委員長 | 小宮あんり君 |
副委員長 | 西沢けいた君 |
副委員長 | 田中 朝子君 |
理事 | 吉住 健一君 |
理事 | 高倉 良生君 |
理事 | 畔上三和子君 |
やながせ裕文君 | |
堀 宏道君 | |
鈴木 錦治君 | |
松村 友昭君 | |
鈴木貫太郎君 | |
山田 忠昭君 | |
宇田川聡史君 | |
三宅 茂樹君 |
欠席委員 なし
出席説明員交通局 | 局長 | 新田 洋平君 |
次長 | 塩見 清仁君 | |
総務部長 | 鈴木 尚志君 | |
職員部長 | 小泉 健君 | |
資産運用部長 | 樋口 正勝君 | |
電車部長 | 太田 博君 | |
自動車部長 | 土岐 勝広君 | |
車両電気部長 | 石井 明彦君 | |
建設工務部長 | 遠藤 正宏君 | |
企画担当部長 | 広瀬 健二君 | |
安全管理担当部長 | 岡本 恭広君 | |
バス事業経営改善担当部長 | 根木 義則君 | |
技術調整担当部長 | 奥津 佳之君 | |
技術管理担当部長 | 野崎 誠貴君 | |
水道局 | 局長 | 吉田 永君 |
次長 | 福田 良行君 | |
総務部長 | 松宮 庸介君 | |
職員部長 | 松丸 俊之君 | |
経理部長 | 石井 正明君 | |
サービス推進部長 | 冨田 英昭君 | |
浄水部長 | 佐々木史朗君 | |
給水部長 | 田村 聡志君 | |
建設部長 | 今井 滋君 | |
企画担当部長 | 斉田 典彦君 | |
サービス企画担当部長 | 宇井 利見君 | |
設備担当部長 | 佐久間 勝君 | |
多摩水道改革推進本部 | 本部長 | 大村 雅一君 |
調整部長 | 浅沼 寿一君 | |
施設部長 | 山田 廣君 | |
技術調整担当部長 | 青木 秀幸君 |
本日の会議に付した事件
交通局関係
事務事業について(質疑)
水道局関係
事務事業について(質疑)
○小宮委員長 ただいまから公営企業委員会を開会します。
初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局及び水道局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより交通局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、交通局長に交代がありましたので、挨拶があります。
交通局長に就任されました新田洋平局長をご紹介いたします。
○新田交通局長 平成二十五年十月十六日付で交通局長を拝命いたしました新田洋平でございます。
小宮委員長初め委員の皆様には、平素より当局事業に深いご理解とご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。
交通局を取り巻く事業環境は厳しい状況にございますが、事業運営に当たりましては、東京の都市活動や都民生活を支える公共交通機関として、お客様から信頼され、支持される都営交通を目指し、安全を最優先にサービスの向上と経営改善に取り組んでまいる所存でございます。
委員の皆様方におかれましては、今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
○小宮委員長 挨拶は終わりました。
○小宮委員長 事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求した資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○鈴木総務部長 過日の委員会で要求のありました資料を、お手元の公営企業委員会要求資料として取りまとめましたので、その概要についてご説明申し上げます。
まず、一ページをお開きいただきたいと存じます。廃止・短縮した都営バス路線でございます。
廃止した路線は旧運行区間を、短縮した路線は新旧で比較して、過去五年間分記載してございます。
次に、二ページをお開きいただきたいと存じます。都営バス停留所における上屋・ベンチの設置状況でございます。
当局が管理する総停留所数と上屋、ベンチを設置している停留所数を記載してございます。
次に、三ページをお開きいただきたいと存じます。都営地下鉄におけるエレベーター等の整備状況でございます。
都営地下鉄全百六駅のうち、エレベーターとエスカレーターがそれぞれ設置されている駅数及びエレベーター等によりホームから地上までワンルートが確保されている駅数を記載してございます。
次に、四ページをお開きいただきたいと存じます。都営地下鉄の浸水対策でございます。
浸水対策につきまして、主な取り組みをそれぞれ路線別に記載してございます。
なお、資料の中で、バーで記載しておりますのは、設置を要する箇所がないことをあらわしております。
次に、五ページをお開きいただきたいと存じます。都営地下鉄におけるホームドア設置状況及び転落件数でございます。
ホームドアにつきましては設置路線及び設置率を、転落件数につきましては路線別に過去五年間分を記載してございます。
次に、六ページをお開きいただきたいと存じます。都営地下鉄駅の民間委託状況及び駅別職員配置数でございます。
都営地下鉄各駅の職員配置数を記載してございます。
なお、駅名横の丸印は、業務を委託している駅をあらわしております。
最後に、七ページをお開きいただきたいと存じます。事業別職員数及び人件費割合の推移でございます。
各事業における職員数及び経常費用に占める人件費割合を過去十年間分記載してございます。
以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○小宮委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○堀委員 本日は、バス事業の収支改善への取り組み、関連事業における資産の有効活用、地下鉄のホームドア整備についてお伺いをいたします。
初めに、バス事業についてお尋ねいたします。
去る九月十七日の委員会におきまして配布されました都営交通のあらましを見ると、都営バスの一日の乗客数は、昭和四十七年度に約百三十万人でしたが、地下鉄の営業キロが延びるのに反比例し、年々減少し続け、現在では六十万人を割り込んでおります。
確かにバスは、輸送力や時間の正確さの面では鉄道と比較して不利であるとは思いますが、建設に相応の時間や費用がかかる地下鉄などに比べ、臨機応変に事業展開が図れるなど、機動性の面で多くのメリットがございます。
今、臨海部ではタワーマンションが続々と建設され、環状二号線など新たな道路の整備も進んでおります。また、東京スカイツリーなど新たな観光資源も生まれるだけではなくて、今後は二〇二〇年の東京オリンピック招致が決定したことにより、これから東京には、外国人を含め多くの観光客が訪れることになります。
こうした首都東京の刻々と変化する状況に的確かつ迅速に対応するため、例えば、新たなバス路線を設けたり、運行回数をふやすなど、積極的に事業展開を図っていくことが、これからの都営バスに求められていると思います。
そこで、バス路線の新設や変更、ダイヤの見直しについて、どのような考え方に基づき行っているのかについてお伺いをいたします。
○根木バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、これまでも乗客潮流の変化を的確に捉え、路線やダイヤの見直しを行ってまいりました。
近年、都内では、鉄道等の開業やコミュニティバスなどの新規事業者の参入により、都営バス以外にも公共交通機関が整備されてきている地域がございます。
一方、ただいま委員からお話がございました臨海部のように、オフィスや大規模住宅の開発が進み、都営バスへの需要が高まっている地域もございます。
こうしたことから、都営バスでは、需要の変化にあわせて、人や車両など限りある経営資源を有効に活用することで、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるよう、路線やダイヤの見直しを行っているところでございます。
○堀委員 需要の変化に応じて路線やダイヤの見直しを行っているとのことでありますが、大切なのは、今ある需要のみならず、将来の需要も見越して対応していくことだと思います。開発が進み、人口増加が見込まれる地域や豊洲の新市場など、新たな需要が見込まれる地域には、積極的に新しいバス路線を設けていくことが必要です。
一方、都営バスの経営状況は、東日本大震災の影響を受けて、東京電力の配当収入が見込めなくなるなど、これまで以上に厳しい状況になっていると聞いております。
この間、さまざまな経営努力を重ねてきたこととは存じますが、平成二十四年度決算でも約四億円の赤字を計上しております。この赤字の圧縮を目指し、さらなる経営の効率化を図っていかなくてはならないと思います。
そこで、都営バスでは経営効率化のため、これまでどのような取り組みを行っているのかについてお伺いをいたします。
○根木バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、平成十五年度から、一部の営業所において、運行などの業務を外部へ委託するとともに、平成十九年度からは、バスの運転手など現業系職員の給与水準を一〇%引き下げるなど、人件費の削減に努めてまいりました。
また、平成二十三年度からは車両の使用期間を延長いたしましたが、これは、ふぐあいが生じる前に計画的に機器を交換する、いわゆる予防保全により車両故障の発生が減少してきていることから、これまで十三年としてまいりました車両の使用期間を、さらに三年程度延長することにより、車両購入費の削減を図ることとしたものでございます。
このような取り組みを行っているところでございます。
○堀委員 安全の確保やサービス向上に必要な投資を継続的に行っていくためにも、不断の経営効率化に取り組み、安定的な財政基盤を築いていくことが不可欠であります。
一方、ノンステップバスの導入により、車両のバリアフリー化に対応したほか、更新する車両の全てを最新の排出ガス規制に適合したバスとし、環境負荷低減に努めていくなど、社会的要請にも応えていると聞いております。
加えて、先日の台風二十七号の接近に伴う大島からの避難者輸送、一昨年の東日本大震災における対応など、緊急時にも迅速かつ柔軟に対応するなど、これらの対応は評価されるべきものと思います。
今後も、公営交通としての使命と社会的役割を十分に果たし、利用者にとって、より利用しやすい都営バスとなるよう、事業運営に努めていただきたいと存じます。
次に、関連事業についてお尋ねいたします。
最近は、さまざまな交通事業者が、本業以外の関連事業によって増収を図っております。これらは、交通機関利用者の利便性向上に資するものと思います。
そこでまず、交通局として、関連事業をどのような考え方に基づいて展開しているのかについてお伺いをいたします。
○樋口資産運用部長 交通局におきましては、自動車事業、地下鉄事業などの本来事業の経営基盤の強化に寄与し、質の高いサービスを提供するために、土地、建物など資産の有効活用や、広告事業、構内営業など、多岐にわたる関連事業を展開しております。
関連事業の実施に当たりましては、都営交通のイメージアップを図り、本来事業の経営基盤を強化するとともに、利用されるお客様のニーズに的確に応え、利便性の向上に努めているところでございます。
さらに、東京都全体の施策に沿った地域のまちづくりにも寄与していくなど、利用者や地元の理解をいただきながら事業を推進しております。
○堀委員 各事業において、さまざまな取り組みが行われており、土地、建物などの資産の有効活用は、今までも力を入れて取り組んできた分野であると思います。
しかし、局が所有する土地、建物には、おのずと限りがあります。さらなる活用に向けた取り組みも進めていただきたいと存じます。
先ほどバス事業について質問しましたが、私の地元の巣鴨自動車営業所用地も、取り組みがなされていると聞いております。
そこで、限りある資産の有効活用という視点も含め、自動車営業所用地の活用について、どのように取り組んでいるのかお伺いします。
また、直近の具体的な事例について概要を伺います。
○樋口資産運用部長 自動車営業所用地につきましては、本来事業でございますバス事業に支障を来さないこと、局の経営に資すること、並びに東京都の行政施策や地域のまちづくりとも整合がとれることを基本といたしまして、用地の有効活用を図っております。
活用に当たりましては、定期借地権を設定して、借り受け者を広く募集することや、周囲の土地と一体的に市街地再開発事業を進めて高度利用を図ることなどによりまして、長期的に安定した収入の確保に努めております。
直近の具体的な例で申し上げますと、委員からお話のございました巣鴨自動車営業所敷地がございます。この土地におきましては、老朽化した営業所の建てかえに際して、敷地内の施設を集約し、活用のために、資産価値の高い白山通り側に約一千二百平方メートルのスペースを生み出しました。そこに定期借地権を設定し、地元から要望のございました郵便局を入居させることなどを条件に公募し、現在、契約締結に向けた手続を進めているところでございます。
○堀委員 収入の拡大はもちろん、都の行政施策を地域のまちづくりと整合が図られる形で活用を図ることも、交通局に求められていると思います。
資産の活用については、その収入により経営基盤の強化に資することはもちろん、本来事業との相乗効果も期待できることから、地元貢献も図られる形で取り組んでいただきたいと存じます。
次に、地下鉄のホームドア整備について、お尋ねいたします。
我が党は、これまでも、鉄道駅へのホームドアの整備促進に向け、積極的に取り組んでまいりました。本年四月に整備が完了した大江戸線も、平成十九年第三回定例会における我が党からの代表質問を契機として実現したものでございます。
最近では、JR山手線や東京メトロなどでも、少しずつホームドアの整備が進んでまいりましたが、視覚障害者はもとより、今後、直面する超高齢化社会を踏まえると、そのニーズはますます高まっております。
こうした中で、未整備の新宿線や浅草線についても整備が望まれますが、相互に乗り入れしている規格の異なる車両をホームドアの場所に停止させること、ホームドア開閉に伴う各駅での停車時間延長など、輸送面の影響や技術的な課題があると聞いております。
しかしながら新宿線については、乗り入れしている会社が一社であり、車両規格の違い等を考慮しても、浅草線に比べ、ホームドア整備の実現可能性は高いと思われます。
そこで、新宿線におけるホームドア整備の検討状況についてお伺いをいたします。
○広瀬企画担当部長 新宿線にホームドアを整備するに当たりまして、相互直通運転を実施する京王電鉄株式会社との検討会を平成二十三年一月に設置いたしまして、これまで八回にわたり開催してまいりました。
この検討会におきましては、委員ご指摘の車両により異なるドア位置への対応を初めといたしまして、さまざまな型式の車両へ定位置に停止させるための装置等の搭載、ブレーキ性能の検証を踏まえた定位置停止精度の確保などの技術面や輸送面の課題についての検討とともに、費用負担を含め、京王電鉄と議論を進めてまいりました。
こうしたさまざまな課題の解決に向け、検討を重ねてきた結果、技術面や輸送面での実務的な課題については整理されつつあるものの、ホームドアの整備には、京王電鉄の経営判断に基づく協力が不可欠であることから、今後とも整備に向けた協議を進めてまいります。
○堀委員 新宿線のホームドア整備の課題について、議論に一定の進展が見られたものの、いまだ課題があることがわかりました。しかしながら、平成二十三年一月に京王電鉄と検討会を設置してから、既に二年以上が経過をしております。
我が党は、これまでも、災害に強い安全な東京をつくるために、地下鉄施設の耐震対策や老朽化対策を求めてまいりましたが、都営地下鉄のさらなる安全・安心の確保と、オリンピック・パラリンピック開催都市にふさわしいユニバーサルデザインのまちづくりの観点から、ホームドア整備について、今まで以上にスピードアップして積極的に取り組むことを要望しまして、私の質問を終わります。
○高倉委員 まず最初に、都営地下鉄の視覚障害者への対策についてお伺いしたいと思います。
オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定をしまして、観光客を初め、国内外からさまざまな方が東京を訪れてくると思います。今後、誰もがわかりやすく駅を利用できるように、ユニバーサルデザインの必要性が増してくると思われます。そうした中には、障害を持った方もおりまして、障害者の方への配慮が必要であります。
このような中で、視覚障害者の方から、例えばトイレに関する要望をいただいております。町の中や公共施設において、視覚障害者誘導用ブロックでトイレまで誘導されても、男女の入り口はどちらか、そして、そのトイレの中の配置はどうなっているのかわからないといったような声でございます。
都営地下鉄においても、公共交通施設として、視覚障害をお持ちの方々に対し、さまざまな取り組みを行ってきていると思います。トイレの音声案内装置のほか、チャイムや触知案内板、手で触って、そしてわかる、こういう案内板、案内図です。この設置を進めているということについては、私も承知をしているところであります。
こうした課題につきましては、本会議の一般質問でも取り上げてまいりましたし、平成二十一年度の公営企業会計決算特別委員会の分科会でも、この設置状況を伺ったところでございます。
その進捗の確認のためにお伺いをさせていただきますけれども、都営地下鉄駅における平成二十四年度末時点での音声案内、誘導チャイム、また、触知案内図の設置状況についてお聞かせ願いたいと思います。
○太田電車部長 視覚障害をお持ちのお客様にとって、音声などでの案内は駅を安心してご利用いただくために重要であり、このため都営地下鉄では、国のバリアフリー整備ガイドライン等を踏まえながら、順次整備しているところでございます。
平成二十四年度末の整備状況でございますが、交通局が管理する全てのエレベーター二百一カ所に音声案内装置を設置しております。同じく、エスカレーターにつきましては、改修時等に音声案内を設置しておりますが、前回答弁させていただきました平成二十一年度末に比べ、六十五カ所増の三十七駅、百十八カ所に、トイレには、八カ所増の十九駅、二十三カ所に設置しております。
また、視覚障害をお持ちのお客様からご要望の多いホーム上の階段の誘導チャイムにつきましては、百七十八カ所増の六十七駅、百九十七カ所、改札口には、七カ所増の百七十一カ所で、全ての駅に設置しております。
さらに、触知案内図、これは駅構内の切符売り場やトイレなどの位置を点字等で案内するものでございますが、十五カ所増の五十一駅、六十一カ所に設置しております。
○高倉委員 以前お伺いをしたときよりも大変に進んでおりまして、これまでの取り組みについては高く評価を申し上げたいと思います。障害者の方々にとりましても、安心して都営交通をご利用いただけるようになっているんではないかというふうに思います。
これからも、ぜひ積極的な取り組みを求めたいと思っておりますけれども、この視覚障害者に対するこれらの音声などでの案内につきまして、さらに今後の取り組みにつきましてご見解をお伺いしたいと思います。
○太田電車部長 音声案内等の今後の取り組みでございますが、経営計画二〇一三に示しておりますとおり、誘導チャイムをホーム上の階段等を中心に駅構内に、今年度から平成二十七年度末までの三カ年で、三十カ所に設置してまいります。
また触知案内図につきましては、同じく三カ年で、百十四カ所に設置する予定でありまして、今年度は四十四カ所に設置してまいります。
さらに、エスカレーターやトイレなどの音声案内装置につきましては、今後の改修時や視覚障害をお持ちのお客様からの要望等も踏まえながら、順次整備してまいります。
引き続き、どなたにも安心して駅をご利用いただけるよう、音声などによる案内設備を適切に整備してまいります。
○高倉委員 今ご答弁で、誘導チャイム、また触知案内図については、計画事業として進めていくということであります。着実に進めていっていただきたいと思います。
また、トイレなどの音声案内装置につきましては、障害者団体等の要望等をよくお聞きをしながら設置をしていくというお話でありましたけれども、ぜひ具体的な設置の、何というんでしょうか、数値的な目標も定めながら、ぜひ推進をしていただきたいと、このように考えております。
次に、都営バスへのWi-Fiの機器設置の進捗状況についてお伺いをいたします。
このWi-Fiといいますのは、わかりやすくいいますと、インターネットに接続をして、高速の無線データ通信を可能にする機器ということでありまして、どこでも、誰でも、こうしたネット環境の利便性を享受できるように、ぜひあらゆるところで、こうした機器の配置展開を進めていくべきであるというふうに思います。
二〇二〇年に東京オリンピックの招致が決まりまして、今後、観光やビジネスで東京を訪れる外国人の数が飛躍的にふえていくということが予想されるわけであります。
一方、私どもが外国の都市を訪れたときには、交通機関あるいは宿泊施設、また観光地といった情報を入手したくなるわけでありますけれども、そうしたときに最も頼りになるのが、現在はインターネットの情報ではないかと思います。
インターネットに接続できる機器は、ノートパソコンやタブレット端末、あるいはスマートフォンのように日々小型化をしてきておりまして、多くの外国人旅行者も持ち歩いているということであると思います。
あとは、この接続環境さえ整っていれば、いつでもインターネットが利用できまして、母国にいるときと同じように、メールのチェック、あるいはネットサーフィンができるわけであります。諸外国においては、こうした接続環境をホテルや飲食店、空港などにおいて、無料で提供している例も少なくないようであります。
一方、日本におきましては、平成二十三年に観光庁が行った外国人旅行者に対するアンケート調査におきまして、旅行中、困ったこととして、無料Wi-Fi環境に関することが第一位として上がっているわけであります。日本では、この点がまだまだ行き届いていないようであります。
こうした点に着目しまして、私ども都議会公明党では、本年の第一回定例都議会の加藤議員の一般質問、さらには、本年三月の本委員会での上野議員の質疑の中で、都営バスにおける無料Wi-Fi環境の整備を提案いたしまして、便利で使いやすいものを早期に導入するよう要望したところであります。
交通局では、既に事業者の選定を行うなどの準備を進められているというふうに伺っておりますけれども、この都営バスに導入をされるWi-Fi環境はどのようなものになるのか、具体的にご答弁をいただきたいと思います。
○土岐自動車部長 都営バスでは、本年七月にWi-Fi機器を設置する通信事業者を公募し、提案を審査の上、八月に事業者を決定いたしました。
現在準備を進めておりますWi-Fiの利用方法につきましては、バスの車内でスマートフォンなどにより、都営バスの無料Wi-Fiを選択すると、登録画面が立ち上がりまして、お客様のメールアドレスを登録していただくだけで、どなたでも無料で利用できるものとしております。
この登録画面は、外国人旅行者などの利便性を考慮いたしまして、日本語のほか、英語、中国語、ハングルでの案内を行う予定でございます。
また、一回当たりの接続時間は百八十分とし、一日に何度でも接続でき、実質的に時間の制限なく無料で利用できるものを考えております。
○高倉委員 今、具体的な答弁がありました。接続時間についても、一回当たり百八十分ということですから、バスに乗っている時間としては十分な時間ではないかなと思います。
ぜひ、いろいろな外国の方も含めてご利用されると思いますので、できるだけ簡素に、使いやすい形にしていただくようにお願いしたいと思います。
こうした都営バスが提供する無料Wi-Fiは、外国人の方々も含め、事実上、時間の制限なく利用ができるということでありまして、ぜひ一刻も早く全車両への設置を実現すべきと思います。
そこで、お伺いしますけれども、都営バスにおけるWi-Fi機器設置の進捗状況、それから、今後の予定、これはどのようになっているのかお伺いをしたいと思います。
○土岐自動車部長 Wi-Fi機器設置の進捗状況につきましては、本年十月から、バス車内に機器を試験的に搭載し、大勢の方が同時にWi-Fiに接続をしても問題がないかを実際に確かめるなど、さまざまな検証を行ってきております。
その結果、大きな問題がないことが確認できており、今後、機器搭載スケジュールの調整を進めまして、まずは、渋谷から六本木を経由し、新橋を結ぶ都01系統など、お客様の多い路線から順次導入を図り、早期に都営バス全車両への設置を行いたいと考えております。
○高倉委員 早くも実際の機械を使っての検証段階ということで、都営バスへの無料Wi-Fi環境の整備が着実に進められているということで、本当に積極的な取り組みについて、高く評価を申し上げたいと思います。
町なかでインターネットに接続できる環境は、海外からのお客様へのサービスとしてだけではなくて、日ごろ東京で活躍するビジネスマンの仕事環境や、災害時の情報収集といった観点からも、その整備は極めて重要であると思います。
都営バスの無料Wi-Fiは、海外からの旅行者も含めまして、その利用が広がるよう、今後とも、ぜひ積極的にPRをしていただきまして、できる限り早期に、このサービスが実現をされるように改めてお願いをいたしまして質問を終わりたいと思います。
○松村委員 資料の提出、ありがとうございました。
まず、都バスのみならずバスは、高齢者や障害者にとって、最も身近で利用しやすい交通機関であります。その役割は、ますます高まっており、都バスに対する都民の期待も大きいと思います。
そこで改めて、都バスの役割、それから今、民営化の流れが強まる中で、交通局は、バス事業の民営化の影響、問題点についてどのような認識でいますか、考えていますか。
○土岐自動車部長 都営バスの役割についてのお尋ねでございますが、交通局は、地方公営企業法に基づき交通事業を経営しており、企業としての経済性を発揮するとともに、公共の福祉を増進することを経営の基本原則としております。
このため、都営バスには乗客潮流の変化を的確に捉えて、公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるよう、常に路線やダイヤの見直しを行いながら、都民の足としての役割を果たしつつ、行政施策との連携や環境への配慮などを通じまして、ただいま先生の方から民営ということがございましたが、公営交通として東京の発展に貢献することが求められているというふうに考えております。
○松村委員 公営のバスの役割として、やはりいろいろ採算性、経営性は当然考えなければいけませんけれども、民営事業者では運行が難しい路線であっても、公営としての地域に必要な路線は、現に維持しているというふうに思います。また、ノンステップバス化やハイブリッドなど、いち早く導入して、先導するというか、そういう役割もこれまで果たしてきたと思いますし、ますますそういう役割が重要だというふうに思います。
一方、民営化による影響、問題点として考えられるのは、やはり企業ですから、どうしても採算性を重視したことになっている、路線の改廃が行われる可能性も高いというふうに私も判断しますけれども、そういう点においての認識をもう一度お聞きしたいと思います。
○土岐自動車部長 路線の改廃というご質問でございましたが、先ほどご答弁申し上げましたとおり、都営バスでは、公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性を高めるようバスの事業運営を行ってございます。
先ほど、効率性ということで都営バスでは、黒字の路線で赤字系統を補填するということで、内部補助ということで取り組んでございます。
こうした赤字路線については、今申しました基本原則に資する路線について、赤字であっても維持をするということで取り組んでございますが、代替交通が確保された路線などにつきましては、人や車両など限りある経営資源を有効に活用するということで、路線の見直しを行うこととしてございます。
○松村委員 採算性が低くても、民営事業者ではなかなか難しいそういう路線も、公営としてのやはり役割を担っていくと、そういうご答弁の趣旨もあったと思います。
そこで、私、それと逆行するような事態といいますか、そういうのを−−この資料には廃止・短縮した都営バス路線(過去五年間)で二十四年度までですけども、私の住む練馬を通る都バス新江62系統というのがあります。これは、練馬区の大泉学園駅からJR新宿駅までの路線として、長年地域の公共交通として重要な役割を果たしてきました。その後、大江戸線の開通で一部短縮されたものの、引き続き地域住民の足として利用されてきたものです。ところが、ことしの四月一日から、一日それまで十八往復が四往復に大幅に間引きされました。そして、十月一日、路線は廃止してしまいました。
廃止した判断とその経緯、その理由についてお伺いいたします。
○根木バス事業経営改善担当部長 ただいまお話がございました新江62系統につきましては、大泉学園駅から練馬駅を経由し、新江古田駅まで運行している路線でありますが、この路線は西武池袋線と並行していることなどによりまして、従前から利用者が非常に少なく、赤字を抱えていた。こういうこともございまして、平成二十五年四月から減便をいたしました。
さらに、同日から西武バスが同じ区間を運行し、代替交通が確保されたことから、九月末をもって廃止したところでございます。
○松村委員 理解できない点を少しお聞きいたしますけれども、このバスは、一九五九年、昭和三十四年ごろからの路線で、約五十五年間続いて、区民の地域の足の便として供されてきたものです。
今、西武線と並行していて、乗客数が減っているというんですけれども、当時から、五十五年前からこの西武線と並行している路線でありますし、また今、高齢化やさまざまな地域の課題から、逆に、利用者がふえて当然というか、そういう利用が、ますますやはり高まってくるような状況の中で、一つは経営努力もあると思います。また、いろいろな点での問題もあると思いますけれども、そういう営業努力が行われたのかということ。
それから、それにかわる代替バスが、西武バスがあるといっても、確かに今まで西武バスが、この新江62とどういうふうな形で並走していたかというと、例えば短縮されて新江古田から大泉学園まで、これ通して走っているのは、もちろんこの都バスなんです。それから、西武とか国際興業バスも走っておりますけれども、それはつながってないんです。
例えば、西武バスは、練馬駅から南田中車庫前、それからさらに、練馬駅から成増駅とか、または、石神井公園駅から循環のバスを走らせている。国際興業バスも、石神井から成増、練馬北車庫ということで−−この区間には、例えば、国の社会保険事務所、高齢者が年金などの相談で行きたいという場合、練馬からここに行くまでには、バスを乗りかえなければいけない。この社会保険事務所は、石神井公園からも大変距離が離れたところなんです。
またこの間には、練馬の総合体育館があります。ここにも乗りかえなければ行けない地域の方々が出る。それから、もちろん練馬区役所がありまして、練馬の障害者センターだとか、さまざまな公共施設、地域住民が利用するそういう施設があるわけなんです。それらの利用で、長年利用してきたものが、ことしの四月の一日、十八便が四便に減らされて、そして、九月末で廃止してしまったと。
西武は、今度新たに、今いったみたいに行き先を、この新江古田から大泉学園まで乗り入れたということなんですが、都バスが廃止と同時に、西武が同じ路線をやると。私、先ほど民営バスのさまざまな、やっぱり企業ですから採算を重視すると思うんです。なぜ、民営バスがその路線を新たに参入というか、つくり、逆に公営交通でその路線を維持しなければならない都バスが撤退というか、廃止するんだと。どう都民の立場から見てもわからないというか、そういうことを私の方に多くの意見が寄せられております。
その点についてはどうなんでしょうか。どういうふうに都民にお答えするのかお聞きします。
○根木バス事業経営改善担当部長 この路線は、もともと大泉学園から新宿駅西口まで運行しておりましたが、大江戸線開業前から既に利用者の少ない路線でございました。
さらに、平成九年十二月に、大江戸線が新宿駅まで開業した際には、路線を効率化するという意味から、大江戸線と重複していました新宿駅から新江古田駅までの区間を短縮いたしましたが、乗客数の低迷が続き、大きな赤字を抱えていたため、先ほど申し上げましたように、この四月一日に、まず大幅に減便したところでございます。
さらに、四月一日から、全く同じ区間を西武バスが運行したということで廃止したところでございます。
なお、西武バスが、この区間、全く同じ区間を新たに運行したことに関しましては、私どもとしては、それは西武バスの経営判断ということで対応したというふうに考えているところでございます。
○松村委員 民間バスの経営判断で参入というか、そういう路線を新規に開通したと。だから代替施設が、バスが、あるからだということなんですけども、民営企業ですから、大変激しい競争ですから、都バスですらやっていけなかった路線を、いつまた採算上、廃止するかもわからない。将来とも、そういう地域住民の足が確保されるかという保障はあるのかという大変心配の声も上がっております。
そういう暁には、やはり公共交通のバス、都バスの役割として、それを復活するというようなことが約束できるのかどうか。地域においては、代替の足の確保がなければ−−都バスの役割としてはあるんだということですから、そこは、ちょっと要望というか、よくその点を踏まえていただきたいというふうに思います。
それから、今、練馬は、私、地元のことをいって恐縮なんですけれども、公共交通機関が本当に−−東武東上線、それから大江戸線が今度入りました。だから、一日も早い延伸をと。それについても、東京都は約束しているわけです、大江戸線を、光が丘から交通不便がない大泉学園町、さらに延伸ということを。それすら、いつ見通しが立つかわからない。そして、西武池袋線、西武新宿線、その間を結ぶバスもありますけれども、本当にバスに頼らざるを得ない。今は、ですから、コミュニティバスということを練馬区も含めて力を入れております。
そういう中での貴重なバスの幹線というか、その動脈が本当になくなったという。私も、地元で恐縮ですが、そこのすぐ近くに住んでいて、長年、そのバス−−私も荷物が重たいときには新宿西口に行って、自宅の前のバス停まで行けたという、そういう思いが強いからこそ、やはり区民のその声を代弁して、私は、皆さん方にお届けしたいというふうに思うんです。だから、大幅な間引きをやるとか、それから廃止してしまうというときには、十分、区民、これまでの利用者に−−五十五年間も続いてきたバス路線なんですよ、やっぱり聞いてほしかったし、どういう手続、周知期間が行われてきたかということを伺いたいと思います。
○根木バス事業経営改善担当部長 今回の新江62系統の見直しに当たりましては、地元の練馬区に対しまして、昨年の十二月に情報提供を行いました。
お客様に対しましては、地元の練馬区にも事前にお伝えした上で、本年四月の減便の際、及び十月の廃止の際とも、二週間前までに、その内容を交通局のホームページに掲載するとともに、順次、停留所等に掲示いたしました。
○松村委員 これは区議会の決算委員会でも取り上げられておりましたし、その区とのやりとりも聞きましたけれども、大幅に四月から減便、縮小するということは、たしか去年の十一月ごろ、区と、それから都と西武バス事業者も交えての、そういう協議があったということはわかりました。
しかし、私も含めて都民が大幅に十八から四便に減らされると知ったのは、そのバス停の掲示もされなかったこともありますし、バスの運行表が変わっていたということによって知ったというのがほとんどの利用者です。
それから、九月末で廃止しましたけども、ホームページにアップしたというのは九月十三日、それから、その一日前に、区には、廃止するという通知というか、報告があったということでした。
それから、掲示がされたのも直近になってからだということで、全く、失礼ですけれども、乱暴というか、皆さん方にとっては経常赤字だったからということかもしれませんけども、そういうことで大事なバスを廃止していいものか。
ですから、当然そこに、どこか必要があるときにバス停に行ってみたら、行けないというか、そのバスがなくなっていたというような方々の訴えというか声もありました。本当に、やはり区民の理解とか、周知というのがないということを指摘せざるを得ないと思うんですよ。
それから、もう一つ大きなのは料金なんです。今まで都バスに乗れば二百円、民間は二百十円ですけれども、二百円。それから、もっと大変なのは障害者。障害者は今まで、都の福祉パスなどによって無料だったものが、今度、民営バスの西武も半額になりますけれども、百十円、往復で二百二十円負担がかかるようになり、そして、やはり障害者に付き添いの方々がいれば、その方も−−今まで親とか付添人は半額だったのが、やはり同じく二百十円。ですから、年間数万円の負担と、付き添いやそういう家族を合わせれば本当に十万円単位の新たな出費が出るということで、何とかしてほしいという声があるんですけれども、これについてはどうですか。
バスの代替機関が、民間バスで賄えるからというのが大きな廃止理由ですけれども、その都バスがここを廃止することによって、最も必要としていた方々の大きな経済的負担を強いる結果となったんですけども、それについては、どのような検討が行われていたのでしょうか。また今後、その問題についての改善の方向があるのでしょうか。
○根木バス事業経営改善担当部長 新江62系統につきましては、先ほど来ご答弁をさせていただきました経営資源をより有効に活用するという、都営バス事業全体の見直しの中で、新江62系統の利用状況ですとか、収支状況、また代替交通の状況を踏まえますと、都営バスとして、これ以上維持することは困難と考え、廃止したものでございます。
○松村委員 都民全体の利便性で、その地域は効率が悪いから、赤字だから廃止して、その人員とかをほかへといって、例えば渋谷で今度、終夜バスを運転するというようなことも今計画されておりますけれども、東京都全体のバス事業を、それを発展させることは必要だと思います。先ほども質問がありました、もっと人口がふえて、足の便がないところに、やはり、より新路線をやるということも非常に重要だというふうに思うんです。
でも、地域住民にとっては、ほかにそういうサービスが、交通局、都バス全体としては維持する、維持というか広げるんだからいいということは、これちょっと本当に理解を得られない論理というか、考え方だというふうに思います。
そういう点では、練馬は交通不便地域が幾つもあるんです。必死になって、名前はみどりバスとかさまざま呼ばれておりますけれども、いわゆるコミュニティバスです、やはり積極的にそれの導入をしたいと。今は西武とかほかにやっていますけれども、ぜひ都バスとしても、やっぱり協力といいますか、行っていただきたい。
練馬にも、先ほどもありましたけれども、やっぱり立派なバスの車庫というか、中継基地があるんです。そういうところの活用というものも大事だし、そうでなれば、また一方的に、いわゆる幹線廃止したら、一体あのバス車庫を何に運用するんだろうということも思わざるを得ません。ぜひこれは、練馬区ともやはり協議というか、協力しなきゃならない問題と思いますけども、そういうコミュニティバスに、都バスとしても、貴重な資源を投入する協力なども含めた検討を行っていただきたいということを要望して終わります。
○西沢委員 私からは、都営地下鉄への、まず、ホームドアの整備についてお伺いいたします。先ほども、ちょっと質疑がありましたけれども、違う角度から質疑をしていきたいと思います。
このホームドアの整備についてですけれども、私も大江戸線を使います。ホームドアというのが大江戸線にも設置が完了したということで、都営地下鉄は四線のうち二線、六一%の駅にホームドアが整備をされたということであります。安心感が、やはり格段に増したと感じるわけであります。
残る浅草線と新宿線は、他社との相互直通運転をしている点が課題だと、きょうも話がございましたが、三田線や南北線でも、相互直通運転をしていてもホームドアがあるところがございます。
首都圏には、相互直通運転をしていてホームドアを設置している路線というものがございますが、浅草線や新宿線と、どう違うのかをお伺いをいたします。
そして、この間、浅草線や新宿線でも、相互直通運転を行っている会社との検討会を行っているようだということでございます。この話ありました、先ほども。この開催実績と検討状況というものをお伺いいたします。
○広瀬企画担当部長 ホームドアの整備に当たりましては、ホームドア本体の設置だけでなく、路線を運行する全ての車両に定位置に停止させるための装置や、車両とホームドアの扉を連動させる装置を搭載させるとともに、トンネル内や駅構内の信号設備改修などの対策に多額の投資が必要となります。首都圏で相互直通運転を実施し、全線にわたりホームドアが設置されている路線は、都営三田線や東京メトロ副都心線などがございますけれども、いずれも相互直通運転の開始に向けた大規模工事にあわせて、ホームドア整備を行ってきました。
これと異なりまして、新宿線や浅草線は、既に相互直通運転を実施していることから、ホームドアの整備に当たりましては、交通局の車両のみならず、乗り入れ各社の車両にも、新たに装置を搭載する必要があると考えております。こうしたことから、乗り入れ各社の理解と協力を得るため、新宿線については、これまで京王電鉄と八回にわたり、また、浅草線については、京成電鉄や京浜急行電鉄と四回にわたり、検討会等を開催しているところでございます。
なお、一部の駅にホームドアを設置している京王線や小田急線などでは、車両への装置の搭載などを実施していないため、運転士がホームドアの開閉位置に正確に車両を停止させ、車掌が車両のドアとホームドア、双方の安全を確認しながら開閉操作を行うことから、時間がかかり、輸送力が低下するなど、当局への導入に当たりましては、現時点では課題があると考えているところでございます。
○西沢委員 できないことが、課題がたくさんあるという答弁でした。多額の投資もかかるし、相互直通運転しているところにもあるじゃないかという話については、相互直通運転を始めるに当たって、そのときに大規模工事をやったので、今、途中からやる話ではないのでできているんだと。途中からやるには、今お話があったように、検討会をやって、これからやっていけるような話し合いはしているけれども、現時点では、まだまだ課題があると、こうした話でございました。それは、前からわかっていたことです。お金がかかることも、相互乗り入れが、ほかの会社とか、ほかの鉄道があるから難しいというのは、これも前からわかっていた話であります。
これは(資料を示す)平成十八年十二月の「十年後の東京」です。もう裏に、オリンピックを東京に二〇一六年ということが書いてあるように、二〇〇六年の十二月に策定されたものです。つまり、そのときの「十年後の東京」ですので、二〇一六年に東京をこうしようというようなものでございますね。
この九九ページの中には、ホームドアまたはホーム柵、転落検知マット等を都内全ての駅に設置し、ホームからの転落による事故を防止するというように書いています。つまり、都内全ての駅に設置しと書いてあるんです。「十年後の東京」、二〇一六年ですから、あと三年。あと三年で、これだけの課題があるというと、これ絶対できないことです。これ都市整備さんが多分書いたんでしょうけれども、都営の駅だけで見ても、これだけの課題があって、三年後にできるのは、これは難しいと。それは、はっきりとはいえないのかもしれませんが、今の答弁を聞いていても、これだけ検討会をやっていて、六一%の設置で、この三年後に全ての駅に設置できるというのは、なかなか難しいんじゃないかと感じます。これ絶対無理だというように思うわけであります。
この中には、転落検知マットなどという言葉もありますけれども、その整備状況など含めてお伺いいたします。
○広瀬企画担当部長 交通局では、三田線、大江戸線につきましては、既にホームドアを全駅に整備しているところでございます。
また、浅草線及び新宿線につきましては、国が平成二十三年八月に新たに示した基準に従いまして、全ての駅において、内方線を付加した点状ブロック、これを設置済みにしております。
こういう形で、「十年後の東京」で目指しましたホームからの転落による事故の防止対策は、完了しております。
さらに、利用者数が十万人以上の駅につきましては、国の基準では、平成二十八年までに内方線つきJIS規格対応の点状ブロックの設置が求められているところでございますけれども、こちらにつきましても、今年度から改修を行いまして、平成二十六年度末までに完了する予定でございます。
○西沢委員 防止対策、これ完了という答弁でした。つまり三年で私はできないといいましたけれども、もう完了していると、前倒しで完了しちゃったということぐらいの話です。つまり今の答弁は、点字ブロックをやったから防止対策は完了しましたという、これ恐るべき、私、答弁だと思うんですよ。
それ前もいいましたけれども、点字ブロックというのは国の基準で定めて、新たに二十六年度末までに完了を予定するJIS基準というのは、こういうものですね。(資料を示す)いただいたものです。こういう点字ブロックのところに線がぴょこっと入っているものですけれども、もちろん、これやった方が間違いはありません。やらないよりは、当然、これはこういうことで対策をしていくというのは、重要なことだと思いますが、やっぱり安心なのは、ホームドア、ホーム柵があった方が、もちろん大切だと思います。だから、完了しましたということではなくて、まだまだ不十分だけれども、やっていかなければいけないというような、私は、形にしていただけないかというように思います。
特に今のお話で、この「十年後の東京」にあったものは途中で変わっているわけですよね。「十年後の東京」のときには、ホームドア、ホーム柵、それから転落検知マットで、全ての駅、これ都営に限らず全ての駅に完了すると、三年以内にというようなことですから、これは違う形だけれども、防止対策完了したというのは、余りにもひどいんじゃないのかというように思います。これは、継続して求めていきたい、要望していきたいというように思います。
そして、何よりも心配なのは転落であります。このホームからの転落件数がどれくらいあるのかというのは、きょう、配布資料の中でも示されているところでございますが、転落件数の多い駅というものがどこなのかということと、それから転落防止のため、そういった駅では、どのようなソフト面での取り組みを行っているのかをお伺いいたします。
○太田電車部長 ホームからの転落件数でございますが、昨年度は、地下鉄四線合計で六十九件であり、このうち、五十二件の約七五%が酔客でございました。件数が多かった駅は、浅草線の新橋駅が五件、浅草線の泉岳寺駅と新宿線の岩本町駅が四件、ほかに三件の駅が十駅でございました。
次に、駅における転落防止の取り組みでございますが、ラッシュ時のホーム監視や構内放送、掲示物等により注意を喚起するとともに、事故やトラブルの多い夜間等には、主要駅にガードマンを配置して警戒に当たっております。
また、特に酔客が多くなる年末年始には、鉄道各社とともに、プラットホーム事故ゼロ運動に取り組んでおりまして、ホームの巡回強化や啓発ポスターの掲出など、転落事故の防止に努めているところでございます。
○西沢委員 転落防止に、いろいろとガードマンの設置なども含めて、ご対応されているということでありまして、引き続きしていただきたいというように思います。
当然、ハード面でホームのドアが設置されれば、三田線に関しては二十年度から二十四年度までゼロ件ですから、当然この効果がもろに発揮されているというのは、もう一目瞭然でありますから、やはりホームドアの設置というのは、もちろん一番です。ただ課題も多いと。目標は定めましたけれども、それには到達できない課題も多いという中では、こうしたソフトの取り組みというものは、当然、重要だと思います。
特に、今お話がありましたが、新橋の駅などは五件であったり、それから、やはりターミナル駅であったりとか、そういったところに関しては、転落事故が多くある傾向があるといえます。この転落場所別の一覧というのは、私は、これを集計していって、公開をしていくことによって対策が練れるのではないかと思います。
意外に多そうな駅になかったり、新宿の西口駅などはゼロ件ですし、そうはいっても、例えば終点の光が丘駅は三件起きているというような話も聞きました。やはり駅ごとに、こうした情報を出していくことによって、転落防止というものを進めていくことができるのではないかと思いますので、こうしたことを、情報を集めていく、分析していくこと、そして、公開していくことも要望をしていきたいと思います。
さらに、オリンピック・パラリンピックがやってくるという中と、あと障害者基本法の制定なども相まって、バリアフリー化を進めていくことも、車椅子のスロープであったりとか、そうしたことも整備していくことをあわせて要望をさせていただきたいというように思います。
次に、みずほ銀行についてですけれども、昨日も、決算特別委員会で会計管理局にいろいろ聞きました。会計管理局は、指定金融機関ということで、きのうの質疑の中では、指定金融、みずほ銀行の一連の不祥事の問題を受けても、なお、みずほ銀行一行独占体制をやるんだというような、こうした話があったところであります。
そうした中で、公営企業法に定める、指定金融機関ではなくて出納取扱金融機関ということでございますが、改めてこの問題、大きく報道、今でもされているわけであります。きのうも国会の方で議論となりましたが、交通局も、みずほ銀行を出納取扱金融機関としているということでございます。
これまでの一連の対応に対して、局は、どのような対応をしてきたのかお伺いいたします。
○樋口資産運用部長 交通局では、みずほ銀行が金融庁から業務改善命令を受けたことにつきまして、九月三十日に説明を受け、その際、遺憾の意を表明いたしました。
その後、みずほ銀行に対して、反社会的勢力との多数の取引を二年以上にわたって放置したことなどに対して、信頼回復に努めるよう口頭で申し入れを行ったところでございます。
さらに、当局の出納取扱金融機関として、その公共的な立場や責任を十分自覚し、一刻も早く事実関係の全貌を明らかにし、必要な措置をとるとともに、あらゆる手を尽くして信頼回復に努めるよう、十月十一日に、改めて文書による申し入れを行いました。
その後、みずほ銀行から金融庁に提出した業務改善計画の内容につきまして説明を受け、今後とも定期的に進捗状況を報告するよう求めたところでございます。
○西沢委員 申し入れなどを行って、信頼回復に努めてくれというようなことをしてきたということでございます。このみずほの問題に関しては、これから検査であったり、あるいは警視庁が捜査をするという報道もございます。そうしたものを見守る必要はあると思うんですが、やはりどんなに不祥事を起こしても使い続けるというようなことでは当然ないと思うんです。
今の答弁を踏まえた上で、今回、出納取扱金融機関であるみずほ銀行の問題で、みずほ銀行に対して何かペナルティーのようなものを科すのかどうか。そうでなければ、どんなに問題を起こしても使い続けますよというようなことを示してしまうことになると思うんですが、こうしたことを考えているのかどうかお伺いいたします。
○樋口資産運用部長 みずほ銀行は、去る十月二十八日、金融庁に対して業務改善計画を提出いたしました。交通局といたしましては、みずほ銀行から業務改善計画の進捗状況を逐次報告させるとともに、金融庁によります再検査の動向を注視し、情報収集を行うなど、適切に対処してまいります。
○西沢委員 要するに、もう現時点では何もできないと、何もしないということなんだと思いますが、やはり暴力団を排除するというのは、これ東京都も条例を定めて、みずから利していく、そして、それを事業者にも求めていくわけであります。この事業者に対して、当然そういった暴力団を利するようなことをしている事業者である、金融機関であるということがわかれば、当然おつき合いは改めなければいけないというように思いますから、そうしたことがわかった時点で、改めて対応を考えていただきたいというようにも思います。
そもそも、この暴力団排除条例というものが、みずほ銀行、出納取扱金融機関との契約に遵守規定というものがあるのかどうかお伺いいたします。
○樋口資産運用部長 みずほ銀行との出納取扱金融機関の契約におきましては、委員ご指摘の規定は明記されてございません。
○西沢委員 明記されていないといいましたね、されていない。遵守規定というものはないということですね。つまり契約の時点で、暴力団排除条例を遵守してくださいという契約は、みずほ銀行とはないということですか。
○樋口資産運用部長 みずほ銀行との出納取扱金融機関としての契約上はございませんが、東京都交通局契約関係暴力団等対策措置要綱というものを定めまして、暴力団等を排除するための売買、賃貸、請負、その他、全ての契約につきましては、暴力団等反社会的行為者を排除する措置を講じることにより、適正な契約事務の執行に努めているところでございます。
○西沢委員 契約自体は、その遵守規定はないけれども、交通局の要綱を定めて、そこには措置を講じていて、適正な契約の事務執行に努めているというようなことでありました。ということは、この暴力団排除条例に基づいて契約をしているわけではないということですよね。
これ以上、聞きませんけれども、そうしたものを会計管理局の方では、法令遵守ということで、毎年の契約をする中で、更新をしていく中で、それが法令という文言の中で定められていて、それが暴排条例も入っているというようなことでありました。そうすることによって、いざ暴排条例違反であるとか、もしくは金融庁などの検査がなったときに、それをもとにして、契約解除できるという形になれるわけです。そうではなければ、みずほ銀行側から訴えられる可能性だってあります。暴力団排除という概念からしてみても、私は、契約についても、これ要綱で定めるだけではなくてやっていくべきだと思いますが、聞きませんけれども、次の質問に行きますけれども、ということに要望させていただいておきます。
そして、この出納取扱金融機関というものの変更であったりとか、複数の金融機関による輪番制の採用についてお伺いいたします。
これは指定金融機関の方ですけれども、大阪の方では、四行を回すような形で、輪番制という形で指定金融機関をしています。同じような形で、リスク管理の意味からにおいても、出納取扱金融機関というものを、そうした輪番制であったりとか、ということを考えることもあるかと思いますが、いかがでしょうか。
○樋口資産運用部長 交通局におきましては、地方公営企業法が適用されて以来、一貫して、みずほ銀行を出納取扱金融機関に指定しておりまして、同行は、当局の出納取扱金融機関として、長い間、さまざまなノウハウ等を蓄積しているところでございます。
一方、新たに出納取扱金融機関となりますには、システムの構築や運用、当局の公金を取り扱うための体制整備などが必要でございまして、新たなシステム構築、運用経費など、初期投資が必要であることから、その費用負担を求められる可能性があるなどのリスクが懸念されるところでございます。
このように、当局の円滑な業務の遂行にも影響が及ぶおそれがあることから、出納取扱金融機関の変更や輪番制の導入は考えておりません。
○西沢委員 考えていないということであります。これ会計管理局も、同じようなことであります。冒頭にも話しましたけれども、輪番制というのは、金融機関側に膨大な負担があったりとか、それから、体制整備で当然お金がかかると思いますが、逆に、みずほ銀行がこけてしまったときには、それこそ膨大なお金が余計、私はかかるんだと思います。そうしたときに、分散をさせていくということは非常に重要なことなんじゃないのかと思います。ですから、こうしたことをひとつ検討ぐらいはしていいんではないかと思いますから、検討していくことも考えてほしいということを要望させていただいて、次の質問に移りたいと思います。
都営バスについてですけれども、この都営バスについて、そもそも都営バスというものはどういった役割があるのかということ。きょうも、いろいろ質疑がございましたけれども、公営企業ということで赤字が多いわけです。都営バスに関しては、全路線の三分の二が赤字だという話ではございますが、そもそも存在意義といいますか、どんな役割を担っていくのかとお聞きしたいんですが、先ほどこれも答弁が出ていますので、これはあえて聞きません。公共の福祉の増進が経営の基本原則だという話でございます。そういう役割のもと事業運営を行ってきたということでありますが、当然、利益だけを出せばいいというものではありませんが、だからといって、どこまで税金を投入してやっていくのかというところが、当然、問題となるところでございます。
交通局が策定してきたこれまでの経営計画の財政収支の見通しと実績のデータというものを見ますと、計画を上回る実績で推移をしてきたようでございます。しかし、平成二十三年度と四年度は、黒字の見通しに対しては、赤字に転落しているということであります。この赤字というのは、東京電力の配当収入が年間二十六億円あったというものが、これがなくなったというふうにお伺いをしているところでございます。
東京電力の配当収入がなくなった状況で、どのような経営改善を行ってきたのかお伺いをいたします。
○根木バス事業経営改善担当部長 都営バスの経営改善につきましては、これまでも路線の見直し等による増収を図る一方、一部の営業所において運行などの業務を外部へ委託するとともに、バスの運転手などの給与水準を引き下げるなど、さまざまな経費の削減に努めてまいりました。
平成二十三年度以降は、東京電力の株式配当収入がなくなったため、都営バスの収支は大変厳しい状況にあると認識しております。このため、引き続き乗客潮流の変化を的確に捉え、路線やダイヤを見直すことで利用者の増加に努める一方、平成二十三年度からは、車両の使用期間を延長し、車両購入費の削減を図るなど、さらなる経営改善を図っているところでございます。
○西沢委員 東電の配当収入がなくなって、さまざまなご努力をされたというような話でございました。経費削減というのは、これはもう不断の努力というものは、当然、必要になろうかと思います。
その経営努力ということに関しては、経営計画の方で、毎回、三年置きに計画が策定をされて、そして、それが、こういう努力しましたよということがあるわけですけれども、この計画と決算の状況を見ると、やはり毎回、例えばチャレンジ二〇〇四−−二〇〇四、五、六の計画では、いずれもマイナス二十一億円、十億円、六億円だったものに対して、二〇〇四、五、六に対しては、決算のときにはプラスで、五億、九億、十億と、いずれもプラスになると。同じように二〇〇七年、八年、九年も、マイナス九億、マイナス三億、プラス四億だったものが、決算の時点では、二〇〇七、八、九で、プラス二十二億、九億、十億という形で、いずれも予想よりもふえている。
今、議論にもありましたが、この東電の配当収入がなくなって、平成二十三年度は、計画ではプラス三億だったものが、マイナス十七億となったわけで、平成二十四年度に関しては、プラス三億であったものが、マイナス三億という予定だったわけです。これは、マイナス二十六億円、東電が単純になくなったと考えても、やはりプラスになったわけですよね。これがなかったとすれば、東電の株収入があったとしたとしても、予想よりもプラスになった。つまり、計画よりも必ずプラスになってきていると。これは努力もあろうかと思いますけれども、この経営計画そのものの策定が、どういうふうにしているんだろうという議論にもなってくるんじゃないかと思います。見通しが甘かったんじゃないのかなということも、もちろん努力されていると思いますけれども、そうしたことも指摘をしておきたいと思います。
そして、このバス事業においては、一〇%の給料の見直しをしているということでございますが、民間と比べて、運転手さん、給料というものが高いのではないかというようにいわれております。このバス運転手さんの給料水準が幾らになっているのかと、それと、民間との比較も含めてお伺いをします。また、地下鉄の職員の給料水準が幾らになっているのかをあわせてお伺いいたします。
○小泉職員部長 まず、バス運転手の給与についてでございますが、都が去る十月三十一日に公表した平成二十五年度東京都人事行政の運営等の状況におきまして、都営バス運転手の給与の年収ベース試算値は、平均年齢四十六・九歳で約七百二十四万円となっています。
また、同資料では、都内における民間のバス運転者について、比較に当たって、年齢、業務内容、雇用形態の点において、完全に一致しているものではないとされていますが、その年収ベース試算値は、平均年齢四十五・八歳で約五百四十万円となっており、都営バスが民間の一・三四倍となっています。
次に、地下鉄職員につきましては、同資料における都営地下鉄事業に従事する職員の平均月収額を年収ベースで計算しますと、平均年齢四十三・〇歳で約七百四十七万円となります。
○西沢委員 バス事業というのは、人件費の占める割合の高い事業でもございますから、民間が五百四十万年収に対して七百二十四万円というのは、一般的に見れば、ちょっと高いのではないかと思われがちではないかと思います。そうしたことも含めて見直しが必要になると考えますということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○田中委員 私からは、関連事業における広告事業及び構内営業についてお伺いをいたします。
交通局では、本来の鉄道事業やバス事業などに加えて、本来の事業の経営基盤を強化するために、さまざまな関連事業を行っていらっしゃいます。これからどうしても少子高齢化は避けられず、これから地下鉄もバスも乗車料収入が大幅にふえていくということは、もはや考えられません。その中で関連事業の役割は、ますます重要になってくると考えられます。
まず最初に、交通局における広告事業と構内営業の収入はどのくらいかをお伺いいたします。
○樋口資産運用部長 平成二十四年度の広告事業収入は、消費税を除きまして約三十四億八千万円でございます。
また、同じく構内営業収入は約七億一千万でございます。
○田中委員 ありがとうございます。広告収入と構内営業収入を合わせると、大体、四十二億円ほどの収入を確保しているということになります。
広告収入は、昨年度は、ちょっと前年比プラスになっていますけれども、その前までは、何年か前年比マイナスになっています。不況の影響があるということをお聞きいたしましたけれども、この広告収入に関しては、積極的に取り組めば、これから今アベノミクスとか、少しずつ景気も上向いてくるようでございますので、前年比プラスになるだけでなくて、結構大きく伸ばせる可能性もあるのではないかと思います。
広告については、今、電車の車内の液晶モニターで、映像広告、動画ですね、動画映像を放映するデジタルサイネージをよく見かけます。電車内という空間で動画コンテンツを放映することで、つい目を向けてしまうという利用者も多く、また、電車の運行状況や遅延情報、天気予報やニュースなどは、電車内の乗客への需要のある情報として、広告枠とともに放映されるために、電車広告の中でも訴求力が非常に高い媒体といえると思います。映像ならではのさまざまな広告表現が可能になることもあり、ほかの媒体との連動性も高い交通広告の一つではないでしょうか。
現在、車内モニター広告、いわゆるデジタルサイネージを運用しているのは、私も毎日利用しております中央線、東京メトロ丸ノ内線を初め、山手線、京浜東北、京葉線、埼京線、成田エクスプレス、こういったJRの各線、また、横浜市営地下鉄グリーンライン、私鉄では、東急、西武、京成スカイライナー、相鉄、埼玉高速鉄道など、設定路線は今増加傾向にあります。
都営地下鉄では、まだ導入している路線はないそうですけれども、例えば乗客数が増加している大江戸線など、車内液晶モニターを設置して広告を放映すれば、新たな広告事業収入になるのではないかと思います。
この都営地下鉄における車内モニター広告、デジタルサイネージの導入について、交通局では今まで検討をしてきているのか、しているならば、これまでの検討状況と考え方をお伺いいたします。
○樋口資産運用部長 車内モニター広告の導入につきましては、納入実績のございます事業者から、モニター機器や通信設備の設置費用、保守費用などの見積もりを徴取するとともに、他の鉄道事業者などからの情報収集によりまして、放映する情報の配信方法ですとか、番組編成、情報の更新周期など、効果的な運営方法について検討を行ってきたところでございます。
さらに、広告代理店に対しまして、車内モニターを設置した場合の広告料金や、広告主の執行意欲の見通しなどにつきましてもヒアリングを行ってまいりました。
こうしたさまざまな情報収集や検討を重ねているところでございますが、現時点では、確実に収益を得られる見通しというものは立ってございません。今後、設置の台数や継続的な広告の確保など、さまざまな課題につきまして、引き続き検討が必要であろうというふうに考えているところでございます。
○田中委員 ありがとうございます。車内モニター広告の導入には、いろいろ課題があることはわかりました。また、そのモニターを都営地下鉄につける場合は全部後づけになるので、費用がかかるということもお聞きをしております。ただ、ここのところ、デジタルサイネージ、車内モニター広告への広告需要は高まっているということです。
これ去年の話ですけれども、去年は現在よりも、もう少し不況傾向が強かったと思いますが、昨年の三月は、JR東日本だけでなく、東急線、東京メトロの広告枠がほぼ完売になったそうです。もともとJRは人気があって、トレインチャンネルですね。今年度で、九年連続で車内モニター広告の売り上げを伸ばしています。
また、昔からの代表的な媒体である、いわゆる中づり広告、これをもう超えるというところまで来ているということも聞いております。
ビデオリサーチが行った交通広告の媒体別広告注視率、この注視率というのは、見かけたものをほぼきちんと見る、関心のあるものだけきちんと見るという、こういった答えの合計した割合だそうですけれども、この媒体別広告注視率の調査では、車内モニター広告が八五・六%とトップです。次が、中づり広告で七四・九%。こういったように、収益の面でも非常に可能性がある媒体であって、また車内の乗客に対するサービスや情報提供の点でも、すぐれたものではないかと思います。
二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピック開催がありますけれども、こういったときに向けて、広告に加えて車内モニターでの多言語の情報提供なども可能になることから、さまざまな有効活用ができるのではないかと思います。
今ご答弁で、さまざまな課題があったということ、それはお聞きをいたしましたけれども、こういった課題にも、ぜひ前向きに取り組んで、積極的に導入を図っていただくことを要望をいたします。
次に、構内営業についてお伺いをいたします。
駅構内においても、さまざまな形態の店舗が見られるようになってきています。乗降客が、移動中の駅構内でさまざまな買い物ができるという点で利便性がかなり高く、また、駅のイメージも大きく変わりつつあります。
特にすごいのは、皆さん行かれたこともあると思いますけれども、丸の内駅舎の復元が完成した東京駅です。季節ごとに商業エリアが駅ナカで整備されていて、主要路線に加えて、新幹線による旅行、帰省、出張などの利用者も多く、東京駅内だけで約六千平米以上もの店舗面積となっていて、一つの町のようになっているなということを感じました。
今、同様に、大宮、品川、上野といった新幹線と接続するターミナル駅を中心に、豪華な駅ナカスペースが相次いで新設、また増設されて、いずれも非常に好調だと聞いています。その他の主要駅でも、スペースの制限があるものの、駅舎の建てかえにより新業態の店が出現をしています。
JRの駅ナカは、駅スペース活用事業として、昨年、二〇一二年三月期の売上高が三千九百六十億円で、前年比二・七%の増、営業利益も三百三十九億円、前年比八・三%の増と、いずれも好調です。ことしの三月期では、売上高四千六十億円、大分ふえています。営業利益三百五十億円と順調な伸びを見込んでいるということです。
また一方、私鉄の方ですけれども、私鉄は今、各駅の店舗運営をコンビニエンスストアに変更する動きが活発です。コンビニチェーンの傘下に入って、運営の効率化などを図る沿線が増加をしています。
また、東京メトロでは、東京メトロは都営地下鉄と一緒で地下鉄になるわけですけれども、駅ナカならぬ駅地下、こういういい方あるかどうか知りませんけれども、駅地下で、銀座駅構内に十店舗ほどの商業施設、Echika fit銀座を昨年の六月にオープンするなど、地下スペースの活用を上野駅、東京駅といった主力の駅で展開を進めています。
都営地下鉄も東京メトロと同じように地下ですから、駅地下ということになりますけれども、地下ということでスペースも限られており、地上の駅ナカのように大規模な店舗展開ができないことは、もちろん承知をしています。しかし、これからは、その限られたスペースをより有効に活用して、収入の拡大と乗降客に対するサービスの充実を図ることも重要であると考えております。
都営地下鉄の構内営業、あると思いますけれども、これまで、どのような取り組みをなさってきたのか。また、これからの展開についてお伺いをいたします。
○樋口資産運用部長 交通局におきましては、これまでも、お客様の利便性を高めるため、お客様ニーズに的確に対応した店舗展開や自動販売機などの設置に努めてまいりました。
また、狭いスペースでも有効に活用するために、ワゴン型の臨時売店の設置も進めているところでございます。
その結果、構内営業収入につきましては、平成十五年度に約四億六千万円だったところが、平成二十四年度には約七億一千万円となっております。
今後は、経営計画のとおり、日比谷駅と神保町駅で、駅の改修にあわせまして、利便性の高い店舗を展開してまいります。
今後とも、明るく魅力的な駅空間を創出して、お客様への利便性の向上と収益力の強化に取り組んでまいります。
○田中委員 ありがとうございます。これから、駅ナカとか駅地下の市場というのがどうなっていくかは、これは各鉄道会社の戦略によって異なりますけれども、乗降客への商品販売とか外食販売を提供する場としては、駅に、常に重要なエリアとなります。より生活に密着した商品を提供するなら、例えばコンビニだけでなく、駅によってはミニスーパーの選択肢なども悪くないと思います。
駅ビルや駅前の商業施設と、どのようにすみ分けるかという課題もありますけれども、最初に述べたように、今後、乗車料収入の増加がなかなか見込めない中では、広告事業や構内営業などの関連事業の役割は、ますます重要になると考えられます。
交通局としても、関連事業に関しては、本当に、さまざまな創意工夫をして、新しい取り組みを進めていらっしゃいますが、より積極的な展開を図ることを要望いたしまして、私からの質問を終わります。
○やながせ委員 私からも何点か質問したいと思うんですけれども、きょうのさまざまな委員から同じような質問がかなり出ておりますので、同じ部分に関しては、かなりはしょって、違う部分に関して、ちょっとポイントを絞って、テンポよくいきたいというふうに思います。
まず、都営バスの経営改善についてであります。
都営バスの収支状況でありますけれども、先ほどもありました、平成十六年度から二十二年度までは、経常損益で黒字を確保してきた。しかし、東日本大震災の影響で東電の配当収入二十六億円、これがなくなって、二十三年度は十八億円の赤字、二十四年度も四億円の赤字であったということです。今年度から平成二十七年度までを計画期間とする二〇一三では、三カ年の計画期間中に経常収支の均衡を目指すということであります。これ二十三年度の十八億円の赤字から四億円の赤字ということで、かなり努力されたんだなという跡がよくわかるというふうに思います。
その中でも、バスの運転手の給与水準の見直しということで、これ平成十九年度から一〇%の引き下げをやっているんです。これをずっと続けてやっていくんだということ、これも非常に大事なことだというふうに思いますけれども、もう一つの大きな柱が、やはり委託の問題です。バスの運行を民間企業に運行を委託していくということ、これが一番大きな影響があるだろうというふうに考えています。
では、この委託の実施状況について伺いたいと思います。
○根木バス事業経営改善担当部長 管理の委託につきましては、平成十五年度に、杉並支所の二路線で初めて実施いたしましたが、その後、現在では、五支所、四十路線を委託しているところでございます。
○やながせ委員 これまでも、この委員会で議論をしてきたわけですけれども、この委託の効果というのは非常に高いんです。よく、この委託に取り組んでこられたなというふうに思うわけでありますけれども、委託の効果を算出してみますと、はとバスの方に委託をしているわけですけれども、直営で運営した場合と、はとバスへ委託をした場合、平成二十三年度決算ベースでは約十二億円、十二億七千万ものコスト削減に至っているということで、直営でやる場合と、はとバスがやった場合では三割コストが違っているということです。非常に大きな効果です。
私、この三〇%という数字を聞いて、非常に驚いたわけです。これは先ほど西沢委員からもありましたけれども、このバス事業の人件費、これが占める割合が非常に高いということで、民間のバス事業者に比べて直営でやった場合には、単純には運転手の賃金が高いということ、これに起因するものだろうというふうに考えています。
先ほどの資料では、人件費の割合は六五%ということで、ほかの軌道事業、新交通事業に比べても、かなり高い比率を持っているのが、このバス事業の特徴であるということがいえるというふうに思います。
この人件費については、今、経営改革の真っただ中ということで、一〇%の削減等々、カットを行って、相当努力されておるということでありますけれども、この委託をふやしていくということが一番の経営改善の効果に資する施策であろうということ、これを主張していきたいと考えています。
ただ、この委託は、国土交通省の通達の中で、無制限に委託してもいいよということではありません。原則として、一般バス路線の長さまたは使用車両数の二分の一以内とされておると。ただし、ある条件等々を満たしていけば、三分の二まで認められるということになっているんです。ですから、私は、この三分の二まで、目いっぱい委託を目指すべきだと。それによって、この経営改善効果というのは大きく見込まれるだろうというふうに考えているわけであります。
そこで、全部の路線の三分の二まで、通達で認められている目いっぱいまで、この委託を進めた場合に、どれくらいの削減効果があるのかということ、これを算出してみました。あくまで試算であります。
平成二十五年度の路線延長は、直営が約四百四十キロ、委託をしているのは三百十キロです。これを三分の二まで委託路線を拡大したときには、直営が二百五十キロで、委託路線が五百キロになるという、こういう計算になります。これを先ほどの十二億七千万という効果額、これを掛けて出すと約二十億三千万もの効果額になるんです。つまり、さらに八億円ものコスト削減が可能であるというのが、まさにこの数字なんです。
都営バスは、この委託三分の二まで持っていくことが可能だというふうに私は考えています。急にバスの運転手さんに、おまえ、どっかに行ってくれということはなかなかできないわけですから、すぐ来年から三分の二にするということはできないでしょう。ただ、長期的な視点で見ると、この委託を三分の二まで持っていくということが、まずは都営バスの大きな目標になるのではないかというふうに考えています。これだけのインパクトのある数字を出せば、二十四年度の四億円の赤字というのを、これも当然黒字化されるということになってくるわけであります。
先ほど、都営バスが撤退をしたところに、民間のバスが来たという話があります。あれ、なぜ、ああいうことが起きるのかというと、それ全く逆のロジックで、都営バスの方がコストが高いからです。コストが高いからです。収入が少なくても、民間だとコストが低いために利益が出る。都営バスだとやっていけないわけです。だから都営バスは撤廃をし、収支が合わないから撤退をし、民間は収支が合うから参入をしてくるということなるということだと思います。
それから、さっきの問題に回答を出すとするならば、これは委託を進めればいいと。もしくは、さっき西沢さんが本当に本気でいったのかどうかわからないですけれども、人件費を徹底的にばっと切ればいいと、これどこまでできるかわからないですけれども、こういった結論に至るわけであります。このように、私は、この都営バスが経営を大きく改善していくためには、この委託をふやしていくということが大きなポイントになるだろうというふうに思いますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。
○根木バス事業経営改善担当部長 管理の委託の拡大についてでございますけれども、まず、先生からお話がございましたように、国土交通省の通達により、管理の委託の範囲は、路線の長さ、または使用車両数の二分の一であるということが、これは大原則とされておりまして、三分の二まで拡大できるとなっておりますが、拡大するためには、かなり厳しいといいますか、一定の条件がございます。
また、今、先生から効果額についてお話がありましたが、一概に、路線の延長、長さのみで算定できるものではないと我々は考えてございます。
この管理の委託につきましては、一方で、赤字路線を、例えば委託営業所に集約することによって、回送の距離が延び、運行効率が低下するというような課題も実際ございまして、今後につきましては、都営バスの収支状況ですとか事業環境を踏まえて対応してまいりたいと思ってございます。
○やながせ委員 ですから、都営バスが赤字路線をしっかりと守っていこうとするならば、それは、もうコスト下げるしかないわけです。これからどんどん、先ほどもありましたように、乗車人員がふえていくということはなかなかないだろうと思うわけであります。ですから、この委託の問題については、ぜひ、これからも鋭意取り組んでいただきたいということを申し上げたいというふうに思います。
その延長線上で、終夜バスの運行、これを行うということでありますけれども、このバスの渋谷−六本木間で行う終夜バスの試行に関して、この試行の目的について聞かせていただければと思います。
○根木バス事業経営改善担当部長 終夜バスにつきましては、本年十二月より、渋谷駅から六本木区間におきまして、試験的な取り組みとして、週に一回、金曜日の夜に運行するものでございます。
この取り組みは、深夜でも人出が多い渋谷や六本木における交通利便性の向上を目的として、試行的に行うものでございます。
○やながせ委員 それで、私は、この六本木−渋谷間なんですけれども、深夜に私も六本木にいたことが、たまたまあったこともあるんですけれども、そういったときに見ると、やっぱりタクシーが走っていないんです。タクシーが、どれだけ手を挙げてもつかまらぬと、タクシー争奪合戦が金曜日なんか特に起きています。
ですから、私は、この時間帯は非常に大きな需要があるだろうということ体感をしているわけですけれども、この事業が、どういった効果があるのかということ、これは、もうちょっと説明不足だなというのは感じています。
猪瀬知事は時間を創出することによって経済活性化するんだということだろうというふうに、私は考えておりまして、かゆいところに手の届く、すばらしい発想だなというふうに思っているわけですけれども、もうちょっと、これがどのように都民生活に資する施策なのか、東京の成長に資する施策なのかということは、もっとアピールをしていかないと、なかなか理解が広がっていかないのかなというふうに、これは懸念をしているところであります。
また、この試験運行ということの位置づけとなっているわけですけれども、私がちょっとよくわからないのは、これがどうなれば成功で、どうなれば失敗なのかと。この試運転、試行の結果、これからどうなっていくのかということ、これがちょっとよく位置づけがわかりません。
そこで、この試験運行によって何を検証して、その後、どうしていこうというビジョンを描かれているのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○根木バス事業経営改善担当部長 終夜バスにつきましては、何分初めての取り組みでもございますので、渋谷駅から六本木駅で試験的に運行いたしまして、深夜の時間帯における需要や利用者の声などを把握し、その上で、今後の対応について検討してまいりたいと考えてございます。
○やながせ委員 検討して考えるということなんですけれども、私は、ぜひ、この深夜の時間帯というものをしっかりと足をつくると、これは、東京の成長に大きく資する施策だというふうに考えています。ですから、私たち、選挙のときにも、都営交通二十四時間化をするんだというようなこと、こういったことも訴えてきました。
世界の中心となる大きな都市では、この二十四時間化というのは当たり前の状況となっているんです。生活のスタイルも変わっています。今、例えば、町でよく見かけるフィットネスクラブは、エニタイムでしたっけ、何か紫色の、ありますね。エニタイムというのは、二十四時間のフィットネスクラブなんです。健康需要は高まっています。でも、なかなかジムに行けない。だから二十四時間やっているということです。利用されている方がたくさんいるから、あちこちにできているわけです。私たちの考えのはかり知れないところに需要はあるんです。
猪瀬さんは、そういった需要にしっかりと目をつけて成長戦略をやっていこうということですから、そういった意義をしっかりと説明していただいて、この試行をぜひ成功させていただいて、この東京の二十四時間化、これを実現していただきたいということ、これを申し上げたいというふうに思います。
あと、都営バスに関して申し上げておくと、都営バスというのは路線が偏っているんです。私の意見を勝手に今いいますけれども、質問ではありませんけれども、私の大田区では、都営バスはありません。東急バスです。都営バス走っていないです。交通不便地域もたくさんあります。そういうところは、区のコミュニティバスを走らせているんです。これは区の税金でやっています。
でも、あるところにいけば、さっき初めて、私、知りましたけれども、障害を持っていらっしゃる方は、何か安く、無料で乗れるんですか、都営バスは乗れるということで、その都営バスがある地域の障害をお持ちの方は無料で移動ができるということです。非常にうらやましいなと、ぜひ大田区にも都営バスをつくっていただきたいなと(「三多摩も」と呼ぶ者あり)三多摩もないという話です。というぐらいでありますけれども、だから、別に、それが必要ないということをいっているわけではありません。その収支の改善をしっかりやっていくこと、そのためには、コストの削減、これ必須であるということ、このことを取り組んでいただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。
都営地下鉄と東京メトロのサービスの一体化についてであります。
これまでの取り組みと今後の方向についてお伺いします。
○広瀬企画担当部長 交通局では、お客様の利便性の向上を図るため、サービスの一体化を進めてまいりました。
具体的には、都営新宿線と東京メトロ半蔵門線九段下駅のホーム及びコンコース階の壁の撤去、都営地下鉄岩本町駅と東京メトロ秋葉原駅における乗り継ぎ割引の対象各線、市ヶ谷駅や六本木駅などにおける改札通過サービスなどを実施してまいりました。
今後とも、東京メトロと連携を図りながら、サービス向上に取り組んでまいります。
○やながせ委員 サービスの一体化の取り組みについて、かなり前進してきたなということを感じています。壁が取り払われたというのは非常に象徴的でありましたけれども、改札の通過サービス、それから乗り継ぎ割引等々、鋭意ご努力されているということはよくわかります。
ただ、これは、もう一歩進めていただきたいんです。サービスの一体化ではありますけれども、これは、将来的には一元化への第一歩であります。ですから、これはサービスの一体化という枠の中に何もおさまり切る必要はないんです。サービスの一体化をどんどん拡大解釈をして、次から次へとステップを踏んでいっていただきたいというふうに思うんです。
そういった意味では、私が考えるのは、都営交通とメトロは非常に似たような資産をたくさん持っているんです。例えば先ほどもありました売店もそうです。また、さまざまな広告収入も得ています。また、駅ビル、駅ナカですか、そういったものも同じような形態でつくっていこうということになるんだろうというふうに思うんです。私も、これからは運賃収入がふえない中では、こういった附帯事業をいかに活性化していくのかということが、サービスの向上につながっていくと思いますので、この附帯事業、これが非常に重要なことだというふうに思うんです。
そういった意味では、例えば、さきの広告サービスであれば、同じようなボードをつくって、それをセット販売すると。都営とメトロで規格が違う、だから、広告を執行したくても、ちょっとこっちのサイズでまたつくり直すのは面倒だなと、お金もかかるなと、こんなことたくさんあるわけです。ありますね。また、売店もMETRO'Sとメルシー、こういったものを同じものにしてしまえばいいと思うんですよ、それは。それで、こういった附帯事業を一緒に展開する。そして、スケールメリットが出ますから、当然、安く仕入れもできるわけです。売店であれば同じようなガムを置いてあるわけですから、大量ロットを買うんだから、それだけまけろという価格交渉力もつくわけであります。今、メトロと都営交通が別々に同じようなことをやっているというのは、非常に無駄なことだなというふうに、これは常日ごろから感じているところであります。
駅ビルなんかも、駅ナカ事業ですけれども、日比谷駅でも、これから、いろいろなことをそれぞれ展開していこうということのようでありますけれども、メトロはメトロで、小さな敷地で何かつくって、管理区域が違うと、縦割りですよね。管理区域が違うからといって、メトロはメトロのものつくって、都営は都営でまた別のものをつくる。これは、利便性は向上しないですよね。ここに行こうという思いが、なかなかふえていかないんではないかと思います。だから、こういったことも一緒にやっていくというのが、お互いの利益になる。サービスの一体化ということにとどまらずに、経営改善に至るような取り組みをしていただきたいというふうに思いますけれども、この点についてお伺いをしたいと思います。
○広瀬企画担当部長 本年七月に、東京都と国土交通省及び東京メトロから成る東京の地下鉄の運営改革会議が設置され、この中で、さまざまな課題が検討されているところでございます。
この会議の中で、例えば技術の共同研究、こういうのを行うこととしておりまして、お話のような共同実施などについても、メリットがあると考えられるものにつきましては、さらに検討を深めていくこととしております。
○やながせ委員 ぜひ検討を深めていただきたいと思います。今の技術の話もそうですし、使っている業者も、清掃業者だったら清掃業者も別々の清掃業者を使ったり、保守管理もそれぞれやっておるということで、これは一緒にやれば経営改善に大きくつながっていくだろうということだと思います。
そういった中で、私が、これは一気に具体的な話になるんですけれども、ちょっと考えるのは、東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定したという中で、例えば、皆さんにイメージしていただくために、浅草駅とか、浅草駅が私の地元ではないので、いうのは申しわけないんですけれども、ちょっと残念だなという感じがしてなりません、ちょっとごちゃごちゃとしていて。東京の観光といえばやっぱり浅草に行くと、そのときには、ぜひ地下鉄を使ってくれということがいいたいわけです。おりたら浅草的な雰囲気があって、わくわくした思いで雷門をくぐると、そんな状況になればすばらしいなというふうに、私は思い描いてしまうわけですけれども、残念ながら、今、メトロと都営地下鉄のそれぞれのやり方でやっていて、デザインの統一性もなく、ちょっとどうなのかなというのを個人的には思います。
こういった観光スポットにある駅をリニューアルするなど、オリンピックがありますから、多くの外国人の方いらっしゃいます。そういった人に対してのしっかりおもてなしを考えていくということ、これも大事なことだろうというふうに思いますけれども、そういった整備、これを進めていただきたいと思いますが、見解を伺いたいと思います。
○遠藤建設工務部長 都営地下鉄では、これまでもメトロとも連携しながら、エレベーター整備を進めまして、バリアフリー化を図るとか、あるいはトイレのグレードアップ、都市景観に配慮した出入り口の改修など、駅施設の整備に取り組んでまいりました。
交通局は、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けまして、観客やスタッフの輸送に適切に対応していくなど、さまざまな行政施策に積極的に取り組むこととしておりまして、今後とも駅のリニューアルなどを着実に進めてまいります。
○やながせ委員 ぜひ、鋭意検討していただきたいというふうに、要望を申し上げたいと思います。
それで次に、安全対策についてであります。
ホームドアの話であります。きょうも、何名かの方から出ました。もうかなりはしょりますけれども、やっぱり高いんですね、ホームドアが。だから、なかなか整備が進まない。規格が、それぞれドアの位置が違うということによって、ちょっと困難な状況になってしまっておるということだろうというふうに思います。
ただ、これは私も視覚障害者の皆さんとお話をする機会がありますけれども、やっぱり皆さん、一度は私も落ちたことあるわよということをおっしゃるんです。視覚障害の皆さん、さっきの酔客の話はまたちょっと別としても、視覚障害の皆さんにとっては、やっぱりドアのないホームというのは非常に大きな脅威となっているということ、これ実態があると思います。
先ほどもありましたけれども、この資料を見ても、ホームドアを設置したところは完全に転落事故がなくなっているということで、一〇〇%効き目があるものだということですから、この設置を進めていただきたいということなんですけれども、コストがかかるということで、これは、ほかの路線もさまざまな電鉄さんも悩んでいることなんです。
それがちょうどつい先日、東急などで低コストの、従来の三分の一ぐらいのホームドア、ロープ式ホーム柵ということでありますけれども、私も動画を見ました。ユーチューブを見ていただければ動画載っていますので、ぜひ見ていただきたいなと思うんですけれども、ロープが張られているんです。支柱があります。支柱があって、ロープが四本ぐらい張られています。それが、電車が来る前になると上から下がってくると、電車が行くとこれが上がっていくという非常に簡単なものです。ですから、これはドアの場所がまちまちでも対応できるらしいし、ゴムが、非常にこれが緩いだろうというふうに、一瞬、その動画を見た限りでは思うんですけれども、非常にかたさもあるということで、今その実験を、これからJR西日本等でも始めていこうということであります。
ホームドアが一〇〇%安全な装置であるということ、これはそのとおりだなというふうには思うんですけれども、やっぱり整備率を早めるということを考えなくちゃいけない。そのためには、低コストで、いろいろな規格を度外視して設置できる画期的な技術だと思いますので、ぜひこういったものを検討していただきたいというふうに思うんです。この点についてお伺いをしたいと思います。
○広瀬企画担当部長 国などが幾つかの新しい形式のホームドアの開発を試みていることは承知しておりますけれども、今、委員お話のとおり、いずれも試験段階にございます。
局といたしましては、現在、ホームドア整備に向けた課題の解決に向け、具体的に相互直通運転を実施している各社と検討会等を行っているところでございます。
○やながせ委員 ぜひ、鋭意検討をお願いしたいと思います。
交通局としては、一刻も早くつけたいと思っているんだというふうに認識をしています。ただ、やっぱりコストがすごいですから、簡単にはつけられないというのもよくわかります。それで毎年、転落事故があって、ちょっとここでどれくらいの方がお亡くなりになっているのかわからないですけれども、多くの方がこういう状況にあるということを考えると、整備を早めるということ、これを考えていただきたいということを要望申し上げたいと思います。
そして、最後のテーマでありますけれども、地下水位の上昇、これが今問題なんです。
皆さんご存じでしょうか、JR東京駅の地下二十七メートルにある総武快速、横須賀線のホームが、今、もう水没してしまっているんです。水没して、もう使えません。これはホームよりも十二メートルも水位が上がってしまって、ホームそのものが完全に水没しているわけです。こういった状況が東京駅にあると。そして、東京駅は、こういった地下水位の上昇によって浮上し始めているということで、今、一生懸命、アンカーボルト、約二百キロのアンカーを七十本、ホーム直下の地中に打ち込んでつなぎとめている、ホームが浮かないように浮上対策しているということなんです。
私、この話を聞いてびっくりしたわけですけれども、同じように地下三十メートルにある上野駅の新幹線ホーム、これも同様に浮上し始めています。それを防ぐために、また同じように、二トンの鉄塊、これを一万八千個をホームの下に置いておると、重しをしているんです。
同じようなことが、中央環状品川線で五反田の出入り口や南品川の換気所、ここの工事の際に、地中から大量の水が湧き出したという話がありました。私も、何でそんなに長い間、工事がとまるのかなというふうに不思議に思っておりましたけれども、工事が一年間延期されたわけです。なぜなら、地下水位が上がってしまって、水だらけになってしまった。この対策で、一年間工期をおくらせてしまったということでありました。
なぜこういったことが起きるのかというと、そもそも東京都では、純粋な、潤沢な地下水がたくさんあった。それを工業用水ということでくみ上げてきた結果、地盤沈下が起こったわけです。その地盤沈下を食いとめなければいけないということで、揚水規制、これをずっとしてきたわけであります。それで水位がまた復活して、もとに戻りつつあると。これは都の方で、産労局ですかね、平成二十二年に調査をした結果、かなり水位が高くなっているということ、特に板橋のあるポイントでは約六十メートルも水位が上がった。十五建てビル相当の六十メートルの上昇を記録したと。これは都の調査で、こういうこともわかっているわけであります。大半は二十メートル、四十メートルもの上昇ということなんです。
となると、これはJRでこんなことが起きていると、当然、地下鉄にも大きな影響があるだろうと思うのは当然であります。非常に心配なわけですけれども、この状況について、何か影響はどうなっているのかお伺いしたいと思います。
○遠藤建設工務部長 都営地下鉄の沿線におきましても、地下水位が上昇傾向にあることは承知しております。
一方、都営地下鉄におきましては、法に定めのあるもの、局独自のものとあわせまして、年二回、レール面の高さや左右のレールのずれなどを継続的に計測してきておりますけども、これまで一貫して変化は確認されてございません。
○やながせ委員 そうですね。都営地下鉄の方では、年二回、鉄軌道が動いているのか、動いていないのかということを調査していて、それが動いていないということを確認しているということであります。
報道によれば、都営三田線では、四カ所でトンネル壁面内部の鉄筋が腐食、コンクリートが剥がれ落ちていると、地下水が原因だろうと。また、二千百カ所、都営地下鉄全線で水漏れが発見されて補修をしたというようなこと、こういったことは報道には出ているんですけれども、まだ今のような状況であれば、都営地下鉄には、そんなに影響は出ていないんだろうというふうに思います。
ただ、これは規制を緩めるのかといえば、そうではありません。これからも規制をかけていくというのが都の見解であります。ということは、地下水位が、これからもっともっと上がってくるということなんです。そのときに、都営地下鉄に大きな影響が出るんではないかと、このことは心配です。ですから、ぜひ鉄軌道の変異ということだけではなくて、漏水がどれくらい量がふえているのか等々、これ丁寧に観察をしていただいて、リスクを早目に感知をして対策を打っていただきたいということ、これを、要望を申し上げたいというふうに思います。
この地下鉄には、非常に多くの湧き水、地下水が流れ込んでいます。この地下水をどのように処理をしているのかこの点を聞きたいと思います。
○遠藤建設工務部長 都営地下鉄のトンネル内から発生いたします湧水は、水質が良好でありますことから、沿線の河川や池の水質改善などに活用することとしておりまして、昨年度、平成二十四年度の量は約三百七十七万立米でございます。これは湧水全体の八四%を活用していることでございます。
具体的な放流先でございますけれども、浅草線の例で申し上げますと、呑川や大田区の池上梅園の池などに放流してございます。
○やながせ委員 そうですね。非常に多くの発生量だなというふうに思います。三百七十七万ということでよろしいんですかね。三百七十七万立米ということで、非常に多くの水資源を持っているのが都営地下鉄ということもいえるんです。今、呑川に流していただいているということをいただきました。本当に、これはありがたいなというふうに思っています。地下鉄に流れ込んでいる水は非常にきれいな水だということで、これを立会川に流したら、立会川の水質が非常に改善した、こんな話もあるわけです。
さっき、呑川の話を出していただきましたけれども、おとといも、下水道局に、呑川が臭くてしようがないんだと、これを何とかしてくれという話をしました。この都営交通の水を大量に流していただけると、この問題も大きく改善するんです。つまり、それだけこの都営交通の持っている地下水というのは、大きな資源だというふうに考えています。都営交通にとっては、邪魔者、厄介者ということなんでしょうけれども、考え方を変えると、そういった資源になり得るということですので、ぜひ、これからも引き続き呑川に大量の放流をしていただいて、呑川の水質改善に貢献していただけるとありがたいなと、こういうことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○鈴木(貫)委員 それでは、私の方から、都電荒川線などなど三項目について、端的にご質問をさせていただきたいと存じます。
今まで、どちらかというと都営地下鉄、都バスと。下町の路線、都営、都電の荒川線もあるわけでございますから、ご承知おきいただきたい。それから、日暮里・舎人ライナーもあります。委員の皆さんにも理解をしていただきたい。
さて昨年、最近、都電百周年ということで、前局長に、どういう感想を持っておられるか以前聞いたことがありました。交通局、当然、局長からは、交通局百年の歴史と一緒に歩んでいる路線で、心のふるさとであり、いわばこの交通局の原点というべき存在の乗り物であるという、こういう力強い言を頂戴し、とてもうれしかったです。
でも、ただ一つ気になった、その言葉の起承転結の中で、残念ながら、最近、どうしても乗車率が下がってきているという、そういうことを、私も承知しておりますけれども、最大の応援団の一人として、そういうことを常に私は御局の方に対策−−地元でも、荒川、北、豊島、新宿と、この沿線各区でも努力をしていただいておりますことを、きょうは踏まえながら質問をさせていただきたいと、こう思っています。
まず最初に、一番基本的な課題でありますけれども、定番でありますけれども、荒川線の乗客の状況について、わかりやすくご説明をいただきたいと思います。
○太田電車部長 荒川線は、地域の皆様に親しまれ、ピーク時には一日八万人を超えるほど多くのお客様にご利用されておりましたが、その後は、沿線の学校や企業の移転などの影響もあり、今日まで、ほぼ一貫して減少傾向が続いております。
平成十年度以降、乗車人員は五万人台で推移してきたものの、平成二十二年度には五万人を割り込み、昨年度の乗車人員は約四万五千人でございました。ただ今年度は、五月に入ってから、前年同月をやや上回る状況で推移しておりまして、九月までの上期平均では、昨年度とほぼ同水準の約四万六千人となっております。
○鈴木(貫)委員 今ご答弁を聞いていて、減少傾向に、やや歯どめがかかってきつつあるなという、そういう印象をご答弁の中から感じ取ることが、私はできたと思います。
冒頭申し上げたとおり、沿線各区で、さまざまな対策を講じ、また、いろいろな方々に声をかけ、観光路線だとか、げた路線だとか、そういうことがありますけれども、やはり活性化対策への、下町、残された唯一の路線でありまするがゆえに、これは貴重な都民の財産でありますから、一緒にこれは取り組んでいきたいと私は思います。
そういう中にあって、地元でも、都電荒川線の沿線活性化の中で下町に訪れたい町という、いろいろな形で、荒川を初め、豊島区にしても、いろいろな名所、新宿にしても、北区にしても、これはとってもやはり観光スポット、あるわけでございますから、そういう面に私どもは目を転じながら、地元を、きょうはご当地ソングに徹するわけじゃありません、全体の話としてやりますけれども、あらかわ遊園を抱えている中でも、ハロウィン的な要素を設けたりして、地元と皆さんの局と連携しながら運動を進めているということを私はよく存じていますので、頑張っていただきたいと私はエールを送りたいと、こう思っています。
それからもう一つありますけれども、二十三年、たしか十一月の公営企業委員会の中で、私は、さらにもっともっとお客、乗車人員をふやす方策について、地元でいろいろな考え方はあるけれども、ひとつどうだろうか、応援をしてくださっているボランティアの方々、大変、提案を−−こういうものをつくりながら、その都電をさらに親しまれる地域の路線として盛り上げていく、その方策をやはり考えていくべきだとこう提言をし、都からも、確かにそのとおりだというご答弁をいただいております。そういうことで、みんなで支える、それがやはり下町の活性化につながるという、こういうことでありますがゆえに、私は、あえてこれを取り上げたいと思います。
ですから、都電をいかに活性化するという、盛り上げ隊ですよね、そういう中で、都電サポーターという組織ができております。どのようなものか、現在、どの程度、こういう枠組みができているのか、具体的にお示しをいただきたいと私は思います。
○太田電車部長 都電サポーターについてでございますが、荒川線沿線には、以前から線路脇の清掃やバラの手入れなどを行うボランティアの方々が活動しておりました。このような団体を初め、地元でさまざまな取り組みを通じて都電の応援やPRをしていただいている方々を、平成二十二年度から都電サポーターとして位置づけたものでありまして、交通局としましても、サポーターの方々の活動に協力し、その情報を発信しながら、より広い地域からも集客できる路線として、荒川線が地域とともに活性化するよう取り組んでおります。
サポーターの数につきましては、発足当初は三団体のほか、個人で活動する方も含めまして約百二十名でありましたが、現在では、それに六団体が加わり、計九団体、約二百九十名もの方々が活動しております。
○鈴木(貫)委員 ご答弁ありがとう。私は地元の荒川ですけれども、この中に、五月になりますと都電の沿線のバラ、これは全国からバラ鉄といわれるくらい写真を撮りに来るんです。都電に乗りたい、これは乗り鉄。バラ鉄という、バラの写真を撮りに来る。沿線に何万本というバラが植栽をされているという、これはもう鉄道のいろんな雑誌の中にも載せていただいているほど、全国に知れ渡ったとてもいい風情だと思います。停留場の都電の三ノ輪橋にしても、これは、いろいろな多種多様のバラが植栽をされて、皆さん、本当に楽しんだその風景を私はかいま見ている、そういう場面もありますので、沿線もすばらしいボリューム感のあるバラをめでる、そういうボランティアの団体もあります。そういうことを、ぜひ私たちはお伝えを、皆様にも聞いていただくし、またそれを育て、育んで、また、それを支えてくれた交通局、また御局のご努力にも感謝を申し上げたいと思います。感謝します。新田局長、そういうことをよく頭に入れておいてください。すばらしいことです、これは。
そういうことで、今後の具体的な活動として、これをさらに地平を広く、この沿線四区、うんと協力をしていくような具体的な支援策というのかな。そういうものが、やはりあまねく交通局としてもバックアップをとっていただきたいなと、こう思っていますので、その点についてお考えを聞かせてください。
○太田電車部長 地元沿線区との連携につきましてでございますけれども、これまでも連絡会を設け、荒川区や各区のイベント等の情報共有などを行ってまいりましたが、平成二十四年度には、交通局が事務局となりまして、都電荒川線沿線四区地域活性化協議会を立ち上げまして、沿線四区とともに荒川線の活性化策などについて協議を行っております。
今年度には、協議の結果、都電荒川線スタンプラリーに取り組むこととしまして、九月から十月にかけて実施したところでございます。これは、荒川線沿線にある名所や四区が推奨するスポットをめぐってスタンプを集め、応募いただいた方の中から、それぞれの区が持ち寄った地元ゆかりの記念品などを抽選で差し上げるものでありまして、大変多くの方にご参加いただきました。
今後とも、この協議会を積極的に活用するなど、地元沿線区と連携いたしまして、荒川線のみならず、地元沿線区の活性化にも貢献してまいります。
○鈴木(貫)委員 今ご答弁いただいたとおり、本当に詳しく、いろんな形でバックアップをしていただいていることを、改めて感謝申し上げると同時に、やはり私たちは、御局、それとまた地域、当然、荒川、北、豊島、新宿と、この四区を走っている下町の路線でありますので、それをめでる意味でも、これからも相乗効果を上げながら私たちは進んでいきたい、またお力をおかしいただきたい、そういう思いで私は取り組んでいきたい、こう思っております。
そのことを、それとまた、これのはしりが、たしか平成、金子正一郎元局長の時代だったですけれども、荒川区長、北区長、豊島区長、それから新宿区長、集まって、元副知事の青山やすしさん等々の、こういうイベントもあったんです。私たちも、報告は西川さんから聞いております。そういう面で四区一体となって、これを盛り上げていこうという、そういうものが淵源にあって、それがさらに、こうやって積み重なって発展しているわけでございますから、ぜひそれを長らえる意味で私は申し上げました。ぜひお力をかしていただきたいし、またやっていただきたい。そして、地元沿線区とともに荒川線をさらに盛り上げていくために、交通局として、これまで具体的に、今申し上げたものを踏まえながら、どんな取り組みをしてきたのか、重ねてお伺いをさせていただきたい。
○太田電車部長 これまでの地元沿線四区との連携の取り組みでございますけれども、先ほどご答弁申し上げましたとおり、平成二十四年度に、交通局が事務局となりまして、荒川線沿線四区地域活性化協議会を立ち上げまして、沿線四区とともに活性化などについて協議をし、また、今年度につきましてはスタンプラリーを実施するなど、取り組んできたところでございます。
○鈴木(貫)委員 重ねて、しつこいくらいお伺いしたご無礼をお許しいただきたいと思います。
次のテーマに移りますけれども、荒川線の安全対策なんでございますが、先ほどから都営地下鉄のホーム柵だとか、メトロのホーム柵だとか、このホーム柵の問題ではないんです。都電はホームが非常に狭い、狭いですから−−特に私の地元の荒川区、十二カ所駅がありますけれども、要は、このスペースのちょっと先ぐらいのホームの幅しかないところもあるわけでありまして、それで、ホームの手前のところには、赤ちょうちんもあるし、そこでいい心持になって、ホームに上がって、すとんと落ちてしまうという事例も、私も何度か見た経験もあります。その安全対策としてぜひ−−ホーム柵とは違います。ホーム柵はつけることはできませんから、きちっとした固定柵を、これを設置すべきだという提言をさせていただいてまいりました。
そのことをした暁に、たしかことしの三月ですか、町屋駅前だとか学習院下に固定柵が既にでき上がった。これ、とっても地元で喜んでいます。町屋駅前は、あそこは交通の結節点で、利用客が殺到する場所でありますから、これは安全対策としてとっても効果があります。そのことを私は感謝申し上げながら、この固定式のホーム柵を、今後、順次導入をしていく、この方策について伺いたいと思います。
○野崎技術管理担当部長 交通局では、安全・安心の確保を最優先に、各種施策に取り組んでおります。
都電荒川線につきましては、本年二月に策定いたしました経営計画に、固定式ホーム柵の設置を新たに盛り込みまして、停留場におけますお客様の安全確保の取り組みを進めております。
具体的には、設置可能な全ての停留場に固定式ホーム柵を設置することといたしておりまして、お客様のご利用の多い停留場や公共施設が近くにある停留場から優先して整備を進めております。
昨年度、経営計画策定に先立ちまして、町屋駅前、学習院下の二つの停留場で工事に着手いたしまして、本年三月に設置を完了いたしております。
今年度は、三ノ輪橋、荒川区役所前、王子駅前など、八つの停留場の整備を行うことといたしておりまして、現在準備を進めております。
二十六年度には、荒川車庫前など、九停留場に設置していく予定でございます。
今後とも、経営計画に基づき整備を着実に進め、より安全・安心な都電荒川線を目指してまいります。
○鈴木(貫)委員 前向きなご答弁、ありがとう。それで、一つ、あえて要望をいわせていただくと、先ほどのホームの狭いところ、これは問題なんです。今のところは、ある程度幅がある場所だと私は思っています。豊島区の先生方、新宿の先生、よくわかると思いますけれども、狭いところ、それをやはり将来の課題として、どう設置するかをよく技術的に検討していただきたいと、私は要望しておきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
それから、三点目でありますけれども、先ほど都営交通の方の駅の売店とか、いろいろな話が出ておりました。特に私は、この問題について、我が党がずっと提案をし、実現をしてきた障害者の働く雇用の場をどうつくるかという観点から、福祉の売店という要素で我々は提言をし、それを皆さんと話をしながら実現をした経緯がありますので、これも大事な私は一つの視点だと思います。一つの視点。その障害者が働く店舗について、これを申し上げさせていただきたいと、こう思います。
これは話が出たと思いますけれども、平成二十年の三月に、大江戸線の大門駅、この店舗の完成を先頭にずっとでき上がってきています。三カ所目だと思います。日暮里・舎人ライナーの西日暮里の駅に、これを設置して五カ所目、グローリーといいます。そういうことを私たちは提言をし、今進めています。何をいいたいかというと、これはさらに、これを障害者の方々、体のご不自由な方々が喜んで働く場所の一つにしていくべき、私は大きな運動だと思います。
特に荒川のグローリーという西日暮里に設けた売店は、手をつなぐ親の会の皆さんの協力をいただいて、もちろん毎週、九時五時に開いているわけじゃありません。体のご不自由な関係等々ありますから、まだ体がなれていないということであって、これは、曜日の三日間しか営業しておりませんけれども、しかも時間も短うございますけれども、売り上げにしたってそう多くはありませんけれども、非常に励みになっております。励みになっている。特に利用者の方々、足立区からの方が大変多い路線であります。
その目玉は、あえて申し上げると、荒川区のゆるキャラ、あら坊と、その妹があらみぃちゃんというんですけれども、このあらみぃを模したパンがとてもおいしいということで有名になってしまった。そのうち、熊本のくまモンでも呼んでこようかとも思うくらいなんです。それほど人気の出る商品が販売をされています。
そういうことで、私は、これを契機にして、ぜひこれからの一つの視点として、障害者の方々の働く場所の売店の設置というのかな、それをこれからもどんどんふやしていくべき。我が党としても、これは高倉理事を先頭にして、これからもその動きをつくっていきたいと、こう思っていますので、お力をおかしをいただければと、こう思って私は提言を申し上げながら−−今、西日暮里の件については私の方から申し上げてしまいましたので、この運営、実績等を踏まえまして、今後のこの運動の展開、こういうものをどう開設していくべきなのか、お考えがあれば、お示しをいただきたいと思います。
○樋口資産運用部長 既に設置をしてございます五カ所の障害者が働く店舗につきましては、障害者の雇用機会の拡大を支援するという観点から、交通局が出店場所を無償で提供しているところでございます。
また、区の支援を受けて障害者団体が、その運営を行っているものでございます。
各店舗とも、開店当初は一定程度の売り上げを記録はいたしましたけれども、大門駅の店舗を除きまして、その後、売り上げは減少傾向をたどっております。
各店舗では、売り上げ拡大に向けて新商品を投入するなど、営業努力を続けていると聞いておりますけれども、交通局といたしましては、駅を利用されるお客様の状況に応じた営業時間など、ほかの店舗の運営状況を、関係する区ですとか障害者団体に対して情報を提供していきたいというふうに考えてございます。
また、新たに障害者が働く店舗を設置したいという要望がございました場合には、関係する区と密接に連携を図りながら、実現に向けて検討を進めてまいります。
○鈴木(貫)委員 ご丁寧なご答弁ありがとう。私は、この問題をあえて触れさせていただいたのは、この地域の体のご不自由な方々、障害者のやっぱり働く場所の提供、いろいろな場所ありますけれども、やはり皆さんと一緒に姿を見ながら、私たちも元気に働いていくことはできるんだという、そういう一つの示す場所ではないのかなと、こう思っています。
そういうものを含めて、きょうは、ざっくりと三項目について質問をしてきましたけれども、最後に、都電についてでありますけれども、二〇二〇東京オリンピック、こういうものに向けて、今、世界の潮流は、ライトレール・トランジット、LRTの流れが大変強うございます。当然、都電荒川線というのは、停留場はかさ上げされていますから、ちょっと不可能だと思いますが、今、芽出しは、台東区の方の裏観音を通じて地域の方々と我々はワーキンググループをつくろうという、こういう話までいっています。台東区の商店街連合会、また荒川区のメンバーとともに、そして、裏道を通って観音の方に通っていく、裏観音の方です。そういう一つの発想も捉まえながら、やはり東京の活性化のために動いていきたいという、そういう運動をあえてきょうは皆様にご披瀝を申し上げながら、交通局に対してエールを送りながら、次の時代をつくっていく。
確かに荒川線というのは、十二キロという短い沿線でありますけれども、そこは、いろいろな財産が埋め込まれている場所でありますから、大事に、大事に。また、それをまたいでいく日暮里・舎人ライナーもありますし、大事な財産として。地下鉄、都バス、それに加えて、この二つの路線。そうだ、上野公園のモノレールもありました。それも落としてはいけない問題だと思いますけれども、とにかく交通局に対してエールを送りながら、しっかりとした経営基盤を構築しながら、私たちもバックアップをさせていただきたい。
しかし、いうべきことは、きちっとこれは申し上げなければならない、当たり前のことでありますから、そのことを申し上げて質問を終わらせていただきたいと思います。
以上です。
○畔上委員 それでは、私からは、都営地下鉄の三田線内におけますコンクリート片の剥落について、この一項目に絞って伺いたいと思います。
先ほど地下水位の上昇というお話もあって、新たな問題を抱えているようですが、このことが影響したのかどうかはわかりませんけれども、ことしの三月十四日に、都営三田線内の御成門から内幸町駅間において、コンクリート片が剥落していたことを発見したという問題がございました。
幸い事故もなく、列車運行にも影響がなかったということで、ほっとしているわけですけれども、このような剥落が再び起こることのないような対策が必要だと思います。とりわけ、今後、鉄筋コンクリートなどでできた都市のインフラが順番に耐用年数を迎えるという、こういう中で、構造物の長寿命化、これを図るとともに、やはり剥落による事故などが起こらないような対策、これをぜひ講じていただきたいというふうに思っております。
点検のあり方、補修のあり方をどう充実、改善していくのかということが大変心配でございます。
そこで、何点か伺いたいと思います。
一点目は、コンクリート片が剥落した、その原因は何だったのか、まず伺います。
○野崎技術管理担当部長 本年三月以降、三田線におきまして、トンネル側壁部のコンクリートの剥落が三件発生したため、大江戸線を除く三線につきまして、直ちに緊急工事に着手し、七月までに全て完了いたしました。
剥落の主たる原因は、漏水により鉄筋が腐食、膨張し、コンクリートが押し出されたことによるものと推定されます。
○畔上委員 今のご説明で、コンクリートが落ちてから処理、工事したということです。列車運行にも影響がなかったと、結果オーライで済ましてはならないというふうに思うんです。
漏水が続いていた場所というお話だったんですが、そうした場所の点検は、この間どのように行われてきたんでしょうか。また、全体の地下鉄の構造物内、特にトンネル内、この点検は、どういうルールで行っているのか伺います。
○野崎技術管理担当部長 都営地下鉄では、施設を健全な状態に保つため、駅やトンネルの点検を行っております。
法令上は、二年に一度、徒歩による目視を基本とする定期点検を実施することが基準として定められております。
これに対しまして、交通局では、国の基準を上回る内容で定期点検を実施しております。
具体的には、トンネル内で高所作業車を用いて、近接目視点検を行いながら、漏水発生箇所等を中心に打音調査を実施しており、こうしたことで点検の精度を高めております。
さらに、法令上の点検とは別に、独自に年一度、徒歩による目視点検を実施しております。
○畔上委員 法令上よりも丁寧に点検をされているということは理解いたしましたが、それでも、一年に一回というのは、随分間隔があいているように思うんですが、先ほどのご説明でも、以前から漏水が続いていた場所だということでありましたので、そういったところは、もっと頻繁な点検が必要なんじゃないでしょうか。
都営地下鉄の歩み、これを改めて読ませていただきますと、最初に、浅草線が、一九六〇年、押上と浅草橋間の開業からスタートして、続いて三田線が、一九六八年に、高島平−巣鴨間が開業しています。そして今回のコンクリート片の剥落があった御成門−内幸町間、これは一九七三年の開業ということになっていました。開業から四十年というわけです。
しかも、大江戸線のようなシールド工法とは違って、当時の地下鉄の工事というのは、地面から四角く掘って、それで地下鉄のトンネルをつくっていたというふうに伺っています。壁面と天井等のコンクリートの継ぎ目、ここから水が漏れやすくなっているというふうに伺っています。
先ほど、今回の問題が起こって、改めて緊急工事を行ったというご説明をいただきましたけれども、その緊急点検で工事を行ったところ、これは一体どのぐらいあったのでしょうか。
○野崎技術管理担当部長 本年春のコンクリートの剥落を受けまして、直ちに緊急工事を実施いたしまして、七月までに全て完了したわけでございますけれども、この工事では、漏水が認められる箇所を初め、わずかでも剥落のおそれのある箇所を含め約二千四百カ所、全てについてコンクリートを除去するなどの対策を行っております。
○畔上委員 二千四百カ所と相当な数なわけですが、浅草線が開業してから五十三年、そして、三田線は四十五年と、新宿線が三十五年たって、緊急対策は講じたものの、やはり補修工事をしっかりとやらなきゃいけない、そういう時期に入っているんじゃないかというふうに思いました。
二〇一三の経営計画には、地下鉄の長寿命化、これが掲げられていたんですが、今後どのような補修計画を立てていくのか伺いたいと思います。
○野崎技術管理担当部長 地下鉄構造物につきましては、長寿命化を図るため、予防保全型の管理手法を用いて、計画的に補修を進めていくことが重要でございます。
今般、三田線におきまして、漏水が原因で剥落が発生しましたことから、今後は、補修計画に基づき、漏水対策を中心とした大規模修繕工事を、スピード感を持って実施していくことといたしております。
引き続き、地下鉄施設の長寿命化に積極的に取り組み、安全・安心の確保に万全を期してまいります。
○畔上委員 今、大規模な修繕工事を、スピード感を持ってというご答弁がありましたが、二〇一三の経営計画を見てみますと、長寿命化の完了目標、これが記載されておりません。やっぱり私は、具体的な目標、これをきちんと持って、補修計画、大規模改修を着実に実施していただきたいと、そのことを強く求めておきたいと思います。
最後ですが、保線課の職員について一つ伺いたいと思うんです。
先ほど効率的な運営というお話があったんですが、私は、効率的な運営そのものは大変重要だというふうに思っているんですが、職員をコストと見て削ることに走っていくというのは大変危険であるというふうに思っています。
現在、軌道及び構造物の巡視点検をする保線課の職員、何人いらっしゃるんでしょうか。そして、その年齢構成、これどうなっているのか伺います。
○野崎技術管理担当部長 都営地下鉄におきましては、軌道及び構造物の巡視点検を実施いたします保線管理所の技術職員は約百八十名でございます。その年齢構成は、四十歳代が最も多く、全体の四三%、次いで、五十歳以上が三七%、三十歳代が一四%、二十歳代が六%となっております。
○畔上委員 今のご答弁では、二十代の職員六%、十一人です。十一人しかいないということであります。技能、技術の継承、これが非常に私は大事だというふうに思うんですが、この間、笹子トンネルの天井の落下事故、これによって悲惨な結果をつくり出してしまったわけです。また先日、民間鉄道とJRの脱線事故、この報告というのが出ておりましたが、これを見たんですが、年間、昨年度の実績だと思いますけれども、百五十三件も脱線事故が起きているという状況がございました。
そういう点では、保守点検という最も基本といわれる安全管理体制、やっぱりこれをしっかりと確立をしていく、このことが今後ますます重要になってくるんじゃないでしょうか。そのための技術、それから技能の継承、これをしっかり行えるような職員体制の配置、これを私は強く求めて質問を終わりたいと思います。
○小宮委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小宮委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で交通局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後三時四十四分休憩
午後四時五分開議
○小宮委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより水道局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求した資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○松宮総務部長 さきの委員会におきまして要求のございました資料を取りまとめ、お手元に配布してございます。その概要につきましてご説明申し上げます。
一ページをお開きいただきたいと存じます。直結給水方式の普及状況でございます。
平成二十四年度の給水件数及び直結給水件数をお示ししてございます。
二ページをお開き願います。各浄水場における自然エネルギー等による発電状況でございます。
各浄水場などにおける太陽光発電設備、水力発電設備、それぞれの設置年度、発電規模及び平成二十四年度の発電実績をお示ししてございます。
三ページをお開き願います。多摩地区の地下水取水量実績でございます。
平成二十年度以降の多摩地区統合市町における一日当たりの取水量が最大となった日付とその水量をお示ししてございます。
四ページをお開き願います。水需要予測と実績の推移でございます。
将来の水道需要の見通しと平成五年度以降の一日最大配水量及び一日平均配水量の推移をお示ししてございます。
五ページをお開き願います。水道管路における耐震継手化の計画と実績でございます。
平成三十四年度と二十七年度の耐震継手率の計画及び平成二十一年度から二十四年度までの耐震継ぎ手率の実績値をそれぞれお示ししてございます。
六ページをお開き願います。未納カード発行枚数及び給水停止件数の推移でございます。
平成十五年度から二十四年度までの未納カードの発行枚数と給水停止件数をお示ししてございます。
以上をもちまして、大変簡単ではございますが、要求のございました資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
○小宮委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○吉住委員 私からは、技術継承が重要な課題となっている人材育成の取り組みと、東京水道の高い技術力を生かした国際貢献ビジネスについて伺います。
まず、人材育成についてでありますが、平成二十五年に策定された厚生労働省の新水道ビジョンにおいても、重点的な実現方策の一つとして、人材育成、組織力強化が挙げられています。
東京都にとっても、高度な技術的基盤を維持、継承し、人的資源を確保するため、職員の育成、教育はまさに喫緊の課題であります。
そこで、まず初めに人材育成に対する局の基本的な考え方について伺います。
○松丸職員部長 ベテラン職員の大量退職が進む中、東京水道経営プラン二〇一三に示された安定給水、震災対策などの施策を確実なものとするため、これまで以上に、水道のプロとして職員一人一人の職務遂行能力のさらなる向上が求められております。
そのため、これまで培ってきたハイレベルな技術や職務ノウハウを確実に継承し、さらに事業環境の変化や新しい課題にも対応できる人材を計画的、体系的に育成することが必要であると認識しています。
○吉住委員 これまで培ってまいりました高い技術を確実に継承していくために、水道局としてさまざまな取り組みを行っているとの答弁でした。
それでは、具体的にはどのような取り組みをしているのか伺います。
○松丸職員部長 ベテラン職員を中心に職場での計画的なOJTを推進する一方で、管路の接合、漏水感知、浄水処理などさまざまな実習フィールドや管路事故、震災対応など実際の危機管理を想定したシミュレーターやロールプレーによる実践的な研修ができる研修開発センターを平成十七年に設立いたしました。
また、平成十九年から職員の持っているノウハウや知識を映像や文章に変換してデータベースに蓄積し、全ての職員が常時閲覧できるナレッジバンクの運用を開始するとともに、職務に関して特にすぐれた見識、経験等を有する職員を水道技術エキスパートとして認定し、各職場からのさまざまな相談に対し、職場を超えての指導や助言を行うことにより、着実な技術継承に取り組んでいます。
さらに、当局の準コア業務を担う監理団体に対しても、ナレッジバンク情報の提供や各種研修の受け入れなどを行い、技術の向上に努めています。
○吉住委員 東京都水道局は、高い技術力と豊富な人材を有していると同時に、研修施設を他の自治体や水道業界等に貸し出しを行い、日本の水道事業体のトップランナーとして国内の技術力等の向上に貢献をしています。
また、海外からの研修生や視察者を受け入れるなど、東京の技術は海外の技術力向上にも貢献しています。東京水道の事業運営や技術ノウハウを海外に向けて、さらに発信していき、世界の水問題の解決に取り組んでもらいたいと思っています。
そこで、今後、海外に貢献できる人材を、さらに育成していく必要があると考えますが見解を伺います。
○松丸職員部長 海外に貢献できる人材育成のため、これまでも専門家や実務経験者からノウハウや海外事情を聞く場を設定し、職員の国際感覚の醸成を図ってまいりました。
今後は、語学力を初めとしたコミュニケーションスキルを磨くため、外部研修を含めた各種研修の実施を検討してまいります。
○吉住委員 人にみずからの知識や技術を伝えるということは、みずからの中で体系立てて理解し、会得してからでなくてはできません。そのため、海外への貢献というものは、水道局職員の技術ノウハウの維持向上にも役立つと思います。
もちろん、国際貢献に携わることのできる人材の輩出は、一朝一夕にはいかないでしょうし、個人個人のネットワークを構築する必要もあります。そうした意味で、まさに戦略的な人材育成が必要だと考えております。今後の水道局の取り組みに大いに期待をしたいと思います。
続いて、国際貢献ビジネスについて伺います。
途上国を初め、アジア諸国では、経済成長や人口増加に伴い、都市部における水不足や水質の悪化が深刻な問題であると聞いております。アジアでは、漏水など収入にならない無収水の割合が、三〇%から多いところでは五〇%に及び、水道事業運営の大きな課題だということです。
東京水道には、近代水道創設以来百十年を超える歴史の蓄積があります。例えば、終戦直後は漏水率が八〇%もありました。その後、水道局が漏水防止対策や管路の更新など、我が党とともにさまざまな取り組みを進めてきた結果、現在では二から三%と世界でも驚かれるほど漏水が少なくなっております。この実績や経験は、東南アジアの今後の発展に十分寄与できると思います。
私は、東京水道の技術力を生かした国際貢献ビジネスについて、過去にも本会議や予算特別委員会の場において取り上げてきました。東京が長年培ってきた技術やノウハウは、日本企業にとっても海外展開を目指す上で、必要かつ有効に使えるものだと思います。
この高い技術やノウハウをもとに、日本企業と連携した国際貢献ビジネスをどのように展開しているのか伺います。
○斉田企画担当部長 水道局では、技術やノウハウを生かして、長年にわたり海外からの研修を受け入れてきましたが、近年では、相手国からのさらなる要望によりまして、技術協力の覚書を締結しております。
昨年十一月のタイ首都圏水道公社との覚書を初めとして、台湾水道公社、台北市水道局、ミャンマーのヤンゴン市開発委員会とそれぞれ覚書を取り交わしております。
これらによりまして、漏水防止などの技術水準の底上げや経営ノウハウの蓄積を図るとともに、各国と東京及び日本企業が連携して取り組むための基盤をつくることで、ビジネス展開につなげております。
タイのプロジェクトにおきましては、漏水など料金収入にならない無収水対策のパイロット事業として、本年二月に約三千万円で契約を締結しております。
○吉住委員 世界の水事情の改善のために都と民間企業が連携して取り組んでいく目的、意義がわかりました。既に、漏水防止における東京の強みを生かして、タイで無収水対策事業を受注するなど成果が出てきているとのことでございます。
漏水の削減は貴重な水資源の節約になり、水を手に入れるのが困難な人々へ、より多くの水を届けることが可能になります。また、漏水という無駄を省くことで、財政的にも改善を図ることができます。
日本は、JICAなどを通じて途上国の人材育成を支援し、東京水道も研修生の受け入れなどで協力してきたとのことですが、水道施設の整備には水道管の布設や浄水場の建設など多額な設備投資が必要となります。
ミャンマーなど途上国においては、人材が不足しているほか、水道事業体の財政基盤が脆弱なため、自前による投資ができず有用な資金の供給が求められています。これらの需要に対応するために、円借款などの政府開発援助、いわゆるODAがあり、途上国への重要な支援となっています。
しかし、ODAの状況を見ると、日本のタイド率は三%となっています。日本が資金援助をしても、日本企業が受注をできていない状況となっています。資金と技術を提供しようとしても、海外勢との人件費や材料などの低価格競争になってしまい、日本企業のすぐれた技術を導入することが難しくなっております。
国際貢献ビジネスを効果的に展開していくためのODAの活用について、見解を伺います。
○斉田企画担当部長 外務省の資料によりますと、ODAのタイド率は米国が約三〇%、イタリアが約四〇%であります。これに対し、我が国では三%にとどまっております。
現在の日本のODAの仕組みは、吉住理事ご指摘のとおり、日本が資金援助をしても、国際競争入札となり、そのプロジェクトの日本企業の受注が難しい状況にあります。結果として、我が国のすぐれた技術を導入しにくいと認識しております。ODA資金が海外展開する日本企業のためになるように、都議会の先生方のご協力を得ながら国へ提案要求を行っております。
こうした取り組みを通じて、国際貢献ビジネスを効果的に展開してまいります。
○吉住委員 なかなか導入が難しいということで、まだまだ八億人もの人が安全な水にたどり着けない環境にあると聞いております。改善していかなくてはならないと思います。
日本企業の海外展開の進展によって、停滞する日本の産業界の活性化も期待できると思いますし、日本の持つ技術力の象徴として海外へアピールしていただきたいと思います。
さて、先日は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに続き、二〇一八年の国際水協会世界会議の招致に成功をしました。こうした機会を契機に、東京水道の安全でおいしい水の安定供給を国内外に一層アピールしていただきたいと思います。
私は、東京水道の技術は世界一のものだと思っております。例えば、先日達成された一〇〇%高度浄水処理、いち早く取り組んできた震災対策、二十四時間体制で水圧をコントロールしている水運用ノウハウ、無収水率三%の技術など、世界に誇れるものが数多くあります。
国際会議の東京開催へ向けて、これまで培ってきた技術やノウハウを活用し、東京のプレゼンスを高めることはもちろん、国際貢献ビジネスの推進、ひいては産業の活性化につなげていくことが重要だと考えますが局長の見解を伺います。
○吉田水道局長 東京水道は、明治三十一年の近代水道創設以降、東京の都市化の進展に伴う施設の増強や、また四半世紀にわたる高度浄水施設の整備など、安全でおいしい水の安定供給に取り組んでまいりました。
国際展開を効果的に進めていくためには、こうしたこれまでの事業運営を通じて培ってきた技術やノウハウを活用し、東京のプレゼンスをより一層高めることが重要であると認識しております。
去る九月十四日には、水に関する世界最大規模の会議である二〇一八年国際水会議、IWA世界会議の東京開催が決定いたしました。この開催に向けて、日本企業の強みと東京水道が培ってきた技術やノウハウを世界に発信していくとともに、民間企業支援プログラムの活用などを通じましてビジネスマッチングの機会も提供してまいります。
今後とも、海外からの研修生の受け入れや職員の海外派遣、技術協力に関する覚書の締結、ODAの戦略的な活用など、多岐にわたる取り組みを通して日本企業の海外展開を後押しするとともに、アジアを中心とした各国の水需要の改善のために貢献してまいります。
○吉住委員 国際水会議、この世界会議にはこれからの成長が期待される途上国からの参加もあると思います。ぜひとも世界会議に向けて産業界へも貢献していただきたいと思います。
東京の水道は、蛇口から直接、安全でおいしい水が飲める世界最高水準の技術を持っています。途上国に日本の水道技術が導入され、衛生的で豊かな生活を送れる人がふえていくことが望ましいと考えております。
今後とも、国際貢献ビジネスを推進し、世界に貢献していただきたいと思います。
以上で発言を終わります。
○高倉委員 それでは最初に、応急給水用資器材の貸与についてお伺いいたします。
先月発生をしました伊豆大島における台風被害でも、水道被害は被災者へ大きな影響を与えまして、水道局の迅速な対応により応急給水活動が実施をされたわけであります。
災害の発生の後、直ちに現場に行きました私ども都議会公明党の遠藤守議員が現地から連絡をしてきたわけですけれども、この災害の現場では、水道が寸断をされておりまして、被災者や住民の方々が大変水に困っていると。そして、即座に水道局に対応を要請したわけでありますけれども、水道局はすぐに給水車、あるいは背負い式の給水袋、または東京水のペットボトルといったものを岡田港の方に迅速に送ったということであります。
その水を飲んだ方から私もお話をお伺いしましたけれども、大変都の対応に喜んでおられたわけでありまして、局の素早い対応に感謝を申し上げたいと思います。
非常時にありましても、水道は生活に欠かすことができないものでありまして、応急給水というのは極めて重要であると思います。もし都内で大規模な震災が発生をした場合に、水道局や区市町による応急給水にも、場合によっては限界があることも想定をされるのではないかと思います。
そのために、住民みずからが応急給水ができますように、今年度から応急給水用資器材の配布を始めるとしていたわけでありまして、まず最初に、この区市町への応急給水用資器材の配布状況についてご答弁をいただきたいと思います。
○冨田サービス推進部長 今年度は、五百セットを区市町に貸与する計画でございます。
貸与に当たりまして、各市町と調整の上、覚書を締結し、既にこれまで四百八十五セットを貸与いたしました。
○高倉委員 今ご答弁で、今年度五百セット、そして既に四百八十五セットを貸与済みであるということで、区市町と連携をしまして、計画に沿って事業が着実に推進されているということだと思います。ぜひ都内全域にわたって、この配布、また配置が進むようにさらなる取り組みをお願いしたいと思います。
この資器材が計画どおり配布をされた後に重要なのが、実効性を確保するための訓練の実施ということであると思います。区市町が地域住民とともに応急給水活動を実施するためには、貸与された資器材の使用方法、あるいは消火栓や排水栓の操作方法、そういったものを区市町の職員に周知をしていくといった訓練が極めて重要であると思います。
そこで、この消火栓あるいは排水栓を活用した応急給水訓練の実施状況についてお伺いをいたしたいと思います。
○田村給水部長 消火栓や排水栓を活用した応急給水訓練につきましては、希望のあった区市町を対象として、当局が貸与する資器材を使用して、局職員が応急給水活動を実演する訓練を実施いたしました。また、全ての区市町を対象として、局職員の説明のもと、区市町の職員が消火栓や排水栓の操作、仮設給水栓の組み立て作業などを行う訓練を順次実施しております。
○高倉委員 希望をされた区市町に対して局の職員の方々が実演をされたと。それから、全ての区市町に対して、順次、この訓練を行っていると、こういったことでありまして、ぜひ着実に推進をしていただきたいと思います。
速やかに応急給水活動を実施していくためには、消火栓や排水栓の設置場所、これを事前に区市町、あるいは地域住民の方々が知っておくということは、これは不可欠であると思っています。
この消火栓あるいは排水栓の設置場所という情報の提供についてどうされるのか、このことについてご答弁いただきたいと思います。
○田村給水部長 災害発生時の応急給水活動において使用する消火栓や排水栓につきましては、区市町と協議の上、事前に選定し、区市町が地域住民と実施する応急給水訓練などの場において、設置場所の情報を地域住民へ提供してまいります。
○高倉委員 ぜひこのことについても、例えば地域住民の方々のお力を、協力していただいて、こういう応急給水を進めるということに鑑みて、しっかり情報提供は行っていただきたいと思います。
次に、三郷浄水場の件についてご質問したいと思います。
先日、我が党の鈴木貫太郎議員らとともに、三郷浄水場のこのたび新たに完成をした高度浄水施設を視察させていただきました。現場を見て、その施設のすばらしさ、こういったものをつぶさに感じるとともに、職員の方々ともいろいろな意見交換をさせていただいたわけであります。
その際に、この三郷浄水場が江戸川と中川に挟まれた低地に位置しているということについて、水害によって、例えば電気設備といったものがそういった浄水場の稼働に影響が出る心配はないのでしょうかと、こういった課題について、私どもの方からも提起をさせていただいたところであります。
そこでお伺いしますけれども、大雨が降って江戸川や中川などが氾濫をした場合に、三郷浄水場は被害を受ける心配があるのかどうか、このことについてご答弁いただきたいと思います。
○佐々木浄水部長 洪水により、大きな被害が想定される河川につきましては、国または都道府県が策定した浸水想定区域図におきまして、河川が氾濫した場合に浸水が及ぶ区域とその水深が示されております。
これによりますと、三郷浄水場は、先ほどご指摘がございました江戸川、中川のほか、利根川、荒川の浸水想定区域内に位置しておりますことから、現在、浸水による被害の有無やその程度につきまして調査を行っているところでございます。
○高倉委員 調査をしているところというようなことでありますが、もし対策が必要とされるという場合には、至急、的確な対応をとっていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
この三郷浄水場は、二百万都民に給水しているというふうにお聞きをしております。このため、仮に三郷浄水場が浸水被害を受けますと、都民に多大なる影響を与えることになると思います。万全の体制また対策で、こうした想定をする被害に対して、対策をとっていただくように要望をいたしておきたいと思います。
この三郷浄水場の高度浄水施設の完成によりまして、先ほどもお話がありましたが、利根川水系の浄水場全て、高度浄水処理になったわけであります。安全でおいしい水を供給することの重要性につきましては、繰り返し私ども都議会公明党としては訴えてまいったわけでありますけれども、利根川水系の水全ての高度浄水処理の実現を、大変喜ばしいことであるというふうに思っております。
同時に、東京の水道水の安全性やおいしさが着実に向上しているということをより多くの都民に知っていただく必要があるということを、この間、視察もしてまいりまして、改めて認識をさせていただいたところでございます。
水道局では、この安全でおいしい水道水とミネラルウオーターとの飲み比べを行って、都民にもPRしているわけでありますけれども、その状況についてお伺いしたいと思います。
○宇井サービス企画担当部長 このたびの三郷浄水場高度浄水施設の完成によりまして、利根川水系高度浄水一〇〇%が達成されましたが、これを機に、このことを広く都民の皆様に知っていただくとともに、水道水のおいしさを実感していただくため、都内四カ所で五日間、水道水とミネラルウオーターの飲み比べを実施したところでございます。
この五回の飲み比べには、合計約五千五百人の方にご参加いただき、そのうち半数近くの方から、水道水の方がおいしいとの回答をいただいております。
○高倉委員 大変たくさんの方が参加をされまして、着実な成果を上げているようでありまして、大変事宜を得た取り組みであると思います。
しかし一方で、まだまだ高度浄水処理について知らない方々も多いのではないかというふうに思います。
最後に、安全でおいしい水のPRにつきまして、今後の取り組みと局長のご決意をお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。
○吉田水道局長 高度浄水一〇〇%を契機といたしまして、お客様へ水道水の安全性やおいしさをわかりやすくお伝えすることが極めて重要でございます。
そのため、高度浄水をよりわかりやすく知っていただくとともに、おいしさを実感していただけるよう、引き続き飲み比べを実施するほか、新聞折り込みにより各戸配布しております水道ニュースや、イベントなどで配布しておりますペットボトル「東京水」、また電車の車両内ビジョンを活用した映像の放映など、多様な広報媒体を活用し、積極的な広報を行ってまいります。
今後とも、安全でおいしい水のPRを一層進め、お客様に喜ばれる水道の実現に向け、全力で取り組んでまいります。
○松村委員 資料の提出、ありがとうございました。
まず、水道局の震災対策について伺います。
九月三十日、東京都水道局震災対策事業計画が発表されました。この計画は、ことし二月に策定された東京水道経営プラン二〇一三を受けて、東日本大震災の教訓や首都直下型地震等による東京の被害想定を踏まえたものと聞きます。
計画の主な取り組みの三本柱の一つに、避難所、主要駅等及び液状化などにより被害が大きいと想定される地域への供給ルートの優先的な耐震継ぎ手化の三カ年事業計画が具体化されています。
そこで伺います。水道局はこれまで、耐震継ぎ手化を一層推進する新たな十カ年事業計画を明らかにしていますが、十カ年計画の計画概要と事業費などをどう見込んでいるのか、それがこの三カ年事業計画ではどう具体化されるのかをお聞きいたします。
○斉田企画担当部長 水道局では、東日本大震災の教訓や新たな被害想定を踏まえた水道管路の耐震継手化十カ年事業を平成二十五年三月に策定しております。この事業により、十年後の平成三十四年度には管路の耐震継ぎ手率は五四%になります。
一方、二十五年度から二十七年度までの三カ年の震災対策事業計画においては、耐震継ぎ手化の取り組みにより、三年後の平成二十七年度には耐震継ぎ手率は三八%になります。また、この三カ年の事業期間における事業費は約一千五百十億円であります。
○松村委員 今、十年後は五四%と、三年後には三八%。あと十年で半数ちょっとということで、大変大事な事業としてその進捗を強く要望したいと思いますが、この十カ年事業での事業費はどのぐらいを見込んでおりますか。
○斉田企画担当部長 水道管路の耐震継手化十カ年事業の事業費については約八千億円と見込んでおります。
○松村委員 取りかえ延長約五千キロメートルと、事業費は約八千億円という巨額な事業費がかかることも明らかになっております。
私、この耐震継ぎ手の問題について、改めてどういう計画、どういう進捗でいくのかと。断水があってはならないし、これによって耐震継ぎ手率も大幅に向上するということです。
それは、私の居住地のすぐ近くで、耐震継ぎ手管への取りかえのお知らせというのが、最近私のところにもありました。実際、実施地域の選定は、どのような考え方で行っていくのか改めて関心を持ちましたのでお聞かせください。
○斉田企画担当部長 管路の耐震継ぎ手化に当たりましては、東日本大震災の教訓や新たな被害想定を踏まえまして、効果的に断水被害を軽減することが必要であります。このため、首都中枢機関、医療機関、避難所、液状化により被害が大きいとされる地域などを優先して耐震化する年次計画を策定しております。
実施場所の選定は、この年次計画に基づき対象路線を抽出し、道路交通や他の埋設企業者等との調整手続を経て個別路線を決定しております。
○松村委員 その三カ年の事業計画で、一つには管路の耐震化で、主に緊急輸送路とか医療機関、それから避難所や主要な駅への供給ルートということで、この三カ年で今年度が三百二十キロメートル、それから来年度が三百二十キロ、平成二十七年度には三百二十キロと。
それとあわせて、給水装置の耐震化ということで、その中でも避難所だとか主要な駅の給水管耐震化、また私道給水管の耐震化というものも新たに優先的に取りかえていくという計画になっております。
私の近隣においてのこの十一月からの耐震継ぎ手管への取りかえなども、ちょっと地元で恐縮ですけれども、近くには、大泉撮影所を挟んで、そこには映画館もありますし、大きな百貨店並みのショッピングセンターといいますか、あります。それから、地域の中には開業医もあるとか、そういう中での取り組みの一環だと、大変地域からも歓迎されるものと思います。
練馬を聞いてみましたら大変地盤が安定していて、この水道管の耐震化率、昨年ですか、既に三八%と、都内全体での耐震化率も高いということでお聞きいたしましたけれども、そこで避難所への実施率はどうなのか。
私の地域は、大泉東小学校という小学校です。大体避難所は小中学校が指定されております。そこの大泉東小がじゃあどうなのか、私も大変気になったので聞いてみましたら、道路から校庭に入ったバルブ部までが耐震化になって、これからまだバルブから水道メーターまで、そういう課題もあるというふうにお聞きいたしました。
そこで、その避難所の継ぎ手管などの耐震化の実施状況について伺います。
○斉田企画担当部長 避難所への供給ルートの耐震継ぎ手率は、平成二十四年度末現在二七%であります。
○松村委員 一つには、首都直下というか、大きな地震が起きればまずそこに避難をすると。ただ、そこが今の状況だと、一カ月ぐらい断水で水が来ないというような事態、十年後にはそれが大幅に改善されるけれども、それでも十七日ぐらいかかると。やはり選定する場合にも優先度を高めて、避難所には早急に一〇〇%給水ができるような、そういう考え方で取り組む、皆さん方、これからそういう検討していただきたいんです。避難所にその実施率をもっと高めるための取り組みをお聞きしたいんですけれども、いかがでしょうか。
○斉田企画担当部長 平成二十三年三月に発生した東日本大震災では、被災地の避難所において、生活用水が不足し、給水確保の重要性が顕在化いたしました。このため、震災の教訓を踏まえて、平成二十五年三月に水道管路の耐震継手化十カ年事業を策定し、事業量を決定しております。
避難所への供給ルートの耐震継ぎ手化については、十カ年事業の中で優先して取り組むこととしておりまして、小中学校などの優先避難所は平成三十四年度、その他の避難所は平成三十九年度に耐震継ぎ手化を完了する予定となっております。
○松村委員 ありがとうございました。やはり小中学校などの避難所への耐震化は大事だという認識のもとで、ピッチを上げているという力強いご答弁もいただきました。
私、ここで、このいただいた事業計画の二〇ページに資料編というものがついておりまして、例えばここでは、私道内給水管整備等、今年度は七十四億一千万円と、それから来年度、平成二十六年度には同じく七十四億一千万円、次の年も七十四億円と。それに対して、この避難所等の給水管耐震強化については八億三千八百万円、次年度、平成二十六年度は十二億円、その次の年には十六億円と。
私道内給水管整備も非常に重要で、その中には医療施設だとかそういう取り組みがあると思いますけども、私は事業費としては−−先ほどの避難所の耐震化は急いでいるという答えでしたけれども、もっと事業費的にはピッチ速度を、本当にいつ起きるかわからない大震災に備えて、優先的にやるべき課題というふうに思います。この事業費から見た割合は、私道内給水管整備等については七十四億で、それに対して避難所等の給水管耐震強化は八億ということで、事業費から見ればそういう額なのですけれども、これについてはどういうことがいえるのでしょうか。
○斉田企画担当部長 まず、避難所につきましては約二千カ所ございますが、私道内給水管整備につきましては区部、多摩全域を合わせて相当数ございますので、事業費の差が生じているということでございます。つまり対象の路線の延長が違うと、このようなことでございます。
○松村委員 では、その事業費の問題ではなく、避難所へのこの三カ年事業費の見積もりでも、十分急いで優先課題として取り組めるということを伺ったというふうに思います。
もう一つ、集合マンションなど居住者が多い地域の対策などを急ぐべきではないかと思いますけども、この点については、特にそういう項目というか、優先的な対応が見られないですけども、その点についてはどうでしょうか。
○斉田企画担当部長 東京都の地域防災計画におきまして、水道管路の耐震化は、医療機関や震災時に多くの方が集まる避難所、主要な駅などに供給するルートの耐震継ぎ手化を優先的に推進することが掲げられております。
水道局の震災対策事業計画におきましても、こうした都の計画などを踏まえまして、震災時に多くの方が集まる避難所や主要な駅、液状化により被害が大きいとされる地域などへの耐震継ぎ手化を優先しておりまして、現在、この事業計画に基づき実施しております。
○松村委員 といいますのも、東日本とか予想される首都直下型地震の避難者がどうなるのかということで、やはり今計画されている避難所へのその対応というか結局あふれ出るというか入り切れないというか、そういう想定で、新たな避難所計画をどうするかというようなことも課題になっているんです。
今、例えば集合マンションでも、非常に耐震化はよくなって、そこへとどまることができるということですけれども、そこが断水で水が出なければ、やはり避難所へ行った方がいいということになるということを考えれば、それが本当に一時的な、二日か三日避難所に行くというんじゃなくて、さらに長期化した場合、お風呂とか洗濯とかいろいろな、ライフラインとしての水の役割が大きい。やはり大きな、居住者が集まっている住宅地等についても、今後ぜひ、そういう全体的な検討や、優先的な状況も考えてみることが必要じゃないかということを指摘しておきたいと思います。
この項の最後に、都心部での首都直下型地震などに備えた水道管の耐震化の課題をどのように考えていますかお伺いいたします。
○斉田企画担当部長 東日本大震災を踏まえまして昨年見直されました被害想定では、東京都全体の断水率は三五%、区部では四五%となっております。
水道局では、水道管路の耐震継ぎ手化を従来の取り組みに比べ、大幅に前倒しし、取りかえ延長をほぼ倍増して進めてきておりまして、平成二十五年度からは、取りかえ対象となる施設や地域の優先性を重視し、耐震継ぎ手化を一層推進する新たな耐震十カ年事業を平成二十五年三月に策定いたしました。
管路の耐震継ぎ手化を効果的に進めるためには、人材、事業体制、財源、さらに優先順位を踏まえて策定したこの事業計画の完全達成が先決でありまして、着実に推進してまいります。
○松村委員 東京都による被害想定では、首都直下型地震が発生した場合、千代田区だけでも帰宅困難者が五十万人発生すると予測しています。このため、千代田区は二万人の帰宅困難者受け入れの一次計画を進めて、既にそれを達成したということもお聞きしております。
私は、そういう意味では、都心におけるそういう状況が考えられるときに、やはりそのライフラインをどう維持するかという点では、これは水道局がそのライフラインの使命を担って、水をそういうときにも断水せずに送り込むという使命とあわせて、ちょっと最後に紹介したいのが、東日本大震災を教訓とした地震津波対策を考えるため、国・政府が中央防災会議を設置されておりますけども、その専門委員会の座長を務めている河田惠昭関西大学教授が、ことしの八月三十一日の読売新聞に、災害基本法の改正など防災、減災の努力が継続されているが、その一方では、これに逆行する国土づくりが進んでいるとして、その典型例に超高層マンションを挙げています。
超高層マンションは、免震や制震構造で建物自体は守られたとしても、地震の強い揺れで、周辺地域を通って供給されている水道や電力、都市ガスなどのライフラインが長期にわたって断絶することを忘れてはいけないと。住民の生活空間は十階程度までに限定し、それ以上の高層階は非生活空間として会議室や備蓄倉庫に利用するなど、一定の制限や工夫が求められていると。私、これ読んで本当にはっとしました。
そういう意味では、水道局の使命であるライフラインを確保して送り込むと同時に、こういう視点からもあわせて、大災害というか、大震災に備えての今いった量と質、どういう役割を果たすかを、全庁的にも考えて提起をしていただきたいということを申し上げて、あともう時間が大分押し迫りましたので、次へ早く行きます。
都有地の積極的な活用についてです。
水道局は、全庁的な都有財産利活用推進会議の構成員として、活用可能な都有地の情報提供などを行っていると思いますが、過去十年間、区市町村などに売却を行った実績はあるのか伺います。
○石井経理部長 当局では、道路、公園、施設等の用に供するため、区市町に対し、過去十年間で十六件の売却を行っております。
○松村委員 私たちが今回調査して、水道局所管の普通財産の土地が七十三カ所、そのうち五百平米以上が四十カ所あることがわかりましたが、その土地の現状はどうなっているのでしょうか。現在、更地となっているものはありますか。
○石井経理部長 当局の普通財産である土地につきましては、局ホームページで公開しているところでございますが、その多くは、共同ビル事業や事業用定期借地権の設定等により有効活用しております。
なお、市街化調整区域に存していたり、無接道のため利活用が困難である等の理由により、現在更地の状態にある五百平方メートル以上の土地は九件でございます。
○松村委員 五百平米以上の更地となっているのが九件あるということです。来年度の予算の局要求でも、固定資産税、売却というところで売却収入が計上されていますので、来年度も売却予定があるというふうに思います。
それから更地ではないけども、私たち、いろいろ現場にお聞きしたり、そういうことを行う中で、出張所、事務所が既に統廃合で使われなくなって大分たつけれども、そのまままだ使えるしっかりした建物があるとか、そういう状況も、そういう土地も見受けられました。
そこで、水道局の普通財産を他局や区市町村の事業に活用する場合、どのような手続的な流れになるのか。また、区市町村の負担軽減の要望にどうすれば応えられるのか伺います。
○石井経理部長 普通財産となりました土地につきましては、保有したままで有効活用を図ることを原則としております。
このうち、当局における有効活用が見込めない土地については、庁内各局や区市町村に対し情報提供しており、当該用地の取得や利用希望があった場合には、個別に調整の上、対応しております。
また、当局は独立採算により事業運営を行っていることから、所管がえや売却に当たりましては、適正価格で対応しているところでございます。
○松村委員 公営企業を除いた東京都の財産は、条例で、無償で、または時価よりも低い価格で譲渡することができると、こういうできる規定がありますけれども、公営企業局会計の土地でも、普通財産、それに該当するような規定があるのでしょうか。
○石井経理部長 東京都水道局固定資産規程において、減額や免除の規定は設けております。
なお、当局は独立採算により事業運営を行っており、常に経済性の発揮が求められることから、当局事業に寄与するなどの事由がない限り、適正価格で対応することとしております。
○松村委員 今ご答弁がありました。私もその規定を読ませていただきましたけれども、先ほどの一般会計と同じような、できる規定があることを知りました。
そこで、現在、暫定的に利用している土地の中で、その活用が、特養とか保育所などもっと公共的な施設として活用する方が、都民要望からいっても適切と考えられる土地もありますが、どうでしょうか。
○石井経理部長 当局が保有いたします土地は局事業への活用が前提でございますが、これまでも、当局で活用見込みのない土地があれば、庁内各局や区市町村に情報提供しているところでございます。各局や区市町村から要望があった場合には、局事業に支障のない範囲で対応しております。
これらの取り組みを継続して、今後とも局有地の情報提供を行ってまいります。
○松村委員 利活用で、いろいろ公営企業局も、財政というか、寄与しなければならない、そういう活用の仕方もあると思います。
確かに、例えば地域の公園に使われているという、そういう役立っているところもありますし、しかし、中には民間の害虫駆除会社が使っているとか、いずれにしても終期が来ると思います。そういうときには、ぜひ今いった観点からも、全庁的にもご協力いただきたいというふうに思います。
最後に、きのう各会計の決算の質疑があった中でも、例えば財務局長は、都有地は都民から負託された貴重な財産であり、高齢社会対策を初めとした都民の喫緊の課題解決のために最大限有効に活用していくと。そしてまた、特別養護老人ホームの整備にあっては、未利用地については五割減額した上で売却、また、福祉保健局と連携して、社会福祉法人に対しましても特養老人ホームを整備する場合には貸付料を五割減額した上で未利用都有地の貸し付けを行っていると。今後とも、都は、そうした特別養護老人ホームの整備促進に向け、区市町村と連携を図りながら未利用都有地の利活用を引き続き進めていくと、力強いそういう答弁がありました。
公営企業局の独立採算とかそういう企業経営の問題もありますけれども、ぜひ全庁的にも協力していただいて、そうした取り組みが区市町村で進むように要望して終わります。
○西沢委員 私から、まず最初に、みずほ銀行についてお伺いをいたします。
これは、会計管理局、それから先ほどの交通局と、それから下水道局にも聞きまして、委員の皆さんにはまたかという感じがあるかもしれませんが、これは公営企業で、局ごとなのでご了承いただければと思います。
まず、最初にこれをお伺いします。水道局には、暴力団を排除する規定というものがあるのかどうか、最初にお伺いいたします。
○石井経理部長 水道局では、東京都水道局契約関係暴力団等対策措置要綱を定め、公共工事、売買、賃貸、請負、その他全ての契約から暴力団等反社会的行為者を排除する措置を講じており、適正な契約事務の執行に努めております。
この要綱に基づき、暴力団等が実質的に経営支配する者等を契約から排除することとしております。
○西沢委員 要綱を定めて契約をしないようにしているというようなことだと思います。それはそれで結構なことだとは思います。
それと、会計管理局の場合には、指定金融機関といいますが、今話題にしているのは出納取扱金融機関のことでございますが、会計管理局では、資金計画であったりとか、資金の管理であったりとか、こうしたものを公金管理委員会という専門家チームでアドバイザーのように聞いて、そして運用、方針を定めていると、こういうふうに聞きます。
公営企業である水道局では、こうした公金管理委員会のようなものがあるのかどうかお伺いいたします。
○石井経理部長 水道局では、安全かつ効率的な資金管理を図るため、金融分野の専門家等から成る東京都水道局資金運用管理委員会を設置し、資金運用の基本的方針や金融機関の経営状況等について指導助言を受けているところでございます。
○西沢委員 金融部門の専門家の皆さんに指導助言を受けているという話でありました。今回、一連のみずほ銀行の金融庁からの業務改善命令であったり、その後に報告が二転三転することによって状況が悪化している、こうした一連の対応に対する局の対応というものがどういったものなのかお伺いいたします。
○石井経理部長 当局は、みずほ銀行の社会的信頼が大きく損なわれていることに対し、あらゆる手を尽くして信頼回復に努めるよう文書により申し入れを行っております。その後、みずほ銀行が金融庁に業務改善計画を提出したことを受け、その内容の説明を求めるとともに、定期的に進捗状況を報告するよう求めております。
○西沢委員 どの局にお伺いをしても、全く同じ答えが返ってくるんですね。それはある意味横並びでいいと思うんですけれども、ひとつ、いろいろと対応があっても私はいいと思うんですよね、局ごとに。
この出納取扱金融機関をかえたときの影響なんですけれども、これまでどの局でも、ほかにやるところがないから、もしくはノウハウがないから、膨大なお金がかかるから、そういう話がございましたが、水道局はどうなんでしょうかお伺いいたします。
○石井経理部長 みずほ銀行は、当局の出納取扱金融機関として、収納取りまとめを初めとするさまざまなノウハウを蓄積しております。出納取扱金融機関となるためには、上下水道料金を収納するための独自のシステムの構築や運用、当局の公金を取り扱うための体制整備等も必要でございます。このため、新たなシステムの構築、運用経費が取扱手数料にはね返ることや、新システム移行を含めた初動期におけるリスクの発生が懸念されます。
さらに、システム開発やシステムの検証など移行期間も長期にわたるとともに、当局においても多大な事務負担が見込まれるところでございます。
○西沢委員 わかりました。そういった影響があるということでございます。
今、答弁の中にありましたけれども、新しいシステムなどの移行を含めたリスクの発生が懸念されるということであります。
何度も、ほかの局でも話をするんですけれども、金融機関が業務改善命令、業務停止処分など万が一あった場合、みずほ銀行があった場合、それこそ、そのときにかわる金融機関がいないということになります。そうすると、そのときに業務が滞ってしまう、行政事務がふえてしまう。結果的には、混乱プラス余計なお金がそのときにかかると私は思います。そうなる前に、事前にある程度、大阪の例でいえば輪番制というような形で金融機関を回していくというようなリスク分散を図るというようなことも私は考えていいなと思いますが、出納取扱金融機関、今後どうするのかお伺いいたします。
○石井経理部長 みずほ銀行は、金融庁に対しまして業務改善計画を提出しており、その中で再発防止策、法令遵守体制の強化、役職員を含めた意識改革等に取り組むこととしております。
当局といたしましては、この業務改善計画の実施状況について定期的な報告を求めることとしており、あわせて現在行われている金融庁の追加検査の動向を見守っていきたいと考えております。
○西沢委員 私は、他の金融機関も含めて、その出納取扱金融機関をどうするのかを検討していくことを要望したいと思います。
次の質問に移ります。経営努力についてお伺いをしていきたいと思います。
水道局で出している東京水道経営プラン、今回は二〇一三ということでございますが、経営プランについては、不断の経営努力という項目がありまして、これだけの経営努力をして、これだけの経費の削減に努めているんだというようなことがございます。
消費税の率が上がるということが決まっている中において、それを転嫁するという議論が、これは今回ではなく、恐らく近い将来にあるんだと思います。その前に、では水道局自身がどういった努力をしているのかというのはお伺いしておきたいところでございます。
そうした中で、この不断の経営努力というところで、プランの二〇〇七から二〇一〇、そして二〇一三とございます。プランの二〇〇七からであれば、平成十九年、二十年、二十一年、職員定数の削減、既定経費の節減、それから資産の有効活用などというようなことがございますが、これは二〇一〇も全く同じ、職員定数の削減と既定経費の節減、資産の有効活用、そしてことしのプラン二〇一三でも同じように、職員定数の削減と既定経費の節減、資産の有効活用と、全く同じ項目、同じ経営努力をしていきますよというようなことだと思います。
そうした状況で、まず職員定数の削減なんですけれども、職員をつまり切り続けてきているということだと思うんです。
本日も、その技術の継承というような話もございましたが、職員定数の削減があって、どのようにこの局事業を担保していくのかお伺いいたします。
○松宮総務部長 当局におきましては、組織の統廃合や事業執行の創意工夫などにより、効率的な執行体制を構築することで定数を削減しております。
また、水道事業の基幹的業務をコア業務、準コア業務に分け、監理団体との連携により、公共性を確保しつつ、効率的な事業運営体制を構築する一方で、民間に委ねられる業務は可能な限り民間事業者に委託して、定数削減の努力を行っているところでございます。
○西沢委員 これも大変な努力をされていることと思いまして、これには本当に敬意を払うものであります。
九年目に入りましたこのプラン、経営努力ですが、今のが職員定数の削減で、それから既定経費の節減、資産の有効活用、あと二つありますが、既定経費の節減についてはどのような取り組みかお伺いいたします。
○松宮総務部長 既定経費の節減につきましては、建設維持管理コストの縮減やポンプ設備の効率化、高効率照明設備の導入による電力使用料の削減など、既定経費の節減を積極的に実施しているところでございます。
○西沢委員 今のが二つ目の既定経費の節減というところでございましたが、それでは最後の一つ、資産の有効活用の内容はいかがでございましょうか。
○松宮総務部長 資産の有効活用につきましては、未利用地の売却や定期借地権を活用した賃料収入等によって資産の有効活用を進めております。
○西沢委員 今お伺いした経営努力でありますけれども、職員定数の削減、これはいいですよ。これはご努力されているというように素直に思います。
しかし、残りの二つ、既定経費の節減と資産の有効活用については、この経営プランに書いてあることそのままの答弁なんです。ほとんど同じ答弁です。一行です、一行。
私がお伺いしたかったのは、具体的にどういったものなのかという話で、以前には、私は、例えば資産の有効活用であればリスト的なものであったり、具体的なものであったり、事業仕分けじゃないですけれども、どれくらいの努力があるのか、もっとわかりやすくお伺いをしたつもりなんです。
この経営努力というのは、これは当たり前の話でありますが、どうしても、それだけ経営努力をしているというのがわかりづらいというように私は思いました。この不断の経営努力というのは大変大事なことですし、ご努力をされていることに敬意を払います。しかし、その中身については、額が書いてあって、既定経費の削減と有効活用していますと、これだけのお金ですと、百億円だという話が書いてあるだけなんです。
しかもこれは、今回のプランで九年目になるわけですね。三年ごとの計画で、二〇〇七年から始まって二〇〇七、八、九と、一〇、一一、一二、一三、一四、一五といくわけですけれども、ずっと同じ項目を経営努力として掲げられている。これは予算要求の段階でもわかることですから、あえて経営努力というのであれば、もっと詳しく、これだけ努力しているというものを、しっかりやっているのであればアピールするべきだと私は思いました。
特に、これから経営努力については、消費税の話なんかもありますから、もっとわかりやすくアピールをしていく、わかりやすい資料をつくるなどしていくべきだと思います。
そして、この経営プランの三年計画でございますけれども、この収支というものは、二〇〇七のときのプランでも、それから二〇一〇のプランでも、それから二〇一三のプランでも、累積収支の過不足額というのは必ず計画の段階ではプラマイゼロというような形になります。
二〇〇七のときは、当然、平成十九年度、平成二十年度、平成二十一年度で収支がゼロになるというような予定ですけども、結果としては十五億六千三百万円のプラスになりましたよと、これはこうした努力もあったのかと思います。
二〇一〇の場合も、平成二十二年度、平成二十三年度、平成二十四年度の三カ年でプラマイゼロになりますよというような予定なんですけれども、結果的にはプラスの十五億二千二百万円になりましたと。
今回、プランの二〇一三では、平成二十五年度、二十六年度、二十七年度で、やはり計画ではプラマイゼロになると、こうした予定になっているわけであります。
このプランの三カ年がプラスになるというのは、もちろんこれは喜ばしいことだし、努力もあろうかと思いますが、うがった見方をすれば、計画自体がもともと甘いものなんじゃないのかというようにも読み取れなくもないわけであります。
さまざまな状況があります。リーマンショックだったり、東日本大震災の影響だったりとか、こうした環境などもあると思いますが、この計画はどのような形で策定されているのかお伺いいたします。
○松宮総務部長 経営プランにつきましては、過去実績や政府の経済見通し等を参考にするとともに、当局事業が置かれた経営環境の変化等を踏まえて、計画期間の三カ年に必要な事業量や料金収入等を見積もって策定しております。
現行プランは、これに加え、東日本大震災の影響などの特殊要因も考慮しながら推計を行ったものでございます。
なお、計画期間中におきましても、状況の変化を踏まえて、毎年度予算はもとより、日常の執行段階においても常に見直しを図っているところでございます。
○西沢委員 計画中でも見直しを行っているということでもございましたが、東日本大震災の影響など特殊要因を考慮しているという話ですが、その特殊要因というのも、どう考慮するのかというのもあろうかと思うんですね。私は、この計画策定の方法なんかも、もう少し工夫したり、改めてもいいんじゃないかと、こういうふうに思います。
水道料金についてでありますけれども、先にちょっと料金改定のときの話をお伺いしたいんです。過去に料金の値上げであったり、値下げであったりというものをしておりますが、過去の料金改定の際の率と、それから改定の理由がどのようなものであったのかをお伺いいたします。
○松宮総務部長 平成元年度以降の料金改定についていいますと、まず平成元年度の改定では、四%料金を引き下げた上で消費税三%の転嫁を行いました。平成六年度の改定では、可能な限りの企業努力を実施しても財政収支の不足が見込まれたことから、一六・一%の引き上げを行いました。平成九年度の改定では、消費税率改定により二%分の転嫁を行いました。平成十六年度の改定では、料金体系の見直しにより二・二%の引き下げを行ったところでございます。理由としては、それぞれのその時点その時点の経営環境等でございます。
○西沢委員 それぞれのときに改定をしてきたということでございますが、やはり消費税の議論がこれから、何度もいいますけれどもあります。そうした中で、東京都の水道局という収支を見ると、簡単にいえば、これは真っ黒、黒の黒字状態ですよね。
先ほど都営バスの話、交通局の方でありましたけれども、大変厳しい赤字だという話があっただけに、この水道事業会計に関しては、かなり収支がいいというような状況が見てとれます。
この財政の状況でいうと、例えば平成十一年度には企業債の残高八千億円ありましたが、平成二十四年度では、恐らく三千三百億円ぐらいですね。半分以下に減ってきているというような形であります。
また、この流動比率というものを見ても、流動資産を流動の負債の方で割ったわけでありますけれども、これが一〇〇以上であれば健全だといわれる中で、水道局は三〇〇%超えているわけですね。そうした状況などを見ると、十分に財政の収支はいいというように思えます。
さらに、建設改良費というものが毎回計画で出ていますが、毎回これ執行がされてない部分があります。このプランなどを見ても、八十億円とか、それから多いときには二百億円以上ですね、建設改良費、計画では出していますけれども、決算の時点では使われていないというものがあります。
そうしたものを見ると、これは消費税を転嫁しないで実質値下げするというような議論もあるんだと思いますが、見解をお伺いいたします。
○松宮総務部長 現在、水道局では、全体で一兆円に上ると見込まれる浄水場の更新や、今後十年に限っても八千億円を超える管路の耐震継ぎ手化を初め、施設の耐震化、導水管の二重化、送水管ネットワークの強化など多くの財政需要が存在しております。
これらの事業を計画的に進めていくことが、水道事業者としての重要な責務だと考えております。
○西沢委員 承知いたしました。もちろんこれから、今お話がありました水道管などの耐震化、これはさまざまな技術などもあります。ですから、私は、この財政がどうなのか。先ほどの経営努力の部分もそうです。無駄なことをしてはいけないということは当然として、財政がどうなのか、収支はどうなのかというのを、もっと明らかに、はっきりと指標として示していくべきだというように思います。そのことを指摘させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○田中委員 私からは、まず水道サービスの広聴施策についてお伺いいたします。
水道の利用者というのは、いわばお客様ですけれども、水道は都民の方々全員使いますので、水道事業は都民全員がお客様ということになります。公共サービスの事業者である水道局は、お客様の声を真摯に聞いて、その意見を施策に反映させて、水道サービスの向上に努めなければいけないと思います。
まず、お客様である水道利用者の声は、今どのような方法で聞いていらっしゃるのか。また、どういった意見が多いのかも、あわせてお伺いをいたします。
○宇井サービス企画担当部長 お客様からのご意見、ご要望につきましては、当局のお客さまセンター、営業所、多摩のサービスステーションなど、また局のホームページを通じて、電話やメールにより、または直接窓口に寄せられます。
平成二十四年度におけるお客様の声につきましては、苦情といたしまして、水道工事に関するもの、料金の催告書の行き違いに関するものが多くありました。また、要望といたしましては、各種受け付け手続に関するものやインターネットを利用したクレジットカード払い、また支払い期間の延長に関するものなどが多くございました。
○田中委員 ありがとうございます。こういった全ての施策にいえることですけれども、そういったお客様からの意見は、もちろん聞くだけでなくて、その後施策に反映させてサービスの改善につなげなければ意味がありません。
水道局では、こういったお客様の意見をどのように施策に反映させているんでしょうか。お客様の意見により改善された具体例があれば、あわせてお伺いをいたします。
○宇井サービス企画担当部長 当局では、お客様からのご意見やご要望は組織全体として受けとめまして、これを体系的に分類してデータベース化し、局内で共有できるシステムを構築してございます。
さらに、このお客様の声を施策に反映させるための局内組織として、平成二十一年度からお客さまの声活用委員会を設置しております。
お客様の声を実際に施策に反映させた例といたしましては、平成二十四年度におきまして、工事に伴う騒音の苦情に対して、業者向けにマナー講習会を開催し、現場対応におけるお客様への配慮を周知徹底いたしました。また、催告書の行き違いなどによる苦情を防止するため、催告書の発行日の見直しや届いた催告書での支払いを可能にするなど、サービス向上に努めたところでございます。
○田中委員 今お聞きしたとおり、具体的にいろいろな改善をされていること、また局内で意見、要望をデータベース化をして共有をしていることなど、積極的にいろいろな意見をお聞きになって、生かす姿勢があるということは、この間もお話もお聞きましたけど、非常に評価ができると思います。
そこで、冒頭のご答弁にもありましたお客様の窓口の一つとなる水道局お客さまセンター、以前は料金のこととかお引っ越しの手続というのは、水道の営業局がやっていたわけですけれども、今、この水道局お客さまセンターがコールセンターで一手に引き受けているというわけです。
お引っ越し、契約の変更、各種申し込み、料金や漏水の修繕、そのほか水道に関するお客様からの問い合わせを数々取り扱っているわけですけれども、この複雑で多様な対応をしなければならないにもかかわらず、応答率が九〇%ということで、かなりいい対応になっているのではないかと思います。
今、ここは委託でされているようですけれども、ここの対応で利用者の印象が決まるわけですから、利用者の方は委託か委託でないかは余り気にしていらっしゃらないと思います。
先日、私の区内の支援者の方から、料金のことで電話をしたときに、ちょうど十二時から一時のお昼休み時間帯になって、昼休みなので昼休みが終わってから連絡をしてくれといわれたという苦情があったんです。
ここのお客さまセンターにちょっと聞いてみましたら、このお客さまセンターには昼休みがないんですね。八時半から二十時、夜の八時までやっていらっしゃるので、その方が何をいっていらっしゃるのかがよくわからなかったんですけれども、そのお客さまセンターにお聞きをしたら、そこから営業所の方に回すような案件があると。そのときに、営業所が昼休みだからといって断ることが多いということをお聞きをいたしました。
オペレーターの方々のお話を幾つかお聞きをしたんですけれども、十二時から十三時が昼休みなのでなるべくお客様からの電話をつながないでほしいといわれる。また、お客様に十三時過ぎにそちらの方からおかけ直しをなさってくださいと伝えると、お客さんにかけるのは面倒くさいといわれる。また、お客さんも働いていらっしゃる方などはお昼休みしかお電話をかけられないわけですね。そういった方が、また一時過ぎにはなかなかかけられないといったような、こういった話が数々聞かれました。実際お客様に迷惑が非常にかかっていることが多いということをお聞きをいたしました。
十三時一分前にこのオペレーターの方が営業所に急ぐ要件があって電話をしたら、十三時まで昼休みなので十三時にかけ直してくださいといわれたということもあります。オペレーターの方々は、委託先であって、そして営業所の方々よりも立場が弱いので、そういった苦情をなかなかこちらからはいえないということを何人もの方からお聞きをしました。
こういったことは、そのオペレーターの方々と営業所の方々との問題もあるかもしれませんけれども、結局お客様の方にしわ寄せがいっているわけですね。連絡をとりたくてもなかなかとれないというような事態が起こってしまっています。
営業所の方の問題もちょっとお話を聞いて驚きましたけれども、それより驚いたのは、今どき昼休みだからつながないでくれという窓口、これがあるということに私はちょっと驚きました。今、昼休みとっている役所というのはほとんどありません。
そこでお聞きをいたしますけれども、平日の昼休み時間帯、大体十二時から十三時のお客さまセンターの受け付け件数というのは、どのぐらいあるんでしょうか。また、前後の時間帯と比較して多いのか少ないのか。また、水道局営業所の平日の昼休み時間帯、これも十二時から十三時です、の体制はどのようになっているんでしょうか。通常時間帯の体制とどのように違うのかお伺いします。
○冨田サービス推進部長 平成二十五年十月の営業日におけますお昼休みの時間帯のお客さまセンターでの受け付け件数は約一万三千件でございます。また、十一時から十二時と、それから十三時から十四時の受け付け件数ですけれども、これはおのおの約一万四千件となってございます。
営業所の昼休みの時間帯につきましては、窓口の料金収納と各種受け付けなどの業務を二人一組で対応しているところでございます。通常の時間帯につきましては、各係で対応してございます。
○田中委員 今お聞きしたところによると、前後の時間帯とそんなに違わないということですね。そうすると、そんなに違わないそのお客様からのお問い合わせがあるのに、営業所の窓口は二人一組、そしてその電話の方は一本しか空いてないということをお聞きをいたしました。ですから、ふさがってしまうとずっとつながらない。その上、断る方がいらっしゃるということなんです。お客様からの問い合わせ件数、またお申し込みなどの件数、これがほとんど変わらないわけですから、昼休みの営業所の窓口の体制も、これはもう少し工夫をなさったらいかがでしょうか。
お昼休みの問い合わせ件数がどんと落ちるんならば、それでもお客様サービスは変わらないと思いますけれども、今の数をお聞きしたところ、私、きょう初めてお聞きしましたけれども、人数ほとんど変わりませんね。ですから、そういったサービスを、もう少し体制をお考えになったらどうかと思います。
今の時代、区役所とか市役所、また金融機関、ずっと昔はお昼休みをとっていましたけれども、今、お客様や利用者に対して昼休みだから対応を待てというのは、もはや許されることではありませんし、水道局の営業所でも同様だと思います。
せっかく先ほどお客様の声、さまざまな工夫をして、またそれをうまく施策に反映させてサービス向上に努めていらっしゃるんですから、営業所の昼休みの体制をお客様に迷惑のかからないように見直すべきではないのかと思いますけれども、見解と今後の対応をお伺いいたします。
○冨田サービス推進部長 お昼休みの時間帯につきましては、先ほどもいいましたとおり、お客さまセンターで通常どおりの各種の受け付けをしてございます。
営業所の昼休み時間帯でございますけれども、こちらの方は通常の受け付けの、先ほどのとおり窓口業務のほかに、平成二十五年の十月分でしたけれども、こちらの方では、一営業所、一日当たりですが、約一件に満たない、これはあくまでも平均の話でございますが、お客さまセンターでは対応し切れない業務について、これは営業所に回っていきますので、これを二人一組で対応しておりまして、十分機能しているだろうと私どもは認識してございます。
なお、給水停止により生じます問い合わせなどの業務量の増加が見込める場合でございますけれども、こちらは人員を増強するなどの柔軟な体制をとっていることから、お客様に迷惑のかかることはない対応を確保してございます。
○田中委員 今、一件弱とおっしゃいましたけれどもね、これは、もともとお昼休みなのでつながないでほしいということを、常に常にオペレーターの方は営業所からいわれているんだそうです。ですから、つながないんだそうです。お客様に十三時まではお休みなのでかけ直してくださいといっているということを、私は何人もの方からいわれました。ですから、一件ぐらいしかつながっていないんです。
こういうところをもう少しお調べいただいて、そして今どき役所の窓口がお昼休みだから一分前にかけたら断るなどということは、これは一回でもあっては私はいけないと思いますよ。
そしてお客様には、ちょっとほかの担当の方にお聞きをしたとき、水道局の方からお電話をお客様にかけ直すことがあったようなときは−−かけ直さなければいけないということになっているんだそうです。ところが、そのかけ直すという行為を面倒くさいと、いるかいないかわからないところにかけるのは嫌だと、そういうふうに営業所の方がおっしゃるんだそうです。これ、一件でも二件でそういうことがあれば、大した問題ではないとか、そういうことはないと思いますというお答えは、私は返ってくるわけがないと思っていますけれども、この体制をもう一度調査をなさって−−そしてそういった対応をなさっているのが一人や二人ではないそうです。ですから、きちんと、そこはお客様の、やはり水道局の営業所だって最前線ですからね。ですから、昼休みにお電話をおかけになった方々でも嫌な思いをしないようにちゃんと対応するべきではないかと思います。
ちょっとヒアリングのときにお聞きしましたけれども、オペレーターの方が委託になったので、そういうのをよく思っていない営業所の人もいるというようなこともお聞きしました。今あんまりないと思いますとおっしゃっていましたけれども、たとえどんな理由があろうとも、お客様に迷惑がかかるようなことが、そういう対応をやっては絶対にいけないと思いますので、ぜひお客様の立場に立った最優先の対応をしていただきたいということを強く要望をいたします。また、その体制をもう一度調査をして、きちんとお客様に沿った見直しをなさるように要望いたします。
そして、次の質問に移ります。
次は、水道のテロ対策についてお伺いをいたします。
アメリカで二〇〇一年九月十一日に同時多発テロがありました。それ以降、不特定多数の人間や公共の建物、施設を攻撃して社会生活を麻痺させるテロリズムは、市民生活や都市活動にとって新しい危機となりました。
この二〇〇一年には、今、話題になったお客さまセンターへの意見としても、水源をテロから守るべきとの声が多数寄せられているということがホームページに書かれています。
水道事業は、市民に安全な飲料水を供給することを目的とした最も重要なライフラインを管理運営する事業です。自然災害とか水質事故だけでなくて、テロなどの多様な危機を未然に防止して、危機発生時には迅速かつ効率的な対応ができる体制及び関係機関やほかの都市との連携体制をしっかりと構築して、その対策を十分検討しておく必要があることから、東京都の水道のテロ対策についてお聞きをいたします。
まず、水道へのテロとしては、どのようなものを想定しているのかお伺いします。
○佐々木浄水部長 浄水場や給水所などの水道施設に対するテロといたしましては、原水や水道水に毒物などを混入するもの、また施設そのものを物理的に破壊するものなどが考えられます。
○田中委員 今おっしゃったその水源とか浄水施設への毒物、また、今、微生物ですね。NBCテロというのもありますし、あと施設破壊、もう一つは施設だけでなくて管路の破壊ですね、そういったのもテロであります。
また、もう一つ、維持管理、また監視制御システム等に対するサイバーテロも、これは想定しておかなければいけないのではないかと思います。テロの発生が予見されるような場合は、まず緊急の予防策、それがなくても通常でも、常にテロ対策をとらなければなりません。浄水施設や水源地では、どのようなテロ対策を行っていらっしゃるんでしょうか。
○佐々木浄水部長 浄水場においては、水質の異常を速やかに察知するため、魚の反応を利用した毒物検知水槽により、原水及び浄水を二十四時間監視しております。
さらに、浄水処理の最終工程となりますろ過池におきましては、異物混入を防止するため上部にアルミ製の覆いを設置しております。また、貯水池では、テレビカメラによる監視や船からの湖面巡視により、魚の大量死などの異常や不審者、不審物の早期発見に努めているところでございます。
これらに加えまして、浄水場、給水所、貯水池などでは、不審者の侵入を防止するため、周囲柵の設置、かさ上げや、赤外線による侵入防止センサーの整備などの対策を講じております。
そのほか、テロの未然防止と緊急時の対応に備え、警察を初めとする関係機関との連携を強化し、浄水場の巡回など協力体制を整えているところでございます。
○田中委員 さまざま対応をされているようで安心をいたしました。日本でも、実はこの水源地へのテロというのがあったことがあります。
昭和五十三年六月に、千葉県の北総浄水場に廃油毒物投入テロ事件というのがありました。犯行から発見まで約十六時間かかったんですけれども、沈殿池、ろ過池、配水池までの状況で発見されて、幸いなことに市民の皆さんへの実害はありませんでした。管理本館から死角となる場所の有刺鉄線の一部を切断して侵入した、これはそのときの状況の成田空港建設に反対する過激派の組織的、計画的犯行ということで断定をされています。
また、毒物投入など、あとは細菌の投入、NBCテロが主に考えられがちですけれども、浄水施設や水源地そのものを破壊するというだけではなくて、長期間占拠されるような大規模なテロも想定をされます。海外では、浄水施設とか水源の場所など水道施設に関する情報というのが、重要な軍事機密になっている国も少なくはありません。
日本でも、今後はこれぐらいの考え方をしなければならないときが来るかもしれませんが、不幸にも水道施設にテロが発生した場合には、応急対策を計画的かつ効率的に実施することが求められますけれども、どのような対応をなさるのかお伺いいたします。
○佐々木浄水部長 原水に毒物などが混入された場合は、粉末活性炭の注入など浄水処理を強化することで対応してまいります。また、浄水処理の強化で対応できないため送配水を停止した場合や浄水場や給水所など水道施設が破壊された場合などは、他の水道施設によって被災施設をバックアップすることで対応してまいります。
○田中委員 ありがとうございます。先ほど最初の水道のテロと想定されるものというのが三つありましたけれども、できればそれぞれのテロに対する対策をしっかりと決めておかなければ、テロというのは予告をして起こる、直前に予告をされることはあるかもしれませんけれども、やりますからよろしくねといわれるものではありませんので、そういった対策もしておかれればと思います。
厚労省では、水道事業体の危機管理対策として、平成十九年にテロ対策マニュアル策定指針というのを示しています。水道事業体におけるテロ対策マニュアル策定の支援を促進していますけれども、東京都水道局ではこのテロ対策マニュアルというのは策定をしていらっしゃるんでしょうか。
○佐々木浄水部長 水道局では、浄水場等での毒物などの混入に対しては、水質事故時の対応策を規定したTOKYO高度品質プログラムに基づきマニュアルを作成しております。また、浄水施設の機能が突発的に停止した場合に、再稼働や他の施設からのバックアップを行うためのマニュアルも整備しているところでございます。テロの発生に際しましては、これらのマニュアルを活用して対応していく所存でございます。
○田中委員 先ほど、テロ対策としてどのようなことを行っているのかとお聞きしたときに、いろいろな対応をなさっていました。それは安心なんですけれども、今おっしゃったように、いざという緊急のときに、あちらこちらのいわゆる危機管理対応マニュアルを見て対応するよりも、きちんとした水道テロ対策マニュアルを策定をして、それに沿った的確で素早い対応をできるようにした方がいいのではないかと思います。
冒頭で、水道へのテロとして、維持管理や監視制御システム等に対するサイバーテロも想定すべきだということを申し上げましたけれども、海外では、実際に水道施設の制御システムが外部から乗っ取られたことによる被害も報告されています。
これは二〇〇〇年にオーストラリアで起こった例ですけれども、水道運営会社に雇用を断られた元契約社員の技術者が、腹いせに下水処理施設の制御システムを不正に操作してポンプをとめて、百万キロリットルもの汚水が周辺に垂れ流された。この元契約社員は、上下水処理施設に導入した制御システムの開発に携わっていたため、システムの内情に詳しかった。ポンプ場に設置された制御システムは、無線通信によって中央から操作されていましたけれども、この元契約社員は、手元の無線装置を使って不正に遠隔操作を行ったという事件がありました。
また、アメリカ国土安全保障省によると、二〇〇九年に九件だったアメリカでのサイバーテロ被害報告、これは一一年には百九十八件と、二十倍以上に増加しています。そのうち水道の施設とか、その関係が狙われたのが八十一件、四一%です。これはかなり高いと思います。そして次が電力です。電力が三十一件、一六%、こういったように公共性の高いインフラが集中して狙われているという状況にあります。
先ほどのサイバーテロですけれども、水道局では、こういったサイバーテロに対してどのような対策をとられているのかお伺いをいたします。
○佐久間設備担当部長 浄水場などを運転管理するシステムは、外部からの不正侵入を防ぐため、インターネットに接続していません。このことから、インターネットを介したサイバーテロの攻撃を受けることはないと考えております。
○田中委員 今、インターネットとはつながっていないと。普通つながっているよりはずっと安全なんですけれども、インターネットなど外部ネットワークに接続されていなければ、サイバー攻撃を受けることはないと思われることもあると思いますけれども、実際には既にプログラミングされた制御内容を変更したり、また操作履歴を取り出したりするときに、外部から持ち込まれたUSBメモリーとか、パソコンを制御装置に接続してウイルスに感染する、こういったこともあります。
水道施設は、戦争のときには重要な攻撃対象の一つになるわけですから、テロリストにとっては十分に効果的な標的になり得ます。アメリカの国土安全保障省の被害報告でもわかるとおり、水道へのテロは、今や映画の中だけのことではなくて、現実に起こる可能性が高いものとなっています。
水道はライフラインのかなめといえるものです。その水道をテロから守ることは、水道事業体の絶対の責務であり、起こったときに想定外だったなどということは許されません。まずは、先ほども申し上げたとおり、テロ対策マニュアルを策定をし、都民が安心できるしっかりした水道のテロ対策を要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○やながせ委員 私からは、三点お伺いしていきたいと思います。
まず、人工降雨についてお伺いをします。
本年夏は渇水でございまして、利根川水系及び多摩川水系のダムの貯水量は平年を大きく下回り、厳しい水源状況であったということでございます。水道局では、この渇水対策の一環として、小河内ダムの貯水量の増加を目的とする人工降雨施設の運転に備え、試運転を八月二十一日に実施をしたということですね。非常に大きく報道もされました。
私も、この試運転の二日後、八月二十三日にこの施設を見学したわけであります。小河内ダムのところからちょっと階段で百段ぐらいですかね、結構歩きましたけれども、小高い丘のようなところに小っちゃい小屋が建っていまして、そこで、何というんですか、古い焼却施設という感じですよね。古いごみ焼却炉というか、そういったものがあって、そこにヨウ化銀を入れて、燃やすと煙突からもくもくと出るというものでございました。私も、この話を聞いたときに、正直これどうなのかなと、ちょっと耳を疑った部分はありました。
人工降雨といえば、中国がよく、何というんですか、ミサイルというか、花火みたいのを打ち上げてよくやっていると、それぐらいの知識はありましたけれども、まさか東京都がそのような施設を保持しており、それを使って雨を降らせるというようなことを本気で考えているんだということを、私はそのときに聞いて非常にびっくりした記憶が思い出されます。
ただ、この間、私、人工降雨についてかなりいろんな学識者の方の話を聞いたりして調べてまいりましたけれども、これは、調べてみるとかなり必要な技術だなというふうに思うように至りまして、これをぜひ推し進めていくべきだということ、この思いをそこに含んで質問していきたいというふうに思うんです。
この人工降雨施設を設置した経緯、それから、運転実績とその効果、これについて、まずはお伺いしたいと思います。
○佐々木浄水部長 人工降雨施設でございますが、昭和三十年代に全国で渇水が連続して発生いたしまして、東京におきましても深刻な水不足となりました。このため、名古屋大学名誉教授で、日本気象学会理事長でございました故磯野謙治先生のご指導のもと、既に実績のありましたヨウ化銀による人工降雨の検討を始めたわけでございます。その後、実用化に向けまして実験を繰り返し、昭和四十一年に四カ所の施設で本格的に稼働いたしました。
その運転実績と効果でございますが、昭和四十一年にこの人工降雨施設を稼働して以来、これまで合計八百二日間、施設の運転を行っております。
人工降雨による効果につきましては、運転を行った期間と行わなかった期間のそれぞれ約十年間の降雨データなどをもとにして両者を比較し、統計的に解析いたしました。その結果、層積雲に覆われるなど、人工降雨に適した気象条件でこの施設を運転した場合、降雨量が五%程度ふえるということが確認できました。
○やながせ委員 これは昭和四十一年からやっておるということで、私が生まれる前から稼働しているものだということで、相当長い期間、同じ機器をよく使っているなという、非常にそれも驚きではあるんですけれども、増雨効果は五%程度ということなのですが、この人工降雨をいろいろ調べていってやっぱり難しいなと思うのは、この効果が定量的にはっきりと、これが本当にきいたんだということがなかなかいえないというところが難しいことなのかなというふうに感じました。
気象条件というのはいつも異なるわけで、じゃあこの降雨装置を用いたから本当に雨が降ったのか、もちろんこの降雨装置も雲がなければ発動しません。雲があって、そこにヨウ化銀を燃やして到達させると。すると、そのヨウ化銀にいろんな結晶がくっついて雨を降らすという、こういう原理なわけですけれども、雲がないとこの降雨装置は使えない、雲があれば普通は雨が降る可能性もあるわけで、この降雨装置を使ったことによって効果が上がったのか、それとも、もともと降る予定だったのかというのはなかなか難しいということで、この研究をされている皆さんがいろいろな実験をされているわけですけれども、その点が非常にご苦労されているなということは感じております。
ただ、中国なんかは、かなり大量にこれを使っておりまして、北京の五輪のときも、会場を晴れにするために、その周辺施設ではこのヨウ化銀の花火を打ちまくって、周りで雨をずっと降らせ続けていたなんてこともあるようでございまして、大量にこのヨウ化銀を投入すれば、これは確実に効果は上がってくるだろうと、そのことは見込めるわけですね。
さまざまなこの降雨法があるようです。私の少し調べた限りでは、今おっしゃったヨウ化銀法もそうですね、それからドライアイス法ということで、数センチメートルの大きさに砕いたドライアイスのかけらを航空機で雲に散布をするという方法。それから普通に水をまく散水法、航空機で水を散布するということで、水滴間の衝突、併合を促進して、比較的大きな雨に成長させることを目的としてやると。また、液体炭酸法ということで、これは車から液体炭酸を散布すると。この技術なんかは、実際にはアメリカでは空港の滑走路上に霧が出てきていると、この車を走らせて、散布をしてその霧をなくすということで、結構日常的に使われている方法のようであります。
ただ、どの方法もこれ一長一短がありまして、雲によって、低い雲であればこの方法はきくと、高い雲だとこの方法はきかない。特にこのヨウ化銀法というのは、雲が高いと、そこまで本当にこの煙が届くのかといったところが各学者の共通した認識でございました。
さまざまなメリット、デメリットのある方法があるわけですけれども、この実験をしたときに私のところに届いた言葉は、このヨウ化銀を使っておるということで、このヨウ化銀を燃やすことが本当に安全なのか、ヨウ化銀は安全なのかといった声が非常に大きかった記憶があります。
そこで、このヨウ化銀の安全性について、都はどのように考えているのか見解を伺いたいと思います。
○佐々木浄水部長 ヨウ化銀でございますが、これは水に対する溶解度が極めて小さく、安定的で、体内に吸収されにくい物質でございます。アメリカのコロラド州立大学での動物実験では、体内に摂取されたヨウ化銀は一週間以内に一〇〇%体外に排出されたとの報告もされております。
また、国連の専門機関でございます世界気象機関は、これまで世界で行われている人工降雨において、ヨウ化銀が人体及び環境へ影響を与えた事例はないと報告しております。
○やながせ委員 そうですね、結論的には、私も調査をした限りでは、このヨウ化銀をこの前使った程度の使用量ということであれば、これは問題ないということなんだろうというふうに思います。環境局の方にも問い合わせをして、この水源地にヨウ化銀をばらまいている人がいるけれども、こういうことをやって安全なのかということを確認したところ、それぐらいの微量であれば問題ないでしょうという答えでありました。
逆にいうと、これもっと大量にこういったことをやる場合には、その知見がないためよくわからないというのが正確な答えなのかなというふうに思います。
ヨウ化銀そのものについて私が調べてみると、ヨウ化銀、私ちょっと文系なので余り理系のことはよくわからないんですけれども、この危険有害性情報としては、物質としては毒性があると、有害性としては目に入ると刺激、痛み、炎症の症状があらわれることがある。吸入したときには、鼻、喉等の気道を刺激し、飲み込んだ場合は、嘔吐、腹痛、下痢を起こし有害であるということですね。皮膚に付着した場合には、直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと等々、目に入った場合には直ちに医師に連絡し、水で十五分以上注意深く洗わなければいかぬいうことで、そのヨウ化銀そのものに関しては、毒性はあるということなんですね。ただ、その毒性がかなり希釈されて、その濃度が低くなっていると。だから安全だといういい方なのかなというふうに思います。
ですから、これ逆にいえば、大量にこれを使っていくということなると、もう一度これはしっかりと検討していくことが必要なのかなということなんですね。
このヨウ化銀を使った手法というのが、この学会の中ではかなりちょっと、ヨウ化銀は効果的だというのはポジションとして低くなっているのかなと。今、液体炭酸法というものが、どちらかというと主流になってきているのかなという感じがしました。
この日本学術会議の報告書、これ農学基礎委員会農業生産環境工学分科会というところの報告書では、ヨウ化銀法というのは、ある一定程度の効果はあるけれども、そのヨウ化銀を使ってやっていく自然環境への影響、こういった懸念は残るわけだし、その部分まで届くのかということに、やっぱり課題があるという中で、そんなに望ましくないやり方だろうというようなことが、ここには報告書として上がっているわけであります。
そもそも考えれば、これ昭和四十年代から使っている技術ということで、技術は余り進んでいないんですよね、この分野に関しては。それでも進んでいます。
小泉内閣のときには、これ本気でこの分野をしっかり取り組もうという閣議決定がなされる直前まで行ったというようなことも聞いています。
実験も、多種多様な実験がされていて、さまざまな新しい技術が開発されておるということを考えると、このヨウ化銀ということにこだわらずに、ぜひさまざまな新しい手法を検討していただきたい。
さらに、この施設に関していうと、昭和四十年代から四十年以上使い続けているわけですね。ですから、その施設そのものが、そもそも大丈夫なのかといった不安も思っています。ぜひそういった新しい技術を取り入れていただきたいと、こういったことを考えるわけですけれどもいかがでしょうか。
○佐々木浄水部長 ただいまご指摘いただきましたように、この人工降雨施設でございますが、設置から約五十年が経過し、見ていただきましたように、相当老朽化してきております。そのため、人工降雨に関する国内外での取り組みや手法などの情報収集を現在行っておりまして、施設の更新に向けた検討を進めているところでございます。
○やながせ委員 この人工降雨施設にどこまで頼るのかということはあるというふうに思うんですけれども、私はこの技術に非常に何か希望があるなというのは感じました。
今、水がない人たちがたくさんいる、そういった議論もありましたけれども、そういった中で、この技術がもっともっと有意に活用できるようになれば、これは大きな利益をもたらすのではないかと、そういったことを東京都が先進的に取り組んでもいいのではないか、そのように考えております。
また、今回こういった施設を使うことによって、都民を含め、多くの皆さんが、あっ、渇水なんだということを理解した、そのPR効果も非常に高かったのではないかというふうに思います。ぜひ今後とも、努力をして取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思います。
続いて、民有林の購入についてお伺いしたいと思います。
水道水源林の保全についてでございます。
水道水源林を守っていくこと、これが大事なことだということ、これはもう皆さんよくご存じのことだと思いますので、この前文は飛ばしますけれども、水道水源林、東京都はかなりの広さの水源林を保有しています。いただいた資料によると、山梨県も、かなり大きな、緑色の部分ですけれども、奥多摩湖の水源林ですけれども、かなり広い水源林を東京都は所有しておるということがわかりました。その広さは二万一千ヘクタールということです。この二万一千ヘクタールに関しては、東京都が丁寧に手入れをして、森の管理をして、水源林としての機能を失わないようにしている。
ただ問題は、残ったこの白い部分ですね。水源に当たるところではあるけれども、民有地であると、ここはなかなか手入れがされていない。それで水源林としての機能を失いつつあるところもたくさんあるということ、これが大きな課題なんだろうというふうに思います。
その中で局としては、一つにはこの民有林の購入をして公有化していこうと、そして東京都がしっかり整備をしていこうという事業を行っているわけであります。
それでは、この水道局が購入してきた山林、この実績はどのくらいになるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○佐々木浄水部長 民有林購入の実績でございますが、まず受け付け件数でございますが、事業は平成二十二年度から進めておりまして、二十二年度三件、二十三年度一件、二十四年度六件の合計十件でございます。またその面積は、合計約一千二百ヘクタールになっております。このうち、二十四年度に二件、面積で約三十六ヘクタールを購入いたしました。
○やながせ委員 これは、民有林は二万七千ヘクタールあるわけです。そのうち、その中で、この都の呼びかけに応じて申し込みをされた方が十件、千二百ヘクタールあるということなんですが、これ契約に至ったのは、平成二十四年度までで二件、三十六ヘクタールであるということで、その申し込みはかなり受けているようなんですけれども、そこから購入に至るまで、かなり時間がかかっているようであります。
この点については、何か課題があるのか、その理由は何なのでしょうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○佐々木浄水部長 民有林の購入に当たりましては、土地の測量や境界確認などを行わなければなりません。山林は、市街地と異なりまして面積が広大であることや、地形が険しいことなどから、土地の測量に多くの作業が必要となっております。
また、山林では相続登記がされないことも多く、所有者の特定や境界確認に手間がかかるなど、購入までに多くの時間を要しております。
○やながせ委員 いろんなケースがあるみたいで、所有者がわからぬと、境界線が確定できないということですね。相続された若い方が、じゃあ売ろうと思っても、なかなか進まないということで、都の方としてはこういった事態に対してしっかりサポートするというような事業もやっていただいているんですね。
そういった事業も必要だと思いますので、ぜひきめ細やかな対応をしていただきたいというふうに思うんですけど、私はもう一点、こういった購入をしていく上で、じゃあどれくらいの金額で購入するんだということ、この点が非常に重要だというふうに思っています。
こういった民有林を購入していくに当たって、その金額が適正なのかどうか、それはどのように担保しているのか、その点についてお聞かせください。
○石井経理部長 土地の価格につきましては、不動産鑑定士が鑑定評価し、金額に応じて東京都財産価格審議会の評定を経て決定しております。
また、樹木の価格につきましては、その水源涵養機能など公益的機能を適切に評価し決定しております。
以上のように、売買契約額は適切な算定となっております。
○やながせ委員 これ、土地に関しては鑑定士がしっかり鑑定をして、この金額はこれが妥当だろうということでやるわけですけれども、私はちょっとこの取引事例を見て、山梨県の小菅村の事例であれば、これ三十四・五ヘクタールで土地は四千二百万で、立ち木が二千八百万ということで、これを見て私が思うのは、立ち木に対して非常に高い金額をつけているんではないかということ、これは感じました。
それは、一つには、立ち木の価格というのを、市場価格で算定しているわけですけれども、立ち木を市場に出すためには当然コストがかかるわけですね。だから、切ることもできずにそのまま放置をして、そして東京都に売却をしたいと、こういった事態になっているわけです。
ですから、これ通常の市場の取引からすると、私はこれは、この価格設定というのがちょっと高い設定になっているんじゃないかということ、これは思ったわけであります。もうちょっと、時間がなかったので近隣のこの木の取引事例等々調べることにまで至らなかったわけですけれども、この点について、ぜひ留意をしていただきたいということ、また、引き続きこの点については調査をしていきたいというふうに思います。
というのは、さまざまな話があります。東京都が山梨県の土地を買っているということにおいて、そのこと自体に対していろいろなことをいう人がいるわけです。東京都はしっかりと、そういういうことに対して、適正な価格で適正にやっているんだということ、こういったことをしっかりといっていく、その裏づけが大事だというふうに思います。これからも調査検討して、また質問の機会もあると思いますので、ぜひお答えをいただければというふうに思います。
この民有林の購入を、じゃあ全ヘクタール購入するとどれくらいの規模になるのかというと、何百億という金額になるんですね。購入の申し込みが千二百ヘクタールあったということではありますけれども、民有林の管理、これは、やっぱりこの購入ではなかなか追いつかないという状態があります。
そこで都がやっているもう一つの事業でありますけれども、多摩川の水源森林隊というボランティアチームをつくっておるということですね。これは私も大変不勉強で、これまで知らなかったわけですけれども、多摩川水源森林隊の目的、活動内容、実績等々をちょっと教えていただけないでしょうか。
○佐々木浄水部長 多摩川水源森林隊は、多摩川上流域の手入れの行き届かない民有林を、ボランティアの方々の手をおかりしまして、水源地にふさわしい緑豊かな森林へ再生することを目的として、平成十四年に設立いたしました。設立からこれまで約千四百回、延べ一万七千八百名のボランティアの方々が参加し、約百八十七ヘクタールにも及ぶ森林の保全活動を行ってまいりました。
ボランティア隊員の登録者数は、現在約千名となっております。
○やながせ委員 これは二万ヘクタールという広大な民有林を管理していく上では、二百ヘクタール弱ということで、わずかなものではありますけれども、私はこの活動を見て非常に大事な活動だなというふうに思いました。
私の知人で、この活動に参加した人は二人ほどいまして、ちょっとびっくりしたのですけれども、その二人に聞きますと非常にすばらしい経験をしたと。プロの森林組合の方が、一緒に木の登り方とかを教えてくれて、実際木に登るらしいのです、高い木に。で、登って枝打ちをすると。そんなことが自分でできるようになると。それで森を自分で管理をして、自分たちの水を自分で生み出しているような感覚を得たというような、この活動に参加をしたことによって、この水源を守らなければいけない、非常に水は貴重なものだというようなことを実感して帰ったというような感想を、その二人は同じように、別々の方なんですけれども、いっていました。私はそれを聞くと、非常にこれは有意義な活動なんだなというふうに思います。
ただその一方で、なかなか参加できなかったという方もいらっしゃったんですね。この森林隊に応募したけれども当たらなかったということ、こういったことをいっている方もいました。
応募倍率というのを確認すると、二十三年度は一・五倍、二十四年度は一・一倍と、これは増強していただいたということで一・一倍まで落ちてきたということなのですけれども、体験をしようという人は二倍程度あるということで、二人に一人しか参加できないわけですね。
私は、高校生の方とか、企業でもこれに派遣をしたらその分は企業で持つよとか、そういったさまざまな団体、企業、学校、こういったことを巻き込んでいくことが、行く行くは、これはやっぱり水道局のファンをふやして、そういう水源林をしっかり守っていくということに対して、物すごく大きな理解を生む活動になるだろうというふうに思うのです。
ですから、この活動に参加する人をふやすということは、非常に大きな意義があることだなというふうに思うのですけれども、ぜひこの応募しても入れなかったという人をなくすために、もっと受け入れ体制をふやすことはできないかなということを思うわけですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○佐々木浄水部長 受け入れ体制の増強ということでございますが、現在の施行体制、森林組合の方にご協力いただきながらの体制を考えますと、なかなか厳しい状況にあるのも、一方で事実でございます。
その一方で、ご指摘いただきましたように、多くの方々から、この活動に賛同いただいているということもございますので、回数の増強、あるいは一回当たりの定員の増強について、引き続き検討を進めていきたいと考えております。
○やながせ委員 ぜひお願いしたいと思います。
これ、私も本当に不勉強で、実は知らなかったのですね。この公営企業委員会も三回目になるのに、この森林隊の活動すら知らなかったと。
よく聞くと、水道ニュースの後ろには必ず載っているよというような話もありましたけれども、大変不勉強で申しわけございませんでしたということなんですが、ただ、もうちょっとPRをされた方がいいんじゃないかというふうに思います。
私、知らなかったという反省もあるんですけれども、もっと一般の方にも、これ厚生労働大臣賞をとられているんですよね。昨年だかおととしは十周年ということでとられているということで、ぜひそのPRの方にも力を注いでいただいて活動を広めていただきたいということ、このことを要望しまして私の質問を終わります。
○宇田川委員 各委員から、さまざまな質疑のやりとりを拝聴いたしました。安全でおいしい水を安定的に供給をするために努力を重ねてきていただいていると。災害対策であるとか、国際貢献の役割も負っていただいていると。世界最高の技術を持って、今、二・数%の、例えばの話ですが、これを来年度は二・〇まで持っていくと。より高みを目指してご努力を続けていただいているということはよくわかりました。改めて、局の皆様に敬意を表したいと思っております。
さて、私からは、工業用水道事業についてお尋ねをさせていただきます。
時は昭和三十年代、今も渇水が続いたという話がありましたが、武蔵水路なんかをつくっていた時代だと思うんですが、日本は高度経済成長期の真っただ中、東京は産業が発展に次ぐ発展を遂げてきたと、こういう時代でありますが、区部東部においては着々とといいますか、音もなく地盤沈下が進行してきたわけであります。揚水に起因をすると、この理由から地下水のくみ上げ規制が行われまして、代替水を供給する行政施策として給水が開始されたのが工業用水道。
この行政施策として開始した事業であるというのが、この議論の大前提でありまして、また一つの肝であるので、改めて申し上げたところでございます。
さて、平成十六年度の包括外部監査において、工業用水道事業の廃止などを含めた抜本的な経営改革の検討が必要であるという意見が付されました。都はこれを受けて、行財政改革実行プログラムに基づき関係各局と検討すると、こういうこととなっています。
この間、水道局では、工水利用者に対し、平成十九年五月、平成二十年一月と、二度にわたってアンケートを実施、私、物持ちがいいんで、この実施したアンケートとか調査結果を全部持っておりますけれども、このアンケートによって利用状況等を調査してきた経緯があります。
私もこれを受けて、平成二十年の第一回定例会の一般質問において、今後の見通しと対応について、当時の東岡局長とやりとりをしたところであります。こうした背景の中、本日は工業用水道事業の現状と課題について、確認、整理をさせていただきたいと思います。
まず、工業用水道事業の現時点までの経営状況、その推移を伺います。
○佐々木浄水部長 工業用水道の需要は、各種公害規制の強化による工場の都外への転出や工場内での水利用の合理化に加え、近年の景気低迷による工場のさらなる閉鎖などによりまして、昭和四十九年度をピークに年々減少を続けてきております。
具体的には、工業用水の契約件数ですが、昭和四十九年度六百二十五件が、平成二十四年度には二百十件と四百十五件も減少しております。また、料金収入に影響する基本水量ですが、工業用水と冷却などに使用する雑用水の合計で、昭和四十九年度の日量三十七万立方メートルに対しまして、平成二十四年度には日量四万三千立方メートルと、ピーク時の九分の一近くまで減少しております。
こうした需要の減少により、平成二十五年度予算では、料金収入が七億五千万円にとどまっており、一般会計から収入の約七割に相当いたします五億六千万円の補填を受けております。このように、現在の工業用水道事業の経営は、一般会計から補填を受け、事業を継続する厳しい状況にあります。
○宇田川委員 基本水量はピーク時の九分の一、日量四万三千立米、私の記憶が正しければ、平成十八年は四万七千立米だったと思いますが、確実に減少の一途をたどっていると。だとすると経営は厳しくなる一方だと考えられます。
工水事業は装置産業でありまして、経年により施設の老朽化がもちろん進行してまいると。ということは、施設更新の必要性が出てくることはわかり切ったこと。昭和三十九年の事業開始から五十年が経過しようとしておりますが、施設の現状、老朽化した施設を更新した場合の費用、あわせてお聞かせください。
○佐々木浄水部長 工業用水道施設につきましては、平成十年度から十七年度に国庫補助を活用しまして、配水管約三十七・五キロメートルの更新や、配水ポンプ等浄水場設備の更新を実施してまいりました。
また、給水機能を停止している工業用水道配水管は、上水道の管路工事などにあわせて撤去を進めるとともに、配水管の附属設備や浄水場の設備などにつきましても、適宜補修工事を行うなど、適切に維持管理を行い安定給水に努めてきております。
しかし、工業用水道配水管約三百五十二キロメートルのうち、約五割の配水管が法定耐用年数四十年を超えて使用しております。その中でも、幹線であります口径四百ミリ以上の配水本管では、約八割が耐用年数を超えて使用しております。
また、工業用水の浄水処理を行っております三園浄水場につきましても、耐用年数を超えて使用し、老朽化している設備が多数ございます。こうしたことから、工業用水道施設は、管路などの配水施設、浄水場の電気、機械設備などの浄水施設ともに更新が必要となっております。これら老朽した施設の更新には、配水施設で約一千七百七十億円、浄水施設で約百三十億円、合わせまして約一千九百億円が必要であると見込んでおります。
○宇田川委員 配水管の半分が法定耐用年数を超過、状況改善には一千九百億円を要するということであります。この点が工水の将来を考えるに当たって非常に重要な課題であると考えております。この課題解決のためにはどのような策があるのか、効率的な経営を進め、経営改善によって賄えるのか、これまでにどのような経営努力を行ってきたのかお尋ねします。
○佐々木浄水部長 水道局では、工業用水道事業を安定的に運営していくため、これまで工業用水の需要拡大や、経営の改善に取り組んでまいりました。
需要の拡大については、工業用水道施設の余剰能力を有効活用し、昭和四十八年度から冷却水、洗浄水、洗車用水などの雑用水の供給を開始するとともに、昭和五十一年度には集合住宅のトイレ用水の供給を開始したところでございます。
その結果、雑用水の契約件数は、昭和四十九年の二十七件が、平成二十四年には三百六十件に増加しております。
経営面においては、平成九年度に江東地区と城北地区の二事業を統合するとともに、浄水場は、南千住浄水場と江北浄水場を廃止し、三園浄水場へ一元化するなど、事業のスリム化を図ってまいりました。
また、平成十二年度に施設の維持管理委託を、平成十六年度に料金徴収業務を、それぞれ水道事業に委託するなど、業務執行体制の効率化を進めました。
こうした事業のスリム化や業務執行体制の効率化などの取り組みにより、これまでに二百十人いた職員を六人にまで減員いたしました。
さらに、事業を取り巻く環境の変化などに対応しまして、昭和五十年以降、五回の料金改定を行うとともに、資産の利活用や、不用となりました事業用地の売却などを行い、収入の確保に努めてきたところでございます。
このように、水道局では事業を安定的に運営していくため、可能な限りの経営努力に取り組んでまいりました。
○宇田川委員 雑用水の供給などの需要拡大に取り組んできたと、こういう話でありました。集合住宅のトイレ用水とか、洗車用水だとか、たしか公園の修景用水にも使ったような記憶があります。とともに、浄水場の統廃合、事業統合、さまざまな経営努力を行ってきたということはわかりました。
答弁にはなかったんですが、事業維持のために毎年一般会計から億単位の補填が行われているはずであります。いずれにしても、経営努力では立ち行かなくなっている現状だということであります。
過去の取り組みについてお尋ねをしましたが、なお一層の需要拡大、効率化が可能なのか、今後の事業展望をお聞かせください。
○佐々木浄水部長 工業用水につきましては、工場の給水区域外への転出や閉鎖が現在も続いていることなどから、需要の拡大は期待できない状況にあります。
また、雑用水につきましては、現行の配水管による給水が可能な区域での需要の拡大は既に図ってきておりまして、新たな需要の開拓という点では、管路の整備が必要となっております。しかしながら、現在の経営状況などを考えますと、これらの整備をすることは困難と考えております。
さらに、集合住宅等へ供給しておりますトイレ用水は、水道水と水質が異なるため、手などを洗う水としての使用に適さないことから、身体に水が触れる洗浄装置つきトイレでの使用はできません。そのため、洗浄装置つきトイレの普及など、生活用水の変化に対応することは、管の整備と同様に困難な状況にあります。こうしたことから、工業用水、雑用水ともに需要の拡大は難しい現状にあります。
一方、効率的経営の取り組みにつきましては、既に業務の委託化など可能な限りの経営努力を行ってきており、現在の厳しい経営環境を抜本的に改善することは困難な状況になっております。
○宇田川委員 過去、現在、今後と伺ってきたんですが、お話のとおり、たとえ経営が厳しい状況だとしても、工業用水道は食品、メッキ、化学、鉄鋼、皮革、革製品ですね、など東京の産業を支えている事業でありまして、利用者のことを第一に考えるべきことはいうまでもありません。
冒頭で触れたアンケート、最後に実施されてから五年、間もなく六年が経過しようとしているんですが、この間、利用者を取り巻く経営環境や経営状況など変化もあることだと思います。再度、実態調査を実施すべきと考えますがいかがでしょうか。
○佐々木浄水部長 工業用水道事業の抜本的な経営改革の検討に当たりましては、利用者の経営状況や意向を十分に把握することは重要と考えております。
また、ご指摘ありましたように、前回実施しましたアンケート調査から時間が経過し、利用者を取り巻く経営環境なども変わってきていると認識しております。そのため、庁内での検討スケジュールにあわせて、調査内容や実施時期などを関係各局で調整し、再度、アンケート調査を実施していきたいと思っております。
○宇田川委員 ぜひ調整を重ねていただいて、早期に実施できるように、格段のご配慮をお願いしたいと思います。
この質疑の最初に、事業に至るいきさつについて簡単に触れました。そもそも地下水くみ上げに起因することでありまして、揚水規制のあり方なども踏まえなければ検討できない課題であります。本日は水道局に対する質疑なのでこの辺でとどめておきますが、実態調査を行い、利用者の意向をしっかり把握し、全庁的に幅広い検討をしていただきたい。
以上です。
○畔上委員 それでは、最初に職員体制と人材育成についてです。
既に何人かの方からの質問がございました。ダブらないところで質問したいと思います。
水道局の現行職員数は何人か、この十年でどのように変化したのか、事務、技術、技能別に、まずお示しください。
○松丸職員部長 平成二十五年におけます職員数でございますが、事務職は千四百九十二名、技術職が二千二十九名、技能職が三百四十一名でございます。この十年間に、事務職で三百八十五名、技術職で三百八十六名、技能職で百五十名の減員となっております。
○畔上委員 十年間で、今のご説明でわかったように、九百二十一名の減ということで、かなりのペースで二割の人員削減が行われているということがわかりました。
職員のうち再任用の方がどのぐらいいるのでしょうか、この十年でどう変化したのかお示しください。
○松丸職員部長 平成二十五年におけます再任用職員数でございますが、二百三十六名でございます。この十年間で百五十一名の増員となっております。
○畔上委員 現員の職員の中には、再任用職員の比率が伸びているということもわかりました。この間、事業がふえているにもかかわらず、九百二十一人の職員が減っている。そのことに対しては、水道局はどのように認識されているんでしょうか。
○松丸職員部長 事業運営体制の見直しや事務事業の効率化など、不断の経営努力を局として重ねております。このため、年々職員数が減少する中でも、少数精鋭体制で事業運営を的確に行っております。
○畔上委員 局とすれば、少ない人数の中でも頑張っていらっしゃるのは理解しておりますが、結局それが職員の過重労働とか、また都民サービスの低下につながってしまってはならないというふうに思います。
例えば、先ほど来お話がありました、急がれる課題としての水道管路における耐震継ぎ手化、これも先ほどのご説明では、水道管路の継手化緊急十カ年計画ということで、十年間で今後約五千キロメートルの管路の耐震化を進めるんだという話もございましたが、その担当所管である配水課の工事係の職員、これは局のご努力でこの間少しずつふやしているということもわかりましたけれども、それでも、十年前から比較しますとやはり減っているというのが実態でございます。
震災への備え、また施設管理、維持管理のためには、やっぱり必要な職員はきちんと採用すべきだということを改めて求めておきたいと思います。
同時に、水道の技術には、先ほどもお話がありましたけれども、長い間培ってきた技術も多くて、さらにこれを、若い職員の方をふやして、技術継承を確実に行っていくということが非常に重要になっていると思います。
先ほど、人材育成については強化を図るという旨のご答弁が、ほかの委員の方の質疑でもございましたので、私からは意見だけ述べさせていただきたいと思いますが、職員の年齢構成、現在は五十歳以上のベテランの職員の方が全体の四割を占めていると。そういう中で職員の大量退職時代、これを迎えているわけであります。そういうことから考えますと、本当に水需要に的確に応えられる、そういう技術と技能の継承は、まさにこの水道局にとっては大変重要な今の喫緊の課題であるというふうに考えます。
そして、どのような技術や技能もそうだと思うんですけれども、直接事故に携わったり、また事故対応の経験が、やはり対応ができる、そういう力をつけていくことなんだというふうに思っております。
そうした点で、現在の職員の年齢構成を見てみますと、ことし七月現在の資料をいただきましたら、二十歳代の職員が四百九十九名で職員の一三%だということで、しかも、職種別で分けていただいたら、建築、これは二十代の方はたった一人しか水道局にはいないという現状でありました。そういう点では、やはり必要な職員はきちんと、先ほども申し上げましたが、採用し配置して、そして研修、そして技術継承、安全・安心な水の安定供給を保障する体制、これをしっかりと確保していただきたいということを強く求めて、次の質問に移りたいと思います。
次に、水需要計画について伺いたいと思います。
水道局が作成してくださいました水需要予測と実績の推移、この資料を見せていただきましたが、一日の最大配水量の実績でも給水人口がふえているのに、一九九三年度の一日当たりは五百九十一万立方メートル、それ以降はほぼ減少の一途をたどって、二〇一二年度には、一日当たり約四百七十万立方メートルまで低下をしているということがわかりました。
そうした中で、都は二〇一二年の三月に、これまでの二〇〇三年の水需要計画の見直しを行いました。そこで伺いますが、前回二〇〇三年の水需要予測は、二〇一二年の見直しによって計画一日最大配水量、どのように変わったのでしょうか伺います。
○斉田企画担当部長 計画一日最大配水量は、平成十五年に実施した水道需要予測では、平成二十五年度に六百万立方メートルと予測しております。また、平成二十四年三月策定の東京水道施設再構築基本構想における水道需要の見通しでは、平成三十年代におおむね六百万立方メートルと見通しております。
○畔上委員 一日当たりの最大配水量は、一九九二年をピークに減少し続け、二〇〇七年には五百万立方メートル以下に減り続けているという実態はあるけれども、しかし、計画一日最大配水量は同じだということであります。
どうしてそういうことになってしまうんでしょうか、順次伺っていきたいと思うんですが、この水需要計画は、水道施設設計指針に基づいて行われていると伺いましたが、この二〇一二年の水需要予測について、その推計方法のポイントを教えてください。
○斉田企画担当部長 平成二十四年の水道需要の見通しでは、水道需要が大幅な増加を記録していた高度経済成長期を終え、水道需要が落ちつきを見せてきた昭和五十年代から基本構想策定時までを実績期間として設定しております。その上で、実績の傾向から、将来の推計が可能な時系列傾向分析を用いて、東京都が策定した「二〇二〇年の東京」に示された人口動向を考慮して一日平均使用水量を推計しております。この一日平均使用水量に配水量の動向や漏水等を考慮して一日最大配水量を見通した結果、ピーク時におおむね六百万立方メートルになると推計しております。
○畔上委員 今、推計のポイントについてご説明をいただきましたが、各種の資料で示されている一日の実績水量は約四百二十万立方メートルですが、これをもとにして、さまざまな点を考慮して都が計算していくと、計画一日最大配水量が約六百万立方メートルになっていくんですよというご説明だったかなと思います。
それではまず最初に、その実績から一日平均使用水量、これを推計するために使われる「二〇二〇年の東京」に示された人口動向を考慮する時系列傾向分析とはどのようなものなのでしょうか。
○斉田企画担当部長 時系列傾向分析とは回帰分析の一つであり、過去の使用水量、または、原単位の傾向が今後とも続くものとみなして、実績の趨勢に最もよく適合する傾向線を用いて推計する方法であります。
○畔上委員 今、実績の趨勢に最もよく適合する傾向線を用いて推計する方法だというご説明をいただきましたが、人口が増加してきたこの間を見ても、一日最大配水量は、先ほども申し上げましたが、一九九二年をピークに減少を続けているわけですね。国立社会保障の人口問題研究所の推計によりますと、これからは人口も二〇一五年をピークに、二十五年後には百万人減るとしています。今回、東京都の出された長期ビジョン、これも同様で、四十五年後には三百万人、約二割減少するとしております。
今後二十五年間程度の一日平均使用水量、これを算出するには、やはりこうした人口減少予測の動向を踏まえて試算することの方が、より正確を期すものとなるのではないかというふうに私は思います。その一日平均使用水量から、一日平均配水量を推計するために使われる漏水率、これとを考慮する有収率とはどういうものなんでしょうか。また、それは幾つとして設定されているのでしょうか。
○斉田企画担当部長 ただいま畔上理事のお話の中で、東京都が策定した新たな長期ビジョンという点を挙げられましたが、この長期ビジョンにつきましては、政策目標では高齢者対策を掲げる一方、少子化の進行に歯どめをかける政策展開の方向性をも掲げております。五十年先の人口動向については、今後、政策がどのように実施され、その効果がどのようにあらわれるかによって、将来の人口は変動するものと考えております。
水道料金の徴収対象となった水量が有収水量でありますが、有収率とは、この有収水量が配水量に占める割合であります。水道需要の見通しでは、これまでの実績や計画的な漏水防止対策の取り組み効果に加えまして、地震による影響などを勘案し、有収率を九四%と設定しております。
○畔上委員 人口がどうなるかは、その政策によって変更すると、しかし、だからこそ、長期ビジョンで少子化に歯どめをかける政策が出たけれども、こういう今の現時点では、人口動態を見て推計しているわけです。水道料金などの徴収対象となった水量が、今、有収水量であるということでご説明をいただきましたが、現状の有収率、これは九六・二%です。
先ほど来、皆さんからも漏水対策が非常に向上していると、世界の先進を行く技術、これを築いてこられたと。まさに皆さん方の、水道局の皆さん方の努力によって漏水防止対策の取り組みで漏水率は非常によくなってきているわけですね。漏水率を見ますと、二〇〇三年、四・七%から二〇一二年は二・数%にまで大幅に漏水は減少しているということもございます。
しかし、有収率を二〇〇三年の前計画と同一の九四%、今のご説明では九四%と設定しているというご説明でしたけれども、これはやっぱり実態を反映しているとはいえないんじゃないでしょうか、その点どうでしょうか。
○斉田企画担当部長 計画一日最大配水量を見通すに当たっての有収率でございますが、漏水防止対策の取り組み効果に加えまして、例えば、東日本大震災におきましては、地震による影響で有収率が悪化をしてございます。東京都は、今現在どのような状況になっているかということを申し上げますと、今後三十年以内に首都直下型地震が七〇%の確率で起こると、このように指摘をされておりますので、将来、長期の需要見通しに当たりましては、こうした地震のリスクをも算定することが必要だと考えております。
○畔上委員 先ほども皆さんからもありましたけれども、地震による影響、これを今勘案しているというお話でしたけれども、先ほど松村委員のご答弁の中でも、八千億円かけて二〇二四年までに耐震の継ぎ手化率を高めていくんだと、五四%まで上げていくんだというお話もありました。で、地震のリスクを考慮するという、今、お話なんですけれども、私はそのための耐震強化、これをずっと皆さん方がご努力されている。そして、漏水も対策を講じている。そのことは、全くその努力は考慮しないというのは、これはおかしいんじゃないかというふうに思うんですね。やっぱりみずからの漏水や防水対策、耐震対策、これを過小評価するものではないでしょうか。
いずれにしても、これで一日平均使用水量四百四十万立方メートルが、一日平均配水量約四百七十万立方メートルに試算されることになったわけですね。
次に、一日平均配水量から一日最大配水量を推計するために使われる日々の配水量の変動率を考慮する負荷率というのはどういうものなんでしょうか。また、幾つと設定されているのでしょうか。
○斉田企画担当部長 負荷率とは、一日最大配水量に対する一日平均配水量の割合をあらわすものであります。一日最大配水量を見通すに当たっては、昭和五十年代から基本構想策定時までの期間を分析の対象とし、首都東京の安定給水を確保する観点から、その期間における最小値を採用し、七九・六%と設定しております。
○畔上委員 結局、都はこの一日平均配水量から、ご答弁にありました負荷率を見て、一日最大配水量を約六百万立方メートルと割り出したわけですね。その一日平均配水量の一日最大配水量に対する割合は、一九七八年をピークにずっと上昇しているわけです。一九八〇年代前後、これは八〇%前後でしたけれども、技術も非常に向上して、最近では九〇%近くになっているわけです。
このように、仮に都が算定方法の根拠としている水道施設設計指針を使ったとしても、これまで明らかにしてきたように、各段階での水量が大きくなるように係数を変えられ、そして一日最大配水量を求めていると。このようにして出された計画一日最大配水量約六百万立方メートル、余りにも過大だといえるんじゃないでしょうか。こういう過大な水需要計画、これは私はしっかりと見直しをしていただきたい。そのことを求めて質疑を終わりたいと思います。
○小宮委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小宮委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で水道局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時五十四分散会
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