令和八年東京都議会会議録第十二号〔速報版〕

   午後一時開議

○議長(増子博樹君) これより本日の会議を開きます。

○議長(増子博樹君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(増子博樹君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(小河原靜子君) 知事より、地方自治法第二百四十一条第五項の規定により、令和七年度東京都区市町村振興基金及び東京都用品調達基金の運用状況に関する調書等の提出がそれぞれありました。
 また、地方自治法第百五十条第六項の規定により、令和七年度東京都内部統制評価報告書等の提出がありました。
(別冊参照)

○議長(増子博樹君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、令和七年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について外一件が提出されました。これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(増子博樹君) これより質問に入ります。
 百十九番森村隆行君。
   〔百十九番森村隆行君登壇〕

○百十九番(森村隆行君) 質問に先立ち申し上げます。
 このたびの熊本地震、千葉の豪雨災害などで被災された全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 また、昼夜を分かたず災害対応に尽力された自治体職員をはじめ、関係する全ての皆様に心から敬意を表します。
 名誉都民である美輪明宏さんが去る六月に、室井摩耶子さん、加藤一冑さんが七月に、草間彌生さんが八月にご逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 令和八年第三回定例会に当たり、都民ファーストの会東京都議団を代表し、知事、副知事、教育長及び関係局長に質問いたします。
 熊本地震は、東京の防災を問い直す多くの教訓を残しました。私たちは、発災直後に熊本地震PTを設置し、有志が被災地で災害ボランティアとして活動、現地の状況を踏まえた提言を知事に提出しました。
 痛感するのは、災害から命を守るだけでなく、助かった命を守り抜くことの重要性です。猛暑の中で避難生活や復旧作業が続き、熱中症が疑われる災害関連死の事例も確認されました。建物やインフラの強靱化に加え、避難所の暑さや寒さ、食事、トイレ、睡眠、衛生、医療など、避難生活の質を高める必要があります。
 また、大規模災害では、全国からの職員、専門職、民間団体、ボランティア、物資を受け入れ、必要な場所につなぐ受援力が欠かせません。線状降水帯などによる豪雨にも備え、高齢者、障害者、外国人旅行者など、多様な人々を守る視点が必要です。
 TOKYO強靱化プロジェクトを加速し、下水道やアンダーパスを強化するとともに、グリーンインフラを生かしたまちづくりを進める。さらに、情報収集から復旧までデジタルを活用し、苦手な人にも支援を届ける。各地で起こる災害の教訓を東京の備えにつなぎ、ハードとソフト、リアルとデジタルを組み合わせ、誰一人取り残さない防災力を高める観点から、以下伺います。
 まずは、知事に伺います。
 都は、今夏の災害を踏まえ、今後、防災対策の取組をどのように進めていくのか、知事の見解を伺います。
 都内に広がる木密地域において、地震による火災の延焼を防ぐために不燃化が大切です。緊急輸送道路の道路閉塞を引き起こさないためには、都全体の機運醸成が不可欠です。
 木密地域の不燃化、建築物の耐震化を進めるため、建物所有者等が具体的な行動を起こしてもらう取組を一層推進していくべきと考えますが、見解を伺います。
 大規模災害時における首都圏全域を見据えた広域連携について伺います。
 東京の経済活動や都市機能は、都内のみならず、首都圏全体の広域的なつながりによって成り立っています。そのため、首都直下地震をはじめとする大規模災害が発生し、その後の応急復旧対策が遅れた場合は、都を含めた首都圏全域の社会活動や住民生活に大きな影響を及ぼすおそれがあります。
 大規模災害に広域的に対処できるよう、他県との連携を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 アスベスト対策について伺います。
 建築物が倒壊、損壊すると、建材に含まれるアスベストが露出、飛散し、被災者だけでなく、復旧に携わる多くの方が暴露するおそれがあります。一方で、発災後にアスベストの状況を一つ一つ確認していくことには限界があります。
 都は、区市町村のアスベスト対策を支援し、災害時には専門団体との連携や環境モニタリングなどの仕組みを整えています。重要なのは、これらの取組が実際の現場で機能することです。
 そこで、区市町村と連携し、平時の備えから発災後まで切れ目なく機能するアスベスト対策を構築すべきと考えますが、見解を伺います。
 被災時に、どんなことがあっても学びを止めない取組は、子供たちの日常を取り戻し、復興と希望につなげる上で重要です。一方、発災直後の学校では、避難所運営や学校再開、心のケアなど、教職員の負担が大きくなります。今回の熊本地震においては、私たちの要請を受け、都が初めて学校支援チームを立ち上げ、約百三十名の教員等がエントリーし、派遣に備えたことを評価いたします。
 今回の熊本での活動を生かし、東京で災害が発生した際、都内の学校の早期の復興等につなげられるよう、学校が外部からの支援を受け入れる力、いわゆる受援力も高めていくべきです。
 今回の立ち上げの経緯と実際の被災地での活動、そして、今後の取組について伺います。
 今年、全国各地で時間百ミリを超える記録的豪雨が発生し、急激に水位が上昇するアンダーパスへの車両の進入防止の重要性が認識されました。都は、今回の豪雨を受け、排水ポンプや非常用発電装置の緊急点検を実施しましたが、排水能力を超える冠水も想定し、検知から通行止めまでの初動対応を強化すべきです。
 また、区道、市道も含め、危険性の高い箇所から、警告表示の改善に加え、カーナビやカメラによる遠隔監視、自動遠隔操作による遮断機など、新技術を活用した対策を進めるべきです。
 国や区市と連携して、冠水のおそれのある箇所と対策状況を把握し、進入防止設備等の導入を検討するとともに、区市の取組を技術面、財政面から支援すべきと考えますが、見解を伺います。
 加えて、水害のリスクが高いのが、三百万人の都民が暮らす東部低地帯です。地盤高が満潮位より低い海抜ゼロメートル地帯が広がり、一たび大規模水害が発生すると広範囲で、長期間の浸水被害が想定されることから、堤防や水門等の耐震、耐水対策を推進し、水害への備えに万全を期していく必要があります。
 そこで、東部低地帯における河川施設の耐震、耐水対策を着実に推進すべきと考えますが、見解を伺います。
 今年の豪雨では、雨水をくみ上げ、排水する下水道のポンプ所そのものが被災する事例も見られました。気候変動の影響により豪雨の激甚化、頻発化が進む中、首都東京においても下水道の浸水対策を緩めることなく進めていくことが重要です。
 昨今の豪雨被害を踏まえ、区部における下水道の浸水対策を一層強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 さらに、区部の多くで採用されている合流式下水道では、豪雨時にまちを浸水から守るため、汚水混じりの雨水を河川や海へ放流する仕組みとなっています。特に、湾岸部では高層住宅等が集積する中、浸水対策と良好な水環境の確保を両立させることが重要です。都ではこれまで、降雨初期の特に汚れた下水を貯留する施設の整備など、令和五年度末までに国基準への対応を進めてきましたが、さらなる対策を進めるべきです。
 そこで、さらなる水環境の向上を図るため、下水道における雨天時放流水質の向上の取組を一層推進していくべきと考えますが、見解を伺います。
 東京湾の防潮堤や護岸など、海岸保全施設の強靱化も急務です。地震による施設の損壊と大型台風が重なれば、甚大な浸水被害が懸念されます。気候変動を見据えた防潮堤のかさ上げに加え、被災後の迅速な復旧には、被害状況の早期把握が不可欠です。
 発災直後は、人員や移動手段が限られることも想定し、新技術を活用した効率的な施設点検など、首都東京を守る海岸保全施設について、発災後の応急復旧に向けた体制を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 都は、あらゆる災害に対応したTOKYO強靱化プロジェクトを進めていますが、今般の災害の検証結果等も踏まえ、想定される被害を見極めながら施策を強化するとともに、熱放射の対策など、都民が実感できる暑さ対策をプロジェクトに明確に位置づけ、福祉やまちづくりなど、各局横断で取組を強化すべきです。
 激甚化、複合化する災害や気候変動を見据え、東京の強靱化をさらに進めていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 都市の強靱化を支える防潮堤や調節池等の整備には多額の資金が必要であり、国内外から幅広く投資を呼び込むことが重要です。都は、強靱化プロジェクトを財源面から支えるため、昨年、世界初の国際認証レジリエンスボンドを発行し、本年は円建てでの発行も予定しています。こうした金融の力を活用した防災投資を国内外に広げるには、自治体や企業が活用でき、投資家にも資金使途等が分かりやすい共通の指針が必要です。
 知事は所信表明で、レジリエンス強化に向けた共通原則の策定に取り組むことを明らかにしましたが、都の知見を生かし、国際機関等とも連携しながら、世界に通用する効果的なものとし、国内外へ普及を図るべきと考えます。知事の見解を伺います。
 熊対策について伺います。
 昨日、八王子市内でもツキノワグマが発見され、危機レベル3として、緊急銃猟が行われました。都内ではツキノワグマの目撃が増加し、都は猟友会と連携したハンター巡回を開始いたしました。一方、ハンターの高齢化が進み、免許を取得しても実地経験を得る機会が乏しく、人材の育成につながりにくいのが現状です。
 さらに、狩猟免許は三年ごとの更新を逃して失効すると、全試験を受け直す必要があり、復帰の障壁となっています。ハンターを増やすためには、失効者向け再取得講習、熟練者とのマッチング、実地研修を一体化したハンターリターン制度なども考えられます。
 狩猟者が現場で活躍しやすくなる取組を進めるとともに、狩猟免許の更新や一定の要件を満たす失効者の現場復帰を後押しするような取組により、捕獲人材の確保を強化すべきですが、見解を伺います。
 六月に北区の小学校で十一人が負傷する火災が発生いたしました。火元となった四階の教室付近には、避難器具である救助袋が設置されていたものの使い方が分からず、その結果、児童らは窓の外の狭いひさしに避難することになりました。その後の検証では、この救助袋を使った避難訓練が実施されていなかったことが明らかになりました。設備があっても、実践的な訓練や運用体制がなければ有事に機能しません。
 小中学校における防火安全対策は、学校側が主体的に取り組むべきものですが、今回の火災をきっかけに、学校現場での実践的な訓練と知識の底上げが必要です。
 小中学校における防火安全対策に関する指導を推進していくべきだと考えますが、東京消防庁の見解を伺います。
 私たちは、チルドレンファーストの視点から様々な提案を行ってまいりました。本日は、保育、ベビーシッター、教育について取り上げます。
 本年四月の都内待機児童数は、一千百十三人と増加に転じました。これは、都の子育て施策の成果により、東京で産み育てたい世帯が増え、保育需要が高まった現れでもあります。
 保育所施設整備が進んだ今、求められるのは需要の地域偏在への対応です。地域の申込み状況や住宅開発等を把握し、受皿を計画的に確保するとともに、既存の保育所や幼稚園等を柔軟に活用すべきです。
 さらに、待機児童の的確な把握も重要です。通園可能範囲の判断が自治体によって違うなど、国基準への見解の違いもある中、都は、実際の送迎事情等を踏まえるなど、都民生活に寄り添った待機児童の考え方を示すべきです。
 より都民のニーズに即した受皿の整備に向け、区市町村と連携して待機児童対策を機動的かつ強力に進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 知事と共に進めてきたベビーシッター利用支援事業は、今や子育て家庭に欠かせない支援です。しかし、利用ニーズが高く、時間帯によっては予約できないなどの声も寄せられています。現行の制度では、原則児童一人につきシッター一人の配置が求められており、保護者が不在の場面で兄弟姉妹を預けるには、人数分のシッターを確保しなければ補助の対象となりません。子供の多い家庭ほど利用しにくく、限られたシッターの有効活用にも課題があります。
 このことについて、これまでも質問や要望を重ねてきましたが、兄弟姉妹であれば、一人のシッターが複数の乳幼児を保育することができるよう、ベビーシッター利用支援事業の配置基準を見直すべきと考えますが、見解を伺います。
 また、ベビーシッター利用支援事業の一時預かりは利用者の立替払いの負担が大きく、補助金を自治体に請求する手続が煩雑であることも課題になっています。
 利用者の利便性向上に向けた仕組みを構築すべきと考えますが、見解を伺います。
 私たちは、都議選公約に公教育や都立高校のアップデートを掲げてきました。中でも力を入れてきたのが海外支援の取組です。世界の多様な価値観や文化に触れる経験は、若者の可能性を大きく広げます。
 昨年の代表質問では、海外交流の拡充を提案し、従来の一週間の派遣に加え、三週間の海外交流制度が創設され、交流規模は約二倍に拡大いたしました。しかし、なお募集枠を大きく上回る希望者がいます。
 また、公約に掲げた大学生向け給付型留学支援、東京グローバル・パスポートが始まり、難関海外大学を目指す都立高校生等への給付型奨学金も創設されました。
 海外への挑戦を東京の成長力につなげ、より多くの若者のグローバルな活躍を後押しするため、さらなる取組を進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 中学校の成績、内申点を都立高校入試で考慮することは、学校における日々の努力を評価する意義が認められる一方で、生徒、都立高校を取り巻く環境は激変しており、長い間、ほぼ一律の方法により実施されてきた入試制度の在り方は、見直しが必要な時期に来ています。
 現在、都教委は、各都立高校に特色を持たせる取組を進めていますが、それに合わせて入り口の入試制度も学校ごとに特色を持たせるべきであり、その一つとして内申点を用いない方式の入試を積極的に拡大していくべきです。
 都立高校を取り巻く状況の変化を踏まえ、都教育委員会は都立高校の魅力向上に取り組んでいますが、様々な生徒のニーズに応えるため、調査書と関係なく、当日の入試で発揮した力が十分に評価されるような新たな入試制度を積極的に取り入れるべきと考えます。教育庁の見解を伺います。
 多摩地域待望のチャレンジスクール都立立川緑高等学校の入学倍率は、二〇二五年が二・五五倍、二〇二六年が二・一三倍と、潜在的な需要が見えてきました。多様な学びを提供する意味でも、多摩地域での拡充、増設を強く要望いたします。
 子供が安心して成長できる環境をつくることは、社会の責務です。近年、リスクは教育、保育現場だけでなく、SNSなどデジタル空間にも広がっており、家庭や学校任せにせず、社会全体で守る仕組みが必要です。
 二〇二四年に成立したこども性暴力防止法は、本年十二月に施行され、犯罪事実の確認に加え、従事者研修や、日頃の見守り、相談体制の整備など、未然防止の取組が求められます。重要なのは、子供自身が身を守る知識を得ること、大人や組織が安全な環境をつくること、SNSを含む社会環境を安全にすることを一体で進めることです。
 教育、福祉、警察、デジタル政策を横断できる都の強みを生かし、子供、大人、社会環境の三つの視点から伺います。
 いわゆる日本版DBSにおいては、法が対応を義務づける教育や保育の現場が確実に取組を進めるとともに、任意とされた放課後児童クラブや認可外保育所などでも、認定取得が広がるよう促すことが重要です。
 また、SNS等の急速な普及は、子供が性暴力の被害者にも加害者にもなるリスクを加速しています。子供が適切な知識を早期に身につけられるようにすることや、困ったときに相談しやすい環境の整備が必要です。
 事業者のこども性暴力防止法への円滑な対応に向けて、都としてなすべき対策を果断に講じるとともに、子供を性暴力から守るために多面的な対策も行うべきと考えますが、見解を求めます。
 国は、性犯罪、性暴力防止の取組の一環として、その根絶に向け、命の安全教育を全国的に推進していますが、子供を性加害者にしないためには、大変重要な取組です。
 都教育委員会は、性犯罪、性暴力の根絶に向け、より多くの学校において命の安全教育の実施を一層推進していくべきと考えますが、見解を伺います。
 日本版DBSが施行されると、都教育委員会は義務対象事業者として、教職員の性犯罪歴の確認が義務づけられ、子供を預ける保護者にとっては安心材料になります。
 一方で、国の制度では、既に勤務している教職員について、性犯罪歴の確認期限を施行後三年以内としており、全国約二百八十万人に及ぶ対象者の申請を分散して行うこととしています。しかし、子供の安全を最優先に考えれば、確認まで最大三年を要することは看過できません。その間、性犯罪歴の確認がなされていない教員が、子供と日常的に接する可能性が残ることになります。
 また、性被害を受けた子供のうち約半数は、誰にも相談しなかったというデータもあります。子供の性被害をこれ以上起こさない、子供を安心して学校に通わせるためには、法の施行を待たず、現教職員の犯歴確認を行うなど、速やかに対策を講じるべきと考えますが、見解を伺います。
 この十年で、子供、若者を取り巻く環境や悩みは大きく変化し、かつては十分認識されなかった新たな課題も生まれています。
 国の調査では、子供のインターネット利用率は高く、利用時間も増加傾向にあります。SNSは、子供にとって欠かせないツールである一方、性被害、いじめ、誹謗中傷、闇バイト、依存的な利用など、心身の成長に関わるリスクもあります。国内外では利用制限や家庭内のルール作りが進んでいますが、子供の方が新たなサービスに詳しい場合もあり、学校や家庭だけで適切な利用を支えるには限界があります。今こそ都として、子供がSNSを安全に活用できる環境を整えるべきです。
 子供とSNS等との関わりが成長や生活に与える影響について、実態を横断的かつ継続的に調査研究するとともに、大学、研究機関や有識者等との連携も進め、その知見を今後の子供のデジタルセーフティー対策に反映していくべきと考えますが、見解を伺います。
 コロナ禍以来、私たちは、アーティストや芸術文化団体等への支援を進め、誰もが身近に芸術文化に触れられる環境づくりに取り組んでまいりました。
 いよいよこの秋、国際美術展、TOKYO ATLASと文化芸術祭、ARTE TOKYOという二つの大きなアートイベントが開幕します。
 TOKYO ATLASには、先日逝去された草間彌生氏の作品も出展される予定です。多くの都民が作品に込められた草間氏の思いに触れ、その偉大な足跡をしのぶ機会になるということを願うとともに、ここに謹んで哀悼の意を表したいと思います。
 今回立ち上げるアートイベントを一過性の催しに終わらせることなく、培ってきた人材やネットワーク、文化活動の広がりを次につなげ、東京の文化の力を持続的に高めていくことが重要です。
 そこで、開催を契機として東京の文化をどのように発展させようと考えているのか、見解を伺います。
 二〇二八年に開催されるオリンピックQシリーズは、世界トップレベルの競技を間近で観戦することができる絶好の機会です。大会理念の実現には、誰もがアーバンスポーツに挑戦できる環境づくりが重要です。一方、スケートボード等では、まち中での滑走による事故や騒音、施設損傷等が課題です。実施できる場所の確保とともに、マナー啓発や社会的受容の促進など、地域共生の取組を一体的に進めるべきです。
 Qシリーズについても一過性のイベントとせず、レガシーを都全体へ広げていくためにも、アーバンスポーツが地域から受け入れられる土壌づくりを含め、子供たちの挑戦を後押しする取組を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、この十年で顕在化した福祉、医療の課題に正面から向き合う取組について伺います。
 医療的ケア児等とその家族が地域で安心して暮らし続けるためには、訪問看護や訪問リハビリ、短期入所、レスパイトケアなど、在宅生活を支えるサービスの充実が重要です。
 特に夜間は、たんの吸引や体位交換、人工呼吸器の確認などで何度も起き、十分な睡眠を取れないまま日中のケアを続ける家庭もあります。また、必要な医療的ケアの内容や頻度、夜間対応の有無など、支援の必要度は一人一人異なります。
 こうした障害特性や医療的ケア児等の家族の状況を把握するために都が実施した調査で明らかになった実態を踏まえ、次期障害者・障害児施策推進計画の策定に当たっては、在宅生活を支える施策を一層充実させるべきと考えますが、見解を伺います。
 本年度の調査は、医療的ケア児支援法の改正に伴うため、訪問リハビリや短期入所、レスパイトケアを必要としながら医療的ケアを要しない方や、重度知的障害者が対象から漏れる課題があります。今後は、障害特性や生活実態を丁寧に把握し、必要な支援につなげる取組を強く要望いたします。
 都立病院機構は、地方独立行政法人化から四年余りが経過し、第一期中期目標期間の最終年度を迎えました。救急、周産期、小児、精神、島しょ、感染症などの医療を担うとともに、患者本人だけでなく、NICUや長期入院の子供に付き添う家族への支援も重要です。
 都立病院は、来年度から始まる第二期においても、都民から求められる医療を着実に提供し、都民の生命と健康を守る役割を果たしていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 国は、本年六月、二〇四〇年を見据えた医師確保計画策定ガイドラインを通知いたしました。
 東京は、地方に比べて医師の数が多い地域とされていますが、都内でも地域によって状況は大きく異なります。島しょ部や西多摩地域では既に医師不足が深刻化し、厚労省の医師偏在指標においても、全国で最も低い地域の一つになるなど、医療提供体制の維持が危ぶまれています。また、南多摩地域についても、相対的に医師が不足している地域と認識をしています。
 若い医師がキャリアを積む場所である受け入れ先病院の魅力向上策や、医師の派遣を促進するための新たな取組など、複合的な手だてを講じて、深刻な医師不足に悩む地域の医療提供体制の維持に努めるべきと考えますが、見解を伺います。
 脱炭素を進め、東京を持続可能な都市の姿へと転換することが重要です。水素、再エネ、省エネ、資源循環など、技術と社会の変化を取り込み、環境と成長が両立する東京について伺います。
 持続的な経済成長には、石油への依存から脱却し、エネルギー需給構造の転換の加速が不可欠です。欧州でも、エネルギー安全保障の観点から、水素などクリーンエネルギーへの転換が進んでいます。水素は、脱炭素化と安定供給への貢献が期待される一方、高いコストや技術開発、供給基盤の整備が課題です。これらの背景から、都が率先して国内外の都市や企業、研究機関の知見と技術を結集した産官学の取組を一層進めるべきです。
 そこで、他自治体や世界の都市と連携しながら、大都市東京が先頭に立って水素社会の実現を牽引すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 都有施設においても持続可能な再生可能エネルギーを導入していくことが重要です。特に断熱改修は、省エネや快適性の向上、暑さ対策に有効であり、特に熱の出入りが大きい窓の断熱は高い効果が期待されます。
 都は、太陽光発電や蓄電池の導入を進めてきましたが、熊本地震でも課題となった避難所の暑さ対策など、公共施設の断熱化は脱炭素だけでなく、災害時のレジリエンス強化にもつながることから、多くの都民が利用する学校や公民館などの公共施設にも速やかに広げていくべきです。
 都有施設の太陽光発電や蓄電池の設置に加え、断熱改修の取組を昨年度から開始しており、こうした取組を強力に進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 さらに、都内ではCO2排出量の七割超が建築物でのエネルギー使用に起因しており、私たちは、建築物分野における取組強化を後押ししてまいりました。都は昨年度から、大規模建築物の建設時、CO2排出量を評価する取組を開始するなど、積極的に対策を進めていますが、運用時の省エネ対策の強化はもちろんのこと、建設から解体に至るまでのライフサイクル全体の取組により、サプライチェーン全体のCO2を削減するという視点が重要です。
 今後、ライフサイクル全体でのCO2排出削減の視点を踏まえて、取組を一層強化していくべきと考えますが、見解を伺います。
 私たちはこれまで、建設分野の資源循環の要である再生骨材コンクリートの活用拡大を求めてきました。都の令和六年度建設グリーン調達実績調査では、使用された再生骨材は最も性能の低いLのみで、割合も四・五%にとどまっています。その背景には、製造プラントの供給体制が十分に整備されておらず、需要があっても利用できない地域が存在するという課題があります。この課題の解決には、将来的な需要を見通せる環境を整え、事業者による設備投資を後押しすることが重要です。
 建設グリーン調達において、再生骨材コンクリートに置き換えられる可能性がある使用量を性能に応じたランク別や地域別に示し、現在供給が十分に行き届いていない地域への供給拡大に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 住宅価格の高騰や交通混雑など、都民の暮らしに直結する課題を踏まえ、持続可能で安心して暮らせる東京の都市基盤づくりについて伺います。
 都は、住宅政策審議会の中間報告を踏まえ、新たな住宅マスタープラン策定に向けた都の考え方を公表しました。少子高齢化の進展や家族形態の多様化、気候変動への対応など、東京を取り巻く社会経済環境が大きく変化する中、都民が将来にわたり安心して暮らし続けられる住環境を確保し、暮らしの質を一層高めていくことが求められています。
 新たな住宅マスタープランは、単に住宅を供給するという視点にとどまらず、都民一人一人がそれぞれの希望に応じた住まいを確保できる都市東京を実現するという、まさに都民ファーストの視点に立った計画とすべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 近年、大きな課題となっているのが住宅価格の上昇です。原因の一つが、投機目的での短期転売です。国の調査では、購入後一年以内に売買された新築マンションの割合が二十三区で九・七%、都心六区では一二・一%となるなど、短期売買が増加しています。
 投資と投機の区別は困難との意見もありますが、短期間での転売や同一物件の複数戸取得など、客観的に把握できる取引に着目し、できる対策を強化すべきです。私たちの要望も踏まえ、新たな住宅マスタープラン策定に向けた都の考え方では、投機的取引についても対策を講じる方針が示されました。
 住宅価格高騰が続く中、投機的取引の抑制に一層取り組み、実需で住宅を必要とする都民が住まいを確保できるよう取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 また、住宅価格が比較的低廉な多摩地域への移住定住促進についても併せて求めます。
 近年、猛暑が常態化する中、住宅における暑さ対策は重要性を増しています。しかし、現在の都営住宅では、網戸は標準設備ではなく、設置は入居者負担となっています。
 かつては入居者負担であった浴槽や風呂釜を社会環境の変化に応じて設置を進めてきたように、住宅設備に求められる水準は時代とともに変化するものです。
 経済的不安からエアコンの使用を控える都民もいる中、窓を開けて暑さをしのぐためにも網戸は不可欠ですが、自ら業者を探して費用を負担するには高いハードルがあります。
 まずは建て替えや住戸改善、空家修繕を行う住宅から網戸を標準的に設置するなど、段階的に取組を進めるべきと考えますが、見解を伺います。また、網戸に加え、都営住宅の断熱改修も並行して進めることを求めます。
 日暮里・舎人ライナーは、沿線住民の通勤、通学等を支える重要な交通機関ですが、朝の通勤時間帯の混雑が大きな課題です。本年七月の国の調査では、混雑率は前年度より僅かに改善したものの、依然として六年連続で全国ワーストワンになっています。
 私たちの提案により、都は令和七年度、足立区と連携し、朝の混雑緩和に向けてバスを活用した実証実験を実施しました。しかし、ライナーに比べ所要時間が読めないことなどから、バスの利用は十分に広がらなかったと聞いています。沿線住民の負担を軽減するため、さらなる対策が急務です。
 そこで、朝ラッシュ時間帯の混雑対策について、実効性のある対策を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 東海汽船の安全運航の根幹を揺るがす重大な法令違反は、伊豆諸島の島民をはじめ、多くの関係者に衝撃を与えました。事案判明後、私たちは都に対し、迅速な情報収集と提供、国への適切な働きかけ、運航に支障が生じた場合の代替輸送の確保や、島しょ航路の安全管理体制の検証等を強く要望してきました。
 東海汽船は、島民生活を支える離島航路を担う事業者として、二度と今回のような法令違反行為を起こすことがないよう、責任を持って安全管理体制を改善することは当然です。一方で、都も関係機関と連携して同社の改善に関与していくとともに、国の処分の動向を踏まえ、島民の移動や物流への影響を最小限に抑えるよう取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 デジタル、産業、文化、スタートアップ、資源循環など、多様な分野の可能性を引き出し、社会課題の解決と東京の新たな成長につなげる取組について伺います。
 私たちは、都庁をポケットにを合い言葉に、身近な都政の実現に向け、デジタルの活用を推進してきました。その象徴である東京アプリは、生活応援事業の基盤として用いた結果、マイナ登録者数が五百六十万人を超え、都民と行政をつなぐ大規模なプラットフォームへと成長しています。
 本事業は、来年四月一日までとされ、折り返し地点を迎えています。これまで、スマートフォンやアプリの利用に不慣れな方に向けた対面サポートなどを進めていることを評価します。一方で、事業を知らない方や、登録や利用に不安を感じる方など、未参加の理由は様々です。より多くの都民に恩恵を届けるためには、未利用者の状況を分析し、それぞれの事情に応じた周知や、私たちが求めてきた代理申請を含む利用支援を一層進めていくべきです。
 残された期間は半年余りとなっており、様々な手だてを講じることで、多くの都民が本事業に参加できるよう取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 私たちはこれまで、障害や介護など福祉サービスの充実を提案する中で、情報が基礎自治体ごとに紙で管理され、支援対象者の状況を把握しにくいという課題に直面してきました。平時に把握できなければ、有事の迅速な支援はさらに困難です。
 そこで、災害時に一人一人の状況に応じた支援につなげる防災DXを提案、推進してきました。今年度の取組により、東京アプリは、平時から都民との接点を築き、有事には必要な支援につなげる基盤となる可能性を持ちました。今後も都民ニーズに応じた機能拡充を重ね、誰一人取り残さない東京のデジタル基盤へ発展させるべきです。
 平時にも有事にも都民の暮らしを支える基盤として、東京アプリの機能強化を進めていくべきと考えますが、宮坂副知事の見解を伺います。
 夏の暑さが年々厳しくなり、屋外で働く人たちの命と健康を守る取組は、加速的な対応が必要です。都は、今年度、施策の対象を大幅に拡充するなど制度が拡充された一方で、対象については、まだ都民ニーズに合致し切れていない状況です。制度の建てつけが雇用対策として設計されているため、例えば建設業の一人親方や個人事業主などが行う暑さ対策は対象外となっています。
 酷暑の中で働く人たちを幅広く支援できるよう、制度をさらにブラッシュアップするべきと考えますが、見解を伺います。
 私たちは、性自認及び性的指向による差別を禁止する東京都人権尊重条例の創設、パートナーシップ宣誓制度の創設に力を尽くし、あらゆる性の人が生きやすい社会を目指してきました。七月に都男女平等参画推進総合計画が改定されましたが、改定前にはあった性的少数者の項目が削除されたことを懸念しています。
 性的マイノリティーの方々の具体的な困難さを解消するには、人権尊重条例に基づく基本計画で施策を展開するとはしても、この計画には性的マイノリティーを含む全ての都民が平等に参画を目指してのものとするべきです。
 性的マイノリティーへの理解促進や配慮は、多様な人々が尊重される社会の実現に向け、重要な視点です。改定後の計画において、こうした考え方がどのように反映されているのか、見解を伺います。
 海外をはじめ、多くの観光客により都内各地がにぎわっています。インバウンドによる消費額は、昨年に過去最高の九・五兆円となり、観光は重要な産業です。一方、ごみ捨てや路上喫煙、民泊施設の騒音などの影響が住宅地まで及ぶなど、様々な問題も生じています。
 地域の魅力向上に向けては、観光客と住民との相互理解が重要です。都の観光振興は、観光客に東京への理解を深めてもらうとともに、都民が観光客を快く受け入れられる環境づくりの視点を持って進めるべきです。
 観光客と都民がともに快適に過ごし、楽しめる東京という新たな方向性を打ち出し、観光産業振興プランに盛り込んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
 インバウンドの増加に伴い、散乱ごみ等が課題になっています。まちの環境美化は、商店街や地域ボランティアに支えられてきましたが、地域だけでは対応が難しくなっています。一部の商店街では、路上飲食等の清掃が大きな負担となっています。
 こうした中、ポイ捨ての罰則化、ごみ箱設置の義務化などの取組を始める区も出てきました。東京のまちの美しさを保つことは、都市としての価値を維持するためにも重要です。先日の所信表明で、知事から条例化による実効性ある対策の検討を進めるとの発言もありました。
 ごみの発生抑制に向けた環境整備を進めるとともに、条例化を検討するべきですが、知事の見解を伺います。
 都はこれまで、新規就農時の資金面や経営面での支援や栽培技術の指導等に力を注いできた結果、新規就農者は増加しつつあります。しかし、立ち上げ期を過ぎて営農を続けている中、一人で経営の悩みを抱え、伸び悩んでいるケースもあると聞きます。
 東京の農業は、立地上の制約がある一方、スタートアップや大学、企業等が集積する強みを生かし、先進的な取組を展開できる可能性があります。農業者と多様な主体との連携、交流を促し、新たな事業展開につなげる支援を進めるべきです。
 多様な人々が集い、交流する取組を推進することで、農業者の経営のアップデートが図られるよう支援すべきと考えますが、見解を伺います。
 SusHi Tech Tokyo 二〇二六には、百を超える国、地域から六万人以上が参加し、商談数も過去最多となるなど、アジア最大級のイベントへと成長しました。一方、世界では、激甚化する災害、少子高齢化などの課題が複雑化し、解決の最前線に立つ都市の役割が一層重要になっています。
 世界のスタートアップイベントの多くが民間主催の中、都が主催する意義は、官民が連携できる点にあります。AI等のテクノロジーで社会の変革が進む中、次回のSusHi Techでは、どういった切り口で議論を行い、持続可能な都市を実現する場へと成長させていくのか、知事の見解を伺います。
 我が国では、企業価値百億ドルを超えるデカコーンはいまだ誕生していません。骨太の方針に明記されたように、世界で活躍するスタートアップを生み出すためには、創業当初からグローバル市場を見据えた支援が不可欠です。
 海外展開のためには、販路開拓や資金調達に加え、法務や人材確保など、個社では解決が難しい課題があります。これらの課題解決に都がハブになり、国を含めた関係機関それぞれの強みを結集し、オールジャパンでの取組が必要です。
 スタートアップの海外展開に向け、国などとも連携し、実効性ある現地展開支援を進めるとともに、得られた知見やノウハウを全国の自治体にも広く共有していくべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、都が国に見直しを求めてきた火葬体制の整備と不合理な地方税制について伺います。
 火葬事業について、都は、国に対し法改正等を要望し、知事自ら総理との意見交換を行うなど、制度改正に向けた取組を進めています。都が設置した火葬場に係る検討会では、増加する火葬需要への対応をはじめとする幅広い議論が行われています。
 火葬場は、都民生活を支える重要な社会インフラです。将来にわたる安定的なサービス提供のためには、公営火葬場の設置に課題を抱える区市町村への必要な支援を行い、既存の公営火葬場の能力向上を図ることが重要です。
 そこで、東京における持続可能な火葬体制の確保に向けてどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 地方税制の不合理な見直しについて伺います。
 骨太の方針において、東京一極集中の文言は外れたものの、東京からさらに財源を奪おうとする方針が依然として示されています。チルドレンファーストの取組に加え、東京の成長や、激甚化する風水害への備えとして都市の強靱化の推進など、課題は山積しています。
 都政課題の解決のためにこそ、都民の税金が使われるべきです。年末の税制改正に関する本格的な議論を見据え、都の主張をしっかりと展開していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 東京を狙い撃ちにした動きは、税財政にとどまりません。場所だけを理由に、東京二十三区の大学の定員を抑制する不合理な規制は、大学改革を阻み、日本の成長を妨げるものです。この規制は、時限である令和九年度をもって確実に廃止されるべきと申し述べておきます。
 以上、様々な提案をしてまいりましたが、社会経済情勢が大きく変化する中にあっても、東京が成長し、輝き続けるためには、一層の積極的な施策展開が重要と考えます。
 最後に、令和九年度予算編成に向けてどのような考えで取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 都民ファーストの会東京都議団は、発足から十年目を迎えました。私たちは、この間、都民の声に向き合いながら、社会課題の解決に力を尽くしてまいりました。女性、子育て世代、障害者、シニア、福祉や医療従事者など、現場で課題に直面する当事者との対話から生まれた政策提言は、着実に成果を生んできました。
 今後とも、都民ファーストの視点で未来志向の政策を提案し、東京から新しい時代を切り開いていくことを誓い、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 答弁に先立ちまして、一言申し上げます。
 先日、台風二十五号の影響により、関東地方を中心に記録的な大雨が発生し、甚大な被害が生じています。犠牲になられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 森村隆行議員の代表質問にお答えいたします。
 熊本、千葉の災害を踏まえた取組についてのお尋ねです。
 大規模地震や記録的大雨など、大きな災害が立て続けに我が国を襲っております。都におきましても同様の災害がいつ起きてもおかしくないことを改めて肝に銘じ、防災対策を不断に見直すことが重要です。
 都はこれまでも、過去の災害の経験を生かし、耐震化や不燃化、調節池や下水道幹線の整備、防災DX、避難所改革等の取組を進めてまいりました。今般の熊本地震や千葉豪雨を踏まえまして、防災対策の総点検を行い、ハード、ソフト両面から対策を強化いたします。
 災害に強いまちづくりを強力に進めるとともに、避難生活上の暑さ対策や災害用トイレの確保、多様なニーズに配慮した被災者支援、応援職員等の受入れ体制の強化に取り組んでまいります。
 また、区道、市道を含めたアンダーパスの冠水対策や、近隣県と連携した帰宅困難者対策など、豪雨対策を一層推進してまいります。
 東京の災害対応力のさらなる向上を図り、都民の命と暮らしを守り抜く首都防衛を実現してまいります。
 TOKYO強靱化プロジェクトについてであります。
 風水害や首都直下地震をはじめ、東京が直面する災害のリスクから都民の命と暮らし、そして未来を守る首都防衛こそが都の最大の使命であります。
 プロジェクトを始動して四年、東京の強靱化は着実に進展しております。一方、都内を含め、各地におきまして集中豪雨や台風等の被害が頻発しているほか、災害級ともいえる暑さが都民生活に深刻な影響を及ぼすなど、取り巻く状況は大きく変化しております。
 そのため、各地の災害を受けた防災対策の総点検や、策定を進めている首都直下地震の新たな被害想定等を踏まえまして、施策の充実を図ってまいります。
 さらに、暑さなど顕在化している危機への対策も強化し、二〇五〇年代を見据え、今年度末にアップグレードしてまいります。
 備えよ常に、この言葉を胸に、世界で最も強靱な都市東京の実現に向け、取組を強力に推進してまいります。
 レジリエンスファイナンスの共通原則についてでございます。
 世界で気候変動による災害が激甚化する中、知事就任以来、備えよ常にの精神で地下調節池や防潮堤の整備を進めまして、TOKYO強靱化プロジェクト等を通じて、都市のレジリエンス強化を図ってまいりました。
 また、昨年、世界初の国際認証レジリエンスボンドを発行しまして、このプロジェクトを財源面から支え、力強く推し進めるための枠組みを整えました。
 このような金融の力を活用した都市の強靱化の取組を国内外に広げることで、安全な世界を築き上げてまいります。この思いを具現化するため、これまでの知見を生かして、レジリエンス強化に向けた資金調達に関する共通原則を策定いたします。
 来月から、有識者や金融機関、国際機関等との議論を進めた上で、本年度中にバージョンワンを取りまとめて、そして、国内自治体や海外諸都市と意見を交わしながら、この共通原則の国内外への浸透を図り、日本と世界のレジリエンス向上に貢献してまいります。
 都立高校生の海外での交流や学びについてであります。
 これからの東京を担う子供たちが、世界の様々な文化や習慣に触れ、将来に向け海外で学び、活躍するきっかけを提供することは重要です。そうした機会を都立高校で生徒に確保するための多様な工夫に力を入れてまいります。
 国際交流に意欲を持つ都立高校におきまして、より多くの生徒が現地での交流など様々な体験を通じ、海外への理解を深める後押しを進めてまいります。
 世界で通用する感覚を磨く期間を延ばす取組も加えながら、生徒の興味や関心を一層重視した海外での交流のサポートも行います。
 世界を舞台に活躍する、その基礎となる海外の大学での学びを目指す都立の高校生のため、奨学金による後押しを行います。そうした大学での講義や外国での生活を理解する場を用意し、情報の提供も進め、進学を身近に感じる機会づくりに取り組んでまいります。
 将来の東京の発展を担う都立高校生をより多く育成し、国際的な舞台で活躍できるよう支援を加速してまいります。
 次に、都立病院に求める役割についてでございます。
 都立病院は、第一期中期目標計画におきまして、都民の命と健康を守るため、地域に必要な医療を安定的かつ継続的に提供してまいりました。
 今後、高齢化の進展に伴います医療需要の変化や有事対応など、顕在化する医療課題にも柔軟に対応し、その使命を果たしていく必要がございます。
 そのため、第二期中期目標案では、災害、感染症対応や島しょ医療等の行政的医療の充実強化に加えまして、小児、周産期における患者、家族支援の充実など、医療の質のさらなる向上を求めております。
 引き続き、都立病院が有する機能と専門性を最大限発揮することで、誰もが質の高い医療を受けることができ、安心して暮らせる東京を実現してまいります。
 次に、水素の社会実装の推進についてのお尋ねです。
 我が国のエネルギーの安定供給と脱炭素化を実現する切り札の一つが水素です。水素社会の実現に向けまして、国を超え、都市、企業が知恵を持ち寄り、共に歩みを進める流れをつくり出さなければなりません。
 現在、国、企業、自治体のキーパーソンがFCトラック等の大規模導入を共に目指す水素大動脈構想に参画いたしまして、年内に東京で開催する地域準備会に向けて、モビリティーの需要喚起や、水素を供給する地域等との連携に向けた議論を進めております。
 来月、都は、水素の国際会議、HENCA Tokyoを開催するとともに、山梨県での水素国際サミットにも参加いたします。海外の有識者や水素ビジネスを牽引する企業などとグローバルな市場動向を共有しまして、議論を重ねることで、各地域との連携を深めてまいります。
 ここで得た知見やネットワークを踏まえまして、東京における水素の社会実装の将来像や進め方をデザインし、共有することで、自ら先頭に立って力強く歩みを進めてまいります。
 新たな住宅マスタープランについてであります。
 大量の空家予備軍の存在や老朽化したマンションの増加など、住まいを取り巻く環境は大きく変化しております。こうした変化を住環境を高める好機と捉え、大胆な住宅戦略を描いていかなければなりません。
 その際重視すべきは、都民ニーズを的確に捉える視点と、住宅ストックを最大限に生かす視点であります。都民誰もがライフステージや暮らし方に応じて住まいを選び、安心して住み続けられる東京を実現してまいります。
 空家など既存ストックを最大限活用しまして、アフォーダブルで良質な住宅など、様々なニーズに応じた住まいの選択肢を充実してまいります。また、多くの都民が生活するマンションの良好な管理と再生を通じまして、百年安心して暮らせる環境を実現してまいります。
 新たな住宅マスタープランの策定に向けて、従来の延長線上にとどまることなく変化を的確に捉え、実効性の高い施策を検討してまいります。
 観光地などでの地域美化の取組についてであります。
 国内外の旅行者の増加は、東京ににぎわいをもたらす一方で、観光地や繁華街等におけるごみのポイ捨てなどの新たな課題を招いております。
 このため、都は、区市町村や宿泊関係事業者、飲料関連団体などが参加する協議会を新たに立ち上げまして、KEEP TOKYO CLEANを合い言葉に、各地で啓発キャンペーンを展開し、持ち帰りを推奨するなど、オール東京でまちをきれいにする取組を開始しております。
 また、地域住民等が行う美化活動への支援や、自治体と連携したスマートごみ箱の設置、管理等によりまして、シナジーをつくり出してまいります。
 さらに、審議会での議論を踏まえ、対策を先行する区市町村の協力を得て、条例化を含めた実効性ある取組につきまして、来年度早期を目途に検討を進めてまいります。
 これらによりまして、東京を訪れる全ての方々の共感を得ながら、クリーンな都市東京を実現してまいります。
 SusHi Tech Tokyo 二〇二七についてであります。
 世界の各都市で気候変動や自然災害など、様々な課題が顕在化する中、都は、世界の多様なプレーヤーと共に、持続可能な都市を構想する場としてSusHi Tech Tokyoを立ち上げ、対話と共創を重ねてまいりました。
 五回目を迎える次回のSusHi Techでは、急速に進展するAXの時代に、人間はどうあるべきかという問いを設定しまして、世界のリーダーたちと共に、大所高所から集中的な議論を展開いたします。
 さらに、東京から変革のうねりを起こすため、AXを推進しまして、市民や地域と共に持続可能な社会の実現に挑む都市を表彰するSusHi Techシティアワードを新たに創設いたします。
 こうした取組を加え、誰もが行きたくなる唯一無二のグローバルカンファレンスへと進化させ、世界へ強力に発信してまいります。
 次に、火葬体制の確保についてであります。
 火葬場は極めて公共性の高い施設でありまして、安定性や継続性が求められます。現在、火葬場に係る検討会におきまして、火葬能力強化の方策や民間火葬場の経営管理の在り方などについて議論を進めております。
 これまでの議論では、短期間で設置可能な小規模火葬場など様々な整備手法や、設置の基準等について意見が示されております。
 また、先月、高市総理に面会をいたしまして、火葬場に係る課題に対応するため、法改正に向け連携して進めていく旨の認識を共有いたしました。
 今後、検討会での議論を取りまとめまして、火葬場整備に向けた具体的な取組などにつきまして、火葬行政を担う区市町村と連携し、検討してまいります。人生最後の儀式である火葬につきまして、安定的な体制の確保を目指してまいります。
 地方税制についてであります。
 都の税収を狙い撃ちにする一連の措置は、地方分権に逆行する不合理なものであります。そもそも地方税を財政調整の手段として国税化し、他自治体に配分することは、受益と負担という地方税の原則に反します。
 また、全国に占める都の法人二税の税収シェアは、直近で措置が講じられた令和元年度の実績と比較して低下しておりまして、都だけ法人二税の税収が伸び、財政力格差が広がっているといった国の主張は、全くの誤りであります。
 さらに都は、日本の成長を牽引する戦略的投資や都市の強靱化、少子高齢化に伴う社会保障関係経費の増など、膨大な財政需要を抱えておりまして、さらなる措置を講じることは到底容認できません。
 限られたパイをいかに切り分けるかという、いわばデフレの発想から脱却しまして、東京を含めた日本全体の成長に向けて、パイそのものを拡大させていくことこそが重要であります。
 年末の税制改正の議論に向けまして、さらなる不合理な見直しを進める動きには強く反論するとともに、国などに対し、地方の責任と役割に応じた地方税財源全体の拡充を働きかけてまいります。
 最後に、令和九年度予算の編成についてのお尋ねでした。
 社会経済情勢の先行きが不透明な中、資源、エネルギー問題や気候危機の深刻化、人口減少など、国家的課題が山積しておりまして、我が国の持続可能性が問われる、まさに正念場といえる状況にあります。
 この激動のただ中にある今こそ、都は構造的な課題に向き合いながら、首都東京のポテンシャルを最大限に発揮し、日本全体の成長を牽引していかなければなりません。
 こうした考えの下、令和九年度予算に向けましては、人を中心に据えた取組を推進するとともに、国際競争力の強化や東京のレジリエンスをさらに向上させる取組など、未来を切り開く施策を構築してまいります。
 とりわけ、成長の実現に向けた取組やAX、規制改革の視点を踏まえた取組につきましては、要求上限を設けないこととし、戦略的投資を加速してまいります。
 これらの取組を通じまして、東京を飛躍的な成長へと導き、世界で一番の都市東京を実現してまいります。
 なお、その他の質問につきましては、副知事、教育長、都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔副知事宮坂学君登壇〕

○副知事(宮坂学君) 東京アプリの機能強化についてでございますが、アプリを通じて多くの都民と行政のつながりが生まれており、この貴重なつながりを生かし、都民一人一人の暮らしに役立つサービスとして価値を高めていくことが重要です。
 現在、アプリを利用者視点でより使いやすく分かりやすくするため、GovTech東京で内製開発を進めており、年内を目途にリニューアルをいたします。
 また、現在、自治体独自ポイントとの連携を希望する世田谷区、板橋区、東村山市の三自治体と調整を進めており、年内にはポイント交換可能となるように取り組んでいきます。
 さらに、今年度中には、アプリから〇一八サポートの手続を行えるようにするとともに、デジタル都民証機能をリリースし、順次、都立施設を利用する際に簡単かつ円滑に入場できるように取り組んでまいります。
 また、都民とつながる強みを生かし、大規模災害などの発災時においても、都民証機能の活用に加え、地域の状況に即した災害情報の提供や被災された方々への支援など、アプリをどう役立てられるのか、具体的に検討してまいります。
 今後とも機能の充実を図りながら、日常生活から災害時まで、都民の暮らしを支えるサービスの実現を目指してまいります。
   〔教育長坂本雅彦君登壇〕

○教育長(坂本雅彦君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、被災地の学校への支援についてでございますが、自然災害の発生した地域の学校で子供たちの学びの継続に向けたサポートを実施し、これからの都内での被災時の対応等に役立てることは重要でございます。
 今回の熊本での地震を受け、都教育委員会は、国からの要請に基づき、公立の小中学校の支援のため、教員のチームの派遣を行ったところです。これによりまして、十二名が現地の教員と協力し、授業の際に子供へのフォローを行うほか、下校のときの見守りや不安を解消する相談などを実施いたしました。
 今回の取組を踏まえ、今後、被災した学校への対応に係るマニュアルや研修の充実につなげます。また、都内での発災時に学校に支援を効果的に受け入れる工夫に役立ててまいります。
 次に、都立高校の入学試験についてでございますが、都立高校の改革を進める上で、魅力のある学校への入学を目指す生徒の意欲を高める入学試験を行う視点は重要でございます。
 これまで都教育委員会では、都立高校の入試で学力試験と調査書による選考を基本としてまいりました。こうした中、中学生は進学を希望する都立高校に関し、調査書の結果により受検する学校を変更する場合もございます。このため、生徒が学力試験で力を発揮することで入学が十分に可能となる方法を北園高校と武蔵野北高校において実施をいたします。
 今後、東京をめぐる様々な状況の変化や生徒のニーズを一層的確に捉え、入試制度に反映する研究を着実に進めてまいります。
 次に、生命(いのち)の安全教育についてでございますが、児童生徒が性犯罪の加害者や被害者等にならないよう、思いやりの心を身につけ、様々な危険を回避するための生命(いのち)の安全教育は重要でございます。
 都教育委員会は、こうした教育の内容に係る国の手引等を踏まえ、公立学校で適切な指導をできるよう取組を進めているところでございます。
 具体的には、性犯罪の根底にある誤った考え方を改めるほか、危険から身を守る方法などを冊子に取りまとめ、学校に配り、指導に役立てております。
 また、子供向けの分かりやすいデジタルのリーフレットを学校に提供し、授業で使う工夫につなげているところです。
 今後、そうした取組に関し幅広く共有し、生命(いのち)の安全教育の充実を図ってまいります。
 最後に、教員の子供への性犯罪の防止についてでございますが、教員による子供への性犯罪は、断じてあってはなりません。このための対応が国の法令により年内に始まりますが、それに先駆け、子供に係る性犯罪防止に向けた速やかな取組は重要でございます。
 このため、都教育委員会は、現在の教員の性犯罪の記録確認を三年間ではなく、より迅速に行う仕組みとするよう関係局と協力し、国に要望を行ったところでございます。
 また、児童等が性被害に関し速やかに相談できる窓口について、都の子供向けホームページによりまして、目立つ形で紹介する取組も始めました。
 今後、年内に公立学校の全ての教員等を対象に、性犯罪をしていないとの確認などを都独自で実施し、対応の強化を図ってまいります。
   〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕

○東京都技監(谷崎馨一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都民等の防災の意識啓発についてでございます。
 木密地域の不燃化や建築物の耐震化を進めるためには、建物所有者等の行動を促し、都民の防災意識の醸成につながる取組が重要でございます。
 このため、都は、地域の防災イベントなどで今年度からVR技術を活用し、木密地域の危険性や施策の効果の発信を開始しております。緊急輸送道路沿道建築物につきましては、六月から重点区間の二百四十棟を対象に個別訪問を開始し、十月からはネットワーク強化区間の約三百棟に対象を拡大いたします。
 今後とも、都民等へのきめ細やかな働きかけにより、その行動を後押しし、防災性の高い都市づくりを推進してまいります。
 次に、再生骨材コンクリートの活用拡大についてでございます。
 コンクリート塊の資源循環を推進するためには、再生骨材コンクリートなどの再生資材を有効利用することが重要でございます。
 これまで都は、環境物品等調達方針に基づき、再生資材の使用実績を積み重ねるとともに、結果を公表するなど、その使用を促進してまいりました。
 都における再生骨材コンクリートなどの使用実態調査結果を踏まえまして、普通骨材から再生骨材に置き換えの可能性がある使用量につきまして、製造者とも共有することで供給体制の拡大につなげてまいります。
 今後、庁内関係局と連携し、地域別の使用量の把握も検討するなど、一層の利用促進を図ってまいります。
   〔総務局長山口真君登壇〕

○総務局長(山口真君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、災害時の広域連携についてでございますが、大規模災害発生時は、被災自治体において膨大な災害対応業務が発生するため、応援職員の派遣など、自治体間の連携が重要となります。
 都はこれまで、全国知事会や九都県市などとの間で包括的な協定を締結し、受援応援体制を整備してまいりました。
 首都直下地震発生時、より迅速に受援応援体制を構築できるよう、国と協議しまして、今年度から新たに愛知県をはじめとする二十の県、政令市が都の応援自治体となりました。
 今後、応援自治体や都内区市町村と協議しながら、都への移動経路や支援対象業務などを具体的に定めまして、災害対応力の強化に取り組んでまいります。
 次に、区道、市道のアンダーパス対策についてでございますが、都は、昨年七月の大雨を踏まえ、都内の道路冠水注意箇所であるアンダーパスの対策状況を調査し、全ての道路管理者に注意喚起を行いました。
 今年八月の千葉豪雨を受けまして、都道七十か所のアンダーパスではカーナビなどへ冠水情報を表示し、進入を抑止する取組を開始しました。
 また、改めて対策状況を調査した結果、区道、市道は警察と連携した通行止めなどのソフト対策が進む一方、冠水警報表示板などのハード対策が必要であることを確認しました。
 今後、区市の対策を一層強化するため、現場の実情に応じたさらなる取組の検討、デジタル活用の事例共有や技術的助言など、関係者と連携し、冠水事故の防止を徹底してまいります。
   〔環境局長宮澤浩司君登壇〕

○環境局長(宮澤浩司君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、災害時のアスベスト対策についてでございます。
 都は、災害時のアスベスト飛散による健康被害を防ぐため、発災時の全国的な支援のほか、首都直下地震を見据えた体制の充実を図っております。
 具体的には、災害時マニュアルの整備や建材調査等の専門団体との協定を締結し、昨年の八丈島での台風被害への迅速な対応につなげ、ノウハウの蓄積を図ってまいりました。
 また、防じんマスクの被災自治体への提供等を通じて、早期復旧、復興を支援してございます。
 今後、アスベスト分析機やVRを用いた自治体職員等への実践的な訓練や優良事例の共有により、災害対応力を高めてまいります。加えて、飛散防止資機材等の充実を進め、実効性ある体制を構築してまいります。
 次に、獣害問題に関する人材確保についてでございます。
 熊の計画的な捕獲には、高いスキルを持つハンターの育成に加えまして、狩猟経験者の安定した確保やレベルアップに向けた後押しが重要でございます。
 都はこれまで、経験豊富なハンターによる習熟度に応じた技術講習や実践的な講習会の実施等によりまして、担い手の技術向上を図ってまいりました。
 今後は、狩猟免許更新の案内を強化し、キャリアの継続を促します。また、経験者等が新たに狩猟免許を取得し、各自治体のガバメントハンターとして地域で活躍できるよう、技能習得に向けたサポート等を検討してまいります。さらに、免許更新の利便性向上を国に要望するなど、捕獲人材の確保に取り組んでまいります。
 次に、都有施設の断熱化についてでございます。
 公共施設へのレジリエンス強化に向けましては、太陽光発電や蓄電池の設置に加え、効率的、効果的な断熱改修に取り組むことが重要でございます。
 このため、都は今年度、消防署や事務所、都立学校など、特性の異なる十の施設につきまして、施設運営への影響が少なく、工期の短い窓断熱改修に着手いたします。
 また、約二百の大規模施設を対象としました断熱ポテンシャル調査を進め、各局との連携により断熱化を加速するとともに、その知見を区市町村にも展開してまいります。
 これらによりまして、多様な用途や構造に対応する断熱手法を体系化し、公共施設の脱炭素化とレジリエンス強化の両立を力強く推進してまいります。
 最後に、建築物のCO2削減の取組についてでございます。
 建築物のゼロエミ化を進めるためには、使用時の取組の強化と同時に、建設や解体時に排出されるCO2の削減を見据えた取組が重要でございます。
 これまで都は、建築物環境計画書制度におきまして、大規模建築物の環境配慮を誘導する仕組みを国に先駆け導入してまいりました。今後、断熱、省エネ基準を引き上げ、ZEB水準等の早期実現を目指すことで、使用時の脱炭素化を進めてまいります。
 さらに、全国で初めて資材調達から廃棄までのライフサイクルで排出されるCO2算定を義務化し、これを評価、公表することで、低炭素資材や再生材の活用等を促すなど、サプライチェーン全体での脱炭素化を進めてまいります。
   〔建設局長久野健一郎君登壇〕

○建設局長(久野健一郎君) 東部低地帯の河川施設の整備についてでございますが、大地震に伴う津波等の水害から都民の命と暮らしを守るためには、河川施設の耐震、耐水対策を推進することが重要でございます。
 都は、東日本大震災を受け策定した計画に基づき、想定される最大級の地震に対する堤防や水門、排水機場等の整備を進めてまいりました。今年度は、新中川等十七河川の堤防と日本橋水門等二施設の対策を実施いたします。これにより、堤防の対策延長の約七割、水門等では計画対象の二十二施設全ての耐震、耐水対策が完了いたします。
 引き続きこうした取組を着実に進め、東部低地帯の安全・安心を万全なものとしてまいります。
   〔下水道局長藤橋知一君登壇〕

○下水道局長(藤橋知一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、区部における下水道の浸水対策についてでございますが、下水道局では、浸水の危険性が高い地区を重点化し、幹線やポンプ所の整備による排水能力の強化や、一部完成した施設に雨水を暫定貯留するなどの取組を推進しております。
 今後、新たな取組として、重点地区では、シミュレーションの結果を活用して雨水の流れを分散させるバイパス管などの追加の対策を計画し、早期に内水氾濫による被害の軽減を図ってまいります。
 また、豪雨時にも下水道機能を確保するための施設の耐水化につきましては、内水氾濫への対応が完了しており、外水氾濫等にも対応できるようレベルアップしてまいります。
 激甚化、頻発化する最近の豪雨の特徴を踏まえ、浸水対策の取組を強化してまいります。
 次に、雨天時の放流水質の向上についてでございますが、下水道局では、雨天時の放流水質基準の達成に必要な貯留施設等の整備が完了しており、水辺のにぎわいや良好な水環境の創出に貢献するためには、さらなる放流水質の向上を図ることは重要でございます。
 このため、潮の干満などの影響により水が滞留しやすい水域等において、貯留施設を増設する取組を推進いたします。具体的には、日本橋川などで開発事業者や関係区と連携し、新たに合計約二十五万立方メートルの貯留施設を整備してまいります。
 また、水再生センターの水処理の運転を工夫するなど、放流水質を向上させる取組も早期に実施してまいります。
 今後、多様な主体と連携を図り、水質向上の取組を積み重ねてまいります。
   〔港湾局長田中彰君登壇〕

○港湾局長(田中彰君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京港の海岸保全施設の応急復旧についてでございますが、都民の生命と財産を守る防潮堤等の機能を早期に回復するためには、発災後直ちに被害状況を把握し、早期の復旧につなげていくことが重要でございます。
 都は、本年三月から水中や地上部の三次元データを解析し、施設の損傷等を早期に把握するマルチビームソナーを船舶に搭載しております。また、施設データを一元化した基盤である東京みなとDXの運用を開始し、被災状況の早期把握に努めております。
 本年十二月より、AIが操船を支援するシステムを導入し、発災直後の参集人員が限られる中での施設点検の効率化を図るなど、先端技術の活用を積極的に進めまして、応急復旧体制をさらに強化してまいります。
 次に、東海汽船の処分への対応についてでございますが、島民生活に不可欠な航路を担う東海汽船に対し、現在、安全管理上の法令違反行為により、国による行政処分の手続が進められております。
 都は、同社に対し、社を挙げた安全管理の徹底や体制、運用の改善、島民への迅速な情報提供を求めております。さらに、処分に伴う島民生活への影響を可能な限り抑えられるよう、他の事業者による代替運航も含め、同社により必要な運航体制が確保されるよう対応してまいります。
 国や関係町村とも連携し、同社による改善の実施状況を継続的に確認する体制を構築いたしまして、島民生活を支える離島航路の安全に万全を期してまいります。
   〔消防総監市川博三君登壇〕

○消防総監(市川博三君) 小中学校における防火安全対策についてでございますが、児童生徒の命を守るためには、学校管理者及び教職員による災害に備えた日頃の取組が重要でございます。
 そのため、東京消防庁では、学校からの要請に応じて消防職員を派遣し、教職員に対する訓練支援を行い、災害発生時の行動要領等を指導してまいりました。
 先般の火災を受け、教育庁及び当庁管内五十二全ての区市町村教育委員会と連携を強化し、教職員と共に、学校に設置されている屋内消火栓設備や避難器具等を活用した実践的な訓練を進めております。
 これらの取組により、教職員の初期消火や避難誘導等の火災への対応力を高め、各小中学校と一体となって防火安全対策を推進してまいります。
   〔福祉局長奈良部瑞枝君登壇〕

○福祉局長(奈良部瑞枝君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、保育サービスの充実についてでございますが、都は、保育需要の増加へ迅速に対応するため、賃貸物件を活用した整備に対し、改修費や賃借料を補助しております。今月からは、緊急対応として、既存施設等を活用した一歳児などの受入れ支援対象を幼稚園にも拡充しております。
 保育需要の地域的な偏在が顕著となる中、住宅開発の状況や保護者の通勤、送迎事情など、地域の実情を踏まえた対応が重要でございます。通園可能範囲の判断など、区市町村によって違いがある待機児童の考え方について都で整理し、待機児童対策協議会などで区市町村と共有いたします。
 保育需要の的確な把握により、地域の実情に応じた保育サービスのさらなる充実に取り組んでまいります。
 次に、ベビーシッター利用支援事業の要件についてでございますが、本事業の利用ニーズは令和二年度の事業開始以降、年々増大しておりまして、利用者からは、夕方の時間帯などではベビーシッターを確保することが難しいなどの声をいただいております。
 都は、保育の質や安全性を確保するため、乳幼児一人に対しベビーシッター一人を配置することとしておりますが、こうした状況を受けまして、有資格者に限定するなど、一定の要件の下、兄弟姉妹についてはベビーシッター一人で二人の乳幼児の保育を可能とする特例的な運用を来月から開始いたします。
 今後も保育の質や安全性に十分配慮しながら、サービスの利便性向上に取り組んでまいります。
 次に、ベビーシッター利用支援事業についてでございますが、本事業は、利用者が事業者へ利用料を支払った後、区市町村から助成を受ける仕組みのため、一時的な経済負担が発生するほか、助成金申請時に領収書や明細書、要件証明書などの提出が必要となっております。
 このため、都は、利用者があらかじめ区市町村から電子チケットの交付を受けることで、サービス利用が可能となるシステムの導入に着手いたします。このシステムでは利用料の立替えが不要となるほか、利用後の助成金請求は事業者が一括で行うため、負担軽減にもつながります。
 今後、子育て世帯の利便性向上に向け、システム開発を進めまして、来年度からの試験運用を目指してまいります。
 最後に、医療的ケア児等への支援についてでございますが、医療的ケア児等とその家族が安心して生活するには、在宅生活を支えるサービスの充実が重要でございます。
 都は、家族の一時的な休養などに対応するため、医療型短期入所施設の拡充を図るほか、家族に代わり医療的ケアなどを行う訪問看護師を派遣する区市町村を支援しております。
 都が今年度実施した調査では、家族に夜間ケアの負担がかかっているなどの状況が見られました。
 家族の負担軽減など、医療的ケア児等が安定して在宅生活を送れるよう、次期障害者・障害児施策推進計画の策定に向けまして、障害特性に応じた施策について検討してまいります。
   〔子供政策連携室長田中愛子君登壇〕

○子供政策連携室長(田中愛子君) 二点のご質問にお答えします。
 まず、子供を性暴力から守る取組についてでございますが、子供に対する性暴力は、被害者の心身に甚大な影響を及ぼし、かつ人権を著しく侵害する極めて卑劣で悪質な行為です。
 都は、子供を性暴力から守る取組を新たなリーディングプロジェクトに位置づけ、政策を強化いたします。教育や保育等の現場において、こども性暴力防止法への対応が任意の事業者も含め、法に基づく取組を適切に進められるよう、事業者へのサポートの強化に関する国への要望や都としての支援の在り方を検討いたします。
 また、子供を被害から守るとともに、加害者にしないための効果的な方策を、デジタル環境の変化等を踏まえ、関係局と連携し検討してまいります。
 次に、子供のSNS等の利用についてでございますが、SNS等は居場所の一つとなるなど利点がある一方、使い過ぎ等も懸念されております。都は、子供とSNS等との関わりを新規リーディングプロジェクトに位置づけ、政策を強化いたします。
 今年度、約一万世帯の小学三年生から中学三年生を対象に、都独自の調査をはじめ、ヒアリングや、三年間同じ子供へのアンケートを行い、SNSの利用等がメンタルヘルスに与える影響を分析いたします。今後、今年度の結果に加え、デジタルや医学等の有識者の知見も踏まえ、発達段階に応じたSNS等の安全・安心な利用に向け、子供や保護者のリテラシー向上に資する普及啓発等の方策を各局と連携し、多角的に検討してまいります。
   〔生活文化局長古屋留美君登壇〕

○生活文化局長(古屋留美君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、この秋開催するアートに関するイベントについてでございますが、国際美術展、TOKYO ATLASでは、草間彌生氏をはじめ、世界の第一線で活躍するアーティストと共に、都がこれまで支援してきた若手による企画展など、新たな才能にも光を当て、東京のアートシーンを世界に発信してまいります。
 また、文化芸術祭、ARTE TOKYOでは、都内各地の百を超える催しとの連携や、誰もが楽しめるアート、エンターテインメント企画を、美術館や劇場だけでなく、道路や公園などのまち中でも展開いたしまして、東京の日常の暮らしの中で文化を楽しむ機会を広げてまいります。
 開催を機に培う経験やネットワークを生かし、企業や地域のまちづくりの担い手、区市町村など、アートを取り巻く多様な主体との交流を深めながら、共に東京の芸術文化を一段と発展させてまいります。
 次に、男女平等参画推進総合計画の改定についてお答えいたします。
 計画は、誰もが自らの生き方を性別にとらわれず選択できる社会の実現を基本理念としておりまして、性的マイノリティーの方々についても、前の計画に引き続き、対象に含まれるものでございます。
 計画に合わせて新たに公表したアクションプランにおきましては、性的指向や性自認への理解促進につながる企業向けの研修や、当事者向けの専門電話相談などを計画事業としてございます。
 今後とも、性的マイノリティーを含む誰もが個人として尊重され、対等な立場であらゆる活動に参画できる社会の実現に向けまして、関係局とも連携しながら、着実に取組を進めてまいります。
   〔スポーツ推進本部長丸山雅代君登壇〕

○スポーツ推進本部長(丸山雅代君) オリンピックQシリーズについてのご質問にお答えいたします。
 東京二〇二〇大会のレガシーであるアーバンスポーツを地域に根づかせ、子供たちが楽しめる環境を整えることは重要でございます。
 このため、都は、初心者から参加できる体験教室を都内各地で開催し、競技の楽しさに加え、他者に配慮し、互いに尊重する姿勢やマナーを学べる機会も提供してまいります。また、イベント等で競技の魅力を体感してもらい、幅広い世代に応援していただけるよう工夫を重ねてまいります。
 今後、こうした取組を含め、都が大会を通じて目指す姿をビジョンにまとめるとともに、区市町村等とも連携し、地域でアーバンスポーツに挑戦できる環境がレガシーとなるよう、取り組んでまいります。
   〔保健医療局長高崎秀之君登壇〕

○保健医療局長(高崎秀之君) 医師確保対策に関するご質問にお答えいたします。
 都はこれまで、医師などが働きやすい職場づくりに取り組む医療機関を支援するとともに、都独自の奨学金制度や、地域医療支援ドクター事業などにより、医師確保が困難な地域での人材確保に努めてまいりました。
 また、今年度予定しております医師確保計画の改定に向けて、西多摩及び南多摩地域の病院に対して実施した調査では、大学病院などからの医師派遣の促進などについて意見が寄せられました。
 今後、調査結果などを踏まえて計画を改定し、地域の医療体制の確保に向け、医師少数区域における医師確保の取組を推進してまいります。
   〔住宅政策本部長山崎弘人君登壇〕

○住宅政策本部長(山崎弘人君君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、住まいの確保についてでございますが、都民が多様な選択肢からニーズに応じた住まいを選択できる環境整備を推進していくことが重要でございます。
 建設費の上昇や新築マンションの供給減など、様々な要因により住宅価格が上昇する中、市場における需要と供給の観点から、都は、空家を含む既存住宅の流通を一層促進するなど、世帯数を上回る都内の住宅ストックの活用を図ってまいります。
 また、実需に基づかない投機的取引は好ましくないことから、その抑制に向け、都が関与する再開発等における対応や税制措置等に関する国への働きかけなど、必要な対策を検討してまいります。
 次に、都営住宅についてでございますが、都営住宅は、居住者が安心して暮らせるよう、利便性や快適性に配慮し整備する必要がございます。
 そのため、都はこれまで、居住者のニーズを踏まえるとともに、建設や維持管理に要するコストにも留意しながら、浴槽や給湯器、洗面化粧台の設置など、設備の充実に取り組んでまいりました。
 現在諮問中の住宅政策審議会では、気候変動を考慮し、通風を確保する網戸の設置などの暑さ対策をはじめ、居住環境のさらなる改善についてご意見をいただいております。こうした議論も踏まえ、都営住宅における良好な居住環境確保の施策について検討してまいります。
   〔交通局長渡邉知秀君登壇〕

○交通局長(渡邉知秀君) 日暮里・舎人ライナーの混雑対策についてでございますが、交通局では、これまでも利用者の増加を受け、車両増備など朝ラッシュ時間帯の混雑緩和に取り組んでまいりました。
 今後、運転間隔の短縮やシステムの工夫により、令和十年春に、朝ラッシュ時間帯の増発を目指してまいります。また、令和十三年度を目標に、座席を全てロングシート化して定員を増やした新型車両への更新を完了することで、輸送力の向上に取り組んでまいります。
 あわせまして、地元区とも連携して時差ビズの周知を強化するとともに、キャンペーンの期間の延長を検討し、お客様の利用時間帯の分散を促してまいります。
 こうした取組を着実に進めまして、お客様の利用状況を踏まえた混雑対策を進めてまいります。
  〔デジタルサービス局長高野克己君登壇〕

○デジタルサービス局長(高野克己君) 東京アプリ生活応援事業についてお答えいたします。
 都は、「広報東京都」等での周知、コールセンターでの支援等に取り組んでまいりました。都庁舎等での対面支援は、開始一カ月で約七百人が利用しており、今月から多摩地域での開始に加え、区市町村とも連携し、六十を超える箇所で順次取組を進めてまいります。また、代理申請の年内開始に向け準備を進めております。
 さらに、参加者に加え未参加者の声も踏まえ、世代や行動特性に応じた働きかけや、商業施設等日常的に都民が訪れる場を活用し、多くの方の参加を促してまいります。加えて、今後を見据え、スマートフォンの利用状況等を把握するため、住民税非課税世帯でスマートフォンをお持ちでない方に端末を貸与、分析する取組を試行いたします。
 これらを通じまして、デジタルデバイド対策に生かしてまいります。
   〔産業労働局長吉村恵一君登壇〕

○産業労働局長(吉村恵一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、働く方々の暑さ対策についてでございます。
 酷暑の中で業務に従事する職場では、働く方が健康を維持し、安全に就業できる環境を整えることが求められております。
 都は今年度、屋外や高温多湿の作業場所で事業を営む小規模企業の取組を促すため、従業員の熱中症予防対策や必要な物品の導入などの支援を開始し、多くの申込みを受けております。
 建設現場では、多様な企業や事業主が混在する状況もありますことから、今後、導入職場での実情等について、企業や業界団体のヒアリング等を通じて課題を精査し、より多くの現場に対策が行き届くよう、さらなる取組を進めてまいります。
 次に、新たな観光産業振興プランについてでございます。
 東京が世界一の観光都市となるためには、旅行者のみならず、そこに暮らす人々が共に東京の魅力や居心地のよさを感じられることが不可欠でございます。
 都は、旅行者にごみ捨てや喫煙のマナー周知などを行い、来月からは民泊事業者への集中的な啓発や指導など、新たな取組を開始いたします。また、旅行者を様々な地域に迎え入れ、にぎわいを生み出すことができるように、区市町村や観光関連事業者と議論を重ね、具体的な施策を練り上げております。
 地域とともに持続可能な観光をつくり上げるという視点と、実効性の高い方策を新たなプランに盛り込み、東京の観光のさらなる発展につなげてまいります。
 最後に、多様な交流を通じました農業経営についてでございます。
 東京農業の発展に向けては、農業者個人の経営努力のみならず、東京が有する様々なアセットを活用することが効果的でございます。
 このため、都は今年度、新たな取組として、農業者に加え、農業に関心を寄せる企業、大学、消費者などが集まり、都市農業の今後について幅広く意見を交わすワークショップを開始いたしました。参加者同士のネットワークが形成されつつあり、年明けには、活動拠点となる施設の整備に着手いたします。
 今後、こうした交流をさらに広げ、ビジネスのアイデアにつなげることで、農業経営に新たな価値を生み出し、東京農業のイノベーションを創出してまいります。
  〔スタートアップ戦略推進本部長佐久間巧成君登壇〕

○スタートアップ戦略推進本部長(佐久間巧成君) スタートアップの海外展開についてお答えいたします。
 世界でスケールアップする企業を生み出すためには、官民、地域の垣根を越えた連携支援が重要でございます。
 そこで、都は、有望企業を集中支援するSusHi Tech Globalにおいて、海外での販路開拓や法規制対応等を支援しております。また、五月には、外務省とスタートアップの交流イベントを開催しており、今後、在外公館と連携したサポートなどにより、企業の海外ネットワーク拡大を後押ししてまいります。
 さらに、海外の展示会に他自治体と共同で出展するほか、全国の自治体担当者がTIBに集うイベントで事例や支援ノウハウを共有、議論するなど、オールジャパンで海外展開を支援してまいります。

○議長(増子博樹君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時四十分休憩