公営企業委員会速記録第十一号

平成十三年十月十六日(火曜日)
   午後一時五分開議
 出席委員 十四名
委員長土持 正豊君
副委員長松村 友昭君
副委員長立石 晴康君
理事初鹿 明博君
理事東野 秀平君
理事高島なおき君
福士 敬子君
高橋かずみ君
青木 英二君
串田 克巳君
中西 一善君
中山 秀雄君
田中 晃三君
尾崎 正一君

 欠席委員 なし

 出席説明員
水道局局長飯嶋 宣雄君
次長岡田 重信君
総務部長小泉 智和君
職員部長奥富清二郎君
経理部長二階堂信男君
営業部長中村 重利君
浄水部長村元 修一君
給水部長本山 智啓君
建設部長御園 良彦君
固定資産管理担当部長秋山  靖君
設備担当部長関根 勇二君
参事東岡 創示君
多摩水道対策本部調整部長甘利 鎭男君
施設部長田口  靖君
技術調整担当部長山田  弘君

本日の会議に付した事件
 水道局関係
  事務事業について(質疑)

○土持委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。理事会において、お手元配布の日程のとおり、申し合わせを行いましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより水道局関係に入ります。
 まず、理事者の欠席について申し上げます。鈴木多摩水道対策本部長は、公務出張のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 これより事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○小泉総務部長 さきの委員会におきまして、資料要求のございました事項を項目別に取りまとめ、お手元に配布してございます。
 その概要につきまして、ご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。今回の渇水の経緯と対策について取りまとめたものでございます。
 まず初めに、渇水の経緯についてご説明申し上げます。
 利根川上流域におきましては、七月以降まとまった降雨のない状態が続きました。首都圏の水がめである利根川上流八ダムの貯水量は、一日当たり数百万立方メートルの割合で減少し続け、貯水率は八月七日に五七%、八月十日には五一%まで低下いたしました。このため、八月十日から利根川水系において一〇%の取水制限を実施することが確認されました。都は、これを受けまして、八月八日に東京都水道局渇水対策本部を設置し、後ほどご説明いたします渇水対策を決定いたしました。その後まとまった降雨があり、八月十四日から取水制限が一時緩和されましたが、都は、引き続き渇水対策を実施していくことといたしました。さらに、台風に伴う降雨により、八月二十七日はダムの貯水率が六七%に回復し、河川流況も改善いたしました。同日、利根川水系の取水制限が全面解除されたのを受けまして、都では、渇水対策を終結させるとともに、渇水対策本部を解散いたしました。
 次に、渇水対策についてご説明申し上げます。
 二ページをお開き願います。東京都水道局渇水対策本部で決定した渇水対策でございます。
 渇水対策は、基本方針と一〇%の取水制限に対する対策から成っております。基本方針は、都民生活や都市活動への影響を最小限に抑え、かつ公平な給水確保を図るため、効率的な水運用を行う。必要な情報を適時適切に提供し、都民の理解が得られるよう努めるというものでございます。また、一〇%の取水制限に対する対策は、多摩川水系からの原水補給を行い、都民への影響を最小限に抑える。各家庭、事業所等に五%を目標とした節水協力をお願いするというものでございます。
 なお、具体策といたしましては、都民に対して節水の呼びかけを行うとともに、多量使用者等に対して節水協力の依頼をし、あわせて貯水量情報の提供や、人工降雨の実施に取り組んでまいりました。
 三ページをお開き願います。水源施設整備費と水源地域対策費の十年間の推移でございます。
 上段の水源施設整備費は、水源施設の建設事業費で、内訳としましては、国等の直轄事業に対する支出である水源施設建設費分担金と、水資源開発公団が施行する事業に対する支出である水源施設設備費分担金でございます。
 下段の水源地域対策費は、水没関係地域の振興、水没関係者の生活再建などに要する経費で、内訳としましては、水源地域対策特別措置法に基づく事業に対する支出と、水源地域対策基金に基づく事業に対する支出でございます。これらの十年間の当局負担額をお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

○土持委員長 説明は終わりました。ただいまの資料を含めて、本件に対する質疑を行います。発言を願います。

○中西委員 選挙後、初めての質問をさせていただきます。
 私もたびたび、公営企業委員会に所属をさせていただいていますので、また、公決の方にも所属しておりますので、質問する内容がなくなってしまって困っておりますが、きょうは、先般資料請求もしたことでございます。それに基づきまして質問をなるべく手短にさせていただきます。
 この資料にもありますように、渇水対策ですね、対策本部もつくられ、一〇%の取水制限と。いろいろな努力、ステッカーを張ったり、まるで人工スキー場のように人工降雨の実施、四日間。本当にご苦労さまでございました。しかし、我々人間が雨を降らすとか、ダムをどんどんつくるのも結構な話でありますが、この地球温暖化と地球の環境破壊で、これは、水道の場合は洪水は関係ありませんが、局地的な集中豪雨とか、確実にやっぱり三十年、四十年前から地球環境というのはどんどんどんどんと変化をして、今後これが環境対策をすることによってすぐ正常に戻るとは考えられません。
 そういう意味では、数年に一度の渇水対策、渇水問題でありますが、これから頻繁に起こると考えながら都も対策を打っていくのが私は正しいと思います。今年は台風十一号が来てくれたおかげで、結果的に渇水というものが、断水にもならず、またこの給水制限もストップしたわけでありますが、具体的に、基本的な質問でありますが、東京で断水が起こった場合、これは都民のライフラインでありますが、都市活動だとか都民の生活にどういう状況、どういう影響があるか、簡単にお答えください。

○東岡参事 東京で大規模な断水が発生いたしますと、例えばご家庭では、入浴や洗濯はもとより、トイレの使用にも支障を来すなど、不便な生活を余儀なくされることになります。これが、事故時等のように短期間で復旧できるのではなく、長期にわたる場合には、衛生状態も含めて深刻な事態になることも想定されます。ちなみに、昭和五十三年のいわゆる福岡渇水では、水のある他の地域への疎開が行われた事例もございます。
 また、都市活動の面では、水冷式の冷却設備の停止によりコンピューターなどが機能停止すれば、経済全体が混乱し、また、工場や飲食店等では営業停止を余儀なくされるなど、社会経済活動にはかり知れない影響が及ぶものと考えられます。

○中西委員 模範解答をありがとうございました。
 渇水というのは、今、数年に一回の割合でございますが、一方で局地的な集中豪雨というのがあって、我々公営企業委員会としては、水道局だけではなくて、ある部分、下水道というのも抱えているわけですよ。そうすると、集中豪雨の雨水というのが、水道局では大事な資源、下水道局では合流式下水道に雨水が流れ込んで、もう大問題になっている、これは害悪だと。そして、都市計画局では、大きな都市計画上の課題になっていて、いろんな局にまたがって、これはもう都全体のことだと私は思います。
 この総合治水というパンフレットを、だれかからか、どこからかいただいたのかはあれですが、下水道局さんからいただいたのかな、「総合治水−水害のないまちづくり−」という中に、問い合わせ先、都市計画局、建設局、下水道局と。まあ水道局は入っていないです。これは水害ですから、水を害と考えている。今までは局別に、水−−雨水というのは洪水になれば害なんですよ。しかし、水道局にとっては、雨水というのは大切な資源であって、のどから手が出るほど、人工降雨機まで使って雨を降らせようとする。もうこれは神頼みの段階だと思いますが、ポスターをやったり、節水シールをやったり、これは、ちなみに結構お金かかっているんじゃないですか。
 これは、事前に通告していないんでお答えになれないと思いますが、もし答えられるんだったらちょっと……。ちなみに玄関にこのポスターを張ったり、節水シールだとか人工降雨の実施だとか、もろもろにどのぐらいお金がかかったか、わかればでいいです。

○小泉総務部長 十三年度の夏季は集計中でございましたけれども、八年度の夏季のときで七千万ほどかかっておりました。ただ、十三年度につきましては、ことしですけれども、幾らかこれよりも経費としては少なかったと思います。

○中西委員 五千万ぐらいと考えた方がいいですかね。七千万以下だとしても、都民の税金としては莫大なものだと思います。
 僕がいいたいのは、先ほども下水と水道と都市計が余り連携していないような、どなたか質問されたと思いますが、あんまり都庁が、やっぱり国の省益ばっかり追及するということじゃないですけれども、もっと都益というか、この水の、雨ということ一つでも、違う局だったら、あそこは害だと、こっちは大事な資源だと。これ、石原知事にでも会ったら直接私もいってみたいとは思いますが、もっと横断的に取り組まないと、今後ますます環境変化というものがある部分見込まれるわけですよ。決してこれはもう平常に戻るとは、私、なかなか思えません、短時間では。そういう意味では、ぜひとも都庁横断的なそういうものをつくっていただきたいし、雨水利用というものも、先般、福士さんですか、ドラム缶の話をしましたが、これは七万円で設置できると。このドラム缶にしたって、結構な貯留量がこの前あったという話ですよ。
 また、この総合治水対策における雨水流出抑制施設の整備状況というのを、これはどこからもらったか、これは都市計画局からもらったんですよ。そうしたら、初め、平成十年度の資料しかないとか、いや十一年度の末まで出すとか、全然連絡ができていないわけですよ。私の局じゃないからこの質問を受け付けないとはとんでもない話であって、平成十一年度末で九千三百ヘクタールの公共用地、宅地で整備が行われたと。片や都市計画局でやって、こういうものを、このパンフレットも見て、雨水を、水道局の総合治水対策に−−私も右から左まで読んで、雨水浸透ますとかなんとか、トレンチとかいろいろ書いてありますが、これをもっと水道局として利用するような、ぜひともこれは治水対策の中に、害だけじゃなくて、水道局も乗るべきだと思います。
 そして都庁舎の水の雨水利用という資料をいただいたんですが、ちなみに上水、僕も、わあ、こんなにあったのかとびっくりしましたが、都庁全部で、平成十二年、上水は四三%。雑用水は下水道再生水と雨水で五七%ですよね。これはすばらしい数字であって、これだけ大きな施設の中で、水道局の大事な上水は四三%しか使っていない。再生水で四五%、雨水で一二%、この雨水の一二%というのをもっと引き上げれば、非常に水資源の有効利用につながるし、ステッカー張ったりポスターつくったりするのも七千万かけて、それはパフォーマンスでやっているんでしょう、何にもやらないと都民から何かいわれるから。だけど七千万にしたって、これはもう一億になんなんとする金額ですよ。こういうものを基金でもつくってためて、もっともっと−−例えば雨水浸透ますというのは、あれは雨水を地下に潜らせるんでしょう。しみさせて循環させるということでありますが、これは、都市計画局が平成十三年度までは何かの予算を流用して、雨水浸透ますに東京都から補助金が出たけれども、十四年度からつかないというんですよ。そんなおかしな話はなくて、まさにそういう雨水を利用する、また、資源を循環させるという観点からして、そういうものにお金を使っていくべきだし、雨水というものは、下水道では合流式下水道に流れ込むのしかないという害だけれども、皆様にとりましては大切な資源なんですから、ぜひともこういう局の横断的な、委員会でもプロジェクトチームでも何でも構いませんから、私はつくってもらいたいと思います。こういうことをやらないのであれば、来年もまた公営企業委員会に戻ってきて、また再来年も戻ってきて、私はもうしつこくこれを質問し続けますが、こういうトータルな対策をぜひともとっていただきたいと思います。
 いずれにしても、全体の五七%が上水以外で賄えているということです。ですから、このドラム缶の、墨田区なんかにしたって、こういうものもやる、こういうものはやっぱり水道局が水のプロフェッショナルなんですから、私は雨水利用というものをもうちょっと考えていくべきだと思いますが、今までの局の取り組みだとか進ちょく状況を教えてください。

○東岡参事 雨水利用に関しましては、東京都といたしましては、平成十一年に東京都水循環マスタープランを策定いたしまして、望ましい水環境の形成という観点から、水の有効利用や浸水被害の防止に関する施策として、雨水利用や雨水対策を取り上げております。雨水利用につきましては、具体的には、都では東京都雨水利用・雨水浸透促進要綱を制定し、関係局が協力して大規模建築物に対しその有効利用を指導しております。
 水道局におきましても、大規模建築物の給水工事申し込みに際しましては、これらの要綱に基づきまして雨水利用等の施設の設置を事業者に要請しているところでございます。また、都が設置する庁舎等の施設につきましては、都立施設に水資源の有効利用を図る設備等に関する指針を定めていますほか、水道局でも独自に東京都水道局庁舎等に係る水有効利用設備設置基準を策定いたしまして、庁舎の新築や改築等に合わせまして、雨水利用等の施設を設置しております。現在、水道局では十二カ所の庁舎で雨水等の利用を行っているところでございます。

○中西委員 いずれにしても、都庁舎だけではなくて、屋上緑化なんかもある程度建ぺい率をおまけするとか、そういう形で民間にインセンティブを与えて、大規模、都内のそういう高層建築物なんかを使って屋上緑化は進んでいます。そういう意味では、局長さん、具体的にそういうものを進めてください。局長が在任中にぜひともそういう委員会なり、プロジェクトチームなり、勉強会、そういうものをつくっていくべきだと私は思っております。
 雨水利用に関しては以上でございますが、水資源ですね。これは、ダムとかになりますが、今後渇水対策という大きな課題を抱えていて、一方、水資源の確保というものも大きな問題でありますが、現状と課題について伺います。

○東岡参事 水資源につきましては、現在日量約六百二十三万立方メートルの水源量を確保しておりますが、その中には課題を抱える水源八十二万立方メートルも含まれておりますほか、東京都の約八割を依存しております利根川水系におきましては−−通常であれば、一般的にダムは十年に一度の渇水に対応できるほどの目標を設定して計画しておりますけれども、利根川水系につきましては、現在おおむね二、三年に一回程度渇水が起こるというふうな状況でございまして、将来、鋭意計画中のダム等が完成しても、いわゆる利水安全度と申しますけれども、五年に一回程度の渇水に耐えられる程度の安全度が確保できるというふうな状況でございます。

○中西委員 以上で雨水利用並びに渇水対策については質問を終わり、次の質問に参ります。
 今、アメリカの同時多発テロ以降、テロの恐怖というものは世界を震撼させています。まさに水道局というのは、ある部分、東京都の中では口の中に入るもの、これは、例えば市場で、食肉市場なんかもこの前疑わしき牛が見つかりましたが、何かあってから、責任問題になったら大変ですよ。まさに国が、厚生労働省だとか農水省があたふたしていますが、東京都は俊敏に対応するという、また、大事な、口に入る水を預かっている局なわけであります。これ、いつ日本に起こってもおかしくない。ビンラディンが入っているタリバンは、まさにアメリカを支援する国は同じ敵だということで見ているわけであります。そういう意味で、十分に備えをしなければならないわけでありますが、テロによる水道施設による被害、どんなものが考えられますか。

○村元浄水部長 水道施設に対するテロの想定に当たっては、極めて多様のものが考えられますが、都民生活や都市活動に重大な影響を及ぼすものとしては、貯水池や浄水場など基幹的な水道施設の破壊や、水道水への毒物や細菌の混入は考えられます。

○中西委員 ちなみに日本では、サリン事件なんかもありましたよね。そういう意味では、これは世界に類を見ない被害を出した国です。そういう教訓も踏まえて水道局はどういう安全対策を今しているのか、お聞きします。

○村元浄水部長 サリン事件以降、浄水場の安全対策の充実を図るために、周囲さくのかさ上げや侵入防止センサーの設置など、水道施設への侵入防止策を強化しました。また、毒物に対する備えを充実する必要から、検知水槽を各浄水場に常設しました。さらに、警察を初め、関係機関との連絡体制の確立を図り、緊急時に速やかに対応できるよう体制づくりに努めてきております。

○中西委員 ちなみに化学兵器の細菌なんというのは、細菌、例えば炭疽菌をとってみても、日本のお医者様は、炭疽菌に侵されているかどうかという症例が少ないことで、なかなかそういう診断もできないというようなことをある報道で私聞いたわけであって、細菌類に対しての備えというのは、今の答弁だと余りにも何か認識が低いような気がするわけであります。これは当然国と連携をしなきゃいけないわけでありますが、局として、まず国のしかるべき機関に対して、そういう情報提供、どのような細菌が持ち込まれる可能性があるのか。今まさにアメリカは炭疽菌で、これはたしか上院の院内総務か何かのところにも炭疽菌入りの封筒が送られてきたという話でありますが、これは本当に日本にとって切実なる恐怖であり、我々都民の安全を守る立場からすれば、国とがっちりと連携しなきゃいけないと思うんですよ。国に対してどういう要望をしているのか。また実際、国から何かあったんですか、そういう情報提供みたいな、連携みたいなのは。

○小泉総務部長 国の方から、十月四日に、厚生労働省から国内におけるテロ事件発生に関する対応という文書が示されておりまして、その中で、水道に対する危機管理の対応についてとして、水道施設の警備強化、水質管理の徹底や情報収集、連絡体制の確立などの指示が出されています。また、十月八日には、国土交通省から河川管理施設等における管理体制の一層の強化についての文書が示され、テロの未然防止措置として、ダム施設の警備強化や不審物の早期発見などが指示されております。
 そこで、今回のテロ問題となっています炭疽菌につきましては、ご指摘のとおりに国を含めてこれまで十分な情報がございませんでした。けさの新聞でも、炭疽菌は恐怖心をあおる効果はあるが感染力は弱いというような報道もされておりまして、いずれにしましても、水道水においてどのような影響があるのか等について、入手した情報を積極的に提供するよう国に対して働きかけております。また、都の研究所等からの情報の収集にも現在努めているところでございます。

○中西委員 強力に働きかけるって、普通の問題とは違って、一年二年のスパンじゃなくて、五日、三日、一週間のスパンでもしかしたら起こるかもしれないこれはテロ事件ですよ。そういう意味では、働きかけるなんて、通常の答弁では検討と何も変わらないですから。そんな働きかけるとか検討しますじゃなくて、早急に東京都から出向いていって、一千二百万人の我々の口に入る水、生命の源、そういうものを預かる局として迅速な対応をしてほしいと思います。
 局長、最後に伺いますが、この警備体制、まさに原子力発電所の警備問題が国会で議論になっていますよ。原発というのは、これは電源で大変な問題であって、また核物質を扱っていますから大変な影響があると思いますが、水だって人間の口に直結しているわけですよ。そういう意味では、今、中央卸売市場なんかもかなり慌てていると思いますよ。事が起こってからじゃ、局長、これは慌てても遅いわけですよ。これは具体的に警視庁とそれこそ対策委員会なり、さっきいったプロジェクトチームなんかを組んで、そういう部分に警備体制を−−民間に頼んだっていいじゃないですか、警視庁に警備してもらってもいいじゃないですか。これは、もう国の機関にも協力を仰いで、がっちりと即やらなきゃいけないですよ。一千二百万人ですよ。日本の人口の十分の一を預かっている。なおかつ、これはもう首都東京ですよ。東京が倒れたら日本の経済は確実に壊せる、そう考えると、テロがもし日本の経済機能を麻痺させようとすれば、水道に目をつける可能性というのはありますよね。
 局長、その辺のところで、長としてどのような気概でおられるのか、また、警備体制をこれから具体的にどうしようとしているのか。働きかけますとかそういうことじゃなくて、具体的にいってください、具体的に。

○飯嶋水道局長 先生ご指摘のとおり、テロ対策については緊急の課題でございます。
 当局におきましては、テロ発生後直ちに施設の一斉点検を実施いたしまして、必要な補強を行うとともに、出入り口での来庁者のチェックの強化、場内の巡回警備の強化などの対応を行ってまいっております。都民生活に不可欠なライフラインである水道事業を預かる者として、職員に対して危機意識の徹底を図りますとともに、今後警察当局を初め、国等関係機関との連携をさらに密にし、情勢の変化を踏まえながら防護対策の充実強化を行うなど、適時適切な対策を実施していくことにより、都民の皆様に安心して水道を使っていただけるよう、対応に万全を期してまいります。

○初鹿委員 初当選させていただいて、きょうは水道局に対して初めて質問させていただきますが、私、江戸川区の小松川といいまして、東京都の再開発によって新しくつくられた町に住んでおります関係で、非常に人の出入りが激しいので、よくこういう質問を皆さんからされるんですね。それはどういったものかというと、基本料金に対するものなんです。ガスや電気、NTTなどは、基本料金というのは日割りで計算されて徴収される、請求書が来るのに、水道だけはどうも違うなと。
 この基本料金というものをどういう考えに基づいて算定をされていて、実際、現状では、例えば月の途中引っ越してきた場合はどうやって計算されているのか、まずそこをお教えください。

○中村営業部長 水道料金は、基本料金と従量料金の二分料金制を採用しております。このうち、基本料金につきましては、水道サービスの供給に要する経費全体の中で、利用水域の設置費や検針委託経費等の徴収関係経費、それから水道施設の維持管理費など、給水業務の基礎的な活動を支える必要な経費をその原価と算定しているところであります。
 それからお尋ねの件は、月の途中で引っ越しした場合など、どのように料金を計算しているかということでしたが、通常、料金の計算は二月ごとに水道メーターを検針しまして、この使用水量に基づいて一月を単位として料金を算定しております。月の途中で引っ越しをした場合ですが、その料金を原則として一月分として算定しているところですが、使用日数が十五日以内の場合においては、基本料金を一月分の二分の一として算定しています。

○初鹿委員 この二分の一というのがどういう根拠なのか、非常に何か中途半端な感じがするわけですね。私も、事務所を借りるときに、不動産屋さんに行ったら、十五日から借りようとしたら、ああ、あと一日おくらせれば水道料金は基本料金半分になるよということを教えてくれたわけですよ。そのほかは全部日割りなんだけど、水道料金だけ違うんだよと。一日待てば、まあ数百円の差だから大したことないとは思うけれども、一日で変わるんだよということを教えていただいて、初めてそのときにああ二分の一なんだなということに気づいたわけですが、まず何で二分の一なのか、そこのところを答えてください。

○中村営業部長 先ほどご説明申し上げましたとおり、基本料金は、給水業務の基礎的な活動を支えるために必要な経費をその原価として算定しているものでして、お客様の使用水量と関係なく発生する経費を負担していただいているものであります。このため本来は、月の中途のご使用であっても、二分の一の減額や日割り計算にはなじまないものであります。しかし、お客様の要望、それから近隣の水道事業体の実施状況、あるいは他の継続使用のお客様との均衡などを総合的に考慮しまして、平成六年度の料金改定時から二分の一算定方式を採用しているところであります。

○初鹿委員 今のご答弁ですと、まず二分の一の減額はなじまない、基本料金にはなじまないと。そういいつつも平成六年の改定のときには、いろんなことを総合的に考えたらやっぱり二分の一に決めたということですよね。どうも話を聞いていると、何か取ってつけているような感じで、いろいろ文句があるから、しようがないから二分の一にしようかな、そんなふうに聞こえるわけですよ。
 いろいろいっていますが、じゃ、電気やガスや電話なんかも同じような感じで、同じような基本的な考えで基本料金取っていると思うんですが、それでも日割りをやっている。一都民の感情からすると、何であっちはできて、いわゆる公である水道局ができないのかと。それは率直にみんな気持ちの中で出てくる疑問だと思うんですね。この疑問はどういうふうに考えるんでしょうか。

○中村営業部長 東京電力や東京ガスにおきまして、月の途中で引っ越しをした場合に、日割り計算によって料金を算定していて、また、一部のお客様から水道料金も日割り計算を導入することについて要望が寄せられていることは、承知しているところでございます。
 しかしながら、水道料金につきましては、短期間に大量に使用した場合など、使用状況によりましては現在の二分の一算定方式よりも日割り計算をした場合の方が料金が高額になる場合があります。また、使用日数が少なくて、かつ使用水量が少ない場合に料金が極めて少額となり、事務費はもとよりのこと、郵便料金も回収できないという事態が生じます。
 したがいまして、基本料金にかかる原価を負担いただくとの観点などを踏まえますと、直ちに日割り計算を導入することは困難と考えているところでございます。

○初鹿委員 大して大きな金額じゃないから、お客さんからの苦情もそんなに切実なものではないんだと思うんですが、やっぱり一般的な感覚として、ガスや電気ができて、何でできないんだと。算定の方法によって金額が高くなるとおっしゃいましたけれども、それだったらそれについては考えればいいわけで、いろんな算定の、計算の仕方はあると思います。また、料金が安くなると、郵便料金だけで回収できないといいますけれども、それはほかの電気にしてもガスにしても一緒だと思うんですね。そういうことではなくて、率直に素朴な都民の気持ちとして、何であっちができて公である水道局ができないのかと。それが普通の感覚だということをぜひご理解いただいて、これ以上やっても同じ答えが返ってくるだけですので、この問題については終わりにさせていただいて、次の質問に移らせていただきます。
 ところできょう、非常に外に出ると暑いですよね。恐らく二十五度ぐらいあるんだと思うんですよ。今、十月が始まって二週間ちょっとたちましたが、十月一日から二週間の十四日までの間に二十五度超えた夏日がどれぐらいあったか、皆さんご存じでしょうか。六日間あったんですよ。
 一九七一年から二〇〇〇年までの三十年間の十月の平均気温というのは、平均最高気温は二十一・六度だそうです。じゃ、この二週間、二十度切った日何日あるかといったら、三日しかなかったんですね。つまり、ざっくり見て三度から四度ぐらい、十月の最高気温は上がっているわけです。今まさに温暖化というのがすごく直面してきていて、この対策というものを早急に行わなければいけないなと私も感じておりますし、石原都知事も、とにかくこの温暖化という問題は文明論として位置づけていかなければならないということをいっております。
 そういう意味で考えますと、水道局さんというのは、それこそ水源林の保全とか水質の浄化といったように、本体の事業として環境に積極的に取り組まなければならないわけでありますが、それと同時に、それ以外にもさまざまな環境対策というものをやっていかなければならないし、実際にやられていると思います。そのさまざまな行っている環境対策の中で、特にこれは一生懸命やっているんだ、力を入れているんだというものを、具体的に挙げていただければと思います。

○東岡参事 水道局の環境対策で、特に力を入れているのは大きく分けて二つございます。一つはエネルギーの有効活用と、もう一つは資源リサイクルの推進ということでございます。
 エネルギーの有効活用につきましては、エネルギー効率の高いコージェネレーションシステムを常用発電設備に導入し、発電の際に発生する熱を浄水場発生土の加温脱水処理に有効活用しております。また、二酸化炭素を発生しない水力発電や太陽光発電など、クリーンエネルギーの利用も行っております。
 取り組みの二つ目の柱でございます資源リサイクルの推進につきましては、浄水場発生土を園芸用土などに有効利用いたしますとともに、水道工事等に伴う建設発生土やアスファルト、コンクリートなどの建設副産物の再資源化を進めております。

○初鹿委員 一般的に環境対策を行うと費用が非常にかかるといわれております。実際のところ確かに費用がかかってくると思いますが、費用がかかってしまっているからやめてしまうというのは問題だと思いますし、だからといって費用が極端にかかり過ぎても、これもまた問題であります。
 この辺を考えて、費用対効果ということで大きな効果が期待をされているわけでありますが、費用対効果と、また環境という面で考えたら、環境負荷がどれだけ軽減されているのか、その二つの問題が非常に重要だと思うんですね。京都議定書だとCO2を六%削減しようという目標を立てておりますが、ではそのCO2の量が何%削減したかというのは具体的になかなかわかりづらいと思いますが、わかるような形で環境負荷、どれだけ低減されているのかということと、費用対効果でどれぐらいの効果が上がっているのか、そこをお教えください。

○東岡参事 浄水場の常用発電設備の建設、維持管理など、平成十三年度に実施する資源リサイクルやエネルギー対策、環境対策に要する経費は約四十二億円、かかります。それに対しまして、環境対策を実施しないで従来どおりの施策を行った場合に要する経費は約六十二億円と見積もってございます。その結果、経費面におきましても、約二十億円の節減効果を得ることができるものと考えております。
 また、環境負荷の低減といたしましては、炭素換算で年間五千三百トンの二酸化炭素の削減につながります。これを自動車から排出される二酸化炭素に換算いたしますと、約八千三百台分に相当するものと考えております。

○初鹿委員 今の答弁によりますと、非常に環境対策としては有効な効果があるということであります。その中でも特に、先ほどの答弁の中でコージェネレーションシステムという、常用発電の整備をしていて、これが非常に有効だということでありますが、現在これを導入していると思いますが、その進ちょく状況についてまずお聞かせください。

○東岡参事 事故時や震災時にも強い施設を整備して、信頼性の高い送配水システムを構築するため、浄水場に常用発電設備を導入しているわけでございますが、これによりまして電源の二系統化を図ることといたしております。
 常用発電設備といたしましては、エネルギー効率の高いコージェネレーションシステムを導入し、電源を確保するということとともに、あわせて発電時の廃熱をスラッジの加温脱水に利用するものでございます。平成十年度に初めて東村山浄水場に導入し、その後、金町浄水場にはPFIモデル事業として平成十二年十月に導入いたしました。いずれも順調に稼動しているところでございます。引き続き朝霞浄水場及び三園浄水場についても、PFIの手法を用いまして、コージェネレーションシステムを導入することといたしております。

○初鹿委員 当然、効果があるということで、どんどんと進行していることと思いますが、この金町浄水場のPFIでモデル事業を始めております。PFIで事業を行っているということは、それなりにPFIが利点があるという判断をされてのことだと思いますが、このPFIのモデル事業で行っている効果をぜひお聞かせください。

○東岡参事 金町浄水場常用発電PFIモデル事業につきましては、施設の設計から建設、維持管理、及び運営に至るまで民間の資金やノウハウを活用することによりまして、事業の優位性が発揮され、経済性においても約五%のコストメリットが図られております。また、水道局とPFI事業者である金町浄水場エネルギーサービス株式会社との間におきまして、事故のときや事業破綻時など、さまざまな状況で想定されるリスク分担を明確化いたしております。これらは事業契約により規定いたしまして、その契約に基づき、昨年の十月以降、本事業は順調に運用されております。
 以上のことから、このモデル事業におきまして、PFIは有効な経営手法であるというふうに評価しております。

○初鹿委員 私も、PFIでこういう事業を行うということに非常に関心も持っておりますし、非常に高く評価をしているところでありますが、ぜひこれから、もっとこういう事業を進めていっていただきたいと思うんです。当然これから三園、朝霞とやっていって、その結果次第によってこれから先のことが企画がされていくのかなと思っておりますが、ぜひともこれをもっと進めて、さらに拡大をしていった方がいいんではないかなと。今、民間活力をどんどんと導入しろと石原知事もいっておりますから、ぜひこれを考えていただいて、今後拡大するかどうか、ぜひ検討いただきたいと思います。

○東岡参事 金町浄水場におきますモデル事業の評価を踏まえまして、新たな取り組みとして、朝霞浄水場におきまして、常用発電設備及び次亜塩素酸ナトリウム製造設備の建設運営、並びに発生土の有効利用、さらに三園浄水場におきまして、常用発電設備の建設運営及び発生土の有効利用、これらを一体の事業としてPFIにより実施していくことといたしております。間もなく事業予定者とPFI事業の契約を締結する予定でございます。
 PFI手法の拡大につきましては、今後とも公営企業としての経営の効率性を重視するという視点に立ちまして、個々の事業の優位性、経済性などを総合的に勘案し、多様な経営手法の一つとして検討してまいりたいと思います。

○初鹿委員 できればほかの発電の設備とは別の分野でもいろいろ検討していって、PFIという手法を取り入れていただきたいと思うんですが、それにはもうちょっと情報というものをたくさん発信をした方がいいと思うんですね。今の段階ですと、恐らく内部の議論の中でこれだったらPFIにそぐうのかな、これはどうなんだろうかな、なかなか知恵が出てこないと思うんです。これをもっとPFIでどんどんほかの分野も積極的にやっていくんだよという姿勢を外に示すことによって、これだったら民間でもできるんじゃないか、これだったらうちの会社も協力できるんじゃないかという外からの知恵というものがどんどんと情報として入ってくると思うんですね。そういう意味では、もっと積極的に情報というものを外に出していただきたい、そう考えております。
 東京都の水道局が環境報告書を昨年初めてまとめてつくったということでありますが、まず、その中身というものはどういう内容になっているんでしょうか。

○東岡参事 水道事業者といたしまして、環境保全に取り組む姿勢を都民の皆様に明確にお示しし、当局の事業運営についてさらに理解を深めてもらうために、平成十二年十一月に環境報告書を発行いたしました。
 この環境報告書は、当局の実施しております環境施策を総合的に示すこととしておりまして、水道事業と環境との関係についてわかりやすく分析しているところに特色がございます。例えば、浄水場、給水所での取水、浄水、配水プロセスにおける主な環境負荷を物質フローの形で視覚的に把握できるようにしてございます。また、水源林の管理や水質管理、節水型都市づくりなどの活動と環境とのかかわりについてデータを中心に記載しておりまして、環境負荷低減への具体的な取り組みとその効果についても記述してございます。

○初鹿委員 ぜひともこの環境報告書や環境会計というものを利用して、これだけ水道局は頑張って環境に対して取り組んでいるんだ、もっと都民の皆さんも環境のことをしっかり考えてくれということをアピールしていただきたいと思います。
 さて、話は変わりますが、環境報告書や、またこういう環境会計というものは、どちらかというと内部評価といった側面が非常に強いんだと思います。そうではなくて、じゃ、客観的に見て、今、環境に対する対策というものがどうなんだということをやっぱり示していくためには、外からの評価というものも必要だと思います。そういう意味では、ISO一四〇〇一の認証取得を、今年の二月に水源管理事務所と東村山の浄水管理事務所で取得したということで、非常にこれは私も高く評価をしているところでありますが、なぜ認証取得をするのにこの二カ所が選ばれたのか、どういう位置づけでこの二カ所からスタートしているのかということをまずお教えください。

○東岡参事 水道水源林は小河内貯水池の保全に大きくかかわっておりますとともに、森林による二酸化炭素固定や、生態系の維持という役割も果たしておりまして、いわば環境保全型のサイトということで選んだものでございます。また、東村山浄水場は、コージェネレーションシステムの導入や太陽光発電システムなど、従来から環境配慮型施設を積極的に導入してきておりまして、いわば省エネルギー型のサイトということで選定いたしたものでございます。
 以上のことから、当局ではこの二つの特徴を有する事業所でISO一四〇〇一を取得したものでございまして、将来、局全体にわたります環境マネジメントシステムの導入を検討するためのモデルとして位置づけております。

○初鹿委員 この水源管理事務所にしても、水源林の保全という、まさに環境にもともと取り組んでいたところで、東村山の浄水場にしてもいろいろな環境施策を既に実施していたということで、どちらかというと環境に熱心な場所だったと思うんですね。やっぱり、認証取得をしても、効果が上がるかどうかというのは、それぞれの職員の意識がどう高まるかということにあるんだと思うんですよ。例えば、この新宿の東京都庁、ここもISOの認証を取得していますが、じゃ、実際に私たち、毎日ここ通ってきて、みんなそうやって環境に配慮して仕事しているのかなというと、どうもそういうふうには私の目から見ると見えてこない。これだけでかいところでやってしまうと、そういう面がいまいち効果が薄くなってしまうのかなと感じております。そういう意味では、この二カ所を先にやってみて、それで職員の意識はどうなるか、そういうことを見ていくというのは非常に重要だなと感じておりますが、では、半年たちました。半年たって、導入した効果というのはどういうふうに上がっているんでしょうか。

○東岡参事 水源林管理事務所におきましては、水源林環境方針を策定いたしまして、森林の持つ水源涵養、土砂流出防止、水質保全などの公益的機能をより高めるため、地域の特性を生かしまして、天然林の保護、針葉樹と広葉樹や、二世代以上の樹木が共存する森の育成などの森づくりに取り組んでおります。
 東村山浄水場におきましては、東村山浄水場環境方針を策定いたしまして、環境保全と環境負荷低減を重視した浄水場の運営を行い、環境汚染の予防に努めております。例えば、
 原水の有効活用や、浄水薬品の合理的な使用に努めるとともに、省エネルギーや浄水場発生土等のリサイクルを進め、環境負荷の低減に向けた取り組みを行っております。
 この結果、例えば東村山浄水場では、平成十一年度の浄水場発生土の有効利用率は約八七%であったものが、一〇〇%を達成するなどしておりまして、個々の環境目標の達成に向け、着実な取り組みが図られているところでございます。これに伴いまして、職員の環境意識も向上しつつあるところでございます。

○初鹿委員 先にすべての事業所がこのISOを取得している下水道局では、それぞれの事業所ごとに環境レポートなりを職員がつくって、その意識を高くしていっているということですので、ぜひとも水道局の方でも、これからいろいろな事業所で取得をされていくということになると思いますので、そういう取り組みもしていただきたいと思います。
 このISOの認証取得というのは、最終的には水道局全体で取得をするという、そういう理解でよろしいんですか。

○東岡参事 環境マネジメントシステムを導入することによりまして、環境費用の減少によるコストダウン、環境リスクの未然回避、組織のコミュニケーションの円滑化、構成員の意識改革等の効果があると考えられます。こうしたことから、水源林管理事務所と東村山浄水場におきましてモデル的にISO一四〇〇一を認証取得したものでございます。今後、モデルとした二つの事業所の認証取得による効果を検証し、局全体の環境マネジメントシステム導入について検討してまいりたいと考えております。

○初鹿委員 最後になりますが、いずれにしましても、水道局というものは、環境というものが壊れてしまったら、これは事業として成り立たなくなってしまうというのは当然のことだと思うんですね。ですからこそ、ぜひ、局として、今まで以上に環境というものに取り組んでもらうのと同時に、都民に対しても、本当に今、地球の温暖化が深刻なんだから、しっかりと環境を考えていただいて、水も使うだけ使うんではなくて、しっかり節水なり努力をしていくということをぜひアピールを、PRをしていっていただきたいと思います。
 これからもっともっと水道局として、環境保全に対してしっかりと取り組んでいかなければならないと思いますので、これからのまず基本的な取り組みと、これからどうやって環境を守っていくんだという、その基本的な姿勢というものをぜひ局長にお伺いしたいので、お願いいたします。

○飯嶋水道局長 地球温暖化を初めとする地球環境問題は、今世紀に入りましてなお一層、社会全体で取り組むべき重要な課題となっております。とりわけ、地球がはぐくむ水を資源として事業を行っている水道局にとりまして、地球環境を重視した施策への取り組みは極めて重要な課題であると認識しております。
 今後とも、公営企業としての企業性も踏まえつつ、エネルギーの有効活用や資源リサイクルの推進などについて創意工夫を行い、安全でおいしい水を安定的に供給するという事業活動を通して、環境保全に積極的に取り組んでまいります。

○東野委員 私は、最近、友人と話をするときに、飲んだ席とかいろんな席で、一日に水道から何杯ぐらい水を飲みますかなんていう話をよく交わすんですけれども、私が一日大体五杯から十杯ぐらい飲むというと、おい大丈夫なのかいなんて、そういう話が出て、きょうは、家庭生活における蛇口での問題ということで、若干基本的なことも含めまして、お伺いをしたいと思います。
 友人から思わず、おいおいそんなに飲むのかいというのが出てくるということは、水道水に対する、もちろん嗜好の問題、好みの問題もあるんで、一概にそれはもっと飲めとかそういうことはいえないわけですけれども、若干のやっぱり不安を持っている、懸念もあるんじゃないかな、そんなような気がするわけですね。確かに水源水の汚染などが激しくというかひどくなってきて、水道水質の問題、若干問題になってきて、そして、ボトルウオーターとか浄水器が、毎年毎年その販売台数また販売個数を伸ばしているという現実がある。いってみれば、水道水離れというかな、そういった現実があるということは私も承知しているところなんですけれども、一方、ボトルウオーターなんかがどんどんどんどん伸びていくと、一方でその容器が十分にリサイクルされないで環境問題にもなっていくという問題も起こっている。東京都民の約半数近くがボトルウオーターなどを利用するというふうに仄聞しています。
 その辺のところを水道局としてどのようにとらえているか。また逆に、それだけのボトルウオーターを飲む都民がいるということは、それだけ水道水を直接飲んでいない都民も多くいるという、そういった現状をとらえて、局としてどのようにまず考えているかを最初に伺いたいと思います。

○小泉総務部長 ボトルウオーターですけれども、私ども二百名の水道モニターのアンケートをとりましたけれども、その中で、いつもミネラルウオーターを買って飲んでいるという人が一三%、それから時々買うという人が四二%、合わせて約半数の方がミネラルウオーターを利用しているという結果が出ております。
 都民の方がミネラルウオーターをご利用になる理由としましては、嗜好の問題が大きいのかなと思うんですが、一方で都民の健康志向に、安全に関する意識の高まりとか、非常に水道局としては残念なんですけれども、水道水の安全性に対する漠とした不安、そんなことや、あるいはにおい、塩素臭ですね、それとか、味に対する不満を持っているということがあると受けとめております。

○東野委員 今、お話にありましたとおり、ボトルウオーターを利用する理由には、安全性やおいしさの欲求といいますか、要求があるということで、それはよくわかると思うんですが、都民が水道水に対する安全性に不安感を抱く原因として、昨今マスコミ等で取り上げられているクリプトスポリジウムですか、それは、ダイオキシンなんかの問題も新たな問題として取り上げてこられているわけですけれども、端的にいって、実際に水道水の安全性というか、その辺のところについてご表明をいただきたいと思います。

○村元浄水部長 水道局では、国が定めている水質基準項目等につきまして、定期的に検査をしまして、安全性には問題ないことを確認しております。また、基準値の設定をされてない、先ほどお話ありましたクリプトスポリジウム等の原虫類の検査も行うとともに、さらに新たな化学物質が問題になるということも想定されますことから、関連情報の収集や検査技術の習得を図るなど、水道水のより一層の安全性の確保に努めております。

○東野委員 以前何か書物で読んだんですけれども、日本の、東京でもいいかな、水質の基準というのは、諸外国に比べて、もちろんすべてではないんだと思うんですけれども、ある物質によっては、基準値が結構緩やかだとか、そういった記事が載っていまして、そういう記事を読むと、若干の不安を抱く人も出てくるのではないのかなというふうに思うんです。諸外国に比べての日本の水質基準、こういったものはどうなっているか、比較で教えていただければと思います。

○村元浄水部長 水質基準ですけれども、このパンフレットの中に水質基準として載っておりまして、これは当局の水質基準−−日本の水質基準ですが、この水質基準は水道水において検出される可能性のある物質を広く網羅しまして、健康への影響、それからWHОを初めとする諸外国の基準等の設定状況、それから検査技術、水道における検出状況等の知見を総合的に評価し、厚生労働省が定めたものでございます。
 それでWHОとか諸外国の動向、日本の水質基準と外国の基準と項目数、あるいは基準値等を比較した場合には、一応ほぼ同水準でありまして、日本の水質基準が諸外国の基準と比べて劣っているという状況にはございません。

○東野委員 水質基準を局としてしっかり守っているというご努力はわかったわけですけれども、それでも都民は安全性について、どの程度なのかあれですけれども、不安感を持っているということだと思うんです。例えば「水道ニュース」で取り上げられています発がん性物質、いわゆるあのトリハロメタンなどは当然ながら低ければ低いほどいいわけですけれども、これらの物質の低減化など、局の対応をこの際伺っておくとともに、私は、積極的に都民に水道水の安全性というもののPRをもっともっとしてほしい、していくべきではないかということを強く要望する者の一人でございます。
 また一方、安全な水道水を供給するためには、基本的に先ほど冒頭申し上げましたとおり、水道水源の水質改善が非常に重要なことだというふうに思いますけれども、今後の水源水質はどのような傾向になっていくのだろうかという予想も含めて、あわせてお伺いしたいと思います。

○村元浄水部長 トリハロメタンのような消毒副生成物は、先生ご指摘のとおり、的確な低減化と監視が必要だと考えております。そのため、各浄水場では生成の原因となる有機物の低減化対策を実施するとともに、管理目標値を定め、時間をかけ、専門の技術者が分析を実施しております。さらに当局では、的確な対応を図るため、メーカーと三年間にわたり共同で研究開発しました自動トリハロメタン計によりまして連続監視も行っております。都内各所の給水栓においても、自動トリハロメタン計の設置による連続監視や定期的なモニタリングを実施しまして、その結果を浄水場にフィードバックするなど、きめ細かな水質管理の徹底に努めてございます。
 安全な水道水を供給するための基本は、やはり先生のご指摘のとおり、水源水質の汚濁を改善するということですが、そのためには、上流域における生活廃水等を処理する下水道の整備促進が必要と考えております。しかし、現状の下水道整備の進ちょく状況を見ますと、今後とも水源水質の大幅な改善は期待できないというふうに考えております。

○東野委員 実際問題としては、なかなか難しい部分があるというふうに私も思いますし、時間もあれなんで最後にしたいと思うんですけれども、においや味をよくしていこうということで、その都民の要求にこたえるために高度処理というのが各所で行われているわけで、またこの高度処理の施設の拡大が今計画されていると思うんですが、水道局として高度処理水に対する都民の反応をどうとらえているか、いってみれば、積極的な導入計画とあわせまして、伺いたいと思います。

○村元浄水部長 平成十二年度の水道フレッシュ診断における都民のアンケート調査結果では、高度浄水の導入についての質問ですが、水道料金が上がってもぜひ導入すべきという意見が一一%、それから水道料金が多少上がるぐらいであれば導入してほしいという意見は五二%でございます。合わせまして、高度浄水処理の導入を行うべきだという意見が六割を超えておりまして、当局では、利根川水系の浄水場に順次高度浄水処理を導入することとしまして、平成四年度に金町浄水場、平成十年度には三郷浄水場に導入してございまして、現在朝霞浄水場で建設中でございます。来年度には三園浄水場でも建設に着手する予定になってございます。

○東野委員 水道料金の値上がりというのはちょっと困るんですけれども、そういった形で多くの都民の要望にこたえている積極的な施策に関しては評価したいというふうに思っています。私が把握する限りにおいては、高度処理の導入が図られつつある現状においても、さらに都民が安全性やおいしさにまだ不満を持っていることも確かであろう。ボトルウオーターも決して万全とは私はいえないというふうに思っておりますが、私は、その中でやはり飲料水としての水道水の質を一歩一歩であっても向上させていく、質を上げていく、このことが大事ではないかなというふうに考えております。
 今後の局の取り組みについて、最後に局長に一言お願いしたいと思います。

○飯嶋水道局長 先生が先ほど来ご指摘のように、都民の求める安全でおいしい水道水を供給していくためには、基本的には良好な水道水源を確保するということが重要であると考えております。このために、国等に対して、水源水質の保全について今後とも積極的に働きかけてまいります。また、高度浄水処理の導入を順次進めるとともに、きめ細かな浄水処理や水質管理の徹底を図るなど、水源から蛇口に至るまで総合的な施策を推進して、より安全でおいしい水を供給するために最大限の努力をしてまいります。

○松村委員 戦後最大最悪のこの不況は、回復に向かうどころか、ますます悪化しているんじゃないかと。今月十五日、民間信用調査機関の、この四月から九月までの上半期の企業倒産も九千六百六十五件、これは上半期としては戦後三番目の高水準、この不況型倒産というのが過去最悪の事態だというふうに伝えておりますし、また、日銀の月報でも家計が弱まっている、五カ月連続下方修正をして一段と不透明感が強まっているということを、いずれもこういうデータが示しておるとおり、本当にこういうもとで都民生活が困難になってきている。私も、商店を歩いても、シャッターがおりている、商店街もう丸ごとなくなっているようなところも見られますし、それから、完全失業者が五%。これがもう最近の大手企業でも、いろいろ人員削減計画、リストラがこれからますます進むんじゃないか、こういうもとで、都民の水道料金に対する負担度も非常に重くなっているんじゃないかというふうに思います。
 そこで、初めに、二〇〇〇年度、平成十二年度の滞納、いわゆる未納の達成件数と金額、それから、前年度に比べてどういうような状況なのかもまず最初に伺っておきたいと思います。

○中村営業部長 未納整理のまず処理対象となります件数ですけれども、平成十二年度におきましては、年間約七十五万五千件発生しております。前年度と比べますと約八千件の増という数字でございます。それから、金額につきましては、約七十八億五千万円でございまして、前年度と比べますと約一億二千万円増加しております。

○松村委員 今の数字にもあらわれているとおり、都民生活が大変になっている状況は、水道料金のこういう未納件数や金額にもはっきりあらわれてきているというふうに思うんです。
 それで、今の大体七十五万件、どういう傾向というか、例えば高齢者世帯とか母子世帯とか単身者とか、また自営業者が多くなっているとか、その中身というか、これについては掌握しているんでしょうか。−−これは突然というか、当然つかんでいるかなと思ったけれども、あれなので、もしつかめていたらというか……。恐らくつかんでないというのが実態だということも、事前に聞いたときにはありましたので、やはりきちっと事業局としても、これから、企業収益や採算ということも考えたり、いろんな対策をとる場合にも、私はその傾向はつかんでおくべきだというふうに思うんです。
 それで、この未納の発生が増加した場合には−−増加というか、発生しているわけですけれども、どのような対応をとっているのかを伺います。

○中村営業部長 当局では、負担の公平性を確保するため、再三の催告をしても料金の支払いがない方に対しましては、給水停止措置などの対応をとることにより、未納料金の早期回収に努めております。
 しかし、料金が未納となるお客様の中には、何かしらの事情があって生活が苦しく、料金を納入期限内に支払うことが困難な方がいることも事実でございます。こうした方々に対しては、それぞれの事情を考慮しまして、納入期限の延長や分割納入などについて行いまして、対応しているところでございます。
 こうした当局の徴収努力を行いましても、無届け転居による所在不明の者や、あるいは、未納金額が少額のため費用倒れになって五年の時効が完成したものなど、どうしても回収できないものにつきましては、最終的に不納欠損処理をしているところでございます。

○松村委員 未納になるお客さんの中には、何かしらの事情があって払えない、こういうことについては、再々催告しているというお話ですけれども、今私がさきにそういう中身をつかんでいらっしゃるのかという場合に、やはりそれぞれの事情を判断する場合には、よく話を伺う機会もあると思うんです。あると思うというか、つかまなければいけないというふうに思うんですけれども、ところが、いろいろ私も直接訴えなどを聞く中で、本当に聞く耳を持ってくれないというか、そういうあれがあるんですよね。
 一つの例を挙げれば、父の事業を引き継いで日本そばをやっている方は、これまで四十年間、一回も水道料金をおくれて支払うことはなかったと。しかし、この間の景気などの影響で売り上げが大幅に減って、水道料金を支払うことが大変困難になってきている、そういう訴えなども聞いております。
 また、例えばアイスクリームの商売をやっている方、水道料金が十数万円未納になっている。職員がやってきて、それで、息子さんしかいなかったそうでありますけれども、とにかく先に水道をとめてしまって、それから話し合うというか、幾ら払えるのかという一点張りの対応だと。家の者があと一時間で帰ってくるから、とめるのだけは待ってくれ、水道をとめられたらアイスクリームなどが解けて商売ができなくなるという、そういう訴えをやっても、一時間を待たないというか、聞く耳を持ってくれなかったというような、私、聞いて、もう本当に胸が痛むというか、そういうのは一つや二つの事例じゃないというふうに、私はいろんな意見を聞いております。
 ですから、先ほど、例えばこの三月の当委員会での我が党の委員の質問にも、今部長さんもその一端をいいましたけれども、料金が未納となるお客さんの中には、何かしらの事情があって、生活が苦しく、料金を納入期限に支払うことが難しい方がいらっしゃることも事実でございます、こうした方々に対しましては、それぞれの事情を判断し、納入期限の延長や分割などにより対応しているという、そういう答弁をしているんですよね。
 ですから、やはり水道というか飲み水は、商売だとか命の糧になるわけですから、その対応については、再三の催告を行っているというのは、言葉ではそういっていますけれども、実態を見てみると、先ほども、四十年間も、一回も水道料金をおくれて支払うことはなかったという、そういうお客さんに対しても−−このところの不況の中で支払いが滞ってしまう。ようやく幾らかつくって払う。何回かやったら、もう即、給水中止通告書ですか、こういうものが来てしまう。一たんそれで何とかしようということでやっても、その次それがだめになったら途端にとめるとか、こういう事態というのは、公営事業のあり方として、もうちょっと−−今のこの、しかも大変な不況というか、これは個人の努力ではどうにもならないような形で、だれしもが認識していると思うんですよね。もう少し違った対応というか、あるべきじゃないかと思うんですけれども、再度お答えいただきたいと思います。

○中村営業部長 繰り返しになりますけれども、生活が苦しくて水道料金を納期限内に払えない、困難だという方々に対しまして、それぞれの事情を考慮しまして、先ほどいいました、期限の延長ですとか、あるいは分割納入などにより対応しておるところでございます。また、具体的には、最寄りの営業所において相談に応じているところでございます。

○松村委員 先ほどの十二年度で七十八億の未納という金額の中で、最終的には、五年間ですか、不納欠損が出るという、十二年度の決算においても三億七千九百万ですよね。だから、みんな頑張って、努力して、皆さん方の水道局の努力もありますよ、払っているわけですよね。実際、引っ越しちゃったとか、取りっぱぐれといったらおかしいけれども、それでも取れなかった。そういう方々も私は大変だと思うんですけれども、しかしやはりみんな自分が使ったもの、何とか払いたい、払おうと思っている数字が、私は、未納が七十八億あっても実際の不納欠損が三億という形の中であらわれているというふうに思うんですよ。
 ところが、私、ちょっと聞いてみたわけですけれども、九万六千件ぐらいが現在給水中止通告書が出されている。もしそれで切られちゃったら、一体どうなるのか。全国的にも今、餓死者だとかそういうのが、本当に生活困窮者の中で生まれている。盛んに、今そういう中では、セーフティーネットがあるという話もあります。確かに生活保護を受ければ、後でもちょっと質問しますけれども、生活保護世帯は基本料金は減免されておりますから、そういうことでしょう。しかし、生活困窮者も、生活保護の受給まで期限があるんですよね。先にとめられちゃったらどうしようもないと思う。そういうぎりぎりのところに追い込まれている都民の方がたくさんいますし、ましてや、さっきの事例で挙げたご商売やっている方、四十年も頑張っている。では、苦しいから、水道料金も払えないんだったら、いっそ店閉めちゃった方がいいわけですよね、思わずそういうふうに思うかもしれません。
 しかし、私事ですけれども、実際母が三十数年間、小さな本屋をやっておりました。子どもを育ててくれて、本当に頑張ってきたというふうに思うんです。いい時代もありましたけれども。そういうのは、もうけがなくても細々とやってきたけれども、やはり好きな商売を続けたいという、年をとっても誇りを持ってやっているんですね。何も自分の生きがいだとか、そういうためだけじゃないんですよ。私、この前もお祭りがあって、お神酒所のところでいろいろ地域の方、商売している皆さん方と懇談したけれども、お母さんがやっていた松村のところの本屋さんがあって、立ち読みを許してくれて、こんないい本があるよといわれたということも、一生覚えているというんですね。みんなから、○○ちゃんはすごく頭が優秀で、だから東大行ったんだよというような、そういう話も聞いて、私自身も本当にうれしくなった思いです。
 そういう意味では、本当に商店とかそういうのは、私がいうまでもなく、地域にやっぱり役立っているというか、そういう役割を果たしているんですよ。今何とかこの不況でも頑張りたいという、そういう方というか、本当に水道料を−−決して問答無用にやっているとはいいませんよ、皆さん方、職員、一生懸命頑張っていらっしゃるのは事実ですから。しかし、やはりお客さんの立場から見れば、これまで頑張ってきてこういう事情なのに、聞く耳を持ってくれなかったとか、あとちょっと、とにかく家の者が帰ってくるから一時間待ってくれというのを、とにかく水道とめちゃうというのは、やっぱりそういう話はあってはならないし、一つでも二つでも聞いたら、本当に皆さん方の努力というか、頑張っていらっしゃる水道局全体にも残念な気持ちがするから、やはりそういう対応は十分そういう立場に立ってやっていただきたいということは、声を大にしてこれは要望しておきたいと思うんです。
 ところで、そういう中でも、例えば納入期限を延長されたり、それから分割ということでもなかなか解決しませんよね、当分すぐに景気よくなるというふうになりませんから。そこで、その対応としての一つに、減免制度というのもあると思いますけれども、現在水道局が行っている減免の内容について伺いたいと思います。

○中村営業部長 お尋ねの現在行っている減免の内容につきましては、まず、給水条例の規定に基づきまして、都議会の決議によるもの、それから公園等に設置されて公衆の用に供されているものなど、管理者が公益上その他特別な理由があると認めたときに減免を実施しております。また、一方、生活保護法により生活扶助を受けている方、児童扶養手当法により児童扶養手当の支給を受けている方など、同条例で対象を明文化しているものについても減免を実施しております。
 これらは、独立採算と受益者負担という水道経営の基本原則を踏まえまして、例外的、限定的に実施しているものであります。

○松村委員 今、減免を行って、例外的、限定的に実施しているというお答えですけれども、下水道においては、例えば高齢者世帯、それから生活関連ですか、二十三業種やっております。同じように、水道局としても、そういう減免を実施すべきではないかというふうに思いますけれども、これに対してはいかがでしょうか。

○小泉総務部長 減免措置でございますけれども、これは、いわゆる一般会計からの補てん等を今現在いただいてやっているわけですけれども、基本的には、他のご使用者との均衡の上から、水道局としては独立採算で行っているわけですから、そういった減免制度はなじまないというふうに判断しております。

○松村委員 私は、公営企業会計はいろいろ知っていますから、それを知った上で尋ねているわけですけれども、今みたいな不況の時期、大変な都民の実態がある。下水道は、今いった高齢者世帯や生活関連業種二十三業種ですけれども、やっている。同じような考え方、先ほど都民の置かれている、未納がふえるとか大変な実態があるわけですから、当然水道局もそういう立場に立って、では財源はどうするのか、一般会計に、特別こういう時期だから求めるとかいうことは、また、しかるべき何か水道サイドでとり得る措置とか、いろいろ私は考えてもらいたいという立場から、水道局もそういう減免をやるべきじゃないかと。
 もちろん、そういう知事部局からの意見があれば、私たち議会だって大いに審議して、それは一般会計で持った方がいいという判断もしますし、また、ぜひ、こういう実態で、議会の皆さんにもそういう働きかけを私たちの会派もやりたいというふうに思うんです。今の答弁はちょっと納得いかないわけですけれども、今の都民の置かれている実態から、そういう形での水道局としての考え方はないのかという点であります。

○小泉総務部長 重ねて申し上げますけれども、水道事業は、独立採算、受益者負担を経営の基本原則としております。減免というもの、これは電気、ガス、NTT等の電話料金等に減免の制度、いわゆる三宅島等のああいう災害があったときの特別な措置というのはございますけれども、基本的にはそういう減免制度というものはございません。しいていえば、そういったものは本来なら一般行政で施策として検討すべき事項だと基本的に思っております。
 しかしながら、議会の中で、今まで付帯決議という形の中で−−付帯決議も、その中には、減収分についてそれなりの措置をしなさいという決議のもとに実施しているところでございまして、私どもの方としては、水道事業体、水道当局として考える場合は、基本的に、今申しましたような減免というものは、水道の公営企業原則からなじまない、そういうふうに考えております。

○松村委員 なじまないといっても、東京都給水条例の第三十条に、「管理者は、公益上その他特別の理由があると認めたときは、料金又は手数料を減額し、又は免除することができる。」と。二項に「管理者は、水道使用者が、」といって、今の生活保護とか児童扶養手当法の該当者だとかそういうのを規定して、やっているわけですよね。今、当然この三十条に、管理者は−−管理者ですよ、特別の理由があると認めたときは料金、手数料を減額し、免除することができるということがはっきりありますよね。
 ですから、都民の皆さんが、私は、だから今特別の理由があると−−三宅島も個々じゃなくて、三宅島のそういう災害が出たから、そういう方々の声を受けて、私はそういう措置をとったというふうに思いますよ。もちろんそれが一般財源というか、都の一般施策の中で、整理されてそういうことになったと思いますけれども、では、この三十条について、都民の皆さん方から今現に出ていることもあると思うんですよ。三十条申請、三十条に基づいて申請したいと。私はこんな特別な事情が生まれた、減額、また免除してほしい、そういう申請書類が出されたら、どのように処理されるというか、どういうふうに扱うんでしょうか。回答しているのか、してないのかとか、この三十条の条文も含めてお答えいただきたい。

○小泉総務部長 ご指摘のような支援措置につきましては、本来、一般行政施策として検討すべき事項だと基本的に思っております。水道局として減免措置を実施することは困難であると考えますけれども、ただ、今までの経過からすれば、都議会での決議の趣旨を踏まえて、東京都水道局として実施しているところでございます。

○松村委員 都民が非常にわからないから、私、聞いているのであって、そうすると、この三十条は、管理者はできるとあるけれども、できるのは、あくまでも議会が付帯決議をつけてとか、その財源も一般財源、そういうことがしっかり充当されない限りこれはできないんだよ、そういう条文なんだよということですね。給水条例に基づいて水道事業をやっていると思うんですけれども、だって、都民はわからないんですから。特別な事情がある限りできるとあるんだから、当然管理者に対して、そういう申請というか要望しているのに、はっきり答えてくれないという声があるから、私はそれについて聞いたんです。
 今の部長さんのあれでは、議会が何らかの付帯決議をつけるとか、議会がそういうことをやらない限りはできませんよと、この条例というのはそうなんですよということですか。それが一般的だけれども、そうじゃないこともあるというのかどうか、はっきりこの条例の解釈をお願いします。

○小泉総務部長 これまで、減免に関します要望につきましては、あらゆる団体からたくさん来ております。そうした中で、基本的には、水道使用者の負担の公平の原則、観点からは慎重に検討すべき事項だと考えますけれども、都民のコンセンサス、少なくとも水をご使用なさっている多くの都民の方のコンセンサスが得られる、その代表としての都議会、先生方でございますけれども、そのご承認があればということが前提になろうかと思います。

○松村委員 料金収入によって成り立っているから、特定というか、そういう範囲でやる場合には、全体の利用者、つまり、それは全部意見を聞くわけにいきませんから、その代表である都議会がそういう判断をすればできるという条文だと、繰り返しになりますけれども、そういうことだというわけですね。
 わかりました。一層私たち努力したいというふうに思うんですけれども、あわせて今、例えば、水道局の減免の財源はどうなっているんでしょうか。

○小泉総務部長 付帯決議の中では、減収分について適切な措置を行った上云々、減免措置を講ずるようにというふうに、いつも付帯決議がついておりますけれども、従来は全額一般会計から補てんを受けてきましたけれども、平成十年の第一回都議会定例会における決議文については、一般会計の財政状況が厳しいということで、平成十年以降、減免額の約二分の一が一般会計から補てんされておりまして、また、平成十二年の都議会定例会における決議文につきましても、同じように減免額の二分の一ということで補てんされております。

○松村委員 だから矛盾しているというか、その点では、都議会も、付帯決議をつけた以上は、一般財源から半分といわなくて、ちゃんと財源手当てをすべき、私たちも努力することは当然だというふうに思いますよ。
 同時に、そういう形で二分の一は水道事業会計で持っているということは、本来だったらこれはおかしいんですよね。そういう何か原則を、部長さん、建前にとるけれども、そうしたら、では、あれから合意を得ていない、おかしいじゃないかと追及されて、違法性を問われるとか、そういう形にもなりかねないというか……。だから、決してそうじゃないから、私は、いろいろ事業会計の仕組みは十分わかりながらも、今みたいな緊急事態があるわけだから、やはりそういう減免を何らかの形でとってほしいと。また、その負担分財源もさらに一般会計からということも含めて、皆さん方事業者としても当然そういう発想に立って、都民のこの困難な事態を打開するために努力してほしいということを私は要望したという、そういう趣旨だということをよく踏まえていただきたいと思うんです。
 そこでもう一つ、都民全体に、この不況が続く中で、この水道料金ではやっていけないということも強くあります。先ほどもいろいろな要望を受けているという部長さんのお答えもありましたから、将来的にも水道料金をどう低く抑えるかは大きな問題だというふうに思います。
 この立場から幾つか質問したいと思うんですけれども、まず、コスト削減については大分努力しております。工事費の縮減等、どのぐらいの成果を、実績を上げているのかをお答えいただきたいと思います。

○小泉総務部長 当局で、企業努力の一環としまして、新技術の導入あるいは水道コストの縮減を推進することによりまして、経営プランでは、平成十二年度から十五年度までの四カ年で合計九十五億円の縮減を予定しております。

○松村委員 十二年度から十五年度まで九十五億円と。既に十二年度−−これは決算ベースですか。私、今経営プランを見ていっているんですけれども、十二年度の工事費コスト縮減では十八億七千五百万、十三年度では二十二億と、大体こういう形でできているということですね。大分努力されているというふうに思うんですよ。九十五億円も四年間で縮減効果が上がると。先ほどの、すぐにそれを置きかえるわけじゃありませんけれども、未納分が、それに匹敵する分ぐらいのコスト縮減を上げているという、同じ数字、比較できませんけれども、やはりやればできると。だから、これを都民全体の料金、例えば低く抑えるとか、何らかの利用者への還元を図るべきじゃないかというふうに思うんですけれども、既にコスト縮減などによって生み出されたこの貴重なというか、財源の活用はどうされているんでしょうか。

○小泉総務部長 先ほど申しました合計九十五億というのは、四カ年のプランの中の金額でございます。
 今申しました経営プランでは、今いった工事コストの縮減、それから職員定数は五百名削減するということで、四カ年で合計三百九十億円の企業努力を行うということにしております。それが、こうした企業努力によりまして、現行料金水準を平成十五年度まで据え置く。このことは、平成六年に料金改定をしましたけれども、十年間現行料金を据え置くということで都民に還元をしているということでございます。

○松村委員 いろいろな企業努力で三百九十億、四年間で上げていますけれども、今職員の定数削減、これはいろいろ、当委員会でも、そんな安易な−−とにかく値上げ、では、値上げする以上は何か企業努力やれといったら、職員削減という大論議があったことを私も読ませていただきました。私たち共産党としても、安易な今の職員削減、これによって企業努力だということでは、決してそれは正しくないという立場にも立っておりますけれども、それはきょうの議論としてはさておくとしても、今のそういう企業努力を行って工事コストを縮減しても、今いった累積収支、これに充当されて、結局利用者に直接還元されないというふうに考えざるを得ない。
 だから、従来から私たちがいっているように、この大もとにある、そういう事業、累積的な収支を、毎回、一たん値上げしてそれが積み立てられても、結局それ以上の建設というか投資資金に回されて、累積収支が赤字になる、こういう企業努力もそこに吸い込まれちゃうということは、私たち批判してきたわけです。ですから、どうしても今の大もとにある、一つには、水の需給計画ですよね。一回は下方修正いたしました。しかし、現在でも六百五十万トン。しかし、現実の一日平均または一日の最高はどのぐらいになっているんですか。六百五十万なんというふうになっているんでしょうか。

○東岡参事 現行の需給計画におきましては、平成十二年度の一日最大配水量は六百二十万立方メートルと見込んでおります。これに対しまして、平成十二年度の実績は五百二十万立方メートルでございます。

○松村委員 現在、もう少し端的に、どのぐらいの乖離があるんですか。では、もう一回お答えください。計画と実績。

○東岡参事 平成十二年度の実績で申し上げますと、需給計画で見込んでおりますのは六百二十万立方メートル、実績は五百二十万立方メートルでございます。

○松村委員 百万トンの乖離があるんですよね。きょうはもう時間がありませんのであれしますけれども、大体バブルがはじけてやっぱり水の需要というのはずっと落ちているというか、それはもう皆さん方認めているわけですね。現在でも、二〇〇〇年に六百二十万トン、二〇〇五年には六百三十万トンというのがその計画。将来は六百五十万ですけれども、実際は今いった五百二十万トンですか、百万トンぐらい乖離がある。これがさらに六百五十万トンの計画というのは、私は過大な見積もりだと。結局これに基づいて、まだ安定した水源が必要である。浄水場などにはもう既に六百九十万ぐらいですか、浄水場がもう整備されちゃっている。しかし、それに伴うもろもろの、この経営プランによりますと、相当の投資的な建設計画が、建設改良費があるわけです。ですから、私は、実際にはそうした過大な水需給計画をさらに再下方修正をすべきだ、まずここがやはり原点になると思いますけれども、いかがでしょうか。その需給計画の下方修正を再度すべきじゃないか。

○東岡参事 一日最大配水量は、景気等の社会経済状況や気象条件、渇水の影響などによって変動いたします。近年の水需要は、バブル経済崩壊後の計画のおくれや平成六年度夏季、七年度冬季、八年度夏季、冬季と続いた渇水の影響などを受けているものと思われます。
 水需要予測は、これまでも、最新の水使用実績や関連する将来の社会経済指標、また、都の長期構想で示される将来の人口や経済成長率等の基礎指標を用いて、合理的な統計指標により行っております。今後とも、最新の水使用実績等に基づきまして適切な水需要の予測を行っていく考えでございます。

○松村委員 ぜひ適切な判断を行って、再下方修正を行うべきだというふうに要求しておきます。私は、そこら辺がもっと下げられると。今、平成十五年度までに、水源及び浄水施設整備事業、また配水施設整備事業に係る事業費を大体三千億ぐらい見込んでいるんですよね。全部これは要らないとはいいません。いろいろ必要なものはあるでしょう。しかし、それは多くは減らすこともできる。そうすれば、先ほどの、例えば工事コストの縮減で皆さん方が貴重につくり出した財源も、そういうところへつぎ込まれなくて済むわけですよ。都民というか、利用者全体に還元することができる。そして水道料金をもっと−−値上げしないという努力は多としますけれども、もっと今日の状態に合わせて、きょうはちょっと時間がないので、全国の政令指定都市と今東京の水道料金はどうなっているかということについては、また今後の機会に譲りますけれども、過大な水需給計画を改めて、それに伴う建設改良費を抑えれば、累積収支、二〇〇三年、平成十五年以降も不足額を出すことがなく水道料金を低く抑える展望が見えてくる、こういう立場に立つべきだということを強く要望して、終わりたいと思います。

○土持委員長 この際、おおむね五分間休憩いたします。
   午後二時五十七分休憩

午後三時五分開議

○土持委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言願います。

○福士委員 水道事業の中で、見ておりましたら、水源開発事業というのが結構入っているので、ちょっとびっくりしたので、そのことに絞ってお伺いをいたします。
 五十年も昔に、現在と治水や利水のあり方も異なる中で計画された、例えば八ッ場ダムなど、いまだに水源開発事業が五事業、それから計画調査中のダム一事業が掲げられています。一方、先日説明された運営基本方針では、ほぼ需要に見合った水源量と施設規模を確保というふうにおっしゃったと思うんですが、さらに水源開発事業を進めるというのは何なのか。先ほど松村副委員長もおっしゃっていましたけれども、これらのダム事業との関連はどうなっているのか、ちょっとお伺いをいたしておきます。

○東岡参事 都の将来にわたり水需要に対して安定した給水を確保するため、長期的な視点に立って必要な水源の確保を進めております。現在、水源量は日量六百二十三万立方メートルを有しておりますが、この中には、安定した取水に、問題がある、課題を抱える水源が日量八十二万立方メートル含まれております。
 一般的に水源開発は、十年に一回程度の割合で発生する規模の渇水に対応できることを目標に計画されておりますが、都の主要な水源であります利根川水系では、計画されている水源施設がすべて完成した場合でも、五年に一回程度の割合で発生する規模の渇水に対応できるほどの安全度にすぎません。実際に最近では、少雨傾向の影響もありまして、ことしを含む最近の十年間で、夏冬合わせて五回、取水制限が実施されるという状況にございます。こうしたことから、都では、八ッ場ダム等の五事業の促進を、国等の関係機関に機会あるごとにお願いしているところでございます。

○福士委員 今、ダム建設に関しては、事業概要の中でのタイトルにも、困難化する水源開発というふうに書かれています。これらのダムには、事業を進めることもできないで、単に道路整備とか補償事業などが行われているものもあると思いますけれども、どこかで、先ほど来のお話のように、きちんと見直すべきときではないかなというふうに私も思うんですね。財政再建プランでは、スクラップ・アンド・ビルドが提唱されているわけですが、見直しを検討したことがあるのかどうか、お伺いをいたします。また、進ちょく状況もあわせてお尋ねをしておきます。

○東岡参事 建設の進ちょく状況についてでございますが、建設中の五事業のうち、滝沢ダムでは、現在ダム本体の工事が進められているところでございます。八ッ場ダムにつきましても、長年、水没地区等との補償交渉が難航しておりましたが、本年六月に国土交通省と水没関係住民との間で補償基準が調印され、本体着工に向けて大きく前進したところでございます。その他の施設につきましても、おおむね順調に進んでおります。
 ダム事業の見直しにつきましては、都では、国が定める再評価実施要領に基づきまして、平成十一年度に、八ッ場ダム等の国庫補助事業を対象として、学識経験者で構成する第三者委員会での審議を経て事業評価を実施いたしました。また、国におきましても、公共事業の見直しを進めておりまして、都が関連するダム事業では、国土交通省が平成十年度に、八ッ場ダム等の事業について、学識経験者等で構成する第三者委員会での審議を経て事業評価を実施しております。さらに、国土交通省では、都が水源として予定したダムではございませんが、川古ダムや平川ダムの中止など、ダム事業の抜本的な見直しも実施しているところでございます。

○福士委員 先ほど数字も挙げられて水需要をお尋ねになっておりましたので、まあそういうふうに水量確保ということを考えられているんだろうと思いますけれども、何か結構わからない。現在需要は見合っているけれども、五年に一度の対策、あるいは、確かにお天気次第ということになっているわけですから、お天気に合わせてというのをどの程度見込んでいくのかよくわからないというところもあるんだろうと思います。それで、渇水対策に恐怖を感じる余り、余裕をいっぱい見て計算をしていらっしゃるんじゃないかなという気もするんですが、だぶついた状況には本当にならないのでしょうか。その辺のところはどういうふうにお考えなのか。

○東岡参事 利根川水系では、一般的な水源開発の目標でございます十年に一回の渇水対応ということに比べまして、計画されている水源施設がすべて完成した場合でも、五年に一回の割合で発生する規模の渇水に対応できる程度の安全度にすぎません。近年では少雨傾向の影響もありまして、利根川水系では、ことしを含む最近の十年間で夏冬合わせて五回取水制限が実施され、実際には二、三年に一回程度渇水が起きているのが実情でございます。将来八ッ場ダム等のダム事業が完成すれば、おおむね水需要に対応する給水が確保できますとともに、首都圏全体として利水安全度は現在よりは向上するものと考えております。

○福士委員 ことし八月の渇水対策で一〇%取水制限をなさったわけですけれども、それによる影響はどのくらいのものなんですか。ダムをつくって、水は本当に取水制限をしなくてもいいようにというふうに考えるよりは、人口減が予測される今、ダム開発を続けるよりも、渇水時には早目の減水対策で乗り越えるなり、あるいは節水対策にもっと重点を置くなり、またいろんな方法を考えながら、他局ともあわせて対策を講じるということが問われる時期にもう来ていると思うんですが、そういう節水対策と重点施策を変えるということに対しては、いかがお考えなんでしょうか。

○東岡参事 ことしの渇水状況につきましては、冒頭に総務部長から説明したとおりでございますが、結果的には台風十一号の降雨により取水制限は全面解除され、大事に至らずに済んだというのが実情でございます。近年、異常少雨が増加する傾向が見られるということが、ことしの八月に発表された水資源白書においても指摘されております。今後とも、猛暑、少雨による渇水の発生が予想されているところでございます。
 東京におきまして、時間給水を伴うような深刻な渇水が発生した場合には、都民生活や都市活動への影響ははかり知れないものがあると考えております。このため、将来にわたり、渇水に強く、都民に信頼される水道を構築するために、今後とも節水施策を進めることは当然でございますが、ダム等の水源開発による安定した水源の確保に努めることが重要だと考えております。

○福士委員 取水制限してどんな影響が出たかというのは、ごめんなさい、私のいい方も悪かったかもしれませんが、制限されても私、何にも感じなかったというのがあります。高い高いビルなんかの場合はどうなのかということがありますが、そういうところは大体ポンプアップしてお水を配給しているということもあるだろうと思いますし、本当に困ったところがあったのかどうか、その辺のところを知りたかったわけです。一〇%の取水制限であれば日常的には余り影響ないけれども、ここまでやったら大変になるよとかというのはあると思うんですよね。
 私も、福岡の渇水のときに、私の友達が福岡にいるものですから、水をもらいに行ったりなんかして大変だったという話も聞いていますが、そこまでの話が東京ではなかなかないんじゃないかということも含めて、どの程度の影響があるかということをお伺いしたんですが、いかがでしょうか。

○東岡参事 ことしは、先ほど申し上げましたとおり、八月に降雨がございまして、結果的に一〇%の取水制限でとどまりましたけれども、当時は、いずれ何日か後には雨が降るという予測ができる状況にございませんでしたので、先行きが非常に心配されたわけでございます。あのまま雨が降らない状況が続けば、取水制限率は一〇%、二〇%、三〇%というふうにふえていくと思います。そうしますと、ことしのように一〇%の取水制限でとどまった場合に、都民の皆様には五%の自主節水をお願いするということで、比較的影響は軽微にとどめることができました。しかし、実際に過去には、昭和五十三年の渇水だとか、そのほかにも何度もありますけれども、実際に給水バルブで水圧を制限する、それから、オリンピック渇水のときには一日数時間しか水が出ない状況もありまして、給水車で都民に水をお配りするというふうな事態が生じたこともございます。

○福士委員 私は、いろんな対応を考えるというのは、今のまま手をこまぬいていていいんじゃないといっているわけじゃないわけで、例えば、先ほど来、建設費にかけるお金があるんだったらというような話が出ていましたが、八ッ場ダムに関しても建設費というのは大体どのぐらいを想定されているものなのか、伺います。

○東岡参事 八ッ場ダムの建設費は二千百十億円でございまして、国、それから関係する一都五県で負担することとなります。このうち東京都の負担額は約三百二十五億円でございます。

○福士委員 私の聞き方が悪かったですかね。建設費というのは、建設局と水道局とで出すお金というふうに考えていいんでしょうか。全体事業費で考えれば、水源地域対策特別措置法に基づいた事業というのがあると思いますね。
 それは都市計画局も水道局も絡んでいく話だと思うんですが、たしか、この建設費も含めて実績値というのは、計算方法が何度か変わってきているので、余り明確には出ないというふうに伺ってはいるんですが、この建設費も二千百十億円で済むのかどうかということと、それから、水特法とよく詰めておっしゃるようなそういうものも含んだら、全体事業はどうなりますでしょう。

○東岡参事 八ッ場ダムの総事業費でございますけれども、本体の事業費は二千百十億円でございまして、このほかに、水源地域対策特別措置法に基づく地域整備事業といたしまして九百九十七億円が予定されております。それからまた、それと別に、水没地域住民の生活再建等のために利根川・荒川水源地域対策基金というものが事業を行っておりまして、これまでに十億円の支出をしてございます。

○福士委員 そうすると、一カ所で三千百億円を超えるわけですから、こういうのが何カ所か、同じ金額でできるとは思いませんけれども、結構なお金を使ってダム建設というのは行われるというふうに考えてもよろしいんでしょうね。
 そうなりますと、給水能力については、八ッ場ダムを伺ってもあれですので、これは省きますけれども、水需要が、先ほど来出ていますように、水源量が一日六百二十三万立方メートル、水需要は一日最大配水量が五百二十万で百万立方メートルぐらい下で、これ以上伸びがもし進まなかった場合、さっきは渇水対策で大変気を使っていらっしゃるようにお見受けするんですが、ダム建設による事業費の影響というのは結構大きいわけですから、公営事業会計としても大幅な赤字財政への転落というのは免れないような気がするんですけれども、財政上の予測というのはどのようになっているんでしょうか。

○小泉総務部長 一つに、先ほど来、百万立方メートルも乖離があるではないかということでございますけれども、ご指摘のとおり、水道料金収入は、長引く景気低迷だとか相次ぐ渇水の影響などで伸び悩んでいることは事実でございます。
 こうした厳しい状況を踏まえまして、財政の安定化を図るために、昨年、平成十二年に水道事業経営プラン二〇〇〇を作成して、お手元に、先生方にお配りしているところでございます。先ほど松村副委員長からもご質問ありまして答えましたけれども、このプランでは、事業目標の数値化、PFIの導入といった新しい事業経営システムの導入、民間委託の推進、職員定数の削減といったあらゆる企業努力の実施などによって、現況の料金水準を維持しつつ財政収支の均衡を図るということにしておりまして、今後とも、より効率を重視した経営に努めて、水道財政の一層の安定化を目指していくということにしております。

○福士委員 もうこれで質問終わりますけれども、何かお答えがすごくアバウトな気がするんですよね。財政上の予測は、そういう、言葉で書くようなものなんですかね。概算でいいけれども、数字で出すということはできないものなんでしょうか。
 最初の質問で伺ったように、水資源開発事業が五事業、計画調査中のダムが一事業あって、これらの事業評価はえてして、必要です、必要です、必要ですと、必要に向けた評価になっているのではないかと思うんですよね。これは要らないよという評価がどこで出てくるのかなという気がするんですが、データにもあるように、今は一日最大配水量が百万立方メートルも下回ると。そんな形で現在は維持しているわけですから、渇水を怖いと思うのは気持ちとしてはよくわかりますけれども、都は常に水需要の伸びばかり予測しないで、節水対策のことも考えていけば−−伸び予測は本当なんだろうかなって私なんか疑いたくなるわけです。
 その意味でいうと、ダム建設関連については、実に矛盾の多い答弁のような気がするんですけれども、一方で、人口減とともに、大口利用者は経営効率上からも節水対策を進めてきましたよね。また進めざるを得ない社会状況もあるわけですから、渇水恐怖の余りダム建設を進めても、費用対効果ということを考えたときに、また矛盾を含んでいくんじゃないかなという気がするんですね。今洗濯機も、もうゆすぎも要りませんよみたいに、お水を余り使わないようなものがふえているくらいですから、需要予測というのを読み違えれば、料金の値上がりにつながるのかそうじゃないのかよくわかりませんが、もし料金の値上がりにつながれば、また節水が進む、大口需要者ほど節水が進むという矛盾を含む。それで、もし値上げをしなければ、お水をどんどん使ってくださいねと、今度は逆にお願いしなければ財政上は成り立たないという矛盾を含むことになるわけですから、世間一般的にいえば、環境保護対策と節水に向かっている時代の中で、雨水利用とか下水道局で行っている再生水の利用とか、その他さまざまな他局との連携を進めて、ダム建設一辺倒ではない、もっと全体的に社会状況を把握してやるべきことというのが整理されてもいいんじゃないかというふうに考えるわけです。
 もう一つ申し上げておくと、私、都議会に入ってまだ日が浅いわけですけれども、都の事業で、大金が動く事業が当然多いわけですよね、しかし、試算はすごくアバウトだなというふうに思っています。これは水道局でということじゃないですよ。ほかの事業一般を含めて非常に試算が甘い。こういうことが次々と行われていって、それで、事業が完成あるいは完成間際になってやっぱり足りませんとか、失敗のツケを全部後々フォローしていくというか、後々から払っていくということが行われていっていいんだろうかというふうに非常に疑問を感じています。
 そういう意味でいうと、もっと本当に大きな社会状況、それから試算の読みも、もうちょっときっちりした計算を出していただきたいなと思うんですね。例えば東京スタジアムの初年度の赤字、最初伺ったら四千万といわれました。きちんと私にわかるように試算してくださいというふうにお願いしたら、それが四億一千六百万にはね上がりました。ゼロが一けた違います。こういう試算というのは、普通はやらないと思うんですよね。
 それと同じようなことがあちこちの局で行われるとしたら、私やっぱり心配ですね。税金を払う側としても使う側としても心配です。どれだけ真摯に対応されているのか、同じことを伺うようで申しわけないですが、もう一度お答えを、局長、お願いいたします。

○飯嶋水道局長 ただいま試算のずさんさということでご指摘ございましたけれども、当局におきましては、これまでも、公営企業委員会を初めとして、議会の先生方にきっちり説明を申し上げて、必要な施策は必要であるということをご説明申し上げ、その上でご理解をいただいてきておりますので、今後とも、先生おっしゃるようなわかりやすい説明に努めてまいりますので、どうぞご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

○高橋委員 いろいろ重複するところがあるかもしれませんけれども、かつて経験してない厳しい経済不況というか、景気の低迷の中で、先行き不透明な社会情勢。都といたしましても、大変厳しい財政状況の中でいろんな施策を展開していただいておりますけれども、この厳しい現状を打開していくためには、石原都知事もよく発言しておりますけれども、それぞれの事業の中で新たな構造改革というか、いろんな施策を展開せざるを得ないところに来ていると思っております。また、民間企業なんかでも、この状況下にありまして、経営の効率化はもちろんのこと、消費者のニーズに合うような、適切なそういった研究等もして、命がけで生き残りをかけていると思っております。
 無論のこと、行政機関においても、都民の要請にこたえまして、納税者の立場に立って、行政の事業の見直し等々を行っていくことは不可欠であると思っております。特に成果を重視するシステムの導入、転換、あるいはまた、先日十月四日に水道局さんでパンフレットというか資料が出ておりましたけれども、事業評価制度の概要というところで、アカウンタビリティーという、そういった確保が極めて重要だということも教えていただきました。
 行政評価は、その主要なツールとして注目すべきものであると思っておりますけれども、行政評価とは、無論のこと、行政みずからが行政活動の評価を行い、その評価の結果をその後の行政運営に反映していくということが重要でありますし、その仕組みであると思っております。根本的というか、そういったものによって行政活動を改善して、国や地方自治体の抱える問題点を解決していくには、大変期待するものがあるんじゃないかと思っております。それぞれ国や地方で、自治体においても、評価制度の導入はかなり本格化しているというふうに見させていただいていますけれども、都の一般会計においては、平成十三年度からこの評価制度を導入していろいろ頑張っておりますが、自己検証システム、大規模公共事業等事前評価についても平成十四年度から本格実施するとも仄聞しております。
 そこで、水道局は、公営企業という特性というものがあるのは十二分に承知しておりますけれども、やはりこの時代に合った独自の事業評価制度を構築するべきだと思うのであります。その観点から、先ほど申し上げましたように、事業評価制度の実施のいろんな導入についての資料が出たのかなと思っておりますし、十月五日、また十月十三日に報道機関でも、経営の効率向上、そして数値で事業の評価をするんだということで、この中にも、先ほど職員の削減だとかいろんな経費節減のために全力を傾注しておることはよくわかっております。先ほど答弁の中でも、四年間で五百人の職員削減、三百九十億円の経費節減ということで、いろいろご苦労、高く評価させていただいておりますが、この事業評価制度に絞って何点か質問させていただきたいと思っております。
 最初に、この制度はどのような視点で導入したものか、まずお伺いいたします。

○小泉総務部長 この制度につきましては、行政評価導入の機運が国や多くの地方自治体に高まってきておりまして、特に国などでは、国庫補助事業等についてのいろいろな評価の見直しということがされております。そういった中で、当局といたしましても、公営企業の事業内容に即しまして、事業を総合的に評価することを目的としたものでございまして、水道事業体としては全国で初めての事業評価制度の導入になりました。
 事業評価制度を導入した視点としましては、第一に、事業運営上の目標管理における成果重視の徹底、第二番目には、事業の必要性、有効性、採算性を評価する大規模な施設整備の事前評価及び再評価の実施、三番目には、都民へのアカウンタビリティーの向上を目的としまして、評価結果を事業に反映させ、わかりやすく公表する、ホームページ等で公表していこうとするものでございます。

○高橋委員 目標管理、また成果を重視していくというご答弁をいただいたわけですけれども、この仕組みは、非常に重要なところだと思っていますけれども、目標をどこに持っていっているのか、少し詳しくお伺いしたいと思います。

○小泉総務部長 水道局では、より効率性を重視していく視点に立って、水道サービスの向上と財政安定化を目指した四カ年の水道事業経営プラン、これが今現在、当局の事業運営の基本になっておりまして、これを四カ年で実施しているところでございますが、この経営プランは、財政的な裏づけを有する経営計画として水道事業運営の根幹をなすことから、今回の事業評価制度では、まず、ご質問の評価すべき目標には、このプランの中で掲げました主要五施策、それと具体的な事業数値、いろいろな、企業債残高あるいは漏水率だとか、そういった目標値を一つの評価すべき目標に定めております。

○高橋委員 そこで、この水道事業経営プラン二〇〇〇もちょっと勉強させていただきましたけれども、大規模施設、この建設をすることについての評価はどのような仕組みなのか、お伺いさせていただきます。

○小泉総務部長 大規模水道施設の事業評価制度としましては、新たに着手する大規模な水道施設の整備事業で、施設能力の増強や高水準な施設整備を目的とする事業を対象として、事業の必要性、有効性、採算性等の観点から評価を実施することとしています。
 なお、評価の時期については、まず工事着手前に、予算編成の過程で評価を実施するとともに、当該工事の着手後五年を経過して実施中である場合は、さらに五年ごとに同様の評価を実施していくこととしております。

○高橋委員 少しうがった見方をさせていただきますと、これまでの答弁を聞かせていただいておりますけれども、この評価制度を導入する前は余り評価してないように聞こえちゃうんですよね。ですから、この点の意味をもう一回、確認の意味でお伺いしたいと思います。

○小泉総務部長 水道局においては、これまで、事業を行う際には、十分内部で評価を行ってまいりました。委員会等を設置して、計画的な事業執行に努めてきたところでございまして、今回の制度は、これまでの評価のあり方を再検討した上で、より総合的でわかりやすい評価システムとして構築したものでございまして、この制度に基づく評価結果については、ホームページ等でわかりやすく公表することによって、都民へのアカウンタビリティーの一層の向上を図っていくという考えでございます。

○高橋委員 その辺の答弁、発言が重要なところだと思います。事業を実施する場合には、まず構想を立てて、そして事業計画を策定して予算計上をしていくというのが当然だと思いますし、その際には、事業の必要性や、また費用対効果などを十分検討して予算案を提案することになっていくと思いますけれども、都議会としても、そういった点を含めて、総合的な視点で予算案を審査してきたと思います。
 ただ、都民の立場、都民にしてみれば、なかなか見えにくいところがあるように思うんです。ですから、先ほど来もいろいろありました、水道料金が高いとか、それからむだな事業があるのかとか、そんなことがちょっと聞こえましたけれども、またそんなような都民の意見にもつながっていくと思うんですよね。ですから、簡単にいえば、都民に対する説明不足が誤解を生んでいるのではないかと思っております。
 そこで、評価制度の導入の意味は、アカウンタビリティー、説明責任を果たして、都民のコンセンサスを得るように、また、その上で都民ニーズの高い事業を選択していくことが重要であるような気がいたします。都民へのPRまでも含めたこのような仕組みに水道局が率先して取り組んでいることは、素直に評価したいと思います。そして、例えば、仏つくって魂入れずというような言葉がありますけれども、せっかくのいい制度でも台なしになってしまうということもありますので、したがって、この適切な制度の運用に心がけていただきたいと思っております。
 そこで、最後にお伺いいたしますけれども、今回の評価制度のもと、先ほどの経営プランを実現していくことは極めて重要と思いますが、以上の点を含めて、局長にご答弁をちょうだいいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。いかがでしょうか。

○飯嶋水道局長 都民生活や首都東京の都市活動を支えていくためには、長引く景気の低迷などの影響によって料金収入が伸び悩む中においても、量はもとより、質の高い水道サービスを提供していくことが求められております。このため、より効率性を重視した経営のもと、水道財政を安定化していくことが何よりも重要と認識しております。
 こうした考えのもとで、水道施設整備はもとより、新しい経営手法の導入や厳しい内部努力を含む経営計画として、水道事業経営プランを策定したところでございます。先生ご指摘のとおり、今回の事業評価制度を有効に活用することにより、経営プランに掲げた施策の成果を幅広く都民に公表しながら、このプランの実現に向けて、今後とも最大限努力してまいります。

○高島委員 どうもご苦労さまでございます。もうお疲れでしょうけれども、私が最後でございます、難しい質問はいたしませんので気楽にご答弁をいただいて、短縮して質問させていただきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。
 二十世紀はエネルギー問題の時代、すなわち石油の時代といわれてまいりました。そして二十一世紀は、水問題が石油以上に重要な時代といわれる。(「今は高島の時代だ」と呼ぶ者あり)まあそんなことはないでしょうけれども、我が国の水道も高普及率を達成し、二十一世紀を迎えました。しかし、現在、水道界には多くの課題が山積みしているわけでございます。
 例えば、先ほど東野理事からお話がございました。非常に残念なことでございますが、水道水を直接飲む方の割合が非常に低下をしているなど、水道に対する国民の信頼性が低下しております。また、民営化の波もあるわけでございます。この民営化につきましても、私大変いろいろと興味がございまして、機会がございましたら、ぜひ質問させていただきたい、そう思っている次第でございます。
 さらには、有害化学物質による水道水源汚染の進行による影響なども懸念されております。一方で、全国的に大規模公共事業の見直し等、事業の透明性や情報の公開が求められており、このように公共事業を取り巻く現状は厳しいものがあります。積極的、多面的な対応が求められておるわけでございますが、特に、施設整備を進めるために、都民に対し十分な情報公開を行い、協力とご理解を求めていくことが不可欠であります。
 そこで、水道施設整備の基本的な考え方や事業実施に伴う地域協力などについて、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず初めに、東京水道は、これまで以上に効率性を重視する視点に立って水道事業を経営していくための水道事業経営プラン二〇〇〇を策定しておりますが、このプランにおける主要施策と目標達成に向けた行動についてお伺いをさせていただきたいと思います。

○小泉総務部長 質の高い水道サービスの提供及び水道財政の安定化を目指して、平成十二年度を初年度とする四カ年の水道事業経営プラン二〇〇〇を昨年三月作成したところでございまして、計画の主要な施策として五つございまして、一つには施設整備事業の推進、二番目に生活に密着したサービスの推進、三番目に地球環境の重視、四番目に新しい事業経営のシステムの導入、五番目に企業努力の実施という五つを掲げまして、現在、局を挙げてその推進に努めているところでございます。
 その具体的な例を挙げますと、全国の自治体に先駆けて導入したPFI手法や環境会計など、新しい仕組みについても積極的に取り組んでいるところでございます。また、サービス施策の一環としまして行っている水道フレッシュ診断では、局長みずから先頭に立ちまして、全職員が毎年お客様を訪問することを実施しております。

○高島委員 五つの施策を出しまして、そして、フレッシュ診断ということで局長みずから一生懸命回っていらっしゃるということなんで、期待をしておりますので、ぜひお願いをさせていただきたいと思います。
 その主要施策の一つとして、今、施設整備事業の推進が挙げられておりますが、具体的な目標はどうなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○小泉総務部長 水道事業経営プラン二〇〇〇では、目標による管理をより明確にするため、おおむね十年以内に達成を目指すべき施設整備の数値目標として、施設整備長期目標を掲げております。具体的には、安定水源確保率、利根川水系における高度浄水処理率、停電時の浄水供給確保率、給水所整備率、経年管の残存率、漏水率の六項目について達成すべき目標を設定しております。

○高島委員 今六つのお話をしていただいたんですが、施設整備長期目標に給水所の整備率が含まれております。給水所の整備目的は何なのかをちょっとお聞かせをいただきたい。

○御園建設部長 現状の給水所の課題といたしましては、配水池の容量が十分でないことに加えまして、給水所の設置されております場所が地域的に偏在しております。このため、各給水所が受け持っております給水区域の大きさが不均衡を生じておる地域がございます。広大な配水区域におきましては、ポンプや管路等の事故時あるいは震災時などにおきましては、断水や濁水が広範囲に及ぶおそれがございます。このようなことから、給水所を整備いたしまして、配水池容量の増強及び適正な配置を図ることによりまして、公平で効率的な給水を確保し、信頼性の高い送配水システムを構築するものでございます。
 なお、既存給水所の中には、老朽化が進みまして、耐震性が低い施設もございます。これらもあわせて計画的に更新、改築を図っているところでございます。

○高島委員 実は、そういう話の中で、私の地元でも、足立区でございますが、給水所の改築を実施するというお話を聞いておりますが、給水所の全体的かつ具体的な整備はどうなっているのか、ちょっとご説明をいただきたい。

○御園建設部長 プラン二〇〇〇では、区部におきましては、新設する給水所といたしまして、荒川区の南千住給水所など四カ所、また改築する給水所といたしまして、足立区の小右衛門給水所など五カ所を計画してございます。さらに、多摩地区におきましては、新設する給水所といたしまして、あきる野市の五日市給水所など二カ所、また改築する給水所といたしまして、調布市の調布給水所など二カ所を計画してございます。
 なお、これらに計画されております給水所の整備に当たりましては、設計、施工を経まして完成に至るわけでございますが、その進ちょく状況は、ほぼ計画どおりでございます。

○高島委員 今部長から、計画どおりに進んでいるということでございまして、安堵したところでございます。
 こうした給水所の大規模整備工事は、通常の道路工事とか一般の工事と違いまして、同一場所で長期間にわたって工事を必要としているわけでございます。地元住民への情報提供が不可欠であり、具体的には地元住民の皆様方へどのような形で周知を行っているのか、お聞かせをいただきたい。

○御園建設部長 給水所などの大規模な施設工事につきましては、原則といたしまして、設計着手前に地元の皆様に説明会を開催いたしまして、近隣住民の皆様のご意見あるいはご要望を可能な限り施設設計に反映させるよう努めております。また、工事の施行に先立ちましても、近隣住民の皆様へ、より具体的な工事内容の説明を行いまして、日常生活に極力支障を及ぼさないよう、ご理解をいただきながら工事を進めております。

○高島委員 今のお話を聞くと、一生懸命やっていただいているなという思いは多少するんですけれども、地元の協力を得て一体的に進めているということでございますが、もちろん地元の協力がなくしては改築工事ができるわけはないと思うんですが、例えば地元の方たちからのいろんな要望があると思うんですよ。そういうものについてはどのように取り入れ、また反映しているのかを、ちょっとお聞かせいただきたい。

○御園建設部長 工事の施行に際しましては、周辺環境等を踏まえまして、さまざまな対策を講じております。
 具体的に申し上げますと、工事箇所の周囲が住宅地などの場合におきましては、防音壁を設置いたしまして騒音防止を図りますとともに、施工機械等を適正に選定いたしまして、振動対策にも留意しているところでございます。また、住民の皆様の生活に配慮いたしまして、作業時間帯の調整あるいは工事用車両の交通規制などの対応も行っております。
 特に最近におきましては、これらの対応に加えまして、工事車両を極力抑制する観点から、工法の創意工夫等によりまして、場内からできるだけ残土を外に出さないような工夫もしております。

○高島委員 私どもの地元足立区、きょうは、土持委員長も実は足立区でございますので、あえてお伺いをさせていただくわけでございますが、小右衛門給水所の工事が七年間という長期にわたって行われるわけでございます。ただ通り一遍の説明では、住民の理解が得られるとは到底思えないわけでございます。また、工事期間中だけの協力にとどまらず、施設整備後においても、周辺の利用や環境の整備の要望があるとお伺いをしておりますが、その辺のことについてもお聞かせをいただきたい。

○御園建設部長 先生ご指摘のとおり、小右衛門給水所の工事は非常に長期にわたり施行することとなります。このため、工事の進ちょくの節目ごとに、適宜、住民の皆様にその状況を説明することといたしております。また、地元との約束事項につきましては、文書により確認することといたしております。
 給水所整備後の活用方策や環境整備につきましては、先生初め地元の皆様のご意見や足立区の指導等を踏まえまして、誠意を持ってこれまで調整してまいりましたところでございます。その結果、配水池上部等は地域に開放するとともに、給水所周囲には防火通路あるいは緑道を確保することといたしました。このことは、足立区のまちづくり計画とも整合しているものでございます。

○高島委員 今部長からお話ございましたように、大分老朽化した給水所なんですね。周りは真っ暗でございまして、女性の方が一人で歩くと怖いと。事実、痴漢があったり、自転車に乗っている女性の方が前にバッグを置いておいたらとられちゃうような、そういうこともあったものですから、ぜひ、区ともいろいろと調整をしていただきながら、地域の皆さんに喜んでいただけるようにご努力をお願いしたいと思います。
 最後に、局長にお伺いをしたいんですが、給水所のような大規模な公共施設は、一たんつくられると、長年地域に存在するわけでございます。したがって、こうした施設は、地域に親しまれる施設づくり、あるいは地域と一体となった施設づくりを考えていくべきではないかと考えますが、その辺について、局長の思いをお聞かせをいただきたいと思っております。

○飯嶋水道局長 水道の施設は、飲料水を供給するため、安全性の確保は何より重要でございますが、同時に、先生ご指摘のとおり、地域の皆様にも親しまれる施設であることが大切でございます。プラン二〇〇〇におきましても、生活様式の多様化及び高度化を踏まえ、生活に密着したサービスの推進の一環として施設の開放を促進することとしております。
 給水所の上部は、小右衛門給水所の例にもございますように、飲料水の安全性確保に十分留意しながら、可能な範囲において公園や運動場に活用し、地域と一体となったまちづくりに配慮してございます。今後とも、施設整備に当たりましては、地域に密着し、親しまれる施設づくりに努めてまいる所存でございます。

○高島委員 東京は、政治、経済及び情報など、日本、いや世界の中心といっても過言ではありません。その中で、これらを支える水道を含め、ライフラインの責務は重大であります。特に、先ほど我が党の中西委員から質問がありましたように、テロ対策、このことについても、水道局に課せられた責任は大といっても過言ではないと思っております。
 さらに、水道を取り巻く現状は大変厳しいものがあり、また数多くの課題があります。それらの解消に向けて積極的に対応することを期待しておるわけでございますが、さらには、整備事業を進めるに当たり、施設の安全性を確保することはもとより、行政の透明性、情報公開、そして地元対応、環境問題、多くの問題がございますが、それらについても積極的にご理解をいただき、ご努力をしていただきますよう心からお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○土持委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○土持委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時五十八分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る