公営企業委員会速記録第二号

平成二十三年三月一日(火曜日)
第十委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長田中たけし君
副委員長柳ヶ瀬裕文君
副委員長長橋 桂一君
理事山内れい子君
理事鈴木 章浩君
理事泉谷つよし君
きたしろ勝彦君
矢島 千秋君
尾崎 大介君
樺山たかし君
小沢 昌也君
相川  博君
鈴木貫太郎君
馬場 裕子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
交通局局長金子正一郎君
次長野澤 美博君
総務部長中村  靖君
職員部長宮川  昭君
資産運用部長廣瀬 秀樹君
電車部長室星  健君
自動車部長土岐 勝広君
車両電気部長広川 徳彦君
建設工務部長廣木 良司君
企画担当部長小泉  健君
安全管理担当部長波多野正裕君
バス事業経営改善担当部長岡本 恭広君
技術調整担当部長石井 明彦君
技術管理担当部長橿尾 恒次君

本日の会議に付した事件
 決議について
 交通局関係
予算の調査(質疑)
・第二十三号議案 平成二十三年度東京都交通事業会計予算
・第二十四号議案 平成二十三年度東京都高速電車事業会計予算
・第二十五号議案 平成二十三年度東京都電気事業会計予算

○田中委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田中委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○田中委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 平成二十三年度予算につきましては、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分につきまして、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十三年二月二十五日
東京都議会議長 和田 宗春
公営企業委員長 田中たけし殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、二月二十五日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月三日(木)午後五時

(別紙1)
公営企業委員会
第二十三号議案 平成二十三年度東京都交通事業会計予算
第二十四号議案 平成二十三年度東京都高速電車事業会計予算
第二十五号議案 平成二十三年度東京都電気事業会計予算
第二十六号議案 平成二十三年度東京都水道事業会計予算
第二十七号議案 平成二十三年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十八号議案 平成二十三年度東京都下水道事業会計予算

(別紙2省略)

○田中委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の予算の調査を行います。
 これより交通局関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第二十三号議案から第二十五号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○柳ヶ瀬委員 それでは私の方から、都営地下鉄における安全対策について何点か質問していきたいというふうに思います。
 国土交通省の発表によると、鉄道の事故について、人身傷害事故以外の運転事故、つまり列車の衝突とか脱線、火災、物損というのは年々減少傾向にあるということなんですけれども、しかしその一方で、人身傷害事故は増加傾向にある。特にホームでの事故件数は、この八年で百十三件から二百三十四件と、約二倍になっているとのことです。
 酔客によるものが多いということですが、これまでもこの委員会で、ホームさくの設置が有効だということがたびたび議論されてきました。
 そこで、お伺いしたいんですけれども、このホームさくが全駅で設置されている都営三田線について、ホームからの転落件数がどうであったのか、教えていただければと思います。

○室星電車部長 都営三田線では、平成十二年八月にすべての駅で可動式ホームさくの運用を開始いたしましたが、ホームさくの運用後は、現在に至るまで、転落事故は発生しておりません。

○柳ヶ瀬委員 すばらしいですね。ホームさくを全駅で設置を終えている三田線においては、ホームさくを設置してから転落事故はないということがわかりました。この効果は、ほかの路線と比較しても明らかであります。
 各線の転落件数の過去五年の数字をいただきましたが、五年間トータルで、浅草線では七十三件で二人がお亡くなりになっている。新宿線では六十一件で二人がお亡くなりになっている。大江戸線では転落は八十四件でお亡くなりになった方はいないということで、合計すると五年間で約二百三十件もの転落事故があった。その中で三田線は、ゼロであるということなんですね。
 これは当たり前といえば当たり前なんですけれども、大変な事実をあらわしているんだろうというふうに思います。ホームさくを設置すれば事故がなくなるということですね。
 これだけ因果関係がはっきりしている対策もないと思いますので、二十五年度に完成する大江戸線だけではなく、浅草線、新宿線についても、さまざまな課題があるということは聞いておりますけれども、早急に整備を進めていただきたいということ、これを改めて要望しておきたいというふうに思います。
 さて、ホームでの事故以外にも、統計にはあらわれない事故もございます。先日の東京消防庁の調査によれば、電車のドアや戸袋に手足などが挟まれる事故で、二〇〇五年四月から十月までに、都内で計六百十四人が医療機関に救急搬送されていたということなんですね。中でも、五歳以下の乳幼児が百九十八人、約三割を占めていると。大けがにつながるおそれがあるということです。
 また、先般の新聞報道によると、都営地下鉄でも浅草線高輪台駅で先月の二日、ドアが開いた際に、母親に抱えられていた乳児の足が戸袋に挟まれ、助けようとした乗客の方が左手中指を切断されるという事故が起きたというふうな報道を見ました。
 そこで、お伺いしたいんですけれども、都営地下鉄における、この車両の戸挟みや戸袋引き込まれが原因で乗客がけがをした件数について、お聞かせいただければと思います。

○室星電車部長 過去三年の都営地下鉄四線における戸挟みによるけがの件数でございますが、平成十九年度三件、二十年度八件、二十一年度一件、合計十二件でございました。
 また同様に、戸袋への引き込まれによるけがの件数でございますが、十九年度三件、二十年度一件、二十一年度一件、合計五件でございました。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。
 乗客が実際にけがをした件数は、過去三年間で十七件ということですけれども、これはけがをしていないがドアに挟まれたり、戸袋に引き込まれたケースであったり、この件数というのは実際に乗客から申し出があった件数ですので、けがはしたが、例えば急いでいて申し出ないなど、報告されていない件数も多数あるだろうということが想像できるわけであります。
 先ほどの消防庁の調査でもわかったように、乳幼児が三割を占めているということを考えると、これは一歩間違えれば重大な事故につながりかねないということです。
 そこで、この事故防止のためには、まずは、こういった戸袋の引き込まれということがあるんだということで、意識の啓発が必要だと思います。
 そこで、どのような注意喚起を今行っているのか、その点についてお聞かせください。

○室星電車部長 車両の戸挟みや戸袋への引き込まれを防止するには、お客様の協力や安全意識の向上が不可欠でございます。このため、戸挟みにつながる駆け込み乗車に対しましては、ホームの案内放送やマナーポスターの掲示により注意を喚起しております。
 また、戸袋への引き込まれに対しましては、車内放送で、ドア付近に立っているお客様に、戸袋に引き込まれることがないよう注意を促すとともに、車両のドアには、開くドアにご注意くださいと表記したステッカーを張り、視覚的にも注意を喚起しております。
 特に、小さなお子様とご一緒のお客様に対しましては、十分な注意を払うよう、お願いをしているところでございます。

○柳ヶ瀬委員 ステッカーとか案内放送で告知をしているということですが、正直これは何といいますか、マンネリ化をしているんではないかというふうに考えています。今回改めて注意して乗ってみたんですけれども、例えばそのドアに張ってあるステッカーも、周りの広告となじんでしまっていて、余り注意を引くようなものではないのですね、正直なところ。
 これは、あらゆる事故防止運動もそうなんですが、気をつけましょうと呼びかけるだけでは、実際に気をつけようという気にはなかなかならないんですね。ですから、例えば実際の事故の様子をリアルに呼びかけるであるとか、行動につながるPRということ、これをぜひ工夫をしていただきたいというふうに、要望しておきたいと思います。
 ただ、その注意喚起だけでは、この事故防止には限界があります。戸挟みや引き込みが起きない車両づくり、ハード面での対策が必要であるというふうに考えますが、これまでどのような対策を実施してきたのか、お聞かせいただきたいと思います。

○広川車両電気部長 ハード面の対策だけでは、お客様の戸挟みや引き込まれを完全になくすことはできません。
 しかし、これまで都営地下鉄では、万一、お客様が閉まるドアに挟まれた場合に、電車を出発できなくする措置や、その部分のドアだけを再度あけることのできる装置をすべての車両に設置してきております。
 また、最近導入した車両は、戸袋の保護用ゴムを、よりかたくして、指などが引き込まれにくくしております。
 さらに、ドアの開閉時にはチャイムを鳴動させて注意を喚起するなど、ドア開閉時の事故防止対策を行い、お客様の乗降時の安全を図っております。

○柳ヶ瀬委員 戸袋のところにあるゴムをかたくするなど、さまざまな対策を講じているということをお聞きしました。
 これは、特に新型車両で設置されているということなんですけれども、では、その旧型車両から新型車両に変更することによって、その対策を講じた結果、どの程度の効果があったのか、この点についてはいかがでしょうか。

○広川車両電気部長 保護ゴムをかたくするなどの対策により、戸袋への引き込まれを未然に防げたケースも多くあるというふうに思われますが、実際に発生した事例におきましては、時間帯、それから車内の混雑度、お客様の年齢など、状況が個々に異なりますことから、効果を具体的に評価するということが困難なのが実情でございます。
 しかし、国や他の鉄道事業者などとも協力し、戸挟みや戸袋への引き込まれ防止など、今後も車両の安全性の向上に向けて努力してまいります。

○柳ヶ瀬委員 効果の検証がなかなか難しいということなんですけれども、これは、もうちょっと意識を持って検証していただきたいなというふうに思うんですね。
 というのは、例えばこの戸挟みや戸袋の引き込まれについては、旧型車両と新型車両でどれだけ発生件数が違うのかというのは、データではとっていないんですね。実際にはこれ全部ひっくるめた件数しか把握されていないということを聞きました。
 ですから、これは新型車両、これを車両で判別するのはそんなに難しくないかなとも思います。意識としてその効果はどうであったのか、関心を持って検証していくということ、それが大事だろうというふうに思います。せっかくさまざまな対策を新型車両で投入しているのですから、ぜひこの効果の検証をしていただきたいというふうに思います。
 こういう問題は、ここまでで完成するとか、完全であるとかということはないだろうと思います。先日のように、実際に指を切断するという事故も起きているということですから、今後もこの戸袋の問題、関心を持って車両の安全性向上に向けて、不断の努力を続けていただきたいということを要望申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。

○きたしろ委員 我が国の経済状況は依然として厳しいわけです。景気は足踏み状態を脱しつつあるものの、失業率が高水準で、個人消費も横ばいとなっております。
 しかし、今、東京には明るい話題もふえております。例えば墨田区では建設中の東京スカイツリーがにぎわっております。見物客を乗せた観光バスが行き来し、休日には記念写真を撮る人で周辺は混雑しております。
 また、その効果は、東京スカイツリーの周辺だけでなく、私の地元港区の東京タワーにも波及しており、休日ともなると多くの人が訪れております。
 先月二十一日には、上野動物園にジャイアントパンダ二頭が到着しました。上野のまちではパンダの旗が飾りつけられ、ポスターや垂れ幕などがあちこちに見られるようになり、歓迎ムードに包まれているようです。
 都内には、東京スカイツリーやパンダのほか、歴史的建造物や最先端のスポットなどが数多く存在し、今後、観光客は増加していくものと考えられます。
 こうした状況を踏まえると、都内の観光スポットを網の目のように結ぶ都営バスの役割はさらに重要になってくるものと思います。そうした観点から、都営バスと観光について幾つかお伺いいたしたいと思います。
 まず、このような都内の状況から、都営バスは観光客を取り込むべきと考えますけれども、いかがでしょう。

○岡本バス事業経営改善担当部長 委員お話しのように、都内にはさまざまな観光資源があり、さらに、東京スカイツリーなどの新たな観光スポットも加わり、東京を訪れる観光客は今後増加するものと認識しております。
 これまで、都営バスが主に通勤や通学など、都民の身近な足として担ってきた役割に加え、今後、これらの観光スポットを結ぶ路線の特性を生かして、観光目的での利用を促進し、増客、増収に努めてまいります。
 また、こうした取り組みを通じて国際都市東京の観光振興にも貢献してまいります。

○きたしろ委員 バスは乗り降りがしやすく、車窓の景色を楽しみながら移動もできるし、また、都営バス一日乗車券で割安に多くの観光スポットをめぐることが可能であります。交通局では、観光路線バスなども運行を始めたようであるし、まさに観光客を対象とした取り組みを行っているように感じます。
 都営バスは多くの路線を運行しており、その中には、都内の代表的なスポット等を訪れるのに便利なものも多いわけです。
 私の地元港区は、全国的にも業務、商業機能が集積した大規模施設、すばらしい眺望の夜景スポット、増上寺、泉岳寺などの歴史的由緒のある神社仏閣や名所旧跡など、日本を代表する観光地域でもあります。
 この地域にも都営バスが縦横に走っているわけです。交通局では、観光という観点から、こうした都営バスの路線を活用して、これまでどのような取り組みを行っているのか、お伺いします。

○岡本バス事業経営改善担当部長 都営バスの路線を活用しての取り組みでございますが、交通局では平成二十年四月に、東京駅から上野、浅草方面の下町の主な観光スポットを結ぶ観光路線バス、「東京→夢の下町」の運行を開始し、平成二十年十一月には、旅行情報誌と提携し、都営バスを使った都内の観光スポットの紹介などを行ってまいりました。
 さらに、都営バスの利便性と魅力を多くの方に知っていただき、都内の観光にご利用いただけるよう、今年度から、ゆるっ都バス旅、都バスでめぐる小さな旅とキャッチコピーを掲げ、キャンペーン事業を展開しております。

○きたしろ委員 ゆるっというのは、最近のスローライフを反映したネーミングなのでしょうけれども、観光振興に力を注ぎ、キャンペーンを行い、広く利用者に発信しようとしているのがわかりました。
 私も、都営バスで発行するバス沿線の観光スポットや飲食店などを紹介した情報誌、ここにもありますけれども、乗り隊歩き隊は見たことがあります。最近では、タレントが都営バスに乗ってグルメや話題のスポットを訪ねるテレビ番組を見かけることが多くなりました。都営バスを特集する本が書店に並んだりするなど、都営バスのPRはにぎやかになってきていると思います。
 交通局では、通勤や通学以外の利用者を取り込もうと、さまざまな乗客誘致対策に苦労されているのだと思います。
 そこで、都営バスで新たに始めたというキャンペーンの内容と効果についてお伺いいたします。

○岡本バス事業経営改善担当部長 キャンペーンの具体的な内容でございますが、都営バス沿線の主な観光スポットをわかりやすく紹介したパンフレットの発行や、映画会社とタイアップした観光名所をめぐるクイズラリーなどを実施してまいりました。お客様からは、都バスで観光しながら楽しいバスの旅ができたなどの感想をいただいております。
 今後、このキャンペーンをさらに盛り上げていくため、新たに観光PR用のラッピングバスを走らせる予定でございます。

○きたしろ委員 キャンペーンというのは、よりインパクトがあるものが必要であると思います。利用者から好評を受けているというのは、効果があったものだと思います。引き続き、同一のテーマで計画的に繰り返し、利用者にアピールしていくことが重要であると思います。
 今、答弁のあったラッピングバスはインパクトのあるものと思いますけれども、その取り組みはどのようなもので、いつから運行を始めるのか、お伺いいたします。

○岡本バス事業経営改善担当部長 このラッピングバスのデザインについてでございますが、錦絵調で二種類を用意しております。下町をイメージしたデザインは、東京スカイツリーや浅草雷門、パンダなどを配したもので、日暮里から浅草、押上を経由し、錦糸町までの都08系統など七つの系統で十台、一方、都心をイメージしたデザインは、六本木ヒルズや東京タワー、ハチ公などを配したもので、渋谷から六本木を経由し、新橋までの都01系統で五台の運行を予定しております。これらは、春の行楽シーズンに向けまして、今月三日、あさってから順次運行を開始する予定でございます。

○きたしろ委員 東京タワーや六本木の地域というのは、私の地元でもあります。どのようなラッピングになっているのか、ぜひ見てみたいと思うし、また乗ってみたいと思います。
 特に都01系統は、国内外から注目を浴びている地域を走っており、都営バスを代表する路線だと私は思っております。まちを行き交う人々にも注目され、大きなPR効果が上がることを期待しておきたいと思います。
 ところで、平成二十一年に東京都を訪れた外国人の数は約四百七十六万人、東京は一千万人を目標にしているということですけれども、昨年十月に羽田空港の新滑走路の供用が始まり、新しい国際線ターミナルが開業しました。都心に近い空の玄関口がオープンしたわけです。このことにより、外国人観光客の増加につながると期待されますが、さらに、国内外から多くの人が訪れることが予想されます。
 また、港区は区内在住の約一割が外国人であり、各国の大使館も多く、外国のビジネスマンが行き交うまちでもあります。なれない国を旅行する際、バスはどこを通るかわからないので敬遠されがちでありますけれども、国際都市東京では、外国人にも配慮が必要であると思います。
 これまでも、都営バスでは、英語版の路線図の配布やホームページで、英語、ハングル、中国語を含む四カ国表記により乗車方法などを案内していると聞いております。
 しかし、外国人が都内でバスを利用する際、バス停の場所や停留所での表示がわかりにくいのではないのかと思います。
 そこで、外国人にもわかりやすい都営バスを目指して、今後どのような取り組みを行っていくのか、お伺いいたします。

○岡本バス事業経営改善担当部長 外国人にもわかりやすい都営バスへの取り組みについてでございますが、都営バスでは、外国からのお客様にも便利な移動手段としてご利用いただくことが重要であると考えております。
 これまでの取り組みに加え、今年度は、バスの乗りおりの方法や乗車時のマナーなどを、写真を使いわかりやすく案内したハウツーユーズ都営バスズを発行し、観光案内所や外国の方が多く利用する宿泊施設などに配布しました。
 施設面でも、外国の方の利用が多い路線の停留所標識柱や主要ターミナルなどに設置する案内板の四カ国語表記を進め、これまで設置してきたものと合わせ、平成二十三年度末には標識柱四百二十一本、案内板八十三基となる予定でございます。
 今後とも、外国からのお客様にも使いやすい都営バスを目指してまいります。

○きたしろ委員 千客万来を目指す東京にとっては、交通局の果たす役割というのは非常に大きなものがあると思います。そういった意味で、国内外から東京を訪れる観光客は今後ますます増大することと思います。公共交通機関は、観光をサポートするものとしてしっかりと機能することが必要であると思います。
 都営バスが観光振興に関するさまざまな取り組みをしていることを伺ったわけですが、引き続き国際都市東京の観光振興にさらに重要な役割を発揮し、増客や増収にも資する取り組みを進められることを大いに期待しておきたいと思います。
 先ほどラッピングバスについて答弁がありましたけれども、交通局の所管ではないんですけれども、バスの本体を使った広告について一言触れておきたいと思います。
 今、高速道路を走る観光バスは、東京都の観光バス以外、府県の観光バスは背面にも宣伝があるわけです。
 今、高速道路を走行するバスの車体利用広告について、東京都では、高速道路を走行する路線及び観光バスについては、交通安全の観点から広告表示が認められていなかったわけです。一月に開催された広告物の審議会で許可の方向性が出されたものの、バス車体後部への表示が認められないままとなっているわけです。高速道路を利用するバスにとっては残念なことであります。
 そしてまた、そのバス等を利用する際に、同じ安全という視点からすると、ほかの府県がそれをオーケーしていて、どうして東京都だけが後部の宣伝ができないのか、私は不思議でならないと思っております。
 そういった意味で、そのことに関しては、また引き続き取り組んでいきたいと思いますけれども、交通局に関しては、大いに頑張って、それこそ観光都市東京、観光東京のためにぜひ頑張っていただきたい、そのようなことを思って質問を終わります。

○長橋委員 それでは、私からも質疑をさせていただきます。
 交通局百周年ということで、予算特別委員会でも交通局長に対して質疑もあったわけでございますので、せっかくでございますので、都営地下鉄、都バス、都電荒川線にわたって何点かお伺いしたいと、このように思うわけであります。
 まずは、都営地下鉄でございます。
 先日、予算特別委員会では、都営地下鉄のポイント、これがいよいよ八月一日からスタートするということで、PASMOを利用している方にとっては、より利便性が高まるといいますか、ポイントがたまるということで、大きな喜びではなかろうかなと思うわけでありまして、今、チャージ機等設置をしているかと思いますけれども、八月一日無事にスタートできるよう、万全の体制でお願いしたいと思います。
 都営地下鉄は、一日二百三十万人の利用者がいるということでございます。そういう中で、さまざまな方が利用しているわけであります。少子高齢化が進んでいく中で、高齢者の方、また障害者の方、こういう方が都営地下鉄を円滑に利用できるようにするということが大変に重要であります。
 私の周りにも、皆さんの周りにもいらっしゃるかと思いますけれども、都営地下鉄は、高齢者の方はなかなか利用しづらいと、こういう声を聞きましたので、私も以前に取り上げさせていただきました。そういった意味では、今後の課題として、新たな地下鉄はもうないわけでありますから、都営地下鉄のバリアフリー化、まずはどのように取り組んでいるのか伺いたいと思います。

○廣木建設工務部長 都営地下鉄では、だれもが利用しやすい公共交通機関を目指しまして、エレベーターやエスカレーターなどの施設を整備し、駅のバリアフリー化を進めてきております。
 具体的には、まず、ワンルートの確保といっておりますが、すべての駅でホームから地上まで階段を使わずにエレベーターなどを利用して移動できる経路を確保すること、さらに、乗りかえ駅でお客様がスムーズに移動できるエスカレーターの増設、また、車いすを利用されている方、どなたでも利用できるだれでもトイレの設置、そして、駅構内にある小さな段差、プチバリアと申しておりますが、これらの解消などを取り組んでおります。
 今後とも、積極的に駅のバリアフリー化に取り組んでまいります。

○長橋委員 バリアフリー化について今ご答弁がありました。いわゆるエスカレーター、エレベーターを活用してワンルートの確保、これについてもご答弁がありましたし、また、それ以外のいわゆる小さな段差についても解消を進めているということでございます。
 以前、三年前になりますけれども、私は、平成十九年の決算、公営企業の会計決算特別委員会で、このワンルートの確保についてご質問をさせていただきました。
 そのときには、平成十九年秋、十八年の決算ですけれども、地下鉄の駅百六駅中七十七駅、七三%がワンルートの確保をしているというご答弁がありました。
 その際に、私も地元には地下鉄が走っております駅もあるわけでありまして、いわゆる用地の確保、これが非常に困難であるというご答弁をいただきました。実際私も、地元の地上部に出る出入り口、これを確保するのは、後からエレベーターをつけているわけでありますから、大変な困難が伴うという中で評価をしたわけでございます。
 また、営業中に新たにエレベーターを設置する、こういうことも困難があるんだろうなと。もちろん地下鉄ですから、お客様の安全確保、車両が運行してくる安全の確保にプラスして、工事の安全確保もしなきゃならないということで、ご苦労もあると思うんですけれども、そういう中で、私の地元には都営三田線が走っております。
 巣鴨駅、西巣鴨駅、これは豊島区に駅があるんですけれども、西巣鴨駅、これは巣鴨駅に比べるとそんなに乗降客は多くないわけでありますけれども、巣鴨駅の方が先についたものですから、地元の町会長さん初め、ぜひ西巣鴨駅にもワンルートを確保してもらいたいと、こんなお話をたびたび受けまして、私も地元区とご相談をしながらやったときに、ちょうどここは昔の中学校の跡地がございまして、そこを区もぜひ活用するのであればいいということで、まさに都と区が連携して、ワンルートの地下鉄の出入り口ができました。
 これは地元の方は大変に喜びまして、驚いたことに、いよいよこのエレベーターが供用開始というときに、地元で私も初めてでございますけれども、地元の町会の皆さん、地域の皆さんが集まって開通式をやったんですね。テープカットをやりまして、交通局の方も大変驚いておりましたけれども、それだけ喜んでいただいたということでありまして、ちなみに、このテープカットには地元区長も来ていただいたということでございます。
 そういうことで、このワンルートの確保、三年前聞いたときには、百六駅中七十七駅でございました。現在はどれだけになっているのか、進捗状況、あと今後の見通し、いかがでしょうか、お伺いします。

○廣木建設工務部長 地元区や近隣の方々にご協力いただき、土地の取得や工事方法などさまざまな工夫を行いつつ、ホームから地上までのワンルート確保を目指し、工事を進めてまいりました。
 先生、先ほど七十七駅と申されましたが、平成二十三年二月末現在でございますが、全百六駅のうち、九十三駅で整備が完了しております。現在、残る十一の駅で工事を進めております。平成二十四年度には都営地下鉄すべての駅でワンルートが確保できるよう、残りの駅につきましても、用地の確保に努め、効率的に工事を行ってまいります。

○長橋委員 私が聞いたときには七十七駅だったということでございますので、現在は九十三駅まで完了したと。七三%から八八%になるんですかね。あと残り十一駅で現在工事を進めていると。二十四年度までに完了するんですか−−はい、二十四年度までに完了するということでございます。
 私が三年前に聞いたときには七十七駅だった。交通経営計画二〇〇七によると、二十二年度末までにすべて確保すると、こういうご答弁があったんですけれども、これは決して、なぜできなかったかということではなくて、このときも申し上げたんですけれども、なかなかそのワンルートの確保、エレベーターの地上部までの設置については、用地の確保がそれだけ難しいということだろうと思いますので、改めて、十一駅やっていて、そうすると九十三駅と十一駅を足すと百四駅になるわけでありまして、あと二駅残っているわけでありまして、これもめどを立てて二十四年度までには完成すると。今度は二言がないように、ぜひお願いしたいと思うわけでございます。
 地下鉄については以上で終わります。
 次に、バスの環境対策についてお伺いしたいと思います。
 このバスの環境対策についても、私は以前予算特別委員会で取り上げさせていただきました。平成二十一年の予算特別委員会で電動バス開発への交通局の取り組みを聞いたわけでございますが、そのときに局長から、電動バスの実証実験に協力すると、こういう答弁をいただいたわけでありまして、それであるならば、ぜひ試乗してみたいということで私も申し上げまして、我が党から私を含めて五人が現地を視察いたしまして、車庫に行ったわけでありますけれども、そこで非接触給電ハイブリッドバスといわれる車両を試乗いたしましたし、見させていただきました。
 非接触ですから、一々ケーブルをつなぐとかということではなくて、その場に行けば充電ができるということで、これは今後実用化に向けて大きなポイントだなと、このように思ったわけでありました。
 実際に試乗もさせていだきましたけれども、大変静かで、乗り心地も大変よかったように覚えているわけでありまして、ただし、それも国土交通省の実証実験の中でやったわけでありますけれども、車庫での充電でありました。今度はそれをさらに展開していく、こういうことが大事だろうなと思うわけでありまして、今回もこの実証実験が再び行われるということでございますけれども、今度の実証実験、そういったことも含めてさらに一歩前進した実験であろうかと思います。どういう実験であるのか、概要をお示しいただきたいと思います。

○土岐自動車部長 交通局は、国土交通省が進めます電動バス運行に関する実証実験に協力いたしまして、本年一月三十一日から二月十四日のうちの九日間、東京駅丸の内南口と晴海ふ頭の間で非接触給電ハイブリッドバスの運行を行いました。
 前回の実験では、一日二往復の臨時便の運行を車庫内の給電のみで行いましたが、今回の実験では、通常ダイヤに組み込み、一日五往復の運行をしたことに加え、初めて起点と終点のバス停前の道路に給電装置を埋め込みまして、折り返し時間内にも給電を行ったということが特徴でございます。

○長橋委員 今度は車庫ではなくて給電場所を路上に設けて行ったということでありまして、実用化に向けて大きな前進であったと思います。
 このハイブリッドバス、電気とその他の燃料を使ってやるということでありますけれども、東京都では、民間バスも含めて都バスだけがこの実用化に向けて現在は取り組んでいるということでありますので、東京都には多くの民間のバス事業者もあるわけでありまして、その先導的な役割をぜひ果たしていただきたいとこう思うわけであります。
 しかしながら、今お話のあったとおり、東京から銀座を抜けて勝どき周辺ということでございまして、通勤ラッシュの時間帯もあったかと思いますし、その場合にはこの給電だけで足りたのかどうかとか、こういう心配もするわけであります。
 ご案内のとおり、銀座を抜けるとなると、先日行われた東京マラソン、同じようにここを皆さん方が走ったわけで、東京では一番の有名な線でもあろうかと思うわけでありますけれども、今回の実験を行って、実際に渋滞に巻き込まれた場合もあろうかと思いますけれども、その結果はどうだったのか。また、そういうことを受けて、交通局としてはどういう課題があるのか、どう受けとめているのか、お伺いしたいと思います。

○土岐自動車部長 今回の実験結果につきましては、現在、国及び車両メーカーが運行時のデータを分析していると聞いております。
 運行に当たりまして、道路混雑によるおくれなどによりまして、給電時間を十分に確保することが難しいケースもありましたが、ディーゼルエンジンによる走行を併用いたしまして、営業に支障はございませんでした。
 なお、国等は、今回の実験結果を受けまして、車両を改良し、将来の実用化を目指していくとしております。
 交通局といたしましては、今後も、電動バス等の次世代低公害車の実用化に向けた関係機関の取り組みに積極的に協力してまいります。

○長橋委員 環境対策について交通局も積極的に取り組んでいくということでありますし、今、ハイブリッド自動車が大変な売れ行きを示しているわけでありますけれども、そういった意味では、この大型の都バスでもそれがいよいよ運行になることを楽しみにしておきたいと、このように思うわけでございます。
 その上で、都バスについては申し上げるだけでございますけれども、先ほど地下鉄の話をいたしました。新たな地下鉄ができたことによって、都バスの減便ということが実際、あるわけであります。私の地元でも、メトロでありますけれど、副都心線の開通に合わせて、副都心線は明治通りのところを走っているわけでありますので、いわゆるこの都バスとかぶる部分が多いわけでありますので、そういうことがあるわけであります。少子高齢化の中にあって都バスは欠かせない乗り物で、交通機関であります。地下鉄と違って駅間が、バス停の距離が短いわけでありまして、目的地に行くには都バスの方が便利であるという場合も多いわけでありまして、また、いわゆるこの東京のまちづくり、これについても大きく変わろうとしているわけであります。
 そういう中で、もちろん交通局は、この地下鉄、都バス、後で申し上げます都電についても、一体的に考えて、都民の立場に立った利便性を図っていただきたいと要望しておきたいと思います。
 次に、都電荒川線でございます。
 この都電荒川線についても、この間、百周年ということで、いわゆる花電車が運行するということで、地元のうちの鈴木副議長も大変に喜んでいただいておりましたね。沿線の住民の一人としては、私なんかは花電車というとイメージがわくわけでありますけれども、若い方は見たこともないと、こういう方がいて、ああ、そういうものだなと、こういうふうに思ったわけでありまして、ぜひ百周年楽しみにしたいと思うわけであります。それに合わせて、都電についても利便性の向上について若干お伺いしたいと思います。
 この都電荒川線、電車の接近を知らせる接近表示、これが少ないため、電車がいつ来るかわからない。事故などがあった場合には、営業所に問い合わせをしなければ電車が動いているのかどうかわからないなど、かねてから利用者の方から、そういった情報の提供の面でもっと図れないだろうか、こんなお話を聞いてまいりました。
 そんな中で、来年度予算、二十三年度予算の原案について説明を受けた際に、都電荒川線の運行情報サービスを充実させるというご説明を聞いたわけであります。情報発信を強化するということでございますけれども、地元の通勤通学の足として重要な役割を担っております荒川線の利便性、さらには快適性が高まればということで質問をいたします。
 そこで、都電荒川線の運行情報サービス、どういう内容なのか、また、今後の予定についてお伺いいたします。

○室星電車部長 都電荒川線の運行情報の提供につきましては、現在、大塚駅前、王子駅前、町屋駅前などの主要な停留所に設けました電車の接近を案内する電車接近表示装置などにより行っております。
 来年度でございますが、電車の運行監視に用いております運行管理装置の更新に合わせまして、お客様への新たな情報提供として、携帯電話やパソコンから停留所の時刻表や電車の運行状況を確認できるようにいたします。このサービスは、平成二十三年度中の開始を予定しております。
 さらに、平成二十四年度には電車接近表示装置を一新し、すべての停留所に設置する計画でございます。

○長橋委員 二十三年度からサービスを開始すると、二十四年度中にはすべての全停留所で設置をするということでございます。
 バスについては、既に済んでおりまして、お伺いすると一日三十万件ぐらいのアクセスがあると、こういう情報です。今は携帯電話ですから、特に若い方なんかは携帯電話お持ちですので、ちゃんと通常どおり電車が来るのかどうか、おくれているのかということが自宅でもわかるわけでありまして、こういったことは大変重要なことだろうなと、こういうわけでありまして、ぜひこれの取り組みについてもしっかりと進めていただきたい、このように思うわけでございます。
 最後に、あの荒川線、昨年末に田中委員長とともに、四色のカラーのお披露目式に参加をさせていただきまして、驚いたことに、荒川車庫の前には大勢のファンの方がお見えになっておりました。
 これだけ多くの方が、一目新しい色の、また、どちらかというと格好いいカラーの電車を見たいということで来たわけでありますけれども、イエロー、オレンジ、ローズレッド、バイオレット、この四色の車両が勢ぞろいしたということでございます。私も地元では、時々、見たと、こういうことがありましたので、いよいよ四色になったんだよと話しまして、黄色の色が見えたらラッキーだよと、このようにいってあるわけでありまして、そんなことも話題になっているわけであります、一台しかないですから。
 そういうことでございますけれども、そのお披露目式のときに、局長の横にマスコットキャラクターが立っておりまして、いよいよ交通局もゆるキャラを使ってアピールするんだなと、このように思ったわけでございます。あの沿線四区とさまざまな意見交換、また連絡をとりながら、この間の委員会では、都電サポーターであるとか、沿線の方はぜひ都電を活用して都電沿線をさらに盛り上げていこうということでさまざまなイベントをやっているわけであります。こういうことについて、交通局、百周年でもマスコットキャラクターを活用していくんだろうと思いますけれども、よりこういうマスコットキャラクターを使って、先ほど観光振興の話もございましたけれども、大きなアピールになるんだろうと思うんですね。必ずそういうマスコットは、だれかが写真を一緒に撮ったりしますから、ぜひそうしたことも含めて、活用を図るべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○室星電車部長 交通局では、昨年末、一千八百三十通の応募の中から、都電荒川線マスコットキャラクターを選定し、これに続きまして、愛称を募集してきたところでございます。この愛称が決まり次第、キャラクターグッズや、今お話のありました着ぐるみなどを作成をいたしまして、地域を含めましたさまざまなイベントで、都電荒川線のPRに活用していく予定でございます。
 また沿線情報につきましては、これまでもグルメスポットや見どころを紹介した都電ごちそう停留所、都電おさんぽ探検マップなどの冊子を発行してまいりました。百周年に当たりまして、花やグルメはもちろん、お勧めの散歩コースなど、荒川線と日暮里・舎人ライナーの魅力を満載いたしました旅行情報誌の発行に向け取り組んでまいります。これを機に、沿線の魅力をより広く、多くの方に発信し、観光客の誘致を図るとともに、都電を盛り上げ、沿線地域の活性化につなげていくことにしております。

○長橋委員 ぜひ、都電を活用して、沿線の活性化、さらに取り組んでいただきたい、このように思うわけであります。
 マスコットキャラクターの愛称を募集中だということであります。これも恐らく百周年を機に決まるのかどうかわかりませんけれども、なるべく早く決めて、それをアピールすることが大事だと思います。名称も非常に大事であります。
 それからまた、今度は都電の紹介を、情報誌、るるぶであろうと思いますけれども、私もあの都バスを使った情報誌は見させていただきましたけれども、都電だと私にとっては、より身近に感じられるものですから、これも楽しみにしたい、このように思っておるわけであります。
 今るるお話を申し上げてきましたけれども、もちろんアピールとともに、まず、交通局で一番大事なのは、お客様を安全に運ぶということが最優先事項でございます。さらに安全対策に力を入れて、交通局の取り組みを、ご支援を申し上げていきたい、このように申し上げて質問を終わります。

○山内委員 私からも質問させていただきます。
 まずは都営バスの安全対策について。
 今議会でも代表質問や一般質問で、各会派から、自転車事故の対策や自転車走行空間に関して質問が出ていたように、議会でも注目されています。
 自転車は、原則車道走行であり、道路上共有している都バスにもかかわるので質問をさせていただきます。
 自転車は、環境負荷を軽減する環境面でも、生活習慣病を減らし、医療費を削減する健康面でもすぐれており、経済的にもすぐれ、他の交通手段に比べて大きなメリットがあるといわれています。しかしながら、都内の交通事故の四割近くを自転車事故が占めるなど、自転車乗用中の死者の数は、先進国の中でも突出しており、自転車の事故が軽減される施策はまだ及ばず、日常的な乗り物であるにもかかわらず対策がおくれています。
 自転車の都の事故を軽減するためには、事故の実態把握と対策が必要です。公共交通を担っている都営バスとして事故を軽減するために、安全走行に細心の注意を払っているとは思いますが、事故の実情を反映していくことが重要です。まず、最近の都営バスの事故の発生件数とそのうち自転車に関係する事故件数についてお伺いします。

○土岐自動車部長 都営バスでは、これまでも、事故防止に取り組んでまいりましたが、事故の件数につきましては、平成十九年度四百十一件、二十年度四百六十二件と、四百件を超えておりました。平成二十一年度は、発車時やドア開閉時の安全確認などに重点的に取り組むことにより、事故件数は三百八十件となりました。二十二年度については、一月末現在三百十八件となっております。このうち、自転車と直接関係する事故の件数は、平成十九年度二十七件、二十年度三十六件、二十一年度二十件であり、二十二年度は一月末現在二十一件でございます。また、自転車の飛び出しによる急ブレーキを原因とする車内転倒事故なども数件発生しております。

○山内委員 バス運転手の声として、歩道を走っていた自転車が急に車道に飛び出したり、進行方向と逆方向に自転車が走行してきたりすることがあると聞いています。また自転車側としては、バスが停留所に停車しているときなどは、バスの右側に出て、大きく膨れた状態で追い越さざるを得ない場合などもあります。バスの走行空間との共有やバス停のあり方など、バスと自転車双方の安全に向けた取り組みも必要です。都営バスでは、自転車との事故の防止に向けて、どのような取り組みを行っているのか、伺います。

○土岐自動車部長 事故防止に向けての取り組みについてでございますが、事故防止には、乗務員一人一人が高い安全意識を持ち、常に基本動作を徹底することが不可欠でございます。そのため、都営バスでは、全乗務員を対象に年四回の安全研修を行っております。この中で、自転車との事故を防止するため、ドライブレコーダーに記録された自転車の飛び出しや、車両間のすり抜けなどの映像を研修用教材として使用し、乗務員の危険予知の訓練を行っております。
 また、従前から実施しているターミナルでの乗務員指導に加えまして、今年度からは、自転車との事故の可能性の高い交差点におきまして、職員が定期的に安全確認を行っております。さらに、都営バスの営業所では、地元の警察署が実施する交通安全運動などに積極的に協力し、一般の方への交通ルールの遵守や、正しい交通マナーの啓発に努めております。

○山内委員 都内の道路は、道路混雑、渋滞、違法駐車も多く、バスの運行にとって厳しい走行環境となっています。その中で、自転車と車の事故の防止のためには、一、常に自転車に注意をする、二、その上で、自転車の動きを予測し、三、自転車とアイコンタクトをすることが重要だと、車メーカーはいっています。都でも、研修に重点を置き、バスの運転手の努力に頼っているのが実情です。
 しかし、バスの運転手の安全努力、研修に頼るばかりでは、自転車事故は軽減しないことも、これまでの実情から明らかになっているかと思います。自転車を根本から見直すことが必要だと思います。
 都バスの運転手は、事故まで至らないまでもさまざまな経験をして、特に交差点では、歩道走行が街路樹などで死角になったり、かえって自転車の存在の認識を薄れさせたりするなど、日常運転から気がつくことが多いと思います。
 現在、自転車レーンの整備が一部で進められています。また、先日の新聞でも紹介されていましたが、自動車メーカー側から、車と自転車の事故防止には、自転車レーンの設置が不可欠という指摘や、自転車や歩行者にとっても安全な道路環境を目指す取り組みが必要という話も出てきているといいます。
 欧米と比べ、日本では、自転車関連法が未整備で、自転車レーンを整備することで、歩行者、自転車、自動車の共存が可能になるとしています。交通ルールや駐輪問題、レンタサイクル、自転車走行空間など、断片的な用意をするのではなく、自転車施策の全体の体系的整理をし、自転車の道路空間をつくり、自転車利用を促進していくことも重要ではないかと思っております。現場を持つ交通局としても、道路管理者に対する要望はもちろん、さらに踏み込んで、東京都全体で、総合的、横断的な自転車政策に取り組むことを要望いたします。
 次に、睡眠時無呼吸症候群についてお伺いしたいと思います。
 都営交通の安全、快適な運転を支えるのは、いうまでもなく乗務員の健康管理です。平成十五年の山陽新幹線での居眠り運転をきっかけに、睡眠時無呼吸症候群の危険性がクローズアップされました。
 睡眠時無呼吸症候群は、本人の健康問題だけにとどまらず、日中の過度な眠気、集中力の低下や作業中の作業力の低下が生じ、交通事故や労働災害などの社会問題を引き起こします。そこで、交通局の乗務員に対する睡眠時無呼吸症候群の検診の実施状況及びそれを踏まえた措置の概要はどうなっているのかお伺いいたします。

○宮川職員部長 SAS検診につきましては、国土交通省からの通達を受け、交通局では、平成十五年度から電車の運転手を対象に、また平成十六年度からは、バスの乗務員も対象に、問診票を用いて実施してまいりました。その後、平成二十年度からは、問診票にかえまして、検査機器を用いた検診といたしまして、全乗務員が五年に一回受診する計画で実施しているところでございます。
 SAS検診を踏まえた措置としましては、健診結果に応じ、専門医への受診の勧奨を行うほか、一定の場合には運転業務を中止させ、治療、病状改善を確認の上、業務に復帰させております。検診開始以来、これまでに、電車運転士二十七名、バス乗務員七十五名がSASと診断され、治療の上、全員が乗務に復帰してございます。また乗務に復帰した後も、定期的に治療の状況を確認するとともに、定期健康診断に際しましては、保健師による保健指導を行っております。

○山内委員 睡眠時無呼吸症候群、SASの人が交通事故を起こす頻度は、SASのない人の約七倍、一般ドライバーの約二・五倍ともいわれ、重症になればなるほど事故率が高くなるとも報告されています。
 しかし、適切に治療することで、事故を起こす確率が改善され、健常者と変わらなくなるともいわれております。五年に一回といわずに、睡眠時無呼吸症候群の検診のさらなる充実を要望いたします。
 次に、女性職員の登用についてお伺いしたいと思います。
 女性職員が活躍できる職業環境の整備については、昨年、平成二十一年度公営企業会計決算特別委員会の総括質疑において、生活者ネットワーク・みらいの西崎委員が取り上げましたが、その後の状況などについてお伺いしたいと思います。
 平成十一年に女性に対する深夜業従事制限が撤廃され、十一年が経過いたしましたが、交通局でも、地下鉄の車掌や駅員さんなど、さまざまな分野で活躍する女性職員の姿を目にする機会も多くなってまいりました。しかし、これまで男性のみであった職場に女性職員を配置することに伴って課題があるということでした。そこで、女性職員の進出に伴い、具体的にどのような課題があるのか、改めて確認をしたいと思います。

○宮川職員部長 交通局における採用、昇任研修訓練等につきましては、男女の区別なく実施をしておりまして、各職員が能力、意欲を発揮できる制度となっております。
 一方、交通局の現場は、これまで男性中心であったことから、こうした職場に女性を配置することにつきましては、トイレや休憩室、宿泊勤務の際に必要となる仮泊室などの施設を男女別に整備していくことが課題となります。

○山内委員 交通事業であるから宿泊を伴う勤務もあり、仮泊室の問題や、トイレ、休憩室の問題もあるということです。昨年の決算特別委員会の場で、交通局長から職員は男女を問わず、ひとしく交通事業を支える貴重な人材であるとの答弁がありました。性別にかかわりなく男女があらゆる職業の場でひとしく尊重され、その能力を発揮していくことは、男女平等参画社会の実現として、生活者ネットワーク・みらいが、これまでも強く主張してきたことです。その際の答弁で、局長からは同時に、職場環境の整備に努めていくとの答弁がありました。今後さらに女性職員がふえていくことも予想されるところです。そこで、職場環境の整備についての取り組み状況と、今後どのような取り組みを進めていく考えなのか、お伺いいたします。

○宮川職員部長 女性職員の配置に伴い、これまでも、施設整備に努めてきております。既に、地下鉄浅草線においては、仮泊室などを整備し、女性乗務員を配置していますが、今後、新宿線にも女性乗務員を配置できるよう、今年度、仮泊室を新設したところであります。
 このほか、地下鉄の駅では、今年度女性用の仮泊室を一カ所整備し、バスの営業所におきましては、昨年度一営業所、今年度も一営業所に、女性用のトイレや休憩室を整備したところでございます。平成二十三年度には、さらに三駅に仮泊室の設置等を計画しているなど、今後とも、女性職員が能力、意欲を存分に発揮できるよう、職場環境の整備に努めてまいります。

○山内委員 交通局の場合、不規則勤務の職場が多くあります。不規則勤務の女性職員が妊娠、出産をし、仕事と両立させていくことはなかなか困難なのではないかと推測いたします。そこで、不規則勤務の女性職員が妊娠、出産をするに当たり、どのような配慮を行っているのか、お伺いいたします。

○宮川職員部長 交通局におきましても、妊娠出産休暇、育児休業等の制度は、知事部局と同一の制度となっておりますが、ご指摘のように、交通局の現場は不規則勤務であるため、所属において一定の配慮を行っております。例えば、妊娠期間中は、身体的負担を軽減するため、不規則勤務を日勤勤務に切りかえたり、事務室内での業務に従事させるといった勤務形態や、業務内容を変えるなどの配慮をしております。今後とも女性職員が安心して働き続けることができる職場環境づくりに努めてまいります。

○山内委員 ワークライフバランスについては、都としても、業界や企業への取り組みを推進しています。女性の社会参加を進めるためには、働き方や、子育て支援が重要です。最近では、鉄子さんという呼び方があるように、鉄道やバスが好きなことを堂々と表明するようにもなりましたし、就労希望者もふえていると聞いております。妊娠、出産だけでなく、働き続けるための環境整備にも積極的に取り組んでいくことを要望いたします。
 また、昨年六月の改正育児・介護休業法の施行を受け、男性が積極的に子育てに参加できるように、育児休業の要件が緩和されました。昨年は、イクメンという言葉が流行語大賞にもなり、ブームになりつつあります。交通局としても、男性の育児休暇取得にも積極的に進めていただきたいと思います。
 次に、お客様サービスの推進についてお伺いいたします。
 職員の職場環境の整備も、利用者への質の高いサービスの提供につながってこそ意義があると考えます。これまで都営バスでは、車いす利用者の声を受けて、車いすの固定ベルトを取りつけ箇所ごとに色分けして、固定時間を短縮する改善が行われてきました。また、地下鉄では、だれでもトイレ内に、ベビーシート使用後は閉じてくださいという案内シールを貼付するなど、サービス改善が行われました。
 サービスの提供は、そのサービスを受ける側の満足が十分に得られることが大切であり、利用者の満足度を向上させるためには、利用者の声を受けて改善し、公表すること。またそれを継続していくことが重要だと考えます。今年度、利用者の声を受けてどのようなサービス改善を行ってきたのか、お伺いいたします。

○中村総務部長 都営交通を利用しているお客様の声には、サービス改善のヒントが多く含まれております。交通局では、今年度も、お客様からいただいた声を一つ一つ検証し実現可能なものから、順次、サービス改善を行っておりまして、その一部は、ホームページでも公表しております。
 例えば、都営バスの路線案内図は、路線や運賃などの情報が網羅されており、便利との評価を得ておりますけれども、半面、情報量が多いため、もっとわかりやすく、探しやすいものにしてほしいとの声がございました。
 こうした声を受けまして、病院や官公庁等の施設名から最寄りの停留所が検索できるようにしたほか、路線図の配色を工夫したり、主要ターミナルの位置をわかりやすく表示するなど、見やすさに配慮した改善を行いました。このほか、外出先でも遅延証明書を受け取りたいとの声を受けまして、従来はパソコン上でしか表示できなかった遅延証明書を、携帯電話上でも表示できるようにするなど、引き続きさまざまな改善を行ってまいりました。

○山内委員 昨年度の公営企業委員会において、交通局では、他社サービスとの比較という新たな視点に立ち、サービス向上に取り組み始めたという趣旨の答弁をいただきました。
 そこで伺いますが、他社サービスとの比較という視点に立った取り組みの進捗状況について教えていただきたいと思います。

○中村総務部長 お客様に心から喜んでいただけるサービスを提供するためには、交通局みずからが外に目を向け、都営交通のサービスを見直すことも必要であると考えております。こうした観点に立って交通局では、他社のすぐれた点を参考にしたサービス向上の取り組みを行っております。
 具体的には、職員が他社の電車やバスを一日かけて、実際に利用しながら、そのサービス内容をつぶさに体験する調査を昨年度実施いたしましたが、この結果を生かして、現在各職場ごとに、サービスを向上させる取り組みが始まっております。
 また、昨年十月には、営業や保守など、さまざまな職場の職員が一堂に会して、初のサービスシンポジウムを開催いたしました。その中では、現場におけるそれぞれのサービス推進の取り組みを発表して、その成果を共有するとともに、他社の先進的な事例につきましても、講演を聞く機会を設けたところでございます。今後とも、こうした取り組みを継続し、都営交通のさらなるサービスの向上に努めてまいります。

○山内委員 以前に比べますと、バスの運転手さんや駅の係員さんの接遇がよくなったという声をよく聞きます。交通局経営計画ステップアップ二〇一〇には、お客様に心から喜んでいただけるサービスを提供し、快適で利用しやすい都営交通を目指すとありますが、利用者へのサービスの向上には、まず現場で働く人たちの発案や提案も、もとより、積極的に利用者の声を聞くことが必要です。公共交通として、特に高齢者や障害者、また子ども、外国の方などの利用者からの要望に十分に耳を傾けつつ、交通局みずからのサービスの創造に取り組むことを要望いたしまして私の質問を終わります。

○田中委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田中委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時十四分散会

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