公営企業委員会速記録第十三号

平成二十五年十二月九日(月曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長小宮あんり君
副委員長西沢けいた君
副委員長田中 朝子君
理事吉住 健一君
理事高倉 良生君
理事畔上三和子君
河野ゆうき君
やながせ裕文君
堀  宏道君
鈴木 錦治君
松村 友昭君
鈴木貫太郎君
山田 忠昭君
三宅 茂樹君

欠席委員 なし

出席説明員
交通局局長新田 洋平君
次長塩見 清仁君
総務部長鈴木 尚志君
職員部長小泉  健君
資産運用部長樋口 正勝君
電車部長太田  博君
自動車部長土岐 勝広君
車両電気部長石井 明彦君
建設工務部長遠藤 正宏君
企画担当部長広瀬 健二君
安全管理担当部長岡本 恭広君
バス事業経営改善担当部長根木 義則君
技術調整担当部長奥津 佳之君
技術管理担当部長野崎 誠貴君
下水道局局長松浦 將行君
次長石原 清次君
総務部長小山 哲司君
職員部長安藤  博君
経理部長熊谷  透君
計画調整部長渡辺志津男君
施設管理部長坂根 良平君
建設部長中島 義成君
企画担当部長永野  実君
技術開発担当部長神山  守君
施設管理担当部長野口 毅水君
流域下水道本部本部長黒住 光浩君
管理部長須田  潔君
技術部長松島  修君

本日の会議に付した事件
下水道局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百九十八号議案 東京都公営企業職員の結核休養に関する条例を廃止する条例
交通局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百九十三号議案 東京都電車条例の一部を改正する条例
・第百九十四号議案 東京都乗合自動車条例の一部を改正する条例
・第百九十五号議案 東京都貸切自動車条例の一部を改正する条例
・第百九十六号議案 東京都地下高速電車条例の一部を改正する条例
・第百九十七号議案 東京都日暮里・舎人ライナー条例の一部を改正する条例

○小宮委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小宮委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○小宮委員長 次に、委員の所属変更について申し上げます。
 去る十二月五日の本会議において、宇田川聡史議員が本委員会から総務委員会に変更になり、新たに河野ゆうき議員が総務委員会から本委員会に所属変更になった旨、許可されました。
 この際、新任の委員をご紹介いたします。
 河野ゆうき委員です。

○河野委員 河野ゆうきです。諸般の事情によりまして、総務委員会から異動になりました。どうぞよろしくお願いいたします。

○小宮委員長 紹介は終わりました。
 なお、議席については、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承を願います。

○小宮委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、下水道局及び交通局関係の付託 議案の審査を行います。
 これより下水道局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百九十八号議案を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取いたしておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○小宮委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小宮委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。

○小宮委員長 これより交通局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百九十三号議案から第百九十七号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木(錦)委員 私から、消費税率の引き上げによる都営交通運賃改定についてお伺いをいたします。
 消費税率の引き上げに伴い、交通運賃などの公共料金の改定を行う場合には、税負担の適正な転嫁が基本であり、公共料金が物価及び国民生活に影響を及ぼすことに鑑み、厳正に取り扱うことが必要です。
 消費者である都民の皆さんからも、我が党に対して、日ごろの身近な公共交通として利用している都営交通の運賃改定に当たっては、慎重かつ丁寧な審議を望むといった声もいただき、都民そして世の中の関心が高くなっております。
 そこで、都営交通運賃改定の基本的な考え方を確認いたします。よろしくお願いいたします。

○広瀬企画担当部長 交通局は、民間事業者と同様に、法令上、消費税の納税義務が課せられていることから、国の消費税転嫁に関する方針を踏まえ、消費税率の引き上げ分については、ご指摘のとおり、円滑かつ適正に運賃に転嫁することとしたものでございます。
 転嫁方法につきまして、国は、地下鉄やバスなどの事業ごとに、現行の運賃体系を踏まえつつ、全体として、消費税改定率である百五分の百八、すなわち二・八六%以内の増収となるようにとの方針を示しており、交通局といたしましては、これに基づき各事業とも改定率以内となるよう、適正に転換を行うものでございます。
 また、国は、ICカード利用の普及を踏まえまして、十円単位の運賃とあわせて、消費税率引き上げ分をより正確に転嫁する観点から、一円単位の運賃について認めることとしております。このことから、交通局におきましても、他の事業者と同様に、十円単位の運賃に加えまして、ICカード乗車券については、一円単位の運賃を導入することとしたものでございます。

○鈴木(錦)委員 ただいまのご答弁で、平成九年に三%から五%へ税率の引き上げがあった際には、まだ、ICカードが普及しておりませんから、今回のような一円刻みの対応はできなかったわけですが、現在では首都圏において、私も持っていますけれども、約八割もICカードが普及しているため、より公平かつ適正に消費税引き上げ分を転嫁できるようになったわけでございます。
 ただいまの答弁にもありましたが、今回の運賃改定の基本は、バスや地下鉄といった事業ごとに、全体で改定率が二・八六%以内とするということが、国土交通省の指針に示されており、交通局は、これに基づき適正に消費税の転嫁に取り組んでいるということが、確認ができました。
 消費税は、最終的には、消費者が負担するものでございますし、運賃改定の内容の周知を徹底していただいて、消費者の皆様方の理解を得ることは欠かせないことでございます。
 交通局には、運賃改定時の混乱を避けるためにも、消費者である乗客への丁寧な説明を行っていただきたいと思いますし、また、引き続き公共交通機関としての使命でございます安全の確保を最優先に、都民、利用者の視点に立ったサービスの提供などに積極的に取り組んでいただくことを要望して、私の質問を終わります。

○高倉委員 今、議題になっております東京都電車条例の一部を改正する条例を初め五つの付託議案でありますけれども、都営交通の運賃改定に関する議案であります。
 今回の運賃の改定は、都営交通のいわば経営状況の必要性から改定を求めるといったものではなくて、国の消費税の引き上げに伴う対応であるということであります。
 直接考慮すべきことではないかもしれませんけれども、多額の長期債務がある状況などの、都営交通の経営状況といったものを鑑みれば、消費税引き上げに沿って運賃を改定せざるを得ない状況にあるというふうに思うわけでありますけれども、しかしながら、なお一層の経営努力といったもの、でき得る限りの努力といったものを、我々としては、交通局に強く要望をしていきたいなというふうに思っております。
 そうした中で、都営交通の場合には、先ほどお話もありましたけれども、PASMOあるいはSuicaといったICカードを利用する乗客の割合が大変高くなっておりまして、都営地下鉄においては九割近い方々が利用されていると、こういった状況にあると聞いております。切符が主流であった過去の消費税の引き上げに伴う運賃改定、こういったものとは、この点が違っているというところだと思います。
 これによりまして、この運賃は、許される改定率以内に、できる限りおさめることができるといった、こういう環境に現在はあるのではないかと思います。
 ただ、運賃が二種類になるといったこともありまして、改定による混乱といったものを防ぐ意味からも、利用者にしっかりとした情報提供、説明をする必要があると思います。
 また、消費税引き上げによる改定とはいえ、利用者の負担が増すことを考えれば、先ほど申し上げたことでありますけれども、都営交通としてのより一層の経営努力、サービスの向上に向けた取り組みといったものを、ぜひ進めていただきたいと思います。
 そうした点を踏まえまして、今回の運賃改定について何点か質問をさせていただきます。
 まず、運賃の改定ということについてでありますけれども、消費税の引き上げは、今回三%ということでありますが、この運賃については、国による運賃引き上げの指針が、二・八六%以内になるように転嫁をするというようにされております。利用者にとって、すっとこれを聞きますと、三%じゃなかったのですかみたいなふうに聞こえてしまうかもしれません。
 したがいまして、改めて、その点をわかりやすく説明をしていただきたいことと、それと、この二・八六%以内になるよう転嫁をするということでありますけれども、それよりも低くてもいいというふうにも、こう受け取れるわけでありますけれども、例えば、都営交通以外の他の交通事業者による運賃の改定の状況、こういったものがどうなっていくのか、大きな差があるのかどうか、こういったことについてご見解をお伺いしたいと思います。

○広瀬企画担当部長 地方消費税を含む消費税率が五%から八%へ、三ポイント引き上げられることに伴いまして、国土交通省は、地下鉄、バスなどの事業ごとに、現行の運賃、料金体系を踏まえつつ、全体として消費税改定率である百五分の百八、すなわち二・八六%以内の増収となるようにとの方針を示しており、交通局では、これに基づきまして、地下鉄は二・八六%、バスは二・八四%など、各事業とも改定率以内となるよう適正に転嫁を行うものでございます。また、JR東日本、東京メトロなどの他の事業者につきましても、国の方針を踏まえまして、同様の運賃改定を行うと聞いております。

○高倉委員 今答弁にありましたが、他の事業者、例として、JR東日本あるいは東京メトロ、挙げられましたけれども、こうしたほかの事業者についても、国の指針に基づいて同様の料金の改定を行っていくと、こういう状況にあるというご答弁でありました。
 先ほど、都営交通についてのこのICカードによる乗車といったものが、大変大きく、広く普及をしているということについて触れましたけれども、首都圏のほかの交通機関についても、恐らくこれは、同じ状況にあるのではないかというふうに思います。
 今回の運賃の改定では、ICカードで乗車をした場合には一円単位での新たな運賃になりまして、また現金で切符を購入をして乗車をする場合には十円単位の料金になると、引き上げになると、こういう二種類の運賃が認められるということであります。
 この十円単位の運賃の方は、いわばこの消費税の転嫁割合といったものが、高くなるというふうに指摘をされているわけでありますが、都営交通の場合に、このICカードの普及が進んでいるということを考えますと、こうした不公平といったようなものは、最小限に抑えることができるというような状況にあるのではないかと思います。
 さらに、今回の運賃の改定に当たっては、定期券の運賃についても、調整をしているというふうにも聞いております。
 そこでお伺いしますけれども、この一円単位の運賃を導入する目的と、そしてその効果といったことについて説明をいただきたいと思います。

○太田電車部長 一円単位の運賃を導入する目的と効果でございますが、国はICカード利用の普及を踏まえまして、十円単位の運賃とあわせて消費税率の引き上げ分を、より正確に転嫁する観点から、一円単位の運賃について認めることとしております。これは一円単位と十円単位の運賃とでは端数処理を小数点以下で行う一円単位の運賃の方が、より正確に消費税を運賃に転嫁することが可能となるという理由からでございます。
 このことから、交通局におきましても、他の事業者と同様に、現金や磁気券の十円単位の運賃に加えまして、ICカード乗車券につきましては、一円単位の運賃を導入することとしたものでございます。
 現在、都営地下鉄のICカード利用率は約八七%となっておりますことから、これによりまして、多くのお客様に、より正確に消費税率の引き上げ分を負担していただけるという効果があるものと考えております。

○高倉委員 今、一円単位の運賃の導入の効果といった点についての答弁がありました。都営交通、それから首都圏では、まさにこのICカード、大変普及が進んでいると。ほかの地域では、まだそこまで至ってない地域もあるようでありまして、さまざま今回の消費税引き上げによる対応といったものが違ってくるようなことがあるというふうにも聞いております。
 ところで、この運賃改定の実施時期ということでありますけれども、都電荒川線とそれから都営バス、これは、消費税のまさに引き上げ時期の来年の四月一日から、新しい運賃というふうにされているわけでありますが、一方で、都営地下鉄と日暮里・舎人ライナーは、四月一日から二カ月後の六月一日からというふうにされているわけであります。
 このように運賃改定の時期が異なる理由は何であるのかということを説明いただきたいことと、この改定時期がおくれる都営地下鉄、そして日暮里・舎人ライナーにつきましては、四月から二カ月間の間、この乗車運賃にかかる消費税の増額分はどうなるのかということがあるのですけれども、これは誰が負担をしていくのか、このことについて答弁をいただきたいと思います。

○太田電車部長 初めに、四月と六月で、運賃の改定時期が異なる理由でございますが、都電と都バスは、ほとんどが均一運賃であり、他社線との乗り入れもないことから、ICカードシステムも小規模で、改修も比較的短期間で済ませることができます。これに対して、首都圏の鉄道路線は、相互直通運転等による複雑なネットワークを形成しており、例えば、一枚のICカードで各車線を乗り継いだ場合の数億通りの経路に対応する運賃を自動改札機が瞬時に精算するという、極めて大規模で複雑なシステムとなっております。
 このため、ICカードシステムの改修に当たりましては、PASMOやSuica加盟の三十二の鉄道事業者約二千駅の運賃データの作成とその検証、さらには自動改札機や券売機、精算機などの都営地下鉄だけでも約千八百台もの駅務機器について、運賃の誤収受などのミスを発生させないための駅ごとの動作確認試験やプログラムの検証など、さまざまな工程を慎重に進める必要があり、都電や都バスに比べて、改修には長い期間を必要といたします。
 したがいまして、地下鉄及び日暮里・舎人ライナーの今回の運賃改定に当たりましては、こうした工程だけで、改修におおむね六カ月程度必要としますことから、十二月に議会の議決を経て、国への認可申請運賃が確定した後、改定の実施時期は、最短でも平成二十六年六月となるものでございます。
 次に、地下鉄及び日暮里・舎人ライナーの二カ月分の消費税の負担についてでございますが、消費税率が改定される来年四月から運賃改定実施の六月までの二カ月間の消費税増税分につきましては、利用者に転嫁することができないことから、その減収分につきましては、交通局が負担することとなります。

○高倉委員 このICカード乗車券の導入や普及によりまして、都営交通を初めとして、首都圏の鉄道各社を乗り継ぐ場合に、大変に便利になっているということがありますけれども、一方で、今、乗り継ぎの場合に、億の単位の乗り継ぎのパターンがあるというお話でありました。したがって、そういったことをきちっとプログラムをするんでしょうか、その上で、それもきちっと検証をして、大丈夫かどうかを試す時期も含めて、そういったことで一定の、今六カ月というお話がありましたけれども、この期間を必要とするということも答弁がありました。
 こうしたシステム改修というのは、ある意味では、大規模なものでありまして、私もいろいろとお聞きをしましたところ、本来ならば、一年ぐらいかかるといったようなものでもあるのですということも聞いております。これを、都営交通を初め各鉄道事業者の間で精力的に取り組み、調整をした結果として、いわば六カ月でと、時間短縮が図られたというふうなことだと思います。恐らくこれによって、システム改修に係る経費といったものについても、圧縮の努力が払われたのではないかというふうに、私としては理解をいたしたいと思います。
 このように料金改定の時期が、都営地下鉄や日暮里・舎人ライナーでは二カ月おくれになること、あるいは一円単位の運賃の導入によって、例えば、都営地下鉄の初乗り区間といったものが、ICカードで乗車をした場合には百七十四円、切符の場合は百八十円となる、こういったことなど、運賃の改定について、さまざまな変化があるということで、恐らく混乱といったものも予想されるというような指摘があって、これは当然だというふうに思います。
 したがって、今回の運賃改定については、利用者に対して、わかりやすく的確に周知をすることが必要であるというふうに思います。
 そこで、この利用者に対する周知、あるいは説明、案内の取り組みについて、都の見解をお伺いしたいと思います。

○太田電車部長 お客様への周知等についてでございますが、今回の運賃改定におきましては、新たにICカード乗車券について一円単位の運賃を導入することもございまして、改定の内容や実施時期などについて、よりわかりやすく周知していく必要があるものと考えております。
 具体的には、駅長事務室や改札口付近にパンフレットを置くとともに、電車内や駅構内などへのポスター掲出、ホームページへの掲載など、さまざまな媒体を活用して、周知してまいります。
 また、駅の券売機の上に設置してあります都営地下鉄の運賃表につきましても、お客様が混乱することのないよう、他の鉄道事業者とも情報交換をしながら、表記方法について工夫してまいります。
 さらに、問い合わせに円滑に対応できるよう、駅係員等に運賃改定の内容や案内方法についての研修を行い、お客様へのわかりやすい案内に努めてまいります。

○高倉委員 今回の質疑では、この都営交通運賃の消費税の引き上げに伴う改定につきまして、利用者の立場から、わかりにくい、わかりづらいと感じる部分、あるいは不安に思うであろうという、こういった部分について質疑をさせていただきました。
 今後、利用者の立場に立って、十分な期間をとって周知に努めて、ぜひわかりやすい説明、案内をしていただきたいというふうに思います。
 消費税は、消費一般に負担を求める間接税ということでありまして、利用者が公平に負担をするということが基本であると思います。一方で、公共料金である交通運賃の値上げということにつきましては、都民の生活に少なからず影響を及ぼすといった観点から、これは事業者としては重く受けとめていただかなければならないことであります。
 公共交通の利用者からは、経営状況のいかんによっては、運賃への消費税転嫁についても配慮すべきであると、こういった声があるのも事実であります。
 交通局には、このことを肝に銘じて、今後の事業運営を進めて、利用者の安全・安心に万全を期するとともに、繰り返しになりますけれども、サービスの一層の改善、向上といったものにも取り組んでいただきたいと思います。
 さらには、公営交通としての役割と使命といったものも果たさなければいけないと思いますけれども、そうした面からいえば、環境の面でありますとか、あるいは福祉の向上につながる施策といったものにも、当然ながら、これは貢献をしていかなければならないのが都営交通であると思います。その一つでありますけれども、これまで私ども都議会公明党が提案をしてまいりまして、都営交通の方で実施をしていただいている都営交通のポイントシステム、ToKoPoというこの都営交通のポイントシステム、これは都営交通に乗車をすると、いろんなところに使えるポイントがたまるといったものであります。実際は、環境面からの取り組みということでありますけれども、こうしたことにも、加入者の増加に対する取り組みを含めて、しっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げまして質問を終わりたいと思います。

○松村委員 今回、交通局が条例提案に当たって、安倍内閣が来年四月から実施しようとしている消費税八%増税が、国民、都民に与える影響について、どのように調査をし、どのように検証しているのか、まず伺います。

○広瀬企画担当部長 今回の都営交通の運賃改定につきましては、交通局は、民間事業者と同様に、法令上、消費税の納税義務があることから、国の消費税転嫁に関する方針を踏まえまして、円滑かつ適正に運賃に転嫁することとしたものでございます。
 ご質問のような調査、検証につきましては、中小企業の転嫁対策や低所得者対策など、関係機関で適切に対応しているものと考えているところでございます。

○松村委員 調査、検証は行っていないとのことですが、消費税八%で増税分は八・一兆円の大増税です。また加えて、来年四月から年金削減など社会保障の負担増、給付減を合わせれば、国民にとって十兆円という史上空前の負担増です。
 国民の圧倒的多数が反対し、都営交通利用者にも大きな影響が出ることは必至ではないですか。それでは、交通局の今回の条例提案による都民生活への影響についてどのように認識していますか。

○広瀬企画担当部長 国は、公共料金等が物価及び国民生活に大きな影響を及ぼすことに鑑み、厳正に取り扱う観点から、消費税率引き上げ分については、運賃、料金への転嫁を基本として対処をし、消費税引き上げにあわせて通常改定の申請が行われる場合には、個別案件ごとに厳正に対処するなど、公共交通事業における消費税の運賃、料金への転嫁方法に関する方針を定めたものでございます。
 交通局は、この国の方針に基づきまして、消費税率引き上げ分について適切に運賃に転嫁することとしたものでございます。

○松村委員 都営交通運賃は、都民生活と東京の経済に大きな影響を及ぼすもので、都民生活への影響にかかわらず、国の方針だとして値上げするなどは、私は、今の状況においては許されないことだというふうに思います。
 都の、都民の暮らし向き調査というのがあります。この調査によりますと、交通等下水道料金の支出は、勤労者世帯で見ると、収入が低い世帯ほど、交通、上下水道料金の支出割合が高くなっています。経常収入に占める割合は、二〇〇一年は平均で二・三%でしたが、第一階層は四・七%でありました。ところが二〇一〇年には、平均が二・四%、〇・一%上がりましたけれども、第一階層では七・三%で、二・六%はね上がっています。
 ここに示されているように、交通運賃は、低所得者都民に大きな負担になるのです。それを都民生活とは関係なく、都は国の方針だということで、ただ転嫁すればいいというのは大問題です。
 そこで伺いますが、交通局が、料金値上げによる消費税転嫁を決めたのはいつですか。また、交通局だけが、なぜ本定例会に提出してきたのですか。

○広瀬企画担当部長 平成二十五年十月二十九日に、国が示した方針を踏まえまして、都営交通における運賃改定等の内容を策定し、十一月二十二日に、消費税率引き上げによる都営交通の運賃改定等に伴う条例改正案を発表したところでございます。
 また、交通局は、本年十月一日の閣議決定や、今申し上げました十月二十九日の国土交通省が示した方針を踏まえまして、今回、条例案の提案を行っているところでございますが、先ほども答弁にございましたように、議会の議決を経た上で国への認可申請などを行い、その後、システムの改修に着手するということになります。
 ICカード乗車券に関するシステムの改修につきましては、関係する多くの事業者に影響することが、一定期間、先ほど六カ月というふうに申し上げました、そういった一定期間を要するため、今定例会に条例改正を提案したものでございます。

○松村委員 先ほどもありましたけれども、都内の他の交通機関の消費税転嫁の動向をどう把握していますか。

○広瀬企画担当部長 先ほども答弁申し上げたとおり、JR東日本、東京メトロなどの他の事業者につきましても、国の方針を踏まえて、同様に運賃改定を行うと聞いているところでございます。

○松村委員 聞いているということでしたけれども、私もメトロに問い合わせましたら、まだ検討中だと、どうなるかわからないというか、そういうようなニュアンスでした。それでは、消費税転嫁についての国からの指導はあったのですか、あればどういう形であったのですか。

○広瀬企画担当部長 指導という言葉は当たらないと存じますが、平成二十五年十月二十九日付で、先ほど申し上げたとおり、国が消費税の運賃、料金への転嫁方法に関する方針を示しているところでございます。

○松村委員 公共交通事業における消費税の運賃・料金への転嫁の方法に関する基本的な考え方、いわゆるガイドラインですけれども、これには拘束力はないということがわかりました。幾つかの質問でわかったことは、ガイドラインが示されてわずか一カ月足らずですよね、この提案は。それから都民にどういう影響を与えるのか、また転嫁しないと判断はできないのか、他の交通機関の動向など何ら検討もしていないことが、さらに私は明らかになったと思います。
 大体、システム改修機器の整備に時間がかかるといいますが、貸切バスの運賃改定は、システム改修とは全く関係がありません。それまで、本定例会に条例改定で出してきていることの一例からいっても、まさに増税先にありきの態度といわれても仕方がありません。
 では、具体的にどのような内容の運賃改定を行おうとしているのか伺います。料金設定はそれぞれ幾らですか。

○広瀬企画担当部長 例えば、地下鉄の初乗り運賃につきましては、現行の百七十円から、磁気券、いわゆる切符の場合は百八十円、ICカード乗車券の場合は百七十四円となります。また、乗合バスの一般系統につきましては、現行の二百円から、現金の場合は二百十円、ICカード乗車券の場合は二百六円となります。

○松村委員 都電荒川線は、現行百六十円が、切符、現金の場合は百七十円、IC乗車券は百六十五円、日暮里・舎人ライナーも、初乗りは、現行百六十円が百七十円、またIC乗車券は百六十五円という改定になっております。
 地下鉄運賃は、初乗りが、現在の百七十円から百八十円と十円上がりますが、ICカードは百七十四円で、また都バスも、現在二百円から二百十円、ICカードは二百六円ということですけれども、なぜICカード料金と、切符、現金の運賃、料金に差を設けたんですか。

○広瀬企画担当部長 先ほど地下鉄についての答弁がございましたが、国は、ICカード利用の普及を踏まえまして、十円単位の運賃とあわせまして、消費税率の引き上げ分をより正確に転嫁する観点から、一円単位の運賃について、自動車事業も含めて認めることとしております。このことから、交通局におきましても、他の事業者と同様に、現金や磁気券の十円単位の運賃に加えまして、ICカード乗車券については、一円単位の運賃を導入することとしたものでございます。

○松村委員 これもまたおかしい話です。同じく区間を利用するのに二通りの運賃がある。どちらを利用するかは、利用者の選択などというわかりにくいものです。しかも切符、現金の人は、本来八%の消費税を払うべき金額よりも、例えば、地下鉄初乗りでは六円、バスでは四円、日暮里・舎人ライナーも五円も多く払うことになります。
 消費税値上げには、もともと圧倒的な多数の人が反対しています。(発言する者あり)条例改定案が出され、間もないというのに、既に都議会には中止を求める陳情が出されています。もともと都民生活への影響など構わないとして、都民の理解を得られる努力などをしていないではないですか。
 さらに、運賃改定に当たり機器の改修が必要になってきます。消費税転嫁に伴う機械設備など諸経費は幾らかかりますか、その財源手当はどこに求めるのですか。

○鈴木総務部長 今回の運賃改定に伴う機器改修に要する経費でございますが、全事業会計合計で約八億円でございます。これにつきましては、特別な財源ということではなくて各事業ごとに賄っていくものでございます。

○松村委員 機器の改修にも八億円という多額の費用がかかり、それも、結局は利用者に転嫁されることになっています。今回の改定は、やはり大きな問題があることは明らかです。それでは、消費税転嫁分は、総額で、そしてまたそれぞれ事業別には幾らですか。

○鈴木総務部長 今回の運賃改定による消費税転嫁分についてでございますが、二十四年度決算の乗車料収入等をベースにして計算をいたしますと、全会計年間で約四十億円でございます。事業別ということでございますので、自動車運送事業約八億円、軌道事業約五千万円、新交通事業約一億円、高速電車事業約三十億円となっています。

○松村委員 約四十億円と、大変な負担ですよ。
 ところで、交通局の経営状況はどうでしょうか、二〇一二年度の決算について伺います。
 決算書を見ますと、高速電車事業会計は百二十八億円の黒字、資本的収支は四百二十億円の資金不足でありますが、損益勘定留保資金などで差し引くと約百四十三億円の資金剰余となっています。
 一方、交通事業会計の営業収益は、約二十一億円の赤字となっていますが、さらに資本的収支も約三十三億円の資金不足です。しかし、これも損益勘定留保資金等で十二億円余の資金剰余となっていますが、この数字には間違いありませんね。

○鈴木総務部長 そのとおりでございます。

○松村委員 二つの会計では、百七億円余の純利益と、それから百五十五億円の資金剰余となっております。
 さらに、資金の状況はどうでしょうか、流動資産と流動負債の二〇一二年度決算ではどうなっているかお聞きいたします。

○鈴木総務部長 二十四年度決算におきまして、これ全事業会計合計でございますが、流動資産が約千九百億円、流動負債の方が四百五十三億円となっております。

○松村委員 もう少し丁寧に決算書で見ますと、高速電車事業会計は、流動資産が千四百四十二億余、流動負債は三百三十億余で、差し引き約一千百十二億円となり、これだけ内部留保されております。高速電車事業会計は、この五年間で見ても、七百十四億円ぐらい積み増しして増加しております。
 また、交通事業会計を見ても、流動資産は約四百二十億、流動負債は百二十億と、差し引きでも三百億余の内部留保があり、交通事業会計も、今は単年度では赤字というふうになっていますけれども、この五年間を見ても八百七十億円、やはり積み増ししていると、こういう状況が確認できるというふうに思います。
 消費税の転嫁分は約四十億円と、この消費税を仮に転嫁しても、同じ額を値下げすれば、現行運賃は維持できるのではありませんか。

○鈴木総務部長 まず、先ほど申しましたように、今回の都営交通の運賃改定につきましては、交通局が民間事業者と同様に、法令上の消費税の納税義務があることから、国の消費税転嫁に関する方針を踏まえ、円滑かつ適正に運賃に転嫁することとしたものでございます。
 ただいま流動資産、流動負債にかかわるようなお話がございました。こうしたものも経営状況を見る上での重要な指標の一つとは考えておりますが、これだけで経営状況を断ずるわけにはいかないわけでございまして、一方で、同じ二十四年度決算におきまして、例えば地下鉄事業で申しますと、約四千億円の累積欠損金、あるいは九千四百億円の長期債務を抱えていると、こうしたものを総合して考えますと、依然として厳しい経営状況であるというふうに認識しております。
 したがいまして、運賃改定は避けられない、もちろん、値下げはできないというふうに考えております。

○松村委員 それでは、消費税導入時の一九八九年、転嫁しなかったというか、転嫁したんだけども、交通局の方も、結局、議会の決議がついて現行料金を維持したというふうに思いますけれども、その当時の、どういう付帯決議がついていたのか、また、どういう経営状況であったのかお答えください。

○広瀬企画担当部長 平成元年の第一定例会におきましては、地下鉄事業及び貸切バスにつきまして、消費税の転嫁にかかわる条例改正案を提出したところでございます。この際、付帯決議がつきました。
 内容につきましては、消費税導入に伴う都民生活への影響を考慮し、当分の間、本条例の施行を見送ること、本条例の施行に当たっては、効率的経営になお一層努めること、このようなものでございました。

○鈴木総務部長 元年当時の決算状況についてのお尋ねもございましたので、お答えいたします。
 消費税が導入されました平成元年度の決算、全事業会計でございますが、営業収益が約千百四十五億円、資本的収支が約二百二十五億円の赤字、純損益は約百四十一億円の黒字でございました。

○松村委員 今、経営状況は、先ほど示した現金ベース、資金ベースといっても、多額のやはり資金を留保していることは確かです。
 一九八九年当時、議会で、消費税分の実施を、当分の間、見合わせるようにということで、実際、三年間、転嫁というか、かかりませんでした。それでも交通局は十分やっていけましたし、当時と比べてどうなのかといえば、累積差金、そういう黒字分や、資金残も累積欠損金が多額に出ていると。長期債務もあるといいますけれども、累積欠損金を見ても、当時とではもっと大幅に困難になっているかっていったら、そうではないんですよね。変わらない状況だというふうに私は確認しておりますし、また長期債務も、この三年間の、これから二〇一三年の三年間の計画を見ても、長期債務では約一千億円ぐらい減らせるというか、減らす計画となっております。
 そういう意味では、都民生活がこれだけ困難のときに、また、そういう交通も含めた公共料金の値上げが与える影響というのは、生活もそうですし、地域生活においても、やっぱり大きなものがあるということを見なければならないというふうに思います。
 このガイドラインに基づいてといいますけれども、このガイドラインも、消費税率引き上げに伴う公共料金等の改定について、政府の物価担当官会議申し合わせに基づくものです。この申し合わせには、公共料金等が物価及び国民生活に大きな影響を及ぼすことに鑑み、厳正に取り扱うとしています。
 また、先日、東京消費者団体連絡センターから要請を私どもも受けました。要請は、事業者に過大な営業利益及び利益剰余金を生じていたり、業績推移の見通しが適正でない場合は、消費税率の転嫁を避け、料金は据え置くべきです。そしてまた経営状況いかんによっては、料金引き下げの検討もなされるべきだ。
 私は、まさに今、交通料金の料金を引き下げるという点においては、消費税分ぐらいは、今の経営状態では十分のみ込めると。まさにこの消費者団体などが指摘している点、これが今の説明、これで納得させることができるかといったら、私は理解は得られないと思います。事実、今、質問してきましたけれども、交通局自身としても、みずからそういう与える影響も含めて、経営分析も含めて、または事業計画の、この計画は確かに消費税が転嫁されない前、見込んでなかったわけですけれども、それらをさらに見直すということなども含めた検討を、なぜ条例提案を行う前にやってこなかったのか。
 例えば、この計画の中にも、私、いかがかなと思ったのがあるんです。例えば、勝どき駅の大規模改良に、これから約六十一億円、一般会計が少し入りますから、それを差し引くとしても、巨額の改良事業費が充てられるわけですけれども、これは、なぜ必要になってきたかのか、想定外の利用者の増加、まちづくり計画と公共交通計画のやはりそごだというふうに思うんですよね。
 また、オリンピックのためなどというならば、なおさら利用者に負担をかけるべきではないというふうに思います。いかがなんですか。
 そういう勝どき駅の大規模改良の多額な費用まで公共交通料金運賃にはね返す、はね返るというか、そういう負担を求めるものですか。やはり事業者としても、知事なりというか、きちっというべきことはいって、少しでも今の公共料金の都民、利用者の負担を少なくすべきでないかと考えますけども、この点についてはいかがですか。

○鈴木総務部長 ちょっと何点かにわたるお話がございましたが、最初に、累積欠損金については、元年度よりも小さくなっているのではないかというお話でございますが、事実だけ申し上げます。
 平成元年度決算では、累積欠損金は三千億円余でございましたが、二十四年度決算では四千百億円程度でございます。
 それから、ただいま勝どきを初め計画事業の件がございました。私ども、安全を最優先にして事業を進めていくという立場で、そうしたことについては、もう不可欠であるというふうに考えております。
 再三申し上げますが、今回の都営交通の運賃改定、民間事業者と同様に、本当に法令上、納税義務があるということで、国の消費税転嫁に関する方針を踏まえまして、円滑かつ適正に運賃転嫁することとしたものでございます。が、ただいま、運賃の転嫁を見送るようにというようなご発言がるるございましたので、あえて申し上げますが、交通局といたしましては、これまで、例えば、大江戸線の全線開業ですとか、日暮里・舎人ライナーの開業といったことで、事業規模が大きく拡大する中にあっても、この間、約千七百人の職員定数を削減いたしました。また、平成十九年度にはバス乗務員等の給与の一〇%削減といったことも行っております。さらに、バス車両の延命化によるコスト縮減といった徹底した経営努力を重ねてきたところでございます。
 しかしながら、経営状況はということで見てみますと、例えば、先ほども申しましたが、今回、運賃改定をお願いしている事業の中では、唯一単年度黒字を確保しております地下鉄事業におきましても、先ほどのような多額の累積欠損、あるいは長期債務を抱えているという現状にございます。
 一方で、今お話のような、さまざまな事業をやっていかなければいけない、またトンネル等の構造物の老朽化対策など、交通事業者として決してゆるがせにできない安全投資といったこともやっていかなければいけないわけでございまして、依然として大変厳しい状況にあるというふうに認識しております。
 仮に、この運賃改定を見送るということになりますと、企業収支が悪化いたしまして、安定した事業運営に支障が出るということも危惧されます。また長期にわたり据え置いた場合には、先ほどの付帯決議後のこともございますが、ああいった大幅な運賃改定を実施せざるを得なくなるというようなこともございまして、結果として、将来、利用者に多大な負担をかけることも考えられるということでございます。
 今後とも、さっき高倉理事のご指摘にもございましたように、私ども不断の経営改革に取り組んでいくということはもちろんでございますが、今回、消費税を適切に転嫁させていただきまして、財政基盤を損なうことなく、さまざまな安全対策あるいはお客様のニーズに対応した質の高いサービスを提供すると、こういうことに努めていくことによりまして、一層信頼され、支持される都営交通の実現を目指していきたい、このように考えている次第でございます。

○松村委員 るる料金値下げはできない、料金を値下げして、公共料金の転嫁分を負担をかけないということの否定的な答弁ありましたけれども、例えば、累積欠損金も数字上の欠損金であり、それが直ちに利子がついて何とかしなければならないという問題でもないわけでありますし、しかも、今の現在の経営状況は、黒字となって徐々にそれを減らしているということもはっきりしております。
 経営努力という話でもありましたけれども、実際、大江戸線を初め全線で、乗車人員は前年度比で、三千二百十六万人、すごいですよね、三・九%増になっております。そういう中で、今各社しのぎを削る中で、この料金の値上げが、逆に都営交通への乗車というか、足を減らす要因になるとか、さまざまな逆の問題点も、総合的に見て考えなければいけないと思います。
 また、他社といっても、それはもう、都営というか、公共交通が果たさなければならない役割というのは、公共福祉の増進を図るという大使命があるということも忘れてはならないというふうに思うんです。
 経営努力は、ただ人件費だ、減らすんだ、民間委託だ、それはとんでもないことで、私は一貫して批判していますよ。しかし、先ほどの勝どきは、必要であったからと莫大な財源を投入しながら、結局、まちづくりやいろんなこととの整合性が合わずに、しかも、今度やはりオリンピックのためでしょう。そこまで、交通局の投資計画をふやして、これからも厳しいんだと。
 もう一つ、バスで指摘したいのは、先行まちづくりというんでしょうか。バスの車庫跡地の、これなどの開発事業も、我が党としては従来から、交通局がやるべき事業ではないというふうに指摘してましたけれども、そういう事業全体をやっぱりきちっと精査する。そして、今この時期に−−先ほどそういうことをやっちゃったら、次は逆のツケが来るといいますけれども、先ほども、誰が反対しているんだということですけれども、現在でも、どのマスコミの世論調査でも、消費税の将来のあり方についてはさておいても、来年四月からの実施はやめてほしいと。
 暮らしとこの経済、地域経済の状況、私たちの方にアベノミクスというのは全然回ってこないと。四月からは、だからやらないでほしいと。確かに地下鉄は、六月で二カ月間ずれるかもしれませんけれども、いずれにしたって四月から、目指していることに変わりないわけですから、その時期は何とか、だからやりくりして−−私は、(「やることは賛成なんだ」と呼ぶ者あり)だから、消費税を転嫁してもその分を値下げして、現行料金をやっぱり維持すべきことを、真剣に検討すべきだと。
 最後にちょっと意見だけをいって終わります。
 公営企業の経営の原則をうたった地方公営企業法第三条では、地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営させなければならないとされているんです。また、東京都交通局経営、二〇一三で、皆さん方、どう書いてありますか、都営交通の使命をしっかり果たし、お客様に信頼、支持される都営交通を目指していきますとしているではありませんか。
 以上、質疑してきましたが、都民生活への影響について、調査分析もなく、影響があるにもかかわらず、国に消費税引き上げ反対を求めるでもなく、都民生活の影響のいかんにかかわらず値上げするというのは、公共の福祉増進という公営企業の立場にも反し、みずからの経営計画でいっていることにも反することをやろうとしていることを、厳しく指摘します。
 消費税は、年収二百万円に満たないワーキングプア、生活保護世帯、国保、介護、後期高齢者など、保険料を軒並み引き上げて、手取りがいよいよ少なくなった年金生活者からも有無をいわせず税金を取り上げるもので、その引き上げがどれだけ生活を破壊するのかを想像すべきです。本来の公営企業のあり方に立ち返り、条例案を撤回するよう強く求め、質疑を終わります。

○西沢委員 私からも質疑をさせていただきますが、少し質疑の内容がかぶっているところもございますので、要望になるところもあろうと思いますが、視点を変えて質疑を進めさせていただきたいと思います。
 先日の公営企業委員会の事務事業質疑であったり、それから都議会民主党の代表質問の中でも、この消費税について取り上げをさせていただきました。その中でやはり、これは各委員の皆様、共通していえることだと思いますが、安易な転嫁をするべきではないというようなことであります。やむを得ず、どうしようもないというようなところ、もしくは、消費税が上がるこのタイミングで、いかに経営努力をしているのかというのを改めて見ていくと、そうしたタイミングではないのかと思います。
 この経営努力をしていくというところは、これはなかなか難しいと思います。公営企業として、お客様である方々に、福祉の向上というところを目的としているところで、もうけだけすればいい、黒字になればいいんだというような考えとは、確かに違うというように思います。公営企業のあり方というところにもございますが、だからといって、放漫経営を続けていいというわけでも当然ありません。そうした観点から質疑をさせていただきたいというように思います。
 まず、既に質疑が出ました、この運賃の改定については、消費税導入のときはICがなかったわけでありますが、五%に引き上げたときは、これは見合わせたわけでありますね。つまり、ある程度、見合わす選択肢もあるんだということを、私もこれは指摘をさせていただきたいというように思います。
 この中において、運賃の対応については、先ほど来話がございましたが、来年の四月に消費税が上がると。その中で、都営の地下鉄それから舎人ライナーにおいては六月に二カ月ずれ込むというわけであります。この改定において、ほかの自治体はどうなっているのかというのを確認をしたいと思います。今回の消費税引上げに関しまして、横浜であったりとか大阪であったりとかという大都市の交通局の運賃改定、この対応状況についてお伺いをいたします。

○広瀬企画担当部長 横浜市は、現在、市議会におきまして、条例案を審議中であり、実施時期につきましては、乗合バスは平成二十六年四月に、地下鉄は平成二十六年六月の改定を予定しております。なお、乗合バス、地下鉄ともに、十円単位の運賃に加えまして、一円単位の運賃を導入する予定でございます。
 大阪市また名古屋市についても把握させていただいております。この両市につきましては、市議会に条例提案を行い、いずれも可決されているところでございます。大阪市は、乗合バス、地下鉄ともに、平成二十六年四月に、名古屋市は、乗合バス、地下鉄ともに、平成二十六年九月の改定を予定しております。なお、大阪市、名古屋市ともに一円単位の運賃は導入しない予定でございます。

○西沢委員 今の話もございましたが、一円単位でやるということに関しては、少しわかりづらいという議論もありました、私もそう思います。例えば、先ほどもありました二百円の運賃が二百十円になると、本来であれば、一円単位であれば二百六円になるところを、現金で払う人は、ちょっと高く取られることになると、実質値上げじゃないかというように感じられる方も恐らくいらっしゃるでしょう。一円単位でやるのは、ICカードを使うことによって、その調整はどうしているのかというと、これは定期券での割引の方で調整をするということで、合わせて三%の増税分の範囲内におさめていくというようなことでありました。これは、やはりわかりづらいところがあります。
 しかし、私は、一円単位でやっていくという方針に基づいてやるのは、これは構わないことだと思うんです。小銭が出ない状況の中において、今、ICでなぜ逆にそれをやらないんだという意見が恐らく出ようかと思いますので、この辺は、先ほども既に答弁が出ていますが、広報にきちんと努めていただきたいということを、私の方からも要望させていただきたいというように思います。
 そして、もう一つの視点となっているのが、これも先ほども話が既に出ています来年四月の引き上げでありますが、六月になると。つまり二カ月間、都営交通の方で消費税を負担するという話がありました。四月に間に合っていれば、これは負担する必要がないわけであります。この金額が幾らかというのは、恐らくまだ答弁出ていないんだと思いますので、この二カ月間、東京都が負担するということでございますが、交通局の負担する消費税が幾らになるのかお伺いいたします。

○鈴木総務部長 四月から二カ月分の消費税の負担ということでございますが、六月に改定を行う新交通事業及び高速電車事業につきまして、二十四年度決算の乗車料収入等をベースにして計算いたしますと、改定による影響額約六億円ということになります。

○西沢委員 都営地下鉄と舎人ライナーにおいては、この二カ月間おくれるというか、二カ月間で、遅く始めれば六億円が余計にかかるというようなことでありました。
 私は、この六億円という額を負担するのは、非常に、いまいちちょっと理解ができないというか、納得がいかないところがあります。つまり、このシステムをもっと早めれば、六億円負担しなくて済むんじゃないかという話がございます。
 先ほど、高倉委員の方からも、この期間についての質疑がありました。本来一年ぐらいかかるものが、六カ月ぐらいになっているんだというような話もございましたが、それが本当であれば、私は皆様が努力をされているんだと思います。ただ、例えば、平成九年のときにも値上げになっていますけれども、そのときからしても、もう十年以上、十六年ぐらい時間がたっています。コンピューターの精度もどんどん高まっていると思います。そうした中で、数億通りの工程があると、これもわかります。わかりますけれども、コンピューターですから、処理能力も進んだコンピューターの中で、これイメージですよ、イメージ的にはボタンをぴっとやれば全部変わるような、そういったイメージ、私は持っているんですね。
 全部の機械を一個一個つくり直していくというようなことであれば、これは、それぐらい時間がかかってもしようがないのかということはいえるかもしれませんが、先ほどの答弁では、どうしても六カ月間かかるということが、私には、もう少し努力をすれば四カ月間でできるんじゃないかと思われてしようがないんです。
 先ほどの答弁で、私はまだまだ不十分だと思いますが、逆にこの、逆にというか、さらに踏み込んで、六カ月間の工程の内訳というものがどうなのかということについてお伺いいたします。それだけかかるんだと、六カ月間かかるんだというような、ぜひご答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○太田電車部長 今回の都営地下鉄の運賃改定に伴うシステム改修についてでございますが、現在、ICカード、PASMOは、二千万枚以上発行されておりまして、大変多くのお客様にご利用いただいておりますことから、運賃改定時のシステム改修に当たりましては、運賃の誤収受や、システムの誤作動などにより、お客様の信頼を損なうことのないよう、膨大な運賃データ及びプログラム等の慎重かつ厳格な検証や駅務機器等の動作確認試験などが不可欠でありまして、相応の改修期間が必要となります。
 具体的なシステム改修の工程でございますが、まず初めに、PASMOやSuicaの加盟三十二事業者の約二千駅の運賃データの作成とその検証の工程、そして次に、全ての加盟事業者の自動改札機や券売機、精算機などの駅務機器についての動作確認試験やプログラム検証の工程、そして最後に、各駅の駅務機器への運賃データやプログラムの現地での組み込み作業とその検証の工程などとなっておりまして、おおむね六カ月の期間を必要といたします。

○西沢委員 議事録にも残りますけれども、今の理由だから六カ月間かかるんだというようなことですね。理系でも私はないですけれども、やはり一都民としても、これ六カ月間どうしても、かかるというような、もう少し細かい理由があってもいいんじゃないのかと思うんですね。一カ月目にどれくらい、どういったものがある、二カ月目にどういったものなのだと、だから、これぐらいかかるんだというようなスケジュール感がなければ−−確かにデータの検証であったり、プログラム検証、動作確認、これは普通に考えれば理解できます。そういうのをやるだろうと思いますけれども、例えば今の話の中で、今やっていることを一カ月でやりますといわれても、一カ月でやるんだって思いますよ、普通に考えれば。一カ月間でやれるものなのだなと思います。これが一年かかるといわれても、そういうものなのだなと普通に考えます。わからないからです、細かい技術的なことが。
 ですけれども、先ほどもあったように、わかりやすく説明する必要があると思うんですね。少なくとも、六億円を都営交通が負担をするわけでありますから、どうしても六カ月かかると、どうしてもかからなければいけないといえば、これは、国がいってみれば悪いわけですよね。国がそういったスケジュールをもって四月だというんであれば、その二カ月間どうしてもかかるんだから、じゃこれは国に負担してもらおうじゃないかというような議論が、私はあったっていいと思うんですよ。
 ほかの自治体を見てみても、六月になるところはありますけれども、大阪なんかはICは使っていないという話でありましたが、四月に改定になると。多くの自治体、都営交通の中でも四月に改定されるところがありますけれども、膨大なところがある、駅が二千駅ある、PASMOやSuicaの加盟は三十二業者ある、これだけ大きい東京都だから、それぐらいかかるという特殊なところなんだという話でありましたが、そういったところであれば、逆にそういったところを狙い撃ちで、国が面倒見てくれというような形で、私はいったっていいんじゃないかなと思います。
 そういったことで、この改修費について、先ほども質問があって答弁が出ました。八億円かかるというようなことであります。八億円をかけてこのシステムをつくり直してやるわけですけれども、六億円を負担するわけですね。つまり私は十四億円以内におさめれば、もう少しお金−−だからシステム改修費に人員を投入したっていいと思います。もう少し、数億円かけたっていいかもしれない。四月に間に合わせれば、その六億円は払わなくていいというようなことになるわけですから、私はそのシステムの改修については、そもそもこういったシステムそのものがおかしいんじゃないのかと思います。短期間でこれを再構築できるようにしていくべきだと、こういうふうに考えますが、見解をお伺いいたします。

○太田電車部長 平成十九年のICカード、PASMOの導入以来、PASMOシステムの加盟事業者は、現在、鉄道が二十六事業者、バスが七十七事業者となっておりますが、これまでも各事業者間で協議いたしまして、お客様の利便性の向上や各事業者が負担するシステムの経費軽減等の観点から、適切にシステムの改良を行ってまいりました。今後とも、システムの信頼性を十分確保しつつ、必要な改良を行ってまいります。

○西沢委員 そうしたら、もう終わりますけれども、適切にシステムの改良を行っていくというようなことでございましたから、ぜひ今後、また恐らく八%が九%、一〇%となっていく際には、こうしたところを再び議会でも議論になろうかと思います。そうしたときには対応していただいているというような状況で議案が上がっていることを望みたいと思います。
 そして、もう一度、最後に、この経営努力というところに関しては、代表質問そして事務事業質疑の中でも繰り返し質疑を通してまいりましたが、今こうした時期だからこそ、改めて転嫁をするときにも安易な転嫁ではないんだということを、都民に説明を丁寧にしていっていただきたいと思います。そのことを要望して質問を終わらせていただきます。

○田中委員 私からも、消費税増税に伴う都営交通、私は地下鉄の運賃改定についてお伺いをしたいと思います。
 今まで、ほかの委員の方々のご質問それからご答弁ありましたので、重ならないよう、重なるようなところは要望にかえてお聞きしたいと思います。
 まず最初に、消費税増税というのは、最初、一九八九年に三%、九七年に五%と、今まで二回あったわけですけれども、先ほどもほかの委員からのご質問もありましたが、このときもそれに伴う運賃の改定が行われていますけれども、消費税導入のときだけではなくて、その八九年に消費税導入された後の都営地下鉄の運賃改定の経緯を、初めにお伺いをいたします。

○太田電車部長 消費税導入後の都営地下鉄の運賃改定の経緯でございますが、平成元年の消費税導入時には、同年二月に条例提案を行い、三月には可決されましたが、都民生活への影響を考慮し、当分の間、本条例の施行を見送ることとの付帯決議がつきましたことから、平成三年十一月に運賃認可申請を行い、平成四年二月に運賃改定を実施いたしました。
 一方、平成九年の消費税の三%から五%への引き上げ時には、同年二月に条例提案を行い、三月に可決されたことを受けまして、平成九年六月に運賃改定を実施いたしました。
 なお、平成六年二月には、地下鉄事業の財政の現状に鑑み、事業の健全な経営を確保し、その円滑な運営を図るため、本改定の条例提案を行いまして、平成七年三月に運賃改定を実施いたしました。

○田中委員 ありがとうございます。ということは、消費税、八九年に増税してから三回、運賃の改定が行われたということで、最後がこの九七年ですかね、そうすると、十六年間、都営交通、地下鉄は値上げがされていなかったということになると思いますが、今回、また来年の四月からの消費税増税に伴って、今回はまた運賃の改定を行うということを決定されたわけですけれども、その今回決定した理由は何でしょうか。

○太田電車部長 消費税は、消費一般に負担を求める間接税でありますことから、これを適正に転嫁し、利用者が公平に負担することが基本であるものと考えております。
 今回の運賃改定につきましては、交通局も、他の民間事業者と同様に、法令上、消費税の納税義務が課せられておりますことから、国の消費税転嫁に関する方針を踏まえまして、消費税の引き上げ分について、円滑かつ適正に運賃に転嫁するものとしたものでございます。

○田中委員 今回は、普通の切符とそれからICカードということですけれども、都営地下鉄には、ほかにも回数券あります。また、都営まるごときっぷとか、都営地下鉄ワンデーパスといった、いわゆるお得な乗車券というのがありますけれども、こちらの方の今回の扱い、運賃改定はどうなるんでしょうか。

○太田電車部長 都営地下鉄の回数券は、普通運賃の十回分の金額で十一回乗車できる乗車券でありまして、今回の運賃改定により、例えば、現在千七百円の回数券は千八百円となり、二千百円の回数券は二千二百円となります。
 また、都営まるごときっぷは、七百円で都営地下鉄、都営バス、都電などの都営交通を一日何度でも乗りおりできる企画券であり、一方、都営地下鉄ワンデーパスは、五百円で都営地下鉄を一日何度でも乗りおりできる企画券でございますが、今回の改定では、ただいま申し上げた現行運賃を据え置くことといたしました。

○田中委員 今回、切符の運賃とICカードの運賃と二重に変わるんですけれども、切符の運賃よりICカードの方が運賃が安くなるということで、ICカードの利用にお得感がやっぱり出ると思います。
 IC化率が、また高くなると思われますけれども、こういったIC化をした方が、やはりコストが安くなるということは、先日お聞きをいたしましたので、交通局としても、今後IC化率の引き上げを目指すと思われます。
 一方で、今、お聞きいたしました割引率のかなり高い回数券とか、また、お得で人気のある、まるごときっぷやワンデーパス、こういったものは、いわゆる磁気券のままでIC化されていない切符ですね。今回、この回数券というのは、大体どの区間でも一〇%、十枚の値段で十一回分ですから、大体一〇%割引、あとは、ワンデーパスやまるごときっぷは、かなりこれは乗りでがあると思います。
 今回、ICカードと切符の運賃に差がつきます。初乗りのところが一番その差が高くて三・三%の差ですね、ほかは大体一%ぐらいの差になります。このICカードと切符の運賃の差と、それから回数券の割引率の差というのはかなりあるわけですけれども、これからIC化率を向上させていくというところに向かわれるということだと、この割引率の高い回数券とか、お得な乗車券のIC化というのも課題になっていくと思いますけれども、これからのお考えを伺いたいと思います。

○太田電車部長 平成十九年のICカード、PASMOの導入以来、その利用率は年々向上しておりまして、都営地下鉄における平成二十四年度のICカード利用率は約八七%となっており、今後ともIC化は着実に進んでいくものと思われます。
 しかしながら、ご指摘の回数券や企画券をICカード、PASMOへ登載するためには、現在、カード容量の問題や大規模なPASMOシステムの改修、さらには鉄道各社間における営業面の制度設計や生産システムの構築なども必要となりますことから、解決すべき困難な問題も多く、今後の検討課題と考えております。

○田中委員 ありがとうございます。IC化率を高めていくためには、そういったものもいろいろまた、そのIC化率を高めるからこそできるようなこともあるかもしれませんので、ぜひいろいろお考えになっていただきたいと思います。
 今回の改定では、初めて、ICカードの運賃については一円単価化が実施され、引き上げられる消費税率により近い運賃設定をできるというところは非常に評価ができるところだと思います。それによりICカードと切符で同一区間で十円単位と一円単位の異なる運賃設定になるわけです。先ほど来から、ほかの委員のご質問からも、こういった運賃の差がつくということから、丁寧に利用者の方々にぜひ説明をしてほしいと、周知徹底をしてほしいということで、ご答弁もございましたので、ここでは、ちょっと私もそれをお聞きしようと思ったんですけれども、要望とさせていただきます。
 こういった、IC化それから運賃設定が消費税率により近くなるということは評価しますけれども、ただ、やはりその八七%のIC化率ということは、切符をお買いになる方は、余り日ごろ電車にお乗りにならない方々とか、あとはそこの地域に初めて来た方、こういった方がお買いになることが多くなると思います。こういった方々に、本当にその券売機の前で、うろうろしないよう、わかりやすくするよう、ぜひいろいろな方のご説明もお願いしたいと思います。
 また、ICカードの方が運賃が安くなるということを知らなかったという方もいらっしゃると思いますので、ぜひ知らなくて切符を買ったから損したというようなことをおっしゃられないようにしていただきたいと思います。
 まだ来年六月ですから、六カ月ちょっとございますけれども、ぜひ徹底して、駅の表示はもちろんですけれども、駅にいらっしゃる駅員の方々、こういった方々にも、ぜひいろいろ周知徹底の方法とか、そういった研修などもやっていただきたいと思います。
 また、最後になりますけれども、来年四月から消費税が一斉に増税されます。都営交通だけが運賃が値上がりになるのではありませんので、一般の都民、国民の皆さん、非常にいろいろなところで負担感が増すと思います。先ほど、消費税九七年から増税がなくて久しぶりの増税になりますけれども、この九七年の増税以降、日本の税収というのは一回も上がったことがありません。これぐらい消費税増税すると、やはり景気が、また一旦落ち込んだりということが非常に多いです。都営地下鉄、ただでさえ東京メトロよりも料金が高いということがありますので、先ほどほかの委員からもご要望ありましたけれども、値上げを今回、公共交通、都営交通がするということを、ぜひ重く考えていただきたいと思います。
 往復乗ったら、おにぎり一つ買えなくなるという方も本当にいらっしゃると思いますので、そういう方たちがいらっしゃるということを頭に置いて、今、どうして、どのような理由で、今回、消費税をこの運賃に転嫁していくのかということを、ぜひ皆さんに丁寧に、誠意をもって説明をして、その値上げの理解を得られるようにしていただきたいと思います。これは要望に、最後にさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○やながせ委員 私も質問を幾つか用意したんですけれども、ほとんど出てしまいましたので、ちょっと視点を変えたところでいきたいと思います。
 これ国が税率アップを決めたわけですね、ですから、この税率アップ分をしっかり転嫁するという、これは極めて当然のことであります。
 ただ、都営交通であるということで、これは生活インフラでありますから、都民に多大な影響を与える可能性があるという中で、しっかり経営努力をしていかなければいけないということだろうというふうに思います。
 税率がアップしたということと、経営努力をしていくということ、全く別の問題ですからね、ですから、税率アップ分はアップ分でしっかりとこれ転嫁をする。ただし、これは都営交通ですから、経営努力はしっかりやっていきましょうと、徹底した合理化をしていきましょうと。
 私も、この委員会で、民間委託、これを徹底して進めるべきだということを申し上げてきました。このような取り組みが、将来的には、都民の負担の軽減ということにつながってくると思いますので、その点を考えていただきたいというふうに思います。
 そういった意味では、今回のシステム改修、さまざま出ましたけれども、この改修費用が八億円かかるということで、かなりの金額がかかるんですね。それで私が懸念するのは、今回八%に上がるということなんですけれども、それはいいかどうかは別ですよ、別なんですけれども、その次のタイミングで一〇%に引き上げられると、こういったことも想定をされているわけであります。つまり、今回、八億円の改修費用がかかって、また、次の引き上げのときに、こういった改修費用が同じだけかかるというのでは、これは非常に、改修費用だけ転嫁できませんから、これだけのお金がかかってしまうというのは、徹底した合理化には反することになります。
 ですから、このシステムが、一〇%になったときのことを想定してシステムをつくっておくということが大事だろうというふうに思うわけでありますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。

○太田電車部長 今回の運賃改定に伴うシステム改修におきましては、新たに、一円単位の運賃データの作成や運賃計算システムなどの新規開発を行ってまいります。
 今後、消費税が八%から一〇%に引き上げられた場合のシステム改修の内容につきましては、現時点では未定でございますが、次回の改定時には、こうした今回新たに開発したシステム等を活用できるものと考えております。

○やながせ委員 今回の改定で、一円運賃データをつくってあるということで、これは新開発されたデータだということなんですね。ですから、次、もし、さらなる引き上げが、国の方で判断をされてあったとしても、今回ほどのコストはかからずに、しかもスムーズにできるということだというふうに、これは認識をしました。
 それともう一つ問題なのは、やっぱり二重運賃になるということ。これは各委員からも出ましたけれども、同じ区間を乗って違う運賃があるというような、やはりこれはどうしようもないことだと思うのですけれども、問題は問題としてあります。
 そこで、これを解決するためにはどうしたらいいのかといったら、先ほど来出ていますけれども、このIC化率を一〇〇%にするということが、可能でできれば、これは解決をするわけであります。ですから、この普及促進を図っていくということが大事だと思うんです。
 私も、よく大阪に行くことがあるのですけれども、例えば、大阪の地下鉄に乗ろうとしたときに、Suicaを持って、PASMOも持っていますけれども、それは使えるのかどうかといったら、使えないんじゃないかというふうに思うわけであります。これは関東のJRでしか使えないのじゃないか、私鉄でしか使えないんじゃないかということで、多分、多くの方が−−これ全国で使えるんだと、実は全国で使えるんですね、大阪でも使えるらしいのですけれども、といった認識がない方が多いんではないかというふうに思うんですね。
 ですから、こういったIC化率を進めていくという意味では、全国共通のこれはICカードなんだよといったことを、しっかりと普及促進させていただきたいというふうに思うわけですけれども、この点について見解を伺いたいと思います。

○太田電車部長 ICカード乗車券の普及促進のための取り組みでございますが、これまでもPASMO協議会におきましては、さまざまな機会を捉えて、ICカード普及促進のためのキャンペーンやイベント等を開催してまいりましたが、その取り組みに交通局も参加しております。
 また、ただいま委員、お話ありましたように、本年三月には、首都圏だけでなく関西や九州、北海道など、いわゆるPASMOエリア以外のお客様も、それぞれの地域で使われているICカードが利用できるサービスを開始いたしまして、現在、これをPRするポスターを都営地下鉄の各駅に掲出しておりますほか、全国共通の相互利用のシンボルマークを券売機の周辺に張るなど、ICカード乗車券の利便性向上に向けた取り組みの周知を行っているところでございます。
 今後とも、PASMO協議会加盟の各事業者や、全国のICカード事業者と連携しながら、ICカード乗車券の普及促進に向けて取り組んでまいります。

○やながせ委員 これ二重運賃であるということをしっかりと都民の皆様にはお伝えをする必要があります。ですから、これはしっかりと啓発活動をしていただきたいというふうに思います。
 それと同時に、このICカードのキャンペーンをしっかりとやっていただいて、こちらの方がお得なんですよといった誘導策、まだ持っていない方は、デポジット五百円かかるというのが多分、最初なかなか入り込めないところなのではないかなというふうに思います。これ一社だけではどうにもならないと思うんですけれども、各社と協議をしていただいて、デポジットを、じゃこの消費税率が上がる期間はやめようじゃないかというようなキャンペーンを打ったりとか、そういったことを、ぜひ検討をいただきたいということを要望したいと思います。
 またもう一つ、私がちょっと心配しているのは、もう一件だけですけれども、軽減税率の問題ですね。
 これは、消費税をアップしていくということで、今、国の方針が決まっていますけれども、軽減税率の問題、これがこれから盛んに議論されるんではないかというふうに思います。これが、公明党さんなんかが強く主張されておりますけれども、これが通って、都営交通は、公共交通機関は上乗せなしだという判断がされることもあるであろうというふうに思うんです。それが望ましいことだというふうに思います。
 そのときには、しっかりと据え置きができるというふうに思うんですけれども、そういったときの国の様子をしっかりとうかがいながら、このシステム改修には取りかかっていただきたいなと。システム改修八億円払った後に、軽減税率なんだということになってしまっては、これは大変もったいない話ですから、その辺の状況については、ぜひ注視をしていただきたいということを申し上げまして、私の質問は終わります。

○小宮委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小宮委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十三分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る