委員長 | 前島信次郎君 |
副委員長 | 中西 一善君 |
副委員長 | 池田 梅夫君 |
理事 | 高島なおき君 |
理事 | 田村 市郎君 |
藤田十四三君 | |
大山とも子君 | |
たぞえ民夫君 | |
小山 敏雄君 | |
尾崎 正一君 | |
中山 秀雄君 | |
白井 威君 |
欠席委員 一名
出席説明員交通局 | 局長 | 寺内 廣壽君 |
技監 | 堀内 俊夫君 | |
総務部長 | 松尾 均君 | |
経営企画室長 | 久保田経三君 | |
職員部長 | 佐伯 憲彦君 | |
電車部長 | 齊藤 春雄君 | |
自動車部長 | 木村 純一君 | |
車両電気部長 | 水元亜紀雄君 | |
建設工務部長 | 金安 進君 | |
経理契約担当部長 | 久保 大君 | |
関連事業担当部長 | 福田志津雄君 | |
大江戸線開業準備担当部長 | 帯刀 宏君 | |
バス路線再編成・事業活性化担当部長 | 坂上 信雄君 | |
技術管理担当部長 | 北川 知正君 | |
下水道局 | 局長 | 横山 博一君 |
次長 | 緒方 敏彦君 | |
総務部長 | 藤井 浩二君 | |
企画担当部長 | 時田 公夫君 | |
職員部長 | 阿部 健秀君 | |
経理部長 | 馬場 正明君 | |
業務部長 | 今里伸一郎君 | |
計画部長 | 鈴木 宏君 | |
技術開発担当部長 | 串山宏太郎君 | |
施設管理部長 | 大矢 爽治君 | |
建設部長 | 大迫 健一君 | |
流域下水道本部 | 本部長 | 藤田 昌一君 |
管理部長 | 萩原 英夫君 | |
技術部長 | 前田 正博君 |
本日の会議に付した事件
交通局関係
事務事業について(質疑)
下水道局関係
事務事業について(質疑)
○前島委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局及び下水道局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより交通局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料についての理事者の説明を求めます。
○松尾総務部長 過日の委員会で要求のございました資料につきまして、公営企業委員会要求資料として取りまとめさせていただきました。その概要につきましてご説明申し上げます。
目次をごらんいただきたいと存じます。
要求のございました資料は、都バスにおける環境対策の現状と計画など八項目でございます。
恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと存じます。都バスにおける環境対策の現状と計画につきまして、平成十一年度末における実績と平成十二年度の計画を項目別に記載してございます。
今年度は、連続再生式DPF装置の装着や低硫黄軽油の実車走行試験等を実施してまいります。
二ページをお開きいただきたいと存じます。天然ガススタンドの設置及びCNGバスの導入の状況につきまして、平成六年度から平成十一年度までの実績及び平成十二年度の計画を記載してございます。
天然ガススタンドの設置につきましては、年度ごとの設置場所と設置基数を記載してございます。また、CNGバスの導入の状況につきましては、年度ごとのCNGバスの導入数とCNGバスを含めた更新車両数を記載してございます。
恐れ入ります、三ページをお開きいただきたいと存じます。平成八年度から平成十二年度まで、過去五年間の都営地下鉄における転落者数につきまして、転落者の態様別に記載してございます。
なお、平成十二年度につきましては十月末までの件数でございます。
四ページをお開きいただきたいと存じます。平成八年度から平成十二年度まで、過去五年間の都営地下鉄における車両故障件数の状況につきまして、車両故障の件数及び内容を、路線別に記載してございます。
件数につきましては、鉄道事故等報告規則に基づき運輸省に届け出たものでございます。
なお、平成十二年度につきましては十月末までの件数でございます。
五ページをお開きいただきたいと存じます。都営地下鉄における障害者、高齢者等への対策の現状と計画につきまして、平成十一年度末における実績と平成十二年度の計画を、駅施設と車両に分けて、それぞれ項目別に記載してございます。
六ページをお開きいただきたいと存じます。都バスにおける障害者、高齢者等への対策の現状と計画につきまして、平成八年度から平成十一年度までの実績及び平成十二年度の計画を、福祉対策車両と福祉対策設備に分けて、それぞれ項目別に記載してございます。
七ページをお開きいただきたいと存じます。新宿駅西口バスターミナルの現状につきまして記載してございます。
黒丸で都営バスと記載している箇所が都営バスの乗り場でございます。
なお、バス乗り場、いわゆるターミナル交通島の車道面に対する段差は、十五センチメートルでございます。
八ページをお開きいただきたいと存じます。バス路線再編整備における廃止、短縮路線の一日当たりの券種別利用者数につきまして、廃止、短縮別に、系統ごとに記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求資料につきまして説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○前島委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、事務事業に対する質疑を行います。
発言を願います。
○大山委員 まず、バス路線の再編整備について伺いたいと思います。
九月二十九日にも、このバス路線の縮小、廃止の問題について報告を受けての質疑をしています。前期の委員会でしたので、この委員会の中で質疑したこと、明らかになったのは、地下鉄とバスは役割が違うことだとか、交通局は地下鉄にもエレベーターやエスカレーターをつけたといいますけれども、最新の大江戸線でさえ、エレベーターは、出入り口が二カ所以上あるにもかかわらず一カ所だけしかついていないとか、高齢者にとってはより重要なエスカレーターの下りが、環状部の二十六駅中十三駅しかついていないということなどから、十分にはバスの代替交通機関にはならないというようなことを明らかにしてきました。また、局は、利用者の意見さえ把握していないことなども明らかになりました。
バス路線の縮小、廃止については、私たちだけではなくて、例えば、新宿でいえば町会連合会の会長さんを初め、交通局に再三にわたって交渉していますし、多くの町会や老人クラブの方々も、縮小、廃止しないでほしいということで署名も集めているという状況です。
そのときには、新宿と港と文京、この三区の議会と区長から意見書や要望書が出されていることを紹介しましたけれども、その後、千代田区の議会と区長から同様の要望書や、それから意見書が出されていると聞いていますが、これは間違いないですね。
○坂上バス路線再編成・事業活性化担当部長 バス路線の今回の再編整備についての要望でございますが、今ございました三区のほか、千代田区からも要望書が出ているところでございます。
○大山委員 バスの縮小、廃止に関して、これだけの区だとか区長だとか区議会から、再検討してほしいという要望が出されたことは、いまだかつてなかったことだというふうに思っています。それだけ都民にとって、いかに重大なことだという証拠だといえると思います。
交通局は、これらの意見書や要望書をどう受けとめているんでしょう。
○坂上バス路線再編成・事業活性化担当部長 今回の再編整備発表後、今お話がございました千代田、港、新宿、文京区からの要望が提出されており、四区の要望書等につきましては承知しているところでございます。現在、これら四区を含む関係区等とさらに協議をしているというところでございます。
○大山委員 承知をしているということですけれども、これは区民から選ばれた代表である区長、それから区議会だったら超党派で採択している意見書ですから、区民の意見、都民の大方の意見だということで、しっかりと重く受けとめていただきたいというふうに思っています。
例えば、この問題は各区議会でも問題になって、きのうも新宿区議会で、決算の特別委員会の中でこの問題が取り上げられて、区長は、区民から要望もありますので、できる限り努力してまいりますというふうに答弁しているんですね。九月二十九日の部長さんの答弁の中で、九月六日にプレス発表し、関係区に発表して、地元の方々あるいは関係区の方々からもご意見を承っている、関係区に説明に行くなど努力している、私どもの立場を理解していただくというふうにありますけれども、具体的にどのような努力をしているんですか。
○木村自動車部長 九月六日のプレス発表以降、全都議会議員の皆様方に内容についてご報告させていただきますとともに、関係区十三区について説明を行ったところでございます。
その後、ただいまのご質問の中にもございましたように、九月十四日の公営企業委員会におきまして、再編成の内容について事前説明させていただくとともに、九月二十九日にご質疑をいただいたところでございます。
その後、関係区との関係では、九月十一日に、文京区の方に私どもの担当部長並びに計画課長等赴きまして、区議会議員の全員の皆様との、いわゆる全員協議会という場でいろいろご質疑を、対応させていただいたところでございます。九月二十日には、港区におきまして、やはり特別対策委員会の招請という形の中で、私どもの幹部職員を派遣させていただきまして、その折にいろいろご質疑があったところでございます。また、明十一月十五日におきましても、豊島区の方に幹部職員を赴かせまして、区議会議員の皆様にご説明をさせていただくという形になっております。
なお、このほか、関係区におきましては、それぞれ区の方で、区議会の方にご説明をしていただいたとの連絡をいただいておるところでございます。
あと、今後の対応でございますが、先週、できるだけ、路線再編成の内容を記しましたチラシを二十万枚ほどつくらせていただいておりまして、行政機関の分につきまして、先般それぞれの区にお願いをしたところでございますし、今週中から来週に当たりまして、このチラシにつきましても、バスの車内等に置かせていただきまして、ご利用者の皆様方への周知に引き続き努めてまいりたい、そのように考えておるところでございます。
○大山委員 関係区に説明に行ったり、議会に説明に行ったりしているということですけれども、その関係区は、とりわけ要望書などが出ている新宿や港や千代田、文京というのは、納得しているんでしょうか。
○木村自動車部長 現段階におきましては、一応ただいまお名前の挙がりました四区につきまして、私どもの計画内容につきましてのご理解を求めているという段階でございまして、ご了承をいただいたという段階には至っておりません。
○大山委員 新宿、港、千代田、文京は、ご了承をいただいてはいないということですね。この再編整備、縮小、廃止で、一番影響がある自治体なわけですね。
しかも、例えば、いろいろとご説明しているということで資料もいただきましたけれども、新宿で五回説明や協議をしているというふうになっていますけれども、バス路線の縮小、廃止問題で協議したのは、区の担当者の認識としては十月十九日のみだという認識なんですね。九月六日に資料をいただいて、十三日には区長のお名前で要望書を出して、十九日には片岸課長に会ってバス路線のことで話したけれども、あとは、交通局の人と話はしているけれども、ほかの問題で協議をして、そのついでに話が出たという程度だという認識なんです。とても東京都が積極的に区に働きかけているとはいいがたいということなんですね。
その協議ということについても、例えば、交通局は区の担当者に、乗るお客さんが少ないからという説明をするというんですね。じゃあ何人ぐらい乗っているんですか、資料が欲しいといっても、資料さえも出さない。これ本当ですか。
○坂上バス路線再編成・事業活性化担当部長 私ども、新宿区とは、今お話に出ましたとおり、五回ほど担当者同士でじかに協議をしているところでございます。その内容でございますが、再編成計画の内容につきまして、私どもといたしましてはできる限り必要な資料を提供し、区の議論に資するように努力をしているところでございます。
○大山委員 私、区の担当者から聞いたんです。何人ぐらい乗っているかというふうに聞いても、東京都は、それは他社との関係があるから、四月から規制緩和で大変なんだからその数は出せないんだって、こういう、きょういただいたこの路線ごとのOD調査の数さえも出してくれないっていうんですよね。そうじゃないんですか、これ出したんですか。
○坂上バス路線再編成・事業活性化担当部長 ただいまの大山委員の方からお話ございました資料につきまして、それについてはちょっと今資料、私ども確認してございませんので、それにつきましてはご返事できませんが、我々にとりましては、区の必要な資料につきましては誠意を持って出している、提出しているという状況でございます。
○大山委員 誠意を持って出しているっていっても、区の担当者は、人数、乗車人員、何人いるんですかって聞いても、それさえも資料を出してくれないっていうんですよ。そういうような状況の中で、どうして区に検討してくれっていって検討ができるんですか。いいかげんなことをいわないでください。資料ぐらいきちんと出してほしいと思いますよ。きちんと出してください。どうですか。
○坂上バス路線再編成・事業活性化担当部長 今後、私どもは誠意を持って協議をしてまいりますので、その際、協議に当たりましては、必要な資料につきましては提出をしていく考えでございます。
以上でございます。
○大山委員 新宿だけじゃないんですね。きちんと資料出してください。
それから、港区でも担当者に聞きましたけれども、一回資料を受け取って、その後一回話を聞いただけだと。そして、区長が十月十二日に要望書を出しているけれども、要望書についてどう検討しているのか、その後全く音さたがないというわけなんですね。今度、どうなっているか区から交通局に聞くことにしているというわけですよ。今までだったら事前に相談があって、発表する前にきちんと協議することができたっていうんですね。しかし今回は、その事前の相談だとか協議だとか、それさえも全くやらないで、ただ発表して押しつけてくるだけだと。
港区の担当者は、その案が提案される前にも、去年要望書を出しているわけですから、それにもかかわらず全くひどいと怒っていましたよ。これが誠意ある態度といえるんでしょうか。私はとても誠意ある態度とは思えないんですけれども、各区からの要望にどう対応するのかということが問われてくると思うんです。再検討してくれということをいわれて、交通局は何の譲歩もすることもなく、ただやらせてもらいますっていっているわけですよね。全く、これじゃあ東京都のいい分を押しつけているだけだということなんです。
それで、新宿区なんかの担当者に聞いても、東京都が赤字だからといわれると、同じ自治体の職員といたしましては、つい弱気になっちゃうというわけですけれども、私、十一年度決算書を見ていましてびっくりしたんですね。この中で他会計への貸付金、これが、交通事業会計、バスの関係ですよね。交通事業会計のところから他会計に、高速電車会計に九百億円も貸している。こんな貸しておきながらも、赤字だといって区をおどかしておいて、こんな余裕があるわけですか、バスは、交通事業会計は。
○松尾総務部長 ただいまお話のございました、地下鉄事業へバス事業会計から九百億円を貸し付けているという件でございますが、これにつきましては、昭和六十三年でございますけれども、都営交通事業経営改善特別対策事業という中で、私どもが当時所有しておりました自動車工場、こういった土地を売却いたしまして、そのとき千七百五十億円の収入を得たわけでございますが、当時の自動車事業の不良債務の解消に充てる、あるいは地下鉄事業におきましては、十二号線の円滑な建設の推進に充てるといった当時の枠組みがございまして、その貸し付けは、そういった全体の枠組みの中で売却収入を活用してきた経過がございます。
そうした中で、今日、地下鉄事業も、おかげさまで円滑な推進を見ているわけでございまして、交通局全体でいいますと、資金の活用としては、全体の中で活用しているというものでございまして、バス事業だけが決して豊かであるということではございません。そういった経過がございます。
○大山委員 結局、地下鉄の莫大な赤字をバスにしわ寄せしているというふうに都民が見ても、これは仕方がないことですよね。赤字をバスにしわ寄せして、並行している路線はバスを廃止して、とりわけ高齢者の足を奪うという事態になってしまうんですよね。
少ない、少ないって区にはいっているらしいですけれども、例えば、新宿車庫から飯田橋や秋葉原に行く秋76、これで見ても、一日に一万一千人以上利用している路線ですね。それから都03という晴海埠頭から新宿駅西口を通っている線、これはずうっと丸ノ内線と上下の関係で、上と下の関係で走っている路線ですよ。それにも、一日一万人以上の人が利用しているわけですね。地下鉄があっても利用するということじゃないでしょうか。
そればかりではなくて、高齢者に、より深刻に影響が出るというのは先日の委員会でも、バス停で待っている利用者のアンケートから、その内容で示しましたけれども、きょう8の資料でいただいた券種別の利用者数でもわかりますように、シルバーパス、つまり高齢者の利用率が大きいことも特徴なんですね。
例えば、秋76は一三・七%、都03は一三・九%が、それぞれ一四%近くがシルバーパス利用者です。少ない利用者ですけれども、茶81なんていうのは約四割がシルバーパスを利用する人が乗っているんです。シルバーパスの全面有料化で、シルバーパスを受け取った人、何人減ったかご存じですか。高齢者施策推進室の資料で見ますと、全都で、昨年よりも二割の人がシルバーパスを受け取っていないんです。それだけでも高齢者の足を奪っているにもかかわらず、その上、交通局がやろうとしているのは、地下鉄やJRだとか私鉄で代替ができるといっても、駅からは遠い、深いところまで下がらなきゃならない、乗りかえなきゃいけない、エレベーターもエスカレーターも不十分、考えただけでも高齢者が外出する気持ちがなえてしまうと、そう思いませんか。どうですか。
○坂上バス路線再編成・事業活性化担当部長 今回、廃止、短縮いたします路線につきましては、地下鉄開業後において、シルバーパス利用者を含む多くのお客様がバスから地下鉄へ転換するものと予測をしているところでございます。また、大江戸線につきましては、全駅にエレベーターが設置されているなど、既存地下鉄においても、エスカレーター等の設置が順次進められておりますので、交通弱者の方々に対しても利用しやすい対策を今後とも講じていきたいというふうに考えております。
○大山委員 いつ聞いてもその答えしかしないんですよ。私が聞いたのは、今、大江戸線だって、二十六駅中十三駅にしか、エレベーターは片っ方にしかついていない、ワンルートしかついていない。それからエスカレーターだって、丸ノ内線なんかどこがついていますか。ついているところを数えた方が少ないですよ。そういうところの地下鉄やJR−−それをバスで目的地のなるべく近くまで行けていた高齢者が、出ようという気持ちがなえてしまうとは思いませんか、そういうふうに聞いたんですけれども、ちゃんとその質問に、きちんと答えてください。
○坂上バス路線再編成・事業活性化担当部長 ただいま申し上げましたように、今回の廃止、短縮によりまして、地下鉄へ多くの方々が転換をしていくということになります。今回の再編成計画に当たりましては、地下鉄の代替性ということで、地下鉄の代替機関があるところを対象にしてきたところでございまして、今後も既設駅を含めて、それらの施設面の改良をしていくということで考えているところでございます。
○大山委員 そうしたら、高齢者が幾らも外出ができなくなる、その気持ちがなえても、それはそれでもう切り捨てるということなんですか。局長、答えてください。
○寺内交通局長 ただいま大山委員からいろいろご質問ありましたけれども、私どもは、今回の再編整備計画は、いわゆる地下鉄、鉄道とバスとのネットワークというような観点から、より効率的であり、そしてまた私どもの長期的、安定的に都営交通事業というものを維持していく、そういう観点から、今回、大江戸線の開業等もございまして、そういった資源の適切な配分ということも考えながら、より本当に都民の多くの皆様方に、都営交通がこれから先ずっと存続し続けていくための方策として、今般見直しをさせていただいたものでございまして、お話の、決して私どもは、高齢者の方々を何かするというような視点からやっているつもりは毛頭ございません。
先ほど担当部長も申し上げたとおり、可能な限りこれからもそういったことを踏まえながら、しかしこれは片方ではやはり財政という問題もございます。こういったことを踏まえながら、これからも多くの利用者の皆様方、これは何もこんなことをいっては大変失礼かとは存じますけれども、都区内の多くの利用者の皆さん方おられるわけでございまして、こういった多くの大局的なところから、都営交通というものをこれから先も維持していくという観点からやらせていただこうというふうに思っておりますし、私どもは、そうしてこの都営交通というものをちゃんと安定的に維持していくというつもりでこれからもやっていきたい、こんなふうに思っております。
○大山委員 切る視点で考えているんじゃないんだからということだったら、きちんともっと謙虚に、区だとか区長だとか区議会の意見を聞くべきですよ。
それで、ちょっと角度を変えないと、もう行ったり来たりで仕方がないので……。そうしたら、だれもが気軽に移動できるようにする、これは自治体の仕事だと思いますけれども、どうですか。
○久保田経営企画室長 このたび十一月十五日に施行されることになっております国の方のいわゆる交通バリアフリー法では、交通事業者としてもバリアフリーに対して努力をすることが義務づけられております。したがいまして、自治体としましては、鉄道施設あるいはバス施設についても、バリアフリーに向けて努力をしていくべきことだと考えております。
○大山委員 当然のバリアフリーというのは、段差解消だけじゃないんですよ。だれもが気軽に外に行きたい、行けるという気持ちを持てるようにする、それから保障するというのが自治体の仕事じゃないですか。どう考えたって、今のやりとりだったら、自治体としての当然の役割を放棄しているというふうにいわざるを得ないですよ。どんどん歩ける圧倒的多くの人にとっては便利になるかもしれませんよ。しかし、それで切り捨てられる人を見て見ぬふりするというのは、自治体としての仕事の放棄だというふうに思います。
各区の区長だとか、それから区議会がどうしてそろって再検討してほしいといっているかといえば、都心区で高齢化率が高くなって、その上に使いやすい公共交通が次々になくなってしまう、都心区はもう存亡の危機だと、住民不在になってしまうではないかという危機感、これを実感しているんですよ。
私、コピーしてきましたけれども、これは東京都の、東京都環境白書二〇〇〇です。この中で、自動車依存社会からの転換という章があります。各国の状況を紹介しています。ロンドンでは、特に都市における自動車依存の縮小、それから財政支出の重点を、道路から公共交通へ転換する。それからパリも、一定の環境基準を超えたら、翌朝から交通規制を行い、パリ交通公団に属するバスや地下鉄が無料になる。アメリカでも、二十一世紀に向けた交通均等法がつくられて、環境重視や公共交通重視の流れは一層強まっていると。これは東京都が出した資料です。そこにそう紹介してあるんですね。これら九〇年代に始まった世界の流れとしては、公共交通を重視するという流れなんですよね。世界の流れから見ても、我々交通局がやろうとしていることは逆行だと思いませんか。
○久保田経営企画室長 今回、国のバリアフリー法で、交通事業者としても義務づけされた部分はございますけれども、これまでエレベーター、エスカレーター等、あるいは低床バスの導入につきましては、一般的な福祉施策の意味合いが強うございましたので、一般会計から、あるいは国から補助等いただいてやってきたところでございます。事業者として精いっぱいやってきたつもりでございますが、これからも財政状況等を勘案しながら、国の施策の実施に力を尽くしていきたいと思っております。
○大山委員 世界の流れは公共交通網を、だれでも、高齢者でも−−都心の中は大体無料にするとかという都市が多くなってきているんですよね。にもかかわらず、東京都がやろうとしていることは、都心を本当に移動しにくい都市にしてしまう方向に行っているんじゃないかということをいっているんです。それで世界の流れとは逆行じゃないですかって聞いたんですけれども、どうですか。
○久保田経営企画室長 東京都の場合、特に日本の場合ですけれども、諸外国の都市の場合は、交通を一元的に管理する団体がございますけれども、我が国の場合には、とりわけ交通事業者にそれぞれ独立採算制で事業を進めなさいということを原則としてきましたので、現在も、例えば地下鉄でいいますと、営団と私どもと二元的になっております。
ただ、私どもは、利用するお客様の立場から、少しでもサービスを一元化できないかということで考えております。
○大山委員 公共交通を優先して整備して、そして都心の中で、本当に車優先じゃなくて公共交通で、バスだとか地下鉄だとかを利用しながら、高齢者だって疎外されるようなことがないようにしなきゃいけないんだということを、各区も区議会も区長も望んでいるんだということなんですよね。とりわけ都心区が空洞状態になっちゃうんだということなんです。
こうやって、各区も区長も、それから区議会も納得していないという状況の中で、認可申請を提出したというふうに聞いたんですけれども、いつ申請したんですか。
○木村自動車部長 今般の再編整備計画にかかわります認可につきましては、書類が整い次第、逐次監督官庁の方へ申請をさせていただいておるところでございますが、十月十三日に申請したものが第一弾でございまして、その後、逐次書類整い次第申請を進めさせていただいている、そのような状況でございます。
○大山委員 これだけ再検討してほしいという声が多い中で申請すること自体、それぞれの自治体の自主性も無視しているし、都民の状況も無視しているものだというふうに思いますから、それ自体許せないことだというふうに思っています。私たちそれを聞きましたので、急いで、文京と港の出身の都議と、それからうちの参議院議員と一緒に、関東運輸局にきちんと協議が調うまでは認可出さないでくれと要請に行きましたよ。
東京都に対しては、その運輸局の担当者は、区だとかの意見は東京都を通じて聞くしかないんだから、東京都にきちんと聞いてもらうように指導しますというふうにいっていました。だから、きちんと区から出ている意見も重く受けとめて伝えていってもらいたいというふうに思います。
それから、確認しておきますけれども、交通局の意思があれば、たとえ認可がおりても、予定の十二月十二日に絶対そこで実施しなきゃいけない−−交通局の意思があれば、おくらせることは可能ですね。
○木村自動車部長 認可がおりた後の変更というようなご質問かと存じますけれども、交通局の意思と申しますよりは、現行の道路運送法によりまして、認可がおりた後、天災、その他やむを得ない場合を除き、運輸大臣が指定する期日または期間内に実施しなければならないものとされているところでございます。
○大山委員 その期間というのは、どれぐらいですか。
○木村自動車部長 事案の内容によりまして、例えば、免許でありますと免許後四カ月とか、あるいは事業計画の変更にかかわるものですと認可後二カ月とか、いろいろ事案によって異なるところでございますが、一応、認可に当たりまして、監督官庁等からその旨の教示がある場合もございますので、一概には申し上げられないところでございます。
○大山委員 四カ月なり二カ月、しかし、これはおくらせることもというか、十二月十二日が絶対の日付だということではないということは明らかですし、自分で撤回すればそれはいいことですから、問題はないわけです。
一番影響を受ける文京、港、千代田、新宿というこの区は、区長も区議会も納得していないことが明らかになったわけですから、せめて、東京都が協議をするんだというふうにいっているわけですから、住民の代表である関係区の区長と議会との協議が調うまでは実施しない、それから変更もあり得るということぐらいの誠意は必要だと思いますけれども、どうですか。
○木村自動車部長 ただいまお話ございました誠意という点で申し上げれば、私どもとしては、実施日までのぎりぎりの期間、誠意を持って関係区と、ただいま先生からおしかりいただきましたような点も含めまして、誠意を持って協議してまいりたいと考えております。
また、時間的にどうしてもそれまでに調わない場合は、実施後においても引き続き協議を進めて、最も地域の皆様に喜ばれる都営交通としてまいりたい、そのように考えております。
○大山委員 協議が調わなくても、もう一方的に押しつけてやってしまうというのは、本当に都民からの信頼の問題になると思うんですよね。やはり交通局の信頼、それからみんなから親しまれる−−今まで親しまれてきたわけですから、それを一方的に乱暴にやってしまうということ自体、都民の信頼を裏切ることになります。だれもが移動する権利を保障するという自治体の立場からいっても、この計画については私は賛成することはできないという意見と、それから、きちんと四区と協議が調うまでは実施しないでほしいということを再度要望しておきます。
そして、もう一つだけ、CNGバスの導入について少し質問させてください。
資料をいただいているわけですけれども、二ページ目ですね。石原知事先頭に浮遊粒子状物質の害をいっているわけですけれども、そんな中でディーゼル車NO作戦だというふうに大上段にいっているわけで、とりわけ東京都が直接運営している都バスの排出ガスについては、都民の注目の的になっているといえると思います。浮遊粒子状物質が出ないCNG車は、今のところ現実的な、環境面からいっても、よりよい車両だというふうに評価しているんですけれども、交通局はどのように位置づけていますか。
○木村自動車部長 CNGの環境対策におけます評価というお尋ねでございますが、交通局といたしましては、環境対策の一環ということで、CNGに限らず低公害バスの導入に従来から積極的に取り組んでまいったところでございます。
お話のCNGバスにつきましては、軽油を燃料といたしております私どものディーゼルバスに比較いたしまして、窒素酸化物は六〇から七〇%、黒煙は一〇〇%低減されるという効果があるものといわれておりまして、他の低公害バスに比べましても低公害性にすぐれている、そのように評価しておるところでございます。
交通局といたしましては、このような評価を踏まえまして、低公害バスの導入に当たりましては、CNGバスを中心に、現段階で普及拡大を図っておるところでございます。しかしながら、CNGバスにつきましては、車両価格が一般車と比較いたしまして高額であること、あるいは天然ガスの充てん所が必要であること、また、その充てん所の維持管理費が高いこと等の課題を抱えておる現状もございまして、交通局といたしましては、今後、これらの課題解決に努めていきたいと、そのように考えておるところでございます。
○大山委員 車両価格が高いということですけれども、いただいた表を見ましても、更新する車両の数に比べて、CNGバスが非常に少ないわけですね。今年度は三両しか更新していないから三両だけですけれども、できれば更新する車両をすべてCNGで賄ってもらいたいというふうに思っているんですが、予算の出し方というか、補助の内容というのはどうなっていますか。
○木村自動車部長 CNGバスにかかわります国、一般会計からの補助制度についてでございますが、平成十一年度は、CNGバス等の低公害車の補助制度といたしましては、標準車との差額分を低公害バス補助金によりまして、国と一般会計からそれぞれ補助されたところでございます。
また、そのほか、DPF装置ですとか、アイドリングストップ装置等につきましても、一般会計から低公害バス導入補助金という項目によりまして、装着にかかわります費用等が補助されたところでございます。
○大山委員 せめて更新車両はCNG車でというのが順当なところだと思うんですけれども、昨年と今年度というのは、更新する車両が非常に少なかったですよね。その前は三けたですけれども、きっと来年度は多くなるんだと思いますが、多くなるときというのは、やはりCNG車をふやすチャンスだというふうに思っています。
交通局の会計は厳しいということですので、石原知事があれほど大々的にディーゼル車NOだというふうに宣伝しているわけですから、自分の頭のハエを追うということからも、一般会計から支出する割合を都独自に上乗せするように、交通局がきちんと交渉するべきだと思いますが、どうですか。
○松尾総務部長 今後、CNGノンステップバス等、環境にも優しい車両の導入拡大を図っていくためには、ただいまお話し申し上げましたように、車両価格の低減と補助制度の充実が必要であると考えているところでございます。このことから、国等の関係機関にも対しまして、低公害バスに係る補助制度の充実を引き続き要請してまいる所存でございます。
○大山委員 国にも、それから東京都の一般会計からもしっかりと確保して、せめて更新車両だけはCNG車でということを目標にしてやっていっていただきたいということで、終わります。
○前島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前島委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上をもちまして交通局関係を終わります。
○前島委員長 これより下水道局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料についての理事者の説明を求めます。
○藤井総務部長 過日の委員会におきまして要求のございました資料を五項目に取りまとめまして、公営企業委員会要求資料としてお手元に配布させていただいております。
その概要につきましてご説明を申し上げます。
恐れ入りますが、一ページをお開き願います。建設事業費の推移でございます。
平成二年度から平成十一年度までの十年間におきます建設事業費を、区部公共下水道並びに流域下水道に区分して、それぞれ記載をしております。
恐縮ですが、二ページに進ませていただきます。合流式処理区におけます都と市の処理区別建設費負担額の推移でございます。
都が実施いたしております流域下水道のうち、合流式下水道を採用しております処理区は、野川、北多摩一号、北多摩二号の三処理区でございまして、表は、平成二年度から平成十一年度までの十年間におきます処理区別の都と関係市の負担額の推移をお示ししております。
三ページに進ませていただきます。下水道工事の中小企業の受注状況でございます。
資本金一億円以下、または従業員三百人以下の会社を中小企業分として、平成七年度から平成十一年度までの五年間におきます下水道工事の受注状況を、局全体の内書きとして記載をいたしております。
四ページに進ませていただきます。雨水整備クイックプランの内容と着手状況でございます。
雨水整備クイックプランは、近年の局所的な集中豪雨による浸水被害の実態等を踏まえまして、平成十二年三月、このような浸水被害を軽減させる効果をできる限り早期に発揮させるため策定をいたしました。対象地区を、重点地区二十五、小規模対応箇所七十七におきまして、さらに地元の区等の連携を強化いたしまして、それぞれの地域特性に対応した対策を実施していくこととしております。
平成十二年九月末の着手状況でございますが、重点地区、小規模対応箇所合わせまして、八四%となっております。
五ページに進ませていただきます。下水道管理用光ファイバーの整備状況と敷設費用でございます。
下水道管理用光ファイバーは、下水道管渠内の水位や流量の計測、施設の遠方監視制御などを実施するための情報伝達手段として、昭和六十一年度から整備をしております。平成十一年度までの整備状況でございますが、表に記載いたしましたとおり、敷設延長約四百七十キロメートル、敷設に要した費用は約百七億円となっております。
以上で資料についての説明を終了させていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○前島委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、事務事業に対する質疑を行います。
発言を願います。
○田村委員 昨年の十一月の公営企業委員会において、多摩地域の下水道で普及がおくれている檜原村や奥多摩町の技術支援について質問したところであります。その後、普及促進に向けてかなりの進展があると聞いているのですが、そこで関連して伺いたいのであります。
平成十一年度末に檜原村が流域下水道に編入する計画が決まり、事業が始まった。檜原村と同じように、奥多摩町も流域下水道への編入を要望していると聞いているが、奥多摩町の方はどうなっているのか、ひとつ伺いたいのであります。
○前田技術部長 奥多摩町の要望を踏まえまして、下水道局では、平成十一年度に調査を行いまして、その結果、多摩川の水質保全や費用対効果の面で、流域下水道に編入することが最もよいという結論を得ました。
この調査結果を踏まえまして、主管局の都市計画局では、町の中心部の奥多摩処理区につきまして、流域下水道の多摩川上流処理区へ編入することといたしました。このたび、多摩川上流処理区を構成する関係市町からも、基本的に合意する旨の回答を得られたと聞いております。
○田村委員 ところで、多摩地域では浸水被害がかなり広範囲で起きております。雨水対策は緊急の課題であります。しかし、多摩地域には内陸部に川がないので、二市以上にまたがって、広域的な雨水排水計画を立てなければならない事情であります。中でも、浸水被害が顕著な青梅市、羽村市、福生市にまたがる地域及び小平市、東久留米市、東村山市の三市にまたがる地域においても、流域下水道による雨水排水計画が立てられている現在、事業がどのように進んでいるか、その進捗状況をお伺いしたい。
○前田技術部長 青梅、羽村、福生の三市を流域とします多摩川上流雨水幹線の進捗状況につきましては、計画延長七・三キロメートルに対しまして、平成十二年度までに約四割が完成する予定でございます。平成十五年度末の完成を目指し、事業を推進してまいります。
一方、小平市など三市を流域とする雨水幹線につきましては、計画延長七・五キロメートルに対しまして、平成十二年度末までに約六割の区間が完成する予定でございます。
○田村委員 私の地元でも、福生の方でございますが、流域下水道雨水幹線が早期に完成することを市町民は非常に願っておるのでありますが、早く効果を発揮する計画はないのかということでございます。また、事業を進めるに当たり、都が取り組んでいる具体的なコストの削減策はどうなっておりますか、伺いたい。
○前田技術部長 多摩川上流雨水幹線につきましては、全体の完成は平成十五年度末となります。地元からの強い要望を踏まえまして、平成十二年度に工事が完了いたします最下流部で、福生市の一部の地域の雨を取り込み、平成十三年度より利用してまいります。
その他の工区につきましても、工事が完了した箇所を雨水貯留管として活用するなど、検討してまいります。
次に、事業を進めるに当たってのコスト縮減策につきましては、建設コスト縮減に関する行動計画を策定しまして、具体的にはシールド工事の二次覆工を省略することや、立て坑の数を減らすことなどでコスト縮減に努めているところでございます。
○田村委員 流域下水道は都民の生活に深いかかわりがある事業でありますが、その意義を都民にもっとよく理解してもらうことが重要だと考えます。先般、多摩川上流雨水幹線の工事現場において、地元の小学生がトンネル内に壁画をかいたりする活動が評価され、建設大臣から表彰を受けたと聞いておりますが、これからもこのような都民とのコミュニケーションを大いに進めるべきと考えるが、本部の取り組みについてお伺いしたい。
○萩原管理部長 流域下水道事業を進める上では、都民の理解と協力が不可欠でございます。そのためにも、都民とのコミュニケーションは非常に大切であるというふうに考えております。先生のお話にございました建設大臣賞を受けたトンネル内の壁画につきましては、職員提案制度で出されましたアイデアをもとに、地元の方々のご協力を得て、小学生の皆様が描いたものでございます。
今後も流域下水道事業への理解を深めていただくため、地元町会や学校などと協力いたしまして、さまざまなイベントを開催し、地域住民とのコミュニケーションをさらに充実してまいりたいというふうに考えております。
○たぞえ委員 私は、雨水整備クイックプランについてお伺いいたします。
ことしの九月の東海豪雨による災害の問題を検証した建設省の都市型水害緊急検討委員会が、最終提言をまとめました。類似の水害が、東京、大阪など大都市でも今後起こり得ると想定して今後の対策に生かすのが、この検討委員会の目的であります。
昨年八月二十九日、東京など首都圏を中心とした豪雨で、港区の港南で一時間に一二四ミリ、目黒区の上目黒で八五ミリ、大変な記録的な大雨を記録しました。九〇年代に入って、こういう時間雨量七五ミリを超える集中豪雨が、今、全国的に多発をしているところです。私たちも含めて、これまでの大都市の災害は主に地震に目を向けていましたけれども、都市地域の防災計画は、今後、都市の水害計画にも視野を向けるという発想の転換が大変大事になってきているというふうに思っています。
昨年のこの集中豪雨でありますが、浸水被害のエリアは、実態はどのように把握をされているんでしょうか。
○大矢施設管理部長 十一年度の浸水被害の状況でございますが、七月から十月にかけまして七回の大雨が発生しており、浸水被害が発生しております。二十三区のうち十八区にわたりまして、床上、床下浸水合わせて三千五百棟の浸水被害が発生しております。
○たぞえ委員 地表がビルや住宅地、それから舗装で占められたのが大都市の象徴です。こういうところに豪雨が来れば、水の行き場がなくなって、大規模な浸水を招くのは明白なわけです。今いわれた地域でありますけれども、浸水戸数は、おおむね地域としてはどのぐらいの数になるんでしょうか。
○大矢施設管理部長 地域についてお答え申し上げます。
三千五百棟の浸水被害は都内の十八区に分布をしておりまして、細かく地域分けすることは難しいわけでございますけれども、十八区にわたりまして浸水被害が発生しているということでございます。
○たぞえ委員 十八区はわかりましたよ。水の固まりが発生したところでおおむねどのぐらいだと聞いているんですから。わからないんですか、それとも調べてないんですか、どっちですか。
○大矢施設管理部長 具体に三千五百棟を細かいエリアに分けるということは非常に難しいかと思います。下水道の対策という意味合いで、強いて単位を分けますと、二十五地区というふうになると考えております。それ以外は、かなり点在したところで発生しております。
○たぞえ委員 この夏の水害は、私の地元の世田谷区の用賀地域でも道路いっぱいに水が集中して、ほぼ十五センチの水位を記録しました。そのために、床上十一棟、床下三棟、商店会でありますので、あっという間に店先に水が入ってきたと。どういうふうにも手だてをとることができなかった、そういう地域が都内に数多く点在しているのが二十五カ所ということだそうです。その地域の一つ一つにどう対応していくのか、また、そのときだけではなくて、それ以前にもあるわけでありますから、調整機能を高めておく、これが下水道局の大変重要な責務だというふうに思うんです。
そこで、雨水の流出量が増大をしている地域に対処するために、この被害地域への対策が緊急に求められていると思いますが、下水道局は今どういう対策をとられているんですか。
○鈴木計画部長 緊急な改善についてのお尋ねでございますが、昨年までの浸水被害の実態を踏まえまして地域を重点化し、重点二十五地区などを選定いたしました。これらの地区につきまして、雨水貯留管の整備やますの増設など、それぞれの地域特性を踏まえた多様な対策を組み合わせまして、浸水被害を早期に軽減させる雨水整備クイックプランを策定しております。
○たぞえ委員 今いわれた重点地区のうち、今年度では、幾つの地域がこの浸水対策で万全な体制が確立するんでしょうか。
○大迫建設部長 重点地区二十五地区のうち、平成十二年度に完了いたしました地区は二地区でございます。
○たぞえ委員 では、残りの箇所は一体いつまでに行うんですか。
○鈴木計画部長 雨水整備クイックプランの残りはいつ行うのかということでございますが、これにつきましては、可能な限り早期に着手する計画でございます。
なお、対策の中には大規模な対策も含まれておりまして、対策期間が十年に及ばざるを得ないものも含まれております。
○たぞえ委員 十年以内ということでありますが、十年というのは大変長い年月でありまして、その地域にとったら、我慢をしなさいと。我慢といっても限度があるわけです。やはりこのスピードでいいのかどうかというのはあると思うんですよ。長期的な事業期間がかかる箇所もあるけれども、効果的に行えば、例えば水害対策の手法を、例えば貯留槽をつくる方法でいくのか、それとも浸水箇所に雨水管をつなげて、その水が随時流れ込む仕組みをつくるのか、方法によってはその期間の短縮ができると思います。そういう効果的な事業対策を講ずるべきだと思うんですが、どうですか。
○鈴木計画部長 十年は長過ぎる、効果的な対策はないのかというご質問でございますが、雨水整備クイックプランにつきましては、おおむね五年以内で効果が出る短期的な対策を主体といたしまして、これよりも長くかかる中期的対策を組み合わせているというものでございまして、迅速かつ効果的に浸水被害を軽減させるべく計画して、対策を講じているところでございます。
○たぞえ委員 ぜひ短期でですね。豪雨というのは、あした降るかもしれない、今から降るかもしれない、全く予想できないものです。しかし、暮らしを営んでいる人たちにとってみれば、一気に降ったときの一気な被害というのは膨大なもので、これを未然に防ぐことは、やはり政治の力だというふうに思います。
現在、二十五カ所が指定されていますが、果たしてこれで、全部クリアすれば東京の水害は解決するのかというふうに考えますと、そうではないんじゃないか。横山局長は最近の「都政新報」でも、この問題に大変関心を持っておられるようで、この重点整備計画、一層頑張りたいというふうな決意を持っているようですが、地区の追加指定というのはあり得るんだと思いますが、どうなんですか。局長じゃなくて結構です。
○鈴木計画部長 地区の追加についてのご質問でございますが、ことしの集中豪雨によりまして浸水被害が発生した地区につきましても、浸水発生の原因の分析を行いまして、緊急性を勘案し、さらに、地域特性に合った効果的な対策を雨水整備クイックプランに追加していくこととしております。
○たぞえ委員 今回の教訓を生かす上で、自治体による水害の情報のキャッチ、また住民への情報提供、この両方が円満に一致できる仕組みづくりは大変大事だと思います。先ほど答弁がありました二十五カ所ほかたくさんの箇所があるわけですが、こういう地域に住んでいる方々に、この地域の水害の特性というんでしょうか、そうした事態になった場合にどう対処するのかという事前の情報提供というのがかぎだと思います。
ただ土のうを積むとかという話ではなくて、やはり行政が一定の解決策をきちんと行使することと、住民サイド自身も水害に強いまちづくり−−例えば路上の排水溝がごみで詰まっていたと。やはりこれは商店会としても大いに取り除く努力をしていく、そういう取り組みが大事だと思うんです。その上でハザードマップ、水害が起こったらこうなるぞ、これに対する知恵はこうみんなで出し合って、行政もこう手助けをしていくと、こんな住民への周知がどうしても必要だというふうに思います。単なる工事ではなくて事前の住民参加による対策、こういう点での方法は、局としてはどのような考えでいらっしゃいますか。
○鈴木計画部長 地元要望についてのお尋ねでございますが、雨水整備クイックプランの策定に際しましては、従来からの地元区等の要望を踏まえるとともに、地形条件あるいは既存の雨水排水施設の能力などを加味いたしまして、効果的な対策を選定してきたところでございます。
なお、工事に先立ちまして実施する住民説明会の中でも、住民の皆様のご理解を得られるよう努めているところでございます。
○たぞえ委員 質問と全然違うことをお答えいただいているんですが、どの特定の地域でなくとも、そういう水害地域の住民に対しては、やはり事前に、これだけの時量、雨が降れば、こういう水害が発生しやすい地域なので、それに必要な知恵と行政の手だてはこうですよと、こういう情報提供を行政として行うべきではないかということなんです。もう一度お願いします。
○鈴木計画部長 行政として十分に情報提供を行うべきである、ハザードマップ等を作成すべきであるというご趣旨でございますが、私どもといたしましては、雨水整備クイックプランの作成に当たりまして、浸水の状況、被害の状況等につきまして、地元区等と十分連絡を図ってきておりますし、今後もそのように情報連絡を密にしてまいりたいと考えております。
○たぞえ委員 では、もうちょっと具体的に伺うんですけれども、二十五カ所のうちの先ほどいいました、地元で申しわけないんですが用賀地域なんですけれども、高台から一気に水が流れ込んでくる、その低地がまさに商店会なんです。その商店会の真ん中にはバス通りが走っている。ですから、車両通行にも大変な妨げになっているのがこの地域です。
ところが、今、部長が区とも協議をしてとおっしゃいましたが、この地域の道路について、世田谷区が道路舗装工事を行いました。平成元年、そして平成十年、平成十一年、かなりの時間をかけまして、おおよそ一・二キロ区間の水害地域の舗装をやり直したわけです。そこには当然、水を地下の下水管に吸い取るためのさまざまな工夫がされています。
例えば、マンホールのふただけではなくて、四つ角それぞれに長さ四メートルほどの排水板を置いたんですね。ですから、車道に水が集まる手前で、そのふたに全部水が入り込んでいく、こういう仕組みづくりに区が取り組んだ。この道路舗装が全部終わって、本当にきれいな道になりました。商店会も喜んでいるんです。
ところが、その後、水害がまた発生して、下水道局は、クイックプランでそこを重点計画地だと、これからヨイショ掘り起こそうというわけです。かなりのお金をかけてつくった道路を、もう一回掘り起こすと。これは住民感情からいったら、税金のむだ遣いだといわれますよ。なぜ道路舗装工事の際に−−そのときもう水害実績はあるわけですから、行政と力を合わせて、道路舗装と、雨がたまる道路に雨水管を引っ張っていって本管まで水を流してあげる、なぜ一体として取り組めなかったのか。これは行政と行政の調整のまずさの最大のあらわれ方ですよ。私はそれは税金のむだ遣いだと思います。その後も起こっているわけですから、水害が。こんなにきれいになった道路をまた掘り返すわけにいかない、これが市民感情じゃないですか。
ですから、雨水整備クイックプランがあってもなくても、そういう水害地域に対しては、地元行政と協力をして事前に策を練って、必要な手だてをしっかりとり切る、そういう都の責任があったのを怠ったんじゃないですか。いかがですか。
○大迫建設部長 雨水整備クイックプランの実施に当たりましては、道路工事調整協議会などの場を通しまして、世田谷区とも調整しながら事業を実施しております。今後とも、道路管理者である区とさらに連携を深めながら、効率的で効果的な対策工事を実施してまいりたいと思っております。
また、当該の用賀地区につきましては、一応、現在舗装されておりますので、極力その舗装状況に影響を与えないような工法で、例えば推進工法とか、そういう方法を使って雨水対策を進めてまいりたいと考えております。
○たぞえ委員 私は、水害対策をやっちゃいけないといっているわけじゃないんですよ。やる必要がある重点地区なんだけれども、世田谷区が行おうとしている道路整備の中には、雨水排水もしっかり組み込まれているんです。なぜそれに下水道局がしっかりかめなかったのか。雨水整備クイックプランがあったからエンジンがかかったと、これじゃだめなんです。既に水害を何度も経験している地域なんだから、本当に腰が入ってないという、今までの−−そういうことをいいましたら、クイックプランが出たって、本当にやってくれるのかなってみんな思いますよ。だから、区との協議とおっしゃるけれども、協議、協議といいますけれども、先ほど都バスの質疑が交通局でありましたが、協議したつもりが、実際は魂が入ってない、こういうことになりかねないようにやっていただきたいと思っています。
もう一つの具体的な問題ですが、同じく世田谷区の桜丘で恐縮なんですけれども、ここは、大変な高台に面した斜面に住宅地が張りついています。これまで、用水路がありまして、近くに住む地主さんは、この坂の上から流れてくる水は容量を超えてあふれてしまうんだ、こういって、区に改善を求めていました。区の方も、その用水路にふたをして−−ふたをすれば何でも水が出てこないと考えたんでしょうか、きれいにふたをしてしまった。それでも水があふれて、最近売り出した建て売り住宅は、地下にガレージがあるために、豪雨になるといつも自動車が水没をする、恐ろしいところに住んでしまったと、こういう感想でありました。
私は、その地主さんに教えてもらいました。今、その山から落ちてくる水は(図面を示す)この用水路を通って、こう流れてくるわけです。ところが、もう一方の用水路がありまして、合流地点で水同士がぶつかり合います。直線で流れてくる部分についてはすんなり下流に向かっていきますが、横から来た水は、この直流に遮られて流れません。ですから、この水があふれていくという仕組みなんです。
これを解決しないと、幾らほかの手を講じても、幾ら貯留槽をつくっても、この流れが変わらなければ政治が変わらないとよくいいますけれども、その地主さんがおっしゃっていますのはそうではなくて、この横から流れてくる用水路を少し下に下げてあげる。こういう形ですね。そうしますと、直進する水と横から来る水がお互いにぶつかり合いをしないで合流していける。こういう工夫があれば、すぐにでも水害対策は解決できる、このようにおっしゃっているわけです。
私はそのお話を聞きまして、道理があると。これはそんなにお金のかからない仕事じゃないか。いわばこの部分だけですね、この直線でぶつかるところからわずか三、四メートル、この区間の向きを変えてあげることで解決するというふうにおっしゃっていることは、本当に大事なことだと思うんです。
こうした住民型の提案、住民が長く住んで、いつも水害に遭っているから、こうやれば解決すると、こういったやり方ですね、これもこのクイックプランの方法の中に取り込んでいくというのが大事だと思うんです。行政プランそれだけというシステムでは、大変莫大な事業費もかかりますし、先ほど計画部長がおっしゃいました、年数がかかる、こういうことも大いに改善するためにも、現行の水路を改善することによって水害を極力軽減していく、こういう手だても事業選択枠としては可能性が高いと思うんですが、どのようにお考えでしょうか。
○鈴木計画部長 ただいま図面をお示しいただきまして、合流点のところが上流側に向かって直角に交差していることが浸水の原因ではないかということで、実は私も現地を見まして、おっしゃるとおりの状況でございました。しかし、この水路の建設、維持管理につきましては区の事業でございまして、私どもといたしましては、この用水路の不足分につきまして下水道管を整備し、抜本的な整備を進めるというのが雨水対策としての務めでございますが、区に対しまして、現在お示しいただきました情報を早速情報交換いたしまして、善処するように対策を講じてまいりたいと考えております。
○たぞえ委員 ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
この地域だけではなく、東京の重点二十五カ所も同じようなケースで水害が起こるというふうには思いません。いろんなケースがあると思うんですね。ですから、一つの方法、本管の入っているところに雨水管を引っ張っていって水をお迎えしてあげるというやり方もあるでしょうし、貯水槽をつくる場合もあるでしょうし、または雨水管を大きくすることもあるでしょうし、いろんなケースが、ケース・バイ・ケースであります。これはやはり地元の自治体や地元の町会などの声もぜひ聞いてほしいし、説明会では一方通行という−−水は一方的に流れますが、心は一方通行であってはいけないと思います。ぜひ住民のそうした経験も聞いていただきたいと思います。
そういうことで、水害対策というのは−−災害であるという、その立場で発想をぜひ転換をしていただいて、都市のもろい今の実態を解決するために必要な手だてを、ぜひ地元行政自治体とも協力して進めていただきたいということを申し上げて、終わります。
○中山委員 せっかくの機会ですから、何点かお伺いをしたいと思います。
今、下水道の本来業務のほかに、光ファイバーだとか、あるいは熱利用だとか、いろいろあるわけでありますけれども、下水の再生水の活用、これも大変に重要な課題ではないかと思うんですが、まず、再生水の活用の現状を簡単に説明していただけますか。
○藤井総務部長 下水処理水の再利用についてでございますが、当局におきましては、それぞれの処理場等におきます施設や設備などの冷却水あるいは洗浄水として活用しておりますほか、城南三河川や野火止用水などの清流復活用水として、また、新宿副都心を初めとするビル等へのトイレ用水の供給として、多様な用途に活用しているところでございます。
平成十一年度におきます再生水の利用状況は、一日当たり五十万四千トンでございまして、全処理水の九%に相当するものとなっております。用途別では、先ほど申し上げた処理場内でのいわゆる活用は四十万トン、清流復活用水が九万八千トン、ビル等への中水の供給が六千トン、このようになっております。
○中山委員 ちょっと局長にお伺いをしておきたいんですが、再生水活用の意義といいますか、下水道局の位置づけですね、その辺のところはどのようにお考えですか。
○横山下水道局長 再生水利用の意義についてのお尋ねでございますけれども、下水を処理した再生水につきましては、豊富にありまして水質も安定しているということから、トイレ用水や散水などに有効活用するほか、都市河川にも供給いたしまして、水と緑ある水辺空間を創出することにも活用してきております。
快適で安全な水環境の創出を目指します下水道事業におきましては、この再生水を大切な資源といたしまして、節水型都市づくりや水辺環境づくりなど、多様な用途にも利用することとしておるところでございます。このような意義のもとに、今後とも、この利用拡大を図ってまいりたいと考えております。
○中山委員 大変意義があるわけでありまして、先ほど総務部長から、利用が今九%と、そういう話がありました。これからも利用拡大をしたい、そういう局長の決意でありますけれども、一体何が利用拡大しないネックになっているのか、それから今後どういう展開をしていくつもりなのか、その辺をあわせて伺いたいと思います。
○藤井総務部長 再生水の活用が、先ほど申し上げたように九%にとどまっている理由として幾つかございまして、一つは、供給地域が限定されるという問題がございます。再生水の利用事業は、下水道本体の事業の収支にマイナスを与えることはできません。また、水道水とのいわゆる価格の競合の問題もございます。そのため、採算ベースを考えますと、やはり処理場の近辺で需要が集中する地域に供給がどうしても限定されてしまうという問題が一点ございます。
それから、いわゆる利用者の方から見ると、ビル内の配管等におきまして二重配管等の必要性が出てまいりまして、施設整備の費用がかかってまいります。こういったことをクリアするためには、やはり金融財政上の助成措置等も国等へ要求、要望していかなければならないと考えております。
それから三点目には、先ほど申し上げたように、今、トイレ用水等の供給という極めて限定的な用途でございまして、これらの用途の拡大もネックの一つになっておるところでございます。
これらの問題への対応でございますが、一点は、私どもは再生水供給の事業区域におきまして、建築計画等の情報をきめ細かく収集いたしまして利用を促すとともに、また、既設のビル等についても、設備の更新時等において、そういった切りかえをお願いしていくように努めております。
また、当局事業でそういった再生水の供給事業を進めるに当たりましては、都民や事業者の理解と協力が不可欠でございます。当局といたしまして、水リサイクルセンター等でPR等も行っておりますが、それらの充実も図っていく必要があると考えております。
さらに、安全で廉価な供給を、いってみれば継続的に可能にする水処理技術の開発もなお一層進めていかなければならない、かように考えております。
○中山委員 資源循環型の社会ということを考えたときにも、再生水の活用というのは非常に重要じゃないかと思うんですね。ぜひ拡大をさまざまな形で進めていただきたいと思います。
ところで、これが本題になるんですが、城南の都市河川の清流復活事業、これは私事になって大変恐縮なんですけれども、私は昭和六十年に初めて当選をしてまいりまして、六十一年の第一回の定例会で、非常に目黒川の汚染がひどくて、そこで私、下水道の再生水を目黒川に押し流したらどうだと、こういう提案をいたしまして、当時の有山建設局長が、これはぜひやりたいという方向でマスタープランをつくると。こんな経緯がございまして、私にとって大変思い入れのある、一つの政策というか施策だったわけでありまして、その辺からいいまして、ひとつ経過を振り返って、どれだけ予算を講じて、城南河川に送水をした−−どういう手法でやったのか、基本的なことになりますけれども、改めてお伺いしたい。
○鈴木計画部長 清流復活事業に至る経過、予算の投入についてのお尋ねでございますが、まず、経過についてでございますが、城南三河川の清流復活事業は、水源を失った河川に新たな水源を求めるという中で、渇水時にも安定的に供給できる水源として下水の高度処理水を利用するものでございまして、建設事業は、下水道局が環境局から受託して行っているものでございます。
また、清流復活事業は、清流を復活させるという公共性の高い事業でございますので、そういったことから環境局の事業ということで実施しているものでございまして、具体的には、事業に当たりまして建設局、環境保全局、下水道局で事業にかかわる協定をいたしまして、平成元年度から事業着手、平成七年度に通水したというものでございます。
次に、予算投入についてでございますが、平成元年から平成七年までの七年間に投資いたしました事業費は、約二百八億円でございます。財源といたしましては、国からの補助金が八十二億円、残り百二十六億円が一般会計の負担ということでございます。
○中山委員 盛んに環境局ということをいっておりますけれども、環境局が所管の局だということは、私も十分に踏まえております。その上であえて聞いているわけでありますけれども、膨大な予算をかけてやった事業であります。その事業の結果も、通水をしてから目黒川に魚、ボラが遡上したとか、いろんな話題もあります。若干夏はまだにおいがありますが、大変、ある意味での効果が出てきたのではないかなという思いで私はおりました。
ところが、この事業の見直しがこの四月から行われたわけであります。その事業の見直し、どういう内容なのか、もう一度お聞かせをいただきたいと思います。
○大矢施設管理部長 事業の見直しの内容でございますけれども、十二年度の予算は、前年度、十一年度の予算に比較いたしまして約三千百万円の削減がされました。これを受けまして内容を検討しました結果、環境局の要請によりまして、送水量を計画水量に対しまして五〇%といたしまして、四月から実施しております。
○中山委員 環境局の要請かどうかわかりませんけれども、予算を削っちゃった。わずか三千百万であります。これに対して、当然のことながら、関係区からいろんな要望があったと思うんですね。その辺の要望というのは、どういう内容か踏まえておりますか。
○鈴木計画部長 関係区からの要望ということでございますが、送水量を減らして間もない平成十二年、ことしの五月に、港、品川、目黒、大田、世田谷、渋谷区の関係六区で、送水量の一〇〇%回復を求める要望書が知事に提出されております。
また、同様の趣旨で、九月十九日に目黒川を豊かな生活環境にする会より、都議会正副議長への要望活動がございました。
○中山委員 十二年の十一月には、目黒川浄化対策三区連合というところからも要望書が出て、同じような趣旨で、多少の配慮はしていただいたようでありますが、しかしながら、もとへ戻してほしいというのが、一〇〇%の送水を、従来の送水をしてほしいというのが、関係区並びに住民の皆さんの要望であります。一六%の削減、わずか三千百万円であります。一六%の削減をするというのは、一体それによって、下水道局は落合の処理場で何をどうやったんですか。三千百万円の削減によって何をしたのか。
○大矢施設管理部長 先ほどもご説明申し上げましたけれども、三千百万円の削減の中身としましては、計画量を五〇%にするということでのポンプの運転動力の削減並びに関係経費の削減ということになっておりまして、それに対応いたしました運転管理、送水を行ったところでございます。
○中山委員 要するに、ポンプを一台とめたんでしょう。
○大矢施設管理部長 具体の運転操作といたしましては、二台のポンプがございまして、一〇〇%のためには二台が動くということで、一台をとめまして五〇%の送水にしたということでございます。
○中山委員 私は、大変かわいそうなことをしたものだと思うんですね。これは、品川区の目黒川のBODの経年経過というのをいただいてきたんです。それからこれは、環境局が出したBOD量の四月の変化とか五月の変化ですね。ずっと大体同じような数値が出ておりまして、平成七年に導入をいたしましてからBODがずっと下がって、大変魚がすみやすいような、そういう変化がきちっと出ているんですね。ところが十二年の五月から、要するに五〇%削減したときから、またカーブが上がっているんですよ。ですから、てきめんにこういう数字的な変化が、数値があらわれているんです。
それは、そちらにしてみればいろんないい分はあるかもしれませんけれども、しかし、環境局の調査も目黒川の調査も、こういうような同じような折れ線グラフの流れをたどっているんですね。ですから、ポンプを一台とめただけで、三千百万円だけでこんなになってしまう。これは、ある種大変−−それは所管が環境局というかもしれませんが、罪なことをしたなという思いが、私はしてならないんですよ。
余り長くやってもしようがないので話を進めますけれども、いろんな方々、関係の区とか目黒川浄化対策三区連合とか、そういう方々の要望について、下水道局としてはどういうふうに対応するのか、こたえていくのか、その点はいかがですか。
○鈴木計画部長 関係区、関係機関からの要望に対しての対応でございますが、今回、送水量の減少に伴いまして、当局といたしましても、建設局、環境局とぎりぎりの調整を行ってまいりました。河川への具体的な影響が少なくなるよう、夏の送水法に工夫を凝らす、あるいは維持管理を工夫するなどいたしまして、最大限の努力をしてまいりまして、水量増を図るように努めているところでございますし、今後もさらなる努力をしてまいりたいと考えております。
○中山委員 余り具体性はないね。関係の方々は、もう一度一〇〇%送水をしてほしい、こういう要望なんですよね。先ほども申し上げましたけれども、環境局が所管だということは重々承知の上で私も物を申し上げているんですが、それならば、先ほどもちょっと局長からも指摘がありましたけれども、私はこの事業が、下水道局の、こういうこともやっていますよという大いなるPRになると思うんですね。また、なってきたはずなんですよ。それから考えれば、申しわけないんだけれども、環境局というのは金がないんですよ。ですから、三千万円をPR代と思って、下水道局が負担してあげりゃいいんですよ。そのぐらいのことはできませんか。
○藤井総務部長 ご承知のように下水道事業は、公営企業として料金で賄っておるところでございまして、いわゆる特定の方に受益があるところについて料金で賄うというのは、考えとしてなかなか難しいところでございます。ただ、私ども、先ほど局長が申し上げたように、事業の中で最大限の工夫を凝らしまして努力をしていきたいというふうに考えておりまして、平成十三年度の予算の原案におきましても、施設の運転管理の中で工夫をいたしまして、平成十二年度、結果として行いました送水は確保できるような予算要求を行っているところでございます。何とかその予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○中山委員 要するに三千万円削減した、その予算の確保に努めているということでしょう。だから、もとに戻らないということなんだね、今の答弁は。私がいっているのは、要するに下水道局のPRとしてこれを−−専らいろんなところでこういうことをやってきたんだと、下水道はこういうことをやっているんですよと。したがって、それだけの下水道局もメリットがあったんだから、そんなものはPR代と思って出してやりゃいいじゃないか、こういうことをいっているわけですよ。
これ以上やり合っててもしようがないから、これは私の強い要望だというふうに受けとめておいてください。これから街頭演説に行きますけれども、そこはいいませんから(笑声)強い要望であるというふうにぜひ。これ、大井町で街頭をやるんですよ。
これでやめますが、もう一点だけ、最後に雨水整備のクイックプランなんですけれども、私も大変評価をいたしております。といいますのは、これは私が前の局長にも申し上げて、とにかく横並びの雨水対策はだめだ、そうじゃなくて重点的に絞ってやれ、そうしないと、いつもいつも同じ箇所が同じ被害に遭うんだと。いつも被害に遭うのは地元の五反田駅の周辺、これは必ずやられる。そのたびに私は、お見舞いに歩いてまいりまして、下水道局の皆さんにかわっておわびをしてくるんですね。相当怒られるんですよ、一体何をやっているんだと。目黒川の調節地もできたじゃないかと。あれはちょっと状況は違うんですが、同じようにひっくるめてとられる。それなのにまだ水が出るじゃないか、東京都は一体何をやっているんだということで、申しわけございませんですと、皆さんのかわりに私が頭を下げてきているわけです。
そんなことがありますので、手前みそで、勝手で申しわけないんですが、あの五反田の周辺は、クイックプランではいつごろまでにきちっとした整備をされるのか。まことに恐縮ですが、その辺のところを具体的に答弁していただいて、質問を終わります。
○鈴木計画部長 五反田駅周辺の対策といたしましては、東品川幹線流域の主要枝線の整備を既に完了しております。また、東品川幹線につきましては、完成した区間を貯留管として既に活用しているところでございますが、今年度末に完成する区間も加えまして、さらに暫定貯留量を増強し、浸水被害の軽減を図る予定でございます。
山手通り側についてでございますが、浸水被害を早期に軽減するため、品川区との連携を図り、鮫洲幹線の上流部、主要枝線を整備しているところでございます。
○前島委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
○前島委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で下水道局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時五十一分散会
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