公営企業委員会速記録第三号

平成十九年二月二十七日(火曜日)
第十委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長秋田 一郎君
副委員長松村 友昭君
副委員長樺山たかし君
理事串田 克巳君
理事野上 純子君
理事岡崎 幸夫君
福士 敬子君
そなえ邦彦君
崎山 知尚君
野上ゆきえ君
吉倉 正美君
大西さとる君
宮崎  章君

 欠席委員 なし

 出席説明員
交通局局長松澤 敏夫君
次長金子正一郎君
総務部長高橋 都彦君
職員部長柴田 健次君
資産運用部長松村 光庸君
電車部長佐藤  守君
自動車部長遠藤 秀和君
車両電気部長室木 鉄朗君
建設工務部長鈴木  進君
バス事業経営改善担当部長斎藤  信君
技術管理担当部長高橋 康夫君
参事鈴木 尚志君
参事高根  信君
参事中島  保君

本日の会議に付した事件
 決議について
 交通局関係
予算の調査(質疑)
・第二十四号議案 平成十九年度東京都交通事業会計予算
・第二十五号議案 平成十九年度東京都高速電車事業会計予算
・第二十六号議案 平成十九年度東京都電気事業会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第九十六号議案 東京都特定自動車条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都交通局経営計画−新チャレンジ二〇〇七−について

○秋田委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 平成十九年度の予算については予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会の所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十九年二月二十六日
東京都議会議長 川島 忠一
公営企業委員長 秋田 一郎殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、二月二十六日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二日(金)午後五時

(別紙1)
公営企業委員会
第二十四号議案 平成十九年度東京都交通事業会計予算
第二十五号議案 平成十九年度東京都高速電車事業会計予算
第二十六号議案 平成十九年度東京都電気事業会計予算
第二十七号議案 平成十九年度東京都水道事業会計予算
第二十八号議案 平成十九年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十九号議案 平成十九年度東京都下水道事業会計予算

(別紙2省略)

○秋田委員長 次に、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、決議三件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○秋田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○秋田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の平成十九年度予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより交通局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第二十四号議案から第二十六号議案まで、第九十六号議案及び報告事項、東京都交通局経営計画新チャレンジ二〇〇七について、一括して議題といたします。
 本案及び報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○崎山委員 今月の当委員会で報告をいただきました新しい経営計画、新チャレンジ二〇〇七に関連して、何問か質問をいたします。
 今回、この公営企業委員会所管の交通局、水道局、下水道局ともに、それぞれ経営計画を策定しております。今回策定された計画を見ますと、現在の計画であるチャレンジ二〇〇四と比べ、構成や内容が大幅に変わっている印象を受けます。一言でいえば、ボリュームも大きく違います。二〇〇四はこの厚みで二十数ページ、今回のそれは九十ページとなっております。
 また、新計画は二部構成となっておりまして、第1部で、中長期を見据えながら経営の基本的考え方や取り組み方針、地下鉄事業やバス事業の経営の方向を明示している点、そしてまた第2部では、具体的な取り組みについて、年度ごとの数値目標を記載している点など、これまでの計画には見当たらなかった点が特徴となっています。
 また、計画書とともに配布された参考資料には、これまでの計画の単なるローリングではないと書かれております。
 さて、交通局では、これまでチャレンジ二〇〇一、チャレンジ二〇〇四と三年ごとに計画をローリングしてきたと記憶していますけれども、今回の経営計画、新チャレンジ二〇〇七について、これまでの計画のローリングとせず、あるいは延長線ではなく、新たな計画としたのはなぜか。また、これまでの計画との違いは何か、まず初めにお伺いしたいと思います。

○鈴木参事 今回策定いたしました経営計画、新チャレンジ二〇〇七は、都営交通を取り巻く事業環境の変化や厳しい財務状況などに的確に対応できるよう、ご指摘のように、これまでの計画のローリングとしてではなく、新たな計画として策定したものでございます。
 これまでの計画との違いといたしましては、経営の基本的な考え方や取り組み方針、主要な事業の経営の方向を明らかにした点、計画事業などについて可能な限り数値目標を設定した点、厳しい財務状況などを踏まえ、思い切った経営改革策を盛り込んだ点、計画内容をわかりやすいものとすることでお客様や都民に対して発信できるように策定した点、交通局に寄せられたお客様の声や職員からの提案、外部有識者から成る経営アドバイザリー委員会の意見などを踏まえて策定した点等が挙げられます。

○崎山委員 経営の基本的考え方や事業ごとの経営の方向を明確にすること、また数値目標を示すことは、ある意味、当たり前のことかもしれませんが、交通局がどういう考え方で、そしていつまでに何をどこまでやるのかがよくかわり、経営計画として評価できるものというふうに思っております。
 さて、今回の計画では、経営の基本的考え方に基づき、計画期間中に重点的に取り組むべき取り組み方針として、安全やサービスの向上、公営交通としての使命と役割の発揮、そして経営改革の積極的な推進の三つが挙げられています。
 このうち、取り組み方針一の安全やサービスの向上については、公共交通事業者として基本的な責務であり、当然のことと考えますが、一方では、取り組み方針二の公営交通としての使命と役割の発揮については、従前の計画では直接触れられていなかったのではないでしょうか。安全に人の輸送に努めることは第一義的な役割ということはいうまでもありませんが、公営交通としての使命と役割についても、社会の要請にこたえていかなくてはならないというふうに思っております。
 そこで伺います。今回、なぜこのような新たな視点を取り組み方針の一つに掲げたのか。また、この方針に基づきどのような取り組みをしていくのか、お伺いをいたしたいと思います。

○鈴木参事 交通局は公営企業の中でも民間企業に極めて近い立場で地下鉄やバスなどの事業を経営しております。官から民への流れの中で、公営企業のあり方そのものが問われており、今回、公営交通としての使命と役割を十分に発揮するということを、改めて取り組み方針に掲げたものでございます。
 この取り組み方針を踏まえた具体的な取り組みでございますが、低公害バスの積極的導入やバス車両へのバイオディーゼル燃料の導入など環境対策の推進、あるいは電子マネーの活用による花粉症対策への協力や路線バスによる新たな観光路線の開拓など行政施策との連携、また、地元自治体など関係機関と連携した都電荒川線沿線の活性化などでございます。

○崎山委員 環境であるとか沿線地域の活性化に寄与して、観光という視点も視野に入れながら、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 次に、取り組み方針三として、財務体質の改善などを目指して経営改革を積極的に推進していくことも挙げております。これまでの経営計画においても、財務状況の改善を大きな柱に据え、その確実な実施に取り組んできたものと理解をしております。具体的には、チャレンジ計画第2の財政収支の改善について、地下鉄、都電、都バスなどの事業について、個別に記載があります。
 今回の計画を見ますと、都営地下鉄が単年度黒字になったとはいえ、依然として厳しい都営交通の経営状況を踏まえ、積極的に経営改革に取り組む決意が読み取れますが、これまでの計画と比べて、どのような点で踏み込んだ改革になっているのか、お伺いいたしたいと思います。いかがでしょうか。

○高橋総務部長 新しい経営計画では、これまでの計画に比べ、より具体的な改革目標を設定するとともに、総合的に経営力を強化していくための取り組みを盛り込んでおります。
 まず、具体的な取り組みといたしましては、バス事業の現業系職員の給料表を一〇%引き下げることや、計画期間中に六百人の職員定数を削減することを掲げております。あわせて、積算基準の見直しや契約方法の見直しなどコスト管理を徹底することで、三カ年で百七十一億円の経費削減に取り組んでいきます。
 さらに、効率的な組織体制の構築や人材の育成などに取り組むことはもちろん、外部有識者等の意見の活用や経営分析、経営評価の充実、お客様の声を生かすシステムの拡充などに取り組んでまいります。

○崎山委員 ぜひ計画どおりに経営体質、また経営収支の改善に努めていただきたいというふうに思っております。
 平成十五年に発表されました、新交通システムを中心とする機能するバランスシート、私も一通り目を通させていただきました。公営交通は、民間事業者との競争もあり、公営企業として交通過疎地の解消にも努めなくてはならないというふうに思っております。不採算だから即路線廃止というわけにもまいらないと思います。また、逆に、徹底した経営の効率化も求められてきていると思います。
 今回の計画は、経営の基本的考え方や取り組み方針を掲げ、具体的な数値目標を設定するなど、交通局の目指すべき姿を明らかにした点が評価されるものと思っております。計画は、策定することも大切ですが、それを達成することはさらに重要なことであり、決して画餅に帰すようなことがあってはなりません。
 そこで、この新しい経営計画、新チャレンジ二〇〇七の達成に向けた局長の決意をお伺いいたしたいと思います。

○松澤交通局長 今回の新しい経営計画は、安全の確保に対する強い要請や都営交通のあり方そのものが問われるなど、近年、都営交通を取り巻く事業環境が大きく変化し、また将来的には乗客数の大幅な伸びが期待できない中で、このままでは厳しい経営状況が続くことが予測されることから、交通局としての大きな転換期ととらえ、今後進むべき道しるべ、また改革の処方せんとして策定したものでございます。
 このため、今、担当の参事からも説明ありましたように、これまでの計画を大きく衣がえいたしまして、単なる三カ年の取り組みだけではなく、経営の基本的考え方や取り組み方針、主要な事業の経営の方向、思い切った経営改革などを明らかにしているところでございます。
 交通局が歩むこれからの道のりを考えますと、決して平たんなものではありませんが、今回の計画では、地下鉄はおかげさまで開業以来初めて黒字転換となり、またバス事業も公営を維持しながら給料表の見直しなどを行い、黒字を維持する道筋を明らかにしております。また、荒川線は、懸案だった車両の更新も行いながら黒字を確保し、活性化を図るとともに、日暮里・舎人ライナーも交通局が経営する方向で開業に向けて準備をするなど、新しい時代に向かって、ギアはローからセカンドに入ったのではないかと、このように思っているところでございます。
 その意味で、計画の副題も、「明日に向かって走る都営交通」と、このように命名したところでございますが、今、先生、お話のとおり、この計画が計画倒れとならないよう、今後は関係機関の理解と協力を得ながら、PDCAによるマネジメントサイクルを徹底し、職員一丸となって確実に達成していく決意でございます。
 そして、この三カ年の取り組みを通じて、お客様サービスのさらなる向上と抜本的な経営改革に積極的に取り組み、これまで以上にお客様に信頼、支持され、ともに歩む都営交通を目指してまいります。

○崎山委員 よろしくお願いします。
 具体的な数値目標のもと、その実現に、局一丸となって取り組んでいただきたいと思います。そしてまた、この計画の進行管理につきましても、節目節目にはぜひ公表をしていただきたいというふうに思っております。
 さて、局長から決意を伺った後でありますが、先ほども局長の方からもお話がありました日暮里・舎人ライナー、私の地元でもあります。そのことについて、一問だけお伺いをいたしたいと思います。
 平成二十年三月に日暮里・舎人ライナーが開業すれば、地域の利便性も格段に向上するわけでありまして、地元としても非常に楽しみにしております。この日暮里・舎人ライナーについては、昨年八月二十八日に我が都議会自民党から知事に対して、交通局が経営主体として運行を行うよう求めるとともに、沿線の高齢者の社会参加を一層促進するため、シルバーパスの適用を緊急要望したところであります。
 さて、そのことについて、進捗状況について、ぜひ荒川区−−私、きょうもバスを利用して都庁に登庁したわけですけれども、朝夕のラッシュ時は除いて、やはりお年寄りの利用が都バスも依然として多いわけでございまして、そのシルバーパスの適用について、ぜひお願いをしたいと思いますが、最後にご答弁を願って質問を終わりたいと思います。お願いいたします。

○鈴木参事 日暮里・舎人ライナーにつきましては、交通局が経営主体となるべく、現在、事業譲渡の許可等について、国との調整を行っているところでございます。
 シルバーパスにつきましては、都営地下鉄、都営バス、都電荒川線の都営交通三事業で利用が可能となっておりますことから、日暮里・舎人ライナーについても、交通局が経営主体となった場合にはシルバーパスの利用ができるよう関係局と調整をしてまいります。

○崎山委員 終わります。

○大西委員 初めに、バス事業について伺います。
 都営バスの乗客数は、昭和四十七年の百三十万人をピークとして、鉄道網の整備等に伴い、これまで一貫して減少傾向にあり、乗務員の定数も削減されてきました。特に平成十二年の大江戸線の環状部の開業時には、路線も定数も大幅に削減され、事業規模が縮小したことから、結果的に乗客数も大きく落ち込んでおります。
 これまで交通局は、乗客数の減少に合わせて事業規模を適正化してきたといっておりますが、私は逆に、事業規模を縮小したことが乗客数の減少に拍車をかけたのではないかと思っております。
 最近になって、乗客数の落ち込みもようやく下げどまりの傾向が見られるようになってきましたが、来年には日暮里・舎人ライナーや東京メトロ副都心線の開業を控えております。しかしながら、これまでのように、新線開業に伴い事業規模を縮小させることでさらに乗客数が落ち込むような悪循環を、繰り返してはいけないと考えています。
 バス事業においては、十九年四月から、実に七年ぶりに新規採用された乗務員が営業所に配備されると聞いております。バス事業の安定的な事業運営を図るためには、継続的に人材を確保していくことが必要であり、交通局が再開を決めたことは率直に評価したいと思います。
 こうした採用再開も踏まえて、事業規模を維持し、持続的な事業の活性化を図っていくためにも、新規バス路線の拡充などにより需要をふやすことが必要と考えておりますが、どのように取り組むのか、お伺いいたしたいと思います。

○斎藤バス事業経営改善担当部長 これまで都営バスは、通勤や通学などを初めとする都民の身近な足としての役割を果たしてまいりました。しかしながら、今後、公営交通としての使命と役割を十分に発揮していくためにも、これまで以上に事業の活性化を図っていく必要があると考えております。
 このため、引き続きお客様のニーズに合わせた運行ルートやダイヤの見直しを行うとともに、再開発の動向や地域の実情などを的確に踏まえて、増客対策を実施してまいります。
 加えて、東京の主要な観光スポットを中心に路線バスでめぐるルートを開拓し、観光客等の誘致を図るなど、需要の喚起に向けて積極的な事業展開を図ってまいります。

○大西委員 ただいまの答弁にもありましたが、都営バスは都民の生活に不可欠な移動手段の一つであり、その役割は今後も変わることはありません。むしろ、少子高齢化の進展に伴い、その期待はさらに大きくなっていくものと考えます。
 また、交通局は、利潤追求を重視する民間バス事業者とは異なり、地域に必要とされる路線を着実に設置されるなど、都民の要望にも積極的にこたえる事業展開を図るべきだと考えます。生活路線といった観点や都民の足としての観点を最重視することが都営交通に求められる事項であり、かつ、その特色が最も発揮される分野であると考えます。
 しかるに、職員の給料を下げたり、民間委託をふやしたり、不採算路線を縮小していくだけでは、民間バスになるということが目的のようにも感じられます。たとえ採算性が悪くても、都民の生活に必要な路線は維持させていくということが、民間業者にない特色であり、公営交通としての使命の役割の一つであると思います。
 交通局には、公営交通としての安定的な運営を図っていくことはもとより、今後とも、こうした都民の期待や要望にしっかりとこたえていただくように要望いたしまして、次に、日暮里・舎人ライナーにつきまして、お伺いいたします。
 昨年十一月にようやく路線の正式名称や駅名が決まり、また私の地元、足立区内での工事の進捗を見るにつけ、日暮里・舎人ライナーの開業も間近になってきたなと実感しているところでございます。車両についても、昨年十月に舎人公園の車両基地に搬入が始まり、地元の住民に公開されるなど、大変話題になっております。
 私の地元の足立区など、区部北東部の交通不便地域の解消を目指して整備が進む日暮里・舎人ライナーに対する住民の期待は、非常に大きいものがあります。こうした期待にしっかりとこたえ、地域の活性化に寄与する交通機関として、開業に向け着実に整備をしていっていただきたい。
 ところで、日暮里・舎人ライナーについては、昨年の九月の暮れに、工事に着手して既に十年近くなろうとしています。地元住民にとっては、開業時期がいつになるかということが本当に大きな関心事となっております。
 そこでお伺いいたしますが、開業日がいつになるのか、決まっていれば教えていただきますよう、お願いします。

○鈴木参事 日暮里・舎人ライナーにつきましては、現在、駅舎などの建築設備工事、車両の調整、要員の配置や国との調整など、十九年度末の開業に向けた諸準備を精力的に進めているところでございます。
 具体的な開業日につきましては、まだ決まっておりませんが、十九年度末に確実に開業できるよう、万全を期してまいりたいと考えております。

○大西委員 ぜひ年度末にお願いをしたいと思いますが、日暮里・舎人ライナーの開業後の経営については、昨年の三月のこの公営企業委員会の場におきまして、交通局が経営主体となっていくことが適当であるとの考え方が明らかになっております。日暮里・舎人ライナーの建設を行っている東京都地下鉄建設株式会社よりも、交通局が効率的な運営を行いながら経営に当たる方が採算上有利であり、早期に経営が安定するというのがその理由でありました。
 しかしながら、民間企業よりも効率的な経営を実現するというのはそれほど容易なことではないと思います。交通事業はそもそも安全・安心の確保のために、必ず一定以上の人員配置が必要でございます。
 今回作成された経営計画では、新交通事業の定数として七十六人が配置されるということでありますが、これはどのような考え方に基づいて算出していたのか、伺います。

○高橋総務部長 日暮里・舎人ライナーの運営に当たりましては、鉄道事業者としての交通局の組織と技術力を活用するとともに、安全に最大限配慮しながら、可能な限り効率的な執行体制としていきます。
 このような考え方に基づき、「ゆりかもめ」や金沢シーサイドラインなど、既存の新交通システムを参考にしつつ、運行、営業、保守のために必要な人員を算出したものでございます。

○大西委員 鉄道では、駅の現場に配置をして仕事を一定の年数をきちんとこなして初めて運転の仕事につくような人事ローテーションを採用するところが多いと聞いております。都営地下鉄においても、駅の職員が運転の仕事につくにはそれなりの年数が必要とされ、車掌や運転士になるには選考試験も行われていると聞いております。
 しかしながら、日暮里・舎人ライナーは職員数も少なく、開業するに当たっては、地下鉄のような人事ローテーションをとっていくことは、とても運転士を育て上げることは難しいと思います。
 そこで、日暮里・舎人ライナーの駅の仕事や運転の業務のために配置する人員についてどのように確保するのか、考え方を伺います。

○佐藤電車部長 人員の確保についてでございますが、業務の運営に必要とする人員につきましては、新規に職員を採用して、運転士や駅係員として養成するのではなく、都営地下鉄の職場で列車の運転免許を持つ者を配属しまして、駅業務や異常時におけます列車の運行を行う、そういった仕組みとすることを考えております。

○大西委員 日暮里・舎人ライナーの駅の、運転の仕事にかかわる人員について、都営地下鉄の現場の職員を活用するということが必要とのことでありますが、現実には地下鉄の現場そのものも、たび重なる人員の削減で余裕がなくなっているという話も聞いております。
 そこで、最後に地下鉄事業について伺います。
 都営地下鉄の駅では、定数の削減を行うために、駅業務をアウトソーシングする外注化という方法が進んでおり、新たな経営計画、新チャレンジ二〇〇七の中でも、地下鉄事業における委託の拡大という方法で、全百一駅のうち四十駅までを委託をしている状況をさらに推進するとの考え方を、明らかにしております。
 しかしながら、外注化された駅で働く者は、交通局の職員よりも安い単価で雇われている上、身分も不安定であるために、駅の仕事をある程度身につけると、より待遇のよい民間の鉄道会社に転職していくような実態もあるということを聞いております。
 外注化の駅がふえて、直営の職員が少なくなる一方で、外注の駅に雇われた駅係員もなかなか定着しないような状況では、駅のサービス水準の確保も難しくなるのではないかと考えます。
 また、現場で働く職員が安心していい仕事をするためにも、自分たちの職場が今後どうなっていくのか、大きな関心事であります。
 そこで、地下鉄の駅の外注化はこの先どのような考え方で進めようとしているのか、お伺いいたします。

○佐藤電車部長 地下鉄の駅業務の外注化につきましては、安全性とサービスの水準を維持しつつ経営の効率化を図っていく観点から実施をしてございます。
 外注化を実施する場合には、現在は、改札口通過の乗車人員が四万人以下であること、それから起終点駅や列車の出入庫駅でないこと、それから恒常的な折り返しのないこと、そして管理所駅でないことを具体的な基準として選定を行っております。
 都営地下鉄の事業運営を効率化する上で、外注化は効果的な手法であることから、現在の基準を適用しながら、今後とも導入を進めていく考えでございます。

○大西委員 バス事業の方では、十九年四月から給与水準を引き下げて、新規職員の採用を再開するということになっておりますが、反面、地下鉄の事業では、職員の採用再開の動きが見えません。団塊の世代の大量退職などにより、交通局でも技能や技術をどのように伝えていくべきか、大きなテーマであり、そのためにもバス事業だけでなく、地下鉄事業においても今後の新規採用は不可欠であると考えます。
 新チャレンジ二〇〇七でも、職員の採用を検討していくとありますが、地下鉄事業における新規採用の再開についてはどのように考えておられるのか、お伺いいたします。

○高橋総務部長 地下鉄事業におきましては、平成十三年以降、職員採用を停止してまいりました。今後も厳しい経営状況を踏まえ、基本的には職員定数の削減などの徹底した経営効率化に引き続き取り組む必要があると考えております。
 職員採用につきましては、新しい経営計画でも述べさせていただいているように、団塊の世代の大量退職を迎える中、技術の継承や一層効率的な事業運営が求められることから、事業の状況を十分踏まえ検討してまいります。

○大西委員 日暮里・舎人ライナーにせよ、都営地下鉄の事業にせよ、安全輸送を確保して快適なサービスを提供することが公営企業の原点であり、それを支えていくのはそれぞれの現場に配置されている職員たちでございます。技術の継承や現場の士気を高めるためにも、地下鉄事業においても早期に新規採用を再開し、交通事業を支える人材の確保と育成に十分皆様の気持ちを注いでいただいて、ぜひとも業務運営に取り組んでいただきたいことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

○吉倉委員 初めに、都営地下鉄の安全対策についてお伺いいたします。
 平成十七年、おととしのことでありますが、私の地元の新宿区内の都営新宿線、曙橋−市ヶ谷間で、電車の運転中、突然ブレーキがかかり、乗客が一時間以上閉じ込められるという事故が発生いたしました。駅員の適切な指示で、幸い一人のけがもなく、安全に誘導できたとのことですが、ラッシュ時の大動脈が三時間も運休するという状況になりました。原因は、急行電車が停車駅に確実に停車するための装置、誤通過防止装置の故障だったようであります。機器の保守に必要な技術は高度に電子化されているため、機器の維持についても細心の注意が必要だと思うわけであります。
 都営地下鉄は、毎日二百万人を超える人々が利用する、都民生活に欠かせない大量輸送機関であります。あくまでも安全第一を経営の大前提にしていただきたいというふうに考えております。
 この点について、今回新たに策定された経営計画、新チャレンジ二〇〇七では、まず安全性を最優先に考え、計画事業費の相当な額を都営地下鉄の安全・安心の確保に投入しており、安全性の向上にかける交通局の意欲が感じられるものであります。
 そこでお伺いいたしますが、現在、車両検査や修理、保守部門の組織と人員の体制はどのようになっているのか、お示しいただきたいと思います。
 特に、都の交通局職員が実際に行う部門と外部委託される部門とのすみ分けについて、どのように管理されているのか、お聞きしたいと思います。

○室木車両電気部長 地下鉄車両の保守は、路線ごとに設置した四カ所の車両検修場で行っております。車両検修場には、車両の保守計画を策定する計画部門、車両の運用と検査を行う検車部門及び車両の分解整備を行う修車部門がございます。
 車両検修場に勤務している職員数は三百六十三名で、このうち、計画部門が三十七名、検車部門が二百四十二名、修車部門が八十四名でございます。
 計画部門及び検車部門は、計画策定や列車の運行に直接かかわるため、すべて交通局職員が行っております。
 修車部門においては、部品や機器の整備等、定型業務や単純作業は外部委託し、総合的な知識、経験、判断等を必要とする業務は、交通局職員が行っております。具体的には、外部委託に対する監督業務、整備された部品の受け取り検査業務、車両の調整や試運転業務等は交通局職員が実施しております。

○吉倉委員 ご説明のとおり、安全性を維持するための保守部門のコアの方々は局の直営であるということが確認できまして、安心いたしました。
 次に、こうした安全部門にかかわる職員の全体の人数と年齢構成をお示しいただきたいと思います。特に五十五歳以上の方々は職員全体の何割を占めるのか、お伺いしたいと思います。

○柴田職員部長 都営地下鉄の保守部門における技術技能職員の職員数についてでございます。車両電気部門と建設工務部門の両部門を合わせまして、二月一日現在で一千八十二名となっております。このうち、五十五歳以上の職員でございますが、二百七十一名で、全体の二五%を占めております。

○吉倉委員 ただいまご説明をいただきましたが、団塊の世代の大量退職を迎えて、二〇〇七年問題は交通局においても例外ではないというふうに考えております。特に車両やレールの検査といった安全部門にかかわる職員の技術の承継あるいは技術の蓄積についての対応をどのように検討しておられるのか。また、若手職員の技術、技能のスキルアップを図るために、研修を含めて、日ごろからどのような取り組みをされておられるのか、あわせてお伺いしたいと思います。

○柴田職員部長 技術の継承の問題についてですが、技術の継承につきましては、本来的にはベテラン職員が若手職員とともに仕事を行いながら進めていくものでありますが、団塊の世代の大量退職によりまして、スムーズな継承が困難になるおそれがございます。
 このため、交通局では、再任用、再雇用職員制度や非常勤職員制度を有効に活用することにより、退職後もベテラン職員の能力を可能な限り業務に生かしていく考えでございます。
 また、交通局研修所では、各職場における実践的な教育訓練を積極的にサポートするとともに、研修所が実施しております各種の実務研修や鉄道総合技術研究所などの外部機関を活用した専門研修の充実強化を図りながら、技術の継承に取り組んでまいる所存でございます。

○吉倉委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に、地下鉄の安全対策として、ホームの転落防止対策についてお伺いいたします。
 交通局の新しい経営計画では、安全・安心の確保に最優先に取り組み、総事業費の五割以上に当たる三百億円余りを三カ年で地下鉄事業に投入すると伺っております。そのような中で、この計画ではかねて視聴覚障害者などから要望のあった転落防止対策の検討を行うことも明記されております。
 これまで交通局では、ホームさくについて、浅草線と新宿線は私鉄と乗り入れを行っているため設置は困難であり、大江戸線はホーム幅が狭まることやドアの開閉に時間を要することなど、施設面や輸送面の課題の検討が必要とされてきましたが、今回、計画の中で、これを含めて検討していくことがあるということで、評価できるというふうに考えております。
 そこで、まずホーム転落防止対策について、今後どのように検討を進められるのか、お伺いしたいと思います。

○中島参事 ホームの転落防止対策は、都営地下鉄の安全性向上という点で重要な課題であると認識しております。このため、新たな経営計画におきまして、大江戸線などを対象に輸送面の影響や技術面の課題、投資規模など、ホームさく等を含めたホームからの転落防止対策について、総合的に検討を進めることといたしました。
 例えば、大江戸線にホームさくを設置した場合のホーム上の混雑緩和対策や輸送力低下などの課題について検討を進めてまいります。

○吉倉委員 ぜひ今後とも具体的に進めていただきたいというふうに考えております。
 これについては、「十年後の東京」の中でも、ホームドアまたはホームさく、転落検知マット等をすべての駅に設置し、ホームからの転落事故を防止するとしております。
 最近では丸ノ内線にも導入されておりますが、先般の冬柴国交大臣の会見で、その設置費は百億円を超えているようであります。駅数がさらに多い大江戸線などでは、それ以上の巨額の投資を必要とするのでないかというふうに考えております。
 そこで、経営計画の中では、投資規模等の検討を行うと、このようにありますけれども、これは具体的にどのように考えていけばいいのか、またホームさく等の対策はいつまでに行う予定なのか、あわせてお伺いしたいと思います。

○鈴木参事 ホームさくの設置につきましては、その設備水準と内容によって異なってまいりますが、ご指摘のように多額の事業費がかかるものと考えております。都営地下鉄では、現在、厳しい財務状況の中、緊急性の高い火災対策の強化やバリアフリー対策などに全力を挙げて取り組んでおります。
 これに加えまして、今後、総合指令の構築や大江戸線の混雑対策、変電所の更新など、お客様の安全・安心の確保やサービス向上に不可欠な大規模な投資を計画しているところでございます。
 このような中、十年後の東京を視野に入れまして、ホームさくの設置などホームからの転落防止対策について、総合的に検討を進めてまいりたいと思います。

○吉倉委員 今、お伺いしましたようなさまざまな課題を抱える中で、限られた財源の中、投資の優先順位をつけながら、ホームの転落防止対策を進めていただくのは大変だと思いますけれども、人命にかかわることでもありまして、ぜひ計画的に取り組まれるようにお願いを申し上げたいと思います。
 安全・安心に対する都民のニーズは、最近、特に高まっております。ここで、安全性の向上にかける交通局長の決意をお伺いしたいと思います。

○松澤交通局長 私ども交通事業者にとりまして、今お話しありましたように、お客様の安全・安心の確保はサービスの基本でありまして、最大の使命でございます。ご案内のとおり、一昨年のJR福知山線事故以降、テロ、災害なども含めまして、安全に対する社会的要請はこれまで以上に高まってきており、また昨年六月に引き起こしました都電荒川線の事故などを教訓としまして、交通局としてこれまで以上に安全・安心対策に積極的に取り組む必要がある、このように考えております。
 このため、今回の新しい経営計画では、今、委員の方からお話もございましたが、安全対策を最優先に掲げ、三カ年で計画総事業費の五一・八%、ほぼ半分、三百二十四億円を投入しまして、施設、車両、駅などの安全対策の強化、事故防止対策、さらには安全マネジメントなどに積極的に取り組んでいくこととしております。
 この中で、ただいま質疑のありました地下鉄ホームの転落防止対策についても、初めて計画に取り入れ、総合的な検討を進めることとしたところでございます。
 今後とも、ただいま先生の方からのご指摘も十分踏まえながら、ハード、ソフト両面から各種の安全対策を進め、安全最優先で災害に強く事故のない都営交通を目指しまして、局一丸となって取り組んでいく決意でございます。

○吉倉委員 ぜひ今後とも取り組みをよろしくお願いしたいと思います。
 次に、バリアフリー対策についてお伺いいたします。
 昨年六月、ハートビル法と交通バリアフリー法が統合され、施策の拡充を図った新しいバリアフリー法が公布されました。高齢者や障害者の方々を対象とするバリアフリー化の取り組みがますます進められるようになったわけであります。
 交通局では、地下鉄駅のバリアフリー工事、特にエレベーターによるホームから地上までのワンルート確保の推進については、新チャレンジ二〇〇七でも重点施策として位置づけられ、平成二十二年度全駅確保を目指し、これまでも取り組まれてきたわけであります。
 そこで、現状を確認する意味で、地下鉄駅のエレベーターワンルート確保の十八年度末実績予定と、十九年度計画についてお伺いしたいと思います。

○鈴木建設工務部長 交通局では、平成二十二年度までに都営地下鉄全駅において、原則としてホームから地上までエレベーターで移動できる、いわゆるワンルートの確保を目指して取り組んでおります。
 十八年度末では、地下鉄全駅、百六駅ございますが、そのうち七十九駅でワンルートを確保し、その整備率は七五%となります。また、十九年度末では、八十四駅で確保し、その整備率は七九%となる予定でございます。

○吉倉委員 バリアフリー対策においては、エレベーターの地上出入り口用地の確保が困難であるということは承知しておりますが、二十年度以降三年間で残りの二十二駅の整備を行うわけですから、用地確保の現在の状況について、具体的な説明をお願いしたいと思います。

○鈴木建設工務部長 二十年度以降、整備を予定している二十二駅、二十五カ所のエレベーターの地上出入り口のうち、既に十六カ所については用地が確保されております。その結果、現在、設計あるいは工事に着手し、着実に整備を進めているところでございます。
 残る九カ所につきましては、現在のところ、用地が確保されておりませんが、そのうち一カ所については、道路用地内に設置するよう、協議を進めております。また、八カ所につきましては、公共用地の利用が不可能なため、民間用地の取得や民間ビルとの合築を中心に計画を進めているところでございます。
 現在までのところ、民間用地の取得につきましては五カ所で、民間ビルとの合築については三カ所で、鋭意協議を進めているところでございます。
 今後とも用地の確保に努め、二十二年度までの地下鉄全駅のエレベーターワンルート確保に向けて努力してまいります。

○吉倉委員 公共用地の利用も困難となり、民間用地について、さまざまな手法を用いてエレベーターの地上出入り口用地確保のため取り組んでいただいていることを評価したいというふうに思います。今後とも目標に向かって一層の推進をお願いしておきたいというふうに思います。
 さらに、高齢化社会を迎えて、バリアフリー対策は、エレベーターワンルート確保のみに限らず、地下鉄の利用者が不便と感じることへの対応、例えば通路やトイレなどの小さな段差などへの対応など、細かなところへの配慮も必要ではないかと考えております。
 バリアフリー対応全般も含めた今後の対策について、お伺いしたいと思います。

○鈴木建設工務部長 交通局では、エレベーターやエスカレーターの整備とともに、車いす用スロープや階段の二段手すりの設置などのバリアフリー対策を積極的に進めてまいりました。
 今後はこれらに加えて、駅の出入り口やトイレの一部の小さな段差など、いわゆるプチバリア解消への取り組みも必要と考えております。
 そこで、本年度中に、お客様の視点に立って、小さな段差を初め、ご利用の方々が不便に感じる箇所についての具体的な解消策について実態調査を行い、平成十九年度から計画的に改善を図っていくこととしております。
 今後とも交通局では、障害者や高齢者の方々を初め、どなたにも利用しやすい駅を目指し、細かな部分にも配慮しながら、計画的に整備を進めてまいります。

○吉倉委員 ぜひ計画的な推進をお願いしたいと思います。
 最後に、バス事業についてお伺いいたします。
 平成十四年二月の国の規制緩和により、路線バスの営業区域の規制がなくなったことに合わせて、各地でコミュニティバスの導入が図られております。
 私の地元の新宿区におきましても、地域密着型のコミュニティバスの導入を検討しているところでありますが、高齢化社会を迎えて、実際に地下鉄、JR等の鉄道機関は、高齢者にとって、特に階段の負担が大きく、病院へ行くなど地域内の移動にも支障を来たしているのが実情であります。その点、平面交通であるバスは、まさに足がわりとして貴重な交通手段となっております。
 そこで、二十三区のコミュニティバスの導入状況について、お尋ねをしたいと思います。

○斎藤バス事業経営改善担当部長 コミュニティバスは、交通不便地域の解消や、高齢者や身体の不自由な方々などの利便性の向上を目的に、区が行政サービスの一環として導入してございます。
 現在、二十三区では、渋谷区のハチ公バスを初め、港区や台東区など十二区、三十路線でコミュニティバスを運行しております。

○吉倉委員 ただいまご答弁をいただきましたが、都心区を含め、既に二十三区の半分を超える区でコミュニティバスが運行されております。
 ご説明のありました十二区、三十路線の中で、都の交通局が実際に受託運行を行っていると聞いておりますが、その具体的な状況と、運行開始に至るまでの経緯をお伺いしたいと思います。

○斎藤バス事業経営改善担当部長 交通局は、平成十七年十一月から、江東区の赤字補てんを受けまして、コミュニティバスの運行を受託しております。
 このバスは、区内南部地域の交通利便性の向上を図ることを目的に、JR京葉線の潮見駅から辰巳、枝川、木場を循環する路線として区が導入したものでございます。
 その導入に当たりましては、交通局が路線設定や運転計画の策定のほか、収支算定を行うなど、運行に関するノウハウの提供を行い、平成十五年十月から三カ月間の試行運転を経て、本格運行に至ったものでございます。

○吉倉委員 コミュニティバスの運行につきましては、基礎的自治体である地元区との十分な協議が前提となりますけれども、都がコミュニティバスの運行を受託するための条件整備として何が必要なのか、具体的にお示しをいただきたいというふうに思います。

○斎藤バス事業経営改善担当部長 コミュニティバスは、基礎的自治体でございます区市町村がその必要性の有無について検討し、導入を決定するものでございます。
 交通局では、当局の既設路線との整合性等につきまして、事業者として地元区等と十分協議を行いますとともに、運行要請のあった場合には、需要動向や採算性などを考慮し、対応しております。
 その際、採算がとれない路線の運行要請につきましては、運行に伴う赤字にかかわる自治体の助成を前提として受託しております。

○吉倉委員 ご説明のとおり、コミュニティバスの運行につきましては、既設路線との整合性、事業の採算性、また地元区との役割分担など、多くの課題があることがわかりました。ただ、都営バスは、都民の足として幹線を運行することが基本だと思いますが、私の地元である新宿区で検討しておりますコミュニティバスについて、ぜひ高齢化対策、バリアフリー対策の視点から、交通局として協力していただきたいというふうに考えております。ご見解をお伺いして、質問を終わります。

○斎藤バス事業経営改善担当部長 少子高齢化社会を迎え、乗りおりが容易で気軽に利用できる路線バスは、身近な足といたしまして、その役割がますます重要となっております。このような状況の中、都営バスも、地域に必要な路線の維持を含め、都民の足としての役割を果たしていく必要があると考えております。
 区などが実施するコミュニティバスについては、路線の設定など、計画段階からの協力はもとより、採算性を踏まえ、適切に対応してまいります。

○吉倉委員 終わります。

○松村委員 先日、視力障害者団体の要請を受け、視覚障害者などのホームからの転落を防ぐために都営地下鉄全線に可動さくを設置してくださいなどの交通局への要請行動に、私、立ち会いましたが、実に冷たい回答しかありませんでした。
 しかし、それに先立つ一カ月前の昨年の十二月末に「十年後の東京」が発表されておりました。可動さく、ホームドアについて、「十年後の東京」にはどう書かれているのでしょうか。

○中島参事 「十年後の東京」の表現をそのまま読ませていただきますけれども、「ホームドア又はホーム柵、転落検知マット等を都内すべての駅に設置し、ホームからの転落による事故を防止する。」というふうに記載されてございます。

○松村委員 私も含めて、日本共産党都議団としても、特に障害者団体などの、特に視覚障害者が、本当に命がかかった問題として、これまでにもたびたびそういう声を届けてきました。ですから、障害者団体が求める声に、どうしてきちっと温かい回答ができないのか、私はそのときにも実に腹立たしい思いをしたのですけれども、「十年後の東京」には、計画として、すべてのですよ、都内すべての駅に、ホームドアまたはホームさくを一〇〇%設置するというふうに、これ、東京都の計画ですよね、出しました。先ほどのような答弁が、答弁というか、視覚障害者団体などに対して行われているということは信じがたかったのですけれども。
 改めて聞きますけれども、当然所管局の交通局と事前の協議があってのことだと思いますが、どのような検討がなされて、この「十年後の東京」の計画となったのでしょうか。

○中島参事 「十年後の東京」については、あるべき姿を示したということで、事業計画ではないというふうに理解をしております。

○松村委員 改めて都内のホームさくの設置の現状はどうなっていますか。

○中島参事 都内におけるホームドアまたは可動式ホームさくの整備状況でございますけれども、現在、新幹線を除きました都内七百三十駅中、百二十駅に設置されております。その割合は一六%でございます。
 なお、都営地下鉄では、交通局が管理いたします百一駅のうち、三田線の二十四駅に設置してございまして、その割合は二四%でございます。

○松村委員 今、都内のホーム、全体では約一六%と。都営地下鉄での設置割合が約二三%ということですが、十年後に都内すべての駅でホームドアが実現できる。これはあるべき姿というふうにいったわけですけれども、少なくともこれはあるべきだというふうに思うんだったら、直接かかわるこの都営駅ですね、当然やはり責任を持たなければならないと思いますけれども、その見通しはどうなんでしょうか。

○中島参事 交通局としては、先ほどもお答えしましたように、今後も大規模な事業が続く中で、「十年後の東京」を視野に入れ、ホームさくの設置等の転落防止対策につきまして、総合的に検討を進めてまいります。

○松村委員 局長に責任ある答弁を聞きたいのですけれども、今回の経営三カ年計画では、ホームからの転落防止策について、大江戸線などを対象に、輸送面への影響、技術面の課題や投資規模など、諸課題への対応も含め、総合的な検討を進めていきますと。
 いつまでにどういう検討機関を設けるのか。この計画での具体化について、細かいことは結構です。決意を含めて、何と何をやるのか。大江戸線なども含めてというんですけど、もう一度ちょっと、先ほども答弁ありましたけれども、お答えいただきたいと思います。

○松澤交通局長 今、先生おっしゃったとおりでございまして、そういうことについて、これから、計画事業に入れましたので、総合的に「十年後の東京」を視野に入れながら検討していく、こういうことでございます。

○松村委員 今までも、私も恐らくこの問題を取り上げてからほぼ七、八年になると思うんです。検討課題は幾つか聞きました。検討をするというような、検討していくというような発言も、今まで確かにニュアンスはいろいろあっても、あったと思うんですね。
 しかし、だんだん混雑してきたとか、ホームが狭いとか、技術的には可能と大江戸線についてはいいながらも、その後、答弁が後退したりというような点も多々あったと思うのですけれども、今いったように、今回初めて計画に取り入れることにしましたということですよね。
 当然十年後というと、もうこの経営計画三年の中では、それが相当具体化されていなければ、やはり十年後の実現というのは、都民への約束というのは困難になると思うんですよね。
 これは局長じゃなくてもいいですけれども、改めて今交通局として、東京のあるべき姿が示されて、それに続いて交通局も受けとめて、初めて計画に取り入れることにしたというんですから、この三カ年のうちに、どういうような、どこまで具体化を図らなければ、十年後には間に合わないというか、必要だということなんでしょうか。

○鈴木参事 ホームの転落防止対策につきましては、これまでもるるご答弁申し上げたとおり、これまで検討を重ねてきているところでございます。
 私どももその重要性については認識しておりまして、今回の経営計画、新経営計画の策定に当たりましては、安全・安心の確保というのを一つの重要な柱としております。経営計画につきましては「十年後の東京」を十分に踏まえて策定しております。今回「十年後の東京」も出たということを踏まえまして、計画事業化をしたというものでございます。
 なお、「十年後の東京」につきましては、先ほども答弁申し上げましたが、十年後に東京が目指すべき姿ということでございますし、私どもの新経営計画につきましては、あくまでも三年間の経営計画と、なおかつ三年間の事業計画としての性格も持っているわけでございまして、当然そこの違いというものは出てくるかと思います。
 いずれにしましても、「十年後の東京」を視野に入れまして、ホームからの転落防止対策について、総合的に検討してまいりますということでございます。

○松村委員 少なくとも交通局としては、大江戸線などの計画を取り入れることにしたということです。しかし、これはあるべき姿といえども、東京都の計画として、すべての都内の駅ですよね。そうすると、それはどこか例えば交通局も入った、オール都庁で、検討機関などを設けて、ほかの民鉄関係にも呼びかけるというような形になるんでしょうか。
 所管局としては、どんなふうな、どんなふうなというか、あるべき姿といえども、東京都の計画として、都内すべての駅へのホームドアという考え方についてはどうなんでしょうか。

○鈴木参事 ただいまご答弁申し上げたとおりでございます。私どもとしては、まず「十年後の東京」も視野に入れまして、まず私どもが、ホームからの転落防止対策について、計画に掲げているような内容について、総合的に検討してまいりたいということでございます。

○松村委員 当然、交通局というのは、私は、そういう先導役というか、ほかの民間鉄道も含めて、そういう役割という点では、その中心に座るなり、呼びかけて、やはり可能なところからやろうというようなことが必要だと思うんですよね。そういう点での積極的な役割もやっぱり果たすべきだというふうに思います。東京都の、これ、計画発表したわけですから、絵にかいたもちなどというのでは決して済まされないというふうに思います。
 繰り返しになりますけれども、少なくとも技術的に可能な大江戸線の設置については、直ちに具体化を、改めて具体化するよう求めておきます。
 次に、バス事業について伺います。
 少子高齢社会を迎え、乗りおりが容易で気軽に利用できる路線バスは、身近な足として、その役割がますます重要になっていますというふうに、この新しい経営計画や「十年後の東京」にもそういう記述があります。しかし、そういう役割、重要さをみずから認識というか、役割を明らかにしながらも、この間のバス事業は縮小、廃止される一方ではないかというふうに思います。
 まず、バス事業の状況について、バス事業規模を示す指標の一つである車両数でこの十年間で見ると、どういうふうになっているでしょうか。

○遠藤自動車部長 この十年間の車両数の減少でございますが、一般乗り合い車両で申し上げます。
 平成十七年度末の車両数は千四百八十二両でございまして、これに対して平成八年度末の車両数は千八百四十四両でございます。この十年間に三百六十二両、率といたしましては一九・六%が減少しているという状況でございます。

○松村委員 十年前と比較してやはり二割も減少しているということからも、運行回数の縮小や路線の廃止、そしてそれに伴う乗客数の減少を招いているというふうにいえると思うのです。
 そこで、これまでのように、縮小一辺倒ではなく、拡充を図って利用者の利便性の向上を図るべきだと思いますが、どういう課題があるのでしょうか。

○遠藤自動車部長 今後の事業展開に当たっての課題というご質問でございますけれども、少子高齢化の状況の中で、自然減少というような傾向もございます。それに加えまして、今後予定される地下鉄等の開業もございます。
 そういった状況の中では、さらに乗客数の減少が見込まれるわけでございますけれども、先ほど来、各先生方からのご質問にも答えてきましたけれども、公営交通としての役割を今後も的確に果たしていくということでこれまでも実施してきましたけれども、身近な路線につきまして、ダイヤとかルートとか、そういったものを見直しを行うとともに、新たに開発されるようなところにつきましては、新規の路線を設定するような取り組みを通じまして、新たな乗客の確保といいますか、乗客誘致に努めてまいるという考えでございます。

○松村委員 人口減少といっても、やはりもっとバスの定時性とか速達性だとか、またあと利用者の利便性の向上が図れれば、都民の環境意識の高揚などと相まって、やっぱりそういう身近なバスの公共交通の役割、そこにまた都民も需要を求めるというふうに私は確信しておりますし、そういう面からも、縮小一辺倒ではなくて、悪循環ではなくて、いろいろな課題を打開する、そういう拡充をぜひ求めたいと思うのです。
 そこで、「十年後の東京」では、バスの定時性、速達性を確保し、都民の足としてのバスが見直されるなど、バスの復権を図ると。いい言葉ですね。バスの復権を図るというふうにしているんですよね。具体的には、じゃこの定時性、速達性の確保で、バスの復権を図るという、どのような取り組みをしていくのでしょうか。

○遠藤自動車部長 「十年後の東京」ですけれども、そのまま読み上げさせていただきます。「三環状道路整備による渋滞解消などを契機として、バスの定時性・速達性を確保し、都民の足としてのバスが見直されるなど、バスの復権を図るとともに、道路空間のゆとりを活かした新たな公共交通等について検討する。」というふうに記載されております。

○松村委員 三環状道路の整備といったらよくわかるんですけれども、それがなければ、じゃ、交通局としては、そういう課題は困難だと。私はやはりそこの主眼というのは、バス専用レーンや優先レーン、専用道路の状況だと思うんですよね。三環状道路というのはつけ足し、つけ足しといっては失礼ですけれども、まくら言葉で書いてあるんですよ。
 私の方の持論としては、意見が分かれるかもしれませんけれども、かえってそういう道路が、今までの潜在需要を、自家用車などを呼び込んで、余計バスやほかの定時、速達性が損なわれると。私は逆だと思うのです。そういう大きな環状道路をつくって、新たな個人というかマイカーの需要を呼び込むことではなくて、もっと今は既存の道路または地域の生活道路の中にも、きちっとバスのそういう優先レーン、専用道路、そういうものを確保することが大事なんじゃないかと。
 ちなみに、いろいろ事業概要を見させていただきましたけれども、この十年間そういう、これ、交通局だけでできる問題ではないんですけれども、事業概要を見て、三九ページです。専用レーンや優先レーンや専用道路はどうですか。交通局としてどういうふうに、重要な課題だと位置づけていると思われるのですけれども、実際はどうなのかという点で、改めて交通局の認識について伺いたいと思います。

○遠藤自動車部長 現在、都営バスの路線内につきましては、主要幹線道路を初めといたしまして、平日朝の通勤時間帯を中心に、総延長約二百二十キロメートルのバス専用・優先レーンが設置されております。
 しかしながら、違法駐車やレーンを無視した車両の侵入などが見られる場所も少なくない状況でございます。このため、自動車営業所の職員が駐車車両の使用者に直接注意を呼びかけいたしますとともに、所轄の警察署に違法駐車車両の排除等を要請するなどしているところでございます。

○松村委員 もう全くこれ、十年変わってないです。横ばいというか、専用レーンも、優先レーンも、専用道路も。ですから、都営バスの平均時速の推移も十年間全く横ばいと。逆に、二十年前から比べれば落ちている、こういう状況では、やはり客離れというか、起こしてしまうと思うのですね。
 そういう点で、何十年ぶりでしたか、道路構造令が変わって、その中に、新規の道路をつくる場合には、LRTだとか軌道、新たに道路をつくる場合には、そういう専用部門というんですか、構造の中に入れなさいと。それから自転車も取り入れられたんですね。専門家からは、なぜバスが、バスの専用道路とか、専用レーンが認めらなかったのかということで、やはりもっとそういう声を上げるべきじゃないか、そういう意見も聞いております。
 そういう点では、本当に所管の交通局を含め、ほかの部門、都市整備局や、また国など関係機関に、私は働きかけていくべきではないかというふうに思うのですけれども、ちょっとその点について再度ご答弁いただきたいと思います。

○遠藤自動車部長 都内のバス専用レーン、優先レーンでございますけれども、都内全域では、これは十七年度末の数字でございますけれども、二百六十六キロメートルの優先レーン、専用レーンとなっておりますけれども、交通局の管内におきましては、二百十九キロメートル、約二百二十キロメートルが専用レーン、優先レーンとなっております。都内において占める割合は約八三%というような状況になっております。
 これまでも交通局といたしましては、関係機関にバスレーンの設置等につきまして働きかけはしてまいってきているわけでございます。

○松村委員 確かに優先レーンとか設けられていて、それがなかなか機能しないんだという点での改善の取り組みもよくわかります。それ以上にやはりきちっとバス専用道路とか、そういうものを、もっとあらゆる機会で広げていく。
 この委員会でも、他の会派の委員からも、ほかの諸外国の事例も紹介ありました。私も幾つも書物を見て、やはりそういう公共交通としてのバスが、もっと優先的に確保できるような方策も、世界の大きな流れだと思うのです。ぜひご努力を期待したいと思います。
 最後に、お客さんのバス離れを防ぎ、バスサービス向上にとっても、バス接近表示は重要だと思います。三カ年、交通局の三カ年計画でも、バス接近表示装置の増設を挙げています。現在の設置状況は、バス接近表示つき停留所は、計画の六%、簡易型バス接近表示装置は七・三%と、やはりおくれております。
 今後、どのように拡大していくのか、その取り組みについてもお答えいただきたいと思います。

○遠藤自動車部長 簡易型接近表示装置につきましても、新チャレンジ二〇〇七におきまして、今後三カ年で二百四十五基を設置する予定でございます。これまでの設置数と合わせまして、累計では五百二十七基を設置し……(松村委員「何%ですか」と呼ぶ)一三・七%ぐらいになると見込んでおります。

○松村委員 ぜひ重ねて優先課題として取り組んでいただきたいことを要望して終わります。

○福士委員 それでは、私の方からは、新聞紙上でもにぎやかに書かれております都営バスのバイオディーゼル燃料の導入について伺います。
 バイオディーゼル燃料は、植物油などのバイオマス由来の燃料を化学処理した軽油の代替燃料ですね。原料となる廃油、廃植物油や菜種油等の植物自体が、その成長過程において大気中のCO2を吸収したものであることから、燃料として使用した場合でも、大気中のCO2を増加させないことが知られていますが、その利用は国内では余り進んでおりません。
 都営バスにも早くディーゼル燃料を導入すべきだと思っていたところですが、二月六日、来年度から都営バスでも導入していくという発表を伺いました。国内では、代表的な大手バス事業者である都営バスが、バイオディーゼル燃料を積極的に使っていくという姿勢を示すことは、今後の普及拡大につながっていくことと思いますので、大変結構なことだというふうに思っております。
 そこで、質問なんですけれども、バイオディーゼル燃料は、比較的早い段階から多くの自治体などで使われているのですけれども、一般への普及がなかなか進んでおりません。そのおくれている理由はどういうものなのか、お伺いしておきたいと思います。

○遠藤自動車部長 委員からご指摘がございましたように、バイオディーゼル燃料につきましては、一部の自治体や民間企業において使用されていますが、それらにつきましては、市中のガソリンスタンド等での広範囲な販売が行われていないため、みずから燃料を製造したり、限られた製造者から購入せざるを得ない状況にございます。
 このように、これまで一般への普及がおくれてきた理由といたしましては、バイオディーゼル燃料に対する国の規格化がなされなかったことによりまして、原料の調達から製造、販売までの燃料供給体制の整備がおくれたことがございます。

○福士委員 今ご答弁いただきましたように、ガソリンや軽油の流通のように、法律によって品質が保証され、消費者が安心して購入できないと、スタンドでの販売はなかなか困難じゃないかというふうに思います。
 実は私も選挙のときには、てんぷら廃油の燃料を使っております。これ、普通のガソリンスタンドで売っておりませんので、あちこち探しまして、知人に紹介された区外の燃料店からポリタンクでたくさん買ってまいりまして、まとめ買いをするとか、そういうような苦労をしている経験がございます。
 私は車を日常的には使っておりませんので、選挙期間中という限られた期間だから、それでもやっていけるかなというふうには思うのですけれども、日常的な利用になると、これは大変だろうなというふうに思いました。
 ことしの一月、この燃料を国が規格化したことによって、一般普及に向けた基礎は整ったわけです。今後の課題としては、燃料を大量に製造して、一般へ供給していく体制を構築していくというところなのかなというふうに思います。
 そこで、次の質問なんですけれども、二〇〇七年度から実施する都営バスへのバイオディーゼル燃料導入の目的と、それからその内容についてお伺いしておきたいと思います。

○遠藤自動車部長 平成十九年度におきまして、都営バスにおきましては、環境負荷低減の取り組みといたしまして、環境局と連携し、二種類のバイオディーゼル燃料を導入してまいります。
 その一つは、国が規格化いたしましたバイオディーゼル燃料を、都営バスが積極的に使用していくことで、今後、他の運輸事業者への普及を促すなどいたしまして、結果として燃料供給体制の整備に寄与していくものでございます。
 二つ目でございますけれども、将来、水素化処理による精製により高濃度での使用が期待される次世代バイオディーゼル燃料の開発を、環境局並びに民間との共同事業として進めていくものでございまして、都営バスを使用したデモ走行やPRによって開発を支援してまいります。

○福士委員 今のデモ走行ってどういう感じでやられるんですかね。

○遠藤自動車部長 先日、予特の方でも、局長の方からご答弁いたしましたけれども、次世代バイオディーゼルにつきましては、私どもの渋谷の営業所ありますけれども、そちらの方の01系統という路線で、こちらの路線は非常にお客様も多い。それから路線として、六本木とか、新橋とか、人出の多いところを通るということで、そういったところでこの事業を実施していますよということを、広く都民の方、それから運輸関係事業者の方にも理解していただくということでデモ走行をするということでございます。

○福士委員 おっしゃるように、都営バスで国が規格化したバイオディーゼル燃料を使っていくことは、一般普及への呼び水となっていくというふうに私も思います。そして、ご答弁では、さらには高濃度での使用が期待されている次世代のバイオディーゼル燃料について、環境局並びに民間との共同プロジェクトを立ち上げて、その開発に寄与していくということでした。
 都営バスにおける二種類のバイオディーゼル燃料については、ともに国内においては使用事例がないというふうに伺っているのですね。使用に当たっては、車両の機器とか、排出ガスに与える影響がないことをしっかり確認していただきたいと思いますし、その得られた成果、そういうものは広く社会に還元していっていただきたいというふうに思うわけです。
 そこで、バイオディーゼル燃料としては最後の質問になりますけれども、二〇〇七年度から実施する二種類のバイオディーゼル燃料の導入については、どのように燃料を確保して、いつから、どこで、都営バス何台を使って行っていくのか、お伺いしておきたいと思います。

○遠藤自動車部長 国による規格化がなされたばかりのバイオディーゼル燃料の導入につきましては、今後燃料供給者を公募により決定してまいります。こちらの燃料につきまして導入する営業所は、北自動車営業所練馬支所、それから渋谷自動車営業所新宿分駐所の二事業所、計六十五台を予定しておりまして、平成十九年秋より実施したいと考えております。
 また、次世代バイオディーゼル燃料の導入につきましては、共同して事業を行う民間会社から燃料の供給を受けまして、渋谷自動車営業所の車両二台を使用いたしまして、こちらも平成十九年秋よりデモ走行を行う予定でございます。

○福士委員 二〇〇七年秋には、都営バスにおいて、二種類のバイオディーゼル燃料の使用が開始されるというご答弁でしたけれども、その結果のデータは、いい部分だけではなくて、問題点もしっかり把握されて、次の成果にぜひつなげていただきたいというふうに思っております。
 都営バスの積極的なというか、都営バスそのものが大きな営業ですから、そこでの積極的な使用が、国内においては今後のバイオディーゼル燃料の普及拡大に貢献していくことになるだろうと思いますので、そこに期待をし、また研究もそのためにどんどん進んでいくのかなというふうに思いますので、都営バス関係の質問を、このことでは終わりといたしますが、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
 次に、地下鉄のサービスの一体化について、これは確認の意味も含めて簡単にお伺いしておきたいと思います。
 今回新たに策定された経営計画の新チャレンジ二〇〇七は、今後の交通局の取り組みについて書かれておりまして、私ども都民が、より安全に、より快適に、そして都営交通を利用できるような事業がとりあえずいろいろと盛り込まれておりました。
 その中で、地下鉄事業の今後の経営の方向として、都営地下鉄と東京メトロとのサービスの一体化をより進めることで、お客様の利便性の向上に努めるという記載がありまして、もう大変興味深く拝見をいたしました。
 確かに東京の地下鉄は、都営地下鉄と東京メトロの二つの事業者によって運営されていることから、ちょくちょく利用する人はまだしも、たまに利用する人にとっては、切符を正しく買って、間違いなく乗り継いで、駅のホームから目的地まで迷わず行くというのは、なかなか大変だと思います。私もほとんど移動は電車なんですけど、それでもわからないことがたくさんあります。
 これまでも交通局は、東京メトロと協力して、初めてのお客様でもわかりやすく利用できるようにいろいろ工夫されてきたとは思いますけれども、私、蔵前って、あちらの方は余り行ったことないんですけど、蔵前で乗りかえたとき、大江戸線から浅草線までは地上に出て、そして何百メートルか普通の道を歩いていくんですね。地下通路でつながってなかったんです。
 乗り方がよくわからなくて、パスネットでそのまま乗ったときと、それから帰りはパスネットがなくなってしまったので、切符を買いました。そしたら、金額まで違ったりするんですね。かなりの金額が違ったような気がします。百メートル歩くのも、どっちの方向に歩いていっていいのか、一応掲示板は出ているのですけれども、心配しながら、道行く人に、どこでしょう、どこでしょうって聞きながら、歩いていったんですけどね。
 こういうこともありますので、今後も東京メトロと協力して、サービスの向上に努めていくべきだというふうに考えますけれども、決意というか、ご所見を伺っておきたいと思います。

○佐藤電車部長 先生には蔵前でもって大変ご不便をかけまして、あそこのところ、ちょうど大江戸線とそれから浅草線と距離がございまして、地上を五分ばかり歩くようになっていまして、本当に申しわけございません。
 ということで、東京の地下鉄をお客様が快適に利用するためには、先生ご指摘のとおり、東京メトロと協力をしましたサービスの向上が必要であるというふうに十分認識をしているところでございます。
 また、これまでも東京メトロとの協議を従前から行いながら、パスネットカード、それから共通の一日乗車券の販売、それからさらに七十円の乗り継ぎ割引の実施など、統一したサービスを導入するとともに、駅や路線に、ナンバリングといっていますけれども、記号番号を付記しました共通の路線図を作成するなど、サービスの向上に鋭意努めてきたところでございます。
 また、今後も新経営計画に基づきまして、首都圏のほとんどの鉄道、バスを利用できますPASMOというICカード、その導入や、東京メトロと統一をしたスタイルの各種案内サインを整備するなど、サービスの向上を図りまして、お客様にとって便利でわかりやすい東京の地下鉄の実現をしてまいりたいと思います。

○福士委員 ぜひ実現していただきたいと思いますし、協力したサービスの導入といっても、口でいうのは簡単ですけども、相手があることなので、いろいろな調整が必要なことは私も想像できます。
 また、駅によっては、非常に複雑な構造で、職員も、聞く人によってまちまちな出口を教えてくださったり、それから乗り継ぎの場合は、どういうふうに乗り継いだらいいですよということをよくわかっていらっしゃらない。他線だからしようがなかったのかもしれませんが、よくわかっていらっしゃらない職員も、これは都の公共交通の方がという意味じゃないですよ。そういう職員もいらっしゃったりして、たびたび私もうろうろしている例があります。
 そういうことがありますので、それでも、今回の一体化によって、本当に利便性が増すというのは大変結構なことですし、都民だけではなくて、地方から来た方、それから外国の方などが、便利でわかりやすく利用できるような地下鉄の実現に向けて、今後も努力されるよう、これは要望しておきます。
 それから、マークなんかも、なるべく大き目に書いていただいて見やすくというか、それも努力をしていただくように要望して、質問を終わります。

○野上(純)委員 私も東京都交通局経営計画新チャレンジ二〇〇七の内容について伺います。
 最初にバス事業についてです。
 平成十七年度決算においては、バス事業は二十六億円という赤字であると。路線別には約六割が赤字、四割は黒字。採算性だけを考えると、廃止した方がいいのではないかというような路線も確かにあると思いますけれども、地域にとっては非常に必要な路線も多くあって、また公営交通という、利益が期待できなくても都民のためにという、そういう公営交通としての意義もありますので、必要な路線についての維持は大事なのではないかな。だから、利潤とそれから利便性、それから経営計画、いろいろ加味すると、大変複雑な運営をしていかなくてはいけないのではないかなというふうに思っております。
 この中で、新チャレンジ二〇〇七の中で、バス事業における社会的要請への対応についてということでございました。この中の一、環境対策の推進、二、行政施策の推進ということで、五九ページに書いてございます。
 このうちの環境対策についてなんですが、現在都営バスは、先ほどの質疑で、千四百八十二台のバスを有している。このシェアは都内のバス利用者の約三割を占めるという、国内では代表的な大手バス事業者ということです。このように、他のバス事業者にも影響のあるこの都営バスが、さらなるCO2の削減、省エネルギー対策の推進などに取り組むことが大切であると思います。
 都営バスにおいては、平成十四年の十月一日でしたか、排ガス規制があったときにも、DPF装置をつけるなど、これまでも環境対策に前向きに取り組んでこられたと思います。経営計画期間においても、低公害型のディーゼルバスとともに、ハイブリッドバスの購入が予定されているということです。
 私たちも、ちょっと高めですけれども、乗用車を買うときに、次に買うときはハイブリッド車を買おうかなと私も思っているのですが、燃費はよいと思いますけれども、価格は非常に高いということで、機能や価格面において、来年度から導入を計画しているこのハイブリッドバスと、従来のディーゼルバスとの異なる点は何か、そして今後のこの導入計画について、あわせてお伺いいたします。

○遠藤自動車部長 平成十九年度からの導入を予定しておりますハイブリッドバスは、ディーゼルエンジンとモーターを併用して走行するものでございまして、ディーゼルバスに比べますと、燃料消費量が少なく、CO2の削減はもとより、粒子状物質やNOxの削減でも有利な面がございます。
 一方、購入価格につきましては、ハイブリッドバスはディーゼルバスに比べますと、イニシャルコストで三割程度高額というふうになっております。
 今後、公営交通といたしまして、低公害型バスの導入に取り組むことが重要であることから、平成十九年度からの三カ年で二十五両の導入を計画しております。

○野上(純)委員 平成十九年度から三カ年で二十五両の導入を計画しているということです。都営バスの購入に際しては、従来から常に最新の排出ガス規制に対応した車や、バリアフリーの観点からノンステップバスの導入など、その時々の車両の開発状況等を的確に判断して、適切な車両を導入をしているということに対しては、高く評価をしております。
 その意味で、都が大幅な二酸化炭素の削減に向けて今現在取り組んでおりますが、このハイブリッドバスを導入することは有意義なことではないでしょうか。
 今後とも性能面やトータルコストを十分に検証して、公営事業者として先駆的に取り組んでいっていただければと思います。
 次に、都営バスにおける新しい環境対策として、グリーン経営認証の取得というのが挙げられております。これについて伺います。
 ここにも下に書いてあるのですけれども、グリーン経営認証とは、一定レベル以上の環境保全の取り組みを行っている運輸事業者に対し、国土交通省の所管団体である交通エコロジー・モビリティ財団が審査認証を行い、二酸化炭素削減など、地球温暖化対策を促進するものということです。
 ここで、都営バスでグリーン経営認証を取得することによる効果と、今後、取得を目指してどのような展開を図っていくのか、お伺いいたします。

○遠藤自動車部長 都営バスでは、これまでも環境にやさしい低公害型バスの導入など、環境改善に積極的に取り組んでまいりました。ご質問のグリーン経営認証取得の効果といたしましては、こうした取り組みに対しまして、客観的な証明、公表がなされますことから、環境改善に対するさらなる職員の士気向上が図られるとともに、燃料費の削減にもつながるものというふうに考えております。
 今後、燃料管理のシステム化、デジタル運行記録装置の装着等を図り、平成十九年度から順次、すべての営業所におきまして、グリーン経営認証の取得を目指してまいります。

○野上(純)委員 このグリーン認証を取得することによって、これまでの取り組みをさらにレベルアップさせるとともに、環境改善に対するさらなる職員の士気向上が図られるということで、また都民やお客様へのよいアピールになると思いますので、ぜひ積極的に進めていただければと思います。
 それでは、都営バスの環境対策として最後の質問ですが、都が取り組みを開始したカーボンマイナス東京十年プロジェクトでは、二〇二〇年には、対二〇〇〇年比で二五%のCO2を削減するというふうにいわれております。
 今後、分野別に設定される目標に対して、都営バスでは目標を達成できるものなのでしょうか。その実現に向けて、自動車部長のお考えをお聞きいたします。

○遠藤自動車部長 都営バスにおきましては、これまでも省エネタイプのバスの購入、それからアイドリングストップ装置の装着など、CO2の削減対策につきましては先駆的な取り組みを行ってまいりました。
 これからも、これらの取り組みに加えまして、バイオディーゼル燃料の積極的な導入など、さまざまな施策を講じ、今後設定されますCO2の削減目標を確実に達成できるように努力してまいります。

○野上(純)委員 都における二酸化炭素の削減対策については、まず都みずから、大胆かつきめ細かい施策の展開が求められるところであります。その意味において、交通局の今後の取り組みに期待いたします。
 続いて、同じく新チャレンジ二〇〇七に盛り込まれております中学生の職場体験への協力についてお伺いいたします。
 教育庁にも職場体験を実施すべきだということを再三訴えまして、連続してでも、飛び飛びでもいいんですけれども、五日間の職場体験を実施するということが決まっております。
 今現在、子どもたちも働く意義が見出せないとか、大学を出ても長く続かなかったり、なぜ自分が働かなければならないのかという基本的なことがよくわからないような青年もふえているということで、この職場体験、しっかり体を動かして、だれかのため人のために働く意義とか、そういったものを培うことが大事だと思っております。
 交通局では、この本の中で、青少年健全対策の一環として、中学生の職場体験事業に協力をしているとお聞きしております。地下鉄の駅や都バス営業所で中学生を受け入れていると。特に都バス営業所における中学生の職場体験受け入れの状況について、具体的にお伺いいたします。

○遠藤自動車部長 都営バスの営業所におきましては、青少年の望ましい社会性や勤労観をはぐくんでいくという、都が勧めておりますわくわくウイーク東京事業の趣旨に沿いまして、平成十七年度より中学生の職場体験の受け入れを実施しております。
 平成十七年度におきましては、三営業所で八校、計二十四人、平成十八年度におきましては、本年一月末現在でございますけれども、十営業所において十九校、計五十九人の中学生の受け入れを行っております。

○野上(純)委員 職場体験に参加した中学生は、都バス営業所で実際にどのような体験活動をしているのでしょうか、運転はできないと思いますので。また、参加した中学生はどのような感想を持ったのかについてお伺いいたします。

○遠藤自動車部長 これまでの中学生の体験活動の内容でございますが、駅ターミナルやバス停留所での乗車券類の販売補助、路線案内図の配布などお客様への案内活動、バスの車体の水洗いや停留所付近の清掃、さらには手足におもしをつけた高齢者の疑似体験や車いすの乗車体験などを行っております。
 また、乗務員との意見交換の場では、なぜバスの運転手になりたいと思ったのかなどと、就職したきっかけなどにつきまして、熱心に質問する姿が見受けられております。
 職場体験に参加した中学生の感想といたしましては、初めて見る職場は思っていた以上に大変だったとか、人との接し方、車内マナーなどを学んだ、今後の生活に生かしていきたい。また、疑似体験により、バスに乗る高齢者や車いすを使う人たちの気持ちがわかったなどといった意見が寄せられております。

○野上(純)委員 こうした受け入れをしてくださるところが多くなればなるほど、子どもたちの職場体験の学習も進むと思います。職場体験というのは、社会の仕組み、あるいは職業の大切さを実際に体でもって理解する大変有意義なものだと考えております。役に立つというよりも、結構ちょっと、指導するのに邪魔になったりすることも大変多いと思うのですけれども、ぜひ地域の中学生を積極的に受け入れて、都営バスのPRにもつなげていただければと思っております。
 今後、どのように中学生の職場体験の受け入れを、さらなる展開をしていくのかについて、お伺いいたします。

○遠藤自動車部長 都営バスでは、お客様を安全に輸送し、サービス向上に努めていくのはもちろんのこと、公営企業といたしまして、青少年の健全育成など、都の行政施策に積極的に協力することが重要な役割であるというふうに認識しております。
 中学生の職場体験への協力につきましては、すべての自動車営業所におきまして、中学生を受け入れる体制をつくるとともに、青少年治安対策本部や教育庁とも連携をとりながら、積極的にPRを進め、受け入れ規模を一層拡大してまいります。

○野上(純)委員 最後ですが、疑似体験によりバスに乗る高齢者や車いすを使う人たちの気持ちがわかったということで、都営バスの中でいろいろな器具をつけて、高齢者体験というのをしていただいたそうなんですが、こういったことは実際に子どもたちの中で、高齢者の苦労というのか、ステップが高いか低いかによって、全くバスに乗ったりする作業が、すごく楽になるか苦しいかということが実際によくわかると思うのですね。都バスの中でそういったいろいろな体験をしていただくことは非常に価値が高いと思っております。
 これからも都営バスというのは、単なる公共輸送機関ではなく、福祉とか環境とか、青少年対策といった都のさまざまな行政施策に率先して協力をして、ほかの民間バス事業者のお手本となっていただきたいと思っております。公営企業としての使命を果たし、都民の信頼を一層得ていくためにも、これからも中学生の職場体験の受け入れなどの取り組みをより一層充実していただきたいことを願いまして、終わります。

○秋田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○秋田委員長 異議なしと認め、本案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五十二分散会

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