公営企業委員会速記録第十四号

平成十九年十一月二十二日(木曜日)
第十委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十三名
委員長初鹿 明博君
副委員長田中たけし君
副委員長たぞえ民夫君
理事大西さとる君
理事高島なおき君
理事鈴木貫太郎君
伊藤 興一君
そなえ邦彦君
崎山 知尚君
いのつめまさみ君
樺山たかし君
中村 明彦君
川井しげお君

 欠席委員 一名

 出席説明員
交通局局長島田 健一君
次長金子正一郎君
総務部長高橋 都彦君
職員部長柴田 健次君
資産運用部長佐藤  守君
電車部長高根  信君
自動車部長斎藤  信君
車両電気部長室木 鉄朗君
建設工務部長鈴木  進君
参事兒島 弘明君
参事松下 義典君
参事中島  保君
参事橿尾 恒次君
下水道局局長前田 正博君
次長今里伸一郎君
総務部長野口  孝君
職員部長阿部 義博君
経理部長佐藤 仁貞君
計画調整部長小川 健一君
技術開発担当部長高橋 良文君
施設管理部長桜井 義紀君
施設管理担当部長星川 敏充君
建設部長黒住 光浩君
流域下水道本部本部長中村 益美君
管理部長梶原  明君
技術部長宇田川孝之君

本日の会議に付した事件
 交通局関係
報告事項(説明・質疑)
・都営大江戸線における停電事故について
事務事業について(質疑)
 下水道局関係
事務事業について(質疑)

○初鹿委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の報告事項の聴取並びに交通局及び下水道局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより交通局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 鈴木企画担当参事は、病気療養のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、理事者より報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○兒島参事 都営大江戸線における停電事故についてご報告いたします。
 お手元に配布いたしました資料1、都営大江戸線における停電事故についてをごらんください。
 一ページ目が概要です。二ページに詳しい内容を記載しておりますので、これによりご説明させていただきます。
 まず、資料の左上をごらんください。事故の概要です。
 先月二十三日の午前八時八分、都営大江戸線の中井駅と練馬駅間で停電が発生し、全線で一時、運転がとまりました。これに伴い、練馬駅から新江古田駅へ向かって走行中の列車一編成が、新江古田駅手前約二百メートルの地点で停止してしまいました。通常、列車は停電になった場合でも、惰性で次の駅まで走行できますが、この列車は急な上り勾配に差しかかっていたため、停車したものです。
 次に、避難誘導です。
 停電が直ちに復旧する見通しが立たないこと、朝のラッシュ時で列車内が満員の状態であることから、停電発生から約五分後には、お客様に列車からおりて避難していただくことを決断し、応援要請、避難機材の手配をし、八時二十分から避難誘導を開始いたしました。
 避難の方法は、マニュアルに基づき、先頭車両の非常扉からはしごにより軌道上におり、徒歩で新江古田駅まで誘導いたしました。十時十五分に避難誘導が終わり、安全確認後、十一時に全線で運転を再開いたしました。
 この避難誘導の過程で、十三人のお客様が気分が悪くなり、そのうち十人の方が病院に運ばれましたが、夕方には、全員帰宅されました。
 次に、停電の原因です。資料の中央の下の図をごらんください。
 停電になった区間は、中井、練馬の二つの変電所から列車に電気を送っています。〔1〕にありますように、練馬変電所の電流を操作する断路器が切りの状態になっていたため、電流が流れず、その結果、もう一方の中井変電所が過電流となり、遮断器が作動し電気が流れず、列車がストップいたしました。
 断路器が切りのままであった理由については、資料の原因の〔2〕の下の大きな囲みをごらんください。十月二十日未明の保守作業において一部作業に手違いがあったため、再作業を行いました。その際、委託会社の作業責任者は、断路器五カ所を切ることを指示していましたが、作業員は、過って八カ所の断路器を切ってしまいました。再作業終了後、作業員は断路器五カ所を投入しましたが、作業責任者が指示していない三カ所が切りのままとなったものです。
 結論として、本来入りの状態に戻すべきスイッチを切りのままにしたことによる作業ミスが原因です。六人の作業員間で意思疎通の錯誤が生じたことによる、いわゆるヒューマンエラーが発生いたしました。
 次に、停電の再発防止策です。資料の右側をごらんください。
 まず、当面の対策として、指差確認喚呼やダブルチェックなどによるヒューマンエラー防止のための基本動作の徹底を、部内及び委託会社に指示、徹底いたしました。
 また、作業に必要な手順書の見直しやチェックシートの充実を図りました。
 さらには、委託会社への指導の徹底と、職員が必要に応じて立ち会い、委託作業が適正に行われているかを確認するなど、管理体制の強化により作業の安全性を確保いたします。
 また、点検後に走行する始発列車で電流が正常に流れているかを確認するとともに、電力指令による監視を強めます。
 また、今後の対策としては、今回のように変電所に異常を検知した場合に、自動的に知らせるソフトを電力管理システムに組み込むなど、監視機能を強化いたします。
 以上の対策は、既に大半は実施しておりますが、早期かつ確実に進めることで、同様の事故を起こすことがないように努めます。
 次に、避難誘導方法の改善です。同じく右側の下のほうをごらんください。
 これは、今回のように列車がとまり、お客様に列車をおりて避難していただく必要が生じた場合に、避難誘導の時間をいかに短縮させるかということです。
 具体的には、事故の状況に応じ、複数の避難経路の確保を検討しています。今月の十二日の終電後に、東京消防庁にも参加いただき、実際の列車を使い、事故状況の再現と避難誘導方法の検証を行いました。
 また、事故の状況に応じた局全体としての人的な応援体制を拡充することや、非常用のはしごなどの設備、資材の改良、増備を図ってまいります。
 さらに、警視庁、東京消防庁と連携した避難誘導訓練の充実強化を図ってまいります。
 以上のように、お客様の安全を確保しつつ、避難誘導時間を少しでも短縮できる方策の検討を進めてまいります。
 以上で報告は終わります。

○初鹿委員長 報告は終わりました。
 本件に対する質疑は、次に行います事務事業の質疑とあわせて行いますので、ご了承願います。
 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○高橋総務部長 過日の委員会で要求のございました資料につきまして、公営企業委員会要求資料として取りまとめさせていただきましたので、その概要につきましてご説明申し上げます。資料2をごらんください。
 一ページをごらんいただきたいと存じます。まず、路線バスの走行キロ、乗車人員、期末在籍車両の推移でございます
 過去十年間分を年度別に記載してございます。
 二ページをお開きいただきたいと存じます。事業別職員数及び人件費割合の推移でございます。
 自動車運送事業を初め、五つの事業における職員数及び経常費用に占める人件費割合を過去十年間分記載してございます。
 次の三ページは、監理団体等の役員数の推移でございます。
 監理団体など四団体につきまして、常勤の役員数を過去十年間分記載してございます。
 続いて、四ページをお開きいただきたいと存じます。バス停上屋・ベンチの設置箇所数でございます。
 当局が管理するバス停留所総数と、上屋及びベンチを設置している箇所数を記載してございます。
 次の五ページでございますが、都営地下鉄の駅構内における専門店舗の出店状況でございます。
 店舗数と出店駅数を路線別に記載してございます。
 次に、六ページをお開きいただきたいと存じます。都営地下鉄における転落件数でございます。
 路線別に、過去六年間分記載してございます。
 次に、七ページをお開きいただきたいと存じます。年度別駅業務委託数でございます。
 当局で管理している駅数と過去五年間分の委託駅数を路線別に記載してございます。
 次の八ページでございますが、地下鉄業務委託駅別配置数でございます。
 局職員と委託職員の配置数につきまして、配置のパターンごと、駅名を記載してございます。
 最後に、九ページをお開きいただきたいと存じます。地下鉄事業における保守事業所の業務委託の状況でございます。
 車両部門など部門ごとに、保守事業所名と委託件数及びその内訳を記載してございます。
 以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○初鹿委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより報告事項及び事務事業に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○崎山委員 私からは、日暮里・舎人ライナーと都営大江戸線の停電事故についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず初めに、日暮里・舎人ライナーについて伺います。
 いよいよ国の運賃認可もおりて、来年三月三十日に予定される開業が迫ってきております。待ち遠しい限りでありますけれども、これからは、効率的な運営とあわせて、地元の皆さんに使ってもらえるよう、サービスの充実について考えていくことが重要だと思います。そこで、きょうは日暮里・舎人ライナーのお客様サービスの観点から、何点か質問をいたします。
 まず、日暮里・舎人ライナーの運賃について伺います。
 日暮里・舎人ライナーは、熊野前で荒川線と接続をいたしております。始発の日暮里から乗車すると、距離でいうと二・四キロ、二百二十円となります。一つ手前の赤土小学校の一・七キロ百六十円から、一気に六十円も高くかかってしまうことになります。
 私は、日暮里から熊野前までの普通運賃が二百二十円かかるというのは高いと思いますけれども、熊野前から都電荒川線に乗りかえる利用者もいると思います。都電荒川線と日暮里・舎人ライナーの料金が二重にかかると、さらに割高感になってしまいます。乗客数をふやすためは、こうした乗り継ぎ客への配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか、お答え願います。

○高根電車部長 日暮里・舎人ライナーの運賃につきましては、初乗り運賃を安く設定するとともに、収支均衡を考慮しつつ、遠距離利用者に対する低減が図られるよう、二キロ、二キロ、三キロ、三キロの区界を設け、設定したところでございます。
 また、都電と日暮里・舎人ライナーを利用されるお客様の利便性を考慮し、定期券の乗り継ぎ割引につきまして、都電と日暮里・舎人ライナーそれぞれの定期金額から一〇%の割引を実施する方向で検討しているところでございます。
 さらに、現在、都営地下鉄、都バス、都電で利用できる都営交通共通一日券を現在の七百円に据え置き、日暮里・舎人ライナーでも利用できる方向で検討してまいります。

○崎山委員 次に、日暮里・舎人ライナーのPRについて伺います。
 最近、駅で、片岡鶴太郎さんが出ている日暮里・舎人ライナーの開業をPRするポスターを見かけました。なかなか人目を引くものだと思いました。こうしたPRは、継続的に展開していくと効果があると思います。この路線は、私たち地元としても、都電荒川線と同様に地元密着でありますから、ただ単に人を運ぶだけでなく、地域の情報交換ができる路線としての役割も求められているのではないのかなと思っています。
 PRも、そうした地域特性を考慮して積極的に行っていくべきと考えますが、お伺いをいたします。どうでしょうか。

○高根電車部長 開業を前にいたしまして、片岡鶴太郎さんを初めとした沿線出身の有名人を活用したPR活動を、開業までの間、継続的に行っていくこととしております。
 また、国の検査が終わった段階で、沿線の方々を対象とした試乗会を実施する方向で区と調整しているところでございます。
 さらに、開業後につきましても、区や地元団体等と連携し、地域に密着したPR活動を行うことで知名度を上げ、沿線の皆さんに愛される交通機関を目指してまいります。

○崎山委員 ぜひ地元の方、長い間交通渋滞等の迷惑もかけてきましたので、試乗会を積極的にやっていただきたいというふうに思っております。
 あわせて、当委員会には四人の沿線都議もおりますので、どうぞ私たちの−−応募が少なければ一両分ぐらいは持ちますので、どうぞ遠慮なくお申し出いただきたいと思います。ぜひしっかりとしたPRをお願いしたいと思います。
 それから、サービスという意味では、日暮里・舎人ライナーの開業に伴いバス路線がどのようになるのかという点が新たな課題として配慮していかなければならない問題と思っております。日暮里・舎人ライナーと並行して運行されています里48系統と端44系統については、以前の質疑で、高齢者に配慮して存続するという答弁をいただきました。そして日暮里・舎人ライナーを交通局が運営する理由の一つとして、都営交通ネットワークの充実を図るためとの説明も受けております。
 今後、日暮里・舎人ライナーの経営を安定化させるとともに、付近住民の利便性の向上を図る観点からも、日暮里・舎人ライナーに集客できるようなバスネットワークの充実が必要と考えます。どのような計画をお持ちなのか、新たな接続等についてあれば、お答えを願いたいと思います。

○松下参事 今後、日暮里・舎人ライナーの駅に都営バスを乗り入れることは、委員ご指摘のとおり、お客様の利便性を向上させる観点から重要であると認識しております。
 このため、日暮里・舎人ライナーの開業に合わせ、王子から加賀団地まで運行している王46系統については、経路を変更して西新井大師西駅経由とし、また東京駅から荒川土手操車場前まで運行しております東43系統については、その一部を江北駅まで延伸する計画でございます。

○崎山委員 ぜひバスネットワークの充実もあわせて、これからも考えていただきたいというふうに思っております。
 次に、大江戸線の停電事故について伺います。
 先月二十三日に発生した大江戸線の練馬変電所の停電事故については、マスコミでも大きく取り上げられました。また、外部に委託した保守作業における委託会社の人為的なミスによるものと、先ほど報告を受けたところであります。
 そこで、今回、委託会社の作業ミスによって停電事故が発生したわけでありますけれども、交通局として、その原因をどのように考え、また委託会社に対してヒューマンエラー防止をどのように指導していくのか、まず初めに伺います。

○室木車両電気部長 保守作業におけるヒューマンエラーは、直営か委託かを問わず発生する可能性があるものと認識しております。このため、かねてより、委託会社と合同で行う安全パトロールや安全会議を通じて、ヒューマンエラー防止のための指差確認喚呼やダブルチェックの実施など、基本動作の徹底を指導してまいりました。
 しかしながら、今回、一部作業に手違いがあり、再作業を行った際のチェックが不十分になり、断路器の入れ忘れが生じたものと考えております。
 今後は、列車の安全、安定運行に支障を与えるおそれのある作業について、交通局職員の立ち会いを行うなど、先ほど安全管理担当参事からご説明申し上げました再発防止策を徹底し、ヒューマンエラーの防止を図ってまいります。

○崎山委員 首都圏の鉄道で一たび事故が発生すれば、旅客に大きな影響を与えることになり、くれぐれも安全、安定運行の確保に向けて、局一丸となって取り組んでほしいと思います。
 また、事故報告書を時系列で見ると、今回の停電事故では、二度目の停電発生から十二分後には、車内に閉じ込められた乗客の救出を開始しています。避難方法のマニュアルに従ったそうですけれども、それにもかかわらず避難終了まで二時間近くもかかったのはなぜでしょうか、お伺いいたします。

○高根電車部長 列車が駅間に停車した場合、乗客を安全に避難誘導することが重要でございまして、乗客が離散しないよう留意しながら、最寄り駅に向かって誘導することとしております。
 今回の避難誘導につきましては、マニュアルに従い、運転席の非常扉から、安全に気を配りながら、一人ずつはしごにより軌道上に降車させ、最寄りの新江古田駅までの二百メートルを徒歩で避難していただいたところでございます。
 しかしながら、事故発生がラッシュ時間帯であったため、混雑率がおよそ一七〇%で、車内に千三百人の乗客がおり、一人ずつはしごで降車させるのに多くの時間を要したことから、最後のお客様が避難完了するまで二時間かかったものでございます。

○崎山委員 乗客を避難誘導するのに、わずか二百メートルの距離で二時間かかった理由としては、朝のラッシュ時間帯ということでありました。インタビューに答える乗客が、すし詰め状態の車内での不安をコメントしている姿が私の印象に残っています。また、振りかえ輸送の案内の周知ももっとしてほしかったという声もあったようであります。
 今回の事故のように、トンネル内に停車した車内から乗客を救出する場合、今後は、マニュアルを見直し、さらに時間短縮を図るべきと考えます。先ほどの説明にあった避難誘導方法の改善で、事故の状況に応じた複数の避難経路の確保について現在検討している内容を、もう少し具体的にお答え願いたいと思います。

○高根電車部長 時間短縮に向けた列車からの避難方法でございますが、これまでは、マニュアルに従い、運転席の非常扉一カ所からであったものを、事故の状況によっては、複数箇所からの降車も検討してまいります。
 具体的には、トンネル内に上りと下りの線路があるケースにおきましては、反対車線の安全を確認後、列車後部の非常扉からの降車や、列車の側面ドアからはしごを使った避難方法についても検討してまいります。
 また、トンネル内に一方向の線路しかないケースにおきましては、車両側面に通行可能なスペースがあれば、側面ドアからの降車も検討してまいります。
 次に、列車の停車位置が駅間の中間あたりの場合には、後続列車の安全を確認後、列車後部の非常扉も使用し、後ろの駅にも誘導案内する方向で検討してまいります。
 これらの検討結果を早期に取りまとめ、避難誘導の時間短縮を図ってまいります。

○崎山委員 今回の事故を教訓として、今後の安全対策について最後に局長の決意をお伺いいたしまして、質問を終わります。

○島田交通局長 今回の大江戸線の停電事故によりまして、ご利用の多くのお客様にご迷惑をおかけいたしました。都営交通の経営を預かる者として、責任を痛感しております。今回の事故につきましては、その原因と対応策につきまして今回まとまりましたので、本日、本委員会にご報告させていただいたところであります。
 今回の停電事故は、保守作業におけるヒューマンエラーに起因したものでありまして、直営、委託にかかわらず、今回策定いたしました再発防止策を確実に実行してまいります。
 また、避難誘導方法につきましても、お客様の安全を確保しつつ、避難時間の短縮を図る方策を検討してまいります。それを確実なものとするため、警視庁、東京消防庁とも連携した実践的な訓練を積み重ねていきたいと考えております。
 委員からご指摘のありました今回の教訓を風化させることなく、職員一人一人に浸透させ、このような事故を発生させることのないよう、交通局職員一丸となって安全対策に万全を期してまいります。

○樺山委員 私は、日暮里・舎人ライナーの件で開業イベント、このことについてお伺いをするわけですが、実は通告をしてないのです。したがって、今おわかりになる範囲だけで結構ですから、お答えをいただきたい。
 まず、開業式典というのは、当然三月三十日ではなくて、その前にやるのだろうと思うのですね、前日か、あるいは前々日か。それに伴って、開業イベントというのが当然いろんな形で行われることだろうというふうに思います。これは、十三の駅がありますから十三の駅で全部、何がしかのイベントをおやりになるのか、それとも、始発の日暮里駅あるいは見沼代親水公園−−足立と荒川の方の前で本当に申しわけございません、あっちとこっちだけでやるのか。それとも、具体的に既にもう、こういう式典をやるというプランが内々におできになっておられるのか。
 もっといえば、荒川区と足立区のいわゆる商店街連合会も含めた形の中で、開業式典の実行委員会なるものがもう既に組織をされておられて、その運営方について相談会なり何なりがスタートをしておられるのか、まず、その辺だけお伺いしたいと思います。

○高橋総務部長 日暮里・舎人ライナーの開業日につきましては、三月三十日というふうに決まっておりますけれども、具体的にどういう日に式典を行うかということについては、先生が今いわれたように、その前ということになると思いますが、具体的な日にちについてはまだ決定しておりません。
 それから、開業イベントをどこで行うかということにつきましては、今のところ、始発駅である日暮里駅周辺でまずは考えたいと思っておりますが、何らかの形で足立区内においてもというふうに考えておりますけれども、地元自治体等もいろいろとお考えのようでありまして、今後、そういった意味での調整は行う必要があると思っております。
 それから、イベントの具体的内容でございますけれども、まだ今のところ、具体的には決まってございません。今後詰めていく予定になっておりまして、実行委員会等もまだそういった意味でも存在しておりませんし、実行委員会をつくっていただくかどうかということについても、まだ決まってないのが現状でございます。

○樺山委員 済みません、いきなりの質問で申しわけありません。基本的には、荒川区と足立区で区長を中心として何かイベント開催も、あるいは商店街連合会会長を含めた、そんなことになるのではなかろうかと実は思っているのですが、なぜ私がこういうことを申し上げたかというと、典型的な下町なんですね、こういうことに対する、積年の願いがかなったということに対する思いが非常にお強い。これは両都議、鈴木先生も含めて三都議がここにいらっしゃるわけですが(「四都議だ」と呼ぶ者あり)あっ、四都議いる、ごめんなさい。(笑声)大西先生もいらした、同志社大学。(大西委員「立命館大学」と呼ぶ)あっ、立命館大学か。
 そんなことはどうでもいいのですが、四人の都議会議員は全部知っているわけです。本当にうれしいと喜んでおられる。これについてはほっておけないと。何がしかのイベントで盛大にどんちゃんやりたい。それで、華々しくこのスタートを祝いたい。
 というのは、実は私は、個人的なことを申し上げるのですが、東京じゅうのおみこしを統括する会の会長をやっている立場なのですね。随所のみこしのグループから担ぎたいという声が出ていまして、どうすれば担げるのだろうと。担ぐスペースというのはあるのだろうかとか、あるいはコンコースだけだと狭くて担げないし、また大通りなんかに出たら、これまた交通渋滞への問題にもなるし、だけれども矢も盾もたまらない、こういうときのためにおれたちはいるんだと、こういう非常に熱い思いの方は、特に日暮里に多いのです。荒川に多いのです。
 この人たちの願いは、もう無視できないどころか、何とかかなえてあげたいということがある。ただ、私ら何のお答えもできずに、これは多分実行委員会ができると思いますよと。実行委員会の中でその辺の詳細も決まって、それで、どうするのかというようなことになると思いますよとはいいながら−−とにかく担ぎたい、その一心で、三月三十日なり何なりを一つの目標にして今力んでおられる。
 こういう状況があるものですから、いずれまた具体的なご相談を申し上げなきゃならぬというふうに思いますけれども、この辺のこともどうぞちょっとご考慮に入れて、どうすればこういった地元の方々の思いがかなうかということを、足立側では高島さんが端棒を担ぐということになっているようでございますし、ぜひよろしくご配慮、ご検討をいただければありがたいということで、大変イレギュラーな質問で恐縮でしたけれども、そういう声があるということをお耳に入れていただきたい、こういうことでございました。
 以上、終わります。

○大西委員 本当に三月三十日の開業というのが、今、樺山先生からも、また先ほど崎山委員からも、現実味を帯びてきたということで、足立区及び荒川区、その近辺の方々は本当に喜んでいるのが現状です。しかし、これからのこと、要するに事業者として、長い年月をかけてせっかく建設した日暮里・舎人ライナー、これからいかに多くのお客様に使ってもらうかという工夫が一番重要になってくると思います。地元住民も、局が見込んだ需要予測どおりの乗客が利用し、将来に向けて安定的に事業が続くことを願っているものでございます。
 そこで、崎山委員とも若干かぶるところもございますが、沿線住民が、これから日暮里・舎人ライナーをより使いやすく、利用しやすくすることでお客様をふやしていきたいという観点から、若干質問をさせていただきます。
 まず初めに、日暮里・舎人ライナーのビジネスプランを立てる上で根幹となる予測乗車人員、これを運賃等含めて再確認をさせていただきます。

○高根電車部長 開業時の乗客数は、五万一千人と見込んでおります。
 また、普通運賃は、初乗り百六十円から二百二十円、二百七十円、三百二十円となっております。

○大西委員 第二回定例議会の委員会の答弁の中でも、インフラ外の事業費が四百億円ということでもございました。このような膨大な費用をつぎ込んでいる事業でありますので、収支が均衡するということには長い期間が必要であるということはよくわかっています。それを少しでも早める方策が必要ではないかとも考えます。
 そのためには、今予測しておられる五万一千人という数のお客様に確実に利用していただき、またその数をふやしていかなければならない。そういう意味で、利用者の立場に立った運賃というのが大きなエレメントになると思います。今回、国から運賃が認可されたということですが、この料金の割り出しの根拠について伺います。

○高根電車部長 運賃につきましては、開業後の経営の安定化と、競合する近接の他社路線との競争性等を勘案して定めたところでございます。

○大西委員 日暮里・舎人ライナーの近接した路線ということになりますと、これは東武伊勢崎線が一番近くなります。この初乗り運賃、四キロまでは百四十円、七キロまでは百七十円でございます。これと比較すると、明らかに日暮里・舎人ライナーは高い、このような設定になっています。これは新交通という特殊性からやむを得ないとも思いますが、一番高い区間の料金は三百二十円で、地元の人と話をしていても、これまでの都バス二百円と比べても、やはり随分高いという印象があるのは否めません。
 そこで伺いますが、この料金水準は他の新交通システムと比べればどのようなのか、お伺いいたします。

○高根電車部長 日暮里・舎人ライナーの初乗り運賃百六十円は、「ゆりかもめ」の百八十円、多摩都市モノレールの二百円と比較いたしましても安い水準にございます。
 また、日暮里・舎人ライナーの最高運賃となります三百二十円に相当する距離の運賃について見ましても、「ゆりかもめ」では三百七十円、多摩都市モノレールでは三百五十円となっておりまして、日暮里・舎人ライナーの運賃は相対的に安く、始点から終点まで約二十分で結ぶという時間短縮の効果を考えますと、妥当な水準にあると考えております。

○大西委員 新交通システムとしては、必ずしもこの運賃は高くないということでございますが、対象は、普通の方から見れば、やはり東武伊勢崎線と比べてしまう。これは仕方がないと思います。
 ちょっと視点を変えまして、それでは、周辺の住民はどのくらいの距離歩いて日暮里・舎人ライナーに乗ると考えておられますでしょうか。

○高根電車部長 日暮里・舎人ライナーの大多数のお客様は、徒歩や自転車で最寄り駅に行くと考えております。その距離は、一キロ程度と見込んでおります。

○大西委員 一キロぐらいと見ているということですが、それより遠いところの人は、当然日暮里・舎人ライナーに乗るにはバスを使うということになります。実際、一キロ歩かずにバスに乗る方もたくさんおられると思います。先ほど崎山委員の質問で、この開業に合わせて、王46を西新井大師西駅経由とし、また東43系統を江北駅まで延伸するということでもございました。日暮里・舎人ライナーの集客を図るためにも、東西方向の路線の充実が、これ本当に必要だと思います。
 ご存じのように、特に足立区は、東西が本当に広くなっております。その真ん中をこの電車が通るわけでございますから、その両右、左から人を集めるということになりますと、これはぜひとも新規路線というのをまた考えていただいたほうが、さらにたくさんの人を集客することにつながると思います。新路線をもっと考えていただきたいということをお伝えして、まず、例えば今の既存路線、ほかにも変えるところがあるのではないか。
 例えば、王49系統というバスがあります。これは、一部のバスが日暮里・舎人ライナーの駅のすぐ手前で終わってしまいます。具体的には上沼田団地というところで折り返しておりますが、それについてもう少し、ほんの少しなのですけど、日暮里・舎人ライナーの駅まで延伸することはできないのか、そのように考えておりますが、いかがでしょうか。

○松下参事 王49系統は、王子駅から千住車庫までの間について一日五十九往復、王子から足立区役所までの間について三十八往復、王子駅から上沼田団地までの間について三往復、合計で一日百往復運行しております。
 このうち、理事がお話しの王子駅から上沼田団地間については、朝ラッシュ時間帯に限り、鹿浜橋付近から王子方面に利用されるお客様が多いことから運行しているものでございます。それ以外の九十七往復については、王子駅から日暮里・舎人ライナーが通る尾久橋通りを経由して運行しておりまして、王49系統を利用して日暮里・舎人ライナーへ乗り継ぐお客様に対しても、現状の運行で問題はないと認識してございます。

○大西委員 東西の方向の路線拡充は、ぜひ本当にもっと頑張っていただきたいなと思います。王49系統に関しましては、今のご答弁のように、そんなに影響はないのかもわかりませんが、開業後は流れも変わるはずでございますので、ぜひまた再検討もしていただきたいと思います。
 しかしながら、先ほど崎山委員のほうからもいわれました、日暮里・舎人ライナーと都電を結ぶという料金の割高感、これは明らかにバスに乗る方からしても同じでございます。こうした方への配慮が本当に必要になると思います。
 そこで、普通券で利用する人の場合、現在ある七百円の都営交通共通一日券が、日暮里・舎人ライナーでもそのままの料金で使えるようになるということは一つの方策だと思いますが、この路線のお客様はやはり定期券の利用者も多いと思われますので、乗り継ぎ割引についてもぜひ実施を考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○高根電車部長 先ほどもお答えしましたとおり、都バスと日暮里・舎人ライナーを利用されるお客様の利便性を考慮し、定期券の乗り継ぎ割引につきましては、都バスと日暮里・舎人ライナーそれぞれの定期金額から、一〇%の割引を実施する方向で検討しているところでございます。
 また、現在、都営地下鉄、都バス、都電で利用できる都営交通共通一日券を現在の七百円に据え置き、日暮里・舎人ライナーでも利用できる方向で検討してまいります。

○大西委員 ありがとうございます。ぜひこの七百円という料金は据え置きをしていただきたいなと。先ほど崎山さんがいわれた都電と合わせますと、例えば足立に住んでいる人がバスに乗って、まず日暮里・舎人ライナーに乗って、それから都電に乗ってまた行くということも考えられるわけですね。
 例えば具体的にいいますと、早稲田大学で何かのイベントがありました、じゃ今度の日曜日行ってみようと、そういうふうに考えられるとしたら、その路線で行くのはほかの路線よりも楽だということも十分考えられるわけでございます。そのときに全部のお金を足したらどうなるのだと、こういうことで、同じ都営なのだから、二つ三つ乗ればさらに安くなる、都営を使おうというイメージを持っていただけるようにしていただく施策こそ必要ではないかと私は思います。
 そのことをお伝えして、次の質問は、大江戸線の可動式のホームさくについて一つだけお伺いいたします。
 後を絶たない駅ホームからの転落事故の防止対策として、抜本的には、都営三田線に設置している可動式ホームさくの設置が必要であると考えます。我が党としましても、これまで可動式ホームさくの設置を強く求めてきたところではありますが、都交通局は、大江戸線に可動式ホームさくの設置をするため整備計画を策定すると、既に表明していただいております。駅数が多く、乗客数も急増している大江戸線にホームさくを設置することは容易でないということは、すぐにも考えられます。さまざまな課題もあると聞いております。しかし、都民の期待にこたえるためにも、できるだけ早期の整備計画の策定が必要であると考えます。
 そこで、大江戸線の可動ホームさく整備計画の策定に当たって、その基本的な考えと、いつごろまでに策定するのかをお伺いいたします。

○中島参事 お尋ねの件につきましては、過日の公営企業会計決算特別委員会の場においてお答えをさせていただいておりますけれども、大江戸線は既に営業を行っている路線であることから、設置に当たりましては、日常の運行に支障を来すことのないよう、ホームや車内の混雑への影響を少なくする工夫を盛り込みたいと考えております。
 また、交通局の厳しい経営環境を踏まえ、設置コストもできるだけ抑えた計画としてまいります。
 なお、整備計画は平成十九年度末までには取りまとめたいと考えております。

○大西委員 営業中の路線であることから、整備計画の検討は慎重に行い、安全かつ確実にホームさくを設置するようにしていただきたいと思います。可動式ホームさくは、ホームからの転落を根絶する対策の決定打でもあります。大江戸線における可動式ホームさく整備計画を本年度末までに取りまとめていただけるということでございます。安全性の面から、そして、つくれば、そのホームさくは広告収入の媒体にもなり得るわけでございます。そういう意味からしても、一日でも早く設置をしていただくということも重ねてお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○伊藤委員 交通局の事務事業について質問をさせていただきます。
 初めに、地下鉄事業について伺います。
 本年二月の第一回都議会定例会本会議の一般質問におきまして、私は緊急地震速報システムについて取り上げまして、都は、公共施設や都営地下鉄などの交通機関への導入に向けて、利用者にパニックや混乱を起こさせない速報提供の方法も含め、早期に具体的な活用を検討し、導入を図るべきと主張をさせていただきました。
 この緊急地震速報は、昨年から試験運用され、先月の一日から一般向けに提供され、本格運用となっており、この情報を活用することにより、列車やエレベーターを素早く制御して危険を回避したり、オフィスや家庭などでも避難行動をとったりすることにより、被害の軽減が期待をされております。
 しかしながら一方では、震源に近いところでは情報の提供が間に合わなかったり、ノイズによる誤報の可能性といった地震速報そのものの限界や、不特定多数の人々が集まる場所での情報提供の難しさなど、課題も指摘をされております。都営地下鉄においては、本格運用より若干早く導入をし、運用を開始したと聞きました。大変にありがとうございました。
 そこで、この緊急地震速報について何点か質問をさせていただきます。
 初めに、緊急地震速報システム導入の経緯、その考え方について伺います。

○高根電車部長 緊急地震速報につきましては、平成十八年度に設置された総務局主催の緊急地震速報に関する検討会議に交通局も委員として参加し、運用に当たっての課題などについて検討を進めてまいりました。
 その結果、緊急地震速報の情報を、列車無線を使用し速やかに乗務員に提供することによりまして、走行中の列車の危険回避に一定の効果が期待できることから、本年九月一日に導入することとしたものでございます。

○伊藤委員 導入して三カ月たったわけでございますけれども、幸いにも今のところ、この緊急地震速報の使用はないということでありますけれども、地震は、いつ、どこで起こるかわからないものでございます。そのときになって慌てないためにも、実際に緊急地震速報を受信したときの都営地下鉄の対応について、何点か伺います。
 初めに、電車走行中に緊急地震速報を受信したときの対応はどのようになっているのか伺います。

○高根電車部長 震度四以上の緊急地震速報を受信した場合、運輸指令に設置した早期地震警報システムに表示されるとともに、列車無線により直ちに非常停止指示が通告され、乗務員は、その指示に従い、手動操作によりまして列車を非常停止させることとしております。

○伊藤委員 列車は、震度四以上の地震情報が運輸指令から乗務員に通告され、緊急停止させるということでございますけれども、それでは、走行中の車内の乗客の皆様にはどのように情報提供されるのか、伺います。

○高根電車部長 乗務員は、列車の非常停止後に、緊急地震速報を受信し非常停止した旨の車内放送を行うとともに、お客様の動揺防止のための放送を行うこととしております。
 また、地震発生後は、運輸指令より震度の通報を受けた後、改めて車内放送を実施し、震度に応じた運転方法をとることとしております。

○伊藤委員 緊急地震速報が地震発生から数秒から数十秒前ということでございますので、列車がとまったときには、既に最初の大きな揺れが終わっている可能性もあると思います。車内の乗客のパニック防止のために、車内放送については細心の注意を払っていただきたいと思います。
 次に、駅における情報提供について伺います。
 緊急地震速報を受信して、仮に、間もなく地震が来ますといったような構内放送を行った場合、多くの利用者の方が出口に殺到するなどして、大きなパニックが起きるだろうというふうに予想されるところであります。
 そこで、駅の構内放送についてはどのように取り扱うのか伺います。

○高根電車部長 緊急地震速報受信直後の駅の構内放送につきましては、ご指摘のようにお客様のパニックによる混乱も想定されることから、地震直前の周知につきましては議論のあるところでございます。
 また、今月末から、この情報を受信可能な携帯電話も発売されることから、今後は、駅の放送がなくても、お客様が地震発生を事前に知ることが可能となります。
 こうした状況を踏まえまして、緊急地震速報に対する社会的認知度を見きわめながら、他の事業者とも連携し、慎重に検討を進めているところでございます。

○伊藤委員 地震の被害軽減のために取り入れたこのシステムで、逆に駅や車内でパニックを誘発することのないよう、この緊急地震速報の社会一般の認知度を高める取り組みが極めて重要であり、交通局も、交通事業者としてこうしたことに積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 また、交通局として、緊急地震速報を受信した際のマニュアルの整備や、あるいは訓練についても、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、地下鉄駅のバリアフリーについて伺います。
 バリアフリーについては、最近では、単に高齢者や障害者の方々にとって優しいまちづくりといった考え方だけにとどまらなくなってきております。よく見かけますけれども、ベビーカーを抱えて階段の上りおりに苦労している方や、あるいは私の近くでは、羽田空港とかあるいは成田空港から大きな荷物を持って、階段で大変に苦労している姿をよく見るたびに、その必要性を痛感しているところでございます。こうした観点からも、エレベーター整備事業のより一層の積極的な推進を願うものであります。
 ところで、私も利用している浅草線につきましては、都営地下鉄四線の中でもバリアフリーがおくれているということのようでございますけれども、都営地下鉄全線のワンルート確保の状況と、浅草線の状況について伺います。

○鈴木建設工務部長 都営地下鉄四線には百六の駅がございますが、平成十九年十月末現在、八十一駅においてエレベーターによるワンルートを確保し、その率は七六%となっております。
 このうち浅草線は、全二十駅中、戸越駅など七駅でワンルートを確保し、その率は三五%でございます。

○伊藤委員 都営地下鉄のワンルート確保率が全体で七六%ということでございますけれども、それに比べると、浅草線については三五%と、余りにも低いように思います。
 そこで、浅草線における整備上の課題や現在の取り組み状況及び今後の浅草線の整備目標について伺います。

○鈴木建設工務部長 浅草線各駅は、都心部の幹線道路下にあり、沿道には建物が連檐しているため、地上部における出入り口用地の確保が大きな課題となっており、整備に時間を要しております。
 これまでも、道路や公園などの公共地の活用や民有地の取得、民間ビルとの合築など、多様な手法を通じて出入り口用地の確保に努めてきております。現在、中延駅など六駅八基のエレベーター設置工事を実施するとともに、本年度内に、五反田駅など三駅四基のエレベーター工事に着手する予定でございます。
 引き続き、用地の確保等課題の解決に努めるとともに、地元や関係機関との円滑な調整を進め、平成二十二年度末までに、浅草線すべての駅において、エレベーターによるワンルートを確保するよう目指してまいります。

○伊藤委員 地元のことで恐縮でございますけれども、ただいまお話のあった中延駅、五反田駅のエレベーターの整備の実施状況について、もう少し詳しく説明をいただきたいと思います。

○鈴木建設工務部長 中延駅につきましては、平成十九年三月から防災改良工事とあわせて着手しており、平成二十年度早期に供用開始する予定でございます。
 五反田駅につきましては、ホームからコンコース階へのエレベーターは整備済みでございますが、コンコース階から地上へのエレベーターが未整備となっております。この整備につきましては、JR五反田駅東口に接続するA3出入り口わきに地上出入り口を設置するほか、お客様の利便性向上のために、エスカレーター整備もあわせ平成十九年度中に着手し、平成二十一年度の供用開始に向け、準備を進めているところでございます。

○伊藤委員 都営地下鉄の駅はどこも都心部にあり、高層ビルが林立する中で、すき間のようにあいた場所を確保するということは大変な困難な仕事であり、厳しい状況であるということは理解をしております。しかし、バリアフリーは多くの都民の念願でございます。引き続き、残る用地の確保に全力を尽くし、エレベーター整備を進めていただきたいと要望いたします。
 次に、地下鉄駅構内の障害者による店舗について伺います。
 都議会公明党の提案によって、障害者が働く駅構内の店舗の第一号店が、来年の三月、大門駅にオープンするということでございまして、大変にうれしく思っております。大門駅は第一号店であり、ぜひとも成功して、今後の店舗展開につなげていただきたいと思います。
 このお店では、パンやコーヒー、スープの販売をすると聞いておりますけれども、連日お客様でにぎわう人気店となれば、障害者の方にとっても大きな励みとなります。この事業を継続的に続けるためには、障害者が安心して働けるように、販売方法や商品の提供方法を工夫する必要があると思います。大門駅の一号店ではどのような工夫をされたのか、伺います。

○佐藤資産運用部長 出店に際しまして、何をどのような方法で販売するかということにつきましては、その運営します障害者団体の判断にゆだねております。その団体が一番やりやすい方法で店舗の運営ができるように、そういった配慮をしてまいります。
 それから、大門の一号店につきましては、仕入れたパン生地を店内のオーブンで焼きまして、お客様に対しましてできたてであつあつのパンを提供する、そういった工夫をしていると聞いております。

○伊藤委員 大門駅の一号店におきましては、障害者の目線に立って、やりやすいように、またお客様の目線に立って、焼きたてのパンをということで、交通局が工夫されていることはよくわかりました。
 今後、二店目、三店目の店舗の設置に当たっては、障害者がより働きやすい店舗づくりを目指して、チャレンジ二〇〇七の計画どおりに着実に推進をしていただきたいと思いますが、この件について交通局の決意を伺います。

○佐藤資産運用部長 今後でございますが、二十年度、二十一年度につきましても、障害者団体や区と十分調整をしながら着実に準備を進めまして、障害者の方の自立した社会生活を支援する観点から、交通局としての役割を十分に果たしてまいりたいと思います。

○伊藤委員 ご答弁いただきました、障害者の自立した社会生活を支援する交通局という観点から、ぜひとも計画どおりに着実な出店をお願いしたいと思います。また、期待をしております。
 一般的に障害者の店舗というと、パンの販売が多いようでございますけれども、それぞれの障害者団体では、パン以外にもさまざまな製品づくりに取り組んでおります。今後進めていただく中で、障害者団体の意見、要望をよく聞いていただき、また区とも十分調整をしながら、多様な店舗展開の実現に努めるよう要望をさせていただきます。
 次に、都営バス事業について伺います。
 バスの安全対策、特に震災対策について伺います。
 バスは、鉄道と異なり、ATCのような制御システムで運行管理されているわけではなく、また一たん営業所を出たバスは、何かアクシデントが起きても、初期対応は乗務員一人で行わなくてはならないというのが実態であります。
 そこでまず、大地震が発生した場合には、都営バスの乗務員はどのような対応をすることになっているのか伺います。

○斎藤自動車部長 大地震が発生した場合、走行中の乗務員は、危険箇所を避け、バスを道路の左側に寄せて停車いたします。さらに状況によっては、安全に留意しながら、お客様をバス路線ごとに定められている広域避難場所等へ誘導案内することになっております。
 これらの対応につきましては、震災時における処理要領の中で定めておりまして、採用時に教育するとともに、小冊子にして乗務員全員に携帯させております。
 また、災害訓練や通常の研修等の中で、随時、震災時の対応について再確認を行っているところでございます

○伊藤委員 大地震が発生した際には、乗務員が的確に対応することになっているということを聞きまして、安心をいたしました。しかし、私は阪神・淡路大震災の折、現地で救出活動を行った体験や、鉄道や駅、高速道路などの悲惨な現場を目の当たりにした教訓を踏まえると、地震の揺れが発生する数秒前でも、事前に知る手だてがあれば、被害を最小限にとどめられると確信しています。先ほどの質疑で、都営地下鉄には既に導入されたということでございますけれども、私は、都営バスにもこの緊急地震速報システムを導入していくべきだと考えています。
 そこで伺いますが、都営バスに緊急地震速報システムを導入する予定はあるのでしょうか。

○斎藤自動車部長 緊急地震速報を活用いたしますと、強い揺れが来る前に車内のお客様に注意を促すことができるなど、事前の準備行為を行えるといったメリットが期待できると考えております。
 しかしながら、ご案内のとおり、バスは他の一般車両と一緒に走行しているため、緊急地震速報を受けて急ブレーキを踏んだ場合、後続車両に追突されるといったおそれもございますことから、この緊急地震速報システムの導入につきましては、交通管理者である警察の動向や、一般車両へのこのシステムの普及状況等を踏まえながら検討してまいります。

○伊藤委員 私は、近い将来、今車にそれぞれ普及が進んでいるように、ETCのように緊急地震速報の受信装置が多くの車に搭載をされるようになる。近いうちに必ずなるというふうに思います。そうなっていった場合に、都営バスが走っておりまして、その前後の車が急にハザードをつけて左に寄せてとまる、当の都営バスの運転者さんが何も知らない、こういった状況では、私はいけないというふうに思います。公営事業者である都営バスは、このような社会の流れにおくれることなく、むしろ社会の流れをリードしていくべきであるというふうに思います。
 東京は、いつ震災に見舞われてもおかしくないといわれております。被害を最小限にとどめるためにも、ぜひ早期に緊急地震速報システムの普及、導入に向けて検討をしていただきたいと要望いたします。
 次に、都営バスにおける環境対策、中でもエコドライブへの取り組み状況について伺います。
 エコドライブとは、急発進や空吹かしなどを抑制するとともに、できるだけ同じ速度での運行を行うなど、環境負荷の低減に配慮した運転のことであり、重要な環境対策の一つであります。エコドライブの実施につきましては、ことしの二月、公営企業委員会におきまして、我が党の野上委員からの質問に対し、平成十九年度から順次、燃料管理のシステム化や車両への運行記録装置の装着を行っていくという答弁がございました。
 現在東京都は、カーボンマイナス東京十年プロジェクトの推進など、特に環境対策には力を入れているところでございますけれども、都営バスは、毎日多くの車両が町中を走っていることもあり、東京都における環境対策の指標となる側面があると思います。その点からも、私は都営バスの環境対策に深い関心を持って、動向に注目をしているところであります。
 そこで、現在、都営バスにおけるエコドライブの取り組み状況はどうなっているのか、また、導入するシステムの特徴について伺います。

○斎藤自動車部長 エコドライブの取り組みにつきましては、これまでも、アイドリングストップ装置の装着や添乗調査による乗務員への指導を行ってきたところでございます。
 それから、より客観的に運転状況や燃料の使用状況を把握するためのシステムを導入してまいります。これによりまして、急発進や急ブレーキの作動状況のほか、運転速度、燃費等、運転に関する情報が把握できるため、それらのデータを活用して、乗務員にエコドライブを促していきたいと考えております。
 現在、運用に向けた試験を実施しておりまして、年度末には五カ所の事業所で運用を開始していく予定でございます。

○伊藤委員 都営バスでは、エコドライブについて着実に取り組んでいるということがよくわかりました。ぜひ導入したシステムをうまく活用していただきまして、また乗務員へのエコドライブ教育にも役立てていただきたいと思います。
 都営バスでは、今答弁にあったエコドライブのほかにも、今年度から最新型のハイブリッドバスの導入や、バイオディーゼル燃料の使用を積極的に進めるなど、先駆的な環境対策を展開中であると思います。
 そこで、最後に、都営バスにおける今後の環境対策の方向性について、局長の決意と、また局の方針を伺いたいと思います。

○島田交通局長 都営バスは、一日約五十六万人のお客様にご利用いただいておりまして、そのため、交通局は約千五百両のバス車両を保有しております。このように大きな事業規模を持つ公営企業として、さらなる省エネルギー対策の推進、再生可能エネルギーの利用に取り組んでまいりますことは、環境負荷低減の面において大きな意義があると考えております。
 これまでも、燃料電池バスの試験運行、低硫黄軽油の率先導入、そしてことしの十月からは、民間企業や環境局と連携をいたしまして、世界で初めて第二世代バイオディーゼル燃料を使いました最新型ハイブリッドバスの運行を開始するなど、さまざまな先駆的、先進的な環境対策に取り組んできたところであります。
 今後も、最新の技術や、お話のございましたエコドライブなど、新たな仕組みを積極的に取り入れまして、他の事業者をリードする役割を果たし、環境に最大限配慮した事業運営を行っていく所存であります。

○伊藤委員 局長より力強い答弁をいただきまして、ありがとうございます。これからの環境対策について期待をしております。また、自家用車から鉄道やバスなどの公共交通機関への転換が進めば、都市全体の環境負荷は低減されます。
 さらに、もっと都営バスを利用していってもらうためにも、バス停留所におけるバス接近表示装置や、あるいはベンチなどについてもふやしていただきたいと要望をさせていただきます。
 本日は、安全、環境、福祉の面から質問をさせていただきましたけれども、交通局は一日約二百七十八万人に利用され、東京の都市生活や都市活動を支える公共交通機関として、大変に重要な役割を担っていると思います。これからも、都民に愛され、支持される都営交通を目指して努力を続けられることを期待して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○たぞえ委員 まず、安全問題について伺います。
 報告がありました十月二十三日に発生した大江戸線停電事故、七月の浅草線に続いて改札のプログラムミス、そして今回の停電事故と続いて、都民から、都営地下鉄の安全性や、また交通局が新チャレンジ二〇〇七で掲げている、これまで以上に徹底した効率化を進めるという経営改革のあり方が問われた出来事だというふうに思います。
 同時に、今回は大事故にはつながりませんでしたが、今後同じような事故が地震などで同時多発的に起きたときは、トンネル内は移動ができない、こういう事態が予想されます。これについてはどう認識されているか、まず伺いたい。

○兒島参事 交通事業にとりまして、安全・安心の確保は最優先にすべき課題と認識しております。今般の大江戸線の停電事故につきましては、今回策定いたしました再発防止策を確実に実行することにより、事故防止に努めてまいります。同時に、効率的な事業運営も安定的な経営に必要不可欠なことです。
 今後とも、事故のない都営地下鉄を目指して、安全対策を着実に進めてまいります。

○たぞえ委員 今、効率化、安定的だといいましたが、余り説得力はなかったと思います。新チャレンジ二〇〇七で打ち出している経営方針の中で、保守体制の見直し、一層の経営の効率化を掲げると。こういう民間委託が一層拡大した中での、直接的な停電の原因だったのです。
 十九年度、今年度ですが、電気保守点検の委託は何件あるのか示していただきたいと思います。

○室木車両電気部長 電気部門の事業所における平成十九年度の保守委託件数は、現時点で五十件でございます。

○たぞえ委員 今回の練馬変電所からの送電ストップに際して、点検中の保守管理会社である東京交通サービス株式会社、これは交通局からどのような年間業務委託を受けている会社なのか、紹介していただきたいと思います。

○佐藤資産運用部長 東京交通サービスの業務委託でございますが、主なものとしましては、都営地下鉄駅の改札機、券売機、電力設備等の保守点検でございます。

○たぞえ委員 今いわれませんでしたが、この会社は、全部で十九の業務委託を交通局から受けている企業です。多種多様な保守作業にかかわっているわけです。それも、地下鉄だけではなくてバス事業にもかかわっている。しかし、その会社の規模はどうかといえば、社員数百四十人の会社ですよ。百四十人の企業の会社が、全部で、今いわれた保守点検、多くの事業を獲得している。これだけの人数で東京の地下鉄の保守点検全部が賄えるかどうか、到底いいがたい出来事だと思います。
 委託の大もとになっている東京交通サービスですが、先ほどの事故報告の中での練馬の変電所、その現場に、この東京交通サービスの職員は配置されていたのでしょうか。

○室木車両電気部長 変電所保守委託では、電気主任技術者等の技術と経験を有する者を、現場で作業を指揮監督する責任者とすることを委託会社に義務づけております。当日の作業は、この責任者を含む東京交通サービス株式会社の社員二名と、当該作業に必要な技術と経験を有する協力会社作業員四名の計六名で行ったことを確認しております。

○たぞえ委員 元請から協力会社に作業が回されて、人数的には元請が二人、下請といわれる協力会社が四名。事実は、下請が実際にはこの仕事をこなしていくわけですよ。これが事実なのです。
 元請から協力会社、下請に業務がゆだねられる場合には、交通局にその構成員、職名、また作業内容、どういう報告があるのですか。

○室木車両電気部長 作業を実施する体制につきましては、委託会社が責任を持つこととなっております。協力会社を活用していたことは承知しており、作業員名簿は提出させておりました。

○たぞえ委員 元請は責任を負い、事実上の仕事は協力会社、下請が負う、これはころがしではないですか。じゃ、そこの現場に都の職員は立ち会っていたのでしょうか。

○室木車両電気部長 電気設備の保守点検委託につきましては、信号保安設備、保安通信設備、トンネル内の設備等、列車の安全、安定運行に直結するものにつきましては、交通局職員を立ち会わせております。
 電気設備のうち変電設備の保守点検委託においては、トンネル内の設備ではなく、また電気主任技術者などの専門技術者の指揮監督の下で点検を実施していることなどから、交通局職員の立ち会いを行っておりません。

○たぞえ委員 その、おりませんの一カ所が、今回の事故現場なのです。電気保守という電車を動かす一番の機関に、最大の技術を構築した交通局の職員が立ち会っていない。業務委託だからといって、指揮権まで業務委託しているわけではないのですから、事態の把握や対応ができる保証はないのです。
 保守作業現場には、先ほどの報告では、必要に応じて都の職員を配置するという報告がありましたが、二回目の答弁では、職員を配置するという答弁でした。違いがありますが、直ちに、すべてのこうした保守電気事業に対する都の職員の立ち会いを求めますが、見解を伺います。

○室木車両電気部長 今ご答弁申し上げたとおり、電気主任技術者などの専門技術者の指揮監督の下で点検を実施していることなどから、交通局職員の立ち会いを行っておりませんでしたが、当面の対策として、列車の安全、安定運行に支障を及ぼすおそれのあるものについては、交通局職員の立ち会いを行ってまいります。

○たぞえ委員 次に、地下鉄駅の民営化問題で伺いたいと思います。
 交通局が実施している業務委託料総額は、十八年度については百億四千万円です。十九年度の予算では百九億六千三百万円で、九億円委託費がふえています。この内容について、まず説明いただきたいと思います。

○佐藤資産運用部長 この増要因の主なものとしましては、駅業務委託の拡大に伴うものでございます。

○たぞえ委員 駅の業務委託といわれましたが、この分野だけでの数字を拾ってみますと、十八年度二十億円から十九年度二十七億円へと、駅業務の委託費が支払われています。この地下高速鉄道、地下鉄ですが、駅業務の委託はどこで、その中身はどんなものなのですか。

○高根電車部長 現在交通局で管理しております百一駅のうち、駅業務を委託している駅は四十二駅でございます。業務内容は、乗車券類の発売、改札業務、お客様の案内、ホーム監視などでございまして、こうした業務については、都の職員である助役の監督のもとで行っております。

○たぞえ委員 きょう提出いただいた資料によりますと、地下鉄百一駅には助役という、我々が一番なじみのある言葉では駅長さん、こういう職員がいるわけですが、問題はその他の職員です。十七年度までに二十四の駅で職員配置の外注が行われ、十八年度は、一年間でさらに十八駅ふえて、十八年度末までに、百一駅のうち合わせて四十二駅の職員が外注で行われてきました。その分、正規の都職員配置が削減したということなわけです。
 このような業務委託を進めた結果、大江戸線の開業時には、駅員などの鉄道営業職員は千百九十六名いましたが、乗客がふえればふえるほど都の職員が減っていく。事実、ことし三月には、千百九十六人が八百五十八人になって、三百三十八人も都の職員が減りました。一体どこにこの職員を投げ出したのか。駅業務の委託先会社と会社の雇用関係、雇用期間の給与は一体どうなっているのでしょうか。

○高根電車部長 委託先についてでございますが、都営地下鉄の業務に精通いたしました財団法人東京都交通局協力会でございます。正規職員のほかは、一年契約の契約職員やパートタイムであり、年収は約二百七十万円から四百五十万円程度であると聞いております。

○たぞえ委員 一年契約で駅員として派遣された人たちですね、その方々は。第一線で働く人が不安定職員で、しかも、そういう方が公共交通の前線に立たざるを得ない。一年契約といいましたから、一年たてば、あなたは契約が終了したのだから、次の契約はお断りしますよと、こういう人たちばかりになってしまいかねない。
 その人たちは、どんな生活をしているか。今いわれましたが、時給です。事前に調べてみましたら、時給千円だ。アルバイトで年収二百七十万、正規の方でも年収四百五十万、決して安定している収入だとはいえないと思います。身分も正規ではないし、不安定雇用までくっついてくる。結局、ワーキングプアといわれる、働いても働いても貧しい、そういう不安定雇用、貧困ビジネスを公営企業が生み出しているというのが事実ではないでしょうか。
 先日、私、駅のホームで発車確認をしている若い職員に聞いたのです。東京都のイチョウのマークをつけて駅の服を着ていましたから、ごくろうさまです、都の職員の方ですかといったら、いえ、派遣会社の社員ですと、こういう話でしたよ。見かけは同じでも中身が違う。しかも、生活の維持をするための給与体系も身分も違う。都民が見れば、だれでもが、都の職員で安心だなと思っているのに、実は実態は違うという事態を交通局が選択したのではないでしょうか。
 都営地下鉄の一日平均乗客は、十一年度百五十万人でしたが、十七年度には二百九万に達して、その中でも大江戸線は五・三%、大変増加をしているところです。利用者が増加して黒字のときなのに、職員定数はばっさり切って外注に出してしまう。これじゃ安全確保を保証できるのかということですよ。
 交通局の皆さんは、駅務員の民間委託化を導入するときに、交通局は赤字だから仕方ないのです、こう議会でいいました。今はれっきとした黒字なのですから、率先して正規職員を配置するべきではないでしょうか。十八年度までに正規職員の配置は行ったのでしょうか、採用です。

○柴田職員部長 交通局の職員の採用についてでございますが、交通局では、各事業の経営効率化の実施状況、それから職員の欠過員状況などを総合的に勘案いたしまして、必要最小限の採用を行うこととし、本年の四月には、バス運転手の採用を再開したところでございます。
 また、来年度に向けましては、ただいまも申し上げましたバス運転手に加えまして、地下鉄駅務員、それから保守職員に係る採用選考を、ただいま現在実施しているところでございます。

○たぞえ委員 十三年度、十四年度、十五年度、十六年度、十七年度、十八年度、一人も採用してなかったんです。
 今度二十年度職員採用募集だと、今いわれたように、交通、技能、電気、保線で二十名、鉄道営業四十名採用しますと、元気よく答弁されましたが、しかし、この鉄道営業の四十名というのは、派遣社員のいない、都の交通局職員が配置されているところの補充体制の採用なんですよ。一方で、実行プログラムでは、さらに見直し、委託化を拡大していくと。今でも四十一駅をさらにふやすわけですから、今度の新規採用の方は、都営地下鉄の民営化委託された駅に配置されるなんていうことは到底考えられない、このことを指摘をしておきたいと思います。
 やはり駅というのは集団で、チームワークを組んで、安全にお客さんを運んで移動してもらう、これが大事な仕事だと思うんですね。職員も、皆さんもそうですが、毎年年をとっていくわけで、次々新しい人を入れていかないと、技術の継承というのはできないわけです。
 きちんと、黒字であるならば正規職員を配置して、安全に電車運行ができるように、公営企業としての役割を果たすよう、強く求めておきたいと思います。
 最後に、十九日から開催されているTOEI STATION STADIUMについて、伺いたいと思います。
 私、先日、大江戸線の代々木駅でオリンピックキャンペーンを見て、大変驚きました。「駅に水面が!ボートの長さを体感」これがスローガンで、地上からおりてきますと、改札の手前に長さ八メートルのボートがどおんと通路の真ん中に、端ですが、半分とって置いてあるわけですね。
 その周りにはさくが置かれて、ボートに近寄らないように囲いがある。さらにガードマンがしっかりそこで都民を見張っていました。ボートが盗まれないようにということなんでしょうね。
 都庁前の駅ではどうかといえば、かつてのオリンピックの表彰台と、そしてガラス箱の中にオリンピックの聖火トーチがしまって、飾られていました。
 そのほかにも幾つか拾ってみましたら、上野御徒町ですね。「駅構内に急流が出現!」急流というのは、すごい流れのカヌーの展示でした。それから汐留駅、駅構内がクレー射撃の会場に。まあ、どこへ行っても、それから若松河田駅へ行きますと、壁全面にトライアスロンです。まあ、とにかく大江戸線がオリンピック線になったかのような事態ですよ。
 その隅に、交通局の環境キャンペーンのポスターが、それまでは非常に目立って張られていた。ところがそのオリンピックキャンペーンに押されたというかがありまして、とても環境、緑のキャンペーンどころではない印象でした。
 地下深い地下鉄駅で、朝夕込んでいるときに、通路の半分にそういう物を展示して通行の障害になっている、火災や地震のときにどうするのだという、そういう声が都民から電話で寄せられました。(笑声)
 いや、笑い事じゃないですよ、見てきてください、代々木駅。どういうふうに、こういう事態を承知されているのでしょうか。

○高根電車部長 今回のイベントに当たりましては、お客様の流動を阻害しないように、展示物の大きさや展示位置を十分に配慮し、場所によってはガードマンを配置しておるところでございます。
 安全に十分留意してやっているところでございます。

○たぞえ委員 都営地下鉄の駅構内ですから、交通局が所管をしている場所です。そこにオリンピックのキャンペーンということですが、それでは、その掲示やガードマンの人件費、総額、どこから幾ら出しているのですか。

○高根電車部長 今回のイベントにつきましては、環境や人に優しい都営交通の取り組みを紹介し、都営交通全体のイメージアップを図るとともに、オリンピック招致の機運を醸成するために行うものでございます。
 今回のイベントは、スポーツ団体からの各種競技にかかわる展示品の提供など、関係団体によるさまざまな協賛のもと、共催という形で実施しているものでございまして、経費につきましては、調整が必要と考えております。

○たぞえ委員 ほかからお金をもらってやれば、まあ、あんまり自分の腹が痛まないという話だと思うんですよ。だけど一体幾ら、十二月二日まで開催しているわけだから、その人件費だって、一日千円というわけにいかないでしょう。一体どこからそういう金は出るのか。
 それから、壁一面に張り出したそういう材料を一体どうするのか。それからボートだって、どこから運んできてどうやって入れたのか、経費ってあるんですよ。
 だから、その電話がかかってきた都民から、これは税金から出ているんですか、こういう経費はと、交通局に電話をしたというんです。そうしたら、運賃から出ていますといわれたそうですよ。公営企業の運賃を、こういうものに充てちゃいけないというふうに、その人は思ったそうです。
 もともと十九年度の予算で、オリンピックキャンペーンの経費、組んでいたのですか、予算で。

○高根電車部長 当初予算の項目としては示しておりませんけれども、広告宣伝にかかわる経費に含まれるものでございまして、例年、所要額を計上しております。

○たぞえ委員 緑のキャンペーンで始めた企画が、だんだんオリンピック一色になって、ぐちゃぐちゃになった。広告宣伝費という、本来の環境と緑の地下鉄というキャンペーンが、次第に五輪のマークに染まっていってしまっている。
 交通局というのは公営企業で、独立採算制なんです。キャンペーンの金額が少ないとかそういうことじゃなくて、やはり利用者の運賃を使っちゃいけないんですよ、法的にも。そういう点で、これは四十駅で展開しているイベントですけれども、大変異常かなというふうに思います。
 やはり運賃は、あくまで電車の運行と安全対策に使われるべきであって、こういったものに充てるべきでない。しかも、駅の半分の通路を占めているような、安全とさっきはいいましたけれども、朝夕の安全と真っ昼間の安全は違うんですよ。やはり配慮が足らないと思います。最後、答えてください。

○高根電車部長 先ほどもお答え申し上げましたとおり、必要な場所におきましては、ガードマンの配置を行っております。
 さらに、イベントの展示物につきましても、その展示位置、あるいは展示物の大きさ、こうしたものを十分配慮して、お客様の流動を阻害しないように配置してございます。
 さらに、駅には助役を初め駅の係員、常駐しておりますので、こうした者たちに十分注意をさせるように指導しているところでございます。

○たぞえ委員 消防法によると、改札内はそうした展示物を、通行の阻害を起こすような物は置いてはならぬと。道路交通法や道路法でも、改札外のところについては事前に所管警察署長の協議と、それから道路管理者、通路の真上が都道の場合ですね、この場合には建設局の届け出が必要だというふうになって、されているようでありますが、しかし、届け出があれば何でも通路でできるのか、できないと思いますよ。オリンピックだからできるんですよ。
 私は、配慮をしろというのはそういう配慮じゃなくて、都民の安全の確保のためにこそ、例えば朝はその場所をもう少し広くとるとか、やはりそういう配慮というのは必要じゃないでしょうか。そのことを申し上げて、終わります。

○いのつめ委員 それでは、広告つきバス停留所上屋について、こういうことこそ民間委託するべきではないかという観点から、質問をさせていただきたいと思います。
 私は、決算特別委員会で、広告収入を上げ、人件費を詰めずに利益を上げるべきとの観点から質問をさせていただきました。
 ラッピングバスの広告収入は、平成十四年度がピークで台数は六百二十四台、収入は九億六千八百万円、徐々に減少し、平成十八年度は台数が三百五十八台、収入が六億八千二百万円になってしまいました。
 交通局は、この原因を話題性による効果が薄れ、広告主が費用対効果を冷静に判断するようになったためと、答弁されました。
 広告業界は浮き沈みが激しい業界であり、東京都が参入するには、なかなか厳しい事業だと思います。
 交通局は、ことしの二月に経営計画新チャレンジ二〇〇七を発表していますが、その中に、広告つきバス停留所上屋事業が記載されています。二〇〇三年一月に発出された国土交通省道路局長の国道利第二三号通達に定める、「ベンチ及び上屋の道路占用の取扱いについて」の一部改正についてと、同第二五号、バス停留所に設置される上屋に対する広告物の添加に係わる道路占用の取扱いについて、及び警察庁交通局交通規制課長の警察庁丁規発第八号、バス停留所の上屋に関する道路使用許可の取扱いについてにより、バス停留所の公共区間における広告物の掲示が可能になったものです。
 そこで、改めて広告つきバス停留所上屋事業の概要と目的をお伺いいたします。

○松下参事 広告つきバス停留所上屋事業は、バス停の上屋に壁面を設けて、広告を掲出することで得られる広告料収入により、上屋の整備、維持管理費用を賄っていくものでございます。
 この事業の目的は、首都東京の景観、町並みにふさわしい、デザイン性の高いバス停上屋を設置し、景観の向上に寄与するとともに、上屋の整備を促進し、お客様の快適性、利便性を向上するものでございます。

○いのつめ委員 広告収入が得られることを前提に、整備、メンテナンスを行うもので、きれいで、地域ならではのデザインのバスシェルターであり、定期的な清掃や保守が行われ、税金の投入なく、利用者が快適に利用できるという利点があります。
 地方と違って、東京都心部は歩道が狭く、通行者が多く、スペース的に上屋設置が困難な場所が多いと思われます。しかし、人通りが多い場所は、広告としては一等地です。また、通行車両からの見通しの妨げになってはいけないなど、設置できる場所が限られてくると思います。
 新チャレンジ二〇〇七によれば、平成十九年度には四十基を設置する計画になっています。既に準備段階に入られていると思いますが、設置場所の選定の進捗状況をお伺いいたします。

○松下参事 設置場所の選定については、広告効果が高いと見込まれる場所で、かつ、歩道の幅員が一定以上あるなどの物理的条件を満たすバス停の中から候補地をリストアップし、現在、候補地ごとに道路管理者、交通管理者、地元区等と協議、調整を進めているところでございます。

○いのつめ委員 第一庁舎の前に設置した上屋の建設費は、一千三百万円と伺いました。岡山市は、民間交通会社が民間広告会社に委託をしており、設置費は七百万円と伺っています。
 そして、横浜市は市営交通が民間広告会社に委託をしておりますが、二百万円。現在検討中の川崎市は、川崎市も市営交通ですけれども、民間会社に委託して、二百万から三百万円で設置を検討しているということです。
 東京都が設置した上屋は、群を抜いて高いと思います。今後、東京都が設置する上屋は幾らぐらいに見積もっているのか、お聞かせください。

○松下参事 今年度の落札価格は、一基当たり平均約一千万円でございました。
 なお、この価格には、上屋の製作費に加えまして、上屋周辺のガードパイプの設置や路面の復旧、安全管理などの工事費なども含まれてございます。

○いのつめ委員 岡山市では契約期間を二十年としています。何年で回収できるかで、整備費に幾らかけるのか、広告収入の水準を幾らにするのかが左右されると思います。最終的には、都内に百基設置する予定と聞いておりますけれども、稼働率はどのくらいとするのか、また、設置費用を何年で回収できると考えているのか、お聞かせください。

○佐藤資産運用部長 この稼働率につきましては、さまざまなシミュレーションを行っている最中でございます。
 仮に、広告の販売稼働率が年間八〇%の稼働をした場合には、五年程度でもって回収できる見込みでございます。

○いのつめ委員 五年で回収ということは、設置費だけでも二百万以上の広告料を使わないといけないわけで、これに維持管理費が加わるわけですから、一年間の広告は、ここから計算すると二百万以上になるのかなと思います。仮に減価償却期間を二十年として維持管理費を計算し、整備費が五百万だと、一カ月の広告収入は大体五万円くらいになるというような試算をしているところがあります。一千万だと倍の十万、これは二十年の償却期間で十万ということですけれども、広告料は設置場所で東京都の場合は異なるのか、幾らぐらいに設定するのか、お聞かせください。

○佐藤資産運用部長 設置場所によりまして、広告価値は異なります。しかしながら、料金設定や販売方法につきましては、セット販売等も含めまして、現在検討を行っているというところでございます。

○いのつめ委員 仮に広告収入がコンスタントに得られるとしても、またそれに加えて、広告が都市景観に配慮したデザインなのかどうか、また、首都東京にふさわしい良質な広告をつけていくことが必要だと考えます。
 そこで、広告審査などはどのような体制で行うつもりなのか、お伺いいたします。

○佐藤資産運用部長 一般車両の通行に支障を来さないようなデザインや色彩、及び都市景観との調和の観点から、デザイン審査基準、広告審査基準等厳しく設定をしまして、さらには外部審査機関、自主審査体制など、二重三重の審査体制を構築してまいります。

○いのつめ委員 最近は、これで景観に配慮しているのだろうかと疑問に思うようなデザインのラッピングバスを見かけることがあります。
 交通局は、決算特別委員会で、ラッピングバスの広告収入改善策は、費用対効果を高められるような商品開発の実施、デザインのよい広告を掲出し、媒体価値向上を図ると答弁されました。
 ラッピングバスには資本投下がなく、しかしながらこのような状況です。一基一千万円もかけると、百基で十億円になりますけれども、ラッピングバスの二の舞にならないように努力をしていただきたいと思います。広告つき上屋の広告は、ぜひ首都東京にふさわしい広告だと評判になるよう、期待しています。
 広告に対して幾ら統一審査基準を厳格に運用したとしても、広告を掲載する上屋がさびていたり、ごみが散らかっていたり、ひびが入っていたり、電気が切れていたりしていては、良質の広告は集まりません。そしてそれが収益につながらず、マイナスに働いていきます。迅速な修理、メンテナンスが不可欠です。
 上屋の維持管理は、だれがどのように行うのでしょうか、お聞かせください。

○佐藤資産運用部長 上屋の躯体につきましてはステンレス製を用いておりますので、まずさびは出ないかと思いますが、維持管理につきましては、交通局が民間事業者に委託をしまして、定期的に巡回を行って、清掃等万全な管理体制を構築してまいります。

○いのつめ委員 行政が直接事業を行うことは、この上屋つき広告事業ですけれども、国内はもとより、世界でも例を見ないことです。交通局が自前で設置費用を投資し、自前で広告を集め、自前で維持管理するなど、相当の労力を費やす事業だと思います。
 公営交通は、安全に快適に正確にお客様を運ぶことが使命です。横浜市は民間広告会社にすべて任せ、既に百基を超えて上屋が整備されました。そして、市民の評判もなかなかだと聞いています。
 そこで、交通局の負担を減らし、貴重な資本を使わず、職員の労力は本来の業務に向けていくためには、この事業を進める地方の多くがそうであるように、民間広告会社とのタイアップをするべきと考えますが、いかがでしょうか。

○松下参事 他都市で事業を進めております民間事業者とのタイアップについては、検討を行ったところでございますが、バス停留所上屋の所有権の帰属や、利益配分などの条件で双方の主張の乖離が大きかったことから、交通局がみずから広告つき上屋を設置することといたしました。

○いのつめ委員 一基当たりの整備費を東京都は一千万円と予算を立てているのであれば、それなりの世界的なブランドや、全国ブランドによる広告掲示が不可欠であると思われます。
 地域の商店街やさまざまな施設が、このようなブランドと同等の広告費を負担できるはずはありません。しかし、地元商店街の情報を発信し、日常的に利用するバス停を、地域の振興に役立つような基地に利用するお考えはないのでしょうか。
 例えば、広島県尾道市では、プラットホーム・おのみちというNPOが運営している、どこでも博物館というものがあります。これは、尾道市内の観光地に設置されたナンバーを携帯電話に入力すると、詳細な情報を携帯電話で見られる地域観光情報検索システムです。これに付随して、商店や飲食店の情報も提供しているのです。お店ごとのQRコードをバス停留所に設置し、携帯電話でバーゲン情報などが入手できるのです。
 このように、観光情報の提供や待ち時間がわかるシステムなど、利用者へのサービス向上を視野に入れて、広告つき上屋の整備をしていくべきと考えます。
 また、広告つき上屋の周辺の商店街、地元商店街が参画して地域の情報を提供し、地域メリットがあるように整備していくべきだと私は考えますが、交通局では視野に入れていただけるのでしょうか、お聞かせください。

○松下参事 広告つき上屋には、従来から行っている周辺地図や周辺の飲食店紹介ページを携帯電話で見ることができるサービスや、バス接近表示装置を組み込むこととしております。
 なお、壁面には広告枠のほか、バスを利用されるお客様に必要な時刻表、路線図、周辺地図等を掲出することとしており、それ以外の情報を掲出する考えはございません。

○いのつめ委員 残念です。QRコードというのはこのくらいの小さいものなので、地域商店街の活性化に、バス停留所が門戸を開放すると喜ばれるのではないかとお伺いいたしましたが、残念です。
 それに伴って、こういうQRコードなどがついていることによって、待ち時間が、こういうものを見ている間、短く感じられるのではないかと考えたわけですが、将来的に、ぜひ検討していただきたいと思っています。
 そして、私は、昨年、ブラジルに視察に行かせていただきましたときに、クリチバという市で、バスの交通網の発達を見てきましたが、まさしく市民の足としてバスが利用されていて、車が、自家用車が減っている、道路もバスが優先して走るというような状況でした。
 そのバス停留所は駅のようになっていて、そこには一人、人が座っていて、バスが来る前に改札が済んでしまいますので、バスが来たときには速やかに乗りおりだけですから、十秒くらいでバスが発車していくという、まあ、東京でこんな人件費を使ったことはできないとは思いますけれども、将来的に、バス停留所で改札が、カードなどをかざすことによって改札が済んでしまっていれば、ワンマンバスでの料金を払うときのごたごたがなくなって、スムーズにバスが走れるのではないかと考えていますけれども、こういうことに将来的にはバスの上屋を、またバス停留所を新しいシステムに変えていくように考えていただきたいなと思っています。
 私は、そもそも国土交通省が広告つき上屋の規制緩和をした本来の趣旨は、民間会社の活力を活用して、広告収入で上屋の整備を促進していこうというものであったはずではないかと考えています。
 東京都が自前でやるのは、ちょっと趣旨に反するのではないかと思います。民間会社が何年もかけて規制緩和を実現させた、この民間会社の努力を考えると、東京都がやってしまうと、何かトンビが油揚げさらったような感がいたします。
 バス営業所の民間委託は、本来の民間委託の目的である民間のサービスを取り入れ、よりお客様に喜んでもらえるバス運行を目指すはずが、安い賃金の運転手さんを雇うことで、経費削減が大きな目的になってしまっています。東京都が賃金格差をつくり出しているといわれても、おかしくない実態ではないでしょうか。
 そして、規制緩和が行われ、民間活力導入は、資本投下なしに利用者に快適にバス停留所を使用してもらい、民間企業には利益を分配するということが行われます。どうも、東京都が行う民間との協働は、民間を泣かせているように思われますが、原点に返ってお考えを伺いたいと思います。
 改めて、広告つき上屋事業の規制緩和と、民間活力導入に対する交通局の考えをお伺いいたします。

○松下参事 広告つき上屋事業における規制緩和の趣旨は、バス停上屋に壁面を設け、広告を掲出して収入を得ることを認めることにより、上屋の整備を促進するというもので、必ずしも民間活力の導入を前提とするものではないと認識してございます。
 先ほどもご答弁させていただきましたが、広告つき上屋事業については、民間事業者とのタイアップも検討いたしましたが、条件面で折り合いがつかず、交通局みずから実施する方が有効と判断したものでございます。
 今後とも、規制緩和による民間活力の導入につきましては、事業の性質などによって効果的な場合とそうでない場合があることから、それらを的確に見きわめ、有効に活用をしてまいります。

○いのつめ委員 民間の五倍以上の費用をかけて上屋をつくって、広告という変動性の高い、リスクのある事業を、あえてみずからが行う必要性があるのか、疑問です。勇気は認めますが。
 先進各国の公共交通は、ほとんど東京都と同様に公共が経営しています。彼らがなぜ民間広告事業者にこのような事業をやらせているのか、それは、民間に任せることで、交通事業者にとって一切のリスクも、コストの負担もなく、上屋の整備ができるからだと思います。清潔で使いやすい上屋を整備することが目的であるのならば、リスクもコストもかからない方法を選択するべきではないのでしょうか。
 岡山市、横浜市などで事業を実施している民間事業者に限っていえば、この四十年以上の事業の歴史の中で、ヨーロッパ、世界じゅうで一度も中途で事業がとんざした都市はないと聞いています。それでもなお、みずから事業を行う意図と意義は何でしょうか。民間事業者と折り合わない条件とは、先ほど聞きましたけれども、それ以外に何かあるのでしょうか。
 東京都は、世界でも有数の経済都市であります。広告価値も高い、広告事業者にとってみれば、世界で一番収益性のある都市といっても過言ではない。つまりそれは、東京は世界で一番、交通事業者にとって有利な条件を引き出せる都市であるということです。であれば、折り合いのつかない条件があるのであれば、東京都が要求している条件が少しきつ過ぎるのかな、もっと民間事業者との協議を行ってはどうかと、また、なぜ事業公募もせずに民間事業者と条件が折り合わないといえるのか、民間事業者にしかるべき形で提案をさせるのはいかがであろうか。もう少し深く検討していただきたいなと思ったことがございますが、この広告バス上屋事業が失敗しないように警鐘を鳴らさせていただいて、質問を終わらせていただきます。

○初鹿委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 報告事項及び事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○初鹿委員長 異議なしと認め、報告事項及び事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。
 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十九分休憩

   午後三時十二分開議

○初鹿委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより下水道局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○野口総務部長 さきの委員会で要求のございました三項目につきまして、お手元に公営企業委員会要求資料として配布させていただいております。その概要について、ご説明を申し上げます。
 一ページをお開き願います。平成十一年度から平成十八年度までの主な浸水被害状況でございます。
 発生日、災害名、浸水戸数をお示ししてございます。
 恐れ入ります、二ページをお開き願います。下水道事業における公共雨水浸透ますの設置状況でございます。
 平成六年度から平成十八年度までの設置個数についてお示しをしてございます。
 恐れ入ります、三ページをお開き願います。区部下水道事業における下水道料金収入等の推移でございます。
 平成六年度から平成十八年度までの下水道料金収入、建設事業費、維持管理事業費等の推移についてお示しをしてございます。
 簡単ではございますが、以上で要求資料についての説明を終了させていただきます。
 よろしくお願いいたします。

○初鹿委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○崎山委員 私は、マンホール浮上抑制対策について、お伺いいたします。
 内閣府が報告した平成十九年版防災白書によれば、過去十年の間にマグニチュード六以上の地震は世界で約九百回、そのうち二〇%以上が日本で発生しています。
 また、三十年以内に七割の確率で大きな地震が発生をすると東京では予測され、地震対策はインフラ整備に必須の条件となっています。
 余談ですか、今月初めに済州島に行ってきました。台風のお見舞いに市長さんのところも訪れまして、雑談をしておりまして、現地のガイドがこういう話をしました。
 自然災害についての話をしたのですけれども、一度も地震の経験がない、地面の揺れを一回も感じたことがないという話をされまして、地震対策、インフラ整備は日本独自の工夫が必要なのかなというふうに思ったところであります。
 ことし七月に発生したマグニチュード六・八、震度六強を記録した新潟県中越沖地震では、暮らしに欠かせないライフラインが大きな被害を受け、水道の復旧には十九日、下水道は二十九日、都市ガスにおいては四十二日を要し、住民生活に大きな支障が生じました。
 また、地盤の液状化が発生し、道路で多くの下水道マンホールが浮上したことによって車両の通行ができなくなり、消防救助活動や応急復旧活動に支障を来したことは、記憶に新しい話であります。
 東京には、政治や経済などの中枢機関が多くあります。これらを結ぶ幹線道路が縦横に張りめぐらされており、仮に東京で同様な地震が発生し、マンホールが浮上した場合、首都機能への影響の大きさははかり知れないものとなります。
 第三回定例会でこの問題を取り上げた我が党の秋田議員の質問に対し、下水道局は、震災時の車両通行機能を確保するため、マンホールの浮上抑制対策を重点的に実施すると答えています。
 都が昨年公表した首都直下地震による東京の被害想定を見ると、液状化の危険性が高い地域は、主に区部東部に広く分布しており、首都直下地震がいつ起きてもおかしくないといわれている今、一刻も早く対策を進めるべきだと思います。
 そこで、マンホールの浮上抑制について、何点かお伺いいたしたいと思います。
 普通に考えると、マンホールのようなコンクリート製の重いものが、沈みこそすれ簡単に浮き上がるとは思えません。マンホールが浮上する仕組みを、わかりやすく説明をしていただきたいと思います。

○高橋技術開発担当部長 マンホールが浮上する仕組みについてですけれども、地下水で満たされた砂質の地盤は、強い地震動を繰り返し受けますと、地下水圧が上昇し、砂粒子と地下水とのバランスが崩れてしまい、砂粒子が自由に動き回れる泥水の状態、いわゆる液状化現象が起こる場合がございます。
 一方、下水道のマンホールは、重いコンクリート製ではございますが、内部が空洞で、全体としての比重は液状化した泥水より小さいため、液状化が発生しますと、大きな浮力を受けまして浮上いたします。
 また、浮上したマンホールの下部には液状化した砂粒子が入り込んでしまうため、液状化がおさまった後、この砂がマンホールの沈下を妨げ、マンホールは浮上したままの状態になってしまいます。

○崎山委員 地震によって地盤の液状化現象が発生し、マンホールが浮上する仕組みはよくわかりました。
 では、この液状化によるマンホールの浮上を抑制する方策、手法について、お伺いいたしたいと思います。

○高橋技術開発担当部長 下水道局では、これまでマンホールの新設や取りかえの際には、液状化が発生しにくい改良土を埋め戻し土に使用いたしまして、マンホールの浮上の抑制を図ってまいりました。
 これに対しまして、今回開発した工法は、既に設置してありますマンホールを対象といたしまして、地震時にマンホール周辺の水圧が上昇した際に、その水圧をマンホールの内部に逃がすことで、周辺地盤の液状化を抑える技術でございます。
 具体的には、マンホールの壁に取りつけました消散弁と呼ばれる装置が、地下水圧がある一定まで上昇しますと、自動的に弁が外れ、マンホール内部に地下水が流れ込み、地下水圧の上昇を防ぐものです。
 マンホールの内部から装置の設置工事が行えることから、道路の掘削も必要なく、周辺の道路交通への影響も少なく、効率的かつ経済的な工法でございます。

○崎山委員 道路の掘削を伴わずに、既存のマンホールの改良作業だけでできるこの工法は、さまざまなライフラインが地中に埋設され、かつ交通量の多い東京の道路事情に適したものだと思います。
 この新たな技術を用いたマンホールの浮上抑制対策は、具体的にどのような道路を対象に行うのか、伺います。

○小川計画調整部長 東京都の地域防災計画では、震災時の救助や救急医療活動、緊急輸送を行うために、緊急輸送道路などのネットワークを整備することとしております。また、避難場所に迅速かつ安全に避難するための避難道路を、あらかじめ指定しております。
 区部では、緊急輸送道路が約一千キロメートル、避難道路が約百キロメートル、指定されております。
 これらの道路のうち、液状化の危険性が高い地域にある約五百キロメートルを優先して、対策を進めてまいります。

○崎山委員 消防、救助活動が迅速に行われることや、避難者が道路を速やかに移動できることは大変重要であり、緊急輸送道路や避難道路の通行機能が確保されることが必要不可欠であります。
 こうした道路を対象に事業を行うことは評価できますけれども、これらの道路には、どれくらいのマンホールがあり、事業費はどれくらいかかるのか、工事予定箇所とコストについて、伺います。

○小川計画調整部長 緊急車両の通行機能を確保するため、緊急輸送道路や避難道路の車道部を最優先に、今年度から四カ年で約二千個のマンホールについて対策を実施してまいります。
 本事業に必要な費用は、調査、設計、施工を合わせて約二十億円を見込んでおります。

○崎山委員 ぜひともこうした対策を計画的に、着実に、早急に実施をしていただきたいと思います。
 震災後の車両の通行機能を確保することは非常に重要なことであると同時に、下水道管の破損防止にもつながります。また、雨水の排除や汚水の処理を滞りなく行う下水道本来の機能を確保することも、都民にとっては必要不可欠であります。
 そこで、下水道機能を確保するための具体的な取り組みについてお伺いをいたします。いかがでしょうか。

○小川計画調整部長 下水道機能を確保するために、下水道管渠の対策といたしましては、マンホールの浮上抑制対策のほか、避難所などからの排水を受け入れる管渠とマンホールとの接続部の耐震化を進めております。
 また、水再生センターやポンプ所では、汚水処理機能を確保するため、液状化により大きな被害を受ける護岸の耐震化や、雨水排除機能を確保するため、放流施設の耐震化を実施しております。
 このほか、停電時への対応を図るため、非常用電源の整備や、断水時でも運転できる、冷却水を必要としない無注水型ポンプの導入などを進めているところでございます。

○崎山委員 下水道本来の機能確保についても、着実に取り組まれているとのことであります。安心をいたしました。
 最後になりますが、今後の震災対策に向けた局長の決意を伺って、私の質問を終わります。

○前田下水道局長 下水道局では、経営計画二〇〇七におきまして、震災対策の推進を重点事業に位置づけ、首都直下地震などによる震災が発生した場合でも下水道機能を確保するため、下水道管渠を初め、水再生センターやポンプ所の施設の耐震化を推進しております。
 今回、首都機能の迅速な復旧を図るため、車両通行機能を確保するマンホール浮上抑制対策を新たに進めることにいたしました。
 また、下水道施設が被災した場合に備え、既に他の政令指定都市との相互支援協定や、民間団体との応急復旧業務に関する協定を結んでいるところでございますが、これらについても、早期復旧に向け、さらに体制の充実を図ってまいります。
 今後とも、「十年後の東京」に掲げられた災害に強い都市の実現を目指し、局を挙げて震災対策に取り組んでまいります。

○大西委員 ここに、水使用についてのアンケート調査、ご協力のお願いというのが、下水道局さんから出ているわけでございますが、これについてまずお伺いいたします。
 水の使用量がどのような要因によって変動しているのかを明らかにするということとともに、今後の下水道事業の参考とするということを目的として、この水使用についてのアンケート調査を今年度下水道局では実施しており、現在、集計、分析作業が進められているということを聞いておりますが、この調査の大きな目的は今述べましたが、下水道局としては、どのような問題意識のもとに本調査の実施を考えたのでしょうか。

○佐藤経理部長 本調査の実施目的についてでございますが、下水道料金収入は経営の根幹をなすものでありまして、水需要の動向の把握は、下水道事業の運営にとって極めて重要でございます。
 料金収入に関する長期的な傾向を見てみますと、下水道の使用件数は増加している一方で、一件当たりの使用水量は減少し、料金収入は逓減傾向にあります。
 これは、料金単価の低い小口使用者、使用水量が一月当たり五十立方メートル以下のお客様を小口使用者といいますが、この小口使用者がふえていることや、さらに、小口使用者の一件当たりの使用水量も減っていることによるものでございます。
 この理由といたしましては、節水意識の高まりとともに、節水型家電製品が普及していることや、使用水量の少ない単独世帯が増加していることなどが要因になっているのではないかと考えられます。
 そこで、これを検証するために、小口使用者を対象とする調査を行うことといたしました。

○大西委員 下水道料金収入に言及がありましたが、近年では、下水道の使用件数がふえている一方で下水道料金収入は逓減傾向にあるということが、調査の問題意識の背景にあるのだと考えます。
 では、具体的にどのような調査項目となっているのでしょうか。

○佐藤経理部長 使用水量が季節変動、節水意識と節水行動、ライフスタイルなどの要因によって変動しているのではないかと考えまして、季節変動につきましては、季節ごとの入浴回数や洗濯回数など、節水意識と行動につきましては、節水機器の現在の使用状況と今後の使用見込みなどを、ライフスタイルにつきましては、ペットボトルの購入頻度や炊事回数などを調査項目といたしました。

○大西委員 アンケート調査表の設計を含め、本調査の実施、取りまとめは民間のコンサルティング会社に外部委託されておりますが、この委託契約は競争によるものですか、それとも、随意契約によるものでしょうか。また、その契約方法を選択した理由をお伺いいたします。

○佐藤経理部長 下水道事業の運営にとって極めて重要である水需要の動向分析を行うことから、コンペ方式を採用いたしまして、単に価格だけではなく、調査企画力や分析手法などの調査内容を重視した審査の結果、最もすぐれたものを相手方として、特命随意契約といたしました。

○大西委員 コンペ方式ということで、企画、提案のあった中から、審査によって最良とされた企画、提案者を選択したということであろうと思います。
 ところで、このアンケート調査のフェースシートに盛り込む調査項目は、アンケートの回答者の基本属性を把握するとともに、回答者に偏りがないかどうかの確認、クロス分析や相関分析のためにも、とても重要でございます。フェースシートといわれるのは、性別や年齢などの回答者の基本属性を尋ねる質問のグループであり、かつては調査表の第一ページに置かれていたため、その呼び名で今でも呼ばれているものですが、この調査表を拝見したところ、回答者の基本属性についての質問であるフェースシートが最初になっていますが、その理由は何でしょうか。

○佐藤経理部長 アンケート調査における基本属性の聞き方につきましては、いろいろな手法があることは認識しております。
 本調査では、回答者がスムーズにアンケートに入れるよう、事実の有無だけで回答が可能な、回答者の職業、家族構成などの基本属性を最初に配置しまして、それ以降に判断や考察が必要となる項目を並べる方法をとったものでございます。

○大西委員 今の答弁では、回答のしやすさという観点からフェースシートを最初に持ってきたという説明でありますが、特に今回のアンケート表では、年収とその増減という、特にその扱いを慎重にした方がよいとされる問題が、フェースシートの二番目に入っています。
 また、家を買いましたかとか、今後買う予定はありますかとか、そういういろいろなことまでフェースシートの二番目に入っているわけで、説明とはちょっと矛盾しているようにも思います。
 そこで、年収とその増減を調査項目に入れている理由は何でしょうか。

○佐藤経理部長 年収とその増減を調査項目に入れた理由についてでございますが、近年の節水意識の高まりや節水行動は、使用水量に直接影響を与えるため、下水道料金収入の動向を分析する上で欠かせない要素でございます。
 年収とその増減、つまり家計の状況は、節水型家電製品の購入を初めとする節水行動に与える要因の中でも影響が大きいのではないかと考えまして、調査項目といたしました。

○大西委員 下水道局としては、年収に関する設問を、分析に必要な項目と判断したということは理解いたしました。また、この質問そのものが不適切だというつもりはございません。ただし、この質問が最初の部分に配置されることによって、回答者が回答する気をなくしてしまうという可能性が高まってしまうということが考えられます。せっかく予算を確保して調査を行っているにもかかわらず、調査表の回収率低下にもつながりかねないことであり、本当にもったいないことだと思います。
 アンケート調査の基本として、フェースシートは個人的なことに立ち入って聞くものであるので、回答者が調査に対する抵抗や反感、困惑を起こさないようにするため、また調査表の回収率を高めるためにも、通常は調査表の最後に回すことが、今、一般的になっています。
 今回のアンケート調査は、それから外れてしまっているということを、指摘しておきたいと思います。
 今回の調査では、下水道局でアンケート調査のノウハウがないということで外部にそれを求めたこと自体は、決して否定するものでもございません。このような調査は、現状分析や将来動向を探る意味でも重要であるし、既にノウハウを蓄積している民間企業も多いことからも、アウトソーシングしてしかるべき業務であると考えています。
 今後、アンケート調査を行う場合には調査表の細部にも配慮し、より多くの都民が回答しやすいものになるよう、改善につなげていただきたいということを申し上げておきます。
 続きまして、環境保全の取り組みについてお伺いいたします。
 下水道事業では、大量の下水を処理して快適な水環境を創出する一方、その過程で大量のエネルギーを消費していることから、多くの温室効果ガスなどを排出しており、環境に負荷を与えています。
 下水道局では、より環境に配慮した事業運営を図るため、平成十一年度に都庁で初めてISO一四〇〇一の認証を取得し、環境マネジメントシステムを運営して、環境負荷の継続的な削減に努めていると聞いています。
 こうした取り組みは、環境報告書として、ホームページで都民に公開されてもいます。この中で、平成十七年度におよそ七万トンのCO2を削減しており、これは山手線内の面積の約三倍の森林が一年間に吸収する量に匹敵するとのことでもございます。
 そこで、平成十八年度の温室効果ガス削減量と、どのような取り組みによってそのような結果となったのか、お伺いいたします。

○小川計画調整部長 温暖化ガス削減の取り組みについてでございますが、下水汚泥の焼却時に発生する温室効果ガスが高温で焼却することにより大幅に削減できることから、焼却炉の改良や建設を実施したほか、水処理機器などの更新時に、新技術を活用した省電力型機器の導入を推進しております。
 また、汚泥の処理過程で発生する消化ガスを燃料にしたバイオマス発電など、再生可能エネルギーの活用に努めております。
 こうした取り組みによりまして、平成十八年度の温室効果ガスの削減量は、約十万五千トンとなっております。

○大西委員 温室効果ガスの削減量は、平成十七年と比較して一・五倍ということで、削減が進んでいることがわかりました。温室効果ガスの削減は、地球温暖化対策としても不可欠の施策であるので、これからも継続的に取り組んでいただきたいと思います。
 現在公表されている環境報告書では、平成十七年度の環境保全対策の取り組みにより、およそ二十一億円の経済効果があったともしております。
 そこで、平成十八年度における経済効果はどのようになっているのか、お伺いいたします。

○小川計画調整部長 環境保全対策に伴う経済効果は、環境保全対策を進めた結果、下水道局の利益に貢献した効果でございまして、再生水の売却などによる収益と、建設発生土再利用による処分費、あるいは再生可能エネルギーの活用によるエネルギー費の節減の合計額でございます。
 平成十八年度の経済効果は、二十一億六千万円となってございます。

○大西委員 環境保全対策に伴う経済効果が多岐にわたっていることは、理解いたしました。
 環境マネジメントシステムの運用によって、環境を保全することはもちろんのことですが、経済的な効果も上げていることは評価したい。しかし、今後、環境マネジメントシステムをより効果的に運用するためには、システム全体を見直し、改善していくことも当然必要だと考えますが、下水道局としてはどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

○小川計画調整部長 下水道局では、環境マネジメントシステムにより環境方針を定め、目的と手段を明確にして環境負荷の低減に継続的に取り組んでいるところでございますが、今年度中には、飲料水及び下水のサービス活動に関するISOの新しい国際規格が発効する予定となっています。
 今後ともこうした規格との整合を図りながら、下水道事業の特性を生かした環境マネジメントシステムとして改善し、効果的な運用に努め、一層の環境負荷の低減に取り組んでまいります。

○大西委員 環境マネジメントシステムを運用することで、環境を確実に保全し、経済的な効果も上げ、さらには職員の環境意識を向上させることができると思います。
 今後も環境マネジメントシステムの効果的な運用を図り、環境保全への取り組みに力を入れていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○伊藤委員 私からも、下水道局の事務事業に関連して、資源の有効利用について質問をさせていただきます。
 都は、昨年策定した「十年後の東京」で、世界で最も環境負荷の少ない都市を実現することとし、十年後の姿として、廃棄物の発生抑制やリユースを一層推進するとともに、多様なリサイクルシステムが構築され、資源がむだなく利用されているとしております。
 こうした観点から下水道に目を向けると、東京には一千二百万人の都民が暮らし、また、多くの人々が首都東京で都市活動を営んでいるわけでございますから、これらの人々が排出する下水の量は、膨大な量になっていると思います。
 下水道局は、この膨大な量の下水を処理し、その過程で発生する大量の汚泥や汚水を資源化していることから、リサイクルシステムの重要な一翼を担い、循環型社会の形成に大きな寄与をしているといえると思います。
 そこで、まず汚泥について、下水道局が取り組んでいる資源化はどの程度進んでいるのか、伺います。

○小川計画調整部長 下水道局では、一日に約五百七十万立方メートルという膨大な量の下水を処理しており、その処理過程で大量の脱水汚泥が発生しております。
 このため、従来から資源循環型社会の形成や埋立地の延命化に向け、この脱水汚泥を焼却し、減量化するとともに、焼却灰の資源化に積極的に取り組んでおります。
 平成十八年度には、年間に発生した百二十五万トンの脱水汚泥のうち、八十九万トンを資源化しております。

○伊藤委員 脱水汚泥を焼却して資源化に取り組んでいるということでありましたけれども、私は、先月、小笠原を視察に行ってまいりました。
 そのときに、歩道に敷き詰められたれんがを見ました。現地の方に説明を聞くと、そのれんがは、下水道局が汚泥からつくったメトロレンガというもので、主に歩道などの舗装材料に使われているということでありました。都心から一千キロメートル離れた小笠原のまちづくりに下水道局の取り組みが生かされていることを知り、大変にうれしく思いました。
 そこで、こうした汚泥を資源化するメニューはどのようなものがあるのか、伺います。

○小川計画調整部長 下水道局では、民間と連携した技術開発を推進し、多くの資源化メニューの開発を行ってまいりました。
 現在は、焼却灰を道路の舗装に使われているアスファルトやコンクリートの原材料として資源化しているほか、屋上緑化などで土のかわりに用いられる軽量細粒材や、粘土などの建設資材のかわりとなる粒度調整灰に加工して、資源化を図っております。
 さらに、メトロレンガにかわる新たな資源化メニューとして、焼却灰とセメント等をまぜて、焼かずに押し固めてつくる無焼成ブロックを、今年度から追加しております。

○伊藤委員 今年度からメトロレンガにかわる新たな資源化メニューとして、無焼成ブロックを追加したということでありますけれども、メトロレンガは、高温で焼いて形成する製品でありますので、焼くためにはまた新たなCO2を排出してしまうというわけで、一方、無焼成ブロックは熱を加えない製造方法で、地球に優しい製品であり、画期的な取り組みと思います。
 その経緯並びに効果や特徴はどういうものか、伺います。

○宇田川技術部長 メトロレンガにつきましては、製造設備が老朽化したことに加え、需要が低迷していたことから、安定的に資源化を進めていくためには、メトロレンガにかわる新たなメニューを確保する必要がございました。
 このため、製造技術や販売方法を含めまして、民間の提案やノウハウを活用し、新たな資源化製品の検討を進めてきた結果、無焼成ブロックを資源化メニューとして加えることといたしました。
 この無焼成ブロックの特徴といたしましては、メトロレンガにはなかった透水性を有するとともに、お話のとおり、高温で焼くという工程をなくしたことで、温室効果ガスを削減する効果がございます。
 また、当局が製造設備を保有し、製品を製造、販売するメトロレンガと比べまして、無焼成ブロックにつきましては、民間事業者のプラントで製造するため、資源化経費を抑制できます。さらに、製造者の持つ流通ルートを活用することによりまして、販路の拡大も図ることができます。

○伊藤委員 CO2の排出や、また経費の抑制とともに、販路の拡大も図れるということであり、大いに期待をする製品でございます。
 さて、東京の下水道二〇〇七の二一ページに、区部における汚泥の資源化の内訳がグラフにされております。
 これを見ると、現状では、排出される汚泥のうちの三六%が埋め立てられているということでありました。埋立処分場の延命化を図るためにも、下水の処理過程で発生した汚泥を少しでも減量するとともに、汚泥の資源化メニューを多様化して、資源化率を一〇〇%に近づけていけることが理想であります。
 今後も、より積極的に汚泥の資源化を進めていただきたいと要望いたします。
 一方、水再生センターで処理された膨大な量の下水処理水についても、都市の中でさまざまな用途に利用できる貴重な資源であると考えます。
 下水道局では、処理水をさらに高度に処理した再生水をビルのトイレ用水などとして供給しており、この都議会においてもトイレにも再生水が利用されていることは、私もよく知っております。
 そこで、現在、この再生水の利用事業の内容について伺います。

○小川計画調整部長 再生水は、ビルのトイレ用水やヒートアイランド対策としての道路散水用水など、再生水利用事業として、西新宿、品川駅東口、大崎など五地区で、一日当たり平均八千七百立方メートルを供給しております。
 ことしの夏からは、永田町及び霞が関地区への供給を開始し、平成二十年度には新たに八潮及び東品川地区で再生水を供給する予定でございます。
 また、潤いのある水辺空間を創出するために、目黒川などの城南三河川や玉川上水などへ、清流復活用水としても再生水を供給しております。
 今後とも、都市の貴重な水資源である再生水の利用拡大を図ってまいります。

○伊藤委員 私の地元の品川区においても、目黒川への清流復活用水として供給をされていたり、来年度からは八潮及び東品川地区への再生水供給が開始される予定であるということで、水の循環利用がさらに進むということは、大変にうれしいことであります。
 また、ヒートアイランド対策の一環として、道路散水用水として再生水を供給しているということでありますけれども、道路散水は、道路面の温度の上昇を抑えるために有効な手段であると思いますので、道路管理者などと連携をして、再生水の利用拡大に向け積極的に取り組んでいただきたいと要望いたします。
 これまでの質疑で、下水道局が、下水の処理過程で発生した汚泥や再生水を積極的に資源として活用し、循環型社会の形成に力を入れて取り組んでいることは、よく理解できました。
 下水道事業は、東京都全体の事務事業活動の中でも最も多くの温室効果ガスを排出しているというふうにいわれておりますけれども、私はその逆に、循環型社会形成に最も貢献しているのが下水道事業であるというふうに思います。
 最後に、今後、下水汚泥の資源化や再生水の有効利用などを局としてどのように進めていくのか伺い、質問を終わります。

○前田下水道局長 下水道局では、循環型社会の形成に貢献するため、汚泥の資源化や再生水の有効利用を積極的に推進しております。
 下水汚泥の資源化に当たりましては、ユーザーのニーズに合った製品を開発することや、長期的に安定した市場を確保することが必要でございます。
 このため、新たなメニューとして無焼成ブロックの製造を始めましたほか、民間と連携して、汚泥から炭化物を製造し、石炭火力発電所の代替燃料とする事業を今月の末、来週になりますが、今月の末から開始する予定でございます。
 また、再生水の利用拡大につきましては、大規模な開発地域などを対象に、供給地区の拡大を図るとともに、より安価で良質な再生水を提供するため、新たなろ過技術の開発にも精力的に取り組んでおります。
 今後とも、「十年後の東京」に掲げる、世界で最も環境負荷の少ない都市の実現に向けて、一層の汚泥資源化の推進や再生水の利用拡大に積極的に取り組んでまいります。

○たぞえ委員 私からは、老朽化対策について伺います。
 大正五年ごろから昭和三十年代に建設された排水管は老朽化して、今、更新の時期を迎えています。耐用年数を超えている管渠は二千キロメートル、全体の一三%を占めていますが、その中でも、千代田区、中央区、台東区など、耐用年数が経過した中心区ではどういう状況になっているのか、お示しいただきたいと思います。

○桜井施設管理部長 下水道が早くから整備をされました、千代田、中央、台東の三区におきましては、約八割の管渠が、法定耐用年数でございます五十年を超えております。

○たぞえ委員 台東区で八三%、千代田区で八一%、中央区で七四%、それ以外にも、新宿区など山手線の内側エリア、相当な地域で耐震、老朽化の耐用年数が経過している、まさにこれは東京の最大の大きな課題だというふうに思います。
 こうしたエリアで、老朽化した管渠が破損して、周辺の土砂を引き込んで、道路下面の空洞化、そして道路陥没、これが今、実際、年間一千件起こっているわけですが、特に都心部、人口が集中している地域では、重大な社会経済活動への影響を及ぼしているというふうにいわれています。
 この老朽化対策を講じないと、十年後には二倍、五十年後には十四倍というふうに下水道局も予測していますが、まさに待ったなしの状況であるというふうに思います。
 これを解決する上で、局は再構築で進めていく、こういう計画でありますが、再構築というのは要するに取りかえるわけですから、過大な投資と時間がかかって、緊急対応がなかなかできない。
 一昨日、テレビで、なるほどなという放送があったので見ていたのですが、北海道のある鉄道線で駅が陥没して地面の下に食い込んでしまった。ここは、緩い地盤だというんですね。しかし、鉄道ですから毎日電車は来る、駅を建てかえるというわけにいかない。そこで、日本の技術を活用して、地面に潜ってしまった駅を、特殊剤を一番潜ったところに注入すると、それが膨張して、潜った建物が一気に上に上がってくるという工法なんだそうです。
 見る見るうちに液が固形物になって、もとの駅の姿に立派に復元がされたと、短時間でこれができたという放送で、なるほど、日本の技術の更新力というのはすごいなというのを感じました。
 こういう多様技術が生まれている中で、現在の管渠の延命化対策も大変大事だと思うのですが、どういうふうに局としては延命化を図っていこうと考えていらっしゃるのか、お願いします。

○桜井施設管理部長 下水道管渠の老朽化対策といたしましては、先生お触れになりましたような計画的な再構築とあわせて、適切な維持管理による延命化というものを、着実に行っております。
 このうち、維持管理の延命化といたしましては、巡視や点検などの日常的な維持管理の充実を図るとともに、テレビカメラなどによる調査を実施し、計画的な補修による予防保全を重視をした維持管理に努めているところでございます。

○たぞえ委員 ぜひそういう方向での促進を図っていただきたいと思います。
 もう一つ、老朽化対策で大変危惧していますのは、都心部で、今活発に行われている都市再生によって、下水道の大きな負担が生まれているという問題です。
 私の地元の隣の渋谷区ですが、都市再生特区ということで、渋谷駅東口の東急文化会館跡地の開発が今行われておりまして、完成すると、このビルは延べ床面積十四万平方メートルという、巨大な開発です。
 この地下には十三号線、東急東横線との乗り入れということで、まさに渋谷のメッカになろうという計画でありますが、当然、下水排水の量は、これまでにないようなものが発生をしてくるんです。
 下水道局は、現在、ポンプ所から主要管渠、そして水再生センターにと、国の補助対象範囲で事業をやっておりますが、問題は、そういうエリア以外の、昼間人口が集中している地域での新たな下水排水の発生、一体これをどうするのかということだと思うのです。
 面整備で、やはり取り組まなければいかぬのは、開発原因者の責任というのでしょうか、負担をきちんと求めていかないと−−というのは、私の地元世田谷で、千二十戸のマンションができました。
 その周辺は農地であるために、保育園はない、幼稚園はない、スーパーもない、バスは一日六便しかない、そこに人口四千人がどんと発生しまして、そういう生活の資本がないところにできたものだから、大変不便な町に、新しい方々は住まざるを得ない。当然、排出される下水排水も、それをストックできるだけの器が小さいということで、大騒ぎになったのです。
 こういう問題について、やはり下水道局が、開発が行われたから、じゃあ、うちで排水工事をして快適な生活をつくりましょうということでは、下水道料金を徴収し、それを維持管理に使っている局としての役割は、大変おろそかにされてしまうのじゃないか。
 再構築が必要だというふうにおっしゃっていますが、ビル開発などによって生じた施設の新たな排水については、こうした原因者に対する措置を、毅然と求めていく必要があると思いますが、局としてはどういう対応をされているのか、伺いたいと思います。

○桜井施設管理部長 一定規模の開発が行われる場合には、開発者等にあらかじめ排水に関する事前協議書というものを提出をいただきまして、下水の排出量について協議を行うこととしております。
 この中で、排出量と公共下水道の能力との適合ぐあいを照査いたしまして、不適合な場合には、開発者の負担によって排水調整槽の設置であるとか、下水道管の改築などを指導しているところでございます。

○たぞえ委員 かつて、副都心ということが叫ばれて以来、副都心七つ以外のまちで巨大な塊が誕生していく。しかし、それに対応するだけの下水道局の財力があるのかというと、厳しいという話も聞きます。
 そこでいろいろクイックプランとか、下水道局は掲げていますし、経営計画だとか、いろいろ出てきますけれども、やはりまちの改変とあわせて、行政としてのチェック機能というのでしょうか、対応する方針というのを、毅然と持っていかないとならない。
 建物の敷地の中の排水を一時ストックする貯留槽というのでしょうか、そういうものもきちんと義務を堅持させる、そして、私道内から公道への排水の埋設物、これも四十年、五十年ということじゃなくて、場合によっては六十年、七十年使えるものも、開発者に負担をきちんとさせる。そして、自治体である東京都の下水道局が、そういう開発によってぐっと重みを背負って経営が困難になるということがないように、ぜひそういう点での努力を、引き続きしていただきたいというふうに思います。
 以上です。

○初鹿委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○初鹿委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時五十七分散会

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