公営企業委員会速記録第九号

平成二十九年九月二十八日(木曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長清水 孝治君
副委員長藤井とものり君
副委員長本橋ひろたか君
理事加藤 雅之君
理事菅原 直志君
理事とや英津子君
鈴木 邦和君
大場やすのぶ君
村松 一希君
もり  愛君
斉藤まりこ君
あかねがくぼかよ子君
中山 信行君
三宅 茂樹君

欠席委員 なし

出席説明員
交通局局長山手  斉君
次長小泉  健君
総務部長土岐 勝広君
水道局局長中嶋 正宏君
技監田村 聡志君
理事総務部長事務取扱黒沼  靖君
サービス推進部長小山 伸樹君
浄水部長青木 秀幸君
給水部長尾根田 勝君
多摩水道改革推進本部本部長岸本 良一君
技術調整担当部長本荘谷勇一君
下水道局局長渡辺志津男君
次長津国 保夫君
総務部長安藤  博君
職員部長久我 英男君
経理部長田中 宏治君
計画調整部長中島 義成君
施設管理部長池田 匡隆君
建設部長佐々木宏章君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長
IWA世界会議準備担当部長兼務
鈴木  豊君
技術開発担当部長小団扇 浩君
施設管理担当部長廣木 健司君
流域下水道本部本部長神山  守君
管理部長飯田 一哉君
技術部長猪八重 勇君

本日の会議に付した事件
下水道局関係
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
水道局及び下水道局関係
報告事項(質疑)
・下水道局施設内での配管誤接続による水質事故の発生について
特定事件の継続調査について

○清水委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局及び下水道局関係の報告事項に対する質疑並びに特定事件の閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 これより下水道局関係に入ります。
 報告事項、私債権の放棄についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○清水委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○清水委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。

○清水委員長 これより水道局及び下水道局関係に入ります。
 報告事項、下水道局施設内での配管誤接続による水質事故の発生についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○尾根田給水部長 さきの委員会におきまして要求のございました資料のうち、水道局所管分につきまして、その概要をご説明申し上げます。お手元に配布させていただいております資料1をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。誤接続を原因とする水質事故とその対応でございます。
 それぞれの水質事故につきまして、発生日と発生箇所、事故の概要及び再発防止策等をお示ししてございます。
 まず、項番1でございますが、平成二十三年十月二十日に福生市において発生した事故につきまして、その概要等をお示ししてございます。
 二ページをお開き願います。項番2でございますが、平成二十五年三月十一日に墨田区において発生した事故につきまして、その概要等をお示ししてございます。
 三ページをお開き願います。誤接続以外を原因とする水質事故とその対応でございます。
 項番1でございますが、平成二十二年二月四日に大久野浄水所で発生した事故につきまして、その概要等をお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。項番2でございますが、平成二十三年三月二十三日に江戸川系原水で発生した事故につきまして、その概要等をお示ししてございます。
 五ページをお開き願います。まず、項番3でございますが、平成二十三年九月一日に大丹波浄水所で発生した事故の概要等を、次に、項番4でございますが、平成二十四年五月二十日に群馬県高崎市内の利根川支川烏川地先で発生した事故の概要等をお示ししてございます。
 以上、大変簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。  よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

○佐々木建設部長 引き続き、下水道局所管分の資料につきまして、その概要をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料2をごらんください。誤接続による水質事故の件数をお示ししてございますが、過去十年間、当局において誤接続を原因とする水質事故が発生した事例はございません。
 資料3をごらんください。中川建設発生土改良プラント管理業務委託において受託者が実際に行っている業務内容一覧について、平成二十四年度及び二十九年度分をお示ししてございます。
 資料4をごらんください。中川建設発生土改良プラント管理業務委託に関する契約書及び特記仕様書について、平成二十四年度及び二十九年度分をお示ししてございます。
 資料5をごらんください。中川建設発生土改良プラントにおける管理体制について、平成二十四年度及び二十九年度分をお示ししてございます。
 資料6をごらんください。中川建設発生土改良プラント管理業務委託における下水道局職員による管理監督状況について、平成二十九年度分をお示ししてございます。
 以上、簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 なお、さきの委員会にて、当局よりご報告いたしました資料について、一部訂正がございました。つきましては、訂正版をお手元に配布させていただいておりますので、ご参照ください。

○清水委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 都民ファーストの会東京都議団の鈴木です。
 本年九月十日に発生した三次処理水配管と水道の給水管との誤接続について質問いたします。
 私が今回の質問で実現したいことは、事故の原因の多角的な検証、そして実効性のある再発防止策の提案です。その観点から、五つのテーマに絞って質問いたします。
 第一に、誤接続した現場作業員の方に焦点を当てます。
 今回の事故では、三次処理水配管を水道の給水管に誤接続したことによって、下水の三次処理水が水道管に混入し、二十七件の家庭に影響が出ました。異なる配管を接続することは、本来、違法であり、作業を行った当該社員に違法性の認識があれば起こり得ない事故です。
 そこでまず、いつ、どのような理由で、この三次処理水配管を水道の給水管に誤接続したのか、伺います。

○佐々木建設部長 中川建設発生土改良プラントでは、三次処理水を車両及びトイレの洗浄等に利用していました。中川水再生センター内の工事等で三次処理水の供給が停止することがあり、トイレの洗浄水が不足することがありました。
 平成二十四年十月二十二日ごろに、中川建設発生土改良プラントの管理業務を委託している、当局の監理団体である東京都下水道サービス株式会社の社員がトイレ洗浄水を確保するため、三次処理水配管と水道の給水管を誤って接続させてしまいました。

○鈴木委員 この誤接続をしてしまった社員の所属会社を教えてください。

○佐々木建設部長 民間会社から派遣された東京都下水道サービス株式会社の社員であります。

○鈴木委員 この誤接続は派遣社員の独断だったのでしょうか。

○佐々木建設部長 東京都下水道サービス株式会社の派遣社員がみずからの判断で配管を行ったもので、中川建設発生土改良プラントの責任者である所長には報告していませんでした。

○鈴木委員 この東京都下水道サービス株式会社の当該社員を含む関係者の処分については、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。

○安藤総務部長 東京都下水道サービス株式会社に対しましては、当該社員を含む関係者の処分など、厳しく対処するよう指導してまいります。

○鈴木委員 今回の誤接続を行った当該社員を含む関係者に対しては処分を行い、このような接続が違法であることを、ほかの社員の方々に対しても強くご認識いただくことで、まずは現場の意識面から再発の防止に取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、第二のテーマです。配管のチェック体制について伺います。
 仮に、現場で誤接続があったとしても、組織として配管を定期的にチェックできる体制があれば、今回の事故も未然に防ぐことができました。
 まず伺います。誤接続が今回の事故発生までなぜ発見できなかったのでしょうか。

○佐々木建設部長 事故の原因となったトイレは、プラント機械の運転管理に従事する東京都下水道サービス株式会社の派遣社員が主に使用しており、誤って接続を行った派遣社員を含め、違法という認識がなかったため発見できませんでした。

○鈴木委員 東京都下水道サービス株式会社は、トイレの配管などのチェックをどのように行っていたのでしょうか。

○佐々木建設部長 トイレの点検は、中川建設発生土改良プラントにおける安全管理、重機の運転、誘導などのプラント管理業務の一環として、東京都下水道サービス株式会社が別途委託した会社の作業員が行っており、その結果を中川建設発生土改良プラントの責任者である所長に報告することになっております。
 トイレの点検は、週一回行われていたことを確認しておりますが、点検実施記録には配管の項目はなく、目視によるトイレの異常の有無を記載することとなっております。

○鈴木委員 東京都下水道サービス株式会社の配管チェック体制の見直しが必要だと考えますが、見解を伺います。

○佐々木建設部長 このような事故を防止するためには、点検及びチェック体制の強化や社員の教育が重要であると考えており、東京都下水道サービス株式会社内において検討委員会を立ち上げ、事業所における派遣社員も含めた仕事の進め方、委託先を含めた意識の共有などについて検討し、全社を挙げて再発防止に取り組んでいくこととしております。
 この中では、各設備において、誰が点検しても漏れが発生しないようにするため、より具体的な点検項目を設定し、点検作業の内容を明確化するほか、組織として、複数の目で確認する仕組みの構築などを検討しております。あわせて、下水道局におきましても、委託管理項目見直しの検討や職務遂行上必要な知識、技術能力を向上させるための研修を行ってまいります。

○鈴木委員 今回のような事故の再発防止のためには、個人だけではなく、組織として事故が起こらないような体制を構築することが不可欠です。委託管理項目の見直しや検討委員会の立ち上げを含めて、配管のチェック体制を強化いただければと思います。
 続いて、第三のテーマです。水道局による配管のチェック体制について伺います。
 今回の接続された対象は水道の給水管でした。事故の直接の原因ではありませんが、水道局による配管のチェック体制を再考することによって、さらに事故を未然に防ぐことができると考えております。
 そこでまず、水道局は、水再生センターへの立入検査を行っていたのか、伺います。

○尾根田給水部長 水道局では、給水装置からの逆流による水質事故を防止することを目的に、毒物や劇物及び薬品等の危険な化学物質を扱い、これを製造、加工、または貯蔵するガソリンスタンドなどの施設を対象に給水装置の立入検査を実施しております。このため、水再生センターは、この給水装置の立入検査施設の対象外となっておりまして、これまで立入検査を実施しておりませんでした。

○鈴木委員 水再生センターに関しては、これまで実施していなかったとのことです。そこで、こうした事故を未然に防ぐための再発防止策として、水再生センターへの立入検査を実施していくのか、伺います。

○尾根田給水部長 今回の事故を受けまして、特定施設への立入検査対象に、水再生センターなどの下水処理水利用施設等約八百カ所を速やかに追加したところでございます。今後は、こうした施設につきまして、計画的かつ継続的に検査を実施してまいります。

○鈴木委員 今後は、水再生センターなどの施設に対しても、計画的にしっかりと立入検査をしていただくようお願い申し上げます。
 第四のテーマです。
 東京都の上水道の給水管には、逆流防止装置を設置していると聞きました。これも直接の原因ではございませんが、この逆流防止装置が正常に機能すれば、今回の事故のような下水処理水の逆流は起きませんでした。逆流防止装置がなぜ機能しなかったのか、どのような対応策が必要なのかという観点から質問をいたします。
 まず、逆流を防止する装置は東京都の上水道にどの程度設置されているのか、伺います。

○尾根田給水部長 都営水道における給水区域内の全ての給水装置に逆流防止機能を備えております。一般家庭等におきましても、逆流を防止する装置の義務づけはございませんが、都独自の防止対策として、平成二十一年度から、水道メーターの新設時や計量法で定める八年に一度の水道メーター取りかえの際に、給水管から配水管への水の逆流を防止する逆流防止弁つきのメーターパッキンを水道メーターの接続部に設置しております。

○鈴木委員 逆流防止弁つきのメーターパッキンを設置しているということでしたら、今回の事故で、この逆流防止の機能が発揮されなかったのはなぜでしょうか、伺います。

○尾根田給水部長 今回の事故発生時に、当該の水道メーターを外し、設置していた逆流防止弁つきのメーターパッキンを確認いたしましたところ、パッキンの弁体がわずかに開いていたことを確認しております。これは、弁体にさび等がかみ込んでいたことが原因と考えております。

○鈴木委員 弁体にさびなどがかみ込んでいたことが原因と考えられるということでした。私としては、こうしたリスクを少しでも減らすことが必要だと考えております。
 再発防止策として、逆流防止弁が正常に機能するための施策は、今後実施していく予定はありますでしょうか、伺います。

○尾根田給水部長 再発防止策といたしまして、第一に、このたびの水質事故の原因である違法な配管に対する注意喚起や指導を徹底する必要がございます。あわせまして、都独自の防止対策といたしまして設置してきた逆流防止弁つきのメーターパッキンにつきましても、水道メーターと同様、お客様に管理する義務はございますが、今年度、より一層、逆流防止機能を向上させるため、メーターパッキンの構造、材質や耐久性能等の見直しを行い、先ほども申し上げましたが、水道メーターの新設時や計量法で定める水道メーター取りかえの際に、この新たなメーターパッキンを設置しております。

○鈴木委員 東京都独自の取り組みとして、逆流防止装置を全てに設置してきたことは評価できます。新たなメーターパッキンへの順次交換を通じて、本来あってはならないことではございますが、万が一、誤接続が起きても逆流をしない、より安心な東京都の水道を目指していただきたいと思います。
 第五のテーマです。
 事故発生後に、水道局は各家庭に給水車を出動しています。水道局の対応については、過日の当委員会において説明があったとおり、水道局が第一報を受けてから給水車による応急給水までに、実に五時間かかったとのことです。
 そこで、水質事故時における給水車の運用に焦点を当てて幾つか質問させていただきます。
 まず、給水車の現場出動について、どのような規則になっているのか、伺います。

○尾根田給水部長 水道局では、さまざまな事故や災害に対し、迅速な応急給水を実施するため、水道緊急隊を組織するなど、保有する四トンから二トンまでの応急給水車、計十四台により、二十四時間三百六十五日、応急給水車が出動できる体制を整えております。
 また、事故等の対応マニュアルとして突発事故対応の手引を定めており、配水管の漏水事故や水質事故などの場合には、必要に応じて、支所等の事故対応部署が水道緊急隊に応急給水車の出動を要請することとしております。
 水道緊急隊では、この要請に基づき応急給水車を現地に出動させ、応急給水を実施することとなっております。

○鈴木委員 今回のような事故が発生した際に、給水車の出動判断をより迅速に行うことは可能でしょうか。

○尾根田給水部長 今回の水質事故では、お客様からの第一報を受け、水質の確認や排水作業、原因調査など、さまざまな対応を進めた結果、応急給水の開始までに約五時間を要することとなり、お客様に対し多大なご不便とご迷惑をおかけしたことを大変重く受けとめております。
 これを教訓といたしまして、今後、同様の事故が発生した場合には、さまざまな作業を進める中にあっても、より一層迅速に応急給水の必要性を判断できるよう、訓練の充実などを実施してまいります。

○鈴木委員 訓練の充実などを実施していくということでしたが、さらに再発防止策として、給水車の迅速な現場出動を目的としたマニュアルの変更については考えていますでしょうか、伺います。

○尾根田給水部長 当局では、水質事故等の対応マニュアルといたしまして突発事故対応の手引を定めておりますが、今回の事故を教訓といたしまして、迅速に応急給水車の出動が可能となるようマニュアルの見直しを図ってまいります。

○鈴木委員 こうした水質事故においては、初動対応が極めて重要であると認識しており、飲用停止で住民に不安が広がる中、初動対応として応急給水の果たす役割は大きいものがございます。ぜひ迅速な給水車の出動に向けて、さらなる努力をしていただければと思います。
 これまでの質疑を通じて、実効性のある五つの再発防止策の提案をしてまいりましたが、事故後の都民への対応が何よりも重要です。影響のあった都民への対応はもとより、全てのユーザーに対する不安解消を図っていく必要があると思います。
 そこで、都民の不安解消に向け、どのような対応をこれまで行ってきたのか、両局に対して伺います。まず、下水道局に伺います。

○佐々木建設部長 下水道局では、お客様の不安解消に向け、九月十二日以降、水道局とともに影響のあったお客様に対して戸別訪問を実施し、事故の内容を説明するとともに、おわびを申し上げました。
 十三日には、地元自治会の会合に参加し、おわびと経緯等をご説明いたしました。
 また、昨日の地元自治会の会合において、事故後の対応経過、お客様からご要望のありました水質試験の結果報告等を実施しております。
 今後とも、誠意を持って対応させていただきます。

○尾根田給水部長 不安解消に向けましては、影響のあったお客様に対しましては、局内に専用の窓口を設置いたしまして、さまざまな問い合わせに対して一元的に対応しております。
 また、地元会合の中で、経緯や原因、今後の対応等を説明するとともに、給水管洗浄の希望を伺い順次実施するなど、丁寧かつ誠意を持って対応しております。
 さらに、一般のお客様に対しましては、水質に関する問い合わせが多いため、水質検査結果等の定期的なツイッター投稿やあんしん診断などのお客様と接する機会を通じた説明など、あらゆる機会を捉え、水道水の安全性についてPRしております。

○鈴木委員 引き続き丁寧かつ誠意ある対応により、都民の不安解消に努めていただきたいと思います。
 今回の事故のように、東京都下水道局の施設において、三次処理水の配管を給水管に誤接続させた事例は過去十年で一例もありませんでした。
 本日、ご答弁いただいた五つの再発防止策、まず第一に、当該社員を含む関係者の処分の検討、第二に、運営会社のチェック体制の構築、第三に、上下水道局によるチェック体制の構築、第四に、逆流防止装置の交換、そして第五に、給水車の迅速な出動に向けたマニュアルの見直し、この五点の再発防止策を着実に実行いただくことで、今回のような事故を今後、防ぐことができると私は確信しております。
 水道局、下水道局の皆様には、世界に誇る東京の上下水道の信頼回復に一層努めていただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わります。

○中山委員 中川五丁目におけます水質事故について質問いたします。
 今回の水質事故は、私の地元であります足立区で起きたものでございます。都民は、ふだん蛇口から直接に飲むことができ、入浴で肌にも触れている水道水を信用しております。いい方を変えれば信頼している水道水だからこそ、それを裏切る出来事に強く不安を覚え、動揺し、怒りが大変大きくなっているのであると私は受けとめております。
 私も、事故発生後、今月二十一日には、三次処理下水が水道に混入されることの原因となりました下水道局の中川建設発生土改良プラント、通称土づくりの里のトイレ施設に足を運んで、現場を含め、その周辺の状況を確認してまいりました。以来、どうすれば住民の皆様の不安に寄り添い、その解消を果たすことができるのか真剣に悩んできたところでございます。
 そうした中で迎えた本日の委員会でございます。住民の皆様の声を受けとめつつ、強く原因の究明と再発の防止を願う観点から質疑を行いたいと思います。
 まず昨晩、本件に関する住民説明会が、地元大谷田東町会の会館で、水道局と下水道局が出席して開かれました。当初から私、いろいろ住民の方々からご相談を受けてまいりましたので、開かれることをお伺いして、資料を参加者の方にお願いしました。入手させていただいたところでございますので、それをただいまから加藤理事に配布お願いしたいと思います。理事会でのご承認ありがとうございます。
 ただ一点、お断わりをしておきたいと思います。
 この資料には、被害の対象となった個人のお住まいが、大体このあたりといったぐあいで特定されるおそれのある情報が記載されております。特定されるということは、問い合わせが集中したり、お子さんがいらっしゃるご家庭では学校でからかわれたり、いじめられたりする、そういうおそれも出てまいります。そうした事態の惹起を望まない地元の声も聞いております。情報公開の請求が出されれば、規定に従って検討されると思いますけれども、当然個人情報の保護という観点は重要視されます。
 したがいまして、きょうの段階では、私個人の考えではございますけれども、SNSや機関紙、通信物での発信を初め、第三者へのご提供はご遠慮いただいた方がよいのではと、僭越ながら各委員に改めてお願い申し上げるものでございます。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 その上で、まずは水道局にお伺いいたします。
 この住民説明会の資料を見ますと、各住戸への個別のお知らせや応急給水の開始までに、先ほども鈴木委員からお話ございましたけれども、第一報から応急給水の開始までに五時間かかっております。
 そこでまず、応急給水が開始されるまでの水道局の対応の詳細について、改めてお伺いいたします。

○尾根田給水部長 答弁に先立ちまして、今回の水質事故に対する初動対応につきましては、影響を与えたお客様に多大なご迷惑をおかけしたことをまずはおわび申し上げます。
 応急給水開始までの水道局の対応についてでございますが、十五時ごろに二件のお客様から第一報をいただき、水道局職員が直ちに現場に出動いたしました。おおむね四十分後に、お客様宅において濁りとにおいを確認いたしまして、付近にある消火栓から排水作業と水質確認を行い、水道法に定める残留塩素濃度の確保を確認するとともに原因調査を開始いたしました。
 さらに、周辺のお客様宅を訪問して、水質異常の有無をお尋ねしたところ、通報をいただいたお客様以外は異常のお申し出がなかったため、においが残るお客様には念のため飲用を控えていただくようお願いいたしました。
 一方、現地での作業等におきまして、残留塩素濃度が周辺と比べて低い状況が継続し、その回復には時間を要すると判断したため、二十時ごろから応急給水を開始いたしました。
 今回の水質事故に当たりましては、申し上げたとおり、お客様への個別訪問を初め、お客様宅や周辺における水質確認、消火栓からの排水作業及び原因を特定するための調査といったさまざまな対応を現場出動した水道局職員が行っておりました。
 一方、結果といたしまして、応急給水開始までに約五時間を要し、多大なご不便とご迷惑をおかけしたことを大変重く受けとめております。
 これを教訓といたしまして、今後、同様の事故が発生した場合には、広報並びに応急給水車の必要性を迅速に判断し、お客様への影響を最小限にとどめるよう努めてまいります。

○中山委員 通報をいただいた住民の方への対応に始まって、手順を踏んで水質回復のための排水作業や水質確認を行った結果、給水開始までに時間を要したとのことでございますけれども、やはり五時間はかかり過ぎでございます。
 今後の教訓として、答弁の中にございました同様の事故が発生した場合には、広報並びに応急給水車の必要性を迅速に判断して、都民への影響を最小限にとどめるよう努めていくということは大変重要な視点であります。
 さらに、においの感じ方には個人差が伴います。においを感じたと主訴されたご家庭だけを対象に、飲用を控えるようにと伝えたという対応はいかがなものかと考えます。水道はつながっていますから、水質事故の影響範囲を特定できるまでは、どの程度被害が広がっているかわからないといった前提で臨むべきであります。
 隣の家は飲むなといわれたのに、自分はにおいを感じないといったら飲むなとは忠告されなかったというのであれば、一体水道局は何を基準に判断しているのか。嗅覚といった個人差のある住民側の主観に基づいていてよいのかという不信を招くことは当然であります。
 本件の場合、においに関する主訴があった周辺のご家庭であれば、少なくとも、念のために飲用を控えていただく旨を同様に伝えておくべきではなかったのかと考えます。
 また、昨日の地元町会への説明会では、応急給水車が来ていることや、応急給水が行われていること自体知らなかった、気づかなかったといった声が参加者の中から上がっていたとお伺いしております。
 こうした事態が繰り返されないよう、今後は、あらかじめ記載内容を整備しておいたチラシをマニュアル化するなどして、そうした場合には迅速に、周辺の方々にチラシを配布してお知らせするように改善するべきであると考えます。
 加えて、応急給水の必要が解消されるまでの間は不安の解消に努め、水道局としては、被害の及ぶ範囲ではないと判断したご家庭であっても、自分も給水してほしいというお求めがあった場合には応じていくべきだと思います。
 以上、応急給水の開始までの時間の短縮、嗅覚の有無といった主観的要因に基づくことを改めた上での飲用の差し控えを求める措置の対象の拡大、応急給水の広報や積極的運用に向けた改善の三点について指摘申し上げたところであります。
 反省を言葉だけで終わらせないで、確実に今後の対応の改善に生かしていくためにも、関連するほかの全ての見直し事項を含めて、対応マニュアルの改善を急いでもらいたいと思います。
 また、その改善が実施された場合には、その内容を当委員会に報告していただく必要があると考えておりますが、この点の今後の改善に向けての検討をお約束いただきたいと思いますが、いかがでしょうか、見解を求めます。

○尾根田給水部長 今回の水質事故の対応に当たりまして明らかになった課題や反省点を踏まえまして、速やかにマニュアルの改善を行い、本委員会へ報告させていただきます。

○中山委員 次いで、被害の範囲の特定の問題でございます。
 ふだん飲用している水道水に自宅の周辺で水質事故が発生した場合、自分の家へ影響が及んでいないのか不安を感じる住民の方は多いと思います。
 これまでの水道局の説明では、本件の影響範囲は最大二十七件としておりますが、この影響範囲の考え方について、昨日の住民説明会の資料に基づき改めて説明していただきたいと思います。もし、鈴木委員の説明と重なるところあれば省略していただいても結構です。よろしくお願いします。

○尾根田給水部長 少し長くなりますが、ご容赦をいただきまして、資料のご説明をさせていただきます。
 委員がごらんの資料、三次処理水配管と水道給水管との違法接続についてでございますが、昨日実施いたしました地元自治会への説明会におきまして皆様へお示しし、ご説明させていただいた資料でございます。
 恐れ入ります、資料の三ページ及び四ページをお開き願いたいと存じます。こちらのページでございます。
 これらの図は、水道管布設状況と水道水の流れの向きをあらわしておりまして、当該地域に布設されている主な水道管の口径、水圧、当該地域におけるお客様の水の使用量及び地形等の特性から水の流れの向きを計算し、矢印でお示ししたものでございます。
 まず、〔1〕、通常時をごらんいただきたいと存じます。図にお示しした緑と青の線がこの地域の主な水道管で、この地域では、ふだん左からの百五十ミリの緑色と右からの百五十ミリの青色の水道管が主な流れとなって、矢印の向きでお客様のもとへ水道水をお届けしております。
 今回、違法接続があった下水道局給水管を図の中央右下の赤い線でお示ししております。百五十ミリの水道管から分かれた百ミリの比較的細い緑色と青色の水道水の流れが、おおむねこの付近で合流しております。
 次に、〔2〕、三次処理水混合時をごらんください。赤い実線で下水道局給水管から三次処理水が水道管へ逆流し、水道水に混入した場合の流れをお示ししたもので、下水道局給水管の口径、三次処理水を送り出すポンプの圧力、流量等を計算条件に加えております。
 下水道局施設内から逆流した三次処理水は、左の緑色と右の青色の水道水の流れに逆らい、赤色の線でお示しした位置まで混入したとの計算結果となり、お客様宅の給水管から三次処理水と水道水がまざったものが供給されてしまった影響範囲でございますが、図の(ア)の赤い範囲となりました。水質異常発生後に通報をいただいた二件のお客様のお住まいは、この範囲内でございました。
 次に、〔3〕、排水作業から原因特定までの図をごらんください。過日の委員会で申し上げましたとおり、原因を特定して、水質試験結果に異常がなくなるまで、消火栓から排水作業を行っております。この図には、実際に排水作業を行った消火栓〔1〕を茶色で、あわせて近隣の消火栓〔2〕を黄色でお示ししております。排水作業継続中、消火栓〔1〕の残留塩素濃度は〇・二ミリグラム・パー・リットルを示しておりましたが、消火栓〔2〕における残留塩素濃度の値よりも低かったため、水質異常が継続していると判断いたしました。
 消火栓〔1〕を排水作業に選んだ理由でございますが、消火栓〔2〕で排水いたしますと、異常のある水が百五十ミリの太い水道管に入り影響が拡大するおそれがあるため、水の流れの末端付近に位置する消火栓〔1〕を選定したものでございます。
 排水作業を行っている際には、(ア)の範囲の三次処理水が混入された水は、赤の矢印の方向に流れ、消火栓〔1〕から排水されます。この結果、図の(イ)の赤の範囲にも三次処理水が混入したことになるため影響範囲といたしました。これらに加えまして、(ア)に隣接した同じ口径の水道管でございます(ウ)の赤の範囲も、念のため影響範囲に含めております。
 したがいまして、影響範囲につきましては、先ほどの(ア)の範囲に加えまして、図の下にお示しした(イ)の範囲、そして(ウ)の範囲を合わせた二十七件といたしました。この影響範囲二十七件がどのお客様に該当するかにつきましては、お客様の個人情報保護の観点から説明を控えさせていただきたいと存じます。
 なお、〔4〕、違法接続切断後の図でございますが、十一日十二時三十分ごろに、下水道局給水管の違法接続箇所を切断した後には、排水作業により完全に三次処理水は排除されまして、消火栓〔1〕を含む周辺の消火栓で残留塩素濃度が正常であることを確認しております。

○中山委員 やや専門的な内容でありますので、一回聞いただけで理解できた方は大変優秀な方じゃないかと思いますけれども、私もきのう資料を入手しまして、けさ方までいろいろやっておりましたが、私も自信はありませんけれども、数カ所の消火栓で計測した残留塩素の濃度が問題であって、先ほどもそうした表現がございましたが、異物がまじっていれば塩素が反応して、いわゆる効果が発生して、その分、塩素濃度が低くなってしまうという観点からの結論ではないかと推測いたしております。
 そうしたことや水道の流れなどに基づいて、汚染されたであろう範囲を特定化する想定を一旦行い、その想定のもとに汚染水の排水を一定時間行ったところ、残留塩素濃度が下がっていた消火栓での計測値がその後回復したことから、当初の想定が正しかったことが追認されたということではなかったかと思っております。
 問題は、そうした判断がその後、時間が経過した後においても正しかったといえるのかどうかと、それを都民の方がご納得いただけるかどうかという点です。
 特に、健康の被害の拡大につながるような誤った判断ではなかったかどうかを、事後的に確認できる体制の整備は大変重要であります。これは東京水道に関する信頼性を保つ上でも欠かせない視点であります。
 その点で大切なのは、本件でいえば、例えば、通報四十分後に駆けつけた際に最初に採取した水、そしてその後の処理過程で、残留塩素の計測を行った際などの水を保管してあるかどうかという点であります。
 昨日の説明会でもその点を質問され、水道局は保管していないと回答し、住民の方々の憤慨を招いて、十九時半から始まった説明会が、当初の予定時刻を大幅に超過して二十二時近くまで、ほかの要素もあるかもしれませんけれども紛糾したと伺っております。
 残留塩素そのものは採取した水を保管しておいても時間とともに消えてしまいますけれども、異物の混入状況は、事後でも保管さえしてあれば確認できるわけであります。その点、水道局は本当に保管していないのか。保管していないとすれば、その点も、今後マニュアルの改善を行うべきと考えますが、見解を求めます。

○尾根田給水部長 お客様の依頼を受け、水道法第十八条に基づき行う水質検査につきましては、お客様に検査結果を通知するまでは、採取した水を保管しております。
 今回の現場における水質検査や水質判定のための採水は、当初、工事は行われていないものの、配水管に起因する濁水の懸念がありましたため、しばらく水を流した後の水を採水し、塩素濃度や色度確認を行っており、手順は現行のマニュアルに沿って行っております。
 しかしながら、ご指摘のとおり、昨日の住民説明会で多くの方からご意見をいただいたことを踏まえまして、今後は、お客様に不信感を与えないよう、採水に先立ち、採水趣旨や採水方法について丁寧な説明を行うよう、マニュアルを改善してまいります。
 加えまして、周辺での工事の実施等が起因していないことが明らかで、色、においに異常がある場合には、その水を水質センターの検査に出すまで保管するよう、マニュアルに反映してまいります。

○中山委員 今ご答弁にもありましたように、工事に伴う濁水については、しばらく水を流しておくという方法も一つの方法だと思いますけれども、そうじゃない場合には、水を流しておいて、たまっていた水の分析が後で行えなくなっちゃうということになると、都民の方の不信を招いたり、場合によっては故意にそうしているんじゃないかというふうに思われちゃったりすることがありますから、ぜひマニュアルの改定をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 一方で、本件水質事故は、三次処理下水の混入でありましたけれども、例えば、毒物や劇物であった場合には、飲用してしまえば直ちに人体に重大な影響が及ぶことは明らかであります。
 そこで、こうした毒物、劇物が、万が一にも水道水に混入した場合の対応手順としては、一般にどうなっているのか、また、本件を踏まえた今後の水質事故時の対応についてお伺いいたします。

○尾根田給水部長 ご質問いただきました重大な影響を及ぼす毒物、劇物による水質事故など、健康を害するおそれのあることが明らかな場合でございますが、水道法第二十三条の規定に基づきまして、その給水を直ちに停止する措置を講じます。あわせまして、同条には、その水を使用する可能性があるお客様に対しまして、その水を使用することが危険である旨を広報車などにより緊急時にふさわしい方法で周知することが定められております。
 これらの規定を踏まえまして、当局では、水質事故に関するマニュアルとして東京都版水安全計画及び配水管や給水管に関する事故対応のマニュアルとして突発事故対応の手引を定めております。
 東京都版水安全計画では、水源から浄水場、送水、配水及び給水といったあらゆる過程におきまして、水道水の質に悪影響を及ぼす可能性のある全ての要因への対応方法をあらかじめ定めております。
 突発事故対応の手引では、水質異常の受け付けから現場出動、現場での確認事項、給水を停止する場合の手順などを定めており、事故時には適切に対応できるよう備えております。
 今後は、今回の事故を踏まえ、万一突発事故が発生した場合でも、的確かつ迅速な対応が行えるよう、日常の点検や訓練を一層充実してまいります。
 また、水質事故の予防対策として、例えば、ガソリンスタンドなどの特定施設を対象とした給水装置の立入検査を計画的かつ継続的に実施しております。
 さらに、平成二十一年四月から、水道メーターの新設、検定有効期間満了に伴うメーターの引きかえの際に、逆止弁つきメーターパッキンを設置しまして、逆流防止策を講じております。加えて、先ほど申し上げました特定施設につきましては、重点取りつけ対象として、検定有効期間の満了に伴うメーター引きかえ時期を待たずに前倒しして設置いたしました。
 このように、水道局では、関係法令に基づきましてマニュアルを定めるとともに、水質事故時には的確に対応できるよう、初動対応や予防保全対策など万全を期してまいります。

○中山委員 今のご答弁の中で、毒物、劇物による水質事故など、健康を害するおそれのあることが明らかな場合とありましたけれども、残留塩素の測定はその場で直ちに行えるわけですが、毒物などの検査キットにつきましては、ありとあらゆる毒物を想定して検査キットを整えておくというわけにもいきませんし、なかなか簡単に持ち歩けるような性質のものでもないと思います。当然、設備の整った施設に採取した水を持ち込んで検査しなければならず、しかも、その検査結果の判明には何時間も要してしまいます。
 しかし、最初は違和感程度だったけれども、その後、時間を置いてはっきりとした健康被害が出てくるといった時間差を伴う事態も想定されますし、その意味で、初動時の応対、判断というのがとても重要であります。
 毒物、劇物による水質事故など健康を害するおそれのあることが明らかな場合とは、通報時に、むかつきや不快感、めまい、しびれや皮膚の色の変色、嘔吐、救急搬送など、被害者の外観的かもしれませんけれども症状から判断して、給水停止などの被害拡大を抜本的に防ぐための措置を断行するということになるんでしょうか。その点、本件では、深刻な健康被害を伴う通報内容ではなかったから、あるいは第一報で駆けつけて、四十分後の時点であっても深刻な健康被害というのは確認できなかったから、給水停止までには至っていないということなのか、確認しておきたいと思います。
 あわせて、そうした外観的主訴により給水停止を行うなどの具体的な基準が対応マニュアルに記載されているのかどうかという点も確認しておきたいと思います。見解を求めます。

○尾根田給水部長 先ほどご説明していただきましたとおりでございますが、健康を害するおそれのあることが明らかであることが判明したときは、水道法第二十三条の規定に基づきまして、給水を直ちに停止する旨、マニュアルに定めております。しかしながら、水道は、飲用のほかに生活用水や都市活動用水としても使用されており、給水の停止は、お客様への影響を十分に考慮した上で慎重に判断しなければなりません。
 今回の事故につきましては、水道法第二十三条の内容に合致しないと判断し、給水の停止は行わず、飲用を控えるようお願いしたものでございます。
 今後は、給水の停止や飲用を制限する場合の判断基準や対応につきまして、マニュアル等で明記してまいります。

○中山委員 大変重要な判断であるがゆえに、判断をためらってしまうことがあって、それがまた命に及ぶようなことがあってはならないので、担当する職員の方が迷わなくて済むように、きちっとマニュアル化に努めていただきたいというふうに思います。
 先ほどの鈴木委員の答弁の中でもありましたけれども、逆止弁つきメーターパッキンが今のご答弁でもありました。この逆止弁つきメーターパッキンについては、繰り返しのところは省略させていただきますが、今回の事故時はともかくとして、ふだんはどのような役割を果たしているのか、それを確認しておきたいと思います。

○尾根田給水部長 逆流防止弁つきのメーターパッキンでございますが、漏水の発生時など緊急的な断水等に伴います配水管側の圧力低下により生じるおそれのある給水管からの逆流や、今回のような違法な配管等により逆流が生じた場合にその機能を発揮するものでございます。
 水道局では、これまでの事故等を踏まえ、不測の事態に備え、法令等による義務づけはないものの自衛的な取り組みとして設置しているものでございます。

○中山委員 そういう意味では、今回、正常に機能しなかったということがありますけれども、だからといって、ふだん何か問題が生じていたということではないということではなかったかと思います。
 ただ、機能改善は、先ほどもありましたとおり、万全を期していただいて、少しの場合でも、逆流のリスクというものを防いでいただきたいというふうに思います。
 何点かマニュアルの改善を求めてまいりました。いいかえれば、被害を受けた住民の方々の目から見れば、水道局の対応に問題があったということになります。きのうの説明会でも、水道局が、本当の意味で信頼の回復を今後願い取り組んでいくのであれば、この問題点を公表して改善に努めることも公表して、内容も含めて公表していかなければ信頼の回復は始まらない、いいかえれば信用に値しないという意見がありました。そのとおりであると思います。
 水道局は、今回の水質事故から学び取れる反省点とおわびを率直に、今後広く公表していくべきと考えますが、見解を求めます。

○尾根田給水部長 このたびの水道局の対応により、お客様に対し不信感を与えたことを大変重く受けとめております。
 今回の事故における一連の対応を踏まえまして、得られた教訓やお客様からのご意見を真摯に受けとめ、課題を明確化するとともに、マニュアルの具体的な改善内容などにつきまして、反省やおわびとともに広く公表してまいります。

○中山委員 誇り高く東京水道を守ってきた職員の方々にとっては、ある面、つらいことかもしれませんけれども、でも、この点をしっかりとやっていただくことが、より一層の信頼回復に向けて役に立つと思いますので、よろしくお願いいたします。
 今回の事故につきましては、健康被害は報告されておりませんけれども、下水道局施設内の違法配管が原因であるとの説明がございました。違法な配管は、今回のように重大な水質事故につながります。一たび発生すれば、社会的影響は甚大であり、原因者に対して厳正に対処することが必要であります。先ほども鈴木委員からご指摘がありました。
 そこで、一般的に、水道局では原因者に対し、どのような措置を講じていくのか、お伺いしたいと思います。

○黒沼理事 今回の事故、大変遺憾な事故が起きてしまいましたが、事実を三つに整理をさせていただきたいと思います。
 まず一つは、水道管と下水道局施設内の三次処理水管が接続されていたこと、これが一つでございます。それから給水装置の改造工事に関しましては、当局へ届け出をすることが決められておりますが、これがなかったこと。そして、この工事は、都の指定給水装置工事事業者が行うこととなっておりますが、これが行われていなかったこと。この事実、三点でございます。
 これらの事実を関係法令に照らしますと、まず、水道法施行令第五条に定められております給水装置の構造及び材質基準、この基準等に抵触をいたしますので、違法配管という評価になります。次に、東京都給水条例第四条に規定されております改造工事を行うに当たっての当局の届け出がなされていなかったということに照らしますと、無届け改造という評価になります。さらに、この工事は、都の指定給水装置工事事業者によるものでなかったということになりますので、同条例、給水条例第六条に抵触することになりまして、都の指定を受けていない、いわゆる無資格施工ということになります。
 これらに対しましては、事故後速やかに、給水条例第三条に基づきまして、給水の停止措置、これは給水を今回の配管に水道水を供給しないということでございますが、この給水停止措置を講じるとともに、当局から給水契約者であります下水道局側に対しまして、文書により改善を指示いたしまして、既に再発防止策の報告を受けてございます。また、本件により生じましたさまざまな損害につきましては、原因者でございます下水道局側に請求をしてまいる所存でございます。
 加えまして、今回の事故の重大性に鑑みまして、給水条例の三十四条に、いわゆる行政処分としての秩序罰でございます過料が定められてございます。さらには、水道法には、刑事罰でございます罰則等の規定がございますが、これらの適用につきましても、所管の警察や当局の顧問弁護士等と対応を検討しているところでございます。

○中山委員 土づくりの里の職員の方々が一生懸命やっていらっしゃることを私も長く接してきましたのでわかりますけれども、ただ、事故発生を二度と繰り返さないためにも、抑止力としては、身内に甘いとかいわれないようにする必要があります。きちっと厳正に対処をお願いしたいというふうに思います。
 これまで指摘してまいりましたとおり、三次処理下水の混入という原因者への責めだけでは解決できない水道局側の改善が必要な点も明らかになってまいりました。水道局への質問の総括として、マニュアルの改善も含め、安全でおいしい水の安定供給に向けた局長の決意をお伺いしたいと思います。

○中嶋水道局長 安全でおいしい高品質な水の安定供給は、水道事業の根源的かつ最も重要な使命でございます。
 しかしながら、今般の下水道局施設内の配管の違法接続によりまして、水道水に臭気を感じる事故が発生しましたことは極めて遺憾であり、影響範囲のお客様に多大なご迷惑をおかけしたこと並びに全てのお客様にご心配をおかけしましたことを、改めて心からおわび申し上げます。
 いうまでもなく、信頼というものは、築くのは大変でございますが、壊れるときは一瞬でございます。水道という都民の命に直結するライフラインを預かる水道局としましては、常日ごろよりその点を心得ているつもりではございますが、今回の事故を教訓に、全職員、一層肝に銘じ、改めて襟を正しまして、予防対策に万全を期すとともに、万が一事故が発生してしまった場合に完璧な対応がとれるよう、早急に体制を強化してまいります。
 そしてこのことを、都民に広く知っていただくことで、都民の安心、信頼につなげてまいります。
 具体的には、今回のケースに限らず、想定されるあらゆる突発的な水質事故発生の際の広報並びに応急給水など初動対応を中心に、今まで以上に迅速に判断し、的確に対応できるよう、ご指摘のマニュアルの改善はもとより、職員の訓練や教育を徹底するなど、危機管理能力をさらに強化してまいります。
 今後とも、安心・安全でおいしい東京水の安定供給を通して、将来にわたり都民生活と首都東京の都市活動を支える使命を全うし得るよう、局を挙げた取り組みを全力を挙げて進めてまいります。

○中山委員 次に、下水道局に伺ってまいります。
 中川建設発生土改良プラント、通称土づくりの里につきましては、ご存じのとおり、長いことその存在が住民にとっては課題となってきました。当初暫定的な施設というふうに説明をされて、しばらくの間ということで受け入れをしてきた。しかし、土ぼこりがあったりとか、においがあったりとか、当時の技術的な課題もあって、いろいろな問題がありました。
 ただ、私もいろいろ質疑してまいりましたけれども、その土づくりの里の改良土を通じて、ある面では液状化しない、そういう東京の土壌改善というものがなされていく、これは非常に大事な施設であるということも伺ってまいりました。
 その意味で、ようやく今回、覆蓋化をして、その上部に公園を整備して、水没しない高台避難公園ができるという計画が出て、地域の皆様との意見交換を重ねてきた。そして地元自治会の方々も本当に苦渋の選択で英断をして、町会の総会を開いて議決までして、覆蓋化の存続を容認したというばかりのことの事態の発生であります。こうした事業化に向けて動き出すというときに、このような事故が起きたことは、地元としては大変受け入れがたい事態でありますし、極めて遺憾であります。
 下水道局はこれまで、地域の皆様の理解を得るため、足立区と緊密に連携を図ってまいりました。しかし、今回の事故が発生した際、足立区への第一報が、事故発生から二日もたった九月十二日の午後だったと聞いております。これは一体なぜなのか。足立区への第一報に二日もどうして要したのか、このことについてお伺いしたいと思います。

○佐々木建設部長 九月十一日の十二時三十分に、水道管と三次処理水を接続する配管を撤去したものの、その後の両局による原因の特定に時間を要したため、地元足立区への報告が九月十二日の午後になってしまいました。
 今後は、連携をしている地元の区役所に対する報告を速やかに行ってまいります。

○中山委員 地元の住民の方々はもとよりですけれども、地元区との連携という点も、東京都の大事な施設であるとはいえ、さまざまな面で地元の方々の協力を得ないとできませんので、地元区との連携を迅速に行っていただきたいと思います。
 続いて、先ほどの質疑でも、今回の水質事故の原因となった違法な接続について、るる説明がございました。改めて、今回のような水質事故を二度と起こさないよう、事実確認と再発防止の観点から下水道局に確認してまいります。
 中川の水再生センター内の工事等で、三次処理水の供給が停止する際に、トイレ洗浄水を確保する必要性は理解しますが、三次処理下水配管と水道の給水管を誤って違法に接続させたことは許されることではありません。その接続した人物に聞き取りは、今、退職したそうですけど、行えたのか、それをちょっとお伺いします。

○佐々木建設部長 東京都下水道サービス株式会社は、聞き取り可能な社員等に対して、事故発生直後の九月十一日から直接調査を行いました。平成二十四年十月から現在までに、中川建設発生土改良プラントに在籍していた社員等を対象にヒアリングを行い、平成二十四年に誤って接続を行った人物にも当時の状況等を確認いたしました。

○中山委員 誤って接続をした人物にも、当時の状況を確認したということでございました。
 この違法な接続状況については、先ほど、鈴木委員からもご指摘がありましたので、同僚の職員は知らなかったし、プラントの責任者である所長にも報告していないということでよろしいですね。--では、この点は省略させていただきます。
 管が露出してつながっている状況を見て、誰もおかしいと思わないということですけれども、下水道サービスはどうして気づかなかったのか、この点について見解を求めたいと思います。

○佐々木建設部長 現場の社員は、違法という認識はなかったため、特段の問題があるとは認識しておりませんでした。

○中山委員 質問が重なって申しわけございませんでした。私もそのトイレの様子を確認しに行きましたけれども、素人目に見ても安直な工事であることは明らかであります。先ほど水道局からありましたとおり、指定工事店が配管工事を行って、むき出しのままの配管工事なんか絶対に行わないというふうに思います。この違法な状態が続いて、本年九月十日に事故が起きたわけでございますけれども、そこで事故の当日のバルブの開閉作業について、下水道サービスは誰も知らなかったのか確認をしておきたいと思います。

○佐々木建設部長 東京都下水道サービス株式会社は、トイレの排水管の詰まりを解消する作業自体につきましては認識しておりましたが、バルブの開閉を行うことについては把握しておりませんでした。

○中山委員 実は、昨日の説明会よりも前の、十三日の説明会ですかね、そのときに、平成二十四年に接続をしてしまったということがあったときに、住民の方々の中には、二十四年から逆流していたんじゃないかとか、そういえば臭かったとか、いろんな声が出てきたりしているんですね。そういう面で、バルブが開いているか閉まっているか、緩んだりしてないか、日常的に点検していたのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。

○佐々木建設部長 トイレの点検は、週一回行われていたことを確認しておりますが、点検実施記録には、バルブの項目はなく、目視によるトイレの異常の有無を確認することとなってございます。

○中山委員 これまでの答弁を伺っておりますと、水道管に三次処理下水の配管がつながっている状態が違法であるということの認識はなかったということ、日ごろの点検が行き届いていなかったということがわかりまして、大変残念なことであります。
 上水道と下水道には、技術的にも違いがありますし、全ての方が全ての分野について把握しているというのは、なかなか難しいかとは思います。また、下水道サービスには派遣の社員もいて、人事異動もあると思いますし、そうした中で、下水道サービスの中の職員の方々が、水道につないではいけないといった基本的なことを理解しておく必要があると思います。
 そこで、下水道サービスにおきまして、派遣社員も含めた研修がどのように行われているのか、お伺いしたいと思います。

○安藤総務部長 東京都下水道サービス株式会社ではこれまで、業務に関する基礎的な知識の習得やコンプライアンスに関する研修、リスク管理など、安全管理に係る講習会などを実施するとともに、工事や作業の安全のためには、事業所において毎月一回、安全衛生委員会を実施してございました。しかしながら、水道に特化した研修は実施してございませんでした。

○中山委員 下水道サービスは、リスク管理など安全確保に向けた取り組みはなされていたようですけれども、水道に関する研修はなかったとのことであります。
 今回の事故を教訓として、下水道サービスの中で、下水道の分野だけでなく必要な知識を身につけるような研修をぜひやっていただきたいと思います。
 もちろん違法性というもとでも大事ですけれども、違法であるかないかという問題以前に、下水道管と水道管をつないで、その間にバルブがあって、バルブが閉まっているかどうかというのを確認しないでおくというようなこと自体が、やっぱりそれはその生命の尊重とか、事故を未然に防ぐとか、そういう危機感というものを醸成してこなかったということのあらわれと指摘されてもしようがないと思います。
 また、下水道局も、関連する最低限の水道の知識を習得する研修を実施した方がいいと考えます。下水道局として下水道サービスを立て分けて、下水道サービスに任せているから起きたということではなくて、やはりきちっと研修をして知識を付与していく、そうした体制を一体となって整えて再発を防止していただきたいと強く願います。
 そこで、再発防止に向け、局の研修が必要であると考えますが、下水道局自体についてもですよ、必要であると考えますが、見解をお伺いいたします。

○安藤総務部長 下水道局におきましては、事故後直ちに各部署の事故対応を担当する職員等を対象に説明会を開催し、工事現場における給水装置の誤った接続の防止についての確認を指示いたしました。また、臨時所長会を開催し、事故情報の共有と、局職員に法令遵守について周知徹底を図ったところでございます。
 今後は、今回の事故を風化させることのないよう、水道に関する知識も含めまして、職務遂行上必要な知識、技術能力を向上させるための研修を継続的に実施することで再発防止に向けて取り組んでまいります。

○中山委員 先ほど鈴木委員の質疑の中で、今後、水道局による水再生センターの立入検査というのを実施されるとございました。大変大事なことだと思います。これは、上水道、下水道の組織の立て分け関係なく、本当に都庁の職員として一体となって、都民の命を守るための大事な研修として充実させて、事故の再発防止に努めていただきたいと思います。
 昨日の説明会では、水道の水質事故直後の水に色がついていたという住民からの指摘があって、逆流したのは本当に三次処理下水なのかと、二次処理下水だったのではないかという根本的な、そういうお怒りの声もあったというふうに伺っております。
 残念ながら、初期対応時点で検査した水をもう廃棄してしまっているので、それが現時点としては確かめようがないというのが現実なんでありますけれども、この点、改めてお伺いしますが、本当に三次処理下水以外には接続していないのか、大事な点ですけれども確認をさせていただきたいと思います。

○佐々木建設部長 当該トイレに供給している水は三次処理水のみで、わずかに色がついているもののほとんど無色透明です。二次処理水の配管が三次処理水配管、水道給水管のいずれとも接続していないことは確認しており、このため二次処理水が水道水に混入することはあり得ません。

○中山委員 不適切な初期対応により、今となっては説得力のある説明をできないような課題が、住民の目から見れば何点か残っております。それでも今後、被害を受けた方々あるいはその周辺の住民の方々の不安の軽減に努めなければなりません。
 そこで、まずは健康不安を抱える住民の健康診断の実施を進めていくために、費用を全面的に、原因者である東京都下水道サービス株式会社が負担していくべきと私は考えております。
 また、想定を超えて三次処理下水を利用してしまったご家庭の、例えば浄水器とか炊飯器ですとか、そうしたものについても、買いかえに要する費用を賠償すべきと考えております。急ぎ検討し、結論を出していくべきと考えますが、見解を求めます。

○佐々木建設部長 今回の事故に対して寄せられるさまざまなご要望などにつきましては、速やかに誠意を持って対応させていただきます。

○中山委員 あくまでも、被害の原因は下水道側にございます。健康不安や損害の補償については、とりわけ真剣に臨んでいただいて、そうした点のそごから、さらに不信感が深まるような愚かな対応は絶対に避けていただきたいと、善処をお願いしたいと思います。
 中川建設発生土改良プラントは、東京都全体にとっても、特に区部にとって必要な施設であることは十分認識しております。しかし、今回のような事故が起きますと、施設の存続自体が危ぶまれて地域の皆様が不信感を抱くことにつながりかねません。
 そこで、下水道局と下水道サービスとが一体となって、再発防止に取り組んでいただきたいと思いますが、渡辺局長の決意をお伺いいたします。

○渡辺下水道局長 改めまして、今回の事故により、近隣にお住まいの皆様に多大なるご不便とご心配をおかけすることになり、心よりおわび申し上げます。
 事故発生以降、水道局と連携いたしまして、各ご家庭への訪問や説明会などでのおわびとともに、事故の経緯などの説明に努めてまいりましたが、今後とも皆様のご心配を解消すべく、引き続き丁寧かつきめ細かな対応に努めてまいります。
 また、事故後速やかに原因者である東京都下水道サービス株式会社に対しては、文書にて厳重注意をするなど、コンプライアンスの徹底と確実な再発防止を図るよう指導しておりますが、今後は、社内研修の強化などについて求めるとともに、発生した費用の負担のみならず、関係者の処分などに厳しく対処するよう指導してまいります。
 局としても、今回の事故の重大さを真摯に受けとめ、管理責任を強く意識し、二度とこのような事故を起こすことがないよう、全職員で気を引き締め、事故事例の共有のための研修の実施を初め、再発防止策を確実に実行することで、局一丸となって信頼回復に向けて全力で取り組んでまいります。

○清水委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時二十六分休憩

   午後二時四十五分開議

○清水委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○斉藤委員 私からも、この水質事故発生についてお伺いさせていただきます。
 まず、この委員会に当たり資料のご提出をたくさんいただきましてありがとうございました。
 先ほどからご説明をたくさんいただいているところですが、この水質事故では、足立区中川五丁目にある都の下水道局の施設である中川水再生センター内の建設発生土改良プラントにおいて、水道管と下水管である三次処理水配管が誤ってつながれていたことで、近隣の住宅の水道管に三次処理水が流れてしまい、私の地元の足立区の住民に被害が出ました。
 報道によると、シャワーを浴びてしまった、あるいは飲んでしまったり、ご飯を炊いてから気がついたという方々がいて、被害に遭われた方々には、本当に心身ともに大きなショックを与えたのではないかと思います。
 特に、水を扱う下水道局の施設の中で配管の誤接続が行われて水質事故が起きたということは、ほかにも例がなく、こんなことがあり得るのかと、メディアでも大きく取り上げられて不安が広がる事態となりました。
 安全な水を安定的に供給する使命を負った地方公共団体の施設においてあってはならないことです。二度とこのようなことが起きないように再発防止をするためには、なぜこの事故が起きたのかを明らかにして改善策につなげることが必要だと考えます。
 その立場で、私は特に、この中川建設発生土改良プラント内の職場環境について重点的にお伺いしたいと思います。
 まず、五年前の平成二十四年に二つの配管が誤接続されたときのことです。
 この誤接続は、中川建設発生土改良プラントの本来の仕事の中での事故ではありません。中川建設発生土改良プラント内では、三次処理水をトイレの排水などに利用していたが、隣接する中川水再生センター内の工事等でこの三次処理水の給水が停止することがあったため、トイレの洗浄水を確保するために、水道の給水管と三次処理水の配管が接続されたということです。
 先日の委員会で、これは違法な配管だったと報告されていますが、まず、法令のどの部分に抵触しているのかを教えてください。

○黒沼理事 先ほどもご答弁申し上げましたが、まずは水道法施行令第五条に抵触をし、違法配管となります。さらに、東京都給水条例第四条に抵触いたします無届け改造、さらには同条例六条に規定します指定を受けていない業者による施工でございますので、いわゆる無資格施工に該当いたします。

○斉藤委員 給水装置以外の水管に直接連結させることは、水道法施行令と、そして東京都給水条例に抵触する違法なことだということ、改めてわかりました。
 このことは、実は水道局のホームページでしっかりと注意喚起がされていまして、皆さん方も、もうご存じなのではないかと思います。違法な配管になっていませんかというホームページのページがありまして、ここで、井戸、薬品槽、雑用水等ほかの設備と直接配管など、違法な配管は社会的に重大な事故を引き起こしかねませんと記されています。
 指定給水装置工事事業者の皆さんはもちろん、水道をご使用のお客様にもご理解とご協力をお願いしますと、一般の方々や民間業者の方に呼びかけている中で、足元である東京都の施設でこのようなことが行われたことは本当に重大なことだと受けとめなければなりません。
 この間の聞き取りによりますと、五年前の配管の誤接続は、同プラントの業務を下水道局から委託されている東京都監理団体の東京都下水道サービス会社と、ここに派遣されている社員が行ったということでした。当該トイレにおいて二つの配管をつなぐ作業は、この東京都下水道サービス株式会社の指揮下で行われたのでしょうか。

○佐々木建設部長 平成二十四年十月二十二日ごろ、民間会社から派遣された東京都下水道サービス株式会社の社員がみずからの判断で三次処理水配管と水道の給水管を接続してしまいました。

○斉藤委員 派遣会社の方が独自の判断で行ったということでした。
 ちょっと質問が重なってくるかもしれませんが、明らかにしていきたいと思いますので続けさせていただきます。
 そして、九月十日に行われた当該トイレでの清掃作業についても伺います。
 今回いただいた資料によると、このときトイレの水が流れないから--九月十日のことですね、汚水管の清掃を行い、さらにバルブをあけて三次処理水を流したということでした。この作業を行ったのは、どういう立場の方だったんでしょうか。

○佐々木建設部長 中川建設発生土改良プラントにおける管理業務委託の一環として、東京都下水道サービス株式会社が別途委託した会社の作業員が行いました。

○斉藤委員 東京都下水道サービス株式会社の請負会社の作業員が行ったということでした。
 繰り返しになりますが、再度質問させていただきます。
 この東京都下水道サービス株式会社は、九月十日に、このトイレの汚水管の作業を行うことについて、これは、この作業内容についても知らなかったのでしょうか。清掃作業を行うということ、そしてその作業内容について、TGS、東京都下水道サービス会社は知っていたのかどうか、ご回答お願いします。

○佐々木建設部長 東京都下水道サービス株式会社は、トイレの排水管の詰まりを解消することは認識しておりましたが、具体的な作業内容については把握していませんでした。

○斉藤委員 請負会社の方が清掃を行うということを、派遣社員の方は聞いていたが、その内容までは知らなかったということでした。
 この間の質問の中でもありますが、TGS、東京都下水道サービス株式会社の方は、この誤接続の作業が行われた五年前から、そして今に至るまで、このトイレ内で上水管と三次処理水配管がつながれていたことをずっと知らなかったということでしょうか。済みません、改めてご回答をお願いいたします。

○佐々木建設部長 東京都下水道サービス株式会社の派遣社員による配管の接続を、同じ会社から派遣されている主任には事後に話をしていましたが、責任者である中川建設発生土改良プラント所長は報告を受けていなかったため認識しておりませんでした。

○斉藤委員 派遣社員の主任の方は知っていたが、プラント所長への報告がなかったために、全体に情報が共有されていなかったということだと思います。
 これまでの話でもわかるように、このプラント内では、さまざまな雇用形態の方が入りまじって仕事をしている状況です。
 現場の職員体制について、私の方で資料請求をお願いしたものが皆さんのお手元にあると思いますが、これを見るとわかるように、TGSの正規社員、派遣社員、また請負会社の方、請負会社に派遣されている方、本当にいろんな雇用形態の方がいる中で、それぞれの指揮系統や連絡体系がどうなるのか、非常に複雑な状況だというふうに思います。
 こうした中で二つの配管がつながれているということ、派遣社員や請負会社の方は知っていても、同じプラント内にいるこの東京都下水道サービス株式会社の責任者まで情報が届いておらず、違法性を認識することができずに重大な事故につながってしまったのではないかということが疑われます。
 次に、同プラント内で使われていた三次処理水について伺います。
 下水道局が発表しているプレスリリースには、同プラントにおいて、三次処理水を車両の洗浄及びトイレ洗浄等に利用していましたが、水再生センター内の工事等で三次処理水の供給が停止することがありましたと記載されています。
 私も、現地視察に伺った際に、プラント内で、この車両の洗浄や機器の洗浄だけでなく、このプラント内で土ぼこりが舞うのを防ぐために、散水のために三次処理水を利用しているのを見てきました。このプラント内で三次処理水の給水がたびたびとまることや水圧が弱まることがあったことは、責任者も含めて、東京都下水道サービス株式会社のプラント内全体として認識していたのだと思いますが、いかがでしょうか。

○佐々木建設部長 中川建設発生土改良プラントを管理運営している東京都下水道サービス株式会社の社員は、中川水再生センター内の工事などにより、年に数回三次処理水の供給が停止することや、プラント内の散水などにより水圧が弱まり、トイレが使いづらくなる場合もあることを認識しておりました。

○斉藤委員 三次処理水は、このプラントの業務において不可欠でありながら、隣接している水再生センターの保守点検があるときには、この供給がとまったり圧力が弱まることがあったということは、このプラント内ではよくあることで認識されていたということです。
 さらに、このトイレは、もともとプラント建設時の平成十五年に設置され、当初は、排水のために三次処理水の管だけがつながれていました。東京都下水道サービス株式会社は、三次処理水の不足でトイレに困る状況があることは認識していたわけです。そのプラントで働く派遣の社員や請負会社の作業員の職場環境を整えていくことは、下水道局から委託を受けている現場の東京都下水道サービス株式会社が配慮をし、改善をしなければならないことだったと思いますが、どう認識していますか、

○佐々木建設部長 委託業務を遂行する上で必要な職場環境の改善などに関することは、中川建設発生土改良プラントを管理運営している東京都下水道サービス株式会社が責任を持って行うものと認識しております。

○斉藤委員 その認識は大変重要なものだと思います。今後は、ぜひその認識に立って業務に当たっていただきたいと思います。
 一方で、下水道局の責任も問われます。このプラントは下水道局のものであり、いただいた資料の中で、施設内及び施設周辺における異常について、維持管理と点検管理を行うということは、今回、資料請求でいただいた同プラントに対する下水道局職員による主な管理監督状況一覧にも記載されています。
 さらに、同じ敷地内の中川水再生センターには、下水道局の職員が常勤しており、隣の土改良プラントでの三次処理水の供給不足が、同センターでの保守点検や工事のときに引き起こされていたということは十分認識できることだったと思います。
 下水道局の責任については、どのように認識していますでしょうか。

○佐々木建設部長 中川建設発生土改良プラントにおける業務運営に関する責任は、受託者である東京都下水道サービス株式会社であると考えます。一方で、委託発注者としての監督責任は、下水道局にあると受けとめております。

○斉藤委員 下水道局とその施設は、都民に対して重要な責務を負っています。その立場を忘れずに職務に当たっていただきたいと思います。
 二度と同じことを繰り返さないためには、具体的な改善策を実行していかなければなりません。少なくとも、下水道局から委託を受けている東京都下水道サービスの職員が、プラント内での日々の業務内容、職場環境について掌握をして、責任を持って管理監督や改善に当たることが必要と思いますが、いかがでしょうか。

○佐々木建設部長 このような事故を防止するためには、点検及びチェック体制の強化や社員の教育が重要であると考えており、その点について強く指導いたしました。
 そこで、東京都下水道サービス株式会社では、検討委員会を立ち上げ、事業所における派遣社員を含めた仕事の進め方、委託先を含めた意識の共有などについて検討し、全社を挙げて再発防止に取り組んでいくことにしております。

○斉藤委員 今回のことで、東京都下水道サービス株式会社では、検討委員会を立ち上げて、全社を挙げて再発防止に取り組むということでした。点検やチェック体制の強化、社員教育についても下水道局から指導されたということで大変重要なことだと思いますが、一点だけご留意いただきたいのは、働く人たちの締めつけだけに終わるようなことではなく、派遣社員や請負会社の方々でも、困っていることなどには、きちんと東京都下水道サービス株式会社の責任者に相談できる風通しのよい職場をぜひつくっていただきたいというふうに思います。都の施設で働く皆さんの職場環境をよいものにできてこそ、都民の皆さんに信頼していただけるいい仕事につながるのではないかと考えますので、そのことを申し添えておきたいと思います。
 それから、事故が起きた地元の方々への対応について伺います。
 まず一つですが、先ほど中山委員からもありました、この足立区への報告についてなんですが、こちら先ほどご回答がありまして、私の方にも、足立区に知らされたのが、事故発生後の二日後の夕方というふうに聞いていまして、これがやっぱり、地元の自治体がこのことを把握しておくということ、途中経過であっても異常が起きているということを知っておくということは必要なことではないかと思います。
 先ほどのお答えの中で、原因の特定や現場での対応は一番に--失礼しました、今回の水質事故に当たって、発生直後から現地での排水作業、お客様への戸別訪問及び原因調査等を優先したために足立区への報告がおくれてしまったということが、先ほどご回答がありました。今回の事故を教訓とし、今後は、周辺住民への的確な対応はもとより、区役所等への報告を迅速に行うというお答えでしたので、ぜひともこの点は今後に生かしていただきたいなというふうに思います。
 そして、被害に遭われた住民の方、そして周辺住民の方々へも、きめ細かい対応が必要だというふうに思っています。被害に遭われた方々への補償などについて住民説明会が行われたということですので、たくさんの声が届いているかと思います。これについては、どのように対応していこうと考えているのでしょうか。

○佐々木建設部長 今回の事故に対して寄せられるさまざまなご要望などにつきましては、誠意を持って対応させていただきます。

○斉藤委員 これまでに出ているさまざまな声や疑問に対して丁寧に対応していくことは本当に大切なことだと思います。この三次処理水が通ってしまった管や家庭で使っている機器なども心配されるという声があるということも伺っています。こうしたことにもしっかりと対応していただきたいなというふうに思います。
 水道局は、今回の事件について、下水道局もなんですが、都民の窓口として迅速かつ適切な対応が求められていたと思います。この件で住民説明会が行われたということです。しかも、一回では済まずに二回開催をしたということです。その理由についてお聞かせください。

○佐々木建設部長 九月十三日に地元での会合が予定されており、十二日に自治会長に事故報告した際、急遽、会合での説明を求められました。
 当日、水道局とともに自治会に対して説明を行いましたが、その際に、後日の再説明を求められましたため、昨日の会合に出席することとなりました。本件は、地元自治会が主催する会合に、下水道局及び水道局が出席を求められ説明を行ったものであるため、事前にお知らせすることはいたしませんでした。

○斉藤委員 質問は一回で済まずに、なぜ二回になったのかということだったんですが、これは最大で二十七件の被害の可能性があるというふうだった中でも、この二回目は五十人から七十人が参加されたということも私も伺っていまして、これは当然、やっぱり住民の関心が高くて、納得がいかないという声が多く出されているのだと思います。
 この住民説明会、これが下水道局、そして水道局の主催ではなかったために、委員にはお知らせがなかったというお話でしたけれども、この都民の声を、住民の声を聞くということは、私たち議員に課せられた大きな使命でもあります。きちんとそういう場があるのであれば、お知らせをしていただきたいと思います。今後、下水道局、水道局の方から説明会を開くというような予定はあるのでしょうか。

○佐々木建設部長 昨日の地元自治会が主催する会合で、いろいろとご質問なりご意見をいただきました。昨日で全て回答できたというわけではなくて、持ち帰らせて検討させていただいているものもございますので、改めて地元の自治会が主催する会合に出席をさせていただいて説明させていただくことになろうかと思っております。

○斉藤委員 次も地元が主催するものに出向いていくという会になるというお話だったんですが、これはやっぱり下水道局、水道局の責任において住民説明会を開くということも必要ではないかというふうに思います。
 今、小池知事は、情報公開を大事な公約に掲げて正確な情報をお知らせしますということもいっております。私たち委員がこうした声をきちんと共有できるものにしていくためにも、ぜひその上がっている声を委員会などでも報告をしていただきたいなというふうに思っています。
 最後になりますが、今回の事故を教訓に、原因となった中川のこのプラントだけでなく、下水道局や安全な水を届ける使命を負っている水道局、その監理団体が運営する施設において、都民への重要な責務を負っていることを改めて認識していただき、必要なところは改善をしながら業務に当たっていただきたいということを申し上げまして、私からの質問を終わります。

○藤井委員 よろしくお願いします。二、三問、お伺いをしたいと思います。
 他会派さんからのご議論もあったと思うんですが、今回の誤接続は、違法であるという認識がない社員がみずから行ったものであるという旨の都からのご答弁があったと思うんですが、私、若干違和感を持っておりまして、それって本当に属人的なものであったのかどうかと。もっと組織的な原因というものが当然にあったんじゃないかと。
 属人的なもの、個人的なものと切り捨てるのは私は簡単だと思っていまして、やっぱりしっかりこの東京都なり局なり、あるいは運営会社なりの責任は認識をすべきだというふうに思っているんですけれども、その点については、どのようなご見解をお持ちでしょうか。

○佐々木建設部長 先ほども答弁させていただきましたけれども、これまで水道に特化した研修は行っておりませんでした。このようなところで、やはり基本的な法令ですとか、手続をしっかり、職員だけではなくて働いている社員の方も含めて正しく認識するということが、まず何よりも重要だという認識を持っております。
 その上で、きちっと組織として何を点検するのか、あるいはどのような形で報告するのかと、そういうものも含めてしっかりと整備をいたしまして、再発防止に努めていきたいというふうに考えてございます。

○藤井委員 再発防止に取り組む旨のご答弁があったと思うんですけれども、都としては、もう二度とこのような事件、事例を起こさないように努力をしますというような答弁が先ほど来されていたと思うんですが、本当に二度と起こらないのかどうかというのは、正直、都議としても、一都民としても非常に不安を感じざるを得ないんですけれども、いわゆる研修をして頑張りますとか、今後頑張りますみたいな性善説的な管理のあり方で、本当にもう再発を防止できるのかということについては、大変に疑問を感じざるを得ないんです。
 うまく表現はできないんですが、やっぱり総点検をしていただいて、かつ責任追及の部分でも、都としての対応、最初のご質問にも関連をするんですが、属人的なものとして切り捨てるのではなく、東京都は東京都、局は局、そして運営会社は運営会社としてのしっかり責任を明確にした上で、今後の賠償も含めての対応策を打ち出していただきたいと思うんですが、その点についてのご見解を伺います。

○佐々木建設部長 今回の事故の発生を受けまして、当局の水再生センター等の施設については、緊急点検を行いまして、同様なことがないことは確認しております。
 先ほど、法令等のきちっとした正確な知識とお話ししましたけれども、今委員の方からございましたけれども、どういう形で再発を防止するかということにつきましては、ソフト面に加えまして、ハード、先ほど逆止弁という話も出ておりましたけれども、どういう形で万が一の場合にも事故を起こさないような形にしていけるかということにつきましては、局一丸となって検討して、再発防止に努めていくというふうに考えてございます。

○藤井委員 今後頑張りますということではなくて、頑張っていただくのはいいんですが、しっかり今後の対応策、責任追及も含めてしっかり明確にしていただいた上で頑張って努力をしていただきたいということを要望して、私からの質問は終わりたいと思います。

○清水委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○清水委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局及び下水道局関係を終わります。

○清水委員長 次に、特定事件についてお諮りいたします。
 お手元配布の特定事件調査事項につきましては、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○清水委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○清水委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十八分散会

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