委員長 | 田中たけし君 |
副委員長 | 柳ヶ瀬裕文君 |
副委員長 | 長橋 桂一君 |
理事 | 山内れい子君 |
理事 | 鈴木 章浩君 |
理事 | 泉谷つよし君 |
きたしろ勝彦君 | |
矢島 千秋君 | |
尾崎 大介君 | |
樺山たかし君 | |
相川 博君 | |
鈴木貫太郎君 | |
馬場 裕子君 |
欠席委員 なし
出席説明員交通局 | 局長 | 金子正一郎君 |
次長 | 野澤 美博君 | |
総務部長 | 中村 靖君 | |
職員部長 | 宮川 昭君 | |
資産運用部長 | 廣瀬 秀樹君 | |
電車部長 | 室星 健君 | |
自動車部長 | 土岐 勝広君 | |
車両電気部長 | 広川 徳彦君 | |
建設工務部長 | 廣木 良司君 | |
企画担当部長 | 小泉 健君 | |
安全管理担当部長 | 波多野正裕君 | |
バス事業経営改善担当部長 | 岡本 恭広君 | |
技術調整担当部長 | 石井 明彦君 | |
技術管理担当部長 | 川合 康文君 | |
水道局 | 局長 | 尾崎 勝君 |
次長 | 森 祐二郎君 | |
総務部長 | 坂内 顕宏君 | |
職員部長 | 松宮 庸介君 | |
経理部長 | 猪熊 純子君 | |
サービス推進部長 | 高原 俊幸君 | |
浄水部長 | 吉田 永君 | |
給水部長 | 酒井 晃君 | |
建設部長 | 今井 茂樹君 | |
企画担当部長 | 松丸 俊之君 | |
設備担当部長 | 吉田 進君 | |
サービス企画担当部長 | 津国 保夫君 | |
担当部長 | 加藤 英典君 | |
多摩水道改革推進本部 | 本部長 | 増子 敦君 |
調整部長 | 松苗 昌宏君 | |
施設部長 | 佐々木史朗君 | |
技術調整担当部長 | 木村 康則君 | |
特命担当部長 | 田村 聡志君 | |
下水道局 | 局長 | 松田 二郎君 |
技監 | 小川 健一君 | |
総務部長 | 石原 清次君 | |
職員部長 | 小山 哲司君 | |
経理部長 | 須田 潔君 | |
計画調整部長 | 松浦 將行君 | |
施設管理部長 | 黒住 光浩君 | |
建設部長 | 高相 恒人君 | |
企画担当部長 | 熊谷 透君 | |
技術開発担当部長 | 東郷 展君 | |
施設管理担当部長 | 永野 実君 | |
担当部長 | 久野 清人君 | |
流域下水道本部 | 本部長 | 細野 友希君 |
管理部長 | 安藤 博君 | |
技術部長 | 渡辺志津男君 |
本日の会議に付した事件
交通局関係
報告事項(質疑)
・東日本大震災への対応について
水道局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百十三号議案 平成二十三年度東京都水道事業会計補正予算(第一号)
報告事項(質疑)
・東日本大震災への対応について
下水道局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百十四号議案 平成二十三年度東京都下水道事業会計補正予算(第一号)
報告事項(質疑)
・東日本大震災への対応について
付託議案の審査(決定)
・第百十三号議案 平成二十三年度東京都水道事業会計補正予算(第一号)
・第百十四号議案 平成二十三年度東京都下水道事業会計補正予算(第一号)
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について
○田中委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局及び下水道局関係の付託議案の審査、所管三局の報告事項に対する質疑並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
これより交通局関係に入ります。
報告事項、東日本大震災への対応についてに対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○柳ヶ瀬委員 東日本大震災の影響により東京電力管内の電力供給は、いまだ不十分となっています。六月一日に経済産業省が告示した電気事業法に基づく電気使用制限によると、契約電力五百キロワット以上の大口需要家については、七月一日から九月二十二日の平日九時から二十時の時間帯、昨年の使用最大電力を一五%削減するよう求められています。鉄道は社会経済活動を支える重要なインフラであるため、制限緩和が認められているものの、十二時から十五時、この時間帯は最大電力を一五%削減しなくてはなりません。
交通局では節電ダイヤを実施するとのことですが、これでは限界があります。地上の鉄道が使う電気は、ほとんどが列車の運転電力でありますが、地下鉄は、エレベーター、エスカレーター、駅の空調などが必要で、電気の使われ方が地上の鉄道とは事情が違います。使用制限を守るために、交通局では、日中の時間帯、一部の駅で駅冷房をとめるというふうに聞いています。
利用客への影響が心配なんですが、都営地下鉄の節電対策として駅冷房を停止しなければいけないこの理由について、まずはお聞かせください。
○広川車両電気部長 都営地下鉄の使用電力は、電車を運転するための運転電力と、駅の照明、換気、冷房、エレベーター、エスカレーターなどに用いています附帯電力から成っております。運転電力に比べて附帯電力の方が多くなっております。
経済産業省から告示された夏季の電気使用制限に対応するためには、節電ダイヤの実施による運転電力の削減のほか、附帯電力の削減が不可欠であります。このため、駅の照明の一部消灯に加えて、十二時から十五時の時間帯については、より節電効果を上げるため、駅冷房の一部を停止することが必要であるというふうに考えております。
○柳ヶ瀬委員 確かに、地下鉄では駅冷房の使用電力が占める割合が高いので、この一五%削減をしなければいけないという中では、一部の駅で冷房を停止せざるを得ないということはよく理解します。ただ、この駅冷房を停止することによって、構内温度、これが上昇する中で、お客様の体調に影響が出ないかどうか、この点が非常に心配なんです。
地下鉄は熱がこもりやすくて、換気も必要とされています。特に昨今、熱中症への注意が必要であると盛んにいわれるようになっております。高温多湿で症状があらわれ、幼児や高齢者には危険であります。都営地下鉄の車内や駅で、そのようなことが起きないようにしなければなりません。節電も重要ではありますが、まずは、お客様の体調に最大限配慮をしなければいけないというふうに考えています。
そこで、駅冷房の停止に伴う構内環境の悪化を最小限にとどめる工夫について、このお客様の体調維持をどのように両立させていくのかお伺いしたいと思います。
また、駅の換気については、これはとめるのかどうするのか、この点について教えてください。
○室星電車部長 都営地下鉄では、これまでの節電の取り組みの中でも、お客様サービスを低下させないよう努めてきたところでございます。
この夏の節電におきましても、駅冷房は、可能な範囲で最大限稼働させることとしております。具体的には、乗降客の多い半数程度の駅では、終日冷房を運転いたします。停止する駅でも、一駅当たり一時間半から二時間とし、冷房停止時間を最小限といたします。
なお、今お話にございました駅の換気につきましては、終日稼働いたします。
これからも、駅構内の温度変化を注視し、電力需給の状況を勘案しながら、きめ細かく対応してまいります。
○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。換気はとめないということでわかりました。駅の構内環境にも配慮をしながら節電の工夫をしているということ、これはわかりました。
そこで、次なんですけれども、自動販売機なんですが、これが電気のむだ遣いではないかということもあるんですけれども、水分補給という意味では、非常に大きな意味を持っていると思います。この自動販売機も、一定時間冷却を停止するなど節電も進んでいます。特に夏場は、身近に置いてもらいたいという意見があります。こういった両方の意見があるわけですけれども、都営地下鉄内の特に冷房をとめているというような状況もある中で、自動販売機の稼働についてこれはどうしていくのか、この点について見解をお伺いします。
○廣瀬資産運用部長 駅構内の自動販売機につきましては、電力需給の先行きが不透明でありましたために、震災直後には販売を休止いたしましたが、三月下旬からは、お客様の要望等を踏まえまして、ディスプレーの照明を消灯し使用電力に配慮した上で販売を行ってまいりました。
今後、その大宗を占める飲料自動販売機につきましては、設置事業者が、七月一日からの夏季の電気使用制限を受けまして、従来の冷却停止時間を拡大し、使用電力をさらに削減することとしております。
こうしたことから、交通局といたしましては、今後とも使用電力に十分配慮した上で、夏場におけるお客様のニーズにこたえるためにも、自動販売機によるサービスを継続してまいります。
○柳ヶ瀬委員 自動販売機によるサービスを継続されるということで、その点はわかりました。
節電というのは非常に重要なんですけれども、この節電も、お客様の健康管理、健康の安全があっての節電だということ、これをぜひ柔軟に考えて対処をしていただきたいというふうに思うんです。
お客様ということもそうなんですけれども、それと同時に、駅員の皆さんの体調管理についても心配があります。日中でも大体十分待てば電車は来るので、お客様の方は十分で駅から出ていくことができるんですけれども、駅冷房が一時停止する駅では、最も暑い正午過ぎに、駅員は最大二時間程度そこにいるという状況があるということなんですが、この駅員の体調不良ということになれば、当然、乗客の安全にもかかわってくるだろうというふうに思います。
そこで、駅員の体調管理について、どのようにこれを確保していくのか、その点についてお聞かせください。
○室星電車部長 当局では、日ごろから適正な執務環境の確保に努めているところでございますが、お客様の安全の確保には、職員のより一層の健康管理が必要であると考えております。このため、熱中症などが発生しないよう、職員には、日ごろからの十分な睡眠や、小まめな水分補給などの体調管理の徹底を指導してまいります。
○柳ヶ瀬委員 さまざまな意見があるとは思うんですけれども、私は、例えば駅の職員の皆さんがいらっしゃるところは冷房をつけるとか、そういうことがあってもいいのかなというふうに思っています。ぜひ、そういったことも検討していただきたいと思います。安全・安心の都営交通を維持するために、お客様だけでなくて、駅員の体調管理、これもしっかりやっていただきたいというふうに思います。
最後に、車内冷房についてなんですけれども、新聞報道等によると、鉄道各社によって車内冷房の設定温度が違うようです。
そこで、新宿線とか浅草線とか乗り入れしているじゃないですか。相互直通運転をしている各社は、この車内冷房温度についてどのように調整をしているのか、最後に聞かせてください。
○室星電車部長 都営地下鉄では、これまで震災の影響による電力不足から、車内冷房につきましては、高目に設定して節電に取り組んでまいりました。しかし、この夏の節電では、鉄道事業者の制限緩和が認められたことから、車内冷房の設定温度につきましては、お客様の快適性、利便性に配慮し、例年どおりとすることにいたしました。
お話の相互直通運転を行っている会社とは車両の性能などが異なることから、これまでも車内冷房温度には差がございました。節電の趣旨を十分踏まえ、今後とも関係各社と連携して、必要なサービスの提供に取り組んでまいります。
○柳ヶ瀬委員 ありがとうございました。よくわかりました。
いろいろなお客様からの声をたくさん聞いているということも聞きました。さまざまな意見が出てくると思います。ただ、一番大事なのは、そのお客さんの健康を守ること、これが一番の物差しであると、また、駅員の体調管理をすること、これが物差しであると思いますので、ぜひ、この点を間違えないようにご判断をいただいて、柔軟な対策をとっていただきたいということを申し上げて質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○きたしろ委員 委員会運営に協力をしたいと思っております。
○田中委員長 よろしくお願いいたします。
○きたしろ委員 まず、都営地下鉄の震災対策についてですが、先日の我が党の代表質問に対して、都営地下鉄は阪神・淡路震災を教訓に、同じ規模の直下型地震にも耐えられるよう、地下鉄施設の耐震対策を実施したこともあって大きな被害を受けなかったとの答弁がありました。これまでの努力は評価しますが、震源から遠いことが幸いしているのではないかと思っております。
先日の委員会でも、震源に近い仙台市営地下鉄は被害を受け、地震発生三日後の三月十四日に一部区間で折り返し運転を開始したものの、全線での運行再開まで約一カ月以上の日数を要したとの報告がありました。
仙台市営地下鉄の被害状況について、職員を派遣して調査したとのことですが、もう少し詳しくお教えください。
○廣木建設工務部長 仙台市営地下鉄は、仙台駅を中心に市内を南北に走る延長約十四キロの路線でございますが、今回の地震で、地下や高架の構造物におきまして、破壊に至る損壊などの大きな被害は認められませんでした。
しかしながら、阪神・淡路大震災を上回る地震加速度を記録した高架の駅である八乙女駅では、駅上屋を支える柱を固定しているアンカーボルトの破断や曲がりなどの損傷が確認されました。さらに、八乙女駅周辺では、高架橋の橋げたを支える鉄筋コンクリートの橋台や橋脚の一部に、ひび割れや剥離が見られました。
○きたしろ委員 ただいまの報告によりますと、構造物などの損壊は免れたようですが、一部に被害があったとのことで、そのことを考えますと、都営地下鉄も、首都直下型の地震に対して万全であるとはいい切れないのではないでしょうか。交通局は今回の被害を教訓とした対策を講じるべきと考えますが、この件については、我が党の代表質問に対して、独自に検証した上で安全性を高めるための耐震対策を実施していくとの答弁があります。
そこで、交通局では、都営地下鉄の耐震対策として、具体的にどのようなことを考えているのか、お伺いをいたします。
○廣木建設工務部長 交通局では、仙台市営地下鉄や東北新幹線の今回の地震による被害を踏まえまして、これまで国の通達において耐震補強の対象となっていなかった例えば高さ四メートル未満の柱などにつきまして、改めて耐震性を検証し対策を実施してまいります。
まず、車庫の入出庫線高架部の柱などについて検証を実施してまいります。
○きたしろ委員 改めて、これまでの耐震対策をチェックし、より安全な都営地下鉄を目指していただきたいと思います。
さて、施設の耐震対策と並んで、私が気になっているのは停電時の対応です。今回の地震の際には、交通局は駅の構内を帰宅困難者に提供するなど、適切に対応してくれたと思っておりますが、首都直下型地震が発生した場合には、東京電力の送電網等にも相当な被害が出る可能性があります。仮に、大江戸線の六本木駅など地下深くにある駅が停電した場合でも、円滑かつ安全に乗客が避難できるような対策が必要であると考えます。
そこで、停電時の対策として、どのような備えをしているのかお伺いをいたします。
○広川車両電気部長 都営地下鉄では、各路線に非常用バッテリーや非常用の発電機を設置しております。この非常用の電源により、停電時に非常用照明や避難誘導灯及び放送設備などに電気が供給され、設備が二時間以上使用できるようになっております。
駅の停電時には、このような設備を活用することで、お客様を地上や駅構内の安全な場所まで避難誘導できるようにしております。
○きたしろ委員 ただいまの答弁で、首都直下型地震などの影響で東京電力の停電があっても、一定時間の電源が確保されており、乗客の避難誘導ができることがわかりました。このような設備は、非常時に確実に作動するようにしておかなければなりません。日常の点検をしっかりと行っていただきたいと思います。
次に、都営バスの震災対策について伺います。
地震当日、JR東日本など一部の交通機関が早々と運休を決め、駅から乗客を追い出したことは極めて遺憾に思いますけれども、そうした中で、都営バスは、いち早く運行を再開するとともに、翌朝まで終夜運行を行ったことは評価できます。しかしながら、当日は、都内の道路も大混乱の状態にあり、バスの運行も通常とは大きく様相が異なっていたことと思います。
そこで、まずは、地震当日の都営バスの運行はどのような状況であったのか、お伺いをいたします。
○土岐自動車部長 都営バスでは、地震当日、被害状況を確認するため、一たん全車両に対し運行中止を指示し、その後、安全を確認した後、十六時から全路線で運行を再開いたしました。
運行の状況につきましては、鉄道の運休などにより駅前バスターミナルは大変混雑し、到着するバスにお客様が乗車できず、また、ほとんどの道路が渋滞したために著しい遅延が発生いたしました。一例を挙げますと、池袋から渋谷までの路線では、通常所要時分五十分のところ、約四時間を要しました。
なお、夜間になっても、鉄道ダイヤの乱れはおさまらず、多くのお客様がいらっしゃったので、都営バスとして終夜運行することを決定し、可能な限り増発を行うなど、都営バスの総力を挙げて帰宅者の足を確保したところでございます。
○きたしろ委員 今の答弁にありましたように、渋滞に巻き込まれ通常の何倍も時間がかかったり、バス停でやっと来たバスに乗ろうとしても満員であったりと、実際には多くの課題があったと聞いております。人であふれ返ったバスターミナルの警備や、大渋滞する幹線道路の交通整備など、交通局単独では対応できないものもあるかとは思いますが、一方で、都営バスとして責任を持って対応すべきこともあると思います。
そこで、今回の震災を振り返り、都営バスがみずから取り組むべき課題はどのようなものなのか、また、その課題に対しどのように対応していくのか、お伺いをいたします。
○土岐自動車部長 都営バスみずからが取り組む課題でございますが、都営バスでは、バスの現在位置情報をモニターで確認できるシステムを導入しておりますが、このシステムは通常の営業時間内だけ稼働する仕組みとなっているため、今回、深夜の運行状況を把握することができませんでした。今後、終日の稼働が可能となるよう、今年度と来年度で、順次、システム改修を行ってまいります。
また、乗務員は、当日、多くのお客様から、帰宅のための道や鉄道、他のバスの乗り継ぎ案内などを求められ、可能な限り対応を行いました。今後とも、さらに乗務員が沿線状況等を習得し、より的確なご案内ができるように指導してまいります。
これらのハード、ソフトの対策を講ずることなどにより、災害に強く安全で安心な都営バスの実現に努めてまいります。
○きたしろ委員 震災時にも、都営バスをより有効な移動手段として活用できるよう、交通局で取り組めるものについては早急に取り組むとともに、国等にも働きかけるなど、対策を講じることを強く要望します。
次に、バスの安全対策、特に情報伝達の点についてお伺いをいたします。
バスは鉄道と違い、何かあれば乗務員一人で対応することになるのでしょうから、乗客の安全・安心を確保するためにも、乗務員に対して正確な情報や指示を伝えることが重要であると考えます。
前回の報告では、都営バスには全車にデジタルMCA無線を搭載しているとのことでありましたが、このデジタルMCA無線とはどのようなもので、今回の震災の際には、実際どのように活用したのか、お伺いをいたします。
○土岐自動車部長 デジタルMCA無線は、災害時にも通信可能であることや、すべての受信機に一斉に放送することができる特徴を持つ業務用無線でございます。
都営バスでは、平成十九年度に、このMCA無線を全車両に搭載し、各車両と営業所間における双方向の連絡及び緊急時における新宿本庁舎から全車両への一斉放送が可能な通信体制を整備いたしました。
震災当日、都営バスでは、MCA無線を活用して新宿本庁舎から全車両に対して一斉に運行の中止及び再開を指示するとともに、鉄道などの運行状況についても乗務員に放送をし、適宜、乗務員からお客様にご案内を行ったところでございます。
また、乗務員からの問い合わせに対しまして、この無線を用いて各営業所が必要な指示等を行ったところでございます。
○きたしろ委員 今回の震災では、帰宅困難者の問題が改めて大きな課題として浮き彫りになりました。今回は、都営地下鉄やメトロを初め幾つかの私鉄がその日のうちに運行を再開できましたけれども、首都直下型地震が来た際には、鉄道がどこまで早期に復旧できるか未知数の部分もあるかと思います。道路も被害を受けることが想定されますが、一部でも確保できれば、バスは震災時の機動的な移動手段としての役割が期待できます。都内で千五百両近い車両を保有している都営バスは、真っ先にその役割を果たすべきであると考えます。
そこで、震災時における都営バスの役割と、その役割を果たしていくための対策についてお伺いをいたします。
○波多野安全管理担当部長 東京都地域防災計画では、交通局の役割として、バスによる輸送の協力が規定されております。
具体的には、震災時に東京都災害対策本部の要請を受けまして、帰宅困難者の緊急輸送や軽度の負傷者の病院搬送等を担うことになっており、都営バスの各車両は、交通規制が実施される区域においても通行できる車両として指定されております。
また、各営業所では震災に備えまして、職員の配備体制を定めるとともに、三日程度の燃料及び全職員二日分の非常用食料を備蓄しております。
今後、東日本大震災の教訓等を踏まえた東京都地域防災計画の見直しにあわせて、関係機関との連携を強化し、都営バスの震災時における機動的な交通手段としての役割を果たせるよう条件整備に努めてまいります。
○きたしろ委員 最後に、職員への情報伝達手段に関してお伺いします。
今回の地震は、発生時間が平日の午後であったため、職員の参集という点では大きな問題はなかったと聞いております。しかし、震災はいつ起こるとも限りません。一たび震災が発生すれば、電話による通信手段が途絶し、職員の参集はおろか、安否の状況把握も困難になることも危惧されます。
そこで、交通局においては、職員との情報連絡手段についてどのような対策を講じているのか、お伺いをいたします。
○波多野安全管理担当部長 災害が発生した際の職員への連絡につきましては、各部署において、夜間、休日の緊急電話連絡網を作成し対応しております。しかしながら、ご指摘のとおり、震災時には情報通信網がふくそうし、電話では迅速な情報伝達が困難であることは、今回の震災でも明らかになりました。
交通局では、職員に対する安否確認や参集指示を確実に行うため、交通局経営計画ステップアップ二〇一〇に基づきまして、ことしの一月から、携帯電話のメール機能を活用した連絡通報システムを、都庁舎に勤務する職員を対象に試験的に導入いたしました。
具体的には、大規模地震が発生した場合、職員へ安否確認メールが直ちに自動的に配信され、受信した職員が状況を登録いたします。各職員の登録状況は自動的に集録、集計され、安否状況を確認できるとともに、必要に応じて参集等の指示を行えるシステムでございます。
今後、このシステムを全職員に拡大するとともに、この連絡通報システムを活用した訓練を実施するなど、震災時の迅速な情報伝達に努めてまいります。
○きたしろ委員 本日は、交通局の震災への備えについてお伺いをいたしました。震災対策は、これで大丈夫というようなおごりがあってはなりません。首都東京の中心部で地下鉄やバスを運行する交通局の責任は、非常に重いものがあります。今回の経験を生かし、さらに万全な震災対策をとっていただきたいと強く要望して、私の質問を終わります。
○長橋委員 私からも質疑をさせていただきます。
委員会で示されました東日本大震災への対応についてという中に、まず一点目は、被災地へのバス車両、これを六十二台譲渡するという内容が出ていまして、六十二台というかなりの数のバスを渡すということで、ぜひ、この点について確認をさせていただきたいと思います。
私も被災地に行ってまいりましたが、本当に、バス車両を初めとして、車やタクシーもそうです、船舶もありました、さまざまな車両が壊滅的な状況でありました。本会議では、いわゆる警察車両等の状況もお伺いしたところでありますけれども、当然、地元にとっては、東京とは違って鉄道よりもバスが大いに活用されている地域が多いのではなかろうか、このように思うわけでありますけれども、その点で、バス車両がどれだけ被害があったのか。地元のバス事業者の被災状況、東北三県の状況について、まずはお伺いをいたします。
○土岐自動車部長 震災による東北三県のバス事業者の被害につきましては、内閣府の六月二十三日付の資料で公表されているところでございます。
それによれば、まず、バス車両につきましては、乗合バス六十二両、貸切バス百五十七両の合計二百十九両の損害が発生しております。
また、復旧状況につきましては、各バス事業者が、避難所からの通院、通学、買い物など、当面の生活に必要な路線バスの確保に努めており、震災前の七〇%を超える水準まで運行を再開しております。さらに、在来線の被害による運休に対応して、鉄道代替バスの運行も行っているとのことでございます。
○長橋委員 被災地の皆さんにとっては、バスの復旧というのは大変心待ちにしているんではなかろうか。今ご答弁もありましたけれども、若干であろうと思いますけれども、復旧が進んでいるという中で、新聞報道によりますと、日本バス協会の呼びかけで、交通局を含めて全国七十四のバス事業者が合計三百九十七台の提供を申し出たと、こういう記事が出ておりまして、そういうことを考えると、改めて、東京から六十二台、これは大いに地元のバス事業者等を含めて喜んでいるんではなかろうかと思うわけでありますけれども、まず、六十二両とした根拠は何なのか、お伺いいたします。
○土岐自動車部長 バスの譲渡可能数につきましては、今年度更新を予定している八十一両のうち、CNGバスや旧式のハイブリッドバスといった専用の施設設備が必要な車両など十九両を除き、六十二両としたものでございます。
交通局では、被災地の寸断された交通手段を緊急に確保することを目的に、最大限の支援をすることとし、東京緊急対策二〇一一の中で、この六十二両すべてを無償譲渡することとしたものでございます。
○長橋委員 可能な限りの譲渡をしたということであります。また、東京の規制に考慮して、緊急に決断したということであります。
先日、六月二十二日ですから先週でありますけれども、岩手県交通株式会社、それから、宮城県交通株式会社にそれぞれ一両ずつ、まずは二両が現地に向ったと。こういうことで出発をしたということも聞いておるわけでありますけれども、今、岩手県と宮城交通と、こういうことでございますけれども、具体的な譲渡先はどうなっているのか。また、今いただいた資料では、岩手県と宮城県ということでありますけれども、福島はどうなのか。こういうことを含めて、譲渡に至る経緯についてご説明をお願いしたいと思います。
○土岐自動車部長 まず、譲渡に至る経緯でございますが、本年四月、被災地の東北バス協議会の要請を受けた日本バス協会から、譲渡可能な車両数の照会がございました。その後、譲渡の申し出と受け入れの希望を調整した東北バス協議会から当局に対しまして、都営バスを岩手県交通株式会社と宮城交通株式会社にあっせんしたいとの要望がございました。これを受け、岩手県交通株式会社に十九両、宮城交通株式会社に三十両を譲渡することといたしました。
これらの車両は、両事業者が日常整備している車両の製造メーカーや型式を踏まえ、希望を伺って決めたものでございまして、譲渡先での維持管理は可能と聞いております。
なお、現時点では、福島県内のバス事業者から要望は受けていないという状況でございます。
○長橋委員 私も、六十二台の車両を譲渡するというふうに聞いておりまして、そのうち早速、緊急ですから、何台行くのかなと、こう思っておりましたら、まずは二台であったわけであります。今のとおり、東京都の都バスを向こうで維持管理、メンテナンスできるのはどうかという課題もあるかと思いますから、一遍に多くの台数を運ぶというのは、なかなか難しいこともあろうかと思うわけでありますけれども、まずは二台行ったわけです。当面、三十両と十九両ですから四十九両、およそ五十台、二台行っていますけれども、残りはどういう計画なのか、ご説明をいただきたいと思います。
○土岐自動車部長 今後の譲渡予定でございますが、新車の納入が始まる本年秋以降、具体的には、九月から来年一月の間となることで、譲渡先の了解を得ております。
なお、お話ございました六月二十二日に譲渡した二両につきましては、被災地の早期復興に協力するため、新車の納入前ではありますが、譲渡予定の車両を先行して提供したものでございます。
また、譲渡可能数六十二両のうち、今回譲渡先が決まった四十九両以外の十三両につきましても、今後、希望があれば対応してまいりたいというふうに考えております。
○長橋委員 確かに、新車が、納入ですか、納車後ということでありますので、現在は都営バスとして活動しているわけですよね。その前に、まずは、二台は新車が入る前に向こうに運んで行ったということであろうかと思うわけでありますけれども、あと、譲渡先が決まっていない十三台ついても、今後、向こうと連絡調整をしていくと。福島も、やはり福島は特に原発の問題もあるわけでありますし、そういう中で苦しんでいるわけでありますから、そうしたことも考えて、せっかくの対応ですから、六十二台すべて可能な限り向こうで活躍できるように努力をしてもらいたいと、こう思うわけであります。
あわせて、震災当日の件については今も質疑ございましたけれども、一点だけ、都バスの震災後の対応についてお伺いしたいと思います。私も以前、予算委員会等で取り上げましたけれども、都バスの有責事故といいますか、軽微な事故も含めると年間四百件ほどあると。こういうことで、特に都バスの中での転倒なんかも、高齢者の方にはあるということがありまして、そういったことを取り上げさせていただきましたけれども、今回の三・一一、三月十一日の震災発生時の都バスの事故はなかったのか。ちょっと改めて確認をさせていただきたいと思います。
○土岐自動車部長 震災当日、都バスの事故がなかったかとのご質問でございます。
都営バスでは、大地震が発生した場合の乗務員の基本的な対応を、震災時における対応マニュアルに定めております。その中で、乗務員はバスを運転中、地震が発生し危険を感じた場合には、第一に、運行を中止して、危険箇所を避け道路の左側端にバスを寄せて停車すること、第二に、車内マイクなどを活用し、お客様に不安を与えないよう避難方法について最善の措置をとること、第三に、すべての車両に搭載しているデジタルMCA無線、その他の方法で営業所に連絡できる場合は、現在地やお客様の被害状況を報告することとしております。
震災当日は、お客様におけがや車両の被害もなく、このマニュアルに基づき、おおむね適切に対応できたと考えております。
○長橋委員 今ご答弁ありましたとおり、お客様にはけがはなかったということで、やはり日ごろのマニュアルがきちっとできた上で、ドライバーといいますか、運転手も、そのマニュアルにのっとって対応したがゆえに未然に防ぐことできたということで、今後も、こうした訓練については、震災時に限らず、いざというときの対応については、改めて、お客様第一でございますから、安全が第一でございますから、引き続き訓練を重ねていただきたいと思います。
次に、あわせて、地下鉄の対応についてもお伺いをしたいと思います。
地下鉄は、今も質疑がありましたとおり、震災発生直後に運行を停止いたしまして、特に都営地下鉄は、いち早く運行を再開したと、このようにも聞いているわけであります。そうした中で、先ほども相互乗り入れの話がございましたけれども、大地震が発生した場合、運行中の地下鉄は、まずはどういう対応をするのか。マニュアルが当然あるんだろうと思いますし、また、四路線のうち三路線は、いわゆる相互乗り入れしているわけです。民間の鉄道事業者と相互乗り入れしているわけであります。そうすると、その時間帯に、都営地下鉄の線路に民間の車両が走っている場合もあるでしょうし、逆に、民間のところに都営地下鉄の車両が走っている場合もあろうかと思うわけであります。
そうした震災時の対応、そしてまた、運行再開に当たって、相互乗り入れしている民間事業者との、何といいますか、調整、どのように行うのかお伺いをいたします。
○室星電車部長 今回の地震発生時におきまして、都営地下鉄では、緊急地震速報を受け、列車を一たん停止し、安全確認後、次の駅まで徐行運転し、そこで運行を中止いたしました。都営線内は、施設の安全を確認した結果、大きな被害がなかったため、当日、運行を再開することができました。
また、他社と相互乗り入れを行っている路線につきましては、震災直後から、直通運転の再開に向け、各社と運転間隔、区間などのダイヤにつきまして、綿密な調整を行ってまいりました。
その結果、新宿線につきましては、京王線に大きな被害がなかったことから、当局の運転再開直後の二十二時三十分ごろから直通運転を再開いたしました。
また、浅草線につきましては、京成線及び京急線の被害が大きく、復旧を待って、三月十三日の朝から直通運転を再開することになりました。
さらに、三田線につきましては、他社と共同使用する区間があることから、東京メトロ、東急、埼玉高速の各社とのダイヤ調整が必要であり、直通運転を開始したのは、三月十五日の午後になったものでございます。
○長橋委員 わかりました。マニュアルにのっとってやりましたけれども、まず再開したのは、特に大江戸線なんかは、二十時四十分全線開通した。全面停止したJRもある中で、そうした対応は、日ごろのマニュアルも含めて、また恐らく、恐らくじゃなくて、間違いなく耐震対策等も期したがゆえに、この大きな震災に遭っても、大きな損傷がなく再開できたということだろうと思うわけであります。評価するところでありますが、ただ相互乗り入れしているところは、相当時間がかかったというところでありまして、そうしますと、当然、地下鉄は再開したけれども、日ごろ乗客の方は、相互乗り入れを利用して、地下鉄から民間の鉄道事業者に乗ってご自宅に帰るというようなことを想定しているんだろうと思います。
そうした中で、帰宅困難者、これはこのたびの本会議の代表質問等でも、たびたび取り上げられたわけでありますけれども、JRが走らないということになって、都営地下鉄にも集中したんだろうと思うんです。そうした意味では、この帰宅困難者対策、これは非常に今回の震災にあっては大きな課題であったというふうに思うわけでありますけども、都営地下鉄としてはどう対応したのか、まずはお伺いいたします。
○室星電車部長 地震発生当日は、運行を早々に断念した鉄道会社もあったことなどから、都営地下鉄には多くのお客様が集中いたしました。このため、都営地下鉄では、駅構内のコンコースをお客様に開放し、運行再開までの間、待機していただくことにいたしました。
その際、地下鉄の点検状況など、運輸指令から入手した情報を構内放送でお伝えするとともに、駅にあります段ボールをお客様に提供し、トイレや水道なども自由にお使いいただきました。
また、体調不良のお客様には、駅長事務室の空きスペースでお休みいただくなど、駅として可能な限りの対応に努めてきたところでございます。
○長橋委員 今ご答弁があったとおり、運行再開を早々に断念したところがあったということでありますけれども、そうした中で、コンコースまでお客さんに開放したというところであるわけでありますけれども、やはりこの帰宅困難者対策、大きくクローズアップされる中で、今後、その対策についても、それぞれ事業者が、まずは今回の教訓を生かさなければならないと思いますし、また、都営地下鉄、鉄道事業者だけで帰宅困難者対策はできないわけでありますけれども、そうした対応についても、今後、検討していただきたいと思うわけであります。
特に今回で大きな話題になったのが、また、重要だとわかったのが、駅に近い避難所、これをどう対応していくのかどうか。駅に近い避難所の備蓄をどう充実をさせていくのか。また、その避難場となるところを、どうこの情報を的確につかんでいくのか。今も、段ボールなども支給をした。間違いなく地下鉄のコンコースの中にも、一昼夜明かされた方もいらっしゃるんだろうと思いますけれども、段ボールがあっただけでも、せめて、寒いときでしたから、よかったと思うわけであります。さらに、日ごろ、駅に近い避難所はどこにあるのかということになれば、そうした案内もできたのではなかろうかと思うわけであります。そこまで、今までは鉄道事業者に求めていなかったのかもしませんけれども、そうした対応も必要であろうかと思います。
もし、そういう情報がわかっていれば、もう帰れないということになれば、コンコースの中に段ボールを敷いて寝るよりは、近くの、例えば学校とか、そういったところに避難を指示できれば、帰宅困難者に対しては、より利便性が上がったんではなかろうかなと、こう思うわけでございます。ぜひ、こうしたことも念頭に置いて、都営地下鉄だけではできませんけれども、交通局としても、こうしたマニュアル、これもぜひ作成に向けて努力をしていただきたいと、このように思うわけであります。
最後に−−最後じゃないな、まだありますね、済みません。そして、その次に、先ほど申し上げました運行再開が都営地下鉄では非常に早かったわけでありますけれども、運行再開までの手順、どのように安全確認をして再開したのか。これ非常に厳しい判断もあったと思いますし、安全に安全を重ねなければ運転再開はできないわけでありますが、この手順についてご説明をいただきたいと思います。
○波多野安全管理担当部長 都営地下鉄の運行を中止した場合には、まず、乗客を駅構内の安全な場所へ避難誘導し、次いで、施設の被害状況を把握するため、駅係員による駅構内の点検及び保守係員による軌道、車庫、電気設備等の点検を行います。その際、地下鉄線内十六カ所に設置した地震計によりまして、エリアごとの震度を個別に把握し、その震度に応じた点検を効率的に行えるようにしております。
具体的には、震度五強以上のエリアでは、職員が全区間を徒歩で直接目視による点検を行い、震度五弱以下のエリアでは、入出庫線や地上部の電気施設等を重点的に点検いたします。
点検の結果、運行に支障がないと判断すれば、運転士による徐行運転での線路やトンネルの安全確認を経まして、運転を再開することになります。
○長橋委員 運転再開までに、地下鉄線内に十六カ所設置した地震計の震度によって、エリアごとに把握をして対応したと。特に五強のエリアは徒歩による点検を実施したというご答弁をいただきましたけれども、まずは、この十六カ所、私も以前に、震度計、これが、なかなか未設置の自治体も多いというようなことをいったことがあります。恐らく以前は、都営地下鉄も十六カ所はなかったんだろうと思うんですけれども、いつから十六カ所にしたのか。それによって、僕は、今回の運転再開に至る判断ができたんだろうと、こう思うわけであります。
また、あわせて、五強のエリアは徒歩による点検を行ったと、十六カ所のうち震度が五強以上だったのが何カ所あったのか、あわせてご答弁いただきたいと思います。
○波多野安全管理担当部長 公共交通機関は、地震発生時には安全点検を確実かつ迅速に行い、早期に運転を再開することが求められております。平成十七年七月に発生した千葉県北西部地震の際には、都営地下鉄におきましては、短時間で運行再開できましたが、JRなど首都圏の鉄道の一部では、鉄道施設に大きな被害がなかったにもかかわらず、全線徒歩点検を行った結果、運転再開までに最大七時間程度かかってしまいました。
都営地下鉄も、それまでは、運輸指令所等五カ所に設置していた震度計のいずれかの震度が最大五強を計測した場合には、全線で徒歩点検を行うことにしておりました。この方式では運転再開までに長時間を要し、お客様への影響が大きくなることから、平成十八年度に震度計を十一カ所増設しまして、ゾーンごとのきめ細かい震度測定を行うことにより、徒歩点検が必要な区間を絞り込む現行の方式に変更したものでございます。
今回の地震の際には、この十六カ所のうち一カ所が五強ということで、徒歩点検を実施いたしました。
○長橋委員 十八年度から十一カ所増設して十六カ所になったと。いわゆる、それまでは五カ所だったのが十六カ所ということで、五カ所であれば、今答弁のあったとおり、震度五強以上があれば七時間もかかったというようなことであります。そのゾーンが、およそ十六分の一にできたわけでありますから、今回は五強が一カ所だったということで、安全点検が速やかに済んで早期の運行再開につながったと、こういうことでありますので、ぜひ当交通局も震災対策については、改めて取り組んできたということがわかったと思います。
その上で、最終的に点検をしたり、また震度計を見ながら判断をするわけでありますけれども、実際、だれが判断をするのか。これが私は大事だろうと思います。今回の帰宅困難者対策においても、さまざまな判断が混乱をしたと、情報が行き届かない、こういう中にあって、東京都の交通網というのは大変に複雑の中にあって、一番、帰宅困難者対策に当たっては重要な部分であるわけであります。そうした意味では、早期のマニュアルとともに、最終的に判断を下す、これがやはり最終的には任であろうかと思いますけれども、今回の運行再開に当たって、だれが判断をしたのか、どのような判断をしたのか、お伺いをいたします。
○波多野安全管理担当部長 運行再開につきましては、震度五弱または五強の地震の場合には、運輸指令所長が各駅を統括する駅務管理所長及び各保守部門の所長から点検報告を受けて、安全確認をした後に再開の判断をし、震度六弱以上の地震の場合には、交通局災害対策本部を設置し、本部長である局長が判断することになっております。
しかし、今回の地震では、最大震度が五強で、施設には大きな被害はなかったものの、首都圏全域の鉄道が運行を中止し、駅には帰宅困難者が集中するなどの混乱が生じておりまして、都営地下鉄単独での再開は、さらに混乱を招くおそれがありました。このため、鉄道各社と運行再開時刻を調整し、警察の協力を得て、駅構内の安全の確保に努めた上で、局長の判断によりまして運行再開を決定いたしました。
○長橋委員 本来は、震度六弱以上の場合には、交通災害対策本部が設置されて、局長が判断する。だけれども、今回は、大変大規模な災害であって、震度五弱であったけれども、局長が判断をしたと、こういうことでございます。やはり各鉄道事業者それぞれの対応が議論されたわけであります。そうした中で、こうした判断、早期の運行再開できたことは大きく評価するところでありますが、さらに、相互乗り入れもしている中にあって、また、先ほど申し上げた駅の滞留者対策等々を含めて、今後、さらに検討が必要なところも多いと、このように思うわけであります。ぜひ、安全対策と迅速な対応、これは非常に難しい判断もあろうかと思いますけれども、都民の安心・安全を守るためにも、こうした課題についても、さらに取り組んでいただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
○山内委員 三月十一日当日の都営交通の対応についてお伺いいたします。
当日、都営交通は、地震発生により一たん運行を中止、安全確保のための点検などを実施した後、運行設備が損傷した日暮里・舎人ライナーを除き、当日中に運転を再開したということを先ほどもお伺いいたしました。早期に運転を再開した都営交通の対応には、一定の評価をしております。
一方、震災発生の前から私のもとには、都営大江戸線を使って通学する子どもを持つ保護者の方々から、大江戸線は地下深くを走っているので、何かあったときに避難できるのか心配だという声が寄せられておりました。
また、当日は地震によって、日暮里・舎人ライナーのパンタグラフが破損したといいます。当日の乗客の避難誘導がどうであったのか、大いに気になるところです。
そこで、まずお伺いいたします。先ほどのご答弁にも一部ございましたが、地震発生当日、都営地下鉄や日暮里・舎人ライナーでは、利用者の避難誘導をどのように行ったのか、また、今後、検討を要するような課題は発生しなかったのか、いかがでしょうか。
○室星電車部長 繰り返しになりますが、今回の地震発生時におきまして、都営地下鉄では、緊急地震速報を受け、列車を一たん停止し、安全確認後、次の駅まで徐行いたしました。駅では係員がお客様を駅構内の安全な場所に誘導した後、広域避難場所にご案内いたしました。また、日暮里・舎人ライナーでは、駅間に停車した列車はなかったため、運輸指令からの構内放送により、お客様には駅から避難していただきました。
今回の地震では、停電や施設面での被害がなかったため、円滑に避難誘導することができ、大きな問題はなかったと考えております。
○山内委員 今回の地震では、都営地下鉄や日暮里・舎人ライナーの避難誘導は、おおむね順調にいったようで安心いたしました。しかしながら、日暮里・舎人ライナーの駅は無人であり、駅間でライナーが停止してしまったとき、乗客の避難誘導がしっかり行われるのか、不安はぬぐえません。
そこで、確認しておきたいのですが、万一、日暮里・舎人ライナーが駅間で停止し動かなくなった場合、乗客の避難誘導はどのように行われるのでしょうか。
○室星電車部長 日暮里・舎人ライナーにおきまして、今回の地震では、幸い、駅間で停車する列車はございませんでしたが、仮に、駅間に列車が停止し復旧のめどが立たない場合、各駅を巡回している係員を緊急自動車などにより現場に急行させます。
その間、お客様には落ちついて行動していただけるよう、運輸指令からの車内放送により、現在の状況と、これからの避難方法をお知らせすることにしております。
係員の現場到着後、お客様には、係員の誘導に従い、列車の前後にあります非常ドアからライナーの走行路におりていただき、徒歩で最寄りの駅に避難していただくことになります。
○山内委員 日暮里・舎人ライナーが駅間で停止し動かなくなった場合でも、避難誘導を行う体制がとられていることは確認できました。車両に閉じ込められることはとても不安であり、非常なストレスです。いざというとき、この体制がしっかり機能するようにお願いをいたします。
さて、災害発生時には、災害弱者である高齢者や障害者、子どもなどへの配慮が必要です。今回の地震当日は、運転再開を待つ方々が早くから都営地下鉄の駅に集まっていたと聞きます。
そこで、お伺いしますが、地震当日、都営地下鉄の駅では、高齢者、障害者、子どもなどへの利用者にどのような対応を行ったのかお伺いいたします。
○室星電車部長 都営地下鉄の各駅では、日ごろより、駅係員にサービス介助士の資格を取得させるなど、高齢者、障害者の方々への目配り、気配りに努めているところでございます。
今回の地震では、運行再開前から帰宅困難者が集中いたしましたが、こうした中、駅では、お年寄りなどのために、会議室のいすをコンコースに出して座っていただくなどの対応をいたしました。また、赤ちゃんをお連れのお客様には、授乳のための部屋を提供いたしました。さらに、車いすのお客様には、運行再開前に、あらかじめ車両にご乗車いただいたり、目の不自由な方には、職員がご乗車までご案内いたしました。
全体といたしまして、運行再開に向けて慌ただしい中ではございましたが、お困りのお客様はいないか、駅係員の目配りにより、できる限りの対応に努めたところでございます。
○山内委員 地震当日は、さまざまな混乱があり、駅係員は大変だと思います。そうした中、当然できる範囲内でということではあったでしょうけれども、高齢者や赤ちゃんを連れたお母さんなどにも対応してくださったということがわかりました。
ただ、外見はわからない障害を持った方々もいらっしゃいます。中途ろうあ者の方は、音声による誘導ではわかりません。視覚による情報が必要になってまいります。また、精神障害の方は、緊張したりストレスを感じ、だれに助けを求めてよいかわからなくなると聞いております。そのような場合、駅係員が情報を丁寧に、ゆっくり、きちんと提供してくれると安心できるそうです。一杯の水を飲むだけでも落ちつくということも伺っております。
現在も、駅係員にサービス介助士の資格を取得するなどしているとのことでしたが、精神障害についても、基本的知識を持ち、知っておくことで、ある程度対応ができるようになるかと思います。お客様が気軽に話しかけられるような目印になるようなものがあったり、それを障害者の方にも周知されると、サービス向上にもなると考えます。今後、当事者の方々からの声の聞き取りも検討していただきたいと思います。日ごろから、こうした方々への配慮に努めてほしいし、また、災害時にも、しっかりした対応をお願いいたします。こうした取り組みを積み重ね、ぜひ、高齢者や障害のある方々にも優しい都営交通を実現していってほしいと思っております。
次に、交通局の節電対策についてお伺いいたします。
まず、エスカレーターについてですが、現在、都営地下鉄では、節電対策の最中であってもエスカレーターを動かしています。都営地下鉄でも、委員会資料によると、五月二十四日までは停止しているエスカレーターがありました。つまり、エスカレーターについては、どう扱うかの考え方に変更があったことになります。
そこで、まず、確認のためにお伺いいたしますが、当初、節電対策のため停止していた都営地下鉄のエスカレーターをなぜ動かすこととしたのでしょうか。
○室星電車部長 ご承知のように、地震発生以降は計画停電が実施されるなど、極めて厳しい電力事情がございました。このため、都営地下鉄では、エレベーターによる移動を確保した上で、エスカレーターにつきましては、安全確保のためホーム階から改札階までは稼働させましたが、改札階から地上へは原則的に停止することといたしました。
しかし、エレベーターがない駅や、大きな病院が近くにある駅など、現場の状況によっては、改札階から地上へのエスカレーターも稼働させるなどの対応をとってまいりました。
その後、高齢者、障害者を初め多くのお客様から、運転再開のご要望が寄せられたことや、電力の需給が比較的安定してきたことから、五月二十五日以降、駅のエスカレーターの運転を再開したところでございます。
○山内委員 エスカレーターが、利用者からの要望も踏まえ、全面的に運行再開に至ったことがわかりました。最大限の節電に努めることは大切ですが、忘れてはならないのは、利用者の視点に立った配慮が必要だということです。
私は、これまでも本委員会において、利用者の視点に立った都営交通のサービス向上について質問を重ねてまいりました。節電対策を実施する際にも、利用者の声を受けたきめ細やかな対応をしてほしいと思っております。
次に伺いますが、現在、節電対策の一つとして、駅の照明を一部消灯しておりますが、駅の照明の一部消灯に対する利用者の評判はどうか、お伺いします。
○室星電車部長 都営地下鉄の各駅では、他の鉄道会社同様、節電の取り組みとして照明の一部消灯を行っております。駅の照明は、通常時の五〇%を目安に消灯しておりますが、お客様の安全確保のため、ホームの線路側の照明は、すべて点灯することとしております。
社会的に節電が求められる中、安全に配慮した当局の取り組みは、おおむね好意的に受けとめられているものと考えております。
○山内委員 五〇%減という説明でしたが、障害をお持ちの方などへの配慮が必要な場合もあると感じました。時間帯や天候にも考慮していただきたいと思います。
そこで、お伺いいたしますが、駅の照明については、障害者団体の方にきめ細かく対応していく必要がありますが、これまでどのように対応してきたのか。また、今後の対応予定があれば、あわせて教えていただきたいと思います。
○室星電車部長 駅の照明につきましては、障害者などへの配慮も必要であり、ご要望があれば、現地の状況を確認し個別に対応しております。
例えば、視覚障害者団体から、浅草線三田駅に暗くてわかりづらい出口があるとのご意見を受け、早速現地を確認し点灯した事例もございます。
その後、同様に、大江戸線春日駅の構内通路や、新宿西口駅の出口などの照明を点灯してほしいとの要望をいただき、現地を確認し速やかに対応したところでございます。
今後も、出入り口や階段、乗りかえ駅の案内など、安全な通行の観点から、きめ細かな対応に努めてまいります。
○山内委員 当事者の要望や意見を受け対応しているとのことでしたが、今後も、きめ細やかな対応をよろしくお願いいたします。
交通局の震災対応についてお伺いいたします。
今回の震災において、子どもを無事に避難させることができた保育所の避難訓練の話を聞きました。そこでは、災害が時間を選ばず発生するものであるから、昼だけでなく朝や夕方など、いろいろな時間帯に訓練を行っているとのことでした。この事例のように、都営交通においても、いざ災害が発生したときに生かせるような訓練を行っていく必要があります。例えば、訓練参加者の構成はどうなっているのでしょうか。行政関係者だけに限られていないのでしょうか。
そこで、最後にお伺いいたします。都営交通でも各種訓練を実施しておりますが、今後、訓練に住民の方々を参加させる予定はあるのでしょうか。
○波多野安全管理担当部長 交通局では、地下鉄の列車脱線を想定したお客様の避難誘導、救出救護、施設復旧等を内容とする異常時総合訓練及び火災等の発生時に駅構内のお客様を地上へ誘導する避難誘導訓練等を毎年実施するとともに、東京都総合防災訓練や駅前滞留者対策訓練にも参加し、災害への対応力の向上に努めております。
こうした訓練への地域住民の方々の参加ですが、これまで、東京都総合防災訓練等において、都営バス車両を使用した避難者移送訓練や駅での救出救助訓練に、地域の住民や生徒が参加した例がございます。訓練に地域の方々が参加することは、当局の取り組みへの理解が深まり、震災時の避難方法等を事前に体験することができるなど、有意義なことと考えております。
今後、警察、消防等とも連携し、地域の方々にも参加していただき、より効果的な訓練を実施することにより、震災時におけるお客様の安全確保に一層努めてまいります。
○山内委員 今後も、地域や関係機関との連携のもと、効果的な訓練を行ってほしいと思います。時間帯や季節、また、停電や施設面の被害が出た場合や、総合的な対応、各駅の対応等、さまざまな想定が必要だと思います。災害発生時には、お客様の安全をしっかり守れる体制を今後もつくっていってほしい、このことを要望して質問を終わります。
○田中委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で交通局関係を終わります。
○田中委員長 これより水道局関係に入ります。
付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第百十三号議案及び報告事項、東日本大震災への対応についてを一括して議題といたします。
本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○馬場委員 先日の公営企業委員会で、水道局から、東日本大震災への対応についての報告をいただきました。詳細なご説明だったと受けとめております。一番の水道施設の被害状況、また、二番の計画停電について等の対応、大変な中、ご尽力をいただいているというふうに思って、まず御礼を申し上げます。
実は、三番目に当たりますが、放射能対応についてということについて、本日は、このことに特化して質問をさせていただきたいというふうに思います。
三月十一日に東北の大震災がありまして、翌日、福島の原子力発電所の一号機の爆発から現在まで、放射能の汚染の問題、これは連日、私たちの最大、今、関心のあることでございます。都民としても、私どもの電力を福島で大変お世話になっている、これがなければというような、そんな話も聞こえてくるような状況ですが、水道局、東京の都民の水、命の水を守るという意味では、大変な立場に立たれているというふうに思いますが、そうした放射能の汚染の状況をどんなふうに対応をされてきたか。また、今後、どういうふうに考えていらっしゃるかというようなことについて伺っていきたいと思います。
まず、この報告書に、水道水の一番最初に、三月二十一日から放射性沃素を極力低減するために粉末活性炭の注入を強化したというふうに書かれております。なぜ、粉末活性炭の注入を三月二十一日から強化なさったのか、まず、そこからお伺いしてまいります。
○吉田浄水部長 三月十一日の東北地方太平洋沖地震及びそれに伴います津波により、東京電力福島第一原子力発電所が被災し放射性物質が漏えいいたしました。その後、三月二十一日に、初めてまとまった降雨があり、大気中の放射性物質が雨水とともに降下し、河川に流入する可能性が懸念されましたので、浄水場におきまして粉末活性炭処理を強化したものでございます。
○馬場委員 このときにできる方法として対応されたというふうに私も思わざるを得ないのですが、実は、翌日からでしょうか、金町の浄水場において浄水から高度の放射性沃素が検出されました。今のお話で、二十一日に活性炭を入れたにもかかわらずと申していいかどうか、そのすぐのすぐということにいかないでしょうが、状況的には翌日の二十二、二十三と高度の沃素が検出をされました。そして、二十三日には記者会見で、乳児による摂取制限のお願いというのが広報されました。そして、その翌日二十四日には、摂取制限が解除されたわけですが、まず、その辺の理由、状況について伺います。
○吉田浄水部長 当局には、放射性物質を個別に検査する機器がない中、研究機関の協力を得まして、急遽三月二十二日より、金町、朝霞、小作浄水場の浄水の放射性物質を測定開始いたしました。
この結果、二十二日に採取いたしました金町浄水場の浄水で、国が定めた乳児の飲用に関する暫定的な指標値、水一キログラム当たり百ベクレルを超える放射性沃素が検出されました。このため、国の通知に基づき、速やかに乳児による水道水の摂取を控えていただくよう、お願いの広報を実施したものでございます。
また、摂取制限の解除につきましては、三月二十二日の値が水一キログラム当たり二百十ベクレル、翌二十三日が百九十ベクレル、二十四日が七十九ベクレルと減少傾向にあり、かつ、指標値を下回る検査結果になったことを勘案し、摂取制限のお願いを二十四日に解除いたしたものでございます。
○馬場委員 この水質については、私も今回、質問をさせていただくに当たり、少し水道法もあるということで調べたりしました。つまり、水道法には水質基準というのは、この放射性に関するものに水質基準がないという−−ないというか表記がされていないということで、文言で書いてあるのは、水質基準四条のところでは有毒物質を含まないことというふうに書いてあるんですが、放射能汚染は、今風にいう想定外というのでしょうか、水質基準にはないという、そういう状況の中で、急ぎこの検査が行われたと。
そして、予想どおり二十二日、二十三日というふうに高濃度の汚染が、沃素が出て、そして、乳児の摂取制限、つまり、私もなんですが、結構長く生きていても、今まで水道水の摂取、年齢とかなんか条件によって摂取制限というようなことは初めての経験だったように思います。それが放射能ということで、今回は国からですが、乳児については、だめということではないのですが、ほかに水がなければ飲んでも構わないという注釈もついていましたが、乳児についてということでの広報について、ある意味パニック的な現象が起こり、東京からペットボトルの水がなくなってしまうような、そして、全国から東京に水を宅配で送ってくるというふうな、そんな状況が起きました。
こういう状況なんですが、今現在は下がっている。この二十二、二十三以降は、だんだん数値が下がっているということですが、東京水とかあるのではないかと私自身思ったんですね。東京の水。それで東京水というペットボトルとかだめなんでしょうか。使えなかったんでしょうかというふうにお尋ねしたら、高度浄水なだけで、別に放射能対策をしてあるわけではないので、使えないというふうな、たしかそんなようなご説明を、その当時受けたというふうに思っています。だったら、今でもまだ放射能の汚染が心配、空気、水、特に取水のところで心配なわけですが、この放射能対策としてどうすればいいんだというのが、実はどうもないのではないかというふうに受けとめざるを得ないのです。
今回の補正では、放射能、唯一の、沃素に対応するということで、粉末活性炭処理ということで、今回の補正に入っている十七億でしょうか、入っているというふうに思います。これはどういうふうに考えてこの補正を立てられたのか伺います。
○吉田浄水部長 今回の補正予算に計上させていただきましたのは、万一、三月と同様な状況が発生した場合にも、十分に放射性沃素を除去するため、粉末活性炭処理を強化できるように、これまでの注入実績などをもとに、必要な経費として約十七億円を計上させていただいたものでございます。
○馬場委員 そうなんですね。ホームページ等でも、毎日の検査結果、最近は載せていただいておりまして、不検出が続いております。しかし、今の原発の状況では、まだ、いつ起こるかわからない。この活性炭を本当に効果的に使って、どこまでこれが放射能対策として実効性があるのかというようなことを知りたいと思って、どのくらい効果あるのですか、活性炭は沃素対策では五〇%ぐらいですねというふうな話でした。ほかのセシウム等の処理については、今のところ対応策がないということです。
この原子力発電所の事故等で今のような状況になっているわけですが、今のところは、何とか不摘出ということになっているわけですが、水道の水、東京の水道水というものの、都民に対して、乳児も含めての安心確保というのが、またさらに必要だというふうに思っているところです。
この水道水、水をつくると同時に、実はもう一つ問題があるというふうに報告書から拝見をしました。浄水をすると、その浄水によって発生土が生じてくる。その発生土、これも水がもちろん汚染されていたわけですから、浄化も沃素については、活性炭で五〇%ぐらいは何とかできる、また沃素については八日ぐらいで消えるということも含めて、問題はセシウムですね。この浄水場の発生土というのがどういう状況で取り扱われて、今現在どうなっているかということがやはり問題ではないかというふうにこの報告書から読み取れました。
発生土については、有効利用は停止中というふうに書かれております。発生土が有効利用されているということも含めて、ホームページで出していますからということで、私もホームページを拝見しました。そうしましたら、浄水場発生土の有効利用というページがありまして、その下に括弧して、現在、浄水場発生土の有効利用は停止していますというのが一行書かれております。しかし、その後、いろいろ発生土の説明とか、どういうふうに有効利用されているのかというようなことは、その後ずっと書かれているわけですが、この利用方法も、園芸用土、グランド材とかセメントにしている、あと一八%については埋立処分しているというふうな報告がありました。
しかしながら、この発生土の有効利用は停止していますというのが、どういう理由で、なぜ停止されているのかということについて、いつからということも含めて、いつまでかももちろんですが、書かれておりません。この理由の記載がないホームページ、浄水場発生土の有効利用というところについて、今まで有効利用をされていた業者さん、この相手先の皆さんにはどんな説明があったのか、教えてください。
○吉田浄水部長 浄水場の発生土につきましては、現在おおむね二週間に一度、放射性物質の測定をしてございます。その結果につきましては、測定結果が出次第、当局のホームページに掲載しているところでございます。また、発生土の運搬等に携わる業者につきましても、そのような情報につきましては、随時提供しているところでございます。
○馬場委員 そうすると、発生土を使って、利用している方は、この状況はよくご存じというふうに思ってよろしいでしょうか。
それから、この放射能の測定については、三月二十八日、金町浄水場で検査をしておられます。先ほどの話のように、水と違って発生土は二週間に一度ぐらいまとめて処理をしていくというふうな流れでずっときていると伺っていますので、この三月二十八日に、それでは、今まで多分その発生土を検査するということはなかったというふうに思います。その前の資料もありませんので、この三月二十八日に、そもそもその放射能測定をしたと、発生土に対して検査をし、そして、それをどういうふうに公表したのか伺います。
○吉田浄水部長 先ほどご説明申し上げましたように、金町浄水場の浄水におきまして、放射性沃素の出た三月二十二日の浄水処理に伴いまして、その際、浄水処理に伴い出た沈殿物が、濃縮、脱水などの工程を経て、浄水場の発生土となるのがおおむね三月二十八日ということで、三月二十八日の発生土を採取し、検査を行ったものでございます。検査結果については、先ほど申し上げましたように、ホームページで公表しているという状態でございます。
○馬場委員 発生土のところでしたか、いただいていて、正式には二十八日の検査は、四月十九日にわかって、五月十三日に公表しているということでよろしいですね。では金町の浄水場発生土の放射性セシウムの測定の結果はどんなだったのでしょうか。
○吉田浄水部長 三月二十八日の発生土一キログラム当たりの放射性セシウムでございますが、一万四千六百五十ベクレル、また、約二週間後の四月十四日のものが五千四百三十ベクレル、四月二十七日が六千五百七十ベクレル、五月十七日が四千百ベクレル、六月一日が七千四百ベクレル、直近のデータでございますが、六月十五日が二千二百ベクレルであり、増減はございますが、当初に比べまして減少傾向となっている状況にございます。
○馬場委員 二週間というサイクルで考えますと、三月二十八日のその発生土は、前回から二週間さかのぼると三月十四日ぐらいになります。つまり、原発の事故が起きてからの二週間ということで、先ほどからの水道水の方の二十二、二十三の検査結果、その後のセシウムについては、沃素じゃないですよね、発生土の方はセシウムなのです。セシウムそのものは、先ほどの水道水の方ではそう出てこないのだけれども、やはりその発生土については、土の中で、どうしても、何というのでしょうか、中に含まれていたものが発生土の中の放射能の数値として出てきている。つまり三月二十八日は、多分局として、もうそういう発生土が汚染されているという予測はされていたから検査をなさったのだというふうに私は受けとめております。この金町だけですが、ほかの浄水場も全部検査しているんですよね。その発生土への影響を、この二十八日時点で認識がおありでしたか。
○吉田浄水部長 金町浄水場におきまして、水道水の方に放射性沃素が出たということで、いわゆる原子力発電所の事故の影響が出たのが、水道水の方では三月二十二日ということで、これを浄水処理することによって、発生土の方に放射性物質が移行していくだろうということを勘案しまして、三月二十八日の発生土を採取し、放射性物質の測定を行ったという認識でございます。
○馬場委員 それで二十八日に検査はしたけれども、その数値は四月十九日でなければわかりませんでした。しかし、先ほどの発生土の有効利用については、四月十四日に停止をしていらっしゃいます。で、この時点でどういうご説明があったか、どういうふうな、どこまでの認識があってとめられたのかというところが、この前後のところが今問題になるところなんですが、現在伺ったところでは、国基準で八千ベクレル以下であれば、すべて今は新海面処分場に、そこで処分をしているというふうに伺っております。
しかしながら、先ほどのホームページ、有効利用のホームページのところでは、なぜかその説明のところで、四月八日現在のストックが書いてあり、それぞれの浄水場のストック量が書いてあり、その後どういうふうにしているかということについては一切触れられておりません。その関係者についてわかっているということについても、この辺のところで心配が実はございます。なぜなら、二十八日に発生をしている、できているこの発生土、これが十四日に停止をするまで、実は、有効利用をされていたのではないかと思わざるを得ません。
それで、この有効利用停止をする前に、放射性物質を含んだ浄水場発生土が有効利用をされていたその量、それからそのことに対する安全性の認識について伺います。
○吉田浄水部長 平成二十三年六月十六日に、厚生労働省より示されました放射性物質が検出された浄水発生土の当面の取り扱いに関する考え方についてで、初めて園芸用土の製品については、当面、製品の出荷を自粛することが適切とされたところでありますが、当局では、自主的に四月十四日から有効利用を停止しているところでございます。
また、金町浄水場の浄水において、先ほどご説明しましたように、三月二十二日の浄水処理に伴う沈殿物が、濃縮、脱水などの行程を経て、浄水発生土となったことを考えられます三月二十八日以降、有効利用を停止しました四月十四日までの間に搬出した量は五百十トンでございますが、このうち、約三百七十トンが浄水場内の発生土置き場に、放射能の影響を受ける前の発生土が残っておりましたので、その部分でございまして、お尋ねの三月二十八日以降発生したものにつきましては、約百四十トンに限られてございます。さらに、浄水発生土につきましては、園芸用土の原材料の一部として、製品に一〇%程度配合されるにとどまってございます。このことから問題はないというふうに考えているところでございます。
○馬場委員 三月二十八日に汚染の心配を、心配から自主的に検査に回された、ここまでは私もすばらしいというふうに思います。
しかしながら、そうわかっている放射能汚染の可能性があるものを、なぜ、たとえ百四十トンにしても、今おっしゃられた、有効利用した総量は五百十で、三百七十トンは放射能の影響のないというふうにおっしゃいますが、この写真等を見ても、まだ私現地に行っていないのではっきり申し上げられませんが、下から順番に落ちてきて、積み重なってくるその発生土の状況を見ても、こういう状況の中で、放射能の影響がない浄水土だというふうに、きちんと、どこで証明できるのかというような、何か私にとっては、上から汚染されたものがどんどん、下の土が、先にできていた土がたとえきれいだとしても、上から放射能の汚染された発生土が落ちてくれば、それはまぜこぜになってしまいます。
さっき申し上げたように、三月十四日から二十八日までの間の発生土ですから、そのうちの三百七十トンが放射能の影響のないものだといい切れるかどうかということ。それからもう一つは、今ご答弁いただいたように、百四十トンは有効利用に回されている。さらにそれを、局とすると、その先ですよね、渡した先の業者が、原材料の一部として製品に一〇%程度の配合だから、だから問題はないというふうなことを局としていい切っていいのでしょうか。もう自分の手から離れたもの、そこの安全性、たとえ百四十トンにしても、どういう形で、影響のあったものと、これは放射能が入っているかもしれない百四十トンですよなんていう話で、有効利用するわけはないじゃないですか。一トン百円にしても、お金をいただいて、そしてその先、これが園芸土に使われていくということがわかっているのに、わかっているのに、なぜたとえ百四十トンでも、有効利用に回したのかというところが、今回、本当に残念でなりません。しかしながら起こってしまう、そういうことなんだと、もう本当に残念です。
一つは、局が、だから、その安全を保証できるというためには、できた製品なり売った先、会社がどういうふうな製品をつくって、今どうなっているのかを追跡調査し、さらに必要であれば、その業者ときちんと話し合いをして、回収が必要なら回収する、その汚染がどういうことになっているのか調査する、百四十トンがどうなったかということを、最後まで責任を持つのが発生土を売った方の責任ではないのでしょうか。
私は、なぜ申し上げるかというと、自分のことなんですが、きょう、はたと思いましたが、実はこの夏、エコでやろうと思って、ゴーヤを二十本、キュウリを二株、トマトを四株、ナスを二株と、実は発生土とともに、五月の連休に買いました。そして、キュウリはもう五本目を今食べるところなのですが、ナスも三つ食べました。ゴーヤは今十個ぐらいなっています。これから楽しみにしているところですが、その園芸土を私はもちろんすべて、そんなことは思ってもみませんから、もちろん買ったものを安心と思って手でいじりましたし、今なって、せっかくなってきたものを、もういただいております。
そこで、安全性というのはどうするのですか。私がそれをわかった上で、きょうできたキュウリをおいしく食べられますか。つまり、その安全性という、それだけ、この水道の事業の発生土にしても、それは、これから下水とか自然のさまざまな問題になっていくと思いますが、この問題がないというふうにいい切る前に、きちんとした調査とその事業者、百四十トンを売った先とのしっかりした協議がなければならないというふうに考えますが、その点についていかがでしょうか。
○吉田浄水部長 三月二十八日以降、有効利用した数につきましては、先ほどご答弁差し上げましたとおり五百十トン、うち三百七十トンは、これは、先ほどのご答弁でも申し上げましたけれども、泥に影響が出始めましたのは、三月二十二日の放射性沃素が急激に上がった、そのときにセシウムも上がったというふうに考えられますが、これが発生土として出てきた三月二十八日でございますので、三月二十八日以降、十四日ということはなしに、三月二十八日以降のものが影響のおそれがある発生土というふうに考えてございます。これは、トータル五百十トン搬出した中の三百七十トンは二十七日以前のものでございますので、残り百四十トンが三月二十八日以降のものということでいきますので、全体五百十トンに対して約二七%、実際持ち出すときには、こういう大きなローダーですくい上げてトラックに入れるという形になりますので、基本的にはもう混合してしまう、以前のものと混合してしまうという状態にございます。これがさらに先ほどご説明しましたように、園芸用土の製造者の方に確認しますと、最大でも一〇%しか入れられないということで聞いておりますので、最大一〇%ということにした場合、先ほどの二七%と一〇%ということになりますので、おおむねでき上がった園芸土の三%弱ということになります。
仮に、一番、濃度、放射性セシウムの高かった、先ほどご答弁申し上げました三月二十八日の状態でございますと、一万四千六百五十ベクレルということになりますので、二・七%、約三%を掛けますと、園芸土としまして一キログラム当たり約四百ベクレルぐらいになるだろうというふうに試算しております。この四百ベクレルというのがどういうものかということになるわけですけれども、例えば、食品の放射性セシウムの摂取制限に関する指標、これが今国から出ておりますが、野菜とか肉とか、食べるもので一キログラム当たり五百ベクレルというものが出ておりますので、これと例えば比較した場合、要するに食べるわけではございませんけれども、問題のない園芸土というふうに判断しているところでございます。
○馬場委員 数字的ではそういうことになるかもしれませんが、今、ちまたではというか、園芸土の中から放射線が出ているというような、注意というような、そういうお話もあります。でも、現実に、その百四十トン、これが別々で行ったのじゃなくて、結局まぜこぜになってしまったということについて、だから先ほどから申し上げているように残念でなりませんが、せっかくとめようと思ったら、とめられるところだったのに、それをまぜてしまったと。そして、今現在はそういうことはありませんと、なぜなら、全量出た発生土はすべて八千ベクレル以下、検査して以下なら処分場に行っていますということなので、そういう心配はないのですが、それはそれで、また、今まで出てしまったものについて、どう責任をとっていくかということについては問題ありませんという局のご答弁では、やはり済まないのではないかというふうに思っております。
最後に、今回のこの放射能の汚染の問題については、やはり今までになかったもの、水道法の中にもありませんし、地域防災計画の中にも具体的なものは書かれていない、そんな中で、でも、東京の水、つまりだれもが安心して飲めなければいけない、飲むだけじゃなくて、それがプールなり、おふろなり、生活用水といっても、身近なものも含まれています。そういう中で、私たちは、東京の水をしっかり守っていきたいと思っているところです。
水道の皆さんの、局の皆さんの、局長にぜひとも、今後の対応について、今までの認識の上に立った決意としてお伺いをしたいというふうに思っています。その水質基準の見直し、これからの対応、それから今の水道の、東京の水道が置かれている状況を含めて、その配水をしていく信頼、こうしたものを含めて、しっかり都民の皆さんに信頼いただけるためにも、ぜひとも国へのいろいろな基準の申し入れ等も、もちろん必要だというふうに思っていますが、そのための資料、なぜこういうことが起きたかということのきちんとした報告書を、都の総務局なり、防災の対応をするのが総務局だとおっしゃるのであれば、総務局に、今回のさまざまなことの起こったことの報告、それから国に対してのそうした要望とかをしっかりとやっていただきたいというふうにも、局にお願いをせざるを得ないと思っております。その意味で、局長のご決意等伺いたいのですが、いかがでしょうか、
○吉田浄水部長 今回の放射能対策では、安全な水道水の確保のため、浄水処理を強化するとともに、水質管理に万全を期してまいりました。また、先ほど来ご指摘ありました浄水処理に伴います浄水発生土につきましても、適切に取り組んできたところでございます。また、こうした取り組みの中で得られましたデータにつきましても、広く都民の方々に迅速にお知らせするなどの取り組みにも力を尽くしてきたところでございます。
今後とも、適宜適切に対策を講じまして、都民の皆様に安心して水道をご利用いただけるよう、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○鈴木(章)委員 初めに、このたびの震災により、本当に、広範にわたり水道施設に甚大な被害が出たわけですけれども、今でも給水車に頼らざるを得ない生活をされている方がいらっしゃいます。また不便性だけでなく、人命にかかわる医療活動や産業活動に対しても大変な影響が生じておりまして、今回ほど、ライフラインとしての水道事業の重要性というものを私たちは改めて痛感したわけであるというふうに思っております。
そうした中で、当水道局の皆様は、本当に日ごろより、こうした重要な水道事業を守るため、懸命な努力を続けており、私はこの場をおかりいたしまして、改めて皆様のご努力に敬意と感謝を表する次第でございます。
今回、質問の中で、この被災地支援だけでなく、その後の放射能災害や節電対策にも大変ご苦労をされてきたわけであり、本日は、これまで経験したこともない被害をもたらした東日本大震災への水道局の対応について、特に、東京電力福島第一原子力発電所事故に起因した放射性物質への対応や停電節電対策等についてお伺いをしていきます。
まず、その前に、本年三月二日の公営企業委員会において、震災時における復旧活動には、水道局と地域に密着した業者との連携が必要であるということを指摘させていただきました。私も驚きましたけれども、委員会で指摘した直後の三月十一日に、東日本大震災が発生し、地震や津波により、水道も二百万件を超える断水被害に見舞われたわけであります。こうした中、水道局職員及び業者による迅速かつ懸命な復旧支援活動が行われ、被災地から大変感謝されたと聞いております。
そこで、今回震災における被災地復旧支援活動にかかわる業者との連携状況がどのようであったのかを、まずお伺いさせていただきます。
○酒井給水部長 被災都市への復旧支援につきましては、仙台市などからの支援要請に基づき、水道工事請負業者と連携して、いち早く支援体制を整え、被災地へ派遣し、現地において迅速な復旧活動を行ってまいりました。これは、水道工事請負業者などとの復旧支援に関する協定締結や過去の兵庫県南部地震、新潟県中越沖地震などの経験を踏まえたノウハウをもとに支援体制の構築を図ってきたこと。さらに、日ごろから局職員と請負者が連携して、水道管路の漏水修理など、突発事故対応や維持補修工事を実施することで、より実践的な技術の蓄積を行ってきたことによるものと考えております。
今後も、これらの取り組みを継続し、水道工事請負業者などとの連携を深め、東京における発災時にも迅速な復旧体制の確保に努めてまいります。
○鈴木(章)委員 今のご答弁にもありましたように、水道局の職員の方々と豊富な経験を持つ業者がスクラムを組んで、日ごろから水道管路の漏水修理など、緊急事故対応を通じて復旧対応能力を確保していることには、私は大変心強く思っております。今後も、ぜひとも震災時の管路復旧に備え、しっかり業者と連携をして、迅速な復旧体制の確保に取り組んでいただきたいと思います。
さて、今回の震災の影響は、東京にも及び、これまで経験したことのない放射能問題や電力不足に見舞われたわけであります。
まず放射能についてであります。水道局は、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質拡散の影響を把握するため、放射性物質を個別に検査する機器がない中、都の関係研究機関と連携することで、水系別に、金町、朝霞、小作の各浄水場の水道水の検査を実施し、公表に努めました。そうした中、一時、金町浄水場の浄水から、乳児の飲用に関する暫定的な指標値を超える放射性沃素が検出されたわけであります。
このような形で、都の水道水にまで影響が及ぶなど、だれも想定しなかったことであります。このため都民は、大変な不安を抱き、売り場からペットボトルがなくなるとともに、乳児を持つ多くの方々より問い合わせが寄せられました。
私の住む大田区においても、保育所や幼稚園などに、水道水を飲用しないよう指示が出され、その影響がさまざまな方面にあらわれ、区民の放射能への不安をあおられたわけであります。
そこで、測定結果の公表は、まず迅速性が求められたと思いますが、公表に対してどのように留意されたのか、お伺いをさせていただきます。
○吉田浄水部長 平成二十三年三月二十一日付で、厚生労働省は、水道水の放射性沃素が水一キログラム当たり百ベクレルを超える場合には、乳児による水道水の摂取を控えることを、水道事業者が広報するよう通知してまいりました。
こうした中、江戸川水系の金町浄水場の浄水で放射性沃素が水一キログラム当たり二百十ベクレル検出されました。放射性物質が検出されたのは初めてであり、この時点で、その後の放射性沃素濃度の傾向を予測することができなかったため、安全側に立ち、江戸川水系の浄水場の浄水の割合にかかわらず、配水されます区域全体を対象に、乳児による水道水の摂取を控えるよう広報を実施したものでございます。
○鈴木(章)委員 今ご答弁ありましたように、当時の状況を考えますと、できる限りの対応であったことは私たちも理解しております。しかし、公表後の影響を考えますと、もう少し緻密な情報提供が必要であったとも感じております。放射能対策は初めてでありましても、テロ対策としての私は備えがあったものと思っております。
こうした中、我が党は、放射性物質の迅速かつ正確な状況把握及び情報提供等を行うよう、都に対して緊急要望を行いました。そして水道局では、これらの浄水場の検査を毎日実施し、結果を即日公表するようになったわけであります。
さらに、東村山浄水場についても、検査対象に加えるなど、検査及び情報提供の充実を図ってきたことは評価に値すると思っております。都民に対するこのような迅速な情報提供は必要不可決でありますが、一方で、都民は、さらなる情報の提供を求めており、他の浄水場の検査もできないかという声も寄せられております。こうした声にこたえることが都民の安心につながるものと考えております。
そこで、今後の放射性物質の検査体制及び内容についてお伺いをさせていただきます。
○吉田浄水部長 現在、地方独立行政法人東京都立産業技術センター及び公立大学法人首都大学東京と連携いたしまして、水系別の四つの浄水場の浄水及び原水を毎日検査することで、水道水全体の状況を把握し、またその検査結果を即日公表しているところでございます。今後は、検査体制を強化するため、分析機器を七月中に導入し、測定対象浄水場を、他の浄水場や多摩地区の地下水などを水源とする浄水場まで拡大する予定でございます。
○鈴木(章)委員 ぜひとも早期に検査体制を充実して、さらにきめ細やかな対応を進めるよう願っております。テロも含めた災害というのは、今後いつ起きるかわからないことを踏まえ、ぜひとも今回のことは大切な教訓としていただきますよう強く要望いたしておきます。
さて、六月十六日に、国から放射性物質が検出された浄水発生土の当面の取り扱いに関する考え方が示されたわけであります。浄水発生土は、その処分が滞れば、浄水場で水道水をつくることに大きな支障が出るわけであります。これまで、浄水発生土は、新海面処分場へ運搬、処分しているわけでありますが、この浄水発生土の状況を適切に把握し、管理することが重要であります。
そこで、今回、国が示した考え方も踏まえ、どのように浄水発生土を取り扱っていくのか、お伺いをいたします。
○吉田浄水部長 これまで四浄水場の浄水場発生土につきまして、おおむね二週間に一回、放射能を測定し、公表してまいりました。数値は時期などによりまして増減はあるものの、全体的には当初に比べ減少傾向にあり、直近の測定における最高値でございますが、浄水発生土一キログラム当たり放射性セシウムで二千三百ベクレルとなってございます。
また、お尋ねの六月十六日に国が発表いたしました、放射性物質が検出された浄水発生土の当面の取り扱いに関する考え方には、浄水発生土の処理、輸送、保管、処分などにつきまして、当面の取り扱いがまとめられております。この考え方では、浄水発生土一キログラム当たり放射性セシウムが八千ベクレル以下のものにつきましては、一定の条件のもとで埋立処分可能とされており、引き続き新海面処分場へ運搬処分することとしております。今後とも、国から示されたこの考え方を踏まえまして、浄水発生土の管理に万全を尽くしてまいります。
○鈴木(章)委員 とりあえず水道局が処分等を適正に行っていることは理解いたしました。引き続き、浄水発生土の管理に万全を期していただきますよう、よろしくお願いいたします。
次に、電力不足対策関係についてお伺いいたします。
今回の震災に伴い実施された計画停電では、計画停電の実施が公表されてからの準備期間が短く、その対応は非常に大変だったと伺っております。また、水道施設も対象とされたため、都内の一部地域で断水や濁水が発生し、都民生活に大きな影響をもたらしました。このことから先日、我が党の山崎議員は、一般質問において、震災時における停電対策について質問したところ、これに対し、水道局は、自家用発電設備の新設や増設など、前倒しで実施していくと答弁しており、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと改めて要望させていただきます。
そもそも、ライフラインとしての水道事業の重要性は、今さら申し上げるまでもないことで、節電大臣まで新設しながら、そうした優先順位に配慮することもなく、何も考えずに、地域区分だけの計画停電は、まさに無計画停電であったと糾弾せざるを得ないわけであったわけです。その上、当初節電担当大臣が、政令により、電力使用規制を事務所にかけることができることを知らなかったことは、こうしたことこそ、まさに仕分けするべきであり、今回の震災後の二次災害が人災として拡大していった象徴的な事例であると私は思っております。
ことしの夏も、東京電力管内においては、引き続き電力不足が懸念されており、今後は、電力使用制限を行う予定であると聞いておりますが、国が今夏に実施する電力使用制限の内容は、一体どのようなものか、改めてお伺いをいたします。
○吉田設備担当部長 国が、ことしの夏に実施する電力使用制限は、電気事業法の二十七条に基づき、契約電力が五百キロワット以上の施設が対象になり、当局では浄水所や給水所など四十六施設が該当しております。
東京電力管内における電力使用制限の期間は、七月一日から九月二十二日までの平日の朝九時から夜八時までであり、この日、制限期間における使用最大電力を、昨年の同時期の使用最大電力より一五%の削減を実施するものでございます。ただし、水道施設は、生命、身体の安全確保に不可欠な事業設備として位置づけられ、削減率が五%に緩和されました。
なお、故意による使用制限違反に対しては百万円以下の罰金の対象となっております。
○鈴木(章)委員 使用制限が緩和されたとはいえ、そもそも、先ほど申し上げましたように、ライフラインである水道は、住民生活や首都機能、さらには人命にかかわる医療活動や産業活動等を支えるものであり、電力使用抑制の対象とされるべきではないと私は考えております。
これまでも都水道局は、節電対策を積極的に私は行っているというふうに思っておりますし、こうした状況こそ、現場の民主党の先生方にも、ぜひ国にいっていただきたいと私は思うわけであります。
しかしながら、要求するだけでなく、一方で、水道局は、都内の電力使用の一%に相当する量を使用しているわけでありますので、電力抑制への努力も必要であることはいうまでもありません。
そこで、改めて、水道局は、東京電力株式会社からの電力を抑制するため、これまでどのような取り組みをし、今夏はどのような対応を行うのか、お伺いをいたします。
○吉田設備担当部長 水道局では、これまでも電力を抑制するために、インバーターによるポンプの速度制御など、省エネルギー機器の採用を初めとして、太陽光発電設備や小水力発電設備などの再生可能エネルギーの導入や、常用自家発電設備を設置するなどの取り組みを進めてまいりました。
しかし、今夏の電力使用制限への対応では、これまで以上の電力抑制が求められるとともに、都においても国を上回る節電方針が示されております。そのため、これまでの節電対策に加え、送水ポンプの運転パターンの見直しなど、使用電力のピーク時間帯における電力抑制に努めるとともに、常用自家発電設備の増強運転や非常用自家発電設備の運転を検討しております。これらの取り組みにより、安定給水を確保しつつ、最大限の電力抑制に努めてまいります。
○鈴木(章)委員 水道事業において、電力使用削減と安定給水を両立させることは容易ではありませんが、しっかりと対応していただきたいと思っております。
これまでの質疑の中で、迅速な被災地支援を行いつつ、想定外の放射性物質への対応や節電対策などを懸命に行いながら、安定給水の確保に努めてこられたことがわかりました。このような対応は、これまで積み上げてきた震災対策の成果であり、東京水道が高い技術力を有しているからこそなせるわざであるとも思っております。このような、今後も水道という重要なライフラインを支え、さらに、都民の安心・安全を確保していくためには、想定外のテロも含めた災害にも十分対応できるよう、水道全体を高いレベルで整備していく必要があるとも思っております。
最後に、将来にわたる安定給水の確保に向けて、局長の決意を伺い質問を終わります。
○尾崎水道局長 都の水道は、これまで、平常時はもとより、震災等においても、可能な限り安定給水を確保するため、施設の耐震化やネットワーク化などに取り組んでまいりました。
こうした中、今回の震災では、想定を超える大規模な地震や津波が被災地に甚大な被害をもたらしました。また、震源から遠く離れた東京の水道も、過去に経験したことのない放射性物質や計画停電などの二次的災害により、多大な被害を受けました。
現在、今回の震災で明らかになった課題を整理し、既存の震災対策を見直すため、局内検討会を設置し、早急に取り組むべき具体的な対策の検討を進めております。
一方、長期的な観点から、既に検討を行っている水道施設の再構築を考える会におきまして、渇水や気候変動等のリスクに、今回の震災の教訓を踏まえた新たなリスクを加え、幅広い視点から議論をしていただいております。
水道局では、この考える会の提言を受け、水道システム全体をより高い安全度で再構築するため、平成二十三年度中に基本構想を策定いたします。また、安定的に水道システムをされるには、職員の技術力の維持向上が不可欠であります。これまで水道局が蓄積してきた技術、ノウハウや、今回の震災の経験を確実に継承し、より高い技術力、対応力を身につけた人材を育成してまいります。今後とも、安定給水の確保に全力で取り組み、首都東京の都民生活や都市活動を支えてまいります。
○田中委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時八分休憩
午後三時二十六分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○長橋委員 それでは、私からも質疑をさせていただきます。
まず初めに、被災地支援についてでございます。
東日本大震災への対応についてということで、被災地、被災者の支援ということで報告がございました。その中に、仙台市への支援、また、いわき市の支援等々が記載をされているわけでありますが、見ますと、仙台市の支援は、発災直後の三月十二日から派遣をしたというふうに記載されておりまして、職員は延べ三十九名、車両は延べ十二台、こういうことで、直ちに、被災地に、仙台に向かったというふうになっているわけでございます。
そういう中で、特に、この応急給水、給水作業のために被災地に行ったわけであろうかと思いますけれども、私は、かねてから、他自治体との相互訓練の中で、いざというときに、そうした訓練を生かすべきだと、新潟中越地震のときにも水道局は、現地へ赴いて復旧に努めたわけでありますけれども、そうしたことを申し上げたことがこの委員会でもございます。この委員会というよりは、前の決算委員会ですかね。
また、そうしたときに、それぞれ、ほかの自治体の備蓄についても聞いたことはあります。いざ復旧に向かっても、現地での、機材、資材これが合わなければしようがないということがございますし、そのためには、事前に情報連絡をとって、連携をとって、現地に行ったら、その資材が使いものにならないというのではしようがないわけでございますので、そうしたことも申し上げましたところ、そのときには、今後そうしたことについてもきちんと検討していきますと、こういうことがありました。その成果を生かすという意味ではございませんけれども、そうしたこともしっかりと踏まえた上で、仙台市に向かったんだろうと思いますけれども、まず、そういったことも含めた仙台市への支援に向けて、これまでの成果、どうだったのか伺います。
○坂内総務部長 仙台市とは、十八大都市水道局相互応援協定に基づき、三月十一日午後の発災直後から連絡をとり合いまして、翌十二日午前二時には、応援活動の第一陣として、水道緊急隊を出動させました。水道緊急隊は、仙台市で、病院や避難所などへ給水車による応急活動を精力的に行っております。また、十八日からは、局職員と工事請負業者から成る応急復旧のための応援隊を派遣しております。
応急復旧隊は、仙台市と連携して、水道管被害箇所の復旧を行ったほか、住民の方約二千世帯が住んでおられる青葉区錦ヶ丘地区一帯につきましては、仙台市からの依頼を受け、東京都単独で漏水調査、通水活動などを行っております。これは、これまでの訓練などを通じて培われた仙台水道局との信頼関係の結果であるというふうに考えてございます。
○長橋委員 今までも、被災地支援ということで、訓練の成果が、今いわれたとおりでございますけれども、特に私は、あの答弁を聞いて、仙台市から任されて、単独で任されて、この青葉区錦ヶ丘地区一帯の復旧活動といいますか、応急給水を任された。やはりそれには、相当な、仙台市とのそれまでの訓練の成果があった結果ゆえ、単独で任されたんだろうと、こういうふうに思うわけでございます。
また、水道緊急隊を派遣したということでございますけれども、たしか水道緊急隊は、平成二十年の四月に発足をして、今までもやってきたわけでありますが、この緊急隊というふうな名前があるとおり、十二日の午前二時には現地に向かったということでありますから、東京都の中でも、どこよりも早い被災地へ向けてのスタートだったのではないのかなと、このように思うわけでありますが、その上で、今回、大変な大規模な未曾有の大震災でございました。そうした中で、行くまでも大変なご苦労もあっただろうと思います。
私は五月に行きましたけれども、そのときでさえ、車の通行は大変に、ナビで行ったのですけれども、ナビは通用しなかった、こういう状況であったわけでありますが、翌日の午前二時といえば、さらにさらにそうした現地にたどり着くまでのご苦労もあったんだろうと思います。そういう中で、応急給水活動を行ったわけでありますけれども、今回の大震災で、仙台市での活動を行った上で、そこでも改めて課題になったことはあろうかと思うんですけれども、そこで明らかになった課題は何でしょうか、お尋ねします。
○坂内総務部長 仙台市では、先ほど答弁申し上げましたように、主に病院等に二トン給水車において応急給水を行いました。発災直後の現地では、ガソリンスタンドに給油待ちの車両の長蛇の列ができ、給水車への給油にも多くの時間を要したり、また、先生お話しございましたように、震災の混乱による、または道路被害による交通混雑などもございました。
このような状況の中で、大量に水を使用する病院の受水槽への応急給水は、何台もの給水車が多くの時間をかけて何往復もする必要があり、やはり困難を伴うものであるということを改めて認識した次第でございます。
○長橋委員 いわゆる最重要拠点でもある病院への給水を行ったということでありますが、そのときの課題は、大量に水を必要とする病院でありますから、答弁でもあったとおり給水車が何往復もしなければならなかった、こういうことでございます。そう考えると、この往復の時間を考えると、資料によりますと、給水車等で十二台ですか、現地に行ったということでございますけれども、そこで、やはり、何往復もするということを考えると、給水車をさらにふやすということも一つは方法ではないのかなと、こういうふうに思うわけでございます。
被災地とは関係なく、前の委員会で、私も応急給水については質問をさせていただいたところ、区部では、応急給水槽が六十八カ所あると、だけれども、多摩地区では、応急給水槽、小規模給水槽三カ所なので、応急給水槽七カ所、小規模給水槽三カ所の十カ所しかない、そのかわり浄水場は、歴史的な経緯で、多摩地区の方が多いわけでありますけれども、いざというときに使い勝手も必要だと、こんなふうなことを申し上げて、そうした対応についても求めたところであります。
そう考えると、現在、給水車、何台あるのか、どこにあるのか、そうした意味では、東京も広く考えると、多摩地区にも、この応急給水車配置ということも、今の応急給水槽の配置を考えると必要だと思うんですけれども、被災地はちょっと別ですけれども、応急給水車、この考え方、強化、これはいかがでしょうか。
○坂内総務部長 現在、水道局におきましては、二トン給水車を八台、三・二トン給水車を一台、四トン給水車を一台、計十台の給水車を保有してございます。いずれも、杉並区にございます水道緊急隊に配置をしておりまして、突発事故等に備えて、二十四時間の出動態勢を整えているところでございます。
今回、これに追加をいたしまして、二トン給水車三台を、多摩水道改革推進本部、多摩地区に配備をいたしまして、多摩地区における一層迅速な応急給水体制の整備に努めてまいりたいと考えてございます。
○長橋委員 ふだんは、災害発生時以外は、そんなに使わないということもあろうかと思いますけれども、改めて、杉並の十台に加えて、多摩水道改革推進本部に新たに三台を追加するということでございますので、これについては、しっかりと、私も多摩の同僚議員にも伝えながら、水道局の今回の体制、今回の教訓も生かして、東京での取り組みも強化したと、こういうことも伝えていきたいと、このように思っております。
その中で、やはり給水車だけで、この応急給水をするというのは、やはり限界があるんではなかろうかな、こういうふうに思うわけでございます。昨年の我が党の質問で、公営企業決算委員会の質問で、公道上の消火栓をつなげて使ったらどうかという提案をいたしまして、それについては、モデル的にやっていくというような答弁であったかと思うわけでありますけれども、大量に必要な水、いざというときには、水は、病院にとっては大変重要なライフラインになるわけでありますし、まさに命の水になるわけでありまして、そういうことを考えると、給水車とは別に、消火栓から給水するための取り組み、これをさらに進めるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○坂内総務部長 東京都におきましては、災害拠点病院の近くに布設されている配水管の耐震化を鋭意進めているところでございます。このため、先生ご指摘のように、配水管に被害がない場合には、公道上に設置されている消火栓にホースをつなぎ、直接病院の受水槽に給水するという方法は、効率よく給水することができ、大変効果的であるというふうに認識をしているところでございます。
今後も、災害拠点病院と合同で応急給水訓練を行うことにより、消火栓から受水槽への給水ルートの確認や、また、給水に必要なホースの延長、その他必要な資機材の確認をあらかじめ行って、震災時等に応急給水が円滑に実施するよう努めてまいります。
○長橋委員 震災時に応急給水が円滑に実施できるよう努めていくということでございます。災害拠点病院については、これ非常に重要な取り組みであろうかと思いますので、引き続き、訓練を重ねていただきたいと思うわけであります。東日本大震災を見ても、病院だけではなくて、さまざまに、水の供給というのは必要になってくるわけでございます。そうしたことを考えると、病院だけではなくて、都民への給水にも、この消火栓が有効に活用できるようすべきじゃないか、このように思うわけであります。車両給水と、それから拠点給水、それぞれの方式を補完し合うといいますか、今答弁にもあったとおり、耐震化が進んでいるわけでありますから、こうした取り組みというのが、いざというときに大変重要になってくると思いますけれども、それぞれ補完し合う取り組み、この可能性はどうなのか、お伺いをいたします。
○坂内総務部長 消火栓からの住民の方への応急給水についてでございますけれども、病院のときと同じように、消火栓に接するような器具を取りつけ、仮設の給水栓を接続することによりまして、住民の方へも応急給水を行うことが可能でございます。
ご指摘のように、このような仮設給水栓による給水方式は、配水管が破損してない場合には、拠点給水、車両による応急給水、これを補完する手段として有効であると認識をしてございます。これまでも、この仮設給水栓セットを支所、営業所、給水管理事務所などに配備してまいりましたけれども、今後これを大幅に拡充いたしまして、新たに浄水所や給水所などにも配備してまいります。
○長橋委員 今改めてこの仮設給水栓というのですか、私も写真で見させていただきましたけれども、非常に簡易でありますけれども、消火栓の水は、飲料にももちろん大丈夫だ、こういうことでありますから、これは、仮設でつなければ、その場ですぐに水が給水できるわけでありまして、それをさらに大幅に拡充して配備していくというご答弁がありました。
しかしながら、この消火栓の活用について、私も、同僚の議員と話したら、そうはいっても、震災で破損した場合もあるじゃないかと、よく水道は、大変な、消火栓も含めて耐震対策が今までも議論がありましたけれども、破損をしている場合もあるじゃないかと、こういうことがありますから、この応急給水については、給水車、それから消火栓と並んで、先ほどお話しした応急給水拠点、これの活用が重要になってくると思いますし、重層的にやっていくことが必要だろうと思うわけであります。
ことしの一定で、そうした取り組みについては、水道局の職員だけではなくて、自治体の職員だけでは間に合わないじゃないかと。また、地元のボランティア等も大いに活用すべきじゃないか、こんなお話をさせていただきまして、それについては前向きに取り組んでいくと、こういうようなご答弁もいただいたわけでありますけれども、そのためには、かぎをどうするのかとか、それをどうやってつなげて、応急給水につなげていくのか、こういうことが非常に重要であるわけでありまして、それについても検討していくというようなことでございました。
そういった意味で、今回の震災を受けて、そうした取り組みを着実に進めているとは思いますけれども、前倒しでやっていくことが、都民の安心にもつながるんだろうと、このように思いますが、いかがでしょうか。
○坂内総務部長 応急給水拠点におきまして、町会や自治会といった多様な主体に、みずから活動していただくというためには、局職員が駆けつけなくとも施設に入ることができ、円滑な応急給水活動ができるようにすることが求められてございます。このためには、施設の施錠方法の変更でありますとか、職員でなくとも簡単に設置できるような応急給水栓を配備することが必要でございまして、また、水道施設としての安全性を担保するためには、応急給水の活動エリアと浄水所や給水所のエリアを比較するということなども重要となってまいります。これらの点につきましては、既に施設の新設や大規模改修時に合わせて整備を進めているところでございますが、今後さらに整備を加速させ、こういったことに努めてまいりたいというふうに思ってございます。
○長橋委員 大変それぞれ前向きなご答弁をいただきました。今回の大震災を踏まえて、教訓といいますか、東京都の応急給水体制、迅速に強化をしていただきたい、重ねてお願いをしておきます。
次に、先ほども問題となりました放射能の対策について質問をさせていただきます。
私からも、浄水場発生土の有効利用、これについて先ほども議論がありました。いわゆる四月十三日までの有効利用はどうだったのか、こういうことが議論になりました。その結果、それまでは、震災発生後から五百十トンあったと、そのうち、放射性セシウムが混入されているといいますか、されているのが約百四十トンあると、これを園芸などの用途に使ったと、でも一〇%であったと、なおかつそれを割り返すと四百ベクレルと、こういうことで心配ないと、こういう説明がありました。それは、食べるわけじゃない、食材で、食べるわけじゃない園芸用の土ですけれども、食べるものに比べても心配ないと、こういう説明があったわけでありますが、それは都独自の判断としてやったわけでありますし、党としては、私は、そうした意味では、その対応については、国から何ら説明がない中で、その対応について、先ほどの答弁は、私もこの質問に入るまでは疑問だったのです。それはどういう対応したのかという疑問だったのですけれども、それについては、私、先ほどの答弁でよくわかったわけであります。
しかしながら、それまで、発生直後からこうした放射能の問題で大変課題があった。水道局は、金町浄水場の水の方の対応については大変なご苦労をされている。そうした中で、恐らくばたばたする中で、次から次へと課題を処理してきたんだろうと思うわけでありますけれども、その間、国は何らその基準を示していない。いまだに示してないですよ。これこそ私は問題だろうと思うわけであります。
そういう意味でいえば、今回の、最大の、国の、また政府の判断が余りにも遅い、こういうことを考えて、東京都は、六月六日に、放射性物質を含む浄水場発生土、下水汚泥等の取り扱いに関する緊急要望を出した。本来なら国がこれについてはきちっと基準を定めて、都民、地べたを持っている都道府県にきちんと明確に基準を示すべきなんです。この緊急要望の中に、浄水場発生土及び下水汚泥云々の基準をぜひ示してもらいたい。そうしたら、それは先ほど管理についてはご答弁がありましたけれども、資源化に当たっての明確な安全基準を示してもらいたい、このようなことを緊急要望したわけでございます。その結果、どういう答弁が、何といいますか、どういうことがされてきたのか。
先ほども、六月十六日に、放射性物質が検出された浄水発生土の当面の取り扱いに関する考え方についてというのが厚生労働省から示された、このようになっておりますけれども、その考え方に、この有効利用、水道局でいえば、浄水発生土の有効利用については、どのような形で示されたのか、明確にご答弁をお願いします。
○吉田浄水部長 六月十六日に厚生労働省が示しましたいわゆる考え方では、当局の浄水場発生土の有効利用の大部分を占めます園芸用土などへの再利用につきましては、再利用に関する評価が定められていないということを理由に、当面、製品の出荷を自粛することが適切であるとしており、さらに、今後、当該製品の利用形態に応じ、関係府省において安全性を評価した上で出荷を再開すると記載されているにとどまっております。
○長橋委員 まさに厚生労働省が、東京都の緊急要望に対して出してきた回答といいますか、それが再利用に関する評価が定められていない、それを理由に、当面製品の出荷を自粛することが適切であると。再利用に対しての何ら基準も−−求めたのは資源化に当たっての明確な基準を出してもらいたいと。答えていないわけですよ。これいつまでに答えるつもりなのか。これは早急に答えてもらわないと、いわば、水道局は、この浄水発生土を新海面処分場に全部埋め立てているわけですよ、資源化できないですから。それまでは資源化して、ほんのわずかですよね、新海面処分場に処理していたのは。何%かな、ほんのわずか、そうしたら、もちろん、新海面処分場には水道局の浄水発生土だけじゃないわけですよ、埋め立てているのは。これはもうもたないと、このように思うわけでございます。
そうした現場を持っている東京都としては、国に再度、この安全基準について、強く強く、早急に出せと、これは申し入れをすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○吉田浄水部長 浄水場発生土の有効利用に当たりましては、用途ごとに具体的な安全基準及び手順等が定められていることが不可欠となります。このため、平成二十四年度、国の施策及び予算に対する東京都の提案要求の最重点事項の一つとして、国に対し、六月三十日に要望書を送付し、七月に要請活動を行うこととしております。
○長橋委員 もう六月三十日に要請活動に入ると、こういうことでございまして、それぞれ各党、東京都からの国会議員を含めて、要請活動があろうかと思います。我が党も、もう日程も調整して、私も参加、出席をすることになっておりますけれども、このことについてはまた改めて、強く我が党の国会議員にも伝えていきたい、このように考えているわけでございます。ぜひ、改めて、この東京都の提案要求の中の最重要事項の一つとして求めていただきたいと思います。
そうしたことを考えて、今回の震災を契機に、国の対応もそうでありますし、また東京都も新たな課題も見つかったんだろうと、このように思うわけでございます。
そこで、この水道局の震災対策、それぞれ委員会ごとに、この震災対策、もしくは耐震対策等をやってまいりましたけれども、改めて、この局として、総点検、これを行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○坂内総務部長 水道局では、発災直後より、各部署において震災対策における課題の検討を行ってきたところでございます。また一方、都におきましては、東京都防災対応指針策定調整会議というものを立ち上げまして、庁内の検討を開始してございます。これにあわせまして、当局でも、今回の震災の経験などを契機に明らかになった課題を抽出し、局の震災対策に反映させていくため、局内検討委員会を設置し、検討を開始いたしました。
今後、年度内には予防対策であります震災対策事業計画、それから発災時における震災応急対策計画の改定のための指針を策定し、来年夏までには、これらの計画を改定してまいります。
○長橋委員 来年夏には改定をしていくということでございます。今回の大震災を受けて、私自身が思うことは、やはり、この迅速化といいますか、スピードが大事であろうというふうに思います。さらには、二重三重にその対策をやっていくことが大事だろうと、正確な応急給水についても、そうした体制をぜひつくってもらいたいと思いますし、一つがだめであっても、もう一つの方策で可能にしていくということは大事だろうと思います。また一番大事なのは、そこで、皆さん方が東京都のライフラインを支える立場として、やはりそこに立つ立場のそれぞれの持ち場で、きちんとした判断を下していくということが大事だろうと、このように思うわけでございます。
そこで、水道局の局長に、最終的な判断、これを求められているわけでありますが、今回の震災対策を受けて、さらに一層の取り組みを求めたいと思いますが、最後に局長の決意を伺います。
○尾崎水道局長 水道は、都民生活や都市活動に欠かすことのできないライフラインであり、震災が発生したとしても、可能な限り給水を確保していくことが水道事業者としての責務でございます。
これまでも、当局では、水道管路の耐震継手化、送配水管路のネットワーク化など、安定給水に向けた施設の整備を着実に進めるとともに、機動的な応急体制の構築に向け、多様な主体との連携の充実や、他都市との応援体制の構築に取り組むなど、ハード、ソフト両面からのさまざまな施策を推進してまいりました。
その中で、今回の大震災におきましては、耐震継手管については、被害がなかったことや、発災時の初動対応が円滑にできたことなど、これまで進めてきた取り組みが効果を発揮していることが実証できた一方、放射能や計画停電など、新たな課題も明らかになりました。
そこで、今後は、震災から得た貴重な経験を踏まえ、安定給水のためのさまざまな課題の解決に向けた検証を行い、効果が認められる取り組みについて、積極的に推進していくことで、水の供給を脅かすさまざまな事態に対応できるよう万全を期してまいります。
○山内委員 私からも、水道水の放射性物質検出についてお伺いさせていただきます。
東京都水道局は、三月二十三日、金町浄水場から乳児の飲用を控える濃度の放射性沃素が検出されたと発表しました。二十二日に採水した浄水からの検出濃度は一リットル当たり二百十ベクレルで、厚生労働省が二十一日に示した乳児の飲用に関する暫定指標値の百ベクレルを百十ベクレル上回っていたため、都は、二十三区と武蔵野、町田、多摩、稲城、三鷹の各市で乳児の飲用を控えるよう呼びかけました。
当初、金町、朝霞、小作の三浄水場の検査しか行われなかったことを受け、生活ネットワーク・みらいは、二十四日、緊急要望書を提出しました。そこでお伺いいたします。
水道局は、全浄水場の原水と浄水及び原水が経由している各水系についての放射性物質を分析し、公表することが必要であったのではないかと考えますが、水道局の対応はどのようであったのでしょうか。
○吉田浄水部長 これまで東京の水道水に影響が及ぶような原子力発電所からの放射能漏えいは想定していなかったことから、当局では、放射性物質ごとの放射能を測定する検査機器を保有しておりません。このため、外部の研究機関に検査を委託しておりますが、委託先での検査検体数に制約がある中、全浄水場の検査を行うことは極めて困難な状況にございます。
このため、各水系の浄水場の浄水を検査することで、全体を把握しているところでございます。具体的には、原水の水系ごとに、金町浄水場、朝霞浄水場、小作浄水場、東村山浄水場につきまして、浄水の放射性物質の濃度を測定し、公表しております。
また、公立大学法人首都大学東京の協力が得られました四月十二日以降、浄水処理の管理に役立てるため、これら四浄水場の原水につきましても、放射性物質の濃度を測定し、ホームページで公表しているところでございます。
○山内委員 ようやく四月二十二日に、多摩地域に広く送水している東村山浄水場の分析が行われ、または原水についても測定を行われたことは、遅きに失したとは思うものの評価をいたします。
先ほどのご答弁で、全浄水場で検査機器を購入して測定をするというようなご答弁があったようにも思ったのですが、それを確認させてください。もしそうであるならば、再三再四全浄水場の測定をしてほしいという市民からの要望を受けておりますので非常にありがたく思っております。
そこでまた質問させていただきます。東京水道は、江戸川系、荒川系、多摩川系、相模系、地下水と多様な水源を持ち合わせ、また各浄水場と各給水所が配管網でしっかりとネットワーク化されていることから、生活者ネットワーク・みらいでは、使用する原水を選択することで、不測の事態への対応が可能と考え要望いたしました。水道局は、その際に、どのような対応を行ったのか、お伺いします。
○吉田浄水部長 二点のご質問いただきました。
まず第一点目、今後の検査体制でございます。
先ほどご答弁させていただいたんですが、今後は検査体制を強化するため、各浄水場ではございませんで、東京都水道局の水質センターの方に分析機器を四月中に導入いたしまして、検査対象の浄水場を、これまでに加え、他の浄水場や多摩地区の地下水などを水源とする浄水場まで拡大するということを予定してございます。
二点目でございます。ネットワーク関係でございますが、当局では、従来から、送配水ネットワークを最大限活用し、広域的な水運用を行うことにより、安定給水を確保してまいりました。このような中、今回の放射能対策として、多摩地区における放射性沃素の影響を極力抑制するため、当面の措置として、三月二十三日に、江戸川水系の金町浄水場及び三郷浄水場から多摩地区への送水を停止し、多摩川系浄水場からの増強により給水を確保したところでございます。その後、放射性沃素は不検出が継続していることと、また安定かつ柔軟な水運用を確保することなどを総合的に勘案し、六月六日に、通常運用に復帰したところでございます。
○山内委員 非常時の対応として、送水系統を変更したことは評価するものです。水道水から放射性沃素が検出されたことは、都民にとって大きな衝撃であり、対象外の地域でも瞬く間にペットボトルの水が店頭から消えたことは、その不安の大きさを如実にあらわしているかと思います。
また、放射性物質を除去できると称した偽装の浄水器による詐欺なども心配されます。東京の水道は、蛇口からそのまま安全でおいしい水が飲めると信じている都民に対する広報の仕方に、やはり課題があったのではないかと考えます。
そこで、お伺いいたしますが、三月二十三日に、乳児による水道水の摂取を控えるよう広報した際、多摩地域では、水道水中の江戸川水系の割合はわずかだったと聞いております。それを都民にしっかり広報することで、都民への不安は軽減したのではないかと考えておりますが、どのような公表を行ったのか、お伺いします。
○吉田浄水部長 乳児による水道の摂取制限の広報を行いました三月二十三日の段階では、水道水中の放射性沃素の値が、その後、どのように変動するか全く予想できない状況でございました。このため、江戸川水系の浄水場の給水対象でございます二十三区及び多摩地区の一部に対し、乳児による水道水の摂取を控えるよう広報する必要があったわけでございます。
○山内委員 先ほどご答弁の中に、割合にかかわらず安全性をとったというお話もあったかと思います。安全性をとるのはとてもよいことだと思いますが、その一方で、三月二十九日、金町浄水場の浄水が八王子市に一部送水されていたことが判明し、水道局では、おわびをし、訂正をしました。やはり、正確な情報があれば、受け取る側も判断できるわけで、こういった広報の仕方には細心の注意を払っていただきたいと思います。
また、三月十五日、十六日に採水した浄水の全アルファ放射能、全ベータ放射能の検査結果は十七日に公表されました。二十二日の浄水は、放射性沃素、放射性セシウムを検査し、二十三日に公表いたしました。その間の十七日から二十一日まで、浄水の検査はしておりますが、文部科学省の環境放射能水準調査の結果が三月十九日に公表されたために、検査基準が異なることもあり、東京都では公表しなかったそうでありますが、逆に混乱が生じないように、わかりやすく丁寧に公表することもできたのではないでしょうか。
都民の不安を払拭するためには、情報は正しく、丁寧に、タイムリーに提供していただくように強く要望いたします。
次に、粉末活性炭の投入についてお伺いしたいと思います。
放射性物質の低減策として、三月二十三日、浄水処理に粉末活性炭を、通常の四倍程度投入したといいますが、除去効果はどのくらいあるのでしょうか。
○吉田浄水部長 放射性沃素の浄水処理につきましては、知見の数は少ないものの、粉末活性炭による除去効果を示す研究が存在しております。また、今回の放射能対策の中で、当局が実施いたしました実験によれば、前弱塩素処理を併用して、粉末活性炭を通常時の四倍に当たる一リットル当たり二十ミリグラム注入すると、放射性沃素が四〇%程度除去できるという結果が得られております。
○山内委員 今回の補正予算において、放射能対策として、粉末活性炭の確保には十七億円の予算が計上されています。そこで、現在の粉末活性炭の投入状況と今後の対応を伺いたいと思います。
○吉田浄水部長 三月二十一日から、降雨状況を踏まえた粉末活性炭の注入強化を実施してまいりました。水系により注入量の違いはあるものの、通常時の三倍から六倍の量の粉末活性炭を注入し、放射性物質の低減に努めてまいりました。その後、降雨時にも放射性物質の濃度は、浄水、原水ともに検出限界未満の値が続いたため、六月九日から、粉末活性炭の注入強化を一たん中止しております。
今後、福島第一原子力発電所からの放射性物質の漏えい状況や、原水中の放射性物質濃度が上昇した場合などには、粉末活性炭の注入強化を再開することとしております。このため、いつでも粉末活性炭の注入強化が可能となる体制を整えているところでございます。
○山内委員 実験用の試料水を用いた当局の実験によって除去率は約四〇%というお話がありました。ただ、今では原水と浄水を測定しております。ですから有効性があるならばきちんと実証もして、都民に安全な水を供給するために必要な対策をとるようなことが必要ではないかと思いますので、要望いたします。
次に、浄水場発生土について伺いたいと思います。
浄水場の発生土を搬入している東京湾の廃棄物処理場の大気から、わずかな放射線量が測定されました。そこでお伺いいたしますが、廃棄物処理場は環境局の所管ではありますけれども、搬入した水道局として、周辺環境の影響をどのように考えますでしょうか。
○吉田浄水部長 周辺環境への影響につきましては、水道局が浄水場発生土を搬入しております埋立エリア周辺の放射線量を、環境局が定期的に測定し、その結果を公表しております。環境局とは密接に連絡をとり、情報を共有することで、今後とも適切に対応してまいります。
○山内委員 そもそも、放射能汚染に対する国の基準が定められていないことは問題です。今後は国の動きもあるとは思いますが、都民の安全・安心の責任として、東京都は環境局との情報共有、適切な対応をしてほしいと望みます。
また、廃棄物処理場の将来的な土地利用は、さらに所管が変わり港湾局になるようですが、所管が変わってまいります。長い年月がたっても、うやむやにならないよう、土地履歴をきちんと管理し、東京都として責任を持って都民の安全を守っていただくようお願いしたいと思います。土地履歴の管理を強く要望いたします。
福島原発の事故は、容易には収束の兆しが見えません。放射性物質による汚染がどこまで広がるのか、いつまで続くのか、見当がつかないことが不安を増大させております。特に水道水の安全は、命の源であり、最重要です。都としても、今後とも、測定の継続、情報提供に当たっては、都民への不安のばらまきにならないよう、適切かつ明確な表現に努めるよう要望いたしまして、質問を終わります。
○田中委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認め、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で水道局関係を終わります。
○田中委員長 これより下水道局関係に入ります。
付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第百十四号議案及び報告事項、東日本大震災への対応についてを一括して議題といたします。
本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○柳ヶ瀬委員 下水汚泥処理の問題について何点か質問していきたいと思います。
スムーズな進行をしていきたいと思います。よろしくお願いします。
高濃度の放射性物質が検出され、その対処が大きな課題となっていますけれども、まず、お聞かせいただきたいのですが、この水再生センターやスラッジプラントの下水汚泥から、放射性物質、放射能が検出をされたんですけれども、この問題を下水道局がまず初めに認識をされたのはいつかということを、見解をよろしくお願いします。
○松浦計画調整部長 放射能の下水への流入についてでございますが、下水道局では、これまで区部四カ所の水再生センターにおきまして、年に二回、総量としての放射能である全ベータ放射能による測定を定期的に行ってまいりました。震災発生後の三月十四日に、全ベータ放射能測定を臨時的に行いましたが、放射能は不検出でございました。三月二十一日に雨がありまして、再び全ベータ放射能を測定したところ、下水汚泥等で全ベータ放射能を検出したものでございます。
○柳ヶ瀬委員 下水道局としては、かなり早い段階から、この放射能に対する警戒をしていたということはわかりました。そしてこの三月二十一日、雨が降った段階から、放射能汚染土が出始めたのかなということもわかります。早い段階でこの全ベータで計測をしているということなんですけれども、この値は公表はされていません。現状この五月十日に採取した下水汚泥、焼却灰のデータから、ホームページ等では公開をされているわけですけれども、これは福島で放射性物質が拡散をし出してから二カ月以上たった後のものとなります。ですので、先ほどの全ベータのデータは、原発事故直後、下水汚泥や焼却灰がどのくらい高いレベルであったのか、これを示す重要なデータではというふうに考えます。
そこで、このデータに関して、ホームページなどで広く公表をいたしたいということを思いますけれども、見解を伺いたいと思います。
○松浦計画調整部長 三月二十一日の福島原子力発電所の事故後の初降雨後に、放流水の放射能濃度が、一時的に最大でキログラム当たり九十二ベクレルまで上昇いたしました。その後、すぐに低下し、直近の六月七日には不検出となってございます。
また、焼却灰については、三月二十五日に、東部スラッジプラントで、キログラム当たり十七万ベクレルを検出いたしましたが、五月十二日に、国が福島県に対して、当面の取り扱いに関する考え方を示したことなどから、改めて専門機関に個別の放射能濃度測定を委託しまして公表したところでございます。直近の東部スラッジプラントの値は、セシウムでキログラム当たり一万四千四百ベクレルとなっております。
○柳ヶ瀬委員 私は、広く公表していただきたいというふうに申し上げたのは、多くの方がこのデータを気にされているのです。どれくらいの汚染濃度が初期の段階であったのかということ、これを多くの方が気にされています。というのは、その当初の汚染されたものも、これは焼却されて排ガスが出たりとか、その後の中央防波堤に埋められたりとか、資源化されたりとか、そういったことに使われているわけでございます。
ですから初期の段階で、どれくらいの値があったのかということ、これは重要なデータだというふうに考えますので、ぜひ広く公表していただきたいということを要望を申し上げたいと思います。
六月六日、私は、南部スラッジプラントの視察をしてまいりました。それは、五月の中旬には、下水汚泥や焼却灰から、高濃度の放射性物質が検出され、その管理がしっかりとなされているかどうか、地元の大田区ということでもあり、確認のために行ったものであります。
視察の結果、私の線量計では、毎時三マイクロシーベルトを超える、また都の計測では、毎時二・六マイクロシーベルトを超える施設がありました。ここはレンガ棟といわれる施設で、混練りされた灰、焼却灰とセメントをまぜ合わせたものですね、この灰が仮置きされているところです。当初、視察に行った際には、現地でこのレンガ棟に仮置きされている灰は、原発事故前、震災前の焼却灰だという説明を一たん受けました。実際には非常に高い線量を持った灰だったわけですけれども、この灰は、どこからどのように搬入して仮置きされたものだったのか、その点について見解をお伺いしたいと思います。
○黒住施設管理部長 当日ごらんいただいたレンガ棟という建物に仮置きしてあった混練り灰につきましては、三月の中旬に、葛西水再生センターから発生した汚泥を仮置きしていたものでございます。
○柳ヶ瀬委員 ですから、葛西の焼却灰、もうこれは混練り灰ということですよね。ですから、私は、最初行ったときには、震災前のものだから大丈夫ですといわれて、そのレンガ棟に入ったわけです。そのレンガ棟に入ったところ、ガイガーカウンターがピーピー鳴り出して、非常に高い値を示したということだったんですね。
つまり職員の方は、その段階まで、そこにレンガ棟の中にある灰は、震災前のものであったという認識だったわけです。私はそこに入れていただいたところ、線量計が高い値を示して、よく調べたら、これ葛西の灰でしたということだったんですね。ですので非常に私としては不安を覚えたわけです。高濃度の放射性物質を管理しているわけですけれども、このような管理状況で大丈夫なのかなというふうに心配をしました。この時点で、既に原発事故後二カ月以上たっていたわけですけれども、高濃度物質の取り扱いが適正になされてきたのか、非常に不安を覚えております。
そこでまず、下水処理場やスラッジプラントで働く職員、作業員の安全が確保されてきたのか、これが心配です。
都は、五月に、下水汚泥に高濃度の放射能を確認してから、各事業所内で放射線量の測定を行っています。ホームページの方で公開されているのが、各施設の隣の施設との境界線における空間線量、これは公開をされていませんけれども、いただいた資料として各施設の灰ホッパー、焼却灰をローリー車に入れる部屋があるわけで、灰ホッパーの室内の空間線量をいただきました。
そこで疑問に思うところは、今回、高い線量を記録した灰の仮置き場や灰を運搬する施設については、これはその線量の測定をしてこなかったということなのかなと。これはなぜなのかということなんですね。というのは、その灰を運搬する施設というのは、作業員の方がローダーに乗って長時間作業をする場所ということで、ここの線量は真っ先に安全を確認しなければならないところなんですね。ところが、この場所に関しては測定がされていない。施設内のほかの場所は測定されているんです。私のような素人が視察に行ってみても、ここは高いんじゃないかなというふうにわかる、灰がむき出しで積まれている施設なんですけれども、この場所に関して、ほかの場所は測定しながら、この施設に関しては測定をしてこなかった、この理由について、いかがでしょうか。
○黒住施設管理部長 お話のこの施設は、混練り灰を仮置きする施設でございまして、日常管理はほとんど特に必要ない施設でございます。したがいまして、人が入る時間帯というのは非常に少なくて、一日五分程度というふうに、実績でもそうなっておりますので、たとえ高濃度の放射線が計測されたとしても非常に時間が短いということで、特に計測をしていなかったものでございます。
○柳ヶ瀬委員 今の話、レンガ棟に関しては、それでわかるんです。一日五分ぐらいという短時間しか作業員が入らないということのようですけれども、先ほど私が申し上げたのは、その混練り灰を運搬する施設です。その施設は、ローダーに乗って作業をされる方が長時間、大抵午前中ぐらいなんでしょうけれども、長時間そこで作業をされる場所であるということからすると、安全を確認しなければならない場所ではないかと、そこの施設に関してはいかがでしょうか。
○黒住施設管理部長 ご指摘の施設というのは、混練りをして、運搬する、積み込む施設のことだと思いますけれども、そちらについては測定をしておりまして、それほど高い値ではない。もちろん焼却灰にうんと近づければ高い値が出ますけれども、通常作業している運搬している場所については、それほど高い値ではございませんでした。
○柳ヶ瀬委員 混練りされている施設の空間線量をはかっているということを今初めて聞きましたけれども、その値は公表していただけるんでしょうか、お願いします。
○黒住施設管理部長 一般的に、一般の都民の方が影響を及ぼすかどうかという判断をされるのは、敷地境界の線量で空間線量で公表しております。今ご指摘の部屋の中の空間線量につきましては、作業をされる方の問題ですので、基本的には私どもできちんと測定をして、それで作業の安全性を管理していくということで対応したいというふうに考えておりますので、特に公表する予定はございません。
○柳ヶ瀬委員 ぜひ公表していただきたいというふうに思うんですね。なぜこういうことを聞くのかというと、作業員の、また職員の方の安全確保をどこまで意識して取り組んでいらっしゃったのかなという認識を知りたかったということなんです。
都から提出いただいた五月二十三日付の文書があるんですけれども、その文書は、委託先である下水道メンテナンス協同組合あての文書でございます。汚泥処理作業時の当面の対応についてという表題がついていますが、これ簡単に説明すると、施設内の線量測定をした結果、毎時二・五マイクロシーベルト以下となっていて問題はない、しかし念のためマスクや手袋をしてくださいねと、こういう内容になっているのです。これは、毎時二・五マイクロシーベルトを超える施設が、結果的にはあったわけで、この内容というのは本当ではなくなってしまっている。作業員の方はこの事務連絡によって、この施設はそんなに問題はないんだというふうに認識していたのではないかと考えられます。
仮置き場で測定された毎時二・六九マイクロシーベルトというのは、計画的避難区域に指定されている場所と同等の線量であります。このような施設で作業をしていただきながら、空間線量が高い値を示す可能性が強い施設を測定せずに、この施設は毎時二・五マイクロシーベルト以下となっていると、安心させるような通達を出してきたということなんですね。このようなことで、果たして、この作業員の安全管理に留意してきたのかどうか。これまでの作業管理、作業員の安全管理に対して、見解をお伺いしたいと思います。
○黒住施設管理部長 この施設は、先ほども申しましたとおり、混練り灰を仮置きする施設でございまして、日常管理は特に必要ありません。特にメンテナンス協同組合の作業者が入ることは基本的にはございません。
したがいまして、その上で、メンテナンス協同組合に出した先ほどの文書でございますが、この文書の趣旨は、先ほどおっしゃったように、焼却炉周辺や灰ホッパー室で一時間当たり二・五マイクロシーベルト以下の線量が計測されたけれども、安全確保のために、作業時には、マスク、手袋等の着用などを依頼するというものでございます。
すなわち、小さな値であっても気をつけてくださいという趣旨の文書でございまして、私どもは安全管理上の問題があったというふうに考えておりません。
○柳ヶ瀬委員 私が申し上げたかったのは、二・五マイクロシーベルト以下ですよということを通達には書きながらも、実際には二・六九マイクロシーベルトの場所があった、その二・六九マイクロシーベルトの場所というのは、素人目で判断しても、灰がたくさん積んである場所ですから、そういった場所は当然線量は高いだろうという想定がされやすい、予想ができる場所であったということなんです。ですから、こういった場所で作業していただきながら、このような通達が出ているということはどうなのかというふうに私は考えたということなんです。
そして、作業員の安全管理をするために、今一番必要なことというのは、この高い放射線量を発している施設を管理区域に指定することだというふうに考えます。労働安全衛生法では、労働者の安全を守るために電離放射線障害防止規則の中で、高い放射線量のある場所は、管理区域に定めなければならないとしているんです。危険な場所であるとわかっていながらこの管理区域に指定しないと、これが労働安全衛生法違反に問われる。電離放射線障害防止規則では、毎時二・五マイクロシーベルトを超える箇所は指定せよといっております。都は、この二・五マイクロシーベルトを超える箇所があることを認識してから二十日以上の間、この指定の要請等をしていません。なぜこの管理区域に指定しないのかということを先般お尋ねしたところ、厚生労働省など関係機関と協議をしているということを聞きました。
そこで、これはどのような協議をしているのか、そして、なぜこれほどまでに時間がかかるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○黒住施設管理部長 電離放射線障害防止規則では、管理区域を指定する条件として、三月間の累計での上限値一・三ミリシーベルトを超える場合が規定されておりまして、一時間当たり二・五マイクロシーベルトの規定はございません。したがって、先ほど申しましたような作業時間が非常に短くて、三カ月の累計値が一・三ミリシーベルトを超えないようなケースが私どもの作業としては非常に多くございますので、そういうものが明らかな場合は、管理区域の指定は必要ないものと考えておりますけれども、引き続き厚生労働省など関係機関と協議を進めているところでございます。
○柳ヶ瀬委員 この電離放射線障害防止規則では、二つの要件が定められているんですね、管理区域に指定しなさいよというところでは二つの要件が定められていると。一つは、三カ月間で一・三ミリシーベルトを超えるところということになっています。福島県に出された通達、これはご存じだと思いますけれども、一・三ミリシーベルト(毎時二・五マイクロシーベルト)を超えるおそれがあるところに関しては、この管理区域に指定しなければいけないということが書かれているわけであります。つまり、そこで働く方が、どうしてもここはもう絶対入らないんだよというところなのか、それとも一般人の方も入れるようなところなのか、これも左右のされる要件の一つにはなるんですけれども、基本的には、国の見解としては、二・五マイクロシーベルトを超えるところに関しては指定しなさいよというのが、これは厚生労働省の見解であるというふうに私は思います。
であるならば、東京都としては、ここを管理区域に指定する必要はないと、そのように考えているということでよろしいんでしょうか。
○黒住施設管理部長 先ほども申しましたとおり、東京都としては、管理区域の指定は必要ないものと考えておりますけれども、現在も厚生労働省と協議をしておりますので、今後とも協議を進めてまいるという所存でございます。
○柳ヶ瀬委員 管理区域の指定が必要ないのに、何で厚生労働省と協議するのですか。その協議の内容というのはどんなものなのですか。それをちょっと教えてください。
○黒住施設管理部長 先ほど申しましたとおり、おそれがあるということは、作業時間の推定をするわけですから、非常に短いという推定ができる場合は、掛け算をすれば当然三カ月の間は上限値を超えないケースが多々あるということで、こういうことで意見の相違がございますので協議をしているところです。
○柳ヶ瀬委員 意見の違いがあるというのは、厚生労働省と話をしていて、厚生労働省の見解と都の見解に意見の違いがあるということなんでしょうか。
○黒住施設管理部長 そのとおりでございます。
○柳ヶ瀬委員 引き続き厚生労働省としっかりと協議をしていただきたいというふうに思います。
私は、何で管理区域に指定しなければいけないということをいうかというと、この電離放射線障害防止規則というのは、作業員の安全確保をしなければいけないということと同時に、そこをしっかりと区分管理することによって、例えば、一般人の方の立ち入りを制限する等々、安全管理をする上で一つの大きな区切りとなるものなんですね。ですから、管理区域に指定することが私は必要だと。そしてそこの線量測定を定期的にするであったり、そこに入る人にはしっかりと防護をする、こういったことが必要なんではないかということを、これを申し上げたいということなんです。
ぜひ、厚生労働省との協議を進めて、この管理区域の指定をお願いしたいということを申し上げたいと思います。
ちなみに、労働安全衛生法のこの電離則に関しては、違反すれば罰則つきの厳しい処分を受けることになっているということなんですけれども、それは、それだけそういった場所で働く人の安全を考えることが重要だというこの法の趣旨から、こういった厳しい罰則がついているということなんですね。こういったことも踏まえて、ぜひ前向きな検討をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
心配は、内部で働いている方もそうなんですけれども、それだけではありません。その灰を運び出すときや運搬中などに外部に飛散していないかどうか、これが心配の一つであります。
この放射性物質を含んだ灰がどのような経路をたどるのか、これを考えてみると、都内では十二カ所でこの下水汚泥を焼却しております。その焼却灰は、現状は資源化を中止しており、区部に関しては、この焼却灰は埋め立てに使われているとしています。その埋め立て前に、一たん大田区の城南島にある南部スラッジプラントに各地域から集められて、そこでセメントとまぜ合わせされ、混練り灰にされています。
ここでちょっとお伺いしたいのですけれども、この混練り灰にする理由というのはどういったものなのか、見解をお伺いしたいと思います。
○黒住施設管理部長 焼却灰にセメントとか水をまぜまして、混練り灰にするわけですけれども、その目的は、一つは湿らせる、湿度を高くするということでございます。もう一つはセメントをまぜますので強度が出ます。ですから、埋め立てに適する比較的強度の強いものになっていくという大きく二つの目的があるということです。
○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。というのは、混練りできる施設というのは、南部スラッジプラントだけなんですね、そうですよね。ということは、つまり区部のものは、焼却されたものが全部この大田区の城南島に集まってくる、で、現地で焼却をして、その灰を積み込んで、それが全部大田区に来て、大田区でまたセメントとまぜ合わせて、それを中央防波堤に運ぶという経路になっています。つまりその経路が多くなる分だけ、飛散する可能性が高いんではないかということを懸念している、リスクが高まるんではないかということを懸念しているものであります。
この焼却灰を、各施設から南部スラッジプラントに運搬するのは、ローリー車、タンクローリーなんですけれども、これは密閉されたものだと思います。私も実際見てまいりましたけれども、ローリー車への積み込み時に関しては、灰ホッパーの中で、上からばっと管がおりてきて、ローリー車の方に挿入されていくということなので、この積み込み時の作業は、注意深く慎重にケアをすれば飛散する可能性は少ないかなと思います。灰ホッパーの部屋の中での飛散は注意が必要だと思います。
ただ、ポイントは、南部スラッジプラントで、焼却灰をセメントとまぜ合わせた混練り灰、これを搬出するときなんですね。都は飛散している状況はないということを述べていますが、この資料、きょうはちょっと大きい写真で持ってまいりましたけれども、見ていただきたいのですが、これ私が視察に行ったときの写真なんですね。ここに、混練りの施設があるわけです、こっち側です。道路というか、搬送路になっているのですが、トラックがここの中にばっと入ってきて、この施設の中で、ローダーがその混練り灰をがっとかき上げて、トラックにどんと入れるということなんですけれども、これは写真を見てもわかるように、この辺に土状態のものがたくさんあるのわかりますか、見えますでしょうか。土なんですね。私が行ったときには、非常に高い放射性物質を含んだ混練り灰が、この混練りの施設の前にばあっと、これ私は飛散というと思うのですけれども、している。こういう状況を見てきたわけであります。こういう状況があったのかどうか、この点についてはいかがでしょうか。
○黒住施設管理部長 南部スラッジプラントでは、先ほども申しましたとおり、焼却灰の重量の六割程度の水とセメントをまぜ合わせ、湿らせ、飛散防止措置をした上で、開閉式のふたがついたトラックを用いて搬出しております。また、搬出する前には、トラックのタイヤや車体を洗浄しております。
このように、南部処理プラントにおいては、焼却灰が飛散しませんよう万全の対応を行っております。
先ほどの道路の問題ですけれども、基本的に、作業が終わった後には必ず洗浄をして、水で洗浄した後に作業を終えておりますので、作業中には若干そういう状況があるかもしれませんけれども、混練り灰と水をまぜておりますので、湿った状態であるので飛散する状況にはないと考えます。
○柳ヶ瀬委員 私は、その混練り灰なるものをさわってみたんですけれども、これ土状のものですよね。土ですね。灰にちょっと水が含まれていて、土だというふうに多分思っていただければいいのかなというふうに思います。今の説明でわかりました。作業中には、一時的にこういう飛散の状況はあるけれども、その後、洗浄しているから大丈夫だということですよね。そういった認識でよろしいんでしょうか。
○黒住施設管理部長 基本的には、ローダーからトラックに積み込みますので、その部屋の中で積み込んでおりますので、基本的に外の道路、これ場内道路でございます、一般の道路ではなくて、施設の中の道路でございますけれども、そこに、基本的に落ちることはないと思いますけれども、若干落ちることがあるという趣旨で申し上げたわけです。ですけれども、それにつきましても、作業が終わった際には必ず洗浄をして、その洗浄の記録もちゃんと残っておりますので、一日の作業が終わった後には、道路はきれいになっているという状況でございます。
○柳ヶ瀬委員 これは私が視察に行ったときに、こういう状況があったということなんです。私、二回目の視察に行ったときには、こういう状況はなくて、きれいに洗浄をしていました。だから、もう逆に不安になったわけです。私も視察に行くといったけれども、このような状況があったわけです。私は、こういう状況をなくしていただきたいということなんです。それは、一つには、この中で、ローダーでトラックにぼんと乗せるんですけれども、私、その作業見ていました。すると、やっぱり舞うんです、土が。土ぼこりが舞うんです。ただ、それを、上からシャワーリングして、できるだけ外に出さないようにしているというのはあるのかなと思います。ただ、土ぼこりが非常に舞っているというような状況があって、この施設も密閉された施設ではありません。ふだんは密閉されているのかもしれませんが、作業中には、ここを開放して作業をしているということです。
そこで、こういうことができるのかどうかわからないんですけれども、この施設を例えば密閉した状態で作業をするということ、これが可能なのかどうか、その点についてお伺いしたい。できれば、密閉してやっていただきたいという趣旨なんですけれども、よろしくお願いします。
○黒住施設管理部長 室内で、ローダーで積み込んだり、トラックを運転しますので、当然、排気ガスが出ます。ですから密閉していた場合は、逆に、働いている方、運転をされている方の排気ガスの問題がございますので、なかなか完全に密閉するという状態というのは難しいと考えております。
先ほど申しましたとおり、しかしながら、基本的には水をまぜ、セメントをまぜ、さらに、積み込む際にはミストで水を上から流します。その状態で、先ほど副委員長おっしゃったような、飛散をしているというか、舞っているという状況は、正直いって私としては、そういう感覚は持っておりませんので、ぜひご理解をいただきたいと思います。
○柳ヶ瀬委員 若干、感覚の違いはあるのかなというふうには思いますけれども、ぜひ、これが飛散しないようにしていただきたいというふうに思います。つまり、密閉した空間で放射性物質を扱うことも非常に困難であると、また一時的には、作業中にも外部に飛散せざるを得ないような状況があったということなのかなというふうに思います。
ただ、今、心配はこれだけではありません。不安事を一つ一つ、つぶしていきたいというふうに思うんですけれども、これ運搬する車です。東京都は六月十一日の東京新聞では、これを読みますけれども、都下水道局広報サービス課の発言として書いてあります。取材に対し、都下水道局広報サービス課は、保管施設は厳重に管理されている。天蓋車−−天扉が、ふたが閉まる車のことです。天蓋車の荷台も鉄のふたで密閉しているというふうに書かれて、下水道局広報サービス課の発言として出ているんですけれども、これを運搬する車、実際には、どのような車両を使っているのか、この点についてお答えをいただきたい。
○黒住施設管理部長 焼却灰の重量の六割程度の水とセメントをまぜ合わせ、飛散防止措置をした上で、開閉式のふたがついたトラックを用いて搬出しております。
ふたがついたトラックにつきましては、ご指摘のような鉄製のふたのものが三台とシート製のものが二台ございます。
○柳ヶ瀬委員 東京新聞さんには鉄のふたが、荷台も鉄のふたで密閉しているというふうに書かれているんですけれども、これ、すべてが鉄のふたではないということなんですね。鉄のふたでなければ、どういったふたになっているものが二台なのか、それを簡易に説明していただけますか。
○黒住施設管理部長 ちょっと実物の写真とかがないのでわかりにくいかもしれませんけれども、まず、材質が鉄ではなくて、シート、布製のものです。基本的には布製のシートであるということです。
しかしながら、この二つの性能というのは、飛散防止においては、先ほど来申し上げているとおり、セメントと水をまぜてかなり湿らせた状態にして、さらに積み込むときにはシャワーで水を浴びせて基本的に積み込んでおりますので、その材質の違いによって、基本的に飛散の性能が異なるということはないというふうに考えております。
○柳ヶ瀬委員 これも見解の相違が若干あるのかなというふうに思いますけれども、私は、シート製のものを見ました。私は視察に行ったときに、このシート製のものがあったんです。シート製のものは密閉性が保たれていないというふうに私は思いました。これ若干見解の相違があるのかなと。写真で見せればよかったんでしょうけれども、密閉性が保てないのではないかというふうに考えます。それであれば、鉄のふたで密閉ができるもの、こちらの方が、かなり密閉性が保てるのではないかというふうに考えます。
そこで、このシート状のものを鉄のふたを持った車両に変更することはできないのかどうか、この点についてお伺いしたい。
○黒住施設管理部長 先ほど申しましたとおり、見解の差はあるかもしれませんけれども、私どもとしては、湿らせた焼却灰、混練り灰ですので、シートというか、ふたの差によって、材質の差によって飛散の性能が異なるとは考えておりませんので、鉄製のものに取りかえるという考えはございません。
○柳ヶ瀬委員 若干、見解の相違があるので、ぜひ検討をお願いしたいというふうに思います。
それで、私が心配しているのは、こういった状況が視察に行ったときにあったわけです。ばあっと土が、その混練り灰、混練り棟の前にはあって、中は放射線量が高くて、その前にレンガ棟は、ここは大丈夫ですよといわれながら、その中に入ってみれば、かなり高い線量があったということなんです。非常に取り扱いに対しての心配があります。
そこで、ぜひお願いとしては、こういった城南島の南部スラッジプラントを中心として、外部への影響が本当にないのかどうかということ、これを調査していただきたいということ、これを申し上げたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○黒住施設管理部長 南部スラッジプラントにおける一連の、先ほど来申し上げましたような適切な管理によりまして、施設の敷地境界の地上一メートルの高さで六月二十二日に測定した放射能の測定結果は、一時間当たり〇・〇九から〇・〇六マイクロシーベルトでございました。これは、福祉保健局が六月十九日に大田区内の地点で測定した値と大差ない、変わらない数字でございまして、基本的には下水道施設から周辺環境へ影響を与えているとは考えておりませんので、特にこれ以上の調査は必要ないものと考えております。
○柳ヶ瀬委員 外部への飛散ということを考えたときに、放射性物質を燃やしたときに排出される排ガス、これが心配なわけであります。この下水処理場やスラッジプラント、これは、そもそも放射性物質を燃やすことを想定していません。ですから、その排ガス処理も、ダイオキシン対策や粉じん対策といったものが主眼になっているだろうと思います。
都は、先般の代表質問、一般質問の中で、この排ガスの危険性について、その答弁の中で、ガスは煙突から排出される前に、細かいちりなどを除去できる高性能フィルターなどに通し、その後、さらにアルカリ性の水によって洗うことで、固形物を九九・九%以上を回収し、焼却灰が施設外へ飛散することのないよう適切に管理しているというふうに答弁されています。
これだけ聞くとよくわからないのは、放射性物質が、これは九九・九%以上回収できるということを意味していることなのかどうなのか、その点について教えてください。
○黒住施設管理部長 九九・九%以上除去できると申し上げているのは、基本的には放射能ではなくて、細かいちりなどの固形物でございます。
私どもとしては、放射能の除去能力というものに定量的な知見を得ておりませんので、そのために、排ガス中に含まれる放射性物質をはかることで確認をするわけです。ですから、東部汚泥処理プラントではかった結果によりますれば、放射性物質は検出されませんでしたので、今後、ほかのセンターにも基本的に拡大していきたいと考えているところでございます。
○柳ヶ瀬委員 よくわかりました。九九・九%以上を回収できるといっているのは、放射性物質ではないと、その知見もないと。だから、そのために排ガスを測定する必要があるんだということですね。そういうことですね。よくわかりました。
そうすると、話は若干飛ぶのですけれども、都は、ガスの成分を専門機関で測定した結果、放射性物質は検出されなかった。このため、周辺環境への影響はないと、こう考えているというふうに答弁をしているわけです。今おっしゃったとおりです。都内で、都の管轄で、下水汚泥を焼却している施設は十二カ所あります。これは、そのすべてで計測して、このような結果が出たということなんでしょうか。
○黒住施設管理部長 現在、結果を得ておりますのは、東部スラッジプラントの炉でございます。今後、ほかのセンターの施設、焼却炉にも拡大をしていくということでございます。
○柳ヶ瀬委員 これはあれですね。その十二カ所の中で一カ所、東部スラッジプラントを測定したと。その結果、排ガスの中に放射性物質が見られなかったと。それゆえ、周辺環境への影響はないということですね。これ周辺環境への影響はないといっているのは、じゃ、東部スラッジプラントの周辺への影響はないということを断定していらっしゃるのですか。
○黒住施設管理部長 排ガスの試験を基本的にやったのは東部汚泥処理プラントでございますので、その知見を得て、東部処理プラントのものについて説明をしているわけです。
しかしながら、測定法については、まだ国に定めもございませんので、私どもで簡易な調査ということで、焼却炉の排ガスを抜きまして線量計ではかるという検査を、簡易な検査なので、はっきりこれが大丈夫かということではないと思いますけれども、それで見た限りでは、周辺のマイクロシーベルトという線量とほとんど大差ない、これ全センターで基本的にやりました。その知見を得ているために、今後、排ガス試験を計画的に、継続的にやっていきたいというふうに申し上げているわけです。
○柳ヶ瀬委員 よくわかりました。ありがとうございます。そうなんですね。ですから、都がそういう認識を持っていらっしゃるということは、なるほどということです。というのは、その排ガスの処理方法について、排ガス測定方法について簡易なやり方であるということ、非常にこれ簡易なやり方なんです。
ただ、排ガスを測定するというのは、かなり難しいもののようなんです。というのは、国も、いろいろな定めをしているんですけれども、その中の一つが、排ガスの中から放射性物質をどうやって検出するのかという、放射性物質の測定に関する指針というものが原子力委員会の方で出ているわけですけれども、これによると、例えば沃素であれば、一分間に五十リットル吸引して、一週間採取しなければいけないと。一週間採取しなければいけないとなっています。これに関しては活性炭カートリッジを用いなさいよということが書かれているわけです。また、セシウム134と137に関しても、一分間に五十リットル吸引をする。これを一週間採取しなければ、正確な数字は出てこないということなんです。
つまり、簡易な測定だと正確な値がなかなか出てこない。だから、この原子力委員会の方は、こういった一週間という非常に長い間測定しないとだめなんだよということ、これをいっているんだろうというふうに思います。ぜひ、その測定の方法について考えていただきたいと思います。
この測定の方法に関しては、ではこれから、さまざまな有識者の方等々と一緒になって見解を出していこうと。国の方でも、こういった原子力委員会に出したものありますけれども、ということをもう一度検討しようということでよろしいのでしょうか。
○黒住施設管理部長 先ほどの答弁で、ちょっと誤解があったかもしれませんので、繰り返します。
簡易な調査と申し上げたのは、排ガスの試験ではなくて、線量計の検査でございますので、排ガスの試験というのは簡易な試験だと私どもは考えておりません。きちんとした試験だと思っております。それで、この試験方法につきましては、これまで私どもが得てきた知見も生かしつつ、当然、学識経験者等の助言も得ております。したがって、私どもとしては妥当な試験であると考えておりますので、今後、これを拡大していくという考えでございます。
ただし、先ほど副委員長もおっしゃいましたように、私どもも参加しております国が設置した検討会の機会がございますので、やはり基本的には統一的な測定方法を国が示すべきだというふうに考えておりますので、そちらで要望していきたいと考えております。
○柳ヶ瀬委員 ちょっとよくわからなかったんですが、簡易だとおっしゃったのは線量計による検査だと。線量計による何の検査のことですか、それは。
○黒住施設管理部長 線量計ではかりましたのは、配管からガスを抜く、煙突に行く手前で抜くところがございます。そこからガスを抜きまして、線量計ではかるわけです。直接とったものをためて、そこではかるわけです。ですから、排ガスに近い形の線量が出るという考えでやったものです。ですから、そういう意味でいうと、簡易ということは簡易ということでございますので、簡易という説明をしたわけでございます。
○柳ヶ瀬委員 わかりました。わからないことが、だんだんわかってきたわけですけれども、二つの調査をされているということですね。一つは、排ガスを抜かれて線量計を当ててみたということと、この何ていうんですか、ろ紙を使った方法ということなんですけれども、もう一つの方法について、説明をしていただけますか。その簡易じゃない方。
○黒住施設管理部長 焼却炉の煙突の排ガスの取り出し口から、吸引ポンプで排ガスを一定量引き抜きまして、固形物やガスを捕捉するため、ろ紙と活性炭を組み合わせて放射性物質を捕集する方法で測定するものでございます。
○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。この方法は、私から見ると、非常に簡易な方法なんではないかなというふうに思います。さまざまな専門家の知見のある方にもお伺いをしてまいりました。すると、やっぱり先ほどの原子力委員会が出した指針の中にあるように、これだけの、一分間五十リットルぐらいの吸引で、一週間ぐらい採取しないと正確には測定できないよということ、これを多くの専門家の方がおっしゃっていました。ぜひ、そういった状況、こういった測定方法を検討していただきたいと思いますが、その点について、もう一度お願いします。
○黒住施設管理部長 先ほど申しましたとおり、この検査方法につきましては、私どもも学識経験者等の助言を得ておりますので、この方法で大丈夫という知見も得ていますので、今後は、基本的にはこの方法で継続したいというふうに考えています。
ただし、国の検討会で国の統一的な測定方法が定められた場合は、改めて検討したいというふうに考えています。
○柳ヶ瀬委員 わかりました。ぜひ、検討していただきたいということを申し上げたいと思います。
簡易ではない方法で検査をしたのは、東部スラッジプラントだけということでよろしいんですよね。そうですよね。ですから、その簡易でないやり方の測定を、ほかのプラントに関してもやっていくということを考えているということでよろしいんでしょうか。
○黒住施設管理部長 簡易な試験方法については、すべてのセンターでやっております。これから、簡易でない、私どもとしては正しいやり方ということで、これから全センターに拡大していきたいというふうに考えております。
○柳ヶ瀬委員 その正しいやり方というのは、いろいろな異説がたくさんありますので、ぜひ、この辺を検討していただきたいということ、これを申し上げたいと思います。
再利用についてお伺いをしたいというふうに思います。今、資源化の方はとまっているということを聞いておりますけれども、原発事故があってから、セメント業者の方に売却されていった焼却灰というのはどれほどの量なのか、この点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○松浦計画調整部長 震災後、焼却灰の資源化利用を五月中旬から下旬にかけて停止するまで、区部では三千九百二十五トン、多摩の流域下水道は千二百二十八トンを、セメントを含む資源化に利用いたしました。
○柳ヶ瀬委員 資源化された焼却灰なんですけれども、さっき、上水道の方で話があったのと同じように、当初どれくらいの値が出ていたのか、ベクレル数が出ていたのかというのは、なかなかわからないわけです。聞くところによると、セメント業者は、セメントの強度、これを実証するためにサンプルをとってあると、日によってです。きょうのセメントはこれぐらいのものだという、れんが的なものをサンプルでとっておくようなことを聞いております。つまり、過去の売却された焼却灰が含まれたセメント、これがどれくらいのベクレルを発するのか。これは追跡調査が可能ではないかというふうに考えますが、この追跡調査についてはどのようにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○松浦計画調整部長 五月十二日に国からの通知を受けまして、震災以降これまでに生産されたセメントのうち、最も高い放射線濃度の二倍程度に相当するセシウム濃度を用いて、人の健康に与える影響を評価しても安全性が確認されております。
この五月十二日の通知というのは、福島県に出した国からの考え方でございます。
また、セメント会社の方も、自社製品の放射能濃度を測定しまして、安全を確認しているという状況でございまして、下水道局としては、追跡調査は考えておりません。
○柳ヶ瀬委員 福島県のときに出した通達には、確かにそのように書かれていると思います。ただ、あれは、あくまで福島県に出した通達であって、それ準用してもいいよというようなことを聞いたのかもしれません。ただ国の方からは、放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取り扱いに関する考え方、これ六月十六日付、原子力災害対策本部によって、例えばさっき園芸土の話もありました、園芸土は扱っちゃだめですよとか、その取り扱いの指針、これが書かれたものが、六月十六日には、東京都の要望もあって出たわけでございます。
この中に書いてあるのは、セメントのような副次産物に関しては、市場に流通する前にクリアランスレベルにまで落としなさいよということがわかれば、それはいいよということをいっているわけだと私、認識をします。この考え方を見るとですね。とすると、都は、過去出した焼却灰、これが市場に流通するまでにクリアランスレベル以下に落ちるというふうにそのように考えているのかどうなのか、お聞かせください。
○松浦計画調整部長 五月十二日に国から出されました通知におきまして、震災以降これまでに生産されたセメントのうち、最も高い放射線濃度の二倍程度に相当するセシウム濃度を用いまして、人の健康に与える影響を評価しても安全性が確認されるということでございますので、当然、東京の焼却灰を使った製品はクリアランスレベル以下になっていると考えております。
○柳ヶ瀬委員 私は、それはそういえるのかなというのが疑問なんです。ですから、追跡調査をして、それを確認するべきだということを申し上げているんです。
それは、当初どれくらいの汚泥が汚染されていたのかということ、これはよくわからないわけです。よくわからないわけです。ですから不安なんです。その当時の焼却灰を使ったセメント、これは、なかなか例えば使用することができなかったりとかそういったこと。例えば、今も建物にそういった放射能を発するセメントが使われるんではないかと、そういった不安があるんです。
ですから、その不安を払拭するためにも、過去、東京都が売却をした焼却灰が使われたセメント、これが本当にクリアランスレベル以下なのかどうか、これを追跡調査するべきだというふうに考えますし、また、今回新しく出た指針、今もう一週間以上たっていますけれども、この当面の取り扱いに関する考え方の中でも、クリアランスレベル以下を守れよということが書かれています。ぜひもう一度、ご答弁をいただきたいと思います。
○松浦計画調整部長 国から出されましたこの通知、これは原子力の災害対策本部が、原子力委員会の原子炉に関する、放射能に関する非常に専門的な見地を持った方々の意見を聞いて決め、一番高い放射濃度の二倍程度に相当するセシウム、この濃度を用いても評価した結果、人の健康には問題ないですよという知見を出しておりますので、東京都で使われた焼却灰、セメント利用されたものについても、そういった知見に基づきますとともに、またセメント会社自体も、自社製品については放射能濃度を測定し、安全性を確認しているということを確認しておりますので、下水道局としては、改めて追加調査をするという考え方はございません。
○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。今、一つ新しいことがわかったのは、そのセメント会社独自に東京都が出した焼却灰を含んだセメントに関しては、放射能検査をしておると。その結果、大丈夫だというふうにセメント会社はいっておるということなんですね。その点をもう一度確認させてください。
○松浦計画調整部長 下水道局が幾つかのセメント会社に焼却灰を材料として提供しておりますが、そのセメント会社いずれもが、自社で製作した製品を確認いたしまして、安全だということを公表してございます。
○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。最後に聞きたいんですけども、この再利用については、国の方で新しい指針が示されました。つまり、低濃度のものに関しては再利用して構わないよというものなんですけれども、都として、これから、低濃度であっても焼却灰を国の指針に従ってセメント会社に売却していくのかどうか、そういう姿勢なのか。セメント会社によっては、一部、国の指針を下回るものであったとしても、風評があるから使わないよといっているところもあるようでございます。その点について、今後、どういう方針で臨んでいかれるのか、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○松浦計画調整部長 今回、焼却灰等の下水汚泥等の再利用につきましては、クリアランスレベルを確保するということでございます。
ただし、セメントについては、その評価方法として、例えば生コンクリートであれば、セメントにいろいろなものを足して薄まりますから、例えばセメントのレベルですと、キログラム当たり百ベクレルという数値が出ていますけれども、生コンクリートあれば、二百ベクレルという基準が示されていますので、そういった基準に適合できるような低い濃度を含んだ焼却灰であれば、その可能性はあるというふうに考えておりますので、今後、セメント会社等と協議いたしまして、できるだけ早くセメント再利用を再開させたいというふうに考えているところでございます。
○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。この再利用に関しても、水道局とのやりとりの中でも、やっぱり不安というのはあるんです。ですから、そこは丁寧に、慎重に、ご判断をいただきたいということを申し上げたいと思います。
それと、最後に、下水処理施設は、何度も申し上げているとおり、放射性物質を処理することを想定してつくられた施設ではありません。ですから、これはやっぱり不安なんです。特に周辺の住民の方にとっては不安なんです。これ当然のことだと思います。
都は、納得がいくまでこの安全性について、しっかりと説明する責任があるというふうに思います。ですから、特にさっきの排ガスの問題、これについては、その検討方法等々をよく吟味されて、徹底的な調査をされて、広く公表されること、このことを要望させていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○きたしろ委員 私は、東日本大震災で被災をされた方から直接お話をお聞きし、一晩じゅう、その津波の中におられた方からのお話でした。また、その後、被災状況を視察し、改めて自然災害の驚異を痛感するとともに、今回の大震災から多くを学び対処していく必要があると感じました。
東京が、二十一世紀に、まことにふさわしい成熟した都市への歩みを続けるためには、従来の取り組みを着実に推進するだけでなく、これまでの防災対策を見直すとともに、高度な防災対策を創造する必要があります。高度防災都市づくりを推進するためには、施設の積極的な整備などのハード対策を進めるだけでなく、それを支える技術開発が必要であります。
今回の大震災でも、浦安市などでは、液状化などにより土砂が流入し、下水道管が詰まり、下水道の使用制限があったり、東北地方を中心に水再生センターの機能が低下し、下水が道路にあふれるなど、地震により下水道施設で大きな被害が発生しました。
そこで、下水道局では、高度防災都市づくりのため、今回の大震災を踏まえ、今後どのような技術開発を行っていくのかお伺いをいたします。
○東郷技術開発担当部長 これまで下水道管の耐震化技術として、マンホールとの接続部分の耐震化技術などを開発し、活用してまいりました。
しかし、今回の東日本大震災では、お話のとおり、下水道管内に土砂が流入し、下水の流れに支障があったと見られる事例が各都市で多数報告されてございます。
このことから、今後は、下水道管とマンホールとの接続部分以外の管路施設の耐震化技術として、下水道管内に土砂が流入することを防ぐため、マンホールの壁のつなぎ目部分を補強する耐震化技術の技術開発を行っていきます。また、お客様の家庭などから排水を受ける取りつけ管部分の耐震化技術についても、開発を進めてまいります。
一方、合流式下水道のはけ口付近に設置できる汚濁負荷を削減できる装置の技術開発に取り組んでおりますが、この技術は、震災時に水再生センターの機能が停止するなどして、下水道管内にたまった下水を応急的に処理することに活用できるものと考えております。
○きたしろ委員 震災時において、合流式下水道のはけ口付近に設置できる汚濁負荷を削減する技術を開発するとのことでありますけれども、具体的には、震災時において、どのように活用できる技術なのかお伺いをいたします。
○東郷技術開発担当部長 東京都区部の大部分を占める汚水と雨水を同一の下水道管で流す合流式下水道では、大雨のときに、汚水まじりの雨水が、雨水はけ口の堰を超え、河川などへ排出されることになります。
そこで、合流式下水道の新たな改善対策技術として、既に水再生センターに導入している雨天時の高速ろ過技術を応用し、雨水はけ口から流出する下水中に含まれる汚濁を、今まで以上に除去できる装置の技術開発に取り組んでまいります。
この装置は、雨水はけ口付近に設置できるようコンパクト化を図り、通常時には合流式下水道の改善対策として使用いたします。
一方、震災時に水再生センターなどの揚水機能が失われ、下水が下水道管内に一定量以上滞留すると、雨水はけ口から河川に排出されることになりますけれども、この装置により下水を高速ろ過することで、河川への汚濁負荷を削減することが可能となり、震災時の下水処理機能の補完となるものでございます。
○きたしろ委員 震災時における合流式下水道の新たな技術開発については理解をさせていただきました。下水道のさらなる推進のためにも、新たな技術の開発について、全力で取り組んでいっていただきたいとお願いをしておきます。
次に、下水道管の耐震化についてお伺いをいたします。
今回の一般質問では、東京湾の臨海部の防災対策について、陸の孤島になるのではとの問題意識のもと、ライフラインの確保に触れ、下水道管の耐震化の取り組みについて確認をさせていただいたところです。
下水道管の液状化対策などとして、マンホールの浮上抑制対策及び下水道管とマンホールとの接続部の耐震化を促進しているとのことでありますけれども、私の地元でもある港区も一部が東京湾臨海部にあり、地盤が軟弱な地域もあります。
そこで、港区におけるマンホールの浮上抑制対策及び下水道管とマンホールとの接続部の耐震化の進捗状況についてお伺いをいたします。
○高相建設部長 港区におけるマンホール浮上抑制対策につきましては、第一京浜や日比谷通りなど、緊急輸送道路約四十キロメートルを昨年度までに完了してございます。
また、下水道管とマンホールとの接続部の耐震化につきましては、港区立芝小学校や東京慈恵会医科大学附属病院など、避難所や災害拠点病院からの排水を受け入れる七十四カ所が完了しておりまして、田町駅東口北地区のまちづくり関連施設一カ所を除き、すべて完了いたしております。
○きたしろ委員 進捗状況については確認させていただきました。港区においては、当初の計画目標はほぼ完了しているとのことであります。しかし、区部全体で見ると、まだ途上であると考えます。
一方、先週の一般質問では、今年度から対象地区をさらに拡大するとの答弁をいただいたわけですけれども、そこで、区部全体での今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○高相建設部長 今後の区部全体での取り組みについてでございます。
マンホールの浮上抑制対策は、緊急輸送道路など約五百キロメートルを完了してございまして、引き続き今年度から避難所などへのアクセス道路に対象を拡大し、順次実施してまいります。
マンホールとの接続部の耐震化は、避難所や災害拠点病院などに指定されている約二千五百カ所を対象に進め、約一千七百カ所で完了しておりますが、今後は計画を二年前倒しし、平成二十五年度の完成を目指すこととしてございます。さらに、これらの取り組みにつきましては、発災時に多くの帰宅困難者が滞留することが想定される品川駅、新橋駅など、ターミナル駅周辺などで下水道機能を確保することとし、対策エリアの拡大に向けた検討に着手いたします。
○きたしろ委員 東京は日本を牽引する首都として、高度防災都市へと発展していく必要があります。先ほどの三・一一のときの帰宅困難者たち、本当に大変な思いをしたと思うんですけれども、今お話をお伺いしました新橋や品川など、そういった駅の周辺でも対応を考えていくということでございますので、何とか早く下水道機能を確保していただきたいというふうに思います。
下水道管の耐震化についても、整備ペースをさらに上げていただくとともに、さまざまな技術開発により地震時にも下水道機能が確保され、東京じゅうが陸の孤島とならないことを願いまして、私の質問を終わります。
○田中委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後五時二十一分休憩
午後五時三十五分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○長橋委員 大分長時間になってまいりましたので、なるべくスピーディーに質問をしたいと思います。
先日の報告で、東日本大震災の対応についてということでございましたので、まずは、被災地支援についても若干触れたいと思っております。
この前の水道局の質疑でも同じような質問をしたのでありますけれども、下水道も含めて、ライフラインの復旧ということでございまして、報告を見ますと、それぞれ被災地の支援に行っているわけでありますが、特に仙台には、水道局と同じように翌日には被災地の支援に向かったというようなことが記載されておりました。やはり相互に、被災地の支援に向けては、さまざまな支援体制というのをそれぞれ事前に連携をとっていたんだろうと思いますけれども、震災時における、今回は被災地ですけれども、東日本でありますけれども、その支援体制はどのようになっているのか、まずはお伺いをいたしたいと思います。
○松浦計画調整部長 震災時における相互支援体制についてでございます。
阪神・淡路大震災を契機といたしまして、大規模地震が発生し、被災した自治体単独では対応が困難な場合に備えて、広域的な下水道事業関係者の支援体制を整えております。
具体的には、大都市間で締結している災害時相互応援に関する協定や、社団法人日本下水道協会が示している下水道事業における災害時支援に関するルール等により、自治体間で相互支援を行うこととしております。これらの協定等に基づき、被災状況や支援活動に関する情報連絡体制、被災都市側の支援隊の受け入れ体制などについて具体的に定め、迅速かつ円滑な相互支援活動を行うことができる仕組みを整備してございます。
新潟県中越地震や今回の東日本大震災において、当局及び下水道の管理業務に携わる民間企業から構成される団体から、応急復旧支援隊を被災地に派遣いたしました。
具体的には、今回の大震災でも、当局とともに、監理団体である東京都下水道サービス株式会社や協力団体である下水道メンテナンス協同組合から構成される応急復旧支援隊を結成し、仙台市、千葉県浦安市及び香取市、宮城県に対して延べ二千八百人以上を派遣し、早期復旧に大きな成果を上げたところでございます。
平常時におきましても、被災都市を想定した情報連絡訓練を実施するほか、緊急資機材の保管状況に関する情報を共有化するなど、支援体制の実効性を確保し、災害時に備えているところでございます。
○長橋委員 もちろん東京だけではなくて、全国から支援の手が差し伸べられたというところだと思いますけれども、今ご答弁があったとおり、延べ二千八百人以上の方が支援に向かったと。これは大変な人数であろうかと思いますし、それでもなお、被災地の復旧はまだ道半ばであると思います。
そうした意味では、我が党は代表質問でもいっておりましたけれども、被災地の復旧、復興、これがあってこそ初めて東京が元気になるんだと、こういう思いで、東京はさまざまな面で景気、経済、そして原発もそうでありますけれども、大変に被災地にお世話になっているわけでありますので、そうした意味では、今回の被災地支援は、いわゆる東京がもう一度首都東京としての活力を取り戻すという意味でも重要な支援であろうと、このように考えるわけであります。
その一翼を担うのが下水道局であろうと思いますけれども、そうした意味では、この被災地支援の内容と、さらに重要なのは今後の支援、しっかり取り組んでいくべきと思いますが、いかがでしょうか。
○松浦計画調整部長 これまでの被災地支援の実施内容と今後の支援についてです。
仙台市には、発災翌日の三月十二日から局職員を派遣し、二十七日までに延べ二百四十六人により、下水道管やマンホールの被害状況調査を行いました。
液状化による被害を受けた千葉県浦安市及び香取市においては、液状化等により閉塞、損傷した下水道管について、東京都下水道サービス株式会社や下水道メンテナンス協同組合と連携して、下水道管内を清掃し、機能回復を図るとともに、テレビカメラ調査を実施いたしました。
浦安市には、三月二十五日から四月十一日まで延べ二千二百六十一人を派遣し、香取市には、四月十一日から十八日まで延べ三百五十二人を派遣いたしました。さらに、地方自治法に基づく、都では初となるインフラ復旧のための長期派遣として、宮城県に土木職二名を災害査定業務等を行うため、五月中旬から十二月末までの期間派遣しております。また、七月一日から平成二十四年三月末まで、今回の大震災で津波により機能が停止した宮城県の仙塩浄化センターの本格的な復旧のため、処理場の設計、施工管理業務に当たる機械職、電気職それぞれ一名を派遣することとしております。
今後とも、現場からの要請を的確に把握し、被災地の復興支援に最大限の協力を行っていく所存でございます。
○長橋委員 今後については、初めてであるけれども、長期の災害復旧支援を行っていくということであります。ぜひ復旧、復興には、当然長期間にわたる期間を要するわけでありまして、新たな要請も来るかと思います。そうした意味では、東京の下水道の技術力、これを最大限に提供する、支援をする、ぜひ行っていただきたいと思います。
続いて、今まで話題になってまいりました放射性物質を含む下水汚泥の取り扱い、これについて私からも質疑をさせていただきたいと思います。
我が党は、話題になっておりました東部スラッジプラント、これには我が党の木内団長、そして東村政調会長が視察をさせていただきました。南部スラッジプラントについては、地元大田区選出の遠藤議員が同じように視察をさせていただいて、下水道局の職員にご案内をいただいて、ふだんはなかなか我々も行く機会がないわけでありますけれども、我が党は、そうした意味では現地に赴いてきちっと説明を聞いてきた。その上で、本会議の代表質問でも、下水道局に対して、局長答弁で、下水道局の下水汚泥の取り扱いについて答弁があったところでございまして、繰り返しませんけれども、我が党は、そうした意味では、きちっとした知見、または首都大学東京と連携して取り組むべきだと、今後の風評被害、既に起きているわけでありますから、そうしたことを踏まえて、きちっと公表、また取り組んでいくべきだと、こういうふうにお話をしたところであります。
特に局長答弁の最後には、敷地境界の空間放射線量の測定を二週間に一回だったのを一週間にするというようなことを含めて、わかりやすくホームページに掲載をしていく、こういう答弁をいただいたところでありまして、引き続きこうしたことについては、我々の立場でも、風評被害をいかに防ぐかということを含めて、皆さんと一緒になって取り組んでいきたいなと、こう思っているわけであります。
そこで、基本的なことでございますけれども、区部と多摩地域それぞれ下水汚泥の取り扱いが違うようでございますが、震災前とその後、後はもうわかっているんですけれども、震災前と後で、焼却灰の資源化、それから埋立処分の状況、震災前と震災後はどう違うのか、お示しをいただきたいと思います。
○松浦計画調整部長 区部におきましては、震災前は、焼却灰の七割をセメント原料や粒度調整灰などとして資源化し、三割は中央防波堤外側の処分場に埋立処分としていましたが、現在は全量を埋立処分としております。
多摩地域では、震災前はセメント原料やアスファルトフィラーなどとして全量を資源化しておりましたが、五月中旬から下旬にかけて資源化を停止して以降は、水再生センターの施設内に仮置きしております。
○長橋委員 焼却灰の管理状況について、今ご説明がありました。区部と多摩部では違うわけでありまして、多摩は全量仮置きしているというところでございますけれども、区部については三割は中央防波堤に、処分場に埋め立てをしているというところでございまして−−三割じゃない、今は全量ですね。そういった意味で、これが大きな放射能物質の飛散がどうなのかと、こういうことが話題になっているし、大きな課題になっているわけであります。
本会議の代表質問の答弁では、いわゆる灰の全量を飛散防止措置をした上で埋立処分しているということでございますけれども、この飛散防止措置、先ほども具体的にパネル等で質疑がありましたけれども、もう一度改めて、この飛散防止の措置、先ほど水やセメントをまぜて飛散をしないようにしているということもございましたけれども、飛散防止措置をしたというのを代表質問の答弁で局長が答えたわけでありますが、もう少し具体的にご答弁をいただきたいと思います。
○黒住施設管理部長 東部スラッジプラントを含め、区部におきましては、汚泥処理施設を有する水再生センターやスラッジプラントなどからの汚泥焼却灰は、密閉したタンクローリーを使用し、大田区の南部スラッジプラントまで運搬をしております。
ここで、焼却灰に焼却灰の重量の六割程度のセメントと水を加えまして、飛散防止措置をした上で、開閉式のふたがついたトラックを用いて中央防波堤外側の埋立地に運んでおります。搬出の際には、タイヤや車体を洗浄しており、外部に灰が飛散することはございません。
このように、焼却灰や混練り灰の運搬に当たりましては、飛散しないよう万全の対応を講じております。
○長橋委員 そういうことで飛散防止をしているというところでございますけれども、そのポイントが、いわゆるセメントや水を加えて混練り灰にしているということで、湿気があり、また重量も出てやっているんですけれども、そのセメント、それから水、この割合、わずかな量では飛散をしてしまうということも考えられるわけでありますし、そういうセメントや水をどれぐらい加えるのかということによって、飛散を防げるという根拠というのはあるのでしょうか、どうでしょうか。
○黒住施設管理部長 先ほど焼却灰の重量の六割という形で合わせたものが、セメントと水が六割ということです。ですから、焼却灰一〇〇に対して、大体セメントが五、それから水が五五でございます。足して六〇ということです。合計一六〇になります。焼却灰が一〇〇あったものに対して、五五と五を足しまして一六〇にします。ですから、かなり湿り気というか、そういうものがある状態で運ぶということで、先ほど来飛散することはないと申し上げているわけでございます。
○長橋委員 改めて、このセメントと水の量についてもご答弁いただいたんですけれども、そうしたことで飛散防止をしているということでございます。そこで、私も報道を見ましたけれども、排ガスについて、答弁では、固形物を九九・九%以上回収して飛散することのないようにしているということなんですけれども、私が見た報道では、南部スラッジプラントですか、我が党の遠藤議員も視察をさせていただいて、初めての視察だったと思いますので、下水道局の職員にご案内をいただいて、ふだんなかなか見られないところも説明を聞いたというところでございまして、それでまた、排ガスのある五号炉も見せていただいたと。
五号炉を途中まで上って、実際に焼却している様子なども見せていただいたということでございまして、きちっと職員の案内のもとに施設を見せていただいたと、このように聞いているわけでありますが、私が見た報道では、その五号炉の一番上の映像が出まして、それが高濃度だということが、かなり、夕方の時間でありましたので、非常に衝撃的に報道されたわけでございます。
そうした意味では、その報道が私はもとになったんだろうと思うわけでありますけれども、今度お伺いすると、城南島連合会という、南部スラッジプラントがある城南島、そこの企業とか工場が集まった連合会が、そういうことが心配だということで、今度七月八日に施設見学会をしたいと、既に聞いていらっしゃるかと思いますけれども、そういうことがあったということであります。
また、特に話題になっているのは、外国人の方はこの放射能に対して、どんどんと国に帰ってしまうというようなことも起きているようでありますけれども、ここで働いている、城南島にも中小企業等たくさんあるわけでありますから、ここで働いている外国籍の労働者が不安を感じて帰ってしまっているということで、被災地では観光客の激減とか、外国の方が来なくなってしまったと、これはもう世界じゅうで大きな話題になったわけでありますけれども、こうした報道が発端となって、さらにそれが広がっているんだろうと、このように思うわけでありますけれども、なぜこのような報道が流布されたのか。
東京都の施設、下水道局の施設で起きたことが、そのように報道されてしまっているわけですよ。これが私は大きな風評被害の原因であるということで、当然東京都にも、下水道局にも問い合わせは殺到したんだろうと思うわけでありますけれども、改めて、こうしたマスコミ等の報道、どのように局は見解持っているのか伺いたいと思います。
○石原総務部長 放射線の影響につきましては、国の明確な基準がないことや、下水の処理過程が一般にはわかりにくいということがございまして、一部の報道が切り出され、不必要にクローズアップされる、こういったことで正しい情報が伝わりにくい面があったのではないかと、このように考えております。
このため、当局では、六月十五日に報道機関を対象とした施設見学会を実施いたしまして、汚泥処理の工程をすべてオープンにいたしました。また、その際、放射線の測定もあわせて行いました。多くの報道機関から、施設公開について評価を受けておりまして、詳細に報道していただけたと考えております。
さらに、本会議でのご指摘を踏まえまして、先ほど長橋副委員長からもご発言ございましたが、敷地境界の空間放射線量の測定を増加いたしまして、隔週から毎週行うこととしたほか、下水道の放射線の情報を見やすく要約、集約いたしまして、ホームページに掲載をしております。
今後も、お客様の安心につなげるため、正しい情報をわかりやすく、正確にお客様に伝えていく、こういうことが肝要かと考えております。
○長橋委員 そういうこともありまして、本会議の代表質問の答弁でも、一部報道にあるような放射性物質を含む灰が飛散する事実はなく、施設の敷地境界の空間放射線量は都内の他の地域と変わらないと、こういう答弁をあえて局長はされたのだろうと、このように思うわけでございます。
そういう意味でいうと、私も、夕方の時間でしたから、たまたま見たわけでありますけれども、かなりセンセーショナルに報道があったのだろうと思うわけであります。また、我が党の遠藤議員も、その同じ五号炉の、焼却炉が見える窓があるんですが、そこまでは上がって見たそうなんですけれども、それ以上は上に行かなかったということなのでありますけれども、そこから上は上がれるようになっているのでしょうか、どうでしょうか。
○黒住施設管理部長 ご指摘の焼却炉の中が見える窓のところまでは、基本的に階段に鎖等はしておりません。しかしながら、そこから先は、煙突の外部について非常に温度が高いということがございまして、さわるとやけどをされるという可能性もあることから、職員を含め、立ち入らないよう、他の区域と区分するために階段に鎖をしております。
○長橋委員 あの焼却炉が見える窓の方から上、ちょっと先は鎖がしてあると、こういうことであります。それは放射能の問題ではなくて、危険であるということで、職員も立ち入らないということになっていると。当然、鎖がしてあるということは、そこから先は危険であるよということであるわけでありますね。どこでも、道路でも何でも、ここから立ち入らないでくださいということで、ひもが引っ張ってあったり、ロープが引っ張ってあったりするわけでありますけれども、そこを乗り越えて行ったんだろうと思いますけれども、それで正しいですか、どうでしょうか。
○黒住施設管理部長 今ご指摘の鎖がある状態をどうやって解除されたというのは、私どもヒアリングをしましたけれども、定かではございませんでした。
○長橋委員 私も見ましたけれども、そこには、先ほどもう既にいっておりますけれども、柳ヶ瀬委員も、素人なので局の職員の案内でずっと見て回ったと、こういうことでありますけれども、そこの上には職員は同行しなかったということでありますよね。同行はしなかったということで正しいんですか、どうですか。
○黒住施設管理部長 職員が同行したかどうかでございますけれども、これもヒアリングをしましたけれども、基本的には、先に副委員長が行かれて、その後私どもが追いかけて行ったという事実のようでございます。
○長橋委員 ともかくその場に私はいたわけじゃありませんので、わかりませんけれども、一つは、鎖があったということでありますね。その先は……(発言する者あり)おれが発言しているんだから黙っていろよ。発言求められていないだろう。−−ですから、鎖があるということは、その上は先に行かないということであります。私も遠藤議員に確認したら、その先は行きませんでしたと、こういうことでございます。
しかしながら、その煙突に上ったその放射線量が、どういうふうに報道されたかは私も見ましたけれども、それが大きな風評被害の原因になったと、これは事実であろうかと思うわけであります。そうした意味では、テレビクルーを連れていってそれを映させるということはどうなのかなと私は思うわけであります。(発言する者あり)カメラを連れていったのは間違いないわけで、少し黙っていろよ、おれがしゃべっているんだから。
そういう意味では、こうしたことが前にもありましたよね。前にも勝手に冷蔵庫をあけてしまったような議員がいましたけれども、こういうことをやるということは、ちょっと常識が外れているんじゃないかなと。その後の影響を考えて、視察に行くのですから、東京都と一緒になって、この安全対策、この緊急のときにしなければならないときに、かえって逆の風評被害を起こしたと、これは私は断言をしておきたいと思うわけでございます。
ぜひそうしたことが今後ないように、改めて、例えば鎖のところにラベルをつくって立入禁止とか、そういったことも一つは重要なことかなと思うわけでありまして、もちろんそこで働く職員の皆さん方の安全対策、これもきちっとやらなきゃいけないと思うわけであります。そうした中で、先ほどもレンガ棟の話だとか、また開閉式のトラックを出すときには、当然といいますか、実際に目の前で汚泥処理を扱うわけですから、敷地の近くの方以上に当然安全対策を講じなければいけないでしょうけれども、そうした意味では、繰り返しになりますけれども、そこの現場での作業員の方々、こういう方々に対して、しっかりと安全対策を講じるべきであります。
改めて、その安全対策をきちっと講じていると、これをきちっと明言してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○黒住施設管理部長 放射性物質を含む焼却灰などの処理作業に当たりましては、労働安全衛生の観点から、施設へ立ち入る作業者を限定するとともに、マスク、手袋、ゴーグルを着用するなど安全対策を講じております。さらに、作業の安全性をより一層高める観点から、電離放射線障害防止規則に定める安全対策に準じてよりきめ細かな作業方法を徹底するなど、適切に対応してまいります。
具体的には、放射性物質を含む汚泥焼却灰などを扱う施設の出入り口への注意事項の掲示、個人線量計の携帯、作業管理票により作業日、作業者、入室退室時間、線量の積算値及び保護具の着用状況の記録などを徹底してまいります。さらに、必要のある者以外が立ち入らないようにするため、施錠を徹底するなどのきめ細かな措置を講じてまいります。
○長橋委員 今、改めてご答弁いただいたんですけれども、私は、もちろんその対策は、同じ職員がその現場で働いているわけですから、万全を講じているということの説明だったわけですが、特にきちっと記録をとっていくことが大事だろうと思うんですね。
この放射線の問題は、今後大きな課題になってくると思いますし、そのときにその記録がずさんであってはならない、このように思うわけでありまして、特にそうしたことについては、きちっと記録を小まめにといいますか、とっていただきたいと思います。
今、区部の話もさせていただきましたので、多摩での汚泥焼却灰、これをどうしているかということでお伺いしましたら、多摩についてはすべて仮置きをしているということでございました。
そこで、現在、流域下水道の水再生センターでは、まずは、どれくらいの量の焼却灰が仮置きをされているのか。相当な量だと思いますが、教えていただきたいと思います。
○渡辺技術部長 流域下水道では、七つの水再生センターで、一日平均約九十二万立方メートルの下水を処理しております。下水処理に伴いまして発生した汚泥は、全量焼却処理を実施しており、汚泥焼却灰が一日平均約二十二トン、日々発生しております。
汚泥焼却灰は、従来、セメントなど全量資源化を行ってまいりましたが、現在は全面的に資源化を停止しており、昨日の時点で、七つの水再生センター全体で約七百五十トンの汚泥焼却灰を仮置きしております。
○長橋委員 七百五十トンの汚泥焼却灰が仮置きしているということでありますから、逆に、私はこっちの方が再生センターでの安全対策というのは重要であるし、また心配であると、このように思うわけでございます。
区部のように中防まで持っていって捨てるのとは違って、既に現場にその汚泥焼却灰があるわけでありまして、こっちこそ私は安全対策をしっかりと講ずるべきだと思いますけれども、そこで、この多摩部での水再生センターにおいての安全対策はどのように講じているのか伺います。
○渡辺技術部長 汚泥焼却灰は、各水再生センターで、全量密閉された袋に詰め、さらに上からシートで覆いをかけるなど、確実な飛散防止措置を講じた上で、敷地境界から十分に距離を確保した建物内に仮置きしております。
仮置きの作業におけます作業員の安全性については、区部と同様に、労働安全衛生の観点から、施設に立ち入る作業者を限定するとともに、防じんマスク、手袋、ゴーグル等の保護具を着用するなど、必要な措置を講じているところでございます。
また、各水再生センター周辺の敷地境界や敷地中央で空間放射線量を測定しておりまして、その結果は、一時間当たり〇・〇五から〇・一二マイクロシーベルトと、都内のほかの地域と変わらない値となっておりまして、周辺環境に対する安全性は確保できていると考えております。
○長橋委員 こちらについても、敷地境界との差はないということでございます。それとともに、作業員の安全確保、これは作業員も毎日のことですから、ゴーグルをはめたり、手袋をはめたりしながらやっているんでしょうけれども、さらに作業員に対しても、それのマニュアルといいますか、作業については再度徹底をしていただきたいと思うわけであります。
そこで、先ほど七百五十トンの汚泥処理が仮置きしていると。これは毎日のようにふえるわけでありますから、じきに敷地内に置き切れなくなるんだろうと思うんですね。どれぐらいになったら置き切れなくなるのかということも心配でありますし、また置き切れなくなったらどうするのか、そんなことも心配をしてしまうわけでありますが、この多摩での焼却灰の処理、今後どうするのか、またどれぐらい仮置きがもつのか、あわせて答弁していただきたいと思います。
○渡辺技術部長 汚泥焼却灰の仮置きは、各水再生センターにより状況は異なりますが、おおむね一、二カ月程度でスペースは満杯になります。このことからも、流域下水道の焼却灰の仮置きにつきましては、埋立処分を行っていない近隣の他都市と同様、危機的な状況にあります。
国から示されました下水汚泥の当面の取り扱いに関する考え方によりますと、汚泥焼却灰をほかの材料と混合希釈するなどして放射能濃度を一定濃度以下とし、それを活用した製品が市場流通前に基準値以下となれば利用して差し支えないとされているものの、その基準値が非常に厳しいものとなっていること、また、セメントなどの市場におきまして風評被害が既に発生していることなどから、現状では資源化の再開は非常に厳しい、難しいものとなっております。
今後、資源化の相手先でありますセメント工場などと綿密な調整を行いまして、比較的放射能濃度が低い水再生センターの汚泥など、資源化可能なものから順次資源化の再開を目指すとともに、風評被害の解消につきましても国などへ要望してまいります。下水汚泥の処理処分について、あらゆる選択肢を含め検討してまいります。
○長橋委員 その基準が非常に厳しいということがあるんですけれども、それがこのクリアランスレベル以下ということなんですね。私も今回初めて勉強したんですけれども、そうした意味では、都は資源化を目指すといっているんですが、調整しながらしていくといっているんですけれども、この見解では、なかなか資源化は難しいということですから、結果的には当面資源化できないと。だけれども、仮置きはあと一月、二月で満杯になってしまう、危機的状況にある、こういうことでありますから、先般は、水道局とともに国に要望出したわけですよね、このことについて。
その返事が、こういうことであるわけでありますけれども、さらに、現場を抱える、実際に都民の下水道を預かっている局としては、危機的状況にある、多摩の皆様は危機的状況にあると、こういうことでありますから、そうした意味では、改めて国に要望していくべきだと、このように思うわけであります。今回の示された回答といいますか、それと今後の対応についてどうなのか、きちっと、国にしっかりと、現場を抱える立場になって示すべきだと思いますが、あわせて見解を求めます。
○松浦計画調整部長 先般、国から通知された当面の取り扱いに関する考え方の中では、放射性物質が検出された下水汚泥等の取り扱いについて一定の考え方は示されましたが、民間事業者による資源化や処分先の確保は引き続き困難な状況に変わりなく、とりわけ多摩地域では焼却灰の仮置き量はふえ続けておりまして、対応に苦慮しているところでございます。
これまで多摩地域では、汚泥焼却灰をセメント、人工軽量骨材、アスファルトフィラー、無焼成ブロックの原料として全量を資源化してきましたが、下水汚泥等の資源化に当たって、これら用途ごとの実態に合った実効性のある具体的な安全基準及び手順等を示すように、今後、改めて国に提案要求する予定でございます。
○長橋委員 以上で質問は終わりますけれども、具体的な安全基準、そして手順、これを示さなければ、この問題は解決しないんだろうと思います。
我が党の国会議員に対しても都の要求をしっかりと理解させて、我々も努力してまいりたいと、このように表明しまして、質問を終わります。
○山内委員 私の方からも、下水汚泥等の放射線物質の対応についてお伺いしていきたいと思います。
ただ、これまでの質疑、答弁で重なっている部分がございますので、省略しながら進めていきたいと思います。
下水道局では、昭和五十五年から、年二回、自主的かつ独自に活性汚泥中の全ベータ放射能の測定を実施してきたようですが、三月下旬にその値が上昇した際に、セシウムなどの個別の放射性物質について、なぜ測定をしなかったのかお伺いしたいと思います。
○松浦計画調整部長 全ベータ放射能による測定では、セシウムなどの個別の放射能濃度を把握することはできないものの、職員が迅速に放流水や焼却灰といったさまざまな対象について、継続してその増減傾向をはかることが可能であります。
また、これまでセシウムなどの個別の放射性物質ごとの測定項目や基準値が設定されていなかったものの、都独自の判断で全ベータ放射能による測定を継続してきました。
その後、五月十二日に国から福島県へ汚泥の取り扱いに関する考え方が通知され、セシウムの濃度に応じた対応が示されたことから、改めて専門検査機関に個別の放射能濃度について委託して検査を行い、公表したものでございます。
○山内委員 口に入るものではないので、それほど厳しくというのはないのでしょうけれども、国からの基準が提示されていなくても、環境中に放出され、循環するものですから、下水道局としても、早くから積極的に専門機関に測定を依頼すべきだったのではないかと考えます。
確かに、五月十日以降は、脱水汚泥、焼却灰の放射性沃素、セシウム、敷地境界線の空間放射線量を測定し公表している点は評価いたしますが、放流水に関しては五月以降は公表されていません。放流水についても測定はしているのでしょうか。
○松浦計画調整部長 放流水のベータ放射能につきましては、汚泥同様、三月二十二日に一時的に上昇しましたが、その後急激に下がり、四月以降は不検出、ないしはおおむねキログラム当たり五ベクレル以下で推移してございます。
このため、現在では頻度を落としているものの、状況を確認するため継続して測定しているところでございます。
なお、直近の六月七日の測定でもベータ放射能は不検出でございました。
○山内委員 ホームページ等で公表されていないと、都民からは、放流水については測定をしなくなったのかとよく聞かれています。測定をしているのであれば、不検出なら不検出と公表するのが、正しくて丁寧な情報提供と考えております。
例えば福祉保健局では、六月十五日から一週間かけて、四キロメッシュで都内百カ所の測定をしております。ようやく動き出した、もっと早く対応すべきだったという声はございますが、多くの都民の不安にこたえる一つの姿勢であると考えております。
因果関係は定かではないにせよ、汚泥処理施設周辺の地域住民から不安の声は寄せられております。そういった都民の気持ちに、下水道局も真摯に向き合い、不安にこたえる姿勢を示すべきではないかと考えております。
そこで、汚泥処理施設周辺の地域住民からの不安、このことについて、下水道局はどのように対応しているのかお伺いいたします。
○松浦計画調整部長 汚泥処理施設では下水汚泥を焼却しておりますが、焼却によって生じる排ガスは、細かいちりなどを除去できる高性能フィルターなどに通し、その後、さらにアルカリ性の水によって洗うことで固形物を九九・九%以上回収し、灰が施設外に飛散することのないよう適正に管理しております。
この結果、例えば江東区にある汚泥処理施設、東部スラッジプラントの敷地境界での空間放射線量は、一時間当たり直近で〇・〇九から〇・一三マイクロシーベルトで、江東区周辺の他の地域と変わらない数値となっております。
また、同プラントで煙突から排出されるガスの成分を専門機関に委託して測定した結果、放射性物質は検出されませんでした。
今後とも、学識経験者の意見を踏まえながら、お客様や地元区などに対して正確な測定結果の公表などの情報提供を充実させ、お客様の安心につなげていきたいと思っております。
○山内委員 今のご答弁で、お客様や地元区などに対して結果の公表などの情報提供を充実させ、お客様の安心につなげていくというご答弁をいただきました。
高性能フィルターなどを通して、固形物を九十九・九%以上回収するというお話もありましたけれども、やはりそういった説明だけでは、都民は安心できないんだと思います。不安を払拭するには、とにかく正しく適切な、そして丁寧な測定と公表をすることだと私は考えます。放射性物質という目に見えない命に対する敵と相対しながら暮らしていかなくてはならなくなったこの事態を、重く受けとめるべきではないかと思います。都民が、それぞれに測定した結果を機器や測定方法の信憑性が不明確とするならば、ましてや都として担っていくべきではないでしょうか。
今後は、他局と連携して、放射性物質を測定し、情報公開するなど、より一層前向きに取り組むことが、さらなる都民の安心と信頼を得ることにもつながるものと考え、検討を要望いたします。
次に、焼却灰についてお伺いいたします。
汚泥の処分に関して、震災以降、セメント会社等に搬出した焼却灰の量、それをお伺いするつもりでございましたけれども、これまでの答弁にもございましたので省き、生活者ネットワーク・みらいの意見だけを述べさせていただきたいと思います。
先日、国から脱水汚泥等を利用した副次産物の利用についての基準が示され、測定値も下がっているようですが、セメントの原料などに利用するには安全性の問題があります。どこにどのように使われるのか、また長期的な安全がわかりません。放射性物質についてはこれまでの基準はなかったのですから、そういった安全面というのは、非常にこれから重要視しなくてならないと思います。実証実験もせずにセメントの原料として再利用していくのは、やはり問題だと思います。
一方、再利用以外の焼却灰は、東京湾の廃棄物処理場に埋め立てておりますが、その東京湾の廃棄物処理場の大気から、わずかな放射線量を測定したと六月四日の新聞記事にありました。
これによる住民や周辺への影響について、下水道局はどのように考えているのかお伺いいたします。
○松浦計画調整部長 東京湾の中央防波堤外側にある処分場は、環境局が管理している管理型の埋立処分場であり、その位置は市街地から離れた東京湾の中にあり、一般の都民が立ち入る場所ではございません。
六月四日に公表されたように、この処分場の敷地境界で空間放射線量は、高さ一メートルの位置で一時間当たり〇・一二から〇・二〇マイクロシーべルトとなっており、都内の他の地域と変わらない数値でありました。
下水道局は、この処分場の定められた場所に適切に運搬、埋め立てを行っているところでございます。
具体的には、焼却灰は、先ほど申しましたが、焼却灰の重量の六割程度の水とセメントをまぜ合わせ、飛散しない性状の混練り灰として、開閉式のふたつきの車両で飛散のないように運搬しております。
なお、車両はタイヤと車体を洗浄した上で、南部スラッジプラントから出発させております。
また、埋立地では、混練り灰を投入した後、上部を土で覆うなどして適切に管理しておりまして、現在ではこの土で覆う覆土を毎日を行うなど、よりきめ細かな管理を実施しているところでございます。
○山内委員 そもそも放射能汚染に関する基準が定められていないことは問題です。今後は国の動きもあると思いますが、一番大事なのは都民の命の安全です。都民の安全・安心の責任として、東京は、環境局との情報共有、適切な対応など望まれるものであります。また将来的な土地利用に関しては、さらに所管が変わります、港湾局になるかと思いますが、うやむやにならないよう、土地履歴をきっちりと管理し、東京都として責任を持って都民の安全を守っていただきたいと思います。土地履歴の管理をするよう、強く要望いたします。
福島原発の事故は、容易に収束の兆しが見えません。放射性物質による汚染がどこまで広がるのか、いつまで続くのか、見当がつかないことが不安を増大しております。都として、今後とも、測定の継続、情報提供に当たっては、都民への不安のばらまきにならないよう、適切かつ明確な表現に努めるよう要望して、質問を終わります。
○鈴木(章)委員 初めに、このたびの震災により下水道施設は、広範にわたり甚大な被害をもたらされ、私が伺った宮城県石巻市では、海岸から六キロメートル離れた市役所周辺でも、復旧まで一カ月近くを有し、衛生面だけでなく、市民の健康面で大変な影響がもたらされたわけであります。復旧は、市役所周辺で四月十日以降であったと伺いました。
私が訪れた四月十四日には、市民や多くのボランティアの方々が、トイレやまちの清掃に取り組まれていた姿が大変印象的であったわけですけれども、翌日から石原軍団による炊き出しが行われるということでありましたが、こうした心ある善意、支え合う人のつながりこそ未曾有の災害の中で、今後の復興に向けての大変大きな力になっていくものと確信を持たせていただきました。そして何より、改めて私たちの生活において、日ごろ当たり前のように使用している下水道のありがたさ、重要さが痛感されたことであります。
このような重要なライフラインである下水道だからこそ、日ごろの備えが重要でありますが、そうしたことを日々しっかりと取り組んでおられます当下水道局の皆様に改めて感謝と敬意を表する次第でございます。
さて、下水道局において、今回の震災は、被災地支援だけでなく、その後の放射能災害や節電対策など、まさに想定外な対応に追われたわけであります。本日は、放射性物質を含む下水道汚泥などの取り扱いについて主に質疑いたしますが、その前に、東日本大震災における被災地支援の取り組みについて若干申し述べさせていただきます。
先般、説明があったように、現実に今回の震災により被災した下水道の復旧支援として、仙台市や宮城県、千葉県浦安市と香取市に支援隊を派遣したことを私は高く評価するものであります。特に、浦安市と香取市については、局職員と監理団体の方々が連携して、下水道施設の早期復旧に尽力されたと聞いております。
さきの第一回定例都議会の公営企業委員会の質疑において、震災時における他自治体との広域的な連携体制や民間企業との協力体制などについて何点か確認させていただきましたが、今回の復旧支援に当たっては、まさに、いただいた答弁どおり、東京都下水道サービス株式会社及び下水道メンテナンス協同組合と連携し、官民の適切な役割分担のもと、復旧業務を無事終了されたことを頼もしく思っております。引き続き、いつ起こるかわからない災害に備え、他の自治体との連携や民間企業との協力体制の維持に尽力されますようお願いいたします。
さて、一般質問でも取り上げられましたように、下水処理施設で検出された放射性物質について何点か質問いたします。
先週、我が党の村上議員が代表質問で発言させていただいたとおり、下水道施設の性質上、雨によって洗い流された放射性物質が汚泥処理プラントに集積するのはやむを得ないものであるといえます。それにもかかわらず、きょうの委員会でも大変質疑されておりますけれども、民主党のある都議は、副委員長でありながらも、本日もそうでありますが、何の根拠もなく都の報告を理解しようとすることもなく、いたずらに騒ぎ立て、都民の不安をあおっているとしかいいようがございません。ただ本日の質疑で、本人より不勉強を恥じるような発言もあり、委員会運営に尽力したいと思っておりますが、そもそも下水道局の報告や対応を疑う以前に、放射能による人的二次災害をこれほど拡大してしまったのはだれなのかということをお考えいただきたいと思っております。
震災発災当時の午後四時三十六分、福島第一原発発電所一、三号機の炉心の冷却用全電源損失という緊急事態に陥ったとき、政府は官房長官より、まだ原子炉には余熱で発生した蒸気を利用して原子炉に注水できる非常用の冷却システムがあると、対応には自信があるような余裕ともとれる会見をしております。その後、海外からの支援申し出を断っておきながら、炉心冷却への対応はどんどん後手後手に陥り、冷却用に集めた電力の電圧が違う、ケーブルの長さが足りない、また地下が停電でベントの準備が進まないなど、事態はどんどん深刻の度合いを増していったわけであります。
そして、翌午前五時、正式に一号機においてベント実施が決定しながら、菅総理がヘリで視察に行くなど、その対応にちぐはぐな状況が生まれたわけであり、現実にベントの開始は大変ずれ込み、その直後に水素爆発があったわけであり、大変な人災であったと改めていわざるを得ないわけであります。これが菅政権における政治主導というものであるならば、こうしたことに何も責任をとろうとしない最悪の政権であり、不幸の中で不幸が生じてしまったようなものであります。
大切なのは、未曾有な災害において、現場の状況をしっかりと受けとめ、迅速に国が対応していくことであり、そのことこそ、今の民主党の方々が行っていくべきものであると思っております。
このたびの下水汚泥の対応についても、物をいうべきは国に対しであり、精いっぱい都民の安心・安全のために取り組まれている下水道局の、まさにあらを探すような行為は慎むべきであると思っております。
具体的に、先ほどの質疑にもございましたけれども、施設は密閉され、排気もコントロールされている中、そうした事実を正確に評価もせず、一方的な推測により、ただ危険だと騒ぎ、現場で懸命に働く関係者の努力を踏みにじり、都民、国民の要らぬ不信感を増幅させる行為を断固として許してはならないと思っております。
政治家としては、反省されているなら、現下の不安をつくり出しているみずからの行為を深く見詰め直し、事実を正しく評価する姿勢に転換すべきであると思います。下水道システムを正しく理解し、下水道が果たしている役割を十分に認識することで、いたずらに危機感をあおるのではなく、都民の安全・安心をいかに確保していくかを考えていくべきであります。
今必要なことは、科学的知見に基づいて明確かつ実効性のある対処法を行うことであります。先般、国は都などの要望を受けて、放射性物質が検出された上下処理施設等副次産物の当面の取り扱いに関する考え方をおくればせながら示しましたが、下水汚泥や焼却灰の具体的な処分方法がいまだ明確になっておらず、多くの自治体が対応に苦慮しているわけであります。
そこで何点か国が示した取り扱いに関する考え方について局の見解を伺います。まず、当面の考え方に示された下水汚泥などの取り扱いについての局の見解を改めてお伺いいたします。
○松浦計画調整部長 六月六日に都は国に対して、放射性物質を含む浄水場発生土、下水汚泥等の取り扱いに関する緊急要望を提出いたしました。この中で、下水焼却灰等の処理処分の取り扱いの基準を示すこと、資源化に当たっての明確な安全基準を示すこと、作業者の安全確保のために必要な措置等を具体的に示した適切な放射線管理のためのガイドラインを作成することの三点を要望いたしました。
しかし、六月十六日に国が示した当面の考え方では、文字どおり、考え方は示されているものの、処理処分の具体的方法、資源化における用途ごとの具体的な安全基準や評価基準、適切な放射線管理のためのガイドラインが示されておらず、都からの要望に十分こたえるものとはなっておりません。具体的には、処理処分の方法について、安全性の検証をどのように行うかなどの手順や計算方法が示されていないことなどがあります。
放射能の問題については、学識経験者の間でも見解が分かれることが多く、今回の当面の考え方だけでは、具体的な対応を講ずることは難しい状況にあります。放射能の問題は、本来一自治体の考えで判断できるものではないため、今後とも国に対し、下水道事業が円滑に進むよう、放射能を含む下水汚泥等の取り扱いについて、実効性のある具体的な方策を明確化するよう求めてまいります。
○鈴木(章)委員 ただいまの答弁にもありましたけれども、汚泥の資源化については、用途ごとの具体的な安全基準や評価基準が十分に示されていないとのことでありますが、このことについて、局の見解を改めてお伺いいたします。
○松浦計画調整部長 セメントへの再利用については、評価方法が明らかになったものの、基準自体は一キログラム当たり百ベクレルと、非常に厳しい内容となっており、資源化の再開が難しいことには変わりございません。
しかしながら、評価方法が明らかになったことで、国土交通省に対し、適切な運用が図られるよう申し入れるとともに、セメント会社と個別に協議を行い、放射能濃度が比較的低い値の焼却灰について再利用が再開されるよう取り組んでまいります。
一方、セメント以外の再利用については、具体的な評価方法が示されておりませんが、下水道工事に使用するシールド管のセグメントや鉄筋コンクリート管へ焼却灰からつくられた粒度調整灰を混合させることについて、学識経験者の助言をいただき、安全性の評価を行うこととしております。その評価が終了し次第、先般国が設置した放射能に知見を有する学識経験者等で構成している下水道における放射性物質対策に関する検討会等において、当局の検討内容の是非を判断してもらうよう、国に求めてまいります。
○鈴木(章)委員 次に、作業員の安全確保について質問させていだきます。
汚泥処理プラントの中には、汚泥処理に従事する作業員が働いておりますが、当たり前のことでありますが、放射能の影響が決して及ぶことのないよう、適切な対応が求められるわけであります。
先週の民主党の一般質問でも、南部スラッジプラントで一時間当たり二・五マイクロシーベルトを超える二・六九マイクロシーベルトの空間放射線量が観測されていることから、電離放射線障害防止規則に定めた管理区域に指定しなければ、法律違反になるという趣旨の発言がありました。
本人はこのことも先ほどの質疑で不勉強を理解していると思いますが、議会や委員会での発言が、本人の単なる勉強の場と考える節がありますが、改めて、まちじゅうで物をいうことと違い、重い責任があるということを受けとめられたことと思います。
この電離放射線障害防止規則に定めた管理区域の指定条件は、三カ月間の累積で一・三ミリシーベルトという基準とのことでありますが、一時間当たり二・五マイクロシーベルトというのは、一日当たり八時間を標準として、一週間に五日の週四十時間として割り戻した場合であり、作業時間が短いケースの場合には、一時間当たり二・五マイクロシーベルトが計測されたからといって、必ずしも管理区域の指定をしなければならないということではないことは明白であります。
また民主党菅政権が東京電力に作成されている工程表によれば、今後、四から七カ月で放射線量が大幅に抑えられるステップ2を達成できるといわれており、このように原発事故が収束するにつれ、放射性物質の拡散は確実に減少していくと思われる中で、汚泥処理プラントのような、恒常的に放射性物質を扱うことのない施設に対して、管理区域を指定することが、今の段階で妥当なものと全く思われません。
そこで、管理区域の指定について局の見解を改めてお伺いいたします。
○黒住施設管理部長 ご指摘の電離放射線障害防止規則では、管理区域を指定する条件の一つとして、作業に従事する者が受ける三月間の累計での放射線量の下限値一・三ミリシーベルトのみが規定されており、一時間当たり二・五マイクロシーベルトの規定はございません。また、この規則の具体的な運用を定めた厚生労働省労働基準局長通知では、サーベイメーター等の放射線測定器を用いて測定する場合は、これに三月間において予想される最大延べ労働時間を乗じて、三月間における実効線量とすると記されております。
したがいまして、作業時間が短く、三カ月間の累計値が一・三ミリシーベルトを超えないことが明らかな場合は、管理区域の指定は必要ないこととなります。
例えば、一時間当たり二・六九マイクロシーベルトの空間放射線量が計測された当局施設は、焼却灰に水とセメントをまぜて固めた混練り灰を一時的に仮置きしている施設でございます。この混練り灰は、日常管理の必要性は特になく、この施設へ立ち入るのは、別途設置、同じ部屋に設置してありますポンプ設備の日常点検のためだけで、一日五分程度でございます。仮に、この施設での一日五分程度の作業を三カ月間継続した場合の放射線量の累計値は〇・〇二ミリシーベルトにとどまり、規則が定める下限値の一・三ミリシーベルトと比較しても極めて小さな値でございます。加えまして、一時間当たり二・六九マイクロシーベルトが計測されたのは、混練り灰に線量計を近づけたときに測定された値であり、ポンプの点検は、混練り灰より離れた、一時間当たり〇・〇四マイクロシーベルトと低い場所で行われます。
このような作業実態、施設では、管理区域の指定は必要ないものと考えておりますが、作業者の労働安全衛生の観点から、これまでも、放射性物質を含む焼却灰などの処理作業に当たりまして、施設へ立ち入る作業員を限定するとともに、防じんマスク、手袋、ゴーグル等の保護具を着用するなど、安全対策を講じているところでございます。
さらに、作業の安全性を一層高める観点から、電離放射線障害防止規則に準じて、よりきめ細かな作業方法を徹底するなど適切に対応してまいります。
具体的には、放射性物質を含む汚泥焼却灰などを扱う施設の出入り口への注意事項の掲示を行う。個人線量計を携帯させる。作業管理表により作業日、作業者、入室退室時間、線量の積算値、保護具の着用状況を記録する。さらに、必要のある者以外が立ち入らないようにするため、施錠を徹底するなどの措置を講じてまいります。
このような作業実態や安全対策の実施状況、個人線量計での測定結果等を踏まえつつ、引き続き関係機関と協議してまいります。
○鈴木(章)委員 何度も聞かせていただいておりますので、本当に今回の対策に対して、都の姿勢、そしてまた作業員の安全確保が十分になされていることもまた確認ができたわけであります。下水道汚泥等から放射性物質が検出されているのは、都内の下水道施設だけではないと私は思う、限らないわけでありますけれども、管理区域の指定について、他県の状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
○松浦計画調整部長 お話のとおり、下水道施設における放射性物質の影響は、都内だけに限らず、二十二都道府県に及んでいるともいわれ、各自治体が対応に苦慮しているところでございます。
群馬県前橋市の下水処理場では、下水汚泥を扱う施設のうち、一部への立ち入りを制限しているとのことでございますが、管理区域の指定はしていないとのことでございます。また、他の自治体においても、管理区域の指定を行っている事例はないと聞いております。
○鈴木(章)委員 改めて現場における計測値をもとに、国の示した指針に沿って対応されているわけでありますので、現時点で当然な対応であると思っております。大切なことは、国が二次災害による地方自治体の声をしっかりと受けとめ、その対策を迅速に行っていくことが大切なことであるわけですけれども、本当にそれこそが、まさに責任ある政治の姿であると、本当に、今回の現場の状況を受けとめながら感じていただくことが大事であるというふうに思っておりますし、そのことに対して、やはり物をいっていくことが、私たちのおかれた本当に使命ではないかなというふうに思っております。
管理区域の指定こそ都民の不安を払拭するものという発言がありましたけれども、やはり、今回の、それこそ不安をあおるだけでなく、東京都や特に大田区においても、今回この南部スラッジプラントは大変近いところにあり、そこで仕事をされている方々がたくさんいらっしゃるということを考えると、そうした風評被害を引き起こさないように取り組んでいくことも、まさに本当に大切なことであり、そうした状況をしっかりとしんしゃくして発言をしていただきたいものであると改めていわざるを得ないわけであります。
次に、一般質問の中でも、下水処理施設には、活性炭や触媒がなく、非常に簡易なつくりになっており、排ガスの安全性は非常に脆弱な根拠の上に成り立っているという発言がありましたが、下水道局は、さきの代表一般質問の答弁であったとおり、適切な管理のもと、放射性物質を外部へ排出することのないよう対応していることと思っておりますが、改めて汚泥処理施設での排ガス中の固形物の除去性能についてお伺いをいたします。
○黒住施設管理部長 汚泥処理施設での排ガス中の固形物の除去性能についてでございますが、ごみ焼却施設に設置されております活性炭や触媒は、固形物を除去することが目的ではなく、ダイオキシンや窒素酸化物を除去することが目的でございます。
一方、下水汚泥の焼却施設では、ダイオキシンなどの濃度が低いため、これらの設備を設けていないものでございます。したがいまして、固形物の除去という面では、両者は同等の性能を持っており、下水道施設が簡易なつくりで、排ガスの安全性が脆弱な根拠の上に成り立っているとの指摘は当たりません。
下水汚泥の焼却によって生じる排ガスにつきましては、煙突から排出される前に、細かいちりなどを除去できるバグフィルターやセラミックフィルター等の高性能フィルターなどに通し、その後、さらに、アルカリ性の水によって洗うことで、すべての焼却炉の実績でも、固形物を九九・九%以上回収しており、焼却灰が施設外へ飛散することのないよう適切に管理しております。このようにして九九・九%以上回収した焼却炉固形物の中には、放射性物質のほとんどが含まれていると考えております。
また、放射性物質の濃度を確認するため、東部スラッジプラントで、水で洗った後の排ガスの成分を、専門機関に委託して測定した結果、放射性物質は検出されませんでした。これによりまして、周辺環境への影響はないものと考えております。今後、他の水再生センターなどの焼却炉の排ガスにつきましても、継続的に計測してまいります。
○鈴木(章)委員 汚泥焼却施設が高い性能を有していることについて、改めて確認できたわけであります。
また勝手な憶測とか推測によっての私見というのは、厳に慎んでいただかなくてはならないというわけでありますけれども。一般質問の中で、汚泥に含まれた一日当たり二十一・五億ベクレル、焼却灰となって捕集した十七・六億ベクレルの差三・九億ベクレルが行方不明で、どこへ行ったかわからない。可能性としては、排ガスとなって大気に放出されている、あるいは水処理によって溶けて高い濃度の汚染水を排出しているという趣旨の発言もあったわけですが、このことについて不明といわれている放射性物質の行き先について、改めて局の見解をお伺いいたします。
○黒住施設管理部長 不明と発言されました放射性物質の行き先についてでございますが、パネルで示された計算結果については、私どもの方に明らかにされておりませんので、若干わからないところがございますが、脱水汚泥と焼却灰の放射濃度に、それぞれの一日発生量を掛けて求めた脱水汚泥に含まれる放射性物質の量と焼却灰に含まれる放射性物質の差三・九億ベクレルについては、焼却灰の方が少なく、収支が合わないのではないかとの指摘と推定されます。
この値は、直近の各施設の脱水汚泥と焼却灰の放射能濃度に、二十一年度の脱水汚泥の一日の焼却量と、二十二年度の焼却灰の一日発生量をそれぞれ掛け合わせて求めたものと推定されます。
したがいまして、異なる年度での比較であれば、収支の差は比較できないのではないかなと考えております。
そこで、本年五月の一日平均汚泥量と五月十八日から十九日にかけて採取いたしました脱水汚泥等の放射能濃度を使用しまして、私どもで計算した結果、センターごとに収支がプラスになったりマイナスになったりということがあったと同時に、全体としても、焼却灰の放射性物質の方が三・二億ベクレル多いという逆の結果が発生しました。その理由として考えられますのは、脱水汚泥とか焼却灰は日々変化しておりまして、サンプル採取をした時間差でありますとか、測定誤差もございます。このようなものが要因ではないかと考えられます。
そもそも物質の収支を分析することは容易なことではなくて、一般的には、長期のデータ分析が不可欠でございます。下水道施設における放射性物質の挙動につきましては、当局も参加しております国が設置した検討会において検討される予定であり、検討会における意見や議論等を踏まえつつ、当局としても、放射性物質の挙動を検討してまいります。
当局では、放射性物質を含む汚泥等が周辺環境に与える影響につきましては、敷地境界における空間放射線量の測定値が、他の地区での計測値と差異がないことを確認しており、一週間に一回の頻度で測定値を公表しております。加えて、焼却時の排ガスの放射性物質を継続的に測定し、排ガスから影響がないことを確認することとしております。また、放流水からの影響につきましても、全ベータ放射能のモニタリングを継続しており、直近の測定では検出していないことを確認しております。
○鈴木(章)委員 ただいまの質問で、根拠のない計算であったことがわかったわけでございますけれども、これが故意に発言したとなれば、大変大きな問題であると私は思っております。都民の不安をあおるパフォーマンスこそ本当に慎んでいただきたいものと思っております。
また、質問の中で、調査することもなく、根拠もなく、安心だ安心だというものがあれば、そのものこそ不安をあおるものということにならないかという発言も議場でしておりますが、これまでの答弁を受けて、下水道局は、実際に測定等を行ってしっかり調査し、また根拠も明確であることが、本人もやっと理解できたものと思いますが、発した言葉の責任をしっかりと受けとめてもらいたいものであります。
また、みずからの不勉強を自覚するのが議会ではなく、しっかりとそのことも受けとめていただきたいものであります。
一方的な情報で発信するのではなく、納得のいくまで相手の話に耳を傾ける姿勢こそ求められるものであり、行政をチェックし、ともに都民のために取り組んでいる者の姿勢であると私は思っております。
最後に、民主党政権は、放射性物質を含む下水汚泥に関する課題の解決を、多くの自治体に負わせるべきではなく、下水汚泥を利用した有効利用の中止を余儀なくされていることなどにより生じている損失や、追加的支出に対する適切な補償を早急に実施すべきであり、ぜひとも国へ働きかけていただきたいものであります。
そこで、先般示された当面の考え方について、内容を明確にするよう国へ再度要望する必要があると考えますが、局の見解をお伺いいたします。
○松浦計画調整部長 六月十六日に国が示しました当面の考え方では、一定の考え方が示されているものの、民間事業者による下水汚泥等の資源化や処分先の確保は、いまだ困難であり、対応に苦慮しております。このため、国の施策及び予算に対する東京都の提案要求の中で、放射性物質を含む下水汚泥等の処理処分、資源化を適切に行うための具体的な対策を早急に講ずるよう、国に要望していく予定でございます。この中で、改めて、下水汚泥や焼却灰の具体的な処分方法、資源化に当たって、用途ごとの具体的な安全基準及び手順等、作業者の安全確保のために必要な措置等を具体的に示した作業の実態に合ったガイドラインの作成について、早急な対応を再度求めてまいります。
○鈴木(章)委員 いたずらに不安をあおるような行動や風評被害に負けることなく、引き続きさまざまな検討を進めていっていただきたいとエールを送り、私の質問を終わらせていただきます。
○田中委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認め、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で下水道局関係を終わります。
○田中委員長 これより付託議案の審査を行います。
第百十三号議案及び第百十四号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
これより採決を行います。
第百十三号議案及び第百十四号議案を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認めます。よって、第百十三号議案及び第百十四号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
○田中委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○田中委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
○田中委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、尾崎水道局長から発言を求められておりますので、これを許します。
○尾崎水道局長 公営企業三局を代表いたしまして、ごあいさつ申し上げます。
まず初めに、今回ご審議を賜りました議案につきまして、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
また、田中委員長を初め委員の皆様方におかれましては、ご就任以来、公営企業三局に対しまして、数々のご指導、ご鞭撻をいただき、厚くお礼申し上げます。
私ども公営企業が行っております事業は、都民生活や首都東京の都市活動にとりまして、日々欠かすことのできない重要な事業でございます。これまでにちょうだいいたしました貴重なご意見やご指摘等を今後の事業運営に十分反映させ、都民サービスのさらなる向上を図るとともに、より効率的な経営に努めてまいる所存でございます。
今後とも、公営企業三局に対しまして一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、お礼のあいさつとさせていただきます。まことにありがとうございました。
○田中委員長 発言は終わりました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時五十六分散会
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