令和八年東京都議会会議録第四号〔速報版〕

○副議長(菅野弘一君) 七番漢人あきこさん。
〔七番漢人あきこ君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○七番(漢人あきこ君) 最後の質問になりました。もう一頑張りお願いいたします。
 通告に従い、五項目の質問をします。
 まず、都市計画道路の整備方針と、はけと野川を壊す小金井二路線についてです。
 昨年末に、第五次事業化計画案が発表され、一月末までパブリックコメントが実施され、三月末に新たな十五年間の計画が確定することになります。
 ところが、交通量の将来推計などのデータを用いて都市計画道路の必要性の検証等を実施したとされていますが、その交通量推計の情報は一切公開されていません。各自治体への意見照会の結果や各検討組織での検討経過の資料も、パブコメが終了するまで市民にも、議会にさえも公開されませんでした。
 東京のまちづくりの柱ともなる都市計画道路の事業化計画の検討、作成プロセスの情報公開が極めて不十分です。こうした閉鎖的なやり方は、これは知事の姿勢にかなっているものなのでしょうか、お伺いします。
 そもそも、半世紀以上前の都市計画を事実上そのまま踏襲しようとする姿勢は、国が都市計画運用指針等で繰り返し求めている見直しの方向性とも相入れない、保守的で非合理的なものです。
 道路の必要性の評価、地域、自治体の主体的な判断の尊重において象徴的な問題となっているのが、小金井の二路線です。
 十年前の第四次事業化計画で、小金井三・四・一号線、三・四・一一号線は優先整備路線に選定され、第五次事業化計画案では、三・四・一号線は計画内容再検討路線に変更され、三・四・一一号線は再び優先整備路線とされました。
 この十年、小金井市民は様々な機会を捉え、そして様々な方法で二路線の中止を求めてきました。
 こちらは、一月のパブコメに向けて環境団体が作成したイラストです。
 都は、橋を架けることによって自然環境への配慮をするとしていますが、その間違いを指摘しています。知事と技監には、お手元にも同じ資料をお届けしましたので、よくご覧ください。
 小池知事も初の知事選においては、知事に就任したら、実際に巡視し、市、市議会、地域住民の皆様とも対話し、必要に応じ、見直しを進めていきたいと市民団体のアンケートに答えています。
 小金井市議会は、中止、見直しなどを求める意見書を十三回、昨年九月には、優先整備路線にしないことを求める意見書を可決、知事に提出しました。
 私、漢人あきこは、中止、見直しを公約して、一人区の小金井市選挙区で昨年六月、再選を果たしました。はけと野川を壊す道路は要らないとする小金井市民の民意は、再三にわたり示されてきました。
 また、このエリアは国が指定した都内唯一の自然再生地域と重なり、長年、都と市民団体は協働で生物多様性の保全、再生に取り組んできました。今ではオオタカ、フクロウなどの猛禽類や、重要種も動植物百種近くが確認され、都市近郊においては極めて貴重な自然がよみがえってきています。
 国分寺崖線と湧水、野川、武蔵野公園が一体となったこのエリアは、東京の水と緑のネットワークにとっても欠くことができない地域です。そこを道路で分断して、二〇二三年に策定された東京都生物多様性地域戦略に逆行するべきではありません。
 以上のことから、知事に小金井三・四・一一号線、三・四・一号線を優先整備路線としない決断を求めます。いかがですか。
 今回、小金井三・四・一号線は計画内容再検討路線とされましたが、その事由は、当該区間は、高低差が大きいほか、国分寺崖線と斜めに交差している。道路構造や周辺道路との交差方法などの課題について、地形地物の状況等を踏まえた検討が必要とあります。
 調布三・四・一〇号線もほぼ同様の事由で、今回も計画内容再検討路線になりました。
 小金井三・四・一一号線は、まさにこれらの事由が当てはまります。計画内容再検討路線としなかった具体的な理由をお示しください。
 そして、数年前から、都や市民の長年の努力が実り、野川の道路予定地近くでゲンジボタルが自然発生するようになりました。五から六月頃にはその姿を楽しむことができます。
 小池知事も、十年前の巡視の約束を果たすことも併せて、ぜひお越しいただき、この辺りの自然の豊かさ、生物多様性のすばらしさを実感していただきたいと思いますが、いかがですか。
 次に、物価高騰対策と家賃補助制度について伺います。
 物価高騰対策は的を絞って行うのが効果的であり、一律支援は税金の無駄遣いではないでしょうか。
 例えば、消費税減税の食料品非課税の場合は、高所得者は低所得者に対して約二倍のメリットがあり、一律五%減税の場合は、約三倍のメリットがあるとの試算が大和総研から示されています。
 物価高騰対策は、低所得者に的を絞って行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 今、大きな問題となっているのは、物価高騰の影響で賃貸住宅の家賃もここ数年で大きく上昇していることです。とりわけファミリー世帯向けの住宅は高騰が激しく、婚姻件数は年間七千五百件を超えていますが、東京都のアフォーダブル住宅の促進政策は、年間で数百戸と極めて不十分です。
 他方で、ファミリー向けほどではありませんが、単身低所得者向けの家賃も値上がりし、実質賃金のマイナスが続き、住宅費の負担は生活苦の要因になっています。
 しかし、東京都の単身、低所得者への支援は、都営住宅以外はほとんどありませんし、都営住宅の拡大の方針もありません。
 低所得者に的を絞った住宅政策が求められているのではないでしょうか。答弁を求めます。
 EU諸国では、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンなど多くの国が、低所得者に的を絞った住宅手当を実施しています。
 東京都も家賃補助や住宅手当を検討するべきだと思いますが、いかがですか。
 次に、気候危機対策について伺います。
 アメリカ・トランプ政権が、パリ協定も気候変動に関する政府間パネルIPCCも脱退したこともあり、気候対策は停滞しています。
 既に温水域のサンゴ礁はティッピングポイントを超えて、絶滅へと不可逆的に進行してしまうとする研究報告、グローバル・ティッピングポイント・リポートが昨年十月に出されました。将来世代は、確実にサンゴ礁を見ることができなくなってしまうのです。
 また、世界の平均気温の上昇を産業革命以前と比較して一・五度Cに抑えるという国際的な目標達成が困難なことが、残念ながら確実視されています。
 グリーンランドや西南極を覆う氷河、氷床の融解のティッピングポイントは、一・五度Cです。その場合、十メートルの海面上昇も避けられず、世界で約十億人、日本で約三千六百万人、東京都では四百万人が移住を強いられることになります。
 このティッピングポイントの認識についてお伺いします。
 都は、二〇三五年の温室効果ガス削減目標を、IPCCの提言とほぼ同じ二〇〇〇年比で六〇%以上としていますが、これは世界全体の目標であり、歴史的に大量に排出し、資金的にも余裕のある先進国は、六〇%以上の削減が求められています。
 国際エネルギー機関IEAは、先進国は二〇二二年比で八〇%削減を提言しています。この提言を東京都に当てはめれば、二〇〇〇年比で八二%の削減となります。都の削減目標とは二〇%もの差があり、都の目標が低過ぎることは明らかです。
 東京都の削減目標をさらに引き上げることが求められていると思いますが、いかがですか。
 次に、多文化共生施策について質問します。
 都は、昨年六月、多文化共生推進指針を更新しましたが、その後の参議院選挙以降の排外主義の急速な拡大に、都の取組が停滞、逆行することを危惧してきました。
 しかし、十一月には、全国都道府県知事会が、多文化共生社会の実現を目指す全国知事の共同宣言を発し、そして本定例会の施政方針でも知事は、多様性にあふれ、調和の取れた真の共生社会をつくり上げていくと述べられたことを歓迎します。
 一月に浜松市を視察しました。意欲的な、とても参考になるお話を伺ってきました。
 浜松市は、世界百六十都市が加盟する多文化共生の世界最大規模のネットワーク、インターカルチュラル・シティに二〇一七年にアジア初の都市として加盟し、多文化共生施策を先進的に推進しています。
 都においても、先進自治体の事例も参考にしながら、多文化共生施策をさらに進めるべきだと考えますが、見解を伺います。
 また、地域日本語教育の推進は多文化共生推進指針にも掲げられていますが、特に生活者としての日本語教育は重要です。浜松市はじめ先進自治体の取組に学び、有効なカリキュラムの速やかな構築、実施を求めます。いかがですか。
 最後は、カスタマー・ハラスメント防止条例についてです。
 私は、昨年十一月、神宮外苑再開発に関する都民活動の現場を見守り、都の業務を監視する議員活動に対してカスハラの疑いがあったとされ、その調査に協力しました。
 ところが、その後、調査結果は報告しないとのことで、さらに関連する個人情報の開示請求に対しても全面非開示とされています。疑いをかけたまま放置することは、これは名誉毀損、人権侵害ではないでしょうか。
 カスハラ条例には就業者を守るために賛成しましたが、事業者としての都の運用には問題があることを指摘し、今後の改善に向けて質問します。
 カスハラ対応は、事案の発生した各局当該部署と関係部署が連携して、必要な対応を行うこととされていますが、記録等の対応はばらばらだということが分かりました。
 都全体での実態の把握や事例の共有を行うため、必要文書の統一や情報の集約は必須だと思いますが、いかがですか。
 また、条例策定過程でも特に危惧されていた行政サービス利用者等の権利の不当な侵害、また、議員活動への考慮など、ガイドラインの徹底や研修が必要ではないかと思いますが、いかがですか。
 再質問を留保して、答弁を求めます。(拍手)
〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕

○東京都技監(谷崎馨一君) 漢人あきこ議員の一般質問にお答えいたします。
 私からは四点のご質問にお答えいたします。
 まず、都市計画道路の整備方針についてでございます。
 策定に当たりましては、学識経験者による委員会や、都と区市町による検討会議等で議論しており、その都度、議事要旨を公開しております。
 また、中間のまとめや整備方針案の公表と併せ、パブリックコメントやオープンハウスを実施し、都民意見の把握を行っております。
 次に、整備方針における路線の位置づけについてでございます。
 優先整備路線につきましては、委員会や検討会等での議論やパブリックコメント等を実施しており、客観的な六つの項目により、具体的な路線を選定してまいります。
 次に、小金井三・四・一一号線についてでございます。
 本路線は、整備方針案におきまして、交通の円滑化や安全性の向上といった複数の選定項目に該当することから、優先整備路線として選定しております。
 最後に、小金井市内の都市計画道路についてでございます。
 小金井市の二路線は、広域避難場所へのアクセス向上や、生活道路への通過交通抑制による地域の安全性向上などに資する重要な路線でございます。
 様々な現場の視察につきましては、状況を踏まえて対応しております。
〔財務局長山下聡君登壇〕

○財務局長(山下聡君) 物価高騰対策に関するご質問にお答えいたします。
 都はこれまでも、都民生活を守るため、きめ細かな施策を講じてまいりました。令和八年度予算におきましても、生活困窮者等に向けたフードパントリー緊急支援事業や、住居を失い不安定な就労に従事する方への支援事業など、必要な取組を実施することとしております。
〔住宅政策本部長山崎弘人君登壇〕

○住宅政策本部長(山崎弘人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、低額所得者等の住宅の確保についてでございますが、都は、低額所得者などの住宅確保要配慮者の居住の安定確保のため、都営住宅の供給に加え、民間賃貸住宅を活用した重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図っております。
 次に、家賃補助についてでございますが、対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担の問題のほか、生活保護制度との関係など、多くの課題があると認識しております。
〔環境局長須藤栄君登壇〕

○環境局長(須藤栄君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、気候変動についてでございますが、気候危機への対応は一刻の猶予もないことから、都は二〇五〇年ゼロエミッションなどの目標を掲げ、施策の強化拡充を図っております。
 次に、温室効果ガスの削減目標についてでございますが、都が昨年三月に公表した二〇三五年の削減目標は、国際的に求められる水準も踏まえ、エネルギーの大消費地としてさらなる削減に取り組む観点で設定しております。
〔生活文化局長古屋留美君登壇〕

○生活文化局長(古屋留美君) 二点のご質問についてお答えいたします。
 まず、多文化共生施策の推進についてでございますが、都はこれまでも、他自治体などの取組も参考にしながら、多文化共生施策を推進してまいりました。
 引き続き、地域住民と外国人の方々が共に安心して暮らせる共生社会の実現に向けて、取組を進めてまいります。
 次に、日本語教育についてでございますが、都はこれまでも、区市町村や民間団体に対し研修等を行い、カリキュラムの構築や実施を支援しており、来年度は、日本語教育の実態調査を実施いたします。
 引き続き、さらなる施策の充実を図ってまいります。
〔総務局長佐藤智秀君登壇〕

○総務局長(佐藤智秀君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、職員へのカスタマーハラスメントへの対応についてのご質問でございます。
 カスハラについては、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例やガイドライン等を踏まえ、弁護士等の助言も得ながら、適切に対応をしているところでございます。
 カスハラの態様は様々であることから、職員向け対応マニュアルでは、5W1H等、記載すべき事項を示し、個別の事案に応じた対応内容の詳細を記録することとしております。
 また、対応記録は関係部署で情報共有することとしているほか、総務局は、カスハラに関する実態把握や事例の共有を行うため、各局へ報告を求めることができることとしております。
 続いて、ガイドラインの徹底や研修の必要性についての質問にお答えをいたします。
 総務局では、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例やガイドライン等を踏まえ、職員向けの対応マニュアルを策定するとともに、カスハラに対する正しい理解と知識を深めるため、研修を実施しております。
 なお、カスハラについては、条例において、顧客等による著しい迷惑行為が就業者の人格または尊厳を侵害するなど就業環境を害し、事業者の事業の継続に影響を及ぼすものであるとの認識の下、社会全体でその防止が図られなければならないとされております。
〔七番漢人あきこ君登壇〕

○七番(漢人あきこ君) 再質問いたしますが、知事、ぜひお手元にお届けしたイラストの資料をご覧いただきたいと思います。
 蛍の自然発生は四十年に及ぶ市民活動の成果であり、この道路計画が壊そうとしている自然環境の象徴的な存在の一つです。知事、あなたが何を壊そうとしているのか、自ら現地に赴き、速やかに確認するべきです。知事の答弁を求めます。ぜひ資料をご覧ください。
 新年度予算の物価高騰対策は一千九百九十一億円ですが、答弁のあったフードパントリー支援などは十六億円でしかありません。所得に関わらないばらまきともいえる水道料金無償化は見直し、低所得者への有効な支援を行うべきです。これは財務局長が答えるべきことではありません。これも知事の答弁を求めます。
 カスハラ条例に関して私に起こったことは、これは明らかに恣意的で、不当で、不適切な運用です。そして、その情報は全面非開示のブラックボックスの中にあります。スタートしたばかりの重要な条例であるからこそ、都全体としての運用や研修の改善を強く求めます。
 少し丁寧な答弁がありましたけれども、現状は統一文書はなく、情報の集約も不十分な状態だということです。ぜひこの改善を強く求めて、私の質問を終わりたいと思います。ご答弁、よろしくお願いいたします。(拍手)
〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕

○東京都技監(谷崎馨一君) 漢人あきこ議員の再質問にお答えいたします。
 様々な現場の視察につきましては、状況を踏まえて対応しております。
〔財務局長山下聡君登壇〕

○財務局長(山下聡君) 物価高騰対策に関する再質問にお答えいたします。
 都はこれまでも、都民生活を守るため、きめ細かな施策を講じてきております。令和八年度予算におきましても、例えば、先ほど申し上げましたが、生活困窮者向けの事業や、住居を失い不安定な就労に従事する方への支援事業など、必要な取組を実施することとしております。

○議長(増子博樹君) 以上をもって質問は終わりました。