令和八年東京都議会会議録第八号〔速報版〕

   午後三時開議

○副議長(菅野弘一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 九十番平田みつよし君。
   〔九十番平田みつよし君登壇〕

○九十番(平田みつよし君) 質問に先立ち申し上げます。
 六月八日、東京都名誉都民の小田島雄志さんが逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。
 都議会自由民主党を代表して質問します。
 先般、自民党の強い働きかけにより、高市総理出席の下、第一回の国と東京都との協議会が開催されました。激動する国際情勢の中、国の掲げる強く豊かな日本を実現し、日本の未来を切り開いていくためには、首都である東京が国と緊密に連携していくことが必要です。この協議会がスタートしたことで、今まさに、日本の持続的な成長に向けた議論が端緒に就いたと認識しています。
 協議会の中では、東京が国の成長戦略に強くコミットしていくことや、地方税財政制度の課題などについて議論がされたと聞いていますが、改めて、日本全体の持続的な成長に向けて、今後どのようにこの協議会に臨んでいくのか、知事の見解を伺います。
 協議会の場において、とりわけ重点的に議論されているテーマの一つが、地方税財政制度の課題です。
 昨年十二月の令和八年度与党税制改正大綱では、東京の地方法人課税や、特別区の土地の固定資産税を狙った記載が盛り込まれました。こうした措置が講じられれば、都や二十三区の財政運営に大きな影響を与えるのみならず、東京の活力をそぎ、ひいては我が国全体の発展を阻害しかねません。
 現在、小池知事は様々な場を通じて、国に地方税財政制度の在り方の検証を求めておられます。あわせて重要なのは、都としてあるべき地方税財政制度の姿を、国や他の自治体に積極的に働きかけていくことではないでしょうか。この点について我が会派も、国政をはじめ、あらゆるパイプを活用し、積極的に連携していく所存です。
 そこで、地方税財政制度のあるべき姿の実現に向けてどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 あるべき地方税財政制度の実現に向けては、全国の自治体にも理解と共感をいただけるよう、地方との連携を図ることがこれまで以上に必要となります。
 また、日本全体の成長に向けては、国との連携同様に地方との連携も重要です。農林水産業や熊対策など、地方に知見が集積しているようなケースなど、東京が地方に学ぶこともあるのではないでしょうか。
 かねてより我が会派が主張しているとおり、東京の発展と地方の活性化は二律背反するものではなく、それぞれが強みを生かして発展する共存共栄こそが、我が国の持続的成長を可能にすると考えます。
 東京の強みを生かした取組に加え、地域課題の解決など、地方との連携をさらに進めていくことが求められていますが、知事の見解を伺います。
 現在、政府は、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻すとの決意の下、自由で開かれた国際秩序の維持、発展やASEAN諸国との連携強化など、外交を力強く推進しています。
 こうした中、首都東京には、国と両輪となって国際社会における存在感を高め、我が国の成長を牽引していくことが求められます。
 昨年十二月、東京は世界の主要都市を対象とした都市総合ランキングにおいて、ニューヨークを上回り、初めて第二位を獲得しました。
 また、本年四月に開催されたSusHi Tech Tokyoでは、高市総理にもご参加いただき、世界各国、各都市のリーダーや企業、スタートアップに対し、東京の強みやポテンシャルを発信しました。
 しかしながら、世界一の都市を目指すのであれば、現状に満足している余裕はありません。気候変動や自然災害への対応、AIをはじめとするデジタル技術の進展など、都市が直面する課題は複雑化しています。
 こうした課題の解決に向けては、首都東京が世界の都市をつなぐ結節点として、国際社会において、戦略的かつ力強いリーダーシップを発揮していかなければなりません。
 そこで、世界で一番の都市東京の実現に向け、これまで以上に国際都市としてのプレゼンスを高め、世界の都市を牽引する存在となるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 今般、都立中央図書館整備に係る基本方針(案)が公表されました。東京が今後、世界第一位の都市を目指していくためには、文化面でもまだまだ伸び代があると考えます。
 各国にある有名な図書館は、最近は本を読むだけでなく、創作や利用者同士の交流の場としての機能を備え、人々を引きつけ、都市の魅力を高めています。
 新たな都立中央図書館の整備に当たっては、区市町村立の図書館とは一線を画し、東京の文化や知の集積拠点となることに加え、世界中からも人々が集うような注目される新たなランドマークとなるように整備を進めるべきです。例えば、内装に多摩産材をふんだんに使用するなど、東京らしさも忘れてはならない視点です。
 世界都市東京の図書館として、各国の図書館の役割を踏まえ、魅力的な図書館を整備すべきと考えますが、都教育委員会の考えを伺います。
 公立私立を問わず、募集定員に満たない高校も増えてきている中、都立産業技術高等専門学校をはじめとする高専は、一定の倍率を維持しています。卒業生は専門的な知識と実践的な技術を兼ね備えた人材として、企業から引く手あまたの状況と聞いており、高専に対する評価は高まっています。次世代社会を見据えて人材を育成することは、都としての責務でもあります。
 例えば、新潟県の長岡高専では、内閣府や民間企業の支援も受けながら宇宙開発の人材育成に取り組むとともに、多くのスタートアップを起業する学生を送り出しています。
 高専制度は、昭和三十七年に高度経済成長を支える人材を育成するために始まりました。戦後教育の金字塔ともいえるこの日本発の高専は、今、ローマ字のKOSENとして、モンゴル、タイ、ベトナム、エジプトなどに広がってきています。
 このような中、国は支援スキームを創設し、都道府県による設置を推奨していて、高専を新設する自治体が増えてきました。令和十年には、情報技術や近江の心を身につける滋賀県立高専、十一年には愛知県立高専、福岡市立高専が、それぞれ地元の工業高校と併設して開設する予定と聞いています。
 都としても、将来を見越して経済成長の実現に資する重点分野において活躍できるよう、都立高専の人材育成を強化していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 今般の中東情勢の影響により、事業者等からは、原材料やエネルギーの供給不安や価格高騰などに対する切実な懸念が寄せられています。
 こうした実情に鑑み、我が会派は過日、都に対して迅速かつ総合的な対策を求める緊急要望を行いました。これを踏まえ、今回の補正予算案において、中小事業者への支援や物価高騰対策などが幅広く盛り込まれたことは評価いたします。
 昨日、米国とイランの和平合意に関する報道があったものの、都内経済への影響は依然として予断を許しません。
 また、エネルギー問題は一過性にとどまる課題ではなく、エネルギー自給率の向上の観点も踏まえ、将来を見据えた対策を推進していくことが重要です。
 そこで、我が国のエネルギー構造の課題への対応や、足元の物価高に苦しむ事業者への支援をどのように展開していくのか、知事の見解を伺います。
 四月に開催されたSusHi Techでは、来場者は六万人を超え過去最大となり、国内外から様々な企業、投資家の参加がありました。
 我が会派も政策研究会を開催し、四十社以上と意見交換を実施しました。スタートアップの持つ熱気に触れ、次世代エネルギーなど、すばらしい技術を目の当たりにすることができました。
 国において、日本の勝ち筋となる技術領域を戦略十七分野と位置づけ、スタートアップ支援を強力に推進していますが、都も優れた技術を持つスタートアップの成長を加速させることで、東京から日本の成長を支えていくことが重要です。
 我が国は、現在、石油をはじめとした物資の供給の不安定化から、産業や都民の生活の様々な場面で大きな影響が生じています。こうしたときこそ、スタートアップの革新的技術を活用して、資源エネルギーの分野で都市のレジリエンス向上を図るとともに、スタートアップに成長の機会を提供していくべきではないでしょうか。
 東京が日本の先頭に立って、こうした取組を進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 創薬をはじめとするライフサイエンス分野は、国民の健康向上に直結し、世界市場の獲得も期待される重要な成長分野です。
 都はこれまで、国家戦略特区として医療分野の規制改革を牽引してきましたが、国も、先月発表したスタートアップ総力創出パッケージにおいて、創薬、先端医療領域のスタートアップエコシステム形成を掲げました。都としても、これまでの実績を生かし、国の方向性と軌を一にして、この分野を強力に後押ししていく必要があります。
 東京には大学、研究機関、医療機関等、創薬分野を支える多様な主体が集積しています。この強みを生かし、優れた研究成果を実用化につなげるための体制づくりが欠かせません。
 特に創薬の分野は、ラボ環境の確保など、スタートアップ単独では対応が難しい課題も多く存在します。そのため、民間のノウハウや資源も生かし、研究機能と支援機能を備えた拠点を整備し、東京全体で成長を支える基盤を整備していくことが重要です。
 そこで、東京の産業、研究、資金、人材の力を結集し、創薬スタートアップが成長するための環境を構築していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 都は、風水害、地震、電力、通信等の途絶などの危機に備え、TOKYO強靱化プロジェクトを推進しています。
 物価高騰や不透明な国際情勢などを取り巻く状況が刻々と変化する中、将来を見据えた必要な施策を着実に推進できるよう、十七兆円としている強靱化プロジェクトの総事業規模については、今後の財政需要を適切に見込むとともに、多様化する災害級のリスクに的確に対応していくことが重要です。
 また、安全保障環境が厳しさを増す中、サイバー攻撃の脅威が急速に拡大しています。とりわけ近年、AI技術の進化は著しく、クロード・ミュトスに代表されるフロンティアAIを悪用した新たなサイバー攻撃により、大規模な停電や通信障害、交通の混乱など、首都東京の機能や社会経済活動に重大な影響を及ぼしかねません。
 重要インフラを含めた社会全体のサイバーレジリエンスを高めていくため、強靱化プロジェクトにおいても対策を強化していくことが重要です。
 サイバー攻撃に対しては、都市機能に及ぼす影響を見据え、ホワイトハッカーをはじめとする高度な専門人材の確保、育成に加え、攻撃の兆候や脆弱性を迅速に把握するためのツールの調達についても検討を進めるなど、取組を一層強化していく必要があります。
 我が会派はこれまでも、攻撃の未然防止に加え、被害が発生した場合でも迅速に復旧し、都民サービスへの影響を最小限に抑えるための対処能力の強化を求めてきました。
 そこで、サイバー攻撃への備えをどのように進め、都民生活と首都東京の都市機能を守っていくのか、宮坂副知事の見解を伺います。
 都は、東京アプリを活用した生活応援事業を本年二月に開始し、既に五百万人を超える都民にポイントという形で支援を行っています。
 一方で、スマートフォン等の操作やデジタル環境に不慣れな高齢者などから、事業に参加しづらいとのお声も多く寄せられています。また、障害を持つ方など、スマホを使って参加することが困難な方へのサポートも必要不可欠です。
 現状、コールセンターが設けられ、きめ細やかな支援が行われているものの、音声だけの案内では限界があり、結果として事業への参加を諦めてしまう都民が生じかねません。
 こうした方々への対面支援は欠かすことのできない取組であり、例えば、地元の郵便局などで実施することも考えられます。
 希望される方が取り残されることなく、安心して本事業に参加できるよう、電話対応にとどまらない対面によるサポート体制を早急に構築するべきであり、都民に最も身近な行政の窓口となる区市町村とも連携して取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 なお先日、我が会派を通じて東京都商店街振興組合連合会から東京都に対して要望のあった、東京都公式アプリを活用した地域経済の活性化と利便性向上を図るため、東京ポイントと地域通貨などとの連携促進を求めるとともに、利用者の選択肢拡大に向けて、ペイペイポイント及びWAON POINTとの交換サービスが早期に実現するよう、併せて要望しておきます。
 中小企業、小規模事業者は、人手不足や原材料価格の高騰など、厳しい経営環境に直面していて、都の支援策や行政手続を円滑に利用できる環境整備が重要です。
 都は、多様な支援制度を提供していますが、制度を探しづらい、自社に適した支援が分かりにくいとのお声も寄せられています。このため、都は支援策や行政手続をワンストップで提供する仕組みの構築に取り組んでいます。引き続き事業者目線で進めるべきです。
 また、国は、事業者向け共通認証基盤であるGビズIDの普及を推進しており、都の仕組みにおいても活用が重要です。普及率はなお十分とはいえないため、都の新たな仕組みを契機として、GビズIDの利用促進を図るべきと考えます。
 そこで、事業者の利便性向上に向けた都の取組について見解を伺います。
 首都直下型地震をはじめとする自然災害への対応は喫緊の課題であり、様々な手段で災害時にも耐え得る強固な通信環境の確保が必要であることは、これまでも我が会派が主張してきました。
 とりわけ昼間人口の多い都心部や繁華街など、多くの人々が集まる場所では、災害時に通信が集中し、携帯電話がつながりにくくなるおそれがあることから、複数の通信手段を確保することが重要です。
 通信環境の整備について、都は災害時における安全・安心な通信環境を確保するため、携帯基地局の強靱化やオープンローミング対応Wi-Fiによる通信の多重化などの取組を進めてきました。
 そこで、災害時における通信確保の重要性を踏まえ、区市町村や民間施設とも連携し、オープンローミング対応Wi-Fiの整備をさらに加速していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 国の試算では、女性の健康課題による経済損失は、社会全体で年間三兆四千億円にも上ると見込まれ、我が会派は喫緊の課題と捉え、その対応について取り上げてきました。
 七月一日に施行される女性活躍推進条例では、事業者が女性の健康課題に対する理解を深めることの重要性が示されています。
 健康課題を抱える女性従業員を支援するためには、フェムテックの活用が有効であり、一層の普及が求められますが、都としてどのような支援を行うのか。併せて、東京クールビズを都庁職員が積極的に実践し、メディアにも取り上げられることで認知が広まったように、条例で率先行動が規定されている都では、職員の実態を把握して公表することで健康課題への対応の必要性を伝え、社会の機運醸成につなげるべきと考えますが、松本副知事の見解を伺います。
 中東情勢が原油やナフサなどの供給停滞を招き、現場の事業者からは、資材の調達不安や急激なコスト増を訴える声が寄せられています。
 国では、サプライチェーンのいわば上流部から、目詰まりの解消や価格転嫁の徹底を求める取組を進めています。都においては、川下の事業者の実態把握などを行うことで、国とも連携し、こうした取組を加速させるべきです。
 また、原材料の効率的な使用や代替品への速やかな切替えなど、企業の生産プロセスの見直しを後押しすることも必要です。
 都内の中小企業がこの危機を克服し、生産性の向上や経営の安定化につなげられるよう支援を強化するべきと考えますが、都の見解を伺います。
 農業資材の価格は、高止まりの状況が続いています。足元では中東情勢の緊迫化を背景に、石油由来のビニール資材や肥料、飼料などでさらなる値上がりの動きが見られます。また、資材の供給制約や納品遅延が懸念されるなど、今後の営農継続に対する不安の声も現場から寄せられています。
 こうした状況を踏まえ、農業者の負担軽減と経営の安定化に向けて、現場の実情に寄り添った対策を講じていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 近年ますます顕著となっている猛暑への備えは、東京農業の継続を左右する重要な要素であり、対策が急務です。
 都は、農業者の負担軽減のため空冷服などの購入を支援していますが、長時間作業に伴う農業者の熱中症リスクは依然高い状況です。さらに、高温化による農作物への影響も大きく、従来の栽培方法では十分な収穫量が見込めないとのお声も寄せられています。
 こうした状況を踏まえ、都は、農業における暑熱対策を積極的に進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 少子高齢化の進展などにより、正社員不足を感じている企業は半数を超え、人手不足倒産は過去最高の水準となるなど、中小企業は事業継続さえ危ぶまれる状況です。
 産業構造が変化する中においても、引き続き企業が成長するためには、事業活動を牽引するとともに、新たな付加価値を創出できる人材を確保することが喫緊の課題です。
 都は、中小企業のさらなる発展を担う人材の確保に向けた支援を強化していくことが必要と考えますが、見解を伺います。
 都の下水道事業は、首都東京の都民生活や都市活動を支えるために、都内の電力消費量の約一%を占め、多くのエネルギーを使用しています。
 今後、ポンプ所や雨水貯留池などの下水道施設の拡充が見込まれる中、いかなる状況においても安定的に事業を運営していくためには、下水道事業における電力など、エネルギー利用の在り方が極めて重要です。
 一方で、下水道は、下水熱や消化ガスなど、処理過程で利用可能な多くのエネルギー資源を有する社会インフラでもあります。
 そこで、下水道局は潜在的なエネルギー資源を生かしたエネルギーの効率化や高度化に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 中東情勢の先行きが不透明な中、都内でもエネルギー価格の高騰に直面しており、生活の基盤となる住宅の省エネ化の重要性が増しています。
 特に、都内住宅ストックの約半数を占める賃貸住宅の断熱改修は、省エネ対策として非常に有効な手段です。しかし、改修はオーナーが行うため、対策のメリットを感じにくいといった特有の課題があります。
 我が会派では、とりわけ既存賃貸住宅の断熱化やオーナーに寄り添った支援の充実を強く求めてきました。
 都は、既存賃貸住宅の断熱化等を集中的に強化する事業を昨年度から開始しましたが、改修工事事業者や金融機関はもとより、賃貸住宅を取り巻く様々なステークホルダーとの連携により、新たな改修モデルの構築を目指すなど、断熱化を加速していくべきと考えますが、今後の取組について伺います。
 都は、自動車を二百台以上使用する事業者に対する低公害、低燃費車の導入義務制度を五年ごとに改正しており、現在の義務率は、低公害、低燃費車が三〇%、非ガソリン車は二〇%で、おおむね達成が見込まれています。今年度はさらなる環境負荷の低減に向け、事業者の実情も踏まえながら、制度の見直しが検討されています。
 二〇三〇年カーボンハーフや、その先のゼロエミッションの実現に向け、運輸部門の約八割を占める自動車からのCO2排出量を削減することが急務です。
 そのため、義務率を上げて、低公害、低燃費車の導入を促進することと、昨今の厳しい経営環境を踏まえた事業者への丁寧な説明や支援を、まさに車の両輪で行っていくことが必要と考えますが、見解を伺います。
 国際情勢の不安定な状況が続く中、金属を含む資源等の入手が一層困難になっています。
 さきの予算特別委員会で、我が会派は、都市鉱山として眠る希少金属の循環利用を促していくことについて、質疑を行いました。
 現下の状況から、日本企業のサプライチェーンの危機は一層深刻化しており、スマホ、パソコン、家電製品など、家庭に眠ったままになっている電子機器等の都市鉱山を活用した国内リサイクルを加速させる必要があります。
 希少金属の再資源化に向け都民の行動を促し、国内の資源循環をさらに推進していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 近年の夏の暑さは、これまでの常識を超えて命を脅かすレベルに達し、熱中症リスクを回避するため、真夏の炎天下での屋外活動を減らす必要性が高まっています。
 夏の全国高校野球選手権大会では、暑さが厳しい時間帯のプレーや観戦を避けるため、午前と夕方の二部制で試合を行うなど、運営方法を見直して暑さ対策を強化しました。
 イベント参加者や利用者への暑さ対策を徹底することはもとより、都民が利用する屋外施設等を早朝、夜間に利用できるようにするなど、都として暑い時間を避けて行動するライフスタイルを当たり前としていく取組を一層推進すべきと考えますが、見解を伺います。
 今年度に入り、市街地を含む全国各地で冬眠明けの熊が多数出没していて、都内でも、小学校や住宅が近接するこれまでになかった地域で熊が目撃されています。
 都は、猟友会と連携したハンター巡回などを行っていますが、昨今の市街地への出没状況などを鑑みると、さらに踏み込んだ対策が急務です。都内における熊の推定生息数は増加傾向にあるとのことであり、人と熊のこれ以上のあつれきを回避するためには、まずは熊の捕獲体制の強化を進めなければなりません。
 都は、狩猟の担い手を育成すると同時に、ツキノワグマの管理計画を策定し、熊の出没を効果的に防除していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 また、我が会派は、昨年十一月に都へ警視庁と連携した熊対策に関する要望書を提出するなど、警視庁による駆除体制の構築を要望してきました。
 そこで、熊出没時の警視庁の対応について伺います。
 都は、令和八年度までの三か年計画である東京都障害者・障害児施策推進計画に基づき、グループホームや通所施設など、地域生活基盤の整備を行うとともに、重度障害者の受入れについても取組を進めています。
 一方、知的障害のある方や強度行動障害のある方々の住まいの確保は難しく、親亡き後の生活に不安があるとのお声が多く寄せられています。
 都は今年度、計画の改定を予定しており、その中で重度障害者の方が地域で安心して暮らせるよう、取組の一層の推進に向けて検討を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 都は、平成二十八年に東京都地域医療構想を策定し、二〇二五年に向けて住み慣れた地域で安心して医療を受けられる体制の構築に取り組んできました。
 国は、二〇四〇年頃を見据えた新たな地域医療構想に向け、これまでの検討内容を取りまとめています。国の動向を受け、将来の医療需要の推計を基礎としつつ、例えば、武蔵野市のように、近年市内の病院の閉鎖が続いた非過剰圏域があることなど、地域における医療機関の配置や住民の受療環境などの実情を十分に勘案し、必要とされる医療機能を確保するべきと考えます。
 今後、都は、新たな構想の策定に向けた検討を本格化するものと理解していますが、今後の東京の医療提供体制について都はどのような課題認識を持ち、新たな構想の策定に向けた検討を進めていくのか伺います。
 麻疹は今年に入ってから急増しており、患者数は過去十年で最多となっています。
 繁華街などで大変人通りが多く、こうした感染症のリスクが高い地域については、地元自治体と都が密に連携するなど、より効果的な対策を推進すべきです。
 感染症ごとの特性を踏まえ、感染予防や早期発見、早期治療などの対策の強化が必要と考えますが、都の見解を伺います。
 これまで我が会派は、世界に誇れる江戸文化の魅力を様々な機会を捉え、積極的に発信するよう求めてきました。このたび都は、江戸に関連する行事やイベント等の開催時期に合わせて、江戸文化の魅力を集中的に発信するEdo Tokyoキャンペーンを開始しました。
 先日行われた春のキャンペーンでは、日枝神社の山王祭の開催に合わせて、周辺の自治体や文化施設とも連携しながら魅力を発信し、今後も季節ごとに実施すると聞いています。
 一方、江戸時代に武蔵国といわれた現在の多摩地域にも、江戸時代から伝わる文化財や伝統芸能が存在します。キャンペーンがより多くの都民に共感を持って受け入れられ、支持を得ていくためには、一部の地域だけで行うのではなく、より広域的な取組とし、多くの関係者を巻き込んでいくことが重要と考えますが、今後どのようにキャンペーンを実施していくのか、都の見解を伺います。
 東京では、伝統文化からエンターテインメントまで、地域に根差した多様な催しが展開されていて、こうした多彩な取組が東京という都市の大きな魅力となっています。
 都が、本年より始める文化芸術祭、ARTE TOKYOでは、臨海地域や丸の内などを中心に様々なプログラムを展開するとされていますが、東京の魅力をより広く発信していくためには、これらのエリアに加え、都内各地で展開されている特色ある催しや文化活動とも連携することが重要です。
 本芸術祭では、都民をはじめ多くの人が東京で繰り広げられる多様な催しや文化資源を発見し、地域へ足を運びたくなるような取組を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 今年は、東京二〇二〇大会から五周年の節目であり、都民のスポーツ振興と国際大会開催に向けた機運を高める好機です。
 都はこの機を捉え、スポーツの裾野拡大と保護者負担の軽減を図るジュニアスポーツエール事業を実施しており、申請する競技団体等との手続等を丁寧に調整しながら、事業を推進していることは高く評価します。
 また、国際スポーツ大会について、我が会派は、都市間競争が激化する中でこうしたスポーツの持つ価値に着目し、東京の競争力向上や魅力の世界発信につながる大会を積極的に誘致、開催すべきと主張してきました。その中で、JOCが招致を目指していたオリンピックQシリーズの東京開催が決定したことは非常に喜ばしいことです。
 都は、国際スポーツ大会開催を通じて東京の競争力をさらに高めていくためにも、東京で開催されるオリンピックQシリーズを成功に導くことが重要であると考えますが、知事の見解を伺います。
 これまで我が会派では、連続立体交差事業の着実な推進を一貫して強く要望してきました。
 事業区間に隣接する踏切などでは、鉄道立体化以外の手法による対策を検討する箇所もありますが、周辺環境の変化などによっては、鉄道立体化の余地を残すことも必要です。
 都は、踏切対策基本方針の見直しを進めており、昨年の第三回定例会における我が会派の質問に対し、踏切対策基本方針の改定に当たっては、都市強靱化の視点を強化して検討していくとの答弁がありました。
 そこで、基本方針の改定に当たっては、都市強靱化の観点を適切に反映し、鉄道立体化を推進していくとともに、鉄道立体化以外の対策の検討対象区間にある踏切についても、柔軟に対策を検討すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 駐車場の附置義務制度などにより、都内の駐車場は着実に整備されてきました。自動車保有台数を見ると、都内全域ではほぼ横ばいにあるものの、区部ではやや減少傾向にあります。
 ターミナル駅周辺などの大規模なオフィスが集積し、公共交通が発達した区部のエリアでは、自動車利用の減少によって駐車場の余剰が発生しています。一方、大規模なマンション等では、近年、配達需要が増加している中、路上や近隣の駐車場から配送されるケースをよく見かけます。
 我が会派にも、ビル関係の業界団体から、現在の駐車場需要の変化に対応して、早く見直しをしてほしいというお声もいただいているところです。
 そこで、都は、駐車場条例を現在の社会情勢の変化に応じて適切に見直ししていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 東京は、商業エリアが広がり、魅力的な商業店舗が立地していますが、個々の建物の老朽化は進んでいます。こうした老朽化した建物本体については、都民の理解も深まり、改修等により着実に耐震性の向上が図られてきていますが、建物に設置されている看板等の屋外広告物については、点検の義務づけ範囲が限定されており、その結果、設置後の維持管理や補修が十分に行われないまま劣化が進行し、安全面で懸念が生じているものも見られます。
 昨今、風水害が激甚化している中、都民等の安全を確保する面から、屋外広告物について今後さらなる対策を行うべきと考えますが、都の見解を伺います。
 近年の豪雨激甚化に伴い、都民の生命と財産を守る調節池の整備は急務です。今月三日、台風六号による大雨で、善福寺川がレベル四の氾濫危険警報が発表されました。三月に着工した善福寺川上流地下調節池の重要性は明らかです。
 しかし、五月には、一部の都議会議員も参加した抗議活動によって工事車両が妨害され、作業が中止に追い込まれる事態が発生しました。
 また、ご当地の杉並区副区長らが、当日の連絡で都庁へ要望書を持参したが、実際には受け取られなかったにもかかわらず、その後要望を提出したと発表されるなど、情報が錯綜する事態も起きています。
 いうまでもなく、都政最大の使命は都民の生命と財産を守ることにあります。河川氾濫のリスクが存在する近隣住民の切実な願いを重く受け止め、本事業の推進にはいささかの停滞も許されません。今後の対応を伺います。
 台風六号では、都心で平年の一か月分を上回る雨が半日で観測されました。広範なゼロメートル地帯を抱える東部低地帯を有する東京では、豪雨による浸水のリスクへの備えが重要です。
 下水道局では、雨水をくみ上げて河川や海へと放流するポンプ所の能力増強を進めており、今月の台風でもその機能を発揮したと聞いています。
 そこで、浸水リスクの高い東部低地帯における下水道の浸水対策を強力に進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 東京の都市計画道路は、現在の完成率は約六割と整備状況はまさに道半ばです。
 本年三月策定の第五次事業化計画では、延長約九十六キロメートルが都施行の優先整備路線として選定され、強靱で持続可能な都市へ進化させるためには、道路整備を着実に進めることが重要です。
 また、道路整備を推進するため、建設業は実際の施工など重要な役割を担っており、災害時でも地域の守り手として重要な存在ですが、就業者数は減少傾向で、担い手不足が課題です。
 こうした状況を踏まえて、今後、都として都市計画道路の整備を着実に推進するために、どのように取り組んでいくのか伺います。
 令和七年の大船渡市における大規模林野火災に続き、今年四月に岩手県大槌町で発生した林野火災では、国の報告によると、建物被害や負傷者が生じ、千六百ヘクタール以上が焼失する甚大な被害になりました。
 この大槌町での林野火災に対し、東京消防庁は、緊急消防援助隊として消防ヘリコプターを含む消防部隊三十七隊、消防職員計三百八十六名を現地に派遣し、延焼拡大を阻止するための消火活動を、長期にわたり懸命に行ってきたと聞いています。東京消防庁のご尽力に心より感謝と敬意を申し上げます。
 今回のような派遣活動を踏まえ、都内の備えにも万全を期す必要があります。林野火災は、一たび延焼拡大すると被害が広範囲になり、消火が困難になるなど、林野火災対策が重要だと考えますが、これまでの東京消防庁の取組を伺います。
 青切符制度の導入により自転車利用のルールが厳格化され、安全確保が一層求められています。一方で、これまで実態として行われてきた小学校低学年児童の幼児用座席への乗車が難しくなり、きょうだいの送り迎えなど、現場では混乱が生じています。
 我が会派には、都民の皆様から、自転車の幼児用座席に同乗できる子供の範囲を拡大してほしいというお声が数多く寄せられています。
 先日、赤間二郎国家公安委員長も記者会見で、子供を持つ親御さんの要望を認識し、見直しの可否について検討を進めるよう、警察庁を指導していく考えを示しました。このような内容や都民の要望を承知されているでしょうか。
 また、安全性を確保しつつ、都民の声に応えるため、東京都道路交通規則の改正が必要と考えます。警視総監の見解を伺います。
 現在、歌舞伎町周辺、特にシネシティ広場周辺では、路上滞留や悪質な客引き、ごみの不法投棄やポイ捨てなどにより、まちの環境悪化が懸念されています。また、トー横問題をはじめ性被害や金銭トラブルなど、若者が犯罪に巻き込まれる事案も後を絶ちません。
 かつて大久保公園周辺に集中していた街娼についても、取締り強化によって歌舞伎町全体へ分散し、依然として売春が行われている状況が見られると聞いています。
 歌舞伎町をめぐる課題は、治安、環境美化、児童福祉、困難を抱える女性への支援など多岐にわたり、取締りだけでは解決できません。新宿区では、関係部署が連携して対応を進めており、さらに東京都や警視庁と連携した協議会の設置を求めていると聞いています。
 都としてもこの申出に応え、庁内関係局や都民安全総合対策本部が連携し、歌舞伎町問題に総合的に取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 社会環境が大きく変化する中、都立高校改革は速やかに進める必要があります。都は、都立高校の魅力向上に向けた懇談会において、教育の質の向上や都政課題に対応できる人材の育成などについて、議論が進められています。
 また、国においても、高校教育改革のグランドデザインに基づき、多額の財政支援が講じられており、こうした動きを的確に捉えながら計画的かつ戦略的に改革を進めることが重要です。
 特に工科高校は、建設や交通など、東京の都市機能を支える基盤分野において、実践的な技術力を有する人材を育成するという極めて重要な役割を担っています。
 とりわけ、AIでは代替が困難な実践的技能や現場力を備えた人材の育成が求められていることから、その意義は今後一層高まります。
 そこで、都として工科高校の魅力向上を図るとともに、東京の都市インフラを支える人材の育成にどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 不登校の子供の状況は様々であり、多様な学びの場を確保していくことが重要です。我が会派は、校内教育支援センター、いわゆる校内の別室等、学校における学びへのアクセスが重要であると訴え、教育庁では校内別室を新しくつくる取組や、これまでの取組の継続を実現してきました。
 これにより、地域では小中学校における校内別室での不登校支援が進み、都民の皆様から高く評価するとのお声が数多く寄せられています。
 今後、校内別室での対応をどのように進めていくのか、見解を伺います。
 磐越自動車道の事故を受け、都は各学校に対し子供の安全確保について周知し、都内の学校における部活動などで使用する貸切バスやレンタカーについての利用に関する実態調査を実施したと聞いています。
 一方、辺野古沖の事故では、教育活動の政治的中立性を定めた教育基本法に違反すると、国が認定するに至りました。悲惨な事故が二度と繰り返されぬよう、調査結果に基づき、必要な対応を講じることが急がれると考えますが、都立、私立学校への取組をそれぞれ伺います。
 また、辺野古に関して事故を起こした団体と関わった事例は、都立学校では過去を含めてないとのことですが、文部科学省からの通知も踏まえ、私立学校においても、より一層の子供たちの安全確保に努めるよう、改めて都から各校へと要請することを強く求めておきます。
 先月、栃木県上三川町で発生した強盗殺人事件に象徴されるように、匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる匿流による事件が相次ぎ、詐欺事件も後を絶ちません。
 子供が犯罪行為に巻き込まれてしまう事案は、小学校から高校まで幅広い年代に起こり得ます。
 今後、児童生徒が巻き込まれないようにするためには、年代にかかわらず、小中高等学校全ての段階での指導が必要であると考えますが、都立学校と私立学校の取組について、それぞれ伺います。
 冒頭にも申し上げたとおり、今般、設立された国との協議会では、地方税財政制度の在り方などが話し合われると聞いています。
 東京はもちろん、日本全体の発展に必要な政策の実現に向けて、都議会自民党は、これからも先頭に立って取り組むことをお誓い申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 平田みつよし議員の代表質問にお答えします。
 国と東京都の協議会についてのお尋ねでした。
 極めて不透明な国際情勢や経済環境など、我が国の正念場ともいえる状況の中、去る四月十日に高市総理出席の下、第一回の会合が開催されました。
 私からは、強く豊かな日本と東京の実現には、国と都の連携が不可欠であることや、成長に向けたインセンティブを阻害する現行の地方税財政制度には、構造的な問題があることを申し上げたところでございます。
 現在、国におきましては、強い経済の実現に向け、骨太の方針や成長戦略の検討が進められており、こうした国の戦略と都の戦略とをしっかりと整合させていくことについて、私と総理とで共通認識を得たところであります。
 今後、日本全体の成長に向けて、国との連携により、首都東京のポテンシャルを最大限に発揮していくための道筋や、時代にふさわしい地方税財政制度の在り方について、本質的な議論を進めてまいります。
 次に、地方税財政制度についてであります。
 激動する世界情勢の中、我が国が持続的に発展していくためには、限られたパイの奪い合いではなく、パイそのものを拡大させ、東京を含めた地方全体の成長を実現することが不可欠でございます。
 一方で、現在、地方税収が大幅に増加しているにもかかわらず、自治体が自由に使える財源はほとんど増えておりません。
 これは税収増と交付税額が相殺される地方交付税の仕組みによるものであります。
 今、国が取り組むべきは、こうした本質的な問題を検証し、地方の前向きな取組と成長を後押しする地方税財政制度へと抜本的に改めていくことです。
 これらの考えにつきましては、客観的なデータを示しながら、先般、高市総理や片山財務大臣とも共有したところでございます。
 今後とも、地方全体、そして日本の真の成長に向けまして、他の自治体にも共感を広げながら、協議会などあらゆる機会を捉えて国に強く働きかけてまいります。
 次に、地方との連携についてであります。
 日本全体の持続的な発展を実現するためには、東京と地方がそれぞれの強みを生かし、共に支え合い、成長する共存共栄が重要です。
 都はこれまでも、世界と全国各地をつなげる結節点として、全国の中小企業の販路拡大や観光地の魅力発信等を通じまして、地方の豊かな資源と東京の購買力や発信力を結びつけて、地方の活性化につなげてまいりました。
 さらに、愛知県や山梨県など様々な県と、イノベーションの創出やグリーン水素の利活用などで連携するとともに、スタートアップの知識や技術を活用しまして、地域課題を解決する取組も今年度から開始をいたしました。
 来月には、DX推進に向けたイベントを開催しまして、デジタル分野にも連携を拡大いたします。
 こうした多面的な取組を展開することで地方との連携をさらに発展させ、日本全体の成長につなげてまいります。
 国際都市としてのプレゼンス向上についてであります。
 不確実性が増す国際情勢におきまして、世界一の都市東京の実現に向けましては、海外諸都市や国際機関との連携をさらに強化し、国際社会をリードすることが重要でございます。
 都では、東京発の国際ネットワーク、G-NETSに加え、本年四月に東南アジア諸国の首都で構成するTOKYO-SEADSを創設いたしまして、自然災害に対するレジリエンスの強化など、都市共通の課題の解決に向けました多都市間の連携を加速させております。
 また、OECDチャンピオン・メイヤーズ議長としまして、最前線で住民の暮らしを守る都市の声や役割の重要性を国際社会に発信しまして、都市の連携を主導してまいります。
 こうした取組を通じて世界における東京の存在感を高めるとともに、都民のための政策展開につなげるなど、戦略的に都市外交を推進してまいります。
 都立高専の人材育成についてのお尋ねです。
 未来を担う人づくりこそ、持続的な成長を支える最大の原動力であります。
 都立産業技術高等専門学校は、首都東京の産業振興や課題解決に貢献するものづくりスペシャリストを輩出してまいりました。
 就職希望者数に対する求人企業数が約十倍となるなど、産業界からも高い評価を得ています。
 社会課題が高度化、複雑化する中、高専の卒業生にも、スタートアップなど新たな活躍の場も生まれてきております。
 これまで以上に応用力や創造力を養い、実践力に磨きをかけていくことが求められております。
 こうした考えの下、次期中期目標を策定する中で、具体的な教育研究の充実を図りまして、将来の東京、日本を支える、より多くの人材を育成するため、力を注いでまいります。
 補正予算についてであります。
 中東情勢の経済に与える影響が不透明な中、事業者の足元の不安を払拭すると同時に、中長期的な視点に立って、石油のみに依存しない社会を実現していくことが重要です。
 こうした考えの下、今回の補正予算では、スタートアップが集積する東京の強みを生かしまして、非石油由来の新技術の開発や社会実装を支援するなど、先駆的なエネルギー施策を前倒しで展開してまいります。
 さらに、事業者の経営を下支えするため、中小企業制度融資の拡充に加えまして、適切な価格転嫁や原材料費の縮減につながる取組を支援するなど、中小企業等の経営安定化を後押ししてまいります。
 加えまして、運輸事業者や医療機関など、価格転嫁が難しい中小事業者等に対しましては、都独自の物価高騰対策として、来月から九か月間、支援を継続、拡充いたします。
 これらの取組を迅速かつ着実に進めることで、エネルギー構造の転換等を図ると同時に、東京の経済をしっかりと守り抜いてまいります。
 次に、革新技術によるレジリエンスの向上についてであります。
 都市のレジリエンスを高めることは世界の共通課題であり、東京が率先して革新的な技術を持つ企業の力を生かし、未来を切り開くイノベーションを巻き起こすことが重要です。
 先般のSusHi Techでは、優れた技術を有する数多くのスタートアップが参加しました。中でも、資源リサイクルや植物由来繊維などの技術を持つ有望企業が、国内外の投資家など二千人を前にピッチを行い、大きな注目を集めました。
 私自身も現場で様々な技術を目の当たりにいたしまして、テクノロジーで持続可能な未来をつくり上げる確かな手応えを感じました。
 こうした有望なスタートアップとともに、石油代替素材や省エネにつながる高機能遮熱材等、新技術の社会実装を推進する取組を補正予算に盛り込んだところでございます。
 東京が率先して資源、エネルギー構造の変革に挑んで、都民の豊かで安定した暮らしの実現につなげてまいります。
 次に、オリンピックQシリーズについてであります。
 世界各国からアーバンスポーツのトップアスリートが集い、オリンピックという夢の舞台に挑むこの大会は、都民に勇気と感動を届ける、またとない機会でございます。
 日本のアーバンスポーツ選手の活躍は、近年目覚ましいところがあります。世界最高水準のこの大会で、アスリートが輝き、世界の注目が東京に集まることで、都市のプレゼンスはさらに高まります。
 大会時には、国内外から多くの観客を迎え入れまして、伝統と革新が交差する東京の多彩な魅力を体感していただきます。都市のにぎわいを創出しまして、国際競争力の一層の向上につなげてまいります。
 都は、招致主体であるJOCをサポートし、二〇二八年のこの大会を成功させ、国際スポーツ大会の実績を積み上げることで、世界から選ばれる東京を実現してまいります。
 歌舞伎町対策についてであります。
 昨今、繁華街において、路上での迷惑行為や、居場所を求めて集まる若者が犯罪、トラブルに巻き込まれる事案が多く発生しております。誰もが安心して繁華街を訪れることができますよう、安全・安心を確保することが重要です。
 都は、こうした中で、本年四月に、繁華街等における安全安心の確保に関する指針を改正しまして、ルール等の遵守や青少年の非行防止に向けました地域の自主的な取組を促しております。
 このたび、新宿区では、歌舞伎町におけます治安、防犯など様々な課題に対応するため、新宿区、東京都、警視庁の三者合同の協議会を今月末に設立すると表明いたしました。
 都といたしましても、庁内の連携を緊密に図りながら、安全・安心な歌舞伎町の実現に向けまして、協議会に積極的に協力をしてまいります。
 都立の工科高校の改革の進め方が最後のご質問です。
 これからの東京の発展に向けまして、新たなインフラをつくり上げ、その確実な維持を担う人材を育成する取組が必要です。建設の現場で重要な技術や設備の複雑な知識を使いこなすことのできる教育を工科高校で的確に進める改革を行います。
 学校と建設の業界によります協議会を通じて、現場の最先端の技術や知識を生徒が学ぶ機会を増やしてまいります。仕事の第一線で活躍する人材の授業、また作業の様子の見学など、実務に即した教育を充実いたします。建設の良好な職場環境や工科高校の実践的な教育内容をきめ細かく紹介をして、ブランド化を図ってまいります。
 東京では、都市の強靱化の担い手が不可欠となる中、その育成のため、国からの基金を工科高校の効果的な整備に活用いたします。これによって、最新の技術を学ぶカリキュラムや実習の整備などの導入を進めてまいります。
 工科高校のバージョンアップを都立高校の改革の重要なテーマの一つと位置づけまして、都教育委員会と連携して的確な対応を展開してまいります。
 なお、その他の質問につきましては、副知事、警視総監、教育長、都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔副知事宮坂学君登壇〕

○副知事(宮坂学君) サイバー攻撃への備えについてでございますが、フロンティアAIの登場により、サイバー攻撃は一層高速化、巧妙化し、新たな局面に突入しました。都民生活を支える重要なシステムを多数抱える都にとって、こうした脅威への防御を固めていくことは、首都東京の都市機能を維持する上で極めて重要です。
 都は、昨年度、全庁横断的な司令塔となるサイバーセキュリティセンターを立ち上げ、都民の重要な情報インフラを一元的かつ重層的に守る体制を構築いたしました。
 また、昨年十二月に、大規模インフラ障害への対処訓練を国や民間事業者等と初めて実施をし、必要な対策等について連携強化を図りました。
 今後、AIなど最新技術も活用し、全庁を挙げて実践的な取組を重ね、サイバー攻撃にも揺るがない強固で持続可能な首都東京を実現することで、都民生活を守り抜いてまいります。
   〔副知事松本明子君登壇〕

○副知事(松本明子君) 女性の健康課題への対応についてお答えいたします。
 七月一日に施行となる女性活躍推進条例では、事業者の責務の一つとして、女性特有の健康課題への配慮を定め、具体的な取組を求めております。
 条例施行元年の今年は、フェムテック製品等を導入し、従業員が働きやすい環境を整える企業への奨励を拡充いたします。また、好事例を広く発信するほか、キャンペーン期間を定め、民間のイベントや雑誌と連携しまして、女性のウエルネスに関する普及啓発を集中的に実施いたします。
 都庁におきましては、これまで女性の健康課題に関し、職員に啓発などを行ってまいりました。今後、アンケートを行い、把握した課題への取組を進めるとともに、その内容を発信してまいります。
   〔警視総監筒井洋樹君登壇〕

○警視総監(筒井洋樹君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、市街地に熊が出没した場合の対応についてです。
 警視庁では、これまでも市町村や東京都と連携し、迅速な情報共有と対処のための協力体制を構築するとともに、熊の出没時には、避難誘導、現場周辺の立入規制、警戒活動等を実施してまいりましたが、最近、都内においても熊の出没状況に変化が見られ、住民の不安も高まっていることなどから、今般、追加的な対策として熊駆除対応プロジェクトチームを設置いたしました。
 プロジェクトチームは、市街地及びその周辺に熊が侵入し、区市町村による緊急銃猟等が行われるか不明である場合などに現場対応ユニットを出動させ、現場の状況を踏まえつつ、自治体等と連携して安全確保措置等を実施した上で、ライフル銃を使用して熊の駆除を実施することとしております。
 当庁といたしましては、地域住民の安全確保を最優先に地元自治体等と緊密に連携しつつ、熊による人身被害の防止に万全を期してまいります。
 次に、自転車の幼児用座席に同乗できる子供の年齢の引上げ等についてであります。
 警視庁といたしましても、先ほどご紹介のありました国家公安委員会委員長の記者会見の内容や、都民からの要望については承知をしております。
 自転車の幼児用座席に同乗できる子供の範囲の見直しにつきましては、東京都以外の道府県においても同様の要望があることなどから、警察庁において、幼児用座席の安全基準を定める団体との意見交換や、同乗する子供の違いによる走行の安定性の確認を行うなど、見直しの可否について検討を行っており、警視庁としては、警察庁における検討の状況を踏まえながら、適切に対応してまいります。
   〔教育長坂本雅彦君登壇〕

○教育長(坂本雅彦君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、新たな中央図書館の整備についてでございますが、新たな中央図書館について、創作活動や利用者の交流を後押しする役割を担い、魅力のあるデザインの建物として整備を進める視点は重要でございます。
 こうした考え方に立ち、今月、都教育委員会は図書館をつくり上げる方針案を公表いたしました。ここでは蔵書を大幅に増やし、VR等のデジタル機器を入れ、創作活動を館内で効果的に支援をいたします。また、建物に大きなオープンスペースを確保し、様々なイベントの開催を通じ、利用者の交流に結びつけます。さらに、建築に関し魅力的な外観や内装を持つ工夫を行い、来訪者を増やす取組に生かします。
 これらによりまして、世界都市東京にふさわしい新たな中央図書館を整備してまいります。
 次に、不登校の子供への支援についてでございますが、公立の小中学校において、不登校の子供を校内の別室で受け入れる対応を行う上で、そうした支援を行う人材の力を高める取組は重要でございます。
 これまで都教育委員会は、校内別室で指導に取り組む支援員について、現場の教員によるノウハウの提供に加えまして、研修教材の配布を行ってきたところでございます。
 今年度は、支援員が効果的なサポートをより速やかに行うことのできるよう、研修教材の質を高め、配布の時期も早めました。また、中学校では、不登校の対応に詳しい教員の巡回に合わせ、校内別室を設け、支援員を効果的に配置しております。
 今後、こうした成果を踏まえまして、校内別室の整備を適切に進めてまいります。
 次に、都立学校の校外の移動の安全対策についてでございますが、都立学校の部活動や修学旅行において、安全な交通機関を使い、移動を実施することは不可欠でございます。
 都教育委員会では、部活動の宿泊合宿や修学旅行等に関し、安全面の確認を行ってまいりました。具体的には、その計画づくりに指導を行い、届出も義務づけております。その際、公正で中立な立場からの内容である確認も行っているところでございます。
 今回の二つの重大な事故を受けまして、改めて交通機関の利用状況を調べ、安全の確保を確認しました。これを踏まえまして、現在、学校ごとの危機管理のマニュアルに関し、きめ細かな確認を行う等の内容の充実を進めております。また、移動の安全性に係るチェックリストを作成し、学校に配布も行いました。
 最後に、子供を犯罪に巻き込まない対応についてでございますが、子供が大人の計画する犯罪に利用されることのないよう、学校を通じて的確な指導を実施する取組は不可欠でございます。
 このため、都教育委員会は、警視庁等と協力し、都立高校でSNSを通じた闇バイトへの勧誘の事例を示し、犯罪に巻き込まれない指導などを行ってまいりました。また、そうした内容を分かりやすく伝える冊子等を区市町村に提供しております。
 高校生を利用した重大な犯罪が発生する中、今後、指導を一層きめ細かく行うよう都立学校や各教育委員会に周知いたします。さらに、公立学校で生活指導を担当する教員に対し、警察から最新の情報の提供を行う機会を新たに設けます。
   〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕

○東京都技監(谷崎馨一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、鉄道立体化の推進についてでございます。
 都はこれまで、鉄道立体化を計画的に進め、交通渋滞や地域分断の解消等に取り組んでまいりました。
 今月改定いたします基本方針では、都市強靱化の視点を強化し、緊急輸送道路や広域防災拠点へのアクセスルートと交差する箇所などを含む十五区間を、鉄道立体化の検討対象区間として抽出することといたしました。
 また、立体化以外の検討対象区間であっても、まちづくりが進展した場合などは、対策の一つとして、鉄道立体化を検討する場合もあり得ることを方針で示しております。
 引き続き、地元区市や鉄道事業者と連携しながら、鉄道立体化を着実に推進してまいります。
 次に、東京都駐車場条例の見直しについてでございます。
 カーシェアリング市場の拡大や宅配需要の増加などに対応し、限りある都市空間を効果的に活用するには、社会状況に応じた見直しが必要でございます。
 都は、過年度に実態調査を実施し、有識者等の意見を聞くとともに、業界団体の理解を得ながら検討を重ね、条例見直しの考え方案を取りまとめました。
 一般駐車施設は附置基準の一部を緩和し、荷さばき駐車施設は共同住宅への附置義務基準を新設いたします。
 既存建築物につきましては、駐車施設の空きスペースの転用に関わる努力義務を追加いたします。
 現在パブリックコメントを実施しており、都民の意見も参考に、条例改正に向け取組を進めてまいります。
 最後に、屋外広告物の安全対策についてでございます。
 迫りくる首都直下地震や頻発化する風水害への対応など、屋外広告物についても、自然災害に対する備えが重要でございます。
 現在、区市等により許可を受けた一部の屋外広告物につきまして、安全確保のため点検を義務づけておりますが、昨年度の広告物審議会では、一層の対策強化を求める意見が示されております。
 こうした意見なども踏まえ、本年四月に同審議会へ諮問を行ったところであり、今後、屋外広告物の管理状況等の実態を把握した上で、点検対象の拡大など、さらなる安全性向上に向けた実効性のある点検の在り方等について検討を進めてまいります。
    〔スタートアップ戦略推進本部長佐久間巧成君登壇〕

○スタートアップ戦略推進本部長(佐久間巧成君) 創薬スタートアップの支援についてのご質問にお答えいたします。
 創薬等のライフサイエンス分野では、高度な研究開発を支える環境が不可欠であり、多様な主体の強みを生かした支援拠点の形成が重要でございます。
 このため、都は、民間の拠点整備を支援しており、昨年度は、この分野の世界市場に精通し、海外での豊富な実績を持つ事業者を採択いたしました。来月から新木場で新たな拠点が本格稼働いたします。
 さらに今月、日野市に拠点を置く製薬企業を新たに選定いたします。本事業者を核に、近隣の大学や医療機関、企業等の関係者と連携して、スタートアップの成長を支援してまいります。
 今後も官民の力を結集し、東京の創薬エコシステムを強化させてまいります。
    〔デジタルサービス局長高野克己君登壇〕

○デジタルサービス局長(高野克己君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京アプリ生活応援事業についてでございます。
 これまで都は、デジタルに不慣れな方々などが本事業に円滑に参加できるよう、コールセンター等でサポートしてまいりました。今後は、これらに加え、多くの方が訪れる都庁舎等において対面型の拠点を設置し、アプリの登録方法から事業参加までの操作等に関する支援を行ってまいります。
 また、区市町村とも連携し、自治体庁舎等で出張型の特設窓口を開設するなど、都民がより身近な地域で支援を受けられるようにいたします。加えて、障害等を抱える方々に対する代理申請の早期実施に向け取り組んでまいります。
 これらを通じ、より多くの方が安心して本事業に参加することができるよう環境を整えてまいります。
 次に、事業者の利便性の向上についてでございます。
 事業者が支援策等を円滑に利用できますよう、検索や手続が簡便に行える環境の整備は重要でございます。
 そのため都は、GビズIDも活用し、情報収集から申請、手続完了までを一気通貫で行える事業者へのワンストップサービス構築を目指します。
 今年度、生成AIによる検索や、事業者の関心に応じたプッシュ通知等の機能を開発し、探しづらさの解消につなげてまいります。
 加えて、GビズIDの取得率向上に向け、関係団体等と連携した普及啓発に取り組むとともに、全ての法人等がIDを取得する仕組みの整備を国に働きかけてまいります。
 これらを通じて、事業者視点に立ったサービス提供を実現してまいります。
 最後に、Wi-Fiの整備促進についてでございます。
 災害時にも円滑につながる環境を確保するためには、通信の多重化が重要であり、都はこれまで、学校などの公共施設等に、安全で利便性の高いオープンローミング対応Wi-Fiを整備してまいりました。
 今年度は、整備費の補助等による区市町村施設への導入や、利用者の多い主要駅等の公衆電話ボックス、自動販売機など、約千百か所への整備を進めてまいります。また、災害時に帰宅困難者を支援するコンビニ等に、可搬型Wi-Fiを一定期間貸し出すなど、民間施設等への導入を働きかけてまいります。
 つながる東京の実現に向け、区市町村や民間事業者からの意見等も丁寧に聞きながら、事業の推進につなげてまいります。
   〔産業労働局長吉村恵一君登壇〕

○産業労働局長(吉村恵一君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、中東情勢を踏まえた中小企業支援についてでございます。
 都では、原材料の価格高騰等を踏まえ、三月に特別相談窓口を設置し、専門家が経営や価格転嫁に関する助言を行うとともに、業種別に原材料の取引状況等を調査し、国と情報共有を図ってまいりました。
 今般の補正予算では、商工会議所等と連携し、プッシュ型による価格交渉のノウハウの提供などを開始いたします。また、国と協力して企業の現場を巡回することで、より迅速な実態把握につなげます。
 さらに、調達コストの削減に向け、原材料等を縮減する設備の導入や改良などに必要な経費の助成を行い、調達から製造、流通の各段階での支援により、中小企業の経営の安定化を図ってまいります。
 次に、東京農業の経営の安定化についてでございます。
 中東情勢の影響が長期化する中、農業者の経営の下支えに加え、農業生産の構造転換を進めていく必要がございます。
 都は、飼料となる牧草の国産への転換や、化学肥料から海外依存度が低い堆肥への転換に要する経費を支援しております。これに加えまして、補正予算において、バイオマス由来の農業資材の導入を新たに後押しするとともに、資材等の納期の遅れにより栽培施設の完成が翌年度となった場合に対応できるよう、繰越枠を設定いたしました。
 経営の強靱化を図るこれらの取組によりまして、東京農業の持続可能性を高めてまいります。
 次に、農業における暑熱対策についてでございます。
 厳しい暑さが長期化する中、農業者が安心して働ける環境づくりと、農作物の安定生産技術の確立などにより、農業の持続可能性を高める必要がございます。
 都は、この夏に向け、屋外作業の安全を確保する空冷服の購入支援に加え、今年度からスポットクーラーやクーラーテント等の導入を後押しいたします。
 また、農林総合研究センターにおきまして、ビニールハウスへの遮熱フィルムの導入効果の検証を行うとともに、高温によるイチゴの生育不良を回避するための苗の冷却技術の開発を新たに開始いたします。
 現場で生かせる実践を積み重ねることで、気候変動に対応できる力強い東京農業を実現いたします。
 最後に、中小企業の人材確保への支援についてでございます。
 人口減少社会において人手不足が深刻化する中、中小企業が必要な人材を確保することは、経営戦略上の重要な課題でございます。
 都は、金融機関等と連携し、事業や販路の拡大等に悩む企業に専門家を派遣して、人材面の課題を明確化した上で助言を行うとともに、セミナーを実施するなど支援してまいりました。
 今年度はこれに加えまして、民間事業者を活用して経営中核人材等を採用する場合の費用助成を拡充するなどにより、人材獲得をトータルでサポートし、中小企業の持続的な成長につなげてまいります。
   〔下水道局長藤橋知一君登壇〕

○下水道局長(藤橋知一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、下水道局のエネルギー対策についてでございますが、下水道事業では、多くのエネルギーを消費する一方で、汚泥や消化ガスなど利用可能な多くのエネルギーを有しており、これらを活用し効率的なエネルギー利用を図っていくことが重要でございます。
 これまでの様々な省エネルギー型機器の導入などに加えまして、今後、下水の処理過程で発生する消化ガスを利用した発電設備や、汚泥の焼却時の廃熱を活用して発電し、他の設備へも電力を供給できるエネルギー供給型焼却炉の導入を進めるなど、新たな施設整備にも取り組んでまいります。
 こうした取組を一層推進し、エネルギーの効率化や高度化を図ってまいります。
 次に、東部低地帯における浸水対策についてでございますが、雨水を自然に放流することができない地域では、浸水被害を防ぐため、速やかに川や海へ排水する雨水ポンプ所を整備することが重要でございます。
 これまでに区部において七十一か所のポンプ所が稼働しており、現在、雨水排除能力をさらに強化するため、勝どきポンプ所など四か所で整備を進めております。
 これらのポンプ所が完成するまでの間は、整備効果を早期に発現させるため、接続する幹線の完成した区間で、計約八万立方メートルの暫定貯留を行っており、事業の進捗に合わせ、今後、貯留容量を拡大してまいります。
 引き続き、ポンプ所などの整備を強力に推進し、強靱な都市の実現に貢献してまいります。
   〔環境局長宮澤浩司君登壇〕

○環境局長(宮澤浩司君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、賃貸住宅の断熱改修の推進についてでございますが、賃貸住宅の省エネ化とCO2削減に向けては、オーナーが円滑に改修に取り組める支援体制の構築と、多面的な働きかけが重要でございます。
 都は昨年度、多くの工務店等を登録し、専門業者が賃貸オーナーを伴走して後押しする仕組みを構築いたしました。また、地域の金融機関と連携し、家主の実情に寄り添った手厚いサポートに取り組んでまいりました。
 今年度は、オーナー向けの相談会やイベントを充実させるほか、新たに物件管理会社や窓メーカー等と連携し、断熱改修に向けた具体的な提案を行います。
 こうした多様な主体と連携した取組によりまして、既存住宅の脱炭素化を加速してまいります。
 次に、低公害、低燃費車導入義務制度についてでございますが、自動車を多く使用する事業者によるZEV等の導入によりCO2削減を図るには、全体の底上げを促す仕組みと、きめ細かな事業者支援が重要でございます。
 これまで都は、期限を設けて低公害、低燃費車の導入を義務づけ、走行中にCO2を出さないZEVや環境性能の高いトラック等の導入を支援し、車両の更新を誘導してまいりました。
 今後、来年度から始まる新たな期間に向け、義務率を最大二・五倍に引き上げ、業界団体と連携した周知や現場の実情に応じました助言等によりまして、取組を促してまいります。また、ZEV導入支援の拡充のほか、優良な事例の共有等により事業者を後押しし、CO2削減を進めてまいります。
 次に、希少金属の再資源化の推進についてでございますが、エネルギー制約下において資源調達の多様化と供給リスクの低減を図るには、電子機器に含まれる金属を東京の鉱山として活用することが重要でございます。
 このため、都は、都民の行動変容を促す仕組みの構築と機会の提供に取り組んでまいります。具体的には、区市町村等と連携し、リチウムイオン電池の分別を促す再資源化に向けたさらなる気運醸成を図ります。
 また、今月末に、都庁舎にAIで自動分別する回収箱を設置し、回収促進と都民への啓発を進めてまいります。加えて、家庭に退蔵する携帯電話等の回収に際し、データの抽出経費を支援する新たな取組を開始するなど、希少金属の資源循環を進めてまいります。
 次に、暑さに適応した行動変容についてでございます。
 猛暑が常態化する中、熱中症リスクの低減を図るには、暑熱状況に応じた行動への働きかけと、施設や運営の柔軟な取組が重要でございます。
 都はこれまで、クーリングシェルターの指定拡大と利用促進や、都有施設での日傘の貸出しによる活用の推進など、都民自らが行動できるよう促してまいりました。
 さらに都のスポーツ施設等において、早朝開館や夜間延長を実施するとともに、今後様々なイベントの時期変更や屋内開催等の工夫も行い、暑さを避けて行動できる機会の創出に取り組んでまいります。
 これらによりまして、暑さに適応したライフスタイルである東京クールビズを推進してまいります。
 最後に、ツキノワグマ捕獲の強化についてでございますが、生活圏に近づく熊による人への被害を未然に防ぐには、関係者と連携した捕獲の担い手の段階的な育成等に加えまして、計画的な捕獲が重要でございます。
 都はこれまで、自治体と共同した緊急銃猟体制の整備や、捕獲の担い手となる人材の確保と、高度な技術を持つハンターの育成に取り組んでまいりました。
 今年度は、新たに作成する熊の管理計画の中で、現在禁止中の狩猟の限定的な解禁を検討するなど、捕獲圧を強めてまいります。その際、捕獲可能なハンターのスキル等は、猟友会などの意見を踏まえ、一定のルール化を図ってまいります。加えて、フィールドを用いた実務講習会を開催し、担い手を適正に育成してまいります。
   〔福祉局長高崎秀之君登壇〕

○福祉局長(高崎秀之君) 重度障害者への支援に関するご質問にお答えいたします。
 都は、障害者・障害児施策推進計画に基づきまして、地域生活基盤の整備を進めるほか、グループホームなどにおける重度障害者の受入れを促進してまいりました。
 今年度は、利用者の重度化に伴い必要となるバリアフリー化などを進められるよう施設整備費補助を拡充するほか、強度行動障害など特別な支援を必要とする重度障害者の障害特性に応じた居室環境などの整備を支援しております。
 今後、区市町村を通じて地域ニーズを把握しまして、当事者団体などの意見を伺いながら、重度障害者が安心して暮らせる環境整備が進むよう、次期計画の策定に向けて検討してまいります。
   〔保健医療局長山田忠輝君登壇〕

○保健医療局長(山田忠輝君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、新たな地域医療構想の策定についてでございますが、新たな構想は、二〇四〇年頃を見据え、入院医療や外来、在宅医療、介護との連携、人材確保など、医療提供体制の全体像を示すものでございます。
 都内では、今後増加が見込まれる高齢者救急や在宅医療への対応、生産年齢人口が減少する中での医療人材の確保が一層重要となります。また、都は、構想を推進する主体として、限られた医療資源の下、地域の実情に応じた医療機関の役割分担をさらに進める必要がございます。
 こうした課題や国のガイドライン等を踏まえ、持続可能な医療提供体制の確保に向け、新たな構想の策定に取り組んでまいります。
 次に、感染症の拡大防止に関するご質問についてでございます。
 感染症対策は、病原体の特性等を踏まえ、地域の自治体と連携して取り組むことが重要でございます。
 急増する麻疹につきましては、ワクチン接種が有効であるため、都は先月から、患者の接触者に対する緊急接種を感染症指定医療機関等で開始し、今後、地域の診療所へ拡充してまいります。
 また、感染しても自覚症状が乏しいHIVにつきましては、早期発見、早期治療が重要であるため、今年度から郵送検査を開始し、検査キット配布などの取組を、繁華街を有する自治体等と連携して実施をいたします。
 引き続き自治体と緊密に連携し、きめ細かな感染拡大防止策に取り組んでまいります。
   〔生活文化局長古屋留美君登壇〕

○生活文化局長(古屋留美君) 四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、江戸文化の発信についてでございますが、都内には江戸文化に関連する行事等が数多くあり、その魅力を効果的に伝えるには、これらを一体的に発信することが重要でございます。
 来月行うEdo Tokyoの夏のキャンペーンでは、隅田川花火大会の開催に合わせ、江戸文化の魅力を集中的に発信いたします。さらに、秋は、東京文化財ウイークの機会も捉えまして、名所めぐりをテーマに、多摩地域を含む都内各地の文化資源やイベントをつなぎ合わせるなど、広域的に展開いたします。あわせて、市区町村と連携し、伝統芸能など地域に根づいた江戸の魅力のさらなる発掘と発信を行います。
 これらを通じまして、開催地域や連携の場を拡大し、地域の魅力向上と江戸文化の継承を推進してまいります。
 次に、今年開催する文化芸術祭、ARTE TOKYOについてでございますが、本芸術祭では、臨海部や丸の内など三つのエリアを核としながら、都内各地の多様な催しに参画いただくパートナープログラムを公募しまして、ARTE TOKYOの名の下、一体的に発信いたします。
 これまで多摩地域の催しも含めて百件を超える申込みをいただいており、地域ごとの特色ある文化活動や魅力的な取組に光を当て、都内各地の文化資源を結び合わせてまいります。
 東京に点在する多彩な催しを面的につなぎ、都市の祭典として広く紹介することで、新たな人の流れやにぎわいを生み出し、多くの都民や来訪者が地域の文化や魅力に触れる契機としてまいります。
 次に、私立学校の校外活動の安全対策についてでございますが、今回の両事故を受けて都は調査を行いまして、全ての学校が安全確保に取り組んでいることを確認いたしました。
 さらなる安全確保に向け、修学旅行において関係者が行う安全確認だけでなく、学校が主体性を持って安全確保を行うべきことや、国の通知を踏まえ、法令を遵守し、公正、中立で適切な教育活動を行うべきこと等を周知いたしました。
 また、部活動の移動で貸切バス等を利用する際、業務運営上必要な登録を得ているかなどを確認するチェックリストを作成し、提供いたしました。
 これらによりまして、学校の取組をサポートし、各学校における生徒の安全確保を推進してまいります。
 最後に、児童生徒による犯罪加害の防止についてでございますが、子供たちが闇バイトを通じて犯罪に加担してしまう事態を防ぐことは大変重要でございます。
 都はこれまでも、私立学校に対し、教育現場において児童生徒への注意喚起に活用できるよう、加害防止のリーフレットなどを周知してまいりました。
 また、今回の事件を受けて国がまとめた闇バイトの危険性等の子供に伝えるべきポイントを学校内に掲示するなど、効果的に注意喚起するよう周知いたしました。
 今後、様々なトラブルが発生しやすい夏休み前に、関係局や国とも連携して児童生徒へのさらなる注意喚起を行います。これらの取組によりまして、子供たちの犯罪加担への防止に努めてまいります。
   〔建設局長久野健一郎君登壇〕

○建設局長(久野健一郎君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、善福寺川上流地下調節池の整備についてでございますが、善福寺川では、平成十七年の豪雨で約千七百棟の浸水被害が生じており、令和二年に地元から本調節池の整備要望が出され、三年度に事業化いたしました。
 本調節池は、年超過確率二十分の一規模の降雨に対応する容量約三十万立米のトンネル式調節池であり、豪雨による浸水被害の軽減に大きな効果を発揮いたします。
 現在、都立善福寺川緑地内で周辺環境や公園利用者等に配慮し、搬入路等の整備を進めております。
 引き続き水害から都民の命と暮らしを守る調節池の整備を着実に推進することで、善福寺川流域の安全性を高めてまいります。
 次に、都市計画道路の整備についてでございますが、東京の持続的な成長には、経済の活性化に不可欠であり災害時に命の道となる都市計画道路の整備が重要でございます。こうした認識の下、策定した第五次事業化計画に基づき、都市の骨格を形成する幹線道路や強靱化に資する路線等の整備を進めてまいります。
 事業を着実に進めるため、建設業の担い手不足への対応として、適正かつ柔軟な工期設定等による働き方改革や、ICT施工の活用等による生産性の向上を推進いたします。また、用地事務のシステム化や外部委託の活用など、執行体制の強化に一層取り組んでまいります。
 今後とも、活力にあふれ、安全・安心な東京の実現に資する都市計画道路の整備を着実に進めてまいります。
   〔消防総監市川博三君登壇〕

○消防総監(市川博三君) 林野火災への対策についてでございますが、林野火災を未然に防ぐ火災予防対策と、被害の拡大を抑える消防活動体制の確保が重要でございます。
 このため、東京消防庁では、一月から林野火災警報、四月には林野火災注意報の運用を開始し、一定の気象条件下における対象区域での火の使用制限や、消防隊による地域住民への呼びかけなど、実効性のある火災予防対策を行ってまいりました。
 また、林野火災の発生に備え、迅速に多数の部隊及び資器材を導入する体制を確保するなど、初動体制の強化に努めてまいりました。
 今後とも林野火災への対策のため、火災予防対策と消防活動体制の確保に万全を期してまいります。