委員長 | 川松真一朗君 |
副委員長 | 村松 一希君 |
副委員長 | 中村ひろし君 |
理事 | 加藤 雅之君 |
理事 | 保坂まさひろ君 |
理事 | 河野ゆりえ君 |
成清梨沙子君 | |
鈴木 邦和君 | |
舟坂ちかお君 | |
斉藤まりこ君 | |
上田 令子君 | |
菅原 直志君 | |
宇田川聡史君 | |
長橋 桂一君 |
欠席委員 なし
出席説明員交通局 | 局長 | 山手 斉君 |
次長 | 桃原慎一郎君 | |
総務部長 | 土岐 勝広君 | |
職員部長 | 渡邉 範久君 | |
資産運用部長 | 広瀬 健二君 | |
電車部長 | 相川 準君 | |
自動車部長 | 根木 義則君 | |
車両電気部長 | 奥津 佳之君 | |
建設工務部長 | 野崎 誠貴君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 牧野 和宏君 | |
安全管理担当部長 | 塩田 孝一君 | |
鉄軌道事業戦略担当部長 | 櫻庭 裕志君 | |
バス事業経営改善担当部長 | 坂田 直明君 | |
技術調整担当部長 | 野崎 慎一君 | |
技術管理担当部長 | 谷本 俊哉君 | |
水道局 | 局長 | 中嶋 正宏君 |
技監 | 田村 聡志君 | |
理事 | 黒沼 靖君 | |
総務部長 | 松丸 俊之君 | |
職員部長 | 金子 弘文君 | |
経理部長 | 志村 昌孝君 | |
サービス推進部長 | 小山 伸樹君 | |
浄水部長 | 青木 秀幸君 | |
給水部長 | 尾根田 勝君 | |
建設部長特命担当部長兼務 | 狩野 裕二君 | |
経営改革推進担当部長 | 石井 英男君 | |
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 小平 基晴君 | |
設備担当部長 | 横谷 守君 | |
多摩水道改革推進本部 | 本部長 | 岸本 良一君 |
調整部長 | 坂井 吉憲君 | |
施設部長 | 今井 滋君 | |
技術調整担当部長 | 本荘谷勇一君 | |
下水道局 | 局長 | 小山 哲司君 |
技監 | 神山 守君 | |
総務部長 | 安藤 博君 | |
職員部長 | 白川 敦君 | |
経理部長 | 久我 英男君 | |
計画調整部長 | 池田 匡隆君 | |
施設管理部長 | 佐々木 健君 | |
建設部長 | 猪八重 勇君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 鈴木 豊君 | |
技術開発担当部長 | 袰岩 滋之君 | |
施設管理担当部長 | 井上 佳昭君 | |
流域下水道本部 | 本部長 | 中島 義成君 |
管理部長 | 飯田 一哉君 | |
技術部長 | 小団扇 浩君 |
本日の会議に付した事件
下水道局関係
報告事項(説明・質疑)
・契約の締結について
交通局関係
報告事項(説明・質疑)
・契約の締結について
請願の審査
(1)三〇第八号 都営地下鉄浅草線中延駅の東中延二丁目方面出口へのエレベーター等の設置に関する請願
水道局関係
報告事項
・東京都工業用水道事業の廃止に向けた利用者への説明状況について(説明)
・契約の締結について(説明・質疑)
・水道局所管委託契約に係る談合疑いに関する調査特別チームによる中間報告について(説明・質疑)
○川松委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、所管三局の報告事項の聴取及び交通局関係の請願の審査を行います。
なお、報告事項、東京都工業用水道事業の廃止に向けた利用者への説明状況については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、そのほかの報告事項については、説明聴取の後、質疑を終了まで行いますので、ご了承願います。
これより下水道局関係に入ります。
理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○久我経理部長 工事の請負契約につきましてご報告申し上げます。
お手元の資料1、契約締結報告書をごらんいただきたいと存じます。
恐れ入りますが、一ページをお開き願います。総括表をお示ししてございます。
今回の内容は、平成三十年八月一日から平成三十年十月三十一日までの間に締結した予定価格九億円以上の工事請負契約九件でございます。
以下順次、契約の概要についてご説明させていただきます。
二ページをお開き願います。この契約は、足立区千住仲町、千住河原町付近再構築工事でございます。
本件は、足立区千住仲町、千住河原町付近の雨水排除能力の増強を図るため、再構築工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。ご参照いただきたく存じます。
なお、本件は、技術実績評価型総合評価方式で落札者を決定しております。
四ページをお開き願います。北区赤羽台一丁目、赤羽西四丁目付近枝線工事でございます。
本件は、北区赤羽台一丁目、赤羽西一、四、五丁目付近の雨水を収容する枝線の一部を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
六ページをお開き願います。三河島水再生センター合流改善施設建設及び耐震補強工事でございます。
本件は、三河島水再生センターの北系処理施設の合流改善施設建設工事並びに中央系処理施設、浅草系処理施設及び藍染ポンプ所の耐震補強工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
八ページをお開き願います。葛西水再生センター発電設備再構築工事でございます。
本件は、葛西水再生センターの発電設備が老朽化したため、発電設備のうち、原動機及び発電機を再構築するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
一〇ページをお開き願います。みやぎ水再生センター発電設備その三工事でございます。
本件は、みやぎ水再生センターの非常時における運転電力を供給する自家用発電設備のうち、原動機及び発電機を設置するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
一二ページをお開き願います。砂町水再生センター沈砂池機械設備再構築その三工事でございます。
本件は、砂町水再生センターの砂系ポンプ棟に設置してある雨水沈砂池機械設備が老朽化したため、再構築工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
一四ページをお開き願います。平成三十・三十一年度情報管理設備工事でございます。
本件は、下水道光ファイバーによる情報ネットワークを構築するため、情報管理設備の整備工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
一六ページをお開き願います。多摩川上流水再生センター汚泥処理電気設備再構築工事でございます。
本件は、別途施行の多摩川上流水再生センター汚泥焼却設備再構築工事及び多摩川上流水再生センター汚泥脱水設備再構築工事に伴い、電気設備工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
一八ページをお開き願います。八王子水再生センター西系水処理電気設備工事でございます。
本件は、別途施行の八王子水再生センター西系沈殿池機械設備工事外三件の工事に伴い電気設備工事を施行するものでございます。その概要及び入札結果を次ページにわたり記載してございます。
以上で、簡単ではございますが、工事の請負契約についての報告を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○川松委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○上田委員 ご説明いただきました九件の案件でございます。
この総括表の一ページに基づきまして、まず、番号3からです。これ一者入札になっておりまして、このりんかい日産建設株式会社が過去に受注した三河島水再生センター関連の工事を全て、過去五年調べさせていただきました。
また、番号4は電気工事関係でありまして、地元なんですけれども、葛西水再生センターに設置した電気設備は、今回落札した株式会社明電舎が過去に受注した電気設備が設置されている可能性が高いと思われまして、これに関しても過去十年、この下水道施設に係る電気工事業者は、数者か十者前後と想定されているので、過去の電気工事の受注状況も確認しました。
また番号5は、この葛西と同じでございまして、やっぱり明電舎が過去に受注されている可能性が高いということで、こちらも調べさせていただきました。
6は機械工事ですけれども、これも住友重機械エンバイロメント株式会社が、どのぐらいやはり受注しているかも調べさせていただきました。
7は情報管理設備工事ですが、下水道光ファイバー工事に係る受注状況も確認しております。
番号8、多摩川上流水再生センターについては、東芝インフラシステムズ株式会社が、過去にどのぐらい受注しているかということも調べさせていただきました。
最後、9は、三菱電機株式会社についても調べさせていただいて、大至急出してはいただいているんですが、まだこちらについては、皆様にもお配りできない状況ということで、私の中で内部で把握をさせていただいているというところです。
いずれにしろ、同じ会社が受注している傾向が多いということと、あとこの九件でございますが、やはり辞退が多い。常に私、財政委員会でも、辞退が非常に多いと、辞退談合を疑われてしまうのではないかという懸念を常に東京都の入札については提言させていただいております。この点を、問題意識をいただきまして、予想どおりの落札結果になっているような感じです。
入札する必要がないぐらい同一業者が受注していることが読み取れるのではないかと。入札につき合わされた業者は--辞退しているところですよね、果たして本当に積算して入札しているのかなと疑問を持たざるを得ないかなというふうに思っております。
これから、この後、水道局の談合問題につきましてのご報告もありますが、この事件を受けまして、下水道局においても同様事件が発生しないのか、やはり大いに危惧するものでございます。
このような入札風土で入札制度改革、小池都知事の旗振りで進めておりますが、その中での今回の事件ということで、このような入札風土の中で、一者が多い、辞退も多いということで、同業一者入札というよりは、辞退してしまった結果ということではございます。結局同じところが受注を続けているというような風土の中で入札制度改革が進んで、状況が改善されるのか、下水道局としての所見を伺いたいと思います。
○久我経理部長 工事請負契約の入札案件において、同一業者が連続して受注している事案は、主として、電気設備の再構築工事において発生しております。
当局における電気設備の多くは、他の自治体に類を見ない大規模かつ高度複雑な施設や設備であり、システムとして一体的に制御、操作するものでございます。これら電気設備工事は、水再生センターやポンプ所等の施設を稼働させ、その機能を確保しながら、設備やシステム等を部分的、段階的に改築することが通例でございます。
入札参加を申し込んだ企業は、発注図書を入手して、こうした工事内容を確認した上で、応札するか否かを判断していると認識しております。その結果として、本日ご報告した契約締結報告書のとおりの契約となっているものでございます。
今後とも、こうした当局における工事の特性を踏まえまして、入札契約手続を適切に運用してまいりたいと考えております。
○上田委員 工事や技術の運用の特性が特殊であることは十分理解しておりますが、そこに不正や談合といったことが入り込む余地はないのかということを、やっぱり監視することが大事だと私ども議会側としては思っております。
つきましては、下水道局におきましても、水道局と同様に、第三者コンプライアンス委員会を置く必要があるように思いますが、この点に関してのご所見をお伺いいたします。
○久我経理部長 水道局の事案発生を受けまして、現在、全庁的な検討が進められているところでございます。当局におきましても適切に対応してまいりたいと思います。
○上田委員 適切に水道局もやってきたという報告を受けている中でこんなことが起こっておりますので、やっぱりしっかりとやっていただきたいというふうに思う次第でございます。それには、現状のまま何も変わらないということでは、また無理だと思うので、第三者委員会的なものをぜひ設置をしていただきたいと思います。
私の今回取り寄せた、皆様にはまだお配りできない資料でございますけれども、毎年、特定の事業者が毎回落札している状況が正直あるということで、これは本当に公平、公正、適正かつ先ほどから適正かつ適切だというふうにおっしゃっていますが、これで本当にそういったきちっとした適正、公平、公正な競争が行われての結果だと思うのか、最後に下水道局としての見解を伺いたいと思います。
○久我経理部長 入札契約手続につきましては、関係規定に基づき適正に行っており、入札結果については、先ほど申し上げたとおり、当局における工事の特性によるものと考えてございます。
○上田委員 ちゃんとなさる、やっているということでありますが、特定の業者が毎年受注しているとなると、受注予定業者が入札金額を事前に知っているのじゃないのかなというような疑いを、都民に疑義を抱かれかねないこともあると思います。おっしゃるように、徹底した入札制度改革を下水道局独自でも、特殊な技術ですから、下水道局にしかわからないことがたくさんあると思いますので、これを推進して、ご答弁のとおりの徹底をお願いしたいと思います。
質疑は終わります。
○川松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川松委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で下水道局関係を終わります。
○川松委員長 これより交通局関係に入ります。
初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○広瀬資産運用部長 お手元の資料1、契約締結報告書に基づきまして、平成三十年八月一日から平成三十年十月三十一日までに締結いたしました予定価格が一件九億円以上の工事請負契約及び一件二億円以上の動産の買い入れ契約につきましてご報告申し上げます。
一ページをお開き願います。ご報告申し上げます契約の総括表でございます。
以下、契約の概要についてご説明申し上げます。
二ページをお開き願います。浅草線泉岳寺駅改良土木工事(その一)でございます。
本件は、泉岳寺駅の大規模改良工事を実施するに当たり、支障となる地下埋設物の移設等を行う工事でございます。
契約の方法は一般競争入札、契約金額は十二億三千五百五十二万円、契約の相手方は鉄建建設株式会社でございます。入札経過につきましては三ページに記載してございます。
四ページをお開き願います。平成三十年度一般乗合自動車(ディーゼル)の買入れでございます。
本件は、大型ノンステップバス六十六両を買い入れるものでございます。
契約の方法は一般競争入札、契約金額は十五億八千八百十一万円余、契約の相手方はいすゞ自動車首都圏株式会社でございます。入札経過につきましては五ページに記載してございます。
以上でご報告を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
○川松委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○斉藤委員 私からは、都営浅草線泉岳寺駅改良土木工事(その一)の契約について意見を述べさせていただきます。
この工事契約は、国道一五号線地下の泉岳寺駅のホームが狭くなり、拡張が必要になったことによる下水道管と電線共同溝の移設を行うというものです。
泉岳寺駅の地下ホーム拡張に伴い、東京都は、都市整備局が施行者となって、駅に沿って第二種市街地再開発事業として、地上百五十メートルの高さのビルの建設を決めています。建物高層部に配置する住宅戸数は約三百五十戸とのことです。たとえ泉岳寺駅のホーム拡張で従前の地権者や居住者の営業や居住のための再開発が必要だとしても、すぐ北側のJR東日本の六棟もの高層ビルを建てる計画と相まって、CO2排出の増加をもたらし、風を遮ることによるヒートアイランド現象など、環境に大きな負荷を与え、都心一極集中を加速させることにもなる百五十メートルもの超高層ビルは必要ないとの判断から、我が党は、泉岳寺駅第二種再開発については賛成できない態度を表明してきました。
このたび交通局が工事契約したのは、都営浅草線泉岳寺駅のホーム拡張に伴う埋設物の移設工事とのことで、再開発事業とは別の、必要な工事であるということを確認させてもらいました。
今後、泉岳寺駅第二種再開発事業には、都市整備局として、特定建築者を入れる予定であるということも聞いています。大手ディベロッパーがもうけを上げることにつながる高額な価格の住宅、オフィス供給ではなく、保育園づくりなどの子供のための施策をふやすなど、都民生活を守る立場でまちづくりが進むよう、交通局としても今後努力をしていただくことを求めて、意見とさせていただきます。
○中村委員 それでは、私からも、都営浅草線の泉岳寺駅の改良について質問します。
今回の工事は、JR山手線の新駅の新設で多くの乗降客が見込まれることもホームの拡幅の理由かと思いますが、改めて、今の駅の状況と、なぜ改良工事が必要か伺います。
○野崎建設工務部長 浅草線泉岳寺駅につきましては、空港と都心を結ぶ重要な交通結節点でありまして、今後、JR東日本による新駅の設置や周辺の開発により、さらなるお客様の増加が見込まれます。
このため、現状狭隘な駅施設につきまして、ホーム幅を約二倍に、コンコースも大幅に拡張するとともに、エレベーターの増設など、バリアフリー機能をより充実させていくこととしております。
○中村委員 浅草線はホームドアの設置も進めていますが、時間軸でいえば、この工事はホームドアを設置してすぐの工事になりますが、これは再利用はできるのでしょうか。
また、現状は、駅の両端に出入り口があるのですが、JRの新駅との接続によるエレベーター、エスカレーターなどのバリアフリーの設備も増設する必要があると考えますが、設置をされるのか伺います。
○野崎建設工務部長 東京二〇二〇大会までに、現在のホームに設置することとしておりますホームドアにつきましては、改良工事後も再利用する予定でございます。
また、エレベーターやエスカレーターの増設を行うこととしておりますけれども、詳細については今後検討してまいります。
○中村委員 今回、大変大きな工事の一期目の工事ということですので、最初なので、あえて全体像を伺います。
今回報告された工事は十二億円の工事ですが、事業全体での総事業費と工期を伺います。また、この駅は京急線の始発駅になっているので、工事による利益を京急も得ますが、全体の費用のうちの京急との負担の割合はどのような取り決めがあるのか伺います。
○野崎建設工務部長 泉岳寺駅の大規模改良における拡幅ホームの供用開始は、二〇二四年度を予定しております。現段階における概算工事費は約五百五十億円となっております。
また、この駅は、京急電鉄との共同使用駅であるので、双方の財産区分に基づいて費用を負担することとしております。
○中村委員 今の質問で、総工費が約五百五十億円と、大変大きな事業であることがわかりました。普通に駅を一つつくるのでもおおむね二百億円と聞きました。一つの駅にしては破格の金額です。
昨年度決算でも、地下鉄全体で、乗車料収入が約一千四百二億、経常損益は三百四十億、累積欠損金は二千六百四億円、長期債務は七千二百三十三億円です。今回の工事がいかに大きいかわかります。なぜこのような大きな金額となるのか伺います。
○野崎建設工務部長 泉岳寺駅の大規模改良につきましては、駅部分約三百メートルに加え、列車の折り返し施設を含めると、工事範囲が約一キロに及ぶこと、夜間の限られた時間での工事となること、さらに、日中は列車の安全運行に支障を来さないよう十分な対策を講じる必要があることなどから、新線建設時の駅の工事費に比べ多くの費用を要することとなります。
○中村委員 必要な工事であれば進めていただきたいとは思いますが、こうした大規模な工事によくあるのですが、当初の見込みをいつしか大きく超えてしまうことがあり得ます。先行して行っている勝どき駅の改良でさえも、約百六十億円と聞いていますが、それを超える大規模工事です。
JRの新駅の効果で、収益も増加が見込まれるとは思いますが、それ以上の額でもあり、むしろ地下鉄事業全体に与える影響は極めて大きい事業ともいえます。運賃値上げも簡単にできるものではありません。今後、見込んだ予算内の執行に向けて適切な執行が求められますが、そこに向けての取り組みを伺います。
○野崎建設工務部長 泉岳寺駅の大規模改良工事を含め、工事を行うに当たりましては、安全の確保はもとより、工程管理やコスト管理を徹底し、適切に事業を進めていくこととしております。
○中村委員 一つの駅の改良とはいえ、注目される事業でもあり、金額の大きさも事業全体に影響を与え得るものです。事故があってはなりませんので、安全には万全を期しつつも、見込んだ総事業費が膨れ上がることのないよう、計画的な工事の進捗と予算の管理、安全な工事を求めて、質問を終わります。
○川松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川松委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
○川松委員長 次に、請願の審査を行います。
三〇第八号、都営地下鉄浅草線中延駅の東中延二丁目方面出口へのエレベーター等の設置に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○野崎建設工務部長 資料2をお開きください。整理番号1、請願三〇第八号、都営地下鉄浅草線中延駅の東中延二丁目方面出口へのエレベーター等の設置に関する請願についてご説明申し上げます。
この請願は、品川区にお住まいの新美一美さん外二千三十六人の方々から提出されたものでございます。
請願の要旨でございますが、1、都営地下鉄浅草線中延駅の東中延二丁目方面出口へのエレベーターやエスカレーターの設置に向けた本格的な検討を行うこと、2、都営地下鉄浅草線中延駅の東中延二丁目方面出口にエレベーターやエスカレーターを設置することでございます。
現在の状況についてご説明させていただきます。
浅草線中延駅は、平成二十年に、ワンルート確保のため、東急大井町線中延駅側にA4出入り口としてエレベーターを整備いたしました。一方、東中延二丁目方面のA3出入り口には、階段のみ設置されております。
A3出入り口は、東急大井町線中延駅の最寄りの出入り口であることから、当局ではこれまでも、エレベーター及びエスカレーターの設置を検討するため、現地測量や流動調査を行ってまいりました。A3出入り口が隣接する国道及び区道は、将来拡幅予定があり、地下構造物や建屋がこれに支障しないよう設置されております。
A3出入り口へのエレベーターにつきましては、道路拡幅に支障しない部分にある局用地が狭く、現在の用地に設置した場合、階段の幅員が半減し、お客様の流動に支障を来すなど構造上の問題があり、さらに、A3出入り口の周囲はビルで囲まれており、これ以上の用地の拡大は難しく、設置は困難であります。
また、A3出入り口へエスカレーターを設置した場合、火災対策基準に基づき、局が定める避難通路として必要な階段の幅員一・五メートルが確保できないことから、構造上設置は困難であります。
以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○川松委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○河野委員 請願三〇第八号について質問をいたします。
請願項目1のエレベーター、エスカレーターの設置に向けた本格的検討、これについては、交通局が流動調査を行ったということでありますが、流動調査を行った時期と結果その他をより詳しく説明していただきたいと思います。
また、流動調査が必要と判断した理由についても説明をお願いいたします。
○野崎建設工務部長 A3出入り口は、東急大井町線中延駅の最寄りの出入り口でありまして、乗りかえのお客様が多いことから、エレベーター設置の可能性を検討するに当たり、ことし十月でございますけれども、A3出入り口の流動調査を行っております。
○河野委員 交通局が流動調査を行ったということは、駅利用者にとっては歓迎される、そういうことだと思います。
今、大変省略した形でお答えいただきましたけれども、その流動調査について、もう少し詳しくご説明いただきたいと思います。
○野崎建設工務部長 流動調査につきましては、午前七時から十時までの朝のラッシュ時間帯に、改札から東急線へ向かう方向、それから東急線から浅草線中延駅に向かう方向、双方向のお客様の人数を十五分単位で計測をいたしております。
○河野委員 答弁では、大体どれくらいの方が通行されているのかということについては示していただいていないと思います。
私も質問に当たって、交通局の皆さんに資料を求めました。朝の七時半から八時半の一時間の乗降客がピークということで、この調査の結果をいただいております。
七時半から七時四十五分が一番のピークで、この請願で求められているA3出入り口、東中延二丁目方面ですか、ここを通る方は、十五分間で、七時半から四十五分の間で千百人、そのほかに、ずっとならしてみますと、七時半から八時半の一時間の乗降客を十五分ずつで切ってみますと、どの十五分間でも千人を超える人がA3出入り口を通っているというのが、この流動調査の結果を見て明らかなんですね。これが朝の通勤通学、その他の流動です。
夕方の時間帯も調べていただくといいと思うんです。学校帰りとか、職場からの帰宅者とか、同じようなピークを示す、そういう乗降の結果が明らかになるのではないかと思います。
都営浅草線の中延駅は、答弁にありましたように、東急大井町線の中延駅がすぐそばにあって、乗りかえ駅です。交通局の資料では、都営浅草線中延駅の一日平均の乗降客三万一千百四十四人、平成二十九年度ですか、こういう数字が書いてあります。
お聞きいたしますけれども、都営浅草線中延駅の乗降客の推移、これは過去五年間でどのような変化がありましたか、お答えください。
○野崎建設工務部長 中延駅における一日乗降客数の推移でございますが、平成二十五年度には二万八千四百五十二人であったものが、平成二十九年度には、今お話しのとおり三万一千百四十四人となっております。
○河野委員 五年間で、引き算しますと二千六百九十二人、約二千七百人の乗降客の増加がある、これはプラス九%に当たる、約一割ふえているということになりますね。答弁では、毎年度乗降客がふえているということはおっしゃっていないんですけれども、私たちの調査では、毎年度ふえています。
都営浅草線中延駅は、東急大井町線との乗りかえ駅ですから、どういうふうな人が動くかというと、二子玉川駅など世田谷区方面からの通勤通学の人が都心部に通う上で便利な駅となっています。A3出入り口、東中延二丁目方面、ここが接続の乗降口なんですけれども、今回行った流動調査では、乗りかえ駅としての利用状況の把握はどうなさったでしょうか。
また、A3出入り口の乗降客は、一日約三万一千人の大体何割ぐらいの人がここを使っておられるのか、こういう問題については調査はされていますか。
○野崎建設工務部長 今回の流動調査は、乗りかえ経路でありますA3出入り口のバリアフリー化の可能性を検討するために同出入り口のみで行ったものでございまして、乗りかえのお客様の特性等については把握しておりません。
また、全体の出入り口のうちのA3をご利用のお客様の割合ですけれども、改札のデータを踏まえると、おおむね八割程度というふうに把握しております。
○河野委員 中延駅の乗降客の八割が、A3出入り口、エレベーター、エスカレーターの設置を求めるこの出入り口を利用しているというのが今の答弁でわかりました。
私も中延駅に行ってみました。きょう、ちょっとパネルを持ってまいりました。こういう駅の構造で、これは行ってみないとわからないんですけれども、浅草線の中延駅は、A1からA4まで四つの出入り口がありました。
A2の出入り口は、大きな道路、第二京浜国道のちょうどA3から見ると反対側の方についているんですね。A4の出入り口、ここはA3から、東中延二丁目の方から約百メートルの先にあって、ここだけが地上にエレベーターが通じている駅へのそういうバリアフリーの道になっています。
他の三つの出入り口は、階段とか踊り場が複雑に組み合わされていて、バリアフリーの駅とはほど遠いつくりです。ホームからA3出入り口方面への上りエスカレーターにも、なぜか、この絵にもありますけれども、エスカレーターがすぐホームについていなくて、階段も数段上らないとエスカレーターに上がれないんですね。
また、A2出入り口は国道第二京浜の真下を横切る形で改札に通じていますが、階段と平らな通路が、ぼこぼこと繰り返しになっていて、足の不自由な人や子供連れの人にとっては、とても通行しづらい地下の通路です。それはどうしてかというと、地下に共同溝などがあって、これを避けて通路がつくられているということで、本当にでこぼこだなという、そういうつくりになってしまっているようなんですね。
A3出入り口も、改札を出てから階段、踊り場、階段という構造で、改札階から数えると、ここの改札階からA3に上がっていく、東中延二丁目に上がっていく、東急大井町線中延駅に上がっていく、それは、四十三段の階段を行かないと地上に到達しないんです。
バリアフリーの大事さが認識されて、まちづくりに取り入れる努力が始まってから久しい時が過ぎています。しかし、残念ながら中延駅はバリアだらけだというのが、私が直接行って感じた思いなんです。
都営浅草線中延駅は、一体何年に駅が開設されたんでしょうか。バリアフリーの考え方が、まだ社会的に未成熟な相当古い年代に設けられたまま現在に至っている駅と考えるのですが、どうでしょうか。
○野崎建設工務部長 中延駅は、昭和四十三年に開業し、平成四年に、ホームと改札階を結ぶエスカレーターを設置いたしました。さらに、平成二十年に、ワンルート確保のため、ホームと改札階及び改札階と地上を結ぶエレベーターを設置しております。
○河野委員 計算しますと、約五十年近く前にこの駅ができて、このA4にエレベーターとかエスカレーターも設置して、バリアフリーに努めてこられたのはわかりますけれども、大変不十分な状況の駅であります。
私が中延駅に行ったのは、午後の二時ごろだったんですね。しばらく駅構内をずっと歩いてみましたけれども、ここのA1とA4の出入り口は、ほとんど通行がなくて、ここの駅の通路は、めったに人に会えないような、人が閑散としているという状況です。第二京浜国道反対側のA2出入り口も、数えるほどの通行人数で、現地に行ってわかりましたのは、圧倒的多数の人がA3出入り口を使っているんだなということでした。それは、先ほどご答弁があって、約八割の人がA3出入り口を使用されているということが、あかしだと思うんですけれども、そういう駅です。
なぜA3出入り口の乗降客が一番多いのか、それは東急大井町線と接続していること、そして、商店街がこのA3出入り口から中原街道方面とか、荏原中延駅ですか、そっちの方にずっと広がっている、なかのぶスキップロード、商店街約百二十メートルでアーケードになっておりましたが、そういう大きな商店街も含めて広い範囲に、このA3出入り口の周辺は商業の人たちがお店を開き、そして通勤や通学やお買い物の人たちが通っているということです。
A3出入り口は、通勤通学の人、高齢者、障害者、ベビーカーに子供を乗せたお母さんなど、あらゆる年代の人が多数利用されているわけですが、交通局は、こうした方々の要望調査については、どのような対応をされてこられましたか。
○野崎建設工務部長 中延駅につきましては、既にワンルートを確保していることから、具体的な要望調査等は行っておりません。
○河野委員 交通局はワンルート確保が優先ということで取り組んでおられるのは承知しておりますが、ワンルート確保とはなかなかいいがたいようなバリアがあるというのが現実です。
私は、地域の方にもいろんな声を聞いてきたんですね。都営地下鉄中延駅の利用客は、一日三万人にも上って、多くが東急大井町線の乗りかえに通じる東中延二丁目、いわゆるA3出入り口、ここを利用している。その階段が四十三段もあるのに、エレベーターもエスカレーターも設置されていないために、足腰の悪い高齢者や障害者、小さな子供さんを連れたパパ、ママ、仕事から疲れて帰る方などがつらい思いをしていますといっています。中延四丁目のエレベーター、さっきいいましたA4出口、これは遠くて使えない、エレベーターかエスカレーターをぜひ設けてほしいといわれました。
昨年は、つえをついた高齢者の方が、A3の階段のところで、途中で転んでしまって下まで転げ落ちて、周りの人に助けられるということも起こったそうです。A3出入り口改善への切実な要望は次々に寄せられています。
現在のA3出入り口は、局の説明があったように、第二京浜国道と、これに交差する一方通行の区道に接する角地にあります。ここの角に、交通局所有の空地になっているところがあって、ベンチなどが置かれて、オープンスペースとして地域の方々が利用しています。この空地に面した駅舎に沿って道路の都市計画線があるわけです。道路拡幅を目的とした都市計画線がA3出入り口にエレベーターが設置できない理由になっているんです。
地域住民は、この場所に、都市計画の道路の指定がされたのは、本当に記憶にないくらい昔のことだった、いつになったら道路が拡幅されるかわからないのに、都営地下鉄を利用する人は、ずっと我慢をしなければならないのかと疑問を呈しています。道路の拡幅よりも、人を大事にするまちにしてほしいという要望について、交通局はどのように捉えられているんでしょうか。
高齢社会、車減少社会が今到来しているわけですけれども、これを直視した対応が必要ではないでしょうか。人に優しい公共交通機関にしていく上で、駅利用者の要望をどのように捉えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○野崎建設工務部長 中延駅につきましては、ワンルート確保のために設置したA4出入り口のエレベーターがございまして、東急大井町線中延駅との乗りかえ経路に係る段差は解消しております。
A3出入り口が隣接する国道及び区道は、将来拡幅予定があり、同出入り口へのエレベーター及びエスカレーターにつきましては、道路拡幅に支障しない部分にある局用地が狭く、構造上の問題があることから、設置は困難であると認識しております。
○河野委員 再度申し上げますけれども、交通局がバリアフリーの駅になる可能性を探るために、中延駅の現在の状況、特にA3出入り口の状況について流動調査をしたことは周りの人から歓迎されています。さらに可能性を探っていただくことをお願いするものなんですけれども、もう一点伺っておきたいと思います。
都営地下鉄の駅で、国や地方公共団体が所有する用地を活用して、バリアフリーを充実した、そういう駅はありますか。交通局が把握している状況についてお示しいただきたい。そして、実施されている場合は、その理由もお聞かせをいただきたいと思います。
○野崎建設工務部長 お尋ねの事例でございますけれども、新宿線西大島駅につきまして、ワンルート整備のため、隣接する区民センター敷地内にエレベーターを設置した例がございます。
こういった事例につきましては、あくまでもワンルートの早期整備ということを目的に協力を仰いでいるということでございます。
○河野委員 請願について意見を申し上げて質問を終わりたいと思います。
品川区は人口がふえている区です。大規模な開発が進んでいて、今後も人口は増加すると思います。都営浅草線中延駅の利用について、乗降客はどのように推移するのか、交通局として、ぜひこの問題で調査や推計を出してもらいたいと、この機会に要望しておきます。
交通局は、一つに、都市計画道路の計画線があるから設置は無理、二つには、火災対策の基準に基づいて、避難通路として階段の幅員一・五メートルが確保できないから構造上困難などなど、エレベーターやエスカレーターの設置ができない理由を幾つも挙げておられます。
しかし、私は現地に行って感じましたけれども、道路管理者など、関係機関と交通局が協議して、方策をさらに検討すれば、地域の人たち、乗降客の要望に沿った駅の改善は不可能ではないと、そういうふうに感じました。
私が住む江戸川区の都営地下鉄新宿線一之江駅、ここは、区有地の西側広場を使って、改札階までのツールート目のエレベーターが設置されて、駅利用者から喜ばれています。これは、駅前広場が道路ということの位置づけで、道路占用という形でのツールート目の確保になるそうですけれども、私は、浅草線の中延駅も、都市計画決定に関しての権限を持つ東京都都市整備局、道路管理者の国土交通省、そして品川区など関係機関との協議を行ってほしいと思うんです。
交通局は、A3出入り口から約百メートル離れたところにあるA4出入り口のエレベーターを使えばいいというか、そんなことをおっしゃっているようなんですけれども、ここは乗降客がほとんどいませんでした。多数の乗降客が切望しているA3出入り口のバリアフリー化に向けて、ぜひ今後とも、可能性を見出す努力をお願いしておきたいと思います。
請願については、願意妥当と判断いたしまして、採択をお願いしたいと思います。
以上です。
○川松委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○川松委員長 起立少数と認めます。よって、請願三〇第八号は不採択と決定いたしました。
請願の審査を終わります。
以上で交通局関係を終わります。
○川松委員長 これより水道局関係に入ります。
初めに、中嶋水道局長並びに経営改革推進担当部長から発言の申し出がありますので、これを許します。
○中嶋水道局長 去る十一月二十二日、本委員会におきまして、当局が公正取引委員会の立入検査を受けた件について、状況をご説明させていただいたところでございます。
その後、調査特別チームによる調査が続けられました結果、このたび、当局職員が受託事業者に対し、契約に関する情報を提供した事実が判明いたしました。
契約に関する情報の漏えいは、水道局の事業運営に対してはもちろんのこと、都政への信頼をも損なう重大な非違行為であり、私どもといたしましても極めて重く受けとめております。都民の皆様方、また、委員の皆様方に多大なご迷惑をおかけしましたことを心からおわび申し上げます。まことに申しわけございませんでした。
本日は、この後、報告事項といたしまして、調査特別チームによる中間報告を職員部長よりご説明させていただきます。
本報告で掲げました再発防止策を徹底し、都民の信頼回復に局一丸となって全力を尽くしてまいりますので、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○石井経営改革推進担当部長 貴重な質疑のお時間を頂戴いたしまして、まことに申しわけございません。
十一月二十二日に行われました本委員会の事務事業質疑におきまして、斉藤委員からのご質問に対する答弁に際し、事実の誤認がございました。
具体的には、斉藤委員からのPUCの経営プランに、人件費抑制のため専任社員制度を導入したとあるが、水道局は認めているのかというご質問に対しまして、私から、専任社員制度により人件費を抑制するとの記載はないと株式会社PUCから聞いていると、また、手元に持ち合わせておりました経営改革プランの冊子にも人件費抑制のような言葉はないという旨の答弁をさせていただきました。
しかし、事実といたしましては、総務局のホームページに掲載されていた株式会社PUCの経営改革プランのうち、主要事業分野に関する分析のページの中に、執行体制の強化と人件費抑制のため、専任社員制度を導入したとの記載がございました。このような事実の誤認がありましたことを委員の皆様方におわび申し上げますとともに、答弁を訂正させていただきたいと思います。
今後は、このようなことのないよう十分確認の上、答弁するよう気をつけてまいります。大変申しわけございませんでした。
○川松委員長 発言は終わりました。
なお、水道局所管委託契約に関する件につきましては、後ほど、水道局所管委託契約に係る談合疑いに関する調査特別チームによる中間報告についての報告事項として改めて聴取し、質疑を行いますので、ご了承願います。
また、過日の委員会における答弁につきましては、理事者の皆さんに申し上げます。
今後は、ご答弁に当たっては十分に事実関係を確認するとともに、委員はもとより、全ての都民の皆様に対して、より一層誠実な姿勢で委員会に臨んでいただきたいと思います。このことを委員長として申し上げます。よろしくお願いいたします。
○川松委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
初めに、東京都工業用水道事業の廃止に向けた利用者への説明状況について報告を聴取いたします。
○石井経営改革推進担当部長 お手元に配布してございます資料1をごらんください。
東京都工業用水道事業の廃止に向けた利用者への説明状況につきましてご報告いたします。また、条例案可決後の事業廃止に向けた取り組み状況につきましても、あわせてご報告をいたします。
それでは、一ページ目をお開き願います。項番1、工業用水や一般雑用水をご利用のお客様への説明状況です。
平成三十年第三回都議会定例会において東京都工業用水道条例を廃止する等の条例が可決されたことを受け、工業用水道事業の廃止の概要等について、工業用水や一般雑用水をご利用のお客様へ情報提供をいたしました。
(1)、実施時期についてですが、本年十月三十一日から順次お客様を個別に訪問しております。
(2)、説明内容についてですが、工業用水道事業の廃止や事業廃止に伴う支援、上水道への切りかえに向けた調整について、お客様へご説明をしております。
二ページ目をお開き願います。(3)、実施状況についてです。
工業用水や一般雑用水をご利用のお客様三百十件のうち二百三十八件に説明しており、残る七十二件につきましては、十二月中を目途に訪問する予定でございます。内訳は下の表のとおり、工業用水をご利用のお客様と、そして一般雑用水をご利用のお客様別に、対象者、説明済み、今後訪問の件数をお示ししてございます。
三ページ目をごらんください。項番2、工業用水や一般雑用水をご利用のお客様からの意見です。
現時点では、工業用水や一般雑用水をご利用のお客様百二十三件から意見をいただいております。内容といたしましては、事業廃止についての意見は少なく、支援策や切りかえ工事など、今後の取り組みについて多くの意見が寄せられております。
(1)、支援策に関する意見の内訳についてですが、ページ下、左の円グラフをごらんください。
こちらは支援策に関する意見の内訳を示したものです。支援策に関する具体的な意見、要望の割合が全体の約七割を占めております。
次に、(2)、切りかえ工事に関する意見の内訳についてですが、ページ下、右の円グラフをごらんください。
こちらは切りかえ工事に関する意見の内訳を示したものです。施工時期や施工方法など、上水道への切りかえに向けた具体的な意見が全体の約八割を占めております。
四ページ目をお開き願います。(3)、支援策に関する主な意見です。
お客様から寄せられました支援策に関する主な意見について、具体的な意見、要望、支援策の是非、支援策への追加要望、その他の項目別に、内容及び意見数をお示ししております。
五ページ目をごらんください。(4)、切りかえ工事に関する主な意見です。
お客様から寄せられました切りかえ工事に関する主な意見について、施工時期、施工方法、全体的な相談の項目別に、内容及び意見数をお示ししてございます。
六ページ目をお開き願います。項番3、集合住宅居住者への説明状況です。
工業用水道事業の廃止の概要等について、集合住宅居住者へ情報提供をした内容となっております。
(1)、実施時期についてですが、本年十一月十三日から順次集合住宅居住者へ資料を送付しております。
(2)、説明内容についてですが、工業用水道事業の廃止や事業廃止に伴う支援について、お客様へ説明をしております。
(3)、実施状況についてですが、対象戸数三万三千七十七戸のうち、三万一千五百十六戸に資料を送付しており、残る千五百六十一戸につきましては、管理組合等からの要請により、各戸への直接送付は行わず、管理組合等へ説明の上、管理組合等宛てに資料を送付しております。
七ページ目をごらんください。項番4、集合住宅居住者からの意見です。
資料送付後、水道局お客さまセンターに、料金や切りかえ工事に関する四十五件の意見が寄せられております。
(1)、料金に関する意見の内訳についてですが、ページ下、左の円グラフをごらんください。こちらは料金に関する意見の内訳を示したものです。
工業用水道事業の廃止に伴う料金への影響に関する問い合わせや料金差額補填に対する意見の割合が多くなっております。
次に、(2)、切りかえ工事に関する意見の内訳についてですが、右の円グラフをごらんください。
こちらは切りかえ工事に関する意見の内訳を示したものです。施工方法、施工時期や費用負担など、上水道への切りかえに向けた今後の調整内容を確認したいとの問い合わせの割合が多くなっております。
八ページ目をお開き願います。(3)、料金に関する主な意見です。
お客様から寄せられました料金に関する主な意見について、料金への影響、料金差額補填の項目別に、内容及び意見数をお示ししております。
次に、(4)、切りかえ工事に関する主な意見です。お客様から寄せられました切りかえ工事に関する主な意見について、施工方法、施工時期、費用負担の項目別に、内容及び意見数をお示ししております。
九ページ目をごらんください。項番5、条例案可決後の廃止に向けた取り組み状況でございます。
(1)、上水道への切りかえに向けた取り組みですが、本年十一月に、工業用水道の給水区域内に現地事務所を開設し、現在、切りかえに関するお客様との合意に向け、お客様を個別に訪問し、支援策や切りかえの実施手順等につきまして順次説明をしております。
また、工業用水や一般雑用水をご利用のお客様につきましては、個々のお客様の意見、要望を踏まえ、平成三十一年度から実施する上水道への切りかえ計画等について、局内検討会の場などで検討をしております。
集合住宅につきましては、施工時期や来年一月以降に実施するお客様への説明方法などについて、賃貸住宅の建物所有者や分譲住宅の管理組合等と本年十二月中を目途に協議を開始いたします。
次に、(2)、支援策についてですが、料金差額補填の実施方法や節水対策に資する設備の設置支援に向けた手続等について、庁内検討会及び局内検討会等で検討をしております。
また、今後、お客様の要望などを踏まえ、節水対策について庁内検討会で検討をしていきます。
一〇ページ目をお開き願います。(3)、国との調整についてでございますが、工業用水法に規定がある地域指定の要件に関する法解釈について、現在、局内検討会等で検討しております。今月中に都としての案を国へ提示し、工業用水道事業の廃止後においても、指定地域の継続をするよう調整をしていきます。
また、草木ダムにおける工業用水道の水源につきましては、水道水源として活用する方向で検討中であり、国とも調整をしております。今後、国以外の関係者に対しましても、必要な手続について調整をしてまいります。
次に、(4)、廃止コストの縮減についてですが、資産の有効活用などについて、現在、局内検討会等で検討をしているところでございます。
工業用水道事業が保有する三園浄水場の土地建物など水道事業との共有資産やダム使用権などの無形固定資産は、水道事業への有償移管を検討しております。また、旧南千住浄水場用地等の土地につきましては、第三者等への売却を検討しております。
さらに、工業用水道の配水管約三百四十三キロメートルのうち約五十八キロメートルについては、管の中に新しい水道管を挿入して、水道事業に活用することとしております。また、他のライフライン事業者に対しましても、転用に向けた調整を実施しております。
今後、さらなるコスト縮減について検討をしてまいります。
説明は以上になります。今後とも、引き続き工業用水道事業の廃止に向けた取り組みを一つ一つ着実に進めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
○川松委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○斉藤委員 資料要求の方をお願いしたいと思います。
庁内検討会の関係各局及び関係団体の所管事項の一覧。
もう一つ、現在利用されている事業用雑用水の用途の一覧。
それから、上水道へ切りかえた後に現行の水道料金の減免を受けられる事業者の数。
それから、下水道への排水基準を守るために工業用水を利用または設備を設置している事業者の数の業種別一覧、お願いしたいと思います。
○川松委員長 ほかにございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○川松委員長 ただいま斉藤委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川松委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○川松委員長 次に、契約の締結について報告を聴取いたします。
○志村経理部長 工事請負契約につきまして、お手元の資料2、契約締結報告書によりご報告申し上げます。
本日ご報告申し上げますものは、平成三十年八月一日から平成三十年十月三十一日までの間に契約を締結いたしました予定価格が一件九億円以上の工事請負契約二件でございます。
表紙をおめくりいただきまして、一ページをごらんください。こちらは、本日ご報告を申し上げます契約二件の総括表になっております。
以下順次、契約の概要についてご説明申し上げます。
二ページをお開き願います。1、金町浄水場統合監視制御設備整備工事(その二)でございます。
本件は、金町浄水場の送配水ポンプ所の統合監視制御設備につきまして、改造及び新設工事を行うものでございます。
契約の方法は特命随意契約、契約金額は十一億七千七百二十万円、契約の相手方はメタウォーター株式会社でございます。案内図につきましては三ページに、平面図につきましては四ページにそれぞれお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
五ページをお開き願います。2、拝島給水所から昭島市美堀町四丁目地内間送水管(二千ミリメートル)トンネル内配管及び管理用立坑築造工事でございます。
本件は、送配水施設整備事業の一環として、昭島市拝島町五丁目三番地内の拝島給水所から昭島市美堀町四丁目十三番地内間に送水管の新設及び管理用立て坑の築造工事を行うものでございます。
契約の方法は一般競争入札、契約金額は十五億九千百三十八万円、契約の相手方は株式会社錢高組でございます。全体図及び案内図につきましては六ページにお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
以上、簡単ではございますが、ご報告を申し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○川松委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川松委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
○川松委員長 次に、水道局所管委託契約に係る談合疑いに関する調査特別チームによる中間報告について報告を聴取いたします。
○金子職員部長 先ほど委員会冒頭におきまして、中嶋局長からおわびを申し上げましたが、改めまして、当局の職員により、契約に関する情報を受託事業者に漏えいするというコンプライアンスに反する行為がありましたことを心からおわび申し上げます。
私からは、お手元に配布しております資料3により、水道局所管委託契約に係る談合疑いに関する調査特別チームによる中間報告についてご報告させていただきます。
なお、公正取引委員会の調査は現在も継続中でございますが、本報告内容につきましては、都独自に調査をして判明した事実をまとめたものでございます。
それでは、資料一ページをお開き願います。項番1、調査の概要をごらんください。
(1)、に事実経過を整理してございます。
水道局が七つの浄水場の浄水場排水処理施設運転管理作業委託における談合の疑いで、公正取引委員会の行政調査を受けた際、当局の職員が契約に係る情報を漏えいした可能性があるとの報道がございました。これを受け、関係局による調査特別チームを設置し、集中的な調査を行ったものでございます。
(2)、水道局職員への調査でございます。
アからエにございますとおり、水道局関係部所長等によるヒアリングを百七十名に、水道局監察部門による事情聴取を三十一名に、浄水部関係全職員に対する記名式チェックシートを一千七十七名に、総務局コンプライアンス推進部による特別監察を四名に対して実施しております。
(3)、当該業務に係る調査でございます。
浄水場排水処理施設運転管理作業委託の主な業務は、浄水処理過程で発生する沈殿物を脱水処理する機械の運転管理を行うものでございます。排水処理施設が停止した場合、浄水場全体の機能停止を招くため、重要な業務となってございます。
続いて、項番2、調査により判明した事故に相当する事実をごらんください。
調査の結果、水道局職員が平成二十二年度から平成二十五年度までの間に、複数回、受託事業者に対して、複数単価契約による翌年度の設計単価に関する情報を示したという事実が判明いたしました。その見返りに便宜供与を受けた事実は確認されておりません。
なお、事故の背景につきましては、本日、参考資料として配布してございます報告書の七、八ページに詳細を示しておりますが、公正取引委員会の調査への影響がないよう、当該職員と当該浄水場につきましては匿名とさせていただいております。
二ページをお開き願います。項番3、当該委託業務の分析をごらんください。
(1)、委託の経緯でございます。
平成十三年度に、契約方法を従来の特命随意契約から指名競争見積もり合わせ方式に移行して以来、各浄水場とも、受託事業者は現在までほぼ同一となっております。
(2)、当該委託業務及び水道局における類似事例の分析をごらんください。
当該委託業務に関する事業者へのヒアリングや水道局における当該委託業務との類似事例の調査を実施いたしました。
項番4、水道局における原因分析と再発防止策をごらんください。
(1)、要因、問題点、背景でございます。
アでは、今回の事故に係る分析から直接導かれる要因等を整理してございます。(ア)から(エ)までございますとおり、職場環境の問題、受託事業者側への過度の信頼、職員が自発的に申告する仕組みが機能していなかった、より競争性を発揮するための不断の見直しが不十分という要因がございました。
さらに、イでは、局事業の構造的な面から推察される要因等についても考察してございます。(ア)から(ウ)までにございますとおり、企業からの働きかけを受けやすく、外部からのチェックが緩い、受託事業者と密接な調整が必要な職場環境、業務に対する新しい視点やチェック機能が入りにくいということが考えられます。
三ページをお開き願います。以上のような要因を踏まえ、水道局における再発防止策を(2)にまとめてございます。
アは、事故から直接導かれる事項の改善策でございます。(ア)、排水処理作業委託を抜本的に見直します。(イ)、積算業務を本庁で一括し、現場業務から分離いたします。(ウ)、情報漏えい防止のための事業者側への対策を強化してまいります。(エ)、職員が自発的に非違行為を申し出るように促す仕組みをつくってまいります。
次のイですが、局事業の構造的な面から推察される事項の改善策でございます。(ア)、委託の設計、積算をシステム化し、局内の情報管理を徹底してまいります。(イ)、委託契約情報の事後公表を拡大してまいります。(ウ)、職場内で不正を発見、防止する体制を構築してまいります。(エ)、有識者による第三者コンプライアンス委員会を設置いたします。
以上の再発防止策につきまして、順次実施してまいります。
項番5をごらんください。都庁全体を俯瞰した視点からの分析及び取り組みの方向性でございます。
事故を発生させてしまいました私ども水道局の視点に加え、都庁全体を俯瞰した視点からも、背景、原因の分析及び再発防止策の検討を行ってまいります。
最後に、項番6をごらんください。今後の予定でございますが、公正取引委員会による行政調査は継続中であるため、都としましても、今後、必要に応じて調査を続けてまいります。公正取引委員会の調査結果が公表され次第、それを受けた最終報告書を取りまとめ、必要な措置を講じてまいります。
報告は以上でございます。
このたびは多大なご迷惑をおかけし、まことに申しわけございませんでした。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○川松委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○保坂委員 私からは、先月十一月二十九日に都が公表されました今回の水道局所管委託契約に係る談合疑いに関する調査特別チームによる中間報告について質問をいたします。
発端は、十月三十日、浄水場の委託業務における談合の疑いに関し、水道局が公正取引委員会の行政調査を受けました。それを受けて、直後の十月三十一日、都は、調査特別チームを立ち上げ、独自に調査を開始しました。いまだ公正取引委員会の調査は継続中と聞いておりますが、先週十一月二十九日には、中嶋局長みずからが記者会見を行い、調査特別チームの中間報告を発表され、本日の質疑に至っております。
中間報告においては、平成二十六年度の情報漏えい事件に引き続き、現職の職員が情報漏えいの事実を認めたことが明らかにされており、まことに遺憾であります。
こうしたことから、調査特別チームの調査結果、原因分析や再発防止策などについてさまざまな側面から伺ってまいります。
まず、前回、平成二十六年の情報漏えい事件を教訓にして、これまで都はどのような取り組みを進めてきたのか、改めて伺います。
○金子職員部長 平成二十六年度の情報漏えい事件は、職場における情報管理、チェック体制や契約事務手続に不備があったことから発生したと認識しています。このことを教訓に、情報管理をより徹底するため、契約等に携わる監督職を対象とした研修を実施し、職員の情報保持意識の徹底を図ったほか、工事の積算を行うシステムにおきまして、最低制限価格欄を非表示とする改善を行いました。
また、毎年実施する自己申告の面接時に、局独自のチェックシートを用いまして、管理職員が汚職に関する認識を職員に直接確認するなど、汚職根絶の取り組みを強化いたしました。
こうしたさまざまな取り組みを継続して行うことにより、汚職等の発生防止に努めてまいりました。
○保坂委員 前回の事件を踏まえて、今お答えいただいたようなさまざまな再発防止の取り組みを行っていたにもかかわらず、再びこのような事故が起こってしまいました。事故の原因を明らかにし、再発防止につなげていくためにも、調査特別チームの調査結果などについて幾つか確認をしていきます。
内部調査は、職員に対してヒアリングやチェックシートでの調査をベースにしておりますが、本当にそれだけで十分といえるのでしょうか、見解を伺います。
○金子職員部長 今回の調査では、局の関係部所長によるヒアリング調査、局監察部門による事情聴取、チェックシートによる調査など、都として、現時点までにできる限りの調査を実施いたしました。
これらについて、少々長くなりますが、時間をいただき説明させていただきます。
関係部所長によるヒアリング調査では、七浄水場の当該委託契約の設計金額を知り得た職員百七十名に対しまして調査を実施いたしました。
調査対象とした職員の所属は、当局の七浄水場のほか、浄水部管理課、浄水課、総務部主計課、経理部契約課でございます。そのうち、平成二十三年度から平成二十九年度の七年間に在籍した職員を対象といたしました。
また、局監察部門において、情報漏えいの事実を認めた職員が在籍していた浄水場における平成二十一年度から三十年度の当該委託業務の設計担当者、その管理監督者について、死亡者を除く元職員も含め、計三十一名について事情聴取を実施いたしました。--申しわけありません、続きがございます。さらに……(発言する者あり)申しわけございません。
さらに、事件が判明した浄水部系列に在籍している職員のうち、病気等の長期不在者を除く一千七十七名を対象に、汚職に関する質問など三十二項目をチェックシートにより調査いたしました。
当局において実施したこれらの調査では、聴取者自身の供述だけではなく、その前任、後任、上司、部下にも確認をとり、情報漏えいの有無がなかったか、できる限り客観的に確認いたしました。加えて、局監察において情報漏えいの事実を認めた職員A及びその関係者計四名については、総務局による特別監察において事情聴取を実施いたしました。これらのきめ細かな調査の結果、現時点では、他に情報漏えいの事実は確認されておりません。
これらの調査に加えて、今後、中間報告書に記載した再発防止策として、職場相互点検週間におきまして、チェックリストに基づき、文書や机回り、スケジュール等について課内での相互点検を実施し、職場内で不正を発見、防止する取り組みを行ってまいります。
また、職員の自発的な申告へのインセンティブとしまして、事前に申告した場合に懲戒処分の量定を軽減することができる現在の仕組みを改めて全職員に周知することに加え、自発的な申告がなかった場合には、原則として懲戒処分の量定を加重する仕組みを新たに取り入れてまいります。
こうした取り組みにより、不断のチェックを行ってまいります。
○保坂委員 内部調査では、ほかに情報漏えいは今確認ができなかったということですが、この調査の中で情報漏えいを認めた職員Aに関する事実確認などについて、さらに詳しく伺っていきます。
内部調査によると、職員Aが情報漏えいを行った時期は、平成二十二年度から二十五年度ということですが、今年度も変わらず同じ事業者に委託していることから、職員がかわれど、申し送りなどで今も情報漏えいが続いている可能性も否定できないと考えます。見解を求めます。
○金子職員部長 この調査では、職員への事情聴取に加え、同一業者による落札が継続した事情等を把握するため、これまでの入札参加者等複数の事業者を対象にヒアリングを実施いたしました。
その結果、製造会社等及び連続して受注する会社には、故障時等への対応や作業員への確保等の面から競争上の優位性があり、同一事業者の落札が続きやすい環境にあるとのことでございました。
こうしたことから、同一事業者が毎年度受託していることと情報漏えいは必ずしもリンクしないとの考えもございますが、当局としては、そのような事実が継続しているか否かについて、職員への事情聴取を通じて調査する必要があると考え、局監察部門において確認を行いました。
その中で、職員Aの在籍期間を含め、平成二十一年度から三十年度までのX浄水場における当該委託の設計担当者、管理監督者等を対象に事情聴取を実施し、聴取者自身の供述だけではなく、その前任、後任、上司、部下にも確認をとり、情報漏えいがなかったか、できる限り客観的に確認いたしました。
その結果、現時点では、職員A以外の情報漏えいの事実が確認されていないことを報告書で報告いたしました。
○保坂委員 職員Aに関連する人物についても一通り確認をされ、情報漏えいの継続性は薄いという見解も確認ができました。
情報漏えいの事実を認めた職員Aに対しての情報漏えいに至った背景などが報告にありますが、なぜ平成三十年の今になって約五年前のことが掘り起こされたのでしょうか、見解を伺います。
○金子職員部長 当局では、自己申告制度における職員と管理職との面接の中で、過去の非違行為について申告する機会を設定してございます。職員Aは、その機会に当該非違行為を申告していなかったため、約五年間発覚しませんでした。これは過去の非違行為について職員が自発的に申告する仕組みが機能していなかったためと認識しております。
○保坂委員 今の回答で、非違行為を申告する機会があったにもかかわらず、申告していなかったとのことですが、そもそも職員Aは、情報漏えいをしたという認識はあったのでしょうか。なぜ申告をしなかったと説明しているのか伺います。
○金子職員部長 職員Aは、内部調査において、受託事業者に対して翌年度の設計単価に係る情報を示したと思う、また、受託事業者からの契約情報提供の依頼に対して、これくらいの情報は問題ないだろうとの気持ちから漏らしても構わないと考えたと説明しております。
こうした職員Aの説明内容からすると、契約に関する情報の管理に対する職員Aの認識の甘さにより非違行為の申告に及ばなかったものと考えております。
○保坂委員 認識の甘さゆえに申告するほどのことではないと考えたということでありますね。
報告書によれば、職員Aだけではなく、業者から契約にかかわる情報を聞かれた職員はほかにもいたとのことです。そこで契約に関する情報を聞かれた職員は、なぜ報告しなかったのでしょうか。それを受けて、今後の内部通報制度をどう改善していくつもりなのか伺います。
○金子職員部長 関係部所長によるヒアリングにおきまして、事業者から契約情報について聞かれたことがあると証言した職員は三名でございました。
これらの職員は、いずれも事業者への回答を拒否し、その後、事業者から再度の質問もなかったことから、探り行為や働きかけには該当しないため、上司への報告はございませんでした。このため、二名は報告しておりませんが、一名は、事業者から契約情報について聞かれたことを報告しております。
こうしたことから、今回の職員の行動に内部通報制度上の問題はなかったと考えておりますが、今後も、探り行為や働きかけがあった場合の上司への報告等につきまして適切に行っていくことを徹底してまいります。
○保坂委員 現場で三名の職員が実際に同じ事業者から契約情報について聞かれたが、それぞれ一回のみで、拒否しており、探りには当たらないと各職員が判断されたことは間違いではないと思います。
ただし、契約について聞かれた事実を必ず上司に報告するマニュアルさえあれば、今回、三名のうち一名だけが上司に報告するといった現場判断ではなく、仮に全て報告が上がっていれば、上司は、一回ではなく三回も発生したことを把握することで、探り未遂行為として捉え、職員に注意喚起するなど、何らかの対策を打つなど初期対応ができたのではないかと考えます。そう考えると、組織内のリスク管理に甘さがあったといわざるを得ません。今後は、上司への報告マニュアルについても、より厳格に定めていくことを要望いたします。
今後は、情報漏えいが発生するリスクという観点から、OBの関与などについても確認をしていく必要があります。前回の事件では、職員が水道局OBに情報漏えいをしております。今回の事件でもそういったことがあったのではないでしょうか。
そこで、局OBからの関与はなかったのか、また、OBや業者との接触について、書面などで記録するなどの内部ルールはあるのか伺います。
○金子職員部長 ご質問にお答えする前に、ご指摘の探り行為に関する報告につきましては、お話の趣旨を踏まえまして、今後検討してまいりたいと考えております。
OBや業者との接触について書面で記録するなどの内部ルールについてでございますが、元職員を含む職員への調査の結果、水道局OBの関与の事実は確認されておりません。
また、利害関係者との接触の指針や東京都水道局職務に関する働きかけについての対応要綱におきまして、OBや利害関係者等の部外者の執務室への入室を規制するとともに、名札の着用や来訪者受け付け簿等による入室管理を徹底しております。
さらに、職員が職務に関する働きかけを受けた場合、要綱に基づき対応記録票に残すことになっております。
○保坂委員 OBからの関与は確認できなかったとのことですが、OBや業者との接触は厳格に管理しなければならないと考えます。このため、OBや業者との接触については記録に残る形としておりますことは、不適切な関係を未然に防止する上で効果的でありますので、今後も徹底していただきたいと要望します。
続いて、今回の情報漏えいに至った原因分析と再発防止などについて幾つか質問をいたします。
今回の中間報告には、事故の背景として、初めて排水処理の業務につくことになった職員Aが部下や上司から十分なサポートが得られなかったとあります。本来、仕事というものは一人で行うものではなくチームで行うものであります。これが事実であれば水道局の組織が有効に機能していないことになり、重大な問題と考えなければなりません。
そこで、仮にそれが経験豊富な受託事業者を頼らざるを得なくなった原因だとすれば、そういう職場環境にも根本的な問題があったと考えますが、局の見解を伺います。
○金子職員部長 浄水場の組織は、課長、課長の補佐や部下の監督を行う課長代理のほか、平常業務はもとより突発時においても臨機応変に対応できるよう、課をまたぐ困難な課題解決や調整の中心役となる統括課長代理を配置しております。しかし、排水処理担当は、担当職員が少なく、職員の相互支援が十分でなかったと認識しております。
一方、職員Aは、内部調査におきまして、在籍当時、担当内にはベテラン職員がおり、相談はできたものの、所属長は所管している職員も多く、相談等の時間が十分とれず、突発時も迅速に対応する受託事業者を頼もしく思うようになっていたと説明しております。こうしたことから、職場環境には課題があったと考えております。
○保坂委員 初めての環境で仕事をするときは誰しもが不安を覚えるものです。事故が発生した職場に限らず、局全体の職場環境を確認して組織として十分な機能を発揮できるよう改善に取り組んでいただきたいと要望します。
これまで、職員や職場環境などについて質疑をしてきましたが、今回の事故の原因を分析するには契約の面からのアプローチも重要であります。このため、契約に関する再発防止策について何点か確認していきたいと思います。
調査特別チームの中間報告書の中で、今回疑いをかけられた排水処理施設運転管理業務委託と類似の契約の調査を行い、その結果、排水処理施設運転管理業務委託と類似の案件はないとのことです。
その一方で、施行管理担当者と設計、積算担当者が同一という案件が調査対象五十九件のうち約半数近く、二十四件もあるとのことですが、その理由は何でしょうか、伺います。
○志村経理部長 施行管理を担当する職員と設計、積算を担当する職員が同一である理由でございますが、これはそれぞれの業務委託の規模や性質により異なってまいります。
今回、実施いたしました類似事例の総点検の結果からは、施設の運転管理や工事資機材価格調査など、職員の配置が少ない中で効率的な業務執行が必要なものや水道資機材の運送などで実施している毎年実施する定型的で小規模な業務であり、担当職員を分離するに至らない業務であることなどから、同一の職員が実施しているものなどがございます。
○保坂委員 定型的で小規模な業務であり、担当職員を分離するに至らないなどの理由ということですが、再度の事故発生を防止するためには契約が適正に行われていることをチェックする仕組みが必要であると考えます。
そこで、これまで委託業務についての適正性を確保するための内部チェックは行っていたのでしょうか。また、今回の談合の疑いを受けて、再発防止策の中には、業務委託のチェック機能はあるのでしょうか、伺います。
○志村経理部長 業務委託の実施に当たりましては、まず、業務を所管する部署の段階におきまして、発注仕様の作成や委託料の積算事務を行う中で適正性の検証を行ってきてございます。
次に、経理契約所管部署の段階におきましても、契約締結等の内部決定手続の中で検証を行ってきております。
しかし、今回判明した事故に係る排水処理施設運転管理作業委託につきましては、より競争性を発揮させるための不断の見直しが不十分でございました。このため、今回の事故を受けまして、これまでの検証に加えて、入札契約結果の検証のために設置してきました談合防止を目的とする物品契約監視委員会と情報漏えい防止を目的とする工事契約監視委員会を統合し、新たに仮称契約監視委員会を設置するとともに、監視対象を業務委託契約に拡大するなど機能強化を図ってまいります。
また、委託契約情報の事後公表を拡大することで、談合の抑止力強化を図ってまいります。
○保坂委員 契約手続の監視体制の強化や委託契約情報の事後公表の拡大など、業務委託のチェック機能を強化したことは評価します。同時に、再発防止策の一つである総合評価方式についても確認していきたいと思います。
防止策の一つである総合評価方式への見直し時期が平成三十二年度となっていますが、あと二年近く先になるのは遅くはないでしょうか。なぜ次の平成三十一年度から実施しないのでしょうか、伺います。
○志村経理部長 総合評価方式による競争入札は、通常の入札以上に公正性、客観性を担保するための手続が必要となります。そのためには、客観的な落札者決定基準の策定と入札参加者による技術提案書の作成、さらには技術提案書の厳正な審査のための期間が必要となります。
また、当該業務の安定的な履行を確保するためには、落札者の決定から履行開始までの間に一定の業務引き継ぎ期間が必要となります。
さらに、地方自治法施行令では、総合評価方式の採用と落札者決定基準の策定、落札者の決定につきましては、学識経験者の意見を聞くこととしてございます。
こうした新たな入札契約方法導入のための手続を勘案いたしまして、排水処理施設運転管理業務委託における総合評価方式の採用は平成三十二年度からとしてございます。
○保坂委員 総合評価方式への見直しは、よい取り組みであり、平成三十一年度から実施できないのは残念ですが、見直しを適正に実施するためには、それなりの時間が必要ということは理解をいたしました。
これまで契約に関する再発防止策について質疑をしてきましたが、事業者へのペナルティーについても一つ確認をさせていただきます。
今後、公正取引委員会の調査対象となっている業者に、例えば、排除措置命令などの処分が出された場合には、どのようなペナルティーが科せられるのか伺います。
○志村経理部長 東京都発注の契約に関して、独占禁止法違反により逮捕または起訴された場合には九カ月以上二十四カ月以内、標準で十八カ月、排除措置命令等の行政処分等が行われた場合には七カ月以上二十四カ月以内、標準で十四カ月の指名停止となります。
また、当該契約に関して独占禁止法違反による排除措置命令等が確定した場合には、契約約款に基づき当該契約を解除することができるとともに、契約を解除するか否かを問わず、現時点での契約約款では、契約金額の百分の三十に相当する金額を損害賠償しなければならないと定めてございます。
さらに、契約解除が行われた場合には、地方自治法施行令第百六十七条の四に基づきまして、三年以内の期間において、都の発注する競争入札への参加が禁止されております。
○保坂委員 談合の事実が明らかになれば指名停止などの重いペナルティーがあるということがわかりましたが、入札価格がつり上げられたことによって、その負担を強いられるのは紛れもなく都民でありますので、厳正な対応を強く要望します。
これまで、今回の情報漏えいについての内部調査や原因の分析及び再発防止策などについて質疑を行ってきました。今回のような事故を二度と起こさないため、再発防止の取り組みを速やかに、また着実に行っていただくよう改めてお願いします。
平成二十四年度、平成二十六年度と、局職員が関係する不祥事が続く中、今回発生した職員の情報漏えいによって大きく損なわれた局の信頼を取り戻し、再発防止策を形骸化することなく実施していくためには、積極的な情報公開を行い、外部の目によるチェックを受けることが重要であると考えます。情報公開の徹底は、まさに再度の不祥事を防止し、都民の信頼を取り戻す一丁目一番地であると考えます。
そこで、最後に、都民からの信頼回復に向けた情報公開の徹底に関する局長の見解を伺います。
○中嶋水道局長 今回明らかになりました情報漏えい事故は、水道局がこれまで積み上げてまいりましたコンプライアンスに対する信頼を覆すものであり、極めて重く受けとめております。
これまで局内部では、過去二度の不祥事を経て、その都度、再発防止策をとり、また、事業運営のあり方や経営情報などにつきましては、従前から情報公開を推進してまいりましたが、これまでの取り組みでは不祥事を完全に防止できないと私自身痛感いたしました。
今回の事故を踏まえまして、今後、契約情報の情報公開をさらに拡大するなど、外部チェックを可能とする取り組みを推進してまいります。
加えて、新たに設置をいたします第三者によるコンプライアンス委員会で、外部の視点から、これまでの汚職等防止策や今後の再発防止策のみならず、局全体の事業運営のあり方につきましても対象として検証をしてまいります。
水道局の事業運営そのものから来る課題も掘り下げまして、情報公開の徹底による外部からのチェック機能を発揮させるなど、コンプライアンスに対する取り組みをより一層拡充することで、お客様、都民の皆様の信頼回復に向け全力を尽くしてまいります。
○保坂委員 ただいま局長から、情報公開の徹底と信頼回復に向けた決意が示されました。
今回の情報漏えい疑惑の発覚を受けて、先月、水道局は、都民に情報を開示していくために、すぐにできる対応として、発信力のある水道局ホームページを活用し、すぐに公正取引委員会の立入検査に関するご報告とおわびという専用のバナーを作成され、これまで以上にわかりやすく情報開示をする対応をいただきましたことは評価をいたします。
さらに、今回の事故を教訓として、都民からの信頼に、信任に応えていくためには、職員一人一人が意識改革を行い、再発防止策に取り組んでいくことが重要不可欠であります。
情報公開も含めた再発防止策をぜひ徹底していただき、都民の信頼を一日でも早く取り戻していただくことを強く要望して、私からの質問を終わらせていただきます。
○舟坂委員 水道局では、過去二回、平成二十四年度、二十六年度と汚職事件が発生し、その都度、再発防止策を策定し、再発防止に万全を期すとしてきました。しかし、今回このような事故が発生したことは、都政への信頼失墜に直結する極めて深刻な事態であり、大変遺憾であります。
まず、この事故の責任は誰がとるのかをお伺いいたします。
○松丸総務部長 平成二十四年の収賄事件では、事故者を懲戒免職処分にするとともに、局長を初め管理監督者を減給等の処分といたしました。また、平成二十六年の情報漏えい事件では、事故者三名を停職処分にするとともに、管理監督者を減給等の処分といたしました。
今回の事故におきましては、公正取引委員会の調査が継続中でございます。調査状況を勘案しながら、今後厳正に対処してまいります。
○舟坂委員 現在、公正取引委員会の調査が継続中ということではありますが、都民感覚からしても、責任はしっかりととってもらうことが絶対に必要であります。
そして、これ以上都民の信頼を裏切らないために今なすべき最も重要なことは、今回発生した原因をしっかりと究明するとともに、次の事故を絶対に起こさないための万全な対策を速やかに講じることに尽きるということを強く強く指摘しておきます。
今回の報告書を見ても、契約や組織、そして職員の意識いずれにも課題があったことは明らかであります。
まず、談合の疑いがあるとして公正取引委員会の調査が入っているということで、契約制度に目を向けると、報告書では、談合を防止するための対策として、複数年契約や総合評価方式の導入などを見直し、さらには、受託可能な事業者の新規参入を促進する入札参加条件と発注仕様の見直しなど多くの対策が掲げられております。
こうした対策は、これまでも当然にやっておくべきことであるというふうに考えられます。こうした点にも、責任の所在を明らかにしていくことが必要であると考えます。責任問題とは別に、一刻も早く対策を実施に移すよう指摘しておきます。
また、今回の事故は、職員が情報を漏えいしたことが一番のポイントであります。
報告書には、職員一名が平成二十二年度から二十五年度までの間に複数回、受託事業者の所長に対して契約に関する情報を示した。しかし、職員が情報提供の見返りに便宜供与を受けた事実は確認されていないということであります。
しかし、平成二十二年度から二十六年度にかけて、過去二回の汚職事件の発生時期と重なるときでもあり、全職員の再発防止対策が何ら働いていないことも明らかであります。
このような状況から、今回の事故を考えると、やはり組織の問題、そして何より、職員の意識に課題があったのではないでしょうか。有効な再発防止策を立てるには、何よりも徹底した原因分析が必要となります。
そこでまず、どうして浄水場の排水処理という職場で今回の事故が起きたのか、職場環境に焦点を当てて確認をいたします。
浄水場排水処理施設運転管理作業委託ですが、この業務については、報告書によると、大変重要な業務であるとありました。
まず、浄水場の排水処理を担当する職員の所属する職場の具体的な実態についてお伺いをいたします。
○青木浄水部長 浄水場の排水処理においては、脱水機の機械運転等を浄水場排水処理施設運転管理作業委託として民間事業者に委託しております。
排水処理担当は少数の職員で、この委託に係る受託事業者の管理監督などの施行管理や設計、積算業務を担っております。このため、脱水機のトラブル対応や作業の打ち合わせなどで受託事業者から連絡があれば、職員が速やかに現場に赴き指示を行うこととなります。その場合、少数の職員で対応せざるを得ないため、今回の該当職員に限らず、やむを得ず受託業者と一対一になる状況もございました。
また、委託に係る設計、積算業務に必要な積算資料などの厳格管理情報でございますが、鍵のかかる書庫に保管するなど、一定のセキュリティー対策は講じてまいりましたが、設計担当者以外の一部の職員もアクセスできる状況にございました。
○舟坂委員 担当の職員が受託事業者と一対一になることを誰も気がつかなかったのか、そして、受託事業者を管理する立場にある職員が積算価格を知っていることは情報漏えいの温床であったといわざるを得ません。誰が見ても疑問を持つであろうこのような状況が、なぜ今まで放置されていたのか、組織として機能をしていたのか、私は甚だ疑問であります。
そこで、浄水場における再発防止策について、しっかりと原因を分析したものとなっているのか、具体的な確認をしなければなりません。そこで、中間報告では、排水処理作業委託の根本的見直しとして、担当組織の大くくり化を進めるとのことですが、これによりどのように改善されるのかをお伺いいたします。
○青木浄水部長 今回の事故の直接的な要因の一つは、排水処理担当が少数の職員で業務に当たっており、担当者と受託事業者が一対一になり得る状況にあったと認識しております。これを踏まえ、排水処理担当と浄水施設担当を一つの担当として大くくり化をし、職員の相互支援や業務ローテーション体制の構築などを行うことで、排水処理作業委託の適切な施行管理を徹底してまいります。
職員の相互支援は、特定の業務を特定の職員のみが担当する体制から、各業務を複数の職員で担当することで、施行管理に関する知識を複数の職員が習得でき、幅広い視野で業務を遂行できるようになるとともに、不測の事態にも一人で業務を抱えることなく迅速な対応が可能となります。
また、業務ローテーション体制の構築は、担当業務を一定の期間で入れかえることで、受託事業者と必要以上に距離が近くなることを防止する取り組みでございます。
○舟坂委員 今の答弁にあった担当組織の大くくり化は、職員と受託事業者が一対一になることを完全に防止できる対策となっているのか、今後十分な再発防止効果が得られているのか、しっかり継続をして確認を怠らないようにすることは至極当然のことだと指摘しておきます。
さらに、もう一つの防止策は、積算業務を本庁で一括するということであります。これは、これまでは事業所で行っていた設計、積算業務を分割して、積算業務は本庁でやるとのことですが、これまで一体的にやってきた設計、積算業務を分割してやることが、再発防止にはもとより、本当にトータルで実効性を伴うのか確認をいたします。
そこで、この積算業務を本庁で一括するということはどういうことなのか、具体的方法をお伺いいたします。
○青木浄水部長 今回の事故の直接的な要因の一つは、受託事業者を管理監督する浄水場の排水処理担当職員が、委託契約の設計、積算業務を担っていたことにございます。
このため、各浄水場では、これまで知り得た積算単価などの情報を保持せず、積算の基礎となる予定業務量のみを算出することとし、本庁においては、浄水場で算出した予定業務量をもとに委託契約の積算金額を算定することで、浄水場において積算結果などの厳格管理情報を保持しない体制に改善してまいります。
この取り組みにより、各浄水場における作業委託を管理する担当者が、これまで知り得た厳格管理情報に触れる機会を排除することで情報漏えいを防止いたします。
○舟坂委員 そもそも受託事業者を管理監督する職員が予定価格を知らなければいいという考えかとも思いますが、部署がかわっても、予定価格などを聞き出そうとする行為はあるかもしれません。担当組織の大くくり化同様、確実に実施するべきです。職員の意識、公務員としての自覚、これが何より私は重要だと考えております。
今回と同じ情報漏えいの事故は、平成二十六年度にも起きております。このときには、現役の職員に加え、局OBがかかわっていました。現役の職員については、平成二十六年度の際も、局は事実関係の調査と原因究明を行い、再発防止策を策定し、これまで取り組んできたはずですが、今回の報告書を確認すると、事故を起こした職員は都の調査に対して、これぐらいの情報は問題ないだろうとの気持ちから漏らしても構わないと考えたと証言しているようです。これは事の重大さが職員一人一人に浸透していなかったということを明確にしているといわざるを得ません。
そこで、局はなぜ情報漏えいの事実を今まで把握できなかったのか、それに対してどのような対策を行っていくのかをお伺いいたします。
○金子職員部長 これまで自己申告時に職員の非違行為について確認してきましたが、職員の自発的な申告には結びつかず、情報漏えいの事実を把握できませんでした。
このため、非違行為に関する自発的な申告について、現在の申告した場合に懲戒処分の量定を軽減することができる仕組みに加え、新たに、自発的な申告がなかった場合は量定を加重する仕組みを取り入れ、職員の自発的な申告へのインセンティブを導入することといたしました。
今後は、自己申告の面接時に、この自発的な申告と懲戒処分の関係などについて詳細に説明した上で、過去に情報漏えい等の非違行為を行ったことがないかを確認いたします。
○舟坂委員 対策を強化していくということですが、制度や仕組みを変えたとしても、約四千人いる局職員のうち、一人でも汚職を軽い気持ちで捉えてしまうと、いつまた情報漏えい事故が発生するかわかりません。そうした事態を決して招かないよう、まずは今回の事故の重大さを職員一人一人に認識させ、職員の意識を変えていくことが何より重要であります。
今回の事故の発生を受けて、職員一人一人に事故の重大さをどのように伝えたのか、そして、今後、再発防止を含め、職員にどのように知らしめていくのかをお伺いいたします。
○金子職員部長 公正取引委員会の調査を受け、職員向け業務端末のポータルサイトに局長からのメッセージを掲載して、今回の事故が重大なことであることを周知いたしました。
また、調査特別チームが中間報告を行った日に局長名で通達を行い、これまで講じてきた汚職等防止策だけでなく、今回策定した新たな再発防止策の取り組みを徹底するよう周知いたしました。
今後は、全職員に毎年度、汚職根絶を宣言させる取り組みにより、職員一人一人に対して汚職防止の意識を浸透、定着させてまいります。
また、定期的に職員相互が他者の視点から業務の点検を行う取り組みを実施し、不適正な事務処理に気づくきっかけとするなど、事故防止の意識を継続させる工夫を重ねてまいります。
○舟坂委員 職員の意識に事故の重大さを浸透、定着させるため、さまざまな汚職防止策を継続して取り組んでいくことが必要であります。
さらに、これらの取り組みが形骸化しないような工夫をしていかなければならないことはいうまでもありません。職員は定期的に職場を異動いたします。そして、その担う業務も定期的に変わっていきます。このように職員が異動する中で、有効な再発防止策を継続的に実施していくために、どのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。
○金子職員部長 平成三十一年四月に、法曹関係者等の有識者から成る第三者コンプライアンス委員会を設置いたします。
この委員会では、今回の事故に関するこれまでの調査結果をさらに掘り下げて分析、精査するとともに、当局の特性に起因する問題分析を行った上で、再発防止策の検証や提言を行っていただきます。
委員会から得られた貴重な検証内容や提言は、より有効な再発防止策としてまとめた上で、毎年悉皆で行っている研修の内容に反映させることや定期的な職場討議の題材とすることにより、職員が異動しても、職場の取り組みとして定着させられるよう努めてまいります。
○舟坂委員 職員の汚職事件や再発防止意識を浸透する取り組みを継続的に実施するのは、言葉でいうのは簡単ですが、平成二十四年、二十六年、そして三十年と、これまでの水道局の対応を見ていると、現実には非常に難しいことではないでしょうか。職員の一人一人がコンプライアンスを遵守するという意識に緩みが出ないようにするために、実効性のある対策を全力を挙げて進めることを求めます。
今回の調査では、OBの関与はないと聞いておりますが、平成二十六年度の事件では、水道局のOBが関与しておりました。そこで確認をいたしますが、都総務局が先週公表した職員の再就職状況によると、水道局OBが三十四人再就職をしているとありました。これは決して少ない数字ではありません。なぜこのように多くの局OBが再就職しているのかをお伺いいたします。
○金子職員部長 水道局OB三十四人の再就職職員のうち、三十名が監理団体、報告団体に再就職しております。
また、当局の職員は、長年にわたり水道事業の第一線で業務に従事しており、実務面での技術、ノウハウを持っていることから、退職後、監理団体やその他の企業等で即戦力として経験を活用しているケースもございます。
○舟坂委員 確かに、一般的に水道業界にとどまる水道局OBが多いと見受けられます。これは、水道局に在籍しているときに長年にわたって蓄積した知識やノウハウを水道業界に生かすことができ、非常にメリットもあることだと考えられます。
一方で、局職員とOBとの接触がおのずと多くなり、汚職が発生する危険性が高くなる懸念が払拭できません。そのことを踏まえると、現役の職員だけが襟を正すのでは不十分で、水道局OBも襟を正す必要がある、そして、その関係についても厳格な対応が必要であると考えております。
局職員とOBとの関係について、局の見解をお伺いいたします。
○金子職員部長 局職員とOBとの関係につきましては、現在も利害関係者との接触の指針や東京都水道局職務に関する働きかけについての対応要綱に沿った、適正かつ厳格な対応を行っております。
今後も、OBとは、誤解を招くことのないよう指針などに基づいて、より一層厳正に対応してまいります。
○舟坂委員 ちょっと答弁短いかなとは思うんですが、現役職員は当然のこと、OBの不祥事についても断じて許されるものではありません。引き続き、厳正に取り組んでもらいたいと思います。
最後に、組織として、このような事故を繰り返さないよう、全体の責任者である局長の見解をお伺いいたします。
○中嶋水道局長 都の調査で、今回明らかになりました職員の情報漏えいの事実は、当局のコンプライアンスに関しまして、根本的な問題があるということのあらわれでございまして、局事業の責任者として、その重さと厳しさを痛感しております。
今回の事故を機に、全ての職場で全ての職員が情報管理を徹底できる抜本的な取り組みが必要と強く認識しております。過去二回の不祥事に加え、今回、事故が明らかになったことを重く見まして、今回の中間報告では、直接の引き金となった原因のみならず、事業を運営する上で、長らく当局職員の誰もが当然だと考えておりました局の構造的な面にも目を向けることといたしました。
今後、二度と事故を繰り返さないとの決意のもと、情報管理の徹底、職員のコンプライアンス意識の定着、調達の競争性、公正性の確保、地域独占という水道事業の特性と外部チェックの強化、また、先生ご指摘のOBとの関係も含めまして、幅広い視点で課題や問題点を捉え、将来にわたり不祥事を防止する対策を整えてまいります。
速やかに実行に移し、再発防止に局の総力を挙げて取り組んでまいります。
○舟坂委員 ただいま局長から再発防止に万全を期すとの答弁がありました。今の言葉に責任を持って取り組むことを我が会派は厳しく注視してまいります。
水道局を挙げて、そして全ての職員が全力を尽くして信頼回復に努めてもらうことを強く要望し、質問を終わります。
○加藤委員 私は、契約の面から何点か質問したいと思います。
報告書では、今回の事故の舞台となった業務委託の経緯が、昭和三十九年にまでさかのぼって書かれております。初めは水道局が直営で運転していたものを、高性能な機械の普及とともに、製造会社に対して特命随意契約により委託化し、さらに平成十三年度からは指名競争に移行したと、これまでの契約形態の変遷が述べられています。
ここで注目すべきは、指名競争に移行後、受注者は、ほぼ同一で現在に至っているという点です。指名競争は平成十三年度からなので、指名競争に移行してから十七年間も同じということになります。さらに特命随意契約の時代も含めると三十年以上に及ぶことになります。長いから悪いというつもりはありませんけれども、さすがに、この間競争が行われたかどうか疑問に思ってしまいます。
報告書では、機械の製造会社等には優位性がある、同一の業者が落札しやすい環境にあるなどと分析をしておりますけれども、毎年度の入札契約手続では、さまざまな業者が入札に参加して競争を行っているはずではないでしょうか。中には、新規参入に意欲を燃やす業者も、これまでいたというふうに思います。
今回の事故で、公正取引委員会から立入検査を受けたのは四者と報道されていますが、報告書では、七つの浄水場で受注者は三者とあります。なかなかこの入札状況の実態がわからないんですね。
そこで、これまでの入札参加者の内訳はどうなっているのか、また、年度ごとにどのような業者がこの契約の入札に参加していたのか伺います。
○志村経理部長 これまでの当該業務委託に係る競争見積もり合わせへの参加者の内訳でございますが、参加希望者の指名決定等、契約関係文書の保存期間が七年間と定められておりますので、七年前の平成二十三年度の契約以降の状況についてを把握してございます。
これによりますと、競争見積もり合わせへの参加者は、ほぼ全ての案件で、これまで当該業務委託を受託している三者と、受託実績はございませんが毎年参加している一者、合計四者となってございます。
○加藤委員 過去七年間ということなんですけれども、落札者だけでなく、入札参加者も、この立入検査を受けた四者だけだったということで、これはもう本当に驚きであります。この業務を受注できる業者は、全国くまなく探してもこの四者だけというのは、ちょっとにわかには信じがたいわけであります。
しかも、受注者は三十年に及び同じ業者ということであれば、これまで受注してきた三者が単なる数合わせで入札に参加をしていて、形だけ競争を行いながら受注を分け合ってきたというのは明らかではないでしょうか。こうした機械の運転管理業界の素人である私にもそのように見えます。談合と世間からいわれても当たり前と思います。
では、水道局は、なぜこのようなことを見過ごしてきたのか伺います。
○志村経理部長 当該業務委託の発注に当たりましては、競争見積もり合わせへの参加希望者を広く公募しており、参加資格を満たす者であれば誰でも参加ができることから、競争見積もり合わせへの参加は、事業者の自主的な判断によるものとこれまで認識してございました。
また、落札者が長期間にわたって同一である点につきましても、連続して受託する事業者は、当該業務委託の履行に必要な常駐作業員の確保や習熟のための手間やコストがかからないといったこととともに、履行に当たってのノウハウの蓄積が図られていることから、競争見積もり合わせにおける価格競争において合理的な優位性があるものと認識してございました。
しかし、こうした認識が当該業務委託契約をめぐる実態を見過ごし、競争性を発揮させるための工夫、見直しを十分に行ってこなかった結果につながっていたものと考えられます。
○加藤委員 今の答弁で、入札参加者は業者の判断と、同一業者が落札を続けるのは合理的な理由があるからだという認識は甘かった、誤りであったということを確認いたしました。発注に当たって競争を行わせているのだから、競争が行われるだろうと、競争ができているだろうと過信することなく、環境を整えていくのは局の役割であります。これまでの努力不足は大いに反省しなければなりません。
入札契約制度は、これが絶対的に正しいというものはなく、社会経済情勢や発注者である水道局、受注者である業者が置かれている環境や固有の事情を踏まえて不断の見直しを行っていくものであります。現状に課題はないか、常に点検し、何らかの工夫、見直しを続けていくことが大切です。
その一方で、談合は受注者により行われるものであることから、発注者である水道局だけで防止することができないということも、これもいうまでもありません。幾ら水道局が努力しても、受注者の行動を強制することはできません。報告書にありますように、より競争性を発揮させるための取り組みは非常に重要ですが、受注者の方を向いた取り組みというものも忘れてはなりません。
そこで、競争性を発揮させるための取り組みの効果を上げるために、受注者に対して、そして受注者の側に立った工夫が必要と考えますが、見解を伺います。
○志村経理部長 競争見積もり合わせにおいて、より競争性を発揮させるための不断の努力、不断の見直しが不十分であったことが、今回判明した事故の直接的な要因であったと認識しており、反省してございます。
このため、当該業務委託契約のあり方を抜本的に見直し、新規事業者が見積もり合わせに参加しやすい環境を整え、競争を促すこととしてございます。
契約のあり方の検討に当たりましては、今回判明した事故を受けて実施した事業者ヒアリングにおいて、現場技術者の確保や業務への習熟が新規受注に際しての課題となっているという声を聞いております。
このため、今後、参加条件等の見直しや複数年契約、総合評価方式の導入に加え、ご指摘の点を踏まえまして事業者の意見を十分に聞きながら、契約のあり方をさらに検討してまいります。また、談合防止に向けた断固とした姿勢を事業者に示す取り組みを実施してまいります。
○加藤委員 今回の問題は、大変重要な問題ではありますけれども、今後、絶対にこのような問題を起こさないという思いで、改革のための絶好の契機として、水道局にとっても、受注者にとっても、よりよい契約制度になるように取り組んでいただきたいと思います。
これまでの反省の上に立った水道局自身の改善の取り組みと受注者の側に立った取り組みについて伺ってきましたが、もう一つ大切な視点があります。それは、報告書で、局事業の構造的な面から推測される事項の中で語られておりますが、外部からのチェックという視点です。
水道事業を担うのは水道局と、これを支える数多くの業者であるのはもちろんですが、全ては水道を使う都民、企業のために行っているものであります。水道局と業者だけの都合というと語弊があるかもしれませんが、両者の立場だけで物を考えてはいけないと思います。
報告書では、外部からのチェック機能を強化するために、第三者コンプライアンス委員会を設置するとしています。ここでの議論の対象は、報告書を読む限りは、局職員の汚職、情報漏えいといった問題を中心と考えているようですが、ここは契約のあり方についても議論をすべきではないでしょうか。私が先ほど指摘させていただきました不断の見直しにも大いに役立つと思います。
そこで、この第三者コンプライアンス委員会において、契約のあり方についても幅広く議論をすべきと考えますが、見解を伺います。
○金子職員部長 第三者コンプライアンス委員会につきましては、法曹関係者等の有識者から成る外部委員で構成し、今回の事故を踏まえた再発防止策を初め、当局の構造的な課題を踏まえた局全体のコンプライアンス強化策の検証を行うために、平成三十一年四月に設置いたします。
この委員会では、今回の事故に関するこれまでの調査結果をさらに掘り下げて分析、精査するとともに、当局の特性に起因する問題分析を行った上で再発防止策の検証や提言を行っていただきます。
また、当局の特性という観点におきまして、契約のあり方につきましても重要なテーマの一つと考えておりまして、この委員会の中で幅広く議論していただく予定でございます。
○加藤委員 この委員会で、契約のあり方を幅広く議論していくということで、よりよい契約制度の実現につながると考えておりますので、しっかりと議論を深めていただくよう要望しておきます。
また、本日の質疑で取り上げた契約に関することにとどまらず、さまざまな再発防止策を委員会で検証するなどにより、水道局のコンプライアンスを強化していただきたいと思います。
今回の問題は、お客様からの信頼を大きく損なうものであり、こうしたコンプライアンスの強化なくして信頼回復はありません。先ほど申し上げましたとおり、水道事業は水道を使う都民、企業など、お客様のために行われているものであり、お客様の信頼を得ながら事業を進めていくことが不可欠です。
そこで、最後に、今後のお客様の信頼向上に向けた局長の決意を伺います。
○中嶋水道局長 水道事業は、都民生活と都市活動を支える基幹ライフラインでございますが、お客様、都民の皆様の信頼を得ながら事業を進めるには、何よりもそれを実施する業務運営のあり方が適正でなければなりません。
その点で、今回、明らかになりました事故は、当該委託業務のあり方を初め、これを取り巻く組織や体制、また委託の設計、積算業務などの進め方に至るまで、多くの部分で過去の方法を専ら踏襲し、見直しをしてこなかった側面が大きいと認識しております。
このため、当該委託の契約方法のほか、設計、積算及び施行管理の方法、体制につきまして、外部の視点も導入して抜本的な見直しを実施してまいります。また、事業を担う職員一人一人が業務の相互チェックなどを通じまして、コンプライアンスをさらに自覚し、緊張感を持って職務に従事できる仕組みを構築してまいります。
私みずから陣頭に立ちまして、今回の事故で顕在化いたしました水道局のさまざまな課題の克服に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
○加藤委員 お客様からの信頼を着実に高めていくために、水道局が一丸となった取り組みをしっかりと進めていただくことを要望し、私の質問を終わります。
○川松委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時二十二分休憩
午後三時三十一分開議
○川松委員長 休憩前に引き続き質疑を続行いたします。
発言を願います。
○河野委員 質問させていただきます。
公正取引委員会は、十月三十日、水道局の浄水場排水処理業務をめぐる独禁法違反容疑で水ing株式会社など四者に立入検査をしました。
水道局の発注をめぐっては、過去にも東京地検特捜部から独禁法違反容疑で刑事告発があり、さらに公正取引委員会が、やはり独禁法違反で告発した事件があったと報じられています。
さかのぼって調べたところ、一九九七年、平成九年の報道記事もありました。一九九七年から数えると、都の水道局でこのような談合事件の発生件数はどのくらいあったのでしょうか、お答えください。
○志村経理部長 平成九年度以降における当局が締結する契約に関する独占禁止法違反事件は三件発生してございます。平成九年及び平成十五年には、水道メーターの発注に関するもの、平成十一年にはダクタイル鋳鉄管直管の発注に関するものでございます。
○河野委員 独禁法違反の事件、平成九年から数えると、過去二十一年で三件あったということですね。
それで、今回の問題は、談合疑惑の四者だけでなくて、都水道局にも公正取引委員会の立入検査が入り、職員に事情聴取を求めているということです。四者だけでなくて水道局職員が談合や入札情報漏えいに関与していたことは重大な問題です。
過去十年間では、水道局職員が最低制限価格情報を元職員に漏えいしたとの報道もありますが、過去十年間で発生した水道局の情報漏えい事件はどのような内容のものであったのでしょうか、お答えください。
○金子職員部長 当局では、過去十年間におきまして、情報漏えい事件が平成二十六年に一件発生しております。この事件は、当局の職員三名が当局発注に係る複数の設備工事の指名競争入札に関して、コンサルタント会社を経営する元職員及び工事業者に最低制限価格に関する情報を漏えいしたものでございます。
○河野委員 水道局では、こうした不祥事が続いています。局のご答弁が平成ということを使っておりますので、私も合わせまして平成でいいますが、平成二十四年には、水道局発注の建物建築補修などの工事契約にかかわる職務にあった経理部の係長が、平成二十年八月から平成二十四年一月までの間に、施工業者の従業員から三十二回にわたる飲食接待、百七万円相当を受け、また、タクシー代も供与を受けて単純収賄容疑で起訴されています。そして今回の独禁法違反容疑が発覚しています。ですから、本当に大きな問題だと思います。
伺います。水道局の幹部職員で、水道局に関連する団体、企業への再就職、世間で天下りといわれておりますが、その状況はどうでしょうか。都幹部職員の再就職の状況についてお答えをいただきたいと思います。
○松丸総務部長 都庁版人材バンクによる再就職先状況を公表した平成二十二年度以降の八年間に、局長級では、都の監理団体及び報告団体に二名、公益法人には一名が再就職しております。また、部長級では、都の監理団体及び報告団体に十六名、公益法人に八名、民間企業に五名が再就職しております。さらに、課長級では、都の監理団体及び報告団体に二十八名、公益法人に七名、民間企業に六名が再就職しております。
○河野委員 局長級職員の方が三名、部長級職員が計二十九名、課長級職員は四十一人と、合計しますと七十三人になります。大変大きな数字だと思います。
平成二十二年からの課長級以上の都幹部職員の再就職の状況が今示されましたが、このうちで、今回、公正取引委員会が立入検査をしている四者について、都幹部職員の再就職は何人になっていますか。都の退職時の役職と再就職した状況をお示しいただきたいと思います。
○松丸総務部長 報道されている四者のうち一者でございます水ing株式会社には、公正取引委員会の立入検査が行われた時点で、元局長級、元部長級、元課長級の各一名、計三名が在籍しておりました。現時点では、元課長級の一名が在籍しております。
○河野委員 私も、平成二十三年十一月三十日付の総務局人事部発表、幹部職員の再就職状況を見てみました。その中で、民間企業への再就職状況には、水道局の設備担当部長を務められた方が九月一日付で水ing株式会社に技術建設担当部長として再就職しています。水ing株式会社と水道局の関係について、改めて深いものがあることを想起いたしました。
公正取引委員会の立入検査後、十月三十一日に小池知事の指示で調査特別チームを立ち上げ、同じ日に水道局内に対策本部が設置されて、先週十一月二十九日に調査特別チーム中間報告書が発表されました。
この調査で、都水道局の職員が予定価格を漏らした事実が判明した、これは重大なことだと思います。これまでの調査を踏まえて、今後の事実解明や水道局事業の透明化などをどのように進めていかれるのでしょうか。調査の経過、そして今後の見通しをお聞きしておきたいと思います。
○金子職員部長 本年十月三十一日に調査特別チームが設置され、職員の非違行為の有無に関する調査、原因の究明及び再発防止策の検討を開始いたしました。
調査に際しましては、局職員や元職員延べ一千二百名超を対象とした事情聴取やチェックシートによる確認、関係資料の精査等を集中的に行いました。また、水道局におきましても、談合情報対策本部を設置し、類似の契約案件の調査などを実施いたしました。
これらの調査結果を取りまとめる形で、本年十一月二十九日、調査特別チームは中間報告を発表いたしました。今後は、公正取引委員会による行政調査は継続中であるため、必要に応じて調査を続け、公正取引委員会の調査が完了し、結果が公表され次第、最終報告書を取りまとめ、必要な措置を講じてまいります。
なお、職員の処分につきましては、公正取引委員会の調査状況を勘案しながら、今後、厳正に対処してまいります。
○河野委員 都、そして水道局としての調査の経過と今後の努力方向、これをお示しいただきました。
ここで少し具体的なことを伺いたいと思います。
公正取引委員会の立入検査にかかわっている七カ所の浄水場排水業務が民間委託になっていますが、七カ所の浄水場と受注者の企業名をそれぞれお示しください。わかりやすいように、今年度、平成三十年度の状況でお答えいただければと思います。
○青木浄水部長 平成三十年度の排水処理施設運転管理作業委託の受託事業者でございますが、東村山浄水場、小作浄水場、三郷浄水場及び三園浄水場は月島テクノメンテサービス株式会社、玉川浄水場と朝霞浄水場は石垣メンテナンス株式会社、金町浄水場は水ing株式会社でございます。
○河野委員 三者ということで、さっきもお話がありましたことで、大変、寡占業界かなと、本当に参入してくる企業が少ないところなんだなというのを感じています。
この中で、今回、職員が情報を漏えいした相手先企業はどこなんでしょう。企業名、明らかにできますか。
○金子職員部長 公正取引委員会が現在も調査中であり、具体的な企業名につきましては、調査の弊害になることが懸念されますので、お答えを差し控えさせていただきます。
○河野委員 私もこの四者、インターネットで検索しまして、資本金とか従業員数とか業務の内容とか見てみました。全国展開しているという点では、水ingが大きく翼を広げているということなんですけれども、参考までに、もう一度お聞きしておきますが、今回の事件に関係しては、水ing株式会社ということではないんでしょうか。
○金子職員部長 繰り返しになりますけれども、公正取引委員会が現在も調査中でございまして、具体的な企業名につきましては、調査の弊害になることが懸念されますので、お答えを差し控えさせていただきます。
○河野委員 現段階では答弁はいただけないということですね。
では、今回の談合疑惑にかかわったと疑いがある水ing株式会社など立入検査を受けた会社への事情聴取は、水道局としてはどのようにされているのでしょうか。私は事情聴取すべきと考えていますが、どのような状況か、お示しをいただきたいと思います。
○志村経理部長 当局の発注する排水処理施設運転管理作業委託の指名競争見積もり合わせに参加した四者に対して、公正取引委員会が立入検査を実施したという報道を受けまして、直ちに当該四者に対して事実確認等のためにヒアリングを実施する旨申し入れを行いました。この当局からの申し入れに対して三者がヒアリングに応じ、この三者に対しましては、十一月二日にヒアリングを実施いたしました。
このヒアリングでは、独占禁止法に違反する行為の有無や立入検査を受けたことに対する事業者の見解等を聴取いたしました。あわせて、実態解明に向け、公正取引委員会の調査に協力するよう要請を行いました。
事業者に対するヒアリングからは、立入検査の事実は確認できたものの、独占禁止法に違反する行為の有無等については、公正取引委員会による調査が継続していることを理由に答えられないとの回答であり、聴取することはできませんでした。
○河野委員 一者は都の事情聴取に応じていないということがわかりました。
公正取引委員会の検査が続いているとしても、都としても引き続き、こうした企業への聴取の努力をしていただく、このことが大事だと思いますので申し述べておきます。
相手先企業へのヒアリングの働きかけは努力されたということですが、水ing株式会社への再就職者を含めて、都の職員OBにも私は事情聴取すべきではないかと思っているんですが、この点はいかがでしょうか。
○金子職員部長 局監察部門による事情聴取は、職員Aの在籍期間も含め、平成二十一年度から三十年度までのX浄水場における当該委託業務の設計担当者、その管理監督者などについて、死亡者を除く元職員八人も含め、計十九名について事情聴取を実施いたしました。
その結果、今回判明した事故に関しまして、現時点では、元職員による関与の事実は確認されておりません。
○河野委員 平成二十六年十一月十三日に公営企業委員会が開かれています。我が党のあぜ上三和子議員が、排水設備工事の非公表の最低制限価格を局の三名のOB職員や業者に漏えいした事件について質問しています。当時の松丸職員部長は、情報漏えいに職員三名が関与したことについて、このようにおっしゃっています。
職員が面識のある元職員に情報を教示していることから、情報保持意識の弛緩が考えられる、元職員が入室のチェックも受けずに執務室に入っていることから、職場における情報管理、チェック体制にすきがあったことも考えられる。
これを見て、今回出されました中間調査報告書ですか、これと同じではないかと私は率直に思います。一つに、職員と情報漏えいを受けた人物の人間関係が親しかった、働きかけを受けやすい、そういう環境にあった。二つは、職員の情報保持意識が弛緩している。このときの答弁はこの内容だと思うんですが、四年前と今回、改善の変化が見られないというふうに率直に思います。
今回、中間報告が出されましたが、さっきご説明いただいたこのパンフレットですね、一二ページに要因、問題点、背景が書かれています。
さかのぼって、平成二十六年の入札情報漏えい事件で、都は、平成二十四年度、平成二十六年度と続けて不祥事が起きたことを反省していると述べて、再発防止策についてこのようにいっているわけです。当局では、事件発覚の日、直ちに東京都水道局汚職等防止対策本部を設置した上で、徹底した再発防止策の確立に全力を挙げて取り組んでおります、現在、この再発防止策を含め、全庁的な取り組みの中で検討しているところでございます。これが当時の松丸職員部長がされている答弁であります。
今回の職員Aが情報提供をした年度は、在籍していた平成二十二年度から平成二十五年度の四年間となっています。この間に、平成二十四年の単純収賄事件が起きて、水道局は入札情報の管理やリスクについて、局職員全体に不祥事がないように肝に銘じなければならないと書いてあるんですが、こういうふうに職員の認識が一致する努力をしていたはずです。なのに、なぜ同じような情報漏えいが繰り返されるのでしょうか。これまで起きた汚職事件で確認された再発防止策が生かされていないと感じるのは私だけではないと思います。
再発防止策が生かされてこなかった原因、どこにあるのか、ご見解、ご答弁をお願いしたいと思います。
○金子職員部長 今回の事故に関しまして、職員Aは、内部調査におきまして、受託事業者に対して翌年度の設計単価に関する情報を示したと思う、また、受託事業者からの契約情報提供の依頼に対して、これぐらいの情報は問題ないだろうとの気持ちから漏らしても構わないと考えたと説明しております。
こうした職員Aの説明内容からすると、契約に関する情報の管理に対する認識の甘さにより非違行為の申告には及ばなかったと考えております。
○河野委員 先ほどもそのようなご答弁いただいておりますけれども、今後は非違行為に関する自発的な申告の有無によって懲戒処分の量定を加重、軽減されることも、みずから申告するインセンティブとして導入するとかさっきもおっしゃっていましたけれども、これが本当に生きていくのかどうかがこれから問われていると思います。
水道局が全力を挙げて取り組んできた再発防止策が効力を示せていないと今私たちが感じている中で、職員の意識の緩みをなくすこと、また、情報管理、チェック体制の強化などを深く検討して、それこそ総力を挙げて取り組んでいただくことを、この機会に強く求めておきたいと思います。
東京都と水道局は、公正取引委員会の検査に全面協力するとしています。しかし、水道局では、談合、情報漏えい、収賄事件が次々に起きていて、そして今回の事件であります。このような状況のもとで、公正取引委員会や東京地検任せでは東京都と水道局が都民からの信頼を取り戻せない、そのように考えるんです。
繰り返し起きている独禁法違反や入札情報事件などを再発させない対策が必要だと思いますが、水道局はどのように臨んでいかれるのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
○志村経理部長 独占禁止法が禁止する不当な取引制限は、水道を利用するお客様の利益を損ねる重大な違背行為であり、これまでも当局はさまざまな防止策を講じてまいりました。
具体的には、当局に談合情報が寄せられた際には、入札参加予定者への事情聴取を行い、局内に設けた談合情報検討委員会における審議により入札を取りやめ、公正取引委員会等に報告する内部手続を定めてございます。
また、局内に物品契約監視委員会を設け、契約結果について市場参考価格の乖離の状況や入札参加者や落札単価、入札参加者別の落札割合等を調査分析し、不正競争が疑われる動向がないか監視を行ってきております。
水道局といたしましては、今回判明した事故を踏まえまして、監視機能の強化や委託契約情報の事後公表の拡大を行うとともに、不正行為に対するペナルティーを強化し、談合の防止に対する取り組みを強化してまいります。
○河野委員 ご答弁のように、談合は、お客様、都民の利益を損なう重大な違背行為、これは本当にそのとおりだと思います。情報漏えいなどの事件の背景には、民間企業への都職員の再就職、いわゆる天下りも不祥事が起きる原因の一つになっているのではないでしょうか。都の発注先企業に幹部職員等の天下りを禁止し、癒着体質を一掃していく、これが必要だと思いますが、その点はいかがお考えでしょうか。
○松丸総務部長 職員の退職後の職業につきましては、職業選択の自由との兼ね合いから都は関与しておりません。
一方で、当局の職員は、長年にわたり水道事業の第一線で業務に従事しており、実務面での技術、ノウハウを持っていることから、退職後、監理団体やその他の企業等で即戦力として経験を活用しているケースもございます。
また、職員が都を退職するに当たっては、企業との関係を厳正に保ち、誤解を招くことのないよう、都の退職管理制度によって制限を付しております。
今後とも、都の退職管理制度の適切な運用に努めてまいります。
○河野委員 退職管理制度、ぜひ答弁のように適切に運用していただきたいと思っています。
平成二十六年の情報漏えいのように、元職員が関与して、職員が最低制限価格を漏えいした事件も起きているのですから、こうした現実はしっかりと認識していただいて、運用に当たっていただくことが本当に極めて重要だということを申し上げておきます。
民間企業との関連でもう一点お聞きいたします。
中間報告書の七ページから八ページにかけて事故の背景が書いてあります。要約して紹介しますと、A係長が着任したX浄水場の排水処理業務について、部下職員や上司である技術課長の十分なサポートが得られなかった、業務受注企業のB所長は、排水処理設備機器にふぐあいが発生した場合、適切、速やかに対応した、ゆえにA係長はB所長に心酔し、価格を聞かれて断れなかったとのことです。
A係長は、現場に業務に精通した職員がいないと感じたのではないでしょうか。業務を民間任せにしてきた、そういうことが起こっているのではないか、これが情報漏えいにつながったのではないか、そういうことを考えるんですけれども、水道局の見解、お聞きいたします。
○青木浄水部長 浄水場の排水処理担当におきましても、職員の異動があった際には、事務引き継ぎを確実に行っており、業務マニュアルも整備してございます。
このため、委託の施行管理は確実に実施しており、排水処理施設運転管理作業を民間会社に委託していることが情報漏えいの原因とは考えてございません。
○河野委員 そういうご見解ではありますが、実際に中間報告書を読むとそういうことが書かれておりますので、現場に、都の職員、部下職員や上司職員が、この係長職にあった人に適切な助言や一緒に業務を進めていく取り組みが非常に弱かったということは否めない事実なのではないでしょうか。どうなんでしょうか。
○青木浄水部長 繰り返しになりますけれども、浄水場の排水処理担当におきましては、職員の異動があった際には、事務引き継ぎを確実に行っておりまして、業務マニュアルも整備してございます。
職員Aでございますが、排水処理設備機器にふぐあいが発生した際、B所長が一生懸命に業務に向き合い、適切かつ速やかに対応したことから、B所長に恩義を感じ、頼るようになったというようなことがございました。
こうしたことから、排水処理施設運転管理作業委託を民間会社に委託していることが情報漏えいの原因とは考えてございません。
○河野委員 私は、今回、この調査特別チーム中間報告書を読ませていただき、質問を準備するに当たって、過去にさかのぼって、十年、二十年前にさかのぼっていろんな資料も当たりました。そして、水道局が抱えているこうした情報漏えい、談合、そうした問題については大変根の深いものが存在するということを率直に感じております。
その水道局についてですが、今、一生懸命、公正取引委員会の検査に協力をしながら、再発防止策を構築するために努力されている中ではありますけれども、本当にあってはならないことが今起きているということで、私がもう一点伺っておきたいのは、やはり民間委託ということに関してどうなんだろうということなんですね、業務を民間委託している。
その点で、今回のような事象が起きない、事件が起きないという点では、ご答弁いただいておりますけれども、非常に不十分なものを感じているんですけれども、今後こうした問題が起きないということをきちんと保証する、都民が納得するような方向性を水道局としては打ち出すことができるということを確信されているのかどうか、その点も確認をさせていただきたいと思います。
○松丸総務部長 水道事業は、お客様の水道料金で運営する独立採算事業でございます。その中で、反復、繰り返す定型的な業務につきましては、効率性を考慮して民間委託を推進してまいりました。水道事業の中で専門性のある事業につきましては、監理団体と当局の方で経営を効率的に成り立たせております。
今後とも、今回、業務委託につきまして、このような事故を起こしてしまったことは大変申しわけなく思いますが、この民間委託の管理につきましては厳正にチェック体制をしきまして、円滑な業務運営を今後とも進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○河野委員 最後に意見を申し上げたいんですが、この機会でありますから、局長にもお気持ちを伺っておきたいと思います。
今後、最終報告もまとめられて、都民の信頼回復に局を挙げて努めていかれる方向性は出されました。しかし、これまでの数々の不祥事を振り返ると、相当なお覚悟と取り組みが必要だと思います。水道局への信頼回復に向けて、局長はどのようにリーダーシップを発揮していかれるのか、ご決意をお聞かせください。
○中嶋水道局長 当局では過去二回の不祥事があったにもかかわらず、今回また職員による情報漏えい事故が明らかとなり、お客様、都民の皆様の信頼を大きく損なうことになったことは、私自身極めて重く受けとめております。
このため、これまでの汚職等防止策では不十分でございました点を踏まえ、事故の直接的な要因のものに限らず、局の構造的な要因等に関しましても考察を行い再発防止策を策定いたしました。
先ほど理事から、根が深いというご指摘もございましたが、過去二回の汚職防止対策につきましては、その事故の原因に対してどう対応するかということに終始して、それなりの、私どもとしては成果が上がってきたのではないかと思いますが、今回また、三回目というものが発覚したということを考えますと、やはり水道事業の構造的なもの、そういったものに一つ大きな課題があるのではないかということで、今回、外部の委員会も含めまして再発防止策をとってまいった次第でございます。
したがいまして、過去二回の対策が不十分ではなかったかということをいわれますと全くそのとおりでございますが、私どもとしましては、この新しい再発防止策を含め、これまでの汚職防止対策に加えまして、局の不正を今後根絶するという観点から、必ずこれを実施するという意図のもと、強い意思のもと、職員一丸となりまして、私が先頭に立ちまして、都民の信頼回復に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。
○河野委員 ありがとうございます。今後、最終報告がまとめられるということでありますので、現時点での私たちの意見を申し上げておきたいと思います。
水道局職員の皆さんの技術力、そして長年培ってきたたくさんの経験は本当に貴重だと思います。多くの水道局職員は、都民の生活に欠かすことができない安全な水の供給に努めてくださっている中で、次々と不祥事が起きているのですから、職員の皆さんも心を痛めていると思います。
水道局は、職員に対して、コンプライアンスの徹底で信頼回復をと呼びかけているようですが、本来あってはならないことが起きています。民間事業者との癒着ともいえるような構造、体質が続いているのではないかという指摘もあります。
これまで以上に厳しく身を律していただき、都民の信頼回復へ最大の努力をしていただくことを強く要望いたしまして、私の質問とさせていただきます。
ありがとうございました。
○中村委員 私からも、今回報告された水道局所管委託契約に係る談合疑いに関する調査特別チームによる中間報告について質問します。
水道局は、平成二十四年には職員が収賄で逮捕され、平成二十六年には情報漏えい事件が発生しました。水道局としては、謝罪はしつつも、その都度、内部による調査をして報告しただけで終わりにしていたのではないでしょうか。たびたびこうした問題が発生すると、水道局の体質そのものに問題があると指摘せざるを得ません。
個人の犯罪として組織としては済ませてしまおうということではなく、組織として徹底した原因究明と再発防止に取り組むことが必要です。今回の報告書に出てくる職員Aは、平成二十二年度から平成二十五年度まで在籍し、その間の事件ということになります。すると、これまでに二度事件が起きているわけですから、そのときに局内を徹底的に調査すべきではなかったかと思います。
真相究明と再発防止が重要ですが、個人の犯罪として終わりにせず、水道局の組織としての体質を抜本的に改め、こうした事件を根絶するために質問します。
今回、一職員の行為とはいえ、水道局の体質に問題はなかったのでしょうか。まだ容疑段階だからとはいえ、これだけ世間を騒がせているのですから、事故と表現していますが、この姿勢はいかがなものでしょうか。私は、事故ではなく事件ではないかと思います。
談合は、都民の貴重な税金が毀損してしまい都民に迷惑をかけることになります。まず最初に、あえて事件と申し上げますが、この事件に対して、個人の犯罪なのか、組織としてかかわっていなくても責任はないのか、水道局の受けとめ方を伺います。
○金子職員部長 当局では、過去二回の事故が発生して以降、さまざまな再発防止策に取り組んできたにもかかわらず、今回、新たに情報漏えいの事故が発生いたしました。この事故の要因は、受託事業者を管理監督する立場の事業所職員が積算価格を知り得る立場にあるとともに、受託事業者と日常的に顔を合わせる関係という当局の職場環境にもございました。
こうしたことを局としては重く受けとめており、中間報告書においては、こうした事故から直接導かれる要因等に加え、水道局事業の構造的な要因等に関しても考察を行い、それを踏まえた再発防止策を策定いたしました。
今後は、この再発防止策を着実に実施していくとともに、公正取引委員会の調査に引き続き協力し、必要に応じて調査を行うなど適切な対応を行ってまいります。
○中村委員 それでは、この中間報告書について、少し細かい質問になるんですが、事件の背景を伺うために、たとえ個人の犯罪だということでも、水道局の体質にも原因がなかったのかと思いまして尋ねていきます。
この中間報告書では、一二ページ以降に原因分析と再発防止策が示されていますが、それ以前に私は、この原因分析、とりわけ七ページ以降にある調査により判明した事実というのが、どこまで裏づけのある事実なのか確認します。
例えば、八ページ目の二つ目の丸印のところでは、職員A、すなわち係長AがX浄水場で初めて排水処理の業務につくことになったが、部下職員や上司である技術課長の十分なサポートが得られないとあり、このことから受託事業者Pの社員であるB所長を頼るようになった旨の記載があります。これは本当でしょうか。
部下の職員や上司は係長Aに対して十分なサポートをしなかったのか、裏づけのある事実なのか伺います。
○金子職員部長 浄水場の組織は、課長、課長の補佐や部下の監督を行う課長代理のほか、日常の管理業務や突発的な事故にも臨機に対応できるよう、課をまたぐ困難な課題解決や調整の中心役となる統括課長代理を配置しております。しかし、排水処理担当は担当職員が少なく、職員の相互支援が十分でなかったと認識しております。
また、職員Aは、内部調査において、在籍当時、担当内にはベテラン職員がおり、相談はできたものの、所属長は所管している職員も多く、相談等の時間が十分とれず、突発時も迅速に対応する受託事業者を頼もしく思うようになったと説明しております。
○中村委員 今のご答弁のように、この係長Aのいうことが本当であれば、水道局は初めて職場を経験する人に対して十分サポートをしていないことも事件の原因の一つであると考えられます。
水道局は、組織としてそういう体質なのでしょうか。再発防止策について伺います。
○金子職員部長 排水処理担当は、担当職員が少なく、職員の相互支援が十分でなかったことに加え、受託事業者と一対一になり得る状況でございました。
このため、再発防止策では、排水処理担当と同じ技術課内の浄水施設担当との統合により担当組織を大くくり化し、職員の相互支援や職員の専門的ノウハウの共有、複数名での受託事業者対応の徹底などを図ることとしております。
○中村委員 今回のこの原因を見てみると、A係長とB所長がかなり親密だったというようなことが原因にあるようなんですけれども、例えば、こういった表現の中で、これも八ページのところにありますけれども、職員Aは、単独で巡回の途上で、三階事務所にいるB所長のところに寄って、業務上の意見交換をすることも多かったという事実です。
一般的には、業務上の意見交換をすることが多かったと書くと思います。細かいことなんですけれども、これはひょっとしたら世間話や身の上話なんかもしていて、たまに業務上の意見交換もすることもあったというようなふうにも捉えられがちですけれども、一体これはどういうことなのか確認したいと思います。
○金子職員部長 職員Aは、X浄水場で初めて排水処理業務につき、受託事業者との打ち合わせのほか、毎日現場を巡回しておりました。その巡回中にB所長のところに寄って、業務上の意見交換をすることが多くありました。こうしたことを報告書には記載したものでございます。
○中村委員 このA係長に対するサポートがなかなかできていなかったということなんですが、また一方では、こういう浄水施設では、巡回と称して単独でこういった他の執務室に入り込んで話ができるような職場なのでしょうか。きちんとそういったところを、執務上の管理ができていたのかどうか、そういったところも確認したいと思います。
○青木浄水部長 排水処理作業委託を管理監督する職員は、毎日、受託事業者からの報告を中心とした打ち合わせや巡回を行い、脱水機の稼働状況などを確認しております。また、脱水機にふぐあいが発生した際には、受託事業者と現場の状況確認を行い、排水処理施設内等において業務上の打ち合わせを行うこともございます。
このような、受託事業者との打ち合わせなどを行うとき以外は、執務室内におきまして、資料作成や浄水処理に関する調整等のデスクワークを行ってございます。
こうしたことから、受託事業者と長い時間、業務と関係のない会話を行う職場環境にはないと認識してございます。
○中村委員 この職員Aは、平成二十二年度から二十五年度の在籍中に情報提供した年度については、年度、回数は覚えていないと供述していますが、職員Aは、部下や上司から十分なサポートが得られない中で、B所長に恩義を感じ、頼るようになり心酔していったとあるのであれば、少なくとも勤務年次の当初はあり得ないのではないでしょうか。
八ページの最終行で、情報提供に対して、これは翌年度も排水処理業務を円滑に遂行していくためだと認められると職員Aを擁護しているが、こう書くということは、職員Aの異動が想定される平成二十五年度には情報提供がなかったということが前提であると考えられますが、この情報提供の年度、回数について、どの程度把握しているのか伺います。
○金子職員部長 職員Aの供述は、情報提供の年度や回数に限らず、曖昧なところがございます。これまでの調査により判明した事実は、X浄水場の排水処理係長であった平成二十二年度から平成二十五年度までの間に複数回、X浄水場の排水処理施設運転管理作業を受託していた受託事業者PのB所長に対して、複数単価契約による翌年度の設計単価に関する情報を示したでございます。
○中村委員 少しいろいろと細かいことを聞いたんですけれども、この中間報告の方は、Aの方の証言等々に基づいて書いたんだろうとは思います。本当にこれはどこまで裏づけがあるのかということが不明なのではないでしょうか。
いろいろ考え方はあると思います。このとおりの報告書だとするのであれば、水道局の体質としてサポート体制が足りないということですから、サポート体制をしっかりつくっていくことで再発防止になりますが、逆に、この人の証言が本当に正しいのかどうかというところを少し疑いたくなるところもないわけではありません。改めてこれもしっかり見ていきたいというふうに思っています。
また、そういった中で、これまで水道局で起きていた事件の中では、前々回に起きた事件のときには、収賄ということですから見返りがあったということなんでしょうが、前回の事件では見返りを求めてはいなかったということなんですが、人間関係の中で、それをすることが当然のごとく行われたのではないかと指摘もされています。こういったことを許す文化があっては絶対になりません。
今回については見返りがなかったと報告がされていますが、もし本当なら、この記述どおりいくと世話になったから漏らしたかのような、損得でやったのではなく、人間関係により仕方なくやったんだという情状酌量を求めているかの表現になっています。これは事実をしっかり押さえなければなりません。
まず、この七つの浄水場を三者が受託しているとのことです。報道では四者を調査しているとのことでしたが、この四者の中に、今回のP社も入っているのだから、これらの会社と都や監理団体との資本関係はあるのかどうか伺いたいと思います。
また、あわせて、退職した職員が雇用されているのかも伺います。仮に、ここに退職職員が雇用されているとなると、今回の事件では見返りをもらっていないとのことですが、将来的に再就職という見返りがあることになってしまいます。もしそうなら大問題ではないかと考えますが、実態を伺います。
○松丸総務部長 報道されています四者に対して、都や監理団体から出資している事実はございません。
また、退職者の雇用関係につきましては、四者のうちの一者である水ing株式会社に公正取引委員会の立入検査が行われた時点で、当局の元局長級、元部長級及び元課長級の各一名、計三名が在籍しておりましたが、現時点では、元課長級一名のみが在籍しております。
職員Aに関しましては、調査特別チームによる調査の結果、再就職のあっせんを含め便宜供与はなく、現時点でも、現在や将来の再就職についての便宜供与はないことを確認しております。
○中村委員 先ほどの委員の質問の中で、今の時点ではどの会社がということはお話しになれないということでしたので、これはわかりませんと、仮定の話になってしまいますけれども、元職員が就職している会社との関係ということがあれば、全く本当に何もなかったのかということは当然疑われてしまいます。
いろいろとこういったOBの方々の再就職している会社があれば、直接その人でなくても、その人がいる会社ということになると、やはりどうしても関係性が疑われてしまうところがありますから、職員の再就職という関係と、そしてまた、そことのこういった関係については、より慎重になっていただきたいというふうに思っております。
先ほどの質問の中で、また、サポートが少し不足していたんだということの方が事実なのだったら、その対策についても伺いたいと思います。
今回の事件の対応として、技術職員の不足が外部の事業者に頼らざるを得なかったのではないかということになっているんですが、再発防止のために、簡単に人をふやせる状況ではないという事情は承知しつつも、最低限必要な人員としての技術職員の採用や育成が必要ではないかと考えますが、この点に関して見解を伺います。
○金子職員部長 局では、民間に委ねられる業務は可能な限り民間事業者に委託しており、排水処理作業についても委託することで、効率的な業務運営を実施してまいりました。その中で、適切な施行管理を行うため、これまでも研修やOJTの実施を通じて技術職員の確保、育成に努めてまいりました。
今回の改善策では、排水処理担当と浄水施設担当の統合により、担当組織を大くくり化し、職員の専門的ノウハウの共有を図ることを掲げており、こうした取り組みを通して、引き続き効率的かつ確実な業務遂行体制を確保してまいります。
○中村委員 今回の事件は、二年前の事件よりも既に前に発生していた事件とのことなので、二年前に示された対応策の効果は及んでいないようなことになります。しかし逆に、前回事件があったときに徹底的に調査をして、今回の件は見つけられなかったのかということになります。
改めて、前回の事件のときに徹底した検証をしなかったのか、なぜそのときに見つけられなかったのか、また、今後どのような対策を講じていくのか伺います。
○金子職員部長 これまで自己申告時に職員の非違行為について確認してきましたが、職員の自発的な申告には結びつかず、情報漏えいの事実を把握できませんでした。
このため、非違行為に関する自発的な申告について、現在の申告した場合に懲戒処分の量定を軽減することができる仕組みに加え、新たに自発的な申告がなかった場合は、量定を加重する仕組みを取り入れ、職員の自発的な申告へのインセンティブを導入いたします。
今後は、自己申告の面接時に、この自発的な申告と懲戒処分の関係などについて詳細に説明した上で、過去に情報漏えい等の非違行為を行ったことがないかを確認いたします。
○中村委員 二年前の調査のときには、今回の事件は発見できなかったので、今回の対策として、自発的な申し出を促すよう職員としての処分を軽くするとのことですが、その場合、内部としての処分は軽くなっても、社会的な責任は別です。
申し出をしても、犯罪行為であれば、自首を促すか、しないなら刑事告発しなければならないのでしょうか、いかがでしょうか。都庁内の処分と刑事処分は別ですけれども、どのようになるのでしょうか。
また、昨今では、新たな制度として司法取引制度が話題になっていますが、再発防止に向けて、こうした制度を活用して職員に告発を促したりはするのか伺います。
○金子職員部長 職員が刑事事件に係る非違行為を行い、かつそれが犯罪行為に該当すると考えられる場合、刑事訴訟法上、局は刑事告発を行わなければならないとされております。
今回の事故につきましては、現在、公正取引委員会において事実関係の解明及び犯罪行為の該当性等に関する調査を行っており、局としましては、引き続きこの調査への協力を行ってまいります。
刑事事件に関する非違行為の告発と局による懲戒処分の軽減は、それぞれ別の根拠法令に基づくものであり、両者は直接的に関連するものではございません。また、刑事訴訟法における合意制度の導入、いわゆる日本版司法取引制度は、被疑者、被告人と捜査機関の間の合意に基づくものでございまして、局は関与できないものでございます。
○中村委員 中間報告書では、今回の事件に関して、水道局における原因分析と再発防止策について言及しています。過去二回の汚職事件発覚時には、汚職等防止対策本部で原因究明と再発防止策の検討を実施しています。
今回の事件により、これまでの取り組みでは不十分ではないかとの見方があります。このことを踏まえて、再発防止策の一つとして第三者コンプライアンス委員会を設置するとあります。今回、副知事をトップとする調査特別チームが立ち上げられました。しかし、副知事は、局外とはいえ都庁内に変わりはありませんので、一般的には第三者とはいえません。
私は、先月二十二日の委員会でも、都庁内ではなく外部による第三者委員会の立ち上げを求めました。今後、外部からのチェックを強化するという観点で、第三者コンプライアンス委員会を設置するとのことですが、今後ではなく、今回の事件の原因究明においても、当該委員会に任せるべきではないかと考えますが、見解を伺います。
○金子職員部長 調査特別チームは、現時点までに、都として把握した情報をもとに集中的に調査し、原因を究明するとともに再発防止策を策定し、中間報告書として取りまとめました。
今後は、平成三十一年四月に設置する第三者コンプライアンス委員会におきまして、中間報告書の原因究明や再発防止策についても検証を行い、提言を行っていただきます。
○中村委員 ようやくとはいえ、外部の評価を受ける機会を設けることはよいのですが、一度内部で検証したものを外部に点検してもらうのであれば、なぜ最初から外部の目で検証しなかったのか理解できません。
たびたび繰り返すのは身内に甘いのではないかといわれかねない対応であれば、また繰り返してしまうのではないかとの疑念も湧きます。これから外部を入れるからよいではないかということではなくて、意識を変えていただくことを求めます。
とはいえ、新たな組織を設置するからには、しっかりとした方針のもとで組織を動かしていくことが重要です。
そこで、第三者コンプライアンス委員会が原因の究明を行った後は、本委員会で何を議論していくのか伺います。
○金子職員部長 第三者コンプライアンス委員会では、今回の事故に関するこれまでの調査結果をさらに掘り下げて分析、精査するなど、原因究明の検証を行い、その結果を踏まえた再発防止策の検証、提言を行っていただきます。
加えて、過去二回の事件を踏まえた再発防止策の取り組み状況を総括し、検証するとともに、当局の構造的な課題にもメスを入れ、新たなコンプライアンス強化策につなげてまいります。
○中村委員 こうした有識者による新しい視点やチェック機能が入ることになるのですが、ある意味で、あるべき姿になるのですから、さらに掘り下げて分析、精査するだけではなく、これまで内部で調査したものはあくまで参考にして、ゼロベースで検証することを求めます。これまでの取り組みでは不十分であった点を補い、抜本的な取り組みを実現することを求めます。
今後、さらなる調査と原因分析を踏まえた効果的な再発防止策の構築に向けて取り組むことを求めて、質問を終わります。
○上田委員 先月十月三十日、公正取引委員会の行政調査を受けた談合事案につきまして、たださせていただきます。
これまでの経緯についてでありますが、浄水場の運転管理業務委託では、通常入札参加条件を付しているはずです。今回の発注仕様書について確認をさせていただきたいと思います。
○青木浄水部長 浄水場排水処理施設運転管理作業委託は、東村山浄水場など七カ所の浄水場において発注しております。希望申請要件は、都の競争入札参加有資格者名簿において登録され、営業種目、浄水場、処理場、機械運転管理のAに格付されていること、取扱品目、浄水場排水処理、給水所等機械運転管理としてございます。
また、東村山、金町、三郷及び朝霞の四つの大規模浄水場につきましては、過去十年以内に、浄水処理能力日量十万立方メートル以上の浄水場における元請実績を有することとしております。
○上田委員 そのような入札条件を満たしているというような受注可能事業者、一体どのぐらいあるのか、確認をさせていただきたいと思います。
○青木浄水部長 都の入札参加資格を有し、希望申請要件でございます営業種目、取扱品目及び格付を満たしてございます業者は五十五者でございます。この五十五者を対象といたしまして、当局が希望申請要件としております過去十年以内に、浄水処理能力日量十万立方メートル以上の浄水場における排水処理業務委託の元請実績の有無を調査した結果、十七者がこの要件を満たしていることを確認しております。
○上田委員 受注可能事業者は十七者ということでありますが、かなり限定される可能性がありますので、もともと業者談合の余地がある業務委託ではなかったのか、そういう風土がまず事前にあったのでないかというふうに考えます。
この状況につきましての所見を伺いたいと思います。
○青木浄水部長 ただいまご答弁させていただきましたが、当局の排水処理施設運転管理作業委託を受注可能な業者は十七者でございまして、競争性は発揮されると考えております。
一方、これまでの入札結果を見ますと、公募による競争の結果と認識してまいりましたが、より競争性を発揮させるための不断の見直しが不十分でございました。
今後は、より多くの入札参加者を確保できるよう、入札参加条件や発注仕様の見直しなどを実施してまいります。
○上田委員 少ないとはいえ、十七者あった中でも七つの浄水場が、さっきからほかの委員も指摘をしておりますけれども、OBもいるようなところの三者で受注しているというところで、おっしゃるとおり不断の見直しが不十分であったということを確認させていただきました。
さて、本日は、資料の方で、これまで二十四年度、二十六年度、事件が起こってどのような処分が下ったか、また、都がどのようにやってきたかということを、配布をさせていただいております。それぞれに水道局汚職等防止検討結果報告書でまとめていますが、今回の事件、過去二回の防止策を全うしても防ぐことができなかったという事実があります。これに関しての見解、所見を伺いたいと思います。
○金子職員部長 平成二十四年の事件を踏まえた再発防止策では、利害関係者への複数名対応の徹底や汚職等非行防止研修の充実強化を図りました。平成二十六年の事件を踏まえた再発防止策では、全職員向け一斉メールの充実強化を図りました。
こうした利害関係者への対応や研修等による職員への意識啓発に努めてきたにもかかわらず、情報漏えい事故が発生いたしました。この事故の要因は、職員が単独で受託事業者に接触していたことに加え、職員の情報管理に関する認識の欠如であり、情報漏えいの事実を長期間にわたり把握できなかったのは、職員に自発的な非違行為の申告を促す仕組みが機能していなかったことと考えております。
今後は、担当組織を大くくり化することで、利害関係者への複数名対応を徹底するとともに、毎年度、全職員が汚職等根絶宣言書にサインすることで、職員一人一人に汚職等を根絶する意識を醸成してまいります。あわせて、非違行為の申告を促す仕組みを改善してまいります。
○上田委員 非違行為の申告を促す仕組みについては、中間報告とあわせて後ほど確認させてもらいます。
水道局OBが関与をしていないのかと私も懸念いたしましたが、ほかの委員へのご答弁で、調査特別チームによる元職員を含む職員への調査の結果、水道局OBの関与の事実はないということは、とりあえずは確認をさせていただきました。
さて、物品契約監視委員会というのがもともとありまして、こちらって機能していたのか。また、その構成メンバーが、本庁及び多摩水道改革推進本部の部長級の十名が委員ということですが、先ほどの委員も、内部で、身内が身内を確認できるのかという意見もありました。そういった状況で公正、公明を担保できるのか、反省も含めて伺いたいと思います。
○志村経理部長 水道局では、東京都水道局物品契約監視委員会を設置し、水道メーター、水道用工業薬品等の水道事業運営上特有な物品の購入契約のうち、大量かつ継続的に購入が見込まれるものを対象としまして、落札金額や入札参加者数の推移等の調査を行ってきております。しかし、業務委託契約については、同委員会の調査の対象とはしてございませんでした。
この業務委託契約につきましては、委託業務の所管部署における発注仕様の作成や委託料の積算、経理契約所管部署における契約手続等の内部決定手続を通じまして、契約内容、形態等の適正性などを、検証を行ってきております。
○上田委員 業務委託契約については、同委員会の調査の対象とはしていないということですよね。
先ほど、ほかの委員の答弁には、この委員会と工事契約監視委員会を統合するという答弁をされていました。できれば、私にもいただきたかったなと思います。委員長も冒頭、正確な答弁をということでありますので、どの委員にも同じ情報を提供していただければよかったかなというふうに思っております。
内部決定手続については、大幅な見直しが必要だというふうに思います。この委員会も、今度統合するという委員会も、やっぱり部長が十名というのはどうかということについての、部長級が十名で公明かというのは、今回の答弁では確認できなかったので、引き続き、物品、それから今度工事、監視委員会、合体するようですので、その監視委員会を監視させていただきたいと思います。
再発防止のため、確認をさせていただきます。
職員の異動期間、やっぱり長期にわたると不正、癒着が発生しやすいということは、公務員及び公的地方自治体では当たり前の常識になっております。どのぐらいの期間なのか、長期在籍は問題ありと考えております。
平成二十四、二十六、三十年と問題となった職員の在籍期間を伺いたいと思います。
○金子職員部長 職員の異動基準でございますが、監督職については、同一ポスト三年以上の在職者を異動の対象としてございます。また、一般職員については、同一事業所五年以上の在職者を原則異動させるものとしております。
お尋ねの平成二十四年に発生した事件の職員でございますが、事件発生時、同一部署に四年間所属しておりました。
また、平成二十六年に発生した事件の職員三名でございますが、事件発生時、それぞれ同一部署に四年間、一年間、五年間所属しておりました。
今回発生した事故の当事者となった職員でございますが、事故が発生したと考えられる期間は、同一部署に四年間所属しておりました。
○上田委員 きょう配られた資料で--懲戒免職ですよね、二十四年は。二十六年は、一人は定年退職、二人はまだ水道局にいらっしゃるということで、当然同じ場所にはいないというふうには思いますけれども、どの件も、基準を上回る年数の職員がいたということであります。この基本ができていなくて--三年以上の在籍者は異動の対象--異動していなかったということで、不正や癒着が生まれる余地が生まれたのではないかなというふうに、ご答弁で考えさせられております。
基本を押さえられないまま、水道局は、汚職等非行防止強化月間として、年二回実施したということです。具体的内容においては、何を強化したのか、実施していながらなぜ再発したのか、所見を伺いたいと思います。
○金子職員部長 平成二十六年に発生した事件を受けまして、平成二十七年度から汚職等非行防止強化月間を四月と九月の年二回に拡大いたしました。強化月間では、セルフチェックによる自己点検や汚職等防止策の取り組み状況について、管理職がみずから確認する自己監察等を取り入れております。
こうした取り組みを実施することで、職員の意識改革や管理監督者の職場管理の強化に努めてまいりましたが、過去の非違行為について職員が自発的に申告する仕組みが有効に機能しておらず、情報漏えいの事実を把握できませんでした。
○上田委員 この間も、この職員Aは、強化月間として取り組んでいたが、聞き出せなかったということでありますね。確認させていただきました。
中間報告です。二ページ、関係部所長による職員ヒアリングで、金品の授受等確認できなかったとあるんですが、確認できなかったとする根拠をお示しいただき、どのような調査、確認を行ったのか、具体的にご説明いただきたいと思います。
○金子職員部長 関係部所長等による職員ヒアリングでは、聴取者自身の供述だけではなく、その前任、後任、上司、部下にも確認をとり、情報漏えいの有無を客観的に確認いたしました。
対象職員は、平成二十三年度から二十九年度に七浄水場の当該委託契約の設計金額を知り得た職員百七十名であり、ヒアリングの内容は、契約情報をOBや利害関係者に提供したり、金品の提供を受けたことがあるか、外部から契約情報を教えてほしいなどの働きかけがあったかなどでございます。
この調査の結果、職員Aは、情報漏えいを行った事実を認めましたが、現時点では、金品等の授受などの非違行為の事実は確認されておりません。また、職員A以外のヒアリング対象者につきましては、現時点では、情報漏えい、金品等の授受などの非違行為の事実は確認されておりません。
○上田委員 監察部門による事情聴取についても、同様の件につきご説明ください。
○金子職員部長 局監察部門による聴取では、職員Aの在籍期間も含め、平成二十一年度から三十年度までのX浄水場における当該委託業務の設計担当者、その管理監督者及びその他関係職員計十九名を対象に事情聴取を実施し、客観的に確認いたしました。
また、局関係部所長等によるヒアリングにおきまして、事業者から契約情報について聞かれたことがあると証言した職員とその管理監督者計十二名を対象に事情聴取を実施いたしました。
主な聴取項目は、受託事業者への契約情報提供の有無、事業者から契約情報について聞かれた経験の有無、受託事業者からの金品等の授受の有無でございます。これらの調査の結果、職員Aは、情報漏えいを行った事実を認めましたが、現時点では、金品等の授受などの非違行為の事実は確認されておりません。
また、職員A以外の聴取対象者につきましては、現時点では、情報漏えい、金品等の授受などの非違行為の事実は確認されておりません。
○上田委員 金品の授受などの非違行為の事実もなければ、ほかの漏えいはなかったということでありますね。
四ページの調査の結果、新たな情報漏えい等確認できなかったとありますが、こちらについても確認できなかったとする根拠と、調査確認等をどう行ったのか、説明していただければと思います。
○金子職員部長 事故が発生した浄水部関係に在籍する職員のうち、病気等の長期不在者を除く一千七十七名に対し、記名式チェックシートを用いて調査を実施いたしました。
この調査内容は、過去、みずから業者に予定金額等を漏らしたことがある、業者から予定金額等の提供を求められたことがあるなど、汚職に関する質問等をマル・バツ方式で記入する形式といたしました。また、客観性を高めるため、他の職員についても見聞きしたことがあるかという質問も加えたチェック方式といたしました。この調査の結果、現時点では、新たな情報漏えいなどの非違行為の事実は確認されておりません。
○上田委員 七ページ、4、調査により判明した事実の下から五行目、現時点では確認されていないとありますが、こちらについても確認されていないとする根拠、調査により判明した事実とあることから、どのような調査を行ったのかお聞かせください。
○金子職員部長 職員Aに対しましては、所属長によるヒアリング、局監察部門による事情聴取及び総務局コンプライアンス推進部による事情聴取を実施いたしました。いずれの聴取におきましても、職員Aは、情報漏えいについては認めたものの、金品の授受、便宜供与等はなかったと供述しております。
○上田委員 また数年後にこの調査のときに協力しなかったというような職員が出ないように、ちょっと確認させていただきました。
当事者に自発的に情報を出させるということも、どうも限界があるようにも思えてなりません。職員の置かれている環境に不正の入り込む余地があったのではないのか確認したいと思います。
八ページに、部下職員や上司である技術課長の十分なサポートを得られないことからとありましたが、なぜサポートを得られなかったのか、いじめやハラスメントの対象となっていなかったのか、確認させていただきたいと思います。
また、適正な業務の引き継ぎが行われていなかった可能性があり、管理監督者に大いに責任があるのではないのか、所見を伺います。
○金子職員部長 職員Aは、内部調査におきまして、在籍当時、担当内にはベテラン職員がおり、相談はできたものの、所属長は所管している職員も多く、相談等の時間が十分とれなかったと説明しております。
また、職員A及び当時の管理監督者や部下への事情聴取におきましては、現時点では、職員Aがいじめやハラスメントの対象になっていたとの事実は確認されておりません。
職場環境の状況にかかわらず、情報漏えい事故が発生したことから、管理監督者の処分についても、公正取引委員会の調査状況を勘案しながら、今後、厳正に対処してまいります。
○上田委員 所属長は所管している職員も多く、相談等の時間が十分とれなかったとのことですけれども、かねてより事務事業、私、公営企業委員は二度目なんですけれども、また、決算もやらせていただきましたが、事あるごとに水道局の人材育成については、制度や組織、取り組みがきちっとできていることの報告を受けております。
外郭団体やナレッジバンクを活用して、当局では東京水道グループが一体となった人材育成を進めていくこととしており、監理団体と一体になった研修の実施により、水道局職員及び監理団体職員が共通認識を持って業務を遂行できる取り組みをしていると。本当に十一月二十二日の事務事業質疑でもご答弁いただいておりますが、この制度や仕組みが残念ながら機能していなかったとしか思えない職員Aのこのコメントであります、十分なサポートを受けられなかったというね。
一体なぜ彼を孤立させる事態になっていたのか、これらの取り組みはなぜ機能していなかったのか伺いたいと思います。
○金子職員部長 当局では、土木や設備などの各職種に求められる知識、技術、技能の習得のため、実務に即した研修を継続して実施しており、職員の知識、レベルの向上を図ってまいりました。職員Aにつきましても、こうした研修を受講し、一定の知識を身につけていたと考えております。
一方で、事故が発生した課の組織は、課長、課長の補佐や部下の監督を行う課長代理のほか、日常の管理業務や突発的な事故にも臨機に対応できるよう、課をまたぐ困難な課題解決や調整の中心役となる統括課長代理を配置しておりますが、排水処理担当は担当職員が少なく、職員の相互支援が十分でなかったと認識しております。
○上田委員 職員の相互支援が十分でなかったということ、これは重要であります。再発防止策をるるご提案いただいていますけれども、屋上屋を重ねても、先ほどの在職期間の年数とか、こうした土台がしっかりしていなければ足元から崩れてしまうのではないかというふうに思います。新たな対策を打つ前に本来すべきことができていなかったのではないかということを確認させていただきました。
八ページの下から三行目です。これくらいの情報は問題ないだろうとありますが、入札にかかわる金額の情報を業者に教えることは、これくらいの情報というものではなく、汚職の一丁目一番地を犯しているもので、二十四年及び二十六年度の事件を受けての再発防止策が、これも全く浸透していなかったではないかということのあらわれではないかと思います。所見を伺います。
○金子職員部長 過去二回の事件を受けて、三年に一回受講させていた悉皆の汚職等防止研修を毎年受講させることといたしました。加えて、契約及び設計、起工業務に携わる課長代理級職員を対象とした研修を導入いたしました。これらの研修では、具体的な事故事例や汚職が起こった場合の損害等を紹介しながら、汚職防止の重要性について説明し、注意を喚起してまいりました。
これにより汚職等の防止について一定の効果がありましたが、今回の情報漏えい事故が発生してしまったことから、全ての職員までに汚職等を根絶する意識が浸透していないと考えております。
○上田委員 意識の浸透が大変大事であります。それと同時に、正しい競争原理のもと入札が行われる、汚職が入り込まぬ制度が大事でございます。
一〇ページでは、受託事業者はほぼ同一とありますが、この状況は、先ほど十七者あっても三者が七カ所の浄水場で採用されているということも踏まえると、適正な競争原理が動いていなかったのではないかというふうに考えます。
仮に職員による情報漏えいがなかったとしても業者談合が行われていたと推測できるような、同じ事業者が受け続けてというようなことであり、このこと自体検証すべきと考えますが、所見を伺います。
○志村経理部長 業務委託契約にはさまざまな種類がございます。それぞれの業務の内容や性質、受託者が属する業界の状況等が異なることから、競争が適切に行われたかどうかを一律に考えることは困難でございます。したがいまして、受託事業者が長期間にわたり同一であることをもって談合が行われていると推測することはできないと考えております。
排水処理施設運転管理作業委託につきましては、談合の疑いがあるということで、公正取引委員会による調査が現在も継続中でございまして、当局としても調査に協力してまいります。
○上田委員 続いて、一二ページの九行目から、職員Aは初めての業務だったことからとありますが、都庁職員は定期的に異動し、そのたびに新たな業務につくものであることから、適正な事務引き継ぎ及び業務のマニュアル整備が行われていれば、業者と密接な関係には及ばないものであり、組織として欠陥があったのではないか、見解を伺います。
○青木浄水部長 浄水場の排水処理担当におきましても、職員の異動があった際には、事務引き継ぎを確実に行っております。また、業務マニュアルも整備されてございます。
このため、平常時における委託の施行管理は、業務マニュアルに基づき確実に実施しておりますが、設備、機器にふぐあいが発生した場合など、現場で迅速な対応が求められる事態には、受託事業者と一対一になり得る状況があると認識してございます。
○上田委員 現場で迅速な対応が求められる事態においては、受託事業者と一対一になり得る状況というのは何も問題ないと思いますし、突発的に生じることへの対応は当然のことであります。
一対一になることが悪いのではなくて、職員Aが業者に精神的に頼り切ってしまった状況が問題と思います。本人にノウハウが蓄積され、それをサポートできている職場であったかということに、私は懸念を持っている次第でございます。
一二ページ、十七行目からは、当該契約は、製造会社及び連続して受注する会社に優位性があると、もう明言しちゃっておりますけれども、そこでの意味は、従前から談合が行われていたことを認めたかのような発言に私は見えてしまいました。組織としての責任は重いといわざるを得ないのではないかと考えております。
再発防止策で解決できるのか、見解を伺います。
○志村経理部長 先ほどもお答えさせていただきましたが、業務委託契約にはさまざまな種類がございまして、それぞれの業務の内容や性質、受託者が属する業界の状況等が異なることから、競争が適正に行われているかどうかを一律に考えることは困難でございまして、受託事業者が長期間にわたり同一であることをもって談合が行われていると推測することはできないと考えております。
本件業務委託につきましては、業務の性質や受託者が属する業界の特徴から、連続して受注することに合理的な理由があるものとこれまで認識しておりましたが、しかし、こうした認識が競争性を発揮させるための不断の見直しを不十分なものとし、結果として今回発生した事故の一因になったものと考えております。
このため、再発防止策では、本件業務委託の抜本的な見直しを行うとともに、委託契約情報の事後公表の拡大を図るなど、可能な限りの対策を講じてまいります。
○上田委員 業務委託の抜本的な見直しは大いに結構だと思います。事後公表の拡大もお願いいたしたいと思います。
一四ページ、七行目から、入札参加条件と発注仕様が、新規参入を阻害していないかとありますが、まさにここが問題であります。この問題は、知事も立ち上がって今般調査をしたことからも、全庁的に取り組むべき問題ではないのか伺いたいと思います。
○志村経理部長 業務委託契約にはさまざまな種類がございまして、入札参加条件や発注仕様は、業務の性質や内容、受託可能な事業者の状況等に応じて個別に定めるものでございます。
具体的には、委託業務の所管部署におきまして、委託する業務内容を精査した発注仕様と、受託者に求める過去の実績や技術力等の水準に応じた入札参加条件を定めます。
次に、経理契約部署等におきまして、契約締結に向けた内部決定手続の中で、これらの条件等の適正性を検証しております。
しかし、排水処理施設運転管理作業委託につきましては、業務の性質や受託者が属する業界の特徴から、落札結果は合理的なものと認識し、これまでの入札参加条件等について検証することなく現在に至ってしまったものでございます。
このため、今回判明した事故を踏まえ、本件業務委託につきまして競争性を高めるための取り組みを可能な限り実施してまいります。
○上田委員 抜本的見直しを引き続きお願いしたいと思います。
一六ページ、下から七行目から、今後は、処分量定を加重して適用するとありますが、司法取引で軽減する手法が行われていますが、加重する意味がちょっと不明であります。基準というものは一定の条件のもとに決めるもので、加重することで抑止力が動くと思ってのことだと思いますが、抑止力が動くという根拠はどこにあるのでしょうか、お示しいただきたいと思います。
○金子職員部長 現在は、自発的な申告があった場合に、懲戒処分の処分量定を軽減させることが可能となっております。今回発生した事故では、この職員が自発的に申告する仕組みが機能しなかったことから、今後は、自発的な申告がなかった場合には、懲戒処分の決定に当たり、原則として処分量定を加重して適用することといたします。
こうした改善により、自発的な申告の有無を懲戒処分の量定に反映させることで、自発的な申告を促す効果があると考えております。
○上田委員 その取り組みが全庁にわたることを希望するところでございます。
一八ページ、第三者コンプライアンス委員会の設置とありますが、その委員はどのようなメンバーになるのか、属性はどんなふうになるのか大変関心があります。具体的にお示しいただければと思います。
○金子職員部長 今後設置いたします第三者コンプライアンス委員会の委員につきましては、法曹関係者等の有識者を予定してございます。また、委員の人選はこれから早急に実施してまいります。
○上田委員 ゆめゆめ都庁職員のOBであったりとかご用学者的な人ではなく、厳しく監視できる人材を強く要望をしますが、その組織を設置することで、先ほども屋上屋と申し上げましたが、今後、不適切事案の発生を根絶できるのかどうか伺いたいと思います。
○金子職員部長 第三者コンプライアンス委員会では、今回判明した事故の再発防止策を初め、水道局の構造的な課題を踏まえた当局全体のコンプライアンス強化策について外部の視点で検証、提言いただきます。
この委員会による提言を踏まえ、より有効な再発防止策として取りまとめ、汚職等の根絶につなげてまいります。
○上田委員 機能することを期待します。
最後の質問です。二〇ページです。3、職員の属人的側面に起因するものと左下の方にありますが、これは組織的責任を回避するためのものではないか懸念します。
不適切事案は、故意犯の場合は防ぎようはありません。したがって、徹底的に組織防衛する方策を具体的に定める必要があるのではないでしょうか。見抜き、気づき力の向上と規定していても、何をどうするのか、ちょっとここからでは読み取ることができません。
先ほど指摘しました八ページの部下職員や上司である技術課長の十分なサポートを得られないことからという組織体制も鑑みれば、職員が追い込まれている組織的背景を感じ得るものです。この組織風土の改革なくして、談合や不正、職員のメンタルヘルスの問題は解決し得ないと考えます。
きょう一日の質疑、答弁を受けられまして、今後どのように職員が安心して働き、不正の余地のない水道局の組織風土を再構築されていくのか、具体的なお考えを踏まえた局長の所見と決意を伺います。
○中嶋水道局長 当局では、過去二回の不祥事も踏まえまして、汚職等防止策にこれまで取り組んでまいりましたが、今回また職員による情報漏えい事故が明らかとなり、お客様、都民の皆様に対してご迷惑をおかけしましたことを極めて重く、責任者として受けとめてございます。
このため今後、こうした事故が発生しないよう、今回、明らかとなりました事故に係る直接的な原因分析のみならず、水道局の構造的な問題、仕事の仕方、また組織風土、職員の意識というものも全て含めまして、こういったものを踏まえまして、現行の汚職等防止策に加え、職員相互が業務をチェックする仕組みですとか、あるいは外部からの視点の導入という新たな再発防止策を今回構築したところでございます。
今後は、これらを通じまして、職員の意識改革、組織運営や業務の進め方の見直しなど、あらゆる角度から抜本的な取り組みを着実に実施し、局全体で再発防止に取り組み、都民の信頼の回復に努めてまいります。
○上田委員 六年の間に同じ局で三回も不正行為が発生しています。この間、事務事業の資料でも取り寄せましたが、平成二十七年には三名の自殺者、これは幹部職も含む三名の自殺者も出ており、過労死ラインの超過勤務についてもずっと指摘させていただいてきました。
今回のこと、これまでのことは、個人の属人的側面に起因したヒューマンエラーが続発したものなのか、水道局という組織のシステムエラーなのか、いま一度原点に立ち返り考える潮目ではないかと考えます。第三者コンプライアンス委員会もとても大切なことではありますが、現場職員、若手職員から幹部職、局長まで腹を割って話せ、報告、連絡、相談が安心してできることが大事だと思います。コンプライアンスの前に縦横の職員の信頼関係が重要と思います。ここでまた職員を締めつけても逆効果になるのではないかと懸念をするところでございます。
本当に、先ほどから申しておりますが、困ったらすぐに相談ができ、問題解決ができる風通しのよい水道局ですから、水の流れのように滞ることのない組織風土を切に願いまして、私の質疑を終わらせていただきます。
○川松委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川松委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で水道局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時一分散会
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