公営企業委員会速記録第八号

令和元年八月三十日(金曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長川松真一朗君
副委員長村松 一希君
副委員長中村ひろし君
理事加藤 雅之君
理事保坂まさひろ君
理事河野ゆりえ君
成清梨沙子君
鈴木 邦和君
上田 令子君
舟坂ちかお君
斉藤まりこ君
菅原 直志君
宇田川聡史君
長橋 桂一君

欠席委員 なし

出席説明員
交通局局長土渕  裕君
次長桃原慎一郎君
総務部長根木 義則君
職員部長渡邉 範久君
資産運用部長広瀬 健二君
電車部長相川  準君
自動車部長牧野 和宏君
車両電気部長奥津 佳之君
建設工務部長谷本 俊哉君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務市川 雅明君
安全管理担当部長西川 善宣君
鉄軌道事業戦略担当部長櫻庭 裕志君
バス事業経営改善担当部長坂田 直明君
技術調整担当部長野崎 慎一君
技術管理担当部長坂口 淳一君
水道局局長中嶋 正宏君
技監相場 淳司君
理事総務部長事務取扱岡安 雅人君
職員部長木村 健治君
経理部長金子 弘文君
サービス推進部長小平 基晴君
浄水部長特命担当部長兼務尾根田 勝君
給水部長本荘谷勇一君
建設部長田中 慎一君
経営改革推進担当部長石井 英男君
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務清水 英彦君
設備担当部長横谷  守君
多摩水道改革推進本部本部長鈴木  勝君
調整部長小山 伸樹君
施設部長今井  滋君
技術調整担当部長藤村 和彦君
下水道局局長和賀井克夫君
技監神山  守君
総務部長久我 英男君
職員部長白川  敦君
経理部長坂井 吉憲君
計画調整部長佐々木 健君
施設管理部長猪八重 勇君
建設部長青木 秀幸君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務鈴木  豊君
技術開発担当部長袰岩 滋之君
施設管理担当部長廣木 健司君
流域下水道本部本部長矢岡 俊樹君
管理部長神山 智行君
技術部長小団扇 浩君

本日の会議に付した事件
交通局関係
報告事項(説明・質疑)
・契約の締結について
下水道局関係
報告事項
・私債権の放棄について(説明)
・契約の締結について(説明・質疑)
水道局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都給水条例の一部を改正する条例
報告事項
・東京水道サービス株式会社に対する特別監察結果改善報告書について(説明)
・契約の締結について(説明・質疑)
・水道局所管委託契約に係る公正取引委員会からの改善措置要求等について(質疑)

○川松委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承を願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び所管三局の報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は、報告事項、契約の締結については、説明を聴取した後、質疑を終了まで行い、水道局所管委託契約に係る公正取引委員会からの改善措置要求等については、質疑を終了まで行い、提出予定案件及びそのほかの報告事項については、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより交通局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、交通局長に交代がありましたので、交通局長から挨拶があります。
 交通局長に就任されました土渕裕君を紹介いたします。

○土渕交通局長 令和元年七月一日付で交通局長を拝命いたしました土渕裕でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 川松委員長を初め委員の皆様方には、平素より当局事業に深いご理解とご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 事業運営に当たりましては、安全・安心の確保を最優先に、質の高いサービスを提供しますとともに、東京二〇二〇大会に向けて、関係機関と連携しながら、さらに準備を加速してまいります。
 また、経営基盤の強化に取り組むとともに、東京の都市活動や都民生活を支える公共交通機関として、東京の発展に貢献してまいる所存でございます。
 委員の皆様方におかれましては、今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

○川松委員長 挨拶は終わりました。

○川松委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○広瀬資産運用部長 お手元の資料1、契約締結報告書に基づきまして、令和元年五月一日から令和元年七月三十一日までに締結いたしました予定価格が一件九億円以上の製造請負契約及び一件二億円以上の動産の買い入れ契約につきましてご報告申し上げます。
 一ページをお開き願います。ご報告申し上げます契約の総括表でございます。
 以下、契約の概要についてご説明申し上げます。
 二ページをお開き願います。都営大江戸線信号保安設備製造でございます。
 本件は、大江戸線の信号保安設備更新に伴い、無線式列車制御システムの設備を製造し、導入するものでございます。
 契約の方法は指名競争入札、契約金額は四十九億五千万円、契約の相手方は日本信号株式会社でございます。入札経過につきましては三ページに記載してございます。
 四ページをお開き願います。バス運行管理システム車載装置等の買入れでございます。
 本件は、都営バスに設置した車載装置の更新等を行うものでございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は九億二百万円、契約の相手方は日本電気株式会社でございます。入札経過につきましては五ページに記載してございます。
 以上でご報告を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○川松委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○上田委員 ご説明をいただきました。これまでATC、ATOを運用していたことについての成果と課題について伺いたいと思います。

○野崎技術調整担当部長 大江戸線では、列車を制御する設備であるATC及び列車の自動運転を行う設備であるATOを導入しており、開業時から安定的に運用し、安全を確保してまいりました。これらの設備は、導入から二十年以上が経過しており、引き続き安全を確保するためには、計画的な更新が必要となっております。

○上田委員 今般の無線式列車制御システム、通称CBTCということを導入するということでございますけれども、その導入となりますメリット、もしも新規導入というのであれば、リスクも含め、デメリットもあれば、それも含めてCBTCの詳細を、技術革新の動向を踏まえて、説明をお願いいたします。

○野崎技術調整担当部長 CBTCとは、無線通信を利用して、列車の位置をリアルタイムで把握し、運行制御を行う信号保安設備のことでございます。無線通信技術の向上により、これまでの信号保安設備に比べて、列車の速度をより細かく調整することが可能であり、運転効率や乗り心地を一層向上させることができるものでございます。

○上田委員 それで、完了なんですけれども、契約案件というのは完了時が大事だと思っております。令和六年までかかるということですけれども、それまでの工期についての、多分、ATC、ATOのままで進んでいく駅もあると思います。駅は三十八駅、八両掛ける八両編成ということで五十五両ということですかね、あると思いますが、それまでの安全性、全部にCBTCが更新するまでに、安全性の担保に支障がないのか確認させてください。

○野崎技術調整担当部長 今回の報告案件でございます都営大江戸線信号保安設備製造につきましては、国への認可申請や全線にわたる大規模な工事が必要なことから、令和六年を納期としております。
 現行の信号保安設備につきましては、法令点検に基づき確実に整備しており、引き続き適切に運用し、安全を確保してまいります。

○上田委員 従来技術と革新技術が、滞りなく、遅滞なく進むことを確認させていただきました。
 利用者の安全を引き続きお願い申し上げて、質疑を終わります。

○川松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川松委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。

○川松委員長 これより下水道局関係に入ります。
 理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、私債権の放棄について報告を聴取いたします。

○坂井経理部長 私債権の放棄についてご報告申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料1、私債権の放棄についてをごらんいただきたいと存じます。
 本件は、東京都債権管理条例第十三条に基づき、平成三十年度に下水道局が放棄した私債権六件、合計金額三千四百四十五円についてご報告申し上げるものでございます。
 これらの債権は、臨海副都心地区に立地する住宅棟に供給した再生水の利用料金で、平成二十八年度までに発生し、以降、債務の履行が滞っていた債権でございます。
 各債務者に対しましては、所在調査や支払いの催告など、徴収に向けて鋭意努力を重ねてまいりましたが、いずれの債権につきましても、債務者が行方不明の状態で、実質的に回収不能となっていること、また、既に消滅時効に係る時効期間が経過し、時効の援用の確認もできないことから、平成三十一年三月に、債権の放棄を実施したところでございます。
 以上、簡単ではございますが、私債権の放棄についての報告を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○川松委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○川松委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○川松委員長 次に、契約の締結について報告を聴取いたします。

○坂井経理部長 工事の請負契約につきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料2、契約締結報告書をごらんいただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。総括表をお示ししてございます。
 今回の内容は、令和元年五月一日から令和元年七月三十一日までの間に締結した予定価格九億円以上の工事請負契約十七件でございます。
 以下順次、契約の概要についてご説明させていただきます。
 三ページをお開き願います。この契約は、東大島幹線その二工事でございます。
 本件は、東大島幹線流域における浸水対策として、江東区の一部の雨水を収容する幹線工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。ご参照いただきたく存じます。
 五ページをお開き願います。東尾久浄化センター尾久系ポンプ室稼働に伴う尾久幹線工事でございます。
 本件は、尾久幹線流域における浸水対策として、東尾久浄化センター尾久系ポンプ室稼働に向けて、荒川区、北区の一部の汚水及び雨水を収容する幹線工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 七ページをお開き願います。東京駅丸の内口、銀座駅雨水貯留管立坑設置及び中央区日本橋三丁目付近再構築工事でございます。
 本件は、千代田区及び中央区の一部の雨水を収容する東京駅丸の内口、銀座駅雨水貯留管の立て坑を設置するとともに、中央区日本橋三丁目付近の管渠の更新に合わせて雨水排除能力の増強を図るため、管渠の新設工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 九ページをお開き願います。練馬区旭丘二丁目、豊島区長崎六丁目付近枝線工事でございます。
 本件は、練馬区旭丘二丁目及び豊島区長崎六丁目付近の雨水を収容する枝線工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 一一ページをお開き願います。六郷ポンプ所設備再構築に伴う建設及び耐震補強工事でございます。
 本件は、六郷ポンプ所の設備再構築に伴い、沈砂池ポンプ棟、発電機二号棟の建設及び沈砂池ポンプ棟の耐震補強工事等を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 一三ページをお開き願います。汐留第二ポンプ所電気設備再構築工事でございます。
 本件は、汐留第二ポンプ所の監視制御設備が老朽化したため、再構築工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 一五ページをお開き願います。森ヶ崎水再生センター(東)水処理電気設備再構築その三工事でございます。
 本件は、別途施行の森ヶ崎水再生センター(東)反応槽機械設備再構築その二工事及び森ヶ崎水再生センター(東)送風機設備再構築その三工事に伴い、電気設備の再構築工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 一七ページをお開き願います。梅田ポンプ所発電設備再構築その二工事でございます。
 本件は、梅田ポンプ所の非常時における運転電力を供給するため、別途施行の自家用発電設備の附帯設備の設置及びその運転に必要な電気設備工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 一九ページをお開き願います。みやぎ水再生センター雨水ポンプ棟ポンプ設備工事でございます。
 本件は、みやぎ水再生センター雨水ポンプ棟ポンプ室に雨水ポンプ設備の設置工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 二一ページをお開き願います。千住関屋ポンプ所ポンプ設備工事でございます。
 本件は、千住関屋ポンプ所ポンプ室に雨水ポンプ設備の設置工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 二三ページをお開き願います。葛西水再生センター汚泥脱水設備工事でございます。
 本件は、葛西水再生センターにおける汚泥焼却炉の運転に必要な汚泥脱水設備の設置工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 二五ページをお開き願います。南部汚泥処理プラント汚泥濃縮設備再構築工事でございます。
 本件は、南部汚泥処理プラントの汚泥濃縮設備が老朽化したため、再構築工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 二七ページをお開き願います。東尾久浄化センター尾久系ポンプ室沈砂池機械設備工事でございます。
 本件は、東尾久浄化センター尾久系ポンプ室に沈砂池機械設備の設置工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 二九ページをお開き願います。梅田ポンプ所沈砂池機械設備再構築その三工事でございます。
 本件は、梅田ポンプ所の沈砂池機械設備が老朽化したため、再構築工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 三一ページをお開き願います。みやぎ水再生センター雨水ポンプ棟沈砂池機械設備工事でございます。
 本件は、みやぎ水再生センター雨水ポンプ棟に沈砂池機械設備の設置工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 三三ページをお開き願います。千住関屋ポンプ所建設その八工事でございます。
 本件は、千住関屋ポンプ所内にポンプ棟の建設工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 三五ページをお開き願います。北多摩二号水再生センター汚泥焼却設備再構築工事でございます。
 本件は、北多摩二号水再生センターの汚泥焼却設備の老朽化に伴い、再構築工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、工事の請負契約についての報告を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○川松委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○上田委員 今般の契約締結に係ります、今回は十七件ということでございますけれども、締結に係る入札参加条件をお示し下さい。

○坂井経理部長 入札参加条件でございますけれども、これは地方自治法施行令に基づきまして、競争性と適正な履行を確保する観点から、経営の規模や過去の同種の工事実績等に関し、必要最小限度の条件を付すこととしております。
 例えば、契約締結報告書の番号1、東大島幹線その二工事につきましては、経営事項審査におきまして、土木一式または水道施設の総合評定値が千二百点以上であること及び競争入札参加有資格者のうち、過去十五年間で、シールド工法を採用する工事において、仕上がり内径二千二百ミリ以上、かつ曲線半径十五メートル以下の元請としての施工実績などを条件としてございます。
 その他の十六件につきましても、地方自治法施行令に基づきまして、同様の考えのもと、入札参加条件を設定してございます。

○上田委員 施工実績などを条件として、入札参加条件を設定しているということでございますが、それでは、そこに入札参加が可能な事業者数についてお答えいただければと思います。

○坂井経理部長 入札参加可能事業者数につきまして、電子調達システム上で把握可能な入札参加条件を持つ事業者といたしますと、総括表における、まず番号1の案件につきましては七十二者、同様に番号2の案件は百二十五者、番号3、4、5の案件につきましては百五十六者、番号6、7、8の案件につきましては千六百十者、番号9、10の案件につきましては百二十三者、番号11、12の案件につきましては七十者、番号13、14、15の案件につきましては百十一者、番号16の案件につきましては四百九者、番号17の案件につきましては四十三者となってございます。

○上田委員 各案件ともに、一応、参加可能な事業者さんが相当数いるということを確認させていただきました。
 それでは、契約締結に係りまして、毎回確認させていただいております、要件を満たして、入札、なかなか手続も大変な中、手を挙げているんですけれども、毎々辞退される方が出てきております。今回も、辞退理由についてお示しいただきたいと思います。

○坂井経理部長 総括表に記載してございます番号1から17の案件の入札辞退の理由でございますけれども、まず、配置予定技術者の配置が困難になったという理由が十四者でございます。それから、見積金額が当初見積もりより過大となったためという理由が三者でございます。そして、技術的に履行が困難な案件のためという理由が三者、その他の理由が三者となってございます。

○上田委員 引き続きまして辞退理由の把握に努めていただき、なるべく一者応札に結果的にならないような体制をつくっていただきたいと思います。
 また、低入札価格調査に該当したものもあるかと思います。入札参加者への聴取の日時と内容をお示しください。

○坂井経理部長 低入札価格調査を行った案件につきましては、五件、十五者となってございます。このうち、失格基準に該当したものが七者でございました。
 また、失格基準に該当しなかったものは八者ございましたけれども、全者調査票等の提出がなかったため、聴取については実施してございません。

○上田委員 調査票を提出しないというのもちょっと謎なところでございますが、引き続き確認をさせていただきたいと思います。
 総括表番号6については、汐留第二ポンプ所における、ポンプ所設置時点以来の過去の大なり小なりの電気設備工事に係る入札結果表、これは入札結果表が廃棄されている工事については落札業者の名称となっておりますが、また、今回入札辞退した株式会社明電舎及び三菱電機株式会社が汐留第二ポンプ所において落札した工事案件の概要、さらには今回の再構築工事内容であります配電盤設備、監視制御設備、無停電電源装置、計装設備及び工業用テレビ設備についての既存設備のそれぞれの受注工事業者の名称を伺いたいと思います。

○坂井経理部長 過去五年間に契約締結いたしました汐留第二ポンプ所の工事請負契約におきまして、発注業種、電気工事の受注実績業者につきましては、メタウォーター株式会社、株式会社東光高岳の二者となってございます。
 また、当該施設において、今回の入札辞退者が落札した案件はございません。

○上田委員 総括表7です。森ヶ崎水再生センターにおける、水再生センター設置時点以来の電気設備工事に係る入札結果表、また、今回入札辞退した明電舎及びメタウォーターが、森ヶ崎水再生センターにおいて落札した工事案件の概要、さらに、今回の再構築工事内容であります、先ほど申し上げました一式の設備工事につきまして、既存設備のそれぞれの受注工事業者の名称も確認させてください。

○坂井経理部長 過去五年間に契約締結いたしました森ヶ崎水再生センター(東処理施設)の工事請負契約につきまして、発注業種、電気工事の受注実績業者につきましては、三菱電機株式会社、三菱電機プラントエンジニアリング株式会社の二者となってございます。
 また、当該施設におきまして、今回の入札辞退者が落札した案件はございません。

○上田委員 今度は、総括表8、梅田ポンプ所におきましても、同様の入札結果表、辞退しました明電舎、メタウォーター、東芝インフラシステムズが、梅田ポンプ所において落札した工事案件の概要、さらに、今回再構築工事でありますガスタービン発電機設備、配電盤設備、高圧変圧器設備、監視制御設備、無停電電源装置、計装設備及び工業用テレビ設備について、既存設備のそれぞれの受注工事事業者の名称をお願いいたします。

○坂井経理部長 過去五年間に契約締結いたしました梅田ポンプ所の工事請負契約におきまして、発注業種、電気工事の受注実績業者は、三菱電機株式会社、三菱電機プラントエンジニアリング株式会社、東芝インフラシステムズ株式会社の三者となってございます。
 また、当該施設におきまして、今回の入札辞退者三者のうち、株式会社明電舎、メタウォーター株式会社が落札した案件はございません。東芝インフラシステムズ株式会社につきましては、落札した案件がございまして、例えば、梅田ポンプ所青井棟雨水ポンプ三号用・高圧電動機設備補修工事の概要につきましては、高圧電動機補修となってございます。

○上田委員 総括表番号9、みやぎ水再生センターにおける同様の入札結果表についてお願いをいたします。

○坂井経理部長 過去五年間に契約締結いたしましたみやぎ水再生センターの工事請負契約におきまして、発注業種、ポンプ据えつけの受注実績業者は、株式会社荏原製作所、古河産機システムズ株式会社、荏原実業株式会社の三者となってございます。

○上田委員 総括表10の千住関屋ポンプ所における、ポンプ所設置時点以来の設備工事に係る入札結果表につきましてもお願いいたします。

○坂井経理部長 過去五年間に契約締結いたしました千住関屋ポンプ所の工事請負契約におきまして、発注業種、ポンプ据えつけの発注実績はございません。

○上田委員 総括表番号11の場合は、葛西水再生センターにおける過去五年間に契約した予定価格二百五十万を超える汚泥脱水設備工事業種の工事請負契約について、受注実績業者名をお示しください。
 また、今回入札辞退した石垣及びメタウォーターが、葛西水再生センターにおいて過去五年間に落札した予定価格二百五十万を超える汚泥脱水設備工事業種の工事契約案件の概要をお示しください。

○坂井経理部長 過去五年間に契約締結いたしました葛西水再生センターの工事請負契約におきまして、発注業種、汚泥脱水設備工事の受注実績業者は、月島機械株式会社、株式会社タクマ、株式会社クボタの三者となってございます。
 また、当該施設におきまして、今回の入札辞退者が落札した案件はございません。

○上田委員 次、12、三機工業株式会社の場合、南部汚泥処理プラントにおける過去五年間に契約締結した予定価格二百五十万を超える汚泥脱水設備工事業種の工事請負契約について、受注実績業者名をお示しください。
 今回入札辞退した株式会社石垣、メタウォーター株式会社が、南部汚泥処理プラントにおいて、過去五年間に落札した予定価格二百五十万を超える汚泥脱水設備工事業種の工事契約案件の概要をお示しください。

○坂井経理部長 過去五年間に契約締結いたしました南部汚泥処理プラントの工事請負契約におきまして、発注業種、汚泥脱水設備工事の受注実績業者はメタウォーター株式会社の一者となってございます。
 当該施設において、今回の入札辞退者は二者でございまして、そのうち、株式会社石垣が落札した案件はございません。また、メタウォーター株式会社につきましては、落札した案件がございまして、落札案件、南部汚泥処理プラント汚泥焼却炉脱水設備工事の概要につきましては、汚泥脱水機や脱水ケーキ供給設備の設置等となってございます。

○上田委員 総括表13です。東尾久浄化センターにおけます設置以来の、先ほど来、二百五十万以上とはいっていますが、基本的には大なり小なりの過去の工事、沈砂池機械設備工事に係る入札結果表の概要、また、今回入札辞退したアクアインテック株式会社、水ingエンジニアリング株式会社、三菱化工機株式会社及び荏原実業株式会社が、この同センターにおきまして落札した工事案件の概要につきお示しください。

○坂井経理部長 過去五年間に契約締結いたしました東尾久浄化センターの工事請負契約におきまして、発注業種、沈砂池・沈殿池機械設備工事の発注実績はございません。
 このため、当該施設において、今回の入札辞退者が落札した案件もございません。

○上田委員 総括表14については、梅田ポンプ所における、ポンプ設置以来の沈砂池機械設備工事に係る入札結果、今回辞退したアクアインテック株式会社、三菱化工機株式会社、株式会社日立プラントサービス及びメタウォーター株式会社が、梅田ポンプ所において落札した工事案件の概要をお願いいたします。

○坂井経理部長 過去五年間に契約締結いたしました梅田ポンプ所の工事請負契約におきまして、発注業種、沈砂池・沈殿池機械設備工事の受注実績業者は、協和機電工業株式会社、株式会社前澤エンジニアリングサービスの二者となってございます。
 また、当該施設におきまして、今回の入札辞退者が落札した案件はございません。

○上田委員 総括表番号15、みやぎ水再生センターにおけます設置時点以来の過去の沈砂池機械設備工事に係る入札結果、また、今回辞退した水ingエンジニアリング株式会社、荏原実業株式会社、メタウォーター株式会社及び三菱化工機株式会社が、同センターにおいて落札した工事案件の概要をお示しください。

○坂井経理部長 過去五年間に契約締結いたしましたみやぎ水再生センターの工事請負契約におきまして、発注業種、沈砂池・沈殿池機械設備工事の受注実績業者は、株式会社日立プラントサービス、アクアインテック株式会社、岩田産業株式会社、三井造船環境エンジニアリング株式会社、三辰精工株式会社、三立工事株式会社、住重環境エンジニアリング株式会社、水明機工株式会社の八者となってございます。
 また、当該施設におきまして、今回の入札辞退者が落札した案件はございません。

○上田委員 総括表番号17です。北多摩二号水再生センターにおけます設置時点以来の同様の入札結果、今回入札辞退した株式会社神鋼環境ソリューションが、同センターにおいて落札した工事案件の概要についてお示しください。

○坂井経理部長 過去五年間に契約締結いたしました北多摩二号水再生センターの工事請負契約におきまして、発注業種、焼却設備の受注実績業者は、三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社、メタウォーターサービス株式会社、メタウォーター株式会社の三者となってございます。
 また、当該施設におきまして、今回の入札辞退者が落札した案件はございません。

○上田委員 一応、これ、一個一個確認させていただいたのは、いつものおなじみのメーカーさんが受注しているのかどうか、過去に入札をしたところがまた受けているのではないかということで、小池知事就任以来の入札制度改革に、現場がしっかりとその政策に応えているか確認をしたいということで、質疑をさせていただきました。
 一応、形式的には競争入札となっていることは把握させていただきましたが、やはり特定のメーカーが特定の設備を、技術的な課題もあるのかと思いますが、独占的に受注しているかととれかねない実態を確認することがございました。ここまでの質疑以外にも、大量のいろいろここに係る、工事に係る資料を目を通させていただいておりますが、見積経過調書の予定価格が非公表となっているものが見受けられておりました。非公表の理由が何なのか、また今後注視してまいりたいと思います。
 以上をもちまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○川松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川松委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は全て終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。

○川松委員長 これより水道局関係に入ります。
 初めに、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○中嶋水道局長 第三回定例会に提出を予定しております議案の概要につきましてご説明申し上げます。
 東京都給水条例の一部を改正する条例についてでございます。
 本条例は、水道法の一部改正に伴い、都指定給水装置工事事業者の指定の更新に関する規定を設けるほか、所要の改正を行うものでございます。
 詳細につきましては、引き続き総務部長事務取扱の岡安理事からご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○岡安理事 第三回定例会に提出を予定しております議案につきましてご説明申し上げます。
 それでは、お手元の資料1をごらんいただきたいと存じます。東京都給水条例の一部を改正する条例についてでございます。
 資料の表紙をおめくりください。ただいま局長からもご説明申し上げましたが、本条例は、水道法の一部を改正する法律の施行に伴い、都指定給水装置工事事業者の指定の更新に関する規定を設けるほか、所要の改正を行うものでございます。
 まず、1、改正内容につきましては、次の四つでございます。
 (1)、都指定給水装置工事事業者の指定の更新制を新たに規定いたします。
 (2)、都指定給水装置工事事業者証について、交付を申請することができるから、交付するへ改定いたします。
 (3)、更新に係る手数料を新たに規定いたします。
 (4)、新規指定及び都指定給水装置工事事業者証再交付に係る手数料を改定いたします。
 2、施行期日は、令和元年十月一日から施行いたします。
 3、経過措置でございますが、この条例の施行の際、現に指定を受けている都指定給水装置工事事業者の施行日後の最初の更新については、施行日の前日から起算して五年を経過する日までとするものでございます。
 二ページをお開きください。経過措置についてですが、水道法の一部を改正する法律附則第三条及び水道法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令第四条で、指定給水装置工事事業者の更新についての経過措置が規定されており、下表のように、指定給水装置工事事業者の指定を受けた日によって、初回更新までの期間が異なっております。
 続きまして、資料2をごらんください。
 一ページ、二ページは議案でございます。改正が行われる条例の内容につきまして、三ページ以降の新旧対照表によりご説明申し上げます。
 三ページをごらんください。上段が改正案、下段が現行条例でございまして、傍線を付した部分が改正部分でございます。
 これらの規定の整備に関連して、第六条は、工事を施行する都指定給水装置工事事業者の指定の更新について、規定を整備するものでございます。
 第六条の二は、都指定給水装置工事事業者証の交付に関する規定を整備するものでございます。
 続いて、四ページをお開きください。第二十九条は、手数料に関する規定を整備するものでございます。
 具体的には、第一項第一号で、指定の申請に係る手数料を改定するとともに、第五号で、今回新たに加わった指定の更新に係る手数料を規定するなどの改正を行うものでございます。
 第六条の三、第十三条、第三十二条第一号及び第三十四条は、水道法施行令第五条の改正に伴う文言整理、第三十二条第四号は、第二十九条の規定整備に伴う文言整理でございます。
 以上で東京都給水条例の一部を改正する条例についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○川松委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○河野委員 一点お願いします。
 都指定給水装置工事業者の指定事業者証の申請と交付の状況、過去五年間についてお願いしたいと思います。

○川松委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○川松委員長 ただいま河野理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川松委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○川松委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、東京水道サービス株式会社に対する特別監察結果改善報告書について報告を聴取いたします。

○石井経営改革推進担当部長 それでは、お手元に配布してございます、右肩に資料3と記載されている資料をごらんください。東京水道サービス株式会社に対する特別監察結果改善報告書概要版につきましてご報告いたします。
 それでは、ページをお開き願います。「はじめに」でございます。
 東京水道サービス株式会社における業務執行について、関係団体や受注工事業者との不適切な関係、書類の改ざんや虚偽報告書の作成指示等が行われているとの指摘が都に寄せられたことなどを受け、総務局が水道局及びTSSに対し、特別監察を実施し、本年二月、東京水道サービス株式会社に対する特別監察結果報告書が公表されました。
 局及びTSSでは、特別監察の指摘を重く受けとめ、速やかに改善策の策定に着手いたしました。また、実施可能な改善策については順次実施するとともに、東京水道グループのコンプライアンス推進会議において、進捗管理を行ってまいりました。
 さらに、本年四月に局が設置した東京水道グループコンプライアンス有識者委員会においては、既に実施している改善策に加え、内部統制の強化等の新たに取り組む改善策について、コンプライアンスの確保、会社法等の関連法令の遵守、組織論などの視点から、その妥当性や有効性等について幅広い検証が行われ、さまざまな助言、提言をいただいております。
 今回の改善策は、これらの有識者委員会の助言、提言を踏まえ、局及びTSSが、不適正事案の再発防止や内部統制、コンプライアンスの強化を重視して取りまとめました。
 今後、取りまとめた改善策を局、TSS全社を挙げて着実に実施していくことで、都民から真に信頼される東京水道グループを構築してまいります。
 一ページをごらんください。項番1、不適正事案に関する改善策でございます。
 まず、(1)、関係企業等との関係につきましてご説明申し上げます。
 表内上段の指摘事項でございますが、TSSと複数の協力会社との関係について、その具体的な内容や程度が、外部の視点からは非常に複雑でわかりにくくなっているとの指摘がございました。
 具体的には、土木系協力会社への再委託、協力会社からの出向社員の受け入れ、土木系協力会社との飲食を伴う会合についての指摘でございます。
 下段の改善策でございますが、TSSは、都の政策連携団体として、一般の民間事業者よりも高い透明性や説明責任を求められることから、協力会社との関係について見直しを図ってまいります。
 具体的には、これまで実施してきた業者登録制度の廃止、TSSから再委託していた土木系業務のうち、定型的な業務は、局から民間事業者に直接発注することとし、引き続き再委託する業務の契約は、原則として競争入札で実施、TSS社内に外部の弁護士を含む委員から成る契約監視委員会の設置--この契約監視委員会につきましては、契約プロセスの調査、分析及び監視などを行うことを目的としたもので、契約の透明性を高めるため、前回の本委員会で再委託に関する改善策の方向性についてご報告をした後、新たに設置を決定したものでございます。そのほか、出向社員の配置基準及び出向社員の所要人員見直し年次計画の策定、土木系協力会社との飲食を伴う会合の廃止及び交際費等支出基準に係る運用指針の改定といった改善策を実施してまいります。こちらの交際費等支出基準に係る運用指針の改定は、東京水道グループコンプライアンス有識者委員会の提言を踏まえ、類似事案の発生を防止するべく改定したものでございます。
 なお、各改善策の後の括弧内は、改善策の実施時期を示してございます。
 二ページをお開き願います。(2)、受託業務に係る不適正処理事案につきましてご説明申し上げます。
 表内上段の指摘事項でございますが、過去に発生した以下の四件の不適正処理事案について、原因の分析が十分でないなどの面が見受けられた、また、社内のコンプライアンスの推進や内部統制が十分でなく、そのあり方について検証が必要であるとの指摘がございました。
 具体的な過去の不適正事案は、貯蔵品管理業務委託における巡回点検業務不履行、工事監督における竣工写真の改ざん指示、不適切な設計変更協議対応、契約後の設計違算に対する外部からの指摘といった事案でございます。
 下段の改善策でございますが、これらの不適正処理事案につきましては、発生の都度、速やかに再発防止策を策定し、対策を講じてまいりました。
 具体的には、主な個別の再発防止策に記載のとおり、巡回点検終了時における局専用回線の水運用電話による報告及び報告状況・内容の点検報告表による管理、取締役を委員長とする受託業務委員会の設置による受託業務の適正執行の監理、審査担当者の設置、チェックリストの活用等による組織的な設計審査体制の強化、年二回の講習会の実施による職務能力の向上といった対策でございます。
 また、さらなる再発防止の取り組みとして、受託業務委員会で、改善策の有効性や不適正処理事案の原因分析及び他の業務における類似リスク等を年二回確認、組織的に内部統制の仕組みや体制を強化するための取り組みの推進といった改善策を実施してまいります。
 三ページをごらんください。項番2、内部統制に関する改善策の(1)、内部統制、コンプライアンスにつきましてご説明申し上げます。
 表内上段の指摘事項でございますが、TSSでは、局との関係性の中での経営が重視され、現在、社会一般に求められる企業としての内部統制水準に対し、大きなおくれと認識不足が生じたものと推察されるという指摘がございました。
 具体的には、会社法上、大会社に求められる水準と同等の内部統制システムの構築、運用が必要、取締役会、監査役、監査室の機能が不十分、ハラスメント対応、内部通報制度などについて、運用上の改善が必要といった指摘でございます。
 下段の改善策でございますが、内部統制に関し、以下のとおり、必要とされる方針等を策定するとともに、それらを実施していくための体制、システムを構築してまいります。
 初めに、東京水道サービス株式会社企業統治に関する基本方針などの内部統制に係る方針等の策定でございますが、こちらにつきましては、前回の本委員会で検討中としてご報告した内部統制に係る方針等を策定、決定し、本委員会でご報告するものでございます。続きまして、取締役を委員長とするリスク管理委員会の設置など、内部統制体制の強化でございます。リスク管理委員会は、各業務執行部署が行うリスク管理の監視や重大なリスクへの対応等を行うため、前回の本委員会で内部統制に関する改善策の方向性についてご報告した後、新たに設置を決定したものでございます。そのほか、取締役会の開催頻度の増加及び審議内容の充実、監査室社員の欠員状態の解消及びハラスメント相談や内部通報等の情報を監査室に集約し、統一的な処理を行う仕組みの整備、外部の視点による監視機能の強化といった改善策を実施してまいります。
 四ページをお開き願います。(2)、社員構成、人事システム及び人材育成につきましてご説明申し上げます。
 表内上段の指摘事項でございますが、社員構成、人事システム及び人材育成に関し、短期、長期の両面から抜本的な人材戦略の再構築が求められるとの指摘がございました。
 具体的には、課長級社員の約九割を都派遣等が占めるなど、都職員厚遇ととられかねない社員の構成、長期的な人材育成の基本方針が未策定、局とTSSとの人材育成に関する連携体制が脆弱といった指摘でございます。
 下段の改善策でございますが、TSSにおける人事システムを整備し、社員構成を適正化していくとともに、人材育成に関して局とTSSの連携を強化してまいります。
 初めに、固有社員を能力と業績に応じて早期に上位職層に任用するための課長昇任選考の資格要件緩和でございますが、こちらにつきましては、選考基準を本年七月に改定しており、来年度の人員配置に向け、今後選考を実施してまいります。そのほか、中途採用の通年実施及び前職の職歴を採用職級に反映させる仕組みの構築、株式会社PUCとの統合に合わせた人材育成方針の策定、局とTSSとの人材交流の一層の拡大及びコンプライアンス分野を初めとする共同研修に係る連携の強化といった改善策を実施してまいります。
 五ページをごらんください。(3)、局のガバナンスにつきましてご説明申し上げます。
 表内上段の指摘事項でございますが、局としてのガバナンスを、株主としてのコントロールと政策連携団体に対する指導監督の両面から強化する必要があるとの指摘がございました。
 具体的には、政策連携団体へのガバナンス強化の根幹となる東京水道グループ経営基本方針に基づく進捗管理が不十分、局とTSSで締結している業務運営に関する協定書が適正に運用されていない事例を確認といった指摘でございます。
 下段の改善策でございますが、東京水道グループ経営基本方針に掲げた東京水道グループの経営理念やその実現に向けた基本方針等をTSSと共有し、責任ある事業運営体制を構築してまいります。
 具体的には、水道局長や各社の代表取締役社長等で構成されるグループ経営戦略会議の拡充による局の指導監督体制の強化、東京水道グループのコンプライアンス推進会議の拡充によるコンプライアンス年間行動計画に関する進捗管理の強化、業務運営に関する協定書の見直しなどによるTSSが遵守する事項の明確化といった改善策を実施してまいります。
 六ページをお開き願います。項番3、東京水道グループコンプライアンス有識者委員会の主な助言、提言でございます。
 (1)、第一回有識者委員会では、有識者委員会に特別監察の指摘事項に対する改善策の方向性を示し、各委員から助言、提言を受けました。
 (2)、第二回有識者委員会では、具体的な改善策について、その妥当性や有効性等について検証され、各委員から助言、提言を受けました。
 (3)、第三回有識者委員会では、第一回及び第二回有識者委員会の助言、提言を踏まえた改善報告書案を示し、各委員から助言、提言を受けるとともに、同案をもとに改善報告書を取りまとめることについて、各委員の確認を得ました。
 具体的な有識者委員会の助言、提言につきましては、記載のとおりでございます。
 ご説明は以上となります。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○川松委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○河野委員 三点お願いします。
 一、TSS業務のうち、自主事業が占める割合と事業の状況、国内貢献、海外展開、それぞれにお願いしたいと思います。
 二つ目、契約監視委員会の委員の構成と選任の理由。
 三つ目、二〇一九年九月策定予定の出向社員の配置基準、所要人員の見直し計画について資料をお願いいたします。
 以上です。

○川松委員長 ほかにいらっしゃいますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○川松委員長 ただいま河野理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川松委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○川松委員長 次に、契約の締結について報告を聴取いたします。

○金子経理部長 工事請負契約につきまして、お手元の資料4、契約締結報告書によりご報告申し上げます。
 本日ご報告申し上げますものは、令和元年五月一日から令和元年七月三十一日までの間に契約を締結いたしました予定価格が一件九億円以上の工事請負契約二件でございます。
 表紙をおめくりいただいて、一ページをごらんください。こちらは、本日ご報告申し上げます契約二件の総括表でございます。
 以下順次、契約の概要につきましてご説明申し上げます。
 二ページをお開き願います。1、村山上貯水池堤体強化工事でございます。
 本件は、水源及び浄水施設整備事業の一環として、東京都東大和市多摩湖六丁目二千二百二十六番地先の村山上貯水池の堤体強化工事を行うものでございます。
 契約の方法はWTO一般競争入札、契約金額は二十九億一千六百万円、契約の相手方は鹿島・日本国土建設共同企業体でございます。案内図につきましては三ページにお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 四ページをお開き願います。2、江東区豊洲六丁目地先から有明給水所間送水管(千二百ミリメートル)トンネル内配管及び管理用立坑築造並びに有明給水所耐震補強工事でございます。
 本件は、送配水施設整備事業の一環として、江東区豊洲六丁目地先から同区有明三丁目一番の有明給水所間において、送水管の新設工事及び管理用立て坑の築造工事並びに給水所の耐震補強工事を行うものでございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は十六億六千九百六十八万円、契約の相手方は戸田建設株式会社でございます。入札経過、案内図につきましては五ページにお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、ご報告申し上げます。よろしくお願い申し上げます。

○川松委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○河野委員 村山貯水池は、東京都の水源池として重要な基幹施設です。堤体強化工事の施行について伺います。
 村山貯水池、今回強化工事を施行する堤体は、大正十三年三月に竣工とのことです。九十五年がたっています。東京水道経営プラン二〇一六に貯水池の堤体強化の取り組みが書かれています。それによると、平成二十四年度に耐震診断を行った結果、貯水機能は損なわれないものの、堤体の一部に変形が生ずる可能性があることがわかったとあります。
 今回の堤体強化工事は、平成二十七年、二〇一五年に出された村山上貯水池堤体強化技術検討委員会の提言に基づいて設計、施工されるのでしょうが、まず堤体の中心に位置する芯壁、さや土などの強度を含め、耐震性、強度はどのような状況になっているのかをお示しいただきたいと思います。

○田中建設部長 東日本大震災を踏まえ、平成二十三年度から平成二十四年度に、村山上貯水池堤体の耐震診断を実施いたしました。診断に当たりましては、平成二十四年四月に都が公表した首都直下地震等による東京の被害想定における想定地震のうち、村山上貯水池に影響が大きいと考えられる多摩直下地震や立川断層帯地震などを対象として実施いたしました。診断の結果、貯水機能は損なわれないものの、堤体上部の沈下等の変形が生じることが判明しております。
 このため、施設の安全性をより強化するとともに、沈下などによる二次被害防止を図るため、耐震強化を行うこととしております。

○河野委員 貯水機能は損なわれないとのことで、その点では安心いたしました。堤頂部が沈下することも想定されているとのことですから、耐震性を強めることは重要と思いますし、しっかりとした対策を講じていただきたいと思います。
 今回の強化工事で、どのような対策がとられるのかお聞かせください。

○田中建設部長 平成二十六年度に、ダム等の専門家で構成する村山上貯水池堤体強化技術検討委員会を設置いたしました。委員会では、堤体強化の断面形状や耐震強化方法について検討を実施しております。
 検討の結果、局内の堤体工事においての実績があり、信頼性が高い盛り土工法により施工すべきとの提言が平成二十七年三月に行われました。この提言を受け、当局では、堤体の下流側に盛り土を行う工事を実施することとしております。

○河野委員 もう一点、伺います。
 村山貯水池の周辺には、オオタカの営巣地もあると聞いております。国は、オオタカを希少野生動植物の指定を解除するということにいたしましたが、東京都は、従前どおり変更なく保護に努めるとしております。音などに敏感なオオタカには特別の配慮が必要です。
 堤体強化工事と自然環境や野生動物の保護について、オオタカについて、どのような対策が講じられるのかもお聞きしておきます。

○田中建設部長 平成九年から平成二十年にかけて実施した山口貯水池、村山下貯水池の堤体強化工事における対応経過を踏まえ、環境影響調査を実施し、希少猛禽類であるオオタカへの対策について検討を行いました。具体的には、営巣繁殖期に当たる二月から七月は、樹木の伐採など繁殖に影響する可能性がある工事は行わないこととしております。
 今後も周辺環境への影響把握を行いながら工事を進めてまいります。

○河野委員 自然環境の保全に留意していただきながら、大震災にも耐え得る強度を持った堤体になるように工事を進めていただきますことを要望して、質問を終わります。
 以上です。

○上田委員 2の工事ですね、豊洲六丁目地先から有明給水所間の送水管ということで、まさに、豊洲、有明といいますと、オリンピック・パラリンピックの開催地の近くということになります。
 契約年月日はことしの七月二十四日ということで、工期につきましては、この七月二十四日から三百六十五日間ということで、まさにオリンピック・パラリンピックの工事及び開催に影響を与えかねない日程となっております。こうした場合、工期が重なった場合と、それ以前の、まあ渋滞の状況は、臨海地区につきましては、オリンピックの有無にかかわらず、常に我が都議会でも議論のもとになってまいりました。
 工期が重なることに関しましての対応と、影響を軽減するための対策についてのご説明をいただければと思います。

○田中建設部長 本工事は、設計段階において、東京二〇二〇大会による影響が未確定であったため、標準的な工期設定をしておりますが、当局監督員及び関係機関と十分に調整を図り、大会の円滑な実施に協力することを定めております。
 施行に当たりましては、工事車両による交通の混雑に加え、大会の開催に伴う交通規制等により、工事の一時休止が必要となるなどの影響が発生する可能性がございます。
 こうした交通の混雑などの軽減につきましては、平成三十一年四月十二日に都が公表した東京二〇二〇大会開催時における都庁発注工事の調整に関する取組方針、これに沿いまして、大会の円滑な実施に加え、事業者に負担とならないよう配慮しながら、工事車両の出入りを混雑する時間帯以外に行うなど、調整を実施してまいります。
 また、やむを得ず工事の一時休止が必要となった場合は、事業者の負担が生じないよう対応を図ってまいります。

○上田委員 やはり工事の一時休止が必要となるなど影響が発生する可能性があるということでございました。
 本年四月に都が公表した指針、取り組み指針もございます。オリ・パラ準備局、そして港湾局はもとより、局間連携はもとより、組織委員会と省庁間、東京都との連携を密にいたしまして、工事の影響が最小限に抑えられますよう、水道局がリーダーシップをとって、工期までに工事完了することを求めまして、私の質疑を終わります。

○川松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川松委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○川松委員長 次に、報告事項、水道局所管委託契約に係る公正取引委員会からの改善措置要求等についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○岡安理事 さきの委員会におきまして要求のございました資料を取りまとめ、お手元に配布してございます。その概要につきまして、ご説明申し上げます。
 資料5の表紙をおめくり願います。
 目次に記載のとおり、今回要求のございました資料は、十一件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。東京都の調査特別チームにおける議論の議事要旨及び資料でございます。
 一ページから八三ページにわたり、調査特別チーム第一回、第二回会議、汚職等防止部会・幹事会・調査特別チーム合同会議の議事要旨及び資料をお示ししてございます。
 公正取引委員会の調査内容の部分、個人情報が含まれている部分、契約の予定価格が記載されている部分につきましては公表できないため、網かけにしてございます。
 一ページから三〇ページまで、調査特別チーム第一回会議の議事要旨、資料をお示ししてございます。
 三一ページから六七ページまで、調査特別チーム第二回会議の議事要旨、資料をお示ししてございます。
 六八ページから八三ページまで、汚職等防止部会・幹事会・調査特別チーム合同会議の議事要旨、資料をお示ししてございます。
 八四ページをお開きください。職員の情報漏えいに関する調査の記録でございます。
 八四ページから八五ページにわたり、中間報告までと中間報告以降で、水道局と総務局がそれぞれ実施をいたしました調査の記録をお示ししてございます。
 八六ページをお開き願います。水ing株式会社に再就職した都幹部職員三名の平成三十年十月在職時の役職、報酬及び都の業務との関与でございます。
 水ing株式会社に再就職した都幹部職員三名の都退職時の職層、同社在職時の役職、報酬及び都の業務との関与をお示ししてございます。
 八七ページをお開き願います。水ing株式会社に再就職した都幹部職員二名の平成三十年十一月時点での退職理由でございます。
 こちらにつきましては、都として把握してございません。
 八八ページをごらんください。浄水場の業務ごとの都職員数、業務委託ごとの受託事業者名及び従業員数でございます。
 管理職・庶務等、維持管理、運転管理等の業務ごとに、それぞれの浄水場の都職員数、受託事業者名及び従業員数をお示ししてございます。
 八九ページをお開き願います。職員AからEの本件情報漏えい事案発生時とその前後における所属部署、在籍期間、役職、直接の管理監督者及び水道局通算在籍年月数でございます。
 職員AからEの本件情報漏えい事案発生時、発生部署異動前、発生部署異動後における所属部署、在籍期間、本人の役職、管理監督者の役職及び水道局通算在籍年月数をお示ししてございます。
 九〇ページをごらんください。平成二十四年及び平成二十六年における不祥事発生の際の職員AからE並びにそれぞれの直接の管理監督者の所属部署及び役職名でございます。
 職員AからEの平成二十四年、平成二十六年における職員本人、管理監督者、それぞれの所属部署及び役職名をお示ししてございます。
 九一ページをお開き願います。関係職員に対する事実確認のための聴取の状況と今後の対応及び再発防止のための指導、研修の状況と今後の対応をお示ししてございます。
 九二ページをごらんください。調達の起案から契約成立までの流れをお示ししてございます。
 九三ページをお開き願います。職員の利害関係者との接触に関する指針の主な改正経過でございます。改正経過、改正後の対応をお示ししてございます。
 九四ページをごらんください。平成二十四年、二十六年の事故に係るそれぞれの水道局汚職等防止策検討結果報告書でございます。
 九四ページから一四六ページにわたり、平成二十四年、二十六年の事故に係るそれぞれの水道局汚職等防止策検討結果報告書をお示ししてございます。
 九四ページから一一九ページに、平成二十四年の事故に係る報告書、一二〇ページから一四六ページに、平成二十六年の事故に係る報告書をお示ししてございます。
 以上、大変簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○川松委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 本件については、これまでも本委員会で多くの議論がされてきました。本日、私からは、今回の公正取引委員会の調査報告で新たに明らかになった点を中心に、主に三つの観点から質問をいたします。
 初めに、これまでの都の調査と今回の公正取引委員会の報告書との整合性について確認をいたしたいと思います。
 昨年の都の中間報告では、情報漏えいを行った職員は一人と聞いていましたが、今回の公正取引委員会の調査報告では、複数の職員が契約にかかわる情報を漏えいしていたという新たな事実が判明しました。これまでは、公正取引委員会による調査は継続中であったために、都が把握した情報を公表できなかったということですが、今後は全ての経緯を明らかにすべきです。
 そこでまず、中間報告後にどのような調査を行ってきたのか伺います。

○木村職員部長 昨年十一月二十九日に中間報告を公表して以降、公正取引委員会から改善措置要求等を受けた七月十一日までの調査についてお答えさせていただきます。
 十二月五日から本年二月十九日にかけて関係部所長等によるヒアリングを、平成二十三年度から平成二十九年度までの間に七つの浄水場に在籍した排水処理担当者、課長代理、課長及び受託事業者に在籍していた局のOB、計六十八名に対して実施いたしました。
 次に、昨年十二月五日から本年三月二十八日にかけて当局監察部門による事情聴取を、公正取引委員会から聴取を受けた職員及びその上司、部下等十八名に対して実施いたしました。
 次に、昨年十二月十二日から本年六月十四日にかけて総務局の特別監察による事情聴取を、平成二十二年度から平成三十年度までの間に当局に在籍し、浄水場排水処理施設運転管理作業委託の設計金額等を知り得た職員三百三十七名に対して実施いたしました。
 なお、これらの調査を通じて都として把握した情報は、公正取引委員会に提供し、全面的に協力してまいりました。

○鈴木委員 もう一点、局では、浄水場職員の情報漏えいについて、いつの時点でどのような事実を把握していたのか伺います。

○木村職員部長 今回の事故に関しまして、都では、公正取引委員会による立入検査が行われた時点で既に死亡していた元職員一名を除く、四名の職員等による情報漏えいへの関与を確認しております。
 先日の事前説明における呼称を用いさせていただければ、職員Aについては、昨年十一月二日に当局の監察部門で行った事情聴取で、情報漏えいを行っていた事実を把握いたしました。その後繰り返し行った事情聴取で、金町浄水場において平成二十二年度から平成二十五年度の間に複数回、受託事業者へ翌年度の設計単価に関する情報を提供したことを具体的に確認いたしました。
 なお、この事実については、昨年十一月の中間報告書において公表をしております。
 職員Bにつきましては、昨年十二月五日に局が行った事情聴取で、情報漏えいを行っていた事実を把握いたしました。その後繰り返し行った事情聴取で、朝霞浄水場において平成二十三年度から平成二十六年度の間に複数回、情報を提供したことを具体的に確認いたしました。
 職員Cにつきましては、本年一月二十五日の局が行った事情聴取で、情報漏えいを行っていた事実を把握いたしました。その後繰り返し行った事情聴取においても、三園浄水場において平成二十三年度から平成二十四年度の間に一回、情報を提供したことを具体的に確認いたしました。
 元職員Dにつきましては、昨年十二月十二日に局が行った事情聴取で、職員Aが情報漏えいを行った現場に立ち会っていたことを把握いたしました。その後繰り返し行った事情聴取で、立ち会いは平成二十五年度に一回行ったことを確認しております。

○鈴木委員 さきの都の中間報告書では、調査の結果、一名の職員が情報漏えいをしていたと記載をされています。しかし、今回新たに三名の職員が情報漏えいをしていたことを把握したという答弁でした。つまり、中間報告までの調査とその後の調査で証言を変えた職員がいたということになります。
 なぜ、複数の職員の証言が変化したと考えているか、都の見解を伺います。

○木村職員部長 個々の職員による供述そのものは、本人の記憶や主観に基づくものであり、事実とは異なる可能性もあることから、明らかにすることは差し控えさせていただきますが、局が事情聴取などの調査を繰り返し実施するとともに、さまざまな再発防止策を進めていた中で、職員の証言が変わってまいりました。
 なお、職員が情報漏えい事故を起こすに至った背景や動機につきましては、公正取引委員会や都の調査結果などから正確に事実を確認した上で、最終報告書で明らかにしてまいります。

○鈴木委員 そもそも昨年十二月の公営企業委員会では、きめ細かな調査の結果、その時点では、ほかに情報漏えいの事実は確認されていないと報告をされています。つまり、その後に新たな事実が幾つも発覚したということになります。これでは、都の調査は十分なものであるのか疑問に思わざるを得ないという声もありますが、見解を伺います。

○木村職員部長 昨年十月の公正取引員会の立入検査後、さまざまな報道が先行したため、都は責任ある立場として事実を調査し、都民の皆様や議会等に早急に報告する必要がございました。
 さらに、再発防止策を直ちに徹底するとともに、次年度の排水処理業務の対応についても検討する必要がございました。
 そのため、限られた時間の中で、できる限りの調査を行い、事前に公正取引委員会に確認をとった上で、その時点で都として把握した事実とそれに基づく再発防止策等を中間報告として公表いたしました。
 調査の実施に当たりましては、公正取引委員会は独占禁止法に基づく行政調査権限を有しており、立入検査等を含む調査を、当局だけでなく事業者に対しても行うことが可能でございます。一方、この間、都では事業者の情報を把握できていないため、公正取引委員会と都の調査の間においては、情報量にかなりの乖離がございました。
 こうした中にあっても、都として中間報告以降も、関係職員への事情聴取等の調査をさまざまな形で行ってまいりました。その結果、現時点で中間報告時の一名を含む計四名が情報漏えいに関与した事実を確認しております。なお、都で把握できなかった一名は既に死亡していたため、本人への聴取ができませんでした。
 こうしたことから、都としては可能な限りの調査を行ってきたと考えております。

○鈴木委員 調査権限の関係から、公正取引委員会に比べ都の調査に一定の限界があることはやむを得ませんが、今後の調査では、公正取引委員会から得られた調査結果も踏まえた事情聴取等を行うとのことであり、最終報告に向けて、さらに調査を行うことを求めたいと思います。
 次に、経理部契約課における情報漏えいについてです。
 公正取引委員会の資料によれば、ほかにも契約課職員による情報漏えいについて指摘をされています。この点について、局はいつの時点で、どのような事実を把握していたのか伺います。

○木村職員部長 契約課職員による情報漏えいにつきましては、公正取引委員会による調査の過程で判明した事実でございます。
 判明した時期など詳細につきましては、公正取引委員会の調査にかかわるため、お答えを控えさせていただきます。

○鈴木委員 公正取引委員会の調査の過程に関することはご答弁できないということですが、局は公正取引委員会と同様に、この件、事実として認定をしています。
 では、この事例はどのように発生したと考えているのか伺います。

○金子経理部長 契約事務につきましては、事案の公表から入札参加希望者の受け付け、審査、落札者決定、契約締結等の一連の事務を東京都電子調達システムにより実施してございます。
 契約事務所管部署では、事業実施部署から契約の締結依頼を文書により受領し、予定価格等の厳格管理情報を含む個々の事案に関する情報を同システムに入力しております。その際、入力内容と契約締結依頼文書の内容を照合するため、同システムの画面を印刷し、チェック作業を行っておりました。
 今回の情報漏えい事故におきましては、チェック作業終了とともに廃棄しなければならないはずの資料が契約相手方決定後に交付する契約書様式に紛れこみ、記載されていた予定推定総金額に関する情報が漏えいしたものと推測してございます。

○鈴木委員 ただいまのご答弁ですと、あくまでも推測とのことでしたが、職員への事情聴取等により、事実は特定できないのでしょうか。今後の原因究明と再発防止策の徹底、職員の処分を行う上でも、しっかりと事情聴取を行い、事実確認をすべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○木村職員部長 経理部契約課の職員による情報漏えいが公正取引委員会による調査の過程において判明した段階で、当時のこの契約事務を直接担当していた職員二名を事情聴取いたしました。
 その結果、いずれの職員も、事業者に予定価格が記載された書類を渡していたことについて確認できませんでした。現在改めて関係職員等への事情聴取を行うなど、事実関係の確認に努めております。

○鈴木委員 私は、ここはもう少し丁寧に確認をしたいと考えています。
 さきの委員会での説明資料では、誤って書類を渡したと事実認定を行っています。どのような理由により、誤ってと認定したのか伺います。

○木村職員部長 先ほどもご答弁いたしましたが、経理部契約課の職員による情報漏えいが公正取引委員会による調査の過程において判明した段階で、当時の事務担当者二名の事情聴取を実施した結果、いずれの職員も、事業者に予定価格が記載された書類を渡したことについて確認できませんでした。
 また、公正取引委員会は、当局職員のみならず事業者に対する調査も行った上で、誤って書類が交付されたと認定しております。こうした状況から、都としては、誤って書類を渡してしまった疑いがあると認定いたしました。
 なお、本件も含めて、現在調査を継続しておりまして、引き続き事実関係の確認に努めております。

○鈴木委員 公正取引委員会でも、当局職員のみならず事業者に対する調査も行った上で、誤って書類が交付されたと認定しているということでした。
 実効性のある再発防止策を実施するには、的確な原因分析は、私は欠かせないと思います。もし誤って書類を渡してしまったのだとしたら、なぜそのようなミスが起きてしまったのか、より丁寧に検証すべきです。
 現時点で何が原因であったと認識しているのか伺います。

○金子経理部長 厳格管理情報が記載された資料を不用意に印刷したことと契約締結事務を行う上で保有する厳格管理情報が記載された資料の管理方法を具体的に定めていなかったことが直接的な原因であると認識しております。
 特に、今回の情報漏えいの原因となった資料の廃棄時期を明示していなかったため、確認作業終了後においても資料が残り、事業者に交付する書類に混入する事態を招きました。
 また、こうした事故が発生した背景には、経理部職員のコンプライアンスに関する意識も十分ではなかったものと認識しております。

○鈴木委員 現時点での原因分析をお示しいただきましたが、当然、今回分析した原因に対して、既に何らかの再発防止策をとっていると考えます。これまでどのような対応をとってきたのか、また、今後どのような対応をとっていくのか伺います。

○金子経理部長 経理部契約課からの情報漏えい事故の発覚を受け、直ちに同課における事務フローを総点検し、厳格管理情報が記載された資料の有無と管理状況について確認を行いました。
 同時に、電子調達システムへの入力内容の確認の際、厳格管理情報が記載された資料を印刷しないこととし、画面上でチェックリストを用いて確認することなど、契約締結事務の実施方法を抜本的に見直しました。
 また、職員のコンプライアンス意識の向上を図るため、当該事故の情報を課内で共有するとともに、契約における公平性や透明性の確保など、契約締結に関する基本的価値観の共有を改めて図りました。
 今後、これらの取り組みを、当局で契約事務を所管する全部署に拡大しまして、契約締結事務を実施する上での情報管理を徹底してまいります。

○鈴木委員 現時点では、経理部における情報漏えいは故意ではなく過失とみなしているようですが、結果として情報漏えいが起きているということは事実であり、これは重大な事案です。このことは重く受けとめていただきたいと思います。
 他方で、私はどんな業務でもミスというのは必ず発生するものだと考えています。もちろん一人一人のコンプライアンス意識の向上も必要かもしれませんが、どんなに意識を高く持っても人間がかかわる以上、全てのミスをなくすことはできません。ミスをして、ミスだからいいといっているわけではなくて、やはり大切なのは、誰しもミスをする可能性があるということを前提として、どうしたらミスが起きにくい業務フローを組織として構築できるかということ、そして、仮にミスが起こってしまったとしても、それをすぐに確認し、被害を最小限に防ぐ体制を築くことだと思います。
 ぜひ、そうした観点から、組織としてあらゆる情報漏えいが起こらない事務フローを、今後早急に構築していただきたいと思います。
 三つ目のテーマです。
 こうした再発防止策について、水道局内部の視点だけで検討したのでは実効性の確保に限界があります。我が会派はこれまでも、再発防止策を形骸化することなく実効性のあるものとするためには、外部の目によるチェックを受けることが重要であると主張してきました。
 さきの委員会の説明資料では、外部のチェックを受ける取り組みである第三者コンプライアンス委員会の設置が実施済みとなっていました。平成三十一年四月以降、有識者委員会を三回開催してきたわけですが、これまで開催してきた外部の有識者による委員会で、どのような検証を行い、提言を得てきたのか伺います。

○木村職員部長 有識者委員会は、再発防止策や東京水道グループ全体の事業運営を検証する上で、外部の幅広い見地から意見、助言を得ることを目的として設置いたしました。
 第一回の委員会では、今回の事故を受け、事故の概要や調査特別チーム中間報告書に掲げた再発防止策全般について説明し、その際、委託業務の積算部門を現場の施行管理部門から切り離すことの重要性やICTなども活用しながら、不祥事を起こさせないような仕組みづくりが必要などのご意見をいただきました。
 第一回及び第二回の委員会では、再発防止策のうち、排水処理施設運転管理作業委託における契約方法の見直しとして、総合評価方式の導入等について具体的に検証いただきました。
 また、契約方法の見直しでは、危機管理の観点から、契約内容に受託会社による危機管理の対応やバックアップ体制を義務づけるべきとのご意見や安定的履行の観点から、契約前の人員配置体制や契約期間中の履行状況をさまざまな形でチェックすることが重要とのご意見をいただき、局としてこれらを反映した形で内容を見直し、最終案について了承をいただきました。
 第三回の委員会では、公正取引委員会からの改善措置要求等について報告しておりまして、今後、公正取引委員会や都の調査結果を踏まえつつ、都において改めて必要な再発防止策を策定し、検証をいただく予定であります。

○鈴木委員 再発防止策を講じ、有識者委員会で検証を開始しているということですが、やはり今後の調査結果を有識者委員会における再発防止策の検証に生かしていくことが不可欠です。
 そこで、公正取引委員会の調査結果や今後都が行う調査結果について、有識者委員会でどのように検証していくのか伺います。

○木村職員部長 公正取引委員会が実施したヒアリングの内容等については、公正取引委員会の調査にかかわるものであるため、都から有識者委員会にはお示しすることができません。
 そのため、現在公正取引委員会の調査結果を前提に、局による関係職員への事情聴取など調査を実施しておりまして、事故の事実経過や背景を明らかにした上で、改めて必要な再発防止策を策定してまいります。
 有識者委員会には、この都の調査結果と再発防止策を報告し、検証を行っていただきます。

○鈴木委員 あわせて、今後有識者委員会では再発防止策をどのように検証していくのか伺います。

○木村職員部長 局では、今後公正取引委員会の調査結果を前提として、関係職員への事情聴取など調査を実施し、事故の事実経過や背景を明らかにした上で、改めて必要な再発防止策を策定してまいります。
 今後策定する再発防止策は、次回の有識者委員会に報告し、同委員会では中間報告で掲げた再発防止策とあわせて、外部の有識者として専門的かつ客観的な視点で、再発防止策の妥当性等について検証し、委員会としてのご意見をいただきます。
 このような過程を経て、局として二度と同様の事故を発生させない実効性のある再発防止策を取りまとめ、年内を目途に、都として最終報告書として公表してまいります。

○鈴木委員 ぜひ、今回明らかになった事実を教訓に、事務の進め方を見直し、外部の視点も取り入れて、再発防止の取り組みをしっかり実施していただきたいと思います。
 水道局ではこれまで、事故のたびに調査を行い、再発防止策を構築し、改善を行ってきたということですが、その中で、再び今回の事故が起きてしまいました。まずは都として調査を最後まで完了し、今回の事故の原因を詳細に検証しなければなりません。
 その上で、徹底した再発防止に取り組んでいくことはもちろん、情報漏えいにより都に損害を与えた者に対し、厳しく対応していくことについても責任を持って取り組んでいただく必要があります。
 最後に、今回の不祥事を最後とするためにも、今後局として再発防止にどのように取り組んでいくのか、局長の決意を伺います。

○中嶋水道局長 今回の事故により失われた都民の信頼を回復するためには、複数の職員が情報を漏えいしていたという事実、過去の事故に対する再発防止策を実施する中で情報漏えいが行われたという事実、これらを真摯に受けとめまして、これ以上事故を起こさない、起こさせない、真に実効性のある再発防止策を、局を挙げて進めていくことが重要でございます。そのためには、やはり新しいアプローチが必要だと考えております。
 そのため、これまでの局主導による取り組みをさらに強化することに加えまして、先ほどご質疑ございました新たに有識者委員会を設置いたしまして、外部の視点からの検証を実施しますとともに、現場からの自発的な取り組みを促進することで、職員一人一人の意識強化を図ってまいります。
 今後、公正取引委員会や都の調査内容をもとに詳細な原因分析を行った上で、こうした多角的な視点に立った再発防止策を策定し、最終報告として公表し、都議会にご説明してまいります。
 また、情報漏えい等の不適切な行為が認められた職員や談合の事実が認められた事業者に対しましては、厳正に対処してまいります。
 今回の事故を徹底的に振り返り、職員一人一人にコンプライアンスの意識を浸透させ、組織一丸となって再発防止に取り組む体制の構築に全力を尽くしてまいります。

○鈴木委員 ぜひ都として置かれた状況の厳しさを十分に認識し、真摯に取り組んでいただきたいと思います。事故が起こらない体制を一日も早く構築していただくことを要望して、私の質疑を終わります。

○加藤委員 私は、昨年十月の公正取引委員会による水道局への立入検査以降、浄水場の排水処理施設運転管理作業委託に係る問題の解決はもとより、局に対する都民の信頼回復が何よりも重要という観点から注視をしてきました。
 そして、昨年十二月の公営企業委員会では、中間報告書の改善策の一つである、局が設置する第三者コンプライアンス委員会で、汚職、情報漏えいのみならず契約のあり方についても議論が必要であることを提言いたしました。
 また、本年三月の委員会では、今年度の排水処理施設運転管理作業委託の発注の考え方や来年度の発注に向けた検討状況を確認し、これらの質疑を通じて実効性のある取り組みを求めてきました。
 本日の質疑では、先日公表された改善措置要求の内容等を踏まえて、事業者へのペナルティーや契約に関する取り組み状況などについて質問をしていきたいと思います。
 今回談合が明らかになったわけですけれども、談合により不当に受注額を引き上げることは、水道を利用し、水道料金を支払う都民に対する重大な背信行為であります。談合を行った四者に対しては、しっかりとペナルティーを科し、反省をしてもらわなければなりません。
 既に指名停止措置は行われていますが、まずは確認のために、措置内容について伺います。

○金子経理部長 都では、都の入札参加資格を有する者が、都発注の契約に関して独占禁止法に違反する行為があった場合には、標準で十四カ月の指名停止措置を行うこととしてございます。
 今回の事案では、該当する全ての事業者が課徴金減免措置を受けていることから、これまでの事例を勘案して、指名停止期間を短縮し、本年七月三十日付で、該当する四者とその関連会社一者に対して七カ月の指名停止を行っております。

○加藤委員 今の答弁にありましたとおり、標準が十四カ月でありますので、その半分である七カ月の指名停止期間が終われば、これらの会社はまた都の入札に参加できることになります。しっかりと反省したことが明らかでないまま、漫然と入札参加に復帰させることはできません。
 そこで、きちんと再発防止策がとられていることを確認し、二度とこうしたことのないようにすべきと考えますが、見解を伺います。

○金子経理部長 本年七月十一日の公正取引委員会による排除措置命令及び課徴金納付命令の公表を受け、当局では七月十八日から八月五日の間、該当する四者に対してヒアリングを実施いたしました。このヒアリングでは、談合の実態を改めて聴取いたしました。また、徹底した社内調査を実施するとともに、再発防止策を策定し、当局に報告することを求めてございます。
 今後、該当する四者からの報告を精査し、再発防止策の徹底などを求めてまいります。

○加藤委員 局として、しっかりと再発防止策も求めたとのことですが、談合により受注額が引き上げられた結果、都にも相当な損害も発生していると思います。
 これらの損害はきちんと事業者に請求し、損害を回復しなければならないと考えますけれども、今後、どのように対応していくのか伺います。

○金子経理部長 都の契約約款では、都との契約に関して独占禁止法に定める排除措置命令または課徴金納付命令が確定した場合、受注者は、賠償金として契約金額の一定率に相当する額を支払わなければならないと定められてございます。また、都に生じた実際の損害額がこれを超える場合には、その超過額についても都は請求できることとしております。
 今回の事案につきましても、都の契約約款や関係法令に基づき、当該業務及び類似の業務委託契約の落札率や落札額の推移等を踏まえ、実際の損害額を算出した上で、適切に対応してまいります。

○加藤委員 損害の回復だけでなく、今後の不正の発生の抑止に努めることも重要であります。
 契約にかかわる不正は、予定価格に関する情報の漏えいによるものが多く、今回も予定価格が非公表であったことが事故につながりました。工事請負契約の場合は、情報漏えいにかかわる不正防止の目的から、一定額未満の予定価格は事前公表としております。一方で、業務委託契約は事前も事後も公表されておりません。
 不正防止の観点では、両者は同じものと思いますが、業務委託契約の予定価格が非公表の理由、これを伺います。

○金子経理部長 予定価格の公表につきましては、事後においても実施しないこととする明確な法令上の規定はございませんが、競争入札における公正性及び競争性を確保する観点から、個々の契約の性質を勘案し判断してございます。
 業務委託契約につきましては、業務の性質上、同一の仕様により、毎年継続して行われるものが多く、また、工事請負契約や設計等委託のように、公表されている積算基準が存在しない業務も多くございます。
 このため、予定価格を公表すると、当該契約以降に行われる契約におきまして、予定価格が類推されるおそれがあることから、一般的に非公表としてございます。

○加藤委員 業務委託契約の予定価格を非公表としていることに今答弁があって、ある程度の合理性があるということはわかります。しかし、その反面、事業者が不正に情報を得ようとするリスクが工事請負契約よりも高くなる、そのように考えます。
 中間報告でも分析しておりますけれども、特に常勤の雇用者を多く抱える案件では、事業者も必死であります。同じ事業者が連続して受注することが一概に悪いことではなく、事業者が蓄積したノウハウなどは大いに活用すべきと考えますが、裏で手を組んで受注額を不当に引き上げることは言語道断ということであります。
 そこで、こうした不正の抑止のために、局としても何らかの対応が必要と考えますが、見解を伺います。

○金子経理部長 当局が発注する契約における談合事件は、過去に水道メーター等の購入契約において発生していることを踏まえ、談合等不正行為抑止のための取り組みは、物品購入契約を対象として実施してまいりましたが、業務委託契約についての取り組みは十分に行われてまいりませんでした。
 昨年十一月に取りまとめた中間報告では、業務委託契約を含め、入札契約結果の監視体制を強化するため、契約監視委員会を設置するとともに、入札行動の事後的な検証を可能とすることで、談合の抑止力強化を図るため、業務委託契約に関する情報の事後公表を拡大することといたしました。
 本年四月に新たに設置した契約監視委員会において、ご指摘のような同じ事業者が複数年連続して受注している業務委託契約につきましても、入札参加者の応札行動の検証などの調査、監視活動を行ってまいります。

○加藤委員 ぜひ効果的な調査、監視を継続していくよう要望しておきます。
 これまで事業者へのペナルティーや不正防止について質問してきましたけれども、排水処理施設の運転管理業務の委託契約等についても確認していきたいと思います。
 まず、今年度の排水処理施設の運転管理業務の体制として、委託により実施する浄水場と直営で実施する浄水場があると聞いておりますが、委託、直営、それぞれについて、きちんと運営されているのか状況を伺います。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 比較的規模が小さく、少ない人員で運転が可能な浄水場につきましては、効率的な人員確保に配慮するため、三園浄水場、小作浄水場及び玉川浄水場の三浄水場をまとめまして一案件、三郷浄水場を単独案件として、委託により二案件で発注しております。いずれも新規参入の事業者が受託しております。これらの浄水場では、当局の立ち会いのもと、新旧受託者が十分な引き継ぎを行うことで適正に運転されております。
 一方、大規模施設である東村山浄水場、金町浄水場及び朝霞浄水場におきましては、多くの人員を事業者側が確保することが困難であり、入札の不調リスクがあったことから、局職員による直営で実施しております。これらの浄水場では、前受託者からの引き継ぎに加え、緊急事態にも対応できるよう、操作マニュアルを整備するとともに、運転管理に必要な実務研修を実施することで円滑に運転しております。
 このように、全ての浄水場におきまして、排水処理施設の運転管理は円滑に運営されております。

○加藤委員 排水処理施設が停止すれば、浄水場全体の機能停止を招くため、運転管理は重要な業務です。円滑に運営されていることを確認し、安心につなげたいと思います。
 これまで四十年余りの長きにわたり、この業務を委託で行ってきたこともあり、今回局として初めて直営で業務を行うことで、さまざまなノウハウや技術力の必要性を肌で感じたと考えます。とりわけ浄水場の重要な施設という位置づけの中で、危機管理上もその重要性が再認識できたのではないでしょうか。
 中間報告では、職員が受託者に対し、過度な信頼を寄せていたことが、翌年度の契約の予定価格を教示することになった原因とされております。
 こうしたことを踏まえ、この直営での経験を今後も生かすべきと考えますが、来年度からの排水処理施設の運転管理をいかに行っていくのか伺います。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 局では、事業の効率性の観点から、民間に委ねられる業務は可能な限り民間事業者に委託してきており、排水処理施設の運転管理につきましても、委託により運営してまいりました。
 今年度、初めて直営での排水処理施設の運転管理を実施しておりますが、危機管理上の観点から、委託による運転管理ができなくなる事態も想定し、一定程度の直営体制を確保しておくことが極めて重要と再認識いたしました。
 このため、現在、来年度からの排水処理施設の運転管理につきましては、民間への委託を原則としつつも、今年度直営により習得いたしました技術、ノウハウを生かし、一部の浄水場で直営による運転管理を継続することを視野に検討しております。

○加藤委員 排水処理施設の運転管理について、直営を存続させる方向で検討が進められていることは、受託者頼りにならず、職員がしっかりと技術を継承していく上でも非常に重要と考えますので、直営の存続を期待しております。
 一方で、今後も委託による運転管理が行われるため、契約手続は適正に実施していく必要があります。本年三月の委員会において、令和二年度からの委託契約に向けた検討状況について質疑をしましたところ、総合評価方式の導入に当たり、評価項目や審査基準、学識経験者の人選について検討中とのことでした。
 また、本年四月に設置された東京水道グループコンプライアンス有識者委員会でも、この委託契約について議論されたと聞いております。
 契約手続などの見直しについては、当然コンプライアンス有識者委員会での意見を踏まえた上で検討すべきものであると考えますが、契約関係についてはどのような意見があったのか伺います。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 東京水道グループコンプライアンス有識者委員会は、五月に第一回、七月に第二回及び第三回を開催しており、排水処理施設運転管理作業委託契約の見直しにつきましては、第一回と第二回の委員会において検証されております。
 有識者委員会では、危機管理の観点から、契約内容に受託会社による危機管理の対応やバックアップ体制を義務づけるべき、また、安定的履行の観点から、契約前の人員配置体制や、契約期間中の履行状況をさまざまな形でチェックすべきなど、委託契約の見直しに反映すべき貴重なご意見をいただいております。

○加藤委員 危機管理の観点や排水処理業務の安定的な実施という観点からも意見が示されたとのことで、局としても、排水処理業務を根本から点検し、より質を高めていくことに向け、非常に有益な意見をいただいたのではないかと思います。
 そこで、これらの貴重な意見を来年度からの排水処理施設運転管理作業委託契約に導入する総合評価方式にいかに反映させていくのか伺います。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 排水処理施設運転管理作業委託契約の見直しに当たりましては、新規参入の促進による競争性の確保と安定的かつ確実な業務履行の担保が必要と認識しております。
 このため、令和二年度からの契約につきましては、実績要件の緩和など、入札参加条件を見直すとともに、作業員の雇用の安定性確保につなげるため、複数年契約を導入いたします。
 また、コンプライアンス有識者委員会での貴重なご意見を踏まえまして、契約条件に履行状況が不良であった場合のペナルティーなどを明確化するとともに、契約方式を総合評価方式として、人員配置や危機管理体制など、業務履行の確実性を評価いたします。
 こうした見直しによりまして、多くの入札参加者を確保し、より競争性を発揮させるとともに、不良業者を排除いたしまして、確実な履行を確保することで、排水処理業務をより安定的に実施してまいります。

○加藤委員 見直しによる談合防止と排水処理業務の安定的な実施に期待したいと思います。
 一方で、今回の見直しの内容がこれで終わりと、絶対的に正しいというものではなく、社会経済情勢や発注者である局、受注者である事業者が置かれている環境などを踏まえて、不断の見直しを行っていくことが重要です。
 今回の事故で失われた信頼を回復するためにも、本日の質疑で取り上げた契約に関する取り組みだけでなく、これまでの再発防止策やコンプライアンス強化など、あらゆる取り組みを十分に分析、検証し、継続的に見直すよう要望いたします。
 かねてより主張しているとおり、水道事業は水道を使う都民、企業など、お客様のために行われているものであり、お客様の信頼が必要不可欠です。今回の事故で明らかになったさまざまな課題を、信頼回復の礎とすべく、職員一人一人が意識を高く持ち、局が一丸となって取り組んでいくべきと考えます。
 そこで、最後に、今後のお客様の信頼回復に向けた局長の決意を伺います。

○中嶋水道局長 ただいま理事ご指摘のように、水道事業は都民生活と都市活動を支える基幹ライフラインでございまして、安定給水のためのたゆまぬ取り組みも必要でございますが、お客様の信頼回復に向けたコンプライアンスの強化は最も重要かつ喫緊の課題でございます。
 こうした認識のもと、これまで中間報告書で掲げました再発防止策を着実に実施いたしますとともに、東京水道グループコンプライアンス有識者委員会から、排水処理業務のみならず、当局の事業全体を俯瞰した観点から貴重なご意見をいただいてきております。
 今後は、公正取引委員会からの今回の改善措置要求等を受けての当局の対応などを含めまして、有識者委員会において、コンプライアンス強化のための取り組みを分析、検証の上、ご提言をいただき、契約方法や執行体制など、あらゆる側面から不断の見直しを実施してまいります。
 また、こうした外部の視点による見直しに加えまして、全ての職場におけるコンプライアンス上のリスクの洗い出しや業務の相互点検などを通じて、職員一人一人がお客様の信頼回復を第一に意識し、高いコンプライアンス意識を持って職務に従事する環境を速やかに構築してまいります。
 こうした取り組みを、私みずから先頭に立ちまして、局一丸となって推進し、東京水道に対するお客様からの信頼の回復に努めてまいります。

○加藤委員 ぜひ都民の皆様から生まれ変わったといわれるように、今後も頑張っていただきたいと思います。
 終わります。

○宇田川委員 委員会要求資料をいただきましてありがとうございます。八十数ページにわたってお手数をかけましたが、二割ばかりが黒塗りで一番大事なところが見られないので残念でなりません。
 今回の件でございますが、水道局の失態であります。都知事に対して公正取引委員会から改善措置要求が行われた。全て最終的な責任が知事にあるからこそ、小池知事に対して改善措置要求が行われたものだと理解をしています。知事自身も、記者会見の場等々において、重く受けとめていると、おわびを申し上げますと、こういう言葉の発言がございましたので、そういったご認識があるんだと思っています。
 それにしてもですよ、水道局の収賄であったり、情報漏えい、官製談合等々、不祥事ですよね、これが十年間で三回、三回も発生しているというのが、私は一番問題だと思っています。過去の不祥事発生後に、一体水道局は何をしていたんでしょうか。都度都度再発防止策をつくってきた、しかし何の意味もなかった、まるで機能していない、もしくは再発防止策自体を無視した、そういわれても仕方ない状態で過ごしてきた、そういう受け取りも甘受せざるを得ないんだと私は思っています。
 水道局はこの事態を一体どう認識されているのか、まず伺います。

○岡安理事 当局におきまして、平成二十六年の情報漏えい事故を受けた再発防止策を実施している中で、今回浄水場におきまして、情報漏えいを行っていた職員が複数存在しておりましたことは、局として極めて重大な事態であると認識してございます。
 当時は、その時点で考えられるできる限りの再発防止策を講じてきたと認識をしておりますが、結果といたしまして、浄水場など事業所を含めた組織全体、そして職員一人一人まで行き届いていなかったと考えてございます。
 このため、今回の事故の事実経過や背景を明らかにした上で、再発防止策を策定するとともに、今後は組織風土や業務運営のあり方も含め、局としての構造的な課題にまで踏み込んで、徹底した対策を講じていく必要があると考えてございます。

○宇田川委員 極めて重大であると認識をしている、徹底した対策、こんな言葉もご答弁の中にありました。これね、揚げ足取るつもりでいうわけじゃないんですけれども、今日やっと重大だと認識したんですかといいたくなります。今まで徹底した対策はしていなかったということですよね。これ、逆にですよ、徹底した対策をしていた、できる限りの再発防止策を講じてきたと答弁にありましたが、それをしたにもかかわらず不祥事が発生をしたとすれば、違う意味で大問題ですからね。もちろん個人の意識にも問題があったことだと思いますけれども、要は組織としての問題の方が私は大きいんだと思っています。組織たり得ていないということであります。
 組織の長として、責任者として、局長のご認識を改めて伺います。

○中嶋水道局長 まず、今回、十年間ということにわたりまして、三回不祥事があったということにつきまして、局として極めて重く受けとめております。
 また、これにつきましては、徹底したというお話でございましたが、まさに徹底した再発防止策をとって、二度と不祥事はないようにしていくということが私どもの責任のとり方であるというふうに考えています。
 今回、三回ということでございますけれども、私どもやはり非常に重要視しておりますのは、この三回とも、起こった場所ですとか、場所は当然ですけれども、背景や動機というものは全て異なるという点がございます。これは何を意味しているかといいますと、今後もやはりリスクが潜在的にあるということだと思います。ですから、このリスクを徹底的に潰すということが今後の再発防止策の新しい一つの視点だと思っております。
 それとまた、今回公正取引委員会の認定、また、私どものこれまでの調査におきまして認定した案件につきますと、直近では、平成二十六年度の情報漏えいというものがございましたが、そこから五年間これまでたっているわけですけれども、この間、職員からの申告が全くなかったという点、これはなぜ申告できなかったのかという点も重要だと思っております。
 そうした観点から、外部の視点、また現場からの発想も踏まえながら、徹底した再発防止策を検証の上、最終報告に載せて、都議会の方にご説明したいというふうに考えております。

○宇田川委員 今、局長の答弁の中で、起こっている場所とか背景が違うという話がありました。そのとおりだと思います。本庁の意識と現場の認識に隔たりというか、ずれがある、こういう考え方も成り立つんだと思います。例えば都の発注工事においても、我々も地元の業者にいろいろお話伺いますが、本庁担当者と現場の担当者にずれが多いことは本当に多々あるのを経験しております。この認識のずれであったり、管理が末端まで行き届かない状態、こうした実態があるわけでございます。まさに組織としての課題が浮き彫りになったということです。
 責任の所在も含めてどのようにお考えなのか、見解を求めます。

○岡安理事 当局では、平成二十六年に発生いたしました事故を受けまして、当該事故の原因に即した再発防止策を速やかに講じてまいりましたが、現場を含めた職員一人一人までコンプライアンス意識を着実に浸透させる取り組みが不十分であったと認識をしております。
 また、事業を運営する上で、長らく職員の誰もが当然だと考えておりました局の構造的な面にも目を向けまして、将来にわたり不祥事を防止するための対策を抜本的に講じるという面でも課題がございました。
 こうした点も踏まえますと、平成二十六年に発生しました事故を受けた再発防止策を実施している中で、結果として今回の事故を防げなかったことにつきましては、水道局という組織に重大な課題と責任があったと受けとめてございます。

○宇田川委員 先ほど冒頭でも申し上げたんですが、これまでの再発防止策は一体何だったのか、何の機能もしていなかった、このことは事実であります。なぜ機能しなかったのかは皆さん方で当然検証されたことだと思います。
 まず、検証結果についてお答えください。

○木村職員部長 今回の事故を受けて、当局としましては、直ちに事故を起こした職員等へのヒアリングを行い、事故の原因や背景の調査と分析を行いました。また、実効性のある再発防止策の策定に向けまして、事故に関係する部署の管理職から成る検討チームを設置し、これまでの再発防止策に関する検証や事故につながるおそれがある要因の洗い出しを行いました。
 この検証の中では、これまで実施してきた、例えば部外者の執務室入室基準の策定ですとか、あるいは周知並びに悉皆研修の実施や強化等の再発防止策は、一定の効果はある一方で、結果として事故を防げなかったことは、職員一人一人の意識にまで行き届いていなかったかと分析しており、この点について徹底した改善が必要と認識したところでございます。
 また、技術職の職種が多様で、かつ専門の業務分野が分かれているため、業務に対する新しい視点やチェック機能が入りにくいことなど、局事業の構造的な側面にも着目する必要がございました。
 さらに、これまでの再発防止策は局独自に検討してきましたが、十分な再発防止策を講じるためには、第三者の視点が不足していたなどの課題が浮き彫りになったところでございます。

○宇田川委員 しっかり検証していただいていることだと思います。
 今ご答弁のあった検証結果、これを今回の再発防止策にいかに生かしていくのか、これが一番大事なことなのでありまして、今もまさに申し上げた、どのように生かしていくのかを伺います。

○木村職員部長 今回の再発防止策を検討及び策定するに当たりましては、これまでの再発防止策が、職員の意識への浸透が不十分であったことや、仕事の進め方を初めとした構造的な課題にまで踏み込む必要があること、さらに外部の視点による検証が不可欠であることを認識する必要がございます。
 こうしたことを踏まえまして、まず昨年十一月に公表した調査特別チーム中間報告書には、汚職根絶に関する宣言書に署名する取り組みや職場内での不正を発見、防止する体制の構築、第三者コンプライアンス有識者委員会の設置など、これまでの再発防止策の検証で必要とされた取り組みを盛り込み、既に実施してきているところでございます。
 また、有識者委員会におきまして、外部の視点から局全体の事業運営のあり方を含めて検証することとし、局の構造的な課題についても議論をいただく予定でございます。
 さらに現在、職員の意識啓発や現場の声を対策につなげていく観点から、本庁、現場を含めた各職場が主体的に議論、検討を行った上で、職場単位でのコンプライアンス上のリスクを洗い出す取り組みを推進しております。
 今後有識者委員会におきまして、局の構造的な課題に加え、各職場の顕在化したリスクなどを検証し、提言をいただきます。
 この提言を踏まえまして、実効性ある再発防止策を構築し、実施してまいります。

○宇田川委員 それでは、ちょっと細かい部分を何点か伺っていきたいと思います。
 都の調査によりますと、職員のいずれの行為も、次年度、同じ業者に契約をとってほしかったというのは主な理由だと、こうなっています。楽をしたかったということなんでしょうかね。個人利益を得ようとしたものではないと、こうも書いてあります。便宜供与等の事実は確認されていないということです。事実は確認されていない、何とも微妙ないい回しであって、事実ではないというのとは明らかに違うわけであります。
 どんな調査をした結果がこういう認識なんでしょうか。

○木村職員部長 都の調査における個々の職員による供述そのものは、本人の記憶や主観に基づくものでございまして、事実とは異なる可能性もあることから、明らかにすることは差し控えさせていただきますが、都の調査では、浄水場において情報漏えいを行った、または漏えいの現場に同席していた四名の職員に対し、延べ約三十回にわたって事情聴取を行い、情報漏えいを行ったいずれの職員も、次年度も同じ事業者に契約をとってほしかったことが主な理由でございまして、個人の利益を得ようとした行為、組織ぐるみの行為であったとの情報はございません。また、同席していた職員を含め、いずれも業者からの便宜供与等の事実は確認されておりません。さらに、該当職員の上司や部下、前任、後任等にも事情聴取を行うなど、中間報告の前後を通じて延べ千七百五名に対し、可能な限り調査を行いましたが、組織的な関与や便宜供与を受けていた事実は、現時点では確認されておりません。
 一方、今回の公正取引委員会の改善措置要求及び要請におきましても、便宜供与があったことや、管理職の関与があったとの指摘はなされておりません。
 こうしたことから、都としては、個人の利益を得ようとした行為、組織ぐるみの行為、業者からの便宜供与等の事実があったことは、現時点では認定しておりません。
 なお、今回の改善措置要求等を受けまして、事業者の社員へのヒアリングを新たに実施するとともに、改めて当該職員、関係する職員等に対し幅広く調査を行い、事実関係の確認に努めてまいります。

○宇田川委員 事情聴取を行った結果ということなんですが、都に捜査権があるわけではない、当たり前のことであります。だからこそ、こうした曖昧な表現が出てこざるを得ない。今、答弁でも、現時点ではなんていうのはまさに曖昧なことで、じゃあこの先変わるんですかというのを含んだような話なんですね。このことだけではなくても、事実確認に誤りがあれば、当然処分なども変わってくるわけでございます。書類を誤って渡した疑いがあると、なぜこのように認定したのか、先ほどのやりとりで答弁がありましたので繰り返しませんが、何とも曖昧であることは否めません。
 契約課職員が行った情報漏えいは、故意ではなく過失によるもの、現時点ではとありますけれども、しかし、その他の職員が行った行為は法に抵触する可能性があるんです。
 例えば、地方公務員法の秘密を守る義務とか、刑法上の公契約関係競売入札妨害罪、入札談合等関与行為防止法の入札等の公正を害した職員の処罰、こういった法令違反、つまり法を犯している可能性は大いにあると考えられます。
 先ほども認定が曖昧ということを申し上げましたけれども、なぜ都は告発をしなかったんでしょうか。今後の対応も含めて、お尋ねをさせていただきます。

○木村職員部長 職員による情報漏えいにつきましては、事実認定に向けた調査中であることから、現時点では告発を行っておりません。現在、公正取引委員会の調査内容を詳細に分析するとともに、該当職員の上司や部下、前任、後任等や事業者の社員に対するさらなる事情聴取等を進めております。
 今後、都としての十分な調査を行い、事実関係を認定した結果、刑事告発の必要性があると判断される場合には、所轄の警察署等と相談の上、対応を検討してまいります。

○宇田川委員 何とも歯切れが悪いような気がしてならないのですけど、これ一番の問題は、先ほど申し上げたとおり、組織だと思います。今、水道局の局内は、空気変わったんですかね。緊張感が全体を覆ったような雰囲気になって、ぴりっとして、みんなでしっかりコンプライアンス遵守しようと、そういう空気になったのか、私は庁舎行っていないから、わかりませんけれども。組織である以上、その組織全体に責任があるわけで、管理監督者の責任を問われることになるわけでございます。それぞれの責任をどう背負っていかれるのか、その責任をどう果たしていかれるのか伺います。

○木村職員部長 管理監督者の責任に関しましては、懲戒処分の指針におきまして、部下職員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた職員は、減給または戒告とすると規定されております。
 今回の事故では、複数の職員が複数年にわたって情報漏えいを行っていたことが、これまでの都の調査で判明しております。したがいまして、該当職員の管理監督者を含め、関係する職員は広範囲に及ぶことから、退職者も含めて、そうした職員を漏らすことなく詳細な調査を実施する必要がございます。
 こうした調査を通じまして、職員への指導等の状況について把握した上で、必要に応じて懲戒処分を行うなど厳正に対処してまいります。

○宇田川委員 二度とこうした事態が起こらないように努めてほしい、当たり前のことを申し上げますが、それだけではないと思いますよ。知事がいった言葉が思い出されます。それは、水道局の文化ですよ。不祥事が何度も繰り返し生じている、再発防止策を策定しても変わらない、全く実効性を伴っていない、これはまさに水道局の体質です。知事の言葉を使えば文化です。体質は生半可な努力で変わることはできないと思います。決死の思いが必要であります。都民の皆さんにかけた迷惑、与えた不信感、この払拭もまた重要だと思います。
 今それぞれの責任、どう果たしていかれるんですか、職員部長にお答えをいただきましたが、二会派より今質問の最後で、局長の決意をとお話がありましたが、私からはその責任を一体、局長、どう果たしていかれるのか、局長の覚悟をお聞かせください。

○中嶋水道局長 まずは、冒頭の繰り返しになりますが、過去二回の不祥事につきまして、今回三回目が起きたと、また、その再発防止策を取り組んでいる中で、こうした情報漏えいが起きたということにつきまして、結果として、これまでの再発防止策が徹底していなかったということに対しまして、極めて重く受けとめているところでございます。
 こうした事態を受けまして、当局としましては、これまでの対策に加えまして、外部からの視点により水道局の組織風土にもメスを入れるとともに、当局における、約三千七百名でございますが、職員一人一人がみずからのこととして、コンプライアンス強化に取り組んでいく対策が重要と認識しております。これは九九%の職員が真面目に正直にやっておりましても、一人が、不祥事起きますと、組織全体がだめになるということは、私ども幹部職員はもとより、局職員が今回のことによりまして、かなりそこは浸透してきているんではないかというふうに考えております。
 現在、私、直接全ての職場を回っておりまして、現場の職員との対話を続けてございます。また、その中で職場が主体となりまして、また職員一人一人が職場討議の中で、自分たちの職場のリスクがどういうところにあるのかということを積極的に討議をしていただいておりまして、かなり活発な意見とまた新しいいろんなリスクというものが顕在化してきております。また、それをどう対応していくのかということも、現場サイドで今いろんな取り組みをしているところでございます。
 こういった取り組みを日々行うことによりまして、この汚職防止の研修なり体質というものがマンネリ化せず、日々新しいものとして、職員が自覚の上、毎日職務を遂行していくということが、水道局の組織風土を今後変えていくということの大きな一つの肝になると考えております。
 そういった意味で、私みずから、また先頭に立ちまして、職員の方を牽引いたしまして、新しい水道局の出発に向けまして、全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。

○宇田川委員 私かつて、この公営企業委員会の場において、東京都水道局の職員は世界一だと、こういう話をしたことがあります。まさに世界一の技術を持って、皆さんが努力を積み重ねてきたから、そういうものができてきたわけで、今局長も一人の失敗によって全体が、こんな話もありましたが、ぜひ水道局全体にそうしたプライドといいますか、腹の中におさめていただいて、今後もすばらしい世界に誇れる東京水道のために、一丸となって努力をしていただくことをお願い申し上げて、終わります。

○川松委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二十五分休憩

   午後三時四十分開議

○川松委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。

○斉藤委員 私からも質疑をさせていただきます。
 今回、水道局の七カ所の浄水場排水処理施設運転管理作業委託、ここで複数以上の水道局員によって、数年にわたり入札価格に関する情報漏えいがあったこと、さらに事業者の談合と結びついて、三件の官製談合があったということが認定され、公正取引委員会が、七月十一日に、東京都に対して入札談合等関与行為防止法に基づいて改善措置要求を要請するという重大な結果となりました。
 水道局ではこれまでも、二〇一二年、平成二十四年に建築工事等にかかわる収賄事件、二〇一四年、平成二十六年ですが、配水設備工事にかかわる最低制限価格漏えい事件、不祥事が続いていますが、今回は、さらに数年にわたって、複数以上の職員がかかわり、事業者に情報漏えいを続けていたということが判明しています。
 先ほども質疑の中で局長からのご答弁ありましたけれども、しかもこの件は、今回の漏えい事件は、二〇一〇年から二〇一四年の間にわたって、つまり、前回、そして前々回の汚職や情報漏えいの事実解明や防止策が図られている最中に続けられていた情報漏えいだということで、大変深刻な事態だといわざるを得ません。
 水道局としては、改めてですが、今回の不祥事と公正取引委員会からの改善措置要求を受けたことについてどのように受けとめているか、お聞かせください。

○岡安理事 当局におきまして、平成二十六年の情報漏えい事故を受けた再発防止策を実施している中で、今回情報漏えいを行っていた職員が複数存在していましたこと、また、この事故を受けまして、公正取引委員会からの改善措置要求を受けたことにつきましては、局としても極めて重大な事態であると認識をしております。
 当時はその時点で考えられるできる限りの再発防止策を講じてきたと認識をしておりますが、結果といたしまして、浄水場など事業所を含めた組織全体、そして職員一人一人まで行き届いていなかったと考えております。
 このため、今回の事故の事実経過や背景を明らかにした上で、再発防止策を策定するとともに、今後は組織風土や業務運営のあり方も含め、局としての構造的な課題にまで踏み込んで、徹底した対策を講じていく必要があると考えております。

○斉藤委員 二〇一四年、平成二十六年の情報漏えい事故を受けた再発防止策を実施している中でというご答弁ですが、この当時は、我が党のあぜ上三和子都議が、この工事入札で最低制限価格情報を漏えいした事件について質疑をしています。
 このときは、その前の二〇一二年、平成二十四年に起きた収賄事件、局発注工事での当時の係長が業者に便宜を図って、飲食など謝礼を受け取っていたという事件ですが、そのときからとられていた再発防止を踏まえての質疑がされています。対策を講じたにもかかわらず再び起こってしまったということ、これまでの対策がどうだったのか、十分にできなかったのなら、どこに問題があったのかということが、この二〇一四年当時にも質疑をされています。
 この当時の情報漏えいの事件の発覚のとき、水道局では汚職等防止対策本部を設置し、新たに対策を講じてきたはずのところです。これまでの対策が、実効性があったのかどうか検証し、どこに問題があったのか、これまでの繰り返しにならない防止策が求められているというふうに思います。
 先ほどのご答弁の中では、今後は組織風土や業務運営のあり方も含め、局としての構造的な課題にまで踏み込んで徹底した対策を講じていく必要があると認識しているというご答弁でした。いいかえれば、これまでの取り組みでは、組織風土や業務運営のあり方、局としての構造的な課題にまで切り込めていなかったということではないかと思います。
 私も、この間の過去の水道局で出されているこの汚職等防止策検討結果報告書、今回の資料要求の中にもありますけれども、これも確認をいたしました。職員の意識改革の対策が並んでいる一方で、局や業務の構造的問題に対する対策が弱いように感じました。今回の件で、委託業務や契約のあり方を含む構造的な問題も洗い出し、うみを出し切って、こうした事件を再び起こさない決意で再発防止に取り組まなければなりません。この立場で質疑をしたいと思います。
 まず、この間の質疑でもありましたが、今回の報告と公正取引委員会の発表で、新たにわかった重大なことは、五人もの職員が数年にわたって情報漏えいにかかわっていたということです。
 昨年十月末に、公正取引委員会の立入調査を受けて、水道局や都の調査特別チームが調査を行い、十一月末に発表した報告書とは大きな乖離がありました。このときの局の報告では、情報漏えいにかかわったのは一人だけ、今回の公正取引委員会の発表内容での職員Aとされる人物だけだったということでした。
 ところが、七月に発表された公正取引委員会の報告では、五人もの職員がさまざまな場面で情報漏えいをしていたということがわかり、大変な衝撃でした。多数の職員がかかわっていたということ、重大ですけれども、同時に、内部調査の報告の内容と随分公正取引委員会の発表、乖離があったということも驚きです。果たして、この内部調査の実効性がどうなのかということも疑問を持たざるを得ない状況です。
 水道局としては、東京都の報告書と公正取引委員会での調査内容に大きな乖離があったことをどのように認識していますか。なぜ乖離があったと考えていますか。改めてご答弁お願いします。

○木村職員部長 昨年十月の公正取引委員会の立入検査後、さまざまな報道が先行したため、都は責任ある立場として事実を調査し、都民の皆様や議会等に早急に報告する必要がございました。さらに、再発防止策を直ちに講じるとともに、次年度の排水処理業務の対応についても検討する必要がございました。
 そのため、限られた時間の中でできる限りの調査を行い、事前に公正取引委員会に確認をとった上で、その時点で、都として把握した事実とそれに基づく再発防止策等を中間報告書として公表したところでございます。
 調査の実施に当たりましては、公正取引委員会は、独占禁止法に基づく行政調査権限を有しており、立入検査等を含む調査を当局だけでなく事業者に対しても行うことが可能でございます。一方、この間、都では、事業者の情報を把握できていないため、公正取引委員会と都の調査の間においては、情報量にかなりの乖離がございました。
 こうした中にあっても、都として中間報告以降も関係職員への事情聴取等の調査をさまざまな形で行ってまいりました。
 その結果、現時点で、中間報告時の一名を含む計四名が情報漏えいに関与した事実を確認しております。なお、都で把握できていなかった一名は既に死亡していたため、本人への聴取ができませんでした。
 こうしたことから、都としては可能な限りの調査を行ってきたと考えております。

○斉藤委員 公正取引委員会では、事業者への調査も行えるということが大きな違いだというご答弁でした。まさに事業者からの情報がはっきりと示されている一方で、水道局の方では、情報をほとんどつかめていないということについても、この格差に驚きを禁じ得ませんし、ここに結局、情報漏えいの発生を許してしまった組織的な問題があるのではないかということも感じます。
 その水道局での調査ですが、昨年十一月に、七浄水場に在籍し、委託業務の金額を知り得た百七十人にヒアリングをしています。さらに職員、元職員、延べ一千二百名以上を対象に事情聴取やチェックシートによる確認等を行ったことが、今回の資料でも報告されています。
 どういう聞き取りが行われたのか、そのチェックシートというものも確認させていただきました。この中には、情報資産の管理について聞いている項目があり、具体的に資料や情報を漏らしたことがある、あるいは資料や情報の提供を業者から働きかけられたことがある、そして、ほかの人が情報漏えいしているのを見聞きしたことがあるか、ほかの人が業者から働きかけられているのを見聞きしたことがあるかというような質問もありました。
 しかし、結局、この質問にも情報漏えいにかかわったとされる五人のうちの四人、正確には死亡している職員Eを除く三人ということになりますが、十一月の調査の時点では、事実のとおりには答えていなかったということになります。
 なぜこのときに申告しなかったのか、理由については水道局では確認しているのでしょうか。

○木村職員部長 個々の職員による供述そのものは、本人の記憶や主観に基づくものでありまして、事実とは異なる可能性もあることから明らかにすることは差し控えさせていただきますが、局が事情聴取などの調査を繰り返し実施するとともに、さまざまな再発防止策を進めていた中で、職員の証言が変わってきたところでございます。
 なお、職員が情報漏えい事故を起こすに至った背景や動機につきましては、公正取引委員会や都の調査結果などから、正確に事実を確認した上で、最終報告書で明らかにしてまいります。

○斉藤委員 個々の職員による供述そのものは、本人の記憶や主観に基づくものということですが、まさにその主観というのがコンプライアンスの共通認識が浸透していたかどうかの、それがはかられる大事なポイントではないかというふうにも思います。
 再発防止のためにこれまでに取り組まれてきたことが、個々の職員まで届いていなかったのではないかということも思いますが、これまで汚職等防止策について、過去の不祥事を踏まえて、どのような取り組みがあり、実践されてきたのか、全庁的な取り組みと水道局の取り組みについて伺います。

○木村職員部長 局及び都では、過去の不祥事が、利害関係者との接触、職場におけるチェック体制と情報管理、職員の意識などに課題があったことから、平成二十四年、二十六年の不祥事のたび、再発防止策に取り組んでまいりました。
 まず、平成二十四年の汚職事故を受けまして、当局では秘密事項等部外秘情報の取り扱いの徹底や職員と事業者の識別の徹底などについて、直ちに取り組みました。また、三年に一回受講させていた悉皆の汚職防止研修を毎年受講させることとし、汚職の要件や汚職によりこうむるさまざまな不利益についても研修に盛り込むことで、汚職防止意識の醸成を図りました。
 全庁的取り組みとしましては、利害関係者との接触に関する指針を改正し、従来、職員の異動後は、当該職員の利害関係者を利害関係者とみなしていませんでしたが、職員の異動後三年間は利害関係者とみなし、対象者を拡大したほか、利害関係者と接触する場合には、原則として複数名で対応することを明記いたしました。
 次に、平成二十六年の情報漏えい事故を受けまして、当局では複数職員による事業者対応が可能となるよう、係または課を超えた相互支援について直ちに取り組みました。また、汚職等非行防止強化月間を年一回から二回に拡大し、セルフチェックによる自己点検や汚職防止策の取り組み状況につきまして、管理職がみずから確認する自己監察等を取り入れ、職員の意識改革や管理監督者の職場管理の強化に努めてまいりました。
 全庁的な取り組みとしましては、汚職防止の手引を改定したほか、管理職から監督職へ事案決定権を委譲するなど、監督職の機能強化を図り、課全体で相互チェック機能を向上させました。

○斉藤委員 いろいろな対策を講じながら、局として悉皆、全員を対象にした汚職等防止研修を毎年受講させる取り組みを行い、全庁的には利害関係者との接触に関する指針を改定して、利害関係者と接する場合には、複数名で対応するなど明記してきたということです。
 今回の調査の報告の中でも目を引くのが、職員Aが、四年も続けて毎年情報漏えいを繰り返しているということです。この職員Aは、汚職等防止研修、毎年受講していたんでしょうか。

○木村職員部長 職員Aは、局で実施する汚職非行防止研修を平成二十一年度、平成二十四年度にそれぞれ受講しております。また、毎年度実施することになりました平成二十五年度以降は、毎回受講しております。

○斉藤委員 平成二十一年度、二十四年度、そして二十五年度以降は毎年受講していたということです。しかし、それでも情報漏えいをしていたということになりますが、この職員Aが単独での巡回の中で敷地内にある事業者の事務所に立ち寄っていたことも多かったということも指摘をされています。
 事業者対応は単独では行わず複数で行うようにするルールもつくられていた中で、なぜ単独行動が起きていたのでしょうか。コンプライアンスの徹底は、なぜ職員Aには結果として届かなかったというふうに考えていますでしょうか。

○木村職員部長 職員Aが単独行動をしていたのは、所属していた係が少人数であり、当該係のみが排水処理施設運転管理作業委託に関する業務に従事していたため、上司や部下から十分なサポートを得られなかったことが一因と考えられます。
 また、当局では、コンプライアンスの周知徹底につきまして、毎年の汚職防止研修や年二回のセルフチェックなど実施してまいりましたが、結果として職員Aには、みずからのこととして浸透するには至らなかったと認識しております。
 なお、職員Aは、これまでの都の調査に対しまして、排水処理業務に初めて従事し、事業者から業務内容を教えられていたことから恩義を感じ頼るようになったため、事業者に任せておけば安心、これくらいの情報は問題ないだろうとの気持ちから漏らしても構わない、問題ないと考えていたとのことでございます。
 現在も改めて関係職員への事情聴取を行い、コンプライアンスの周知が徹底されていたかなど、事実関係を確認中でございます。

○斉藤委員 今のご答弁には、じっくり考えるに値する重要なポイントというのがあると思います。
 単独行動していたのは、一人で排水処理施設運転管理作業委託に関する業務に従事していたため、上司や部下から十分なサポートを得られなかったことが一因であるというご答弁、それから、当該職員が排水処理業務に初めて従事し、事業者から業務内容を教えられていたということから、この民間事業者に頼る関係ができていたということです。
 私は、この点はまさに組織の問題だというふうに思います。コンプライアンスの研修を幾ら強化しても、構造的、組織的な問題があれば、汚職を完全に防止することはできないということを示している例ではないかと私は思います。
 個人の意識の問題も当然に問われることだと思いますが、単独行動しないようにと幾ら言葉でいわれても、実際に現場で一人でその運転管理作業をしている状況で、技術的助言も局から受けられる環境になければ、近くにいる民間事業者に頼ってしまうという状況を構造的につくってしまうということになるのではないでしょうか。
 物理的に単独行動をさせないということも必要ですが、民間事業者との接点のある職場の中で職員を一人にさせない相談体制やサポート体制、つくっていくことが重要だと思います。
 ましてや職員Aは初めてこの業務にかかわっていたということですが、それならば局としても、仕事の引き継ぎや日常業務上でのサポート体制に配慮しなければならないということは予見できることだったのではないでしょうか。
 情報漏えいの動機という点では、金町浄水場にいた職員Aだけでなく、朝霞浄水場の職員B、三園浄水場の職員Cも同様に、同じ事業者に契約をとってほしかったという思いからだったということが報告されています。
 これだけかということも明らかにしていかなければならないと思いますが、職員Aと同様の環境にいれば、民間事業者に頼らざるを得ないという状況になっていたのかもしれないということは想像できるわけです。この点は組織的な問題だったということをしっかりと反省していただいて、改善策を導き出してもらいたいというふうに思います。
 あらゆる業務と現場において、水道局の中で職員を支え合える体制が必要です。そのためには、あらゆる現場と職場において局自身が技術力やノウハウを保持していなければなりません。今回のように、運転管理業務といっても、実際には民間事業者にしかノウハウがなければ、局が適正に管理するという任務も遂行できません。
 今回の排水処理施設運転管理作業業務の開始当時から、局がかかわることなく全て民間委託にしてやってきているものです。これまで事業の効率性ということに傾倒して民間委託を進めてきたところだと思いますが、やはり丸投げの状態というのは、業務のあり方を見直していかなければならないというふうに思います。
 今年度は、三つの浄水場で排水処理施設の運転管理を直営によって実施しています。このことは、この業務において局みずからがノウハウや技術力を獲得し継承していくためにも、よい機会になるのではないかと思います。
 直営による業務を続けて技術やノウハウを継承していくことが必要だと考えますが、局の見解をお伺いします。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 局では、事業の効率性の観点から、民間に委ねられる業務は可能な限り民間事業者に委託してきておりまして、排水処理施設の運転管理につきましても委託により運営してまいりました。
 今年度、初めて直営での排水処理施設の運転管理を実施しておりますが、危機管理上の観点から委託による運転管理ができなくなる事態も想定いたしまして、一定程度の直営体制を確保しておくことが極めて重要と再認識しております。
 このため、現在、来年度からの排水処理施設の運転管理につきましては、民間への委託を原則としつつも、今年度直営により習得した技術、ノウハウを生かしまして、一部の浄水場で直営による運転管理を継続することを視野に検討しております。

○斉藤委員 一定程度の直営体制を確保しておくことが極めて重要と再認識したということ、重要な答弁だと思います。今年度直営により習得した技術、ノウハウを生かし、一部の浄水場で直営による運転管理を継続することを視野に検討ということも、非常に重要なご答弁だというふうに思います。
 水道局の皆さんで技術とノウハウを習得するということは、契約を結ぶ際に適正価格を見きわめるという上でも重要なことであり、まさに都民の公共の利益に資することにもなると思います。ぜひ続けて充実させていただきたいというふうに思います。
 繰り返しの確認になりますが、今回の排水処理施設運転管理作業は、業務開始当初から全て民間委託でやってきたということが、民間頼みの構造をつくり情報漏えいを招く場になっていたといわざるを得ない状況ですが、今回のこの排水処理施設運転管理作業と同様に、業務開始当初から委託しているものはあるのでしょうか。改めて確認をさせてください。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 浄水場や給水所などにおける施設の運転管理業務につきましては、浄水場の排水処理施設運転管理作業委託以外に、業務開始当初から委託により実施しているものはございません。
 なお、施設内のエレベーターの保守点検など、専門技術を要する作業につきましては、設備の導入当初から委託により実施をしております。

○斉藤委員 今回の排水処理施設運転管理作業と同様に、業務開始当初から委託化している業務は、浄水場や給水所における運転管理業務の中ではないということですが、運転管理業務に限らず、リスクが潜んでいる業務がないか、この際、現場職員の声などもよく聞いて徹底的に洗い出しを行っていただきたいというふうに思います。
 構造的な問題について幾つか質問をしましたが、今回策定している再発防止にこうした事態をどのように反映しているのか伺います。

○木村職員部長 これまでの再発防止策が結果として事故を防げなかったことを受けまして、今回の再発防止策では、コンプライアンス意識のさらなる強化とともに、仕事の進め方や組織のあり方を初めとした局の構造的な課題まで踏み込んだ対策を徹底していく必要があると認識しております。
 こうしたことから、調査特別チーム中間報告書に基づき、職場内で不正を発見、防止する体制の構築などの再発防止策に取り組んでおります。また、コンプライアンス有識者委員会におきまして、外部の視点から局全体の事業運営のあり方を含めて検証することとし、局の構造的課題についても議論をいただいております。さらに現在、各職場が主体的に議論、検討を行った上で、職場単位でのコンプライアンス上のリスクを洗い出す取り組みを推進しております。
 今後、有識者委員会におきまして、局の構造的な課題に加え、各職場の顕在化したリスクなどを検証し、提言をいただきます。この提言を踏まえまして、実効性ある再発防止策を構築し、実施してまいります。

○斉藤委員 組織の大くくり化をするということですが、この中でぜひ現場の職員が、物理的にも業務上でも一人にならない体制をつくっていただきたいというふうに思います。
 しかし、このことだけで十分だろうかという疑念は常に抱いて、再発防止策、取り組んでいかなければならないというふうに思います。水道局でも不断の努力を続けていただきたいと思いますが、ここに挙がっていない点について幾つか質問をしたいというふうに思います。
 まず、受託事業者、利害関係者と接するときには単独行動をとらないようにするということに加えて、記録をとる必要があるのではないかという点です。
 冒頭で、民間事業者からも聴取をしている公正取引委員会の情報について、局ではほとんど把握できていないという点について指摘をしました。いいかえると、民間事業者は局職員から情報を得ていることを組織として把握しているということです。私は、ここに局の対応の甘さを非常に感じます。
 情報漏えいを防ぎ、汚職を防止するためにも、事業者への対応の際には必ず記録をとるというルールをつくるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 当局の担当職員は、毎朝の打ち合わせの場で、受託事業者から提出される作業日報により、前日の脱水機の運転結果や当日の作業予定などについて報告を受けており、その内容については、浄水場の管理職が日々の対応記録として確認しております。
 また、脱水機の故障等が生じた際にも、受託事業者からの報告内容や担当職員から受託事業者への指示状況などを記録いたしまして、関係職員で情報共有を図っております。
 このような受託事業者との打ち合わせにつきましては、今年度から実施しております組織の大くくり化により、複数名対応をより一層徹底しておりまして、職員が受託事業者から働きかけを受けにくい環境を整えております。

○斉藤委員 作業日報をつけているということで、その用紙も見せていただきましたが、これはあくまでもその日一日の業務内容を記すもので、事業者との対応の際に特化されたものではありません。
 今回のことは、局だけでなく民間事業者のコンプライアンスも問われる問題です。事業者に対しては必ず複数で対応し、記録をとるという姿勢を見せて徹底することが汚職の抑止力につながるのではないかというふうに思います。
 水道局には、談合や情報漏えいなど事故を起こしやすい構造上の問題があるということも、この間、局長もコンプライアンスの有識者委員会などでも言及をされています。記録をとるということに対してご答弁ありませんでしたが、たび重なる不祥事を続けている水道局にとっては、あらゆる策を検討することが求められているのではないかと思います。
 先ほどの局長のコンプラ有識者委員会の発言、ここでも、水道事業は地域独占で、水道関係の仕事を発注するのは、東京都ならば、ほぼ東京都水道局しかない。そして、技術を持ち、事業を受ける業者の方も数が限られる。そういう中でなれ合いの関係もできやすいし、談合でうまく仕事を分け合っていこう、価格もつり上げていこうということが起こり得る構造だということだと思います。
 しかも、契約も公営企業、水道局の場合、全て局で完結します。知事部局なら、金額の大きな契約は財務局で行われ、議会の議決も必要ですが、公営企業の場合は、全ての契約を局が行い、議会との関係でも報告のみで、議決は必要はありません。複数の目や都民のチェックが入りにくい構造があるわけです。
 水道事業の特性上、知事部局と比べても、より厳正な対策、対応が必要だというふうに思いますが、この点について認識をお伺いいたします。

○中嶋水道局長 水道事業の特質という観点からの改善が不可欠じゃないかというご指摘でございまして、まさに水道事業といいますのは、今ご指摘ありましたように、どこの自治体もそうですが、地域独占事業の性格が強いということで、ほぼ行政による発注で成り立っているというような特殊性がございます。
 したがいまして、その発注側と受注側との関係というのは非常に濃密になっているという特殊性があるわけでございますが、ならばこそ、そのコンプライアンスというものの強化、意識づけというものは、他の部局よりもより厳しくなければならないということは、これ求められているわけでございますので、そういった求められている我が水道局がこういった不祥事を繰り返していたということは、全く、私がいうのも何でございますが、言語道断であるというふうに絶えず認識しておるところでございます。
 そういった意味で、水道事業の特質から来るどういったものがあって、それをどう改善できるのかということも、これはもちろん水道局の中で考えてまいりますけれども、やはり外部の視点からの検証というものが、やはりこれが一番確かなものがあるだろうと考えておりますので、先ほどお話がございましたような有識者委員会にも、こういった水道局の今の事業の体質その他をご説明した上で、どういった改善策がとれるのかということを検証していただきまして、また具体的に進めていきたいと考えております。

○斉藤委員 水道事業の特質上、やはり知事部局と比べても厳正な対応が求められているという認識だというご答弁でした。
 先ほど記録をとる必要があるんじゃないかということに対しては答弁がありませんでしたが、さまざま、有識者委員会を含め意見が出ていることを水道局としては受けとめて検討していくという積極的な姿勢を持っていただきたいというふうに思います。
 今、局長からもお話がありましたコンプライアンス有識者委員会について伺いたいと思います。
 今回のことを受けて、外部の弁護士、公認会計士、学識経験者から構成される有識者委員会が設置されたことは、率直によかったなというふうに思います。水道局や東京都など身内の調査では手を入れにくい点や外部の視点が入るということは重要だというふうに思います。
 同委員会は、この間、三回開催されていて、議事概要も公開されています。今回の水道局の報告についても意見が交わされていますが、例えば、事業運営を監視する仕組みとして、フランスで行われている市民、団体が参加できる諮問委員会のような、都民が水道事業について監視できる仕組みについても検討してほしいという外部の視点ならではの具体的な提案もありました。
 水道局としては、コンプライアンス有識者委員会に出ているさまざまな意見について、どのように対応していくのでしょうか。

○木村職員部長 有識者委員会では、中間報告で掲げた再発防止策につきまして、不祥事を起こさせないような仕組みづくりが必要など、貴重な意見が出されております。
 局では、こうした意見を踏まえつつ、今後公正取引委員会の調査結果を前提としまして、関係職員の事情聴取など調査を実施し、事故の事実経過や背景を明らかにした上で、改めて必要な再発防止策を策定してまいります。
 この新たに策定する再発防止策は、次回の有識者委員会に報告し、同委員会では、中間報告で掲げた再発防止策とあわせまして、外部の有識者として専門的かつ客観的な視点で再発防止策の妥当性等について検証し、委員会としてのご意見をいただきます。
 このような過程を経て、局として二度と同様の事故を発生させない実効性のある再発防止策を取りまとめ、年内を目途に、都として最終報告書として公表してまいります。

○斉藤委員 有識者委員会の意見を踏まえながら再発防止策を策定し、その妥当性についても同委員会の意見をいただくということでした。ぜひ外部からの意見も積極的に検討していただきたいと思います。
 同委員会についてですけれども、会議の場での、局の報告に意見をいってもらうということにとどまらず、今回の情報漏えい事件の真相についての調査をお願いするということも重要ではないかというふうに思います。
 日弁連が策定している企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン、ここでは、第三者委員会の活動について、不祥事が発生した場合において、調査を実施し、事実認定を行い、これを評価して原因を分析するということを活動内容の最初に掲げています。職員の直接のヒアリングや現場の調査などを含め、より信頼性の高い外部委員会による調査を行い、都民にも明らかにしていくことが、効果的な再発防止策の構築と信頼回復のためにも有益なのではないかと思いますので、この点については要望させていただきます。
 もう一つ、重大な点についてお伺いをいたします。
 天下りについてです。昨年末から、我が党の機関紙でも報道しているとおり、今回の当事者である水ing株式会社には水道局のOBが三人在籍していて、今回の事件が発覚した直後の十一月初めに二人の職員が同時にやめています。公正取引委員会の調査が入った直後に同時に二人が退職しているということは、都民から見れば明らかに不自然なことです。
 今回、この二人の退職理由と在籍時の報酬について、委員会資料として出してもらいました。この資料の中、八六ページ、八七ページになりますが、回答はこのとおり、報酬についても、退職理由についても、都としては把握していないという、たった一言です。これは到底納得できるものではありません。公取が調査に入った直後に退職ということは、聞かれたくない何かがあったのかと疑念が生じざるを得ません。
 そもそも、渡りを含めた天下りの構造が民間企業との癒着の体質をつくっているということが、これまでもさまざまなところで問題になり、都も曲がりなりにも規制を設けてきました。その規制が十分なのかということも、今、問われているというふうに思います。
 水ingに天下りし、十一月にやめていった元水道局OBたちのこの在籍時の報酬や退職理由、明らかにするべきだと思いますが、見解を伺います。

○岡安理事 都を退職後、企業に再就職しました元職員の報酬や退職理由につきましては、職業選択の自由との兼ね合いから、都は関与しておりません。
 一方で、職員が都を退職するに当たりましては、企業との関係を厳正に保ち、誤解を招くことのないよう、都の退職管理制度によって制限を付しております。今後とも、都の退職管理制度の適正な運用に努めてまいります。

○斉藤委員 職業選択の自由との兼ね合いから都は不関与ということですが、私はその一般論を聞いているわけではないんです。不祥事を繰り返している、この期に及んで天下りをしている元職員に厳しく問うことができないという水道局の姿勢は、厳しく都民に問われることになります。
 我が党が機関紙「しんぶん赤旗」で、都財務局の元幹部の方にお話を伺ったところ、談合や入札情報漏えい事件を何度も繰り返している背景には、都と企業の天下り癒着という構造的な問題がある、都OBに高い報酬を支払っているから、元を取ろうとするのは企業の論理だという指摘をいただいて、これが報道されています。都の規定上問題がないということでは済まないことだと思います。
 情報漏えいの場で見返りがなかったとしても、その先の天下り先として民間企業との関係をよくしておこうという心理が、職員に働く可能性も排除はできません。癒着の温床になる天下りについては、これまで以上に厳しく向き合わなければいけないときだということ、天下りが談合や情報漏えいに影響していなかったのかどうか、この状況、事実も明らかにして、徹底的に調査をするべきだということを改めて指摘しておきます。
 最後に伺います。
 今回の報告書ですが、私はこの事態の深刻さに比べて、このまとめでは水道局の受けとめが軽いんじゃないかというような印象を受けました。関係職員の聞き取りから、組織ぐるみの行為であったとの情報はないと記載されていますが、五人もの職員が数年にわたってかかわっていたということは、決して個人的な問題だけにできることではないと思います。誰かの指示や、示し合わせてやったということではなかったとしても、これだけの職員がかかわっていたということは、少なくとも情報漏えいを起こしやすい組織風土や構造的な組織の問題があったということだと思います。
 冒頭のご答弁、この間にもありましたが、組織風土や構造的な問題について踏み込んで対策を講じていくということも述べられましたが、少なくともその対策の前提となる局の受けとめが、この報告書では伝わらないものでした。
 個人に課されるコンプライアンスの意識改革だけでは解決できない構造上の問題、組織の問題に向き合うことが、今回の対策の大前提として求められると思いますが、改めて局長の見解を伺います。

○中嶋水道局長 まず、過去二回の情報漏えい事故を受けまして再発防止に取り組んでいるさなか、結果として、複数の職員によって情報漏えいが行われたこと、また、このことは都民の信頼を裏切るものであり、公営企業管理者として極めて重く受けとめております。
 これまでの再発防止策が組織全体、職員一人一人に行き届いていなかったことを踏まえ、事故に係る直接的な要因に限らず、職員の意識、仕事の進め方、そして、お話の組織風土など、当局における構造的な課題につきましても考察を行い、再発防止策を検討してまいります。
 組織風土というお話がございましたが、先ほどの水道事業の特質という大きな側面もございますが、あとは、やはり今回の事故を振り返りますと、職員が上司に相談できなかったと、単独で行動してしまったという個別的な課題もございます。
 そういった組織風土の面もございますので、やはりミクロ、マクロにわたりまして、今後、水道局の構造的な課題について検証してまいりたいと考えております。
 こうした再発防止策につきまして、コンプライアンス有識者委員会での検証を経て必要な見直しを行うことで、実効性を確保してまいります。
 今後、局の不正を根絶するという強い意思のもと、職員が一丸となり、私がその先頭に立ちまして、都民の信頼回復に向けて全力を挙げて再発防止に取り組んでまいります。

○斉藤委員 今の言葉、しっかりと今後の対策に生かして、取り組みをちゃんとしていっていただきたいというふうに思います。
 談合や情報漏えいの深刻さ、これは公平性や信用失墜という問題にとどまらないものだと思います。今年度、談合にかかわった四者以外の会社が排水処理業務を受託したことで、契約金額が四割以上下がったということもありました。その差が全て談合でつり上げられていたということはいえないまでも、都民が払った水道料金で支払われるお金であり、談合が都民に大きな損失をもたらしてきたということも、今回の事件の中であります。
 水道局が技術を失い、事業者に頼り切ることについては、これまでも多くの人が警鐘を鳴らしています。水道民営化の流れがある中で、事業者には、もっと水道事業を受けたい、包括的に受けてもうけたいという動機もあるわけです。
 水をもうけの手段にしないためにも、水道局の皆さんには、問題点をきれいに洗い出して、東京都の水を守ってきた技術と誇りを取り戻して、都民に胸を張って水道事業を行える水道局、今度こそしっかりとつくっていただきたいというふうに思います。
 そのことを申し上げまして、質疑を終わりにいたします。

○中村委員 それでは、私からも今回のこの排水処理業務における官製談合事件について質問いたします。
 水道局は、たびたび情報漏えいや談合などの問題が起こり、大変残念なことです。もちろん多くの職員が真面目に働いているとは思いますが、組織全体にモラルダウンが蔓延していないのか、都民に安全な水を届けるのに支障はないのか心配になります。改めて、水道局の職員の皆様には高い使命感を持って取り組んでいただきたいと思います。
 また一方、事業者は、利益を上げるのが目的とはいえ、社会のルールは当然守らなければなりません。水道局は、事業者に対して再発防止への協力を強く求めていただくことを申し述べます。
 さて、最初に都の調査と情報公開のあり方について伺います。
 これまで都が事件について調査し、発表していた中間報告では、情報漏えいを行った職員は一名としていました。しかし、今回の公正取引委員会の発表では、一名ではなく複数名がかかわっていたことが明らかになりました。これでは、個人の犯罪か組織の体質か、事件の内容が大きく変わってしまいます。明らかになった時点で発表すべきであり、情報隠しといわれても仕方がないのではないでしょうか。
 このことについて、都庁の中で誰まで知っていたのでしょうか。知事はこれまで、改革の一丁目一番地は情報公開としてきたはずですが、知事も知っていたのでしょうか。お答えください。

○木村職員部長 昨年十月の公正取引委員会の立入検査後、さまざまな報道が先行したため、都は責任ある立場として事実を調査し、都民の皆様や議会等に早急に報告する必要がございました。さらに、再発防止策を直ちに徹底するとともに、次年度の排水処理業務の対応についても検討する必要がございました。
 そのため、限られた時間の中でできる限りの調査を行い、事前に公正取引委員会に確認をとった上で、その時点で都として把握した事実と、それに基づく再発防止策等を中間報告として公表いたしました。
 この中間報告後、当局では、監察部門により繰り返し行った事情聴取で複数の職員が情報漏えいを行っていたことを把握しており、その情報は公正取引委員会に提供して、行政調査への全面的な協力を行ってまいりました。また、局が複数の職員による情報漏えいの事実を確認した後、適宜知事に報告を行っております。
 このように、局では中間報告後に情報漏えいの事実を把握しておりましたが、公正取引委員会による調査が継続していたため、これまで都からの公表は控えておりましたが、今般、公正取引委員会から改善措置要求等が出されまして、同委員会による行政調査が終了したことから、都としても公表し、議会に報告したものでございます。

○中村委員 中間報告が行われたのも、公正取引委員会の調査中であったわけです。新たな事実が発覚したら、公正取引委員会に相談して公表すればよかったのだと思います。再発防止策を直ちに徹底するために中間報告を発表したというのであれば、事実が大きく変わった段階で再び発表して対応すべきであり、ここまで公表を控えていた理由は明確ではありません。
 副知事をトップとする調査特別チームですが、報告は知事にも上がっていたとのことですから、情報の扱いについての責任は知事にあります。これまで知事自身が改革を主張してきたのであれば、新たな事実が明らかになった段階で公表すべきだったと指摘しておきます。
 さて、私は当初から、内部の調査では甘いので外部による調査をこの委員会でも主張し、求めてきました。水道局からすれば、副知事をトップとする調査特別チームを立ち上げ、総務局や財務局など他局の職員がいれば外部と思うかもしれませんが、全員が都庁内のメンバーであれば、一般的には身内としかいえません。
 その後、外部有識者による第三者委員会を立ち上げはしましたが、今回の事件については直接調査はせず、調査特別チームの報告を受けて検証しているにすぎないようです。第三者委員会が直接調べているわけではないのであれば、役割を果たしているといえるのでしょうか。独自の調査をしないのでしょうか、見解を伺います。

○木村職員部長 有識者委員会は、再発防止策や東京水道グループ全体の事業運営を検証する上で、外部の幅広い見地から意見、助言を得ることを目的として設置したものでございます。
 有識者委員会では、事故の概要やこれまでの都が調査してきた内容、調査特別チームの中間報告書に掲げた再発防止策などをもとに、排水処理施設運転管理作業委託における契約方法の見直しについて検証を進めました。これまでの検証では、各委員から委員会による追加調査が必要との意見は出ておりません。
 現在、局では、公正取引委員会の調査結果を前提に関係職員への事情聴取などの調査を実施しており、事故の事実経過や背景を明らかにした上で、改めて必要な再発防止策を作成してまいります。有識者委員会には、この都の調査結果と再発防止策を報告し、検証を行っていただきます。

○中村委員 内部の調査によると、最初は一名しか事実を述べた者はなく、後になって複数名がかかわっていたことがわかったことを考えると、調査が甘かったといわざるを得ません。この際、うみを出し切り、組織を本当に立て直すつもりがあるのであれば、外部の目を積極的に活用することを求めます。
 次に、水道局としての責任についても質問していきます。
 今回の事件は、前回の水道局の不祥事である平成二十六年の情報漏えい事件の直後に起きているとのことです。つまり再発防止をやるといっているそばから、既に今回の情報漏えいが起きていたということになります。これは個別の事件以上に深刻な事態であり、組織としての自浄作用が全く機能していないことになり大問題といえます。
 まだほんの数年前の事件ですから、当時も今も在籍している方が大半だと思いますが、管理者も当該職員も事の重大さがわかっていなかったのではないでしょうか。その点についてどのように認識しているのかお答えください。

○岡安理事 当局では、平成二十六年に発生した事故を受けまして、当該事故の原因に即した再発防止策を速やかに講じてきましたが、現場を含めた職員一人一人までコンプライアンス意識を着実に浸透させる取り組みが不十分であったと認識をしております。
 また、事業を運営する上で長らく職員の誰もが当然だと考えておりました局の構造的な面にも目を向け、将来にわたり不祥事を防止するための対策を抜本的に講じるという面でも課題がございました。
 こうした点も踏まえますと、平成二十六年に発生しました事故を受けた再発防止策を実施している中で、結果として、今回の情報漏えい事故が発生したことにつきまして、水道局の信頼が失われたことを重大かつ深刻に受けとめております。

○中村委員 ぜひこのことは重く受けとめていただきたいと思います。次の再発防止への取り組みはこれから始まるわけですから、水道局の職員の全員が意識を変えて、二度とこのようなことがないようにしていただきたいと思います。
 今回、一名の情報漏えいではなく複数名がかかわったとのことですが、全く別々の事件とのことです。しかし、それぞれが単独の事件とはいえ、同じような情報漏えいが起きているのであり、組織の体質ではないでしょうか。人事異動があった前後に同様の情報漏えいが起きていることから、異動の際に前任者から後任者に引き継ぎがされて代々継承されたのではないかと疑われても仕方がないかと思いますが、事実関係を伺います。

○木村職員部長 まず初めに、都の調査における個々の職員による供述そのものは、本人の記憶や主観に基づくものであり、事実とは異なる可能性もあることから、明らかにすることは差し控えさせていただきますが、都の調査によれば、情報漏えいを行ったいずれの職員も、次年度も同じ事業者に契約をとってほしかったことが主な理由であり、現時点では組織ぐるみの行為であったとの情報はございません。
 さらに、該当職員の上司や部下、前任、後任等にも事情聴取を行うなど、可能な限りの調査を行いましたが、引き継ぎを行うなどの行為は、現時点では確認されておりません。
 一方、今回の公正取引委員会の改善措置要求及び要請におきましても、管理職の関与があったとの指摘はございません。こうしたことから、組織として情報漏えいが行われていたとは、現時点では考えておりません。
 なお、今回の改善措置要求等を受けまして、事業者の社員へのヒアリングを新たに実施するとともに、改めて当該職員、関係する職員等に対し幅広く調査を行い、事実関係の確認に努めてまいります。

○中村委員 本当に組織ぐるみではなかったのならばよいのですが、調査の全貌が明らかになっていない現段階では釈然とはしません。今後、都が事業者の社員へのヒアリングも新たに行うとのことですから、再発防止のためにも徹底した調査を行い、真相を明らかにしていただきたいと思います。
 さて、今回の事件が起きた背景には、浄水場の排水処理業務について、設備を導入した製造会社に運転管理をそのまま委託し、近年になって指名競争入札にはしましたが、引き続き業者への委託は続けてきました。
 この排水処理業務委託は、業者に丸投げの状態になっていたのではないでしょうか。結果として、水道局は業務がわからなくなり、業者のいいなりになってしまっていたのではないでしょうか、見解を伺います。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 排水処理を担当する職員は、日々の業務におきまして、受託事業者との打ち合わせや施設内の巡回を行いまして、季節や天候により変化する施設の稼働状況や機器の劣化状況を直接確認し、その把握に努めております。また、これらの状況に応じて補修工事を計画し、その設計や監督を行うことにより、施設の特性や機器の構造を習得しております。
 このように、職員は一連の業務を通じて排水処理業務全般に関する知識、ノウハウを身につけております。さらに、これらの知識、ノウハウは、業務マニュアルとして取りまとめ、職員間で共有を図るとともに、職員の異動があった際には確実に引き継いでおります。
 これにより排水処理を担当する職員は、日々の施設運用の調整やふぐあいがあった際の対応方法など、受託事業者への適切な指示を主体的に行っており、委託管理業務は適切に実施しております。

○中村委員 答弁を聞いていると、きちんと管理をしていると頼もしい答弁ですが、水道局という組織全体ではそういう建前でも、人事異動やその時々の人間関係により、どうしても業者を頼りにし、結果的には情報漏えいが起きてしまいました。
 そこで、再発防止のためにも、今後の委託業務の監督の仕方はどう改善するのか伺います。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 今回の事故は、排水処理業務については担当職員が少なく、受託事業者対応において、一対一になり得る状況にあったことが原因の一つでございます。中でも職員Aは初めての業務であったことから、受託事業者の責任者と一対一での打ち合わせの機会が多くなっておりました。
 このことを踏まえまして、今年度から、排水処理担当と浄水施設担当を一つの担当として、組織の大くくり化をしております。これにより、受託事業者の指導監督を複数の職員で担当することが可能となり、職員の相互支援を図るとともに、業務のチェック機能を強化しております。
 さらに、業務ローテーション体制を構築いたしまして、担当業務を一定の期間で入れかえることで、施行管理に関する知識をより多くの職員が習得できるとともに、受託事業者と必要以上の距離が近くなることを防止してまいります。
 これらの取り組みによりまして、受託事業者と適切な距離を保ちつつ、業務の履行状況を詳細に把握し、受託事業者の指導監督を適切に実施してまいります。

○中村委員 ぜひとも答弁にあったように、適切な距離を保ちながら適切な監督をしていただきたいと思います。
 中間報告もあったように、職員から頼られた業者がそれを逆手にとって契約情報を聞き出すなどあってはならないことです。事業者からすれば、仕事を確保して少しでも利益を出したいというのは当然なのですが、しかし、そこには一定のルールがあり、それを逸脱することは許されません。
 そこで、業者の責任と再発防止についても質問していきます。
 業者についてとはいいましたが、これまで中間報告に掲載された都の職員への調査の範囲でわかったことだけで、それ以外の業者側の状況が全くわかりません。公正取引委員会の情報が都に提供されていても非開示になっているそうですが、業者で誰が関係者なのか、どのような手段で情報を引き出し、談合したのかなど、公開されないのでしょうか。再発防止のためにも、業者はどのように職員に近づいてきたのか明らかにする必要があると考えますが、お答えください。

○木村職員部長 公正取引委員会が実施したヒアリングの内容等につきましては、公正取引委員会の調査にかかわるものであるため、お示しすることはできません。
 現在、当局におきまして、同委員会の調査結果を前提に事業者の社員に対するヒアリングや関係職員への事情聴取などの調査を実施しておりまして、この調査の中で事業者による探り行為の実態の把握に努めてまいります。

○中村委員 全く示せないとのことでしたが、しかし、一般的な社会においては、犯罪が起こるとそれが報道される際には、模倣犯への懸念はありますが、それでも方法を知ることで対策をとることもできます。今回の事件の核心部分が全くわからなければ、再発防止策といっても、それが適切な対応なのかすらわかりません。
 公正取引委員会の調査が終わったことで、これまで都の調査に協力しなかった業者も協力するようですが、ぜひ徹底した調査を行い、わかった事実を公開し、それに基づいた対応策をつくることを求めます。
 さて、今回の事件に関して、排水処理業務について数者しかできない業務といわれていましたが、そのことそのものも談合と疑われかねません。
 また、排水処理業務だけではなく、全ての外注を見直すべきではないでしょうか。数者しかできないという業務があれば、まずは談合を疑ってみるぐらいが入札の公平性や競争性を保つには必要だと思いますが、見解を伺います。

○金子経理部長 当局が指名競争入札により発注する契約事案は、原則として入札参加希望者を公募する希望制指名競争入札により契約締結手続を実施しており、入札参加は事業者の自由な意思に基づくものでございます。
 また、契約は発注者と受注者が対等の立場で行うものであり、発注者の立場を利用して入札の参加を強制することは、この考えに反するとともに、実質的に競争性の確保にはつながらないものと考えております。
 当局では、入札参加希望の受け付けから落札者決定までの一連の契約事務を電子調達システムにより実施しておりまして、契約締結手続中、各入札参加者は他の入札参加者の存在がわからない仕組みとなってございます。
 排水処理施設運転管理作業委託につきましても、この手続に沿って入札参加者を公募しており、結果として、入札参加者が当該四者である状況が継続していたものでございます。
 このため、入札参加者が同じ事業者であることや入札参加者の数だけをもって、入札談合等不正行為が疑われるものではございません。
 当局は、契約手続の監視体制強化や契約情報の事後公表の拡大等の再発防止策を実施しておりまして、引き続き、入札談合等不正行為を抑制する取り組みを行ってまいります。

○中村委員 もちろん、数者しか参加しないから即談合とは決めつけるつもりはありませんが、狭い業界ですので疑われることがないよう、常なる入札制度の改善が必要だと考えます。
 さて、先ほども述べましたが、再発防止のためには、業者がどのように誘ってきたのかを検証し、二度と引っかからないようにすることが最大の防止策ではないかと考えますが、見解を伺います。

○木村職員部長 先ほどもご答弁いたしましたが、現在、公正取引委員会の調査結果を前提に局が行っている事業者の社員に対するヒアリングや関係職員への事情聴取の中で、事業者による探り行為の実態の把握に努めております。
 こうした調査の結果や各職場で実施したコンプライアンス上のリスクの洗い出し結果などを分析し、事業者とやりとりする際のリスクを明らかにした上で、職員が探り行為に応じてしまうことがないよう、改めて必要な再発防止策を策定してまいります。
 有識者委員会には、これらの調査結果と再発防止策を報告し、検証を行っていただきます。

○中村委員 中間報告のときにも、探り行為があっても上司に報告されていない案件もありました。改めて今回の事件も全貌を明らかにして、特に、どのように業者が職員に接触しているかの事例も職員全体で共有をして対応することが重要です。そのためにも徹底した調査を改めて求めます。
 さて、今回の質問に際して、会派の議員で金町浄水場を視察しました。事件を受けて、違反事業者が指名停止になったこともあり、今年度から都の職員が初めて直営で実施をしている現場も視察をさせていただきました。職員が処理量の調整から機械の運転管理、点検など、全ての業務を行っていました。現場の職員の皆様には大変な負担がかかり、苦労している様子も拝見させていただきました。
 今後、再度委託で実施をする場合、水道局と委託業者の業務範囲の見直しがあると考えますが、見解を伺います。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 今後も安定的な排水処理業務を継続していくためには、今年度、直営での実施により培った知識、ノウハウを引き続き蓄積、継承していくことが重要と認識しております。
 このため、来年度、排水処理施設の運転管理作業を委託で実施するに当たりまして、より安定的な運転及び知識、ノウハウの継承という観点から、これまで委託で実施してきた排水処理施設全体の運転計画の作成や指示などを、局が担うことを視野に検討しております。

○中村委員 今回、直営で行うことで、業務のノウハウが蓄積をされたんだと思います。今後も、他の業務もそうですが、業務そのものは委託をした方がいいものが、効率がよいものもあるでしょうが、都としていかにその業務の内容を把握して、業者に適切に委託できるようにするかが重要です。決して丸投げでもなく、最もよい形になるように努めていただくことを求めます。
 さて、水道局についても現場の職員が苦労しています。また、委託会社にしても、結局は現場で働いてきた人が仕事を変わることになり、最もしわ寄せが行ったのだと思います。そして、何よりも談合は、想定より高い委託料になれば、水道料金を払っている都民に迷惑をかけていることになります。
 公正取引委員会は、四者を違反事業者としながら、そのうち一者については、報道によれば、自主申告をしたため排除措置命令を免除されたようです。調査に協力したとはいえ、都民に大きな損害を与えたことには違いがありません。そもそも課徴金とは違い、他の三者が、公正取引委員会から排除措置命令として行う談合をしないと取締役会で決議することは、求めずとも当然行うべきことです。
 水道局は、残り一者である水ing株式会社に求める再発防止策として、取締役会で決議することを盛り込むべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○金子経理部長 本年七月十一日の公正取引委員会による行政処分の公表を受け、当局では該当する四者に対してヒアリングを実施し、徹底した社内調査の実施と再発防止策の策定を指導し、報告することを求めております。
 当局への報告に当たりましては、会社として正式な意思決定を行った上で報告するように求めているところでございます。今後、該当する四者からの報告を精査し、再発防止策の徹底などを求めてまいります。

○中村委員 先ほども述べましたが、会社が談合しないのは当然であり、再び都の仕事の受注を希望するのであれば、改めて決議するのも当然だと思います。業者にも再発防止の徹底を求めるようにしていただきたいと思います。
 さて、水道局の契約において、これまでも水道メーターなどの納入で談合が繰り返されてきました。談合は業者間の問題であるからといって、水道局としても手をこまねいているわけにはいきません。水道局は捜査機関ではないので限界はあると思いますが、最大限の努力が必要です。
 過去に発生した談合事件に対し、水道局はどのような対策をとっていたのか伺います。

○金子経理部長 当局が発注する契約事案について、平成十一年にはダクタイル鋳鉄管の買い入れ契約において、平成四年、九年、十五年には水道メーターの買い入れ契約において、独占禁止法違反により公正取引委員会から刑事告発、または行政処分が行われております。
 こうした違法行為に対し、当局では、局内に調査検討組織を設け、さまざまな入札談合防止策を講じてまいりました。
 具体的には、入札参加者に対する入札談合等不正行為の抑制を目的とした取り組みとして、入札結果の調査、監視の実施や情報公開の拡大、違法行為が発覚した際の損害賠償予定額の引き上げなどの措置を講じてまいりました。
 また、競争入札への参加者の拡大を図るため、入札参加条件や発注仕様、発注数量の見直し、積算方法の改善などの取り組みを行ってきたところでございます。

○中村委員 さまざまな対応をとってきたにしても、同じ業種で談合が繰り返されては意味がありません。
 談合事件を起こした業種、業界にはそうした体質や構造的な課題がある可能性もあります。数カ月程度の指名停止が終われば、また入札に参加して談合を始めるかもしれません。
 同じ業種で談合が繰り返されないようにするための取り組みが必要ですが、見解を伺います。

○金子経理部長 入札談合のあった契約事案につきまして、再び入札談合が発生しないよう、ご指摘のように取り組みを強化することは重要であると認識してございます。
 昨年十一月に公表した中間報告における入札談合防止のための事業者に対する再発防止の取り組みとして、不正行為に対するペナルティー強化や、契約締結手続の監視体制強化、委託契約情報の事後公表の拡大を既に実施しているところでございます。
 また、本年四月に新たに設置した東京都水道局契約監視委員会におきまして、過去に入札談合のあった契約事案について、個別に事業所管部署や受注者にヒアリング調査を実施するなど、取り組みを強化してまいります。
 さらに、過去に入札談合のあった水道メーターの買い入れ契約では、入札結果に関する情報を公正取引委員会に提供する等、同委員会との連携強化を図っており、今後、業務委託契約についても公正取引委員会との連携強化を検討してまいります。

○中村委員 先ほども述べましたが、社会にはルールがあります。残念ながら繰り返し起きるようならば、本当に厳しい対応をする必要もあります。結局、ばれてもペナルティーが軽ければ、やり得になってしまいますから、そのようなことがあってはなりません。真面目に商売を行う事業者が不利にならないように、ルールの徹底をお願いします。
 また、事業者について厳しくいいましたが、もちろん身内だからといって甘くするわけにはいきません。これまで質問もしてきましたが、二度とこうした問題が起きないように、再発防止を徹底すべきと考えますが、水道局長の決意を伺います。

○中嶋水道局長 まず、過去二回の不祥事に続き、今回の情報漏えい事故が発覚しまして、都民の皆様の信頼を損ねましたことは、局長として極めて重く受けとめております。
 今回の事故は、結果としてこれまでの再発防止策が不十分であったということでございまして、何より新しい視点を加えました実効性のある再発防止策を策定していくことが必要不可欠でございます。
 今後、公正取引委員会の調査内容を詳細に確認いたしますとともに、局としても調査を徹底した上で、原因分析を行い、再発防止策を策定してまいります。
 また、この再発防止策につきまして、有識者委員会での検証を経て必要な見直しを行うことで、実効性を確保してまいります。そして、私が局長として責任を持ち、再発防止策を局内に浸透させ、二度と今回のような事故が発生しないよう、組織を挙げて再発防止の徹底に努めてまいります。

○中村委員 改めて局長の決意も伺いました。冒頭にも述べましたが、多くの職員の方々は真面目に働いています。とはいえ、繰り返し事件が起きれば、組織への信頼が問われます。
 水道局の皆様には、都民に安全な水を安定的に供給するという高い使命感を持っていただき、まさに都民の命を預かるといっても過言ではないわけですから、ぜひともそうした高い使命感、改めて持っていただいて取り組んでいただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○上田委員 平成二十四年九月に飲食接待を受けた職員が逮捕、起訴されたわけでございます。そこで、同年十一月、水道局汚職等防止策検討結果報告書が局のホームページに載っていたはずですが、今般の質疑をつくるに当たりまして、見たところ削除されていたわけでございます。何で削除されちゃっていたんだろうということで、経過と都民への周知の状況につき、ご説明いただければと思います。

○木村職員部長 平成二十四年の事故に係る水道局汚職等防止策検討結果報告書につきましては、同年十一月より、局のホームページに掲載いたしました。その後、平成二十六年の事故に係る水道局汚職等防止策検討結果報告書を平成二十六年十二月に公表いたしました。
 この報告書の公表に当たりまして、平成二十四年の事故に対する再発防止策の取り組み状況を再点検した上で、充実強化した再発防止策と新規に実施する再発防止策を当該報告書に盛り込んだことから、平成二十四年の報告書にかえて、局のホームページに掲載いたしました。
 しかしながら、今回、当局として三回目の事故が発生したことを踏まえまして、これまでの不祥事の全容を都民にお知らせするとともに、職員への周知徹底の観点から、先般、改めてホームページに掲載いたしました。

○上田委員 指摘が生かされて掲載したということはよかったんですけれども、ここにちょっと象徴されると思うんですけれども、汚職に係る加重収賄罪は時効が十年となっております。公務員倫理に照らし合わせれば、たび重なる不祥事をみずから戒め、喉元過ぎても熱さを決して忘れないためには、永続的、恒常的な、こうした資料の掲載を求めたいと思います。
 これが掲載されていれば、職員も見て危機感を持ち続けられたのではないのかと思うのではございますが、本件が発生してしまいました。発覚した経緯と対応状況については、同様の質問が同僚議員から出たところで、省かせてはいただきますけれども、やっぱり注目するところは、設計金額等を知り得た職員が三百三十七名いまして、昨年の十二月から本年六月にかけて特別監察による事情聴取を行ったということでありました。
 汚職防止検討報告書にも類似した調査は行ってきたようでございます。そのときも、浄水場に当該職員は所属していたことは、私が今般要求しました要求資料、6でも明らかなわけでございます。それでも、これら係長職、当該職員が業者に情報提供したわけでございますが、平成二十四年、二十六年度の事件でのチェックシートや研修の成果をご説明いただければと思います。

○木村職員部長 平成二十四年の事故を受けまして、これまで三年に一回受講させていた悉皆の汚職等防止研修を毎年受講させるとともに、全職員を対象としたセルフチェックシートによる自己点検を緊急的な取り組みとして実施いたしました。
 そして、平成二十六年の事故を受けまして、セルフチェックシートにつきましては、従来の一般職員用及び管理監督者用に加えまして、工事契約業務に携わる職員がいる部署の管理職用を新設いたしました。
 加えて、情報管理及び元職員等との接触に関する設問を強化し、誤りが多かった設問につきましては、定期的に配信している全職員向け一斉メールの中で解説することといたしました。
 こうした取り組みを全職員を対象に毎年度実施し、コンプライアンスの意識の定着を図ってきましたが、結果として今回の事故を防げなかったことは、現場を含めた職員一人一人まで着実に浸透させる取り組みが不十分であったと考えております。

○上田委員 ほかの委員からもるる指摘されてはおりますが、対策を講じても浸透しない組織風土であったのではないかと思料いたします。
 一方、事業者側についてですが、公取資料の方の第1、排除措置命令及び課徴金納付命令についてにおきます違反事業者、排除措置命令及び課徴金納付命令の対象事業者、課徴金額等にあります一覧表の各事業者に違いがございますけれども、それらにつきまして、それぞれの理由をご説明ください。

○金子経理部長 公正取引委員会による行政処分の内容は独占禁止法に規定されており、法令違反行為の内容や課徴金減免制度の適用の状況、企業の規模などに応じて異なってございます。課徴金の金額は、法令違反行為の対象となった売上高に一定率を乗じて算出され、月島テクノメンテサービス株式会社は一〇%、石垣メンテナンス株式会社は中小企業のため四%を乗じた金額となってございます。また、両社とも、公正取引委員会の調査開始以降に課徴金減免制度を適用しており、この金額から三〇%の減免を受けております。
 一方、日本メンテナスエンジニヤリング株式会社は、当局との契約実績がないため、課徴金納付命令は出されてございません。
 また、水ing株式会社は、公正取引委員会の調査開始前において一番目に課徴金減免制度を申請したため、課徴金納付命令と排除措置命令の両方が免除となってございます。

○上田委員 水ing、石垣、月島は、系列も含めまして、今般、他局になりますけれども、下水道局工事、工事番号9、11、12、13、契約案件で入札参加をしているやに思われます。落札はしていないところでございますけれども、指名停止も受けていることとなっておりますので、局を超えての、この事業者に対する厳しいチェックもしていただきたいというふうに思います。
 同じ資料の第3、東京都水道局に対する申し入れの2、申し入れの概要の中で、後段の、見積もり合わせ等の実態について点検し、必要な場合には改善を行うなどの所要の措置を講ずるよう申し入れたとありますが、その点検及び所要の措置につき、具体的な内容をご説明ください。

○金子経理部長 当局における指名競争見積もり合わせにより落札者を決定する契約は、複数単価契約の一部において実施しており、排水処理施設運転管理作業委託以外にも複数件ございます。
 今回の公正取引委員会の申し入れを受け、これらの契約について、事務手続やこれまでの落札結果の状況等を現在点検しており、必要があれば改善等を行ってまいります。

○上田委員 私どもも契約の点検はしたいところですけれども、一定金額以上のものは見られません。必要があればというのではなくて、常に疑義が生じないような体制を求めるものでございます。
 また、資料の中では、予定価格に関する書類も渡したとありますが、本来渡す書類はそもそもどのようなものなのか、また、いかなる起案決裁を経ているのか、作成からの流れをご説明ください。

○金子経理部長 契約相手方との契約書の取り交わしにつきましては、競争入札や見積もり合わせにより契約相手方を決定した後、契約書様式等の一式を当局から契約の相手方に交付しております。これらの文書は、当局と契約の相手方が記名押印する契約書の表書きと契約約款、仕様書などにより構成されておりまして、当局が当局用と事業者用の二通を作成しております。
 指名競争見積もり合わせにより契約相手方を決定した場合、これらの文書は採用者を決定した後、電子調達システムにより作成する起案文書により、予定価格に応じた決定権者の決裁を得ております。
 なお、予定価格に関する書類をあわせて渡してしまったのは、契約相手方に契約書様式等の一式を交付した際と推測してございます。

○上田委員 途中までは適正な手続をとっていましたが、最後のところで一式渡しちゃうということでございました。厳重な管理のもと受け渡しを確認し、事後に確認できる文書管理体制を、今般公文書管理条例が改正提案されていることからも求めるものでございます。
 資料1の取組1、担当組織を大くくり化することで、適切な施行管理の徹底(実施済み)とありますが、その具体的な内容をご説明ください。また、その内容が再発防止策として十分なのかご説明をください。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 今回の再発防止策の一つとして、今年度から、排水処理担当と浄水施設担当を一つの担当として大くくり化し、受託事業者に対する複数名対応や職員の相互支援などを実施しております。これによりまして、各浄水場では、排水処理施設運転管理作業委託の受託事業者との毎朝の打ち合わせなどにおいて、複数名での対応を徹底しており、職員間の情報共有が日々確実に行われております。
 また、各業務を複数の職員で担当することにより、職員の相互支援が図られるとともに、業務のチェック機能が強化されております。
 こうした取り組みを全ての浄水場で実施しておりまして、組織の大くくり化により受託事業者と一対一になる状況を未然に防ぐとともに、適正な業務の遂行が図られていることから、再発防止策として十分に機能していると考えております。

○上田委員 機能して職員の綱紀粛正に効果が奏するようなことを求めたいと思います。
 また、取組2は、入札参加条件と発注仕様の見直し、実施済みとありますが、その具体的な見直しの内容についてもご説明いただきます。これも再発防止策として十分なのか、調達手順を追ってご説明ください。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 今年度の排水処理運転管理作業委託の発注に当たりまして、多くの入札参加者を確保し、より競争性を発揮させるため、入札参加条件と発注仕様を見直しいたしました。
 具体的には、発注金額に応じた等級の拡大や配置技術者の経験年数の緩和などによりまして、新規参入の促進を図っております。その結果、単独で発注した三郷浄水場並びに三つの浄水場をまとめて一案件として発注した三園浄水場、小作浄水場及び玉川浄水場のいずれも新規参入の六者が入札に参加しており、競争性が確保されていると認識しております。
 こうしたことから、再発防止策として十分に機能していると考えております。

○上田委員 新規参入が六者ということでした。三月の私の予算調査の質疑でも指摘しましたけれども、作業委託にかなう事業者は実質十七者というような、多いといえないような状況でございました。
 今般、新規参入の促進によりまして競争原理が健全に機能され、不正の温床を根絶、調達の透明性、最少のコストで最大の効果を生み出すべく、不断の努力に精励されることを求めたいと思います。
 また、取組3は、総合評価方式による複数年契約の導入、令和二年度契約で導入とありますが、実施手順とメリット、すなわち改善効果と今後の課題をご説明ください。
 また、従来の契約方法では不適切であったから変更すると思われますが、不適切であるとした根拠をご説明の上、これもまた再発防止策として十分なのか、調達手順を追ってご説明ください。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 排水処理施設運転管理作業委託の契約方法見直しに当たりまして、契約上の課題を明確化するため、当該業務に関係する事業者へのヒアリングを実施いたしました。
 その結果、単年度契約では作業員の確保や習熟を図るための初期コストが高く、新規参入が促進されず、競争性の面で課題となっていることがわかりました。
 また、入札参加条件を緩和し新規参入を促進すると不良業者も参入するおそれがあることから、安定的な業務運営を確保するためには、価格だけでなく技術力を評価する仕組みの導入が必要でございます。
 このため、令和二年度からの契約につきましては、総合評価方式による複数年契約を導入することといたしました。この新たな契約方法につきましては、コンプライアンス有識者委員会に諮りまして、危機管理の観点から、契約内容に受託会社による危機管理の対応やバックアップ体制を義務づけるべきなどの貴重な意見をいただくとともに、この総合評価方式による複数年契約は再発防止策として有効と評価されております。

○上田委員 これまでのことを考えますと、厳しいことを申しますが、お手盛り総合評価、複数年契約って、ちょっとよくて、ちょっと危険性もあるのかなと思います。なあなあの複数年契約となりませんよう、これまでもるる説明されてきましたとおり、運用の徹底を図られることを求めます。
 また、取組4では、積算業務は本庁で一括することで現場業務から分離、実施済みとありますが、分離することで、これもどう再発防止に機能するのか、また、本庁と現場の業務の担当内訳がどうなっているのか、ご説明いただければと思います。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 今回の再発防止策の一つといたしまして、昨年十二月以降の契約案件から、各浄水場の担当職員は、これまで知り得た積算単価などの情報を保持せず、委託契約の積算の基礎となる予定業務量のみを算出しております。そして、浄水場で算出した予定業務量をもとに、本庁におきまして積算金額を算定することで、浄水場において積算結果などの厳格管理情報を保持しない体制としております。
 また、起工から契約締結に至るまでの間、各管理職が積算金額等の厳格管理情報が適正に管理されていることを確認しております。
 これらのことから、積算業務を本庁で一括し、現場業務から分離することによりまして、各浄水場で委託を管理する担当者からの情報漏えいを未然に防ぐことができております。

○上田委員 確かに、知り得る職員が先ほど三百名余いたということでございますし、権限の分散化は評価するものですが、本庁において同様事案が起こらぬよう、危機感を持って臨んでいただきたいと思います。
 取組5、不正行為に対するペナルティー強化、実施済みとありますが、具体的内容のご説明と、これも再発防止にどう効用するのかご説明ください。

○金子経理部長 都の入札参加者が不正に厳格管理情報を入手しようとする探り行為を行った場合、東京都契約事務協議会の審議を経て文書による注意喚起を行い、これが一年以内に二回以上となった場合、指名停止を行うこととしてございます。
 今回の再発防止策の一環として、当局ではこの措置に加え、一回目の注意喚起を行った場合においても指名決定を保留し、調査の実施と違法行為を行っていない旨の誓約書の提出を求め、提出がない場合には入札を取りやめることといたしました。
 また、事実確認ができず、文書による注意喚起に至らない探り行為についても、局職員に対して、上司等への報告義務を定め、局内で情報共有を図るとともに、当該事業者への注意を行うことといたしました。
 探り行為は、契約内容の検討から落札者決定まで全ての過程で発生する可能性があり、今回の再発防止策により業者の行動を把握することが可能となるとともに、不正行為がないことが確認できない事業者との契約を防止することが可能となります。

○上田委員 ペナルティー業者については局を超えてオール東京で共有してください。そうなると、やっぱり監視体制が大事と思いますが、取組6の契約締結手続の監視体制強化、実施済みとありますが、その具体的な内容と再発防止についての効用を、またご説明いただければと思います。

○金子経理部長 当局ではこれまで、入札契約結果の事後検証のため、談合防止を目的として、物品購入契約を対象とする物品契約監視委員会と局職員による情報漏えいの防止を目的として、工事請負契約を対象とする工事契約監視委員会を設置しておりました。
 昨年十一月に公表した中間報告では、契約締結手続の監視体制の強化を図るために、両委員会を統合し、新たに契約監視委員会を設置することといたしました。同委員会には、新たに設置したコンプライアンス専管組織の職員を加え、コンプライアンスの観点からも監査を実施するとともに、課長級による幹事会の新設や調査対象の拡大を図り、体制強化を図っております。
 現在、昨年度に締結した契約を対象に、入札結果の調査分析や予定価格と非常に近い金額により応札のあった事案に関する調査等を実施しております。この結果、報告書を取りまとめ、公表することとしております。
 こうした事後検証の実施と公表により、入札談合や情報漏えい等の不正行為の発見と入札参加者等への不正行為抑制の効果があるものと認識しております。

○上田委員 本年の予算調査においても、この委員会のあり方についてただしたところであります。物品契約監視委員会と工事契約監視委員会が、当初機能していなかったのではないかと感じるところです。
 重ねまして、統合に当たっては公募と職員はもとより、お手盛りご用学者ではないメンバーでの再構築を求めるものでございます。
 取組7、職員の自発的な非違行為の申し出を促す仕組みづくり、実施済みですが、これの具体的な内容と実施時期、ご説明ください。これも再発防止にどう機能するのかもご説明いただければと思います。

○木村職員部長 職員の自発的な非違行為の防止を促す仕組みにつきましては、これまでは自発的な申告があった場合に、懲戒処分の処分量定を軽減させることが可能となっておりました。
 今回の事故を受けまして、昨年十二月からは、自発的な申告がなかったにもかかわらず、その後、非違行為が判明した場合には、処分量定に反映させる仕組みを取り入れ、職員の自発的な申告へのインセンティブを導入いたしました。
 また、全管理職が毎年の自己申告の面接時に、自発的な申告と懲戒処分の関係について職員に詳細に説明した上で、職員に過去に非違行為がないこと及び全体の奉仕者として職務を適正に遂行し、将来に向けても非違行為を行わないことを確認することをあわせて導入いたしました。
 現在、この取り組みにつきましては年二回実施しており、今後、有識者委員会で再発防止策としての有効性を検証していただきます。

○上田委員 たび重なる不祥事を鑑みますと、かなり課題が山積な部分と見受けられます。非違行為を犯した職員への厳格な対処を見れば、おのずと自分がやったらまずいなというインセンティブになりますことから、身内に甘い組織体質改善こそが課題解決の糸口と考えます。重要なポイントだと思います。
 取組8です。委託の設計、積算をシステム化し局内の情報管理を徹底、今年度中に実施とありますが、内容のご説明と再発防止としての、どう効用するかご説明ください。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 今回の情報漏えい事故が発覚する以前は、事業所の職員が業務委託の積算に関する資料を容易に閲覧することができるなど、厳格管理情報である予定価格を知り得る職場環境にございました。そのため、まず浄水場等の事業所において、業務委託の積算に関する資料の管理を徹底いたしました。
 また、今年度中に、排水処理施設の運転管理作業などの業務委託の積算システムを構築いたします。このシステムでは、職員による閲覧の制限と操作履歴の確認などの機能を導入いたしまして、予定価格の情報の流出を防止いたします。
 こうした取り組みによりまして、ハード、ソフトの両面でのセキュリティーの強化が図られ、予定価格などの厳格管理情報の漏えいを未然に防止することが可能となります。

○上田委員 私も現在有識者委員会の全議事録の情報開示請求を行っているところですけれども、都民には昔から今日まで、極めて厳格に情報の取り扱いを、厳しく運用を強いております。職員においてはもっと厳しく運用すべきではないでしょうか。ゆめゆめ一過性で終わらず、より厳しいスタンダードを都民、事業者と同様、それ以上に恒常的に局内で厳格継続することを強く望むものでございます。
 取組9、委託契約情報の事後公表の拡大、実施済みとありますが、同様の具体的な説明と再発防止への効果についてご説明ください。

○金子経理部長 都では、都のホームページにおきまして、落札者や入札参加者別の応札額等の情報を公表しており、個別の契約事案ごとに過去一年半分が閲覧可能となっております。
 今回の再発防止策の一環としまして、当局では、この取り組みに加え、局のホームページにおいて、直近の契約金額が一千万円を超える業務委託契約につきまして、過去五年間の落札額や入札参加者別の応札額等の情報を契約事案ごとの一覧表により公表しております。
 委託契約情報の事後公表の拡大により、不特定の事業者など第三者による入札参加者の応札行動等の事後的な検証が可能となり、入札参加者への入札談合抑制の効果があるものと認識しております。

○上田委員 冒頭、汚職等防止策検討結果報告書の再掲について触れましたけれども、また、加重収賄罪は時効が十年でございます。必要に応じて五年以上前のものも見られる環境整備が必要と、議事録の残るこの場で指摘をしておきます。
 取組10、職場内で不正を発見、防止する体制の構築、実施済みとあります。同様のご説明と、再発防止及び内部統制としてどう機能するのかご説明ください。

○木村職員部長 職場内で不正を発見、防止する体制の構築につきましては、本年二月以降、全ての職場において職場討議を行った上でリスクの洗い出しを行い、それぞれの職場の実情に応じたリスクが抽出されました。
 加えて、その際の職場討議やその後の職場ミーティング等では、リスクを低減させるためのさまざまな方策も議論され、職場独自の取り組みが数多く進められております。
 こうした取り組みを通じて、職員がみずから担う業務に潜むリスクを再認識し危機意識を高めるとともに、コンプライアンスについて、みずからのこととして、より強く意識するように変化していると考えております。さらに、各職場ともボトムアップで汚職防止を推進する組織へと変容しているものと認識しております。
 今後、この取り組みにつきましても、有識者委員会で再発防止策としての有効性を検証してまいります。

○上田委員 ボトムアップですけれども、同僚議員からも指摘ありましたが、職員は相談する時間がなかったというような指摘もございました。このボトムアップというのは上司、部下の信頼関係なくして実現できませんことから、パワハラはもちろんのこと、相談しやすいような管理職教育を求めておきます。
 取組11、第三者コンプライアンス委員会の設置、実施済みとありますが、具体的な人選、活動内容のご説明と、これもどう再発防止として十分なのか、利害関係者と分離できているのか、確認させてください。

○木村職員部長 有識者委員会は、再発防止策や東京水道グループ全体の事業運営を検証する上で、外部の幅広い見地から意見、助言を得ることを目的として設置したものでございます。
 本委員会では、公営企業である当局や、株式会社である政策連携団体におけるコンプライアンスのあり方等について検証いただくことから、コンプライアンスのほか、自治体や大企業における内部統制、組織論など多角的な視点からの議論が必要となるため、法曹関係者、公認会計士、学識経験者の計四名の委員を局として選定いたしました。この四名の委員は、いずれも当方と利害関係を有しない公平、中立な立場であります。そして、第一回の委員会では、中間報告書に掲げた再発防止策全般について説明し、ご意見をいただいております。
 第一回及び第二回の委員会では、再発防止策のうち、排水処理施設運転管理作業委託における契約方法の見直しとして、総合評価方式の導入等について具体的に検証いただきました。
 第三回の委員会では、公正取引委員会からの改善措置要求等について報告しており、今後公正取引委員会や都の調査結果を踏まえつつ、都において改めて必要な再発防止策の案を策定し、検証いただく予定です。
 この委員会では、再発防止策について、専門的かつ客観的な視点で助言や提言をいただけるものと認識しております。

○上田委員 公正、中立であることは当然であり、厳しく都民益を最優先に考える委員選任を求めますし、大本営発表をうのみにしない観点からの委員の発言を期待するものであります。
 現時点の水道局における再発防止の資料に取り組み状況とありますが、平成二十四年及び平成二十六年における不祥事の際の再発防止策と違う点はどの点なのか、具体的な違いとその理由をご説明ください。

○木村職員部長 過去の不祥事の際には、利害関係者への複数名対応の徹底や汚職非行防止等研修の充実強化など、その時点で考えられるできる限りの再発防止策を講じてまいりました。
 しかし、これまでの再発防止策が結果として事故を防げなかったことを受け、中間報告書に掲げた再発防止策の検討に当たりましては、事故に係る分析から導かれる要因だけでなく、当局の構造的な課題に関しても考察を行いました。この考察も踏まえ、現行の汚職防止策に加えて、職場内で不正を発見、防止する体制の構築や、第三者コンプライアンス有識者委員会の設置などの新たな再発防止策を実施することといたしました。
 今後、この委員会においては、外部の有識者として専門的かつ客観的な視点で再発防止策の妥当性等について検証し、委員会としての提言、意見をいただきます。

○上田委員 相違点について、にわかにわかるような、わからないようなところもございますが、端的にいえば、屋上屋を重ねた対策や組織をつくっても、何度同じ轍を踏めば改まるのかと都民に思われても仕方ない運用だったことへの意識が欠けているから、どんな対策も画餅になっているのかなという思いから、次の質問に参ります。
 情報漏えい等で指摘を受けた職員の一覧表では、平成二十一年から情報の教示等を行っていたとのことでありますが、平成二十四年及び二十六年における不祥事の際にこれらを発見、発覚できなかったのはなぜか、原因と今後の対処につき、ご説明ください。

○木村職員部長 平成二十四年の事故を受けまして、特命監察を実施し、ヒアリング及び実査により、汚職等防止対策の実情把握に努めました。
 また、平成二十六年の事故を受けまして、特命監察に加え、設備系職員約七百名に対して情報漏えい等の実態等に関して聞き取り調査を行うとともに、汚職、不正情報の報告、通報の徹底を図りました。
 しかし、平成二十四年、平成二十六年いずれの監察や調査におきましても、今回の事故を発見することはできなかったということは、結果として職員一人一人にコンプライアンス意識が浸透していなかったということでありまして、今後、新たな視点からの抜本的な対策が必要であると痛感しております。
 そのため、今回の事故の事実経過や背景を明らかにした上で、再発防止策を策定するとともに、今後は組織風土や業務運営のあり方も含め、局としての構造的な課題にまで踏み込んで、徹底した対策を講じていく必要があると考えております。
 今後、コンプライアンス有識者委員会におきまして、外部の視点からの局全体の事業運営のあり方も含めて検証することとし、局の構造的課題につきましても議論いただき、委員会の提言を踏まえて実効性ある再発防止策を構築、実施してまいります。

○上田委員 おっしゃるとおり、いつの日か水道局職員一人一人にコンプライアンス意識が浸透するときが来ることを信じ、祈りつつ、次の質問に行きます。
 本件事案は委託契約に係る契約でありますが、不適切契約は工事契約でも発生する可能性がないか、本件を契機に工事契約を対象とした再発防止策も策定する必要があるやに考えますが、契約全体の見直し、適正化につき、ご所見を求めます。

○金子経理部長 入札談合や情報漏えい等の不正行為は、業務委託契約だけでなく工事請負契約においても発生する可能性があり、ご指摘のとおり、不正行為防止のための取り組みが重要でございます。
 都ではこれまで、工事請負契約における不正行為防止のため、予定価格の事前公表や電子調達システムの導入などの取り組みを行ってまいりました。今回の事故は、業務委託契約において発生したものでありますが、契約事務に関する再発防止策は工事請負契約も対象として取り組みを行っております。
 取組2、入札参加条件と発注仕様の見直しについては、工事請負契約についても、個別の契約事案の契約締結手続を通じて、競争性の確保の観点から点検を行っております。
 また、取組3、当該契約における契約方法の見直しについては、工事請負契約では、業務委託契約に先行して総合評価方式を導入しており、既に積極的な採用を進めております。
 取組5、不正行為に対するペナルティー強化と、取組6、契約締結手続の監視体制強化につきましては、工事請負契約も対象とするものでございます。
 引き続き、全ての契約事案について、不正行為防止のための取り組みを実施してまいります。

○上田委員 顧みまして、本件の違反事業者として特定された四事業者に係るほかの契約について、不適切な契約が行われていないのか、委託契約及び工事契約について総点検すべきではないか、ご所見を求めます。

○金子経理部長 今回、公正取引委員会から行政処分を受けた四者に対しては、本年七月三十日付で指名停止措置を行っており、今後の契約締結の予定はございません。
 当該四者との今年度継続中の契約事案は、水ing株式会社と指名停止措置前に契約を締結した浄水場における計器類の保守業務委託契約が一件ございます。
 また、過去に契約実績があるのは、月島テクノメンテサービス株式会社と石垣メンテナンス株式会社、水ing株式会社の三者でございます。月島テクノメンテサービス株式会社と石垣メンテナンス株式会社につきましては、排水処理施設運転管理作業委託のほかは排水処理施設において使用する消耗品の購入契約を、それぞれ年間二件程度締結しておりました。また、水ing株式会社につきましては、当該契約のほか、浄水場における機械設備の補修等工事や保守業務委託等の契約を年間二十件程度締結しておりました。
 現在、当局では、これらの事業者との契約について、不正行為の有無について確認するため、落札状況や他の入札参加者の応札行動について検証を行っているところでございます。

○上田委員 そのような検証や全調査を行うこと、その姿を職員が見ることが公務員倫理を喚起し、危機感を抱くインセンティブにつながり、まさにコンプライアンス意識の浸透の実現がかなうと確信するのでございます。
 人事交流のあり方です。政策連携団体を含めた職員、社員の意識づけ研修について、局としての取り組みの考え方をご説明ください。

○木村職員部長 政策連携団体を含めた東京水道グループでは、高いコンプライアンス意識を持ちながら、お客様の信頼に応える人材の確保や育成に向け、人材交流や研修を実施しております。
 人材交流につきましては、局の現場力の維持向上と政策連携団体のマネジメント能力の向上の観点から、相互に職員の派遣を実施しております。
 また、研修につきましては、東京水道グループ全体のコンプライアンス強化や一体感醸成を図るため、局の実施するコンプライアンス研修への政策連携団体社員の受け入れや共同で企画する研修を実施しております。

○上田委員 政策連携団体においても、残念ながら不適切事項が指摘されております。これについては九月十一日にたださせていただきます。
 これまでのような、今後このような事案が発生することが許されないのはいうまでもないことですが、万が一、新たな不正が発生、発覚した場合の知事初め理事者の責任のとり方、これは再発防止に向けた覚悟を示すものとして、具体的かつ明確に、明快にお答えください。

○木村職員部長 不適正事案が発生した場合の管理監督者の責任に関しましては、懲戒処分の指針におきまして、部下職員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた職員は、減給または戒告とすると規定されております。
 万が一、新たな不正が発覚した場合には、調査により正確に事実を確認し、部下職員への指導等の状況について把握した上で必要に応じて懲戒処分を行うなど厳正に対処いたします。
 今回の情報漏えい事故を受けまして、これまでの再発防止策が結果として事故を防げなかったことから、外部の視点から局全体の事業運営のあり方を含めて検証する有識者委員会の提言を踏まえまして、実効性ある再発防止策を構築してまいります。そして、二度とこのような事案が発生しないよう、局として責任を持ってその再発防止策を徹底してまいります。

○上田委員 私、公営企業委員会、二度目でありまして、公営企業会計決算特別委員も担い、毎々同じようなご答弁を伺ってまいりました。局の意気込みを聞いて満足していては議員は務まらないなと、その後継続した不適切事案を見て、議員の職責を痛感するものでございます。
 では、懸念の服務規律についてでございます。
 職員AからEについてです。それぞれの水道局水道事業浄水場業務におきます職務専門性、資格及び長期間の在籍となった根拠、理由について伺います。

○木村職員部長 浄水場に勤務する職員は、安定給水の確保のため、取水する原水の水質や施設の特性などを把握し、施設の運用や維持管理を行う必要がございます。
 このため、各浄水場には、浄水場ごとの特性や、それに対する運用方法を十分に理解している職員を毎年度一定程度の割合で配置しております。こうした考えから、職員AからE、それぞれを各浄水場の排水処理業務に二年から四年の一定期間配置してまいりました。
 なお、当局の異動基準では、原則として一般職員については、同一部五年以上の在職者は異動させることとしており、今回の情報漏えい事故発生時、情報漏えいをした職員の一部が同一部署に四年所属していたことは異動基準に沿ったものでございます。

○上田委員 続きまして、AからEの現時点の役職、職務、職制と現在の状況について伺います。

○木村職員部長 職員Aは当局の事業所の課長代理として、職員Bは当局の事業所の主任として、そして職員Cは当局の事業所の統括課長代理として、それぞれ勤務しております。また、元職員Dは都を退職後、東京水道サービス株式会社で勤務しており、元職員Eは死亡しております。

○上田委員 Dは平成二十七年三月に退職したということであります。平成二十七年四月からTSSに勤務というふうに理解をしております。Eは平成二十八年三月に亡くなっているということでありました。
 要求資料、7にあります管理監督者は、今般の改善措置要求に当たり指摘はされていないものの管理監督責任はなかったのか、また、平成二十四年、二十六年と同様事案にあり、管理監督者が機能しなかったのではないかと考えますが、昨年十月の公取対象事案が起こったことに関しての管理監督責任についての局長の見解を伺います。

○中嶋水道局長 今回の事故に係る管理監督者の責任は、今後詳細に調査を行った上で必要に応じて厳正に対処してまいります。
 また、平成二十四年と平成二十六年の不祥事に続き、今回の事故が発覚したことにつきましては、結果として再発防止策が組織全体、職員一人一人まで行き届いていなかったということであり、管理監督者の長として極めて重く受けとめております。
 今回の事故を受けまして、今後、各職場において、管理監督者が責任を持って再発防止策を徹底させていきますよう、有識者委員会での検証を経て、実効性ある再発防止策を策定してまいります。
 また、私自身も、現場の管理監督者とは当然のこと、職員と直接対話をいたしまして、組織を挙げて再発防止の徹底とコンプライアンス意識の浸透と定着を図るよう努めてまいります。

○上田委員 ご説明をいろいろいただいていますけれども、二十四年、二十六年の汚職等防止策検討結果報告書は生かされなかったと判断せざるを得ないような状況だと思います。
 この報告書はどのように局内、特に当該浄水場、金町、朝霞、三郷で共有され、周知がなされ、個別の調達にきちんと反映できていたのか、報告書にある再発防止策は実際なされていたのか、改めて確認をさせてください。

○木村職員部長 過去の汚職等防止策検討結果報告書の内容につきましては、局長通達とともに、浄水場を含めた全ての職場に周知し、職場内で共有しております。その上で、平成二十四年の報告書に掲げた利害関係者への複数名対応の実施や契約事務等における情報管理の徹底、チェック機能の強化、工事請負契約における入札情報の調査などの再発防止策につきまして、局を挙げて実施いたしました。
 また、平成二十六年には、これらの汚職防止策の取り組み状況を再点検するとともに、最低制限価格情報の管理徹底など、契約事務の改善を行い、さらに実施を徹底したところでございます。

○上田委員 ですよね、実施をされていたわけでございます。しかしながら、職員AからE及び管理監督者は、当時把握していたのか、研修等再発防止策を受けていたのか、改めて伺います。

○木村職員部長 平成二十四年、平成二十六年の汚職等防止策検討結果報告書につきましては、公表時に全ての職場に周知し、職場内で内容を共有したため、職員AからE及びその管理監督者は報告書に掲げた再発防止策を把握していたと認識しております。
 また、職員AからE及びその管理監督者は、それぞれ局で実施している悉皆の汚職等非行防止研修を受講しております。

○上田委員 AからE、上司も受けていたことがわかりました。そして、また発生してしまったということでございます。
 この職員AからEが浄水場に配置されてからの業者及び利害関係者との接触状況を局としてどのように把握していたのか、確認させてください。
 その際に、資料九三ページ、10ですね、利害関係者との接触に関する指針がどう生かされたのか。二十四年、二十六年に起こったたびに改正がされていたんですが、これがどう徹底されていたのか伺いたいと思います。

○木村職員部長 これまでの都の調査から、職員Aにつきましては浄水場の施設内の巡回の途上で単独で事業者と接触していたことを確認しております。そのほかの職員につきましては、現在、公正取引委員会の調査結果を前提に、管理監督者を含めた関係職員等への事情聴取などを実施しておりまして、詳細について事実関係を確認中であります。
 一方、利害関係者との接触に関する指針につきましては、平成二十六年の改正の際、局全体へ通知するとともに、局内一斉メールによりその内容を説明いたしました。加えて、その後も汚職等非行防止研修や、セルフチェックシートによる自己点検により、改正内容の周知徹底を図ってきております。しかし、こうした取り組みにもかかわらず、結果として職員への周知徹底が不十分であったと考えております。

○上田委員 二十五、二十六の指針改正もA、B、D、Eには届いてなかったのかなというふうにも考えられなくもございません。服務事故を起こした職員及びその管理職は再発防止研修を受けていたということが今回の質疑で明らかになりました。職員Dに至っては退職金を全額受け、平成二十七年三月、都を退職後、TSSで勤務をされています。
 ご承知のとおり、TSSは特別監察も受けておりまして、また、社長人事も水道技術、組織運営のマネジメントといった専門性、実績、経験、政策連携団体トップにふさわしいのか、都民に疑念を抱かねぬ小池知事の特別秘書、野田数氏が就任しております。このような状況を都民は到底納得できないのではないでしょうか。
 九月十一日に改めて、知事鳴り物入りの東京都政策連携団体活用戦略に基づいたTSSのあり方を根本から問いたいと思います。
 公正取引委員会の最終報告を待ちまして、処分量定を加重適用する個人責任はもちろんのことではございますけれども、結果としてそうなったとか、人災と矮小化せずに、管理監督責任を組織風土、そして組織論、都としてのガバナンス、小池知事のガバナーとしての最終責任まで包括した抜本的検討と改善提言が隅々に行き渡らせるべく一丸となり取り組まれますよう、仏の顔も三度までの境地で期待したい、そして実現することを願いまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○舟坂委員 私は、昨年の委員会で、今回の事故は組織運営、そして職員の意識に課題があり、徹底的な原因分析を行った上で、有効な再発防止策を講じることを強く求めました。また、都民感覚からも、責任の所在を明らかにし、しっかりと責任をとることも、これもあわせて強く求めました。この責任については非常に重要な問題で、他の委員も指摘しておりますので、今回は質問しませんが、私からも指摘をしておきます。
 局は、昨年の委員会で、公正取引委員会の調査結果を踏まえ、厳正に対処をすると答弁をしました。厳正とは、文字どおり、厳しく公正に行うことであります。水道局が過去に二回情報漏えい事故を起こし、その再発防止策を講じている中で起きた事故であることを踏まえると、処分は厳しくあるべきであります。しかしながら、残念ながら懲戒処分はまだ行っておりません。懲戒処分は一度下した処分を修正することができないから慎重に行うべきであることは理解しますが、先延ばしにしているように見えてしまっては都民の信頼回復にはつながりません。
 また、事故者には、都を退職している職員もいますが、処分は公平でなくてはなりません。都民感覚からしても逃げ得は許されません。こうしたことを踏まえ、関係者への処分や対応を速やかに行うよう、私から強く求めておきます。
 前回の委員会質疑から九カ月が経過しました。この間、水道局がどのように変わったのか、確認していきたいと思います。
 まずは組織の課題であります。現時点での水道局における再発防止策の取り組み状況を見ると、排水処理作業における組織の再発防止策として、排水処理担当を廃止し、担当組織を大くくり化することで適切な施行管理を徹底とあり、実際、実施済みとしております。
 そこで、組織の大くくり化について、本年四月から実施していると聞いておりますが、どのように効果があらわれているのかをお伺いいたします。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 今回の再発防止策の一つとして、今年度から、排水処理担当と浄水施設担当を一つの担当として大くくり化いたしまして、受託事業者に対する複数名対応や、職員の相互支援などを実施しております。
 例えば、三郷浄水場では排水処理施設運転管理作業委託の受託事業者との毎朝の打ち合わせにおきまして、他の担当職員も含め原則六名での対応が定着してきており、複数名での受託事業者対応が徹底されるとともに、職員間の情報共有が日々確実に行われております。また、各業務を複数の職員で担当することにより職員の相互支援が図られるとともに、業務のチェック機能が強化されております。
 こうした取り組みを全ての浄水場で実施しておりまして、組織の大くくり化により受託事業者と一対一になる状況を未然に防ぐとともに、適正な業務の遂行が図られております。

○舟坂委員 組織における再発防止策には、ほかにも積算業務を本庁で一括することで現場業務から分離とあり、実施済みとしております。
 そこで、積算の分離についてどのように効果があらわれているのかをお伺いいたします。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 今回の再発防止策の一つといたしまして、昨年十二月以降の契約案件から、各浄水場の担当職員は、これまで知り得た積算単価などの情報を保持せず、委託契約の積算の基礎となる予定業務量のみを算出しております。そして、浄水場で算出した予定業務量をもとに本庁において積算金額を算定することで、浄水場において積算結果などの厳格管理情報を保持しない体制としております。
 また、起工から契約締結に至るまでの間、各管理職が積算金額等の厳格管理情報が適正に管理されていることを確認しております。現場の職員からは、受託事業者の管理監督にこれまで以上に専念することができ、より適切な業者対応が可能となった、積算金額等を知り得ないため、事業者からの探り行為を受ける心配がなくなったなどという声がありました。
 これらのことから、積算の分離により、各浄水場で委託を管理する担当者からの情報漏えいを未然に防ぐ効果があると認められております。

○舟坂委員 組織の大くくり化や積算の分離は、排水処理業務特有の課題ではなく、水道局のどの業務にも当てはまります。よい取り組みであれば他の業務にも導入すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○木村職員部長 組織の大くくり化につきましては、受託事業者と一対一になる状況を未然に防ぎ、適正な業務の遂行が可能になるなど効果が認められますが、一方で、組織が大きくなり過ぎますと、職員に対して管理監督職の目が行き届かない可能性もございます。
 また、積算の分離につきましては、情報漏えいを防止する効果が認められますが、起工から契約手続に至る事務処理に、これまでよりも時間を要するという面もございます。
 そのため、組織の大くくり化や積算の分離を他の業務へ展開することにつきましては、今回の事故の再発防止策の検討とあわせまして、有識者委員会による外部の視点も踏まえつつ、今後検討してまいります。

○舟坂委員 対策は、講じることが目的ではありません。日々状況を確認し、対策が有効に機能しているか、改善すべきことはあるのか、あれば速やかに改善する、これが重要であります。組織を形骸化させないためにも、評価と見直し、これを継続して実施していくことを強く求めておきます。
 次に、職員の意識改革であります。
 私は、職員一人一人が事の重大さを認識し、公務員としての自覚を持ち、意識を改めることが最も重要であると指摘をしてきました。局は、職員の意識改革に向け、局長のメッセージを業務端末に掲載することや、宣言書にサインさせる取り組み、職員相互の点検などを行い、職員一人一人の意識に汚職等非行の重大性を浸透し、定着させていくということでした。
 そこで、こうした取り組みにより、この間、職員の意識がどのように変わったのかをお伺いいたします。

○木村職員部長 宣言書にサインさせる取り組みでは、各職場の職員が実際に署名する行為や管理職との会話を通じまして、局が置かれている状況を深刻に受けとめているとの報告を受けておりまして、汚職防止を自分のこととして考えるようになったものと認識しております。
 また、全ての職場におきまして、職場討議を行った上でリスクの洗い出しを行ったところ、それぞれの部署ならではのリスクが抽出され、職員がみずからの担う業務に潜むリスクを再認識し、危機意識を高めることにつながりました。加えて、その際の職場討議や、その後の職場ミーティング等では、リスクを低減させるためのさまざまな方策も議論され、その結果、職場独自の取り組みが数多く進められております。
 例えば、厳格管理情報の扱い方を記した資料や、事業者への電話応対のためのQアンドAを職員の目の届きやすい場所に常備すること、個人情報の紛失防止の注意喚起ポスターを掲出すること、契約事務などの重要事項を読み合わせることなどが行われております。
 こうした取り組みが進められていることから、職員がコンプライアンスについて、みずからのこととして、より強く意識するよう変化していることに加え、各職場もボトムアップで汚職防止を推進する組織へと変容しているものと認識しております。
 なお、各職場におきまして、職員相互の他者からの視点からの業務点検を行う取り組みを本年十一月から実施し、職員の意識改革をさらに重層的に推進してまいります。

○舟坂委員 職員の意識改革については、過去二回の事故が起きた際にも同様に汚職等非行防止策を強化する中で取り組んできたはずであります。それにもかかわらず、結果として、事故が繰り返し起きています。果たして今回の取り組みが本当に効果があるものなのか、どうでしょうか。意識の改革は一朝一夕にできるものではありません。引き続き、実効性のある取り組みを粘り強く進めていくべきであります。
 先ほどから質疑を聞いておりますと、都と公正取引委員会の間では情報量に差がある、有識者の提言を踏まえ最終報告を行う、このように答弁されていましたが、都民はなるほどと思うでしょうか。少なくとも私には、いいわけや開き直りにしか聞こえません。都民がなるほどと思わないのに、どのように都民の理解を得て信頼を回復するのでしょうか。認識が甘いのではないでしょうか。
 情報を漏えいした一部の職員は、なぜ最初から名乗り出なかったのか。私は、本局職員と事業所職員の意識に差があることや、管理職と一般職員の距離が離れていることに原因があると思っております。管理職は、毎日机に座って、職員からの報告があるのを待ち、何か事が発生すれば、その再発防止策を考えることが仕事ではありません。管理職みずから日々職員の状況を把握し、適切な指導と育成を繰り返し行うことで管理職と職員の距離が狭まり、職場の風通しがよくなり、意識改革が進んで再発防止策が機能していくのではないでしょうか。
 管理職はこの間、意識改革を進めるため、どのような取り組みを行ってきたのかをお伺いいたします。

○木村職員部長 今回の事故を受けまして、局長から改めて管理職は日ごろの職員とのコミュニケーションを充実させ、職員が職場におけるコンプライアンス上の課題などを申告しやすい環境をつくるよう訓示を行いました。これを受けまして、平常時から管理職は職員との会話を密にするとともに、職員に毎日のショートミーティングや毎月の職場討議の開催を徹底させることで、風通しのよい環境の創出に努めております。
 また、自己申告の面接時に、利害関係者から情報教示の要求があった場合には毅然と対応し、上司へ報告することを全管理職から職員一人一人に確認するとともに、業務に関連した悪い情報や違和感があれば、一人で抱え込まず、相談するよう指導しております。

○舟坂委員 管理職は組織のかなめであります。局長からも改めて訓示があったとのことですが、管理職がそれぞれの職場でリーダーシップを発揮し、職員の意識改革に積極的に取り組むよう強く要望しておきます。
 私はもう一点、危惧していることがあります。それは職員のモチベーションであります。水道局職員のほとんどは、お客様の声に耳を傾け、安定給水のため日夜一生懸命取り組んでおります。今回の事故が原因で職員のモチベーションが下がってしまっては、それが足かせとなり、意識改革は進みません。職員が仕事に誇りを持ち、公務員として誠心誠意、一生懸命仕事を進められる環境を整えることも管理職の重要な役割であります。
 水道事業は、水源から蛇口まで多様な業務に従事している職員の現場力に支えられております。職員は組織の礎であります。職員を守ることで組織が守られ、組織力あるいは現場力の発揮につながります。組織が職員を守らなければ、誰が守るのでしょうか。守るべき職員が守られていない、だからこそ、このような事故が起こるのではないでしょうか。事故を起こさないこと、これは全ての職員が守ることです。そして、事故を起こさないよう環境を整え、管理する責任はトップである局長にあります。
 そこで、都民の信頼を回復し、今後二度と事故を起こさないようにするため、職員の意識改革や人材育成をどのようにしていくのか、局長の決意をお伺いいたします。

○中嶋水道局長 ご指摘のように、職員は組織の礎でございます。水道事業は都民生活と都市活動を支える基幹ライフラインでございますが、お客様の信頼を得ながら、安定的かつ効率的に運営していくためには、それを支える職員の意識改革や人材育成が極めて重要でございます。
 現在、私自身も各事業所を回りまして、現場の管理監督者及び現場の職員と対話をしております。その中で、風通しのよい職場づくり、また汚職防止をみずからのこととして捉えることの重要性というものを対話しながら醸成していくということに努めてございます。
 また、今後、コンプライアンスや東京水道の将来像等につきまして共通認識を持ってもらうために、私を初め局の幹部職員が全職員に対しまして直接講義をする研修を新たに実施し、東京水道の担い手としての自覚や誇りを醸成いたします。
 こうした取り組みを通じまして、職員一人一人が水道局を支えているのは自分なんだというその誇りと、あと責任、この自覚を持ってもらうことが何より重要だと考えております。
 こうした観点から、局のトップといたしまして、意識改革や人材育成の取り組みを強力に進めることによりまして、都民の皆様方からの信頼を一刻も早く回復できますよう全力を挙げて取り組んでまいります。

○舟坂委員 局長からは、人材育成と再発防止に向けた強い決意が示されました。まだまだ道半ばを強く強く意識していただき、都民の信頼を早期に回復するよう局を挙げてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 局長からは決意が示されましたが、都の最終責任者である知事はどうなのでしょうか。私には、知事は事態の重大さや深刻さを理解していないのではないか、このように思えるわけであります。今回の事故に関する知事の発言や対応を見ていますと、調査と再発防止策の検討は、副知事をトップとする調査特別チームと汚職等防止部会に全て丸投げであります。
 そもそも、行政とは、都民にとって地に足のついた実効性のある仕事の一つ一つの積み重ねであり、知事の仕事は東京の将来に向かって強いリーダーシップを発揮することにあります。しかしながら、知事は、思いつき、話題性、場当たり的なパフォーマンスで、新しいことを矢継ぎ早に発表することで都民の注意をそらしているだけであります。しかも、それらの施策はいずれも惨たんたる結果に終わっています。これでは首都を預かる知事としては失格であります。
 職員の先頭に立ち、汚職や非行の防止を実現させ、都民の信頼を早期に回復し堅実な都政運営に努めることを強く要求し、質疑を終えます。ありがとうございました。

○川松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川松委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時一分散会

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