令和八年東京都議会会議録第八号〔速報版〕

   午後一時開議

○議長(増子博樹君) これより本日の会議を開きます。

○議長(増子博樹君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(増子博樹君) 謹んでご報告申し上げます。
 名誉都民小田島雄志氏は、去る六月八日、逝去されました。誠に哀悼痛惜の念に堪えません。
 ここに生前のご功績をたたえるとともに、故人のご冥福をお祈りし、議会として深甚なる弔意を表します。

○議長(増子博樹君) これより質問に入ります。
 百十五番荒木ちはるさん。
   〔百十五番荒木ちはる君登壇〕

○百十五番(荒木ちはる君) 質問に先立ち申し上げます。
 去る六月八日、名誉都民の小田島雄志さんがご逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。
 令和八年第二回定例会に当たり、都民ファーストの会東京都議団を代表し、小池都知事、副知事、警視総監、教育長、関係局長に質問いたします。
 小池都政がスタートして間もなく十年を迎えます。十年間に及ぶ人と未来への投資の取組によって、出生数は十年ぶりに、婚姻数は二年連続前年増となり、また、世界の都市総合ランキングも二位にランクアップするなど、着実に成果を上げています。これからも都民と共に政策実現を進めていくことをお誓い申し上げ、質問に入ります。
 資源、エネルギー価格の高騰や円安の影響が深刻化し、都民生活や都内事業者への対応は喫緊の課題であります。戦闘終結に向けて合意が成立したとの報道も見られますが、生活への影響は予断を許しません。特に、燃料、原材料価格の上昇は、福祉、医療、介護施設など、経営を圧迫し、都民生活に大きな影響を及ぼしており、支援の継続が不可欠です。また、中小企業への経営支援も必要です。
 さらに、今回の事態はエネルギーの海外依存という構造的課題を浮き彫りにし、中長期的には、再エネや資源循環の取組も重要であります。こうした観点から、私たちは現下の状況に対応する補正予算の編成を要望いたしました。
 そこで、今般の補正予算をどのような考え方で編成したのか、知事の見解を伺います。
 特に深刻なのは、資源、エネルギー価格の高騰です。原油やナフサなどの原料を輸入に頼る我が国にとって、事態の長期化は、国民生活や経済活動に大きな影響を及ぼしかねません。建設事業者等の現場で、資材価格の高騰により事業継続に支障が生じていることをはじめ、様々な業界から不安の声が上がっています。
 一方、気候変動に伴い自然災害が頻発する中、今こそ省エネの徹底や再エネの利用拡大など、エネルギー構造の転換に向けた取組を加速させるときです。
 都は、長引く物価高騰の影響を受ける中小企業への経営を下支えするとともに、脱炭素化に向けて省エネ、再エネを一層進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 エネルギーの構造転換に向け、期待されているのが水素エネルギーです。水素は、水など身近な原料から製造できるなど、持続可能なエネルギーであり、世界では大規模な製造施設やパイプライン整備など、活用に向けた取組が進んでいます。国内でも、福島から福岡へ至る幹線輸送を起点に、大規模な水素需要を創出する水素大動脈構想の実現に向け、官民連携の取組が始まっています。東京都も、水素を燃料とするバスやトラックの導入など、意欲的な目標を掲げています。
 今こそ最大のエネルギー需要地である東京が国や産業界と連携し、水素社会の実現に向けた取組を加速すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 加えて、原材料の安定調達をめぐる不確実性が高まる中、ナフサ代替素材等の開発を促進するとともに、植物由来素材の活用や、ビニール製品から紙製品への転換などに取り組む中小企業等を丁寧に支援することは、石油のみに依存しない経済構造へ転換していく、まさにピンチをチャンスに変える取組であります。
 中東情勢の影響が顕在化している今こそ、ナフサ依存から脱却を図る素材の開発や代替素材への切替えを進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 省エネ、再エネの利用拡大に加え、資源循環の高度化も重要です。プラスチック製品の製造に制約が生じるメーカーも出るなど、都民生活への影響が懸念されています。安定した都民生活を確保するためには、海外資源への依存を低減し、サプライチェーン全体で国内資源の循環をこれまで以上に促進していくことが重要です。
 輸入に頼る天然資源の影響を最小限に抑えていくには、廃棄されるプラスチックなどの再資源化が有効な手段です。そのため、処理を担う事業者に高度な設備を早急に導入していく必要があると考えますが、見解を伺います。
 私たちは、環境への配慮を進め、首都東京の持続可能性を高める提案を重ねてきました。東京都は、二〇三〇年までに運輸部門におけるCO2の排出量を二〇〇〇年に比べ六五%削減する目標を掲げており、運輸部門の約八割を占める自動車からの排出削減は喫緊の課題であります。また、原油を燃料としないEV等の導入の後押しも必要です。
 東京都は、自動車を二百台以上使用する事業者に対し、低公害、低燃費車の導入を義務づけており、事業者の努力の結果、今年度末の期限までには、おおむね全ての事業者が現行義務率を達成する見込みということであります。
 今回の改正に当たっては、事業者のインセンティブをさらに高めることで一層の取組を引き出し、自動車からの環境負荷の低減につなげていくべきと考えますが、見解を伺います。
 四方を海に囲まれ、貿易により発展してきた我が国にとって、港湾は国力と首都機能を支える重要な社会インフラです。東京港では、中央防波堤外側Y3の整備や青海ふ頭での遠隔操作荷役機械の導入など、機能強化が進められています。
 一方、世界の先進港湾では、ターミナル単体の自動化にとどまらず、港全体、都市物流全体の最適化が進んでいます。
 知事は、今回ロッテルダム港を視察し、DXや水素活用など先進的な港湾運営を確認されました。東京湾の約半数の貨物を扱う大井ふ頭の再編整備や水素エネルギーの導入も進む中、担い手不足等の課題を踏まえ、首都東京の物流基盤である東京港の生産性を一層高めるべきです。
 今回の視察で得られた知見を踏まえ、コンテナターミナルの機能強化に向け、将来も見据えた取組を推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 港と同様に、魅力ある都市、そして誰もが安全・安心に暮らせる都市の基盤として重要なのが鉄道です。
 私の地元中野区では、西武新宿線中井駅から野方駅間の連続立体交差事業が進むとともに、野方駅から井荻駅間でも、踏切除却に向けた取組が進められています。
 知事は、本定例会の開会に当たり、踏切対策基本方針を改定する方針を表明されました。策定時から社会情勢が大きく変化する中、交通の円滑化や地域の安全性の向上、まちづくりの観点から、実効性ある踏切対策をさらに推進すべきであります。
 そこで、今回、踏切対策基本方針の改定に当たっては、社会情勢の変化や新たな課題を的確に反映し、踏切対策を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 人生百年時代を見据え、誰もが安心して年を重ねられる東京をつくらなければなりません。
 都内では、高齢世帯のうち、単独世帯が最も多い約半数を占めており、今後さらに増加が見込まれています。
 頼れる身寄りがない高齢者は、健康や日々の暮らしの不安に加え、急な入院、施設入所時の手続、退院後の生活再建、判断能力低下時の意思決定支援、さらには亡き後の家財整理や葬送、各種事務手続など、複合的な不安を抱えており、今後、重点的な支援が必要です。
 これまでも私たちは、在宅生活を支える見守り体制や身元保証支援など、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる環境整備を求めてきました。こうした単身高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、実効性の高い支援策を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 高齢者を支える介護人材の確保も喫緊の課題です。中でもケアマネジャーは、利用者と必要なサービスをつなぎ、地域包括ケアを支える要でありますが、現場では担い手不足に加え、法定業務、書類管理、関係機関との調整、本来業務以外のシャドーワークなど、業務負担の増大が課題となっています。
 私たちは、居住支援特別手当の対象にケアマネジャーを加えるなど、現場に即した提案を進め、国の処遇改善の拡充にもつながってまいりました。今後、介護需要が増大する中、担い手確保と定着に向けた取組を一層深化、加速させる必要があります。
 そこで、将来的な担い手の不足が懸念される中、ケアマネジャーの負担軽減と処遇改善に向けた取組を一層進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 高齢者になるとともに、賃貸住宅が借りにくいという切実な声も多く届いています。東京都は、居住支援法人や居住支援協議会を通じ、住宅確保要配慮者の支援に取り組むとともに、昨年度は、高齢者が地域で安心して暮らせる住まいの充実に向け、高齢者いきいき住宅のモデル事業にも取り組んできました。
 一方で、私たちはこれまで、水道のスマートメーターの活用など、センサーなどを用いた見守りを後押ししてきました。これに東京都が保証人機能を補完する仕組みが加われば、高齢者の民間賃貸住宅への入居が大きく広がると考えます。
 昨年の秋、国が居住サポート住宅を公表いたしました。私たちの提案に沿う制度でありますが、報道によれば、現時点での都内登録は七戸と、今後の拡大が課題であります。
 高齢者が安心して住み続けられる住まいの確保に向けて、昨年度までの高齢者いきいき住宅先導事業の成果を生かした取組を推進しつつ、居住サポートが受けられる住宅の拡大にも並行して取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 高齢者をはじめ、誰一人取り残さないインクルーシブな東京の実現のためには、DXにおける配慮は大変重要です。東京アプリを通じた生活応援事業の創設によって、物価高騰で苦しむ多くの都民に直接支援が届くようになりました。
 一方で、高齢者の皆様からは、どのように登録したらよいか分からないといった声や、障害のある皆様など、自ら登録することが難しい方への対応を求める声も届いており、申請や利用に当たって丁寧できめ細やかな支援をさらに充実させるべきと考えます。
 第一回定例会代表質問において、生活応援事業を確実に成功させるために丁寧なサポート体制の整備を求めてきました。生活応援事業への参加を希望する方々へのさらなる支援の充実を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。
 東京アプリ生活応援事業を通じて、僅か四か月で五百万を超える都民と行政が東京アプリを通じて新たにつながったことは大きな意義があります。将来的には、役所に行かなくても様々な申請ができる、都民一人一人が自ら探さなくても必要な支援策や情報が届くなど、都民ニーズに寄り添った行政サービスを迅速かつワンストップで提供できる仕組みへと発展させるべきであります。
 また、東京アプリの決済時にペイペイやWAONも早く利用できるようにしてほしいとの声も多く寄せられています。都民が早期に利便性を実感できるよう、東京アプリの機能強化を進めていくべきと考えますが、宮坂副知事の決意を伺います。
 多様な違いを制約ではなく価値と捉え、もっと自由で創造的な東京へと進化させるインクルーシブ政策について伺います。
 都立動物園や水族園は、子供から高齢者まで多くの都民が訪れる大切な公共施設です。一方で、車椅子ユーザー、障害のある方、医療的ケア児やその家族、高齢者などにとっては、入園できることと園内を安心して楽しめることは同じではありません。
 葛西臨海公園では、駅から水族園や海辺エリアへの回遊が負担となる方もいます。また、丘陵地で坂道も多い多摩動物公園では、シャトルバスが整備されていますが、移動負担は依然として大きく、車椅子対応型モビリティー導入なども有効と考えます。
 各園では、バリアフリーに対応した施設整備等を行っていますが、今後は施設整備に加え、園内を移動する線の支援が必要です。
 そこで、車椅子ユーザー等の快適な移動手段確保など、都立動物園、水族園における移動支援をどう進めるのか、見解を伺います。
 障害児を育てる家族においては、本人への支援だけではなく、兄弟姉妹、いわゆるきょうだい児への影響も大きく、その支援の重要性が指摘をされています。一方で、東京都の計画や施策を見ても、きょうだい児という視点が明確に位置づけられておらず、支援が十分に見えにくい状況があります。
 例えば、日常的なケアにより保護者の負担が大きい中で、きょうだい児が十分な配慮や支援を受けられていないとの声や、支援団体からは相談の増加が指摘されています。こうした状況は、きょうだい児個人の問題にとどまらず、家族全体を支える環境整備の課題であります。
 こうした課題を踏まえ、きょうだい児を含めた家族全体を支える観点から、支援を一層充実していくべきと考えますが、見解を伺います。
 令和九年秋には、全国障害者芸術・文化祭が東京で開催される予定であり、多くの都民が芸術、文化の魅力に触れる機会になることが期待されています。
 都はこれまでも、障害者芸術、文化の活動について取組を進めてきましたが、今年度、東京都障害者・障害児施策推進計画の改定を行うタイミングで行われるこの全国障害者芸術・文化祭を契機に、取組を充実させるべきです。
 新たな計画の策定に当たっては、芸術文化活動の推進を重要な柱として位置づけ、取組を一層充実していく必要があると考えますが、見解を伺います。
 今申し上げました全国障害者芸術・文化祭は二十四年ぶりに、そして、全国規模の芸術の祭典、国民文化祭は四十一年ぶりに、令和九年に東京で同時開催をされます。東京都ではデジタルとアートの融合、新しい芸術祭の創設など、先進的な取組を進めていますが、両文化祭で都独自の文化事業を広く発信するとともに、こうした機会に、障害のある方々の作品の魅力をより身近に感じられる場を提供するなど、芸術文化活動を通じてインクルーシブな社会を実現していくことも重要であります。
 両文化祭の東京開催を成功に導くためには、都の文化事業を効果的に取り入れるとともに、様々な団体の芸術文化活動とも連携していくべきと考えますが、見解を伺います。
 二〇二八年に行われるロス五輪において、スケートボードなどのアーバンスポーツ出場枠をかけて争うQシリーズが東京で開催することとなりました。東京二〇二〇大会では、これらの競技のスポーツマンシップが感動を呼び、新たな競技人口を増やすきっかけともなりました。
 これらの競技は、音楽やファッションといった独自のユースカルチャーとともに発展してきており、ある意味、生き方のスタイルといった側面もあり、Qシリーズの開催を通じてこれらを盛り上げ、東京に根づかせていくことが期待されます。
 また、Qシリーズの開催に向けて、小中学生といった世代が気軽にこれらのスポーツに挑戦しやすい環境の整備促進にもつなげていくべきです。さらに、本大会は世界的な注目を集める国際大会でもあり、スポーツ振興に加え、都政の課題の解決や東京ならではのユースカルチャーの魅力を国内外へ発信する貴重な機会であります。
 東京都は、オリンピックQシリーズの成功に向けて取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 東京の出生数の増加は、都民の選択と社会変革の成果です。大切な命が育ち、学ぶ道を閉ざさぬよう、待機児童も不登校も都民の課題として受け止め、対策を進めるべきです。全ての子供たちが健やかに成長する東京に向けた施策について伺っていきます。
 都内の待機児童は長年減少傾向にありましたが、近年、世田谷区や足立区では令和八年度に待機児童が百人を超える見込みになるなど、一部地域で再び増加の兆しが見られます。背景には、都心から郊外へのファミリー層の移動や、保育料無償化等に伴う潜在的ニーズの顕在化があると考えられますが、保育園に預けることがかなわず働くこともできないという事情を防ぐために、早急な対策が必要です。
 出生数の増加は、知事と私たちが子供政策を強力に推し進め、東京が子育てしやすいまちとして選ばれている表れでもあります。望む人が保育を利用できるよう、保育所や幼稚園など既存施設の活用も含め、保育サービスの充実に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 都内公立小中学校の不登校児童生徒数は、令和六年に横ばいになりましたが、中学校で微減、小学校で微増という状況です。これまで都は、中学校ではチャレンジクラスの設置や、教員が学校を巡回し、不登校に関する対応方法の助言を行う取組を行ってきました。これらの取組が不登校者数の抑制につながっていることと考えられます。
 この成果や中学校での取組のノウハウを踏まえ、不登校の未然防止や早期対応の取組を着実に進めていくことが大切だと考えますが、見解を伺います。
 加えて、小学校にもチャレンジクラスの設置を拡大するように要望をいたします。
 私たちの公約でもある都立高校改革について伺います。
 私たちは都立高校の教育環境や学びの質を高める提案を継続して行ってきましたが、都立高校改革を着実に進めていくためには、特に注力するテーマを明確に据えておくことが大切です。
 国際情勢が不安定さを増す中、その動向を的確に捉え、高度な英語力や金融の知識を身につけて活躍できる人材、エネルギーの確保など世界的な課題に国際的な視点で適切に対応できる人材を育てることが重要と考えます。
 こうしたテーマに対して、都立高校改革の中でどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 都立高校の魅力向上には、教育内容に加え、入試制度改革も重要です。各校の特色に応じて内申点比率や配点を見直し、受験機会の複数化を認めるなど、多様な人材を確保できる入試制度の検討を求めます。
 ゴールデンウイーク中に起きた磐越自動車道での事故は、学校の部活動の遠征中にレンタカーで移動していた際に起きた事故であり、また、名護市辺野古沖の事故では、研修旅行のプログラムで起きた事故であり、いずれにおいても高校生の尊い命が失われた重大な事故です。改めて哀悼の意を表します。
 さらに、辺野古沖の事故については、国から教育活動における政治的中立性の面から問題との判断も出ています。
 子供たちの命と安全を守る観点から、移動手段の選択にかかわらず、万全の安全管理体制が確保されているか、いま一度しっかりと確認し、必要な対策を講じていくことが重要です。
 今回の事故を踏まえて、学校の校外活動における移動の安全性を確保すべきと考えますが、都立学校と私立学校の取組をそれぞれ伺わせていただきます。
 国際競争が激化する中、世界で活躍できる次世代のリーダーの育成は、首都東京に課せられた使命です。都は今年度、私たちの要望を受け、都立高校生の海外大学進学の挑戦を後押しする給付型奨学金制度を創設しました。家庭の経済状況にかかわらず、意欲と能力のある若者が夢を諦めることなく挑戦できる環境整備は重要です。
 若者の進路希望は様々であることから、都の給付型奨学金の制度を進めるに当たっては、人文科学や自然科学にとどまらず、芸術分野も含めた多様なニーズにも応えられる支援制度とすべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 私たちは、子供から若者までのユース世代にとってセーフティーネットが必要だと考え、自分の性のことを含む心や体のことを安心して相談でき、正しい知識にアクセスしながら、必要があれば検査や治療を提供できる東京版ユースクリニックの創設を令和三年から訴えてきました。
 都は、令和四年にユースヘルスケア推進事業を立ち上げ、ウェブサイトでの正しい情報発信、わかさぽでの医療機関とも連携した相談支援、都立高校で産婦人科医による相談体制など、局を超えて確実に推進してきたことを高く評価をいたします。
 都はいよいよユースクリニックへの助成を開始します。ユースにとって医療機関を利用するには心理的ハードルがあるため、安心して相談できるよう、わかさぽなどの事業と連携し、ユースクリニックを知ってもらうための取組を実施する必要があると考えますが、見解を伺います。
 若者の間で医薬品の過量服薬と依存傾向、いわゆるオーバードーズをめぐる問題が深刻化をしています。私たちの求めもあり、都においては、相談体制の整備や普及啓発、販売時の対応などについて様々な取組が進められてきたところでありますが、依然として実態の把握や未然防止の対応には課題があります。
 さきの予算特別委員会では、私たちの質疑に対し、きみまもにおいて、医療機関や精神保健分野の専門機関と連携を拡大していくとの答弁がありました。
 今後、きみまもにおいて、医療機関や専門の相談支援機関、依存症対策に知見を有する団体等との連携を一層強化し、着実な支援につながる体制を構築していくべきと考えますが、見解を伺います。
 補正予算に対する要望では、急増する麻疹への対応も求めました。都において、今年に入り麻疹の報告数が急増し、学校や医療機関での集団発生が相次いでいます。
 麻疹は、インフルエンザを大きく上回る強い感染力を持ちます。一人の患者から十人以上の感染が広がることも珍しくなく、ワクチン接種率が九五%を下回ると、流行を抑えることは極めて困難とされています。
 日本の感染症学会によると、ワクチンは高い発症予防効果を示すとともに、肺炎や脳炎などの重大な合併症のリスクを下げることができます。乳児や妊婦など、接種できない方を守るためにも、社会全体で免疫を高めることが不可欠です。
 都として、さらなる予防接種を推進すべきと考えますが、見解を伺います。
 改正健康増進法及び私たちの提案により、東京都独自の東京都受動喫煙防止条例が全面施行されて六年が経過し、都民が受動喫煙を経験する機会は着実に減っています。一方で、時間の経過とともに、法や条例のルールが十分に守られていないと思われる飲食店も一部見受けられ、子供と安心してお店に入ることができないという声も私たちの下に届くようになりました。
 たばこの煙に不安を感じることなく飲食店を利用できるよう、啓発を強化する必要があると考えますが、見解を伺います。
 都民の命と暮らしを守る取組について続けます。
 先月、都内最大規模の民間火葬場が外資系ファンドに売却される可能性があることが報じられました。報道の民間火葬場は、都内の火葬の約七割を実施しており、都内の火葬体制に対する都民の不安が高まっています。
 知事は所信表明において、東京の火葬事業の公共性をさらに高め、将来にわたり永続的に提供される体制整備を目指し、区市町村と連携をし、進めていくと表明しました。火葬場は都民生活に不可欠な施設です。先日開催された検討会では、近い将来、需要に対して火葬能力が不足することも示されました。
 都民に不安が生じないよう、今後の火葬事業について検討すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 近年、全国で熊による人身被害が増えており、昨年は過去最多を記録するなど、深刻な状況が続いています。こうした全国的な傾向の中で、東京も例外ではありません。今年に入り、奥多摩での人身被害に加え、八王子の住宅街周辺でも目撃事例が発生し、近隣住民の不安は高まっています。とりわけ、過去に例がない地域での出没が相次いでいることから、正確な現状分析に基づく対応が求められます。
 現下の状況においては、科学的な根拠に基づく対応が必要であり、都は、熊の管理計画を策定して総合的な対策を行うべきと考えますが、見解を伺います。
 また、策定に当たっては、関東山地を移動する熊の実態を踏まえ、近隣県とも連携して対応すべきですが、併せて見解を伺います。
 また、実際に住宅地などの生活圏に熊が出没した場合には、住民の安全を最優先に、迅速かつ実効性ある対応が求められます。市街地での緊急銃猟が一定の条件の下で可能となるなど、制度面の整備が進んでいますが、並行して、区市町村による判断や安全確保、猟友会との連携、捕獲手段の選択など、住宅地等に出没した熊への緊急対応体制を早急に整備すべきです。
 このたび、警視庁では、熊駆除対応に係るプロジェクトチームを設置したということでありますが、これまでの取組と今後の対応について伺います。
 昨年の十月、相次ぐ台風の直撃により、八丈町と青ヶ島村は甚大な被害を受けました。
 この間、私たちは、離島の厳しい実情を踏まえ、被災者に寄り添い、復興に万全を期すことを強く求めてきました。関係者の懸命な努力により、両島の復旧は進んでおり、昨年度中止となった八丈島パブリックロードレースの再開が実現すれば復興の象徴にもなると考えます。
 復興に当たっては、単に元の姿に戻すだけでなく、台風等の災害に備えたインフラ等の強化や、島しょ地域が本来持つ魅力をさらに高めていく必要があります。今後、復興を契機としたさらなる島の発展に向け、着実に取組を進めていくべきですが、知事の見解を伺います。
 近年は、全国各地で甚大な浸水被害をもたらす豪雨が発生し、都内においても、昨年九月の豪雨により谷沢川、立会川流域で浸水被害が発生をいたしました。さらに、先日の台風六号では、神田川などで警戒レベル四相当の危険な状況が示され、避難指示の判断が現実の課題となっています。
 今後は、気候変動の影響による降雨量の増加など、風水害のリスクの増大が懸念されています。こうした中、中小河川の整備を一層推進していくことが重要だと考えますが、見解を伺います。
 二〇二〇年、国において、富士山噴火時に首都圏へ広く降灰が及ぶという被害想定を公表いたしました。これを受け、東京都も火山灰対策の検討を本格化させ、TOKYO強靱化プロジェクトにおいて、富士山噴火を想定すべき主要災害の一つとして位置づけ、取組を進めてきました。
 富士山で大規模噴火が発生し、首都圏が広範囲に降灰に見舞われた場合には、送電の停止、さらには非常用電源にも影響が及ぶ可能性があるという報道もあります。これが事実だとすると、都市の機能が同時多発的に損なわれる、極めて深刻な事態です。
 火山灰は除去しない限りなくならないことから、物資輸送やライフラインに長期間影響が出るおそれがあり、今後、スピードを上げて対策を強化する必要があると考えます。
 富士山噴火に備え、早急に対策を具体化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 約九百万人の都民がマンションなどの集合住宅に暮らす東京において、災害時にも自宅で生活を継続できる環境を整えることは極めて重要です。こうした観点から、私たちはこれまでもマンション防災を強力に進めてきました。
 特に、在宅避難推進に向け、マンション内での避難訓練のインセンティブの強化や、携帯トイレなどの備蓄を促すTOKYO防災キットの配布などを提案し、これに応え、今般、都が東京とどまるマンション制度を見直し、防災訓練の実施やエレベーター閉じ込め対策などを評価事項に加え、備蓄資機材への支援を拡充したことを評価いたします。
 そこで、制度の充実を契機として、東京とどまるマンションの意義や取組の効果について都民の理解を一層深め、在宅避難の実効性向上につなげていくべきと考えますが、見解を伺います。
 災害から都民を守ることに加え、東京の成長戦略もまた都民の未来を左右する重要な課題です。都が時代の変化に応じて柔軟に成長するための産業政策について伺わせていただきます。
 小池知事の都知事就任以来、都は子育てと仕事の両立支援、女性管理職登用の拡大、事業者の環境整備支援、女性活躍推進特例融資の創設など、多角的に女性活躍を後押ししてきました。これまでが女性の社会参加を支える段階だとすれば、これからはキャリア形成を後押しする段階です。
 責任ある立場に立つには、男女ともに経験が必要です。本年七月に施行する女性活躍推進条例では、管理職比率や賃金格差の把握、都の調査協力など、事業者に具体的行動を促す仕組みが特徴です。採用、育成、配置の各段階において、性別にとらわれず経験を積める環境を整えることは、女性の力を引き出し、東京の成長力を高めることにつながります。
 女性がその個性や能力を遺憾なく発揮できる環境整備に向け、女性活躍の重要性を事業者に認識してもらい、具体的な行動につなげていくことが必要だと考えますが、知事の見解を伺います。
 中東情勢の悪化が地政学的な緊張を高め、国際的なビジネス交流にも大きな影響が生じています。こうした中でも、先月開催されたSusHi Tech Tokyoには、百を超える国や地域から過去最大となる六万人が会場に足を運び、大変なにぎわいと熱気に包まれました。これは、SusHi Techがアジア最大のグローバルイノベーションカンファレンスとして定着したことを示しています。
 世界情勢が混沌とする今だからこそ、世界の都市間で連携を強め、テクノロジーの力で課題解決を図るとともに、新たなビジネス機会の創出を通じ、スタートアップの大きな成長につなげていくことが求められます。
 そこで、SusHi Techで築いた世界とのつながりを生かし、優れた技術を持つスタートアップのグローバル市場への進出を強力に後押ししていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 都民の利便性向上に向け、都は東京アプリの構築を進めていますが、事業者にとっても便利になったと実感できる仕組みづくりが重要です。国が推進する事業者向け共通認証システム、GビズIDは、補助金申請などを簡単、安全に行える重要なデジタル基盤であり、都としても積極的な活用を進めるべきです。
 特に、行政手続で一度入力した情報を再度求めないワンスオンリーの徹底は、手続時間を大幅に削減し、事業者が本業に集中できる環境づくりに直結します。こうした負担軽減こそ、デジタル化の実感につながります。そのため、今後、GビズIDを活用して事業者の負担軽減につなげていくべきと考えますが、見解を伺います。
 都はこれまで、屋外広告物について、良好な都市景観の形成や都民等の安全性を確保する観点から、時代に即した規制を実施してきました。近年、世界的な旅行需要の増加に伴い、屋外広告物を取り巻く環境は大きく変化をしています。
 こうした中、魅力的な景観やまちづくりの観点から、規制のみならず、屋外広告物の適切な活用を図る視点も重要です。例えば、アニメや歴史文化等の広告物を通じて、観光名所となるような東京らしさを象徴する景観を生み出すこともできるのではないでしょうか。同時に、良好な景観や風致の維持にも留意することも大切です。
 屋外広告物について、安全性はもとより、表示する広告物の適切さも確保しつつ、東京の景観の魅力向上に向け、時代に応じた柔軟な対応を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。
 築地地区では、東京全体の国際競争力の向上に向けたまちづくりが進められていますが、先日、築地市場跡地の埋蔵文化財調査において、明治期の海軍遺構が出土し、一部の遺構が重要なものであることが示されました。埋蔵文化財は、国や地域の歴史を語る上で欠くことができないものであり、築地のまちづくり事業においても、埋蔵文化財の保護とまちづくりの両立を図っていくことが重要です。
 そこで、今回出土した明治期の遺構を都民等に公開するとともに、特に重要な遺構については適切な保護を図るべきと考えますが、見解を伺います。
 私たちが求め、全国に先駆けて制定したカスハラ防止条例は、施行から一年が経過し、カスハラの認知度も約九割に達しています。中でも、中小企業一万社を対象とする奨励金の事業を通じ、カスハラ防止対策の実践が社員の安心につながり、サービス向上に寄与したという好事例もあり、現場からは継続して大きな期待の声をいただいています。
 しかし、事業者が受付システムにアクセスできない事例もあり、さきの予算特別委員会で私たちが改善を求めたところ、都は原因の調査と併せ、事業者に寄り添った対応を検討するとの答弁がありました。
 取組の入り口となる募集時の不備は、カスハラ対策にとどまらず、ほかの職場環境整備を促す事業への信頼にも影響します。カスハラ奨励金の募集方法についてどのように改善していくのか、また、この教訓をほかの奨励金等にも生かすべきと考えますが、見解を伺います。
 気候変動に起因して、今年も酷暑が予想される中、屋外作業における熱中症対策はまさに命を守る最優先の課題です。工事に関わる皆様からは、熱中症対策で休めといわれても、工期が遅れたらペナルティーになるのではと不安、熱中症対策費の積算が実態と見合っておらず、結局自社で持ち出しているという声をいただいています。
 加えて、中東情勢による資材不足や価格高騰への不安から、工期が間に合わないのでは、資材の高騰が予定を上回るのではないかとの声もあります。
 そこで、都発注工事における熱中症対策や資材不足に的確に対応するとともに、区市町村にも都の取組を周知し、都全体で取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
 また、暑さに配慮した職場環境づくり奨励金は、一人親方が対象となっておらず、物価高騰下において、建設業等の現場実態を踏まえた支援拡充を要望いたします。
 また、猛暑の常態化や集中豪雨の激甚化、河川や海洋等の水域環境の変化も深刻です。水温の上昇に伴う生育環境の悪化や、漁獲される魚種の変化等が発生しており、漁業経営に大きな影響を及ぼしています。
 東京都はこれまで、海洋環境の変化に伴う藻場の回復や、ゲリラ豪雨等への対応として、内水面養殖における飼育環境のモニタリングなどを行ってきていますが、気候変動の影響を前提とした上で、新たな魚種や方式にチャレンジするなど、漁業の質と量の両面を高めるさらなる取組が必要と考えます。見解を伺います。
 デジタル基盤の強靱化について伺います。
 都では、各局において都民サービスを支える多様な業務システムが運用されていますが、サイバー攻撃を未然に防ぐには、個々のシステムごとのセキュリティ対策にとどまらず、全庁横断的な対策を進めることが重要です。とりわけ、脆弱性が残されたままになると、攻撃の侵入口となるおそれがあることから、平時から構成や更新状況を把握し、必要な対策につなげていくことが不可欠です。
 また、クロード・ミュトスなど、最新型AIによる加速度的な学習によってもたらされる予期せぬ危険性も議論を呼んでいますが、こうした状況を踏まえて、システムの弱点を早期に把握し、放置しない管理が一層重要となります。
 そこで、全庁にまたがるシステムやネットワーク機器等の状況をどのように把握し、脆弱性対策を進めていくのか、見解を伺います。
 最後に、国への政策提言について伺います。
 昨今の国の政策に通底するのは、未来への視座の欠如です。本来、国は東京の力をそぐのでなく、東京や地方の力を引き出す存在であるべきです。東京の成長を阻むのではなく、共に未来を開く方向へかじを切ることを強く期待いたします。
 東京二十三区の大学定員規制について、私たちはかねてより、この規制について、地方創生を目的としながらも、東京の大学の改革や高度人材育成に大きな制約を与えるものとして問題視をしてきました。生成AIをはじめ技術革新が急速に進む中、我が国の持続的成長には高度人材の育成が不可欠であり、大学にも時代に応じた変革が求められています。
 しかし、東京二十三区内にあるという場所だけを理由に定員増が認められない不合理な規制により、学部、学科の新設やキャンパス再編が妨げられ、大学改革に支障が生じています。都の調査でも、大学や若者から規制への懸念が多く寄せられており、こうした声を重く受け止める必要があります。
 来年度末の時限を控え、国でも規制の在り方の検討が始まった今、東京の成長力を支える人材育成の観点から、この不合理な規制の撤廃に向け、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 昨年十二月に示された令和八年度税制改正大綱以来、いわゆる偏在是正に関する議論が激しさを増しており、都議会としても超党派で問題提起を行っています。全国の自治体で財源不足に苦しむ事情は理解をするものの、もとより、地方全体の財源確保は国がしっかり責任を持つものであり、東京で稼いだ税収は東京に還元されるべきであり、都民の大切な税金がさらに奪われる動きは見過ごすことができません。
 国は、都市と地方の財政力格差が拡大しているとして、令和九年度税制改正で結論を得るとの考えでありますが、そもそも一人当たりの一般財源額で見れば、都は全国平均と同水準であり、是正すべき格差はないはずです。
 国の不合理な措置には、ファクトを示してしっかりと反論していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 以上、あらゆる世界情勢の変化にも対応できる東京を築いていくため、今後も都民ファーストの観点から政策実現を進めていくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 答弁に先立ちまして、一言弔意を申し上げます。
 六月八日、名誉都民である小田島雄志さんが逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 荒木ちはる議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、補正予算についてでございます。
 中東情勢の経済に与える影響が不透明な中、資源に乏しい我が国の構造的課題の解決に前倒しで着手するとともに、足元の都民、事業者の不安を払拭する必要があります。
 こうした考えの下、価格転嫁が困難な中小事業者等が安心して事業を続けられるよう、都独自の物価高対策を九か月間継続、拡充いたします。また、予備費と補正予算を組み合わせまして、資金繰りを迅速かつ切れ目なく支援するなど、中小企業等の経営安定化を後押しするとともに、都民の健康を守る麻疹対策も充実いたします。
 さらに、現下の状況をチャンスと捉えまして、脱炭素化に向けた取組を強化いたします。加えて、身の回りに埋もれております家庭の使用済み油や携帯電話等、まさに東京油田、東京鉱山を都民の皆様と一緒に掘り起こし、資源の有効活用を推進いたします。
 これらの取組を通じまして、都民生活を守り、事業活動を下支えするとともに、石油のみに頼らない社会の実現に向けまして、エネルギー構造の転換等を加速化してまいります。
 中小企業への支援についてであります。
 中東情勢の長期化に伴う原材料不足等により、中小企業の事業活動に影響が生じております。経営をしっかり支えるとともに、このピンチをチャンスに変え、社会のエネルギー構造の転換を進めます。
 中小企業の事業継続をサポートするため、制度融資のメニューの創設や拡充により事業者の資金繰りを迅速に支援いたします。供給不安や価格転嫁などの課題解決に向けまして、専門家のアウトリーチによる支援のほか、原材料の縮減に資する設備導入等を後押しいたします。
 また、石油のみに依存しない社会の実現に向けて、代替素材の開発に取り組む事業者を支援してまいります。加えて、再エネやZEV導入への支援策をさらに拡充し、周知の徹底を通じて、電力を減らす、つくる、ためる事業者の取組を一層促してまいります。
 重層的な施策の展開によりまして、東京の経済を担う中小企業の持続的な成長につなげるとともに、ゼロエミッション東京の実現を加速させてまいります。
 次に、水素社会の実現についてであります。
 昨今のエネルギー危機は、国家の足元を揺るがす問題となっています。これを乗り越える切り札が水素であり、今こそエネルギーの構造転換に向け、大きく歩みを進めるべきであります。
 先月、先進的な取組が進むロッテルダムで開催された世界水素サミットに登壇いたしまして、各国や都市の代表者と交流を深めてまいりました。ここで得られたネットワークを生かし、国際会議HENCA Tokyoで最新の知見を共有し、世界と日本をつないでまいります。
 先日、思いを同じくする自治体と共に、総理に強力な支援を要請いたしました。また、国や産業界との官民協議会へ参画をいたしました。FCバスやトラックなどの商用モビリティーや水素ステーションを中心とした需要の創出、水素製造拠点や臨海部をつなぐパイプライン等、都市における水素インフラの整備を加速させます。
 水素大動脈構想などの実現に向けまして、つくる、運ぶ、使うの観点から、戦略的な取組をオールジャパンで展開をしてまいります。
 次に、東京港の機能強化についてのお尋ねでございます。
 東京港は、首都圏四千万人の生活と産業を支えており、我が国の持続的発展に欠かすことのできない重要な国際物流拠点であります。
 ロッテルダム港では、自動化されたクレーンや搬送車両が導入され、手続のデジタル化によりまして、高水準の効率性と安全性を備えたコンテナターミナルが実現されております。
 こうした世界の主要港に伍する港へ東京港をバージョンアップしていく必要がございます。
 このため、新規ふ頭の整備や大井ふ頭再編整備の機を捉えて、最先端荷役機械の導入やターミナルレイアウトの大幅見直しを進め、生産性や産業環境の向上につなげてまいります。
 あわせまして、コンテナ出入貨に係ります一連の手続のデジタル化を進め、交通混雑の解消など、円滑な港湾物流を構築してまいります。
 これらの取組を加速しまして、世界トップクラスの機能を備えた東京港を実現してまいります。
 次に、オリンピックQシリーズについてであります。
 世界のトップアスリートが、二〇二八年のロサンゼルス・オリンピックの出場権をかけまして、熱戦を繰り広げるアーバンスポーツの大会でございます。
 アスリートがもたらす感動と興奮は、スポーツのすばらしさを届け、人々の新たな交流や絆も生み出していきます。さらに、東京の魅力や文化を国内外に発信する好機でありまして、世界で一番の都市を目指す都の取組と軌を一にするものであります。
 アーバンスポーツは、アート、ファッション、音楽などのユースカルチャーと高い親和性を有しております。都はそれらを融合しまして、若者を象徴するまち、代々木、渋谷エリアを舞台に自由に多様な自己表現ができる場を創出し、次世代が輝ける祭典を目指してまいります。
 大会成功に向けまして、招致主体であるJOCを関係団体と密に連携しながらサポートし、スポーツの力で未来の東京を築いてまいります。
 続きまして、都立高校の改革の進め方についてであります。
 将来に向け東京の発展を図る上で、英語力を駆使し国際的に活躍するほか、様々な活動に使うエネルギーの確保に取り組む人材の育成は不可欠であります。このための教育を都立高校で確実に展開するための取組を速やかに進めてまいりたい。
 優れた英語の力を身につけ、国際的に重要な金融の仕組みを学べますよう、第一商業高校の改革に着手をいたします。これによりまして、世界で通用する語学と教養を習得できる国際バカロレアのコースと、国や地域をまたがる金融取引の知識を培う課程を持つ学校づくりを行ってまいります。
 社会や経済の日々の動きを支える電力などを生み出す多様なエネルギーの問題に取り組む基礎となる科学や数学の優れたカリキュラムを持つ高校をつくってまいります。最新の技術の実習に役立つ機材などを取り入れまして、実践的な学びの場を生み出してまいります。
 これらの取組を都立高校改革の重要なテーマと位置づけまして、都教育委員会と連携して展開をいたします。
 次に、若者の海外大学進学への支援についてであります。
 若者の活力は、東京と日本の持続的な成長の原動力であります。次代を担う若者には、学生時代から豊かな国際感覚を養い、自らの可能性を広げ、将来、グローバルリーダーとして活躍してほしい。こうした思いの下、都は、都立高校生が安心して世界トップレベルの海外大学への進学に挑戦できますよう、今年度、給付型の海外大学進学支援制度を創設いたしました。
 支援の対象となる進学先は、世界大学ランキング百位以内の大学に加えまして、音楽やアート、デザインなどの分野におけるトップ大学といたします。来年度からの進学に向けまして、七月から募集を開始します。
 この取組を通じまして、東京の未来を切り開く若者の主体的な挑戦を一層支援してまいります。
 次に、火葬体制の確保についてのお尋ねがございました。
 火葬場は、都民の生活に密接に関わる極めて公共性の高い施設であり、安定性や継続性の確保が求められます。
 区内の大手民間火葬場が投資ファンドへ売却されるとの報道があり、指導監督権限を有する区から都に対し協力要請がなされました。これを受けまして、区と共同で民間火葬場の経営権変更に対する行政の関与につきまして、法令等の整備を国に要望をいたしました。
 また、先日開催いたしました検討会では、都が実施した実態調査の結果等を基に、様々な議論がなされました。委員からは、増加する火葬需要への対応が必要、火葬サービスの提供は基礎自治体の責務であるといった意見が示されました。
 今後、火葬能力の強化に向けた方策や適切な経営管理等の在り方につきまして、火葬行政を担う区市町村と連携しまして、検討してまいります。人生最後の儀式である火葬について、安定的な体制の確保を目指してまいります。
 次に、台風被害からの復興についてであります。
 被害を受けました八丈島と青ヶ島が復旧、復興にとどまらず、より強靱でにぎわいと活力あふれる島へと進化していくことが必要です。
 移住、定住者が将来活用することを視野に入れました仮設住宅を整備したほか、無電柱化や青ヶ島の通信インフラの強化に向けた取組に着手いたしました。さらに、八丈町への技術職員の派遣等によりまして、町道の速やかな復旧や安定給水の確保など、まちの復興計画の着実な推進を後押ししております。
 また、フリージアまつりに合わせまして、三月には誘客キャンペーンを開始しまして、昨年を上回る観光客が島を訪れています。この流れを確かなものとしていくために、海外からの観光客を増やす取組や、地域資源である八丈小島の保全と利活用、特産品のブランド化などを支援いたします。
 今後も町村と緊密に連携しまして、地域に寄り添った取組を進めることで、八丈島、青ヶ島の魅力を一層高めてまいります。
 次に、富士山噴火に伴う降灰対策についてでございます。
 一たび富士山が噴火いたしますと、大量の降灰により、都内におきましても社会経済活動に甚大な影響が生じるおそれがあります。
 都は、令和五年に大規模噴火時における対応指針を策定しまして、降灰時の走行実験や優先除灰道路の指定、そして灰の仮置場の選定基準の設定など、国に先駆けまして様々な検討や対策を進めてまいりました。
 今後、都の知見を活用しまして、生活を維持するための物資輸送体制やライフライン施設の優先復旧など、国、近隣県、民間事業者と連携しまして、首都圏の広域的な降灰対策を先導してまいります。
 いつ起こるとも知れない富士山噴火の脅威から都民の命と暮らしを守るため、全力で取り組んでまいります。
 女性の活躍推進についてでございます。
 知事就任以来、女性こそが東京の最大のポテンシャルだと申し上げてまいりました。その思いを形にした女性活躍推進条例をいよいよ七月一日に施行いたします。
 これに向けまして、先日、事業者に具体的な取組を促すための指針や多様な実践事例を公表するとともに、相談窓口を開設いたしました。そして、私自身も企業のトップに対しまして、様々な場面で直接働きかけを行っております。
 あらゆる産業での取組が進みますよう、業界団体などとも連携いたしまして、気づきを促す研修動画等も活用しながら、条例の趣旨を徹底してまいります。また、女性管理職の増加や非正規従業員のキャリアアップ等に取り組む事業者への支援も進めてまいります。
 女性が働きやすい環境は、みんなが働きやすい。条例元年の今年、このメッセージを力強く浸透させるとともに、現場のニーズを踏まえまして、施策をアップデートしながら、誰もが生き生きと暮らす社会を実現してまいります。
 次に、グローバル市場への進出支援についてであります。
 四回目を迎えましたSusHi Techには、過去最多の起業家、大企業、投資家、海外都市が集いました。そして、昨年の四倍となる二万五千件の商談が行われ、新製品などの発表は百を超えました。SusHi Techはまさに新たなビジネスを生む起爆剤へ成長し、東京に対する世界の期待が高まっております。
 ここで生まれたチャンスを海外での成果に結びつけるため、SusHi Techに出展したシンガポールの支援機関と連携し、東南アジアへの本格展開を目指す企業の現地派遣プログラムをこの秋から開始いたします。
 さらに、中東情勢を踏まえまして、資源の確保という世界共通の課題を東京が率先して解決していくことが重要であります。そのため、スタートアップの革新的な技術を活用して、資源エネルギー構造の転換などを目指しますプロジェクトへの支援を開始いたします。
 こうした取組を通じまして、日本企業による海外市場への展開を力強く後押しするとともに、都市の課題解決に資する革新的な技術を東京から世界へ広げてまいります。
 二十三区大学定員規制についてであります。
 大学は知の拠点として、次代を担う人材育成やイノベーションの創出に極めて重要な役割を担っております。国際競争が一層激化する中、時代の変化に応じて大学の教育研究機能を発展させていくことが不可欠であります。
 この規制は、場所だけを理由に大学の改革を阻む不合理なものでありまして、人こそ資源の我が国の国力の低下につながりかねません。現に二十三区の多くの大学からは、規制に対する懸念の声が寄せられております。
 また、若者からも、進学先の選択肢が狭まることへの不安の声や、学びたい分野を自由に選べる環境を求める声が数多く寄せられておりまして、こうした切実な声に応えていく必要がございます。
 今後、大学や経済界などとも連携しまして、規制の不合理さを社会全体に訴えてまいります。また、国と都の協議会など、あらゆる機会を通じまして、国に規制の撤廃を強く働きかけてまいります。
 最後に、地方税制の不合理な見直しについてでございます。
 都の税収を狙い撃ちにする一連の措置は、地方分権に逆行する不合理なものであります。本来、各自治体がその個性や強みを発揮できる地方税財源の充実こそが重要であり、限られたパイを奪い合う内向きの議論の先には、国の持続的な成長はございません。
 こうした中で、国は、地方交付税算定上の都の財源超過額を追加措置検討の根拠といたしております。しかし、これは国の物差しで都の財政需要を過少に算定した値にすぎず、実態を正確に表してはおりません。
 例を挙げますと、都は、通勤や通学による昼間流入人口が三百万人を超えておりますが、交付税の算定上、七十二万人分しか考慮されておりません。また、警視庁は、国会等の重要施設の安全確保など首都を守る警察活動を担いますが、こうした都特有の需要が十分に反映されておりません。
 さらなる不合理な見直しを進める動きには、ファクトを示して反論するとともに、国などに対しまして、地方の責任と役割に応じた地方税財源全体の拡充を働きかけてまいります。
 なお、その他の質問につきましては、副知事、警視総監、教育長、都技監及び関係局長からの答弁といたします。
   〔副知事宮坂学君登壇〕

○副知事(宮坂学君) 東京アプリの機能強化についてでございますが、アプリは、都民と行政とをつなぐ基盤であり、これを一人一人の暮らしに役立つ存在となるよう、利便性を絶えず高めていくことが欠かせません。
 そのため、都は、今後アプリで利用可能となるサービスの展開策を先般公表いたしました。これに基づき、まずは子育てや介護等、ライフステージに応じた情報をプッシュ型で配信するとともに、行政サービスのログイン時に改めて入力を求めることがなく、手続しやすい環境を整えてまいります。
 また、現在準備を進めている東京ポイントの交換先となる決済事業者の早期追加にも取り組んでまいります。
 あわせて、アプリでスムーズに都立等の公共施設に入場できるデジタル都民証機能や個々の状況に応じた支援情報等を生成AIが検索、整理して案内する機能の開発にも着手いたします。
 こうした取組を一つ一つ着実に積み重ねることで、アプリを育て、都民の皆様に暮らしの中で必要な情報や手続、支援が確実に届く体験を広げてまいります。
   〔警視総監筒井洋樹君登壇〕

○警視総監(筒井洋樹君) 熊の出没に対するこれまでの取組と今後の対応についてご質問がありました。
 警視庁ではこれまでも、市町村や東京都と連携し、迅速な情報共有と対処のための協力体制を構築するとともに、熊の出没時には避難誘導、現場周辺の立入り規制、警戒活動等を実施してまいりましたが、最近、都内においても熊の出没状況に変化が見られ、住民の不安も高まっていることから、今般、追加的な対策として、熊駆除対応プロジェクトチームを設置いたしました。
 プロジェクトチームでは、市街地及びその周辺に熊が侵入し、区市町村による緊急銃猟等が行われるか不明である場合などに、現場対応ユニットを出動させ、現場の状況を踏まえつつ、自治体等と連携して安全確保措置等を実施した上で、ライフル銃を使用して熊の駆除を実施することとしております。
 当庁といたしましては、地域住民の安全確保を最優先に、地元自治体等と緊密に連携しつつ、熊による人身被害の防止に万全を期してまいります。
   〔教育長坂本雅彦君登壇〕

○教育長(坂本雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、不登校への対応についてでございますが、不登校やそうした傾向のある子供への対応を進める上で、経験や知識の豊富な教員が学校を訪問し、支援することは効果的でございます。
 これまで都教育委員会は、中学校で不登校の続く生徒を受け入れるチャレンジクラスを設け、担当の教員が指導等を行う仕組みを導入しております。また、このクラスがない場合、不登校に係る様々な知識等を持つ教員が学校を巡回し、対応の方法の助言などを行ってまいりました。
 こうした巡回による取組では、学校に通う意欲を高めるほか、通学が困難になった際にも速やかな対応ができる事例は多い状況がございます。今後、これらの成果を踏まえた不登校への支援に力を入れてまいります。
 次に、都立学校の校外の移動の安全対策についてでございますが、都立学校の部活動や修学旅行等において、安全な交通機関を利用し、移動をすることは不可欠でございます。
 都教育委員会では、部活動の合宿や修学旅行等に関し、計画づくりに指導を行うなど、安全面の確認を行ってまいりました。その際、公正で中立な立場からの内容である確認も行っているところでございます。
 今回の二つの重大な事故を受け、改めて交通機関の利用状況を調べ、安全の確保を確認いたしました。これを踏まえまして、安全対策の強化に向け、学校ごとの危機管理のマニュアルの充実を進めております。また、交通機関の利用に係る適切な手続や現地での状況を確認するチェックリストを学校に配付し、移動の安全性を高める工夫も行いました。
   〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕

○東京都技監(谷崎馨一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、踏切対策の推進についてでございます。
 都はこれまで、平成十六年策定の基本方針に基づき、計画的かつ効率的に踏切対策を進めてまいりました。
 一方、方針策定から約二十年が経過する中で、人中心のまちづくりや技術革新等、時代の変化を踏まえ、踏切対策を実施していくことが重要でございます。
 今月改定する基本方針では、交通渋滞の解消に加え、新たにウオーカブルの観点なども含め、三百八十二か所の踏切を抽出し、鉄道立体化のほか、踏切事故の抑止に資するAIなどの新技術も活用した対策等を重点的に実施、または検討することといたしました。
 憩い、交流できる都市の実現を目指し、関係者と連携しながら、踏切対策を着実に推進してまいります。
 次に、屋外広告物の活用等についてでございます。
 屋外広告物は、都市景観の重要な構成要素の一つであり、環境の変化に適切に対応することが必要であることから、屋外広告物の活用等につきまして、本年四月に広告物審議会へ諮問を行いました。
 審議会では、来街者が多い地域での積極的な広告物の活用により、地域の個性を引き出し、東京のプレゼンスを高めることも必要との意見がございました。
 今後、規制に加え、まちづくり団体等の自主的な審査により、歴史や文化など、地域特性を踏まえた良質な広告物を誘導する仕組みを構築するなど、広告物の活用による魅力的な景観の創出について検討を進めてまいります。
 最後に、築地まちづくりについてでございます。
 都はこれまで、埋蔵文化財調査に当たりましては、関係法令に基づき、教育庁などの関係機関と協議を行いながら適切に対応してまいりました。
 地区東側にて出土した明治期の海軍遺構につきまして、先月、有識者から一部を移設し、保存することが必要という意見が示されたことから、関係機関等との協議により、当該遺構につきましては移設保存することといたしまして、今後、具体的な検討を進めてまいります。
 また、歴史や文化等の正しい理解の形成に向け、都民等に対し、来月、今回出土した遺構の発掘調査の現場公開の機会を設けてまいります。
   〔産業労働局長吉村恵一君登壇〕

○産業労働局長(吉村恵一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、化石燃料由来の原材料からの転換についてでございます。
 都内の産業力強化に向けては、国際情勢等に左右されず、安定的に利用できる素材や製品の実装を進めていく必要がございます。
 この流れを生み出すため、ナフサを原料としない素材の開発への支援を開始し、専門家による助言や連携企業とのマッチング等を行うとともに、三年間で最大六億円を支援いたします。
 また、代替素材への切替えや原材料の縮減に必要な設備の導入等を図る中小企業に対し、補助率五分の四、上限額二千万円の支援を行います。
 こうした事業者の挑戦を後押しすることで、成長を生み出す強い産業基盤を育ててまいります。
 次に、カスハラ対策奨励金についてでございます。
 本年三月の受付では先着順としたため、募集開始時に申込みアクセスが集中し、システムの不具合により申請画面につながらない事象が生じるとともに、二千件の枠が短時間でいっぱいとなりました。
 こうした状況を踏まえまして、今月二十五日に開始する今年度第一回募集では、申込みアクセスの処理能力をこれまでの二倍以上に強化するとともに、一定期間、事前エントリーを受け付ける方式に改め、申請機会を確保し、件数も二千五百件に拡大いたします。
 今回の対応で得たノウハウを、職場環境整備に係る他の施策を実施する際にも活用し、より一層、利用者目線に立った運用となるよう取り組んでまいります。
 最後に、新たな漁業モデルについてでございます。
 気候変動により漁場の環境が悪化する中、持続可能な漁業を実現するには、先端技術の活用など、新たな視点での取組が求められております。
 このため、都は、今後の漁獲対象となる魚種の検討に加え、東京に適したコンパクトな施設での陸上養殖のモデル構築に新たに取り組みます。
 多摩地域では、先進技術を持つ企業や漁協と協力し、特産のヤマメを海水飼育でサクラマスに成長させる技術の開発を進めます。また、湧水が豊富な神津島村と連携し、チョウザメの養殖に取り組む事業を開始いたします。
 これらの養殖技術を確立することで、生産基盤の強化と高付加価値化を実現してまいります。
   〔環境局長宮澤浩司君登壇〕

○環境局長(宮澤浩司君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、資源循環の高度化についてでございますが、資源を安定的かつ安価に確保していくためには、質の高い再生素材の供給や、リサイクルの拡大に資する設備の導入を支援することが重要でございます。
 これまで都は、金属やプラスチック等の高度な破砕や選別のほか、リサイクルを行う設備を導入する事業者に対し、その設置を後押ししてございます。
 今年度は、資源高騰による再生材の需要の増加を受け、AIやデジタル技術を活用したプラスチック処理設備の支援件数を拡充するほか、支援を希望する事業者への丁寧な技術的サポートによりまして、円滑な導入につなげてまいります。
 これらによりまして、再生資源の供給体制の充実を図ってまいります。
 次に、低公害低燃費車導入義務制度についてでございますが、自動車を多く使用する事業者が、環境性能の高い車の導入等に取り組むには、事業者のさらなる取組を誘導する仕組みの構築が重要でございます。
 都はこれまで、低公害車の導入の義務づけに加えまして、非ガソリン車等も義務対象とするなど、自動車からのCO2排出削減を進めてまいりました。
 今後、非ガソリン車の導入義務率を大きく引き上げるとともに、EV、FCVの導入をより評価するよう、換算率を二台から三台に改めます。
 また、新たに優良な事業者を表彰し公表する制度を設けるほか、AI配送等の先進事例の見える化等によりまして、事業者の取組意欲を高めてまいります。
 最後に、体系的なツキノワグマ対策についてでございますが、熊の出没を抑え人への被害を防ぐには、地域の実情に応じた出没対策や、増加する熊を広域的な視点で適切に管理することが重要でございます。
 都はこれまで、電気柵の設置など、市町村が行う人里との緩衝帯創出等の取組に対しまして積極的に支援するほか、出没情報の発信や緊急銃猟時のハンター派遣等の対策を講じてまいりました。
 今年度は、専門家や現場の声を踏まえまして、新たに問題個体の捕獲等の対策を強化する管理計画を策定し、市街地での出没対策や熊を寄せつけない環境づくり等の取組を総合的に推進してまいります。その際、山梨県など隣県とも連携し、効果的な対策を講じてまいります。
   〔福祉局長高崎秀之君登壇〕

○福祉局長(高崎秀之君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、単身高齢者への支援についてでございますが、今後、大幅な増加が見込まれる単身高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、医療、介護、住まい、生活支援などが地域の中で一体的に提供されることが必要でございます。
 都は、高齢者保健福祉計画に基づき、地域包括ケアシステムの深化、推進に取り組んでおりまして、区市町村が行う見守り事業や高齢者の居場所づくり、単身高齢者などを対象とした総合的な相談窓口の設置などを支援してまいりました。
 今後、次期計画の策定に向けまして、関係団体や区市町村などの意見、高齢者の生活実態調査等も踏まえまして、単身高齢者を支える取組の推進について検討してまいります。
 次に、介護支援専門員への支援についてでございますが、都は、法定研修の受講料補助や居住支援特別手当の支給、事務職員の雇用など、介護支援専門員の処遇改善や負担軽減に取り組む居宅介護支援事業所を支援してまいりました。
 今年度は、新たに、加算の取得による収入の増加などに取り組む事業所に対し、専門家派遣の経費を上限四十万円、補助率十分の十で支援いたします。
 また、法定業務以外のいわゆるシャドーワークにつきまして、地域の社会資源を活用して分担する仕組みづくりや、相談窓口を設置する区市町村を支援いたします。
 今後、次期高齢者保健福祉計画の策定に向け、関係団体の意見なども踏まえまして、介護支援専門員への支援の推進について検討してまいります。
 次に、障害児を育てる家庭への支援についてでございますが、障害児ときょうだい児を含むその家族が身近な地域で安心して生活していくためには、障害児本人の支援に加えまして、家族に対する支援も重要でございます。
 障害児を育てる家庭では、障害児の特性への配慮や他のきょうだい児の育児との両立など、特有の悩みを抱えておりまして、都は、家族の一時的な休養などを目的とした短期入所施設の整備促進や開設準備への支援などを行っております。
 今後、次期障害者・障害児施策推進計画の策定に向け、当事者や家族から意見を聞きながら、きょうだい児を含む家族全体を支える観点も踏まえまして、効果的な施策を検討してまいります。
 次に、障害者の芸術文化活動についてでございますが、障害のある方が芸術文化活動を通じて個性や能力を発揮する場や機会を確保することは重要であり、都は、障害者総合美術展の開催や、活動を支える人材の育成などに取り組んでおります。
 また、東京で開催される全国障害者芸術・文化祭につきまして、活動に親しむ経験の少ない方も参加できるよう、福祉施設などへ積極的に働きかけるほか、当事者が多く集まるイベント等で周知するなど、機運を高めてまいります。
 今後、次期障害者・障害児施策推進計画の策定に向け、多くの当事者が継続的に芸術文化活動に関わり、障害の有無にかかわらず誰もが活動に触れられる取組の推進について検討してまいります。
 次に、保育サービスの充実についてでございますが、都はこれまで、保育所等の整備促進、人材の確保、定着の支援、利用者支援の充実など、区市町村と連携して保育サービスの拡充に取り組んでまいりました。
 また、施設内の余裕スペースなどを活用して児童の受入れを行う保育所等に対しまして、運営費や事業開始に必要な経費を補助するなど、保育ニーズに柔軟に対応する取組を支援しており、望む人が保育サービスを利用できるよう区市町村に活用を働きかけてまいります。
 あわせて、区市町村が地域の実情に応じて保育サービスの充実に取り組めるよう、ベビーシッターや認証保育所に加えまして、幼稚園の活用も進めてまいります。
 最後に、ユースクリニックについてでございますが、事業開始に当たりまして、ユースクリニックは安心して気軽に相談でき、性や健康に関する正しい知識を得られる場所であることを若者に的確に伝えていくことが重要でございます。
 このため、都は、思春期に知っておきたい健康情報を発信するウェブサイトに特設ページを開設しまして、ユースクリニックの取組等を分かりやすく掲載いたします。
 また、SNSなどにより集中的に広報するとともに、わかさぽと連携しまして、若者が集まる学園祭やイベントにブースを出展するなど、対面によるPRも実施いたします。
 こうした取組によりまして、若者が安心して相談できるようユースクリニックの認知度を高めてまいります。
   〔住宅政策本部長山崎弘人君登壇〕

○住宅政策本部長(山崎弘人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、高齢者の住まいについてでございますが、単身高齢者の増加が見込まれる中、高齢者が孤立せず、安全・安心に暮らせる住環境は重要でございます。
 このため都は、昨年度までの先導事業を踏まえ、高齢者いきいき住宅認定制度をこの夏開始し、見守りやコミュニティ形成等に配慮された賃貸住宅の供給促進を図ってまいります。その際、区市の居住サポート住宅制度との連携等により、福祉サービスへのつなぎなど入居者のニーズに応じたサポートの提供等の取組も誘導いたします。
 今後、高齢者が様々な住宅で必要なサポートを受けられる環境のさらなる充実に向け、住宅政策審議会の議論等も踏まえ、必要な対策を検討してまいります。
 次に、東京とどまるマンション制度についてでございますが、マンションにおける在宅避難を一層推進するためには、防災機能の充実と防災意識の向上が重要でございます。
 都は今般、防災訓練の実施等をとどまるマンションの登録要件とし、エレベーター閉じ込め防止対策など、取組に応じて五段階で評価する制度に見直しをいたしました。
 併せて取組を後押しするため、備蓄資器材の補助上限額を六十六万円から百万円とし、町会等と合同訓練を行う場合は、さらに百五十万円に引き上げるなど支援を強化いたしました。
 今後、管理組合向けセミナーの開催や、携帯トイレ、圧縮タオル等をまとめた防災キットの小学生への配布等を通じまして、本制度の意義や取組効果を広く周知し、東京の防災力向上につなげてまいります。
    〔デジタルサービス局長高野克己君登壇〕

○デジタルサービス局長(高野克己君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京アプリ生活応援事業についてでございます。
 本事業への円滑な参加に向け、都はこれまで、「広報東京都」での周知や申請方法等を説明したチラシ等の配布、コールセンターでのきめ細やかな支援等を行ってまいりました。今後は、取組をより充実させてまいります。
 具体的には、スマートフォンの操作等が苦手な方々に対し、スマホサポーターの協力も得ながら、都庁舎等を活用し対面型でサポートいたします。また、区市町村と連携し出張型で支援いたします。
 加えて、認知症や身体、精神、知的障害等を抱え、自ら操作が困難な方に対する代理申請の早期実施を目指し、申請方法等の具体化を現在進めており、多くの方々にアプリからサービスを届けられるよう取り組んでまいります。
 次に、事業者向けサービスの利便性向上についてでございます。
 一つのIDであらゆるサービスを簡便かつ安全に利用できる環境を整備し、手続に要する時間を短縮することは重要でございます。
 都は、GビズIDを軸に事業者データの整備、活用を進めており、企業や医療機関向け等、約半数の補助金申請で、一度登録した情報の再入力が不要となっております。
 今後、さらなる対象拡大に向け、利用の多い手続からGビズIDへの一元化を進めてまいります。あわせて、手続ごとに分散する情報を一つのIDで連携させ、利用実績に基づく最適な施策を事業者に届けてまいります。
 また、関係団体と連携し、ID取得促進に取り組むこと等を通じ、さらなる利便性向上につなげてまいります。
 最後に、全庁システムの脆弱性対策についてでございます。
 高度化するサイバー攻撃から都民サービスを守るため、システムやネットワーク機器の状況を把握し、脆弱性対策を着実に行うことが重要でございます。
 そのため、都が昨年度立ち上げたサイバーセキュリティセンターでは全庁システムを常時監視しており、外部からの脆弱性が発見された際は、GovTech東京と連携して各局の対応を支援しております。
 今後、AIを活用した監視に加え、特に重要なシステムについては、攻撃者の視点でシステムの運用開始前に脆弱性の有無を確認するなど、取組をさらに強化し、都民サービスの安定的な提供につなげてまいります。
   〔建設局長久野健一郎君登壇〕

○建設局長(久野健一郎君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立動物園等における移動支援についてでございますが、恩賜上野動物園をはじめとする動物園、水族園では、高齢者、障害者、子供など誰もが安心して移動できる手段を提供することは重要でございます。
 例えば、高低差のある多摩動物公園では、園内の移動手段としてシャトルバスを運行し、車椅子利用者を含め多くの来園者に利用していただいております。三月からは、高齢者や歩行困難な方を対象に電動カートを貸し出すなど、多様な移動手段を提供しております。
 今後、車椅子利用者等への円滑な移動を一層支援するため、新たな技術も活用した機器の導入などにより、誰もが移動しやすく、利便性の高い都立動物園、水族園を実現してまいります。
 次に、中小河川整備の取組についてでございますが、豪雨から都民の命と暮らしを守るためには、護岸や調節池等の整備が重要でございます。
 都はこれまでに、四十六河川、三百二十四キロメートルを対象に、約七割の護岸を整備し、八か所の分水路と三十か所の調節池を稼働させてきました。今年度は、神田川等の護岸や善福寺川上流地下調節池等の工事を行います。
 このうち、谷沢川分水路等二施設で新たに取水を開始し、豪雨時の水位上昇を抑制いたします。さらに、将来の気候変動に備え、地下河川の事業化に向けた取組を推進してまいります。
 こうした取組をはじめ、ソフト対策を含めた治水対策を進め、水害に強い都市を実現してまいります。
   〔生活文化局長古屋留美君登壇〕

○生活文化局長(古屋留美君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、国民文化祭についてでございますが、この文化祭は、毎年都道府県の持ち回りで実施される文化の祭典でございまして、全国障害者芸術・文化祭と一体的に開催されております。
 来年度の東京開催では、音楽、舞台芸術等の全国大会や、障害のある方の美術作品の発表に加えまして、地域の特色を生かした様々な催しを行います。
 東京での文化祭においては、障害の有無や世代を超えて誰もが参加し、芸術文化の魅力を実感できるよう、今年から新たに実施する国際文化芸術祭、ARTE TOKYOなど、東京ならではの多彩な文化事業を生かしまして、国や関係局、関係団体を巻き込みながら着実に取り組んでまいります。
 次に、私立学校の校外活動での安全対策についてでございますが、子供の様々な学びの中で安全確保を徹底することは大変重要でございます。今回のバス事故等を受け調査を行ったところ、七割の学校が借り上げバス、二割が船舶、一割がレンタカーを利用し、全学校が安全確保に適切に取り組んでいることが分かりました。
 さらなる安全確保に向けて、今般、学校の確認用に提供したチェックリストを現地での指導において確認するほか、国の通知を踏まえ、法令を遵守し、公正、中立で適切な教育活動を行うべきことも周知いたしました。
 さらに、学校に危機管理マニュアルの改定を促し、取組を強化する際の疑問等の相談も受け付けております。
 引き続き私立学校への安全確保の徹底を働きかけまして、取組をサポートしてまいります。
    〔都民安全総合対策本部長竹迫宜哉君登壇〕

○都民安全総合対策本部長(竹迫宜哉君) きみまも@歌舞伎町についてでございますが、利用者の中には様々な悩みを持ち、市販薬、処方薬の過量服薬に至る者も多く、適切な支援につなぐことができる体制の構築が重要でございます。
 これまでも、看護師の配置に加え、薬物依存症に関する専門的知識を有する心理職をアドバイザーに迎えるなど、体制強化を図ってまいりました。本年四月には、薬物乱用防止等に関する研究を行っている国立精神・神経医療研究センターと覚書を締結し、支援の充実に向けた協力体制を構築いたしました。
 今後、センターの研究員による相談対応の支援や民間団体も交えた研修等を通じて、生きづらさを抱え、歌舞伎町を訪れる若者の支援につなげてまいります。
   〔保健医療局長山田忠輝君登壇〕

○保健医療局長(山田忠輝君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに麻疹対策についてでございますが、麻疹の予防にはワクチン接種が有効とされております。このため、都は、接種率向上を図るため、本年三月にこどもの予防接種ポータルサイトを開設し、年齢ごとの定期接種のスケジュールや予防接種の必要性等を分かりやすく周知いたしました。
 また、今年度から接種費用を助成する自治体への支援を強化しております。
 さらに、都内感染者の急増を受け、患者と接触後七十二時間以内の方に対し、発症予防効果が期待できる緊急接種を先月都内八病院で開始いたしました。今後、対応可能な医療機関を百二十か所程度まで拡充してまいります。
 こうした取組によりまして、麻疹の感染拡大を防止してまいります。
 次に、受動喫煙対策についてのご質問についてでございますが、都はこれまで、健康増進法及び東京都受動喫煙防止条例の趣旨やルールが事業者や都民に正しく理解されるよう、リーフレットやホームページを活用した普及啓発等を実施してまいりました。
 令和七年度の飲食店における受動喫煙防止対策実態調査では、法や条例の認知度が九割程度である一方、施設管理者の責務の認知度は七割程度であり、さらなる周知が必要でございます。
 今後、飲食店へのルールの浸透を図るため、保健所設置区市とも連携して直接働きかけを行ってまいります。
 また、十一月の肺がん啓発月間に合わせましてキャンペーンを実施するなど、受動喫煙対策を一層推進してまいります。
   〔財務局長田中慎一君登壇〕

○財務局長(田中慎一君) 都発注工事についてでございますが、事業者が不安なく働くことができる環境の整備は重要でございます。
 これまでも、熱中症対策に必要な費用の計上や猛暑日を考慮した工期設定などを行ってまいりました。
 今年の夏の新たな取組といたしまして、一斉休工など猛暑の時期等を避ける工期上のさらなる工夫や、新規、既存の契約で作業効率の低下に伴う労務費の割増しを行ってまいります。
 また、中東情勢の影響を踏まえまして、契約金額や期間の変更に柔軟に対応するよう各局に周知するとともに、都の取組を定例の会議体等を通じて区市町村にも共有してございます。
 こうした取組を通じまして、区市町村とも連携を図りながら、事業者の安全・安心への取組を進めてまいります。

○議長(増子博樹君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時三十六分休憩