委員長 | 秋田 一郎君 |
副委員長 | 松村 友昭君 |
副委員長 | 樺山たかし君 |
理事 | 串田 克巳君 |
理事 | 野上 純子君 |
理事 | 岡崎 幸夫君 |
福士 敬子君 | |
そなえ邦彦君 | |
崎山 知尚君 | |
野上ゆきえ君 | |
吉倉 正美君 | |
大西さとる君 | |
宮崎 章君 |
欠席委員 なし
出席説明員水道局 | 局長 | 御園 良彦君 |
次長 | 東岡 創示君 | |
総務部長 | 鈴木 孝三君 | |
職員部長 | 小山 隆君 | |
経理部長 | 山本 憲一君 | |
サービス推進部長 | 大平 晃司君 | |
浄水部長 | 尾崎 勝君 | |
給水部長 | 増子 敦君 | |
建設部長 | 長岡 敏和君 | |
企画担当部長 | 鈴木 慶一君 | |
設備担当部長 | 永島 公明君 | |
多摩水道改革推進本部 | 本部長 | 滝沢 優憲君 |
調整部長 | 松井 庸司君 | |
施設部長 | 今井 茂樹君 | |
参事 | 原薗 一矢君 | |
下水道局 | 局長 | 前田 正博君 |
次長 | 今里伸一郎君 | |
総務部長 | 野口 孝君 | |
職員部長 | 阿部 義博君 | |
経理部長 | 佐藤 仁貞君 | |
計画調整部長 | 小川 健一君 | |
施設管理部長 | 桜井 義紀君 | |
建設部長 | 伊東 三夫君 | |
参事 | 梶原 明君 | |
参事 | 黒住 光浩君 | |
流域下水道本部 | 本部長 | 中村 益美君 |
管理部長 | 大西登喜雄君 | |
技術部長 | 宇田川孝之君 |
本日の会議に付した事件
水道局関係
請願の審査
(1)一九第一号 上・下水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率の継続に関する請願
予算の調査(質疑)
・第二十七号議案 平成十九年度東京都水道事業会計予算
・第二十八号議案 平成十九年度東京都工業用水道事業会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第九十七号議案 東京都給水条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京水道経営プラン二〇〇七(案)について
下水道局関係
請願の審査
(1)一九第一号 上・下水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率の継続に関する請願
予算の調査(質疑)
・第二十九号議案 平成十九年度東京都下水道事業会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第九十八号議案 東京都下水道条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都下水道事業経営計画二〇〇七について
○秋田委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局及び下水道局関係の請願の審査、平成十九年度予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
これより水道局関係に入ります。
初めに、請願の審査を行います。
一九第一号、上・下水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率の継続に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○鈴木総務部長 それでは、請願につきましてご説明申し上げます。
お手元に配布してございます請願・陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
この請願は、用水型皮革関連企業協議会会長の市田良一さんから提出されたものでございます。
請願の趣旨といたしましては、油脂・皮革関連企業に対する水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率を継続していただきたいというものでございます。
この請願に関する現在の状況でございますが、油脂・皮革関連企業に対する水道料金の減免措置につきましては、平成十六年第三回東京都議会定例会における東京都給水条例の一部を改正する条例に対する付帯決議の趣旨を尊重し、一般会計からの減収分の補てんを前提に、独立採算制の原則及び負担の公平に対します例外措置として、平成十九年三月三十一日までを期間として、一月当たり百立方メートルを超える従量料金の二〇%を減免しているところでございます。
また、同企業に対する工業用水道料金の減免措置につきましては、平成十八年第一回東京都議会定例会における工業用水道料金の減免措置に関する決議の趣旨を尊重いたしまして、一般会計からの減収分の補てんを前提に、独立採算制の原則及び負担の公平に対します例外措置として、平成十九年三月三十一日までを期間として、基本料金の一〇%を減免しているところでございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議くださいますようお願いをいたします。
○秋田委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、下水道局所管分もございますので、決定は下水道局所管分の審査の際に行い、ただいまのところ継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 異議なしと認めます。よって、請願一九第一号は継続審査といたします。
以上で請願の審査を終わります。
○秋田委員長 次に、予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第二十七号議案及び第二十八号議案並びに第九十七号議案及び報告事項、東京水道経営プラン二〇〇七(案)について、一括して議題といたします。
本案及び報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○崎山委員 それでは、質問させていただきます。
水道局では、昨年の暮れに、平成十九年から二十一年までを計画期間とする東京水道経営プラン二〇〇七を策定いたしました。さきの委員会で本プランの説明をいただいたところであります。
まず初めに、確認のために、このプラン策定の基本的な考え方をお伺いいたしたいと思います。
○鈴木総務部長 東京水道経営プラン二〇〇七は、目標管理と成果重視の視点に立ちまして、都民への説明責任を果たしていくため、平成十九年度から平成二十一年度までの三年間に取り組んでいく施策の事業計画と財政計画を明らかにしたものでございます。
この経営プランでは、東京水道は都民生活と首都東京の都市活動を支えるライフラインとして、効率経営に努めながら、一層確かな安心、安定を実感できる水道サービスを提供していくこと、また、将来を見据えた取り組みを進めるとともに、東京水道の伝統を次世代に引き継いでいくことを経営方針としております。
この方針のもとに必要な事業を行った上で、三年間で二百二十億円の徹底した経営努力によりまして、現行の料金水準を維持していくこととしております。
○崎山委員 今の答弁でも、三年間で合わせて二百二十億円の経営努力を実施することによって、現行水道料金を維持するということで、この点が今回の経営プランのポイントの一つではないのかなというふうに思っております。
さきの委員会で説明がありましたが、このプランには、安定水源の確保を初め、高度浄水処理の着実な導入、貯水槽水道対策など、水道局が直面する課題の解決に向けた施策が盛り込まれています。
また、我が党がこれまで主張してきました公立小学校の水飲み栓直結給水化モデル事業など、東京水道を次世代へ引き継いでいくための取り組みも着実に事業化されており、都民に納得いく内容のものとなっていると考えています。
ところで、我が党が従来から一貫して主張してきているように、財政運営には長期的な視点が不可欠ではないでしょうか。一時の財源の問題から必要な事業を先送りしてしまうことは、安心、安全、安定した水の供給に支障を来すことになり、許されることではないと考えます。
プラン二〇〇七では、将来にわたり安定給水を確保するため、今後見込まれる大規模浄水場の更新に備え、アセットマネジメント手法による施設の延命化や、毎年五十億円の積立金を確保することとしており、評価をいたしたいというふうに思っております。
そこで、大規模浄水場の更新に当たり、積立金を導入するに至った経緯について説明をしていただきたいと思います。
○鈴木総務部長 東京都の大規模浄水場は、おおむね十年後の平成三十年代以降、本格的に更新時期を迎えることになりますが、更新に当たりましても安定給水を確保していくためには、更新に先行しまして代替施設を整備する必要がございます。しかしながら、整備に必要な財源をすべて企業債により確保することは、後年度の負担が重くなり、健全経営を行っていく上で望ましくないというふうに考えております。
したがいまして、今回の積立金は、これまでの計画を上回る経営努力の実施や、企業債の発行抑制などの取り組みに加えまして、今後三年間で実施をいたします最大限の経営努力を見込むなど、さまざまな手法を講じまして一定額を確保したものでございます。
○崎山委員 これまでの経営努力などが実を結んで、財政運営が健全な姿に保たれていることを理解し、安心をいたしました。これによって今後必要な施設整備を着実に実施できることになり、ひいては将来にわたって安全でおいしい水を安定供給することにつながるものと思います。
それでは、今回のプランにおける経営努力について、何点かお伺いをいたしたいというふうに思っております。
このプランの九ページにも記載をされておりますけれども、その経営努力について、職員定数の削減、固定経費の削減、資産の有効活用について、その内訳を具体的に説明をしていただきたいと思います。
○鈴木総務部長 今回策定をいたしました経営プランでは、民間委託の一層の拡大を進めるとともに、水道局及び監理団体による一体的事業運営体制を構築するなど、事業運営体制の抜本的な見直しを行うこととしております。これらによりまして、三年間で職員定数を六百五十人削減いたしまして、百二十七億円の経費削減を行うこととしております。
また、情報システム経費を初めとする事務諸経費など既定経費の削減によりまして、四十四億円の経費削減を行います。
さらに、定期借地権制度の活用により長期に安定的な収入を確保するほか、未利用地の売却など資産の有効活用等を進めることによりまして、四十九億円の収入確保に努めることとしております。
これらを合わせまして、三年間で二百二十億円の経営努力に取り組んでまいります。
○崎山委員 今ご説明があったように、しっかりと着実に三年間で実現できるようにご努力を願いたいというふうに思っております。
また、今、説明があった中で、二百二十億円の約半分が六百五十人の職員の定数削減によるものでありますけれども、六百五十人というふうにいえば、平成十八年度の水道局の職員定数約四千八百人の一割以上にも上ります。
そこで、さらにお伺いをいたしますけれども、六百五十人の職員定数削減はどのような内容なのか、より具体的にご答弁願います。
○鈴木総務部長 今回の経営プランでは、事務事業を総点検をいたしまして、組織の簡素化、業務の委託化及び効率化によりまして、三年間で六百五十人の職員定数削減を計画をしております。具体的には、平成十九年度におきましては、営業所の係の統合、検針業務の委託の拡大、鉛製給水管の材質改善事業の概成に伴います執行体制の見直しなどによりまして、二百五十人の定数の削減を予定をしております。
また、平成二十年度以降につきましても、給水装置の設計審査業務などの民間委託を一層拡大するなど、二年間で四百人の定数削減を予定しているところでございます。
○崎山委員 私は、都政においても、柔軟でかつ効率的な執行体制を確立するため、費用対効果の検証や市場原理の活用など、企業経営の視点を大いに取り入れるべきだと考えています。こうした視点に基づいて業務の委託化などを進めることは大いに結構なことであります。
また、一方、委託化を進めるに当たっては、局職員が現場での配管工事や施設運転などに直接関与することが少なくなる中で、これまで培ってきた都の高度な水道技術を次世代に継承することが、今求められている課題だというふうに思っております。いわゆる二〇〇七年問題として、我が国では団塊の世代の大量退職がこの春から始まりますが、水道局では、これに対応するため、一昨年秋に研修・開発センターを開設し、着々と水道技術の継承に努めていると聞いています。
一方、このプランにおいても、一層効果的に水道技術の継承を行うため、水道局版ナレッジマネジメントシステムを構築するというふうに記載があります。
そこで、このプラン二〇〇七に掲げる水道局版ナレッジマネジメントシステムとはどのようなものか、お伺いいたしたいと思います。
○鈴木企画担当部長 水道の技術継承を円滑に進めていくことは、膨大な水道施設を適切に維持管理し、将来にわたる安定給水を継続していく上で不可欠であります。当局では、これまで培ってきた高度な技術を着実に継承していくため、ナレッジバンクとマイスター制度から成る水道局版ナレッジマネジメントシステムを構築いたしまして、技術継承と人材育成を図ることとしております。
ナレッジバンクは、当局が保有する技術、ノウハウを有効活用できるようデータベース化するものでございまして、マイスター制度は、経験豊富なベテラン職員が持つ技術、ノウハウを、研修やOJTなどにより効果的に継承していくものでございます。これらの取り組みを平成十九年度から順次実施することにより、将来にわたり水道技術の着実な維持、発展を図ってまいります。
○崎山委員 ぜひ、水道局がこれまで培ってきた高度な技術を継承していただきたいというふうに思っております。これは水道局だけの問題ではなく、今後、他都市の水道事業者や他企業などにも見本となるよう、ぜひしっかりと取り組んでいってもらいたいと思います。こうした上で、公営企業である水道局は、効率的な事業運営を行い、水道事業の健全経営に一層努めていってほしいと思います。
一方で、飲み水である水道は、直接、人命、健康にかかわる公共性の極めて高い事業であるともいえます。委託化を進めるに当たっては、事務手続の改善や新技術の導入など、必要な措置を講じた上で、都民サービスに影響を与えることのないよう十分配慮を願いたいと思います。
こうしたことも心がけながら、水道局は責任を持って事業運営を行い、将来にわたり安全でおいしい水をしっかりと都民に届けていただきたいと思いますが、最後に、今後の水道事業の経営について、今回の経営プランの着実な実施の決意も含めて局長の見解を伺って、私の質問を終わります。
○御園水道局長 水道は、都民生活と首都東京の都市活動を支える最も重要なライフラインとして、より信頼性の高い水道システムの構築が必要でございまして、また、質の高い水道サービスの提供も欠かせません。
そのため、今回策定をいたしました東京水道経営プラン二〇〇七では、渇水時にも対応できる水源の確保やバックアップ機能の強化などのほか、高度浄水処理の導入を一層推進するとともに、大規模施設の更新に備えた取り組みなど、新たな施策も含めまして総合的に盛り込んでおり、これらの施策を着実に実施してまいります。
また、事業運営に当たりましては、地方公営企業として都民の信託にこたえていくために不断の経営努力が求められており、引き続き業務の外部化を進めますとともに、業務指標を活用した目標管理の徹底など、経営管理を一層強化してまいります。
今後とも、限られた経営資源を最大限有効に活用し、公共性を確保しながら、経営の一層の効率化を図り、現在のみならず将来にわたって安全でおいしい水の安定した供給に万全を期してまいります。
○岡崎委員 水道局及び監理団体による一体的事業運営体制の構築についてお伺いしたいと思います。
先ほどもお話がありましたが、経営プラン二〇〇七の中で、不断の経営努力として、徹底した内部努力を行い、三カ年間で二百二十億円の経費節減と収入の確保に取り組む、こういうことが示されておりますが、この目標を達成するための事業運営体制の抜本的見直しということで、水道局及び監理団体による一体的事業運営体制の構築や、民間委託の一層の拡大などを行うこととなっております。
そこで、この一体的な事業運営体制ということについて、基本的な考えをお伺いしたいと思います。
○鈴木総務部長 平成十八年の七月に東京都が策定をいたしました行財政改革実行プログラムにおきまして、当局の監理団体は水道事業を補完、支援する団体として位置づけられたところでございます。このプログラムなどを踏まえまして、水道事業における基幹的業務につきましては、当局と、当局の所管する監理団体が担うことといたしまして、経営方針や経営目標等を共有した上で、一体的な事業運営体制を順次構築することとしたところでございます。また、定型的な業務など民間にゆだねられる業務は、可能な限り民間事業者に委託をしていくこととしております。
これによりまして、公共性と効率性を両立させながら、将来にわたり責任を持って安全でおいしい水を安定的に供給していく、こういう考え方でございます。
○岡崎委員 水道事業における業務全体を基幹的業務と定型的な業務とに仕分けするということでありますけれども、それでは基幹的業務、いわゆる水道局と監理団体が担うという基幹的業務の範囲はどのようなものか、お伺いをいたします。
○鈴木総務部長 基幹的業務といいますのは民間委託がなじまない業務でございまして、水道事業運営の根幹にかかわる全体業務や、事業運営上重要な業務などを指すものと理解をしております。具体的には、経営方針や施設整備計画の策定、水質管理、水運用、民間事業者に委託した業務の監督指導などでございます。
○岡崎委員 基幹的業務が具体的にどのような業務なのかということは、ある程度理解しましたけれども、経営プランでは、この基幹的業務を、さらにコア業務と準コア業務とに分けるということが図示されています。
そこで、基幹的業務をコア業務と準コア業務に分けることの意味、あるいは、ねらい、これはどういうふうなものなのか、お伺いをしたいと思います。
○鈴木総務部長 コア業務は、経営方針の策定や水質管理、広域的な水運用など、水道事業運営の根幹にかかわる業務でございます。また、準コア業務は、民間事業者に委託した業務の監督指導や施設の運転管理など、事業運営上重要な業務であるというふうに認識をしております。
基幹的業務を監理団体と一体的に運営することで、公共性と効率性を両立させながら、将来にわたり責任を持って安全でおいしい水を安定的に供給していこう、こういうふうにしようとするものでございます。
○岡崎委員 コア業務は水道事業の根幹にかかわる全体業務、いわば会社でいう経営部門のようなもので、水道局がこれからも引き続き担っていく。準コア業務は、事業運営上重要な業務、つまり、主として技術的側面を監理団体が担っていく、こういうふうな理解でいいんでしょうね。
業務は分離する一方で、運営的には水道局と監理団体を一体的にするといわれる。それなら、わざわざ業務も運営主体も分ける必要はないように思えるわけで、基幹業務全体を水道局が担い、純粋に民間へのアウトソーシングを徹底的に進めるという考え方もできると思います。逆に、いわゆる持ち株会社のような経営スキームで水道局が経営部門に特化し、複数の監理団体がその傘下の事業会社という形を目指しているようにも思えるわけでありますが、このあたりがちょっと理解しづらいわけであります。
そこで、準コア業務は、なぜ監理団体に担わせる必要があるのか、お伺いをしたいと思います。
○鈴木総務部長 準コア業務につきましては、民間事業者に委託した業務の監督指導など、一般の民間事業者から独立した立場で行うものや、施設の運転管理や総合受付業務など、その運営が給水安定性やお客様サービスに大きな影響を与える業務運営上重要な業務が該当するものと考えております。
このため、準コア業務の受託者は、水道事業に対する豊富な経験や高い技術力を有しますとともに、局の方針を経営や事業運営に確実に反映させることが不可欠であるというふうに考えております。
したがいまして、局の出資、指導監督などによりまして経営に直接関与することが可能な監理団体を活用することとしたものでございます。
○岡崎委員 この監理団体の経験や技術力に関しましては、昨年の予算特別委員会で我が会派の花輪議員が取り上げましたけれども、その議論の内容についてはともかくとして、考えておられることについては一応理解しました。
それでは、その準コア業務を担わせようとしている監理団体は、どのようなところなのでしょうか。また、具体的にどのような業務を担わせるのか、お伺いをいたします。
○鈴木総務部長 準コア業務を担わせます監理団体といたしましては、東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCを考えてございます。東京水道サービス株式会社につきましては、水道施設の運転管理や給水装置業務など技術系業務に活用をしていく予定でございます。また、株式会社PUCにつきましては、検針結果の審査業務やお客様センターの運営など、水道料金の徴収に関連した業務に活用していく予定でございます。
○岡崎委員 東京水道サービス株式会社に対する東京都からの出資比率は、それまでの一一%から五一%に、また、株式会社PUCについては二四%から五六%に、それぞれ引き上げられていると聞いていますが、それぞれ、いつ、どのような手段、手続で引き上げたのか、また、その意図、ねらいについてお伺いをしたいと思います。
○鈴木総務部長 東京水道サービス株式会社及び株式会社PUC、それぞれの株式を、昨年十月に東京都市開発株式会社から売買契約により取得をしたところでございます。出資比率を過半数に引き上げることによりまして、監理団体への経営関与のほか、中期経営計画の進捗及び業績評価などを通じまして、指導監督を徹底するためでございます。
○岡崎委員 ところで、水道局の経営計画では、水道局の直営業務を今後順次監理団体へ移転するということになっております。監理団体へ順次業務を移転するということは、監理団体の業務がそれだけふえるということになるわけですけれども、これら監理団体の職員数は増員する計画があると理解をしてよろしいのか、お伺いいたします。
○鈴木総務部長 業務量に応じました人員計画を作成することを、監理団体に義務づけているところでございます。今後、監理団体への業務移転に合わせまして、業務を担うべき監理団体の職員数も増員していくものと考えております。
○岡崎委員 現在でも準コア業務の一部を監理団体が担っているわけで、当面は準コア業務の担い手としては、その経験を買って監理団体に担わせるというのはわからなくもありませんが、将来的にこの準コア業務を監理団体以外の民間企業に担わせるということは考えているのか、お伺いいたします。
○鈴木総務部長 現時点では監理団体以外に担わせることは考えてございませんが、コア業務あるいは準コア業務、さらには定型業務の区分につきましては、社会経済状況の変化等を踏まえまして、必要に応じて見直していく考えでございます。
○岡崎委員 今回示されたスキームでは、今後当分の期間は監理団体が準コア業務を実質上独占的に受託するわけで、これは現在導入が進められている市場化テストの導入に当たっても行われる議論でありますが、非競争的環境に置かれることで、サービスの質の低下ということも起こり得ないとはいい切れないように思うわけであります。
そこで、将来的には準コア業務を委託する際にも競争的環境を整えていく必要があると思いますけれども、どのようにそういう環境を確保していくのか、お伺いしたいと思います。
○鈴木総務部長 メーター検針業務など水道事業の定型的な業務につきましては、競争性、経済効率性の向上の観点から、民間事業者に委託をしているところでございます。一方、準コア業務につきましては、基幹的業務の一部でありますことから、そもそも性格的に民間事業者への委託になじまない領域であるというふうに考えております。
しかしながら、水道事業は地方公営企業として常に公共性、効率性の発揮を求められているわけでございますので、監理団体に対しまして当局の経営方針、経営目標を示すとともに、効率的な事業執行につきまして適時適切に指導監督をしていきたいというふうに思っております。
○岡崎委員 競争相手がいるということは非常に大事なことでありまして、なじむ、なじまないとかいうことも、これも世の移ろいとともにいろいろ変わっていきますし、また、民間も成長してくるというふうないろんな要素がありますので、これから取り組みを進めていくようでありますので、推移を見守っていきたい、このように思います。
以上です。
○野上(純)委員 東京水道は都民生活と首都東京を支えるライフラインであり、将来にわたって安全でおいしい水を安定的に供給するためには、次世代を見据えた幅の広い視点での事業運営が不可欠です。こうした認識のもと、何点か質問いたします。
まず、大規模浄水場の更新についてですが、都の浄水場の約七割は昭和三十年代後半から四十年代に整備されたと聞いております。しかも、その更新時期が、約十年後の平成三十年代に集中的に到来するということを聞いております。
昨年の夏ですか、呉市で断水が十日以上も続いて、市民の方たちが大変困った様子が、生々しくテレビで報じられておりました。約三万世帯、七万人の人が不自由な生活を強いられたということで、まだ記憶に新しいかなと思っております。
これは、施設の老朽化に対する日ごろからの備えが肝心です。計画的な方針が安定給水に不可欠でもあります。さきの本会議では、浄水場のすべてを更新するとなれば、約一兆円の事業費が必要という発言がございました。
そこで、まず一兆円算出の方法を、具体的に教えていただければと思います。
○鈴木企画担当部長 更新と新設とは単純に比較することはできませんが、最も建設年次の新しい平成五年に完成いたしました三郷浄水場の建設費を用いて算出したものでございます。具体的には、三郷浄水場の建設費を施設能力の日量百十万立方メートルで割り返しまして、一立方メートル当たりの単価を算出し、これに都が現在保有する全施設能力の日量六百八十六万立方メートルを乗じますと、一兆円となります。
○野上(純)委員 一立方メートルの単価に六百八十六万立方メートルを掛けたということですね。安定供給の観点から、更新の必要性は理解できます。でも、この一兆円を更新するということで、例えば、二十年かけて単純に更新したとしても、一兆割る二十年で、毎年五百億円もの経費がかかることになります。これは大変膨大な経費です。しかも、浄水場だけの更新だけでこれだけの経費なので、この更新に当たっては、何らかの工夫をしていかなければならないと思っておりますが、どんな工夫をして更新していくのか、伺います。
○鈴木企画担当部長 当局では、これまでも、配水管などの現況を調査いたしまして、調査結果をもとに計画的に更新を行うなど、効率的な施設整備を行ってまいりました。今後、大規模浄水場が集中的に更新時期を迎えるに当たりまして、アセットマネジメント手法を導入して施設の機能や劣化状況を長期的に評価いたし、浄水場の延命化や計画的な更新による事業の平準化を行ってまいります。
さらに、更新に当たりましては、膜ろ過方式などの新しい技術を導入いたしまして、より高性能でかつ効率的に維持管理できる施設に整備していくこととしております。
こうした取り組みによりまして、最も費用対効果の高い浄水場の管理、運営を行ってまいります。
○野上(純)委員 アセットマネジメント手法を使うということですね。安定供給を確保しながら、施設の延命化により事業も平準化する。しかも、経費が最少化するということは、大変結構なことだと思います。ぜひ積極的な取り組みを行って、仮にも安易な料金値上げをすることのないよう強く要望して、次の質問に移ります。
次に、公立小学校の水飲み栓直結給水化モデル事業について伺います。
以前の東京の水道水は、余りおいしいとはいえませんでした。特に金町はおいしくなかったですね。しかし、最近は、高度浄水処理の導入などの水道局の取り組みにより、随分おいしくなったと感じます。にもかかわらず、ペットボトルの普及などにより、一般的に蛇口から水を飲まなくなっていると聞いております。水道局として、小学校の水使用の実態をどう把握しているのか、お伺いいたします。
○増子給水部長 武蔵工業大学が中心となって、小学生の学校における水使用に関する全国のアンケート調査を実施しておりますが、これによりますと、回答のあった六百十七校のうち、約九〇%の学校では熱中症予防等のため水分補給の指導を行っておりまして、約四〇%の学校で自宅から水筒を持参させているということであります。
都におきましては、昨年から小学校を訪問して水道キャラバンを行っておりますが、この中で先生に対して児童の水使用に関するアンケート調査を実施いたしましたところ、回答のあった六十四校のうち、約三〇%の学校で水筒を持参しているということでありました。
○野上(純)委員 せっかく水道局が高度浄水処理とかをして安全でおいしい水をつくって供給しているにもかかわらず、蛇口から水を飲まない、水分補給のため児童が水筒を持参をしているということで、このことについて水道局では、子どもが直接水を飲まない原因を、どうとらえているんでしょうか。
○増子給水部長 小学校では、近年、児童数の減などに伴う水使用量の減少や、土日などの休み期間に水を使わないことなどにより、貯水槽の中で水が滞留し、特に夏場におきましては水温の上昇や水質の劣化を招くことがございます。このように、浄水場でつくられている安全でおいしい水が小学校の蛇口まで直接届いていないということが、児童が直接水を飲まない原因の一つになっていると考えております。
○野上(純)委員 私も現場の教員をやっていたときに、月曜日の朝は水道の蛇口を全部開いて三十分ぐらい出しっ放しにしておきました。それぐらい土日の間に結構よどんでいるというのか、おいしくない水に変わっているということがあると思うんです。
また、水筒での水分補給ということで、確かに小学校でもかなりな学校が水筒持参をしてきております。だけど、この中身に関しては、なかなか何を入れてきているのかわからないということで、中にはジュースだったり、ポカリスエットだったり、水じゃなくてお茶だったりとか、いろいろなものが入っているので、特に甘いものを入れてくると、虫歯とか食育の観点からも問題だと思いますし、また、水筒の洗浄が不十分だと不衛生になる場合もあります。
私たちが子どものころは、ちょっと年齢が皆さん違うので、私たちといっても一くくりじゃないんですけれども、のどが渇けば蛇口から水を思い切り飲んだという経験があると思います。さっきのアンケートの結果を聞くと、昔のよき習慣がなくなってきているといわざるを得ないと思います。
こうした中で、先日説明があった東京水道経営プラン二〇〇七によれば、公立小学校の水飲み栓直結給水化モデル事業を実施するということです。子どもたちが蛇口から直接水を飲めるということは、大変喜ばしいことです。
ところで、私は葛飾区の出身ですが、調べてみると、葛飾区では四十九の公立小学校がありますが、水飲み栓を直結化している学校はありません。
そこで、都内の公立小学校では、どれぐらいの学校が直接給水化を実施しているのか、まず、その状況についてお伺いいたします。
○増子給水部長 各区市町の教育委員会への調査によりますと、小学校の給水方式は、全面的に直結給水になっている七校を除きまして、貯水槽水道方式となっております。このうち校舎や校庭の水飲み栓の一部が直結給水となっている学校もございますけれども、その数は七十校程度でありまして、都営水道区域全体の約千三百校の六%程度となっております。
○野上(純)委員 都内全体を見ても、いまだにほとんどの学校が貯水槽を使用しているということがわかりました。一方、数は少ないですけれども、既に蛇口を直結化している学校があるということです。その学校関係者や子どもたちはどのように受けとめているのか、興味があります。
そこで、既に直結化している小学校での評判がどうなのか、伺います。
○増子給水部長 既に直結化した小学校での話を聞きますと、児童や先生方からは、おいしい、冷たい水が出るということで、上々の評判でございます。先生方からは、児童が直接蛇口から水を飲むようになり、大きく変わったと聞いております。
また、休み明けに貯水槽の滞留水を排出するということが不要となりまして、児童に節水の指導がしやすくなったということでございます。
○野上(純)委員 直結した小学校では、水質、おいしさの面から非常に評判がよいということですね。また、児童に節水を指導しやすくなったというのは、私の教職員経験からすると、非常に興味深いものがあります。
しかし、小学校は震災時の避難場所に指定されております。水の確保の観点からも、単純に直結化をしていいのかという見方もあると思います。
また、授業時間中に直結化工事を実施すると、工事の騒音などで児童が授業に集中できなくなることもあると思います。
そこで、この直結化に当たり、震災時の水の確保や、児童の学習環境について、どのように配慮しているのか、伺います。
○増子給水部長 本モデル事業は、校舎内や校庭の水飲み栓を貯水槽系統から切り離しまして、直結給水に切りかえる工事を行うものでございます。トイレ等につきましては、これまでどおり貯水槽系統から給水し、貯水槽を残すことを基本としておりますため、災害対策としての貯留機能が確保されることになります。
また、児童の学習環境に配慮して、工事を夏休みなどの休み期間に実施するとともに、事業を進めるに当たっては、区市町の要望に柔軟に対応してまいりたいと考えております。
○野上(純)委員 蛇口から直接水が飲めるということ、それから、災害対策、また、児童の学習環境を考慮し工事は夏休みにする、そういった配慮に対しては評価をいたします。
直結給水化の工事により、蛇口から直接おいしい水が飲めるようになることは、本当に大切なことだと思っております。本モデル事業を起爆剤として、小学校だけでなく、広く直結給水方式の普及促進を図って、蛇口から直接水を飲むという日本の水道文化を守り、継承していっていただきたいと思います。
次に、国際貢献について伺います。
さきの代表質問においても、我が党の石井幹事長が、水道局の国際貢献について質問いたしました。その中で、水道局はこれまでもJICAと協力をしながら、アジア諸国はもとよりアフリカなど広く世界各国への職員の派遣や研修の申し入れを実施しており、今後も漏水防止などの技術協力を通じて、アジアを初めとする国外の水道界への積極的な貢献を果たすと答弁がございました。
私も、予算特別委員会において、漏水防止対策の効果について検証いたしました。徹底した漏水防止に取り組むということで、昭和三十年代には二〇%以上あった漏水率が、平成十七年度末には四・二%まで低下しており、水源開発の抑制や管路の耐震化、環境負荷の低減など、一石三鳥の効果があったといえます。
一方、アジアに目を向けると、ほとんどの都市で漏水率は、いまだ数十%であります。ちょっとパネルなんですけれども(パネルを示す)、ちなみに、フィリピン、マニラでは漏水率が六二%、それから、インドネシアのジャカルタでは五一%、半分漏水してなくなっているという。マレーシア、クアラルンプールでは四三%、ベトナムのホーチミンでは三八%、カンボジアのプノンペンでは二八%が漏水をしている。非常にもったいないことだと思っております。
こうした漏水防止の技術を積極的に発信していくことが国際貢献につながります。しかし、東京水道には、漏水防止の技術以外にも、世界的に見て高水準の技術がまだまだあるかと思います。
そこで、東京水道が海外に発信していくことができる技術としてどのようなものがあるのか、お伺いします。
○鈴木企画担当部長 先生ご指摘のとおり、当局はこれまでもJICAなどの関係機関と連携いたしまして、職員の派遣や研修生の受け入れを通じて、漏水防止技術など、さまざまな先進的な技術を海外に向けて発信してまいりました。今後も当局の保有する技術のうち、漏水防止を初めといたしまして、管路の更新、高度浄水処理、水運用、水質検査など、水道システムとして重要な技術を積極的に海外に発信していくことができると考えております。
○野上(純)委員 漏水防止技術を初めとして、高度浄水処理、水運用、水質検査など、東京水道は多様な技術を保有しております。より積極的にそうした技術を世界に発信していくことが、世界の水道のレベルアップにつながると考えます。
水道局の研修・開発センターは、少数精鋭時代を迎えるに当たり、技術継承と人材育成を目的に設立されたと聞いております。研修・開発センターは実習施設を備えており、また、ことしの秋には、国際会議であるISO/TC二二四の最終総会が開かれるなど、国際貢献に当たって重要な役割を担うことができると思います。
そこで、国際貢献を推進していく上で、研修・開発センターを具体的にどのように使っていくのか、お伺いいたします。
○小山職員部長 世界におきます水道事業の状況を見ますと、ただいまお話のありましたように、とりわけアジアの水道事業者にとりましては、漏水率の低減や浄水処理技術などの高度な水道技術の習得が喫緊の課題となっております。平成十七年度に開設いたしました研修・開発センターは、全体で約五百人の研修生を収容できる教室を有するとともに、配管接合、漏水検知、浄水処理などのさまざまな実習フィールドを備えるなど、こうした海外の水道事業者からの要請にこたえる能力を十分に有しております。
このため、アジアを初めとする海外からの研修生を積極的に受け入れ、東京水道の多様な技術を身をもって学ぶ場として、研修・開発センターを有効に活用していく考えであります。今後ともこうした取り組みを行い、アジアに開かれた研修・開発センターとして、これまで東京水道が培ってきた技術を積極的に世界に発信してまいります。
○野上(純)委員 今後、東京へのオリンピック招致に向けても、この高い技術を有する東京水道の国際貢献は重要な役割を果たすものと考えます。研修・開発センターなどの施設を最大限有効に活用し、東京水道の高い水道技術を積極的に世界に発信していただきたいと思います。
これまで、大規模浄水場の更新、公立小学校の水飲み栓直結給水化モデル事業など、将来を見据えた施設の展開について質問してきましたが、冒頭申し上げたように、将来にわたって安全でおいしい水を安定的に供給するためには、次世代を見据えた幅の広い視点での事業運営が不可欠です。
そこで、最後に、局長にその決意を伺って、質問を終わります。
○御園水道局長 都の水道は、都民生活と首都東京の都市活動を支える重要なライフラインでございまして、これまで施設の耐震化やバックアップ機能の強化などを着実に進め、給水安定性の向上を図るとともに、高度浄水処理の導入を推進するなど、安全でおいしい水の供給に努めてきております。
しかしながら、都の水源は渇水に対する安全度が低いなどの課題をいまだ抱えていること、現在の施設の中には老朽化により機能が低下しているものがあることなど、施設水準のさらなる向上が必要となっております。また、蛇口離れが進行するなど、水道水に対してより一層の安全・安心が求められております。
こうしたことから、渇水時にも対応できる水源の確保や、バックアップ機能の強化はもとより、首都直下地震を踏まえた一層の水道施設の耐震化、集中的に到来する大規模施設の更新に備えた取り組みなど、安定給水の確保に必要な施策を推進してまいります。
また、より安全でおいしい水を供給していくため、引き続き高度浄水処理の導入に取り組むとともに、公立小学校の水飲み栓直結給水化モデル事業など、貯水槽水道対策等を一層効果的に進めてまいります。
こうした水源から蛇口までの総合的な取り組みを次世代を見据えて計画的に推進し、将来にわたって安全でおいしい水の安定的な供給に努めてまいります。
○松村委員 水道局の二〇〇七年度、平成十九年度予算でも、八ッ場ダム等水源開発予算を多額な経費を見込んでおります。水源分担金として六十七億ですし、ここには一般会計からも、都債ですけれども、二十二億三千四百万が投入されます。私どもの方からは、これまでも繰り返し、過大な水需給計画を見直せば、先ほど、今後の既存施設の更新も多額にかかるということも、その計算の土台は、やはり水需給計画に基づくものですから、そこを現実的なものに、よりしていけば、私は貴重な、都民の水道料金も含めた財源を、もっと都民の生活や暮らしに回すことができるという立場から、幾つか質問するわけであります。
今、八ッ場ダムなどの水源開発の来年度予算については指摘しましたけれども、実際、これは予算特別委員会に出された水道局の水道需要予測の経過と実績、つまり、一日の最大配水量の実績、一日平均配水量の実績が、これは平成十七年度を見ますと、最大配水量の実績は五百八万四千立方メートルですよね。平均配水量は四百五十二万三千立方メートル。
ところが、水需給の計画は、これは平成十五年十二月に改定しましたけれども、引き続き二十五年度まで六百万立方メートル。実際、平成十七年度を見ても、最大でも五百万立方メートル、一日平均配水量で見ても百五十万ぐらいの乖離がある。
これは予算特別委員会の資料では、十七年度までの実績の数字が出たと思うんですけれども、来年度の水道局の主要事業計画書では、実際、これは二ページの平成十九年度予算見積もり主要事項の中の一日平均配水量は、さらに、十九年度の、これは実際の実績ですけれども、それを下回る四百四十七万六千立方メートルなんですね。
だから、ふえる、ふえると、いつもいいながら、これは予算特別委員会の資料ですけれども、やはり過去二十年間をとってみても、水道の実績というのは、最低というか、低いんですよ。それだけ節水効果とかいろんなものが上がっているというふうに思いますけれども。
だから、私は、常日ごろ、もっと現実に合わせて水需給計画を、前回は平成十五年十二月の改定ですけれども、引き下げるべきだと。そして、それに伴って、皆さん方とは見解が違うんですけれども、安定給水といっても、もっと節水をやるとかいえば十分足りる。だから、そういう八ッ場ダム等の開発は、これは水の面からじゃないんですね、吾妻渓谷の破壊とか、強い酸性水の影響とか、建設計画そのものにも疑問が投げかけられているから、そういう点からもやはり水道局の見直しが必要だということを−−これまでもやってきたから、また質問という形をとらないで、そういうことをちょっと前提としてですね。
今は、やはり都民生活というのが、景気が回復したといっても、貧富の格差が広がるとか、ワーキングプアといわれるように、本当に生活水準以下で、働いて頑張っている家庭がふえて、やっぱり首都東京で最もそういうあらわれが鋭いときに、私は、きょうも、中小業とか、その他社会的に弱い立場の方々への減免の請願もかけられておりますし、もっともっとそういう努力が必要なんじゃないかというふうに思います。
長くなりましたけれども、今の水道料金の未納の発生件数や給水停止件数について、まず、お答えいただけますか。
○大平サービス推進部長 平成十七年度の未納カードの発行枚数が八十九万二千九百五十一枚、給水停止件数でいいますと十万五百三十一件、そういう状況でございます。
○松村委員 私も予算特別委員会で出された資料だったもので、余り質問しないでしゃべっているとあれなので、答えてもらいましたけれども、今、答弁があったとおり、未納カード発行も十年前に比べて二十一万ふえているんですね。それから、給水停止件数も、やはり十年前に比べて一万七千件ですか、ついに十万を突破しているというところにも、やはり非常に都民の弱い、弱者というか、立場の方々の本当に生活の大変な状況というものが、こういう点にもあらわれているんじゃないかというふうに思うんです。
それで、他の都市の減免状況、これについてもちょっとお答えいただければ−−いいです。私の方で調べておりますけれども、これまでも努力されて、私たちも議会決議で、今回もこの請願がかかっておりますけれども、私は、もっともっと、例えば、今の減免対象は、基本料金と消費税相当額の免除対象は、生活扶助を受けている世帯、児童扶養手当を受けている世帯などですよね。あと、皮革業者だとか。これをさらに住民税非課税世帯とか、高齢者世帯、障害者や、ひとり親世帯にも拡充することが、今は求められているんじゃないかというふうに思うんです。
それで、私も他の大都市の水道料減免の状況を見ましたら、仙台市では、市・県民税均等割及び所得割を非課税とされている世帯、これは基本料金分を免除しているんですね。それから、川崎市も、身体障害者や知的障害者がいる世帯は基本料金相当額を免除。横浜市でも、いろいろ東京都と同じような形でやっていますけれども、ひとり親家庭世帯、これの基本料金相当額を免除。大阪市は、六十五歳以上の方がいる世帯の基本料金と消費税相当額を免除ということなんです。
その点についての、私は水道局の、さらに、私たち議会が決議したり、いろいろ議会も努力しなけりゃだめですけれども、水道局としての、さらに水道料減免を拡充する、そういう考え方について伺いたいと思います。
○鈴木総務部長 東京都では、給水条例第三十条第二項の規定に基づきまして、生活扶助、児童扶養手当、それから特別児童扶養手当を受けていらっしゃる方に対しまして水道料金の減免措置を実施をしているところでございます。
また、都議会の決議を尊重いたしまして実施をしております減免措置につきましては、教育扶助、住宅扶助、医療扶助または介護扶助を受けられている方や社会福祉施設などを対象としておりまして、一般会計からの減収分の補てんを前提に、公営企業におきます独立採算の原則及び負担の公平に対する例外措置としまして、平成十九年三月三十一日まで実施しているところでございます。
こうした減免措置の実施状況などを踏まえますと、ご提案の非課税世帯あるいは高齢者世帯に対する水道料金の減免措置は困難だというふうに考えております。
○松村委員 そういう機械的な答弁じゃなく。まあ制度的な仕組みはわかりますよね。だからこそ、一般会計から企業会計に、やっぱり少しでも応援するという意味なんですけれども、私はもっともっと当局側としても、先ほどいった、いろんな財源の使い方を切りかえることによって、または、だから一般会計の方にももっと求めるとか、私はそういう余地があると思うんです。
それでは水道局自身ができることとしたら、じゃ、じゃといったらおかしいですけれども、基本料金ですよね。基本料金についてはどうなのかということで、そこの部分を下げれば、やはり全体は救われる。しかし、要するに、大口とかそういうのじゃなくて、今いった、本当に弱者に対する水道料、給水停止などがされるようなことがないようにということで、じゃ、東京の今の水道料金、基本料金がどうなのかという点で、これも皆さん方に資料はあるでしょうか。
例えば、一カ月口径二〇ミリで最も小さい単位としての五立方メートルで、これは予算特別委員会で出されている資料では、東京は一千百七十五円なんですよね。同じ、やはりさいたまは一千百三十四円で若干低いんですけれども、川崎は五百五十六円、横浜市は八百二十九円、あと、京都市が九百十三円、大阪市が九百九十七円ですか、堺市、区によって違いますけれども、美原区というんですか、八百四十円とか、等々、かなりやはり東京よりも五立方メートルでの基本料金は低いわけであります。
私、これを例えば、今、川崎市並みに、それぞれ市の独自のやっぱりあれがあると思いますけれども、五百五十六円ぐらいになったら、私は本当にどれほど、そういう小口を使う家庭がやっぱり助かるかということなんですけれども。
じゃ、この基本料金についての水道局ご自身、三年間、これから値上げしないで頑張るということは評価します。さらに私は経営努力をしていただければ、今そういう本当に弱いというか、経済的に困難な方々にもっと水道局自身としての救済というか、いろいろな手も工夫できるんじゃないかというふうに思っていますし、それだけ私は今日の都民生活は、下の方々というか、大変な事態にあるというふうに思うので、この点についてのご見解もお聞きしたいというふうに思います。
○鈴木総務部長 東京都の水道料金は、浄水場や管路などの維持管理に必要となります固定経費を賄うための基本料金と、水の使用量に応じて負担をいただきます従量料金とで構成をされておりますいわゆる二部料金体系のもとに、常に適正な原価を反映しているものというふうに考えております。
現在の水道料金は、徹底した経営努力を実施した上で、必要な事業を行うために必要な水準として設定をいたしまして、平成十六年都議会第三回定例会に料金体系の見直しとして提案をいたしましてご承認をいただいたものでございまして、料金の引き下げについては考えてございません。
なお、今ご指摘をいただきました基本水量についてでございますが、東京都では基本料金に五立方メートルまでの使用水量を含んでおりますが、政令指定都市では十立方メートルまでの使用水量を含んでいる場合がほとんどでございます。そのことの反映という面もございますが、都の基本水量であります五立方メートルを使用した場合の料金、それから二つ目としまして十立方メートルを使用した場合の料金、それから三つ目としまして、一般家庭の平均的な使用水量であります月二十四立方メートルを使用した場合の料金をそれぞれ比較してみますと、東京都の水道料金、いずれの場合につきましても、政令指定都市の平均と遜色ない水準となっているものと思っております。
○松村委員 今、私もその両方の資料あるんですよ。わかりやすくいうために五立方を使ったんですけれども、遜色ないといっても、十立方メートルを比べてみても、もっと東京都は努力できる余地があるということも踏まえながら引き下げを求めたわけであります。
実際、全体的に、今この経営計画も含めて、水道の事業会計の損益勘定留保資金の推移を見ても、純利益、やはり予算特別委員会に出されている資料では、この十年間、十九年度予算案で見て純利益では五百八十七億八千五百万ですね。これも十年間で見れば過去最高になっているわけなんです。
ですから、今後の施設の更新とか、そういう投資的な経費の規模を抑えていけば、値上げはしないというだけじゃなくて、かなり私はもっと東京の水道料金は引き下げる余地が、こういう点を見ても可能だというふうに見ております。
十五分といった時間が過ぎましたので、そういう意味では、今度の予算案は、都民の立場から見て、私ども賛成できないという立場もあわせて見解を表明しまして、質問を終わります。
○福士委員 それでは私も、八ッ場ダムの不要性についてはもう今までも何度も数字も申し上げて、そしてお伺いもしてまいりましたので、その上でなお見直しがされませんけれども、都民の優遇性のためにただ何でもつくればいいよねというようなものではないと思いますので。
そこでまず、ダム建設の安全性についてきょうはお伺いをいたします。
以前にも質問したところですけれども、再度確認させていただきます。
滝沢ダムでは二〇〇五年の十月に試験湛水を開始しました。その直後に貯水池斜面に亀裂が発生して、対策を行いました。私も拝見してまいりましたけれども、その翌年の二〇〇六年八月に試験湛水を再開して継続しているはずですけれども、その後、新たな問題は発生していないのか、また予定工期どおり完成するのか、再度確認させていただきます。
○鈴木企画担当部長 滝沢ダムにつきましては、試験湛水を実施していた平成十七年十一月に、貯水池左岸の斜面の一部に亀裂が確認されました。そのため、事業者である独立行政法人水資源機構は試験湛水を一時中断し、外部の専門家による検討結果に基づきまして押さえ盛り土工法による対策工事を行い、平成十八年八月から試験湛水を再開しております。
現在、試験湛水は順調に進んでおり、その後の問題は生じてないと聞いております。
また、独立行政法人水資源機構によりますと、予定工期どおり平成十九年度内に完成するとしており、平成二十年度からダムの運用が開始される見込みでございます。
○福士委員 その後は問題ないということですけれども、現在建設を進めている八ッ場ダムでも、滝沢ダムと同じ技術書に基づいて地すべり対策が検討されていることから、同様に地すべりが発生するのではないでしょうか。
なぜなら、滝沢ダムは一九六九年に実施計画調査が開始されて、三十年後の九九年三月に本体工事が開始されました。この地域は地すべり地として知られておりまして、特にダムサイト直上流部は大規模な地すべりブロックであるということが認識されて、その上で建設上の対策がとられたはずなんですね。それにもかかわらず、試験湛水が始まるやいなや亀裂が生じる、こういうことが起きて、そしてさらなる対策がとられたものです。
そこで、八ッ場ダムにおける地すべり対策の安全性について都はどのように認識されているのかお伺いします。
○鈴木企画担当部長 八ッ場ダムの地すべり対策につきましては、国土交通省において地質や地すべりの専門家で構成された八ッ場ダム貯水池周辺地盤安定検討委員会による検討を経まして必要な対策が実施されております。
また、国土交通省によりますと、ダム完成後の湛水に当たりましては、万全を期すため、八ッ場ダム貯水池周辺地盤安定検討委員会の意見を聞きながら、必要な箇所で斜面の変動を計測する動態観測等を実施する予定と聞いております。
○福士委員 必要な箇所で計測を実施する予定というふうに今おっしゃいましたけれども、その計測はいつまででどのくらいの期間行われるんでしょうか。
○鈴木企画担当部長 八ッ場ダムの貯水池周辺の地すべり対策について繰り返し申しますが、国土交通省におきましては全体で二十二カ所の場所を抽出いたしまして詳細な検討をしております。そのうち三カ所につきましてボーリング動態調査を実施する予定というふうに聞いております。
○福士委員 細かいことはまたおいおいに伺いますが、地すべりについては、国が決めたんだから大丈夫という性善説に基づいておられるようですけれども、近年、この滝沢ダムだけではなくて、奈良県の大滝ダムにおいても試験湛水期に大規模な地すべりが発生しました。大滝ダムにおいては二〇〇三年の三月に試験湛水を開始したんですが、一年後の二〇〇四年四月に右岸の、これは白屋地区というんですか、大規模な地すべりが起きまして、家屋や道路にひび割れが発生して、この地域では全戸永住移転の要望が出される事態となっています。
さきに述べました滝沢ダムの例も同様ですけれども、これらの事例は国土交通省の地すべり予測能力の低さと、それから地すべりへの対策が不十分であるということを示しているんじゃないでしょうか。こうした失態を繰り返すということは、ダム建設の際に指針となる地すべり対策の技術書及び判断に問題があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
地すべり発生の危険性については、国のいい分をうのみにしてダムの完成後に地すべり対策工事が発生することになりますと、また工事費がはね上がる危険性もあります。
また、それだけではなくて、八ッ場ダムの建設地は本当にダム開発地としてふさわしい地域なのか、あるいは可能な地域なのかという大きな問題も抱えていると思います。少なくとも火山地帯だからこそ温泉があり、酸性の川があるわけで、火山地帯の地盤は大丈夫といわれても、素人として考えても疑問に思うわけです。
都は、国に対して技術書の見直しを要請すべきではないでしょうか。ご見解を伺います。
○鈴木企画担当部長 地すべり対策の技術書につきましては、地すべりの専門家で構成された貯水池周辺地山安定対策に関する検討委員会、この委員会による検討を踏まえて作成されたものでございます。
また、滝沢ダム、八ッ場ダムの地すべり対策につきましても、それぞれ地すべり等の専門家で構成されております委員会で詳細な検討を行って必要な対策が実施されているものと聞いております。
○福士委員 ただただすべてを信頼するというのは、人間的なつき合いとしては私は大変すばらしいことだと思いますけれども、国民の税金を使い、そしてまた都民の税金も使い、地域の生活を脅かしてまで人生設計を破壊させても、不必要だねといわれる意見もあるような、そういうダムを強行するのは問題じゃないかなというふうに思います。
環境保護の重要性がこれほど問われている時代に、国のいいなりになるのではなくて、地域からも今までの予測の甘さ、現実に大丈夫ですといってつくったものがクラックを起こしたりしているわけですから、こういう予測の甘さや必然性についてきちんと確認すべきであると思いますし、都の責任でもあるというふうに私は思います。
基本的に日本列島は火山活動や地震活動による破砕や変質が多発して、そして地形や地質、それぞれがモザイク模様のように、連続性は小さく変化は激しいというふうにいわれております。そういう地域であることもきちんと心していただいて、国に対してもしっかり伺うべきところは伺い、そして意見をいうべきときは意見をいうという姿勢を示していただきたいということを申し上げておきます。
そして次の質問に移りますが、直結給水の適用拡大について次はお伺いをいたします。
水道局では、二〇〇四年の九月からクリーンアップ貯水槽を実施されて、貯水槽水道の管理状況を調査されているようですけれども、ステップⅡでも課題とされているように、定期検査や清掃などの法規制のない十立方メートル以下のものが九割も占めているというふうに書かれておりました。
調査をされて、現状はどのような状況なのかをお伺いしたいと思います。
○増子給水部長 貯水槽水道の点検調査は、平成十八年度末までに都内に約二十二万件ある貯水槽水道の六〇%程度の調査を完了する予定でございます。平成十八年十二月末までの実績では、適正に管理されていたものが約九一%、管理が不備なため改善を要するものが約九%ございました。管理が不備の場合には、貯水槽水道の設置者に対して適正な管理を促すとともに、その後の改善状況も再調査し、フォローアップに努めているところでございます。
○福士委員 適正管理を指導されてもそのまま放置されることのないよう、再チェックこそ大変重要だと思いますので、ぜひ努力をしていただきたいというふうに思います。
本年一月に直圧直結給水方式の適用範囲を拡大したというふうに伺っております。まだ始まったばかりではありますけれども、これによって直結給水方式の普及が促進するのかなというふうに私も考えました。
ただ、新築の場合は管理の面倒もなくて採用されやすいと思われますけれども、古い建物では切りかえもなかなか、お金のかかることですし、進めにくいことも想定されますが、新築建物での直結給水方式の採用状況と、それから貯水槽水道方式から直結給水方式への切りかえ状況はどのような状況になっているのかお伺いをいたします。
○増子給水部長 新築の建物では、大規模ビル等を除きましてほとんどで直結給水方式が採用されております。一方、既存建物における貯水槽水道方式から直結給水方式への切りかえは、平成十七年度は約千四百件でありまして、都内に約二十二万件ある貯水槽水道に対して一%以下となっておりまして、余り切りかえが進んでいない状況にございます。
○福士委員 二十二万件の中で千四百件というと数的にはという問題はありますけれども、ただ、相手のあることなので大変といえば大変なのかなというふうには思いますし、適正に管理されていたものも結構あると思いますので、直結給水にすればいいよねというだけではなくて、適正な管理をされていること自体が重要な問題かなとは思います。
貯水槽水道方式から直結給水方式への切りかえをやっぱりもうちょっとPRすることが大事なんじゃないかなというふうに思うんですね。私は小さなマンションの理事がお当番で回ってくるんですけれども、こちらからその話を出さないとなかなか理事会での話題にもならないというようなこともありまして、きちんとどれだけの方々にPRされるかなというのは大変重要な問題になってくると思いますけれども、水道局の取り組み状況についてお伺いをいたします。
○増子給水部長 先ほども話がございました貯水槽水道の点検調査のときに、直結給水方式のさまざまなメリットをパンフレットなどにより説明をいたすとともに、一般的な切りかえの方法や費用につきましてリーフレットを用いて紹介をいたしましてPRをしてございます。
また、全戸配布している「水道ニュース」や水道局のホームページなどを活用してPRに努めるとともに、テレビや新聞などへも情報提供を行っており、直結給水への切りかえについて取り上げていただいてございます。
これらによりまして、設置者に対しまして、貯水槽水道方式から直結給水方式へ切りかえていただくよう積極的に働きかけを行ってございます。
○福士委員 ありがとうございました。まあ努力はされているようですし、メンテナンスの手間もないわけで、直結給水に切りかえた方が便利とわかっていても、なかなかそうはいかない現実の問題もたくさんあろうかなというふうには思います。
また、そんな中で、小さな建物ほど何か放置されやすいんではないかなという心配もありますし、清掃もしないでということになりかねないので、ぜひ、先ほど再チェックもされているようですし、ご努力をお願いしておきたいと思います。
それから、小学校に関しては、先ほど質問がありましたので、ちょっと意見だけ述べさせていただきたいというふうに思いますけれども、水道局では二〇〇七年度から公立小学校の水道の飲み場から、水道栓から直結給水管のモデル事業を始めるというふうに伺っております。データによりますととりあえず四十八校という、先ほどの数字とは何か違っていたように伺っておりまして、何か二〇〇八年度までに四百校で全体の三割くらいがいくというふうに私は認識をしていたんですが、学校で子どもたちが安全でおいしい水を直接飲めるように、本事業については、区市町村との調整もあろうかと思いますので簡単にいくとは思いませんけれども、なるべく積極的に取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○吉倉委員 私は、安定した水源の確保の必要性について簡潔にお伺いしたいと思います。
都の水道は都民生活と首都東京の都市活動を支える重要なライフラインであり、いっときたりとも欠くことのできないものであります。こうしたことから我が党ではこれまでも、震災時の備えや渇水時の水源の確保の必要性などについて数々の指摘あるいは要望を行ってきたところであります。特にことしは暖冬で、夏の水源状況が危惧される中、水源の確保が気にかかるところでもあります。私も一昨年十一月二十五日、八ッ場ダムの現状を視察してまいりました。
そこで、改めて、八ッ場ダムの必要性を具体的に説明いただきたいと思います。
○鈴木企画担当部長 ご指摘のとおり、水道は都民生活や首都東京の都市活動に欠くことのできないライフラインでございまして、平常時はもとより渇水時にも安定的な給水を行うため、水源の確保は重要な課題でございます。
しかし、現在保有している水源量、日量六百二十三万立方メートルのうち、取水の安定性などに課題を抱える水源が日量八十二万立方メートル含まれております。また、水源開発は通常十年に一回の割合で発生する規模の渇水への対応を目標に計画されておりますが、都の水源の約八割を占める利根川水系では、五年に一回の割合で発生する規模の渇水への対応を目標に計画されておりまして、淀川水系、木曽川水系などと比較いたしまして渇水に対する安全度が低い状況にございます。
さらに、国土交通省が発行した「首都圏を取り巻く水事情」によりますと、全体として少雨傾向にある中で近年の降雨状況を踏まえますと、現在の利根川水系では河川の自流及びダムからの供給量が計画していた水量よりも二割程度減少しているということであります。渇水が発生しやすい状況にございます。
こうしたことから、首都東京を渇水に強い都市とするため、八ッ場ダム等による水源確保が必要でございます。
○吉倉委員 さきの予算特別委員会でも我が党の野上議員が取り上げましたが、漏水が多ければ必要以上にダム開発を進めることとなります。これまで都では、節水型都市づくりに積極的に取り組むとともに、夜間作業を行い、地中でのわずかな漏水をも発見して修繕するなど、徹底した漏水防止にも取り組むなどあらゆる努力を払っているとお聞きしております。
現在進めているダム開発は、共産党が殊さら主張するようなむだな投資では決してなく、逆に、むだな投資を徹底して省いた上で、将来にわたる安定給水に必要な投資であると考えております。現在開発中の八ッ場ダムについては、ぜひ着実な実施を要望しておきたいと思います。
そこで、次に、ただいま松村副委員長の質疑の中で、ダム開発が過大な投資であり、むだだという趣旨の意見を主張されておりましたが、では、渇水によってどのような影響が想定されるのかお聞きしておきたいと思います。
○鈴木企画担当部長 渇水により大規模な減水や断水が発生いたしますと、家庭では炊事、入浴及びトイレの使用に支障を来すなど不便な生活を余儀なくされます。このような状況が長期にわたる場合には、衛生状態も含め深刻な状況に至ることが考えられます。
また、手術や人工透析の制約など、医療活動への重大な影響も懸念をされます。
さらに、都市活動におきましては、水道を多量に使用する工場の操業停止やオフィスビルの機能不全など、首都に集中する企業活動の停滞が予想されるところでございます。
○吉倉委員 大変なことだと思います。以前、知事も、ダム開発を中止して断水になっても反対会派が責任をとるわけではない、こういうような趣旨の発言をしたことがありますけれども、全く同感であります。責任ある政党として、そのような無責任な発言はできません。改めて、現在開発中の八ッ場ダムについては、ぜひ着実な実施を強く強く要望して、私の質問を終わります。
○秋田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 異議なしと認め、本案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で水道局関係を終わります。
○秋田委員長 これより下水道局関係に入ります。
初めに請願の審査を行います。
一九第一号、上・下水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率の継続に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○野口総務部長 それでは、請願一九第一号につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料、請願・陳情審査説明表をお開き願います。
この請願は、用水型皮革関連企業協議会会長の市田良一さんから提出されたものでございます。
請願の要旨は、平成十八年度末をもって終了予定の油脂・皮革関連企業に対する下水道料金の減免措置及び減免率を継続していただきたいという内容でございます。
現在の状況でございますが、用水型皮革関連企業に対する下水道料金の減免措置は、平成十八年第一回都議会定例会における決議の趣旨を尊重し、一般会計からの減収分の補てんを前提に、独立採算の原則及び負担の公平の原則に対する例外措置として、平成十九年三月三十一日まで実施しているところでございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○秋田委員長 説明は終わりました。
念のため申し上げます。
本件中、水道局所管分に対する質疑は既に終了しております。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 異議なしと認めます。よって、請願一九第一号は趣旨採択と決定いたしました。
なお、本件は、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
以上で請願の審査を終わります。
○秋田委員長 次に、予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第二十九号議案及び第九十八号議案並びに報告事項、東京都下水道事業経営計画二〇〇七について一括して議題といたします。
本案及び報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○崎山委員 きょうの質疑は、経営計画二〇〇七のうち、浸水対策について何点かお伺いいたしたいと思います。
幸いにして昨年は大雨が少なく、被害も余り発生しなかったようでありますが、近年は局所的集中豪雨が頻発をいたしております。おととしには、区部西部を中心として五千棟を超える浸水被害が発生したのは、記憶に新しいところだと思います。
都民の安全な生活や産業活動などの都市機能を支えるためにも、浸水被害の軽減に大きな役割を果たす下水道は極めて重要な社会資本であると考えております。
下水道局では、一時間五〇ミリの降雨に対応するため、幹線やポンプ所など基幹施設の整備を進めていますが、これらの施設が完成すれば確実な効果が得られるものの、整備には長い年月と多大な費用が必要であります。私の地元の東尾久ポンプ所、東尾久浄化センターの建設工事も始まったばかりでありますけれども、全面供用は何と平成三十二年以降ということで、息の長い作業というふうにいえると思います。
そこで、下水道局は、都民が実感できる効果を早期に実行させるという観点から、繰り返し浸水被害を受けていた地区について雨水整備クイックプランを推進してきました。地元の荒川区西尾久地区が、私の住んでいる地元の荒川区西尾久地区がクイックプランの重点地区として整備され、以前は頻発していた浸水被害が軽減されたことを実感として感じています。集中豪雨時に、迫りくる水に立ちすくむだけでなすすべがないやるせなさから解放された感がいたします。
そこでまず、この雨水整備クイックプランの進捗状況について初めにお伺いいたします。
○伊東建設部長 雨水整備クイックプランの進捗状況でございますが、平成十九年一月現在で重点地区は全部で四十二地区ございますが、そのうち二十四地区、小規模対応箇所では全百四十八カ所のうち百三十九カ所を完了させております。
また、浸水が発生した場合に大きな被害が予想されます東京駅、新宿駅、池袋駅、渋谷駅周辺における地下街等対策地区につきましては、全四地区のうち渋谷駅周辺が昨年十一月に完了し、新宿駅周辺につきましても今年度末には完了する予定であります。
これまでに対策が完了した地区では、浸水被害が軽減されまして、着実に成果を上げております。
本クイックプランにつきましては、平成二十年度末の完了を目指し、引き続き整備を進めてまいります。
○崎山委員 経営計画二〇〇七の一六ページにも記載をされておりますけれども、クイックプラン、平成二十年度に完了するということであります。近年増加している豪雨は狭い地域にいわば局所的に激しく降るという特徴があるため、いまだ地区によっては浸水被害を受けるところもあり、このような地区では引き続き対策が必要だと考えます。被害を受ける地域はいつも同じ地域といっても過言ではないというふうに思っております。
下水道局は、今回、経営計画二〇〇七を公表し、浸水対策の推進を重点事業として位置づけていますが、二十年度をもって、改めて申し上げますがクイックプラン完了となります。近年の豪雨により繰り返し浸水被害を受けている地区について、今後どのような対策をとっていくのか、お伺いいたしたいと思います。
○小川計画調整部長 くぼ地や坂下などの浸水被害を繰り返し受けている地域でございますが、こういった地区ではクイックプランと同様に、地域特性などを踏まえ、貯留管の整備など効果的な対策を速やかに実施してまいります。
また、河川沿いなどでは、豪雨時に河川水位が上昇し、下水道管渠から河川へ雨水が流れにくくなります。このような現象を踏まえまして、バイパス管の整備や管渠の増径を行うことにより、雨水を流れやすくし、浸水被害を軽減させてまいります。
○崎山委員 私の地元の荒川区では、本当に浸水被害が多くあるというか、隅田川がありますし、そこに全部流れてくるわけですから、ぜひぜひ、軽減はされてきたとはいえ、これからもどうなるかわかりませんけれども、繰り返し浸水被害を受けている地域、地区などでは早期に被害を軽減させるための地域特性などを踏まえた短期的な対策を、今後も積極的に進めていっていただきたいというふうに思います。
しかし、抜本的な浸水対策としては、やはり幹線やポンプ所などの基幹施設の整備が基本であり、長い時間とコストを要しますが、これらの施設についても早急に整備を進めるべきと考えております。
そこで、基幹施設の整備を今後どのように行っていくのか、お伺いいたしたいと思います。
○小川計画調整部長 幹線やポンプ所などの基幹施設の整備は、下水道事業における浸水対策の基本となるものでございます。しかし、このような基幹施設の整備にはご指摘のとおり多大な費用と長い年月を要するため、一時間五〇ミリメートルの降雨に対応した整備の進捗率は約六割にとどまっております。
今後は、浸水予想区域図をもとに、想定される浸水の深さなどにより、浸水の危険性の高い地域から重点化して幹線やポンプ所の整備を推進してまいります。
整備に当たりましては、幹線の完成した部分から一部貯留を開始するほか、規模の大きなポンプ所を分割施工し部分的に稼働させるなど、早期に浸水被害の軽減を図ってまいります。
さらに、コスト縮減や工期短縮のために新技術を導入するなどの手段を講じまして、基幹施設の早期整備に取り組んでまいります。
○崎山委員 ぜひ地域特性を踏まえた上で臨機応変な整備に努めていただければというふうに思っております。
最近頻発する集中豪雨に対応するためには、下水道の施設整備を進めるために、ハード対策だけで即応するというには限界があろうというふうに思っております。やはり自助や共助の観点から住民との連携を図り、住民みずから対策に取り組んでいただくことも重要なのではないのかなというふうに思っております。
このため、ソフト対策として住民に情報を提供し、土のうや止水板を設置してもらうなど、住民みずから浸水に備えてもらう必要もあると考えますが、そこで、住民の協力を得るため、今後、どのような取り組みを行うのかお伺いをいたします。
○桜井施設管理部長 お客様みずから浸水の備えを行っていただけるということのために、リスクコミュニケーション強化をこれまでも行ってまいりました。
取り組みといたしましては、東京アメッシュによる降雨情報をリアルタイムで下水道局のホームページや携帯電話等に提供をしております。
あるいは、浸水の危険を事前に周知するために、浸水予想地区を作成、公表したり、管渠内の水位情報を光ファイバーケーブルを活用して地元へ提供することにより、住民の水防活動に役立てていただいております。
このような降雨情報について、今後もさらにその精度を上げて住民に提供していくというようなことで、一層サービスの向上に努めていきたいというふうに考えています。
○崎山委員 東京アメッシュ、今ご答弁がありましたけれども、年間何百万件もアクセスがあるというふうに聞いております。しかし、豪雨時にはアクセスが集中して時間が、画面を見るのに時間がかかるというようなことも聞いております。肝心かなめのときに受け入れられる容量がなくては何にもなりません。降雨情報は多くの住民に利用されているということですので、豪雨時でもスムーズに降雨情報にアクセスできるような工夫を行い、住民の自助を促していくべきと考えますが、そこで東京アメッシュによる降雨情報サービスのさらなる向上に対する見解をお伺いいたしたいと思います。
○桜井施設管理部長 今ご指摘のように、東京アメッシュについては毎年アクセス数が増加をしているということで、昨年六月にはサーバーの容量を増設いたしました。今後も、アクセス数の増加に適切に対応し、お客様が降雨情報を速やかに利用できるように努めてまいります。
また、現在、東京アメッシュにつきましては、都内二基の降雨レーダーにより降雨状況を把握しておりますが、今後、近隣の県市などと連携し、降雨レーダーのデータを共有化することにより降雨情報の精度を高め、サービスの一層の向上に努めてまいりたいと思います。
○崎山委員 この東京アメッシュの観測データ、聞くところによりますと気象庁の精度よりも高く、下水道局自慢のシステムだそうでございますので、ぜひその普及、PRには努めていただきたいというふうに思っております。
これまで施設の整備や住民の協力を得るための取り組みについて伺ってきましたが、浸水対策は都民の生命財産にかかわるもので、下水道局としてもより一層取り組んでもらいたいというふうに思っております。
最後に、浸水対策に取り組む局長の決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。お願いいたします。
○前田下水道局長 策定いたしました経営計画二〇〇七では、浸水対策事業を重点事業に位置づけまして、浸水対策事業の基本となります幹線やポンプ所などの基幹施設の整備を重点的に推進し、浸水被害の軽減に努めることとしております。
また、近くまとめられる予定でございます東京都豪雨対策基本方針、これに基づきまして対策の促進エリアにおきます計画を作成し、事業を実施していくなど、河川事業などと連携した効果的な浸水対策事業を推進していく予定でございます。
さらに、地元区などの関係部署やお客様とより一層の連携を図り、全力を挙げて浸水対策事業を実施してまいります。お客様が安心・安全に暮らせるまちづくりを推進してまいります。
○野上(ゆ)委員 私からは、下水道事業における地球温暖化防止対策について伺います。
きょう、ちょうど朝の出てくるときのニュースで、気象庁が一八七六年に気温の観測を始めてから初めて、十二月から二月までの東京の気温の平均値が過去最高になった、八・六度となったというふうに、きょう報道がありました。気温の上昇とか地球温暖化というのは、二酸化炭素であるとかあるいは地球の温暖化のガスによる起因によるものだというふうに一般的にはいわれておりますし、また平成十七年の二月に京都議定書が発効したものの中には、先進国では温暖化ガスの削減に本格的に取り組む、そして日本では特に削減目標は一九九〇年に比較して六%減というふうになっています。いろんな公共団体あるいは地方自治体でも、この温暖化の取り組みが徐々にされていると私も認識しております。
そこで、今回出されました東京都下水道事業経営計画二〇〇七の三九ページに、地球環境保全への貢献というふうに題しまして温室効果ガスの排出量の削減に向けた積極的な取り組みという項目があります。
この取り組みはアースプラン二〇〇四に基づいて計画されたものだと思いますが、下水道局におけるアースプラン二〇〇四の削減目標について、まず確認も込めて伺いたいと思います。
○小川計画調整部長 下水道局は、一日に東京ドーム約五杯分に相当する約五百五十万立方メートルの汚れた水をきれいにして川や海に戻しております。この膨大な量の水を処理する過程で、都内の電力使用量の約一%を消費しており、東京都の事務事業活動で排出する温室効果ガスの約半分を下水道局が排出しております。
そこで、地球温暖化防止対策を積極的に図るために、京都議定書の発効に先駆けて二〇〇四年九月に、下水道事業における地球温暖化防止計画としてアースプラン二〇〇四を作成したものでございます。
このプランは、京都議定書の目標を達成するために、当局の事業活動から発生する温室効果ガスの排出量を二〇〇九年度までに一九九〇年度比で六%以上削減するということにしております。
○野上(ゆ)委員 一応こちらのアースプラン二〇〇四の冒頭のページに、二〇〇九年度を目標年度として、一応目標六%削減ラインというのが出ていますが、現在のアースプラン二〇〇四の進捗状況について伺います。
○小川計画調整部長 下水道局ではこれまで、水処理や汚泥処理の工程における改善などに取り組むとともに、再生可能エネルギーなどを活用し、温室効果ガスの排出が少ない資源エネルギーへの転換に取り組んでまいりました。この結果、昨年度までに計画削減量十八万八千トンの約四割に相当する約七万トンの温室効果ガスを削減いたしております。
○野上(ゆ)委員 下水道事業を行うに伴って温室効果ガスの発生というのは二つカテゴリーがあると考えています。一つは電力の消費とか、あるいは燃料の燃焼に伴う二酸化炭素の発生であると考えます。もう一つのカテゴリーは、処理のプロセスの中でメタンの生成や窒素分を含む汚泥の焼却に伴う一酸化二窒素の発生です。こういった水処理の過程からも一酸化二窒素が発生するということで、そういうふうにいわれております。
特に一酸化二窒素というのは、同じ重量の二酸化炭素よりも三百十倍もの温暖化作用があり、こちらの方が二酸化炭素より削減するべきであるというふうに今のところはいわれていますが、アースプラン二〇〇四の目標に向けて、この一酸化二窒素ですか、こちらの方に向けた具体的な取り組み等ありましたら、伺わせていただきます。
○小川計画調整部長 下水を処理する過程の中で最も一酸化二窒素の排出が大きいのが、汚泥を焼却する際に出る量が最も多いということで、下水道局では、汚泥の焼却時に発生する温室効果ガスを大きく削減するために、この温室効果ガスが高温焼却することで大幅に削減できるということから、焼却炉の改良、建設を実施しまして、温室効果ガスの削減に努めてまいっているところでございます。
○野上(ゆ)委員 アースプラン二〇〇四の目標の達成に向けた具体的な取り組みについては、今の質疑で大体のところはわかりました。
さて、一方で、下水道の施設の運転にはかなりのエネルギーが必要であるともちろん聞いています。例えば先進国、環境の先進国であるドイツなんかは、風力発電というのをすごい勢いで設置しているようです。ところが、アースプラン二〇〇四の削減効果一覧の中には、風力発電はいろいろその環境によって一定の電力がなかなか賄えないので、ということで、この中の項目としては数値も、数値目標もないですし、特に記載はしていないようです。
今後、温室化ガス削減に向けていろいろ取り組みをしなくてはいけないので、もちろん風力発電についても可能な限り、特に下水処理施設というのは風力発電ができるような場所につくられているというふうにいわれていますので、東京都内はなかなか難しいとは思います、他府県の、都は難しいと思いますが、そういった新しい技術も取り入れなくては、今後、いけないと思います。
あるいは、今までバイオマスエネルギーとかいろいろ都でも取り組んでいったようでありますが、例えば平成十五年九月十一日にもう報道で発表されているようなバイオマスエネルギーを活用した新たな研究事業にも下水道局は着手しているようです。
バイオマスエネルギーは、このプレス発表したバイオマスエネルギーの研究以外にも、ほかにも何種類かエネルギーに関しての取り組みがありますので、今後、幅広い技術を取り入れて、省エネルギーあるいはガスの削減に向けての取り組みが必要であると私は考えます。
そこで、今後の技術開発における取り組みについて伺いたいと思います。
○小川計画調整部長 温室効果ガスの削減につきましては、下水処理から発生する温室効果ガスの削減と同時に、ご指摘のとおり、温室効果ガスの排出が少ない資源エネルギーへの転換というのも必要でございまして、下水道局では、汚泥の処理過程で発生する消化ガスを燃料にしたバイオマス発電事業ですとか、処理水の放流落差を利用した小水力発電事業など、再生可能エネルギーの活用にも取り組んでおるところでございます。
今後とも、アースプラン二〇〇四の目標達成に努めるとともに、民間企業と連携した共同研究制度などを活用し、水処理や汚泥処理など、下水道施設全体の省エネルギーシステムへの転換に向けた技術開発を進め、温室効果ガスの一層の削減に取り組んでまいります。
○野上(ゆ)委員 最後に、要望として申し上げます。
国土交通省でも、例えば汚泥の有効利用率が一〇〇%になるように、下水汚泥を処分するコストよりも安いコストでリサイクルができるような技術の開発をしていきましょうであるとか、あるいは地球の温暖化の対策のために下水の汚泥のバイオマスエネルギーを使って、商用電力価格と同等か、それよりも安い価格で電気のエネルギーが生産できる、そういった技術の開発が必要であるというふうに見解を述べています。
今後、下水道局は、こういった日々の事業の運営を通じて、良好な水の環境の保全であるとか、あるいは生態系の保全であるとか、自然環境の健全化に貢献するという重要な役割を私は持っていると思っています。それに伴って、事業の運営に伴って、環境の負荷を極力抑制して、今後とも下水道の事業を発展していただけるように要望いたしまして、私の質問を終わります。
○野上(純)委員 先日、落合水再生センターを視察させていただきました。吉倉委員も一緒だったんですけれども、センター内にあるせせらぎの里公苑には、子どもたちが安全に水遊びができるよう、通常の下水処理よりも高度な技術を使って処理された水を使っている池がございました。本当にきれいな池でした。このほか、落合水再生センターで高度処理された水の一部は、再生水として都庁やその周辺のビルの水洗トイレに使われているということで、また一部は河川の清流復活にも活用されております。この都議会の水洗トイレにもこの再生水が使われているということですね。
このように、下水を処理して放流するだけではなく、再生水として有効活用されていることは意義のあることだと思います。「十年後の東京」では、限られた水資源を有効活用するため、再生水の導入を進めることとしております。
そこで、再生水について何点か伺います。
まず、再生水は現在どのようなところにどれだけ供給されているんでしょうか。
○小川計画調整部長 下水道局では、再生水を西新宿や臨海副都心など五地区に水洗トイレなどの雑用水として供給しているほか、都市化の進展に伴って水量が減った目黒川などの城南三河川や、玉川上水の清流復活用水として年間四千二百万立方メートルを供給しております。
○野上(純)委員 これまでの再生水の利用状況はわかりました。年間四千二百万立方メートルというと、とても多くの量を供給しているように感じます。しかし、「十年後の東京」によると、現在の再生水の利用率は全処理水量の約二%にとどまっているということです。都市の貴重な水資源である再生水をもっと利用の促進を図るべきではないでしょうか。
そこで、再生水の今後の利用促進についてお伺いいたします。
○小川計画調整部長 下水道局では、再生水の利用を促進するため、供給地区の拡大に取り組んでおります。平成十九年度には国会議事堂周辺を対象とした永田町及び霞が関地区、平成二十年度には品川シーサイド駅周辺の再開発地区や清掃工場などがある八潮及び東品川地区に再生水の供給を開始する予定でございます。
これらの地区において現在、再生水管の整備を進めておるところでございます。
○野上(純)委員 平成十九年度には永田町及び霞が関地区に供給を開始するということですね。以前、議会での質疑で、同地区では道路散水にも再生水を供給するとのことでした。道路散水は日射により熱くなった道路面の温度を低下させ、ヒートアイランド対策に有効だと思います。経営計画二〇〇七では、ヒートアイランド対策を推進するために道路散水事業へ再生水を供給することとしております。
そこで、この再生水を利用したヒートアイランド対策の内容について具体的にお伺いいたします。
○小川計画調整部長 これまで、汐留や丸の内、内神田などでヒートアイランド対策としての道路散水に再生水を供給してまいりました。平成十九年度から供給を開始する永田町及び霞が関地区においては、国会議事堂に隣接する道路の散水に再生水を供給する予定でございます。
今後とも、採算性などを踏まえ、道路管理者などがヒートアイランド対策として散水を行う際には、積極的に再生水を供給してまいります。
○野上(純)委員 今後もこの再生水の供給拡大を図るとともに、道路散水などに積極的に活用し、ヒートアイランド対策に貢献していただければと思います。
また、落合水再生センターの敷地内ですけれども、植栽や花壇などがたくさんあって、また水処理施設上部も公園化されておりまして、かなり緑化がなされていると思いました。
ヒートアイランド対策としては、道路散水とともに、都市化の進展により失われた緑を回復することも大変重要なことだと思っております。敷地内の緑化だけではなく、建物の屋上や壁面なども緑化を進めていく必要があると思います。
下水道局には水再生センターなど多くの施設があり、これらの緑化を進めていくことでヒートアイランド対策に貢献できると考えますが、下水道局の屋上や壁面の緑化の取り組みについてお伺いいたします。
○桜井施設管理部長 下水道局では、ヒートアイランド対策として、施設の屋上や壁面の緑化を推進することとしております。
これまでに、小菅や浮間水再生センターなど、緑化を進め、平成十八年度末で約二万一千平方メートルとなる見込みでございます。
経営計画期間内では、三河島や森ヶ崎水再生センターなどで緑化を実施してまいります。
今後とも、下水道施設の緑化を着実に推進してまいります。
○野上(純)委員 施設の緑化部分をできるだけ多く確保して、都市の緑を積極的に創出していただきたいと思います。
下水道局が再生水による水資源の有効活用や施設の緑化に取り組んでいることを私は大いに評価しております。「十年後の東京」の実現には、これまで伺ってきた再生水の活用やヒートアイランド対策の推進以外にも下水道事業がやるべきことがたくさんあります。
そこで最後にですが、「十年後の東京」の実現に向けた局長の決意を伺い、質問を終わります。
○前田下水道局長 「十年後の東京」は、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の復活や、世界で最も環境負荷の少ない都市、災害に強い都市の実現などを目指しまして、積極的に施策を推進することとしております。
「十年後の東京」のあるべき姿を実現するには、下水道局がこれまで実施してまいりましたさまざまな事業を今まで以上に環境に配慮して推進していく必要がございます。こうした考えに基づき、経営計画二〇〇七を策定いたしました。
今後とも、老朽化施設の再構築、浸水対策、合流式下水道の改善、地球温暖化の防止、エネルギーの有効活用などを着実に実施しまして、都民生活の安全性や快適性のより一層の確保を目指し、下水道サービスの向上に全力を挙げて取り組んでまいります。
○松村委員 下水道料金の減免を他の都市で、取り組みはいろいろ違うんですけれども、例えば住民税非課税世帯に対する基本料金の免除とか、そういうこともやっている他の政令都市もあります。ぜひ拡充を、水道料金では求めました。繰り返しません。確かに、今までの公営企業としての独立採算の料金システムからいけば、当然やはり、議会の対応、一般会計の投入努力が必要になると思いますし、私たちも努力したいので、所管局としても、あらゆるそういう努力を、今の都民生活の実態、特に経済的困窮者の実態から見ればそういうことが必要なんじゃないか。
また、基本料金についても、確かに下水道料金、予算特別委員会に出された政令都市の資料を見ますと、東京都は他と比べてそんなに高いものではないわけですけれども、今のこの財政状況、新しいプランでは、料金値上げの改定はなしでやるという努力も認めますし、しかし、財政状況の下水道の平成十九年度、二〇〇七年度予算案でも二百八億の純利益を出していることを見れば、さらにそういう努力をして、区部一〇〇%概成しておりますし、下水道局が今までの投資的な、それも抑えていらっしゃることも十分私たち評価もしておりますけれども、一層の努力をして、できたら基本料金についてもそういう弱者というか、そういうところの引き下げを、水道局の方で指摘しましたので、要望しておきたいというふうに思うんです。
それで、質問としては、私も従来から雨水や再生水利用を声を大にしてその重要な課題をこれまでも質疑してきましたけれども、雨水や再生水を利用した場合の下水道料金というのは、どのように算定して、かけていらっしゃるんでしょうか、ちょっとお聞きします。
○佐藤経理部長 雨水に対する使用水量でございますが、量水器、メーターにより計測いたします。また、雨水貯留槽からポンプでくみ上げている場合については、ポンプに時間計をつけて使用水量を計測してございます。
○松村委員 というのは、私本当に素人的なんですけれども、もっと雨水利用がたくさん広がって、再生水もいろんな形で組み合わせて使う、非常にそれは結構、結構というか望ましいと思うんですね。ところが一方、それが下水となって、皆さん方がやはり処理しなければいけない。これは何らかの、今は大規模な例えば都市化の中での再生水で、くみ上げたり再生水利用でそこの水量をはかるメーターをつけることは可能かもしれませんけれども、なかなかそうはいかないというか、難しいと思うんですね。かといって、そういう貴重な利用を何でもかんでも料金を、シラミつぶしに、何か逆に流しているから違法ですなんていうのもやはり、私は違うと思うんです。しかし、でも処理は、皆さん方がやはり下水道料金をいただいてやらなきゃいけない。
私は、そういう場合の施策としては、何らかの雨水処理に対する東京都の一般会計なり、そういう料金を下水道会計に入れるとか、私は仕組みをつくるようなことも必要なんじゃないかと。そして、もっとそういう雨水や再生水利用を、大口というか、大きな規模ではなくて取り組みを進めていく必要があるんじゃないかというふうに思います。ぜひ、私も検討していろいろ考えてみたいと思いますし、皆さん方の検討を求めて、終わります。
○秋田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長 異議なしと認め、本案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で下水道局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時十二分散会
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