公営企業委員会速記録第二号

平成二十四年三月十九日(月曜日)
第十委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十三名
委員長早坂 義弘君
副委員長新井ともはる君
副委員長長橋 桂一君
理事高橋 信博君
理事西崎 光子君
理事門脇ふみよし君
相川  博君
矢島 千秋君
中谷 祐二君
山下ようこ君
いのつめまさみ君
鈴木貫太郎君
川井しげお君

 欠席委員 なし

 出席説明員
交通局局長野澤 美博君
次長中村  靖君
総務部長宮川  昭君
職員部長廣瀬 秀樹君
資産運用部長室星  健君
電車部長小泉  健君
自動車部長土岐 勝広君
車両電気部長石井 明彦君
建設工務部長廣木 良司君
企画担当部長広瀬 健二君
安全管理担当部長新名  丘君
バス事業経営改善担当部長岡本 恭広君
技術調整担当部長奥津 佳之君
技術管理担当部長川合 康文君

本日の会議に付した事件
 決議について
 交通局関係
予算の調査(質疑)
・第二十二号議案 平成二十四年度東京都交通事業会計予算
・第二十三号議案 平成二十四年度東京都高速電車事業会計予算
・第二十四号議案 平成二十四年度東京都電気事業会計予算

○早坂委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○早坂委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 平成二十四年度予算につきましては、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分につきまして、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十四年三月十五日
東京都議会議長 中村 明彦
公営企業委員長 早坂 義弘殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十五日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十二日(木)午後五時

(別紙1)
公営企業委員会
第二十二号議案 平成二十四年度東京都交通事業会計予算
第二十三号議案 平成二十四年度東京都高速電車事業会計予算
第二十四号議案 平成二十四年度東京都電気事業会計予算
第二十五号議案 平成二十四年度東京都水道事業会計予算
第二十六号議案 平成二十四年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十七号議案 平成二十四年度東京都下水道事業会計予算

(別紙2省略)

○早坂委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の予算の調査を行います。
 これより交通局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第二十二号議案から第二十四号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○新井委員 まずは、都営バス事業についてお伺いいたします。
 先日の委員会では、説明いただいた資料を見ますと、都営バスの一日平均の乗車人員は、二十三年度予算に比べ増加することになっております。この点について局の担当者に聞いてみたところ、利用者の需要に応じて路線やバスを見直すことなどにより増客に努めるとのことでしたが、今後、少子高齢化が進む中であって、私は、利用者をふやしていくことは相当大変なことではないかと危惧しております。
 そこで、最初にお聞きしたいのですが、都営バスの乗客数について、今後、中長期的にはどのように考えているのかお聞かせください。

○土岐自動車部長 都営バスでは、平成二十年のリーマンショック後の景気悪化や、同年の日暮里・舎人ライナー、東京メトロ副都心線開業等の影響を受け、近年、乗客数は前年度比マイナスで推移しております。
 現在、都心部における再開発が進展する中で、乗客潮流を的確にとらえて、路線の見直しやダイヤ改正等を行うなど、増客、増収に努めることによりまして、ご指摘のように、平成二十四年度予算案では前年度を上回る乗客数を見込んでございます。
 しかしながら、「二〇二〇年の東京」計画では、区部の人口は当面増加するものの、近い将来、減少に転じるとされており、また、都営バスが運行するエリアに、地元区によるコミュニティバス等、新規事業者の参入が進んでいることから、中長期的な乗客数の見通しにつきましては、厳しい状況にございます。

○新井委員 厳しい見込みにならざるを得ないのはいたし方ないことかもしれませんが、私が気になっているのは、今お答えになった中にあったコミュニティバスとの関係です。
 コミュニティバスは、今や都内の多くの区や市で運行されており、都営バスと重複するような路線もかなりあるのではないでしょうか。コミュニティバスについては、高齢者対策など福祉的な側面が強く、百円で乗れる路線もあります。そういう意味では、都営バスの強力なライバルといえるのではないでしょうか。
 そこで、交通局では、コミュニティバスと都営バスとの関係といいますか、すみ分けについて、どのように考えているのかお聞かせください。

○岡本バス事業経営改善担当部長 コミュニティバスと都営バスとの関係でございますが、都営バスは、主に駅と駅を結ぶ基幹的路線や、大規模施設等から駅へのアクセスの利便性を向上させる路線などを運行しており、また、コミュニティバスは、交通不便地域の解消等、区市町村の行政サービスの一環として、比較的狭い区域を運行しております。
 国土交通省のガイドラインでは、公的資金に支えられて運営されているコミュニティバスは、自立運営を原則とする路線バスを補完するものと位置づけられておりまして、コミュニティバスの路線や区域については、路線バスと競合すべきでないとされていますが、実際には、都営バスと競合して路線が設定されるケースもございます。
 コミュニティバスの参入により、代替交通が確保され、利用者が少ない路線については、公共交通ネットワーク全体の利便性、効率性の観点から、オフィスや大規模住宅の開発が進むなど、都営バスへの需要が高まっている地域に、人や車両をシフトし、限られた経営資源の有効活用を図ってまいります。

○新井委員 考え方については理解できます。これからも、利用者のニーズに応じた都営バスならではの路線を設けるなど、その役割を果たしていただきたいと思います。
 次に、安全対策について何点かお伺いいたします。
 先日の委員会では、二十四年度予算案は、交通事業者として何よりも重要な、安全・安心の確保を優先に、質の高いサービスの提供と社会的要請への対応を着実に進めるとともに、事業環境の変化や震災の影響等を踏まえ、経営基盤を確立するため、経営力の強化と増収に努めることを基本に編成を行ったとの説明がありました。
 特に、安全・安心の確保については、大江戸線のホームドアの整備や、地下鉄四線の総合指令の構築、先般の震災を踏まえた震災対策や防災対策の強化に取り組むことでしたが、むしろ私が気になっているのは、安全管理体制についてです。
 地下鉄やバスなど、都営交通の一日当たりの輸送人員は約三百万人に達すると聞いておりますが、これだけ多くの利用者がある中、交通局は、どのようにして安全管理に努めているのかお伺いします。

○新名安全管理担当部長 交通事業者にとりまして、お客様の安全・安心を確保することは最大の使命であります。
 交通局では、JR福知山線の脱線事故などを教訓に創設されました運輸安全マネジメント制度に基づきまして、安全確保のための管理体制などを定めた安全管理規程を制定し、さらに、鉄軌道事業、バス事業のそれぞれに安全統括管理者を選任するなど、安全管理体制を構築してきたところであります。
 この体制のもと、決められたルールを確実に守るなど、四つの取り組み方針を規定した安全方針を定めまして、安全に係る基本的な姿勢を示し、さらに、安全方針の実現に向けた目標及び具体的な取り組み計画である安全重点施策を定めて、実行し、これをチェックし、改善する、いわゆるPDCAサイクルの取り組みを継続して行うことにより、安全性の一層の向上を図っているところであります。
 今後とも、経営トップの局長から現場まで一丸となって、安全管理に万全を期してまいります。

○新井委員 今後とも、安全管理体制の強化に努めていただきたいと思いますが、加えて不可欠なのが人材育成ではないでしょうか。さまざまな仕組みを構築しても、やはりそれを支えるのは一人一人の人間です。
 そこで、お尋ねしますが、都営交通の安全を支える人材の育成について、どのように取り組んでいるのでしょうか。

○廣瀬職員部長 安全は、交通事業の根幹をなすものでございまして、安全に対する強い責任感と使命感を持った職員の育成が重要であるというふうに考えております。
 このため、交通局では、経験や職種に応じて行う集合研修と、職場の状況に応じて行うOJTを二本の柱といたしまして、安全に関する職員の能力や意識の向上を図っております。
 集合研修では、コミュニケーションに加えまして、地下鉄のトラブルへの対応を訓練する運転シミュレーター、バス運転手の運転特性を把握する運転訓練車、また、過去の事故事例をパネルや映像で紹介した展示室を活用するなど、より実践的な取り組みを行っております。
 また、職場ごとに計画を立てまして、訓練や新人教育など、実態に即したOJTを継続的に実施し、ノウハウ、技術の継承を図っております。
 今後とも、安全・安心を支えるプロフェッショナル職員の育成に全力で取り組んでまいります。

○新井委員 引き続き、安全・安心の確保を第一に事業運営を行ってください。
 一方、公営企業である交通局には、効率性や経営性の発揮が求められています。二十四年度予算案を見ますと、地下鉄事業の収益的収支では約七十九億円の黒字を見込んでいますが、バス事業や軌道事業は赤字です。当然、これまでも、さまざまな経営努力を重ねてきたと思いますが、交通局のこれまでの効率化の取り組み状況についてお伺いします。

○宮川総務部長 交通局はこれまで、経営計画に基づきまして、委託の拡大などによる職員定数の削減や給与の見直し、コスト管理の徹底など、効率化の取り組みを推進し、経営基盤の強化を図ってまいりました。
 具体的には、都営地下鉄の駅業務や、都営バスの一部の事業所における路線バスの運転業務などの委託化を進めてまいりました。
 これらの取り組みにより、平成十二年度の大江戸線全線開業や、平成十九年度の日暮里・舎人ライナーの開業により、事業規模が拡大する中におきましても、ここ十年間で約千六百人の定数削減を行ってまいりました。
 また、バス運転手の給与水準の見直しや、駅施設の設備更新にあわせて省エネ機器を導入するなど、コストの縮減にも取り組んできたところでございます。

○新井委員 今のお答えの中で、駅業務の委託を進めてきたとのことですが、委託を進め過ぎると、ノウハウや経験が組織に蓄積されないようになり、人材も育たないという話を耳にします。この点も踏まえ、交通局では、どのような考え方に基づいて駅業務の委託化を進めてきたのかお伺いします。

○小泉電車部長 都営地下鉄では、安全性やサービス水準を維持しつつ、経営の効率化を図ることを目的に、駅業務の委託を行っています。
 委託を進めるに当たっては、各駅の特性や業務の困難度に加え、交通局の事業運営に必要な人材を確保し、計画的に育成していくという観点や、職員の中から一定数の指導監督職や乗務員を育成していく観点などを考慮して行ってきています。

○新井委員 しっかりした方針のもと、委託が進められてきたということを確認できまして、安心いたしました。
 駅業務の委託のほか、さまざまな経営努力を行ってきた点は評価しますが、私は、効率化一辺倒ではよいとは思っておりません。先ほども述べましたが、交通事業者は、安全・安心の確保が第一です。この間、職員定数についても相当数の削減を行ってきたとのことでしたが、それによって、安全・安心の確保はおろそかになっては本末転倒です。
 今後も、少子高齢化の進展など、事業環境の厳しくなる中、より効率的な事業運営を目指していかなければならないと思いますが、交通局では、効率化の推進と安全の確保についてどのように考えているのかお伺いします。

○宮川総務部長 先ほど安全管理担当部長がご答弁いたしましたが、お客様の安全・安心を確保することは、交通事業者にとりまして最大の使命でございます。
 一方、経営効率化の推進は、将来にわたって安定的な事業運営を行っていく上で基盤となるものであり、また、安全対策への積極的な投資を行うためにも、必要な取り組みであります。
 こうした考え方のもと、交通局では、大江戸線のホームドアの整備や、都バス全車へのドライブレコーダーの導入など、お客様の安全の確保に関する施策につきましては重点的に取り組むとともに、業務委託の拡大などによる職員定数の削減など、不断の効率化を進め、経営基盤の強化に努めてまいりました。
 今後とも、安全の確保と経営力の強化を着実に推進してまいります。

○新井委員 最後に、この間、注目を浴びてきた都営地下鉄とメトロとの一元化に関してお尋ねいたします。
 昨年十一月のプレス発表によれば、サービスの一体化を段階的に進めることとし、まずは、九段下のホーム、これは、都営新宿線とメトロ半蔵門線とのホームが壁一枚で隔てて並んでいるそうですが、このホームの壁などを撤去し、乗りかえの利便性を向上するとのことでした。
 スケジュールとしては、二十三年度中に着手し、二十四年度中に完成を目指すとありましたが、今現在の進捗状況について教えてください。

○廣木建設工務部長 九段下駅の壁撤去につきましては、昨年の十二月に、東京メトロと都営地下鉄が、それぞれのホーム上に仮囲いを設置いたしまして、撤去工事に着手いたしました。
 現在、壁と天井の仕上げ材の撤去を行っており、四月から、コンクリート壁の撤去を行うとともに、トイレ等の移設をし、平成二十五年三月に、新しい九段下駅として供用開始する予定でございます。

○新井委員 私は、利用者の利便性の向上につながるサービス一体化の取り組みは、交通局とメトロと十分に協議し、進めていくべきだと思っております。
 その一方で、きょうは、安全の確保について何点かお尋ねしてまいりましたが、この九段下駅の取り組みについても、安全の確保について気になる点があります。
 ホームの壁がなくなれば、一つのホームで都営地下鉄とメトロの列車が発着するようになり、ホームの安全確保について、交通局とメトロの双方で担うことになると思います。当然、両者で協力して安全確保に努めるのでしょうが、鉄道に限らず、横の連携がうまくいかなかったために事故につながったといったケースを見聞きします。
 そこで、念のために、最後になりますが、壁がなくなった後、九段下駅のホームの安全確保についてどのように考えているのか確認させていただきまして、私の質問を終わりにします。

○小泉電車部長 ホームの壁が撤去された後も、ホーム上の安全が確保されなければならないのは、当然のことでございます。
 ホーム等の壁撤去後の九段下駅の運営については、現在、東京メトロと課題を整理し、協議しているところです。ホーム上の安全確保についても、詳細な事項にわたって検討しており、遺漏のないよう万全の準備を行ってまいります。

○高橋委員 先日の予算特別委員会においては、都営バス事業における平成二十四年度の経営改善に向けた取り組み、路線、ダイヤの見直しなどについて質問をいたしました。本委員会においては、都営交通における最大の事業である地下鉄事業について、安全対策を中心に来年度の交通局の取り組みについて質問をいたします。
 東日本大震災以降、我が国の景気は足踏み状態にあり、決して、よい状況とはいえません。都営交通につきましても、先日の本委員会の席上で、少子高齢化の進展によりまして、今後、乗客数の増加が期待できないと局長から説明がありました。
 さらに、東日本大震災も踏まえた安全対策やお客様サービスの向上など、対処すべき課題が増大しているかと思いますし、交通事業者として、また、東京都の一員として、このような課題に対しても、しっかり取り組んでいかなければなりません。
 一方、高速電車事業会計は、多額の長期債務と、黒字化したとはいえ大きな累積赤字があります。今後、新たな課題に対応していくためには、財政基盤をしっかりと固め、将来を見通した経営が不可欠ではないでしょうか。
 そこで、高速電車事業会計の今後の財務状況について伺います。

○宮川総務部長 地下鉄事業は、初期投資が多額であることから、収支を均衡させるには長期間を要するという特徴がございます。
 こうした収支構造ではありますが、長年にわたり経営効率化等に取り組んできた結果、経常損益は、平成十八年度に黒字に転換し、二十四年度予算案におきましては、約七十九億円の黒字を見込んでおります。
 こうした中、長期債務につきましても、企業債の償還等を確実に進めるとともに、二十三年度は企業債の借りかえを行わないなど、起債の抑制に努めてまいりました。これにより、二十二年度決算において約一兆四百四十億円であった長期債務額は、二十三年度末には一兆円を下回り、二十四年度末には約九千五百九十億円となる見込みであります。
 しかしながら、地下鉄事業は、長期的には乗客数の伸びが期待できない一方、老朽化した施設の更新など、今後、多額の投資が必要となります。加えまして、東日本大震災を踏まえた耐震対策の強化など、安全対策のさらなる推進に取り組んでいく必要があります。
 このため、今後とも、増収対策や経営効率化に取り組み、経営基盤の強化に努めてまいります。

○高橋委員 長期債務も一兆円を切る状況まで縮減をされ、引き続き経営の効率化に向けて取り組んでいくことにより、着実に経営基盤が強化されていることがわかりました。
 しかし、都営交通は、あくまでも公営企業であり、必ずしも大きな収益を確保するだけではなく、福祉、環境対策など、東京都の施策と連携した取り組みや震災対策など、新たな課題について一定の投資を行うことにより、安全対策やお客様サービスの向上に取り組んでいくことも大変重要でございます。
 東日本大震災から一年が経過しましたが、我が会派は、昨年の第二回都議会定例会の代表質問で、都営地下鉄の耐震化対策について伺い、局長からは、都営地下鉄においても、独自に、高架部などの施設の耐震性を改めて検証した上で、安全性をより高めるための耐震対策を実施していくというような都の答弁がありました。
 そこで、都営地下鉄における耐震対策について、今後、具体的にどのような取り組みを進めていくのか伺います。

○廣木建設工務部長 交通局では、平成七年に発生した阪神・淡路大震災級の直下型地震にも耐えられるよう、地下駅、高架橋の柱の補強や、橋げたへの落橋防止装置の設置などに取り組み、二十二年度までに、国の通達に基づく対策がすべて完了しております。
 しかし、昨年の東日本大震災では、被害が発生した仙台市営地下鉄や東北新幹線では、全線での運行再開までに二カ月近く要しております。
 今後、首都圏において、東日本大震災と同等レベルの震災を受けた場合において、運行の早期再開を目指すには、施設が震災後にも補修せずに機能を保持できることが必要であると考えました。安全性をさらに高めるための対策に取り組むことといたしております。
 これまで、仙台市営地下鉄で被災した施設などを詳しく調査し、得られた知見に基づきまして、当局施設の耐震性能について分析を行ってきた結果、まず、二十四年度早期には、三田線、浅草線の入出庫部などにおいて、高架橋の補強工事を実施いたします。
 さらに、今後は、東京都防災会議の動向などを視野に入れ、地下鉄施設の耐震対策に取り組んでまいります。

○高橋委員 震災対策についても、着実に進められていることが確認できました。しっかりお願いしたいと思います。
 次に、震災が発生した場合の運行再開について質問をいたします。
 施設の耐震性の強化も大変重要ではございますが、帰宅困難者の発生を極力防ぐためには、実際に地震が発生した際の、列車の運行を円滑に再開させるための準備を進めておくことも大変重要でございます。
 さきの震災においては、施設の点検など速やかに行い、都営地下鉄は、いち早く運行を再開させることができました。これは大変評価すべきであると思いますが、列車の運行を再開するに当たって、自社線の運行だけではなく、相互直通運転を行っている鉄道各社などと、運行再開時刻を調整することが必要であると聞いております。
 さきの震災時には、通信網が麻痺したことから、事業者間の連絡調整も苦労したとのことですし、これを踏まえた対策に取り組むべきだと考えております。
 そこで、運行再開に向けた鉄道事業者間の情報連絡手段の確保について、どのような対策を進めていくのか伺います。

○小泉電車部長 昨年三月十一日は、地震により首都圏の電車が一斉にとまり、その後、動き出した路線に乗客が集中して、ターミナル駅などで混乱が生じました。
 このため、昨年四月、国土交通省が首都圏の鉄道事業者を集め、大規模地震発生時における首都圏鉄道の運転再開のあり方に関する協議会を設置し、私どもも参加して協議してまいりましたが、本年二月に発表された検討結果では、情報連絡手段に課題があることが明らかになりました。
 具体的には、現在は専用回線による情報連絡体制が相互直通運転を実施している鉄道事業者間のみであることから、今後は、鉄道専用電話を各社に導入し、連絡体制を充実する必要があるとされています。
 昨年三月十一日の地震発生後、一般電話は大変つながりにくくなりましたが、交通局では、災害時優先電話を導入しており、これにより通信することができたため、東京メトロや相互直通運転の各社と連絡をとり合った上で、運転を再開させました。
 このほかの連絡手段として、現在でも、中央防災無線や東京都防災行政無線により、国や各鉄道事業者と連絡をとることができますが、来年度、首都圏の他の鉄道事業者とともに、鉄道専用電話を導入し、関係機関とのより強固な連絡体制を確保してまいります。

○高橋委員 鉄道事業者と連携して、具体的な検討を進めているとのことですので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 列車の運行再開とともに、駅に滞留する利用者への対応も重要となります。都営地下鉄においても、今回の大震災を教訓として、全駅に物資の備蓄をするなどの新たな対策に取り組んでいくと聞いておりますが、利用者の方々に、各地の被害状況や他の交通機関の運行情報、災害に関する情報などを的確に提供することが大きな課題であると、我が党は主張してきました。
 これを受けて、震災時における利用者への情報提供についてどのような取り組みを進めていくのか伺います。

○小泉電車部長 今回の震災の経験から、駅における情報提供のあり方について、交通機関の運行状況はもとより、災害に関する情報を迅速かつ的確に提供することが喫緊の課題となっております。
 現在、都営地下鉄と日暮里・舎人ライナーでは、すべての改札口の頭上の見やすい位置に、四十インチディスプレーの列車運行情報表示装置を設置し、都営線及び他の鉄道の運行状況などを表示しています。
 一方、昨年の三月十一日には、NHKなどテレビ放送が、各地域の災害状況や交通機関の運行状況を都民が知る上で大変役に立ったといわれております。
 このため、当面の対策といたしまして、三月末までに、都営地下鉄及び日暮里・舎人ライナーの駅のうち、昨年の震災時に多くの帰宅困難者が集まった駅など十七駅のディスプレーを改修して、災害時にNHKのニュースなどの放送を流すことができるようにし、その後、乗降客の多い駅に順次導入していく予定です。
 さらに、今後、列車運行情報表示装置システムの再構築を進め、都営地下鉄の駅等で、災害時等に必要な情報を、これまで以上にわかりやすく提供してまいります。

○高橋委員 地下鉄における震災対策については、さまざまな取り組みが行われていることが確認できました。
 次に、施設等の整備とともに、安全を確保するための体制について伺います。
 都営地下鉄においては、駅員や運転手、保守係員など、さまざまな仕事にかかわる職員が、日々の安全を守るため日夜働いております。こうした職員の安全に対する意識の向上を図ることが、利用者の安全を守っていくためには重要なことではないでしょうか。
 こうした中、地下鉄のトンネルや車両の整備など、保守業務に携わる職員については、団塊の世代の大量退職などにより、高い技術力を有する人材が減少していると聞いております。技術者の育成は、長期的、計画的に行う必要があり、経営の効率化を確保しつつ、地下鉄の安全を支える、いわば、地下鉄のプロ職員の育成も大変重要であると考えております。
 そこで、経験豊富な技術職員の退職が進む中で、安全確保を図る上で必要な技術力の維持向上、技術の継承など、人材の育成をどのように行っていくのか伺います。

○廣瀬職員部長 局事業を支えてきました職員の退職が進む中、安全を確保していくため、技術力の維持向上や技術の継承などが極めて重要であることは、ご指摘のとおりでございます。
 こうしたことから、交通局では、技術職員の育成を図るため、職場ごとに計画を立て、事故の早期復旧を目的とした相互応援訓練等の実地訓練を行うとともに、上司や先輩などが、これまで培った知識、経験を生かし、実態に即したOJTを継続的に実施しております。
 あわせまして、事故防止の専門家による研修や、過去の事故事例等を紹介した展示室の活用などによりまして、技術職員の安全意識のさらなる高揚に努めております。
 また、最近では、長年現場で業務に携わってきた現業系職員の中からも、人材育成やマネジメントのかなめとなります管理職層に育ち始めております。
 今後とも、こうした取り組みのより一層の充実を図りまして、技術を支えるプロフェッショナル職員の育成に全力で取り組んでまいります。

○高橋委員 保守業務に携わる職員の人材育成について、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。
 さて、鉄道業界では、重要な保守点検業務などは、事業者みずからの責任で行うか、経営効率化のために委託する場合でも、これまで蓄積してきた経験や知識の活用や、施設のセキュリティーを確保するためなどから、グループ会社に任せるのが一般的な傾向だと聞いております。
 交通局の経営計画を拝見いたしますと、東京交通サービス株式会社を監理団体化し、局と一体的な事業運営に努めるとともに、保守業務の担い手として、連携を強化していくとしております。
 我が党は、監理団体は都政の重要なパートナーであり、監理団体を行政の担い手として有効に活用していくことが、目指すべき都政の姿であると主張してまいりました。
 一方、本定例会において提出された財政援助団体等監査報告書において、会社に対する指導監督の徹底などが指摘されております。
 今後とも、会社を活用していくためには、改善すべき点は改善し、交通局のパートナーとして、よりふさわしい会社にしていただきたいと思います。
 そこで、局は、東京交通サービス株式会社を今後どのように活用していくのか伺います。

○宮川総務部長 東京交通サービス株式会社は、交通局が一〇〇%出資する会社で、平成二十二年四月に監理団体に指定されました。
 交通局ではこれまで、都営地下鉄の車両や施設設備の保守業務などについて、専門的な技術やノウハウを持つ東京交通サービスを活用し、業務の委託を進め、局と会社との一体的な事業運営体制及び安全管理体制のもと、安全・安心の確保や経営の効率化とともに、技術の継承を図ってきました。
 この東京交通サービスについては、会社の体制をさらに充実強化するとともに、監査の指摘も踏まえまして、会社の運営に対する指導監督を徹底してまいります。
 こうした取り組みを進め、今後とも、局を支援し、補完する重要なパートナーとして、一層の活用を図ってまいります。

○高橋委員 東京交通サービス株式会社の活用に当たっては、会社に対して適切な指導を行うなど、しっかりと対応していただきたいと思います。
 本日は、都営地下鉄に関する安全対策を中心に何点か質問させていただきました。施設の整備、事業運営を支える職員の育成など、ハード、ソフト両面から、さまざまな対策を講じていく必要があります。いうまでもなく、都営地下鉄にまず求められるのは安全の確保でございます。
 そこで、こうした点を踏まえ、最後に、都営地下鉄の安全確保に関する局長の決意を伺います。

○野澤交通局長 安全性への信頼がなければ、お客様に利用していただくことはできません。特に、鉄道を初めといたしました大量輸送機関では、安全であることが厳しく求められていると考えています。
 いろいろなメカニズムを使っている鉄道では、一つ一つの施設設備が、常に適切な状態に管理され、そして、それを人間の手で的確に運用して初めて、安全が確保されます。
 そのため、交通局では、安全方針として、決められたルールを守る、事故の芽を摘む、安全を守るための取り組みを絶えず見直すことを定め、日々取り組んでおります。このことを事業に携わるすべての職員が確実に実施してこそ、安全は守られます。一たん事故を起こしてしまえば、失われた信頼を取り戻すことは容易ではございません。
 今後とも、安全のための施設設備の整備と、それを運用する安全意識の高い職員の育成に取り組み、利用者や都民の期待に、関係団体とともに局一丸となってこたえてまいりたいと思っております。

○高橋委員 引き続き、一日二百三十万人が利用している都営地下鉄の安全確保については万全を期していただくことを強く要望して、私の質問を終わります。

○長橋委員 それでは、私からも質疑をさせていただきます。
 まずは初めに、帰宅困難者対策についてであります。
 今定例会におきましても、条例が出される中で、本会議等を通じて帰宅困難者対策については質疑がありましたけれども、交通局に関しても、この対策についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 ご案内のとおり、震災当日は、都内でも三百五十万人の方々が帰宅困難者となったわけでありまして、その後、石原知事も、その対策についていろいろお話をされていましたけれども、都庁前駅の構内でも、大江戸線運転再開後も、翌日の朝まで、他の鉄道の運転再開を待つ多くの人であふれたということでございまして、駅の職員には大変なご苦労があったかと思うわけでございます。
 私も、昨年六月の質疑で、三・一一のときの対応について伺いました。そのときには、都交通局は、駅構内のコンコースを開放した、また、情報提供をしたり、長時間にわたりますから、水道、トイレも、自由に使っていただいたと、こんなご答弁をいただいたわけでありますが、改めて、今回の震災の教訓を踏まえ、都庁を挙げてこの対策について検討しているわけでありますけれども、実際、首都直下型地震が起きたら、さらに、三・一一以上の帰宅困難者が発生する、こういうことが予想されるわけでありますけれども、都営地下鉄の駅では、その際どういうふうに対応するのか、まずはご答弁をいただきたいと思います。

○新名安全管理担当部長 東日本大震災では、都内において多数の帰宅困難者が発生しまして、大きな混乱を招きましたことから、首都直下地震発生時には、帰宅困難者の一斉帰宅を抑制する必要がございます。
 昨年十一月、帰宅困難者等対策協議会におきまして、一斉帰宅抑制の方針が決定され、駅や大規模集客施設等において、利用者の保護に努めることとなりました。
 都営地下鉄では、首都直下地震が発生した場合、直ちに運行を中止し、次の駅でお客様に降車していただき、駅構内の安全を確認した上で、あらかじめ定めている一時待機場所へ誘導いたします。そして、一斉帰宅抑制の方針に基づきまして、近隣の一時滞在施設が準備できるまでの間、待機していただくこととなっております。その際、災害関連情報等を適宜適切に提供することとしております。
 今後、関係機関と連携し、駅における利用者保護の具体化を図ってまいります。

○長橋委員 今回の条例の一つの大きな柱が、一斉帰宅抑制の方針ということであります。そうした意味では、帰宅困難者が多く集中するターミナル駅、また、都営交通もそうでありますけれども、そうしたことで、一斉帰宅を抑制していく、これが帰宅困難者対策条例で、努力規定といいますか、義務づけられるようになってあるわけであります。
 そこで、鉄道の運転再開まで、三・一一のときには、都営交通は、いろんな事業者がありますけれども、かなり早く運転再開をした、こんなお話も質疑をさせていただきました。震度計の話もしたりして、安全確認をした上で再開を決断した、こういうことでありますけれども、いざ、今度は首都直下型地震が発生した場合には、帰宅困難者を保護して、ずっと駅構内にいるわけにいきませんから、一時帰宅場所に誘導していく、こういう取り組みがされているわけでありますけれども、昨年六月のときには、段ボールを配って寒さをしのいでいただいた、こんな話もありました。
 今回、この帰宅困難者条例の中に、備蓄について、きちっとするようにという努力規定がされましたけれども、本会議でも、都営交通の備蓄については聞きましたけれども、改めて、非常物資の備蓄についてはどういうような状況なのか、また、駅スペースですから、そんなに余分なスペースがあるわけじゃありません、グラウンドがあるわけじゃありませんから、どこに備蓄をするのか、その辺を掘り下げて、ちょっとご答弁をいただきたいと思います。

○新名安全管理担当部長 交通局では、当面、帰宅困難者が多く滞留すると見込まれます都庁前、新宿西口、それから巣鴨など、十駅に合計で約一万人分の飲料水及び防寒用シートを備蓄することとしております。今週中には、配備を完了する予定でございます。
 さらに、これに加えまして、二月三日に実施されました帰宅困難者対策訓練の結果を踏まえまして、必要な物資を検証した上で、来年度早期に、全駅で、合計で約五万人分の物資を備蓄することとしております。
 また、ご指摘のとおり、地下鉄の駅のスペースは限られておりますけれど、お客様に待機していただく場所に、できるだけ近い倉庫や会議室などのスペースを活用いたしまして、物資を備蓄してまいります。

○長橋委員 当面、帰宅困難者が多く滞留すると見込まれるところ、十駅については、今週中に配備をすると。私の地元の巣鴨駅も、そういうことでございまして、JRと結束していますから、確かに多いんだろうと思うわけでありまして、こうしたことは、きちっと地元にお伝えをしていきたいなと思うわけであります。
 そうした中で、来年度早々には全駅に備蓄をするということでございまして、この交通局の取り組みは、さまざまな、総務局中心に地域防災計画の見直しが行われているわけでありますけれども、いつあってもおかしくない、こういう中での対応は非常に早いと、このように思うわけでありまして、ぜひ全駅、来年度早々の設置でありますので、しっかりと進めていただきたいと思うわけであります。
 その上で、先月二月三日に、東京都では、大規模な帰宅困難者訓練を行いました。私の地元の池袋、新宿、そして東京、それから臨海地域でありましたけれども、この中で、交通局も、当然、その対策訓練には参加をしたんだろうと思いますけれども、この訓練に参加して、改めて、大変大規模なターミナル駅を同時にやったわけでありますから、ここで見えてきた課題、また、どんな訓練をやったのかお伺いをいたします。

○新名安全管理担当部長 二月三日に実施されました帰宅困難者対策訓練におきまして、交通局は、駅における一斉帰宅抑制訓練と、バスによる帰宅支援の訓練に参加いたしました。
 具体的には、一斉帰宅抑制訓練では、新宿駅会場の大江戸線新宿駅及び新宿西口駅におきまして、お客様を駅構内の一時待機場所へ誘導し、保護するとともに、各種情報を提供する訓練を実施いたしました。
 また、帰宅支援の訓練では、東京駅会場におきまして、地震が発生してから数日間が経過し、鉄道の不通状態が続いているという想定のもと、バスと船舶による代替輸送訓練を実施し、東京国際フォーラムから有明地区まで、帰宅困難者を都営バス三台で輸送いたしました。
 課題といたしましては、駅における帰宅困難者への交通機関の運行状況や一時滞在施設に関する情報の迅速かつ的確な提供、バスによる代替輸送を行う場合の確保できる輸送力や最適ルートの検討などがございます。
 今後とも、関係機関と連携して帰宅困難者対策を一層充実させてまいります。

○長橋委員 二月三日に行われた訓練で、交通局の取り組みについてもお伺いをしましたし、そこで見えてきた課題、こういうのも今答弁をいただいたわけであります。
 特に、一つは、重要なのは情報の提供であろうかと思います。私は池袋でございましたので、そこでは、情報提供というのはどのようにやっていくのか。一つの仕組みとして、取り組みとして、エリアメールというのをやったんですけれども、全員の携帯電話に災害情報が、その地域にいると流れてくる、こういうことでございましたけれども、私の携帯電話には入ってこなくて、一緒にいた都庁の職員にも入ってこなくて、機種が古いと入ってこないというのがそこでわかったんですけれども(「私は入ってきましたよ」と呼ぶ者あり)鈴木先生は入ってきましたか。
 そんなことで、このことは、私、予算委員会でもやったことあるものですから、さらに、電話事業者にも努力を求めたいと思っているわけでありますが、この中で、私は池袋駅で参加しましたけれども、鉄道の復旧というのは、安全を確認するという意味では、相当時間がかかる。そうした意味でいうと、待機場所からどちらに帰りたい人、池袋なので、埼玉方面に帰りたい人、または東京方面に帰りたい人、多摩方面に帰りたい人、いろいろな、そういう人をプラカード持って集めて、その結果、逐次情報提供していく中で、バスの代替輸送というのも、そういう中であるんだろうな。鉄道と違って道路が安全であると、輸送力の確保ということを考えると、都バスの活用というのも、いざというときには帰宅困難者にとっては非常に重要なことだろうと思います。
 千五百台の車両を保有すると、こういうことでございますから、この帰宅困難者の代替輸送、これについても、さらに対策をうまく検討していただきたい、このように思うわけであります。
 そこで、バスのことについて触れましたので、次に、バス事業について何点か伺いたいと思います。
 この都営バスの乗客数というのは、先ほども質疑ありましたけれども、コミュニティバスが出たり、また、ほかの交通局の事業体の中で、バスは競争が激しいんですね。民間の事業者がたくさん競合しておりますから、そうした中で、バス事業というのを運営しているわけでありますけれども、都内でも、近年、再開発または新たな開発というのは進められておりまして、人の動きが変化をしてきている。また、そのためには、今までのダイヤがそのままだと、ある路線においては、もっと拡充をしてもらいたいというのもあれば、余りお客さんが乗っていない路線も、人の流れの変化によって出てくるんだろうと思うわけでありますけれども、私も先般の事務事業質疑で、需要の変化、乗客潮流というんですか、これをしっかりと的確に把握して対応していくんだ、いくべきだ、こんな話をいたしました。
 国交省は、大都市交通センサスを五年に一度やっている。それも活用している。こんなお話がありましたけれども、五年に一度だと、東京の変化についていけないんじゃないか。こういうお話もさせていただいて、独自に調査をしたらと、こんな話もさせていただきました。
 いよいよ、四月を迎えるわけでありますけれども、この四月にダイヤの見直し、こういうのもされる、このように聞いておりますけれども、東京の変化の中にあわせて、今回の路線、ダイヤの見直し、どう図っていくのか確認をしたいと思います。

○岡本バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、今回の見直しに当たりまして、乗客潮流の変化が見込まれる路線などについて、バス車内に乗り込むなど、さまざまな調査を行いまして、利用実態や地元要望を踏まえ、採算性、効率性を勘案し、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるよう、路線ダイヤの見直しを行い、人や車両をシフトすることで、限られた経営資源の有効活用を図ることとしています。
 具体的には、オフィスや大規模住宅の開発が進み、交通需要が高まっている地域について、都営バス路線の増便等を行う一方、鉄道等の開業やコミュニティバスなど、新規事業者の参入により代替交通が確保され、利用者が少ない路線については減便等を行います。
 この結果、七路線を減便、一路線を廃止、一路線を統合する一方、新たに十二路線の経路を変更するとともに、十路線でダイヤの増強等を行います。

○長橋委員 今ご答弁をいただきました。十二路線の経路を変更して、十路線でダイヤの増強をすると、こういうことでございます。
 以前、副都心線ができた際に、副都心線は、ほとんど明治通りの下を通っておりますので、バスの減便がなされました。これについては、私も、もちろん理解をしたところでありますが、実際に交通局が調査をしたところ、やはり地下鉄の駅間の距離とバス停の間は、当然違うわけでありますから、朝夕の通勤時間帯、通学時間帯は、これはバスも減っておりましたけれども、実際調べたら、昼間の利用者はそんなに変わっていなかった。こんなことがありまして、これもまた、これはダイヤの改正といいますか、というのをやっていただいたことがありますけれども、そうした意味では、的確にダイヤの見直しをしていく、これは重要であろうかと思います。
 当然、二十三区と多摩地域、大変、東京の中では地域性も違いますし、広い地域性があるわけでありますけれども、事情が異なるわけでありますけれども、現在、都内で、どのような地域がバス需要がふえているのか。特区申請で、臨海地域なんかは、これから大きく発展をさせていかなきゃいけないところでありますけれども、交通局として、都バスに対する需要が拡大している地域もあろうかと思うんですけれども、どのように認識しているのか伺います。

○岡本バス事業経営改善担当部長 都営バスに対する需要が拡大している地域としては、高層住宅、業務商業施設等の建設が進んでいる中央区の勝どき・豊海地域、江東区の豊洲地域や、大規模な住宅の建設が進む足立区新田のハートアイランド地区などがございます。
 また、先月末完成しました東京スカイツリー周辺地域では、五月二十二日の開業を前に観光客でにぎわっており、今後、東京の新たな観光名所として、都営バスに対する需要がさらに拡大するものと見込んでおります。

○長橋委員 今、需要が拡大する地域ということで、中央区の勝どき・豊海地域など、また、スカイツリーはこれから大きく需要がふえるだろうと、こんなご答弁をいただきましたけれども、私も中央区の勝どき・豊海地域の方から、昔は、勝どき地域って本当の倉庫街だった、ですから、バスの最終便も早い時間だったのですけれども、私も実際にその人にいわれて現地に行きましたら、今はもう目をみはるような超高層のマンションが建ち並んでおりまして、こうしたことを受けて交通局には、たびたびその件についてはお話をさせていただきましたけれども、いよいよこの四月から新たな需要に対して対応していただけると、こういうふうな今お話だったと思いますけれども、具体的にこの勝どき・豊海地域、どのようにダイヤを改正するのか伺います。

○岡本バス事業経営改善担当部長 勝どき・豊海地区でございますが、高層住宅等の建設に伴い、朝夕のラッシュ時間や夜間の時間帯の乗客が増加しております。そのため、豊海水産埠頭から銀座を経由し、東京駅丸の内南口まで運行しております、私ども都04系統といっておりますが、これを平日六回、土休日七回増便することといたしまして、さらに、東京駅丸の内南口発、平日二十二時ジャストの終車時刻を十分繰り下げます。
 また、豊海水産埠頭から門前仲町、押上を経由し、亀戸駅まで運行している門33系統を、平日三回、土休日四回増便いたします。

○長橋委員 大変地元の方は喜ぶんだろうと思います。地元の方というのは、中央区の、うちの公明党の区議会議員が地元では大変な声を聞いたものですから、そんな話を聞いて、早速お知らせをしたいと、このように思うわけでありますけれども、そうした中で、もう一つは、スカイツリーがこれから新たな需要が出てくる、こういうことでございまして、五月二十二日に開業するということでありまして、もう既にテレビ、マスコミ、新聞等で大変大々的に報道されているわけでありますが、この東京スカイツリーの開業を見据えて、都営バス、これもバス停とかあるわけでありますけれども、スカイツリーの開業に向けてどのように対応するのか。
 先週は、東武が業平橋駅をとうきょうスカイツリー駅に改めましたね。大分、新聞、テレビで載っていましたし、何か東武バスもあわせてスカイツリー駅にしたということなんですけれども、都バスは名前は変えたのですか、それもあわせてお伺いします。

○岡本バス事業経営改善担当部長 東京スカイツリー開業に伴う都営バスの対応についてのお尋ねでございます。
 都営バスでは、まず三月十七日、東武鉄道業平橋駅がとうきょうスカイツリー駅に名称変更したことによりまして、業平橋駅前バス停留所をとうきょうスカイツリー駅前に、業平橋バス停留所をとうきょうスカイツリー駅入口に名称変更いたしました。
 また、東京スカイツリー開業に対応しまして、観光客の利便性向上を図るため、周辺地域を運行する路線を増強いたします。
 具体的には、下町の主な観光スポットを結ぶ観光路線バス「東京→夢の下町」について、上野松坂屋からとうきょうスカイツリー駅入口、押上を経由し、錦糸町駅までの間について増便するとともに、わかりやすい二十分間隔のダイヤ、私どもラウンドダイヤと申してございますが、こういったダイヤといたします。
 また、日暮里駅から錦糸町駅まで運行しております都08系統において、新たに土休日に四往復、とうきょうスカイツリー駅前を経由する急行便を運行いたします。さらに四月一日から押上駅前交通広場が供用開始となることから、錦糸町駅や上野駅からの二路線をこれに乗り入れることといたします。

○長橋委員 とうきょうスカイツリー駅、それから、スカイツリー入口というバス停ができたということでありますけれども、私もきっとそうだろうと思ったんですけれども、ホームページを見たら、案内もなければ、新聞にも出なくて、ホームページに、何といいますか、業平橋駅がスカイツリー駅に変わりましたというお知らせもなくて、それでちょっと調べていくと、スカイツリー駅がやっと出てきたんですけれども、まだ業平橋駅という駅も残っていたりするものですから、ぜひ、せっかく駅名を変えるということは、いろいろアナウンスも変えなければいけないし、もちろんバス停も変えなければいけないわけでありますから、そうしたお知らせを交通局のホームページにも載っけていただければと、このように思うわけであります。あわせて、そのことも含めて、今後、東京スカイツリーの開業を控えて、こうしたことをPRしていくべきだと、ぜひ、東京スカイツリーは、東京にとっても大変大きな観光資源でありますから、交通局はその機を逃さず、ホームページも含めてPRに努めていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○土岐自動車部長 まず、ただいま副委員長ご指摘ございましたバス停名の表記につきましては、そうした変更したというようなお知らせを部分的にはしておりますが、わかりにくいところがございます。また、まだ未対応の部分がございます。申しわけございません。こうした表記につきましては、早速変更させていただきたいと思っております。
 また、東京スカイツリーには、国の内外から多くの観光客が訪れると見込まれることから、都営バスの利用促進に向けまして積極的なPRを行いたいと考えております。そのため、東京スカイツリーにアクセスする都営バス路線や、路線周辺の観光スポットなどを紹介する日本語、英語、中国語、ハングルの四カ国語版のパンフレットを作成いたしまして、成田空港や羽田空港の外国人観光案内所等で配布してまいります。
 また、四月から、四カ国語に対応した新たなウエブサイト「都バスでめぐる東京観光」を開設いたします。このサイトでは、東京スカイツリーなどの観光スポットを選択することにより、これにアクセスする都営バス路線や最寄りの停留所を地図上に表示するほか、バスをおりてから観光スポットに向かう風景を動画で見ることができるようになっております。
 さらに、錦糸町などの主要駅から東京スカイツリーまでのバスの所要時間や、運行間隔を紹介するリーフレットを作成し、今月からコミュニティバスの運行を開始する地元墨田区と共同で、相互の路線案内を行ってまいります。

○西崎委員 私からは、障害者や高齢者にとって安全で利用しやすい都営地下鉄という視点で、まず、ホームでの安全対策について伺いたいと思います。
 三月六日の午後零時五十五分ごろ、東武東上線川越駅で、視覚障害者の男性がホームから転落して、電車にひかれて死亡するという痛ましい事故が発生いたしました。また、別の日の新聞報道によりますと、駅のホームから転落して電車にはねられるなどして、死亡あるいは重傷を負った視覚障害者が、一九九四年以降、全国で四十七人、うち二十二人の方が死亡しているんですが、このことが東京視覚障害者協会のまとめでわかりました。
 今回の事故を契機に、全日本視覚障害者協議会から国土交通省や東武鉄道に、安全対策としてホームドアの設置、点字ブロックの整備などを求める要望書が提出されています。そこで、改めて、ホームでの安全対策について伺いたいと思います。
 先ほどお話がありましたけれども、都営地下鉄においても、一日二百三十万人以上の方が利用しています。常にこうした事故が発生する危険性があると思いますけれども、ここ数年の都営地下鉄におけるホームからの転落件数の推移を伺いたいと思います。

○小泉電車部長 ホームドアを設置している三田線においては、駅ホームからの転落は発生しておりませんけれども、他の三線における転落件数がございます。けがをされていない方も含めた件数ですけれども、過去五年で見ますと、十八年度は四十七件、十九年度は六十件、二十年度は五十八件、二十一年度は比較的多く八十六件、二十二年度は五十三件でございまして、おおむね五十件から六十件程度で推移しております。

○西崎委員 今のお話ですと、都営地下鉄においても転落が発生しているということがわかりました。理由はさまざまだと思いますけれども、ホームドアを設置済みの三田線では、そういった事故が起きていないということを聞きますと、ホーム上の安全確保のためには、ホームドアの設置が最も有効ではないかと思います。
 大江戸線全駅の一日も早いホームドアの整備が待たれます。今、都庁前駅までは整備が進んできているようですけれども、また、ホームドアのない駅での安全対策の強化も必要だと思います。
 そこで、大江戸線ホームドアの設置状況と今後の予定、そしてあわせて他線を含む平成二十四年度に実施しますホーム上での安全・安心を確保するための主な取り組みについて伺います。

○奥津技術調整担当部長 大江戸線ホームドアの設置につきましては、昨年四月に清澄白河駅で大江戸線最初のホームドアの使用を開始いたしまして、その後、順次、環状部南側の整備を行い、現在、都庁前駅までの十五駅で使用を開始してございます。
 今後、環状部北側、放射部の順に設置を進めまして、平成二十五年六月までに全三十八駅への整備を完了する予定でございます。
 その他、駅付近の列車を自動的に停止させる非常停止ボタンを、現在、新宿線におきまして、駅の状況に合わせてホームの片側ごとにおおむね三個設置しているものを、平成二十四年度中に十個程度に増設するなど、安全・安心を確保する取り組みを進めてまいります。

○西崎委員 ホームドアをつけるのはなかなか大変だというお話は伺ったんですけれども、先日、大江戸線を利用しましたときに、ホームドアは設置されているものの、まだ稼働していない駅がありました。そのときに通りかかった若い人たちが、このドア壊れているんじゃないかとかっていうことを話してたんですけれども、ホームには警備員の方が巡回していまして、大江戸線全駅でホームドアが全面稼働するまで、ホーム上の安全確保のために警備員の方が見ていたと思うんですけれども、ぜひ、そこからまた転落するようなことがないように、徹底して安全確保に努めていただきたいと思います。
 それから、ホームドアについては、ぜひ浅草線及び新宿線にもできるだけ早く設置していただきたいと思います。
 そこで、新宿線及び浅草線へのホームドア設置に向けた検討状況についてお聞かせください。

○広瀬企画担当部長 新宿線及び浅草線につきましては、他の鉄道会社と相互直通運転を実施しておりまして、現在、新宿線には、京王電鉄の車両二十編成、浅草線には、京成電鉄や京浜急行電鉄など四社の車両百九十二編成が乗り入れしております。
 ホームドアの整備に当たりましては、交通局の車両五十五編成だけでなく、こうした各社のさまざまな型式の車両すべてをホームドアの開く位置に正確に停止させること、また、ホームドアの開閉により、各駅での停車時間が延びてしまうことから、従前の輸送力を確保しなければならないこと、こういった課題がございます。
 新宿線につきましては、平成二十三年一月に京王電鉄と検討会を設置いたしまして、ホームドアの整備に向けた検討を進めております。
 また、浅草線につきましては、京成電鉄や京浜急行電鉄と情報交換を行っているところであります。
 ホームドアの整備に向けまして解決すべき課題はございますが、今後とも、相互直通運転を実施している各社とホームドアの整備に向けた検討や情報交換を行ってまいります。

○西崎委員 今のお話で、ホームドアを設置するというのは簡単じゃないなということがよくわかりました。整備までの間、いかに利用者の安全を確保するのかが重要だと思います。
 冒頭に紹介いたしました東武東上線川越駅の事故なんですけれども、新聞報道によりますと、この男性はホームにある点字ブロックの線路側を、白いつえを使って歩いているうちに、誤って足を踏み外したとのことです。
 ちなみに、同駅には転落防止のためのホームドアはなかったそうですけれども、それで私、今まで余り意識していなかったんですけれども、その点字ブロックっていうのを各駅見てみました。(パネルを示す)これは、都営新宿線の新宿三丁目の駅です。こちらが線路側になります。ホームの端には滑りどめの何か線が引いてあるんですけれども、白線が引かれていて、ここに間隔があって、これが点字ブロックになりますけれども、これはJRの駅、私は小田急線をいつも利用しているんですが、その線によって、この間隔も何か違っているような気がするんです。
 そこで、都営地下鉄では点字ブロックとホーム先端の間隔はどの程度確保されているのか、また、視覚障害者の方の安全確保にどのように取り組んでいるのか、お聞かせください。

○廣木建設工務部長 東京都の福祉のまちづくり条例及び公共交通機関における移動等の円滑化を定めましたバリアフリー整備ガイドラインでは、ともに点字ブロックとホーム先端との間隔を八十センチメートル以上確保するようにと規定されております。都営地下鉄のすべての駅でこれらの基準は満たしております。
 さらに、警告点字ブロックの内側にホーム内側を認識できるよう、直線のブロック、いわゆる内方線ブロックを敷設いたしまして、視覚障害者の方の安全確保を図っております。

○西崎委員 今お話があったのは、ここの端からこの黄色い点字ブロックまで八十センチ以上はとらなければいけないということですけれども、この都営新宿線の新宿三丁目駅は八十センチ以上離れているということなんですが、ちなみに、地上のホームに出ますと、この白線が引かれていないホームもあります。また、ちょっと気になるんですけれども、駅員さんが、黄色い線までお下がりくださいと、駅で電車を待っている方たちにアナウンスしている、そういうことも聞いたことがあります。
 きょうは、ホーム上の安全に絞って質問いたしましたけれども、車両なども含めて、都営地下鉄全体の安全の取り組みを、ぜひ引き続きお願いしたいと思います。
 また、今回の質問を取り上げるに当たって、いろいろな駅の写真とか撮って、私自身も点字ブロックの状態とか安全対策について調べてみましたけれども、先ほどお話がありました内方線はこのことだと思うんですが、ちょっと突起があった線があって、これを視覚障害者の方が感覚で調べられて、こちらが線路側じゃないんだということをわかるんだということだと思いますけれども、ぜひ今後もこういった安全対策をやっていただきたいということと、健常者である私たちも、電車を待っている間に点字ブロックの上に立っていると、障害者の方にとって妨げになったりしますので、そういうハードの面でも気をつけていかなければならないと思います。
 次に、サービスの向上について伺いたいと思います。
 安全の確保とともに大切なのが、障害者や高齢者の方にとって利用しやすい地下鉄の実現です。都営地下鉄におけるバリアフリーの推進にどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。

○廣木建設工務部長 交通局では、だれもが利用しやすい都営地下鉄を目指しまして、交通バリアフリー法が施行された平成十二年以降、全駅でエレベーターなどによる、ホームから地上出入り口までのワンルート確保に取り組んでまいりました。現在、土地の取得や工事など近隣の方々の協力を得まして、都営地下鉄全百六駅のうち、九十九の駅で整備が完了しております。今後二十四年度末までに、すべての駅でワンルート確保ができるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

○西崎委員 現在、都営地下鉄と東京メトロで、東京の地下鉄のサービスの一体化に向けた取り組みが進んでおります。先ほどお話がありましたけれども、その象徴が九段下駅の乗りかえ改善、すなわちホーム及びコンコース階の一部壁の撤去であり、現在その工事が進んでいるというお話もございました。壁の撤去によりまして、障害者や高齢者にとって、メトロと都営の乗りかえがスムーズになります。こうした取り組みに加えて、今後も東京メトロと交通局がさまざまな知恵を出し合ってサービス向上に努め、障害者や高齢者の方にとって、利用しやすい地下鉄の実現に努めていただきたいと思います。
 利用者の視点に立ったサービスを行うことが重要ですが、東京の地下鉄のサービス向上のために、東京メトロと共同で行っている取り組みについてお聞かせください。

○小泉電車部長 都営地下鉄ではこれまでも、東京メトロと共同で利用者の利便性向上のため、サービスの一体化に取り組んできました。
 具体的には、駅構内の案内サインを統一したデザインに改良するとともに、お話のあった九段下駅の壁撤去や乗りかえ駅の追加指定などに取り組んでいます。
 また、本年一月、新たに共同で、都営地下鉄と東京メトロの全駅のエレベーター、エスカレーター、トイレなど、バリアフリー設備に関する情報を掲載した冊子、バリアフリー便利帳を発行しました。今後とも、東京メトロと共同して利便性を高め、使いやすい地下鉄の実現に努めてまいります。

○西崎委員 これまで、都営とメトロが別々に考え、別々に提供してきたサービスについて、両者一緒に考え取り組むことで、利用者の利便性が向上すると思います。
 利用者にとっては、都営、メトロの垣根はないと思いますので、今後もこうした取り組みに力を入れていただきたいと思います。
 最後になりますが、ちょうど一年前の本委員会におきまして、生活者ネットワークの山内委員が、利用者へのサービス向上には積極的に利用者の声を聞くことが必要です、公共交通として、特に高齢者や障害者、また子ども、外国の方などの利用者の要望に十分に耳を傾けつつ、交通局みずからのサービスの創造に取り組むことを要望いたしました。
 そこで、都営交通のサービス向上のため、お客様の声を聞く体制を常に充実させていく必要があると思いますが、局として何を課題として認識しているのか、また、課題解決のための取り組みがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。

○宮川総務部長 お客様本位のサービスを提供していくためには、お客様の声を十分に把握し、事業に反映させていく必要がございます。
 現在、電話やメール等により日々寄せられるお客様からの問い合わせやご意見に対しましては、都営交通インフォメーションセンターやお忘れ物センターのほか、各課、各事業所においても対応しております。
 このため、お客様にとりましては問い合わせ先がわかりにくいといった面もあり、ご不便をおかけすることがございます。こうした点を踏まえまして、これまで以上にお客様の声をしっかりと把握し、迅速かつ適切に対応してサービスの向上を図っていくため、現在、インフォメーションセンターと、お忘れ物センター等の機能の見直しについて検討を行っているところでございます。

○西崎委員 これからも高齢者や障害者の方々を初め、すべてのお客様が安全に便利で快適に東京の地下鉄を利用できますよう、これから努力していっていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○鈴木委員 私の方から、都電とか日暮里ライナーの件は一切出ていませんでしたので、それをフォローさせていただきたいと、こう思っております。
 都電の問題については事務事業のときに、去年やりましたものですから、それはきょうは避けて、日・舎ライナーの件について、予算との絡みがございますものですから、どういうふうに手だてを講じていくのか、きょうは大事な審議でございますので、何点か伺いたいと思います。
 平成二十年の年度末開業して、はや四年目でございます。ありがたく、またいろんな紆余曲折ありました。開業に至るまで、全部つまびらかに、我々もかかわっていたものですから存じ上げております。中には、これいいたくはないのですけれども、荒川を通るのは、橋脚になるとトンネルのように真っ暗になるなんて、こんなことまでいわれ続けたこともありました。本当にじくじたるものがあります。今は本当にすばらしい交通の体系ができて本当に感謝申し上げたいと、こう思っております。
 最後の、思い出すんですけれども、材木屋さんのところへ行って、とにかくこの土地を云々と、土下座してまで私もお願いをした経緯を今思い出しています。無事にそれが完了して開業になったということは、私はとてもうれしく、また、これからの課題として、でもやっぱり浮き彫りになってくるのは、日暮里駅がちょっと使いづらいなという面、それから、雪の対策、そしてまた増客対策とか、それからまた混雑対策とか、いろんなものが課題として浮き彫りになりますよね。それをどういう形で、これを改善していくかということが問題になってくるという、そういう観点からきょうは何点か承っておきたいと、こう思っております。
 まず、東京は雪に弱い大都市ということで、これは有名なのでございますけれども、特に日・舎ライナーも起伏が激しい。しかもタイヤで動いている新しい交通でありますから、やはり雪に対するマイナスというのが出ているんでしょうね。
 特に平成二十一年度は、五回ぐらいだったかありましたよね、ストップになってしまったこと。そういうことを踏まえて、ことしは特に平均気温が、局からの資料をもらったんですけれども、四・八度、過去五年の中で最も寒い、ことしは季節を迎えていたわけでございます。
 そういう中で、日・舎ライナーがどんな降雪対策について対策を講じてきたのか、また今後、来年に向けて、もう雪は降らないと思いますけれども、早いのですけれども、ぜひそういう面の対策をどう講じようとしているのか、具体的にご答弁いただきたいと思います。

○小泉電車部長 日暮里・舎人ライナーは、新交通システムの特徴としまして、ゴムタイヤで走行して、急な勾配を上りおりする区間を運転することができます。
 一方で、このために降雪による輸送障害が発生しやすく、特に雪の多かった平成二十一年度は五回、降雪により一時運転を見合わせ、ご利用の方々にご迷惑をおかけいたしました。このような状況を受けまして、降雪による影響の検証を重ね対策を講じてまいりました。
 現在は、気象情報会社から降雪、積雪、凍結、気温などについて、詳細な地域、時間ごと情報を入手いたしまして、その情報に基づき、路面の凍結を防止するロードヒーターの使用や、路面の雪を払うササラ電車の運行、凍結防止のための融雪剤の散布などを行っております。
 また、積雪によるスリップが予想される場合は、通常、日暮里駅等に勤務している運転士に加えまして、本来出勤日でない運転士も出勤して電車に乗車し、路面状況に応じた手動運転をすることにより対応しております。
 さらに、状況に応じて応援職員が駅に向かい、お客様へのご案内を実施しております。
 今年度、雪が多く、四回、降雪による一時運転見合わせがございましたが、これまでの経験を生かしまして、状況に応じた対策を実施することで、以前より早期に運転を再開することができたと考えております。
 今後も、降雪による影響を最小限にとどめるよう努めてまいります。

○鈴木委員 今ご答弁の中で、手動運転による対応をしたということです。あれはコンピューター制御で、我々は一番先頭車両に乗って、気分よく乗るのが、写真を撮るのが趣味だったわけですけれども、手動でということになっているわけでございます。
 本当に運転をされる方、全部のダイヤがそうならざるを得ないのかって、そうではないと思います。必要なときに応じてということでございましょう。無事故でそれをやっていただきたいと、こう思っております。
 そしてまた−−この項はよろしいのです、降雪対策については鋭意しっかりとまた取り組んでいただきたいと。何せ相手がタイヤで動いていますからね。
 それから、混雑対策について聞いてみたいと思うんですけれども、よく赤土小学校のところが込んでしようがないと、こういう声を私たち地元にいるとよく聞くわけでございます。乗れない、そういうことで−−確かに込んでいることはうれしいのです、増収対策になりますけれども、しかし、私たちが考えたときに、これはホーム上だけの問題だけではなくて、やはり改札からの、入り口からの問題もあるんじゃないかとも思いますけれども、その辺の改良策とか、この混雑対策について、やはりきちっとお客様を運んでいけるような、もちろんダイヤの改正で編成車両をふやしたと、これも大変感謝を申し上げたいし、また、あの手この手でやっていただいていることもよく存じ上げております。
 そのことを踏まえながら、開業以来の乗車人員の推移と、これも当初よりだんだんだんだんふえてきていますから、そのことを踏まえながら、混雑対策についてぜひ聞いてみたい、この際思います。ご答弁いただきたいと思います。

○小泉電車部長 平成二十年三月三十日に開業いたしました日暮里・舎人ライナーの一日当たりの乗車人員ですが、実質的な初年度となる二十年度は四万八千九百四十四人でございました。二十三年度は一月末現在、六万五百八十七人となっており、順調に増加しております。
 混雑対策の取り組みといたしましては、これまで乗客数の増加に応じて、平成二十一年八月と二十三年十二月に二回の車両増備を行い、それに伴うダイヤ改正により輸送力の増強を図ってまいりました。
 これに加え、ロングシートの導入など、車両の座席レイアウトの改善を順次行い、混雑感の緩和を図ってまいりました。
 こうした取り組みにより、昨年十二月のダイヤ改正を踏まえ、本年一月に行った調査では、朝ラッシュ時間帯における最混雑区間、これは赤土小学校前駅と西日暮里駅間でございますが、一時間当たりの平均混雑率は一四三%と、前年度と比較して一九ポイント下がり、乗客数の増加に対応しつつ一定の混雑緩和を図ることができました。
 また、ご指摘のような駅の改札機につきまして、台数を順次増設しております。現在、改札が二通路しかない駅は、来年度には最低三通路となるよう整備し、誘導を改善してまいります。

○鈴木委員 よろしくお願いをしたいと思います。
 日・舎ライナー、当初は、将来的には七万人という人数を想定して、先ほどは、六万人台を今いっているわけでございます。だんだんだんだんとこれがふえてきていると私たちは思っております。お互いに努力をしていきたいなと、こう思っております。
 それから、先ほど申し上げたいろいろな課題の中で、日暮里駅なんでございますが、あそこはJRの駅ナカとか立派な駅に、それから日暮里駅から成田まで三十六分で行ける新しいスカイライナーもできて、非常に人の行き交うポイントの駅になってまいりました。
 その中で、この日・舎ライナーの始発の日暮里駅、あるんですけれども、ちょっと見づらいんですね。動線が非常にわかりにくいという声も聞きますし、また入ったときに、サービスの面でちょっと弱いんではないかという声もたまに聞くので−−たまにというより年がら年じゅう聞いているんですけれども、余り極端な言葉は使いたくないわけであります。これはご寛容をいただきたいと思うんでございますけれども、やはり利便者の利用、それからサービスという面で、ぜひもう一歩踏み込んだ、この際思い切って日暮里駅を大改修するような、そういう思いで少し改良してほしいなという、そういう声を私は代表して、きょうはお訴え申し上げたいと思いますが、どうでございましょう。

○小泉電車部長 日暮里・舎人ライナーの始発駅である日暮里駅は、JR山手線や京成線とも接続している最も利用客の多い駅でございます。一方、開業後約四年がたちまして、ご指摘のとおり、利便性の面で改善すべき点が幾つかあると認識をしております。
 このため、より使いやすい駅となるよう、来年度、日暮里駅の改修に着手いたしまして、駅長事務室など駅施設の配置の改善を平成二十五年度までに行う予定です。
 また、ライナー利用者の利便性を向上するため、必要な、例えば売店などの設置につきましても検討をしてまいります。

○鈴木委員 いや、すばらしい答弁でございますね。ありがとうございます。
 それで、今、売店等をという、この言葉の、この重みを私感じるのですけれども、さっき長橋副委員長とも話をしたのですけれども、東京都で大門の駅だとか、若松河田町だとか、四カ所ぐらいですか、福祉の関係の売店等ができておりますよね。雇用の面だとか、それはまた研究する、また検討する課題もたくさんあろうかと思うんですけど、そういう方々が参画できるような、そういうシステムも導入できるような、そういう発想でこれは取り組んでいただければなと。きょうは、これはこれ以上のことは私は申し上げません。きょうは提案でございますから、これ以上申し上げませんから、ひとつ検討、研究じゃなくて検討のテーマに入れていただきたいという、そういうことできょう申し上げておきたいなと思っております。せっかく大改修するんですから、ちょうどいいと思うんですね。あの辺にはそういうものは一つもないものですから、ぜひやっていただければと、こう私は存じております。
 それからもう一つ、確かに日・舎ライナーは通勤線ということに、今何とか特化するような感じになっていますけれども、しかし、その後の日中の、空気を運んでいるとは私はいいませんけれども、やはり少のうございまして、局長、少ないですよ、これは。だんだんと乗客増の対策も、これからやっぱり考えていかなければいけない。
 また、経済がだんだんと指数的にもよくなってくるというデータが出ていますね。これ以上悪化しないと思います、私は。ですから、あの沿線にいろんなマンションとかいろいろなものが、これからまだまだ立地をする、当然いい地域になっていますから、つくばエクスプレスに次ぐ第二の地点なんです、あそこはいってみれば。そういうところでございますから、ぜひこの辺のことをかんがみながら、ぜひ増収対策、増客対策等をやっていく。
 その中に一つだけポイントがありますよね。昨年八月、私たちの公明党の提案で導入したエコポイントであるToKoPoというのがありますよね。これは昨年の十月の花電車運行の際には、荒川線に乗ると、このToKoPoのポイントが十倍になるというようなキャンペーンをやっていただきまして、大変地元では喜んで、また利用者も喜んでおられたと、私も報告は聞いております。ありがたく受けとめさせていただきたいと思います。
 そこで、このToKoPoを使った取り組みなど、日暮里・舎人ライナーのこの増客対策について、もしお考えがあればぜひご披瀝をいただきたい、そのことを申し上げたいと思います。

○小泉電車部長 日暮里・舎人ライナーは、都心方面のいわゆる通勤路線であり、ラッシュ時に利用が集中しておりますけれども、増客対策としては、通勤とは逆方向の利用者や、平日の昼間及び土休日の旅客の誘致が課題であると認識しています。
 このため、今年度は、沿線ウオーキングマップを二回発行して、沿線情報やJR山手線までのアクセスのよさを積極的にPRしました。
 八月には、都電荒川線と日暮里・舎人ライナーの観光ガイドブックを発行し、花電車運行の十月十日には、都電と交差する熊野前駅で花電車記念グッズを配るなど、都営交通のネットワークの利便性をアピールしました。
 さらに、ご紹介いただきました都営交通ポイントサービス、ToKoPoと申しますけれども、現在、七万六千二百人と大変多くの方に会員となっていただいております。このサービスを活用した取り組みとしまして、来月四月七日と八日に、舎人公園で開催される春の花火と千本桜まつりに交通局のPRコーナーを設けまして、ToKoPoの会員と、その場で新たに入会された方にポイントを進呈するキャンペーンを行う予定です。
 今後も、地元区、地域の方々や関係機関と一層連携して、旅客誘致に努めてまいります。

○鈴木委員 お願いをしたいんですけれども、ToKoPo、一つ忘れていることがあるんじゃないかと私は思うのですよ。足立区ばっかりじゃなくて、荒川でも、四月七日はシダレザクラの会を尾久の原で、大体十万人ぐらい集まりますから。それから四月の二十九日、川の手まつり、これは二十万人ぐらい尾久の原へ集まるんですよ。足立区どころじゃないんでございまして、そういうところで、やはり地域と連携をとって、そしてそこでPRできるようなコーナーを設けておいた方がいいのかなと、私はこう思いますし、またきょうの日・舎ライナーのホームページにも、四月七日の、足立区のことしか書いていないんだよね。寂しい。寂しいですね。そのことをぜひお願いをさせていただきたい、こう思います。
 やはり十万人余の方々が来るという大きなイベントでありますから、そうしたら、二十三区区長会の西川さんも喜びますよ、区長も。
 そうすると、話は飛ぶのですけれども、二十三区と笠井総務局長のああいうホットな話題も消えていくと思いますから、サービスしてください、その辺は。よろしくお願いをさせていただきたいと、こう思っております。
 そういうことは余談でありますけれども、頭に入れながら、ぜひ日・舎ライナーの、これの混雑対策と日暮里駅の問題、さまざまな問題をきょうは述べさせていただきました。限られた時間の中でありますけれども、今、私はいろんな課題を申し述べさせていただきました。局長、ぜひ局長の、この日・舎ライナーのいろいろな問題がさまざま出てまいりましたけれども、ぜひ今後の日・舎ライナーのあるべき姿論、そもそも論からご決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。

○野澤交通局長 日暮里・舎人ライナーは、沿線地域の交通アクセスの向上、道路渋滞の緩和、地域の活性化など、本当に地元の期待を一身に集めてスタートいたしました。今お話にもございましたけれども、本当に早いもので、開業以来、間もなく四年を迎え、これまで八千万人を超えるお客様にご利用いただいております。
 私が少し交通局から外に出ておりまして、戻ってきたのがちょうど開業のときと重なっておりますので、最初は電車部の特命担当ということで、この日暮里・舎人ライナーの開業時の初期の対応をやれということで命ぜられまして、それで取り組んできたものですから、今いろいろお話がありましたことを引き継いで取り組んできたという思いがあります。
 この四年間、本当にさまざまな皆様からご意見をいただき、私どももきめ細かく改善に努めてきたつもりでございます。今もるるお話がございましたけれども、利用者が順調に伸びていく中で、車両増備や座席レイアウトの変更などの混雑対策を初め、自然災害への対応力の強化、ダイヤ改正やホームと車両の段差解消などの利便性向上にも取り組んでまいりました。
 鉄道系の事業の特性といたしまして、開業後当分の間は、巨額の資本費負担により赤字が続くことになりますけれども、利用者の安全と利便性向上のための対策は引き続き行っていく必要がございます。
 今後とも、今お話にございましたけれども、地元自治体等と連携を緊密にいたしまして、利用をふやす需要喚起策に取り組むとともに、コスト縮減にも一層取り組み、一日も早い安定的な経営ができるよう、そういうふうなことを実現できるよう、地元の熱い期待にこたえてまいりたいと思っております。

○早坂委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○早坂委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十九分散会

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