令和八年東京都議会会議録第十二号〔速報版〕

○副議長(菅野弘一君) 百二十二番竹井ようこさん。
   〔百二十二番竹井ようこ君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○百二十二番(竹井ようこ君) 熊本地震、この間の豪雨災害で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 私は、東京都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会を代表し、都政の諸課題について質問をいたします。
 初めに、知事の基本姿勢について伺います。
 小池都知事は、成長、成長と繰り返し強調されます。もちろん成長は重要です。しかし、その成長を都民一人一人が実感できる幸せへと着実に結びつけていくことこそが肝要です。
 二〇五〇東京戦略では、誰もが将来の夢や希望をかなえ、一人一人がもっと輝く東京を目指すとしています。しかし、東京には、家賃も住宅価格も高過ぎて住み続けられない、低所得というほどではないけれども、暮らしのコストに押し潰されそうだという人々が多くいらっしゃいます。
 そして、子育て世帯、高齢者、障害者、低所得者の皆さんはもちろん、それらの既存の行政カテゴリーのはざまにいて、困っていても光が当たらない人々、こういう皆さんの日々の生活にも光を当て、真に誰一人取り残すことのない施策の展開を強く期待します。
 今こそ全体を俯瞰する鳥の目に加えて、虫の目を持って、厳しい物価高に直面する都民の実際の暮らしを間近に見詰め、寄り添っていくことが重要です。
 今後の二〇五〇東京戦略の推進に当たり、都民生活の実情に根差した施策の展開について、知事の見解を求めます。
 中東情勢の悪化などの影響で、九月一日からは、食料品などおよそ五千品目が値上げとなりました。コスト上昇分を価格転嫁する動きは今後も継続して、十月からも幅広い分野で大規模な値上げが実施されます。
 夏に行った予算要望ヒアリングでも、ほぼ全ての団体の皆さんから物価高対策への要望をいただきました。
 都では、物価高騰の影響が続く中、エアコン等の利用を控えることのないようにとの理由から、夏期に限って、水道料金の基本料金四か月分を無償にしていますが、厳しい物価高に苦しみ続ける都民に対しては、夏の期間に限定しない物価高対策をちゅうちょなく講じるべきだと考えます。
 物価高についての今後の見通しと、物価高対策についての知事の基本認識を伺います。
 次に、一人で暮らすという生き方を支える東京について伺います。
 私は、結婚や子供の有無、家族の形にかかわらず、誰しもがその人らしく安心して暮らせる東京であるべきだと考えます。
 二〇二〇年の国勢調査では、東京都の単身世帯は約三百六十三万世帯、一般世帯の五〇・三%を占め、もはや一人暮らしは東京で最も一般的な世帯の形です。
 しかし、社会制度や行政サービスには、家族による支えを前提としてきたものが多く、一人暮らしへの支援も、高齢、困窮、孤独、孤立など、それぞれの課題ごとに行われているものが中心となっています。
 一方、ソウル市においては、一人世帯を一つの生活形態として捉え、単身世帯支援基本条例を制定、単身世帯支援課を設置して、住まい、健康、食生活、社会的つながりなど、様々な課題を横断して支援しています。
 私がお話を伺った韓国の女性からも、結婚してもしなくても、一人でも生きていけると行政が示してくれることに安心感があるとの言葉がありました。また、単身世帯の若者の安定した暮らしを支えることが、将来、所帯を持つことへの橋渡しになり得るとの指摘もあります。
 大切なのは、一人であることを問題にするのではなくて、一人で暮らすことで生じる不安や不利益を社会の仕組みによって小さくすることです。
 そこで、知事に伺います。
 単独世代が既に過半数を占める東京において、一人で暮らすことを一つの生活形態として政策に明確に位置づけ、年齢や性別、所得にかかわらず、その実態やニーズを把握するとともに、住宅、医療、介護、就労、社会的つながりなど、各局の施策に横串を通すことも必要だと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、就職氷河期対策について伺います。
 就職氷河期世代の先頭層は、あと十年ほどで六十五歳を迎えます。この世代は、若年期に安定した雇用機会を得られず、非正規雇用や低賃金が長期化し、その影響が現在まで続いています。
 不安定就労は、生涯所得に加え、年金加入や保険料の未納、免除、退職金や資産形成にも影響が及びます。さらに親の高齢化や死亡を機に、複数の問題が一気に顕在化するおそれがあります。
 これらの構造的な課題は、雇用、福祉、医療、介護、住宅、孤独、孤立対策など、都政の幅広い分野に及びます。
 都は、支援につながっていない人も含め、実態と支援ニーズを関係各局が横断的に調査するべきです。その上で、社会全体で包摂していくという視点に立って、包括的な支援策につなげるべきだと考えますが、見解を伺います。
 知事は所信表明で、AIによる変革、AXを強力に進め、人間とAIの関係性の在り方を世界に発信すると述べられました。
 AIが示す答えや選択肢を前提として考えることが当たり前になれば、最後に人間が決裁するだけで人間が主体といえるのでしょうか。AIを使うことはあっても、AIに使われてはなりません。
 最近も、主要IT企業トップが、AIを適切に管理しなければ人類への脅威となり得るとの警鐘を鳴らしています。
 AIがどれほど高度化しても、人間が主体であり続けるために、何を人間の判断として守り、どこに一線を引くのか。知事が考える人間とAIの関係性について、見解を伺います。
 次に、教育施策について伺います。
 東京の持続的な成長を牽引する原動力は人であり、人への投資として教育施策の抜本的拡充こそが、未来の東京を切り開きます。
 変化の激しい時代を生き抜く次世代の可能性を解き放つため、知事は教育を都政の最重要戦略としていかに位置づけ、覚悟をもって展開していくのか、知事の見解を伺います。
 義務教育完全無償化について伺います。
 我が会派は、生まれ育った環境に左右されず、誰しもが望む教育を受けられる社会を目指し、毎定例会で教育無償化を一貫して訴え続けてまいりました。
 教育格差の是正と子育て世代のさらなる負担軽減に向けて、まずは修学旅行の完全無償化に踏み出すべきと考えますが、見解を伺います。
 公立学校の業務負担軽減の工夫について伺います。
 教育委員会は、令和八年度で終了する学校における働き方改革の推進に向けた実行プログラムの改定に向け、有識者会議で検討を進めています。そこでは、外部人材の活用や職場風土の変革など、一歩踏み込んだ議論がなされており、副校長補佐やスクールサポートスタッフなど、人的支援の拡充を求めてきた我が会派の考えとも重なるものです。
 先般、都立学校の学校行事の外部委託について報道されましたが、重要なのは、生徒主体の学校行事という教育的意義を守りながら、教員が担ってきた周辺業務や安全管理などの負担を切り離していくことです。
 そこで、教員が担ってきた業務のうち、今後どのような業務について外部委託や外部人材を一層活用して教員の負担を減らしていくのか、見解を伺います。
 都心のマンション価格が高騰しています。投機的取引も含めて、異常ともいえるマンション価格などの高騰に対して、価格の適正化に向けた対策に取り組むべきだと考えます。
 そこで、都は、住宅価格高騰に対する投機的取引の影響をどのように認識しているのか、また、短期転売の抑制など、住宅を実需優先とするための規制や制度について、国への提案とともに条例化も含めて適正化策を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 住宅価格、家賃が上昇する中、東京に暮らす中低所得者層や東京を支えるエッセンシャルワーカーが都外に転居しなくても済む住宅政策が求められています。
 都が、姉妹友好都市関係を結ぶパリ市やニューヨーク市、ロンドン市では、働く人たちの暮らしを支える住宅政策を充実させています。私たちも、物価高に困窮する多子世帯などに対して、家賃補助を行うことを求めています。
 住居費の高騰が進む東京において、格差を是正する再分配政策をさらに進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 小池都知事が、一部のエッセンシャルワーカーの人たちに対して、居住支援特別手当などの形で、実質的な家賃補助をしてきたことについては評価をいたしています。
 一方で、介護、福祉の現場からは、居住支援特別手当について、支給対象を介護、福祉職員及び介護支援専門員に限るのではなく、看護師や栄養士などにも拡充してほしいという強い要望が寄せられています。
 また、勤続六年目から手当が減額になることは、職員のモチベーション低下を招きかねず、対策が必要です。
 介護、福祉職員への居住支援特別手当の対象を拡大するなど、制度を拡充するべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、災害対策、猛暑対策について伺います。
 災害時には、自力での備えや避難が難しい人ほど、より大きな危険にさらされます。高齢者や障害者、難病患者、乳幼児のいる家庭など、災害弱者となりやすい方々を支えることが必要であって、それは特別な配慮ではなく、都の基本的な責務であります。
 都は区市町村と連携し、誰もが安全に避難し、必要な水や食料、トイレや空調、電気や通信、医療や介護などを確保できる体制を強化するべきです。
 その際には、市区町村ごとの財政力や福祉資源の違いによって、守られる命と暮らしに格差が生じないよう、都が広域自治体として役割を果たすことが求められます。
 そこで、誰一人取り残さない防災対策について、知事の見解を伺います。
 一時間当たり百ミリを超える豪雨も珍しくなくなりました。河川においては対策強化流域を、下水道においては内水氾濫の危険性の高い地域を重点地区として選定しています。
 都は、調節池、地下河川などの巨大施設で対応していくとのことですが、下水道施設の能力向上に加え、雨水貯留浸透施設など、具体的に豪雨対策を強化していくことが必要です。
 今般、国において都市型水害対策で重点的に対策を行うべき地区における計画降雨の見直しの検討をし始めました。
 都としても、河川や下水道等を整備する際の目標の引上げも含めて見直すべきと考えます。国の動きを踏まえ、都として豪雨対策をどのように考えるのか、見解を伺います。
 都は、雨水浸透施設や雨水貯留タンクの設置など、各自治体が行う対策に補助を行っていますが、流域対策を進めるに当たり、今後市区町村への技術的、そして財政的支援をどのように進めるのか、見解を伺います。
 昨今の大雨被害の状況を踏まえ、早急に全ての自治体が止水板設置補助の、この制度を導入できるよう促していくべきだと考えますが、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 都市型水害において、アンダーパス対策は喫緊の課題です。都は、冠水警報表示板の設置を進めるとしていますが、表示による注意喚起だけでは、夜間や視界不良、急激な冠水の際に、車の進入を確実に防ぐことはできません。
 そこで、私は、特に危険性の高いアンダーパスから、気象情報や水位センサー等と連動して、自動または遠隔操作で作動する遮断機など、物理的に侵入を防ぐ設備を整備することを提案いたしますが、見解を伺います。
 あわせて、区道、市道の対策支援の強化を求めますが、見解を伺います。
 大規模商業施設における地震後の安全確保について伺います。
 七月の熊本地震では、イオンモール熊本から一度避難したテナント従業員の方二名が、売上金を金庫に保管するような指示を受けて館内に戻り、その後の爆発で残念ながら亡くなってしまいました。
 人命より売上金の管理が優先されることは、二度とあってはなりません。施設の安全管理が完了するまで再入館させないなど、避難後の安全対策を徹底する必要があります。
 そこで、災害発生時に帰宅困難者を受け入れるための大規模商業施設などの一時滞在施設について、より一層安全確保の取組を強化するべきだと考えますが、見解を伺います。
 熊本地震では、猛暑下の避難生活における暑さ対策や、停電時の電源確保の重要性が改めて浮き彫りになりました。停電で真夏の避難所で空調が使えないことは、熱中症や災害関連死にもつながりかねません。
 都は、防災対策の総点検を踏まえ、再生可能エネルギーや蓄電池の導入、空調設備の整備等を挙げています。災害時にも避難所の機能を確実に維持するため、市区町村への支援を今後どのように強化をしていくのか、見解を伺います。
 次に、ケアラー支援について伺います。
 会派でケアラー当事者からヒアリングを行い、高齢者の介護だけでなく、障害者、障害児など、多様な立場でのケアの実情と現状と家族支援の必要性を改めて実感いたしました。
 医療、介護、福祉資源にどうつながればよいか分からない、NPOや家族会など民間資源と行政との連携や継続的な支援が十分ではないなどの課題も見えてきました。
 東京都は、核家族や共働き世帯も多いという特性があります。大都市東京の暮らしの中にあるケアの課題をどのように捉えているのか、知事の見解を伺います。
 都としては、今後、ケアの対象者の特性による課題や家族介護者の多様な実態を把握した上で、どのように取組を進めていくのか、見解を伺います。
 次に、地域医療構想と都立病院について伺います。
 国は、二〇四〇年とその後を見据え、高齢化に対応した医療体制を再構築するため、新しい地域医療構想を示しました。また、三党合意では、病床十一万床減少で、医療費一兆円を削減するとしています。
 一方、八十五歳以上を中心に救急や在宅医療の需要が増加する中、医療や介護を担う人材の確保は一層難しくなります。
 都は、地域ごとの需要と資源を把握し、多職種による情報共有や退院支援、在宅療養を担う人材の確保などを進めるとともに、市区町村の地域包括ケアの取組と併せて在宅療養を支える体制を強化するべきです。見解を伺います。
 次に、都立病院の中期目標について伺います。
 都は、独立行政法人化により、柔軟かつ機動的な人材確保や病院運営が可能になると説明してきました。しかし、現場からは深刻な人手不足が指摘され、病床利用率の低下や病棟の休止も生じています。
 こうした状況を踏まえて、都は、独法化によって当初想定した効果が実現していると評価しているのか、見解を伺います。
 新しい機能への転換を提案いたします。
 病床の利用状況だけを見て規模を縮小するのではなく、空いた病床やスペースを感染症発生時に速やかに転用できる機能として確保しながら、平時は在宅療養への移行支援、小規模看護多機能施設、それから医療的ケア児、ケア者への支援、地域の医療人材の研修など、都立病院に求められる多様な機能に活用することを検討するべきです。
 都立病院の機能を縮小するのではなく、都民の医療ニーズに応じて多機能化していくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、女性の健康推進について伺います。
 今年度の予算委員会では、我が会派の桐山議員から、女性活躍には女性の健康支援が不可欠であり、特に施策が手薄な更年期支援への強化を求めました。
 更年期症状による経済損失は、国の試算で約一・九兆円に上ります。都は、プレコンセプションケアで検査費用を助成していますが、更年期世代にはこうした直接的な支援が十分ではありません。
 プレコンセプションケアの取組も生かし、更年期世代にも検査費用を助成し、婦人科への受診や継続的な健康管理につなげるとともに、ホルモン補充療法や薬剤など、治療に伴う経済的負担の軽減も含め、更年期支援を具体的に進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、障害者施策です。
 都立特別支援学校では、保護者が送迎をしている場合があり、その負担は重く、保護者の就労支援の観点からも都有施設での放課後の居場所の確保が不可欠です。
 大塚ろう学校の先行事例や知的障害特別支援学校高等部の調査研究を踏まえ、今後こうした取組を全校展開していくべきだと考えますが、見解を伺います。
 中軽度障害者への医療費助成についてです。
 知的障害者、精神障害者の約半数は年収百万円未満という厳しい状況で、当事者やご家族からも切実な声が多数寄せられています。
 この状況を踏まえ、現在の制度の対象外である愛の手帳三度、四度など、中軽度障害者への医療費助成の段階的な改善も含め、早急な見直しを求めます。見解を伺います。
 障害児を育てながら働く保護者からは、収入が増えたことで手当の対象外となって、働く意欲がそがれるという切実な声をいただきました。
 知事は、段差の解消を繰り返しおっしゃっています。働いて所得が増えたら手当がなくなるのでは、まるで罰のようです。
 都の制度である児童育成手当や重度心身障害者手当につきましても、段差解消を含め、手当の改善、拡充に取り組むべきだと考えますが、見解を伺います。
 東京都手話言語条例に基づく乳幼児からの手話獲得環境の整備について、都議会全議員の共同提案で成立した東京都手話言語条例では、相談支援と学校支援の二つの条文において、乳幼児期からの切れ目のないという言葉が実に二回刻まれております。
 しかし、都の難聴児相談支援センターは個別相談にとどまり、都立大塚ろう学校のひよこぐみも機会は限定的です。明晴学園めだかや大阪府のこめっこのような、日常的な手話獲得環境は公的事業化されておらず、条例が掲げる切れ目のない支援は現場で途切れてしまっています。
 都は、難聴児に対し、単なる相談にとどまらず、乳幼児期に日常的に手話に触れ、言語として獲得できる公的な環境整備がなお不十分である現状について、どのような課題認識を持っているのか、見解を伺います。
 東京都障害者情報コミュニケーション条例を踏まえ、伺います。
 駅の無人化が進む中、聴覚障害者からは手話や文字での対話、視覚障害者からはインターホン位置の音サインやスマホナビなど、DXを活用した環境整備の要望が届いています。
 駅の無人化で意思疎通に支障が生じている現状を、条例の趣旨に照らしどう認識し、事業者の理解促進へ条例の周知にどう取り組んでいくのか、見解を伺います。
 また、第一回定例会代表質問などで、ホームドア設置を強く求めましたが、現状は、インターホン一つでも当事者に不自由を強いている状況であります。
 駅の無人化は事業者の経営方針でありますが、バリアフリー法や差別解消法による合理的配慮の義務に加え、条例で事業者の責務も示された今、障害者等に必要な情報が提供されるように、都としても意思疎通支援の観点から主導的に支援策を講じるべきです。
 無人化された鉄道駅については、障害者にとって利用しやすい環境づくりのため、最新技術を活用した情報保障の強化に向けて、都として事業者に対し、どう働きかけを進めていくのか、見解を伺います。
 難病患者の都職員への採用選考が今年度から始まりました。募集五名に対して百四十一名もの応募がありました。今後、採用を増やすことも検討する必要があると考えます。
 難病患者のニーズを丁寧に把握し、それぞれの状況に応じた配慮を行うなど、安心して働き続けることができる取組が必要だと考えますが、見解を伺います。
 次に、子ども施策です。
 今年度の都の保育待機児童数は、対前年七百七十四人増の千百十三人となりました。八年連続の減少から増加へ転じた一方で、保育士人材供給の縮小も危機的であります。
 保育士養成機関での定員割れや募集停止、保育士養成課程の学生減少と、今後保育士不足の深刻化が明らかですが、再び保育待機児童増の長期化とならないよう、さらなる保育士確保策が必要です。
 教員や児相職員に対して、都が実施する奨学金返済支援を保育士にも行うべきです。現在の保育士修学資金貸付事業は返済免除達成率が高く、保育士定着率も高いものの、成績や家庭の経済状況、勤続年数等の申請条件があって、利用者数は低水準が続いております。これを改めるべきです。
 また、東京アプリで潜在看護師登録を募集したように、潜在保育士登録もアプリで募集をし、都が保育事業者へ紹介をすれば、事業者の負担軽減にもつながります。併せて見解を伺います。
 保育園から学校、そして社会全体へと育っていく子供たちを性暴力から守ることは当然のことですが、被害を防ぐだけでなく、子供を加害者にしないことも併せて、子供を守ることは大人の責任です。そのためには、国際セクシュアリティ教育ガイダンスを含めた包括的性教育が不可欠です。
 これには、幼児期からの取組が求められることに加え、教育現場だけでなく、家庭、事業者、地域など、様々な関係者が進めるべき課題であることから、横断的な対策の推進が極めて重要です。
 そこで、新規プロジェクトにおいては、子供を性暴力から守るために、包括的性教育の推進も含めて、幅広い取組を検討するべきと考えますが、見解を伺います。
 学校現場での安全対策も大変重要です。
 我が会派は、石巻市震災遺構大川小学校を現地視察し、被災でお子様を亡くされた語り部の方から、事前防災の重要性を教えていただきました。
 先日の滝野川第三小学校における火災では、学校の安全管理の脆弱性が露呈をいたしました。このたびは、救助袋を用いた避難が行われませんでしたが、その普及だけではなく、訓練の実施を小中学校や都立学校でしっかり行うことが大切です。
 こうしたことを踏まえ、有事の際に児童生徒の命を守るため、想定外を排した実践的な危機管理マニュアルの改定と実効性のある避難訓練をするべきと考えますが、見解を伺います。
 給食調理室の暑熱対策について伺います。
 文部科学省の統計だけを見ると、東京都の学校給食調理場の調理室等における空調設備の設置率は九七・九%となっていて、ほぼ整備が完了しているように見えます。
 しかし、国の調査では、本設空調が設置されていない学校が、スポットクーラーを設置すれば、空調設備ありとしてカウントされている例が多数あります。私の地元小平市もその一例であります。
 スポットクーラーは局所的に冷風を送るもので、調理室全体の温度を管理する本設空調とは異なります。調理中の室温が四十度に達するといった報道もありました。これでは、調理員の健康を守る上で十分な環境とはいえませんし、子供たちに提供される給食の安全性への影響も懸念されます。
 そこで、都教育委員会は、本設空調とスポットクーラーを区別するなど、給食調理場の空調整備の実態を的確に把握するとともに、市区町村が調理場全体の温度を適切に管理できる空調設備の整備を着実に進められるよう、支援の実効性を高めるべきだと考えますが、見解を伺います。
 次に、環境政策について伺います。
 初めに、脱炭素についてです。
 この夏は都内をはじめ全国各地、さらには世界的な気候災害が生じ、温暖化が原因とされています。脱炭素の取組のスピードを一層速めなければ、次世代へのツケはさらに大きくなっていきます。
 七月に会派で福島第一原発と東京電力廃炉資料館を視察いたしました。改めて、地震大国日本において、核廃棄物処理への道筋も見えない中で、原発に依存しない再生可能エネルギーへの転換を急ぐべきだと感じました。
 都は、二〇五〇年ゼロエミッション東京の実現に向け、二〇三五年までに都内に太陽光発電設備を四百万キロワット導入するという新たな政策目標を掲げ、現在九十六万キロワットになりました。
 都内での再生可能エネルギーの割合は、二〇三五年までに六〇%とする目標に対して、現在二五・四%まで来ていますが、今後どのように取組を加速させていくのか、知事の見解を伺います。
 次に、都市環境の維持です。
 知事は所信表明で、いわゆるポイ捨て禁止条例の制定検討に言及をされました。しかし、都内六十二区市町村のうち既に八割超の自治体が、条例によって、まち中でのポイ捨て禁止やごみの持ち帰りを定めており、二十五自治体では罰則も設けている状況です。
 また、自動販売機だけでなく、飲食料販売事業者にごみ箱の設置を義務づける自治体もあります。
 こうした状況下で、都が、ポイ捨て禁止に取り組むのであれば、市区町村への支援拡充を通じて、地域間の連携強化や重点地域での対応力強化を進めることが重要だと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、データセンターについてです。
 データセンターは、建築基準法上、一般的に事務所として扱われる一方で、多量の重油を貯蔵し、大規模な機械設備を有するなど、その実態は一般的な事務所とは大きく異なっています。
 それにもかかわらず、現行制度では事務所と同様の規制体系の下に置かれており、市街地における安全性の確保や住環境の配慮という観点から、十分な対応が図られているとはいいがたい状況にあります。
 安全性や環境の確保に対して適切な規制ができていないデータセンターの現在の取扱いを見直すとともに、データセンターの特性に応じ、例えば建築基準法で規制を講じるなど、必要な法制度の見直しを国に働きかけるべきと考えますが、見解を伺います。
 この夏の記録的な暑さもしかりですが、データセンターの整備によって、地球温暖化に拍車がかかり、周辺地域にも熱害を及ぼすことが懸念されています。
 今年三月、ケンブリッジ大学や南洋理工大学などの国際研究チームが、データセンター稼働後の周辺の地表温度が平均で約二度、最大で九度近く上昇したとの論文を報告いたしました。データヒートアイランド現象です。
 そして、小平市もそうですが、都内で今整備が進むデータセンターは、全て住宅近接地で計画をされています。
 都においても、データセンターによるデータヒートアイランド現象への対策を講じるべきですが、見解を伺います。
 次に、多摩のまちづくりについて伺います。
 知事は、多摩地域のブランド力強化の取組の一つとして、武蔵村山市へのニューヨーク大学の誘致に向けた検討を掲げました。
 世界的な大学の教育、研究拠点が多摩地域に立地することは、国際的な人材の交流や地域の大学、企業との連携など、大きな可能性を有するものです。
 知事が所信表明で誘致に向けた検討を掲げた、その具体的な構想と狙いについて伺います。どのような教育、研究機能や規模を想定し、今後どのように検討を具体化していくのでしょうか。
 また、多摩都市モノレールの延伸を契機としたまちづくりと連動させ、地元自治体や大学、企業等との連携をどのように進め、多摩地域全体の価値向上につなげていくのか、知事の見解を伺います。
 次に、火葬問題について伺います。
 本年八月七日、小池都知事は高市総理と面会をし、都内の火葬料金の高騰などを踏まえ、民間火葬場に対する行政の指導監督の実効性を高めるため、墓地埋葬法の改正を要請しました。これに対し、高市総理からは、国と都が連携して進めていきたい旨の発言があったとされています。
 これは、これまで国との間で必ずしも認識が一致してこなかった火葬場の経営管理の在り方について、大きな前進であると考えます。
 高市総理との面会において、知事は具体的にどのような法改正を求め、総理との間でどのような認識を共有したのか。また、火葬料金の適正化を含め、現在、国とどのような協議を進めており、今後、法改正の実現に向けてどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 次に、平和施策について伺います。
 広島、長崎での被爆から八十年余が経過し、被爆者の高齢化が進む中、被爆の実相を語り継ぐ環境は大きな転換期を迎えています。
 原子爆弾がもたらした非人道的な被害や歩んでこられた試練の歴史を、風化させることなく後世に伝えていくことは重要です。
 都内在住の被爆者の方々で構成される東友会における証言活動や展示、刊行物等は、都民が平和の尊さについて考える貴重な機会となっています。
 被爆者の証言の記録、映像化など、被爆の実相を次世代へ継承する取組をより一層進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、令和八年八月十三日から施行された国旗の損壊等の処罰に関する法律、いわゆる国旗損壊罪について伺います。
 本罪については、構成要件である、人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法という基準が極めて曖昧であり、その運用によっては、憲法上の思想良心の自由や表現の自由に抵触するとの根強い懸念があります。
 これを受け、警察庁から都道府県警察に対し、国旗の損壊等の処罰に関する法律の施行に伴う関係規定の適切な運用等についてと題する通達が発出されています。
 通達は、構成要件該当性や違法性阻却事由の有無について、組織的かつ緻密な擬律判断の徹底を求めており、警察官が行為を現認した場合の現行犯逮捕についても、違法性阻却事由がないことが明白であることを含め、犯罪であることが明白で、かつ、犯人も明白である場合にしか行うことができない、つまり明らかに違法で、犯人も明らかである場合にしか現行犯逮捕はできないと、高いハードルを設けています。
 さらに、通達では、法の趣旨、内容等とともに、全ての警察職員に対し、十分な指導教養を徹底することを求めています。
 本罪の不当な法執行を防ぐため、現場の警察官が、構成要件該当性や違法性阻却事由に関する高度な法律解釈を伴う判断を適時適切に行うことが求められますが、警察庁の通達を受け、警視庁は、表現の自由を萎縮させないための配慮を含め、現場の警察官に対し、どのように指導教養を徹底していくのか、見解を伺います。
 最後に、カスハラ防止対策推進事業企業向け奨励金について伺います。
 十月一日からは、改正労働施策総合推進法が施行されます。全国でカスタマーハラスメントに関する相談体制の整備や、対応方針の明確化などを義務づける取組が始まります。
 現在、都においては、カスハラ防止奨励金、これについては今受けられなかった事業者が存在するなど、取組に課題があるというふうに考えております。その確認が必要であります。
 その応募倍率はどの程度であったのか、また、次回の応募に当たっては、今回の落選した事業者がしっかりと補助を受けられるように対応するべきだと考えますが、見解を伺います。
 以上で、東京都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会を代表しての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 竹井ようこ議員の代表質問にお答えいたします。
 二〇五〇東京戦略についてであります。
 私は知事に就任して以来、成長の源泉である人を政策の中心に据えまして、都民のニーズや声に耳を傾けながら様々な施策につなげてまいりました。
 具体的には、チルドレンファーストの社会、アクティブな長寿社会の実現など、人に焦点を当てた政策を推進するとともに、都民生活の応援やセーフティーネットの充実など、都民一人一人の暮らしを下支えする施策も展開をしております。
 今後もこうした取組を着実に進めまして、全ての人が輝く東京を実現してまいります。
 物価高への対応についてであります。
 物価高騰の影響が長期化する中、都民、事業者の不安を払拭していくことが重要であります。
 都はこれまでも、都独自の物価高対策を継続、拡充するほか、都民生活の応援や中小企業への賃上げ、価格転嫁対策など重層的な取組を着実に推進しております。
 今後とも、社会経済情勢の変化や、都民、事業者への影響などを踏まえまして、的確に対策を講じてまいります。
 次に、多様なニーズに応じた施策の実現についてであります。
 都は、ライフイベントにおけます多様な価値観を尊重しながら、二〇五〇東京戦略の下、単身世帯も含めて誰一人取り残さないという考え方に立って、あらゆる分野で施策を展開してまいりました。
 今後とも、社会情勢の変化や都民の声を的確に捉え、人々の不安や困難に寄り添った包摂的な社会の実現に向けまして、着実に取組を進めてまいります。
 次に、東京の教育施策についてであります。
 東京の将来を担う子供たちが、社会や経済の急速な変化に適切に対応する力を習得できるよう、様々な施策を適切に進めることは重要であります。
 引き続き、誰一人取り残さず、全ての子供が将来への希望を持って自ら伸び、育つ教育の実現に向けて取り組んでまいります。
 次に熊本、千葉の災害を踏まえた取組についてであります。
 大規模な地震や風水害に備えまして、都はこれまでも、耐震化や調節池の整備、避難所改革等の取組を進めてまいりました。
 今般の熊本地震や千葉豪雨を踏まえまして、都の防災対策の総点検を行いました。
 災害に強いまちづくりや避難生活上の暑さ対策、多様なニーズに配慮した被災者支援、区道、市道も含めたアンダーパスの冠水対策など、ハード、ソフトの両面から取組を推進しまして、東京の災害対応力を高めてまいります。
 次に、ケアラーについてのお尋ねです。
 高齢化の進展や核家族化など、世帯の状況は変化しておりまして、いわゆる八〇五〇問題など、その課題も複雑化、複合化しております。
 都は、介護サービス基盤の整備を進めるほか、ヤングケアラーなど分野横断的な課題に対する相談体制の確保などに取り組んでおりまして、今後とも介護を担っている家族を支援してまいります。
 脱炭素についてであります。
 気候危機の影響が深刻さを増す中、都市の持続可能性を高めるため、再エネの導入拡大は不可欠であります。
 都は、太陽光設置義務化等の制度や支援策を強化するなど、取組を戦略的に進めており、これによりまして、都内の太陽光発電導入量や再エネ利用割合は大きく増加をいたしました。
 今後もゼロエミッション東京に向けまして、再エネの基幹エネルギー化を実現してまいります。
 次に、都市環境の維持についてであります。
 東京が誇るまちの清潔さを保つためには、区市町村等と連携した美化の推進が必要でございます。
 このため、都は、今年度から関係団体等と共に、ごみの持ち帰りなどの広報を展開するほか、ごみ箱の整備や地域の美化活動を支援しております。
 今後、審議会での議論を踏まえまして、条例化を含めた実効性ある取組について、来年度早期をめどに検討を進めてまいります。
 これらによりまして、清潔で快適な都市環境を目指してまいります。
 次に、ニューヨーク大学との連携についてのお尋ねがございました。
 将来の東京の発展のため、都市としての研究や教育の力を高めることは重要です。
 このため、世界で優れた研究と教育の機関であるニューヨーク大学と連携を進めることといたしました。
 これによりまして、都立高校生などの若者がこの大学の優れた学びに触れるなど、様々な効果が期待できるところであります。
 今後、多摩都市モノレールの延伸の機会を捉えまして、関係局や地元自治体等と連携して、同大学の有する知や人材を多摩地域の魅力の一つとしてまいります。
 火葬場に係る法改正についてでございます。
 火葬場は、経営主体にかかわらず公共的な役割を担っており、国の責任において必要な措置を講ずるべきと認識をしております。
 都は、火葬行政を担う特別区と共に、民間火葬場の経営管理に関する監督官庁の指導権限の明確化などにつきまして、法令等の整備を国に要望いたしました。
 また、先月、高市総理に面会をいたしまして、火葬場に係る課題に対応するため、法改正に向けて連携して進めていく旨の認識を共有いたしております。
 火葬場の経営管理が適切に行われますよう、引き続き国と連携し、対応してまいります。
 なお、その他の質問につきましては、警視総監、教育長、都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔警視総監筒井洋樹君登壇〕

○警視総監(筒井洋樹君) 国旗の損壊等の処罰に関する法律の施行に伴う警察官への指導教養についてご質問がありました。
 警視庁では、法律の施行に先立ち、全ての所属長に対し、関係規定の運用に関する留意事項を示した上で、現場警察官にこれらを周知徹底するよう指示するとともに、機動隊長、警察署長等に対し、オンラインで説明会を実施するなどして、法律の趣旨等を踏まえた適切な運用を図っております。
 引き続き、法律違反に該当し得る事案を認知した際は、個別具体の事実関係に即して、法と証拠に基づき、組織的かつ緻密に検討した上で、適切に対処してまいります。
   〔教育長坂本雅彦君登壇〕

○教育長(坂本雅彦君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、公立小中学校の修学旅行の無償化についてでございますが、保護者の負担する修学旅行の費用への支援は、基本的には設置者がそれぞれの判断で対応するものでございます。
 次に、公立学校の業務負担の軽減の工夫についてでございますが、公立学校で教員の様々な業務の負担を減らし、教育活動に力を入れることのできる環境づくりは重要でございます。
 このため、都教育委員会は、公立学校の教員が教育活動に取り組む時間の確保に向け、事務的な仕事を減らす支援を行ってまいりました。
 具体的には、教員以外でも対応できる業務の一部に関し民間に委託するほか、外部の人材が担う対応を実施しております。
 今後とも、こうした取組によりまして、教員の働き方の改革を進めてまいります。
 次に、特別支援学校の放課後の居場所についてでございますが、特別支援学校に通う障害のある子供たちが放課後に充実した時間を過ごす環境づくりは重要でございます。
 都教育委員会では、都立ろう学校の子供たちのため、放課後等に学校で過ごす場所を確保しております。
 また、二つの特別支援学校におきまして、子供たちが校内で興味や関心などに応じ、放課後を過ごすモデル的な取組を進めております。
 さらに、障害に応じた放課後の校内での過ごし方について関係局と協力し、調査研究を行っております。
 次に、公立学校での災害時の避難についてでございますが、公立学校で災害が発生した際、生徒等が確実に避難できるルールづくりや訓練は重要でございます。
 これまで都教育委員会は、生徒などの安全の確保を図るため、都立学校ごとの危機管理のマニュアルの充実を進めております。こうした内容につきまして、区市町村との間で情報共有を行っております。
 今後とも、このようなマニュアルにのっとり、公立学校において、災害と子供たちの状況等を想定した避難訓練を行ってまいります。
 最後に、公立小中学校の給食調理室の空調についてでございますが、公立小中学校の給食調理室の整備は、原則として設置者である区市町村の責任と負担において行うものでございます。
 都教育委員会は区市町村に対し、国の補助に上乗せする助成によりまして、そうした整備を進める支援をしております。
 なお、公立小中学校の給食調理室の状況について国が調査を実施しております。
   〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕

○東京都技監(谷崎馨一君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、豪雨対策についてでございます。
 都は、令和五年に豪雨対策基本方針を改定いたしまして、気候変動に伴う一・一倍の降雨量に対応するため、目標降雨量を十ミリ引き上げました。
 これに基づきまして、河川や下水道の整備及び流域対策により、浸水被害を防止することとしております。
 また、目標降雨を超える降雨に対しましても、水害に強い家づくり、まちづくり対策や避難方策に取り組むこととしております。
 昨今の水害に対する国の動向も注視しつつ、今後とも本方針に基づき、豪雨対策に取り組んでまいります。
 次に、流域対策についてでございます。
 気候変動の影響により激甚化、頻発化する豪雨に対応するには、河川や下水道の整備とあわせまして、それらへの負荷を軽減する流域対策が重要でございます。
 都は、雨水浸透ます設置などの流域対策の助成制度を有する自治体に対しまして、補助を行っております。また、自治体による補助制度の構築などに対する技術的な支援を実施しております。
 今後も区市町村と連携いたしまして、都内全域で流域対策を推進してまいります。
 次に、止水板の設置についてでございます。
 水害に対する安全を確保するためには、河川や下水道の整備、流域対策に加えまして、止水板の設置などが有効、効果的でございます。
 都は、止水板設置の助成制度を有する自治体に対しまして、補助を行っております。また、制度を有しない自治体につきましては、制度創設に向けた技術的な支援を実施しております。
 これらによりまして、区市町村の取組を後押しし、浸水対策を推進してまいります。
 次に、無人化された駅での情報保障についてでございますが、国が公表している駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン等を踏まえまして、鉄道事業者が実施すべきものでございます。
 本ガイドラインでは、障害者が無人駅を利用する際には、適切な情報提供が重要であり、AIカメラによる旅客検知や画像表示機能を搭載したインターホンなど、安全、円滑に利用できる環境整備を検討することを求めております。
 都は、ガイドラインで示された内容も踏まえまして、鉄道事業者に適切な対策を働きかけてまいります。
 最後に、データセンターに係る国への働きかけについてでございます。
 建築物が周辺に与える影響につきましては、建築基準法や消防法、環境確保条例等により、建築物の用途や規模、危険物の貯蔵、騒音、振動など、それぞれの内容に応じた規制が講じられております。
 データセンターの整備が今後も見込まれる中、地域との共生を適切に誘導するため、都は、本年三月にガイドラインを策定するとともに、国に対しまして、データセンターの施設計画等に応じた建築基準法上の取扱いにつきまして、早急に明確化することなどを要望しております。
   〔産業労働局長吉村恵一君登壇〕

○産業労働局長(吉村恵一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、就職氷河期世代対策についてでございます。
 就職氷河期世代の方が中高年層に達する中、都は国の調査等も活用しながら、非正規労働や家族との同居状況など実情や課題を把握しております。
 また、これを踏まえ、国や関係局等とも連携し、正規雇用化の後押しなどの支援に加え、高齢期を見据えた仕事以外の相談への対応など、就労や生活基盤の安定に向けた取組を実施しております。
 次に、カスハラ対策奨励金についてでございます。
 本年六月に実施した第一回受付では、二千五百件の募集に対し二倍を超える数の事前エントリーがあったことから、抽せんを実施いたしました。
 多くの申込みがあった状況を踏まえ、来月受付を開始する第二回では、件数を五千件に拡大いたします。また、早期の取組を促す本奨励事業の趣旨に鑑みまして、第一回の抽せんに漏れた事業者に対応するため、個別に申請手続の案内を実施いたします。
  〔デジタルサービス局長高野克己君登壇〕

○デジタルサービス局長(高野克己君) AIに関するご質問にお答えいたします。
 都政におけるAIの利活用に当たっては、リスクへの適切な対応を図りながら、積極的に推進していくことが重要でございます。
 こうした認識の下、東京都AI戦略では、最終的な判断や責任は人間が担うことなど、利活用推進に当たっての基本方針を掲げております。
 また、本年三月策定のガイドラインでは、企画や運用といった各段階で、AIの適用範囲の明確化やAIが出力した結果への職員の関与など、導入、活用に当たって留意すべき事項とその対応策を示しております。
 これらを通じて都民が信頼できるAI利活用を図り、都民サービスの質の向上につなげてまいります。
   〔住宅政策本部長山崎弘人君登壇〕

○住宅政策本部長(山崎弘人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、住宅価格についてでございますが、住宅価格は、市場における需要と供給の関係や建設費など、様々な要因により形成されるものと認識しており、都は、都民がニーズに応じた住まいを選択できる環境整備に向け、様々な政策を総合的に推進しております。
 また、実需に基づかない投機的取引は好ましくないことから、その抑制に向け税制措置等に関する国への働きかけなど、必要な対策を検討してまいります。
 次に、住宅政策についてでございますが、都民の居住の安定の確保は重要であり、都は、都営住宅の供給に加え、民間賃貸住宅を活用した重層的な住宅セーフティーネット機能を強化し、都民が安心して生活できる住まいの供給に取り組んでおります。
   〔福祉局長奈良部瑞枝君登壇〕

○福祉局長(奈良部瑞枝君) 八点のご質問にお答えいたします。
 まず、居住支援特別手当についてでございますが、介護サービス事業などは、介護報酬等により運営されることが基本でありまして、都は国に対し、事業者が人材の確保、育成、定着を図り、事業運営を安定的に行うことができる報酬とするよう、繰り返し提案要求しております。
 国が必要な見直しを講じるまでの間、介護職員や介護支援専門員、障害福祉サービス等の福祉、介護職員を対象に、月額一万円の居住支援特別手当を支給する事業者を支援しております。
 また、人材確保の観点から、勤続五年目までの介護職員には一万円を加算し、月額二万円を支援しております。
 次に、ケアラーへの支援についてでございますが、都は、高齢者保健福祉計画や障害者・障害児施策推進計画、地域福祉支援計画などに基づきまして、介護が必要な方やその家族も含め、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、様々な施策を進めております。
 具体的には、レスパイトに有効なショートステイなどの基盤整備や、ビジネスケアラーの負担軽減を図るための介護情報ポータルの構築のほか、地域の実情に応じた区市町村の取組への支援などを行っておりまして、今後とも介護を担う家族への支援に取り組んでまいります。
 次に、障害者の医療費助成についてでございますが、国は障害者の医療費について、医療保険制度のほか自立支援医療費の支給などで負担軽減措置を講じております。
 都の心身障害者医療費助成制度は、所得税の特別障害者控除との整合性や医療に係る経済的負担が大きいことを踏まえまして、その対象を重度障害者としております。
 次に、障害児への手当についてでございますが、児童育成手当及び重度心身障害者手当は、制度が発足した当時は不十分であった国の所得保障を補完し、ひとり親家庭や障害児を育てる家庭を支援する役割を担ってまいりました。
 所得基準につきましては、それぞれの施策の目的などを踏まえて適切に設定しております。
 次に、乳幼児期からの手話に関する支援についてでございますが、手話言語条例では、都は関係機関と連携して、乳幼児期からの切れ目ない相談支援体制の整備及び拡充に努めるものとされております。
 都は、令和六年に難聴児相談支援センターを開設し、療育、教育機関につながるよう支援するほか、補聴器、手話などに関する情報提供等を行っておりまして、引き続き、乳幼児期から切れ目ない支援を行ってまいります。
 次に、情報保障への事業者の理解促進についてでございますが、障害者が必要な情報を取得し、円滑な意思疎通を図るためには、都民や事業者が意思疎通などの重要性について理解を深める必要がございます。
 都は、障害者情報コミュニケーション条例の施行に当たり、リーフレットなどを配布したほか、デジタル機器を活用した工夫や現場での配慮の事例などを紹介するデジタルブックを作成しまして、広く周知しております。
 福祉のまちづくり推進協議会などでも、交通事業者を含む事業者団体へ情報提供しておりまして、引き続き様々な機会を通じて事業者の理解促進に取り組んでまいります。
 次に、保育人材の確保についてでございますが、都は、都内の保育所などに五年間勤務した場合に返還を免除する修学資金貸付けを実施しておりまして、令和七年度の貸付件数は三百三十三件、前年度比で三十件の増となっております。
 また、保育人材・保育所支援センターのコーディネーターによる就職相談、保育士等キャリアアップ補助や宿舎借り上げ支援など、様々な取組を実施しております。
 引き続き、保育人材の確保に向け、必要な取組を行ってまいります。
 最後に、潜在保育士への再就職支援についてでございますが、都は、保育人材・保育所支援センターにおきまして、無料の個別相談や就職相談会を実施するなど、保育現場への就業を支援しております。
 また、保育士資格を有しているが就業していない、いわゆる潜在保育士に対しまして、リスキリング研修やマッチングなどを行っております。加えて、センターの支援を受け再就職した方には、東京アプリでポイントを付与するなどの取組を実施しております。
 引き続き、潜在保育士を含む保育人材の確保に向けまして、必要な取組を行ってまいります。
   〔建設局長久野健一郎君登壇〕

○建設局長(久野健一郎君) 冠水時のアンダーパスへの進入防止についてでございますが、都は、冠水したアンダーパスへの進入を防ぐため、警報表示板により注意喚起するとともに、交通管理者と連携して通行止めを実施しております。
 自動で作動し、車両の進入を防ぐ遮断機などの導入に当たっては、機器類の設置スペースや作動時の事故回避に向けた安全性の確保などの課題がございます。
 引き続き、現場の状況を踏まえ、必要な対策を講じてまいります。
   〔総務局長山口真君登壇〕

○総務局長(山口真君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、区道、市道のアンダーパス対策についてでございますが、都は、昨年七月の都内の大雨、今年八月の千葉豪雨の際、道路冠水注意箇所であるアンダーパスの対策状況を調査し、各道路管理者へ注意喚起を行っております。
 事例共有や技術的助言など、関係者と連携しまして、区市の冠水対策を進めてまいります。
 次に、一時滞在施設の安全確保についてでございますが、都はこれまで、大規模商業施設など民間一時滞在施設が安全に運営できるよう、都立一時滞在施設の運営マニュアルを提供してきました。
 マニュアルでは、躯体やガス設備など建物の安全をチェックリストで確認した上で、帰宅困難者を受け入れるよう定めております。また、希望する施設には専門家を派遣し、発災時の対応などを助言しております。
 熊本地震での事故を踏まえまして、全ての一時滞在施設に対し、改めて災害時に施設の安全確認を徹底するよう、区市町村を通じて要請をしておりまして、引き続き安全な施設運営を確保してまいります。
 次に、避難所の暑さ、停電対策についてでございますが、都はこれまで、避難所となる公立小中学校の体育館などへの空調設備の導入を後押ししてまいりました。
 また、今年度、スポットクーラーや非常用発電機などを、避難所の環境整備に関する区市町村補助の対象に加えました。
 今後、熊本地震を踏まえまして、区市町村と連携し、避難所の環境整備や再エネ、蓄電池の導入などを進めることとしております。
 最後に、難病患者の職員への配慮についてでございますが、職員が能力を十分に発揮できるよう、個々の状況に応じた働きやすい職場づくりが重要でございます。
 都はこれまでも、難病や障害の特性に応じて、職場において配慮すべき事項をまとめた事例集を作成するほか、症状に応じテレワークなど柔軟な働き方の活用や、業務内容の配慮などを行っております。
 引き続き、難病や障害の有無にかかわらず、誰もが活躍できる職場環境の確保に努めてまいります。
   〔保健医療局長高崎秀之君登壇〕

○保健医療局長(高崎秀之君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、新たな地域医療構想についてでございますが、今後増加が見込まれる在宅医療の需要に対応していくためには、在宅療養体制の整備と担い手の確保が必要でございます。
 新たな構想の策定部会では、在宅医療の二十四時間診療体制の確保や多職種連携のさらなる推進等について議論しており、高齢者を地域全体で支える体制が重要などの意見がございました。
 引き続き、部会での議論を重ね、東京の地域特性を踏まえた構想の策定を進めてまいります。
 次に、都立病院の独法化による効果についてでございますが、都立病院は、独法化後も行政的医療を安定的に提供し、新型コロナ等の有事に率先して対応するなど、公的な病院として都の医療を支えてまいりました。
 また、機動的な人材確保等や患者動向に応じた病床運用を行うほか、相談支援や地域医療機関との連携を推進するなど、医療ニーズに適切に対応しております。
 第一期の業務実績に対しても、着実な業務の達成状況にあると評価しておりまして、今後も都立病院が求められる役割を果たし、都民に必要な医療を提供できるよう取り組んでまいります。
 次に、都立病院の機能についてでございますが、都立病院はこれまでも、急性期を中心とした行政的医療などを提供するとともに、患者、家族への相談や退院支援、医療的ケア児の受入れ、地域医療機関等を対象とした研修や訓練の実施など、都民ニーズに応じた様々な取組を行ってまいりました。
 第二期中期目標案では、さらなる高齢化を見据えた総合診療体制の強化や周産期医療の推進などにより医療機能を充実するほか、有事対応力の向上を図ることとしております。
 今後も都民の医療ニーズに柔軟、迅速に対応できる病院運営に取り組んでまいります。
 次に、女性の健康についてでございますが、女性はライフステージごとに様々な健康課題に直面するため、生涯を通じた健康づくりへの支援が重要でございます。
 都は、心身に不調を抱える女性が相談や受診につながるよう、更年期障害をはじめとした健康課題について、各疾患の症状や相談窓口、診療科などの情報を発信しておりまして、今後も女性の健康づくりの支援を推進してまいります。
 最後に、被爆の実相の継承についてでございますが、都は、被爆者の会である一般社団法人東友会に委託しまして、原爆犠牲者追悼のつどいを開催し、被爆者の方の証言を聞く機会を毎年設けております。
 また、東友会が開催する原爆展につきましては、後援名義の使用承認が申請された場合には、実施内容を審査した上で承認しております。
 引き続き、原爆の記憶を次世代に伝える取組を行ってまいります。
   〔子供政策連携室長田中愛子君登壇〕

○子供政策連携室長(田中愛子君) 子供を性暴力から守る取組についてでございますが、都はこれまでも、子供や保護者が相談しやすい体制の充実や、成長、発達段階に応じた正しい知識の理解促進など、被害者への支援と性暴力の未然防止に取り組んでまいりました。
 子供を性暴力から守る取組を新たなリーディングプロジェクトに位置づけ、子供を被害から守るとともに、加害者にしないための方策を、今後関係局と連携し検討してまいります。
   〔環境局長宮澤浩司君登壇〕

○環境局長(宮澤浩司君) データセンターの排熱についてお答えいたします。
 デジタル社会に不可欠なデータセンターの整備に当たり、都は環境配慮の取組を進めております。
 具体的には、データセンターの排熱を有効活用する技術を持つスタートアップに対し、実用化に向けた支援を実施しております。また、排熱利用の取組例などを示したガイドラインを事業者に対して周知しております。
 こうした取組によりまして、データセンターの環境負荷の低減を促してまいります。

○議長(増子博樹君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後五時四十分休憩