公営企業委員会速記録第十四号

平成十六年十一月十八日(木曜日)
第十委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長大木田 守君
副委員長串田 克巳君
副委員長東ひろたか君
理事土持 正豊君
理事近藤やよい君
理事富田 俊正君
後藤 雄一君
林  知二君
中山 秀雄君
高島なおき君
小山 敏雄君
田中  良君
野田 和男君
三田 敏哉君

 欠席委員 なし

 出席説明員
水道局局長高橋  功君
技監御園 良彦君
総務部長中田 清己君
職員部長鈴木 孝三君
経理部長中村 忠夫君
サービス推進部長大平 晃司君
浄水部長田口  靖君
給水部長滝沢 優憲君
建設部長長岡 敏和君
設備担当部長六車 一正君
参事尾崎  勝君
参事伊藤  豊君
多摩水道改革推進本部本部長本山 智啓君
調整部長松井 庸司君
施設部長細矢 重次君
参事今井 茂樹君
下水道局局長二村 保宏君
技監北川 知正君
総務部長今里伸一郎君
職員部長石坂 景二君
経理部長野口  孝君
業務部長渡辺  勉君
計画調整部長佐伯 謹吾君
施設管理部長中里 卓治君
建設部長中村 益美君
参事桜井 義紀君
流域下水道本部本部長只腰 憲久君
管理部長三浦  茂君
技術部長伊東 三夫君

本日の会議に付した事件
 水道局関係
報告事項(説明・質疑)
・平成十六年新潟県中越地震に係る応急支援について
事務事業について(質疑)
 下水道局関係
報告事項(説明・質疑)
・新赤坂幹線工事での事故を受けての安全措置について
・平成十六年新潟県中越地震に係る復旧支援について
事務事業について(質疑)
報告事項(質疑)
 ・新赤坂幹線工事での事故について

○大木田委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせをいたしましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局及び下水道局関係の報告事項の聴取並びに事務事業に対する質疑を行います。
 これより水道局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○中田総務部長 平成十六年新潟県中越地震に係る応急支援につきまして、ご報告申し上げます。
 お手元に配布してございます資料1、平成十六年新潟県中越地震に係る応急支援についてをごらんいただきたいと存じます。
 平成十六年十月二十三日十七時五十六分ごろ新潟県で発生した地震に伴い、翌二十四日午前七時三十分に局応急支援対策本部を設置するとともに、二十四時間本局支援体制をしいてまいりました。また、二十六日には水道局技監を本部長とする局応急復旧支援対策本部を設置し、応急支援を行ってまいりました。
 具体的には、応急給水派遣として、新潟県、日本水道協会及び被災団体である小千谷市及び守門村からの要請に基づきまして、避難拠点、病院などに応急給水活動を実施いたしました。
 応急復旧派遣は、日本水道協会及び小千谷市からの要請に基づきまして、被災水道施設の調査及び応急復旧活動を実施いたしました。また、現地対策支援拠点を設置し、情報の収集、分析、支援活動の指揮、調整、新潟県災害対策本部等との連絡調整などを行ってまいりました。
 これらの実施に当たっては、震災発生の翌日である十月二十四日から十一月十五日までの間に、当局職員を延べ九十名派遣しております。
 資料の二枚目をお開き願います。水道施設の被害と調査支援状況を二ページにわたり写真でお示ししております。ご参照をお願いいたします。
 資料の四枚目をお開き願います。小千谷市において当局が対応した応急復旧区域等をお示ししたものです。
 黄色とオレンジ色で塗りつぶした部分が水道の復旧した区域で、十一月十七日現在、復旧率は九二・九%となっております。そのうち、オレンジ色の部分が当局の担当した部分でございます。
 以上、簡単ではございますが、ご報告申し上げます。よろしくお願いいたします。

○大木田委員長 報告は終わりました。
 なお、本件に対する質疑は、次の事務事業に対する質疑とあわせて行います。ご了承願います。
 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、ただいま聴取いたしました報告事項とあわせて直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○野田委員 私は、平成十二年第三回定例会で水道水の鉛問題について取り上げ、水道水の安全性や鉛製給水管の解消計画について伺ったところであります。その際、鉛については、WHO、すなわち世界保健機関のガイドラインによれば、鉛の摂取量が一定量を超えた場合には、体内に蓄積し、人体への影響として、疲労、不眠、関節痛及び胃腸障害などが生ずる可能性があるとされています。
 また、こうした鉛の多くは食物やほこりから摂取され、飲料水や大気からの摂取はわずかとされていますが、水道局で使用する鉛製給水管が人体などへ与える影響、そして耐震性などの観点や将来にわたるリスク回避の観点から、早急に取りかえる必要があると指摘したところでございます。それに対して、局から、水質基準の改正動向を踏まえ、鉛製給水管の早期解消に向けて最大限努力していくとの前向きの答弁をいただいたところであります。
 局の鉛製給水管解消への取り組みは、都民の安心と信頼を得ていくためには重要であると考えています。公道部分についてはかなり改善されたものの、宅地内メーターまでの給水管については、いまだ多くの鉛製給水管が残っております。水道局の費用で計画的に取りかえていくと聞いています。
 また、個人が自己負担で取りかえなければならないメーターから蛇口までの給水管の取りかえについても、都民の理解を得るため、個別広報を行うなどの対策を講じていると聞いています。早期解消へ向けて課題もあろうかと思いますが、ぜひとも積極的に事業を進めていただきたいと思います。
 そこで、これまでの鉛製給水管の解消及び今後の取り組み状況について伺います。

○滝沢給水部長 鉛製給水管の取りかえは、従前から漏水防止対策として進めてまいりました。このことに加えまして、平成十五年度には鉛の水質基準が改正されることを踏まえまして、さらに取り組みを強化してきたところでございます。
 その結果、公道部につきましては、平成十四年度末までにほぼ解消いたしました。しかし、私道及び宅地内メーターまでにつきましては、平成十五年度末で私道には約二万件、宅地内メーターまでには約三十六万件が残存していると推計しております。これらの残存しております鉛製給水管につきましては、計画的に取りかえを実施いたしまして、平成十八年度末を目途に解消する予定でございます。
 鉛製給水管の早期解消に向けまして、今後とも精力的に取り組んでまいります。

○野田委員 公道部分についてはほぼ解消、一方では宅地内メーターまでの給水管については、平成十八年度までかかるということでございますけれども、今後も重点的かつ積極的に取り組み、一日も早く解消することが必要だと思います。
 ところで、メーターから蛇口までの鉛製給水管については、給水管は個人の財産であることから、所有者みずから鉛製給水管を取りかえなければならないということでございます。そこで、メーターから蛇口までの鉛製給水管はどの程度残っているのか伺います。

○滝沢給水部長 当局は、鉛製の給水管につきまして、平成七年度に給水装置の材料としての新たな使用を全面的に禁止したところでございます。
 しかし、古い建物や配管状況によりましては、現在でも鉛製給水管が残っているところもございます。局の保有する資料から推計いたしますと、水道メーターから蛇口までの間に鉛製給水管を使用しているお客様は、平成十五年度末で多くても約七十五万件と見積もっております。

○野田委員 今、推計を伺いましたけれども、七十五万件は決して少ない件数じゃないと思います。やはり何らかの手を打って解消を図るべきだと思います。
 水道局は、給水管は所有者の財産で、所有者が取りかえるものという基本原則から、メーターから蛇口までの鉛製給水管解消については、鉛製給水管の使用者には個別に情報提供を行うとともに、ホームページや「水道ニュース」で広く呼びかけをしていることは承知しております。
 しかしながら、メーターから蛇口までの鉛製給水管を取りかえる場合に、標準工事費として約十五万円と聞いております。個人が一度に十五万円を負担することは、大変厳しいものがあろうと思います。
 鉛製給水管の取りかえをさらに促進させるために、局としてどういう取り組みをしていくのか、お考えを伺いたいと思います。

○滝沢給水部長 水道メーターから蛇口までの間の鉛製給水管の取りかえ費用につきましては、お客様のご負担となります。この費用についてでございますが、例えば住宅金融公庫ではリフォームに対する融資を実施しておりまして、鉛製給水管取りかえ工事も対象となりますことから、この融資を受けることができます。
 そこで、かねてからの先生のご指摘を踏まえまして、住宅金融公庫と協議を重ねた結果、当局と公庫のホームページをリンクすることによりまして、この制度をより広くお客様にお知らせすることといたしました。こうしたことで、メーターから蛇口までの鉛製給水管解消が促進されるものと期待しております。

○野田委員 次に、お客様センターの開設について伺います。
 水道局では、区部において来年の一月からお客様センターの開設をするということでありますけれども、これまで各営業所で個別で行っていた受付業務など集中化することによって、より時代に即した都民サービスが実施できるという観点から、私は高く評価するところでございます。
 そこで伺いますが、お客様センターを開設することによる一番のセールスポイントは何か、具体的にはどのような都民サービスの向上が図られると考えているのか伺います。

○大平サービス推進部長 今回開設いたしますお客様センターについてでございますが、受付業務や問い合わせ対応を集中化することにより、お客様の利便性の向上、一括処理による事務の効率化を図ることを目的といたしております。
 これまでは、所管区域をまたがる転出入時の給水開始、中止等の届け出につきましては、それぞれ所管する営業所へ個別にご連絡いただく必要がありましたが、お客様センター開設後は一回の連絡で済むことになります。このように、都民にとって利便性が一層向上することが一番のセールスポイントであると考えております。

○野田委員 ワンストップにしたことが一番のセールスポイントのようでございますけれども、開始時の申し込みなどは、必然的に下水道も同時に受け付けとなる。しかしながら、お客様センター開設時においても、排水管の目詰まりとか、下水道に関することについては、下水道の各管理事務所を紹介するだけだと聞いております。
 そこで提案でございますけれども、排水管の目詰まりや修繕など、下水道に関する問い合わせについても水道局として対応してもらいたいと考えますが、いかがでしょうか。

○大平サービス推進部長 委員ご指摘のとおり、お客様センター開設時における下水道関係のお問い合わせにつきましては、下水道局の各管理事務所を紹介することといたしております。
 しかし、お客様にとって利便性の高いサービスを提供することは重要であると認識しておりますので、明らかに原因が宅地内であるとわかるものにつきましては、直接指定排水設備工事事業者を紹介するなど、水道局としてできることについて下水道局と早急に調整いたしまして、きめ細かい対応に努めてまいりたいと思います。

○野田委員 都民サービスの観点から、利便性と効率性をいかに向上させていくかが重要と認識しております。
 そこで、最後に、お客様センターの開設に際しましての利便性及び効率性の向上に関する局長の所見を伺いまして、終わります。

○高橋水道局長 お客様センターの開設によりまして、各種問い合わせ、相談、それから苦情、料金などにつきまして、一回の電話で用件が完了する、いわゆるワンストップサービスが可能となるなど、お客様にとりまして利便性が向上いたします。また、あわせて業務量の変動に柔軟に対応できる執行体制を確保できることなどから、業務の効率性も向上いたします。
 お話しのように、都民サービス向上の観点から、お客様の利便性の向上を図るとともに、効率性を追求することにつきましては重要であると認識をしております。今後とも、現場、事業所職員ともども組織一体となりまして、首都東京にふさわしい質の高い水道サービスの実現に向けまして全力で取り組んでまいります。

○土持委員 先ほど、平成十六年新潟県中越地震にかかわる応急対応についての報告をいただきました。震災発生から四週間たっておりますけれども、なかなか困難な作業が続いているようであります。
 やはりライフラインの回復は住民にとって非常に大切な課題でもありますし、東京都の水道局が先陣を切って現地に派遣して、その復旧に尽力していることを高く評価したいと思います。これからもまだ日にちがかかるかと思いますけれども、着実に支援していただきたいことを要望いたしたいと思います。
 話が変わりますけれども、十一月十七日に政府の中央防災会議の首都直下地震対策専門調査会地震ワーキンググループの地震の想定の震度のぐあいが発表されましたけれども、東京都としての対応について、新潟の中越地震を含めて何点か質問させていただきたいと思います。
 まだ新聞の報道では震度の状況のみの発表になっておりますけれども、これから順次どのぐらいの被災の状況になるかという想定が発表されることになるかと思います。
 まず最初に、現時点で東京に大震災が発生した場合の水道の管路の被害想定はどのようになっているか、お示しいただきたいと思います。

○長岡建設部長 管路の被害想定ということでございますが、国の中央防災会議の南関東地域における直下型地震が切迫しているという指摘を受けまして、平成九年八月に東京都防災会議において、阪神・淡路大震災を踏まえた被害想定を行っております。
 この中で、水道施設につきましては、管路について被害想定を行っており、震源が区部直下の地震の場合、送配水管の被害は約三千六百カ所と想定しております。また、発生一日後における断水の件数は約百五十万件であり、復旧に必要な日数は三十一日と想定しております。

○土持委員 今の答弁は、平成九年度に作成した被害想定を示しているというふうに思いますけれども、被害の箇所数が三千六百件で、断水の件数が百五十万件、また復旧に必要な日数は三十一日ということで、復旧までに大変期間が長くかかるということが明らかになっているわけであります。
 平成九年から今日まで七年間経過しているわけでありますが、復旧までの三十一日というこの課題一つをとってみましても、この七年間の間にいろいろ水道局として対応策を検討し、またいろんな対応を考えながらの作業を繰り返してこられていると思いますけれども、平成九年度の被害想定と比べて一体どのぐらい進んでいるか、安全に対する具体的な施設の耐震構造が図られたかということを示していただきたいと思います。

○長岡建設部長 水道施設の管路の被害想定の算定にかかわります整備手法といたしましては、送配水管のダクタイル化率、給水管のステンレス化率が用いられております。
 平成九年の被害想定時と平成十五年度末のそれぞれの整備率を比較いたしますと、ダクタイル化率は八九%から九七%に、ステンレス化率は七六%から九九%に向上しております。
 また、阪神・淡路大震災級の大震災時においては被害がないと分析されております耐震継ぎ手管を平成十年度から全面的に使用し、さらなる耐震性向上に努めているところでございます。

○土持委員 中越地震の報告の中に写真が出ておりますけれども、ダクタイル化率八九%から九七%、大分進んできた。また、ステンレス化も七六%から九九%に向上したという報告をいただきましたが、実際に小千谷市の水道管の状況を見ますと、ダクタイル化率で実際にどの程度対応できるかというのは、なかなか素人では判断がしにくいんですけれども、どのぐらい対応ができるかということの想定はできているものですか。

○長岡建設部長 ダクタイル鋳鉄管は非常に粘り強いという性状がございまして、阪神・淡路大震災時におきましても、折れるというものについては被害がかなり低かったという実績がございます。
 また、地震の揺れによりまして継ぎ手が抜け出すということに対しましても、ダクタイル管は強いと同時に、今採用しております抜け出し防止管というのは、阪神・淡路大震災においても被害はなかったという報告がございます。
 今回の小千谷でございますが、まだダクタイル管以外の管も多く残っておりまして、それらの管の被害が多かったというふうに聞いております。

○土持委員 そうした努力の結果、復旧日数についてですが、三十一日という先ほどの発表から短縮されているという思いをいたすわけでありますが、一方、管路施設以外にも、震災時の安定給水確保に向けては水道施設の耐震性の強化が必要だと思いますけれども、被害想定の策定から七年経過している中で、水道局の震災対策、施設の整備に当たっての優先順位があると思うんですけれども、どのような優先順位をつけているのか、また、一年間にどのぐらい震災対策に費用、経費を使っているのかということを教えていただきたいと思います。

○長岡建設部長 水道局では、震災対策を重要課題の一つと位置づけ、その対策に取り組んでおります。このうち、震災による水道施設への被害を最小限にとどめるための施設の耐震性強化を優先的に実施していくため、東京都水道局震災対策事業計画を策定し、計画的に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、貯水池の堤体強化、浄水場などの耐震補強、送水管のネットワークの構築及び経年化した管路の耐震継ぎ手構造のダクタイル鋳鉄管への取りかえなどの整備を行っております。
 なお、震災対策として位置づけている経費は、耐震性の向上のみならず、漏水防止などに資するものも含めまして、年間六百億円から七百億円程度でございます。

○土持委員 今後とも、こうした耐震性の強化に努力していただきたいというふうに思っております。
 ちょっと新聞の報道に戻りますけれども、中央防災会議の作業と別に、政府の地震調査委員会がことし八月に発表したデータが新聞に出ておりましたけれども、マグニチュード七級は、十年以内の確率が三〇%程度、三十年以内は七〇%程度と高い予測が出ております。
 また、首都圏ではマグニチュード七級への備えの強化が急務であるというふうに報道されておりまして、それに対して東京都が九七年、平成九年につくった、東京直下地震の被害想定を独自にまとめた内容から、今回の国の発表に対するコメントは、我々の想定と大きく変わらないということでありますが、安全というのはいつあるかわからないことに対する挑戦でありますので、大変な事業であるとは思いますけれども、やはり今回の中央防災会議の発表とあわせて、また新潟の中越地震の教訓をあわせて、やはり水道局として、生活の最も基本的なライフラインであります水道事業に対して、もう一度、ほかの局との関連もあるかと思いますけれども、被害想定を出して、その想定に合わせた対応を考え直していくという考えが必要じゃないかというふうに思われますけれども、この辺のお考えはいかがでしょうか。

○長岡建設部長 ご指摘のとおり、昨日発表されました中央防災会議での直下型地震の震度予測ですとか新潟県中越地震等を踏まえて、被害想定の見直し検討は必要と思われます。
 見直しの検討に当たっては、関係する他の機関との連携も必要であることから、今後、国等の動向を踏まえ、適切に対応していきたいと考えております。

○土持委員 首都東京のライフラインを管理するという立場は、大変都民にとって重要な役割を担っているわけですけれども、いろいろ震災対策に対する話題が取りざたされている今日、局長にぜひこれからどういう覚悟で安全に対する対応をしていくかという決意を伺いたいと思います。

○高橋水道局長 ただいま、最新の中央防災会議からの直下型地震の震度予測を含めまして、防災対策に関するご指摘をいただきました。
 水道は、首都東京の都市活動を支える大変重要なインフラでございまして、ひとときたりとも欠かすことのできない大きな責任を負っております。このため、理事ご指摘のとおり、今後とも地震などの不安に備えるため、必要な施策を着実に実施していくとともに、応急復旧体制の強化に努めるなど、ハード、ソフト両面にわたりましてより信頼性の高い水道システムを構築してまいります。
 これによりまして、都民ニーズに対応した質の高いサービスを展開いたしまして、現在のみならず将来にわたりまして、安全で安心できる首都東京にふさわしい水道サービスを実現してまいります。

○富田委員 私は、浄水場発生土の有効利用という観点でお伺いさせていただきたいと思います。
 近年、地球環境への負荷が深刻化し、温暖化への対応など環境問題が今日の重要課題となっております。水道局では、平成十六年一月にISO一四〇〇一の考え方を取り入れた東京都水道局環境計画を策定し、環境対策を鋭意進行中というふうにお伺いしております。
 そして、さきに発表された東京水道経営プラン二〇〇四でも、環境対策を主要な事業の一つとして取り扱っております。中でも資源リサイクルについては、環境対策として最も身近で直接的な取り組みであることに加え、最終処分場の確保が困難となっている現状や、他県での産業廃棄物の受け入れ規制の動きなどから、より一層の取り組みが必要と考えております。
 そこで、水道局の環境対策の重点目標の一つである、浄水場の水処理工程で生じる浄水場発生土の有効利用についてお伺いさせていただきます。
 まず初めに、都が運営する浄水場の発生土は年間どれぐらいなのか、また、このうち有効利用している量と埋立処分されている量についてお示しいただきたいと思います。

○田口浄水部長 平成十五年度で申し上げますと、浄水場の発生土量は全体で約七万一千トンでございます。このうち約七割に当たります四万八千トン余りを有効利用しておりまして、残りの三割に当たります約二万三千トンを東京湾中央防波堤外側埋立処分場に埋立処分しております。

○富田委員 いまだに有効利用されずに埋立処分されているものが全体の三割程度ということですが、浄水場発生土の有効利用について、課題ということでとらえますとどんな課題があるのか、お伺いさせていただきます。

○田口浄水部長 浄水場の発生土は、これまでも園芸用土などを中心に可能な限り有効利用に努めております。
 ただし、発生土によりまして、形状や土質などによりまして園芸用土には適さないものもございます。現状では、これらの大半は産業廃棄物として費用をかけて処分せざるを得ない状況にございます。

○富田委員 埋立処分費用は、一トン当たり数千円の支出だと聞かせていただきました。一方、リサイクルをするとなるならば、金額的には少ないものの、一定の収入になるということだろうと思います。有効利用の拡大は、資源の有効活用とコスト縮減につながることなどから、積極的に進めるべき施策だと考えます。
 そこでお伺いいたします。平成十五年度の有効利用はどのような用途に利用されたのでしょうか。

○田口浄水部長 有効利用量四万八千トンのうち、園芸用土には八二%、地下鉄工事などの埋め戻し用の土に一四%、グラウンド用の資材に二%、その他セメント材料などに二%使用しております。

○富田委員 有効利用のほとんどが園芸用土で占められており、グラウンド用資材の利用ということで見ますと、二%と少なくなっているということでございます。
 このグラウンド用の資材ということについてでありますけれども、都立高校のグラウンド土壌改良に利用されておりまして、平成十六年度では都立高校六校の土壌改良が予定されており、そのうちの五校が、浄水場発生土からリサイクルされた不溶性土壌改良土というものを使用するというふうに聞いております。
 水道局では、都の浄水場から発生する浄水場発生土を使用するように働きかけているといいますけれども、結果として他県の浄水場発生土が活用されていることがあるように伺っています。グラウンドなどの土壌改良という活用については、今後とも期待できる分野でありますので、少なくとも都立施設で使うものについては、都の浄水場で発生するものを活用すべきだと思います。
 ところで、国のリサイクル施策として、環境への負荷ができるだけ少ないものを選んで購入するグリーン購入法がありますが、これに基づき、平成十六年十一月に東京都環境物品等調達方針(公共工事)というのが示されておりまして、都でも策定されました。
 そこでお伺いいたします。水道局として、このことに関してどのような取り組みを行っているのでしょうか。

○田口浄水部長 水道局では、ただいまご指摘の公共工事におけます東京都環境物品等調達方針の策定に当たりまして、重点的に調達を推進すべき特別品目の中に、先ほど来の浄水場発生土を利用したグラウンド舗装材、緑化用土を含めることを提案いたしまして、採用されております。現在、それらを広く普及させるため、関係者と鋭意調整中でございます。

○富田委員 安定的な発生土の有効利用を担保するには、多種多様な利用先を確保することが重要であります。
 一方、新たな手法として、民間活力を利用した方法も考えられるわけですが、水道局としてはこの分野についてどのような取り組みを行っているのでしょうか。

○田口浄水部長 平成十七年度にPFI事業といたしまして運用開始いたします朝霞浄水場・三園浄水場常用発電設備等整備事業がございます。この中で発生土の売却契約が含まれております。ただいま申し上げました両浄水場の発生土は、現在、その多くが活用できていないために、今後発生が見込まれます年間二万九千トン余りの発生土をPFI事業により有効利用することとしたものでございます。
 今後も引き続きさまざまな有効利用の方法を模索し、浄水場発生土の利用拡大に努めてまいります。

○富田委員 水道局が有効利用拡大に向けて新たな施策を鋭意検討中であること、そしてその意気込みについてお伺いさせていただきました。
 しかしながら、今答弁のあったPFI事業における二万九千トンの発生土の有効利用については、十五年度の発生量の四割にも相当する数量となっております。私の聞くところによりますと、PFI事業者は、この有効利用の具体的なあり方について非常に苦慮しているというふうにも伺っているところでございます。PFI事業者にお願いをすればいいということではなくて、この事業者が円滑な執行が行えるよう、水道局としても指導、助言をし、全量有効利用に向けて努めていただきたいと要請しておきたいと思います。
 一朝一夕には有効利用の販路拡大は難しいことと思いますが、今後とも創意工夫をして多種多様な施策を模索し、浄水場発生土の一〇〇%有効利用に向けてさらに努力されるよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

○東委員 私も地震対策について伺いたいと思います。
 その前に、先ほど新潟中越地震に対する応急の給水支援、それから復興支援ということで、非常に素早い対応をされたことに心から敬意を表したいと思います。
 起こったのが二十三日土曜日の夜六時ちょっと前ということで、役所はもちろん休みだし、それから二十四日午前七時半に応急対策本部を立ち上げて、その日のうちに給水部隊が現地へ行ったと。そういう被災者にすれば、水を断たれたらもうアウトですから、その点で本当に素早いそういう支援体制に現地の人たちはどれほど励まされたかというふうに思うと、本当にご苦労さまということを申し上げたいと思います。
 それで、先ほど土持理事からもいろいろお話がありましたから、私はかいつまんで二、三点質問したいんですが、東京に来るということははっきりわかっている。きのうの発表でも、大体霞が関の地下六キロで起こるということを一応想定した場合に、大体二十三区は震度七ということがいわれておりました。
 私が住んでおりますのは江東区ですから、隅田川と荒川に挟まれて、デルタ地帯ということで、地下水の水位も高くて、下手すれば液状化現象で全滅する危険性さえなきにしもあらずと、そういう地域なんですけれども、水を確保するということは決定的なわけなんですが、先ほどの土持理事の質問でも、それに対応する形で、ダクタイル管ですか、そういう新しいものにいろいろ取りかえているというお話でございました。
 ただ、老朽管が、かなり進んできているけれども、九二%とおっしゃいましたか、まだ残っているということなんですけれども、きのうの発表によれば、かなり危険性がある意味では切迫しているという点から考えると、これはやっぱり相当急がなきゃいかぬというふうに思うんですね。
 それで、都としては、そういう老朽管を、少なくともダクタイル管なり、一定の震度に耐え得る対策という点で、あと残っているやつをいつごろまでにかえていくのか、そういう計画はどういうふうになっているか、その点まず伺いたいと思います。

○長岡建設部長 残存経年管の解消時期でございますが、当局ではK0ケイゼロプロジェクトというのを立ち上げまして、現在、地震時に非常に影響の大きな口径の経年管について取りかえを推進しようというプロジェクトを立ち上げまして、今、鋭意取り組んでいるところでございます。
 しかし、残存している経年管の多くは、河川ですとか鉄道下の横断部など、施工が困難な箇所に存在しておりますので、そういう状況ではございますが、取りかえを精力的に進めたいと考えております。
 目標といたしましては、おおむね平成二十三年ごろまでの解消を目指して、今進んでいるところでございます。

○東委員 平成二十三年をめどにということでございました。そういうところに思い切って金をつぎ込んで、ぜひひとつ早急に進めていただきたいということで、この点はお願いしておきたいと思います。
 それで、それだけ頑張ってもなおかつ被害が出るということはある程度避けられないと思うんですけれども、先ほどのお話では、それにかわれば少し数字も変わるかもしれませんが、百五十万世帯の断水が考えられるということだったんですけれども、断水した場合に、給水車が現地に行ければいいけれども、新潟の地震の現状を見ても、道路があんな状況ですから、車も通らないということになれば、これも動きがとれないと。
 そこで、今、水道局がやっているのが、私の地域でも亀戸と東陽町でしたかね、かなり大きな貯水槽をつくって、それぞれ六万トンぐらいあるんじゃないかと思うんですけれども、そういう断水対策、応急給水対策、その点ではどういうような施策が行われて、どういう体制で進めているのか、その点説明してください。

○中田総務部長 東京都地域防災計画におきましては、被災住民への直接的な応急給水、これは原則として区や市町が実施しているわけですけれども、当局におきましては、給水所などにおけます応急給水栓を設置するなどの活動を行うこととしております。したがいまして、今、副委員長がおっしゃった意味では、基礎的自治体と当局との役割を決めて、そういった被災状況に応じた給水確保に努めているところでございます。
 また、そのほかの仮設給水栓や応急仮配管、こういった応急給水を行うとともに、緊急要請に応じまして給水車による応急給水を実施することとしております。例えば道路等の事情によりましては、他の部署等と共同、調整して、実際の給水を確保するという形で対応したいと考えております。

○東委員 応急給水は区の方でやっていただくと。もちろん区だけじゃなくて、都の水道局としても必要な体制をとるというようなお話だったんですけれども、区の方でそういう−−水道局の場合は専門家ですから、ある意味では技術の上でも、またそういうことに即応できる構えというか、そういうものもあると思うんですね。しかし、区の方でそういう体制というのか、それからこれはもちろん素人じゃないでしょうけれども、常時やっている人たちでない人たちがやるわけですから、そういう職員のそういう場合の訓練とか、そういう点はどうなっているんですか。

○中田総務部長 当局におきましては、先ほどいったような基礎的自治体との役割分担に応じて、応急給水、あるいはそういった被災状況に応じまして対応しているところでございますけれども、区や市町との連携につきましては、防災会議や訓練等の機会を通じまして相互の役割分担を確認しまして、区や市町の職員に対しまして応急給水用資機材の設営や給水方法、こういったことにつきまして指導等を行っております。
 こういったことによりまして、震災時におけます応急給水活動が円滑に進められますよう万全を期しているところでございます。

○東委員 それで、私、さっきいいましたように、二カ所大きなところがありますので、現地へ行って、今回じゃありませんけれども、前に聞いたことがあるんですね。そうしたら、断水したら、さっきいった六万トンクラスのタンクにポンプを取りつけて、蛇口をひねればそのまま水が出るようにもするし、また行けるところについては、水を入れて持っていって配水するような仕掛けになっているというお話だったんですけれども、これ、私が十分認識していないで申しわけないんですが、例えばうちの江東区の場合は、四十数万の人口にそういう大きなのは二カ所あるんですね。しかし、それじゃ本当にいざというときには、大事だけれども、実際上、それだけのものが本当に役に立つかどうかというようなことがあると思うんですね。
 だから、私は、もっとメッシュを細かくして、そんな六万トンも入るようなやつでなくてもいいから、例えば公園に四十トンとか百トンとか、これはいわゆる消火用にもいろいろそういう施設もつくっていると思うんですけれども、もっとメッシュを細かくそういう貯水槽をつくって、もっと手軽にそういう場合に対応できるようなシステムの構築もぜひ考えていただきたい。
 これは質問通告していないから、にわかにいったことだから、答弁があればぜひお聞きしたいんですけれども、その点どうでしょうか。

○中田総務部長 今、副委員長からありました、大きな槽を設けまして−−二カ所というお話でしたけれども、これは総務局の方の経費負担によりまして、基本的には二キロ四方といいますか、二キロ圏内に一つ応急給水槽の設置がございまして、当局がその運営管理も受託しておりまして、そういう意味では、全都的な意味で必ずしも大きなものばかりで対応していることでなく、かなりのメッシュを切った上できめ細かく対応しているというところが現状でございます。

○東委員 先ほど来論議されているように、とにかくかなり切迫しているということがいわれているわけで、ああなればこうなるだろうということでいろいろ想定して、水道局の方でもいろいろ努力をされているということは十分理解できるわけですけれども、きのうの発表もあったし、さっき土持理事もいわれましたように、そういう事態にある意味で新しい、わかっちゃいたけれども、これほど具体的に続けざまに各機関がある意味では切迫しているというような見通しを出したということは重視して、それに対応するいろんな体制をひとつつくっていただいて、万全を期していただきたいということを述べて、終わりにしたいと思います。

○後藤委員 できましたら水道局の監理団体と報告団体についてまずお尋ねしたいんですけれども、とりあえず監理団体にはどのような会社があるか、それから報告団体にはどのような会社があるのか教えてください。

○中田総務部長 当局におけます東京都の監理団体等の概要でございますけれども、まず監理団体としましては、東京水道サービス株式会社というものがございます。
 その他、水道マッピングシステム株式会社、東京都市開発株式会社、株式会社PUC、それから新宿グリーンビル株式会社、以上四つが報告団体という形で整理されております。

○後藤委員 監理団体と報告団体では、例えば指導の方法ですとか都のかかわり合い方だとかがあると思うんですけれども、監理団体になっていればこのような制約があるよ、例えば報告団体だったらばこのような制約があるよというのがあったら教えていただけますか。

○中田総務部長 まず、監理団体につきましては、監理団体指導基準というのがございまして、そこにおきまして、局長等は、毎年度終了後、別に定めるところにより監理団体の運営状況について総務局長に報告するものとするという形で整理されております。
 報告団体につきましては、同じ監理団体指導基準の方にありますが、毎年度終了後、団体の運営状況について総務局長に報告するという形になっておりまして、必置のものではないという形が報告団体の方でございます。

○後藤委員 例えば監理団体の場合ですと、監査委員の監査の対象になるとか、例えば情報公開の規定をつくるだとかというふうな分け方はできますか。

○中田総務部長 情報公開についての規定等につきましては、必ずしも義務的なものという形では両者は判然と区別はされておりません。

○後藤委員 でしたら監査委員の方はどうですか。

○中田総務部長 監査の報告につきましては、出資が二五%を超えている団体につきましては、毎年行わなければいけないという形になっております。

○後藤委員 今の確認なんですけれども、監査の対象、例えば報告団体の場合だったら、監査委員の監査というのは行われるのか。例えば監理団体の場合だったら監査委員の監査の対象になるというふうにちょっと聞いているんですけれども、これは、先ほど部長の方から、情報公開の規定ですか、例えば要綱なのか規程なのかわかりませんけれども、監理団体の場合はつくってよというふうになっているけれども、報告団体の方はつくってもつくらなくてもいいよというふうになっているやに聞いているんですけれども、この辺をちょっと確認したいんですが。

○中田総務部長 先ほど申し上げたように、監理団体につきましても、努力目標としてそういった情報公開に関する規定を設けるようにということでございまして、報告団体とは、そういう意味では、いわゆる義務的な意味としては全く変わっておりません。

○後藤委員 ならば、東京水道サービス株式会社の都の出資比率とPUCの出資比率を教えてください。

○中田総務部長 監理団体でございます東京水道サービス株式会社に対します当局の出資比率は一一%でございます。一方、報告団体でございます株式会社PUCについての当局の出資比率は二四%でございます。

○後藤委員 これはできたらばご説明願いたいんですけれども、例えば監理団体の場合は出資比率が二五%以上というふうに、これはあくまでも基準だと思いますけれども、水道サービス株式会社の場合は一一%なのに監理団体になっている理由をちょっとお願いします。

○中田総務部長 後藤委員からありましたように、二五%の出資比率というのは一つのガイドラインでございまして、ちょっと抜き書きみたいな表現で恐縮ですけれども、監理団体とは、その事業内容や経営状況が東京都の行財政と密接な関係があり、所管局のみならず全庁的に指導監督を行う必要がある団体であり、都が出資、出捐を行っており、かつ継続的な財政支出、人的支援を行っている団体、都からの財政支出、人的支援が大きいなど、特に指導監督が必要な団体ということでございまして、必ずしも出資比率、一義的にそれで決まるものではないという形になっております。

○後藤委員 PUCの方の出資比率が二四%と聞きましたけれども、結局、出資比率は一〇〇%ですから、合計、足したらば一〇〇になるはずですけれども、できたらばPUCの出資の内訳を教えてください。

○中田総務部長 当局は、先ほど申し上げましたように二四%でございますが、当局以外の出資者といたしまして、東京都市開発株式会社が三二%でございます。株式会社宅配が一六%でございます。第一環境株式会社が一六%でございます。株式会社みずほ銀行が五%でございます。株式会社損害保険ジャパンが三・五%、富国生命保険株式会社三・五%、以上、当局と合わせまして一〇〇%という内容になっております。

○後藤委員 都市開発株式会社というのはどのような会社なのか、お願いします。

○中田総務部長 東京都市開発株式会社の事業内容という形でお答えさせていただきます。不動産の管理、維持、補修等、あるいは不動産の売買、保有、賃借及びあっせん、仲介、建築物の設計、工事監理、都市開発に関する調査、企画及びコンサルティング、ホテル、店舗、興行場及び駐車場の管理運営等、前各号に関連する、または附帯する一切の事業、こういう形の事業内容になっております。

○後藤委員 簡単にいいますと、PUCの出資比率が二四%で、都市開発株式会社というのも水道局の外郭団体というか、報告団体になっていますよね。
 ここで私、疑問に思ったんですけれども、例えばPUCの出資比率を何ゆえに二五%にしなかったのか。結局なにゆえに二四%にしたのかということを聞きたいんですが。

○中田総務部長 PUCへの出資比率、私ども二四%にした理由ということでございますが、株式会社PUCの設立に当たりましては、適正な資本金額を確保しつつ、当局の財政支出を、公営企業ということもございますので考慮するとともに、会社に対する当局の影響力を確保することなど、総合的に勘案しまして二四%としたものでございます。

○後藤委員 この出資比率ですけれども、二五%になれば監理団体になるわけですよね。監理団体になるのに、ここのところでは二四%にして、都市開発株式会社の比率が三〇%でしたか、結局、もとを正せば水道局がやっているようなものだと思うんですけれども、ここのところで監理団体にしておいた方が、例えば透明性の確保とかいうことができると思うんですけれども、この辺は考えられなかったんですか。

○中田総務部長 先ほどもいいましたけれども、監理団体そのものについて、なるかならないかというのは、単に出資比率ばかりではなくて、さまざまな要因によって決まるという話で、例えば後藤委員がおっしゃったように、TSS、東京水道サービス株式会社は、出資比率が一〇%台であっても監理団体となっているところでございまして、基本的に二五%云々かんぬんだけで一義的に監理団体になるのではないというのは、先ほど来お答えさせていただいております。
 今回、PUCに対して二四%にした理由というのは、先ほど私申し上げましたように、私どもの方の財政の支出抑制の観点であるとか、あるいはPUCに対します適正な指導監督、こういったことを総合的に勘案して二四%にしたものでございます。

○後藤委員 監理団体にするのか報告団体にするのかというのは、水道局が決めることができるんですか。

○中田総務部長 東京都の監理団体の指定につきましては、私ども水道局が決めるものではなくて、現在、監理団体につきましては総務局の行政改革推進室の方で管理しているところでございまして、そちらの方で決める形になっております。

○後藤委員 このPUCですけれども、設立されたのはことしですよね。ことしだと思うんですけれども、そうしたらば、総務局の方に監理団体にするのか報告団体にするのかという指示は仰ぎましたか。

○中田総務部長 後藤委員おっしゃいましたように、PUCは、従前は財団法人という形で整理されて昭和四十年代から運営しておりまして、私どもの基幹的な業務を委託しているわけですけれども、それが業務内容的にやはり、情報関連産業の民間の成熟とともに、業務団体が公益法人としてふさわしくないという指導がありまして、今回、ことし株式会社になったわけですけれども、従前から、財団法人の時代から、PUCにつきましては報告団体という形で整理されておりますので、私ども、株式会社化に際しましては、そういった趣旨のことは相談いたしましたけれども、いわゆる監理団体になるかならないかという相談はせずに、先ほどいった公営企業としての資本的な話であるとか、あるいは監理、統制の話ですとか、そういった判断から水道局が決めて出して、それに対して総務局の方から判断があったと。従前と変わらない報告団体であるというふうに考えております。

○後藤委員 これは前回の委員会でもお尋ねしたんですけれども、水道局の外郭団体で仕事をまとめていこうというふうな流れがあったと思うんですけれども、ここのところの、例えば水道サービス株式会社にしても、PUCにしても、結局、水道局さんの位置づけから見たらば、もう完全に水道局さんと一体化しているような団体だと思うんですけれども、監理団体になるべきだと思うんですけれども、その辺は例えば今後も報告団体のままでいるべきだとお考えですか。

○中田総務部長 私ども関係している団体につきまして判断しますのは、やはり団体が基本的には私ども水道事業の補完、代行する部分が非常に多うございますけれども、そういったことを留意いたしまして、先ほど来、各委員から質問がありました給水の安定性、あるいは耐震の問題、そういったお客様サービスの向上を一義的には判断して、どういった形でそれを運営していくかということを判断するだけであって、そういうのが一義的にありまして、監理団体にするか否かというのは、先ほど申し上げましたように基本的には総務局の方の判断が出てくる話で、私ども、そういう意味では淡々と数字を積み上げて、事業執行に支障がない、都民サービスの維持向上につながる形で運営を一義的に考えているということでございまして、監理団体にするか否かということを念頭に置いて事業運営を行っているものではございません。

○後藤委員 仮にそうしますと、例えばPUCの場合は、情報公開はどのようにご指導をなさろうとしているのか教えてください。

○中田総務部長 情報公開という意味では、PUCにつきましては一般の株式会社と同じ形で対応しております。そういう意味では、例えば情報公開の法令、株式会社ですので規則的なものに既に着手しているというふうに聞いておりますけれども、今現在もこれからも、そういう意味では一般の株式会社と同様の情報公開という形で運営されるというふうに聞いております。

○後藤委員 私の場合は情報公開はたくさんやっているんですけれども、確かに実際に株式会社、例えば都が出資しています株式会社に対して情報公開をかけてみますと、監理団体じゃないから一切情報公開は受けないよというふうないい方をするところも随分あるんですよ。
 できましたらばこれはお願いなんですけれども、仮に株式会社であろうが、例えば監理団体であろうが、報告団体であろうが、情報公開というふうな観点からいきまして、水道局さんの方としてもできたらばご指導の方をしていただきたいと思うんですが。

○中田総務部長 PUCの透明性の確保につきまして、先ほどお答えさせていただきましたけれども、現在も一般的な株式会社と同様に、決算書の公表など一定の透明性は確保しているという形になっております。
 また、監理団体だからとか、そういう表現の問題じゃなくて、やはり株式会社という特殊性もございますので、他の株主の関係もございますので、そういう意味では企業秘密という一般の会社と同様の透明にできない部分もございます。
 しかしながら、経営の統一性とか効率性及び都民サービス向上の観点から、やはり今までもやってきましたし、その向上について水道局として指導は行ってきたつもりですし、これからも引き続き行っていきたいと考えております。

○後藤委員 だったら具体的にいいたいんですけれども、例えば東京水道サービス株式会社に対しまして、タクシー利用の明細がわかる文書、それから海外視察の詳細がわかる文書というふうに情報公開をかけてみました。
 そうしましたら非開示で出てきたんですが、ほかの株式会社の場合に全面開示というふうなところがたくさんあるんですよ。例えば、タクシー利用ですとか海外旅行に行ったか行かないかぐらいのことだとしたらば、非開示にする必要はないと思うんですけれども、こういうふうな現実があるんですけれども、できたらお考えを聞かせてください。

○中田総務部長 具体的なタクシー利用の状況であるとか、あるいは海外出張の状況につきまして情報公開できるかできないかというのは、当該企業がそれが企業上の秘密につながるものであれば、やはりそれは公開できない、やはり営業上できないということは当然のことだと思うんですね。
 したがいまして、私どもとしては、先ほど来いっておりますように、そういったことを超える部分については、透明性、効率性を確保するようにと指導しておりますけれども、具体的な個々の案件につきましては企業の判断が出てきますので、ここで具体のものについて公表すべきであるとかないとか、そういったことについて今ここで言及する立場にございませんので、一般論でお答えさせていただきます。

○後藤委員 とりあえずこの件に関しましては、ご指導の方をもっと徹底していただきたいと思います。
 二番目なんですけれども、業務手当の組合との交渉の結果をまず教えてください。

○鈴木職員部長 水道業務手当の交渉の結果でございますが、水道業務手当、廃止することといたしまして、ただ、激変緩和の趣旨で、平成十七年一月一日から五年間、経過措置を講ずることといたしました。

○後藤委員 たしか前回の委員会なんですけれども、業務手当を廃止して水道料金の値下げの原資にするというふうに聞いているんですけれども、ここのところで激変緩和のために段階的に縮小していくということになった場合に、例えばどの程度の狂いが生じてきているのか教えてください。

○中田総務部長 九月にご承認していただきました東京水道経営プラン二〇〇四で計上しました業務手当見直しに係ります企業努力は、十六、十七、十八の三年間で十八億一千九百万円でございます。
 ただいま職員部長から申し上げました業務手当の妥結後の数字が、削減額が五億七千百万でございますので、先ほど申し上げました三カ年の企業努力から差し引きますと、十二億四千八百万円の差が生じております。

○後藤委員 そうしますと、十二・五億円ぐらいだと思うんですけれども、この十二・五億円はどこから出すのか、できたらメニューを教えてください。

○中田総務部長 東京水道経営プラン二〇〇四でございますけれども、九月にご承認していただきまして、私ども、最大限ぎりぎりの企業努力ということで計上いたしました。
 ただ、今申し上げましたように約十二億五千万のそご、だんだん差が出てきたわけですけれども、ぎりぎりの企業努力ということでメニュー出しをした経緯もございまして、現実に具体的なこれをもって、これをもって、これをもってという形で差額の説明は今できませんけれども、私ども、東京経営プラン二〇〇四で示しました三百十五億円の企業努力の内数としてございますので、それにつきましては、完全実施に向けましてさまざまな不断の企業努力を重ねる中で、具体的な差額を埋めていきたいというふうに考えております。

○後藤委員 例えば今まで水道局さんを見ていますと、むだがすごく多いというふうにいろいろなところから情報が入ってきているんですけれども、例えば十二・五億円の誤差が生じて、九月の段階ではこれが目いっぱいだというふうにいわれていたのが、十二・五億円これから何とか引っ張り出すというんですけれども、そんなにもまだまだむだなり改善する余地というのがあったんですか。

○中田総務部長 ぎりぎりの企業努力というのは事実でございまして、かなり全組織を挙げて洗い出ししたものでございます。
 例えば過去の経営計画におけます企業努力と実施状況を見ましても、やはり策定時における企業努力を基本的には上回っております。それといいますのは、策定時におきます企業努力、ぎりぎりで頑張って出しますけれども、やはり日々公営企業として、今回であれば十六、十七、十八という三カ年がありますけれども、三年間で必ずしもぎりぎり出した企業努力のメニューにとどまらず、我々、日々不断の企業努力を行うことによりまして、自分でいうのも何なんですけれども、過去においても計画を上回る実績を出しましたし、この計画におきましても、今、後藤委員からいわれましたように、具体のメニューをこういった形でやりますとはいいませんけれども、今後二年半をかけまして、必ず三百十五億円以上の企業努力は達成しようというふうに決意しております。

○後藤委員 確かに決意はいいんですけれども、たしか二カ月前にも決意を述べられて、また決意が変わって、例えばここから三年後には必ず三百十五億円の削減をするというふうにおっしゃっていますけれども、本当にやれるんだったらいいんですけれども、例えば民間の場合で、一カ月、二カ月で十二・五億円というふうな数字が出てくるということを考えますと、一般的には、ならば最初からこのぐらいのものは踏んでいたんじゃないかというふうに僕なんて思うんですけれども、そんなことはないんですか。

○中田総務部長 先ほど来いっておりますけれども、ぎりぎりの形で出しておりますので、今、私がこの場で例えば十二・五億円を埋めるような具体的なほかのメニューを出せば、これはいささかおかしいという形になりますけれども、私ども三百十五億円の企業努力を前提にして経営計画を策定し、料金体系の見直しをご承認していただいたのは都民に対する約束でございますので、これは必ず実施すると。
 ただ、今現在の段階で、二カ月たってすぐに具体的なメニューが出ると、そういうことは思っておりません。ただ、さまざまな場面でコスト縮減あるいはさまざまな維持管理のコストの低減化、こういったことを図って、三年で、いわゆる対象期間において必ず三百十五億円、内数の十二・五億円につきましても実施するということでご理解していただきたいと思います。

○後藤委員 だったらば最後にお尋ねしますけれども、大体いつごろまでにそのメニューができるのかということと、仮にメニューはつくったとしても、これが三百十五億円までいかなかったとしたらば、結局赤になって借り入れるということになるんですか。

○中田総務部長 三百十五億円につきましては、先ほど来いっておりますようにお約束しておりますので、必ず実現します。先ほどいいましたように、過去の経営計画におきましても、基本的には特段の事情がない限り、計画額を上回る実績を残しておりますので、具体的なメニューにつきましては今お示しできませんけれども、同じようなメニューの中でも、例えば資産の運用活用も含めまして、限りなき企業努力、不断の日常的な企業努力を継続いたしますので、仮定の話で例えばできなかったらどうするかとか、そういったことにつきまして、ここで今、私として判断できませんし、お答えすることもできません。
 ただ、三百十五億円につきましては、重ね重ねいいますけれども、都民に対して、お客様に対して約束したものでございますので、実現いたします。

○串田委員 多摩地区における水道未普及地区の整備について何点か伺います。
 多摩地区の水道普及率はほぼ一〇〇%を達成しておりますが、私の地元八王子市には、給水区域でありながら、山間部の一部にいまだに水道が整備されていない地区が残されております。
 これらの地区では沢水に頼って生活水を確保しておりますが、沢水は冬場になると水枯れを起こし、また降雨時には水が濁るなどの問題を抱えていることから、一刻も早い水道整備を望んでおります。
 私は、平成十五年の第一回都議会定例会の一般質問において、水道未普及地区の一つである高尾山の水道整備について質問し、当時の水道局長から、給水上の技術的諸課題の検討結果を踏まえ、地元八王子市や関係部署等の調整を行い、実施に向けて水道整備計画を早期に策定していく等の答弁を受けました。
 高尾山は、明治の森高尾国定公園内に位置し、急峻な地形などから、水道を整備するといってもさまざまな技術的な課題が山積していることは認識しております。しかしながら、高尾山の水道の整備は薬王院を初め多くの関係者が切望しており、関係機関との調整も大変だと思いますが、ぜひとも着実な整備を進めていただきたいと思うのであります。
 そこで、まず高尾山の水道整備について、現時点での調整状況はどうなっているのか伺います。

○今井参事 未普及地区である高尾山の水道整備につきましては、観光地という地域特性や、四百メートルに及ぶ高低差を有する山頂への給水という特殊性を踏まえ、効率的な給水システムなどの技術的課題の検討を進めてまいりました。また、並行して八王子市や関係行政機関、地元関係者等との調整を行ってきたところでございます。
 現在、これらの点で基本的な整理が終了いたしましたので、早急に水道整備計画を策定してまいります。

○串田委員 水道整備計画の策定は、高尾山の水道整備の実現に向けて大きな第一歩を踏み出すことであり、大いに歓迎したいと思います。水道局では、この水道整備計画に基づき水道施設の整備工事に着手するものと思いますが、薬王院を初め高尾山の関係者は水道水が供給される日を心待ちにしております。
 そこで、今後、高尾山の水道整備はどのように進めていくのか伺います。

○今井参事 高尾山での水道整備に当たりましては、観光客等に対する安全の確保や自然環境への配慮のほか、同時期に予定される下水道工事との関係など、さまざまな施工上の課題が想定されます。
 しかし、地元関係者からの早期の水道整備の要望にこたえるために、施工上の課題にも適切に対応しつつ、水道整備計画の策定後、速やかに工事実施に向けた作業を進め、来年度工事に着手したいと考えております。

○串田委員 高尾山のような山岳地域で水道を整備することは、非常に大変なことだと思います。工事が順調に進み、一日も早く水道水が供給されることを期待しております。ぜひよろしくお願いします。
 次に、来年一月実施の料金改定に合わせて導入することとしている口座割引制度について伺います。
 さきの第三回都議会定例会の公営企業委員会において、私は口座割引制度の導入目的や都民へのPR方法などについて質問いたしました。また、給水条例の改正案を可決するに当たり、都議会として口座振替未利用者に対して積極的に口座振替の切りかえを働きかけることを求める付帯決議をしたところであります。きょうは、この実施時期が近づいてきましたので、もう少し突っ込んだ論議をしていきたいと思います。
 まず初めに、前回公営企業委員会において、口座振替利用者の方が納期限内収入率が高いと答弁がありましたが、そこで、口座振替利用者と払い込み扱いの利用者それぞれについて、収入率データを具体的に示していただきたいと思います。

○大平サービス推進部長 収入率についてでありますが、平成十五年度の区部の実績を見ますと、納期限内の収入率は、口座振替利用者が九五・九%、納入通知書による払い込みの利用者が六八・七%となっており、払い込み扱いに比べ、口座振替利用者の方が収入率が高いという結果が出ております。
 なお、納期限を過ぎた後、最終的に当局の徴収整理員による未納整理の対象となる割合を見ますと、口座振替利用率は〇・五%、振り込み扱いについては四・七%となっておりまして、同様の結果となっております。

○串田委員 ただいまお答えいただきましたように、口座振替と払い込み扱いの利用者では、料金の収入率に大きな差があります。つまり、口座振替の利用者が拡大すれば、利用者のみならず水道局にも大きなメリットがあるということになります。こうしたことから、付帯決議でも求めたとおり、積極的に口座振替の切りかえを働きかけていくべきだと思うのであります。
 この点について、水道局では既にさまざまな検討が進んでいることと思いますが、そこで、水道局は口座振替の普及に向けてどのような方策を考えているのか伺います。

○大平サービス推進部長 口座振替につきましては、平成十七年一月から口座割引制度を導入するに当たりまして、さまざまな媒体を活用し、利用拡大のPRを順次行ってきております。その一例といたしまして、近日中に、現在納入通知書でお支払いいただいているすべてのお客様を対象に、口座振替申込書等を送付し、一斉勧誘を開始いたします。
 加えて、来年一月、二月の定期検針時には、すべてのお客様に口座割引等のご案内のビラを配布するとともに、検針票の裏面を活用してPRを行うことといたしております。
 また「水道ニュース」やホームページなど、局の広報媒体の活用や区市町の広報誌への掲載依頼、さらに営業所や関係機関などにおけるポスターの掲出等を順次実施することにより、広く都民に向けたPRも進めているところでございます。
 さらに、金融機関に対しましても、ポスターの掲出やビラの配布を依頼するほか、窓口における勧誘の協力を依頼することといたしております。
 このようなさまざまな取り組みを通しまして、口座振替の拡大を図っていきたいと考えております。

○串田委員 さまざまなPR策が考えられているようです。これらの施策を効果的に組み合わせることにより、口座振替の拡大に向けて努力していただくよう要望しておきます。
 このほかにも水道局は、来年一月のお客様センター開設、五月には引っ越し時の料金算定に日割り算定方式を導入するなど、サービス施策の充実を図ることとしています。このようなサービスの向上が図られていることは評価しつつ、今後も都民のさまざまな要望を反映して、積極的なサービス展開が求められていると思うのであります。
 そこで、最後に、今後の都民サービスの充実について、水道局としてどのように考えているのか局長にお伺いして、質問を終わります。

○高橋水道局長 多様化、高度化しております都民ニーズに対応してさまざまなサービスを積極的に展開していきますことは、今後の水道事業運営における重要な課題であると認識をしております。
 このため、これまでもご指摘ございましたが、口座割引制度の導入を初め、来年一月にはお客様センターを開設いたしまして、都民の利便性の向上を図るなど、さまざまなサービス施策の充実に取り組んできたところでございます。
 また、お客様の希望によりまして、隔月検針・毎月徴収や、自動検針の通信機能を活用して安否確認等を行うなどの選択制サービスの導入につきましても検討していくこととしております。
 今後とも創意工夫を凝らしまして、都民にとってわかりやすく、利用しやすいサービスの実現に向けて全力を挙げて対応していきたいと考えております。

○大木田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。
 局の入れかえがありますので、この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時三十三分休憩


   午後二時四十三分開議

○大木田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより下水道局関係に入ります。
 初めに、新赤坂幹線工事での事故を受けての安全措置について及び平成十六年新潟中越地震に係る復旧支援について、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○中村建設部長 新赤坂幹線工事での事故を受けての安全措置につきましてご報告させていただきます。
 下水道局は、事故後、幹線内にたまった大量の水の排水と、散乱しました資機材の片づけなどを進めてまいりましたが、台風二十三号によりまして再び幹線内が満水の状態になりました。
 台風通過後に再開しました排水作業は完了したものの、幹線内の堆積物から硫化水素ガスの発生が懸念される状況が加わりまして、立ち入り可能となるにはさらに時間を要する状況にございます。このため、赤坂警察署の実況見分や三田労働基準監督署の災害調査が行われておりません。
 これらのことから、現段階では事故調査委員会としての報告を行えない状況にございますので、本日は、事故を受けて講じた安全措置につきましてご報告をさせていただきます。
 お手元の資料1の一ページをごらんください。
 まず第一に、仮止水壁を設置しております類似の現場七カ所につきまして緊急点検を行い、安全性を確認いたしました。
 第二に、事故防止協議会や安全大会の開催でございます。全事業所におきまして、延べ四十八回、約一千二百人の職員及び請負者が参加をしまして、再発防止に向けて緊急に開催いたしました。この中において、事故の周知、異常気象時における指示内容の再徹底、工事所管部門の保安体制の徹底及び強化を図ったものでございます。
 第三は、事故の後に襲来しました台風二十三号に備えてとった措置についてでございます。局は、工事を所管する部門と請負者に対し、三点について改めて対応を徹底するとともに、体制の強化を図りました。
 一点目は、台風の接近及び上陸に備えて前日にとった措置でございます。安全確保の徹底を図るために、現場の点検を実施し、資機材の飛散防止や仮排水等の必要な措置を講じ、その結果を報告すること、請負者は、下水道局からの指示があった場合、もしくは大雨洪水警報が発令された場合には、すべての工事を中止すること、各事業所及び請負者は、相互に緊急時における連絡体制確保の徹底を図ることの三項目について指示をいたしました。
 資料の二ページをお開きください。
 二点目でございます。台風通過時の措置でございます。台風の直撃が確実視されましたので、当局は、請負者に対して、大雨洪水警報が発令される七時間前にはすべての工事の中止を指示いたしました。さらに、施設を管理する部門の職員の出動に加えまして、建設事務所などの工事を所管する部門に保安要員を待機させるとともに、請負者に対しましても保安要員の待機を指示したものでございます。
 三点目は、台風通過後の安全確認といたしまして、あらかじめ請負者に、台風通過後、直ちに安全点検を実施することを指示しておりまして、通過一時間後にはすべての請負者から被害のない旨の報告を受けました。
 以上が、新赤坂幹線工事での事故を受けまして下水道局が講じました安全措置についてのご報告でございます。
 今後とも、安全措置を確実に実行するとともに、さらに創意工夫をいたしまして、事故の再発防止に一層取り組んでまいります。

○佐伯計画調整部長 平成十六年新潟県中越地震に係る復旧支援につきまして、ご報告させていただきます。
 恐れ入りますが、資料2をごらんいただきたいと思います。
 下水道局では、去る十月二十三日十七時五十六分ごろの地震発生の直後から被害状況などの情報収集を行うとともに、国土交通省との連絡調整を行ってまいりました。その後、二十五日に国土交通省からの支援要請を受けまして、直ちに被災した地域への支援活動を開始しております。
 派遣先といたしましては、十日町市、川西町、津南町の三市町でございます。二ページに派遣先の地図をお示ししてございますので、あわせてごらんいただきたいと存じます。
 下水道施設の災害復旧の手順といたしましては、施設の被害状況を詳細に調査した後、国の災害査定を経て復旧工事を実施することになります。そのため、まず被害状況を把握するための調査についての支援活動を実施しております。
 支援体制、期間及び内容につきましては、お手元の資料の一ページにお示ししてございますが、第二次支援隊からは、土砂などが詰まった下水道管渠の調査にも対応するため、維持管理を専門に行っております下水道メンテナンス協同組合の技術者十九名も含まれております。
 現地では、余震が続く厳しい条件のもと、職員がマンホールの中に入り、下水道管渠の状況をじかに確認いたしますとともに、テレビカメラを用いまして下水道管渠の詳細な被害調査を実施しております。
 なお、これらの調査につきましては、本日中に完了し、あすこちらに戻る予定でございます。
 下水道施設の被害と調査支援の状況につきましては、三ページと四ページに写真をお示ししてございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 今後は、災害査定に向けて、被害状況を示す写真や、被害箇所図、災害査定設計書などの資料を作成する必要がございます。これらの資料作成につきましても関係市町から要請が来ておりまして、来週の二十六日から職員を派遣することとしております。
 以上です。

○大木田委員長 報告は終わりました。
 なお、本件に対する質疑は、次の事務事業等に対する質疑とあわせて行います。ご了承願います。
 次に、事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○今里総務部長 さきの委員会で要求のございました資料につきまして、お手元に公営企業委員会要求資料として配布させていただいております。その概要についてご説明申し上げます。
 表紙をお開きください。目次がございます。
 東京都下水道サービス株式会社の概要、これまでの建設事業費と維持管理事業費の推移と将来の見通しについて及びこれまでの三クイックプランの事業内容、投資額及び事業効果でございます。
 一ページをお開きください。東京都下水道サービス株式会社の概要でございます。
 平成十六年十一月現在における資本金、出資割合及び同社の主な業務をお示ししてございます。
 二ページをお開きください。これまでの建設事業費と維持管理事業費の推移と将来の見通しについてでございます。平成六年度から平成十五年度までは決算額を、平成十六年度は予算額、平成十七年度及び十八年度は計画をお示ししてございます。
 三ページをお開き願います。これまでの三クイックプランの事業内容、投資額及び事業効果でございます。
 三ページには雨水整備クイックプラン、五ページには再構築クイックプラン、七ページには合流改善クイックプランにつきまして、それぞれ項目ごとの内容などと投資額及び事業効果の例をお示ししてございます。また、雨水整備クイックプランと再構築クイックプランにつきましては、対象地域の地図もお示ししてございます。
 簡単ではございますが、以上で資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○大木田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、先ほど聴取いたしました報告事項とあわせて、本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○近藤委員 新赤坂幹線の工事について、現在までのところで質疑できる内容に限って何点か伺いたいと思います。
 事故が起きまして、週が明けて月曜日に登庁してまいりまして、こういう事故の報道を見たけれども、そちらから何の報告もないのかという電話を入れて、初めて担当の方が控室の方に飛んでいらっしゃって報告を受けたわけです。
 いつもプレス発表等に合わせてきめ細かく対応していただいている割には、今回は大分報告が遅いなというふうに感じておりましたところ、思ってもいないような事故が起きた、局内も大分混乱しているので報告が遅れた、局の幹部の方も、事故の十月九日、NHKの報道が夜七時十二分から十三分の時間帯に行われたというふうに聞いておりますけれども、そのテレビで初めて事故を知ったというような方もいたというふうにお話を聞いておりましたので、今回は特に当日の事故の連絡を受けての局の対応についてに絞って伺いたいと思います。
 そもそも十月九日の事故について、建設部長がこの事故の一報を受けられたのは、どのような形で、何時何分ごろに受けられたのでしょうか。

○中村建設部長 九日は午後五時四十五分に事故が発生しておりまして、その後、請負者から当局の主任監督員に事故報告がありまして、工事課長には午後六時十五分、建設部の窓口であります工務課長には七時ちょうど、そして私には午後七時十五分に報告がございました。

○近藤委員 つまり、五時四十五分に事故が起こって、建設部長が事故の一報を受けられたのは七時十五分ということで、おおむねNHKのテレビ放映と同じ時間ということになります。その間、一時間三十分が経過しているわけです。
 事故が発生してから最終的に建設部長までどのような経路で、またどのような時間帯で報告が上がったかということを時系列的にこのように表にしていただきましたけれども、この中で、私、三点ほど大きな問題があるというふうに思います。
 まず一つは、事故が起こったのが五時四十五分、その後、一一〇番なり一一九番に通報するのに二十五分かかっています。こんなに最終的に判断をしなければ一一〇番通報ができなかったのだろうかということが課題の一つです。
 その第二点は、現場の請負代理人が、いわゆる主任監督員という自分の一つ上のポジションの方に連絡するのに二十分かかっています。さらには一一〇番というのはこの五分後ということになりますので、この辺に大分時間のロスがあるんじゃないかということです。
 そして、建設部の中で緊急連絡体制の電話連絡網というか、連絡網というのをつくっていらっしゃるということで、これも見せていただきました。そうしますと、休日の場合、夜間の場合等も詳細に決めていらっしゃるわけですけれども、当日は決められたとおりに連絡が回っていないということで、連絡をしなくてもいい方が間に二人も入られて、かなり時間的なロスがあったということが見受けられます。
 この工事現場は、南部建設事務所長の所管でしたので、その所管である南部建設事務所の工事第一課長に連絡が入る。そして工事第一課長が本局の工務課長に連絡を上げるのに四十分かかっています。そして、さらに連絡を受けた本局の工務課長が、先ほどご答弁いただきました建設部長に連絡を入れるのにさらに十五分、これだけでおよそ一時間十五分経過してしまっているということです。
 事故の責任所管である例えば建設部長に、一般の民間の方々が事故を知るのと同じような時間帯でしか緊急の連絡が入らなかったというのが当日の現実なわけですけれども、一体どうしてこういうことが起こったのか、その辺の原因についてご答弁をお願いします。

○中村建設部長 事故の後に私に連絡が入るまで一時間半を要したということでございますけれども、この内容につきましては、当日は超大型の台風が襲来しておりまして、大雨洪水警報が発令されており、当然に私どもは工事が行われていないと思っていたところに事故の連絡を受けたため、職員は事態がのみ込めず、情報のやりとりや確認をおのおのに何度も行ったことによりまして時間を費やすことになりました。

○近藤委員 おっしゃることはよくわかるんですけれども、私も警察におりましたので、緊急通報の第一報の重要性というのは身にしみてわかっているように思います。
 もちろん五W一Hに支えられたきちっとした情報が上に迅速に上がっていくということが大前提ですけれども、まずとにかく何か緊急事態が発生したんだということを上に通報していく、それが一番大事だということを、これから緊急体制を見直されるというふうに伺っておりますから、ぜひ現場の隅々まで徹底していただきたいというふうに思います。
 また、見直されるということですので、あえて何点か私からも要望しておきたいんですけれども、今回、このようにきちっとした緊急体制が皆様方の中で組まれていながら、実際に起こるべきじゃないことが起こったというふうにおっしゃいますけれども、災害というのはそもそも予想しなかったことが起こるから災害なんであって、実際、とっさのときに決められたことが決められたように守られなかったということになりますと、強いいい方になりますが、緊急体制に対する局の対応というのが少し甘かったのではないかというふうにいわざるを得ないと思います。
 ですから、ぜひ現場を持っている他局にも、当日このような問題があった、課題があったということを周知徹底させていただいて、少なくとも同じようなこういった連絡の滞りというものが今後起こらないようにぜひ対応していただきたいということが一点と、それぞれ局の幹部の方々がどこで緊急連絡を受けるかわからないわけですので、今もそのようにしていらっしゃるかもわかりませんけれども、現場の請負人を含めて全部上まで上がっていく連絡網の中にいらっしゃる方は、少なくともお財布の中、またはポケットの中で携帯できるような連絡網、しかも電話番号のきちっと入ったものを全員に配るなりして、実際応急時に備えられるようなことも念頭に入れて、ぜひ緊急連絡の体制を再度見直していただきたいと思いますけれども、お考えはいかがでしょうか。

○中村建設部長 連絡体制につきましては既に確立されているわけでございますが、今後はこの体制がきちんと機能しますように創意工夫をいたしまして、連絡体制の徹底を図ってまいります。
 一例を挙げますれば、各職員ごとに連絡経路、つまり、だれから連絡を受けて、だれに連絡をするのかを、平日と夜間、休日とに分けて明記しました緊急連絡カードを工事ごとに作成いたしまして、常時携帯させるといった手法の導入を検討しております。
 今後とも、事故防止に一層努めるとともに、連絡体制の強化徹底を図ってまいります。

○近藤委員 それと、重ねて申しますけれども、第一報をとにかく上げるということの徹底、それと、申しわけありませんけれども、事故が発生してから警察に通報するまでのこの二十五分という時間が余りにも長いように感じますので、その辺につきましても徹底的な調査方を再度お願いしておきたいと思います。
 もう一つは、事故の発生から局の対応ということでまとめていただいた中に一つ疑問がございますのでお尋ねしたいのは、いわゆる南部建設事務所の職員が現場に駆けつけたのは八時三十分という時間になっております。もちろん現場には現場代理人の方が何人もいらっしゃるわけですし、警察の方が詰めかけていらして、現場の中には入れないように囲いがあったというふうに聞いておりますけれども、局または下部組織の現場責任者の方が事故の現場にまず第一番に駆けつけるというのが、私たち素人から見ると常識のように感じるんですけれども、この八時三十分という時間帯まで現場に駆けつけなかったのだとしたら、こういう形がいわゆる局の対応になっているのかどうか、その辺の疑問に答えていただきたいと思います。

○中村建設部長 現場の職員が事故の現場に到達する時間について、かかり過ぎではないかというご指摘でございますけれども、まさにご指摘のとおりでございます。これは、確認のやりとりに時間を要したこと、あるいは当日、警報発令で交通機関が乱れていたこと、道路の混雑ぐあい等ございますけれども、ご指摘のようにまず早く伝える、まず早く現場に到達して状況を確認するという基本が若干おろそかになっていたということで、今後、そういうことのないように徹底をしてまいりたいと思います。

○近藤委員 現場に行かなかったのではなくて、南部建設事務所には皆さん方、もう早い時間帯に集合していらっしゃるわけです。ですから、建設事務所から現場にどうしていらっしゃらないのかなというふうに私思うんですけれども、それはどうなんでしょうか。

○中村建設部長 非常に状況の整理等に時間を要しておりまして、本来、至急現場に駆けつけるべきところを、そちらの方に結果的に時間をとってしまったということで、対応に誤りがあったかと思います。

○近藤委員 誤りがあったというふうにおっしゃいましたので、その辺の対応については今後ぜひ善処して、再度申し上げますけれども、同じようなミスを繰り返さないように、これからの対応をよろしくお願いしたいと思います。
 それと、今までのところは現場確認もできていない、また生き残られた方に対する調査も入っていないということで、事故の本質的な質疑というのは今回できないわけですけれども、これから現場検証、または本人との、生き残られた方との面談等も含めて、事故原因について究明されていくかと思いますけれども、そうした本質についてこの委員会で報告していただいて質疑できるめどというのはいつごろだとお考えでしょうか。

○中村建設部長 現段階におきましては、警察署の実況見分や労働基準監督署の災害調査が行われておらず、事故調査委員会といたしましても現地調査ができない状況にございます。このため、調査結果を報告するには至っておりません。
 したがいまして、現地調査が可能となり次第、事故原因等を調査いたしまして、その結果と再発防止策を含めました報告を行ってまいりたいと思っています。

○近藤委員 大体時期的なめどとしては、第一回の定例会の中というふうに考えてよろしいでしょうか。

○中村建設部長 今後の見分、あるいは災害調査の結果の動向につながってまいりますので、はっきり申すことはできませんけれども、極力早目、そういった時期を目標にまとめてまいりたいと思っております。

○近藤委員 技術的な専門家のご意見を伺いましても、入ってくるはずのない量の水が入ってきたというような、技術的にも大分いろいろ問題が指摘されているように聞いておりますので、早いうちに事故調査委員会の方で徹底的に調査をしていただいて、この委員会に報告していただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○田中委員 今から大体百四、五十年ぐらい前になるだろうと思いますけれども、ちょうど幕末のころですが、パリで万国博覧会というのが開かれたそうです。当時は、私の記憶が正しければ、ナポレオン三世の時代で、近隣の諸国にその力を誇示するという意味合いもあったんだろうと思いますけれども、その万国博覧会に、当時、幕府の使節が派遣をされたのか招かれたのか、とにかく行ったそうでありまして、向こうでいろいろなところを見学したんでしょうが、その中の一つにパリの有名な下水道施設というのが入っていたそうであります。
 恐らく幕末の江戸の町の日常生活で暮らしている当時の使節団の人たちが、パリの町に立って相当な衝撃を受けただろうと思いますが、恐らく下水道の施設などというものも見たら、恐らく大変な衝撃というか、感慨を抱いたんだろうなというふうに思います。
 それ以来今日まで、そういう人たちのそのとき抱いた西洋文明を取り入れて国づくりをしていかなきゃならぬという努力がさまざまな形で結実をして、先人の努力、また東京においては皆さんの先輩方の大変なご努力の積み重ねで今日の下水道の施設ができてきた。区部下水道一〇〇%概成ということで、数年前にそういうところまで来たわけであります。
 しかし、今日、目まぐるしく移り変わる社会状況とともに、気象の変化というものもここ数年際立ってきたように思います。そんな中で、いまさっき議論があったような短時間に大量の雨が降るというようなことが、かなり一定の季節においては、一回、二回でない、これからは何度か一年間にそういうことがあるということが予想できるだろうと思いますし、そういうことになってきたということを前提にして、今後の下水道の整備というものも考えていかなきゃならない。
 そういう問題意識を踏まえて何点かお尋ねをしたいと思いますが、先般、要求させていただきましたこの資料、維持管理費と事業費の数年来の傾向、それから今後の見通しというものに基づいて具体的にお尋ねしていきたいと思います。
 この数字を見ますと、大体両事業費を合わせて総額は年々縮小してきた。建設事業費は大きく減少してきた。今後の見通しとしては大体下げどまりだと。一方で、維持管理事業費については徐々に伸びてきたわけですが、今後は大体横ばいで推移するだろうと、こんなふうに考えます。
 そこで、下水道事業は水質保全や浸水対策など多様な役割を担っているわけですけれども、主な施策別の建設事業費のこれまでの内容と今後の見通しというものはどのようになっているのか、まずお答えいただきたいと思います。

○佐伯計画調整部長 平成六年度末の一〇〇%普及概成後、これまでの普及事業にかわり、老朽化対策としての再構築事業が主要な事業となっております。平成十五年度の建設事業費について見ますと、再構築事業が約五割、浸水対策事業が約二割、その他合流改善事業などが約三割となっております。
 今後、高度経済成長期に大量に整備いたしました施設が順次耐用年数を迎え、老朽施設がふえることから、再構築事業は増加する傾向にあります。
 また、浸水対策事業について見ますと、平成十六年度から平成十八年度の経営計画期間では、年度ごとにばらつきはありますが、ほぼ横ばいとなっております。

○田中委員 ただいまのご答弁にございましたように、老朽化対策である再構築事業や浸水対策の占める割合というものが大きくなっております。
 その中で、昨今の異常気象やたび重なる台風の上陸などによって浸水被害が発生しておりますけれども、こういうことを考えると、浸水対策というのが大変重要だというふうに思います。
 都民感覚からいたしますと、浸水対策の比率がもっと高くてもいいのではないかというふうに思うのではないかと思うんですが、そのあたりはいかがでしょう。

○佐伯計画調整部長 平成十六年度から平成十八年度の経営計画期間で見ますと、幹線関係やポンプ所などの基幹施設の整備に係る浸水対策事業は、全体事業費の約二割を占めてございます。また、これに加えまして、再構築事業でも、老朽化対策に合わせまして枝線管渠やポンプの雨水排水能力の向上を実施しておりまして、これに係る事業費は同じく約二割となっております。
 これらを合わせますと、浸水対策にかかわる事業費は、全体で建設事業費の四割を超えている状況にございます。

○田中委員 再構築事業の中で、この老朽化対策にあわせて、機能アップを図る部分で浸水対策も兼ねているということのお話ですが、たびたび浸水被害というものは発生しております。
 多くの都民は、大雨が降るたびにまたどこかで浸水するのではないかと不安に感じているだろうと思いますが、この浸水対策というものは、それだけこの都市で生活をしている住民にとっては大変関心の高い問題になっているというふうに思います。
 そこで、ことし九月に策定されました新・雨水整備クイックプランでは、平成十一年度以降、一時間降水量五〇ミリを超える雨が毎年数回にわたって降っているというデータが示されております。しかも、ヒートアイランド現象というのが要因の一つといわれておりますが、局所的な集中豪雨によって一時間の降水量が一〇〇ミリを超えるというようなケースもあるということであります。
 こういうことを考えますと、現在進めている五〇ミリの対策というものでは、今後、こういった気象条件には対応できないんじゃないかというふうに考えるわけですけれども、いかがでしょうか。

○佐伯計画調整部長 下水道の整備水準であります一時間五〇ミリを大幅に超える降雨につきましては、現在の下水道施設で対応することは困難な状況にございます。また、時間五〇ミリの降雨に対応する施設の整備が完了しているのは、平成十五年度末で区部の約五六%であります。
 このような中、浸水被害を少しでも軽減するために、繰り返し浸水被害が発生している地域におきましては、雨水整備クイックプランを推進してきたところでございます。また、お客様みずからも浸水への備えを行っていただけるように、東京アメッシュによる降雨情報の提供や浸水予想区域図の公表によるリスクコミュニケーションの充実も図っているところでございます。
 一時間五〇ミリを超える降雨にどのように対応していくかは、局にとっても大きな課題でございます。今後、調査研究をしてまいりたいと思います。

○田中委員 今のご答弁の中では、一時間五〇ミリを超える雨量に対しては対応が困難だということでお認めになっていらっしゃるわけです。これから国際都市ということで東京がさらに安心で安全な都市として生きていくためには、やはり五〇ミリ対応が無理なんだということであるならば、一〇〇ミリなのか、何ミリなのかという具体的な目標値を設定して、今の計画を具体的に直すというか、再構築するということが私は必要だろうと。
 それも長く時間をかければかけるだけ対応が遅くなるわけですから、それぞれ何々プラン、何々プランということで計画はありましょうけれども、並行して我々が目標にする下水道の将来像というものを早急に明確にお示ししていただいて、そのもとで具体的な毎年毎年の取り組みを図っていくということが必要だというふうに思いますので、ぜひそういう観点から一層のご努力をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

○東委員 二、三点伺います。
 まず一つは、さっき議論がありましたけれども、新赤坂の事故のことなんですが、近藤先生が鋭い質問をされましたから、私はそれをするつもりはないんですけれども、この日は、私たちはちょうど私学大会がありまして、私、葛飾にいたんですけれども、午後から本降りになって、大体三時過ぎから事故が起こった時間というのは、ピークといいますか、大変な雨だったですよね。
 そういうときに、とにかく地下深く、しかも工事中の現場に潜った−−潜らせるということ自身、全く常識外れだというふうに思うわけですが、それはまた後のことにして、先ほどいろいろ議論がありましたが、事故について、原因の究明と局の対応、そういう時系列的な経過について、後で報告するということはあったんですけれども、ひとつきちっとした資料を出していただいて、この委員会で十分議論ができるようにしていただきたいと思うんですけれども、まずその点一つ伺っておきます。

○中村建設部長 現段階におきましては、先ほど申しておりますとおり、警察署の実況見分とか労働基準監督署の災害調査が行われていないという状況がございまして、調査結果を報告する状況には至っておりませんけれども、今後、事故調査等を実施し、その結果と再発防止策を含めた報告を行ってまいりたいと思っております。

○東委員 さっきいいましたように、詳しい資料もきちっと出していただいて、できるだけ早い機会に議論できるようにしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 それで、今も田中委員から浸水対策問題の質問がありましたから、私は簡単にしますけれども、私の江東区でも、今回はあちこちで床下浸水、床上浸水、道路冠水というのが起こりました。それこそこの十数年というのは、ほとんど下水が完成した後は、私、本当の下町の江東区なんですが、余りそういう事故が起こらなくて本当にいいと思っていたんですけれども、今回はあの異常な雨でしたから、二十二号、二十三号、浸水が起こりました。
 私の事務所のすぐ近くに千石、千田という町があるんですが、あそこは軒数はそう多くないんですけれども、浸水しまして、それである小さな紙屋さんなんですが、大きな大体二メーター四方ぐらいの原紙を買ってきて、それを注文に応じて裁断して売るという仕事をされているところなんですけれども、床なんですね。そういう工場というか、小さな紙屋さんなんですが、床そのものにちょっと下に板台を置いて、その上に紙を積んである。大体三十センチから三十五センチぐらい、二十二号のときは浸水したといってました。行って現場を見たんですけれども、ぬれて、紙は一回ぬれたらアウトですから、その紙だけでも相当な被害だと。
 あわせて、たった一台ある、断裁機というのだそうですが、紙を裁断する機械が、モーターというのは大体いつも一番下にあるわけですよね。そのモーターがすっかり水をかぶっちゃって、それで修理をしたら六十数万円かかったというふうにいっていました。紙と合わせれば二百万近くなるんじゃないかなんていっていましたけれども、全く突然の損害で、本当に困ったということでいっておられました。
 私もいろいろ調べてみたんだけれども、それに対する何の補償とか、そういうものもない。融資はあるけれども、それもなかなか手続も面倒なこともあるという状況がありました。
 それで、さっきいろいろ議論がありましたが、そういう浸水対策に対しては、下水道局はいわゆるクイックプランでいろいろ手を尽くしていただいているわけですが、例えば今申し上げた千田などを例に、今ちょうど工事が進められているんですけれども、それでどういう効果が期待できるのか、その辺のところをちょっと答えてください。

○佐伯計画調整部長 先生お話しの江東区の千石、あるいは千田地区につきましては、私ども、平成十一年度から、たびたび局所的な豪雨で繰り返し浸水被害に見舞われている地区を対象に雨水整備クイックプランを実施してございますが、両地区につきましても重点地区に指定して対策を講じているところでございます。
 現在、この地区におきましては、平成十六年度の完成を目途に、貯留量約一千二百立方メートルの貯留管の整備を進めておりまして、これにより浸水被害を軽減できるのではないか、このように考えてございます。

○東委員 それが完成してそうなれば非常にいいことだと思うんですが、ちょうど私の江東区にも東部第一管理事務所という下水道局の事務所がありまして、その管理事務所が江東区全体を管理しているわけなんですけれども、ついこの間直接行って苦労をねぎらうとともに、どういう対策をやっていらっしゃるか、いろいろ細かく聞いてきました。
 聞きながら思ったんですけれども、下にそういう大きな管渠を入れて、吸い取る。そして、ある一定時間貯留をして、それで浸水対策をやると。こういう全体大きなクイックプランというのはもちろん非常に大事なんですけれども、それと同時に、例えば取水ますというんですか、水の浸透ますというんですか−−浸透じゃないですね、水を受け入れる、あのますを、昔のやつはコンクリートのふたがしてあって、それに二筋ぐらい小さな穴があいているというのがまだいっぱい残っているわけですね。それを今、新しい形の格子状のものにかえる。またこれもごみがたまるという一面もあるんでしょうけれども、そういうことだとか、それから地形によってちょっとした工夫を加えれば、そこに流れ込むものを防げるというようなことだとか、それから例えば車が入ってきて、水につかれば困るものだから、勢いをつけて走ると。そうしたら、それによって十センチや十五センチの波が立って、それで浸水するということで、うちの下町に行きゃそんなことさえあるわけなんですよね。
 だから、そういうところについては、例えばそういう時期には車を通さない。これは下水道の仕事じゃもちろんないわけなんだけれども、それぞれの場所に対して地元の区や地元住民の意見も聞いて、下水道局はきめ細かな対策を立てれば、そういう大きな仕事とあわせてもっと防ぐことはできるんじゃなかろうかというふうに思っているわけなんですけれども、そういう点はどうなんでしょうか。

○佐伯計画調整部長 下水道局では、これまでも区と連携し、雨水の収容能力を高めるための雨水ますの増設やグレーチングぶたへの取りかえなどを行うとともに、区や町会と連携した雨水ますの点検や清掃などを実施してきております。
 今後とも、地域との連携をより強化し、地域の実情に適合した対策を講じるなど、きめ細かな対応を図り、浸水被害の軽減に努めてまいります。

○後藤委員 私からは、下水道局の入札に関して二、三お尋ねしたいと思います。
 下水道局の五億円以上の入札に関する方法をまず教えてください。

○野口経理部長 入札の方式についてのお尋ねでございますけれども、五億円以上という形での区切りではございませんで、金額にかかわらず、指名競争入札、一般競争入札、それから随意契約、こういったような形で、ケース・バイ・ケースで対応しております。

○後藤委員 そうしましたら、指名競争入札と一般競争入札の、例えばどういう場合に指名競争入札をやって、どういう場合に一般競争入札をするのか教えてください。

○野口経理部長 指名競争入札と一般競争入札の区分でございますけれども、九億円以上の工事につきまして一般競争入札を行っております。

○後藤委員 そうしますと、九億円以下の場合は、すべて指名競争入札と考えてよろしいんですか。

○野口経理部長 先ほど申し上げましたように、指名競争入札と随意契約という形式がございます。

○後藤委員 私が十五年度の入札経過調書というのをいただきまして、みんな見てみたんですけれども、とりあえず五億円以上九億円未満のを調べてみたんですが、全部で五十六件ありました。この五十六件のうち五十三件が落札率が九〇%以上ということなんです。
 この九〇%以下のものを調べてみたんですが、たったの三件なんですが、一つが七一・五%、もう一つが六五・三%、それからもう一件が七二・七%なんですけれども、これらの工事はまともに行われましたか。

○野口経理部長 お尋ねの三件の工事につきましては、無事終了しております。

○後藤委員 これらの入札に関しましては、予定価格がすべて決まっていると思うんですけれども、例えば七〇%、一番低いやつでいきますと六五・三%ですか、できるということを考えますと、例えば予定価格が高過ぎるんじゃないかというふうに思うんですけれども、この辺の予定価格の出し方をちょっと教えてください。

○中村建設部長 工事予定価格の決定に当たりましては、それぞれの単価あるいは積算基準をもとに設計者がはじきまして総価を出すものでございます。

○後藤委員 確かにそういうふうなご答弁だと思うんですけれども、ただ問題なのは、例えば六五・三%といいますと約三五%引きですよね。例えばこのぐらいのもので落ちまして、それで工事がまともにできているということになった場合に、もうちょっと考えられるべきではないかと思うんですが、この辺の改善は何か考えていらっしゃるんですか。

○野口経理部長 落札率と工事の内容につきましての相関関係は特にないと認識しております。

○後藤委員 これは何で考えたかといいますと、新潟市の発注工事で今問題になっていると思うんですけれども、この中では約百四十社の会社が公取委から指摘を受けたということで、新聞記事にはゼネコン暗躍だとか書かれているんですが、これともう一点、今度は逆さまの方から見てみますと、例えば落札率が九九%というのが出てきています。
 これの落札率を一覧表にとってみますと、例えば九八%以上のものが二十七件、こういうふうになってきたときに、余りにも落札率が、例えば九〇%を超えるもの、この中からまた精査していきますと、例えば九八%以上というのが半分ぐらいにもなっていきますと、例えば新潟市ではありませんけれども、談合があったのではないかなんていうふうに思われても仕方がないような感じになるんです。
 ここの予定価格のところをもっともっとシビアにしていくことがまず一点だと思うんですけれども、これは談合をやっているかやっていないかなんていうふうに聞いても、皆さんの方でもちろんお答えはないと思いますけれども、談合というのがいかに世の中を騒がせて、特に下水道の場合は、たしか前にも談合の問題で委員会の方にご報告があったと思うんですけれども、談合というのを本当にもっと考えていただいてまずやっていかなければいけないと思いますが、例えば談合に対しての局の方の考え方をもう一度お尋ねします。

○野口経理部長 談合につきましては、当局といたしましては決してあってはならないことと認識しております。

○後藤委員 これに関しては、ただ数字だけを述べることで終わってしまうのかなと思うんですけれども、そうしましたら最後に一点だけご指摘をしておきたいんですが、例えば五億円以上九億円未満の工事なんですが、これをよく見てみますと、六五・三%で落としている会社があるんですが、この会社が参加をしている入札があるんですが、この入札の落札率というのが七一・五%なんですよ。
 こういうのを見てきますと、例えばこの会社が入ると談合破りだなんていうふうなことになりまして、結局落札率がどんどんどんどん下がっていくというふうなこともあります。
 ここでお尋ねしたいんですけれども、例えば指名競争入札の指名をするときのメンバーの選び方を教えてください。

○野口経理部長 指名をする場合の選び方でございますが、指名に当たりましては、過大受注の排除等、受注をした場合に指名をした会社がきちんと最後まで工事ができるかどうか、この点を重視して指名選定をしております。

○後藤委員 だったら提案なんですけれども、落札率が低く、例えば六三・五%で落とした会社があるんですけれども、こういうふうな会社を必ずそこのところに参加させていくような形を、一つの工夫ですね。これ、工夫ですよ。例えば仕事をそこの会社ばかりに落とすというふうなことではないですけれども、例えばそういうふうな工夫をひとつ考えていただきたいと思うんですが。

○野口経理部長 特定の案件におきまして、特定の会社がある率で落札したとしましても、ほかの案件につきましていかなる率で落札するかということについては推測不可能だと考えておりますので、提案のようなことは採用できかねると申し上げるほかございません。よろしくお願いいたします。

○後藤委員 だったらこれで終わりにしますけれども、談合の問題をもっと私は調べていこうと思うんですけれども、徹底的に調べていったときに、例えば何かのものが出てきたら、もう少し指名をやるときに一工夫も二工夫もやっていただきたいと思うんですけれども、よろしくお願いします。

○大木田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十三分散会

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