公営企業委員会速記録第十二号

平成十四年十一月二十九日(金曜日)
第十委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長東野 秀平君
副委員長近藤やよい君
副委員長東ひろたか君
理事ともとし春久君
理事富田 俊正君
理事比留間敏夫君
後藤 雄一君
串田 克巳君
立石 晴康君
中山 秀雄君
三田 敏哉君
田中 晃三君
和田 宗春君

 欠席委員 なし

 出席説明員
交通局局長松尾  均君
次長金安  進君
総務部長久保田経三君
経営企画室長齊藤 春雄君
職員部長木村 純一君
電車部長坂上 信雄君
自動車部長鷲田 能敬君
車両電気部長関口 貞夫君
建設工務部長北川 知正君
会計契約担当部長帯刀  宏君
バス路線再編成・事業活性化担当部長坂本 達郎君
技術管理担当部長道家 孝行君
参事江連 成雄君
参事荒井 哲夫君
水道局局長飯嶋 宣雄君
次長野田 一雄君
総務部長甘利 鎭男君
職員部長東岡 創示君
経理部長松井 庸司君
営業部長中村 重利君
浄水部長本山 智啓君
給水部長御園 良彦君
建設部長松田 恵一君
参事鈴木 孝三君
参事伊藤  豊君
参事六車 一正君
多摩水道改革推進本部本部長鈴木 三夫君
調整部長二階堂信男君
施設部長田口  靖君
技術調整担当部長滝沢 優憲君
下水道局局長鈴木  宏君
次長二村 保宏君
総務部長馬場 正明君
職員部長三浦  茂君
経理部長内村 修三君
業務部長谷村  隆君
計画調整部長大矢 爽治君
技術開発担当部長中里 卓治君
施設管理部長佐伯 謹吾君
建設部長串山宏太郎君
流域下水道本部本部長前田 正博君
管理部長時田 公夫君
技術部長中村 益美君

本日の会議に付した事件
 水道局関係
  第四回定例会提出予定案件について(説明)
  ・東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
  ・東京都給水条例の一部を改正する条例
  事務事業について(質疑)
  陳情の審査
  (1)一四第四六号 水道局に提出された陳情の処理方法と公金による配水管の布設工事に関する陳情
 交通局関係
  陳情の審査
  (1)一四第六八号 都営新宿線東大島駅の改善に関する陳情
 下水道局関係
  請願の審査
  (1)一四第七〇号 世田谷区上馬四・五丁目の浸水対策に関する請願

○東野委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の会期中の日程について申し上げます。
 理事会において、お手元配布の日程のとおり申し合わせを行いましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び事務事業に対する質疑並びに交通局、水道局及び下水道局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は、説明を聴取した後、資料要求を行うにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより水道局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○飯嶋水道局長 第四回都議会定例会に提出を予定しております議案につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布させていただいております資料1及び資料2が提出予定案件でございます。
 まず、資料1は、東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例案でございます。これは、平成十四年七月一日に地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律が施行されたことに伴い、規定整備を行うものでございます。
 次に、資料2は、東京都給水条例の一部を改正する条例案でございます。これは、平成十三年七月四日に水道法の一部が改正されたことに伴い、規定整備を行うものでございます。
 詳細につきましては総務部長から説明いたしますので、よろしくご審議くださいますようお願い申し上げます。

○甘利総務部長 第四回都議会定例会に提出を予定しております二議案につきまして、お手元の資料1及び資料2によりましてご説明申し上げます。
 最初に、東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例案でございますが、資料1をごらんいただきたいと存じます。
 一ページ及び二ページは提出議案でございます。
 改正内容につきましては、三ページ及び四ページの新旧対照表によりご説明申し上げます。上段が改正案、下段が現行条例でございまして、傍線を付した部分が改正部分でございます。
 今回の条例改正は、平成十四年七月一日に地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律が施行され、地方公共団体において、五年以内の任期を定めて任期付職員を採用することができるようになったことに伴いまして、任期を定めて採用された公営企業職員について、給与の種類及び基準を新たに定めるものでございます。
 本条例案の施行期日でございますが、恐れ入りますが、一ページの提出議案にお戻りいただきたいと存じます。附則にございますとおり、施行は平成十五年一月一日が予定されております。
 次に、東京都給水条例の一部を改正する条例案でございますが、お手元に参考資料として配布してございます貯水槽水道に係る給水条例の改正についてをご参照いただきたいと存じます。
 貯水槽を介した給水につきましては、現在、管理の不徹底により衛生上の問題が発生しているものがございます。
 そこで、平成十三年の水道法の改正では、貯水槽を介して給水するビル等の建物内水道の総称を貯水槽水道として新たに定義するとともに、貯水槽水道の管理の充実を図るため、水道事業者が供給規程に基づき一定の関与をしていくことになりました。
 今回の条例改正は、貯水槽水道の管理に関し、水道事業者及び設置者の責任について必要な事項を規定するものでございます。
 次に、お手元の資料2をごらんいただきたいと存じます。
 一ページから三ページまでは提出議案でございます。
 改正内容につきましては、四ページから七ページまでの新旧対照表によりご説明申し上げます。上段が改正案、下段が現行条例でございまして、傍線を付した部分が改正部分でございます。
 それでは、四ページをごらんいただきたいと存じます。
 まず、第六条の三、第十三条第二項第一号、次の五ページの第三十二条第一号は、水道法施行令の改正により、第四条が第五条に繰り下げられたことに伴い、文言整理を行うものでございます。
 五ページの第六章は、先ほど申し上げました貯水槽水道について新たに一章を設けるものでございます。
 まず、第三十三条の二は、貯水槽水道に関する水道事業管理者の責任を定めた規定でございます。これは、水道事業管理者の責任として、設置者に対し指導、助言及び勧告を行うとともに、利用者及び設置者に対し貯水槽水道に関する情報の提供を行うことを規定するものでございます。
 第三十三条の三は、貯水槽水道に関し設置者に報告を求め、または、設置者の同意を得た場合に貯水槽水道施設に立入調査をすることができることを規定するものでございます。
 第三十三条の四は、貯水槽水道の設置等の届け出に関する規定でございます。これは、貯水槽水道の設置や廃止及び変更の際に、設置者が水道事業管理者に対し必要事項を届け出ることを規定するものでございます。
 六ページをお開き願います。
 三十三条の五は、貯水槽水道に関する設置者の責任を定めた規定でございます。貯水槽水道のうち簡易専用水道の設置者は、水道法の規定するところにより管理等を行うこととし、また、簡易専用水道以外の貯水槽水道の設置者は、検査を行うなど適切に管理を行うことを規定するものでございます。
 次に、第七章は、貯水槽水道に関する章の新設に伴い、これまで第五章に規定されていた第三十四条及び三十五条の過料規定の前に章名を付するものでございます。
 第三十四条は、水道法施行令の改正に伴う文言整理を行うものでございます。
 次に、第八章は、第六章及び第七章の追加に伴い、章番号を繰り下げたものでございます。
 本条例案の附則についてご説明申し上げます。恐れ入りますが、三ページにお戻りいただきたいと存じます。
 まず、附則第一項の本文は、貯水槽水道に係る規定の施行期日を定めたものでございまして、平成十五年四月一日が予定されております。
 附則第一項ただし書きは、水道法施行令の改正に伴う文言整理に係る規定の施行期日を定めたものでございます。
 附則第二項から附則第四項までは、貯水槽水道の設置の届け出に関する経過措置や、水道法施行令の改正に伴う文言整理を行うものでございます。
 以上で、簡単ではございますが、第四回都議会定例会に提出を予定しております案件につきましてのご説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○東野委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。

○東委員 二つお願いします。
 一つは、今説明があった東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例案について、これについては組合との協議状況がわかるもの。
 それから、二つ目の給水条例の一部を改正する条例案、これは国会での審議状況が大づかみにわかるもの。
 以上、二点お願いします。

○東野委員長 ほかにございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 ただいま東副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員との調整の上、ご提出願います。

○東野委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○甘利総務部長 さきの委員会におきまして資料要求のございました事項を項目別に取りまとめ、資料3としてお手元に配布してございます。その概要につきましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。現在建設中の水源施設と当局負担額の推移でございます。
 上段は、現在建設中の水源施設につきまして、事業名、事業主体、完成予定年度及び総事業費をお示ししてございます。
 なお、霞ヶ浦導水事業につきましては、ことし十月三十一日付で、事業主体である国において事業計画の変更を行ったことに伴い、都水道局の負担額も変更されております。
 下段には、国の行っている三事業につきまして、過去十年間の当局負担額の推移をお示ししてございます。
 二ページをお開き願います。水道水の水質に対する安全対策でございます。
 現在、国で定められている水質基準は四十六項目になっております。さらに、水質基準を補完する項目である快適水質項目や監視項目及びゴルフ場使用農薬に関する水質目標が設定されております。
 当局では、水質基準の厳格な遵守並びに各水質目標の達成に努めることはもとより、安全でおいしい水を供給するため、水質検査能力の向上に努めるとともに、水源から給水栓に至るまで、きめ細かい水質管理を実施しております。
 また、浄水処理等の新技術に関する情報提供や各種調査研究を実施するなど、新たな水質問題に対しても積極的に取り組んでおります。
 三ページをお開き願います。鉛製給水管の解消に向けた取り組みでございます。
 給水管は私有財産であり、その設置及び維持管理は本来お客様が行うこととなっておりますが、当局では、漏水防止などの観点から、昭和五十五年以降、公道部における鉛製給水管の取りかえ工事を実施してまいりました。
 こうした中、平成十五年四月から、水道水の鉛の水質基準が強化されることを踏まえ、私道部及び宅地内の水道メーターまでを含め、鉛製給水管の早期解消に向けて順次取り組んでおります。
 また、鉛製給水管を使用しているお客様に対して、その使用状況のお知らせや取りかえ検討の依頼などを行うとともに、すべてのお客様に対して、鉛製給水管を使用している場合の留意事項などをお知らせするなど、情報提供に努めております。
 四ページをお開き願います。水道料金の未納状況でございます。
 当局では、納入期限内に料金のお支払いがないお客様に対して、郵送等による数度の催告を実施しております。それによってお支払いのない場合には、当局の徴収整理員による未納整理の対象として、それぞれの事情を考慮した上で未納料金の早期回収に努めております。
 また、過去五年間における未納カードの発行枚数につきましては、表でお示ししてございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 五ページをお開きいただきたいと思います。水道事業に対する要望事項でございます。
 平成十三年十月から平成十四年九月までに、水道事業に対して寄せられた主な要望を表にまとめたものでございます。この一年間の主な要望事項は全部で八十一件ございます。
 その内訳は、水道工事に関するものが五十六件で、このうち私道内に配水管の布設を求めるものが五十件と大半を占めております。次に、水道料金に関するものが六件、これは料金の減免制度の拡大を求めるものなどでございます。次の契約等に関するもの五件は、受注機会の拡大要望をするものなどでございます。最後のその他の八件は、水源や水質に関するものなどでございます。
 六ページをお開き願います。東京都水道事業経営問題研究会の概要と審議状況でございます。
 水道局では、社会経済状況の変化や都民ニーズの多様化など、事業環境の変化に的確に対応していくため、学識経験者や都民代表等で構成する東京都水道事業経営問題研究会を平成十四年二月二十二日に設置いたしました。
 本研究会は、水道局長の諮問に基づき、水道事業経営のあり方に関する調査研究を行うもので、現在、今後の料金制度のあり方について諮問し、ご審議いただいております。これまで五回開催し、来年五月に報告書の取りまとめを行う予定でございます。
 要求のありました資料の説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○東野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○和田委員 鉛製給水管の解消に向けてと題して、数点にわたってお伺いいたしたいと思うんです。
 この鉛製の給水管の問題に至るまでに、世界保健機構、WHOが飲料水の水質ガイドラインというのを決めております。これは、各国々が飲料水の安全基準を策定する際の基本資料として用いるものでありまして、WHOが勧告した飲料水の水質の一つの水準、目標水準であります。
 どんなふうな規定があるかといいますと、わかりやすくいいますと、発がん物質などの汚染物質ごとに個別の、先ほど二十六とか五十六とかありましたけれども、そういう基準が明記されておりまして、例えば体重が六十キロで、この成人が一日二リットル当たりの水を生涯およそ七十年間飲用して、それでも影響が出ない、そういう濃度がいわゆる飲料水水質ガイドラインだといわれております。
 要するに、六十キロの体重の成人の方が一日二リットル、七十歳まで飲んでも、何ら体にその水質による健康被害等々が出ないということがWHOで決めた飲料水の水質ガイドラインだということであります。
 しかし、現実にはこのガイドラインに到達するのはなかなか難しいともいわれております。
 一方、日本のこれまでの国の、水質に対する決め事、基準というのはどんなものかというふうに見てまいりますと、昭和三十三年に初めて水質基準というものが国の中でできました。それから今日まで、昭和四十一年の全面的な改正から始まり、五十三年、全面的な改正、さらに平成四年にやはり全面的な改正というふうになっております。
 このように頻繁に、このWHO、世界保健機構の出しております飲料水の水質ガイドラインに沿った形で努力を国がしてきているということは多とするわけでありますが、しからば、その中でとりわけ身近な鉛管について都民の状況はどうなのか。ただいま要求資料の説明がございましたけれども、それに関連をして質問させていただきたいと思うんです。
 申すまでもなく、都民は安全でおいしい水道水を毎日毎日望んでいるわけであります。とりわけ安全性に関しては関心の強いところでありまして、現行いわれる食品の安全以前に水の安全が、日々のことでもありますし直接的なことでありますから、問われているところであります。
 かつて埼玉県越生でクリプトスポリジウムの問題があって、一層水道水を大切にしなきゃならぬという問題が国民的な一つの話題になったわけでありますけれども、こういう事例を見るまでもなく、水の安全性、おいしさ性というのは求められなきゃならないと思うんです。
 特に、先ほど申し上げた国のいろいろな基準、それからWHOの水質ガイドラインをもとにして、来年から、今までの一リットル当たり〇・〇五ミリグラムから、来年度四月から〇・〇一ミリグラムまで五分の一に、水道水の鉛の含有量が極めて強化をされるということになっています。
 水道局は、一千二百万都民の安全あるいは健康を守る点から、国の昭和三十三年の水質基準の制定から始まり、今世界的にも議論のあるWHOの水質基準に向けて、どういうふうな努力を今日まで重ねてきたのか、まず初めにお伺いをいたします。

○本山浄水部長 鉛の水質の問題につきましてでございますが、平成四年に、国は水道水の鉛の水質基準値を現行の〇・〇五ミリグラム・パー・リットルに改定いたしました。その際に、鉛の毒性は蓄積性のものであるということから、鉛濃度の一層の低減化を推進する必要があるといたしまして、おおむね十年後の長期目標値として〇・〇一ミリグラム・パー・リットルが示されました。
 これを受けまして、平成十五年四月から、鉛の水質基準値が、乳幼児でも体内に蓄積されないとされておりますWHO飲料水水質ガイドラインの考え方に準じまして、〇・〇一ミリグラム・パー・リットルに強化されることとなりました。
 このような状況を受けまして、水道局としても鉛問題に鋭意取り組んでおるところでございます。

○和田委員 ことしの九月四日、厚生労働省の健康局水道課で、水質管理専門委員会が開かれました。その際の議論の中でも、鉛については、今ご答弁のとおり、三月の法律の一部改正に伴って鉛の基準を強化しているということは、国できっちりその専門委員会の中でも指摘をされているわけで、十年前に、平成四年に、十年後を目指して〇・〇五から〇・〇一にしようという申し合わせに沿って国も準備をしてきましたし、専門委員会でもそのように進んできている、それを受けて、東京もしっかりと来年度に向けての準備がなされているというふうに思っているわけであります。
 特に気になるのは、今ご答弁にありましたとおり、乳幼児に影響があるということでありますけれども、乳幼児を含め、成人も含め、鉛の害というのは、具体的にどんなものが目に見える形で症状として考えられるんでしょうか。

○本山浄水部長 鉛は大気、飲料水、食物などから人体に摂取されまして、一般的に、高濃度の鉛が人体に与える影響といたしましては、貧血、神経性の障害などがあるといわれております。
 しかし、水道水の鉛に関する水質基準値は、生涯にわたって連続的に摂取しても健康に影響のない量として定められております。

○和田委員 さきに、初めに申し上げた体重六十キロ、成人、一日二リットル、七十年間、これでも顕著な健康被害が出ないということがWHOの水質ガイドラインだということを申し上げましたけれども、今のご答弁ですと、この〇・〇一ミリグラムにすれば、余計健康被害の可能性は少なくなるということのようでありますが、国からは具体的にどういう指導といいましょうか、水質安全管理について出されていて、それに対してどういうふうに来年度に向けて東京都は準備をされようとしているんでしょうか。

○中村営業部長 昨年七月、厚生労働省から、給水管等に係る衛生対策に関しまして、鉛製給水管の取りかえの促進やpH調整の実施、それから水道利用者に対する水道水中の鉛に関する情報提供に努めるよう通知がありました。
 当局では、配水管から宅地内の水道メーターまでの鉛製給水管の取りかえを平成十二年度から計画的に進めているほか、鉛溶出を抑制するため、浄水場においてpH調整を行っております。
 また、鉛に関する情報提供につきましては、水道局のホームページ、「水道ニュース」、「東京水読本」などを通じてお知らせしております。そのほか、メーターから蛇口までの間に鉛製給水管を使用しているお客様に対しましては、取りかえ検討のお願いなどについて個別のお願いを行いました。

○和田委員 さきに資料要求させていただいた鉛製の給水管の解消に向けた取り組みの中で、ご答弁のとおり、十二年度から、公道部については十四年度、今年度じゅうに多分完了する、私道部についても十七年度に終わる。問題は宅地内の、十九年度になってもまだこれだけの数字の未処理といいましょうか、未実施の件数が残るということになるわけで、この問題については後ほど触れますが、しかし、公道部については十四年度で終わるという、そういうご努力がこの数字でも明らかになりますし、私道部についても十七年度で終わるということのしっかりとした目標が出ているだけに、都民もこの数字を見れば、安心して水道水に信頼を寄せることだろうというふうに思います。
 さて、いろいろな意味でのPRを今されたようでありますけれども、それを受けて、健康被害があるとするならば受ける都民からどういう反応や反響があったんでしょうか。

○中村営業部長 昨年八月から本年五月にかけまして、水道メーターから蛇口までの間に鉛製給水管を使用しているお客様に対しまして、鉛製給水管の使用状況、取りかえ検討のお願い、それから水道使用時の留意事項などにつきまして個別にお知らせをしました。
 これに対しまして、約二万七千件の問い合わせがありまして、その内容は、主に鉛製給水管の使用箇所や取りかえ費用、水質に関するものでありました。
 これらの問い合わせに対しましては、当局が保管している給水装置図面で確認の上、鉛製給水管の使用場所や取りかえ方法等をお答えし、必要に応じて現地での説明や水質調査を行いました。

○和田委員 二万七千ものお問い合わせがあって、それは自分の生活に密着する水道に対する関心あるいは健康の不安ということからあったと思いますし、たまたま二万七千の中には、簡単な問い合わせで終わったり、あるいは細かな自分の健康状態についての問い合わせがあったり、いろいろそれはあったかもしれません。
 しかし、これだけの二万七千という数字が具体的に水道局の問い合わせに出てきたということは、いかに都民が水道水に今まで関心を持ってきたか、またこれからも持ち続ける可能性を持っているかということの具体的な数字だろうと思っています。
 これからも事に触れて、毎日のことでもありますから、安全性なり、あるいは、たまたま朝一番でお使いになる水道水については、バケツ一杯ぐらいは鉛管を使っているときには流していただいて、それを捨ててから食事に使うとか飲み水に使うというふうなPRなども含め、より細かく健康管理についてはお願いしておきたい、報道をお願いしたいというふうに思っております。
 それで、さきに申し上げたとおり、公道、私道についてはおおむね達成されつつあるわけでありますけれども、宅地内の水道メーターまでの鉛製の給水管についても水道局が積極的に取りかえを進めていくということが必要だろうと思っています。
 この鉛製の給水管というのは、僕も調べてはっきりしないんですが、いつごろから使われ始めて、今の占有量というか占有率というのはどのくらいあるんでしょうか。

○中村営業部長 お尋ねの鉛は、近代水道創設の時代から、給水管の主要材料として全国的に広く使用されてきました。
 当局では、漏水防止などの観点から、昭和五十五年以降、公道部の給水管に耐震性等にすぐれたステンレス鋼管を採用しまして、計画的に取りかえを進めております。この結果、平成十三年度末の公道部の給水管のステンレス化率は約九五%でありまして、残りの鉛製給水管につきましては、今年度中にほぼ解消する予定であります。
 一方、私道部及び宅地内の給水管につきましては、昭和三十年ごろから、安価で施工が容易な硬質塩化ビニール管が使用されることが多くなっていたこともありまして、当局では、昭和五十五年以降、鉛製給水管の使用を限られた範囲に限定しまして、平成七年に全面的に禁止しました。
 私道部及び宅地内のメーターまでの鉛製給水管につきましても、順次取りかえを進めておりまして、平成十九年度まで計画的に解消していく予定となっております。

○和田委員 少なくとも鉛製の給水管は絶滅をさせていくという基本方針が語られましたし、この数字にも、たびたび申し上げる計画にも載っているわけでありまして、WHOのいう水質基準を下回っているからいいというよりも、危険性がある鉛製の給水管はなくしていくという方向でなければならないだろうと思っています。
 今年度、具体的に、十四年度になりますけれども、公道の鉛製給水管が解消されていくわけでありますけれども、この経費というのはどの程度ということになるんでしょうか。取りかえ費用ですね、十四年度の。

○中村営業部長 公道部の鉛製給水管の解消工事に要する経費につきましては、平成十二年度から十四年度までの三カ年で約五百億円を予定しております。
 また、私道部及び宅地内の水道メーターまでの鉛製給水管の解消工事に要する経費につきましては、平成十四年度で約百億円を予定しております。

○和田委員 今ご答弁いただいたとおり、五百億、それから百億という数字が具体的に出ているわけでありますけれども、生活に密着した社会資本投資でありますが、相当巨額な金額といわざるを得ません。
 しかし、これを乗り越えて、鉛製給水管の抱えている健康不安というものを解消するための対応は力強く進めていかなければならないと思っているんです。
 それで、この投資効果が都民に速やかに還元されるように、水道局は創意工夫を凝らして、鉛製の給水管の早期解消に向けて、より一層努力をすべきと考えるのでありますが、工夫、努力も含めてどのようなことをお考えでありましょうか。

○中村営業部長 鉛製給水管の解消につきましては、多額の経費を要しますが、お客様に安心して水道水を飲んでいただくために、局を挙げて取り組むべき重要な事業ととらえております。
 料金収入が伸び悩むなど厳しい経営環境のもとで、水道事業はこれまで以上に効率的運営が求められておりまして、鉛製給水管の解消に当たっても、公道部から宅地内メーターまでの取りかえ工事を一体的に行うほか、私道内に複数の鉛製給水管がある場合は、個別ではなく、配水管を布設することにより解消を図るなど、効率的執行に努めております。
 今後も、より一層の効率化を図った上で、お客様が求める安全でおいしい水を供給するため、きめ細かな情報提供を含め、鉛製給水管の早期解消に向けて総合的な取り組みを積極的に推進していきます。

○和田委員 具体的な数字が出ました。
 では、ここで一つのケースとして考えたいと思うんですが、都民がたまたま自費でメーターから蛇口まで取りかえるとしたら、鉛製給水管はどのぐらいの取りかえ工事が必要なのかということと、メーターから蛇口まで、まだ鉛製の給水管を使っている件数、どのぐらいあるのか。件数と、それから、もしもそれに手をつけた場合、平均どのぐらいの家庭の負担になるのかという費用の問題です。

○中村営業部長 宅地内に給水管がありまして、すべて鉛製であった場合には、取りかえに要する標準的な工事費としましては、一件当たり約十五万円であります。
 また件数でございますが、平成十二年度に行った鉛製給水管の使用状況調査によりますと、水道メーターから蛇口までの間に鉛製給水管を使用しているお客様は約百二万件でございます。

○和田委員 メーターから蛇口までの取りかえ費用というのは自費だよというのはルールとしてわかります。しかし、これを勢いづけていくために、今一件当たり十五万、そして百二万件の鉛製の鉛管を使っているご家庭があるということになりますと、これは一種の政治問題といいましょうか、社会問題ととらえるべき数字だろうと思いますし、十五万という額はその額だろうと思っているんです。
 ついては、この解消には、WHOの、先ほど来しばしば使うそういう基準もあり、東京都も、公道部分、私道部分については、公道は十四年、私道部は十七年、しかし宅地内については、まだまだ十九年度でも相当の件数を残しているというときに、政策の比重を公道、私道から宅地内の方に移動してまでも、この鉛製の給水管の絶滅といいましょうか、解消にシフトしていくべきではないのかというふうに私は思うんです。
 その意味で、低利融資などでそちらの方にインセンティブを働かして、健康不安を抱えながら水を飲むよりも、きちっと鉛製の給水管を解消して、そしておいしい安全な水を飲んだらどうですかというような、そういう水道局の政策変更が、十七年度の私道部分で、いわゆる公道、私道の費用負担はなくなるわけでありますから、そういう目に見えた、都民の各家庭へ向けての温かい水道の行政の視点を向けていくべきではないかなというふうに思うんです。それは私の希望であり、要望しておきたいと思います。
 ところで、さきの答弁にありましたけれども、鉛製給水管の取りかえには多額の費用、経費を要するということでありました。五百億とも一百億ともありました。しかし、たびたび申し上げる鉛製の給水管の問題は解決しなきゃならないということであります。
 水道局は、創意工夫を凝らして、鉛製給水管の早期解消に向けてどのような、今まで重ねてきた質問を通じてなんですが、努力をすべきとみずからお考えになっているんでしょうか。

○中村営業部長 先ほどお話ししましたように、鉛管解消には多額な経費を要するということで、今経営環境も料金収入が伸び悩むというような状況で、大変厳しいという状況がありますので、先ほども申しましたが、いろいろ工事の工夫などをしまして効率的経営に努めていく、そういうことが大事だと考えております。

○和田委員 最後に、またまた要望になってしまいますが、先ほど一件当たり十五万、それから、百二万件の都民の鉛製の給水管がまだ存続をしていますよということと、公道、私道については十七年度ですべて解消してしまうという、そういう状況変化をしっかりとらまえて、今度は各家庭の側に水道局の視点を、きちっと焦点を合わせていく、そういう力強い方向転換を求めて、私の質問を終わります。

○東委員 私は、この出していただきました資料に基づいて数点質問させていただきたいんですが、まず、資料の最後のページの、東京都水道事業経営問題研究会の概要と審議状況というのを出していただきました。
 これを見ますと、本年の二月二十二日に設置をした、それで、本研究会が水道事業経営のあり方に関する調査研究を行う、諮問事項は今後の料金制度のあり方についてというふうになっております。
 そして、これまでの状況としては、五回研究会をやって、現行料金の仕組みを踏まえつつ、今後の料金制度のあり方について審議を行った、そして来年、十五年五月に報告書の取りまとめを行う予定である、こういうふうになっているんですけれども、この間の、これだけじゃちょっとよくわからないので、検討の具体的な内容、それから、これからのスケジュール等を少し説明してください。

○甘利総務部長 東京都水道事業経営問題研究会では、現在、今後の料金制度のあり方につきまして調査研究を行っているところでございまして、具体的な課題といたしましては、基本水量制や逓増度など料金体系にかかわる問題や、料金対象原価の算定方法などが議論の対象となっております。
 研究会はこれまでに五回開催されており、これらの問題を含めまして、料金制度全般にわたって幅広い議論が行われております。
 今後のスケジュールといたしましては、来年五月に現在の諮問事項につきまして報告書の取りまとめが行われる予定であり、このうち料金体系部分については本年十二月に中間のまとめとして公表する予定となっております。

○東委員 この料金体系、いわゆる基本料金、それから逓増制の料金制度だとか、それから原価について検討するということなんですけれども、ここでは今なぜそのことが必要なのか、そして、その説明があったわけですが、料金体系を見直すということはどういう方法を考えているのか、想定しているのか、その点はどうですか。

○甘利総務部長 近年の都の水道事業でございますけれども、総体として安定的には推移しておりますけれども、大口使用者の水道使用量が減退する一方で、小口使用者の件数が増加するなど、需要構造に大きな変化が見られております。
 また、事業運営が建設拡張から維持更新中心に移行してきており、大口の使用者により多くの負担を求める現行料金体系の考え方について見直しが必要になっております。
 こうしたことを受けまして、研究会では、使用者間の負担の公平の確保、節水のインセンティブの付与などを基本的な視点といたしまして、今後の料金体系のあるべき姿について議論を行っているところでございます。

○東委員 この問題については、ある新聞といっても皆さんご存じでしょうけれども、これは「都政新報」です。これが十月十五日ですか、かなり今研究会で検討されている内容について突っ込んだ報道をしているんですね。
 それを見ると、いろいろ云々というのがあるんですが、要するに、シミュレーションをやってみたら、基本料金を現行の九百二十円から千三百七十円に引き上げる想定で行ったとか、それから、平成六年時のデータの条件で試算したところ、メーター口径三〇ミリ以上の使用者は、つまり大口使用者ですよね、軒並み料金の引き下げとなるが、一三ミリ口径で使用水量が十トンの場合では、最高七三%もの料金値上げとなることが判明したということを書いているんですね。
 それで、十二月にその料金体系の中間報告を出すということなんですけれども、今ここで書いているようなことは、これは本当のことなのか、そして最終報告は来年五月となっておりますが、十二月で出そうとしている中間報告というのはどういうことになるのか、もっと具体的にいってください。

○甘利総務部長 これまで研究会では、現行料金体系の課題等を整理し、今後の水道料金のあるべき姿について検討してきております。そうした検討段階における議論の中で、さまざまな想定に基づくシミュレーションなども行ってきております。
 今後、これらを踏まえまして、使用者間の負担の公平を図るにはどうしたらいいか、節水のインセンティブを高めるにはどうしたらいいか、生活用水への配慮など都民負担はどうあるべきかなどについて研究会としての意見を集約しまして、十二月に中間のまとめを行う予定となっております。

○東委員 料金体系について、今基本料金が九百二十円、一カ月十トン未満ですよね。しかし、非常に核家族化し、かつまた高齢化社会の中で、そこまで使わなくても基本料金を払わなきゃいけないと。
 だから、かなり前ですけれども、たしか日本水道協会ですか、あそこが、そういう節水を推進するために、小口の使用者は小口なりの料金を払えばいい、いわゆる基本料金という、ここまでというようなことをしないで、そういうふうに検討すべきだというような答申を前に出したことがあったと思うんですけれども、確かに一面それはいえると思うんですよね。そういう矛盾もあるということは僕はわかるわけですが、しかし、さっき読んだ新聞によると、今の時期から見れば、ちょっと目をむくような話だと思うんですね。
 そこで、一つ聞きたいんですけれども、これも出していただきました資料の水道料金の滞納というのがありますよね。その前の前の四ページですね。これを見ますと、平成十三年で七十五万一千九百二十二件というふうになっていますね。私、これはけたを間違えているんじゃないかなと思ったんですけれども、前と合わせてもそうじゃないようです。
 そうしますと、事業概要を見ると、水道局は給水している件数というのは大体六百五万件ぐらいとなっていますよね。六百五万件あるいは六百五万戸というふうになっておりますが、そうすると、この七十五万一千九百二十二件というのは十件に一・二件ですか、こういう未納カードを発行されている。
 未納カード発行というのは、この上の表にあるわけですが、いわば滞納が始まってから百五十三日から百七十六日の間に出す、つまり五カ月たってから未納カードが発行されるということになると思うんですけれども、こんなにある。これは本当にそういうことなんでしょうか。
 そして、そういうかなり高水準といいますか高いレベルで、その前が七十五万四千、その前が七十四万六千という、毎年そういうかなり高い滞納のレベルを示しているわけですけれども、そのことについて、その原因について水道局としてはどういうふうにとらえているのか。その点どうですか。

○中村営業部長 未納の件数ですけれども、今先生がおっしゃった六百五万件というのは、使用者の、お客様の数ということになると思うんですが、一方、未納件数であらわしているものは、月単位の、二カ月とか四カ月とか、そういう単位の未納のカードとなったものの枚数なものですから、そういう意味ですと、水道局では年間約三千五百万件の請求をやっておりますので、対象とすれば、六百五万件でなくて、むしろ三千五百万件の料金請求を行っており、その中で未納カードというものが、先ほどの表にある七十五万件余り発行されている、そういう感じになろうかと思います。
 未納の状況ですけれども、過去五年間の未納カードの発行枚数を見ますと、先ほどの表のように微増ないし横ばいで推移している状況ととらえております。
 最後のご質問の未納の発生原因が何かについてということにつきましては、お客様のプライバシーの問題もありまして調査しておりません。

○東委員 件数は、この七十五万件というのは、十件に一件という意味ではないということをいわれましたけれども、しかし、それにしてもかなり高い率だと思うんですよね。
 これを見ると、メーター検針をやってから二十八日して、一カ月たって催告状を出して、それで六十六日目に前回分を含めて納入通知書を発行する。そして、それで納まらない場合、今度は九十日、三カ月たってから前回分を合算して催告状を出す。そして今、給水停止予告を出して未納カードを発行する。これはかなり念の入ったやり方をやっていると思うんですね。
 しかし、この七十何万件というのは、つまり未納を始めてから、これだけたってからこれを出しているわけで、これはやはり低い数字とはいえないというふうに思うんですね。
 それで、きょうは資料を特に要求していませんけれども、出していただきましたこの資料の中には、水道料金が非常に高い、下げてほしいというような要求なんかもかなり出ていると思うんですけれども、水道事業に対する都民要望、これもさっき出していただきましたが、五ページですね。この五ページに、水道料金に関するものが六件、件数としてはそう多くはないんですけれども、この大体の内容といいますか中身というのはどういうものなのか、ちょっとそれを説明してください。

○甘利総務部長 水道料金に関する要望の内容につきましては、水道料金の減免制度の拡大を求めるものが三件、料金体系の据え置き及び値下げを求めるものが各一件、基本料金制度の見直しを求めるものが一件でございます。

○東委員 えらくあっさりしたお話ですけれども、その一件一件に私は切実な要求といいますか、願いがやはりあると思うんですね。
 今日の不況や失業、倒産という、非常に都民生活がせっぱ詰まってきている、そういう中で、しかも、さっきいいましたように、高齢化あるいはひとり暮らし、そういう状況も進んでいるわけだし、本当に、全体としては都民の暮らしが大変な状況になってきているとはっきりいえると思うんですね。
 だから、一件一件の原因がわからないということですから、それはそうだろうと思いますが、しかし、こうした今の時代がやはり背景にある、だからこれだけの高水準の滞納状況を示しているんだと見るのが私は至当だというふうに思うんですね。これは個人であれ、あるいは企業であれ、私は同じことだろうというふうに思うんです。
 そういう中で、水道料金のもし引き上げということになれば、これは公共料金の中でも、いろいろな公共料金がありますけれども、その中でも水道というのはなくてはならぬわけですから、本当に基礎になると思うんですね。これが引き上げられる、もしそういうことになれば、これはほかの公共料金や物価の値上げということに当然つながっていくわけだし、そして、そのことが今日の不況、不景気を一層私は促進することになるというふうに思うんですね。
 だから、いわゆる体系上の一つの矛盾といいますか、一トン二トンしか使わないのに十トン払わなきゃならないというのは確かに矛盾があることは事実ですけれども、そういうことについては、これは検討する必要があると思いますが、しかし、今のこの時点で、ゆめ料金の引き上げになるような検討はすべきじゃない、このことを私は強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。

○後藤委員 水道局が四月に行う、例えば辞令交付というのがあると思うんですけれども、この辞令交付の現状を教えていただけますか。

○東岡職員部長 人事異動についてでございますけれども、過去三年の定期異動ということでお答えさせていただきますが、課長補佐、係長級職員の定期異動は四月一日に行っております。それから、主任、一般職員につきましては、平成十二年度は四月十日、平成十三年度は四月十六日、平成十四年度は四月十五日に行っております。

○後藤委員 管理職とはいいませんけれども、管理をなさる方たちは四月一日ということはわかりましたけれども、普通の職員の方たち、一般の職員の方たちですけれども、他局ではこの辞令交付が四月一日と聞いておりますけれども、何ゆえに水道局だけは、例えば四月の中旬というんですか、十五、十六ぐらいまでにずれ込むのか教えてください。

○東岡職員部長 当局では、これまで継続的に、企業努力として執行体制及び人員計画の見直しを行って、大幅な人員削減に努めてまいりました。このような大幅な人員削減提案を労働組合に対して行いますために、労働組合との協議に時間を要しまして、妥結するのが例年三月中下旬となっております。これに基づいて新しい人事体制を整備するための人事異動を行うわけでございますが、作業が大変大規模なものとなりますことから、異動時期がずれているものでございます。

○後藤委員 今のご説明からいきますと、他局は人数が少ないから、他局とは比べ物にならないぐらい水道局は人数が多いので遅くなるというふうにも聞こえるんですけれども、普通考えまして、例えば四月一日から、さあ仕事始めるぞというふうな、少なくとも気構えを持って水道局の方たちはお仕事をやっていただくべきだと思うんですけれども、何ゆえにそこまで、他局がやれること−−他局にも組合はありますよね、水道局だけが組合があるわけではないはずなんですけれども、何ゆえに水道局の組合だけがそんなに遅くなるのか、もう一回だけ聞かせてください。

○東岡職員部長 水道局では、企業努力ということで大変厳しい合理化提案を組合に行って、厳しい労使交渉を行って、妥結をするのは三月下旬になっているということで、その後の作業に時間を要しているということでございます。

○後藤委員 これは、できたらば前向きに、例えば来年度からは四月一日に辞令交付をやるよぐらいの意気込みはあるんですか。

○東岡職員部長 年度当初に定期異動を実施することが望ましいということは従前から考えておりまして、来年度の定期異動につきましては、その方向に向けて準備を進めているところでございます。また、労働組合に対しましても協力を要請しているところでございます。早期に定期異動が完了するよう努力していきたいと考えております。

○後藤委員 次に、部長が今おっしゃいました定期異動に関してお尋ねします。
 水道局では定期異動があるというふうに今おっしゃいましたので、定期異動はもちろんあるわけですけれども、例えば人事の問題として、大体何年ぐらいたったらば定期異動の対象になるのか。十年二十年というわけではないと思いますので。水道局の人事の方針だと思うんですけれども、例えば行政職は大体何年したらば定期異動の対象になるのか。それで現場ですね、技術系の職員の定期異動の対象年限というんですか、これが何年ぐらいになっているのか、教えてください。

○東岡職員部長 事務・技術系の、いわゆる行政系の職員につきましては、同一事業所に五年以上在職する者は異動の対象としております。労務系の職員につきましては、七年以上在職する者は異動の対象としております。

○後藤委員 では、先ほどお願いしていた数字をできたらば教えていただきたいんですが、ことしの十一月一日現在で、例えば行政職で五年以上在職している職員の数が何人ぐらいいるのか、次に、技能系の職員の方で七年以上、対象になっているのに異動なさっていない方が何人いるのか、教えてください。

○東岡職員部長 行政系で五年以上の在職者は百八十六名、技能系で七年以上の在職者は六十一名となっております。

○後藤委員 水道局の人事の方針というのは先ほど聞きまして、例えば行政系は五年、技能系は七年というふうになさっていられるのに、何でこんなにいるのかというのは非常に疑問なんですが、組合との例えば約束みたいなものはないんですか。

○東岡職員部長 労働組合との間では、昭和五十七年までは異動に関する協約を締結いたしまして異動を行っておりましたが、その後、この協約の有効期限が切れた状態になっておりまして、今締結されていない状態となっております。

○後藤委員 五十七年といいますと、現在が平成十四年ですから、もうかれこれ二十年近くになるのかな、二十年にはならないのかもしれませんけれども、何でこんなにほっておくんですか。
 これはできたらいいたいんですが、水道局の方たちと私がいろいろやり合いますと、例えば企業経営をやっているからというふうな発言が多く聞かれるんですが、仮に皆さんが企業経営をやっているんだとしたらば、このような無秩序というんですか、例えば五十七年から今までほっておいて、こんなような経営をやっていていいんですか。できたらこの辺のことをお願いします。

○東岡職員部長 労働協約そのものは、五十七年以降協約が切れている状態になっていますけれども、異動につきましては、その協約に準じてこれまでも取り組んできております。
 それから、五年以上の在職者、人数を申し上げましたけれども、その中には、病弱で異動させることがなかなか難しい者だとか、あるいは職種が、配置ポストが限られている少数職種の職員もおりますし、組合役員という者もおりまして、それぞれ事情がまちまちになってございます。

○後藤委員 五年と七年というのは聞きましたけれども、今部長がおっしゃられた中で、例えば十年以上の方というのは何人ぐらいいらっしゃるんですか。

○東岡職員部長 十年以上、行政系の職員で三十七名、技能系職員で二十四名、合計六十一名でございます。

○後藤委員 たびたび聞いちゃって悪いんですけれども、このうちに組合関係の方って何人ぐらいいるんですか。

○東岡職員部長 行政系で二十三名、技能系で二名でございます。ただし、旧の協約でも異動の対象外としていた者が、行政系にはそのうち十四名おりまして、技能系には一名ということになっております。

○後藤委員 組合とのことですから、皆さんがもちろんいろいろ考えてやられているのはわかるんですけれども、十年以上の方が二十三名、技能系の方が二名とおっしゃいましたけれども、これはやはり異常じゃないんですか。
 これはできたらば改善していただかないと、例えば組合に対することは、ながら条例ですとか、いろいろな問題で今議会の中でも、またマスコミでも取り上げられていますけれども、こんなようなことをほっといたらばいいのかなと思います。
 例えば、先ほどいいました辞令の件に関しましても今回の件に関しましても、組合というのは本来絶対必要なものだということは私もよく認識していますけれども、いいなりになっていて、勝手にといったらば語弊がもちろんありますけれども、企業の経営者としてもっとやっていただかないと困ると思います。
 これに関連しまして、もう一点お尋ねします。
 水道局には営業所というのがたくさんあると思いますけれども、営業所のお昼の時間、厳格にいえば十二時から一時までの間を昼窓というんだろうと思うんですけれども、昼窓で、例えば何人ぐらいの職員をつけていて、仕事がどんなのか、昼窓開放に関する現状をとりあえず教えていただけますか。

○中村営業部長 まず、昼当番の人員ですけれども、営業所は水道局で三十カ所ありまして、原則的に二名ずつで昼当番をしております。ですから六十名ですね。それに、あと江戸川南、葛飾、新宿、世田谷東という四営業所につきましては、電話量ですとかお客さんの多さを勘案しまして一名多くしている、そういう状況があります。
 仕事ですが、窓口でお客様が料金を払いに来られたのを受け取る収納の仕事と、それから修繕や、水道の開始、中止の電話受け付けなどを行っております。

○後藤委員 この窓口当番に関しまして、私の方にちょっと連絡をいただいた方があるんですけれども、昼当番についた職員の方たちは残業がついている方が非常に多いというふうにいわれたんですけれども、この辺の数はおわかりになる−−数というのか、昼当番やった方が、残業もしないのに一時間おみやげもらえる。昼当番やったからといって−−昼休みをとったんではないというんですよね。昼当番をやって、一時から二時までは休ませてもらう、ですから休憩時間がただ変わっただけです。変わったにもかかわらず残業がついているというような情報が入ってきているんですけれども、この辺は、事実関係といいましても、多分お認めにはならないと思いますけれども、こういうふうな話があるんですけれども、その辺のお考えを教えてください。

○中村営業部長 超過勤務手当のお話だと思いますが、手当はあくまでも実績に基づいて支給しているものと認識しております。

○後藤委員 営業所にはどのようなお仕事があって、例えば検針係だとか何係と、いろいろあると思いますけれども、この方たちがやられる残業、具体的に、検針係だったら残業をやるときにはどういうふうな項目があるのだ、営業係だったら残業をやるときにはこんな項目があるのだというのを、係ごとで結構ですから、教えてください。

○中村営業部長 まず、営業所では、大体内部で仕事をする仕事と、外勤といいますか、検針係ですとか収納係ということで、全部ではないですけれども、相当の時間、お客様のところに伺ったりする仕事と、二通りあります。
 ですから、先ほど未納の話が出ましたけれども、未納などで、どうしても昼間にお会いできなくて、残って五時、六時とかいうときに電話をかけるとか、そういう仕事もありますし、外部に出ていて、戻ってきてからいろいろ書類を整理するというような仕事もあったり、内部事務で時期的にといいますか、いろいろたまってそれを整理する、そういうこともあろうかと思っております。

○後藤委員 例えば書類整理ですとか、夜、電話をかけたというふうに、超過勤務命令簿には書かれているわけですか。もう少し具体的に書いていますかというのが一点と、水道局では、例えば残業をやってもらうときには、本来の残業命令簿というのは、管理職が命令をして、命令という文言は悪いかもしれませんけれども、仕事があるから残業してやってください、何々さん、というふうにして、これで職員は本来は受けるはずなんですけれども、水道局は、職員が勝手に、例えば一時間残業したよと書いて翌日出せば、管理職の方が判こを押す体制になっているのか、そこを確認させてください。

○中村営業部長 最初の方のお尋ねですけれども、具体的に、先ほどいいましたように現場に出る仕事で中止清算処理、お引っ越しされたお客さんのところに行って状況を見るとか、あるいは点検して、検針は今、委託でやっておりますけれども、保留ということでいろいろ問題が起きている場合など、その原因を調査して、そういうことの電話のやりとりですとか、書類の整理、あるいは水道相談、そういう項目ごとの名称で、超過勤務命令簿は記入してあります。
 それからもう一つは、超過勤務命令簿のことですけれども、超過勤務につきましては所属長が、営業所でいいますと営業所長が、業務の遂行の必要があるということで職員に対して命ずるということが基本で、それで、実際に職員がそれに従事して仕事をしたということを確認するために超過勤務命令簿というのがありまして、それによって命令と確認をする、そういう仕組みになっております。
 ただ、先生が先ほどいいましたような関係でいいますと、人数も多いですから、その点、命令といいますより、なかなか実績の把握というのが、必ずしも全部確認するということは、いい切れない面もあろうかと思っております。

○後藤委員 今のいい方だとちょっと納得できないのですけれども、所長が命令をして、本来はやっているのだけれども、一部の職員は、人数が多いので、自分で書いて後から認めたというふうな判こを押しているのか、例えば全部、一〇〇%とまではいかないですけれども、大部分の人たちは自分で申告をして、ただ判こだけ押しているのか、どっちなんですか。

○中村営業部長 所属長は、超過勤務命令簿によりまして、あらかじめ職員に勤務を命じまして、事後に勤務の状況を確認しているという状況であります。

○後藤委員 私も、二十年くらいこういうふうなオンブズマン活動をやっていますから、はっきりいいまして、今みたいな話をされたらば、僕は幾らでもいうことありますよ。
 窓口当番日誌というのを水道局からいただきました。この窓口当番日誌に書かれている、お昼の当番をやった方たちが、残業が実際についているかついていないかということを、今週の火曜日に、まずお尋ねしました。火曜日に、資料があったらばいただけませんかというふうにお願いしましたらば、とりあえず近所のということで、渋谷営業所と新宿営業所の窓口当番日誌というのを出していただきました。
 だったらば、残業命令簿にこの人たちが実際に残業をやっているかどうか調べてくださいと、私はお願いしました。そうしましたらば渋谷の方は十割、新宿の方は七割か八割くらいだと、とりあえず調べたらそういうふうな返事だった。
 それで、きのうですけれども、担当の課長さんが、渋谷の方の十割というのは違っていたと、八割くらいではないかという話だったというふうにいわれましたけれども、ここにあります窓口当番日誌に書いてある方たちの八割が残業をやっていた、こんなこと、だれが聞いたっておかしいじゃないですか。できたら答弁お願いします。

○中村営業部長 昼当番に従事した職員は、その後に一時間休暇をとるため、その分、通常担当している業務ができなくなるという実態があります。

○後藤委員 休暇ではなくて休憩……。

○中村営業部長 休憩です。
 そういうことで、昼当番に従事したその日に、その仕事を埋め合わせするために、超過勤務を行っているというケースは多いものと考えております。

○後藤委員 仮に部長がそうおっしゃるのでしたらば、情報公開で私、これみんな集めまして、みんな調べて、だれがどうなのかというふうなところまで調べなければいけないことになってしまうのですけれども、今後、どういうふうにするのか、考えられているのか、考えを聞かせてください。

○中村営業部長 昼当番のあり方についてのお尋ねかと思いますけれども、都民サービスの一層の向上のために、昼当番のあり方も含めて、営業所における今後の窓口業務全般について、検討を行っているところであります。

○後藤委員 これですけれども、私の方に連絡をいただいた方は、組合のごり押しでというふうなことを、私はとりあえず聞いておりますけれども、この辺は、はっきりはしません。
 ただ、お願いしたいのは、D−三〇一九九という、十四年水営管第一〇二号というのと、事務連絡、平成十四年五月二十七日というのには、増員の措置をするとか、別途追加割り当てをするとかいうふうに書いてあるのですけれども、水道局さんはサービス、サービスとおっしゃるけれども、本当にそんなに忙しいのかというのは、もうみんな知っていますよ。
 こういうふうな形で文書まで出して、増員の割り当ても多くつけるよなんというのは、現在の状況から見て絶対おかしいと思いますので、これに関しては大至急見直して、本来の姿に変えていただきたい。
 時間があれなんで、広報関係のことをお尋ねしますが、広報活動として「水道ニュース」というのを出されていると思います。これですね。この「水道ニュース」の部数と、配布先を教えていただけますか。

○甘利総務部長 「水道ニュース」の配布部数は、六万四千部でございます。配布先につきましては、自治会長、モニター、金融機関、都の関係機関、各区役所、交通機関等でございます。

○後藤委員 今、部長がおっしゃいました、例えば町会、自治会というところに的をちょっと絞らせていただきたいのですけれども、どうやって町会、自治会に配るのかというのと、もらいました町会、自治会の方たちは、どういうふうに都民の方たちに配布なさっているのか。

○甘利総務部長 町会長さん、自治会関係につきましては、個別に郵送でお送りしておりまして、一部ということでございますので、各個別の都民の方には行きませんけれども、自治会長さん、なかなか影響力もございますので、そういったことを期待できるかと思っています。

○後藤委員 私のところにも町会から回覧板みたいなのが回ってくるのですけれども、この水道のニュースがついてきた覚えは僕は余りないのですが、出されている方も、もちろんいると思います。
 これに対して、何でここまで配るのかという観点でちょっとお尋ねしたいのですが、水道局の広報活動なのですか、宣伝活動といってはおかしいのですけれども、企業ですから、広報をやっているのか、宣伝をやっているのか、何をやっているのか、その辺をお願いします。

○甘利総務部長 当局では水道事業を行っておりまして、その中で、水資源の大切さや水道事業の現状などにつきまして、お客様にご理解をいただくために、広報として実施しております。

○後藤委員 水が大切なというのは、小学校からもう何回も何回もいわれていますし、水道局さんがやらなくてもいろいろな広報活動の中で、例えば都のニュースか何かでも、水を大切にだとかいろいろ書かれていますけれども、水の大切さだけを訴えるのだとしたらば、ここまで「水道ニュース」ですか、金額にしまして五千万のお金を使っていらっしゃると思いますけれども、水の大切さだけなんでしょうか、皆様が広報活動をやられる理由は。

○甘利総務部長 水の大切さはもちろん重要でございますが、そのほか日々、水道工事に対するご理解、あるいは震災対策のご理解、それから最近、都民の方からは、先ほども議論のありましたように、水質問題等について非常に関心が高いものでございますので、そういったことにつきまして広報しているところでございます。

○後藤委員 これだけのものを出されているわけですから、広報課なり何なりの方たちが、皆さん一生懸命考えてやっていらっしゃるわけですよね。ここにはとめる穴があります。とめる穴がありますけれども、八月分、これを私、とじようと思ったのですよ。そうしたら八月分、穴があいてないのですよ。何で穴があいてないかと思ったらば、作文がこうなっているのですよ。結局、穴があけられないのですよ。普通のは穴があいてますよ。穴があいている理由は、とじてくださいというふうな形だと思うのですけれども、これに穴をあけてしまいますと、とじましたら、広がらなくなっちゃうわけですよ。
 例えばこの一点をとりましても、はっきりいって水道局、何をやっているかわからないわけですよ。広報を本当にやるのだったらば広報活動であり、部長が今おっしゃったのは、広報活動ではなくて啓発活動だと思います。広報だったらば、コマーシャルといってもいいと思うのですけれども、水道局の方とお話ししてましたらば、水道局は独占企業じゃないかと。独占企業だったらば、そんなコマーシャル活動だとか広報活動は要らない。例えば啓発活動は、僕はあってもいいとは思いますけれども。
 だったらば競争相手はどこなんだというふうに聞きましたらば、ペットボトルで売られている水ですか。簡単にいえば清涼飲料水というのですか、この方たちを相手にしてやっているというふうな認識をお持ちの方がいること自体がおかしいし、啓発活動だったらばいいと思いますが、この辺をまず考えていただきたいのと、今後、一般都民向けにはどのように考えているのか、教えてください。

○甘利総務部長 先ほどの話、質問ではございませんけれどもありました八月号につきましては、年一回、都民、小学生等の方から作文を募集しております。それを掲載しまして、学校によっては、このまま学校の掲示板等に掲載するという関係で、あえて八月号につきましては穴をあけてないという状況でございます。
 それから、今後の一般広報用につきましては、現在、「水道ニュース」というものがございます。これにつきましては、配布先につきましては先ほども申し上げましたように限られた配布先になっておりますが、昨今、水道を取り巻く状況につきましてはいろいろ情報提供をする必要がございますので、その配布部数、配布方法等につきましては、抜本的なことを考えておりまして、十五年度の予算の中で、またご提案申し上げようと思っております。

○後藤委員 こういうふうな形での広報は、もう見直して、本当の啓発活動で、お金のかからない方法というのを皆さん考えれば、幾らでも出てくるはずですから、くれぐれもお金をかけない方向−−だって、普通の民間企業でしたら競争ですから、金をもうけるためにかけるわけですが、必ず費用対効果を考えますので、この辺は、よく肝に銘じてやっていただきたいと思います。
 できたらば一点だけ、最後にお願いします。
 ダムの問題になるのですけれども、この間、私、関連のダム、車でずっと見てきたのですけれども、例えば戸倉ダムは、はっきりいいまして、工事が行われているような状態ではありません。八ッ場に関しましては、ダムの本体工事は、まだ何も行っていません。滝沢に関しては本体にかかっているのですけれども、一日の最大配水量、これが水源量を大幅に下回っているということですから、これ対して、もう少し数字をはっきり把握して、都民の水道料金が上がらないように−−必要だったらば必要でしょう、必要でなかったとしたらば、英断というのですか、考えを見直していただけないかということを、最後にお尋ねします。

○鈴木参事 水源開発の問題でございますが、首都東京の都市活動、あるいは都民生活にとりまして、水源開発は非常に重要な問題でございます。
 今ご指摘のございました水源量につきましては、現在、日量六百二十三万トンの水源量を維持しております。ただ、この中には、安定した取水に問題があります、私ども課題を抱える水源というふうに呼んでいますが、それが日量八十二万立方メール含まれております。
 また、都の水源の八割を占めますのが利根川水系でございますが、計画されております水源施設、すべて完成した場合でも、五年に一回程度の渇水に対応できる程度ということになってございます。そんな関係で、他の水系に比べまして、利水安全度が低いような状況にございます。
 さらに、最近ではダムが完成していない状況もございまして、そのことに加えまして、小雨傾向というような状況もございまして、渇水がたびたび発生をしております。そんな状況を踏まえまして、渇水に強い都市づくりを目指しまして、水源開発を引き続き促進をいたしまして、安定した水源の確保に努めていきたいと思っております。
 あわせまして、将来需要の予測に関しましては、従来から東京都の長期構想などに示されております将来人口ですとか、経済成長率などの基礎手法を基本としまして、それぞれ最新の時期の水使用実績などをもとにしまして、関連する社会経済指標なども踏まえまして、随時、適宜適切に見直しを行ってきているところでございますので、今後とも必要な見直しを行っていきたいと思っております。

○後藤委員 そうしましたらば、これで終わりにしますので、済みません。
 この間行きまして、現場を見せていただきましたらば、戸倉ダムの担当者の方たち、すごい沈んでいます。おれたちのはいつ廃止になるのかなというふうな感じで、どうなっているのかというふうに聞いたとしても、いやあというふうな形でしかいわれていません。
 国との関係があるから、これ以上聞いてもだめだと思いますから聞きませんけれども、この辺は積極的に、例えば国にいう、関連の県にいうとか、これをやってもらわないと、結果的には都民の金が出ていってしまいますので、ひとつよろしくお願いします。

○富田委員 私は、二点についてお伺いいたします。簡潔にお答えいただきたいと思います。
 まず、多摩地区の水道事業の経営改善についてお伺いいたします。
 多摩地区の水道は二十五市町が都営一元化されていますが、住民に直接給水するために必要な事務は、都から市町へ事務委託により市町の職員が行っています。しかし、この多摩地区でとられてきた事務委託による事業運営では、これまで以上のお客様サービスや給水安定性の向上及び効率的な事業運営に限界が生じるということを理由に、水道局では、多摩地区水道経営プラン21案を作成し、多摩地区の直営化に向けて、事務委託の解消を推進するとしています。
 しかしながら、営業窓口や水道利用者への給配水業務など、直接住民と接する業務を広域自治体である都が担うと、住民サービスの低下が懸念されるとの声も上がっています。また、災害時における応急給水の対応も低下するおそれがあるとの指摘もあります。
 そこで初めに、そうならないための施策を考えられているというふうに思いますが、それはどのようなものなのか、お伺いいたしたいと思います。

○二階堂調整部長 営業窓口につきましては、転居手続から問い合わせ、漏水事故の通報まで、水道に関するすべての受付を、お客様の居住地にかかわりなく、一元的に休日や夜間も対応する総合窓口を設置しまして、より一層の都民サービス向上を図ってまいります。
 あわせて、地域窓口について、お客様サービス上の必要性や事業運営の効率性、また市町からの事務の移行状況を勘案して、適切な配置を検討してまいります。
 給配水業務に関しましては、市町域を超えたバックアップ体制の強化等によりまして、一層の給水安定性の向上を図ってまいります。
 また、災害時における応急給水の対応につきましては、東京都及び市町の地域防災計画に基づきまして、震災時の水道施設の早期応急復旧は都が担い、住民への応急給水は市町が行うなど、役割をそれぞれ分担して、適切に対応してまいります。

○富田委員 次に、多摩地区水道経営プラン21案では、可能な限り民間委託を拡大すると聞いていますが、民間委託の基本的な考え方と具体的な内容について、お聞かせいただきたいと思います。

○二階堂調整部長 民間委託につきましては、効率的経営と一層のサービス向上及び都への円滑な移行を図るために、現在、市町が民間委託している業務に加えまして、委託可能な業務を精査し、積極的に拡大していく考えであります。
 具体的には、受付、中止清算、未納整理などの料金徴収業務及び施設の維持管理業務や施工管理業務等、幅広く検討してまいる所存であります。

○富田委員 懸念しておりましたサービスの低下、そして民間委託の具体的な内容などについてお聞かせをいただきましたが、それでは、事務委託の解消に当たって課題があるというふうに思いますが、どのような課題があるのか、お聞かせいただきたいと思います。

○二階堂調整部長 事務委託解消に当たりましては、現在、市町において水道事業に従事している職員を円滑に減員していかなければなりません。これが最も大きな課題であると考えております。

○富田委員 市町職員の減員が大きな課題ということですが、事務委託解消後、市町における、現に水道事業にかかわっている職員の処遇についてはどのように考えられているのか、お伺いをいたします。

○二階堂調整部長 現在、市町におきまして水道施設の維持管理、水道料金や手数料等の徴収事務、給水装置に関する事務等に、約千百名の職員が従事しております。
 この市町職員の減員につきましては、各市町と協議し、退職者不補充や他の部署への配置転換により、段階的に行っていくこととなります。

○富田委員 約千百名という、大変大きな数字が計上されたわけですが、ご説明いただいた退職者不補充や人事異動といっても、そう簡単なわけにはいかないというふうに思います。もう少し具体的に、どのように行っていくのか、ご説明いただきたいと思います。

○二階堂調整部長 職員の減員につきましては、各市町と協議の上、策定することとなっております市町別移行計画に基づきまして、都への事務の段階的移行に合わせて行っていくこととなります。
 なお、その移行計画の期間は、おおむね十カ年を予定しております。

○富田委員 都民サービスの向上が強く求められる中にあって、経営改善が都民へ影響を与えてはならないことは当然です。また、経営改善を円滑に推進していくためには、各市町と十分な協議が必要であることは、いうまでもないと思います。
 そこで、移行計画策定の作業はどこまで進んでいるのか、また今後のスケジュールはどうなっているのか、お示しいただきたいと思います。

○二階堂調整部長 移行計画の作業でございますが、昨年十月、多摩地区水道事業の経営改善につきまして市長会へ報告し、その後、すべての受託市町に対して意見照会を行いました。労働組合とは、多摩地区水道経営プラン21案を提示し、精力的に協議を行っております。
 また、本年八月、移行計画協議開始を各市町へ通知し、現在、移行計画にかかわる調査に基づきまして、各市町と協議を進めているところであります。
 今後のスケジュールとしましては、十四年度末を目途に、多摩地区水道経営プラン21及び市町別移行計画を策定する予定であります。

○富田委員 東京都を取り巻く行財政の環境を考えると、水道事業の効率的経営は重要であると考えます。しかし同時に、水道は都民の暮らしを支える重要なライフラインであり、住民サービスが後退したり、災害時の対応に不安があってはなりません。自治体規模や歴史的沿革などにより、それぞれの市町の事務委託の実情はさまざまです。
 一九七三年十一月に小平市外三市の水道事業を統合してから、本年四月の三鷹市の統合まで約三十年を要している、そのこともまさに地域の事情の反映であるといえると考えます。
 したがって、事務委託の見直しに当たっても、各市町の関係間の協議を尊重し、拙速に結論を求めることがないようにするとともに、各市町やその職員と十分に協議するよう、改めて強く求めておきたいというふうに思います。
 次に、玉川浄水場の再開に関してお伺いをいたします。
 多摩川の水質汚濁は、一九六〇年からの高度経済成長に伴う流域の人口増、工場等、事業活動の活発化によって急激に進行いたしました。こうした悪い状況をさらに進める、工場排水による河川水質事故が発生したことや、水道水とカシンベック病の関係が社会問題化したりする中で、玉川浄水場が水道水としての取水停止を行ったのが、一九七〇年九月二十八日でした。
 そして、一九七二年当時、水源状況が改善されるまで、玉川浄水場の停止が決定されました。こうした経緯を踏まえつつ、玉川浄水場の課題についてお伺いをいたします。
 初めに、玉川浄水場が停止した理由は何だったのか、ここで改めて確認をしておきたいと思います。そして、当時社会問題化したカシンベック病と多摩川の水との因果関係はどうだったのかについても、整理をしていただきたいと思います。

○本山浄水部長 玉川浄水場の停止理由でございますが、昭和四十五年一月に、玉川浄水場系の飲料水とカシンベック病との関係が報道されまして、これが社会問題としてクローズアップされました。
 水道局といたしましては、この問題による都民の水道水への不安が、水道事業に対する不信感に発展することを懸念いたしまして、昭和四十五年九月、取水を停止いたしました。
 カシンベック病と多摩川の水との因果関係でございますが、当時の厚生省のプロジェクト研究班が、我が国におけるカシンベック病の実態を詳細に検討いたしました結果、カシンベック病と考えられる症例の存在を肯定する証拠はなかったと、昭和四十七年六月に報告をしております。

○富田委員 都民の不安が水道事業に対する不信感に発展することを懸念したということですが、その不安のもとであったカシンベック病については、その存在自体がなかったというふうに、今、お伺いいたしました。
 ところで東京都としては、こうした多摩川を放置していたわけではなく、多摩川の水質改善策をとられてきたというふうに思いますが、それはどのようなものであったのか、また、そうした対策が功を奏して、多摩川中流域の水質環境基準がB類型指定になったのはいつなのか、お伺いをさせていただきます。

○本山浄水部長 多摩川の水質改善に関する取り組みにつきましては、都は、これまでに工場等に対する排水規制、下水道の普及促進、あるいは下水処理方法の改善等による多摩川の水質改善に努めてまいりました。
 また、水道局においても、毎年、川崎市と共同で多摩川流域周辺の工場及び事業場に対しまして、水質汚濁防止の協力要請を実施してきております。
 多摩川中流域の水質に関する環境基準につきましては、平成十三年三月に、それまでのC類型からB類型に指定がえとなっております。

○富田委員 それでは、改めてお伺いいたします。
 水道原水として河川の水を利用する場合、利用する河川の水質基準はどうなっているのか、また、多摩川と、現在実際に利用している河川、例えば金町浄水場原水の水質と比較すると現状はどうであるのか、お尋ねいたします。

○本山浄水部長 河川の水質に関する基準につきましては、水質汚濁にかかわる環境基準で、それぞれの水域ごとに類型が定められているとともに、利用目的の適応性が示されております。この中で、水道用原水としての利用は、B類型以上とされております。
 多摩川の水質状況は、現在の多摩川中流域の水質をBODで見ますと、B類型の基準値を達成しつつあるものの、金町浄水場原水水質と比較してみますと、効率的な処理が困難な硝酸性窒素については、年間平均値で約二・五倍となっております。年間最高値では、水道水の水質基準値の上限に達することもございます。また、トリハロメタン生成能においても、約二倍となっております。
 このように多摩川中流域の河川水は、水道原水としてさらなる改善が望まれる状況にございます。

○富田委員 それでは、少し視点を変えてお伺いいたします。
 一九九七年に河川法が改正され、河川整備計画を立てる際、二十年から三十年先を見通した上で計画を立てることとされました。流域自治体、有識者、市民などの十分な協議が義務づけられ、国土交通省京浜工事事務所が中心になって流域協議会、流域委員会が設置されたと聞いています。
 そこで、多摩川に関する河川整備計画の内容と、水道局の認識をお伺いいたします。

○鈴木参事 平成九年の河川法の改正によりまして、住民等の意見を反映した新しい河川整備の計画制度が創設されまして、河川管理者は、河川整備の基本方針であります河川整備基本方針と、具体的な河川整備の内容を明確にしました河川整備計画を策定することとされました。
 この改正を踏まえまして、河川管理者であります国土交通省は、平成十三年三月に多摩川水系河川整備計画を作成したところでございます。この計画では、戦後最大規模の洪水への対応、流域の水利用調査などによる水循環の解明、人と自然の共生を主な目的といたしまして、堤防等の安全性の向上や自然環境の保全等の施策を行うこととしてございます。
 当局では、利水者としての立場から、多摩川の水質が改善されることを期待しているところでございます。

○富田委員 これまでの質疑の中で、玉川浄水場の再開の可能性についてお伺いをしてまいりました。
 ここで質疑をまとめる意味で、水道局としての再開に向けた検討状況についてお尋ねするとともに、課題についても改めて整理をしていただきたいと思います。

○鈴木参事 玉川浄水場の再開の課題でございますが、一つは環境基準のB類型以上が達成されること、さらには水処理における技術上の諸問題が解決をされること、さらに飲用につきまして都民のコンセンサスが得られることなどの条件を満たしていくことが必要であるというふうに考えております。
 今後、原水水質の動向ですとか、あるいは窒素、トリハロメタン前駆物質などの汚濁物質の効果的な除去を目的といたしました水処理実験の進捗状況などを踏まえながら、引き続き再開に向けた検討を行ってまいります。

○富田委員 私は、十一月二十一日に行われた下水道局に対する事務事業質疑の中で、河川の水質改善にかかわる下水道の役割について取り上げました。その質疑の中で、私の地元を流れる神田川の水質が改善され、アユが戻ったことが紹介されました。
 ご承知のとおり、神田川を流れる水の九割以上が落合処理場で処理されたものとなっています。水循環の究極の姿は、一度利用された水が再び飲用に戻ることであるとは思いますが、安全な水を安定的に供給するとの観点からは、現在は健全な水循環の確立が必要であるとされています。アユが見られるようになることは、水環境の面からは喜ばしいことですが、それが直ちに飲用水としての原水につながるものではないことは現実です。
 多摩川に目を戻した場合、下水処理水が四割程度あるということから、水道局がいうように、引き続き再開に向け検討とはいっても、このままでは都民のコンセンサスを得ることは困難かとも思います。
 そこで提案です。多摩川は東京の貴重な水資源であるわけですから、水道局としても、水質改善に向け、これまで以上に各方面に積極的に働きかけていただきたいと思います。また、取水口を上流に持っていくなど、再開に向けての積極的な検討が必要なのではないかというふうに思います。ぜひとも都民に安心、安全な水を提供するための積極的な努力をお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○東野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○東野委員長 次に、陳情の審査を行います。
 一四第四六号、水道局に提出された陳情の処理方法と公金による配水管の布設工事に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○御園給水部長 それでは、陳情につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布させていただいております資料4、請願陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
 この陳情は、葛飾区の中原正行さん外二十一名の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨といたしましては、水道局に提出した陳情に基づき実施された配水管の布設工事について、このような工事を公金で行う場合の基準を調査していただきたいというものでございます。
 この陳情に関する現在の状況でございますが、水道局では、お客様からの陳情に基づく私道への配水管布設につきましては、出水不良の解消あるいは漏水の防止を図る観点から、私道への配水管布設要領を定めておりまして、これに基づき、当局の費用で配水管の布設を行うこととしております。
 なお、本件と同様の陳情は、過去三年間、平成十一年度から十三年度の年平均で五十件程度ございまして、住民の皆様のご要望として受けとめ、適切に対処しているところでございます。
 今回の案件につきましては、平成十四年二月五日、葛飾区の住民から既設の給水管に対する水量的な不安や配管延長が長いこと等の理由で、私道内への配水管布設の陳情書の提出があったものでございます。
 この陳情に基づき当該箇所を調査しました結果、私道への配水管布設要領の基準を満たしておりましたので、配水管の布設を決定いたしまして、平成十四年六月五日から同年七月十二日までの工期により施行いたしたものでございます。
 二ページ目をお開きいただきたいと存じます。次に、基準についてのご説明を申し上げます。
 当局が定めております私道への配水管布設要領は、公平かつ迅速な事務処理を行うために、対象工事の種類や布設基準などを定めたものでございます。
 本件工事につきましては、対象工事の種類といたしまして、(2)の私道内給水管整理工事に適合しておりまして、布設基準についてもすべて満たしておりますことから、工事を施行したものでございます。
 以上申し上げましたとおり、本工事については、当局が定めました要領に基づいて適切に処理したものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議くださいますようお願いいたします。

○東野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
〔「なしと呼ぶ者あり」〕

○東野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一四第四六号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で水道局関係を終わります。

○東野委員長 これより交通局関係に入ります。
 陳情の審査を行います。
 一四第六八号、都営新宿線東大島駅の改善に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○北川建設工務部長 陳情一四第六八号につきましてご説明させていただきます。お手元の資料の一ページをお開きいただきたいと思います。
 この陳情は、東京都江東区、東大島駅の改善を願う住民の会代表中里仁一さん外七百六十四名の方より提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都営地下鉄新宿線東大島駅の大島口について、1、地上から改札口までのエレベーターを最優先して早期に設置すること、2、改札口までの雨天対策を行い、ホームにいすを増設すること、3、改札からホームまでのエレベーターを設置すること、4、南北出入り口の上り下りエスカレーターと、ホームから改札までの下りエスカレーターを設置することというものでございます。
 まず場所でございますが、お手元の資料の二ぺージ、左上の都営新宿線東大島駅付近案内図をごらんください。東大島駅は、新大橋通りの船堀橋西端部付近にありまして、旧中川にかかる橋上駅でございます。赤色の丸で囲った部分でございます。
 下の位置図をごらんください。東大島駅には改札口が新宿方と本八幡方の二カ所あり、出入り口が大島口には北と南、小松川口の計三カ所ございます。また、右上の立体図をごらんください。改札階から各ホームへのエスカレーターが、計四基設置されております。
 交通局は、高齢者や障害者を初め、だれもが利用しやすい地下鉄駅とするため、全駅において、ホームから地上まで、基本的にエレベーターによる一ルートを確保することを目指して、バリアフリー化に取り組んでおります。
 陳情のありました東大島駅へのエレベーター、エスカレーターの設置につきましては、駅の構造、設置スペースの確保、費用等、解決すべき課題もありますが、エレベーターによる一ルート確保を目指すという視点から、検討してまいります。
 また、今後、多くの駅でエレベーターの整備が必要であることから、陳情にありましたエスカレーターの増設は困難と考えております。
 なお、下の位置図の左側に青色で示しておりますように、大島口には、平成五年に階段下からコンコース入り口まで屋根かけ工事を実施しておりまして、雨天対策の機能を果たしていると認識しております。
 ホームのいすにつきましては、五人がけのものが各ホーム四カ所、計八カ所に都合四十人分設置しておりまして、他の駅と比較しても、数多く設置しております。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○東野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○富田委員 駅のバリアフリー化を進める上で基本的な考え方は、ただいまご説明いただきましたように、全駅にホームから地上まで、基本的にエレベーターによる一ルートを確保することを目指していることであり、この方針に従えば、東大島駅についても計画的にエレベーターを整備するものと考えています。
 ただし、東大島駅は旧中川をまたいで設置されており、改札口が大島口と小松川口の二カ所に分かれた構造になっています。それぞれの出入り口の利用者数には多少の違いがあるかもしれませんが、二つの出入り口とも、特にお年寄りや体に障害を持つ方々はエレベーターの設置を望んでいるものと思います。エレベーター設置の時期については、他の駅の設置状況などを踏まえ検討されると思いますが、設置に当たっては、大島口と小松川口のバランスを配慮していただきたいと考えています。
 さて、このことを要望するとともに、バリアフリー関連で二点ほど質問させていただきます。
 まず、バリアフリー化に対する補助制度はどうなっているのでしょうか。また、現在の補助制度に至った経過についてもお示しいただきたいと思います。

○久保田総務部長 エレベーター、エスカレーター等のバリアフリーを推進するための補助制度でございますが、地下高速鉄道整備事業費補助がございまして、国及び都の一般会計から補助を受けております。
 補助率は、国庫補助は約二六%、都の一般会計からの補助は約二九%となってございます。このほか、都の一般会計からは出資金二〇%が出ております。
 バリアフリー化に要する経費が、この地下高速鉄道整備事業費補助の対象となったのは平成十年度からでございまして、そのときの補助率は、先ほど申しました補助率の二分の一でございました。それがその後、平成十二年度から改善されて、現行の補助率となったものでございます。

○富田委員 改善されたとはいえ、事業費負担が二五%もあるのでは、現行補助制度でバリアフリー化を進めるのは限界があるというふうに思います。一ルート確保がやっとではないかなというふうに思います。
 そこで提案ですが、このエレベーターをPFI事業方式を採用し、設置することはできないかと考えています。例えばエレベーターを外から見える構造として、エレベーターの筐体の外側に広告をつけて、その広告収入を財源にしてバリアフリー化を進めるということが考えられないかということでございます。
 その場合、障害となり得るものは何なのか、お伺いをさせていただきます。

○江連参事 交通局では、これまで車内中づりポスターやステッカー広告、駅構内での駅張りポスターや電飾広告だけでなく、車体や駅構内での壁、柱、エスカレーター側壁、三田線のホームドアなどを活用しました、ラッピング手法による広告展開を図ってまいりました。
 また、今月からは大江戸線の車内放送広告を実施するなど、可能な限りの媒体を使いまして、広告展開を実施しているところでございます。エレベーターに広告をつけることに関しましては、地下駅では視認性の媒体価値等の課題がございます。また、地上駅につきましては、これらの課題に加えまして、屋外広告物等の規制の課題があるというふうに考えております。

○富田委員 バリアフリー化の推進に当たっては、さまざまな課題があると思いますが、一番の大きな課題は財源確保だというふうに思います。
 これまでも国への補助制度の拡充を求める働きかけを行っていますが、財源確保に向け、今申し上げた広告の活用も含め、幅広い検討を行い、バリアフリー化の推進に努めていただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。

○東委員 これは私の地元の陳情でもありますので、二、三点、質問をしておきたいと思います。
 まず、この際、都営地下鉄に対するバリアフリー化の要求というのはどこでも非常に強いわけですけれども、平成二十二年ですか、までには各駅に一ルートのエレベーターを設置するのが基本方針だということをいわれておりますけれども、バリアフリー対策について基本的な考え方、現在の到達の状況、それから今後の計画について、改めて述べてください。

○北川建設工務部長 バリアフリー化を進める上での基本的な考えでございますが、一点目は、お話のありました全駅においてホームから地上まで、エレベーターまたはエスカレーターによる一ルートを確保することを目指して整備をいたします。
 二点目として、乗客の多い駅、乗りかえ駅等を優先的に整備をいたします。
 三点目として、駅周辺の建築計画及び再開発計画などとの連携を図りながら整備を図ります。
 四点目として、公共用地の活用、財源の確保など、国や地元区等関係機関の協力を得ながら推進をしてまいります−−などでございます。
 次に、現在の状況といたしましては、ホームから地上までエレベーターで移動できる、いわゆる一ルートが確保されている駅は、平成十三年度末現在で百五駅中四十八駅で、確保率は四六%となっております。
 今後の計画といたしましては、交通バリアフリー法に基づきまして、平成二十二年度までに都営地下鉄全駅において、基本的にエレベーターによる一ルートの確保を目指し、検討していくこととしております。

○東委員 今ご答弁あったように、平成二十二年までにはホームと地上、この東大島の場合は地上と、高い、上の方のホームなんですけれども、一ルートを確保するというお話ですが、その中には、全部片っ端からやるという、もちろんこれも必要ですけれども、当然、優先順位があると思うのですけれども、出されている東大島について、設置に当たっての優先順位、これについてはどういうふうに考えているのですか。

○北川建設工務部長 優先順位の一般論といたしましては、設置に当たっては乗降客数や乗りかえ駅といったニーズ、駅の構造的な条件、財源の確保などを総合的に勘案して、計画的に整備を進めてまいります。
 当駅につきましては、エレベーターに関する要望事項は、要旨の第一項と第三項にございますが、本駅の場合、一ルート確保のためには、大島口では地上から改札までの一基、改札からホームまで、相対式のホームのため二基、それから小松川口では、同様にして改札からホームまで二基、合計五基が必要になってまいろうかと思います。
 この五基のうち、エスカレーターの設置されていない大島口の地上から改札までの一基が、優先度が高いものというふうに認識しております。

○東委員 優先順位の話をさっきしたのですが、この駅は、毎朝、障害者、車いすの方が利用されているのです。私どもも、駅で宣伝なんかやっているときには、その方がずっと走ってこられまして、地上、つまり路面から改札口に上がるところ、さっき説明もあったように、エレベーターもエスカレーターもないので、周りにいる人たちがみんな手伝って上げるわけです。
 私なんかも、一回、三人でやろうとしたら、その方が三人じゃだめだということで怒られて、四人がかりでやったことなんかもあるわけですけれども、そうやって、確実に毎日その人が通勤用に利用されている。しかし夕方の場合、この前、駅に行って聞いたら、夕方は非常に駅員が忙しいということも配慮してのことなんでしょうが、その前の駅でおりて、今、リフトで上がるようにされているということでしたけれども、現実に、そういうエレベーターの要望が現場で強い。
 このことについては、地元でも、この会の人たちがアンケートの調査をやられて、そしてそのアンケート調査に基づく要求が、この四項目なんです。その中でもとりわけ、とにかく差し当たり地上から改札口までのエレベーターをつくってほしいという強い要求が出されておりますので、これは計画的にやるとか、優先順位が高いという一般論ではなくて、ひとつぜひ来年度予算に組み込むように、交通局として積極的な対応を強くお願いをして、終わりたいと思います。

○東野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件中、第一項及び第三項につきましては、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一四第六八号中、第一項及び第三項は趣旨採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で交通局関係を終わります。

○東野委員長 これより下水道局関係に入ります。
 請願の審査を行います。
 一四第七〇号、世田谷区上馬四・五丁目の浸水対策に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○馬場総務部長 世田谷区上馬四・五丁目の浸水対策に関する請願につきましてご説明申し上げます。お手元の請願陳情審査説明表をごらんいただきます。
 この請願の要旨でございますけれども、世田谷区上馬四丁目の弦巻通り沿い及び五丁目一、三、三十三、三十四番地の間の三差路地点におきまして、浸水の不安に悩まされることなく生活できるよう、下水道局を初めとした関係各局が地元世田谷区と協力して、早急に浸水の原因究明と再発防止に努めることを求めているものでございます。
 当局で原因を調査いたしましたところ、今回の大雨は、計画降雨量である一時間当たり五〇ミリを超えた降雨であったこと、また、当該地区は低地であり、雨水が道路表面を伝って弦巻通りや駒留通りが道路冠水し、道路面と同じ高さにある家屋に被害が生じたこと、さらに、地下及び半地下構造の家屋に道路冠水した雨水が流入し、被害を増大させたことが判明いたしました。
 対策といたしまして、当該地区につきまして、当局の雨水整備クイックプランの対象地区として位置づけ、道路冠水の軽減や集中する雨水を分散するなどの対策を検討し、必要な措置を講じてまいります。
 また、当該地区に流入する雨水排水につきましては、既に道路管理者であります建設局や世田谷区において雨水ますの増設工事を実施しておりますが、さらなる増設を要請してまいりますとともに、地下及び半地下構造の家屋の建築につきまして、世田谷区に対して指導の強化を要請してまいります。
 なお、事業の実施に当たりましては、下水道局、建設局、世田谷区で協議会を設置し、連携して対応してまいります。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○東野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
〔「なしと呼ぶ者あり」〕

○東野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認めます。よって、請願一四第七〇号は採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。
 以上で下水道局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては執行機関に送付し、その処理経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十七分散会

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