公営企業委員会速記録第五号

平成十六年五月二十六日(水曜日)
第十委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長鈴木貫太郎君
副委員長田島 和明君
副委員長木村 陽治君
理事ともとし春久君
理事高島なおき君
理事尾崎 正一君
後藤 雄一君
林  知二君
串田 克巳君
大津 浩子君
中山 秀雄君
比留間敏夫君
立石 晴康君
小山 敏雄君

 欠席委員 なし

 出席説明員
交通局局長松尾  均君
次長谷川 健次君
総務部長木村 純一君
職員部長坂上 信雄君
資産運用部長泉本 和秀君
電車部長市川 英治君
自動車部長遠藤 秀和君
車両電気部長関口 貞夫君
建設工務部長北川 知正君
経営計画調整担当部長佐藤  守君
参事斎藤  信君
参事中村 卓也君
参事佐藤 純夫君
参事中野 伸宏君
参事古川 俊明君
水道局局長飯嶋 宣雄君
次長甘利 鎭男君
総務部長中田 清己君
職員部長東岡 創示君
経理部長松井 庸司君
サービス推進部長中村 忠夫君
浄水部長御園 良彦君
給水部長滝沢 優憲君
建設部長田口  靖君
企画担当部長鈴木 孝三君
設備担当部長六車 一正君
参事伊藤  豊君
多摩水道改革推進本部本部長本山 智啓君
調整部長中村 重利君
施設部長長岡 敏和君
参事細矢 重次君

本日の会議に付した事件
 交通局関係
陳情の審査
(1)一六第一号 多摩川上流部の総合的な清流復活に関する陳情
 水道局関係
報告事項(説明・質疑)
・契約の締結について
陳情の審査
(1)一六第一号 多摩川上流部の総合的な清流復活に関する陳情

○鈴木委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課の担当書記の小森繁樹君であります。
 よろしくお願いいたします。
〔書記あいさつ〕

○鈴木委員長 次に、第二回定例会中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承ください。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の陳情の審査を行った後、水道局関係の報告事項の聴取及び陳情の審査を行ってまいります。
 これより交通局関係に入ります。
 初めに、先般の組織改正及び人事異動に伴い、幹部職員の一部に交代がありましたので、松尾局長から紹介をいたします。

○松尾交通局長 四月一日付の組織改正並びに人事異動によりまして、当局幹部職員に異動がございましたので、紹介させていただきます。
 資産運用部長の泉本和秀でございます。自動車部長の遠藤秀和でございます。経営計画調整担当部長の佐藤守でございます。企画担当参事の斎藤信でございます。安全管理担当参事の中村卓也でございます。バス路線再編成・事業活性化担当参事の佐藤純夫でございます。技術調整担当参事の中野伸宏でございます。
 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○鈴木委員長 紹介は終わりました。

○鈴木委員長 これより陳情の審査を行ってまいります。
 一六第一号、多摩川上流部の総合的な清流復活に関する陳情を議題といたします。
 理事者からの説明を求めます。

○関口車両電気部長 陳情一六第一号の交通局に関する部分につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料一ページをお開きいただきたいと存じます。
 この陳情は、青梅市の東京都内水面漁業協同組合連合会会長の大谷幸雄さん外三人の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、奥多摩にございます当局の白丸調整池ダム定期点検によって河川環境を悪化させないようにしていただきたいというものでございます。
 次のページに、多摩川における白丸調整池ダムの位置と水の流れを示した図を添付いたしましたので、ごらんいただきたいと存じます。
 本件の背景でございますが、白丸調整池ダムの定期点検は、電気事業法に基づき、ダムの機能を維持するため、ダムの放流用ゲートを全開し、ゲートの修繕や地下導水路の状況確認等を行うもので、原則として三年ごとに実施してまいりました。
 平成十四年度の定期点検では、多摩川の上流域における山腹の崩落拡大のため、例年に比べダム内の堆積物に土や砂が多く含まれていたことなどにより、ダム放流水の濁りが長期化いたしました。
 交通局といたしましては、平成十八年度に計画している次回の定期点検に向け、引き続きダム内の土砂しゅんせつや定期点検に伴うゲート放流期間の短縮化などの対策を実施していくとともに、多摩川の上流域における山腹の崩落対策を関係部署に要望してまいります。
 また、来年度には、学識経験者に、濁りの発生における堆積物の組成と河川流量との関連性などの技術的検討を依頼し、再発防止に向けた方策の提言を受けることとしております。
 今後とも、定期点検時には、これまでどおり事前に地元関係者の了解を得るとともに、ただいま申し上げました各種対策を講じることにより、河川環境を悪化させないように努めてまいります。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 発言を願います。

○大津委員 定期点検におきますしゅんせつや工期短縮などの対策を実施されるということですけれども、やはりまず山腹のがけ崩れといいますか、崩壊、この大もとの原因である上流部の山腹崩壊が改善をされなければ、抜本的な解決策にはならないのではないかという心配がございます。
 そういった意味では、白丸調整池ダム上流域における山腹崩壊の現状と関係部署による対策状況がどのようになっているのかお伺いしたいと存じます。
 つまり、この交通局以外の部分が大もとの原因にあるように思います。縦割り行政の横のつながりもちょっと心配でございますので、ここで第一点目にお伺いするとともに、二点目としましては、河川環境を悪化させないよう、次の定期点検に向けて局としてどのように取り組まれていくのか、その見解をまとめて二点お伺いいたします。

○関口車両電気部長 まず第一点目でございます。
 上流域におけます山腹崩落の現状でございますが、白丸調整池ダムの上流側にあります日原川の山腹の一部が、平成十三年九月の台風十五号により崩落しております。現在の対策状況ですが、関係部署において崩落地の土石流をせきとめるダムの建設や、崩落した山腹の緑化などの復旧治山事業を進めているところでございます。
 交通局として、これら復旧事業の一層の推進を引き続き要望してまいります。
 二点目でございます。
 次回の定期点検は平成十八年度に予定しております。濁り長期化の再発防止に向け、しゅんせつや放流期間短縮などの諸対策を進めるとともに、堆積土砂の調査を引き続き行い、その基礎データを活用して、平成十七年度には学識経験者による技術検討を行い、再発防止に向けた方策の提言を受けることとしております。
 交通局としまして、以上の諸対策を講じることにより、河川環境を悪化させないよう努めてまいります。

○鈴木委員長 発言がないようでございますので、お諮りいたします。
 本件は、水道局所管分もありますので、決定は水道局所管分の審査の際に行い、ただいまのところは保留といたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一六第一号は保留とさせていただきます。
 以上で陳情の審査を終わります。
 交通局関係を終わります。

○鈴木委員長 これより水道局関係に入ります。
 初めに、さきの組織改正に伴い、幹部職員の一部に交代がありましたので、飯嶋局長から紹介を申し上げます。

○飯嶋水道局長 四月一日付の組織改正によりまして、営業部がサービス推進部となりましたので、改めてご紹介させていただきます。
 サービス推進部長の中村忠夫でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕

○鈴木委員長 紹介は終わりました。

○鈴木委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○松井経理部長 工事請負契約につきまして、お手元の資料1によりご報告申し上げます。
 本日ご報告申し上げますものは、平成十六年二月一日から平成十六年四月三十日までの間に契約を締結いたしました、予定価格が一件九億円以上の工事請負契約二件でございます。
 一ページをお開きいただきたいと存じます。本日ご報告申し上げます二件の契約を一覧にした総括表でございます。
 以下、順次契約の概要についてご説明申し上げます。
 二ページをお開きいただきたいと存じます。この契約は、三園浄水場高度浄水施設築造工事でございます。
 工事の内容は、水源及び浄水施設整備事業の一環として、三園浄水場に高度浄水施設を導入するため、オゾン処理所及び生物活性炭処理施設を築造するものでございます。また、生物活性炭処理施設上部に管理本館を築造するものでございます。
 契約の方法は、WTO一般競争入札、契約金額は六十億一千六百五十万円、契約の相手方は、鹿島・錢高・フジタ建設共同企業体でございます。
 入札経過につきましては三ページに、施工場所の図面につきましては四ページにございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 次に、五ページをお開きいただきたいと存じます。この契約は、八王子市千人町一丁目地先から緑町地先間送水管(一五〇〇ミリメートル)用立坑及びトンネル築造工事でございます。
 工事の内容は、多摩配水施設整備事業の一環として、八王子市千人町一丁目十番地先から緑町三百六十一番地先間に送水管(一五〇〇ミリメートル)を布設するため、立坑及びトンネル(内径二一五〇ミリメートル)の築造工事をシールド工法により行うものでございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は十四億五千四百二十五万円、契約の相手方は熊谷・みらい建設共同企業体でございます。
 入札経過につきましては六ページに、施工場所の図面につきましては七ページにございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、ご報告申し上げます。よろしくお願いいたします。

○鈴木委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行いたいと思いますが、ございましょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 ないようでありますので、本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思います。ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。本件に対する質疑は終了させていただきます。

○鈴木委員長 これより陳情の審査を行います。
 一六第一号、多摩川上流部の総合的な清流復活に関する陳情を議題といたします。
 理事者からの説明を求めます。

○御園浄水部長 それでは、陳情につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます資料2、請願陳情審査説明表をごらんいただきたいと思います。
 この陳情は、東京都内水面漁業協同組合連合会会長大谷幸雄さん外三名から提出されたものでございます。
 陳情の要旨といたしましては、水道局は、奥多摩湖、これは小河内ダムでございますが、これの水質向上に努め、藻が発生しないよう工夫することというものでございます。
 この陳情に関する現在の状況でございますが、当局は、これまで、流入域であります丹波山村や奥多摩町などの下水道整備を初め養魚場の排水対策など小河内貯水池への流入対策を進め、富栄養化防止に努めてまいりました。
 しかし、湖面では、一昨年来、夏季における藻類の発生が著しく、透明度の低下や臭気の発生などの問題が生じております。この藻類の発生につきましては、全国の湖沼におきましても共通の水質問題となっておりまして、その生態系や発生メカニズムについて調査研究がされておりますが、効果的な対策はまだ確立されていない現状でございます。
 当局におきましても調査研究を進めており、昨年度は、他の貯水池で試行されております藻類の拡散を防止するための分画フェンスを試験的に貯水池上流部の三ヵ所に設置し、その効果を検証しているところでございます。
 今後とも藻類対策につきまして検討を行い、その抑制に努めてまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議くださいますようお願いいたします。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 あらかじめ申し上げさせていただきますが、本件中、交通局所管分に対する質疑は既に終了いたしております。
 本件について発言を願います。

○大津委員 今から約五十年前に、多摩川上域に東京都が技術の粋を尽くしてつくった小河内ダムですけれども、この小河内ダムは今も一番の、国内最大の飲み水専用のダムでありますとともに、その湖畔における風景は美しく、都民の憩いの場にもなっております。
 そういった良質な水を維持してきた小河内ダムのお水が、最近夏におきましては特に藻類、青い粉をふいたような藻ですね、それが大発生しまして、濁ってきたり臭気の発生があるなど問題が生じているとお伺いしております。
 そこでお伺いしたいのは、近年における小河内ダムの藻の発生状況をまずはお知らせいただくとともに、なぜアオコといわれる藻の大発生が起きてしまったのか、まとめてお伺いしたいと存じます。

○御園浄水部長 小河内貯水池におきましては、平成元年ころから河川の流入部でアオコが毎年発生するようになりました。また、平成四年以降は、アオコの発生期間が長期化する傾向となっておりまして、特に平成十五年にはアオコの大量発生がございまして、カビ臭も認められました。
 夏の日差しと、これによる水温の上昇によりまして、貯水池内に生息する藍藻類が流入する栄養塩類を摂取いたしまして、青い粉をまいたような状態、いわゆるアオコを形成するといわれております。全国の湖沼におきましても、この藻類が大発生する例が多く、共通の水質問題となっております。
 なお、藻類の生態や発生メカニズムについてさまざまな調査研究が実施されておりますが、現在のところ、効果的な対策はまだ確立されていないという状況でございます。

○大津委員 アオコが発生してしまったということは残念なことではありますけれども、水道局そして私たちの一番の願いである、おいしい水を適正な価格で毎日飲んでいくということで、飲み水でもございますので、その水道水への影響、臭気も発生しているそうですが、その辺についてちょっとご確認いたします。

○御園浄水部長 アオコから発生いたしますジオスミンというカビ臭原因の物質によりまして、水道水にカビ臭が感じられる可能性があるということでございます。
 昨年、多摩川から取水している小作浄水場におきまして、カビ臭除去対策として活性炭注入を行い、浄水処理に万全を期したところでございます。

○大津委員 今の答弁にもありましたけれども、ダムの下の浄水場の方では活性炭により対応しているということだそうですけれども、一方、水道局では、富栄養化防止にも努めてきたそうですが、平成元年以降、毎年アオコが発生するようになったということについて、そのアオコの発生に対しては、これまでどのような対策を実施されてきたのかについてお伺いします。

○御園浄水部長 小河内貯水池に流入する河川の水質を改善するため、上流域の丹波山村、小菅村、奥多摩町におきまして下水道の整備を進めてまいりました。また、上流域にある養魚場の排水対策もあわせて実施してきたところでございます。
 一方、アオコ対策といたしまして、河川流入部で発生したアオコの流下、拡散を抑制するため、昨年七月に河川流入部の三カ所に分画フェンスを設置いたしました。
 さらに、ことしは、湖面上層部で発生しておりますアオコを、日光の届かない深層部に機械的に送り込む方法を検討しているところでございます。

○大津委員 アオコといっても、藻ですから、生物の一つでもありまして、こういったダムや池の生態系の一環をなしてもおります。藻以外にも動物性プランクトンや魚など多くの生物が生息して、それで初めて生物の多様性が保たれているというように感じます。
 ちょっとこだわらせていただいた理由というのは、こういった藻対策やいろいろな改修工事におきまして、自然体系を崩してまで、例えば藻を根こそぎ取ってしまうとか、そういった自然体系を崩すようなことではなく、最低限の自然体系は守りながらも、英知を尽くして手を加えていくという点につきましてお願いしたかったものですから、その辺の所見についてお伺いしたいと存じます。

○御園浄水部長 先ほどご答弁申し上げましたが、分画フェンスなどの対策は、自然の作用を利用してアオコの発生を抑制するものでございまして、生態系への影響はないものと考えております。

○大津委員 そのような形で、今後とも安全でおいしい飲み水を安定的に供給していくということで、また次の世代にも引き継いでいくことを願いまして、質問を終了させていただきます。

○鈴木委員長 ほかに質問はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一六第一号は趣旨採択と決定させていただきます。
 なお、本件は、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で陳情の審査を終わります。
 水道局関係を終わらせていただきます。
 以上で本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十五分散会

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