令和八年東京都議会会議録第四号〔速報版〕

○副議長(菅野弘一君) 三十四番田中とも子さん。
〔三十四番田中とも子君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○三十四番(田中とも子君) コロナ禍を機に、私の地元調布市内、狛江市内でもバス路線の減便が続いています。
 狛江市内では、二〇二三年に突然、狛江ハイタウン折返場からつつじヶ丘駅までの路線で、京王バスは平日、土日含め三十一便から一便とほぼ廃止に、小田急バスは二十八便から十二便となり、十一時から十五時まで空白になったほか、最終バスは十九時二分になり、二時間も早まりました。
 調布市内では、小田急バスが運行している調布コミュニティバスの東路線が平日三十五便から十八便に半減してしまいました。市民からは、午前中に病院や買物に出かけたら帰るバスがない、子供の塾や習い事も通えなくなったなど、高齢者や子供などバスに頼らざるを得ない人たちからの悲痛な声が上がっています。
 私はこの間、民間バス事業者の皆さんと懇談をしてきました。運転手不足のために収益が見込まれる路線を重視せざるを得ない、賃金が低いことや処遇の問題が運転手不足の理由の一つ、せっかく入った運転手も賃金が高い都バスに転職する人が後を絶たないと嘆いていました。民間のバス路線維持のためには、どうしても都の支援が必要だということを改めて実感しました。
 都内各地でバス路線の縮小、廃止など地域公共交通の危機が深刻になっています。新年度予算案で、エッセンシャルワーカーであり、都民生活の根幹を支えるために不可欠な役割を果たしているバス運転手の定着支援や人材確保、育成支援などを打ち出したことは重要です。今回の総合的対策をどういう理由、狙いで決断したのですか。
 路線バスの削減が深刻な中で、地域の交通不便地域をなくすためのコミュニティバスの充実が求められています。都は、新年度予算案に、区市町村の主体的な取組や地域課題の解決に資する取組に対する財政的支援の強化を盛り込みました。区市町村が取り組むコミュニティバスへの支援については拡充されるのですか。
 問題は、都の運行補助が運行開始から三年限りということです。
 コミュニティバスの運行を継続するために、区市町村では赤字補填をしています。調布市では、今年度、三路線のうち一路線のみの二千万円の補助でしたが、来年度は三路線全部で約九千万円の補助を予定しています。三年限りの年限を撤廃するか、延長すべきです。いかがですか。
 先日の新聞の投稿欄に、中学生になってバスを使うことが増えたが、びっくりしたのは運賃が高いこと、中高生運賃枠を設けてという調布市の中学生からの投稿がありました。交通費が負担で、自転車で通える高校しか受験できないという中学生もいます。
 子供の体験格差をなくすためにも、都営交通が率先してバスも鉄道も小児運賃の対象年齢を拡大し、六歳から十八歳まで運賃半額の子供運賃にすることを提案しますが、いかがですか。
 日本共産党都議団は今定例会に、都営交通十八歳まで子供運賃条例を提案します。各会派の皆さんにご賛同を呼びかけます。
 次に、児童相談所の充実について伺います。
 調布市内には三つの児童養護施設があります。入所児童のほとんどが、何らかの虐待を受けている子供たちです。しかも、低学力や発達障害、ひきこもりや無気力、虐待を受けたことによる愛着障害の子供など、非常に複雑化しています。
 児童相談所の虐待対応は、昨年度、東京都で約一万八千件です。児童虐待が増加傾向にあり、複雑化し、困難ケースも増えています。この実態について知事の認識を伺います。
 児童養護施設調布学園の施設長は、地域には食事が取れていない子供も多く、心理的に追い込まれている子供たちも増えている、虐待の初期対応や再発防止にも取り組んでいて、やればやるほど児童相談所との連携が大事になってくる、近くに児童相談所があれば迅速に対応ができると話しています。
 児童相談所の果たす役割の重要性、児童相談所が身近にあり、迅速に、きめ細やかな対応ができるようにすることの重要性をどう認識していますか。
 二十三区には、現在、東京都と特別区の児童相談所が十七か所あります。しかも、児童相談所が建っていない区も、都の児童相談所と区の子供家庭支援センターが連携するサテライトオフィスが五つの区に設置されていて、ほとんどの区に児童相談所かサテライトオフィスがあります。
 それに対し多摩地域の三十市町村では、まだ五年以上かかる予定の増設計画が終わっても、都の児童相談所が七か所だけです。児相サテライトオフィスは今のところ一か所もありません。明確な多摩格差が生じているのではありませんか。
 調布市議会は二〇二二年、都に対し、調布市への児童相談所の設置の検討を求める意見書を全会一致で採択しました。市内三つの児童養護施設の施設長も、市に対し、児童相談所のサテライトオフィス設置の早期実現に向けた要望書を提出しています。
 こうした中、調布市は、都の児童相談所と市の子供家庭支援センターが連携する児相サテライトオフィスの設置に向け、検討を続けています。
 都は、サテライトオフィス設置の意義をどう考えていますか。調布市と連携し、速やかに設置するべきと思いますが、いかがですか。
 そして、調布市議会の意見を踏まえ、調布市内に児童相談所を設置することを強く求め、次の質問に移ります。
 都は、今年の四月から、多摩地域の流域下水道維持管理負担金を一立方メートル当たり、現行の約三十八円から五十四円へと約四割の値上げを提案しています。調布市では三七・四%、府中市では一九・六%の値上げなど、既に十二月議会で料金改定が提案され可決しました。
 下水道だけでなく、国民健康保険税や後期高齢者医療保険料の値上げも検討されている中で、市民からは、物価高の中、これ以上の負担増は限界との声が上がっています。
 私たちは、ある市の市長から直接お話を伺いました。維持管理負担金の値上げを受け、使用料の見直しを検討するが、当面の赤字は利益剰余金でしのいでいくとのことで、物価高騰の中での市民生活を考え、ぎりぎりの対応を取り、負担を最小限にしようと努力しています。
 三多摩地域の市町村及び議会は都に対して、流域下水道維持管理負担金の軽減や単価の維持を求めています。また、市民から都の一部負担を求める要望が出されています。この声に応えるべきです。答弁を求めます。
 最後に、外環道工事について伺います。
 私の地元、調布市東つつじケ丘二丁目の外環工事の真上で起きた陥没事故から昨年の十月で五年となりました。今は至るところが工事用のテントで覆われ、重機が入り、まちの様子が一変してしまいました。静かな住宅地だった地域が、今では住み続けることができなくなり、引っ越された方は、家は資産価値を失った、不安な生活で夫婦げんかも増え、この年になって引っ越すとは考えもしなかったと話しています。培ってきたコミュニティも破壊されてしまいました。全て外環工事の影響です。
 公共工事の名の下に、住み続けられない地域をつくってしまった責任は重大です。
 陥没事故により、まちが壊され、培ったコミュニティも、そこで暮らしてきた人の生活も破壊し、閑静な住宅地が、今では丸ごと工事現場となり、住み続けられないまちへと変えられてしまったことを、知事はどう受け止めていますか。その深刻な現状は、現地を見て体感しなければ実感できるものではありません。知事は一度でも現地に足を運んだことがあるのですか。
 外環道の計画ルートの真上の住民らが、国土交通省とNEXCO東日本、中日本を相手に大深度地下使用許可の無効を求めて訴えた訴訟は、東京地裁が一部区間の工事差止め仮処分を決定しました。仮処分決定を解除しなければ事業は進みません。
 陥没地域の地盤補修工事はいまだに六割の進捗で、完成がさらに二年延長されました。青梅街道インターチェンジ予定地や中央ジャンクション予定地付近の住民に、一時避難を伴うような騒音、振動、低周波音の深刻な健康被害を与えています。
 その上、大泉本線工事の南側のシールドマシン、グリルドは、大ギアの一部に変状が確認され、止まっています。現在四本のシールドマシンで動いているのは僅かに一本のみです。
 同じ大深度地下のリニア新幹線工事でも、品川区で道路が隆起し、町田市では地下水が噴出しました。トラブルが多発し、完成の見通しのない外環道工事は速やかに中止すべきだと厳しく指摘し、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 田中とも子議員の一般質問にお答えいたします。
 児童虐待への対応についてのお尋ねがございました。
 深刻化する児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、都はこれまで、児童福祉司や児童心理司を増員するとともに、一時保護所の拡充など、児童相談所の体制強化に取り組んでまいりました。
 児童虐待は決して許されない行為であり、引き続き、子供の安全・安心をしっかりと守ってまいります。
 その他の質問につきましては、都技監及び関係局長が答弁いたします。
〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕

○東京都技監(谷崎馨一君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、バス運転士の確保についてでございます。
 バス交通を持続可能なものにしていくには、運転士の採用や定着に係る取組の充実など、総合的な取組が必要でございます。
 都は、運転士への居住支援等に取り組む民間バス事業者を後押しするなど、引き続き、運転士の確保に取り組んでまいります。
 次に、コミュニティバスへの支援についてでございます。
 都は、来年度予算において、物価高騰等に伴う補助限度額を引き上げるとともに、再編の取組に対する支援を行っていくこととしております。
 最後に、コミュニティバスへの支援の延長についてでございます。
 都は、ルートの見直しなど、再編を進める区域内の路線に対する運行経費の支援期間を二年から五年に延長いたします。
〔交通局長堀越弥栄子君登壇〕

○交通局長(堀越弥栄子君) 都営交通の運賃についてでございますが、運賃は交通事業における基幹的な収入であり、経営状況や事業を取り巻く環境などを踏まえ設定しております。
〔福祉局長高崎秀之君登壇〕

○福祉局長(高崎秀之君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、児童相談体制についてでございますが、児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、専門的対応能力を持つ都と、地域で寄り添う支援を強みとする区市町村が緊密に連携しまして、きめ細かな児童相談体制を構築しております。
 次に、多摩地域の児童相談所についてでございますが、都は、深刻化する児童虐待に対応するため、管轄人口のほか、交通の利便性、市町村との連携などを考慮しまして、多摩地域の児童相談体制を再編、強化することとしております。
 最後に、区市町村と連携した児童相談体制についてでございますが、専門的対応能力を持つ都と、地域で寄り添う支援を強みとする区市町村が緊密に連携するため、都は、児童相談所の新設やサテライトオフィスの設置など、区市町村の実情に即したきめ細かな児童相談体制を構築しております。
〔下水道局長藤橋知一君登壇〕

○下水道局長(藤橋知一君) 流域下水道の維持管理負担金についてでございますが、維持管理経費は、受益者である市町村からの負担金で賄っておりますが、労務費や電気料金等の上昇により流域下水道の収支が赤字で推移し、資金不足が生じております。こうした状況から、将来にわたり安定した事業運営を確保するため、負担金単価を改定することといたしました。
 改定に当たりましては、市町村に丁寧に説明を行い、下水道法に基づく意見照会で全ての市町村から同意を得ております。
〔建設局長花井徹夫君登壇〕

○建設局長(花井徹夫君) 外環事業についてでございますが、外環は、国及び高速道路会社により事業が進められております。
 事業者は、陥没、空洞事故発生以降、緩んだ地盤を早急に元に戻すため、繰り返しオープンハウス及び意見交換を行った上で、買取り等にご協力いただいた場所から地盤補修工事を進めてきております。
 都は、引き続き事業者に対しまして、住民の不安払拭に向け、丁寧な説明やきめ細やかな対応を行うよう求めてまいります。