○副議長(菅野弘一君) 九十七番宮崎大輔君。
〔九十七番宮崎大輔君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕
○九十七番(宮崎大輔君) 私、宮崎大輔は、国民民主党東京都議団を代表して、都民の生活に直結する課題について質問いたします。
国民民主党は、手取りを増やし、強い東京を取り戻すを掲げ、都民一人一人の暮らしを守り、将来に希望を持てる東京の実現に取り組んでおります。本日は、地域を回る中で都民の皆様から直接伺った切実な声を踏まえ、質問いたします。
まず、中東情勢と都内産業への影響について伺います。
中東情勢の緊迫化により、原油やナフサ価格の高騰が都内経済に大きな影響を及ぼしています。特に、ナフサは石油化学産業の基礎原料であり、幅広い分野に影響を及ぼしています。価格転嫁が困難な中小企業にとっては利益が圧迫され、事業継続そのものに不安を抱える事業者も少なくありません。
また、我が国はエネルギー資源の多くを海外に依存しており、今回の事態は、エネルギー安全保障の重要性を改めて浮き彫りにしました。再生可能エネルギーや資源循環の取組を進めることも重要ですが、まずは都内事業者の経営を守ることが大切です。
こうした観点から、我が会派は、地域経済を守るため、いち早く補正予算の編成を要望いたしました。
そこで、中東情勢が事業活動に影響を及ぼしている状況を踏まえ、どのような手だてを講じたのか、知事に伺います。
第二問は、全国各地との共存共栄についてです。
国民民主党東京都議団は、税収の偏在は存在せず、国の偏在是正措置には断固反対の立場であります。限られたパイを奪い合うのではなく、日本全体が成長することが重要です。
東京の発展と地方の発展は、決して対立するものではありません。東京が持つ知見やネットワークを地方と共有することで、全国の発展につなげることができます。東京と地方との共存共栄の実現に向けた取組が求められています。
全国各地との連携に当たっては、より地方の課題やニーズに寄り添った取組を進めていくべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
第三問目は、中東情勢悪化に伴う中小企業の資金繰り支援についてです。
国民民主党東京都議団は、令和八年五月十二日、制度融資の拡充や手続の簡素化など、とりわけ都内事業者の資金繰りの強化を求め、いち早く都に要望を行いました。都は、我が会派の要望を受け、新たな制度融資を創設し、五月二十九日から受付を開始しました。無利子でないことは、我が会派の要望とは異なりますが、迅速な対応については評価いたします。
これらの融資制度は、与信審査が行われますが、その運用に当たっては、先行きが見通しにくい中小企業の実情を踏まえ、返済負担の軽減とともに、資金繰りに苦しむ事業者へ確実に支援が届く仕組みとすることが重要であります。本当に困っている事業者が与信審査によって支援を受けることができないようでは、本末転倒であります。
そこで都は、中小企業の資金繰りの不安に寄り添った対応を行うとともに、金融機関においても企業の財務状況等を踏まえた柔軟な対応により、融資の実効性を向上させることが必要だと考えますが、都の見解を伺います。
第四問目は、今回の補正予算で編成された経営基盤安定化緊急対策事業について質問いたします。
中東情勢については、イランとアメリカとの間で和平合意が成立したとの報道もありますが、原材料価格の高騰は依然として建設業、塗装業など様々な業種に影響を及ぼしています。シンナー、機械潤滑油、塩ビ管等の価格上昇を通じて企業収益を圧迫しています。
都は、今回の補正予算において、原材料使用量の削減等を図る設備導入を支援するため、経営基盤安定化緊急対策事業を開始するとのことです。事業規模も百億円を超える大変大きな事業ですが、どのような設備が本事業の対象となるのか判然としない部分もあります。
本事業の実施に当たっては、特に影響を受ける業種を中心に、幅広い中小企業が分かりやすく、即座に活用できる制度として取り組んでいくべきだと考えますが、都の見解を伺います。
第五問目は、民泊施設に対する住民の不安解消についてです。
私の地元である港区において、一戸建てやマンションの一室を利用した民泊施設が数多く見られるようになりました。民泊施設は、住宅地でも営業することが可能であり、マンションの一室が利用される場合は、一般の住宅との区別がつきにくいため、周辺住民から不安の声が寄せられています。
また、民泊利用者がいわゆる白タクを利用し、送迎車両の長時間停車や違法駐車などにより、地域住民の生活環境に影響を及ぼしているとの指摘があります。
さらに、マンションなどの集合住宅においては、現在義務づけられている玄関付近への標識掲示だけでは、近隣住民が外部から民泊施設の存在を確認することが困難な場合があります。そのため、集合ポストなど住民が容易に確認できる場所へ標識掲示を義務づけるなど、地域住民への周知を強化する取組も必要であると考えます。
そこで、住民の民泊施設に対する不安を軽減するため、都は地域住民に対する民泊施設の周知の徹底を図るべきだと考えますが、都の見解を伺います。
第六問目は、賃料値上げの問題についてです。
借地借家法では、借主と貸主が合意する場合を除き、賃料増額請求に基づく裁判手続を経ない一方的な賃料値上げは認められていません。しかしながら、制度に対する理解不足や誤った説明により、借主と貸主の間で不要なトラブルが生じている実態があります。
私の下にも、管理会社が適法な賃料改定手続について貸主に十分な説明を行わないばかりか、貸主と一体となって、借主に対し一方的な賃料値上げを迫ろうとした相談が寄せられております。このような事案は、借主の居住の安定性を脅かすだけでなく、賃貸住宅市場全体への信頼を損なうものであります。
こうしたトラブルを未然に防止するためには、借主や貸主に対する制度周知に加え、賃貸借契約の仲介や管理を担う宅地建物取引業者等に対しても、借地借家法の趣旨や適正な賃料改定手続について理解を促していくことが重要であると考えます。
そこで伺います。近年、賃貸物件において、オーナーや宅建業者等の不動産業者が一体となり、借主に対し、借地借家法を無視した不当な賃料値上げを通告するトラブルが発生しています。
都として、トラブル防止に向けて、借主に加えてオーナーや宅建業者等の不動産業者に対する取組を推進すべきと考えますが、見解を伺います。
第七問目は、子育て世代に関するベビーシッター利用支援事業について伺います。
子育て世代からは、兄弟姉妹を同時に預けたいという声が数多く寄せられています。現在の制度では、乳幼児一人に対しベビーシッター一人が配置される仕組みとなっていますが、多子世帯の利用実態との間に課題も指摘されております。
私にも三人の娘がおりますが、一度に三人ものベビーシッターを呼ぶのは事実上困難です。安全性を確保することは大前提ですが、利用者の実態や事業者の意見を丁寧に把握し、必要な制度改善につなげることこそ重要であります。
現在、乳幼児一人に対してベビーシッター一人の配置基準となっているベビーシッター利用支援事業の要件について、実態把握を進めるなど、配置基準の見直しに向けて取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。
第八問目は、火葬能力の強化についてです。
多死社会を迎える中で、将来的な火葬需要の増加が見込まれております。検討会でも将来の需給逼迫が指摘されており、都民が安心して利用できる火葬体制の整備が求められています。
火葬能力の向上を図るためには、新たな火葬設備の整備に加え、整備に要する時間、費用を踏まえれば、既存の火葬場の能力を最大限活用していくことも重要だと考えますが、都の見解を伺います。
最後に、地元港区にある芝浦水再生センターについて伺います。
私の地元港区にある芝浦水再生センターでは、下水をくみ上げるポンプ棟の老朽化に伴い、平成二十五年度から新たなポンプ棟の建設が進められています。また、本事業では、降雨初期の特に汚れた下水を貯留し、高浜運河などへの放流水質を改善するための雨天時貯留池も併せて整備される計画となっております。
平成二十四年十二月に開催された住民説明会においては、平成三十五年頃の工事完了を目標とするとの説明がなされていました。しかし、その後、地中障害物の撤去等に想定以上の期間を要したことなどから、工事は大幅に長期化し、現在ではポンプ棟の完成が令和二十年代、その後整備される雨天時貯留池については、令和三十年代の完成予定と伺っています。
ポンプ棟が地下約七十メートルにも及ぶ大規模かつ高度な技術を要する施設であり、工事に相応の期間を要することは理解しております。しかしながら、当初の住民説明から見れば、事業完了時期が約三十年も後ろ倒しになっており、地域住民の期待との間に大きな乖離が生じております。都としても、この事実を重く受け止める必要があると考えております。
また、高浜運河周辺の住民からは、降雨時の水質改善を求める声が数多く寄せられております。昨年八月には、地域自治会からも陳情が区に対して提出されるなど、地域の関心は極めて高い状況であります。事業の長期化によって住民の不安が高まる中、一日でも早い施設整備の実現が強く求められています。
そこで、芝浦水再生センターの雨天貯留池、また、その整備も着実に進めるために都の取組について伺います。
現在の計画によると工事完了は令和三十年代であるとのことですが、前述の地域周辺住民の声にあるように、降雨時の汚水の問題は喫緊の課題であります。現時点で実施可能な対策を最大限講じながら、放流水質の改善を求めていくことが重要であると考えております。
そこで、都が降雨時の放流水質改善に向けた取組について伺います。
東京が直面する課題は多岐にわたります。都民が将来に希望を持ち、安心して暮らし続けられる東京を実現するためには、現場の実情に寄り添った着実な政策の推進が不可欠です。
国民民主党東京都議団は、これからも都民の声に真摯に耳を傾け、政策提言と議会活動を通じて、手取りを増やし、強い東京を取り戻すため全力で取り組むことをお誓い申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 宮崎大輔議員の一般質問にお答えいたします。
補正予算についてのお尋ねです。
中東情勢の経済に与える影響が不透明な中、エネルギー資源に乏しい我が国の構造的課題の解決に前倒しで着手するとともに、足元の事業者の不安を払拭していくことが重要であります。
こうした観点から、現下の厳しい局面を好機と捉え、資源の有効活用の促進や石油のみに依存しない新たな技術の開発支援など、先駆的施策を推進してまいります。
さらに、中小企業等の経営安定化に向け、資金繰りを迅速に支援するとともに、適切な価格転嫁を後押しするため、相談体制の強化などを行っております。
また、価格転嫁が困難な中小企業者等に対しまして、都独自の支援を九か月間継続、拡充いたします。
これらの取組によりまして、エネルギー構造の転換等を加速化するとともに、事業者の経営活動をしっかりと下支えしてまいります。
次に、全国各地との連携についてのご質問です。
日本全体の持続的な成長に向けましては、東京と地方が共に栄え、成長する共存共栄が重要です。
都はこれまでも、全国観光地の魅力発信や農林水産物の販路拡大に加えまして、女性活躍や結婚支援など、様々な分野で地方との連携を推進してまいりました。
今年度は、新たにスタートアップとともに地域課題の解決を先導する取組を開始し、四月には大雪や熊への対策をテーマに秋田、山形、新潟の各県と連携しましてイベントを開催いたしました。
今後とも、地域の課題やニーズを踏まえながら、他県と連携した取組を展開し、日本全体の発展を牽引してまいります。
その他の質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
〔産業労働局長吉村恵一君登壇〕
○産業労働局長(吉村恵一君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、中東情勢に係る金融支援についてでございます。
資金繰りに不安を抱える事業者に対しましては、金融機関とも連携した、実情を踏まえた対応が必要でございます。
都は、中東情勢に関する特別相談窓口を開設し、資金繰りなどの相談に丁寧に対応しております。当面の資金需要へ迅速に対応するつなぎ融資メニューを開始するとともに、融資期間十年のメニューで信用保証料補助を拡充し、利用者の負担軽減を図ることといたしました。金融機関に対しましては、企業の状況に応じ借換えや柔軟な条件変更等のきめ細かな対応を要請しております。
こうした中小企業の実情に寄り添った取組により、資金繰りを支えてまいります。
次に、中小企業の設備の高度化についてでございます。
原材料価格が高騰する中、使用量の縮減や代替素材への切替えを進めることは、経営の効率化や企業価値の向上につながります。
今回実施いたします経営基盤安定化緊急対策事業では、これに向けた中小企業の設備投資を支援することといたしまして、例えば、建設現場での塗料の使用量を減らす塗装機器の導入や、小売店で包装に使用する資材をバイオマス由来に切り替えるための自動包装機の改良などを後押しいたします。
幅広い業種の事業者の取組を促すことで、都内中小企業の経営力強化を図ってまいります。
最後に、住宅宿泊事業の施設の周知についてでございます。
増加する宿泊需要に対応するために開始された住宅宿泊事業につきましては、地域の生活環境との調和に配慮することが必要でございます。
都は、所管区域の事業者に対し、事業開始前に周辺住民への周知を行い、その際の意見の報告を求め、届出時に確認しております。また、同事業の施設であることを示す標識の見やすい場所への掲示や騒音等の苦情への速やかな対応など、周辺環境への配慮を指導し、立入検査で確認しております。
今後、こうした取組の徹底とともに、住民からの相談窓口を設け、区市とも連携した対応を図ってまいります。
〔住宅政策本部長山崎弘人君登壇〕
○住宅政策本部長(山崎弘人君) 賃料値上げのトラブルへの対応についてでございますが、借地借家法では、正当事由のない賃料値上げは認められていないことなどにつきまして、借主側、貸主側、双方の理解を深めることが重要でございます。
これまで都は、賃貸ホットラインや賃料値上げ特別相談窓口、動画配信等を通じ、借主側に対して法の趣旨を踏まえた対応方法等を周知してまいりました。また、貸主側には、住宅賃貸借契約の手引等を通じまして、賃貸借ルールの普及啓発に努めてまいりました。
今後とも、不動産の仲介や管理を担う宅建業等の業界団体と連携し、加盟業者に対する啓発を強化するなど、賃貸借ルールの一層の周知に取り組んでまいります。
〔福祉局長高崎秀之君登壇〕
○福祉局長(高崎秀之君) ベビーシッター利用支援事業に関するご質問にお答えいたします。
都は、本事業において、保育の質や安全性を確保するため、国の認可基準に準じまして、要綱等において乳幼児一人に対しベビーシッター一人を配置するよう定めております。一方、ベビーシッターによる一時預かりは、多様な利用形態があり、ニーズも増大しております。
こうしたことを踏まえ、保育の質や安全性を確保しつつ、利便性の高いサービスの提供に向けまして、現在、事業者から意見を聞くなど、サービス利用の実態把握を進めております。
〔保健医療局長山田忠輝君登壇〕
○保健医療局長(山田忠輝君) 火葬能力の強化に関するご質問にお答えをいたします。
昨年度実施いたしました都の実態調査の結果などから、将来、都内の火葬需要が逼迫していくことが明らかとなりました。
先日開催いたしました火葬場に係る検討会では、火葬行政を担う自治体などから、高まる需要に対応するため、火葬能力強化に向けた取組が必要との意見が示されております。
今後、検討会におきまして、施設の整備や能力強化など様々な観点から議論を深めてまいります。将来にわたって安定的な火葬体制が確保されるよう、火葬事業の実施主体であります区市町村と連携し、必要な対応を検討してまいります。
〔下水道局長藤橋知一君登壇〕
○下水道局長(藤橋知一君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、芝浦水再生センターの主ポンプ棟の整備についてでございますが、本工事は、老朽化したポンプ等の再構築を進めるため、隣接する用地に新たなポンプ棟を建設し、併せて高浜運河の水質改善のための雨天時貯留池などの施設を建設するものでございます。
現在、用地内の支障物のくいの撤去工事を行っており、引き続く地盤改良等の工事も並行して進めております。こうした工事の中では、複数のくいをまとめて撤去できる工法を採用するなど、工程の短縮に向けた工夫を行っているところでございます。
今後の大規模、大深度の地下躯体のケーソン沈設工事などにおいても、民間事業者の技術提案も活用するなどの工夫を重ねながら、効率的な工事の推進に努めてまいります。
次に、芝浦水再生センターにおける雨天時の放流水質の改善についてでございますが、現在、下水道法施行令で定める雨天時放流水質基準を達成するために必要となる施設として、降雨初期の特に汚れた下水を約九万四千立方メートル貯留する施設が稼働しております。
今後、さらなる水質改善効果を発揮させるため、新たなポンプ棟に引き続き約五万立方メートルの貯留施設を整備してまいります。
貯留施設の整備を着実に進めることで、高浜運河など周辺水域の良好な水環境の創出に貢献してまいります。
○議長(増子博樹君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後五時二十八分休憩
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