○議長(増子博樹君) 十六番村松としたか君。
〔十六番村松としたか君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕
○十六番(村松としたか君) 初めに、多摩都市モノレールの町田方面延伸について質問をします。
多摩都市モノレールは、四百万人もの人口を抱える多摩地域の発展に大きな役割を果たしています。昨年十一月、多摩都市モノレール箱根ケ崎方面への延伸が国土交通省から事業認可を受けました。もう一方の多摩センターから町田方面への延伸も、多摩地域の住民の利便性が飛躍的に向上するとともに、団地再生など、新たな活力を生み出す極めて重要な路線です。
これまで都議会公明党は、幾度となく早期実現を求めて本会議などで取り上げてきました。また、町田商工会議所は、三万五千名を超える署名とともに、町田方面延伸の早期実現を求める請願を都議会に提出するなど、地元住民にとって長年の悲願であります。
二〇二一年に検討の基本となるルートが選定され、現在、都において、延伸の事業性検証や、導入空間となる道路の検討が進められておりますが、いまだルート決定には至っておりません。
こうした中、地元の経済諸団体などからは、物価高騰などによる事業費の変化や速達性の観点、開通までの期間も踏まえ、改めてルートの比較検討を望む声も上がっています。
直ちにルートを決定し、事業化に取り組むべきと考えます。現在の検討状況と今後の取組について、知事の見解を求めます。
次に、中小企業の賃上げ支援について質問をします。
物価高騰の長期化や人手不足により、都民生活や企業経営に深刻な影響を及ぼしています。多くの中小企業は、人手不足を補うため設備投資を行いたいものの、資金不足などにより踏み出せない状況にあります。
都議会公明党は、中小企業を支える物価高に負けない賃上げを実現する思い切った財政支援の必要性を訴え、賃上げを軸とする経済の好循環を東京からつくり上げ、全国を牽引していかなければならないと主張をいたしました。
都は、こうした提案を受け、中小企業が設備投資を通じて生産性を高めることで原資を生み出し、従業員の賃上げにつながる取組への支援を行っています。一方で、補助金の申請に不慣れな事業者からは、申請にハードルの高さを感じているなどの声が寄せられています。
そこで、都は、設備投資のさらなる後押しを行い、多くの中小企業が持続して賃上げできるよう支援を拡充するとともに、申請手続においては、さらに寄り添うべきと考えます。都の見解を求めます。
次に、環境施策について伺います。
地球は、子孫からの借りているもの、これはアメリカの先住民の言葉といわれています。この言葉を胸に刻みながら、持続可能な社会を目指し、これまで市議会議員として活動をしてきました。今回は、気候変動対策、リサイクルなどの視点で四点質問をします。
一点目は、Airソーラーについてです。
気候変動の影響が深刻さを増す中、脱炭素化とレジリエンス強化を同時に進めることが重要です。Airソーラーは、薄く、軽く、曲がる特徴を持ち、建物の壁や窓など、従来、太陽光パネルでは設置困難な場所にも設置できることから、再生可能エネルギーの拡大のみならず、災害時の自立型電源としての活用も期待できます。
都はこれまで、都有施設を活用した実証事業により、早期実用化に向けた取組を進めていますが、昨年度、Airソーラーの普及に向けたロードマップを策定し、二〇三五年に都内に約一ギガワット導入する目標を立てました。
この目標を達成するためには、量産化のさらなる支援など、Airソーラーの普及拡大を強力に推進をしていくべきです。都の見解を求めます。
二点目は、太陽光パネルのリサイクルについてです。
太陽光パネルの廃棄物は、二〇三〇年代半ばから増加をし、年間最大約五十万トン程度まで達する見込みです。
国は先月、パネルのリサイクルを促進する法制度案を公表しました。都は、国に先駆け、住宅用パネルのリサイクル費用に一キロワット当たり二万五千円を補助するなどの取組を進めています。
先日、都議会公明党は、太陽光パネルを八〇%以上再資源化できるリサイクル施設を視察しました。分離した板ガラスからガラスへの水平リサイクルも開始しており、今後、CO2削減にも大いに寄与します。
しかしながら、都民の中には、パネルを廃棄する際、リサイクルを意識せず、事業者に処理を依頼するケースもあります。
そこで、今後、パネルが確実にリサイクルされるよう、都民に向けた啓発を含め、高度循環利用に向けた取組を一層強化すべきです。都の見解を求めます。
三点目は、建設資材のリサイクルについてです。
コンクリートがらをリサイクルした再生骨材などが都内で供給過多となっており、行き場不足の状態が続いています。私も現場を視察しましたが、これまで都議会公明党は、官民の利用拡大、都有地を活用した置場の確保など、対策を求めてきました。
都は、TOKYO強靱化プロジェクトを定め、様々な取組を推進していますが、これに加え、環境負荷の少ない再生材などの建設資材を積極的に活用し、インフラ整備等を進めていくことが重要です。
そこで、コンクリートがらからリサイクルした再生砕石や再生骨材など、再生材の利用拡大を特に公共工事において進めていくべきと考えます。都の見解を求めます。
四点目は、リチウムイオン電池発火対策についてです。
リチウムイオン電池を原因とする収集運搬車両や処理施設の火災事故は、後を絶ちません。私の地元町田市の廃棄物処理施設では、リチウムイオン電池を原因とする大規模な火災事故が三度発生し、合計一年三か月稼働することができず、施設復旧と安全対策工事で十四・二億円の費用を要しました。
このような状況を受け、都議会公明党は、廃棄物処理施設で混入する電池の選別工程を視察した上で、処理時の安全確保への支援を行うよう要望してきました。
今後は、電池の分別徹底や、回収、処理時の安全対策を強化しながら、電池に含まれる資源の再資源化を具体的に進めることが重要です。都の見解を求めます。
次に、東京港における藻場創出、ブルーカーボンの取組について質問します。
アマモやワカメなどの海藻による藻場がCO2の吸収や多様な生物の生息に寄与するほか、子供たちの環境学習の場としても意義があります。
都議会公明党はこれまで、都民や企業が幅広く参加する方法により、積極的に藻場の創出活動に取り組むべきと訴えてきました。
これを受け、都は、東京港藻場創出の活動方針を策定し、昨年十二月には、お台場海浜公園で海辺の専門家を招いた環境学習や、アマモの種をシートに付着させる体験などを実施しました。子供たちをはじめ、多くの参加があり、NHKや民放にも取り上げられるなど、都民の環境への理解促進に非常に有意義であると高く評価をされています。
東京港を豊かな海へとつなげていく藻場創出活動に、より多くの都民が参加できるよう、来年度以降も取組を拡大していくべきと考えます。都の見解を求めます。
次に、福祉施策について二点質問をします。
一点目は、身寄りのない高齢者への支援についてです。
市議会議員時代、一人暮らしの高齢者から終活の不安の声を伺い、安心して人生の最期を迎えられるよう、身近な地域で相談できる体制を市に求めてきました。
今後、身寄りのない高齢者の大幅な増加が見込まれる中、日常生活支援、医療機関や福祉施設に入る際の手続、死後事務の支援など、対応が急務です。高齢者等の終身サポートを行う民間事業者もありますが、一定の費用がかかるため、資力がある人しか利用できない状況であります。
身寄りのない高齢者などが将来生じる諸問題について、身近な地域で安心して相談できる体制を早急に整備すべきと考えます。都の見解を求めます。
二点目は、民生児童委員への活動支援についてです。
地域福祉の担い手として重要な役割を持つ民生児童委員は、企業の定年延長や地域コミュニティの希薄化などを背景に、担い手不足が顕在化しています。
都議会公明党はこれまで、年齢要件の緩和を求め、令和七年十二月の一斉改選から、新任、再任者ともに二歳引き上げられました。
私の地元町田市では、深刻な担い手不足に対応するため、委員の定数を約二割削減するとともに、高齢者の見守り訪問の対象を七十五歳以上の単身世帯かつ介護保険サービス未利用の方に絞り、これまでの六割程度にするなどの工夫をして、制度維持に努めております。
現在、民生児童委員に寄せられる相談内容は、専門的な知見を要するものも含め多岐にわたっています。委員からは、過度な負担で継続ができないとの声が寄せられており、委員を支える仕組みが必要です。また、担い手不足も顕在化しており、対策が求められています。併せて都の見解を求めます。
最後に、町会、自治会支援の活用促進について質問をします。
町会、自治会の活動は、地域の暮らしを支える重要なものであり、災害時には共助の核となります。その取組を後押ししているのが、地域の底力発展事業助成でございます。地域を回る中で、防災イベントなどに活用している町会、自治会が多くあります。
一方で、町会、自治会は、担い手不足や高齢化などの課題を抱えており、地域の底力発展事業助成などの都の補助事業もどう使っていいのか分からないという声も聞かれます。
そこで、町会、自治会がこうした支援制度を活用し、地域における役割をしっかりと果たせるよう支援していくべきと考えます。都の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 村松としたか議員の一般質問にお答えいたします。
多摩都市モノレール町田延伸についてでございます。
多摩地域は、四百万人もの人口を擁し、良好な住環境や多くの大学等が集積するなど、その発展は活力ある東京の実現に欠かせません。
多摩都市モノレールの町田方面への延伸は、開業区間と一体となりまして南北方向の拠点を結び、多摩地域の活力や魅力をさらに向上させるものでございます。
一方、事業の収支採算性等の確保に加えまして、地元市によるまちづくりの深度化や、道路など導入空間の確保が課題となっております。
今年度は、地元市がまちづくり構想の具体化に取り組むとともに、都は、複数のルート案に対しまして、地形などを考慮したモノレールの線形や、トンネル区間等の検討を踏まえまして、事業費の精査を行っております。
引き続き、関係機関との協議、調整を牽引し、課題解決の深度化を図りながら、本路線の具体化に向けまして積極的に取り組んでまいります。
なお、その他の質問につきましては、都技監及び関係局長が答弁をいたします。
〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕
○東京都技監(谷崎馨一君) 建設資材のリサイクルについてでございます。
東京を強靱で持続可能な都市としていくためには、コンクリート塊からの再生材である再生砕石等、環境への負荷の少ない建設資材等を使用していくことが重要でございます。
都は、令和六年度に完了いたしました都発注工事における再生材の使用実績を今年度末に公表いたします。
また、民間事業者に対しまして、大規模開発等の事前協議を通じて使用を促すリーフレットの配布や研修動画を周知し、事業者への働きかけを強化いたします。
あわせて、公共工事におきましても、庁内の建設副産物対策協議会や区市町村への再生材の使用を周知徹底し、利用拡大に取り組んでまいります。
〔産業労働局長田中慎一登壇〕
○産業労働局長(田中慎一君) 中小企業の賃上げへの支援についてのご質問にお答えいたします。
中小企業が最先端の設備導入により生産性の向上や高付加価値化を図り、収益を確保することで従業員の賃上げにつなげる取組は重要でございます。
このため、都は、企業の発展に必要な設備の導入を支援する事業におきまして、賃上げを促進するコースを開始いたしました。来年度は、支援規模を百件増やし三百五十件とし、予算を約四十七億円増額いたします。また、小規模事業者がさらに生産効率を高められますよう、助成限度額を引き上げます。
あわせて、本事業への円滑な申請に向けた相談会を新たに実施いたしまして、中小企業の利用拡大を図ってまいります。
〔環境局長須藤栄君登壇〕
○環境局長(須藤栄君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、次世代型太陽電池についてでございますが、Airソーラーは、再エネ導入拡大やレジリエンス確保に資するため、早期の普及拡大に向け、量産化を後押しすることが重要でございます。
都はこれまで、東京体育館の敷地内でAirソーラーを搭載した庭園灯の耐久性等を検証するなど、早期実用化を支援してまいりました。今後は、庭園灯を都庁舎やお台場海浜公園等に導入するなど、取組を進めてまいります。
また、避難施設への導入支援に加え、民間施設への設置を促進するなど、多様な場所への導入を進めることで需要を喚起し、量産化を後押しいたします。
これらにより、導入目標の達成に向け、実装を加速するとともに、レジリエンスを高めてまいります。
次に、太陽光パネルのリサイクルについてでございますが、将来の本格廃棄に備え高度循環利用を実現するには、リサイクル体制の拡充を図るとともに、都民や事業者の理解と実践を促すことが重要でございます。
都はこれまで、パネルを高度に再資源化できる施設を十か所指定し、住宅用パネルの処理費用を補助するなど、国に先駆けた取組を進めてまいりました。今後は、指定施設のさらなる増加を図るため、追加公募を実施いたします。
加えて、補助制度の利用を促進するためPR動画を作成し、多様な媒体を通じて発信するとともに、業界団体と連携し、周知を強化いたします。
これらにより、リサイクルを一層推進してまいります。
最後に、リチウムイオン電池対策についてでございますが、施設火災の防止と電池に含まれる資源の再利用とを同時に実現するには、電池の回収や処理を担う区市町村などと連携した取組が重要でございます。
都はこれまで、各自治体で回収した電池を一括収集し、資源化することで循環利用を促進してまいりました。
来年度は、処理施設において、混入した電池や火災を検知する機器などの導入を支援し、安全で効率的な回収と処理の体制を確保してまいります。
また、事業者の回収が義務化される製品の周知を図りながら、区市町村の回収の後押しや自治体イベントとの連携、都庁舎での回収などにより、安全に回収し、再資源化するムーブメントを醸成いたします。
〔港湾局長田中彰君登壇〕
○港湾局長(田中彰君) 東京港における藻場創出の活動についてのご質問にお答えいたします。
藻場創出は、多様な生物の生息場づくりや環境学習など、複合的価値のある取組でございまして、東京港で藻場創出の活動を拡大することは重要でございます。
お台場海浜公園におきまして、昨年十二月に実施いたしました次世代を担う子供たちやパートナー企業などが参加したアマモの種まき会では、活動を通じて藻場が果たす役割への理解が深まったなどの声を多くいただきました。
来年度は、継続的に都民参加のイベントを実施いたしますとともに、近隣の公園でも新たにワカメの種つけに着手するなど、場所を拡大いたします。
今後も都民参加による活動を広げ、多くの人が東京港の水辺に親しめる環境を創出してまいります。
〔福祉局長高崎秀之君登壇〕
○福祉局長(高崎秀之君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、単身高齢者への支援についてでございますが、都はこれまでも、高齢者が元気なうちに、自分の意思を反映しながら死後の対応などについて助言が受けられる総合相談窓口の設置などを行う区市町村を独自に支援してまいりました。
来年度からは、身近な地域における単身高齢者への支援の取組を加速するため、区市町村への補助額及び補助率を拡充するほか、新たに相談体制の整備に取り組む区市町村に対しまして、専門家の助言などにより円滑に準備が進められるよう支援いたします。
こうした取組によりまして、地域の実情に応じた支援体制の整備を進めてまいります。
次に、民生児童委員についてでございますが、地域課題の複雑化、複合化などに伴い、専門的な対応が必要な事例が増えておりまして、委員への適切なサポートが重要でございます。
このため、都は来年度、委員が弁護士や医師などの専門家による助言を得られるよう、相談体制整備に取り組む区市町村を支援するほか、自己研さんなどに必要な活動費を月額一万円から三万円に増額いたします。
また、働きながら活動する方が増えており、委員活動との両立を後押しするため、委員を雇用する企業に協力金を支給し、社内への制度周知など、活動しやすい環境整備を進めてまいります。
これらの取組により、活動支援を抜本的に充実しまして、担い手の確保につなげてまいります。
〔生活文化局長古屋留美君登壇〕
○生活文化局長(古屋留美君) 町会、自治会支援制度の活用促進についてお答えいたします。
防災、防犯、高齢者の見守りなど、町会、自治会による地域の課題解決が進むよう、都の支援制度の活用につなげていくことは重要でございます。
そのため、来年度、地域活動に対する助成の申請実績がない町会等に対しまして事例を紹介し、直接相談を受ける説明会の開催を区部、多摩地域で増やして、新たな活用が図られるよう取組を行ってまいります。
また、区市町村と連携して、防災やデジタル活用などの専門人材を派遣しまして、町会等の困り事などに対して伴走支援を行い、住民の安心とつながりを支えるなど、地域力の向上を図ってまいります。
○副議長(菅野弘一君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後二時五十七分休憩
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