委員長 | 小宮あんり君 |
副委員長 | 西沢けいた君 |
副委員長 | 田中 朝子君 |
理事 | 吉住 健一君 |
理事 | 高倉 良生君 |
理事 | 畔上三和子君 |
河野ゆうき君 | |
上田 令子君 | |
堀 宏道君 | |
鈴木 錦治君 | |
松村 友昭君 | |
鈴木貫太郎君 | |
山田 忠昭君 | |
三宅 茂樹君 |
欠席委員 なし
出席説明員交通局 | 局長 | 新田 洋平君 |
次長 | 塩見 清仁君 | |
総務部長 | 鈴木 尚志君 | |
職員部長 | 小泉 健君 | |
資産運用部長 | 樋口 正勝君 | |
電車部長 | 太田 博君 | |
自動車部長 | 土岐 勝広君 | |
車両電気部長 | 石井 明彦君 | |
建設工務部長 | 遠藤 正宏君 | |
企画担当部長 | 広瀬 健二君 | |
安全管理担当部長 | 岡本 恭広君 | |
バス事業経営改善担当部長 | 根木 義則君 | |
技術調整担当部長 | 奥津 佳之君 | |
技術管理担当部長 | 野崎 誠貴君 |
本日の会議に付した事件
決議について
交通局関係
予算の調査(質疑)
・第二十二号議案 平成二十六年度東京都交通事業会計予算
・第二十三号議案 平成二十六年度東京都高速電車事業会計予算
・第二十四号議案 平成二十六年度東京都電気事業会計予算
○小宮委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
初めに、決議について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件については取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小宮委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○小宮委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
平成二十六年度予算は、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十六年三月十四日
東京都議会議長 吉野 利明
公営企業委員長 小宮あんり殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十四日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十日(木)午後五時
(別紙1)
公営企業委員会
第二十二号議案 平成二十六年度東京都交通事業会計予算
第二十三号議案 平成二十六年度東京都高速電車事業会計予算
第二十四号議案 平成二十六年度東京都電気事業会計予算
第二十五号議案 平成二十六年度東京都水道事業会計予算
第二十六号議案 平成二十六年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十七号議案 平成二十六年度東京都下水道事業会計予算
(別紙2省略)
○小宮委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の予算の調査を行います。
これより交通局関係に入ります。
予算の調査を行います。
第二十二号議案から第二十四号議案までを一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○鈴木総務部長 過日の委員会で要求のありました資料をお手元の公営企業委員会要求資料として取りまとめましたので、その概要についてご説明申し上げます。
まず、一ページをお開きいただきたいと存じます。都営バス運転手の年間労働時間と年収でございます。
職員の区分ごとに、それぞれ年間労働時間、年収及び平均年齢を記載してございます。
次に、二ページをお開きいただきたいと存じます。降雪時における都営交通の運行状況についてでございます。
平成二十六年二月十四日、十五日の運行状況を各事業ごとに記載してございます。
次に、三ページをお開きいただきたいと存じます。監理団体・報告団体における職員数、都派遣職員数、固有職員数及び都退職者数でございます。
当局が所管する監理団体、報告団体における職員数の合計、そのうち、都から派遣している職員数、団体の固有職員数、都を退職した職員数を記載してございます。
最後に、四ページをお開きいただきたいと存じます。監理団体・報告団体における職員数の推移でございます。
当局が所管する監理団体、報告団体における職員数の合計を過去五年間分記載してございます。
以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○小宮委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○河野委員 まず、地下鉄の安全対策についてお伺いしたいと思います。
去る二月二十一日の公営企業委員会において、局長から平成二十六年度の予算案の概要説明がありました。この予算編成の方針の中で、安全・安心の確保の取り組みを最優先に、お客様サービスの向上や、東京の発展に貢献するための取り組みを着実に進める経営基盤の強化に向けて、不断の取り組みを行う旨の説明があったところです。そのうち、本日は、都営地下鉄の安全対策を中心に交通局の取り組みについてお伺いしたいと思います。
都営地下鉄は、東京の都市活動や都民生活に欠かせない公共機関として、重要な機能を果たしております。鉄道事業者にとって安全の確保は最優先の使命であり、そのため、交通局は、ハード、ソフトの面でさまざまな対策を行い、都営地下鉄の安定的な運行に取り組まれ、利用者から高い信頼を受けているものと考えております。
一方で、最近は、電車の脱線事故や衝突事故などが発生しており、安全性を不安視することが続いておりますが、交通局においても、鉄道事業者の一員として常に念頭に置いて事業運営を行っていただきたいと思います。
そこでまず、安全・安心の確保についてお伺いしたいと思います。
都営地下鉄は、高度経済成長期につくられた施設が多く、老朽化が懸念されております。首都直下型地震の備えなど、東京の防災力を強化するためにも、構造物の老朽化対策や施設の安全性向上も万全を期すべきと考えます。
私も、昨年の十一月の公営企業会計決算特別委員会分科会において、耐震対策や長寿命化の取り組みについて効果的な対策を要望させていただいたところですが、改めて、耐震対策の今後の計画、構造物の長寿命化への取り組みの強化について伺いたいと思います。
○野崎技術管理担当部長 地下鉄施設の耐震対策につきましては、国の通達に基づく対策は既に完了しておりますが、首都直下地震が発生しても施設が大きな損傷を受けることなく機能を保持し、早期に運行を再開できるよう、現在、高架橋の橋脚及び地下駅の中柱の耐震補強を進めております。
具体的には、運行の起点となる車両基地から他社線との乗りかえ駅までを優先的に実施することとしております。例えば三田線では、志村車両基地から巣鴨駅までが優先区間となりますが、このうち車両基地と本線を結ぶ高架橋の補強工事は既に完了しております。平成二十六年度は、現在、施工中の高島平駅から西台駅間の高架橋補強工事を引き続き実施するとともに、新たに、西台駅から志村三丁目駅間の工事にも着手してまいります。さらに、浅草線、新宿線、大江戸線につきましても、地下駅での工事着手に向けて準備を進めてまいります。
次に、構造物の長寿命化への取り組みについてでございますけれども、昨年、三田線のトンネル側壁部で剥落が発生しましたことから、当面の安全性を確保するため、今年度、都営地下鉄で剥落の危険性のある全ての箇所について対策工事を完了させました。
今後は、平成二十三年度から実施しております長寿命化工事を計画的に進める一方で、剥落の主たる原因である漏水対策を前倒しして、東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催も見据え、着実に実施してまいります。
また、変状箇所の早期発見、早期対応が構造物の長寿命化につながることから、都営地下鉄では、法令に基づく定期的な検査に加えまして、独自に頻度を高めた目視や打音によるトンネル検査を行っております。
今後は打音が必要な箇所を事前に抽出し、より正確で効率的な点検を行うために、平成二十六年度から、新たにトンネル内全線の画像撮影に着手いたします。さらに、この画像データに点検や工事の情報などを加えたデータベースを構築しまして、漏水対策工事などの事前調査に生かすなど、今後の維持管理に有効に活用してまいります。
引き続き、地下鉄施設の耐震対策や構造物の長寿命化に積極的に取り組み、安全・安心の確保に万全を期してまいります。
○河野委員 ありがとうございました。
次に、ホーム上での安全対策についてお伺いしたいと思います。
ホーム上での安全対策は、これまで我が党は、その決定打となるホームドアの整備促進について積極的に要望してまいりました。
昨年の第四回定例会においての代表質問では、新宿線のホームドア整備に向け、より具体的な取り組みを加速していくとの答弁を受け、先日の代表質問においては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催も見据え、新宿線にホームドアを設置するとの答弁があり、大いに評価したいと思います。
都営地下鉄のさらなる安全・安心の確保に向け、相互直通運転を行っている京王電鉄との協議を精力的に進め、一刻も早い整備を求められているところです。
そこで、新宿線ホームドア設置に向けた今後の具体的な取り組みについてお伺いしたいと思います。
○広瀬企画担当部長 交通局では、新宿線のホームドア整備について、これまで、京王電鉄株式会社と検討を重ね、技術面や輸送面の課題について整理するとともに、整備に不可欠であった京王電鉄の協力が得られたことから、昨年末に整備を前提とした新たな会議を設置したところでございます。
この会議では、車両に搭載する定位置に停止させるための装置や、車両とホームドアの扉の開閉を連動させる装置などの詳細仕様や整備期間のほか、車両改修時におけます運行本数の確保など、円滑に整備するための方策等について、交通局及び京王電鉄双方の運転や技術などの部門を交え、合意に向けた詳細な協議を行っているところでございます。
今後、京王電鉄とホームドア整備について、合意の上、来年度早期に整備計画を策定してまいります。
○河野委員 ありがとうございました。
続きまして、先ほど降雪時の運行状況を説明いただきましたが、これについて少しお聞かせいただきたいと思います。
日暮里・舎人ライナーなどで、一部遅延や一部運休が発生したとのことですけど、先日の一般質問で、我が会派のほっち議員からも質問がありましたが、私の地元板橋区にも三田線が地上部分を走っているところがありますので、それについても、大雪に対してどのような取り組みを行うのか、今後の対策についてお伺いしたいと思います。
○岡本安全管理担当部長 大雪の対策についてのお尋ねでございます。
都営地下鉄は大部分がトンネルでございまして、降雪の影響を受けにくくなっております。しかし、委員地元の三田線のように、地上部分を有している路線におきましては雪害対策に取り組んでおります。
今回の大雪では、終夜架線に電気を通すなどして着雪を防止するとともに、列車の出入庫等に使用するポイントに設置している電気融雪機を稼働させて、ポイントの凍結を防止いたしました。また、保守部門では、降雪が予想される場合、積雪量の程度に応じた配備体制を設定しており、今回は除雪要員を確保した上で、終日積雪の状況を監視し、必要に応じて除雪作業を行いました。この結果、相互直通運転をしている他社線の影響を受けた路線があったものの、今回の大雪において列車の運行を確保することができました。
今後とも、ハード、ソフト両面の雪害対策に引き続き取り組んで、都営地下鉄の安定運行の確保を図ってまいります。
○河野委員 災害、天災というのは本当に読めないものですので、万全の体制で、ハード、ソフト両面で行っていただきたいと思います。そうした中で、異常事態に即対応するためにも、安全管理体制というのがきちんと構築され、日ごろから運用していくことが求められております。
そこで、都営地下鉄の安全管理体制の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○岡本安全管理担当部長 都営地下鉄の安全管理体制についてのお尋ねでございます。
交通局では、JR福知山線の脱線事故などを教訓に創設された運輸安全マネジメント制度に基づき、安全管理規程を制定し、安全管理体制を構築しております。
局内に設置する安全対策推進委員会で、前年の状況を踏まえて、安全対策の目標である安全重点施策を毎年定め、内部監査などの結果を踏まえて見直しを行い、継続的に安全対策の改善を図っています。また、事故等の重要な情報について、時間を問わず経営トップである局長まで報告され、その指示を受けられる連絡体制を確立しております。さらに、局長を初めとする幹部職員が機会あるごとに事業所を巡回し、現場職員とのコミュニケーションを図って、現場における課題を的確に把握しています。このほか自然災害や重大事故を想定した訓練を定期的に行うとともに、東京メトロとの合同訓練も実施するなど、職員の異常時への即応力の向上に取り組んでいます。
このような取り組みの結果、本年二月に実施されました国の運輸安全マネジメント評価においても、経営トップの局長を初め、職員が一丸となって安全の確保に取り組んでいるとの評価を受けました。
○河野委員 こうした地道な取り組みを継続していくことで、安全意識や安全風土が浸透し、ヒューマンエラーに起因する事故や、トラブルを未然に防止することにつながると考えます。
このように、鉄道の安全、安定運行を昼夜努力して支えているのは人です。とりわけ線路や車両を守る現場の第一線では、これまでも高い技術力を有するベテラン職員のもとで、中堅職員や若手の人材育成、技術継承が図られ、安全の確保につながってきたと考えます。
こうした職員の育成は、一足飛びにできるものではなく、計画的に実施する必要があり、地下鉄の安全を支えるプロ職員の育成は重要だと考えます。
そこで、保守職員の技術力の維持向上を図るため、今後の人材確保や育成についてお伺いしたいと思います。
○小泉職員部長 安全運行を支えるのは人であるというお話がございましたけれども、ご指摘のとおり、都営交通の安全を確保していく上で、保守職場におきまして職員の技術力を向上させるとともに、ベテラン職員の退職に備えまして、若手職員に着実に技術を継承していくことが不可欠でございまして、さらに、将来を担う若手の人材確保も重要であると認識をしております。
このため、技術力の向上を図る集合研修や、職場におけるOJTを行っており、特に技術継承のために現場の実態に即したOJTを重視しております。その中で、保守職場において、職務に必要な技術スキルがこれまでベテラン職員の経験や勘に基づく、いわば暗黙知とされることがございましたけれども、これらをできるだけ一覧形式に整理いたしまして、若手職員にも確実に理解できるようにし、OJTの充実に取り組んでおります。
また、地下鉄の営業線から独立した模擬実習設備を車両基地の一角に設置するなどにより、着実に技術継承が行われるよう、取り組みを強化していくこととしております。
一方、若手の人材を確保するための取り組みといたしまして、採用PRや選考の方法について工夫を行っております。具体的には、現在、新たに交通局職員の採用専用ホームページとパンフレットを作成しているところであり、来年度から活用してまいります。
また、採用選考の実施時期を見直しまして、現役高校生の就職活動にタイミングを合わせ、工業高校等への訪問活動を充実強化するとともに、合格発表時期の前倒しを検討しております。
今後とも、事業を取り巻く環境や職員構成の変化なども踏まえながら、人材の確保育成に努め、保守職員の技術力の維持向上を図ってまいります。
○河野委員 ぜひ、計画的な人材確保に向けて積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
これまで、都営地下鉄に関する安全対策を中心に何点かお伺いをしましたが、交通局は地下鉄だけでなく都営バス、都電荒川線、日暮里・舎人ライナーなども所管しております。全事業にわたって、安全・安心の確保を最優先に事業運営を行っていくことはいうまでもありませんが、お客様の利便性や快適性の向上などの取り組みも重要です。
そこで、質の高いサービスの提供に向けた今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○広瀬企画担当部長 交通局は、誰もが利用しやすく、便利で快適なサービスを提供するため、これまでも、大江戸線、新宿線や日暮里・舎人ライナーの車両増備など、輸送サービスの向上や、地下鉄全駅でのワンルート確保など、バリアフリー化の推進、施設、車両の利便性、快適性の向上などを図ってまいりました。
今後の主な取り組みでございますが、バリアフリー化の推進として、乗りかえ駅などへのエレベーター整備や、車椅子の方にも配慮した駅トイレの改良を進めてまいります。
また、施設、車両の利便性、快適性の向上といたしまして、地下鉄事業では、地上駅で冷暖房装置を備えた待合室を設置するとともに、駅のベンチを増設してまいります。バス事業では、バス停留所に引き続き上屋、ベンチ、接近表示装置を設置するほか、バス車内の次停留所名表示装置を見やすい液晶式に更新してまいります。都電荒川線においては、荒川遊園地前駅停留場のホームの延長を行ってまいります。
さらに、引き続き東京メトロと連携した取り組みを進め、旅行者向けの地下鉄共通乗車券を発売いたします。
加えまして、地下鉄駅への英語による案内ができるコンシェルジュの配置拡大、バス停留所の四カ国語表記の拡大など、外国人観光客にも利用しやすいよう案内等の改善に努めてまいります。
これらの取り組みを着実に実施し、今後とも質の高いサービスの提供を進めてまいります。
○河野委員 お客様のニーズは、今後も多様化、高度化するなど刻々と変化していきますので、的確に把握し、適切なサービスの提供に努めていただくことを望みます。
さらに、交通局は、公営企業として常に経済性を発揮するとともに、公共の福祉を増進していくことが求められています。
これまでも、地下鉄事業では、駅のバリアフリー化を進め、駅ホームから地上までのエレベーターなどによるワンルートの確保では民間事業者の先導的な役割を果たし、また、バス事業では、都民の身近でかつ地域の足として必要な路線を維持するなど、地域社会に貢献してきました。このように公営企業としての社会的な役割を果たすなど、都庁の一員として、都の施策と連携するとともに、交通事業者としての役割が求められております。
そこで、公営企業として先導的な取り組みの状況などについて伺いたいと思います。
○広瀬企画担当部長 交通局では公営事業者としての先導的な取り組みとして、三田線、大江戸線へのホームドア整備や、バス車両の全車ノンステップ化などを実施したほか、福祉環境施策などで行政施策と連携する取り組みを積極的に進め、ヘルプマークの普及への協力、ハイブリッドバスを含め、最新の排気ガス規制に適合した低公害バスの導入などを行ってまいりました。
また、東日本大震災の被災地復興支援のため、宮城県、岩手県のバス事業者への車両無償譲渡や、大島の台風被害における島外避難者のバスによる緊急輸送、帰宅困難者対策として地下鉄全駅への備蓄品の配備を実施いたしました。
今後とも、引き続き、低公害ノンステップバスの導入、駅員のサービス介助士の資格取得、施設、車両の照明のLED化、環境に配慮した施設や車両の導入を進めるなど、福祉、環境施策と連携してまいります。
また、日暮里・舎人ライナーや地下鉄地上駅の屋根にヘリサインを設置するなど、都の災害対策とも連携してまいります。
○河野委員 今後とも、東京の発展に寄与すべく、積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
また、今後も少子高齢化が進展し、乗客数の大幅な増加が期待できない中で、交通局を取り巻く事業環境の変化にも迅速かつ的確に対応するためにも、経営基盤を強化していくことが求められています。
そこで、経営基盤の強化に向けたこれまでの取り組みと、今後の経営改善をどのように進めていくのかお伺いしたいと思います。
○鈴木総務部長 これまで交通局では、経済性の発揮と公共の福祉の増進という公営企業経営の基本原則にのっとりまして、安全・安心の確保やサービスの向上などを図りつつ、業務、組織執行体制、給与等の見直しや徹底したコスト縮減などを果断に実行し、経営改善を進めてまいりました。
具体的には、平成十二年度の大江戸線全線開業や平成十九年度の日暮里・舎人ライナーの開業により事業規模が大きく拡大する中にあっても、この間、職員定数を約千七百人削減したほか、バス乗務員等の給与を一〇%削減するなど、徹底した効率化に取り組んできたところでございます。
今後、少子高齢化が進展し、人口減少が見込まれる中で、ご指摘のとおり、乗客数の大幅な増加が期待できないことから、増客、増収対策に努めるとともに、収入、支出両面で工夫を凝らし、財政基盤の一層の強化を図ってまいります。
また、日夜、交通の現場を支える人材を育成、確保し、その能力を十分に発揮できる組織、職場環境づくりに取り組むとともに、包括外部監査のご意見も踏まえ、関連団体を活用したグループ経営を推進し、より効率的な事業運営を行ってまいります。
今後とも、こうした経営改善を進め、経営基盤の強化を図ることにより、時代の要請に的確に対応しつつ、安全・安心を確保し、質の高いサービスを提供できる安定した事業運営に努めてまいります。
○河野委員 きょうは、安全対策を中心に質問させていただきましたが、少子高齢化や、また二〇二〇年東京オリンピック・パラリピック大会を控えて、今後も都営交通の役割はますます重要になってくると思います。今後の事業運営に関する局長の決意をお聞かせいただき、私の質問を終わりたいと思います。
○新田交通局長 明治四十四年に東京市電気局として産声を上げました交通局は、これまで百年を超える歴史を刻んでまいりました。この間、時代の変化に応じて、事業の主力は都電から都バス、そして都営地下鉄へと変遷してまいりましたが、一貫して東京の都市活動と都民生活を支える重要な公共交通機関として役割を担ってまいりました。
一方におきまして、この百年余は、震災と戦災による打撃に加え、モータリゼーションの進展等による交通潮流の変動などの荒波を受け、たびたび深刻な財政危機に直面し、その都度、厳しく財政再建の実行を求められる苦難の事業運営の連続でもありました。
こうした苦難を徹底した効率化、合理化によって乗り越え、依然として四千億円もの累積損と九千億円を超える長期債務残高を抱える厳しい状況ではございますが、現在、おかげさまで、交通局合計で七年連続の経常黒字を計上するまでになりました。
経済性の発揮と公共の福祉の増進という、地方公営企業経営の基本原則を堅持し、交通局所管六事業が都民の期待にしっかりと応えていくために、今後ともたがを緩めず、財政基盤の強化、経営健全化に努めていく覚悟でございます。
今、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の東京開催を契機といたしまして、東京は新たなフェーズを迎えようとしております。史上最高、世界一のオリンピック・パラリンピックの実現成功に向け、輸送上、大きな役割を担いますとともに、国内外のお客様とじかに接するおもてなし最前線としての重い責任を負う交通局は、五輪後も見据え、しっかりとその使命を果たしてまいります。
そのため、局内に二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部を立ち上げ、現在、局内各部門に横串を刺し、局の総力を挙げて取り組んでいるところでございます。
今後とも、安全・安心の確保を最優先に、おもてなしの心を持った質の高いサービスの提供に努め、都民と国内外のお客様の期待に応え得る都営交通を目指し、私も職員の先頭に立って全力で取り組んでまいります。
○高倉委員 それでは、最初に、都営地下鉄のバリアフリー化について質問をさせていただきます。
今定例会の一般質問におきまして我が会派の上野和彦議員からの質問に対する局長答弁、また、先日の報道の発表で、都営地下鉄において、ホームから地上までエレベーター等を利用して移動できる経路を一つ以上確保する、いわゆるワンルート確保が全ての駅で完了するということがわかりました。報道のとおり、三月十五日には三田線の春日駅でエレベーターが供用開始をされまして、都営地下鉄全百六駅において、ワンルートの確保が達成をされたわけであります。
私の地元の中野区内を走っております大江戸線の駅には、開業時からエレベーターが整備をされていたというわけでありますが、しかしながら一方で、昭和の時代に整備をされた古い路線においては、エレベーターの計画すらなかったということであります。こうした既設の路線の駅においてエレベーターを設置をするということは、これは恐らく並大抵のことではなかったと、大変な困難やご苦労があったんではないかなというふうに思います。
そこで、これまでのエレベーターの整備の実施に当たりまして、どういった期間を要し、またどういった困難があったのかということについて、明らかにしていただきたいと思います。
○遠藤建設工務部長 都営地下鉄では、人に優しい公共交通機関を目指しまして、いわゆる交通バリアフリー法が施行されました平成十二年度から、エレベーター等によるワンルートの確保に本格的に取り組んでまいりました。
エレベーターの設置に当たりましては、用地の確保や工事上の制約など、これまで多くの課題がございました。
具体的に申し上げますと、今月八日に供用開始いたしました浅草線蔵前駅でございますけれども、ここは駅周辺が既に稠密な市街地となっておりまして、このことから、エレベーターの設置が可能な土地を探し出し、地権者の方の合意を得るまでに多大な時間と労力を要しました。また、工事に関しましても、エレベーターに通じる地下通路を設置するために、区道の掘削を開始いたしましたところ、重要なライフラインが当初の想定と大きく異なった位置に埋設されていることがわかりまして、これに伴いまして大幅な設計変更を余儀なくされると、このようなことがございました。
さらに、一昨日、供用開始いたしました三田線の春日駅でございますけれども、ホーム上での作業を伴いますことから、終電から始発電車が通るまでのわずか三時間という中で工事を進めると、このような必要があったわけでございます。
このようなさまざまな困難の克服に局一丸となって取り組みまして、十四年をかけまして、整備対象六十駅でワンルート確保となるエレベーター等の整備を完了したところでございます。
○高倉委員 今、ご答弁にありましたけれども、やはりこの東京の都心部を中心として、大変用地の確保も難しい、またいろんな建物を初めライフライン、さまざまな構造物も入り組んでいる中で、本当にこうしたことをやっていくということは、大変な努力が必要なんだなというふうに思います。そういう状況の中で、このたび全ての駅でワンルートの確保を完了したということについては、交通局のこれまでの取り組みを、私は大いに評価をさせていただきたいと思います。
また、さきの私どもの上野議員の質問に対しまして、今後は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催も見据え、バリアフリー化を一層推進をするといった局長の答弁もあったわけであります。
交通局は、今後、このバリアフリー化を一層推進をするために、どういった駅にエレベーターを設置をしていくのかについてお伺いしたいと思います。
○遠藤建設工務部長 交通局では、ただいま先生からもお話がございましたように、都営地下鉄の全百六駅でワンルート確保を達成したわけでございますけれども、今後も、誰もが利用しやすい地下鉄を目指しまして、駅のバリアフリー化をより一層進めることといたしております。
このため、東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催後も見据えまして、他路線との乗りかえ駅等におきまして、エレベーターを追加整備してまいります。これによりまして、車椅子の方などが一旦地上へ出て道路上を迂回しなければならない、このようなバリアの解消を目指してまいります。
具体的には、東京メトロとの乗りかえ駅で、国立競技場の最寄り駅の一つであります大江戸線の青山一丁目駅、東京メトロやJRなどとの乗りかえ駅になります大江戸線の新宿西口駅、東京メトロとの乗りかえ駅であります新宿線小川町駅、さらには空港バス等との接続駅であります新宿線一之江駅などにおきまして、エレベーターの整備に精力的に取り組んでまいります。
○高倉委員 ぜひ全力で取り組みを進めていただきたいと思います。
次いで、都営バスにおきます運転手の健康管理について質問させていただきます。
去る三月三日に、富山県の北陸自動車道サービスエリアで、宮城交通の高速バスが大型トラックに衝突をしまして、乗客一人と運転手が死亡するという大変痛ましい事故が発生をいたしました。この事故の原因につきましては、警察など関係機関により調査をされているというふうに聞いておりますけれども、運転手の健康面での問題に起因したといったような報道もあるわけであります。
過去には、平成二十四年の四月に、関越自動車道でツアーバスの運転手が居眠り運転をしまして乗客七名が死亡した事故、また平成二十五年七月には、三重県や宮城県でも、運転手が突然意識を失って亡くなりましてバスを制御できなくなったといった事件も相次いで発生をしているわけであります。
こういった報道が繰り返されるたびに、公共交通機関に働く職員の健康管理が十分でなければ、乗客が安全に利用できないといった不安が世の中に高まっていくというふうに思います。
都営交通でもこういった事故を教訓にしながら、運転手の健康管理を的確に行い、事故の防止を図っていくことが、利用者の安全の確保の上で何よりも重要であると思います。
そこで、都営バスにおける運転手の健康管理についてお伺いをいたします。
○小泉職員部長 都営バスの安全な運行を確保する上で、職員の健康管理を適切に行うことが重要でございます。
このため、都営バスの乗務員につきましては、脳血管疾患や心疾患に起因する事故を未然に防ぐよう、労働安全衛生法に基づき、毎年二回、健康診断を実施し、自覚症状の有無や、視力、聴力、血圧などを定期的に測定することで、健康状態の把握をしております。これに加えまして、三十歳以上の乗務員に対しましては、毎年一回、心電図検査も実施しております。これら検査の結果、高血圧、高血糖などで基準を超えた場合は、乗務禁止の措置を行い、症状の改善を確認した後、乗務に復帰させております。
また、日常的にも乗務の前後に、運行管理者が対面で点呼を行いまして、酒気帯びの有無も含め、体調に異常がないか確認をしております。
さらに、交通局では、日中に強い眠気を催し事故につながる危険性がある睡眠時無呼吸症候群、いわゆるSASでございますが、この早期発見を目的といたしまして、これまで平成十六年度から四年間で、全ての乗務員のSAS検診を実施いたしました。
また、平成二十一年度から四年間で、改めて全乗務員の検診を実施したところでございます。
○高倉委員 今ご答弁で、交通局においては、既に運転手に対しまして睡眠時無呼吸症候群、いわゆるSASの検査を実施しているといったことも含めまして、これまでにもさまざまな健康管理施策を講じているということであります。
今回の事故でも、宮城交通の運転手は、簡易検査でSASによりまして経過観察が必要とされていたといった報道がなされております。
このSASという病気は、事故のたびに社会的に認知されてきていると思います。病気であれば早期に発見をして、乗客の安全を脅かすことのないように対応することが不可欠であると思います。
そこで改めて、都営バスの運転手に対するSAS検診の実施内容と検査結果への対応、またあわせて、今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○小泉職員部長 交通局のSAS検診につきましては、まず、全ての乗務員について、検査機器を用いた簡易検査でスクリーニングを行いまして、その上で、SASの疑いのある者につきましては、医療機関で精密検査を受けさせております。
平成二十一年度からの四年間で実施いたしました精密検査の結果では、都営バスの全乗務員二千二十六名のうち二・四%に当たる四十八名が医療の必要なSASと診断されておりますが、医療の必要なSASと診断された乗務員に対しましては、産業医による面談によりまして、乗務禁止の措置を行い、症状の改善を確認した後、乗務に復帰させております。また、治療中の職員に対しましては、治療機器の使用状況を確認しております。
このSAS検診につきましては、安全対策の一環として局の安全重点施策に位置づけておりまして、今後、改めて都営バスの全乗務員に対しまして、平成二十六年度から二年間で計画的に検診を行ってまいります。
今後とも、都営バス乗務員の健康管理に万全を期してまいります。
○高倉委員 今ご答弁ありましたが、交通局では、このSASの検診につきましても計画的に実施をされているということでありまして、こうしたきめ細かな健康管理の取り組みについては評価をさせていただきたいと思います。ぜひ今後も、引き続きこういったきめ細かな対応を行いまして、安全確保に努めていただきたいというふうに思います。
次に、都営地下鉄駅の自動販売機についてお伺いをしたいと思います。
都営地下鉄においても、駅の中を歩きますと多くの自動販売機を目にするわけであります。これほど多くの自動販売機があるということは、利用する人も大変に多いということと、そして、収益性も大変高いのではないかということも推測されます。
東京都の人口が二〇二〇年を境に減少が見込まれていく中で、このように都営交通の経営資源を活用した収入の確保といったことも必要であると思います。
そこで、この交通局の駅構内における自動販売機の設置目的、設置台数、そして収入について明らかにしていただきたいと思います。
○樋口資産運用部長 交通局におきましては、所有する土地、建物や駅空間、車両などの経営資源を有効活用し、本来事業の経営基盤の強化に資することを目的に、関連事業に積極的に取り組んでおります。
その中で、飲み物の自動販売機は、都営地下鉄を利用するお客様の利便性を確保するとともに安定した収益を見込めることから、積極的に設置を進めているところでございます。
地下鉄駅構内などにおいて、平成二十四年度末で五百十一台の飲み物の自動販売機を設置しており、平成二十四年度の収入は約三億一千万円となってございます。
○高倉委員 今、二十四年度の実績ということで五百十一台、そして、収入が三億一千万円というお話がございました。こうした駅構内での自動販売機等の設置は、都営交通を利用する人にとっては大変便利でありますと同時に、交通局にとりましても、収益の拡大を図っていくために大変有意義な事業であるというふうに思います。
一方で、駅は大変公共性の高い空間でありますので、交通局は利益を単に追求をするというだけではなくて、公営企業としての社会的要請にも積極的に対応していくことが重要であるというふうに思います。
私ども都議会公明党が推進をしております、都営地下鉄駅構内に障害者が働く店舗を設置をする、こういった事業につきましても、社会に貢献する取り組みの一つであるというふうに認識をしております。
交通局でも、自動販売機や、また店舗におきまして、ICカード乗車券の電子マネー機能を利用して買い物をしますと、例えば花粉症対策につながる、こういった取り組みをしているというふうにお聞きをしております。この取り組みの仕組みと実績についてお伺いしたいと思います。
○樋口資産運用部長 交通局では、都営地下鉄の駅構内などにございます自動販売機などで、ICカード乗車券の電子マネー機能を利用して買い物をしていただきますと、売り上げの一部が花粉の少ない森づくり運動に募金される仕組みを導入し、東京都の花粉症対策に協力しております。この取り組みは、平成十九年三月に開始し、平成二十四年の募金実績は約二百二十四万円となっております。
○高倉委員 今、二十四年度の実績で二百二十四万円というお話がありました。ICカードで買う方もいれば、現金で買う方もいるということで、ICカードに対してこの金額だということだと思います。先ほど、三億一千万円という収入のお話がありましたので、恐らくこういう募金に、例えばそういうICカードを使った買い物のうち、収入の一%ぐらいを充てているんではないかなというふうに思われます。
こうした交通局の増収対策というのが、経営基盤の強化といったものにつながるだけではなくて、花粉の少ない森林づくりにつながるということは、とても大事なこと、いいことだというふうに思います。
今の事業のお話でありますけれども、交通局にとっては増収につながる、それから、必要な政策、施策にとっては、これを広く利用者に周知をする、PRをするということにもつながるわけであります。
当然ながら、設置をしている事業者にとっては、いい場所に設置をしているわけですから、当然売り上げ増にもつながるということで、かかわっている方々いずれにとっても、これはいいお話なわけですね。
話は少し変わりますけれども、昨年の十二月に都営バスにおいて、いわゆる無料のWi-Fiを設置されたと。私も現地を見てまいりましたけれども、これは東京都が予算をつくって、それでやっているのかなと思いましたら、そうではなくて、事業者が設置をして、設置について交通局がちゃんと設置料を取っているということでありまして、考えてみれば、無料のWi-Fiは、乗客、外国人の観光客も含めて利用者にとっては大変利便性の向上につながりますし、交通局にとっては、これは収入増につながると。当然、設置をする事業者も、PRの効果があると同時に契約者の増にも結びついていくということでありまして、これもかかわっている人たちが全ていい状況でかかわっているということであります。
この自動販売機を活用した社会貢献というものは、ほかにも港区内等々におきまして、購入をするたびに十円を社会貢献活動団体に寄附をする、こういった自動販売機が設置をされていると聞いております。十円って結構すごいと思いますね。恐らく百円前後の飲料だと思いますので、一割ぐらいを社会貢献として寄附をしているということであります。
今後の新たな取り組みとして、例えば、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた選手の育成のための募金といったことも、私は考えていかなければいけないと思うんです。オリンピックの出場を目指すアスリートの方々、それから、パラリンピックのパラリンピアンの方々−−特にパラリンピックの方々も、練習とか、それからいわゆる海外も含めた遠征とかの費用を捻出するのは、大変な努力が必要だというふうに聞いておりまして、ぜひこういったところに役立てたり、あるいは今、災害の対応型の自動販売機といったものも導入をされていると聞いておりまして、さまざまな社会貢献が私は可能だというふうに思います。
きょうはご答弁を求めませんけれども、ぜひそういった観点から検討をお願いをしたいと思います。引き続き、さまざまな可能性を検討して、社会に貢献する取り組みを実現していっていただきたいと思います。
以上で終わります。
○畔上委員 資料の作成ありがとうございました。
まず、都バスの委託問題について伺います。
都バスは、都民のかけがえのない足として、地域の公共交通のかなめの役割を果たしているわけです。とりわけ上下移動の少ない都バスは、障害者、高齢者、ベビーカーなどの親子連れに重要な足となっております。今後、高齢化が進む中で、ますます都バスの役割というのは大きいというふうに考えます。
交通局は、バス事業が赤字だからと、この間、都バスの乗務員の非常勤職員の活用や委託の拡大を進めてきたわけですけれども、公共性と経済性をどう担保するのかという点で苦肉の策なのかなというふうに思いますが、果たして委託をすることによって、どのような問題が起こっているのか、また、どこまで委託を拡大するのか、委託の実態をしっかりと把握することが、今、非常に大事じゃないかというふうに思っております。
そこで、まず伺いたいんですが、バスの委託の推移、委託路線はこの十年でどのぐらいふえたのかお示しをいただきたいと思います。また、現在のバスの委託路線数と委託費についても伺います。
○根木バス事業経営改善担当部長 交通局では、道路運送法に基づき路線やダイヤ、運賃等の決定権を交通局に留保しながら、営業所における運行業務等を委託するバス事業の管理の委託を、平成十五年度に二路線で実施して以降、順次拡大し、現在三十九路線を委託しております。また、今年度の契約額は約三十一億円でございます。
○畔上委員 全体が今百三十七路線ですから、この十年で一気に全体の三割、これを委託に拡大したということになるわけですね。この間、バス乗務員の非常勤化も進められて、作成していただきました資料を見ますと、一般職員の平均年収約七百二十四万円、非常勤の職員などの特別職員は平均年収が約三百二十七万円と、半分以下になっております。年収ですから、所得で見ればかなり低い金額で、再雇用の方もいらっしゃるということはわかりますが、若い人なら相当大変だろうなというふうに思います。
先ほど、バスの委託もふえていることもわかりましたが、来年度はどうするんでしょうか。現行の三十九路線よりもふえるんでしょうか。また、今後の委託の割合、どこまで拡大するつもりなのかも伺いたいと思います。
○根木バス事業経営改善担当部長 管理の委託につきましては、これまでも都営バスの収支状況や、取り巻く事業環境を踏まえて対応してまいりました。来年度につきましても、これまで同様、適切に対応していく予定になってございます。
○畔上委員 今後についてはどうかということも、あわせてお願いします。
○根木バス事業経営改善担当部長 繰り返しになりますけれども、今後につきましても、都営バスの収支状況ですとか、取り巻く事業環境を踏まえて適切に対応してまいりたいと、そういうふうに思ってございます。
○畔上委員 来年度も、それから今後についても具体的にはおっしゃらなかったわけですけれども、今のお話ですと、バスの収支などが判断材料だということになれば、当然委託がふえてしまうことになるんじゃないかというふうに思うんです。
そこで伺いたいんですが、委託先のバスの運転手の年収、これはどのくらいになるんでしょうか。
○根木バス事業経営改善担当部長 委託先の運転手の年収につきましては、委託先企業の経営情報でありまして、お示しすることは困難でございます。
○畔上委員 企業の経営情報とおっしゃいますけれども、公共交通機関の担い手がどのような労働実態なのかということを把握していないこと自身が、私は非常に大きな問題だというふうに思うんです。
委託先の実態も把握しないで民間委託の拡大をしたらどうなってしまうのか。これは企業任せだと。それでは困るんですね。
委託先のはとバスのホームページでは、二〇一四年四月からの受託路線の規模拡大に伴い、路線バス運転手大募集、こういうふうに書いてありました。求人情報を調べましたら、バスの契約運転手の方なんですが、その募集では月給は十四万八千円、プラス諸手当というふうになっていました。
予算特別委員会で、委託によって三〇%コスト削減だと、そしてサービス水準は維持しますと答弁されていたわけですけれども、結局、働く人たちにしわ寄せが来ているんじゃないでしょうか。
委託路線の運転手さんたちの実態調査、これをすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○根木バス事業経営改善担当部長 委託路線の運転手の実態調査につきましては、委託先企業の勤務条件等にかかわることでございまして、交通局が調査を行う立場にはございません。
なお、委託先に対しましては、事業を実施するに当たり、労働時間等について関係法令を遵守するよう求めております。
○畔上委員 今、官製ワーキングプアがこれだけ問題になっている。そして、各自治体では公契約条例とか、それから公共調達条例、こういった条例を制定して、契約も総合評価方式に改善させる、こういった取り組みが始まっているわけですよ。そういうときに、実態調査も実態把握もしようとしないのは、私はとんでもないことだというふうに思うんです。
ましてや今、民間の路線バスの運転手さん、これが大変不足しているということが大きな問題になっています。国土交通省は、路線バスの運転手が不足していて、都市部でも日常の運行や安全に支障を来している、こういって、昨年十二月に検討会を立ち上げました。この資料を読んだんです。この資料によりますと、乗合バス運転手は二〇一〇年には八万人と。路線バスの運転手の年間労働時間は二千五百八時間、全産業の男子の労働時間が二千百七十二時間、これを大きく上回っている。にもかかわらず、年収はどうかといえば、民営バスの運転手さんたちは、路線バスの運転さんたちは四百四十五万と、全産業男子の平均の五百二十三万円を大きく下回っているんです。
あるバス会社の運転手さんはこうおっしゃっています。免許のない人を雇って、会社のお金で免許を取らせている制度もあるんだけれども、運転手の補充が間に合わなくて、ダイヤに穴をあけられないと。だから毎日、誰かが必ず残業しなければならないと。やらないというふうに拒否したら、賞与の査定で差をつけられてしまうんですということをお話されています。
国土交通省も、こういう実態があるから、輸送の人員の減少による収入減を人件費削減によりカバーしてきた結果だと、こういうふうにいっているんです。結局、人件費を削って労働条件が悪くなって、人員不足が起こっているよということを国土交通省自身も認めているわけです。
公営バスのない福岡市、ここでは、今バス路線の休廃止、これが相次いで起こってしまいまして、市民の足が奪われて、市民の生活の死活問題になっているんだということであります。
こうした民営バスの、路線バスの運転手さんの不足の問題という、この問題をどう受けとめられているんでしょうか。
○根木バス事業経営改善担当部長 民営のバス事業者におきましては、運転手の不足が問題になっており、国土交通省において、バス運転手の確保及び育成に向けた検討会が開催されているのを聞いております。
交通局といたしましては、こうした動きを見守ってまいりたいと考えてございます。
○畔上委員 その国土交通省の発表した資料だって、人件費を削って労働条件が悪くなって、人員不足が発生しているというふうに認めているんですよ。見守っている場合じゃないというふうに私は思うんですね。
結局、交通局が赤字を解消しようとして、コストを削減して委託を拡大すればするほど、運転手不足は深刻化して、安全、安定運行に支障を来すことになるというふうに思います。
官から民へと、この間いわれてきましたけれども、民間のノウハウを生かすといっても、業務の内容に大きな変化がない以上、結局人件費を抑制して、東京よりも安価に済ませているだけじゃないでしょうか。人件費を切り下げれば、結局、労働時間や低賃金、こういうふうになって続けられない、また続かないと、こういうことで運転手不足になるわけです。
公共の福祉の増進という、こういう公共交通の担い手をどう育成して安定的に運行できるようにするのかということを考えて、私はやっぱり委託先の労働実態、これはまず直ちに把握をしていただきたいというふうに思うんです。実態調査を強く求めておきたいと思います。そして、基本は、安易な委託の拡大を行わないよう求めていきたいと思います。
次に、地下鉄のバリアフリーについてでありますが、まず、先ほどお話がありました都営地下鉄の全線エレベーターのワンルート確保の公表についてです。
障害があっても、それから高齢者であっても、移動権を保障する上でバリアフリーは欠かせないわけです。
そこで伺いますが、来年度の二〇一四年度予算では、設計が三駅、竣工が二駅というふうになっていますが、どこの駅なのでしょうか。それから、ホームから改札口へのエレベーターがない泉岳寺と高輪台、これはどうするんでしょうか。今後設置する見通しなのかどうかもあわせて伺いたいと思います。
○遠藤建設工務部長 さきにお尋ねの竣工二駅でございますけれども、この二駅とは、大江戸線の新宿西口駅と新宿線の小川町の駅であります。平成二十六年度に竣工予定ということで既に公表してございます。それと、設計を実施する駅につきましては、現在、検討を進めているところでございます。
また、浅草線の泉岳寺と高輪台の二つの駅についてお尋ねがございましたけれども、この両駅とも駅の構造上、エレベーターの設置が困難でございまして、このため、階段昇降機を設置してホームから地上までのワンルート確保を図ったところでございます。
○畔上委員 設計は、現在検討中というお話だったんです。先ほど、かなり具体的な駅名が挙がっておりましたけれども、その二ルート確保の今後進めていく選定基準、これがどういうものかとあわせて、対象になる駅名、これを具体的にお示しいただきたいと思います。
○遠藤建設工務部長 今後、整備いたします乗りかえ駅等へのエレベーター整備でございますけれども、これにつきましては、先ほどご答弁させていただきましたように、大江戸線の青山一丁目駅、同じく新宿西口駅、それと新宿線の小川町駅、同じく新宿線の一之江駅などでございます。
○畔上委員 そうすると、都営地下鉄のエレベーターの二ルート確保、この順番の選定基準というのはどういうものになるんでしょうか。
○遠藤建設工務部長 都営地下鉄では、全百六駅でのワンルート確保を達成したわけでございますけれども、今後も、誰もが利用しやすい地下鉄を目指しまして、駅のバリアフリー化をより一層進めることといたしております。
オリンピック・パラリンピック競技大会開催を見据えまして、他路線との乗りかえ駅等におきましてエレベーターの追加整備をしてまいります。これによりまして、車椅子の方などが一旦地上に出て道路上を迂回するといったようなバリアを解消してまいります。
対象となる駅は、先ほどご答弁で申し上げたとおりでございます。
なお、理事の方からツールートというお話がございましたけれども、いわゆる交通バリアフリー法ではツールート確保という義務づけはしてございませんで、私どもといたしましては、エレベーターの設置が可能で高い改善効果が見込まれる駅、これを対象駅として選定していく考えでございます。
○畔上委員 その点については理解しました。
それで、例えば大江戸線と東西線の門前仲町駅、これもやっぱり今お話があった、一旦外へ出て、道路を迂回しなければならない駅の一つなんですね。先ほどの具体的な駅名の中には入ってなかったんですが、そうすると、先ほど名前が挙がった駅は第一次で、順次これからそういう駅をバリアフリー化していきますよと、そういう理解でよろしいんでしょうか。
○遠藤建設工務部長 繰り返しになりますけれども、エレベーターの設置が可能で高い改善効果の見込まれる駅を選定してまいる考えでございます。
○畔上委員 同時に、一旦外へ出て、道路を迂回しなくても、かなり距離があって大変だという駅もあるんですね。
大江戸線と新宿線の乗りかえ駅の森下駅、ここもそうなんですね。エレベーターは一カ所ございます。しかし、二本の地下鉄が走っている、交差しているということで出入り口が六カ所あるんです。五カ所は全て階段でおりなきゃならないということで、高齢者の方々からは、エレベーターが一カ所だと、足が不自由になると本当にそこまで歩くのが大変なんだと。外出することが健康を保つことになるので、地下鉄でいろいろ自分も出ていきたいけれども、なかなか大変だと。そういう点では、エレベーターが一番遠い出入り口にもぜひ設置してもらいたいと、こういったご要望の声が上がっております。
他路線の乗り入れに道路上を迂回しなければならないという、先ほどお話がありましたが、そうでない駅でも、実情に応じて、ぜひ対応をしていただきたいというふうに思います。これは要望しておきます。
車椅子の方やベビーカーの方を考えますと、もちろんエレベーターの設置が一番よいわけなんですが、エスカレーターの増設なども、私は必要だと思いますけれどもいかがですか。
○遠藤建設工務部長 都営地下鉄におきましては、駅のバリアフリー化を進めるに当たりまして、国が定めたガイドラインに基づきまして、車椅子の方が単独でも利用できるように、またベビーカーの方を含む全てのお客様が、安全で容易に垂直移動できるようにと、エレベーターを中心に整備を進めてきてございます。
エスカレーターもというお話でございますけれども、エスカレーターにつきましては、主にお客様がスムーズに駅構内を移動できるなど、利便性の向上を図る、これを目的に設置してございます。
繰り返しになりますけれども、私どもといたしましては、バリアフリーという観点からはエレベーターを中心に整備を進めていく考えでございます。
○畔上委員 今、エスカレーターの設置目的は、バリアフリーじゃなくて利便性なんだというご答弁だったと思うんですが、国土交通省の移動等円滑化の促進に関する基本方針、これでは、高齢者、障害者の自立した日常生活、社会生活の環境整備の推進で、鉄道駅及び軌道停留場については、エスカレーターも含めて段差を解消というふうになっているわけですね。
現に、先ほども高輪台と泉岳寺、これもホームから改札口、これはエスカレーターになっているわけです。都民からも、大変エスカレーターも要望が強いです。エレベーターが、土地確保で大変な困難も伴うものだというふうに思います。そういう点では、エスカレーターなども検討を、ぜひ実施をしていただきたいと、これも要望しておきたいと思います。
次に、ホームドアについてです。
ホームドアが大江戸線に設置されまして、都民からも大変喜ばれておりまして、先日、私は、視力障害者の方と一緒に大江戸線に乗車しました。そうしましたら、視力障害者のその方は、安全度が全然違うんだと、こういうふうにおっしゃっていました。
この間、我が党も、早期にホームドアを設置してほしいということを求めてまいりましたが、先ほどのご説明では、新宿線ということで京王線と具体化を協議中というお話がありました。
やっぱり私は、都として設置完了目標、これをきちんと定めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
○広瀬企画担当部長 ホームドアの整備につきましては、経営計画二〇一三、こちらにおきまして、ホームドアを導入していない路線について、輸送面の影響、技術面の課題などへの対応も含め、整備に向けた検討を進めるということとしておりまして、まずは新宿線に設置することとしたものでございます。
○畔上委員 まずは新宿線ということは、一歩前進だというふうに思いますが、いつまでに完了させるかということを、目標を持ってぜひ進めていただきたいというふうに思います。
先週の朝日新聞に載っていましたが、ホームドアが進化しているという報道だったんですが、東急田園都市線のつきみ野駅、ここでロープ式のホームドア、これのモデル実施をしているという記事があって、私もすぐ見に行ってきました。
ロープで本当に大丈夫なんだろうかというふうに、ちょっと心配だったので見に行ったんですけれども、それはロープが何本もありまして、何より、あっ、これはいいと思ったのは、コストはかなりダウンするだろうというふうに思ったのと、それから、ドアの位置が多様であっても対応ができる、使えるということなんですね。
私は、やっぱり新宿線も浅草線も、都が積極的にこういったモデル実施なども行って、そして早急な設置を目指していただきたいというふうに思います。そのことを強く要望しておきたいと思います。
視力障害者の方々のための転落防止策として、新宿線、浅草線のホームには、内方線を付加した点状ブロック、これが整備されているということは承知しておりますが、転落事故というのは、視力障害者の方ばかりではありません。聴覚障害者の方にも電車の接近がわかりやすくなるように、壁面の列車接近表示器、これを設置したらどうかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○太田電車部長 列車接近表示器は、駅のホーム天井からつり下げております電照式の情報案内機器でございまして、列車がホームに近づくと、電車が来ますという文字情報で列車の到着を知らせるとともに、聴覚障害の方も含め、ホームで列車をお待ちのお客様に、列車接近の注意を促すための設備であります。
現在、この列車接近表示器は、各駅の状況に応じて、ホーム上の乗車位置でお持ちのお客様から、比較的視認しやすく、わかりやすい位置を選んで適切に設置しております。
また、このほかにもホーム上には、次に到着する列車の時刻表示とともに、列車の接近を、この列車接近表示器と同様に文字で知らせる案内表示器も設置しておりますことから、現状の設備で十分と考えております。
○畔上委員 新宿駅などなんですが、場所によっては、先ほどわかりやすい位置にあるとおっしゃったんですが、見えにくいところもあるようです。それは聴覚障害者の方から伺ったんですが、あるようです。そうした見えにくい場所には、やはり必要なところには、この接近表示器、これを適切に設置していただきたいと思うんです。
聴覚障害者の方からは、運転調整での駅での停車、それからトラブルがあったとき、災害時の停車、これを車内の掲示板にもぜひお知らせしてほしい、こういう声も伺っています。
その方がおっしゃっていたのは、電車がとまると人がざわざわっとする、だけど自分は、なぜとまっているのか全く理解ができない、聞くこともできないということで、特に地震のとき非常に不安に思ったというお話だったんですが、地震のときには駅員さんに伺おうと思って行ったんだけれども、本当に忙しく働かれていて、本当にそういう点では声をかけることもできなかったと。
昨年から、ヘルプマーク、この配布がされるようになって、私はこれは大変よいことだというふうに思うんですが、同時に車内での掲示板、このお知らせで、テロップでもし流れれば、聴覚障害者の人も、あっ、そういうことで今とまっているんだなという理解ができるんじゃないかと思うんですね。
そういう点では、そういうきめ細かい配慮、これを含めて、やっぱり障害者の方も、それから高齢者の方も、みんなの移動権がしっかりと保障できる、こういう仕組みをぜひつくっていただきたいと、バリアフリーをしていただきたいということをお願いいたしまして質問を終わりたいと思います。
○西沢委員 私からは、まず地下鉄の施設の耐震対策の強化についてお伺いをしていきたいと思いますが、先ほども既に議論が出ておりますので、少し視点を変えて、また少し質問も割愛をした上で進めさせていただきたいと思います。
先ほど、この地下鉄施設の耐震対策ということについては、既に阪神・淡路大震災を受けて国の通達が出されて、それに基づく対策というのは完了しているというような話がございました。既に安全な状態であるというようなことと聞いているわけですが、この交通局の経営計画によると、新規ということでこの耐震対策があるわけでございます。
この耐震対策の今後の取り組み、これは新規にどのような目的で行うのかお伺いをいたします。
○野崎技術管理担当部長 地下鉄施設の耐震対策でございますけれども、副委員長お話しのとおり、阪神・淡路大震災を受けて出されました国の通達に基づきます対策は、既に完了しております。
しかし、東日本大震災では、高架部に被害を受けた仙台市営地下鉄などが全線で運行再開までに二カ月近く時間を要したことから、首都直下地震が発生いたしましても、施設が大きな損傷を受けることなく機能を保持できることが重要であると考えております。
このことを踏まえた独自の取り組みといたしまして、運行の早期再開を図る観点から、高架橋の橋脚及び地下駅の中柱を対象に耐震補強を進めております。
○西沢委員 単純に国の基準に基づいてやったということではなくて、特に今の答弁でありましたが、東日本大震災で二カ月近く復旧に時間を要したということもあって、それを早期に復旧していくということのために、独自の取り組みとして進めているという話でございまして、これは大変に評価できるものであると思いますし、ぜひ進めていただきたいというように思います。
もちろん命を守るというのが最優先なわけでありますが、その後に復旧するのに時間がかかって、さらに二次被害、三次被害というような形になっては、当然これは本末転倒なわけですから、この取り組みについては、引き続きのお願いをさせていただきたいと思います。
それで、この事業はどのような区間から実施していくのかという話は、これも先ほどちょっと話が出ました、特に車両基地、車庫から他社線の乗りかえ駅までなんかを優先的にやっていくというような話でもございました。他社との乗りかえ駅というのは、こちらも当然理解できるものでもあります。
私からの意見ですけれども、どのような区間からやっていくのかというのは、いざ震災が起きたときには、緊急輸送道路というような形で、地上の道路については三日以内に何とか確保しようということで、沿道の耐震化なんかも進めております。
それから、主要な施設ですね、国会であったり、それから、もちろんこの都庁舎、そしてこの都庁舎がだめになったときには立川のバックアップ施設があります。そうしたところを結ぶための道路というものを当然確保する計画がある中で、そこの進捗でやるのを総合的に判断して、地下鉄はどのようにじゃあ進めていくのかと、どこから手をつけていくのかと、当然一気にやれるものでありませんから、そうしたことを総合的に判断して、区間を決めて進めていただければというように思います。今それをやっていないと聞いておりますので、そういうことも考えていただいたらというご提案でございます。
それから、現在の工事の進捗状況と今後の予定についてなんですが、これも先ほど話が既に出まして、浅草線では、馬込車両基地と西馬込、高架橋の補強工事と、三田線でもこの高架橋の補強工事を完了しているというようなお話がございまして、そして平成二十六年度は、高島平、西台駅に続いての高架、つまり地上の部分が、話もあったように、先に被害に遭うと、ここを先に耐震化していくというような話もありました。ここはやっていっていますよというようなことで安心をしたところであります。
さらに、地下鉄大江戸線、それから新宿線なども実施していくということもありまして、こうした優先順位については、引き続き総合的に判断して進めていただきたいというように思うところであります。
こうした最近の状況をお伺いしたわけでございますが、自分の地元の駅がどうなっているのか。もしくは、一都民の皆様も自分がよく使っている駅がどういうふうになっているのかというのは、非常に気になるわけであります。復旧まで時間がかかる駅なのか、それとも復旧までに時間がかからないように既に耐震を終えている駅なのかというのは気になるところでございます。これを知るすべというものが、今簡単にはなかなかすぐわからない状況でございますが、例えば、ツイッターであるとか、局のそういったホームページであるとか、こうしたものを利用することによって、地域住民や地下鉄の利用者に知らせていくべきと考えますが、どのように知らせていくのかお伺いをいたします。
○野崎技術管理担当部長 耐震対策に関しまして、お客様への周知ということでございますけれども、交通局では、安全に関する取り組みをまとめました安全報告書等でお知らせをいたしているところでございます。安全報告書は、ホームページでどなたでもごらんいただくことができるほか、都営地下鉄の全駅で概要版パンフレットを入手することができます。
一方、工事に係る具体的な情報につきましては、これまで工事箇所の周辺住民の方々にお知らせのチラシを配布する等の取り組みを行ってきております。
今後は、駅構内に工事情報を掲示して、地下鉄を利用するお客様にも広くお知らせしてまいります。
また、ツイッター等のSNSの取り扱いでございますけれども、あわせまして、工事に関する情報につきまして、ツイッター等のSNSでも積極的に発信していくことといたしております。
○西沢委員 積極的にしていくというような話でございました。ぜひお願いしたいと思います。
そして、このバリアフリーについてでございますが、これも幾つか質問が出ているところでございますので、少しはしょっていきたいと思います。ワンルートの確保ができましたよというような話がございまして、さらに今後どう進めるのかというようなところで、乗りかえ駅についても進めていくと。つまり、もう既に話がありましたが、車椅子の方などが一旦地上に出てから迂回しなければいけないといったところのバリアを解消していくというようなところでございます。
乗りかえ駅といっても、これは駅によって複雑に絡み合う場所もございますから、こちらも交通局だけの問題ではなくさまざまな問題もありますが、これも当然進めていっていただきたいというように思います。
そして、これは他路線との乗りかえ駅にエレベーターを整備するということでございますが、百以上の駅が今ある中で、乗りかえ駅というのがどのくらいあるのかということと、それから、その中で、優先順位をどのようにつけて整備していくのかをお伺いいたします。
○遠藤建設工務部長 乗りかえ駅の数についてのお尋ねでございますけれども、都営地下鉄相互の乗りかえ駅、東京メトロやJRなど、他路線との乗りかえ駅、これを一つ一つ数え上げますと六十ございます。これらの中から、駅の利用実態や当該駅を中心といたします交通ネットワークの状況、さらには、駅施設の構造上の課題、これらなどを勘案しながら、エレベーターの設置が可能で高い改善効果が見込まれる駅を選定してまいります。
また、選定に当たりましては、地元区が設置いたしますバリアフリー協議会などで出された意見も参考にしていく考えでございます。
○西沢委員 ぜひ地元の声なんかも聞いていただければと思います。地元のよく使っている方が一番理解しているわけであります。都営交通の話じゃないですけれども、地元の駅の一つは、JRなんですけれども、ワンルート確保といわれるんですが、これは坂を上らないと緩やかな坂なのですけれども、緩やかな坂で車椅子を押していくことはできるんですけれども、それでワンルートといわれると、非常にその方が苦労されているというようなことがございます。これはちょっとJRの話なんですが、そういったきめ細かい対応をしていくために、やはり地元の、特に利用されている方々、そして今ご答弁がありましたが、バリアフリー協議会などの意見を参考にするということでございました。ぜひお願いをしたいというように思います。
そして、整備を進めていく駅の対象が六十駅という答弁がありましたが、今進めるところで、新宿西口駅と小川町駅の二つが挙がりましたが、今後どの程度のペースで整備を進めるのかお伺いいたします。
○遠藤建設工務部長 今後、整備を予定している駅でございますけれども、今お話ございました、また先ほど答弁させていただきまして恐縮でございますけれども、大江戸線の青山一丁目駅、新宿西口駅、それと新宿線の小川町駅や一之江駅などでございます。
先ほど六十と申し上げましたけれども、これらの中から、実際にエレベーターが設置可能で高い改善効果が見込まれる駅を選定していきたいと、こんなふうに考えてございます。
引き続きオリンピック・パラリンピック競技大会開催を見据えまして、乗りかえ駅等におきますエレベーター整備に取り組んでまいります。
○西沢委員 ちょっと恐縮ですが、六十駅というご答弁がありましたが、このうちにさらに絞り込んでいくということですよね。具体的に設置可能な、エレベーターを設置する可能性があるという駅がどれくらいなのかというふうに私は聞いたつもりなんですが、それは答えられますか、六十駅のうちのどれくらいかということと、それからどの程度の、年にどれくらいのペースで整備をしていくのかというところをお伺いしているつもりなんですが、あわせてご答弁いただけないでしょうか。
○遠藤建設工務部長 大変失礼をいたしました。現行の経営計画では、これまでのワンルート確保の実績なども勘案しまして、年に二ないし三駅程度の整備を見込んでございます。そういった中で今後駅を選定したいと、こういうふうに考えてございます。(西沢委員「六十分の幾つというのは」と呼ぶ)それについては、現在、調査中でございまして、具体的な数字につきましては、残念ながら、現段階では、まだご答弁で申し上げる段階には至っていないということでご理解いただきたいと思います。
○西沢委員 わかりました。年に二、三駅程度でマックス六十駅ということで、そのうちこれから選定を総合的に考えていくということですね。わかりました。それは、どれくらいの整備計画になるのかというのが、これは気になるところでございます。
議論がありましたが、例えば、六十駅マックスであれば、年に二駅であれば、これ三十年もかかるわけでありますね。三駅だとしても二十年かかるというようなところですから、この整備計画というのは非常に気になるところでもございますから、改めて六十駅のうち幾つになって、それでどういった計画で進めていくのかというのを示していただければというように思います。
最後に、ホームドアについて、これまで議論がありましたので、意見だけ、要望だけ申し上げさせていただきたいと思います。
ホームドアの整備については、各会派、誰でもこれを進めていただきたいと思うところでございます。私の方から、このホームドアについて、先週の予算特別委員会の中でも、都営新宿線の方で進めていくよというような話がございまして、ぜひ進めていただきたいと思いますが、この新宿線のホームドアを整備する中で、既に整備が済んでいる三田線、大江戸線でもスロープがございます。このスロープを、新宿線を整備する中で、恐らく皆さんの予算の計上の中でやっていただけるものだと思うんですが、スロープをぜひつけていただくようにお願いしたいと思います。
このホームドアを整備するタイミングでやるのが効率的なものでございまして、私も話を聞いて大江戸線のところを見てきましたが、少し角度ついているのですね、スロープって。なかなか最初わかりづらかったんですが、車椅子の方はこれが非常に助かるんだと、目立たない、地味というか、ぱっと見ではよくわからないのだけれども、これが非常に重要なんだと、助かるんだという声がありまして、新宿線もつく予定なんですよという話をしたら、ぜひそのタイミングで車椅子のところの場所にスロープをつけていただけないかという話がございましたので、ぜひそのタイミングでお願いをしたいというように思います。このことを要望させていただいて私の質問を終わらせていただきます。
○田中委員 私の方からは、何人かの委員からも質疑があったのですけれども、地下鉄のホームドアの設置について改めてお聞きを、まずしたいと思います。
今、さまざまな質疑もありましたけれども、非常に鉄道駅のホームからの転落事故、また接触事故というのがふえています。またあと、飛び込み自殺などというのも後を絶たない。ホームドア、転落事故の防止効果の高い対策の必要性はますます高まっているという状況です。
今、首都圏での事故というのが全国の四分の三を占めていて、そして、この転落事故などによる死傷者というのは十年前の三倍にふえています。そのうち六割がいわゆるお酒に酔った方ということだそうですけれども、ホームドア設置駅も全国で十年で三倍、これ今五百七十四駅ちょっとだそうですけれども、そのうち三百駅が首都圏、全体の設置率はまだ一八%ということです。
そこでまず、これ確認の意味でお聞きいたしますけれども、現在、都営地下鉄でのホームドアの設置状況について最初に伺います。
○太田電車部長 ホームドアの設置状況でございますが、三田線につきましては、営業中の路線として、全国で初めてホームドアを設置したものでありまして、平成十二年八月から全駅で稼働しております。また、大江戸線につきましては、平成二十五年四月に全駅への設置を完了し、稼働しております。
○田中委員 ありがとうございます。
次に、このホームドアの効果についての確認をいたします。転落事故及び飛び込み自殺の件数に関するホームドア設置済みの路線や駅と、未設置の路線や駅との比較についてお伺いをいたします。
○太田電車部長 現在、ホームドアを設置しております三田線と大江戸線につきましては、設置完了後は、転落、投身ともに発生しておりません。一方、ホームドアが設置されていない浅草線と新宿線につきましては、平成二十四年度の転落件数は、両線合わせて五十三件、そのほかに投身と思われる件数は七件となっております。
○田中委員 ありがとうございます。今、ご答弁にあったとおり、ホームドア設置済みの路線の転落、投身事故はゼロ、未設置路線は合わせて、転落、投身、六十件ということですので、このことからも、明らかにホームドアの設置効果、それから必要性というのがはっきりとわかるわけです。
それでは、実際に転落事故とか、この飛び込み自殺とか、こういった人身事故が発生したときの交通局の損失はどのぐらいになるんでしょうか。また、一番影響があるのは乗っていらっしゃる乗客の方々ですけれども、乗客に対する影響、また被害、これもどのくらいのものになるのか伺います。多分一番被害が大きいと思われるラッシュ時の例でお願いをいたします。
○太田電車部長 初めに、転落や投身などにより、都営地下鉄に輸送障害が発生した場合の影響人員でございますが、仮に浅草線の朝のラッシュ時に全線が一時間運休した場合には、約六万人のお客様が影響を受けるものと試算しております。また、交通局の損害としましては、転落等により車両や施設に被害があれば、その補修費用や、ほかの鉄道への振りかえ輸送に要した費用などが発生いたします。
こうした輸送障害に伴います社会的な損失は膨大なものとなり、その試算は困難でございますが、交通局がこうむる損害額に限りますと、転落の発生した駅やその時間帯等にもより異なりますため、一概にはいえないものの、数百万円という規模になる場合もございます。
○田中委員 こういったさまざまな形での被害、損失ですね、一番大変なのは乗っていらっしゃるお客様への影響ですけれども、先日、こういった中で、先ほど来お話ありましたとおり、都営新宿線に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催までに全二十一駅でのホームドアを設置完了する方針が明らかにされて、非常にこれは喜ばしいことだと思います。
この都営新宿線は、これからホームドア設置予定、決定をいたしましたけれども、残るのは都営浅草線となります。今のところホームドア設置の予定がまだ未定ということをお聞きしていますけれども、都営浅草線へのホームドアの設置がまだできない困難な理由は何でしょうか。
○広瀬企画担当部長 ホームドアの整備に当たりましては、車両全てをホームドアの開く位置に正確に停止させること、また、ホームドアの開閉などにより各駅での停車時間が延びてしまうことから、従前の輸送力、これを確保しなければならないこと、こういった技術面や輸送面の課題がございます。
このうち、乗り入れが一社の新宿線につきましては、京王電鉄の車両二十編成も含め、全ての車両へ定位置に停止させるための装置等の搭載や、ブレーキ性能の検証を踏まえた定位置停止精度の確保などについて整理できましたことから、ホームドアを設置することといたしました。
一方、交通局も含め、京成電鉄や京浜急行電鉄など五事業者で相互直通運転を実施している浅草線につきましては、乗り入れ可能な車両が約二百二十編成で、かつ、さまざまな形式となっているため、定位置停止装置の搭載や停止精度の確保など、技術面の課題のほか、輸送面の課題について解決に向け、なお一層の検討が必要となってございます。
このため、まずは新宿線にホームドアを設置することといたしましたが、浅草線につきましても、引き続き京成電鉄や京浜急行電鉄との情報交換を行ってまいります。
○田中委員 ありがとうございます。都営浅草線にホームドアの設置が難しいという理由が今のご説明でよくわかりましたけれども、ただ、難しいからそのままに、何もしないでしておくというわけにはいかないと思います。
ホームドアがまだつけられないとなると、それにかわるさまざまな角度からの対策も必要ではないかと思います。
例えば、酔っぱらった方が落ちるというのは、これは自業自得とまではいわないですけれども、それよりも大変なのは、やはり視覚障害者の方々がホームから転落してしまうという事故、そういう方々への対応、これは例えば、乗客の方々に対する視覚障害者の方々への積極的な声かけ、また、誘導案内、それから手助けを勧める啓発放送とかポスター、ホームドアのない駅での視覚障害者の転落事故防止に、こういったことをやれば、大きな効果があるのではないかと思いますし、また、こういった啓発放送とかポスターが、もしもこの都営浅草線にあれば、それを見た方、聞いた方が、またほかの駅に、ホームドアのない路線の駅に行ったときに、こういったことを思い出して手助けをなさるというような効果が波及するということも考えられます。ホームドアの設置が難しいとすれば、これからどのような形でこういった未設置の駅の転落事故防止や自殺防止の方法を考えていかれるのか、具体的にお伺いをいたします。
○太田電車部長 転落防止対策としましては、現在、ホームの両端部に転落防止用の固定柵を設置しているほか、国の基準に基づきましてホームの内側を示す内方線つき点状ブロックを設置しております。また、朝夕のラッシュ時には駅員がホーム監視を行っているほか、構内放送や掲示物等により注意喚起に努めております。
さらに、転落やトラブルの多い夜間等には、主な駅にガードマンを配置し、とりわけ酔客の多くなります年末年始等には、駅員の巡回を強化しているところでございます。今後は、引き続きこうした対策とともに、国土交通省が後援する鉄道事業者二十三社局合同のプラットホーム事故ゼロ運動などの取り組みも強化しまして、転落や投身の防止に努めてまいります。
○田中委員 どうもありがとうございます。さまざまな方法で、これまでも、もちろん事故防止策を講じてきていらっしゃると思いますけれども、一旦、事故が起こると、交通局はもちろんのこと乗客の方々への影響が大きいのは、もう本当にいうまでもありません。
先ほど、ほかの委員からもあったように、現在は軽く安い多機能なホームドアというのもいろいろ、ご存じだと思いますけど、進化していて、先ほどのロープ式のホームドアのほかにもバーが上下する昇降バー式、これは相鉄線の弥生台駅というところについています。またあとは、入り口が移動する、横にいろんな車両に合わせて移動する方式、これは今、西武線所沢駅で実験が行われていて、ことしじゅうに商品化されるということですので、こういった、さまざまなホームドアに対するご検討も、またお願いをしたいと思います。
また、例えばこれからは、今年度は、昨年全部で六十件あった転落事故などを昨年度の半分にするといったような具体的な目標を掲げて、ホームドア未設置の路線や駅での転落事故や自殺防止に取り組んでいただくことを要望いたしたいと思います。
次に、交通の現場を支える職員の方々の問題について、二点お伺いをしたいと思います。
まず最初は、職員の方々の心の健康管理、メンタルヘルス対策についてお伺いをいたします。
最近の経済状況、労働環境の変化で、心身の不調、心の病を抱えている人々が増加をしています。この現状に対し、厚労省は、労働者のメンタルヘルス対策を推進するために、平成十二年に、事業場における労働者の心の健康づくりのための指針を策定しています。
またさらに、メンタルヘルス対策の適切かつ有効な実施をより推進するために、平成十八年には、労働者の心の健康の保持増進のための指針、いわゆるメンタルヘルス指針というのを掲げ、メンタルヘルス対策の強化を進めていて、今いろいろな企業でもこういったメンタルヘルスケアの実施に積極的に取り組むようになってきています。
交通局は、お客様対応の業務、また安全にかかわる運転乗車業務、こういったものが多いので、心身の不調や心の病を抱えると、ご本人がつらいのは本当にもちろんのことなんですけれども、乗客の方々、利用者にとって大変な悪影響を及ぼす重大なリスクであると考えられます。
交通局での職員のメンタルヘルス対策が重要と考えますけれども、現状はどのようになっていますでしょうか。職員の心身の不調、心の病の現状把握のための調査等はしていらっしゃるのでしょうか。また、どのように調査をしているのかもお伺いいたします。
○小泉職員部長 メンタルヘルスに関する疾患といたしましては、鬱病を初め、軽度の抑鬱状態からアルコール依存症や統合失調症など、症状や程度に幅広いものがございますけれども、メンタルヘルスに係る疾患で三十日以上にわたり職場を休んでいる職員数、交通局では、平成二十四年度の統計で、延べ四十六名となっており、職種別には、事務職員のほか電車の運転士、駅係員、保守職員、バスの運転手などでございます。
次に、職員の心身の不調に関する現状把握の方法でございますが、労働安全衛生法に基づく健康診断を定期的に行っておりまして、このほかに、産業医や保健師による職員への保健指導、カウンセリング等を担当する精神保健相談員による職場巡回相談、また、新規採用から三年目の職員を対象としたストレスチェックなどを実施いたしまして状況を把握しております。
○田中委員 やはり心の病というのは、本人が一番つらくて不安な思いも抱えられるわけですけれども、それとともに、職場にもさまざまな影響が出ると考えられます。こういったメンタルヘルス不調の職員がふえると、どのような悪影響が考えられますでしょうか。
○小泉職員部長 先ほど、副委員長からもご指摘ございましたけれども、職員の心の健康問題につきましては、局の貴重な人材である職員個人の問題であるにとどまらず、職場全体の業務能率の上で重要であり、職員の健康管理を行うことは事業者の責任でございます。
とりわけ交通局におきましては、職員がメンタルヘルスの不調を抱えますと、お客様に対して、安全で質の高いサービスを提供していく上でも悪影響を及ぼすと考えております。
また、交通局の職場は、交代制や不規則勤務がございまして、長期に職場を離れざるを得なくなりますと、輸送を確保するために、新たに交代要員が必要となるなどの影響も生じております。
○田中委員 ありがとうございます。今ご答弁にあったように、そういった経済的損失というのは、欠勤や休職などによる直接的な損失と、また、休職しないで就業を続けた場合の本人や周囲への生産性の低下、こういった二種類に分けられるそうなんですけれども、今、企業における損失というのは、例えば、社員が一年間休職した場合、年収の二倍以上の損失が発生すると予測されていて、日本全体では年間一兆円程度に上るということが計算をされているそうです。こういったことから、メンタルヘルス対策というのは、一部の従業員個人の問題として捉えるのではなくて、全社的、組織的な視点から対策を進めていくことが大切だと思います。
最初に、先ほど申し上げました厚労省のメンタルヘルス指針、ここでは心の健康づくり計画を立案して四つのケアを構造的に推進させていくということが明記されていますけれども、この交通局における職員のメンタルヘルス対策への取り組み状況はいかがでしょうか。また、心の病になった職員の方々に対し、どのような対応をしているのかも伺います。
○小泉職員部長 交通局では、厚生労働省の労働者の心の健康の保持増進のための指針に基づき、平成十八年三月に、職員の心の健康づくり計画を策定いたしました。
この計画では、全ての職員を対象に、包括的な予防対策を実施することとしており、一次予防として発生防止、二次予防として早期発見、早期対応、三次予防として円滑な職場復帰と再発防止の支援を挙げてございます。
この目標を達成する具体的な方法につきましては、まずセルフケアといたしまして、職員自身がストレスや心の健康について理解し、予防的対処を行うこととしております。
次に、ラインによるケアといたしまして、管理監督者が心の健康問題への対応を身につけることとしており、職場環境の改善や職員からの相談対応など、産業保健スタッフ等と連携し、心の健康問題の兆候の早期発見などを実践しております。
これらの対策を進めるため、交通局では、職員や管理監督者への情報提供や教育を行いますとともに、各職場の安全衛生委員会等の場におきまして、心の健康づくりに関する職場の現状や問題点、施策の改善等を調査審議し、推進しております。
また、精神保健相談員の職場訪問や電話相談等により、利用しやすい相談体制を整備しております。なお、職員の職場復帰に当たりましては、一人一人の状況に応じて職場復帰訓練を行っており、主治医、管理監督者、産業保健スタッフなどが連携して復帰を支援しております。
○田中委員 ご丁寧なご答弁ありがとうございました。こういった心の悩みを相談したい方というのは、なるべくそのことを他人とか職場で知られたくないという方もきっと多いはずだと思います。今挙げられた、本当に充実して対応をされていると思いますけれども、産業医とか嘱託カウンセラー、こういった方への相談等というのは、職員の方たちにとっては、施設内、要するに内部の相談窓口だと思われて、外部相談機関ではないというふうに感じている職員も多いかもしれません。交通局のような自治体の職員にこそ、厚労省の四つのケアのうちの四番目に、事業場外資源によるケアというのが載っているのですけれども、こういった事業所外のケアに当たる完全な外部相談機関が必要だと思われますけれども、今、交通局では、外部機関を活用した職員のメンタルヘルス対策というのはあるんでしょうか。
○小泉職員部長 交通局では、メンタルヘルス対策を実施するために、事業所内の産業保健スタッフといたしまして、産業医、保健師、精神保健相談員、衛生管理者などを配置しております。これに加えて、外部機関を活用した職員のメンタルヘルス対策でございますが、精神科の非常勤医師二名による相談を実施しておりますほか、必要に応じて外部の医療機関や精神保健福祉センターなども紹介しているところでございます。
さらに、一般財団法人東京都人材支援事業団が提供いたします相談室や、心の健康づくりセルフケア支援サービスを活用いたしまして、職員が職場内の問題を職場外の専門機関に相談することができることとなっております。こうしたさまざまな相談窓口を設置いたしまして、職員の心の問題に対処をしております。
○田中委員 今、さまざまな対応をお聞かせいただきました。それとともに、今民間の企業でどんどん取り入れられているプログラムに、EAPという職員支援プログラムというのがあります。メンタル面から社員を支援するプログラムで、昨今ふえている鬱病などを回避させるために、企業が外部団体と契約して社員の心の健康をサポートするシステムですけれども、これ一九六〇年代にアメリカで当初発展したものが、日本でも八〇年代の終わりごろから浸透し始め、今では、健康増進、法令遵守、組織的なメンタルヘルス対策の推進、いろいろな目的でこのEAPを導入する企業がふえているということです。
乗客業務があるところでは、成田国際空港、こういったところでも導入をしているということで、あと大学の先生とかにも導入をしているところが幾つかあるそうです。
先ほどご答弁にもありました東京都人材支援事業団、ここが相談の窓口を担っていらっしゃる、総務局の方の所管でいらっしゃったのでお話をお聞きしたんですけれども、その担当の方がおっしゃっていたのは、特にメンタルヘルスの相談窓口というのは、いろいろなきっかけ、いろいろな場所で、相談窓口があるということを気がつかれるように、相談できるところが多ければ多いほどいいと、それが解決につながるのだということをお聞きいたしましたので、今もさまざまやっていらっしゃるとは思いますけれども、こういった完全な外部相談機関の取り組みも少しずつ検討していっていただければなというふうに思います。
次に、同じ職員の方々の問題としてコンプライアンスの取り組みについてお伺いをいたします。
近年、交通局の職員の方々の不祥事として、今回のこの質問で調べましたら、ここ数年でも、PASMO不正処理、強姦未遂、下着泥、覚醒剤使用、こういった不祥事が出てまいりました。こういった問題、もちろん職員の方々は大人ですので基本的には個人の問題ですけれども、こういった公営企業である交通局での職員の不祥事というのは、民間企業よりも非難も受けやすい、また、東京都そのもののイメージダウンにもつながるということから、これは対策は非常に大切ではないかと思います。
今、コンプライアンスというのは、法令遵守なんですけれども、これからは法令遵守だけじゃなくて、市民や社会からの要請に全力で応えていくということをコンプライアンスというふうに位置づけて、そしてコンプライアンスを重視する職場風土の醸成に努めるということが、これから不可欠になってきていると思います。
職員の不祥事に関しましても、事が起こって逮捕されたり、報道されたりしてから対応するよりも、未然に防ぐ取り組みが望まれると思います。この職員のコンプライアンスというのは、先ほど申し上げた心の病、メンタルヘルスと並んで、企業にとっては重要なリスクの一つです。コンプライアンスの失敗によって、今倒産する企業というのが後を絶たない。交通局は倒産はしませんけれども、それぐらい大事であるということです。
まず、交通局におけるコンプライアンス推進の取り組みはどのようなものがあるのかお聞きをいたします。
○小泉職員部長 先般、包括外部監査が行われまして、この二月に結果報告が提出されております。この中で、交通局のコンプライアンスの取り組みの充実について意見をいただいております。
その中でも、コンプライアンスとは、単なる法令遵守ではなく、社会の期待する倫理観に反しないことを目的とした取り組みであるというふうに述べられておりまして、局としても、このように職員個々人が理解し、対応することが重要と認識をしております。
現在のコンプライアンスに対する交通局の具体的な取り組みにつきましてですが、全職員に対し、汚職等非行事故防止研修を定期的に受講させており、局長、次長及び本庁部長職員には、コンプライアンス研修を毎年実施しております。
また、全職員を対象に、全職場において、汚職非行事故防止運動を年二回、それぞれ一カ月間実施いたしまして、汚職非行防止のためのチェックリストの活用などにより、コンプライアンスに対する職員の理解を深めているところでございます。
○田中委員 ありがとうございます。職員の意識改革というのはもちろん必要なんですけれども、局内とか仕事の現場において不正行為、不良行為、セクハラやパワハラ、こういったコンプライアンス違反行為が行われたときに、きちんと対応して、問題の改善まで図れる内部通報制度の確立というのが必要になってくると思いますが、交通局内の不正防止内部通報制度というのは、今どのような仕組みになっているのでしょうか。
○小泉職員部長 交通局内の内部通報制度といたしましては、公益通報者保護法の趣旨に基づき、平成十八年三月に、公益通報の処理に関する要綱を定め、交通局内の公益通報の窓口を各所属、各部及び局に設けております。
職員は、どの窓口に対しても通報ができることとなっており、通報を受けた場合、局は調査を行い、通報対象事実があると認められた場合には、是正措置等を講じることとしております。
なお、公益通報制度の概要と窓口の連絡先につきましては、先ほど申し上げました汚職非行事故防止運動の期間中を初めといたしまして、さまざまな機会を捉え、職員に周知をしております。
○田中委員 ご答弁にあった各所属長、各部局、そういったところに設置された局内の通報窓口、これももちろん必要ですけれども、人間関係、そういった内部では、上司や部下との関係があってなかなか通報しづらいということも、先ほどのメンタルヘルス対策と同じですけれども、多いのではないかと思います。
例えば、組合関係が理由で事を大きくするなといわれたり、また人間関係によって思い過ごしではないかとか、我慢しろといわれるといった例、これは別に交通局の例ではありませんけれども、ほかの一般企業でこういった例が実際にあります。交通局には、こういった職員の方々が局内の人間関係を気にせずに通報できる局の外部の通報窓口はあるのでしょうか。
○小泉職員部長 公益通報の窓口は、先ほど申し上げました局内の窓口のほかに総務局に全庁窓口がございます。また、一般財団法人東京都人材支援事業団にも設けられております。職員は、いずれの窓口に対しても通報することができるようになっており、このことも職員に周知しております。
○田中委員 先ほどの人材支援事業団、外部なんですけれども、ここは相談を受けるだけで、そのあとの改善とかそういった案を図るということはないということをおっしゃっていました。
通報した事実が明るみに出て不利益な処分を受けるのではないかとか、また職場のほかの人に自分が通報したことが知られてしまうのではないか、職場の不正行為やセクハラ、パワハラの通報者にとっては常にそういったような不安があるはずです。結果、局の改善のために内部通報をしようと思っても、局内の窓口への通報をためらってしまって、逆に直接マスコミにリークしたり、外部のSNSや掲示板に書き込みをしてしまうという事態も考えられます。
そのようなことがあった場合、局がダメージを受けるのはもちろんのこと、ほかの職員のモチベーションにも深刻な影響が生じるおそれがありますので、この不正防止のための内部通報窓口というのは、誰もがどのような事態でも不安なく、相談しやすいものでなくてはならないと思います。このことから、まず職員が安心して通報を行えて、通報の処理の適正が担保される完全な外部通報窓口を設ける環境整備が必要と考えますけれどもいかがでしょうか。
○小泉職員部長 公益通報制度におきましては、通報者の秘密は保持され、通報したことを理由とする不利益な取り扱いを受けないこととされております。また、通報者の氏名、所属及び連絡先は、当該通報処理に関係する窓口以外には知らせないこととなっております。これらのことを通じて、通報者は保護されており、安心して通報を行うことができるようになっております。
○田中委員 今、さまざまな企業などでは、企業内、自社のコンプライアンスを補完するために設置する機関というのを置いているところがふえてきています。事実調査が行われた後、違法行為を是正することができる、いわゆるコンプライアンス委員会というものですけれども、こういったものを置いているところが多いのですが、交通局内でも−−このコンプライアンス委員会というのは、例えば、局長、局次長とか、あと部長、そのほかに外部の法律や労働の専門家を入れたような委員会ということですけれども、こういったものを設けるべきではないかと考えますが、これについてはいかがでしょうか。
○小泉職員部長 交通局では、違法行為などが発覚した場合には、徹底した事実調査を行い、厳正な処分を実施するとともに、再発防止を図っております。新たな委員会を設ける予定はございませんが、先般の包括外部監査報告で、コンプライアンスを取り巻く外部環境が絶えず変化することを考慮して、組織の構成員各人がコンプライアンスへ理解と対応を適切に行うべく取り組みの充実を図られたいとの意見がつけられたところでございます。このことを踏まえまして、局のコンプライアンスの一層の強化に取り組んでまいります。
○田中委員 どうもありがとうございます。今申し上げたような外部の通報窓口ですけれども、例えば、大阪市なんですけれども、内部の受付窓口、これは今交通局の方にもあります。これが大阪市公益通報総合受付窓口というのと、あと各局において内部通報窓口があります。それとは別に、交通局と大阪市を比べるのはちょっとあれですけれども、大阪市では、外部委員、弁護士、公認会計士、こういった人たちから構成される大阪市公正職務審査委員会、これは通称コンプライアンス委員会といっているそうです。これを外部受付窓口として設けていて、それらは全てホームページに、担当者、それから連絡先がきちんと明記をされています。
こういったことから、やはり一番の問題というのは、今ある内部通報制度がちゃんと機能しているかどうかということだと思います。通報された問題が、ある問題は是正されても、都合の悪い問題は上司の都合で握り潰されたり、意図的に上司に伝えられなかったり、なかったことにされたりという、その時々に違う曖昧な可能性のある制度では、内部通報制度があっても機能しているとはいわないと思います。
そのためにも、私は、職員全員がしっかり制度の存在と方針を認識できて、不安と不公平感なく通報できる完全な外部機関の窓口、調査機関を持つべきではないかということを考えています。こういったものを持つことから、職員の安心感、満足度が向上させられて、そしてコンプライアンス違反の抑止、これに効果が出て、結果として、交通局、企業の価値を向上させるのではないかと考えています。こちらも、外部組織を活用する内部通報制度の整備を要望をいたしまして、以上で私の質問を終わらせていただきます。
○上田委員 よろしくお願いします。資料の方を頂戴いたしましたけれども、予算特別委員会の方で同様の質問をさせていただきましたので、参考にさせていただきます。どうもありがとうございます。
まず私は、サービス向上と、あとは経営改革につきます二点にわたりまして、各事業につきましてお尋ねしたいと思います。
東京都の交通局経営計画二〇一三では、交通局を取り巻く事業環境は厳しく、震災の影響等による乗車料収入の減少から回復はしたものの、今後も少子高齢化が進展し、東京においても人口減少が見込まれ、乗客数の大幅な増加は期待できないということ、先ほどほかの同僚委員の質問にもお答えになっていました。
大きな取り組みも必要なところではありますけれども、日ごろのお客様のサービス改善で、少しでも売り上げを上げていく努力が必要ではないのかなというところで、その一環としまして、東京都の交通局のポイントサービス、こちらをちょっと持ってきたのですけれども、ToKoPoを展開をされているそうです。
私、都営新宿線ユーザーでございまして、毎日のように新宿線に乗っていたのですが、大変申しわけございません、都議になるまで、平成二十三年八月から始まっているToKoPoカードの存在をちょっと存じ上げなくて、改めて研究をさせていただきました。
皆さん、ほかの委員さんも都営新宿線、都営沿線に住んでいらっしゃらない方も多いと思いますので、ちょっと説明させてもらいますと、このToKoPoに入会すると、もともと持っているPASMO、JRの人だとSuicaみたいなものですけれども、都営の交通機関に乗るたびに、これは都営地下鉄の四線と、都電荒川線、日暮里・舎人ライナー、都営バス、ポイントがPASMOにたまっていくということで、ここにたまったものを、またPASMOにチャージすることで、またポイントがたまって乗車のポイントとして使えるという、私も何で入らなかったんだろうということで、慌てて入会をさせていただいたサービスでございます。
こちらなんですけれども、現状、大変メリットがあるように思われるサービスなんですけれども、会員数が発足以来どのぐらいありまして、現状がどんなようになっているのか、ちょっと実績を教えていただきたいと思います。利用実績についてお答えください。
○太田電車部長 交通局のポイントサービス、ToKoPoの会員数でございますが、平成二十三年八月のサービス開始から一年後には約七万六千人となり、本年二月末現在では約八万三千人となっております。またToKoPoの利用実績でございますが、毎月約五万人の会員の方がポイントを付与されており、都営交通の利用促進に寄与しているものと考えております。
○上田委員 ありがとうございます。都営のToKoPoの対象の利用者は、押しなべて一日平均二十九万か三十万人ぐらいだと思うんですけれども、その中で今八万三千人の登録ということでございますけれども、今後、もうちょっと利用者を拡大していっていただきたいなと思います。それに向けての課題と取り組み、あと結構このToKoPo、私も都議になりましたので、二十三区以外の人にもちょっと宣伝をさせていただいたところ、Suicaとの連動ができないのかという声をたくさんいただきました。そこら辺の技術的な可能性につきましても、お答えいただければと思います。
○太田電車部長 ToKoPoのポイントサービスにつきましては、都営交通の利用促進を図る観点から、委員ご指摘のとおり、引き続き新規入会者の獲得に努めていく必要があるものと考えております。このため、新規入会のご案内の各駅への掲出や都営交通沿線で開催されるイベント等の来場者への特別ポイント付与などのキャンペーンを実施してきたところでございます。
また、お尋ねのSuicaへのToKoPoポイントの付与でございますが、交通局はPASMO加盟事業者でありますことから、PASMOシステムを利用してポイントを付与しており、システムが異なるSuicaへのToKoPoポイントの付与につきましては、多額のシステム改修費用が発生するなど、費用対効果の面からも実現は難しいものと考えてございます。
今後とも、ToKoPoのサービス内容や特徴等のPRを行うとともに、効果的なキャンペーンやイベント等を開催しまして、利用者の拡大に取り組んでまいります。
○上田委員 Suicaとの連動は費用対効果を鑑みますと、かなり厳しいというところだということです。ただ、ToKoPoも、余り広告宣伝に使ってしまって、売り上げよりも広告費が上がってしまうというようなことは、もちろんないとは思いますけれども、そこも加味しながら利用者拡大に努めていただきたいと思います。
それと、私、ちょうど予算委員会の準備のときに、資料を入れたバッグを都営地下鉄に落としてしまいまして、よく私も落とし物をしていたのですが、議員となりまして、毎朝の通勤電車に乗ることもなかったので、久しぶりに通勤電車で荷物を忘れたと。数年ぶりに、しょっちゅう忘れ物取扱所には行っていたのですが、かなり躍進をしていまして、都営の地下鉄で落とし物をすると、インターネットですぐに検索をしていただくということで、(資料を示す)こうしたサービスがもうできているということで、非常に都営の中での検索は、朝、都庁前の取り扱いのところに行ったところ、もうお昼には、都営の中にはないということがわかりました。そこで京王線の方に連絡をしてみてくださいということをいわれて、京王線の方に連絡したところ、残念ながら橋本で見つかりまして、都営で落とした物なら検索できますけれども、相互乗り入れをしている先のことは個別でお問い合わせくださいということだったんですが、ちょっと火急もあって橋本まで一時間もかけてとりに行けないとかいうことも実体験からもありますし、かなりいつも忘れ物で電車がとまったり割と多いんだなということが、京王線利用者も都営線に来ちゃっているのかもしれないし、その中で、インターネットで検索ができるのであれば、総合システムを、SuicaとPASMOのような大げさなことができなくても、何かしら相互乗り入れの電車の忘れ物について、情報交換ができるような、コストをかけない方法論があるのではないかなということを思いまして、実際、現状どういうふうになっていくのか、していくのかということ。
あと、本当に忘れ物をするのですけれども、先日は、江戸川区内で都バスの定期を落としましたらば、もう数時間後に電話がかかってきて−−名刺が入っていたからなのですね、すぐに東小松川の営業所にとりに行って事なきを得たんですが、そうやってすぐ特定ができるような忘れ物なんかにつきましても、きちっと問い合わせをしていくのか、忘れ物の取り扱いに関しましての事業につきましてお答えいただければと思います。
○鈴木総務部長 忘れ物をされますと、戻ってくるかどうかと不安な気持ちの中で大変お困りの方が多いわけでございまして、私たち事業者といたしましては、お客様の立場に立って親身に対応させていただくよう心がけているところでございます。
それで都営交通で忘れ物があった場合の取り扱いでございますが、まずちょっと後段の連絡先のわかる場合ということでございますが、これは当然のことながら速やかに交通局の方からお客様に連絡をとらせていただきます。
一方、わからないものにつきましては、一旦、都営地下鉄、都営バスなどの事業所で保管いたしまして、局の遺失物検索システムに登録した後、交通局お忘れ物センターに集約をいたします。その後、なおお引き取りのない物については、警視庁遺失物センターへ送るというような流れになっております。
お客様からお問い合わせがございますと、該当する物をお預かりしているのかどうか、ある場合には、先ほどの流れの中でどこにあるのかといったことをシステムにより確認いたしまして直ちにご案内しております。
また、お尋ねのありました相互乗り入れの場合など、問い合わせが一カ所で済まない場合もございますが、事業者といたしましては、法律に基づいて責任を持って保管しなければいけないということと、セキュリティーと申しますか、間違ったご案内をしてかえってご迷惑をおかけしたり、あるいは取り違えとか成り済ましといったようなトラブルを発生させることのないよう、事業者ごとに責任を持ってお預かりするということにしておりまして、自社線内で発見できない場合には、他社の問い合わせ窓口をご案内させていただいているところでございます。
なお、都営交通におきましては、お客様の利便性の向上を図るため、昨年四月に、先ほどご紹介いただきました、さまざまなお問い合わせ、それから苦情、ご意見などを伺う一元的な窓口といたしまして、お客様センターを開設いたしまして、都営地下鉄、都営バスなど、都営交通のどこでお忘れ物が届けられても、一元的に迅速なご案内ができるようにしております。
○上田委員 今度は、都バスでもWi-Fiができるということで、きっとWi-Fiを通じて、すぐに忘れ物センターに連絡ができるようなことになるのではないかということで、一つ一つの事業がつながっていくことで、サービスが向上し、お客様がふえていくことを望むものでございます。
そして、都営の新宿線のことなんですけれども、これは私も区議の時代からお声をいただいていたのが、少し終電の時間が早いと。新宿とかでご飯も食べたりしていますと、三多摩地区の都議の方の方が終電が遅くて、私たち都内でも、ちょっと早くて、少し都営線の終電の時間のダイヤの見直しとか、幾ばくか遅くすることはできないのか、そういうようなことも検討の余地がないか、あるいは、ちょっとダイヤの改善が見られるところ等ありましたらば教えていただきたいと思います。
○太田電車部長 終電時間の延長についてでございますが、三田線と大江戸線につきましては、夜間の保守時間をこれまでと同じ時間確保した上で、本年三月十五日より終電を延長し、これにより運行時間は三田線で十三分、大江戸線で十一分拡大したところでございます。
終車から始発までの保守時間の確保は、線路や架線など隧道内の保守や、補修改良工事など、地下鉄の安全輸送を確保する上で必要不可欠なものでございます。したがいまして、浅草線や新宿線も含め、現在以上に保守時間を短縮することは安全上のリスクなどの課題も大きく、今回の三田線と大江戸線のダイヤ改正につきましては、現在できる範囲で最大限の終電時間の延長を行ったものでございます。
○上田委員 今後も、利用者ニーズに即しまして、深夜バス等もありますので、いいコーディネートをしまして、楽しく、東京を楽しみながら、安心してお家に帰れる都営交通を目指していただきたいと思います。
そして、今度は車内の環境についてお尋ね申し上げます。
どうしても地下鉄ですと、なぜか夏は寒く、冬は暑いというような空調が多々見られるかと思います。快適な車内の空調設備について、ご努力もいただいていると思いますが、また日進月歩の技術研さんをされていると思いますので、車内の空調の管理のあり方と今後何か新しい技術導入等ありましたらば、またお示しをいただければと思います。
○石井車両電気部長 都営地下鉄では、社内の混雑状況や外気温などを考慮して空調温度を設定しております。しかし、ラッシュ等の混雑時には、車内の空気の流れが悪くなることや気温の感じ方には個人差が大きいことなどから、温度管理には苦慮しているところでございます。このため、設定温度だけではなく、空調能力の向上や車内に均一に風が送られるような改良等を進め、車内の快適性向上を図っております。
また、夏季には、どの編成にも一両ずつ弱冷房車を設けるなど、お客様に対し、きめの細かいサービスを提供できるよう努めております。こうした取り組みによりまして、車内が暑過ぎる、寒過ぎるというお客様の声は最近では減少傾向にございます。
○上田委員 今後も取り組みを続けていただきたいと思います。
続きまして、昨今インターネットでも炎上しがちな車内のお子様とお母様のマナーにつきまして、殊にベビーカーの扱いにつきまして議論は百出しているところではあります。
しかしながら、これからワンルートを確保していただくということで、ベビーカーの階段の上下が非常に楽になったことも福音ではございますが、車中におきましても、親御さんたちにも安心して乗っていただきたいですし、また、全くお子さんもいらっしゃらない普通のお客様とも不愉快なこともなく、ご利用いただきたいと思います。
混んでいる電車の中で、ベビーカーを畳まないお母様もいたりもするのも散見されていて、私も子育て支援で議員になったものではありますけれども、双方心地のよい車両空間をつくれるような努力が必要ではないかなというところで、もちろんお母さん本人のマナーも必要ですけれども、やはり車両、全般の取り組みの中での事業でございますので、そのベビーカーの扱いにつきましては、今どのような取り組み、課題をお持ちなのか、教えていただけますでしょうか。
○太田電車部長 都営地下鉄では、お客様に心から喜んでいただけるサービスの提供に努めており、例えば、大きな荷物を抱えたベビーカーのお客様が階段等においてお困りの際には、駅員に声かけしていただければ、荷物やベビーカーを持つなどの手助けをさせていただいております。
また、ほかの鉄道事業者などとともに、ベビーカーの利用者に車内等での安全利用の理解を求めるとともに、周囲のお客様に対しましては、ベビーカーに対する配慮について、ご協力を呼びかけるキャンペーンにも取り組んでおります。
○上田委員 ありがとうございます。今後も、お客様同士のトラブルを回避するような取り組みをお願いしたいと思います。
ただ、私がちょうど妊娠中に通っているときは、女性専用車両もなかったですし、赤ちゃんマークというのもなかったんですが、今のお母さんたちは、赤ちゃんマークをつけていることで妊娠もよくわかりますし、都営地下鉄の広告にも入っていることで、かなり環境が変わってきたなというふうに思っております。
平成十七年から、女性専用車両が新宿線ではあり、朝、ストレスなく女性車両に乗れるようになったことは大きな第一歩だと思います。そうした取り組みの中で、やはり痴漢やそれから盗撮といった犯罪行為がどうしても駅の中では発生もしがちです。
それから、また二〇二〇年に向かいまして、これから外国人観光客も当然ふやしていこうということは、四定、一定、そして予特の中でも各委員さんも求めているところでありますが、そんな中で、ヘイトスピーチとか外国人排斥的な動きもあったりとか、もちろんかねてより問題になっている、女性が痴漢の対象になってしまう、あるいは駅員の皆様も暴力行為に遭うといった中で、この地下鉄においての警察との連携、通報、その他の記録はどのように管理をしていて、連携を図っているのかお尋ねいたします。
○太田電車部長 初めに、警察への通報記録の管理についてでございますが、各駅において一一〇番通報した際には、その概要を駅務日誌に記録するとともに、報告書を本庁に送付し、全駅分を取りまとめ、内容別に集計しております。
次に、警察との連携についてでございますが、都営地下鉄では、不審者、不審物等の早期発見や迷惑行為の防止等のため、駅係員が構内を巡回しており、またトラブルの多い夜間等には、主要駅にガードマンを配置し、お客様の安全・安心の確保に努めております。
駅構内や車内でトラブルがあった場合には、まず、駅係員やガードマンが初期対応に当たり、ほかのお客様への迷惑防止や事態の収拾に努めておりますが、痴漢や暴力行為等の際には、必要に応じて速やかに警察に通報し、対応することとしております。
また、日ごろから各駅では、警察の防犯講習を受講するとともに、テロ対策訓練や痴漢撲滅等の各種キャンペーンを共同で行っております。今後とも、警察と密接に連携し、駅や車内の犯罪等の防止に努め、安全・安心で快適な都営地下鉄を目指して取り組んでまいります。
○上田委員 マナー違反の注意をきっかけに、お客様同士が暴力行為まで発展して、去年の五月の日本民営鉄道協会の発表で、駅員に対する暴力行為が依然多いと報道もありましたので、ぜひ、職員の皆様も十分注意して日常作業に当たっていただきたいと思います。
そうした中で、駅構内に監視カメラを設置されていると思います。このカメラ映像を駅でどのように有効的に利用をしているのかお示しください。
○太田電車部長 都営地下鉄におきましては、コンコースやホームなどに監視カメラを設置し、駅長事務室内の防災監視盤により集中管理しております。そして、駅係員は、構内巡回のほかにも、これらのカメラを用いまして、駅構内や設備等の異常の有無を監視し、都営地下鉄を利用されるお客様の安全確保に努めているところでございます。
○上田委員 トラブルには、いった、いわないがつきものの中、こうした映像での証拠といったらあれですけれども、資料を適宜確保されて、防犯そして安全、事故防止に努めていただきたいと思います。
最後に、経営改革の方につきまして二点お尋ねいたします。
今、地下鉄事業におきましては、平成二十三年度末で四千百二十九億円に上る累積欠損金と九千五百八十三億円の長期債務を抱えている中で、売却可能な資産は売却も含めて検討をするなど、局が保有する資産を有効活用して、少しでもバランスシート上の借金というか、負債を減らしていくような検討はしておられないのか、お示しください。
○樋口資産運用部長 交通局では、土地建物などの資産を、自動車事業や地下鉄事業など、本来事業を行うために所有しております。しかし、当初事業用として取得した資産が事業の廃止縮小や工事の終了などによりまして、その役割を終えた場合には、原則として定期借地権の設定などにより、長期にわたって安定した収益を確保することを目的に有効活用することとしておりまして、平成二十四年度は五十二億円を超える収入を上げているところでございます。
お尋ねの資産の売却につきましては、これまでも活用による収益が見込めない土地や狭小な土地などにつきまして、公募や隣接する土地の所有者との交渉による売却を行っているところでございます。
○上田委員 今後も、資産管理をしながら適正な経営に向けてのご努力をお願いを申し上げたいと思います。
そして、新宿線は京王線と連動しておりますことからデジタルサイネージとかも入っていまして、非常に保育事業と連動した形で、京王線は、いかにも子育てと保育に優しい京王線という形でうまい広告をしていらっしゃいます。
そうした中で、やはり少子高齢化が世界最速で進む中、子育て世帯にこの都営沿線に住みたいと思っていただけるには、保育事業やサービスとの連動なんかも必要なのではないのかなというふうに思います。
議論はいろいろありますけれども、保育の充実に向けた取り組みが、例えば、地下鉄の高架下の土地を活用した認証保育所の設置等、まだまだ青写真だとは思いますけれども、そうした保育事業との連動、資産を、先ほどおっしゃったような有効活用の一環として、保育事業を活用していくような検討はないのか、お聞かせください。
○樋口資産運用部長 交通局が所有いたします資産における保育の充実などに向けた取り組みにつきましては、先般設置をされました福祉インフラ整備のための土地活用検討チームの検討とあわせまして適切に対応してまいります。
○上田委員 保育園待機児童におきましては、都知事も鳴り物入りの公約を掲げていらっしゃいますことで、ぜひ、各局力を合わせて解消していくとともに、これが集客増、そして保育園利用者は、当初はちょっとお世話になることもありますが、担税力のある納税者でありますことからも、ぜひ局を超えて進めていただきたいと思います。これにて私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。
○鈴木(貫)委員 それでは、私の方から、きょうの質問の最後だと思いますけれども、私は、下町荒川の地域を担っていますので、やっぱり避けて通れない都電荒川線、そしてまた、日暮里・舎人ライナー等々、かいつまんでご質問をさせていただきたいと思います。
まず、都電荒川線でありますけれども、私は、この荒川線とともに育ってきた人間の一人であります。最大の応援団の一人でありまして、荒川線存続、この運動にみずから携わった一人でもありました。荒川、北、豊島、新宿区と四区にわたるすばらしい乗り物でありますから、これをどう今後、東京の財産として残し、また二〇二〇に備えて、世界からの多くの方々に、こういうところに来ていただくか、その起爆剤になる一つのポイントにもなっていくと私は思っています。
まずその前に、雪の問題について、きょうの資料では、二月十四日、十五日の資料でありますけれども、確か二月八日の夜、私も、終点の三ノ輪橋の駅、どうなっているか、途中下車をして拝見してまいりました。一生懸命職員の方がやっていた雪かき等々、特に激励はしませんでしたけれども、その真摯な姿に私はとても心引かれました。この姿が、やはり公共交通を動かしていく姿なんだなという、そのことを私は表明しておきたいと思いますし、また、営業所の方々にも、そういう見ていないところで人は見ているんだということをよく伝えてさしあげてほしいと私は思っています。
本題に入ります。この都電荒川線は、平成二十三年八月、たしか二十日でしたか、開業百周年を迎えました。大変多くの方々のお力があったればこそだと私は感謝申し上げたいと思っておりますし、そしてまた、都電荒川線が、先ほど局長のご答弁の中にもモータリゼーション云々の話もありました。東京都のありとあらゆるところから廃止になっていた、その時代の中に、昭和四十八年だったでしょうかね、この存続の声が、私たち荒川の我々の方にも届きました。
その理由は、何も都電の停留場が荒川区内に十三カ所あるからというだけではないと思います。一番存続運動に力を入れた区民に対する、東京都からの感謝のまことの言葉だったと私は思っています。もちろん、北区、豊島区、新宿区の多くの区民の方々も、また、先達であった私の先輩である星野義雄元都議会副議長初め、多くの各会派の諸先生方のお力もあったがゆえの私は存続だったと感謝のまことを申し上げたいと思っています。
そういう中にあって、もちろん乗降客の行く末だとかいろいろなものはまだまだ懸念材料はあるよね、これまだ、あります。でも一生懸命、それはバックアップをさせていただくつもりでもありますから、もちろん御局としても最大の努力をしてほしいと、予算議会でもありますから、また、予算書の中にもいろんな数字が羅列をされていますけれども、そのとおりになってほしいし、またそれを上回るデータを私たちは期待せざるを得ません。
そしてまた、私がこの都電荒川線を利用するに当たって一番心配だったのは、きょうの議論の中で、都営線のいわゆるホーム柵の問題が随分−−それは荒川線も同じなんです。狭いホームの中で、あそこはホーム柵はつくることできませんから、固定柵をつくって乗客の安心・安全のために、都として努力をしてほしいということを、私は、たしか一昨年だったでしょうかね、きちんと申し上げ、それから直ちに、町屋駅前だとか、学習院下だとかいろんなところにこれはでき上がってきました。ホームドアじゃありませんから、固定式ですから。そして最近できたのは、終点の三ノ輪橋駅、近くにジョイフル三ノ輪商店街という大きな商店街があります。そこの奥様方から、よかったわね、ホーム柵ができてと、こういう喜びの声も届いています。そのことを伝えたいと思います。
なぜかというと、飲んで帰るときに、やはりホームから落ちてしまう事例も多々あるものですから、そういうことで、この安全対策として、これを活用させていただくことが最も大事だと、こう思っています。
そしてまた、ことしは、都電荒川線が二系統が一系統になって、都内唯一存続して四十周年、四十年を迎える年になりました。そこで、この沿線四区としてどうこれから取り組んでいくのか、大変大きな課題を持っています。
私も地元の西川太一郎区長ともよく話をするんですけれども、この沿線をどう活性化をしていくのか、その展望をしっかりこれから、地元は地元なりにつくろうよと。北区も、豊島区も、新宿区も、都電を愛するメンバーの方々の応援団も大分できているようでありますから、そのことを踏まえながら、魅力的なこの都電荒川線のあるべき姿というものを、これから世に問うていく第二段階に入ったと私は思っています。
そこでまず第一点、伺いたいんですけれども、都電荒川線のさらなる活性化を図っていくための具体的な取り組み、これについてお答えをいただきたいと思います。
○太田電車部長 荒川線は、東京に唯一残された都電として地域に密着し、地元の身近な足として長く親しまれている路線であり、これまでも沿線四区の名所と観光スポットをめぐるスタンプラリーや地域と連携したさまざまなイベントを実施するなど、地元とともに荒川線の活性化に努めてまいりました。
現在は、桜の季節に合わせ、四月中旬まで四区の協力のもと、車内に桜の装飾を施した青色のレトロ車両を使った都電「さくら号」を運行しているところでございます。
本年は、委員お話しのように、十月一日に、荒川線の命名四十周年を迎える記念すべき節目の年となります。このため、六月の路面電車の日や、十月の荒川線の日では、荒川車庫において、荒川線が地元とともに歩んできたこれまでの歴史をしのばせる展示や、記念のヘッドマークをつけた車両の運行なども検討し、荒川線の命名四十周年にふさわしい魅力的なイベントとして盛り上げてまいります。
またあわせて、これらのイベントでは、都電ファンのみならず、都営交通の利用者に幅広く来ていただけるよう、ToKoPo会員に対する特別ポイントの付与なども考えてまいります。
今後とも、沿線四区と連携し、創意工夫しながら、さまざまなイベントを企画するなど、荒川線の旅客誘致に努めますとともに、引き続き地域の活性化にも貢献できるよう取り組んでまいります。
○鈴木(貫)委員 それと、局長を初め皆さんにちょっといいたいんです。今のご答弁、大変よかったと思います。百周年のときに、実は花電車を出したんですよ。荒川車庫の中に今あるんですが、私はこういう佳節のときに運行をしてもいいんじゃないかと思うのですよ、運行してもね。そういうときにこそ出してあげる。とてもやはり、荒川にしても、北区にしても、豊島にしても、新宿の方々にとっても、百周年のときはとっても歓声が上がり、「鉄道ピクトリアル」だとか、「鉄道ジャーナル」だとか、鉄道雑誌には大きく載り、また、マスコミも取り上げて、沿線の活性化の力を盛り上げてくれた大きなものがあったと思っています。もしできるならば、ぜひ運行させていただきたい、これ要望にとどめておきます。ご答弁は要りませんけれども、重い要望だと受けとめてもらい、次のテーマに入ります。
日暮里・舎人ライナーの日暮里駅、この始発駅の課題について、私は一昨年、去年もまた質問してございます。日暮里駅が改修になるから、動線的に、あそこ出てきても若干狭い、また、いろんな要望を聞いたものですから、ぜひその中に、先ほど高倉委員のご質問の中にも、福祉売店とか、もしできれば設置してほしいという要望をしたときに、ちょっと場所的にそれはとれないから、お隣の西日暮里駅にグローリーというものをつくっていただいた、大変私はよかったと思っています。よかったと思います。
一生懸命、体のご不自由な方々が頑張って、売り上げどうしようか、自分たちでパン工房をつくりながら努力をしている姿を私は激励をしているリーダーシップの一人ですから、いつも激励をさせていただいております。
ですから、この日暮里駅の改修に伴って、私は、利便性の向上、先ほどいろんな意味で、交通局としても、飲料水を売る自動販売機、いろいろな話が出ていましたけれども、それは当然ありますけれども、そういう中にあって、利用客の利便性の向上を図るという意味で、駅の構内、駅ナカに、一つの売店みたいなものをきちっとつくることはできるんじゃないのと、こういう要請をいたしましたけれども、今その動きについてお答えをいただきたいと思います。
○樋口資産運用部長 日暮里・舎人ライナーは、年々利用者が増加しておりますことから、交通局といたしまして、お客様の利便性向上のために、新たに店舗を設置することといたしました。
日暮里駅の改札横に店舗スペースを確保し、競争性を導入する観点から、広く募集をして、店舗を運営する事業者を選定したところでございます。来月早々には、コンビニエンスストアを開店できる予定でございまして、駅利用者の利便性を高めることができるとともに、収益の確保により、経営基盤の安定化にも資することができるものと考えております。
○鈴木(貫)委員 早速のご答弁ありがとうございました。この日暮里・舎人ライナーのことについても、私、冒頭、雪の観点で申し上げるのをうっかりしておりました。
この資料の中にもありました、十四、十五、ここだけでなくても、きちっとやはり確保してやっていただいたということも、私たちもよく存じ上げています。
私は、熊野前駅をよく利用しますから、そんな姿をよく見ていますので、その辺も職員の方々にお伝えをしていただきたい。「ゆりかもめ」と比較しちゃ悪いですけれども、やはり舎人ライナーの方が私はよかったと思います、そういう意味では。同じかもしれませんけれども、その辺はやはり、地元力学が働いているわけではありませんけれども、よかったなと思っておりますので、お伝えをしていただきたいと思います。
今、駅ナカ、コンビニエンス、コンビニができるということ、いろんな方々から、途中ちょっとしたそういうものがないのかという声を聞いたものですから、できるということをあまねく知らしめておきたいと思っております。引き続き取り組んでいただきたいと、このように要請をさせていただきたいと思います。
次に、バスの問題について承っておきたいと思います。
私は、バスはすぐ歩いて三分ぐらいのところにバス停があるものですから、よく利用をいたします。ただし、私の利用するバスの路線は、北千住と駒込病院を結ぶ路線でありますから、大変利用客が多い路線ですね。首都大学東京の福祉キャンパス、それから北豊島高等学校、熊野前の駅等々、あとは田端の駅等がずっとありますから、ですからかなり利用客は多うございます。
ただし、私も感ずるんですけれども、私の乗る停留所は原中学校前、残念ながら非常にバスの運行系統というのはなかなか、雨の降った日だとか、雪の日だとか、定時運行というのはそれは無理なことはわかっています。ずれますから、次のバスと接近をしてくる場合もありますから。そういう中にあって、バスの接近表示といいましょうか、お年を召された方々は、近代武器をもって、これで調べるということはなかなかできないわけですよね。私の方から調べてあげて、もうちょっと待ってよ、間もなく来るからと、こうお声をかけながら、雨の中、傘を差しながらたたずんで待っている。冬のさなかもやはりそれは大変だと私は思っていますので、でき得るならば、バスの接近表示も、メーンストリートだけではなくて、そういうところにもやはり優先的につける、こういう優先順位というのは、そういうところもあってもいいのじゃないかなと思いますけれども、そういう情報を充実させるシステムというものをつくってほしいなと、こう私は思っていますが、この辺のご見解はどうでしょうか。
○土岐自動車部長 接近情報についてのお尋ねでございますが、まず運行情報サービスについてでございますが、都営バスでは、平成十五年一月からこのサービスを開始いたしまして、順次機能強化を図っております。平成二十三年度には、お客様の携帯電話のGPS機能を用いて最寄りの停留所をご案内するサービスを開始し、二十四年度には、それまで区部の路線に限られていた運行情報を多摩の路線にも拡大してございます。これによりまして、このサービスのインターネットのアドレスであるtobus.jpには、現在一日四十万件のアクセスをいただいております。
また、お話の停留所のバス接近表示装置につきましては、平成二十五年度から二十七年度までの三カ年を計画期間とする経営計画二〇一三において、毎年二十基ずつを増設することとしており、平成二十五年度末には、八百九基の設置が完了いたします。
今後とも、お客様の利便性向上を図るため、バスの運行情報を提供するサービスのさらなる拡充を図ってまいります。
○鈴木(貫)委員 ぜひご努力をしていただきたいなと思っています。
設置基数についてもよくわかりましたけれども、私のいったこの質問の趣旨をよくお酌み取りをいただきたいと思っております。
それからもう一つ、バスについて、停留所の上屋がございますね。何種類かの上屋があります。一番新しいタイプ、カラフルなといいますか、落ちついた雰囲気、チョコレート型のやつとか、タイプがありますけれども、ちょっと記憶違いだったらお許しをいただきたいのですが、防衛省の前の停留所の上屋が古いやつなんだよね、みっともないという感じがしてならないのです。
防衛省の正門、向かって右の方、新宿の靖国通りにあるようなすばらしい上屋にした方が私はいいと思うよ。いろんな各国の駐在武官殿が来る場所ですものね、国際的にもよく見られる場所だと私は思っていますので、直っていれば結構ですけれども、きょうは私は確認してこなかったけれども、通るたびに思うわけでございます。
それはさておいて、この都営バスにおける上屋及びベンチの設置に関する基本的な考え方、それを今後どう具体的に取り組むのか、そのロードマップ的なものがあればお答えをいただきたいと思います。
○土岐自動車部長 上屋、ベンチの設置につきましては、道路占用許可基準におきまして、歩行者等の通行に支障のないよう設置可能な歩道の幅員などが定められております。さらに、設置先の地権者等の了解を得る必要があるなど、さまざまな制約がある中で、利用状況等を踏まえ、設置の可否を判断しながら順次設置を進めております。
こうした考えに基づき、同じく平成二十七年度までの三カ年の経営計画におきまして、毎年、上屋二十棟、ベンチ五十基ずつを設置することとしており、平成二十五年度末には、上屋千四百九十二棟、ベンチ九百二十八基の設置が完了いたします。
今後とも、利用者の利便性や快適性の向上を図るよう、停留所上屋及びベンチの整備に取り組んでまいります。
○鈴木(貫)委員 よろしくお願いしたいと思います。でも先ほど防衛省の前も、いわゆる歩道の幅とかいろんな問題が、制約があったからそういう形になっているのかもしれませんけれども、私の経験からいわせるならば、地元の西日暮里五丁目だったと思いますけれども、そこはやはりお願いをして、地元の町会、また近隣の方々等々も合意を得て立派なバスの上屋を設置をしていただいたという経験があるものですから、そのことを申し上げたわけであります。
やっぱり上屋ができたことで、一番新しいタイプはもちろんお金はかかります、あの上屋は、かかることもわかりますけれども、できる限りチョコレート型とかその前の型ではなくて、今の一番新しい、ニュータイプのそういうものに切りかえていただければ、より利用者にとっても気持ちのいいバスの利用の仕方ができるのかなと、こう私は思うがゆえに、今ご質問をさせていただきました。
こんなことを、きょうは端的に一つ一つ、地元の問題から幅広く申し上げましたけれども、時間の関係で、以上で質問終わりますけれども、局長に伺いますけれども、今後のこの都営交通の一層の利用者サービス向上に向けた、最後に局長のご見解を承り質問を終えさせていただきたいと思います。
○新田交通局長 交通局の歴史は、今から百三年前、明治四十四年に、当時の東京市民の強い要望を受けて、民間鉄道会社から、路面電車事業と電気供給事業を買収し、交通局の前身となります東京市電気局が設置されたことから始まります。鈴木委員、お話ありましたが、まさに交通局の歴史は都電の歴史でもある、そういう意味では、都電というのは、都営交通のレジェンドだというぐあいに思っております。
そしてその設立、電気局の設立から十二年後に発生しました関東大震災、これによりまして、この路面電車、市電が甚大な被害を受けたということで、その代替手段としてフォード社製自動車を緊急に輸入しまして、発災からわずか四カ月半後の大正十三年一月にバス事業をスタートさせたわけです。そして、それによりまして、都民の、東京市民の足を確保したということです。これが今日の都バスの原初でございますが、おかげさまで、先般、九十周年を迎えることができました。
さらに、戦後におきましては、東京の都市機能強化と高まる都民の交通ニーズに応えることを目指しまして、都営地下鉄四路線を順次建設開業しますとともに、平成二十年には、日暮里・舎人ライナーを開業し、現在では、都営交通全体としまして、一日当たり三百万人を超えるお客様にご利用をいただくまでに至っております。
先ほど、交通局の歩みは苦難の連続の歴史であったと申し上げましたが、それは同時に、時代時代の都民ニーズに積極果敢に取り組んできた歴史でもあったというぐあいに思っております。
近年におきましても、多様化、高度化する都民ニーズに機敏に応えまして、ホームドアや最新の安全装備の導入、施設の耐震性の一段の向上など、交通事業者にとって最優先課題であります安全の確保を先導的に進めますとともに、施設や車両の快適性、利便性の向上、バリアフリーへの対応など、より質の高いサービスの提供にも積極的に取り組んできたところでございます。
今後は、本日、各部長から答弁のありましたさまざまな取り組みに加えまして、車両増発等による日暮里・舎人ライナーの混雑緩和対策や、都バス全車両への無料Wi-Fi導入に続く地下鉄駅での情報通信環境の充実、地下鉄駅におけるプチバリアの解消など、一層のバリアフリー化を進めてまいります。
また、職員の接遇能力の一層の向上に向け、創意工夫を凝らしたサービス推進活動の展開に拍車をかけてまいります。
私も、昨年十月に交通局長を拝命して以来、頻繁に現場巡回を行っておりますが、お話にもありましたように、現場で本当に苦労している職員一人一人に、おもてなし最前線で都営交通のサービスを支えてもらっています。私も現場に出るたびに、激励にさらに努めてまいりたいなと思っております。
時代時代の要請に果敢に取り組んできた先人に我々もおくれをとることなく、今後とも、都民サービスの最前線を担っている責任と誇りを持って、たゆむことなく、利用者サービスの向上に局一丸となって取り組み、お客様に一層信頼され、支持される都営交通を目指してまいります。
○小宮委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小宮委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
以上で交通局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時五十五分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.