公営企業委員会速記録第四号

平成十七年三月十七日(木曜日)
第十委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長大木田 守君
副委員長串田 克巳君
副委員長東ひろたか君
理事土持 正豊君
理事近藤やよい君
理事富田 俊正君
後藤 雄一君
林  知二君
中山 秀雄君
高島なおき君
小山 敏雄君
田中  良君
野田 和男君
三田 敏哉君

 欠席委員 なし

 出席説明員
水道局局長高橋  功君
技監御園 良彦君
総務部長中田 清己君
職員部長鈴木 孝三君
経理部長中村 忠夫君
サービス推進部長大平 晃司君
浄水部長田口  靖君
給水部長滝沢 優憲君
建設部長長岡 敏和君
設備担当部長六車 一正君
参事尾崎  勝君
参事伊藤  豊君
多摩水道改革推進本部本部長本山 智啓君
調整部長松井 庸司君
施設部長細矢 重次君
参事今井 茂樹君
下水道局局長二村 保宏君
技監北川 知正君
総務部長今里伸一郎君
職員部長石坂 景二君
経理部長野口  孝君
業務部長渡辺  勉君
計画調整部長佐伯 謹吾君
施設管理部長中里 卓治君
建設部長中村 益美君
参事桜井 義紀君
流域下水道本部本部長只腰 憲久君
管理部長三浦  茂君
技術部長伊東 三夫君

本日の会議に付した事件
 水道局関係
請願の審査
(1)一七第三号 下水道料金と工業用水道料金の減額措置及び減免率の継続に関する請願
予算の調査(質疑)
・第二十八号議案 平成十七年度東京都水道事業会計予算
・第二十九号議案 平成十七年度東京都工業用水道事業会計予算
 下水道局関係
請願の審査
(1)一七第三号 下水道料金と工業用水道料金の減額措置及び減免率の継続に関する請願
報告事項(説明・質疑)
・新赤坂幹線事故調査委員会の報告について
予算の調査(質疑)
・第三十号議案 平成十七年度東京都下水道事業会計予算

○大木田委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局及び下水道局関係の請願の審査及び予算の調査並びに下水道局関係の報告事項の聴取を行います。
 これより水道局関係に入ります。
 初めに、請願の審査を行います。
 一七第三号、下水道料金と工業用水道料金の減額措置及び減免率の継続に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○中田総務部長 それでは、請願につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます資料1、請願陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
 この請願は、用水型皮革関連企業協議会会長の市田良一さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨としましては、油脂・皮革関連企業に対する工業用水道料金の減額措置及び減免率を継続していただきたいというものでございます。
 この請願に関する現在の状況でございますが、油脂・皮革関連企業に対する工業用水道料金の減免措置につきましては、平成十六年第一回都議会定例会における工業用水道料金の減免措置に関する決議の趣旨を尊重し、一般会計からの減収分の補てんを前提に、独立採算及び負担の公平性の原則に対します例外措置として、平成十七年三月三十一日までを期間として、基本料金の一〇%を減免しているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議くださいますようお願いいたします。

○大木田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、下水道局所管分もございますので、決定は下水道局所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 異議なしと認めます。よって、請願一七第三号は継続審査といたします。
 以上で請願の審査を終わります。

○大木田委員長 次に、予算の調査を行います。
 第二十八号議案及び第二十九号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について、理事者の説明を求めます。

○中田総務部長 さきの委員会におきまして資料要求のございました平成十七年度職員定数百人削減の部署別内訳等につきまして、お手元に配布してございます資料2によりご説明いたします。
 まず1の職員定数百人削減の部署別内訳についてご説明いたします。
 各部署における職員の増減員数とその内訳をお示ししております。総務部など五つの部署の増減を合わせまして、局全体で百人の削減としております。
 次に、2の委託の推進の主な内訳についてご説明いたします。
 まず平成十七年度に新たに委託を開始するもの、委託規模を拡大するもの、及び多摩地区の事務委託解消に伴い委託規模を拡大するものの主な内訳をお示ししております。
 以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○大木田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○東委員 それでは二、三質問させていただきます。
 まず一つは、昨年の第三回定例都議会で水道料金の値下げが提案されて、ことしの一月一日からこれが実施されました。これは都政史上もまれといいますか、初めてのことだというように聞いておりますが、我が党としてもこのことをずっと主張してきましたので、実が結んだというふうに私たちも考えております。
 しかし、今回の料金改定と、それからいただきました水道事業の平成十七年度予算をあわせ見まして、見過ごすことができない問題が一、二あるやに思うわけです。
 そこでお伺いいたしますが、特に今回の料金改定では、全体としては平均一・三%値下げになったというふうに承知しております。しかし、口座振替をやっている人と口座振替でない人との間に差があって、それで口座を使っていない人では値上げになったところもあるというふうに聞いております。
 そこでまず第一問なんですが、この口座振替を利用していない件数は全体の何%ぐらいあるのか、また一般家庭を中心に値上げになったところもあるというように聞いておりますけれども、その件数はどれぐらいあるのか、お答えをいただきたいと思います。

○大平サービス推進部長 いまだ口座振替を利用していないお客様は、平成十七年二月末現在で約百五十六万件であり、全体の約二五%でございます。
 今回の料金改定によりまして、口座振替を利用していないことで若干の値上げになるお客様は、全体の一割程度であると推計されます。

○東委員 口座振替をしていないところは二五%で、値上げになったというお客様は全体の一割程度というふうにいわれましたけれども、私、件数がどれぐらいかというのを聞いたんですけれどもね。いただきました資料の給水件数で見ますと、全体六百五十万余件となっておりますから、値上げになったところがその一割だとすると、六十五万件ぐらい、世帯に置きかえるのは少し無理があるかもしれませんけれども、それでもそれだけの方が幾らか値上げになっているということになると思うんですけれども、これもなかなかしかし大きい数字だと思うんです、六十五万件と。
 それで、特にそういう方々の中で、一般家庭ということなんですが、値上げになった部分といいますか、大体どれぐらいの利用者なのか、これ、ちょっとお答えがなかったので、説明してください。

○大平サービス推進部長 口座を利用していないお客様は約二五%ということと、値上げになる層の方たちが四五%ございますので、そこから推計をいたしますと、約七十万件近いのかなというように推測しているところでございます。

○東委員 六十五万とさっきいったんですが、七十万だとおっしゃるから、大分多いと思うんですけれども、つまり私が聞いたのは、どういう層の人たちが、どの程度の利用者の人たちのところで値上げになっているのかということなんです。

○大平サービス推進部長 値上がりとなりますのは、一カ月当たり八立方メートル以上二十二立方メートル以下の水量のお客様ということになろうかと思います。その場合、当局が平成十五年度に行いました生活用水実態調査によれば、一人世帯から三人世帯の一カ月の使用水量に当たっているところでございます。

○東委員 一カ月の使用水量が八トンから二十二トンと、大体世帯でいえばひとり暮らしから三人暮らしの家庭だというお話であります。全く小口の利用者ということになると思うわけですが、そうしますと、やっぱり高齢者のひとり暮らしの方だとか、あるいは高齢のご夫婦の方だとか、それからまた若い青年でいえば学生だとか、要するに口座を持っているか持っていないかわからないけれども、とにかく持っていないで、そこから引き落とししないわけですから、当然、銀行口座を持って−−普通今は何でも口座から引き落としになっているわけですが、それがそういうふうになっていないということは、やっぱりそこにはかなりな事情のある方々だと思うんです。つまり、いわゆる低所得者層といいますか、そういう方々だと思わざるを得ません。
 一方、十七年度予算を見ますと、料金は引き下げて、合計で、この前ちょっと計算してみたら八十三億ぐらいの減収ですか、料金の収入としては、それぐらい減っているのに、しかし収支を見ますと、大体経常収支で四百十億円ぐらいの黒字を十七年度予算で計上しています。そしてこの前、包括外部監査ですか、あの資料を見ましても、水道局の金繰りはかなり潤沢だということが出ておりましたけど、これだけの黒字を掲げて、しかも外部から見たってかなり潤沢だといわれるような水道局の予算になっているわけですから、今申し上げたような、そういう小口利用者で、しかも全体としてはやっぱり低所得層だということを考えた場合に、今からでも、口座以外で支払っている人たちの料金も何とかそこを配慮すると、引き下げるというようなことはできないものなのかどうか、その点ちょっと答えてください。

○中田総務部長 経常収支の差引額につきましては、水道サービスの維持のために、施設の更新など資本的支出が行われるわけですけれども、その財源として充当するものでありまして、実質的な使途が決まっております。したがいまして、決して余剰という概念ではございません。このため、この経常収支の差引額をもって料金を引き下げるといったことは、安定的な事業運営を行う上で適切な措置ではないというふうに考えております。

○東委員 それはそうでしょう。それだけもうすっかり余っていて、何に使おうかということじゃない、もうちゃんと使途は決まっている、それは当然のことでしょうけれども、私がいったのは、要するに口座振替もしないような方々のところで、全体としては値下げになっているのに、しかしそういう方々のところで、そう多額でないにしても値上げになっていると、実質的にそういうようになっているわけです。
 それで、聞きますと、たしか口座振替の場合は一口一カ月五十円ですか、それで二カ月払いということになっているようですから百円と、それから消費税なのかな、五円で、二カ月で大体百五円の実際上口座振替の人は引き下げになったわけですよね。そういうことを考えて、しかも、今も答弁があったように、そういうようになっていない人たちというのはそういう人たちなわけですから、そういう点では、そんな冷たいことをいわないで、やっぱりこれは検討する必要があるんじゃないかというふうに思います。
 そういえば、一件当たりの徴収経費がかかっているからということもおっしゃるだろうと思うんですけれども、そのことは、今すぐさま、だから考えましょうということにならないにしても、これはひとつぜひ心にとめておいていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 それで、ちょっと視点を変えまして、都民サービスにかかわる問題なんですけれども、お客さまセンターというのをつくりましたよね、多摩の方とこっちの二十三区の方ですか。そして、この一月から業務を開始したと。そこに、いろんな今まで営業所でやっていたものを全部集中させるということでやっているようなんですが、ちょっと私が聞いたところでは、その移行の過程といいますか、そこでいろいろトラブルが起こっていると。電話をかけたけれども、電話がなかなか通じないと。それでその電話が、今のところはまだ残っている営業所に転送されると。いわば電話のたらい回しみたいな、そういう状況もあるというように聞いておりますが、現状はどういうふうになっているか、この点説明してください。

○大平サービス推進部長 ただいまのご質問にお答えする前に、せっかくの質問で、若干説明不足かなと思いましたので、補足説明させていただきたいと思います。
 口座振替を利用していない理由なんでございますけれども、モニターのアンケートの結果でございますと、金額を確認した上で支払いたいからとか、あるいは手続が面倒であるから、あるいは自分の都合に合わせて支払えないからと、そういった理由を挙げていただいているところでございます。私どもの方で特に所得が低いからどうのこうのということでのデータは持ち合わせていないところでございます。
 そこで、ご質問に対する回答でございますけれども、お客さまセンターの開設当初は、問い合わせが特定の曜日、時間帯に極端に集中するなど、事前に想定し切れなかった事態があることなどから、お客様をお待たせしたこともございましたけれども、その後、オペレーターの増強や勤務シフトの見直しなど、局を挙げての取り組みによりまして、現在、落ちついてきているところでございます。

○東委員 ちょっとさっきの話なんですが、アンケートをやったら、口座振替にしていない人の理由としては三つあるということをいわれましたよね。確かにそういう人もいるでしょう。しかし、自分で確認をしてからと。それから自分の都合に合わせてという、こういう人たちは、ちゃんと金はあるけれども、そして、ちゃんと口座はあるけれどもというだけじゃない、幾らなのかと。しかも、八トンから二十二トンといったら、料金としては一トンから五トンまでが基本料金ということになりましたから、その上のクラスですから、そうまあ何千円も何万円もというものじゃないわけですよね。それを一々幾らなのかと。いわば財布から出して、それこそ一円まで財布から出してやるような人たちがそこにはいるわけですよ。これは今のあなたの答弁でなおよくわかったんだけどね。だから、アンケートをとったら、ただ自分の都合だけでやっているという、そういうふうに見るのは非常に皮相だと、浅い、このことを僕は指摘しておきたいと思うんです。
 それで、センターの問題ですが、今、いろいろ改善をされてきているというお話でしたけれども、この平成十七年、ことしの四月一日から、つまり新年度から営業所というのはもう全部完全になくなっちゃうのかな、そしてそこの職員を削減するという方針になっていますよね。いわゆるお客さまセンターで徐々に改善されてきているということなんだけども、私が聞いている情報では、四月に入っても、特に月曜日が非常に多いという話ですが、その月曜日なんかについてはお客さまセンターだけでは処理できないと。だから今までどおり営業所と電話をお互いに分け合うよというような指示も出ているというじゃないですか。だから、ただ徴収減も全部改善されて非常に明るいみたいな話だけじゃないと思うんです。
 そういう点で私は、そういうサービスの混乱を避けるために、拙速に営業所の、というか、もう決まりだからということで、ただいきなり営業所の職員を削減するというようなことじゃなくて、そこはやっぱり柔軟に対応していく必要がある。ちゃんと落ちついて、そして営業所でもうやらなくても十分にお客さまセンターで処理できるというふうになるまでは、強引な、拙速なやり方は避けるべきだというふうに私は考えていますけれども、その点どうですか。

○大平サービス推進部長 お客さまセンターの開設によりまして、お客様からの電話の受付業務につきましては、お客さまセンターと営業所で並行して実施をしているところでございます。これは、お客様への対応として、効率的に処理をしたいということからやっているものでございまして、さらに営業所にかかった電話の一部をお客さまセンターの方にも転送したりしております。ただ、センター側で混み合っている場合には、必要に応じて営業所で対応すると、そういうような対応を現在とっているところでございます。
 そして、営業所の職員についてでございますけれども、センター開設に伴いまして削減した職員につきましては、電話受付に係る年間の業務量を反映し、見直しを行った、そういうものでございます。

○東委員 余り機械的にお客様サービスが低下するようなことは避けるように努力してほしいというように思います。
 もう一つなんですけれども、さっきちょっといいましたが、包括外部監査の中で、いわゆる委託検針、各戸を、幾ら使ったかという検針をしていますよね。私のうちなんかにも年配の女性の方が見えますけれども、そのいわゆる委託検針を民間の人にやらせていると。それで、その委託検針業者との継続随意契約の見直しということが外部監査の中に出ています。もっと競争をさせろと。ということは、要するに、今、水道局が検針を委託している、その委託料をもっとある意味では下げさせろということですよね、この包括でいっているのは。競争させろと。だからもっと安くできるじゃないかみたいな話なんですけれども、私、この包括外部監査というのは全くよくないというふうに思うんですが、それはそれとして、この検針委託も安易に競争入札を導入すれば、それは結局、その検針員の単価が下がる。聞いたところでは、中には多い人なんか五千件、六千件やっている人がいるそうです。その検針の単価が一円下がれば、五千、六千円、それだけで見ても下がるわけです。
 そういう点で、ただ検針員を競争入札にして安いところに取らせるというのは、やっぱり安易な、そういうやり方は結局お客様サービスの質の低下につながるんじゃないかというふうに思うんですが、今後どうしていくつもりか、その点お答えください。

○大平サービス推進部長 契約事務におけます透明性、競争性の確保は必要であると考えております。本年度の包括外部監査におきましても、検針業務の委託につきまして、これまで継続的に行ってきた随意契約を、透明性を確保し、競争性が発揮できる契約方法に変えるべきであるとの意見をいただいたところでございます。こうしたことから、今後、検針業務の委託につきまして、都民サービスを維持しつつ、効率性及び経済性を最大限発揮できるよう、契約方法について適切な見直しを図ってまいります。

○東委員 くれぐれも、いわゆる入札の自由化、競争化によって検針の委託料を下げて、そのことが結局そこの労働者にはね返って、そして最終的にはお客さんとの関係になってくるわけだから、そのことでサービスが低下するようなことがないように、十分ひとつ配慮していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 最後に、もう時間が来たんですが、地震対策についてだけちょっと伺っておきたいと思います。
 昨年来、新潟中越、それからスマトラ沖と地震が相次いで来まして、国の中央防災会議も、首都圏直下型地震の被害想定というのを出しました。この被害想定によれば、ライフラインにも非常に大きな影響を与えるということが出ているわけですけれども、その点で私たちも震災対策、水というのは命ですから、主張してきたわけですが、この地震発生に伴う施設被害の低減に向けてどういう対策を講じているのか、その点お願いします。

○長岡建設部長 水道局では、従来から震災対策を重要課題の一つと位置づけまして、ハード、ソフト両面にわたる施策を積極的に進めております。このうち、地震による水道施設への被害を最小限にとどめるための施設の耐震性強化を優先的に実施していくため、東京都水道局震災対策事業計画を策定し、計画に取り組んでいるところでございます。現在、この計画に基づき、貯水池の堤体強化、浄水場などの耐震補強、送水管ネットワークの構築、及び経年化した管路の取りかえなどの整備を行っております。

○東委員 最後ですけれども、いろいろライフラインを確保するために努力されているということはよくわかりましたが、それで実際に、一生懸命頑張っていろいろ管を取りかえたりやっているわけだけれども、それでもあの地震ですから、壊れて断水するということはもちろんあるわけで、そういう場合に飲み水を確保すると。今、ボトルもあるからいいじゃないかみたいな話じゃなくて、やっぱり東京の水を確保する、飲料水を確保するということは最低限のあれだと思うんです。
 そこで小規模な、身近なところに、都のこの概要を見ますと、そういうことになって、もし断水した場合は大体二キロメッシュで一カ所あって、そこへ行けば水をくむこともできるし、飲めるようになっていると。そしてそこのやり方は、聞けば、区の職員が、二十三区の場合ですよ、行って、それで蛇口を取りつけてやるというような形になっているということなんですが、それはそれとして、大きな貯水槽ですから大事なんですけれども、もっと身近なところに、例えば幾つもの避難所というのがあるわけです。避難場所という、ただ延焼から逃げるというだけじゃなくて、一たん帰ってきて、そこで一定時間生活する避難所というのが、特に学校だとか団地だとか、そういうところにあります。そういうところに、そこに入っている人たちの飲料水を確保する程度の、百トンだとかあるいは百五十トンだとか、これは水道局でもいろいろつくっているわけですが、そういう小規模な給水拠点を、これは水道局だけの仕事じゃないというように聞いておりますけれども、総務局だとか、あるいは区と調整して、積極的にやっぱり設置してほしいと思うんですが、当事者としての水道局の考えを最後に伺いたいと思います。

○長岡建設部長 震災時の飲料水確保のための応急給水拠点の整備につきましては、水道事業とは異なり、東京都震災対策条例に基づいて行政施策とされておりますことから、関係局との協議の上で実施しているところでございます。水道局といたしましては、震災時においても安定給水を確保することが何よりも重要であると認識しており、浄水場など水道施設の耐震化を図るとともに、非常時のバックアップ機能の強化等に努めているところでございます。

○高島委員 それでは何点か質問をさせていただきます。
 ご案内と思いますが、予算委員会でも我が党の各先生方からいろいろとお話がございました。私どもも何点か、本当は予算委員会でやろうと思ったんですが、この機会ですから、所管の委員会ということで何点か質問させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず初めに、実は私どものご近所の方が写真を持ってきてくれました。写真集といったって大したことないんですけど、つくった人に怒られちゃうかな、僕と三宅島と書いてあるんです。二〇〇五年の二月六日から十二日まで三宅島へ行ってきたということで、お父さんが持ってきてくれて、私も見ました。いろいろ写真を見ましたらば、その息子さんって東京都の水道局の職員だというんです。水道局の職員が、何人かがグループで三宅島へボランティア活動に行ったというお話を聞きました。私ども公営企業委員会所管なんですが、そんな話は初めて聞きまして、赤面の至りとまではいきませんけれども、ああ、よかったねと。それでちょっとご子息は仕事があったんで会えなかったんですけれども、三宅の災害の支援ボランティアセンターとかというのでやっているんですけれども、どういう状況でこういうことをやっていらっしゃるのか、どなたかわかればお聞かせいただきたいと思います。

○鈴木職員部長 今回の三宅島におけますボランティア活動につきましては、三宅島災害東京ボランティアセンターの求めに応じまして、勤務に支障のない範囲でということになりますが、当局の勤務時間等に関する規定に基づきましてボランティア休暇を五日の範囲内で取得をして、職員が一人から四名ぐらいでまとまってということになっているようでございますが、二月の初めから三宅島に行ってボランティア活動に従事しているというふうに聞いております。

○高島委員 ボランティアで、非常にいいことだなと思っています。何組行かれるのか、何人ぐらい行っているのか、過去どうだったのか、今後どうなのか、その辺がもしわかれば、ちょっとお聞かせいただきたいと思っております。

○鈴木職員部長 先ほどもお答えしましたように、二月の初めからグループで行っておりますが、一人の場合もありますし、三人あるいは四人というようなことでグループを組んで、おおむね一週間単位ぐらいのところで行っているように聞いております。
 それで、詳細に参加をしている職員数を集計してございませんが、二月の間ですと十数人というところで、引き続き三月につきましても継続的にボランティア活動に行っているというふうに聞いております。

○高島委員 ごめんなさい、ちょっと質問の仕方が悪かったのかもしれないけど、大変私も感激しました。やはり東京都民で東京都政に従事している職員が、二月の一日ですか、帰島ということになりまして、その中でボランティアで行って、この写真を見ますと、家屋のごみというんでしょうか、使えなくなった家具を整理したり、草を、伸びほうだいですからそれを切ったり、いろんなことをやって、大きい声じゃいえませんけど、夜は一杯飲んでいる酒盛りの写真も実は入っていたんですけど、これもいいことなのかなと思います。
 そういう意味では、今、副委員長から、災害ということについてやはりご質問がございました。私も後ほどそんな話もしたいなと思っているんですけど、やはり大いにこういう経験、島といえども、やはり同じように災害に遭った、その現場へ行って、いろいろと肌で感じることいっぱいあると思うんです。特にこの写真を見ますと、皆さん、マスクというんでしょうか、ガスのね、あれを全部首にしょって、あと自分のプレートをしょって、赤い帽子をかぶってこうやっているものですから、何となく熱い思いがしてきます。もしお答えできれば、こういう経験を今度は水道事業、いろんな思いについて、ただ行くだけではなくて、それをどう反映していくかということが非常に大きなポイントではないかなと思うんです。その辺もし何かあればで結構ですけれども、お答えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○高橋水道局長 職員の自発的なボランティアの状況につきましてお話をいただきましたけれども、勤務上の制度としましても、ボランティアの扱いの、そういう服務上の取り扱いは決められているところでございまして、今後、そういった職員中心に、現地での経験、きちっと局としても、自発的な活動ですけれども、職務にどう反映できるか、これはきちっと受けとめて、今後に生かしていきたいと思います。
 ちなみに、昨年新潟の震災もあったわけですけれども、発災直後から、これは本来の業務で出動いたしまして、その報告会、それから記録集もつい最近まとめたところです。こういうものとあわせて、今後の水道事業の発展に向けてきちっと受けとめて、今後に生かしていきたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。

○高島委員 今、局長のご答弁をいただいたんですけど、僕はそうだと思うんです。ボランティア休暇だろうと何だろうと、やはり都庁マンとして、行政マンとして、現場へ行って、いろんなことを感じていることをそのままにしておかないで、もちろんそういう作業をやっていらっしゃると思いますが、吸い上げていって、きちっとそれをどう反映させていくか、そこにまた大きな都の、都庁マンとしての考え方、行動があるのかなと思っておりますので、昨年の新潟中越地震については局からいろいろとご報告をいただいておりますから、その活動は十分認識をしていると思っています、私どもがね。そういう意味では、ぜひこういうのも、先ほどお話ししたように、後で教えていただいて、それもたまたまよかったんで、やはり水道局さん頑張っているなと、そういう熱い思いを感じたものですから、この機会にぜひと思って聞かせていただきました。ぜひ頑張っていただきたいと心からお願い申し上げます。
 続いて、水道技術の継承について何点か質問させていただきたいと思っております。
 実は先週の土曜日、足立区の中央本町というところに小右衛門給水所というところがございます。今、大規模な改修というのか、工事をしております。今まで円筒の、こんなコップみたいなやつが二つどぉんと、美術的というか芸術的じゃなかったんだろうけど、古いやつがあったんですが、それを壊して半地下にするという工事でございまして、前々から私どもも興味があったものですから、土曜日の日に、水道局さんにお願いして現場を見せていただきました。基礎でも三百六十本ぐらい、だばだばだばっと入れて、大変な事業で、あと二年ぐらいです、全部で四年か五年かかるのかな、そのくらいの大変な事業で、今、シールドというやつもやっているそうでございます。
 実は先ほど副委員長さんからお話があったように、足立区でも災害時の貯水の、緊急の幾つか広域のがあるんですね。北千住の公園の地下とかスポーツセンターの地下とか。実は足立区内ではこの小右衛門の給水所の下に一番大きなトン数を抱える水道のタンクができるわけでして、災害時にはこれが地域の給水槽というのかな、水を提供する大きな力になってくれるんです。たまたま近所の方がご一緒だったんですけれども、これが避難所になるんでしょうねなんて確認までとられてしまったぐらいですけれども、そういう中で東京都の方といろいろとお話をしました。大変心熱くなる思いのすばらしい技術を持っていろいろと頑張っていらっしゃる。そして「東京水」、私も一生懸命飲んでいます。先日の予特でも、石原知事も思わず、答弁のところからこうやって振ったので、私も振ってしまったぐらい、大変な技術が出てきたのかなと期待をするところでございます。その水道で、その技術、これをどう次の世代へ継承していくかということは大きな問題だと私は思っておりますので、その辺の観点から質問をさせていただきたいと思っております。
 都の水道事業は、首都東京の重要な都市基盤施設の一つであります。世界でも有数の規模と内容を誇っております。同時に、東京という広大な地域での安定的な給水の確保、あるいは漏水防止の取り組みを見ても、非常に高い技術力を保有しているものだと確信しております。しかしながら、今後、これまでの水道技術を支えてきたベテラン職員が大量退職の時期を迎えるとともに、近年の委託化の推進などにより、そうした技術がきちっと引き継がれていくのか、非常に私は危惧をしております。東京都では、厳しい財政状況を背景として、財政再建推進プランを策定し、財政再建に取り組んでおりますが、そうした中、職員の新規採用も抑制されております。水道局においては、この間、相当スリム化が進んでいるのではないかと思います。そこでまず、水道局の職員定数がどのぐらい減っているのか、確認のためにお伺いさせていただきたい。

○鈴木職員部長 財政再建推進プランが策定されました平成十一年度の職員定数は五千七百十七名でございました。これが平成十六年度の職員定数になりますと、五千三十八人になっております。五年間で六百七十九人の定数減となっております。

○高島委員 何て質問したらいいのかわかんないけど、五年間で六百七十九人というお答えですが、内部努力がなし得た数字なのか、自然減の数字なのか理解に苦しむというか、わからないんですけど、それはまた後日にして、六百七十九名が削減されているということでございます。都政のスリム化は必要だと思いますが、このような急速な定数削減が進むということになると、やはり技術の継承に向けた本格的な取り組みが必要になっていると思います。あわせて、増大する委託業務をきちっと管理できる技術の確立もまた強く求められていると思います。
 そこで、水道局は、こうした状況に対してどのような問題意識を持っていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。

○鈴木職員部長 これまで、漏水事故時の対応など実務に即した技術の継承につきましては、ベテラン職員による日々の業務を通じての研修指導、いわゆるOJTが中心的な役割を果たしてまいりました。しかしながら、ご指摘のとおり、ベテラン職員の大量退職によりまして、今後はこうした技術の継承が困難となってまいります。このため、日常業務の遂行はもとより、事故時や災害時などに対する危機管理能力や、工事や業務委託を適切に管理監督する能力が低下することも懸念されておりまして、事業運営に支障を来す恐れがあると考えております。

○高島委員 今、お答えがあったとおり、現在、水道局が保有している水道技術をきちっと後世に伝えていくことを考えないと、将来に禍根を残すということではないかと思います。さらに多様化、高度化する都民ニーズにこたえていくためには、他の研究機関や民間企業のノウハウを積極的に活用するための体制を確立することも重要だと思います。
 そこで、水道局ではこうした問題にどう対応していくのかお伺いしたい。

○鈴木職員部長 今後は、少数精鋭時代を担う人材を効果的に育成しますとともに、都民ニーズの変化に的確に対応し、事業運営に反映できる技術開発を進めていく必要があると考えております。このため、研修や技術開発機能を集約いたしました研修・開発センターを来年度に開設いたしまして、技術の継承、向上に積極的に取り組んでまいります。
 このセンターでは、漏水事故時の応急措置など、実務環境に即した研修を充実しますとともに、民間の中小事業者に対しましても研修を行い、技術力の維持向上を図ってまいります。また、研究開発につきましては、大学や民間企業などと積極的に共同研究を実施いたしまして、新しい技術の開発に努めてまいります。

○高島委員 水道事業は、水道局の職員ではなく、給水装置工事などを担う多くの中小企業事業者に支えられていると思っております。その点、研修・開発センターでは民間の中小企業者に対する研修も予定し、総合的な技術力の向上を目指しているとのことで、評価できると思っております。東京の水道が将来にわたって安全でおいしい水を安定的に供給していくためには、これまで以上に人材育成に力をそそぐとともに、技術開発機能の強化が不可欠であります。そのため、新たな拠点として研修・開発センターが開設され、今後はその場所が東京水道の技術力の源となることが期待されることと思うわけです。
 そこで最後に、せっかくのことですから、水道技術を将来に継承、発展させていくために、局長の決意を聞かせていただきたいと思います。

○高橋水道局長 東京都の水道は、通水から百年以上にわたりまして都民の暮らしと首都東京の都市活動を支えてまいりました。とりわけここ半世紀の間、歴史的な渇水を経験しながらも、都議会を初め都民の皆様の理解と協力のもと、基幹的な施設の整備を進めまして、安定給水を実現してまいりました。今日の東京の水道は世界有数の高いレベルにあるといわれておりますが、この背景には、水道に携わる職員の強い使命感とたゆみない技術の維持発展への努力があったものと考えておりまして、また、東京の技術がまさしく我が国の水道の発展を先導してきたものと考えております。しかしながら、ご指摘のように、今、この技術の継承が大きな課題となっております。将来にわたりまして安全でおいしい水を安定的に供給していくためには、これまで培われた技術を東京の水道に対する使命感に裏打ちされた誇りとともに受け継いで、さらに新しい時代を切り開いていく気概を持って発展させていくことが重要であると認識しております。
 このため、お話にございました研修・開発センターの開設を機に、首都大学東京、あるいは日本水道協会などとの連携を積極的に図るとともに、中小事業者を含めまして、技術の継承、発展に努めていきたいと考えております。こうしたことで、将来の安定給水の確保はもとより、引き続き日本の水道界を力強く先導していく役割をも果たしていけるように最大限努力していきたい、このように考えております。よろしくお願いします。

○高島委員 大変強い局長の決意を感じさせていただきました。聞くところによると、石原東京都知事は、日本水道協会というんでしょうか、それの会長もなさっているということを今回の予算委員会でご答弁なさっていたのが、確かにそうだと記憶にあるんですけど、そういう意味では局長の決意はもっともな話ですから、さらに頑張っていただきたいと思っております。
 今、日本の水道技術は世界に冠たるものだと聞いております。そうした技術を将来の世代に確実に引き継いでいくために、研修・開発センターが幅広い分野で大いに機能することを期待して、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

○後藤委員 私は、支所ですとか営業所の管理職の対応についてまずお伺いします。
 例えば営業所ですとか支所にはテレビが置いてあると思うんですけれども、テレビの設置の基準があると思うんですけど、とりあえず基準について教えてください。

○中田総務部長 営業所等にテレビを設置しているまず目的でございますけれども、都市のインフラを預かる立場としまして、地震であるとか、あるいは風水害、これらの事故がありますと水道事業に支障を来すことから、一つそういった理由からまずテレビを設置しております。また営業所の窓口におきましては、ご来所していただきますお客様サービスを目的としましてテレビを設置しているところでございます。
 局におきましては、テレビ設置基準というのを定めておりまして、この基準にのっとりまして各事業所に設置しているところでございます。

○後藤委員 私の方で調べましたらば、北部支所のB棟というんですか、建物があると聞いています。この建物というのが、給水課と配水課の技能職員の方たちが入っていらっしゃるというんですけれども、ここの建物の中で、確かにテレビも置かれています。ここですけど、聞くところによりますと、例えば休憩時間も守られていなかったり、例えば真っ昼間からテレビをつけていたりというふうな話をちょっと聞いたんですけれども、この辺について調べてくださいというふうにお願いしたんですけど、その結果を教えていただけますか。

○中田総務部長 先ほどいいました設置基準にのっとりまして、各支所、営業所等に設置しておりまして、またその活用につきましても、先ほどの目的に即して使っているわけでございます。今、後藤委員の方からありました北部の問題につきましては、事実としては承知、また先生の方からありましたので承知しておりますけれども、現在、その事実確認をやっているところでございます。

○後藤委員 この建物なんですけれども、何が問題かというふうに私ちょっと考えてみたんですが、例えば管理職の方が立ち入ることがないような部屋だというふうに聞いているんですけれども、この建物の中には、管理職で、例えば係長さんでも結構ですけれども、例えば常時立ち入ることがあったのか、例えば毎日一回ぐらいは立ち入ることがあったのか、仮に管理職の方々の目が届かないような状態であったのか、その辺についてちょっと教えていただけますか。

○鈴木職員部長 支所におきます職員、技能職員の勤務場所に関連することかと思いますが、同一支所内において所属します課なり係単位で、原則として同一のフロアに勤務をしております。ただ、例外的に幾つかの支所の関係で、技能職員だけで別のフロアに勤務しているところが、事務所のフロアのスペースの関係でございます。今、ご指摘の北部支所につきましては、技能職員だけが、庶務課等が入っております建物に併設した別棟に勤務をしているという状況でございます。
 日々の服務管理についてでございますが、毎朝、業務についての打ち合わせを行い、一日のスケジュールを決めまして、または業務上の指示や報告等の過程で課長や係長が勤務状況を確認するなど、適切な服務管理に努めております。

○後藤委員 ということは、例えば管理職の方がいつも出入りなさっていたんだとしたらば、今私がいったようなことは一回もなかったというふうに考えてよろしいんですか。

○鈴木職員部長 水道局の職員の服務の管理につきましては、水道局に監察事務規程というのがございますが、それに基づきまして、非行ですとか、あるいは事故の防止、それから信用失墜行為の防止のための調査などを随時実施しております。具体的には、職員の出勤ですとか在席状況、それから退庁時の状況、それから待機勤務というのがございますが、その待機勤務時の勤務の態様などについて調査あるいは監察をしております。
 その中で、十六年度につきましては約百六十カ所で実施をしたところでございますが、その一環で北部支所につきましても出勤監査を行っておりますが、そのときの状況では、一部、机の上に漫画雑誌が置かれているというような状況があったということは確認しておりますので、そのときに適切に保管管理するように指導したところでございます。

○後藤委員 結局、私がいいたいのは、例えば管理職の方がちゃんと管理をなさっているのかなさっていないのか、今聞きたかったんですけれども、例えば監察がいるからやるだろうだとか、例えば毎朝やっているだろうからなんていうふうなことしか答えられないということがまず問題だと思うんです。結局、ここにいらっしゃる方は、例えばマニュアルどおりやっているだろうというふうに考えられているかもしれませんけれども、例えばやっていないような状況が出てきているわけですから、ここのところは徹底して、管理職と名がつく以上、例えば係長は管理職ではないかもわかりませんけれども、管理をする立場ということから考えたって、もうちょっとしっかりしていただかないと、例えば外部監査だとか、いろいろな指摘がありましたけれども、ちょっと管理の方がしっかりしていないんじゃないかというふうに思っているんで、ここのところを指摘しているんですけれども、このことについてだけ、今後で構いませんから、例えばどのようにやられようと思っているのか、それだけ聞きます。

○中田総務部長 広い意味で管理職というふうにとらえましてお答えさせていただきますけれども、先生がおっしゃるような意味の事象が仮にあれば、それは許されないことでございますので、今までも厳しく対応しておりましたし、今後も厳しく、さらに徹底してまいりたいと思っております。

○後藤委員 次なんですけれども、例えばIT化というふうな言葉がいわれていますけれども、水道局のIT化、例えばパソコンを職員の方お一人に一台ずつというふうなことも聞いているんですけど、現状を教えていただけますか。

○尾崎参事 IT化につきましては、業務の効率化などを目的といたしまして積極的に推進しているところでございます。これまで水道局内のネットワークを構築するとともに、財務会計事務システム、給与計算事務システム、人事情報管理システム、工事系積算システムなど順次導入してまいりました。

○後藤委員 というふうなことになりますと、各自一台というやつはもう行き渡っているというふうに解釈していいですか。

○尾崎参事 パソコンの設置につきましては、一層の情報の共有化、情報取得の迅速化、及び情報交換の活発化を図るために、水道局内のネットワークを使用するパソコンの一人一台配置を順次進めております。これまでに事務技術系職員については一人に一台の配置がほぼ図られております。技能系職員についても、業務の効率化の遂行を図るため、他局に先駆けて一人一台配置を進めているところであります。

○後藤委員 私が聞いたのは、確かに進めているのは進めているんでしょう。例えばまじめにやっていますだとか進めていますとかいうんではなくて、現状でどうなっているんですか。

○尾崎参事 現状のパソコンの設置割合なんですが、二月末現在で九〇・五%、台数で四千二百六十、約四千三百台設置しています。

○後藤委員 だったらばもっと具体的に聞きますけれども、九〇・五%で、九・五%はまだ設置されていないということですけれども、この九・五%はどのような方たちで、例えば場所はどこなんですか。

○尾崎参事 まだ設置されていないところも、先ほど申しました現業職員のところにはこれから設置するところでございます。場所は、支所あるいは浄水場、こういったところでございます。

○後藤委員 済みませんけど、場所といったらば、例えば営業所は職場だとかというふうないい方になると思うんですけど、例えば場所がどこで、何ゆえにおくれているのか、そこまで教えてください。

○尾崎参事 現在、パソコン設置につきまして組合と協議していまして、協議中のが百二十九台で、中央支所、東部第二支所、西部支所、南部第二支所などがあります。

○後藤委員 例えばパソコンを設置するのに何で組合と折衝しなきゃいけないのか、これ、お願いします。

○鈴木職員部長 今の答弁、参事からお答えがありましたように、段階的にパソコンの設置を進めているわけですが、その中で技能系職員へのパソコンの配置を今進めているわけですが、協議をしておりますのは、パソコンの配置に係ります労働条件についての協議を行っているということでございます。
 これにつきましては、職員の労働安全といいますのは、地方公営企業労働関係法に基づきまして、団体交渉事項として明示をされております。パソコンを使ったいわゆるVDT労働につきましても、職員の労働安全にかかわる事項でございますので、労働組合との交渉を行っているところでございます。
 その中で、今お答えしました幾つかの事業所におきまして、パソコンを机上に置くについては、執務室がかなり手狭なので十分な置くようなスペースをなかなか確保しにくいので、職場環境を整備した上でパソコンを配置したいという要求が出ているので、そのことにつきまして協議を継続していると、そういう状況でございます。

○後藤委員 ということになりますと、例えば別の営業所では手狭にはなっていなかったのか。これが一点と、執務室が狭いといいますけど、普通民間ですと、例えばパソコンといいましてもでかいパソコンではないわけですよね。そうすると、普通民間でパソコンを入れる場合には、簡略化だとか、いろいろなものが片づくだとか、いろんな面があると思うんですけれども、例えば手狭って、結局パソコンを置くようなスペースがないからというふうに今は解釈したんですけれども、仮にそうだとしたらば、別の営業所もみんなそうなんですけれども、何でここの営業所だけ、例えば中央ですとか西部だとかというのは、何でそういうふうな話になってくるんですか。例えば現場に行かれて見回られましたか。狭いんですか、そんなに。別の営業所と比べてそんなにも狭いんですか。

○鈴木職員部長 水道局におきましては、随時組織の改正などを実施しておりますが、十五年に、それまで営業所にありました給水装置関係の担当しております係を、それまで支所にありました漏水防止の業務を主に担当しております部署と、事業執行の効率性というような点を兼ね合わせまして統合したような経過がございます。その関係で一部職員が事務所を移動したというようなことがございますので、そういう関係で、必ずしもすべての事業所におきまして平均的な事務所スペースが確保できているという状況ではないところがございます。
 一般的に、事務所の衛生基準につきましては、厚生労働省令になりますが、事務所衛生基準規則というのがございますが、そこの中で、こういう広さを確保するというようなことが定まっておりますが、その基準はクリアしているというふうに考えておりますけれども、先ほど申し上げたような事情もございまして、先ほどの四つの事業所につきまして、他の事業所と比較して若干手狭な面もあるのかなというふうには思っております。

○後藤委員 少なくとも水道局さんというのは、公営企業といわれているくらいなんですから、結局民間並みの感覚を持っていらっしゃるというふうにいつもいわれていますよね、私かなんかが聞いたときに。仮にそうだとしたらば、これは勝手な考えかもしれませんけど、早い話がパソコンなんか使いたくないよというふうなことなんじゃないんですか。こちらは企業なんですから、経営者なんですから、使えといえばいいことだけじゃないですか。何でそこまで組合の方たち、確かに折衝事項かもしれません。それでもパソコンを入れるか入れないかが折衝事項で、ここだけがやっていないなんていったらば、少なくとも納税者の方、例えば水道局さんですから、利用者の方たち、あんたたち何やってんのよというふうにいわれちゃうと思いますけど、その辺いかがですか。大丈夫なんですか、そこは。

○鈴木職員部長 今、ご指摘のように、パソコンの導入につきましては、当然、それは業務上活用するものでございますので、パソコンの導入そのものを拒んでいるというような職員はいないというふうに認識をしています。ただ、先ほど申し上げましたように、職場環境の整備につきましては、職員の労働安全衛生にかかわる事項でございますので、その整備は事業主としての責務でもあるというふうに考えております。したがいまして、パソコンの導入そのものということではございませんが、導入に伴います職場環境の整備について、必要な交渉を現在行っておるというところでございます。

○後藤委員 このことで余り時間をとっちゃうとあれなんですけど、こんなことはもう当たり前だと思いますから、例えば四月から入れるぐらいの考えでやってくださいよ。これ、やらなかったらば、あなたたち、組合員のために−−結局何でも組合、組合っていいますけれども、確かに組合、大いに大事ですよ。ですけれども、仕事でやっているときには、確かに組合の活動も大事だけれども、仕事でやっていくんだから、このぐらいのことはのめと、僕はいってもいいことだと思うんですけれども、これだけはお願いします。
 次に、PUCの方にお客さまセンターというのを今度業務委託なさっていますけれども、PUCの仕事というのは順調に進んでいるのかどうなのか、お伺いします。

○大平サービス推進部長 お客さまセンターでございますけれども、一月の二十六日に業務を開始以来、約十三万六千件のお電話をいただいているところでございます。手元の直近のデータでございますと、初日の一月の二十六日では約二千三百件のお電話をいただきましたが、三月十一日の一日で見ますと、お客様から四千七百件のお電話をいただいたと、そういう状況でございます。

○後藤委員 ここに紙が一枚あるんですけれども、大平さんが出されている紙なんですけれども、全水道東京水道労働組合営業部会の議長の河野様にあてている文書なんですが、「年度末・年度始めにおけるお客さまセンター業務に係る協力依頼について」というふうな文書がここにあるんですが、ここの中のくだりで、「当局のピーク時件数予測が不十分であったため、営業所の職員の皆さまにご迷惑をおかけした事についてお詫び申しあげます。」というふうな文章があるんですけれども、ここまでおわびをするんですか。とりあえずこの文書の意味についてお尋ねします。

○大平サービス推進部長 基本的には、この文書は、件名で申し上げますと、「年度末・年度始めにおけるお客さまセンター業務に係る協力依頼」というものでございます。これは、年間を通じて最も繁忙期でありますこの三月四月を迎えるに当たりまして、現状では受電ピーク時には電話がつながりにくい状況も考えられます。お客様サービスを低下させないために、営業所の電話対応についての協力を組合に対して要請したものでございます。そうした中で、これまで開設以来、幾つかの課題を抱えていたことも事実でございます。一つは、この文面にもございますけれども、電話の音質が不良であったというようなことがございます。また業務量につきましても、特に曜日であるとか時間帯によってはかなりつながりにくいというような状況が発生したために、受付体制を強化するというようなことをいたしました。
 おわびの趣旨でございますけれども、繁忙期に向けまして、センターの処理能力を増強するために、端末の一部を営業所から引き上げるといったようなことも行いましたし、また当初、電話の音質が不良だったというような問題もございました。そうした執務環境にかかわることもありましたので、おわび文の文言も入れたものでございます。

○後藤委員 これはお尋ねしますけれども、水道局さんというのは、利用者の方に対して何かあったらばおわびということはあるかもしれませんけれども、確かに組合ではあるけれども、結局仕事をやっているわけでしょう。仕事をやっている方たちに対しておわびというのはないと思うんですけど。できたらば、ここに書かれています「迷惑をおかけした事についてお詫び申しあげます。」というのの意味なんですけれども、本当に申しわけなかったというふうな意味なんですか。

○大平サービス推進部長 お客さまセンターはこの一月に発足をしたばかりでございます。その発足して間もない時期に、この三月四月の引っ越しのシーズンという、業務的には繁忙期を迎えるわけでございます。その繁忙期を、お客様サービスを低下させないためにも、労使を超えて局を挙げて取り組んでいきたい、そういう意味での協力要請というのが基本的な基調でございます。

○後藤委員 できたらば、これからはおわびなんていうことははっきりいっていうべきものではないと思いますよ。仕事でやっている者におわびをするということは−−間違ったことで悪いことをやってしまったからおわびなんですよ。これは仕事の中でやっていてトラブルが起きて、みんなで直していこう、こういうふうなときにおわびなんていっているから甘く見られるんですよ。
 次にお伺いしたいのが、例えばここのところでお客さまセンター開設に伴う減ということで九人マイナスというふうになっていますけれども、ここの九人のマイナスの計算式というんですか、例えば何人減って何人ふえたのか。

○大平サービス推進部長 九名削減の内容でございますけれども、営業所営業係から三十二名の人員を削減いたしまして、他方、お客さまセンターを開設いたしましたので二十三名の職員を配置いたしました。その差し引き九名ということでございます。

○後藤委員 このお客さまセンターは十八年の四月から本格実施というふうになっていると思うんですけれども、例えば十八年の四月の営業係というんですか、例えば今度の場合は営業係の方がたしか三十二人ですか、減って、何人ふえて、結局は九人の減だというふうにお伺いしたんですが、本格実施されます平成十八年四月からはどういうふうな体制を組まれるおつもりなのか、教えてください。

○大平サービス推進部長 この一月にお客さまセンターを開設いたしましたけれども、電話の受け付け業務はお客さまセンターと営業所で並行して事務を取り扱っているところでございます。全面稼働というのは、その電話受付機能をお客さまセンターに一本化しようというものでございますが、その時期につきましては、十八年度を目途にこれから準備を進めてまいるところでございます。その場合の人員につきましても、準備の過程の中で決めてまいりたいと考えております。

○後藤委員 決めてまいりたいというのはわかるんですけれども、大体何人ぐらい考えられているのか。理由なんですけれども、例えばPUCにお客さまセンターの仕事を業務委託しているというんですけれども、このときの金額なんですが、例えば現時点でも一年間で一億四千万近くのお金が出ているわけです。PUCを開設することによって。ここで約一億四千万円のお金が出ていて、平成十八年の四月からは本格実施を目指そうとしていらっしゃるということですけれども、結局十八年四月になったらば一億四千万円よりももっとお金はふえていくと思うんですが、例えば現状のままということはないと思いますが、何人ぐらい減員を考えているのか。全く考えていないといったらうそだと思いますし、大体何人ぐらいを考えているのか、教えてください。

○大平サービス推進部長 営業所の営業係の業務の中には、受付業務のほか、いろんな業務を行っているところでございますが、受付業務はその中でも比較的大きなウエートを占めている業務でございます。その中でも、電話のほかにも郵便あるいは窓口での受付等もございますが、電話というのは非常に業務量が多いというふうに考えております。したがいまして、電話受付業務がお客さまセンターの方に一本化されますと、それなりの大きなウエートになるのかなと考えているところでございますが、人数については、現時点では決めておりません。

○後藤委員 例えば営業所の場合ですと、営業係、庶務係、収納係、検針係というのがあると思うんですけれども、この四つの係を全く一たん白紙に戻しまして、例えば営業所の中身を変えて、PUCにお客さまセンターというのを新しくつくったわけですから、営業所の中の、例えば組織まで変えても、変えることによって、例えば何人ぐらい減だとかというふうな形で、できたらばこの際、本当に大幅に職員を減らさない限り、お客さまセンターというのをつくった意味がなくなるというのか、結局そのぐらいのものだというふうに私は考えるんですが、例えば組織の見直しぐらいまで考えていらっしゃるんですか。

○大平サービス推進部長 営業所の執行体制につきましては、検討していかなきゃいけない課題だと認識をいたしております。また、先般報告されました包括外部監査におきましても、お客さまセンター開設後における営業係の業務の効率化についての意見が出されているところでございます。今後ともさまざまな角度から検討を行ってまいりたいと考えております。

○後藤委員 私なんか単純に考えちゃうんですけれども、例えば営業所というのは二十九あるんですが、例えば各営業所、二人ずつ減員になったとしても約六十名ぐらいになるわけです。このぐらいの減員を考えなければ、結局PUCに業務委託をしたメリットというのが出てこないような気がするんですけれども、PUCに委託をすることによって、どの程度のメリットまでを考えているのか、この件で聞きます。

○大平サービス推進部長 お客さまセンターを開設することによって、これまでも委員会の方でご答弁させていただきましたけれども、さまざまな点でお客様、都民に対して利便性の向上を図ることができたと考えているところでございます。また、お客さまセンターに電話受付機能を一元化することによりまして、ご指摘のように、営業所の係体制、執行体制についても検討すべき課題として私どもも認識しているところでございます。そうした中で、ご指摘のように、経済的な面でのメリットも出るような形で見直しの必要があるのかと考えております。

○後藤委員 そうしましたらば、資料でいただきました二番目なんですけれども、例えば委託についてお尋ねしたいんですけれども、ここに書いてある委託業務というのは、例えば純然たる民間の会社というのはあるんでしょうか。

○中田総務部長 資料2に掲げさせていただきました委託の主な内訳に書いてございますように、さまざまな委託、これから新規であるとか拡大を考えているわけですけれども、その具体的な委託先につきましては、例えばその業務の性格によりまして、いまだ公権力が非常に近い部分があって、あるいはまた民間の成熟度合い、こういったことを勘案して、例えば私どもの三セクに委託する場合があったり、あるいは市場等によりましてその成熟が見られる場合につきましては、民間業者の方に委託することも考えております。そういった意味合いを込めまして、これから具体的な委託先を、その業務の性格とともに検討して決めていきたいというように考えております。

○後藤委員 確かに部長が今いわれたように、例えば新規の委託についてはまだどこか、多分決まっているんだろうとは思います、もう三月も後半なんですから。ただし、現在もう委託しているところがありますよね。ここに書いてある感じでいきますと、お客さま運営業務委託、配水管計画排水作業委託だとかって、こちらに書いてある、現在書いてあるところで純然たる民間のところというのはあるんですか。

○中田総務部長 委託規模拡大、表の左側の下の方でございますけれども、お客さまセンター運営業務委託につきましては、今、ご議論ありましたように、株式会社PUCの方の委託を考えております。また配水管計画排水作業委託、これにつきましては、東京水道サービス株式会社の委託を考えております。

○後藤委員 できたら右側のも。

○中田総務部長 右側の多摩地区の事務委託解消に伴う委託規模の拡大につきましては、施設運転管理業務委託等につきましては、ただいま申し上げましたように、多摩地区の一体的な管理等を踏まえまして、基本的には東京水道サービス株式会社を考えております。また、さらに料金等の徴収事務委託につきましては、純然たる民間の会社を想定して考えているところでございます。

○後藤委員 確かに民間というふうな考え方があるのかもわかりませんけれども、この際、例えば水道局のファミリー企業といってもいいのかもわかりませんけれども、関係の会社だけということにならないように、本当にこれお願いします。例えば民間委託というふうな言葉を使っておいて、今も聞きましたらば、PUC、東京水道サービス。例えば料金の徴収委託ですけれども、株式会社宅配かなというふうに思っているんですが、関連のところばかりではなくて、これは今から純然たる民間の会社を入れていかないと、このままで行ってしまいますと、水道局というのは完全なるファミリー企業によって運営がなされているというふうになってしまいますので、できたらば民間を入れるためにも競争入札なり何なりを本当に考えていただきたいと思います。

○中田総務部長 私どもは、先ほど来議論がありましたように、定数の削減であるとか、あるいはスリム化というのを念頭に置きつつ考えますと、水道事業にかかわりますマンパワー的な仕事というのは、もちろん業務の改善、事務の改善ございますので、仕事のありよう、やり方はもちろん改善していくつもりでございますけれども、基本的には、マンパワー的には、今後も相当な規模を要するかと思います。そういった中で直営の人間が入っていく中で、やはり外部の活用、民間の活用ですね、これは必至であるというふうに考えております。これはまごう方なき事実でございまして、ただ民間を活用する場合、今、後藤委員からありましたように、無目的に特定の三セクであるとか、先生がいうところのファミリー企業というんでしょうか、ちょっと実体を私承知しておりませんけれども、そういったところに無目的に委託する考えは毛頭ございません。やはり基本的には民間委託を想定して、業務の内容が現状において都民のサービスの低下につながらない、これが私たちの公営企業の基本であると思っております。
 したがいまして、視点はあくまで水道サービス、都民のサービスの低下につながらないということを前提に、その業務の内容、さらに委託先の市場の成熟度、安定性、信頼性、こういったことを念頭に今までももちろん委託しておりましたし、今後もその基本原則にのっとりまして委託していくつもりでございます。

○大木田委員長 ほかに発言がなければお諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。

○大木田委員長 これより下水道局関係に入ります。
 初めに、請願の審査を行います。
 一七第三号、下水道料金と工業用水道料金の減額措置及び減免率の継続に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○今里総務部長 請願一七第三号につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料、請願陳情審査説明表をお開き願います。
 この請願は、台東区の用水型皮革関連企業協議会会長の市田良一さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、平成十六年度をもって終了予定の用水型皮革関連企業に対する下水道料金の減額措置及び減額率、いわゆる減免措置につきまして、これを継続していただきたいという内容でございます。
 この請願に関する現在の状況でございますが、用水型皮革関連企業に対する下水道料金の減免措置は、平成十六年第一回都議会定例会における決議の趣旨を尊重し、一般会計からの減収分の補てんを前提にいたしまして、独立採算の原則及び負担の公平の原則に対する例外措置として、平成十七年三月までを期間として実施しているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大木田委員長 説明は終わりました。
 念のため申し上げます。
 本件中、水道局所管分に対する質疑は既に終了しております。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 異議なしと認めます。よって請願一七第三号は趣旨採択と決定いたしました。
 なお、本件は、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することといたしますので、ご了承願います。
 以上で請願の審査を終わります。

○大木田委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○中村建設部長 新赤坂幹線事故調査委員会の報告につきまして、お手元の資料2に基づきましてご報告いたします。
 資料の一ページをお開き願います。1、工事概要でございます。
 新赤坂幹線工事の概要につきましてお示ししてございます。その内容は、平成十六年十月十九日の本委員会でご報告させていただいたとおりでござます。
 二ページには案内図を、三ページには新赤坂幹線の縦断図をお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。2、事故概要でございます。
 四ページ、五ページに事故の概要をお示ししてございます。この内容につきましても、同日の本委員会でご報告させていただいたとおりでございます。
 六ページには、事故発生時の関係者の位置などの状況を、新赤坂幹線縦断図にお示ししてございます。
 七ページをごらん願います。3、事故原因の究明でございます。
 (1)は事故発生に至った背景でございますが、仮止水壁の設置目的が請負者に正確に理解されていなかったことが明らかとなりました。
 まず、仮止水壁設置の経緯でございますが、突然の降雨により、第二溜池幹線から新赤坂幹線に雨水が流入する恐れがあるときに、作業員が坑内から地上へ安全に避難する時間を確保する目的で、下水道局が請負者に設置を指示したものでございます。
 中ほど(1)から(3)までお示ししてあるとおり、下水道局と請負者との間で協議を重ね、第二溜池幹線の約五万三千立方メートルの貯留可能水量に耐えられる強度、〇・〇五メガパスカルの仮止水壁を設置することとし、下水道局の工事変更審議委員会を経まして、仮止水壁の設置決定を請負者に通知いたしました。これを受け、請負者からは、八ページにございますように、新赤坂幹線の流入浸水時の避難時間を確保するために、隔壁、仮止水壁でございますが、これを設置する。第二溜池幹線の水位監視として、坑内作業期間中はフロート式水位検知器及び警報ブザーを設置すると記載されました地中接合施工計画書が提出されました。
 次に、請負者の認識についてでございます。(1)にお示ししてありますように、仮止水壁の耐圧強度は、第二溜池幹線の貯留可能水量約五万三千立方メートルに合わせて設計されており、第二溜池幹線が満水になり、それ以上の雨水が流入した場合には耐えられない構造となっておりました。しかしながら、請負者は、第二溜池幹線の過去の最大貯留実績が約三万八千立方メートルであったことから、貯留可能水量を上回る雨水の流入は起こらず、仮止水壁が壊れることはないと認識しておりました。
 次に、(2)にお示しした部分でございますが、一般的には、坑内とされる範囲は、九ページの図−4のように、立て坑及びトンネルのすべてをいいます。したがって、当局が設置を指示した仮止水壁による坑内から地上まで避難する時間の確保とは、新赤坂幹線のあらゆる場所からの避難時間確保を意味しております。
 しかし、請負者は、坑内の範囲を図−5のように、トンネルの一部、仮止水壁より第二溜池幹線側としてとらえ、仮止水壁は、第二溜池幹線から新赤坂幹線に雨水が流入する恐れがあるとき、仮止水壁より坑口側へ避難し、流入水を避けるためのものと認識しておりました。
 このように、仮止水壁が壊れる可能性や坑内の範囲について、請負者の認識が違っておりました。
 次に、(2)の事故発生に至った要因についてでございます。
 まず、安全管理の不足についてでございます。請負者が提出いたしました地中接合施工計画書には、第二溜池幹線の水位監視として、坑内作業期間中はフロート式水位検知器及び警報ブザーを設置すると記載されておりましたが、先ほどご説明いたしましたように、請負者は坑内の範囲の認識が違っていたこともあり、フロート式水位検知器及び警報ブザーを設置しておりませんでした。
 一〇ページをお開き願います。次に、豪雨の中で坑内作業を実施したことについてでございます。下水道局は、事故前日にはすべての建設工事の現場代理人に対し、台風についての注意喚起を行いました。また、事故当日は大雨洪水警報が発令され、豪雨が予想される状況であったにもかかわらず、請負者は、仮止水壁は壊れないとの認識のもとで坑内作業を実施しておりました。
 次に、(3)の事故発生に至った直接の原因ですが、異常降雨による仮止水壁の崩壊によるものでございます。台風二十二号による降雨は、下水道局の銭瓶町ポンプ所のデータによれば、総降雨量二九五・五ミリメートル、一時間最大降雨量七六ミリと、極めてまれに見る豪雨となっていました。
 事故前日からの降雨で第二溜池幹線の貯留が既に始まっていた上に、当日の豪雨により、第二溜池幹線の貯留可能水量を超え、仮止水壁の耐圧強度を上回る雨水が流入したために、仮止水壁が崩壊したものと想定されます。
 このように、今回の事故には幾つかの複合的な要素がございました。
 一一ページをごらん願います。4の事故の再発防止対策についてでございます。
 (1)は、事故後直ちに行った安全措置についてでございますが、平成十六年十一月十八日の本委員会でご報告をさせていただきました内容でございます。
 一二ページをお開きください。(2)は、新赤坂幹線工事の再開に当たって講じた再発防止対策でございますが、これにつきましても、平成十七年二月十七日の本委員会でご報告をさせていただいた内容でございます。
 一三ページをごらん願います。(3)は、類似工事における事故再発防止対策でございます。今回究明された事故原因を踏まえまして、今後、雨水が坑内に流入する可能性のあるトンネル工事などの類似工事において実施する再発防止対策をお示ししてございます。
 第一に、事故発生に至った背景である仮止水壁の設置目的が正確に理解されていなかったことにかかわる再発防止対策でございます。請負者に、下水道局の発注意図を正確に理解させるため、仮止水壁など安全対策上設置する仮設物の設置目的や設計条件などについて、工事担当課、設計担当課、請負者から構成される検討会を工事ごとに設置し、その結果を施工計画書に記載させることといたしました。
 第二の安全管理の不足にかかわる再発防止対策でございます。作業従事者全員の安全を確保するために、気象担当者の選任、水位警報システムの設置などの安全管理体制の強化を義務づけます。
 一四ページに移りまして、第三に、豪雨の中、坑内作業を実施したことにかかわる再発防止対策でございます。まず請負者に大雨警報発令時における工事中止を徹底させ、次に、降雨時に既設の管渠から雨水が流入するなどの現場の特殊性に潜む危険因子の分析と対応について報告書としてまとめさせ、その結果を受けて、安全管理基準を施工計画書に記載させるなどの安全管理基準の明確化を図ることといたしました。
 第四に、下水道局みずからが実施する対策でございます。一点目に、仕様書の一部を見直し、大雨警報発令時の工事中止を基準化いたします。二点目に、施工計画書に記載された安全管理に関する内容が確実に履行されているかを、現場調査などを行い、定期的に確認するシステム及びルールをつくります。三点目に、異常気象時や事故発生時などにおける情報連絡・出動要綱を見直し、迅速かつ的確な対応を図るとともに、情報連絡訓練を定期的に実施いたします。
 下水道局といたしましては、これらの事故調査委員会の提言を受けまして、大雨警報発令時の工事中止基準などを新たに盛り込んだ特記仕様書を、新年度からすべての工事に適用するなどして、安全管理の一層の充実を図り、工事施工の安全性を高め、発注者としての責任を果たしてまいります。

○大木田委員長 報告は終わりました。
 なお、本件に対する質疑につきましては、次の予算の調査とあわせて行います。ご了承願います。
 これより予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第三十号議案及び先ほどの報告事項について一括して議題といたします。
 本案及び報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○東委員 雨水対策に若干かかわって質問したいと思います。
 今も赤坂幹線の報告がありましたけれども、去年の台風で、私の地元の江東区でもあっちこっちで浸水被害が起こりました。下水道局としても、浸水対策事業や雨水整備クイックプランということでいろいろ対策を講じていただいているわけですが、こうした都民生活に直結する事業ですから、必要な公共投資だというふうに私も思っております。もちろん、これは着実に進めていただかなければいけないわけですが、この下水道の建設事業については非常に多額のお金を要することもあるわけですけれども、その財源の多くを企業債に頼っているという状況だと聞いております。
 その中で、未償還企業債、つまり返していない企業債の元利償還費が財政を非常に圧迫しているということを感ずるんですけれども、そこで、この財政基盤を強化して安定的な事業運営を進めるために一、二伺うわけですが、この平成十七年度予算における企業債の元金償還額、それから利子の負担額はどれぐらいになるのか、また企業債の未償還残高は幾らになっているのか、お答えください。

○今里総務部長 平成十七年度予算で予定しております区部下水道の元金償還額は約二千二百六十四億円でございます。また利子及び取扱諸費が約八百三十六億円となってございます。また、企業債の未償還残高につきましては、平成十七年度末で約二兆五千六百五十六億円となる見込みでございます。

○東委員 相当なものですよね。未償還残高が二兆五千余億ですか、しかも利子の支払いも八百億円を超えているということですが、これは本当に大変な額だと思います。
 今、市中の金利が比較的安くなっているという状況ですけれども、財政基盤を強化して都民に対する安定的な事業を提供するためには、この膨大な企業債残高について、少しでも金利の低いものに借りかえていく、そして負担の低減を図る必要があるというふうに思うんですけれども、この未償還企業債のうち利率の高いもの、それから何%のものがあるのか、またこの高利率の企業債は借りかえることができるのかどうなのか、その点をお答えください。

○今里総務部長 未償還企業債のうち、最も利率が高いものは、昭和五十一年から五十六年に発行しました政府資金の七・五%でございます。この七・五%の企業債は、過去の高金利時代に借り入れたものでございますが、現在、政府資金につきましては借りかえの制度はございません。
 なお、その他の公的資金のうちで借りかえが認められるのは公営企業金融公庫資金でございますが、その要件は、元利償還費など資本費が全国平均の一・五倍以上にあることや、供用開始から二十五年以内の事業であることなど、高資本費対策として厳しい制約のもとで適用されておりますので、東京都は対象となってございません。
 また、国は、平成十七年度に公営企業金融公庫資金について借りかえの特例措置を行うこととしておりますが、都道府県と政令市の利率要件につきましては、利率八%以上とされる予定でございまして、これも都としては対象になりません。

○東委員 この下水道局で借り入れているやつは借りかえの対象に全くならないというお話でしたけれども、昭和五十一年ころ借りた政府債七・五%と。今は大体高いものでも二%程度じゃないんでしょうか。それで、これは政府の金ですよね。国民の税金ですよね、これ。それを貸し付けておいて、そこは下げない、しかし全体の金利は下げると、これ自身、私は本当に矛盾だと思うんですが、それは制度ということであれば簡単には変えられないと思うんですけれども、こういう状況に甘んじることなく、下水道局として、やっぱり国などに対しても借りかえの要件緩和だとか、そういうことを積極的に働きかけるべきだと思うんですが、局としてどういう努力をされているのか、その点を説明してください。

○今里総務部長 下水道財政を健全に運営していくためには、高利率のものを低利率のものに借りかえる、利子負担の軽減を図る必要がございます。このため、これまでも借りかえ制度の充実につきまして、都として春秋年二回要望活動を行うとともに、局といたしましても、日本下水道協会や他の都市と共同いたしまして、機会あるごとに国土交通省や総務省などに対して働きかけを行ってきたところでございます。今後も、基盤強化のために、安定したお客様サービスを提供するため、引き続き国に対して要望を続けてまいります。

○東委員 引き続き低利の資金調達に努力をしてほしいと思うんですが、この財政負担を軽減するために、高利率の企業債を低率のものに借りかえるということはもちろん必要なんですけれども、同時に、建設事業の良質な財源である国庫補助、この確保が非常に重要だと思うんです。とにかく政府のお金や貸したものは、利率は全く現状に合わない、下げないと、あの高金利のままと。そして、東京の下水道施設に対する補助金というのは、他の都市と違って、大きさの径によって東京の場合は補助金がなんか低いというふうなことも聞いているんですけれども、この国庫補助金の確保について、下水道局としてはどのように取り組んできたのか、その点を説明してください。

○今里総務部長 お話にもございましたように、国庫補助金は、企業債と異なりまして、後年度負担を伴わないという意味で、いわゆる良質な財源でございます。これまでも国に対しまして、概算要望や提案要求活動などを初めとするあらゆる機会をとらえまして、採択要件の緩和ですとか制度の充実など、国庫補助金の確保に努めてきたところでございます。その結果といたしまして、平成十六年度につきましては、当初予算を約十億円上回る、約三百九十一億円の国庫補助金を確保することができたところでございます。
 都におきましては、浸水対策、老朽化施設の再構築、合流式下水道の改善あるいは高度処理など、取り組むべき多くの課題がございます。有用な建設財源である国庫補助金の確保はますます重要性を増していくものと認識しております。今後とも、下水道事業の経営基盤を安定的なものにするよう、国への要望活動を行うなど、国庫補助金の確保に努めてまいります。

○東委員 当初計画を上回る国庫補助金を十六年度は確保できたということですけれども、国の三位一体改革ということで、今後も下水道事業などに対する補助金の削減が行われるんじゃないかということも懸念されるわけですが、そのことによる負担や影響が都民に押しつけられるというようなことがあっては決してならないというふうに思うわけです。
 そういう点で、下水道局は去年、この経営計画二〇〇四年を発表したわけですけれども、今後三年間に現行料金水準は維持するということを都民に約束しました。特に景気が低迷して、都民の暮らしが厳しいという状況の中でもありますので、ひとつこの料金を、今のままの料金水準を維持する、上げないということを、五年でも十年でもぜひ維持し続けてほしいというふうに思います。そういう点で、都民生活を守る上からも、国庫補助金の確保あるいは低金利の資金確保ということについては、引き続き国に対しても強く働きかけていただきたい、以上のことを述べて、質問を終わりたいと思います。

○後藤委員 私は、新赤坂幹線事故報告書についてお尋ねをします。
 この報告書ですけれども、この報告書を書かれた調査委員会のメンバーというのはどういうふうなメンバーなのか、まず教えていただけますか。

○佐伯計画調整部長 この調査委員会のメンバーでございますが、技監を委員長といたしまして、計画調整部長が副委員長、委員といたしまして総務部長、職員部長、経理部長、施設管理部長、建設部長、技術開発担当部長、参事でございます。流域下水道本部の技術部長、以上でございます。

○後藤委員 そうしますと、民間の方は入っていらっしゃらないんですね。

○佐伯計画調整部長 入っておりません。

○後藤委員 この報告書の目次を見ますと、例えば責任の所在というのが何も書かれていないと思うんですけれども、今回の事故が起こりまして、例えばどこに責任があるのかというふうなことは検討されているんでしょうか。

○佐伯計画調整部長 本委員会では、事故の原因調査及び再発防止対策等につきまして検討いたしました。

○後藤委員 確かに読ませていただきますと、責任のことが何も書かれていないんですけれども、例えば具体的に聞いていきます。
 例えば一〇ページの最後なんですけれども、「貯水水量が貯留可能水量を超え」というふうに書いてありますけれども、これは何を意味しているのか、教えてください。

○中村建設部長 第二溜池幹線の貯留量は五万三千立方メートルを予定しておりました。しかし、当日の極めてまれに見る豪雨の中で想定を上回り、それ以上の降雨があったということでございます。

○後藤委員 確かに管の中には五万三千立方メートルだと思いますけど、必ず水というものは上から流れてくると思うんですが、例えば立て坑の分は全然計算に入っていなかったということですよね、これ。ここに書いてあります、例えば「可能水量を超え」というのは、だったら立て坑の分は一切計算に入れていなかったと解釈してよろしいですか。

○中村建設部長 第二溜池幹線の貯留可能量は、これまでの降雨実績を踏まえまして、第二溜池幹線そのもので、立て坑は入っておりません。

○後藤委員 確かに七ページの(2)だと思いますけれども、例えば「地上までの水圧を想定した仮止水壁を設置する必要はないと判断し」というふうに書いてありますけど、結局、何ゆえに地上までの水圧を想定しなくていいというふうに判断なさったのか。水というのはたまりますよね。たまらなかったらば、例えば五万三千はたまるはずはないわけですから、管の中に。管の中がいっぱいになったらば、例えば弁でもあって五万三千以上は入らないというふうに考えるんだったらばいいですけれども、地下にありますね、例えば五万三千のたまる分の水位というのは必ず考えるべきだと思うんですけれども、いかがですか。

○中村建設部長 先ほどの第二溜池幹線の水位のお尋ねでございますけれども、第二溜池幹線の、今回の想定した水位につきましては、これまでの降雨実績を踏まえまして設定したものでございます。また、想定した水圧につきましては、この想定をした第二溜池幹線が満水状態になったところに設定をしておりまして、地上からの水圧を想定すべきでないかというご意見につきましては、これは仮設でございますので、それに対する安全策でありますフロート式の水位検知器及び警報ブザーをあわせて設置して、その危険性を察知して事前に坑外へ脱出するというような組み合わせで考えております。

○後藤委員 例えば五万三千立方メートルというものの計算の根拠なんですけれども、この管の中に入るためには、例えば空洞の部分が何立方メートルあったかというふうなことですよね、普通考えるんだとしたらば。空間部分が何立方メートルあって、水圧がどのぐらいかかるから、ですから最大の場合にはこのぐらいと考えるのか。例えばここに書いてあるのは、過去の経緯を見たらば三万八千だというわけです。過去の経緯を考えるだけだったら三万八千でもいいわけですよ。でも過去の経緯を考えたから、三万八千では少ないから五万三千にふやしたというわけですよね。例えば管いっぱいまでの分の。管いっぱいになるためには、例えば水道の蛇口で入れていくわけではありませんから、上から水がたまっていくわけですよ。どんどんたまっていくのに、例えば水がぴったり五万三千でとまるということがあるんですか。この辺の考えというのは皆さんはどういうふうに考えられているんですか。

○中村建設部長 第二溜池幹線の満水の五万三千についての考え方ということでございますけれども、今回は仮止水壁を設置いたしまして五万三千トン貯留をし、それを超える間に避難をする時間を、その仮壁によって確保するということを目的にしてつくっておりますので、仮設でございますので、地上からの水圧に対応して、そういった万全なものをつくる必要はなかったものというふうに考えております。

○後藤委員 仮にそうしますと、七ページの(2)の〔2〕なんですけれども、「第二溜池幹線の貯留可能量は約五万三千立方メートルであるが、過去の最大貯留実績が約三万八千立方メートルであり、地上まで水位が上昇することは確率的に少ないこと」を、今度は上に上るんですが、「口頭で指示した。」というふうになるんですけれども、こんなことわざわざいわなくなっていいんじゃないんですか。例えば五万三千ならば五万三千というふうにいえばいいのを、過去は三万八千だから確率的に少ないことというふうに民間の方がいわれたらば、だったら役所が三万八千といっているんだから、まず間違いないだろうと。だったらば、五万三千のものをつくってあるんだから壊れないというふうに考えたのがよかったのか悪かったのかは知りませんけれども、あえて役所がここで、例えば「地上まで水位が上昇することは確率的に少ないこと」なんていうことをわざわざいったというふうにこの報告書に書いてあるんですけれども、これは事実なんですか、いったことは。

○中村建設部長 今のお尋ねの件でございますけれども、担当者の方からは伝えてございます。

○後藤委員 担当者の方が伝えたのは結構ですけれども、例えば何ゆえに伝えたのか。例えば三万八千以上はいかないから、だったら五万三千用意しておけば大丈夫だよというふうな意味でいったのか、その辺どうなんですか。

○中村建設部長 これは、設計条件を明確にするために、協議検討のためにいったものでございます。

○後藤委員 仮にそうしますと、八ページなんですけれども、(1)の終わりのところです。「しかしながら、請負者は、第二溜池幹線の過去の最大貯留実績が約三万八千立方メートルであったことから、貯水可能水量を上回る貯留はあり得ないと判断し、従って仮止水壁は壊れないと認識していた」というのも、これもなるほどと思っちゃうんですよね。結局、下水道局さんの方が、このような説明が全くなかったというんだったら話は別ですけれども、確率的に少ないことというふうにまでいっているんですから。それで聞いているんですけれども、確率的に少ないことだとかという理由というのは、例えば今私がいったように、例えば五万三千だったら大丈夫ですよというふうなニュアンスでいっているのか、これは大事なことだと思うんですけれども、例えば皆さんの認識なんですよ。相手は自然なんです。必ず相手は自然で、例えば地下に穴があいたら水はたまってくる。たまってきたけれども、三万八千というのが過去の実績ではあるけれども、例えば過去の実績ということになりましたら、地震だって何でもそうなんですけれども、こんなことは知らなかった、こんなことは実績がなかった、いや、自然というのは怖いですね、これで済むんですか。今回の場合は亡くなられている方がいるんです。この辺の認識というものを僕はちょっと確かめたくて聞いているんですけれども。

○中村建設部長 先ほどの説明の繰り返しになるかもしれませんけれども、仮止水壁につきましては、第二溜池幹線の貯留水が上昇いたしまして新赤坂幹線に流入したときに、坑内より地上に退避する際に安全に坑内から退避するに必要な時間を確保する目的で設置しております。それで、地上までの水圧でも壊れない仮止水壁を設置するには、相当な費用がかかるということが一点ございます。また過去の貯留実績から見ましても、第二溜池幹線が満水になる可能性は少ないということがございます。それから、仮止水壁が壊れるまでの間に作業員が地上まで安全に退避できれば必要な安全確保はできると、こういうことで今回の仮止水壁を設置したものでございます。

○後藤委員 そうしますと、この仮止水壁は、五万三千を超えたらば壊れることを認識してなさっていたということなんですが、例えば多額の費用がかかるというふうに今部長おっしゃいましたけど、多額の費用は計算なさっているんですよね、もちろん。例えば現在の五万三千だったら幾ら、地上までのを考えたら幾らというふうな計算までやっておいて、多額の費用がかかるというふうにおっしゃっているのか、そこのところはどうですか。

○中村建設部長 ただいまのお尋ねの件でございますけれども、地上までの水位を考えた止水壁を設置する場合、一千四百万になります。この設置期間はおおむね一カ月でございます。また、今回の仮止水壁は四百万円でございます。

○後藤委員 今度は監督員の方について聞きたいんですけれども、監督員というのは、確かに今回の場合は、例えば請負の業者さんの方に完全に任せていたというふうなことを聞いているんですけれども、監督員というのは、今回のような安全基準に関して、例えばどこまで見るというふうになっているんでしょうか。

○中村建設部長 監督員は、設計図書に示します目的物を建設するために請負者が提出いたしました施工計画書について、その記載内容を詳細に検討、チェックを行い、施工計画書審議会に付議をするということ、また工事中の事故防止を図るために、安全管理及び保安対策の徹底を図るように請負者に指示することなどを行いまして、請負者がみずからの責任と権限において主体的に行います安全管理を指導してまいります。

○後藤委員 ただいままでのお話を聞いていますと、結局、下水道局さんは一切悪くなくて、というふうなことになるんですけれども、仮に下水道局さんが一切悪くないということになりますと、だったら業者さんの方が悪いということになるわけですか。ここだけちょっとはっきりさせていただけますか。

○中村建設部長 工事請負契約約款によりますと、仮設、施工方法その他工事目的を完成させるために必要な一切の手段につきましては、契約書あるいは設計図書に特別の定めがある場合を除きまして、請負者がその責任によって定めることにしております。今回の工事事故につきましては、先ほどの事故報告書のとおり、極めてまれに見る豪雨の中で、請負者が仮止水壁の設置目的を正しく理解していなかったこと、それから請負者の安全管理に不足があったこと、あるいは請負者と当局の間で認識のそごがあったことなど、複合的な要因が関係して起こったものでございます。
 工事監督員につきましては、地元との打ち合わせ、あるいは企業との打ち合わせ、そういった中、現場パトロール等によりまして安全管理を行っておりまして、当局職員には重大な過失があったとは認められず、その責を問うものではないと思っております。

○後藤委員 これ、紙をいただいたんですけれども、今度の工事の会社の方からの、例えば設計何とか書というんだろうと思いますけど、第二溜池幹線内の水位の監視というふうなところで、工事の請負業者さんの方が今度の工事の変更のところで出してきたんだと思いますけれども、坑内作業期間中はフロート式の水位の検知器及び警報ブザーを設置する。警報または緊急避難連絡があった場合には坑内作業を中止し、隔壁の扉を閉めて緊急避難を行うというふうになっているんですけれども、これのフロート式水位検知器及び警報ブザーというのは設置はされていたんですか。

○中村建設部長 設置されておりませんでした。

○後藤委員 これは報告書の九ページのところになると思うんですけれども、業者さんと下水道局さんの認識の違いというふうなことで、坑内作業というものがどこまでの範囲かというふうなことになると思うんですけれども、例えば業者さんは、このままでいったとしたらば、いつフロート式水位検知器だとかいうのを設置しようと思っていたといっていましたか。

○中村建設部長 報告書の九ページをお開きいただきたいと思います。図−5に請負者の認識、それから一般的な坑内の範囲というふうに表示をしてございます。先ほど説明で申し上げましたけれども、私どもは、上の図−4、トンネル内のすべての箇所で工事を行っている場合は坑内作業ということで、第二溜池幹線の水位を感知しますフロート式水位検知器及び警報ブザーを設置するというふうに考えておりましたけれども、請負者は、下の方の図−5になりますけれども、この塗ってある範囲、第二溜池幹線から仮止水壁までの間を同じ坑内ととらえまして、坑内作業ととらえておりました。したがって、請負者が坑内作業をするときに第二溜池幹線に水位検知器あるいは警報ブザーを設置するというのは、このハッチで塗った部分の作業をするときに設置をするということにしておりましたけれども、今回の工事はこのトンネル内の方で起こっておりますので、そのときは、そういう認識から水位計あるいは警報ブザーを設置しておらなかったというのが現状でございます。

○後藤委員 聞き方がちょっと悪かったかもしれませんけれども、例えば業者さんは、今回の事故というのが十月の九日に起きているんですけれども、例えば十月の九日以降になったらば、こちらの業者さんが考えられている坑内の作業に入ったと思うんですけれども、これは予定ではいつごろになっていたんですか。

○中村建設部長 事故が起こりましたのは十月の九日でございますけれども、このときの作業は、立て坑に近い坑口から二次巻きを施工してきておりまして、このハッチで囲まれた部分の作業につきましては、十月九日の翌週から施工に入るという予定でございました。

○後藤委員 たくさんいろんなことを聞かせていただいたんですけれども、これ、今までの答弁を聞いていますと、どうしても業者さんの方が悪いのかなというふうな認識をしてしまうんですけれども、仮にそうなった場合に、例えばペナルティーみたいなのは何か考えられているんですか。

○野口経理部長 請負者に対するペナルティーのご質問でございますけれども、この事故調査委員会の報告を受けまして、東京都の契約事務協議会におきまして、指名停止措置要綱に基づきまして必要な措置等について判断していくこととなります。

○後藤委員 仮に業者さんの方へのペナルティーというのがあったとしたらば、例えば下水道局さんの方は免除ということになると思いますけれども、必ずどちらかの責任、必ず責任を明確にしておかないと、必ずまた同じような事件、この場合は事件ではなくて事故ですけれども、同じような事故というのが起こる可能性がありますから、できたら責任を明確にすることだけお願いいたします。

○大木田委員長 これはお願いですね。

○後藤委員 はい。

○東委員 済みません、関連して一つだけあれしておきたいと思うのですが、今、後藤委員からいろいろ話がありましたけれども、とにかく今後起こしちゃいけないわけなんですね。
 それで、これもういう必要もなかったんですが、一〇ページを見てください。一〇ページの上の方に、事故前日、十月八日の十七時十三分に当局から現場代理人に対して、九日は昼前に大雨洪水警報、暴風警報の発令の可能性があると。台風が接近する九日十七時ごろに雨足が強まるとの内容で注意喚起を行ったと。これは極めて適切ですよね、十七時というのは五時ですから、事故が起こるちょっと前ですから。そのころ雨足が強まるという警報をやったと。また事故当日、十月九日の五時五十六分には大雨洪水警報が発令されていたと。このような豪雨が予想される状況であったにもかかわらず、請負者は仮止水壁は壊れないとの認識のもとで坑内作業を実施したと、こういうようになっています。
 そして最後に対策として、一二ページに請負者が講じる安全対策というのがあります。ここで「降雨時は作業を中止する。」というようになっています。作業の中止基準の設定ということでなっています。そして、最後一四ページの、事故発生に至った要因がいろいろ出て、この〔1〕で「大雨警報発令時には工事を中止するよう徹底させる。」、こうなっていますよね。
 私がいいたいのは、この時系列で見ると、こういう注意を当局としては出していたと。それで、現に九日は午後から激しい雨が降ったと。そして十七時五十六分に警報も出たと。ところが十七時四十五分、警報が出る十一分前ですよね、この事故が起こっていると。そして、これが二百メートル、三百メートルぐらい入ったところだということですから、立て坑の方から当然入るわけですから、二、三百メートル奥に入ったところということになれば、恐らくこれは十七時四十五分だから、この前我々も視察させていただいて、これは全く別なところですが、ここまで達するのに十五分か二十分仮にかかると見て、恐らく十七時二十分かそこら、立て坑からこの作業員たちは入ったんだと思うんです。つまり、警報は出ていないけれども、まさにわっと大雨が降っている最中に入坑しているということですよね。だからこれは、やっぱり起こるべくして起こったと。
 そして、それの要因がいろいろごちゃごちゃ書いてあります。止水壁が壊れないというふうに、当局が指示した意図とは違って、請負業者の方は止水壁は壊れないというふうに考えていたんだと、いろいろありますけれども、結局、私はここで、まず一つは、当局の指示のときに、一〇のところに、さっき読み上げたところですが、十分注意しろという内容で注意喚起を行ったと。つまり注意喚起で終わっちゃっているわけですね。これはこっちに基準がなかったということもあるんでしょうけれども、こういう降雨時は注意喚起じゃなくて、即時作業を中止しろという指示をばしっと出せなかった、これはこっちの基準がもしなければ、私はそのことをやっぱりきちっとつけ加えておかなきゃいかぬというふうに思うんです。
 もう一つ、さっきいった一二ページの〔1〕、「降雨時は作業を中止する。」というのと、それから一四ページの「大雨警報発令時には工事を中止するよう徹底させる。」、この二つが出ると。私、これね、下手すると、現場の方では、降雨時は作業を中止すると。その降雨時とは何かといえば、大雨警報発令時だということになれば−−だってこの事故は発令前に起こっているんですからね。だから、これは統一しておかないと、解釈がまた違ってくると思うんです。だからそういう点で、今後、やっぱりもう降雨時は作業を中止すると。あの深いところで、しかもあのでかいところですからね。そういう点で、この基準をひとつ統一してほしいということを特に要求し、かつこれは赤坂幹線だけじゃなくて、あちこちでやっていますね。管のでかさはこれほどなくても、やっぱり危ないわけです、地下の底ですからね。そういう点でひとつ善処をお願いしておきたいと思います。

○中村建設部長 恐縮でございますが、先ほどの作業の中止の件で、「降雨時は作業を中止する。」というのは、一二ページの新赤坂幹線工事を再開するときに、再発防止対策として少々の雨でもやめるという強い決めをしたものでございまして、今後、類似工事におきます再発防止対策としては、既にとっておりますけれども、大雨警報発令時には工事を中止するように徹底をするというものでございます。このあたりはきちっと間違いはないということでございます。

○東委員 いわれるとおり、それはわかっているわけ。だけれども、この最後のところが、これが表に出ると違ってくるということを僕はいっているんですよ。警報が出ればやめると、この基準ね。だからそこのところひとつきちっとしておいてください。お願いします。

○大木田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 異議なしと認め、本案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十七分散会

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