○副議長(菅野弘一君) 七十四番天沼ひろし君。
〔七十四番天沼ひろし君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕
○七十四番(天沼ひろし君) 国民民主党の天沼ひろしです。会派を代表して質問をさせていただきます。
東京都の将来人口推計によれば、令和二十七年の六十五歳以上人口は三百九十六万七千四百五十八人、令和二年比で七十七万三千百二十九人増、率にして実に二四・二%増です。超高齢化社会が訪れます。
知事の施政方針表明にもあるとおり、生き生きと心豊かに暮らし続けられる長寿社会を実現することは、都政の一つの大きな目標です。このため、都政は、介護、医療分野での福祉施策を充実させるとともに、孤独、孤立対策としての生きがいづくり、居場所づくりへと施策を拡大しており、高く評価するものであります。
ここで、私から新しい切り口での施策の展開について提案をさせていただきたいと思います。
我が党はこれまで、もっと手取りを増やすことを訴えてきました。私は、今後はこのことと同時に、少しずつ増えていく手取りをどのように支出していくか、それにより今をどのように幸せに生きるかも大切になってくると考えております。せっかく手取りが増えても、自分の現在の収支状況や将来の見込みを的確につかむことができなければ、将来に対する不安から消費を過度に抑えてしまい、幸せな状況とはいえないのではないでしょうか。
あるエコノミストの分析では、日本の家計の金融資産は十年前の二〇一五年には一千七百兆円余りでしたが、今、二〇二五年三月末時点では二千百九十五兆円と過去最高水準に達しています。この十年間で約五百兆円も増えているのです。資産と収入も人により様々なのは承知の上で、それぞれに充実した幸せな人生を過ごすためには、過度に消費を抑えることなく、安心してお金を使えることも必要だと考えております。
そこでお伺いします。
都民が充実した老後を過ごすためには、安心してお金を使えることも必要であり、家計管理や生活設計に基づき、限りある自らの資産をどう活用していくかなど、お金の使い方について学べるよう支援が必要と考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
次に、精神保健福祉費の中で、依存症対策について質問をいたします。
アルコールやギャンブル等の依存症は、早期に適切な支援につながることで回復が可能な病気である一方で、当事者が問題を自覚していなかったり、偏見などから相談や受診に結びつかず、問題が深刻化してしまうケースも少なくありません。その結果、周囲とトラブルを起こすなど家族も対応に追われ、精神的、経済的に大きな負担が及びます。
こうした状況を踏まえ、依存症の本人への支援を着実に進めていくと同時に、家族も含めて必要な支援につなげていくことが重要であると考えます。
都は、令和七年三月にギャンブル依存症に対する東京都ギャンブル等依存対策推進計画第二期を策定いたしました。計画期間は令和九年度までの三か年です。今までの対策を基に、新年度はいよいよ本格的、具体的に政策を一層進めていく重要な年になります。都民への理解を深め、本人への相談、支援はもとより、ギャンブル等依存症の特徴として家族の相談に乗っていくこと、特に克服した経験者や家族が同様の境遇にある方を支えるピア支援のような連携事業も非常に大切になってくると考えます。
そこで伺います。
アルコール健康障害やギャンブル等依存症は、患者本人だけでなく、家族も含めて適切な支援につなげていくことが重要であります。都として依存症対策にどのように取り組んでいくか、知事の見解を伺います。
次に、環境問題についてお伺いします。
まず、気候変動に対する既存住宅の脱炭素推進についてお伺いします。
ゼロエミッション東京の実現に向けては、家庭部門が三割を占め、重要な役割を担っており、特に七百万戸以上ある既存住宅における再生可能エネルギー導入や断熱化を着実に進めていくことが不可欠になります。
一方で、設計時から断熱や再エネ導入を反映できる新築と異なり、既に建築されている既存住宅の対策を進めることは容易ではありません。補助金を措置するだけではなく、実態を踏まえ、工夫を凝らした対策を進めることが重要です。例えば、初期費用が負担となるとの声も寄せられており、初期費用ゼロのサービスの普及を図っていくなど、都民の実態に即した対応が重要です。
また、既存住宅の断熱化については、特に賃貸住宅においてオーナーが断熱のメリットを感じにくいという課題があり、賃貸住宅の実情に応じた支援策を講じていく必要があります。
そこで、こうした課題を踏まえ、来年度に向けて、家庭部門対策として既存住宅への再エネ導入や賃貸住宅の断熱化に対する取組を一層強化していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
次に、電力の地産地消を目指した地域の面的な脱炭素についてお伺いします。
二〇三〇年カーボンハーフ、その先の二〇三五年目標の達成に向けては、個々の建物対策にとどまらず、地域の特性や課題を踏まえ、多様な主体が連携した面的な脱炭素の取組を広げていくことが重要です。一人一人の取組は、コミュニティづくり、地域づくりにつながる取組であり、レジリエントな地域社会を創造する意義を持ち、生み出された余剰電力も域内で助け合いのために使う新しい考え方に基づく取組を進めたいものです。
私の地元江戸川区では、昨年十二月に二十三区で初めて地域エネルギー会社を設立し、既存住宅に初期費用ゼロで太陽光パネルを導入し、江戸川区産電力を面的に地産地消する取組を開始しています。
都は今年度から、区市町村の面的取組を支援するゼロエミッション地区創出プロジェクトを開始しました。こうした意欲ある区市町村と都が一体となって取組を推進していくことで、地域全体の効率的な脱炭素化が進むと考えますが、今後の展開についてお伺いいたします。
次に、廃棄物対策についてお伺いいたします。
区部における清掃事業が二〇〇〇年に東京都から区へ移管され、四半世紀が経過しました。この間、各区では、地域特性を踏まえながら、創意工夫を生かしたごみ減量やリサイクル施策が着実に進められてきました。
最近多くのマスコミ等で取り上げられている二十三区の家庭ごみ有料化に関する報道に対しては、区民から我が会派へも様々な意見が寄せられています。ごみの最終処分場の埋立てスペースには限りがあり、一層のごみ減量を進めることは重要です。また、一九九〇年代に、ダイオキシン対策で全国的に緊急かつ集中的に整備、更新した清掃工場の建て替え時期が来ており、建設後、二十三区でも三十年ほど経過した清掃工場が十基余りあります。国の循環型社会形成推進交付金の条件として、工場の集約化や家庭ごみの有料化の検討をすることなどが推進交付金の条件として求められる時代になってきております。気候変動対策に取り組む上でも、今後建設される清掃工場をできるだけ小型化する必要があり、家庭ごみの減量、リサイクルの一層の推進は喫緊の課題といえるでしょう。
一方で、特別区の一層のごみ減量に向けては、都民、区民は、清掃事業が区に移管されて以来、たゆまない努力を重ねてきたことを忘れてはなりません。リサイクルや集団回収などの不断の努力は、今や生活の中にしっかり根づいております。この努力を無にしないよう、家庭ごみ有料化ありきではなく、都民の理解が得られる形で実効性の高い施策の検討を促すべきです。
そこでお伺いします。
都は、今年度末に、資源循環・廃棄物処理計画の改定を予定しておりますが、今後、さらなるごみ減量に向けて、区市町村と連携し資源循環施策をどのように進めていくのか、見解を伺います。
次に、東部低地帯の防災対策について質問します。
旧江戸川のスーパー堤防についてです。
スーパー堤防は、川沿いの再開発や公園などと連携をして一体的に整備を行うもので、地震に強くなるだけでなく、水辺に親しめる空間も提供しております。私の地元江戸川区においてもスーパー堤防が整備されており、堤防完成後は、大規模な水害が発生した場合は救助活動の拠点とすることが可能だと考えており、着実な整備が求められます。
そこで、旧江戸川におけるスーパー堤防の整備状況について伺います。
次に、震災対策、とりわけ発災時における水上ルートの運用についてお伺いします。
首都直下地震の発生は、今後三十年で約七〇%の確率といわれております。発災時には、液状化や火災延焼などにより甚大な被害が生じるおそれがあり、道路が通行できなくなることも想定されることから、河川や運河などを活用するなど、緊急時の輸送経路を多重化することが重要だと思います。
本定例会中の環境・建設委員会の中で質疑が行われる日程になっております大小二隻の防災船の建造により、合計四隻の防災船が建造されることとなります。都民にとって、発災時に河川や海からの避難物資、医薬品、あるいは人員の搬送について厚みを増すことが期待されております。
特に、江戸川区では、東京都のスーパー堤防事業と共同で旧江戸川に防災公園を建設中です。災害時には、災害時の状況によっては、区から江戸川と旧江戸川が合流する地点にできる本防災公園へ物資の輸送を依頼することもあり得ると考えます。
そこでお伺いします。
都が建造を進めている防災船を含めた船舶を利用した災害時対応をより実効性あるものとするため、水上ルートを円滑に運用できるよう備えを進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
最後に、今回、私は今日的な課題の中から令和八年度予算について質問させていただきました。特に冒頭申し上げました限りある自らの資産をどう活用していくかなどの問題は、私の今日の幸せを明日へ先送りしない都民生活を築こうという強い思いであり、そのために、知事はじめ都の職員の皆様と力を合わせて、都民と伴走するという都議としての私の基本姿勢に基づくものであります。ぜひこの点をお受け止めいただき、知事並びに関係局長のご答弁をお願いいたします。
以上で質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 天沼ひろし議員の一般質問にお答えいたします。
限りある資産の活用等についてでございます。
超高齢社会を迎える中、都民が充実したシニアライフを送るためには、生活設計を踏まえた資産活用の考え方等を身につけていただくことが重要でございます。
都は、退職などの生活環境の変化に柔軟に対応できますよう、シニア期における収入や支出等について学ぶセミナーや個別相談会を実施いたしております。また、市民講座への金融の専門家を派遣いたしております。
今後、金融経済教育推進機構など国の機関等と連携した個別相談や講座への専門家派遣の拡充などによりまして、都民一人一人の生涯を通じた豊かで充実した生活の実現を支えてまいります。
次に、依存症対策についてであります。
依存症は誰もがなり得る病気である一方、本人に病気という認識が薄いことから、家族や周りの方が早期に気づくことが重要であります。
このため、都は、アルコールやギャンブル等依存症対策の計画を策定しまして、正しい知識の普及啓発を行いますほか、本人や家族からの相談に応じております。
来年度は、依存症のポータルサイトを活用しまして、相談先などの情報を提供するほか、依存症の家族等が相談員として寄り添いながら対応する家族向けの相談会を開催いたします。
こうした取組によりまして、本人や家族を早期に必要な治療や支援につなげてまいります。
なお、その他の質問につきましては、関係局長が答弁をいたします。
〔環境局長須藤栄君登壇〕
○環境局長(須藤栄君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、家庭部門の脱炭素化の推進についてでございますが、既存住宅の再エネ導入や断熱化を加速していくためには、住宅特性を踏まえながら、都民ニーズに応じた支援策を講じることが重要でございます。
これまで都は、都民が初期費用をかけずに太陽光パネルを設置できるよう後押しするほか、賃貸住宅オーナー向けに専門家による断熱改修の伴走支援を行うなど、利用者に寄り添い取組を推進してまいりました。この結果、利用実績が伸びたため、来年度は初期費用ゼロの事業規模を大幅に拡大いたします。また、賃貸オーナーに対し、地域の金融機関や不動産事業者と連携し、実情に沿った支援を行います。
これらにより、既存住宅の脱炭素化を推進してまいります。
次に、地域の面的な脱炭素化についてでございますが、脱炭素化の加速に向けて、地域の実情に精通した区市町村が多様な主体と連携し、エリア全体で取組を推進することが重要でございます。
都は今年度、ゼロエミッション地区創出プロジェクトを開始し、市街地等エリアで地域エネルギー会社が中心となり、地産地消型の再エネ電力を創出する江戸川区と、再開発周辺エリアでRE一〇〇電力を重点的に導入する千代田区を選定いたしました。
今後は、五年間の財政支援と、各主体の取組や合意形成への伴走支援により、本事業の着実な推進を図るとともに、得られたノウハウや知見を横展開し、都内全域に脱炭素化の取組を広げてまいります。
最後に、今後の資源循環施策についてでございますが、さらなるごみ減量と再資源化に向け、区市町村などと協働し、都民の行動変容を促すことが重要でございます。
都は、資源循環・廃棄物処理計画の改定案において、循環経済への移行に向け、一般廃棄物排出量などについて全国トップレベルを目指す目標を掲げ、今後の具体的な施策強化の方向性をお示しいたしました。
来年度は、区市町村との連携を深め、プラ製容器包装などの分別回収をさらに促進するとともに、都民に身近な場所での廃食用油の回収を拡大いたします。加えて、新たに家庭からの生ごみを広域的にリサイクルする体制の構築に取り組んでまいります。
これらにより、持続可能な資源利用を実現してまいります。
〔建設局長花井徹夫君登壇〕
○建設局長(花井徹夫君) 旧江戸川におけるスーパー堤防の整備状況についてでございますが、都は、地震に対する安全性の向上と水辺環境の改善を図るため、沿川の開発等と一体的にスーパー堤防の整備を進めております。
令和六年度末までに東葛西九丁目地区など三地区の整備が完了いたしました。また、江戸川四丁目地区など二地区では、築堤工事を終え、現在、修景工事を実施しております。
引き続き、スーパー堤防の整備を推進し、安全で魅力ある水辺空間を創出してまいります。
〔総務局長佐藤智秀君登壇〕
○総務局長(佐藤智秀君) 水上ルートの運用についてのご質問にお答えをいたします。
東京都地域防災計画においては、道路閉塞など陸路による輸送等が困難な状況を見据え、水上ルートの活用も含めた緊急輸送ルートの確保を具体化することとしております。
このため、都は、災害対応の実効性を高めた防災船を建造し、発災時の迅速な航路確保や水上輸送に活用していくこととしております。また、防災船着場の利用等についての手順や役割分担等を定めたマニュアルを作成し、物資、人員輸送訓練や情報伝達訓練などを定期的に実施しております。
今後とも、水上ルートの活用の実効性を一層向上させてまいります。
○議長(増子博樹君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後五時二分休憩
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