委員長 | 田中たけし君 |
副委員長 | 柳ヶ瀬裕文君 |
副委員長 | 長橋 桂一君 |
理事 | 山内れい子君 |
理事 | 鈴木 章浩君 |
理事 | 泉谷つよし君 |
きたしろ勝彦君 | |
尾崎 大介君 | |
小沢 昌也君 | |
相川 博君 | |
鈴木貫太郎君 | |
馬場 裕子君 |
欠席委員 二名
出席説明員交通局 | 局長 | 金子正一郎君 |
次長 | 野澤 美博君 | |
総務部長 | 中村 靖君 | |
職員部長 | 宮川 昭君 | |
資産運用部長 | 廣瀬 秀樹君 | |
電車部長 | 室星 健君 | |
自動車部長 | 松下 義典君 | |
車両電気部長 | 広川 徳彦君 | |
建設工務部長 | 廣木 良司君 | |
企画担当部長 | 小泉 健君 | |
安全管理担当部長 | 波多野正裕君 | |
調整担当部長 | 土岐 勝弘君 | |
バス事業経営改善担当部長 | 岡本 恭広君 | |
技術調整担当部長 | 石井 明彦君 | |
技術管理担当部長 | 橿尾 恒次君 | |
水道局 | 局長 | 尾崎 勝君 |
次長 | 森 祐二郎君 | |
総務部長 | 坂内 顕宏君 | |
職員部長 | 松宮 庸介君 | |
経理部長 | 猪熊 純子君 | |
サービス推進部長 | 高原 俊幸君 | |
浄水部長 | 吉田 永君 | |
給水部長 | 酒井 晃君 | |
建設部長 | 今井 茂樹君 | |
企画担当部長 | 松丸 俊之君 | |
設備担当部長 | 吉田 進君 | |
サービス企画担当部長 | 津国 保夫君 | |
多摩水道改革推進本部 | 本部長 | 増子 敦君 |
調整部長 | 松苗 昌宏君 | |
施設部長 | 佐々木史朗君 | |
技術調整担当部長 | 木村 康則君 | |
下水道局 | 局長 | 松田 二郎君 |
技監 | 小川 健一君 | |
総務部長 | 石原 清次君 | |
職員部長 | 小山 哲司君 | |
経理部長 | 須田 潔君 | |
計画調整部長 | 松浦 將行君 | |
施設管理部長 | 黒住 光浩君 | |
建設部長 | 高相 恒人君 | |
企画担当部長 | 熊谷 透君 | |
技術開発担当部長 | 東郷 展君 | |
施設管理担当部長 | 尾崎 篤司君 | |
流域下水道本部 | 本部長 | 細野 友希君 |
管理部長 | 安藤 博君 | |
技術部長 | 渡辺志津男君 |
本日の会議に付した事件
交通局関係
事務事業について(説明)
水道局関係
事務事業について(説明)
下水道局関係
事務事業について(説明)
○田中委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
初めに、議席について申し上げます。
本件は、過日の委員会で理事会にご一任いただきましたが、協議の結果、お手元配布の議席表のとおりとなりましたので、ご了承願います。
○田中委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局、水道局及び下水道局関係の事務事業の説明聴取を行います。
なお、本日は説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行います。ご了承願います。
これより交通局関係に入ります。
初めに、交通局長よりあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。
○金子交通局長 交通局長の金子正一郎でございます。田中委員長を初め委員の皆様には、平素より当局事業にご理解、ご支援を賜りまして、厚くお礼を申し上げます。
交通局を取り巻く事業環境は厳しい状況にございますが、事業運営に当たりましては、東京の都市活動と都民生活を支える公共交通機関として、お客様から信頼され、支持される都営交通を目指し、安全を最優先に、サービスの向上と経営改善に取り組んでまいる所存でございます。委員の皆様方におかれましては、今後ともより一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
次長の野澤美博でございます。総務部長の中村靖でございます。職員部長の宮川昭でございます。資産運用部長の廣瀬秀樹でございます。電車部長の室星健でございます。自動車部長の松下義典でございます。車両電気部長の広川徳彦でございます。建設工務部長の廣木良司でございます。企画担当部長の小泉健でございます。安全管理担当部長の波多野正裕でございます。調整担当部長の土岐勝弘でございます。バス事業経営改善担当部長の岡本恭広でございます。技術調整担当部長の石井明彦でございます。技術管理担当部長の橿尾恒次でございます。続きまして、当委員会との連絡に当たります総務課長の根木義則でございます。財務課長の佐藤智秀でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○田中委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。
○田中委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。
○金子交通局長 それでは、交通局の事務事業につきましてご説明を申し上げます。
お手元の資料1、事業運営の基本方針の一ページをお開きいただきたいと存じます。
まず、事業の現況でございますが、交通局は、地方公営企業法に基づき、独立採算制の原則により、都営バスを運行する自動車運送事業、路面電車荒川線を運行する軌道事業、日暮里・舎人ライナーを運行する新交通事業、上野動物園内のモノレールを運行する懸垂電車事業、都営地下鉄四路線を運行する高速電車事業、多摩川水系で水力発電を行う電気事業の六事業を経営しております。
都営交通を取り巻く事業環境は、少子高齢社会の進展により、今後乗客数の増加が期待できない中、安全対策やお客様サービスの向上、さらには環境対策などの社会的要請への対応など、対処すべき課題が増大しております。
続きまして、二ページをごらんいただきたいと存じます。経営計画についてご説明申し上げます。
交通局では、事業環境の変化や厳しい財務状況などを踏まえ、経営計画新チャレンジ二〇〇七の成果も生かしながら、平成二十二年度を初年度とする三カ年の新たな経営計画ステップアップ二〇一〇を策定いたしました。
今年度は本計画の初年度であり、安全・安心の確保、質の高いサービスの提供、社会的要請への対応、経営力の強化の四つの取り組み方針のもと、九十一の計画事業に重点的に取り組んでおります。
三ページをごらんいただきたいと存じます。平成二十一年度決算概要についてご説明を申し上げます。
二十一年度は、平成二十年秋以降の景気悪化の影響などにより、乗車料収入や広告料収入が減少いたしましたが、全事業を合計した経常損益は百十一億円の黒字を確保することができました。
このうち自動車運送事業は、乗客数が微減となったものの、経常損益は黒字を維持いたしました。
軌道事業は、乗客数が微減となり、経常損益は赤字となりました。
新交通事業は、乗客数は順調に増加しているものの、減価償却費などの資本費負担が重く、経常損益は赤字となりました。
高速電車事業は、乗客数が微減となったものの、経常損益は二十年度に引き続き黒字を計上いたしましたが、四千三百九億円の累積欠損金と一兆一千百八十億円の長期債務がございます。
電気事業は、経常損益は黒字を維持いたしました。
次に、四ページをごらんいただきたいと存じます。平成二十二年度の主要事業につきまして、その概要をご説明申し上げます。
まず、自動車運送事業でございますが、交通局では百三十九系統の路線バスを運行しております。
主な取り組みでございますが、安全・安心の確保といたしまして、路線バス車両へのドライブレコーダーの導入について、計画を前倒しして進めてまいります。
質の高いサービスの提供といたしまして、停留所の上屋、ベンチやバス接近表示装置の増設に加え、情報提供サービスを充実させるため、新しいバス運行管理システムの開発に着手するなど、お客様サービスの向上に努めてまいります。
社会的要請への対応といたしまして、更新車両のすべてを最新の排ガス規制に適合した低公害ノンステップバスといたします。
次に、軌道事業でございますが、都電荒川線十二・二キロを運行しております。
主な取り組みでございますが、旧型の車両のうち、五両を新型車両へ更新いたします。なお、新型車両につきましては、荒川線沿線のバラの色にちなんだ塗装を施す予定でございます。
五ページをごらんいただきたいと存じます。
新交通事業でございますが、日暮里・舎人ライナー九・七キロを運行しております。
主な取り組みでございますが、混雑対策といたしまして、お客様が車両の中ほどまで入りやすいよう、座席の一部をロングシートに変更するなど、車内レイアウトの改修について、計画を前倒しして実施いたします。
次に、高速電車事業でございますが、都営地下鉄四路線、合計で百六駅、百九キロを運行しております。
主な取り組みでございますが、安全・安心の確保といたしまして、大江戸線への可動式ホームさくの整備や、浅草線ATSの改良、さらに、運行管理機能を強化するため、総合指令の構築を進めてまいります。
質の高いサービスの提供といたしまして、引き続き、エレベーター等によるワンルートの確保を計画的に進めるなど、バリアフリー化を推進してまいります。
また、勝どき駅の大規模改良や、地下駅の冷房化、トイレのグレードアップ、わかりやすい案内サインへの改良など、快適性、利便性の向上に努めてまいります。
社会的要請への対応といたしましては、AEDについて、これまで各駅に一台ずつの設置でございましたが、これを増設し、駅構内すべての改札口に設置をいたしました。
最後に、六ページをごらんいただきたいと存じます。
交通局を取り巻く事業環境は、依然として厳しい状況が続いておりますが、多様化、高度化する都営交通へのニーズに対応しながら、安全・安心の確保を最優先に、質の高い、きめ細かなサービスの提供に努めてまいります。
また、引き続き職員定数の削減や、業務運営の見直しを行うとともに、関連団体の活用を図るなど、経営力を強化してまいります。
なお、現在、国とともに設置をいたしました東京の地下鉄の一元化等に関する協議会等で、東京メトロとの一元化について議論を進めているところでございます。
今後とも、公営交通としての役割を十分認識し、これまで以上にお客様から信頼、支持される都営交通を目指し、局一丸となって取り組んでいく所存でございます。
田中委員長を初め委員の皆様方におかれましては、今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
なお、事業の概要につきましては、引き続き総務部長からご説明を申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
○中村総務部長 初めに、お手元にお配りいたしました資料につきまして、ご説明申し上げます。
資料1は、ただいま局長からご説明いたしました事業運営の基本方針でございます。資料2は、平成二十二年版事業概要でございます。資料3は、東京都監理団体等の運営状況でございます。そのほか、参考資料といたしまして、「都営交通のあらまし」と「都バス路線案内」を同封しております。あわせてご参照いただきたいと存じます。
それでは、交通局の組織、事業の概要につきまして、資料2の事業概要によりご説明申し上げます。
初めに、当局の組織でございますが、事業概要の表紙の裏のページ、東京都交通局組織図をごらんいただきたいと存じます。交通局の組織は、総務部、職員部、資産運用部、電車部、自動車部、車両電気部及び建設工務部の七部で構成しております。
次に、平成二十一年度決算の状況でございますが、一四ページ、平成二十一年度決算総括表をごらんいただきたいと存じます。表頭には各会計別の事業、表側には各科目を記載してございます。
初めに、自動車運送事業、軌道事業、新交通事業及び懸垂電車事業を経理する交通事業会計でございますが、自動車運送事業につきましては、左側、収益的収支の損益の欄にございますように、経常損益は七億七千三百万円の黒字を計上しております。
軌道事業では、その右隣の欄にございますように、経常損益は九千三百万円の赤字となっております。
新交通事業では、さらにその右隣の欄にございますように、経常損益は十七億八千万円の赤字となっております。
また、懸垂電車事業につきましては、経常損益は二千五百万円の黒字を計上しております。
次に、地下鉄事業を経理する高速電車事業会計でございますが、経常損益は百二十一億六千九百万円の黒字を計上しております。
最後に、電気事業会計でございますが、経常損益は二千二百万円の黒字を計上しております。
以上、平成二十一年度決算は、都電荒川線の軌道事業及び日暮里・舎人ライナーの新交通事業を除く四事業で、経常損益の黒字を計上いたしました。
続きまして、各事業の実績でございます。
一七ページ、平成二十一年度運輸成績総表をごらんいただきたいと存じます。表の一番右側、乗車人員の欄でご説明させていただきます。
初めに、自動車運送事業ですが、一日当たりの乗車人員は五十六万一千八百八十八人となっております。軌道事業は、一日当たりの乗車人員は五万九百八十六人、懸垂電車事業は、営業日一日当たりの乗車人員で二千八百五十人、新交通事業は、一日当たりの乗車人員は五万四千七百二十五人でございます。
地下鉄事業は、四路線の合計で一日当たりの乗車人員は二百三十二万九千七百九十人でございます。
都営交通全体の乗車人員は、下から二段目の計の欄に記載してございますが、一日当たり二百九十九万九千七百三十二人でございます。
また、その左側の欄の乗車料収入は、年間一千六百八十七億一千万円でございます。
なお、電気事業でございますが、一番下の段になりますが、年間の販売電力量は九万一千七百二十七メガワットアワーで、電力料収入は九億二百万円となっております。
続きまして、平成二十二年度の予算の概要でございます。
二三ページ、平成二十二年度予算総括表をごらんいただきたいと存じます。表頭には各会計別の事業、表側には各科目を記載してございます。
初めに、交通事業会計でございますが、自動車運送事業では、上から九段目、収益的収支の収入計の欄にありますが、乗車料収入など四百三十一億四千三百万円の収入に対しまして、そこから十段下、支出計の欄にありますように、人件費、物件費など四百二十六億三千九百万円の支出を予定しております。
軌道事業では、収入は三十五億六千三百万円で、支出は三十五億五千百万円を予定しております。
新交通事業では、収入は四十二億八千五百万円で、支出は七十三億六千六百万円を予定しております。
また、懸垂電車事業では、収入は一億六千百万円で、支出は一億五千六百万円を予定しております。
次に、高速電車事業会計でございますが、収入は一千五百二十八億六千六百万円、支出は一千四百七十一億五千六百万円を予定しております。
最後に、電気事業会計でございますが、収入は九億七千三百万円、支出は九億五千九百万円を予定しております。
次に、職員数でございますが、三二ページをお開きいただきたいと存じます。
職員数につきましては、事業別、職種別に示してありますが、平成二十二年三月三十一日現在の職員総数は、表の右下合計欄のとおり、常勤職員六千百四十九人と、再任用短時間勤務職員三百七十四人、合わせまして合計で六千五百二十三人でございます。
続きまして、各事業の概要についてご説明申し上げます。
まず、自動車運送事業でございますが、三三ページから記載してございます。
都営バスを取り巻く経営環境は、地下鉄を初めとする他の交通機関の拡充の影響を受け、年々乗客数が減少するなど、非常に厳しいものとなっております。こうした中で、都営バスの利用促進を図るため、快適性、利便性を向上させるためのさまざまな取り組みを行っているところでございます。
具体的には、三四ページ以降に記載してございますが、主な取り組みとして、地域の実情やお客様のニーズに合わせ、路線やダイヤの見直しを行ってきたほか、三九ページ以降になりますが、停留所の上屋、ベンチの新設、建てかえや、バス接近表示装置の増設などに取り組んでおります。
また、四四ページから記載してございますが、環境対策といたしまして、最新の排出ガス規制に適合した低公害車両やハイブリッドバスの導入に積極的に取り組んでおります。このほか、国土交通省のプロジェクトで開発を進めている非接触給電ハイブリッドバスの実証運行に協力いたしました。
福祉対策といたしましては、四六ページ以降に記載してございますが、ノンステップバス車両の積極的な導入に努めておりまして、導入割合は、平成二十一年度末で八七・九%となっております。なお、現在国が目標としている導入割合は約三〇%であり、当局の導入率はこれを大幅に上回っております。
また、今年度におきましても、引き続き、更新車両のすべてをノンステップバス車両とし、平成二十四年度末には、全車両をノンステップバスとする計画でございます。
安全、防災対策といたしましては、四八ページ以降に記載してございますが、安全意識や運転技術をより一層向上させ、事故防止を図るため、すべての車両にドライブレコーダーを導入する予定でございます。
一方、経営の効率化を推進していくため、自動車営業所における運転業務、運行管理業務、車両整備業務を一体として、他のバス事業者へ委託する管理の委託を実施しております。
次に、軌道事業でございますが、五一ページから記載してございます。
都電の中で唯一残った荒川線は、三ノ輪橋から早稲田までの十二・二キロメートルを運行し、地域に密着した路線としてご利用いただいております。
主な取り組みにつきましては、五四ページ以降に記載してございますが、荒川線沿線の活性化及び乗客誘致対策として、三ノ輪橋停留場及び庚申塚停留場を、昭和三〇年代の雰囲気を持った停留所に改良するとともに、都電の旧型車両を展示した都電おもいで広場を整備いたしました。
また、変電設備を更新し、機能強化を図ったほか、昭和初期の東京市電をイメージしたレトロ車両や、先進性と快適性をコンセプトとした白とローズレッドを基調としたデザインの新型車両を導入してまいりました。今年度も五両を新型車両へ更新いたしますが、お客様が見ても楽しめるよう、バイオレット、オレンジ、イエローを基調とした車両にいたします。
次に、新交通事業でございますが、五七ページから記載してございます。
平成二十年三月に開業した日暮里・舎人ライナーは、日暮里駅から見沼代親水公園駅までの九・七キロメートルを約二十分で結んでおり、通勤や通学の足として定着しております。
主な取り組みとしては、混雑緩和と利便性向上のため、平成二十一年八月に、お客様が車両の中ほどまで入りやすいよう、座席レイアウトについて、これまでのボックスシートから一部をロングシートにした新車を二編成導入するとともに、ダイヤ改正を行い、朝ラッシュ時及び夜間の時間帯を中心に増発いたしました。
さらに、ことしの四月には、早朝の利便性向上のため、始発の繰り上げを実施いたしました。
なお、既存の車両につきましても、計画を前倒しして、座席の一部をロングシートにする車内レイアウトの改修を行っております。
次に、懸垂電車事業でございますが、六一ページから記載してございます。
上野動物園内を運行するモノレールは、昭和三十二年に開業した日本で初めてのモノレールでございます。引き続き、動物園と連携したイベントの開催などにより、お客様の誘致に努めてまいります。
次に、高速電車事業でございます。六五ページから記載してございます。
都営地下鉄は、昭和三十五年十二月に浅草線が開業して以来、三田線、新宿線、大江戸線と、順次その規模を拡大し、現在は四路線合計で百六駅、百九キロを運行しております。一日平均のお客様の数は、平成二十一年度で二百三十万人を超えており、東京の都市活動や都民生活を支える公共交通機関として重要な役割を果たしております。
主な取り組みとしては、七八ページ以降に記載してございますが、混雑緩和を図るため、新宿線については、ことしの六月に、四編成について、車両数を八両から十両とし、輸送力の増強を図りました。大江戸線につきましても、平成二十三年度中に二編成を増備する予定でございます。
また、七九ページにございますが、誘導サインにつきましては、ホームの案内板や駅構内の案内サインについて、東京メトロと共通のデザインにするなど、だれにでもわかりやすく利用していただけるよう、整備、改良を進めております。
バリアフリー対策につきましては、八一ページ以降に記載してございますが、東京都福祉のまちづくり条例等を踏まえ、積極的に取り組んでおります。
八二ページの表にもありますように、平成二十一年度末で、駅におけるエレベーターの設置率は約八九%、エスカレーターの設置率は約九七%となっております。また、車いすや乳幼児を連れた方などが利用しやすい、だれでもトイレにつきましては、ことしの四月に、すべての駅で設置が完了しております。
安全対策につきましては、八三ページ以降に記載してございますが、浅草線においては、改良型自動列車停止装置、C−ATSを、三田線、新宿線及び大江戸線においては、自動列車制御装置、ATCを導入し、運行の安全を確保しております。
ホームにおいては、八六ページに記載してございますが、可動式ホームさくにつきまして、平成十二年に設置済みの三田線に続き、現在、大江戸線において既に準備工事に着手しており、平成二十五年度までに全三十八駅に整備してまいります。
このように、お客様サービスの向上や安全対策の推進に努める一方、駅業務の委託など、経営の効率化につきましても着実に進めてきております。
次に、電気事業でございますが、九一ページから記載してございます。
現在、多摩川第一発電所、第三発電所及び白丸発電所の三カ所におきまして、水力発電事業を行っており、平成二十一年度の年間販売電力量は、約九万二千メガワットアワーであり、一般家庭約三万四千世帯分の使用量に相当する電力を供給しております。水力を用いることから、発電段階でCO2を排出することもなく、クリーンエネルギーの供給に寄与しております。
次に、関連事業の展開でございますが、九五ページから記載してございます。
関連事業とは、土地建物などの資産の活用や、広告事業、駅構内での店舗の営業等を積極的に展開し、安定した収入を確保しようとするものでございます。
九六ページに記載してございますが、資産の活用につきましては、事業跡地等の貸し付けや、平成十九年十月に竣工した複合商業施設、有楽町イトシアの一部フロアの貸し付けなどを行っております。
広告事業につきましては、車内や駅での広告のほかに、東京の景観やまち並みにふさわしい新タイプの広告つきバス停留所の設置を進めており、広告枠の販売を展開しております。
九七ページに記載してございます構内営業に関しましては、駅構内に物販店や飲食店などの出店をふやし、駅を利用するお客様の利便性を高めるとともに、収入の確保を図っております。
続きまして、九九ページから記載してございます安全管理体制についてご説明申し上げます。
交通局では、国の運輸安全マネジメント制度に基づき、安全方針や安全重点施策の策定、各種委員会による情報の共有、事故防止研修や実践的な訓練を行うなど、局長から事業所までが一体となった安全管理体制を構築しているところでございます。
続きまして、一一九ページから記載してございます東京都交通局経営計画ステップアップ二〇一〇につきましてご説明申し上げます。
経営計画ステップアップ二〇一〇は、今後、交通局が進むべき道しるべとして、平成二十二年度から二十四年度までの三カ年を計画期間として策定したものでございます。
事業運営に当たっての基本的な姿勢として、交通局経営方針のもと、一二八ページ以降に記載してございます安全・安心の確保、質の高いサービスの提供、社会的要請への対応、経営力の強化の四つの取り組み方針を掲げ、二十五の新規事業を含む全九十一事業につきまして、着実に達成すべく局を挙げて取り組んでおります。
今後とも引き続き、安全・安心の確保を最優先に、お客様サービスの向上、経営力の強化に積極的に取り組み、これまで以上にお客様から信頼、支持される都営交通を目指してまいります。
以上で、資料2、事業概要についての説明を終わらせていただきます。
続きまして、資料3、東京都監理団体等の運営状況の説明に移らさせていただきます。
この資料は、都が二五%以上の出資を行っている団体のうち、当局が所管している五団体につきまして、その事業等を取りまとめたものでございます。
表紙の次のページに目次がございますが、当局が所管しておりますのは、東京交通サービス株式会社、東京都地下鉄建設株式会社、東京トラフィック開発株式会社、株式会社東京交通会館及び株式会社はとバスの五社でございます。
詳細につきましては、後ほどごらんいただきたいと存じます。
以上をもちまして、事業概要等につきましてのご説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○田中委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。
以上で交通局関係を終わります。
○田中委員長 これより水道局関係に入ります。
初めに、水道局長よりあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。
○尾崎水道局長 水道局長の尾崎勝でございます。
田中委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから当局事業につきまして、ご理解とご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
当局におきましては、水道事業並びに工業用水道事業を所管し、都民の暮らしを守り、都市活動を支える基幹的な都市施設として、全力を挙げて健全な水道事業の運営に取り組んでおります。当局に課せられた使命達成のため、局一丸となって職責を果たしてまいる所存でございます。委員長初め委員の皆様方には、引き続き一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。次長の森祐二郎でございます。多摩水道改革推進本部長の増子敦でございます。総務部長の坂内顕宏でございます。職員部長の松宮庸介でございます。経理部長の猪熊純子でございます。サービス推進部長の高原俊幸でございます。浄水部長の吉田永でございます。給水部長の酒井晃でございます。建設部長の今井茂樹でございます。企画担当部長の松丸俊之でございます。設備担当部長の吉田進でございます。サービス企画担当部長の津国保夫でございます。多摩水道改革推進本部調整部長の松苗昌宏でございます。多摩水道改革推進本部施設部長の佐々木史朗でございます。多摩水道改革推進本部技術調整担当部長の木村康則でございます。次に、当委員会との連絡に当たります担当部長の加藤英典でございます。主計課長の斉田典彦でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕
○田中委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。
○田中委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。
○尾崎水道局長 お手元に配布してございます資料1、平成二十二年度東京都水道事業及び工業用水道事業の運営の基本方針をごらんいただきたいと存じます。
水道事業並びに工業用水道事業運営の基本方針についてご説明申し上げます。
一ページをお開き願います。初めに、水道事業についてご説明申し上げます。
都の水道事業は、明治三十一年に近代水道として通水を開始して以来、最も重要な都市基盤施設の一つとして、都民生活と首都東京の都市活動を支えてまいりました。
しかしながら、安全でおいしい水へのお客様ニーズが高まっていること、保有する水源に渇水に対する安全度が低いなどの課題を抱えていること、また、首都直下型地震の切迫性が指摘されるなど、震災対策の重要性が増してきていること、地球規模の環境問題を背景に、環境負荷の低減に向けて抜本的な対策が求められていることなど、さまざまな課題があります。
こうした中、目標管理と成果重視の視点に立ち、都民への説明責任を果たしていくため、平成二十二年度から平成二十四年度までの三年間を計画期間とする東京水道経営プラン二〇一〇を策定いたしました。
東京水道は、都民生活と首都東京の都市活動を支えるライフラインとして、効率経営に努めながら、一層確かな安心・安定を実感できる水道サービスを提供していくとともに、将来を見据え、持続可能な事業運営を目指し、東京水道の伝統を次世代に引き継いでいくことを経営方針に掲げ、計画に定めた目標の確実な達成に努めてまいります。
二ページをお開き願います。東京水道経営プラン二〇一〇の概要についてご説明申し上げます。
第一は、安全でおいしい水の安定的な供給であります。
まず、安全でおいしい水の供給についてでございますが、引き続き利根川水系の全浄水場で高度浄水施設の整備を着実に進めるとともに、高度浄水処理が、おいしさに加え、環境負荷やコストなどさまざまな面ですぐれた効果を持っていることを総合的にPRしていきます。
また、新しい水供給システムの構築に向け、従来の水量、水圧による水運用に、おいしさ及びエネルギー管理の視点を加えた新しい水供給システムの構築を進めてまいります。
さらに、引き続き、直結給水方式の普及促進に取り組むとともに、水飲み栓の直結給水化モデル事業は、実施期間を延長した上、公立小学校に加えて、新たに公立中学校及び私立小中学校を対象として実施いたします。また、貯水槽水道の適正管理に向けて詳細調査などに取り組んでまいります。
次に、安定給水についてでございますが、渇水時にも対応できるよう引き続き利水安全度の向上を目指すとともに、管理が不十分な民有林を試験的に購入することにより、安定水源の確保に努めます。
また、水道管路の耐震継ぎ手化緊急十カ年事業の推進や、原水連絡管の二重化、水道施設の耐震強化、送配水管ネットワークの強化などの震災対策を推進してまいります。
さらに、安定給水を確保しながら着実に施設更新を進めていくため、代替施設の整備を見据えた大規模浄水場更新積立金として五十億円を着実に積み立ててまいります。
第二に、広域的な事業運営であります。
多摩地区水道の広域的経営についてでございますが、平成十五年六月に、多摩地区水道経営改善基本計画を策定し、平成二十三年度末までに事務委託解消を予定しています。この過程で顕在化したさまざまな課題への取り組み方針などを明らかにするため、八月に、多摩水道改革計画を策定し、今後、着実に推進してまいります。
また、奥多摩町水道事業につきましては、本年四月に、都営水道に統合し、一元化を行いました。今後、奥多摩町における給水サービスの充実を図ってまいります。
続きまして、三ページをお開き願います。
次に、国内外の水道事業者などとの連携についてでございますが、震災時などに備え、近隣の水道事業者や地域住民など多様な主体との連携を深めてまいります。また、国際貢献の推進に関しましては、これまで、研修生受け入れや職員の派遣など積極的に取り組んでまいりました。
しかし、世界的な水問題への対応など、我が国の技術に対して高まる期待にこたえるため、国際貢献ビジネスとして、水道局所管の監理団体である東京水道サービス株式会社を活用し、民間企業と連携をしながら、海外ニーズに即した国際貢献を実施してまいります。
そこで、本年四月に、ビジネスモデルの検討や海外の水道事業の分析を行う海外事業調査研究会を設置するとともに、東京水道国際展開ミッション団を海外に派遣し、海外水道事業のニーズや実情について幅広く把握するなど、今後の事業化に向けた具体的な検証を進めてまいります。
第三に、お客様サービスと広報広聴の展開であります。
お客様の利便性の向上についてでございますが、お客様の視点に立ったサービスの充実を目指し、これまで拡充してきた受付、請求関係の各サービスを一層充実するとともに、新たな取り組みとして、給水装置工事の手続期間の短縮を図るため、電子申請等の導入に向けたシステム開発を進めてまいります。
次に、お客様との相互理解の推進でございますが、効果的な広報施策の展開として、より多くのお客様に、水道水のおいしさや、水道局の取り組みを知っていただくため、多様な広報施策を実施するとともに、お客様満足度調査などを通して、お客様の声を着実に施策へ反映させてまいります。さらに、浄水場の見学コースの整備など、親しまれる水道施設づくりに努めてまいります。
第四に、次世代を見据えた施策の推進であります。
低炭素型事業運営システムへの転換としては、低炭素型モデル浄水場の整備について検討するとともに、太陽光発電や小水力発電による自然エネルギー、未利用エネルギーの活用を進めてまいります。
次に、水道文化の継承でございますが、小中学校水飲み栓直結給水化モデル事業を推進するともに、水道キャラバンによるわかりやすく親しみやすい訪問事業を展開し、次世代を担う子どもたちの水道に対する理解を深めてまいります。さらに、貴重な土木施設、遺構である玉川上水を適切に保存し、次世代へ継承していきます。
第五に、経営基盤の強化であります。
一体的事業運営体制の強化についてでございますが、監理団体への業務移転が拡大する中で、経営者連絡会などを活用するなど取り組みを進めてまいります。また、水道事業ガイドラインなどの業務指標を活用した目標管理や、東京都水道事業経営問題研究会などの外部の意見を経営に反映させてまいります。
続きまして、四ページをお開き願います。
次に、工業用水道事業についてご説明申し上げます。
都の工業用水道事業は、地盤沈下防止という行政目的のため、地下水揚水規制に伴う代替水を供給する事業として行ってまいりました。その結果、地盤沈下は、ほぼ鎮静化し、所期の目的を十分果たしてきました。
しかしながら、経営面におきましては、工場の移転、水使用の合理化等による需要の減少傾向が続き、料金収入が落ち込むなど厳しい経営状況にあります。このため引き続き最大限の効率経営を推進しつつ、将来に向けた抜本的な経営改革について関係各局で検討を進めております。
以上、平成二十二年度東京都水道事業及び工業用水道事業の基本方針についてご説明申し上げましたが、両事業とも、多くの重要課題を抱えております。都民生活と首都東京の都市活動を支えるライフラインとして、効率経営に努めながら、一層確かな安心・安定を実感できる水道サービスを提供してまいります。
また、将来を見据え、持続可能な事業経営を目指すとともに、東京水道の伝統を次世代へ引き継いでいくために全力で取り組んでまいります。
田中委員長を初め、委員の皆様の一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。
なお、詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げますのでよろしくお願いいたします。
○坂内総務部長 初めに、お手元に配布いたしました資料につきましてご案内申し上げます。
資料は三点ございます。
資料1は、ただいま局長からご説明申し上げました水道事業及び工業用水道事業運営の基本方針でございます。
資料2は、水道事業及び工業用水道事業の主要事項でございます。
資料3は、東京都監理団体等の運営状況でございます。
このほかに、当局の事業概要、水道事業会計及び工業用水道事業会計の平成二十二年度予算、さらに東京水道経営プラン二〇一〇、安全でおいしい水プロジェクト行動計画及び「東京の水道」のパンフレットをご用意いたしましたので、ご参照いただきたいと存じます。
それでは、水道事業及び工業用水道事業の概要につきまして、資料2によりご説明申し上げます。
初めに、水道事業についてでございます。
一ページをお開き願います。水道事業の現況を取りまとめたものでございます。
まず、平成二十一年度末現在の給水区域は、東京都二十三区及び多摩地区の二十五市町、給水人口は一千二百六十六万五千人でございます。
施設の規模でございますが、当局は、水道水源を涵養するため、小河内ダム周辺及びその上流域に二万一千六百三十一ヘクタールに及ぶ水道水源林を管理しております。また利根川や荒川、多摩川などに日量六百三十万立方メートルの水源を確保しております。さらに水道専用の貯水池を四カ所保有しております。その総有効貯水容量は二億一千九百七十五万四千立方メートルでございます。浄水場は十一カ所でございます。
また、主要な給水所は四十カ所、増圧ポンプ所は九カ所で、これらは給水区域内の水圧調整など、配水の均てん化を図るための施設でございます。
配水管でございますが、配水本管、小管を合わせまして二万五千九百六十九キロメートルを布設しております。
次に、平成二十二年度における業務の予定量でございます。年間の配水量は、表の最下段でございますが、区部、多摩地区合わせまして十六億三百八万立方メートルで、日量にいたしますと四百三十九万立方メートルを予定しております。給水件数は七百十四万件でございます。
最後に、職員定数は四千百二十五人でございます。
二ページをお開き願います。水源開発の進捗状況を一覧にしたものでございます。
水源開発は、利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画に基づき、国土交通省及び独立行政法人水資源機構が行っております。現在は、利根川水系では、霞ヶ浦導水と八ッ場ダム、荒川水系では滝沢ダムの合わせまして三事業を実施中でございます。
水源開発は、長い年月を要する上に、水源地域対策の困難さなどにより進捗もおくれがちでございます。このため、国等に対しまして、水源施設の早期完成に向けた働きかけを行っているところでございます。
三ページをお開き願います。東京水道経営プラン二〇一〇の概要でございます。
これは平成二十二年一月に策定いたしました当局の中期経営計画でございます。施策の体系といたしまして、安全でおいしい水の安定的な供給、広域的な事業運営、お客様サービスと広報広聴の展開、次世代を見据えた施策の推進、経営基盤の強化の五つを掲げております。これらの施策を着実に推進し、一層確かな安心・安定を実感できる水道サービスを提供してまいります。
四ページをお開き願います。施設整備事業の概要でございます。
東京水道経営プラン二〇一〇に基づき三つの事業を実施しております。
まず、上段の水源及び浄水施設整備事業は、必要な水源を確保するとともに、高度浄水施設の建設など、浄水施設の整備を図るもので、平成二十二年度から二十四年度末までの総事業費は一千四十億円でございます。
二段目の送配水施設整備事業は、安定的かつ効率的な配水の確保、漏水の防止、事故時や震災時の対策などを目的として、送配水施設を整備するもので、総事業費は二千百九十億円でございます。
三段目の給水設備整備事業は、公立小中学校の水飲み栓直結給水化や大口径給水管の耐震強化など、お客様に身近な設備の整備を図るもので、総事業費は二百十億円でございます。
以上、三つの事業を合わせまして、三カ年の総事業費は三千四百四十億円で、その財源は企業債、国庫補助金、一般会計繰入金、その他自己資金などでございます。
五ページをお開き願います。多摩地区水道事業の経営改善の概要でございます。
都営一元化の経緯でございますが、多摩地区の水道事業は、昭和四十六年に策定した多摩地区水道事業の都営一元化基本計画に基づき、東京都の水道事業に統合してきた結果、現在では、二十六市町が都営水道となっております。お客様に直接給水するために必要な業務については、都から各市町に事務委託してまいりました。
しかしながら、一方で、市町域にとらわれないお客様サービスの展開や給水の安定性のさらなる向上を図る上で限界が生じておりました。そこで、お客様サービスや給水安定性の向上及び事業運営の効率化を図るため、平成十五年六月、多摩地区水道経営改善基本計画を策定し、各市町と協議を行いながら事務委託の解消を推進し、平成二十三年度末には、二十五市町の全業務が都に移行する予定でございます。
この成果を踏まえ、事務委託解消の過程で新たに顕在化した課題、及び事務委託解消を契機に本格的に対応すべき課題に早急に取り組むため、平成二十二年度からの五カ年を計画期間とする多摩水道改革計画を策定いたしました。計画の主な施策につきましては、下記の表のとおりでございます。
六ページをお開き願います。財政状況として、平成二十二年度の水道事業会計予算をお示ししてございます。
表の左側が収入、右側が支出でございます。下段の合計欄をごらんいただきたいと存じます。
収入の合計は四千五百十八億七千八百万円でございます。また支出の合計は四千三百九十九億三千百万円でございます。資金の収支差し引きは百十九億四千七百万円の剰余となっております。これに大規模浄水場の更新積立金五十億円を行いますと、実質的な資金の収支は六十九億四千七百万円の剰余となります。
七ページをお開き願います。財政収支の概況でございます。
東京水道経営プラン二〇一〇の計画期間であります平成二十二年度から二十四年度までの財政収支をお示ししたものでございます。
平成二十二年度は予算、二十三年度、二十四年度は計画を、収入及び支出の項目ごとに整理した表でございます。
単年度の収支につきましては、表の右から二列目に記載してございますが、平成二十三年度、二十四年度の資金不足につきましては、累積資金剰余額を充当する予定でございます。今後とも一層効率的な事業運営に努めてまいります。
八ページをお開き願います。水道料金表でございます。
これは平成十六年第三回都議会定例会においてご承認いただき、平成十七年一月一日から適用しております一カ月当たりの料金表でございます。ご参照いただきたいと存じます。
九ページをお開き願います。
これより工業用水道事業でございます。
工業用水道の現況を取りまとめたものでございます。
まず、給水区域は、墨田区、江東区など八区と練馬区の一部となっております。
施設の規模といたしましては、浄水場は三園浄水場一カ所で、その給水施設能力は、日量十七万五千立方メートル、配水管は三百五十六キロメートルとなっております。
次に、平成二十二年度における業務の予定量でございますが、年間の配水量は九百八十五万五千立方メートルを予定しております。給水件数は五百二十六件でございます。職員定数は九人でございます。
一〇ページをお開き願います。工業用水道の供給と地盤沈下防止の効果を経年的に表示したものでございます。
棒グラフは地盤変動量を、実線は地下水揚水量を、点線は工業用水道の基本水量をあらわしております。
江東地区は、昭和三十九年八月、城北地区は昭和四十六年四月に、それぞれ工業用水の供給を開始しておりますが、地下水揚水量の減少とともに地盤沈下が急速に鈍化しており、地盤沈下防止対策としての所期の目的は十分達成しているものと考えております。
一一ページをお開き願います。財政状況として、平成二十二年度の予算をお示ししてございます。
表の左側に収入、右側に支出をお示ししてございます。
下段の合計欄をごらんいただきたいと存じます。
収入の合計は二十二億六千四百万円でございます。また支出の合計は十九億六千九百万円でございます。資金の収支差し引きは二億九千五百万円の剰余となっております。
一二ページをお開き願います。財政収支の概況でございます。
平成二十年度から二十二年度までの三カ年分をお示ししてございます。平成二十年度と二十一年度は決算、二十二年度は予算を、収入及び支出の項目ごとに整理した表でございます。ご参照いただきたいと存じます。
一三ページをお開き願います。工業用水道料金表でございます。
これは平成九年第一回都議会定例会におきましてご承認いただき、同年五月分から適用している料金表でございます。ご参照いただきたいと存じます。
以上で、水道事業及び工業用水道事業の概要についての説明を終わらせていただきます。
続きまして、東京都監理団体等の運営状況につきまして、資料3によりご説明を申し上げます。
この資料は、当局所管の東京都監理団体等について、運営状況を取りまとめたものでございます。
表紙の次のページに目次がございますが、ご報告申し上げますのは、東京水道サービス株式会社、株式会社PUC及び水道マッピングシステム株式会社の三社でございます。
東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCは、当局が二五%以上の出資を行っている団体でございます。また水道マッピングシステム株式会社は、当局と東京水道サービス株式会社を合わせた出資比率が五〇%以上となる団体でございます。
東京水道サービス株式会社は、当局の水道事業を補完、支援するため、水道施設の管理等を実施しており、同様に、株式会社PUCでは、水道料金徴収業務等を実施しております。また、水道マッピングシステム株式会社は、マッピングシステムにかかわるソフトウエアの開発などを実施しております。詳細につきましては後ほどご参照いただきたいと存じます。
以上をもちまして大変簡単ではございますが、事業概要等についてのご説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○田中委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。
以上で水道局関係を終わります。
○田中委員長 これより下水道局関係に入ります。
初めに、下水道局長よりあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。
○松田下水道局長 下水道局長の松田二郎でございます。
田中委員長を初め委員の皆様方には、平素より下水道事業にご理解とご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。
私ども、下水道局職員一同、お客様である都民の皆様の負託にこたえるべく、下水道事業の一層の推進に尽力する所存でございます。委員の皆様方には、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。技監の小川健一でございます。流域下水道本部長の細野友希でございます。総務部長の石原清次でございます。職員部長の小山哲司でございます。経理部長の須田潔でございます。計画調整部長の松浦將行でございます。施設管理部長の黒住光浩でございます。建設部長の高相恒人でございます。企画担当部長の熊谷透でございます。技術開発担当部長の東郷展でございます。施設管理担当部長の尾崎篤司でございます。流域下水道本部管理部長の安藤博でございます。流域下水道本部技術部長の渡辺志津男でございます。次に、当委員会との連絡に当たります総務部総務課長の久我英男でございます。総務部理財課長の後藤徹也でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○田中委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。
○田中委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。
○松田下水道局長 下水道事業運営の基本方針につきましてご説明を申し上げます。
お手元に配布してございます資料1、下水道事業運営の基本方針をごらんをいただきたいと存じます。
下水道は、都民生活や都市活動を支える必要不可欠な都市基盤として、汚水の処理による生活環境の改善や雨水の排除による浸水の防除、公共用水域の水質保全など、安全で快適な生活環境の確保や、良好な水循環の形成といった基本的な役割を担ってまいりました。東京の下水道普及率は、明治十七年の神田下水以来百年余りの歳月をかけて整備した結果、区部では、平成六年度末におおむね一〇〇%となり、多摩地域においては平成二十一年度末で九八%に達しております。
一方、老朽化した下水道管や水再生センターなどの再構築、近年多発しております都市型水害への対応、大雨の際に合流式下水道から河川に放流される下水の水質の改善など、取り組むべき課題もなお多く残されております。
さらに、下水処理水を高度に処理した再生水の活用や、発生する汚泥の資源化、あるいは下水の持つ熱エネルギーの活用、下水処理の過程で不可避的に発生する温室効果ガスの削減など、多様な役割を果たすことが求められております。
このような状況を踏まえ、下水道局では、社会経済環境の変化に適切に対応し、その役割を十全に果たしていくために、本年二月に、平成二十二年度から二十四年度までの三カ年を計画期間とした経営計画二〇一〇を策定をいたしました。
この計画では、下水道事業を通じて東京の今を支え、よりよいあすをつくり出していくという考えのもと、お客様である都民の皆様にお約束する経営方針として、お客様の安全を守り、安心で快適な生活を支える、良好な水環境と環境負荷の少ない都市の実現に貢献する、最少の経費で最良のサービスを提供する、を定めております。
この経営方針に基づき、さまざまな取り組みを推進し、下水道サービスの向上に取り組んでまいります。
まず、区部下水道事業について申し上げます。
区部では、主要施策として、老朽化施設の再構築、浸水対策、震災対策、合流式下水道の改善、高度処理、資源の有効利用などに取り組んでおります。
老朽化施設の再構築では、将来にわたって安定的に下水道機能を発揮できるよう、下水道管や、これに接続する取りつけ管の再構築を計画的に進めるとともに、水再生センターやポンプ所など基幹施設についてもさまざまな工夫を図りつつ、着実に再構築を進めております。
下水道管の再構築に当たっては、局が監理団体である東京都下水道サービス株式会社、略称としてTGSと呼んでおりますが、このTGSや民間企業と共同で開発をしたSPR工法などの新しい技術を活用することにより、コスト縮減を図りながら、効果的に進めております。
浸水対策では、頻発する局所的集中豪雨に対応するため、浸水の危険性が高い地区を重点化し、ポンプ所や幹線などの基幹施設の整備を進めております。また、大規模な地下街などを有する地区について、一時的に雨水を貯留する施設を整備するなど、浸水被害の軽減に向け、積極的に取り組んでおります。
震災対策では、震災時においても下水道機能やお客様の避難時の安全性を確保するため、避難所などからの排水を受け入れる下水道管の耐震化や、液状化の危険性の高い地域における緊急輸送道路のマンホール浮上抑制対策を進めております。
さらに、水再生センターなどで、大規模な非常用発電設備を整備したり、迅速な復旧体制を構築するなど、危機管理対応を強化し、お客様の生活への影響が最小となるよう努めております。
合流式下水道の改善では、川や海などの公共用水域の水質保全に向け、降雨初期の特に汚れた下水をためる貯留施設の整備や、当局がTGSなどと開発した水面制御装置を設置することにより、雨天時に河川などへ流出するごみやオイルボールを削減する対策を進めております。
高度処理では、東京湾や隅田川に放流される下水処理水の水質をより一層改善するため、窒素と燐を同時に削減する高度処理施設の導入をさらに進めるとともに、既存施設の改造と運転の工夫により、窒素または燐の削減効果を高める準高度処理を新たに導入いたします。
資源の有効利用では、都市における貴重な水資源として、再生水の安定供給と水質向上を図り、供給先を拡大してまいります。また、循環型社会の形成に貢献するため、下水汚泥の資源化を進めるとともに、地域冷暖房事業として下水熱などを利用してまいります。
下水道施設の上部空間については、引き続き、公園や避難場所に活用することに加えまして、業務商業系ビルへの有効活用も進めてまいります。
次に、多摩地域における流域下水道事業について申し上げます。
流域下水道は、川や海などの水質の保全を効率的に行うため、都道府県が二つ以上の市町村から出る下水を集めて処理するものでございます。
多摩地域の下水道は、各市町村が管理する公共下水道と、都が管理する流域下水道から構成されており、昨年度までに全三十市町村の下水を流域下水道に取り込んでおります。多摩地域の下水道の普及率は、冒頭に申し上げましたとおり、平成二十一年度末で九八%になっております。ことしは多摩川で二百万匹に近いアユの遡上が報告をされるなど、普及率の向上に伴い公共用水域の水質の改善が進んでおります。
流域下水道事業では、より一層の良好な水環境の形成に向け、高度処理の推進や合流式下水道の改善などに取り組んでおります。高度処理の推進では、各水再生センターで、水処理施設の増設や設備の更新に合わせ、平成二十七年度までに、高度処理の割合を六〇%に引き上げることを目標に事業を進めております。
合流式下水道の改善では、野川処理区において、貯留施設の整備を重点的に推進するとともに、関係市と連携し、下水道への雨水の流入抑制などを進めております。
また、効率的な施設整備や維持管理を実現するとともに、緊急時のバックアップ機能を確保するために、多摩川を挟んで対面する二つの水再生センターを連絡管で結ぶ事業を進めております。
今後とも市町村が実施する公共下水道事業との整合を図りながら、老朽化施設の更新や資源の有効利用など、流域下水道事業を効率的、効果的に推進し、多摩地域の下水道サービスの一層の充実を図ってまいります。
次に、地球温暖化対策でございます。
下水道は汚れた水を浄化して、川や海に戻す水循環の一環をなす事業でありますが、その一方で、下水処理の過程で膨大な電力を消費することなどにより、温室効果ガスを大量に排出し、地球環境に負荷をかけている側面がございます。
そこで当局では、下水道事業における地球温暖化防止計画アースプラン二〇〇四によりまして、温室効果ガス削減対策に取り組んだ結果、温室効果ガスの排出量を二〇〇九年度までに一九九〇年度比で六%以上削減する目標を達成をいたしました。
しかし下水道の機能を向上させることに伴い、今後も温室効果ガス排出量の増加が見込まれるため、アースプラン二〇〇四を継承し、拡充する、アースプラン二〇一〇を策定し、温室効果ガスの排出量を二〇二〇年度までに二〇〇〇年度比で二五%以上削減することを目標に取り組んでまいります。
その取り組みの一つとして、ことしの四月には、発電効率の向上などを目指して開発した太陽の向きに合わせてパネルが動く新型太陽光発電設備を、我が国で初めて本格導入をいたしました。さらにことしの七月には、汚泥からガスを生成して発電に有効活用することなどにより、温室効果ガス排出量を大幅に削減する汚泥ガス化炉が日本で初めて稼働をいたしました。また日本初の事業として、平成十九年度から実施しております汚泥から炭化物を製造し、火力発電所の燃料として使用することで、温室効果ガスの削減と汚泥の資源化を図る汚泥炭化事業について、事業拡大のために、二基目の炭化施設を建設する準備を進めております。
今後ともこうした取り組みを積極的に進めることで、都が目指す世界で最も環境負荷の少ない先進的な環境都市の実現に貢献をしてまいります。
次に、技術開発でございます。
これまでも当局は、TGSとともに培ってきた技術と、民間企業が持つ技術や大学が持つ最先端の知識を共同研究などにより融合し、先駆的な下水道技術の開発、導入に取り組んでまいりました。
具体的には、先ほども申し上げましたが、道路を掘ることなく、下水を流しながら下水道管の機能回復ができるSPR工法や、降雨時に下水道から河川などへ流出するごみを七割以上削減できる水面制御装置を開発、導入するなど、事業推進に十分な成果を上げております。これらは他の自治体にも広く普及しておりますとともに、海外の都市においても活用をされております。
今後も、新たなニーズを踏まえながら、TGSとともに、民間企業や大学との連携を強化し、率先的かつ先導的に対応することで、日本における環境技術をリードしてまいります。
また、このようにして開発した技術や、これまでに蓄積してきたノウハウなどを活用して、下水道事業における国際貢献に取り組み、水衛生問題に直面する国、地域の発展に寄与するとともに、下水道関連企業の海外展開を後押しすることで、東京ひいては日本における下水道事業の活性化と産業力の強化に貢献してまいります。
これらの事業を確実に実施するためには、公営企業として経営基盤の強化、安定が不可欠でございます。当局はこれまでも、コストの縮減や着実な企業債償還など、経営努力を続けることにより、財政基盤の改善を図ってまいりました。
しかしながら、下水道事業の財政は、区部下水道では、平成二十一年度末で約二兆一千億円の企業債残高を抱え、多額の元利償還が発生する中で、料金収入は減少傾向にあるなど、依然として厳しい状況にございます。
このため当局では、今後も、国費など必要な財源の確保を図るとともに、建設から維持管理までのトータルコストの縮減に努めてまいります。また、執行体制の見直しを進め、平成二十二年度から二十四年度までの三年間で二百人の職員定数を削減するなど、可能な限り企業努力を行ってまいります。
これらの取り組みを通じ、この経営計画期間については、区部下水道では、現行の下水道料金水準を維持し、また、流域下水道では、市町村からの維持管理負担金の単価を維持することとしております。
今後とも、地方公営企業の経営の原点である公共性と経済性を最大限に発揮し、不断の経営効率化に努めて、経営基盤を強化することで、最少の経費で最良のサービスをお客様に安定的に提供してまいります。
下水道局は、都民の皆様の安全で快適な生活環境を確保するため、職員が一丸となって、直面する諸課題に、的確かつ積極的に取り組み、下水道サービスの維持向上に努めてまいります。委員長を初め委員の皆様方におかれましては、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
以上をもちまして下水道事業運営の基本方針についての説明を終わらせていただきます。
なお、事業の概要につきましては、総務部長より説明をいたしますので、よろしくお願いを申し上げます。
○石原総務部長 それでは、事業の概要を、お手元の資料2から資料5によりご説明を申し上げます。
恐れ入りますが、資料2、事業説明資料の一ページをお開き願います。
初めに、経営計画二〇一〇についてご説明申し上げます。
この計画は、平成二十二年度から平成二十四年度までの三カ年を計画期間とし、下水道事業が、社会経済環境の変化に適切に対応し、役割を十全に果たしていくために策定したものです。
経営方針ですが、これを体系的にお示ししたものが右の図でございます。お客様である都民の皆様の安全を守り、安心で快適な生活を支えるため、施設の再構築や浸水対策、震災対策に取り組んでまいります。また、良好な水環境と環境負荷の少ない都市を実現するため、地球温暖化対策や合流式下水道の改善、高度処理、資源の有効利用に取り組んでまいります。
そして、これらの施策を推進するに当たっては、公営企業として、公共性、経済性を発揮し、最少の経費で最良のサービスを提供するよう取り組むこととしております。
二ページをお開き願います。
二ページから四ページにかけては、経営計画二〇一〇に掲げる主要施策について、区部下水道事業及び流域下水道事業のそれぞれを記載してございます。
各事業ごとに事業指標を設定し、昨年度末までの累計、今年度末までの累計の見込み、計画期間である二十四年度末までの目標値、さらに、中長期的な目標値を記載してございます。
初めに、区部下水道事業の主要施策についてご説明いたします。
下水道管の再構築では、整備年代の古い都心四処理区の下水道管について、整備ペースを二割アップし、計画期間中に約一千二百ヘクタールの枝線の再構築を行い、二十四年度末の累計目標値を四千五百八十四ヘクタールとしております。また、老朽化が進むなど対策が必要な四十七幹線について、計画期間中に十九キロメートル再構築し、二十四年度末の累計目標値を四十七キロメートルとしております。
浸水対策では、くぼ地や坂の下など、浸水の危険性の高い二十地区を対策促進地区として、一時間五〇ミリの雨に対応できる整備を重点的に進めてまいります。また、上野駅や新橋駅周辺などの地下街では、一時間七五ミリの雨に対応できる下水道施設の整備を進めてまいります。
震災対策では、震災時に多くの人が集まる避難所や災害拠点病院などからの排水を受ける下水道管を耐震化する事業を進め、計画期間中に六百三十カ所の耐震化に取り組み、平成二十四年度末の累計目標値を二千百二十カ所としております。
三ページをお開き願います。
表の上段にございます合流式下水道の改善でございます。この事業では、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設を、計画期間中に十九万立方メートル整備し、二十四年度末の累計目標値を百二万立方メートルとしております。また大雨の際に、下水道管から河川や海に汚水まじりの雨水を放流する雨水吐け口では、ごみなどの流出抑制対策に取り組んでおります。
次に、高度処理ですが、東京湾の富栄養化の一因である窒素と燐の削減に取り組んでまいります。窒素と燐を同時に削減するこれまでの高度処理施設の整備に加え、既存施設の改造と運転管理の工夫を組み合わせることにより、窒素または燐の一方を削減する準高度処理を導入することにより、平成二十四年度末までに、下水処理水全量のうち高度処理を行う処理水の割合を七%から二四%と大幅に向上させます。
四ページをお開き願います。多摩地域における流域下水道事業の主要施策について記載してございます。
老朽化施設の更新では、当局が管理するすべての下水道幹線を対象に、年間四十キロメートル程度の計画的な管路内調査を実施し、予防保全型の維持管理を進めてまいります。
表の中ほどにございます高度処理では、浅川水再生センターで高度処理施設の整備に着手するなど、水処理施設の増設や老朽化設備の更新に合わせて、高度処理施設の整備を推進し、高度処理の割合は、平成二十四年度末には、日量五十三万立方メートル、下水処理量全量に対して五四%に達する見込みでございます。
また、表の下段にございます水再生センター間の相互融通機能の確保では、平成十八年度に、多摩川上流・八王子水再生センター間連絡管を稼働させたことに加え、現在、平成二十四年度完成に向けて、北多摩一号・南多摩水再生センター間連絡管の整備を進めております。
経営計画二〇一〇につきましては以上でございます。
次に、五ページをお開き願います。地球温暖化対策アースプラン二〇一〇について記載してございます。
本プランでは、温室効果ガス排出量を、二〇〇〇年度比で二〇一四年度までに一八%以上、二〇二〇年度までに二五%以上を削減することを目標としております。この削減目標を達成するため、汚泥ガス化炉を導入するとともに、汚泥炭化炉の増設などを行います。さらに、多層型流動焼却炉など、新たな燃焼方式を採用した汚泥焼却炉の導入などにより、下水汚泥の焼却時に発生する二酸化炭素の三百十倍の温室効果がある一酸化二窒素、N2Oの削減を進めてまいります。
また水処理、汚泥処理には、大量の電力や燃料を使用しますが、これに伴い発生するCO2については、省エネ機器や太陽光発電設備を積極的に導入することにより削減してまいります。
また、これまで未解明であります水処理から発生するN2O排出抑制技術につきましても、研究開発を進めてまいります。
このような取り組みを着実に進めることによりまして、温室効果ガス排出量二五%以上削減を達成いたします。
六ページをお開き願います。平成二十二年度予算についてでございます。
左側の表が区部下水道事業の予算でございます。表の上段の部分は、下水道料金や営業費用等の収益的収入と収益的支出、また、表の下段の部分は、企業債や下水道建設改良費等の資本的収入と資本的支出でございます。両収支の合計は、表の一番下の段にございますとおり、収入合計が六千九百六十九億七千六百万円、支出合計が六千七百三十九億五千六百万円となっております。
右側の表は、流域下水道事業の予算でございます。収益的収支と資本的収支の合計は、表の一番下の段にございますとおり、収入合計が三百八十四億七千五百万円、支出合計が三百七十八億三千万円となっております。
なお、詳細につきましては、お手元にお配りしました資料3、下水道事業会計予算の概要にお示ししておりますので、後ほどご参照いただければと存じます。
七ページをお開き願います。建設財源について記載してございます。
七ページの図−1は、公共下水道における建設財源の内訳でございます。
主な財源は、国費と企業債でございます。交付対象事業、すなわち国費の対象となる事業における国費率は、管渠等、この管渠とは下水道管のことでございます。これが二分の一。終末処理場、これは東京都では水再生センターと呼んでおります。これが十分の五・五と、施設によって異なっております。交付対象事業費から国費を除いた残りは、主に企業債が充てられております。
国費交付の対象でない事業、すなわち単独事業の財源につきましては、主として企業債が充てられております。
八ページをお開き願います。
図−2は、流域下水道における建設財源の内訳でございます。流域下水道の場合、国費を除いた部分の負担は、原則として都と関係市町村とで折半することとなっております。また、流域下水道は、その効果が広域に及ぶなどの点から、終末処理場において、国費率が公共下水道より高くなっております。
九ページをお開き願います。当局の組織及び職員定数についてお示ししてございます。
これまで当局は、大幅な職員定数の削減を実施してきており、平成二十二年度は、職員定数を二千七百三十人としたところでございます。今後も将来にわたって下水道事業を着実に推進し、安定したサービスを提供していくため、業務の執行体制について不断の見直しを行い、簡素で効率的な執行体制の整備に努めてまいります。
以上で資料2の説明を終わらせていただきます。
続きまして、恐縮でございますが、お手元の資料4をごらんをいただきます。
東京都が五〇%出資し、当局が所管しております東京都下水道サービス株式会社につきましてご説明申し上げます。
この会社は、専門的技術を生かし、管路管理業務や汚泥処理業務など、都の下水道事業を補完する各種の事業を実施しております。
事業計画等の詳細につきましては、二ページ以降に記載してございますので、後ほどご参照いただければと存じます。
続きまして、お手元の資料5をごらんいただきます。
東京都が二一%出資し、当局が所管しております東京下水道エネルギー株式会社につきましてご説明申し上げます。
この会社は、下水の中に含まれている熱エネルギーを利用し、冷熱、温熱等の供給に関する事業などを実施しております。
事業計画等の詳細につきましては、二ページ以降に記載してございますので、後ほどご参照いただければと存じます。
以上で当局所管事業についての説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○田中委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。
以上で下水道局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時二十五分散会
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