○副議長(菅野弘一君) 六十番竹平ちはるさん。
〔六十番竹平ちはる君登壇〕
○六十番(竹平ちはる君) 初めに、廃プラスチックの資源循環について質問します。
中東情勢の緊迫化や国際情勢の変化により、エネルギーや原材料の安定供給の重要性が改めて認識されています。特に、プラスチックや化学製品の原料となるナフサは産業活動に不可欠であり、その安定確保は大きな課題です。
都議会公明党は先日、ケミカルリサイクルを行う事業者から、廃プラスチックを熱分解し、ナフサや燃料油、カーボンブラックとして再利用する最先端の技術について話を伺いました。
廃棄物を資源として循環させるだけでなく、エネルギーの有効活用やCO2排出量の削減にもつながる、まさに循環経済を体現する先進的なモデルであります。今後は、廃プラスチックの高度な資源化など、新たな資源循環の仕組みを東京から広げていくべきと考えます。
資源循環やエネルギー構造の転換、さらには脱炭素社会の実現に向け、都としてこうした先進的な資源循環技術の普及促進に取り組んでいくべきと考えますが、知事の見解を求めます。
資源循環とともに重要となるのが代替素材の開発であります。
建設現場では、塗料、シンナーや断熱材などの石油由来製品が不足し、資材の高騰や入荷時期が見通せないなど、中小企業からは、事業継続することが困難との声も伺っています。
中小企業を今支えることは非常に重要なことであります。その上で、将来を見据えた取組もすべきです。ナフサのみを原料とし依存する構造からは、徐々にではあっても転換を図る努力が必要であると考えます。
都は、多くの中小企業が利用できるような、ナフサに代わる代替素材の開発を支援すべきと考えますが、都の見解を求めます。
次に、都立大塚病院の不妊治療外来の整備について質問します。
令和四年度から、不妊治療の保険適用が拡大されたことを受け、都議会公明党は、身近な都立病院こそ都民のニーズに対応すべきと繰り返し求め、都は、都立大塚病院において、体外受精や顕微授精等の生殖補助医療に取り組むことを表明しました。
今年一月、都議会公明党は、不妊治療外来整備工事が進められている大塚病院を視察しましたが、子供を望む夫婦が安心して治療が受けられるよう、診療環境に配慮したレイアウトが検討されていることを確認しました。
都立大塚病院での不妊治療外来の早期開設を求めるとともに、その内容について、都の見解を求めます。
次に、子供ホスピスについて質問します。
子供ホスピスは、小児がんや難病など、命に関わる重い病気を抱える子供たちに遊びや学びの機会を提供するとともに、家族のためのレスパイトケアや終末期ケア、グリーフケアなどを通じて、子供と家族を支える重要な役割を担っています。
これまで都議会公明党は、東京の子供ホスピスの実現を都に求めてきました。先日、私は、千葉県にある子供ホスピスの機能を備えた福祉型短期入所施設を視察いたしました。
手厚いケアをするために、重度の医療的ケアに対応する看護師配置や医療材料、設備コストが報酬単価を大幅に上回る実態や、運営面、財政面での課題などがあることが分かりました。今後、都として開設支援を検討していくべきと考えます。
令和八年予算特別委員会での都議会公明党の質問で、都は今年度、協議会を設置し、実態調査を実施するとの答弁がありました。
そこで、現在の取組状況について見解を求めるとともに、実態調査に当たっては、都内の医療機関や関連団体、当事者やその家族などに加え、既に小児がんや難病等の子供を支援している団体の意見の反映も必要と考えます。併せて見解を求めます。
次に、看護人材の確保について質問します。
看護師が働く場は、近年、医療機関だけでなく、保育所や高齢者、障害者施設、特別支援学校など多様化しています。
しかしながら、こうした施設などからは、看護師の確保に苦慮しているとの声が多く寄せられています。
今後、高齢化の進展に加え、医療、介護ニーズはさらに高まるとともに、医療的ケアが必要な子供や障害のある方を地域で支えていくためにも、看護師の役割はますます重要となります。
そこで、都は、医療機関のみならず、看護師の活躍が期待されている様々な職場における人材確保を支援するため、ナースプラザの取組を一層推進していくべきと考えますが、見解を求めます。
次に、訪問看護について質問します。
高齢化により、在宅療養を支える訪問看護は今後ますます重要となります。訪問看護ステーションは、常勤の管理者一人と、看護職員二・五人以上で開設できるため、大規模な事業所もありますが、半数以上は五人未満の小規模事業所となっています。
訪問看護は、訪問先では一人で判断しながら看護を行うため、責任が重く、高い看護スキルが求められます。
現在、訪問看護ステーションの数は増えてきており、新卒看護師の就業も見られますが、管理者の経営管理に関する知識や経験不足も課題となっています。
そのため、看護の研修や同行訪問などの支援の充実とともに、管理者への教育体制の強化も必要だと考えます。
そこで、都は、経営面や人材育成面で課題を抱えている訪問看護ステーションへの積極的な支援を行っていくべきと考えますが、見解を求めます。
次に、障害者優先調達について質問します。
障害者の就労機会を広げ、工賃の向上は重要です。現在、就労継続支援B型事業所の工賃の低さが課題となっています。また、多くの事業所では、仕事の確保に大変苦労しています。
私は先日、地元江戸川区内の就労継続支援B型事業所を視察いたしました。当事業所では、生産活動として、区役所の紙の行政文書をスキャンしてPDF化する作業が行われており、障害のある方々が真剣に取り組まれていました。
こうした紙文書のデジタル化は、行政の効率化につながるとともに、障害者の就労機会を広げ、工賃の大幅な向上につながると考えます。
そこで、障害者の就労機会の拡大と工賃の向上を図るため、都は、デジタル技術を活用した業務を含め、障害者就労施設などからの優先調達を積極的に推進すべきと考えますが、都の見解を求めます。
次に、中学校の部活動について質問します。
文科省から、部活動の地域展開への方針が出され、都は本年三月に中学校部活動改革に関するガイドライン及び推進計画を策定し、地域や学校の状況に応じて、地域展開や拠点化、外部人材の活用を組み合わせ、柔軟に取り組める東京モデルを示しました。
私の地元の江戸川区では、部活動の地域展開に向けて取り組んでいます。しかしながら、人材確保や、そのための経費など、体制整備に大変苦慮されています。
特に学校数や部活動数が多い区市町村では、経費の負担が大きくなっているとの声を伺っています。
また、保護者からは、地域クラブの場合、月謝が発生し、費用負担がかかることへの懸念の声が聞かれています。
そのため、区市町村が東京モデルに着手し、試行していくためには、各地域の状況や教員、生徒の声を聞きながら取組を進めていくことが大切だと考えます。
今後、こうした状況を把握し、区市町村が着実に東京モデルに取り組めるようにしていく必要があると考えますが、都教育委員会の取組について見解を求めます。
最後に、災害対策について質問します。
大規模災害が発生した際、迅速な災害対応を行うためには、道路状況を把握することが必要です。
現在、国道や都道の情報は、東京都災害情報システムに表示できると聞いていますが、都内の主要道路の情報にとどまっています。江戸川区のように、隣接する千葉県の道路の状況も分かれば、区は、より的確な避難誘導や物資輸送、復旧工事の優先順位を決めることができます。
そのため、都内の主要道路に限らず、区市町村道や近隣県も含めた道路の被災状況を把握し、その情報を一元化して、区市町村とも共有できるよう、私はこれまで都に求めてきました。
都は、令和七年度から東京都災害情報システムの再構築に着手しているとのことですが、発災時には、千葉県など近隣県の道路状況を含め、区市町村と共有し、迅速かつ的確な災害対応を行えるよう改善していくべきと考えますが、見解を求めます。
近年、気候変動の影響により風水害は激甚化、頻発化しており、これに対する備えの一層の強化が求められています。
とりわけ、私の地元である江戸川区をはじめとする東部低地帯はゼロメートル地帯が広がり、荒川などの河川が越水、破堤した場合には、広範囲かつ長期間の浸水が発生し、甚大な被害が生じるおそれがあります。
こうした地域特性を踏まえ、人命を守る観点からは、発災前の早期の住民避難、特に水害リスクの低い地域への広域避難の取組を着実に進めることが重要であります。
そこで、広域避難の実効性を高めるためには、避難先の確保を推進するとともに、施設を円滑に開設、運営するよう取組を強化すべきと考えますが、都の見解を求めます。
一方、実際に災害が発生した際に、事前に策定した計画などに基づき、住民の円滑な避難や関係機関と連携した対応などを着実に進めるためには、日頃からの訓練が極めて重要であります。
東部低地帯における大規模水害の発生時対応の実効性を確保するため、都が来月、江戸川区と共に総合防災訓練を行います。実施に当たっては、地域特性を踏まえ、実災害に即した訓練を行うべきと考えますが、具体的な取組について都の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 竹平ちはる議員の一般質問にお答えいたします。
廃プラスチックの資源循環についてであります。
現在、我が国は中東情勢の混乱により、資源確保という根源的な課題に直面しております。資源やエネルギーの構造転換を図り、都市に眠る資源の有効活用を進めるには、イノベーションによる新たな一歩が重要であります。
これまで都は、ボトル・ツー・ボトルやリユース容器への転換などを通じまして、2Rの推進や水平リサイクルの拡大に資する新たなビジネスモデルの創出を支援してまいりました。
今後は、様々なナフサ由来の製品の削減につながる先進的な技術等の実装化を支援することで、都民に身近なプラスチックの資源循環を進めていきます。
これらによりまして、資源循環技術の普及を一層推進し、持続可能な社会の実現に向け、東京がリードをしてまいります。
なお、その他の質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
〔教育長坂本雅彦君登壇〕
○教育長(坂本雅彦君) 公立中学校での部活動の進め方についてのご質問にお答えいたします。
公立中学校の部活動に関し、生徒がスポーツや文化芸術活動を楽しみ、教員の働き方改革を実現する取組を地域の意見を踏まえ進めることは重要でございます。
このため、都教育委員会は今年度、中学校の部活動で地域等の状況を踏まえ、様々な方法を選ぶ東京モデルを開始することとしております。
具体的には、地域クラブや外部指導者の活用のほか、複数の中学で拠点校を設ける取組の三つから適切な方法を選ぶ仕組みといたします。また、この成果を確認する指標を八月までに作成します。
さらに、各地域にアンケートを行い、生徒や教員の意見をきめ細かく把握し、東京モデルの効果的な展開に役立ててまいります。
〔産業労働局長吉村恵一君登壇〕
○産業労働局長(吉村恵一君) ナフサ代替素材の開発についてのご質問にお答えいたします。
様々な資材に用いられるナフサ依存からの脱却を図り、素材の多様化を進めることは、中小企業の経営の強靱化につながります。
都は新たに、ナフサを原料としない代替素材開発に取り組む企業への支援を開始いたします。
開発プロジェクト二件を選定し、三年間でそれぞれ最大六億円を支援するほか、専門家による伴走支援を実施いたします。
マーケティングのアドバイスなどを通じて、包装資材や塗料など、中小企業が利用する様々な製品の原料となる素材の開発につなげます。
こうした取組により、都内中小企業の事業継続を支え、東京の産業基盤の強化を図ってまいります。
〔保健医療局長山田忠輝君登壇〕
○保健医療局長(山田忠輝君) 二点のご質問にお答えをいたします。
初めに、大塚病院の不妊治療についてでございますが、八月上旬の診療開始を目指し、現在、培養室の整備や運用マニュアル策定等の準備を進めております。
女性医療や周産期医療を強みとする総合病院の特性を生かし、院内の各診療科が連携して、内科疾患や婦人科疾患等の合併症を有する患者にも幅広く対応いたします。
また、妊娠後も、総合周産期母子医療センターとして、分娩前後のケアを含め、様々なリスクを有する妊産婦を切れ目なくサポートいたします。
患者に寄り添ったきめ細かな医療を提供することで、望む人誰もが子供を産み育てられる社会の実現に貢献してまいります。
次に、東京都ナースプラザの取組に関するご質問についてお答えいたします。
ナースプラザでは、無料職業紹介事業を行うほか、福祉人材センターと連携し、福祉施設等における看護職員の確保を支援しております。
また、看護職員が一定期間再就業を継続した場合に奨励金を支給し、現場への定着支援を行っております。
今年度からは、新たに東京ポイントを活用し、福祉施設も出展する就職相談会等への参加を促すほか、潜在看護師等として登録した方に対し、再就業につながる情報を幅広く提供してまいります。
こうした取組を通じ、ナースプラザにおいて、医療、福祉、教育など様々な分野での看護人材の確保を推進してまいります。
〔福祉局長高崎秀之君登壇〕
○福祉局長(高崎秀之君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、小児緩和ケアなどが必要な子供についてでございますが、都は本年四月、小児緩和ケア等が必要な子供に関する調査に係る協議会を設置いたしました。
協議会では、調査の進め方や項目などについて委員から意見を聴取しており、これらを踏まえまして、今後、医療機関や関係団体による支援の取組状況、当事者の勉強や遊びの状況、家族の支援ニーズなどについて、関係者それぞれに対する実態調査を実施いたします。
さらに、調査に加え、関係団体へのヒアリングなども行いまして、当事者や家族を取り巻く実態をきめ細かく把握してまいります。
次に、訪問看護ステーションについてでございますが、都は、小規模な事業所における安定的なサービス提供を支援するため、新任看護師の育成期間中の給与などを補助するほか、管理者を対象とした経営に関する研修などを実施しております。
また、経験の浅い看護師が、身近な地域で同行訪問など伴走型の研修を受けられるよう、人材育成のノウハウを有する二十一か所の事業所を教育ステーションに指定しておりまして、今年度五か所を追加指定いたします。
さらに、複数の事業所が協働して人材の確保や育成等を行う取組への支援を新たに開始するなど、在宅療養の推進に向けまして、訪問看護ステーションの質の向上に取り組んでまいります。
最後に、障害者就労施設などからの優先調達についてでございますが、都は、障害者就労施設などの仕事を確保し、経営基盤の強化を図るため、施設が提供する物品やサービスを優先的に調達する方針を策定しまして、全庁的に取組を進めてまいりました。
デジタル化の進展に伴い、紙資料のデータ化などの業務も優先調達の対象となっており、今後、受注可能な施設の拡大に向けまして、事業者向けのセミナーで受注事例の紹介や、機器の操作体験の機会を提供いたします。
さらに、こうした施設を庁内説明会で周知するとともに、各局での一層の調達を働きかけるなど、デジタル関連業務を含め、優先調達を推進してまいります。
〔総務局長佐藤智秀君登壇〕
○総務局長(佐藤智秀君) 三点のご質問にお答えをいたします。
まず、道路の被害状況等の共有についてのご質問でございます。
都は発災時、災害情報システムにより、道路の被害情報や通行規制情報を収集いたしまして、区市町村や関係機関と共有をしております。
現在のシステムは、緊急輸送道路となる都道、国道の道路情報を地図上に表示し、区市町村道は文字情報を表示しております。
再構築後は、区市町村の災害対策により資するよう、区市町村道や近隣県の情報も地図上に表示をいたします。また、GPSを活用した車の位置情報により、通行可否や混雑状況等を迅速に把握できるようにいたします。
こうしたことにより、避難経路の確保、避難所への物資輸送など、地域の災害対応力の向上につなげてまいります。
続きまして、広域避難先の運営強化等についての質問でございます。
都は現在、東部低地帯における大規模水害時の広域避難先として、都有施設に加え、国や大学等二十二団体と施設利用に関する協定を結んでいるほか、大規模な施設の開設、運営や警備等を円滑に行うため、警備会社と協定を締結しております。
今年度から、都と区が共同で運営する大規模避難先に警備員を派遣することに加えまして、区が単独で運営する施設にも都の職員を派遣いたしまして、開設準備、運営を支援いたします。
今後、広域避難先のさらなる確保を図るとともに、区や警備会社、施設管理者と連携した開設訓練を行うなど、広域避難の実効性を一層高めてまいります。
最後に、今年度の総合防災訓練についてのご質問にお答えをいたします。
都は来月、江戸川区と合同で、警察、消防、自衛隊などと連携し、東部低地帯における大規模風水害を想定した都民参加型の訓練を実施いたします。
具体的には、超大型台風の接近を想定いたしまして、地元住民の方がバスなどにより区域外へ事前移動する広域避難、警備会社と連携した受入先施設の開設、運営の訓練を初めて行います。
また、台風通過後、広く浸水した状況を想定し、ヘリによる住民の救出救助や防災船とボートを活用した垂直避難者への支援物資の輸送の訓練を行います。
実践的な訓練を通じ、発災時の対処方法の見直しや、都民の防災意識の向上につなげてまいります。
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