○伊藤委員長 これより交通局関係に入ります。
初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、交通局長から紹介があります。
○土渕交通局長 去る九月二十六日の当委員会を欠席させていただきました幹部職員をご紹介させていただきます。
建設工務部長の谷本俊哉でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者挨拶〕
○伊藤委員長 紹介は終わりました。
○伊藤委員長 次に、交通局長から発言の申し出がありますので、これを許します。
○土渕交通局長 交通局では、今回の台風十九号の際、都営地下鉄、日暮里・舎人ライナー、東京さくらトラム--都電荒川線ですが--に加えまして、今回が初めてとなった都営バスにおきましても、計画運休を実施いたしました。
お客様への情報提供を適時的確に行ったことで、大きな混乱は発生いたしませんでした。
次に、被害状況ですが、自動車事業におきましては、船堀駅前バス停留所上屋が倒壊いたしましたが、おけがをされた方はなく、既に撤去を終えております。
また、青梅市内のバス路線につきましては、道路の土砂崩れにより一部の区間が運休しており、復旧までには相当の時間がかかるものと見込まれます。
電気事業におきましては、白丸調整池ダムの巡視路が土砂の流入により通行どめとなっておりまして、現在、復旧に向け、被害状況等の調査をしております。
台風への備えをより充実し、災害に強い都営交通の実現のため、今回の対応について検証してまいります。
以上でございます。
○伊藤委員長 発言は終わりました。
○伊藤委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○根木総務部長 過日の委員会で要求のございました資料をお手元の公営企業委員会要求資料として取りまとめましたので、その概要についてご説明申し上げます。
三枚おめくりいただき、一ページをお開きいただきたいと存じます。廃止、短縮、新設、延伸した都営バス路線でございます。
廃止、新設した路線につきましては当該運行区間を、短縮、延伸した路線につきましては、新旧で比較してそれぞれ過去五年間分を記載してございます。
次に、一枚おめくりいただきまして、資料が両面印刷になっておりますので、上のページ、二ページをごらんいただきたいと存じます。都営バス停留所における上屋、ベンチの設置状況でございます。
総停留所数と上屋、ベンチを設置しております停留所数を記載してございます。
次に、下のページ、三ページをごらんいただきたいと存じます。都営地下鉄におけるホームドア設置状況及び転落件数でございます。
ホームドアにつきましては設置路線及び設置率を、転落件数につきましては路線別に過去五年間分を記載してございます。
一枚おめくりいただき、四ページをごらんください。都営地下鉄におけるホーム端の点状ブロックの内方線の整備状況でございます。
点状ブロックの内方線を設置しております浅草線につきまして、設置駅数と交通局が管理する駅数を記載してございます。
次に、下の五ページですが、都営地下鉄においてホームから地上までのエレベーターによるバリアフリールートが複数ある駅でございます。
都営地下鉄において該当いたします駅数及び駅名を路線別に記載してございます。
一枚おめくりいただき、六ページをごらんください。都営地下鉄における誰でもトイレへの大型ベッドの設置状況でございます。
誰でもトイレへの大型ベッドの設置駅数及び設置箇所数を記載してございます。
次に、七ページですが、エレベーターのない出入り口へのインターホンの設置状況でございます。
該当のインターホンの設置箇所を記載してございます。
一枚おめくりいただき、八ページをごらんください。都営交通の車両、ホーム、駅窓口等への磁気ループの設置状況でございます。
磁気ループの設置状況につきまして記載してございます。
次に、九ページですが、都営バスの交通事故発生件数でございます。
交通事故件数につきまして、過去五年間分を記載してございます。
一枚おめくりいただき、一〇ページをごらんください。東京二〇二〇大会の交通混雑、渋滞への都営交通の対応と検討状況でございます。
都営地下鉄と都営バスにおける対応と検討状況について、それぞれ記載してございます。
次に、一一ページですが、ToKoPoの事業開始以降の実績と利用状況でございます。
年度別の会員数、付与ポイント及び変換ポイントにつきまして記載してございます。
一枚おめくりいただき、一二ページをごらんください。広告料収入の実績でございます。
媒体種類別の広告料収入につきまして、過去五年間分を記載してございます。
次に、一三ページですが、交通局お忘れ物センターで取り扱った遺失物の件数でございます。
遺失物の取扱件数と返還件数につきまして、過去五年間分を記載してございます。
一枚おめくりいただき、一四ページをごらんください。都営地下鉄におけるバリアフリー化及びホームドアの整備進捗状況でございます。
バリアフリー整備進捗状況につきましては乗りかえ駅等でのエレベーター整備実績とトイレの改修実績を、ホームドアの整備進捗状況につきましては路線別の整備駅数をそれぞれ記載してございます。
次に、一五ページですが、都営地下鉄における痴漢等犯罪行為の対応件数、防犯カメラ映像の警察への提供件数及び警察との連携実績でございます。
痴漢等犯罪行為の対応件数、映像の警察への提供件数及び警察との合同訓練の件数につきまして、過去三年間分を記載してございます。
一枚おめくりいただき、一六ページをごらんください。都営地下鉄における帰宅困難者用備蓄品でございます。
帰宅困難者用備蓄品につきまして、品目と数量を記載してございます。
次に、一七ページですが、深夜バスの利用状況でございます。
当局が運行する深夜バス路線につきまして、既に運行を終了した路線も含め、系統番号、運行期間、運行区間及び過去五年間分の一日当たり乗車人員を年度別に記載してございます。
一枚おめくりいただき、一八ページをごらんください。さまざまなニーズに対応したバス路線の利用状況でございます。
当局が運行するさまざまなニーズに対応したバス路線につきまして、系統番号、運行期間、運行区間及び過去五年間分の一日当たり乗車人員を年度別に記載してございます。
次に、一九ページですが、都での使用期間を終了したバス車両の再利用についてでございます。
使用を終了したバス車両の売却方法及び売却先実績につきまして記載してございます。
一枚おめくりいただき、二〇ページをごらんください。電気事業における事業者公募から東京電力との解決金を含め新電力への売却の成果でございます。
東京電力株式会社との随意契約締結時から平成三十年度までの経常利益等と売電単価につきまして、年度別に記載してございます。
次に、二一ページですが、はとバスへの委託状況でございます。
都営バスにおける管理の委託の状況につきまして、委託支所別に、路線数、車両数を記載してございます。
一枚おめくりいただき、二二ページをごらんください。サービス介助士の資格取得状況事業別推移でございます。
サービス介助士の資格取得状況につきまして、事業別に過去三年間分を記載してございます。
次に、二三ページですが、お客様の声の件数と主な内容でございます。
当局事業に関してお客様からいただきましたご意見等につきまして、件数と主な内容を記載してございます。
一枚おめくりいただき、二四ページをごらんください。不動産貸付の収支でございます。
当局が所有する土地及び建物の貸し付けにつきまして、収入と支出それぞれ過去五年間分を記載してございます。
次に、二五ページですが、職員の自殺の状況と月八十時間を超える超過勤務実績でございます。
職員の自殺者数及び月に八十時間を超えて超過勤務を行った職員の延べ人数につきまして、過去五年間分を記載してございます。
一枚おめくりいただき、二六ページをごらんください。契約締結に係る入札参加条件及び辞退理由でございます。
平成二十五年から令和元年第三回定例会までの間に、公営企業委員会にてご報告いたしました契約案件のうち、入札参加条件を付した案件を二六ページ以降に記載してございます。また、六五ページ以降に、辞退者の発生した案件について記載してございます。
次に、七一ページをお開きいただきたいと存じます。監理団体及び報告団体の職員構成でございます。
職員構成につきまして、都派遣職員、固有職員及び都退職者別に過去五年間分を記載してございます。
一枚おめくりいただき、七二ページをごらんください。交通局所管施設における労働組合事務室の場所、面積、賃料及び光熱水費等徴収一覧でございます。
当局所管施設におけます労働組合事務室の場所、面積並びに賃料及び光熱水費等の徴収実績につきまして記載してございます。
最後に、七三ページですが、交通局所管施設における労働組合事務室の面積と労働組合数でございます。
当局所管施設におけます労働組合事務室の面積と労働組合数につきまして、過去五年間分を記載してございます。
以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○伊藤委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○平委員 まず冒頭、先日、日本各地で起こりました台風十九号で被災をされた皆様へお見舞いを申し上げます。
板橋を走行する都営三田線に関する質疑を行わせていただきます。
都営交通では、トンネルなど地下構造物の長寿命化を図り、計画的に補修を進め、今年度には、浅草線、三田線でトンネルの止水対策が完了予定と聞いております。
また、車両更新に合わせ、進化する最新技術を車両に用いるなど、安定的な輸送を支える基盤整備として、施設の適切な維持管理と計画的な更新を行っていることを高く評価いたします。
板橋を走る三田線は、昭和四十三年に開業し、ことしで運行五十一年目を迎えます。現在の六三〇〇形車両は二期目で、一九九三年から営業運転を開始、二十六年目を迎え、六五〇〇形の導入が決まっております。
そこで、三田線に導入される新車の特徴をお伺いさせていただきます。
○奥津車両電気部長 三田線の現在の車両は平成五年度から使用しており、今回の車両更新に合わせ、輸送力を増強するため、六両編成から八両編成化することといたしております。
新車の特徴でございますが、ユニバーサルデザインの考え方を充実、深化させた人に優しい車両というコンセプトで設計を進めておりまして、各車両への車椅子スペースやフリースペースの設置、低いつり手や荷棚の採用、優先席への縦手すりの追加、多言語対応の車内液晶モニターによるわかりやすい案内表示などを行うこととしております。
また、一人当たりの座席の幅を広げることによりまして、快適性の向上を図るとともに、乗降口両脇のスペースを広くとることによりまして、車両への乗りおりがよりスムーズになるように配慮いたしております。
○平委員 ユニバーサルデザインの考え方を取り入れた人に優しい車両ということです。大変いいと思います。
三田線は、一日平均約六十五万八千人が利用されており、朝の最混雑時間における混雑率は一五八%とも伺っております。沿線地域の開発も進み、相互直通運転を行う東急目黒線の利用者増加、二〇二二年度には神奈川県の海老名方面から相模鉄道と東急電鉄との直通運転が予定されていることから、より激化する混雑が想定をされます。
三田線については、乗車人員の増加を踏まえ、輸送力の増強を図り、二〇二二年度から、一部編成を六両から八両編成化としますが、混雑緩和の効果についてお伺いをいたします。
○奥津車両電気部長 現在の六両編成の一編成当たりの定員は八百六十二人でありまして、今回の八両編成化により、約三割ふえ、計算上では約千百人となり、輸送力が大きく増強することから、混雑緩和にも寄与するものと考えております。
○平委員 ありがとうございます。
三田線が八両編成になることから、ホームドアの八両化対応についてもお伺いをいたします。
ホームドアは、利用者の転落や列車との接触等の事故を防止するため、都営地下鉄では、全線全駅でのホームドア整備を進めていると伺っております。
三田線において更新されるホームドアの安全対策上の特徴と更新工事期間中の安全対策について伺います。
○奥津車両電気部長 今回更新されますホームドアは、開口幅や高さ等の基本的な構造については、従来と同様、安全に配慮した構造を持つホームドアを採用いたしております。
更新に当たりましては、LED表示により列車接近等の注意を促す機能や、乗車時に足元を確認しやすくなるよう、開閉するドアの部分にガラス窓を組み込むほか、現在は、ホームの柱等に設置している列車非常停止ボタンをホームドア本体に組み込み、非常時におけるお客様の操作性を向上させるなど、お客様の安全・安心につながる改良を行っております。
工事期間中の安全対策につきましては、警備員を配置するとともに、ホームドアの撤去に合わせて固定柵を設置するなど、ホームの安全対策に万全を期してまいります。
○平委員 ありがとうございます。ただいまの答弁で、工事期間中の安全対策は警備員の配置という言葉がございました。
私、先日、三田線の高島平駅を利用した際に、板橋区役所前から乗って高島平駅でおりたんですけれども、そのときに何人か、四名ぐらいですかね、警備員の方が立っていて、ああ、三田線もJRのように、朝の混雑には人を配置して、電車の中に皆さんを誘導するような形になったんだなと思って、交通局の方に伺ったら、ホームドアの安全対策のために立たせているというふうに伺いまして、大変すばらしいことだなというふうに思いました。ホームドア設置に向けて、今後も、ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。
続きまして、都営地下鉄における広告収入拡大に向けた取り組みについて伺います。
都営地下鉄の浅草線、三田線、新宿線、大江戸線、四つの路線を合わせた一日の乗車数は約二百七十五万人、多くの方が利用されていることから、広告の効果が見込めます。都営地下鉄に乗車していると、車内の広告スペースには、あいている枠が目立つと感じることがありました。
あいているスペースについての対策の取り組み、また、広告料の収益向上にどのように取り組んでいるのか、お伺いをいたします。
○広瀬資産運用部長 広告事業におきましては、インターネット広告の需要増加等によりまして、交通広告、とりわけ地下鉄車内の中づりポスターや窓上ポスターなど、紙媒体の販売が厳しい状況にございます。
こうした中、減少傾向にあった紙媒体につきましては、広告代理店の意見を踏まえまして、一枚分の申し込みで車内に二カ所に掲出できるなどの販売促進キャンペーンを実施するとともに、民間鉄道事業者と連携した中づりポスターや窓上ポスターの共同販売を実施しております。
このほか、空き枠を活用して、都営交通のイメージアップポスター、PROJECT TOEIの掲出ですとか、被災地支援ポスターなど、都の施策に関連するポスターの掲出協力などを行っております。
今後は、さらにこうした取り組みを進めるとともに、都営交通広告の価値を積極的にPRするなど、新たな販路開拓に努め、広告料収入の拡大を図ってまいります。
○平委員 今後はさらに進めるということでございます。頑張ってください。
広告料の収入をさらに上げるには、紙媒体でないビジョンを用いたデジタルの広告化も必要と考えます。
そこで、都営地下鉄におけるデジタルサイネージ拡大の取り組みについて、お伺いをいたします。
○広瀬資産運用部長 現在、都営地下鉄の車両におきましては、車内液晶モニターを、浅草線、新宿線、大江戸線の三路線で合わせて三十八編成に設置しております。
今後、三田線の九編成を初め、車両更新に合わせて設置を進め、令和三年度までに、四路線で全編成の約五割に拡大する予定でございます。
また、駅のデジタルサイネージにつきましては、六本木、新橋、汐留の三駅に設置しておりますが、さらに、日比谷駅においては、大規模改修に合わせて設置の検討を進めております。
広告のデジタル化が進んでいる中、都営地下鉄におきましても、車両更新や駅の大規模改修等に合わせまして、広告代理店とも連携して新たな広告の開拓を進めるなど、拡大に取り組んでまいります。
○平委員 広告のデジタル化には多額の費用を投じることになります。委託する広告代理店と連携をとり、費用対効果も意識をして、広告の契約件数の増加を図っていただきたいと思います。
続きまして、都営バスの二人乗りベビーカーへの対応についてお伺いをいたします。
都内における双子の分娩件数は千百六十件、割合でいうと一%です。一%にも光を当てる、そして子育て、多胎児支援は、都庁各局横断的に進めるべき重要事項だというふうに思います。
昨日、産経新聞が報じたバス、電車乗れない、双子以上の家庭九割が外出に悩みという記事がありました。内容を抜粋して読みます。
双子を乗せたベビーカーではバスも電車も乗れない、双子以上の多くの子供を授かった家庭の約九割が育児中につらいと感じた場面として、外出、移動の困難、特に双子用の大型ベビーカーを使った交通機関での悩みが多く、目的地がエレベーターのない駅だったので、駅から出られなくて帰宅した、事故防止のためなどといわれ、バスで乗車拒否をされたとの意見があったと記されております。
都営バスにおける二人乗りベビーカーへの対応を伺います。
○牧野自動車部長 都営バスでは、二人乗りのベビーカーに限らず、ベビーカーにお子様を乗せたまま乗車する際は、急ブレーキなどに備えて、ベビーカーの車輪にストッパーをかけた上で、車内中ほどの座席に備えつけた補助ベルトで進行方向後ろ向きに固定させていただくとともに、保護者の方にしっかりと支えていただくようお願いしております。
また、車内が混雑していないときは、折り畳まずにそのままご乗車いただいている場合もございますが、車内が混雑しているときや通路や出入り口を塞ぐような二人乗りなどの大型のベビーカーにつきましては、折り畳んでのご乗車をお願いしております。
なお、現在のベビーカーの取り扱いは、公共交通機関の車内において、ベビーカーの転倒事故や周囲のお客様とのトラブルなどが多発したことから、子育て等関連団体、国及び交通事業者などで構成される公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会が設置され、同協議会が平成二十六年三月に取りまとめた内容に準拠するものであり、他のバス会社も、二人乗りベビーカーも含め、おおむね同様に対応していると聞いております。
○平委員 折り畳んでのご乗車をお願いしているとのことですが、お母さん、お父さんが一人で、双子が乗っているベビーカーを折り畳むのは非常に難しいと思います。
同じ年の子供を同時に育てるというのは、かわいさから大きな幸せや喜びも感じると思いますが、とてつもない神経とエネルギーを費やして、自分の時間がとれない、睡眠不足や体調を崩すこともあると思います。
そんな中、外に出かけるということはリフレッシュにつながる。移動手段である都バスには、現在、双子用のベビーカーは畳まないと乗れない--これは先ほども述べましたが、一人だと大変な作業です。公共交通機関として、多胎児の乗車、移動に理解を示す環境の構築が必要だと思います。
国交省を初めとする行政機関、交通事業者の実務者で構成される公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会取りまとめ、また、旅客自動車運送事業運輸規則にシングルベビーカー、ダブルベビーカーを折り畳まないと乗れないという記述はありませんでした。
これらを踏まえ、公共交通機関として多様なニーズに応えるためにも、二人乗りベビーカーが都バスで乗車できるようにご対応をいただきたいと思いますが、見解を伺います。
○牧野自動車部長 今回、局におきましても、折り畳まずに乗車可能な二人乗りベビーカーの形状やサイズ、車椅子スペースの座席をはね上げた状態で横並びの二人乗りベビーカーを置いた際の通路の状況、過去における車内でのベビーカーに関する事故、車内車椅子利用者や高齢者との関係など、さまざまな角度から議論を行ったところでございます。
一方、バス車内のスペースが限られている中、二人乗りベビーカーを折り畳まずに乗車できることとする取り扱いに関しましては、現在のベビーカーの取り扱いと同様に、お客様への対応をわかりやすくするため、バス事業者全体で足並みをそろえて対応する必要がございます。
今後、二人乗りベビーカーを折り畳んで利用するのは大変であるというお客様の声につきましても、国土交通省や東京バス協会にお届けした上で、その取り扱いにつきましては、関係者に議論を促してまいります。
○平委員 ありがとうございます。
都営バスは、人に優しい都営バスをテーマにしておられます。多胎児を育てるお母さん、お父さん側の気持ちにも寄り添って、二人乗りベビーカーを折り畳まずに都バスに乗車できる環境整備に向け、本気で取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○長橋委員 私からも質疑をさせていただきます。
まずは冒頭、台風十九号、交通局の対応、お話がございました。大災害時の対応については、やっぱり利用者の安全対策が最も重要でありますので、引き続きしっかりと検証をしていただきたいと思います。
私も都民の目線に立って、また利用者の立場に立って、交通局の主な事業について何点か質疑をさせていただきたいと思います。
交通局では、都民の皆さんからご意見とかご要望、場合によっては苦情も受けている、そういうことを聞いておりますので、まず、その各事業別にそれぞれ取りまとめられているようでありますけれども、その内容、またその件数について、近年の件数、いかがでしょうか、教えてください。
○根木総務部長 お客様の声の件数についてでございますが、平成二十八年度は年間約一万八千件、平成二十九年度は約一万九千件、平成三十年度は約二万二千件でございました。
主な内容といたしましては、遅延やダイヤの改善など輸送に関するもの、空調や騒音など車両に関するもの、迷惑行為などマナーに関するものなどでございます。
○長橋委員 毎年、若干ふえていますけれども、二万件ぐらい苦情があると。私もホームページを見ましたら、苦情とか要望に対してちゃんとお答えもしている、こういう対応をしておりましたので、それはなかなかすばらしいことだなと思いました。
特に、私の方にも、もちろん都営交通に対してさまざまなご意見があるんですけれども、きょうは、都バスの上屋とベンチ、これをぜひ設置してもらいたいと、こういう声が私のところにもよく来ておりまして、それに対して、交通局にここがどうなんだろうかということも具体的にお願いをしたことがありますけれども、そうした中で、交通局は過去、答弁で、できる限り多くの停留所に上屋、ベンチを設置していくと、こういうことで、なるべく多く設置したいと、こういっております。
先ほどの要求資料を見ると、大体上屋が全体の四割ぐらいついている、それからベンチの設置率は大体三割弱ぐらいということで、地方に比べたら相当、上屋、ベンチ、ついているのではなかろうかと思うわけでありますけれども、それでもまだついていないところが多いわけでありますから、そこで、改めて、上屋、ベンチの設置基準についてお伺いしたいと思います。
○坂田バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、お客様がバスをお待ちいただく際の快適性を向上させるため、停留所への上屋やベンチの設置に取り組んでおります。
上屋とベンチが設置できる前提として、歩道の幅員等が道路占用許可基準を満たす必要があるほか、警察の許可や停留所付近の地権者等の同意が得られることが挙げられます。その上で、利用者数や福祉施設及び病院等の有無も考慮して、整備箇所を選定しております。
こうした条件を満たす場合におきましても、街路樹や街路灯によりまして、設置スペースが確保できなかったり、地下埋設物があって、上屋やベンチの基礎が構築できないなど、整備が進められない箇所も多くございます。
○長橋委員 そのとおりでありまして、私も、ぜひ停留所に上屋をつけてもらいたいとかいうと、地先の理解もなかなか得られない場合もあったりして、地下埋設物も大丈夫だ、道路幅も問題ないのに、地先がなかなかご理解いただけないという場合も、私もありました。そうした中で、だんだんと高齢社会を迎えて、停留所の環境整備というのは大変重要だろうと思っているわけであります。
そうした中で、交通局では、上屋の設置、これ民間事業者に募集をして行っていると聞いておりますけれども、民間事業者に対して行っているその成果、また目標も含めてお尋ねをしたいと思います。
○坂田バス事業経営改善担当部長 交通局では、平成十九年度から広告つき上屋の整備を進めておりまして、平成二十八年度からは、上屋の整備を加速するため、事業協力者を選定して、広告つき上屋を整備しております。
事業協力者は、令和四年度までに四百棟を整備することを目標としておりまして、今年度末までに百四十一棟の整備を見込んでおります。
○長橋委員 令和四年度までに四百棟を整備すると。そして、今年度は百四十一棟まで整備を進めた、こういうことでありまして、お伺いすると、最初は民間事業者の方々もなかなか手を挙げなかったようでありますけれども、最近は、この広告をつけるという効果を考えて加速をしているようであります。
一方で、都としても設置をしているやに聞いておりますけれども、都としてはどういうふうに設置をしているんでしょうか、伺います。
○坂田バス事業経営改善担当部長 交通局では、直営での広告つき上屋の整備を平成十九年度から進めてまいりましたが、経営計画二〇一九では、毎年二十棟の広告つき上屋を増設いたしまして、令和三年度までに百九十棟整備することを目標としております。
今年度末までに百三十棟の整備を見込んでございます。
○長橋委員 そうすると、民間事業者が令和四年度までに四百棟、都の方は目標が百九十棟ということで、ある面では民間事業者の方が、この上屋設置に向けて取り組みを加速させていると、このように思うわけでありまして、これはやはり民間活力を活用するという意味ではいいことだと思いますから、ぜひ、さらにそうした条件を、これから聞きますけれども、さまざま民間がつけやすいようにしていただきたいと思うわけであります。
一方で、先ほど設置基準は聞きましたけれども、上屋の長さだとか、場合によっては支柱の本数、大体二本が多かったり、大きいところは三本、四本とある場合もあるんでしょうけれども、支柱の本数だったりするのが、どうした基準かというと、東京バス協会のガイドラインで定められているというふうに聞いたのであります。
それは、いつそのガイドラインが定められて、また、その内容について、ちょっと教えていただきたいと思います。
○坂田バス事業経営改善担当部長 今お話しの広告付きバス停留所上屋仕様・デザインガイドラインでございますが、こちらは、都内のバス事業者から成る協議会が、屋外広告物条例を踏まえまして平成二十一年一月に定めたものでございます。
このガイドラインは、良好な景観を保持、発展させるとともに、利用者等の利便性の向上を図るため、都内に設置する広告つき上屋のデザインや設置に関する要件を定めております。
○長橋委員 いわゆる平成二十一年からこのガイドラインが定められたということでありますから、ちょうど十年前になるわけでありまして、そうした中で、バス事業者となる都がさまざまな工夫を重ねて、都民、また利用者の利便性を図ってきたことはよく理解をしているわけでありますけれども、そうした中で、この委員会でも以前にも質疑をいたしましたけれども、バス協会と交通局とで、この上屋の仕様、どんな形にするかとか、さっきいった支柱の本数も含めて検討していくと聞いています。
その検討状況、去年もこの委員会で聞かれたと思うんですけれども、どういう検討が今されているのか、お伺いをいたします。
○坂田バス事業経営改善担当部長 お話のようなさまざまなタイプの広告つき上屋を新たに導入するためには、上屋として必要な機能を有する必要があるとともに、その仕様をデザインガイドラインにあらかじめ定めておく必要がございます。
このため、現在、東京バス協会のほか、道路管理者などの関係機関に対して意見を求めているところでございます。
○長橋委員 引き続き検討しているということであろうかと思うわけでありますけれども、冒頭申し上げたとおり、交通局ができる限り多くの停留所に上屋を設置していきたいと、ベンチを設置していきたい、こういう姿勢でいるわけでありまして、今、このガイドラインについて説明がありましたし、引き続き検討しているということでありますけれども、ぜひ来年、オリンピック二〇二〇大会、東京大会があるわけであります。
そうした中で、世界中の方がいらっしゃる、そういう中で、東京はどこよりも、どこの国よりも交通網が発達している。バスに乗っても、しっかりと時間どおりにもちろん来るし、さまざまな経路があるわけでありますから、そうした意味では、私が今まで聞いてきたのは、道路の幅が狭いので上屋はつきませんと、埋設物があるのでできませんと、これが一番大きな支障だったわけであります。例えば、支柱の本数が二本だと、なかなか地下埋設物の制限というのは出てくるんだろうと思うんですけれども、一本であれば、かなり緩和されるといいますか、つけやすくなる。
今手元にありませんけれども、実際に一本の支柱で上屋をつくっているところもあると見せてもらいましたけれども、そう考えると、お客様の利便性を図る意味では、その機能というのは重要でありますけれども、一本しかつけられないところでも、つけたことによって、その利便性は高まるんだろうと思います。
ぜひそうした取り組みを、来年二〇二〇大会があるわけでありますから、モデルをぜひ世界の皆さんに、東京のバスはここまで都民、そして利用者の方に配慮しているんだということを見せる意味でも、やったらどうですか。いかがですか。
○坂田バス事業経営改善担当部長 新たなタイプの上屋をガイドラインに追加するためには、上屋として必要な機能を備えていることに加えまして、都市景観の向上に資する統一感のあるデザインや必要な強度を確保するなどの条件を満たす必要があることから、引き続き東京バス協会とともに検討を進めてまいります。
今後とも、民間活力も活用しながら上屋の整備を促進し、お客様の利便性、快適性の向上に努めてまいります。
○長橋委員 それはよくわかっているわけで、私がいったのは、ぜひ来年の二〇二〇大会、そうしたことも取り組みの方向として、このモデルをやったらどうかというふうにお伺いしたんですけれども、ご答弁なかったので、局長に聞こうと思いましたけれども、これは改めて検討していただきたいと思います。ぜひ、そうしたことをやることによって利便性は高まってくるんだと思いますし、また話題にもなるわけでありますし、取り組みを前向きに、前向きに検討していただきたいと思います。
次に、都電の荒川線について伺いたいと思います。
都営交通の原点は荒川線だと、私も、荒川線を子供のときから、今も利用しておりますけれども、利用してきましたし、昔は電気局ということで、まさに交通局の一番の土台であったわけであります。昔は四十一系統あったそうでありますけれども、今は東京で唯一残るこの一系統、早稲田から三ノ輪橋まであるのがあるわけでありまして、そうした意味では、この荒川線について、東京で唯一残る路面電車、ぜひとも、この路面電車を多くの方々に利用していただく、さらには、その利用価値を、また魅力を高めていくことが必要だということを、私もこの委員会でも、本会議でもやりましたよ、緑のネットワークをぜひしていくべきだと質問をさせていただきました。
この緑のネットワーク化、私の地元、大塚から向原の間、都電の沿線協議会というのがありまして、そこがバラを植えています。以前、それで国土交通大臣表彰も受けた。皆さんも見たと思いますしね。
まさにそうしたことで、交通局でも、こうした地元の方がボランティアで応援しているんだから、交通局も応援したらどうかという話をしたら、一番地元が困っていたのは、バラを植えるのに水やり栓がない、水栓がないというんで、交通局がつけてくれたんですよ。本来、交通局の仕事に水道栓をつけることはないんだと思うんですけれども、それは東京全体で取り組んでいただいたという結果だと思いますから、これについては今でも非常に喜ばれているわけでありますし、その活動は年々活発にもなってきているわけであります。
そういう意味では、この都電を単なる交通機関として捉えるだけではなくて、観光拠点にもなると。それからまた、大会後の東京のレガシーに、交通局の原点なんですから、ぜひ都電を東京オリンピックのレガシーにもしていくべきだと私は思っているわけであります。
既に国内でも、私も見に行きましたし、鹿児島でやっていますよね。もう交通局も見に行ったやに聞いておりますし、また海外でも、フランスなどではもちろん実施をされているわけであります。
まさに、軌道内緑化をすると、単なる景観の向上だけではなくて、いわゆるヒートアイランド対策または騒音対策にも資していくということになるわけでありまして、そこで、まず最初に、この軌道内緑化実証実験をしていると、このように聞いておりますけれども、その内容と課題についてお伺いをいたします。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 交通局では、潤いのある都市空間の創出に寄与するため、東京さくらトラム、都電荒川線において、軌道を緑化するための実験を行ってまいりました。
その結果、土がない軌道敷においても育成可能な品種の選定や散水等の維持管理などが課題であることが明らかとなりました。
平成三十年からは大学と連携し、乾燥に強い品種や保水性を有する器材を複数組み合わせて実験に取り組んでおり、日照等の環境条件による育成状況や維持管理に係るコスト等について比較検討を行っております。
○長橋委員 維持管理に係るコスト、これはもうずっと検討しているというご答弁でありましたけれども、確かに都電の軌道の中に緑、これを置いていくというのは、課題はあるのはよくわかりますけれども、交通局だけではなくて、東京全体で取り組んでいくべきだというのは私の思いでありますので、ぜひ、そうしたことを含めて考えていただければと思うんです。
その中で、この実証実験をやってきた結果、今検討しているということなんですけれども、その結果と今後の取り組みはどのように考えているのか伺います。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今回の実験で用いている乾燥に強い品種や保水性を有する器材を採用した場合、車両の排熱や油の影響がなく、日照が確保された環境であれば、肥料を適切に与えるなど一定の維持管理を行うことによりまして、散水を行わなくても緑化を維持できる見通しでございます。
しかしながら、今回使用している器材は軌道の保守作業を行う際に支障となりまして、その都度、移設が必要となる等、コストの面などで課題もあることから、引き続き検討を進めてまいります。
○長橋委員 散水を行わなくても緑化を維持できる見通しが成ったということでありまして、鹿児島は散水車がありましたね。そういう意味では、鹿児島はまた鹿児島特有の事情があるわけでありますけれども、そうした課題も検討しているということでありますけれども、以前、この委員会、公営企業委員会で、私の先輩でもある方が、この軌道緑化について質疑をさせていただきました。
その際に、東京都から、補助八一号線の向原から東池袋四丁目において軌道緑化について協議をしていくと、こういうことで答弁があったわけでありますけれども、いつ本格実施するのか、これはぜひ、委員会で位置を定めていったわけでありますから、ご答弁いただきたいと思います。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 交通局ではこれまで、軌道緑化についてさまざまな実験を行ってまいりました。現在、保水性を有するセラミックス等の器材を用いて実験を行っておりますが、器材が軌道の保守作業を行う際に支障となり、その都度、移設が必要となるなどコスト面などで課題もあります。
軌道事業の財務状況が厳しい中、軌道緑化を本格実施するためには、このようなコスト面の課題を解決する必要がございまして、引き続き検討を進めてまいります。
なお、補助八一号線の整備に合わせて行う軌道緑化につきましては、都市整備局が取り組んでおりまして、現在、植生を選定するための検証実験を行っているところでございます。
○長橋委員 さっき、私の公明党の先輩がこの質疑をしたと。今も引き続き検討していると。いつまで検討しているんだということに私はなるわけであります。前回質問したのは平成二十三年ですよ。実にもう八年たっているわけであります。八年前も同じような答弁しているんですよ。まさに、この場所をいってですね、答弁いいますよ。
向原の停留場、都電雑司ヶ谷停留場間で予定をしていますと。軌道敷内の緑化について予定していますと。補助八一号線道路整備に合わせて、そのうち六百メートルの区間で協議を進めていますと、このように答弁しているわけです。今も全く同じ答弁なわけであります、今も。
その後、どういう答弁をしているかというと、同じ日に、この補助八一号線の向原停留場から都電雑司ヶ谷停留場において、その区間においてセンターポール化をしていく予定でありますと。あわせて、この区間において検討を進めている軌道敷内の緑化が実現いたしますと、より景観上好ましいものですと、このようにいって、私の先輩も--まさにこの都電の沿線、十二キロの間の中で、まさに道路事業、都市整備がやっているんですよ、道路事業と交通局が一緒になってやっているこの区間から緑化をする、実現していくって答えているわけです。局は、向原から雑司ヶ谷っていっていますけれども、向原から東池袋四丁目が都市整備、その先は建設局がやっている。同じ沿線でも局が違うんです。
ただ、都電は同じように通っているわけでありまして、そういう意味でいうと、今、都電の沿線で事業をしているこの向原から東池袋四丁目、緑化をずっともう十年近く議論しているわけでありますから、ぜひ交通局が音頭をとって、東京都には都市整備局もいるわけだし、一緒にやっているわけです、今。建設局もいるし、そうした専門家がいる中で、来年の二〇二〇大会、ぜひ都電の緑化を、十年前と同じ答弁ではなくて、ぜひここから進めるという思いを、まだ今事業中ですから、今すぐできるわけじゃないのはよくわかっていますから、この区間、都電の十二キロ、ずっと残るわけでありますから、ぜひ、その緑化について前向きな答弁がほしいですよ。局長、お願いします。
○土渕交通局長 東京さくらトラム、都電荒川線は、平成二十年以降は赤字基調となっており、大変厳しい状況にありますが、外国人旅行者も含めたさらなる旅客誘致や、一層の経費削減に取り組むなど、さまざまな観点から経営改善を図り、安定的な事業運営に努めております。
このような中、安全で乗り心地のよい路面電車を目指し、日夜、設備の適切な維持管理を徹底するとともに、車両の更新も行うなど、輸送サービスの充実につきましては、交通事業者として積極的に進めてまいりました。
今お話がありました軌道緑化並びにセンターポール化、この両面についてですけれども、環境負荷の低減や沿線の景観の向上に寄与するとともに、東京さくらトラムの魅力を高め、さらには沿線地域の活性化にも貢献するものと考えております。
センターポール化につきましては、都市整備局が行っている補助八一号線道路整備の中で、軌道の移設工事とあわせて行われる予定でございます。
一方、軌道緑化につきましては、軌道事業単独で本格的に実施していくためには、まだまだ課題が多いことも事実であります。
このため、大学と連携して実施している今回の実験の結果も踏まえ、庁内の各部局などの関係機関とも連携をいたしまして、課題解決に向けた努力をしてまいります。
今後とも、東京の発展に貢献していくとともに、公共交通機関として安定した経営に努めてまいります。
○長橋委員 局長答弁、急にいただきましたけれども、ぜひ--もう何回もいいますけれども、唯一残る路面電車、これを、東京の交通局の原点であるわけだし、レガシーとしていくべきだと。東京に来て、路面電車が走っている、そこが緑化されているということが大変大きな話題にもなるかと思うわけでありまして、今、力強い答弁とはいかなかったけれども、ぜひ頑張っていただきたいと思うわけでございます。
最後に、都営地下鉄、先ほど平委員からも質問がありました。板橋の皆さんじゃなくて、豊島も走っていますからね。三田線について話がありましたし、すばらしい質疑があったと思います。
そういう中で、この都営地下鉄のホームドア、いよいよあと残りは浅草線であります。ちょうど、都営地下鉄、発祥は浅草線ということでありますから、来年で六十周年を迎えるということでありまして、そういう中でいよいよ浅草線は、相互乗り入れが多いということであってホームドアの設置がおくれていた。だけれども、いよいよスタートするということでありまして、既にもう外国人が来年、多くの方がいらっしゃる、オリンピックがあって多くの方がいらっしゃる中で、羽田とか成田も直通運転が始まっているわけでありまして、そうした意味では、この都営地下鉄こそ、来年に向けて、二〇二〇大会に向けて、外国人対応をしっかりと行っていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、外国人旅行者の利便性の向上を図るため、案内サインの多言語化や、英語や中国語を話すことができるコンシェルジュの配置の拡大、さらに、全ての駅係員を対象とした実践的な英語研修など、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
東京二〇二〇大会に向けて、来年度は、コンシェルジュの配置を会場最寄り駅を含む合計三十駅まで拡大いたしますとともに、多言語による案内や乗車券の発売などを行いますツーリストインフォメーションセンターを、新たに新橋駅及び新宿西口駅にも開設する予定でございます。
また、八つの言語に対応した大型ディスプレーに表示された路線図や観光スポットなどから行き先を選択できる券売機を増設いたしまして、今年度中に全ての会場最寄り駅への設置を完了させます。
さらに、外国人旅行者向けに新たにデザインした優待特典つきのPASMOを本年九月から発売を開始いたしました。
こうした取り組みを着実に進めまして、東京二〇二〇大会に向け、外国人旅行者の受け入れ環境の充実を図ってまいります。
○長橋委員 ぜひ来年度に向けて、職員から英語研修を行っているということでありますので、頑張っていただきたいと思うわけであります。
次に、都営浅草線のホームドア、この状況について伺いたいと思っております。
ホームドアというのは、私、ホームドアの話を聞くと、一番最初に死亡事故が出たのが豊島区の、JRですけれども、駅だったわけでありまして、以来、公明党を挙げて、このホームドアの設置、なかなか鉄道事業者にホームドアつけろといっても進まなかったのを、さまざまな制度を含めて改善していった結果、今は本当にホームドアの設置が進んできたわけでありまして、いよいよ都営地下鉄にあっても、四線のうち浅草線がホームドアの設置に入っていくということでありまして、その中で、このホームドアの設置を進めていく中で、QRコードを活用してホームドアの設置を進めていくということで、QRコードって、私も言葉は知っていますけれども、それをどのように利用して、これをホームドアに活用していくのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○奥津車両電気部長 これまで交通局では、ホームドアの整備に当たりまして、車両のドアとホームドアとを連動して開閉させる装置を車両に装備するなどの改修を行ってまいりました。
浅草線は、複数の鉄道事業者による相互直通運転を実施しておりまして、従来の方式では、仕様などが大きく異なる各社の車両の改修に多くの経費と時間が必要となります。
このため、交通局は、車両の改修を行わず、車両ドアに張りつけたQRコードをホーム上のカメラで読み取ることによりまして、車両のドアとホームドアとの連動を可能とする新たな技術を民間企業と共同で開発いたしました。
この新技術の導入によるメリットといたしまして、車両の改修が不要となり、経費の縮減が見込めるとともに、早期のホームドア整備に寄与するものと考えております。
本技術については、その仕組みを広く公開しておりまして、既に京浜急行でも一部の駅で採用し、運用を開始しております。そのほか、複数の鉄道事業者も関心を示しているところでございます。
○長橋委員 大変すばらしい技術だと思います。これを広く広めて--車両が、このドアが四つのものと三つのものとあったり、場合によっては二つだけのもあるというように聞いていますけれども、そういうことが、車両を改造しなくてもできるというふうに聞いていますので、これは大変大きく費用もかからないということでありますので、進めていただきたいと思います。
それから、三田線の八両編成については、先ほど平委員から質問がありましたので、これの点については省きますけれども、混雑率が一五八%、西巣鴨から巣鴨の間であるということでありまして、私の地元の方も、何とか--もう身動きできないぐらいすごいときがあると、こういうふうに聞いておりますので、ぜひ車両六両から八両に広げることによって随分緩和できると思いますし、安全対策については聞きましたけれども、ぜひ一日も早くと、このように私も局の皆さんにいっていて、何とか早くならないのかと、こういったんですけれども、これまた安全対策の場合には、六両から八両にすると、ホームドア自体も全部整備し直すということになると、それだけの年数がかかるんですということでありますので、そうしますと、絶対おくれないようにしてもらいたいというのを強く要望しておきたいと思います。
最後に、三田線で六両から八両にすると、火災対策基準、これを変えなきゃいけない、こういうふうに聞いております。これは安全対策の意味でも大変重要でありますし、地下での火災というのは逃げ場を失う場合がありますし、また、避難路がどこにあるのかということをしっかりと周知しなきゃいけない。ただ車両をふやして、ホームドアをちゃんとつければいいというだけじゃないということが、私の今回の質疑でわかったわけでありまして、この火災対策、どういうふうに取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○坂口技術管理担当部長 三田線の八両編成化に当たっては、乗車人員がふえ、火災時に駅から外への避難に要する時間が増加することから、国が定めた火災対策基準に基づき、西巣鴨駅、白山駅など計六駅で排煙設備の増強、防火防煙シャッターの設置、避難経路の増設などの対策が必要となります。既にこの六駅全てで防災改良工事の設計が完了したところであり、今後速やかに工事発注の手続を進めてまいります。
引き続き、三田線八両編成化に向けまして、駅の改良工事を着実に実施してまいります。
○長橋委員 何よりも交通局の最大の重要事項といいますか、取り組みはやっぱり安全対策であります。ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、また、東京都は、今いった主要事業を含めて、来年の二〇二〇大会に向けて、ぜひ、この外国人の対応、安全対策、東京のすばらしさを、魅力を発揮できるのは、私は交通局だろうと、こう思うわけでありまして、さらなる取り組みをお願いいたしまして、質疑を終わりたいと思います。
○鈴木委員 私からも、冒頭、この東日本を中心に猛威を振るいました台風十九号においてお亡くなりになりました方々に心からご冥福を申し上げますとともに、全ての被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
各地で、本当に河川の氾濫や土砂災害など相次いだことから、いまだ多くの被災者の方々が自宅を離れて避難をしているほか、停電や断水などライフラインへの影響も大変、今日も続いております。一日も早い被災地の復旧、復興に向けて、被災地に寄り添った迅速な対応が重要であるというふうに思っております。
都内においても、都道の崩落によって住民の孤立や住宅の浸水被害など多数発生しており、都議会自民党におきましても、十月十三日、翌日に、この被害状況の迅速な把握と、知事に対して、一日も早い復旧、復興の要望を出させていただきました。
交通局においても、計画運休実施に伴うお客様への積極的なご案内や台風通過後の運行再開に向けた安全確認など、不眠不休で懸命な対応が行われたものと認識しております。
これまで我が党としても、ゲリラ豪雨など都市型災害や荒川氾濫のような大規模水害に対して、都営交通がどのように対応すべきかということは再三議論をしてきたところではございますけれども、具体的に、都民の生命や財産を守る観点から、今回の教訓を生かしながら、駅構内の浸水を防ぐための止水板や防水扉の設置を初めとするハード面での対策、災害時の事前行動を時系列化して整理したタイムラインの策定、避難誘導訓練の実施などソフト面での対策について、実効性のさらなる向上を求めてきたところでございます。また、被災後の早期復旧の重要性についても、ただしてきたところであります。
今般の台風十九号においては、東京と金沢を結ぶ北陸新幹線で、全車両の三分の一に当たる十編成百二十両が浸水被害を受けたと報道されております。被害の大きさから、全線での直通運転再開には約二週間程度かかるとされており、全線での直通運転が再開された後も、運行本数が五、六割程度にとどまる暫定ダイヤが長期にわたると見込まれております。こうしたことから、既に金沢市内の宿泊施設ではキャンセルが相次いでおり、観光や経済への影響も避けられない状況となっております。
こうした同業他社の事例も積極的に共有して、他山の石として、大規模水害からの早期復旧に向けた知見を高めながら、今後の大規模水害対策に引き続き万全を期していただきたいということを改めて要望させていただきます。
そこで、都営地下鉄の経営について、まずお伺いをいたします。
東京の地下鉄整備というのは、人口増加、産業の集積や経済の発展に伴う交通需要への対応として、一九二〇年、大正九年に東京地下鉄道株式会社が設立されて、一九二七年、日本で初めて地下鉄銀座線上野-浅草間が開業したわけであります。
その後、東京市も地下鉄整備を検討したわけでございますけれども、関東大震災による震災復興により進めることができなかった。そうしたことで、東京の所有する免許を譲渡する形で、東京高速鉄道株式会社がまた設立をされました。
その後、戦後となり、さらなる整備が必要という中で、政府主導で一九四一年、東京地下鉄道株式会社と東京高速鉄道株式会社が合併することによって、国と都が出資する特殊法人帝都高速度交通営団が設立され、現在の東京メトロ株式会社につながって九十年以上が過ぎているわけでございます。
しかし、戦後復興の需要がさらに高まって、地下鉄整備の必要性も高まり、これまでのように私鉄各社に整備許可を与えると、首都東京の都市計画に影響を来すということから、営団のみでは多額な費用が調達できないことも含め、いずれ一元化を視野に入れる形で、一九六〇年、昭和三十五年に地下鉄都営浅草線が開業したわけです。
これまで都は、路面電車とバス事業のみを担ってきた中で、都営交通の新たなる歴史がこのとき始まったものというふうに思います。このことによって、交通の中心が、都内の地上を縦横無尽に走っていた都電からバスや地下鉄に移り変わった、それが、一九六〇年の先ほどお話しさせていただきました都営地下鉄浅草線の開業を皮切りとして、三田線や新宿線、大江戸線が順次開通するなど、都内の交通の利便性というのが、この東京メトロの九路線もあわせて、本当に飛躍的に向上して今日に至っているわけです。
しかし、その一方で、この都営地下鉄の経営というものが大事になるわけですけれども、その建設費が膨大であったことから、財政の健全化や経営改善に注力する厳しい時代が本当に長く続きました。その間、職員定数の削減の健全化や経営改善に、業務の委託など、まさにこの血のにじむような経営努力を進めるとともに、さまざまな増収対策を進めてくる中で、二〇〇六年、開業で四十六年目で初めて、十八年度決算において経常損益が黒字化したということになったわけであります。
これまで私たちも、そうした経営改善や増収対策について、その都度幅広く議論を行ってまいりましたし、国と連携して、党としてもできる限りの支援を行ってきたものと自負しております。
これからも、都民目線に立ちながら、東京の交通が将来にわたって発展し続けていけるよう、さまざまな観点から前向きな議論を行っていきたい、そのように考えております。
さきに述べましたように、地下鉄事業というのは建設時の初期投資が膨大であることから、単年度で経常収支が黒字であっても、多額の累積赤字を抱えているという構造上の問題を抱えてまいりました。
特に、都営地下鉄は、既存の地下鉄のさらにその下の建設をしてきた関係で、東京メトロと比べて、駅やトンネルが地下深くあって、その分建設費も高額で、累積欠損金の解消には長い年月が必要とされてまいりました。
そうした観点から、都営地下鉄の経営状況を適切に管理していくために、単年度の収支に一喜一憂するのではなくて、長期的な視野で収支を見通すことが非常に重要であるというふうに思います。
そこで、都営地下鉄の今後の収支見通しについて、改めてお伺いいたします。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営地下鉄は、委員からお話のありましたとおり、開業以来、長年にわたり厳しい経営状況にあり、平成十七年度には四千七百七十二億円もの累積欠損金を有しておりましたが、十八年度に経常損益が黒字に転じて以降、安定的に黒字を計上し続け、直近の三十年度決算では累積欠損金は二千二百三十八億円まで縮減しております。
今後の収支見通しですが、まず経営計画二〇一九の計画期間である令和元年度から三年度までは、設備、車両の更新や駅の大規模改良など安全・安心の確保や質の高いサービスの提供等に必要な投資を実施することで、減価償却費の増加が見込まれますものの、乗車料収入の増加や費用の低減等を図ることで、経常損益は毎年二百五十億円程度の黒字となるものと見込んでおります。
また、一定の条件のもとでの試算ではございますが、その後も二百億円程度の経常黒字で推移し、令和十年度には累積欠損金が解消する見通しでございます。
○鈴木委員 今ご答弁ありましたけれども、この令和十年度に累積欠損金が解消するという見通しというのは、これまでの計画の本当に前倒しで、大変皆様のご努力には敬意を表するわけでございますけれども、乗車料収入の増加の影響もあって、この十年足らずで累積欠損金が解消されるという今の答弁で、今後の経営の見通しというのも、やはりこれは堅調であるともいえますけれども、注視していくことが大切だというふうに思います。
先ほど、私が冒頭お話しさせていただいたように、東京都が地下鉄整備に乗り出す中で、政府主導で進められてきたこの地下鉄整備が戦後の復興で予算の調達がなかなか難しくなるという、そしてさらに、都市計画の関係でやはり私鉄各社に任すわけにはいかないという状況の中で、都営地下鉄が設立されて浅草線が開業したわけですけれども、その際に、東京メトロとの一元化というのが約束されていたというふうにもいわれている中で、今後、都営地下鉄と東京メトロとの地下鉄の一元化の議論というのは、これまでも盛んにされていたわけですけれども、都営地下鉄の累積欠損金の解消が見えてきたという現状の状況にあって、せめて運賃だけでも一元化すべきといった議論も再燃することが想定されるわけであります。
複数の団体が地下鉄整備をしている都市というのは、パリもそうですし、ソウルもそうですし、上海や北京もそうなんでありますけれども、全て基本的には運賃の統一性というのが保たれているわけですけれども、地下鉄の運賃の一元化について、交通局としての見解をお伺いいたします。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 地下鉄の運賃については、東京の地下鉄の利便性が高まるよう、都営地下鉄と東京メトロを乗り継ぐ際の割高感を緩和するため、運賃の合算額からの七十円割引や連絡定期券の一五%割引を実施しております。
さらに、平成二十九年四月から、両地下鉄が一日乗り放題になる共通一日乗車券を千円から九百円に値下げしたほか、国内外の旅行者向けの割安な企画乗車券、Tokyo Subway Ticketを発売する際、運賃の負担軽減に努めております。
一方、運賃は収入の大宗を占め、安定した事業運営を継続していくための根幹であり、安全・安心対策への投資や質の高いサービスを提供するための貴重な原資であります。
運賃の一元化につきましては、都営地下鉄、東京メトロともに多大な減収を伴うため、その効果や経営に与える影響などを十分検証した上で判断する必要があると考えております。
○鈴木委員 現在、ラグビーのワールドカップで東京に訪れる観光客が大変多い中で、地下鉄を利用されている方も大変多いというふうに聞きます。その中で、他都市との比較の中で、東京の地下鉄というのは大変清潔であり、そしてまた安全だというふうにもいわれていて、さらに乗りやすいと、そういった話も出ております。
私は、ただいま答弁がありましたように、運賃が一元化されれば、両地下鉄の乗車料収入には大変大きな影響が出るだろうというふうにも思っております。
大切なことは、これからもそうした海外の方々がこの東京の地下鉄に乗って、本当によかったと、そしてまた、東京の地下鉄というのはすばらしい、特に都営地下鉄はすばらしいというふうに思ってもらえるような、特に安全性、そしてサービスの向上につなげていくことが大切だというふうに思います。
そうしたことから、地下鉄事業の収入のほとんどが乗車料収入であることを考えますと、運賃はまさに安全対策やサービス向上といった投資の原資にもなるわけでありまして、運賃の一元化により収入が減少して、交通機関としても最も重要な安全の確保が脅かされていては本末転倒になってしまうというふうにも思います。
さらに、東京の地下鉄が都営とメトロに分かれていることは、初めて東京を訪れる方、特に外国人旅行者にとってわかりづらいという声もある中で、大切なのは、東京メトロと連携をしてお客様の視点に立ったサービスの向上をさらに進めていくことではないかなというふうに思います。
この運賃の一元化の議論を始める前に、両地下鉄のサービスの一体化をまだまだ私は進めていく余地があるというふうに考えておりますけれども、地下鉄のサービスの一体化について、現在の現況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京の地下鉄の利便性を高めるため、東京メトロとのサービス一体化に取り組むことは非常に重要であると考えております。
このため、交通局ではこれまでも、東京メトロと連携し、案内サインの統一や駅ナンバリングの導入、無料Wi-Fi環境の整備、多言語に対応した券売機の共同開発などに取り組んでまいりました。
また、現在、乗りかえの利便性を向上させるため、九段下駅において、新宿線と東京メトロ東西線及び半蔵門線、三線共通の改札口の設置や乗りかえエレベーターの整備を進めております。
さらに、今年度末までには、外国人旅行者の利便性を高めるため、Tokyo Subway Ticketをオンライン決済で購入できるようにするほか、子供を見守る取り組みとして、改札の通過情報を保護者等にメールで配信するサービスを導入する予定でございます。
今後とも、誰もが利用しやすい東京の地下鉄の実現に向け、両地下鉄で連携し、サービスの一体化に取り組んでまいります。
○鈴木委員 これから、メトロの株の問題とかいろいろ議論しなくてはならない話があるわけですけれども、都民の利便性、都民の皆様に対してしっかりとサービスの向上につながるような、そうした議論をして、これからもサービスの一体化についての取り組みを進めていただきたいなというふうに思います。
東京二〇二〇大会が目の前に迫る中で、都民、そして東京を訪れる方々が、安心して快適に東京の地下鉄を利用できるよう、サービスの一体化のみならず、今日では、テロ対策などの新たな分野においても東京メトロと積極的に連携を図っていくことが大切だというふうに思っております。このことは、本当にこれからも取り組んでいただきたいと要望しておきます。
東京メトロとのサービスの一体化を初めとしたサービスの改善はもとより、トンネルの維持管理や車両の更新、バリアフリー設備の充実など、交通機関として基本となる安全の維持向上やサービス向上を図るために長期的な投資が必要不可欠だというふうに思います。
特に、先ほどご答弁ありました累積欠損金の解消がもういよいよ目の前に迫る今日だからこそ、さらにその先の将来を見据えて必要な投資を着実に行っていくことが、私は必要であるというふうに思います。
そこで、都営地下鉄における今後の投資についての見解をお伺いいたします。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営地下鉄では、日々の安定的な輸送を支える施設設備について、適切に維持管理していくことはもとより、計画的に更新を進めることで、重要な社会インフラとして次世代に良好な状態で継承していく必要があると考えております。
また、ホームドアの整備やユニバーサルデザインの考え方を取り入れたバリアフリー化の推進、混雑対策など、安全性やサービスの一層の向上を図っていかなければなりません。こうした交通局の果たすべき責任と役割を、経営計画二〇一九に定めております。
一方、経営状況に目を向けますと、先ほどご答弁申し上げたとおり、十年後には累積欠損金の解消を見通してはいるものの、長期的には少子高齢化の進行に伴う生産年齢人口の減少などにより、乗車料収入の大幅な増加は期待できない状況にございます。
このため、中長期的な視点のもと、安定した事業運営を図りつつ、必要な事業には積極的に投資するなど、めり張りをつけながら着実に取り組みを進めてまいります。
○鈴木委員 利用される方々にとってみれば、東京メトロも都営地下鉄も、地下鉄で一緒なわけでありますので、ぜひこの東京の地下鉄を利用される方々の安全性やサービスの向上に本当に資するような、そうした先ほどお話しさせていただいたメトロとのサービスの一元化も含めた取り組みを、これからも積極的に行っていただきたいというふうに思います。
そしてさらに、何よりもやはり今お話ありました累積欠損金が、本当に解消がもう目の前に迫っている、皆様の努力をこれからもさらに進めていただきたいなというふうに思います。
地下鉄事業を経営する上で基本となるのは、何度も繰り返しますけれども、安全対策やサービスの向上に必要な投資をこれからも進めて、さらなる増収対策等により強固な経営基盤を構築することが重要であるというふうに思います。
引き続き長期的な視点に立って、常に危機感を持ちながら、都営地下鉄の経営を適切に管理し、東京の都市活動や都民生活を支える重要な基盤として、長期的な、そしてさらに安定した事業運営に取り組んでいただきたいというふうに思います。
ただいま今後の投資について質問させていただきましたけれども、今後の大規模な投資という観点で、浅草線の泉岳寺駅の大規模改良工事について質疑をさせていただきます。
泉岳寺駅が位置する品川駅周辺というのは、来年にはJR山手線の新駅である高輪ゲートウェイ駅が開業した後に、二〇二四年には一部のまち開きが予定され、さらには、将来的にはリニア中央新幹線が開通するなど、国際交流拠点としての開発が今進められております。
そうした中、泉岳寺駅も将来的には乗降客数がさらに増加していくことが見込まれるわけですけれども、交通局では、東京都が施行する市街地再開発事業と一体となった大規模改良工事を行うとされております。
そこで、この泉岳寺駅の大規模改良工事について、この計画内容と工事の進捗についてをお伺いいたします。
○谷本建設工務部長 泉岳寺駅は、空港と都心を結ぶ重要な結節点であり、周辺の開発等の発展に伴い、さらなるお客様の増加が見込まれますことから、狭隘な現状の駅施設を大幅に更新するとともに、周辺のまちづくりと連携し、高輪ゲートウェイ駅や周辺施設との歩行者ネットワークの形成を図り回遊性を確保するなど、駅機能を大幅に向上させることとしております。
ホームにつきましては、お客様の増加に的確に対応するため、二面あるホームの幅員を、それぞれ現状の約五メートルから約十メートルに拡幅することとしておりまして、周辺のまち開きに合わせて令和六年度の供用開始を目指しております。あわせまして、エレベーター、エスカレーター、トイレや出入り口の増設などを行います。
本工事は、駅の部分約三百メートルに加えまして、列車の折り返し施設を含みますと、工事範囲は約一キロメートルに及ぶこと、夜間の限られた時間での工事となることなどから、大規模かつ困難な工事となります。
現在は、本体工事に先行しまして、下水道、電線共同溝の移設や構内補強等の準備工事に着手しております。
○鈴木委員 ただいまご答弁いただきましたけれども、この工事というのは、駅の部分に加えまして列車の折り返しの施設を含めると、工事延長が、総延長が約一キロと、既設の地下鉄では過去類を見ない大規模な工事になるというふうに思います。
また、営業運行しながらの大規模改良となりますので、夜間の限られた時間内で線路切りかえ等の作業も必要になるということに加えて、日中は列車の安全運行に支障を来さないような十分な対策を行う必要もあって、技術的にも非常に難工事になるということが予想されます。
このように大規模でかつ難工事ということですので、当初の予定よりも完成がおくれるといったことも予想されるわけですけれども、先ほど言及したとおり、二〇二四年には周辺の一部まち開きが予定されておりますので、完成がおくれて間に合わないといった事態は許されないわけであります。
そのため、工事契約を初めとして、工事全体の進行管理や工程管理には万全を期していかなくてはならないわけですけれども、この泉岳寺駅大規模改良工事にかかわる契約について、進捗状況と今後の予定をお伺いいたします。
○谷本建設工務部長 泉岳寺駅の大規模改良工事は、再開発事業と一体となって整備する駅の部分と、線路の切りかえを行う引き上げ線の部分とに構成されますことから、二つの工区に分割して発注することといたしました。
また、いずれの工区も長期にわたる大規模工事で、浅草線の安全運行に支障を来すことのないよう十分な対策を講じること、複雑な線路切りかえが必要となること、周辺のまち開きに合わせた工程管理が不可欠であることなど高い技術力が求められることから、契約に当たりましては、技術提案型による総合評価方式を採用することとしております。
既に入札公告を行っておりまして、今後は資格審査を経た入札参加者から技術提案を受け、有識者などで構成される技術審査委員会で技術提案の審査を行った上で、年度内に契約する予定でございます。
○鈴木委員 本当に大規模で難工事という状況なんですけれども、現在、入札契約制度においては、財務局が中心となって、やはり中小企業の育成と、そしてまた、今日求められている働き方改革も含めて、新たな制度の改善が今始められているわけでありまして、今回の泉岳寺駅大規模改良工事においても、特殊な工事であるわけでありますけれども、中小企業の育成も含めたJVによる参加ももっと促していただいて、働き方改革とか、今モデル事業で財務局がやっておりますけれども、そうした視点も取り入れて、建設業の皆様方が、この大規模工事に対しては、本当に東京都すごいねというふうにいっていただけるような取り組みにぜひしていただきたいなというふうに思います。
新たに技術提案型の契約方式を採用するということでありますので、的確に工事全体の進行管理、これをしっかりと進めていただきたいというふうに思います。ある意味では、委託業者に任すのではなくて、やはり皆様が責任を持って進めていく大切な工事なわけでありますので、一緒になって進行管理を進めていただきたいというふうに思います。
今後とも、この浅草線のプレゼンス向上に向けて、地元区や市街地再開発事業の施行者や施行者の関係者と十分な調整を行いながら、着実にこの事業を進めていっていただくよう要望しておきます。
次に、バス乗務員の確保についてお伺いします。
路線バスは、地域に身近な公共交通機関として高齢者の生活に欠かせないものとなっております。これからの高齢社会においても、この都営バスの需要もさらに高まっていくのではないかと考えられます。
そうした需要を支えるためにバス乗務員の確保が必要不可欠であるわけですけれども、近年、全国的に深刻なバス乗務員不足が発生しており、都営バスにおいてもバス乗務員の確保に苦慮していると聞いております。
この乗務員確保の問題については、我が党もかねがね議会の場で取り上げてきたところでありますし、我々との議論も踏まえて、交通局では、大型二種免許の未取得者が受けることができる養成型の採用選考を平成二十七年度から開始いたしました。
私は、昨年の公営企業会計決算特別委員会の分科会質疑においても、この養成型選考について質疑をさせていただきましたけれども、この選考は免許取得費用の一部を補助する仕組みとなっておりまして、この仕組みによって、これまで大型二種免許取得に二の足を踏んでいた方々に対して、バス乗務員になるチャンスを与えることができたのではないかと思います。
今後も、さらにこの養成型選考を拡充していくことによって、都営バスがバス乗務員を生み出して、そしてバス乗務員不足の解消の一助となるようにぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
その一方で、この養成型選考を行うことによってバス乗務未経験の方を採用することになるわけでありますので、輸送の安全性の確保に対しては、しっかりとそういった人材を育てていく必要が出てくるわけであります。
そこで、この養成型選考の今後の展開とバス乗務員未経験者に対する育成方法についてお伺いいたします。
○渡邉職員部長 全国的に大型二種免許所持者が減少する一方で、交通局においては、今後バス乗務員の大量退職時期を迎えることから、局事業を継続していく上でバス乗務員の確保は極めて重要な課題となっております。
バス乗務員の採用環境が厳しさを増す中、大型二種免許未取得者を対象とした養成型選考につきましては、今年度、募集人員のさらなる拡大に加え、免許取得費用の助成対象をこれまでの二分の一から全額へと大幅に拡充いたします。
また、バス乗務未経験者の増加を踏まえ、今年度、これまで二コースだった研修カリキュラムを習熟度に応じて四コースに細分化するとともに、指導教官用の補助ブレーキや補助ミラーを装備した教習専用車を二両から四両に倍増するなど、きめ細かい育成に努めてまいります。
今後とも、バス乗務員の人材確保や育成に全力で取り組んでまいります。
○鈴木委員 飲酒の問題も含めて、規則の遵守、服務の遵守を徹底するということと、バス乗務員の育成と教育というのは重要であります。
引き続きこの取り組みを継続していただくとともに、バス乗務員不足の問題というのはバス業界全体の問題でもありますので、東京バス協会などと、関係機関とも連携しながら、協会全体として取り組みを進めていただきますよう要望しておきます。
次に、東京二〇二〇大会期間中のバス輸送についてお伺いいたします。
先月末、オリンピック・パラリンピック準備局が、東京二〇二〇大会に向けて行われたこの夏のテストイベントについての検証結果が発表されました。それによりますと、この海の森水上競技場へのバス輸送観客数は五日間で計約五千五百人とのことでしたが、この会場の収容人数は一万六千人であり、大会本番では、今回とは比べものにならないくらいの観客が全世界から詰めかけることになります。
私も、当日、このテストイベントに参加をさせていただいたわけですけれども、やはり今回の検証をしっかりと受けとめて来年につなげていくことが大切だというふうに思います。
さきの第三回定例会で、我が党の一般質問でも、この海の森水上競技場への観客輸送は都営バスが運行する予定であり、今後必要な人員や車両を確保していくとの答弁がありました。
しかしながら、一般質問の翌日にこの件に関する新聞報道が出たわけですけれども、現段階で必要な車両数も未定、まだ組織委員会との調整が進んでいないといったシャトルバス運行の準備を不安視する内容であったわけです。
車両を新たに納入さえできれば、すぐに使用することができるというふうに思いますけれども、新たに採用した乗務員の育成には一定の時間がかかることが考えられます。現時点で本当に具体的な計画が全くないのであれば、不安の声が上がるのは当然なわけです。
そこで、大会期間中の海の森水上競技場までのシャトルバスの運行に必要な車両、人員の確保について、具体的な計画をお伺いいたします。
○坂田バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、バス事業者としてのノウハウを生かし、海の森水上競技場までの観客輸送に必要なシャトルバスの運行に向けて、準備を進めております。
この輸送に当たっては、通常の路線バスの運行とは別に、車両と乗務員が必要となります。一日当たり約百両程度の車両とその運行に当たる乗務員が必要であると試算しておりまして、運行間隔については、現時点で約三分から五分程度と考えております。円滑な輸送の実現に向けて、今後精査してまいります。
車両の確保については、通常より契約時期を前倒しし、大会までに新車を導入するとともに、更新予定の車両を一時的に活用して車両をふやすことで対応いたします。
また、乗務員につきましては、例年は四月と十月に採用しておりますが、来年度は十月の採用を大会前の七月に前倒しする予定でございます。
○鈴木委員 乗務員については、例年は四月と十月に採用しているけれども、来年度は十月の採用を大会前の七月に前倒しをする、そういう今答弁がありました。
今回のテストイベントは、天候の影響によって競技時間の前倒しもあったということで、大会本番での不測の事態が起こったとしても、円滑に観客の輸送が行えるよう、都営バスとして今回の検証を踏まえた準備を入念に行っていくことが重要であるというふうに思います。
また、今回のテストイベントでは、バス乗降場内における観客誘導についても試行したとのことでありますけれども、大会本番では世界中から観客が詰めかけて、その中には、車椅子使用者を初めとする障害者も多く含まれているというふうに思います。
都営バスでは、全ての車両がノンステップになっておりますので、係員による介助があれば、車椅子使用者の方もバスに乗りおりしやすいとは思いますけれども、乗りおりにはどうしてもより多くの時間がかかることになりますし、車椅子使用者の方が、同時に例えば二人乗車されることも当然想定されるわけであります。そうした点も踏まえまして、今回のテストイベントの中で、バス乗降場内での車椅子使用者の乗降について検証したことと思います。
そこで、シャトルバス運行における車椅子使用者の乗降への対応についての考え方をお伺いします。
○坂田バス事業経営改善担当部長 パラリンピック開催時、海の森水上競技場では、大会関係者を含む総座席数が一万二千八百席と公表されております。車椅子ご利用の方にも配慮した座席を会場の総座席数の一%以上設けることと定められておりますことから、仮に一%とした場合は、約百三十席程度の座席数となり、パラリンピック開催時には、車椅子をご利用されるお客様が相当数来場されると見込んでおります。
車椅子をご利用されるお客様の対応につきましては、組織委員会や関係機関と交通局が連携して、最寄り駅からバス乗り場まで誘導するとともに、バス車両への乗車サポートやベルトでの車椅子の固定につきましては、対応に習熟している交通局職員が行う予定でございます。
先般行われたテストイベントでは、車椅子をご利用されるお客様が一両に二名ご乗車されることを想定し、あらかじめ専用の待機レーンを設定してご乗車いただくことで、円滑な運用を行うことができました。また、乗車の前に、交通局職員があらかじめ車椅子の形状を踏まえたベルトの固定位置を確認することで、迅速かつ確実に対応することができました。
大会時には、今回のテストイベントのノウハウを生かし、車椅子をご利用されるお客様が安全かつ円滑に車両へ乗降できるように取り組んでまいります。
○鈴木委員 先ほど、シャトルバスの運行間隔というのが三分から五分という話、ありました。今の計画では総座席数が一万二千八百、そして、車椅子ご利用の方の、配慮した座席数は約一%だとすると、仮に一%だとした場合は百三十席ぐらいの座席数となって、そういったパラリンピック開催時には、車椅子をご利用されるお客様がそのような形で利用されるだろうというふうに想定されるという話なんですけれども、これはあくまでも計画の話でありまして、当日、一台に二名、車椅子の方がご利用される中で、例えば複数の、それ以上の例えば十人とか、十人というのはないかもしれないですけれども、四人とか五人とかそういった方々が、二台や三台に分乗しなきゃならないこともあるわけです。そうした方々が、英語やフランス語やさまざまな外国語を使う中で対応するというのは、やはりなかなか習熟していなければできないことだというふうに思います。
今ご答弁いただいたように、車椅子をご利用される方の対応として、組織委員会や関係機関と交通局が連携して、最寄り駅からバス乗り場まで誘導してくれる、そして、バス車両への乗車サポートやベルトでの車椅子の固定は、習熟している交通局職員が予定されているということで安心したわけでございますけれども、やはり海外からさまざまな方々がオリンピックを楽しみに来られるわけでありますので、しっかりとした準備を進めていただきたいということを改めて要望させていただきます。
バス乗降場での混乱というのはさまざまあるというふうに思いますけれども、今お話ありました車椅子使用者専用レーンを設けるなどの工夫をするということは本当に必要でありまして、その一方で、安全面の配慮も重要になってまいります。
大会本番に向けて、乗降を介助する係員に対しては、必要な訓練をしっかりとしていただきたいというふうに思いますし、安全面もしっかりと準備をしていただきたい。そして、この夏のテストイベントだけでなく、交通量最大三〇%減を目標として掲げた交通対策のテストも、この夏は実施されたわけでありまして、そうしたこともしっかりと検証していただきたいというふうに思います。
今回の交通対策のテストで、交通量の減少傾向は見られたものの、目標達成とまではいかなかったと。そして、首都高の流入調整や一般道の信号調整といった、いわゆる交通システムマネジメントの取り組みの影響によって、一般道の一部では通常を上回る渋滞が発生したということも発表されております。
そうした渋滞に加えて、先日のマラソングランドチャンピオンシップで大規模な交通規制が実施されましたけれども、このマラソンについては、今いろいろと競技会場が議論されております。
大会本番で、会場周辺等で長時間にわたる大規模な交通規制も実施されるため、首都東京の経済活動や都民生活に欠かせない路線バスの運行にも大きな影響が出るのではないか、そのように懸念されるわけですけれども、大会期間中の交通規制の都営バスの対応についてお伺いをいたします。
○坂田バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、大会期間中は観客輸送に協力するとともに、通勤、通学でご利用いただいている都民の足としての役割も十分に果たしていく必要がございます。
一方、都営バスの事業エリアには選手村や複数の競技会場がございまして、大会期間中は、交通規制などによる走行環境への影響が想定されます。
今お話にありました先般行われたテストイベント、マラソングランドチャンピオンシップにおきましては、事前に示された交通規制情報をもとに警視庁と協議し、経路の変更と事前のお客様周知を行ったことで、大きな混乱を生じることなく運行することができました。
大会に当たりましては、組織委員会や関係機関とより一層連携し、交通規制等に応じた適切な経路、ダイヤを設定するとともに、ホームページやバス停留所への掲示等により、お客様に運行に関する情報をきめ細かく周知することで、円滑な運行に努めてまいります。
○鈴木委員 第三回定例会の代表質問でも、私、述べさせていただきましたけれども、そもそもオリ・パラの輸送問題というのは、首都の物流や経済活動を維持しながらの開催となることから、非常に重大な課題であったにもかかわらず、豊洲移転延期という知事の政治判断のおくれから、環状二号線が大会前に完成しない、さらに厳しい状況になってしまったということが明らかなわけであります。
こうした状況の中でも、東京二〇二〇大会を成功に導いていくために、この夏のテストイベントや交通対策テストの検証結果を十分踏まえるとともに、より本番を意識した実践的な研修を今後も積み重ねていくことが何よりも重要です。
いよいよ東京二〇二〇大会まで、もう三百日を切っているわけでありまして、大会準備の総仕上げを行っていくことは、開催都市としての責任であり、当然なわけですけれども、東京二〇二〇大会がゴールではなく、あくまでも通過点であるというふうに思います。
今後、急速に少子高齢化が進行していく中、都民の足として都民生活を支えるという都営交通の役割はますます重要なものとなっていくことに加えまして、AIや自動運転技術の進展など、都営交通を取り巻く環境も大きく変わってまいります。
そうした中にあって我々は、都営交通を都民の貴重な社会インフラとして、次の世代へぜひ継承していかなければならないというふうに思います。
そこで、来年に迫った東京二〇二〇大会と、さらにその後を見据えた今後の事業運営について、交通局長の決意をお伺いいたします。
○土渕交通局長 都営交通は、現在一日に約三百六十万人ものお客様に利用されており、さらに大会期間中には、国内外から訪れる多くの方の利用が見込まれております。
加えて、ただいま質疑のありましたシャトルバスの運行や競技会場付近の交通規制、さらには深夜に及ぶ競技日程への対応など、通常とは異なる難しい運営が求められております。
こうした中におきましても、大会の成功に向けて、組織委員会や他の交通事業者等と緊密に連携し、残りわずかな準備期間を無駄にすることなく、入念に準備を進めてまいります。
また、大会以降も東京が持続的な成長を遂げていく上で、首都東京の公営交通事業者である我々交通局が果たすべき責任と役割は、ますます大きくなるものと考えております。
今年度を初年度とする経営計画は、こうした考えに基づき策定しており、まずは安全・安心を最優先に、施設設備の適切な維持更新やホームドアの整備などを着実に進めてまいります。
さらに、バリアフリーや混雑対策、東京メトロとのサービス一体化の推進など、お客様サービスにさらなる磨きをかけていくとともに、まちづくりと一体となった泉岳寺駅の大規模改良などを通じ、東京の発展に貢献してまいります。
加えまして、中長期的に安定した事業運営を行っていくため、収益力の強化や人材の確保、育成など、経営基盤を強化してまいります。
技術の進展は近年目覚ましく、また人口動態や景気動向など、局を取り巻く事業環境は絶えず変化していきますが、常に長期的な展望を視野に事業運営のかじ取りを行い、東京の都市活動や都民生活をしっかりと支えてまいります。
○鈴木委員 東京が交通事業に取り組んでいくという意味は、何遍もお話しさせていただいておりますけれども、安心・安全、そしてサービスの向上に尽きるわけであります。
そのサービスというのも、障害を抱えられた方々や海外から訪れる利用者が本当に多様なわけでありまして、この首都東京の交通事業として、今後とも、今、MaaSの導入とかもいろいろ検討されておりますけれども、質の高い取り組みをお願い申し上げまして、質疑を終えます。
○とくとめ委員 まず、台風十九号で亡くなられた皆さんや被害に遭われた皆さん方に、お悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
あわせて、たくさんの要求資料、応えていただきまして、ありがとうございました。
まず、最初の質問ですけれども、都営交通のホームドアにかかわって質問を行います。
今月十月の一日に東京都葛飾区にある京成押上線京成立石駅で、視覚障害のある六十代の女性がホームから転落をして、電車と接触をして亡くなりました。ホームには駅員はおらず、ホームドアも設置されておりませんでした。
私がお聞きした視覚障害者の方は、この事故について--亡くなられた方ではなくて、知り合いの視覚障害者の方ですけれども、この事故について、起こるべくして起きた事故ではないかと、人が落ちて亡くならないとホームドアができないと、これではまるで人柱だという怒りの声を上げておられました。
ホームドアがどの駅にも設置されていること、また、ドア設置がおくれているならば人を配置するなど何らかの対策を強化することが、視覚障害者の死亡事故をゼロにすることにつながっていくのではないかと思います。
そこで、具体的に都営交通の転落事故防止への取り組みについてお聞きをいたします。
都営交通は、地下鉄三線、大江戸線、三田線、新宿線でホームドアの設置が完了しており、残すところは浅草線一線となりました。浅草線のホームドア設置は、二〇二三年に完了予定となっておりますけれども、ことしは二〇一九年ですから、まだ期間はあります。
ホームドアを設置するまでの具体的な対応策、ホームドアがないから転落事故は仕方がないんだというのではなくて、ホームドアがまだできていないけれども、事故は絶対起こしてはいけないんだと、そういう立場から、どういう対応を考えておられるのか伺います。
○相川電車部長 視覚に障害をお持ちのお客様を初め、誰もが安心してご利用いただけるよう、浅草線のホームドアが設置されていない駅においては、さまざまなホーム上の安全対策を講じております。
具体的には、ホームの両端部の固定柵や内方線つき点状ブロックを整備するとともに、ホーム端に視認性を高めるための色づけを行っております。
また、朝夕のラッシュ時には全ての駅で、曲線等により見通しの悪い駅については、終電まで駅係員によるホーム監視を行っているほか、全ての駅に警備員を配置しております。
○とくとめ委員 点字ブロックや朝夕の駅員の配置などのほか、警備員の配置は、東京メトロ青山一丁目駅での転落死亡事故の後、これを始めたということで、継続していただいていることは大変重要なことだと思います。
これは都営線に限ったことではなく、鉄道会社全体についてのことだと思いますが、銀座線の青山一丁目で転落事故が起きた直後は、駅員さんが親身になって誘導などしてくれたけれども、今はそうではないという感想も寄せられています。
事故が起きたときだけではなくて、常に高齢者、障害者の方を見守る、困っていることがあれば手を差し伸べる、転落の事故が決して起きないようにしていくことが求められているというふうに思います。
特に、ホームドアが設置されていない駅については、常時、ホームに駅員を配置するなどの安全対策を強化してほしいとの要望も寄せられておりますけれども、いかがでしょうか。
○相川電車部長 都営地下鉄におけます駅係員の配置につきましては、駅ごとの乗降客数、駅の構造や改札口等を勘案して適切に行っております。
さらに、必要に応じて警備員を配置しておりまして、特に浅草線のホームドアのない駅では、早朝から深夜まで対応しております。このことから、現在の駅係員の配置については、適正であると考えております。
また、視覚に障害をお持ちのお客様への声かけにつきましては、対応要領を定め、駅係員を対象に研修を実施しておりまして、引き続き、全てのお客様に安心してご利用いただけるよう、ホーム上の安全対策に努めてまいります。
○とくとめ委員 視覚障害者が困っているときにどう声をかけるかといった研修をされているというのは、ぜひ今後も進めていただきたいというふうに思います。また、実際に視覚障害者の方に研修の場に来てもいただいて、生の声を聞いて、今後に役立ててほしいとも思います。
警備員の方の配置も大切ですが、駅のことを一番熟知していらっしゃるのは、その駅にいる駅員だと思います。駅員が朝夕のラッシュ時だけでなくて、常にホームにいるということで、障害を持った方だけじゃなくて、一般の乗客の方が、どれだけ安心できるかというふうに思います。
私は、視覚障害者の方、そして一般の方の転落防止のためにも、駅員が常にホームにおり、対応できる体制をとることを強く求めておきたいと思います。
次に、ホームドアの取り組みについてですが、浅草線の中でも、終点の押上駅については、駅自体は京成電鉄の駅ということで、交通局のホームドア設置の計画から除外されております。
経営計画二〇一九によれば、押上駅については、ホームドアの整備に向けて関係者と協議を進めるとのことですけれども、どのような検討がされているのかについてお伺いします。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 押上駅は、京成電鉄と交通局との共同使用駅であることから、京成電鉄とホームドア整備のための課題についての認識を共有し、協議を行っているところでございます。
○とくとめ委員 押上駅にホームドア設置の協議がされているということは、大変重要なことだと思います。ぜひ早期の設置に向けて協議を進めていただきたいと思います。
また、都営交通、ホームドアの設置につながる画期的な技術を持っておりまして、今、キャンペーンも強められているようですけれども、車両のドアにQRコードを張り、それをカメラが読み取って、ホームドアが開閉する仕組みです。車両の編成が異なる他社の電車が相互に乗り入れている路線でも、電車に合わせて開閉位置や開く広さが変わるので、対応ができるというふうに紹介をされています。
京成線も含め五社が相互乗り入れをする浅草線は、この技術を活用しており、先日、新橋駅で運用が始まっています。そして、他の鉄道事業者にも活用してもらうために、特許をオープンにしているということも報道されています。
この技術を活用した取り組みの状況はどうなっているんでしょうか、教えてください。
○野崎技術調整担当部長 QRコードを用いたホームドアの技術につきましては、各種会議などで、その仕組みを他の鉄道事業者に広く紹介しております。
京浜急行におきましては、既に本技術を採用しているほか、複数の鉄道事業者も関心を示されております。
○とくとめ委員 鉄道事業者に、会議などの折にホームドアの技術、仕組みを紹介して、他社からも問い合わせが来たらお答えするとのことでした。ぜひ、より積極的な働きかけもしていただきたいと思います。
今回事故があった京成電鉄は、日暮里駅にはホームドアがありますが、京成上野駅は固定柵を設置している状態であり、六十九駅中、二駅のみの安全対策にとどまっています。
京急線と同様に、京成線は都営浅草線と相互に乗り入れをし、QRコードの活用でクリアできる共通の課題も多いと思います。ぜひ、共通の課題を解決するために、この相互の乗り入れをしている路線のホームドア設置は、関係各社が協力し合わないことには決してできないというふうに聞いております。
視覚障害者の方にとっては、つながっている路線にはホームドアが設置されてほしいというお話を伺います。ぜひ、京成線との協議の場で、QRコードの活用も含むホームドアをつけるよう、働きかけを強めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 京成電鉄が管理する駅にホームドアを設置することやQRコードを活用することについては、京成電鉄が判断するものと考えております。
○とくとめ委員 他力本願ではなくて、乗客の生命、安全にかかわる問題として、積極的に、前向きに対応していただくことが、都営交通、皆さん方の仕事ではないかと思うんです。相手側次第だというだけでは解決できないと思います。
最終的には各社の判断になるのはそのとおりですけれども、交通局は、転落事故防止の観点から、都営地下鉄ホームドア設置に積極的に取り組まれてまいりました。他社にも共通できる技術の開発もされてまいりました。そして今、この技術を積極的に他社にも活用してほしいと思われているわけです。
実際に京成立石駅で死亡事故も起きてしまったもとで、ぜひもう一歩取り組みを進めていただいて、転落死ゼロ、誰もが、どこでも、安心して利用できる安全な駅の実現をしていっていただきたいと強く要望しておきたいと思います。
次に、都営バスの車外事故について質問いたします。
昨年、この公営企業委員会においても、我が会派の河野都議が車内事故について質問をいたしました。きょうは、私自身が自転車愛好者という立場から、都内での通勤や移動でもう二十年以上自転車を使っている立場から、都営バスの車外での事故の問題、これを何としてもなくしていっていただきたいということについて伺いたいと思います。
要求資料にもありますけれども、都営バスの過去五年間の交通事故の発生件数は年々増加傾向にあり、車外事故は、昨年度で二百三十四件とのことでした。その内訳はどのようになっているでしょうか。
○牧野自動車部長 都営バスにおいて昨年度発生した車外事故につきましては、物件事故が約七割を占め、人身事故は約三割となっております。
また、人身事故につきましては、約半数が自動車、二輪車との接触事故によるものであり、次いで、自転車との接触事故によるものが約三割となっております。
○とくとめ委員 人身事故のうち、三割は自転車事故だということです。私は、決して少なくない割合だと思っています。
東京都は、都内で自転車がかかわる事故が一万件以上、年々増加傾向にあるということで、先日、条例をつくって生命保険に入ることを義務づけるという、そういう決断までして、この東京都内での事故の根絶に向けて本格的な取り組みを始めようとしています。公共交通を代表する都営バスにとっても、交通事故はゼロ、ぜひ模範として取り組んでいただきたいと思います。
自転車は、道路交通法では車両だということで、原則として車道の左側を走ることになっております。近年、自転車走行空間などの整備がされつつありますけれども、しかし、その多くは、車道の左側に線が引かれているものやナビマークという自転車の通行ラインの方向が示されているものだけにとどまっています。
そして、バスは、車線が複数ある道路では、基本的には一番左を走ることになっています。したがって、自転車走行者に一番近い位置を走ることになります。要するに、同じ場所を走らざるを得ないようなルールになっています。
また、バス停には、停車するために、皆さんも見たらわかりますけれども、逆台形の停車場が示されています。それから、バスレーンもラインは引かれています。
ただ、歩道側に近寄らなければ、バス停にはとまれません。そのとき、自転車にとっては同じラインに重なることになります。バスはこのように、自転車と接触する危険性が高いエリアを走っていることになります。
こういう状態について、交通局としてはどのように認識されているんでしょうか、教えてください。
○牧野自動車部長 自転車はスピードがあり、動きが読めず、接触した場合には重大な事故になる可能性が高いことから、停留所付近に限らず、自転車とは並走しないこと、無理に追い越さないこと、やむを得ず追い越す際には十分な間隔をとることを日常から指導しております。
○とくとめ委員 バスの運転手からは、自転車が道路を走る際の危険性などについて、さまざまな意見が上がっているんではないかと思いますけれども、どのような意見が寄せられているんでしょうか。
○牧野自動車部長 都営バスでは、本局職員と現場の第一線で働く乗務員との間で、事故防止に関する意見交換を行う職場懇談会を全ての営業所で定期的に開催しております。
この中で、乗務員からは、自転車との事故を未然に防ぐ運転操作や危険予知の重要性に関する意見のほか、歩道や路地からの急な飛び出しや逆走といった自転車利用者の実態に関する意見が数多く上がっております。
乗務員からの意見につきましては、各営業所の安全研修などにおきまして全乗務員へ情報共有を図っているほか、ハザードマップへ反映させるなど、事故防止に活用しております。
○とくとめ委員 具体的には、乗務員さんからの意見を事故防止に活用していくことが非常に重要だと思います。バスの運転手の方は、日ごろから自転車走行者に注意を払い、緊張されて運転をされていると思います。
しかし、バスの運転中、個人の方々がどれだけ努力をされても、自転車利用者がいかに意識をしたとしても、限界があると思うんですね。抜本的なハードの対策だとか、本当に左側を走るというルールを安全に守らせるためのちゃんとした環境条件がなければ、単なる意識や心がけでは事故は防げないと思います。
そういう意味で、警視庁や道路関係者などとも、バスと自転車走行者との安全対策について協議をされていくことが必要だと思いますけれども、どのような話し合いをされているんでしょうか。
○牧野自動車部長 都営バスにおきましては、自転車との事故防止を図る観点から、歩道からの飛び出しを防ぐためのガードレールの設置や無理な横断を防ぐための中央分離帯の設置などにつきまして、交通管理者である警察や道路管理者に要望し、改善に努めております。
また、自転車利用者に対しましては、警察と連携して交通安全教室を開催し、自転車を運転する際の交通ルールの遵守や正しい交通マナーの啓発に取り組んでおります。
○とくとめ委員 今、さまざまな道路事業者や警視庁などとも相談しながら対策を打っているということです。
私も、とにかく道路の左側を走らなきゃいけないということで、ある程度リスクを冒しても一生懸命頑張って走っておりますけれども、やっぱりそういう環境がないと、自動車と、あるいはバスとぶつかって自分の方が犠牲者になるというか、事故に遭うことは、もう当然だと思います。
最近、東京都内で、道路の左側に先ほど述べたナビマークというのがふえつつあります。しかし、ナビマークがふえても、車の方は大体左側に寄ってくれば、もうそれは自転車にとってみれば本当に危険な状態に置かれてまいります。
私がよく走っている明治通りでは、最近ナビマークがきちんと引かれて、バスの左側の内側にもナビマークが引かれて、自転車とバスの走行ラインを分けようという動きが強まっています。こういう努力を通じて、お互いが道路を共存共栄して安心・安全に利用する、そういう環境がどうしてもつくられなければ、事故をなくすことはできないと思います。
中には、歩道を走ればいいじゃないかということがあるんですけれども、もちろん歩道を自転車が走るのは禁止ではありません。だけれども、歩道にはたくさんの歩行者がいて、今、一万を超える交通事故、自転車事故の最大の場所は、やっぱり交差点だったり、歩道になっています。そういう意味では、自動車道路の左側を、ルールとして自転車が走るような環境をきちっと備えていくということが大変重要だというふうに思います。
そういう意味でも、今後とも、ぜひ公共交通機関の代表として都営バスが、自転車の安心・安全のためにも、また、都営バスの運転手の皆さんの安心・安全のためにも、共通して道路が安心・安全の交通環境になるように、とりわけ努力を強めていただきたいということを強く求めておきたいと思います。
それでは最後に、東京二〇二〇大会時の都営交通の対応について伺います。
都営交通について、我が党はこれまで、五輪を契機にバリアフリーの向上など、大会中はもちろん、大会後の都民生活の改善につながる対応を求めてきました。
大会期間中の交通対策については、ことしの七月にテストイベントが行われたこともあって、期間中は東京中に人があふれて、観戦に行くにしても日常生活の中でも、鉄道や道路を利用するにしても大変な混雑になるのではないかということが予想され、心配されている人も少なくないと思います。
そこで、東京五輪期間中は、客観的に東京の交通の混雑状況がどうなるというふうに交通局は想定されているのか、中でも都営交通はどういう対応が求められると予想されているのか、そのことについて教えていただきたいと思います。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大会期間中における観客の人数については、組織委員会及び都が公表している輸送運営計画バージョンツー(案)によると、オリンピックでは約七百八十万人、パラリンピックでは約二百三十万人と見込んでおります。
また、組織委員会及び都が公表している東京二〇二〇大会の交通マネジメントに関する提言のまとめ(案)によると、大会期間中に何も交通対策を行わなかった場合には、高速道路の渋滞は現況の二倍近くに、鉄道においても会場周辺駅や近傍路線を中心に局所的な混雑が発生するとされております。
このため、大会の主要な競技エリアと事業エリアが重なる都営交通においても、大会期間中は相当程度、乗車人員が増加するものと見込んでおります。
○とくとめ委員 観客数は、オリンピック期間で七百八十万人、五輪期間中は他の観光客等が減るということもあると思いますけれども、それが純増するわけでもないと思いますが、七百八十万人を単純に割り算しますと、一日当たり平均で四十五万人程度が増加することになります。
オリンピック・パラリンピック準備局によれば、東京の鉄道網は一日に二千五百七十万人を輸送するとのことになっております。これを単純に計算で割りますと、一日一・七%程度の増加になります。
会場周辺駅などは、混雑の発生が見込まれると答弁でもありました。もう少し具体的な予想が示されるといいと思いますけれども、都営交通などの個別の路線については、今秋、ことしの秋、需要推計が発表されると予定を聞いておりますけれども、そうすると都民的にも大変めどが立ちやすいのではないかと思います。
そこで、発表されている交通マネジメントに関する提言のまとめ(案)によれば、交通需要の増加に対して、朝のラッシュ時はもう既に限界まで電車を走らせているので増発はできないと、昼間は増発対応の可能性があるとされています。また、早朝や深夜の運転も考えられています。
都営地下鉄では、具体的にはどのような対応を検討されているんでしょうか、お伺いします。
○相川電車部長 都営地下鉄では、競技日程に応じた輸送需要を踏まえ、他の交通事業者などとも連携しながら終電の延長を実施するとともに、列車の増発について検討しております。
○とくとめ委員 終電の延長は、競技が終了して帰宅できる程度の時間までということになると思います。都営地下鉄の場合は、おおむね二時過ぎまでと発表されております。公表できるものは、できるだけ早期に明らかにしていただくことを要望しておきたいと思います。
都バスの対応は、どのようなことを考えていらっしゃるんでしょうか。また、経営計画二〇一九で、駅から離れた会場へのシャトルバスの運行等について組織委員会に協力するとされていますが、どのような協力を行うことになっているんでしょうか、具体的に教えてください。
○坂田バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、大会期間中、通常の路線バスの運行を確実に行う必要がありますことから、交通規制に応じた運行経路やダイヤを設定するとともに、運行に関する情報を利用者に的確に提供してまいります。
また、組織委員会からの要請に基づき、海の森水上競技場までの観客用シャトルバスを運行する予定でございまして、バス事業者のノウハウを生かし、組織委員会等と連携して準備を進めております。
○とくとめ委員 大会期間中は、会場周辺を中心に通行どめや交通規制が行われて、それがバスの経路やダイヤに影響してくると聞いています。大会専用レーンや優先レーンができたり、首都高の渋滞を避け一般道を走る自動車がふえることによる渋滞も起こり得ることで、こちらの方は都民の足である都バスにかなり大きな影響を与える可能性があると感じております。
そこで、質問ですけれども、増便や運転時間の延長のためには運転手や車両の確保が必要になりますが、都営地下鉄や都バスの乗務員の確保はどのようにするんでしょうか。車両はどのようにするのか伺いたいと思います。また、終電後の保守点検などの時間もとれなくなってしまうと思いますけれども、どのように対応することになっているんでしょうか。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 乗務員及び車両の確保ですが、都営地下鉄においては終電延長を実施することとしており、乗務員及び車両については、現在の人員及び車両数で対応する予定でございます。
都営バスにおいては、乗務員を例年四月と十月に採用しておりますが、来年度は十月の採用を大会前の七月に前倒しする予定でございます。車両については、通常より契約時期を前倒しし、大会までに新車を導入するとともに、更新予定の車両を一時的に活用して車両をふやすことで対応いたします。
また、都営地下鉄における終電後の保守点検については、通常、終車から始発までの限られた時間帯に行っている施設設備の保守点検作業について、複数年にわたり工程を調整することで、大会期間外に行うなど特別な対策を実施いたします。
○とくとめ委員 地下鉄は、現在の人員と車両で対応するということでした。バスについては、運転手の前倒しの採用や車両を早目に購入する、廃車の時期をおくらせる、こういう努力をされるということでした。保守点検も含めて、計画的な対応をとっていただいていることはよくわかりました。
都営地下鉄等の駅で、大会会場の最寄り駅とされている駅はどこなのかを改めて伺いたいと思います。
これらの駅などは混雑が予想されますが、どのような対策を考えているのでしょうか。警備員などは、ロンドン大会やリオ大会では大変不足をしており、東京でも交通局が警備員を確保するのは大変だと思いますけれども、どのように考えていらっしゃるんでしょうか。
○相川電車部長 都営地下鉄における東京二〇二〇大会会場最寄り駅は、国立競技場、青山一丁目、九段下、両国の四駅でございます。大会期間中は、これらの駅を中心に多くのお客様のご利用が想定されることから、お客様の安全を確保するため、警備体制を増強してまいります。
大会時には警備員の不足が見込まれることから、平成三十年度から令和二年度まで三年間の警備業務を一括で委託契約しており、大会期間中に必要な警備員を既に確保しております。
○とくとめ委員 会場周辺の駅は、相当な混雑があると見込まれております。駅員や警備員を初め、安全確保や案内などに大変な人員が必要になってくるのではないでしょうか。
運転手や駅員などを初めとする交通局の皆さんには、期間中は大変なご尽力をいただかなければならないわけですけれども、過重労働となることは避けなければなりません。この点については、交通局としてはどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
○渡邉職員部長 交通局では、労働組合と締結した時間外労働及び休日労働に関する基本協定において、時間外勤務を命ずることができる時間の上限を一カ月について四十五時間と規定しております。
また、特別条項を定め、特別な事情が生じたときに協議等の手続により命じることができる時間外勤務を、一カ月について八十時間を超えない範囲としております。
これらの取り扱いは、東京二〇二〇大会開催時においても同様でございまして、適切に対応してまいります。
○とくとめ委員 労働組合との協定を超えない範囲で対応するとのことです。特殊な事情が生じれば、一カ月八十時間を超えない範囲で時間外労働が可能ということですけれども、五輪の場合は事前からの準備を進めていただいていることもあり、大変ハードなスケジュールをこなしておられると思います。そういう意味では、命を預かる仕事をされている職員の皆さんですから、無理のない範囲内での勤務となるよう強く要望しておきたいと思います。
次に、混雑状況などの情報提供は、都民の外出の判断や混雑緩和にも役立つと思いますけれども、どのようなことを交通局としては検討されているんでしょうか。
○根木総務部長 大会期間中は、通常ご利用いただいているお客様に加え、観客や運営スタッフなど、国内外から多くの方が東京を訪れることが見込まれており、通常時とは異なる情報を広く発信する必要がございます。
このため、組織委員会やオリンピック・パラリンピック準備局等の関係機関と連携し、競技会場周辺の交通規制などによる影響や運行に関する情報が広く周知されるよう、ホームページへの掲載、都営地下鉄の車内や駅構内へのポスターの掲出、バス停留所への掲示等、都営交通のさまざまな媒体を活用し、お客様への情報提供に取り組んでまいります。
○とくとめ委員 情報発信は、高齢者や障害者、日本語の苦手な方々を初め、情報を入手しづらい方々にも届く方策と、わかりやすい形での提供を要望しておきたいと思います。
最後に、これらの費用がどのくらいになるかということ、大変関心がありますけれども、どのような財源で一連のオリンピック大会を、交通局として支える上での財源を賄うことになるのか、そのことについて伺いたいと思います。また、金銭的には幾らくらい見込んでいるのか、収支として赤字、黒字、どちらを見込んでいるのか、これについても教えていただければと思います。
○根木総務部長 交通局は、開催都市の交通事業者として大会期間中の輸送需要に的確に応えるとともに、安全で円滑な輸送を提供することで大会の成功に貢献していかなければならないと考えております。
そのために必要な予算につきましては、収入、支出ともに、引き続き適正に計上してまいります。
○とくとめ委員 大会に貢献するために、適切に計上するとのことでした。
五輪期間中の運行には、交通規制への対応や混雑対策、競技期間に合わせた深夜の運行など、交通局の皆さんのご苦労も並大抵のものではないと思います。人員の確保など、何年も前から計画的に準備されているということもよくわかりました。
利用者の安全や暑さ対策などの点からも、交通がスムーズに流れるということは、大会成功にとっても大変重要な要素だと思います。都民生活に悪影響を及ぼさない対応を求められます。さまざまな状況を想定しながら、万全の準備をしていただくことを心から要望したいと思います。
また、こうした皆さんの努力に係る費用についても、一概に赤字だからだめ、黒字だからよいということはあり得ませんけれども、やはり五輪開催に係る経費を収支として客観的にどの程度なのかということを都民にも明らかにしていくことも大事ではないかというふうに思います。
その点も積極的に情報開示をお願いして、質問を終わります。
○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後四時十四分休憩
午後四時三十一分開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言をお願いします。
○山口委員 それでは、質疑を行う前に、台風十九号の被害について一言申し上げたいと思います。
今回の台風十九号は、過去に類を見ないほどの強い勢力で関東に接近をし、東北に至るまで各地に大きな被害を及ぼしています。都内においては、人的被害については、死者こそ出なかったものの、私の地元である世田谷区においても多摩川が氾濫をし、浸水被害が発生するなど、物的な被害は大きいものでありました。
一方、全国に目を移すと、長野県や茨城県などで河川が大きく氾濫をし、広い地域で浸水、亡くなられた方も多数いらっしゃいます。昨年の西日本豪雨に匹敵をする、もしかするとそれを上回る被害となっているのではないでしょうか。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災をされた全ての皆様にお見舞いを申し上げます。改めて、自然の脅威と防災の大切さを心に刻まなければならないと思います。
さて、今回の事務事業質疑については、バスのことを中心にお伺いをしたいと思います。
私は、地元が世田谷区の三軒茶屋でございますので、よく渋谷駅を利用させていただきます。渋谷周辺は、東急電鉄が中心となって再開発が進められているところでありますが、新たな渋谷がどのようなまちになっていくのか、楽しみな一面もありますが、懸念もあるわけであります。
駅前のロータリーも工事をされており、仮設の乗りおり場みたいな場所でバスを乗りおりするわけでありますが、いずれはきれいに整備をされ、安全にバスを乗りおりできるようになると思っていました。
しかし、このロータリーは、工事完成後、バスとタクシーの共用となるため、安全に乗客に利用してもらえるのかどうか不安だという声が、実際にバスを運転されている方々から私のところにも寄せられました。
多くの鉄道駅前にはロータリーがあり、そこにはバス停留所で乗りおりをする方々だけではなくて、タクシーや自家用車から乗りおりする方々がたくさんいらっしゃるわけであります。
そこで、まず渋谷駅を初め、いろいろな駅で駅前ロータリーの整備が進められているわけでありますが、バスだけでなく、タクシー、一般車両の乗り入れ等もあるわけでありますが、安全性はどのように確保していくのか、お伺いしたいと思います。
○坂田バス事業経営改善担当部長 都営バスが乗り入れている駅にロータリーが整備される場合、お客様の利便性の向上に加えて、安全性が十分に確保されるよう整備計画を策定する関係機関や地元自治体等とバス路線数や台数を踏まえ、ロータリーの形状、お客様や車両の動線などを協議しております。
お話の渋谷駅につきましては、都営バスの複数の路線が乗り入れ、多くのお客様がご利用される中、現在、東口のロータリーの整備が進められております。工事期間中における安全を確保するため、お客様の動線上などに警備員を配置するとともに、営業所の職員がお客様と車両の誘導、警戒を行っております。
また、ロータリーの完成後はタクシーが乗り入れる予定であることから、現在、関係局や施工者、タクシー協会などと連携し、バスとタクシーのふくそうの防止に向けた運用方法や路面の標示を工夫するなど、安全性の一層の向上に向けた方策を検討しております。
○山口委員 さまざまな関係各位からの声を聞いて、そしてご意見をまとめて、今の形状に近づいてきているんだろうというふうに思うところでもありますが、今まさにお話をした私も住んでいる三軒茶屋においても、駅前のロータリー整備に向けて準備が進められているところでもあるわけであります。
この利便と安全性についてしっかり注目をしているところでもありますし、駅前ロータリーは、バスの停留所として特に重要な場所であるわけであります。乗客の皆様が安全に乗車できる場所として機能するよう適切に整備していただくようお願いをしておきたいと思います。
次に、バスでの外国人への情報案内についてお伺いをしたいと思います。
近年、日本国内には、外国人観光客が大変ふえてきているわけであります。そのような外国人の観光客の皆様が移動する手段として、これまでは鉄道への注目が非常に大きかったわけであります。
日本の鉄道は、分単位、秒単位で正確に動いており、そういう点も外国人にとって珍しいという部分もあるのだとは思いますが、そもそも外国の方にとって、自国でなじみ深い公共交通機関は、鉄道よりもむしろバスだという方が非常に多いと思います。このため、日本に旅行で訪れた際もバスを利用したいと考える方が非常に多いと聞いています。
私も、よく外国の方々から、どこどこに行くのにどのバスに乗ればよいのかと聞かれることも多いわけでありますが、東京には、外国人旅行客にとって大変魅力的なコンテンツがたくさん隠されていると思います。駅から歩いて行ける範囲内だけではなくて、駅からバスを使って行くような場所に隠れた観光スポットがたくさんあると、私自身も思うわけでありますが、そのためには、外国人への情報案内が適切になされることが非常に重要であると考えます。
そこで、バスをご利用いただく外国人の方々に対して、現在どのように情報案内が行われているのか、お伺いをしたいと思います。
○坂田バス事業経営改善担当部長 都営バスではこれまでも、外国人旅行者にも安心して快適にご利用いただけるよう、停留所の標識柱や案内板の多言語表記を進めてまいりました。東京二〇二〇大会の開催を控え、外国人旅行者でも、地下鉄からバスへスムーズに乗りかえられるよう、多言語による案内をさらに充実させております。
具体的には、バス路線の乗り入れが多い駅の改札口や駅前広場に、バスの発車予定時刻などの運行情報を英語でも案内できるデジタルサイネージを設置することといたしまして、昨年度までに六本木駅などに二十基設置いたしました。
また、運行情報を英語で表示できる新型の接近表示装置の設置を進め、昨年度までに有楽町駅前バス停などに二十基設置いたしました。
さらに、本年十月一日から、一部のバス路線におきまして、現在、漢字と数字で表記している系統番号にアルファベットを併記する取り組みを試行的に行っております。
○山口委員 漢字で表記をされているバス停が圧倒的に多いことによって、やっぱり数字とアルファベット、これは非常に大きな意味を持つと思います。
今お話にもありましたけれども、十月一日から一部のバス路線で、アルファベットの併記の取り組みが行われ始めているというところであると思いますが、これは広く、やはり、あとしっかりと目で認識ができる案内というもの、表示というものに取り組んでいただきたいと思います。
今まさに、ラグビーワールドカップが行われているわけでありますが、私もさまざまな方に声をかけられて、どこに行きたいんだけれどというふうに声をかけられると、もちろん基準に照らし合わせて、英語、韓国語、中国語と表記がなされているわけでありますが、ヨーロッパからのお客さんが大変多いんですよね。当然、仕方がないのでありますが、フランス語の表記はないのって聞かれることが、たくさん今回あったわけでありますが、もちろん何でもかんでもできるわけではありませんし、フランス語の表記をした方がいいというつもりもありませんけれども、やはり一目瞭然でわかる表記というものに関しては、これは言語を超えてしっかり伝わるような表記というものは重要だというふうに思っているところでもあります。
現在でも、いろんな取り組みをしていただいているということに関しては、十分理解をしているわけでありますが、先ほど申し上げたように、バスを利用する外国人がふえる余地というものは、これはたくさん、まだまだあると思うんです。そのためには、外国人が不安なくバスを利用できるようになる必要があると思います。
皆様もそうだと思います。私たちもそうですが、外国に旅行したときのことを想像していただくと、路線バスを使うって非常に不安が多いと思うんです。外国じゃなくても、国内でも余り行ったことがない土地のような場所だと、路線バスを使うというのは結構ちゅうちょしたりするものだと思うんです。しかし、そういった形で機会を逃しているんだとすれば、逸しているんだとすれば、これは余りにももったいない話だと私は思います。
私が外国の方から聞いた話によると、バスを利用するのに一番不安になるのは、自分がいるバス停に、自分が行きたい場所に行くバスが本当に来るのかどうか、これが一番不安なんだそうです。
そういう不安を取り除いていくことが、外国人観光客のバス利用増加に資すると思うわけでありますが、そこで、バス停でバスをお待ちの外国人に対して、今後どのように情報案内を行っていくのか伺いたいと思います。
○坂田バス事業経営改善担当部長 バス停における外国人旅行者への情報案内の充実に向けては、先ほど申し上げましたが、英語でのご案内も可能な新型の接近表示装置を今年度十基増設するとともに、外国人旅行者の利用が多い路線の停留所にQRコードを張りまして、バスの接近状況や行き先のバス停までの所要時間などを英語でご案内する運行情報サービスの当該停留所のページに、より簡単にアクセスできるように取り組んでまいります。
また、系統番号へのアルファベット併記につきましても、お客様からのご意見を募りまして、その結果を検証した上で、今後の導入拡大について検討することとしております。
引き続き、外国人旅行者の利便性を高めるための取り組みを着実に進めてまいります。
○山口委員 QRは非常にいいと思います。早速、今、進めていただくというお話もいただいたところでありますが、少し話はそれるかもしれませんが、今回の災害に際して、テレビも、災害の情報発信をするのにテレビの番組の中に常にQRを報道して、それに自分の携帯電話をかざしていただければ、自分の地域における災害状況だとか警報だとかというものを即時に見ることができる、こういった取り組みも進められました。
これはもう万国共通でありまして、QRを見て、そこにかざすということも万国共通でありますから、考えてみればそうですけれども、自分が海外に行って、アプリをダウンロードしてそのアプリを見るというのは、かなりの勇気が要ることだと思いますから、こういう誰でもわかる、本当にわかりやすいものがしっかりあるわけでありますから、これを生かした活用というものを進めていただけるとありがたいなというふうに思います。
言葉のわからない外国人の方であっても使いやすいということは、これは、いわば日本人、一般の方々、日本人の観光客も、一般に利用される方々にとっても、非常にありがたいことになるわけであります。
今後とも、ぜひ利用される立場に立って、世界中から、東京はわかりやすいといっていただけるように取り組んでいただきたいというふうに思うところであります。
次に、燃料電池バスについてお伺いをさせていただきたいと思います。
先日、潮見にある水素ステーション、また、東京スイソミルを視察させていただきました。立派な設備の整ったステーションでありましたが、なかなか利用が伸びず経営は大変だということでありました。
私も昨年、東京モーターショーにおいて、燃料電池車や燃料電池バスを拝見させていただき、また、視察もさせていただきました。メーカーの皆様方からさまざまな説明もお伺いをする機会もいただきましたが、それを伺っている中で、燃料電池の車は確かにいいものだけれども、まだまだ価格が高いというふうに私も感じたところであります。
国も都も、水素社会の実現を掲げて、その具体策として、燃料電池自動車の普及拡大を図ろうと取り組まれているところでありますが、そこにはいろいろな課題があるのではないかと考えているところであります。
交通局の取り組みを伺いつつ、私なりの考え方も述べたいと思うわけでありますが、まず、交通局では、既に燃料電池バスを導入し、営業路線で活用しつつあるわけであります。
そこでまず、燃料電池バス導入の意義と今後の方向性について伺いたいと思います。
○牧野自動車部長 燃料電池バスは、走行時にCO2などを排出しない環境性能にすぐれたバスでありまして、交通局は公営バス事業者として環境政策に貢献するため、平成二十八年度から先導的に導入を進めております。
今後は、バスに充填可能な水素ステーションの整備状況を踏まえながら、東京二〇二〇大会までに最大で七十両、令和三年度までに最大で八十両の導入を目指してまいります。
○山口委員 先ほど申し上げたように、燃料電池自動車、燃料電池バスは、確かにいいものだと思います。排出するのは水だけでありますから、環境にいいことは申し上げるまでもなく確かなわけでありますが、交通局としては、一定の条件はつくものの導入拡大を図りたいというふうにお考えになられているということは今の答弁でわかりました。
そこで、疑問となるのはコストの面であります。先ほど、いいものだけれども、価格としてはまだまだ高いというふうに申し上げました。我々が普通に買える燃料電池自動車もあるわけでありますが、大体七百万から八百万、これはかかるわけであります。普通のガソリン自動車だと三百万から四百万ぐらいがスタンダードな価格となるわけでありますから、その倍以上の値段となるわけであります。これがバスともなると、ほとんどがオーダーメードとなるわけでありましょうから、もっと値段の差があるのではないかと思います。
それ以外においても、故障したときにかかる修理費や、パーツ、部品の値段、そもそも燃料の価格、コストなどがどうなのか、気にしながら導入について考えていかなければならないところだと思います。
そこで、燃料電池バス導入に際してのコストについてお伺いをしたいと思います。
○牧野自動車部長 燃料電池バスにつきましては、一般のディーゼルバスと比べまして極めて高額でございますが、国及び都の補助制度により、購入者がその差額分の補助を受けております。
現在、燃料電池バスは、購入したリース会社からリース契約により導入しておりまして、補助を踏まえたリース料が設定されております。また、整備費用は、一般のバスとおおむね同等でございますが、燃料費は割高となっております。
○山口委員 限られた時間の中なので、大変早口の答弁でありがたいところではございますが、今、インターネット中継も始まっておりまして--大丈夫ですよ、ありがたいことだと思っております。感謝をしている言葉でございます。
現在では、高価なバス車両本体価格についても、補助金によりリース料に転嫁されないということは今の答弁でわかりました。燃料費が若干高いということではありますが、それだけ聞くと、事業者の負担はそれほどふえるわけではない。であるならば、いいものなんだから燃料電池バスがもっと普及していいように思うわけであります。
そこで、燃料電池バスの導入拡大に当たって何が課題となっているのか、率直に伺いたいと思います。
○牧野自動車部長 燃料電池バスは、車両本体価格に加えまして燃料費も高額であり、導入拡大に当たりましては、購入や燃料費に対する補助制度の充実が必要であると考えております。
また、毎年義務づけられている水素ステーションの定期点検や故障時のバックアップ体制も含めまして、バスにも充填可能な水素ステーションをバス営業所の近隣へ十分な数、整備されることが不可欠でございます。
○山口委員 多少であっても、燃料の価格の差は、規模の小さいバス事業者にとっては大きな違いとなることは理解ができます。また、営業所の近くに水素ステーションの整備が必須であることも、これはよく理解ができます。
先ほど、水素ステーションを視察させていただいたとお話をさせていただいたところでもありますが、ステーションの経営者の方からは、ステーション設置に係る規制、一例を挙げれば、道路から八メートル離さなければ、そのステーションをつくることができない。この必要性を考えると、まち中だと設置ができないであるとか、なかなか利用がふえないため経営が大変だとか、さまざまな具体的な経営者としての課題を伺うこともできました。
交通局にこれは申し上げる話ではありませんが、国や都が本気で水素社会の実現をさせたいというのであれば、もっともっとこの燃料電池バスや燃料電池自動車の普及拡大に取り組むべきであって、そのためには、規制の緩和や補助金の充実に取り組むべきであります。
必要な予算を確保していくことは申し上げるまでもないわけでありますが、国民、都民に対しても、規制緩和や補助金の必要性の理解が得られるよう説明を尽くしていかない限り、この普及拡大にはつながらないんだろうというふうに思います。
さて、この燃料電池バスから少し視点を変えて、環境に関する話でもう一つ伺いたいことがあります。
先日、バス会社の方とバス停のソーラーパネルの件で意見交換もさせていただきました。都で補助金を出しているので進んでいるものかと思ってお話を伺いに行きましたが、実はそうでもないということがわかりました。個人的にはもっと進んでほしい事業であるわけでありますが、交通局の取り組みについて伺いたいと思うんですが、このソーラーパネルの設置事業に係る取り組み状況と課題について伺いたいと思います。
○坂田バス事業経営改善担当部長 都では、都民に再生可能エネルギーを身近に感じてもらい、さらなる普及拡大につなげるため、平成二十九年度より、バス停留所へのソーラーパネル等の設置費用を助成しております。
交通局は、環境政策に貢献するため、この助成を受け、平成三十年度までに二十棟のバス停に設置し、今年度さらに十棟に増設する予定でございます。
一方、ソーラーパネルの設置をさらに進めていくには、維持管理に対する助成制度がないこと、都心部では発電効果が十分に得られる日当たりのよい停留所が限られていることなどの課題がございます。
○山口委員 これ本当に課題が浮き彫りになっておりまして、設置をするに当たって、当然、補助金事業の基本ルールとして、バス事業者の方に一部負担していただかなければならないという課題は十分理解もできますし、しかしながら、バス事業者の方がその負担をしてまで、果たしてそのソーラーをつける価値がどこにあるのかということをしっかりと見出してあげなければなりませんし、さらには、お話にもあったように、維持管理に対する補助というものが、今のところまだなされていない、これもやっぱり大きな課題だろうというふうに思います。
設置について、東京都はしっかりと進めていきたいと、その意味について、意義について高い価値があるんだというのであれば、やはり維持管理をしていけるところまで、しっかりとその補助、さらにはそのソーラーの意義というものをバス事業者にも共有していただく、さらにはその負担をする価値があるというものをしっかりと理解していただくようにしていかなければならないんだろうと思いますし、それが難しいのであれば、ほかの手段をもってしても、誰が負担をすればできるのか、どうすればつくれるのかという新たな手段を考えてでも、この事業は進めていくべき価値があるのではないかなというふうに私は思っております。
そこも含めて伺いたいんですが、広告について伺いたいと思います。
交通局は、地下鉄やバスといった交通事業を行っているわけでありますから、当然乗客をふやし、乗車料収入を上げていくということが本筋とお考えになられていることは十分理解ができます。しかしながら、それ以外の部分でも、言葉は悪いですが、稼いでいくことは私は重要だというふうに思っています。
例えば、広告による収入、これは非常に私は大きな価値があるのではないかと思っています。多くの人の目に触れる場所に、あいているスペースがあるのであれば、そういう場所に広告を出したいと考えている事業者はたくさんこの都内にいらっしゃるはずであります。
交通局において、過去に、他事業者に先駆けてラッピングバスを導入されました。この点において、都の交通局は、高くこれは評価されるべきだと思いますし、このバスの車体広告については、一例を挙げるならば、車内というイメージが強かったわけでありますが、バスの外側全体を使って広告を載せるというのは、当時にしてみれば新しい発想だったわけであります。しかし、バスは起点から終点まで動いていくので、より多くの人の目に触れることができる。しかも、渋谷や新宿などのような多くの人の目に触れる場所を走るバスの広告的価値というのは、私は今もなお高いものがあるというふうに思っています。
最近では、大きなデジタルサイネージを載せて、広告を流しながら走ったりする、いろんな形態の広告トラックなども走っているわけでありますが、このラッピングバスの存在がいかに大いに参考になったかということは申し上げるまでもないではないかと思います。
広告を掲出できる新たなスペースとして私が注目をしているのは、まずはバス停の上屋であります。
上屋は、雨風をしのぐこともできるわけでありますし、暑い日には日陰にもなります。その上、広告スペースを広く確保できることから、広告料収入を上げることができる、まさに一石二鳥、三鳥というふうに考えるわけでありますが、そこで、バス停の広告つき上屋については、今後どのように展開をしていくお考えなのかを伺いたいと思います。
○坂田バス事業経営改善担当部長 交通局では、バス停に上屋を設置することで、お客様の利便性、快適性の向上に努めておりますが、広告つき上屋につきましては、広告料収入を上屋の整備や維持管理の費用に充てることで上屋の整備を促進できるというメリットがございます。
広告つき上屋の設置には、歩道の幅員が確保されていること、共同溝など地下埋設物の支障物がないことなどの制約がございますが、経営計画二〇一九に基づきまして設置を進めてまいります。
○山口委員 この物理的な制約というのはやむを得ないと思います。しかしながら、一つ一つこの規制と闘いながら取り組んでいかなければ、これはふえていくことはないと私は思います。必要であるという、経営計画に記されているからこそ申し上げるわけでありまして、どうかしっかりと整備を進めていただきたいと改めて申し上げておきたいと思います。
次に、もう一点伺います。
最近、駅では、ホームドアの整備が進められています。ホームドア、ホームからの転落や列車との接触を防ぐ大変すばらしい設備であることは申し上げるまでもないわけでありますが、一方、このホームドアは、いいかえてみれば一種の壁なわけであります。新たな壁が駅の中にできたわけであります。
そんな新しい壁は広告スペースとして新たな価値を生み出すものになるのではないかと思うわけでありますが、そこで、地下鉄のホームドアへの広告の活用について、これまでの取り組み、また、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○広瀬資産運用部長 都営地下鉄におきましてはこれまで、三田線、大江戸線でホームドアを活用したステッカー広告を販売しておりまして、先般、全駅への設置が完了した新宿線におきましても、各駅の運用開始に合わせて順次販売してまいりました。
今後は、浅草線におきましても、ホームドアの設置が進むことから、来月十一月から販売を開始いたします。
○山口委員 繰り返し申し上げることになりますが、駅や車内に広告を出したいという事業者の方々はたくさんいると思います。これは都内と限らず、世界中に恐らくいると思います。
駅や停留所にしても、まだまだ活用可能なスペースが、私はあるように思います。そもそも案内すべきことが見落とされてしまう、わからなくなってしまうような広告の出し方をしてしまえば、これは本末転倒になってしまうから注意はしなければなりませんが、ぜひとも工夫して、新たなスペースを見出していただく、またさらに、このスペースがあるんだと、そういう広告ができるスペースができたんだということ、売り込みも大変重要な観点になると思いますので、ぜひとも一つ一つ丁寧に進めていただいて、この収入の確保に努めていただきたいと、このように思うところでありますので、強く要望しておきたいと思います。
最後に、計画運休について伺わせていただきたいと思います。
先般の台風十五号のときもそうでありましたが、今般の台風十九号でも、多くの鉄道が計画運休を行いました。計画運休という取り組みはまだまだ始まったばかりでありますが、私は、この取り組みを非常に高く評価をしているところであります。個人的にも、鉄道会社が早目に運休を行うことを知らせてくれたおかげで、きちんと帰宅できたという恩恵も受けています。
これまで多くの事業者が計画運休に取り組んできているところでありますが、この計画運休を実施するに当たっての課題についてお伺いをしたいと思います。
○西川安全管理担当部長 計画運休を実施するに当たりましては、なるべく早く実施を決定し、その内容を広く情報提供することが求められております。
一方、計画運休は、気象予報の内容を参考にしながら決定しており、早期に実施を決定する場合、確度の低い情報に基づかざるを得ず、適切な運休開始時刻や運転再開時刻等を定めることが困難であることなどが課題と考えております。
○山口委員 これまで地方においては経験することがあったこの計画運休と呼ばれるものが首都圏で行われるようになったことで、都民を初め、利用する、またはする予定のあった全ての方々の意識を変える、この大きなきっかけになったことは申し上げるまでもないわけであります。
今お話にもあったように、大切なことは、どのタイミングで見きわめをするのか、さらには、ほかとの連携、自分のところだけではなくて他線との連携も考えて、どのタイミングで計画運休を実施をするのかと、この見きわめに対しては、ぎりぎりまで本当に皆さん苦労されていることと思います。
しかしながら、鉄道が計画運休を行うようなときは、無理をして仕事をしない、学校には行かないというような世の中にもうなった方がいいんだと、もちろん病院とか、天候には関係なくやっていないと困るような業種は別でありますが、そうでなければ、思い切って全ての安全のために休む勇気を持てる世の中にした方が私はいいと思います。
むしろ、そういう世の中になるべきだろうと思いますし、最後に、今後の台風への対応について、特に計画運休という観点から伺いたいわけでありますが、今回の台風十九号を踏まえて、今後、計画運休についてどのように取り組みをなされていくおつもりか伺いたいと思います。
○西川安全管理担当部長 台風が接近する際に、鉄道等の交通機関が計画運休を行うことにつきましては、社会的な理解が広がりつつあると認識しております。
国も、七月に発表した鉄道の計画運休の実施についての取りまとめにおきまして、大型の台風等が接近、上陸する場合等におきましては、列車の駅間停車や駅での混乱等を防ぐなどの安全確保の観点から、路線の特性に応じて、計画運休は必要であるとしております。今後とも、国や他事業者等の動向を踏まえつつ適正に対応してまいります。
○山口委員 今回の台風で、交通局では大きな被害は受けていないというふうに伺っております。交通局の方々の対応が的確だったのか、はたまた運がよかったのか、それともその両方かは、この時点ではまだまだわからないところが多分にあります。しかし、それもこれまでの取り組みが十分に、被害として出なかったところにつながっているんだというところは、高く、私は今の時点でも評価ができると確信をしています。
しかし、今後、台風や大雨の対応を行う際に、災害の歴史の振り返りとして、今回の台風が一つの基準になることは間違いがないと思います。二〇一九年台風十九号のときはこうだったみたいにいわれていくのだろうというふうに思います。
今回の台風の対応について、交通局でも振り返りや検証を行うことと思われます。見直すべきことがあればしっかりと見直して、災害に強い都営交通をしっかりと実現をしていただくよう要望して、質問を終わります。
○上田委員 事務事業質疑ということで、本年も多岐にわたりまして端的にお尋ねさせていただきたいと思います。
また、さきの台風では、災害に遭われた方、亡くなられた方々の冥福を深く祈ると同時に、お見舞いを申し上げる次第でございます。
初めに、各事業の利用者数について、過去十年にわたる交通局事業の利用者推移と需要、傾向、横ばいの事業もありますが、それを受けての因果分析と対応の所見をお示しください。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営交通の一日当たりの乗客数は、平成二十一年度には約三百万人でしたが、この十年で増加し、三十年度には約三百六十万人となっております。
このうち、自動車運送事業と新交通事業、高速電車事業については、沿線開発の進展等により乗客数が増加基調にあり、引き続き輸送需要に的確に対応してまいります。
また、軌道事業については、乗客数はおおむね横ばいに推移しており、沿線地域と連携しながら一層の旅客誘致に努めてまいります。
○上田委員 そのためには、都は中長期的に安定した事業運営を行うことができる強固な経営基盤を確立するため、資産の利活用等により一層の増収に努めつつ、さらなる経費の精査と無駄の排除を徹底することなどを方針として、これまでの取り組みを踏まえながら編成を行ってきたと伺っております。
軌道事業、都電荒川線ですね、東京さくらトラム案内板改修に五百五十万円かかった軌道事業、SNS等を活用し、外国人旅行者などへの情報発信を積極的に行い、旅客誘致を図るとともに、一層の経費節減に取り組んだこととは存じますが、成果を伺います。
○根木総務部長 軌道事業では、英語、中国語、韓国語、タイ語の四カ国語に対応した外国語版のSNSを活用し、外国人旅行者などに向け、東京さくらトラム、都電荒川線の魅力や沿線の観光情報を発信するなど、旅客誘致の取り組みを積極的に進めております。
また、経費につきましては、停留場照明のLED化など、省エネ設備の導入や計画的な修繕による設備の延命化など一層の経費節減に努めております。
○上田委員 ハロウィン電車のシーズンですけれども、和歌山電鐡の貴志川線でしたっけ、たま駅長など、大赤字路線を黒字に転じた地方の例を参考にされて、この横ばいから黒転するように努力していただきたいと思います。
接遇と苦情対策についてです。
サービス推進活動方針については、お客様の声等を活用した事業改善、お客様の立場でみずから考える風土づくりを主な取り組みとして掲げ、サービス推進活動に取り組んでこられていますが、年々新たな課題が発生すると思料します。
各事業の具体的な目標、推進活動、重点的に考えている点をお尋ねします。
○根木総務部長 サービス推進活動方針では、お客様の声等を活用した事業改善やお客様の立場でみずから考える風土づくりを重点としております。
電車部門では、目標をお客様の立場に立ったサービスに取り組むと定め、具体的な内容として、駅改良工事中の丁寧なお客様案内や駅構内の美化活動などを行っております。
また、自動車部門では、お客様の利便性や快適性の向上に取り組むと定め、具体的な内容として、バスロータリーの乗り場案内図の作成やバス停留所付近の清掃などを行っております。
○上田委員 そのお客様の声、これ資料の23になりますけれども、何かと世間を騒がす迷惑行為やマナー違反などSNSでも取り上げられております。殊に、ホームドアが普及したからこそトラブルも起こるなど発生していないか気になっております。
具体例や傾向、対応策をお尋ねいたします。
○相川電車部長 具体例でございますが、ホームドアに寄りかかったり、手などをホームドアの外側に出したりする事例が見られます。こうした行為は、列車と接触するおそれがあるため、ポスターや放送により注意喚起を行っております。
○上田委員 また、お客様のご意見は、全件お客様の声システムに登録し、局内でご意見の内容や処理概要などの情報を共有するとともに、代表的な事例については、担当部署で対応するとともに局内ポータルサイトに十日に一度掲示して職員に周知しているということなのですが、実際、どのように閲覧されているのか、全員見ているのか、確認します。
○根木総務部長 お客様の声につきましては、お客様の声システムに登録した後、回答が必要のない案件も含めて電子メールで通知するほか、必要に応じて声の内容を職場に掲示しております。
○上田委員 やっぱり職員の接遇の苦情というのが大事でございまして、対応は、まず事実を確認、必要に応じて当該職員への指導を行っているとのことでありますが、必要とする判断基準というのはありますでしょうか。
また、参考となる事例は職場内で共有し、類似した苦情の再発防止に努めているということですが、具体的にはどのように工夫しているのでしょうか、伺います。
○渡邉職員部長 一律の判断基準はございませんが、所属長等の管理者が、お客様と職員それぞれの意見や周辺状況を勘案し、職員の対応に問題があると判断した場合に適切に指導を行っているところでございます。
また、参考事例の共有方法でございますが、代表的な事例を局内ポータルサイトに十日に一度掲出し、職員に周知しております。
○上田委員 貴重な声は、教育体制に反映されると思いますが、研修所が実施する集合研修と各職場でのOJTを二本の柱とし、職員の接遇研修を実施しているとのことです。それぞれにおいて、職員の参加率や同じ職員がどのくらいの頻度で受けているのか、どのようなスケジュール感で実施しているのか、ちょっと確認させてください。
○渡邉職員部長 研修所では、接遇研修を職員の採用時に必ず実施しており、その後におきましても、地下鉄の駅係員については入局三年目と十年目に、バス乗務員については五年ごとに研修を実施し、それぞれ受講を義務づけているところでございます。
そのほか、例えば、グループリーダーや助役への昇任時、駅係員から車掌への職務変更時等の研修の際に接遇のカリキュラムが組まれており、対象者全員が受講しております。
また、OJTにつきましては、各職場で実施計画を立て、ベテラン職員によるマンツーマンでの新人教育など、現場の実態に即し、適時適切に実施しております。
○上田委員 それは職場内ということでした。
一方、都営交通モニター制度は、毎年約四百名の方を選任しています。その中での職員のお客様対応に係る調査結果をご報告ください。また、駅や停留所の改善は、具体例を挙げて、どうモニターによって改善されたか、ご説明をお願いします。
○根木総務部長 都営交通モニター調査では、職員のお客様対応について、直近では五点満点で四点以上の評価を得ております。
また、モニター調査の結果も踏まえ、地下鉄駅構内のトイレのリニューアルやバス停における案内の充実などを進めております。
○上田委員 各委員も指摘されました外国人向けの対応ですが、これもまたモニター調査をしています。外国人の方の観点から、地下鉄など多言語表記などに対して率直なご意見を伺い、外国人利用の実態に合ったニーズを把握されているということですけれども、結果を受け、どうサービス改善につなげたか、事例をご説明ください。
○根木総務部長 サービスにつなげた例といたしましては、多言語に対応した大画面の券売機やターミナルにおけるバスの案内用デジタルサイネージについてご意見をいただき、設置の際の参考とした例がございます。
○上田委員 設置場所もきっと参考にされたのだと思います。
また、お客様の声システムでは、紙媒体から電子化したことにより、対応の決定に関する事務処理及びお客様への回答の迅速化が図られたとのことですが、時間的にどれほど短縮され、その結果、処理件数は上がったのか、前回運休時などは、全駅構内への一斉放送や車内液晶モニターへの一斉配信を行うなどの改善を図れたとは伺いましたが、そのほかお客様サービスの向上へどう貢献したのか伺います。
○根木総務部長 お客様の声システムは、平成二十五年度に導入しておりますが、受け付けたご意見につきましては、電子メールにより即時に担当部署に通知することが可能となっております。
また、サービス向上につながった事例でございますが、駅構内の混雑に関する声が複数寄せられたことを踏まえ、階段の通行区分を新たに表示し、お客様の流動を改善した例がございます。
○上田委員 しっかりとシステムの迅速化が生きているようでございます。
忘れ物です。資料、13でございます。
取扱件数も返還件数も減っております。遺失物管理システムはこれまでどおりなのでしょうか。何か改善は図られていますか、なぜ減ったのかも踏まえ、所見をお聞かせいただきたいと思います。
○根木総務部長 遺失物管理システムにつきましては、特に問題がないことから変更してはございません。
また、遺失物が減少している理由についてでございますが、駅構内や車内での注意を促す放送等の効果によるものと考えております。
また、お忘れ物センターにおける返還件数が減少している理由は、駅や営業所などに直接引き取りに来るお客様がふえているものと考えております。
○上田委員 現場での対応が功を奏していることを確認させていただきました。
障害者対応ですけれども、視覚障害者が、先ほども同僚委員が触れていましたが、やはり線路に転落して亡くなったり、ホーム内で転倒して白杖を折られたりとトラブルが報道されております。
交通局として、大きな方向性としての障害者対応に対する考え方を障害種別に基づいてお答えください。その際のサービス介助士資格、これ資料で22をちょっと取り寄せていますが、有する職員をどう活用しているのか、お示しください。
○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、全ての駅にサービス介助士の資格を持った駅係員を複数名配置しておりまして、障害者のご要望や状況に合わせて、お困りのお客様へ駅係員などによるお声がけを徹底いたしますとともに、丁寧な誘導やご案内に努めております。
○上田委員 殊にホームドア未設置の駅につきましては、より丁寧な対応をお願いしたいと思います。
子育て車両が実施され、きかんしゃトーマス、うちの息子も大好きでしたけれども、人気も相まって大きく取り上げられました。都営交通お客様センターなどに寄せられますお客様の声ですとか、都営交通モニターからのさまざまなご意見を参考にいたしまして、どのような声が寄せられ--今後の展開について検討していくとのことでしたが、その後の状況をお聞かせください。
○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 大江戸線での運行開始後、お客様や都民の方からは、さまざまな声が寄せられておりまして、一部には否定的なご意見もありましたけれども、多くは感謝や賛同などの好意的なご意見でございました。
また、運行本数の拡大とわかりやすい運行時刻へのご要望が多いことから、子育て応援スペースを設置した大江戸線の車両を、現在の三編成から、今年度末までに七編成に拡大いたしまして、ご利用いただける機会をふやしますとともに、一部の列車を毎日同じ時刻で運行するなど、お客様の利便性を高めてまいります。
○上田委員 ぜひ、江戸川区は出生率一番高いので、新宿線等々でも、また開始していただければと思います。
お子様連れマタニティーの利用者につき、ネックは階段だと思っております。ベビーカーや荷物の持ち運びサポートなど広がっているのか、現場の職員の声などお聞かせください。
○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 ベビーカーや荷物の持ち運びにつきましては、困っておられるお客様からご依頼がありました場合には、駅係員が対応しております。
なお、現場の職員からは、お客様同士の助け合いを目にすることもあるというふうに聞いております。
○上田委員 利用者さんの意識が高まってきました。本当にポスター等の効果が出ていると痛感しております。
これまで局では、ヘルプマーク、マタニティーマークを身につけたお客様がふえていると実感されていて、困っているときに気づきやすかったなどと聞いております。また、視覚に障害があるお客さんからは、人混みの中で駅係員から気配りを受けたことに対する感謝などをいただいた、ヘルプマークの普及啓発に努めるとともに、声かけサポート運動に取り組んでいらっしゃるとのことでした。
一方、メトロ及び交通事業者八十三社では、鉄道等を利用になるお客様が、安全・安心に施設をご利用いただけるよう、この十月七日から声かけサポート運動強化キャンペーンが行われております。
これまで私は、車両も駅構内も、隔離された場ではなく、さきのトーマスコーナーもいいんですけれども、昭和の時代の都電のように、子育て中の人を容認する緩やかな気風も欲しいと申しておりまして、このような取り組みはいいなと考えております。
交通局は、このキャンペーンにどのようにかかわっているのでしょうか。
○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 交通局では平成二十八年度から、ほかの交通事業者とともに、共催団体の一つとして声かけサポート運動に参画しております。また、この運動には、障害者団体なども参画しており、情報の共有が図られております。
強化キャンペーンにおきましては、一部の駅で、ほかの鉄道事業者とともに、お客様に声かけサポート運動へのご協力のお願いやポケットティッシュの配布を実施しております。
さらに、駅係員に声かけサポートの研修を実施いたしまして、視覚障害者などに適切な対応ができるよう努めております。
○上田委員 このキャンペーン、十一月までたしか続くと思います。メトロさんの方が結構ツイッターで発信していて、ぜひ交通局でも発信をお願いしたいと思います。
資料、15では、痴漢や盗撮は減少するも、お客様同士の暴力がふえております。職員への暴力は微増、職員への暴力防止のポスターの効果はあったのでしょうか。また、職員への暴力に対する具体的な対応策を教えてください。また、カメラ映像の警察への提供も顕著に増加していますが、その理由、わかればお聞かせください。
○相川電車部長 交通局では、鉄道各社及び警察と連携して、ポスターの掲出や車内放送などにより、暴力行為の防止を広く呼びかけておりまして、一定の効果があると考えております。
駅係員が暴力の被害に遭った場合は、直ちに他の駅係員に連絡し、複数で対応するとともに警察に通報することとしております。
なお、防犯カメラの映像は、警察からの依頼に基づき提供しているものであり、増加の理由については把握しておりません。
○上田委員 都の防犯活動にも、多分カメラの映像が役立っているのかなと考えました。
台風十五号につきましては、混乱が発生しましたが、十九号では、早目の判断を下されました。この一連の経緯と台風に係る対策の課題と所見をお示しください。台風時、子供や妊産婦、障害をお持ちの方などに対しまして、移乗の補助はどうされたのかもご説明ください。
○西川安全管理担当部長 台風の際、地上部において、運転規制を超える強風が見込まれる時間帯から、台風通過後、施設の安全が確認されるまでの間、運行を休止することとしております。
今後とも、台風で運休等を行う場合は、早目の判断と的確な情報提供が必要と考えております。
また、移動の補助につきましては、台風の際も、申し出があった場合は、周囲の状況に応じて係員が適切に行うこととしております。
○上田委員 そして、改めまして、地下鉄の浸水対策につきご説明いただければと思います。
○西川安全管理担当部長 都営地下鉄では、浸水対策といたしまして、さまざまな取り組みを行っております。
例えば、ハード面では、駅への止水板や防水扉の設置、通風口への浸水防止機の設置等を行っており、ソフト面では、各駅で避難確保・浸水防止計画を定め、訓練等により職員の対応力を向上させております。
○上田委員 備蓄品についてです。
国等における議論も踏まえ、帰宅困難者が最も多く発生する平日正午の発生を想定、地下鉄全駅にとどまる帰宅困難者として推定する約五万人分を保管されております。各駅の配置数につきましては、乗降客数や駅構内の広さを考慮し、適切に設定しているとのことですが、今回のこともありました。
随時見直しは行っていないのか、確認をさせていただきます。
○西川安全管理担当部長 各駅の配置数につきましては、乗降客数や駅構内の広さを考慮いたしまして適切に設定しておりますが、今後、更新のタイミングに合わせまして見直しを検討しております。
○上田委員 五万人で足りるのかなということもちょっと考えさせられました。
また、私どもは東部低地帯でございますので、水が入ってきたことを考えますと、やはり運休がベストというふうに感じさせていただいた次第でございます。
また、登下校や塾の行き帰り、子供だけだった場合の対応を懸念したところ、避難誘導に関するマニュアルにつきましては、子供も含めたものとなっているとのことです。周りの大人に協力いただくそうですが、具体的にどうするのか、お聞かせいただければと思います。
○相川電車部長 お子様への声かけや避難誘導は、駅係員が適切に行うこととしておりますが、必要に応じて、大人のお客様に対して、移動の補助などのご協力をお願いいたします。
○上田委員 子供一人じゃ本当に判断できないので、何とぞよろしくお願いしたいと思います。
次は、メンタルヘルス対策についてです。
自殺事案に遭遇してしまった運転手と乗務員サポート体制が徹底されていることは確認しております。ここ五年の事故数と傾向をお示しください。
○相川電車部長 過去五年間の投身による事故件数は計十八件でございまして、傾向として、ホームドア設置駅での発生はほとんどございません。
○上田委員 ホームドアは本当に効果があるということです。
超過勤務実績及び自殺数でございますが、資料、25を鑑みての所見と取り組み状況につきお聞かせください。
○渡邉職員部長 平成二十六年度から平成三十年度までに自殺した職員六人について、直近一年間の勤務状況を確認したところ、超過勤務時間は、月八十時間を大幅に下回っており、自殺との直接の関連性はないと思われます。
一方、当局が行っている超過勤務縮減の取り組みにつきましては、毎週水曜日や給与支給日に定時退庁を促すほか、残業削減マラソンや二十時完全退庁の徹底などを実施し、職員のライフワークバランスの推進に努めております。
○上田委員 随時把握、よろしくお願いします。
Wi-Fiです。
無料Wi-Fiサービスに関する意見があった場合などには、適宜機器を設置している事業者に情報提供、事業者が状況に応じて機器の調整などを実施、引き続き同様に対応していくということでありますが、いよいよオリ・パラ、一年を切って、現状は前進したのか、お聞かせいただければと思います。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営交通で提供している無料Wi-Fiサービスは、通信事業者が機器を設置して実施しております。ご利用が集中すると通信速度が低下することもあり、こうした状況を把握した場合には、適宜通信事業者に情報提供を行い、改善を促しております。
○上田委員 となると、次はバリアフリー、ユニバーサルデザインでございます。
駅構内の案内図の改修に合わせ、一昨年度、新たにバリアフリールートの表示をされ、必要に応じてエレベーターの位置を示すサインを追加、案内サインの改修費用全体として二億二千万円を計上しているとのことですが、進捗をお聞かせください。
○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 案内サインの改修につきましては、現在、東京二〇二〇大会関連重点駅などの改修に向けて契約準備を進めているところでございまして、今年度末までに改修を完了させる見込みでございます。
○上田委員 次に、ToKoPoです。資料の11、ごらんください。
変換ポイントが初めて九百万台となりました。利用について伸び悩んでいるやに思われます。
交通局として費用対効果あるのか、利用者にメリットがあるのか、ご所見も求めます。
○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 ICカード乗車券PASMOを利用して、都営交通をご利用いただいた乗車実績に応じてポイントをつけるサービスでありますToKoPoにつきまして、会員数は、平成三十一年度期首で約九万四千人と微増の傾向でございまして、都営交通の利用促進に寄与しているものと考えております。
また、お客様がポイントを変換してPASMOにチャージされた実績は、年間で約一千万ポイントで推移しているところでございまして、お客様にはメリットがあるものと考えております。
○上田委員 私もPASMOチャージ、すっかり忘れていましたので、私も実現したいと思います。
次は、事業外収入です。
資料、12ですが、二十九年度と三十年の広告収入全体を見ますと、三十年度は微減しました。
広告媒体に応じた販促検討を代理店とともに行って、大手鉄道十一社共同の販売を行うなど、さまざまな企画を実施され、新規販促を実施、紙媒体の収入確保に取り組むとともに、課題でありますデジタル広告の一層の拡大のため、車両更新に合わせ地下鉄車内液晶モニターの導入を行い、今年度は、税込みで四十四億円の収入確保を目指すとされていました。
デジタルサイネージなどは、ベンチャー企業などが得意とする分野ではないでしょうか。一定の基準を満たした三十社を指定広告代理店としているということですが、広告代理店の新規参入などは考えていないのか、ご所見を伺います。
○広瀬資産運用部長 交通局では、広告業務に相当の経験を有するなど、一定の基準を満たした広告代理店を指定しておりまして、現在三十社となっております。
広告代理店から新たな指定希望があった場合、改めて公募手続を行うこととしております。
○上田委員 貴重な血税でございますので、代理店に丸投げすることなく、内部でしっかりとチェックをしているのか、体制も伺います。
○広瀬資産運用部長 交通局では、広告代理店ごとに販売目標額を提出させてヒアリングを行うとともに、各社の毎月の広告料収入を把握するなど適切に管理しております。
○上田委員 よろしくお願いします。
改札口大型モニターですが、遅延情報とともに、やはりそこは利用者を信頼しまして、時刻表の表示をしていただく方が利便性が高まると思います。
検討はしないか、同業他社はどう判断しているのか、お聞かせください。
○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 ほかの鉄道会社では、改札口付近に列車の発車時刻などを表示している駅があることは承知しておりますけれども、都営地下鉄では、駆け込み乗車を助長するおそれがございますことから、原則として、ホームの行き先案内表示器において表示しております。
○上田委員 声かけキャンペーンのように、ぜひ他社とこの点は横並びにしていただきまして、改札口大型モニターにも時刻表を出していただきたいと重ねてお願いを申し上げます。
不動産貸与の収支についてですけれども、平成二十九年、目黒セントラルスクエアも竣工し、資料、24のとおり十億増収をしました。交通局は、行政財産や行政財産との共有建物等を除く賃借料収入は、既存の賃借料と新たな利活用収入を見込みまして約六十五億円を見積もっていらっしゃいました。
現時点の評価を聞かせください。
○広瀬資産運用部長 既存の賃貸料と新たな利活用収入につきましては、おおむね見積もりどおりと見込んでおります。
○上田委員 順調に売り上げといいますか、収入を確保しているということです。
不動産の価格なんですけれども、基本的に公募によりまして決定した金額としていますが、物価変動等を踏まえ、借り主と交渉の上、改定できるということです。
テナント賃料形態によって、新規、更新、全ての契約において都民に不利益なことがなかったかも確認させてください。
○広瀬資産運用部長 新規の土地貸付につきましては、不動産鑑定等を踏まえ、最低賃料を設定し、公募により契約いたしました。
また、既存の契約につきましては、物価変動等の必要に応じ、借り主と協議し、賃料改定等を行っております。
○上田委員 次は都バスです。
資料、9ですが、改めて車外事故と車内事故の概要と傾向、見解と所見もご説明ください。
○牧野自動車部長 車外事故は、主に乗用車など他の車両と接触したもので、約七割が物損事故であります。車内事故は、主に停車する際にお客様が転倒したものであります。
双方とも件数はほぼ横ばいであり、引き続き安全意識の向上に取り組んでまいります。
○上田委員 車内カメラとかも刷新したようでございますので、活用していただきたいと思います。
そのドライブレコーダーを使った指導や安全意識や運転技術を向上させるための研修につきましては、はとバスも含めて二千五百人の乗務員全員に対して実施していながらも、事故を繰り返す乗務員もいるようですが、どのくらいの比率でいるのか、その後改まっているのか、接遇面でも指導を受けたことはなかったのか、お尋ねします。
○牧野自動車部長 昨年度、二件以上事故を起こした乗務員は三十一名で、全体の一%であり、徹底した指導により、大半の者はその後事故を起こしておりません。この中には、接遇面で指導を受けた者もおります。
○上田委員 やっぱり接遇プラス事故というのは連関しているようかなというふうにも読めました。
次に、停留所の設置基準ですけれども、選定から指定に至るまでの経緯をお尋ねいたします。
○坂田バス事業経営改善担当部長 停留所は、お客様の利便性向上を図るため、おおむね一定の間隔で設置しておりまして、具体的な位置につきましては、交差点からの距離や道路の状況、地先の同意などの有無を考慮して選定しております。
○上田委員 続いて、照明式標識及びバス接近表示装置、上屋、ベンチの設置の基準と更新の考え方、お示しください。
○坂田バス事業経営改善担当部長 照明式標識は電気が引けること、バス接近表示装置は、それに加えまして利用者数や運行間隔等を、上屋、ベンチは福祉施設の立地状況などを考慮し、それぞれ歩道の状況等を加味して設置しております。いずれの設備も老朽化の状況を踏まえて更新しております。
○上田委員 外国語表示などは、外国人利用者の多い地域など、やっているとはおっしゃっていますけれども、ちゃんと調査して決めているのか、多言語の場合、判断基準がどうなっているのか、先ほど質問しました外国人モニター制度を反映しているのか、伺いたいと思います。(坂田バス事業経営改善担当部長発言を求む)これは、英語圏の多い地域や中国語圏が多い地域など、すごいあると思うので……。
○坂田バス事業経営改善担当部長 外国人モニターの意見も参考に、全ての停留所に英語を併記しておりまして、ターミナルなど多くの外国人の利用が見込まれる一部の停留所につきましては四カ国語で表記しております。
○上田委員 江戸川区は、ご承知のとおり、すごくインド人の方とかも多いので、そうした地域性も配慮していただければと思います。
停留所設置に当たって、ほかのバス事業者との設置交渉の流れと課題を伺いたいと思います。
○坂田バス事業経営改善担当部長 停留所の共用に当たりましては、安全で円滑な運行等に支障がないか、事業者間で便数や時刻等を協議した上で、交通管理者等に協議いたします。
○上田委員 江戸川区に、好評を得て利用が高まっている環七シャトル線は、都バスとの共用のバス停が多く、苦慮している部分があるわけですね。
先ほどご報告をいただきましたけれども協議して決めるということですが、一番は、運行回数を百三十四往復と決められていて、利用者がふえているのに勝手にふやすことができないというのが現状です。
環七シャトル、足立区、葛飾区、江戸川区を縦に網羅して、江戸川区内のホテルに宿泊している他県やインバウンドのお客様を東京ディズニーランドにお運びし、来年のオリ・パラでも必ずや活躍する路線だと思います。
春休み、夏休み、ハロウィンなど、東京ディズニーランドのイベント時の混雑時は、通勤の利用者様が乗車できないため、区民が困っているとの声が寄せられております。
往復便数の緩和などご検討はないのか伺います。
○坂田バス事業経営改善担当部長 環七シャトルバスとの停留所の共用につきましては、都営バスの安全で円滑な運行を確保した上で、便数、ダイヤについて合意しておりまして、現在のところ、便数をふやすことは困難でございます。
○上田委員 京成バスさんだと思いますけれども、便数を決めるのは、多分東京のイニシアチブがあるかと思いますので、引き続き、現状を鑑みながら検討していただければと思います。
広告つき上屋の停留所につきまして、先ほど同僚委員からも指摘がありまして、平成三十年度現在、二百十一棟の広告つき上屋が設置されておりまして、先ほどありました基礎の設置に支障となる埋設が多いことなどが課題ということでございます。
ここ数年の傾向を伺いたいと思います。
どのような企業が、都バス利用者のどの層にターゲットを絞り、どのような広告を出しているのか、広告収入の状況も確認させていただきます。
○広瀬資産運用部長 バス停留所の上屋広告につきましては、都バスの利用者を初め多くの歩行者の目にとまる広告媒体でございまして、海外のファッションブランドや航空会社の広告が多く見られます。
広告料収入は増加傾向にありまして、平成三十年度は約一億一千四百万円となってございます。
○上田委員 さらには、設置コスト、ランニングコストを企業が持つPPP方式の上屋広告でございますが、現在何社あるのか、成果と課題を、またこちらも聞かせてください。
○坂田バス事業経営改善担当部長 PPP協力企業は一社でございまして、平成三十年度末現在、八十二棟の広告つき上屋を設置いたしました。
設置の課題につきましては、先ほどご答弁申し上げたとおりでございます。
○上田委員 PPPはコストがかからないので、こちらの普及を進めていただければと思います。
資料、17、18ですが、深夜バス、アクセスライン、おおむね横ばいとなっております。利用者がほぼ同じなのではないかともとられます。
これまでもニーズを鑑みて、継続、廃止、新規と考えていると思います。新しく開始した深夜13、14、直行02、03を中心に、現段階のご評価をお聞かせください。
○坂田バス事業経営改善担当部長 深夜13、深夜14系統につきましては、沿線にお住まいの方の夜遅くのご帰宅などに、直行02、直行03系統につきましては、通勤通学や土日のお出かけなどに活用されております。
○上田委員 適材適所、適した時間に設置をしているということでございます。
再利用です。
燃料電池バスなど新しいバス導入と使用期間を過ぎた車両との在庫車両管理の考え方をお聞かせください。
○牧野自動車部長 都営バスでは、安全で安定的な運行を確保するため、計画的に車両を更新しておりまして、再利用が可能な車両につきましては、バス事業者に売却するなど有効活用を図っております。
○上田委員 入札倍率は高いのでしょうか。売却できなかった場合、廃棄となるのか、確認させてください。
○牧野自動車部長 平成三十年度の廃車売却において、一両に最大四者から申し込みがございました。売れ残った車両につきましては、不用品として売却しております。
○上田委員 リユース確認しました。
はとバスへの委託状況について、バス運転手不足の時代であり、今後、はとバスの委託を拡大していくのか、運転手の処遇面を鑑み、確認させてください。
○坂田バス事業経営改善担当部長 全国的にバス乗務員の不足が深刻化している中、委託先の民間バス事業者におきましても、乗務員の確保は困難な状況になっておりまして、管理の委託の拡大については検討しておりません。
○上田委員 委託の検討なしということです。
燃料電池バスですが、オリ・パラまでに最大七十両、その次の年は八十両の導入を目指すということで、いろいろご意見もほかの委員からも出ていますが、大丈夫かなと心配をしております。
バスに充填可能な水素ステーションとその課題として、円滑に出入りできるだけの用地の確保が必要、建設費及び維持管理費が一般のガソリンスタンドと比べて高額とありますが、その後、この課題は解決に向けてどう動いているか、進捗をお聞かせください。
○牧野自動車部長 本件につきましては、環境政策である水素エネルギーの普及に向けた取り組みの中で、補助金の制度を所管する環境局が主となって取り組んでおりまして、バスに充填可能な水素ステーションの建設につきましても進められております。
○上田委員 今のところ、城東地区にしかないので、買ってもなかなか活用できないので、よろしくお願いいたします。
混雑緩和対策です。
知事鳴り物入りの時差ビズが、交通局で懸案となっている大江戸線、日暮里・舎人ライナーの混雑対策とどう連動し、どのような成果が上がったのか、ご説明ください。
○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 時差ビズは、混雑対策の一環としてオフピーク通勤を促進する取り組みでございまして、今年度は、都営交通の乗車ポイントサービス、ToKoPoを活用いたしまして、日暮里・舎人ライナー及び都営地下鉄全駅で、都営交通二〇一九夏の時差ビズキャンペーンを実施いたしました。
キャンペーンを通じて、オフピーク通勤の機運醸成に貢献するとともに、一部の駅では、ピークの時間帯から前後の時間帯にお客様の分散が見られたところでございます。
○上田委員 ToKoPoを活用していただいたということですね。ありがとうございます。
電気事業です。
資料、20を見ますと、堅調に利益を上げていることが理解できました。確認できました。CO2を排出することない純国産クリーンエネルギーをつくり出しております。視察にも参りましたが、日本及び世界的に、このノウハウをどう生かされ、同様事業をしている自治体や国と情報共有しているのか、所見を伺いたいと思います。
○野崎技術調整担当部長 発電所における運営のノウハウにつきましては、国や水力発電などの電気事業を行う自治体が出席する会議などを通じて必要な情報共有を行っております。
○上田委員 これはちょっと意見ですが、組合事務所でございますけれども、資料にあるとおり、やっぱり面積的にも、先ほど、不動産賃料で一生懸命収益を上げている中で、私は、これは無償貸与をやめ、賃料をしっかりいただいていただきたいということを申し上げます。
入札についてです。
番号9及び番号12の変電所に係る電気設備入札におきまして、辞退者が多く見受けられております。辞退者が多い工事において、当該設備、施設の当初受注者及び過去十年間の受注事業者が同一であるという関連性はないのでしょうか。
また、車両製造においても辞退者が多く見受けられます。現有車両の過去十年間における受注者別の車両数をお示しください。
○広瀬資産運用部長 今回提出いたしました資料と同様の変電所に係る電気設備入札は、過去十年間で六件ありまして、このうち当初受注者と同じ事業者となったものは三件でございます。
また、地下鉄車両の入札は、過去十年間で十件ございまして、受注者は五者となっております。受注者別の車両数は、多い順に、四百二十六両、二者同数で百四両、四十八両、三十両となってございます。
○上田委員 外郭団体です。
東京交通サービス株式会社に、毎年数十名の都退職者が在籍しているようであります。その退職者の退職時の年齢別構成を平成二十六年度からお示しいただき、また、退職時の担当業務をお示しいただければと思います。
○根木総務部長 東京交通サービス株式会社に再就職した都の退職者につきましては、おおむね退職時六十歳であり、平成二十六年度から三十一年までの累計で、事務職が九人、技術職が三十人、交通技能職が三人となっております。
○上田委員 交通局が直接発注する業務と東京交通サービスが発注する業務との線引きは何か、伺いたいと思います。
○根木総務部長 交通局は、事業運営の根幹にかかわる業務を担い、東京交通サービス株式会社は、各現場において、局職員と同等の知識、技術、経験に基づき、判断、責任を伴う業務を担っておりますが、それぞれ必要に応じて民間事業者に委託し、その履行状況を監督しております。
○上田委員 東京交通サービスに支払っている委託費、補助金、助成金等の過去十年間の項目別内訳もお示しいただければと思います。
○根木総務部長 交通局は、東京交通サービス株式会社に、駅のエスカレーターや自動改札機などの点検及び保守などさまざまな業務を委託しております。
平成二十一年度から三十年度までの委託額を順に申し上げますと、概数でございますが、四十五億円、五十三億円、五十七億円、六十億円、六十億円、五十八億円、五十七億円、六十億円、六十四億円、六十八億円となっております。
なお、都からの補助金、助成金等はございません。
○上田委員 水道局の事例もありますので、こちらの方もしっかりと確認を今後させていただきたいと思います。
交通局は、都営地下鉄、都営バス、都電、日暮里・舎人ライナー、モノレールが、昨年度一日平均三百六十万人の利用者があり、都民の足として欠かせないものであるのみならず、主として東京の都市活動や都民生活に欠かせない公共交通機関、都市インフラとして重要な役割を担っています。
安全対策の強化や輸送力の増強に加え、施設、車両のバリアフリー化や持続可能な社会の実現の貢献など、さまざまな取り組みを進めてきました。
一方、質疑の中で明らかにしてきましたように、少子高齢、人口減少社会への対応や各地での頻発している大規模災害を踏まえた対策の強化、増加を続ける外国人の受け入れ環境充実など東京が抱える課題は山積しております。
また、都心部や臨海地区等のまちづくりの進展に伴い、東京のまちの姿が大きく変貌することも見込まれるとの報告もありました。
守るべきものは守り、今後、首都東京が継続的な成長を遂げていくために、東京メトロを初め、ほかの公営交通事業者、政策連携団体とともに、効率的に交通局が果たす責任と役割はますます大きくなるものと考えます。
地方公営企業法の理念と独立採算制の原則のもと、経済性、公共性、住民福祉の徹底を願い、私の質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○田の上委員 冒頭、局長から台風十九号についてのご報告がありました。その際、船堀駅のバス停留所の上屋が倒壊したというお話もありました。これは台風の日の十二日の午後十一時ぐらいのことでございますので、鉄道運休中で通行人は少ないとは思うんですけれども、けが人がなかったか等心配していたところでございます。
そこで、改めて、船堀駅のバス停留所の上屋が倒壊したとのことでありますが、被害状況とその後の対応について伺います。
○坂田バス事業経営改善担当部長 改めてご報告申し上げますが、船堀駅前バス停留所上屋につきましては、十月十二日土曜日の午後十一時に、警察から倒壊している旨の連絡を受けました。倒壊した上屋は、長さ約十メートル、幅二メートル弱でございますが、これによりまして、おけがをされた方はいらっしゃいませんでした。
災害に備えて本局に待機していた職員が、倒壊の連絡を受けた後、直ちに所管の営業所に状況の確認と安全の確保を指示するとともに、業者に撤去工事を依頼いたしました。
翌十三日日曜日の午前九時には作業に着手いたしまして、正午ごろには撤去を完了いたしました。
○田の上委員 ありがとうございます。なかなか大きな上屋でございまして、ちょっとびっくりするような出来事でございましたが、幸い人的被害が生じなかったということでございます。
また台風などで同じようなことが起こらないように、ぜひ原因究明を含め、しっかりと検証していただきまして、今後の対策に努めていただきたいと要望をいたします。
次に、都営バスの今後の方向性について伺います。
都営バスの一日当たりの乗客数は、臨海地域の開発等の進展により緩やかに増加し、昨年度は約六十四万人、昨年度の経常損益は九億六千八百万円とのことでございます。
経営計画二〇一九によると、需要の変化に柔軟かつ迅速に対応できるバスの特性を発揮するとともに、鉄道を補完し、公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性を高めるよう路線運営を実施とのことでございます。
私は常々思っているんですが、移動というのは権利であり、障害を持った方も高齢の方も移動の自由が守られる、そういった環境づくりが必要かと思っております。その中で、公営交通というのは、一定の役割を果たすというふうに考えております。
高齢ドライバーの事故が多発しておりまして、一方で、ブレーキとアクセルの踏み間違いの補助というような政策もございますけれども、事故防止の対策というものをとられているわけですが、免許証の自主返納というものも大変重要でございます。自家用車に頼らない移動ができる環境整備というものが今求められていると考えております。
都バスでございますが、六割が赤字路線ではあるものの、公営交通としては、採算だけを重視し、交通不便地域に路線を設けないということはできず維持をしているというふうに、先ほどの経営計画二〇一九にも書かれております。
身近な交通機関の役割として、効率性は大切ではありますが、住民の要望の多い路線に関しては、今後も維持のみならず、新設も含めて検討すべきと考えますが、今後の都営バスの方向性を伺います。
○坂田バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、乗客潮流の変化を的確に捉え、路線やダイヤの見直しを行っております。見直しに当たりましては、都民やお客様から寄せられるさまざまなご意見やご要望も参考にしながら、各停留所の乗降客数の変化や沿線の開発状況などを営業所からヒアリングを行った後、検討の対象となる路線や地域において、実際に職員がお客様の流動等を調査分析の上、適宜実施してまいりました。
今後とも、乗務員や車両など限りある経営資源を有効に活用することで、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるよう努めてまいります。
○田の上委員 ご答弁ありがとうございました。地域の公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるようということでございます。
公共交通としての役割でございますが、交通不便地域にとっては、バスはとても重要でございますので、今後とも都民の方々の意見や乗降客数などを鑑みながら路線を検討していただきたいと要望いたします。
また、先ほど、限りある経営資源という言葉が出てまいりましたが、次は、バスの乗務員不足について質問をいたします。
鈴木委員の方からも先ほど質問がありましたけれども、現在は、路線バスは百三十一系統、営業キロ約七百四十キロということでございます。住民の要望などで、路線をふやしたい、変更したいと思っても、実際には簡単にはできないという状況があります。
例えば、江戸川区の小松川の地域、私の地元でございますが、大規模住宅があっても本数が少ない等の課題がございます。運行ルートを変更するためには、バスの乗務員の交代や車庫の場所なども考えなくてはならず、常に乗務員確保が課題として挙がってきます。
二・九告示と呼ばれます平成元年の労働省告示がありまして、バスを含む自動車運転者については、労働基準法とは別に労働時間等の基準が定められており、乗務員不足がバス路線に影響を与える懸念をしております。都営バスの乗務員は、今後十年間で運転手の約半数が定年退職予定ということも聞いております。
そこで、乗務員確保について、これまで交通局ではどのような取り組みをしてきたのか、改めて伺います。
○渡邉職員部長 都営バスが安定的な事業運営を行う上で、バス乗務員の確保は重要な課題でございます。これまで交通局では、申込者の受験機会をふやす観点から、採用選考を年二回実施するとともに、従来三十六歳未満であった受験資格の上限年齢を、平成二十七年度と平成二十九年度にそれぞれ引き上げ、現在は五十歳未満を要件としております。さらに、平成二十七年度からは、大型二種免許の未取得者に対して、免許取得を支援する養成型の選考を実施しております。
また、広報活動におきましては、都営地下鉄の駅や車内にポスター等を掲出するとともに、求人情報サイトへの掲載や転職支援イベントへの出展なども行っております。加えて、今年度は、採用ホームページに、他の業種から転職してバス乗務員となった職員の声や養成型選考の仕組みを掲載したページを追加するとともに、新たにインターネット広告や自動車教習所へのチラシの配布などを実施する予定でございます。
○田の上委員 採用選考に伴いまして、以前は三十六歳未満対象であったものを五十歳未満というふうに要件を変えていただいた、それからまた、さまざまな広報をしていただいているということでございます。採用、ホームページの充実、インターネット広告や教習所のチラシ配布なども今後実施していただけるということで、ありがとうございます。
そして、先ほど来出ております養成型選考でございますが、私は大変好評をいただいているものだというふうに思っております。大型二種免許の未取得者に対して免許取得を支援するものでございまして、大体この免許取得のためにかかる費用は、おおよそ六十万円と聞いております。大変高額でありまして、そのうちの三十万円を上限に、現在は助成をしているというふうに聞いております。
そこで、改めてですが、養成型選考を導入したことによる効果と今後の見通しについて伺います。
○渡邉職員部長 バス乗務員の養成型選考につきましては、平成二十七年度選考で五名、平成二十八年度選考で十七名、平成二十九年度選考で十三名の合計三十五名をこれまで採用したところでございまして、来年四月には、平成三十年度選考の最終合格者の十九名を採用する予定でございます。
本選考は、大型二種免許未取得者を対象としたものでございまして、これまでバス業界に関心のなかった層も含めて、受験者の裾野拡大につながったものと考えております。
今後とも、募集人員の拡大に加え、免許取得費用の助成対象をこれまでの二分の一から全額へ拡充するなど、制度の充実を図るとともに、PRを強化し、必要なバス乗務員の確保に努めてまいります。
○田の上委員 受験生の裾野が広がったということで大変よいことだと思います。また、助成対象をこれまでの二分の一から全額に拡充するということで、大変期待をしているところでございます。
バス業界だけではございませんが、現業の方の働き方改革というのは、なかなか進まないというイメージがございます。
交通局では、女性ドライバーの採用も積極的に行っているようでございますが、働き方改革を今後どのように進めていくのかというのは大変重要な課題です。二〇二四年四月より、罰則つきの時間外労働規制の適用があり、適用後、上限時間は年九百六十時間とし、将来的には、一般職の上限時間の運用を目指す旨が検討されているところです。
そこで、バス乗務員における時間外労働の現状はどのようになっているのか、また、今後の見通しについて伺います。
○渡邉職員部長 交通局では、労働組合と締結した時間外労働及び休日労働に関する基本協定において、時間外勤務を命ずることができる時間の上限を一年について三百六十時間と規定しております。
また、特別条項を定め、災害対応など特別な事情が生じたときには、協議等の手続により、一年について七百二十時間を超えない範囲で勤務を命ずることができるとしております。
この基準は、バス乗務員も対象としており、二〇二四年四月から適用する時間外労働の上限時間を既に下回っていることから、ご質問の時間外労働規制の影響は受けないと考えております。
○田の上委員 交通局では、上限をほかよりも低く設定しているということで、既に一般職と同じようになっているということでございます。
都バスは都民の足でありまして、乗務員さんは、土日や祝日も働かなくてはなりません。この働き方改革が進んでいないと敬遠されてしまいますので、ぜひ今後ともよろしくお願い申し上げます。
さて、交通局では、全ての職員が働きやすい職場環境づくりを目指していくとしており、特に女性がより一層活躍できるよう、施設の整備を積極的に推進していくことが必要だと考えます。残念ながら、施設はまだまだ不足しているように感じております。例えば、バスでございますが、折り返し用の発車場には、男性用トイレしかないというところもございます。
そこで、バスや地下鉄事業で働く女性職員の施設整備の現状と今後の見通しについて伺います。
○渡邉職員部長 交通局では、女性が働きやすい職場環境の充実に向けて、地下鉄やバスなどの事業所において、女性職員の更衣室、トイレに加え、休憩室、宿泊勤務の際に使用する仮泊室を整備するなど女性施設の拡充を進めております。
バスの営業所においては、庁舎の改修工事などに合わせて着実に整備を進めているところでございまして、例えば、仮泊室についても、これまで十九カ所中十五カ所について整備が完了しており、今年度はさらに早稲田自動車営業所について整備を進めております。
一方、地下鉄においては、駅構内の空間が限られていることなど、さまざまな制約がありますが、施設の大規模改修などに合わせて整備を進めているところでございます。
さらに、大規模改修が予定されていない駅の一部についても、工夫を凝らして、女性施設を整備できるかどうか、今年度委託調査を活用しながら検討することとしております。
今後も、女性が働きやすい職場環境の実現に向けて、女性施設の整備拡充を進めてまいります。
○田の上委員 どうしても男性の職場というイメージがありまして、でも、ご答弁を伺いますと、現在進行中ということでございます。また、駅におきましては、大規模改修に合わせて整備を進める、そしてまた、大規模改修が予定されていない駅の一部についても、今後女性施設を整備できるかどうか、今年度委託調査を活用しながら検討してくださるということで、さまざまな工夫をしてくださっていると理解をいたしました。
先ほどもお話にございましたけれども、来年東京二〇二〇大会に向けて臨時のシャトルバスということが出てまいりました。百台というふうに聞いております。必要な乗務員が確保できるのかどうかと懸念しているところでございます。
しかしながら、答弁の中でも、乗務員の採用から実際の運転をするまでには、大体おおよそ三カ月程度の研修期間が必要なんですが、年に一回の採用を二回にしているというご答弁がありました。こうした年度途中の採用も含めてさまざまな対策を講じて、働き方改革も含め、ぜひ引き続き乗務員の確保に取り組んでいただきたいと考えます。
次に、地下鉄事業でございます。
都営新宿線です。令和四年度には、全編成が十両編成になると聞いております。混雑緩和の対応もとられているというふうに認識しております。
ことし八月には、全駅でホームドアが稼働し、ホーム上の安全対策がより一層進められたと認識をしております。
私は、この十年来ずっと質問などをさせていただき要望しているんですが、ホームのかさ上げでございます。これが必要だというふうに考えております。ホームドアの整備に合わせてホームと車両との段差とすき間を軽減するために、ホーム全体のかさ上げを都営新宿線でもしていただきました。さらに、くし状ゴムにより、すき間対策も施していただいたところでございます。かさ上げ等で、すき間や段差対策をしていただきますと、車椅子の方などが駅員さんの手をかりずして乗車することができます。大変喜ばれております。また、ベビーカーの方も安心して乗車ができるというものです。
ことし二月の一般質問でも取り上げさせていただきましたが、特に車椅子使用の障害者の方々の声から、すき間と段差の課題について、大江戸線や三田線のかさ上げ箇所と異なり、都営新宿線では車椅子の乗車が困難である例があるということを課題として交通局さんに認識していただいたと思っております。それにより、ことしの夏には、再度詳細に段差やすき間の測定を実施していただいたものと認識しております。
ホームが大きく曲がっている場所については、くし状ゴムを設置してもなおすき間の広い箇所があることから、段差とすき間の情報をわかりやすく発信していくことが重要と考えます。
今後、測定していただいた結果をもとに、どのように段差とすき間の情報を発信していくのか伺います。
○坂口技術管理担当部長 車椅子やベビーカーをお使いのお客様にも、都営新宿線を円滑にご利用いただくためには、乗降口の段差とすき間に関する情報をきめ細かくお知らせすることが必要であり、本年八月には、全乗降口の段差とすき間の計測を行ったところでございます。
現在、他社線をご利用されるお客様にもわかりやすいように、鉄道事業者間で段差とすき間に関する共通の情報の提供のあり方について調整しており、今後、ホームページや駅での掲示などでお客様に提供できるよう準備を進めてまいります。
○田の上委員 ありがとうございます。鉄道事業者間で共通の情報提供のあり方を調整して、また準備をしていただけるということで、よろしくお願いいたします。誰にでも利用しやすいユニバーサルデザインの地下鉄を目指して、わかりやすい情報発信をお願いいたします。
ホームと車両のすき間が大きい場合には、転落防止の観点から、小田急線の代々木八幡駅や東京メトロの幾つかの駅で可動式ステップを採用しております。私もこの間、幾つかの駅を見てまいりました。
東京メトロでいいますと、赤坂見附ですとか、銀座の駅、国会議事堂前等々幾つも見てまいりましたが、こうした例を参考に、さまざまな技術を駆使して、段差やすき間対策をするべきと考えますが、見解を伺います。
○西川安全管理担当部長 都営地下鉄では、お客様が車両に乗降する際に、ホームと車両のすき間に転落することを防止するため、これまでホーム下から光を発して注意を促す装置を設置するとともに、ホーム縁端部に注意を喚起するための色づけを行ってまいりました。
さらに、ホームの安全性を高め、ホームと車両のすき間への転落を防止するために、すき間が広い箇所につきましては、ホームからステップが張り出して、ホームと車両のすき間を狭める可動ステップの導入を検討しております。導入に当たりましては、技術面や運用面の課題等につきまして検証する必要があることから、三田線三田駅に可動ステップ一基を今年度中に試験設置をしまして、実証実験を開始する準備を進めております。
引き続き、ホームのすき間対策に取り組みまして、お客様の安全・安心の確保に万全を期してまいります。
○田の上委員 可動式ステップを検討していただいているということでございます。また、今年度中に、三田線三田駅に可動ステップ試験設置ということで、ぜひよろしくお願いします。また、その検証結果によりまして他路線を含めて検討していただきたいと考えます。
次に、都営浅草線です。
都営浅草線では、令和三年度までに、全編成を新型車両に更新すると聞いております。先ほど来お話が出ておりますが、これまでホームの形状などから困難でありましたホームドアでございますが、QRコードを用いて、ホームドアと車両のドアとを連動する新たな技術を導入し、十月五日から新橋駅にて稼働いたしました。
新橋を含めた先行四駅を、東京二〇二〇大会までにホームドア設置をすることとしております。また、令和五年度までに、交通局で管理する全ての駅でホームドアが稼働すると聞いております。
これまで他路線は、ホームドア設置時に合わせてホームのかさ上げをしております。ですので、浅草線もバリアフリーを一層推進する必要があることから、新宿線と同様、その他三田線や大江戸線もそうですが、今後、ホームのかさ上げを実施し、段差の低減を進めていくことが必要と考えます。
都営浅草線もホームのかさ上げをするべきと考えますが、見解を伺います。
○坂口技術管理担当部長 都営浅草線には、交通局のほか京急線や京成線、北総線など床の高さが異なる多くの車両が乗り入れており、新宿線などのほかの三線に比べて、ホームのかさ上げによる段差の縮小は容易ではございません。
しかしながら、今後ともバリアフリーを進める観点から段差、すき間対策を検討してまいります。
○田の上委員 なかなか容易ではないということでございますが、ぜひ検討を進めていただきたいと考えます。
都営新宿線のように、全てのホームをかさ上げする必要はなく、大江戸線や三田線の例でも、何両目の何番目のドアという形なんですが、そういった一部のかさ上げでも障害当事者の方は利用できるということが、まず大事であるというふうに考えております。できる箇所をかさ上げし、情報発信をすることが必要だと考えております。
また、先ほど申し上げました可動ステップの例もございますが、他の鉄道でも聞いてみたんですが、カーブがきつくてすき間が広いところにこの可動式ステップというのをつけているんだそうでございますので、ぜひまた参考にしていただきたいというふうにお願いいたします。
また、これも以前一般質問で取り上げたものですが、手すりの件で質問をさせていただきます。
二〇一七年に一般質問をしました。私は、視覚障害者のガイドヘルパーをしておりました。視覚障害者の方は、時間をかけて、手すりを頼りに、地下鉄の場合、深い地下までおりていく必要がありまして、途中で手すりが途切れるとなると、利用者にとって地下空間の移動は、より大きな負担となってしまいます。また、階段はまだ一段あるのに途中で手すりが終わってしまうということもあり、つまずいてしまうこともございます。
浅草線におきましては、先ほども出てまいりましたが、開業から約六十年を迎え、駅構内の施設が古いものが多いと認識しております。手すりも、私も何カ所も見てまいりましたが、不十分なものが見られます。こうした浅草線ですが、今後、各駅のまち並みに合わせた駅改装を計画的に実施するとのことでございます。
そこで、浅草線における駅改装などの機会を捉えて、手すりを途切れなく必要な長さにする改修を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
○坂口技術管理担当部長 都営では、浅草線も含め駅の階段やスロープの手すりが不連続な箇所について手すりを連続して設置する取り組みや水平な場所まで手すりを延長するなどの取り組みを実施してまいりました。さらに、壁面に消火栓などの設備があるため、手すりの設置が物理的に困難な箇所については、駅の大規模改良工事の機会を捉えて、手すりを含めた全面的なバリアフリー化を図ることとしております。
浅草線については、今後、リニューアルプロジェクトを進め、各駅を順次改装していくこととしており、その中で可能な限りバリアフリーに配慮した手すりへと改修してまいります。
○田の上委員 ありがとうございます。ぜひともよろしくお願いいたします。
次に、大江戸線の子育て応援車両でございます。
先ほども質問がございましたので、要望にさせていただきたいと思いますが、私ども都民ファーストの会のたび重なる提案によりまして、ことし七月から、都営大江戸線に、ベビーカーなどに配慮した子育て応援スペースを設置した車両の運行が開始されました。現在三編成でございますが、二カ月程度経過し、今後は七編成になる、七編成に拡大するということでございます。
そして、先ほどもいろんな方の意見についてのご質問もあったようでございますが、多くは感謝や賛同など好意的なものが多かったというふうに聞いております。そしてまた、運行本数の拡大等への要望などもあったというふうに聞いております。今後も、ぜひ子育て世帯の声も含めて、しっかりと聞きながら進めていただきたいと考えます。
また、一部の列車を毎日同じ時刻で運行していくということも、利便性を高めるということで実施していただいていると認識しておりますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、大江戸線も含みますが、新型車両の導入の件について伺います。
地下鉄は、障害者の方、高齢者の方及び外国人の方なども含めて、さまざまな方が利用されております。そのような意味から、誰にでも使いやすいユニバーサルデザインの車両を導入していくことは重要であります。
そこで、他路線も含めて、新車の導入するタイミングを捉えて、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れた車両を導入するべきと考えますが、今後の方針について伺います。
○野崎技術調整担当部長 都営地下鉄では、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れた、人に優しい車両をコンセプトとして車両を製作しております。平成二十九年八月に新宿線へ導入した新車からは、車両全てにフリースペースを設置するとともに、低いつり手や低い荷棚の採用、優先席への縦手すりの追加、多言語対応の車内液晶モニターによるわかりやすい案内表示などを行っております。
今後も、こうした考え方に基づき、人に優しい車両を都営地下鉄全線に導入してまいります。
○田の上委員 ありがとうございます。ぜひとも進めていただきたいと思います。
次に、トイレにおける大型ベッドについてです。
ユニバーサルシートつきトイレというふうにも呼びます。障害を持った方が外出をするときに、この大型ベッド、ユニバーサルシートつきトイレは大変役に立ちます。ベッド上での衣類の着脱やおむつの交換、自己導尿等の排せつにも重要であります。ぜひ都営交通で充実させてほしいと考えます。
そこでまず、駅構内の誰でもトイレにある大型ベッド、ユニバーサルシートつきトイレですが、この設置状況について伺います。
○坂口技術管理担当部長 都営地下鉄では、都営新宿線東大島駅や一之江駅、三田線日比谷駅などの誰でもトイレ内に、計十七基の大型ベッドを設置しております。
○田の上委員 十七基のベッドを設置しているということです。
今後、大型ベッドの導入計画、設置拡大について見解を伺います。
○坂口技術管理担当部長 ご指摘のように、地下鉄駅は一般的に駅構内が狭く、トイレの面積が限られており、大型ベッドを新たに設置するには、駅レイアウトの大幅な変更が必要となります。
このため、駅の大規模改修等の機会を捉え、誰でもトイレ内に十分なスペースを確保できる場合に大型ベッドを新設しており、今後も活用可能なスペース等を勘案しながら設置を検討してまいります。
○田の上委員 なかなか限られたスペースの中で難しいというお答えでもございましたが、可能な場合は設置を検討してくださるということで感謝いたします。駅というのは、やはりどうしても移動のときに使う確率が高いところでございますので、ぜひよろしくお願いいたします。
また、既に十七基導入しているということでございますが、設置をされていても、利用者に周知されなければ活用される機会が損なわれてしまいます。駅構内の誰でもトイレに設置している大型ベッドの案内について、誰でもトイレの入り口で確認することができないのが現状です。ピクトグラムを添付するなど、わかりやすく利用者に周知することが必要と考えます。
大型ベッドが設置されているということを利用者にどのように現在周知しているのか、また、現地の誰でもトイレ入り口で、どのように案内をするべきと考えているのか、交通局の見解を伺います。
○櫻庭鉄軌道事業戦略担当部長 交通局では、大型ベッドの設置箇所をご利用のお客様にわかりやすくご案内するため、ホームページや駅でお配りしているバリアフリーガイドの構内図におきまして、誰でもトイレのピクトグラムに大型ベッド設置ありと文字で併記しております。
現在、公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団が、大型ベッドのピクトグラムを公表して、JIS規格への登録を提案しているところでございまして、こうした動きも踏まえながら、大型ベッドが設置されていることが、誰でもトイレの入り口でもおわかりいただけますように案内の充実を図ってまいります。
○田の上委員 現在は、ホームページやバリアフリーガイドの構内図ということでございますが、今後案内の充実をしていただくというご答弁をいただきました。ありがとうございます。また、JISなどで規格した場合は、ピクトグラムの添付も含めて工夫をしていただきたいと思います。
そして、こういった大型ベッドを利用する方々ですが、常に介助者の方がいらっしゃいますので、限られたスペースとは思いますが、そのことも念頭に置いていただけると、ありがたく存じます。
そして最後に、地下鉄構内における発車時刻を告知する案内表示器についてでございます。
先ほど上田委員からも、案内表示器ではないんですが、同様のご質問がありましたので、簡単に要望だけにさせていただきたいと思います。
この行き先案内表示器というのは、駅の改札口等に設置することによって、ホームまで行かなくても次の電車の発車時刻を確認することができることや、余裕を持って計画的に列車に乗れたりすることができると考えております。既に馬喰横山駅や東日本橋の駅など幾つかの駅では設置してあることを認識しております。
先ほど、駆け込み乗車を助長するおそれがあることから、なかなか難しいというようなお話がございました。まず安全が第一だということは認識しておりますが、既に設置されている駅ではどのような状況なのか、その表示があることによって、逆に次の電車にしようという一長一短の発想もあるかと思いますので、ぜひ検証をしていただきたいと要望いたしまして、私からの質問を終了いたします。
ありがとうございました。
○大松委員 まず、このたびの台風十九号によりましてお亡くなりになられました皆様方のご冥福をお祈り申し上げ、被災された全ての皆様方にお見舞いを申し上げます。
私からは、浸水対策について質問をいたします。
台風十九号では、東北、関東、上信越の広い範囲で多数の河川が氾濫し、甚大な被害がもたらされました。近年の気候変動によりまして雨の降り方が変わり、東京においても大規模水害や都市型水害の危険性が年々増していることを改めて実感いたしました。
東京の弱点の一つは、都心部で、地下街や地下鉄など地下空間が大きく広がっておりまして、浸水すれば深刻な被害が発生することであります。都営地下鉄を運営する交通局としても浸水対策を万全に備えていなければなりません。
浸水対策は、都市型水害と大規模水害とで大きく二つに分かれますけれども、まず、都市型水害では、急激に局地的に雨が降るゲリラ豪雨などで、河川や下水道からあふれた水が駅構内に浸入することを防がなければなりません。交通局は、二〇〇〇年に発生した東海豪雨を想定した対策を進め、既に完了しているとのことでありますけれども、その後、気候変動が進み時間五十ミリを超える豪雨もふえております。また、二〇一五年には水防法が改正され、想定される最悪事態に備え体制を整えることが求められているわけでございます。
交通局として、さらに一歩踏み込んだ対策を行っていくべきと考えます。都営地下鉄における都市型水害対策について交通局の答弁を求めます。
○西川安全管理担当部長 交通局ではこれまで、ゲリラ豪雨等の集中豪雨によって発生する都市型水害への対策に取り組んでまいりました。具体的には、ご指摘のございました平成十二年九月に発生した東海豪雨を受けまして、沿線各区が作成したハザードマップに基づき、平成二十五年度までに、当局が管理する駅出入り口に止水板や防水扉を整備するとともに、通風口に浸水防止機を設置したところでございます。
また水害への職員の対応力を向上させるために、駅、運転、保守の各部門が合同いたしまして、お客様の避難誘導、止水板や土のうの設置、部門間の情報伝達等を行う自然災害防止訓練を毎年実施するなど、日ごろから職場単位で個別に訓練を実施しているところでございます。
お話のありました平成二十七年の水防法改正に基づき、現在、各河川管理者が、想定最大規模の降雨による浸水想定区域図を順次更新してございまして、各区においてハザードマップの見直しを行っているところでございます。
交通局では、こうした動きを踏まえ、駅出入り口の止水板の高さを見直すなど、必要な追加対策を検討、実施してまいります。
○大松委員 次に、大規模水害対策でございます。
大規模水害の一つとして、荒川の氾濫が想定されているわけでございます。北区の赤羽付近で堤防が決壊すれば、短時間のうちに東京メトロの赤羽岩淵駅構内に浸水して、半日後には都心を走る地下鉄駅の多くが水没するとの想定もあります。
今回の台風十九号では、荒川の岩淵水門で、水位が一時七・二メートルにも達しまして、氾濫危険水位の七・七メートルに迫りました。荒川氾濫という大規模水害の危機が顕在化していると考えるわけでございます。
大規模水害による被害は甚大でありますけれども、地震と違いますところは、台風の発生から河川の堤防の決壊まで時間がありまして、被害の発生を事前に予測できることでございます。
そこで、利用者や職員の生命を守ることを第一に、逃げるべき時を逃さず逃げていただく、こうした避難体制を万全にしていくことが重要であります。
交通局の大規模な水害に対する取り組みについて見解を求めます。
○西川安全管理担当部長 荒川氾濫のような大規模水害に対しましては、国は、施設で守り切るのは現実的でなく、命を守ることを目標とすべきとしてございます。交通局におきましても、迅速な避難が重要と認識しており、これまでさまざまな取り組みを実施してまいりました。
具体的には、水防法に基づく避難確保・浸水防止計画を全ての地下鉄駅で策定し、的確な避難の確保と誘導を実施するための訓練を毎年行ってございます。平成二十九年度からは、駅と地下で接続しているビルや地下街等の管理者と連携し、避難誘導等について協議を行うとともに、連絡通報訓練も実施しております。
また、防災関係機関等とともに、荒川氾濫時の事前行動を時系列で整理したタイムラインを設定しており、台風が接近した際には、試行的に運用して検証することで、さらなる改善を図っておるところでございます。
さらに、昨年六月に設置された内閣府と総務局による広域避難検討会にも参加してございまして、大規模水害時の地下鉄等を活用した広域避難への協力についても検討を進めているところでございます。
加えて、早期の復旧に向け、局内にプロジェクトチームを設置しまして、より実効性の高い対策の検討を進めているところでございます。
○大松委員 ただいま答弁で、広域避難への協力とございましたけれども、人口が密集している東京では大変大きな課題になるわけでございます。
例えば、江戸川区や江東区など東部エリアはゼロメートル地帯でありますので、大規模な河川が氾濫いたしますと、ほぼ全域が水没する、こういうことも想定はされるわけでございます。そうしますと、避難者の数は大変膨大になるわけでありまして、区内、都内だけでは受け入れられなくなると考えられるわけでございまして、区外、都外への避難をする体制をきちっと、しっかりと整えていかなければなりません。
そして、都外を含む広域避難につきましては、先ほども答弁ございましたように、現在、国と都で検討を進めているとのことでございます。受け入れ先の確保とともに輸送力の増強ということも必要になってくると思いますので、交通局としても積極的に協力をしていくべきと考えます。
交通局のこの広域避難への協力について見解を求めます。
○西川安全管理担当部長 交通局は、平成二十七年度以降、中央防災会議によるワーキンググループや江東五区による協議会に交通事業者として参加し、広域避難計画等の策定に協力してまいりました。
現在、昨年六月に内閣府と総務局により設置されました首都圏における大規模水害広域避難検討会におきまして、鉄道等による避難についても検討されており、交通局としましても、防災関係機関等と連携し、引き続き必要な協力を行ってまいります。
○大松委員 広域避難の場合、先ほども申し上げましたけれども、大変多くの人数の住民の皆様方が移動することになりますため、水害の発生が切迫してからではなく、一定の時間を確保して前もっての避難にしなければならないと考えるわけでございます。
交通事業者としては、この広域避難を支援するために、増便であるとか、終電の繰り下げなどが検討されることになると思いますけれども、積極的なこの広域避難への協力を求めておきたいと思います。
冒頭、交通局長より、今回の台風十九号に対しての報告がございましたけれども、台風十九号が全国各地にもたらした被害はこれまでになく、交通局としても、その経験を今後にどう生かしていくかが重要でございます。今回の台風を検証し、課題を的確に把握し、対応していくべきと考えます。
浸水対策につきまして、今回の台風十九号への対応とそれを踏まえました今後の取り組みにつきまして、都の見解を求めます。
○西川安全管理担当部長 交通局では、台風十九号の際、局で定めた危機管理対策計画等に基づきまして、あらかじめ本局及び現場事務所において必要な人員を配置するとともに、東京都災害対策本部の設置に合わせ、局の災害対策本部を設置いたしまして、連絡体制や即応体制の強化など、万全の体制を整えて対応に当たってまいりました。
また、各駅におきましては、風雨の状況により、出入り口の封鎖や止水板の設置、あるいは通風口の浸水防止機を閉じるなどの措置を行い、駅への浸水防止等を図るとともに、地元自治体の避難情報等の収集に努めておりました。
今回は、早期に計画運休を実施したことや駅の施設設備等に被害がなかったことから、お客様を避難誘導するような状況には至りませんでしたが、今回の対応につきまして、関係機関と連携しながら詳細に検証するとともに、さまざまな事態を想定しつつ、今後の浸水対策に生かしてまいります。
○川松委員 初めに、さきの台風十九号によってお亡くなりになられました皆様方のご冥福をお祈りし、また、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
そして、私からは、交通局の事業についてさまざまな角度から提案を、そして質問をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、私からも、さきの台風十九号の対応について伺います。
まず、計画運休です。
九月の台風十五号、そして今般の十九号の際、鉄道各社は計画運休を実施いたしました。これまでの質疑にも出ております。中でも、十五号の際には、平日の朝のラッシュの時間と重なり、かつJRでは、駅に物すごい行列ができたり、なかなか電車に乗れないという状況が各所で行われているということが報道はされました。それくらい大きな混乱が、その計画運休によって、翌日、週明けた月曜日、混乱をしたんだと思います。
こうした中、都営地下鉄では、全区間が地下にあり、そして風に強い大江戸線と浅草線は、この十五号のとき計画運休は行われず、始発から動いていました。特に大江戸線は相互直通運転も行っていないことから、日ごろから、他社線のおくれなどの影響を受けず、東日本大震災のときも早期に運行を再開するなど、都心の大動脈として重要な役割を果たしていると考えておりましたが、実際に十五号のときにも、大江戸線の役目はしっかりと果たせていたんだろうと思います。
一方、新宿線や三田線は地上区間があり、十五号のときに計画運休が行われました。
実際には、八時ごろには運転は再開されたわけですけれども、例えば、新宿線の始発駅である本八幡駅は大混雑となっていました。これはJRが動かなかったことで、千葉方面から都心方面に向かう人たちが、本八幡に行けば都心に行けると、新宿線に乗れば行けるということで人が殺到して、大変なことになったと。
このことによって、本八幡駅が始発駅としてたくさん人がいていっぱいになっていましたから、新宿線の各駅で待っている人たちは、常にいっぱいの状態で電車が来ることによって、人が乗れなかったという事態が起こり、このことに対してまず質問させていただきたいと思うんですが、都営地下鉄では、台風十五号の計画運休の際、どの程度混乱があったのか。改めて、まあ私は聞いた話やいろんな人たちからの取材した話ですけれども、交通局として認識していることについて、十五号の際の現場の状況を教えてください。
○相川電車部長 九月の台風十五号の際は、台風が急速に発達し、風速が運転中止の規制値を超える予測が出されたことから、地上区間のある三田線本蓮沼駅から西高島平駅間、新宿線大島駅から本八幡駅間では、当初、始発から七時まで運転を見合わせることとし、ホームページや駅の案内表示等により周知をいたしました。
しかし、台風通過後、規制値を下回る時間が予測より遅くなったことから、線路等の点検や安全確認作業に着手できず、六時過ぎに、運転再開見込みが八時ごろに変更になることを発表いたしました。
最終的に、運転再開時刻は、三田線では七時五十九分、新宿線では七時九分となり、運転再開時の運行本数が少なかったことや他社線の運転見合わせの影響も重なったことで、本八幡駅など一部の駅では混雑が集中し、列車が駅に到着しても乗車できない状況やホームが混雑し、入場規制を行う状況が発生いたしました。
○川松委員 改めて、運転は再開したけれども、やはり始発駅やそこに近い駅の人たちは徐々に乗ってこられたが、だんだん都心に近い駅にいる人たちは乗ろうとしても乗れなかったと。そのことでさらなる混乱も招いた。
特に、なぜこんなことが起きたかというと、始発駅では、今度は逆に始発駅にたくさん人が来てしまって、改札にたどり着くまでも時間がかかった。一方で、そういう状況がなかなか、当時、新宿線の本八幡駅が混んでいるということが余り世に知られていなかったがために、新宿線の各駅に知らないで行っちゃったけれども、何かいつまでたっても、もう電車に乗れない、かといって後ろに下がることもできないという人たちでごった返して大変な状況にあったということだったと思います。
こういったことは、新宿線初め多くの路線でも想定し得なかったことなのかもしれませんけれども、再発防止という観点について、これを教訓として、例えば、変則運転のオペレーションをする--つまり新宿線でいえば、本八幡駅は始発なんだけれども、本八幡駅だけが始発にならないで、順番によっては大島で乗ったりとか、どんどんどんどん都心の内側で、いわゆるゴルフでいえば、ショットガン方式みたいな形で、駅のスタートを変えていくようなオペレーションも、緊急事態として用意しておく必要があったんじゃないかということを指摘しておきます。
それと同時に情報提供です。
今、新宿線を使おうとしている人たちに対して、確実にどう情報を届けていくか。これは駅の、本八幡駅の外で、あるいは中で、言葉でどんどん出していた駅員さんもいらっしゃると思います。でもやはり全部が全部その情報をキャッチできなかった。中には、耳の不自由な方がいるので、文字情報でも出していく。よくSNSで情報を出していますよといいますけれども、利用される方、駅に向かう方が、全員SNSを使えるとは限りませんので、どうやったら多くの人達に情報を伝えていけるかということも、今回のことを教訓にして研究していかなければならない、私も含めて皆さんと一緒に考えさせていただきたいということを指摘しておきます。
そして、これ十五号の話ですけれども、十五号の状況を踏まえて、先般の十九号の計画運休では、十五号の経験もあってだと思いますけれども、どういうふうな対策をして、あるいは十五号のときの経験からどんな改善を図ったのか、教えてください。
○西川安全管理担当部長 都営地下鉄では、台風十五号の経験を踏まえ、今回の台風十九号の計画運休におきまして、お客様への情報提供をきめ細かく行うとともに、運転再開に当たっての改善を行いました。
具体的には、実際に計画運休を実施する四十八時間以上前に、ホームページやツイッター等で運転見合わせの可能性についてのお知らせを行って以降、計画運休の決定を含めまして運行状況に係るプレス発表を六回行いました。
提供する情報につきましても、運休区間の情報だけではなく、運転本数が通常より大幅に少ないことをお知らせいたしました。また、多言語による案内を充実させるなど外国人観光客等へも配慮したところでございます。
さらに、運転再開時でございますが、途中駅からも乗車しやすいよう、お話のような、点検終了後に車両を始発駅以外の数駅に配置をいたしましてから運転を再開いたしました。
これらの取り組みもあり、今回の計画運休においては、大きな混乱は生じませんでしたが、今回の取り組みの振り返りを行うとともに、他事業者の取り組み等を参考にするなど、引き続き見直しと改善を図ってまいります。
○川松委員 ありがとうございます。今この質疑が、十五号と十九号終わってからということになりましたけれども、やはり十五号の経験を生かして、十九号では新たな対策を練って迎えることができた。そしてまた、特に、ラグビーのワールドカップも含めて、外国人の観光客たくさんおられる東京での今回の計画運休でしたから、そういった方々に対しての情報発信もきめ細かくやられたということがわかりました。
今回の十九号の計画運休は、幸いにしてというか、連休中でありましたので、十五号のときのような混乱は見えなかったと思います。特に、平日の朝、ラッシュ時間帯に、今回十九号で、もっとその先のことを考えると、今後は計画運休、運行再開というケース、当然想定されていくことになりますから、今回の十五号、十九号というのをしっかりと踏まえて次の対策をしていただきたいと思います。
私は、今回の台風やあるいは去年のこの時期の台風を通じて、計画運休というものが人命を守る上で極めて有効であるということを改めて実感いたしました。
計画運休によって移動手段がなくなるということになるわけですけれども、今おっしゃったように、早目早目に決定し、そして周知することによって、必然的に、まちから人がいなくなったわけであります。
とはいえ、この決断はやみくもに行えばよいということでもなくて、混乱を逆に生じてしまいますから、しっかりと、計画運休実施の可否というのは、いち早く行うことが大切なんですが、改めて交通ネットワークということを考えて、交通事業者の皆さん方はもちろん、あるいは社会全体で検証、改善が必要な段階に来ている。さらに、これを進めていくための交通局の皆さんの努力を要望しておきます。
自然災害の中でも、台風は、事前にどんな規模、どんな進路で来るかがわかるわけでありまして、科学の現在の進歩あるいはAI活用等を含めて、計画運休の取り組みは、まだまだ研究が必要な取り組みですけれども、よりよいものに対して、この計画運休に対する対策をし、取り組み状況をよく把握、分析し、教訓としてさらなる改善に結びつけていただきたいと思います。
続いて、都営交通の民営化について質問いたします。
上下水道では、最近コンセッションや民営化というのが大変話題になっています。こうした中で、東京都は別としても、他県の話を聞いていますと、都営交通についても民営化の議論が、今後浮上することもあるんじゃないかなというふうに考えられます。
そこで、交通局では、都営交通の民営化についてどのような見解でおられるのか、教えてください。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営交通は、一日に約三百六十万人ものお客様に利用されており、都民生活や東京の都市活動を支える重要な役割を担っております。
加えて、地下鉄のホームドア整備やバス全車両のノンステップ化など、都の施策と連携を図り、民間に先駆けた取り組みを実施するとともに、赤字路線であっても地域に必要なバス路線を維持するなど、公営企業としての役割を果たしてまいりました。
交通局といたしましては、今後も、首都東京の公営交通事業者として、まちづくりや交通政策、環境政策、福祉政策など、都政と緊密に連携し、東京の発展に貢献していく考えでございます。
○川松委員 ありがとうございます。私自身も、現時点では、民営化というのは反対であり、議論するまでもないと考えておりますが、交通事業については、民間の同業他社も多数いる状況でありまして、都政と連携し、民間にはなかなかできないことをやってこそ、都営交通の存在意義が発揮されるものであるかと思います。
今、バス事業の話もありましたけれども、これまで採算路線、不採算路線の検証を重ねて事業を進めてきました。いよいよこれから、この次の五年、十年という中で黒字化していこうというタイミングです。タイミングがよくなってきて、黒字になってくると、余計に民営化してもいいんじゃないかという声が出てくる可能性があるのが今の社会でして、緊張感を持って皆さんと一緒に推移を見守りたいと思います。
ぜひとも都営である意義を絶えず意識しながら、都民のため、その役割をしっかりと果たしていただくことを要望しておきます。
続いて、豊洲市場へアクセスするバス路線について伺います。
豊洲市場がオープンして一年ということになりましたけれども、都営バスは、新橋駅と築地市場を結び、仲買人などにも利用されていた市01という路線がありましたけれども、この豊洲市場のオープンに合わせて路線を伸ばして、今は新橋駅と豊洲市場を結んでいます。
そこで、この市01について、豊洲市場開場後の利用状況を教えてください。
○坂田バス事業経営改善担当部長 お話の新橋と豊洲市場を結ぶ市01系統につきましては、開場後、買い出し人や市場にお勤めの方に加えまして、観光客にもご利用いただいたことから、一部の時間帯において混雑が顕著となっておりました。
このため、当初は、混雑が激しい日に臨時のバスを運行して対応しておりましたが、本年一月にダイヤを改正いたしまして、最も混雑していました午前十時から十一時台にかけまして一便増便しましたところ、それ以降、混雑は徐々に落ちついてきております。
○川松委員 ありがとうございます。豊洲に移転する際に、築地から遠くなって大変だ、アクセスどうするんだというようなマイナスな言葉がたくさんあって、そこに交通局が決断をされて、路線をこのように変化させてきたわけですけれども、いまだに、豊洲市場オープンしたものの元気のない面があったりとか、引き続き--本当は、本来だったら魅力があったり、もっと輝ける市場になるのに、ちょっと足りない部分あります。そのことは、この交通局も、都バスの市01という路線をもって、豊洲市場の魅力をアピールしていただきたいと思っています。
今、お話あったように、バスというのは、鉄道と異なって路線を柔軟に変えることができるという特徴がございます。今は増便して落ちついているようでありますけれども、僕らのイメージでは、もっとこの利用者がふえて、さらに増便していくような環境をつくっていきたいと思いますので、ぜひ対応していただきたいということを要望しておきます。
続いて、都営交通、特に都バスのプロモーションについてお伺いします。
まず、都バスの動画について。実は都営バスでは、ドラマ仕立ての動画、都バスラブストーリーを公開しているわけですが、委員の皆さん、ご存じでしょうか。--こんな反応でございます。
実は、この都バスラブストーリーは、直都という男性と営子という女性のラブストーリーに絡めて都営バスを紹介するトレンディードラマ風の動画でありまして、僕は興味深く見てきました。(発言する者あり)今、こういう反応もありますけれども、まず、この都バスラブストーリーの目的と反応を伺います。
○牧野自動車部長 委員お話しの都バスラブストーリーにつきましては、鉄道では乗りかえが必要でありますが、都営バスでは乗りかえなく移動できる路線の利便性をPRするために作成いたしました。
動画は、九〇年代のトレンディードラマをほうふつさせる四話構成のドラマ仕立てといたしまして、お客様の記憶に残るよう、路線の利便性をパロディー風に描いておりまして、都営バスの車内のデジタルサイネージやユーチューブで放映しております。この動画に対する反応につきましては、ユーチューブの再生回数が四話合計で約二万一千回となっております。
〔「知らぬな」と呼ぶ者あり〕
○川松委員 知らぬなという声もありましたし、部長ももうちょっと楽しく説明していただきたかったです。(笑声)今、お話あったように、この動画というのは、トレンディードラマ風でありながらパロディー風でもある。一見格好よさげでもあり、そうでもなく、これ突然、バス乗っていると車内で流れて、何だろうと見入ってしまったものだと私感じておりました。
今、お話ありましたように、バスの中だけではなくて、現在ユーチューブでも見られるということになっておりますので、役所のPR動画としては、なかなかおもしろい切り口だと私は思っています。
ところが、残念ながら、余りネット上でも、いわゆるバズっていない状態でありまして、知り合いに聞いても、この委員の皆さんに聞いても知られていないという現状です。もっとこれ口コミで広げる、SNSで広がっていく可能性がある動画だと思うんですけれども、せっかくのこういう事業をPRするのであれば、もっと話題となるような工夫も、動画つくるだけでなくて、さらなる話題となるような工夫も必要だと思いますが、見解を伺います。
○牧野自動車部長 都バスラブストーリーにつきましても、ぜひごらんいただきたいと存じます。
これまで都営バスでは、広報誌やバス車内のデジタルサイネージを活用いたしまして、都営バス沿線の観光スポットやお店を紹介するなど、利用促進に向けた取り組みを進めてまいりました。
今般、都営バスのシーンが描かれたアニメ映画、天気の子とタイアップいたしまして、雨の日は都バスでをキャッチコピーとし、映画のシーンを取り入れました動画やオリジナルポスターを作成するとともに、主人公を描いたラッピングバス三台を映画にゆかりのある路線などで運行したところでございます。
動画につきましては、ユーチューブや街頭ビジョンなどで放映いたしまして、ユーチューブの再生回数は百八十万回に及んだところでございます。
今後とも、都営バスの魅力を広く伝えられるよう、多様な媒体を積極的に活用いたしまして、さらに話題となるようなPR活動に努めてまいります。
○川松委員 今ありました天気の子とのタイアップは、必然的に盛り上がったと思いますけれども、そこに向けての権利関係だとか、いろんな取り組みは大変だったと思いますが、交通局がいま一度、これは腰を据えて独自の動画を制作し、さらに発信していくべきだと私考えています。
今の出ている都バスラブストーリーも、さまざまな切り口、テーマでドラマが続いていくわけですが、これやっていくことによって、都バスイコール直都、営子みたいな認識が広がってくる日もやってくるんじゃないかなと僕は思っているわけですね。
特に大事なことは、東京二十三区は、よく観光に来られた皆さん方にも、二十三区の鉄道ネットワークが張りめぐらされていますと。特に、オリンピックに来る皆さん方にも、車じゃなくても、この鉄道ネットワークを使えばどこにでも行けますよといっていますが、完全に網羅しているわけじゃないわけです。
今度鉄道ネットワークのすき間を埋めていく都バスの役割を、僕はこのドラマを通じて、多くの人にさらに発信できるんじゃないかなと思うんですね。
特にインバウンド対策ということであれば、さまざまな国の言語の説明が、直都と営子のせりふに出てくると、多くの世界中の人たちにも、このドラマを通じて、都バスの重要性というのを知っていただけるのではないかなと思いますので、ぜひ、いずれにしましても話題性のある、そしておもしろいプロモーションを今後とも続けていただければと思います。(「川松さん、プロモーションやれよ」と呼ぶ者あり)はい、頑張ります。
さて、私は、文化施策というものに、初当選して以来力を入れてきたわけでありますが、一つの壁というか、乗り越えなければいけない教訓というものをこの何年間で感じてきました。
それは文化施策を所管する生活文化局というところは、各文化施設の運営や充実については権限がありますが、それをうまくつないでいくハード面の整備は、所管が別になってしまうということになっています。特に東京文化ビジョンというものをつくったときに、上野の森だとか、本所深川というエリア構成されて、このエリアを文化施策を推進していく拠点だということで打ち出してきたわけでありました。
そのときに、いろんなエリアごとにテーマがあるんですが、このエリアを超えて、各拠点のエリアが連動していけば、もっと文化のテーマというのが東京中に広がるんじゃないかなと考えたときに、真っ先に思いついたのが、上野動物園のモノレールを延伸して、さらに浅草とか両国につないできたら歴史文化のラインになるんじゃないかなとずっと夢を描いていたところ、何と今般、モノレール自体が営業休止ということになり、さてどうしようかと思って考えました。そこのアイデアについて質問させていただきたいと思います。
きょう注目させていただくのは、都立現代美術館です。
これは今の文化施策の難しさということで、現代美術館は木場公園と隣接しているわけですけれども、公園は建設局が持っていて、美術館は生活文化局だと。僕は、公園の中に、もっと文化の薫りのする公園にして、現代美術館に向かっていく道には、いろんな文化の作品が並んでいるようにしたらどうだといったら、これがまた局間の権益の関係でなかなか乗り越えることができませんでした。
そこで、今度交通局に貢献していただこうということで質問させていただきますが、この現美へのアクセスについてです。
現美は、徒歩でのアクセスは今、清澄白河駅を使ってくださいということになっているんですけれども、大江戸線の清澄白河駅のこのA3という出入り口から、距離にしておよそ一キロとなっていて、歩くと結構距離があって、実は最寄り駅としては遠いんじゃないかと感じています。より近い場所、具体的には、現代美術館の近くにある木場公園の中とかその周辺に新しい大江戸線の駅ができれば、上野の森の国立文化施設、都立文化施設あるいは大学、こういった文化の拠点と、あるいは江戸東京博物館のある両国、すみだ北斎美術館、相撲博物館のあるエリアとこの木場を結ぶことによって、まさに大江戸線が文化のラインになるんじゃないかと、そのことによって大江戸線、さらに魅力向上するんじゃないかということで私は思っています。
木場公園自体がそもそも交通基地だったわけでありまして、大江戸線の木場車庫が実際に今あるわけです。つけ加えると、先般、大江戸線にきかんしゃトーマスの車両がお披露目となりましたが、現代美術館ではトーマス展もやったことがあるわけですね。そのことによって多くにぎわったことがあって、さまざまなキーワードが並んできましたので、ぜひその木場車庫、美術館の目の前にある木場車庫を改良して駅を設置できないかと考えますが、見解を教えてください。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営大江戸線の木場車庫は、都立木場公園の地下に設置されており、清澄白河駅と門前仲町駅との間に設けた入出庫線によって本線と連絡しております。
車庫内の線路の敷設状況や線路のカーブ等の線形、勾配状況を考慮いたしますと、駅が設置可能な位置は、北側にある現代美術館とは反対側の木場公園の南端部となりまして、美術館との距離は清澄白河駅と同等のおおむね一キロメートルとなります。また、駅の設置工事を行うためには、木場公園内を大規模に掘削する必要がございます。
○川松委員 結果的に、今の技術からすると、距離は大して変わらないし、公園内の掘削も必要という答弁でありますけれども、じゃあ、別のもっと近い場所につくれないかということです。
今の答弁にありました大江戸線の本線と木場車庫との間には、車両が行き来する入出庫線があるわけですね。この線の途中に駅を設置できれば、現代美術館により近い場所に駅がつくれるということになろうかと思いますが、いかがでしょうか。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 入出庫線の途中に駅を設置する場合、駅が設置可能となる箇所は、線路のカーブ等の線形や勾配状況を考慮いたしますと、都立現代美術館までの距離がおおむね五百から六百メートルの既存市街地の道路下となります。
この箇所に駅を設置する際には、地下鉄トンネルの幅を広げる必要があるため、現在マンション等が建っている用地の取得が必要になるとともに、入出庫に使用しているシールドトンネルを解体しながら駅をつくっていくことになります。
用地取得費に加え、大江戸線の列車運行に影響を与えないよう工事を進める必要がありまして、多額の費用が見込まれるとともに工事等に長期間を要するものと考えられます。
○川松委員 新たに駅をつくるのは容易ではないということ、いろいろな視点から考えていただきたいという思いであえて質問いたしました。
新駅設置は難しいとしても、せっかく沿線に文化施設が集まっているのですから、チラシを置いたりとかポスターを張るだけではなくて、もっと文化施策との連携を考えて、大江戸線が、まさにその文化の拠点をつないで--清澄白河が最寄り駅だったとしても、同じように文化の拠点をつないでいるという意識を持っていただいて、魅力向上につながる施策を交通局には打ち出していただきたいと思います。
別の角度からもう一点、大江戸線の魅力向上について、そして既にある資源を活用したプロモーションという観点から質問いたします。
都営交通には、ふだん見ることができず、知る人ぞ知る施設というのが幾つかあります。きょうはその一つであります汐留連絡線というのに注目させていただきました。
大江戸線と浅草線は、使用しているレールの幅が同じでありまして、大江戸線の車両の分解を伴うような大規模な点検は、浅草線の馬込車庫で行っています。このときに、大江戸線の車両を浅草線へ移動させなければならないわけですが、そのとき通るのが大江戸線の汐留駅付近と浅草線の新橋駅付近とをつなぐ汐留連絡線です。
汐留連絡線は点検のときに使うため、日ごろ、一般のお客様の目に触れることのない隠れた線路であり、鉄道マニアの皆様方の関心がとても高いエリアであります。こうしたものは、職員の皆さんからすれば当たり前の光景かもしれませんが、一般の方からすれば非常に興味深く、そうした隠れた魅力を発信していくことは都営交通ファンの拡大につながるんじゃないかと考えました。
そこで、汐留連絡線について、一般の方が視察できる機会を設けてはどうかと考えますが、見解をお伺いいたします。
○谷本建設工務部長 汐留連絡線は、委員お話しのように、大江戸線の車両を浅草線の馬込車両基地に運び車両検査を行うため、大江戸線と浅草線の線路をつなぐトンネルとして平成十八年に建設されました。
汐留連絡線を視察するためには、駅から入り、営業線内に立ち入らなければ連絡線の入り口に到達することができません。このため、営業時間中に一般の方にご視察いただくためには、営業列車をとめて安全を確保しなければならず、営業時間中にご視察いただくことは困難でございます。
また、営業終了後にご視察いただくことを考えた場合におきましても、連絡線内は照明も暗く、ポイント、枕木やケーブル類もあるなど、足元が不安定な箇所が多く、ご視察者の安全の確保に特段の配慮が必要となるなど課題が多いと考えております。
○川松委員 大変安全第一に考えていらっしゃる皆さん方の見解で、多分鉄道ファンからすると、かたいなといわれると思いますが、では、徒歩でここを視察するのは課題が多いというお話でしたので、そのまま車両に乗って見学させていただくことはできないか、お伺いいたします。
○相川電車部長 お客様に大江戸線の回送車両にご乗車いただき、汐留連絡線を走行することについてのご提案でございますが、大江戸線の車両は、浅草線の車両に比べて小さく、汐留連絡線では、架線にパンタグラフが届かないため、電気の供給を受けることができず、専用の機関車に牽引されて走行しております。
このため、車内の照明や空調が使用できないなど、お客様の体調管理や安全管理上の課題があると考えております。
○川松委員 多分、恐らくファンの皆さん、それでも我慢するというと思いますが、引き続きここができるような技術革新を望んでおきます。
では、歩くこともできない、乗ることもできないということであるならば、例えばテレビの番組の世界の車窓からみたいに、せめて中の映像を公開できないかという声に対しては、どのようなお答えあるでしょうか。
○根木総務部長 委員からさまざまなご提案を受けて、十分なお答えができない状況でございますけれども、交通局ではこれまでも、ふだんお客様が見ることのない、例えば、深夜の保守作業ですとか、地上から地下に車両を搬入する様子などの映像を制作し、都営交通の安全・安心への取り組みなどをPRしてまいりました。
また、東京さくらトラム、荒川線や日暮里・舎人ライナーからの車窓の風景や地下鉄の運転席からの展望などの映像も、東京動画やユーチューブなどを通じて公開しております。
汐留連絡線の様子につきましても、今後、撮影を行い、都営交通の魅力が伝わる映像を制作し、都営交通ファンのさらなる獲得に努めてまいります。
○川松委員 今、汐留連絡線の動画が公開されるという、極めて重要で、そして都営地下鉄史上、大きな答弁をいただきました。平成十八年にできてから十三年間、秘密になっていたものが、これ公開されるということであります。
直接見られなくとも映像を公開するというだけで、鉄道ファンの皆さんは価値があるということで評価をされると思いますので、ぜひ一日も早い公開を楽しみにし、ただ鉄道ファンの方だけではなくて、いかにこのトンネルがどうすごいか、メンテナンスの意味も含めて、都営地下鉄を運用していくためにどうすごいかということを、あれは都バスラブストーリーですけれども、地下鉄ラブストーリーなんかもつくっていただいて、一緒に魅力を掘り起こして発信を続けていただきたいということを強調しておきます。
さて、続いて、ナイトタイムエコノミーの推進に関連して質問いたします。
都営バスでは、猪瀬知事の時代に二十四時間バスの実験を行いましたが、渋谷と六本木の間だけをつなぐ路線で、その先のほかの公共交通への広がりがなく実験は終了となりました。
一方、現在、観光庁は、ナイトタイムエコノミーは文化、経済の両面でまちを活性化させ、今後の経済を考える重要なテーマであるとして、ナイトタイムエコノミーの推進を掲げているところであります。
東京が観光都市として発展する上で重要な問題であり、そのためには交通ネットワークが機能しなければ効果が薄いと考えます。都営交通だけ動けばいいという話ではありませんけれども、とはいえ、都心の交通ネットワークの一翼を担う都営交通の役割は重要です。
地下鉄では、終電や始発までの間にさまざまな作業を行っていることは承知しておりますが、例えば、金曜日だけでも、地下鉄やバスを二十四時間運行できないかと考えますが、見解を伺います。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都営交通における二十四時間運行ですが、地下鉄では、終電から始発までの限られた時間帯に、日々安全で安定的な輸送を確保するためのさまざまな保守点検作業を実施するとともに、ホームドアやエレベーターの設置工事等も計画的に行っております。
例えば毎週金曜日など週一回であっても、二十四時間運行を実施すると、年間を通じて必要な作業時間が確保できなくなることから、安全運行等の面で大きな課題がございます。
また、バスについては、委員お話しのとおり、平成二十五年十二月から毎週金曜日に終夜バスを試験運行いたしましたが、利用者は一運行当たり平均九名と需要が伸びず、約十カ月で終了しており、他の公共交通事業者への広がりがなければ効果は限定的であると考えております。
このほか、二十四時間運行に当たって必要となる乗務員等の要員確保や収支採算性など経営面での課題もあると考えてございます。
○川松委員 ありがとうございます。
これ、ただいまの答弁で、要員確保という話もありました。バス乗務員については、民間のバス事業者も確保に苦しむ中で、都営に転職、応募して困るという苦情も私のところに来たりしています。業界全体で深刻な問題でありますが、いろんな今、二十四時間バス、ナイトタイムエコノミーできないかという切り口で質問しましたけれども、こういういろんな課題の中で、いま一度、交通局には、バス乗務員の待遇改善や周りからの見え方の改革を進めて、その魅力を高めて、バス乗務員さんを目指す人がふえるような改革というのをぜひ進めていただきたいと思います。
一方で、何でこんな質問をしたかというと、ナイトタイムエコノミーもそうですが、それに合わせて、今八丈島で東京都はバスの自動運転をしています。こういった自動運転技術が発達してきている中で、無人の自動運転バスが実現すれば、今お話にあったようなバスの乗務員不足は解消されて、二十四時間バスを運行させることも、要員の面では可能になるんじゃないかなと思いますけれども、交通局では、バスの自動運転についてどのように考えているのか教えてください。
○牧野自動車部長 バスの自動運転につきましては、委員ご指摘のとおり、将来的に運転手不足の解消に資する技術であると考えております。また、複数の研究機関や企業により開発が進められており、都内を含め各地で実証実験が行われていることも承知しております。
自動運転のバスにつきましては、停車車両を避けたり、車庫から道路へ出る際などには運転手の操作が必要であるとともに、最高時速が二十キロ程度に抑えられております。このことから、走行環境が厳しい都営バスの営業エリアにおきましては、完全自動運転の実現までには、多くの技術的課題があるものと考えております。
引き続き、今後の技術開発の動向を注視してまいります。
○川松委員 まだまだ技術が未成熟であるということですが、将来的には実現の余地があるということでもあります。
東京都でも、実際にタクシーの自動運転、去年もやったりして、東京駅-六本木間のタクシーの自動走行は、実験としては成功しているわけでありまして、そういった幹線道路の中で自動運転のバスを入れていく、東京都は世界に先駆けて最先端の都市をつくっていくという全体の方針もある中で、そういった取り組みも都バスとしては研究を重ねていただきたいと思います。
地下鉄の夜間の保守作業についても、今後、技術が大幅に進歩し、終電の延長や二十四時間運行が可能なくらい省力化あるいは効率化が進んでいくんじゃないかなと思うんですね。地下鉄やバスの二十四時間運行については、引き続き、技術の進展を注視しながら模索をしていただきたいと思います。
改めて、本日は、さまざまな角度から質疑をさせていただきましたけれども、都民の皆様のための都営交通であるということを絶えず意識しながら、さまざまなことに挑戦していっていただきたいと思います。
きょうの質疑を通して、いかに皆様方、お客様のことを考え、いわゆる都営交通のサービスということ、大切ですけれども、それと同時に同じぐらい、お客様を安全に目的地にお運びするという意識を最大限に持たれているという皆さん方の意識の高さを感じさせていただきました。
ぜひ、今後とも都営交通をよりよいものにしていくために、闊達な議論をさせていただきたいということを申し上げまして、質問を終わりにいたします。
○河野委員 最後です。初めに、消費税について述べておきます。
十月一日から、消費税率一〇%への増税が強行されました。消費税は、所得が少ない人ほど税の負担が重い逆進性の税制です。今月初めの日本銀行の短期経済観測は、三期連続悪化となり、他の経済指数でも景気は冷え込んだままであることは明らかです。
ある新聞に、今までも生活が苦しかったのに、これから先どうやって生活していけばいいのか途方に暮れるという切ない投書がありました。
交通局は、消費税増税を容認し、運賃への増税分の転嫁で、平年度ベースで年に約三十三億円の都民の負担をふやしました。住民生活を守り、移動の権利を保障する役割を持つ交通局が都民負担増をもたらしている、このことに厳しく指摘をしておきたいと思います。
では、質問に移らせていただきます。
上野動物園のモノレールについて質問します。
先日、上野動物園モノレールが、十月三十一日でラストラン、運行休止になるとの報道がありました。六十二年間の歴史に一旦幕をおろすが、最終的に廃止するかどうかは未定という内容でした。
ことし三月十五日の当委員会で、斉藤まりこ委員が質問をしています。答弁は、交通局では、この間、車両の詳細な調査を行い、劣化状況の把握に努めるとともに、車両更新について車両メーカーにヒアリングを行い、その結果を適宜建設局と共有してまいりましたというものでした。
あれから約七カ月が過ぎていますが、その後の検討状況をお示しいただきたいと思います。
○野崎技術調整担当部長 上野動物園のモノレールにつきましては、現在の車両の老朽化に伴い、今月十月末で運行を休止することとしております。モノレールの新車の製造に関しましては、これまで施設を所有する建設局とともに、メーカー側と話し合いを重ねてきましたが、部品の多くが既に生産されていないことから、車両の製造が困難な状況となっております。
今後は、建設局がアンケート調査を行い、東園と西園をつなぐ新たな乗り物について、さらに検討を進めていくこととしております。
○河野委員 今後、新たな乗り物について来園者などからアンケートをとる、このことは新聞報道でもありました。
運行と保守管理を担ってきた交通局と、施設を所有している建設局が、このアンケートなどは共同で行うことになっているのでしょうか。
○市川企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 一部繰り返しになりますが、アンケート調査は、施設を所有している建設局が単独で実施するものであり、東園と西園をつなぐ新たな乗り物について、さらに検討を進めるため、十一月に上野動物園への来園者などを対象にアンケート調査を行うこととされております。
○河野委員 新たな乗り物の検討という目的もあるアンケートのようですが、モノレールの存続の可能性もぜひ追求していただきたいと望んでいます。
上野動物園モノレールは、世界に二つしかない片側懸垂型で、これまでの歴史に照らしても価値ある存在です。かつて存続か廃止かが検討課題になったとき、当時の都知事が、子供の夢を大切にと存続した経過があります。車両更新の方法や費用などの課題はありますが、存続のために、交通局も建設局とともに力を合わせて努力していただくことを改めて求めておきます。
次に、視覚障害を持つ方から寄せられている都営地下鉄と都バスの運行改善要望についてお聞きします。
まず、都営地下鉄大江戸線の新宿西口駅についてです。
資料を出していただきました。五ページです。エレベーターによるバリアフリー、二ルートがある駅に、新宿西口駅が一覧の一番上に載っています。交通局は、通行の安全へ努力をされてきているということがこのことでもわかります。
しかし、大江戸線新宿西口駅改札口からメトロ丸ノ内線改札階やJR新宿駅西口改札に到達するのは、視覚障害のある人にとってはバリアが多いといわれています。駅の構造は複雑で、大江戸線改札階フロアが地下一階、丸ノ内線改札フロアがその上にあり、ここは改札から階段にして四十段ぐらいの高低差がありますが、さらに十数段の階段を上ると、十段ぐらいですか、その上にJR新宿駅西口改札階があるという、三段構造というか、三層構造のフロアのつくり方です。
お聞きします。大江戸線の有人改札には、誘導用ブロックが敷設されているのですが、自動改札のところは誘導ブロックがなくて、改札を出て方向を判別できなくて戸惑ってしまうと視覚障害者の方はおっしゃっています。自動改札はずらっと何基も並んでいて、そこを出たときに、有人改札から誘導ブロックまで数メートルの距離があるので、自動改札からも誘導用ブロックをつけてほしいと要望が出されているんです。
このことについて改善を求めるものなのですが、いかがでしょうか。
○坂口技術管理担当部長 国が監修するバリアフリー整備ガイドライン旅客施設編には、視覚障害者誘導用ブロックは、駅員とのコミュニケーションを図り、人的サポートを求めることができる有人改札口を経由して敷設する旨記載されております。
このため、新宿西口駅では、本ガイドラインにのっとって、有人改札口に誘導用ブロックを設置しております。
○河野委員 白杖を持った本当に視力の大変弱い人は有人改札に行きます。しかし、弱視の方は、有人改札に行かなくて自動改札も通ることがあるというのですね。そこにブロックをつけてほしいといっておりますので、これは乗客の実態を調査していただいて、何らかの方向性を出していただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。
二つ目の問題です。
有人改札からエレベーターには、屈折しながらも誘導用ブロックが敷設してあるんですけれども、丸ノ内線改札階に上がるエスカレーターへの誘導用ブロックはついておりません。ちょうどこの階には忘れ物センターがあり、そこまでは誘導ブロックがあって、白杖の方が歩いていけるんですが、そこでブロックは終わってしまいますから、すぐ右側に上り用二基、下り用二基のエスカレーターがあるのに、誘導ブロックがなくて、そのエスカレーターに乗ることができないという声もあるんですね。これは不親切ではないかという感想が述べられているんですが、この改善については、どのような可能性があるのか、改善方が望まれていますが、いかがお考えかお聞かせください。
○坂口技術管理担当部長 平成三十年七月に改正された国のガイドラインには、視覚障害者におけるエスカレーター利用のニーズは高く、エスカレーターを利用できる環境を整備する必要があると考えられる、一方、安全への配慮が必須であり、誘導用ブロックの敷設に加え、音声案内などでエスカレーターの位置や行き先をよりわかりやすくするなどの工夫が必要であると新たに明記されております。
しかし、こうした考え方に基づいて誘導用ブロックを設置すると、なれない場所で視覚障害者のお客様がエスカレーターを利用する場合、上り下りの区別がわかりにくい、乗りおりのタイミングがはかりにくいなど、安全を確保する上での課題が多く、引き続き慎重な検討が必要と考えております。
○河野委員 そういう音声案内のことなども、今、方向性としては出されているというのはわかりました。
もう一つ伺っておきますが、丸ノ内線改札階に出るエレベーターのところは、傾斜があるスロープ状になっています。エレベーターを出て丸ノ内線方向に向かうとき、数メートル歩かないと誘導ブロックにたどり着かないというエレベーターの構造になっています。スロープのところは誘導用ブロックをつけないというのが、国土交通省のガイドラインにあるそうなんですけれども、敷設位置の工夫次第で、車椅子の人、スロープを通る人と、視覚障害の方の両方が安全に通行できる、そのような改善はできるのではないかと実際に私も行ってみて考えたんですが、これはどうでしょうか。
○坂口技術管理担当部長 国のガイドラインでは、通路全体がスロープの場合には、線状ブロックを設置することとされておりますが、階段等が併設されている場合には、スロープの始終端部に点状ブロックを敷設することとされております。
ご指摘の新宿西口駅のスロープには階段が併設されているため、ガイドラインに従って点状ブロックのみを設置しております。スロープに線状ブロックを設置した場合、凹凸により車椅子を使用するお客様の円滑な移動に影響を及ぼす可能性があるため、慎重に検討してまいります。
○河野委員 安全優先ですから、慎重な検討をお願いしたいと思いますが、要望が出されているのも事実ですので、ご検討ください。
私も実際に、この新宿西口駅というのを歩いてみました。ほとんど都庁に真っすぐ大江戸線で来てしまいますからおりることがない駅なんですが、要望が出されたので行ってみました。大変複雑な構造でした。丸ノ内線改札口のフロアの改善も、本当に交通局と協力してきちんとしていただくことが必要だと感じました。
スロープのあるエレベーター方向へは誘導ブロックが設置されているのですが、その同じフロアにあるエスカレーターに行くのは、とてもわかりにくいんです。丸ノ内線改札から大江戸線におりていくには、カーブした誘導ブロックを右に左にと曲がりながらたどって、遠回りしないとエスカレーターに乗れません。
また、エスカレーターは四基あります。上り二基、下り二基ですが、音声もなく視覚障害者は利用しづらいという状況があることもわかりました。先ほど音声案内のこと、答弁でありましたけれども、せめてこういう場所に、エスカレーターのある場所に、音声での案内をしていただければ助かるという要望が出されております。
音声案内についてはどういうふうなお考えでしょうか。検討ということもおっしゃっていましたけれども、再度伺います。
○坂口技術管理担当部長 新宿西口駅のエレベーターへの誘導ブロックについては、安全でシンプルな道筋を明示することを優先するという国のガイドラインに沿って設置しております。
また、エスカレーターの音声案内につきましては、更新等の機会を捉えて設置を進めており、新宿西口駅のエスカレーター四基につきましても、更新する際は、音声案内装置を設置することといたしております。
○河野委員 今後更新する際が、更新がいつ来るかというところが問題なわけですね。ですので、そういう利用者の方、乗客の方から強い要望が出されているということを念頭に置いていただいて、対応していただきたいと思います。
大江戸線新宿西口駅の様子を見て、視覚障害者の方は、複雑な駅の構造をよくご自分で記憶して、誘導用ブロックを道として認識しながら歩行されているということを改めて理解いたしました。
一方で、私たちがふだん何げなく通行しているところの駅構内の安全確保に、交通局が大変努力をされているということもわかりました。
しかし、まだその努力が不十分であるということも感じています。障害を持つ人、高齢者、子供連れの人たちなど、こういう方々に優しい駅であるように、さらなる交通局のご努力を求めておきたいと思います。
次に、都バスについて伺います。
バスの停車位置についてです。
停留所の縁石に沿ってバスの車体がすき間なく停車することが、視覚障害を持つ人や高齢者の人たちの安全のために必要です。都営バスが停車する位置について、停留所への停車ですね、そのことについて交通局の考え方をお示しください。
○牧野自動車部長 都営バスでは、お客様が安全かつ円滑に乗降できるよう、乗務員に対して、停留所に停車する際には、他の車両が停留所の手前に駐停車している場合を除きまして、バスを歩道に極力寄せて停車させるよう指導しております。
また、停留所付近の違法駐停車の防止に向けまして、道路面にバスの停留所であることを白線で標示するとともに、警視庁に対しまして取り締まりの強化を要請しております。
さらに、他の車両との接触事故や渋滞の防止に向けて、歩道を切り込んだバスベイを整備する際には、歩道に寄せて停車しやすい形状となるよう、道路管理者などと協議をしております。
○河野委員 つい最近なんですが、私の知り合いで全盲に近い人が都バスに乗った際に、バスが縁石から離れた位置に停車をしてあったと。そこの離れたところにバスのステップがあることがわからないで、縁石と車体の間に足を入れてしまって、白杖も持っていたので白杖とともに体のバランスを崩して、お医者さんの治療が必要なほどのけがをした、こういう例があります。この方はガイドヘルパーが補助してくれていたんですが、足を置く位置を自分自身が認識できなくてけがをしてしまったといっていました。
視覚障害の方以外にも、きちんとバスが停留所の縁石のところにすき間なく着く、正着というんですか、それが守られない場合には、縁石より低い路面から足を乗せて乗車しなければなりませんから、脚力が弱っている高齢者には負担になるという声も聞きます。
交通局は、停車位置などについて、たくさんの利用者の人、いると思うんですが、利用者の要望を聞き取る努力はされているのでしょうか。
○牧野自動車部長 都営バスでは、日々の運行状況やお客様から乗務員が受けた要望等につきまして、勤務終了時の点呼において報告を受けるとともに、お客様センターなどを通じまして、さまざまなご要望をいただいております。
この中には、バスを歩道に極力寄せて停車させてほしいという要望もございます。
○河野委員 私も、ほぼ毎日都バスに乗っている乗客です。本当に乗っています。バス運転手の皆さんの負担が大変大きいものであることも、障害者の方々の車椅子を押して乗せてあげたり、いろんな、乗客がきちんと座っているかどうかも確認して発車したり、とても苦労しながら運行されているのを承知しています。
そういう運転手さんの苦労はわかるんですけれども、同時に大切なのは乗客の安全重視だと思います。さっきおっしゃったバス停への正着の徹底も含め、さらなる安全運行のための交通局の努力をこの機会に要望しておきます。
もう一つ、視覚障害者の方から出されている要望についてお聞きします。
都バス、私鉄バスに乗車する場合の方法についてです。
東京都の障害者無料パスは、都営バスのみ利用、民間バス乗車の場合は、障害者手帳を提示して二分の一のバス代を払うと聞いています。障害者の方の中には、民間バスに乗車するとき、障害者手帳と無料パスの両方を出さなくてはならないと思っている人がいます。視覚に障害がありつつ、手帳、無料パス、そして二分の一の代金になりますがバス代を用意して、白杖も使っている場合には、乗車するときにいろんな物を持たなくてはならない、準備しなくてはならなくて大変という意見が寄せられました。
この機会に、障害者の無料パス、障害者手帳、バス代負担について、交通局の基本的な考え方についてご説明をいただきたいと思っています。よろしくお願いします。
○牧野自動車部長 都営交通無料乗車券は、都内在住の身体障害者、知的障害者、生活保護世帯の方などに、区市町村を通じて発行しているものでございまして、都営バスでは、乗車時に提示いただくことで無料でご乗車いただけるものでございます。
また、民営バスにつきましては、身体障害者手帳などを所持する方が乗車時に手帳を提示することで、普通運賃が五割引になると聞いております。
○河野委員 さっきいいましたように、私はこのお話を聞いて、民間バスに乗車する場合に手帳の提示と半額運賃だけ準備すればよいということが、みんなにわかっているといいと思うんですね。だから、バス協会の話も先ほどありましたけれども、民間バス協会とも協力して、障害を持つ人、特に視覚障害の方に、こうした制度だということを周知していただく、そういう交通局の取り組みがされるといいなと感じておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
都バスと民間バスが乗り入れている路線についても要望が出されています。
例えば、私が利用している新宿線一之江駅の環七側バス停留所は、都バスと京成バスが停車しています。ここは視覚障害者が乗り間違いをしやすいバス停となっています。都バスが来たのか京成バスがとまったのか、それがわかりやすくなるには、発車の前にバス停で都バスですよと車外アナウンスをきちんとしていただくとありがたいといわれています。
こうした要望にも応えていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○牧野自動車部長 理事お話しのバスは、都営バスと民営バスとが共管している新小20系統と思われますが、このように共管により運行されている系統につきましては、バスが到着した際に、視覚に障害をお持ちの方がどちらのバスなのかわからないという課題があることは以前から把握しております。
このため、バスが到着した際に自動的に流れる車外の放送によりまして的確な案内ができるよう、既に局内で検討を行っているところでございます。
○河野委員 そのことをぜひ徹底していただきたいと思います。
この一之江駅と同じような要望が、新宿の西口で、イベント広場前から都庁に来るバスありますよね、あのバスも都バスと京王が乗り入れていて、同じようにわかりづらいということがいわれています。乗車の際に区別がつくようにしていただきたいという要望が寄せられていますので、あわせてこの機会に努力を求めておきたいと思います。
最後に、都営地下鉄駅構内の空気環境について伺います。
ことし三月の委員会で、私は、地下鉄駅構内の環境対策、特に空気環境について伺いました。駅構内で働く人の健康を守る上で、空気環境を良好に保つことは大切です。
交通局は、都営地下鉄の浮遊粉じん調査を行っているとのことですが、交通局が行っている調査の結果、直近三年間の測定結果、これはどのようなものだったかお答えいただけますか。
○渡邉職員部長 地下鉄駅構内については、法令等で定める作業環境測定の対象外となっておりますが、交通局では、職員の健康を確保する観点から、年一回、地下鉄駅構内の駅長事務室やホーム等百九十五カ所において、労働安全衛生法等に定める基準を準用し、温度や湿度、浮遊粉じん量などの空気環境調査を実施しております。
このうち浮遊粉じん量につきましては、事務所に適用される基準値と比較した場合、平成二十八年度及び二十九年度は上回った場所はなく、平成三十年度はホーム等十七カ所においてわずかに上回っております。
調査を委託した検査会社からも、浮遊粉じん量も含めた平成三十年度の測定値について、地下鉄駅の空気環境はおおむね良好と考えられるとの評価を得ているところでございます。
○河野委員 結論的なところで、地下鉄駅の空気環境はおおむね良好と考えられるというご答弁でした。百九十五カ所で、十七カ所が、前年度、前々年度よりも悪化していると。平成三十年度、昨年度の測定値が、この前の二年度に比べて十七カ所で、事務所に適用される基準値を上回ったとのことですけれども、この原因についてはおわかりになっていらっしゃるのでしょうか。
○渡邉職員部長 調査を委託した検査会社からの報告では、電車発着時の風圧等によるものと推測されていますが、原因は特定されておりません。
今年度も空気環境調査を実施することとしており、今後も測定結果を注視してまいります。
○河野委員 ありがとうございます。
平成二十九年度より、浮遊粉じん量、数字を見ると、三十年度は二倍とか三倍にふえている結果が出ている箇所もあるということです。正確に状況をつかみ、原因をはっきりさせるためにも、三十年度、昨年度ですね、そのときに再測定する必要があったのではないかと、出てきた値に照らして私は感じています。
交通局が行っている測定は年一回、十一月半ば、ちょうど今の時期のようですが、基準値を超えた箇所については、特別の努力を払った測定が必要ではないかと考えるものです。
現在、都営地下鉄の工事は各所で行われていますし、今後、工事量もふえていくのではないかと予想しています。工事が行われれば、浮遊粉じんの量もふえます。
そこでお聞きいたします。
労働安全衛生法が定めている作業環境測定では、二カ月に一回、年六回の測定を実施するとしています。現に都の庁舎などは年六回の測定が行われているはずなんですが、労働者の健康を守るために、法によって行われている測定です。
地下鉄駅構内においてもそれに倣い、測定の回数をふやすなどの努力をしていただきたいと考えるものですが、いかがでしょうか。
○渡邉職員部長 繰り返しになりますが、地下鉄駅構内につきましては、法令等で定める作業環境測定の対象外となっているところでございますが、交通局では、職員の健康を確保する観点から、引き続き適切に調査を行ってまいります。
○河野委員 今の答弁にありましたよね、労働安全衛生法で、労働者が働く事務所は、浮遊粉じん量などの測定の実施を定めていますが、鉄道の構内、駅長室などは、建築基準法の定めなどもあって、測定の対象外になっています。
そうした中で、交通局が年一回、浮遊粉じん量の測定をしていることは、構内で働く人の健康を守るために重要な取り組みをされていると思います。
私は三月に委員会の質問で、PM二・五対策用のマスクの装着などを提案したんですけれども、この浮遊粉じんのものはPM二・五ではありませんが、現在、交通局は、駅構内、ホーム、線路などで働く人の健康を守るためにはどのような対策を講じられているか、お示しいただきたいと思います。
○渡邉職員部長 交通局では、地下鉄内に換気設備を設置して新鮮な外気を供給するとともに、定期的な駅清掃や線路の清掃を行うことにより、良好な空気環境を保つよう努めております。
また、労働災害を防止するため、職員が改修工事の工事監督や車両の整備など、粉じん作業に従事する際は、防じんマスクを着用することを定めております。
さらに、粉じん作業に常時従事する職員の健康管理対策としては、じん肺法に基づいた特殊健康診断を実施しております。
○河野委員 健康診断、きちんとされているということと、防じんマスクなどの装着についても、交通局の考え方として、働く人にきちんとやっていただいているというのは今わかりましたけれども、引き続き、こうした努力をお願いしておきたいと思います。
最後に、もう一つお聞きします。
国は、建築基準法の第二条第一号の建築物に、鉄道、ホーム、駅務室などを労働安全衛生法の対象にしていません。しかし、実際は多くの人が働いています。なのに、労働安全衛生法の適用対象外にしているのはおかしいのではないかと思うんです。
また、PM二・五についても、地下鉄駅構内の環境基準を国は定めていません。これについては、三月の委員会で、交通局の答弁として、今後、国の動向を注視、情報収集に努め、措置が必要になれば適切に対応すると述べられています。
建築基準法の問題やPM二・五の環境基準を定めることなど、地下鉄構内で働く労働者の健康を守るために、交通局は積極的に制度や法の見直しを国に働きかけていくべきではないか、むしろいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○渡邉職員部長 理事からお話がありましたように、地下鉄駅構内については、法令等で定める作業環境測定の対象となっておりませんが、当局におきましては、引き続き、職員の健康を確保する観点から、地下鉄駅構内の駅長事務室やホーム等において空気環境調査を継続的に実施し、その結果を注視してまいります。
○河野委員 お願いしておきます。地下鉄駅構内で働く人の健康を守るためにも、これまで交通局が努力されてきた取り組み、それを前に進めていただくこと、そして国に対しても改善してほしいものは、はっきりと意見を上げていただくように求めておきたいと思います。
私たちも引き続き、交通局の取り組み、努力について注視させていただきたい、そのことを申し上げて、質問を終わります。
以上です。
○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、これをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で交通局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後七時四十一分休憩
午後八時開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより下水道局関係に入ります。
初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、下水道局長から紹介があります。
○和賀井下水道局長 去る九月二十六日の当委員会を欠席させていただいておりました幹部職員をご紹介させていただきます。
企画担当部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務いたします鈴木豊でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○伊藤委員長 紹介は終わりました。
○伊藤委員長 次に、下水道局長から発言の申し出がありますので、これを許します。
○和賀井下水道局長 下水道局が現時点で把握しております台風十九号による被害状況及び対応について申し上げます。
初めに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。
下水道局では、台風の接近に備え、十月十二日午前九時より、局で定めた豪雨時における最高レベルの警戒態勢をとり、過去に浸水被害があった地域の巡回点検や浸水防除のためのポンプ運転要員を増員して対応に当たりました。
台風通過後の十三日には、水再生センターやポンプ所の施設の点検を行い、異常がないことを確認いたしました。また、下水道管について、十三日以降、浸水地域で点検を行い、確認した道路陥没やマンホールぶたの浮上など七カ所は、既に仮復旧済みでございます。
今回、河川が増水し一定の水位に達したことから、河川の逆流による甚大な被害の発生を防ぐため、河川管理者との事前協議に基づき、樋門及び高潮防潮扉八カ所を閉鎖いたしました。
世田谷区、大田区、板橋区において、閉鎖した下水道管の上流部の一部などで浸水被害が発生いたしましたが、十三日十六時までに全ての樋門及び高潮防潮扉を開放し、現時点で道路から水は引いております。
一方で、区部において、豪雨対策として、約六十万立方メートルの雨水がためられる貯留施設を整備してまいりましたが、そのうち約六割が稼働したことから、内陸部の浸水被害軽減に一定の効果があったものと認識をしてございます。
引き続き、区市町村と連携し、状況把握に努め、必要な支援、対策を行ってまいります。
○伊藤委員長 発言は終わりました。
○伊藤委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○久我総務部長 さきの委員会で要求のございました資料を、お手元の公営企業委員会要求資料として取りまとめましたので、その概要についてご説明申し上げます。
表紙をおめくりいただきますと目次がございます。
恐れ入りますが、一ページをお開き願います。下水道事業における公共雨水浸透ますの設置状況でございます。
区部における平成六年度から三十年度までの公共雨水浸透ますの設置個数をお示ししてございます。
二ページをお開き願います。浸水被害状況の推移でございます。
区部の浸水棟数について、過去十年間の推移をお示ししてございます。
三ページをごらんください。再生可能エネルギーによる主な発電設備の規模と発電量の実績の推移でございます。
項目ごとに、設備の所在する施設名、施設規模及び平成二十九年度、三十年度における年間発電電力量をお示ししてございます。
四ページをお開き願います。下水道マンホールの総数と浮上抑制対策の計画と実績の推移でございます。
区部におけるマンホールの総数と、緊急輸送道路などにおける浮上抑制対策の計画及び平成二十年度から三十年度までの実績の推移をお示ししてございます。
五ページをごらんください。下水道マンホールと下水道管の接続部の耐震化が完了した施設数の推移でございます。
区部における平成十二年度から平成三十年度までの実績の推移をお示ししてございます。
六ページをお開き願います。下水道事業における施設運営手法の検討状況でございます。
検討の進め方及び平成三十年度、令和元年度の検討状況をお示ししてございます。
七ページをごらんください。仮設トイレの設置ができるマンホールの数でございます。
区部の設置可能箇所数を過去三年分お示ししてございます。
八ページをお開き願います。水再生センターにおける処理状況でございます。
(1)といたしまして、区部の各水再生センターにおける放流量を過去三年分お示ししてございます。
九ページをごらんください。前ページに続き、(2)といたしまして、区部水再生センターにおける流入水質と放流水質について、区部十三センターの平均を過去三年分お示ししてございます。
一〇ページをお開き願います。多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画において目標とする水質の達成に向けた各水再生センターの取り組み状況及び簡易処理水の改善目標でございます。
同計画では、令和六年度時点において、水質汚濁防止法などで定められた水質基準よりも、BODなどについて高い目標水質が定められており、その目標の達成に向け、表のとおり、各施設において高度処理などの取り組みを進めております。
なお、同計画におきましては、簡易処理水の水質改善についての目標は設定されておりません。
一一ページをごらんください。芝浦水再生センター新主ポンプ棟建設計画の進捗状況でございます。
芝浦水再生センター新主ポンプ棟の建設目的、主要施設及び進捗状況などをお示ししてございます。
一二ページをお開き願います。都心部の人口増加に伴い下水の処理能力を高める技術的な方策でございます。
計画汚水量、区部の水処理能力、晴天日最大汚水量とともに、下水の処理能力を高める技術的な方策についてお示ししてございます。
一三ページをごらんください。汚泥焼却灰の放射能濃度の推移でございます。
平成二十三年度から令和元年度までの測定値の推移をお示ししてございます。
一四ページをお開き願います。職員の自殺の状況と超過勤務時間が月八十時間を超えた職員数でございます。
職員の自殺の状況及び一カ月当たりの超過勤務時間が八十時間を超えた職員の延べ人数を過去五年分お示ししてございます。
一五ページをごらんください。政策連携団体、事業協力団体の職員構成でございます。
政策連携団体及び事業協力団体における都派遣職員及び固有職員などの人数を過去五年分お示ししてございます。
一六ページをお開き願います。平成三十年度下水道局所管施設における労働組合の使用場所と面積、賃料及び光熱水費などの徴収状況一覧でございます。
所管部署ごとに、労働組合事務室の使用状況をお示ししてございます。
一七ページをお開き願います。下水道局所管施設における労働組合事務室の面積及び労働組合数でございます。
労働組合事務室の面積及び労働組合数を過去五年分お示ししてございます。
一八ページをお開き願います。恐れ入りますが、資料を横にしてごらんください。平成二十五年から直近の契約締結に係る入札参加条件及び辞退理由でございます。
一八ページ以降七七ページまで、平成二十五年第一回定例会から令和元年第三回定例会までの間に公営企業委員会においてご報告いたしました契約案件に係る入札参加条件と、辞退者がいる場合はその辞退理由を、辞退者ごとにお示ししてございます。
以上、簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○伊藤委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○田の上委員 改めて、台風十九号でお亡くなりになりました皆様に弔意をお示ししますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
先ほど局長からご報告がありましたが、私の地元江戸川区を含め浸水が心配されていた地域も大変多くございますが、貯留施設などが効果を発揮したとのことでございます。
多摩川については、甚大な浸水被害を防ぐために樋門等を閉鎖したとのことでございましたが、やはり平常時からの対策が必要であることを改めて実感したものでございます。
今後も、都民の生活と安全・安心確保のためにご尽力いただきたいとお願いいたします。
質問でございます。
合流式下水道につきましては、これまでも分流化を中心に質問してまいりました。都市では地下埋設物が多く分流式下水道管の新設は難しいという課題がございます。そして、合流式下水道の改善では、河川や海などへ放流される汚濁負荷量を削減するための取り組みが行われております。一方、下水道局では、市街地再開発などの面的な開発行為がある場合などに部分分流化を実施しております。
改めて、部分分流化を含め分流化に対する下水道局の見解を伺います。
○佐々木計画調整部長 合流式の下水道を分流化するには、新たにもう一本の下水道管を整備する必要がございますが、道路下にふくそうして埋設されている水道やガス等のさまざまなライフラインを避けながらの整備となり物理的に困難でございます。
また、宅地内の排水設備も汚水と雨水の二本につくりかえなければならないため、相当の費用をお客様にご負担いただくことになります。
このため、下水道局では、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備など、合流式下水道を改善する取り組みを進めてございます。
一方、市街地再開発などの面的な開発行為において、道路などインフラのつくりかえに合わせ、新たにもう一本の下水道管の整備も可能である場合には、開発区域内の建物の排水管を汚水と雨水に分けるなど、事業者の協力が得られた地区で部分分流化を実施しており、これまで西新宿五丁目地区などで部分分流化を完了しているところでございます。
○田の上委員 ご答弁ありがとうございます。
物理的にも、また経済的な側面からもなかなか分流化が難しいということでございます。
また一方で、西新宿五丁目地区などで部分分流化を完了しているということで、また再開発などの機会を捉えて部分分流化を進めていただければと思っております。
下水を貯留する施設の建設を進めており、二〇二三年度までに百七十万立米の貯留施設を整備する目標で、昨年度末までに百二十万立米を整備したと聞いております。二年前にも同様の質問をしたときには、平成三十一年度、今年度までに累計百四十万立米を整備することを目標にするという答弁がございました。
改めて、事業進捗と下水道法施行令基準への対応も含めた今後の見通しについて伺います。
○佐々木計画調整部長 合流式下水道の改善対策として、下水道局では、雨天時に河川などに放流されていた降雨初期の特に汚れた下水を水再生センターで処理するための下水道幹線の増強や、一時的に貯留する施設の整備、雨水はけ口やポンプ所から流出するごみなどを削減するための対策を進めております。このうち下水道幹線の増強やごみの流出対策につきましては、おおむね完了しております。
また、降雨初期の下水を貯留する施設につきましては、令和六年度から強化される下水道法施行令の雨天時放流水質基準を達成するために必要な百七十万立方メートル相当の貯留池等の整備を進めているところでございます。
平成三十年度末までに、副委員長ご指摘のとおり、累計約百二十万立方メートルの貯留施設の整備が完了しておりまして、今年度末までに累計で百四十万立方メートルの貯留施設を整備する予定でありまして、おおむね計画どおりに進んでいるところでございます。
○田の上委員 ご答弁ありがとうございました。おおむね計画どおりということで、順調に進んでいるということでございます。
次に、東京湾の水質改善でございます。
二年前にも質問をさせていただきました。東京のお台場を本番会場とするトライアスロンの二〇二〇年の東京五輪テストイベントが八月十八日まで行われましたが、残念ながらスイムは中止となり、最初に実施される水泳をランに変え、ラン、バイク、ランとつなぐデュアスロンの二種目に削減をされました。水泳にかわりランを二・五キロとし、バイク二十キロ、最終のランを五キロとするデュアスロンの規定を適用したものでございます。
八月十六日午後に採取したスイムコースの水から基準値の二倍を超えた大腸菌が検出され、水質レベルは、ITUが--国際トライアスロン連合でございますが、定める競技実施のための水質レベル、大変よい、よい、通常、大変汚いの四段階のうち最低となる四と判定されたものです。
十七日午前の最新気象情報では、気温、湿度に加え、WBGTが--暑さ指数でございますが、レース終了時には三十・五度になるというふうに予想されておりました。台風に伴う強い雨、潮目などの要素が重なったわけでございます。
五輪のテストイベントが中止、変更になったわけですが、来年本番でもスイムが中止になる可能性がございます。競技水域を囲み、汚染された水の流入を防ぐ水中スクリーンだけでは、天候に左右される水質の根本的な改善にはならないと考えます。
下水道局の、お台場海浜公園を含む東京湾の水質についての認識を伺います。
○佐々木計画調整部長 東京湾の水質は、これまでの下水道の整備等により着実に改善されてきた一方、依然として赤潮等が発生しております。さらなる水質改善が必要と考えているところでございます。
下水道局では、水再生センターから放流される下水処理水の水質をより一層改善し、東京湾の赤潮発生要因の一つでございます窒素とリンを削減する高度処理や準高度処理の導入を進めております。平成三十年度末までに、高度処理等による一日当たりの処理能力は、区部と流域下水道の全計画処理能力の約五割に当たります三百八十一万立方メートルにまで達しております。
また、大会開催に向けたお台場海浜公園の水質改善対策につきましては、組織委員会や関係各局とが連携いたしまして、さまざまな対策に取り組むこととしておりまして、当局では、東京二〇二〇大会までに貯留施設を累計で百四十万立方メートル整備するとともに、汚濁物を、これまでの沈殿処理と比較し二倍程度多く除去できる高速ろ過施設を芝浦水再生センターなど六カ所の水再生センターで整備いたします。
加えて、周辺海域の雨天時放流口にごみ等の流出を抑制するスクリーンネットの増設や、大会前や大会期間中の下水道施設の清掃体制を強化するなど万全な大会開催を支えてまいります。
○田の上委員 さらなる水質改善が必要というご認識でございます。
また、高度処理、そして準高度処理という形で窒素とリンを削減する取り組み、また、大会までに貯留施設、そして高速ろ過施設などを整備するということで、さまざま着実に進めていただいていることと認識をいたしました。
二年前のこの時期、八月ですか、二十六日間の水質調査では、大腸菌数が百ミリリットル当たり最大五千三百個、腸球菌数は最大七百二十個に達し、国際トライアスロン連合が定める基準値のそれぞれ二十一・二倍と七・二倍で、基準値を下回ったのは六日間だけでございました。今回はスイムが中止になってしまいましたが、このときの数値と比較すると若干改善されているようにも見受けられます。
東京湾に注ぐ全体排出負荷量のうち、他県の排出負荷量の割合は、化学的酸素要求量、CODの負荷量で約七割と聞いております。東京都だけでは解決できない問題というふうにも考えております。
東京湾再生推進会議で、関係自治体に、東京二〇二〇大会に関する情報提供と水質改善に向けた取り組みを要請しているということも聞いております。前回の質疑から二年ほど経過をしておりますが、この再生推進会議はこの間、何回開催され、どのような進展があったのか伺います。
○佐々木計画調整部長 東京湾再生推進会議は、東京湾の水環境再生を図るため、国土交通省が事務局となりまして、関係省庁及び関係自治体で構成されており、陸域負荷の削減や海域改善対策、モニタリングの充実等に構成メンバーが連携して取り組んでおります。
前回質疑がございました平成二十九年十月以降、東京湾再生推進会議は、幹事会が二回開催されており、ことしの三月、平成三十一年三月の幹事会の報告によりますと、関係自治体で、汚水処理施設の整備推進や合流式下水道の改善などが進められた結果、東京湾へ流入する平成二十八年の汚濁負荷量は、東京湾再生推進会議が設置されました平成十四年より前と比較いたしまして約三割削減されたというふうなことで報告されてございます。
○田の上委員 平成十四年より三割削減されたということでございます。
私は、トライアスロン連合の江戸川区の会長をしておりまして、アスリートたちの意見を聴取してまいりました。アスリートたちは、水を飲むわけではないんですけれども、やはりきれいな海を望んでおります。東京湾で、まず一回足を踏み入れると、汚泥といいますか、足に絡みにつきまして、そしてまたにおいがするということでございます。飲みはしないんですけれども口に入るということで、余りきれいではないということを実感しているようでございます。
そしてまた一番望むことは、やはりきれいな誇れる海を海外のアスリートたちに示したいと、感じてもらいたいということでございますので、ぜひ今後ともご努力いただきたいというふうに考えております。
そして、東京湾再生のための行動計画というものが、平成二十五年五月に、この再生推進会議で策定され、今その最中だと思うんですけれども、来年、もう一年を切った東京二〇二〇大会までは、本当に時間がございません。この再生推進会議でございますが、東京二〇二〇大会までに恐らくもう一回開催されるのではないかと思っております。ぜひそのときには、強く関係自治体に協力を求めていただきたいと要望いたします。
次に、浸水対策です。
浸水対策、対象地区と取り組み内容という資料をいただいておりますが、これによると五十ミリ施設の整備や、七十五ミリ施設の整備などの対策地区がございます。また、既に完了したところと事業中のところがございます。
今回の台風十九号では、多摩川が氾濫した世田谷区などで浸水がございましたが、排水が追いつかなかったことに対しては、下水道の処理能力を上げてほしいという要望があるとも聞いております。今回の被害には、さまざまな要因が考えられますが、降雨量が多いときに常に浸水が起こる場所の対策は急務であると考えております。
そこで、どのような基準でこの対策地区が選定されているのか伺います。
○佐々木計画調整部長 下水道局では、区部全域で時間五十ミリ降雨への対応を基本といたしまして、早期に浸水被害を軽減するために、地区を重点化して施設整備を進めております。
具体的には、繰り返し浸水が発生している地域など浸水の危険性の高い地区や、かつての川を利用した浅く埋設された幹線の流域などの重点地区を選定いたしまして、時間五十ミリ降雨に対応する幹線や貯留施設等を整備しているところでございます。
さらに、浸水被害の影響が大きい大規模地下街や甚大な浸水被害が発生している地区を選定いたしまして、時間七十五ミリ降雨に対応するなど、整備水準をレベルアップするための大規模な幹線や貯留施設等を整備しているところでございます。
○田の上委員 都心が中心となって、時間七十五ミリ降雨に対応するというような形なのかと思いますが、ぜひまた繰り返し浸水が発生している地域など検討していただきたいというふうに考えます。
以前にも質問させていただいておりますが、私の地元の江戸川区は、区の面積の約七割が満潮面以下のゼロメートル地帯であります。今回の台風でも、これは荒川の越水が懸念されたものではございますが、新中川以西の地域という大変大きな範囲に避難勧告が出されました。
また、今回の台風では報告がなされていないんですけれども、荒川、中川沿いの地域では、以前より台風で浸水被害が何度かあったということで聞いております。小規模緊急対策地区に指定された西葛西一丁目、北葛西二丁目の地区では、バイパス管の敷設、枝線の増径などを行っていただきました。
近年で、小規模緊急対策地区としての対応をした地域があるのか、また、こうした対策が必要な地域はまだあると考えるのですが、今後の方針を伺います。
○佐々木計画調整部長 平成二十五年に策定いたしました豪雨対策下水道緊急プランにおきましては、被害が比較的小さい地域を小規模緊急対策地区として六地区定めまして、区などと連携し、雨水ますのグレーチングぶたへの取りかえやバイパス管の設置を進めまして、平成二十九年に全地区で対策を完了しております。
また、小規模対策地区には位置づけていないものの、浸水被害の状況に応じまして、地元区等と連携した雨水ますの増設や横断グレーチング型の側溝などを設置しております。
今後も、降雨や浸水被害の状況、下水道施設の雨水排除能力などを確認した上で必要な浸水対策を検討してまいります。
○田の上委員 小規模緊急対策地区は、平成二十九年に対策を完了したということでございますが、浸水被害の状況に応じ、地元区等と連携した雨水ますの増設や横断グレーチング型の側溝などの設置を進めていただいているということでございます。
今後も、自治体と連絡をとりながら、こうしたものを進めていただきたいというふうに思っております。
今回の台風を初め気象が及ぼす影響は大きく、特に浸水の多い地域では、河川の溢水とともに内水の懸念をするものであります。強い雨の日や異常気象のときの浸水の備えを都民に向けて啓発する取り組みが必要と考えますが、伺います。
○猪八重施設管理部長 豪雨からお客様の生命や財産を守るため、施設整備によるハード対策に加え、お客様みずからが浸水に備える取り組みを支援するソフト対策にも取り組んでおります。
また、下水道局では、毎年六月を浸水対策強化月間として下水道施設の総点検を行うとともに、浸水への備えについて区や市などと連携し、お客様への呼びかけを行っております。
具体的には、ホームページや広報誌、デジタルサイネージを活用した注意喚起や、現場見学会で雨水浸透の仕組みなどを、模型を用いた実演により自助の取り組みの効果について理解を深めていただくなど、お客様みずからの取り組みを支援しております。
引き続き施設整備を推進するとともに、お客様への呼びかけをさらに充実させるなど、ハード、ソフト両面から浸水に対する安全・安心を確保する取り組みを進めてまいります。
○田の上委員 ハード、ソフト両面からの安全・安心の確保ということで、今後も浸水対策の自助の取り組み、備えについても普及啓発を続けていただきたいと考えます。
今回の台風につきましては、もう台風が来るということがあらかじめわかっておりましたので備えをする時間というものがありました。そういったものも含めて、ぜひ普及啓発をしてほしいというふうに思っております。
しかしながら、そもそも下水道の仕組みさえ知らない、または意識をしない都民も少なくないことから、こうした下水道局の取り組みを理解してもらう必要があると考えます。
下水道局の取り組みについて普及啓発をするべきと考えますが、見解を伺います。
○久我総務部長 下水道が普及し、トイレの水洗化が進んだ現在、下水道はあって当たり前のものとなりまして、都民の関心や認知度は低下してございます。加えて、浸水からまちを守るという下水道の重要な役割についても認知度が低い傾向にございます。
そこで、下水道局では、平成三十年三月に策定した東京下水道見せる化アクションプラン二〇一八に基づき、東京下水道の役割や課題、魅力をより積極的に発信する見せる化に取り組んでおります。
例えば、浸水対策工事におきましては、これまでも工事現場の見学会や仮囲いを活用した情報発信を実施しております。また、お客様に事業をより深く理解していただけるよう、現場見学会等に加え、局ホームページに大規模事業の概要や特徴などをわかりやすく解説したページを紹介しております。
さらに、昨年度から新たなる取り組みとして、ふだん見ることのできない下水道施設や工事現場などをめぐる、下水道のインフラ見学ツアーを実施しております。
今後も、局ホームページのさらなる充実やSNSなども活用し、東京下水道に対する都民の皆様の理解が一層深まるよう広報活動に取り組んでまいります。
○田の上委員 例えば、排水溝を植木鉢で塞いでしまったりであるとか、車のための、何というんでしたっけ、スロープみたいなので塞いでしまったりとか、さまざまな都民がいらっしゃるんですけれども、ぜひ下水道の役割というものを普及していただきたいと思っております。
ホームページやSNSも活用ということでございますが、もともと関心のない方にはなかなか響かないところもありますので、他の媒体の活用も含めて検討していただきたいと要望いたしまして、私からの質問を終わります。
○長橋委員 私からも質問をさせていただきます。遅くまで大変にご苦労さまでございます。
簡潔に質問をしまして、また答弁も簡潔にお願いしたいと思います。
まずは、台風十九号で被災された方に心からお見舞いを申し上げます。
今回の台風、私の地元では、昨年取り上げた豪雨対策等で七十五ミリ対応、地元南大塚も、その区域に指定されておって、大変な被害が以前はあったんですけれども、今回は現場にも行きましたら、クイックプラン等で全くそういう被害がなかったということで、その成果が改めて実感できたわけでございます。
昨年は、今申し上げたとおり、豪雨対策、浸水対策取り上げましたけれども、今回は、改めてオリンピックに向けて水質改善の取り組みについて、なるべくダブらないようにしたいと思いますけれども、質問をさせていただきたいと思います。
まずは、二〇二〇大会に向けた、この下水道局の取り組みはどのようなことをやっているのか、お伺いをいたします。
○佐々木計画調整部長 東京二〇二〇大会では、東京に訪れる全ての人々の安全・安心を確保するとともに、環境に配慮した持続可能な大会とする取り組みも重要でございます。
下水道局では、区部大会会場周辺やマラソンコース等において、道路陥没を未然に防ぐため、陶器製の取りつけ管を衝撃に強い硬質塩化ビニール管に取りかえる対策や、震災時の下水道や交通機能を確保する下水道管の耐震化及びマンホールの浮上抑制対策を大会前までに進め、安全・安心な大会開催に貢献してまいります。
また、臨海副都心地区におきまして新たに、大会会場でありレガシー施設となる有明アリーナ等三施設に、ろ過処理やオゾン処理などの高度な処理を行った下水再生水をトイレ用水として供給し、持続可能性に配慮した大会運営に貢献してまいります。
○長橋委員 改めて、明年の二〇二〇大会に向けた下水道局の取り組みを伺いましたけれども、私は、今回の二〇二〇大会で下水道局が果たす役割の大きな仕事として、やっぱり東京全体の水質改善、これは大変重要だろうと思っております。
私のところにも、ぜひ東京湾再生ということでバイオを使って、こうやったら再生できる、地方ではこれだけ実績があるということを聞きまして、そうしたことも、ぜひ東京湾の再生に向けた役割を果たしていくにおいては、下水道局の役割は大変大きいだろうと思っております。
東京湾再生を図るということで、今もありましたけれども、東京湾再生推進会議でありますとか、東京湾岸自治体環境保全会議、また、東京湾再生官民連携フォーラム、こうした国を挙げて、また、東京都もほかの自治体も入ってこの会議が行われておりまして、東京湾は、およそ約三千百万人の流域人口を持つ首都圏の海であるわけでありますが、この東京湾というのは深いものですから、なかなか自然に水質改善が難しい湾でもあると、このようにいわれているわけであります。
環境省では、そうした中で、公共水域において、水生生物の維持できる保全、再生を図るべきだということで答申をされているわけであります。
また、東京湾再生プロジェクトでは、東京湾再生の目標として、将来の目標として、快適に水遊びができ、江戸前を初め多くの生物が生息できる親しみやすく美しい海を取り戻すということを目標に掲げているわけでございます。
そうした中で、下水道局の果たす役割は大きいと、このように私は思っておりますが、東京湾の水質改善に向けた取り組みについて伺いたいと思います。
○佐々木計画調整部長 東京湾の水質は着実に改善されてきた一方、依然として赤潮等が発生しておりまして、さらなる水質改善が必要でございます。
下水道局では、水再生センターから放流される下水処理水の水質をより一層改善し、東京湾の赤潮発生要因の一つでございます窒素とリンを削減する高度処理や準高度処理の導入を進めており、平成三十年度末までに、高度処理等による一日当たりの処理能力は、区部と流域下水道の全計画処理能力の約五割に当たります三百八十一万立方メートルまで達しているところでございます。
○長橋委員 先ほども同じような答弁がありましたので、改めて伺ったわけではございませんけれども、そうした中で、同じように二〇二〇大会において、このお台場海浜公園で、マラソンスイミングと、そしてトライアスロン、まあ江戸川の会長をされているということなのですけれども、トライアスロンの競技会場であるということでありまして、その水質改善については、オリンピック競技会場でありますから、オリ・パラ準備局が取りまとめておりますけれども、下水道局、また港湾局、都市整備局、環境局、建設局などが一体となって取り組んでいるということでありますけれども、オリ・パラ準備局に話を聞きましたら、下水道局の果たす役割は大変大きいですと、このようにいっておられました。
そこで、このお台場海浜公園、これの水質改善、オリンピック競技施設として改善に当たって、下水道局としてはどうした取り組みを行っているのか伺います。
○佐々木計画調整部長 大会の開催に向け、組織委員会や関係各局が連携し、さまざまな対策に取り組むこととしており、下水道局では、東京二〇二〇大会までに、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設を累計で百四十万立方メートル整備するとともに、高速ろ過施設を芝浦水再生センターなど六カ所の水再生センターで整備いたします。
加えて、周辺海域の雨天時放流口に、ごみ等の流出を抑制するスクリーンネットの増設や、大会前、大会期間中の下水道施設の清掃体制を強化するなど万全な大会開催を支えてまいります。
○長橋委員 今お話しした内容については、どれも貯留施設の整備、また高速ろ過施設の整備、これもともに電源の確保が大変重要になってくるわけであります。このお台場海浜公園、東京湾の再生に向けて、電源の確保は、一方で大変重要になってくると。
停電が、台風十五号のときにありましたし、今回もありました。そうした意味では、電源の確保ということが、最善にも最善を尽くしていく、これは大変重要だと思いますし、強化していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○猪八重施設管理部長 下水道局では、台風などで発生する停電の際にも、下水処理機能や雨天時のポンプ排水機能を維持するために必要な電力を確保する取り組みを推進しております。
これまでに、都内にある水再生センターやポンプ所全百七施設において非常用発電設備を整備してございます。さらに、水再生センターにおきましては、災害時に燃料である灯油の供給が停止した場合に、都市ガスでも発電ができるデュアルフュエル型の非常用発電設備の整備を推進しております。
○長橋委員 非常用発電設備を整備しているということでありますけれども、やはりことしの台風も、十五号、十九号とそれぞれ大変な被害が出たわけでありまして、明年も、恐らく台風の被害というのは、我々が思った以上に出てくるのではなかろうかと思っているわけでありまして、ぜひ電源の確保、電源が、場合によっては想定を超えてそれがやられてしまったら大変なことになるわけでありまして、さらなる強化に努めていただきたいと思います。
その上で、先ほども東京湾、特に二十三区では、八割が合流式下水道といわれているわけでありまして、先ほどは分流式にできないだろうか、なかなか難しい、そういう意味では、合流式の改善をしていきますというご答弁いただいたので、私も重なるのでこれは省きますけれども、ぜひ合流式下水道の改善、これも下水道局が一番しなきゃいけない、また下水道局がやっていく大きな仕事だと思いますので、ぜひお願いをしたいと思っております。
最後に、二〇二〇大会の次はパリ大会であります。
お台場がある港区とそれからセーヌ川があるパリ市、これがお互いにトライアスロン会場としてあるということから、パリ市と港区が協定を結んだ。去年とことしとそれぞれさまざまな協定を結んだ、このように聞いているわけであります。
お台場の自由の女神というのがあるんですけれども、皆さん知っていますかね。お台場の自由の女神というのは、パリ市にある、パリ市公認の複製像だ、こういうことで、お伺いすると、パリ市の役人の方がたびたび東京に来て港区と交流しているけれども、港区だけではなくて東京都にもたびたび来ている、このように聞いておりまして、東京都に来ると明年のオリンピックに向けて、それぞれ東京の各局と意見交換を重ねている。
そういう中で、下水道局も必ず参加をして、さまざま意見交換をしているということでありますけれども、パリ市が来て、下水道局も参加しての意見交換、どうした意見交換をされているのか伺います。
○佐々木計画調整部長 パリ市では、二〇二四年のオリンピック大会において、トライアスロンをセーヌ川で開催することが予定されており、委員ご指摘のとおり、パリ市と都の関係各局及び港区との間で、水質改善対策に関する意見交換を本年六月に行っております。
下水道局からは、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備や、高速ろ過施設の整備などの合流式下水道を改善する取り組みや、東京湾の赤潮発生の要因の一つとなっております窒素及びリンを削減する高度処理の取り組みを紹介し、技術的情報などについて意見交換しております。
○長橋委員 パリ市とはたびたびそういう意見交換をしていると。恐らくパリ市も、東京都のお台場海浜公園でのトライアスロン会場、今度はセーヌ川でやる、そうなると東京がどういう取り組みをしているかというのは大変興味深いところだろうと思うわけでありまして、その中心的役割を果たすのは、まとめているのはオリ・パラ準備局でありますけれども、下水道局がそうした改善に力を入れていく、これが私は、この東京のレガシーになると。
先ほど、トライアスロン会場、実際に選手の方が足を入れるとまだまだぬめりがあるというようなお話もしていますし、それが、私も昔はお台場公園に子供連れて行ったことありますけれども、とてもあそこに足をつけるぐらいだったのが、今では水遊びができるぐらいによくなってきていると。
来年に向けて、トライアスロン選手が、そのまさにオリンピックというひのき舞台で競技を行うわけでありまして、これこそ世界に発信できる東京のレガシーになるんだと思うわけでありまして、それを次のパリにつなげていく大きな役割があると思うわけでありまして、ぜひ下水道局として、東京湾の再生、水質改善、これをしっかりとレガシーとして残していくべきだと思いますが、局長いかがでしょうか。
○和賀井下水道局長 東京都では、高度成長期の都市化の進展が著しく、川や海の水質がかなり悪化しておりましたが、下水道の整備普及や合流式下水道を改善する取り組みを精力的に進めた結果、例えば、多摩川では、年間一千万尾のアユの遡上が確認されるなど、水質は大幅に改善され、都民の皆様に親しまれる水辺空間として生まれかわりつつございます。より一層の水質改善のため、今後とも、合流式下水道を改善するための高速ろ過施設の整備や高度処理施設の導入などの取り組みを積極的に進めてまいります。
また、こうした東京の水質改善を図る取り組みは、現場の創意工夫から生まれた高度な技術の裏づけによって実現しており、これらの技術を世界にも積極的に発信しているところでございます。
東京二〇二〇大会が来年に迫る中、下水道事業の着実な推進により、万全な大会運営を支えることはもとより、その後の東京のあり方を見据え、東京の持続的な発展を支えるとともに、良好な水環境を次世代に確実に継承してまいります。
○長橋委員 今、世界では、この下水道対策について大変苦労されているところが多いわけであります。この間もマスコミ等で報道されていましたけれども、こんな水を料理に使っているのか、飲んでいるのかという報道がありまして、改めて驚いたわけでありまして、まさに来年のオリンピックを通して、東京都の、また下水道局の技術力というのをぜひ発信して、東京から、大きくいえば世界に向けて、この水質改善の取り組みを広げてもらいたい、心からお願いをして、質問を終わります。
○川松委員 私からも、今副委員長や長橋委員から話がありました、合流式下水道のそもそも論も含めて、今議論すべき下水道の課題についてお話をしていきたいと思います。
まず、以前から関心のございました水質規制とメッキ業の下水道料金の減免について質問をいたします。
東京は、多様な中小企業の集積する産業都市でありまして、中小企業の活性化こそが東京発展の原動力だといえます。その中で物づくりの基盤技術を担うメッキ業は、東京の中小製造業の再生と活性化を支えている重要な産業の一つであり、私の地元墨田区もその集積地であります。しかし、メッキ業は、貴金属類などの環境負荷の大きい原材料を使用するため、環境との共生はメッキ業の最重要課題と、現在なっています。
ところで、昨年度の事務事業質疑におきまして、我が会派から、事業者に対する下水道の水質規制について質問した際、下水道局から、水再生センターは、重金属類を処理できる施設とはなっていない、処理できないという回答がございました。
これは、下水道局が処理できない重金属類を事業者に処理させている--ほとんどのメッキの業者というのは、自分たちのところで環境負荷をかけないような水の状態にして流しているわけですけれども、これ事業者に処理させていると考えられるのではないかと思います。
仮にそうであるならば、下水道料金を減免すべきだというふうに私は思いますけれども、改めまして、重金属類の処理についての下水道局の見解を伺います。
○廣木施設管理担当部長 水再生センターは、下水道法令に定められている技術上の基準により、生活排水を処理する構造とすることとされております。
このため、事業者からの排水に含まれる重金属類は、水再生センターで処理すべきものとはなっておりません。事業者は、下水道法令に基づき重金属類を適切に処理して、下水排除基準に適合した汚水を公共下水道に排除する義務がございます。
○川松委員 つまり、生活排水を水再生センターは処理しているけれども、メッキ業が出しているものは、その生活排水を超えるさまざまなものが含まれているから、それは僕の指摘に対しては違うんだということであります。法による水再生センターの技術上の基準や事業者の義務については理解いたしましたが、メッキ業者の中で環境問題に対する意識が高い事業者ほど、実は今設備投資にお金がとてもかかっていて、これが経営状態をかなり苦しめている状況になっているわけです。
一方、地方に目をやると、地方は河川の水を使ったりだとか、地下水をくみ上げた水を使うことによって、東京だとかかる水道料金が地方だとそれほどかからない、そこの経費かからないで水資源を利用するなんていうケースもある。でも、この東京に来ると、工業用水のときにも議論をさんざんしましたけれども、地下水の揚水規制や、そういった、今回水道局が廃止することを決めました工業用水道事業がなくなるということに比べて、なお一層、地方よりも苦しい状況になっていく、安く水が使えないということでメッキ業は今どうなっていくんだろうかという心配を私はしているところであります。
地方とは大きく異なる環境で事業を実施している中でも、地方に負けない、ちゃんと東京の産業として生き残っていくという競争力を保つことが今苦しい状況にある。このままじゃメッキ業がなくなってしまうんじゃないかという心配をしている中で、この厳しい経営状況にあるメッキ業を支援するためにも、下水道料金の減免をそういった視点から拡大する必要があると考えますけれども、見解を伺います。
○久我総務部長 メッキ業につきましては、用水型産業でありまして、また、その大半が中小企業であることなども踏まえ、昭和五十三年から継続して料金減免を行っております。
現行の減免は、一般会計からの減収分の補填を前提に、公益上その他特別の事情があると認められる場合、下水道条例に基づき生活扶助世帯等に対し、例外的、限定的に実施しているところでございます。
こうしたことから、減免を拡大することについては慎重に取り扱わなければならないと考えております。
○川松委員 その慎重な姿勢というのはよくわかるんです。公営企業としては、減免は例外的、限定的に実施しているということもよく理解していますが、しかしながら、これ日々の研さんにおいて高い技術力を有しながらも、都市の発展、あるいは東京の環境変化、あるいは規制の変化によって厳しい経営に追い込まれているメッキ事業者など中小企業を、これ下水道局だけにお願いすることだけじゃないかもしれません、ほかの各局とも連携してさまざまな支援をしていくということは、東京を持続発展させるという意味においても必要だと思います。
ぜひ下水道局もこういった事業者の姿、現場の感覚というのに目を向けていただいて減免拡大に協力していただくことを要望しまして、次の質問に移ります。
さて、東京の下水道は、今から百三十年以上前に建設がスタートし、高度経済成長期に多くの施設が整備され、老朽化が進行しているわけであります。
下水道は、家庭や工場等から排出される汚水の処理、宅地や道路等に降った雨水の排除、あるいは川や海などの公共用水域の水質保全といった、実は世間の人たちが思っている以上に多くの役割を担っていて、二十四時間三百六十五日機能維持が必要、もういっときたりとも気を抜けない重要なインフラになっているわけです。
特に、この道路の下に、我々がふだん歩いている道路の下に、見えません、ふだん見えないけれども網の目のように張りめぐらされて、下水道の管というのは必要な重要インフラ、規模は東京とシドニーを往復する距離に相当する一万六千キロメートルにも及ぶこの下水道管、これが仮に老朽化により損傷して機能を失ったら、今私たちが当たり前のように水を流している、トイレで水を流したり、あるいは顔を洗ったりしているこの都民生活や社会活動は、はかり知れない影響を及ぼすわけでありまして、下水道管の老朽化対策は重要な課題です。
改めて、区部の下水道管の老朽化対策の、局の基本的な考え方についてお聞かせください。
○佐々木計画調整部長 下水道管の老朽化対策につきましては、雨水排除能力の増強や耐震性の向上などを効率的に行う再構築として計画的に推進しております。この再構築に当たりましては、ライフサイクルコストの最小化を図るアセットマネジメントの手法を活用し、計画的かつ効率的に事業を実施しております。
具体的には、下水道管の状況を調査、適切な維持管理を行うことで経済的耐用年数まで延命化を図り、その上で再構築を実施しております。また、中長期的な事業の平準化のため、整備年代により三つのエリアに分割し、そのうち最も古い都心四処理区を第一期再構築エリアとして優先的に整備を進めているところでございます。
○川松委員 ありがとうございます。下水道管の再構築では、雨水の排除能力の増強や耐震性の向上等を同時に図っているということで、近年激甚化している自然災害にも備えた取り組みであるということで、大変心強いことが今わかりました。
一方、膨大なストックの再構築を効率的に実施するには、下水道管の老朽化の状況を適切に捉えて、対策の優先度や整備する手法を考慮し、計画的に進めていく必要があるんじゃないかと思います。
そこで、具体的な下水道管の再構築の進め方について教えてください。
○青木建設部長 下水道管の再構築の実施に当たりましては、既設管を全面的に更新するのではなく、経済性や効率性を考慮して、健全な既設管は可能な限り活用することを基本としてございます。
具体的には、既設管の調査結果に応じまして、健全であればそのまま活用し、損傷が軽い場合には既設管の内面を更生する工法を採用することとしております。損傷が著しいなど、新しい管に取りかえる場合のみ、道路を掘削する開削工法を採用することで、工事費や工期を抑えつつ効率的に再構築工事を推進してございます。
○川松委員 下水道管の老朽化の度合いに応じて使えるものは有効に活用していく、効率的かつ経済的に再構築が進められているということがわかりました。
今いわれたようなその手法だとか、だからみんな下水道管を整備するというと、もう昔の感覚で、とにかく掘って新しいものを入れるみたいな感覚でいます。
多くのところに再構築工事やっていますという看板が立てられて、東京中いろんなところで工事やっていますけれども、実は、もっと技術的な方法を駆使して、下水道局の知恵がそこに詰まって、いろんなことをやって、お金もかけず、時間もかけず、どうやったら下水道管を守ろうかという努力をしているんだということを、もっとPRしてもいいんじゃないかなと思います。
それが都民の安全・安心のために着実に進めていくということにつながると思うんですけれども、実際にこれは私の地元墨田区も含めて、区部の下水道管の再構築の進捗状況と、その効果について教えていただきたいと思います。
○青木建設部長 最も整備年代の古い第一期再構築エリアでございますが、処理区全体約五万六千二百ヘクタールのうち、墨田区を含む砂町処理区のほか芝浦、三河島、小台の都心四処理区、約一万六千三百ヘクタールを対象とし、平成七年度から本格的に再構築に着手してございます。令和十一年度までの完了を目標に、平成三十年度末までに約八千六百ヘクタールを完了しております。
墨田区におきましては、対象となります約千二百ヘクタールのうち六割に当たる約七百五十ヘクタールを平成三十年度末までに完了してございます。
これらの取り組みにより、第一期再構築エリア内の道路陥没件数は、再構築事業に着手した時期と比べまして八五%減少しております。
○川松委員 今の話で、都心部の一万六千三百ヘクタールのうち、およそ八千六百ヘクタールが完了しているということですから、およそ半分、下水道管の再構築が進められたということで、道路陥没件数も大幅に減少し、下水道局の取り組みは着実に成果となってあらわれているということでありますが、今ありましたけれども、平成七年度から始めて令和十一年度の完了ということですから、大変息の長い事業でありますけれども、ずっと再構築を進めながら、また次のところに向かっていくという下水道局でありますが、今後も引き続き積極的にこの整備を進めていただきたいと思います。
さて、こういった、今お話にあるような整備の中で維持管理をされている東京の下水道施設は、首都東京の水環境の改善に大きく貢献してきたと感じていますし、実際にそうだと思います。特に、一九六四年、昭和三十九年の前回の東京オリンピック競技大会を契機とした集中的な下水道整備は、まさに六四年大会のレガシーとなっています。
一方で、今この委員会でも議論されているように、八月に行われたマラソンスイミング及びトライアスロンのテストイベントにかかわる一部の報道では、これまで下水道が果たしてきた大きな功績が全くなかったかのようにされて、ないがしろにされて、下水道の整備が古くは明治時代から進められてきた歴史的背景をすっ飛ばして、東京で採用している合流式下水道のシステムに問題があるんだかのような意見が各メディアで展開されました。
ちょっと僕は、これに対して悔しいなという思いもしているわけですけれども、実際に、海外も含めたほかの大都市でも、合流式の下水道により整備されてきたと私は聞いておりますが、改めて、東京が合流式を採用した経緯と、ほかの海外の都市の整備状況について教えてください。
○佐々木計画調整部長 東京で下水道の整備が始まる以前は、コレラ等の伝染病が蔓延しており、明治十五年には東京府下で死者が五千人にも上っておりました。この伝染病が猛威を振るったのは、下水道が整備されておらず、井戸などの飲み水が汚水により汚染されたことなどが原因であったといわれております。
また、当時の東京は、雨が速やかに川や海などに流れず、大雨による浸水被害も頻発していたことから、トイレの水洗化などによる衛生環境の改善と浸水被害の対応を早期に図るため、明治四十一年に告示した東京における下水道計画の基礎となります東京市下水道設計におきまして、下水道の排除方式を汚水と雨水を一本の下水道管で流す下水道管とし、現在では区部の約八割が合流式下水道で整備されております。
なお、日本の三大都市を例にとりますと、大阪市では約九六%、名古屋市では五六%が合流式下水道で整備されております。また、海外ではニューヨークは約六〇%、パリでは八七%が合流式下水道でございます。
○川松委員 という答弁でありまして、東京では、伝染病の蔓延や浸水被害から早期に都民の生命と財産を守る必要があったため合流式による下水道整備を採用してきたと、歴史的経緯ということでありますけれども、当時の深刻な状況を踏まえるとその判断は理解できます。
今の私たちの東京の生活において、衛生面の改善にこの下水道が寄与したという考え方は、ほとんどの方、なじまないのかもしれません、実感が湧かないのかもしれませんが、急速に発展した都市で、そこの人々を守るために急ピッチで整備する必要があったというのが今の話でわかりました。
下水道の父といわれた田村元先生がこの分野に力を入れてきたことが、今私たちが衛生面で心配なく生活できる日々を送れるということを、これを機に、トライアスロンやマラソンスイミングのことを契機として、一方で、こういう事実も多くの人に知っていただきたいなと思っております。
今、他都市の話もありましたが、世界的に見ても、古くから都市の施設の整備が進められてきたまち、シティーというのは合流式下水道が採用されているようでありますけれども、では合流式下水道、いろんなところでこの夏からテーマに上がっていますが、改めて、このメリットとデメリット、両方について端的に教えていただきたいと思います。
○佐々木計画調整部長 合流式下水道は、汚水と雨水を一つの下水道管で集める方式でございまして、汚水と雨水を別々の下水道管で集める分流式に比べ、早期かつ安価で整備が可能であるというメリットがございます。
また、合流式下水道は、強い雨の日にまちを浸水から守るため、汚水まじりの雨水を川や海等に放流せざるを得ない仕組みでございますが、弱い雨の日は、分流式下水道と異なり、道路や宅地内にたまった汚れも雨と一緒に下水道管に集め、水再生センターで処理することができるメリットがございます。
○川松委員 これ、今の答弁の繰り返しになるかもしれませんが、合流式下水道では、強い雨の日は、まちを浸水から守る。そして、守るけれども汚水まじりの雨水を川や海に放流せざるを得ない仕組みであるんですが、一部には、分流式につくり変えたらいいじゃないか、よく、このテストイベントのときにはメディアに出ていっている方もいましたけれども、改めて、分流式につくりかえる場合は--簡単につくれるんだったらすぐに分流式に皆さんされていると思うんですよ、でも、これは簡単にできない。どのような課題があるのかというのを教えていただきたいと思います。
○佐々木計画調整部長 区部では、多くの地区が合流式下水道で整備されておりますが、下水道を埋設する道路には、地下深くまで水道やガスといった、その他のライフラインや地下鉄などの構造物が入り組んで埋設されております。
また、下水道は膨大な量の雨水を流すため施設規模が大きくなるとともに、自然の水の流れを利用しており、自由に他の埋設物を避けることができないため、新たにもう一本の下水道管を整備することは物理的に困難でございます。
また、現在の下水道が明治時代から百年以上の年月をかけ、さまざまな課題を乗り越えながら、普及概成一〇〇%を達成したことを踏まえると、膨大な期間と事業費を要するものと考えております。
さらに、宅地内の排水設備も汚水と雨水の二本につくり変えなければなりませんが、限られた敷地いっぱいに家屋が建設されていることが多いため、排水設備のつくりかえはスペースの確保が困難であるほか、相当の費用をお客様にご負担いただくことになることが予想されます。
このため、下水道局では、合流式下水道を改善する取り組みを推進しているところでございます。
○川松委員 今いったような背景から、分流式につくり変えることは厳しい。だからこそ合流式下水道を改善していくんだということでありますが、改めて、およそ一万六千キロメートルの下水道管が既に整備されています。そこに新たにもう一本の下水道管を必要ということであるならば、同じだけの下水道管が必要ということであり、今、特に東京は都市として高度な土地利用が行われていて、地下空間も下水道だけではなくて、水道あるいは地下鉄など重要インフラが複雑に入り組んでいて物理的に困難だということは、これもうお話聞けば誰もが理解していただけると思うんです。
このことから、先ほどからも話出ていますけれども、合流式下水道の改善を局としては進めているということでありますが、さらに踏み込んで、具体的にどんな取り組みを進めているのか、教えていただきたいと思います。
○佐々木計画調整部長 合流式下水道の改善対策として、主に三つの取り組みといたしまして、具体的には、雨天時の下水をより多く水再生センターに送るための下水道幹線の整備、雨水はけ口からのごみ等の流出を抑制する施設の整備、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備を進めているところでございます。
このうち、下水道幹線の整備とごみ等の流出を抑制する施設の整備につきましては、おおむね完了しております。
現在は、令和六年度から強化される下水道法施行令の雨天時放流水質基準の達成に向け、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備に加え、汚濁物を従来の沈殿処理と比べ二倍程度多く除去することが可能な高速ろ過技術を六カ所の水再生センターで進めており、令和五年度までに百七十万立方メートル相当の貯留施設等を整備してまいります。
○川松委員 あと数年でいろいろと変わっていくということですけれども、下水道局では、雨水はけ口からのごみ等の流出を抑制する施設や高速ろ過施設など、合流式下水道の改善にさまざまな施設を整備していることが理解できたわけですが、私の地元墨田区においても合流式下水道の改善に寄与する施設として、三之橋雨水調整池の事業を行っているわけであります。
改めて、この三之橋雨水調整池の建設目的と整備状況について伺います。
○青木建設部長 三之橋雨水調整池でございますが、合流式下水道の改善を図るとともに、墨田区や江東区で発生しております浸水被害を軽減するために建設する施設でございます。
具体的には、合流式下水道の改善対策として、降雨初期の特に汚れた下水を貯留するための雨水貯留池五千五百立方メートルと、浸水対策として大雨の際に雨水を一時的に貯留する雨水調整池一万二千五百立方メートルを一体的に整備するものでございます。
こうした施設を整備するために、現在、既に機能を停止しております三之橋ポンプ所の撤去工事を平成二十四年度より鋭意実施しているところでございます。
○川松委員 この三之橋雨水調整池は、浸水被害の軽減と合流式下水道の改善を図るための施設ということであり、地元としても早期完成を期待しているんです。工事が始まったときから期待しているんですが、しかしながら、そもそもあったポンプ所の撤去工事が、着工から七年もかかっているのに、まだ終わりそうな気配がない。
長期に及んでいて一体何やっているんだという声が地元から上がっているわけですけれども、撤去工事に時間を要している理由と、三之橋雨水調整池の完成見込みについて伺います。
○青木建設部長 三之橋雨水調整池の施工箇所でございますが、川沿いの軟弱な地盤でございますとともに、周辺には住宅、社会福祉施設、保育園などの施設も近接している状況でございます。
そのため、既存ポンプ所の撤去に当たりましては、騒音や振動に十分配慮しながら慎重に施工する必要がございます。
具体的には、深さ約十六メートルの地下構造物を撤去するに当たりまして、地上から鉄製の筒を回転させながら施工する工法を採用しておりますが、筒を一般的な速度で回転させると大きな振動が発生しましたため、回転速度を三分の一程度まで低下させることで時間を要したところでございます。
本施設は、既設ポンプ所の撤去完了後、来年度から施設の整備を進め、着工後、完成にはおおむね十年程度の期間を要する見込みでございます。
○川松委員 騒音、振動を極力抑制しながら施工を行っているということは理解しますけれども、大規模な施設でもあり、完成までは、まだまだ時間を要するということであります。
ただ、この三之橋雨水調整池というのは、今話にあったように浸水対策の役割、墨田区や江東区のこの地域一帯の浸水対策の役割を担っているということですから、先週末の日本縦断しました台風十九号の雨を考えると早期の整備を期待しておりますので、できるだけその技術的な問題をクリアして早く整備していただきたいと思います。
一方で、こういった施設は建設して終わりではなくて、整備した施設の効果をきちんと都民の皆様に理解していただくことも重要だと思います。
十九号においては、河川の調節池やダムの効果もさまざまな面で着目されてきましたが、下水道局においては、区部に多くの一時的に雨水を貯留する調整池や貯留管などの施設整備を進めているわけですが、下水道施設の多くは地下にあって見えにくいということから、下水道の整備効果を都民に理解してもらうことは、より一層重要になります。
そこで、今回の台風十九号によって、これまでに整備した下水道施設がどれほど機能したのか、その機能の発揮ぐあいについてお聞かせください。
○佐々木計画調整部長 下水道局では、浸水からお客様の生命や財産を守るために、大規模な幹線や貯留施設の整備を実施しております。
貯留施設といたしましては、区部では合計約六十万立方メートルを整備しており、その中でも、中野区、杉並区等の浸水被害の軽減を図るために整備された区部最大の貯留施設でございます和田弥生幹線は、地下約五十メートルの位置に敷設され、直径八・五メートル、延長二・二キロメートル、貯留量は、接続する枝線も含め約十五万立方メートルの大規模な貯留施設でございます。この和田弥生幹線は、台風十九号の際には満水になるまで雨水を貯留し、地域の浸水被害軽減に大きく貢献しております。
○川松委員 台風十九号、甚大な被害を各地でもたらしたわけですけれども、大規模な貯留管が満杯になるなど、これまで整備してきた東京都下水道局の施設が都民を浸水被害から守り、改めてこの整備の重要性というのを認識いたしました。
さまざまな、いろんな議論をされてきましたけれども、特に最近は、雨については、面に降る雨というよりも点で降る、近年の激しいゲリラ豪雨に対してどう対応しようかという意識を持ってきた議論が多かったと思いますが、改めて、今回の十九号、各地の雨のこの被害を見ていると大きな施設があってよかったな、このことによって地域の浸水が防げたんだなということを考えますと、この施設を整備してきた、あるいは構想から含めて、多くの先人たちの皆様の知恵、時間、そしてお金を整備してきていただいたそのことに、ただただ敬意をあらわすという思いであります。
さて、これまで下水道管の老朽化対策と合流式下水道の改善対策について伺ってまいりました。東京の下水道は、高度経済成長期における普及拡大から現在の老朽化対策、公共用水域の水質保全のほか、局地的集中豪雨からまちを守る浸水対策など、二十四時間三百六十五日休むことなく都民生活と都市活動を支え、世界有数の都市東京の成長に貢献してきた、すばらしい施設であります。
これは、これまで膨大な下水道管を適切に管理し、健全な下水道管を維持してきた下水道局の皆様の努力のたまものであるといっても過言ではないかと思います。
下水道管の維持管理には、まず下水道管の状態を確認し、破損や腐食などの異常箇所を把握することが重要でありますが、最後にお聞きしますけれども、膨大な下水道管を常日ごろ、皆様方はどのように調査をされているのか伺います。
○猪八重施設管理部長 下水道管の調査につきましては、下水道管の整備年次や道路状況などに基づき優先順位を定め、計画的に実施をしております。このうち、人が入れる比較的大きな下水道管では、調査員が直接目で見ることにより確認をしております。また、小さな下水道管は、デジタル技術を活用したミラー方式テレビカメラの導入により、効率化や精度の向上を図りつつ調査を実施してございます。
調査の結果につきましては、下水道台帳システムに取り込むことで、管径、勾配など管渠の構造や損傷状況などを一元的に管理いたしまして、計画的な下水道管の再構築の推進に活用してございます。
○川松委員 ありがとうございます。小さな下水道管は、ミラー式テレビカメラというデジタル技術を活用し、効率化、精度向上を図っているということでありました。
改めて、下水道局では、網の目のように張りめぐらされた下水道管の中に、光ファイバーの通信網を整備するなど、デジタル技術をいち早く導入されました。実はこのことも余り世の中の人に知られていない。
また、本年六月には、下水道技術開発センターがリニューアルオープンされるなど、新しい技術の研究、開発に力を入れているということに関しても、とにかく幅広く下水道局はいろんなことを対応されているということであります。
そこで、例えば、こうした最先端の技術を利用し、下水道管内を走行するテレビカメラの映像等を将来的には瞬時に転送、さらなる調査の効率化や災害時の迅速な異常箇所の発見などにつなげて下水道施設の情報が網羅的に把握できるようになれば、さらに災害に強い下水道の実現が期待できるのではないかと思います。
もう一歩踏み込むと、折しも東京都政は、5G、デジタルハイウエー、あるいはソサエティー五・〇といわれた用語が頻繁に出てくるようになりました。
特に、今この下水道局のインフラを考えると、ローカル5G的なという考え方でいけば、今あるこの整備を土台にして、これは強みとしていろんなもの、デジタル技術をどんどんどんどんインフラの基礎としてつけ加えていくことができるんじゃないかなと。それができれば、下水道局は、今東京都が新しい時代をつくるといっている中で、まさに各局の中で、東京都の先頭に立って都政を引っ張る存在になれる可能性があるんじゃないかと思うんですね。
きょう、いろいろお話ししてきましたけれども、東京という都市の成長、そして我々の、東京で暮らす都市の日々の生活において、下水道はなくてはならない存在であるのに、いざ話題となるのは常にマイナスのこと、どこかで破損しているとか、あそこ整備したらいいって、そういうことだけでプラスのことが注目されてきませんでした。ところが、今回の台風対策、大雨対策というのが、今の和田の幹線も含めて広く強化された。
まさに下水道局にとっての千載一遇のチャンスと捉えて、もっともっと積極的に下水道のあり方をアピールすべきだと思います。
どうしても、下水道局は目立たないのに、いざ紙を見てくると、お金ばかりかかっている、時間もかかっている、何だこれと批判されてきましたけれども、それが東京を守ってきたんだ、東京の生活を皆さんと一緒につくってきたんだということを、僕も含めて皆さんと一緒にアピールして、新しい東京都下水道局の時代を築いていただくことを要望しまして、質問を終わります。
○とくとめ委員 まず、台風十九号の対応について伺います。
先週末の台風十九号により、現在わかっているだけでも七十一人の方が亡くなるなど、大きな被害が発生しました。今でも避難所に身を寄せている方もいらっしゃいます。改めて、亡くなられた方々、そして被害に遭われた方々にお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
都内でも、土砂崩れや浸水、建物の一部損壊などの被害があり、道路寸断による孤立や断水が続いている地域もあります。都の職員を初め、対応に当たられている方々に敬意を表明するとともに、私たちも復旧のために全力を尽くす決意であります。
下水道局の皆さんも、台風十九号は、過去最大クラスの大型台風といわれる中で大変な緊張を強いられて活躍をされたと思います。
そこでまず、最初の質問ですけれども、台風十九号の上陸に当たって、下水道局はどのような対策を行ったのかについてお伺いしたいと思います。
○猪八重施設管理部長 台風十九号の接近に備え、下水道局では、災害発生に備える最高レベルの警戒態勢を発動し、通常の運転体制約九十名に加え、政策連携団体や委託先と連携を図り、全体で約四百名を増員して対応いたしました。
○とくとめ委員 通常の九十人に加え四百人を動員したとのことです。聞くところによると、東京都災害対策本部によりますと、その内訳は、区部で都の職員百三十人、それから下水道サービス株式会社、TGSから百二十四人、メンテで九十八人、流域下水道本部から都の職員三十七人、JVから十五人と聞いております。通常の五倍以上の体制をとって対応に当たっていただいたとのことであります。
そこで、具体的にはどのような対応をとられたのかについてお伺いします。
○猪八重施設管理部長 警戒態勢発動後、過去に浸水のあった地区の巡視点検を行うとともに、浸水被害が発生した地域では、マンホールぶたの浮上や道路陥没などがないか点検を行い、異常があった箇所については速やかに対応いたしました。
また、河川の増水や潮位の上昇により一定の水位に達したことから、河川の逆流や甚大な被害の発生を防ぐため、樋門や高潮防潮扉を一時閉鎖いたしました。その後、水位が低下いたしましたことから、樋門や高潮防潮扉を開放いたしました。
○とくとめ委員 ポンプや管路の巡視点検、浸水地域の管路の点検を行ったとのことです。
都庁内はもちろん、各事務所や施設の人員を増員し、川が増水したときに雨水管から川へ放流する口を閉じるべきかどうかを協議したり、浸水の情報を共有したりするなど、建設局を初めとする河川管理者や区市町村業者など密に連絡を取り合って対応をとったと伺っております。
下水道局が下水道全体を管轄している二十三区内では、世田谷区や大田区など浸水被害がありました。詳しい原因については調査中とのことですが、きょうのNHKのニュースでは、田園調布の浸水は、東京都下水道局所有の排水ポンプが十時間動かせなかったことが原因だとの報道もありました。運転は区に委託しているようですが、原因究明と対策に努めていただきたいと思います。
ほかにも下水道があふれたり、川の水が下水道に逆流したりしたことなどが浸水の原因となっている部分があるのかどうか、また、今回最高レベルの警戒態勢をとったとのことですが、人的な配置や指揮伝達系統は十分だったかなど、今後検証を進めていただいて、必要な対策を進めていただきたいと思います。
浸水対策という点では、私の地元の板橋区は、高低差が大きい地域で、豪雨のときに雨水がくぼ地に流れ込み、繰り返し雨水浸水が発生している地域から苦情が寄せられていました。最近では、二〇一六年にも浸水被害が生じていました。この成増地域は、下水道局の五十ミリ対応の浸水対策の重点地域に位置づけていただいていますが、緊急対策がことし五月に完成し、台風十九号のときも心強かったと住民の皆さんは大変安心し、喜んでおられます。
この成増地域の浸水対策の進捗状況はどのようになっているのかを教えていただきたいと思います。
○青木建設部長 下水道局では、かつての川を利用して浅く埋設された幹線の流域など十五地区を五十ミリ施設整備の重点地区として位置づけ、対策を推進してございます。
板橋区成増地区はこの重点地区として位置づけ、成増幹線の増強施設を整備する計画としてございます。その施設整備には時間を要すことから、別途の緊急対策として、過去に浸水被害が繰り返された成増三丁目付近で新たにバイパス管を整備し、本年五月に完了したところでございます。
○とくとめ委員 シールドマシンを入れる立て坑の用地にもご苦労されているという話も伺っていますが、住民の皆さんは大変期待をしております。板橋区なども連携して、土地の確保を含めて早期に成増地域の五十ミリ対応を完成させることを強く要望しておきたいと思います。
今回の雨量は、二十三区内では、十月十二日の一日で二百ミリから三百ミリでしたが、予報では四百ミリ、五百ミリの雨が降る可能性があると指摘をされておりました。そうした場合に、時間当たり五十ミリ以上の雨が広範囲にわたって降ることもあり得たのではないかと思います。
今の計画で二〇二〇年度末までに時間五十ミリの雨が降っても浸水しない地域を、区部の七四%までにするとされています。現在の浸水対策を迅速に進めていただくとともに、五十ミリ対応を、さらに七十五ミリ対応の地域を拡大することも検討が必要だと思いますけれども、見解を伺います。
○佐々木計画調整部長 下水道局では、区部全域で時間五十ミリ降雨に対応する施設整備を行うことを基本とし、早期に浸水被害を軽減するために、対策地区を重点化して施設整備を進めております。
具体的には、繰り返し浸水が発生する地域など、浸水の危険性の高い地区や、かつての川を利用した浅く埋設された幹線の流域などを重点地区として選定し、時間五十ミリ降雨に対応する幹線や貯留施設等を整備するほか、浸水被害の比較的大きい大規模地下街や甚大な浸水被害が発生している地区を選定し、時間七十五ミリ降雨に対応するなど、整備水準をレベルアップするための大規模な幹線や貯留施設を整備しております。
また、区部全域で時間七十五ミリ降雨があった場合の下水道施設の能力検証を、流出解析シミュレーションの技術を活用して進めており、今後、地区の追加を検討してまいります。
○とくとめ委員 七十五ミリ対応の地区の追加を今後検討していくとのことで、大変重要な答弁だったと思います。今回の大型台風にしても、集中豪雨にしても、これまで経験が通用しないような気象現象が起きていることに、都民は大変不安を感じているのではないかと思います。ぜひ対策のテンポを一層引き上げて強化していただくことを要望しておきます。
台風十五号の対応や浸水対策の最後に伺います。
下水道局では、下水道施設へのコンセッション方式を含む民営化の検討が行われています。災害時には、先ほど来伺ってきたような自治体や業者との連携、ポンプ所での非常時の運転や監視など公的な対応が非常に重要だということを、今回の災害でも我々は体験したと思います。
今回の台風で下水道局が行ったような対策が民間でできるのかどうか、どのように考えておられるか伺いたいと思います。
○鈴木企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 現在、平成三十年度から令和二年度までの三年間で施設運営手法の検討を行っておりまして、そのうち今年度につきましては、施設運営手法に関する豪雨時や災害時等のリスクなどの分析、評価等を実施しているところでございます。
引き続き、さまざまな施設運営手法について、経済性だけではなく安定的なサービスの提供という観点も重視して、幅広く検討を行ってまいります。
○とくとめ委員 今年度は、まさに豪雨や災害時などのリスクなどの分析、評価を実施しているということでした。この中での今回の台風十九号の深刻な被害の実態は、コンセッション方式のあり方を厳しく問いかけているのではないかと思います。
静岡県の浜松市では、ことし四月から下水道施設にコンセッション方式を導入して、水メジャーのヴェオリアを中心とした特別目的会社が、西遠浄化センターという下水道施設の運営を行っております。
この間の質疑でも我が党が明らかにしていますけれども、この契約書には、地震、暴風、豪雨等の自然災害にかかわる不可抗力による費用の増加等は、原則的に市の負担とするというふうに書かれております。そういう条項があります。まさに、民間事業者は、災害時の対応は市に投げ出して、負担を市に、すなわち市民に負わせるという無責任な体制になっております。
国がことしの三月に発表しました下水道事業にコンセッション方式を導入する際のガイドラインでも、火災などで保険で対応できるリスクについては民間が負担するが、暴風や洪水、高潮、地震などの天災のリスクは管理者、つまり自治体が負担するというリスク分担の参考例が、このガイドラインの中にはわざわざ示されており、この浜松市の西遠浄化センターの契約書の中にはそのとおりのことが書かれているということが明らかになりました。
施設運営方法について、経済性だけでなく安定的なサービスの提供という観点も重視していくという答弁がありました。まさに、安定的な供給という点では、リスク分担をどれだけ契約書に詳しく書き込んでも、災害を初めとする非常事態は、一つ一つのケース・バイ・ケースで、予測しがたいようなことが起こります。自治体と事業者、どちらの責任や負担で行うのかでもめる部分が生じる、まさに迅速な対応が必要なときにそのことの対応がおくれる、こういうことも指摘をされております。
そもそもこうしたリスクを民間が負わなくてもいいように考えられているのが、運営権だけを民間に移すコンセッション方式の核心部分です。災害時のことを考えれば、民間が収益だけ得てリスクを負担しないコンセッション方式は余りにも公共の利益に反するものであり、導入すべきではないということを改めて申し上げておきたいと思います。
次に、合流式下水道の改善について伺います。
東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック大会に向けて八月に行われたトライアスロンのテスト大会で水質悪化で、水泳が中止されました。合流式下水道が原因とされ、注目をされています。オリンピック・パラリンピックはもとより、良質な水環境や環境負荷の問題としても合流式下水道の改善は重要です。
合流式下水道は、雨水と家庭や事業所のトイレや台所などの排水される汚水を一緒に流す下水道になっています。汚水の三倍程度の雨量までであれば、汚水と雨水がまざった下水は水再生センターに送られ、水再生センターで簡易処理を施されて海に放流されます。それ以上の雨が降ったときには、オイルボールやごみなどが流れ出さないような対策はあるものの、直接川や海に流されてしまいます。
そこで質問ですが、雨が少ないときは汚水と雨水がまざった下水は、簡易処理のみで海に流す、放流されるとのことですけれども、どの程度の状況などになると放流されるのか、また、放流は、年何回程度放流されているのか、伺いたいと思います。
○佐々木計画調整部長 合流式の水再生センターでは、晴天時の処理能力を超える下水が流入した場合は、まず降雨初期の特に汚れた下水を貯留し、さらにその貯留量を超えて流入する下水につきましても、汚濁物の沈殿処理と大腸菌等の消毒処理とをあわせた簡易処理を行い放流しております。
お台場近傍の芝浦水再生センターでは、平成三十年度に八十回程度の簡易処理により放流しております。
○とくとめ委員 水再生センターは、晴天時の処理能力を超えた下水が流入すれば、つまり雨が降れば簡易処理による放流を行っているとのことです。頻度としては年間八十回程度、つまり四、五日に一回は放流されていることがわかりました。そして、さらに強い雨が汚水の量の三倍以上降ったときには、下水は水再生センターに送られず、未処理のまま直接川や海に放流されることになっています。この回数はカウントできないとのことですけれども、いずれにしても、こうした放流は減らされていくことがどうしても必要です。
そこで質問ですけれども、直接の川や海への放流や、水再生センターに送られても簡易処理のみでの放流を減らすためには、どのような対策がとられているのか伺います。
○佐々木計画調整部長 合流式下水道の改善対策についてでございますが、下水道局では、雨天時に河川などに放流されていた降雨初期の特に汚れた下水を水再生センターで処理するための下水道幹線の増強や、一時的に貯留する施設の整備、雨水はけ口などから流出するごみなどを削減するための対策を進めております。
川や海に放流される汚濁物を削減するために、東京二〇二〇大会までに、降雨初期の下水を貯留する施設を累計で百四十万立方メートル整備するとともに、六カ所の水再生センターで、汚濁物をこれまでの沈殿処理と比較し二倍程度多く除去できる高速ろ過施設の整備を、合わせて累計で百五十万立方メートル相当の貯留施設の整備を完了いたします。
○とくとめ委員 東京二〇二〇大会までに百五十万立方メートル相当の貯留施設の整備を完了する予定とのことであります。オリンピックまでに、さらに百七十万立方メートルに近づけることができればよいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
計画の進捗状況と整備をスピードアップできないのか、伺いたいと思います。
○佐々木計画調整部長 計画の進捗状況についてでございますが、平成三十年度末で累計百二十万立方メートルの整備が完了し、おおむね計画どおり進捗しているところでございます。
平成二十七年度に策定した経営計画二〇一六においては、東京二〇二〇大会に向けて、貯留施設に加え既存の施設の改造により早期に導入可能な高速ろ過施設の整備を組み合わせることで、整備ペースを前計画に比べ約二倍にスピードアップし、対策を推進しているところでございます。
○とくとめ委員 経営計画二〇一六では、その前の計画の二倍にスピードアップしているとのことで、頑張っていただきたいと思います。また、さまざまな困難もあると思いますけれども、一層のスピードアップを要望しておきたいと思います。
さらに、放流される汚濁負荷量を分流式下水道と同程度までに削減する、つまり合流式下水道でも分流式と同じ程度まで水をきれいにする、きれいにして放流するために必要な貯留量は、三百六十万立方メートルと経営計画二〇一六に記載をされています。
いつごろまでに完了することができるのか伺いたいと思います。
○佐々木計画調整部長 現在、令和六年度から強化される下水道法施行令の雨天時放流水質基準の達成に向け、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設等、累計約百七十万立方メートル整備する事業を進めているところでございます。
事業を進めるに当たっては、大規模な貯留施設を密集した市街地や埋設物がふくそうした厳しい施工環境の中で工事することになることから、完了までには相当の期間を要するものと考えております。
○とくとめ委員 施工環境が大変厳しく、完了までには相当の時間を要するという答弁でした。同時に、経営計画二〇一六には、この三百六十万立方メートルという数字を挙げ、将来は放流される汚濁負荷量を分流式下水道と同程度までに削減しますと記載をされていることは大変重要だと思います。
二十三区の中でも、比較的近年に下水道が整備された二割程度の地域は、分流式の下水道になっています。将来を見越して考えれば、現在は合流式の地域でも方策を工夫して分流式に変えていく、そういう工夫が必要だという意見もあります。
再開発に合わせるなど少しずつでも分流式への切りかえを進めることを要望いたしますけれども、いかがでしょうか。
○佐々木計画調整部長 市街地再開発などの面的な開発行為において、道路などインフラのつくりかえに合わせ、新たにもう一本の下水道管の整備も可能である場合には、開発区域内の建物の排水管を汚水と雨水に分けるなど、事業者の協力が得られた地区で既に部分分流化を実施しているところでございます。
○とくとめ委員 歴史的な経過もあり、現在、合流式という、整備されている下水道の水質を改善していくことは大変なことだと思いますけれども、将来的には、分流式と同程度のきれいな水を放流できるようにしていくということは、環境問題における持続可能性や東京という都市の未来の姿を考えたときに必要な対応だと思います。
さらに、有機物だけではなくて、マイクロプラスチックの海への放出など新たな課題も生じています。
そういう意味では、下水道局の仕事は単なるルーチンではなくて、それにとどまるものではなくて、災害対策の部分でも、申し上げましたけれども、経済性だけではなくて新しい問題への対応や技術の開発が求められていると思います。公的な責任、役割があるのではないかと思います。
下水道局として、ぜひ粘り強く新たな意欲で取り組んでいただくことを重ねて要望いたしまして、質問を終わります。
○山口委員 まず、質問の前に、今回の台風十九号の関連でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた全ての皆様に謹んでお見舞いを申し上げる次第でございます。
また、和賀井局長を初め理事者の皆様、職員の皆様におかれましても、被災からわずかまだ五日という中で、緊張感も、お疲れもまだとれない中に、こうして委員会に臨んでいただいていることに、そして災害に対して全力で取り組んでいただいていることに心から敬意を表するところでもございます。
また、他局もそうかと思いますが、職員皆様のこの努力は、必ずしっかりと都民の皆様に届くものと私たちも確信をしておりますし、と同時に、私たち委員も、理事も委員も、それぞれの選挙区、また地元において、緊張感、これまで経験をしたことがない災害に直面をし、さまざまな経験をもとに、ここから何を変えていき、何に取り組んでいくべきかというその一つ一つを、検証には時間もかかりますでしょうし、これから取り組むべき課題というものはここから明らかになっていくこととは思いますが、その一つ一つの大切な一問一問と確信をしながら質問させていただいております。長丁場になりますが、少し肩の力を抜いていただいて、ぜひご答弁を賜りますようお願いを申し上げたいと思います。
今回の台風は、十三都県に大雨特別警報が出されて、他県も含めて記録的な大雨となり、私の地元の世田谷区においても浸水の被害も発生をいたしました。私も台風十九号の当日は、区内の避難所で、区民の方々とともにいろいろと話もさせていただき、また浸水した現場にも、その日のうちに調査にお伺いをさせていただきました。
私から、その台風への対策も含め、再生可能エネルギーの活用、老朽化対策、震災対策、そしてこの浸水の対策の四点について、さまざまお伺いさせていただきたいと思います。
東京の下水道は、生活環境の改善や浸水の防止、公共用水域の水質保全を図っており、安全・安心で快適な都市づくりに貢献をされてきました。しかし、下水を処理する過程などで多くのエネルギーを消費しており、エネルギーの資源の乏しい我が国においては、再生可能エネルギーの活用や省エネルギーの取り組みというものが喫緊のテーマであります。
見方にもよるでしょうが、下水道は、エネルギーの宝庫ともいわれており、下水熱や下水汚泥などの下水道が持つ資源やエネルギーを有効に利用するなどして、環境に優しく安全な再生可能エネルギーの活用拡大をしていくことは重要だと私は考えます。
そこで、これまでに下水道局で実施してきた再生可能エネルギーの導入状況と、その実績についてお伺いをいたします。
○猪八重施設管理部長 下水道局は、浸水防除や公共用水域の水質保全などの役割を果たすため、都内の電力使用量の一%強に当たる大量の電力を使用して事業を実施しております。
これまでも、下水汚泥の処理過程で発生する消化ガスを発電の燃料に利用することや下水汚泥を焼却する際に発生する廃熱を回収し発電することなど、再生可能エネルギー導入の取り組みを積極的に推進してまいりました。
さらに、浸水対策の強化や合流式下水道の改善など、下水道サービスの向上に伴うエネルギー使用量の増加が見込まれたことから、エネルギー基本計画のスマートプラン二〇一四を策定し、これまでの取り組みに加え、再生可能エネルギーの拡大及び省エネルギーの一層の推進に努めております。
具体的な取り組みといたしましては、南多摩水再生センターにおいて、これまで未利用となっておりました汚泥焼却時の低温域の廃熱を活用した発電設備や品川シーズンテラスにおける下水熱を熱源に利用したビル空調などを導入しております。
こうしたさまざまな取り組みによりまして、平成三十年度の再生可能エネルギーの実績は、約二百五十テラジュールとなってございます。これは一般家庭一世帯が一年間に使用する電力量として換算いたしますと、およそ一万九千世帯分に相当する量でございます。
○山口委員 大変具体的に、かつ詳細に取り組みをされているということはよくわかりました。
電力をより多く利用する水再生センターなどで、引き続き再生可能エネルギーを創出することは非常に重要だと考えるところでもあります。また、下水道局では、スマートプラン二〇一四を策定して、徹底した省エネルギーの対策にも取り組んでいるというお話も今ありました。
そこで、このスマートプランにおける目標と今後の取り組みについてもお伺いをしたいと思います。
○佐々木計画調整部長 スマートプランでは、総エネルギー使用量に対する再生可能エネルギーと省エネルギーの合計の割合を令和六年度までに二〇%以上とすることを目標としておりますが、平成三十年度末では約一二%まで高めており、今後も目標の達成に向けて取り組みを進めてまいります。
具体的には、再生可能エネルギーの活用拡大に向けた取り組みといたしまして、汚泥の焼却時に大量に排出される熱を活用した発電により、焼却炉の運転に必要な電気を自給できるエネルギー自立型焼却システムを開発しており、焼却炉の再構築に合わせ新河岸水再生センターなど三施設において整備を推進しております。
また、省エネルギーの取り組みといたしまして、水処理に必要な空気を水に溶けやすい小さな気泡にして送風量を少なくし、約二割の電気使用量を削減する微細気泡散気装置の整備を推進しております。
○山口委員 今のお話を聞けば、おおむね四年で一二%の達成をし、そしてまた十年で二〇%、十分見込めるところまで、その目標達成に向けて推進をされているということが、確認がとれました。
また、さまざまな取り組みを、数値目標をしっかりと設定をして取り組まれていることは高く評価されることだろうなというふうには思いますが、下水道局では、積極的に省エネ、再エネという取り組みを実施しているということでありましたが、さらに目標達成に向けて継続的な取り組みをお願いをしていきたいというふうに思います。
次に、老朽化の対策についてもお伺いいたします。
東京の下水道は、高度経済成長期に集中的に整備をされ、老朽化が進行しているのは、これはもう紛れもない事実であります。しかしながら、下水道施設の多くは地下に埋設をされており見えにくいことから、都市生活を支える重要なインフラであるにもかかわらず、都民の関心や認知度は低いというところが、今回、きょうの議論の中でもたびたび指摘をされているところであります。
私の地元でもある世田谷区でも、北沢川や烏山川など昔の河川にふたをかけて、上部は緑道などとして利用して、下部は下水道幹線として活用されているが、ふだん意識することは少ないわけであります。
このような河川を暗渠化した下水道幹線も老朽化が進行してきております。老朽化による破損が発生をすれば、道路陥没や下水道が使用できないおそれがあるなど深刻な社会的影響が懸念をされ、この問題に焦点を当てることは極めて重要であると考えます。
そこで、下水道幹線の老朽化対策の着実な推進が必要と考えますが、下水道幹線の再構築の進め方と、これまでの進捗状況についてお伺いをいたしたいと思います。
○佐々木計画調整部長 区部の下水道管約一万六千キロメートルのうち下水道幹線と呼ばれる比較的規模が大きい下水道管は約一千百キロメートルございますが、当局では、劣化の度合い等により優先度を決めて計画的に再構築を実施しております。
具体的には、昭和三十年代以前に建設された整備年代の古い四十七幹線や調査に基づき対策が必要と判明した三十七幹線など約三百キロメートルを対象に再構築を実施しております。平成三十年度末までに約七十五キロメートルの再構築が完了しているところでございます。
工事の実施に当たりましては、下水道局が技術開発を行ったSPR工法など、道路を掘削せず既設の下水道管をリニューアルすることができる更生工法を活用し、下水道幹線の再構築を進めているところでございます。
○山口委員 喫緊かつ重要なこの取り組みになってくると思います。私自身も、烏山川緑道から本当に目と鼻の先のところに住んでいるところでありますが、近隣住民の方々も、ハザードマップを見れば非常に安全というふうにされている地域ではありますけれども、一たび、この老朽化が思いもよらないことになれば、その被害というものは甚大なものになるかと思う地域に私も住んでいるわけであります。
こういった取り組み一つ一つを丁寧に進めていただくこと、そして見落とすことなく着実に進めていただくことが非常に重要だと思いますので、改めて要望しておきたいと思います。
さて、この更生工法を活用することで、道路を掘り返さずに都民生活への影響を極力抑制しつつ、下水道管の老朽化対策を進めているとのことでありましたが、また、このSPR工法は、下水道局が開発を行った技術で、私も大変興味深いところであります。
そこで、SPR工法はどのような工法か、改めてその特徴について伺いたいと思います。
○袰岩技術開発担当部長 SPR工法は、老朽化した下水道管の内部から塩化ビニール製の板を巻き立て、既設の下水道管と一体化させることで新しく敷設した管と同等の機能まで回復する工法でございます。
断面が円形以外の四角形や馬蹄形といった多様な形状の下水道管に対応できるとともに、直径二十五センチメートル程度の小規模な枝線から五メートル程度の大規模な幹線まで幅広く対応することができ、多くの再構築工事で採用しております。
また、ある程度の水量であれば、下水を一時的に切り回すなどの作業を必要としないため、下水を流したまま施工することが可能であるとともに、工事中の騒音や振動が少なく、道路を掘り返す必要がないため、交通や周辺環境への影響を少なくすることが可能でございます。
工期やコストについては、道路を掘り返して新しい下水道管に入れかえる場合と比較して、おおむね半分以下に削減することが可能となっております。
○山口委員 すばらしいですよね。このSPR工法のようなすぐれた技術を活用し、効率的に老朽化対策を進めており、大変心強いところでありますが、これだけすぐれたSPR工法の開発の経緯について伺いたいと思います。
○袰岩技術開発担当部長 東京の下水道は、明治十七年の神田下水に始まりまして、高度経済成長期には、公共用水域の水質汚濁の進行や人口の増加に対応するため、下水道管を集中的に整備しておりましたけれども、下水道局では、下水道の普及が完了する前から大量に整備された下水道管が更新時期を迎えることを見据え、いち早く下水道管の老朽化対策の検討を実施してまいりました。
下水道管の更新におきましては、高度に都市化された東京では、ガスや水道などのインフラがふくそうして埋設されているほか、道路交通事情、周辺環境などのさまざまな制約があるため、道路を掘削せずに下水道管をリニューアルする工法が必要と考えました。
そのため、下水道局では、昭和五十九年から道路を掘らずに下水道管を更新する工法の調査研究に取り組み、昭和六十年より、政策連携団体である東京都下水道サービス株式会社及び民間事業者二者と共同で技術開発を実施し、昭和六十二年にSPR工法を実用化いたしました。
○山口委員 まさに、この都市においては理想的な工法だと思うところでありますが、将来の下水道事業の課題を見据えて、約三十年も前から、東京都下水道サービス株式会社や民間企業と連携をしながら技術開発が行われ、実用化をしてきたという点については評価をしたいと思います。
区部においても、下水道が始まって百三十年以上が経過をしているわけでありますが、東京以外にも早くから下水道が普及した他の自治体であるとか、海外でも同様の課題を抱えていると当然考えるわけでありますが、そこで、開発をしたこのSPR工法を国内外に展開をしていくべきと考えるわけでありますが、その取り組みについてお伺いをいたします。
○袰岩技術開発担当部長 下水道局では、下水道サービスの維持向上を図るため、事業が直面する課題や将来を見据えて解決すべき課題について計画的に技術開発に取り組むとともに、開発したすぐれた技術の展開を図り、他都市や海外の下水道事業の課題解決に貢献しているところでございます。
ただいまお話のありましたSPR工法につきましては、昭和三十年度末時点で、国内では全ての都道府県で採用されておりまして、多摩地域の市町村も含めた都内におきましては、施工延長約七百七十キロメートル、全国累計で約一千二百八十キロメートル施工しているところでございます。海外におきましては、十九の国と地域で採用されておりまして、施工延長の累計は約百四十五キロメートルとなっておるところでございます。
○山口委員 国内外の論文なんかを見ても--大丈夫ですか。
○袰岩技術開発担当部長 大変失礼いたしました。先ほど昭和三十年度末と申し上げましたけれども、平成三十年度末時点での数字でございます。大変失礼いたしました。
○山口委員 ご訂正いただいてありがとうございます。
国内外においても、論文等々を見ていても、この工法について大変評価も高く、また、その実用性についても高い評価を受けているところでもあります。
この東京の課題解決のために開発をされた技術というものが、他都市や海外においても採用され、広く下水道事業の課題解決に貢献をしてきていると。引き続き、この技術開発の取り組みにも期待をするところであります。
次に、この老朽化対策と同様、下水道機能を確保する取り組みとして、震災対策の進捗は非常に重要だと考えております。
本年六月には、山形県沖を震源とする最大震度六強の地震が発生をするなど、毎年のように、全国各地で震度五強以上の大規模な地震が発生をしており、改めて防災の取り組みの重要性を認識しているところでもあります。
水再生センターやポンプ所といった下水道施設の機能が一たび停止をしてしまえば、河川や海などの水質に深刻な影響を与えたり、まちが浸水をすることになってしまいます。
下水道機能の中枢である水再生センターやポンプ所の機能を維持するために、震災対策を進めていくことは非常に重要だと考えておるところでありますが、この水再生センター及びポンプ所の耐震対策の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○佐々木計画調整部長 下水道局では、区部と多摩地域を合わせて百七施設と膨大な数の水再生センターやポンプ所を管理しておりますが、震災後におきましても、お客様の安全と衛生環境を守るため、必要不可欠な最低限の機能でございますポンプで下水をくみ上げる揚水、沈殿処理、消毒機能に重点化しまして、震度七に相当する地震に対して、それらの機能を確保するための施設の耐震化や応急対応等のソフト対策を組み合わせて実施しております。
○山口委員 施設の数が膨大でありますから、下水道局では、最低限の下水道機能を確保するための耐震対策を進められているということでありました。
首都直下型地震は、いつ発生してもおかしくない状況にあり、いち早く震災への備えを万全にする必要があると考えますが、繰り返しになります、水再生センター及びポンプ所の耐震対策の進捗状況についてもお伺いしたいと思います。
○佐々木計画調整部長 今年度末までに全百七施設の水再生センター及びポンプ所の耐震対策の完了に向けて取り組みを進めており、平成三十年度末までに、区部では五十三施設、流域では四施設の合計五十七施設で耐震化が完了しております。
残る施設につきましても、施設の耐震化工事や被害が発生した場合を想定し、応急対応や災害復旧等を事前に計画するソフト対策を組み合わせ、耐震対策を推進してまいります。
○山口委員 非常に重要なところだと思うんですよね。やっぱり想定を震度七として見ることが本当に正しいのか、毎年想定外、想定外といわれる震災や豪雨災害等を初めとしてさまざまな災害が発生をしていく中で、もう一度検証する余地があるのであれば、いま一度立ちどまって見直しをしてみる、またさらにいえば、今回の台風、また、さらにこのさなかにも、大きな地震ではなかったものの地震が来て冷やりとする場面もありました。
複合的に発生をする災害などにも対応し切れるのかどうかというところもしっかりと検証していただいた上で取り組み、また、震災対策等々にも耐震対策等々にも取り組んでいただくように、改めて強く要望しておきたいと思います。
最後に、浸水の対策についてもお伺いしたいと思います。
まさに、今回の台風十九号など大雨や集中豪雨の対策がこの浸水対策であります。下水道局においては、まず、区部全域において一時間五十ミリ降雨に対応することを目標として、これまで取り組みをされてこられました。近年、気象変動の影響などによって、一時間五十ミリを超える豪雨が増加傾向にあって、下水道局では、一時間七十五ミリ降雨へ目標をレベルアップされて対策を実施されている地区もあると伺っているところではあります。
そこで、どのような地区で、時間七十五ミリ降雨への対応を進めているのかを改めて伺いたいと思います。
○佐々木計画調整部長 下水道局では、一時間七十五ミリの降雨への対応として、浸水被害が大きい大規模地下街を対象に、平成十二年から整備水準のレベルアップに着手しておりまして、平成二十二年には、地区を追加し、現在九地区を対象に貯留施設の整備や下水道管の増強を推進しているところでございます。
さらに、平成二十五年には、甚大な被害が発生している目黒区上目黒、世田谷区弦巻地区など、四地区を市街地対策地区として選定いたしまして、既存幹線の下に大規模な幹線を整備するなど対策を推進しているところでございます。
○山口委員 平成二十五年の雨は極めて強くて、私の地元である世田谷区においても、多くの浸水の被害が発生をいたしました。世田谷区においても、七十五ミリ降雨に対応する施設整備を行う地区に選定をされているということでありましたが、今回のような台風への対応も含めて一刻も早く対応を進めていただきたいところであります。
そこで、世田谷区内での時間七十五ミリ降雨対策を行う地区とその事業内容について確認をしたいと思います。
○青木建設部長 世田谷区では、平成二十五年に時間五十ミリを超える降雨によりまして、大規模な浸水被害が発生しましたことから、同年に策定をしました豪雨対策下水道緊急プランにおきまして、七十五ミリ対策地区として、目黒区上目黒、世田谷区弦巻地区及び目黒区八雲、世田谷区深沢地区の二地区を選定してございます。
目黒区上目黒、世田谷区弦巻地区では、既設の蛇崩川幹線の排水能力を強化するため、延長約二・八キロメートル、直径最大五メートルの蛇崩川増強幹線をシールド工法等で整備する計画でございます。
目黒区八雲、世田谷区深沢地区におきましても、既設の呑川幹線の排水能力を強化するため、延長約四・七キロメートル、直径最大三・二五メートルの呑川増強幹線をシールド工法等で整備する計画としてございます。
○山口委員 世田谷区内、対策二地区における事業内容についてはわかりました。
それでは、今、各地区における事業の進捗状況について確認をしたいと思います。
○青木建設部長 目黒区上目黒、世田谷区弦巻地区では、平成二十九年から着工いたしまして、シールドの発進基地となります世田谷丸山公園及び到達基地となる弦巻三丁目東公園におきまして、深さ最大約四十三メーターの立て坑を整備中でございます。
目黒区八雲、世田谷区深沢地区では、平成三十年から着工し、現在、シールドの発進基地となります東京工業大学グラウンド及び到達基地となります三島公園におきまして、深さ最大約三十二メーターの立て坑を整備中でございます。
両地区とも、住宅の密集する地域でございまして、シールドの発進及び到達基地となる公園や学校用地を借用するための交渉や工事車両のルート及び施工方法等に関する周辺住民との調整等に時間を要したところでございます。
また、立て坑は、いずれも十階建てビルが入る深さでございまして、地盤や地下水からの強い圧力を受けますため、堅牢な構造物を築造する必要がございますが、騒音、振動を極力抑える工法を採用するなど、周辺環境に十分配慮しながら慎重に工事を実施しているところでございます。
○山口委員 世田谷も、皆様もご承知のとおりかもしれませんし、わからないかもしれませんが、北沢、深沢、駒沢、代沢にいわれるように非常に沢のまちでございまして、どのような対策にせよ、いずれにしても、浸水を防ぐためのあらゆる策を想定内といい切れるように整備を進めていかなければならない地域であることは申し上げるまでもありません。
この一時間の降雨量五十ミリとか、総雨量についても、今回想定とされる基準そのものが本当にこのままでいいのかという問題もありますし、今回の台風を見ていても、それを下回る雨量であってもこれだけの被害がもたらされていることを考えていくと、一つ一つの整備の早急な取り組みというものが、本当に世田谷においては待たれるところでありますので、ぜひとも早急に、また確実に実施をしていただきますように改めてお願い申し上げたいと思います。
浸水被害に悩まれる地元の住民の皆様にとって、この浸水被害の軽減というものは、長年の悲願でもあるわけであります。大規模な工事であることは重々承知をしておりますし、多大な時間を要することも認識をしております。しかしながら一刻も早い事業の完了に向けて、引き続きの対策の推進もお願いしたいと思います。
また、局地的な豪雨から都民の生命や財産を守るためには、大規模な幹線等のハード対策に加えて、被害を未然に防ぐために、情報発信などのソフト対策の取り組みについても欠かすことができないと考えるわけでありますが、浸水対策における下水道局のソフト対策の取り組みについてお伺いをします。
○猪八重施設管理部長 豪雨からお客様の生命や財産を守るため、お客様みずからが浸水に備える取り組みを支援するソフト対策は、副委員長ご指摘のとおり極めて重要でございます。
具体的には、東京アメッシュにより、ホームページやスマートフォンなどできめ細かな降雨情報をリアルタイムで配信してございます。
また、毎年六月を浸水対策強化月間と定め、下水道施設の総点検を行いますとともに、お客様に浸水の備えをしていただきますよう、半地下家屋への戸別訪問、また、区や市などと連携したイベントの機会を通じまして、土のうや止水板の準備などをしていただきますよう注意喚起を実施してございます。
○山口委員 こういった取り組みを充実させていくことはもう非常にありがたいことでもありますし、さらに推進をしていただきたいと思うところでありますが、これを区民の皆様、また広く都民の皆様方が知っていただくことも非常に重要でございます。広く知っていただいて活用していただける取り組みにも力を注いでいただきますようにお願い申し上げたいと思います。
さらには、下水道局では、さまざまなソフト面での対策を実施されていることもよく存じ上げております。しかし、引き続き都民の皆様に豪雨の備えの意識も高まるような取り組みにも取り組んでいただきますよう、重ねてお願いしておきたいと思います。
また、これらのソフト対策の中でも、東京アメッシュについては、雨の様子が非常にわかりやすく、注目をしているところでもありますが、この東京アメッシュの導入経過と特徴についてお伺いをしたいと思います。
○猪八重施設管理部長 下水道局では、気象情報を迅速に把握し、まちを浸水から守るために、雨水を排除するポンプの運転管理への活用を目的といたしまして、降雨情報システムを昭和六十三年に導入いたしました。
また、平成十四年度に設備を再構築した際には、お客様みずからが浸水に備えられるよう、東京アメッシュとして降雨情報のインターネット配信を開始いたしました。
その後、観測精度の一層の向上を図るため、レーダーを最新型に再構築したことにより、従来観測できなかった降り始めのわずかな雨の観測も可能となりまして、より精度の高い降雨情報の提供を平成二十八年度から開始をいたしております。
具体的には、都内ほぼ全域で百五十メートルと細かい区画で降雨状況を表示できますとともに、降雨強度を十段階に細分化することで、よりきめ細かな降雨情報の配信が可能となっております。
○山口委員 私も質問するに当たって、改めてこの東京アメッシュを拝見させていただいたり、使わせていただいたんですけれども、非常によくできているんですよね。ほかのあまたある、さまざまなこういった情報発信サービスと比較をしても引けをとらないどころか、十分に知っていただいて活用していただかなければならないものだというふうに認識をしているところでありますが、事東京においては、海外からの訪問者の方々もたくさんいらっしゃるわけでありまして、外国人旅行者の数は年々増加傾向にある中で、この東京アメッシュが、外国人等も含めて、さらに多くの皆様に利用されるように、しっかり東京都としても取り組みをしていかなければならないと思うところであります。
東京アメッシュの利用拡大に向けた取り組みと、今後の展開についてお伺いをしたいと思います。
○猪八重施設管理部長 より多くのお客様に東京アメッシュを利用していただきますよう、平成二十九年度からスマートフォン版の配信を開始しております。また、東京アメッシュの機能などを紹介したリーフレットを作成し、イベントなどで配布いたしますことで積極的にPRを実施しております。
これら利用者の拡大に向けた取り組みを推進した結果、平成三十年度のアクセス件数は約五千八百万件となっております。
今後は、海外からの訪問者などにも利用拡大を図るため、既に対応済みの英語版に加え、中国語、韓国語版についても対応し、多言語化を進めてまいります。
○山口委員 すばらしいですね。この中国語、韓国語版も期待をしておりますし、こういった多言語化をすることによって、日本を訪れてくださる皆様に、こういった安心の情報を提供できる、また、いざというときにどのように対応するべきかという備えをしていただく、非常にすばらしい取り組みだと思いますので、一層の充実を期待しているところでもございます。
さて、先日、ノーベル賞を受賞された吉野先生は、スマートフォンなど広く使用されているリチウムイオン電池を開発され、モバイル通信の発展に大きく貢献をされました。
東京アメッシュは、従来はパソコンによる閲覧に限られていたところでありますが、スマートフォンからでも手軽に確認できるよう改良が行われたということで、都民の方々に、より利用しやすい取り組みを進められています。
また、中国語や韓国語への対応についても取り組んでいると、これは期待をしているところもありますが、この質問を通して、下水道局では、近年多発する集中豪雨対策のために、この対策に取り組まれていることは十分わかったわけでありますが、今回の台風十九号では、私の地元である世田谷区でも浸水被害が発生しました。さらに都民の生命や財産を守るために、都民の一番身近である区との情報共有というものは非常に重要になってくると思います。
この災害時における連携が重要だというところに観点を置いて、下水道局として、地元区等とどのような連携を図っているかについてお伺いをしたいと思います。
○猪八重施設管理部長 下水道局では地元区などと連携し、浸水被害の軽減に向けて、地域の実情に応じたきめ細やかな対策を実施しております。
具体的には、地形や下水道管の雨水排除能力などを確認の上、雨水ますの増設やグレーチングぶたへの取りかえなどの取り組みを行っております。さらに、蛇崩川幹線を初めといたします幹線水位情報を地元区へ提供いたしますとともに、災害時の水防活動に活用できますよう、区市が作成する洪水ハザードマップのもととなる浸水予想区域図の見直しを河川管理者と連携して実施しております。
○山口委員 下水道局の皆様が、関係機関ときめ細かく情報交換を行いながら対応してくださっているということで、大変ありがたく思うところでもあります。
日本各地で大きな爪跡を残したこの台風十九号は、河川の上流で降った大雨が下流であふれていると認識しております。多くの河川の下流に位置する東京では、この災害で得た教訓を今後の災害対策に生かしていくことが重要だと考えています。
そこで、今回の台風十九号を踏まえて、下水道局として、今後どのように対応していくおつもりか、この時点でお伺いをしたいと思います。
○佐々木計画調整部長 下水道局では、台風十九号による被災から五日後の現在、区と連携し、被害の状況や原因について調査しているところでございます。
今後、この調査結果を踏まえまして、ハード対策、ソフト対策の両面において、河川管理者である国や建設局、水防管理者である地元区などと連携いたしまして、引き続き浸水対策の取り組みを推進してまいります。
○山口委員 繰り返しになりますが、浸水を初めとして東京はさまざまな自然災害のリスクを抱えているわけであります。都民の安全を守り、安心をして生活できるよう、下水道局においても、引き続き対策の推進をしていただきますよう強く要望いたしまして、私からの質問を終わります。
○伊藤委員長 ちょっと速記をとめてください。
〔速記中止〕
○伊藤委員長 それでは、速記を始めてください。
お願いします。
○上田委員 私の選挙区の江戸川区は、本年ハザードマップを刷新しまして、ここにいてはいけないということで全国的な話題となりまして、台風を迎えることとなりました。
十日、十一日は、ちょうど下水道局からの資料が届きまして、私もしっかりと質疑をつくりたいなと思っていたところでありましたけれども、冠水履歴がある地域を中心に、雨水溝、これが区道と都道とありまして、江戸川区の危機管理室と、そして五建に清掃の徹底のお願いをしたところであります。
おかげさまで、水の出る江戸川区におきましては、深刻な冠水もなく、滞りなく何とかその日を過ごすことができたのでございますが、当日の朝、午前中の十時には、避難勧告が新中川の西側に出ました。我々江戸川区は、カスリーン台風の記憶も生々しい自治体でございまして、このカスリーン台風の映像となりますと、必ず平井駅が出てくるものでございます。平井地区の皆様は、またこうした水害との闘いをずっと乗り越えてきた住民でもあります。
まずは、その周辺のポンプ所から質問を始めます。
下水道局は、旧中川の水質改善及び流域の雨水排除能力の増強を目的として、小松川第二ポンプ所と東大島幹線などの整備を進めており、完成時期は当初計画よりおくれております。東大島幹線の工事は、都営新宿線を建設した際の土どめが残され、それを撤去するため工事がおくれていると聞いておりますが、台風十五号、十九号が襲来した東部低地帯である地域の危機感はさらに高まっております。
恐れ入りますが、現時点の状況を報告ください。
○青木建設部長 小松川第二ポンプ所本体でございますが、現在、ニューマチックケーソン工法によりまして、沈下させた四つの地下構造体を連結する工事を鋭意施行中でございます。
大島ポンプ所などから下水を切りかえるための東大島幹線は、現在、都営新宿線の直下を通過する際の障害物撤去工事を実施中でございまして、引き続き、地下鉄への影響を抑制しながら慎重に工事を推進してございます。
○上田委員 旧中川はまた、先ほど来も大きな議論になっております合流下水ということで、においの問題もあるところでございます。
ことしの夏、お台場の水質悪化で、パラトライアスロンの問題、ここでも共有させていただいておりますけれども、近くの芝浦水再生センターの新主ポンプ棟建設の計画に対する進捗については、常に確認をさせていただきまして、工期が繰り延べになっている理由もよくわかっているところであります。
地下構造物の撤去費用はこれまで幾らかかっているのか、ご説明ください。
○青木建設部長 芝浦水再生センターの新主ポンプ棟は、旧汚泥処理工場跡地に、雨天時貯留池や放流ポンプ棟などの複数の施設をあわせて建設することにしてございます。これらの施設を建設するために支障となります旧汚泥処理工場の撤去工事を平成二十四年度より継続して実施してございます。
旧汚泥処理工場は、約二ヘクタールの敷地に、汚泥を処理するための構造物が点在してございまして、施設の建設に影響のある範囲には、深さ約十五メーターに達する基礎くいが約四千本ございまして、その撤去に時間と費用を要している状況にございます。平成三十年度末までに要した撤去費用は約五十八億五千万円でございます。
○上田委員 早急な建設という声がありますが、かなり難しいということがわかりました。
施設形状、施設配置、施工工法などの見直しを行い、今後はこれらの検討を踏まえられ、構造、工程など詳細な検討するとのことですが、それにつきましてのご報告をお願いいたします。
○青木建設部長 新主ポンプ棟の施設規模は極めて大きく、コスト縮減及び工期短縮をさらに図ることを目的といたしまして設計の見直しを行っているところでございます。
現在、引き続き、施設形状、施設配置、施工方法などの見直しを進めているところでございます。
○上田委員 残念ながら、パラトライアスロン中止という事案が発生してしまいましたが、百五十万立方メートル相当の貯留施設の整備を推進されていること、さらには大会の開催に向けて、組織委員会や関係各局が連携してさまざまな対策に取り組むこととしていることは、同僚委員の皆様のご答弁の中で私も重複するので確認をさせていただいたことでございます。
また、資料にもありますが、水質改善の取り組みについてですが、多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画においてご努力はいただいているんですけれども、まだ一部稼働、稼働中、施設改造中ですが、区部の水再生センター全体の計画処理能力は一日当たり六百三十四万立方メートルであり、令和元年度までに高度処理施設と準高度処理施設を合わせた一日当たりの処理能力は、その四八%に相当する三百六万立方メートルとなるとのことで、あわせてその効果もご説明いただければと思います。
○佐々木計画調整部長 準高度処理及び高度処理の効果についてでございますが、準高度処理、高度処理につきましては、東京湾の富栄養化対策として、赤潮発生要因の一つでございます窒素とリンの削減を図るものでございます。
大会の開催に向けては、お台場海浜公園の水質改善対策といたしまして、当局が実施いたします合流式下水道の改善のほか、組織委員会や関係各局が連携し、さまざまな対策に取り組むこととしております。
○上田委員 ちょっと重複した部分は飛ばさせていただいたんですけれども、いかがでしょうか。大丈夫ですか。
○佐々木計画調整部長 高度処理と準高度処理を合わせて三百六万立方メートルになるところの効果についてでございます。
東京湾への窒素及びリンの排出量のうち、他県が占める割合が六割以上でございまして、東京湾の水質改善につきましては、関係自治体と連携して進めているところでございます。
下水道局では、水再生センターから放流される下水処理水の水質をより一層改善し、東京湾の赤潮発生要因の一つでございます窒素とリンを従来の処理方法より多く削減する高度処理の導入を進めております。環境局の調査結果によりますと、東京湾の全窒素及び全リンは緩やかな減少傾向にあり、環境基準値を達成している年もございます。
今後とも、高度処理施設の導入を進めるとともに、関係自治体と連携いたしまして、東京湾の良好な水環境の創出に貢献してまいります。
○上田委員 今、本当に着手しております施設等々がフル稼働すれば、改善していくものということが確認できました。
都の将来人口推計では、二〇二五年にピークを迎え、その後減少に転じ、二〇六〇年には、ピーク時比較で二百万人減少すると公表しています。
下水道施設は、今後、高度処理が先ほどのように進んでいくと思いますけれども、人口減、つまり料金支払い者の減少と高度処理、処理施設の高額化と下水料金との関係の今後についてお考えをお聞かせください。
○久我総務部長 下水道局ではこれまで、下水道料金収入は小口化の進展により、長期的に逓減傾向にある一方で、維持管理費は、電気料金の上昇などにより増加傾向にある中、高度処理の導入を進めつつも、さまざまな企業努力によって、平成十年度の料金改定以来、現行の料金水準を維持してまいりました。
高度処理につきましては、既存施設の改造により導入が可能で、使用電力量を増加させずに水質改善ができる準高度処理や、これまでの高度処理と同等の水質を確保しつつ、電力を二割以上削減できる新たな高度処理技術の導入を設備更新に合わせて効率的に進めることで、建設費や維持管理費の増加を抑制し、事業を推進しております。
区部の人口は、二〇三〇年をピークに減少していくことが見込まれておりますが、引き続きコスト縮減を進める技術や工法の積極的な採用、資産の有効活用などの企業努力を行うことで、当面は現行の料金水準を維持できると考えてございます。
○上田委員 また災害の方に戻りたいと思います。
マンホールトイレです。資料によれば、微増した模様です。日本全国で、本当に今回の台風災害でお手洗いが大変だという声が全国各地で上がっております。
区における事情や意識の変化などありましたでしょうか、確認させてください。
○猪八重施設管理部長 下水道局では、避難所などの周辺において、し尿の収集運搬の必要のないタイプでございますマンホールトイレを設置できるマンホールを、区からの要請に基づき指定してございます。
指定に当たりましては、下水道管の耐震化が完了したところから、し尿が堆積しない程度の水量があり、また、道路交通や応急活動などの支障とならない場所を条件といたしております。
災害用トイレには、マンホールトイレのほか、便槽つきトイレ、簡易トイレ、携帯トイレなど、さまざまなタイプがございまして、各区では、東京都地域防災計画に基づき、地域の状況などに応じて必要な災害用トイレの確保に努めているところでございます。
今後とも、区と連携し、こうした取り組みを進めてまいります。
○上田委員 タワーマンション、武蔵小杉のような本当おしゃれなところでもあのようなことが起こるんだというふうに実感しております。港区、そして江東区等々タワーマンションが建っているところでございますので、ぜひそうした可能性の高い区とは連携を図って推進していただきたいと思います。
政策連携団体でありますが、東京都下水道サービス株式会社へ二百名を超える都職員が派遣されていますが、発注者と受注者の立場において問題が発生することがないか、確認させてください。
○久我総務部長 都職員は、下水道局との連携を保ちつつ、事業の公共性を確保するため派遣しており、主に東京都下水道サービス株式会社、通称TGSと呼んでおりますが、TGSの基幹的、中枢的な業務に従事させているほか、若手職員は現場での技術やノウハウを習得できる業務に従事しております。
発注者と受注者との立場において、下水道局及びTGSは、法令、規則等に従い適正に業務を運営しており、問題は発生してございません。
○上田委員 派遣でありますので、何年かで下水道局に戻る職員がいると思われます。戻った職員が職務上、発注者側の立場になる事例はあるのか、確認させてください。
○白川職員部長 下水道局に復帰した職員が発注者の立場になることはございますが、都職員の派遣につきましては、公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律及び公益的法人等への東京都職員の派遣等に関する条例等を踏まえまして適切に行っているところでございます。
○上田委員 水道局の事例がありまして確認をさせていただいております。
下水道局が発注者となりTGSが受注者となっている過去十年間の契約状況を一般競争入札、指名競争入札、随契につきご説明ください。
その中で特に、TGSの第三十五期報告書におけます二ページの主な事業にある、〔1〕から〔5〕に当たる各事業について、東京都下水道局が発注元となっている過去十年間の契約状況を具体的にご説明ください。
○久我総務部長 下水道局がTGSに委託している業務は、都の下水道事業の運営と密接な関係を有するとともに、多岐にわたる複雑で専門性の高い困難な作業を束ねて、総合的かつ一体的に実施していく必要があるものでございます。
こうした業務は、TGS以外では確実な実施が確保できないため、全て随意契約により締結してきたところでございます。
○上田委員 先ほどいいました、報告書におけます主な事業として、下水道用積算システムの運用、保守、設計書作成補助業務及び設計補助業務を行ったとしているんですけれども、下水道局以外に設計金額が漏れるリスク、もしくは設計金額が推計できてしまうリスクはないのでしょうか、確認させてください。
○青木建設部長 下水道用積算システムの運用、保守にかかわる業務及び設計書作成補助業務は、受託者でございます東京都下水道サービス株式会社に設計金額へのアクセス権限を与えていないなど、両業務とも当局職員以外に設計金額を知り得ない仕組みとなっております。
設計補助業務は、管路工事などの実施設計の設計監理業務を行うものでございまして、業務の中で設計金額を算出してございません。また、これら全ての業務では、仕様書におきまして秘密の保持や目的外使用の禁止など守秘義務を課すとともに、業務契約締結後、社内教育等について実施報告書を提出することとしてございます。
○上田委員 全て随契というところが気になるところでもあるんですけれども、TGSの株式を一八・五%持っている一般社団法人東京下水道設備協会の会員には、下水道局発注の事業を受注している業者が会員となっております。
コンプライアンス基本方針を踏まえて問題はないのか、所見を伺います。
○久我総務部長 下水道局は、法令、規則等に従いまして適切に契約手続などを行っておりまして、コンプライアンス上の問題はございません。
○上田委員 今後も、しっかりと監視が必要な形かなというふうに思います。
TGSにおけます現在の役員の前職等についてご説明をいただきたいと思います。
○久我総務部長 TGSの現役員の前職等について、常勤役員のうち、代表取締役は元下水道局長、二人おります専務取締役は、現下水道局理事と元下水道局経理部長でございます。
また、非常勤役員のうち、取締役副社長は、一般社団法人東京下水道設備協会の会長、取締役は、現下水道局流域下水道本部長、監査役は、株式会社みずほ銀行の公務部長でございます。
○上田委員 元下水道局長ということで知見はあるし、特別秘書がなるよりかはいいのかなとは思っておりますけれども、TGSの副社長は、株式会社明電舎の前の社長であり、現在は相談役です。東京都下水道局と発注者と受注者という関係があり、かつ下水道用積算システムの運用、保守、設計書作成補助業務及び設計補助業務を行っている状況は適切な関係といえるのか、ご所見を伺います。
○久我総務部長 TGSでは、役職や立場に関係なく、全員がコンプライアンスを踏まえ、役割を全うしていることに加えまして、一般社団法人東京下水道設備協会の会長である非常勤の取締役副社長は、個別委託業務の事案決定に関与することはないことから、問題はございません。
○上田委員 実際に、下水道局で不祥事等々が水道局ほど露見していないというところは評価できると思います。
TGSが都から受け取った配当金について、第一期からお示しください。
○久我総務部長 TGSが株主配当を開始したのは昭和六十二年の第四期からでありまして、東京都は、第四期から第三十五期まで総額九千万円の配当金を受け取ってございます。
なお、都が受け取った一期ごとの配当金額は、保有株式数に基づき二百五十万円でございますが、第二十期、二十六期、三十期、三十五期については、同社の創立記念特別配当を合わせまして五百万円の配当を受け取ってございます。
○上田委員 株主としてしっかり配当をいただいていることを確認させていただきました。
入札です。平成二十五年度からの資料をありがとうございました。力作だったと思います。
電気設備、機械設備等の工事において辞退者が多く見受けられます。辞退者が多い工事において、当該設備、施設の当初受注者及び過去十年間の受注業者が同一であるという点について少し違和感を覚えるものです。
辞退談合のようなものはないのか、見解を伺います。
○坂井経理部長 入札契約手続につきましては、関係法規に基づきまして適正に行っており、また、入札結果につきましては、当局における工事の特性によるものと考えてございます。
○上田委員 特殊な工事が多いということでありますけれども、資料を見ることで、皆さん、委員と共有できると思いますので、引き続き私も詳細にさせていただきたいと思います。
最後に、経営戦略と持続可能性です。
区部下水道事業の平成二十九年度決算におけます企業債の残高は約一兆四千二百五十三億円、企業債利息は二百四十六億円で、これは財政規模四千八百四億円の五%となっています。
下水道局では、将来的な財政負担を見据えて、企業債の発行及び償還の適切な管理を行うとともに、コスト縮減や資産の有効活用などの企業努力により財政基盤の強化を図り、下水道サービスの安定的な提供に努めているということですが、この夏発表された未来の東京への論点にも挙げられているように、二〇六〇年までの東京の人口は減るという推計があります。四十年はあっという間です。将来的に人口が減少する中、企業債の返還をどうするのか、所見を求めます。
○久我総務部長 下水道の建設は、短期間に集中的な投資を要し、その事業効果が長期にわたることから、建設費の財源に企業債を充当することにより、世代間の負担の公平を図ることが適当とされております。
区部の下水道は、汚水処理による生活環境の改善や公共用水域の水質改善など、都民の安全で快適な生活環境の確保に向けて高度経済成長期以降に集中して整備を進めてきておりまして、企業債残高のピークは平成十二年度末の約三兆円でございました。
その後、建設投資の重点化や企業債の発行及び償還の適切な管理によりまして、平成三十年度末で約一兆四千億円まで企業債残高を減少させてきたところでございます。
下水道サービスを安定的かつ継続的に提供していくためには、膨大な施設の適切な維持管理と計画的な更新のための建設投資が必要でありまして、今後も、世代間の負担の公平を図っていくために企業債を発行し、事業規模に応じた一定の企業債残高を管理していく必要がございます。
引き続き、将来的な人口減少や財政負担を見据えて不断の経営効率化に努め、強固な財政基盤を築いてまいります。
○上田委員 引き続きましての地方公営企業法第三条の経営理念、経済性、公共性の徹底をお願いいたします。
ご承知のように、地方公営企業である下水道局は、都市の動脈として水循環を支え、健康で文化的な都市生活や円滑な都市活動、公衆衛生を支えるため、区部においては、下水の処理及び雨水の排除など公共下水道事業を行うとともに、多摩地区では、市町村の公共下水道から流入する下水を処理する流域下水道事業を行ってきました。
台風ですけれども、あと一時間とどまったら、そして二瀬ダムが放流していたらばと、辛くも本当に事なきを得たところでございます。経済状況は厳しいことではございますけれども、やはり、これが百年、二百年と治水と闘ってきましたこの東京におきましては、やっぱり下水道局の排水機能というものの底力を見た、そして今後も不断の努力を続けていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後十時四十二分休憩
午後十時五十分開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言をお願いします。
○佐野委員 それでは、質問入る前に、私からも、先日の台風十九号で被害に遭われた皆様方に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
それでは、私からは、多摩地区選出の議員ということもありますので、多摩地域の下水道事業について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
改めて申すまでもありませんけれども、下水道事業は、市町村事務とされています。しかし、下水道施設は規模が大きく、供用開始まで多額の費用と長い年月を要するため、下水道が整備される前は、生活雑排水は農業用水路の方に流れ込み、多摩川は、洗剤の泡だらけになっていました。低地では大雨が降ると浸水被害が発生し、くみ取り式便所の汚物が流れ出ることもあったといいます。
地元小平でも、私は昭和三十一年生まれでございますけれども、小学生のころは、近くの多摩川の水が引かれた野火止用水は水も清く、アユも含む多摩川の魚がおり、トンボなどの水生生物が豊富で、豊かな自然がありました。しかし、昭和五十年代に入ると急速に宅地化が進み、汚水が垂れ流され、どぶ川と化しました。その状況を経験していますので、よくわかります。
また、今思い出しましたけれども、都内でも、このころ昭和三十年代、私は隅田川にですね、屋形船で下りまして、船から投網を投げると、ボラとかウグイの大きなマルタというのがとれまして、そこでそれをさばいて、てんぷらにして食べて、それで下流に下って、多分、有明か葛西の沖だと思うんですけれども、潮が引いたところを船からおりて、そこで潮干狩りをして帰るというような年代でございました。今からはちょっと考えられないような状況でございますけれども。
さて、それから半世紀がたち、本年五月に、流域下水道五十周年の式典、私も参加させていただきまして映像も拝見いたしましたけれども、都が流域下水道を整備し、これに市町村が公共下水道を接続して下水を広域的に収集、処理した結果、多摩川や柳瀬川など水質汚染は短期間で飛躍的に解消され、今ではアユが遡上し、水遊びを楽しむこともできるようになったことは感慨深いものがあります。野火止用水にも、高度処理された下水処理水による清流復活事業で魚がすみ、水鳥がやってくる自然が戻りつつあります。
そこで、多摩地域での流域下水道を導入した経緯と、その効果について改めてお聞きいたしたいと思います。
○小団扇技術部長 多摩地域では、高度経済成長期に入り、人口の増加や市街化が急激に進み、生活排水などによって河川の水質が悪化いたしました。一方で、財政事情などにより市町村による下水道整備はなかなか進まない状況でございました。
そこで、河川の水質保全を広域的かつ速やかに進めるため、都は、多摩地域での流域下水道の導入を決定いたしました。このことにより、都は、昭和四十四年から流域下水道幹線と処理場の整備に着手しております。
現在、多摩地域の下水道計画区域の約八割が流域下水道に接続されており、下水道普及率は九九%を超え、高度処理の導入効果もございまして、多摩川や柳瀬川の水質は大きく改善されております。
多摩川中流域の河川水質は、水の汚れを示す指標であるBODの値が最も汚れていた時期に比べて約九割減に当たる二ミリグラム・パー・リットル以下まで下がり、多くのアユの遡上が毎年確認されているところまでになっております。
○佐野委員 ご答弁にありましたように、都の流域下水道は、小平市を初め複数の公共下水道が集めた下水を受けて処理し、多摩川や柳瀬川の水質改善、確保に大きく貢献しています。
一方で、多摩地域には、八王子や、増田さんがいます立川市などのように、地形的には可能である流域下水道に接続をせず単独で下水を集めて処理している公共下水道もあります。両市ではいち早く下水処理場などの整備をしていることから、老朽化が著しい一方で敷地が狭く、施設の更新が難しいことから、流域下水道へつなげかえる取り組みを進めていると聞いています。
そこで、市単独の公共下水道を流域下水道へ編入する現在の取り組み状況をお聞きいたします。
○小団扇技術部長 八王子市単独処理区の流域下水道区域への編入につきましては、令和二年度の全量編入に向けて、八王子水再生センターで水処理施設などの増強を進めております。
また、立川市単独処理区の編入につきましては、令和五年度の編入に向けて、北多摩二号水再生センターで下水を受け入れるために必要なポンプ棟の建設工事などを進めております。
一方、八王子市、立川市でも接続幹線などの編入に必要な施設整備を進めているところでございます。
引き続き、関係市と連携して編入事業を着実に進めてまいります。
○佐野委員 編入の状況、わかりました。
次に、少し広い、大きな視点で見ますと、現在、多摩地域の下水道は、流域、公共とも普及拡張から維持管理の時代に移行しているといえます。このうち、施設の補修や再構築、流入水質の監視など、下水道事業の適切な運営は、都と市町村に共通した重要な課題となっているといえます。
このように、多摩地域では、流域下水道と公共下水道の組み合わせによって効果を発揮しておりまして、両者の連携が非常に重要といえると思います。
そこで、おのおの下水道事業を適切に運営するため、都と市町村はどのように連携しているのかをお聞きいたします。
○小団扇技術部長 委員ご指摘のとおり、多摩地域の下水道は、これまでも都と市町村とが連携することで効率的に事業を進めてまいりました。
市町村が管理する下水道管は、既に経過年数が三十年を超えるものが約五割を占め、今後、法定耐用年数五十年を超過するものが増加いたします。そのため、都が保有する更生工法などのノウハウを提供することなどの技術支援を行っております。
また、それぞれの市町村が水質監視の目的で実施してきた公共下水道の水質検査を、専門性を有する都が共同で実施することで水質監視を強化するとともに効率化につなげております。
こうしたことに加え、災害時、市町村が設置する避難所等から発生するし尿の搬入、受け入れの訓練などの取り組みを行っております。
○佐野委員 最後に、災害対応についてお聞きしたいと思います。
昨年は、大阪北部地震や北海道胆振東部地震等、自然災害による甚大な被害が日本各地で発生しました。つい先日の台風十九号による豪雨でも多くの河川が氾濫、浸水被害が発生いたしましたが、下水道局においても、今回明らかになった課題を十分検証して、雨水対策については、今後、対応について万全を期していただきたいと思います。
この豪雨災害以外として、東京においては、首都直下地震の発生が高い確率で想定されており、地震による被害は広範囲に及ぶことが多いため、通常の事業運営に加えて、特に地震災害対応に関しても都と市町村との強い連携が必要だと考えられます。
最後に、災害対応に向けた都と市町村の連携についてお聞きいたします。
○小団扇技術部長 都はこれまでにも、市町村職員を対象に、下水道管とマンホールの接続部の耐震化工法やマンホールの浮上抑制工法に関して、実物大の模型を用いて講習会を開催するなど耐震化に関する技術支援を行ってまいりました。
また、被災した市町村の下水道管などを速やかに応急措置するため、都及び市町村は、下水道のノウハウを持つ協力団体と災害時復旧支援に関する協定を締結し、これに基づく情報連絡訓練を毎年実施しているところでございます。
さらに、連携の強化策として、被災した施設を復旧する際に、国の補助にかかわる手続を迅速に行えるよう、支援体制の強化について検討を進めております。
さらに、これに加えまして、被災直後の混乱時には支援ニーズがわからないことが多いことから、被災した市町村の要請がなくても自主的に支援する、いわゆるプッシュ型支援による初動体制の整備も検討してまいります。
これらの取り組みを通じまして、都と市町村の危機管理体制を強化し、多摩地域の下水道の強靱化を図ってまいります。
○佐野委員 改めていうまでもなく、下水道は、都市の活動や都民の生活になくてはならない重要なインフラであります。質疑を通して都の流域下水道と市町村の公共下水道がそれぞれの役割を果たしていることにより、災害時を含み多摩地域の安全を守り、安心で快適な生活を支えることを確認いたしました。
また、先日の事業説明や五十周年の記念誌、ここにありますけれども、これによれば、都の流域下水道は、このほかにも、浸水対策や高度処理、清流復活、エネルギー・地球温暖化対策など多岐にわたる取り組みを推進しています。
一方で、連携する市町村の市長会からの要望には、下水道事業に対して負担金や経費などの財政負担の軽減、さらなる雨水対策や汚水噴出事故防止対策、単独処理区編入への支援などが挙げられています。加えて、三多摩上下水及び道路建設促進協議会、いわゆる三水協ですけれども、この中の地元の小平市の要望としても負担金の軽減等が要望に上がっています。
経営上の課題として挙げられている流域下水道事業の財政状況の変化と実態については、引き続き関係市町村に十分理解いただく努力を行っていただき、維持管理費のさらなる削減、省エネ型の導入、施設運転や保全の改善策のきめ細かな検証、改革に取り組んでいただくことをお願いいたします。
最後に、多様なサービスを展開しつつ経営計画二〇一六の目標達成に向けて、市町村とともに邁進されることをお願いいたしまして、質問を終わります。
○大松委員 まず、このたびの台風十九号によりましてお亡くなりになられた皆様方のご冥福をお祈り申し上げ、そして、全ての被災された皆様方にお見舞いを申し上げるものでございます。
私からは、浸水対策について質問をいたします。
下水道局では、経営計画二〇一六に基づきまして、二〇二〇年を目途に、五年計画で時間五十ミリや七十五ミリの施設整備を進めています。また、その間にも気候変動が進み、降雨量がふえていることから、東京都下水道局におきましては、既にこの経営計画に記載のある浸水対策から、さらに一歩踏み込んだ追加の対策も検討をしていると伺っているところでございます。
そうした追加の対策も含めて、区部の浸水対策の基本的な進め方について質問をする予定でございましたけれども、既に同様の質問、答弁をいただいておりますので省略をさせていただきたいと思います。
そして、東京都は、経営計画二〇一六を上回る七十五ミリの検討を追加的に進めていることでございますので、ぜひ力を入れていただきたいと思います。その上で、この整備の基本である時間五十ミリの対策地区の早期完成に向けて施策を進めていくことが重要と考えます。
そこで、対策促進地区や重点地区で進めている時間五十ミリ降雨対策の進捗状況について見解を求めます。
○青木建設部長 時間五十ミリの対策促進地区でございますが、都が平成十九年に策定をいたしました豪雨対策基本方針に基づき二十地区を位置づけまして、これまで北区堀船、東十条地区など十三地区で対策が完了しております。
重点地区につきましても、当局が平成二十五年に策定をいたしました経営計画二〇一三におきまして十五地区を位置づけ、これまで渋谷区恵比寿南地区など三地区で対策を完了してございます。
こうした浸水対策の推進によりまして、平成三十年度末で、区部面積の約七割で時間五十ミリ降雨への対策が完了してございます。
○大松委員 時間五十ミリの対応につきまして、平成三十年度末で区部面積の約七割で完了したとのことでございます。今後とも積極的に進めていただきたいと思います。
私の地元北区では、四地区でこの対策が進められておりますけれども、そのうち赤羽西、赤羽北地区は、赤羽の中心街の浸水被害を抑制する重要な工事でございます。住民の皆様方の要望は強く、私もこのシールドトンネルの工事現場を視察させていただきました。ぜひ早期の完成を目指していただきたいと思います。
赤羽西、赤羽北地区の浸水対策工事の進捗と見通しについて答弁を求めます。
○青木建設部長 浸水対策の重点地区でございます北区赤羽西、赤羽北地区では、赤羽一丁目等の浸水被害を抑制するため、浅く埋設された幹線でございます赤羽北幹線、赤羽西幹線の能力を補う新たな下水道管の整備を進めてございます。
赤羽北幹線の能力を補う延長約一・九キロメートル、直径二・四メートルの下水道管は、既に完成をしてございます。赤羽西幹線の能力を補う延長約四キロメートル、直径最大四・七五メートルの下水道管は、現在、下水道管を構築するためのシールドマシンの製作等を実施しているところでございます。
今後は引き続き、シールド工法によります下水道管の新設や、新河岸川に雨水を放流するためのはけ口の工事等を実施する予定でございます。はけ口が交通量が多い国道一二二号線に位置してございまして、埋設物への対応や作業時間の制限等によりまして、完成までに、おおむね八年程度を要する見込みでございます。
○大松委員 次に、十条台地区でありますけれども、平成二十二年に浸水被害が発生をしたところでございまして、既設の下水道幹線の能力を向上させる新たな管の建設工事が進められているところでございます。
この当該地区の浸水対策の工事の進捗について伺います。
○青木建設部長 北区十条台地区では、理事ご指摘のとおり、浅く埋設された既設下水道幹線に多くの雨水が流入をいたしまして浸水被害が発生しましたことから、既設下水道幹線の能力を補うための新たな下水道管の整備を進めております。
具体的には、北区立十条公園を作業基地といたしまして、延長約一・八キロメートル、直径最大二メートルの下水道管をシールド工法等により整備する計画となっております。下水道管の工事はおおむね完了いたしまして、現在は、本郷通りにおきまして既設の下水道管から雨水を取水するため、マンホールの設置工事を施行中でございます。
今後は、石神井川へ雨水を放流するための、はけ口の工事等を予定してございまして、対策完了まで、おおむね三年程度を要す見込みでございます。
○大松委員 赤羽、十条、完成までにそれぞれ八年、そして三年と、時間がかかるとのことでございますけれども、住民の皆様方は、一日も早く、浸水のない安心・安全のまちづくりを願っていらっしゃるわけでございます。
そこで、早期に浸水被害の軽減など、整備効果を発揮させる工夫も必要だと考えますが、北区における下水道局の取り組みについて見解を求めます。
○青木建設部長 浸水対策には、新たな下水道幹線や貯留施設等の整備が必要でございますが、密集した市街地の中で埋設物が複雑に入り組んだ地下での大規模な工事となることから、完成までに相当の時間を要しております。こうしたことから、早期の効果発現を図るため、施設全体が完成する前に、一部完成した施設を暫定的な貯留施設として活用するなどの工夫を実施しているところでございます。
北区十条台地区におきましては、直径最大二メートルの下水道管を整備中でございますが、この管に接続する上流部の下水道管を先行的に整備をし、暫定的に雨水を貯留する管として平成三十年から活用しております。
北区赤羽北地区におきましては、完成した延長約一・九キロメートル、直径二・四メートルの下水道管を暫定的な貯留施設として平成三十年から利用しております。
北区堀船、東十条地区におきましても、完成した延長約三・一キロメートル、直径最大二・六メートルの下水道管を暫定的な貯留施設といたしまして、平成二十六年から活用することで浸水被害の軽減に努めているところでございます。
○大松委員 最後に、北区滝野川地区についてでありますけれども、この地区は、石神井川にかかる観音橋付近で平成二十二年に内水氾濫で床上浸水が発生したところでございます。
また、同じ日にその下流の溝田橋付近では川が溢水をして、住民の皆様方にとりましては非常に印象強く記憶に残っているところでございまして、台風十九号が上陸をいたしました十二日の夜、この地域の方が避難をされていらっしゃいます避難所に、私もお邪魔をいたしまして懇談もさせていただきました。
その際に、この住民の皆様方からは、やっぱり平成二十二年のときの内水氾濫のことが話題になりまして、水が上がってくると早いねと。ぜひ対策の工事を一日も早く進めていただきたいと、こんな声も伺ってきたところでございます。安心・安全のまちづくりのために、この滝野川地区の工事の早期完成を求めさせていただきたいと思います。
この浸水対策工事の進捗状況について答弁を求めます。
○青木建設部長 北区滝野川地区では、既設の下水道管の排水能力を補完するため、シールド工法等によりまして主要枝線等を新設する計画としております。
現在、シールド工事の発進立て坑用地といたしまして北区より借用いたしました公園におきまして、石神井川の旧護岸と想定されます自然石やコンクリート塊が多数確認されたことから、これらの支障物を撤去するために多大な時間を要しているところでございます。
さらに、今後施工予定の国道一七号線の横断部におきまして、過去の工事で残されました土どめぐいなどの支障物が多数確認されておりまして、その撤去にも時間を要する見込みでございます。
○大松委員 国道一七号に支障物が、シールドの計画線上に出現しているとのことでございます。
国道一七号は、交通量も大変多いところでございますし、地下には重要なライフラインもあると伺っております。また、都営地下鉄三田線も走っておりますので、大変難しい工事になるということは素人目にもわかるわけでございます。
そこで、現在、その直面している支障物について、今後の対応、予定について見解を求めます。
○青木建設部長 支障物でございますが、昼夜を問わず交通量が多い国道一七号線の車道部に確認されてございまして、詳細な調査や撤去に必要な作業時間は、夜間の短時間に限られるものと想定をしております。今後は、交通管理者や道路管理者と協議を行いながら、近接する都営三田線への影響がないよう安全に十分配慮しながら支障物を撤去する予定でございます。
このように、国道部のシールド工事の実施までに時間を要する見込みでございますが、一日も早い浸水対策の完了に向けまして、鋭意工事を推進してまいります。
○大松委員 下水道管の整備の工事には大変ご苦労が多いことと思います。しかしながら、完成すれば住民の皆様方は安心をして、また、喜びの笑顔も広がってくるわけでございます。
一日も早く住民の切実な要望がかないますように、早期の完成を目指して頑張っていただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。
○鈴木委員 時間も大変経過いたしまして、私もさせていただきたい質問あったんですけれども、もう時間の関係で四点だけに絞らせて質問させていただきます。
この台風十九号に関しては触れなければならないことであるというふうにも思っているわけですけれども、今回の台風十九号によって、今現在まだ避難を余儀なくされている、また停電や断水、ライフラインの影響によって、本当に今生活が滞っている方が大変多い状況であるわけでございまして、一日も早い被災地の復旧、復興に向けて取り組んでいかなくてはならないわけですけれども、下水道局としても、今後、支援のために派遣をされる方もあるのではないかなというふうにも思っております。
また、都内においても、多摩地域を中心として、大変、都道の崩落とか住民の孤立や住宅の浸水など大きな被害が発生したわけですけれども、しかしながら、これまでの下水道局さんの取り組み、排水機能の拡充によって、本当に大きな被害が本当に削減されたのではないかなということで、これまでの取り組みに心から敬意を表する次第でございます。
大田区でも、ご承知のように五千戸以上の家屋が床上、床下浸水の被害に遭いまして、お隣の世田谷区でも同様な被害が起きているわけでございますけれども、この部分においても、一日も早い生活再建に向けて、本当に区市町村と連携をしてご尽力をいただきたいというふうに思います。
東京都の下水道事業のすばらしさというのは、きょうの質疑でもさまざま述べられておりましたけれども、そもそも汚水が原因でコレラなどの伝染病がはやった、それで明治十七年、神田下水がつくられて、そしてその後、日本最初の水再生センターが、この三河島水再生センターができて取り組んでこられているわけでございます。また、戦後、産業が発達して人口の都市化などによって本当に工場もふえて、下水道は、川や海の汚れを防ぐという役割をなすようになったわけでございます。
一九六一年、昭和三十六年には、隅田川の汚れがひどくなって隅田川の花火大会が中止された。そのときはまだ二十三区の下水道の普及率は二二%だったというふうにいわれております。その後、昭和五十三年、約十七年ぐらいたって隅田川がきれいになったことによって花火大会が再開された。そのときの普及率は七〇%といわれております。
一九八四年、昭和五十九年の野火止用水の復活、これ多摩川上流水再生センターの高度処理が成ったわけでございますけれども、このとき新宿副都心の水リサイクルセンターの運転も始まり、一九八六年においては、日本で初めて下水道管内に設置された光ファイバーの運用も始まり、一九九五年になって、二十三区においては普及率が一〇〇%に至った、そういった取り組みが続いてきているわけですけれども、こうしたことによって、東京の衛生面は本当に格段に改善されまして、その影響によって、都市ランキングでも今この東京は高い評価をいただいているんだというふうに私は思っております。
しかしながら、下水道事業というのは、都民生活と首都東京の都市活動を支える基本インフラとして早期の普及というのに注力をしてきた関係で、まだまだ課題があるわけでございます。そしてまた、現在、下水道システムの再構築を含め利用者の減少など、持続可能な事業における議論がされている中で、経営主体のあり方も含めて、さまざま今、取り組みが始まっているわけでございます。
先ほど川松議員が、下水道局というのは、どちらかというと余り光が当たっていなかったというふうにいわれたわけでありますけれども、私は、下水道局の皆さんの取り組みというのは、例えば、アースプラン二〇一七のCO2の削減の拡充とか、また、スマートプラン二〇一四の再生可能エネルギーの拡大など、本当にこれは注目すべき取り組みをされているわけであります。
だからこそ、私は、下水道局の皆さんが本当にこれからもこの東京を支える大事な柱としてしっかりと経営をしていただきたいという観点で、コンプライアンスについて、四点質問をさせていただきたいというふうに思います。
ご承知のように、TGSを初めとする政策連携団体は、都庁グループの一員として都の政策実現に向けて重要な一役を担って、また、適切な活用が求められているわけであります。そしてまた、議会においても団体の状況などについて適宜チェックして、経営の健全性を確保していくことが必要だと多くの指摘をされているわけです。
昨年、水道局の政策連携団体であるTSSにおいて特別監察で、協力会社との不適切な関係や業務委託の不適正な処理等が指摘されたわけでありますけれども、こうしたことが下水道局にあっては、ないということで、これからもぜひしっかりと取り組んでいただきたいなというふうに思います。
そこで、TGSとの連携において、この内部統制については今現在どのようになっているのか、改めてお伺いをいたします。
○久我総務部長 下水道局の政策連携団体でありますTGSの内部統制でございますが、平成十八年度に専務取締役を委員長とする社内コンプライアンス委員会を設置するとともに、平成二十年には、内部統制システムを整備し、適切な運用がなされております。
具体的には、社員が行うべきコンプライアンス基本方針に基づきまして、コンプライアンス意識向上推進計画を作成し、各種研修などを実施してございます。さらに、今年度から、社内コンプライアンス委員会に外部委員として弁護士を委嘱し、外部目線によるチェックを行うなど、より適切な運用がなされるように体制を強化したところでございます。
○鈴木委員 TGSの内部統制が、社内コンプライアンス委員会を設置して、今現在適切に運用されているという話なわけですけれども、この内部統制、いわゆる経営管理の中で、やはりよくいわれるように、社員の法令遵守の徹底のための研修の充実や、まあ複数でですね、不適切な対応がないようなローテーションを組んでいくような体制の見直しや、また、内部告発も含めたそういった制度をしっかりと整備する。さらに、特定事業者とのつながりを見直して、事業者の育成も含めた取り組みが求められるわけでありまして、TGSのコンプライアンスのさらなる強化に向けて、本当に、団体の取り組みだけでなく団体を所管する局としても指導監督というものも重要になってくるわけであります。
下水道事業の運営体制についてお伺いをさせていただきたいんですけれども、下水道は、都民生活や首都東京の都市活動を支える必要不可欠なインフラであり、TGSは下水道局とともに長年にわたって支えてきたわけでありますけれども、この大規模なシステムを確実に運営していくための揺るぎない体制の構築が求められるわけです。
この運営体制のしっかりした構築に向けてどのような取り組みをされているのか、お伺いをいたします。
○久我総務部長 下水道局では、下水道事業を将来にわたり安定的に運営し、お客様である都民の皆様に最少の経費で最良の下水道サービスを提供していくことを基本方針としております。これに基づき、事業実施に責任を持つ下水道局を中心として、下水道局と政策連携団体であるTGS、民間事業者の三者がそれぞれの特性を生かした役割分担のもと協働し、連携を一層強化することを事業運営体制の基本的な考え方としているところでございます。
特に下水道局とTGSとは、一つのグループとして一体的に事業運営を行っており、下水道局は、経営計画の策定などの根幹業務を担い、TGSは、下水道施設の維持管理業務など専門的技術を生かしつつ、下水道局と密接に連携して行う必要のある業務を担ってございます。
○鈴木委員 下水道事業というのは、高度な技術を要する中で、TGSと民間事業者が三者でそれぞれの特性を生かして役割分担のもとに協働して連携を一層強化する、そういう運営体制が基本だという話だったわけですけれども、水再生センターなどの大規模処理施設は、高度な技術を保有する事業者というのもなかなか少ない。そしてまた、最近では、標準活性汚泥法だけではなくて高度処理ということで、窒素やリンを取り除く高度処理機能なども採用されている中で、ますます事業者というものとの取り組みというのが本当に求められ、大切になってくるんだというふうにも思っております。
そこで、この管理の技術の採用やメンテナンスの一体化など、技術の導入とかそうした管理の効率も必要なんですけれども、そこにしっかりとした客観的な視点がこれからなくてはならないということが今いえるわけであります。
事業運営の中心となる下水道局が、長年にわたって期間を定めて経営計画を策定して、その計画と事業の実施状況を議会に明らかにしながら、着実に事業運営を行ってきたわけでありますけれども、この目標管理の徹底と成果重視、そこにこれからは信頼性の確保というものが重要になってくるということを、その部分にしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
そして、さらにこの下水道局とTGSの施設を一体的に管理して事業を運営することで、下水にかかわる高度な技術力や人材を保持してきたからこそ、私は先ほど述べさせていただいたような東京の下水道サービスが安定的かつ効率的に提供されてきたというふうにも思っております。
今後、一体的に事業運営を行っていくわけですけれども、TGSの活用について、改めてお伺いをいたします。
○久我総務部長 東京の下水道は、トイレの水洗化や河川等の水質を向上させるため、昭和三十年代から本格的に下水道整備を進めてきました。昭和五十八年度末には普及率が八〇%に達し、増大する下水道施設の維持管理業務の効率的な執行を図ることが、下水道局の大きな課題となりました。
そこで、局組織の肥大化を防ぎ、きめ細かな都民サービスを維持することを目的として、局事業を補完、代行するためにTGSを昭和五十九年度に設立いたしました。
現在、下水道管の維持管理業務や汚泥処理施設の運転管理業務など、多岐にわたる複雑で専門性の高い困難な作業を束ねて、総合的かつ一体的に実施していく必要のある業務を委託しております。
TGSは、これらの業務を確実に行い、その役割を十全に果たしているとともに、人材育成と技術継承の観点からも下水道局と連携して取り組んでおります。
○鈴木委員 TGSを活用しながら業務を行っていく中で、今、下水道局の全体の事業費の約三千億円のうち一割弱というのがTGSへの委託、八割強というのが民間事業者への委託工事発注であるわけですけれども、この八割強の民間事業の中で、先ほども話をさせていただいたように、なかなか全ての事業において、今、下水道事業に求められる技術を有している企業ばかりではないという状況の中で、これからは、TGSの人材育成と技術継承とともに民間事業者の活用の環境整備というものもしっかりとしていくことが大切ではないかなというふうに思います。
また、TGSを効果的に活用して一体的な事業運営を円滑に行っていくわけでありますけれども、今日求められているような下水道事業における施設運営の手法の検討も今始まっている状況の中で、しっかりとこうしたことも踏まえて取り組んでいただきたいなというふうに思います。
最後になるんですけれども、これからコンセッション方式とか施設運営手法の検討について、経済性だけでなく安定的なサービスの提供という観点も重視していくということであるわけですけれども、重要なのは公共性であり、都民生活への影響などを十分に考慮することだというふうに思います。
先日の台風十九号の、全国各地で浸水被害が発生する大きな被害をもたらしたわけですけれども、このような大きな被害の対応も、まさに行政の役割が求められております。
今後とも首都東京の重要なインフラである下水道を管理する下水道局として、その責務を強く認識して適切に対応してもらいたいというふうに思います。
東京の下水道においては、豪雨災害や震災対策、更新期を迎えた膨大な施設の再構築など、さまざまな課題に直面しているわけでありまして、そうした中においても、コンプライアンスの確保等しっかりとした経営が求められるわけであります。引き続き下水道局が中心となって、冒頭お話をさせていただいたような世界一の東京を目指して下水道事業を運営していただきたいというふうに思います。
そこで、最後に、今後の事業運営に向けた局長の決意をお伺いして、私の質問を終わります。
○和賀井下水道局長 東京の下水道は、お話のように百三十年以上前から、市民を伝染病から守るという公衆衛生の確保と低地での浸水対策という観点から整備が進められ、その後、公共用水域の水質保全、特に近年は都市型の浸水対策等さまざまな機能を担っております。
さきの台風十九号の大雨により、現在も調査中でございますけれども、都内でも、多摩川流域の世田谷区、大田区で、河川の溢水や市街地に降った雨の一部が下水管により排除できなかったことなどによりまして浸水被害が発生しております。
私も、一昨日、現場を確認してまいりました。道路脇に水につかった家財道具が山積みになっているなど、住民の方々が作業に追われており、改めて浸水被害が都民の生命と財産を脅かす深刻な災害であることを痛感したところでございます。
今後とも、これら公衆衛生、水質保全、そして浸水対策といった公が担うべき役割をしっかりと果たすとともに、引き続きコンプライアンスに十分留意しつつ、今後確実に到来いたします施設の老朽化、人口減少等を踏まえまして、政策連携団体であるTGSとの役割分担を含め、あるべき運営手法の検討を進めてまいります。
下水道は、都民の生命と財産を守る上で欠かせない重要な都市基盤の一つであることを肝に銘じ、持続可能な下水道サービスの提供に向け、職員一丸となって取り組んでまいります。
○河野委員 時間に限りがありますので、コンパクトに質問したいと思います。若干質問の項目が省かれるものがありますが、ご答弁の方もよろしくご協力をお願いいたします。
最初に、質問に入る前に消費税について述べます。
十月一日に消費税率が一〇%に引き上げられ、下水道料金は、消費税転嫁によって都民負担が三十二億円もふえました。生活や営業が厳しい都民生活を守る立場にないこの消費税転嫁、都民に冷たい姿勢であることを厳しく指摘しておきたいと思います。
質問に入ります。最初に、下水道局の職員の方々の労働組合事務所について伺います。
下水道局の事業は、地方公営企業法に基づいて、公共の福祉の増進に努めるとの本来の目的があり、職員もその実現に努めなければならない大事な役割を担っています。働く人、労働者には、憲法二十八条で、団結権、団体交渉権、団体行動権、いわゆる労働三権が保障され、労働組合法などの大事な法律が定められています。
下水道職員は、地方公営企業等の労働関係に関する法律によって労働組合を結成しています。下水道局は、労働組合との関係についてどのようなお考えをお持ちかお聞きしておきます。
○白川職員部長 公営企業局の労働組合は、地方公営企業等の労働関係に関する法律の規定に基づきまして、労働条件の維持改善等を目的に職員が結成した団体でございます。
局と労働組合は、適法な交渉を通じまして適切な労使関係を維持することで、業務遂行全般に対して職員の理解と協力を得ることにつながり、ひいては下水道事業の円滑な運営に資するものと認識しております。
○河野委員 地方公営企業は、公共の福祉の増進をするとの役割を担っていますが、適切な労使関係、ご答弁にありましたが、それによってその役割が果たせる事業運営に欠かせない関係にあると思います。
ところで、労働組合は活動の拠点として、局庁舎内で組合事務所を使用していますが、下水道局は、組合事務所についてはどういう見解をお持ちでしょうか。
○坂井経理部長 労働組合法では、労働組合に対する最小限の事務所の無償供与が認められてございます。
このため、下水道局では、毎年度、労働組合からの事務所の使用申請に対しまして、労働組合の活動上、やむを得ないと認められる必要最小限であり、かつ当局事業執行及び財産管理に支障がない範囲で事務所の使用を許可するとともに使用料を免除してございます。
○河野委員 労働組合は、労働条件の維持向上を初め働く人の権利を守る活動をしていると同時に、自治体や公営企業の職員について考えた場合、行政サービスを住民要望に基づいて、より質の高いものにし、生活向上に貢献しているといえます。組合事務所の供与は法律によって認められています。下水道局としても適切な労使関係のもとで住民サービスの向上に努めていただくように、この機会に要望しておきます。
次に、浸水対策について伺います。
東部低地帯にある江戸川区は、豪雨による浸水被害の不安が深刻な地域です。下水道局は、江戸川区については降雨量五十ミリ対策の地域としています。
本日提出をお願いいたしました委員会資料二ページに書いてあるんですが、過去十年の区部の浸水被害の状況、これを見ますと、東部低地帯の墨田区で浸水被害、十年間で計十一棟、江東区は計九棟、足立区は計四十七棟、葛飾区は十九棟ですが、比べて江戸川区は計百四十棟と浸水被害の棟数は突出しています。だから、台風十九号のときは、江戸川区が発表した数字でありますが、避難者数が三万四千六百四十九人に及び浸水被害への不安の大きさを示しました。
こうしたもとで私は、地域特性に対応した下水道局の浸水被害防止対策が求められていると常々痛感しています。
下水道局は、さきに述べたように、江戸川区を五十ミリ対策地域として取り組みを進めていますが、具体的に、江戸川区における下水道局の取り組みはどのようなものかをお伺いしたいと思います。
○佐々木計画調整部長 下水道局では、区部全域において一時間五十ミリの降雨に対応するための施設整備を行うことを基本とし、地域特性を踏まえた浸水対策を進めておりまして、江戸川区におきましては、小松川地区を対策促進地区の一つに位置づけ、東大島幹線や小松川第二ポンプ所などの整備を推進しているところでございます。
東大島幹線は、直径最大六メートル、延長約四キロメートルの大規模な下水道管でありまして、小松川第二ポンプ所は、東大島幹線などで集めた雨水を速やかに荒川に放流する雨水ポンプ所でございます。
また、江戸川区の北葛西、西葛西地区におきましては、区と連携した雨水ますの増設やグレーチングぶたへの取りかえ、バイパス管の設置など、現場状況に応じたきめ細やかな対策を講じ、平成二十九年度に完了しているところでございます。
○河野委員 東京の下水道が合流式下水道であるために、豪雨のとき、例えば、江戸川区と墨田区、江東区の間を流れる旧中川の水が豪雨のときに茶色に汚濁し、においも放っています。地域住民は長年強く改善を求めています。以前にも質問したことがありますが、合流式下水道によって起きている地域への負担を軽減していく上で、小松川第二ポンプ所の完成が待たれています。ポンプ所や雨水をためる貯留池の増強は、浸水被害を減らしていく上で効果がある取り組みといえます。
そこでお伺いします。
小松川第二ポンプ所の計画排水能力と、ポンプ所内に整備される雨水をためる貯留池の容量などについてお示しください。
○青木建設部長 小松川第二ポンプ所は、口径約一・五メートルから二・二メートルの雨水ポンプ八台を整備する計画で、計画排水量は、二十五メートルプールを約五秒で排水する能力に相当いたします毎秒約六十八立方メートルでございます。
また、ポンプ所内に整備する雨水をためる貯留池は、合流式下水道の改善対策といたしまして、降雨初期の特に汚れた下水を貯留することを目的に、容量七千立方メートルを整備するものでございます。
○河野委員 小松川第二ポンプ所の完成、待たれているんですが、この建設工事の進捗状況については、先ほども質問がありました。できればこの機会に、簡潔にで結構ですから、もう一度ここは確認しておきたいと思うんですが、ご答弁お願いできますか。
○青木建設部長 ポンプ所本体でございますが、現在、ニューマチックケーソン工法によりまして沈下させました四つの地下構造体を連結する工事を施行中でございます。
大島ポンプ所から下水を切りかえるための東大島幹線は、現在、都営新宿線の直下を通過する際の障害物の撤去工事を施行中でございます。
幹線工事のおくれによりまして、ポンプ所の稼働時期は、当初計画よりおくれる見込みでございますが、引き続き地下鉄への影響を抑制しながら慎重に工事を推進いたします。
○河野委員 わかりました。
次に、下水道工事現場の安全確保について質問します。
ことしの二月末に、三河島水再生センターで労働者災害を伴う事故が起きました。事故直後、下水道局にどのような状況のもとで起きた事故かなど説明をお願いしましたが、労働基準監督署や警察などの調査が進められている段階なので詳しいことはわからないとのことでした。
事故発生から七カ月が過ぎています。事故の当日の状況など現時点で説明できることをお聞きしておきます。
○青木建設部長 平成三十一年二月二十八日十四時ごろ、三河島水再生センターの送水管施設工事におきまして、マンホール内の足場解体作業中、使用しておりました鉄製のパイプをクレーンでつり上げましたところ、これが落下し、その影響でマンホールの中の作業員が十六メートルの高さから墜落をし、負傷したものでございます。
負傷しました作業員は、同日十五時半ごろ救急搬送されまして、同年三月四日六時半ごろ、残念ながら死亡が確認されたというものでございます。
○河野委員 作業員の方が本当に事故の数日後に死亡されているので、残念で痛ましい事故だと思います。
この事故がなぜ起きたのか、下水道局は調査分析、行われたでしょうか。
○青木建設部長 事故発生後、技監を議長といたします下水道局事故予防対策会議から、直ちに緊急安全大会の開催と、現場特性を踏まえました安全管理の徹底を文書により局内に周知をしたところでございます。
さらに、当該部署におきまして、事故調査委員会を設置し、事故の原因究明と再発防止策の検討を行っております。
現在におきましても、警察及び労働基準監督署の調査が継続してございまして、詳細にはお答えできませんが、当局が受注者等にヒアリングした中では、死亡した作業員は、事故時に安全帯を使用していなかったことを確認しております。
○河野委員 安全帯は使用していなかった、このことだけでも引き続き調査が必要であり、安全な労働環境を整える責任が下水道局にあると思います。
働く人の命を守る上で未然に事故を防ぐ対策が重要であります。下水道局は、これまでも工事の安全に努力されてきたとは思いますが、この事故の後、事故防止、安全対策についての取り組みはどのように強められたか、お伺いをいたします。
○青木建設部長 下水道局では、局職員の安全に関する知識や意識の向上を図るため、各部署に事故予防担当者を置きまして担当者会を開催し、情報の共有や安全対策の検討を行っております。また、受注者や職員を対象としました安全管理者講習会を実施し、局からの事故予防対策の周知のみならず、受注者から冷やりとした経験などを話してもらうことで、より現場に即した安全管理の充実に努めております。
さらに、受注者に対しましては、工事着手前に、個々の現場のリスクを踏まえました施工計画書の作成や定期的な安全パトロールの実施によりまして、安全指導を行っているところでございます。
パトロールにおきましては、当該部署以外の本庁管理職や他事務所の職員によりますクロスチェックパトロールの実施により、異なる目線による見落としの防止についても実施をしているところでございます。
○河野委員 ぜひ安全な労働環境づくりをお願いしたいと思います。
ところで、三河島水再生センターの工事現場で労働災害に遭った労働者は、外国人技能実習生とのことでした。下水道局は、多くの工事を発注していますが、この工事のほかにも、外国人技能実習生が従事している工事現場があると思うんです。
下水道局発注の工事件数、外国人労働者の従事している工事件数などはどのような状況になっているか、お示しください。
○青木建設部長 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律では、公共工事の受注者は、施工体制台帳の写しを発注者に提出することになってございまして、この中に、外国人技能実習生の従事状況の有無が記載されております。
この施工体制台帳により確認した外国人技能実習生が従事する工事件数でございますが、令和元年九月末時点で施行中の工事千四百五十五件のうち三百二十三件でございます。
○河野委員 直近の数字を示していただいたと思います。その結果では、二〇%を超える工事現場で技能実習生が従事していることがわかりました。
三河島水再生センターの工事で亡くなった方は、若い技能実習生だったと聞きました。昨年末、出入国管理法が改正になり、今後、海外からの技能実習生がふえていくことが予測されます。
全ての労働者が安全に働くことができる環境、条件づくりに向けて工事発注者である下水道局がしっかりとした対策を検討していく必要があると考えます。その意見を表明し、質問を終わります。
以上です。
○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で下水道局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後十一時五十分散会
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