公営企業委員会速記録第十三号

平成十二年十月十七日(火曜日)
   午後一時三分開議
 出席委員 十二名
委員長前島信次郎君
副委員長中西 一善君
副委員長池田 梅夫君
理事原   環君
理事高島なおき君
理事田村 市郎君
藤田十四三君
大山とも子君
たぞえ民夫君
小山 敏雄君
尾崎 正一君
中山 秀雄君

 欠席委員 一名

 出席説明員
交通局局長寺内 広壽君
技監堀内 俊夫君
総務部長松尾  均君
経営企画室長久保田経三君
職員部長佐伯 憲彦君
電車部長齊藤 春雄君
自動車部長木村 純一君
車両電気部長水元亜紀雄君
建設工務部長金安  進君
経理契約担当部長久保  大君
関連事業担当部長福田志津雄君
大江戸線開業準備担当部長帯刀  宏君
バス路線再編成・事業活性化担当部長坂上 信雄君
技術管理担当部長北川 知正君
水道局局長赤川 正和君
技監松田 奉康君
総務部長小泉 智和君
経営計画部長甘利 鎭男君
職員部長奥富清二郎君
経理部長二階堂信男君
営業部長古河 誠二君
浄水部長鈴木 三夫君
給水部長村元 修一君
建設部長町田  秀君
固定資産管理担当部長秋山  靖君
設備担当部長関根 勇二君
多摩水道対策本部本部長飯嶋 宣雄君
調整部長山根 朋行君
施設部長本山 智啓君
技術調整担当部長山田  弘君
下水道局局長横山 博一君
次長緒方 敏彦君
総務部長藤井 浩二君
企画担当部長時田 公夫君
職員部長阿部 健秀君
経理部長馬場 正明君
業務部長今里伸一郎君
計画部長鈴木  宏君
技術開発担当部長串山宏太郎君
施設管理部長大矢 爽治君
建設部長大迫 健一君
流域下水道本部本部長藤田 昌一君
管理部長萩原 英夫君
技術部長前田 正博君

本日の会議に付した事件
 水道局関係
  事務事業について(説明)
 交通局関係
  事務事業について(説明)
 下水道局関係
  事務事業について(説明)

○前島委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、当委員会に付託されております請願陳情については、お手元配布の請願陳情継続審査件名表のとおりでご了解をいただきます。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局、交通局、下水道局の順で事務事業の説明を聴取いたします。
 なお、本日は、説明を聴取し資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより水道局関係に入ります。
 初めに、水道局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○赤川水道局長 水道局長の赤川正和でございます。
 委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから当局事業につきましてご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
 当局におきましては、水道事業並びに工業用水道事業を所管し、都民の暮らしを守り、都市活動を支える基幹的な都市施設として安定給水に努めております。しかしながら、現在、安定した水源の確保、水質問題への対応、老朽化した施設の更新など、多くの課題を抱えております。
 私、微力ではございますが、職員とともに、全力を挙げて諸課題の解決に取り組みますとともに、健全な事業運営に努めてまいる所存でございます。
 委員長初め委員の皆様方には、今後とも一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 技監の松田奉康君でございます。多摩水道対策本部長の飯嶋宣雄君でございます。総務部長の小泉智和君でございます。経営計画部長の甘利鎭男君でございます。職員部長の奥富清二郎君でございます。経理部長の二階堂信男君でございます。営業部長の古河誠二君でございます。浄水部長の鈴木三夫君でございます。給水部長の村元修一君でございます。建設部長の町田秀君でございます。固定資産管理担当部長の秋山靖君でございます。設備担当部長の関根勇二君でございます。多摩水道対策本部調整部長の山根朋行君でございます。同じく施設部長の本山智啓君でございます。同じく技術調整担当部長の山田弘君でございます。次に、当委員会との連絡に当たります、参事で総務課長事務取扱の鈴木孝三君でございます。主計課長の小山隆君でございます。
 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○前島委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○前島委員長 これより事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○赤川水道局長 お手元に配布してございます資料1をごらんいただきたいと存じます。
 水道事業並びに工業用水道事業運営の基本方針についてご説明申し上げます。
 初めに、水道事業について申し上げます。
 都の水道事業は、明治三十一年に近代水道として通水を開始して以来、水源の確保、施設の整備拡充などに努め、都民生活や首都東京の都市活動を支えてまいりました。この結果、近代水道百年を経た今日では、ほぼ需要に見合う水源量と施設規模を確保するまでに至っております。
 しかしながら、水道事業を取り巻く環境を見ますと、長引く景気の低迷などの影響を受けて料金収入が伸び悩む中、施設水準の向上を初め、社会経済状況の変化や都民ニーズの多様化などに的確に対応していかなければならないという大変厳しい状況にあります。
 西暦二〇〇〇年という大きな節目に当たり、新しい世紀にふさわしい東京水道をつくり上げていくためには、量はもとより質の高い水道サービスを提供し続けていくとともに、何よりも水道財政の安定化を目指していく必要があります。
 このような状況を踏まえ、これまで以上に効率性を重視する視点に立って水道事業を経営していくため、本年一月に、新しい経営手法の導入や最大限の企業努力などにより、平成十五年まで現行料金水準を維持することとした水道事業経営プラン二〇〇〇を策定いたしました。これにより、料金水準を、平成六年から通算して十年間維持することとなります。計画の初年度に当たる今年度は、次の五つの主要施策を中心に、着実に事業を推進してまいります。
 第一に、施設整備事業の推進について申し上げます。
 都の有する水道水源の中には、河床の低下により取水が安定してできないものなどが含まれております。このため、こうした課題を抱える水源の解消や水源開発の促進などによる水源の安定化を目指していくとともに、水源県などとの協力関係を一層深めてまいります。
 また、都の水道施設は、昭和四十年代以前に建設された浄水施設が全体の七割以上を占めております。老朽化の状況などに応じて施設機能の維持向上に努めるとともに、事故時や震災時などにも対応できるよう、より信頼性の高い水道システムの構築を計画的に推進してまいります。
 さらに、近年、より質の高い水の供給を求める都民ニーズが高まっていることを踏まえ、高度浄水処理の導入や増圧直結給水方式の普及拡大などを推進してまいります。また、水質管理に万全を期すとともに、河川などの水質が水道水源として良好な水質に改善されるよう、国などの関係機関に強く働きかけてまいります。
 これらの施策に加え、有限かつ貴重な水資源の有効活用を図り、節水型社会を実現するため、都民の節水意識の高揚や大規模ビルなどに対する循環利用及び雨水利用の指導、促進を図るとともに、漏水防止対策を一層推進してまいります。
 第二に、生活に密着したサービスの推進について申し上げます。
 生活様式や社会環境の変化に伴い多様化、高度化する都民ニーズに的確に対応し、より都民に信頼され親しまれる水道を目指して、水道フレッシュ診断を初めとするさまざまなサービス施策を推進してまいります。
 第三に、地球環境の重視について申し上げます。
 地球規模での環境問題が深刻化する中、水道事業においても、創意工夫を重ねて環境対策に取り組んでいくことが求められております。こうした中、エネルギーの有効活用や資源のリサイクルなどの環境対策を積極的に推進してまいります。このほか、今年度から環境会計をモデル導入するとともに、水道水源林などにおいて、ISO一四〇〇一の認証取得を目指してまいります。
 第四に、新しい事業経営システムの導入について申し上げます。
 地方公営企業としての不断の経営努力が求められている中で、経営効率の一層の向上や財政基盤の強化を図っていくため、事業目標の数値化、経営手法の多様化、双方向的な情報公開の仕組みづくりなど、新しい事業経営システムを積極的に導入してまいります。
 さらに、今月三日に運用を開始した金町浄水場常用発電PFIモデル事業の評価等を踏まえ、PFI手法の適用範囲を一層拡大してまいります。
 第五に、企業努力の実施について申し上げます。
 民間委託の推進や組織の見直しなど、事務事業の一層の効率化や徹底した内部努力を行うとともに、創意工夫を重ねて、工事コストや諸経費を可能な限り縮減してまいります。また、資産の有効活用、未利用地の売却などにより、収入の確保にも努めてまいります。
 次に、工業用水道事業について申し上げます。
 都の工業用水道事業は、地盤沈下防止という行政目的のため、地下水揚水規制に伴う代替水を供給する事業であり、これまで所期の目的を十分果たしてまいりました。
 しかしながら、経営面におきましては、工場の移転、水使用の合理化等による需要の減少傾向が続き、料金収入が落ち込む一方、事業開始以来三十年以上を経過した施設の更新経費の増加が見込まれるなど、厳しい経営状況にあります。
 こうした中で、今年度においては、平成九年三月に策定した工業用水道事業経営改善計画の最終年度として、事務事業の着実な推進に取り組んでまいります。
 以上、水道事業並びに工業用水道事業運営の基本方針についてご説明申し上げましたが、両事業とも幾多の重要課題を抱えております。都民の皆様から両事業を負託された公営企業管理者として、これらの課題解決に向け、職員ともども総力を挙げて取り組み、現在及び将来の安定給水の確保に努めてまいります。委員長初め委員の皆様の一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。
 なお、事業の概要につきましては総務部長からご説明申し上げますので、よろしくお願いいたします。

○小泉総務部長 水道事業の概要についてご説明申し上げます。
 初めに、お手元に配布いたしました資料につきましてご案内申し上げます。
 資料は1から3まででございます。資料1は、ただいま局長から説明申し上げました水道事業及び工業用水道事業運営の基本方針でございます。資料2は、水道事業及び工業用水道事業の主要事項でございます。資料3は、東京都監理団体の運営状況でございます。
 資料は以上三点でございますが、このほかに、当局の事業概要、水道事業会計及び工業用水道事業会計の平成十二年度予算、水道事業経営プラン二〇〇〇のパンフレット並びに広報用パンフレット数種類をご用意いたしましたので、あわせてご参照いただきたいと存じます。
 それでは、事業の概要につきまして、資料2によりご説明申し上げます。
 初めに、水道事業についてでございます。
 一ページをお開き願います。水道事業の施設の現況を取りまとめたものでございます。
 まず、施設の規模でございますが、当局は、小河内ダム周辺及びその上流域に二万一千六百二十七ヘクタールに及ぶ水道水源林を管理しております。
 また、都は、水道専用の貯水池を四カ所保有しております。その総有効貯水量は約二億一千九百七十五万立方メートルでございます。
 次に、浄水場は十一カ所で、給水施設能力は日量約六百九十六万立方メートルでございます。
 主要な給水所は三十五カ所、増圧ポンプ所は十一カ所で、これらは給水区域内の水圧調整等、配水の均等化を図るための施設でございます。
 最後に、配水管でございますが、配水本管、小管を合わせまして二万三千八十八キロメートルを布設してございます。
 二ページをお開き願います。平成十二年度における業務の予定量でございます。
 年間の配水量は、区部、多摩地区を合わせまして十七億三百八十二万立方メートルで、日量にいたしますと四百六十六万八千立方メートルを予定しております。給水件数は、区部、多摩地区を合わせまして五百九十万九千件でございます。
 次に、当局の組織でございますが、本局に八部、多摩水道対策本部に二部となっております。また、事業所は、水運用センターなど五十カ所でございます。職員定数は、工業用水道事業を含めまして五千六百二名でございます。
 三ページをお開き願います。水道需要と施設能力、水源量をグラフでお示ししてございます。
 水道の需要量は、太い折れ線で一日最大配水量を示してございます。これに対応する施設能力は細い階段状の線で示してございまして、現在の施設能力は、日量約六百九十六万立方メートルでございます。また、水源量は細い階段状の点線で、現在確保している水源量は日量六百二十三万立方メートルでございます。この中には、河床の低下により取水が安定してできないものなど、課題を抱えているものが含まれております。
 四ページをお開き願います。東京都に関連する水源開発の進捗状況を一覧にしたものでございます。
 水源開発は、利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画に基づき、建設省及び水資源開発公団等が行っております。現在は、上段の利根川水系の四事業と下段の荒川水系の一事業、合わせまして五事業を実施中でございます。
 事業の完成予定は、この基本計画上の年度をお示ししておりますが、水源開発は、長い年月を要する上に、水源地域対策の困難さなどにより進捗もおくれがちでございます。
 国等からは、こうした進捗状況等も踏まえて、計画の見直しを検討していると聞いておりますが、水源施設の早期完成に向けた働きかけを行っているところでございます。
 五ページをお開き願います。本年一月に策定いたしました水道事業経営プラン二〇〇〇に基づく施設整備事業の概要でございます。
 まず、上段の水源及び浄水施設整備事業は、必要な水源を確保するとともに、朝霞浄水場の高度浄水施設の建設や山口貯水池の堤体強化工事など浄水施設の整備拡充などを行うもので、平成十二年度から十五年度までの総事業費は一千百八十億円でございます。
 二段目の配水施設整備事業は、水圧の均等化、漏水の防止、事故時や震災時の対策などを目的として区部の送配水施設を整備するもので、総事業費は一千七百七十億円でございます。
 三段目の多摩配水施設整備事業は、多摩地区の送配水施設の整備拡充を行うもので、総事業費は八百億円でございます。
 以上、三つの事業を合わせまして、三千七百五十億円でございます。財源は、企業債、国庫補助金、一般会計繰入金、その他自己資金などでございます。
 六ページをお開き願います。当局のPFIの取り組みについてでございます。
 まず、金町浄水場常用発電PFIモデル事業でございますが、今月三日に電力及び蒸気の供給を開始し、現在、順調に運用されております。本事業におきましては、透明性、公平性の確保はもとより、事業の優位性、経済性、リスク分担などが検証されたことから、PFIは有効な手法であると評価しております。
 このモデル事業に続き、PFI法に基づく事業の予定といたしまして、朝霞浄水場及び三園浄水場において、常用発電設備及び次亜塩素酸ナトリウム製造設備の建設及び運営などを対象にPFIを導入してまいります。事業者の選定に当たりましては、透明性、公平性を一層確保するため、学識経験者などの外部委員で構成する提案審査委員会を設置いたします。また、事業の確実かつ効果的な推進を図るため、アドバイザリー機能を導入いたします。
 なお、本日、当委員会終了後、朝霞浄水場、三園浄水場常用発電設備等整備事業へのPFIの導入につきまして、各報道機関等に発表を予定しております。
 七ページをお開き願います。多摩地区水道の一元化について取りまとめたものでございます。
 都は、多摩地区の水道に係る住民サービスや料金負担の格差是正及び給水の安定化などを図るため、都営一元化計画を策定し、順次統合を進めてまいりました。
 実施状況を中ほどの表にお示ししてございますが、本年四月に調布市が加わり、現在まで、統合対象二十九市町のうち二十五市町の水道を統合してまいりました。残る四市の水道事業につきましては、それぞれの市の状況に応じて、時期、条件等について個別に協議を進めてまいります。
 なお、三鷹市は統合の意向を示しており、平成十四年度の統合を目途として、今後具体的な協議を進めてまいります。
 また、統合市町の業務運営につきましては、区部との統一化や施設管理の一元化等の経営改善を推進してまいります。
 八ページをお開き願います。財政状況として、平成十二年度の水道事業会計予算をお示ししてございます。
 表の左側が収入、右側が支出でございます。
 左側の収入につきましては、収益的収入三千八百十三億九百万円、資本的収入一千二百九十七億四百万円で、収入合計といたしまして五千百十億一千三百万円でございます。
 次に、右側の支出につきましては、収益的支出三千六百六十億五千三百万円、資本的支出一千三百七十七億三百万円で、支出合計といたしまして五千三十七億五千六百万円でございます。
 資金の収支差し引きは、右側の下段にありますとおり、七十二億五千七百万円の剰余となっております。これに、企業債の満期一括償還制度の導入に伴い、企業債償還金の平準化を図るために必要となる八十五億円を差し引きますと、実質資金の収支差し引きは十二億四千三百万円の不足となります。
 九ページをお開き願います。平成十二年度から十五年度までの財政収支の概況でございます。
 平成十二年度は予算、平成十三年度から十五年度は計画を、収入及び支出の項目ごとに整理した表でございます。
 単年度の収支につきましては、表の右から二列目に記載してございますが、この期間の収支不足は、平成十一年度に生じた資金剰余により補てんしてまいります。
 今後とも、水道事業経営プラン二〇〇〇を着実に推進し、一層効率的な事業運営に努めてまいります。
 一〇ページをお開き願います。平成九年第一回都議会定例会でご承認いただきました水道料金表でございます。
 この料金表は、下に(注)と記載してありますように、平成九年四月一日からの消費税の改定に伴い、水道料金を改定したものでございます。消費税に係る料金改定を除きますと、平成六年に改定して以来、通算で十年間、料金水準を維持することになります。
 次に、工業用水道事業でございます。
 一一ページをお開き願います。工業用水道事業の現況を取りまとめたものでございます。
 まず、施設の規模といたしましては、浄水場は三園浄水場一カ所で、その給水施設能力は日量十七万五千立方メートルでございます。給水区域は、墨田区、江東区など八区、配水管は三百六十四キロメートルとなっております。
 次に、平成十二年度における業務量でございますが、年間の配水量は約一千七百八十万立方メートルを予定しております。給水件数は六百五十七件でございます。
 また、組織でございますが、本局に一課、事業所が一カ所となっており、両方合わせた職員定数は二十八名でございます。
 一二ページをお開き願います。工業用水道の供給と地盤沈下防止の効果を経年的に表示したものでございます。
 図の棒グラフは地盤沈下量を、実線は地下水揚水量を、点線は工業用水道の基本水量をあらわしております。
 旧江東地区は昭和三十九年八月、旧城北地区は昭和四十六年四月にそれぞれ工業用水の供給を開始して以来、地下水揚水量の減少とともに地盤沈下が急速に鈍化しており、地盤沈下防止対策としての所期の目的は十分達成しているものと考えております。
 一三ページをお開き願います。財政状況として、平成十二年度の予算をお示ししてございます。
 表の左側に収入、右側に支出をお示ししてございます。
 左側の収入につきましては、収益的収入三十二億四千六百万円、資本的収入十七億一千九百万円で、収入合計といたしましては四十九億六千五百万円でございます。
 次に、右側の支出といたしましては、収益的支出三十一億八千五百万円、資本的支出二十億八千百万円で、支出合計といたしまして五十二億六千六百万円でございます。
 資金の収支差し引きは、右側最下段にありますとおり、三億百万円の不足となっております。
 一四ページをお開き願います。平成九年度から十二年度までの財政収支の概況でございます。
 平成九年度から十一年度までは決算、平成十二年度は予算を、収入及び支出の項目ごとに整理した表でございます。
 単年度の収支を表の右から二列目に記載しておりますが、平成十二年度の資金不足につきましては、累積資金剰余額を充当する予定でございます。
 一五ページをお開き願います。平成九年第一回都議会定例会におきましてご承認いただき、平成九年五月分から適用しております工業用水道料金表でございます。
 料金は、申し込まれた基本水量に係る基本料率、それを超えて使用した水量に係る超過料率及び使用メーターの口径別に定める水量メーター料金とから成っております。
 以上、大変簡単でございますが、水道事業及び工業用水道事業の概要についてご説明させていただきました。
 次に、東京都監理団体のうち、都が二五%以上の出資等を行っている団体で、当局が所管している二団体について、その事業等をご説明申し上げます。
 お手元の資料3の一ページをごらん願います。まず、東京都監理団体のうち、一般監理団体に指定されております水道マッピングシステム株式会社でございます。
 この法人は、送配水管路等の管理図面について、コンピューターにより管理運用するマッピングシステムを構築し、水道管路等の適切かつ効率的な維持管理を図ることを目的として設立された株式会社で、現在、水道マッピングシステムの管理、運用及びマッピングシステムに関するコンサルティング等の事業を行っております。
 財務諸表については、次ページ以降にございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 次に、七ページをお開き願います。東京都監理団体のうちの協議団体に指定されております東京都市開発株式会社でございます。
 この法人は、新宿区西新宿六丁目中央地区の市街地再開発事業を施行するに際し、その資金調達、建物の管理運営、保留床の処分等に関して、効率的かつ経済的な事業運営を図ることを目的として設立された株式会社で、現在、建物の賃貸及び管理などの事業を行っております。
 なお、東京都市開発株式会社の資本金についてでありますが、本年一月、代々木三丁目地区共同ビル建設事業の事業費の自己調達を目的に、第三者割り当てによる新株発行を行い、資本金を四十五億円から五十億円に増資いたしました。このため、当局の出資割合は、これまでの五一%から四五・九%となっております。
 財務諸表については、次ページ以降にございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 各委員の先生方におかれましては、これらの団体が都の事務事業を代行、補完し、都民サービスの向上に大きな役割を果たしていることをご理解いただき、これらの団体の健全な発展のために、今後ともご指導、ご支援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
 以上で私からの説明を終わらせていただきます。

○前島委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○池田委員 何点かお願いします。
 最初に、水の需給計画についての資料をお願いします。
 現行計画の水需給予測値と、それから実測値ですね。特に、これをつくる経過の中での人口だとか経済などの指標がどういうふうに変わってきたか、この辺がわかるように。
 二つ目には、漏水の現状について。
 漏水の量と箇所及び巡回調査作業の状況、そしてその体制などを、五年ぐらい、経年的にわかるようにしてください。
 三つ目に、節水、そして水の有効利用についてです。
 一つは雨水利用の現状、それから、東京の降雨量とその利用量はどのぐらいなのか。例えば、その中で、宅地内、建物の敷地内での貯留だとか、いろいろやっているわけですね、そういう施設だとか。建物別の雨水利用施設、件数だとか雨水の利用量が、これまた経年的にわかれば一番ありがたいと思います。
 四つ目に、応急給水拠点がつくられているわけですけれども、それぞれの拠点が対応する人口と給水量、これについて示してください。
 区だとか市町村別の拠点と、その施設の一日、そして一人当たりの給水量だとか、その応急給水拠点の設置計画、そしてその進捗状況。
 最後に五つ目として、水道料金について示していただきたいと思います。
 基本料金の範囲内で−−それぞれランクがあるわけですが、おさまっている使用者の数と全体の数での比率、これがわかる資料をお願いします。
 以上です。

○前島委員長 ほかにございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○前島委員長 それでは、ただいま池田副委員長の方から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求にすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○前島委員長 異議なしと認めます。
 理事者におかれましては、要求されました委員と調整の上、ご提出のほどよろしくお願いします。
 以上で水道局関係を終わります。

○前島委員長 これより交通局関係に入ります。
 初めに、交通局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○寺内交通局長 交通局長の寺内広壽でございます。
 委員長を初め委員の皆様方におかれましては、日ごろより当局の事業につきまして格別のご支援、ご高配を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
 ご案内のとおり、交通局におきましては、地下鉄、バス事業など五つの事業を運営しておりますが、社会経済の大きな変動の中、事業を取り巻く状況には大変厳しいものがあります。
 このような状況に対処し、都民の皆様を初め、ご利用のお客様から信頼される都営交通とするため、事業運営に当たりましては、安全輸送を第一に、お客様サービスのさらなる向上と積極的かつ効率的な経営に努め、職員一丸となって取り組んでまいる所存でございます。委員長を初め委員の皆様方には、今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 技監の堀内俊夫君でございます。総務部長の松尾均君でございます。経営企画室長の久保田経三君でございます。職員部長の佐伯憲彦君でございます。電車部長の齊藤春雄君でございます。自動車部長の木村純一君でございます。車両電気部長の水元亜紀雄君でございます。建設工務部長の金安進君でございます。経理契約担当部長の久保大君でございます。関連事業担当部長の福田志津雄君でございます。大江戸線開業準備担当部長の帯刀宏君でございます。バス路線再編成・事業活性化担当部長の坂上信雄君でございます。技術管理担当部長の北川知正君でございます。続きまして、当委員会との連絡に当たります参事で総務課長事務取扱の遠藤秀和君でございます。財務課長の柴田健次君でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○前島委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○前島委員長 これより事務事業について説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○寺内交通局長 交通局の事業運営の基本方針と事業の概要につきましてご説明申し上げます。
 資料1をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、事業の現況についてご説明申し上げます。
 交通局は、一般乗合バス等を運行する自動車運送事業、路面電車荒川線を運行する軌道事業、上野動物園内のモノレールを運行する懸垂電車事業、地下鉄浅草線、三田線、新宿線及び大江戸線の営業と地下鉄の建設を行う高速電車事業、多摩川の流水を利用して発電を行う電気事業の五つの事業を経営いたしております。
 これらの事業の運営に当たりましては、都民生活を支える基幹的な事業であるという認識のもとに、お客様に信頼される公営企業を目指して取り組んでおります。しかしながら、交通局の経営状況と事業環境は、長引く景気の低迷や少子化の影響等により、乗客数の減少が続く一方、地下鉄建設等に伴う資本費負担の増加による財政圧迫等もあり、一段と厳しさを増しております。
 また、交通事業における規制緩和、とりわけバス事業における需給調整規制撤廃や都における財政再建に向けた取り組みなどを踏まえ、安全輸送の確保、効率的経営の推進、お客様サービスの向上など、経営全般にわたって、より一層適切な対応を図ることが求められております。
 交通局では、経営の基本的方向と事業別長期目標を掲げた長期経営基本方針に基づき、都営交通プラン'91、都営交通プラン'94に引き続いて、平成九年度から平成十二年度までを計画期間とする都営交通プラン'97を策定し、現在、その実施に向けて全力で取り組んでいるところでございます。
 都営交通プラン'97は、長期経営基本方針で定めました、経営の基本的方向である公共交通網の整備における都営交通の役割の強化、輸送サービスの充実、経営効率化及び組織の活性化の推進などに基づき、厳しい経営状況及び事業環境を踏まえて具体的な施策を定めた事業計画及び財政収支計画であります。
 この計画に基づき、地下鉄の整備を初めスピードアップ対策、ノンステップバスなどのだれもが乗りおりしやすいバスや低公害バスの試験的導入の拡大、安全の確保や心のこもったお客様本位のサービスの提供など、ハード、ソフト両面におけるサービス向上に、職員一丸となって努めているところでございます。
 次に、平成十一年度決算の経常収支の状況でございます。
 自動車事業につきましては、乗客数は減少しておりますが、人件費や物件費などの経費の抑制に努めた結果、十年度は二十一億五千万円の赤字であったものが、六億円の赤字にとどまりました。
 軌道事業につきましても、乗客数は減少しておりますが、人件費や物件費などの経費の抑制に努めた結果、八千九百万円の黒字を計上することができました。
 また、地下鉄事業におきましては、乗客数が、大江戸線で前年度比八・五%増となりましたが、全線では前年度比一・八%の減少となり、償却前損益では八十二億四千万円の黒字となりましたが、経常損益では、減価償却費の増加により二百四十五億八千万円の赤字となっております。
 なお、電気事業につきましては、引き続き一億四千万円の黒字となっております。
 次に、平成十二年度の主要事業につきまして、その概要をご説明申し上げます。
 第一に、地下鉄事業でございます。
 三田線につきましては、三田−目黒間を九月二十六日に開業し、同時に、目黒駅において東急目黒線と相互乗り入れを開始いたしました。
 大江戸線環状部につきましては、四月二十日に新宿−国立競技場間を開業し、十二月十二日には全線開業を予定いたしております。大江戸線全線開業により、全三十七駅中二十二駅で既存の鉄道と乗りかえができるようになり、東京圏の交通ネットワークが飛躍的に充実いたします。
 これら地下鉄の開業により、山手線内地域では、鉄道の駅から徒歩五分圏内の範囲が六四%、また、徒歩十分圏内ではほぼ全域がカバーされることになります。
 お客様へのサービスの向上といたしましては、都営地下鉄と営団地下鉄の統一案内標識の設置を進めますとともに、動くシンボルデザインを決定いたし、順次各駅に設置していく予定でございます。これらによりまして、地下鉄の出入り口が、お客様によりわかりやすくなるものと考えております。
 また、十月十四日より、関東地区十七の鉄道会社、そして局が、一枚のカードで乗りおりできる鉄道共通カードシステム、パスネットを導入いたし、お客様の利便性向上を図りました。
 続きまして、自動車事業でございます。
 福祉、環境対策といたしまして、だれもが乗りおりしやすいノンステップバスなどの増備を図るほか、低公害バスの試験的導入の拡大などに努めてまいります。また、東京都が進めておりますディーゼル車NO作戦の一環といたしまして、都バスにDPF装置の装着を進めますとともに、粒子状物質の低減に効果のある低硫黄軽油の試験的導入を開始いたします。
 また、大江戸線等の開業などの事業環境の変化及び都営交通ネットワーク及び運賃制度検討委員会の答申を踏まえまして、鉄道とバスの役割分担を明確にいたし、新しいバスサービスの提供や重複路線の見直し等により、公共交通ネットワークの充実を図るため、十二月十二日に予定いたしております大江戸線全線開業に合わせまして、バス路線の再編整備を行います。
 軌道事業におきましては、荒川区や地元からの要望を受けまして、地元の負担もいただき、十一月十一日に、新停留場、荒川一中前を設置いたします。
 懸垂電車事業におきましては、平成十一年十二月十九日から、施設の耐震性強化と車両の更新のため営業を休止いたしておりますが、平成十三年七月一日より営業を再開する予定でございます。
 電気事業におきましては、今年度中に、奥多摩町に建設中の白丸発電所が発電を開始いたします。
 また、長期的に安定した財政基盤の確立を図るため、従来から土地建物の有効活用、広告事業や構内営業等の関連事業に取り組んでまいりました。これらの事業に加え、ことし四月から、都バスの車体全面に広告を掲載したラッピングバスの運行を開始いたし、現在、掲載車両の増加に努める一方、都電や地下鉄大江戸線におきましても拡大して実施するなど、新たな事業の開発にも積極的に取り組んでまいる所存でございます。
 交通局を取り巻く環境は一段と厳しさを増しておりますが、事業の着実な推進を図るため、十三年度以降の新たな経営計画の策定を進めております。私ども職員一同、一丸となって、より一層の安全輸送を第一に、効率的経営の推進とお客様サービスのさらなる向上に努めてまいります。委員長を初め委員の皆様方におかれましては、今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、事務事業の詳細につきましては総務部長からご説明申し上げますので、お聞き取りいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

○松尾総務部長 初めに、お手元に配布いたしました資料につきましてご説明申し上げます。
 資料は1から3までございます。資料1は、ただいま局長からご説明申し上げました事業運営の基本方針でございます。資料2は、平成十二年度事業概要でございます。資料3は、東京都監理団体等の運営状況でございます。その他、参考資料といたしまして、「都営交通のあらまし」ほかをそろえてございます。あわせてご参照いただければと存じます。
 それでは、交通局の組織、事業の概要につきましてご説明申し上げます。
 資料2の事業概要をごらんいただきたいと存じます。
 まず、恐縮でございますが、表紙をお開きいただきまして、表紙の裏ページをごらんいただきたいと存じます。
 当局の組織でございますが、総務部など六部と経営企画室、局長を補佐する技監を置き、局全体を統括する公営企業管理者であります交通局長により組織しております。
 次に、職員数でございますが、二八ページをお開きいただきたいと存じます。
 平成十二年三月三十一日現在で、上に事業別、左に職種別に区分し、職員総数は、表右下、合計欄にございますように七千七百六十七名でございます。
 続きまして、各事業の平成十一年度の事業規模及び事業成績につきましてご説明申し上げます。
 ページが前後し、大変恐縮ですが、一五ページ、平成十一年度運輸成績総表をごらんいただきたいと思います。
 表の右側にございます乗車料収入及び乗車人員の欄をごらんいただきたいと存じます。
 平成十一年度におきます都営交通全体の乗車人員は、下から二段目の計欄に記載してございますが、年間八億六千二百七十五万七千人、一日当たりでは二百三十五万七千二百六十人となっております。
 事業別に見ますと、自動車運送事業では、一日当たりの乗車人員は七十四万九千余人、乗車料収入は、年間で消費税込みで四百七十三億一千二百万円となっております。
 以下、収入金額につきましては消費税込みの金額でご説明申し上げます。
 続きまして、軌道事業、荒川線でございますが、一日当たりの乗車人員は五万七千余人、年間の収入は二十七億六千二百万円となっております。
 懸垂電車事業、上野動物園内のモノレールでございますが、括弧内にございますように、営業一日当たりの乗車人員は三千五百余人で、年間の収入は一億円となっております。なお、懸垂電車事業は、車両更新と施設耐震工事のため、平成十一年十二月十九日から平成十三年六月三十日まで、営業を一時休止しております。
 次に、高速電車事業は、都営地下鉄四線合計で、一日当たりの乗車人員は百五十四万七千余人、年間の乗車料収入は八百六十一億二千七百万円でございます。
 電気事業では、多摩川第一及び第三発電所の二カ所の販売電力量は十一万二千七百三十三メガワットアワー、年間電力収入は十億四千百万円となっております。
 次に、平成十一年度の決算の概要につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入ります、一ページ前の一四ページの平成十一年度決算総括表をごらんいただきたいと存じます。上に事業、左側に各科目を記載してございますが、収益的収支の欄をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、交通事業会計でございますが、自動車運送事業では、五百三十四億八千三百万円の収入に対しまして支出が五百三十八億二百万円で、特別利益、特別損失を除くと、六億二百万円の経常損失となっております。
 軌道事業では、三十四億一千百万円の収入に対しまして支出が三十三億三千万円、八千九百万円の黒字となっております。
 懸垂電車事業では、九千五百万円の収入に対しまして支出が七千二百万円で、二千三百万円の黒字でございます。
 なお、交通事業会計全体では、四億九千万円の経常損失となっております。
 高速電車事業会計では、九百三十五億三千二百万円の収入に対しまして支出が一千百八十三億四千百万円で、二百四十五億七千九百万円の経常損失となっております。
 なお、償却前損益につきましては、八十二億四千四百万円の黒字となっております。
 次に、電気事業会計では、九億九千八百万円の収入に対しまして支出が八億五千四百万円で、経常損益で一億四千四百万円の黒字となっております。
 引き続きまして、平成十二年度の予算の概要につきましてご説明申し上げます。
 二一ページをお開きいただきたいと存じます。平成十二年度予算総括表によりましてご説明申し上げます。
 収益的収支の欄をごらんいただきたいと存じます。上に事業、左側に各科目を記載してございます。
 初めに、交通事業会計でございますが、自動車事業では、収入は乗車料収入、一般会計補助金など五百二十三億一千九百万円、支出は人件費、物件費など五百五十四億三千五百万円を予定いたしております。
 軌道事業では、収入は乗車料収入、一般会計補助金など四十億四千九百万円、支出は人件費、物件費など三十九億五千二百万円を予定いたしております。
 懸垂電車事業では、収入は営業外収益で四億円、支出は主に営業外費用で四億六千七百万円を予定いたしております。
 高速電車事業会計は、収入では乗車料収入、補助金など一千百十九億九千五百万円、支出では人件費、物件費及び利子など一千五百十二億九千五百万円を予定いたしております。
 次に、電気事業会計は、収入では電力収入など十億九千三百万円、支出では九億九千三百万円を予定いたしております。
 続きまして、各事業の概要につきましてご説明申し上げます。
 まず、自動車運送事業についてでございます。
 恐れ入ります、二九ページから四八ページに記載してございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 乗合バス事業でございますが、その乗客数につきましては、景気低迷の影響などを受け、減少傾向にございます。このため、お客様の利便向上と乗客誘致のための諸施策の実施に努めてまいりました。
 まず、お客様へのサービス改善といたしましては、都バスにおきましては、三一ページに記載してございます都市新バスの整備、それから三三ページに記載してございます、新たなバスサービスとしてのアクセスライン、臨海副都心への路線網充実を初め、バス接近表示装置の設置など、停留所施設の改善等に努めてまいりました。
 また、環境対策といたしましては、四一ページに記載してございますように、地球環境に配慮した窒素酸化物等の削減対策としての低公害バスの試験的導入を進めるとともに、福祉対策といたしましては、四三ページに記載してございますが、高齢者や身体障害者を初め、だれもが利用しやすいリフトつき超低床バスやノンステップバスを試験的に導入するなど、諸施策の実施に努めてまいりました。
 次に、軌道事業についてでございます。五四ページをお開きいただきたいと存じます。
 都電荒川線の案内図がございますが、都電荒川線は、三ノ輪橋から早稲田間十二・二キロメートルを運行いたしております。地域住民の皆様の日常生活に密着した路線としてご利用いただいておりまして、運行管理システムの導入や停留場の整備など、サービス改善の諸施策を実施してまいりました。
 次に、懸垂電車事業についてでございます。五五ページから五七ページにかけて記載してございます。
 懸垂電車は、昭和三十二年十二月、上野動物園内におきまして営業運転を開始いたしました。現在、走行けた及び橋脚等の耐震補強、車両新造のため、一時休止しているところでございます。
 なお、資産は建設局が保有し、営業を交通局が担当することになっております。
 続きまして、高速電車事業の説明に移らせていただきます。
 恐れ入りますが、六一ページをお開きいただきたいと存じます。上段に運転概要、下段に開通区間及び年次が記載してございます。
 都営地下鉄は、現在、浅草線、三田線、新宿線及び大江戸線の四路線合わせて、お手元の資料に、本年九月二十六日に開業いたしました三田線三田−目黒間四キロメートルを加えました八十三・三キロメートルの営業を行っております。
 この三田線の開業と同時に、営団地下鉄南北線も溜池山王−目黒間が開業いたしました。三田線と南北線は、白金高輪−目黒間の路線を共用いたしますとともに、それぞれ目黒駅におきまして、東京急行電鉄目黒線と相互乗り入れを開始いたしました。
 また、この開業と同時に、三田線はワンマン運転を開始いたしまして、これに伴い、各駅にホームゲートを設置いたしました。
 大江戸線につきましては、本年四月二十日に新宿−国立競技場間を開業し、現在、光が丘−国立競技場間十五・〇キロメートルで営業運転を行っております。十二月十二日には、環状部の国立競技場−六本木−上野御徒町−都庁前間二十五・七キロメートルが開業し、全線が開通する予定です。
 地下鉄施設のサービス改善につきましては、六二ページに記載してございますように、エスカレーターやエレベーターの増設、車いす用階段昇降機の充実等、駅施設とともに、車両の改善等に取り組んでおります。
 また、都営地下鉄と営団地下鉄統一の出入り口案内標識や動くシンボルデザインの設置、それから鉄道共通カードシステム、パスネットの導入など、お客様の利便向上と乗客誘致に努めております。
 続きまして、電気事業に移らせていただきます。恐れ入りますが、九〇ページをお開きいただきたいと存じます。
 この表に記載のとおり、現在、多摩川第一発電所及び第三発電所の二カ所におきまして発電事業を行っております。平成十二年度には、奥多摩町の白丸調整池ダム直下に新設した白丸発電所が稼働いたします。
 続きまして、関連事業につきましてご説明申し上げます。九二ページをお開きいただきたいと存じます。
 関連事業は、本来事業に対する経営基盤の強化に寄与し、質の高いサービスを提供するために、土地、建物などの資産の活用や広告事業を展開し、長期的に安定した収入を確保しようとするものでございます。
 特に、ことし四月からは、東京都屋外広告物条例及び同施行規則が改正されたことにより、車体全面に広告を掲載したラッピングバスの運行を開始いたしました。これにより、今年度は約五億円の収入を見込んでおります。また、ラッピングバスの車両の増加に努めるとともに、都電荒川線、地下鉄大江戸線におきましても、車体全面に広告を掲載した車両の運行を開始しております。
 続きまして、お客様本位のサービスにつきましてご説明申し上げます。恐れ入りますが、九七ページをお開きいただきたいと存じます。
 交通局では、お客様本位の心のこもったサービスの提供を積極的に推進するため、局長を本部長とする東京都交通局サービス推進本部を設置し、局を挙げてお客様の立場に立ったサービスの実践に努めているところでございます。
 次に、現在実施中でございます「東京都交通局後期総合実施計画−都営交通プラン'97−」につきましてご説明申し上げます。
 都営交通プラン'97の事業計画につきましては、一二四ページをお開きいただきたいと存じます。
 事業計画の第一は、公共交通網の整備における都営交通の役割強化でございます。
 地下鉄大江戸線及び三田線延伸部の開業により、都内の地下鉄網は面的な広がりを持って飛躍的に充実することになります。それに合わせて、バスや都電を含めた公共交通ネットワークを再構築するとともに、関連する各社等との連携を強化することにより、交通利便性の向上を図ってまいります。
 第二は、一二七ページに記載してございます輸送サービスの充実でございます。
 心のこもったお客様本位のサービスの提供に一層努めるとともに、安全で快適な都営交通とするため、各事業におきまして、スピードアップ等の輸送サービスの向上施策を積極的に推進し、あわせて、人に優しい施策や都市環境などへの配慮など、先導的な施策を推進しております。
 第三は、一三三ページに記載の経営効率化及び組織の活性化の推進でございます。
 交通局では、時代に即応した事業展開を図り、最少の経費で最大の効果を上げるため、組織の簡素効率化、事業執行の効率化、事務処理の迅速化、経費の節減等により、効率的経営に努めております。
 また、職員計画につきましては、一三六ページに記載のとおり、徹底した事業の効率化を図り、地下鉄大江戸線放射部及び環状部並びに三田線延伸部の開業に必要な職員約千名を、増員することなく既定の条例定数の枠内で措置しております。
 第四の料金の適正化、第五の公共助成の拡充、第六の附帯事業の展開につきましては、一三七ページから一三九ページに記載してございます。
 最後に、財政収支計画でございますが、自動車事業、軌道事業、大江戸線を除く地下鉄三線及び電気事業について、経常収支の均衡を維持し、長期経営の安定を図ることを目標としております。
 以上で資料2の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、資料3のご説明に移らせていただきます。
 この資料は、都が二五%以上の出資を行っている団体で、当局が所管しております四団体につきまして、その事業等を取りまとめたものでございます。
 資料3、東京都監理団体等の運営状況の表紙をお開きいただきまして、目次をごらんいただきたいと存じます。
 当局が所管しておりますのは、ごらんのとおり、東京都地下鉄建設株式会社、東京トラフィック開発株式会社、株式会社東京交通会館及び株式会社はとバスの四社でございます。詳細につきましては、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上をもちまして、交通局の組織、事業の概要等につきましてのご説明を終わらせていただきます。
 委員長を初め各委員の先生方におかれましては、今後とも交通局所管事業の運営につきまして一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○前島委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○大山委員 七つほどお願いします。
 まず一番目は、バスの低公害対策の計画と現状。
 二つ目は、その中でも、とりわけ天然ガススタンドの設置状況とCNG車の導入状況。これは経年でお願いします。
 三番目は、都営地下鉄での転落事故の状況。これは五年間でお願いします。
 四番目は、都営地下鉄での車両事故や故障などの状況。これも五年間でお願いします。
 五番目は、バスや地下鉄の障害者等ハンデを持つ方への対策の計画と現状をお願いします。
 それから六番目は、新宿駅と池袋駅のバスターミナルの配置、段差などもわかるようにお願いします。
 七番目は、廃止、縮小予定のバス路線の券種別利用者数をお願いします。
 以上です。

○前島委員長 ほかにございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○前島委員長 ただいま大山委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求にすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○前島委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、提出願います。
 以上で交通局関係を終わります。

○前島委員長 これより下水道局関係に入ります。
 初めに、下水道局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○横山下水道局長 下水道局長の横山博一でございます。
 委員長を初め委員の皆様には、日ごろから当局事業につきましてご理解とご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
 下水道局は、二十三区の区域内における公共下水道と多摩地域の流域下水道を所管しており、都民の皆様に安全で快適な生活を送っていただけますよう、下水道の整備と施設の適切な維持管理に鋭意取り組んでいるところでございます。
 下水道事業は、老朽化した施設の再構築や浸水対策など重要な課題を抱えておりますが、下水道サービスの向上と効率的な事業運営に全力を尽くしてまいる決意でございますので、今後とも委員皆様方の一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 引き続きまして、当局幹部職員を紹介させていただきます。
 次長の緒方敏彦君です。流域下水道本部長の藤田昌一君です。総務部長の藤井浩二君です。企画担当部長の時田公夫君です。職員部長の阿部健秀君です。経理部長の馬場正明君です。業務部長の今里伸一郎君です。計画部長の鈴木宏君です。技術開発担当部長の串山宏太郎君です。施設管理部長の大矢爽治君です。建設部長の大迫健一君です。流域下水道本部管理部長の萩原英夫君です。技術部長の前田正博君です。
 なお、当委員会との連絡に当たります参事で総務課長事務取扱の野口孝君です。理財課長の佐藤仁貞君です。
 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○前島委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○前島委員長 これより事務事業につきまして説明を聴取いたします。
 理事者の説明を求めます。

○横山下水道局長 下水道事業運営の基本方針につきましてご説明申し上げます。
 下水道は、人が汚した水をみずからの手できれいにして戻すという意味で、水を基盤とする生態系や自然の循環システムを健全に保つ上での重要な構成要素であり、また、都市生活や都市活動において欠くことのできない基盤施設であります。
 東京の下水道は、明治十七年の神田下水の建設に始まり、昭和三十年代以降に本格的な普及整備を進め、既に区部では一〇〇%をおおむね達成したところでございます。しかしながら、浸水の防除や公共用水域の水質保全の面では、解決すべきなお多くの課題が残されております。
 これからの下水道事業においては、基本的な役割の達成はもとより、水の循環利用など、環境との調和や資源の有効活用に向けた取り組み、ライフラインとしての安全性の確保、施設を多目的に利用したまちづくりへの貢献なども求められております。
 このような状況を踏まえまして、当局では、快適な生活環境を支える下水道、循環型社会に資する下水道、安全で信頼される下水道の三項目を事業運営の基本方針として、平成十年度から平成十三年度までを計画期間とする東京都区部下水道事業財政計画「これからの下水道事業の展開」を策定し、これに基づき、現在事業を推進しているところでございます。
 次に、それぞれの事業運営の基本方針についてご説明申し上げます。
 初めに、快適な生活環境を支える下水道では、未普及地域の早期解消を図るとともに、分流式下水道地区の雨水管渠の整備を進めてまいります。
 また、老朽化した管渠、ポンプ所、処理場を計画的に再構築するとともに、河川の汚濁や東京湾の富栄養化を防止する高度処理や合流式下水道の改善を進めてまいります。
 さらに浸水対策として、これまでの時間五〇ミリ降雨への対策を着実に推進するとともに、近年頻発しております局所的な集中豪雨による浸水被害に対応するため、緊急重点雨水対策を策定いたしまして、可能な限り早期に効果が発揮できるよう取り組みを進めているところでございます。
 次に、循環型社会に資する下水道では、東京における望ましい水循環を形成するため、下水再生水の利用拡大などに取り組むとともに、下水を熱源とするヒートポンプによる冷暖房など、下水の持つ未利用エネルギーの有効利用を推進してまいります。
 また、水処理に伴う脱水汚泥が一日約三千トン発生しますが、その焼却灰等の一部は東京湾内に埋立処分しております。
 処分場の確保が困難となってきている中、下水汚泥の資源化に努め、埋立処分量の削減を図ってまいります。
 さらに、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO一四〇〇一については、既に建設部門、有明処理場などで認証を取得しておりますが、各部署での取得を早めるとともに、平成十四年度内には局全体での取得を目指すことといたしました。今後とも、環境を重視した事業運営になお一層努める方針でございます。
 次に、安全で信頼される下水道では、都民生活を支えるライフラインである下水道施設の安全性を確保するとともに、都民により身近で信頼される下水道を目指します。このため、下水道施設について耐震強化を図るとともに、避難場所としての利用など、災害に強いまちづくりを推進いたします。
 また、管渠内の空間や下水道施設の管理用として設置した光ファイバーを民間事業者に積極的に開放し、情報通信基盤の整備に貢献してまいります。
 さらに、都市活動を二十四時間支え、休むことなく機能している下水道施設を、適切かつ効率的に維持管理してまいります。
 一方、多摩地域につきましては、平成十一年度末で下水道普及率が九一%となりました。今後も、多摩地域における下水道の一〇〇%普及を早期に達成するため、関係市町村が実施する公共下水道との整合を図りながら、流域下水道の整備を促進してまいります。
 また、広域的な雨水対策や高度処理の導入並びに合流式下水道の改善に鋭意取り組み、多摩川、荒川の水質保全など、多摩地域の生活環境の改善に努めてまいります。
 さらに、多摩地域の市町村からの技術支援等の要請に積極的に対応することにより、多摩地域全体の下水道事業の効率的な運営に寄与してまいります。
 改めて申し上げるまでもなく、これらの事業を確実に実施するには、公営企業としての財政基盤の強化安定が必要不可欠でございます。このため、当局では、建設から維持管理に至るまで徹底した経費の節減に努めるとともに、国庫補助金等必要な財源の確保を図ってまいりました。今後とも、効率的で効果的な事業執行を実現するため、適正な人員配置、資産の有効活用など、不断の経営改善に取り組むとともに、再構築事業に対する国庫補助制度の改善や、企業債における政府資金等の公的資金の割合を高めるなど、財政措置の拡充を国に対して強く求めてまいります。
 一方、平成十二年度から行政評価制度を導入し、下水道サービスを都民の皆様にわかりやすく伝えるとともに、評価結果を事業に反映させ、一層のサービス向上を目指しているところでございます。
 さらに、事業を進める上での多くの課題に対処していくためには、新技術の開発が求められるところでございます。このため、職員の創意工夫はもとより、民間企業との共同研究なども積極的に進めてまいります。
 以上申し上げましたとおり、下水道事業は多くの課題を抱えておりますが、職員一丸となって、都民サービスの維持向上に努めてまいる所存でございます。下水道事業に対しまして、なお一層のご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 以上をもちまして下水道事業運営の基本方針についての説明を終わらせていただきます。
 なお、事業の概要につきましては総務部長よりご説明いたしますので、よろしくお願い申し上げます。

○藤井総務部長 下水道局の事務事業につきましてご説明を申し上げます。
 初めに、お手元の資料についてご案内を申し上げます。
 資料は全部で四点ございます。資料1は、ただいま局長からご説明申し上げました下水道事業運営の基本方針でございます。資料2は、下水道事業の主要事項を取りまとめました事業説明資料でございます。資料3は、平成十二年度下水道事業会計予算の概要でございます。資料4は、当局所管の東京都監理団体でございます東京都下水道サービス株式会社の経営状況等の報告書でございます。
 そのほかに参考資料といたしまして、事業概要平成十二年版など三点を添付いたしております。
 それでは、お手元の資料2、事業説明資料によりまして下水道事業の概要をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料2の一ページをお開き願います。
 一ページから四ページまでは、区部下水道事業財政計画「これからの下水道事業の展開」について記載をいたしております。
 この一ページは、事業運営の基本方針でございます。内容につきましては、先ほど局長からご説明を申し上げたところでございますので、省略をさせていただきます。
 二ページへ進ませていただきます。主な事業の整備目標でございます。
 左端、項目欄にございます普及の促進以下八つの項目につきまして、左から右へ、目標値と期間別の整備数値をお示ししてございます。
 普及の促進では、未普及地域の解消を図るため、目標値五百三十ヘクタールに対しまして、平成十三年度末までに四百三ヘクタールを整備いたします。
 以下、平成十三年度末の数値で申し上げたいと思います。
 老朽化施設の再構築では、管渠の再構築の整備面積を九百四十二ヘクタールまで引き上げます。
 三点目の浸水対策の推進では、時間五〇ミリの降雨に対処する施設の整備率を八四%まで引き上げます。
 高度処理の推進では、生物化学的酸素要求量BOD、浮遊物質量SSの除去を目的とする急速砂ろ過施設の能力を一日当たり六十八万立方メートルとし、また、窒素、燐の除去を目的とする施設能力を一日当たり八万立方メートルまで引き上げます。
 合流式下水道の改善では、汚れの著しい降雨初期の雨水貯留量を四十万立方メートルまで引き上げますとともに、雨天時に処理場に導く下水量を晴天時汚水量の三倍まで確保する遮集管渠を百四十四キロメートル整備いたします。
 下水汚泥の資源化では、脱水汚泥の資源化量を一日当たり千三百トンまで引き上げます。
 震災対策の充実では、一千平方メートル以上の当局施設建築物の耐震補強について、既に完了しておるところでございます。
 ソフトプランの推進では、光ファイバー通信網による施設の接続箇所を六十四カ所設置いたします。
 三ページに進ませていただきます。施設の維持管理についてでございます。
 区部下水道の主な施設は、中ほどの表にございますとおり、管渠約一万五千キロメートル、ポンプ所七十八カ所、処理場十二カ所でございます。
 また、平成十一年度中に実施いたしました主な維持管理作業を下の表にお示ししてございます。ここにお示しいたしました施設を、二十四時間体制で、また、老朽化が進む中で適正かつ効率的な維持管理に努めまして、都民の皆様に安全で安定した下水道サービスを提供してまいります。
 四ページに進ませていただきます。現行の財政収支計画についてでございます。
 平成十年度から平成十三年度までの財政計画期間における財政状況を、左から右に、収入、支出、収支差引過不足額、累積資金過不足額の順に記載をしてございます。
 表の一番右にございますように、平成十三年度末までの財政計画期間中の資金の不足を解消いたしまして、健全な経営基盤を確立するため、建設投資の抑制、人員の削減、維持管理の効率化など、可能な限りの経営改善努力を行ってまいります。
 五ページに進ませていただきます。五ページから七ページまでは、多摩地域におけます流域下水道事業について記載をしております。
 初めに、基本方針でございます。
 流域下水道は、市町村が管理する関連公共下水道と一体となり、多摩地域都民の安全で快適な生活環境を確保する上で必要な、基幹的な施設でございます。このため、快適で安全な生活を支える下水道など三項目の基本方針のもとに、関連公共下水道との連携を強化し、効率的に流域下水道事業を推進してまいります。
 六ページに進ませていただきます。主な事業の整備目標でございます。
 左端にございます普及の促進以下五つの項目について、左から右へ、それぞれ目標値と年度別の整備数値をお示ししてございます。
 初めに、普及の促進でございますが、多摩地域の下水道普及率は、平成十一年度末で九一%となりました。今後とも、関連公共下水道との整合を図りつつ、流域下水道の施設能力の増強に努めてまいります。
 高度処理の推進では、多摩川等の公共用水域の水質保全に資するため、高度処理施設の建設を進めてまいります。
 合流式下水道の改善では、合流式下水道を採用いたしております処理区におきまして、汚れの著しい降雨初期の雨水を一時的に貯留する貯留池の整備を進めてまいります。
 浸水対策では、広域的な雨水排水対策を必要とする地域につきまして、流域下水道による雨水幹線を整備してまいります。
 施設の再構築では、稼働年次の古い北多摩一号処理場など四処理場におきまして、処理機能の維持向上を図るため、老朽化した施設を更新してまいります。
 七ページに進ませていただきます。流域下水道の施設の維持管理についてでございます。
 主な施設規模を中ほどの表に、また、平成十一年度におきます主な維持管理作業を下の表にお示しをしてございます。今後とも施設の適正かつ効率的な維持管理に努めますとともに、関係市町村と、より一層緊密な連携のもとに、多摩地域の全体的な下水道サービスの向上に寄与してまいります。
 八ページに進ませていただきます。下水道サービスの維持向上を目指した新たな対応についてでございます。
 まず、近年、局地的な集中豪雨による浸水被害が発生いたしておりますが、その対策として、本年三月、緊急重点雨水対策、雨水整備クイックプランを策定いたしました。このクイックプランでは、昨年までの浸水被害などを勘案いたしまして、地域を重点化した上で、それぞれの地域について雨水貯留管の整備など、地域特性を踏まえた有効な対策を多様に組み合わせて実施することといたしました。浸水被害を軽減させる効果ができる限り早期に発揮できますよう、鋭意事業の推進に努めてまいります。
 次に、当局では、地球環境保全に向けて、快適な水環境の創出を目指す下水道の役割と取り組み方針を明確に都民にお示しをし、事業に着実に反映させていくため、環境マネジメントシステムの国際規格でございますISO一四〇〇一の認証取得に局を挙げて取り組んでおるところでございます。局全体での認証取得を実現し、環境を重視した事業運営を推進してまいります。
 次に、平成十二年度の予算についてでございます。
 まず、左側の表でございますが、区部下水道事業予算でございます。
 表の上半分に、下水道料金等の収入と維持管理費等の支出をお示しした収益的収支の内訳を掲げてございます。下半分は、建設改良費や企業債償還金等の支出及びその財源をお示しした資本的収支の内訳でございます。
 以上を合算いたしました区部下水道事業予算の合計は、表の一番下の段にございますとおり、収入は七千二百七十六億余万円、支出七千四十二億余万円でございます。
 次に、右側の表は、流域下水道事業の予算をお示ししてございます。
 表の上半分は、関係市町からの管理費負担金等の収入と維持管理等の支出を示します収益的収支の内訳でございます。下半分は、流域下水道建設事業等にかかわります資本的収支の内訳でございます。
 以上を合算した流域下水道事業予算の合計でございますが、表の一番下の段にお示しいたしましたとおり、収入四百五十三億余万円、支出四百四十九億余万円となっております。
 九ページに進ませていただきます。九ページから一〇ページにかけましては、下水道の建設財源の仕組みについて、その概要をお示ししてございます。
 まず、公共下水道の一般的な財源ルールを、九ページの図−1にお示ししてございます。
 国庫補助金につきましては、管渠等の場合と終末処理場の場合とで、適用される国庫補助率が異なっております。各図の左側に記載してございますように、それぞれ、管渠等の場合は二分の一、終末処理場の場合は十分の五・五となっております。
 企業債につきましては、補助事業について九〇%、単独事業では一〇〇%の充当率を適用しており、これらの不足分は都費によって賄っておるわけでございます。
 一〇ページに参ります。流域下水道事業の建設財源でございます。
 国庫補助金、都及び市町村の企業債並びに都費及び市町村負担金から成っております。一般的な財源ルールは、図−2にお示ししてあるとおりでございます。
 流域下水道の場合、その効果が広域に及ぶ等の理由によりまして、国庫補助率が公共下水道の場合に比べ高く設定されておりまして、終末処理場の場合、三分の二となっております。また、総事業費から国庫補助金を除いた残額は、原則として都と関係市町村とで折半して負担することとなっておりまして、都及び関係市町村は、その大部分を企業債で手当てをしております。
 一一ページに進ませていただきます。このページは、当局の組織及び四千百五十二人の職員定数とその内訳についてお示ししたものでございます。
 以上をもちまして当局事業の概要の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、東京都が五〇%以上出資を行っている団体で当局が所管しております東京都下水道サービス株式会社につきましてご説明を申し上げます。
 恐縮でございますが、資料4の東京都下水道サービス株式会社の資料をご参照願います。
 この会社は、一ページにお示ししてございますように、都の下水道事業を補完するために、下水道施設の運転、保守、下水道管の故障処理、排水設備調査等のサービス事業、下水道に関する調査、研究、広報、研修等の事業を実施しているところでございます。
 経営状況等の詳細につきましては二ページ以下に記載してございますので、後ほどごらんをいただきたいと存じます。
 以上で当局所管事業についての説明を終わらせていただきますが、今後、委員長初め委員の皆様方におかれましては、下水道事業に対するより一層のご指導、ご支援をいただけますよう、よろしくお願いを申し上げます。

○前島委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。

○たぞえ委員 五点お願いします。
 まず第一点は、光ファイバー通信網への設備投資と状況について。
 二点目に、下水道工事における中小企業への発注状況について。
 三点目、合流式における市町村の処理区分負担について。
 四点目、建設投資額の推移について。
 五点目、クイックプランの計画と進捗状況について。
 以上、よろしくお願いします。

○前島委員長 ほかにございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○前島委員長 ただいまたぞえ委員より資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求にすることにご異議ございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○前島委員長 異議なしと認めます。
 理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、提出願います。
 以上で下水道局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時二十三分散会

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