委員長 | 大木田 守君 |
副委員長 | 串田 克巳君 |
副委員長 | 東ひろたか君 |
理事 | 土持 正豊君 |
理事 | 近藤やよい君 |
理事 | 富田 俊正君 |
後藤 雄一君 | |
林 知二君 | |
高島なおき君 | |
小山 敏雄君 | |
田中 良君 | |
野田 和男君 | |
三田 敏哉君 |
欠席委員 一名
出席説明員交通局 | 局長 | 松尾 均君 |
次長 | 谷川 健次君 | |
総務部長 | 金子正一郎君 | |
職員部長 | 坂上 信雄君 | |
資産運用部長 | 泉本 和秀君 | |
電車部長 | 市川 英治君 | |
自動車部長 | 遠藤 秀和君 | |
車両電気部長 | 中野 伸宏君 | |
建設工務部長 | 鈴木 進君 | |
経営計画調整担当部長 | 佐藤 守君 | |
参事 | 斎藤 信君 | |
参事 | 中村 卓也君 | |
参事 | 佐藤 純夫君 | |
参事 | 室木 鉄朗君 | |
参事 | 古川 俊明君 |
○大木田委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより交通局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○金子総務部長 過日の委員会でご要求のありました資料につきまして、公営企業委員会要求資料として取りまとめさせていただきましたので、その概要につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。都営地下鉄の地下駅における主な火災対策実施状況でございます
駅の建造物の不燃化を初めとする各種火災対策の実施状況を路線別に記載してございます。
次に、二ページに移らせていただきます。都営地下鉄におけるバリアフリー対策の現状と計画でございます。
駅施設及び車両におけるバリアフリー対策につきまして、平成十五年度末の累計及び十六年度の見込みを記載してございます。
次に、三ページをごらんいただきたいと存じます。事業別職員数の推移でございます。
過去五年間の職員数の推移を事業別に記載してございます。
次に、四ページをお開きいただきたいと思います。一般乗合自動車のメーカー別・購入年度別在籍車両数でございます。
平成十五年度末現在の在籍車両数を、メーカー別、購入年度別に記載してございます。
次に、五ページをお開きいただきたいと思います。ホームゲートについてでございます。
ホームゲートの概要、三田−西高島平間の設置費用及び過去五年間の都営地下鉄における転落件数を路線別に記載してございます。
以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○大木田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、本件に対する質疑を行います。発言を願います。
○近藤委員 バス事業に集約して何点か伺いたいと思います。
自分で車を運転していましたときに、たまたま都バスの後ろについて走っていたんですけれども、そのときに信号待ちをしておりまして、信号が青にかわってバスがアクセルを踏んだときに、物すごい真っ黒の黒鉛をがばっと吐いたバスがありましたので、そのときすぐ局長の顔が浮かんだんですけれども、車両番号をメモしまして局の方に問い合わせて、整備不良ではないかということで調べていただきました。
そうしましたら、二、三日たちまして結果を知らせていただいたんですけれども、あれはユニキャット製のDPFの装置をつけたものなので、排気ガスの流れを逆さにして、処理し切れずに装置内にとどまっていたすすを外に出すために黒煙を吐いているのであって、簡単にいうと、一時間に一回程度の大量の黒煙を吐き出している状態が正常なんだと、黒い煙を出すのが正常なんですよというご説明だったわけです。
黒い煙を出していても、それは環境局の基準値にはきちっと適合しているもので心配はありませんというご説明だったんですけれども、もちろんガラス越しですし、窓も閉め切っていたんですけれども、思わず顔を背けるくらいの黒い色と煙の量だったわけです。
問題はないというふうにお聞きしていますけれども、この黒煙がどの程度環境局の基準をクリアしているのか、お尋ねをしたいと思います。
○遠藤自動車部長 DPF装着車両につきましては、エンジンオーバーホールや噴射ポンプの交換などを実施しまして黒煙の排出量の減少に努めておりますけれども、そういった交換等によりまして、おおむね一〇%程度の減少効果があらわれているというふうに考えております。
○近藤委員 済みません、きちっと調整をしておいたんですけれども、今のご答弁というのは、私の質問と違うご答弁だと思います。
申し上げたのは、そういう黒い黒煙を発していても、環境局の基準はクリアしているんだから問題ないというご説明だったものですから、どの程度それをクリアしているのか、再度伺います。
○遠藤自動車部長 DPF装置につきましては、車両に搭載したままフィルターを燃焼再生する連続再生式と、車両からフィルターを取り外しまして外部の機器により燃焼させる強制再生方式の二種類が東京都の指定を受けております。
私どもでは、営業運行後、車両からフィルターを取り外し再生するということにつきましては、作業量がふえるということから、連続再生式を採用したわけでございますけれども、導入した当時、粒子状物質の減少率が七〇%以上という高い性能を有しておりまして、なおかつ平成十七年四月以降に予定されている規制の強化後も継続して使用できる製品ということで、ユニキャットという製品を採用しております。
○近藤委員 済みません、何度も重ねて申し上げますけれども、私がお聞きしていることと違うことをお答えになっているんですよ。
黒い黒煙を発していても問題はないというふうにおっしゃったんです、局の方は。環境局の基準がどのくらいで、私が見た黒煙についてはこの程度の割合だったんで、幾ら煙を吐いても大丈夫ですとおっしゃったものですから、そのクリアの割合を教えてくださいと申し上げているんです。
○遠藤自動車部長 たびたび申しわけありません。
現在使用しておりますDPF装置につきまして、元年度規制値から七〇%以上の削減というふうになっております。
○近藤委員 済みません、時間がもったいないですから。それは私が環境局の基準をこれだけクリアしているというふうに説明していただきましたから、皆さんにも聞いていただこうと思って三回質問したわけですけれども、その数値が出てこないので、これについては、私が説明していただいたということで結構です。
それで、黒煙を吐いていても数値は問題ないというお話でしたけれども、当時このDPFを装着するときに、最初はジョンソン・マッセイの一種類しかなかったと。ところが、この後ユニキャット製のものができて、構造上はジョンソン・マッセイのものよりもユニキャットがすぐれているということで、こちらの装着が始まったというふうに聞いております。ただ、幾らジョンソン・マッセイのものに比べて構造上すぐれていたといっても、実際に走り出したときに、一時間に一回とはいえ、これだけの量の真っ黒い煙を吐くような装置であったということは、東京都は理解していましたか。
○遠藤自動車部長 交通局といたしましては、東京都が指定したDPF装置を現在も装着しております。先生が今ご指摘になりましたDPF装置につきましては、排気ガスの流れを交互に切りかえることによりまして、触媒に堆積した不燃物質を除去する方式となっております。
排気ガスの流れが切りかわる際に黒煙を排出することがあるということが導入後明らかになったので、導入後につきまして、随時エンジンオーバーホール、それから噴射ポンプ及びノズルの交換等を実施いたしまして、装置の性能維持、管理に努めているところです。
○近藤委員 今、導入後明らかになったというふうにおっしゃいましたので、導入に当たっては、こういった装置だったということは交通局として理解していなかったということでよろしいですか。再度確認します。
○遠藤自動車部長 導入当時、そういう黒煙を排出するということについて、交通局といたしましては認識はございませんでした。
○近藤委員 内容は基準をクリアしているということですけれども、素人の私にとっては、あれだけの黒煙があれだけの量出るということで、整備不良ではないかというふうに思ったぐらいですから、私のレベルのほかの都民の方も、あの状況を見れば、都バスの整備不良じゃないかというようなことで、いろいろな苦情なり、一一〇番の方に入るんではないかと思いますけれども、そういった装置として理解していなかったということについては、メーカーの方にはきちっとそれなりの申し入れは都の方でなさっているんでしょうか。
○遠藤自動車部長 交通局といたしましては、当該DPF装置を導入後、排気ガスの流れが切りかわる際に黒煙を排出することが判明したため、製造メーカーに対しまして改善を求めてきております。
○近藤委員 改善を求めた結果、何か改良されたというような事実はありますか。
○遠藤自動車部長 こちらからの申し入れにつきまして、現在、一部の車両につきまして、黒鉛の排出を減少させるための改良を試験的に実施しているところでございます。
○近藤委員 現在、このユニキャット製のDPFを装着している車両が何台あって、それが車両全体の何パーセントぐらいを占めるかということと、車両を年次で少しずつ買いかえしていらっしゃるでしょうから、あと何年かかってこの問題のユニキャット製のDPF装着の車両がすべて買いかえが終了するんでしょうか。
○遠藤自動車部長 現在、ユニキャット製のDPFを装着しております車両は百七十七両でございます。私ども車両数一千五百一両ございますので、約一二%がユニキャット製のDPFということになります。
なお、ユニキャット製のDPFを装着しております車両につきましては、あと三年ほど使用いたしまして、十九年中にはすべて使用しなくなるという状況でございます。
○近藤委員 まだ三年間、一時間に一度とはいえ、あれだけの黒煙を発しながら都バスが都内を走っていくという状況を考えますと、少々恐ろしい気がするわけです。
例えば、この排気の色ですとか量を、整備等の技術的なことで少しでも解消できるような方法というのはあるんでしょうか。
○遠藤自動車部長 答弁が前後して申しわけありません。
私どもでは、エンジンオーバーホールや噴射ポンプ、ノズルの交換等によりまして、おおむね一〇%程度の減少効果を上げております。
○近藤委員 先ほど、東京都は、こういった装置だということを装着後に知ったということですけれども、いろいろな契約がおありかと思いますが、そういった後になって判明したこういう事象について、メーカー側に補償を含めて要求できるような契約にはなっていたんですか。
○遠藤自動車部長 契約内容としましては補償を求めるようにはなっておりませんけれども、先ほど答弁いたしましたように、機器の改善について申し入れをいたしまして、今その試験的な使用をしているというところでございます。
○近藤委員 それは技術的なことですか、それとも金銭的なことも含めて補償を請求できるんですか。
○遠藤自動車部長 金銭的に補償を請求できないというふうに考えております。
○近藤委員 金銭的にできないといいましても、まだ予定では三年間、重ねて申し上げますけれども、黒煙を発しながら都バスが運行していくという状況がありますから、これについてはきちっとメーカーとも調整をしながら、なるべく早いうちに、前倒しをするぐらいのつもりで、三年といわず、それが二年でできるものなら二年前倒しの形で、なるべく健康な車両に買いかえていただけますように、百七十七台という車があるという状況ですので、一気にこれだけ全部かえろというのは大変な話だと思いますけれども、こういった状況だということをくれぐれも理解いただきまして−−これはイメージの話であって、真っ黒い黒煙であっても環境の基準はクリアしているんですと、それはクリアしているかもしれませんけれども、だったら部長、排気口の前に立って、一気に黒いガスがぼっと吐き出される瞬間というのを経験していただきたいと思いますよ。
あれを都民が見たときに、今、石原さんがいっている、おかげさまで空気はきれいになりましたといったって、何だこれはということで、決して都民の理解は得られないと思いますので、この百七十七台についてのなるべく早期の買いかえについてご検討願いたいというふうに申し上げて、次の質問に移ります。
公営企業会計の決算委員会の中で、バス事業の委託についてご質疑があったようでございますけれども、平成十五年度が二路線、十六年度が十二路線ということで、今合計十四路線が委託されております。
それで、平成十五年度の二路線については、委託効果額が約一億八千万円あったと聞いておりますけれども、年度の途中ですが、平成十六年度について、全部で十四路線について委託の効果額がどのくらいだというふうに見ていらっしゃるか、まずお尋ねします。
○遠藤自動車部長 平成十六年度におきます管理の委託の効果額でございますけれども、杉並支所、りんかい支所合わせまして、約五億六千万円程度を見込んでいるところでございます。
○近藤委員 直営でやった場合と契約でやった場合の、いわゆる事業費の差が約五億六千万円ということですけれども、平成十七年度、来年については、この委託事業の予算額を局ではどの程度見積もっていらっしゃるんでしょうか。
○遠藤自動車部長 平成十七年度におきます管理の委託の予算額でございますけれども、十六億五千万円を計上してございます。
○近藤委員 今、十七年度、来年の予算額が十六億五千万円というご答弁で、十六年度の予算額が約十五億八千万円ということでしたので、単純に差し引きしますと、来年度はことしに比べて七千万円上乗せになっております。この七千万円が、来年、平成十七年度の管理委託のプラス分と考えますと、少々金額が小さいんじゃないかというふうに思いますけれども、ただ単純に足し算、引き算の中で、来年、十七年度の委託、新規の路線の規模というのを推しはかっては危険だと思いますので、改めて、平成十七年度新しく大体何路線程度を委託プラスされるお考えか、お尋ねします。
○遠藤自動車部長 平成十七年度の管理の委託でございますけれども、委託する路線については現在精査中でございます。人員の規模といたしまして、約五十名程度の規模で管理の委託を予定しております。
○近藤委員 おおむね五十人程度ということで、路線の大きさで何路線というのをはかれないかもしれませんけれども、規模的には、当初の平成十五年度の委託事業と同規模の委託を行うというふうに考えてよろしいでしょうか。
○遠藤自動車部長 平成十五年度の管理の委託につきましては、二系統で五十人程度を実施しておりますので、同程度の規模というふうに考えて結構でございます。
○近藤委員 委託から少し離れまして、ことし三月のチャレンジ二〇〇四のバス事業について、人員削減計画が二〇ページに出ておりまして、それによるとトータルで百九名というふうになっておりますけれども、これ以後何か、バス事業の乗務員の削減計画の変更も含めて、十七年度から十八年度にかけてのバス事業に限って乗務員の削減計画を教えてください。
○斎藤参事 チャレンジ二〇〇四のバス事業における乗務員の削減計画でございますけれども、平成十七年度期首に七十人、また、自動車事業を取り巻く厳しい事業環境を配慮いたしまして、計画外に百二人の追加削減を予定してございます。
○近藤委員 では、二〇ページの百九プラス新しく百二人ということですけれども、トータル百七十二人になるんでしょうか。その削減効果、大体年間どのくらいなんでしょうか。
○斎藤参事 乗務員の定数削減にどのくらいの効果があるかというお尋ねでございますけれども、人件費に着目いたしますと、百七十二人分の人件費といたしまして、給与のほかに法定厚生福利等を含め十五億円程度の削減を見込んでおります。
○近藤委員 バスの管理委託も事業の効率性を追求する一つの選択肢ということで考えられるわけですけれども、この管理委託のほかに、具体的にバス事業の効率化策というのはどのようにお考えでしょうか。
○斎藤参事 バス事業におきまして管理委託のほかにどのような削減化策があるかということでございますけれども、チャレンジ二〇〇四で計画している効率化策につきましては、定数削減策といたしまして、管理の委託のほかに、組織の効率化、車両整備業務における業務執行方法の見直し等がございます。また、事業計画といたしましては、乗客需要に的確に対応した路線の見直し、乗客潮流に合わせた適切な運行ダイヤの設定等を計画しております。
さらに、人件費削減策といたしまして、再任用、再雇用の活用、非常勤職員の活用、給料表の見直しなどを計画してございます。
○近藤委員 給料表の見直しというようなことで、これから大分厳しく切り込んでいただけるんだろうというふうに思いますけれども、チャレンジ二〇〇四の二二ページの自動車事業の収支計画表を拝見しても、すべてこれがうまく理想どおりにいったとしても、それでもまだ平成十八年度には六億円の赤字が出るということを計画で見込んでいらっしゃるわけですから、赤字をいかに減らしていくのかが今の局の課題だというのは理解できますけれども、これだけ頑張ってもまだ計画上では赤だということを考えながら、委託も含めてさらに人件費の削減、特に事業費の赤の部分は、ほとんどこの人件費だということでございますので、厳しい時代ではございますけれども、この辺局長のお考えといいますか、どのような決意で臨まれるのか、お尋ねしたいと思います。
○松尾交通局長 バス事業を取り巻く事業環境でございますけれども、鉄道整備等の影響、それから少子高齢化等社会あるいは経済状況の変化がございます。また、規制緩和等による事業者間の競争も激しくなるというふうに考えておりまして、今後ますますその環境は厳しくなるというふうに認識しているところでございます。そうした中で、福祉あるいは環境対策といった社会的な要請にもこたえていかなければならないのではないかというふうに考えているところでございます。
こうした状況の中で考えますとき、バス事業の方向性といたしましては、先生ご指摘のとおり、一層の事業の効率化を進めるとともに、また、お客様のニーズに合った、また社会的要請にもこたえる形でのサービスを的確に提供していかなければいけないのではないかというふうに考えております。
これまでも、先ほどご説明いたしましたように、管理の委託を初めとして、さまざまな効率化に取り組んでまいりました。また、一方では、乗客潮流を踏まえた路線、それから運行ダイヤのあり方につきましても取り組んできたところでございます。
今後、お話しございましたバス事業における人件費でございますけれども、まさに経営上大きなウエートを持っているというふうに考えております。
今後、人事給与制度の見直しをさらに進めるとともに、経営基盤の強化を図りながら、お客様のニーズに沿った安定的なサービスの提供に努めてまいりたい、このように考えております。
○近藤委員 最後に、交通局の職員のマナーについて何点か伺いたいと思います。
会派の方に局の説明がありましたときに、乗客サービスの向上推進運動ということで、いろいろな局面からアプローチなさっているという説明がございましたけれども、一つ気になったのは、職員の、いわゆるバスだったら運転手さん、地下鉄でしたら駅の職員等も含めて、マナーの向上に取り組むというようなお話がなかったので、ちょっと気になりました。
第一回定例会のときに、マナーの悪い職員、そして改善が見られない職員に対しては、処分を含めて厳しく対応していくというご答弁をいただいているわけですけれども、その後何か、そういった職員に対しての指導方法等について見直された点はございますでしょうか。
○遠藤自動車部長 第一回定例会後、苦情を受けた職員や勤務不良職員に対する指導、処分基準を作成いたしました。処分基準に該当した場合、所属長、自動車部長による叱責を行い、なお改善しない場合には、懲戒処分を含む処分を行うことといたしました。
実施いたしました本年四月以降、懲戒処分にまで至る職員はいませんけれども、所属長による叱責を行った例もございます。今後新しい基準を厳格に運用してまいりたいというふうに考えております。
なお、電車部におきましては、接遇不良が改善されない職員一名につきまして懲戒処分を行っているということで、局全体といたしましても接遇向上に努めているところでございます。
○近藤委員 前から見ておりますと、きょうの理事者の方には、長髪の方もいらっしゃいませんし、茶髪の方もいらっしゃらないようですけれども、実際バスの運転手さんの中には、髪の毛が長いなと感じられる方や、無精ひげを生やしているような方も、私、実際拝見したことがございます。
こういったことについて細かい規定はないのかというふうに伺いましたら、とりあえずお客様に不快感を与えない程度の指導をしているといいましたけれども、相手が不快と感じるかそうでないかというのは、主観の問題ですから、運転手さん本人が、いや、これでいいんだと、これが格好いいんだというふうにおっしゃったときに、どうやって指導していくかという問題があるかと思います。
中学、高校、小学生レベルになってしまうかもわかりませんけれども、主観の問題として片づけるのではなくて、ある一定の基準を設けて、お客様に不快感を与えないようなレベルに統一していただきたいというふうに思いますけれども、その指導についていかがでしょうか。
○遠藤自動車部長 今後、例えば身だしなみを清潔にとか、制服、制帽を正しく着用する、あるいは頭髪は短く調え、茶髪、金髪等は禁止する等の基準を明確化いたしまして、サービス業としてお客様に不快感を与えない接遇が行えるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○近藤委員 そこまで決めないと守れないというのは、本当に自分で提案しながら情けない話だなとは思うんですけれども、乗客サービス向上の一環として頑張っていただきたいと思います。
最後に一点だけ伺いたいんですけれども、例えばタクシーに乗ったりすると、それを利用する人がいるかどうかは別にしまして、何かお気づきの点がありましたら、このはがきを使ってご意見、ご要望をお寄せくださいというようなはがきが最近あります。
実際に都バスに乗っても、何か気になったことがあったり、運転手さんについて注文をつけようと思っても、結局その運転手さんが特定できない、または常時乗っているバスでしたら営業所等がわかるわけですけれども、たまたま乗り合わせたバスの場合、どこにそういった苦情を持っていったらいいのかわからないということで、結局は泣き寝入りをしたり、実際の意見が局の方に吸い上げられないというようなことがあるんじゃないかと思いますけれども、これからは、広くお客様からも、そういったご要望だとかご意見等を自分たちが伺っていくんだというように都民にアピールする姿勢が必要だと思いますけれども、例えばはがきを備えつける等も一つの考えだと思いますけれども、その辺のご意見を伺いたいと思います。
○金子総務部長 お客様からの苦情を含めました多様なご意見、ご要望につきましては、現在、電話やインターネットによりまして、交通局のお客様サービス課でお受けしております。そのほかにもちろん各営業所においてもお受けしております。
これまで、局の窓口でございますお客様サービス課に、お客様の声をお寄せくださるようにホームページやパンフレット等でご案内をしてまいりましたが、今後より多くのお客様の声をいただきサービスの向上に反映できるように、さらにPRの強化に努めてまいります。
○近藤委員 一方で給与を削りながら、また一方ではサービスをよくしろ、よくしろというふうに指導していくわけですから、非常に大変なことだろうと思いますけれども、その大変なところが今局が置かれた現状だということを皆さんご理解いただいているかと思います。
特に都民と直接触れ合う職員の方のサービス向上等も含めて、これからも都民の方に親しまれるというか、喜んで乗っていただけるような都営交通を目指して頑張っていただきたいと思います。
質問を終わります。
○富田委員 ただいま近藤委員の方からかなり厳しいご指摘があったわけでございますが、特にチャレンジ二〇〇四を進めていく中で人員削減などが行われる、そうした事柄についてはやむを得ないこともあろうかというふうに思いますけれども、私は、その事柄に関して、特に交通局職員の健康管理という視点から、何点かお伺いさせていただきたいと思っています。特に長時間労働、あるいは職員の過重負担という事柄について、これから十分に新たな課題として考慮していただきたいという視点でもございます。
平成十四年の二月に、厚生労働省が各都道府県に対して通知した過重労働に伴う健康障害防止についてに基づいて、平成十六年四月から知事部局において防止対策を実施しているというふうに聞いておりますが、交通局においても、事業の特殊性から、このような長時間の過重労働による職員の健康障害に対する防止対策というものを行っているということだろうと思いますが、産業医や保健師による職員への保健指導や職場への助言などのような、より一層きめ細かな健康管理対策が必要だというふうにも思います。そこでお伺いいたします。
過重労働に伴う健康障害防止対策について、交通局においては具体的にどのように行われているのか、お示しいただきたいと思います。
○坂上職員部長 過重労働に伴う健康障害防止対策ということでございますが、長時間にわたります労働でございますとか、それに伴う睡眠不足から生ずる疲労の蓄積というものが、職員の健康障害を引き起こす原因の一つに挙げられてございます。したがいまして、過重労働に伴う健康障害の防止につきましては、産業医の重要な役割だというふうに考えてございます。
当局におきましては、現在、知事部局と同様に、月四十五時間を超える時間外労働が六カ月以上継続した場合などの一定水準以上の時間外労働を行った職員及びその所属長に対し、産業医が健康管理上の保健指導及び助言指導を行うことにしているところでございます。
○富田委員 それでは、最近の病気による休職等の状況はどうなっているのか、また、病気の内容の傾向についてお示しいただきたいと思います。
○坂上職員部長 交通局におきます平成十五年度末の病気休職の職員でございますが、三十七名となってございまして、前年の二十一名に比べ増加をしているところでございます。特に精神障害による休職者が十九名となってございまして、前年の十名に比べ大幅に増加しているのが特徴となっているところでございます。
○富田委員 先日、新聞報道を見ますと、仕事のストレスが原因でうつ病などになった精神障害の労災認定件数は、平成十五年度に全国で百件を超えて、自己責任というよりも、企業責任を問うというような流れも出てきているように思います。
先ほどの答弁の中でも、精神障害による休職者が大分ふえているということは、こうした企業責任ということが問われる状況にあるのかなというふうにも思いますが、交通局としてのメンタルヘルス対策というのはどうなっているのか、お伺いいたします。
○坂上職員部長 メンタルヘルスの対策はということでございますが、現在、産業医を中心にいたしまして保健指導や健康相談を実施しておりますが、特にメンタル相談につきましては、精神科医も含めた体制を整備し、指導の充実を図ってきているところでございます。
当局におきましては、不規則勤務の職場というようなこともございまして、乗務職員が多いという特殊性がございます。今後とも指導体制のさらなる充実など、適切に対応していきたいというふうに考えております。
○富田委員 次に、病気が回復した後のことについてお伺いさせていただきますが、例えば乗務員が乗務といった本来業務に従事できないという形での病気回復ということも考えられるというふうに思いますが、その場合はどうなるのか、お伺いいたします。
○坂上職員部長 病気回復ができない場合はどうなるかということでございますが、乗務職員につきましては、病気が回復後も、いわゆる乗務に復帰するのがなかなか困難という場合もございます。その場合は、運輸業務という職種への転職制度というものを用意してございます。
○富田委員 ただいまの答弁の中で、運輸業務というような言葉が出てまいりました。この運輸業務というのはどんなものなのかということと、さらに、転職制度というのは具体的にどのように行われていくのか。さらに、現在何名ほどの方がこの運輸業務への転職をなされたのか、お伺いいたします。
○坂上職員部長 運輸業務への転職の事由でございますが、一つは、心身の故障のため職務の遂行に支障がある場合でございます。二つ目でございますが、その職に必要な適格性を欠いた場合でございます。三つ目でございますが、職そのものが廃止等になった場合が該当しているところでございます。
なお、転職選考につきましては、面接、身体検査などにより行ってございまして、現在でございますが、運輸業務の職員につきましては四十三名ということになってございます。
○富田委員 今、運輸業務についてもう少し説明いただいた方がいいかなというふうに思ったものですから。運輸業務について、どういう仕事をされている方なのかということについて、お示しいただけませんでしょうか。
○坂上職員部長 運輸業務の職員につきましては、事業所におきまして、運行管理業務でございますとか施設管理業務、それから庶務事務などの仕事に従事させております。運輸業務に転職した場合、あわせて給料上は昇給の延伸というようなことにもなってございます。
○富田委員 そうした運輸業務になるということになりますと、今までの給料と多少違ってくるというような取り扱いがあろうかというふうに思います。給料上の取り扱いはどのようになっているのか、お伺いいたします。
○坂上職員部長 大変失礼いたしました。運輸業務に転職した場合の給料関係のお話でございますが、これにつきましては、いわゆる乗務員から運輸業務ということになりますので、給料上は昇給の延伸というふうな形での措置を伴うということでございます。
○富田委員 組合の本部役員がこの運輸業務に転職したというような事例があるというふうに伺っておりますが、それはどのような理由によるものなのでしょうか、お尋ねいたします。
○坂上職員部長 乗務関係の組合本部役員につきましては、現在、業務上必要なサービス推進業務でございますとか、法令上の制度である苦情処理業務、また条例上認められております職免がございます。このため、いわゆる乗務が断続的になることによりまして、いわゆる安全確保が困難な状況といったものがあるわけでございます。
交通局では、平成十五年度のいわゆる時間内組合活動の職免対象の見直しや、時代状況を受けまして、組合本部役員の勤務内容の見直しを図ったところでございます。その中で、本人から、技術面、安全面の理由で転職の申し出があり、乗務についての適性を欠くと判断し、転職されたものでございます。
○富田委員 組合本部役員の転職は、それではどのような手続によって行われているのでしょうか、お伺いいたします。
○坂上職員部長 どのような手続によるものかということでございますが、組合本部役員の運輸業務の転職につきましては、先ほど申し上げました運輸業務への転職制度によるものでございまして、手続的には、本人の申し出によりまして、面接、身体検査などにより選考を行ったものでございます。
○富田委員 それでは、運輸業務へ転職した後の組合本部役員の業務内容と、その方の管理ということなんですが、現在どのように行っているのか、お伺いいたします。
○坂上職員部長 組合本部役員につきましては、所属長が係に配置し、停留所施設の管理、整備業務、それから庶務業務の補助、サービス推進の業務等を担当させております。
なお、業務の執行につきましては、所属長が日々確認をすることにしているところでございます。
○富田委員 今まで不明確であったというような指摘があった部分について、きちっと業務を位置づけをして、さらにそれを毎日所属長が確認をしているということで、一切問題はないというふうに受けとめさせていただきました。
ところで、昨年二月に発生した山陽新幹線の運転士の居眠り事件についてでございますけれども、医学的検査の結果、SASというんでしょうか、睡眠時無呼吸症候群であるといったことが指摘をされたわけですが、こうした指摘を踏まえて、交通局でも同じようなことが起こらないとも限らないというわけで、どのような対策をとられているのか、お伺いさせていただきます。
○坂上職員部長 交通局におきましては、安全運行、職員の健康管理の面から、SAS検診を専門医療機関に委託いたしまして、平成十五年度は、地下鉄、路面及びモノレールの運転士約七百名を対象とし、実施してございます。
また、今年度につきましては、自動車運転手約二千五百名を対象に実施しているところでございます。
○富田委員 それでは、その結果としてSASだというふうに診断された乗務員の取り扱いはどのようになるのでしょうか。
○坂上職員部長 検査の結果、重度のSASと診断された場合は、安全運行の立場から乗務をさせないで治療を義務づけております。治療開始後、症状が改善され次第、乗務に復帰させるということにしてございます。
なお、昨年度、電車部の中では、就業措置という形では十四名が対象になったところでございます。
○富田委員 SASにしてもそうですし、メンタルヘルス対策にしてもそうですし、費用も時間もかかる課題だというふうにも思っております。しかし、これらの課題は、お客様の安全ということに欠くことのできない課題でもありますし、今進めておりますチャレンジ二〇〇四の課題など、これから精力的にやることになってくると、職員への過重負担ということについても十分考慮しなければならないという指摘もさせていただきました。引き続きしっかりと対応していただきたいと思っております。
交通事業においては、安全運行を確保するため、一人一人の職員の健康管理が重要でありますので、今後ともきめ細かな対策をとるように要望し、私の質問を終わります。
○東委員 資料を出していただきまして、本当にありがとうございました。その資料に基づいて何点か質問させていただきたいと思います。
今、東京の交通問題ということになれば、私、下町の江東区なんですけれども、南北交通問題ですとか、それから今もいろいろ議論がありましたが、むしろ高齢者が多くなっているという状況から見れば、一番身近な、自分の家を出ればすぐ乗れるバス路線の問題、これが逆にどんどん廃止、縮小されているというような問題も今あるわけですけれども、きょうはそういう問題は次に譲りまして、バリアフリー対策、防火対策、それから地震対策という、大づかみでいえば三点で質問をさせていただきたいと思います。
バリアフリー問題ですけれども、資料も出していただきました。たしか平成十二年ですか、交通バリアフリー法というものも通りまして、特に地下鉄の駅、これはJRもそうですけれども、地上から、切符を買うところからホームに上がる一ルートを確保するというふうにされたわけなんですが、私も都営新宿線と大江戸線を利用しておりまして、お客さんの一人でありますが、エレベーターを都庁前なんかでも利用させていただいております。非常にありがたいというふうに思っております。しかし、古いといいますか、浅草線ですとか三田線、それから私の新宿線なんか、まだまだ一ルート全部整備されていないという状況もあるわけで、エレベーターを早くつくってほしいという要望は、私の地元でも、それから各地で大きいものがあります。
そこで伺うのですけれども、いわゆる都営地下鉄のバリアフリー対策、とりわけエレベーターの一ルート確保という点で、現在までの到達状況と、今後の計画についてどうなっているか、伺いたいと思います。
○鈴木建設工務部長 一ルートの確保についてでございますが、平成十五年度末までに都営地下鉄全百六駅中六十一駅で一ルートが確保されておりまして、その率は五八%となっております。
さらに、今年度は、九月末に新宿線東大島駅にエレベーター一基を供用開始するとともに、現在、浅草駅など五駅で七基の設置工事を進めているところでございます。
エレベーターの設置に当たりましては、地上出入り口用地の確保や財源の確保などの課題がございます。今後引き続き、これらの課題の解決に積極的に取り組み、平成二十二年度までに都営地下鉄全駅においてエレベータ−による一ルートを確保すべく取り組んでまいります。
○東委員 二十二年までには全部やりたいということでしたけれども、今のこの進捗状況を見れば、一生懸命努力はしていただいているわけですけれども、なかなか大変な事業だなというふうに思います。
それを進める上で、駅の担当者に聞きますと、場所がないとか、いろいろな問題といいますか、課題があるわけですが、どういうことがネックになっているのか、それをどういうふうに解決していっているのか、その辺のところはどうでしょうか。
○鈴木建設工務部長 エレベーターを整備する上での最大の課題は、先ほど申しましたが、地上出入り口の確保が難しいということでございます。
地上の出入り口用地としては、利便性から見れば、やはり道路の歩道部分の活用が一番望ましいと思いますが、歩道の幅員が狭く、なかなかエレベーターが設置できないということがございます。また、公園などの公共用地への設置についても、なかなか改札口の近傍に適地がないというようなこともございます。
また、それもだめという場合には、新たな用地の取得や民間ビルとの合築など、そんなことが考えられるところでございます。
○東委員 そういういろいろ困難な課題を克服しつつ、平成二十二年といいますと、ことしは十六年ですから、あと六年ですよね。それで、今一つ一つは、恐らく土地問題とかいろいろなあれがあると思うんですけれども、実際にこれはできるんですか、その点どうなんですか、もう一回言ってください。
○鈴木建設工務部長 先ほど申し上げました幾つかの課題がございますが、例えば歩道の設置についても、道路管理者に対して少しでも基準を緩和してもらいたいと。今最低三・五メートル残っていないとだめだというんですが、それを公開空地の活用などによって緩和してもらうというようなこと、あるいは、やはり公園や区施設ということになりますと、区の協力が大変必要になりますので、その辺の積極的な働きかけをやっている。
それから、先ほど民間ビルとの合築と申し上げましたが、それについても、私ども、同じ苦労をしております東京メトロと共同しまして、区に、駅周辺における建てかえ情報の提供などできるだけ早急によこすようにと、そんなふうな協力依頼もして取り組んでおります。こういった努力を積み重ねて二十二年度までに完了させたい、そういうふうに考えております。
○東委員 できてしまえば、これは本当に便利というか、ありがたいものだし、まあ、そう難しくないような気もするんですけれども、今お聞きしますと、たった一基つくるのにも大変ご苦労されているということがよくわかります。しかし、ぜひひとつ頑張って、二十二年度までの目標を達成していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
ついでに、車両のバリアフリー化という点で、車いすスペースということも資料で出していただいておりますが、これの現状と今後の計画についてご説明をお願いいたします。
○中野車両電気部長 都営地下鉄車両のバリアフリー化につきましては、現在、車いすスペースの設置を進めております。平成十六年三月末現在、全編成の約九七%に車いすスペースを設置しております。
今後は、平成十八年度までに全編成への設置を完了する予定です。
○東委員 これも、ぜひひとつ積極的に推進をしていただきたいと思います。
次に、火災の問題なんですけれども、昨年でしたか、一昨年でしたか、韓国の大テ邱グで、上下からの車両が、二編成ですね、火災事故が起こって、多くの人が亡くなりました。
私もちょうどそのときに公営企業委員をしておりましたので、その問題についてもいろいろ対策について質問をしたことを今でも覚えているんですけれども、死亡者五十二名という大変痛ましい事故だったんですが、この事故の原因というのは、何か放火だったというふうに聞いております。そして、これ現場を見ているわけじゃありませんからわかりませんけれども、新聞報道によれば、運転士さんがドアを閉めたまま逃げちゃって、むしろ火災を起こした隣の電車が火災でたくさんの犠牲者が出たというようなことも、今でも覚えているわけであります。
我が国でも、火災対策基準の見直しが行われたというふうに聞いております。このとき私も調べたんですが、さっき資料も出していただきましたけれども、例えば排煙設備を全駅につけなきゃいかぬとか、ホームから二方向の避難路を確保しなきゃいかぬとか、そういうような基準が決められているわけですが、この出していただきました資料によると、浅草線で十駅、三田線で十一駅が排煙設備がまだ未整備、それから、二方向避難路についても、まだ浅草線、三田線で幾つか残っているというふうに今資料を出していただいたんですが、これは一日も早い整備が必要だというふうに思うんです。
その中でとりわけ重要なといいますか、排煙する、煙を早く外へ出すという設備ですね、これについての今後の整備の計画はどういうふうになっているんでしょうか、その点を伺います。
○古川参事 都営地下鉄の駅の火災対策についてご説明いたします。
都営地下鉄地下駅の火災対策につきましては、これまで消防法や鉄道営業法における火災対策基準などに基づきまして整備を進めております。自動火災報知設備や非常電源設備、屋内消火栓等については、全駅で整備を完了いたしております。
今お話にございました排煙設備でございますけれども、この火災対策につきましても計画的に進めていくということにいたしまして、排煙設備について、残る未整備の二十一駅のうち、二駅を今年度整備する予定にしております。
○東委員 それもぜひひとつ、それこそ平成二十二年ということじゃなくて、とにかく早急につくるように努力をしていただきたいと思います。
それと関連するわけですが、出していただきました資料にも出ておりますけれども、いわゆる無線通信補助設備というんですか、地下と地上でやりとりするその設備についても、まだ浅草線と三田線で整備未了というのがあるようですけれども、その内容と整備予定についてはどうなっているんでしょうか。
○古川参事 今ご質問いただきました無線通信補助設備でございますけれども、これは、地下駅ですと、消防隊などが非常時に地下との連絡といったものに使う設備でございます。この設備につきまして整備が残っておりますのが九駅でございまして、このうち六駅につきまして今年度整備を予定してございます。
○東委員 今、駅の排煙設備だとか二方向の避難路だとか、あるいは通信設備について伺ってきたんですけれども、この前の大テ邱グの事件は、駅構内ではあったけれども、車両だったわけですね。車両から発火したわけなんですが、国の火災対策に関する検討会でも、多角的に地下鉄の火災対策の検討を進めているというふうに聞いておりますけれども、車両についてはどのような対策が検討されているのか、どういう対策を講じようとしているのか、その点いかがでしょうか。
○中野車両電気部長 都営地下鉄の車両は、国土交通省の技術基準に基づき、車体及び内装材も含め、国の指定機関で認定を受けた不燃材、または燃えにくい部材を使用しております。国では、韓国大テ邱グ市の地下鉄火災を受けまして、地下鉄道の火災対策検討会を設置し、地下鉄道の火災対策について検討を進めてきました。
この検討会において、我が国の地下鉄車両は、ガソリンによる燃焼実験の結果、火災が拡大せず、一定の防火性能を有していることが確認されております。
現在、国では、この検討会の報告を踏まえまして、さらに安全性を向上させるため、火災対策基準の見直しを進めております。
交通局といたしましては、この検討会に参加しており、火災対策基準の見直しを踏まえ必要な対策をとっていくことで、お客様により安心して都営地下鉄をご利用いただけるよう努めてまいります。
○東委員 この火災対策、いろいろな角度からの対策をぜひ積極的に推進していただきたいと思います。
最後に、震災対策なんですけれども、今進行中ですけれども、あの新潟県中越地震で新幹線もとまりました。それで、前にもたしかJR東海道線でしたか、新幹線でやっぱり、トンネルのコンクリートがはがれ落ちて窓に当たって、大惨事にはなりませんでしたけれども、非常に危険な事故があって、それで一斉に全部検査をしたというようなことを今でも記憶しているわけであります。とにかく東京にも東海地震、あるいは房総地震、そして最も怖いのが直下型地震というふうにいわれているわけですけれども、そういうことを考えますと、いわゆる地下鉄の駅、それからトンネル、これが耐震性はどういうふうになっているのかと。私ども毎日地下鉄を利用しておりますから、心配なわけですね。もし、どかっと来て、がさっと落ちてしまったら、そのまま地下に取り残されたままということになっちゃうわけで、そういう点で耐震対策についてどういうふうになっているのか、そこのところをお願いします。
○古川参事 都営地下鉄の耐震対策についてでございますが、都営地下鉄では、関東大震災クラスの地震度にも安全なように設計をされてございます。
また、阪神・淡路大震災を契機といたしまして出されました平成七年八月の国の通達に基づき、交通局では、阪神・淡路大震災クラスの揺れも考慮し、開削トンネルや高架橋などの構造物の総点検を行い、震度七程度の地震に対応できるよう、耐震補強が必要な地下鉄施設を対象に工事を実施したところでございます。
平成七年度から、新宿線の神保町駅など地下八駅の三百一本の中柱や、三田線など三百十五本の高架部の橋脚の補強を行いました。また、荒川、中川橋梁など十七カ所の落橋防止工事を行いまして、平成十三年度までにすべて完了いたしております。
○東委員 今もちょっと申し上げました新潟地震も現在進行中でありますし、また、ことしは非常に台風災害も多くて、この東京でも床下浸水、床上浸水というのがあちこちで起こりました。思いがけない水害も最近非常に多くなっている。何といっても特に地下鉄の場合は地面の下、特に大江戸線なんていうのは深いわけですから、そういう点では、そういう地震の問題、それから思わぬ豪雨によって水が入ってきたら、それこそ我々も一緒に水没ということにもなるわけだし、またテロの危険も決して侮れない、そういう状況にあると思うんですね。そういう状況の中で、やはり都民生活の安全・安心を確保する、それから、本当に安心していわゆる移動の自由が保障される、そういう点で今幾つか質問してきました点については、これでもう一〇〇%ということはないと思うんですね。
そういう点で、ぜひ厳重な安全管理、ハード、ソフト両面にわたる危機管理など、ひとつ交通局の英知を結集して講じていただきたいということを特にお願いして、私の質問を終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
○林委員 私も、資料要求した手前、ホームゲートに関してだけ質問をさせていただきたいと思います。
たしか十一月五日か六日だったと思いますが、半蔵門線で、ホームで携帯電話をかけていたサラリーマンの男の人が入ってきた車両にはね飛ばされて、ホームにいた女性二人ぐらいを巻き込んだ事故、ご本人は亡くなられてしまったんですけど、そういう事故があったかと思います。
そして、この資料にもありますように、都営地下鉄の場合はやはり転落事故が一番多いかと思いますが、この五年間で二百四十一件起きているんですね。この転落防止対策といいますか、そういうことに対してはどういうことを講じているか、まずお伺いいたします。
○市川電車部長 いわゆる都営地下鉄の転落防止のための対策というお尋ねでございますが、都営地下鉄では、お客様のホームからの転落事故を防止するため、ハード面では、誘導・警告ブロックや、ホームさくや固定さくの設置及びお客様が列車に乗車する際、列車の連結部からホーム下への転落を防止するための外ほろなどの設置を行っております。また、ソフト面では、駅ホーム監視要員の配置、視覚障害のお客様へのご案内及び職員による巡回などの対策を講じているところでございます。万が一お客様が転落した場合は、列車を緊急停止させる緊急停止装置などを設置するとともに、その使い方を説明するポスターや、設置場所の方向を示すサインを掲出しているところでございます。
○林委員 この転落の原因は、原因別の資料もいただいたわけですけれども、全国的には酔客というんですか、酔っぱらったお客さんが多い。全国的には五五%ということですが、この都営地下鉄の場合は七〇%近くにも上っているんですね。そのほか、視覚障害者の方が転落するとか、あるいは不注意だとか目まいだとか、そういう原因があるようですけれども、視覚障害者の方は二人に一人ぐらいは転落した経験があるというふうにも聞いております。
三田線では平成十二年九月からホームゲートを設置して、この資料にもありますように、十三年度、十四年度、十五年度、転落した方は一人もいない、当然のことかもしれませんけれども、いないということですけれども、この三田線のホームゲートを設置して、交通局としての評価といいますか、どういう形でやっているのか、そして、左側にもありますように、この設置には約六十八億円かかったというふうに書いてありますが、その内訳を教えていただきたい。東急電鉄の方はどうだったか、あるいは東京メトロの方はどうだったのかという意味でお伺いさせていただきます。
○斎藤参事 三田線は、資料にありますように、平成十二年九月から東急目黒線と相互直通運転を開始いたしましたが、これを契機にワンマン運転を開始いたしました。しかし、三田線はワンマン運転を想定して建設されたものではないために、曲線が多いホーム形状をしておりまして、ワンマン運転時の安全確保におきまして、大江戸線のように運転士が運転席のモニターだけでお客様の乗りおり、発車後の列車側面の安全確認を行うことは非常に困難なことから、ワンマン運転の支援設備として可動式ホームさくを設置いたしました。
その評価でございますけれども、三田線のホームさくは、ワンマン運転時の安全面におきましては有効だというふうに認識しております。また、設置費用のお尋ねでございますけども、三田線のホームさくの設置につきましては補助対象ではありませんでしたので、国からの補助金は出ておりませんし、また、先ほど先生おっしゃいました関係各社のそれぞれの設置費用はちょっと手元にございませんけれども、それぞれ自己負担で改修を行いましたので、三田線の改修費用には他社の負担等は入っておりません。
○林委員 そうすると、自分の持ち分だけをそれぞれがやったということなんですね。
たしかこの十二年の翌年、平成十三年度から、総務省で、ホームさくといいますかホームゲートを設置した場合には、一般会計から繰り出しますね、その六〇%を交付税措置するという制度ができたというふうに聞いておりますけれども、当然、翌年度ですから、三田線の場合は対象になっておりませんし、東京都が不交付団体ですから、交付税としてはもらえないということだろうと思うんです。
ただ、私が考えるには、大都市であるがゆえにホームゲートが必要なんだろうと思いますので、交付税措置というのはちょっとおかしいなというふうに思っているんですけれども、今まさに三位一体改革というか、国と地方の税財政制度の改革が大詰めに来ているところですけれども、その中で国からの財政支援のあり方が変わっているのかどうか、あるいはやはり平成十三年度から、九月でしたか、国交省の方でホーム柵設置促進に関する検討会というのができまして、二年ちょっとにわたって議論をしてきました。そして、昨年の十二月にその報告書が上がったわけですけれども、約一カ年たつ中で、国からの財政支援の仕組みといいますか、そういうのが変わったかどうか、ちょっとお尋ねさせていただきます。
○斎藤参事 ホームさくの設置につきましては、先生おっしゃるように、平成十四年度の国の補正予算から国土交通省所管の地下高速鉄道整備事業費補助の補助対象となりまして、国及び一般会計の定めた要綱に基づきまして、予算の範囲内で交付を受けることになっております。
現在交通局が受けている当該地下高速鉄道事業費補助につきましては、三位一体改革に伴う補助率の削減等の影響はないと認識しております。
○林委員 そうすると、例えば大江戸線なりどこかにつけた場合には、六〇%はもらえるという意味ですか。
○斎藤参事 以前は地方交付税措置でございましたけども、今回、補助制度が設けられまして……。ちょっと申しわけございません。失礼しました。補助率でございますけれども、国が二五・七%、一般会計が二八・六%入るというふうになってございます。
○林委員 よくわからない。後でまた教えてください。いいです。
それで、先ほどいった、国交省の検討会の報告書が昨年の十二月上がってきたわけですけれども、その中にも、新設の路線は当然つけるようにということも書かれておりますし、既設の路線に対してもいろんな検討項目だとか検討事項が書かれておりまして、それぞれの路線で検討するようにというような書かれ方がしてあるやに思っておりますけれども、都営地下鉄の、三田線を除いたほかの三路線の方は現在どのような検討をしているか、どういう考え方をしているか教えていただきたいと思います。
○斎藤参事 既にホームさくを設置いたしました三田線を除く浅草線、新宿線、大江戸線の三線につきまして検討を行っているところでございますが、具体的には、浅草線、新宿線につきましては相互直通運転を実施しているため、乗り入れ車両を含めた全車両の信号保安設備や編成の長さなどを統一することが困難なことから、ホームさくの設置は困難な状況でございます。
大江戸線に関しましては、相互直通運転は実施しておりませんが、移動円滑化に支障を来すおそれがあること、輸送力の低下を来すおそれがあることなどから、他線と同様、困難な状況にあり、その対策につきまして総合的な検討が必要な状況でございます。
○林委員 もう少し色よい返事が欲しかったんだけど……。
輸送力が低下するとか、あと、大江戸線の場合はホームが狭いんですね。ただ、先ほどおっしゃったように、他の路線よりは直線のホームが多いということもいえるかと思うんです。ですから、相反する条件がそれぞれ錯綜しているような感じがするんですけれども、輸送力に関しては、三田線は、朝の一番込んでいるころは二分三十秒、で、大江戸線は三分ですから、三十秒まだ余裕があるというふうに素人ながら思うんです。それと、三田線と比べてほとんど同じような、例えば保安装置なんかもATCを装備していますし、運転方式などもATOのワンマン運転ですし、定位置停止装置というんですか、それも、多少制度は違うかもしれませんけど装備しているということがいえるんだと思いますけれども、大江戸線、もう少しちょっと丁寧に、可能性があるかどうかぐらい……。
また、一方で百億円ぐらいかかるということだそうですから、かなり難しい面もあるだろうとは思いますけれども、この残された三路線でまず手がけるとしたら大江戸線なのじゃないかと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○斎藤参事 大江戸線につきましては、新たな周辺開発に伴い大幅な乗客増が見込まれる駅がございまして、現在は当該駅のお客様の流動を検討中の段階でございます。
また、大江戸線は、急カーブ、急勾配を走行するために、運転速度の向上は非常に難しく、運転間隔や停車時分にもほとんど余裕がないため、ホームさく設置による停車時分の増加がそのまま運転時分の増加となります。その結果、輸送力が低下しまして、お客様サービスが低下することになります。
ホームさくの設置につきましては、設備面、輸送面等さまざまな課題がありますけれども、それを踏まえ、国とも連携を図りながら、お客様サービスを低下させないよう、技術的可能性について総合的に検討することを必要と考えております。
○林委員 もう終わりますけど、恐らく一番可能性が見出せるのは大江戸線じゃないかというふうに思います。混雑率も一五〇%ということでありますし、今おっしゃったように、乗降客もかなりふえてきております。先ほどいったように、一方ではマイナス要因といいますか、そういうのもありますけれども、この公営企業委員会の中でも何回かにわたってホームさく、質疑がありまして、私も目を通させていただきましたけれども、相変わらず国との連携だとか、検討する、検討するという答弁じゃなくて、ぜひ具体的に一つ一つつぶしていくというようなお気持ちで取り組んでいただきたいことを要望して、終わります。
○後藤委員 私は、交通局の組合の方たちの例えば仕事のやり方について二、三お伺いしたいと思います。
組合の役員と支部長さんたちの仕事の形態が変わったというふうに聞いていますけれども、いつから、どのように変わったのか、まず教えていただけますか。
○坂上職員部長 組合役員の見直しの時期と内容でございますが、組合本部員、それから支部長を含めまして九月一日から変えたところでございます。
内容でございますが、十五年度のいわゆる職免基準の見直しを受ける一方、最近の時代状況を勘案いたしまして、組合役員の従事する苦情処理業務の対象時間及び勤務の内容を厳しく見直したところでございます。
○後藤委員 時代状況といわれたんですけれども、例えば時代状況でくくったらば何でも時代状況で終わっちゃうんですけど、できましたらば時代状況というのを具体的に教えてください。
○坂上職員部長 私どもの事業が置かれているいわゆる事業環境ということでございますので、例えば都民の目線も含めて今日的な状況ということでございます。
○後藤委員 例えば都民の目線といった場合にですけれども、例えば行革一一〇番というふうな形で私の場合は行革の目で見ていますが、例えば支部長ですとか組合の役員というのは本来業務をやっていなかったから−−例えば行革のこともいわれ出したし、例えばお金もなくなった、金のことを明確にしなければいけなくなったということで、前までは組合役員ですとか支部長さんたちは、本来の業務もやっていなかったのに金だけもらっていたわけですよ。例えばドライバーの方たちだったら、例えばドライバーの業務を全くやっていなかったのにドライバーの給料をもらっていたわけですね。できたら、ここのところだけちょっと確認をしておきたいのですが。
○坂上職員部長 営業所の業務につきましては、乗務以外にも、いわゆる業務運営上必要なさまざまな事業がございます。それらに一応つく場合もあるわけでございます。それらを含めて業務をやっているところでございます。
○後藤委員 例えば九月までの仕事、九月から変わった仕事ですけど、組合の役員さんの場合は、九月の変わる前まではどのようなお仕事をなさっていて、九月以降はどのようなお仕事をするのか、できたら具体的に教えてください。
○坂上職員部長 先ほどもございましたように、いわゆる支部長につきましては、先ほど申し上げました苦情処理関係とかを含めて業務の見直しをすることによりまして、本来の乗務関係の業務につけるような状況ができたわけでございます。また、組合本部役員につきましては、本来業務ができない業務につきましては、運輸業務への転職をさせたところでございます。
○後藤委員 私が聞いているのは、例えば組合役員は、九月の前までは仕事は何をやっていたのか、どのような仕事。例えば先ほどおっしゃったように、苦情処理をやっていたとか、サービス推進業務をやっていたとかいわれましたけど、いってみれば、九月を境にしてどのように変わったのかというのを知りたいので、ですから、九月前の仕事と九月の後の仕事を教えてください。
○坂上職員部長 組合本部役員につきましては、いわゆる所属長が決めましたサービス業務でございますとか、そのほか、いわゆる苦情処理、法令で定められてございます苦情処理、そのほか、いわゆる職免として認められている事項などをやっていたところでございます。それが、九月一日以降、いわゆる運輸業務に当たるということでございます。
○後藤委員 今の部長のお話を聞いていますと、結局何も変わっていないわけですよね、仕事の内容として。結局、仕事の内容が変わっていないにもかかわらず、例えば運輸業務になった場合には、給料は延伸措置をとられるというふうに先ほどのご答弁があったんですけど、できたらば、ここでおっしゃっていた延伸措置というのはどのような計算方法になっていて、例えばどのぐらい給料が下がるのかということを教えていただけますか。
○坂上職員部長 昇給の延伸となるということで、延伸の影響でございますが、これにつきましては、採用時から、乗務員でございますと、いわゆる転職いたしますと、運輸業務であったと仮定いたしまして、初任給決定時の前歴加算についても、なかったものとして再計算をするということで、現在の給料号級との差の分は延伸するというものでございます。
金額、影響でございますが、影響につきましては人によっていろいろございますが、数十万から、人によって百万といいますか、三けたの額が想定されるということでございます。
○後藤委員 結局、そうなりますと、組合の役員さんたちは、前までも運輸業務と同じ仕事をやっていたのに、給料だけはドライバーの高い給料をもらっていたというふうに考えてよろしいですか。
○坂上職員部長 本部役員につきましては、いわゆる本来業務、所属長の指示した本来業務等をやっていたところでございます。九月一日以降は運輸業務という形で、どういう業務に携わっているかといいますと、いわゆる運行管理業務等々の業務に携わっているところでございます。
○後藤委員 部長が今おっしゃった運行管理業務というのは、具体的にはどんなことになるんですか。
○坂上職員部長 例えば、いわゆるターミナルでの発車業務だとか、もろもろでございます。
○後藤委員 間違っていたらばいっていただきたいんですけど、例えばバスでしたら停留所の清掃ですとか、こういうのを運輸業務と聞いていたんですけど、例えばバスの発車の運行管理というふうに聞いてよろしいんですか。
○坂上職員部長 ちょっと私も一般的ないい方をいたしましたんで、もう少し具体的な話をさせていただきたいと思います。
バス関係につきましては、いわゆる路線担当の補助業務というようなことでございますとか、あとは所属長が必要により命じた業務ということでございまして、具体的にということで、停留所施設の管理と整備でございますとか、停留所案内表記や汚損した破損の調査などを担当しているところでございます。
○後藤委員 だったらば、先ほど部長がいわれました運行管理には入らないんですよね、それは。
○坂上職員部長 運行管理につきましては、私、先ほど運輸業務の全体の一般的な話を申し上げましたんで、そこはありません。
○後藤委員 とりあえず訂正をしていただいたんで安心しました。
そうしましたら、観点をちょっと変えてみたいんですけれども、ドライバーさんの場合です。例えば一般のドライバーさんの場合は、例えば研修ですとか講習ですとかを行っていると思いますけれども、現状は、例えば一年に一回は講習をやるとか研修をやるとか、できたらこの辺の確認をしたいんです。
○坂上職員部長 乗務関係の研修につきまして、いろいろございますが、入局したときだとかございます。現任研修というのがございまして、三年に一回、例えばサービスでございますとか事故関係等のものを研修所等でやっているところでございます。
○後藤委員 そうしましたら、一般のドライバーは、現任研修ですとか、いろいろな講習をやっていらっしゃると思いますけど、例えば支部長さん、役員さん、この方たちは、一般のドライバーさんがやっていらっしゃるのと同じような講習ですとか現任研修はやられていたのかどうなのか、そこのところを確認したいんですが。
○遠藤自動車部長 支部長等の研修の受講でございますけれども、営業所で実施いたします研修等につきましては、支部長等も参加させております。
○後藤委員 確認なんですけれども、支部長さんは私の方もわかっているんですけど、組合の役員さんもやられていましたか。
○遠藤自動車部長 組合の役員ということを本部員というふうに受け取ってお答えいたしますけれども、本部員の研修について、営業所で実施する場合には、研修等で営業所で受講させておりますけれども、受講できない場合には、別途、所属長、所長が個別に本部員に対して研修を実施しております。
○後藤委員 例えば前年で構いませんけれども、組合の役員さんが講習だとかをやったものの資料を後で出していただきたいと思います。
次に、例えば組合の役員さんが運輸業務をなさると思いますけれども、運輸業務をやったときに、先ほどのご答弁では、所属長の方が日々確認しているというふうにいわれたんですが、例えば文書化なさるおつもりはありますか、ありませんか。
○坂上職員部長 日々の業務執行についてでございますが、必要に応じまして書類を作成し、所属長が確認するということに考えております。
○後藤委員 何で私がこの質問をさせていただくかといいますと、例えば現場の所属長さんたちが、組合の本部役員の方たちをこれから使うわけですよ、職務命令をして。これは現場の所属長の方々といった方がいいと思うんですけれども、方々から、現状のまま、今までと同じように、例えば所属長が日々確認するというふうな形をとっていては−−組合の役員の方たちというのはある程度の組合の幹部ですよね。考えてみれば、交通局と組合というのは一体になってやっていらっしゃったんですよ、今まで。なぜかといえば、先ほどもいったように、組合の役員の方ですとか支部長の方たちは、例えばドライバーで雇ったとしても、ドライバーの本来の業務をさせないで、金だけあげていたわけですよ。
こういうふうになっていった場合に、今度は変えていただいたわけですよ。例えば職種を指定しまして変わったわけですけれども、現場の所属長の方たちを守るためにも、この辺は文書にして−−仕事の場合には、例えば職務命令を出すわけですよね。結局、職務命令を出して、運輸業務、職員の方たちが働くわけです。例えば残業命令簿みたいな形で何かしらの文書を残しておくべきだと思うんですけれども、見解をお尋ねします。
○遠藤自動車部長 自動車部の場合ですけれども、停留所施設の管理、整備等を命じた際には、報告書を提出させ、所長が確認することとさせております。
○後藤委員 だったらば、観点を変えてもう一つ運輸業務で聞きたいんですけれども、組合の役員の方たちは選挙で選ばれるわけですけれども、例えば現在の組合の役員の方が選挙に落ちちゃって、またドライバーに戻りたいというふうにいわれたとしたらば、ドライバーに戻ることはできるんですか。
○坂上職員部長 運転業務への復帰というのは、実際、適性を見て異動させてございますので、なかなか難しい面があろうかと思いますが、制度的には可能でございます。
○後藤委員 組合の役員の選挙は何年かに一遍あるわけですけれども、例えば次回の選挙で選ばれた組合の役員さんというのは、この方たちは自動的に運輸業務の仕事になるわけですか。適性を判断して、例えばドライバーなり何なりをやれる場合にはドライバーのまま組合の役員になるのか、例えば組合の役員に選ばれたら、もう運輸業務というふうに決まるのか。
○坂上職員部長 ただいまの、いわゆる乗務から運輸業務になるというのも、これはあくまでいわゆる乗務職場だけでございます。今度は逆の場合でございますが、その場合は、先ほど申し上げました、復帰の場合は適性の面を判断しながらということになるわけでございますが、そのほかの道としては、いわゆる転職試験というのも、職員試験というようなものもございますので、例えばそういう方の試験を受けていただくという方法もあるわけでございます。
○後藤委員 例えばドライバーになっていて、運輸業務になって、またドライバーに戻る場合というのは、給料では延伸の計算で下げるわけですよね。例えば下げたやつはもとに戻すんですか。
○坂上職員部長 先ほど延伸の話を申し上げたところでございますが、逆のケースの場合でございますと、当然、今度は本来の乗務のドライバーという形に戻りますので、やはり前の形と計算をし直しますので、戻るという形になります。ただ、運輸業務に従事していました期間は一応除かれるということでございます。
○後藤委員 とりあえずこの関係はあれなんですが、結局まとめますと、例えば私のところに入ってくる情報からいきますと、結局、組合の役員は働いていないよと。それで、組合の役員さんでも、例えばドライバーとして雇われた場合には必ず研修なり何なりというのはちゃんとやるとか、例えばドライバーというものを……。結局、部長の話からしてみますと、組合の役員の方たちの指定職みたいな形になっているのが運輸業務ですよね。この辺はこれからは変わるということでいいんですけれども、できたらば、交通局と組合の関係ですけれども、もっともっと緊張関係を持ってやっていただきたいと思います。
先日ですけれども、青梅の方に出かけていきました。自動車部の青梅支所を見せていただいたんですけれども、組合の事務所の前に社民党のポスターが大きく張ってあるんですけれども、例えば組合の掲示板であったとしても、バスの事業所ですので、こういうのはまずいんではないかと思うんですけれども、いかがなものなのでしょうか。
○坂上職員部長 公務員などの政治活動の制限を定めました地方公務員法第三十六条につきましては、公営企業職員は適用除外という形になってございます。また、青梅の件は、掲出も一般都民の出入りのない所定の掲示板ということを踏まえますと、違法性という観点からは問題がないのかなということでございます。
○後藤委員 次に全般的なバス事業についてお尋ねしたいんですけれども、交通局のドライバーの賃金というのが、例えば民間と比べて高いというふうにいわれていますけれども、どの程度高いのかということを認識なさっているのか、まずお願いします。
○遠藤自動車部長 運輸省で京浜ブロック十二社と公営という形で比較したものを参考にご説明させていただきますけれども、要素別原価報告書というものを運輸省の方で作成しております。それによりますと、東京都の場合が、給料、手当、約六十六万ということで、これは京浜地区、横浜、川崎市もございますけれども、公営とは同じ程度、それから、民営が京浜ブロックは十二社ございますけれども、約五十二万円ということで、十三万円程度の差があるというふうに認識しております。
○後藤委員 例えばドライバーの場合ですけれども、新規の採用はどうなっているのか、ちょっと……。
○遠藤自動車部長 交通局といたしましては、チャレンジ二〇〇一のときから新規採用はストップしております。
○後藤委員 確かに新規採用はストップなさっていると思うんですけれども、例えば再任用ですとか再雇用ですとか非常勤の方たちというのはお雇いになっていると思うんですけれども、これは交通局さんから資料をいただいたんですが、例えばドライバーの場合、現在ですけれども、一四%ぐらいが再任用、再雇用、非常勤というふうになっています。この中で、調べてみましたらば、品川ですとか大塚営業所の場合は二〇%まで行っているんですよ。一般的に考えますと、例えば新規採用はやめる。ただし、新規採用はやめたとしても、退職者はふえていくわけですから、例えば何パーセントぐらいを目安にやっているか。
○遠藤自動車部長 新規採用をストップしていく中で退職者がふえている状況の中で一定の事業運営をするためには職員を採用しなくてはならないということで、退職した職員について、再任用、再雇用を採用しているという状況でございます。
○後藤委員 例えば再任用ですとか再雇用の方というのは、一般的に考えまして六十歳を超えている方と思われますが、例えば健康状態のチェックだとかというのをやっていかないといけないと思いますけれども、どのような感じでやっているのか教えていただけますか。
○遠藤自動車部長 再任用、再雇用を採用する場合におきましては、先生お話しのように、健康状態を第一に判断するわけですけれども、その他、正規職員時の事故歴、それから適性検査の内容等に基づきまして採用の可否を判断しております。
○後藤委員 再任用、再雇用の方たちに関しては、何か事故だとかが起きると大変なことになりますので、できるだけ健康状態のチェックはよろしくお願いしたいと思います。
次に、交通局ではアルコールチェッカーをお使いになっていると思います。アルコールチェッカーを使い出してから今まで何人ぐらいの方がアルコールチェッカーにひっかかったか。
○遠藤自動車部長 自動車部といたしましては、乗務検査の結果、飲酒臭がするとか、アルコール検知器の反応が認められた場合には、点呼執行者の判断によりまして乗務禁止という措置をとっております。平成十六年四月以降、十月末まででございますけれども、営業所すべてで百二十一件を乗務禁止という措置にしております。
○後藤委員 百二十一件見つかったというふうにいわれましたけれども、例えばどういうふうな指導をなさっているのか、指導方法をできたら具体的に教えていただけますか。
○遠藤自動車部長 乗務禁止となった乗務員に対する指導でございますけれども、第一段階としましては、所属長等が事情聴取を行った上、酒気帯び等による場合については、前日の飲酒量などの調査を行い、乗務禁止の当日につきましては私事欠勤扱い−−これは給料の減額になります私事欠勤扱いとします。再び繰り返すことのないように厳重に注意、指導を行い、再発防止を図っているところでございますけれども、二回目というような事態になった場合には、懲戒処分という形で処置をしております。
なお、先ほど、乗務禁止という措置をとったという件数を百二十一件といいましたけれども、自動車部のアルコール検知器につきましては、一応、ローとハイというような表示になっておりまして、ローの表示につきましては、道交法の規定に抵触するような数値ではございません。
○後藤委員 今部長がおっしゃいました百二十一件というのは、例えばアルコールチェッカーのハイだけですか、ローもハイも含めて鳴ったものがすべてということですか。仮にそうだとしましたらば、ハイとローの内訳をちょっと教えていただけますか。
○遠藤自動車部長 申しわけありません。内訳までについては、ちょっと手持ちの資料がございませんので、お答えできません。申しわけありません。
○後藤委員 できたらば、このぐらいのものは理事者の方だったら持っていなかったらば、例えば処分だとかをやっていくときに、部長だって、事案が上がってきたら必ずペーパーを見るわけですよね。そうだったらば、僕、わかってもいいんじゃないかと思います。
百二十一件でひっかかった方たちがいるというわけですけど、お酒を飲む方で、例えば一回ひっかかったらば、二回目にひっかかったら大変なことになるなというふうに多分考えられると思うんですけれども、考えたとしたらば、朝、例えば時間休をとっておくれて出勤をしようと。これはアルコールですから、何時間か時間をあければアルコール抜けちゃうわけですよね。普通の人だとしたらば、例えば前の日に飲んじゃった、それでやばいなと思ったらば、時間休なり、だったら休暇をとった方がいいじゃないかというふうに思うと思いますけれども、この辺の対応はどうなっているのか。
○遠藤自動車部長 バスの乗務員の場合には、ダイヤという形で一日に従事する仕事が決められております。したがって、時間休というような形で休みをとった場合には、その一日の割り当ての仕事ができないわけでございますので、時間休というものは認めておりません。
○後藤委員 原則は認めていないかもしれませんけれども、例えば風邪引いた、急用ができたから午前中休ませてくれというふうな案件は一件もないんですか。
○遠藤自動車部長 体調不良等による休暇の申し出はあります。
○後藤委員 例えば体調不良の場合はあるということは、例えば二日酔いだって別に体調不良になると思いますけれども、例えば二日酔いだから時間休ください、午前中休みますなんて人、一人もいないわけですよ。今部長がおっしゃいましたように、体調不良の場合はいいというふうにおっしゃいましたけど、体調不良と二日酔いとの区別というのはどうやってつけているんですか。
○遠藤自動車部長 体調不良等の確認でございますけれども、後日、診断書等を提出させるようにしております。
○後藤委員 この二日酔いの件ですけれども、私の方でもいろいろ調べましたらば、こういうふうなケースもあって、例えば二日酔いの場合は、時間休というよりも、体調が悪いということでかわってもらっているというふうなケースも聞いていますので、できたらばこの辺のことも、例えば二日酔いでひっかかりたくないのもわかりますけれども、この辺の対処の方法をまた考えてみていただきたいと思います。
最後なんですけれども、資料の中で、一ページなんですが、排煙設備と二方向避難路というのがあるんですが、例えば二方向避難路がないところで排煙設備も整っていない駅があったら、できたら駅名を教えていただけますか。
○古川参事 今ご質問いただきました、排煙設備と二方向避難路のいずれもないというところが、浅草線で本所吾妻橋駅、三田線で本蓮沼駅、浅草線で日本橋駅、三田線で板橋本町駅、以上でございます。
○後藤委員 地下鉄の火災というのは今いろいろと心配されているわけですけれども、排煙設備も完璧になっていなくて、二方向の避難路もないというのがこれですけれども、前もってわかっているわけですから、これ、もっともっと積極的に、早く、とりあえず片一方だけでもするべきだと思うんですけれども、例えばどのような取り組みをやっているのか、ひとつ教えていただきたいんですが。
○古川参事 地下鉄の火災対策の中で、排煙設備、それから二方向避難、いずれも重要な設備だと思っております。ただ、排煙設備あるいは二方向避難路を確保するという意味では、地下鉄の駅でございますので、駅の構造あるいは駅の中でのスペースの確保、それから地上での地上用地の確保、こういったものが必要になってございます。そういう意味では、こういった課題を順次解決しながら、基準にのっとった整備を図ってまいりたいというふうに思っております。また、そういう意味では、駅の大規模改良を行う際に整備をしていくという方向で鋭意検討してまいりたいと考えております。
○後藤委員 最後に聞くんですけれども、例えば何年ぐらいを目安に考えられているか、できたらそれを最後に聞きたいんですけれども。目安が全く立っていないのか、大体何年ぐらいまでにはやろうと思っているのかというのはあると思うんですけれども、仮に全く目安が立っていないというようなことだと、例えばこれらの四つの駅を利用なさっている方たちというのは余りいい気分はしないんじゃないかと思うんですけれども、できたら予定を最後にお尋ねします。
○古川参事 私どもも、今申しましたように、大変重要な火災対策の設備でございますので、鋭意努力して、一日も早くというふうに考えておりますが、先ほどの繰り返しになりますが、用地の確保あるいは駅空間での大規模改造、こういったもののスペースを確保しなければいけませんので、こういったものを確保した上でということですので、少々時間がかかるということでございます。
○田中委員 私は、都営地下鉄について、特に平成十二年十二月の全線開業から間もなく四年を迎えようとしている大江戸線に関して質問をしていきたいと思います。
先日の委員会で局長から、公共交通を取り巻く状況は、回復の兆しは見えてきたものの、長引く景気の低迷や少子高齢社会の到来などにより利用者の大幅な伸びが見込めず、大変厳しいとのご説明がありました。
都内の鉄道網は、大江戸線の全線開業によって飛躍的に便利になりましたが、その後も、平成十三年度には臨海高速鉄道の大崎延伸と埼京線との相互直通運転、平成十四年度には半蔵門線の押上延伸と東武鉄道との相互直通運転の開始などネットワーク化が進んでいます。今後も常磐新線の開業や「ゆりかもめ」の豊洲延伸、東京メトロ十三号線の開業などが予定されています。利用者にとって選択するルートがふえることは利便性の向上になりますが、鉄道事業者にとっては競争が激しくなり、利用者の確保に向けたより一層の努力が求められることになるのではないでしょうか。
そこで、都営地下鉄や、これと相互直通運転を行う私鉄各社や東京メトロの乗車人員に関して、前年度と比べた平成十五年度の伸びはどのようになっているかとご質問しようと思っていましたけど、まあ、数字を聞くのも失礼なので、いただいた資料で私が申し上げますと、都営地下鉄の乗車人員は前年度と比べ二・一%増加をしている。交通局と相互直通運転を行っている私鉄各社の乗車人員は、前年度と比べ、京浜急行電鉄は一・一%の増加、京王電鉄は一・〇%の増加、東京急行電鉄は一・四%の増加となっていますが、京成電鉄は逆に〇・一%の減少となっている、東京メトロについては一・三%増加しているということでありました。
このように、他社に比較して都営地下鉄の乗車人員は伸びているようですが、先ほど申し上げたような新たな鉄道の延伸開業により、路線別にはさまざまな影響があると考えられます。
そこで、伺いますが、大江戸線を初め都営地下鉄の各路線の乗車人員は、直近のデータではどのように推移をしているのか、特に大江戸線については、全線開業後の平成十三年度からの伸びを含めてご答弁をお願いします。
○市川電車部長 平成十五年度の一日平均の乗客数は、浅草線が五十八万人で、前年度に比べ二・三%の減少、三田線が五十万一千人で、前年度とほぼ同数、新宿線が五十八万九千人で、前年度に比べ一・二%の減少となっております。これら三線は、横ばい、または減少傾向にあります。
これに対しまして、大江戸線は六十二万七千人で、全線開業後の平成十三年度から乗車人員は増加を続けており、前年度と比較した毎年度の伸び率は、十四年度が一一・二%の増加、十五年度が一〇・七%の増加となってございます。なお、大江戸線の十六年度上半期と十五年度上半期を比較いたしますと、伸び率は三・一%となってございます。
○田中委員 今ご答弁をいただきましたように、平成十三年度から大江戸線は乗車人員が増加を続けていて、十四年度、十五年度と二けたの伸びを示しているわけですが、十六年度の上半期は、十五年度の上半期に比較すると伸び率が三・一%だったということですから、その伸び率は鈍化しているということがいえると思いますが、その要因は何なのかということ、それから、今後、乗車人員が増加していくという要素はあるのか、どう見ているのかについてお答えください。
○市川電車部長 大江戸線の乗車人員の伸び率の鈍化の要因でございますけれども、六本木ヒルズや勝どきの晴海トリトンスクエア等の沿線集客施設の効果が一段落したものと考えているところでございます。
今後は、六本木の防衛庁跡地の再開発や汐留地区の再開発の進展、さらに、勝どき地区、東新宿地区、若松河田地区における住宅開発など、沿線の新たな開発計画があり、また、常磐新線の開業によるネットワーク効果もございますので、乗車人員は増加するものと考えております。
○田中委員 新たな沿線の大規模な開発計画が今後乗客の増加につながるだろうというお話でありました。
そういう状況を踏まえて、大切なのは、運行ダイヤというものの内容をこの状況に合わせて改善をしていくということだろうと思いますが、このダイヤの改正については、これまでどういうように取り組んできて、これからどのように対応していこうと考えているのか、お答えください。
○市川電車部長 ダイヤ改正につきましては、乗客調査をもとに、混雑緩和と利便性の向上を目的として実施しているところでございます。
大江戸線につきましては、平成十二年十二月の全線開業後、朝ラッシュ時の混雑緩和、深夜の待ち時間の短縮、都庁前駅での乗りかえの利便性の向上などを目的といたしまして、汐留駅開業に合わせ、平成十四年十一月、ダイヤ改正を行いました。
さらに、混雑の緩和を図るとともに、新年度、新学期を視野に入れ、新規旅客誘致のため、朝ラッシュ時の混雑緩和、夕ラッシュ時から夜間時間帯の利便性の向上、さらには深夜の待ち時間の短縮を内容とするダイヤ改正を平成十六年三月に実施いたしました。
今後とも、乗客潮流や乗客数をもとに、必要に応じてダイヤ改正を実施してまいります。
○田中委員 次に、収支の面からお尋ねしたいと思います。
地下鉄は、一般に、開業後、多額の資本費負担のために単年度の収支が悪化するというふうに伺っています。交通局では、今年度、三カ年のチャレンジ二〇〇四を策定して経営の改善に取り組んでいるという説明がありました。大江戸線は全線開業後も乗車人員が増加し、収入を伸ばしているということですが、経営の基本は、入るをはかって出るを制すということにある。ただでさえ厳しい資本費の負担の中で、経費をできる限り抑制し、効率化を図るということは、収支の早期改善につながるということだと思います。
そこで伺いますが、大江戸線に関しては、経営効率化の観点からどのような取り組みを行っているか、お尋ねします。
○斎藤参事 大江戸線につきましては、建設時からワンマン運転が可能な施設設備を導入するとともに、改札口の位置を工夫いたしまして、設置箇所を抑えることで人員配置の効率化を図るなどし、人件費の抑制に努めております。また、線路がゆがみにくいコンクリート道床を全線にわたって採用することなどによりまして、保守部門においてもメンテナンスの軽減を図っております。
○田中委員 収入が増加して、効率化により経費を節減するということは、大江戸線の収支に効果があると思いますが、全線開業後、大江戸線の経常損益はどのように推移しているのか、また、三カ年の経営計画の中で大江戸線の経常損益はどこまで改善する見通しなのかについてお聞きします。
○金子総務部長 大江戸線の経常損益の推移についてでございますが、平成十三年度決算ではマイナス三百四十七億円、十四年度がマイナス三百五億円、十五年度はマイナス二百四十九億円となっております。経営計画チャレンジ二〇〇四における最終十八年度の大江戸線の経常損益は、マイナス百八十七億円を見込んでおります。これは、先ほどご紹介しました平成十五年度決算との比較では六十二億円の改善となる見込みでございます。
○田中委員 大江戸線の収支が当面厳しいということはわかりましたけれども、平成十五年度における他の各路線の経常損益の状況と、それらを加えた都営地下鉄全体の経常損益はどのようになっているのか、また、都営地下鉄全体の経常損益は、三カ年の経営計画の中でどこまで改善する見通しなのか、お尋ねします。
○金子総務部長 平成十五年度決算におきます大江戸線以外の路線別の経常損益でございますが、浅草線が七十一億円、三田線がマイナス二十一億円、新宿線が六十五億円となっております。この既設三線に大江戸線を加えました都営地下鉄全体では、マイナス百三十五億円となっております。
また、現経営計画における最終十八年度の都営地下鉄四線全体の経常損益は、マイナス八十三億円を見込んでおります。これは、平成十五年度決算との比較では五十二億円の改善となる見込みでございます。
○田中委員 都営地下鉄の収支で見ると、大江戸線の赤字を、ほかの三線がある程度カバーしているという状況がわかります。
公共交通を担う事業者は、今後とも、厳しい事業環境の中で、創意工夫して競争力を高めなければなりません。同時に、環境や福祉などの社会的要請にも的確にこたえることが求められています。都営地下鉄でも、安全やサービスの質の維持向上を図りながら効率化策を進めるには課題が多いと思いますが、一層の努力を要望し、大江戸線の安定を通じた都営交通全体の経営基盤が強化されることを願っております。
最後に、一応数字の面でいろいろ見てまいりまして、今申し上げたように状況がわかったわけですが、地下鉄の建設の場合は大変大きな初期の投資というものがかかる。その地下鉄のインフラを整備するお金の調達が、独立採算と受益者負担という原則で公営企業は経営をしていかなければならないんだということがあるわけですが、その初期の投資というのが非常に自治体にとって、あるいは事業者にとって重いという、これは以前からそういう指摘があるわけですけれども、そういう現状があります。
今後、地下鉄というのは全国の主要都市でいろいろ取り組んでいるわけですけれども、一つ時代の流れとして、今、分権の議論の中でいろんな税制の改革とか補助金の問題とか交付税の問題というのが議論されておりますけれども、地下鉄の事業者として、この初期投資の負担のあり方はどうあるべきか、どういうことを求めたいのかということについてご所見がありましたら、お尋ねしたいと思います。それで私の質問は終わります。
○金子総務部長 地下鉄の建設に当たりましては、今お話しございましたように、大変重い初期投資がございまして、その後の利子負担とか減価償却費が経営を大きく圧迫する要因になっております。
こういったことで、地下鉄網の整備や経営の安定にとっては、まず、何といっても地下鉄建設費補助制度の拡大、充実がぜひとも必要であることから、これまでも都の重点要望事項としまして、都議会のご協力を得ながら国に働きかけてまいりました。この結果、順次それなりの改善がなされてきたわけでございます。バリアフリー関係の大規模改良工事も対象にされたりしてきておりまして、今後とも、地下鉄を経営している他の都市とも連携をしまして、さらに補助対象事業の拡大とか、あるいは実質補助率の拡大、補助制度の充実について関係省庁に強く働きかけてまいりたいと思っております。
○大木田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大木田委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で交通局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時二十二分散会
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