令和八年東京都議会会議録第九号〔速報版〕

○副議長(菅野弘一君) 三十三番東友美さん。
   〔三十三番東友美君登壇〕

○三十三番(東友美君) 東京都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会、町田市選出の東友美でございます。
 誰一人取り残されない、一人一人が守られる東京を目指し、質問いたします。
 まずは、性の多様性についてです。
 私は、LGBTQプラスの一つ、Xジェンダーの当事者であります。Xジェンダーとは、身体的な性別にかかわらず、性自認が男性、女性に明確に分かれないセクシュアリティーです。
 Xジェンダーには幾つかの種類がありますが、私は無性といって、自分自身を女性だとも男性だとも捉えていない性自認を持っています。そのような私の視点から見た社会は、皆様から見えている社会とは少し異なっているかもしれません。
 例えば、世の中には男性か女性しか存在しないという男女二元論。皆様は気づかれたことがありますでしょうか。世の中の大半のもの、サービス、人の意識、この多くは男女二元論の下に成り立っています。これらの中に自分が存在していない。私は、ただ生活するだけでも息苦しさを感じています。
 都の政策においても、今年度の東京都予算案の概要には、ダイバーシティというタイトルの下、誰もがいつまでも自分の人生を選択できる東京として、女性も男性も存分に力を発揮できる環境の整備をうたっています。
 ほかにも、都の政策等には随所に、女性も男性も、男女ともにという表記が見られますが、誰もがとうたわれるそれらの政策対象に私は入っていないと感じています。
 間違われてはいけませんが、私は性別をなくすべきといっているのではありません。私は、女性のことも男性のことも尊重し、尊敬しています。私の主張は、女性でも男性でもない性自認を持つ人の存在を知り、お互いに尊重し合いましょうということです。
 東京都人権尊重条例では、東京に集う多様な人々の人権が、誰一人取り残されることなく尊重され、東京が、持続可能なよりよい未来のために人権尊重の理念が実現した都市であり続けるとの理念が掲げられています。
 そこで、条例が目指す社会の実現について、知事の見解を伺います。
 また、性的マイノリティー当事者への支援策として、都では東京都パートナーシップ宣誓制度を導入しており、特記事項欄に子供の名前を記載することができる形となっています。しかし、都内では、複数の自治体が当事者の子供や親を含めて家族関係を証明できるファミリーシップ制度を導入しており、利用者からは喜びの声が寄せられています。
 都の制度においても、親の名前も記載できるようにし、さらに家族関係の証明を可能にするなど、より充実させ、東京都パートナーシップ宣誓制度から東京都ファミリーシップ宣誓制度に変更するべきと考えますが、見解を伺います。
 都民や児童生徒に直接接する都の職員や教員に対するLGBTQプラスについての研修も重要です。正しい知識を身につけることで、差別的な行動や発言を防ぎ、適切な住民サービスや教育を提供することができます。都職員や教員に対する研修についての取組を伺います。
 さらに、ウエルビーイングな社会の構築についてです。
 私は、この春、ユースクリニック発祥の地、スウェーデン、そしてデンマークへ視察に行き、ユースクリニックや包括的性教育について学んでまいりました。
 都は、今年度よりユースクリニックに対する補助制度を開始しました。本制度については、私も評価をしております。本日は、視察で得た知見を基に伺います。
 一つ目には、横の連携の重要性です。
 例えば、スウェーデンでは、ユースクリニックが学校に出向き、周知や様々な形での連携を行っていました。このような形での取組や、医療機関だけでは対応できない相談に対し、公的機関と連携した支援が重要です。
 また、避妊や性感染症の予防に向け、男性用避妊具等の説明、配布等の具体的な支援が必要ですが、取組を伺います。
 二つ目には、相談では感情を扱うことが多く、メンタルヘルスに関する相談対応が非常に重要であるということです。都のユースクリニックへの補助についても、精神的ケアをしっかりと行っていくための支援が必要ですが、見解を伺います。
 そして、スウェーデンやデンマークをはじめ、国際的には包括的性教育が推進されています。性教育は寝た子を起こすとして、日本では避けられてきました。しかし、大人が性教育は恥ずかしいもの、よくないものとレッテル貼りをして正しい知識を子供に教えずにいる間にも、子供は主にインターネットから情報を入手しています。それらは必ずしも正しい知識ではなく、犯罪行為が普通の行動だと誤認している子供も存在します。
 大人たちが寝た子を起こさないようにしている間に、子供は子供たちの世界でとっくに目覚めています。改めて皆様に考えていただきたいと思います。性教育は寝た子を起こすのでしょうか。
 包括的性教育の実践の調査では、性の正しい知識は子供を慎重にさせ、安全で正しい行動をサポートすることが証明されています。子供を守り、そして子供が自分らしい人生を歩むことができるようサポートをするために、我々大人は、人生において必要な知識をしっかりと子供に伝えるべきです。
 都においても、包括的性教育の視点から充実した性教育を実施するべきですが、見解を伺います。
 また、性教育の充実を図るためには助産師等の専門家の力が必要です。都立高校の性教育に関して、外部講師の活用の取組について伺います。
 特別支援学校における性教育も重要です。特に個別対応が必要ですが、見解を伺います。
 さらに、若年層が性犯罪に関与する事案の増加や低年齢化が指摘されています。背景には、SNSの普及等に加え、学校での性的なコミュニケーション、性的同意の重要性を学ぶ機会が乏しいことが考えられますが、性犯罪を防止する教育の推進について都の見解を伺います。
 依存症についてです。
 我が会派、風間議員が代表質問で取り上げましたが、ギャンブル等依存症は、本人だけでなく家族の生活をも破壊する深刻な病気です。
 私も小学生の頃、当時の父がギャンブルにはまり、家中のお金を持ち出し失踪、そこからひとり親の貧困家庭となったという経験があります。誰にも相談できずに、家族の中で困難を抱える日々でありました。もう誰にも二度と同じ思いをさせたくない、その思いも、私が議員になった大きな理由の一つであります。
 ギャンブル等依存症の相談窓口についてお伺いいたします。
 ギャンブル等依存症に悩む方やそのご家族が必要な支援につながるためには、相談窓口に速やかにアクセスできる環境を整える必要があります。相談窓口をより見つけやすくするとともに、一人でも多くの方に周知が届くようにするべきですが、見解を伺います。
 児童相談所についてです。
 児童虐待について、児相に通告があったにもかかわらず、対象児童が救急搬送されるという極めて痛ましい事案が、私の地元町田で発生いたしました。
 本件については、児相が訪問を予定していたのは通告から三日後であることが明らかとなっています。四十八時間以内の安全確認が行われなかった大変重大な事案です。二度と起こさないよう改善を求めますが、本事案を踏まえ、どのように検証し、対応していくのか伺います。
 さらに、児童虐待の防止に向け、児相の体制強化や専門性の向上が重要ですが、今後どのように取り組むのか伺います。
 学童クラブについてです。
 都は、都型学童クラブ及びその補助金を令和九年度末で終了し、認証学童クラブへ移行する方針を示しました。しかし、現在、学童クラブはニーズが高まっている一方で、支援員等の従事者不足が生じています。現状のままでの拙速な移行は、待機児童を増加させるなど深刻な影響を及ぼすことが懸念されます。
 適切な時期まで移行期間を先延ばしする等の対策が必要ですが、都の見解を伺います。 防災、減災対策です。
 私の地元町田市内の都営住宅には、人材やスキル不足等で避難訓練を実施できていない団地や自治会が複数存在しています。平時に訓練を経験していないことは、災害発生時に適切な避難行動が取れない原因となり、生死に関わる深刻な事態を招くおそれがあります。都やJKKは、この事実に真剣に向き合い、速やかに対策を取るべきです。
 都営住宅の避難訓練について、より多くの自治会で実施するために、さらなる取組を求めますが、見解を伺います。
 また、町田市では避難所へのマンホールトイレの整備を進めており、現在、未設置の避難所は基本的に都立高校のみとなっています。そのため、都立高校が避難先として指定されている住民の方からは強い不安の声が届いており、速やかな整備を求めますが、都立高校におけるマンホールトイレの整備の取組について伺います。
 動物愛護についてです。
 第一種動物取扱業者が取扱動物にけがをさせる、愛護団体が炎天下で生体同伴の募金活動を行うなど、動物の不適正な取扱いが起きているという声が複数届いています。防止策を講じるべきですが、見解を伺います。
 さらに、犬や猫のブリーダー等の事業者は、終生飼養等を図ることとされていますが、商品にならない動物が愛護団体に譲渡され、保護動物として高額で有償譲渡されるケースがあることが複数報告されています。都として調査、介入するべきですが、見解を伺います。
 建設工事における熱中症対策についてです。
 建設業の皆様には、生活の要となるインフラを安全に維持管理していただいておりますが、特に道路や河川の工事は、真夏の炎天下の中でも屋根のない屋外で作業をしなければならず、熱中症対策が重要です。
 道路や河川における工事を多く発注している建設局において、熱中症対策を強化するべきですが、見解を伺います。
 以上で質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 東友美議員の一般質問にお答えいたします。
 性の多様性についてのご質問です。
 都は、オリンピック憲章にうたわれる、いかなる種類の差別も許さないという理念の下、人権尊重条例を定めて、性自認、性的指向に関する不当な差別の解消や啓発等に取り組んでおります。
 今後とも、誰もが認め合う共生社会の実現に向けまして、条例に基づく取組を着実に進めてまいります。
 その他の質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
   〔教育長坂本雅彦君登壇〕

○教育長(坂本雅彦君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、公立学校における性教育の進め方についてでございますが、子供たちが性に関する正しい知識と適切な行動を選択できる力を身につける教育は重要でございます。
 このため、都教育委員会は、児童や生徒に学習指導要領の内容を確実に指導をしております。
 また、こうした取組について、区市町村教育委員会とも連携し進めているところです。
 次に、性教育に係る外部講師の活用についてでございますが、都立高校の生徒が性に関する正しい知識等を身につけるため専門家を活用することは重要でございます。
 このため、都教育委員会は、都立高校で専門的な知識を持つ外部人材により、性を含む健康に係る授業をモデル的に実施をしております。
 次に、特別支援学校における性教育についてでございますが、特別支援学校での性教育は、そこに通う子供の障害の種類や程度等に応じ行うことが重要でございます。
 このため、特別支援学校では、学習指導要領にのっとり、児童や生徒の特性や心身の発達段階などを十分考慮し、個別やグループでの授業を実施しております。
 次に、性犯罪に係る教育についてでございますが、児童生徒が性暴力の加害者や被害者にならないよう、学校で適切な教育を行うことは重要でございます。
 このため、都教育委員会は、性暴力の根底にある誤った考え方や犯罪から身を守る方法等をまとめた冊子を公立学校に配り、指導に役立てています。
 また、児童等の啓発に向けたリーフレットを電子データで学校に提供をしております。
 最後に、マンホールトイレの整備についてでございますが、災害時の避難所となる都立学校で、敷地にマンホールトイレを整備することは効果的でございます。
 このため、都教育委員会は、改築等の計画のある三十五の都立学校について、その工事に併せ、マンホールトイレの整備を行いました。
 そうした工事の予定のない都立学校についても、現在トイレの整備に向けた調査を行っております。
   〔総務局長佐藤智秀君登壇〕

○総務局長(佐藤智秀君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、パートナーシップ宣誓制度についてのご質問でございます。
 本制度では、届出者に子供がいる場合、受理証明書の特記事項欄に子供の名前を記載できることとしております。
 これにより、病院の付添時などに、子供とその親のパートナーとの関係を説明しやすくなるなど、子供に関する困り事の軽減を図れるものと考えております。
 続きまして、性的マイノリティーに係る職員研修についてのご質問にお答えをいたします。
 都はこれまでも、性的マイノリティーの基礎知識やハラスメント防止、窓口での接遇などについて、全職員を対象としたeラーニング研修や、新任職員、管理職を対象とした研修を行い、理解の促進を図ってまいりました。
 また、都教育委員会は、児童や生徒の心情に配慮し、適切な対応を行うことができるよう、教員に対し、職層や経験年数に応じた研修を実施しております。
   〔福祉局長高崎秀之君登壇〕

○福祉局長(高崎秀之君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、ユースクリニックへの補助についてでございますが、都は今年度、若者の体や心の悩みに対応する医療機関であるユースクリニックへの補助を開始いたします。
 個別相談に加えまして、性や健康に関する正しい知識の普及に向け、学校や地域における講演などのほか、避妊や性感染症予防の啓発活動に要する経費も補助の対象としております。
 若者の様々な相談につきましては、内容に応じて区市町村や児童相談所などの関係機関と連携しまして、必要な支援につなげるなど、きめ細かく対応することとしております。
 次に、ユースクリニックの相談体制についてでございますが、都は、ユースクリニックを実施する医療機関が若者の様々な悩みに対応するために、看護師や心理士等の専門職の配置など、相談体制の確保に必要な経費を補助いたします。
 次に、ギャンブル等依存症の相談についてでございますが、都は、依存症相談拠点である都内三か所の精神保健福祉センターにおいて、本人や家族などからの相談対応を行うほか、若者がアクセスしやすいLINE相談を実施しております。
 こうした相談窓口につきましては、依存症ポータルサイトに掲載するとともに、インターネット広告、SNSなどを活用しまして、周知に取り組んでおります。
 次に、児童虐待への対応についてでございますが、児童相談所は、虐待通告に基づき、速やかに緊急受理会議を開催しまして、緊急性など個々の状況に応じて調査方針などを決定するとともに、原則、虐待通告受理後から四十八時間以内に安全確認を行っております。
 町田市で発生した事案を受けまして、都は、四十八時間以内の安全確認が実施できなかった経緯や原因を検証するため、外部有識者などから成る検証チームを設置するとともに、全ての児童相談所に安全確認の徹底を周知いたしました。
 今後、検証を行いながら、再発防止に向けた取組を進めてまいります。
 次に、児童虐待の防止についてでございますが、都は、深刻化する児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、児童福祉司及び児童心理司を増員するなど、児童相談所の体制を強化しております。
 また、職員の専門性を強化するため、ロールプレーイングやゼミ形式の事例検討など、児童福祉司、児童心理司への実践的な研修を実施しております。
 引き続き、児童の安全・安心の確保のため、児童虐待の防止に取り組んでまいります。
 最後に、都型学童クラブについてでございますが、都は令和七年度から、サービスの質の向上を図るため、国の基準を上回る職員体制などを要件とする認証学童クラブ事業を実施しております。
 都型学童クラブは、三年間の経過措置期間を設けて、認証学童クラブへ移行することとしておりまして、移行を進める区市町村の取組を支援しております。
   〔住宅政策本部長山崎弘人君登壇〕

○住宅政策本部長(山崎弘人君) 都営住宅における避難訓練についてでございますが、都はこれまでも、指定管理者である東京都住宅供給公社を通じて、自治会に対し、都営住宅における自衛消防訓練の実施や、区市町等が実施する地域防災訓練への参加を促してまいりました。
 引き続き、自治会向けの広報紙や訓練実施の手引などを活用しながら、取組を働きかけてまいります。
   〔保健医療局長山田忠輝君登壇〕

○保健医療局長(山田忠輝君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、動物取扱業者に対する指導についてでございますが、都は、動物取扱業を開始する事業者に対し、動物の病気やけがの予防など、法令に基づく遵守事項を周知しております。
 加えて、第一種動物取扱業者に対しては、責任者に受講が義務づけられている研修を活用し、法令遵守の徹底を図っております。
 また、立入検査において、法令に基づき動物が適正に取り扱われているかを確認し、必要に応じて改善指導を行っております。
 次に、動物の有償譲渡についてでございますが、動物の販売等の業を営もうとする者は、動物愛護管理法により、都道府県への第一種動物取扱業の登録が必要でございます。
 登録を受けずに動物を販売している疑いのある事例を把握した場合、都は、事実関係を確認した上で、必要に応じて指導を行っております。
   〔建設局長久野健一郎君登壇〕

○建設局長(久野健一郎君) 建設工事の熱中症対策についてでございますが、近年、夏の暑さは厳しさを増しており、工事現場の作業環境の改善を図っていくことは重要でございます。
 このため、建設局ではこれまでも、熱中症対策に必要な費用の計上や猛暑日を考慮した工期設定などに取り組んでまいりました。
 こうした取組に加え、今年度は夏場の一斉休工など、現場の実情に応じて、受注者がさらなる熱中症対策を選択できるようにいたします。
 引き続き関係機関とも連携し、熱中症対策を推進するなど、工事現場の作業環境の改善に取り組んでまいります。