公営企業委員会速記録第六号

平成十八年六月十六日(金曜日)
第十委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十三名
委員長串田 克巳君
副委員長崎山 知尚君
副委員長松村 友昭君
理事高島なおき君
理事石毛しげる君
理事石川 芳昭君
遠藤  守君
福士 敬子君
そなえ邦彦君
尾崎 大介君
大西さとる君
樺山たかし君
新藤 義彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
交通局局長松澤 敏夫君
技監北川 知正君
総務部長金子正一郎君
職員部長坂上 信雄君
資産運用部長松村 光庸君
電車部長佐藤  守君
自動車部長遠藤 秀和君
車両電気部長室木 鉄朗君
建設工務部長鈴木  進君
人事制度担当部長柴田 健次君
バス事業経営改善担当部長斎藤  信君
参事鈴木 尚志君
参事中島  保君
参事高橋 康夫君
水道局局長御園 良彦君
次長中田 清己君
総務部長東岡 創示君
下水道局局長前田 正博君
次長今里伸一郎君
総務部長野口  孝君

本日の会議に付した事件
 交通局関係
報告事項(説明・質疑)
・都電荒川線の車両追突事故について
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○串田委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の報告事項の聴取並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより交通局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 高根安全管理担当参事は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○松澤交通局長 都電荒川線の車両追突事故について、ご報告を申し上げます。
 今回の事故は、安全の確保が最大の使命である交通事業者にとりましてあってはならない事故であり、おけがをされた方、ご家族の方を初め、ご利用のお客様、都民の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことに対しまして、まず、心から深くおわびを申し上げます。
 それでは、お手元の資料の一ページ、都電荒川線の車両追突事故についてをごらんいただきたいと存じます。
 まず、事故の発生日時は、平成十八年六月十三日火曜日、午前九時三十七分でございます。また、発生場所は、北区の王子駅の東側に位置します梶原停留場から栄町停留場間でございます。
 関係車両につきましては、追突した車両は、七五〇〇形の営業車両で早稲田行きでございました。また、追突された車両は、七〇〇〇形の重要部検査を終えた試運転車両でございます。
 次に、事故状況でございますが、前方を走行していた試運転車両が、あらかじめ定められた場所でブレーキ試験を実施し停止した際に、営業運転を行っていた後続の車両が追突したものでございます。
 追突した車両には、三十名のお客様が乗車しておられましたが、そのうち二十七名の方が負傷され、また、追突された試運転車両に乗車しておりました当局係員一名も負傷をしております。
 この原因につきましては、主に試運転車両との距離が接近したときの、後続車両の運転手の運転方法に問題があったものと推測されるところでございます。
 これに加えまして、試運転車両については乗務員に周知されていなかったことなどの問題点が考えられますが、現在、交通局、所轄警察署及び航空・鉄道事故調査委員会におきまして、詳しい調査を進めている状況でございます。
 交通局といたしましては、今回の事故の重大さを真摯に受けとめまして、今後、このような事故が二度と起こらぬよう、早急に原因の究明と再発防止に取り組んでまいります。
 詳細につきましては、電車部長よりご説明させていただきます。

○佐藤電車部長 まず、説明に先立ちまして、所管、担当の部長としまして、負傷されたお客様を初め、多くの方々にご迷惑をおかけしたことを、深くおわび申し上げます。
 それでは、事故の詳細等につきまして、ご説明を申し上げます。
 まず、事故報告資料の二ページ目をごらんを願いたいと存じます。この図の下の方をごらんを願いたいと存じます。黄色い車両が営業運転車両でございまして、青色の車両が試運転車両でございます。
 事故発生の直前、九時三十五分ごろ、試運転車両が左の方の梶原停留場を発車しまして、明治通りを通過した後に、ブレーキ性能試験の準備のため一たん停止をしました。一方、営業運転車両が試運転車両に続きまして梶原の停留場を発車をし、試運転車両の約十メートル後方に停止をしてます。
 九時三十七分でございますが、試運転車両はブレーキ性能試験のため発車をしまして、所定の地点でブレーキをかけ、停止をしました。試運転車両に続いて発車をした黄色の営業運転車両は、前方の試運転車両の停止に気づきまして、急ブレーキを操作しましたが間に合わず、追突したというものでございます。
 この事故によって、一時は全線がストップしましたけれども、十時〇五分には三ノ輪橋と荒川車庫間の折り返し運転を開始しまして、十時三十分には王子駅前と早稲田間の、また折り返し運転を開始しております。
 現場調査の終了後、復旧作業を行いまして、十五時三十二分、全線で運転を再開をしました。この事故に伴いまして百二十本の運休、それから約六千八百人の人員に迷惑をかけてございます。
 次に、事故後の対応でございますが、事故発生後、すぐ一一九番、一一〇番通報をしまして、九時五十分にお客様の救出活動をやっております。十時二十五分に負傷者の病院等への搬送が終了しました。負傷された方々の状況につきましては、検査入院をされている方が一名、軽症の方が二十七名、それから、軽症の方々につきましては、その日のうちに皆様自宅へ帰宅しております。
 十一時〇〇分に荒川線追突事故の対策本部を設置をしまして、情報収集に当たっています。さらに二十時二十五分には安全対策推進委員会を開催しまして、再発防止について周知徹底を図ったところでございます。
 負傷されたお客様に対しましては、病院または自宅へ交通局職員が出向きまして謝罪をし、今後の対応につきましては、説明を申し上げたところでございます。
 今後は、これまで以上に基本動作、それから基本作業の徹底を図りまして、事故の再発防止に万全を期してまいります。
 説明につきましては以上でございます。

○串田委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○崎山委員 今回の事故、私、地元として大変驚いております。
 当日朝八時にもう自宅を出まして、ちょっとほかへ寄って、都庁に一時前に来たわけですけれども、都電の事故があったということで、てっきり踏切遮断機か、車か、もしくは歩行者の事故なのかなというふうに思っていたら、都電同士でぶつかってしまった、衝突してしまったということで、私は地元として、何回かこの委員会でも下町の庶民の足として、のんびり、ゆったり、しかも気軽に、改札もなく乗りおりできるということで、本当に便利な乗り物として、応援団としてやってきましたけれども、今回の事故について、やはり地元の皆さんも驚きを禁じ得ない、隠せないのかなというふうに思っております。
 やはり二通りの判断が地元の方にもあって、何でこんなゆっくり走る都電がぶつかるのということが一つと、もう一つは、しかも衝突して二十八人ものけが人を出すという、どうしてこういう事故が起こったの、というような声も聞かれるところであります。
 こうした中で、やはり交通局として今回の事故発生原因についてどういうふうに受けとめているのか、まず冒頭にお伺いをいたしたいと思います。いかがでしょうか。

○松澤交通局長 今回の原因についてでございますが、冒頭申し上げましたように、主に試運転車両との距離が接近したときの、後続車両の運転手の運転方法に問題があったものと推測されるところでございます。
 具体的には、前の車両と百メートル以内に接近した場合には、規定で速度を十五キロ以下とすることとなっておりますが、当日はこれをかなり上回る速度が出ていたものと考えております。
 それから、これに加えまして、試運転車両については乗務員にあらかじめ周知されていなかったこと等の問題点が考えられますが、先ほど申し上げましたように、現在、交通局、所轄の警察署及び航空・鉄道事故調査委員会におきまして、詳しい調査を進めている状況でございます。これがわかり次第、もっと詳しい原因が判明するものと思っております。

○崎山委員 それでは、もうちょっと詳しくお伺いしたいと思いますが、私も都電、日常的に利用しておりまして、当然、前の車両が電停に着いて、後続の車両が近くに、もうすぐ電停の後ろにぴたっとくっついて次の乗客を乗せるとか、そういうこともよく見られるわけでございますけれども、なおかつ、都電はそんなに速いスピードで走るわけじゃないわけですから、そこら辺の規定はどういうふうになっているのか。前方に車両がいるときには何キロで走るのか、最高速度は何キロなのか、この地域では何キロで走りなさいとか、そういう細かい規定がされているというふうに理解しておりますけれども、お伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。

○佐藤電車部長 この荒川線の運転方法を定めました軌道運転の心得でございますが、その三十一条は、電車同士は百メートル以上の距離を保持しなければならない、それと、先行する電車との距離が百メートル以下になったときには、運転速度を時速十五キロメートル以下にしなければならないというふうにしております。
 それからさらに、電車同士の距離が十メートルになった場合には、一たん停止をしまして、その後徐々に進行して、一メートルまで接近することができるということも、この中で規定をしております。
 こうした規定によりまして、列車同士が接近した場合には、衝突の事故等が生じることのないような仕組みとしまして、運転手にもこの周知徹底を図ってきたところでございます。

○崎山委員 先ほどいただいた資料、報告書にありますように、九時三十五分に一回停止をしているわけですよね。
 新聞とかで見ると、試運転の車両が走っているということが乗務員には知らされていなかったということも挙げられているわけですけれども、この事実を見ると、三十五分に一回、もう目の前に試運転の車、試運転の車両と認識していたかどうかは別にしても、目の前に都電が走っているということは、もう認識をしているわけですね、運転手は。
 そうした中で、二分後に衝突をしてしまった。なぜこの運転手は急がなければいけなかったのか、そこら辺の理由がわからないのですけれども、どういうふうに把握しているのか、お伺いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○佐藤電車部長 今回のケースでございますけれども、事故当時の運行状況につきましては、運行の予定を定めました運行ダイヤと、それから運行の実績を一応見てみました。
 そうしたところ、十五秒程度のおくれが生じていたということがわかったのです。十五秒程度のおくれにつきましては、電車の運行上は大きなおくれが生じているとはいいがたくて、基本的には正常な運行状況であるというふうに思っております。
 そのため、この運転手がスピードを出して運行上のおくれを取り戻そうというような状況ではないというふうに認識はいたしております。

○崎山委員 当然そうだと思います。だって、目の前に電車が走っているわけですから、車と違って追い越すわけにはいかないわけですから、走っているわけですから、そういうおくれということではないのですけれども、なぜ焦ったのかなというところが理解ができないところであります。これは、これからどうぞ詰めて、原因究明をしていただきたいというふうに思っております。
 それといま一つ、JR西日本の福知山線の問題があったりして、目の前に電車が走っているから、別に急いだって次の電停に着く時間は決められているわけですから、焦る必要もないのですけれども、いわゆる日勤教育だとか、本人が早く次の電停に行かなければいけないような、そういう動機づけがなされるような日勤教育とかがあったのかどうなのか。福知山線でもこれはかなり問題になったわけですけれども、そこら辺はいかがでしょうか、お伺いしたいと思います。

○佐藤電車部長 この荒川線におきましては、運転中の事故等の問題を起こした運転手については、電車運輸係員教育訓練実施要綱というのがございまして、それに基づきまして、特別に訓練をやっております。
 そうした訓練を実施することによって、運転手の知識とかそれから技能を再度確認するということと、また、運転手の能力の向上を目指すということをやっております。
 また、日勤教育というような、懲罰的な作業に従事させる仕組みのもとで運転業務を適正に行う精神的な負担を科すような、そういったようなことは、都交通局としては一切やっておりません。

○崎山委員 わかりました。まあ、運転手の適性もいろいろあるでしょうから、ぜひ過剰なそういうペナルティーではない中で、しっかりと教育をしていただきたいというふうに思っております。
 話を変えますが、ブレーキの問題なんですけれども、私も地元におりますから、都電のブレーキが、いろいろ国とか基準があって、その中で都電が整備されているものだというふうに、もちろん理解しておりますけれども、九二年にもブレーキの事故があったというふうに報道がされております。
 秋になると、地元で都電通り沿線、街路樹、イチョウが散るわけですね。そうした場合に、都電のどなたか作業員が、線路に落ち葉が落ちて、多分あれブレーキがすべるのかな、丁寧に掃いたり、いろいろやっているわけですけれども、ブレーキの制動距離というのは果たして大丈夫なのかなという不安も、一つあるわけです。
 車両についても、七〇〇〇形が両方事故を起こしているということで、新しい車両はもちろん八〇〇〇形、八五〇〇形というのですか、なんですけれども、そこら辺の、新しい車両と古い車両のブレーキの性能について差があるのかどうなのか、確認をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○室木車両電気部長 荒川線車両のブレーキ性能の比較についてのご質問でございますが、荒川線には、現在、七〇〇〇形、七五〇〇形、八五〇〇形と、三種類の車両がございます。
 いずれもブレーキ性能である減速度につきましては、四・五キロメーター・パー・アワー・パー・セコンドから五・〇キロメーター・パー・アワー・パー・セコンドという範囲内にございまして、いずれもほぼ同等のブレーキ性能になってございます。

○崎山委員 わかりました。そっちの方はまあ問題はないということでございますので、恐らくやはり運転手の適性の問題が一つ挙げられておりますし、また、当然、運転手が認識していたか、していなかったかは別にしても、当日、試運転車両がその線路上を走るということについては知らなかった、知らされていなかったということも課題として挙げられているわけですから、そこは事務的な伝達、通達体制をちゃんと整備すればうまくいく話ですから、そこはしっかりと、ぴしっとやっていただきたい。
 そして、いま一つは、やはり公共交通機関としてサービスを提供している側は、一番大事なのは安心・安全だというふうに思っております。
 今回の事故で乗務員も含めて二十八名のけが人を出してしまった、そして百二十本運休して、六千八百人の足に影響を与えたということがあります。やはり乗っている人は安心して乗りたいという思いがあるわけですから、しっかりと事故の原因究明をやっていただいて、早急に外に向けておわびと対策についてPRする必要があるのかなというふうに思っております。
 当然、電車ですからつり革も、つり革広告もあるわけですから、その辺、交通局として、しっかりとこの事故の反省を踏まえた、利用者の方におわびをすることも大事でしょうし、今後の再発防止に向けたPRも必要だというふうに私は思っておりますけれども、最後に、局長の決意をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○松澤交通局長 今お話しありましたように、今回のような事故はこれから決して引き起こしてはならない事故でございまして、徹底した原因の究明と再発防止に早急に取り組むことが不可欠であると考えております。
 また、同時に、今お話しありましたように、今回の事故に対するおわびといいますか、反省も含めまして、いろいろな形でお知らせしていかなければいけない、このように思っております。
 事故発生直後の六月十三日には、緊急性を要する事故対策のため、追突の事故対策本部を立ち上げ、対応を進めてきたわけでございますが、これから直ちに再発防止委員会を設置する予定でございます。
 この再発防止委員会では、事故の背景や組織風土を含めまして、事故原因の究明を進めるとともに、再発防止策の策定について、ご指摘のように速やかに取り組み、結論を出していかねばと、このように考えております。
 こうした取り組みによりまして、局一丸となって、一日も早く都営交通の輸送の安全に対する都民や、お客様の信頼回復に全力を挙げて努力していく決意でございます。

○石川委員 私からは、意見だけ申し述べさせていただきます。
 まず、今回の事故で負傷されました皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 また、我が党は事故当時現地に議員を派遣をし、事故の状況を視察をいたしました。
 今もお話しありましたとおり、専用軌道で勾配もないところで事故が発生をしたということで、まさになぜなんだろうという疑問が起こります。究明につきましては、今お話しのとおり、関係機関で調査されているところでありますので、ぜひ今後再びこのような事故を起こさないためにも、なお一層の安全運行、そしてまた、そのための管理体制を整備していただきたいことを申し上げておきます。

○松村委員 今回の都電荒川線の事故で負傷された二十八名の方々、ご家族や関係者の皆さんに、心からお見舞い申し上げます。
 さて、今回の事故の原因は何か、再発防止のために何が必要であるかを伺います。
 私も現地に行きまして、関係者から事故当時の様子を詳しく聞きました。試運転は、今も説明があったとおり、梶原駅を過ぎて、大体その試運転車は三十二キロぐらいのスピードになったところで、急制動をかけてとまった。そして、衝突した後続車は、梶原駅から、今もお話があったとおり、一たん両方ともとまって試運転車が走っていった、それを追いかけるようにして走って、やはり後続車も三十二キロぐらいで、三十キロかそのぐらいのあれで追いかけて、六、八十メートルぐらい接近したところで急ブレーキをかけたが間に合わずに衝突した、そして試運転車を九十センチぐらい押し出した、そして二十八名のけが人が出たということです。
 私は、現場に行って一番感じたのは、なぜあの場所で急ブレーキをかける試運転をやるのかということを、まず思いました。また抜本対策をとらなければ、同じような事故が起きると思いました。
 そこで伺いますけれども、試運転はどのぐらいのペースでやっているのか、試運転を営業中に行う理由、営業車線以外でできないのか、急ブレーキをかける試運転は、通常、その事故が置きた現場でやっているというふうに聞きましたけれども、このブレーキ試験の場所をほかに変更することができないのか、こういう点をまず初めに聞きたいと思います。

○室木車両電気部長 まず、本線試運転の回数でございますけれども、本線試運転は、重要部・全般検査等の出場後に車両の性能を確認し、安全性を確保するために必要な試験でございます。大体、年間十回程度行っております。
 また、場内でこうした試運転ができないかというご質問でございますけれども、場内は非常に狭くて、引き込み線の距離がこのブレーキ性能を行うために必要な距離に満たないため、本線で試運転をする必要があるというふうに考えております。
 また、ブレーキの場所が、現在行っているところが適切かどうかという質問でございますけれども、ブレーキ試験を行う条件といたしましては、見通しのよい直線で、かつ勾配の少ない区間が適しております。また、試運転試験の手順上、最初に常用ブレーキ試験を行う必要があることから、現在の場所が適切であるというふうに考えております。

○松村委員 確かに車間距離が百メートル以下になった場合、時速十五キロ以下に減速するという、先ほど心得ですか、内規の形で決められているというふうに思いますけれども、運転手がその車間距離をどうやって確認するのですか。

○佐藤電車部長 乗務員が車間距離をどのようにということでございますが、これは実際、体感ということで、線路上にポール等が立っております。それらの距離も確認をしておりますので、そのポールの数とか、それからまた、体感をするためには日ごろから訓練をしておりますし、運転手になるためにも、そういった試験だとか訓練をやってございます。

○松村委員 我々も高速自動車道を走るときに、よく路肩に−−まあスピードの感覚というのは、ときには麻痺したりして、よくはっとさせられて、その距離によって前方車を確認するというようなことが通常ありますけれども、体に感じるというか体感、そのための訓練、教育、技能というのは、それはもう非常に大事だというふうに思います。
 しかし、前方車が走行している場合、それからただ停止している場合、それから今回のように急停車した場合、いろいろなケースが、やはり千差万別だと思うのですよね。体感といっても、それを瞬時にして、あ、迫ったとか、まだ動いているはずだからこのぐらいで行っても距離が詰まらないだろうとか、私は素人的に考えても、いろいろな難しい判断が要求されるというふうに思うのですけれども、果たして今回の場合、試運転車が急停止するということを、衝突車の運転手は知っていたのか。
 事前に、通常、試運転は知らされてないと、これもなぜ今まで通知されてなかったのかということと、それから今も質問があったとおり、いや、連なったときに試運転中という、新聞報道にもありました、そういうパネルですか、があったから、多分運転手も前方車は試運転車だろうということは認識していたのだろうということは、そういえると思いますけれども、試運転といっても、私、お聞きしたら、今はいろいろな試運転がある。急ブレーキ、急制動をかける試運転もあればそうじゃないときもあるから、その下にマジックペンですか、試運転中の下に何かそういう表示もあったというふうに、書いてあったというのですけれども、果たしてそれまでその運転手は認識したかどうかですね。そこら辺は私は、非常に微妙な点だというふうに思います。
 今、いろいろ事情聴取や原因究明ということですけれども、今の点についてはどうでしょうかね。ちょっとその点について。

○佐藤電車部長 後方の運転手がその点、認識をしていたかどうかということなんですが、(松村委員「それと、今までなぜ調べて、試運転を後続車に伝えていないのか」と呼ぶ)じゃあ、後段からちょっとお話をさせていただきますが、通常の場合でも、混雑が予想される場合には、混雑の緩和のために、荒川線の場合には、電車を投入するということをやっております。その場合でも、特に運転手に対しては周知をしていません。
 また、軌道の運転の扱い心得に基づいて運転をしていれば、先ほど申し上げましたが、百メートルに近づけば十五キロというようなことですけれども、そういうことで追突は回避できる。したがって、これまでは周知をしていなかったと思っております。
 それから、本人でございますけれども、先ほどの報告の中で、停留場の先でもって、十メートルの間隔で停止をしていますので、その点については、その時点では承知をしていたものというふうに理解をしております。

○松村委員 今の答弁で、これまでは試運転を伝えてなかったということですけれども、やはりそれはきちっと、今までダイヤのおくれが出たら途中に新たな列車を投入するということをやっているからということですけれども、投入した場合も含めて、やはり何らかの、これだけの情報伝達や科学技術の手段がありますから、やはりそこはきちっと認識できるようにやるべきだというふうに思います。
 それと、私、地元の区議会議員も、現場に行ったときにお話を聞きましたけれども、この事故現場の先の飛鳥山のところでは、車両が接近して運転していることは日常的である、あれだけ接近して運転していれば、今回のような事故が起きてもおかしくないと話していたのです。
 それで、さっき確かに一メートルくらいまで停車したりとか接近することは、それはできるから、そういう状態なのかなと思ったら、いや、実は飛鳥山のところあたりは、車両間隔をあけると自動車というのですか、普通自動車が軌道内に入り込んできて渋滞する、大変だから、飛鳥山とか、この事故現場の前のところが、荒川線でも、運転手の間でも難所だというところで、少しでもおくれを取り戻すため、今回も十五秒おくれてきたといいますけれども、運転手の心理としては、これからまた飛鳥山に向かって、渋滞とかそういうおそれがあると、少しでも詰めなければならないという運転手心理というのですか、そういうのが日常的に働く場所でもあって、そういうところで急ブレーキをかけるような試運転が、一つはなぜ行われたのかということも、私は、これまでは試運転車との事故はなかったかもしれませんけれども、そういうことがやはりあるような場所だったということも伺いました。
 少しでもおくれを出さないように非常に緊張する区間で、なるたけブレーキをかけたくない、前にも詰めたいということのような、運転心理が日常的になるような場所ならば、内規を守っていないから事故が起きるというのではなくて、内規が守れるような現実的な対応を、当然、これまでとってこなければならなかったのではないかというふうに、私も現場に行って本当に率直に思ったのは、そういうところなんです。
 引き続き、今後もその現場で唯一試運転車の急ブレーキの試運転をやらなければいけない、ほかでやるところはないのだということでしたら、やはりそういう人間の体感とか、感覚とか訓練だけが唯一の頼りというふうになっていたら、私は、ちょっと判断ミスやあれがあれば、これからも大きな事故、もっとこれ以上の大事故になる危険性があるのじゃないかといったら、現場の、いろいろ話を聞いた担当者も、そういうことは否定できませんとはっきりいわれて、これは私はやはり大事な問題だなというふうに思ったのです。
 ちょっと伺いますけれども、先ほども一部、九二年の十月の事故が出ていましたけれども、これまでにもこうした衝突事故、どのくらいの件数があったのでしょうか、また、どういう状況だったのでしょうか。

○佐藤電車部長 過去に今回と同様の追突の事故ということでございますが、過去、昭和六十年から平成十二年にかけまして四件発生してございます。これは昭和六十年の二月二十一日は小台の停留場、それから六十年十一月二十八日は熊野前の停留場、平成四年の十月三十日も熊野前の停留場、それから平成十二年の七月七日でございますが、庚申塚の停留場ということでございます。

○松村委員 それで、それぞれ、例えば今いった最初の昭和六十年ですか、八五年のときには七人がけがしている。同じ十一月には東尾久のところでは十三人けが。九二年十月、十四人けが。九九年の二月にも五人けが。今回が五回目で、今回は二十七名のけが人が出た。今までそういう事故が起きて、こういうけが人が出ていて、再発防止対策はどのような形がとられてきたんでしょうか。

○佐藤電車部長 これまでの事故に対しまして、再発防止策ということでございますが、第一に、点呼とか掲示によって、交差点の通過方法とか、追従の運転時の注意の喚起、それからまた添乗指導を強化したというのがございます。
 それから第二に、全運転手に対しまして、追突の事故を再発しないよう実車訓練を実施をしてございます。
 さらに、熊野前の停留場は、ここでもって二件発生していますので、手前百メートル付近に前車注意という標識を設置をしまして注意喚起を図るなど追突事故の防止を図る観点から、各種の再発防止策を講じた、そういうことでございます。

○松村委員 運転手への訓練等、それ以外は前車注意という看板を掲げる点にとどまってきたというふうに私は思うんです。本当にそういう事故からの、これまでにもしっかりした教訓を酌み取ってできる安全、やはり最大の使命だと思うんです。万全の対策をとってきたかといえば、いろいろやはり、今回の事故が起きてみて、反省点、教訓があるというふうに思うんです。
 いずれも、人間の判断だけに頼るということは、その判断が一歩間違えば大事故になる可能性は常にあり、今後も起きる。こういう点を防ぐために、例えば再発を防止するためには、ATSとよくいわれていますね、自動緊急停止装置、これが果たしてこういう荒川線にとってふさわしいものなのかどうか、渋滞だらけになってダイヤが組めないのかどうか、これはちょっと素人的にはわからないんですけれども、しかし、すごく開発されていると思うので、そのぐらいの決意を持って、やはり事故は起こさないというようなこともぜひ検討、研究もすべきじゃないか。
 それから、ATSまではいかなくても、少なくとも自動接近警報装置、これは私が命名したんですけど、自動車でも今は本当に開発されて、極端に近づいたら鳴るという、私の車には取りつけられておりませんけれども、これも、特に軌道だから、道路を走る自動車よりもっと感知がいい、性能のいいものをつけられる。少なくとも運転手がいろんな体調とか何かあれば、やっぱり人間ですから、あるんですよ。そこに乗客というのは命というか本当に信頼を持ってゆだねているんですから、万全な、そういう自動接近警報装置ともいうべきものを、車両を全部取りかえなければできないということではないと私は思うんです。
 ぜひ、これも検討していただきたいし、それからもう一つは緊急停車の自動車内アナウンス、今回の場合も、追突しちゃって、乗客がこんなになってけがしているときに、あっ、衝突しちゃったといったような、そういう新聞報道を見たんですけれども、少なくとも急ブレーキを回したときには、それは運転手は必死ですから、衝突しますとか、あれしてくださいなんていえないから、自動的に例えば、緊急ブレーキがかかりましたというような、そういうアナウンスができるようなこと、これも今のいろいろな技術や機械が発達した中では、私は、早急に検討してできるものだというふうに思うんです。
 それから、いずれにしても、試運転というのは、先ほど年十日といいましたけれども、私聞いたら、大体二十日に一遍やっていると。もう少し頻度があるんじゃないかと思うんですよ。完全な試運転は年に十日か知りませんけれども、営業中にこういう形でのあれをやっているというのは二十日に一遍はあるんだというふうにも聞きました。
 そういう点では、少なくとも、今回も試運転車に七人ですか、六人ですか、乗っていたというから、一人ぐらいは後続車に向かって、旗を持って、来たら、とまれとか落とせとか、二人で目視するというか、そういうことぐらいやって安全をとるべきだと思うんですよ。そういうことはすぐにでも私はできると思いますので、事故原因が解明されてからとか、またはそういう教育、訓練だとか技能だとか、そこに頼るのじゃなくて、やっぱりとれるあらゆる手段をとって、乗客に、本当にこの荒川線は安全な都民の、しかも高齢や障害者、子どもたちに優しい乗り物だということを大いにPRしていただきたいというふうに思っております。
 以上の点、幾つか要望かたがた、提案かたがた出したんですけれども、ご答弁いただきたいと思います。

○室木車両電気部長 まず、車などについている自動接近警報装置、そういったものの設置についてでございますけれども、自動車の分野では各種の衝突防止支援技術というものが開発されてございます。路面電車がある荒川線にこれらの衝突防止支援システムが採用できないかどうかについては、その可能性について調査研究が必要であるというふうに考えております。
 また、急停車を車内のお客様にお知らせする自動放送装置、こういったものについても、路面電車に導入できないかどうか、その可能性を検討していきたいというふうに考えております。
 それから、試運転車両から後続の電車に注意を促すような方策は何かないのかということでございますけれども、現在使用しております手書きの急ブレーキ注意というような表示板にかえまして、サイズを大きくするなど、視認性を高めた表示板にするなど改善を検討してまいります。

○松村委員 やはり乗客の本当に命や安全にかかわる大事な問題で、交通局の最大の使命だと思うんです。まさかそういう都電でというようなことは過去にも実際起きているわけですから、やはりなぜこの間、私はきょうここで交通局の責任とかそういうことを問うということはありませんけれども、今の答弁ではのんびりした、そういう車内内規があるんだから、ひたすら起こした運転手のそういう義務違反というか、それじゃ、私はいけないというふうに思うんですよ。やはり一緒になって取り組むということじゃなければ、当然、私は都民の信頼感を回復できないと思う。
 少なくとも、緊急自動接近の、緊急装置ぐらいこれから研究してまいりますなんていうような悠長なことをいってられないんじゃないかというふうに思います。ぜひ早急に本当に設置するということを、答弁は求めませんけれども、局長、どうですか。議会中で事故現場や記者会見にはなかなか行けなかったと思いますけれども、こういう正式な委員会の場ですから、ぜひきょう、マスコミの方々も、一体何やっているんだということを私たちも問われているというふうに思うんですよ。そういう意味では、局長の決意も、私が提案したことの検討も含めてのご決意をお聞きしておきたいと思います。

○松澤交通局長 交通事業者にとりまして、安全の確保というのは基本の基本でございまして、これをやはりちゃんとお客様の信頼を確保しながらやることが一番大切だというふうに思っております。その意味で、今回引き起こした事故というのは、決してこれから起こしてはならない事故でございまして、徹底した原因の究明と再発防止、これの具体的なものに取り組んでいかなきゃいけない、こういうふうに思っているところでございます。
 この再発防止につきましては、いろんなさまざまな角度から原因も究明して、そこの中から方策等も考えていくことになるわけでございますが、事故の背景、組織風土を含めてのそういういろんな組織も含めてのソフト面だけでなくハード面、両面から十分に検討してこうした事故が起きないように取り組んでいく決意でございます。

○福士委員 それでは、私の方からは、松村委員とダブることも大分ありましたので、一点だけ荒川線の運転手の勤務体制について確認をさせていただきたいと思います。
 今回の追突事故の発生に関しては、いろいろ気になります。そんな真っすぐな線路のところでどうして追突なんていうことが起こるんだろうか、それがまずびっくりをいたしましたし、最初に思ったのは、運転手さんが疲れ果てていて、一瞬ぽうっとしてしまったんじゃないのかなというふうに思いました。休憩は十分にとれているんだろうかということを心配いたしました。
 トラックの運転手さんとか、私もタクシーに乗ったとき、かなりここのところ厳しい条件で働いてらして、それに伴う居眠り運転、はっとしたら居眠りしていたという話も聞いたこともございますし、事故も多いというのは認識しております。
 そんなところで、荒川線も朝早くから夜遅くまで多くのお客様を乗せて運行しているところですし、運転手の方々は大変だなというふうに思っております。お客様の命を預かって運行している以上、余り過度な勤務を押しつけて疲れ果てて運転させているのでは、こちらとしても安心して乗ることができません。
 交通局の担当職員の方にもちょっと伺いましたところ、楽とはいわないまでも、過度に厳しい勤務条件ではないよというふうに伺いましたし、当然交代制であることも承知していますけれども、荒川線の運転手の勤務条件については、改めて確認をさせていただきたいと思います。
 一日当たりの運転時間がどのくらいなのか。それからまた、休憩とか休息時間は一日の中でどういうふうにとられているか。これ、一点だけですので、ぜひしっかりとお答えいただきたいと思います。

○佐藤電車部長 荒川線の運転手の一日当たりの平均の運転時間でございますけれども、約七時間でございます。乗務と乗務の間に一時間二十五分の休憩時間を付与しております。したがいまして、過重労働にはならないということと思っておりまして、また工夫等もしながら勤務の過重にならないようにしております。

○福士委員 一日七時間で間に休憩があれば、そんなにひどい条件ではないなということはわかりました。しかし、荒川線の場合は、本当におうちがぴったりそばに建っていて、いつ人が飛び出してくるか、ボールが転げてくるかわからないような、そういう状況の中で走っているわけですから。それでも、私は、都電はゆっくりとのんびりと走っているので、事故が起きるというふうにはあんまり考えたことなかったんですよね。
 その電車が急にとまれないということが今回の事件でわかりましたので、驚いております。いずれにしても、お客様の命を預かっているということですので、やはりプロの運転手としての自覚というのはしっかり持っていただく以外にないかなというふうに思うんですよね。
 いつ何どきでも、何かが起こっても、即時に対応できるという緊張感をどれだけ持っておられるかというのがない限りは、先ほど松村委員のおっしゃったように、ATSですか、それをつけるというのはちょっとねという気がしますし、ブザーを鳴らすにしても、年がら年じゅう、一メートルぐらいの距離でブーブーブーブー鳴りっぱなしにしながら走ったら、本当にそばのあの音はうるさくてしようがないだろうというふうに思いますし、一応今回の試運転についても、夜中とか早朝にやればいいじゃないというふうに思ったんですが、さすがに接近しているお宅のほうにご迷惑がかかるということで、それで日中にやっているというお話も伺いましたので、その地域的な問題も含めていえば、やはり運転をされる方の意識の問題というのがすごく大きいかなというふうに思うんですね。
 電車部長にこのことだけはしっかり指導をしていただきまして、休憩時間のとり方もいろいろあろうと思いますが、本当に体を休めて、いつでも緊張感が保てるような、運転しているその長さだけはしっかりと緊張感の保てるような、そういう仕組みがこれでできるのかどうかもわかりませんが、しっかりご指導いただきたいと思います。
 以上で私の質問は終わります。

○高島委員 何点か質問をさせていただきます。まず二十何名の方がおけがをなさったので、心からお見舞いを申し上げますと同時に、こういう事故は再び起こさない、かたい決意で局長以下皆さん、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 また、先ほど冒頭、我が党の崎山副委員長もご質問なさいましたけれども、崎山副委員長はお地元ですし、ご本人もお話がありましたように、地元でまた非常に都電を愛して、一生懸命都電のことについても質疑をなさった。また、事故が起きた直後に現場にも、本会議だったものですから、終わった後、現場にも行かれていろいろと調べなさったそうでございます。どなたもそうだと思うけれども、この事故を、大変申しわけないんだけど、ばねにして頑張ってもらいたいなと思っています。
 私は、中学のときに21番の水天宮行きというやつに乗っていたんですよ。それで39番の早稲田行きで実は学校に通っていたので、私も何回かこの荒川線は乗って都庁へ来たこともあるんですね。先ほど十何秒のおくれだというんですけど、過去の都電の中では、この荒川線は都電の専用敷、大部分あるんですよね。一般道路と、一般の車両と混同して走るというところは限られたところしかないわけだから、十何秒のおくれとか、そんなことはまた問題ないのかなと。それよりも、まさに人間の不注意といっては大変申しわけないんだけれども、そういうこともすごく大きな今回の原因ではないかなと思っているんです。
 そんな中で、きょうはマスコミの方多数いらっしゃるんですけど、テレビか新聞か何かで見たらば、被害者の何人かになるんだろうけど、試験車両がぶつかられたと、けがはお一人いたとかいう話なんだけれども、後ろに乗っていたけがをした乗客の人が前の東京都の交通局の職員が救助してくれないよ、とんでもないということをいってたんですよ。これはまさかそんな非常識な職員は、交通局はもとより、東京都にはいないという認識を持っているんだね。でも、乗客にはそういう批判をする方がいた。もちろん、彼らも被害者の方たちだから、ご本人たちの体調もあっただろうと思いますけど、その辺の対応、どうだったのかということをちょっとまず聞かせてもらいたい。

○佐藤電車部長 先生、追突された方でよろしゅうございますか。−−追突をされた方の試運転運転手の行動からちょっと申し上げます。衝突後に無線傍受によってけが人が発生しているということを聞きまして、それで、後車の状況を確認に行きました。後車の運転手からけが人がいるというふうな報告を受けて、自分の車に戻りまして、それで、後車及び自分の車、自車の状況を報告をしました。それで、自車の処置、これはまた転動防止といいますけれども、動いたり何かすることが考えられますので、その処置をやりまして、二次災害が発生しないようにやったということで、その処置後にけが人の救助に当たったということであります。

○高島委員 それで二次災害が起きてはいけないということだと思うので、当然、安全確保をすること、それから、おけがをなさった方を早急にお手当てをするなり、搬出するなりの作業は当たり前のことだと思っていますので、私も、さっきお話ししたように、そういうことがないと思っているから、それはいろんな方がいらっしゃるし、お考え方いらっしゃるけれども、十分お気をつけいただきたいと思っております。
 それから、もう一点、私も都電に乗っていますし、崎山副委員長とも話したんだけど、この荒川線、営業所一カ所ですよね。車庫も一緒ですよね。前、三ノ輪にもあったり、いろいろあったんだけれども。なぜ、試験車両やりますよ、これはマスコミの報道ですよ、試験車両やりますよという文書が営業所に行ったと。それで周知徹底してなかったという先ほどお話があったよね。周知徹底できなかったと。運転手さんも通常の営業車にそのことをいえなかったというお話を聞いているんです。その辺の実態をちょっと一回教えてください。

○佐藤電車部長 先ほど若干ご答弁申し上げましたが、荒川線が混雑の場合には、その中間のところに電車を増便しまして、混雑緩和をするということが、めったなということじゃないもんですから、そういった面ではそこに増車をして、それを運転手の方に周知をするということはやってなかったんですね。

○高島委員 そうじゃない。今回の試験車両が運行しますよということを本局から、後ほど聞こうかと思うけれども、一緒に聞きますけど、本局から営業所に文書が出たという報道があるんです。それで、要するにわかったと。ところが、それを周知徹底しなかった。要するに、運転手さんたち、営業している人たちには伝えなかったと報道で書いてあるんですよ。なかったのか−−伝えてなかったとか習慣がなかった、そういうことをしなくても安全確保はできていたんだという、そういう文書も入っているけど、そういうことなんですねと。じゃどこの部が、荒川営業所に試験車両をやりますよという文書をどこの部のだれが、どこの課が出したかということを聞いている、そういうことを聞いているのよ、私は。

○室木車両電気部長 荒川線の車両の保守を担当しております車両電気部の荒川車両検修場というところがございます。これは荒川営業所に隣接した車庫の中にございます。そこの所から荒川営業所に対して、試運転車両を運行していただきたいという依頼を出して運転手の手配をお願いしたということでございます。

○高島委員 電車は、都電は全部荒川営業所が車庫であって、終わると、そこに全部ストックというか置いてあるわけですね。朝になると出ていくわけだ。でしょう。それを所轄しているのは実は佐藤電車部長でしょう。メンテをやるところは実は車両電気部長、組織違うのよ。だから、そういう文書が出たり、周知できなかったという、これ、組織論の問題もあるんですよ。
 局長、まさに同じ電車の車両を管理しておきながら、片側では運行させるんだ、安全確保だ−−先ほど局長いった、お客様をきちっと安全に目的地まで送ることが私たち公共交通の使命ですと。そうやっておきながら、さっきから僕不思議でならない。皆さん、各委員さんが質問しているんですよ。佐藤部長がやったり、室木部長が答弁しているんですよ。これ、おかしい話なんですよ、私からすると。
 一カ所の営業所で車両も全部そこに置いてあって、当然その営業所がきちっとメンテを含めてやるとか、そういう組織論がなきゃ、組織なんてできないはずなのよ。それを、こっちで修理しますよ、こっちで運転しますよということがあるから、私は、そういう文書で当たり前のように行って、それがそのまま行って当然だという流れになってしまっているのかなと危惧をしているんですよ。そうだと思わないけどね。そういうことはいささか問題があるのかなと、私は。
 先ほどからお二人の部長が、どっちが手を挙げるなんてやっているようなことでは、まさに公共交通の使命はなし得ない、そう思っているんですが、いかがですか。

○松澤交通局長 ただいま高島先生からお話ございましたように、今回の事故が起こった原因といいますか、その背景の中には当然、職員個人に起因するもの以外にも連絡体制といいますか、本庁と現場とかいったような管理体制にも不備といいますか、そういうことがあったんじゃないかなというふうに思っております。
 これにつきましては、職員に対する徹底した職員教育のほかにも、こういう都電荒川線というのは、おっしゃるとおり、一つの単線で、そこだけの営業所ということにもなっておりますので、ここら辺についても、風土づくりも含めまして、業務をちゃんと見直してこれから安全確保のために取り組んでいくことが必要、このように考えております。

○高島委員 先ほどからいうように、私も中学生のころから都電に乗っているし、何回も荒川線に乗っているし、局の人たちは皆さん一生懸命誇りを持ってお仕事をなさっているわけだから、そういうことのないように、都民の信頼を裏切らないように、ぜひお願いをしたいと思っています。
 僕らにすると、荒川営業所一カ所で、営業所長もいて、そこの都電の電車が試運転するんでしょう。そこの中にいる人が車両を運転するんですよ。同じ場所でいながら、こんなことがわからないとか、わかっているとか、連絡してないとか、そんなことしなくても大丈夫だったという、こういう話をやっていかなければいけないところに大きな問題があるのかと私は思っているんですよ。だから、その辺はきちっとクリアしてください。
 まだ、いっぱいあるんだけど、あと、もう一つだけ。北川技監も佐藤電車部長も総務部長も、新聞に載っているんだ、頭下げてね。大変だなと思う。大変だなと思っていますよ。でも、これはしようがない、事実として。先ほどいったように、二度とこういう事故は起こさないようになる、頑張るんだと。対策本部長、佐藤さんじゃだめだっていっているんじゃない、二十何人もの人がけがをして、交通局にとっては大変な問題ですよ、先ほどからいっているように。佐藤部長を本部長にしてこの対策を頑張ってやるんだ、こういっているけど、公営企業の責任者として交通局長がきちっと対応する、その思いがなかったら、都民の信頼を回復することはできないと私は思っているんですよ。
 佐藤さんがだめだとかいうことじゃないんだよ、誤解しないでほしいんだけど。そのぐらいの熱意がなければ東京都の交通局だめですよ。その思いがあるのかどうか、そのことだけきちっと聞いて、私の質問終わります。

○松澤交通局長 現時点で振り返りますと、事故対策本部設置当初から当然公営企業管理者として、また交通事業を所管する代表者として私が本部長になるべきではなかったかなというふうに思っております。最初は緊急的な対応ということもあって、所管部長である佐藤部長にそこの現場の本部長ということで現場に対応してやっていたわけでございますが、事故当時の夜からは、本会議終了後に、私が委員長である安全対策推進委員会を緊急に招集しまして、早急に事故原因も含め、お客様の問題も含めやったわけでございますし、別にこれはいいわけをしているわけじゃございません。私もまたすぐ夜九時から現場に行きまして、それで事故現場とか荒川の営業所の方にもいろんな指示をしたり、いろんなことをやったわけでございます。
 ただ、確かに都民の信頼を揺るがす大きな事故であったわけでございますので、今後はやはり先ほど申し上げましたように、この件については、再発防止委員会を私が委員長になりながら立ち上げるとともに、これから今回のことを教訓にしまして、私も責任者として的確に責任を果たすような対応をしていきたい、このように思っております。

○串田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○串田委員長 異義なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。

○串田委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○串田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時十二分散会

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