午後六時五分開議
○副議長(菅野弘一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
質問を続行いたします。
八十五番加藤雅之君。
〔八十五番加藤雅之君登壇〕
○八十五番(加藤雅之君) 名誉都民、美輪明宏さんが六月に、室井摩耶子さんと加藤一冑さんが七月に、草間彌生さんが八月にご逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表します。
また、熊本地震、千葉豪雨、台風二十五号など、各地で相次いだ自然災害により、お亡くなりになられた方々に心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
都議会公明党を代表し、質問します。
初めに、災害対策について、七点質問します。
一時間に百ミリ前後の猛烈な雨が降った際に発表される記録的短時間大雨情報が、今年は今日時点で六十九回発表されるなど、全国の広範囲で観測記録を更新する猛烈な大雨が多発しています。都内においても、豪雨災害の激甚化、頻発化が強く懸念されています。
都議会公明党はこれまで、洪水による被害から都民の生活を守るため、都内の護岸や調節池の整備拡充を強く求めてきており、都が実施している調節池の整備は、これまで確かな効果を示してきました。しかし、懸念される大規模な水害への備えとして、さらなる対策の強化が喫緊の課題となっています。
こうした中、都民の生活と命を守るために、環状七号線地下広域調節池などを連結し、環七の地下空間を使って、白子川、石神井川、神田川、目黒川、呑川の五流域の洪水を取水して、東京湾までつなぎ排水する環七地下河川を一日も早く事業化し、実現していくべきであり、都はそれを表明すべきです。
地下河川の取組について、目標のゴールを示し、具体的な方向性や内容を都民や関係者に広く伝えながら進めていくべきですが、都の見解を求めます。
八月の千葉豪雨では、冠水したアンダーパスで立ち往生し、車内に閉じ込められたことにより複数の方が亡くなりました。国の示す道路冠水注意箇所が都内には百五十三か所ありますが、このうち七十五か所が都道であり、アンダーパスなどの安全対策を改めて強化しなければなりません。
都は千葉豪雨後に、都道の排水ポンプの緊急点検などをしましたが、内水氾濫時には、下水管や河川等に排水できないため、新たな備えも必要です。水位センサーの正常な動作確認や遠隔操作が可能な自動遮断機設置の検討、電光掲示板の未整備箇所の整備や浸水監視カメラの設置を急ぐべきです。
そこで都は、アンダーパスの安全対策を中心に、都市型水害への備えを総合的に強化すべきです。知事の見解を求めます。
また、アンダーパスなどの冠水情報を運転手が事前に知り、回避できることが重要です。そのため、カーナビ等も活用していくべきです。
二〇一六年四月に運用が開始したETC二・〇は、高速道路を中心とした大容量双方向通信で運転支援を行っています。国土交通省は災害発生時に周辺の通行止め情報や避難ルートを車内に伝える誘導支援の取組など、さらなる機能の拡充を進めています。
そこで都は、カーナビを利用して、事前にアンダーパスなど危険箇所の水害規制等の情報をドライバーへ届けるとともに、今後、改善が検討されているETC二・〇なども利用して、早期迂回を促す仕組みを構築していくべきと考えますが、見解を求めます。
また、雨水流出抑制対策の強化についてです。
こうした豪雨に対応するためには、河川や下水道の整備に加え、降った雨を一気に流すのではなく、地域で一時的にためたり、浸透させたりするなどの流域対策を一層強化することが重要です。
そのため、都営住宅や学校、公園などの都有施設はもとより、区市町村の施設や民間施設についても、建て替えや大規模改修、新たな開発などの機会を捉え、地下貯留施設や雨水浸透施設などの整備を積極的に進めるべきです。特に浸水リスクの高い地域などでは、こうした施設を点ではなく、地域全体で面的に広げ、官民一体となって雨水流出を抑制していくことが重要です。
そこで、公共施設を含む建築や開発の機会を捉えて、官民の様々な施設を最大限活用し、雨水貯留浸透施設の整備を面的に広げるなど、流域対策を一層推進すべきと考えますが、都の見解を求めます。
次に、土砂災害についてです。
都内には、多摩地域、島しょ部だけでなく、区部でも急傾斜地などが多く、土砂災害警戒区域として約一万六千か所が指定されています。その全ての箇所で土木工事による防災対策を行うことは困難なため、都は警戒区域では、土地利用の規制や避難情報の提供などソフト対策を行うとともに、土木工事による対策は緊急性の高いところから優先順位を決めて行っています。
このうちの多くは、近くに住宅のある警戒区域であり、一たび崖崩れ等が発生すれば、一瞬にして多くの命が奪われる危険性があります。
しかしながら、今年度行われている防災対策の土木工事は三十数件にすぎず、対策実施のペースが遅いと感じざるを得ません。対策が必要な箇所の多くは民有地であり、大規模な土木工事による防災対策は、民間の所有者には費用負担が大き過ぎるという実態があります。
そこで、所有者が対策工事をできない場合、東京都が工事を施工し、その費用は都が八割を負担し、残りの二割は区市町村などが拠出できる仕組みがあります。こうした支援の制度があることがあまり知られていないことや、財政力の弱い多摩の自治体にとっては小さな負担ではないことが、対策が進まない原因の一つになっているのではないかと考えます。
そこで、崖崩れから住民の命を守るために、急傾斜地対策をさらに進めるべきです。都の見解を求めます。
次に、避難所に関連して三問質問します。
初めに、都立高校体育館の空調環境についてです。
都議会公明党は、避難所の暑さ、寒さ対策の充実のため、避難所となる学校体育館などへの空調整備を推進し、おおむねほとんどの体育館へ設置されました。しかし、東京の夏の暑さは、二〇二五年には観測史上最多となる十日間連続猛暑日を記録するなど、さらなる熱中症対策の強化が求められております。
都議会公明党は七月、ある都立高校で部活動が行われている時間帯に体育館を訪れ、生徒の声を聞くなど、暑さの実態の調査を行いました。大型扇風機を設置し、空調効率を高める工夫は行われているものの、限界があることも否めませんでした。
生徒の体調管理はもとより、災害時の帰宅困難者一時滞在施設として都立高校が指定されていることもあり、体育館の空調環境のさらなる整備に取り組む必要があります。性能が確保された空調の導入や断熱化を図るなど、体育館の空調環境を改善すべきと考えます。見解を求めます。
二点目は避難所のホテル活用についてです。
都内における昼間の就業、通学などの流入人口は三百三十六万人ともいわれており、都内で大規模な災害が発生した際は、著しく多くの避難者や帰宅困難者が発生することが想定されます。被害が大きい地域では、指定している避難所を開設できないことも考えられ、様々な地域に避難所を確保していく必要があります。
都はコロナ禍において、最大で三十四施設、一万三千五百一室を宿泊療養施設として確保、運営した実績があります。この経験を生かし、災害時において、ホテルや旅館を避難所として活用していくべきと考えますが、見解を求めます。
三点目は、音声版ハザードマップについてです。
水害時の被害を最小限に食い止めることを目的として、浸水が想定される区域や避難場所、避難経路などの重要情報を地図上に表したものがハザードマップであります。都は、都議会公明党の提案を受けて、視覚障害者が耳で聞くことのできる音声版ハザードマップを令和七年度から二年間、試験的に導入し、現在、六十二の区市町村で実施中です。
視覚障害者にとって、耳で聞く音声版ハザードマップは、音声で読み上げ、水害情報、水害リスク、避難場所を聞くことが可能で、命を守る上で極めて大事な手段であります。都は、視覚障害者向け音声版ハザードマップを来年度以降も継続して実施すべきと考えます。都の見解を求めます。
次に、回収骨材を活用した東京強靱化について、二問質問します。
東京強靱化を進める上で、コンクリートは限りある重要な素材です。工場から出荷した生コンクリートには、工事現場で使用されず、工場に戻ってくるものがあります。これを洗浄すれば、砂と砂利が残り、回収骨材として生コンクリートの材料になります。回収骨材の利活用推進のため、回収骨材を利用する割合を五%以下とした場合には、生コンクリートの骨材全体を新骨材として取り扱うことができるよう、生コンクリートのJIS基準が今春に改正され、都の発注工事では既に導入されています。
しかし、民間工事では、発注者から、回収骨材の入ったコンクリートではなく、普通骨材によるコンクリートが求められるため、回収骨材の利用が進まないという実態があります。
そこで、回収骨材の利用を促進していくため、大規模開発などの協議時に、民間事業者に対し、JIS基準の改定内容を示して、回収骨材入りの生コンクリートでも全く問題がなく使用ができることを都が事業者にお知らせしていくことが重要と考えます。見解を求めます。
二点目に、地震や豪雨、風水害など自然災害に備えるための取組についてです。
道路は都民や事業者の生活と命を守り、支える基盤であり、強靱化を進めていくことが欠かせません。そこで、道路舗装に対するコンクリートの活用として、山間部の道路や勾配が急な道路など耐久性が求められている場所では、コンクリートを使用して、東京の強靱化を図っていくべきと考えますが、都の見解を求めます。
次に、都政課題について、五点伺います。
初めに、データセンターについて、三問質問します。
スマートフォンの普及や生成AI、メタバース、次世代モビリティーなどの進展により、データセンターは欠かせない存在となってきています。他方、データセンターを積極的に建設してきたアメリカなどにおいては、送電線の新設や変電所の増強などにより、電力価格の高騰や電力不足の問題、冷却用の過度な地下水のくみ上げによる地盤沈下などの社会問題も起きています。
国内では、都市部において、AIやAXといったデジタル技術の活用が進んできているため、データセンターが増加しており、東京でも、電力需要の増加や近隣への排熱の影響をはじめとする地域環境への影響が懸念されています。
データセンターの整備に当たっては、電力需要対策や排熱の利用など、環境面の取組に加え、周辺地域との調和を含めた総合的な対策を講じていくべきと考えますが、知事の見解を求めます。
今後もデータセンターが建設される中で、環境対策を進めるためには、都の規制とともに、そのための支援の両面から取組を進めていくことが重要です。そこで、データセンターの建設に際し、省エネや再エネの導入、排熱対策などの具体的な取組を促すべきと考えますが、都の見解を求めます。
都議会公明党は、データセンターの建設について、地域住民の安心を確保する観点から、住宅地に近接する大規模なデータセンターについては、その立地や規模等に関し、適切な規制や誘導を行う必要があると考えます。
地域の土地利用や市街地の状況はそれぞれ異なることから、実効性ある対応を進めるためには、都内一律の規制ではなく、地域の実情や住民の意向を踏まえたきめ細かなルールづくりを進めることが重要です。
そこで、データセンターの立地に伴う住民の不安に応えるため、地域の実情に応じた適切な規制誘導が図られるよう、区市町村と連携して取り組んでいくべきと考えますが、都の見解を求めます。
二点目に、リチウムイオン電池の資源循環についてです。
リチウムイオン電池は、破損や圧力によって容易に発火する特性を持つため、可燃ごみなどに混入したことによる収集車両の火災や処理施設の操業停止につながる重大事故が発生しています。
そこで、都議会公明党は、昨年の第三回定例会代表質問で、廃棄物処理業者への安全対策支援と都民への啓発の強化を提案しました。都はそれを受け、廃棄物処理過程の火災未然防止のための機器整備支援や区市町村と連携したイベント回収に力を入れていることを評価するものです。
都は九月三十日まで、都庁舎にAI自動分別リサイクルボックスを設置し、リチウムイオン電池回収キャンペーンを実施しています。この取組は、都市に眠る資源を掘り起こすと同時に、危険な混入ごみを未然に防ぐ安全対策の象徴的な施策であると考えます。
今後は都民に対し、混ぜれば危険、分別すれば資源という明確なメッセージを発信し、区市町村との連携によるAI自動リサイクルボックスの常設や東京アプリのポイント制度との連動などを通じて、資源循環と安全確保を両立する都全体の仕組みを構築すべきです。見解を求めます。
三点目に、火葬問題についてです。
都は、火葬場に係る検討会の下に設置した部会において、都議会公明党が求めた火葬事業者や葬祭事業者などからもヒアリングを行い、議論が重ねられ、この先、中間報告がなされると聞いています。
火葬場が都民生活にとって必要不可欠であり、将来にわたって安定的な火葬体制を確保するためには、民間の経営状況に左右されない火葬体制を構築していく必要があります。
このため、公営火葬場整備は喫緊の課題ですが、用地確保など様々な課題があります。
今後、増大する火葬需要に対応するため、都議会公明党がこれまで提案してきた民間火葬場の公営化や多摩地域の公営火葬場増設、さらには都立霊園の空きスペースを活用した小規模公営火葬場設置など、都として公営火葬場の設置に向けた新たな支援策を打ち出すべきと考えます。知事の見解を求めます。
四点目に、民泊問題についてです。
外国人旅行者の増加によるごみ出しや騒音等の民泊トラブルの高まりで、二十三区の多くが条例等を制定、改正し、規制を強めています。その影響もあってか、最近では、都が所管する多摩地域の一部でも、騒音などで住民の生活環境が脅かされる事例が生じており、今後もトラブル増加が見込まれ、対策が急務です。
都議会公明党は昨年の第三回定例会の代表質問において、こうしたことを見越して、都が管轄する多摩エリアにおいて、条例による規制強化を行うことを求めました。これに対し、都は、民泊事業者の適正な運営のために作成したガイドラインについて、地域の実情を把握して見直すなどの対応を行う考えを示しました。
そこで、都はこの間、所管区域における民泊適正化に向けての取組を明らかにするとともに、今後より一層規制を強化すべきと考えますが、都の見解を求めます。
五点目に、東京アプリに関連し、二問質問します。
まずは、生活応援事業についてです。
都議会公明党はかねてより、スマートフォンをお持ちでない方や操作に不慣れな方も、一万一〇〇〇ポイントの生活応援事業に参加できるように繰り返し対応を求めてきました。それを受け、都は、これまでに六十五歳以上の都民を対象とするスマートフォン購入費補助などを行ってきたところです。
しかし、高齢者だけでなく、低所得の方への支援も必要なことから、第一回定例会代表質問において、高齢者だけでなく、低所得者層も含む、一人でも多くの都民が東京アプリ生活応援事業に参加できるように支援策の充実を求めました。スマートフォンをお持ちでない低所得者層への取組を具体化し、早期に開始すべきと考えますが、見解を求めます。
次に、生活応援事業の代理申請についてです。
都議会公明党はこれまでも、障害等でスマートフォンを操作することが困難な方々についても本事業に参加できるよう、代理申請の導入を求めてきました。さきの第二回定例会では、都議会公明党の質問に対し、申請者の対象を要介護者や障害がある方などとし、代理人の対象は法定代理人や配偶者、親子などを対象とする方針を示し、早期の実施に向けて取組を加速するとの答弁があったところです。
そこで、代理申請の現在の開発の進捗状況を明らかにするとともに、要介護者や障害がある方などが、一日も早く安心して事業に参加できるよう、代理申請の開始時期を明らかにすべきと考えます。都の見解を求めます。
次に、医療福祉施策について、六点質問します。
初めに、がん対策についてです。
がん対策基本法が成立してから本年で二十年になります。全国でがん診療連携拠点病院が整備され、かつて外科手術が中心であったがん治療は、放射線療法、薬物療法、緩和ケアなどの多様な治療の重要性が広く認識されるようになりました。
東京都においても、二次保健医療圏ごとのがん診療連携拠点病院において、放射線治療の充実が進んできており、都立病院においても、都立駒込病院への陽子線治療装置の導入に向けた準備が進んでいます。
放射線療法は、医療分野の中でも機器の技術革新が最も反映される領域であり、先日、MRリニアックと呼ばれる機器を導入している東北大学病院を視察しました。MRリニアックは、MRIで腫瘍をリアルタイムで把握しながら照射できるため、治療回数が少なく済むことなどから、患者に対して通院や治療費などの負担軽減を図ることが可能ということでした。
しかし、東京都内には、現時点でMRリニアックを利用できる病院がないのが現状です。今後、こうした患者負担が少ない高度な放射線治療装置について、都立病院を含めたがん診療連携拠点病院への導入を進めるべきと考えます。見解を求めます。
次に、認知症について、二問質問します。
まず、早期診断、早期対応についてです。
九月二十一日は世界アルツハイマーデー、そして、九月は認知症月間です。認知症について、一人一人が正しい知識と理解を深め、認知症になっても安心して暮らし続けられる社会を目指す大切な機会となっています。
認知症は、早期に気づき、適切な診断や治療、生活上の支援につなげることが、その後の生活の質を維持するとともに、ご家族の負担軽減にもつながることから、早期診断、早期対応を一層進めていくことが重要であります。
都はこれまで、認知症サポート検診事業により、区市町村が行う認知症検診や、その後の支援につなげる取組を後押ししてきました。令和八年予算特別委員会において、都議会公明党は、支援につながりにくい単身高齢者などを認知症検診につなげる区市町村の取組を後押しすべきと求めました。これを受けて、都は今年度、受診を促すため、五千円相当の補助を計上したことを評価します。
一方で、検診につながりにくい方は、単身高齢者などに限らない可能性もあります。それは、認知症検診を受けた結果、認知症の疑いがあると鑑別診断やその後の治療などが必要になるため、検診そのものをためらってしまうケースも懸念されます。
そこで、こうした鑑別診断等が必要となる方も支援の対象にすることで、より実効性の高い事業にすべきと考えますが、都の見解を求めます。
二点目に、認知症のある方の行方不明対策についてです。
東京都健康長寿医療センター研究所の資料によると、認知症のある方が行方不明になってから翌日までに生存して発見される例が多い一方で、三日目以降では生存する可能性が低くなるという分析がなされております。
行方不明になった場合、一刻も早く発見することが命を守る上で極めて重要です。また、認知症のある方が、区市町村の境を越えて移動するケースもあることから、自治体ごとの取組に加えて、都として広域的な早期発見の仕組みを進める必要があります。
愛知県大府市では、認知症ヘルプマークを作成し、外見だけでは認知症と分かりにくい方について、周囲の人が気づき、声をかけやすくする取組を進めています。こうした仕組みは、道に迷った際の地域での見守りや声かけを促し、行方不明の未然防止や早期発見にもつながると考えます。
そこで、区市町村の取組に加え、認知症ヘルプマークや認知症ヘルプカードなど、認知症のある方に、周囲が声をかけやすくする仕組みを、都として推進すべきと考えます。都の見解を求めます。
三点目に、子供の性被害防止について質問します。
警察庁の調査資料によれば、児童が主な被害者となった全国の性犯罪件数は、二〇二四年に三千五百九十八件、二〇二五年、三千八百二十七件発生しています。都は本年十二月二十五日に施行予定の子供性暴力防止法について、国に対し、事業者が円滑に準備を進められるよう、提案要求を提出しています。
この法律では、子供と関わる場において、子供に接して働く人たちを対象としており、事業者は性犯罪の事実確認を行わなければなりません。しかし、学校や認可保育所などの法定事業所には確認の義務づけがある一方、学習塾やスポーツクラブ、東京都独自の認証保育所などでは確認は任意であり、国の認定事業所となるには、必要な申請と手数料も負担しなければなりません。
大事なことは、義務、任意によらず、子供と関わる全ての場において、子供が性被害に遭わないよう未然に防止するとともに、保護者等が安心して子供を預けられるよう、都は、こども性暴力防止法を都内に広く浸透させ、法の実効性を高める取組とすべきです。見解を求めます。
四点目に、障害者の歯科診療についてです。
現在、障害者の歯科診療については、各地区の口腔保健センターで実施されています。しかしながら、二十三区は各区で実施されていますが、多摩地域は四か所の口腔保健センターで実施されているだけで、しかも土日は実施されていません。多摩地域の四か所は各市の財源で賄われていますが、実際に歯科診療を受診する障害者は、他の市町村からも来ているのが現状です。また、障害者に付き添う保護者からは、仕事が休みの土日も実施してもらいたいという声が寄せられています。
そこで、多摩地域を含む各地区の口腔保健センターで、多くの障害者が歯科診療を受診できるように体制を拡充するために、都も支援をすべきと考えますが、見解を求めます。
五点目に、医療的ケア児等への切れ目ない支援について二問質問します。
本年七月に改正された医療的ケア児等支援法では、医療的ケア児や重症心身障害児が十八歳に達した後も、切れ目なく支援を受け、希望する地域で生活できるよう、支援の充実を図ることが明記されました。
都は、十八歳の壁への対応として、特別支援学校卒業後の夕方以降の居場所確保に向け、区市町村への支援を今年度から進めていますが、医療的ケア児にとっては、成人期を迎え、利用するサービスが変化した後も、切れ目ない支援を受けられる体制づくりが重要です。保護者からは、これまで利用してきた在宅レスパイト事業が成人後に利用できなくなることへの懸念の声が寄せられています。
そこで、法改正を踏まえ、次期障害者・障害児施策推進計画の策定に当たっては、本人と家族が地域で安心して暮らし続けられるよう、成人後も切れ目ない支援を行うため、必要な支援の強化を図っていくべきと考えます。見解を求めます。
都議会公明党は、医療的ケアを必要とする児童生徒が安心して通学できるよう、特別支援学校への登下校時に看護師が乗車する医療的ケア専用通学車両の運行等の環境整備を推進してきました。
しかし、特別支援学校や公立小中学校において、保護者が登下校時や校内、校外学習などでの付添いを求められるケースがあり、その負担軽減について課題となっています。
今回の法改正では、保護者の付添いがなくても授業や学校等の行事に参加できるようにするなど、学校の設置者が必要な措置を講ずることも明記されました。
現在、在宅レスパイト・就労等支援事業を、各自治体が独自に、在宅だけでなく、特別支援学校や小中学校等にも訪問看護師を派遣できるよう、対象を拡大する自治体が増えています。
保護者の負担なく、子供が授業に出席できるようにするためには、特別支援学校や公立小中学校の通学等への支援が不可欠であり、区市町村のこうした取組を一層進めるためには、都が後押しすることが必要と考えます。
そこで、医療的ケアが必要な児童生徒の通学に係る保護者の負担軽減に向けて、区市町村を支援していくべきと考えますが、教育長の見解を求めます。
六点目に、ドクターヘリについてです。
都は、都議会公明党の提案、要望を受け、二〇二二年三月からドクターヘリ事業を開始し、都民の救急救命に必要不可欠な事業となっています。ヘリ運航事業の整備士不足が原因で、二〇二五年八月以降、度々運休が発生し、本年三月末の契約満了を機に、四月以降は運航休止となりました。
今回の事態を踏まえると、運航には自社でヘリの整備が可能で、実績を持ち、総合的な実力を有している事業者の確保が必要です。都は、これまでのドクターヘリ運航で得た成果も生かし、重篤な患者を迅速に医療につなげられるよう、安定した救急医療搬送体制を可及的速やかに再構築していくべきです。見解を求めます。
次に、教育、子育てに関連して三点質問します。
初めに、待機児童対策について二問質問します。
東京都は、平成二十八年九月、待機児童解消に向けた緊急対策を発表し、保育の受皿の整備や人材の確保など、待機児童対策の強化が図られました。都議会公明党も、子育て世帯の負担軽減と保育サービスの充実を一貫して求めてきました。
ゼロ歳から二歳児の保育料については、第二子の無償化を提案し、令和五年十月に実現。さらに第一子まで対象を広げるよう求め、昨年九月には無償化が実現しました。
また、保護者の就労の有無にかかわらず、子供が保育所などで多様な経験を重ねられる環境づくりにも取り組んできました。こうした様々な取組が前進する中で、新たな保育ニーズが生まれています。
今年四月時点の都内の待機児童数は一千百十三人となり、前年に比べ七百七十四人増加しました。一方、保育ニーズは都内一律ではなく、子育て世帯の転入などにより、特定の地域や年齢層に需要が集中しています。
こうした地域による偏りに対応するためには、保育ニーズの高い地域での小規模保育の整備に加え、受入れに余裕のある地域の保育施設につなぐ送迎ステーションを活用するなど、地域の実情に応じた柔軟な対応が必要です。
区市町村が地域ごとの保育ニーズを的確に捉え、それぞれの実情に応じて柔軟に保育サービスの充実に取り組めるよう、都としてさらに支援し、待機児童対策を進めるべきと考えますが、見解を求めます。
一方、保育の受皿を確保するには、それを支える保育人材の確保も重要です。
都議会公明党はこれまでも、保育人材の確保、定着に向け、職場環境や処遇の改善を求めるとともに、保育士修学資金貸付制度についても、都独自の年収制限を撤廃し、希望する全ての人が利用できるよう求めてきました。その結果、年収制限の撤廃が実現しました。
こうした取組が進む中でも、保育人材の確保をめぐっては、依然として厳しい状況が続いています。都内の保育士の有効求人倍率は高い水準で推移する一方、保育士を目指す学生は減少しています。保育現場を支える人材を将来にわたって確保していくことが重要な課題です。
そこで、都は、保育士養成施設との意見交換を行い、学生の学費負担など養成現場の実態を把握した上で、保育士修学資金貸付事業の拡充など、具体的な対策を講じるべきと考えますが、見解を求めます。
二点目に、ベビーシッター利用支援事業の一時預かり利用支援についてです。
現在、都内自治体からは、申請に必要な書類がそれぞれ異なり、事務が煩雑であり、東京都で統一的な仕組みを構築すべきとの要望を受けております。また、この事業を使う場合、保護者が利用料を一時的に立て替える必要があります。その立替えの経済的負担が大変との相談をいただき、都議会公明党は、昨年の決算特別委員会で、立替え払いが発生しない仕組みづくりを求めました。
利用者がより使いやすく、区市町村の負担も少ない仕組みを都がつくるべきと考えますが、見解を求めます。
三点目に、私立幼稚園の無償化についてです。
令和元年時点で国の全国平均保育料の二万五千七百円と都の千八百円の上乗せ補助により、都内平均保育料の二万七千五百円まで補助することで、実質無償化が実現しました。
都議会公明党は、昨年の第三回定例会代表質問において、現在の給付額は令和元年時点の都内保育料調査から算出されたものであり、令和六年の都内平均保育料である三万二千百七十四円まで都の補助を拡充することを求めました。
これに対し、都は、本制度の責任を持つ国に要望し、動向を注視していくとの答弁でした。
今般、国は、令和元年から据え置いてきた給付額を、直近の物価水準や賃金動向などを踏まえ、十月一日から二万八千円に増額するとしています。
この機を捉え、現下の都内の平均保育料が反映されるよう、都の上乗せ補助を拡充するべきと考えますが、現状の都の認識と今後の方向性について見解を求めます。
次に、女性が活躍できる環境整備についてです。
女性活躍実現に向け、誰もが利用するトイレの環境は、女性の社会進出や健康、就労の継続に直結する極めて重要な基盤であります。
現在、駅や公園、文化施設などでは、女性用トイレには長い行列ができる状況が見受けられます。
国交省は、六月、男女間の性差を踏まえ、女性便器数が男性の大便器と小便器の合計以上にすることを基準とする女性用トイレの行列改善に向けたガイドラインを公表しました。
トイレは女性が様々な場で働く上でも必要不可欠なものであります。都は、都議会公明党の要望に応え、建設現場における女性用トイレ等の整備を支援しておりますが、女性活躍推進条例が施行され、国のガイドラインが示された今、女性が働く現場における環境整備を一層進めるべきと考えますが、知事の見解を求めます。
次に、都営住宅について質問します。
これまで都営住宅では、共用部の維持管理などを自治会が担ってきましたが、居住者の高齢化や単身世帯の増加、自治会役員の担い手不足が進む中、これまでと同様の役割を自治会だけに求め続けることには限界があります。
そこで、共用部の管理について、これまで自治会が担ってきた部分も含め、本来、大家である東京都がこれまで以上に主体的な役割を果たすとともに、自治会への支援を充実すべきと考えますが、見解を求めます。
次に、防犯カメラについてです。
都は、町会、自治会等が見守り活動の一環として設置する防犯カメラについて、闇バイト強盗などが相次いで発生したことを受け、令和七年度、八年度に設置費の補助率の引上げを行い、地域での設置が進みました。
一方、防犯カメラは一度に整備できるものではなく、地域の実情に応じて計画的、継続的に設置を進めていくことが重要です。また、町会、自治会にとって、費用負担は設置を検討する上で大きな課題の一つです。
これまでの取組によって高まった設置の機運を途切れさせることなく、地域の防犯力の向上につなげていくため、町会、自治会の負担に十分配慮しながら、防犯カメラの設置が着実に進むよう、引き続き支援していくべきと考えますが、見解を求めます。
最後に、中小企業への金融支援について二点質問します。
物価高が長期化する中、足元では金利も上昇し、中小零細企業において、原材料費や人件費などの上昇に加え、借入金利の上昇による資金調達コストの増加が経営の大きな負担となっています。
こうした物価高と金利上昇から、中小、小規模事業者の事業活動を守るため、都は経済情勢を的確に捉え、必要な対策を盛り込んだ補正予算の編成を急ぐべきです。
平成二十年度に東京都が新銀行東京へ追加出資した四百億円が、本年五月、全額償還されました。都議会公明党は、さきの第二回定例会において、この四百億円を中小企業、小規模事業者への支援に活用すべきと求めたところです。
今後の補正予算編成においては、この四百億円を財源として積極的に活用し、現在の金利上昇局面を踏まえ、制度融資における利子補給や信用保証料の軽減など、中小、小規模事業者の資金繰り支援を一層強化すべきと考えます。知事の見解を求めます。
また、中小企業の成長を支えるためには、資金調達の選択肢そのものを広げていくことも重要です。
都議会公明党は、令和六年第一回定例会で、個人保証に頼らない融資制度の構築を求め、都は、経営者保証を不要とする仕組みの導入と、保証料の負担軽減に対応した融資メニューを創設しました。
この取組をさらに進め、独自の技術や特許を持つ中小企業、新たな市場を切り開くスタートアップなど、成長力や将来性を持つ企業に必要な資金を届けていくことが重要です。
本年五月には、事業性融資の推進等に関する法律が施行され、事業の実態や将来性に着目した融資を後押しする環境が整いつつあります。
そこで、都は、不動産担保や経営者保証によらず、事業の実態や将来性に着目した融資制度を推進することにより、都内中小企業の成長を金融面から支援していくべきと考えます。都の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 加藤雅之議員の代表質問にお答えいたします。
都市型水害への備えの強化についてのお尋ねでした。
先月の千葉豪雨など記録的な大雨を受けまして、アンダーパスの冠水対策など都市型水害への備えの重要性が改めて浮き彫りとなりました。
このため、都は、排水ポンプや発電機の緊急点検を行うとともに、追加対策が必要な箇所に監視カメラや警報表示板等を順次整備してまいります。
また、将来の気候変動に備えるため、護岸や調節池等の整備を着実に進めるとともに、今年度改定する河川整備計画に新たな調節池や地下河川等を盛り込んでまいります。
今後も関係者と緊密に連携をしながら、都市型水害への備えを一層強化し、首都東京のレジリエンスを高めてまいります。
データセンターへの対応についてであります。
今や、AX、AIといったデジタル技術は、都民の快適な暮らしや企業の経済活動を支えております。その基盤となるデータセンターは、環境への配慮とまちとの調和を図りながら整備していくことが、東京の発展に不可欠でございます。
都は、建築物の計画段階から省エネや再エネ利用の計画を義務づけることに加え、エネルギー効率等を評価する認定制度や、省エネ効果の高い設備の導入支援を開始し、環境への配慮を促しております。
また、地域との共生に向けまして、円滑な対話のポイントや好事例を整理したガイドラインの活用を事業者等に促すほか、データセンターから排出される熱を余すことなくエネルギーとして有効活用するため、新技術の実装化に向けました取組を開始しております。
こうした総合的な取組を通じまして環境負荷の低減や地域への貢献を図りながら、データセンターの整備を後押しすることで、持続可能な都市東京の実現につなげてまいります。
火葬場についてであります。
火葬場は社会にとりまして不可欠な公共インフラであり、その運営には高い公共性と継続性が求められます。
都が行いました調査の結果等からは、将来、火葬体制が逼迫することが明らかになっております。
都が設置いたしました火葬場に係る検討会では、高まる火葬需要に対応するため、公営火葬場の必要性などについて議論されました。
また、検討会の下に設置した部会におきましては、設置場所に係る規制など、火葬場の新設等に当たっての課題につきましても意見が示されました。
今後、検討会におきまして、こうした課題に関する議論を深めまして、公営火葬場の整備に向けた方策について、火葬事業の実施主体である区市町村と連携いたしまして検討してまいります。
次に、女性が活躍できる環境の整備についてであります。
東京の最大の未活用エネルギーは女性であります。誰もが性別にかかわらず、その力を十分に発揮できる環境を社会全体で築く、その思いで全国初の女性活躍推進条例を施行し、様々な取組を進めております。
女性が活躍する領域を広げる上で、トイレや更衣室などの職場環境整備は、まず取り組むべき課題でございます。
中小企業がオフィスや工場現場などでの女性が働く環境を整備する取組を強力に後押しをしてまいります。
企業からの相談への丁寧な対応に加えまして、取組の好事例の発信、ガイドラインの周知や条例の浸透に向けました業界団体との意見交換等を通じまして、取組の裾野を広げてまいります。
女性が働きやすい環境は、みんなが働きやすい。民間企業の理解と共感を得ながら、女性も男性も活躍できる社会の基盤づくりを進めてまいります。
最後に、中小、小規模企業への金融支援についてであります。
我が国は長く続いた超低金利の時代を脱し、金利上昇が加速するなど、経済情勢は大きく変化しております。そうした中でも、優れた技術を有し、地域の経済と雇用を担う中小、小規模企業の事業展開を後押しして、東京の成長につなげていく必要がございます。
都はこれまでも、企業の事業活動を支えるため、経済の血液たる金融機能を活用しまして、制度融資等による重層的な支援を講じております。
社会経済情勢は、刻一刻と変化してまいります。今後の金融環境の急激な変化や世界情勢の変動、持続的な物価上昇等の状況を俯瞰的に注視、分析しまして、多様な手法や財源を活用した中小、小規模企業への支援に取り組み、東京の産業基盤強化につなげてまいります。
なお、その他の質問につきましては教育長、都技監及び関係局長が答弁をいたします。
〔教育長坂本雅彦君登壇〕
○教育長(坂本雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、都立高校の体育館の空調整備等についてでございますが、夏の暑さが厳しくなる中、都立高校の体育館の教育環境を確保する上で、優れた性能の空調設備の導入と施設の断熱対策を進めることは重要でございます。
これまで都教育委員会は、都立高校の体育館に空調機器の導入を進め、令和四年度までに対応を完了しております。こうした機器の更新に当たって、最近の夏の気温の上昇を踏まえ、今後、より性能の高いものを選定し、導入を進めてまいります。
また、高校の校舎の改築や大規模な改修に合わせ、都の省エネ・再エネ東京仕様にのっとり、体育館に断熱性を高める工事も進めてまいります。
次に、医療的ケアの必要な子供の通学についてでございますが、医療的ケアの必要な児童や生徒が公立の特別支援学校や小中学校に通う場合、保護者の送迎の負担を減らすサポートは重要でございます。
区市町村では、医療的ケアの必要な子供が都立の特別支援学校等に通う場合の保護者の付添いの負担を減らす取組を、地域の実情に応じ、実施をしております。今回の国の法改正によりまして、そうした保護者の負担を一層減らす仕組みの充実が必要となっております。
このため、都教育委員会は、区市町村の対応の状況を調べ、その保護者負担の軽減に向けたサポートに結びつけてまいります。
〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕
○東京都技監(谷崎馨一君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、雨水貯留浸透施設の整備についてでございます。
頻発する豪雨に対しては、河川整備等に加え、雨水貯留浸透施設の設置など流域対策が重要でございます。
都は、豪雨対策基本方針を改定し、気候変動に伴う一・一倍の降雨量に対応いたしまして、目標降雨量を十ミリ引き上げ、流域対策の目標量を設定いたしました。
目標達成に向け、都を含め自治体が公共施設を整備する際は、雨水貯留浸透施設の設置を要請するとともに、一定規模以上の民間施設の開発では、自治体と連携し、要綱等により設置を指導しております。
今後、流域対策を一層進めるため、自治体が参画する協議会で施設設置に向けた制度や新技術の活用事例を周知し、自治体の取組を促してまいります。
次に、回収骨材の再利用についてでございます。
資源循環や廃棄物の排出抑制を図るためには、建設資材の有効な再利用が重要でございます。
本年三月、JIS規格が改正され、生コンクリートにおける回収骨材の割合が五%以下の場合、新骨材として取り扱うことが可能になりました。
今後、建設工事を担う事業者と技術者を対象といたしました研修の動画のアップデートや、発注者である民間事業者に対しましては、事前協議などを通じて、JIS規格の改正内容の周知に取り組んでまいります。
引き続き、官民で連携し、コンクリートの資源循環を推進してまいります。
最後に、データセンターの立地についてでございます。
データセンターはデジタル社会を支える重要なインフラであり、整備に当たっては、まちづくり等との整合を図ることが重要でございます。
このため、都は本年三月、地域との円滑な対話に向けたポイントや環境に配慮いたしました好事例などを示したガイドラインを策定いたしまして、地元自治体とも連携しながら、事業者による地域共生に向けた取組を誘導しております。
今後、データセンターの立地が見込まれ、周辺環境との調和が求められる地域におきまして、地区計画の策定を区市町村に働きかけるとともに、きめ細かな技術支援を行うなど、まちと調和したデータセンターの実現に向け、取り組んでまいります。
〔建設局長久野健一郎君登壇〕
○建設局長(久野健一郎君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、地下河川の取組についてでございますが、激甚化、頻発化する豪雨から都民の命と暮らしを守るためには、地下河川等の洪水対策が重要でございます。
都は、仮称環状七号線地下河川について、二〇三〇年頃を目標に整備を推進することとしており、現在、地下河川の水の流れを確認するシミュレーションや模型実験などを進めております。
今後は、学識経験者による委員会におきまして、施設規模等を検討していくとともに、地下河川計画案を取りまとめ、都民に発信していきます。
引き続き、地下河川の事業化に向けた取組を推進してまいります。
次に、アンダーパスの冠水情報の提供についてでございますが、冠水による事故を未然に防ぐためには、速やかに道路利用者へ冠水情報を提供し、早期の迂回を促すことが重要でございます。
これまで都は、冠水注意箇所に関する情報をSNSで発信するとともに、冠水時には警報表示板により注意喚起してまいりました。
さらに、本年八月の千葉豪雨等を受け、交通管理者と連携し、都道七十か所のアンダーパスの冠水情報をカーナビへ表示するなどの取組を今月十九日から開始いたしました。
今後、国で改善が検討されているETC二・〇の状況も注視しながら、関係者と連携し、道路利用者の安全確保に向けた取組を進めてまいります。
次に、急傾斜地の崩壊対策についてでございますが、豪雨による土砂災害から都民の命と暮らしを守るためには、急傾斜地崩壊対策事業を推進することが重要でございます。
都は、土地所有者等による斜面対策が困難な場合、地元自治体から要望を受け、工事費等の最大二割の負担金を受け入れて対策事業を実施しております。
当負担金を含めた災害対策等には、市町村の判断により、市町村総合交付金を充当できます。
今後、毎年開催している区市町村との連絡会等を活用し、事業スキーム等に関する情報を積極的に発信するとともに、区市町村の意見を丁寧に伺いながら、事業を一層推進してまいります。
最後に、コンクリート舗装についてでございますが、コンクリートは必要な強度や耐久性を確保し、様々な形状の構造物に用いることができる、都市基盤の整備や維持管理に不可欠な建設資材でございます。
都では、構造物の用途や規模、施工条件等を踏まえ、幅広い工事で活用しております。
コンクリート舗装につきましては、これまで山間部の地下埋設物が少ない箇所や、アスファルト舗装の施工が困難な箇所などにおいて採用してまいりました。
東京のさらなる強靱化に向け、山間部におけるトンネルや急勾配の道路の新設、改修などにおいて、現場の状況を考慮しながら採用を検討してまいります。
〔総務局長山口真君登壇〕
○総務局長(山口真君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、ホテルなどを活用した避難所の確保についてでございますが、本年三月、都は避難者生活支援指針を策定し、避難所避難、在宅避難に加え、被災地外避難を新たな柱といたしました。被災地外避難や二次避難におきましては、ホテルや旅館は有力な避難先でございます。
都は令和二年、新型コロナウイルス感染症拡大防止などの観点から、宿泊団体と災害時における避難所等確保の支援に関する協定を締結しまして、ホテルなどを避難先として利用できる仕組みを構築いたしました。
今後、宿泊団体や区市町村と連携しまして、ホテルなどの確保、割り振り、避難の開始時期、避難先への移動手段などについて図上訓練を行うなど、ホテルなどを活用した避難の実効性を高めてまいります。
次に、音声版ハザードマップについてでございますが、災害時に視覚障害のある方が適切な行動を取れるよう、防災情報を的確に提供することが重要でございます。
都は昨年度から、視覚障害のある方がスマートフォンなどを活用し、平時から気象情報や水害リスク、避難場所、経路案内といった避難行動に必要な情報を聞くことができる音声版ハザードマップを都内全域で試験的に導入しております。
今後、関係団体などへのヒアリングを通じまして、利用者のニーズや導入効果を検証しまして、市町村と連携した効果的な防災情報の提供につなげてまいります。
〔環境局長宮澤浩司君登壇〕
○環境局長(宮澤浩司君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、データセンターの環境対策についてでございます。
社会インフラであるデータセンターの整備には、環境配慮の仕組みと最新技術の活用が重要でございます。
都は、建築前の段階から、データセンターなど新築建物に対して、省エネ性能基準への適合や再エネ設置など、実効性ある計画の提出を義務づけております。
建物の運用後は、キャップ・アンド・トレード制度によりまして、CO2の総量削減義務を課してございます。
加えて、今年度から、排熱の有効活用を促すため、スタートアップの知見を用いて、熱から電気への変換や養殖産業への熱利用など、新たな技術の実装に向けた取組を開始しております。
これらによりまして、データセンターの環境負荷の低減を促進してまいります。
次に、リチウムイオン電池対策についてでございます。
急増するリチウムイオン電池の火災事故を防ぐには、都民への啓発と回収機会の拡大が重要でございます。
都は今年度、様々な主体と連携したリチウムイオン電池回収キャンペーンを実施してございます。新宿区や民間事業者と連携して行った都庁舎での取組では、約三か月間で約一万個の電池を回収いたしました。
今後は、地域のイベント等で回収を行う区市町村に対し、AIで自動分別するリサイクルボックスの活用を促すほか、東京ポイントの進呈などを通じ、回収量の拡大を図ってまいります。
これらリチウムイオン電池の適正な回収によりまして事故を防ぎ、希少金属の再資源化につなげてまいります。
〔産業労働局長吉村恵一君登壇〕
○産業労働局長(吉村恵一君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、住宅宿泊事業についてでございますが、都は、住宅宿泊事業の適正な運営に向けて、所管区域の市町村等から意見や要望、地域の状況などを聞き取ってまいりました。その中で、ごみの処理や防火対策、緊急時の連絡体制などに関する意見を踏まえた課題の整理を進めてまいりました。
また、七月には、民泊に関するワンストップ相談窓口を設置し、住民からの苦情等を迅速に把握し、改善につなげる仕組みを整えております。
今後、新たに設けます市町村等との協議の場を通じて得た課題等も踏まえまして、住民への説明なども含め、地域環境を良好に保つガイドラインの見直しに反映させるなど、対策の実効性を高めてまいります。
次に、企業の事業性評価に着目した融資についてでございます。
都は、不動産担保等によらない中小企業の円滑な資金調達を推進するため、在庫や売掛債権等を活用した独自の動産・債権担保融資制度を実施するとともに、制度融資におきまして個人保証を不要とする融資の活用を後押ししてまいりました。
本年五月、事業性融資の推進等に関する法律が施行され、事業の将来性や強みなど企業価値を評価し、担保権の設定を可能とする制度が創設されました。
本制度による融資は黎明期にあることから、都は金融機関や評価機関等と連携し、先行事例を共有し、課題を検討することなどを通じまして、事業性融資の活用促進に向け取り組んでまいります。
〔デジタルサービス局長高野克己君登壇〕
○デジタルサービス局長(高野克己君) 二点のご質問にお答えします。
まず、スマートフォンをお持ちでない方への取組についてでございます。
より多くの方に行政とデジタルでつながるきっかけを創出することは重要でございます。
都はこれまで、高齢者のスマートフォン購入費を助成する区市町村への支援を行うほか、スマートフォン教室や対面での支援などを進めてまいりました。
今後、十五歳以上六十五歳未満の住民税非課税世帯で、東京アプリに対応するスマートフォンをお持ちでない方を対象に、スマートフォンを貸与する試行的な取組を早期に実施いたします。
貸与に当たりましては、スマートフォンの基本的な操作や東京アプリ生活応援事業の参加に必要な支援を行うとともに、利用状況や取組の効果、課題等を把握いたします。
こうした検証を通じまして、今後のデジタルデバイド対策に生かしてまいります。
次に、東京アプリ生活応援事業の代理申請についてでございます。
現在、申込みからポイント付与までの流れや審査手順等について細部を詰めております。
具体的には、代理人が代理人のスマートフォンから、被代理人を含むマイナンバーカードによる本人認証を実施して申し込みます。都が両者の関係性等を審査した上で作成いたします被代理人のアカウントにポイントを付与いたします。その上で、代理人がポイント交換できる仕組みを予定しております。
これら一連の機能開発も並行して順次進めております。一部の機能は、ユーザーテスト等、最終段階に入っており、年内予定のアプリのリニューアルに合わせ、代理申請の申込受付を開始いたします。
その他の機能も開発スピードを速めるなど、早期に支援を届けられますよう全力で取り組んでまいります。
〔保健医療局長高崎秀之君登壇〕
○保健医療局長(高崎秀之君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、放射線治療の充実についてでございますが、都内のがん患者数は二〇五〇年まで増加し、これに伴いまして放射線療法の需要も高まると見込まれております。
一方で、国からは、質の高い医療提供体制を維持するため、高度な放射線治療については集約化の方向性が示されております。
このため、都は、全てのがん診療連携拠点病院などが参加する協議会におきまして、各病院の治療件数や専門医の人数、治療装置の導入、更新予定などを把握しながら、将来的ながん医療提供体制の構築に向けた議論を進めてまいります。
次に、障害者歯科医療体制についてでございますが、障害のある方にとって、日常的な口腔ケアとともに、歯科医療機関で定期的な歯科健診や予防処置を受けることは重要でございます。
都は、歯科医療従事者向けの障害特性に関する研修や、地域の実情に応じた障害者歯科医療体制を構築する区市町村への支援を行っております。
区市町村などが設置する地区口腔保健センターでは、地域の歯科医療機関で対応困難な方を受け入れ、治療や定期的な口腔健康管理を実施しております。
今後、地区口腔保健センターの患者ニーズなどを把握しながら、多摩地域を含め、地域で歯科受診可能な体制のさらなる確保に向けて取り組んでまいります。
最後に、ドクターヘリについてでございますが、都は令和四年三月からドクターヘリを運航してまいりましたが、人員の確保が困難であることなどから事業者を確保できず、現在、運航を休止しております。
他の自治体でも運航休止が発生する中、七月に国が設置した検討会では、山間部、都市部など、地域により課題が異なるため、自治体ごとに運用状況と課題を改めて把握すべきなどの意見がございました。
今後、これまでの運航実績の分析などを行いながら、重篤な患者を一刻も早く適切な医療につなげられるよう、ドクターヘリをはじめ、様々な手段を検討し、地域の特性を踏まえた救急搬送体制を安定的に継続できるよう取り組んでまいります。
〔福祉局長奈良部瑞枝君登壇〕
○福祉局長(奈良部瑞枝君) 六点のご質問にお答えいたします。
まず、認知症検診の受診促進についてでございますが、認知症は早期の治療により進行を遅らせたり病状が改善することがあり、早期の受診につなげる取組が重要でございます。
都は、希望する方に問診や認知機能検査を行い、専門機関などにつなぐ区市町村の取組を支援しております。
今年度は、専門の医療機関での鑑別診断が必要な方を含め、検診につながりづらい方などに対して、インセンティブとして五千円のクーポンなどを配布する取組を開始いたします。
こうした取組によりまして、区市町村と連携して、早期診断、早期対応を推進してまいります。
次に、認知症のある人の行方不明対策についてでございますが、都は、行方が分からなくなった方の早期発見に向けた見守りネットワークを構築しまして、GPS機器や連絡先が分かるキーホルダーなどを活用する区市町村を支援しております。今年八月に開催した区市町村などとの連絡会では、行方不明対策の課題や好事例について共有しております。
また、各自治体の行方不明対策の取組について、ホームページで発信するほか、地域で見守りや声かけ等を行う認知症サポーターに養成講座などで周知しております。
今後、当事者や家族の意見を聞きながら、認知症のある人に一層声をかけやすくするための方策について検討を進めてまいります。
次に、医療的ケア児等への支援についてでございますが、都はこれまで、医療的ケア児とその家族を支援するため、家族に代わり医療的ケアなどを行う訪問看護師を派遣する区市町村を支援してまいりました。
今年度からは、特別支援学校を卒業した後も、ニーズに応じた支援を引き続き受けられるよう、障害者の夕方以降の居場所の確保に取り組む区市町村への支援も開始いたしました。
今般の医療的ケア児支援法の改正では、成人後も切れ目のない支援を受けられるよう、支援対象が拡大されました。こうしたことも踏まえ、次期障害者・障害児施策推進計画の策定に向けまして、必要な施策を検討してまいります。
次に、保育サービスの充実についてでございますが、都は、区市町村が保育ニーズに柔軟に対応できるよう、短期間で整備が可能な小規模保育所の整備費や賃借料などを独自に補助しております。
また、駅前など利便性の高い場所に送迎ステーションを設置し、定員に余裕のある保育所まで児童を送迎する取組などを支援しております。
保育ニーズに地域的な偏在が生じており、区市町村が地域の保育ニーズを的確に捉え、実情に応じて受皿を確保できるよう、こうした様々な支援策により後押しするとともに、今後、待機児童対策協議会で意見交換しながら、保育サービスのさらなる充実に取り組んでまいります。
次に、保育人材の確保についてでございますが、地域の保育ニーズに適切に対応するためには、保育を支える人材の安定的な確保が重要でございます。
このため、都は、保育士養成施設在学者への修学資金貸付や保育従事者に対する資格取得支援、キャリアアップ補助、宿舎借り上げ支援など、様々な取組を実施しております。
また、事業者や養成施設、区市町村等が参画する協議会などにおいて、人材の確保、育成、定着について意見交換を行っておりまして、こうした場も活用して、人材の確保に向けた効果的な方策を検討してまいります。
最後に、ベビーシッター利用支援事業についてでございますが、本事業は、利用者が事業者へ利用料を支払った後、区市町村に助成金を申請する仕組みでございます。
このため、利用者からは、一時的な利用料の立替えや申請書類の提出が負担との声をいただく一方、区市町村からは、個々の利用者から申請を受けるため、審査や支払いに係る事務量が多くなるとの意見をいただいております。
こうしたことから、都は、利用者の利便性向上や、区市町村の事務負担軽減に向けまして、電子チケットを活用したシステムの導入に着手いたします。
来年度からの試験運用を目指しまして、今後、開発を進めてまいります。
〔子供政策連携室長田中愛子君登壇〕
○子供政策連携室長(田中愛子君) 子供を性暴力から守る取組についてでございますが、子供に対する性暴力は被害者の心身に甚大な影響を及ぼし、かつ人権を著しく侵害する極めて卑劣で悪質な行為です。子供性暴力防止法を対象事業者が理解し、円滑に準備できるよう、都は国等と連携し、ガイドライン等を周知しております。
加えて、今後、都のウェブサイトで法令の内容や事業者が掲示するステッカー等の情報発信を行い、保護者も含め、都民へ制度の浸透を図ります。
さらに、教育や保育等の現場において、法への対応が任意の事業者も含め、法に基づく取組を適切に進められるよう、事業者へのサポートの強化に関する国への要望や、都としての支援の在り方を検討してまいります。
〔生活文化局長古屋留美君登壇〕
○生活文化局長(古屋留美君) 私立幼稚園の保護者への支援についてお答えいたします。
都民が希望する幼児教育を子供に受けさせることができる環境の整備は重要でございます。
幼稚園の保護者負担軽減につきましては、国や都の支援に加え、区や市などにおいても独自の支援を行っていることで、一定の水準まで負担軽減が図られております。
加えて、都が国に要望した結果、十月からの国の補助額が引き上げられることとなり、さらなる保護者の負担軽減が図られます。
今後とも、本制度に責任を持つ国に保育料の上昇等を踏まえた支援の拡充を継続して要望していくとともに、引き続き適切な支援を行ってまいります。
〔住宅政策本部長山崎弘人君登壇〕
○住宅政策本部長(山崎弘人君) 都営住宅の共用部の管理についてでございますが、居住者の高齢化が進み、自治会活動の担い手が減少する中、都は、居住者に代わって管理の一部を実施し、共益費として徴収する事業を推進しております。
昨年度から、希望する自治会への個別説明を実施しており、今年三月からは、新たに集会所の光熱水費の徴収を追加し、申込みを受け付けております。
今後は、新たに入居を開始する建て替え団地において、共益費徴収事業の適用を標準的な取扱いとすることを検討してまいります。
こうした取組を通じて、自治会を支援し、都営住宅における良好な居住環境の確保に努めてまいります。
〔都民安全総合対策本部長石川泰三君登壇〕
○都民安全総合対策本部長(石川泰三君) 町会、自治会等の防犯カメラ設置についてでございますが、都では、地域の安全・安心の確保に向け、地域における見守り活動が活発に展開されるよう、町会、自治会、商店街等が設置する防犯カメラ等に対する補助を行っております。
令和七年度には、いわゆる闇バイト強盗の発生による都民の防犯意識の高まりを受け、二年間の緊急対策として、防犯カメラの設置に係る補助率の引上げなどを実施いたしました。
さらに、今年度は、地域における防犯カメラの設置ニーズに対応できるよう、予算を増額しております。
今後とも、地域の安全・安心の確保のため、地域における見守り活動の活性化を支援してまいります。
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