午後三時三十分開議
○議長(増子博樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
質問を続行いたします。
五十八番福手ゆう子さん。
〔五十八番福手ゆう子君登壇〕
○五十八番(福手ゆう子君) 私は、貧困や困窮に向き合い、誰も孤立しなくて済む社会をつくりたいと思い、質問をします。
困難を抱え、困窮する若者が増えています。
ある二十代の男性は、家庭環境の影響で、子供の頃から人とのコミュニケーションに課題を抱えていました。大学卒業後、すぐに就職することができず、寮つきの仕事に就きましたが、パワハラを受けて仕事をやめ、住まいも失ってから、ようやく若者支援を行っている団体とつながり、住まいを得ることができました。
ある三十代の女性は、もともと精神の持病を抱え、就職ができずアルバイトと親の仕送りで生活をしていました。しかし、二十代後半のときに、親を頼ってばかりいないで自立してといわれ、就労相談に行きました。やる気が足りないと自分を責め、自立しなければいけないという思いにとても苦しんだということでした。
困難や悩みを抱え、居場所を求める若者たちも増えていますと、二〇二四年第二回定例会の所信表明で知事は述べました。
生きていく上で様々な困難を抱える若者は少なくありません。一方、若者は、行政の相談支援につながることが少なく、自分で何とかしなければと無理をしている人が多くいます。ますます深刻になっている若者の状況を知事はどう受け止めていますか。
十八歳までは児童福祉により一定の支援があっても、十八歳を超えると支援が手薄になります。困窮する若者に対応するために、福祉施策の抜本的拡充が必要と考えますが、どう認識していますか。
厚労省は、今年度、若者が公的支援につながりにくいという問題意識から、困窮する若者の実態調査を行います。東京都は、この調査の意義をどう考えますか。都としても調査を行い、施策に反映していくことを求めます。
先ほど紹介した三十代の女性は、その後、働くことだけを目標とせず、自分の生きづらさのもとや、自分のよさ、個性について知り、社会の中でどう生きていくかを考えることを支援してくれる生活訓練事業所につながりました。生活保護を利用し、親のプレッシャーからも解放され、必要な支援を受けながら自分の生き方を選択する生き方へと変わっていきました。
しかし、生活保護を利用することへのためらいや申請が拒絶されないかという不安など、苦悩がありました。それでも、生活保護を利用するまでに至り、支援者は、その都度女性を支えました。
生活に困窮して相談に来る若者は、家庭や学校、職場で居場所がなく、既に心身ともに傷ついています。だから、就労と違うゴールがあっていい、生活保護は安心であって甘えではないと、支援者は強調して話してくれました。私は、こういう支援者と居場所の存在は、若者が回復していく鍵だと実感しました。
若者は、困難を抱えていても、働かなければならないと追い詰められています。働くことだけをゴールとしない支援は重要と考えますが、知事の認識を伺います。
そして、生活に困ったときに、生活保護を利用することは権利ですが、若者を含め、多くの人が生活保護に対し強い拒否感があります。その背景には、自己責任論と分断を持ち込み、社会保障を後退させてきた政治の問題があります。
江戸川区は、昨年、生活保護利用者等を対象に、生活状況や日頃から感じていることなどのアンケート調査を行いました。利用者からは、偏見や差別で肩身の狭い思いをしているという意見など、率直な声が寄せられました。都としても調査を行い、その結果を生活保護行政の改善に生かすことは重要と思いますが、都の見解を伺います。
困窮する若者の相談で多いのが、住まいの相談であり、家賃は重い負担となっています。家賃の補助を都として実施することを求めます。
住まいを失い、野宿する若者などからのSOSが次々と寄せられることに対応するため、民間の支援団体は、アパートや空家を自己資金で改修し、シェルターやシェアハウスなどを提供しており、少なくない住宅困窮者を支えています。
東京都は、空き家ポテンシャル発掘支援事業のシェアハウス型で、改修費と運営費の補助をしています。対象となるシェアハウスは、ひとり親世帯に加え、若い一人暮らしの人も利用できる提案も可能であることを区市町村や支援団体へ周知するべきです。見解を伺います。
同時に、実際には空家を見つけることは容易ではありません。都としてシェルター等を確保していくことが不可欠です。このことを強く要望し、次は、東京アプリ生活応援事業について伺います。
東京都は、物価高騰の中、生活応援事業として、東京アプリをダウンロードした都民に一万一〇〇〇ポイントを付与する事業を始めました。しかし、対象者をマイナンバーカードと、それを読み取れるスマホを持っている人に限定しています。
共産党都議団は、五月十五日に申入れを行い、対象から外れた方に現金給付など直接支援を行うよう知事に求めましたが、今回の補正予算案には入りませんでした。
障害者や高齢者などで、スマホとマイナンバーカードを持っていない人は、ポイント付与の対象から排除されています。都民からは、これは差別ではないか、合理的配慮がない、マイナンバーカードを持つのは任意なのに持っていないと対象にしないのはおかしいなどの声が上がっています。これらについて都はどう受け止めていますか。
都は、高齢者へスマホ教室やスマホ購入支援などを行い、アプリが利用できるように取り組んでいますが、必要なのは、スマホを使えなくても生活応援の対象にすることです。
支援対象外の十四歳までの子供に一万一千円を支給したのと同様に、福祉的な視点で、誰も置き去りにしないよう、現金給付などの対応策を実施するべきです。都の見解を伺い、次の質問に移ります。
文京区を縦断する環状三号線道路計画についてです。
東京都は、都市計画道路の第五次事業化計画で環状三号線を再び計画内容再検討路線に選定しました。既に第四次計画で再検討路線とされ、この十年間、再検討を行ったにもかかわらず再び再検討路線としたということは、環状三号線の事業化は極めて難しいと自ら証明したということではないでしょうか。
区民は何十年も前からこの計画の問題点も反対の意思も示してきました。
環状三号線の予定地は、坂が多く複雑な地形で、高架構造やトンネルがたくさん必要となります。道路がないところに道路をつくるため、長期にわたり住宅街に理不尽な建築制限がかかり、また、多くの住民が立ち退きになります。小石川植物園、根津神社、播磨坂の桜並木など、世界的な植物研究の拠点や重要文化財、区の名所も壊されます。
第五次計画の中間まとめのパブリックコメントも、三分の一が環状三号線計画についての意見で、急な勾配の坂、歴史的文化財もある地域に道路を通す計画は現実的ではない、住宅の建て直しを制限され、こんなに長い間、宙ぶらりんにしておくことが本当に必要か、蛇の生殺しだ、植物園の一部を道路にしてしまえば多様な植生を大きく損なう、莫大な費用がかかる、なかなか廃止にならないのはなぜかなどの声が寄せられ、計画の廃止、見直しを求めています。
地域住民の聞き取りでは、猛反対の声をあちこちで聞いてきました。計画が敷地にかかる学校のPTAや、小石川植物園を愛する多くの方々が立ち上げた守る会も、廃止、見直しを求めています。こうした声を知事はどう受け止めていますか。
環状三号線は、一九四六年に都市計画決定して以降、文京区内の延伸部分については事業化できず、凍結されたままです。
文京区では、一九八一年に区長が再考を求める要望書を都知事に提出しています。その理由として、道路がつくられれば、住宅、公共施設、重要文化財などに大きな犠牲が強いられるとともに、区民アンケートで六三%が反対し、区議会も全会一致で廃止の意見書を上げたことが記録されています。
そして、現在も区長は、一貫して計画廃止を求めてきた共産党の質問に、買収やそれに伴う移転、生活再建、工期の長期化による居住環境への影響、地域内の行き来がしづらくなることにより、生活動線や地域コミュニティへ影響が出る、環状三号線については本区への影響が極めて大きいと、当時の要望書を踏襲して明確に答えています。
区議会でも、党派を超えて、この要望書を踏まえることや計画廃止を求める質疑が行われています。こうした状況を東京都は知っていますか。
私は、先月、道路計画のルートを地元の方々と歩きました。多くの人々が暮らし、豊かな緑、歴史や文化が残る地域です。どんな形状の道路であっても、環状三号線計画は、この大事な価値や財産を奪うものです。住民の意思を尊重し、環状三号線道路の延伸計画は廃止することを求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 福手ゆう子議員の一般質問にお答えいたします。
困難を抱える若者への相談支援についてのお尋ねです。
若者を含め、生活に困窮する方に対して、個々の状況に応じた支援を行うことは重要です。
区市等が設置している自立相談支援機関におきまして、就労を目指すだけではなく、対象者の状態や希望に応じた相談支援などを行っております。
その他の質問につきましては、都技監及び関係局長が答弁をいたします。
〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕
○東京都技監(谷崎馨一君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、環状第三号線についてでございます。
計画に対し、様々な意見があることは承知しております。本路線につきましては、都市計画道路の整備方針におきまして、地形地物の状況により道路線形などの検討が必要な計画内容再検討路線に位置づけており、この方針に基づき適切に対応してまいります。
次に、地元自治体における意見についてでございます。
文京区など地元自治体においては、様々な意見があることは承知してございます。今般の整備方針は、文京区を含む区市町との検討会議での議論等を踏まえ、策定しております。
〔都民安全総合対策本部長竹迫宜哉君登壇〕
○都民安全総合対策本部長(竹迫宜哉君) 困難を有する若者への支援についてでございますが、都は、若者が抱える困難が多様化、複雑化している状況を踏まえ、昨年三月に東京都子供・若者計画を改定いたしました。
引き続き、若者の実態を踏まえ、各主体が必要な支援に取り組んでまいります。
〔福祉局長高崎秀之君登壇〕
○福祉局長(高崎秀之君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、困窮する若者への支援についてでございますが、若者を含め生活に困窮する方に対して、個々の状況に応じた支援を行うことは重要でございます。
都はこれまでも、生活保護や生活困窮者自立支援制度に加え、独自に様々な施策を実施しております。
次に、困窮する若者の調査についてでございますが、厚生労働省のホームページでは、自治体や団体による子供、若者支援の取組状況などを把握し、生活困窮者自立支援制度を軸とした包括的な支援の在り方などについて検討する民間団体の調査研究事業に対し、今年度国が補助を行うとされております。
次に、生活保護受給者の意見についてでございますが、都は、福祉事務所や都民の声窓口などを通じて生活保護受給者の意見を把握しておりまして、必要に応じて福祉事務所に事実確認や指導を行っております。
最後に、子育て応援プラスについてでございますが、都は、子育て世帯を応援するため〇一八サポートのシステムを活用し、東京アプリ生活応援事業の対象とならない十五歳未満の子供に対しまして、臨時的な支援を行っております。
〔住宅政策本部長山崎弘人君登壇〕
○住宅政策本部長(山崎弘人君) 空き家ポテンシャル発掘支援事業についてでございますが、本事業のシェアハウス型は、空家をひとり親世帯等を対象としたシェアハウスへ改修し、活用する取組を支援するものでございます。
募集に当たりましては、都のホームページ等に加え、全区市町村が参加する空き家対策連絡協議会や関係団体等を通じて広く周知しております。
〔デジタルサービス局長高野克己君登壇〕
○デジタルサービス局長(高野克己君) 東京アプリ生活応援事業についてお答えいたします。
本事業は、アプリの普及と都民生活の応援を目的に、スマートフォンとマイナンバーカードを用いて東京ポイントを届けるもので、より多くの方に参加いただけるようにする必要がございます。
都は、高齢者スマホ購入支援やコールセンター等での対応のほか、代理申請や対面支援等に取り組むこととしております。
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