委員長 | 川松真一朗君 |
副委員長 | 村松 一希君 |
副委員長 | 中村ひろし君 |
理事 | 加藤 雅之君 |
理事 | 保坂まさひろ君 |
理事 | 河野ゆりえ君 |
成清梨沙子君 | |
鈴木 邦和君 | |
上田 令子君 | |
舟坂ちかお君 | |
斉藤まりこ君 | |
菅原 直志君 | |
長橋 桂一君 | |
宇田川聡史君 |
欠席委員 なし
出席説明員水道局 | 局長 | 中嶋 正宏君 |
技監 | 相場 淳司君 | |
理事総務部長事務取扱 | 岡安 雅人君 | |
職員部長 | 木村 健治君 | |
経理部長 | 金子 弘文君 | |
サービス推進部長 | 小平 基晴君 | |
浄水部長特命担当部長兼務 | 尾根田 勝君 | |
給水部長 | 本荘谷勇一君 | |
建設部長 | 田中 慎一君 | |
経営改革推進担当部長 | 石井 英男君 | |
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 清水 英彦君 | |
設備担当部長 | 横谷 守君 | |
多摩水道改革推進本部 | 本部長 | 鈴木 勝君 |
調整部長 | 小山 伸樹君 | |
施設部長 | 今井 滋君 | |
技術調整担当部長 | 藤村 和彦君 | |
下水道局 | 局長 | 和賀井克夫君 |
技監 | 神山 守君 | |
総務部長 | 久我 英男君 | |
職員部長 | 白川 敦君 | |
経理部長 | 坂井 吉憲君 | |
計画調整部長 | 佐々木 健君 | |
施設管理部長 | 猪八重 勇君 | |
建設部長 | 青木 秀幸君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 鈴木 豊君 | |
技術開発担当部長 | 袰岩 滋之君 | |
施設管理担当部長 | 廣木 健司君 | |
流域下水道本部 | 本部長 | 矢岡 俊樹君 |
管理部長 | 神山 智行君 | |
技術部長 | 小団扇 浩君 |
本日の会議に付した事件
下水道局関係
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
水道局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七十二号議案 東京都給水条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京水道サービス株式会社に対する特別監察結果改善報告書について
○川松委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局関係の付託議案の審査並びに下水道局及び水道局関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより下水道局関係に入ります。
報告事項、私債権の放棄についてに対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川松委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川松委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で下水道局関係を終わります。
○川松委員長 これより水道局関係に入ります。
初めに、付託議案の審査を行います。
第百七十二号議案を議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○岡安理事 さきの委員会におきまして要求のございました資料を取りまとめ、お手元に配布してございます。その概要につきましてご説明申し上げます。
東京都給水条例の一部を改正する条例に関する要求資料が資料1となってございます。東京水道サービス株式会社に対する特別監察結果改善報告書に関する要求資料が資料2となってございます。
では、東京都給水条例の一部を改正する条例につきましてご説明申し上げます。
要求資料は一件でございます。
資料1の表紙をおめくりください。都指定給水装置工事事業者の新規申請者数及び事業者証交付件数の状況でございます。
平成二十六年度から三十年度までの新規申請者数及び事業者証交付件数をお示ししてございます。
以上、大変簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○川松委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○菅原委員 委員長のお許しをいただきましたので、質疑を進めさせていただきます。
今回、条例改正の提案がされております給水条例の一部を改正する条例は、水道法の改正に伴い、東京都の指定給水装置工事事業者の指定の更新、これに関する規定を設けるものだということで認識しております。
水道法の改正というのは、今まで行われてきた指定給水装置の工事事業者制度、これが制度疲労を起こしているという指摘を受けて改正されたものと伺いました。
平成八年の法改正では、全国一律の指定基準が設定されて、広く門戸が開かれました。そのため、事業者数が大幅に増加をしました。そのために指定事業者の増加をしたけれども、休止や、または廃止、この実態がわからずに、無届けの工事や不良の工事というのも発生していると伺っております。
また、全国的に見ても、無届けの工事や不良工事に起因するお客様のトラブルや不良工事も顕在化しているということです。そこで、指定業者の更新の制度を設けたというふうに理解をしております。
そこでまず、東京都における現行制度の課題や指定事業者に起因するトラブルが発生した場合に、どのように対応しているのかを伺います。お願いいたします。
○本荘谷給水部長 現行の指定制度は、新規の事業者を指定するのみであり、指定した後は、指定事業者の所在や営業実態などを局が正確に把握することは困難でございます。
その状況としましては、本年三月末時点で、都が指定している約五千九百者の事業者のうち、約六%に相当する約三百五十者が所在不明となっております。
また、当局におきましては、指定事業者に対しまして、適正な給水装置工事の施行確保に向けた講習を実施しておりますが、依然として無届け工事や不良工事、そしてお客様対応に関するトラブルがたびたび発生しております。
なお、こうした違反行為などを行った指定事業者に対しましては、局が定める処分の基準に従いまして、指定の取り消し等の行政処分や文書警告等の行政指導を行ってきております。
○菅原委員 ありがとうございます。東京都でも約六%、三百五十ぐらいの指定事業者が所在不明ということです。
また、局が講習や研修を実施しておりますが、そして行政処分を行っているにもかかわらず、無届けの工事や不良工事のトラブルが発生しているということを伺いました。
こうしたトラブルを起こす指定事業者というのは、ごく一部ではあると思いますが、一者でもこのような事業者がいるとすれば、都民の方々は、東京都が指定する給水装置工事事業者に対する不安を覚えるのではないかと思います。
そこで、今回の条例改正が提案されました。新たな指定給水装置工事事業者の指定の更新が、こうした課題の解決につながるのか伺いたいと思います。お願いします。
○本荘谷給水部長 指定の更新に当たりましては、改めて指定事業者の名称や所在地などを確認するため、所在不明の指定事業者が存在するという課題を解決することはできます。
また、工事で使用する機械器具の保有状況、配管技能者の配置状況、対応可能な工事の種類や講習の受講実績などを確認するため、無届け工事や不良工事の発生を抑制することができます。
こうした指定の更新時の確認行為に加えまして、講習会を開催し、指定事業者の資質の維持向上を図ることから、無届け工事や不良工事、そしてお客様トラブルの解消にもつながると考えております。
○菅原委員 今回の条例改正で、制度として指定事業者の実態を把握することができるということを確認いたしました。
しかし、実際に指定事業者を利用するのは都民であることから、都民へのサービスが向上するような取り組みもあわせて行う必要があるのではないかと思います。
今回の条例改正に合わせて、都民サービスの向上に向けてどのような取り組みを行うのか伺います。
○本荘谷給水部長 更新手続時に確認する指定事業者に関する情報を、当局ホームページに掲載している指定事業者名簿に追加いたします。
また、更新手続時に講習会を開催し、その講習内容に給水装置工事に関する新たな技術や知見を盛り込むなど、充実を図ってまいります。
こうした取り組みによりまして、お客様に有用な情報提供と指定事業者の資質の維持向上を図り、都民サービスのさらなる向上につなげてまいります。
○菅原委員 ありがとうございます。給水、まずは水道事業というのは、まずは安心、そして安全が大事ですので、その上でという答弁だと思います。
この指定給水装置工事事業者の指定の更新、そしてお客様サービスにつながる取り組みを、ぜひとも適切に進めていただくようにお願いを申し上げます。
ところで、ほかの水道事業体においては、既に条例の改正も終わって更新手続の準備に入っているという話も聞いております。例えば、近くでいうと横浜市、これは五月に手続を終えている、条例改正が終わっている。また、神戸市も同じような形でした。
改正水道法の施行自体が十月の一日であるということもあって、この第三回定例会での条例改正は、そのタイミングに合わせたものと伺って、理解もしております。
とはいえ、十月一日以降の更新手続や講習会の開始に入ることを考えれば、いささか期間的には短いのではないか、こんな不安も残ります。
条例改正に伴い、実効性のある取り組みに期待はしておりますけれども、今回の条例改正と今後の取り組みについて、再度確認する意味で伺いたいと思います。
なぜ、この第三回定例会においての条例改正になったのか、また、今後の取り組みの準備状況、これをあわせて伺います。お願いいたします。
○本荘谷給水部長 改正水道法の施行日は本年十月一日であることから、法に合わせまして給水条例の一部を改正することとし、本定例会に条例の改正案を上程いたしました。
条例の改正を予定していることにつきましては、指定事業者が加盟している関係団体へ既に情報提供を行っております。今後の指定事業者に対する周知につきましては、更新手続の開始を令和二年一月から予定していることから、本年十月以降、適切に実施してまいります。
また、指定事業者の更新手続につきましては、厚生労働省の監修によります公益社団法人日本水道協会のガイドラインを踏まえまして、現在、必要な事務手続を進めております。
今後も、事務手続や準備を着実に進め、更新手続や講習会等を確実に実施してまいります。
○菅原委員 ありがとうございます。
最後にですね、制度が新しく変わっていくわけです。制度ができたら終わりではなくて、これがスタートであります。都民サービスのさらなる向上に向けて、取り組みの充実を図っていただくようにお願いして、質問を終わります。
○舟坂委員 今回の改正条例は、指定給水装置の工事事業者、いわゆる指定事業者に対して、五年ごとの更新制度を導入する内容となっております。
現行の指定事業者制度は、都においても、全国と同様に新規の指定のみであり、事業者の廃止や休止などの状況が反映されづらいことや登録事業者の現状や指導等が困難な状況であったことに加え、指定事業者とお客様との間でトラブルとなったケースもあると聞いております。今回の改正は、このような課題を解決する仕組みとして、非常に有効であると評価するものであります。
給水装置の指定業者は、要件を満たしていれば、全国の水道事業体で指定を受けることが可能であり、都では、全国最多となる約五千九百者を指定しております。今回の改正内容を有効なものとしていくためには、この数多くある指定事業者の声を十分に踏まえた上で、課題解決に向けた対策を講じていく必要があります。
そこで、最初に、今回の改正について、都が指定している指定事業者からはどのような声が届いているのかをお伺いいたします。
○本荘谷給水部長 都の指定事業者からは、今回の指定給水装置工事事業者の指定の更新を新たに盛り込む制度改正に関する意見としましては、水道事業を支える一員として水道工事に全力で取り組んできたが、一部の指定事業者の中には、お客様とトラブルを起こすものや行政処分を受けるものがあり、こうした事業者の存在は、業界全体にマイナスのイメージとして波及しかねない問題である、また、今回の改正は、全国的に顕在化してきた無届け工事や不良工事の発生といった指定事業者の課題を解決するために必要なことと認識している、更新制の導入により、悪質な事業者の排除にも一定の効果があるものと期待しているなどの声が寄せられております。
○舟坂委員 業界団体は、全国的に顕在化してきた指定事業者の課題を解決するために、制度改正には理解をしているとの答弁であります。
私のところにも、こうした声に加え、都内には多くの指定事業者が存在していることから、更新手続は混乱が生じないよう配慮してほしいとの声も寄せられております。
今回の改正では、五年ごとの更新制の導入に合わせ、五年間の経過措置も設けております。この経過措置は、事業者が指定を受けた日によって、初回更新までの有効期間が異なる内容となっていますが、事業者は、自分がいつ指定を受けたか細かく覚えているでしょうか。
課題を解決するための取り組みであっても、全ての事業者に改正内容が正確に伝わらなければ、指定事業者が更新手続を失念し、指定事業者として失効するおそれもあります。
そこで、新制度における更新手続についてどのように事業者に周知していくのかお伺いをいたします。
○本荘谷給水部長 指定事業者の更新の導入に当たりましては、全ての指定事業者に制度改正の内容を理解し、更新手続を行っていただく必要がございます。
そのため、今年度、全ての指定事業者に対しまして、新たに導入される更新制についての案内を郵送いたします。また、局のホームページや指定事業者が来所する機会の多い給水管工事事務所でのポスターの掲示、指定事業者が加盟する団体と協力した広報も実施いたします。さらに、更新時期が到来する指定事業者に対しましては、手続を忘れてしまうことのないよう、更新手続の案内を個別に郵送いたします。
なお、今後は、更新手続完了時に有効期限を明記した指定事業者証を交付することとしております。
○舟坂委員 新制度の円滑な実施に向け、速やかに、かつ適切に、周知や広報を行うことを要望しておきます。
指定事業者は中小の事業者が多く、従業員数名で経営している会社も多くあります。このような事業者は、更新手続に時間を割くことが難しいことも考えられます。
そこで、指定事業者の更新手続については、事業者数が多いことに加え、小規模な事業者も多いことから、事業者の負担を軽減させる取り組みが必要と考えますが、見解をお伺いいたします。
○本荘谷給水部長 指定事業者は、今後、更新手続を五年に一度行うことになるため、指定の更新に当たりましては、指定事業者の負担軽減及び利便性に配慮する必要がございます。
これまで、申請窓口は、常時開設しております都庁第二本庁舎のみでございましたが、今後は、常時開設している更新申請窓口として、新たに多摩に一カ所開設いたします。
さらに、常時開設している申請窓口に加えまして、年に複数回実施する講習会におきましても、その会場で更新申請の受け付けを行うなど、指定事業者のさらなる負担軽減に向けた取り組みを実施してまいります。
○舟坂委員 都内の指定事業者数は、区部で約三千二百者、多摩地区で約千六百者とあります。更新窓口を多摩地区に開設することは、多摩地区の事業者の利便性を向上させるものであり、評価するものであります。引き続き事業者の声をよく聞いて、丁重な対応を行うよう求めておきます。
これまでの質疑で、事業者への周知や更新手続については理解しましたが、今回の改正では、もう一つ重要な点があります。それは、事業者の資質向上であります。
給水装置工事は、お客様と指定事業者の民民の契約ではありますが、一般の方で、工事を熟知し、理解した上で発注する方は多くありません。お客様の大半は、都の指定事業者というお墨つきがあったから、安心して工事を任せたという方が多いと思います。
五千九百者の指定事業者のうち、一者でも、お客様との対応でトラブルを起こすようなことがあっては、指定事業者全体の信頼を損なう上、そのような事業者を指定した都の水道事業に対する信頼の低下にもつながります。
都の指定事業者数が年々ふえていることや指定事業者の経験年数がさまざまであることなどを考慮すると、指定事業者のスキルは一定以上に維持されていく必要があると考えます。
そこで、事業者の施工能力の維持向上についてどのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。
○本荘谷給水部長 お客様がどの指定事業者に対しても安心して工事を依頼できるようにするためには、指定事業者の施工能力の維持向上が求められます。
そのため、当局が実施する講習会におきまして、新たな技術基準に関する情報や給水装置工事に起因する事故事例、その予防策、工事の施工に必要な各種届け出に関する解説を行うなど、さまざまな情報を提供してまいります。
また、給水装置工事の実施に当たりましては、実施する当局による設計審査や工事検査の際に、これまでも行っている技術的なアドバイスなどのフォローを充実させ、指定事業者の施工能力の維持向上をさせてまいります。
○舟坂委員 私は、指定事業者には十分な施工能力があることに加え、都の水道事業の取り組みを理解し、水道事業の一員であることの自覚と認識、これを全ての事業者が持つことが何よりも重要であると考えております。
水道事業は、毎日の都民生活と事業者の活動を支える重要な基幹ライフラインでありますが、一部の指定事業者は、その理解がないがゆえにお客様とのトラブルを起こしてしまうのではないかと思います。
そこで、全ての指定事業者が水道事業の取り組みを理解し、水道事業の一員として自覚と認識を持つために取り組みが必要と考えますが、見解をお伺いいたします。
○本荘谷給水部長 ご指摘のとおり、指定事業者が当局事業の取り組みを理解し、水道事業の一員としての自覚と認識を持つことは、不良工事の発生やお客様対応に関するトラブルの防止はもとより、お客様サービスの向上につながるものであり、重要なことと認識しております。
このため、当局が実施する講習会におきまして、配水管の耐震継ぎ手化の推進や避難所の給水管の耐震化を初めとする当局の取り組みやお客様対応などについて説明し、十分に理解をいただくこととしております。
また、給水装置工事の設計審査や完了検査など、指定事業者と接するあらゆる機会を通じまして、給水装置工事の新たな技術に関する情報などさまざまな情報共有を図り、水道事業の一員としての自覚や認識の醸成に努めてまいります。
○舟坂委員 指定事業者は、水道事業者である局の配水管とお客様の住居や事業所などをつなぐ給水装置の工事を担っており、水道事業を支える重要な一員であります。
今回の改正は、事業者にとっては初めての対応となります。円滑な制度改正に向け、事業者とお客様の声を丁重に聞き、実効性のある取り組みを行うよう要望して、質問を終わります。
○加藤委員 先ほどもお話ありましたけれども、今回の条例改正が、本年十月の改正水道法の施行に伴う指定給水装置工事事業者の指定の更新について、関係規定を整備するものであると。この改正が、新規の指定のみという現行の指定事業者制度において、無届け工事やこれに起因するお客様トラブル等の発生を踏まえ、工事の適正な施行に向け、指定事業者の資質の維持向上を目的とするものということであります。
我が党はかねてから、この指定事業者の更新制を早期に導入することを主張し、質疑をしてまいりました。そして、当委員会でも、この指定給水装置工事事業者制度における更新制の早期導入に関する意見書、これを取りまとめて、国に対して要望もして、そして水道法の改正につながってきたと、このように理解をしております。
今回の条例改正が、給水装置工事に係るトラブルなどさまざまな課題の解決、さらには指定事業者の資質の維持向上のために必要不可欠なものであることはいうまでもありません。
また、改正条例では、指定の更新制に加えて、指定事業者証の交付、これが、これまでの申請することができるから交付するということに改定をされます。
そこでまず、これがどのような趣旨で行うものなのか、確認のため伺います。
○本荘谷給水部長 今回の更新制の導入により、指定事業者が更新手続を行わない場合、指定が失効し、都の給水区域内で業務を行うことができなくなることから、更新の申請漏れによる指定の失効を防ぐことは重要でございます。
このため、指定事業者に対しまして、指定の有効期限を明確化すること、また、更新手続を忘れてしまうことを防止する対策を講じることが必要でございます。
こうしたことから、全ての指定事業者に対しまして、指定の有効期限を記載した事業者証を必ず交付することが、指定事業者への有効期限の注意喚起に有効な方法であることから、事業者証を必ず交付することといたします。
○加藤委員 指定事業者証の交付を必須としたことは、有効期限の注意喚起等のためであるということを確認いたしました。
また、私は、本年三月の公営企業委員会においても、昨年十二月の水道法の改正を受け、指定事業者の更新制について質疑を行いましたけれども、その際、更新制度の導入に当たっては、指定事業者に対する取り組みはもとより、都民に有用な情報の発信にも取り組むよう要望をいたしました。これを受け、都では、指定事業者の資質を維持向上していくための取り組みとして、講習会を実施してきたと聞いております。
そこで、これまでの都における講習会の開催状況について伺います。
○本荘谷給水部長 当局におきましては、本年三月末時点で、指定事業者として約五千九百者の事業者を指定しております。この指定事業者を対象に全事業者が三年に一回の割合で講習会を受講できるように、毎年二回から四回、講習会を開催してきました。
講習会の開催に当たりましては、全ての指定事業者に対しまして、郵送により開催の案内を通知するとともに、参加申し込みがない場合は電話で確認を行うなど、講習会への参加促進に努めてまいりました。その結果、受講率は七割程度となっております。
○加藤委員 これまでの受講率は七割程度ということでありますけれども、改正水道法の趣旨を踏まえれば、指定事業者の資質の維持向上のため、講習会の受講率をさらに高めていく必要があると考えます。
また、単に受講率を上げるための対策を講じるだけでなく、講習会の内容の充実も必要であると考えます。講習会の内容を充実させることで、これまで以上に指定事業者の資質の維持向上が図られ、ひいては、給水装置工事の適正な施行の確保につながり、都民サービスの向上に大きく寄与していくものと考えます。
そこで、今後の講習会の受講率の向上や内容の充実に向けた取り組みについて伺います。
○本荘谷給水部長 指定事業者の資質の維持向上のためには、講習会の受講率の向上は必要不可欠と考えております。このため、まず、指定の更新に当たりまして、過去の講習会の受講実績を確認するとともに、指定事業者の利便性などを考慮し、更新手続と同日に講習会を開催いたします。
さらに、更新手続時に講習を受講できない指定事業者に対しましては、別の日に開催する講習会の参加を随時受け入れるなど、受講機会を拡大してまいります。
加えて、講習会におきましては、給水装置工事の事故事例、設計施工基準に対するQアンドAやその解説等の内容を追加するなど、給水装置工事に関する新たな技術や知見を講習内容に盛り込み、受講内容の充実を図ってまいります。
○加藤委員 更新手続と講習会を同日に実施することで受講率を向上させ、さらに、受講内容を充実させるとのことでした。分野は違いますけれども、自動車の運転免許の更新の際もステージに応じて講習が行われておりますが、一緒にやるということで、こうしたことは非常に大事なことだというふうに思います。
それに加えて、別の日にもこの講習会の参加を随時受け入れるということで受講機会を拡大していただいている、非常に大事なことでありますので、引き続きこの受講機会ということを広げながら、皆が受けられるように頑張っていただきたいと思います。こうした取り組みを着実に実施していくということで、よろしくお願いしたいと思います。
また、この取り組みによる指定事業者の資質の維持向上を都民の安全・安心の確保につなげるためには、指定事業者に関する正確な情報を都民に対して発信することも重要です。都民に対して情報を発信していくに当たっては、改正水道法の趣旨を踏まえ、これまで以上に、より都民サービスにつながる内容とすることが望まれます。
そこで、指定事業者に関する情報を都民にどのように発信していくのか伺います。
○本荘谷給水部長 指定事業者に関する情報は、局のホームページに名称、所在地及び電話番号から成る指定事業者名簿を掲載しております。お客様は、工事を実施するに当たりまして、この名簿から指定事業者を選択することが可能となっております。
一方、指定事業者によりましては対応可能な工事が限られることなどから、お客様のニーズに合った情報が不足しているという声があります。そのため、更新手続を行う中で、指定事業者に対しまして、営業時間や休業日、対応可能な取扱工事など業務内容を詳細に確認し、指定事業者名簿に追加してまいります。
こうした指定事業者に関する情報を充実することで、お客様がニーズに合った指定事業者を選択することが可能となります。
○加藤委員 本当に大事なことだと思いまして、郵便ポストに結構いろんな業者さんの案内が入ってきますけれども、やっぱり都ホームページにそうした細かい情報があれば、都民も安心していろいろできると、頼めるということもあると思いますので、ぜひこのような取り組みを進め、今後もより一層充実させていくことで、都民の安全・安心の確保につなげていってもらいたいというふうに思います。
最後に、更新制の適正な運用に努めるともに、引き続き都民と直接に接する指定事業者の資質の維持向上に努めてもらうことを改めて要望して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○斉藤委員 私からも、幾つか確認をさせていただきたいと思います。
給水装置工事事業者の指定の更新制を導入するということですが、今回の給水条例の一部改正、委員会でいただいた資料では、理由について、国の水道法改正に伴うものということしか示されておりませんでしたので、改めてなんですけれども、この改正の趣旨について確認をさせてください。
○本荘谷給水部長 今回の水道法の改正の趣旨は、平成八年に全国一律の指定事業者制度が創設され、広く門戸が開かれたことによりまして、指定事業者数が大幅に増加したことや、現行の指定事業者制度では指定事業者の休廃止等の実態が反映されづらく、無届け工事や不良工事も発生しているという課題がございます。
この課題を解決するため、給水装置工事を適正に行うための指定事業者の資質の保持及び指定事業者の所在や営業実態などを正確に把握するために、指定事業者の指定の更新制を導入するものでございます。
○斉藤委員 一九九六年、平成八年に全国一律の指定事業者制度が創設され、指定事業者数が大幅に増加したこと、現在の制度では指定事業者の休廃止などの実態が反映されにくく、無届け工事や不良工事も発生しているために、営業実態を正確に把握する必要があるということ、また、給水装置工事を適正に行うための指定事業者の資質の保持をしていくということが目的ということです。
現在の指定事業者制度が創設される前は、水道事業者ごとに工事事業者の指定を行っていたということですので、全国の一律の制度になってからは、参入が容易になっていたという点では、規制緩和されていた部分を修正するものであると理解をしています。
都内では現在、五千九百四十四者が指定されているということですが、私は、水道局のホームページにある指定事業者の一覧から、何者かに電話にて連絡をさせていただきました。中には、もう給水装置工事の事業はやっていないという事業者さんや電話番号が使われていないというところもありました。確かに、事業者情報と実態とのこの乖離は正していかなければならないだろうと実感したところです。
水道法を所管する厚生労働省のホームページには、指定給水装置工事事業者制度の改善として、現状と課題と示した資料があります。その中で、二〇一六年度、平成二十八年度、全国で二十三万二千者の指定がある中で、違反工事件数が千六百四十四件、苦情件数は三千八百八十五件あったということが示されています。東京都など、水道事業体で把握している数だけでということなので、実際にはもっと多いことも考えられます。
苦情の内容について厚労省の水道課に確認したところ、対応が悪い、あるいは遅いというのが四一%のほか、費用が高額というのが一七%、連絡不通、通じないというのが一三%、そのほか、点検商法などの押し売りや過大広告の例もあるということがわかったということです。
東京都でも、違反工事を行ったとして処分が行われているケースもあるということなので、利用者が不利益をこうむるような状況は改善していかなければならないと思います。
こういう状況に対して、まさに先ほどご答弁いただいた改正の趣旨に沿って、新しい更新制度が運用されていくことが大事だというふうに思いますが、水道局では、この趣旨を踏まえてどのような取り組みを行うのか伺います。
○本荘谷給水部長 改正水道法の施行に伴い、東京都給水条例に、新たに指定給水装置工事事業者の指定の更新に関する規定を設けます。
この指定事業者の指定の更新手続に当たりましては、指定事業者の営業実態を把握するため、指定事業者の名称や所在地に加え、新たに工事で使用する機械器具の保有状況や配管技能者の配置状況なども確認いたします。
また、指定事業者の資質の維持向上を図るため講習会を開催し、給水装置工事の事故事例、設計施工基準に関する説明などを行うなど、給水装置工事の適正な施行に向けた指導を行ってまいります。
○斉藤委員 更新時に指定事業者の実態を把握し、資質の維持向上を図るために講習会を開催して、給水装置工事の適切な施行に向けた指導を行うということです。
この講習会についてですが、これまでの質疑にもちょっと重なる部分はありますが、これまでの開催状況と内容について教えてください。
○本荘谷給水部長 指定事業者に対する講習会は、これまで、全ての指定給水装置工事事業者が三年に一回受講が可能となるよう、毎年二回から四回開催しておりました。この講習会の開催実績は、平成二十一年度から平成三十年度の十年間で、合計で三十五回でございます。
また、講習内容は、給水装置工事にかかわる技術講習や給水装置にかかわる各種情報の提供などでありまして、受講率は約七割程度となっております。
○斉藤委員 全ての指定給水装置工事事業者が三年に一回受講ができるように開催してきたということですが、受講率は約七割程度ということで、約三割の事業者は受講できていないということです。
講習内容については、給水装置工事にかかわる技術講習や給水装置にかかわる各種情報の提供を行っているということで大切な取り組みだと思いますが、今回の条例改正によって、この講習会の受講率を上げて、内容もより充実したものにしていかなければならないと思います。
この点、今後はどのようにしていくのか伺います。
○本荘谷給水部長 講習会におきましては、給水装置工事の事故事例、設計施工基準に対するQアンドAやその解説等の内容を追加するなど、給水装置工事に関する新たな技術や知見を盛り込み、講習内容の充実を図ります。
また、講習会では、指定給水装置工事事業者の利便性を考慮し、更新手続と同日に開催するとともに、更新手続時に講習を受講できない指定事業者に対しましては、別の日に開催する講習会の参加を随時受け入れるなど、受講機会の拡大を図ってまいります。
○斉藤委員 更新手続と同日に講習会を開催するとともに受講機会を拡大していくということ、また、内容については、事故事例や設計施工基準に対するQアンドA、また給水装置工事に関する新たな技術や知見について盛り込んでいくということです。
事故事例についても講習内容に入れていくということですが、実際のトラブル事例や不良工事について、事業者間で共有できる機会をこの講習会で設けていくということは重要だと思います。こうした取り組みから、トラブルや不良工事の発生を防いでいくことに力を尽くしていただきたいと思います。
また、実際に起きたトラブルや違反工事、不良工事に対する対策も重要だと思いますが、今後はどのように対応していくのか伺います。
○本荘谷給水部長 お客様が指定事業者に依頼する給水装置工事は、お客様と指定事業者との民民の契約であることから、お客様対応に関するトラブルに関しましては、局が関与することや行政処分等を行うことはできません。
このため、お客様対応に関するトラブルの発生を防止するため、講習会におきまして、お客様との接遇に関する内容を追加するなど、内容を充実させてまいります。
一方、無届け工事や不良工事等の違反工事を行った指定事業者に対しましては、給水条例等に基づきまして、指定の取り消し等の処分を行うことができるようになっています。このため、違反行為を行った指定事業者に対しましては、局が定める処分の基準に従いまして、文書警告や指定の取り消しなどの処分を行ってまいります。
○斉藤委員 お客様対応に関するトラブルに関しては、民民の契約のために局が関与するということができないということですが、無届け工事や不良工事等の違反行為に対しては、給水条例等に基づいて、指定の取り消し等の処分を行うことができるということです。どちらのケースでも、都に問い合わせがあった場合には、利用者の目線に寄り添って、できる限り解決に導いていくようにしていただきたいというふうに思います。
一方で、更新制度の手続等が、事業者の方々にとって過度な負担にならないようにしていく配慮も必要だと思います。
私が幾つか事業者さんにご意見を伺ったところでは、今回の更新制の導入について、法改正、条例改正の趣旨は理解するという事業者さんがほとんどでしたが、中には、講習を受けやすくしてほしいという要望や手続の書類が多くなったり、煩雑になると困るという声を伺いました。
先ほどのご答弁の中でも、更新の申請窓口として、新規指定のための申請窓口を都庁に常設するだけでなく、新たに多摩に一カ所開設するということもありました。指定事業者の負担軽減や利便性に配慮するという点、お願いをしたいというふうに思います。
また、お話を伺った事業者さんの中には、更新制の導入について知らなかったという方々もいらっしゃいました。十月からの施行に対して、東京都では九月での審議という点では、東京都からのお知らせする期間というのは大分短いというか、十分な期間がないような状況になります。
先ほど十月からお知らせを開始していくということもありましたけれども、昨年末の国会で定められたこととはいえ、当事者の事業者さんでも、給水装置工事事業者の指定の更新制を導入するということを知らないということがある現状なので、この周知徹底に丁寧に対応していただきたいというふうに思います。
給水装置工事事業者の実態把握と資質の保持を趣旨とする今回の条例改正、その目的がきちんと果たされるように更新制を運用していくことを求めまして、質疑を終わりといたします。
○中村委員 私からも、議案となっております給水条例の改正について質問します。
三月十九日の予算審査の際にも質問しましたが、水道法の改正への対応として、指定給水装置工事事業者制度に五年の更新制が盛り込まれたことを受けての条例改正になります。
これまでは更新の必要がなかったため、一度届け出ると、それ以降は何ら手続がないため、所在不明の事業者や無届け工事、不良工事などが問題になり、真面目に取り組む事業者からも対応を求められていました。
そうしたことを受けて、都議会でも、平成二十九年三月に意見書を可決し、政府に対応を求めていました。今回の改正で五年での届け出の手続が定められますが、さきの委員会でも求めたように、これにより実際に問題のある事業者や工事をなくしていくことが重要です。
そこで、この改定で、どのような取り組みにより所在不明の事業者、無届け工事や不良工事などの解消にどう結びつくのかについて伺います。
○本荘谷給水部長 指定給水装置工事事業者の指定の更新手続に当たりましては、事業者の名称や所在地を改めて確認いたします。また、工事で使用する機械器具の保有状況や配管技能者の配置状況なども確認することとしております。このことによりまして、所在不明の指定事業者が存在するという課題を解決するとともに、無届け工事や不良工事の発生を抑制することができます。
また、指定の更新手続と同日に講習会を開催し、給水装置工事の事故事例、設計施工基準に対するQアンドAやその解説などを説明することによりまして、適正な給水装置工事の施行に向けた指導を行ってまいります。
こうした取り組みによりまして、指定事業者の資質の維持向上を図り、無届け工事や不良工事の解消などにつなげてまいります。
○中村委員 今ご答弁いただいたように、単に届け出をするだけではなく、それを通して事業内容に関する事項の確認や講習会の開催などの指導を行うとのことでした。
とりわけ水道事業体ごとに届け出が必要なため、都内で仕事をするには、他県で指定を受けていても東京都の指定が必要になります。所在そのものがないのも問題ですが、都内に事業の実態がなく、アパートの一室を借りて電話一本だけ引いてある事業者が都内で仕事をしていたのではないかともいわれていました。
もともとの法律でも、事業所ごとに給水装置工事主任技術者を置かなければならないとなっていたのですから、今回の届け出で確実に配置されていることを確認し、事業の実態が都内にあることを確認することも重要です。
ぜひ、この条例改正による手続を通して、所在不明の事業者はもとより、都内に実態のない事業者も排除し、無届け工事や不良工事の解消に努め、より質の高い工事が行えるよう取り組むことを求めて、質問を終わります。
○川松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川松委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○川松委員長 次に、報告事項、東京水道サービス株式会社に対する特別監察結果改善報告書についてに対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○岡安理事 さきの委員会におきまして要求のございました資料を取りまとめ、お手元に配布してございます。その概要につきましてご説明申し上げます。
東京水道サービス株式会社に対する特別監察結果改善報告書に関する要求資料は二件でございます。
資料2の表紙をおめくりください。東京水道サービス株式会社の売上高に占める自主事業の割合及び主な事業の状況でございます。
自主事業売上高及び割合を平成三十年度実績、割合別に、自主事業を国内事業と海外事業に分け、お示ししてございます。
また、主な事業の状況につきまして、件名、その概要、平成三十年度売上高別に国内事業と海外事業に分け、お示ししてございます。
二ページをお開き願います。東京水道サービス株式会社契約監視委員会の設置目的及び委員の構成等でございます。
設置目的、所掌事項、委員の構成につきましてお示しをしてございます。
以上、大変簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
○川松委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○菅原委員 まず、八月の三十日にこの公営企業委員会が行われました。ちょっとさかのぼって、ここで確認だけさせていただきたいと思います。
昨年度発覚をいたしました談合疑惑についての質疑がございましたが、このときに、その件の表現が事故というふうになっておりました。東京都として、このような案件が発生した場合に、事故または事件というふうに使い分けていると思います。このこと、どのような使い分けをされているのか、確認だけさせてください。
○木村職員部長 平成二十四年及び平成二十六年の水道局汚職等防止策検討結果報告書におきましては、事件と記載しております。これは、平成二十四年の事案では、職員が収賄容疑で逮捕、起訴され、平成二十六年の事案では、職員が略式命令による罰金刑を受け、いずれも刑事事件となったためでございます。
一方、今回の事案は、公正取引委員会による立入検査により発覚し、本年七月に公正取引委員会の改善措置要求等を受け、現在、都としても事実を正確に確認している最中でございまして、昨年十一月の調査特別チームの中間報告書及びさきの公営企業委員会では、事故と記載、答弁しております。
○菅原委員 ありがとうございます。
それでは、本題に入りたいと思います。
この改善報告書の中で、幾つか確認をさせていただきたいと思います。
私は、総務局が提出をいたしました東京水道サービス株式会社--この後、TSSというふうに表現させていただきます、TSSに関する特別監察に注目をして、今年度の第一回の定例会、そして第二回の定例会と質疑を重ねてまいりました。そして、今回もこのTSSの課題について取り上げたいと思います。
六月の第二回定例会の質疑では、多くの課題について七月、八月に決着をしていくという話だったと思います。東京都は、八月の三十日に特別監察結果改善報告書を提出いたしました。そこで、この改善報告書に沿って質疑をしてまいります。
まずは、契約監視委員会についてです。
契約監視機能の強化の部分では、TSSの社内に契約監視委員会を設置し、契約プロセス、落札比率、同一の会社が複数年にわたり恒常的に同じ業務を落札していないかなどの調査分析及び監視を行うとしております。
契約監視委員会で行う契約監視の具体的な方法をご答弁いただきたいと思います。お願いいたします。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社の契約監視委員会は、契約結果の調査分析及び監視を行い、入札、その他の契約手続に係る不正行為の排除または防止策を検討することにより、契約の公平性、公正性、そういったものを確保することを目的に、本年八月に設置されております。
契約監視の方法ですが、委託契約や物品購入契約など、全ての契約案件を対象に、競争入札で予定価格の近似値五万円未満の落札または落札率が一〇〇%の契約について、原因分析を実施しております。
また、社内の指名選定委員会の対象案件としている一千万円以上の委託契約のうち、過去五年間連続で同一業者が落札し、かつ落札率が八〇%以上の案件を対象に、年度別契約件数、年度別契約金額、市場の動向、平均入札参加者数及び平均落札単価等を調査して、その落札の妥当性について確認をしております。
さらに、個別詳細調査として、契約監視委員会が指定する案件について、契約依頼部署へのヒアリング等を通じて、入札手続や特定契約理由の妥当性などを検証しております。
○菅原委員 この改善報告書には、恒常的に同じ業務を落札しているという表現で、事務契約の落札についての精査をするように求めております。
具体的にどのような事例があるのか、ご答弁をお願いいたします。
○石井経営改革推進担当部長 本年八月に開催しました第一回契約監視委員会において、電子申請ヘルプデスクサポート作業委託や配水小管断水等補助作業委託、管路調査図面修正作成作業委託など、九件を同一業者が過去五年間連続で落札していることなどから、その調査対象として選定をいたしました。
現在、これら九件について、落札者の年度別契約件数や金額、類似案件の市場の動向などの調査分析を行っておりまして、その結果を本年九月に開催予定の第二回契約監視委員会で検証してまいります。
なお、検証の結果、改善の必要があると認められた場合については、入札の参加要件や仕様書の内容変更など、見直しを行ってまいります。
○菅原委員 少し角度を変えて質問させていただきます。このTSSは、今後、PUCと統合が予定をされております。それを前提に伺いたいと思います。
人材育成の方針の策定という欄がございます。株式会社PUCとの統合に合わせ、固有社員を育成するための人材育成方針を策定して、新団体の求める人材像の実現に向けて計画的に人材を育成すると、このような表現で書かれています。
それでは伺います。
固有社員を育成するための人材育成方針、これはどういうことなのか、同じく、人材育成の方針の部分では、新団体の求める人物像について記述もございます。この新団体の求める人物像について、もう少し詳しくご説明をお願いいたします。
○石井経営改革推進担当部長 政策連携団体二社の統合する新団体は、将来にわたり、安全でおいしい高品質な水を安定して提供する東京水道グループの一員として重要な役割を引き続き担ってまいります。
今後策定する新団体の人材育成方針において、求める人材像として、水道事業において団体が担う役割がますます増大する中にあって、現場で働くプロフェッショナルとして、みずから考え、行動する人材、これを基本的な方向性とする考えであります。
この方向性のもと、人材育成方針においては、新団体のそれぞれの役職に応じた到達目標を示し、それを実現するための具体的な人材育成の取り組みを定めてまいります。
○菅原委員 ありがとうございます。
少し重なりますけど、改めて伺います。計画的に人材を育成するということでございますけれども、その取り組みの方向性、どういうふうにやっていくのかということについて、ご答弁をお願いいたします。
○石井経営改革推進担当部長 今後策定する新団体の人材育成方針では、社内における研修の充実、配置管理を通じた育成、東京水道グループが一体となった人材育成、この三点の取り組みを通じて計画的に人材育成することを検討しております。
まず、社内における研修の充実では、これまでの研修やOJTをさらに充実させ、社員の意識改革と能力の向上を図るとともに、技術、ノウハウを着実に継承してまいります。
次に、配置管理を通じた育成では、新規採用からの体系的な育成計画を策定し、社員に幅広い業務を経験させ、職務遂行力の向上を図ってまいります。
さらに、東京水道グループが一体となった人材育成では、水道局への研修派遣を拡充し、新たな業務を経験することで、さらなるレベルアップを図ってもらいたいと考えております。
こうした取り組みによって、新団体に求められる人材を計画的に育成してまいります。
○菅原委員 この改善報告書の一五ページには、このように書かれております。コンプライアンス意識の向上のため、研修は非常に重要であると、研修プログラムは全社員が当事者意識を持てる内容とするべきと、このように書かれております。
この提言を踏まえて、どのような研修を行っていくのか、ちょっと細かくなりますけど、ご答弁をいただきたいと思います。お願いいたします。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、コンプライアンス強化のため、社員一人一人が当事者意識を持つことが重要であるというふうに認識しております。
このため、本年六月、不適正事案についての情報共有と注意喚起を目的として、全社員を対象に、水道局のコンプライアンス研修の資料や同社で発生した具体的な不適正事例を題材とした資料、これらによりコンプライアンス研修を実施しております。
また、九月から十一月にかけて、社員一人一人へのコンプライアンス意識の浸透を図るため、全社員を対象に、少人数による職場討議による研修を実施していきます。
また、さらに、今年度中に、東京水道グループの一員として共通認識を持った上で、より一層コンプライアンス意識を醸成していくために、水道局長から団体社員に直接語りかける研修、こういったものを実施してまいります。
○菅原委員 ありがとうございます。
さらに改善報告書を読んでいきたいと思いますけれども、各政策連携団体がコンプライアンスの主体であることを認識するために、各政策連携団体のトップに意識を浸透させる取り組みを行うべきというふうに書かれています。つまり、社員もそうだけれども、それぞれの団体のトップもコンプライアンスの意識を浸透させなきゃいけないというふうに書かれているわけです。
この各政策連携団体のトップにどのような取り組みをさせていくのか、具体的に伺いたいと思います。お願いいたします。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道グループとしても、グループ全体のコンプライアンス強化はもとより、各政策連携団体のトップにコンプライアンス意識を浸透させる取り組み、こういったものが重要であるというふうな認識をしております。
このため、水道局長と各社の代表取締役社長等で構成されます東京水道グループのコンプライアンス推進会議の開催回数を、年間一回から四回にふやしてきました。
この会議において、今回の不適正事案を踏まえた指導を局から行うとともに、再発防止策について、各政策連携団体のトップが議論を深めることで意識の向上が図られたと考えております。
今後は、同会議のコンプライアンス強化に向けた取り組みの効果を検証することなどにより、団体トップ間の情報共有を強化していきたいと考えております。
また、東京水道サービス株式会社では、本年八月に社内のリスク管理を統括するリスク管理委員会を設置しました。同委員会が設置したコンプライアンスにかかわるリスクを社長に速やかに報告する体制を構築したということでございます。
こうした取り組みを新団体においても引き続き実施をして、団体トップがコンプライアンスを常に意識する環境を整備してまいります。
○菅原委員 ありがとうございます。コンプライアンスの推進会議を、年一回だったのを四回になったという話がございました。また、不適正な事案を、もう一回真正面から向き合って、改善策を練っていくという答弁もございました。また、リスクについても議論するんだという答弁もございました。少しずつTSSは変わってきているんだなというふうに感じております。
特別監察の結果報告書、今度読んでいきますと、TSSの体質というのは、以前、このように書かれていました。東京都の水道局からの指示待ち、または過度な依存があるんだと、また、思考停止をしているというふうにも書かれておりました。
これらに対して、水道局からは、前回の公営企業委員会の中で、社員の自主性や主体性を醸成していくんだと、こんな方向性も示されました。
そこで、社員、特に若手社員の自主性や、または主体性を醸成するための具体的な動き、または今後の見通し、活用方法、こういったものが、この半年の間、幾つか出ていれば報告もいただきたいと思います。お願いいたします。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社が本年六月に公表をしました二〇一九年度の経営方針と目標、この策定に当たりましては、若手社員を初めとした固有社員が主体的にかかわっており、社員の提案内容が積極的に盛り込まれております。
また、同社では、本年七月に若手社員発想プロジェクトチームを設置し、社の業務改善などに向け、管路維持管理、国内外自主事業、技術開発など、事業分野ごとに九つの検討チームに分かれて、それぞれに設定したテーマについて、若手社員による自主的、自発的な検討が今行われております。
今後、本年十一月を目途に検討結果をまとめ、社長を初めとする幹部へのプレゼンテーションを実施するとともに、実施が可能な提案については、社内でさらに検討を行った上で今後の事業や取り組みに反映をさせていくという道筋を立てております。
こうした社員からの提案を促す取り組みを一層継続することで、社員の自主性や主体性を高め、将来の社を担う人材の育成を図ってまいります。
○菅原委員 答弁にございましたように、東京水道サービス、TSSとして、社員の自主性や主体性を高める取り組みというのは重要だと思います。そして、こういう取り組みはできるだけ具体的で、そして目に見える形で提示されるということが大事だと思います。
少しパネルを用意してまいりましたので、ちょっとごらんください。二つ用意しました。両方同じなんですけれども、Tokyowater Drinking Stationというものですね。ごらんになられた方もいらっしゃると思います。
この事業なんですけれども、この後説明をいただきたいと思いますけれども、この事業も以前からあったものですけれども、どのように提示していくのか、都民に示していくのか、これらが大事だと思いました。その点について、TSSから水道局に提案があったというふうにも伺っております。この提案の経緯や、また成果について伺いたいと思います。お願いをいたします。
○石井経営改革推進担当部長 まず、委員から今ご紹介ありました提案の中身ですが、東京水道サービス株式会社からの提案は、都内約七百六十カ所に、公共施設等が中心になりますが、ここに設置されている東京水のロゴのついた水飲み栓、いわゆる今のお写真のTokyowater Drinking Stationですけれども、これの設置場所をもう少しわかりやすくした方がいいんじゃないかということで、設置場所の案内を当局のホームページの中で、今は場所と住所が書いてあるんですが、そこを地図アプリを用いて表示をして、タップして、利用するところ、すぐ位置がわかるような形で認知度の向上を図ったらどうだというようなものでございました。
この経緯ですけれども、本提案については、社長指示のもと、暑さ対策やペットボトルの削減などの観点から、社内の検討を経て、政策提案として当局に提案することになったということで聞いております。
当局では、本年八月に開催した水道局長と政策連携団体の社長等で構成されるグループ経営戦略会議において、同社から、社長から提案を受けまして、有意義な内容であったことから、年内を目途にホームページへの表示をするように準備を進めております。
恐らくこのような取り組みが社員の自主性とか主体性を高めていくものと思われます。こうした若手社員などの提案も、今後とも事業に反映していけるよう、積極的な参加を促していきたいというふうに考えております。
○菅原委員 ありがとうございます。
少し角度を変えて質疑を進めていきたいと思います。
改善報告書の一五ページには、東京水道グループコンプライアンス有識者委員会からの助言が書かれております。
内部統制についてですけれども、このように書かれておりました。内部統制を構築するに当たっては、東京水道グループ全体で考えるべきなんだと。このため、水道局は、政策連携団体について事前にリスクを確認して、リスクがあれば統制をきかせるべきというふうに書かれております。
ここに書かれておりますリスクとは、単に事務執行上のリスク、これ例えばヒヤリ・ハットみたいなものとはまた別の話でございまして、水道局と政策連携団体が一体として水道事業を進める場合の構造的なリスクをいっているのだと思います。
この数年のうちに、水道局の持つ現場、例えば浄水場などの現場で、都の職員と受託関係にあって、そこで一緒に働く関連会社の間で幾つかの事件が発生をしております。きょうの答弁にもございました。これらの事件、事故が持つ構造的な問題というのは、閉鎖的な空間で、閉鎖的な人間関係の中で、それでもスムーズに安定した仕事を継続するために起こった側面があるのではないかと思います。
また、特別監察で指摘をされた水道局への依存体質または思考停止などの表現に代表されるような事案も、これらの構造的なリスクが原因の一つではないかと思われます。
東京水道グループとして、東京都とTSS、さらにPUCも一体化のもとに起こり得る構造的なリスクを認識して、自制的な運営が求められるとも感じています。このことについて、水道局の見解を伺います。
○石井経営改革推進担当部長 当局では平成十八年に、公共性と効率性を両立させながら、将来にわたり責任を持って事業運営を行うため、一体的事業運営体制の構築、これを基本方針として策定し、これまで事業運営に努めてまいりました。
しかし、今回の東京水道サービス株式会社に対する特別監察において、委員からもご指摘のあったように、局への依存による主体性の衰退やコンプライアンスに対する意識の低さなどについて、グループ一体経営の弊害としての指摘をされたところでございます。
当局と政策連携団体が今後も責任を持って水道事業を運営していくためには、当局の政策連携団体に対するガバナンスやグループの内部統制のあり方など、東京水道グループの一体的な事業運営を進める中での課題やリスクを整理し、改善していく必要があると認識しております。
このため、それらの課題やリスクの分析、その改善策について、今後、東京水道グループコンプライアンス有識者委員会で検証し、必要な提言をいただいてまいります。この提言、助言などを踏まえ、東京水道グループ全体としてリスク管理に向けた取り組みを推進してまいります。
○菅原委員 最後になります。東京水道グループの構造的な課題の解決に向けた局長の決意を伺いたいと思います。お願いいたします。
○中嶋水道局長 将来にわたり持続可能な水道事業を実現していくためには、今回取りまとめました改善策の実施は、これは当然でございますが、東京水道グループにおける局と政策連携団体との関係についても、ガバナンスとコンプライアンスの強化を図ることが不可欠でございます。
特に、局と団体は、経営基盤の強化を図るため、今後、より一層連携して事業を進めていく必要がある一方、両者は、委託者、受託者の立場にあるという側面もございまして、この両側面があるということが、先ほどご指摘ありました構造的な特殊性だというふうに考えておりますが、これらをコンプライアンス上どう両立させるのかという点が、今後解決すべき非常に大きな課題の一つと考えております。
このため、まずは、東京水道サービス株式会社が取り組む改善策につきまして、実効性を確保した上で着実に実施をしてまいります。
さらに、今後、統合後の新団体を見据えまして、有識者委員会からの助言、提言を踏まえ、東京水道サービスにおけるリスク管理委員会を新団体におきましても引き継ぎまして、重要なチェック機関として位置づけ、ガバナンスとコンプライアンスの強化を図り、東京水道グループ全体の課題解決に全力を挙げてまいります。
こうした取り組みを通じまして、真に都民の信頼を得た上で、新たなグループが担う持続可能な東京水道を実現してまいります。
○菅原委員 まとめたいと思います。
今回、半年間、いろいろとおつき合いもいただいてまいりましたけれども、いえば、TSSはいつも東京都を見ていた。もう少しいうと、TSSはいつも東京水道局の動きを見て、それが依存体質になったり、思考停止になったりと、こういう指摘があったわけです。
しかし、今回、質疑の中で明らかになってきたのは、会社全体が今変わってきているという印象を持ったということです。これはガバナンス、そしてコンプライアンスをしっかりとやっていこうという社内の意識もそうだと思います。
そしてまた、今までTSSからは提案がなかなか出てこなかったのが、今回萌芽として一つ上がってきたということですね。これも大事に育てていただきたいと思います。
もう一つ事例を紹介したいと思います。TSSがツイッターや、またはフェイスブック、インスタグラム、これらを始めました。これは、始めた日はいつかといいますと、ツイッターは五月の三十日から開始しています。インスタグラムは六月の一日から、そしてフェイスブックは七月の十六日から始めています。
今まで、TSSは東京都ばっかり見ていた。でも、こういう新しい取り組みによって、TSSは都民を真っすぐ見るようになった、これも大事な動きではないかと思います。ぜひ、育てていただければと思います。
以上で私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○舟坂委員 今回は、東京水道サービス株式会社に対する特別監察結果改善報告書について質疑を行うわけですが、これまでの経緯も含めて、まずはお伺いをいたします。
この東京水道サービス株式会社で、書類の改ざんを初めとする不適正事案が発生し、総務局による特別監察では、東京水道サービス株式会社では、局との関係性の中での経営が重視され、現在社会一般に求められる企業としての内部統制水準に対し、大きなおくれと認識不足が生じてしまったと推察されるとまで酷評されるまでに至った経緯を、まず検証する必要があります。
都の監理団体活用方針が示されたのが平成二十二年九月。この方針で、TSSは、水道に関する豊富な経験と高い技術力、民間の有する柔軟性を最大限に発揮しながら、都の水道事業の技術部門における準コア業務を担い、首都東京にふさわしい水道事業の安定的かつ効率的な運営に寄与する、そして水道局では、東京水道サービス株式会社を、民間事業者に委託した業務の監督指導や施設の運転管理など、これまで民間委託がなじまない業域とされていた業務などの事業運営上重要な業務を担う事業者として明確に位置づけ、局との協働体制を構築し、局事業の補完、支援機能を一層向上させるとしております。
その後、TSSの経営目標に対する達成度と役員業績を、毎年度、水道局、そして総務局が評価しております。その評価は、平成二十二年から平成二十九年度まで、ほぼAと高い評価を得ております。
しかし、この間、内部統制やコンプライアンスの基本方針は策定されていない。平成二十七年度には、工事監督における竣工写真の改ざん指示の不適正処理事案が発生しております。
水道局、そして総務局は、何をチェックし、何を評価してきたのでしょうか。評価が甘い、ぬるいなどのレベルではありません。TSSは、随意契約で優先的に仕事を受け、都からの委託費で経営しているので、一般民間事業者より厳しく評価すべきであります。それどころか、不適正事案を見抜けないなど、この評価制度は成り立っていないといわざるを得ません。
また、TSSと水道局は、この甘い評価にあぐらをかき、課題に目を向けることもなく、漫然と事業を進めていたのではないでしょうか。
そこで、この惨たんたるこうした状況を放置してきた責任はどこにあるのか、水道局長にお伺いをいたします。
○中嶋水道局長 当局では、平成十八年度から、多摩地区水道の都営一元化に伴う事務委託解消に合わせて、それまで市町職員約千百名が担っておりました業務を、順次、この監理団体に委託してまいりました。
その結果、都の水道事業におきまして、東京水道サービス株式会社が担う役割が急激に増大いたしまして、規模も拡大をいたしました。このため、幅広いさまざまな業務を円滑に遂行することを至上命題として、これまで事業運営を行ってきたわけでございます。
一方で、社内における内部統制やコンプライアンスの重要性は認識はしていたものの、技術の継承やサービスの維持といった視点を重視したことによりまして、コンプライアンスの重要性を社員一人一人に浸透させる取り組みが不足していたと、正直に考えてございます。
当局では、東京都水道局運営体制諮問委員会による助言や経営者連絡会の開催、そして平成二十八年度からは、取締役の増員や執行調整会議の設置等を行い、同社への指導監督を強化してまいりました。
しかしながら、ただいま大変厳しいご指摘をいただきましたが、コンプライアンスの徹底不足から、それらの取り組みが有効に機能せず、委員ご指摘の状況を招いたと考えておりまして、私としても極めて重く受けとめております。
○舟坂委員 業務が増大する中、コンプライアンスの徹底が不足していたのが原因という答弁でありましたが、果たしてそうなのでしょうか。これは、水道局の体質そのものが原因ではないでしょうか。
今回の特別監察で指摘されていますが、内部統制やコンプライアンスに関する全社的な基本方針が未策定である。また、企業として一般的に求められる経営上のリスク項目の洗い出しとその対処方針を定めるリスク管理行動計画や事業継続計画も作成していない。
今回の特別監察が入らなければ、こうした方針や計画も立ててはいなかったということが明らかであります。みずから律して改善する組織ではないといわざるを得ません。まさしくこれが水道局、TSSという組織、そして体質ではないでしょうか。この体質を基本的に改善することが必要であるということはいうまでもなく、厳しく指摘もしておきます。
私は、この責任は組織にあり、組織の責任は、組織のトップ、TSSの社長、そして同社を指導監督する水道局の局長にあると考えます。このことを真摯に受けとめるべきであります。
組織は、既に人事異動などにより変わっております。当時の組織に責任をとれといっても、無理なのは当然です。今の組織が、TSS、そして東京水道グループ全体の改善に取り組むことが唯一責任をとる方法であると考えます。まずは、このことを指摘しておきます。
ことしの第一回定例会での本委員会において、私は、TSSが指摘されたさまざまな課題について、同社がみずから改善することは当然ですが、水道局のガバナンスの甘さが何よりも大きな課題であるとも指摘いたしました。
また、業務を実際に行っている現場にも局職員を派遣することが同社の改善や局と同社の人材育成に必要であるとともに、同社の固有社員が局の業務を学ぶことも、水道技術を維持向上させる上で重要であると指摘し、長期的な視点を持って、東京の水道を持続的に支える人材の育成に取り組むことを要望いたしました。
今回の報告書では、特別監察の指摘に対するさまざまな改善策が提示されていますが、本日は、局のガバナンスや人材育成を中心にお伺いをいたします。
報告書では、局のガバナンスに関する改善策として、グループ経営戦略会議による指導監督体制の強化やコンプライアンス推進会議による進捗管理の徹底が挙げられております。どちらも共通して開催頻度をふやすなど拡充を図るとの記載があり、既に実施済みとなっております。会議の開催頻度をふやすのは結構なことですが、どのように局のガバナンスが強化されたのでしょうか。
そこで、これらの会議の開催頻度をふやすなどの充実を図った結果、局のガバナンス強化に、具体的にどのような効果があらわれたのかをお伺いいたします。
○石井経営改革推進担当部長 グループ経営戦略会議においては、議論の深化、深まりですね、これは活性化を目的として、同会議への報告事項や開催回数を明確にした実施細目を、まず策定をしております。
会議は、平成三十年度は年三回の開催にとどまっておりましたが、今年度は、八月末時点で既に三回開催しており、今後さらに三回、年間で六回の開催を予定しております。この会議では、東京水道サービス株式会社から当局に対して、水道事業の運営に関する提案が行われてもいます。
また、コンプライアンス推進会議についても、平成三十年十二月に初めて開催した後、三十一年一月に、各団体のコンプライアンス行動計画、これを策定し、現在、この進捗管理を四半期ごとに行っているという状況でございます。今年度は、八月末時点で一回開催しており、今後三回、年間で四回の開催を予定しております。
開催した会議におきまして、各団体間の情報が共有され、各団体のコンプライアンスに関する取り組みを他の団体が自社の取り組みに反映をさせるといったようなことも試みております。
このように、会議を拡充し、回数をふやすことによって、漫然と業務を進めることなく、常に意識を新たにして取り組む環境が整備され、東京水道グループ全体のコンプライアンス強化につながる効果があったものという認識でございます。
○舟坂委員 局のガバナンス強化に効果があったとのことですが、会議の回数をふやすとか、さまざまな方針を策定するといった形をつくるだけでは、全く足りないのではないでしょうか。
ただいまのグループ経営戦略会議についての答弁では、グループのトップとしての水道局長の強さ、牽引力などは感じられません。ガバナンスの強化に向けた取り組みとして最たるものは、トップによるリーダーシップの発揮であると考えます。TSS、PUCの社長が、元水道局長であれ、元特別秘書であれ、水道局長の考え方の下、それぞれに各社の経営を行わせていかなければなりません。TSSの社長が元特別秘書で知事と近い関係があり、それにトップである局長が遠慮していては、何も進みません。
都政新報では、TSSの社長が日本版水メジャーの土台をつくるなどの報道がありましたが、これは本当に水道局の方針なのでしょうか。水道局の事業運営方針からは、とてもそうは思えません。これを水道局長が正すべきと考えます。東京水道グループのトップである水道局長には、ぜひともリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
また、ガバナンスをきかせるという観点から、ぜひとも解決していただきたい課題があります。それは、TSSにおける出向社員の存在です。現在、同社の社員の中には、固有社員や水道局OB社員のほかに、土木系協力会社から受け入れている百名を超える出向社員が在籍しております。
水道局から入手した資料によれば、給水装置の設計審査やヘルプデスク、管路維持業務の工事監督など、幅広い業務に出向社員の方々が携わっているとのことです。
水道局は、民間企業にできない業務をTSSに委託しているといいながら、同社において、一部の民間企業から人を受け入れ、業務に携わらせているというのは、大いなる矛盾であります。
出向社員の受け入れは、多摩地区水道の都営一元化に伴う事務委託解消に合わせて、市町が担ってきた業務を同社が受託するに当たって、マンパワー確保のために必要な措置だったかもしれません。しかし、いつまでも過去の事情を引き延ばし、課題を放置していることは、水道局の怠慢であると指摘せざるを得ません。
また、出向社員が委託業務の積算に関することなど、同社の経営上重要な情報を入手し、それを出向元の会社に提供してしまうことも懸念をされます。
今回の報告書では、九月までに出向社員の所要人員見直し年次計画を策定するとしていますが、いかにも対応が遅いとも思います。また、報告書の中には受け入れの解消という表現は出てきません。水道局及び同社も本当にこの課題を解決する気があるのか、疑念を持たざるを得ません。
そこで、まず、出向社員の所要人員見直し年次計画を策定するとしていますが、どのような内容なのかをお伺いいたします。
○石井経営改革推進担当部長 今、委員の方からご指摘ありました所要人員の見直し年次計画、九月中の策定ということで予定をしておるわけですが、それでは遅いというお叱りも受けました。ただ、鋭意、今策定をしているところでございます。
今後、この固有社員の採用強化や労働者派遣法に基づく人材派遣の公募による派遣社員の確保あるいは業務の効率化を図ることによって、現在、百十二人在籍している出向社員を、固有社員または派遣社員に段階的に切りかえ、三年を目途に解消するということで、今、計画を立てております。
また、解消までの期間は、出向社員の配置が可能な部署を限定して明示した配置基準に基づいて、適切な配置管理を実施することで、透明性の高い事業運営の体制を構築してまいります。
○舟坂委員 今後三年を目安に、出向社員の受け入れを解消していくとのことです。その間、出向社員、派遣社員、そして固有社員が混在することで問題が生じないでしょうか。業務ごとに、どのような職員を配置するのか、わかりやすくすべきであります。
現在、出向社員が担っているどの業務に、派遣社員、固有社員、それぞれを従事させ、出向社員を解消していくのかをお伺いいたします。
○石井経営改革推進担当部長 現在、出向社員は、給水装置業務、貯水池等保全管理業務、多摩地区の管路維持業務や工事関連業務、計画排水にかかわる業務等に従事をしております。
出向社員が従事している業務のうち、給水装置業務や貯水池等保全管理業務等につきましては、労働者派遣法に基づく人材派遣の公募により確保する派遣社員に切りかえることで、出向社員を順次解消してまいります。
また、多摩地区の管路維持業務や工事関連業務、計画排水に係る業務等につきましては、固有社員に切りかえることにより、出向社員を順次解消してまいります。
○舟坂委員 今後三年を目安に出向社員の受け入れを解消していくとのことですが、そのようなスピード感でよいのか、甚だ疑問でもあります。改めて、一日も早く出向社員の受け入れを解消すべきであると指摘しておきます。
また、解消の方法としては、固有社員のほか、派遣社員への切りかえを進めていくとのことであります。民間企業では、派遣社員を雇用することは一般的に見られることなので、同社においても、派遣社員を活用することを頭から否定するものではありません。
しかし、繰り返し申し上げているとおり、TSSは、都の水道事業の一翼を担っている会社であり、安定給水を確保する責任を果たすためには、固有社員による技術の蓄積が何よりも重要であります。
責任を持って、水道事業の一翼を担う体制を構築するためにも、固有社員の採用をさらに拡大し、派遣社員の活用についても早期に解消していくべきことを強く指摘しておきます。
また、固有社員の採用を拡大していくということは、固有社員の育成がより一層重要になってくるということであります。そもそも、平成二十六年の公営企業委員会では、我が党の宇田川委員が、将来にわたる安全でおいしい水を安定的に供給していく観点から、水道局の人材育成の重要性について質問をし、局、監理団体において人材育成にかかわるさまざまな取り組みを実施していくこととありました。
しかし、現時点において、水道事業の一翼を担うTSSにおいて人材育成方針が作成されていない、この現実は受け入れがたいとも思います。この間、人材育成に取り組んでいたのか、疑問にも思います。このことからも、組織としての責任が全うされているとは、到底いいがたい。まずは、厳しく指摘しておきます。
冒頭にも申し上げましたが、ことしの第一回定例会での本委員会において、私は水道局に対して、長期的な視点を持って、東京の水道を持続的に支える人材の育成に取り組むことを要望いたしました。
水道の現場を支えているのは、三千七百人の局職員と二千六百人の政策連携団体社員であり、こうした人材を育成していくことが安定給水のために極めて重要であることはいうまでもありません。
報告書では、来年度に予定されている株式会社PUCとの統合に合わせ、人材育成方針を策定するとの記載があります。先ほども申し上げましたが、現在ないことがそもそもおかしいのではないでしょうか。統合に合わせなどといわず、今も現場で汗をかいている社員たちの育成にしっかり取り組むのは当然であります。
そこで、現在、東京水道サービス株式会社は、人材育成方針がない中で、どのような人材育成を、取り組みを行っているのかをお伺いをいたします。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、従来から、固有社員の育成を目的に、職層や担当業務に応じた研修を実施しているほか、固有社員に、当局との共同研修を受講させる取り組みを行ってきております。
平成二十九年度からは、将来の中核人材となる社員の育成を目的に、当局の事業部門に社員を受け入れております。今年度からは、同社の社員を新たに当局の企画部門にも受け入れ、人数を四人から五人にふやすなど、交流規模を拡大してきました。今後はさらに、新たな部署にも拡大をする予定であります。
加えて、主に二十歳代の若手社員向けに、情報交換連絡会や実務研修会、資格取得勉強会を開催し、若手社員の業務遂行能力の底上げを図っております。
こうした取り組みにより、局と同社で連携して、東京水道を持続的に担える人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
○舟坂委員 人材育成は一朝一夕でなされるものではなく、計画的な取り組みが必要であることはいうまでもありません。いち早く方針を立て、計画的な人材育成に取り組むべきであります。
また、固有社員の育成とあわせて、社員のモチベーションを向上させることも重要であります。今回の特別監察でさまざまな批判を浴びている同社では、社員の方々のモチベーションが低下していることは、想像に難しくありません。
今後もこの会社で働いていきたい、この仕事を続けていきたいと社員に思わせるような人事制度をつくることも、会社の重要な責務であると考えます。
報告書では、固有社員の管理職への任用を促進し、モチベーションの向上を図るなどとしていますが、どんな方法で本当に社員の方のモチベーションが上がるのか疑問です。
今、必要とされているのは、一部の社員のモチベーションを向上させることではありません。会社で働く全ての社員の皆さんのモチベーションを向上させることではないでしょうか。固有社員の管理職への任用を促進することも結構ですが、まずは、今いる上司の方々がそれぞれ、自分の部下のモチベーション向上に向けた取り組みを、みずからの考えでしっかり実践する、これが何より重要なことではないかとも考えます。
そこで、同社では、業務の中でどのように社員のモチベーション向上を図っているのかをお伺いいたします。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、本年六月に公表しました二〇一九年度の経営方針と目標など、同社における重要な計画の策定や業務改善等の検討に、若手社員を初めとした固有社員を積極的にかかわらせることにより、社員の自主性を高め、業務に対するモチベーションの向上を図っているところでございます。
また、同社では、新たに社訓を定め、会社の目標や業務に対する取り組み姿勢等を社内に明示をし、社員の会社への帰属意識を高めるとともに、会社への愛着を醸成することで、社員のモチベーションの向上につなげようということで努力をしております。
加えて、同社の社長を初めとした経営陣が現場視察等の機会に、事業所を訪問し、社員との積極的な意見交換を行うことで、東京水道の現場を支える社員のモチベーションの向上を図っているところでございます。
私も取締役の一人として、頻繁に東京水道サービスの方に出向いて、社員と意見交換をするということを努めております。こういったことで、社員のニーズをより深く聞き、できるものは実現していくというようなことの姿勢を示し、社員のモチベーションを少しでも上げていこうという努力をしていきたいというふうに考えております。
○舟坂委員 第一回定例会の本委員会において宇田川委員が指摘されていますが、上司が部下に対してなすべきことの第一は責任をとること、第二はモチベーションを与えること、私もこの考え方は、重要なことと考えております。このことを今、この委員会に出席している管理職の皆さんはもとより、水道局の現場を預かる管理職、そしてTSSの全ての管理職の皆さんにしっかりと胸に刻んでいただきたいと思います。
繰り返しになりますが、この改善を進めるのは組織であり、組織の責任は、組織のトップ、東京水道サービス株式会社の社長、そして同社を指導監督する水道局の局長にあると考えます。
そして、今回の改善報告書及び本日の質疑の中で出てきた改善策についてしっかりと取り組み、都の水道事業を支える同社の社員の方々に、今後もこの会社で働きたいと思ってもらえるような会社にしていただきたいと思います。
そこで、このことを踏まえ、東京水道グループを統括する水道局長がリーダーシップを持って、今回の改善策を遂行していくべきと考えますが、局長の決意をお伺いいたします。
○中嶋水道局長 東京水道サービス株式会社の課題は、会社のガバナンスを確立することによりまして解決していくことはもちろんでございますが、当然、東京水道グループ全体のガバナンスを強化して、一体的な事業運営体制を構築することが必要不可欠と考えております。
同社と株式会社PUCの統合などの変革期を迎えている中で、今回、報告及び答弁させていただきました改善策につきましては、局として責任を持って、着実かつ継続的に実施してまいります。
また、グループのリーダーである私が先頭に立ちまして、ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に取り組み、お客様から真に信頼され、また、東京水道サービス株式会社の社員を初め東京水道グループを担う社員、職員が本当にモチベーションを向上させるような、そういった職場環境というものをぜひ実現したいと思いますし、そのために全力を挙げて取り組んでまいります。
○舟坂委員 質疑の中でも取り上げましたが、人材育成方針と出向社員の所要人員見直し年次計画は策定されておりません。さらには、一般企業として、一般的に求められる経営上のリスクの項目の洗い出しと、その対処方針を定めるリスク管理行動計画は、いまだ策定されておりません。こうした状況で、なぜ改善報告書が策定できるのでしょうか。
そして、この改善報告書を見ると、TSSは、現在、社会一般に求められる企業としての内部統制水準に対し、大きなおくれと認識不足が生じてしまっているとされているのに対し、一方では、TSSは会社法に定める大会社に該当しないが、都の政策連携団体として高いコンプライアンスが求められるともされております。
しかし、報告書にある改善策は、一般企業ですら求められているものをできていない。なぜ、これで改善計画といえるのでしょうか。そして、改善策を一つ一つ見ると、具体性がない、生ぬるいといわざるを得ないところが、かしこに見受けられます。これで真の改善が図られるのでしょうか。そして、水道局、TSSという組織、その体質を根本的に改善できたのでしょうか。甚だ疑問であります。
とはいえ、TSSは都民の生活と都民活動を支える水道事業の一端を担う団体であり、早期に都民の信頼に応えられる団体に生まれ変わる必要があると考えます。この責任は組織にあり、組織の責任は、組織のトップ、TSSの社長、そして、同社を指導監督する水道局の局長にあると考えます。
本日の質疑において私が指摘いたしましたことを真摯に受けとめ、しっかり再考した上で、組織として責任を持って、体質を含め根本的に改善するよう強く指摘しておきます。我が党は、これまでにも増して厳しい視点で注視してまいります。
以上でございます。
○加藤委員 水道局所管の政策連携団体である東京水道サービス株式会社に対する本年二月の特別監察結果は、水道局に対する虚偽の報告や工事会社に対する改ざん指示など、水道の重要事業を担う政策連携団体としては、およそ信じがたい不適正処理事案が発覚しました。さらに、会社全体として、内部統制やコンプライアンスに関する意識の低さなどが多数指摘されました。
そして、同社は、一般の企業よりも高い透明性や説明責任が求められる都の政策連携団体にもかかわらず、複数の土木系協力会社との飲食を伴う会合や協力会社への再委託などを長年にわたり続けてきたことについては、都民の目線から見て、同社と協力会社との関係性に大いなる疑問を持たざるを得ません。
今回の報告書では、協力会社との不適切な関係はもちろんのこと、さまざまな改善策を網羅的に取りまとめていますが、私は、水道事業を支える政策連携団体においては、透明性の確保が何より重要と考えます。中でも、今後も継続的に調達が行われる以上、契約制度に関する改善は、ポイントの一つになると考えます。
こうした観点から、本日は、契約制度を中心に、今回の改善策でどのように見直したのかについて質問していきたいと思います。
土木系協力会社四社を対象とした再委託については、四社に限定した業者登録制度を廃止して、局からの直接発注や引き続き再委託する場合に、原則として競争入札で実施する方法に見直すとのことです。
この再委託に関する見直し案に対し、局が本年四月に設置した東京水道グループコンプライアンス有識者委員会では、入札方式を業務内容に応じて、総合評価方式や指名競争入札で実施方法を変えるなどの整理が必要や、総合評価方式の評価項目は、特定の業者だけが落札することのないよう留意すべき等の意見があったと聞いております。
そこでまず、有識者委員会での意見を踏まえ、再委託に係る契約方式の見直しに関して、どのように対応したのか伺います。
○石井経営改革推進担当部長 今般の改善報告書において、東京水道サービス株式会社から土木系協力会社に再委託していた業務のうち、定型的な業務は、当局から民間事業者に直接発注することとし、引き続き再委託する業務の契約は、原則として競争入札で実施することといたしました。
このうち、引き続き再委託する場合の契約方式につきましては、有識者委員会において、指名競争入札を基本としつつ、業務内容により総合評価方式で実施するなどの整理が必要、総合評価方式の評価項目は、特定の業者だけが落札することのないよう留意すべきといった意見を頂戴しております。
これらの意見を踏まえ、まず、東京水道サービス株式会社の管理下での作業で、特に高い技術力を要しない業務については、希望制指名競争入札で実施をし、豊富な経験に基づく高度な技術力を要する業務については、技術点と価格点の合計で落札者を決定する総合評価方式で実施することといたしました。
また、総合評価方式による場合は、特定の業者だけが有利な条件とならないように、技術点の配点について、多岐にわたる項目を評価対象とすることにしております。
○加藤委員 有識者委員会の意見を踏まえるとともに、品質確保にも留意しながら、競争性や透明性を確保するために、新規の業者に門戸を開く仕組みへと見直しをしていると理解をいたしました。
報告書によれば、見直し後の契約方式によって既に契約が実施されているとのことです。
そこで、この契約方式の見直しを行った効果について伺います。
○石井経営改革推進担当部長 契約方式を見直した後、希望制指名競争入札により契約を締結した案件では、一案件ごとに一者から四者程度、新規の業者が入札に参加しており、入札参加の機会を拡大する効果があったと考えております。
また、予定価格に対する落札率については、昨年度と比較して低下する傾向にあり、一〇ポイント近く低下している事例も見受けられ、競争性が十分に発揮されているのではないかというふうに認識をしております。
○加藤委員 契約方式を見直した効果があらわれていると聞きまして、ひとまず安心でございます。
しかし、契約に関しては、不正事案を再び繰り返すようなことがあってはならないことから、不正の温床となるような因子は、いち早く取り除かなくてはなりません。
同社が発注する再委託契約は、毎年度繰り返されるものであり、落札結果の妥当性などは、継続的にチェックする仕組みが重要であります。このため、今回、外部の弁護士を含めた委員から成る契約監視委員会を設置したことは大変意義のあることですが、肝心なことは、こうした仕組みをしっかりと機能させていくことにあると思います。
そこで、この契約監視委員会には、どのような役割を持たせようとしているのか伺います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社に設置をしました契約監視委員会は、落札率など、入札結果の調査分析を通じて、談合等の不正防止を図ってまいります。
また、契約プロセスの調査分析により、契約制度の課題を抽出し、契約事務の適正化に向けて、具体的な改善策を提案していくといった機能も付加しております。
このように、同委員会は、最善の方策を絶えず講じることにより、契約制度を円滑かつ適正に運用するための中心的な役割を担っていくものと考えております。
○加藤委員 契約に関しては、今回の見直しを一過性のものとせず、適正な契約制度へと見直す不断の取り組みが必要と考えますので、契約監視委員会が、今後、実効性のある取り組みを行っていただくよう求めておきます。
しかし、当然ながら、不適正処理事案の発生など、同社の社会的評価をおとしめるような事態を回避するには、契約制度を見直すだけでは不十分です。経営に対して、マイナスの結果をもたらす内部要因や外部要因をしっかりと把握し、内部統制をきかせながら、健全な経営を目指していくことが重要です。こうしたことを踏まえ、経営上のリスク全般への対応について確認をいたします。
一般的にはリスクマネジメントといわれておりますけれども、昨今、取引先の業務停止などで、連鎖的な影響を受けたり、社員が法令違反を犯すことによって損失をこうむるなど、会社の経営を揺るがすような事態に関して、事前に対策を講じておくことの重要性が増しております。
報告書には、対策の一つとして、取締役を委員長とするリスク管理委員会の設置が掲げられていますが、委員会を設置するだけでは十分ではなく、きちんと機能するように適切に運用していくことが重要です。
そこで、改めて、リスク管理委員会を設置する目的について確認します。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社のリスク管理委員会は、公益的企業としての利益や信用を毀損し、企業活動に悪影響を及ぼす可能性がある同社に関するあらゆる事象をリスクと捉え、そのリスクを適切に管理すること、また、危機の発生を回避することや危機が発生した場合の影響を最小限にとどめることを目的として設置しております。
○加藤委員 では、このリスク管理委員会の設置を通じて、会社経営上の障壁となるリスクや、リスクが及ぼす影響をどのように管理し、危機回避や危機発生時の損失の最小化をどのように図っていくのか、運用面での対応について伺います。
○石井経営改革推進担当部長 リスク管理委員会では、危機の発生を回避するため、今後、危機が発生する可能性のあるリスクを抽出してリスト化し、対応の優先順位を明確化したリスク管理行動計画を、今年度末までに策定する予定でございます。
同委員会では、この行動計画に基づいて、現場レベルでのリスク管理の実効性を高めるため、社内各部署に対して指示や指導を行うとともに、リスク管理行動に関する定期的な教育訓練を全社員を対象として実施するなど、損失を伴う危機の発生を抑止していくということを考えております。
また、予測不能な危機が発生しました際、この際ですけれども、対処すべき事項の選定やその優先度の整理を通じて、影響の最小化を図る役割を担うというふうに考えております。
こうした取り組みにより、東京水道サービス株式会社の経営戦略目標の達成に向けて、全社を挙げてリスク管理を機能させてまいります。
○加藤委員 リスク管理に関して、全社的に取り組む姿勢を確認いたしました。事業の現場から経営層に至るあらゆる階層において、リスク管理の重要性を認識して、事前の対策を万全なものにしていってほしいと思います。
さりとて、このたびの特別監察によって失った信頼を回復するには、相応の時間が必要かもしれません。PUCとの統合が予定されていますが、それまでに、信頼回復に全力を挙げないと、疑惑隠しで統合するのかといわれかねません。
したがって、今回指摘された数々の問題に対し、的確な対応策を構築して、一日も早く東京水道サービス株式会社が新しく生まれ変わるよう努めてもらいたいですし、生まれ変わった姿を都民は待ち望んでいるはずです。
そして、水道局を初めとして、東京水道グループ全体が都民に寄り添い、将来にわたり安全でおいしい高品質な水を安定して供給し続けていってほしいと願っております。
最後に、東京水道グループの代表である水道局長に、東京水道サービス株式会社の信頼回復と新たなスタートに向けた決意を伺います。
○中嶋水道局長 東京の水道事業を持続可能なものとするためには、東京水道グループ全体で信頼回復に努めていくことが不可欠でございます。
今回の改善報告書には、有識者委員会の助言、提言を踏まえ、東京水道サービス株式会社のコンプライアンス強化策や大会社に求められる内部統制水準に適合する対応策、さらには、東京水道グループ全体のガバナンス強化策を盛り込んでおります。これらは、強化策を策定するだけでなくて、実行する、実のあるものにしていくということが大前提でございます。
そのために、既に実施済みの対策を含め、これらの改善策をしっかりと実施してまいりますが、さらに改善策の実効性を確保していくため、実施内容を継続的にフォローし、PDCAサイクルに基づいて、適宜必要な見直しを行ってまいります。
今後の団体統合を見据えまして、こうした取り組みを着実に進め、私が責任を持って先頭に立ち、東京水道グループを牽引することで、真にお客様からの信頼を得て、安定的かつ持続可能な事業運営を実現してまいります。
○加藤委員 千葉県内で台風による停電と断水が発生しましたけれども、水道局がいち早く、水道緊急隊と給水車を二台、派遣をしていただきました。近県も含め、十台というふうにお聞きしております。私の親族もこの被害エリアに住んでおりまして、迅速な対応に感謝の連絡がありました。命の水といわれるぐらい、水の大切さは災害時に一層痛感するわけです。
首都直下地震が懸念される中、東京水道グループ全体の災害時の迅速な対応が、東京水道グループの信頼につながりますので、今後も万全の体制をよろしくお願いしたいと思います。
結びに、安全でおいしい水道水の供給は、都民生活に不可欠であることから、今後とも、東京水道グループとして、継続的に信頼回復に向けた取り組みに尽力していただくことを改めて要望して、質問を終わります。
○川松委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時八分休憩
午後三時二十五分開議
○川松委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○河野委員 質問します。
東京水道サービス株式会社、TSSの特別監察については、ことし三月、六月と続けて公営企業委員会で質疑されてきました。我が党は、斉藤まりこ委員が、これまで二回の委員会で、TSSが特別監察を受けるような不祥事を繰り返さない努力を求め、コンプライアンス、ガバナンスの確立、土木会社への再委託や交際費問題、TSS固有社員の待遇改善、人材育成を初め種々の質問を行ってきました。そのことを踏まえ、このたび外部委員で構成されている東京水道グループコンプライアンス有識者委員会の助言、提言を受けたTSSに対する特別監察結果改善報告書について質問をいたします。
まず、要望させていただきます。今回の改善報告書は、東京都の政策連携団体のTSSが不適正事案の再発を防止する、そのために社内の内部統制、コンプライアンスを強化することが最も重要なこととして位置づけられていると思います。これについては、我が党も繰り返し質問してきました。
ことし三月十九日の当委員会では、斉藤まりこ委員の質問に対し水道局は、都OBを初め複数の関係者が関与しておりました、このことについて猛省すべきと考えており、今後、襟を正して、東京水道グループ全体のコンプライアンス及びガバナンス強化に向けて、あり方を含め抜本的対策を講じてまいりますと答弁しています。
TSSだけでなく水道局にも、当事者としての責任があるとした答弁だと思います。この立場をしっかり堅持して、再発防止へ緊張感を持って臨んでいただくことを初めに強く要望しておきたいと思います。
では、以下質問いたします。
特別監察で明らかになった資材置き場の巡回点検不履行は二〇一二年から続いており、竣工写真の改ざんは二〇一五年から起きていたとのことです。疑問なのは、なぜ何年もたったこの時期に目安箱に意見が出され、特別監察に至ったのかということです。
水道局は、このことについてはどのように受けとめておられるのかお聞きいたします。
○石井経営改革推進担当部長 今の委員のご指摘の、なぜこの時期にというところは、正直、私もちょっとわからないところがございます。ただ、この経緯につきますと、やはり年末になるんですが、東京水道サービス株式会社において、関係団体や受注工事業者との不適切な関係、虚偽報告の作成指示が行われているなど、こういった指摘が職員目安箱に寄せられたということでございます。これを受け、知事の指示に基づいて、総務局が、昨年十二月からおおむね二カ月間、水道局及び東京水道サービス株式会社に対する特別監察を実施したという経緯がございます。
当局では、この特別監察において、同社の不適正処理事案への対応が不十分であり、また、内部統制体制やコンプライアンス強化に係る取り組みにも不備がある、さらに、指導監督する水道局のガバナンスの甘さなどが指摘されたこと、これにつきましては大変重く受けとめておりまして、この結果を踏まえて、今、種々の対策に取り組んでいるところでございます。
○河野委員 水道局は、指摘が寄せられた事案については把握していなかったこともあったということだというふうに今のご答弁で受けとめます。
水道局の政策連携団体に株式会社PUCがあります。ここにも、PUCにも、ことし六月に総務局から特別監察結果報告書が出ています。
それを見ると、PUCでの文書の裁断などを含め、過去三年間でヒヤリ・ハット事件を含む十八件が報告時期を逸することなく局に報告されていた、水道局への報告の運用が会社の裁量に委ねられている状況はPUCにおいてもTSSと同様である、そのような状況においても、PUCから水道局への報告が適切になされた要因は、PUCの主体性及び水道という公共インフラのお客様情報を扱うことに対する規範意識によるものであるともいえようというふうに記述されています。
同じ水道局の政策連携団体であり、同じように指導監督をしてきたのにもかかわらず、TSSとPUCにインシデント、事が起きたときの対応、その問題についての仕方がどうして違ってきていたのでしょうか。この点について、水道局の認識をお聞きしておきます。
○石井経営改革推進担当部長 当局では、東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCに対して、政策連携団体の指導監督等に関する要綱に基づき、両社に対して指導監督を行ってまいりました。また、当局では、平成十八年度から、多摩地区水道の都営一元化に伴う事務委託の解消に合わせて、市町が担っていた業務を順次、監理団体に委託をしてきたという経緯もあります。
その結果として、都の水道事業において、両社が担う役割が増大をして、規模も急激に拡大したことから、幅広いさまざまな業務を円滑に行うことをまずは至上命題として業務運営に当たっていたというような状況でございます。
しかし、その規模の拡大傾向を見ると、平成十八年度から平成三十一年度までに、東京水道サービス株式会社は常勤社員数が五倍に増加する一方、株式会社PUCは二倍ということで、会社の規模が拡大してきた状況が異なってございます。
エリアごとに技術的な部分で現場を支える東京水道サービスの方は、やはり人が資源になってきますのでそこが大きくなる。一方、コールセンターとかそういった照会事業、それから営業所みたいなものをですね、そういうものについてはまだ直営でやっているところもありますので、どちらかというとTSSの方が人をかなり投入しないとできなかったというような状況はあります。
このように、東京水道サービスは、急激に会社規模が拡大したことが要因の一つとして、社内における内部統制やコンプライアンスの重要性は認識していたものの、技術継承やサービスの維持といった視点が重視されてきたことから、コンプライアンス等の重要性を社員一人一人に浸透させる取り組みが、残念ながら不足していたというふうに考えられます。
こうした経緯から、株式会社PUCで行われていたコンプライアンスに関する基本方針の策定や内部通報窓口の設置が東京水道サービス株式会社ではおくれるなどのこういった違いが生じていたと、現在認識をしているところでございます。
○河野委員 急激な業務の肥大化が、今回のTSSの不適正事案のたくさん起きた大きな一つの要因ですか、それであると。ほかにもあると思うんですが、それは大きな要因だということは、水道局もお認めになっているんですが、そこをこれからどうするかということが、お互いに考え合っていかなくちゃいけないことなのかなと思います。
TSSとPUCに関して伺いますけれども、TSSに対する特別監察結果改善報告書の概要版の四ページに、株式会社PUCとの統合に合わせた人材育成方針の策定と書いてあります。
二つの政策連携団体TSSとPUCの統合の準備が進められ、これについては、私たちの意見は最後に申し上げますけれども、現状に当たり、両社社員の合意、意見交換と表明の場を保障することが重要だと思うんです。それぞれに違う業務を担ってきた両社の統合は、安全で高品質の水を都民に供給するよう、水道局とともに果たしていく責務を負っております。会社の統合をどのように進めていくのかが注視されています。
私たちは、水道局、TSS、PUCなどで働く職員、社員、こういう方々に意見を聞いてみました。両社の統合は、ある人は寝耳に水という感じだったと感想を述べておりました。そして、今も統合に向けて何が準備されているのかわからないという声も聞こえてまいります。すなわち、働く人たちへの情報がないということであります。
自分たちが働いている会社がどうなるのかは重大な関心事であります。両社の社員の意見や要望を反映する機会、場所は保障されているというふうに思えないと、私はこういうお声を聞いて感じているんですけれども、水道局は、統合について社員の声を把握し、反映していく努力、これが本当に今必要なのではないでしょうか。
この点について、現状の認識、また、努力されていることなどをお示しいただきたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCの統合準備作業に関しましては、両社及び当局で構成する統合準備委員会を設置し、統合後の組織や制度等の検討を進めているところでございます。
統合準備委員会のもとには、三つの分科会と十二のワーキンググループを設置しており、ワーキンググループでの検討に当たっては、若手からベテランまで多様な職層の固有社員にも積極的に参加をしてもらい、会社全体として統合に向けた準備を進めております。
今、委員からお話があったように、ここに参加している方はいろいろとわかっているんでしょうけれども、やっぱり現場に行くと、まだそこが浸透していないのではないかというところは課題としてありますので、そこもしっかりと根づかせていかないといけないというのはわかっております。
引き続き、こうした取り組みの中で、両社の社員の意見に耳を傾けること、これが一番重要なことだと思っておりますので、こういった、耳を傾け、できるものは取り組んでいくという姿勢のもとで、社員が働きがいを実感できる新会社の設立に向けて頑張っていきたいと考えております。
○河野委員 現場で働いている方々の意見、感想について今申し上げましたけれども、その点は、これから努力方向、示されましたので、ぜひ力を入れていただきたいということを申し述べておきます。
次の質問ですが、総務局が発表している二〇一八年度の東京都政策連携団体経営目標の達成状況の概要、これを見ますと各政策連携団体のランクづけがされています。S、A、B、C、Dの五段階のランクで、PUCはAの評価です。TSSは最低のDの評価です。大きな差があります。
そこで伺います。この評価の差について、水道局はどのように受けとめておられますか。
○石井経営改革推進担当部長 二〇一八年度の東京都政策連携団体経営目標評価に関して、総務局が行う最終評価では、株式会社PUCは、二〇二〇年度の到達目標に向けて、具体の成果を伴って取り組みが大きく進捗し、総じて、団体としてすぐれた成果を上げているとの評価を受けております。
また、東京水道サービス株式会社では、二〇二〇年度の到達目標に掲げた取り組みが進捗しているとされている一方で、特別監察にて判明した一連の不適正事案については、組織内外に影響を及ぼす重大事案であると。今後の株式会社PUCとの統合に向けて、内部統制やコンプライアンスにかかわる課題について実効性のある改善策を速やかに講じていく必要があるというような評価を受けてございます。
到達目標につきましては、両社とも一定の評価を受けておりますが、東京水道サービス株式会社は、特別監察結果において組織内外に影響を及ぼす重大事案を抱えていると指摘されていることから、両社の間で最終評価が異なっている結果になっているものという認識でございます。
○河野委員 今、両社の間の最終評価が異なっているという点では、AとDではかなり差があるということを、やっぱり局も認識された方がよろしいのではないかということであります。
二つの政策連携団体ですね、インシデントの対応とか経営体質が違っているとか、また、経営目標の達成状況も差があるとか、そして、こういう状況の中で統合を七カ月後に控えているわけですけれども、今また社員への情報もほとんど出されていない、そういう方々が存在する、こんな状況で統合を進めるというのはどうなんでしょう。コンプライアンスやガバナンスが確立した会社として本当にしっかりとスタートしていけるのか、年度内の統合は、この状況ではまさに無理があるという懸念は、私たちは消えないものを持っています。
わかりやすい言葉でいえば、統合先にありきという状況ではないかというふうに思うものなんですけれども、この点についてもお考え、お示しいただきたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 今、委員より、統合先にありきではないかというようなお話も承りました。私ども公営企業としては、十年、二十年先を見据えた長期の事業の運営を考えたときに、都内も人口減少社会に入っていくということで、それすなわち給水件数の減、給水収益の減につながっていきますので、それでもサービスを維持していくために何をすべきかというような観点から今回の改革を行っているというようなところでございます。
その上で、当局では、特別監察において東京水道サービス株式会社及び当局に対し厳しい指摘がなされたことを大変重く受けとめ、直ちに同社に対し再発防止策を含む内部統制体制の見直しをするように指示をいたしました。
また、東京水道グループコンプライアンス有識者委員会において内部統制の強化等の改善策について、その妥当性や有効性等に関して幅広い検証が行われ、さまざまな助言、提言を受けて、このたび当局及び同社が取り組む改善策を取りまとめたところでございます。今後は、この改善策を着実に推進することで同社のコンプライアンスの強化を図ってまいります。
一方、同社と株式会社PUCとの統合は、都の水道事業の基盤強化を図る上で不可欠な取り組みであり、今年度中の実現に向けて着実に実施していく必要があるというふうにも考えております。
そのため、統合までに両社が抱えるあらゆるコンプライアンスに関する課題を改善していくことが必須であるという認識も持っており、局としても責任を持って取り組んでまいります。
○河野委員 ご答弁の最後のTSSとPUCとの統合、本当に今、コンプライアンスに関する課題を改善していくことが必須の問題として迫っていて、それを認識して局として責任を持って取り組んでいくということをおっしゃいました。このことについては非常に重い意味を持っていると思いますので、どうぞ答弁のとおりに責任を持って臨んでいただきたいということを訴えておきたいと思います。
私は、TSSが抱えているさまざまな課題を今クリアできたことが証明できる、あるいは見通しがつくまで強引に統合を進めるのは、社員全体の心とか都民の合意とか、そういう点でも問題があるのではないかと考えるんですね。このことについては、この機会に申し上げておきますので、しっかりと検討をされるようにお願いをしておきます。
次に、固有社員の処遇についてお聞きします。
固有社員が意欲を持って仕事に取り組むには、給与の引き上げは欠かせない問題ですが、水道局の答弁は、コスト感覚に基づき総人件費を抑えてということで、この考え方の立場に立って固有社員の賃上げを実施するというものです。
答弁が意味するものは、例えば、例でありますが、年長の社員の給与を抑制して若手固有社員の給与を上げるということなのでしょうか。給与、昇給制度などについて、コスト感覚、総人件費抑制の考え方を据えていくということがどういうことなのかということについて、具体的にご説明をいただきたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、現代表取締役社長の判断のもと固有社員の管理職への任用を推進するため、固有社員を能力と業績に応じて早期に上位職層に任用できるよう、課長昇任選考の資格要件を緩和することとしております。
また、現在不足している中堅社員を増員するために、中途採用を通年実施していくことも決めました。さらに今後、社員のモチベーション向上のために若手社員の待遇改善を図る給与制度の見直しについて、これが重要ということで位置づけて、安定的な経営を行うために、総人件費の抑制を前提とした上で、現在、この若手社員の給与の制度の見直しについて制度設計に着手しているところでございます。
○河野委員 総人件費の抑制ということが、働く人たちの給与のレベルを引き上げていくという点で、どういう影響があるのかというのが、私は非常に理解できないというか危惧するというか、ちょっとどういうふうになっていくのかなということが心配です。
技術力を生かして水道事業に貢献している社員は本当に貴重な方々ですし、固有社員が今の状態で納得しているとはいえない処遇は改めるべきでありますし、これは繰り返しこの委員会の中でも、私どもも各会派の皆さんも指摘をしてきたところだと思います。
初任給の額を総務局のホームページで見てみました。TSS、大卒で十八万二千円、高専卒十六万七千円、高卒十五万六千円ですが、PUCは、TSSの大卒が十八万二千円に比べて大卒十八万九千百五十円です。それから短大が十七万九千七百円で、比べるとPUCの方が初任給の額は高い、そういうことが明らかになっています。
社員全体の生活の向上、働く意欲の向上に結びつくように基本給を定めていくように、こうした初任給の額なども双方考慮しながら、やはり働く人の生活と権利を守るということで、より深く検討していただくことをこの機会に求めておきますし、また、今後、固有社員の課長職への昇進についても、目標を持って取り組んでいくということが、この二〇一九年度のTSSの経営方針と目標の中にはっきりとうたわれております。
この四五ページ、見せていただいたんですが、この目標に向かって社員の方々の処遇、昇進の問題についても改善が図られていくことを私たちはきちんと注視して見守っていきたいと思いますので、TSSとあわせて水道局が努力をされるようにお願いしておきたいと思います。
次の質問です。民間企業からTSSへの出向社員問題についてもお聞きしておきます。
所要人員見直し年次計画が間もなく出されるとのことです。出向社員は、給水装置関連業務の比率が多いと聞いています。見直しで出向社員が減員になる場合に、技術面、工事現場の作業にふぐあいが生じることはないのでしょうか。この点、少し心配なこともありますのでお答えいただきたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、出向社員の所要人員の見直し年次計画を、今月中、九月中に策定する方向で、今、鋭意作業を行っております。
今後、固有社員の採用強化や労働者派遣法に基づく人材派遣の公募による派遣社員の確保、業務の効率化を図ることにより、現在百十二人在籍している出向社員を、固有社員または派遣社員に段階的に切りかえ、三年を目途に解消することとしております。
派遣社員の確保に当たりましては、業務内容に応じた必要な資格等の要件を設定した上で公募を行うとともに、実務的な研修も実施をするということを考えておりまして、それにより技術力を確保していきたいと考えています。
○河野委員 この問題についても、ぜひご努力をお願いしておきます。
次の質問ですが、特別監察の後、TSSがBCP、災害管理計画、事業継続計画を策定したのは、私たちは評価できると考えています。これまでは水道局の災害発生時の応急対策業務等に関する協定などで災害発生時の行動が決められていたとのことです。
今回、TSSが新たにBCPを策定したことによって、TSSの災害対応はどのように変化があるのでしょうか。これについてご説明をいただければと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社ではこれまで、災害等発生時の応急対策業務等に関する協定に基づき、当局が行う水道の給水能力の維持または回復に係る応急対策の補完業務として、同社が受託する業務のうち安定給水を確保するために必要な業務の継続や水道施設等の被害状況に係る調査業務等の応急対策業務を行ってまいりました。
同社は、本年七月に事業継続計画を策定し、これまで同様に当局が行う水道の給水能力の維持または回復に係る応急対策の補完業務を行うことに加えて、同社の独自の取り組みとして、新たに自然災害及びテロ、犯罪、傷害、発病、インフルエンザなんかもそういうような形で今新型、ありますけれども、そういった伝染病も含めたもの、そういったものが発生した場合に、事務フローの作成や活動の優先業務の設定を行って、実際にこういうことが起こった場合にはどういうふうにして動いたらいいんだろうかというところを、会社なりに考えて、今、事業継続計画を策定して細目を検討しているところでございます。
○河野委員 これが私たちに配られたBCP、事業継続計画、TSSのものです。結構相当なことが書いてありまして、大変だなと思うんです。
いざ災害というときに、BCPが機能するかどうかが本当に大事だと思います。BCPには、今述べましたように詳細な行動が定められています。TSSの社員がこのBCPの行動マニュアルを身につけていくことが、災害に備えての必須の課題となっているわけです。
有識者で構成している東京水道グループコンプライアンス有識者委員会の助言、提言におきましても、社員が計画の内容をしっかり理解することが重要とし、机上訓練、実地訓練、対応力の向上が重要としています。
訓練、研修の時間の保障、そして業務との両立など、どのようにされていくのか、具体的に、BCPを生きた計画にするために、着実な習得、それに向けて取り組みをどのようにされていくのかについてお聞かせをいただきたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、休日発災参集訓練やテロ対処訓練、新型インフルエンザ発生対応訓練など、東京水道グループ全体で行う訓練への参加に加え、安否参集確認システム訓練、初動要員個別訓練を同社単独で実施をしております。
また、危機管理研修を実施し、危機管理に必要な知識を習得するとともに、当局が実施する東京水道グループ共通課題研修を通じて、グループ全体で危機管理に関する共通理解を深めているところでございます。
これらの訓練や研修の実施に当たっては、日常業務に支障を及ぼさないよう複数回実施をし、職場ごとにできる限り全社員が参加できるような工夫をしながら訓練や研修の実効性を担保しているところであります。
何よりも反復訓練というものが大事だろうというところで、ここに力を入れながら災害時、そういったものに備えていきたいというふうに考えております。
○河野委員 今、日本全国が災害列島といわれている中で、特に、ついおとといですか、大雨が降って、水道局の方のご努力で、先ほどもお話がありましたが応急給水車を派遣されたりで、水道局やTSSの皆さんの果たしている役割は大きいものがあると思います。
そういう災害が多発している中でBCP策定されたということは大事なことでありますし、このBCPが本当に災害時に力が発揮できる、そして作業をする職員、社員の皆さんが安全に事に当たれるということでは、そのマニュアルをきちんと身につけていくことについては、十分に取り組みを進めていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
TSSの今後の経営方針に関連してお聞きいたします。
水道法が改正されて、東京の水道も民営化されるのではないかと、私たちは都民から質問がしばしば寄せられます。
改正水道法は、水道事業の民営化を促進するものであることは確かであり、都民の疑問や不安は当然だと思います。現段階では、東京の水道が運営権を売却するコンセッション方式を導入するとはしておりませんが、TSSとPUCの統合で、給水から蛇口までトータルな事業に取り組む包括委託の方式もあり得るとしていることは、東京都の水道事業が公の責任で運営されるかどうかという点では強い関心を持たざるを得ません。
確認の意味も込めて伺います。
安全で高品質な水を安定して都民に給水する、これは水道局が目指している事業の根幹でありますけれども、そのための公的責任をどのように担保されていくのか、この機会にお聞きしておきたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 今回の水道法改正の趣旨は、日本の水道事業が直面する課題の解決に向け、広域連携や多様な官民連携を推進することにより、水道の基盤強化を図ることにあると認識しております。
当局ではこれまで、多摩地区の水道を順次一元化し、広域化を推進するとともに、民間委託の積極的な拡大、監理団体の活用やPFIの導入など多様な官民連携を進め、経営の効率化を推進してまいりました。
今後、今年度中に政策連携団体を統合することで経営基盤を強化し、都の広域水道としての一体性を確保しつつ、都が責任を持って安全でおいしい高品質な水を安定して供給していく所存でございます。
○河野委員 では伺いますが、六月の当委員会で、TSSの事業全般について質疑がされました。野田数社長の水メジャー発言についても質疑がありました。六月の当委員会で意見が出された、そういう問題について、その委員会の後、水道局長と野田数TSS社長の意見交換は行われたのでしょうか。委員会質疑の内容などは野田社長に伝わっているのか、その点、確認の意味で伺っておきます。お願いします。
○石井経営改革推進担当部長 この間、今、委員の方からお話ありました議会の質疑の状況、そういったものについては、局長からも、また取締役である私の方からも、社長に対して、両社の社長ですけれども、いろいろと情報を入れて意見交換はしっかりとやっております。
そういったことの上で、東京水道グループ全体の経営戦略に関する意思決定やグループ全体が目指すべき理念の共有等を行うために、水道局長と各代表取締役社長等で構成するグループ経営戦略会議を、本年六月以降、七月と八月ということで計二回開催をしております。
この会議では、座長である局長に対し、東京水道サービス株式会社社長から特別監察の改善策について報告をするとともに、水道事業の運営に関する提案といったものも行われております。また、東京水道サービス株式会社と株式会社PUCとの統合に向け、組織、制度等の統一に関する成案を協議する統合準備委員会を七月に開催をしております。
こうした会議において活発な意見交換を行うとともに、日常の業務運営においても両社の意思疎通を図ることで、東京水道グループ全体として目指すべき事業運営の方向性の共有が図られているものと確信しております。
○河野委員 今、一問前のご答弁で、都が責任を持って安全でおいしい高品質な水を安定して供給するということをおっしゃられました。この立場で、ぜひPUC、それからTSSの両政策連携団体の社長を含め、水道グループ全体の意思の一致ということで施策を進めていただきたいと思います。
もう一つ最後にお伺いします。
現在、水道事業をめぐる情勢は大きく変化しています。人口減少社会を迎えていることや災害の多発、若手人材の育成が急がれていくことなど、もろもろあるわけです。そうした中で、都からの受託事業が九七%近く占めているTSSが、今後、会社としてどのような方向を目指すのか、これは都の水道事業にとっても大きな問題だと考えます。
TSSの今後のあり方について、水道局は現時点でどのように考えておられるか、ご説明をいただきたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 まず、両社は、今年度中に、統合作業ということを行っていますが、この統合により、新団体は水道事業を包括的に担うことができる体制を構築するとともに、東京水道の経営基盤を強化するために、より効率的でお客様の視点に立った業務運営を行ってまいりたいと考えております。
東京水道サービス株式会社は、その統合を見据えつつ、本年六月に策定した二〇一九年度の経営方針と目標、これに基づいて代表取締役社長のリーダーシップのもと政策連携団体として、水道局受託事業の着実な実施、健全な事業運営など会社全体で取り組んでいくものと考えております。
○河野委員 最後に意見を述べさせていただきます。
命の水をビジネスにしない、水道事業は公の責任を手放さないでほしいというのが都民の思いです。その立場から、今後も私たちはしっかりと注視していくことを申し上げておきたいと思います。
特にTSSとPUCの統合は、東京都が改正水道法の趣旨を踏まえた官民連携手法の検討を行う流れの中で進められており、経営基盤の強化といいますが、TSSとPUCが統合して技術的にも経営的にも、災害時の対応も含め、水道事業の大部分について包括委託を受けることのできる株式会社になることは、民営化の流れを促進する準備とも受け取れる、そういう思いを大変大きくしているところであります。
そして、私は今、TSSの問題できょう論議がされましたけれども、TSSが働きがいがある、公的責任が果たせる、そして社員の信頼関係が深められTSS本来の目指す目的が達成できる会社になるように努力を求めるとともに、水道局がTSSを公的役割を果たせるようにしっかりと支援していくこと、このことを強く要望して、質問とさせていただきたいと思います。
以上です。
○中村委員 それでは、私からも、東京水道サービスの特別監察結果改善報告書について質問します。
都は、行政改革として、関連する団体を監理団体から政策連携団体と名前を変えましたが、実態としてどのように変わったのかよくわかりません。ただ、都に関連する団体として、法令遵守は当然のことですし、強い使命感と高い公共性を持って仕事に従事していただくことが重要であり、それがあるからこそ、民間企業と競合する部分はありながらも存在する意義があるわけです。
改めて、八月三十日の委員会で報告のあった改善報告書で、前回の委員会以降の日付で実施済みとの記載がある箇所を中心に何点か質問します。
まず、再委託の問題です。六月の委員会でも質問しましたが、そのときにはまだ業者登録制度を廃止し、新規参入を拡大するということでした。透明性の観点からも変えるべきところは変えるべきです。
再委託が可能なサービスであるならば、都が直接発注すべきではないでしょうか。特に、最終的には再委託先が仕事をするのに、東京水道サービスが間に挟まれば、そこに中間マージンが発生し、委託費に含まれる人件費が直接現場で働く人に行き渡らないのではないかとも懸念がされます。
そこで、再委託についての見解を伺います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社へは、都の水道事業における基幹的業務を委託しておりますが、その業務の一部を再委託することについては、契約の透明性や公平性を確保する観点から課題と認識し、昨年度から契約から定型的な業務を切り分け、当局から民間事業者への直接発注に順次切りかえております。
一方、民間委託になじまない業務につきましては、引き続き同社へ発注をし、そのうち一部の補助的な業務については、効率性の観点から同社がみずからの管理下のもとで民間事業者への再委託を行っております。
この再委託は、コンプライアンス有識者委員会の検証に基づく助言、提言を踏まえた上で当局が認めており、契約の相手方である民間事業者に対して適正な契約手続によって必要な対価を支払うものということでありますから、ご指摘のような事例には当たらないと考えております。
○中村委員 定型的な業務は直接発注に切りかえるとのことでした。効率性も重要な要素だとは思いますが、透明性、公平性の観点も重視をし、不断の見直しを行い、可能なものは直接発注に切りかえていくことを求めます。
さて、こうした業者への再委託も含め、東京水道サービスが受託する業務に関しては、受託業務委員会が監理をしていたようですが、監査室所管のコンプライアンス推進会議との連携が不十分と指摘もされていました。
内部統制の強化が必要だとは思いますが、今回はさらに幾つかの組織をつくるようですので、それぞれ役割を果たし、しっかり連携していかなければなりません。複数の組織ができて大変わかりにくくもなっています。
新たにリスク管理委員会を置くことになり、さらに受託業務委員会や契約監視委員会などもあるようですが、役割分担について伺います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、特別監察の指摘を踏まえ、さまざまな内部統制を組織的、体系的に運用するため、統制する分野に応じて複数の組織を整備することとしました。
リスク管理委員会は、同社の利益、信用を毀損し、企業活動に悪影響を及ぼす可能性があるあらゆるリスクを適切に管理すること、また、危機の発生を回避することや危機が発生した場合の影響を最小限にとどめるための対策を構築する組織としております。このリスク管理委員会が社内のリスク管理を統括し、各組織が情報を共有しながら密接に連携を図ることで、同社におけるリスク管理を万全なものとしてまいります。
リスク管理委員会のもと、受託業務委員会や契約監視委員会を設置しているという構図になります。このうち受託業務委員会は、同社が当局から受託した業務において、不適正な処理事例が発生した場合の原因調査や再発防止策の策定を担う組織となっております。
また、契約監視委員会は、同社が行う契約に関し、落札率など入札結果の調査分析を通じて談合等の不正行為を排除するとともに、契約プロセスの調査分析により、契約事務の適正化に向けて改善策を提案する組織となっております。
○中村委員 内部統制の強化は必要だと思いますが、余り組織が複雑化をして、それぞれが縄張り意識を持って、かえってすき間ができてはなりません。大切なのはしっかりと内部統制をしていくことなので、今回、リスク管理委員会が統括するために設置されたとのことなので、しっかりその役割を果たしていただくことを期待します。
また、これまでは相談の情報が一元化されていなかったので、今後は監査室に集約するとのことです。しかし、ハラスメント相談や内部通報などを外部窓口にしても、情報が監査室に集約してしまっては、社員で構成される監査室が調査することになり、公平な立場としての判断が困難とも考えますが、見解を伺います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、社員がハラスメント相談や内部通報をしやすくするために、外部の弁護士を窓口とする体制を整備いたしました。
また、窓口で受け付けた全ての情報は、各部の組織から独立した社長直轄の監査室に一元化をし、統一的に案件調査を行う運用を開始しております。寄せられた相談、通報に対する調査結果や措置の内容は、必ず最初に相談、通報を受け付けた窓口を通じて、相談者または通報者に通知することにより調査の透明性も確保しております。
また、調査結果を社内のコンプライアンス推進会議に付議し、法曹界の有識者から助言を受けることにより、調査の公平性についても確保してございます。
○中村委員 相談者からの声は重要ですし、相談者が守られなければなりません。相談しやすいような環境整備を求めます。
さて、問題を起こした社員がいたとはいえ、多くの社員はまじめに働いていると思っています。だからこそ、今回の対応が継続するためには、社員のモチベーションの維持向上が必要です。
とりわけ、固有社員のモチベーションを高めるために、固有社員も管理職に昇進できるようにすることは重要です。私は、管理職どころか、能力と実績さえあれば、固有社員が役員に、場合によっては社長になることがあってもいいと思っています。
ところが、都から社長が突然送り込まれてきました。もちろん、これまでも水道局の幹部が役員になってはいたのですが、今回の社長人事が適材適所とだけで、その必然性が明確ではありません。
社長は、水道分野での勤務や会社経営の経験もなく、都から推薦され就任したことで、固有社員のモチベーションは維持されているのか懸念があります。それに対して、社長はこれまでどう取り組んできたのか伺います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、新体制のもとで、社長みずからが先頭に立ち、強いリーダーシップを発揮して、さまざまな取り組みを実施しております。
まず、固有社員を能力と業績に応じて早期に上位職層に任用できるよう課長昇任選考の資格要件を緩和し、今後、選考を経て管理職としての任用を推進する予定であります。
また、同社の魅力や強みを積極的に外部へ発信することにより知名度を高め、社員が誇りを持って働ける環境づくりに取り組んでいるところでもございます。
さらに、若手社員の新しい発想を積極的に活用していくという考え方に基づいて、若手社員発想プロジェクトチームを設置して、若手社員の自主的、自発的な業務改善提案を取りまとめ、実際の業務に反映していくこととしております。
このような取り組みを通じて、社員のモチベーションの維持向上を図っているところでございます。
○中村委員 ともかくも、固有社員も管理職に昇任できるようにすることは望ましいことですから進めていただきたいと思いますし、社長には、これまで経営の経験はないとはいえ、選ばれた以上は従業員を大切にしていただくしかないと思います。
とはいえ、異例の人事ですから、心配なのはそれだけではありません。もとより、いわゆる天下り人事はよくないとしていた理由の一つは、元局長などの先輩が社長になれば、後輩の局長が厳しく指導監督できるのかという懸念があるからです。
今回は、さらに、社長に知事の側近が就任すれば、局長は厳しく指導監督できるのでしょうか。グループ経営戦略会議を拡充しようとしても、社長が知事の元秘書では、局のチェックは及ばない懸念がありますが、見解を伺います。
○石井経営改革推進担当部長 都では、東京都政策連携団体の指導監督等に関する要綱に基づき、政策連携団体を所管する各局長等が団体に対する指導監督を行っております。
公営企業管理者を置く当局においても、同様の要綱を定めるとともに、所管する政策連携団体との間で業務運営に関する協定書を締結し、この中で、当局が団体の指導監督を行うことを明記しております。これに基づき、当局は日常的に各団体の業務運営に関する指導監督を行っているものでございます。
また、東京水道グループ全体の経営戦略に関する意思決定やグループ全体が目指すべき理念の共有等を図ることを目的として、水道局長と団体の社長等で構成するグループ経営戦略会議を設置しております。この会議では、水道局長を座長としてグループ経営を強化するために経営方針の徹底等を図っております。
このように、東京水道グループのトップである水道局長がリーダーシップを発揮し、各団体への指導監督、グループ経営の強化を図っており、ご指摘には当たらないというふうに考えております。
○中村委員 局長がリーダーシップを発揮して指導監督をするとの力強い答弁をいただきましたが、ぜひ局長には、知事の側近だからといって臆することなく、万一おかしなことがあれば、おかしいと述べていただくよう求めます。
さて、二〇一八年度の東京都政策連携団体経営目標評価において、東京水道サービス株式会社がD評価を受け、社長の役員報酬が五%の減額になったことについて、局としてどのように受けとめているのか伺います。
○石井経営改革推進担当部長 二〇一八年度の政策連携団体経営目標評価において、東京水道サービス株式会社は最下位のD評価を受けております。
この評価結果は、経営目標に掲げた取り組みを着実に実施してきたものの、特別監察の結果、不適正処理事案というものが起こり、内部統制体制やコンプライアンス確保への取り組みの不備といったところも指摘されたことが大きく影響したものと認識をしております。
今後は、今回取りまとめられた改善策を当局と同社が着実に実施することで、都民から真に信頼される東京水道グループを構築してまいりたいと思っています。
○中村委員 総務局のこの評価については、そもそも達成できそうな目標を掲げて、それを達成して全般的に評価が高いという制度の問題があると思っています。
しかし、今回はその目標の達成度とは別に、コンプライアンスの問題でD評価となりました。このことは重く受けとめ、当然コンプライアンスが守られるということを前提として、今後は高い経営目標を掲げて達成に向けて挑んでいき、安全でおいしい水を安定的に供給する強い使命感と高い公共性を持った、真に都民から信頼される水道局グループの一員として再出発していただくことを強く求めて、質問を終わります。
○上田委員 まず、人事についてで、最初に給与についてです。
退職派遣による派遣時の給与は、水道局と水道局所管政策連携団体で締結している職員の派遣に関する取り決め書で定め、退職派遣者には局に在職している場合と変わらない給与である百分の百を支給している。ゆえに派遣社員平均年収八百三十二万二千円、固有社員四百七十九万四千円でございます。
報告書では、都職員厚遇ともとられかねない状況と指摘をされ、モチベーションの喪失に当然つながるとしています。この賃金格差是正に着手せず都職員厚遇が解決しないはずですが、この点についての問題意識について確認させてください。
○石井経営改革推進担当部長 当局から東京水道サービス株式会社へは、組織マネジメントの支援や当局職員の有為なノウハウ等の継承などを目的として、職員を派遣しております。
この目的を前提に、都から同社に派遣されている社員の給与は、水道局と水道局所管政策連携団体で締結している職員の派遣に関する取り決め書で定めており、その内容は都の方針に基づいております。この取り決め書において、退職派遣者の派遣期間における給料及び手当は、東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例及びこれに基づく管理規定の例により派遣先団体が支給すると指定されております。
このため、都から同社に対する退職派遣者には、局に在籍している場合と変わらない給与額を支給しております。
一方、同社における固有社員の給与は、同社の就業規則及び賃金取扱要領で定めております。この賃金取扱要領では、各人ごとに、年齢、学歴、技能、経験、職務遂行能力、勤務成績等を総合的に勘案して給与決定することとされております。
このように、都から同社に派遣された社員と固有社員には、それぞれの取り決め等に応じて適切に給与が支給されていると考えております。
○上田委員 その取り決め書なんですけれども、経済的不均衡が生じる場合に応じて派遣先団体が補填し調整するということですが、都の派遣社員の金額が固有社員よりも著しく多い経済的不均衡--給料が多いということですね、また、不利益取り扱いが発生した場合は、派遣職員が対象で、固有社員との不均衡の調整を行うものではないということを確認させていただいております。
また、TSSの都OB社員の給与については、東京都水道局所管東京都政策連携団体の指導監督等に関する基準に基づき、職員の都在籍当時の能力、先ほどおっしゃっていたように、実績と経営状況、事業内容を踏まえた上で、同社で定める都OB社員の賃金取扱要領を定めているということでございました。
退職金にあっては、平成三十年度に退職し、退職金が支給された固有社員のうち、最も勤続年数が短い社員の勤続年数は三年、その退職金の平均額は十万円、最も勤続年数が長い社員の勤続年数は十二年で、その退職金の平均額は百五十一万となっておりまして、一方、同社へ派遣された都の職員の退職手当は、都職員の退職手当に関する規定に基づいて、派遣期間も含めた都の在職期間により支払われるということで、金額は明らかにしてはいただけませんでしたが、恐らく都からの派遣社員の方が多いと思われるわけでございます。
この退職金にあっての格差是正についての問題意識もあるのか、伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 都から同社に派遣された社員と固有社員には、それぞれの取り決め等に応じて適切に給与が支給されておりますが、退職金につきましても、東京水道サービス株式会社の固有社員の退職金は、退職金規定に基づき在職期間に従って適切に支払われております。
また、都から同社へ派遣された職員の退職手当は、東京都水道局職員の退職手当に関する規程に基づいて、派遣期間も含めた都の在職期間により支払われるものでございます。
このように給与と同様に、固有社員と都から同社に派遣された職員には、それぞれの在職期間に応じて適切に退職金が支給されているものと考えております。
○上田委員 適切だということですね。今回、最終報告を受けまして、管理職は固有社員がいないので除外すると、前述したように非管理職で比較をしますと、固有の社員の平均が約五百万円、都派遣が約八百万円、都のOBは四百八十万円と、ほぼこの退職OBと固有社員の平均給与が同水準となっております。
働き方改革の一環として同一労働同一賃金が叫ばれ、都も率先して取り組まれている中、この金額的乖離を経済的不均衡に当たらないと、今の答弁でも、六月の答弁でも得ました。
TSSにおけます平成三十年度末の時点の都から同社に派遣された社員の平均年齢は四十三・九歳であり、平均派遣期間は二・五年、都の勤務から引き続く平均勤続年数は二十二・二年、同様に固有社員の平均年齢は三十五・五歳で平均勤続年数は七年、同様に同社の都OB社員の平均年齢は六十三・三歳であり、平均勤続年数は三年ということから、改めて、この賃金格差是正に向けての取り組みを伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 済みません、先ほどから同じようなご答弁になって恐縮なんですが、都から東京水道サービス株式会社に派遣されている社員の給与は、水道局と水道局所管政策連携団体で締結している職員の派遣に関する取り決め書で定められております。
一方、都OB社員の給与についても、同社の固有社員の給与と同様に、同社の就業規則及びそれぞれの賃金取扱要領で定めております。
このように、都から同社に派遣された社員と固有社員及び都のOB社員には、それぞれの取り決め等に応じて適切に給与が支給されているものと考えております。
○上田委員 それぞれの取り決めは、制度としては間違いがないですが、結果としては格差がある、出てしまっているということの確認をさせていただきました。
それでは、人事及び人材育成体制について、その賃金格差があるという前提に基づきまして確認させていただきたいと思います。
TSSへの派遣は、前回の六月の資料で、私が六月十七日の委員会資料で取り寄せました8によると、都で課長級は部長級に、係長級は課長級になっていることが多く、都庁内の比例原則が反映されていることが見てとれまして、別組織の政策連携団体であることから、それを援用する必要もなければ、TSSの独立した組織としての人員配置をすべきと考えております。
派遣先部署におきます職務内容、派遣者の職歴や能力等を総合的に鑑み、都派遣社員の役職を決定しているんだという答弁を頂戴はしているんですけれども、報告書にございます社員構成の適正化を行うに当たり、この点をどうクリアにされるのか伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、固有社員の管理職への任用を推進するため、固有社員を能力と業績に応じて早期に上位職層に任用できるよう課長昇任選考の資格要件を緩和することとしております。
また、現在不足している中堅社員を増員するために、中途採用を通年実施していくこと、こうした取り組みにより、同社における管理職を含めた社員構成を適正化していきたいと考えております。
一方で、当局から同社へは、現在、組織マネジメントの支援や当局職員のノウハウ等の継承などで、目的に応じて職員を派遣している状況でございます。
今後、同社における社員構成の見直しに合わせ、当局から同社への派遣についても適切に見直しを図っていきたいというふうに考えております。
○上田委員 役職のバランスについては、問題意識を持っていらっしゃるようですね。
一方、やめちゃった人、退職者に対し、理由をTSSは聞いております。この理由は、地方出身者の地元へのUターンや都を含む公務員、団体職員への転職が上位ということでした。つまり退職者は、固有社員でいるよりも公務員になった方が得だと考えているのではないかと思います。
この結果を鑑みると、社員構成の適正化、人材育成方針の策定、局とTSSの連携の強化で、固有社員のモチベーションを達成することが困難に思えますが、改善策によりどう向上できるのか、数値目標も踏まえ、ご説明ください。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、固有社員のモチベーションの向上を図るため、社員構成の適正化、人材育成、当局との連携の強化などに取り組むこととしております。
まず、社員構成の適正化として、課長昇任選考の資格要件の緩和をすることとしており、固有社員の管理監督者の比率を、平成二十七年度時点の九%、これを令和二年度までに三〇%以上とする目標を掲げております。
また、人材育成としては、同社と株式会社PUCとの統合に合わせ、固有社員を育成するための人材育成方針を策定し、新団体の求める人材像の実現に向け、各職層における到達目標を定めた配置管理を通じた育成などを通じて、計画的に人材を育成してまいります。
さらに、当局との連携の強化につきましては、専門的ノウハウの習得が期待できる同社の人材を積極的に当局へ研修派遣するとともに、当局の連携として実施する共同研修を拡充することで、固有社員のキャリアアップを図ってまいります。こうした取り組みを進めることで、固有社員のモチベーションや技術力を向上させていきます。
○上田委員 積極的に当局へ研修派遣をするということでしたが、前回資料の3では、交流のバランスは、都からTSSの方が圧倒的に多く、バランスを欠くことがわかりました。
中核人材の選定基準について、将来の中核人材となる社員の育成を目的に、主任級及び主査級の社員のうち専門的ノウハウの習得が期待できる人材の派遣研修として当局に派遣、固有社員のキャリアアップを図っているというふうなことですが、今年度は同社から当局へ約五人を派遣、一方、当局から同社への派遣研修は、今年度計十人を派遣、今後さらに人材育成の観点から拡大していくことを検討しているということですが、現時点のその検討内容を伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 当局では、平成二十九年度から、政策形成過程を学び、東京水道サービス株式会社にフィードバックさせる目的で、給水装置業務における企画部門などに同社から社員四人を受け入れております。今年度は新たに、国際貢献に係る企画調整業務を所管する部署に社員一人を受け入れ、交流規模を拡大しました。
また、来年度からの新たな部署への派遣受け入れの拡大に向けて、コンプライアンス強化のためのノウハウ取得を目的に、コンプライアンスを所管する部署への受け入れを検討しております。
○上田委員 そうなんですけど、また人事交流で--また済みません、賃金に触れさせていただきます。水道局に受け入れられている固有社員の給与表にかなう形でつけられているのか、支給金額基準の根拠は何か、平均給与は幾らか、伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社から当局に派遣されている固有社員の給与については、同社の就業規則及び賃金取扱要領に基づき同社から支給されております。平成三十年度に当局に派遣された固有社員の年間平均給与は五百七十一万円でございます。
○上田委員 やっぱり都からの派遣と、TSSからの都へというのは、ちょっと平均的には給与の格差があるのかなというふうに見ました。
予算調査では、TSSについて、団体の固有社員の企画立案などの経験を積ませることで幅広い視野を持つ人材の育成を進めていくというような答弁を得ました。前回の資料、8を細かく見ますと、固有、協力会社社員ともども技術職が中心の組織と見られます。
改めて、TSSは、管理職も含めどのような人材で占め得るべき政策連携団体で構成されるべきか問うたところ、局長より、都民からの信頼を確保していく観点から、企業が一般に求められる水準より高度なコンプライアンスや説明責任が求められているとのことでありました。
現行のTSS野田新社長による、この件に関しての説明責任はどのように果たされているのか、時系列で詳細につきご説明ください。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、同社が必要とする水道事業のプロフェッショナルとして高いコンプライアンス意識を持ち、みずから考え、行動できる人材をどのように確保し、育成していくかについて、会社を挙げて議論を重ねてまいりました。
この議論をもとに、本年六月に、不適正事案についての情報共有と注意喚起を目的として、全社員を対象に水道局が作成したコンプライアンス研修の資料及び同社で発生した具体的な不適正事案を題材とした資料により、コンプライアンス研修を実施しております。
また、現代表取締役社長の指示により、同社が本年六月に策定した二〇一九年度の経営方針と目標では、若手社員を初めとした固有社員が主体的にかかわり、社員の提案内容が積極的に盛り込まれております。
さらに、本年七月に、若手社員発想プロジェクトチームを設置し、社の業務改善などに向け、管路維持管理、国内外自主事業、技術開発など、事業分野ごとの九つの検討チームにおいて、それぞれ設定したテーマについて、若手社員による自主的、自発的な検討を行っているところでございます。
こうした取り組みにより、高いコンプライアンス意識を持ち、みずから考え行動できる人材の育成に努めております。
○上田委員 同時に、局長から、特に会社を支える固有社員については、水道事業のプロフェッショナルとして、みずから考え行動できる人材が必要ということでありまして、それが今ご説明の中で育つということだったんでしょうが、固有社員と派遣職員の明確な賃金及び処遇の格差がある中で、今いったようなことで、その人材を確保できるのか、賃金、処遇の見直しについてはどう考えているのか--その改革の中でですね、教えていただきたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、現代表取締役社長の判断のもと、固有社員の管理職への任用を推進するため、固有社員を能力と業績に応じて、早期に上位職層に任用できるよう課長昇任選考の資格要件を緩和することとしました。
また、現在不足している中堅社員を増員するため、中途採用を通年実施をしていくこととしたこと、こうした人材の確保、育成の考え方を、本年六月に策定、公表した二〇一九年度の経営方針と目標に盛り込んでおります。
今後は、この方針に基づき、人材の確保、育成に取り組んでいくということで、また、社員のモチベーション向上のため、若手社員の待遇改善を図る給与制度の見直しが重要であると考え、現在、その制度設計に着手しているところでございます。
○上田委員 いよいよ給与の方に着手をされたということでございます。その目標を達成するに当たりましても、やっぱり本来業務が、どうするのかが成功の鍵とお答えだと思います。
再委託と協力会社の関係についてです。
事業継承を目的として昭和六十二年に設立されたTSSは、三十二年の実績があります。いまだ協力会社に繰り返し工事業務のみならず人事交流の再委託を続けてきましたが、この間、技術の継承、技術の継承とずっとご説明していますが、なされてきたのか、六月の委員会で確認しましたけれども、不断に実施したということと、業務受託が拡大する中で、マンパワー確保のため協力会社から出向社員を受け入れているというご説明は受けました。
固有社員の離職率の高さもあるので、結局やめちゃっているので、事実上、継承ができなかったのではないかなと思料するわけです。反省を踏まえ、その点の見解を伺います。
○石井経営改革推進担当部長 当局では、東京水道サービス株式会社の各部署に職員を派遣し、水道施設の点検や保全、管路工事の設計、積算や監督など現場の実務を通じて、同社の固有社員に対し必要な技術の継承を不断に実施をしてきております。
また、同社においては、実務研修や資格取得支援のほか、ベテラン社員と若手固有社員とのペア体制で工事監督業務等の現場OJTを実施するなど、ベテラン社員が有する高度な技術ノウハウの継承に向けた取り組みを積極的に進めてきているところでございます。
こうした取り組みに加え、離職者が一定程度発生することや出向社員の受け入れも考慮し、専門性を高めるため、同一の職務に複数年次従事させるなど適切な配置管理を行うとともに、技術系の固有社員の研修講師として育成することを通じて技術継承を進めてまいります。
○上田委員 結局、継承ができたかできないのか、ちょっと不明に思われますが、今後に期待したいと思います。
そして、再委託しないで業務目的は達成できないのか確認したんですけれども、さまざまな検討を進めていくという答弁であり、再委託に頼らざるを得ないのか否か、明確な答弁が得られませんでした。どちらなのか伺います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社へは、都の水道事業における基幹的業務を委託しておりますが、その業務の一部を再委託することについては、契約の透明性や公平性を確保する観点から課題と認識し、昨年度からの契約から定型的な業務を切り分け、当局から民間事業者への直接発注に順次切りかえているところです。
一方、民間委託になじまない業務については、引き続き同社へ発注し、そのうち一部の補助的な作業については、効率性の観点から同社がみずからの管理下で民間事業者への再委託を行っております。この再委託は、コンプライアンス有識者委員会の検証に基づく助言、提言を踏まえた上で当局が認めたものとなっております。
○上田委員 頼らざるを得ないということでありますね。
また、固有社員を育成し、単独での業務は実現できないのか、するつもりはないのかと確認したところ、受託業務の履行に当たり、同社固有社員単独での実施は、人員確保の面から困難であるとのことでありました。
とはいえ、報告書には見直しを図れとありますが、具体的に何をどう見直すのかご説明ください。
○石井経営改革推進担当部長 ここも繰り返しになってしまいますが、東京水道サービス株式会社へは、都の水道事業における基幹的業務を委託しておりますが、その業務の一部を再委託することについては、契約の透明性や公平性を確保する観点から課題と認識して、昨年度から、契約から定型的な業務を切り分け、当局から民間事業者への直接発注に順次切りかえているところでございます。
一方、固有社員の育成は、会社の事業運営上、重要と位置づけておりますが、補助的な業務につきましては、同社の管理下で民間事業者への再委託を行う方が効率的であるということで認識をしております。
今後もこの再委託については、コンプライアンス有識者委員会の検証に基づく助言、提言を踏まえた上で、必要に応じて見直しを図ってまいります。
○上田委員 直接発注の発想はいいと思います。補助業務の判断は、透明性、公平性が必要であります。今後は、見直しを具体的に進めていっていただきたいと思います。
その公平性、公明性が問われます入札ですが、指名競争入札で、おっしゃるような透明性が担保できるのか伺いたいと思います。あわせて、総合評価方式の評価基準を伺います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、管理下での作業で特に高い技術力を要しない業務については、希望制指名競争入札で実施をし、豊富な経験に基づく高度な技術力を要する業務については、技術点と価格点の合計で落札者を決定する総合評価方式で実施することとしております。
希望制指名競争入札では、発注に当たっては、参加条件や資格を同社ホームページで公表し、入札への参加希望を広く募っております。そして、指名選定に当たっては、入札希望者の参加要件を確認し、要件を満たす全ての者を指名しており、透明性と競争性を確保しております。
一方、総合評価方式の具体的な評価基準につきましては、発注案件ごとに業務内容が異なることから、外部の学識経験者の意見も聴取し、個別に定めることとなっております。
○上田委員 今回の入札可能業者についても、私は毎回、入札について伺っているところでございます。
要件を満たす全ての者を指名ということでございますが、入札参加条件と入札参加可能事業者の詳細を伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、希望制指名競争入札においては、一定の技術力を確保した上で、多くの事業者が入札参加の機会を得られるように考慮し、都の入札参加資格を有することや過去の実績等を参加要件としております。
例えば、管路維持管理にかかわる現場作業の再委託では、過去五年以内に、配水管の附属施設の簡易的な操作を含む点検、または維持補修等の作業に関して、元請、下請を含めて実績を有する者であることを要件としております。
都内において、過去の業務実績を有する入札参加可能事業者数は三十三事業者であり、このような入札参加要件とした後、希望制指名競争入札により契約を締結した案件では、一案件ごとに一者から四者程度、新規の業者が入札に参加しているという状況でございます。
○上田委員 新規の事業者が入ったことは大変評価したいと思います。三十三事業者ということでありますが、特殊な事業とは思いますけれども、この三十三以上にまたふえていくというふうに願いたいと思います。
また、あわせて、業者の方も新規になるということで、固有社員のパーセンテージなど、先ほど来指摘しておりますけれども、中身の方を変えていくということで具体的な数値目標に基づいた検討状況を伺います。
○石井経営改革推進担当部長 現在、東京水道サービスの全社員に占める固有社員の割合は約五七%でございます。今後もふやしていく方向であることは間違いございません。
引き続き、再委託の見直しや出向社員の受け入れの見直しなどを進めるとともに、受託業務の拡大への対応や経営基盤強化などを推進していく観点から、業務の中核を担う固有社員について採用を強化し、計画的に育成してまいります。
○上田委員 数値目標を立てませんとなし崩しになり兼ねませんので、この辺もTSSの社長は認識あるのか気になっております。
契約監視委員会の委員選定の公明、公平性、恒常的に同じ委員が選定されることはないのか伺います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社の契約監視委員会は、委員長である常務取締役、部長級社員八名及び外部委員一名の計十名で構成をされております。外部委員を除く各委員は、同社の契約監視委員会設置要綱において、委員長である契約担当の取締役を初め局受託業務、自主事業、研修事業などの社内の各業務において統括的立場である役職者を指定しており、特定の個人を恒常的に委員とするものではございません。
また、外部委員については、契約に関する専門的知識を有し、かつ会社と利害関係を有さない人材として弁護士に委嘱をしております。
このように、同社の契約監視委員会は、契約の公正性、公平性を確保する監視体制を整えております。
○上田委員 今回の改善に向けて、固有社員を早期に上位職層に任用するため資格要件を緩和するということでしたので、固有社員が部長級となりまして監視委員となることが公明、公平性の担保の糸口となりますので、それを今後期待したいと思います。
協力会社の工事受注額と出向社員の平均給与を知りたかったところなのですが、これが、さかのぼることが可能な直近七年間において、株式会社小島は平均金額約六億一千四百万、総額四十三億四百万、誠心興業は平均金額約七億二千二百万、総額は約五十億五千八百万、進日本工業は平均金額が四億七千七百万円、総額は三十三億四千三百万円、東京管路総研は平均金額六億四千二百万円、総額四十四億九千五百万円ということです。この金額、要するに出向社員の人件費の総額でございます。固有社員への事業継承が進むことになって、こうした、要するに予算を削減していくことが可能と私は考えます。
まず、予算削減の意思の有無を踏まえて見解を伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、都の水道事業における基幹的業務を受託しておりますが、その業務の一部を再委託することについては、契約の透明性や公平性を確保する観点から課題と認識し、昨年度から契約から定型的な業務を切り分け、当局から民間事業者への直接発注に順次切りかえております。
また、再委託として引き続き実施する業務についても、競争入札により広く公募した上で、同社の管理下で民間事業者へ委託することとしておりますので、こうした取り組みによって、再委託に係る予算についても、より効率化が図られるものというふうに考えております。
○上田委員 たびたびのご説明は理解しておりますが、数値目標を重ねてお願いしたいところでございます。
コンプライアンスについてです。
コンプライアンス有識者委員の選考につき、局が選定し、都の行政委員を歴任、併任され、現在も在職されている委員もいますが、各分野に精通した外部の有識者としての専門的かつ客観的な視点で議論し、助言や提言をいただけるものとの認識とのことです。
また、コンプライアンス促進の側面では、外部の評価を受ける機会がほとんどない状態であったとあるのですから、有識者委員会の出席者として水道局職員だけでいいのか、総務局など加えるべきではないかと私、指摘しておりますが、委員長が必要であると判断した場合はあるということでありまして、消極的な答弁でありました。
公営企業委員会での私を含めて皆さんの意見、議論については、この委員会と共有しないのか、委員会任せ、TSS任せなのかという疑念をもとに伺いたいと思います。
○木村職員部長 コンプライアンス有識者委員会は、今回の事故を受けての再発防止策や東京水道グループ全体の事業運営を検証する上で、外部の幅広い見地から助言等を得ることを目的として設置しております。
そのため、有識者委員会は、自律性や主体性を確保した上で検証を行い、局では委員の指示に基づき、委員会での検証に必要な局による調査分析結果を提供しております。有識者委員会の運営等に当たりましては、この間のさまざまなご指摘も踏まえ、議事の選定や議事概要の公開などを実施しております。
なお、総務局など水道局以外の職員の出席につきましては、現時点では委員長から必要であるとの意見は出ておりません。
○上田委員 まだ外部の局の検討はないということですね。まさかこのコンプライアンス委員の皆様は、我々議員を見ていないわけはないと思います。今もライブでこうやって発信されているので、ごらんになっていただけると思っておりますけれども、縦割り行政の不可侵の暗黙ルールはないと思うのですが、ぜひこのコンプライアンスの委員長には、他局の参加を、外部の人を広く検討していただきたいと、この議事録に残る場所で残させていただき、ぜひ局長からも伝えていただきたいと思います。
指摘をされましたこの報告書で、監査役の平成二十八年から今日までの詳細を伺います。増員する場合は、どのようなメンバーとなるかも確認させてください。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社の監査役は、株式会社みずほ銀行公務部長と、当局の現職の課長級職員の計二名で当たっております。このうち、平成二十八年四月に増員した監査役は、当局の課長級の職員であり、今日までに招集された計二十二回の取締役会に計十九回、計七回の株主総会に計六回出席をしております。
また、内部監査計画や、その内部監査計画の報告に対する意見具申や会計監査に加え、監査法人が実施する経営者ディスカッションに参加をしております。
さらに、本年三月からは、同社コンプライアンス強化のため、コンプライアンス推進会議にオブザーバーとして参加もしております。
なお、同社が八月に定めた、企業統治に関する基本方針及び内部統制に関する基本方針に、監査役の権限や監査室に監査役を補佐する専任社員の体制などを定め、監査役の役割を改めて明確にすることで監査役の活動体制を強化しております。
また、現時点で監査役の増員というものについては考えておりません。
○上田委員 水道局の課長級が監査役にいるそうですが、ちょっと気になったのが、二十二回のうち十九回ということで三回休んでいる、取締役会、株主総会も一回お休みになっているということであります。これからは、なるだけ休まないで出てほしいと思います。また、監査室も二名欠員しているということで、補充を指摘もされています。これは、私はぜひ固有社員で補充していただければと思います。
次に、監査室を社長直轄にする方が隠蔽体質の助長に逆にならないか、私は懸念しているんですね。社長直轄にすることがコンプライアンス強化となる理由を知りたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、平成二十七年度に委託した、経営手法、経営分析に関するコンサルティングの報告書において、当時、総務部内にあった監察指導担当が内部監査を担っていることについて、組織の独立性の観点から課題があるという診断を受けております。
これを受け、同社では、平成二十八年四月に監査機能を総務部から切り離し、新たに社長直轄の組織である監査室を設けました。これにより監査対象からの独立性を高めた監査体制が構築されるとともに、他の組織から干渉などを防ぐことができ、内部監査の客観性がより担保されることによって、同社のコンプライアンスが強化されるものと考えております。
○上田委員 お客様相談室なんてよく社長直轄である民間企業もありますから、直轄だから大丈夫というようなご意見もあるんでしょうけれども、ちょっと今回は違いますよね、TSSに関しては。この監査室が社長直轄だから大丈夫という根拠を教えていただきたいんです。
知事の元特別秘書という点から、知事を守るためにそんたくしたり、あるいはTSSの経営に干渉しないか、ちょっと懸念をしております。その点、伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、監査室を代表取締役社長直轄とすることで、監査対象からの独立性を高めた監査体制を構築し、他の組織からの干渉などを防ぐことで、内部監査の客観性を担保して同社のコンプライアンスを強化しております。
この監査室を組織上の最高経営者に直属させる仕組みというのは、一般社団法人日本内部監査協会が定める内部監査基準にも合致しております。また、監査室が行った監査結果は、社長とともに監査役にも報告が行われ、監査役が監査内容をそのまま把握するということになっております。これにより、社長によるそんたくや干渉など監査への不適切な関与を防ぐことが可能な仕組みとなっております。
○上田委員 社長も監査の対象にもなり得るということですね。わかりました。
この内部監察が三権分立的な機能を果たしていなかったこと、これこそ善良な社員による、今般、目安箱の投書が、特別監察のきっかけとなりました。
これまで包括外部監査で平成二十六年に実態を把握しながら、このたびの監察が入るまで五年近くも要したことを指摘したところ、局からは、今回の特別監察で、プロポーザル形式があたかも特定の業者を優遇しているように見えるとの指摘や、同社員、幹部社員と特定の業者との定期的な飲食を伴う会合について指摘を受けたことは、包括外部監査の際に策定した改善策に運用上の課題があるものと認識をしており、現在、その改善に向けさまざまな検討を進めているという答弁をいただいております。
その一環なのでございましょう、内部統制に係る基本方針計画及びリスク管理委員会、コンプライアンス推進会議、業務委託委員会、契約監視委員会などなど屋上屋を重ねるのではないかと思えるシステムがとられております。
平成二十六年、二十九年の包括外部監査対応のようなことをやっていても不適切事案が発生というようなことが起こらないため、実践的内部統制体制の強化を、日常業務、日常職員が日々実感、実践するためにどう取り組むのか、現場レベルでの具体的な説明を求めます。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、本年六月に、各部署でコンプライアンスに係るリスクの洗い出しと、リスクの発生防止策の策定を行い、その後、七月の臨時のコンプライアンス推進会議において、これらを全社に周知徹底を図りました。
今後、各部にコンプライアンス推進委員会を設置し、管理職の指示のもと、さらにブラッシュアップしたコンプライアンス推進計画を年内に策定をして、洗い出されたリスクに対する防止策を実行に移してまいります。
また、六月のコンプライアンス推進週間において、全社員が、コンプライアンス意識に係るセルフチェックを実施しております。今後、九月中に開催するコンプライアンス推進会議において、実施結果の分析、検証を行い、各部が行うリスクの発生に対する防止策のブラッシュアップにつなげてまいります。
こうした取り組みにより、現場レベルでの内部統制強化を不断に推進してまいります。
○上田委員 イメージが湧きづらいので、いずれ現場に伺ってしっかりと確認してみたいと思います。
トップマネジメントについてです。
社長業務について、その業務内容、スケジュール、勤怠管理の有無について伺ったところ、明確な答弁は得られませんでした。勤怠管理がまずあるのかないのか伺います。
○石井経営改革推進担当部長 代表取締役社長は、会社法で定める義務と責任のもとに、自己の職務を執行するものとされており、従業員と同様の勤怠管理は行っておりません。
○上田委員 特別秘書と同じであることが確認できました。
取締役の役割は、経営の視点に立って会社全体を統括するということでございますから、現場を見なくては会社全体は統括できないと考えます。
社長は、就任以来、何日間現場に行ったのか、そこでどのような情報を得て、どのような指示を出したのか、伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社の現代表取締役社長は、同社の業務の基本は現場であるとの観点から、就任後直ちに、都民や事業者の声をいただく機会の多い現場や業務が繁忙な職場などの視察を開始いたしております。
この視察では、同社の代表的な事業所十九カ所に加え、同社が工事監理を行っている現場五カ所を延べ六日間で実施しており、現場で働く社員との意見交換を通じて同社の各事業所が抱える課題を把握してまいりました。
これにより、社長が、若手社員のモチベーションのさらなる向上の必要性を強く認識したことから、二〇一九年度の経営方針と目標の策定に当たっては、社長の指示のもと若手社員を初めとした固有社員が主体的にかかわり、社員の積極的な提案内容が盛り込まれております。
また、若手社員発想のプロジェクトチームの設置や、社長みずからがSNSを活用した積極的な広報を新たに行うなどの取り組みも実施し、社員が誇りを持って働ける環境づくりや社員のモチベーションの維持向上を図っております。
さらに、社内の現場視察のほか、会社が参加する水道週間イベント、防災訓練など数多くの行事現場への視察を通じて、広報活動や危機管理等について知見を深めるとともに、全国の水道関係者等が参加する水道技術国際シンポジウムや日本水道協会の総会への出席などにより、水道界の動向の情報把握に努め、同社の事業運営に生かしております。
○上田委員 就任以来、半年ぐらいたっているんですけれども、延べ六日間の視察というのも、社長が視察というのも、随分ちょっとイメージが湧かない。本田宗一郎さんが自分のホンダの工場に視察に行くのかってそういう感じじゃないですよね、やっぱり。
私は、事件発生時からTSSの体質の指摘を、直接給水サービス事業の問題点から切り込み、委員会ではこの事案を受け、三月、六月とかんかんがくがくの議論を交わしてきました。議事録が出るのがなかなか遅いので、ぜひTSS社長は、議会招致、委員会においでいただくのはかなわなくても、せめて傍聴に来てもらいたい。まあ見ていただいているのかもしれません。
あと、現場に社長がちょくちょく行くことが何よりもコンプライアンスを守る、これが大事だと思っております。
次です。
今でも看過されてきた、水道局の談合ほか不適切事案等の不正を見破り、正し、管理する技量や経験値が現社長のどこにあるのか、懸念したところでございますが、コンプライアンスの強化に向け、東京水道グループコンプライアンス有識者委員会の助言や提言を踏まえ、社内コンプライアンス推進会議の充実や全社員に対するコンプライアンス研修などさまざまな改善につき、代表取締役社長が先頭に立ち、会社全体で取り組んでいるということでございます。
現時点、社長は先頭に立って何を取り組んでいるのか伺います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、特別監察の指摘を重く受けとめ、速やかに改善策の策定に着手するとともに、実施可能な改善策については順次実施をしてまいりました。
具体的には、本年六月に、全社員を対象とした水道局のコンプライアンス研修資料を活用したコンプライアンス特別研修を実施し、社員の一層の意識改革を図っております。
また、現場単位で、コンプライアンスに係るリスクの洗い出し、職場討議を実施し、洗い出されたリスク及び防止策については、本年七月の臨時コンプライアンス推進会議で社内での展開を図ったところでございます。
さらに、外部の視点による監視機能を強化するため、本年八月に、法曹界の有識者をアドバイザーとして起用し、会社事業執行上の法令遵守等に関する確認や助言を受ける仕組みを構築しております。
こうした取り組みの全てについて、代表取締役社長が先頭に立ち、全社一丸となって進めているところでございます。
○上田委員 また先頭に立つということで、ちょっとイメージが湧かなくて申しわけございませんが、湧かないところです。
そして海外への技術提供などが、実行プラン二〇二〇でもうたっている目玉政策ですが、やはり海外のトップはPhD、MBAホルダーが当然、語学堪能なのが大前提の中、現社長にとってその資質は大丈夫かという点も指摘させていただきました。同僚委員もいっていましたが、日本版水メジャーの土台をつくると、現野田社長も意気揚々と語られている報道もあります。
現時点で東証コーポレートガバナンス・コードを参考に上場企業にならった基本方針のうち、社長の資質がどう寄与し、会社統治に生かされているのか伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、社内における議論や検討を踏まえた上で、同社代表取締役社長の判断や指示のもと、企業統治に関する基本方針や内部統制に関する基本方針を策定するなど、内部統制の強化に関する取り組みが着実に進められているところでございます。
また、同社では、新たな社訓を定め、会社の目標や業務に対する取り組み姿勢等を社内に明示をし、全社員が共有することにより、会社への帰属意識や愛着の醸成を図るとともに企業統治にもつなげているところでございます。
○上田委員 先ほど、ほかの委員からも指摘ありましたけれども、特別秘書から転じた社長に愛着を持っていただけるように私も願うところでございます。
前回資料の14では、TSSの代表取締役への推薦理由は、知事の記者会見における発言や、知事のもと都政全般に特別秘書として携わるなど、これまでの経験を踏まえたとのことでございます。
その経験が就任以来どう会社経営、現場の統治に寄与しているのか確認させていただきます。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、現代表取締役社長が就任して以降、事業所を視察するとともに、社内で議論を重ね、若手社員を初めとした固有社員の積極的な提案を盛り込んだ二〇一九年度の経営方針と目標を策定いたしました。この中で、固有社員の能力と業績に応じて早期に上位職層に任用できるよう、課長昇任選考の資格要件を緩和することにより、管理職への任用を推進することとしております。
このほか、若手社員発想プロジェクトチームを設置し、若手固有社員の自主的、自発的な業務改善提案を事業に反映していくなど、社員のモチベーションの向上を図っております。
また、SNSなどの広報媒体を活用したタイムリーな情報発信を、社長みずから新たに開始をし、都民や就職活動中の学生等へのPR機会をふやし、同社の認知度の向上や理解促進につなげております。さらに、外部の視点による監視機能の必要性を重視し、法曹界の有識者をアドバイザーとして登用をいたしました。
これらの取り組みは、現代表取締役社長の経験を生かし、指示のもと着実に進められているものと認識をしております。
○上田委員 SNS発信は評価するところでございますが、屋上屋に見えるシステムと、やっぱり延べ六日間の視察については懸念しているところであります。
この人事については、前回資料の14にありますように、知事がほぼ推薦して決めたということが明確になっております。明確に知事の意向です。
就任以来、特別監察に係る社長の実績評価について、知事は掌握しているのか、掌握しているとすればその評価はどうなっているのか、伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、現代表取締役社長就任後の本年六月に、特別監察での指摘事項への対応も含めた二〇一九年度の経営方針と目標を策定し、当局から知事にも報告を行っております。
○上田委員 TSS、PUCで約三百億の受託金があり、これ全部税金で、九割を占めております。知事は本当に任命責任があると思っております。
前回資料で、交際費については、最終決定者が社長であることを確認しております。日常的な社長の交際費に係るチェック体制をどう維持しているのか伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、交際費等の使用ルールを定めた交際費等支出基準に基づき、会社の発展と健全な経営のために必要な取引先等との交際に要する経費として、交際費等の使用範囲を定めております。また、原則として、社長も含めて支出基準に定められた上限金額の範囲内においてのみ交際費等の使用が認められております。
社長が交際費等を使用する際には、事前申請を行い、申請内容について、同社総務課長、総務部長及び担当役員を経て、社長自身が最終的な決裁を行うこととなっております。こうした手続により、交際費等の使用目的や金額が支出基準に適合しているかどうかのチェック機能が働き、交際費等の適正な執行を担保できる仕組みとなっております。今年度においても、この手続による審査を行っており、社長の交際費は適正に執行されております。
なお、同社は監査法人による会計監査を受けており、外部のチェック機能も確保しております。
○上田委員 コンプライアンスについても確認させていただいてきましたけれども、現時点の社長のリーダーシップのもと強化に努めているということでございますが、社長の見解を伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、グループ経営戦略会議やコンプライアンス推進会議で示された方向性に基づき、代表取締役社長のリーダーシップのもと、全社を挙げてコンプライアンスの強化に取り組んでいるところでございます。
具体的には、不適正処理事案についての情報共有と注意喚起を目的としたコンプライアンス研修を全社員に対して行っております。また、ハラスメント相談や内部通報等の情報を監査室に一元化して統一的に案件処理を行うとともに、外部の弁護士が対応する窓口を設置することにより、社員が相談や通報しやすい環境を整備してきました。
さらに、法曹界の有識者を外部アドバイザーとして委嘱し、事業執行上の法令遵守等に関する確認や助言を受けるなど、外部の視点による監視機能も強化しております。
このように、社員の意識改革と制度構築の両面から、社員に対するコンプライアンス意識の浸透に取り組んでいるところでございます。
○上田委員 水道局からのご報告は本当に丁寧なんですけど、社長がどうかということがわかりづらいなと思っております。
かねてよりいっているように同一賃金同一労働を実現し、特別監察でも指摘されている人事、給与、人材育成体制も、問題解決に向け、代表取締役の経営判断のもと進めるということでありますけれども、この社長の経営判断について、具体的に説明してください。
○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、同社の約六割を占める固有社員のモチベーションを向上させるとともに、能力と業績に応じて早期に上位職層に任用できるようにしていくことが同社の経営基盤の強化につながるという代表取締役社長の経営判断のもとで、課長昇任選考の資格要件の緩和を行うこととしております。
また、こうした見直しに加え、社員のモチベーション向上のため、若手社員の処遇改善を図る給与制度の見直しを現在検討しているところでございます。
○上田委員 最後になりますが、高くつく都職員の派遣を段階的に解消していくことが人件費圧縮の最短の道であると考えます。民間給与並みとするために、早急に固有社員の育成を果たすことこそが、東京大改革、ワイズスペンディングの先進都市東京の大改革と考えているところでございます。
新社長におきまして、この点の考え方、これらのコストを踏まえた民営化政策につきまして断行できるものと思います。その経営判断ができるのは知事でもなく、局長でもなく、TSSの社長のみであると思います。
この点に関しましての野田社長の見解を伺いたいと思います。
○石井経営改革推進担当部長 私、取締役として、野田社長とも意見交換をかなり頻繁にやっておりますので、その上での発言というふうに捉えていただければと思います。
当局から東京水道サービス株式会社へは、組織マネジメントの支援や当局職員のノウハウ等の継承などを目的として職員を派遣しています。また、同社が当局から受託した基幹的業務のうち、効率性の観点から、引き続き再委託する一部の補助的な業務については、競争性や透明性の高い契約方式に見直していると。この再委託は、コンプライアンス有識者委員会の検証に基づく助言、提言を踏まえた上で当局が認めているものでございます。
一方、同社は、二〇一九年度の経営方針と目標に基づいて、代表取締役社長のリーダーシップのもと、固有社員のモチベーションの向上に取り組み、局と団体相互間の人材交流等を通じて、社員の確保、育成につなげるとともに、政策連携団体として、水道局受託事業の着実な実施、健全な事業運営など、会社全体で取り組んでいくものと考えておりまして、できることはやっていくという経営改革の理念のもと、今、現在進行形で社内を改革しているところでございます。
○上田委員 先ほど来、コストの削減を指摘しまして、再委託については、何度も当局が認めるものということでありました。これ、当局というのは水道局でありまして、社長がどうするかが、ちょっとここじゃわかんないですよね。今後どうしていくかは新社長のリーダーシップと何度も何度も答弁してもらいましたけれども、やっぱりご本人の意見を聞かないとイメージが湧きません。
予算、決算特別委員会で行われますが、この公営企業はもちろんのこと、三百億もの血税を受託する外郭団体、もとい政策連携団体のこの不適切事項、そして長年にわたるなれ合い体質の抜本的改革に向けて、いずれかの委員会での、議会でのTSSの社長の説明責任を果たすことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○宇田川委員 東京水道サービス株式会社、TSSに対する特別監察結果改善報告書について、各委員の質疑、やりとりを伺ってまいりました。
今までいかに、緩い、甘い、そしてぬるい体制だったか。しかも、このことを意に介さず放置し続けてきた。こういったあきれた事実が明らかとなったわけであります。
平成二十二年、監理団体改革を行ったとき、特命で選定された団体に複数年の随意契約、なれ合いを生む可能性が大いに危惧をされ、業務を完遂する担保がきちっととれるのかといった指摘をしてまいりました。評価体制を見直しし、指導監督を強めることによって対応していくと、こういうことでありました。
特にTSSについては、先ほど来お話が出ているように、東京水道グループとして、より密接なかかわりの中で指導監督を行うということでありました。しかし、結果はどうでしょうか。各委員からの指摘もございましたけれども、惨たんたる結果であります。
水道局への依存体質をつくり、形式だけの運用を続け、局のガバナンスは機能せずというよりも、ガバナンスは存在せず、取締役会や監査役は名目、形だけ。総務局による報告書が二月に出ていますけれども、評価制度自体を形骸化させた総務局にも大きな責任がある、私はそう思っています。
取締役会において、内部統制やコンプライアンスに関する議論は取り上げられたことがない、監査役の報告書の記載内容は例年同じ。局長、これ、重く受けとめているってそんなレベルの話じゃないと思いますよ。
社会一般に求められる企業としての内部統制水準に対し大きなおくれと認識不足があった。こんなことが改善報告書に書かれていますが、恥じ入っていただきたい。
しかし、それ以上にひどいのは、この前後で、TSSでは局との関係性の中での経営が重視されたがために結果的に生じてしまったと。しかも、推察と書いてありましたけれども、この報告書、水道局とTSSがつくった報告書ですよ。
先ほど来の答弁を聞いていても、今後は徹底して取り組んでまいりますといったくくりでありましたが、その前に一つ一つ前置きがあって、それが一々いいわけで、いいわけじみた言葉で語られている。これこれこういうことがあって頑張ってきました、やることはやってきたものの取り組みが不足したこともあり、残念な結果となってしまった。報告書の内容も、答弁においても、いまだにいいわけ先行、そのスペースや時間があるのなら、まず都民におわびされたらいかがですか。
こうしたことを目の当たりにすると、本当に反省しているとは思えないんですよ。改善策をつくっても、どうせまた何も変わらない、そんな体質、文化だし、この場はとりあえず頭を下げていれば、そのうち通り過ぎる、こんなふうに私には見えてしまうんです。要は全くやる気が感じられない、そう思うのは私だけでありましょうか。
本年八月に策定されたTSSの基本方針によると、当社の取締役は、すぐれた人格、見識、能力及び豊富な経験とともに、高い倫理観を有している者であり、取締役は、その期待される能力を発揮して、十分な時間を費やし、取締役としての職務を遂行する、こう書かれております。
現社長の野田氏に豊富な経験があるとは到底私には思えませんが、それはそれとして、現職の大変優秀な職員が五人も取締役の座についているんです。ついているんですよ。水道局も非常にすぐれた中嶋局長を初めすばらしい人材がここにいらっしゃる幹部以下活躍されている。こんなにも優秀な人たちがそろっているにもかかわらず、このありさまということは、やっぱりやる気がない、責任感がない、それに恥もないとしかいいようがないじゃないですか。何でこんなふうに疲弊してしまったんですかね。
この一年間、川松委員長を先頭に、ここにいるメンバーで公営企業委員会の運営を行ってまいりました。しかし、この間の議論を振り返ると、全く後ろ向きな課題が多く占めてきた気がします。
東京水道には、安全でおいしい水を安定供給するという大切な、そして最大の目標があります。それを全うする建設的な前向きの議論が横に押しやられて、やれ汚職だ、やれ改善要求だと、そんなことに時間をとられてきたんです。
局内だってそうじゃないですか。みずからがまいた種とはいえ、こんなことに多くの時間を費やしてきているんです。通常業務はもちろんのこと、四年間という縛りをかけられた中で完結しなければならない工業用水道事業、私はずっと心配していますけれども、本当に間に合うんですか。先月の質疑でも申し上げましたが、都民の皆さんにかけた迷惑、与えた不信感、その払拭も必要だと考えております。
さきの質疑でもありましたが、これら全て組織の責任です。岡安理事の答弁でしたが、組織に重大な課題と責任があったとの認識を示されました。責任を果たしていただきたい。今後頑張ります、努めてまいります、徹底します。遅きに失していますよ。今は責任の認識や受けとめをしている時期ではないと思います。責任を果たすときではないでしょうか。
中嶋水道局長、局長として、どう責任をとられるんでしょうか。いいわけは要りません。ぜひ水道料金を納めていただいている都民の皆さんに向けて、局長の責任のとり方をはっきりとお示しください。
○中嶋水道局長 ただいまの本日行われました質疑を通しまして、最後に委員の方から厳しいご指摘をいただきました。まさに逐一もっともであるというふうに思っております。
また、これまでの質疑を通しまして、先生方のさまざまなご意見、ご叱咤、全て私ども真摯に受けとめまして、これを実現していきたいというふうに新たに決意をしているところでございます。
いずれにしましても、私どもとして、やはり後ろ向きの課題ばかりだったというふうなご指摘ございましたが、まさにそのとおりでございまして、これは局を預かる責任者として非常に恥じ入るものでございます。
水道事業は、先ほどお話ありましたように、都民の皆様に安全で高品質な水を安定供給していくという最大使命がございますので、社会現象がどんどん変わっていく中で、水道をどうしたらいいのかという喫緊の課題がございます。これは私ども、どんどんいろいろと準備をしておりますが、やはりこういった課題がある中では、そういったものが打ち出していけないというような、私ども局の中でもじくじたる思いがございます。
そういったものを払拭するために、今回、東京水道サービスの改善策というものを会社と一緒になって打ち出しましたし、また前回ご質疑いただきました公正取引委員会の改善要求につきましても、再発防止に向けた具体的な取り組みについてご説明をしたところでございます。
いずれにしましても、私の責任のとり方というご質問でございましたが、これらの過去の課題、後ろ向きの課題につきまして、今の職員がどう頑張っていくのか、どう都民の信頼をかち取っていくのかということについて、具体的に--これはちょっと地道な作業になりますが、具体的に着実に目に見える形で実行していく、そして都民の皆様の信頼をかち得ていくということが私どもの最大の責任のとり方だと思っておりますので、今後とも、こういった姿勢に基づきまして、局を挙げて全力で取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○宇田川委員 新しい風を吹き込んでいく、そんな程度では変わらない、変われない気がします。組織の刷新が必要なときなんだと思っています。
今、局長からも、地道に一つずつという話がありましたが、まさにそのとおりだと私も思っています。
今後引き続き経過を見届けてまいりたいと思っていますが、改善などということではなく、生まれ変わっていただきたい。その上で、水道局のために皆さん力を尽くしていただきたい。
以上です。
○川松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川松委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で水道局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時二十四分散会
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