委員長 | 田中たけし君 |
副委員長 | 柳ヶ瀬裕文君 |
副委員長 | 長橋 桂一君 |
理事 | 山内れい子君 |
理事 | 鈴木 章浩君 |
理事 | 泉谷つよし君 |
きたしろ勝彦君 | |
矢島 千秋君 | |
尾崎 大介君 | |
樺山たかし君 | |
小沢 昌也君 | |
相川 博君 | |
鈴木貫太郎君 | |
馬場 裕子君 |
欠席委員 なし
出席説明員交通局 | 局長 | 金子正一郎君 |
次長 | 野澤 美博君 | |
総務部長 | 中村 靖君 | |
水道局 | 局長 | 尾崎 勝君 |
次長 | 森 祐二郎君 | |
総務部長 | 坂内 顕宏君 | |
職員部長 | 松宮 庸介君 | |
経理部長 | 猪熊 純子君 | |
サービス推進部長 | 高原 俊幸君 | |
浄水部長 | 吉田 永君 | |
給水部長 | 酒井 晃君 | |
建設部長 | 今井 茂樹君 | |
企画担当部長 | 松丸 俊之君 | |
設備担当部長 | 吉田 進君 | |
サービス企画担当部長 | 津国 保夫君 | |
多摩水道改革推進本部 | 本部長 | 増子 敦君 |
調整部長 | 松苗 昌宏君 | |
施設部長 | 佐々木史朗君 | |
技術調整担当部長 | 木村 康則君 | |
下水道局 | 局長 | 松田 二郎君 |
技監 | 小川 健一君 | |
総務部長 | 石原 清次君 |
本日の会議に付した事件
水道局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百四十二号議案 東京都水道事業の事務の委託の廃止及び三鷹市公共下水道使用料徴収事務の受託について
・第二百四十三号議案 東京都水道事業の事務の委託の廃止及び稲城市公共下水道使用料徴収事務の受託について
付託議案の審査(決定)
・第二百四十二号議案 東京都水道事業の事務の委託の廃止及び三鷹市公共下水道使用料徴収事務の受託について
・第二百四十三号議案 東京都水道事業の事務の委託の廃止及び稲城市公共下水道使用料徴収事務の受託について
特定事件の継続調査について
○田中委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局関係の付託議案の審査及び特定事件の閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
これより水道局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第二百四十二号議案及び第二百四十三号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○尾崎委員 済みません、前回の事務事業質疑でも質問させていただいたんですが、今回の事務委託解消の状況と、多摩水道改革計画等々について、三鷹市及び稲城市の事務委託廃止議案、これが提出されたことを受けて何点かお伺いをしたいと思います。
まず最初に、今回のこの二市への事務委託を解消した段階で、事務委託解消はどこまで進むことになるのか、また業務ごとの進捗状況と見通しについて、あわせてお伺いをいたします。
○松苗調整部長 当局では、平成十五年に策定いたしました多摩地区水道経営改善基本計画に基づきまして、これまで二十三市町との事務委託の解消を行ってまいりました。今回提案しております三鷹市及び稲城市の事務委託解消により、今年度末で二十五市町すべての事務委託を解消することとなります。
実際の業務移行は、徴収系、給水装置系、施設管理系の三つの業務に分けて、段階的に実施しており、徴収系業務は今年度末、三鷹及び稲城の二市の業務移行により、二十五市町すべての移行が完了いたします。また、給水装置系業務につきましては二十三市町、施設管理系業務につきましては十九市町の業務が既に移行済みであり、来年度末で、二十五市町すべての移行が完了する見込みでございます。
○尾崎委員 今年度末で、徴収系業務の移行が完了して、来年度末にはすべての業務移行が終了するということであります。めどがついてきたとのことでありますけれども、この多摩地区水道の課題ですね、これは多摩地区水道計画にも書いてありますけれども、これすべてが解決したわけではなく、多摩水道改革計画においてもこの事務委託解消の過程で新たな課題が顕在化したと、これははっきりと表記をされて、指摘をされております。これは今後もやっぱりさらなる改革に向けた、しっかりとした取り組みも必要だと認識をしております。
この間、かなりの業務が東京都に移行しております。多摩水道改革計画によりますと、この事務委託解消に伴って、市町が行ってきた水道料金徴収や水道施設の工事、維持補修などの業務が東京都に移行した後に、これらの業務の大部分は、局が管理をする監理団体が実施していくということになっております。これは再三僕も、事務事業質疑でもお話をさせていただきましたが、結局これをそのまま通り一遍に見ると、今まで民間事業者が担ってきた業務を、監理団体が民間事業者から取り上げて、その監理団体がすべてやっていくというふうに見えなくもないわけであります。再度確認をしておきたいのですけれども、これまで民間事業者が担ってきた業務について、この監理団体が行うようになったものがあるのかお伺いしたいと思います。
○松苗調整部長 当局では、一体的事業運営体制のもと、基幹的業務は当局と監理団体が担い、定型的業務など民間にゆだねられる業務は、可能な限り民間事業者に委託しております。
多摩地区の事務委託解消に際しましても、これまで民間事業者が担ってきた業務は、可能な限り民間事業者が行い、監理団体は、民間事業者の指導監督等を実施することとしております。
具体的には、メーター検針や管路の新設取りかえ工事など、これまで市町が民間事業者にゆだねてきた業務は、事務委託解消後も引き続き民間事業者が担うこととなります。また市町が行っていた業務のうち、水道の使用開始、中止受け付け、徴収整理、浄水所の運転管理等は、基幹的業務として監理団体に委託することで、公共性と効率性が両立した事業運営を行っております。
○尾崎委員 というと、この東京都に業務が移行する際に、水道料金徴収、水道施設の工事、維持補修、これまで市町が実施をしていた業務を監理団体が担って、市町から民間の事業者へ発注をしていたメーター検針や管工事などは、従来どおり民間が行い、監理団体に移行するわけではないと、こういうことだと思うんですけれども、今後ともこの民間が行うべき業務はやっぱり可能な限り民間に発注をし、監理団体は民間事業者の指導監督などの業務を効率的に執行するよう、ぜひ局としても留意をしていただきたいと思います。
これまで地元の事業者が、地域の水道施設管理などを行ってきた経緯がありますので、この地元事業者や管工事組合の役割というのは今後も非常に重要だと思っています。多摩地域では、私の地元の調布市も含めて、八王子と三鷹市と、この調布の三市における検針業務については、これは他の市町と異なりまして、地元事業者が連携してつくった、この管工事組合が担ってきたという経緯があります。これは今後東京都への業務移行に伴って契約方法が見直されるということで、これは大変組合員からも不安の声が上がっているのが現状です。
契約のこの透明性、公平性を高めていくという必要があるというのはよくわかるんですけれども、やっぱりこうした管工事組合では、多数の検針員をたくさん抱えておりますので、この地域の検針業務を受注できないということになると、これはたくさんの人が職を失ってしまうということも想定をされ、これは地元の雇用確保という点からも、ちょっと看過することができないので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
繰り返しになりますけれども、この水道業務、これは我々都民のライフラインに直結する、こうした事業でありますから、ぜひこれまでの市町の水道事業を支え、地域を熟知している事業者を今後も活用していただきたいと考えております。
この検針業務委託については、平成二十四年度からこの契約方式が見直されると聞いておりますが、地元事業者等への周知、各種手続などにかかる時間を考えますと、そろそろこの見直し案を策定をしていなければいけない時期に来ていると思います。事務事業質疑の際も、僕、伺いましたけれども、東京都ではこうした点も踏まえて、きちんと見直しの検討を進めていただいているんでしょうか、お伺いいたします。
○松苗調整部長 業務移行が完了いたします平成二十三年度末までは、原則として市町が行っていました契約方法を継続いたしまして、地元事業者を活用してまいります。平成二十四年度以降につきましては、都の契約方法へ見直すこととなりますが、これまでの経緯等を踏まえまして、詳細について現在検討しているところでございます。
○尾崎委員 現在、検討中ということで、なかなかここで結論を出すということではないんでしょうけれども、やっぱり、もう繰り返しになりますので何回もいいませんが、これまで、管工事組合だとか、管工事事業者が地元の水道を支えてきた状況をぜひこれは勘案をしていただいて、積極的に活用することによって、この多摩地区の水道事業を安定的に運営していただくよう要望するのと、その検討中がですね、いきなり結果がぼんと出てくるということではなくても、ぜひその検討している過程も、これから逐次報告をしていただきたいという要望を申し上げまして、私の質問を終わります。
○きたしろ委員 私は、今回提出されている三鷹市及び稲城市の事務委託廃止関係の二議案に関して何点かお伺いをさせていただきます。
事務委託の廃止については、平成十五年第四回定例会の武蔵村山市及び多摩市を皮切りに、これまで六次にわたって議案が提出されてきました。今回で七回目の議案提出となり、これで事務委託の廃止を予定していたすべての市町の廃止議案が出そろうことになります。そこでまず改めて、事務委託解消を含む多摩地区水道経営改善の成果についてお伺いいたします。
○松苗調整部長 当局では、平成十五年六月に策定いたしました多摩地区水道経営改善基本計画に基づきまして、事務委託解消を進めてまいりました結果、今回提案しております二市の解消により、今年度末で二十五市町すべての事務委託が解消し、平成二十三年度末に全業務の移行が完了する見込みとなりました。
この間、サービスステーションの開設や、支払い金融機関の拡充などを順次実施いたしましたほか、多摩お客さまセンターを開設し、電話受け付けのワンストップサービスを実現しますなど、お客様サービスは格段に向上いたしました。また、四カ所の給水管理事務所等で水道施設を一元的に管理することで、安定的かつ広域的な施設管理を実現するなど、大きな成果を上げてきております。
このように、事務委託の解消に伴い、監理団体を積極的に活用するなど、効率的な業務運営の実施によりまして、平成二十四年度の基本計画終了時には、年間約四十億円の経費縮減を達成する見込みでございます。
○きたしろ委員 今お伺いしたように、基本計画を着実に実施してきた結果、住民が広域的なサービスを受けられるようになり、利便性が大きく向上するとともに、計画どおりに経費削減が実現可能な見通しとなるなど、大きな成果が上がっていることを改めて確認させていただきました。
ところで、先日の新聞報道によると、多摩地区では、これまで市町が独自に行ってきた水道施設の老朽化が進んでいるとのことですけれども、事務委託解消に伴い、市町から引き継いだ施設や管路の更新やバックアップ機能の強化は、事務委託解消後の大きな課題の一つだと思います。
先日、日野市で大規模な漏水事故が発生し、一万九千戸に断水、濁水などの影響が出ましたけれども、これは、管路のネットワークが十分でないため、周辺の管路から送水のバックアップができなかったことが原因の一つであると聞いているところです。このように各市町の配水管を中心とした管路の整備水準は、区部と比較した場合、まだまだ改善していく必要があると思われます。
そこで、日野市で発生したような漏水事故による広範囲な断水、濁水を引き起こさないためにも、今後、多摩地区の管路整備水準をどのように改善していくのか、また管路整備に伴い、住民にとってどのようなメリットがあるのかお伺いをいたします。
○木村技術調整担当部長 多摩地区では、これまで、市町ごとに管路を管理してきたことから、市町域を越えた管路の整備等が十分ではございませんでした。今後は、事務委託解消により、本格的な整備が可能となることから、管路整備を積極的に進め、配水管のネットワークを図り、広域的なバックアップ機能を強化してまいります。
さらに、市町に布設されております経年管、ダクタイル管などの老朽化した管や耐震性の低い管について、耐震継ぎ手化緊急十カ年事業に基づき、本年度から取りかえ工事の大幅な前倒しを行い、管路の更新を進めているところでございます。
こうした取り組みにより、管路整備の水準の向上を図り、事故時の断水、濁水の影響を極力低減するとともに、震災時における復旧日数を短縮するなど、多摩地区における、より安定的な給水の確保を図ってまいります。
○きたしろ委員 今指摘したように、施設整備水準の違いは直ちに解消することは難しいと思われます。特に地中に埋設されている水道管は、日ごろ住民の目に触れることがない分、その更新の重要性は大規模な事故でも発生しない限り、なかなか理解してもらうことが難しいとは思いますけれども、これから段階的かつ着実に改善していってもらいたいと思います。
ところで、水道局では、一体的事業運営の方針のもと、市町が直接行っていた業務については、事務委託解消後、監理団体を活用して実施していくとのことです。そこで、事務委託解消に伴い、監理団体を活用して業務を行っている理由について、改めてお伺いをいたします。
○松苗調整部長 事務委託の解消に当たりまして、これまで二十五市町の水道事業に従事しておりました約千百人分の業務を、当局の人員をできる限り抑制しながら、効率的に執行していく体制を整える必要がございました。
このため当局では、市町が行ってきた業務のうち、基幹的業務の実施に際して、監理団体を活用することで、公共性を確保しつつ経営の効率化を図ることのできる一体的事業運営体制を構築してまいりました。
具体的には、水道の使用中止、開始受け付けや徴収整理、浄水場の運転管理等の業務を監理団体に委託し、柔軟、効率的に運営することにより、二十四時間、三百六十五日対応できるようにするなど、お客様サービスを格段に向上させております。
○きたしろ委員 都議会自民党では、入札契約制度プロジェクトチームにおいて、昨年六月に取りまとめをさせていただきました公共事業の正しいあり方についてで提言しておりますように、監理団体とは、公益性を最優先する行政と経済効率性を最優先する民間企業の間に立ち、その中間的性格による優位性を生かした一・五セクターともいうべき存在であり、都政運営の重要なパートナーとして積極的に活用すべきであると、我が党は主張してまいりました。
水道局においては、まさにこの考えを実践する形で、局が監理団体と一体となって、業務を柔軟かつ効率的に行うことで、住民に対するサービス水準の向上が可能になっていることがわかります。
監理団体は、決して単なる天下りではなく、業務の効率性確保や、住民サービスの向上のために欠くことのできない存在だと思います。このため局では、監理団体の役割や必要性をわかりやすく都民に説明して理解を得ながら、今後とも基幹的業務について、積極的に監理団体を活用し、公共性と効率性を両立した業務運営を行っていくよう期待しております。
局と監理団体の一体的事業運営の体制は、事務委託を解消していく中で、その形ができ上がりつつありますが、一方、実際に管工事等を行っているのは民間の事業者であり、こうした地元の事業者抜きに水道事業を行うことはできません。我が党では、平成十九年に、地元事業者の実情把握を行い、市町から発注されていた一般の管工事、メーター引きかえや水道管維持補修の工事請負単価契約、メーター検針業務委託、事務委託契約について、都の契約方法への見直しに当たり、この間、円滑な移行と、地元事業者の活用について局に要望してきたところでございます。
これまで都議会においても、多摩地区における水道施設水準の向上を図るとともに、中小事業者が多いという多摩地区の実情を勘案した地元事業者の活用を重ねて求めてきたところでございます。そこで改めて、従来、多摩地区において、管工事等を実施する際の地元事業者の活用状況についてお伺いいたします。
○木村技術調整担当部長 事務委託期間中の各市の管工事の実績を見ますと、規模の小さい数多くの工事を地元事業者が受注し、管路整備等を進めてきた経過がございます。また、メーター引きかえや水道管維持補修の単価契約工事につきましては、多くの地元中小事業者が工事を担ってきており、一部の市では、メーター検針において、地元事業者が構成する管工事組合が業務を行っております。このように、管路の工事や維持管理等におきまして、地域の実情に精通し、また、現場にも近いという利点を有する多くの地元中小事業者の協力により、市町の水道事業が支えられてきたところでございます。
○きたしろ委員 今、答弁をいただきましたように、地元事業者というのは、市町が水道事業を運営してきた時代から、漏水修理や水道管の布設など、地域のライフラインを維持するため、昼夜を問わず水道事業を支えてきたといっても過言ではありません。また、地元事業者は、地域の事業に精通しており、今後の水道事業を進める上で大きな力を発揮してくれるものと期待しているところです。
今定例会の我が党の代表質問に対して、中小事業者を活用した管工事などの実施においては、事業者の規模に配慮した工事の発注を行うほか、工事請負単価契約等については、特段の配慮をしつつ、段階的に見直しを進めるとともに、地元事業者の育成方法について検討しているとの答弁をいただいたわけでございます。
今後とも、水道局とともに多摩地区の水道事業を支えていく重要なパートナーとして、地元事業者を積極的に活用し、配水管の新設や取りかえ工事等を精力的に進めていくことをここで改めて要望しておきたいと思います。
事務委託解消の取り組みは、いよいよゴール目前ですけれども、これは多摩水道改革に向けた新たなスタートでもあります。そこで、最後に、今後の多摩水道のさらなる改革に向けた局長の決意をお伺いいたします。
○尾崎水道局長 当局では、平成十五年に策定した多摩地区水道経営改善基本計画に基づき、事務委託解消を進めてきた結果、お客様サービスや施設管理が広域的かつ効率的に展開できる体制が整ってまいりました。しかし、事務委託解消の過程で、業務一元化への円滑な移行などのさまざまな課題が顕在化したため、八月に多摩水道改革計画を策定し、これに対応することとしました。
今後、多摩地区の事情に十分配慮しながら、施設管理や業務を段階的に、都の水準に改善、統一化するとともに、一体的事業運営体制のもと、監理団体との連携強化や業務フローの簡素化などを実施し、一層効率的な事業運営を行います。
さらに、事務委託中は、適用が困難であった市町域を越えた管路整備等に取り組み、給水安定性のさらなる向上を図ります。事務委託完全解消を契機に、広域水道としてのメリットを一層発揮し、多摩地区の水道サービスをさらに充実させるため、計画の確実な推進に向けて、市町や地元事業者など、関係者の協力を得ながら、全力を挙げて取り組んでまいります。
○きたしろ委員 局長の力強い決意をお伺いいたしまして意を強くしたところです。
我が党は、これまで、多摩の水道における課題とその解決策など、さまざまな角度から提言をさせていただきました。多摩地区水道のさらなる改革に向けて、引き続き精力的に取り組むよう要望して、質問を終わります。
○長橋委員 私からも、三鷹市及び稲城市の事務委託の廃止、事務委託の解消についてですね、何点かお伺いをしたいと思います。
特に、私の方からは、応急給水、震災時の応急給水の課題について確認をしていきたいと思います。
冒頭、事務委託の解消、多摩二十五市町、この三鷹と稲城が解消することによって、いよいよすべてが事務委託解消になるということでありまして、そのメリットについては、今お話もありましたとおり、サービスの向上であるとか、給水安定性の向上、こういうのが図れるし、また、ご答弁の中には、四十億円の経費も削減できるということでありまして、しっかりと進めていただきたいと思うわけであります。
いわゆるそうしたメリットとともにですね、やはり我が党がたびたび代表質問でも取り上げてまいりましたけれども、震災時の対策、特に応急給水、これは非常に重要なことから代表質問で取り上げたわけであります。今までは、事務委託が解消する前は、それぞれ自分の市は自分で守る、こういうことでやってきたわけでありますけれども、今度は東京都と連携をしていくということになってくるわけでありますから、それぞれ役割分担というのがあるんだろうと思います。事務委託解消後の、東京都とそれから市町との役割分担、まずはどうなっているのかお伺いいたします。
○松苗調整部長 震災時の応急給水の役割分担につきましては、東京都地域防災計画に規定されておりまして、応急給水槽と浄水所などの給水拠点に分けて、具体的に役割分担が定められております。
それによりますと、応急給水槽の場合、市町が応急給水に必要な資機材の設置及び住民への給水を行うこととなっております。また、浄水所などの給水拠点の場合、応急給水に必要な資機材の設置は都が行い、住民への給水は市町が行うこととなっております。
なお、事務委託中は、応急給水槽及び浄水所などの給水拠点の双方につきまして、資機材の設置や住民への給水は市町が行っていましたことから、事務委託解消後の応急給水については、市町と十分な連携が必要となっております。
○長橋委員 今のご答弁でありますと、震災時の給水拠点での応急給水、これが東京都の地域防災計画では、浄水所、給水所等における資機材の設置は都が行うと、そして、応急給水槽については、市町が資機材の設置をすると、こういう役割分担があるということであります。ですから、同じ応急給水でも、いわゆるこの浄水所等とそれから応急給水槽については、この資機材の設置も含めてそれぞれ役割分担があると。今最後に、部長が答弁したとおり、ということから、いわゆる市町との連携が重要になってくると、こういうことであります。後ほど、浄水場と応急給水槽、これについても触れたいと思うんですけれども、まずは市町との連携、具体的な、どのような取り組みを行っていくのか伺います。
○松苗調整部長 事務委託の解消に伴い、これまで市町が担ってきた震災時の応急給水につきまして、今後は、都と市町がおのおのの役割分担に従って実施することとなりました。こうしたことから、今後は都と市町とが協力して応急給水を行う必要があるため、両者が日ごろから応急給水訓練を実施するなど、都と市町が緊密に連携して対応する必要がございます。
このため、市町防災会議に水道局職員が参加していくことにより、連絡調整機能を強化いたしますとともに、平常時から、市町の地域防災計画や防災訓練計画の策定に関与してまいります。これまでに十二市町の防災会議に参画し、他の市町とも順次調整してまいります。
また、局職員が市町防災訓練に参加するとともに、市町職員に、局の応急給水訓練への参加を働きかけるなど、市町と密接な連携を図りながら、震災対策の確実な推進に努めてまいります。
○長橋委員 具体的な取り組みということで、ご答弁をいただきました。
いわゆるこの市町との連携、特に、今最後にありました局職員が市町の防災訓練に積極的に参加をしていく、また、それで市町の職員へは、この局の応急給水訓練に参加を呼びかけていくということでありまして、これは非常に大事なことであろうかと思います。
よく、防災計画等をつくりますと、その内容は机上でできている内容でありますから、実際に訓練するとさまざまな課題も出てくるんだろうと思いますし、事務委託が解消することによって、市町それから東京都の連携、これはひとえに訓練を重ねていくこと以外にないと、このように思うわけであります。
そういった意味で、昨年の事務事業では、うちの、前委員でありました木内委員の方から、いわゆるこの訓練、またはその応急給水訓練のときに、もちろん東京都も市町の職員も同じように被災するわけだから、マンパワーが不足するんじゃないか、それに伴って、ボランティアだけじゃなくて、各自治体や、また、町会等にも呼びかけて、訓練をしていくべきじゃないかと、こういうことで取り上げさせていただきまして、第三回の定例会では、それに対する局長のご答弁もいただいたところであります。
また、昨年の事務事業では、都立高校、これが応急給水訓練にも積極的に参加していると。去年では、奉仕の授業ですね、高校の奉仕の授業を活用してこの訓練を行ったということでありました。私も、じゃ全部が訓練やっているのかなと思いましたら、まだ一部で。
応急給水の訓練はできてないところもあるようでありますし、今いった都立高校は、来年も同じようにやる計画をしているということであります。そこで、この多摩地区における、事務委託解消後の訓練はさらに重要性を増してくるわけでありますけれども、今、一部できてないところもあると話もさせていただきました。現在の実施状況、そして今後の取り組み、これをどうするのか、お伺いいたします。
○松苗調整部長 当局では、これまで市町が実施する防災訓練への参加などにより、各市町と連携して応急給水訓練を実施しております。さらに、震災時に必要な職員が参集できないなど、想定を超える事態にも対応できますよう、武蔵村山市や多摩市などで、市町だけでなく、町会自治会、高校、ボランティア団体など、多様な主体と連携した応急給水訓練を実施しておりまして、今後五年間のうちに全市町と調整しながら順次実施してまいります。
○長橋委員 一部未実施のところもあるけれども、今後五年間で、全市町で、順次実施をしていくということでありますので、ぜひ町会やボランティア、また、先ほど申し上げた高校生なんかもですね、大いに参加をしてもらって、やりたいと思いますし、高校もそんなに何校もやっているわけではないようですから、ぜひ都立高校にお声をかけてですね、さらにその都立高校の訓練も拡大をしていただければなと思うわけでございます。
そこで、先ほど資機材については、都とそれから市町との役割分担があると、こういうことでありました。私の率直な疑問なんですけれども、実際、訓練をやるときに、そういう資機材は、どこに収納されているのか。また、訓練をする際に、どういう資機材を活用して、そしてまた訓練するのか。具体的に、応急訓練という、給水訓練というのが、どんなイメージで、機材を使ってやるのかというようなことをちょっと疑問に思ったものですから、そこら辺、ちょっとわかるようにご説明をいただきたいと思います。
○松苗調整部長 応急給水用資機材につきましては、それぞれの給水拠点に設置した倉庫に収納しておりまして、例えば、ホースやエンジンポンプ、複数の蛇口がついた応急給水栓、スタンドなどさまざまな資機材がございます。応急給水訓練におきましては、当局や市町の職員が、町会自治会、高校、ボランティア団体などの参加者とともに、実際に倉庫から資機材を取り出し、応急給水栓をスタンドの上に設置し、取り出し口とホースで接続するなどの設置作業を行います。また非常用給水袋に水を入れるなど、発災時と同様に、実際の給水拠点での飲料用水配布を体験していただくほか、大勢の地域の高校生に、給水袋に充水した飲料水を近くの高齢者福祉施設等に、実際に持って運び届けるまでの体験をしていただいております。
○長橋委員 今のお話を聞いて、イメージが大分よくわかってきたわけでありまして、実際に、給水拠点に接続をするところから始めると、こういうことであります。そういうところでありますけれども、ぜひ、そうした訓練というのをさらに拡大していただきたいと思うわけであります。実際に飲料水を提供していくということでありますから、ふだんは、飲料水、また、水というのは、当たり前のように飲んでいるわけでありますけれども、震災時に、そういったときに、最も必要なのはこの飲料水でありますから、その重要性というのを認識することも重要だなと、このように思うわけであります。
さらに、今は、訓練等のソフトの部分についてお伺いしましたけれども、先般、先ほどもご質問ありましたけれども、日野市の事故もありました。そういった意味では、ハードの部分でも、これは大変重要な課題があるかと、このように思うわけであります。先日の決算委員会では、うちの野上委員が、このハードの部分、耐震対策について取り上げさせていただきまして、特に多摩地区では、管路の取りかえよりも、課題なのがそもそもネットワークが不十分だと、こういう指摘をいたしましたところ、それについて尾崎局長の方から、そういう認識のもとに、しっかりとネットワークを推進していくと、こういうご答弁があったわけであります。
そこで、このネットワーク化だけじゃなくて、やはり一たんそういったことが起きると、断水とか濁水とかそういった影響が出てくるわけであります。そうするとやはりすぐに浮かぶのは、医療機関なんかはどうなるんだろうな、こういうふうに思うわけでありまして、そこで、多摩地区における水道局の耐震、震災対策、耐震対策はどのようにやっているのか伺います。
○木村技術調整担当部長 まず救急医療機関や首都中枢機関など、重要施設への配水管の耐震継ぎ手化を優先して進めまして、供給ルートの耐震化を図ってまいります。さらに、経年管、初期ダクタイル管などの老朽化した管や、耐震性の低い管について、耐震継ぎ手化緊急十カ年事業に基づきまして、取りかえ計画の大幅な前倒しを行い、取りかえ工事を推進してまいります。
また、これまで市町域を越える配水管ネットワークの整備が十分でなかったため、事故時等におきまして、断水や濁水の影響が広範囲に及ぶことから、管路のネットワークを推進する必要がございます。今後、供給ルートの耐震化や取りかえ工事の推進とあわせまして、配水管の整備に積極的に取り組み、管路のネットワークを進めることにより、広域的なバックアップ機能を向上させるなど、多摩地区管路の耐震性の向上を図ってまいります。
○長橋委員 しっかりと取り組んでいただきたいと思うわけであります。
先ほど、都と市町の役割分担ということで、いわゆる資機材の整備については、浄水所、給水所は都がやると、応急給水槽については市町がやると、こういうことでございました。
この「東京の水道」を見ましたら、震災に備えてということで、どのぐらい整備されているかということがここに記載されているわけであります。区部と多摩地区に分けて記載されているのですが、浄水所、給水所などについては、区部は三十カ所、多摩地区は逆に九十三カ所、これはあると。ところが応急給水槽、今、応急給水のことを取り上げてきたわけですけれども、応急給水槽、または小規模応急給水槽、合わせるとですね、区部は六十八カ所あるわけであります。ところがですね、多摩地区は合わせて十カ所しかないわけであります。
この違いは、いろいろ歴史的な経緯もあるんだろうなと、このようにも思いますし、浄水場と応急給水の違いについては、二十三区は、かなり大型な浄水場があるんだと、多摩地区はそれぞれ市町がやってきたから小規模だ、ということがあるのだと思いますけれども。お伺いをすると、いわゆるいざ発災する、震災時のときに、こういった浄水場もしくは応急給水槽につなげる、これをここから訓練をするわけでありますけれども、その方法がですね、いわゆるこの浄水場の方と応急給水だと、応急給水槽の方が非常に早くできるといいますか、素早くできる、こんなお話も聞いたところであります。きょうは、多摩地区のことについて聞いてきているわけでありまして、浄水所は多いわけですけれども、いざというときにすぐに、素早く水を、飲料水を確保する、供給するということが、応急給水槽が十カ所では、かなり少ないのかな、このように思うわけであります。
数としては浄水所がかなりたくさんありますから、数としてはいいと思うんですけれども、そうすると、わかりませんけれども、浄水所を、そうしたいざというときのために改良ができるのかどうか、というようなことも課題があろうかと思うんです。それを聞こうと思ったのですけれども、これは水道局だけの問題じゃないと、こういうことでございますから、ぜひそうした課題については、垣根を越えて取り組んでいただきたい、こういうふうに思うわけであります。そうした思いも含めて、最後、震災対策を局長に伺います。
○尾崎水道局長 今の冒頭の対策を水道局としてやっていきたいと思っています。首都直下型地震の切迫性が指摘される中、ソフト、ハード両面からの震災対策を強化していくことは喫緊の課題であります。ソフト面の対策としての震災時の応急給水につきましては、事務委託解消に伴い、都と市町が役割を分担して実施することになるため、日ごろから協力して訓練を重ねるなど、これまで以上に緊密に連携してまいります。
また、ハード面としては、管の耐震化を図るため、耐震継ぎ手化緊急十カ年事業を推進するとともに、配水管のネットワーク化を進めバックアップ機能を強化してまいります。このようなソフト、ハードの取り組みを一体的に展開し、多摩地区のお客様が事務委託解消によるメリットを実感できるよう、市町と関係者と連携を図りつつ引き続き震災対策に全力で取り組んでまいります。
○長橋委員 最後、私も申し上げたところでありますので、この課題については、今、局長も取り組むと、こういう話でございましたので、やはり東京は、直下型地震がいつあってもおかしくないと、いわれているわけでございまして、その最も重要なライフラインである水についてですね、水道局の皆さんが、これまでご苦労されてきて、整備をされてきたことについては評価するわけでありますが、さらなる取り組みを期待を申し上げて質問を終わりたいと思います。
○田中委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で水道局関係を終わります。
○田中委員長 これより付託議案の審査を行います。
第二百四十二号議案及び第二百四十三号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に質疑を終了いたしております。
これより採決を行います。
第二百四十二号議案及び第二百四十三号議案を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認めます。よって、第二百四十二号議案及び第二百四十三号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
○田中委員長 次に、特定事件についてお諮りいたします。
お手元配布の特定事件調査事項につきましては、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○田中委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、尾崎水道局長から発言を求められておりますので、これを許します。
○尾崎水道局長 公営企業三局を代表いたしまして、ごあいさつ申し上げます。
まず初めに、今回ご審議を賜りました議案につきまして、ただいま決定をいただきまして、まことにありがとうございました。
また、田中委員長を初め委員の皆様方におかれましては、ご就任以来、公営企業三局に対しまして、数々のご指導、ご鞭撻をいただき厚くお礼申し上げます。
私ども公営企業が行っております事業は、都民生活や首都東京の都市活動にとりまして日々欠かすことのできない重要な事業でございます。これまでにちょうだいいたしました貴重なご意見やご指摘等を、今後の事業運営に十分反映させ、都民サービスのさらなる向上に努めてまいります。
今後とも、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げましてお礼のあいさつとさせいただきます。まことにありがとうございました。
○田中委員長 発言は終わりました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時四十八分散会
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