公営企業委員会速記録第八号

平成十九年六月二十二日(金曜日)
第十委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長花輪ともふみ君
副委員長吉原  修君
副委員長松村 友昭君
理事串田 克巳君
理事野上 純子君
理事岡崎 幸夫君
福士 敬子君
そなえ邦彦君
崎山 知尚君
野上ゆきえ君
吉倉 正美君
大西さとる君
樺山たかし君
宮崎  章君

 欠席委員 なし

 出席説明員
交通局局長島田 健一君
次長金子正一郎君
総務部長高橋 都彦君
職員部長柴田 健次君
資産運用部長佐藤  守君
電車部長高根  信君
自動車部長斎藤  信君
車両電気部長室木 鉄朗君
建設工務部長鈴木  進君
参事鈴木 尚志君
参事兒島 弘明君
参事松下 義典君
参事中島  保君
参事橿尾 恒次君
水道局局長東岡 創示君
技監尾崎  勝君
総務部長鈴木 孝三君
下水道局局長前田 正博君
次長今里伸一郎君
総務部長野口  孝君
職員部長阿部 義博君
経理部長佐藤 仁貞君
計画調整部長小川 健一君
技術開発担当部長高橋 良文君
施設管理部長桜井 義紀君
施設管理担当部長星川 敏充君
建設部長黒住 光浩君
流域下水道本部本部長中村 益美君
管理部長梶原  明君
技術部長宇田川孝之君

本日の会議に付した事件
 交通局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百四十九号議案 東京都日暮里・舎人ライナー条例
 下水道局関係
付託議案の審査(質疑)
・諮問第二号 地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について
付託議案の審査(決定)
・第百四十九号議案 東京都日暮里・舎人ライナー条例
・諮問第二号 地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○花輪委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせしましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局及び下水道局関係の付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより交通局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百四十九号議案、東京都日暮里・舎人ライナー条例を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○崎山委員 日暮里・舎人ライナー条例について、幾つか質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 私は、かねてから日暮里・舎人ライナー、三セクの地下建から、地下鉄建設株式会社が運営するよりも、交通局直営でやった方がいろんなメリットがあっていいというふうに主張もいたしました。特にシルバーパスも利用できるということもあって、ぜひ進めていただきたいというふうに申し上げさせていただきました経緯があります。
 ことし二月の当委員会においても、私の質問に対して、交通局が運営主体となるべく事業譲渡の許可等について、国との調整を行っているという答弁をいただいたところであります。
 定例会の議案としても出されておりますけれども、日暮里・舎人ライナー沿線に住む皆さんにとってはやっぱり悲願でありまして、雨の日とか、本当に舎人から日暮里へバスで一時間ぐらいかかるのかな、弱かな、かなりの時間を渋滞で要するということもあって、やはり地元の皆様には一日も早い開業が望まれていたものだと思います。
 まずはおさらいという意味で、運営主体を東京都地下鉄建設株式会社から交通局直営で行うということが適当であるというふうに判断した理由及び国との調整内容についてお伺いをいたしたいと思います。いかがでしょうか。

○鈴木参事 交通局がみずから運営することが適当であると判断した理由でございますが、税負担の軽減などにより早期に経営が安定すると考えられること、また、こうした経営面だけではなく、都バスも含めまして、都営交通のネットワークを活用できること等でございます。
 一方、国との調整内容でございますが、開業前の事業譲渡につきましては、全国的にも初めての事例となることから、これまで具体的な手続やスケジュールも含めて調整を行ってまいりました。
 条例案の決定後、九月までには国土交通省に特許譲渡の許可申請の手続を行う予定でございます。

○崎山委員 次に、本条例案としても提案されておりますけれども、運賃についてお伺いをしたいというふうに思っています。
 交通局は、多摩都市モノレールであったり、「ゆりかもめ」の、過去これまで二つの新交通が開業しておりますけれども、今回の運賃設定に当たって、この両線の運賃について参考にしながら設定をしたというふうに聞いております。
 今回、日暮里・舎人ライナーは初乗りが百六十円で、終点が三百二十円ということでありますけれども、この両方、多摩都市モノレールと「ゆりかもめ」の運賃の設定はどのようになっているのか、比較をしてお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木参事 多摩地域を南北に結ぶ多摩都市モノレールにつきましては、初乗りが三キロまで二百円、それから臨海部の「ゆりかもめ」につきましては、初乗り二キロまで百八十円というふうになってございます。

○崎山委員 それでは、この両線を参考にしながら今回の日暮里・舎人ライナーの運賃を設定をしたわけですけれども、この日暮里・舎人ライナーの運賃設定の基本的な考え方についてお伺いをしたいと思います。いかがでしょうか。

○鈴木参事 運賃につきましては、開業後の経営の安定化と、それから競合する近接の他社路線との競争性等を勘案して設定したものでございます。
 具体的には、二キロまで百六十円、二キロを超え四キロまで二百二十円、四キロを超え七キロまで二百七十円、七キロを超え十キロまで三百二十円となっております。

○崎山委員 両方、多摩都市モノレールと「ゆりかもめ」と比較しても、割と低廉な料金設定なのかなというふうに思っております。
 私、地元でありますので、地元の日暮里駅から西日暮里、その次の赤土小前駅が百六十円区間で、次が、六百メートルぐらいしか離れていないんですけど、熊野前駅まで行くと二百二十円というふうに、一気に六十円上がるので、おやっと思ったんですけど、それでも交通局としては、トータルとして安い料金設定で今回、条例案として出されたということであります。
 また、第三セクターでやっています「ゆりかもめ」、それと多摩都市モノレールがありますけれども、やはりこれからは料金設定とあわせてもう一つの視点は、しっかりと健全な経営ができるのかどうなのかということがあろうかと思います。
 機能するバランスシートでも、やはりこういう事業を計画する段に当たって乗車見込みを過大にやり過ぎているとか、いろいろ指摘がされておりました。
 ぜひこの日暮里・舎人ライナーについては健全に運営をしていただきたいというふうに思っておりますけれども、乗客数はどのように見込んで、何年後に単年度黒字を見込んでいるのか、具体的に今の時点での考え方をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。

○鈴木参事 まず、乗客数についてでございますが、シルバーパス等の利用人員を含めますと、開業当初は一日当たり約五万一千人になると見込んでおります。
 また、経常収支の単年度黒字化につきましては、開業十五年目の平成三十三年度と見込んでおりまして、開業三十九年目には累積赤字が解消するものと見込んでございます。

○崎山委員 見込みは見込みで、あくまでもかたい数でということでやっておりますから、どうぞもっと大勢の方が利用できるように、いろいろまた工夫もしていただければというふうに思っているところでございます。
 次に、もう一つ、日暮里・舎人ライナーの今年度末開業にあわせて、やはり気になるところがあります。昨年の本会議でも私は交通局長に確認をさせていただいたんですけれども、今、日暮里と舎人間のバスが運行しております。具体的にいうと、日暮里−舎人二ツ橋間というんですかね、里48系統というのがあります。そして、尾久橋通りを通っていくバスはもう一系統ありまして、北千住から田端駅を経由して駒込病院に行く44系統という、二つの路線が今、バスが通っているわけですけれども、日暮里・舎人ライナー開業後、バスの運行について、去年の交通局長の答弁では、そのままバス路線は生かしていくというようなお答えをいただいたんですが、現時点での考え方を改めてお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。

○松下参事 日暮里・舎人ライナーの開業に伴い里48系統など並行、交差するバス路線については、採算面で大きな影響を受けることが予測されます。
 委員お尋ねの里48系統と端44系統については、高齢者などの利便性を確保する視点から、路線そのものは存続する方向で検討しておりますが、運行ダイヤについては、日暮里・舎人ライナー開業後の需要予測を踏まえ、適切に見直しを行ってまいりたいと存じておるところでございます。

○崎山委員 私も、開業後も同じダイヤでやってくれという話は、もちろん毛頭するつもりはないんですけど、やはり高齢者の多くの方が都バスも利用しておりまして、日暮里・舎人ライナーは高架でありますから、なかなか年配の方には、フラットで乗れるバスの方がやっぱり便利でありますし、ぜひできるだけの工夫をしながら二系統のバスを存続をしていただきたいというふうに思っております。
 最後になりますけれども、日暮里・舎人ライナーが今度、交通局が運営主体というふうになることがほぼ決まっておりますので、新局長に改めてその決意をお伺いをいたしたいと思います。よろしくお願いします。

○島田交通局長 日暮里・舎人ライナーの開業、運営は、今年度の交通局の最重要課題の一つでございます。私も新局長着任早々、現地を見てまいりました。沿線には、これから活用できます空間が多く、そのポテンシャルは非常に高く、日暮里・舎人ライナーの開業によりまして、地域の活性化が大いに期待できるものと認識してまいりました。
 現在のところ、既に車両基地が完成しております。また、新聞等でも出ておりましたが、走行試験もスタートいたしました。開業まで非常にタイトなスケジュールでございますが、現在のところ、工事並びに手続等順調に進捗しております。今後とも気を引き締めまして、今年度末の開業を実現してまいります。
 開業後は、お客様の安全を最優先にしつつ、先生ご指摘のありました経営の早期安定化を図り、都営交通ネットワークも最大限に活用し、日暮里・舎人ライナーが地域とともに発展するよう全力を挙げてまいります。

○崎山委員 最後に要望をさせていただきたいというふうに思っております。
 今、局長さんからもご答弁がありました。日暮里・舎人ライナーが地域とともに発展するように、ぜひ全力を挙げていただきたいと思います。
 また、新交通システムは、無人化というのが大前提だというふうに私も理解をいたしておりますし、地元区議会からずっと携わって見詰めてまいりましたから、原則はわかりますけれども、いろんな面でやはり人手が必要になったり、あるいはラッシュ時だとか、人が集まる日だとか、そういう需要が見込まれることもあるのかもしれませんから、ぜひそういうときには柔軟な対応をしていただければなというふうに求めて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○大西委員 続きまして、同じく地元の方から質問をさせていただきます。
 足立区選出でございますので、今回のこの日暮里・舎人ライナーにつきましては、私どもも非常に関心を寄せているところでございまして、やはり地元都民から見ると、本当に大きな関心事でございます。崎山委員のお話を受けまして、若干近いところもございますが、運賃設定と長期収支を含めまして、幾つかお伺いをいたします。
 日暮里・舎人ライナーは、軌道のけたや駅舎など、いわゆるインフラ部分というところにつきましては、都の建設局が整備しておりますし、駅舎内装や車両、そして通信設備や電気設備など、いわゆるインフラ外は地下鉄建設株式会社が整備しております。
 現在、開業に向け鋭意準備を進めているということでございますが、現在のインフラ外工事の進捗状況について、まずお伺いをいたします。

○鈴木参事 日暮里・舎人ライナーのインフラ外工事でございますが、東京都地下鉄建設株式会社が施工してございますが、現在、車両の走行に必要な電気、通信、軌道などの工事が完了するとともに、駅舎につきましては、全十三駅のうち四駅が完了し、残る九駅につきまして順次内装工事に取り組むなど、先ほど局長からも申し上げましたとおり、順調に進捗してございます。
 交通局といたしましては、今後とも東京都地下鉄建設株式会社と密接な連携を図りながら、工程の管理、調整を徹底していきたいと考えております。

○大西委員 日暮里・舎人ライナーはいわゆるAGT方式の新交通システムでございますが、同じAGT方式の新交通システムとしては「ゆりかもめ」が先行して営業しております。「ゆりかもめ」は港湾局の第三セクターで開業以来、営業は順調であり、第三セクターによる経営も可能であるとも考えられます。しかし、日暮里・舎人ライナーについては、この地域における都営交通のネットワークをフルに発揮するという利便性の向上を考えると、交通局が直営でやることにメリットがあると私も理解しています。
 今般、交通局がみずから日暮里・舎人ライナーを運営することを決意されましたが、現在特許を保有している東京都地下鉄建設株式会社から交通局への譲渡について国から許可が出ると、交通局がインフラ外の部分を買い取って経営を行っていくことになります。
 そこで、経営や運賃に影響が多いインフラ外の建設費についてでございますが、事業着手以来見直しを重ねて負担低減に努めてきたと聞いております。最終的な金額としてどの程度を見込んでいるのか、お伺いいたします。

○鈴木参事 インフラ外の建設費につきましては、ご指摘のとおり、乗客数の見直しなどにあわせてさまざまなコスト削減を図ってまいりました。その結果、現時点では計画事業費ベースで四百億円を見込んでございます。

○大西委員 四百億円となると、削減したとはいえ、これは決して少ない金額ではありません。収支計画を立てる上で、車両や主な施設の減価償却期間は一体何年で設定しているのか。また、開業当初の減価償却費の総額を年間でどの程度見込んでいるのか、お伺いいたします。

○鈴木参事 まず、減価償却期間についてでございますが、減価償却期間は地方公営企業法施行規則で規定されておりまして、これに従っております。主なものといたしましては、車両が十三年、運行管理などのシステムが十二年、信号通信設備が三十年などなどとなっております。
 次に、開業当初の減価償却費でございますが、年間約十六億円と見込んでおります。

○大西委員 交通局の経営計画では、日暮里・舎人ライナーの収支見込みが参考として示されております。その中には、累計欠損金解消には数十年かかるなど、厳しい経営状況が続く見込みと記載しております。
 また、建設局の総額見込みは四百億円、減価償却が年間十六億円を見込むということでございますが、日暮里・舎人ライナーのような初期投資が大きな事業の場合、その回収には長い年月を要していることは理解していますが、どのように経営が成り立つのか、改めてお伺いいたします。

○鈴木参事 日暮里・舎人ライナーの経営につきましては、将来にわたって安定的、効率的な運営を確保していく必要があると考えております。
 このため、乗客数の需要予測につきましては、駅勢圏を一般的には半径約二キロメートルとするところを、約一キロメートルの範囲に限定するということによりまして、確実な予測を行うとともに、今回設定した運賃を使用して収支予測をしました結果、経常損益は開業十五年目に黒字化し、開業三十九年目には累積赤字が解消するものと見込んでございます。

○大西委員 駅勢圏を半径一キロということは、本当に現実的だとは思います。
 今回設定された運賃で経営が成り立つということでありますが、先ほど崎山委員からも運賃の話が出ましたが、交通局としてはこの運賃は高いと見ているのか、安いと見ているのか、そういう方もおられると思うんですが、事業局として、この運賃水準をどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。

○鈴木参事 運賃につきましては、開業後の経営の安定化や競合する近接の他社路線との競争性等を勘案して設定したところでございます。
 同じ新交通システムである多摩都市モノレールですとか、「ゆりかもめ」などと比較いたしましても、今回の運賃は適切な水準であると考えております。

○大西委員 実は日暮里・舎人ライナーは都電荒川線ともぶつかります。
 実は足立区の方はやはり大変広うございます。今、駅勢圏というのを半径一キロと限定されると、足立区の真ん中を通っているわけですが、その半径一キロ以外のところ、まだまだ広うございます。当然この人たちが使うに当たりましては、バスを使わなきゃならないわけです。そうすると、バスに乗ってから、そして−−東西のバス路線はそんなには込みません。先ほど崎山委員がいわれていたように、南北、山手線の方に行くのには本当に一時間以上かかることもあるわけで、横に動いて電車に乗って、そして日暮里の方に行く。すごくありがたくなるわけですが、そうすると値段的な問題、倍加されることにもなりかねないわけですね。
 この連絡割引運賃というものを、やはり都営交通のネットワークの観点からも、また、荒川線を使う方々にとってもぜひ考えていただきたいと思うんですが、それに対する見解をお願いいたします。

○高根電車部長 日暮里・舎人ライナーの開業によりまして、都営交通のネットワーク化が充実し、都民の利便性の向上が図られることとなります。
 現在、都バスと都電、都バスと都営地下鉄につきましては、定期乗車券において割引を実施しているところでございます。
 ただいまご質問の日暮里・舎人ライナーの連絡割引につきましても、こうした観点から今後検討すべき課題の一つであると認識しております。

○大西委員 ぜひ鋭意検討していただきまして、使いやすい交通システムをつくっていただきたいと思います。
 最後に、この日暮里・舎人ライナーは、ご存じのように山手線とひっつくわけでございます。山手線は終電も遅ければ、始発も早いわけです。これに合わせて今現在の運行ダイヤ、始発や終電を含めまして、利用客の利便性に十分配慮する必要があると思いますが、今どのように考えておられるのか、所見をお伺いいたします。

○高根電車部長 日暮里・舎人ライナーにつきましては、現在、国との間で特許譲渡の具体的な手続やスケジュールを含めて調整を重ねているところでございます。
 お尋ねの運行ダイヤにつきましては、始発、終車を含め、今後、ラッシュ時の混雑率やお客様の利便性等を勘案しながら、需要予測を踏まえて検討してまいります。

○大西委員 ありがとうございました。
 今回の運賃設定については、沿線都民の立場から見ても、他の交通機関と比較しても、おおむね適当ではないかとは思います。しかし、二回、三回乗られる方、要するに連絡割引というのはぜひとも進めていただいて、また、運行ダイヤについても利便性を考えて頑張っていただきたい。そして、一日も早い開業に向けて着実に作業を進めるとともに、だれにも利用しやすく、また、安定した経営に向けてたゆみない努力をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○野上(純)委員 私の方からも、第百四十九号議案、日暮里・舎人ライナー条例についてお伺いいたします。
 昨年の十月に行われた平成十七年度公営企業会計決算特別委員会の第一分科会におきまして、我が党の伊藤興一委員からも、この日暮里・舎人ライナーの運営等についての質疑がありました。その中で、日暮里・舎人ライナーは、交通局が主体となり運営した方がより多くのメリットがあり、安定し効率的な運営ができるという内容でございました。
 その理由として、一つには、固定資産税などの税負担が軽減される。二つ目には、都債による低利の資金調達が可能となる。よって経営の安定が図られる。また、三つ目には、民間の第三セクターではなく、東京都交通局として経営していくので、例えばシルバーパスとかを導入していくことができる。それから四点目には、都バスとの調整ができるということで、五つ目には、この初乗り料金が二キロで百六十円は安いということで、これがメリットの部分であると思っております。
 二度の乗客見込みの計画変更もありまして、地元の住民の皆様にとっては、特に舎人に住んでいる我が党のともとし議員が、一日も早い開業を望んでいるということで、十九年度末よりもっと早くならないのかという話があったんですけど、それはならないそうで、せめて十九年度末を超えることなく一日も早い開業を望んでいるところでございます。
 現在、車両の入線試験とかが行われているそうですけれども、平成十九年度末の開業に向けて着々と準備が進んでいると伺っております。この日暮里・舎人ライナーが安心・安全な運行を確保していけるのか、そして、環境にも優しい乗り物であるかという観点で、何点か質問をいたしたいと思います。
 この日暮里・舎人ライナーは、「ゆりかもめ」と同様に、運転士や車掌が電車に乗務しない、いわゆる無人運転です。そこで、最初に、無人運転に当たり、安全対策をどう講じているのか。「ゆりかもめ」でも先日トラブルがあり、多くの皆様にもご迷惑をかけたということもあります。車両、駅、それぞれについてお伺いいたします。

○室木車両電気部長 車両には、速度を自動的に制御する自動列車制御装置ATCと、出発から停止までの運転を自動的に行う自動列車運転装置ATOを搭載して、無人走行の安全を確保するとともに、中央指令において常時、運行状況を監視しております。
 車両や駅のホームには、お客様が中央指令に連絡できる非常通報器を設置し、さらにホームの状況を監視するカメラを設置しております。
 また、ホームドアを全駅に設置するなど、基本的には既に無人運転で実績のある「ゆりかもめ」のシステムを踏襲しております。
 なお、機械トラブルなど自動運転が困難な場合には、運転免許を取得している職員による手動運転で対応することとしております。

○野上(純)委員 平成十五年に韓国大邱(テグ)市で地下鉄の車両火災がございました。現在、地下鉄の地下駅や車両の火災対策の強化が進められております。
 日暮里・舎人ライナーは地上を走行するので、これらの地下鉄における整備とは違ってくると思いますけれども、車両も駅も原則として無人であるということを考慮すれば、万全の火災対策が必要であると思います。
 そこで、火災対策についてはどういう手だてをとっているのか、車両、駅、それぞれについてお伺いいたします。

○室木車両電気部長 車両の火災対策は、鉄道に関する技術上の基準を定める省令に基づき行っております。
 車両自体を燃えにくい構造とするため、すべての車両部品には不燃材、または難燃材を用いております。
 また、各車両には、消火器を備えるとともに、お客様が中央指令の係員へ連絡できるよう、非常通報器を設置しております。
 火災などの非常時には、お客様が車外へ避難できるよう、先頭車両と最後部車両に非常扉を設けてございます。

○鈴木建設工務部長 駅舎の火災対策につきましては、建築基準法及び消防法等に準拠しながら進めております。
 具体的には、駅舎の主要な構造部である柱、はり等を耐火構造としているほか、仕上げ材には不燃材料等を用いております。
 また、火災発生時にお客様の避難誘導を迅速に行うため、避難誘導灯、非常用の照明装置などを設けているほか、消火活動のための消火器や屋内消火栓設備を設けております。
 このほかに、コンコース、ホームなどには監視カメラを設置して、中央指令より監視できるほか、非常放送設備を活用してお客様へのご案内ができるようにしております。

○野上(純)委員 それでは、今度は角度を変えて、強風対策ですね。日暮里・舎人ライナーは地上を走っておりますので、強風対策用の風速計、これは設置されているのかということ。
 それから、強風が吹いたときの対応というか対策というのは、無人ということもあって、これはどうするんでしょうか。

○室木車両電気部長 日暮里・舎人ライナーの軌道はコンクリート製の走行路と側壁からできており、また、車両も車体両側にある案内ガイドによって支えられているため、吹き上げる風や横風の影響を受けにくい構造となっております。
 さらに、気象庁から設置場所のアドバイスを受け、荒川橋梁上に強風対策用の風速計を設置しております。この風速計により、運転が危険と判断される場合には、運転を一時中止するなどの対策をとることとなっております。

○野上(純)委員 もう一つの観点として、バリアフリー対策ということで質問させていただきます。
 日暮里・舎人ライナーは新設路線であるので、当然のこと、バリアフリー対策を講じていると思います。
 そこで、駅におけるバリアフリーの状況なんですが、例えば車いすの人の場合の対応など、駅に人がいないということで、多分エレベーターで移動になると思うんですけれども、例えば人が挟まれたりしないように、ホームゲートというんですかね、それもすべての駅に設置されているのかどうか。
 それから、すべての駅に、エレベーターはあるんでしょうけど、エスカレーターは一台を持っているということなので、例えば朝の時間帯は上りのエスカレーターが稼働して、昼になると下りのエスカレーターが稼働するのかという、そこら辺もちょっとお知らせ願えればと思います。

○鈴木建設工務部長 日暮里・舎人ライナーの各駅は、いわゆるバリアフリー新法や東京都福祉のまちづくり条例等を踏まえ、だれもが利用しやすい駅となるよう整備しております。
 具体的には、地上とホームの間を容易に移動できるよう、全駅十三駅ございますが、合計四十二基のエレベーターを設置しております。また、車いす利用の方々にも利用できるだれでもトイレや、視覚障害者用誘導ブロックを設置しております。
 また、ご質問にございましたエスカレーター、六十六基、各駅についておりますが、現在のところ、上りということで整備をしております。
 それから、ホームドアにつきましては、全駅設置しております。

○野上(純)委員 これまでも我が党は、環境先進都市東京を築くべきであると主張してまいりました。日暮里・舎人ライナーの開業後、これまで車を使用していた多くの人たちが、この新交通システムを利用することにより、CO2の排出量削減に資するものと考えられますが、交通事業者みずからも環境対策に積極的に取り組むべきと考えます。
 そこで、駅舎等における省エネルギー対策としての取り組みについて伺います。

○鈴木建設工務部長 日暮里・舎人ライナーでは、消費電力の削減や節水を図る技術を導入するなど、積極的に省エネルギー対策を行っております。
 具体的には、先ほど申し上げましたが、六十六基設置してあるエスカレーターすべてにおいて、連続運転方式に比べておよそ三〇%程度の消費電力の削減が見込める自動運転方式を採用しております。また、駅構内の照明には、従来の照明器具より、やはり三〇%程度でございますが、消費電力を削減できるインバーター式安定器を用いた照明器具を採用しております。さらに、トイレには節水型の器具を採用するなど、省エネルギー対策に努めておるところでございます。

○野上(純)委員 日暮里・舎人ライナーの乗客をどうふやしていくかという、増収策というんですか、それについて伺います。
 当初の計画では十万人ということを見込んでいて、今度は半径一キロ以内に設定をして、五万九千人ぐらいの乗客が見込まれるだろうと。プラス、シルバーパス利用者の九千人を加えて六万八千人を見込んでいるということなんですが、この収入の大部分は運賃収入というわけですね。
 それで、乗客の多くの方は、通勤通学の定期券利用者で占めているという説明を受けました。安定的な運営という点では、確実な収入と見合ったコストで平準化するというんですかね、いつでも込んでいるという状況が一番いいわけですけれども、なかなかそういうふうにはいかないと思います。
 例えば、月曜日から金曜日の朝夕は込んでいても、昼間乗客数はどうしても少なくなるし、また、土曜日、日曜日、これも通勤通学の方が少なくなるということで、やはりすいてくると思うんですけれども、特に、沿線開発がこれから進んでくると思いますけれども、例えばディズニーランドみたいなものがぱんと、大型集客施設があれば、確実にそこはたくさんの人が来るわけですが、特にそういった施設があるわけではありませんので、そういった意味では、この昼間の時間あるいは土日における乗客誘致策ですかね。
 それから、日暮里・舎人ライナーに乗るとこんな特典があるよとか、こんなに楽しいことがあるよみたいな宣伝ですよね、そういったコマーシャルにも工夫を凝らしていかなければいけないと思っております。沿線には舎人公園という公園がありますので、こうした施設と連携をしながら増客増収に努めていただければと思います。
 そこで、日暮里・舎人ライナーの開業に向けたPR宣伝を含め、増客増収策をどう進めていくのかお伺いいたします。

○高根電車部長 増客増収策についてでございますが、開業に向けましては、広報誌や車内広告、新聞折り込みチラシなどさまざまな媒体を活用し、PRを行うとともに、沿線各区や関係局等と連携し、地域に密着したイベントを開催することで認知度の向上を図ってまいります。
 また、開業後は、舎人公園など沿線施設の活用や商店街とのタイアップなど、地元地域との連携による利用促進を図ってまいります。さらに、土休日などの利用促進策といたしまして、お客様にとってお得感のある企画乗車券の発売を検討してまいります。

○野上(純)委員 今の答弁は、私がこれからいおうと思っていたんですが−−済みません。昼間の乗客確保策として、例えば京成線では回数券を、普通は十一枚、一枚お得という回数券を発行しているんですが、十時以降にその回数券を使う方は、十一枚のところ十二枚、一枚さらに多くつけて発券をしているんです。そういうふうにして、例えば十時から四時という時間を設定して、その間にどんどん乗ってもらいたいというような制度を導入しているんです。
 この日暮里・舎人線の場合はまだ券売機を設置していないので、こういうことも難しいかと思うんですけれども、こういう昼間人口を確保する策ですね、例えばパスネットとかも使えると思うんで、たくさん乗ったら割引がある、そういうようなこともこれから考えてやっていかれるといいんじゃないかなというふうに思っております。
 それからもう一つ、日暮里ライナーに乗る方々は、駅までは、一キロ以内の方は多分、自転車で行かれると思うんですね。その自転車をどこに置くかとか、そういった自転車の確保策なんですが、それは、地元の荒川の方とか、足立の区の方もいらっしゃるので、区の人とか、あるいは建設局が今、道路を整備しておりますが、連携を密にとってそういう自転車置き場の確保もしていかなくてはいけないと思っております。これは要望にしておきます。
 多くの都民に利用され、都電荒川線、都営バスなどの都営交通ネットワークの活用等を通じてより利便性の高い日暮里・舎人ライナーとなるように期待をして、私の質問を終わります。
 以上でございます。

○松村委員 日暮里・舎人ライナーについて、安全対策を中心に何点か質問させていただきます。
 この案内軌条式鉄道は原則無人ということですが、先ほどの質問の答弁にも、手動−−運転手を、場合によってはというか、事故等の対応ですか、配置するという答弁がありましたけれども、改めて乗務員、駅務員の配置や体制はどうなるのかについて、もう少し詳細にお答えいただきたいと思います。

○高根電車部長 日暮里・舎人ライナーの駅の人員配置についてでございますが、お客様の安全を十分確保しつつ、効率的な執行体制となるよう、現在、検討しているところでございます。

○松村委員 現在検討しているということですから、十分安全の上にも安全を重ねるよう検討していただきたいんですけれども、今、沿線住民とか都民も非常に関心がありますし、都営でやる新線ですから、大変注目していると思うんですね。これは、いつごろまでに都民に明らかにして出されるんでしょうか。一応ここには、今後の予定のスケジュール表も資料で出ておりますけれども、その点についてお聞きしておきます。

○高根電車部長 現在、事業の詳細について検討を行っている段階でございまして、人員の配置体制が明らかにできる時期については、まだ多少時間がかかるというふうに思っております。今後、詰めてまいります。

○松村委員 その際、私は、主要駅とかそういうことだけではなく、やはりすべての駅に職員を配置して、乗客の安全や利便を図るべきだと思いますし、それから、乗務員−−これは無人電車ですよね、一番乗客が不安に思う点がそこにもありますけれども、そういう新たな案内軌条式だから大丈夫なんだと、そういうふうにできているんだといっても、やはり都民の不安はあるというふうに思うんです。
 それで、例えば同じ軌条式鉄道の「ゆりかもめ」は、早朝や深夜は自動運転ではなく、運転手が搭乗しワンマン運転を行っているというふうに聞いておりますけれども、先ほど何かのときには手動式の運転手の配置もあるんだということでしたけれども、もう少しそこら辺は詰めた考え方を明らかにしていただきたいというふうに思うんです。要するに、少なくとも「ゆりかもめ」のような体制でやるのかどうかですね、その点について。

○高根電車部長 運転体制についてのご質問でございますけれども、これについても、どういう形でやるかというのは今、詰めておりまして、先生おっしゃられました「ゆりかもめ」、こういったようなところも参考にしながら検討してまいりたいと思います。

○松村委員 無人駅、無人電車では、事故やトラブルが防げるのか、また、起きた場合にどういう対応をとるのか、果たしてそういう対応を事前にきちっと手だてがとられているのか、マニュアルとか、いろいろの対応はあると思うんですよね、訓練とか。そういうことを都民は一番心配していると思います。
 例えば、「ゆりかもめ」の脱輪事故がありましたよね。これは、第一義的には車両の安全点検に問題があったという報告も出されておりますけれども、しかしこれも、運転手が乗っていれば、事故に至る以前に例えば音や振動などでやはり感知し、異常が見過ごされずに発見されて、大事故に至らないということも考えられると思うんです。大江戸線で異常音を運転手がキャッチして車体の異常を発見したということも、私、たしか記憶にあると思うんです。
 実は、報告はありませんでしたけれども、きょうも、恐らく、私が練馬からこの都庁前まで乗ったのが、九時ちょっと過ぎだったんです。それで、途中の二駅ぐらいで前の車両が要するに詰まっているというか、それでここの駅で時間調整をしばらくしますと、ご迷惑をおかけいたしますというようなことが二つ駅か三つ駅ぐらいまであったんです。
 改めてニュースで聞いたら、八時十三分ぐらいですか、これは、車両のシステムダウンが起きて、その車両を回送にして、これが振りかえ輸送をやったりして、解消されるまで十一時近くまでかかったと。
 私はちょうどその一時間後ぐらいに乗って、まだそういう影響が出ていたわけですけれども、これもやはりシステムダウンというんですけれども、運転手が少なくとも大江戸線は乗っていますから、果たしてもし無人だったらそういうスムーズな−−事故につながらなかったり、または早期にそういうものを解消してお客様への大きな影響を回避できるかという点などを考えれば、システム上は安全だといっても、人間というか、しかもプロの訓練した体制というのはやはりより安全だと思うんですね。
 ただ、それが効率的にというか、より経費を安くとかいうような観点からもいろいろ最近ではこういう方式も導入してきたというふうに思うんですけれども、ただやはり、後でも聞きますけれども、最近、羽越線のああいう強風による事故とか、その前の尼崎の大惨事、それから「ゆりかもめ」の今の脱輪事故とか、同じこういう新交通も、少なくない事故やトラブルが発生しているというふうに思うんです。
 ちょっと長くなりましたけれども、それで、次に聞きたかったことは、例えば「ゆりかもめ」は、そういう形で脱輪事故で、それが主にやっぱり車両の検査とか安全点検が原因だったと思うんですけれども、しかし、その「ゆりかもめ」が起きたときにも、事故発生とともにどういう態勢をとったかということを改めて報告を見ますと、事故発生とともに最寄り駅や本社から三分後には社員が現場に到着し、それから、事故発生から三十分程度で、二本の列車から約三百八十人の乗客全員の避難誘導を終えたと報告されているんですね。
 これは、脱輪事故で大災害になりませんでしたけれども、しかし、三百八十人の方々がやはり閉じ込められて、この場合、これが適切で早かったかどうかはともかくとして、三十分ぐらいそういう時間があったと。
 私、こういう事故、何もこの日暮里・舎人ライナーが脱輪事故を起こすとかそういうことではないんですけれども、例えば停電なんかの場合も、途中でとまってやはり閉じ込められたということは、「ゆりかもめ」やその他でも往々にしてありますよね。そういう場合、どういう対応をこの日暮里・舎人ライナーではとれるような体制になっているんでしょうか。
 だって、運転手もいない、駅員も原則はいないんですから。じゃ、とまっちゃった、事故が起きた、しかも大変高い高架式のところで取り残された乗客の果たして安全は、ということを私は大変心配するんですけれども、いかがでしょうか。

○高根電車部長 日暮里・舎人ライナーにおきましては、事業運営上、必要とされる駅に駅員を配置するとともに、無人の駅には駅員を巡回させる方向で検討してございます。
 また、車両故障等により駅間で電車が停車した場合におきましては、「ゆりかもめ」と同様、最寄りの駅係員が現場にかけつけ、手動運転をすることとしてございます。手動運転ができない場合には、反対側の線路に電車を横づけし、お客様に乗りかえていただく方法や、停止している電車を後ろから別の電車で押して移動するなどの方法によりまして、お客様の安全を最優先とし、適切に避難誘導を行うこととしております。

○松村委員 今のことを考えても、最寄りの駅からというけれども、その近くの駅にだから、職員がいた方が、または運転手というか乗務員がいた方が、万が一というか、そういうときにもスムーズに態勢がとれるし、さっきの質問にも、消火器は設置しているとか、非常ドアがあるとか、照明もあるんだといっても、どうやってそれを使うか。それは、より訓練されたというか手なれた方がいたら、より安全にパニックにならずに対応できるというふうに思うのは、私だけじゃなくて多くの都民が考えるところだというふうに思うんです。そういうことを、そういう趣旨でいいたいんです。
 それで、この間も、少なくないそういう事故やいろんなものが起きていますから、やはりその事故の教訓から改善策を取り入れるべきだと思いますけれども、この日暮里・舎人ライナーには、今までのそういう起きた事故やいろいろなものに対してのどういう改善策が特徴かととらえているのかということ、この点についても伺っておきたいと思います。

○室木車両電気部長 日暮里・舎人ライナーは、車両に電気を供給する電車線のトラブル対策のため、電車線の形を変えるなど、「ゆりかもめ」で発生したトラブルに対応し、改善されたシステムを採用しております。
 また、昨年四月に発生したホイールハブの破断事故についてでございますけれども、現在、事故原因につきましては、航空・鉄道事故調査委員会が調査中でございます。
 日暮里・舎人ライナーの車両では、このホイールハブについて車両製造時に非破壊検査を実施し、異常がないことを確認しております。開業後も定期的に非破壊検査を実施し、安全を確認してまいります。

○松村委員 安全の上にも安全を重ねて万全を期していただきたいと思いますし、特に、乗務員や駅務員の配置については、今後、やはり真剣に検討していただきたいということを強く要望しておきます。
 それから第二点目には、先ほども出されましたけれども、風対策、これについてですけれども、羽越線の事故がやはり本当に衝撃的だったと思うんです。この教訓はどう生かされているのか。先ほども、風速計を、荒川の橋上のところですか、聞くところによると一カ所ですけれども、本当にその風速計で大丈夫なのかどうか。そこについても再度、それから、これで大丈夫だといえる根拠を都民に示していただきたいというふうに思います。

○室木車両電気部長 風速計は、気象庁の専門家にアドバイスを受けていわゆる風の通り道と想定される場所に設置しており、問題はないと考えております。

○松村委員 あれだけの事故が起きて、しかもあの羽越線のところも、あれは何川でしたっけ、川ですよね、ちょうど。やはり風の通り道。それで、やはりそういうこと等−−今の日暮里・舎人ライナーも荒川の上を、しかもこれは相当高い、高速道路のさらに上に行くから、私、現地へ行ってまだ確かめたわけじゃないけれども、地元の渡辺議員にいわせると、ビルにすれば十階以上あるんじゃないかという点では、本当に心配されます。
 それで、聞くところによりますと、暴風さくというんですか、それは二メートルぐらいとっているというんですけれども、私は、車両は軽いと思いますし、この案内軌条式というのは、側壁ですか、ちゃんとあるから大丈夫だといっても、羽越線のときには、あれはいろいろな報告を読んでみると、車両がすごく重たかったと、旧式。だからといってもあれだけのことになった。もっとこれが軽車両だったらどんな大惨事になっているかわからないということを聞いても、私は、この日暮里・舎人ライナーは、さっきいったみたいに軽車両ですね、火災対策も十分やっている、そういう素材を使っているということを聞けば聞くほど−−やっぱりどんな突風が起こるかわからないですよ、この気象条件というのは。
 しかもそれが、私は、この問題でも、運転手が乗っていて、行けば、前の運転手からもすごく強くなっているぞとか、落とした方がいいぞとか、風速計だけじゃない、やっぱり体で感じたものがあると思うんですよ。それで徐行したりとか、いや、もうこれはとめるようにいった方がいいとか。そうじゃなくて、風速計だけで何か機械的にそれをはかって、はかってというか、機械は機械の正確さもあるんですけれども、やっぱりそういう心配も本当に感じるんです。
 ですから、これも、二メートルの暴風さくで大丈夫だということがなぜいえるのかといったら−−少し風景というか景観が悪くなるとかあるかもしれませんけれども、ちょっと風の通り道で危ないところは、やっぱりそれ以上の、絶対そこから落ちない、飛ばされないというような対策というものをもっととるべきというか、やっぱり検討をしていただきたいということは、これは要望しておきます。
 それから、風速計を少なくとも一カ所で−−確かに経費はかかるかもしれないけれども、少なくとも例えば二カ所つけるとか、だって、風速計が一つ壊れちゃったとかということだってあるわけでしょ、あるといったらおかしいけれども。念には念を入れるんですけれども、少なくとも複数設置するとかいうようなことはやっぱり検討されてしかるべきじゃないんでしょうか。この点については伺っておきたいと思います。

○室木車両電気部長 風速計につきましては、他の鉄道事業者でも採用されている信頼性のあるものを採用しておりますので、風速の測定につきましては問題はないものというふうに考えております。

○松村委員 やはり故障だってあるわけですから、複数を本当に安全の上でもとっておくというようなやっぱり検討はしていただきたいと。
 それから三点目としては、開業までのスケジュールは出されておりますけれども、そういう意味でも、やっぱり試運転を本当に繰り返しながら安全性を確認し、運行開始まで持っていっていただきたいと思うんですけれども、本格的な試運転はいつから行う予定になっておりますか。

○鈴木参事 現在のところ、十月ごろを予定しております。

○松村委員 私は、その際に、沿線住民や利用される方々からのその目で見た、そういうもっと細かな改善をしてほしい点などもどんどんやはり受け入れて、本格開業までそういう意見を取り入れ、改善すべき点があれば改善していってもらいたいと思うんです。とりわけ障害者団体、私なども、視覚障害者団体が、とりわけいろんなやっぱり危険にさらされますから、例えば大江戸線などでもやはり繰り返し一緒になって点検して、改善の要望を一緒になって伝えてほしいということで、例えば券売機の点字が全く違うとか、点字の案内が逆さまの方向についていたとか、いろんな点がその後発見されて、改善してもらう点が多々あると思うんですね。
 そういう点では、今までのそういう要望などを受けて、技術的に、つくったといっても、やはりそれはいろんな見落としだとか、問題が発生するんです。そういう点では、特に視覚障害者やほかの団体などの協力もいただきながら、試運転というか、開業までやはり改善点があれば取り入れてやっていっていただきたいというふうに思うんですけれども、この点についてはどうでしょうか。

○鈴木建設工務部長 駅施設についてでございますが、駅施設の完成時には、請負者による社内検査、あるいは工事管理業務委託者による検査、監督による確認、それから発注者によります出向検査等、さまざまな検査や確認を行うことから、ご指摘のことのないように、インフラ外工事を担当しております東京都地下鉄建設株式会社を指導してまいります。

○松村委員 だから、いろいろ検査をやって万全を期すといっても、例えばそういう当事者というか、視覚障害者などが点検すれば、いろいろやっぱり違いがある。大江戸線だって開業前に、もうモデル的なバリアフリーの駅だといっても、さまざまな、私ももう何回も、だから立ち会ったりやってみて、本当にそういう当事者じゃなければわからない改善点や問題というのが見つかっているんですよ。そういうことからもやってほしいと。そのぐらいやっぱりね、協力すると思うんですよ、各団体は。ぜひそういう意味では、この問題についても万全を期していただきたいというふうに思います。
 それから、最後、これは要望にしますけれども、今までも出されましたけれども、この一一号線の里48の都バスです。これについても先ほどの答弁では、バスは適切に見直すということがありましたけれども、廃止しないことは当然ですけれども、縮小その他についても、やはりバスはバスで利用される高齢者がおりますし、これはやっぱり高い−−幾らエスカレーター、エレベーターを設置するといっても、例えば下りがないとか、やっぱりいろいろ利用者によっては違うと思うんです。
 そういう意味では、一たん縮小すると、どんどんやっぱり後退していくんですね、バスの運営というのはね。逆に積極的に位置づければ、少しは競合したりとかなりますけれども、そういう意味での利用客の、もっと新たな利用客を、少しはすいたから乗ってみたいという方も、それを利用しようという方も出てくると思うんですよ。そういう意味では、やはり縮小というような形ではなく、現状を維持しつつ充実させていっていただきたいと。
 それで、開業まで、あと九カ月もあります。きょう要望したことも含めて、関係者の意見をさらに聞き、検討されることを強く求めて、終わります。

○花輪委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。

○花輪委員長 これより下水道局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 諮問第二号、地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問についてを議題といたします。
 本諮問につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本諮問に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認め、本諮問に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。

○花輪委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百四十九号議案、東京都日暮里・舎人ライナー条例及び諮問第二号、地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問についてを一括して議題といたします。
 本案及び本諮問につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 初めに、第百四十九号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認めます。よって、第百四十九号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、諮問第二号、地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問についてを採決いたします。
 お諮りいたします。
 本諮問は、棄却すべきものと答申することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認めます。よって、諮問第二号は棄却すべきである旨答申することに決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○花輪委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○花輪委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○花輪委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、島田交通局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○島田交通局長 公営企業三局を代表いたしまして、一言ごあいさつ申し上げます。
 花輪委員長を初め委員の先生方におかれましては、今回ご審議を賜りました議案等につきまして、ただいまご決定をいただき、厚く御礼を申し上げます。
 今後の事業執行に当たりましては、今回の審議でちょうだいいたしました貴重なご意見、ご指摘をそれぞれの事業に十分反映させ、都民サービスのさらなる向上と、より一層効率的な経営に努めてまいる所存でございます。
 今後とも、公営三局に対しまして一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○花輪委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時十分散会

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