公営企業委員会速記録第三号

平成二十五年三月十九日(火曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十二名
委員長桜井 浩之君
副委員長笹本ひさし君
副委員長上野 和彦君
理事淺野 克彦君
理事相川  博君
理事西崎 光子君
新井ともはる君
矢島 千秋君
鈴木貫太郎君
泉谷つよし君
くまき美奈子君
山田 忠昭君

欠席委員 なし

出席説明員
水道局局長増子  敦君
次長大村 雅一君
総務部長福田 良行君
職員部長松宮 庸介君
経理部長松丸 俊之君
サービス推進部長冨田 英昭君
浄水部長酒井  晃君
給水部長佐々木史朗君
建設部長田村 聡志君
企画担当部長今井  滋君
サービス企画担当部長吉野  明君
設備担当部長佐久間 勝君
多摩水道改革推進本部本部長吉田  永君
調整部長浅沼 寿一君
施設部長山田  廣君
技術調整担当部長青木 秀幸君
下水道局局長小川 健一君
次長石原 清次君
総務部長小山 哲司君
職員部長安藤  博君
経理部長熊谷  透君
計画調整部長黒住 光浩君
施設管理部長渡辺志津男君
建設部長野村 俊夫君
企画担当部長永野  実君
技術開発担当部長坂根 良平君
施設管理担当部長野口 毅水君
流域下水道本部本部長松浦 將行君
管理部長須田  潔君
技術部長中里  隆君

本日の会議に付した事件
 水道局関係
  請願の審査
  (1) 二五第一号 上・下水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率の維持に関する請願
  予算の調査(質疑)
  ・第二十五号議案 平成二十五年度東京都水道事業会計予算
  ・第二十六号議案 平成二十五年度東京都工業用水道事業会計予算
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百九号議案 東京都給水条例の一部を改正する条例
  ・第百十号議案 東京都が設置する水道の布設工事監督者に関する資格等を定める条例
  報告事項(質疑)
  ・東京水道経営プラン二〇一三について
 下水道局関係
  請願の審査
  (1) 二五第一号 上・下水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率の維持に関する請願
  予算の調査(質疑)
  ・第二十七号議案 平成二十五年度東京都下水道事業会計予算
  付託議案の審査(質疑)
  ・第百十一号議案 東京都公共下水道及び流域下水道の構造並びに終末処理場の維持管理の基準に関する条例
  ・第百三十四号議案 多摩川流域下水道南多摩処理区の建設に要する費用の関係市の負担について
  ・第百三十五号議案 荒川右岸東京流域下水道荒川右岸処理区の建設に要する費用の関係市の負担について
  報告事項(質疑)
  ・東京都下水道事業経営計画二〇一三について

○桜井委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局及び下水道局関係の予算の調査、付託議案の審査、報告事項に対する質疑並びに請願の審査を行います。
 これより水道局関係に入ります。
 初めに、請願の審査を行います。
 二五第一号、上・下水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率の維持に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○福田総務部長 それでは、請願につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます請願・陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
 この請願は、用水型皮革関連企業協議会会長の本田桂一さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨といたしましては、油脂・皮革関連企業に対する水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率を継続していただきたいというものでございます。
 この請願に関する現在の状況でございますが、油脂・皮革関連企業に対する水道料金の減免措置につきましては、平成二十二年第一回東京都議会定例会における水道料金の減免措置に関する決議の趣旨を尊重し、一般会計からの減収分の補てんを前提に、独立採算制の原則及び負担の公平に対します例外的措置として、平成二十五年三月三十一日までを期間として、一月当たり百立方メートルを超える従量料金の二〇%を減免しているところでございます。
 また、同企業に対する工業用水道料金の減免措置につきましては、平成二十四年第一回東京都議会定例会における工業用水道料金の減免措置に関する決議の趣旨を尊重し、水道料金同様、例外的措置として、平成二十五年三月三十一日までを期間として、基本料金の一〇%を減免しているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議くださいますようお願いいたします。

○桜井委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○桜井委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、下水道局所管分もございますので、決定は下水道局所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○桜井委員長 異議なしと認めます。よって、請願二五第一号は継続審査といたします。
 以上で請願の審査を終わります。

○桜井委員長 次に、予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第二十五号議案、第二十六号議案、第百九号議案及び第百十号議案並びに報告事項、東京水道経営プラン二〇一三についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○淺野委員 私からは、水道の経営プランについて幾つか伺いたいと思います。
 水道管路の耐震化等、伺いたいことはございますが、過去にも幾つかこれは質問されていることでもございますので、計画にのっとってというよりも、前倒しするつもりで努めていただきたいということを、まず最初にご要望しておきます。
 そして、まず最初に私から申し上げるのは、スマートメーターについてです。スマートメーターというのは、これ知恵蔵の二〇一三の解説ですけれども、狭義の意味では、電力計、自動でできて、かつ最適な供給と需要の体制を提供できるものということで定義されているわけでありますが、平成二十二年六月に、経済産業省が出しているエネルギー基本計画という中に、スマートメーターというのは、そういう狭い意味での電子式メーターというところに加えて、エネルギー消費量などの見える化、それからホームエネルギーマネジメント機能なども有したものであるとの考え方もあるよというただし書きがあります。
 さらにその中には、このスマートメーターというのを、これから普及させていきたいというのが国の考え方としてありまして、スマートメーターとそれと連携したエネルギーマネジメントシステムなどの普及によって、電力やガスなどのエネルギーの別にとらわれず、需要家が最適なエネルギーサービスを選択できる環境を整備するという目標が掲げられているわけであります。
 そして、その中でいわれていることは非常に大事なことだと思いますが、これ二〇二〇年代の可能な限り早い時期に、原則すべての需要家にスマートメーターの導入を目指すといった一文の後に、上記の機器システム、つまりこのスマートメーターの開発及び整備に当たっては、需要家がみずからの電気、ガス、水道などの需給情報を一元的に把握、管理することが可能となるように留意するという一文がついているんですね。つまり狭義の意味では、先ほど電力計だということを申し上げましたが、実はこれ電力分野にかかわらず、さまざまな分野、ガスだとか、電気だけじゃなくて水道も含めて、そういった自分たちが受けている人たち、需要家の方々が一元的にそういった情報を把握、管理することが可能となるように目指してくださいということであります。
 ですので、こういったスマートメーターがまさに開発、導入されていくということが、これから先求められているわけでありますが、この分野については、まさに電力が、狭義の意味でというのも反映して、電力分野というのが先行しているかなという印象を受けます。現在でも、省エネ家電の開発だとか、住宅への太陽光発電設置など、消費電力や発電量、売電量の見える化などの導入が一般家庭にも普及しつつあるという中で、スマートメーターというものが開発、導入されることで、節電効果等の向上が期待されているという現状があります。
 こういったものを、まさに水道の方も進めていかなければいけないと私は思うわけで、このスマートメーター、水道事業にも導入すると非常に効果が高いのではないかと思いますが、まず、この水道分野において、スマートメーターというのはどういうふうになっているのか、その現状について伺いたいと思います。

○冨田サービス推進部長 国内の水道分野におきましては、現時点では、スマートメーターの開発、活用事例はございません。

○淺野委員 今、まさに、いっていただいたとおり、国内の水道分野、今のところ存在してないんですね。これ二〇二〇年代の可能な限り早い時期にすべての需要家にスマートメーターの導入を目指すと、そして先ほど申し上げた一文をかんがみれば、経済産業省が求めているのは、別に電力によるスマートメーターを二〇二〇年の可能な限り早い時期にという思いよりも、むしろ、一元的に把握管理できる、つまり電力やガス、水道の別なく管理できるスマートメーターというものを早い時期に導入してほしいんだという思いが国側にあるんだということを私は思うわけですね。
 やっぱりこれは水道局としても、スマートメーターということの導入に取り組んでいっていただかなければならないのじゃないかと、私は思うわけでありますが、公営企業である水道局として、水道分野に、スマートメーターを導入するということについてどう考えていらっしゃるのか、そして、もし既に何か取り組んでいるということがあれば伺いたいと思います。

○田村建設部長 当局では、お客様サービスの向上を目指し、選択制サービスの実現に必要な水道版スマートメーターの技術開発に取り組むことといたしました。
 開発に当たりましては、企業等の発想を最大限に活用し、民間が持つ実現可能な技術を広く取り入れることとしており、当局が求める技術の提案を、本年二月から五月まで募集しております。
 今後は、応募のあった提案の中からすぐれたものを共同研究の対象案件として選定して、研究開発を行ってまいります。

○淺野委員 今ご答弁のありましたとおり、水道版スマートメーターというものの技術開発に取り組むことにしていただいているというのは、非常にありがたいことだと思います。
 まだ日本全国に存在してないというものですから、これは取り組んでいっていただかなければいけない。その中で民間が持つ実現可能な技術というものを取り入れると、これは電力の例ですけれども、電力では、東電が独自で開発しようとしたときに、余りにも高価格になってしまう、独自企画でやり過ぎてということで、批判というか、そういった、壁にぶち当たって、結局一回それをやめて、民間、ほかの企業から広く提案を募集して、つくり直しているというところがニュースで載っていたのを私も拝見いたしました。
 そういったことを考えると、やはり民間企業はまだまだ埋もれている技術もあるでしょうし、そこにビジネスチャンスを見出そうという人たちもいるでしょうから、そういった方々からの意見を集めて、それをどのように活用していくかというのが非常に大切だと思います。
 ただ、ここで間違ってはいけないのは、スマートメーターは、あくまで消費者そして環境に配慮したというものの目的ということですね。水道局のためにやるというよりも、むしろ水道を利用していらっしゃる消費者の方々、そしてその水というのも限りある資源だという観点から見ると、その環境負荷を下げていくというところで、スマートメーターの導入というのがあるわけですから、そういった観点でも、どういった利点があるのかということを常に考えていかなければなりません。
 そこで、今、選択型のサービスということで、選択制サービスの実現に向けて、水道版スマートメーターという提案を受けているわけでありますが、その提案を受けて、最終的に、今水道局が実施しようとしているサービスというのがどのようなものなのかについて伺いたいと思います。

○田村建設部長 今回、二つのサービスの実現を目指して研究開発を行うことといたしました。一つ目は、お客様が、ご自宅における日々の使用水量について、画面表示により、わかりやすく、手軽に確認することができる見える化でございます。二つ目は、見守りを必要とするお客様の水使用に異常があった場合に、指定の連絡先に電子メールで通知をするなどの見守りサービスでございます。

○淺野委員 今二つのサービスのお話がありました。先ほどの経済産業省のエネルギー基本計画の中には、こういったスマートメーターといったものの機器システムの普及によって、民生部門を初めとしたエネルギーの使用実態を的確に把握するとともに、省エネルギー、低炭素エネルギーの活用に向けた国民の意識、ライフスタイルの改革を促し、国民的運動につなげるというところがございます。
 つまり、国民側も考えを改めていかなければいけない部分があると、日本では、水は元来、別に水道料を払っているからただではないんですけれども、蛇口をひねれば、きれいで、安全で、おいしい水が飲めるというのは非常に世界に誇るべき日本の特徴でもあるし、すばらしい利点だと思いますが、それを、ただひねれば出るんだからというので、じゃぶじゃぶと使い続けるということが決していいことではないんだ、やはり有限の資源なんだよということも国民は考えなければいけないということが一つ。それから、ただいつも意識しながらというのはなかなか難しいので、それは任せられるところは機械に頼るというのも重要なことだと思います。
 そのためには、まずは入り口として、ただただスマートメーターが入ればいいということをいっても、なかなか、特に自己負担がある場合には導入を促すことができないでしょうから、導入を促す意味でも、こういったサービス、特に今二つ目にいっていただいた見守りなどというのは、例えば、ひとり暮らしの高齢者さんだとか、あるいは、お子さんを遠くにひとり暮らしをさせている親御さんからすると、異常等がわかりやすいという意味では、非常にいいサービスになるんじゃないかと思いますし、それは導入を促す動機づけにも非常に強いものになると思いますから、そういったサービスはぜひやっていただきたいと思います。
 ところで、ここで私は一つ提案をさせていただきたいのが、新しい取り組み、これは非常に評価しておりますけれども、先ほども申し上げたとおり、電力側は独自でやろうとして一回壁にぶち当たっているというお話をさせていただきました。将来像をきちんと見据えた上で開発を進めていかないと結果的に遠回りしたり、あるいはコストが多くかかってしまうということがあると私は思います。何を申し上げたいかといいますと、水道分野の世界で独自に取り組むという姿勢よりも、開発が既に先行しているというこの電力分野と、早い段階から連携を模索していくべきだと私は考えます。
 さらにいうならば、将来的には、先ほどのエネルギー基本計画にもあったとおり、一元的に管理、把握できるというメーターを目指すのであれば、ガス、電気、水道、場合によってはそこにさらに通信、そういったものもすべて含めて、共同出資して、技術開発を行って、例えば、検針業務なんかは、一社が全部受けるというような形も考えるというのがあるのではないでしょうか。見守りサービスなどについても、水道というのは、確かに一番生活実態を反映したものだといえると思いますが、その水道の使用料だけではなくて、例えば、電気の使い方、あるいは場合によってはガス、それから通信、そういったものも含めて、どのように動いているのかということを見ることによって、さらに多角的な検証が可能となり信頼度が高まるということもあると思います。
 さらにいうならば、スマートメーターは遠隔地でさまざまな管理ができるというのも特徴ですが、その通信規格についても、開発したところはそれぞれ独自の規格を持っていって、後で統一するとなると非常に二度手間になります。であるならば、通信規格などについても、今の時点から、他分野との、最終的に統一というのが可能なように、意識して取り組んでいくということを考えておくべきだと思います。
 そういった観点を持って、ぜひこれからもそのスマートメーターの開発などについても、そういった意識の取り組みをしていただきますように強く要望をしておきます。
 次に、監理団体について伺いたいと思います。
 水道局では、東京水道サービス、それからPUCという監理団体を活用しているようです。監理団体というと、どうしても国の外郭団体同様、天下り団体であるとか、あるいは行政との癒着というものが非常に懸念されるものでありますし、またそういったイメージを持っている都民が多いのも事実だと思います。
 そこでまず伺いますが、この監理団体に、どうしても仕事を任せなきゃいけないのかどうかということですね。何で監理団体に任せる必要があるのかということについて伺いたいと思います。

○福田総務部長 当局は、これまで民間にゆだねられる業務は可能な限り民間に委託するとともに、従来は、局が行っていた事業運営上重要な業務の一部についても、監理団体であります東京水道サービス株式会社や株式会社PUCに委託しております。
 事業運営上重要な業務でございますが、例えば、原水水質の状況を把握、予測した上の適切な薬品注入など、高度な技術や経験が必要となる浄水場等の運転管理のほか、送水管から給水装置に至る広い知識が必要となる管路の維持管理、工事請負業者の監督や給水装置指定業者が行う設計の審査などでありまして、こうした事業運営上重要な業務を高い技術力を有する東京水道サービス株式会社に委託しているということであります。
 また、東京水道サービス株式会社と株式会社PUCに対しては、当局が、過半数の出資を行っていることから経営に直接関与する権限を確保しているとともに、当局の指導監督基準に基づき、財務や組織など運営面での適正化を図っているところであります。

○淺野委員 一応筋が通った説明をしていただきました。
 先ほど申し上げたとおり、天下りという批判もある中で、確かに今、全体として、これは日本国全体の問題ですけれども、いわゆる高度経済成長、経済的にもそして技術的にも大きく発展をしてきた時代に一緒に仕事をしていた、いわゆる団塊の世代といわれる方々、その方々の大量退職という中で、技術の継承それから経験をどうつないでいくかということを考えなきゃいけないのは非常に重要なことだと思います。
 そういった観点で見れば、現状、その監理団体に仕事を任せていることには一定の理解はしたいと思います。しかし、一方で、監理団体というのは、都から随意契約で仕事を受けているものでありますから、そういった随意契約で一括で受けている業務を、ただただもし丸投げしているとなれば、それは今の説明とそごすることになってしまいますので、ひとつ確認をしていきたいと思います。
 監理団体が、水道局が随意契約している業務のうち、さらに、そこから外に外注をしているというものがあるという話を聞いていますが、その一部の業務、どうして外注をしているのかということについて伺いたいと思います。

○福田総務部長 監理団体は、経営の効率化の観点から、例えば、先ほど答弁させていただきました管路の維持管理業務においては、現地の図面作成や土壌分析など補助的な業務を外注しております。
 外注する業務は、当局が監理団体に委託する主たる業務と密接不可分のものでありまして、この業務のみを分割して局が発注すると著しく非効率となることから、監理団体に課がみずから発注しているところでございます。
 なお、監理団体が外注する場合には、事前に局の承諾を得ることとしておりまして、適正な管理を行っているところでございます。

○淺野委員 今の説明で、単純業務など、民間でできることはできるだけ任そうというのは確かに必要なことだと思います。それはそれで構わないのですが、ただ、ここで一つ注意をしておかなければならない、特に、今後の日本というよりも、このアジア、そして世界の情勢を考えたときに、この株式会社という監理団体ですけれども、これは確かに都が五〇%以上出資している団体ではありますが、ホームページからTSSそしてPUC、ここの株式に関する事項の株式報告というのを見ました。
 例えば、東京水道サービスですと、一社で、この東京水道サービスの株式を一九%保有している東証一部上場企業というのがございます。それ自体が悪いというつもりはありませんが、これから、例えば、今政府がTPPの参加交渉をしようとしているときに、こういったところ、つまりTSSそのものは株式公開していませんから、そこの株式はそうそう簡単に人手にわたるということはないと思いますけれども、一方で、そこの株式を有している、いっとき日本の中でもありました、ある投資家さんが、放送局の株式を手に入れるために、そこの株を持っている子会社の株を取得して経営に口を出そうとしたという話がありました。記憶をしている方もいらっしゃると思います。同様のことが、つまり外国資本からもできるよということですね。今現在でも、もちろん東証一部は別にどこでも買えますから、できるわけですけれども、今後さらに、TPPなどで、さまざまな非関税障壁等がなくなっていくことによって、そういったことが非常に簡単にできるようになるということがあると思います。
 一部では、水道これ下水道も一緒ですけれども、こういった人の生命にかかわる、国民の生命にかかわる分野を、軽々に、ただただ何でもかんでも民間に任せばいいという発想の中で、民営化すべきだという発言をする方々もいらっしゃいますが、私自身は、水道、下水道については、意地でも公営を守っていただきたいと思います。
 そうでなければ、国民の、特に都民の安全を守るという発想で仕事をしていただいている皆さん方が、普通の民間企業の方々がやれば、いつ、本人の意思とは関係なく買収の危険にさらされるかわかったものではありませんので、そういったところを非常に注意していかなければならない。もちろん、東京都自身はそれをわかっていただいていると思いますので、水道局をいきなり民営化するなどという暴挙に出ることはないと思いますが、少なくとも今、重要な業務を任せている監理団体についても、実はそういった危険性があるんだということ、一九%の株式を持っている会社が、もし仮に外国資本等に買収された場合には、その一九%の株式を持って何らかの形で執行役員に発言を、権利を導入する、あるいは人物を送ってくるということも考えられるわけです。そのときはやはり法にのっとってされた行動には、こちらもこたえざるを得なくなるという状況になるわけですね。そこについては、これまでよりもさらに厳しい環境にあるということを十分意識していただいて、そういったことの防衛策も常に頭に置いておくことを水道局の皆様にはお願いしたいと思います。
 もう一度、最後に一つだけいわせていただきます。水道というのは、本当に重要なライフラインです。あくまで、電気よりも、ガスよりも、何よりも、人の命に直結している大事なライフラインですから、そのライフラインを、都として、つまり公営としてやるということは本当に重要だということを、ぜひ、皆さん自覚していらっしゃると思いますが、それをさらに高めていっていただきますようにお願いを申し上げまして、私からの質問を終わりたいと思います。

○山田委員 それでは、私は、報告事項であります東京水道経営プラン二〇一三について何点かお伺いをいたします。
 さきの本会議で、我が党からの今後の水道事業のかじ取りについてとの質問に対しまして、局長より、差し迫った課題への対応から、将来を見据えた取り組みまで、経営プランに掲げた施策を着実に実施し、お客様に喜ばれる水道を実現すると強い決意表明がございました。
 本年二月に発表されました東京水道経営プラン二〇一三では、これまでの安定給水や安全でおいしい水に加えて、震災対策などが新たに柱立てされました。この新プランから私は、差し迫った課題として局が重点的に進めております震災対策、また、将来を見据えた取り組みとして水道施設の更新について取り上げたいと思います。
 それでは、まず初めに、震災対策についてお伺いをいたします。
 今月十一日で、東日本大震災から二年が経過をいたしました。さきの震災では、被災地の避難所においても断水して、多数の避難者の方が不自由な生活を強いられたことでありました。震災時には、多くの人が避難するような場所でこそ水を使い続けられることが重要だと考えます。被災者が数多く集まる場所への供給ルートの早期の耐震性強化は、我が党が提言してきたところでありますし、このたび東京水道経営プラン二〇一三に示されたことは大いに評価をしておるところであります。
 ところで、避難所への供給ルートには、配水管と給水管があります。それぞれの整備が必要であると思います。
 そこでまず、避難所への配水管の耐震化についての具体的な進め方についてお伺いをいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○佐々木給水部長 避難所につきましては、建物規模が大きく、給食設備を有するなど、多くの被災者が集まり、長期の避難生活にも対応可能な小中学校を優先して配水管の整備を進めてまいります。
 小中学校や主要な駅への配水管の耐震化は、平成二十五年度から十カ年での完成を目指してまいります。その後、小中学校以外の避難所への配水管の整備を進めてまいります。

○山田委員 小中学校を優先して整備することの趣旨は、よく理解するところでありますけれども、それでも、今ご説明がありましたように、相当の期間、時間を要します。そのことから我が党では、配水管から各避難所等につながっている給水管について、先行して整備をすべきだということを提言しておりますし、局からは、これらの施設への配水管の耐震化に先行して、給水管の耐震化を図る旨の回答をいただいております。
 そこで、避難所や主要な駅の給水管の耐震化について、今後の具体的な取り組みをお伺いいたしたいと思います。

○佐々木給水部長 避難所や主要な駅への配水管の耐震化には長い期間を要することから、これら施設への給水管を早期に耐震化していきますことは極めて重要であると考えております。
 このため、平成二十五年度より、配水管の耐震化に先行いたしまして、対象施設約二千五百カ所の給水管の耐震化に着手いたします。そして、避難所は、平成二十八年度までの四年間で、また、主要な駅につきましては、平成三十一年度までの七年間で、すべての完成を目指してまいります。
 これらに必要となります事業費としては、約四十億円を見込んでおります。

○山田委員 今ご説明いただきますと、避難所については、平成二十八年度までの四年間に、そしてまた主要な駅は平成三十一年までの七年間で、すべて実施をする、事業費についても約四十億円というご説明がございました。
 震災の際に、避難所等が有効に活用できるよう、この計画に基づいて供給ルートの耐震化を推進していただきたいと思います。よろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、水道施設の更新についてお尋ねをいたします。
 昨年十二月に発生いたしました中央自動車道笹子トンネル内の天井板崩落事故は、多くの犠牲者を出す悲惨な事故として世の中を震え上がらせました。この事故をきっかけに、高度経済成長期に建設されましたインフラの老朽化や安全性の低下がクローズアップされたところであります。
 施設の老朽化につきましては、都民の安全を脅かし、都民サービスの低下を招くものであります。とりわけ水道は、かわりのない基幹的なライフラインであり、いっときでも浄水場が停止に陥れば、都民生活や都市活動に直撃し、その影響ははかり知れないものがございます。
 そこでまず、浄水場についても、高度経済成長期に建設されたものが数多くあると思いますけれども、その現状についてお伺いいたします。

○酒井浄水部長 都の浄水場は、高度経済成長に伴って急増いたしました水道需要に対応するため集中的に整備してきたことから、全体の施設能力の約七割がこの時期に建設されております。
 これらは、建設からおおむね半世紀が経過し、老朽化が進んでおり、施設を維持するための補修、改良工事を通年にわたって行っております。
 あわせて、近年求められている水質管理の強化により、現状では、建設時の施設能力が十分に発揮できず、給水量に対して余裕がない状況となっております。
 こうした中、平成三十年代以降浄水場は一斉に更新時期を迎えることとなるため、安定給水を確保しながら、計画的な更新が急務となっております。

○山田委員 都の浄水場の多くが、老朽化という危機に直面しており、今後、本格的な更新の時期に、時代に突入するとのことであります。特に大規模浄水場の更新は、工事による大きな影響も考えられます。都民への給水に支障を来さぬよう施設の状況をしっかりと把握して、今から確実な備えを講じるべきと考えます。
 また、浄水場の更新は、現在、水道界が抱えております課題であります電力エネルギーの低減あるいは施設の維持管理などに配慮して、浄水場をつくり変えていくことも重要であると考えます。
 そこでどのように、大規模浄水場の更新を進めていくのかをお伺いいたします。

○酒井浄水部長 施設能力が日量百万立方メートルを超える大規模な浄水場の更新は、二系列ないし三系列に分割し、順次施設を停止して工事をする必要があることから、大幅な能力低下を余儀なくされます。
 このため、安定給水を確保しながら、必要な施設の更新を進めるためには、浄水能力に不足が生じないようあらかじめ代替浄水場を整備する必要があります。
 こうした代替施設の整備や浄水場の更新に当たっては、施設整備の基本的な方針を示した再構築基本構想に基づき、安定給水の確保はもとより、水質面やエネルギーの観点にも配慮した浄水施設へと再構築してまいります。

○山田委員 将来を見据え、更新事業に向けた水道局の高い認識がうかがえまして、大変安心をいたしたところであります。
 浄水場の更新は、水道局が持つ、これまで培ってきた技術を結集した事業開始以来の一大事業になることは間違いありません。手おくれにならないように着実に進めてほしいと思います。
 そこで、更新中の安定給水に不可欠な代替施設整備の具体的な取り組みとスケジュールについてお伺いいたします。

○今井企画担当部長 大規模浄水場の更新に向けた代替浄水施設の整備は、立地条件やコスト等を踏まえて適切に進めていく必要があります。
 このため、東村山浄水場の代替施設を境浄水場に整備することとし、平成二十五年度に工事着手し平成三十三年度の完成を目指します。
 また、金町浄水場につきましては、三郷浄水場に代替施設を整備することとし、平成二十六年度に工事着手し平成三十五年度の完成を目指します。
 こうした整備に当たっては、高低差を利用した自然流下の活用や小水力発電等の導入などにより省エネルギー化に積極的に取り組んでまいります。
 これらの施設の完成後は、東村山浄水場、金町浄水場の更新に着手し、工事が完了後、そのほかの浄水場についても順次更新を行ってまいります。

○山田委員 浄水場の更新は、将来を見据えた息の長い取り組みが必要だと思います。首都東京の安全・安心そして発展のために、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 これまで、避難所の給水管の耐震化、そして大規模浄水場の更新について質問をしてまいりました。これだけ多くの事業を実施するということは、当然ながら多額の財源が必要になると思います。
 そこで、この経営プラン二〇一三に示されております財政運営の考え方についてお伺いいたしたいと思います。

○福田総務部長 当局では、これまで、長期的な視点に立った財政運営を進めつつ、必要な施設整備に着実に取り組んでまいりました。間もなく四半世紀をかけて進めてきた高度浄水施設の整備が完了いたしますが、今後は、水道施設の耐震化の促進や大規模浄水場の更新に向けた代替浄水施設の整備の本格化などに取り組んでいく必要があります。
 このため、東京水道経営プラン二〇一三では、事務事業の効率化など経営努力を進めるとともに、震災対策、安定給水に向けた事業を着実に推進してまいります。
 さらに、今後の施設更新による財政需要に備えるため、この計画期間内においては引き続き企業債の発行抑制に努めるとともに、代替浄水施設整備のための資金の積み立てや活用など、将来を見据えた財政運営を行ってまいります。

○山田委員 資金調達を企業債などの外部資金に余りにも依存し過ぎますと、返済の負担が大きくなり過ぎて経営が行き詰まってしまうのはいうまでもありません。これまで、水道局が企業債の発行を抑制するなど、長期的な視野に立った財政運営をしてきたからこそ、今これほど積極的に耐震化などの諸施設に取り組むことができるということだと評価いたしたいと思います。
 また、将来に目を向けますと、一兆円と試算されております大規模浄水場の更新、当面の十年間で約八千億円もの費用がかかるといわれております水道管路の耐震化など財政需要がさらに高まっていくと思います。経営プランの財政計画は三カ年だけでありますけれども、東京の水道が、今後も安定して継続していくためには、将来を見据えた財政運営をすべきだと考えます。
 そこで、最後に、この経営プラン二〇一三の着実な実施と将来に向け責任ある水道の実現について、局長の決意をお伺いいたしたいと思います。

○増子水道局長 このたび策定いたしました東京水道経営プラン二〇一三では、お客様に喜ばれる水道を目指すことを経営方針として掲げております。
 このプランでは、震災対策を大きな柱と位置づけ、バックアップ機能の強化を図るための管路の二重化、ネットワーク化及び耐震継ぎ手化の一層の推進、応急給水体制の充実など、地震に強い水道を実現するためのハード、ソフト両面から取り組みを強化することといたしました。
 また、お客様に安全でおいしい水をお届けするための高度浄水施設の整備や直結給水方式の普及促進、エネルギーの効率的な活用に向けた施設の整備、世界の水問題を解決する国際貢献ビジネスの推進などにも積極的に取り組んでまいります。
 さらに、将来にわたる安定給水を確保していくため、大規模浄水場更新に向けた代替浄水施設の整備を進めてまいります。
 これらの施策を着実に実施することで、都民生活と首都東京の都市活動を支えるライフラインとして、より高い信頼性を発揮し、現在のお客様だけでなく、将来のお客様に対しても責任を果たしてまいります。

○山田委員 私は、平成二十三年の決算特別委員会におきまして、将来に負担を残さずに次世代に水道施設を引き継ぐことは、水道事業者の最大の責務と指摘をさせていただきました。
 今後も、不断の経営努力と、将来を見据えた財政運営を行いながら、着実に震災対策、施設更新などを進め、首都東京にふさわしい水道を将来に引き継いでいってもらいたいということを願いまして私の質問を終わります。

○上野委員 私からは、山田委員に引き続きまして、防災、減災対策の視点から質問をしていきたいと思います。
 さきの東日本大震災の経験を踏まえまして、水道局は、先月公表した東京水道経営プラン二〇一三におきまして、震災対策を主要施策と位置づけて重点的に取り組むと、このようにしております。そうした中から、まず、水道施設における電源確保について何問かお尋ねしたいと思います。
 水道事業は、浄水場や給水所などで都内電力使用量の一%にも相当する膨大なエネルギーを消費していると聞いております。発災時に、もしもエネルギー供給が絶たれるようなことになれば、事業の継続に大きな支障を来すことになります。まさに、エネルギーの確保は、震災対策のかなめであるといえるわけであります。
 東日本大震災では、都内でも計画停電の影響によりまして、施設の運転が停止し、一部地域で断水や濁水が発生したと聞いております。そうしたことが起こらないように、災害時においても、都民に生活用水を確実に供給するためには、水道施設におけるエネルギーの自立化が重要であると思います。
 中でも、都の水道水の供給能力の大部分を占める大規模浄水場、先ほどの課題になっておりました、そちらの方のエネルギーの確保には万全の対策を講じるべきでございます。
 そこでまず初めに、大規模浄水場のエネルギー確保に向けた取り組みについてお尋ねいたします。

○佐久間設備担当部長 大規模浄水場につきましては、施設能力を常に一〇〇%発揮できるよう自家用発電設備を増強整備します。
 具体的には、平成二十四年度から整備中の東村山浄水場に引き続きまして、新たに三郷浄水場に二万キロワット規模の常用発電設備を導入するなど、順次、整備を実施していきます。

○上野委員 発災直後に一〇〇%の能力を発揮するためには、自家用発電設備の整備とあわせまして計画的な燃料の確保が不可欠であります。
 都の地域防災計画の中では、発災直後から七十二時間以内に、特に重要な活動として非常用電源等によるライフラインの確保を明記しているところであります。
 東日本大震災のときには、外部電力の寸断に加えまして燃料の調達が数日にわたって困難な状況というのが発生いたしました。
 そこで、発災直後においても、自家用発電設備を確実に動かすための燃料の確保などに向けた取り組みについてお尋ねいたします。

○佐久間設備担当部長 発災直後には、電力会社から供給される電力だけでなく、燃料の確保にも支障を来す可能性があります。
 このため、三日間分の液体燃料の確保を目指すとともに、地震に強い都市ガスも使用できる発電設備の導入を検討していきます。

○上野委員 都民の安全・安心のためにも、燃料確保に向けた着実な取り組みを期待しているところであります。
 浄水場でつくった水道水は、給水所などを経て都民へ供給されております。水道水を都民のもとに確実に届けるためには、都民に直接給水する施設である給水所のエネルギーの確保にも取り組む必要があります。
 ところが、都内には、給水所が大小合わせて百四十六カ所あると聞いておりますけれども、整備に当たっては、やはり費用と時間がかかると思います。また、地域や施設の状況によって停電に対するリスクも異なってまいります。
 そこで、給水所のエネルギー確保に当たりましては、例えば、都民への影響が大きい箇所を優先するなどの順位をつけて、計画的に取り組むべきと考えますが見解を求めます。

○佐久間設備担当部長 給水所には、給水所のポンプで圧力をかけなければ配水できない施設と、十分ではありませんが、停電時等は、浄水場のポンプ圧力を利用して配水できる施設があります。
 給水所のポンプを使用しなければ配水できない施設は、停電が断水に直結する可能性が高いため、こうした施設を優先して自家用発電設備を増強整備していきます。
 なお、整備に当たっては、一日の平均配水量を維持できるよう努めていきます。

○上野委員 浄水場の対応とあわせまして、しっかりと取り組んでもらいたいと思います。
 さて、水道局では、安定給水の確保のため、水道管に情報収集のための機器を設置し、常時、都内全域の水圧、水質などを把握し、コンピューターで集中管理をしているところであります。仮に停電などの影響によりましてこうした情報が収集できなくなると、安定給水にも支障が出ることが懸念されるわけであります。
 実は、さきの東日本大震災では、計画停電の影響でこうした機器の被害があったと聞いております。
 そこで、その被害状況についてお尋ねいたします。

○佐久間設備担当部長 当局では、安全でおいしい水を安定給水するため、配水本管テレメーターや自動水質計器を設置しています。これらの機器により、水運用センターで、常時、水圧等のデータを監視し、断水や管路の異常などを把握しています。
 しかし、さきの東日本大震災では、計画停電の影響により、停電区域内において機器の機能が停止して水圧等の情報が得られなくなったため、断水地域や管路の異常などを迅速に把握することが困難となりました。

○上野委員 断水地域や管路の異常が把握できなくなりますと、復旧活動のおくれにもつながっていくことになります。迅速かつ的確な対応ができるよう情報の把握を確実にできるようにしていく必要があります。
 そこで、発災後におきましても、管路の情報収集のための配水本管テレメーターや自動水質計器を確実に機能させる取り組みが必要と考えますが、見解を求めます。

○佐久間設備担当部長 安定給水を維持するためには、停電時にも、配水本管テレメーターや自動水質計器を安定稼働させていくことが重要です。
 このため、都内に約三百十カ所ある配水本管テレメーターと、約百三十カ所ある自動水質計器につきまして、三日間停電した場合でも機能を維持できるよう順次バッテリーの設置工事に取り組んでいきます。
 これらにより、浄水場や給水所の対策とあわせ電力事情に左右されない電力の自立化を図り、より一層安定給水の確保に向けて取り組んでまいります。

○上野委員 安定給水には、エネルギーの確保が不可欠でありますので、浄水場や給水所、情報収集のための機器などを安定して稼働させるために、総合的な取り組みを強力に進めていただきたいと思います。
 一方、こうしたエネルギー確保の取り組みや管路の耐震化など、震災対策には多額の費用が必要となります。特に水道管の耐震継ぎ手化を進める十カ年事業には、十年間で八千億円もの事業費が見込まれるとのことであります。さらに経営プランには長期的な展望に基づきまして、浄水場の更新工事を進めていくとの計画が示されており、事業費は一兆円にも上ると聞いております。
 高度経済成長期に整備されました施設の老朽化対策は、水道局にとって、まさに喫緊の課題となっております。老朽化した施設は、耐震性にも問題があることから、やはり切迫性のある首都直下地震に備える防災、減災の面からも施設の更新は極めて重要でございます。
 そのためには、財政の健全性を確保しながら着実に進めていく必要がありますが、この膨大な財政需要にどう対応していくのか、お尋ねいたします。

○福田総務部長 ご指摘のとおり、現在取り組んでいる水道管路の耐震継ぎ手化十カ年事業や大規模浄水場の本格更新には、膨大な財政需要が見込まれております。
 こうした事業を実施していくためには、不断の経営努力により水道料金等の自己財源を確保することはもとより、企業債を計画的に充当するとともに、アセットマネジメントを活用し、施設の延命化を図るなど投資効率を高めてまいります。
 あわせて、大規模浄水場更新積立金を活用するなど、長期的な視点で財政運営に取り組んでまいります。

○上野委員 投資効率を高めながら、自己財源の確保や企業債などを活用していくとのことでございますが、水道事業は、国民の生活を守る重要なインフラであります。したがって、国からの補助も積極的に活用して整備を進めていくべきと考えます。
 そこで現在、水道局の国庫補助金の規模と、その収入に占める割合はどの程度か、また、今後必要な浄水場の更新や管路の耐震化事業への国庫補助金の活用をどのように考えているのかお尋ねいたします。

○福田総務部長 平成二十三年度の国庫補助金の収入実績は、高度浄水施設の整備などで約四十四億円となっておりまして、これは水道局の同年度の総収入三千六百三十二億円のわずか一・二%程度にとどまっております。浄水場の更新工事や管路の耐震化事業などに要する費用が多額であり、これらの事業を計画的に推進していくためには国庫補助が必要であります。
 水道局では、補助の実施を要望してきておりますが、現時点では、浄水場の更新工事は国庫補助の対象とされておりません。また、管路の耐震化事業については、当局のような大規模な事業者は補助を受けることができない仕組みとなっております。

○上野委員 全体収入の一・二%程度というのは、インフラとしての水道の重要性を考えますとかなり少ないのではないかと思います。また重要な防災、減災対策でもある浄水場の更新や管路の耐震化が国庫補助の対象になっていないというのは問題であり、こうした更新事業にこそ国がもっと力を入れるべきであると思います。
 東京都は、もっと国に対しまして、更新事業に対する補助要件の緩和を強く要求していくべきである、このように思うわけでございますが、いかがでしょうか。

○福田総務部長 先ほど答弁いたしましたように、浄水場の更新事業や管路の耐震化事業などに要する費用は多額でございます。当局としても国に対して、国庫補助の要望を強化していく必要性を認識しております。
 このため、国庫補助の対象となっていない更新事業については国庫補助対象化を、大規模事業者が補助を受けられない管路の耐震化事業については補助条件の緩和を、国に要望してまいります。
 首都東京におけるライフラインとしての重要性や他の都市とは比較にならない大規模な財政需要の状況を訴え、大都市特有の事情を抱える他の事業体とも連携し、あらゆる機会を活用して要望を行ってまいります。

○上野委員 更新事業というのは、現在取り組んでいる施設の更新が終わってもまた次の更新がすぐに始まるわけでありますので、財政負担は将来にわたって継続することになります。インフラの更新に対する国としての役割というものがあるはずであります。国に対し、補助の拡充を要求していくとともに、引き続き健全な財政運営により計画的な事業執行を進めていただきたいと思います。
 水道局の方で管理している浄水場、給水所、そしてまた上水管路、非常に重要でございます。この耐震化につきまして、しっかりと取り組んでいるということもさまざまな質疑を通して確認いたしまして安心しているところでございますが、もう一つ水道局としましては、大事な工業水道管も管理しているところでございます。こちらの老朽化対策というのも極めて重要な課題だと思っています。
 今後とも、この工業水道管の老朽化対策ということにもしっかりと目を入れて、目をちゃんとつけて、皆さんの方で検討していただきたい、これは大きな課題として申し述べておきたいと思います。
 防災、減災対策というのは、私たち都議会公明党のニューディール政策ということで極めて重要な政策ということも、国の方としても、景気経済対策の中の十・三兆円の中にしっかりと盛り込まれているところでございまして、国庫補助の問題もありましたけれども、東京都の方で、しっかりとそういった防災、減災対策に取り組めるように、私たちも国に対して強く申し入れしていきたいと思っております。
 こういった意味での防災、減災対策、きのうも、南海トラフの巨大地震関係のデータが出て、今再びこの防災、減災対策に都民の目は注目しているところでございます。来年度に向けまして、水道局長のこの防災、減災対策に向けました決意をお伺いいたしまして、私の意見とさせていただきます。

○増子水道局長 水道局では、都民生活と首都東京の都市活動を支えるため、浄水場の更新、給水所や管路の耐震化、電力の自立化など、総合的な防災対策を進めております。
 これにより、地震のときでも蛇口から水が出るようにしていくことで、お客様に喜んでいただける水道を目指してまいります。
 また、震災対策や老朽化施設の更新など、大規模な財政需要を伴う事業の財源につきましては、大規模浄水場更新積立金などの対応を図っていくとともに、補助制度の拡充について、あらゆる機会をとらえ国に働きかけ、その実現を図ってまいります。
 事業、財政両面で、局を挙げて一丸となり、防災、減災に取り組んでまいります。

○西崎委員 私からは、スマートメーターについてお伺いしたいんですけれども、先ほど、淺野理事から確認の質問がありましたので、私からは意見だけ述べさせていただきたいと思います。
 先ほどの質疑を伺っていて、国が出したエネルギー基本計画によりまして、スマートメーターとエネルギーマネジメントのシステムの導入を推進するために、需要家がみずからの電気、ガス、水道等の需要情報を一元的に把握、管理することが可能となるように留意すると、今回、国の出したエネルギー基本計画には述べられています。
 これを受けて、水道局では、ことしの二月から水道版スマートメーターに関する技術を公募しております。まだ企業、決まっていないということですけれども、今後、自宅における使用水量を表示装置等により手軽に確認できる見える化とか、あるいは見守られるお客様の水使用に異常があった場合に、見守る側のお客様に電子メールで異常を知らせる見守りサービスなど、二つの技術内容が含まれているということで、今後の動きに注意していきたいと思います。
 エネルギーマネジメントシステムを構築していくことは、エネルギーの効率的な利用に役立つものであり、スマートメーターはその基盤となる技術だと認識しております。スマート化が先行している電気の場合ですと、ダイナミックプライシングなど、ピークカットのためにその技術が使われている具体的事例が出てきております。これに対して水道の場合は、これまで水の流れだけ完結していたメーターに、電源と通信機器をつけ加えなければならなくなります。
 本来、スマート化は、省エネや効率的なエネルギー使用を目的とするものです。水を使う需要者が、使った水の量やその変化を把握する見える化や漏水を早く発見することは有効だと思いますけれども、導入する場合には、トータルの省エネや費用対効果もきちんと考えた上で実施していただきたいという意見だけ述べておきたいと思います。
 次に、この質問もまた多少重なってくるんですけれども、確認の意味で伺いたいと思います。施設整備の計画について伺います。
 昨年の三月に策定されました東京水道施設再構築基本構想によりますと、安定給水を支える供給能力の確保を目標としております。浄水場の更新に当たっては、施設能力を現状の公称施設能力である一日当たり六百八十六万トンを確保するだけではなくて、さらなる施設能力を確保する方針を述べているように思われます。
 水道局は、五十年、百年先の将来を見据えた計画的な施設更新を進める水道経営プラン二〇一三を示していますけれども、浄水場の更新計画についての考え方を伺いたいと思います。

○今井企画担当部長 浄水場の更新につきましては、経営プランで示しておりますとおり、更新工事により低下する浄水施設能力を補うため、あらかじめ代替となる浄水施設を整備する必要がございます。
 このため、代替施設が完成した後、順次必要な浄水施設の更新を進めてまいります。

○西崎委員 今の答弁ですと、順次必要な浄水施設を更新していくということですけれども、東京全体の施設能力を、どれだけに設定して更新計画をつくるのか、はっきりした数字は示されておりません。将来の人口減少も踏まえますと、水道需要が現在よりも減るため、必要な施設能力を考え直す必要があるのではないかと思います。
 では、具体的な施設更新についてですけれども、大規模浄水場更新に向けた代替浄水施設の整備計画はどのようになっているのか伺います。

○今井企画担当部長 先ほども答弁させていただきましたとおり、都の浄水場は、建設からおおむね半世紀が経過し、施設を維持するための補修改良工事を通年にわたり行っていることや、水質管理の強化により現状では建設時の施設能力が十分に発揮できず、給水量に対して余裕のない状況となってございます。
 こうした中、昨年五月に発生したホルムアルデヒドの水質事故により、三郷浄水場が送水停止を余儀なくされ、断水するおそれがあったほど切迫した状況に陥った事実は、まさに、今後迎える浄水場の更新に当たり、安定給水を確保する上で、代替浄水施設が不可欠であることを示すものと考えてございます。
 この代替施設につきましては、経営プランで示しているとおり、東村山浄水場の更新に向け、境浄水場に代替施設を整備することとし平成三十三年度の完成を目指しております。また、金町浄水場につきましては、三郷浄水場に代替浄水施設を整備することとし平成三十五年度の完成を目指しております。

○西崎委員 これまでも各委員からお話が出ていると思うんですけれども、施設を更新する際には、財政計画というのは大変重要になってくると思います。特に大規模浄水場の更新に向けた代替浄水場の施設の計画など、今お話しいただきましたけれども、工事は長い期間かかりますので、長期にわたる財政計画が必要になってくると思います。
 更新に対する財政収支計画はどのようになっているのか伺います。

○福田総務部長 水道事業の施設整備には、長期間を要することから経営プランの策定においては、今後の施設整備計画を立て、これに対応する事業費として所要額を算出しております。
 一方、着実な事業運営を行いながら社会経済状況の変化に柔軟に対応していくためには、中期的視点に立った計画が必要であります。こうした考えに基づき、確実な事業、財政運営を図っていくため、三カ年を計画期間とした東京水道経営プラン二〇一三を策定しております。
 本経営プランの財政収支計画は、水道施設の耐震化や大規模浄水場の更新に向けた取り組みなどを確実に事業化するとともに、事務事業の効率化などの経営努力や代替浄水施設整備のための積み立てや活用を図りながら、現行の料金水準のもとで収支均衡としております。
 なお、長期にわたる財政計画についてでありますけれども、財政収支計画は、事業運営の方針を明らかにし、財政収支を示すもので、料金水準を見直すか否かまでつながるものでございます。今回は収支均衡ということでございますので、現行料金のとおりということであります。
 長期にわたる財政収支計画は、不確定要素が多くなりまして、料金水準を議論するのはたえられないものと考えております。
 したがいまして、財政収支計画は確実に見込め、計画化できる三カ年の中期計画が妥当と考えております。

○西崎委員 十年前後の期間をかけて代替施設を整備し、経営プランのイメージによりますと、その後、更新施設を三つの系列に分けて、順次更新工事をすることになっております。財政収支計画は、三年間についてだけということですけれども、今いろいろご説明いただきましたけれども、これまでの料金収入の推移を見ますと、今年度予算の料金収入は、十年前実績より百億円以上少なくなっております。
 将来的に収入が大きく増加することは見込めず、浄水場の更新に当たっては、水需要の実績を見据えて、むだなく進めていっていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○相川委員 今回、水道局で条例案が二件上程されていますけれども、どなたも、この件について質問しないので、担当の方の気持ちをおもんぱかりまして、質問をさせていただきたいと思います。まず、今回の上程されました給水条例の改正について伺います。
 今回の改正については、これまで利便性の向上のためということで、我が党が要望してきた給水装置図面の電子閲覧と給水装置工事の電子申請の具体化に伴いまして、条例改正が必要となったものと理解していますが、給水装置の工事業務を電子化することで、パソコンから給水装置図面を直接閲覧できるようにするということや、インターネットによる給水装置工事の申請手続を可能にすることということを聞いております。
 そこで、電子閲覧と電子申請の具体的な内容とその効果について伺います。

○佐々木給水部長 電子閲覧でございますが、これまで水道工事店が水道局窓口に出向きまして、給水装置図面などの閲覧、検索をしておりましたが、図面などを電子データ化することによりまして、電子閲覧端末機での閲覧を可能とするものでございます。
 効果といたしましては、水道局のどの窓口でも、すべての区域の図面などの閲覧ができるようになるとともに、図面検索時間の大幅な短縮や、それに伴い待ち時間を軽減することができます。
 一方、電子申請でございますが、これまで水道工事店は、水道局の窓口に出向きまして給水装置工事の申請をしてまいりました。これに対しまして、インターネットにより会社や自宅での申請を可能とするものでございます。
 効果といたしましては、水道工事店が窓口へ出向く回数や待ち時間を軽減できるとともに、各種手数料なども、近くのコンビニなどで支払うことができるようになります。

○相川委員 了解いたしました。今回の改正は、利用者の事務負担の軽減というものを目的としたシステム導入にかかわる条例改正であると思います。大変意義のあるものであると思います。
 ただし、管工事業者、超零細といいますか、いまだにアナログでやっておられる工事業者が多いと思いますので、対応できない状況というものも多分あるんだろうと思います。そういうところの周知徹底を図っていただいて、しっかりしたサポート体制を準備して、作業を進めていただきたいと思います。
 次に、水道の布設工事監督者の資格等を定める条例について伺います。
 今回の条例案は、地域主権改革一括法の施行によります水道法令の改正を受けまして新たに制定するものであり、各自治体は法令の規定を踏まえて、地域の実情に応じて条例を制定することとなったというふうに理解しております。
 このため水道局では、東京都における水道の布設工事監督者及び水道技術管理者の資格に関する基準等を定める必要があると聞いております。
 さきの委員会で説明がありましたように、水道法令の規定を現行基準のまま適用するとのことでありますが、有資格者の確保や体制等について今後も十分な対応がとれるのかどうか、伺いたいと思います。

○田村建設部長 水道法令では、布設工事監督者等の資格に関する基準を学歴と実務経験に応じて定めておりますが、今回、制定する条例におきましても、この法令の資格基準等をそのまま適用しております。
 現在、当局では、技術系職員の約八〇%がこの資格を有しており、十分に人材を確保しております。
 このため、安全でおいしい水を安定的に供給する上でも、十分に対応可能な体制となっております。

○相川委員 今の答弁で、多くの職員の方が資格を有しているということで、さすが東京水道、皆さんの高い技術レベルがうかがえるわけであります。今後も、万全を期して体制確保に努められたいと思います。
 次に、平成二十五年度の予算案の中から、多摩地区水道の事業運営に限定しまして、幾つか伺いたいと思います。
 多摩地区では、昭和四十八年から、都営に統合が進められてきたわけですけれども、統合に当たって市や町への事務委託という方式がとられましたことから、それ以降も約四十年の長い間にわたって、各市町が、水道を担ってきたわけであります。昨年四月に、ようやくすべての市町の事務委託が完全に解消して、都が直営で水道を運営していくという体制に移行されました。
 昨年十一月の事務事業質疑では、事務委託の解消によって、お客様サービスなどが大きく向上したということで、これは大いに評価をしております。また、平成二十二年に策定しました多摩水道改革計画に基づきまして、事務委託解消の過程で顕在化した課題が幾つかあると思うんですけれども、その取り組みを着実に進めているとの答弁もございました。
 そこでまず、改革計画の施策のうち、業務運営面での具体的な取り組み状況と成果を伺いたいと思います。

○浅沼調整部長 業務運営面での具体的な取り組み状況や成果についてでございますが、水道料金の未払い状況を示します料金未納率等につきましては、ほぼ、区部並みの水準まで改善してきております。
 また、工事に必要な書類作成についての相談窓口を設置するなど地元事業者へ支援を行うとともに、成績評定の導入など契約方法の段階的な見直しも着実に進めているところでございます。
 さらに、市や町との連携に関しましては、当局と多摩地区二十六市町で構成します多摩水道連絡会を昨年二月に立ち上げまして、本年度から本格的に実施してございます。
 具体的には、定例的な総会と四つの地域ごとのブロック会を各二回開催したのに加えまして、七月には臨時の総会を開催するなど、市や町との活発な情報共有や意見交換を行っているところでございます。

○相川委員 今のご答弁を聞きまして、事務委託の完全解消前から、つまりはその先手を打って取り組んでこられたということで、ソフト面の成果が着々と上がっている様子がよくわかりました。
 特に市や町との連携に関していえば、我が党の指摘を踏まえていただきまして立ち上げた多摩水道連絡会というものを活発に開催しているということで、大変評価をさせていただきたいと思います。
 一方で、多摩水道改革計画では、給水安定性の向上も大きな柱となっているわけです。
 そこで、給水安定性の向上に向けた主要施設の整備に関する現在の取り組み状況について伺います。

○山田施設部長 まず、送水幹線の整備でございますが、八王子市と多摩西南部地域の給水安定性の向上に向け、順次整備を進めてまいりました多摩丘陵幹線につきましては、既に、工事中の全区間において送水管を布設するトンネルの築造を終えており、現在、平成二十五年度末の全線完成に向け配管工事などに取り組んでいるところでございます。
 また、東村山浄水場と多摩丘陵幹線の始点である拝島給水所を結ぶ多摩南北幹線の整備につきましては、口径二〇〇〇ミリメートルの大口径送水管を布設することとし、来年度から本格的に工事に取りかかる予定でございます。
 一方、給水所等の整備に関しましては、日野市内にある多摩平浄水所において、十二時間分の配水池容量を確保することを目的とした整備工事が本年二月に完成し、また、調布市内にある深大寺浄水所について、配水池等の更新工事の設計を進めているところでございます。
 さらに、多摩地区最大の配水池容量を有する東大和給水所等で耐震補強工事を実施しているほか、八王子市や町田市への配水を担う鑓水小山給水所等について、耐震補強工事の実施に向けた準備を進めているところでございます。

○相川委員 今のお話聞きますと、施設の整備もさまざまに取り組んでいるようです。ただ、これは市や町が、町のレベルが低いということは申し上げませんけれども、これまでも何十年もの長きにわたって、つまりはその市や町が整備、管理をしてきたわけで、事務委託が完全に解消したからといっても、一朝一夕で施設レベルがすっかり上がってしまうということじゃないはずであります。
 このために、ぜひ多摩地区水道には、区部と比べてまだまだ安定給水という面で課題は多いのではないかと思いますので、安定給水の面で、多摩地区水道の抱える今の課題について伺いたいと思います。

○青木技術調整担当部長 多摩地区の水道施設につきましては、市町が経営していた時代に整備された小規模なものが多く、浄水所の約八割は、築造後四十年以上経過するなど老朽化が進行しております。また、昭和四十八年からの都営統合後も、事務委託制度のもとで、市町ごとに施設が整備、管理されてきたことから、区部と比べ、市町域を越える管路が不十分な状況にございます。
 さらに、配水管網の骨格となる口径四〇〇ミリメートル以上の配水本管につきましては、給水区域面積当たりの布設延長が区部の半分以下にとどまるなど、配水管網の整備が十分ではなく、広域的なバックアップ機能が不足しております。
 このため、漏水等の事故時におきましては、断濁水の影響が広範囲に及ぶとともに、給水を確保しながら管路更新を行うことが困難な地域も存在しております。

○相川委員 まだまだ、多摩の水道には課題が多いということであると思います。安定給水に向けまして、施設整備を進めていくということが重要であると思います。
 先日、発表されました水道局の経営プランでは、震災対策が大きな柱と位置づけられていますが、先ほどの答弁にあったように区部と比べて、多摩地区の水道の施設整備が不十分なわけでありまして、多摩地区において、より一層、震災対策、災害対策にも意を配っていくことが必要であると思います。
 そこで、震災時の対応力の現状と課題について伺いたいと思います。

○青木技術調整担当部長 多摩地区におきましては、東日本大震災に伴う計画停電によりまして、二十六万件以上の断濁水が発生いたしました。これまでも、施設の重要度等を踏まえ、停電に備えた自家発電設備の整備を進めてまいりましたが、いまだに五十六カ所の施設で整備が必要な状況にございます。
 また、浄水場等の配水池では、最新の耐震基準を満たしている施設が全体の約二割にとどまっており、こうした施設の耐震性の向上も大きな課題となっております。
 一方、浄水所等の給水拠点におきましては、震災時に職員の参集を待たずに、市町や住民みずからが応急給水を実施できるよう、施設の改造にも取り組んでいるところでございます。
 本年度末までに二十八カ所の整備完了を見込んでおりますが、今後、八王子市内の楢原給水所など五十四カ所で整備が必要な状況でございます。

○相川委員 今のお話でも、多摩の課題はまだまだ多くて、やるべきことが山積しているというふうに思います。
 現在の多摩水道改革計画策定以降、東日本大震災の発生や市や町への事務委託の完全解消など、多摩地区水道を取り巻く環境というのは大きく変化したわけであります。
 こうしたことを踏まえて、現時点において、新たな視点で、多摩地区水道の将来を見据えて課題を克服するということで、多摩の水道をより充実させていく必要があると思いますけれども、見解を伺います。

○浅沼調整部長 先生ご指摘のとおり、多摩水道改革計画の策定以降、多摩地区水道を取り巻く環境は大きく変化しており、さまざまな課題の解決に向け、新たな取り組みが不可欠であるというふうに考えております。
 このため、来年度早期に、平成二十五年度から五カ年を計画期間とする新たな計画を策定いたします。この新たな計画におきまして、多摩地区水道の課題と方向性を示した上で必要な施策を推進してまいります。
 具体的には、配水管網の骨格となる配水本管や施設間を結ぶ広域的な送水幹線の整備を進め、バックアップ機能の強化を図るとともに、老朽化した施設を計画的に更新するなど、都営水道にふさわしい施設へ再構築してまいります。
 また、東日本大震災の教訓を踏まえまして、自家発電設備の整備、施設の耐震化や給水拠点の改造等を進めまして、災害対応力を一層強化いたします。
 加えて、多摩水道連絡会も活用した市や町とのさらなる連携強化などにも着実に取り組んでまいります。

○相川委員 今、新たな計画を策定して、多摩地区水道の課題解決に取り組んでいくということを聞きまして、大変心強く思いますし、いろんな三多摩格差があると思うんですけれども、水道が一番先に解消していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 この新しい計画を、いってみれば羅針盤として、多摩地区水道のレベルアップを着実に進めていただくことをお願いしておきたいと思います。
 最後に、多摩地区水道の今後に向けた局長の決意をお聞きしたいと思います。

○増子水道局長 多摩地区の水道は、都営統合後も長きにわたり業務の多くを市町に事務委託してきたことから、いまだ小規模水道の集合体的な状況にとどまっており、都営水道にふさわしい広域水道としては、まだまだ解決すべき課題を多く抱えております。
 昨年四月には、この事務委託を完全解消いたしましたけれども、これは多摩水道の改革に向けたスタートにすぎないと考えております。都営水道として、質の高いサービスを求める多摩地区のお客様の期待にこたえていくには、まさしく、これからの取り組みが肝心であります。
 さまざまな課題の克服に向け、新たに策定する計画に基づきまして、必要な施策を強力に推進し、お客様に喜ばれる安全・安心な多摩水道となるよう全力で取り組んでまいります。

○相川委員 今、局長の強い決意を聞いて安心をいたしました。何より委託の完全解消が改革のスタートだということで、ぜひ力を入れていただきたいと思います。
 多摩地区の水道というのは、聞くところによりますと、全国的にも例を見ない大規模な広域水道だということで、日本じゅうがこれからに注目していると思います。これは決して大げさないい方じゃなくて、見ていると思います。課題解決に向けまして、局一丸となって取り組んでいただくことを最後にお願いして質問を終わります。

○桜井委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○桜井委員長 異議なしと認め、本案及び本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。

○桜井委員長 これより下水道局関係に入ります。
 初めに、請願の審査を行います。
 二五第一号、上・下水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率の維持に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小山総務部長 請願二五第一号につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料、請願・陳情審査説明表をお開き願います。
 この請願は、用水型皮革関連企業協議会会長の本田桂一さんから提出されたものでございます。
 請願の要旨は、平成二十四年度末をもって終了予定の油脂・皮革関連企業に対する下水道料金の減免措置及び減免率を継続していただきたいという内容でございます。
 現在の状況でございますが、用水型皮革関連企業に対する下水道料金の減免措置は、平成二十二年第一回都議会定例会における決議の趣旨を尊重し、一般会計からの減収分の補てんを前提に、独立採算の原則及び負担の公平の原則に対する例外措置として、平成二十五年三月三十一日まで実施しているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○桜井委員長 説明は終わりました。
 念のため申し上げます。
 本件中、水道局所管分に対する質疑は既に終了しております。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○桜井委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○桜井委員長 異議なしと認めます。よって、請願二五第一号は趣旨採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。

○桜井委員長 次に、予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第二十七号議案、第百十一号議案、第百三十四号議案及び第百三十五号議案並びに報告事項、東京都下水道事業経営計画二〇一三についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○淺野委員 このたび策定されました報告事項、この経営計画二〇一三について、具体的な取り組み内容も含めてお伺いをしたいと思います。
 まず、この下水道管の再構築ということについて何点かお伺いをいたしたいと思います。
 老朽化した区部の下水道管、この再構築につきましては、アセットマネジメント手法というのを用いて平均経過年数八十年程度で行うということで、この計画の二〇一三、この資料の二三ページに二四ページにグラフを交えて載っているわけでありますが、確かに、ライフサイクルコスト、維持管理コストとそれから整備にかかったお金ですね、それを経過年数で一年当たりで割ったもののライフサイクルコストというものが最も最初になるところでやっていこうと、それが大体八十年程度なんだというところで、それでやる、これは非常にいいことだと思います。

 今までの経過を見ますと、下水道管の再構築というのが、普及概成直後、つまり平成七年度から再構築に着手をして平成二十四年度までに、一番古いといわれる都心四処理区、この面積の二八%というところを再構築したというふうに載っております。ちょうど平成七年度から平成二十四年度までおよそ十七年間かけて、この都心の四処理区の二八%をやっていますということです。
 今後の計画を見ますと、平成二十五年度から平成四十一年度までというと、ちょうど同じ十七年間という形になるわけですね。同様の十七年間、これまでの十七年間、確かにいろいろ探りながらやってきた部分もあるとは思うんですが、これまで十七年かけて二八%という進捗で行ってきたものをこの後の十七年間でさらに終わらせるというところでいくわけですが、もちろん整備してきたものはどんどん古くなっていくわけですから、さらに再構築の対象となる下水道管というのは、加速度的に増加というのが見込まれるわけですね。そうすると、現在やっているようなこの再構築のペースで本当に間に合うのかというところが疑問に思うわけですが、この再構築達成まで、これは三カ年計画ということになっていますが、一応この平成四十一年度まで再構築するんだと、その処理区のところ、都心四処理区の再構築、達成するんだというこの長期計画とその実現性について伺いたいと思います。

○黒住計画調整部長 区部の下水道管の再構築につきましては、整備年代により三期に分け、法定耐用年数より三十年程度延命化し、八十年程度で再構築することを基本としております。このうち第一期として、再構築を進めております都心四処理区につきましては、平成四十一年度までに再構築を完了することとしております。この場合、現在までの経過年数が五十五年でございますので、平均経過年数七十二年で再構築が完了することになります。
 第二期以降につきましては、対象となる下水道管が多いことから、整備に要する期間が少し長くなるものの、第一期から第三期までを含めた区部全体としては、平均経過年数八十年程度で再構築する計画でございます。この目標を実現するために、経営計画二〇一三では、これまでの再構築のペースよりスピードアップを図ることとしております。
 具体的には、再構築は、雨水排除能力の増強などをあわせて行うことを基本としておりますが、浸水の危険性が少ない流域などでは老朽化対策を先行的に実施する老朽化対策先行整備手法を活用することにより、更生工法などをより多く活用し、これまでと同程度の事業費で再構築をスピードアップしてまいります。
 また、第二期以降におきましては、下水道管の普及段階で都市化の進展による雨水流出量の増加分をある程度見込んで整備している流域も多いことから、再構築のコストやスピードの面でさらに効率的に整備することが可能でございます。このような考え方に基づき、区部全体の下水道管について平均経過年数八十年程度で計画的に平準化して再構築を推進してまいります。

○淺野委員 今のご説明で、これまでよりペースをスピードアップして取り組んでいかれるということで、それについてはぜひ頑張っていただきたいと思います。
 また、第二期、第三期についても、雨水排除能力、新しく整備したものですから、ある程度見込んでつくっていたというところもあるので十分可能なんだというお話がありましたが、この図を見てもわかるとおり、私の地元練馬区なども含まれている第二期というのが、ここは一番大きい面積を抱えておりますし、その後、このグラフでいう緑色の部分、第三期のところも合わせるとこれまでもよりもはるかに多い部分だと思います。できるだけ、チェックをしながら進めていくんだと思いますが、下水道管の中の状況をよく確認しながら、計画的に進められるということを望んでおきたいと思います。
 この下水道管の再構築というのが、今、このまま計画的に進めていくというところですが、それ以外にも再構築していかなきゃいけないものというのがあると思います。これは下水道管だけではなくて、その他の水再生センター等で使っているものということが、やはりこれからもやっていかなければいけないんだと思いますが、この水再生センターで使われている機械だとか、そういった電気設備、こういったものの再構築、これはどのように進めていくおつもりなのかということについて伺いたいと思います。

○黒住計画調整部長 設備は、土木施設に比べて耐用年数が二十年程度と短く、経年により補修費が増加するとともに、機器の数も多いことから、経済的かつ計画的に再構築していくことが特に重要でございます。このため、長年にわたり蓄積してまいりました保守点検の結果や補修、故障などの膨大な履歴の分析に基づき、主要な機種ごとに経済的耐用年数や部品交換等の補修時期などを定めております。
 また、このような定期的な部品の交換などを前提としつつ、可能な限り保守点検などの効率化もあわせて行うことで、保守点検などの作業に伴う設備の停止期間を短縮することも可能になります。これらによりまして、故障する前に部品の交換などを計画的に進めることで予防保全による維持管理を強化し、設備の延命化を図るとともに経済的な耐用年数で再構築を行うことで、ライフサイクルコストの縮減を図ってまいります。

○淺野委員 これも同様に、いわゆるライフサイクルコスト、法定の耐用年数だけではなくて、それを延命化することによって一番コストが低くなるというところを探りながらやるという姿勢は、本当にすばらしいことだと思います。ぜひその方向で頑張っていただきたいと思います。
 また部品調達も、もちろん当然やっていらっしゃるんだと思いますが、耐用年数、特に経済的耐用年数という考え方で長年にやりますと、意外なところでメーカーがいつの間にか部品をつくっていなかったということもあり得ると思います。当然それは考えていらっしゃるんだと思いますが、その辺もぜひ注意して進めていっていただければと思います。
 この機械や電気設備の再構築というのも、このように計画的に再構築を実施して、これはすばらしいことでありますが、当然のことながらもちろんその設備の機能というのを落とすわけにはいかない。その機能を維持していくためには補修をきちっとやっていかなければなりません。
 特に、下水というのも、一般の方々は水が出てくるところの水道、上水の方は意外と気にしていながら、流れていく先の下水というものが何かただ流れていくからいいやと思っている消費者の方もいらっしゃるのですが、これは、流れてきたものを受け取る側がないとどうしようもなくなるわけでして、そういう意味では下水道というのは、実は物すごく重要なライフラインの一つであるということはもう間違いのない事実でありまして、そういった意味では、皆様方が使っていらっしゃる設備というものも停止することのできない重要なものであります。ですので、日々のチェック、補修だったり、維持するための努力というのは常にやり続けなければいけません。
 ただ、この経営計画の中の一一三ページの方を見ますと、今度、効率的な運営という発想のところに、ちょっと気になることが、経営効率化としての取り組みということで維持管理コスト、これはもちろんコストを下げることは非常に大切なんですけれども、維持管理コストを縮減するというところの例に保守点検頻度の見直しというのがございます。もちろん、維持管理コストを下げていくということは本当に重要なことではあるんですが、一方で、それによって保守点検のレベルが下がってしまってはいけないと、頻度の見直しというのは別にいいのかもしれませんけれども、この点をちょっと一応確認をさせていただきたいと思います。
 この見直しした保守点検の手法というのは、当然、現状と同じレベルのチェック手法というのを維持しなければいけないと思うんですけれども、そのチェック手法を維持していくのか、それともを代替手法といったものを用いるのかということについて伺いたいと思います。

○渡辺施設管理部長 下水道施設や設備の機能を確保するために保守点検を実施しております。施設や設備の信頼性を低下させることなく補修、点検を効率的に実施するため、局が長年にわたり蓄積しました点検結果を分析し、故障の発生が少なく、下水道機能への直接の影響を与えにくい設備を対象として点検周期の延長や点検項目の簡素化などの見直しを行いました。
 具体的には、マンホールポンプについて、これまでは保守点検を画一的に毎月実施していたものを、運転頻度の高い雨季は毎月、それ以外の期間については運転頻度が低いため二カ月ごとの点検に見直し、めり張りのきいた点検体制をとることにいたしました。
 また、水再生センターで使用しております流量計などは故障しにくく、万が一故障した場合でも処理水質へ与える影響が小さいことから、二年に一回実施していた保守点検を三年に一回へ見直し、効率化を図りました。一方、耐用年数に近く故障が多くなると見られる設備については、精密点検を毎年行うなど点検を充実することで信頼性を確保しております。

○淺野委員 点検頻度にめり張りをつけていくというやり方は非常に重要なことだと思います。コストを下げつつもチェックのレベルを落とさないという取り組みは大切なことだと思いますので、それはその方向でぜひ進めてください。
 ただ、実は二年前の東日本大震災というのは、私たち日本人に非常に大切なことを教えてくれているなということを私は思っておりまして、それは何かというと、想定外ということを忘れないということだと思うんですね。どういうことかと申しますと、自分たちでいろいろ考えていることというのの超えたことというのは本当に起こり得るんだと。なので、これで大丈夫だと思っていると、思わぬところで足をすくわれるんだということをいろんな意味で突きつけてきているんだと思います。
 コストというものを考えるのは本当に大変重要なことです。これは経営という観点では特に、これから先、人口も減少社会に入っていく中で、大きく売り上げを伸ばすとかということがなかなか考えられない時代では、どの企業だってその発想は抜けるわけにはいきません。コスト縮減というのは常に求められることだと思います。
 ただ一方で、この間の笹子トンネル等もそうですけども、油断は禁物だと、これで十分だとか、こういう観点でやっているから大丈夫だろうという観点で取り組むと、最初のうちは気をつけているんですけれども、それが変わってそれがその点検が当たり前になってくると、いつの間にか大丈夫だと、計画的にやっているからと思っているうちに、気がつくと思わず落とし穴があったりすると思います。ですので、ぜひこの点検の仕方についても、定期的に、定期的にといっても五年とか十年のサイクルだと思いますが、その中で一度見直してみる。本当に大丈夫なのかと、本当にここは維持できる、思わぬ故障だとかそういったものが起きないようになっているかどうかということを常に頭に置いていただきますようにお願いをしておきたいと思います。
 それで、そういった形で取り組んでいくわけですが、こういったコストの削減の努力ということも含めてだと思うんですけれども、今の財政運営と経営の効率化というこの経営計画の中で、この経営計画期間中と区部下水道の料金水準及び流域下水道の維持管理負担金単価を維持しますということが明言としてどんと書いてあるんですね。
 消費者の立場からすると当然ありがたい話です。今までどおり維持しましょうというのはありがたいことだと思いますけれども、今の政権運営、つまり国の方の政権運営は、まさに円安そしてインフレ傾向に持っていこうと考えているわけであります。それ自体がだめだと私は思うわけじゃありませんけれども、ただ、それに対する準備は考えなければいけない。特に、今の金融緩和による対策をとっていると思わぬ乱高下をする可能性を非常に秘めておりますし、特に、円安に誘導していることによって、当然のことながら資源のない我が国にとってみれば、原油、それから天然ガスといったものを導入する、輸入するコストというのは当然、電力にもはね上がってくるだろうと思われますし、そういった意味では、これから先、いわゆるコストプッシュによるインフレ、いろんな物のコストが上がってくることによって物価が少しずつ上がっていくよという状況が見えてくるんだと思います。
 平成十年のデフレに入ったといわれたこの日本の中で、消費者物価指数というのは少しずつの下落傾向に見えますが、それを項目ごとに分けてみますと、下がっているのはやはり産業が空洞化し、海外で物をつくっている部門については大きく下がる、それから新しく入ってきた通信ですね、携帯電話やインターネットといった通信分野というのも下がっておりますが、実は、電気代だとか、交通費だとか、そういったものというのは、平成十年のデフレ以降も実は物価指数で見ますと上がっているんですね。それがさらにこれからインフレ傾向に持っていくとなるとさらに上がっていくということが見えてくるわけで、この物価が上がっていく中でこれまでずっと維持してきたという下水道局の努力には本当に頭が下がる思いですが、軽々に維持しますと、三年間を維持しますとよといっちゃって、これを守ることに固執する余り、その以降に大きくその影響がはね上がってくるということは、逆にかえって、非常に大きなはね上がり方をするというのは余り消費者にとっては喜ばしいことじゃないなという気がいたしますので、一応念のためいわせていただきます。こういう物価上昇局面というのが予想される中で、本当にこの料金水準を維持できるのかということについて伺いたいと思います。

○小山総務部長 下水道料金につきましては、これまでも可能な限りの企業努力に取り組みまして、平成十年度から現行の料金水準を維持してまいりました。
 今回策定した経営計画二〇一三におきましては、計画策定時点で見込まれました電気料金の改定などを織り込んで財政収支を策定してございます。区部下水道事業の財政収支は、料金収入の減少が続く一方で施設の維持管理や老朽化に対応する経費も必要でございまして、厳しい状況が続いておりますけれども、今後とも、経営効率化に努めることで、料金水準を従前のとおり維持するよう最大限の努力を行ってまいります。なお、消費税につきましては、現行の税率で計上してございますが、今後国の対応を踏まえ、法令などに基づき適切に対応してまいります。

○淺野委員 この状況でもきちっと維持をしていくというありがたいお言葉ですけれども、別に上げてくれというつもりはありませんので維持していただけるのはありがたい話なんですが、電気料金の改定というのも、恐らく東電等の改定の様子を見ながら、計画を見ながら多分策定をされているんだと思います。ただ、今申し上げたとおり、現状、東電管内、もちろん原発はすべてとまっているわけで、その中で行きますと、電力というのは、東京電力が発電しているものというのは、その八割が火力に頼っている状況で、その火力のうちの七割は原油と天然ガスです。
 天然ガスは原油価格と連動するという形で日本は輸入しておりますので、そうすると、使っているエネルギーのかなりの部分は、その原油価格に非常に影響を受けるということがもう目に見えてわかっているわけです。ということですから、今後、維持する努力はもちろん続けていただきながら、一方で、三年後にもう無理でしたから物すごい上げますみたいなことにならないように、不断の努力を続けるとともに柔軟な経営対応ということも常に念頭に置いていただきますようにお願いをしておきます。
 最後に、先ほど水道局でもやったことですが、同じことをまたさせていただきます。監理団体について伺いたいと思います。
 監理団体というのも、要は、先ほどの水道局でも全く同じこといっているんですが、いわゆるイメージの悪い団体ですね。国の外郭団体とあわせて見られておりまして、その中で、天下りの先だとか行政との癒着だとかというイメージをどうしても持たれてしまう団体なんですけれども、この下水道局にもTGSという監理団体がございます。まず、このTGSについて、この監理団体の業務委託ということについて、随意契約という形で行っていると思いますが、その業務委託、受けた業務ということをそのすべてをこのTGSという監理団体が担っているのかということについて伺いたいと思います。

○永野企画担当部長 東京都下水道サービス株式会社、TGSは、下水道局の事業を補完、代行する団体として昭和五十九年に設立されたものでありまして、汚泥処理施設の運転管理業務や下水道管の管理業務などを受託し、確実に実施しております。
 例えば、汚泥処理施設の運転管理業務は、下水道局が直営で行っている水処理業務から発生する汚泥を確実に処理する必要がございます。汚泥はその質や量が日々変動するため、汚泥処理には経験によって培われた知識と技術が必須でございます。このようにTGSが受託している業務は、専門的技術を生かしつつ、局と密接に連携して行う必要がありまして、これらの業務を着実に執行できるのは下水道事業に関する豊富な知識と技術を持った職員が多数在籍しているTGSだけでございます。
 一方、TGSは受託業務の履行に当たりまして、製造メーカー固有の技術などが必要な作業を外部に委託するとともに、例えば、空調設備の保守点検などの定型的な作業や汚泥処理に必要な薬品などの購入を競争契約によりまして行うことで効率的な事業執行を図っているところでございます。このように、TGSは多岐にわたる複雑で専門性の高い困難な作業を束ねて、総合的かつ一体的に実施してございます。

○淺野委員 今、答弁の中で、TGSというのが、この受託業務の履行に当たって、外部にも委託を行っているというお話がありました。ではこのTGSから、この下請業者というんでしょうか、TGSの仕事をさらに受ける会社というところに仕事を委託しているということでございますので、この監理団体であるTGSから下請業者への委託業務の割合とその内容についても伺いたいと思います。

○永野企画担当部長 下水道局からTGSへの委託金額に対するTGSが外部に委託した金額の割合でございますが、平成二十三年度実績で約三五%でございます。TGSでは、製造メーカー固有の技術が必要な、例えば、監視制御設備の保守点検などのほか、先ほど例を挙げました定型的な作業を外部へ委託してございます。ただし、この場合でも、TGSみずからが下水道局からの受託業務に含まれるさまざまな作業を束ねて、全体を調整し、運営することで、受託者としての責任を十全に果たしております。

○淺野委員 先ほど、経営の効率化のところでも申し上げましたが、これから先の世の中というのは状況が非常に読みづらいわけですね。その中で消費者にできるだけ料金を転嫁しなくて済むようにさまざまな経営努力をしていかなければならないと。
 先ほどいったような、いわゆる固有の技術、TGSが下水道処理、水の再生等にかかわって、非常に大切な技術を持ってやっている。もしこれが民間企業だというふうに考えますと、実はそれを高く売ることを考えるわけですね。つまり、自分のところでしかできないんだったら、値段をつり上げたって自分のところにしか頼みようがないわけですから、当然そこの値段は上がっていくんです。そこの値段が上がっていくとどこに転嫁するかというと、それは消費者に行くわけですね。ですから、監理団体というところのメリットがあるとするのであれば、私は、そういう固有の技術を持っているけれども当然公共的なサービスだということを意識してもらって、高く売るみたいな、もうけに走るようなことをさせないということも非常にあるのかなという気がいたしております。
 いずれにせよ、将来的には、つまりその技術が広く民間にも行き渡り、そして、日本全国並みにいろんなところでどの企業でも、下水道の処理、水の処理に関して受けられるという体制が整うようになった暁には、一方で、そういったものも、要するにTGSのようなものも、完全民営化するということもあり得るのかなという気はいたしますが、現状は、先ほどこれは水道局でもいったんですけれども、いろんな世界の水ビジネスの世界というのは、実はものすごい世界では、暗黒といったらいい過ぎですけれども、いろんなものが暗躍している世界ですね。なぜなら、原油以上に人の命に直結している分野だからです。先ほどありました上下水道はセットですので、上下水道のセットの技術というのは、当然、日本の場合もいろんな意味でねらわれる可能性があると思います。
 先ほどの話の中で申し上げました東日本大震災で教えられた教訓というのは、想定外というものをなくしていこうということだと私は思っております。それは、こういう経営の面でも、つまり日本人ではない方々が、いろんなもの、場合によっては、もしかすると敵意や悪意を持ってのっとりをかけてこようという可能性だってゼロでありません。株式の状況を調べさせていただきますと、TGSについては非常に安定的で、そうそう簡単に敵対的な買収を受けるような形にはなっていないということはわかりましたけれども、とはいえ、想像だにしない方法でやってくる可能性はゼロではありません。
 皆さん方は、下水道という上下水道の一翼を担う、つまり日本の生命維持のためのライフラインの一翼を担っていらっしゃる方ですので、そういった意味ではそこを死守するという覚悟も必要だと思います。のっとりやあるいはさまざまな異常、もちろん震災等の被害も含めて、そういったものを意地でも死守をするんだという覚悟を持ってもちろん取り組んでいらっしゃると思いますので、それをこれから先も想定外をなくしていくという覚悟のもとで進めていただきますようにお願いを申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。

○桜井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後二時五十九分休憩

   午後三時十六分開議

○桜井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○山田委員 それでは私は、報告事項でございます、今回新たに策定されました下水道事業経営計画二〇一三について、具体的な内容も含めて何点かお尋ねをいたしたいと思います。
 いうまでもなく、下水道は、都民の生活や都市の活動になくてはならない社会資本であり、二十四時間三百六十五日休むことのできないサービスであります。今回の経営計画を拝見いたしますと、今後もその役割を十分に果たしていくため、さまざまな施策に取り組んでおり、東京の安全・安心、快適な環境は自分たちが支えていくという強い熱意が伝わってくるものであります。
 また、この計画期間の三年間実施をする事業内容はもちろんのことでありますけれども、これまでの事業の進みぐあいや中長期的な目標も示されており、着実に事業を進めていこうという局の強い姿勢も改めて感じられるところであります。
 一方で、これらの事業を進めていくには、これから下水道局がやるべきことは何なのか、具体的にどういった仕事をしようとしているのかを都民にわかりやすく説明をし、ご理解いただくことが重要であると考えます。今回、新たな経営計画が策定されたことは、都民に理解を深めていただく絶好の機会でもあり、経営計画全般について質疑を行いまして、下水道局の目指すべき方向を確認していきたいと考えております。
 そこでまず、今回の策定されました経営計画のポイントは何かをまずお伺いいたします。

○小山総務部長 東日本大震災以降、都民から安全と安心に強い関心が寄せられてございまして、下水道は、大地震や津波、局地的豪雨といった自然の脅威への対策を実施するとともに、施設の老朽化にも対応して、都市の安全や安心を支える役割を果たしていく必要がございます。
 また、東日本大震災後の電力需給が逼迫した状況を受けまして、より高いレベルでの省エネルギー化が求められる一方で、東京湾や多摩川の水環境改善への社会的要請も高まりを見せてございます。
 これらを踏まえまして、今回の経営計画二〇一三では、お客様の安全・安心を支える施策のスピードアップと省エネルギー化と水質改善の両立をポイントとして策定いたしました。
 まず一つ目のポイントのお客様の安全・安心を支える施策のスピードアップでございますが、老朽化した下水道管の再構築を約二倍にスピードアップするとともに、最大級の地震動、津波に対する施設の耐震化、耐水化を平成三十一年度までに完了させるなど高度防災都市づくりに向けた取り組みを加速してまいります。
 また、二つ目のポイントの省エネルギー化と水質改善の両立でございますが、電力使用量をふやさずに、より水質を改善できる準高度処理を早期導入するとともに、新たな汚泥焼却システムによる省エネルギー化やナトリウム硫黄蓄電池によるエネルギーの有効活用などをさらに進めまして、よりエネルギー効率の高い下水道事業への進化を図ってまいります。

○山田委員 高速道路のトンネル事故の例を引くまでもなく、高度成長期に集中的に整備された社会資本の老朽化対策は、これは下水道に限らず、我が国全体の大きな課題であると思います。
 また、東日本大震災を踏まえた、地震、津波対策の強化、省エネルギー化と水質改善の両立などは、今まさに求められている施策といえると思います。
 これらの諸課題に迅速に対応し、事業のペースを早めていくこと、新たな技術も導入しつつ、環境問題の解決を図ることなどは、ぜひとも都民にアピールをして、下水道事業のプレゼンスを高めていってほしいと思います。よろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、今回掲げられました主な施策の中から、特に大切な視点として、都民の安全・安心を支える施策に重点を絞り何点かお尋ねをしたいと思います。
 先ほどの答弁にあったように、老朽化対策のスピードアップや震災対策の強化が大変重要な施策であることに加え、都民の生命、財産を守る浸水対策の取り組みも忘れてはならないと思います。
 我が党といたしましても、さきの予算特別委員会の代表質問で区部の浸水対策について確認をさせてもらいました。現在、進めております対策促進地区や大規模地下街での対策に加え、今後は、重点的に取り組む地区を追加するなど対策を一層強化していくことでありましたけれども、具体的な内容も含めて確認をいたしたいと思います。

○野村建設部長 下水道局では、雨水の排除能力を増強する幹線やポンプ所等の基幹施設の整備など浸水対策を計画的に進めております。くぼ地や坂下など浸水の危険性が高いため優先的に整備することとした対策促進二十地区では、平成二十九年度までに計画した施設の整備完了を目指し、既にすべての地区で事業に着手しております。今年度末までに七地区で完成しており、経営計画二〇一三の最終年度となる平成二十七年度までに十三地区で対策を完了いたします。
 浸水による被害の影響が大きい大規模地下街九地区の対策は、これまでに、新宿駅、渋谷駅西口、池袋駅、東京駅八重洲口の四地区で対策を完了いたしました。平成二十三年度からは、渋谷駅東口において駅周辺のまちづくりの中で開発事業者の負担による貯留施設の整備が進められてございます。残る東京駅丸の内口、新橋・汐留駅、銀座駅、上野・浅草駅の四地区で、平成二十七年度までに一時間七五ミリの降雨に対応できる施設整備に着手し、平成二十九年度までの完成を目指してまいります。

○山田委員 ただいま、現在進めていただいております対策促進地区及び大規模地下街におきます対策について、進捗状況と具体的な作業の内容についてご説明をいただきました。対策促進地区や大規模地下街については、着実に整備が進められており、引き続きしっかりと取り組んでもらいたいと思います。
 今後は、新たに取り組むことといたしました重点地区における対策を推進するなど、対策を充実させることが重要であると思います。そこで、浸水対策を今後どのように進めていくのかをお伺いいたしたいと思います。

○黒住計画調整部長 かつての川を下水道幹線として利用している浅く埋設された幹線の流域などでは、大雨により幹線の水位が上昇した場合、周辺の地盤の低い箇所に雨水が逆流し浸水被害が発生しております。このため、これまで進めてきた対策促進地区に加え、これらの流域について、浸水被害実績などから優先すべき二十地区を重点地区として新たに選定し、対策を実施していくこととしました。
 具体的には、幹線の水位や地盤の高さなど地域の特性をきめ細かく考慮できる新たな設計手法を用いながら、既存の幹線の下に新たな幹線を整備する手法なども取り入れ対策を実施することで、一時間五〇ミリの降雨に対して浸水被害を解消してまいります。
 現在、神田川流域の桃園川幹線などを対象に具体的な整備内容の検討を行っており、経営計画期間中の平成二十七年度までに十一地区で着手するなどスピード感を持って取り組んでまいります。
 なお、整備に当たりましては、これまで、雨水整備クイックプランなどとして整備してまいりました貯留管や貯留施設などと連結することで、貯留と排水の機能を効果的に組み合わせるなどの手法も活用し、一時間五〇ミリを超える降雨に対しても浸水被害を軽減してまいります。

○山田委員 ただいま、ご説明をいただきましたけれども、さまざまな手法を取り入れて、浸水対策の充実に取り組んでいることがわかりました。浸水被害の軽減のためには、最も基本的な備えであります施設整備に加えて、被害を一層軽減するためには都民みずからの豪雨への備えが欠かせないと思います。そのためには、都民への情報提供を充実させることなどでソフト対策の取り組みがさらに重要となると思いますけれども、そこで、浸水対策におけますソフト対策の取り組みについてお伺いいたします。

○渡辺施設管理部長 浸水被害の軽減に向けては、自助の観点からお客様みずからが浸水に備える取り組みを支援するため、降雨や浸水に関する情報提供の充実などに取り組んでおります。
 具体的には、東京アメッシュの降雨情報をリアルタイムにホームページなどで配信しています。東京アメッシュについては、設備の老朽化に対応するためレーダーの更新を進めており、更新に当たっては、雨粒の大きさをより正確にとらえることのできる精度の高い新型レーダーを導入いたします。これにより、ポンプ運転の安全性を向上させるとともに、お客様に提供するアメッシュの情報もよりきめ細かなものとすることができます。
 東京アメッシュは昨年度のアクセス数が約五千万件に達し、お客様に広く利用されていることから、その画面を活用したバナー表示などにより、浸水への備えや下水道事業の取り組みを効果的にPRしてまいります。また、下水道管内に敷設した光ファイバーネットワークにより、浸水被害が多く発生していた地域の八つの下水道幹線内の水位を把握し、いち早く関係区へ提供しており、この情報は地域の水防活動に活用されております。
 さらに、毎年六月を浸水対策強化月間とし、浸水被害が発生しやすい地下室のあるお宅を戸別訪問し、注意喚起するなど、豪雨への備えをお願いしております。
 このほか、計画を上回る大雨が発生した場合の浸水の範囲などを示す浸水予想区域図については、河川管理者と連携し、区部全域で作成を完了しており、これらを通じ地元区のハザードマップ作成への支援を行ってまいります。

○山田委員 インターネットや光ファイバーの活用に加えて、戸別訪問などのまさに地域に根差した活動などを通じ、引き続き必要な情報を都民に発信してもらいたいと思います。
 多摩地域でも以前から、大雨によります浸水被害に悩まされており、黒目川や落合川の流域でたびたび浸水被害が発生をいたしております。このため、雨水の排水先となる河川がなく、複数市をまたがなければ雨水排水ができない地域については、流域下水道が雨水排水を広域的に行う雨水幹線整備事業を進めてきていただいております。こうした事業については、地域の安心・安全を支える取り組みとして、高く評価をいたしているところであります。
 今後は、浸水被害の軽減を図るために、多摩地域についても施設整備に加え、都民への情報提供を充実させるなどソフト対策の取り組みが必要になると思います。そこで、多摩地域におけます浸水被害の軽減に向けて、今後どのような取り組みを進めていくのかをお伺いいたしたいと思います。

○中里技術部長 平成二十三年度に落合川雨水幹線が完成したことに伴い、平成五年度から推進してまいりました黒目川、落合川流域の流域下水道雨水幹線整備は完了いたしました。引き続き、浸水対策を実効あるものとするため、流域下水道本部では、流域下水道雨水幹線の関係市で構成しております雨水整備に関する協議会を通じ、技術的な助言を行うなど、各市が整備する公共下水道雨水管の流域下水道雨水幹線への接続を促すための働きかけを行ってまいります。
 また、浸水予想区域図が未整備でございました北多摩一号処理区及び北多摩二号処理区につきましては、関係市等と連携して浸水予想区域図を作成し、昨年八月に公表したところでございます。今後とも、さまざまな機会を通じ、技術支援や情報提供を行うなど、関係市と連携協力を図り、浸水被害の軽減に努めてまいります。

○山田委員 ぜひ引き続き関係市と緊密な連携をして、事業に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、震災対策についてお伺いをいたします。
 下水道局では、避難所などからの排水を受け入れる下水道管の耐震化や液状化の危険性の高い地域にあるマンホールの浮上抑制対策を着実に進めているほか、今後は対象地区の拡大を図っていくとも聞いており、その積極的な取り組みは大いに評価をするところでもございます。
 一方、下水道管により集めた下水を処理する水再生センターやポンプ所についても着実に耐震化を進めることが重要であると考えます。下水道施設の地震・津波対策整備計画が昨年十二月に策定をされ、想定される最大級の地震動に対する耐震対策を実施するとのことでありますけれども、その具体的な取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。それでまず、区部にあります水再生センターやポンプ所の耐震化について、今後の整備目標をお伺いいたします。

○黒住計画調整部長 水再生センターやポンプ所の耐震化につきましては、整備計画に基づき対策のレベルアップとスピードアップを図ってまいります。具体的には、これまで対応してきた関東大震災規模の地震動よりも施設に加わる地震力は三倍程度大きい阪神・淡路大震災など、想定される最大級の地震動に対し、水をくみ上げる揚水、簡易処理、消毒、放流など、震災時においても下水道が必ず確保すべき機能を担う施設を対象に耐震化を進めてまいります。
 区部の水再生センター十三カ所、ポンプ所八十五カ所の計九十八カ所の全施設を対象に、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック前の平成三十一年度までの完了を目指してまいります。対策の実施に当たりましては、地盤の高さなども勘案し、東部低地帯など優先度の高い施設から実施してまいります。

○山田委員 今、ご説明で、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック前までの対策完了を目指すということでありますが、水再生センターやポンプ所など大変数が多いことでありますし、早急に対策を進める必要があります。既に対策を着手しているとも聞いております。そこで、水再生センターやポンプ所などの耐震化はどのような方法で行っているのか、またその進捗状況についてもお伺いいたしたいと思います。

○野村建設部長 水再生センターやポンプ所の耐震化工法といたしましては、既存の施設について耐震診断を行い、厚みなど断面積が不足している箇所は鉄筋コンクリートを増し打ちし、鉄筋の本数が不足している箇所では穴をあけて新たに補強鉄筋を追加するなどの工法がございます。
 これまでの進捗状況でございますが、想定される最大級の地震動に対し、下水道機能を確保するための対策を進めており、既に完了している六カ所のポンプ所に加え、現在、砂町など七カ所の水再生センター、篠崎など七カ所のポンプ所で耐震化工事を行っております。
 来年度は、新たに小菅水再生センターや熊の木ポンプ所などでも耐震化工事に着手し、平成二十七年度末までに十五カ所の施設で耐震化を完了する予定でございます。工事の実施に当たりましては、稼働中の施設を一時的に停止する場合もあることから、その間も良好な放流水質を維持するなど、運転管理等の調整を綿密に行いつつ、対策のより一層のスピードアップを図ってまいります。

○山田委員 首都東京で大規模地震がいつ発生してもおかしくない状況であり、こういう中、下水道施設の耐震化について、引き続き、スピード感を持って取り組んでもらいたいと思います。
 また、安全・安心を支える施策のうち老朽化施設への対応について、私の地元多摩地域の流域下水道での取り組みをお伺いしたいと思います。
 流域下水道は、区部の下水道に比べ歴史は浅いものの、昭和四十年代から整備が進められ、事業開始から既に四十年が経過をいたしております。中でも、耐用年数が十年から二十年と短い機械や電気の設備の中には、既に耐用年数を超えているものもあるのではないかと思います。私自身、昨年の十一月の公営企業委員会の事務事業質疑におきまして、水再生センターの設備の老朽化の対策の現状などについて確認をさせてもらいました。その中で、今後は、アセットマネジメント手法を活用して計画的に更新を進めていくとのことでございました。
 下水道は、二十四時間三百六十五日流れております。とめることができない水再生センターの設備については、計画的なメンテナンスやリニューアルを進めていくことが重要であると思います。そこで、流域下水道事業の水再生センターの老朽化施設の更新を今後どのように進めていくのかをお伺いいたします。

○中里技術部長 流域下水道の水再生センターの電気、機械設備につきましては、耐用年数を超えた設備が大変多くなってきておりまして、更新に必要な事業費は年々増大しております。このため、アセットマネジメント手法による設備更新計画に基づき、計画的な保守点検や補修など、予防保全型の維持管理によって法定耐用年数より二倍程度延命化し、機器ごとに定めた経済的耐用年数で計画的に設備更新を進めてまいります。
 現在、こうした考え方に基づきまして、八王子水再生センターの監視設備や北多摩一号水再生センターの発電機設備の更新工事を実施しております。今後は、清瀬水再生センターの水処理設備などの更新に着手いたしまして、平成三十四年度末までに約三百台の更新完了を目指しております。経営計画二〇一三の計画期間内の平成二十七年度までに、現在約五割となっている更新割合を約六割に向上させるよう着実に事業を進めてまいります。

○山田委員 経営計画に基づいて、計画的に設備の更新を進めていくということが確認できました。今後とも、下水道が健全に機能し、都民の安全で快適な生活を支えるため、着実に取り組みを進められることを期待したいと思います。
 次に、人材育成と技術の継承についてお伺いをいたします。
 将来にわたって下水道サービスを安定的に提供していくためには、下水道事業を支える人材育成と技術の継承が不可欠なことはいうまでもないと思います。これまでは実務を熟知したベテラン職員も多く、こうした職員のもとで現場の経験を積むことで人材育成や技術継承が円滑に行われてきたと思います。
 しかし、ベテラン職員の大量退職が続き、こうした経験の引き継ぎがスムーズに行われなくなると、今後、人材育成や技術の継承に支障が生じることが懸念されるところであります。
 下水道局では、こうした課題に対応する一つの方法として、経営計画二〇一三において、新たに下水道技術実習センターを整備するとしておりますが、この実習センターを活用して、どのように人材育成を推進していくのかをお伺いいたします。

○安藤職員部長 下水道局では、人材育成や技術継承の中心的な役割を担ってまいりましたベテラン職員の大量退職が続いておりまして、これまで現場でのOJTなどの中で習得されてきました実践的な技術や業務ノウハウを、より効果的、効率的に伝えていく取り組みが必要となっております。このため、新たに下水道技術実習センターを設置することとし、砂町水再生センター内に整備を進めており、本年秋からの実習開始を目指しているところでございます。
 技術実習センターでは、下水道事業における実際の現場を再現し、実習や疑似体験を行うことで、知識、技術の早期習得や技術業務ノウハウの継承を推進してまいります。
 具体的には、マンホール内や水が流れている中での作業実習、高電圧配電盤の点検作業の実習など、みずから体感し、ノウハウを習得していくプロセスに重点を置いた実習を行うこととしております。
 また、下水道事業をともに支える監理団体や下水道関連の民間企業におきましても、人材育成と技術継承は深刻な課題となっておりますので、監理団体や下水道関連企業による技術実習センターの活用も促進してまいります。今後とも、日本の下水道をリードする東京都としまして、下水道界全体の人材育成と技術の継承を積極的に推進支援してまいります。

○山田委員 今のご説明で、下水道局では、将来の下水道事業を支えていくため、人材の育成に先進的に取り組んでいることはわかりました。人材育成、技術継承は、今や日本の産業界全体の課題であります。この実習センターでの取り組みが現場に密着した人材育成のモデルとなるよう期待をしたいと思います。
 次に、財政面についてお伺いいたしたいと思います。
 これまで伺ってまいりましたさまざまな施策は、都民の安全・安心を守り、良好な水環境を次の世代に引き継いでいくためにぜひとも必要な事業であると思いますが、これらの事業を進めていくには多額の経費も必要となります。
 今回の経営計画におきましても、施設の建設改良費や維持管理費、企業債の元利償還費など、区部、流域を合わせますと年間五千億円を超える支出が見込まれております。一方、区部の料金収入は減少傾向が続いており、厳しい経営環境にあることも事実であると思います。
 下水道事業の経営については、過去を顧みますと、三兆円近い企業債残高、すなわち借金を抱えて財政運営に苦しみ、料金の値上げに及んだ時期もあったと聞いております。このような経験も踏まえ、引き続き安定的な経営を実現していくためには、将来を見据えた財政基盤の強化を図っていくことが大変重要だと考えます。
 そこで、今後も健全な財政運営を続けていくために、どのような取り組みを行っていくのかお伺いいたします。

○小山総務部長 ご指摘のとおり、企業債の状況について申しますと、下水道の早期普及を目指しまして短期間に集中的な建設投資を行いました結果、平成十二年度には、企業債残高が約三兆円にまで達しました。その後、建設投資の重点化などによりまして、着実な残高縮減に努め、将来にわたる負担の軽減を図ってきたところでございます。
 今回の経営計画におきましても、必要な施設整備を進める際には、事業費の平準化とともに企業債残高の縮減に努め、平成二十七年度末には約一兆六千億円程度にまで残額を圧縮する予定でございます。また、下水道料金収入の減少傾向が続く中にありまして、さまざまな課題に対応していくためには、さらなる経営の効率化を進めていく必要がございます。
 具体的には、アセットマネジメント手法を用いた効率的な再構築の実施や省エネルギー型設備の導入など、建設から維持管理までのトータルコストの縮減、また、芝浦水再生センター再構築に伴う上部利用ビルの建設など資産の有効活用による収入の確保、業務執行体制の見直しによる職員定数の削減など、三年間で合計二百十二億円に及ぶ企業努力を行うなど不断の経営効率化による財政基盤の強化に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、公営企業としての公共性、経済性を最大限に発揮することで安定的な経営の実現に取り組んでまいります。

○山田委員 経済情勢については、ようやく明るい兆しが見られるようになったわけでありますけれども、今後も事業を着実に実施していただくためには、将来を見据え、景気の動向に左右されない財政基盤の強化が非常に重要となると思います。最少の経費でよりよいサービスを都民に提供していただくため、気を引き締め、経営効率化の取り組みをしっかりと行っていくよう強く要望しておきたいと思います。
 最後になりますけれども、今回の経営計画二〇一三で掲げられている事業は、いずれも都民の生活にとって不可欠なものであり、その目標の達成が待ち望まれているものばかりであります。着実な事業執行により、計画の実現を図ることが下水道局の責務だと考えます。そこで、今回の経営計画に込められた局長の思い、計画実現に向けた決意を伺いまして、私の質問を終わります。

○小川下水道局長 一昨年の東日本大震災は、都民の生活を支える下水道事業の重要性、いわばその機能を維持し続ける責任の重さというものを改めて感じさせる出来事でございました。私自身も非常にそれを実感したところでございます。
 今回の経営計画では、この東日本大震災の教訓も踏まえまして、将来にわたって東京の下水道がその役割を果たしていくために取り組まなければならない課題あるいは必要となる対策について整理し、そのもとで、今後三年間の事業運営の指針として策定したものでございます。そしてまた、それが都民に対する約束であるというふうに考えております。
 この経営計画で定めました各施策を着実に推進することによりまして、都民の下水道事業に対する信頼、期待にこたえてまいりたいと思っております。
 下水道局は、局として発足して、ことしが五十一年目に当たります。これまでの五十年間、半世紀にわたって下水道局では、高い技術力あるいは経営ノウハウというようなものを備えてまいりました。また、職員一人一人は、直面する課題にみずからが創意工夫をしてこれを解決していく、そういう意識を強く持っている、そういった組織風土を培ってまいりました。今後、新たな半世紀に向かってのキックオフをする年でございますが、すばらしいキックオフとなりますように、長年にわたって培ってきた人材、技術力、ノウハウといったものを十二分に発揮して、職員一同、一丸となって経営計画の達成に向けて取り組んでまいります。

○上野委員 私からは、下水道局のエネルギー対策について質問したいと思います。
 先日の予算特別委員会におきまして、都議会公明党の小林都議の質疑の中で、省エネルギーまたエネルギーの有効利用の観点から下水道事業における対策について確認させてもらったところでありますが、私からもさらに何点かお尋ねしていきたいと思います。
 我が国が今日までの発展と経済成長を遂げ、現在の都市活動や社会経済活動を力強く支えているのは、電力などエネルギーの安定供給があったればこそでございます。
 一方、東日本大震災に伴う原子力発電所の事故以降、都内では計画停電や電力使用制限が実施されました。都民は、今もって災害が起きても安定的な電力の供給は確保できるのか、不安に思っているところであります。
 こうした中で、水力や太陽光に代表される再生可能エネルギーの活用に注目が集まっております。下水道は、公衆衛生の確保や浸水の防除、公共用水域の水質保全等、さまざまな役割を担っており、事業を進める上で多くの電力を必要としております。そのため、下水道局では、新たにエネルギーをつくり出す創エネルギーの取り組みの一環として、既に再生可能エネルギーの積極的な活用を進めているところでございます。そこでまず、下水道事業における再生可能エネルギーを活用した発電の取り組み状況についてお尋ねいたします。

○渡辺施設管理部長 下水処理水や下水汚泥が持つエネルギー、太陽光などの自然エネルギーを活用した発電に取り組んでおります。例えば、下水処理水の活用については、処理水を放流するときの二、三メートル程度のわずかな落差と豊富な水量を利用して発電する小水力発電を森ヶ崎水再生センターと葛西水再生センターに導入しており、昨年度の年間発電量は合わせて約六十三万キロワットアワーです。
 下水汚泥の活用については、汚泥の処理工程で発生するメタンガスを利用した発電を森ヶ崎水再生センターで導入しており、昨年度の年間発電量は約二千万キロワットアワーであり、発電した電力は当該事業所の電力使用量の約二割に当たります。また、汚泥焼却炉の廃熱を回収して行う発電を東部スラッジプラントで実施しており、昨年度の年間発電量は約一千四百万キロワットアワーであり、発電した電力は当該事業所の電力使用量の約三割に当たります。
 太陽光発電については、水処理施設の上部空間などを活用した大規模な設備を葛西水再生センターに導入しており、昨年度の年間発電量は約五十八万キロワットアワーになります。

○上野委員 下水道局では、再生可能エネルギーの活用についてさまざまな取り組みを進めており、大いに評価いたします。
 ただいま答弁のあった私の地元江戸川区にある葛西水再生センターの太陽光発電は、水処理施設の上部を活用するなどして導入され、大規模なものとしては下水道局で初めての設備とのことであります。そこで太陽光発電は、地球温暖化の防止にもつながるものでありますので、今後とも積極的に導入拡大を図っていくべきと考えますが、局の見解を求めます。

○黒住計画調整部長 水再生センターなどでの太陽光発電設備の導入に当たりましては、コスト面や維持管理への影響などの課題がございます。このうちコストにつきましては、発電効率の向上に向けた技術開発の進展や太陽光発電の普及に伴い太陽光パネルのコストは低減する傾向にございます。
 一方で、パネルを支える基礎部分の低コスト化が課題となっております。このため、森ヶ崎水再生センターでは、臭気を防ぐため水処理施設に設置しておりますふたの老朽化に伴う再構築にあわせまして、新しいふたに太陽光パネルを直接張りつけることで基礎部分を兼ねるなどの工夫によりまして、設置コストを縮減しつつ、維持管理にも支障とならない方法を採用し、メガワット級の太陽光発電を導入してまいります。
 また、事務所など十三カ所にも、小規模な太陽光発電を分散型電源として計一千キロワット導入いたします。
 このように太陽光発電につきましては、メガワット級の大規模な設備に加えて、施設ごとに設置する分散型の小規模な設備をあわせて導入、拡大を図ってまいります。

○上野委員 森ヶ崎水再生センターにメガワット級の太陽光発電を導入するなど拡大を図っていくとのことであり、今後もしっかりと進めていただきたいと思います。
 ところで、先日の予算特別委員会の質疑の中で、今後はエネルギー自立型の汚泥焼却システムを開発していくとのことでありましたが、このエネルギー自立型焼却システムとは具体的にどのような技術なのかお尋ねいたします。

○坂根技術開発担当部長 汚泥には多くの水分が含まれておりますことから、汚泥の焼却工程においては、都市ガスなど補助燃料が必要であるほか、焼却炉内に空気を送り込むための電力を必要とするなど、多くの燃料や電力を消費しております。
 これまで、汚泥焼却炉につきましては、主に温室効果ガスを削減する観点から炉内の燃焼を効率化し、少ない燃料で高温焼却が可能な新たな方式の炉の開発、導入を進め、主に燃料を削減してまいりました。
 一方、汚泥の水分が多い場合、補助燃料に加え、炉内に送り込む空気を加熱する必要があり、これに焼却廃熱の一部を使用するため、焼却廃熱のうち利用できる熱量が少なくなり、汚泥焼却におけるエネルギーの有効利用は余り進んでおりませんでした。
 そこで、焼却炉に投入する汚泥の水分量をこれまで以上に削減し、汚泥を燃焼しやすくするために、超低含水率型脱水機を開発してまいります。これによりまして、補助燃料を不要とするとともに、空気加熱に使用する熱量を少なくし、有効利用できる熱量を多くすることができます。そして、利用可能な焼却廃熱が増加したことを生かしまして、経済性なども考慮しつつ発電を行うことで電力をみずから供給できるエネルギー自立型焼却炉を開発し、これを超低含水脱水機と組み合わせることでシステム化を図りまして、いわゆる第三世代焼却システムとして開発し、導入してまいります。

○上野委員 先進的な技術が開発され、導入が進むことで、さらなる省エネルギーが図られることを期待するところでございます。
 太陽光発電など再生可能エネルギーの活用や省エネルギー化が図れる新技術の開発に当たっては、すぐれた技術を持つ民間企業などとの連携が重要であると考えます。
 下水道局では既に、民間企業の開発意欲を高めるために新たな共同研究制度の仕組みを導入いたしまして、太陽光発電と同じく、葛西水再生センターの施設を対象に省エネ技術の開発が進められていると聞いております。そこで新たな共同研究の仕組みと葛西水再生センターを対象とした研究の内容をあわせてお尋ねいたします。

○坂根技術開発担当部長 これまで開発した新技術の中には実用化に至らないものもあり、すぐれた技術を開発する上で、民間の開発意欲を高めることが難しいという状況がございました。そこで、開発した技術を導入する工事をあらかじめ指定して共同研究者を募集し、技術開発を進める仕組みを昨年度から新たに導入いたしました。
 その第一弾として、永久磁石を用い、電力損失を少なくした効率のよいモーターの共同研究を公募により進めることといたしました。これによりまして、省エネルギー化を図るとともに、補修費などを従来型以下とすることでコスト縮減にも寄与することが可能となり、葛西水再生センターのポンプ設備を対象に共同研究を進めております。平成二十三年度に研究を開始し、昨年九月にはモーターの交換工事に着手しており、工事完了後の事後評価を含め、平成二十六年度までを研究開発期間としております。また、開発したモーターにつきましては、当局施設に順次導入していく予定でございます。
 今後とも、この共同研究制度を活用することで民間企業の開発意欲が高まるよう促し、省エネルギー化などに寄与する先駆的な技術を開発してまいります。

○上野委員 今後も民間企業の技術開発への意欲を高める新たな共同研究制度を積極的に活用し、すぐれた技術の開発を進めてもらいたいと思います。
 一方、エネルギーを安定的に確保するという観点では、震災時などに備えた対策も着実に進める必要があります。そこで、震災時などに起こり得る停電や電力不足に対応するため、自己電源の増強を図るべきと考えますが見解を求めます。

○黒住計画調整部長 停電等により電力供給が途絶えた場合などに備え、水再生センターやポンプ所での非常用発電設備などの増強を進めております。具体的には、経営計画二〇一三の計画期間である平成二十七年度までに江戸川区にございます新川ポンプ所など新たに十三カ所で非常用発電設備を整備し、区部の水再生センターやポンプ所の七四%の施設での整備を完了させてまいります。
 また、東日本大震災の直後、非常用発電設備の燃料として使用しております灯油などの供給が滞った一方で、中圧のガス管については、耐震性にすぐれていることからガスの供給には支障が発生しなかったことを踏まえ、燃料として灯油単独から灯油と都市ガスを併用できる新たな発電機について、中川水再生センターに導入してまいります。
 さらに、夜間に蓄電した電力を昼間のピーク時に活用するナトリウム硫黄蓄電池について、現在の約二万キロワットから約四万キロワットに倍増してまいります。これらの燃料多様型の発電機や蓄電池の整備につきましては、平成二十七年度までに完了させてまいります。
 今後とも、大規模地震時などの災害時にも下水道機能を確実に維持するため、自己電源の増強を図ってまいります。

○上野委員 自己電源の増強によりまして、災害時にも下水道の機能が確保されることを期待しております。震災時などに電力を必要とするのは下水道施設のみに限らないわけでありまして、葛西水再生センターの上部には区のスポーツ施設が整備され、地元に開放されております。ふだんはサッカーや野球などを楽しむ人々が利用している一方、避難場所としても指定されております。震災時には多くの人が集まることになっているわけであります。
 そこで、下水道局が持つ非常用発電設備などで発電した電力を水再生センターの上部にある避難場所などに供給し、避難者の安全・安心を確保することも重要と考えますが見解を求めます。

○黒住計画調整部長 区部の十三の水再生センターのうち七カ所につきましては、その上部が区の地域防災計画におきまして、避難場所として指定されております。停電時などに下水道局の非常用発電設備で発電した電力を避難場所に供給するに当たりましては、下水道施設での電力の使用量や発電機の運転に必要な燃料の確保の状況なども勘案する必要がございます。
 また、避難場所における電力利用の用途や量などのニーズ、利用に当たっての地元区との役割分担などについても調整を行う必要がございます。このため、これらの課題につきまして、既に、避難場所を管理する江戸川区などの地元区と協議を進めており、今後とも具体化に向け、積極的に取り組んでまいります。

○上野委員 東京を支える重要な都市インフラの一つである下水道事業におけるエネルギー利用について、さまざまな観点からその取り組みを確認することができました。
 話は変わりますけれども、昨日、内閣府の方での南海トラフ巨大地震の発表がございました。衝撃的な内容であります。東日本大震災をはるかに超える、そういった被害が想定されているという状況の中で、恐らく三連動地震になるとかなり液状化もするんじゃないかということで心配しているのが、やはり区部東部地域、鈴木委員の荒川区と、それから桜井委員長の墨田区、そして笹本副委員長、私の江戸川区と。まさに、区部東部地域に住んでおりまして、これに対して非常に不安なところでございます。浦安では、その液状化でマンホールが浮上している姿を現場で直接見てきまして、本当に唖然としたところでございますけれども、そうしたことに対しまして、小川局長を初めとする下水道局の皆様が技術の粋を誇って、先ほどの質疑の中でもありましたように、マンホールの浮上抑止策とかいろんな世界に誇る技術を開発されてこられた、私はもう本当に評価したいと思います。
 小川局長とは、昭和五十二年に、同期なんですね。一緒に下水道局に入局しまして、今こうやって同じ同期の仲間が局長として、しかも下水道局の中で、皆様とともに世界に誇る下水道、日本の中でも本当に最高の技術を持っている下水道局、そうした中で思う存分戦っていらっしゃる。先ほどの局長の決意を聞いていても、本当にうれしく思ったところでございます。私もしっかり頑張っていかにゃいかんなと刺激されたところであります。きょうはエネルギーのことをお話してまいりましたので、そういったことで、突然ではございますけれども、最後に、エネルギー対策を推進していくに当たっての、同期の局長に決意を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

○小川下水道局長 下水道事業といいますのは、汚れた水をきれいに処理する、また、大量の雨をポンプアップして川とか海に迅速に排水すると、こういった機能を発揮するために非常に多くのエネルギーを必要といたします。電力でいいますと、都内で消費している電力の一%を下水道事業が消費していると、そういう状況でございますので、これまでも、省エネルギー化あるいはエネルギーの有効活用については積極的に取り組んできたところでございます。
 お話のように、今回の東日本大震災を受けて、さらに、エネルギー需給が逼迫しているなど、下水道局での取り組みというのは一層重要性を増しているというふうに思っておりますので、今回の経営計画の中ではさらにこれまでの取り組みを強化して進めていくということにいたしております。
 これまで、各プロセスごとに省エネルギーとかエネルギーの有効活用というのに取り組んできましたが、今後は、プロセスごとではなくて汚泥処理全体で、あるいは水処理施設全体での省エネルギー化とかエネルギーの有効活用を図って、下水道事業全体でのエネルギーの高効率化というのを図っていく、エネルギーに過度に依存しない下水道事業、エネルギー効率の高い下水道事業の実現に向けての第一歩にしたいというふうに思っております。そのためにも、これまで培ってきた技術力を最大限に活用することはもちろんのこと、新たな技術の開発、それを実施設で導入するということに積極的に取り組んで、エネルギー効率の高い下水道事業の実現に取り組んでまいります。

○西崎委員 私からは、環境をテーマに、経営計画二〇一三のうち良好な水環境と環境負荷の少ない都市の実現に貢献する施策の中から、地球温暖化対策と高度処理について何点か伺います。
 二年前の原子力発電所事故を契機に、日本のエネルギー政策は大きな転換期を迎えていますが、エネルギーを消費することで発生する温室効果ガスの削減、地球温暖化対策の取り組みも忘れてはならないと考えます。
 地域温暖化対策については、下水道事業における対策の道筋を示しましたアースプラン二〇一〇に基づく取り組みについて、昨年の十一月の公営企業委員会の事務事業質疑において確認させていただきました。その中で、下水道局ではさまざまな工夫により着実に対策を進めており、中間的な目標を前倒しして達成したとのことであり、そのことは評価いたします。
 今後は、温室効果ガスの増加も見込まれることから、対策を不断に継続していくとのことでした。そこで、温室効果ガス削減の取り組み内容と削減状況について伺います。

○渡辺施設管理部長 アースプラン二〇一〇では、下水道事業から発生する温室効果ガスを二〇二〇年度までに二〇〇〇年度対比で二五%以上削減することを目標としております。温室効果ガスの削減目標を達成するため、主に、汚泥処理工程での対策として、新たな燃焼方式の汚泥焼却炉の導入などにより、汚泥の焼却に伴い発生する二酸化炭素の約三百十倍の温室効果を持つ一酸化二窒素の削減に取り組んでおります。
 また、徹底した省エネルギー化を図るため、電力使用量を大幅に削減できる省エネルギー型機器の積極的な導入などを進め、中間的な目標でございます二〇一四年度の削減率一八%については、既に四年前倒しして達成しております。
 さらに、汚泥焼却にかかわるきめ細かな燃焼温度の管理など運転面での工夫なども加え、温室効果ガスの排出削減に取り組んでいるところであり、目標としている二〇〇〇年度対比の今年度の削減率は、昨年度の二二%をさらに上回る見込みでございます。

○西崎委員 昨年度の二二%を上回るということで、着実に取り組んでいると思いますけれども、今後も引き続きぜひ取り組んでいっていただきたいと思います。
 また、これまでは、主に下水の汚泥処理工程での対策を進めることで、効果的に温室効果ガスの削減を図ってきていますけれども、水処理工程で発生する部分については、今後、削減の余地が残されているのではないでしょうか。そこで、水処理工程における温室効果ガス削減の取り組み状況についてお聞かせください。

○渡辺施設管理部長 水処理工程の中でも、当局の総電力使用量の約四分の一を占める送風電力に着目し、省エネルギー型機器の導入などを進めております。具体的には、水処理に必要な酸素を供給するに当たって、小さな気泡を発生する散気装置を導入することで下水中に酸素を溶けやすくし、電力使用量の削減を図っております。
 また、送風機についても、従来は、大型のものを集約して設置しておりましたが、近年、開発が進んでいる小型送風機を水処理施設の近くに分散設置し、効率のよい風量制御を行う取り組みを散気装置の効率化とあわせて順次進めております。
 次に、日々の維持管理による水処理施設の運転の最適化にも取り組んでおります。具体的には、処理水質の状況を確認しながら、撹拌機やポンプなどの水処理に必要な設備をきめ細かく運転管理することにより、電力使用量を削減しております。これらの取り組みにより、水質改善と地球温暖化対策の両立を図ってまいります。

○西崎委員 水処理工程においても、省エネルギー型機器の導入が進められており、今後も順次導入が図られるということで温室効果ガスの削減につながるものと期待しております。
 また、このような下水の処理を通じて、良好な水環境を創出する取り組みも重要です。私の地元世田谷区には、多摩川や野川を初めとする大小さまざまな川が流れておりまして、高度経済成長期に象徴される都市化の進展に伴い、生活排水や工場排水が大量に流れ込むことで、これまで川の汚濁が進みました。その後、下水道の整備が進むにつれて水質が改善されまして、四季折々の自然が息づく貴重な水辺として復活し、都民に安らぎを与えてくれています。
 しかし、東京湾で発生している赤潮の発生日数は横ばいの状況で推移しております。赤潮の発生原因であります窒素や燐を削減するためには高度処理が必要ですけれども、多摩地域の流域下水道での高度処理については昨年の公営企業委員会で確認し、着実に整備を進めていることはわかりました。そこで、区部の水再生センターにおいても同様に高度処理施設の導入を進めていると思いますけれども、区部における高度処理施設の導入についてお聞かせください。

○野村建設部長 高度処理は、窒素と燐を大幅に削減することができる処理法でございますが、より大きな施設が必要であることから、新たに整備するには多くの費用や時間がかかるものでございます。このため、施設の新設や増設、再構築にあわせて順次導入を進めております。
 高度処理は、平成八年度に新規稼働した有明水再生センターに導入したのを初めとして、今年度末までに六カ所の水再生センターで稼働させております。一日当たり高度処理できる下水の量は、現在の経営計画二〇一〇の三カ年に、砂町水再生センターなどで稼働させた十六万立方メートルを含め約五十一万立方メートルに達してございます。

○西崎委員 高度処理施設は、窒素や燐を大幅に削減できる一方で規模が大きく、今もお話がありましたけど、その整備には時間がかかるとのことですが、水質改善に向け、いち早く対策を進めていく必要があると思います。
 下水道局では、こうした課題に対応するために準高度処理施設の導入を進めていると聞いております。そこで、区部における準高度処理施設の導入状況についてお聞かせください。

○渡辺施設管理部長 準高度処理は、高度処理と比べ、窒素と燐の除去率は低いものの、これまでの処理法と比べて窒素を一五%、燐を五〇%程度多く削減することができます。
 準高度処理は、施設の増設を必要とせず、既存施設の改造により対応が可能なため、早期に導入できることに加え、効率的な散気装置の導入などを組み合わせることで、これまでの処理法に比べて電力使用量を増加させることがありません。平成二十二年度から導入を進め、今年度末までの三カ年で、森ヶ崎水再生センターなど六カ所の水再生センターで稼働させ、一日当たり処理できる下水の量は約五十九万立方メートルになります。

○西崎委員 今のお話を聞きますと、準高度処理は、既存施設の改造により早期に導入でき、水質を改善する効果があるというお話ですけれども、一層の改善のためには、高度処理施設の導入も必要であり、高度処理施設とそれから今お話しの準高度処理施設、それぞれの特徴を生かしながら対策を進めていく必要があると思います。そこで今後、区部では、高度処理をどのように進めていかれるのかお聞かせください。

○黒住計画調整部長 高度処理は、これまでの処理法より水質改善が図られる一方、電力使用量は三割程度増加する課題がございます。このため、これまでの処理法より電力使用量をふやすことがなく、水質改善が可能な準高度処理を既存施設の改造により早期に導入し、今後、十年間で整備を完了させてまいります。これにより水質改善と省エネルギー化の両立を図ってまいります。
 一方、より一層の水質改善のためには高度処理の導入が必要となります。このため高度処理の新たな手法として、窒素を除去する工程を短縮し、これまでの高度処理より処理能力が大きく、電力使用量が少ない処理法の開発を進めつつ、区部におきましては、施設の再構築にあわせて計画的に導入してまいります。
 今後とも、準高度処理や高度処理の着実な推進により、省エネルギー化との両立を図りながら良好な水環境の創造に貢献してまいります。

○西崎委員 きょうは、温室効果ガスの削減と良好な水環境の創出、この二つの大きなテーマでいろいろと伺ってまいりました。次世代に美しい環境を引き継ぐためにも、今後も積極的に下水道局で取り組んでいっていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○相川委員 私からは、当委員会、多摩選出の委員が三人しかおりませんが、勝手にその三人を代表して、流域下水道に限定して幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、流域下水道におきます市町村との連携強化に向けた取り組みについて伺います。
 申し上げるまでもなく、多摩地域は、かつては、東京の森といえるような自然があり、豊かな森林があり、多摩川水系なんかも清流が流れて、まさに都民のオアシスだったわけであります。今の西崎理事の質問にもありましたけれども、高度経済成長期に一気に河川の汚濁が進んでしまいまして、まさにどぶ川状態になった。しかし現在では、大幅に下水道が普及して、大幅に水質改善がされて、下水道の果たしてきた役割を私は大いに評価をしています。
 時々、夏の渇水期なんかで、私は八王子ですから、浅川なんですけれども、浅川の下水処理場が、下のあたりの住民がまだ少し臭いよなんていう人がいますけれども、これは現時点でいえば、皆さんの肩を持つわけじゃありませんが、下水道の責任じゃなくて、私は誤った植林政策のせいだと思っています。私きょうは、実は花粉が目にきていまして、集中力が全くないのですけれども、それも誤った植林政策のせいだというふうに思っています。
 話を元に戻しますけど、多摩地域の下水道は区部とも決定的に違う点があるわけです。各家庭からの排水を流す下水道管の整備とか管理は市町村がして、下水道幹線や水再生センターなどのいわゆる基幹施設の整備、管理を流域下水道がやっている、これはもう決定的な違いであるわけです。しかも事業開始から既に四十年を経過して、これから市町村の下水道管なども老朽化によって更新や耐震性の向上に取り組まなければいけない時期を迎えるわけであります。ところが、各市町村は、財政面とか、あるいは人員削減とか、技術面において多くの課題を抱えているわけでありまして、そのために、下水道局の豊富なこれまでの事業運営の経験と高い技術力に対する期待というものは、これからますます大きくなるというふうに思います。そこで、市町村への技術支援の強化に向けた取り組みについて伺いたいと思います。

○中里技術部長 多摩地域では、公共下水道の管渠総延長の約四〇%が敷設から三十年以上経過しておりまして、今後、老朽化が急速に進行する状況にございます。そのため、公共下水道を管理する各市町村では、長寿命化や耐震化計画の策定などが急がれているところでございます。
 このような状況を踏まえまして、流域下水道本部では、昨年十月、これまで下水道局が培ってまいりました技術やノウハウを多摩三十市町村に提供する場といたしまして、新たに下水道情報交換会を設けたところでございます。
 第一回の情報交換会では、下水道分野のほか、予算や防災担当の職員の方々にもご参加いただきまして、下水道管渠の老朽化対策や耐震化をテーマに専門知識の有無にかかわらず広くご理解を深めていただきました。
 今後は、市町村の下水道管渠の長寿命化計画策定に向け、必要な技術について情報提供するとともに、この情報交換会を相互の情報交換、人材育成の機会として活用していただきますよう、各区市町村のご意見、ご要望をお伺いしながら継続的に開催いたしまして、多摩地域の下水道事業に携わる市町村職員の方々の専門知識や実務能力の向上に貢献してまいります。

○相川委員 ありがとうございます。これから都と市町村の役割の違いというものをしっかり認識した上で、市町村が今後必要となる知識や技術を、吟味をして、それぞれの市町村のニーズに合った内容で情報交換会を積極的に進めていただければというふうに思います。
 私は、先日の予算特別委員会で、震災対策について質問をさせていただきまして、水再生センターの耐震化については、これからスピードアップを図っていくというご答弁をいただきました。一方で、東日本大震災の際は避難所などで仮設トイレのし尿の処理が十分にできなくて、劣悪な生活環境が問題化したということを受けて、局では、市町村と連携して災害時に仮設トイレから出るし尿の処理などを受け入れるという、そんな体制整備について、多摩三十市町村と覚書を締結しました。日野市の浅川水再生センターで行われました完了記念式典にも私も参加させていただきました。また、ソフト面での震災対策にも力を入れているということで、大いに評価をさせていただいているところです。
 震災は、いつ発生するかわからないものでありまして、こうした事態に備えて、覚書の内容を単なるペーパーに終わらせずに、すぐに下水道と市町村が行動に移せるように、日ごろから取り組みを行うことが必要であると思います。そこで、実効力のある覚書とするための平常時の取り組みについて伺いたいと思います。

○中里技術部長 覚書では、各市町村の運営する避難所などの衛生環境を保つことを目的に、避難所などから出るし尿の収集、運搬、水再生センターでの受け入れに関する市町村と流域下水道本部の役割分担を明確にするとともに、相互の情報連絡体制を構築することとしております。
 今年度、流域下水道本部では、覚書の実効性を高めるため、七カ所すべての水再生センターで関係市町村と合同で災害時し尿の搬入、受け入れ訓練を実施いたしました。
 具体的には、バキューム車を実際に使用しまして搬入ルートや手順の確認を行うなどの実践的な訓練を行い、訓練後には各市町村の担当者の皆様との意見交換会を実施して、作業に当たっての改善点など貴重なご意見をいただいたところでございます。
 今後は、すべての市町村が順次バキューム車を使用した実際の災害時の状況に即した体験ができるよう、毎年訓練を実施してまいります。また、意見交換会で出された課題を踏まえまして、作業の安全性の向上や施設の工夫に取り組んでまいります。
 市町村との連携をより一層強化し、効果的かつ実践的な訓練を行うことによりまして、多摩地域の防災力のさらなる向上に取り組んでまいります。

○相川委員 市町村と一体となって、多摩地域の防災能力の向上にこれからも努めていただきたいというふうに思います。
 これまで市町村への技術支援や震災対策の取り組みを聞いてまいりましたけれども、このような取り組みの効果を都民に理解していただくことが、私は重要だというふうに思います。
 下水道の施設の多くは地下にあって、その働きがなかなか目につきにくいと。先日の予特でもいわせていただきましたけれども、私たち人間は、蛇口をひねって飲み水は見えます。しかも、自分の口に入れるものについては非常に関心があるわけですけれども、排出した水がどこへ行くのかとか、本当に無関心な方が多いと思いますから、ぜひそういった意味でPRを積極的にしていただいて、流域下水道の大切さというものを都民に理解していただくということが必要だと思います。
 そういう意味で、先日のお答えもありましたけれども、さらにいろんなPRの取り組みをしているというふうに思いますが、流域下水道では、ほかにも広報活動、私がこの間質問した以外の広報活動に取り組んでいると思いますけれども、その点について伺いたいというふうに思います。

○須田管理部長 先生お話しのとおり、下水道の大切さや役割をご理解いただくことは、大変重要なことであると考えております。
 一方で、下水道の施設は、ふだん人の目に触れにくく、なかなか都民の皆様にご理解をいただくことが難しいということがございます。このため流域下水道本部では、これまでさまざまな機会を通じ、また、さまざまな工夫を講じながら広報活動に取り組んでいるところでございます。
 毎年夏休みには、流域下水道の七つの水再生センターで、地域の方々に水再生センターを身近なものと感じていただくためのイベントを開催しておりまして、たくさんの来場者でにぎわっているところでございます。昨年の夏も三千人ほどの来場者がございました。
 これらセンターのイベントでは、水処理で活躍する微生物の動きを顕微鏡で実際に観察していただいたり、施設見学におきましては、映像やパネルを使いながらわかりやすく説明するなど、水再生センターの特色を生かした楽しく学べる工夫を行いまして、幅広い層のお客様に下水道への理解を深めていただくように努めているところでございます。
 また、六月の浸水対策強化月間では、新たに、八王子市などと共同しまして、リーフレットを作成し、道路雨水ますの清掃の協力依頼や多摩地域の二十五市町村の広報紙に取り組み内容を掲載するなど浸水に対する備えをお願いしているところでございます。
 さらに、各市町村で開催いたします環境フェアや市民祭りなどの機会をとらえまして、下水道に油を流さないためのお願い、宅地内への雨水浸透ますの設置を促すPR、これらを市町村と協力して行っているところでございます。

○相川委員 勉強不足で大変申しわけなく思います。いろいろやっていることがよくわかりました。幾つかの点で、きょうは確認させていただきましたけれども、多摩地域にとっていずれも不可欠なものであると思います。市町村との連携強化を推進する流域下水道への期待というものは、多摩都民にとって非常に大きいものであると思います。
 そこで最後に、市町村と一体となって多摩地域の下水道事業を推進していくに当たりまして、流域下水道本部長の決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

○松浦流域下水道本部長 多摩地域の下水道は、市町村が管理する公共下水道と都の流域下水道が一つのシステムとして機能を発揮するものであり、都と市町村との連携を深めることが今後一層重要になってまいります。そのような観点から、市町村への技術支援を行うための情報交換会の新たな設置や、いざというときに備えての災害時し尿の搬入受け入れ訓練の速やかな実施、さらには、市町村と共同で行う事業PRの拡大など、市町村と連携した取り組みを積極的に行ってまいりました。
 また、このたび策定した経営計画二〇一三では、多摩川を挟む二つの水再生センター間を結ぶ三本目の連絡管の整備を計画期間内の平成二十七年度末までに完了させることや、アセットマネジメント手法を活用した老朽化設備の計画的な更新、さらなる水質改善を図る高度処理施設の整備促進など、より質の高い下水道サービスの提供に資する数多くの施策を盛り込んだところでございます。
 今後とも、多摩地域におけるお客様の安全・安心の確保やさらなる水環境の向上に向け、地元市町村との連携強化を図りながら、流域下水道本部一丸となって取り組んでまいります。

○鈴木委員 きょう、最後の質問になろうかと思います。今まで、それぞれの方々の質問、大変時宜を得たすばらしい観点からの質問だったと私は感じています。御局の方としても真摯に受けとめていただきながら、我々も応援団の一人としてバックアップをさせていただきたいと思っております。
 さて、私の方からは、私の地元に、その中に重要文化財があるという三河島水再生センターですね、そういう観点から、地域との共生のあり方について若干のやりとりをさせていただきたいと思います。
 この経営計画二〇一三の九八ページですか、一番上に歴史的価値を持つ下水道施設の公開という、ちょっとこのところとの関連でございますね。ここの三河島の水再生センターは、日本の文化的な施設としての夜明けの施設であります。本当にこれは、私たち地元に身近なものとして、持っているものとして誇りを持って長くおつき合いをしてきた施設でもありますから、さらにこれを未来永劫、本当に地域の中に、また、都民の生活安定のためにしっかりととらまえていきたいとこんなふうに思っております。
 そこでまず、この流れなのでございますけれども、たしかこれは平成十五年三月六日でしたか、このときには東京都の指定有形文化財として、ここで指定をされて、今度は、それが解除になって平成十九年十二月四日に、正式に下水道施設として我が国で初めて重要文化財に指定をされたという由緒ある施設が、その中にポンプ場という関連のいろんな施設がありますけれども、そういうところでございますから、本当にすばらしい場所であります。もちろん桜の名所としても、ことしはどうも桜のあれとマッチしませんけれども、そういう場所であります。
 そういうことで、たしか四月五日、この場所でオープニングセレモニーが開かれて、新しい発展の段階にいると思いますから、そういうことで、何点か質問をさせていただきたいと思っています。
 まず、きょう、ここにいらっしゃる委員の方々で、三河島ポンプ場施設の初めから、最初から今日に至るまでの歴史というものがどういう形でこれが進んできたのかという、これをやっぱり改めて、私は皆様の方から検証させていただきたいという、そういうことから、まず問いかけをしたいと思います。

○渡辺施設管理部長 三河島水再生センターの前身である旧三河島汚水処分場については、明治四十一年に告示された下水道の基本計画であります東京市下水道設計により施設の設置が示されました。大正三年からの建設に際しましては、当時の土木建築設備技術の最高スタッフの英知を結集し、諸外国の先進技術を導入するなど技術の粋を集め、大正十一年に完成し、下水処理を開始しました。
 翌年発生した関東大震災では、これらの高い技術により比較的軽微な被害にとどめることができました。その後も活性汚泥法など、その当時の最先端技術の導入や高度経済成長期における下水量の増加にあわせて、施設の増改築を進めてまいりました。
 ポンプ場施設については、平成十一年三月にその役目を新しい施設に譲り、運転を休止いたしました。この施設は、我が国最初の近代下水処理場の代表的遺構として、その高い歴史的価値が認められ、さらに、優美なたたずまいを残す赤れんがのポンプ室を初め、関連する一連の施設が建設当初の状況をよく保持していたことから、平成十九年十二月、下水道施設としては初めて国の重要文化財に指定されました。

○鈴木委員 やっぱり見事な歴史ですよね。できたのが大正十一年、関東大震災が翌年の十二年、そこでも軽微な被害にとどめおかれたという見事な設計思想だったと思いますし、それが今日、営々と引き継がれてきた御局のご努力がその中に包まれているんだなと私は思います。
 そういうことで、また戦後復興を経て高度経済成長の時期に至りますけれども、ずっとやはり新しい技術を導入をして今日まで来ているということを、やはり都民の生活を支えてくれた最大の、私は施設だと思っております。
 また、そういうものがあったればこそ、初めて日本で下水道施設が重要文化財に指定された意義もそこにあるわけですよね。見事だと思います。そこで、次に伺いたいのでありますけれども、その重要文化財に指定をされたわけでありますけれども、改めて、これをどうやって具体的にPRをしていくべきなのかということがあるわけなんです。その中に、見事なれんが、れんがづくりの建物、本当に地域の中に溶け込んだ−−あの近くにも、れんがづくりのほかの会社もあるわけですけれども、本当に、たたずまいの中で地域の方々が安心して憩う場所にもなっているわけでありますから、大変僕はすばらしい景観の中だと思っています。
 そういうことを踏まえて、これをどのようにPRをしていくのか、具体的にそれをどのようにコンセプトとして考えていくのか、それをまずお聞きをしたいですね。

○小山総務部長 旧三河島のポンプ場施設につきましては、ただいま委員、お話しのとおり、先人の知恵を集積して後世に保存、活用する価値があると認められたものでございまして、私ども大変名誉なことと考えているところでございます。
 下水道施設が重要文化財に指定されているという点から下水道の歴史の認識度の向上や下水道事業のイメージアップにもつながるものであるというふうに考えてございまして、建設当時でございますけれども、この施設、汚水による腐食に強いみかげ石を材料に用いたことや下水がポンプ場に流入してから処理されるまでの施設の配置が、その後の下水のポンプ場システムのモデルとなるということなので、日本の下水道の発展を牽引してきたという技術力の高さも評価されたというふうに考えてございます。こうした技術力の高さが現在の下水道に引き継がれているということも理解できるところでございまして、大変有意義だというふうに考えております。
 こうした貴重な施設をお客様である都民の皆様に広くPRするために、れんがづくりの建物を見学施設として整備することといたしまして、ポンプ場の歴史がわかる資料や写真などを展示するスペースを施設内に設けまして、見学される方々が重要文化財としての意義や価値を理解していただけるようにというふうにPRにも活用できるということで考えたところでございます。

○鈴木委員 そこで、あの三河島の場所は、新東京百景にも選定をされておりましたですよね。そしてまた、局長が技監のときに、あそこに動線としてエレベーターを、屋上、公園に上がれるように、そういうようなものも設置をしてもらった背景もありますし、非常に利用価値のある場所なんでございます。
 再度申し上げたいんですけれども、先ほど、相川先生からも浅川の方でも地域から若干のにおいがあるとかいろいろな、確かに下水道、当初はいろんなにおいがあって、地域の方々の、俗にいう迷惑施設としてとらえた時代もありました。だから、先人の都議会の諸先生方が、そんなならば臭い物にはふたをしようという発想で、ふたかけの、そういう発想が底流にあったということですよね。ふたかけをして上を開放すればいいんだと、極めて素朴な理論だと私は思います。でもそれは大正解だったと思います。何カ所か上部が開放されているわけでありますから、大いにこれは利用されてしかるべきだと私は思っております。そういうものが付加価値としてあるわけです。
 そこで、三河島の場合は、重要文化財として指定されたエリア、ゾーンとしてこうあるわけですから、そこで今、アバウトな、総務部長から概略的な発想のあれは聞きましたけれども、具体的に、これから一般公開に向けて、保存とそれからさまざまな復元工事が行われて間もなく完成するわけですけれども、これがどういう工夫で行われてきたのか、その辺をちょっとお考えを聞かせいただきたいと思うんであります。

○渡辺施設管理部長 重要文化財の指定を受けるに当たり、平成十八年、学識経験者などで構成される保存計画に関する委員会を設置し、この答申をもとに、施設の管理や修理の計画、防災対策などの保存計画を策定いたしました。
 重要文化財の指定後、我が国最初の近代下水処理施設としての文化的資産価値を生かすことにより、下水道への理解を広げ、深めることができる場として施設の公開などの活用を図ることを計画の基本方針として新たに掲げました。この計画に基づき、平成二十二年度より三カ年をかけて保存復元工事を実施しました。
 工事は、建設当時の姿をできるだけ復元し、防災性を向上するための耐震補強を行うとともに、見学者へ配慮したバリアフリー化を図ることといたしました。具体的には、れんがでつくられた外壁等は、当時の技法を用いて熟練した職人により手作業で復元を行いました。また、耐震対策につきましては、外観を損なうことのないようポンプ室内部から補強する工法を採用しました。見学施設の通路などは段差を解消するとともに、地下の構造を地上から見学できるように整備いたしました。
 今後、四月五日の三河島水再生センターでのイベントにあわせて一般公開を開始し、日本の下水道の貴重な財産として後世に継承してまいります。

○鈴木委員 見事ですよね。私たちはこう見て、ここまで丁寧に保存のあるべき姿をやってくれたということを逆に感謝をしたいと思っています。願わくは、次代を担うお子たち、また、あらゆるところから、観光資源として定着をさせていただき、足を運んでくれる場所になってくれればと懇願をいたしたいと思います。これをお願いしたいと思います。
 我々荒川区は、最初の文化的−−いってみれば二十三区、多摩地域に比べて日本で一番最初に文化的生活を行った区なのであります。それが何だかんだいわれて、その後、自虐的な言葉じゃないですけれども、汚水処理場はある、火葬場はある、こんなふうにやゆをされてきたのは、我々はとても嫌な感じを受けて、ですからこれを翻すためにも、西川区長ともよく話すんですけれども、大いにPRをしていただきたいし、お願いをしたいと思っています。
 荒川というところは、「解体新書」で有名な腑分けをした場所でもあるし、松下村塾出身者のいろんな方々があそこで処刑をされた場所でもありますけれども、小塚原の刑場で、回向院にみんな埋葬されているわけです。そういう歴史を持った地域でございますから、我々、誇りを持ってこれからもこの場所を愛し、そしてまた皆様のお力をかりながら、これを広くPRをさせていただければ、また私たちもそれを守っていきたい、こんなふうに思っております。
 本来であれば、あそこは、ことしはもう桜が今週の末に満開になってしまいますから、桜の花の咲くころに、これが本当は四月五日であればマッチしたんですけれども、残念ながら葉桜盛んなときになるんでしょうけれども、ぜひ、局長を初め、皆様方のお手を煩わせながら、大きく育てていただきたいことを私は懇願をし、またこういうものをいろんな施設をやはり見える化というんですかね。下水道局としてもどんどんどんどん、この施設に限らず、ありとあらゆるところをやはり見える化という形で、どんどん発表をし、またいろんな方々に見学をしてもらいながら、PRをしていただきたいと思います。
 先ほど、相川先生からも、蛇口をひねれば飲む方はいいけれども出す方が意外とという、そういうことはもっともだと思います。そういうものはやはり、どうか転換させるためにも、しっかりととらまえて、この文化財の保護に、また、東京の代表的なものでありますから、全力でこれを取り組んでいただきたい、そのことを申し上げ、最後に、局長の決意をお伺いをさせていただきたいと思うんであります。

○小川下水道局長 先ほども触れさせていただきましたが、ことしが下水道局発足五十一年目に当たります。ことしは新たな半世紀に向かってキックオフをするキックオフイヤーと位置づけまして、さまざまなイベントや取り組みを行っていくということにしております。
 ただいまの三河島の重要文化財に指定されました旧三河島汚水処分場のポンプ施設につきましても、その取り組みの重要な一つでございます。今後はこの施設を、東京の下水道事業の歴史あるいは日本の下水道技術のすばらしさを、委員ご指摘のとおり、東京だけでなくて全国に広く伝えていくための広報施設として活用してまいりたいというふうに思っております。
 そのほかにも、江東区の有明にあります虹の下水道館のリニューアルオープンですとか、流域下水道の連絡管の見える化施設の完成ですとか、あるいは秋には、下水道技術の実習センター、このオープンだとか、さまざまな機会をとらえましてPR活動を行っていき、そのことによりまして、できるだけ多くの都民の方々により深く下水道事業を理解してもらって、東京の下水道事業の応援団になってもらいたいというふうに思っています。
 またそれとあわせて、こういった取り組みを通じて、下水道局の職員一人一人が、広報パーソンとしての資質も高めていく、そういった取り組みにもしたいと思っております。
 さらに、委員が、桜祭りのことをご指摘いただきましたけれども、このほかにも、各水再生センターがそれぞれのセンターの特徴を生かして、桜祭りですとか蛍の観賞会だとかさまざまな、地域の方々をお招きして一緒になって取り組むようなイベントも行っています。こうした取り組みをさらに充実させて、下水道事業に対する応援団をふやして、その応援団の力強い後押しのもとで、下水道事業をさらに充実発展させて、快適な都市環境あるいは水環境の実現につなげていければいいと思っています。今後とも、ぜひともご支援のほどよろしくお願いいたします。

○鈴木委員 さすが上野副委員長の同期でございます。ありがとうございました。
 それで、今の局長の明快なご答弁、大変に重く受けとめさせていただきました。
 最後に、一つだけちょっと要望しておきたいんです。これは話はがらっと変わるんですが。東尾久浄化センターのダイオキシン、重金属の問題等々、三月の末までに数字的なものは出るでしょうけれども、地元としては、一刻も早く解決をしていただきながら、開場を首を長くして実は待っておりますので、ぜひ特段のお力をおかしをいただきたいし、また昨年、とにかく本当に年末で、皆様方の本当にすばらしい、お手を煩わせたかもしれませんけれども、てきぱきとした地元への対策、私もしっかりと見ておりましたけれども、一生懸命汗を流してやってくれている姿、お礼を申し上げたいと思っております。
 関係者の皆様にご伝言いただければと思います。もう一度、ですから、一刻も早く開場できるように、そのことをお願いを申し上げて、質問を終わらさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○桜井委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○桜井委員長 異議なしと認め、本案及び本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十一分散会

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